Tagawa Station~夏のOver Drive
今日で8月も終わりかよ~!早いな~。
それより、こりゃナンダ?…半袖じゃ寒いじゃねーか!
今日はMarshall Blogへは二回目の登場となる湯島のライブハウス「Fabulous Guitars(ファビュラス・ギターズ)」から。
「中古楽器屋だけどお昼からお酒が飲める × 誰でも気軽に演れる 夜でも楽器が買えるバー」ってヤツね。
別に中古楽器屋さんで昼間っから飲むことはないし、楽器は昼間買えばいいんだけど、そうはさせないところがマーケティングの妙。
中古CDも取り扱っている楽しいお店だ。
ほんの少し不忍池沿いに根津方面へ歩けば横山大観の住居跡があったり、三菱の創始者、岩崎弥太郎旧宅なんてのも近くにある。
根津まで行けば季節にはつつじが見事な根津神社、もう少し日暮里方面に歩を進めればネコ好きの聖地、人気の谷中に到達する。
広小路の仲町通りを中央通り側から入ってすぐの右側に昔「イトウ」というすごくいいジャズ喫茶があった。
いかにも正統派ジャズ喫茶といった雰囲気のお店は、細長いうなぎの寝床みたいな形をしていて、正面にALTECかなんかのドデカいスピーカーが置いてあった。
確か店内での私語は禁止だったような気がするが、伝統的なジャズ喫茶らしく、ストレートアヘッドなジャズしかかからず、当時猛烈なブームだったクロスオーバーやフュージョンの類のLPは「ジャズ十枚に一枚」といったように店内でかけることが制限されていたハズだ。
お店に入るとすぐ左側にレジがあって、おバアさんがいつもそこに座っていた。
今にして思うとあのおバアさんが経営者だったのかも知れないナァ。亡きダンナさんの後を継いだのだろう。
このおバアさん、とてもノリがよく、大きなスピーカーから流れてくる曲に合わせて四六時中頭を小刻みに揺らしていた。
「ずいぶんスウィングするおバアさんだナァ。めちゃくちゃジャズに詳しいんだろうな~」…とジャズを熱心に聴き始めて間もなかった私は、その様子を目にしていつもそう思っていた。
ところがある日気がついた。
おバアさんは、バド・パウエルの超速のピアノ・トリオの時も、マイルス・デイビスのミュート・トランペットがすすり泣くバラードの時もまったく同じ調子で頭を揺らしていたのだ。
ナンのこたぁない、林家彦六師匠と同じ状態だったんですね~。
「アジャラカモクレン、テケレッツのパー」ってか?
このFabulousさんの並びに以前からすごく気になっているお店がある。
喫茶店なんだろうけど、看板に「珈琲 酒 スパゲッティ」とある。
コーヒーとスパゲティはいいんだけど、「酒」?普通なら「ワイン」じゃない?
「越の寒梅」をチビチビやりながらタバスコをかけたカルボナーラでも頂こうってのかしらん?
合うのかな~。
今度家でやってみようかな?
ヒロアキくんは八王子のライブバー「X.Y.Z.→A」を拠点に『田川ナイト』というソロのライブ活動を展開していた。
聞いて驚いちゃったんだけど、8年もやってきたんだって!
ところが皆さんもご存知の通り、惜しまれつつ今年の5月に「X.Y.Z.→A」は閉店。
しかし、それで「田川ナイト」を終わらせてしまうのはあまりにもモッタイナイ!
何とかして続けナイト!どこか会場を探さナイト!…そこで内藤さんに相談してみた…誰だ、内藤さんって?
そこでまず白羽の矢を立てたのがこのFabulous Guitarsさんというワケ。
で、心機一転、『田川ナイト』を『Tagawa Station』という名前に変更して、過日ソロ・ライブが開催されたのだ。
ナゼ「駅」なのかは皆さんのご想像にお任せする…とのこと。
ヒロアキくんは旅が好きだからナァ。
オープニングは「Seascape」。
名前や場所が変わっても絶対に変わらないのはコレ。
Marshallね。
愛用のJVM210Hと1936。
足元のようす。
ヒロアキくんは純正のフットコントローラーを活用している。
エエイ!
