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2017年9月

2017年9月30日 (土)

【号外】 CROSSWIND 『LIVE II』出来!

  
今年5月に故小川銀次さんが率いたCORSSWINDの未発表ライブ音源の制作に関するクラウドファンディングの案内をした。
ただただ「クラウドファンディングやりま~す!」なんていう記事はMarshall Blogらしくないので、そのライブ音源を収録した会場、すなわち有楽町にあった「Lo-Dプラザ」の個人的な思い出を詰め込ませて頂いた。
その記事がコレ⇒CROSSWINDの未発表ライブ音源とLo-Dプラザの思い出
  
そして、そのファンディングは見事に目標を達成し、この度、そのライブアルバムが出来した。
タイトルは『LIVE II』。
ん~、シンプル~。
CROSSWINDは、同じLo-Dプラザでの演奏を収録した『LIVE』というアルバムを過去に発表しているので、音源としては直系の「続編」というワケだ。
しかし、内容はそのタイトルとは正反対で、CROSSWINDらしいたくさんの複雑な仕掛け含んだ、入り組んだ超絶な演奏が77分にもわたって収録されている。
録音はアナログ。
いいね…やっぱりあたたかい。
  
それにしても銀次さんのギターが素晴らしい。
音といい、フレーズといい、これほど「一聴して誰」とわかるギタリストもそう多くはあるまい。特に日本ではそうだ。
既成のフレーズにとらわれずに、さりとて、やたらと奇をてらうことなく、自分だけの歌を歌い上げている。
銀次さんと音楽の話をしていて、「ジョン・コルトレーン」の名前が出たことが幾度かあったが、確かに『Live at Village Vanguard』あたりのコルトレーンを標榜していたのかもしれないナァ…私には長尺のソロがそんな風に聴こえたよ。
録音は1982年。
時代はイングヴェイ前夜。
こういうギターこそ、イングヴェイ以降の若いギタリストたちに聴いてもらいたい。
こんなにバリバリ弾いているのに最後まで飽きさせない。
ナゼなら、ココに収録されているのは「ギターのための音楽」ではなく、「音楽のためのギター」だからだ。
それとね、そうる透のスゴイこと!
透さんはもちろん今でもキレッキレなんだけど、このキメだらけの音楽を微塵の狂いもなく、しかも至極音楽的に処理して見せてくれる。
まぁ、カッコいいことこの上ない。
このCDは不世出のインスト・ロック・バンドの貴重な音楽を35年ぶりによみがえらせ、後世に伝える重要な役割を果たしたと言えるだろう。
若い人が聴きなさい!

1_0r4a3705_2ライナー・ノーツには透さん他のCROSSWINDの元メンバーからのメッセージの他に、クラウドファンディングに参加された方々のお名前が掲載されている。
私が言うのもナンだけど…ご協力ありがとうございました。
クラウドファンディング期間終了後も「参加したい」という方々が多数いらっしゃったそうだ。
コリャ『LIVE III』も期待できるかな?

1_0r4a3707さて、この『LIVE II』の発表を記念してイベントが開催されることになった。
『CROSSWIND未発表音源追悼CD、『LIVEⅡ』爆音再生会』というタイトルのイベント。
内容はそう…そういうことです。
開催は10月29日(日曜日)。開演は13:00。
場所は新橋のライブバーZZ
CROSSWINDの元メンバーも参加して、にぎやかかつ豪華なイベントになるようだ。
  
そうそう、このアルバム、演奏だけでなくて、ところどころMCも収録されていて、若かりし銀次さんの肉声を聴くことができるの。
銀次さんがディスク・ジョッキーを務めた、あの不愛想なFMの番組を思い出してしまったよ!
私はまだ銀次さんの声を覚えているけど、こういうのはすごく貴重だと思うワケ。
幸いにもこうして銀次さんのギターのサウンドは半永久的に耳にすることはできるけど、「声」となるとそうはいかない。
人の声って、覚えているようでも、時間が経つと忘れてしまうものなんだ。

2017年9月29日 (金)

HEAVY METAL TRIANGLE <後編>~CONCERTO MOON

  
メタル・トリプル・ヘッドライナー・ショウ、『HEAVY METAL TRIANGLE』のトリを務めたのはCONCERTO MOON。

10_2島紀史

30v_2久世敦史

40中易繁治

50v_2河塚篤史

60v_2今回のサポート・キーボディストはおなじみ遠藤均。

70v_2ふ~ん、1曲目は「Alone in Paradise」か…。
珍しいね。

90_3何の違和感もなく、まるで久世ちゃんの歌のように響く1998年のクラシック・ムーン・ナンバー。

80v_2CONCERTO MOONはこの20年間まったくブレていないという証明だ。
冒頭から炸裂するスリリングなギター・ソロ。

100v_2それを追いかけるキーボーズ。
勝手知ったる遠藤さんの熟練のプレイ!

210v_2「HEAVY METAL TRIAGLE」、3つめの頂点もMarshall。
ノンちゃん愛用の1967MAJORだ。

110コレは違う現場で撮影した写真だけど、こういうヤツね。

90vヘッドは既存のモノだが、最近ノンちゃんはキャビネットを交換した。
以前使っていたモノよりは新しめのということだ。
なるほど、音が鋭くなって元気に若返った感じがする。
140v続けて「Run to the Sky」。

120この曲も普段あんまり演らないよね?
1曲目と同じく1998年の『Fragments of the Moon』から。
CONCERTO MOONにしては今の若手のメタルのお手本のようなキャッチーなナンバー。

130_2「皆さん、お元気ですかッ?!今日は比較的時間も長いのでバッチリ攻めていくんでよろしくお願いします!」とノンちゃんからのご挨拶。
「ARESZさんはいつも通りカッコよろしいな。HELL DUMPさんはあんなに演奏がウマいんだから、しゃべってばかりいないでもっと曲を演ればいいのに!」
いいの、いいの、HELL DUMPのことは放っておいて!

150_2そして、いよいよリリースされるニュー・アルバムについて触れた。
コレがその『Tears of Messiah』。
発売は10月25日。
またCONCERTO MOONの歴史に新たなページが加えられる。
楽しみ!

160cd長めで壮大なキメのイントロから始まるのは2003年の『Life on the Wire』から「Cheating Fortune Teller」。

180_2この曲はノンちゃんの「深紫愛」を感じるナァ。

190vココでモダン・ムーン・ナンバーで『Savior Never Cry』から「Stay in my Heart」。

200v_2さらにこのセクションでは人気曲「Angel of Chaos」をセレクトした。

230ギターを交換したノンちゃん。
中盤は「Life on the Edge」。
目下のところの最近作である『Between Life and Death』のナンバーだ。

240どこまでも突っ走るドライビング・チューン。
その先頭を切って疾駆するギター・ソロ。
そして、フレーズの密度が濃い!

250vもう1曲、近作から「Black Flame」。
そして定番「From Father to Son」をつなげて来た。

270_2しかし、いい音だナァ。
「ノンちゃんの音」ではもちろんあるのだが、その前にナニせサウンドがMarshallっぽいのだ。
真空管アンプじゃないとこうはいかない…なんてことは言っていられない。
もはやこうなると、Marshallじゃなきゃこうならないのだ!
ノンちゃんはMarshallを選ぶ。

280_2久世ちゃんの「残り2曲、みんなで歌える曲を演ってみたいと思います。準備はいいですか?」って準備なんかできません!
そんな…久世ちゃんと一緒にえる人間なんてこの世にそうはいないってば!

290_2それでも始まった「The Shining Light of the Moon」。

300そして最後は「Savior Never Cry」。
この曲のサビの歌が一番人間離れしていると思う。
こんな「声」あり得ないでしょう?
歌丸ならきっとこう言うに違いない…「一度でいいから見てみたい、客が久世ちゃんと歌うとこ」。

310そしてアンコール。
へへへ、セッションじゃないよ、CONCERTO MOONの曲を1曲。
コレがノンチャン流!

320_2ニューアルバムの発売に向けてまたCONCERTO MOONの周辺がにぎやかになりそうだ。
がんばれHEAVY METAL!
がんばれCONCERTO MOON!

330v_2CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

 
※本記事にて河塚さんのお写真が1枚しかなかったのはイジワルでもナンでもありません。
あまりの濃霧と闇でどうしてもクリアな写真が撮れなかったのです。
この場をお借りして不均衡な写真の掲載数につきお詫び申し上げます。
 
そうなんです!
ドラマーさんの写真をソロでうまく撮るのは本当にムズかしい。
まず、セッティングによっては最初からドラマーさんの顔が見えないこと多し。そういう時はアクセント・シンバルやシンバル・スタンドの隙間から強引にピントを送って撮るんだけど、コレが厄介。
また、せっかくのシャッター・チャンスが到来したにもかかわらず、シンガーさんが写り込んでしまったり、下手に立っていることが多いベーシストの楽器の先っチョがフレームに入ってしまう。(泣)とかいうヤツ。
次に照明。
大きな会場ではほとんど問題ないんだけど、小さめのライブハウスではドラムスに照明を当てていることがほぼなくて、いつでも暗闇状態。
そういう時は少しでも明るく撮るべく、絞りを開放にして、限界までシャッター速度を落としたりして対応するんだけど、ドラマーさんは特に動きが速いのでブレが容易に発生する。
たまに明るいかと思えばLED照明。LEDの照明を被写体の至近距離で灯されると色が全く出ないし、ハレーションが起きてしまう。あの青いライトは普通に撮ると、全部締まりのない紫に写ってしまう。
かといって、あの「白」がまたとてつもなくムズカシイ。
そして、コレが一番キライなんだけど、スモーク。
ナンだって日本人ってあんなにスモークをたきたがるんだろう?
燻製の文化か…。おいしんもんね、燻製の食べ物は!
しかしね、ライブハウスは富士山頂ではありません。
アレって薄めた食器洗剤を吸っているようなモノらしいよ。
特に小さいライブハウスは大苦戦。
でもね、大きいところも同じなんだよね。大きい会場はステージまでの距離が遠い分、その間のスモークの量が多くなって案外モクモクになりやすい。
スモーク多めの武道館なんてのはかなりキツイ。
暗闇にスモーク、さらにそれに逆光が加わったらもう撮影辞退せざるを得ない。
今回は本当に撮れなかった。
考えてみれば肉眼でも暗くてモクモクでドラムが見えないんだから撮影なんかできっこないわな。
…と、少しだけライブ撮影の秘密を開陳して今日は終わり。
また来週!

340(一部敬称略 2017年8月27日 新宿Wild Side Tokyoにて撮影)

2017年9月28日 (木)

HEAVY METAL TRIANGLE <前編>~ARESZ & HELL DUMP

  

どうにも手が回らなくて2日も更新を休んでしまった。
習慣とは恐ろしい。
「生活のリズム」っていうのかな?
こういうことを通算10年近くやってきて、生活の中心がMarshall Blogになっちゃってるでしょ?
2日も休むと、もう何か月も記事を書いていないような錯覚に陥るんだよね。
もちろんコレっきりやっているワケではないんだけど、生活のリズムが崩れちゃうワケ。
でも、どうにもならなくて…。
毎日の更新を楽しみにして頂いていらっしゃる皆さんには大変失礼しました。
少しでも仕事の効率をよくしようと周囲の方々にご協力を仰いでいるところなのですが、これからもこんなことがあるかも知れません…ゴメンちゃい。
さて、お休みしたお詫びと言ってはナンですが…今日は大脱線から始めることにしますわ。
ハイハイ、おっしゃる通り。
「脱線だ!」なんてやってるから執筆が進まないってんでしょ?
でも、存外にコレをお楽しみにしている方が多いので遠慮なく脇道を進ませて頂く。
  
さて、まず今日のライブ・レポートはなんなのよ?…ということになると、今日はコレ。
『HEAVY METAL TRIANGLE』と銘打ったヘヴィメタル・バンドのトリプル・ヘッドライナー。
出演はCONCERTO MOON、ARESZ、HELL DUMPの個性派たち。
濃いよ~。

1_img_4388 トップ・バッターはARESZ。
しかしさ、我々って最初に何かをする人のことを極々自然に「トップバッター」って言うじゃない?
この表現は、かつては「野球が第一」であった日本人が作った和製英語だから海外では通じない。もちろん野球の試合の中では海外でもコレでOK。
では、英語でどういうか…。
ま、私は耳にしたことはないんだけど、「Trailblazer(トレイル・ブレーザー)」という言葉があるらしい。
「trail」は「道」、「blaze」は「目印をつける」という意味。
カッコよくね?
もうこれだけでバンド名みたいじゃん。
ちなみに日本でいう「ブレザー」っていう上着があるじゃない?
アレは「ブレーザー」と発音するのが正確なところ。
「blaze」には「炎」を意味する別の単語があって、ケンブリッジ大学のボート部のユニフォームであるそのブレザーがスクール・カラーの燃えるような赤い色をしていたところから「ブレーザー」と呼ばれるようになったらしい。
19世紀前半の話。
話は戻って「トップバッター」。
もうひとつ「First Mover」という言い方もあるらしい。
コレもカッコいい。
で、今日のトレイルブレーザーのバンド名でまずは思い切り脱線させて頂く。
つまり、ギリシャ神話の「軍神ARES」。

10 話はギリシャに飛びたいところだが、さにあらず。
「ナンダ、またかよ~!」のロンドン。
最近、行きたくてウズウズしているのだ。
ココはロンドンのウエスト・エンドの中心、ピカデリー・サーカス。
テレビでロンドンの話題になるとたいていこの景色が出て来るのでおなじみの方もたくさんあろう。
TDKにSANYOの大きな広告。
この写真を撮ったのはもう10年以上も前のこと。
まだ日本の企業が元気な頃だった。

10コレが最近の光景…といっても、この写真を撮ってからもう3年ぐらい経っているので様子はすでに変わってしまっているかもしれないが、TDKやSANYOのロゴ・サインはもうサッパリない。
韓国の企業のロゴに打って変わってしまった。
SANYOは1988年から2011年まで長期にわたって登板していたが、今では広告どころか会社モロとも消え失せてしまった。
世界でも一、二を争う人気の観光地&歓楽街だけあって、この広告を目にする人の数は年間で10億人にもなるそうだ。
過去にこのスペースに広告を掲げた日本の企業は、キャノン、パナソニック、富士フィルム等々。
Marshallもやればいいのにな…。カッコいいじゃん?
イヤイヤ、やめとけやめとけ!
値段を調べてみるに、このHYUNDAIのスペースで年間9億5千万円だって!