本当のことを言おうか?
このJVM210Hはウチ、すなわちMarshallのモノなの。
私が貸して差し上げたということね。
で、ヒロアキくんはサオとエフェクターを少し、それに自分のJVMで実際に使っている写真のフットコントローラーを持参した。
そして、そのフットコントローラーをズブリ。
あとはそれぞれのレベルを調整すれば、私が貸し出したJVMは瞬時にしてヒロアキくんがいつも使っている自分のJVMに早代わり。
フットコントローラーがJVM本体のセッティングを記憶しているからこういうことができるのです。
続けて田川スタンダード「My Eternal Dream」。
アタマの3曲はブッ続け。
TAGAWAでよくオープニングに演奏している「Stranger Detroys Arm」もハードにキメた。
おなじみの曲を並べて「変わってないよ~!」というところをアッピールしようってんだな?
うまくいったんじゃない?
「祝、『Tagawa Station』の第1回目です。8年やってきた『田川ナイト』が終わってしまいました。
これからは、名前を変えて色々な場所でやっていきたいと思います」
ということで、記念すべき初回はココ。
「今回はお店にちなんで『ギター』、それから『夏』、『ドライブ』の3つをテーマにしました。車に乗って、音楽の旅をお届けします」
ドライブ好きだナァ~。
「それではファビュラス・ギターズへ出発!」…とPAスピーカーから流れ出たカーナビの声に導かれてショウが再開した。
アルバム『Over Drive』から「Driving Jam」。
続けて久しぶりに「カラムーチョZ」。
カラムーチョが今日のテーマのどれに関係しているのかがわからないんだけどね…。
カラムーチョを食べながらギターの練習をするのか、はたまたカラムーチョを持ってドライブに行くのか…。
ま、夏だから辛いモノでも食べて元気出そうってことにしておくか?
この後のMCでは、今日のテーマにバッチリ沿ってヒロアキくんのギター遍歴が語られた。
そして、「ギター」にまつわる曲を…とヒロアキくんが選んだのは「While my Guitar Gently Weeps」。
ジョージがお母さんの家でたまたま見つけた中国の「易経」からインスピレーションを得て作られたという曲。
「すべての事象は偶然ではなく、意味があって起こるもの」という東洋の思想にヤラれたとか。
本のページをランダムにめくったところで見つけた言葉をそのまま引用したのが「gently weeps」だそう。
クラプトンがソロを弾いているのは有名。
ジョージの曲ってこの後「I Me Mine」みたいに、「ディミニッシュの権化」になっていくじゃない?
ソロになってからの『All Things Must Pass』の最初の方の曲なんてディミニッシュ・コード抜きでは考えられないもんね…好きです。
ヒロアキくんも持ち前の美しいトーンでクラプトン張りの泣きのソロを聞かせてくれた。
第1部の最後は「夏」。
「よさこい」を披露した。
いつか「よさこい」を生のバンドで演奏するところを見てみたい。
生のバンドではなかったけど、あのボーイスカウトの時、スゴかったもん。
何回も言うけど、この2年前の「ボーイスカウト・ジャンボリー」は私の人生でもっとも暑い日だった。
日本にいる限り、あれほど暑い思いはもう死ぬまでないんじゃないかな?
言っておきますけど、「感動で胸が熱くなる」の「熱い」じゃないよ。
ひたすら気温と湿気が高かったのだ!
聞いたらアータ、ちょうどその日は山口県が日本で一番暑かったんだってよ!
あのキャンプしていた子たちどうしてるかな?
休憩を挟み、お召し替えをして再登場。
ココでまず10月にリリースするニュー・アルバムを紹介した。
ヒロアキくんはギタリストとしても忙しいが、実は作曲家としての活動が盛んで、ご当地ソング、イベントのテーマ・ソング、テレビ番組のジングル等々、ありとあらゆる作曲仕事で忙しい日々を送っている。
そうした仕事がほったらかしになっているのもモッタイない!ということで、その手の作品をコンパイルしたアルバムを制作することにしたのだ。
それがこの『THEME PARK(テーマ・パーク)』というアルバム。
昨日、ジャケットが解禁になった。
どうよ、いいジャケットでしょう~?
デザインは『Ave Maria』や7年前のMarshallのカタログの表紙、あるいはGRANRODEOのコンサート・プログラムなどを手がけた梅村デザイン研究所の梅村昇史。
Zappa研究家の梅村さんも「歩く音楽辞典」みたいな人だからね。
ありとあらゆるタイプのレコード・ジャケットを研究しつくしていらっしゃる。
ちなみに岡井大二さんのお父様が教鞭をとられていた大学でデザインを勉強されている。
写真は私。
アノね、今回はお見せできないんだけど、このスリーブやインレイ・カードのデザインがまたアホみたいにステキなのよ。
もちろん音の方も最高。
ヒロアキ・ミュージックの魅力がテンコ盛りだ。
発売予定は10月2日。
Marshall Blogではこのアルバムの「メイキング」記事を編む予定。
そちらもお楽しみに!
以上。
私が告知してやった!
さて、Tagawa Stationの第2部。
例のカーナビに導かれて「Miraculous Star~big band version」。
山口県のテレビ局の天気予報に採用された曲。
ヒロアキくんはスゴイよ。
毎回企画を考えて、仕込んできて、完璧に演じて…このカーナビもそう。
この日のためだけに音声を作ってきてるんだよね。
お客さんを楽しませよう…という一念で取り組んでいるんだろうけど、なかなかできるこっちゃない。
毎回だからね。
イヤ、チョコっとはできてもそう続けられるもんじゃありませんよ。
そういえば、今回のヒロアキくん、珍しくカンペを使っていたな…。
カンペと言っても点字のカンペだから我々にはわからないヤツ。
かつて「点字は得意じゃない」と言っていたけどスラスラ!
イヤ、スラスラ読んでいるかどうかは不明なんだけど、とにかく読んでる。
スゲエ。
ヒロアキくんの記憶力は本当に大容量のコンピューター級だけど、忙しすぎる時には頭に情報が入りきらないこともあるのだろう。
そこで今回は万全を期して、告知については堂々とカンペを使ってお客さんに公演の情報を伝えた。
ウロ覚えの状態でお客さんに誤った情報をお送りしては失礼だからね。
LOUDNESSのコンサートで二井原さんも同じことをされる。
もちろん点字のカンペじゃないよ。
堂々とカンペで確認して、正確な情報をお客さんに伝えている。
カッコ悪いなんてことはゼンゼンない。
「お客様ファースト」こそがプロの仕事だ。
ヒロアキくんは実にショーマンシップに長けていて、絶対に演奏時間をオーバーすることがない。
「それがプロフェッショナル」だという認識に基づいているのだろう。
もちろん、完璧に演奏できないような生煮えの曲は取り上げないし、確実にアタマに入っていないがために、お客さんに助けてもらうような告知などは絶対しない。
よく見かけるでしょ?「アレ、いつだっけナァ~」なんてやっていると、お客さんが「〇〇日!」と助け船を出す場面。
見苦しい…。
ひとりでも多くの人に観に来てもらいたいんでしょう?
だったらそれぐらいの情報はキチッと頭に入れておいてお客さんに案内したら?「〇〇日に来てください!」って。
一流の人はこういうところを絶対にいい加減にやらないよ。
だってお客さんはお金を出して、時間を割いて、ワザワザ足を向けてくれるんだからサ。
もっと見苦しいのは、いい若いバンドがナニを勘違いしているのか、酒を片手にステージに上がることだ。
緊張をほぐすためにチョットだけアルコールを摂って…なんてことなら楽屋でやっていらっしゃい。
エンターティナーが人前で酒を飲むところなんて見せるもんじゃない。
ディーン・マーチンなら話は別だが…。
酒飲んで、好きなことをして、「楽しい、楽しい」って…そんな仕事が世の中にあるワケないでしょ。
酒を飲んでお金がもらえるのはホストぐらいのものだ。
しかし、アレだって相当にキツイらしい。酒に強かろうが、弱かろうが例外なく肝臓を傷めてしまうと聞く。
人様からお金を頂戴するというのは何でも大変だ。
ステージ・マナーが悪いのは「ロック魂」でもなんでもないし、今の時代はそんなのただただ見苦しいだけだよ。
ロックはもう完全に市民権を得て、普遍性の高いエンタテインメントのひとつになってしまったのだから。
でもね、悪いのはそうした音楽をナメているとしか思えないようなバンドだけではなく、それを容認しているお客さんもよくないと思うよ。
日本は芸に対するお客さんの接し方が恐ろしく甘いというか、ゆるいというか、エンタテインメントに関して無知というか…。
それもこれも日本は(あるいは東京は)演奏をする場の数が絶対的に多すぎるんだよね。
アレ、何だってオレこんなに怒ってるんだ?