15で、そのピカデリー・サーカスのシンボルがコレ。
渋谷でいえば「ハチ公」?
ハチ公もいいけど、アレじゃ待ち合わせ場所に着いてから相手を探すのに苦労するので、最早待ち合わせ場所に適さないよね?
今なら「モヤイ像」かしらん?
ココは世界でも有名な待ち合わせ場所の名所だ。
観光客や実際に待ち合わせに利用する人たちで始終にぎわっているが、ハチ公前みたいなメチャクチャ感はまったくないし、朝9時ぐらいだと人っ子ひとり歩いていない。
日本に比べて人口半分、国土2/3のイギリスだけど、ナンでもユッタリしてるんだよな~。
その中でも待ち合わせの目印となるのがコレ。
アルフレッド・ギルバートという人が1892年から1年かけて建造した噴水。
元は近くの別の場所にあったが、1980年代に現在の場所に移設された。

20v上に乗っかっているのは「エロスの像(Eros Statue)」と呼ばれているが単に「エロス」とも。
ギリシア神話に出て来る「恋心と性愛をつかさどる神」。
なかなかですね~、日本人としては「エロス、エロス」とは呼びにくいもんですよ。
恐らく世界でもそんな変な誤解をしているのは日本人だけだと思うけど、コレは「キリスト教的慈愛を表す天使(The Angel of Christian Charity)」なのだね。
エロスの持つ黄金の矢で射られると激しい愛情に憑りつかれ、それが鉛の矢だと恋愛を嫌悪するようになる。
しかもですよ、ギルバートさんは、この天使ちゃんを「エロスくん」ではなくて、双子の弟である「アンテロスくん」を意識してモデルにして創作したのだそうだ。
双子だったらデザインは同じだと思うけどな。
今はこのことを知らなかったことにして、断然「コレはエロス!」ということで話を進める。

40vエロスくんが裸なものだから、建造時には「公共の場でマッパはヤバくね?」という意見もあったが、「ヘンテコりんなつまらん彫刻よりはゼンゼンよくね?」ということでセットされることになったそうだ。
そうして「エロス」はロンドン・タウンの象徴のひとつとして認識されるようになり、1827年に創業したタブロイド判のフリー・ペーパー、「イブニング・スタンダード(Evening Standrard)」は奥付にこの像のイラストを刷り込んでいる。

Escomment_0_2さて、みんな知ってるこのエロス。
お母さんは誰だか知ってる?
あ…ココで「サブ脱線」していいですか?
この下の写真、実はもう完全に日没後のかなり暗い中で撮ったの。
後でCGでここまで明るくしたのね。
つまり逆「アメリカの夜」というワケ。
『アメリカの夜』というトリュフォーの有名な映画があるが、撮影の技術が未熟だった昔は、夜のシーンを撮影するのが大変だった。
なので、昼間の明るいうちに撮ってしまって、フィルムをアンダーで現像して暗く仕上げて夜のシーンを強引に作り上げていた。
コレを業界用語(?)で「アメリカの夜」という…ハズ。
黒澤明の用心棒で三船敏郎が夜陰に乗じて丑寅の家から這い出して逃げるシーンがあるでしょう?
アレ、実は昼間の明るい中で撮影したそうだ。
ね、だからこの写真は「逆アメリカの夜」…イヤ、「ロンドンの夜」なのだ。
その後、撮影技術が発展し、キューブリックは『バリー・リンドン』でローソクの明かりだけで夜間の室内のシーンを撮影してみせて世間を驚かせた。公開当時ずいぶん話題になっていたのを覚えている。

30で、エロスのお母さんはこの人。
優しそうで感じのいい人だね。
名前は「アフロディーテ」。

1_2aphrodite Marshall Blogによく出て頂く岡垣さんのバンドはAphroditeでしょ?
今日はギリシャ神話でやっているので、ギリシャがらみでもうひとつ。
『炎のランナー』でアカデミー作曲賞を獲得したヴァンゲリスはギリシャ人でかつて「Aphrodite's Child」というバンドをやっていた。
この『666』ってLP2枚組のアルバムはプログレッシブ・ロックの名盤に数えられている。
実際、私も好きで昔はよく聴いた。

Ac666 そして、エロスのお父さんは誰か?
それはこの人。
剣を手にして、何かをにらんで…チトこわいね。
このお方が軍神アレス。
アルファベットでは「z」を付けずに「Ares」とだけ綴る。
おもしろいのは「エロス」、「アレス」、「アフロディーテ」…この3つはすべて日本に実在するバンドの名前なんだよね。
一家総出で音楽に取り組んで頂いているというワケ。
音楽の神様「ミューズ」もさぞかしよろこんでいることだろう。
あ、MUSEっていうバンドもいるね。
お後がよろしいようで…。
あ~、イッパイ脱線してスッキリした。
やっぱりマーブロやってないとダメだな、アタシャ。

1_2ares さて、新宿のアレスは~。
瑠海狐<るみこ>

20v那都己<なつき>

30v那都己くんはMarshall JCM2000 DSL100と1960A。

40v翔己<しょうい>

50v翔己くんはMarshall Jubilee Bass Series 3530と1960A。

60v雅己<まさみ>

70vサポート・ドラムの鉄兵。

80v1曲目は「蝕まれ」。
いつものようにドッカ~とアタマ回してくるかと思ったら以外にもジトっとヘヴィに攻めて来た。

90_2それはこの衣装のせい?
いつもは白やエンジの特攻服に身をくるむ瑠海狐さん。
今日は夏をテーマに据えてか、浴衣姿での登板だ。
それに合わせて浴衣姿の女性が客席にもチラホラ。
いいもんですな…皆さん、ARESZの出番が終わったら洋服に着替えてたけど。

100vハイ、来ました。
ドッカ~ンとARESZらしくカマしてくれたのは「蠢き」。

110v瑠海狐さんの声を十分に活かしたヘヴィ・チューン。
ARESZのラップとでも呼びたくなるような、ドスのきいた声の語りっぽい歌い回しがカッコいい。

140「新宿場所が始まったワケではありませんよ!」
わかってます、わかってます。
この後、そういう方々が出て来ますから。
「日本の心を歌わせて頂きます。人生、女は80歳から、男は110歳からスタート!」のキメ台詞をやっておいて3曲目は「咆哮」。
ポール・ギルバートを思い出すな~。自分のソロ・アルバムの邦題なもんだから、それを覚えて「ホーコー、ホーコー」ってよく言ってた。

130パートが「自由」の翔己くんは今日も自由に大暴れ。
タッピングを駆使して6弦ベースの機能を極限まで探求する。

120vそしてこの2人のリズム隊。
堅実にそしてパワフルにフロントの自由人たちをサポートする。

150鉄兵くん、ゴメンね~。
マイクのケーブルがどうしても邪魔で!

160続けてARESZスタンダードの「我が生き様誉れ」。

180ココでも翔己くんのソロが炸裂!

200vそれを那都己くんの華麗なシュレッディングが引き継ぐ。
ARESZサウンドの真骨頂だ。

190ARESZは大阪が地元。
こうして毎週のように東京に機材を積んで遠征しているのだが、昔は高速道路を使わずに通っていたという。
8年間、ひたすら国道1号線を走り続けた。
その後、高速道路使用に格上げかと思ったら…「246号線を発見した」だって!
チョットまた書くけど、最近のバンドさんはホントにスゴイと思うわ。
ヘタをすると東名高速を走っている車の半分ぐらいはバンドの機材車だったりして…。
昔はこんなに日本全国アチコチ回らなかったよ。
子供ばんどぐらいだったんじゃない?
レコードをリリースして全国的に名前が知られているバンドは別にしても、そうでない無名のバンドはどこか離れた場所に演奏をしに行ったとしても、そのバンドを知る人はまずいなかったんだからラチがあかない。
せいぜい自主制作で音源を作るにしてもカセット・テープだよ。
それを作ったとしても今度は宣伝する手段がなかった。
もちろん「インディーズ」なんて言葉すらなかった時代。
とにかくレコード・デビューしない限り全国規模で知名度を上げることはほぼ不可能だった。
それが今では「ENTER」を押すだけで自分たちの音楽が全世界へ運ばれていくんだから恐ろしい。
ナニが恐ろしいかはここにはもう書かないけど、ひとつ言えるのは、そうして音源を含むバンドの情報が簡単に拡散され、高速道路網が整備されてツアーが容易になった今、間違いなく儲けが増えたのは日本道路公団だな。
ARESAは例外だけど。
「コーダン」か…なつかしい言葉だな。

170v_mc「地獄に落ちろ~!!!」
コレも定番ナンバー、瑠海狐さんのタイトル絶叫で始まる「Going to Hell」。

210v今日は各バンドとも比較的持ち時間が長いイベントだが、それでももうARESZのステージも最終セクションに入る。

220「烈火昇竜」…

230v「DOPPO」…

250「Soldiers of Cause」と立て続けにおなじみのナンバーを演奏してフィニッシュ!
最近「闘争本能」をゼンゼン演らないナァ。

260vそしていつも通り、瑠海狐さんのご講話でクールダウンをしてステージを締めくくる。

28011月18日には単独公演を控えているARESZ。
ますますの活躍を期待している。
  

ARESZの詳しい情報はコチラ⇒official website of ARESZ

270続いてステージに姿を現したのはHELL DUMP。

290ボーカル/ギターのサタン鈴木。

300vギターはアメーバ伊澤。

310vアメーバもMarshall!

320ベースにパイソン大塚。

330vマグニチュード森田がドラム。

340v以上、筑波から来た4人の人造人間によるチームがHELL DUMP。
Marshall Blogには約1年ぶりの登場。

3501年見ない間にサタンの肩に立派なトゲトゲが!
軌道に乗ってきてんだな?
いいことだ!

360変化はそれだけじゃない。
この1年でパフォーマンスがものすごく進化している!

370v冒頭のテーマ・ソング「HELL DUMP」からして以前観た時とゼンゼン違う!
390またファンのノリようがスゴイのだ。

400v2曲目は人気曲「殺人力士」。

380「♪ハッケヨ~イ ドスコイ、ドスコイ、ドスコイ…」。
初めて観る人は「一体何が始まった?」のかとビックリしたのではなかろうか。

420しかし、カッコいい声だ、サタン。
人造人間にしておくのはモッタイない。
以前も書いたが、ミュージカルかなんかやるといいよ。
こんな声の日本人歌手って最近見ないもんね。

410途中で燃料補給。
もちろん手にしているのは油。
イッキに飲み干さなかったのが残念だ。
燃料タンクの空きが少なかったのかもしれない。

430v何せおもしろい!
前回より格段に仕上がりがよくなってる!

440各メンバーをフィーチュアしたお楽しみコーナーも充実。

450vネタばれしてしまうので、ココには内容は書かないが、パイソンのくだりもメッチャおもしろかったナァ。

460vそして、大フィーチュアされたのがアメーバ伊澤の独演会。
この人は人造人間の落研かなんかに入っていたのかしらん?
小噺を披露したのだが、実にウマい。
素人はあんなにうまく上下振れるもんじゃありませんよ。

470ココでもネタばれを避けるが、ひとつ。
あの「ねずみ」のネタはすぐにサゲがわかりました。
アレは有名な落語の小噺で、実際、時折マクラに使われたりするからね。
ねずみは落語と縁が深く、実際「ねずみ」という噺もあるし、「鼠穴」という人情噺なんかはもう感動の渦よ。

480v「ねずみ」といえば…こんなの知ってる?
これは長野県は埴科郡坂城町にある交差点。
昔から気になっていたんだけど、去年長野に行った時にとうとう写真を撮った。
コレ、この辺りはネズミがたくさんいて…というワケでは当然ない。
それだったらおもしろいのだが、由来は至極シリアスで、ココは上田と接していて、その上田から攻め込まれないようにこの場所で「寝ずに見張っていた」ということらしい。
つまり「寝ず見」で「ねずみ」。
最初見た時は驚いたわ。
ちなみに山形県酒田市に「こあら」という所があるらしい。
酒田はユーカリの木がたくさん生えているからね…ウソウソ!
コチラは「古荒」と書くのだそうだ。
ガックシ。

1_3nezumi 他にも地元つくばを歌った曲やらなにやら大盛り上がり!

490そして、最後はヒューマニズムあふれる一編、「パワーを信じて」。

500ソリッドでストレートなハードロックと気の利いたお笑いの連続。
いいね、HELL DUMPは!
そんなステージもMarshallがサポートしている。

500vHELL DUMPの詳しい情報はコチラ⇒WE ARE HELL DUMP!!

510<後編>につづく
 
(一部敬称略 2017年8月27日 新宿Wild Side Tokyoにて撮影)

2017年9月25日 (月)

17th 真夏のJazz葉山~杉本篤彦BAND featuring そうる透

  
あんなに「猛暑、猛暑」と脅かされていた夏も終わっちゃったね。

1_img_4218 夏がキライな私でもこんな景色がチョイと懐かしいというか、恋しいというか…。
夏があったんだか、なかったんだか…。

20今年も行って来たのは葉山。

30我が家の「夏の海」はいつもコレだけ。
プチ旅行気分で毎年楽しみにしている。

50その楽しみのひとつは…

60日本のヨットの発祥地、鐙摺港の朝市。
年々客足も増えてきているようで、今年も朝一番からとても賑やかだった。
出店の方も毎回内容を少しずつ変え、集客に努めているようだ。

70「プチ旅行」と言ってももちろんお仕事。
やって来たのは、海から少々山に入った葉山町福祉文化会館ホール。

80そう、今年も『真夏のJAZZ葉山』。
コレで4何回目。
Marshallを愛用するジャズ・ギタリスト、杉本篤彦さんの応援に来たよ~。

90ホワイエには昨秋亡くなられたバリトン・サックスの宮本大路さん愛用の楽器とポートレイトが飾られた。
宮本さんは、このフェスティバルに毎年出演し、この日の約1年前も同じ舞台に元気に演奏されていたのに…。

100さて、今年は2番手でステージに上がった杉本篤彦BAND featuring そうる透。

120杉本篤彦

130v成田祐一

140v平石カツミ

150vそうる透

160v杉本さんは当然Marshall!

170ヘッドはJVM210H。
スピーカー・キャビネットは1936。

180v

足元はコレだけ。
すなわち「アンプ直」。

190平石さんはEDEN。

200ヘッドはWTP600。
220キャビネットは4x10"のD410XST。

210v1曲目は「Night Hawk」。

230下は今回、ホワイエの物販会場で取り扱っていた杉本さんのCD、『Once in a Blue Moon』と『Magic』。
これらのアルバㇺはしばらく品切れで入手が不可能となっていたが、近ごろ新プレスが出来した。

110_2「Night Hawk」はその『Magic』のオープナーだ。
杉本さんによると「夜鷹」だって。

Magic司会の方が杉本さんの「ツー・フィンガー・ストローク」を紹介した。
他に類を見ない、ピックを使わずに2本の指でアルアイレ的に弦をはじく奏法だ。

250その独特の弾き方とMarshallのクリーン・サウンドが溶け合い何とも言えないあたたかくも鋭いトーンをはじき出す。
当然JVMのチャンネルはCLEAN/GREENにセット。
ヘッド・ルームが大きいため、歪むことを恐れず、杉本さんも遠慮なく弦をはじくことができる。
Marshallのクリーンっていいよね~。

240v2曲目は「Bedroom Eyes」。
都会センスあふれる16ビートナンバー。

290v毎年このイベントに出演している杉本さんのグループだが、少しずつメンバーが入れ替わっている。
透さんは前回に引き続いてのご登場。

270v平石さんも2連投。
杉本さんの最近作『Tomorrow Land』にも参加している側近ベーシスト。
ウッド・ベースもこなす平石さんは、さだまさしのサポートなども務めている。

280この曲でゴキゲンなソロを聴かせてくれた成田さんは初出演。
…というのは、Marshall Blogでも号外を出した通り、昨年このイスに座っていた星牧人さんが今年2月に急逝してしまったのだ。
今回のイベントはモヒカーノ関さん、宮本大路さんの追悼の機会となったが、杉本さんグループにとっては星さんの追悼ステージにもなった。

260v杉本さんが「お客さん参加型の曲を演ります」と紹介した次の曲も『Magic』から。
その名もズバリ、「Rhythm from Hayama」。

300平石さんのベース…

320成田さんのピアノとソロを回し…

310お客さんとのコール&レスポンス・コーナー。

325「イキますよ~!」

330v杉本さんの「♪エ~イエイ」のコールにお客さんが応える。

350お客さんのとても元気のよいレスポンスにメンバーもノリノリ!
杉本グループのジャズは楽しい。

340ガラリと雰囲気が変わってア・カペラでソロを弾き始める杉本さん。

360曲はProcol Harumの「A Whiter Shade of Pale」。

370v全国津々浦々でソロ・ギターのライブを演っている杉本さんのこと、こうしたスタイルのパフォーマンスは得意中の得意なのだ。

380早くも最後の曲。
タイトルは「Route 134~海辺で一発~」。
「134号線」は横須賀から大磯までを通る国道。
この曲も『Magic』に収録されている。
国道はわかるが、「海辺で一発」はナニが「一発」なのかはわからない。

390この曲でも全員でソロを回して盛り上がった。

395v透さんのドラム・ソロ、キレッキレだった!

400v時々ココで触れる通り、私が初めて透さんを拝見したのは、今から38年前ぐらいかな?
池袋のパルコの屋上の東京おとぼけキャッツだった。
それからグッと時代は下り、2001年に初めてお仕事を一緒にさせて頂いてから現在に至っているが、透さんって、どんどんプレイがシャープになっているようだ。410平石さんもスケールの大きなソロで応酬!

420vま、この曲、杉本さんの「Sunny」なのね…わかりやすく言うと。
そんな題材だからして、みなさんのソロもギンギンに冴えまくった。

430vギターとドラムのバトル。
杉本さんが「Aトレ」のメロディを弾いて攻める透さんが当意即妙に叩き返してくる!
ふたりの激演に客席からは大きな歓声が上がった。

440…と、演奏曲目は5曲と少なかったが、濃密な演奏で聴きどころ、見どころ満点なステーjだった。
来年も楽しみにしています、朝市!
ウソウソ、『真夏のJAZZ葉山』です!

450v杉本篤彦の詳しい情報はコチラ⇒杉本篤彦オフィシャルブログ

460<オマケ>
Miyamoto Dairo Tribute Bandに参加したアルト・サックス奏者の近藤和彦さんと楽屋で1枚。
近藤さんは当代きっての人気ジャズ・サックス・プレイヤーだでね。
でもミーハー気分で和彦(’急に呼び方が変わったことに注目)にツーショットをお願いしたワケではないのだ。
実は、彼は大学のビッグ・バンドで一緒だったのだ。つまり一緒に演奏していたということ!
早い話が大学のクラブの後輩なの。
それが片やトップ・ジャズ・サキソフォニストだよ。
やっぱり大学の時からバリバリだったからナァ。
アタシャ、Marshallでがんばるぞ!

470(一部敬称略 2016年8月6日 葉山町福祉文化会館ホールにて撮影)

2017年9月22日 (金)

『凌ぎ合う』 vol.9 <後編>~ グッドモーニングアメリカ

    

『凌ぎ合う vol.9』のトリは当然ホストのグッドモーニングアメリカ。

10金廣信吾

20vたなしん

30v渡辺幸一

40v幸一ちゃんはMarshall。

50vきょうもJVM210H!

60ペギ

60vペギちゃんはNATAL。

70vメイプルのキット。
バスドラムは24"。
タムは10"、12"と16"フロア。
フィニッシュは美しシルバー・スパークル。

80v幸一ちゃんの奏でるイントロのメロディでさっそく客席は大炎上!

210v今日のオープニングは「キャッチアンドリリース」だ!

90v_cr今日もオープニングは「カーディガン」のペギちゃん。

100矢継ぎ早に演奏したのは昨年12月にリリースしたアルバムのタイトル・チューン「鉛空のスターゲイザー」。

110_nsg「♪鉛空のスターゲイザー」の譜割りが実に耳に残る。
私なんかはこういう部分にものすごく世代の違いを、また若い人たちのクリエイティビティを感じる。
昔の日本のロックには絶対になかった歌詞とメロディのコンビネーションだからだ。
ちなみに!
「見る」という英単語って、「look」、「see」、「watch」、「stare」、「glance」、「glimpse」、そしてこの曲のタイトルにも使われている「gaze」等々色々あるでしょ?
当然、それぞれのシチュエーションで使い分けなければならないワケなんだけど、「gaze」は特別な言葉で、星を見る時には「see」や「look」ではなく必ずこの「gaze」を使うことをMarshallの友達から教わった。
何年も前、あるパーティの途中に新鮮な空気が吸いたくなって外に出て夜空を見上げた。
鉛空ではなく、それはそれは美しい星空だった。
イギリスは少し郊外へ出ると何でもかんでも美しい。
そこへその友人が来て「ナニをしているんだい?」訊いてくるので、「東京では見ることができない美しい星空を見ていたんだ」ぐらいのことを伝えた。
確か「see」を使ったと思う。
するとその友人が「シゲ、星を見る時にはgazeを使うんだ」と教えてくれた。
こういうのって絶対一発で覚えちゃうんだよね。
もうチョット。
コレを読んでいる若い人たちは全く知らないだろうけど、イギリスを代表するロック・バンドのひとつにThe Kinks(ザ・キンクス)というグループがある。
彼らのヒット曲に「ウォータールー・サンセット」という曲がある。
「ウォータールー」というのはロンドンの中心地の地名で、「ウォータールーのサンセットを見ている限り、ボクはパラダイス」というロンドンの美しい風景を歌っている。
その歌詞に「gaze」が使われているんだな~。
「♪As long as I gaze on Waterloo sunset, I'm in paradise」って。
もちろんウォータールーは星ではない。
調べてみてわかったのだが、感動して何かをジッと見るのが「gaze」の元の意味なのだそうだ。
実は何も英語の勉強で「gaze」を引き合いに出したワケではありませんでね。
この「ウォータールー・サンセット」は権威あるローリング・ストーン誌の「オールタイム・グレイテスト・ソング500」の42位に選出されているのね。
そんな世界の、そして永遠の名曲を若い人に紹介したかったの。

120熱っぽい曲なので体温の調節でもしているのだろうか?

130v幸一ちゃんもペギちゃんも舌を伸ばしての大熱演!

150vまだ曲は続く。
2011年の『ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ』のクローザー「その手伸ばして」。

140v_st「ライダー」、「ドラえもん」、「のび太」、「ショッカー」、「ジャイアン」…こういう固有名詞を歌詞の中に登場させる作曲手法ってとてもいいと思う。
ポール・マッカートニーとか10ccみたいじゃん?
しかも、オジさんは初代仮面ライダーの世代だ。
「仮面ライダー」の第1回目の怪人は「クモ男」。
「2号」を経て「V3」の途中ぐらいまで夢中になったかな?
「本郷猛」と「一文字隼人」の名前は一生忘れない名前だ。会ったことないけど。

165「グッドモーニングアメリカです!帰って来たぞ~、東京!
爆弾ジョニーとは『めざましライブ』以来3年ぶりの対バンです。
PANもスゴかったね~!
楽しい曲ばかり演るので楽しんで帰ってください!」と幸一ちゃんがごあいさつ

190vいよいよカーディガンを脱いだペギちゃん。

180v幸一ちゃんのMC通り人気の曲が続く。
次は「アブラカタブラ」。

200v_tたなちゃんもサングラスをハズした。
楽しそうに演奏してるナァ。

230vこのセカンド・セクションでは4曲を立て続けにプレイ。240『未来へのスパイラル』から「タイムスリップしたみたいに」。
コレはドラムのアレンジがスゴイな~。
ペギちゃんの本領発揮だ!
NATALの歯切れの良いサウンドがペギちゃんのプレイにベストマッチ!

220v_b『鉛空のスターゲイザー』から「Beep! Beep!」。

250v_itさらに「in トーキョーシティ」。

260v_hn金ちゃんのMC。
「4月から3ヶ月休んだんだけど、とても長かった。以前にも休止したことがあったんだけど、この3ヶ月の休止は前とは重みがゼンゼン違いました。
不安だった…。
年下のバンドがドンドン出て来て…焦って。」
アーティスト、ミュージシャン…真剣に取り組んでいる人にはこんな過酷な商売はないと思う。
「でも、またココに立つことができてよかったです。
歩みを止めず、これからも進んできます!
大事な曲を演ります。聴いてください」

2_img_0439…と「花」を熱唱。
ヨカッタね~、ホントに!

265v場面はガラっと変わって「イチ、ニッ、サンでジャンプ」。
この曲のMVはうれしかったナ~。
日本のバンドのMVにNATALが登場した最初の瞬間だったから。
見た途端ペギちゃんにサンキュー・メールを打ったよ!

270_123そして、『凌ぎ合う vol.9』の本編を締めくくったのは「未来へのスパイラル」。
客席は当然大騒ぎ!

160_ac先日、MURO FESでのクドも復帰第1弾のもようをレポートした。
この『凌ぎ合う』の前日にもステージに上がったグドモ。
そして、これが復帰後3回目のライブ。
このパフォーマンスを観て、誰が3ヶ月もステージから遠ざかっていたことを想像するだろうか?
「完全復帰」を成し遂げた4人なのだ!

280v

290v

300

310vそして、アンコール。
11月11日の「八王子天狗祭」へのお誘いがあって…

320「コピペ」。

330客席爆発。
もうこうなると近寄れません。
こちとら年寄りだで、写真撮っててケガしたくないからね~。

335v「本当はコレで終了する予定でしたが、もう1曲演ります!」とアナウンスされ、たなちゃんの「ファイヤー!」を経て「また会えるよね」をプレイした。

1_img_0423

340

350v

360グドモの帰りを待っていたファンとメンバーたちの交流が目に見えるようで、とても楽しいステージだった!
 
グッドモーニングアメリカの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAl WEBSITE

380さて、こうして無事に活動を再開させたグッドモーニングアメリカ。
さっそく忙しい。
10月4日にはニューアルバム『502号室のシリウス』をリリースする。

Cdg そして、金ちゃんがMCで触れていた通り、その翌月の11月11日には地元八王子でグドモ主催のイベント『八王子天狗祭 ~2017~』が開催される。
コレも楽しみだね。
  
『八王子天狗祭 ~2017~』の詳しい情報はコチラ⇒特設公式ウェブサイト

396fl

<<<NATAL NEWS>>>
NATALのドラム・キットが叩けるスタジオ、高田馬場のバズーカスタジオに新しい仲間が増えました。
それは14" x 6.5"のスチール・スネア・ドラム。
コレね。
見た瞬間、「オオ~!」っと声を出したくなるようなたたずまい。
実にゴージャスじゃあ~りませんか!
普通のスチールとは異なりチョット黒味がかっている。

1_3img_4207パーツはすべて「ブラッシュト・ニッケル(Brushed Nickel)」という仕様。
新型のスネア・スロー(Snare Throw)の感触も実にいい感じ。

1_2img_4208カ~!
居合わせたドラマーにチョット叩いてもらったんだけど、何たる音ヌケ!そして深い!
こりゃアンサンブルの中でもクッキリ音像が浮かび上がってくるのは間違いないな。
自分がドラマーだったら欲しいわ~。
  

1_2img_4212

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★上記のスネア・ドラムだけでなく、NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

  
(一部敬称略 2017年8月2日 渋谷TSUTAYA O-WEST)

2017年9月21日 (木)

『凌ぎ合う』 vol.9 <前編>~爆弾ジョニー&PAN

  
グッドモーニングアメリカが対バンを招いてステージで凌ぎを削り合うシリーズ企画、その名もズバリ『凌ぎ合う』。
その9回目が東京で開催された。
出演は3バンド。
今日紹介するのはそのうちの2つ。
いずれもMarshall Blog初登場のチームだ。
当日、まず最初にステージに登場したのは爆弾ジョニー。

10ボーカルズ/ギターのりょーめー。

20vギターのキョウスケ。

30vキョウスケくんはMarshall。

40vJCM900 4100と、ロゴは取れてしまっているがキャビネットは1960A。
このMarshallはかつてTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの故アベフトシ氏が愛用していたものだそうだ。
受け継がれる名器…こういう話はすごくうれしいね!

45vキーボーズのロマンチック☆安田。

50vベースの小堀くん。

60vドラムは太郎ちゃん。

70vりょーめーくんが中心となって2010年に結成された北海道出身のバンド。
バンドの目標は『世界平和』。
何やら本当にキナ臭くなってきた今の世の中、この目標は至極正しい。
ナゼなら…これは山下達郎さんがステージの上から実際におっしゃっていたことだが…平和でなければ音楽なんかできやしないからである。

80vま~、とにかく元気がよくてすこぶるカッコいい。
「ロックはやっぱり若い人のモノだよな~」と日ごろから思ってはいるのだが、まさにソレ。
サウンドの骨の部分になかなかトラディショナルなモノがあって、私のような頑固ジジイでも素直にカッコいい!と思った。
随所にちりばめられたギター・ソロもロックの文法に正しく沿ったもので、聴いていて大変心地よかった。

90ギターを降ろしたりょうめいくんの「暴れるぞ~!」のかけ声に応えて…

100v2曲目はみんなでタオルを振り回して大騒ぎ。

110サングラスを装着したロマンチック☆安田くんがマイクを握る。
「アレやるか?爆弾ジョニーはじめて観る人?」
は~い、私。
「ホホイしようぜ、ホホホのホイ!」からたなちゃんの「ファイヤー!」へ。
そう、こうして各メンバーの領分がハッキリ分かれて際立っていることがいいバンドの条件だよね。
写真を撮っているので「ホホホのホイ」はできなかったが、楽しさ満点!

120その通り…私も初めて観るもんで曲もナニもわからないんだけど、どの曲もすごくよろしいな~。
真剣にやっているんだか、適当にやっているんだかよくわからないが、すごい音楽的なエネルギーを感じたね。
なんて思っていたら、彼らは『世界平和の第一歩はみんながふざけること』という理念を提唱しているとか。
それなら世界平和の第一歩は間違いない。

130マスコットキャラのクマも登場…といってもお面を付けているだけ。

140ま~、とにかく派手なのはキョウスケくんのアクションよ!

150足の長いこと、長いこと!
最近の若い子は外人みたいにヒザから下が長くてカッコいいんだよね~。
オジさんの時代は、そんな子はクラスに一人もいなかったんだぜ。

160v飛んだり、ハネたり…やっぱりロックはこうあるべきだ。
終演後、キョウスケくんに「ピート・タウンゼンドみたいでカッコよかったよ!」と思わず告げさせてもらいました。

170v暴れまくるフロント陣をガッチリとバックアップするリズム隊も魅力的。

190v

200v特に印象に残ったのは「♪なにもないじゃないか」と歌う曲。
聴いた瞬間、ガーシュウインが作った黒人だけが登場する有名なオペラ、『ポーギーとベス』を思い出した。
そのなかに「I Got Plenty O' Nuttin'」という曲がある。
コレは奴隷制度時代の黒人の英語なのでおかしな表記になっているが、普通の英語で書くと「I've got plenty of nothing」…直訳すると「ボクには何もないがたくさんある」。
つまり「なにもないじゃないか」ということ。
今時、「ありがとう」やら「がんばれ」ばっかりの若い人のロックのなかにあって「なにもないじゃないか」。
相当気骨のあるバンドと観た。
とてつもなく「いいものがあるじゃないか」!

180聞けば爆弾ジョニーもしばらく活動を休止していたとか。
「立て板に水」のような演奏にそんなことは一切感じなかったナァ。

210v7月にリリースした活動再開後初のCD、『BAKUDANIUS』も大好評のようだ。

Bj 来る12月4日にはZepp Tokyoでワンマン・コンサートを開催する。
観たい~!

  
爆弾ジョニーの詳しい情報はコチラ⇒爆弾ジョニーOfficial Website

220続いての登場は、大阪からPAN!

240ボーカルズの川さん。

250vギターはゴッチ。
「ゴッチ」っていう感じするナァ~。

260vゴッチくんもMarshall。

270ヘッドはJCM2000 TSL100。
スピーカー・キャビネットは1960A。

280vベースにダイスケ。

285vそして、ドラムはよこしん。

286v1995年の結成というから、活動20年を超える大べテランだ。

290今年4月12日の「パンの日」に3年ぶり、7枚目となるフルアルバム『PANJOY!!!』を発表した。
いいジャケットだ。
ジャケットにMarshallが写っているだけで猛烈にロック・フィーリングが高まるというものだ。
しかし、散らかってるナァ。
でも、こうしておけば都度モノを取り出す必要がないので便利だ。
使った後はしまわなくていいし。
ところで、私は「米派」なので知らなかったのだが、4月12日って「パンの日」なのね…「412」で「パ・ン」ということね。
チガウ、チガウ!
調べてみると、日本ではじめて本格的にパン製造に取り組んだのは、伊豆韮山の代官であり、軍学者でもあった江川太郎左衛門という人。
長崎のオランダ屋敷の料理方を伊豆韮山の自分の家に呼び寄せてパン焼き窯を作り、1842年の4月12日に日本で最初のパンが焼き上げられたそうな。
だから4月12日が「パンの日」。
ウ~ン、日本で最初のパンというと、横浜元町のウチキパンかと思っていたら、ウチキパンは日本で最初の食パンを作ったようだ。

Pj「♪O-WESTにアイツが帰って来た!ライブハウスで凌ぎ合う、凌ぎ合う、凌ぎ合う、凌ぎ合うために金廣真悟が帰ってきた!
いけるか~?やれるか~?
金廣真悟復活でお祭り騒ぎだ~!」
川さんの熱湯をまき散らすようなパフォーマンスを中心にしたPANのステージは「お祭り」というより、もはや台風!300vそのエネルギッシュな川さんを支える3人のガッツあふれるアンサンブルが素晴らしい。

310v

420v

320v「大阪からO-WESTに来ました大阪のPANです!」
川さんが手にしているのは食パン。
コレをお客さんに配給する。
ありがたい話だ!

330そして、2階席のお客さんにも!
狙いを定めて2階のミホちゃんに向かって投げる。
宙に浮かんでいる茶色っぽいものは川さんが放り投げた食パンね。
見事キャッチ!
あ~、ドキドキした~。

340PANとJA全農たまごのコラボレーションで『PANJOY!!!』にも収録されている「たまごのうた」。
色んなことやってんな~。
カワイイ歌だ。

350v次も『PANJOY』のリード・チューンのひとつで「ギョウザ食べチャイナ」。

360こっちは案の定「餃子の王将」とのコラボだそうだ。
指定レコード店での購買特典として、初回の『PANJOY!!!』には王将の餃子の無料券が付いていたそうだ。
他にも「spinns」というファッション・ブランドと「SPANNS」なるコラボレーションも展開している。370v「♪ギョウザ 食べチャイナ ギョウザ 間違いない ギョウザ 裏切らない」
同感、同感!
私は、餃子はこの世で一番ビールにマッチする食べ物だと思っている。
それも、日本流の餃子が圧倒的に好き。
アレ、本場って黒酢みたいなので食べるでしょう?アレがチョット…。
そもそもッ餃子の故郷の中国は水餃子が主流と聞くし。
いつかフランクフルトの中国人が経営している中華料理屋にひとりで入ってビールと焼餃子を頼んだら、中国人の店員が「ムリ、ムリ」みたいなことをしきりに言うんだよね。
「ナニを言ってるんだろう?」と不思議に思ったけど、お腹が猛烈に空いていたので、チョット値が張るのは気になったが「いいから持ってきて!」とオーダーした。
出て来た餃子を見てビックリした。
かなり大き目の皿に厚手の皮に包まったドデカくて丸い餃子っぽいものが、どうだろう、20個近くはあったかな?
それを目にした瞬間、「ウワ!こんなもん食えるワケないじゃん!」と思ったけど、ペロっと食べちゃった。
「餃子は日本に限る」と思っていたけど、川さん、やっぱり餃子は裏切らなかったよ!
せっかくなのでもうチョット餃子。
そんなおいしい餃子だけど、お店によってゼンゼン違うじゃない?おいしいヤツもあれば、「ナメとんのか?」みたいなヤツまで。
でもね、ナンダカンダ言って一番おいしいのは、家でアンを作って、皮にくるんで、ホットプレートで焼いて家族で食べる餃子。
チョットさらに脱線しますが、気になっていたので書かせて!
あの、グッさんが出ているCook Doの「回鍋肉」のCMがあったでしょ?
「回鍋肉」がテーブルに出されると、グッさんの家族がすさまじい勢いで食べ始める。
その光景を見て驚きながら、食卓を共にしたグッさんのお嬢ちゃんの友達が尋ねる?
「アンタっちっていつも…?」
するとお嬢ちゃんが「なくなるよ!」
コレ、ナニがなくなるのかずっとナゾに思っていた。
人気の「回鍋肉」はいつも完食するよ…という意味では全くおもしろくないでしょ?
それで、ある日ハタと気が付いた。
お嬢ちゃんが「なくなる」と言っているのは「回鍋肉」ではなくて、「理性」なのだな…と。
つまり、あんまり「回鍋肉」がおいしいので、家族全員が「理性」を失ってガッつく、ということなのではないか。
イヤ、ナニが言いたいかというと、そうして自家製の餃子を目の前のホットプレートで焼いて食べると、あまりにもおいしいので、ウチも家族全員、理性を失って餃子を食べ狂うということ。
ナゼそんなにおいしいのかと秘密をバラすと、前にも書いたような気もするが、大量の都内のラーメン屋に麺を卸している有名な製麺屋が家の近くにあってね、そこで出来立ての餃子の皮を買って来れるからなのです。
餃子の皮も新鮮な方が格段においしんですよ。もちろんプロ仕様なので保存料などは一切入っていないしね。
もう、タマらんよ!
やっぱり餃子は間違いない!

380v川さん、客席にダイブ!…見えないけど。

390もうとにかくお客さんを楽しませること以外は何も考えていないかのような壮絶なパフォーマンス!
関西弁がそう感じさせるのかどうかはわからないが、こういう雰囲気のバンドって東京には昔からあんまりいないんだよね。
私的には「関西ならではの!」を存分に楽しませて頂いた。

400vそして、やっぱり「ロックはパワーだな~」ということを示してくれた極上のロック・エンターテインメントだった。
楽しかった~!

410vさて、PANも12月8日に『PANマンでレッツPANJOY!!!アンコールツアーファイナル ~一本締め!お手を拝借、ぃよ~おっ!!~』と題したワンマン・コンサートを開催する。
場所はココ渋谷TSUTAYA O-WEST。
コレも観たいな~!

430PANの詳しい情報はコチラ⇒PAN official web site

450<後編>につづく

(一部敬称略 2017年8月2日 渋谷TSUTAYA O-WEST)

2017年9月20日 (水)

GET YOUR SHOW-YA 2017 <後編>

  

『GET YOUR SHOW-YA 2017』…今日は<後編>をGETだッ!
さて、寺田さん、五十嵐さん、中村さんの3人による「The Rose」から続いてのシットリ・コーナーは「何故」。
例え曲調は静かでも恵子さんがジックリと歌い込むとすごい迫力だ。
音楽の迫力や説得力はテンポじゃないからね。
ロバート・ワイアットの「Sea Song」のように静謐な曲でも、火傷しそうな熱さを秘めた曲があるものだ。

  
チョット話は戻るけど、さっきの「The Rose」を歌ったベット・ミドラーね。
ジャニスをモデルにした『ローズ』で日本では知られているけど、アメリカでは「超」が何十個も付く大歌手&大俳優なのね。
ベット・ミドラー、アレサ・フランクリン、バーブラ・ストライザンドあたりは日本ではそう人の口に上らないが、アメリカではひばり、チエミ、いづみ以上の破壊力があるだろう。
特にバーブラの顔はアメリカ人が大好きなデザインだという話を聞いたことがある。
男ではロバート・レッドフォードなんだって。金髪でエラ張りが必須らしい。
だから『追憶』なんて映画は夢のような1本だったのではないかしらん?
そもそも主題歌の「The Way We Were」がヨカッタもんね。コレも力強いバラードだ。
作曲はマーヴィン・ハムリッシュだから当然といえば当然。
羽生善治は残念ながら「竜王」が獲れなかったが、ハムリッシュは、エミー賞、グラミー賞、アカデミー賞、トニー賞、ゴールデングローブ賞、ピューリッツァー賞のすべてを受賞した大作曲家。
この偉業を成し遂げた人は地球上にもう一人しかいない。
それはリチャード・ロジャースだ。
リチャード・ロジャースまで話を広げると帰ってこれなくなるのでココで止めておく。
私は「マーヴィン・ハムリッシュ」の名前を小学生の時に『スティング』で知った。
1930年代のシカゴを舞台にした『スティング』に使われている音楽はすべてラグタイム・ミュージックで、子供ながらに「マーヴィン・ハムリッシュっていう人はなんてステキな音楽を作るんだろう!」と感動してサントラのミュージック・テープを買って毎日聴いていた。
そのステキな音楽の作者はスコット・ジョプリンという黒人のピアニストで、ハムリッシュは編曲を担当した…ということを後で知って少しガッカリした。
後年スコット・ジョプリンのアルバムを買ったことは言うまでもない。
私のココまでの人生、45年分近くは、こういうことの連続でできている。
さてベット・ミドラー。
私は『ローズ』よりも前のアルバム、すなわちデビュー作にして出世作の1972年の『The Divine Miss M』やらジャケットがメッチャかっこいい『Bette Midler』、3作目の『Song for the New Depression』、ひとつ飛んで『Broken Blosson』あたりをホントに時々聴くんだけど、ま~、スゴイよね。
ナニがスゴイって、バックのミュージシャンが。
もうコレは何と言うかロック、ソウル、ジャズまでの、まだアメリカの音楽がヨカッタ時代のすごいミュージシャンが集まってできた「超豪華お買い得パッケージ」みたいなものなんだな。
アメリカの音楽界を挙げて作っていた感じ?と言ったら大ゲサか。
いかにベット・ミドラーの人気がスゴイか…ということね。
タマにはSHOW-YAさんで脱線してみました。
10v続いてはsun-goさんのア・カペラのギター・ソロ。

30vガリガリ弾くソロではなくて、青い照明に包まれたsun-goさんフレーズがたおやかに流れ出していく。

40それを受けてキャプテンのキーボーズのソロ。
一応また書いておくけど、正しい英語は「Keyboards」。
つまり、日本人が「キーボード」と呼んでいる楽器は常に複数形で使われる。
「Vocal」も同様。
必ず複数形で「ボーカルズ」と呼ぶのが正しい英語。
「vocals」は「guitar」とか「bass」のように「歌」を表すパートの名前。
「vocal」でも間違えではないが、私が洋楽のレコードやCDを何枚も引っ張り出して調べてみた限りでは、99%表記は「vocals」と複数形になっていた。
例外だったのはQuincy Jonesの『Walking in Space』。
フランク・ザッパのライブ音源のメンバー紹介でも「Guitar and vocals」とか「Keyboards and vocals」と必ず複数形にしている。
だから「キーボーズ」と書いたのは間違いではありません。

50v例によってシンフォニックかつ荘厳な音世界。
そして華麗なフレーズの連続!
70vしかし、Marshallの壁じゃないけど、やっぱりキーボーズもこういうルックスこそカッコいいよね~。
キース・エマーソンやリック・ウェイクマンとまではいかずとも、鍵盤がいくつもスタンドに乗っていて、レスリーがグイングイン回って…やっぱりコレですよ。
ロックは「重厚長大」な方がいい。
誰がロックを「軽薄短小」にしてしまったんだ?知ってるけど。
昨日書かなかったけど、記事の冒頭で紹介したSHOW-YAの新作『AURORA』が「ロックの重厚長大回帰」のキッカケになればいいと思っているのだ。

60_2キマったゼイ!

80続いてミッタン!

90_2コレは、絶対に自分自身も折れた小指を忘れてるな…というほどいつもと変わらぬ力強いプレイ。

100v_2イヤ、いつもよりパワフルだったかも知れない!

110最後はいつも通りドラの一発で締めくくった。

120メンバー全員がステージに戻り「Come on」。
140ドラム・ライザーに上がりミッタンに寄り沿うようにして歌う恵子さん。
150_2爆音麗しいsun-goさんのギターソロ!
160_2メンバーを紹介して「We are SHOW-YA!」とキメ込むシーンはいつ見てもカッコいい!

130_co「バカのひとつ覚えみたいに『戦うぞ、戦うぞ!』って言ってるけど、SHOW-YAはこれからもずっと戦い抜いて、生き抜いていこうと思っています。みんな着いてこいよ~!」
ウン、軟弱なロックとガンガン戦ってください。
ということで早速「BATTLE EXPRESS」。

170_beこの曲ではまず、恵子さんとさとさんの独特のアクションがあるよね。

190このフォーメーションは何と呼んでいるのかしら?
「抜き足差し足」?「接近」?200そして、ミッタンのソロのキメがあって…

2_s41a0390キャプテンと…

180vsun-goさんのスリリングなバトル!
ん~、ハイライトだよね~!

210vもう本編は最終コーナー。
客席はスッカリ出来上がっちゃってる!

220_2続いても勝負の歌、「ギャンブリング」。

230この曲はサビのメロディがとても印象的だ。

240本編の最後に向けて大熱唱の恵子さん!

250v_2ひとこと恵子さんから「今日は本当にありがとう!」とあって…

260v_mc最後に5人の大熱演で「FAIRY」~!

270v

280

290v

300v_2

310v_2やっぱいいね、「FAIRY」は。

320_2見どころ、聴きどころたくさんの名曲だ。

330_2この熱気が、この興奮が伝わるだろうか?

340_2そして、〆のサオ回し。

350_2今日もバッチリきまって…

360フィニッシュ!
ああ~、もっと聴きたい…ぐらいがちょうどいい。
もうこのSHOW-YAのランニング・タイムは絶妙だよ。
ゲップが出るほど見せちゃイカンって!

380アンコール。
アコギを手にして「♪Happy birthday to me」と歌う恵子さん。
そこへさとさんがケーキを持って登場。
もうね、お誕生日のサプライズなんてあり得ないでしょう。
昔はステージにケーキを持ちこんで「フ~」なんてことはやらなかったのでサプライズが成立したけど、今はもう一般的な行事になってしまっていてビックリポンなんてあり得ない。
だからコレでいいのだ。
390_2お客さんをバックに記念撮影。
撮っているのは私。

395こんな感じ。
アナタは写っているかな~?
恵子さん、お誕生日おめでとう!
また一歩、赤ちゃんに近づきました!
400_2小指のケガを恐縮するミッタンに「ミッタンがダメならメンバーで何とかするから!」と、急遽sun-goさんとフォークのチームを結成したという恵子さん。
結果、ミッタンはこうして無事ステージに上がって、元気なドラミングを聴かせてくれたが、せっかく結成したフォーク・チームなので、この日だけ特別のその演奏を披露してくれた。
男性のキーで、歌うはsun-goさん。曲は「愛をとりもどせ」。
そういえば前半で恵子さん、「今日は趣向を凝らす」って言ってたっけな~。
もちろん大ウケ。
430_2「サワリだけ新しいアルバムから演っていいですか?今日はフォーク・デュオなのでバラードを演りたいと思います」…と、『AURORA』から「ON MY CROSSROAD」を披露。

420_2『AURORA』にはボーナス・トラックとして前半で演奏した「NO REGRETS」が一番最後に収録されているが、「ON MY CROSSROAD」は実質的にはアルバムのクローザー。
恵子さんが切々と歌い上げるバラードで、sun-goさんが奏でるボトルネック・ギターがまた泣かせるんだ~。
『AURORA』は9月27日発売!

Au さぁて、最後!

440_2もちろん「限界LOVERS」で締めくくる!

450v_2

460v_2

470v

480_2

490v_2今日も熱演に次ぐ熱演の最高のSHOW-YA SHOWでした!

500SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

510次回は11月の『AURORA』リリース・ツアーね!
ああ、楽しみだ~!

520_2発売まであと1週間。
さぁ、今日もまた皆さんよりひと足お先に『AURORA』聴くとするか~!
ヒヒヒ!
530cd(一部敬称略 2017年7月30日 CLUB CITTA川崎にて撮影)

2017年9月19日 (火)

GET YOUR SHOW-YA 2017 <前編>

  
「ん~、コレは文句なく素晴らしい」
…と唸ってしまったのはSHOW-YAの最新作『AURORA(アウロラ)』。
2年ぶりとなる9月27日リリースのSHOW-YAの11枚目のオリジナル・アルバムだ。
発売までもうしばらくだけど、職権を濫用してひと足…イヤひと耳っていうのかな?言わないか…先に聴かせて頂いた。
キヒヒ…。
とにかくいいんですわ。
頂いた資料の宣伝惹句の一部を引用させて頂くと…
  
「70’s洋楽と80’s J-ROCKへのオマージュ的アプローチも含めたゴリゴリHard Rockアルバム。
時代の流れもおかまいなしの問答無⽤なサウンドとパワフルな歌唱。
メンバー平均年齢55歳というまさにギネスなアマゾネス軍団の今作は、SHOW-YAの新たな『創世記』として完成されたといえよう!!」…とある。
  
まさにその通り!
この大ゲサな表現がまさにピッタリ。間違えたことは何にひとつ書いていない。
この惹句の中には作品の内容を表現するいくつかの重要なポイントが含まれている。
まず、「ゴリゴリHard Rock」アルバム」という部分。
そう、「ヘヴィメタル」ではなくて「ハードロック」…もうネ、ドアタマから70年代なの。
思わず「プロデューサーは誰?」と資料を手にしたくなるような衝撃。
「やっぱり笹路さんか!」となる。
  
そして、「時代の流れもおかまいなしの問答無⽤なサウンド」。
70年代のロックで育った私なんかにはまず録音の状態が実にいいんだナ。
最近のCDのやたらとドンシャカドンシャカした人工的なサウンドは実に疲れるし、風情がない。
それでね、若いバンドさんなんかは特にそうなんだけど、CDとナマの演奏の差があまりにも大きすぎる。
ヘタをすると同じ曲を演っているように聞こえない。
CDを先に聴いている場合は、ライブで「エ?コレってあの曲なの?」となるし、反対にライブが先で後でCDを聴いた場合は、「エ?あの曲ってこんなにカッコよかったの?」ということに滅多やたらと出くわす。
アナログの時代はこんなことはほとんどなかったんだよ。
『AURORA』の場合、CDを聴いて「この曲、ライブではどうなるんだろうな~?」とワクワクさせてくれる。
「時代の流れもおかまいなし」なんて言ってるけど、「古臭い」なんてことは一切ない。
コレはSHOW-YAという5人のチームのオリジナル・サウンドであってね、オリジナルのサウンドには「新しい」も「古い」もない。
反対にマネッコしたサウンドは容赦なくドンドン古くなっていく。80年代のロックのほとんどや、同時期に大流行したいわゆるフュージョン・ミュージックの古臭さといったら目も(耳も?)当てられない。
The BeatlesやThe Kinksを、Led ZeppelinやDeep Purpleでもいい、パンクやニューウェイヴ以前のそれらの音楽を「古い」だなんて思ったことがありますか?ってんだ。
  
そして、「平均年齢55歳の女性ロック・バンド」!まさにギネス級!
残念ながら、「きんさんぎんさん」が100歳でラップの曲をリリースしてギネス認定を受けているらしく、どうも「CDのリリース」ということでは最年長記録を破ることはなかなかムズかしそうだ。
誰だ?そんなお婆さんにラップなんかをやらせたのは!
しからば「女性のポップ・アーティスト」ということでくくれば、どうだろう?
あ、ダメダメ!きんさんもぎんさんも女性だった!
ここは正々堂々と「女性ハードロック・バンド」という範疇でくくれば、世界でもっともベテランのバンドがSHOW-YAということになるであろう。
もうひとつ…SHOW-YAは「世界でもっともカッコいい女性ハードロック・バンド」でも十分にギネス級だと私は思っている。
それにしても「アマゾネス」という言葉はチト古いな~。
今の若い人は「ガラパゴス」は知っていても「アマゾネス」は知らないでしょう?
流行ったよね~。
あの当時は元気のいい女性はみんな「アマゾネス」呼ばわりされてたもんね。
そういえば「スケ番」という言葉も聞かなくなった。
  
ところで、「Aurora」とはローマ神話に出て来る「曙の女神」のこと。
惹句の中には「新たな創世記」という表現が用いられているが、「Aurora」はSHOW-YAの「新しい夜明け」を暗喩しているということか。
とにかくどの曲も「ロックがロックであるべき条件」をすべてクリアしているようなカッコいい曲ばかりだ。
スカっとするゼイ!
昔からのファンの皆さんがどう感じるかはわからないが、私など冒頭からノックアウトされたよ。
ああ、早く収録曲をライブで聴きたい!

80cd…というお楽しみはキープしておいて、その前に。
今日は7月の末に開催された『GET YOUR SHOW-YA』と銘打ったワンマン・コンサートのようすをレポートする。
SHOW-YAの東京地区のライブは4月末の『NAONのYAON』以来だからね。
みんなSHOW-YAに飢えてたからノッケから大盛り上がりだった。

90寺田恵子

100v五十嵐sun-go美貴

110v仙波さとみ

120v中村美紀

130v角田mittan美喜

140v1曲目は「私は嵐」。
恵子さんの歌声が宙を裂く!
ああ、ナンカ「帰って来た~!」という感じがするな~。
SHOW-YAが帰って来たんじゃなくて、自分が帰って来た感じ?

150sun-goさんのギターソロ…

160さとみさんのベース・ソロも決まって…

170「嵐」ポーズ!

180コレコレコレコレ!
これがSHOW-YAのショウのオープニング。
何物にも代えがたい充実感。
続けてブっ飛ばしていくぞ~!

190v…と思ったらアレレ?
いつもならアタマ3曲ぐらいは猛ダッシュするところ。
矢継ぎ早に次の曲に行くかと思ったら今日は恵子さんのMCになった。
こんなの見たことがないぞ!どうしたんだ?!
「久しぶりのワンマンです。盛り上がっていきましょう!
その前にひとつ報告があります」
ナンダナンダ?

200vミッタンに顔を向けて話を進める恵子さん。
「数日前、ミッタンが骨折しました」
エエ~ッ?!
「♪あなたが噛んだ小指が痛い~」なんて恵子さんは歌っちゃってるけど大丈夫なのかしらん?
「小指の想い出」は1967年の伊東ゆかりの大ヒット曲。
私は幼稚園生だったけど、そこら中でこのメロディがかかっていて、「何で小指を噛んだりするんだろう?大人ってヘンだな…」と不思議に思ったのを覚えてますわ。

210ミッタンは右手の小指を骨折してしまったという。
かわいそう!
「『絶対やる!みんなが待ってるから!私は戦う女だ!』というミッタンを止めるワケにはいかなかったの。そういうワケでミッタンの小指の分までメンバー全員一生懸命やるからね!」と恵子さん。

220怪我をした右手を上げて声援に応えるミッタン。
ドラムスって手足だけを使っているように見えるけど、モノスゴく指を使う楽器でもあるんですよ。
特に右手の小指はライド・シンバルやハイハットを叩く時のスティックをコントロールするのに重要な役割を果たすので今日のミッタンは大変だ。
がんばれミッタン!

230v「みんなが心配してミッタンの小指ばっかり見るかもしれないけど…お願い!私を見て~!」

1_0r4a0202…ってんで2曲目は「LOOK AT ME」。

240_lamやっぱり心配なミッタンの小指!
ゴメンナサイ…ドラミング的にはなにひとつ障害があるようには聞こえません。
サスガ、「戦う女」!

300vいつも一生懸命のSHOW-YAだけど、あんな報告を聞いてしまうと一段と気合が入っているように見えますな。
320まさにそんな気迫のこもったキャプテンのソロ!

310vしかし、この曲カッコいいよな~。
大好き。
ロックとSHOW-YAの魅力が存分に詰め込まれていると思う。
330sun-goさんもガツンといった~!

1_0r4a0212 メンバーのアクションに大きな歓声が浴びせられる。
もうスゴイ熱気~!

350続けてアルバム『Genuine Diamond』のオープナー、「Bloody Rose」。

360v_br遠慮なく続くドライビング・チューンで会場の興奮がグングン募っていく!

370v恵子さんが「薔薇の紋章」を見せてくれたよ。

375「♪ゴンゴロンゴンゴロンゴンゴン」と「流星少女」のイントロの爆音はMarshall。
ま、全編Marshallなんだけど…。
やっぱりいいね、真空管のアンプってのは。
ヘヴィなロックをやっていて、太くて抜ける音を出したいと思っている若い女性ギタリストは遠慮なくsun-goさんのマネするといい。
え?sun-goさんがどんな機材を使っているかって?
じゃ、今日は特別に教えてあげよう。

380_rsアンプヘッドはMarshallの現フラッグ・シップ・モデルJVM410Hね。
プリアンプもパワーアンプもすべて真空管でドライブさせる「オール・バルブ」とか「フル・バルブ」と呼ばれているタイプ。
「バルブ」も「チューブ」も同じ「真空管」という意味。
イギリスでは「バルブ」、アメリカでは「チューブ」と呼んでいる。
オール・バルブのアンプは大きな鉄の塊のトランスが2個入っているのでやたらと重い。時間が経てば真空管の交換も必要だ。
運搬やメンテナンスが面倒だ。
今、デジタル・アンプなんてのが普及してしまっているけど、そんな面倒がかかってようやく手にする真空管アンプのサウンドが、軽くて手間いらずのデジタルのアンプと同じ音がすると思いますか?
sun-goさんのギターの音を聴けばその答えは一発でわかるでしょう?

390スピーカー・キャビネットはMegadethのDave Mustineのシグネチャー・モデルのBaseタイプ、1960BDMだ。
MarshallのAキャビだのBキャビだのは、「A」はAngled 「B」はBaseの略ね。

400足元のようす。
優れもののJVM付属のフットコントローラーを活用している。

410アップテンポの曲がまだ続く。
ホント、「流星少女」もすっかりスタンダードになったね。毎回書いてるけど。
450v…というのも、この曲とは東京キネマ倶楽部でのMV撮影の時からお付き合いさせてもらっているので、こうしてスタンダードになって毎回演奏されることがとても感慨深いのだ。

420SHOW-YAのタオル曲。
今日もギンギンに回っていました。

430ま、実際に曲がいいからね。
タオルを回そうが暴れまわろうが肝心の曲がツマらないと息の長い曲にはならんがね。

440「いつもより多く走ってます!」
ココで出たのが恵子さんの時事トーク。
その時流行っているギャグを必ず引用するトークが大抵いつもあるよね。
今回は政治系のネタ。
きっとやるだろうな…と思っていたけど。
「この中で一番ハゲてんの誰だ?」
出た~…少しはハゲの身にもなってやって欲しいものですが…。
「このハゲ~!」が炸裂!
おもしろいナァ、恵子さんは!
でもね、人間「ケ(毛)」ではありませんよ。「キ(気)」です。「ケ」を「ク(苦)」にしている人もいるけど、それは「コ(個)」というこで「カ(可)」にすべき…ん~、我ながらウマくまとまった。
こういうことを考えるのが好きなのは父親ゆずりでしてね…コレがホントの「家業(カ行)」です…ナンチャッテ!
この後、ラジオ体操の話で盛り上がって次の曲の紹介へ。
パチンコ「北斗の拳」とのコラボレーション企画だった「NO REGRETS」。
私は「北斗の拳」ってもうゼンゼンわからないのね。
新入社員の合宿研修の宿舎のテレビで「アチャチャ」ってやっていたのを覚えてる。
もう退屈な研修で私は「すでに死んでた」わ。
で、家内がメモした恵子さんのMCのセリフを見ると、「『ラ王』をイメージして書いてもらった曲」とある。
作曲は恵子さんで作詞は森雪之丞さん。
「ラ王」…?
なんでSHOW-YAがカップ・ラーメンと関係があるのか?と一瞬マジで思ったけど違うのね。
ウチの家内のメモは「天下一品」です…ナンチャッテ2!(←ラーメンにひかけていますよ~。念のため)2_s41a0108 そんな勉強不足に喝を入れられたかのようなハードなスピード・チューン。

440_nrもはやミッタンの小指のことなど忘れられているのではというチョイス!
ミッタン、壮絶に戦っています!

2_s41a0094 この曲は『AURORA』のクローザーとして収録されている。
うれしいね!

460v恵子さんがギターを提げて演奏するのは『PROGRESS』から「反逆のフラッシュ」。

470_hfこれまたゴキゲンなスピード・チューン。
こうして見ると、SHOW-YAのアップテンポな曲の品揃えってのはメッチャ充実しているよね。
どれもが濃い。

480…と思っていたらミディアム・テンポでヘヴィに迫りくる「Metallic Woman」が!

500_mw今日も冴えわたるキャプテンのコーラス!

510vマイクスタンドを小脇に挟んで客席に詰め寄る恵子さん。
カッコいい~!

515曲調にベスト・マッチしたsun-goさんのギター・ソロも素晴らしかった。
しつこいようだけど、やっぱりロック・ギターは真空管のアンプに限りますナァ。
こういう演奏を聞くとますますそう思うわい。

520ココで人気のメンバーさんMCコ~ナ~!
いつも通り、まずはミッタン。
「ご心配をおかけして大変申し訳ございません!」

540v今の5人のメンバーで世界ツアーをやりたいという話から、全生命体の細胞の数までスケールの大きい話が続き…「ここへ来てなおさらSHOW-YAでヨカッタと思っています。細胞を若返られせやっていきたいと思います!」

550「さとちゃんで~す!」

560v「『ミッタンがケガをした』と聞いた人のほとんどが酔っ払ってやったんじゃないか?って思っているみたいです、sun-goから電話があって『今度からミッタンが飲みに行くときはさとも一緒について行って!』と言われました~」

1_0r4a0493 「次は還暦が間近のキャプテンです!」…と、中村さんにはやたら還暦ネタで迫る恵子さん。

1_0r4a0494_2 「まだです!」
またそれにマジメに応えるキャプテン。
「次の誕生日が来ても還暦までにはまだ2年あるのでまだまだ50代を楽しみます!」

580v恵子さんから「還暦って何色を身に付けるか知ってますか~?」と訊かれて…
「足元を見てください!チョットずつ染まりつつあります!」とキャプテン。
カワイイ赤いリボンのついた靴!

590「あと2年あるから、このままみんなとSHOW-YAと共に50代を楽しみたいと思います!」
私がSHOW-YAさんの写真を撮らせて頂くようになって丸8年。
年々、このコーナーでこうした年齢に関する話題が多くなってきているような気もするが、いいじゃないですか!
ジャズやブルースの女性歌手だったら70、80歳まで歌った人は珍しくないけど、還暦を過ぎてヘヴィなロック・バンドで演奏活動をバリバリにやっている女性プロ・ミュージシャンは、世界広しといえども「中村美紀」さんだけじゃないかしら?
まだ2年あるけど。
スゴイことですよ、コレは。
本当にまだまだ続けて欲しいと思いますよ。
そして、最後までライブ写真を撮らせてもらいたいんです。

600「『還暦イェーイ!』っていうシールを作ってさ、『SHOW-YA カンレキ!』っていうのいいんじゃない?」
私と誕生日が1日違いのsun-goさん。まだしばらくあるよね~、還暦まで…大して変わらないか。
ところで、我々の世代は絶対に「シール」だ。
子供の頃「ステッカー」なんて言葉はなかった。
ちなみに「ステッカー」は外人には通じない日本語英語ですよ。
正しくは「スティッカー」ね。
「stick」というのは「貼り付ける」ということ。もちろん「棒」という意味もある。イギリス紳士が持ち歩くあの杖もそうね。日本では「ステッキ」と言っているけど、正しくは「スティック」。
だから、あの「スティックのり」っていうのあるでしょ?棒状ののり。
あの商品名ってシャレになってるんですよ。
この「stick」でおもしろいと思ったのは、「stick around」として「あたりをブラブラする」という英語表現。
長くなっちゃうので、この話はまた別の機会に。

610v「うまく身体と付き合っていきます。できることだけやる。無理はしない」
まさにコレです。
ムリして身体を使うぐらいなら、身体を使わないように無理して考える。
コレがベテランの身体の使い方です。
ホント、頭はムリしてでも使うようにしてる。
まだまだ知りたいことが多くて困ってんのよ。
だから本を山ほど読みたいんだけど、今度は身体がついて来ない。
すぐに眠くなっちゃうんだよね~。
チョット、sun-goさん、ゴメンね。
実はね、今回この記事を書くのに大失敗をした。
何時間もかけて調べて書いた大量の文章を全部消去することになったのよ…というのは『AURORA』のせい。
「Aurora」というのは冒頭で触れたようにローマ神話で「曙の神」で、コレを調べてみるとギリシャ神話だと夜明けの神「Eos」になる。
この「Eos」をスッカリ「Eros」と読み間違えた。
よっしゃ!「エロス」とくりゃ、ロンドンのピカデリー・サーカスだ!SHOW-YAはロンドンでレコーディングもしているし、Marqueeにも出演しているし、コイツぁおあつらえ向きだ!ってんで「エロス」の写真をかき集めて、調べに調べた。
そしたらアータ、よく見たら「Eros」じゃなくて「Eos」っていうじゃないのよ!
どうすんだよ、何時間もかけて文章を書いたのに…。
普段だったら癇癪を起しマウスを床に叩きつけてコナゴナにしてしまって、後悔しながらポイントカードが財布に入っていることを確かめてからヨドバシカメラに新しいマウスを買いにいくところだった。
でも、今回はゼンゼンへーき。
怒らない、怒らない。
ナゼなら、「Eros」を調べているうちに色~んなことを知ったからシアワセだったのです。
あ、sun-goさんじゃなくて私のトーク・コーナーになってしまった!
そういえば『AURORA』の中に「♪エロすぎる長髪」という1節の曲があったな。

620vひと回りして恵子さん。
「sun-goは私のことヤンキーっていうけど、母校の中学校から『演説してくれ』って言われるのよ!
話せな~い!
みんな私を『悪い人』にしたがるけど、私は『いい人』なのよ!」
わかってます!
「今日はいつもと趣向を変えてやろうと思っているんだけど、懐かしい曲をやります」

640vまずは恵子さんの愛唱曲「The Rose」。

650これまでにも時折取り上げて来たBette Midlerの代表曲のひとつ。
恵子さんはいつも本当に丁寧にこの曲を歌い上げる。660sun-goさんが加わる。
2人の声質の相性は申し分ない。
とても美しいハーモニーだ。

670vそして、それをあたたかく包み込むキャプテンのキーボード。

690v「静」のSHOW-YAの真骨頂ともいえる感動的なシーンだった。

700SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

710<後編>に続く
 
(一部敬称略 2017年7月30日 CLUB CITTA川崎にて撮影)

2017年9月15日 (金)

小野瀬囃子ショウ~The Music of 四人囃子

  

数日前、伊藤広規さんのバンド「Koki Tetragon」のライブのMCで、ギターの松川純一郎さんの口から「古澤良治郎」という名前が出て思い出した。
1983年のアルバム『たまには。』。
久しぶりに聴いてみたが、古澤さんを囲んで峰厚介、佐山雅弘、廣木光一さんらが作り上げる音楽の、マァ、何とも素晴らしいことよ。半分ぐらいレゲエなんだけど。
奇しくも今月発売のギター・マガジンでは『ジャパニーズ・フュージョン/AOR』特集と銘打って70年代後半から80年代にかけて巻き起こった大フュージョン・ブームに焦点を当てているが、こう言っては失礼に当たるのであろうが、そこに登場する商業的に大当たりしたスターたちの音楽とはまたひと味もふた味も異なる、ジャケット通りの「ボヨヨ~ン」としたリラックスムード満点のテイストがタマらなく…いい!
正真正銘のグッド・ミュージック。

1_img_0761で、ナニが「たまには」かというと、西荻窪のことなのね。
何せA面1曲目のタイトルが「たまには西荻に遊びに来ませんか?」だから。
原題が「Once in a While in Nishiogi」となってる。
この「once in a while」というのは、もちろん「たまには」という時折使う英語表現なんだけど、同名のジャズのスタンダード・チューンがあって、古澤さんはきっとそこに「西荻窪」をつなげたのであろう。
「Once in a While」ってのメッチャいい曲でしてね。
私はもっぱらArt Blakeyの『A Night at Birdland vol.1』 のClifford Brownをフィーチュアした「Once in a While」なんだけど、1952年のPatti Pageバージョンが有名らしい。
さて、そんな「グッド・ミュージック」を聴きに、私もたまには西荻窪へ行ってみようじゃあ~りませんか!1_img_0767 ハイ、来た!
久しぶりだけど、おなじみのTerra。
今日、西荻で体験する「グッド・ミュージック」は四人囃子。
やっぱり四人囃子のある街へ行ったら泣いてしまった…イヤ、泣かない、泣かない!
今回も日本のロック史に残る名曲をガッツリと聴くぜ!

10ところで、Marshall Blogで何回も紹介している『四人囃子 ANTHOLOGY ~錯~』が、いまだもって好評のようだ。
まだお聴きになられていない音楽ファンはゼヒ!

20cdさて、今日のステージに上がっているのはMarshall ASTORIA CLASSICとNATALのバーチのキット。
コレで四人囃子の音楽を聴かせて頂く…ああ、何たるシアワセ!
Marshall GALAの時もMarshall、NATAL、EDENだったんだけどね。

40冒頭はTerraの寺田さんから今日の出演バンドのご紹介。

50そのメンバーは…
まずは四人囃子のおふたり、岡井大二と…

60v…坂下秀実。
坂下さん、Marshall GALA以来。

70vベースは大澤逸人。

80vそして、ギター/ボーカルズに小野瀬雅生

90v1曲目。
大二さんの♪ドコロドンで始まるのは…

110v1978年のアルバム『包』から…

Bao 「眠たそうな朝には」だ!
いきなりうれしい。

1_img_0006 小野瀬さんは大分前の楽器フェアでギターのデモンストレーションをされていたのをお見受けしただけ。
今回はじめて歌声を聴かせて頂いた。
バッチリとミツルさんのボーカル・パートをこなされていた。
1曲目からコレじゃあ今日もこの先楽しみだぞ~。

120坂下さんのピアノから2曲目が始まる。
150グッと時代がさかのぼって1974年の『一触即発』から「空と雲」。

Sokuhatsu1曲目とは雰囲気がガラっと変わったジックリ系のナンバー。

130_skこれがまたとてもいい感じなのだ。
そういえば、「家」をどう読むかという話があって、江戸っ子は「ウチ」と読むのを好む傾向がある…という話を聞いたことがある。
だからこの「黄色いウチ」があるのは少なくとも東京だろう。
東京のどの辺りなんだろうか?
  
「長く細い坂」があって…

1_img_3140 「古いお寺がたくさん」あって…

1_img_2998このエリアはすべてが古いお寺だと言っても過言ではない。

1_img_3021「たくさん」ではないけど「木立ち」もチラホラ…。
写真はこの辺りのシンボルの樹齢90年のヒマラヤ杉。

1_2img_3030 コレはどこかというと…「谷中」です。
「黄色い家」がないので、残念ながらこの曲の舞台は谷中ではないのだろう。
お寺で遊ぶ子供の姿は見ない代わりに、「JAPON」とか「TOKYO」とか表紙に書いてあるガイドブックを片手に外人の観光客がゾッロゾロ歩いてるわ。
知ってる?外人って滅多に私に道を訊かないんだよ。
でも先日、上野の駅で中国人に道を訊かれた。
ものすごく片言の日本語で苦しそうに話しかけて来たので、「英語でどうぞ!」と言ったら、首を横に振りながら「中国語でお願いします」だって!
たくましいわ~。

 
こんなことを考えながら音楽を聴くのは楽しい。
言葉の通じるロックはそういう喜びがあるね。

140vMCでは「緊張してます」連発の小野瀬さん。
イエイエ、まったく堂に入った演奏でござる。
そして、何よりも最高に楽しそうだ!
実は私は小野瀬さんと全く同じ歳でしてね。四人囃子の大ファンだという小野瀬さんは高校の時分に四人囃子をよくコピーされたのだそうだ。
以前にも書いたことがあるが、私が高校の頃のバンド・コンテストには「一触即発」を演奏するグループもいたわ。
いい時代だ。
で、この小野瀬囃子、今回で2回目の上演となるそうだ。

1553曲目は「カーニバルがやってくるぞ」。
『ゴールデン・ピクニックス』は1976年の作品。
さっきから演奏曲が収録されているアルバム・ジャケットをいちいち掲載しているが、四人囃子はジャケットもステキだからね。
サウンドだけでなく、ビジュアルも超一級なのだ。

Picnics多分私が一番最初に好きになった四人囃子の曲がコレだったと思う。
中学3年ぐらいの時?だから1977年ってとこか…。40年も前のことか…。
その当時から『ゴールデン・ピクニックス』は名盤の誉れが高かった。

160v_c「♪こわれかかった真っ赤な車に乗って…」とジェットコースターのように展開していく曲調が大スキだった。

170レオ・フェレの「Paris Canaille」のパートから…

180v「イケ~!」とギター・ソロへ。
210vオリジナル・メンバーのおふたりは当たり前に余裕シャクシャクだとして、小野瀬さんと大澤さんのプレイも完璧!
200v最近、植草甚一の本で読んだんだけど、「おいしい食べ物」というのは、子供の頃食べて「おいしい」と思ったものが絶対なんだって。
つまりは「三つ子の魂」というヤツね。
どんなに高級な神戸牛より、子供の頃に食べておいしいと思ったドンドン焼きの方が上なんだって。
大人になってから「おいしい」と思ったものは、その時すごくおいしいと思うだけで、すぐにその味を忘れてしまうのだそうだ。
そうかも知れない。
そうだとしたら、音楽も同じだと思うね。
この「カーニバル」なんてのはまさに私のドンドン焼き。
何年経ってもおいしいわ。
え、「ドンドン焼き」って知らない?
お好み焼きのできそこないみたいなヤツ…だと思って調べてみると、コレって今では「山形のソウルフード」ってことになってるの?
由来は同じらしい。
屋台を引っ張る棒に太鼓が付いていて、「ドンドン焼きが来たよ~!」と到来を知らせるためにそれをドンドン鳴らしながら歩く。
今の大学堂の社長の歌と同じだ。
でも、ウチの方に来ていたドンドン焼きは具のほとんど入っていない低級なお好み焼きみたいなモノだった。
だから子供の頃は「お好み焼き」のことを「ドンドン焼き」と呼んでいた。
似たようなもので「もんじ焼き」というのがあって、駄菓子屋の奥の汚いことこの上ない小部屋に設置してある鉄板で焼いて食べる、それこそ具なしの「もんじゃ焼き」みたいなものだったが、私は子供ながらにそれがとても不衛生に思えて、友達に誘われても決して行かなかった。イヤ、知っているところを見ると、一回ぐらい行ってイヤになったのかもしれない。
私は幼少のころ23区のハジッコの方に住んでいたが、そういえば、まだ物売りがたくさん来たな。
焼きいもやおでんや竿竹売りなんてのはかなり後まで来ていたが、豆腐屋、金魚屋、風鈴屋、玄米パン、きびだんご、どんどん焼き、傘直し、靴磨き等々…今では全部amazonか?
昔は風情があってヨカッタな~。
  
この大二さんの真剣な表情!

190v続いては同じく『ゴールデン・ピクニックス』より「Lady Violetta」。

Picnics_2ん~~、何て美しいギターの音!
小野瀬さんはココまでほぼ曲ごとにギターを替えているが、それぞれのギターの音がガラリと変わって、その特性が一発でわかる。
いいアンプってのはこういうものなのです。

220_lv前述のギターマガジンに「日本のロックの名盤であると同時に、クロスオーバー感覚の名盤」として『ゴールデン・ピクニックス』を挙げ、「Lady Violetta」をその例としている。
同感。
ただ、残念なのは「レディ・ヴァイオレッタ」と表記してしまっていること。
ん~、マーブロをご覧頂いていないのね?読んでないか、昔のMarshall Blogだしね。
正しくは「レディ・ヴィオレッタ」。
以前、Marshall Blogで私が作曲者である森さんにインタビューをした時にMaxfield Parishという画家の作品に登場するのが「Lady Violetta」だということを教わった。
発音は「ヴィオレッタ」。
そういうご指摘を頂戴し、私は以降Marshall Blogでこの曲に言及する時は「レディ・ヴィオレッタ」と表記することを約束したのだ。
このお方はヴィオレッタさん…タイトルは「タルトを作ろうとしているレディ・ヴィオレッタ」。
どうもそのようには見えんな…さぞかし美しいタルトに仕上がるのだろう。

Lv Marshall Blogでおなじみのジャズ系ギタリスト、関雅樹さんが演奏する時はみんな平気で「レディバイ」なんて呼んでいるけど、名曲中の名曲だよね。
この曲にまつわるBoz Scaggsの話は以前したか?

230v1部の最後は四人囃子初のシングル、「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」。

Seおなじみの6/8のイントロを耳にするとやっぱりワクワクしちゃうよね。

240_eb小野瀬さんのパワフルな歌唱が実に気持ちいい。
ところで、弟さんが一体何の映画に出たことがあるのか知りたいと思わない?
エキストラなんだろうけど、気になるところ。
それと「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」という文句がいいよね。
コレ、英語にしたら「My younger brother got on a flying saucer」?
味も素っ気もない。
ただ、つい勢いに乗って「空飛ぶ円盤が」と歌ってしまうと大変なことになる。
「空飛ぶ円盤が弟に乗ったよ」となって、弟さんが瀕死の重傷を負いかねないことになってしまう。
たったひとつの助詞で(この場合ふたつ)文章の意味を変えてしまう日本語による歌詞もステキなものだ。

250この曲、メロディだけを切り取ると、すごくケルトだって知ってた?
そんなこと思っているのは私だけなんろうが、たまたまこの曲のメロディをギターでナゾっていて気が付いた。
アレ?コレってバグパイプのアレじゃん!

260vコレ。
こういうのを「Pipe Band」っていうらしいんだけど、この写真は実際にエジンバラ城に行った時に撮影したもの。
音はアホほどデカいし、演奏者はカッコいいし、エライ感動したわ。
コレが「円盤」を演奏したら絶対ハマるしカッコいいと思うわ。

1_img_6523 第1部が終わったところで脱線。
バグ・パイプのジャズっていうのもあるんよ。
Rufus Harkeyという人の『Bagpipe Blues』というアルバム。
どんなんかと思って試しに買って聴いてみた。
つまんなかった。
楽器の構造や音量や機能的にバグ・パイプでジャズはムリだって!
でも、アンプラグドではこの世で最も大きな音を出すことができる楽器がバグパイプだって知ってた?
パイプ界のMarshallだぜ。

1_bpb 会場では『錯』の販売も実施。

270予想通りこの日は超満員の完全満席状態だった。
それでも無理をお願いして、撮影のスペースをこのテーブルの奥に作って頂いた。
寺田さん、どうもありがとうございました。
で、このテーブルにカメラを置いて開演を待っていると、お客さんがお越しになられた。
すると、そのお客さんがテーブルの上に置いてある私のカメラをご覧になられて「素人の持ち物ではありませんね?」とお声をかけて頂いた。
「はい。ブログ用の写真を撮るんです。お邪魔をしてしまって申し訳ございません」とお詫びをした。
何のブログかとお尋ねになられるので、「ギター・アンプのMarshallのブログなんです」とお答えすると、「エ!それってMarshall Blogのこと?ナニ、アナタが書いていらっしゃるの?読んでますよ~!」と最高にうれしいお答え!
こういうのはホントにうれしくてね。
一生懸命やっている甲斐があるってものです。
ありがたいことにお酒や食べ物をすすめて頂いたが車だったので一切飲めず。
聞けば皆さん、四人囃子のコピー・バンドをされているそう。うらやましいな~。
バンド名を「四人小囃子」とおっしゃるそう。
アレ?もしかしてメンバーさんが全員同じ名字でまさか「四人小林」とか?
そんなことないですね?
もう本当にご親切にして頂きありがとうございました…ということで記念撮影をして第2部に突入!

280第2部は「おまつり」から。

Sokuhatsu_2「♪チンチンチンチキ、チンチンチンチキ…」。
大二さんが奏でる日本で一番有名なシンバル・レガートから曲は始まる。
こんなのないよ。
たった1小節のトップ・シンバルの音だけで曲がわかるなんて。
「She Loves You」の「♪ジャーン」みたいなもの。

290v_oそしてこれまた有名なギターの旋律。
もちろん小野瀬さんは完コピで雰囲気満点で聴かせてくれる。

300vコロコロとダイナミックに変化していくシークエンス。
いいよな~。
この真ん中のパートで、みんなでひとつずつ歌を歌うことになるじゃない?
皆さんはあのシーンってどういう風景を想像するんだろう?
私はね、ナゼか「ねじ式」を思い出すんだよね。
「メメクラゲ」が出て来るとかそういうことではなくて、身体の調子の悪い時に見る夢みたいな感じ?
そんな情景を思い浮かばせるロックの曲なんて他にあるだろうか?

310続けて…坂下さんのキーボードが愛らしいメロディを奏でる。
320v_h1977年の『Printed Jelly』から人気の「ハレソラ」だ。

Jellyこの曲もはじめて聴いた時は感動したな~。
こんなこと演るバンドなんていなかったからね。

330vパノラミックでダイナミックでドラマチックでスリリング。
ロックの一番カッコよくて楽しい部分が凝縮された曲だと思うよ。
今の若い人が聴いたらどう思うんだろう?
あ、若い人にもいい音楽は通じるのですよ!…というのは、Marshall GALAで「ラム」と「なすちゃ」と「即発」を演奏してもらったんだけど、他の出演者を目当てに来てくれた20歳の女の子が、四人囃子の音楽に感動したって私に言ってくれたの。
我が意を得たりだった。
後、聴くべきは若いミュージシャンだな。
「ありがとう」やら「がんばれ」ってやっている連中に聴いてもらってブッたまげて欲しいわ。

340坂下さんとのツイン・リードもバッチリ。
次から次へと見せ場の多い曲だでね。
楽しいことこの上なし。

345大澤さんは「小野瀬雅生ショウ」で小野瀬さんと活動をともにしているベーシスト。
海外での演奏経験もある腕利きだ。
この日、初めてお会いしたんだけど、何と気さくで魅力的な人よ!
機材を運び入れるためにお店に入って、目が合った瞬間からお友達になって頂けたような…。
だから、この曲のベース・フィーチュアのパートなんて楽しいにキマってるよね。

350vココで難曲。
『ゴールデン・ピクニックス』からの難曲といえば…

Picnics_3「なすのちゃわんやき」ね。
「なすちゃ」なんて言ったらバチが当たりそうな日本を代表するロックの難曲にして名曲。
頼むからこういう曲を演奏する若いバンドが出て来いや!

360_n複雑なキメやダイナミクスの連続はスリルそのもの。
小野瀬さんは自家薬籠中のモノのようにスムースに弾き続ける。

370v大二さんはいつも通り、的確にサラサラと曲を進める。

380vコレがまたバッチリきまったのよ~!
小野瀬さん、弾き終わってひとこと……「ヨシヨシ」。

390v最後は当然ナマケモノということになるわね。

Sokuhatsu_3「♪ゴ~」と始まる「一触即発」。
試しに「一触即発」を英語でどう表現すればいいかインターネットでツラっと調べてみた。
「dangerous situation」?…まったくツマらん。
他にこんなのがあった。
コレはタランティーノの『パルプ・フィクション』に出て来るセリフらしんだけど「You got me in the red」。
「オマエのせいでオレはレッド・ゾーンだよ」って感じ。
そうか…「Red」ってそういう風にとらえることができるのか。
プログレ・ファンはこの変な符合にニンマリ。
そういえば、「一触即発」って極めて「危機」的な状況だよね。

400私は「♪ギャッギャ、ギャッギャ」という坂下さんのオルガン・イントロ・バージョンも好き。

410vこのイントロのギター・ソロも日本のロック・ギター史に深く深く刻まれる名旋律だろう。
今のロック界を鑑みて、誰かのギター・ソロが歴史に残るなんてことはもうこの先ないだろうね。

420さすがの名手ぞろいでこのスペクタクルな一編もサクサクと進んでしまう。

430v本編終了。
やっぱり四人囃子の音楽は素晴らしい!

440アンコールは『Printed Jelly』から。

Jelly_2何だろう?
どうも大二さんがあんまり乗り気でなさそう…恥ずかしそうにしてるのだ。
でも曲は大二さんのシャープなフィルで始まった!

470vなるほど!
「N★Y★C★R★R★M」!
「New York City Rock 'n' Roll Machine」ね。
このポップな囃子ナンバーをリクエストしたのは小野瀬さんのようだ。

450vゼンゼン、カッコいいです。
マンハッタンを12ブロック歩くなんて、アッという間だよ。
私は59丁目のコロンバス・サークルから南の終点、すなわちマンハッタン島の最南端のバッテリー・パークまでブロードウェイを歩いてみたことがあった。
もう「何丁目」というエリアを通り過ぎて、ハウストン・ストリートを渡ってまだ歩くと、どうだろう総計80ブロックぐらいになるのかな?
まさに「Broadway the Hard Way」!
足が完全に棒になったけど、イヤ~、メチャクチャおもしろかったな。
今より四半世紀も前のことなのでまだ足腰がシッカリしていたんだね。
マンハッタンはアベニューを横切ってストリートを東西に歩くのは退屈だけど、アヴェニューを南北に歩いて回るのは最高に楽しい。
ブロックごとにガラリと街並みが変わり、決して飽きることがない。だからいくらでも歩けちゃうのよ。
普段ほとんど聴くことがないこの曲だけど、小野瀬さんの歌を聴いてその時のことを思い出しちゃった。

460vロック・テイストあふれるギンギンのドライビング・チューンで大盛り上がり!

490v「ラム」が出なかったのは個人的にチト寂しかったけど、「森さん期」と「ミツルさん期」の代表的レパートリーをバランスよく混ぜ込んだセット・リストはとても魅力的だった。
480v四人囃子の音楽は…やっぱり不滅だね~!
  
さて、大二さん。
冒頭でチョット触れた大二さんが参加している伊藤広規さん率いるKoki Tetragonが、名古屋、大阪、神戸、札幌をとツアーし、今週のはじめに横浜で千秋楽を迎えた。
1_img_0722コレでKoki Tetragonの活動は一旦お休みとなるが、ライブCDとDVDがリリースされているので、是非ご注目頂きたい。
大二さんのNATALサウンドがテンコ盛りってことよ!
私が担当させて頂いた写真とライナー・ノーツもよろしくね。
 
Koki Tetragonの詳しい情報はコチラ⇒伊藤広規公式サイト
Kt
  

<<<NATAL NEWS>>>
NATALのドラム・キットが叩けるスタジオ、高田馬場のバズーカスタジオに新しい仲間が増えました。
それは14" x 6.5"のスチール・スネア・ドラム。
コレね。
見た瞬間、「オオ~!」っと声を出したくなるようなたたずまい。
実にゴージャスじゃあ~りませんか!
普通のスチールとは異なりチョット黒味がかっている。

1_3img_4207パーツはすべて「ブラッシュト・ニッケル(Brushed Nickel)」という仕様。
新型のスネア・スロー(Snare Throw)の感触も実にいい感じ。

1_2img_4208カ~!
居合わせたドラマーにチョット叩いてもらったんだけど、何たる音ヌケ!そして深い!
こりゃアンサンブルの中でもクッキリ音像が浮かび上がってくるのは間違いないな。
自分がドラマーだったら欲しいわ~。
  

1_2img_4212

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★上記のスネア・ドラムだけでなく、NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

 

(一部敬称略 2017年7月28日 西荻窪Terraにて撮影)

2017年9月14日 (木)

国を挙げてロックを盛り上げるぞ!あ、イギリスの話ね。

  
今日の記事は質問から…。
「音楽に夢中になっていますか?
自分の音楽で成功したいと思いますか?
音楽業界やその筋のエキスパートとお近づきになりたいですか?
自分の音楽を広く聴いてもらいたいですか?
もっとライブの機会を増やしてファンの幅を広げたいと思いますか?」 20 突然ビックリした?
今日の記事は、約1週間前に本国のMarshallのウェブサイトに掲載されたニュースの書き出しでスタートしてみた。
タイトルはコレ。

10 単語はたった4つだけどパッと見るとチョットややこしい。
文章は「BBC INTRODUCING」が「AMPLIFY」を「HOSTS」するということ。
「BBC INTRODUCING」というのは、BBCが放送しているラジオ番組の名前。
まだどことも契約をしていないデビュー前のバンドやアーティストを発掘するプログラムだ。
「HOSTS」はいいでしょう。新宿歌舞伎町のアレとは違いますよ。ま、ココでは「関わる」ぐらいの意味。
そして、「AMPLIFY」。
コレはMarshallのようなの増幅装置のことではなくて、イベントの名前。
Marshallのウェブサイトのニュースは、この記事の冒頭の引用から以下のようにつながっていく。
 
        *          *          *         *  
 
何百ものDJやアーティスト、そして業界のプロたちが、音楽で身を立てる方法をあなたに伝授する機会を見逃す手はありません。
他の人達よりもあなたが目立つように、また自分の曲がプッシュされるように、150にも及ぶ音楽やライフ・スタイルのブランド並びに製品を選択してください。
     
10月6~8日までエクセル・ロンドンにおいて、音楽業界の関係者が一ヶ所に結集して『Amplify(アンプリファイ)』が開催されます。
ユニークなワークショップのプログラムを通じて、一対一で業界のプロから成功のノウハウを学ぶチャンスが到来するのです。
  
DeezerやUrban Development、さらにLiveNationのような団体が担当する100を超える会合に250名を超す講演者を招き、さらに過去10年以上の間にBBC Music Introducingを通じて成功を収めた先輩たちから話を聞くチャンスがあります。
  
すでに一部が発表されている通り、The Libertines、Bugzy Malone、Blossoms and The Courteeners、また、Annie Mac、Huw Stephens、Steve Lamacq、Jo Whiley、MistaJamといったキラ星のような人気DJや業界のエキスパートの参加も決定しています。
    
ミュージシャンがこと細かなアドバイスが得、自分たちの曲が業界のエキスパートに耳に入るよう、BBC Music Introducing Feedback Centreが全面的にAmplifyと絡むこととなりました。

30 チケットの購入はコチラ⇒https://introducingamplify.com/tickets

Amplifyのプログラムの詳しい情報はコチラ⇒https://introducingamplify.com/programme

        *          *          *         *
 
…ってな感じ。
このニュースの原文はコチラ⇒Marshall Amplification Official Web Site

BBC MUSIC INTRODUCINGの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

 
Deezerとはフランスに拠点を置くストリーミングの会社。
Urban Developmentは音楽事務所っていうことになるのかな?制作会社っていうのかな?Marshall Recordsの事務所も入っているロンドンのKings Crossにほど近いTileyard Studioに居を構えている。
さらにLiveNationは数年前に日本法人も設立したエンタテインメント制作会社。20分に1回、世界のどこかでLiveNationが手掛けるイベントが開催されているという世界的な企業。
 
ExCeはロンドンにあるコンベンションセンター。ロンドンのウォーターフロント再開発地区であるドックランズ内にあり。東京ビッグサイトみたいなイメージだね。
 
そのイベントをMarshallがサポートします…と、マァそういうニュースだったワケ。
ね、ウェブサイトにもガッツリMarshallのロゴが入ってる。

40やっぱりイギリスはスゴイね。
ご存知の通りBBCといえば国営放送。
大ゲサに言えば国を挙げてロックを伝承し、新しい才能を育てている…ことになろうか。
さすがにブリティッシュ・インヴェイジョンからこっち、ロックを重要な外貨獲得のひとつと位置付けているのがよく理解できる。
エリザベス女王がクラプトンやジミー・ペイジやブライアン・メイなんかをバッキンガム宮殿に招いてレセプションをする国だ。
イギリスや16の主権国家の君主(オーストラリアの女王もエリザベス女王なのよ)にしてイギリス国教会の首長(プロテスタントの頂点)がロックくんだりのミュージシャンを家に招いてパーティをするんだよ。
日本で言えば天皇陛下が人間国宝級の歌舞伎役者や雅楽奏者を皇居に呼んで宴席を設けるようなイメージか?
連中はいいよね、言葉のバリアがないので、世界中に儲けの要素が転がっているんだもん。
人口は日本の半分、国土は2/3のイギリスという国が作り出すロックがいまだに世界のトップに君臨しているのは、やはりこういう努力を怠らないからということもあるのか?
同時に、いくらイギリスとはいえ、いかに新しい才能が枯渇して来ているかを表している…と見るのも妥当なのかも知れない。
  
(今日のバナーに写っているのはBBCタワーです)





2017年9月13日 (水)

犬神サアカス團ショートプレミアム興行~地獄の子守唄

 

またまた神楽坂から。
「神楽坂」なんていい名前だよね。
ちょうど「神楽坂まつり」なんてのをやっていた。
フーン、ここも「ほおずき市」をやっているのか。
「ほおずき市」といえば、何と言っても浅草寺。
ナゼ、浅草寺にほおずきの市が立ったのかは、吉原が近かったからという説がある…この先は書いたことがあったっけかな?
興味のある人はインターネットで調べてみてくだされ。
神楽坂も古い歓楽街で、ほおずき市が浅草寺と同じ理由で立ったのかどうかは私は知らない。
…と、いかにも犬神っぽい話題で今日の記事はスタートしたよ。

10表通りは色々なアトラクションで大賑わいだった。
普段はメッチャ交通量の多いこの通り。
この坂の交通方式は、実は全国でも極めて珍しいんだって。
いつも午後しか来ないから知らなかったんだけど、「逆転式一方通行」っていう交通方式を採っていて、午前は下り、午後は上りと一方通行の方向が時間によって交替するのだそうだ。
ナゼそうなったかと言うと、田中角栄が午前に目白の私邸を出て、この通りを下って飯田橋を経由して永田町に出向き、午後はその反対に坂を上って目白の私邸に帰ったから…とされているのは都市伝説らしいが、ホントなんじゃないの?
故郷に新幹線を通しちゃうぐらいの人だもの、神楽坂の一方通行の方向を決めるなんてことは朝飯前のような気がするけど…。
300kmの行程を3回曲がるだけで、田中角栄の目白の家から新潟の実家まで行けちゃう…というのは有名な話。初めてこの話を聞いた時にはかなり笑ったが、さすがにコレは偶然か…。
20この坂を上りきったエリアを「矢来町(やらいちょう)」という。
新潮社や旺文社の本社があり、その周辺には出版に関連する編集プロダクションやデザイン事務所が群がる。
また、飯田橋には角川書店があり、神保町も近い。
そして北側には印刷会社が集まっている。そういえば大日本印刷の本社もすぐ近くだ。
そんなだから、この辺りは「出版ベルト地帯」と呼ばれているそうだ。
下の写真をしばらく行って左に折れると新潮社の社屋がある。
大正時代初期に新潮社の初代社長が同地に家屋を買い求めたところから始まり、現在新潮社はこのエリアに広大な不動産を所有しているそうだ。
すごい資産だ。
そして、同じ場所にはかつて夏目漱石も住んでいたことがあるとか。
そんな「出版の街」らしく、かつてはこの神楽坂を大勢の作家が着流しで行き来していたらしい。風情があっていいね~。
ところで、皆さんは「文庫本」というと、どの出版社を真っ先に思い浮かべる?
若めの人なんかはやっぱり「角川」かな?
私は「新潮」。
大好きな吉村明先生の文庫版を多く上梓しているせいもあるが、やっぱり網羅している作品の幅も広く、一番数多く手にしてきた文庫本だ。
それに慣れているので、「講談社」は文字がパツパツで紙が白すぎるし、「文春」はモノによって活字の級数が低すぎるのと、今度は紙がすぐに茶色く、そして臭くなってしまう。
「角川」には読みたいと思う作品がそう多くないし、「中公」も同様。
そうなると私の場合、圧倒的に「新潮」なのだ。
最近は新書も文庫も見慣れないブランドが増え、高くなったよね~。チョット厚手の500ページぐらいの文庫本に800円なんて値段が付いているとアホかと思うわ。
どんなに読みたくてもブックオフで税抜き100円になるまで何年でも待ったるわ。
あ、あと、「岩波」があったか。
昔はパラフィン紙に包まれて「岩波は★ひとつが〇〇円」なんてなってたけど…高尚すぎてね~。
最後に読んだ岩波の文庫本は「インディアスの破壊についての簡潔な報告」というヤツ。
コレ、スゴイよ。
16世紀の記述なんだけど、にわかには信じられない悲惨な南米の歴史が綴られている。どうして南米でスペイン語とポルトガル語が使われるようになったかがわかる。
…なんてことを書いていますが、私、まったく大した読書家ではなくて、音楽と同様に自分の興味のあるモノ以外はテコでも読みませんので、文学の話題は決してフラないように。
  
もうひとつ、噺家はよく住まいの地名を別称にした。
有名なのは八代目桂文楽の「黒門町」、五代目古今亭志ん生の「日暮里」、林家正蔵(彦六)の「稲荷町」などなど。
で、志ん生の息子、古今亭志ん朝もこの辺りに住んでいたことより「矢来町」と呼ばれていた。
カッコいいな~。
こんなのね、街の名前がカッコいいからできるんだよ。
ところが役所のバカどもは利便性を考慮してかナンカ知らんが、古い街の名前をジャンジャン抹殺してしまった。
「東ナントカ」とか「新ナントカ」とか…。
私はね、何でもかんでも古いモノがいいというつもりは全くなくて、「いいものは残そう!」とだけ言いたいのだ。
60~70年代中盤ぐらいまでのロックとかね。

30さて、今日は先月に引き続いて神楽坂TRASH UP!!にて開催された犬神サアカス團の『ショートプレミアム興業』のレポート。
85今回のお題は1999年リリースの『地獄の子守唄』。
18年前の犬神のマスターワークのひとつ。
発売時には、ジャケットのイラストを手掛けた日野日出志をゲストに招いてレコ発ワンマンを開催したそうだ。

40「地獄の子守唄」ね~。
1977年か…。
すると私は15歳。
間違いなく読んではいるんだけど、もっとそれ以前、小学生の時分に読んだイメージがあるな~。
「地獄の子守唄」だったかどうかは覚えていないが、確か本屋で偶然日野さんの単行本を見つけて、かなりビックリした記憶がある。
母が中身を見て「気持ち悪い!よくこんなの読めるわね~」と言っていたっけ。

50m確かに…。
気持ち悪いながらもスッカリ日野作品が気に入ってしまい、当時書店で目についたモノは全部買って読んだな。
私は中学の頃よりほとんどマンガを読まなくなったので、それらはすべて手元に残っておらず、また、この時分のごく限られた期間にしか日野さんの作品を読んでいないので、細かい内容はほとんど覚えていない。
しかし、どれもかなりショックを受けたことは確かだ。

60m日野さんの作品ってタッチは非常にグロテスクなんだけど、登場人物のデザインは結構カワイイんだよね。
またその落差が余計にグロテスク感を強調する。
「こんなマンガ一体どんな人が描いてるんだろう?」と常々思っていたのだが、ある日、日野さんの当時の近影を目にすることがあって、それを見てまた驚いた。
ニコニコとほほ笑む実に優しそうなオジサンだったからだ。

70mん~、コレも読んだ。
この子の顔に見覚えがあるもん。
「蝶を繰れ、蝶…」って蝶のコレクターなんだよね。それで、ある日身体に変調をきたしたかと思うと、この子がイモ虫かなんかになっちゃう…じゃなかったけ?
この能面がまたスゴイ。

75v今回、この記事を書くに当たって、日野さんの本を探しに近所のブックオフへ行って探してみたんだけど、全くありゃせんね。
そもそも、出版社とか掲載マンガ誌別に商品が展示されているのでとても探すことができん!
アレ、ナンでああなってんだろう?
作者の五十音順に並べてくれれば大変助かるのだが…。
だからアマゾンになっちゃうよね~。
アマゾンはアマゾンでほとんどが電子書籍化していたわ…なので諦めた。
しかし、今日のMarshall Blog、イギリスのMarshallの連中が見たらコレラの絵をどう思うのだろうか?
でも、日野さんの作品は海外でも人気があるとか…コレが日本のマンガだ!

80m日野さんの作品ではないんだけど、相当昔に読んで忘れられない奇妙なマンガがあった。
知ってる人いるかな?
こんな話。
あの子は母子家庭だったのかな?
お母さんが出かけて家でひとりで留守番をしていると、ナゼかその子の腕がもげ落ちてしまう。
まずこの辺で荒唐無稽がすぎるんだけど、とにかく取れちゃう。読んでるこっちは子供なもんで、ビックリしながら細かいことは気にせず読み進めちゃう。
両手がもげると、今度は足ももげ落ちて身動きが取れなくなってしまう。
するとノドが乾いて水が飲みたくなるのだが、どうするのかというと、そのままトイレにズッて行って便器の水を飲むんだな。当時は和式が普通だったから。
そして、いよいよ空腹になると、部屋に出て来たコオロギかなんかをそのまま口に入れて食べてしまう。
もうこのクダリが子供にはショックでネェ。
その後、どうやって話が終わるかはサッパリ覚えていない。もう虫を食うのがショックで…。
昔は独創性に富んだ変なマンガがたくさんあった。
    
さて、犬神サアカス團。
今回もプロレス入場を果たし、ステージに4人が上がった。

90犬神明

100v明兄さんはNATAL。
今日はアッシュでブラック・スウォール・フィニッシュ。

110犬神ジン

120vジン兄はEDEN。
おなじみのスピーカー・キャビネットはD410XST。名器だよ。重いけど。

130vヘッドはWTP-600。

140犬神情次2号

150v情次さんは大愛用のMarshall JCM800 2203と1960A。

160vそして、犬神凶子。

170v元天井桟敷の昭和精吾さんの口上と共に始まる『地獄の子守唄』。
CD通りに進めるワケだからセットリストはカンタン。

1801曲目は「あんたは豚だ」。

200v犬神サアカス團得意の「語り」タイプの曲。
カッコいいな~。
コレ、凶子姉さんの声がピッタリだ。

1901曲終わったところで凶子姉さんのごあいさつ。
「今日も酸欠になるかも知れないので皆さんも気をつけてください」
そうなの、もう超満員!
「人の吐いた息を吸って、その吸った息を吐いて、その吐いた息をまた吸って」…犬神サアカス團の歌に出てきそうじゃん?そんな状態よ。
3502曲目は「廃墟の街」。
センチメンタルなワルツ。

210v私は今日も高い脚立の上で身動きひとつできずにシャッターを切っております!
よってどうしても似たカットが多くなっちゃうのはご愛敬。
いつか武道館で犬神を撮ってみたいナァ。
みんなで応援しよう!

2203曲目は「常世の蟲」。

230洋楽では絶対に、永久に聴くことがないであろうメロディ。
転調するところがカッコいいね。
ジョニーちゃんの作品。

240v「1時間の上演時間なのでサッサと演っていきます」という凶子さんの言葉通りサッサとショウはアルバムの収録順に進んでいく。
5曲目は「青蛾の群」。
美しいバラードのワルツ。

250続く「基準停止装置」はまた語りナンバー
「♪あなたが放尿した電柱が恋しくて一滴残らず舐めほしました」…って誰だ?こんな歌詞書いてんのは?!
また明兄さんか?…と思ったら、凶子姉さんだわ、コレ。

260アルバムでは前の曲と組曲みたいにして始まる次の曲は「夜が終わっちまう前に」。
今回のステージではMCをはさんでつないだ。
「次の曲盛り上がっていくぞ~!」
純和風の4/4と2/4を組み合わせたリフがカッコいい。
でも、コレで盛り上がれるのかッ?!
「♪新宿の裏通りにあるスナックの入り口にしゃがみ込んでゲロを吐いているのが それが現在の私」…と凶子さんが叫ぶようにして歌うパートがあるでしょ?
この曲の聴かせどころでもあるんだけど…。
コレね~、どこかで同じ周波数のシーンを体験してるな~と思ったんだけど、どうしても思い出せない。「新宿のゲロ」のことじゃないよ、曲のことね。
そして、考えに考えたあげく、とうとう思い出した。
それは、Andrew Lloyd Webberのミュージカル『Sunset Boulevard(サンセット大通り)』の「Salome」というシークエンス。
『サンセット大通り』についてはココに記したことがあるので重複は避けるが、私が持っているオリジナル・ブロ―ウェイ・キャスト盤のGlenn Closeに比肩し得る凶子さんの熱演がスゴイ。
この曲、犬神サアカス團の(この時代だから犬神サーカス団か)代表曲って言っていいんじゃない?
音楽に期待する「毒」がふんだんに盛り込まれている。
作者はマエストロ、犬神明。

270vサクサク続ける収録曲。
これまた超和風、エンヤトットの「黒髪」。

290vそして、キラーチューンのひとつ「白痴」。
今回は『地獄の子守唄』の完全再現ということで、原曲通りのテンポで演奏した。
「♪どうでもいいことをワザワザ難しく語りやがって!」…か。
この曲を聴くといつも自分を戒めるんですわ、ハイ。

1_img_0285 直後のMC。
「メッチャ遅い!最近この曲を演ってて呂律が回らなくていつか歌えなくなっちゃうんじゃないかと心配したんだけど、テンポが早いだけだったのね!」
とマジでうれしそうな凶子姉さん。
あのね、このぐらいのテンポでも十二分にカッコいいですよ。
素材がいいからどんなテンポでもOK。

300「基準停止線の網目」、「鬼火」とつなげる。
ところで、犬神サアカス團のステージではおなじみの赤い幟。
6つの〇に△がひとつ、それに「た」…あ、コレは『七人の侍』だ。
「狗餓身稲荷」と「女殺火箸地獄」っていうヤツ。
この「女殺火箸地獄」の方、古くからの犬神ファンならご存知なんだろうけど、明兄さんからコレにまつわるイヤな話を聞いてショックを受けた。
同時にすごく興味を持って私的取材を敢行した。
次回のレポートの時にその内容を掲載するつもり。
ま、例によって本題からハズれた変な内容だけど。知らない人はお楽しみに!

1_img_0071_2 ココで「思い出の楽器コーナー」。
アルバム録音当時の楽器を振り返ってみようというトークね。
「そのベースはレコーディングで使ったの?」

310v「レコーディングする時に失業保険で買ったんですよ!ボクのベースの中で一番高いヤツなんです」

320「ドラムスのこともしゃべれば?」と凶子姉さんにフラれる明兄さん。
「そうだね~、当時のモノはもう一切ない!」
すると凶子さんが「今はナタールだもんね!」と言ってくれたよ。
うれしいじゃないの。
「NATAL」というブランド名が刻一刻と普及してる。
日本語のウェブサイトもないっていうのによ!
時期を見て取り組みますからね。
今日のところは、犬っさん、犬っ子さん、「NATAL(ナタ―ル)」という名前だけ憶えといてね。
「明兄さんのドラムスは『ナタール』っていうんだけど、すごくいいんだって!」…というのを口癖にしてください。

330今日は酸素が行き届いているようで、笑いの絶えない凶子姉さん。

340残りは3曲。

1_img_0070 ヘヴィにそしてロマンチックに「灯蛾」。
コーラスの最後の2小節のメロディがスゴイな。
マァね、私なんかコレよ。
照明の当たるところへのみレンズを向けてシャッターを切り続ける。明かりがないと写真は撮れないからね。
実はマジで「ああ、何のことはない、カメラマンって街灯に群がる夏の虫と同じだな」と常々思ってた。

360vこれまたヘヴィなワルツで「路上」。
ドラマチックな展開が素晴らしい。

370そして最後は今でも時折演奏しているアルバムのタイトル・チューン「地獄の子守唄」。
サビのメロディは秀逸だ。

380このアルバム、こうして聴くとスゴイね。
「日本のロックのクリエイティビティ」みたいなものが存分に盛り込まれている。
試しに『地獄の子守唄』の直後にThe Beach Boysの『Pet Sounds』を聴いてみた。
この落差がどういう効果をもたらすか…何ともなかったよ。
名作はどれもテンションが同じということか?

390v犬神さんがグッズも魅力的だわね。
凶子さんの可愛いこと!
この頃