40年以上ロックのライブを見て来て、最近気が付いたことを記しておきたかった。
それで、ヒロアキくんは常に上演時間を気にして演奏しているワケ。
ところが会場の壁にかかっている時計を見て時間を知るなんてことはできない。
どうするかというと、腕時計でしょっちゅう時刻をチェックしてるんだな。
ヒロアキくんの腕時計はガラスがパカッと開くようになっていて、文字盤の針の位置を指先で確認することができるようになっている。
そして、ショウの間、何度も両手を後ろに持って行く。それが時刻をチェックしている時なんだけど、その素早さたるや尋常ではない。
ホントに1秒もかからずしてその作業をやっちゃうんですよ。
だからこの点字も実は何でもないはず。
かつて一度だけヒロアキくんから点字を教わったことがあって、それは缶ビールの上面にポチポチと打たれているヤツ。
アレは「お酒」って書いてあるんだって。
で、次が圧巻だった。
J-POPの曲をギターで弾いたらどうなるか…という大メドレー。
演奏したのは…まずは三代目J Soul Brothersの「R.Y.U.S.E.I. 夏」…知らなくてゴメンね。
そして、SEKAI NO OWARIの「Dragon Night」…わからなくて失礼。
Perfumeの「Pick Ne Up」…聴いたことないの。でもMarilyn Mansonの前に観たPerfumeのライブはメッチャカッコよかったゼ!
「夢の浮世に咲いてみな」はももいろクローバーZ vs. KISS…初めて聴いた。でも中三の時に武道館で観たKISSには感動したゼ!
「夏祭り」…お!コレは知ってるよ!イカ天の頃でしょ?
「暑中お見舞い申し上げます」…キャンディーズはさすがに大丈夫だ。そういえば「暑中見舞い」って今年見なかったな。
そして最後は「栄冠は君に輝く」…高校野球ね。セガレが高校の時にアメフトの試合を応援しに今年優勝した花咲徳栄って学校に行ったことがあるよ。
イヤ~、「夏」で固めたね~!壮観じゃないの!
前半ゼンゼン曲がわからなくてゴメンちゃい…というよりヒロアキくんはどうやってその辺の曲を知ったのよ?!
カーナビがファビュラス・ギターズに到着したことを伝える…アラっ?今着いたのかっ?
「曲を作る時には色々なことを考えます。何を伝えるか…。どんな曲にするか…。人と人との関わりや人の存在。生命や生き方など、さまざまなことを考えます。
一瞬一瞬が貴重であり、一日一日を悔いのないように生きて生きたい。
そういうことを考えてこの曲を作りました」
バラード、「たんぽぽと風」。
この曲はヒロアキくんが大変お世話になっている某企業の社歌になっている。
そして、最後はエキサイティングにおなじみの「君を乗せて」を持ってきた。
メロディアスなギター・ソロもバッチリとキマった!
しかし、いい音だな~。
やっぱりMarshall…真空管のアンプは素晴らしい。
今、ヒロアキくんのギターの音色がある大御所ドラマーの耳に留まっていてね。
共演してくれたらうれしいな~。
アンコールは久しぶりの「Space Walker」。
いいな~!
私が勝手ながら「校歌ロック」と呼ばせていただいているヒロアキ・ミュージックの集大成だ。
でも時間の加減でショート・カット・バージョンね。
この「校歌ロック」の路線をドンドン押し進めていくといいと思う。
だって他に誰もやってないんだもん。新鮮だよ。
次回のTagawa Stationは今週末。
9月3日の高田馬場音楽室DXだよ。
2回目のTagawa Station、JVMのコンボを使う予定。
お見逃しなく!
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano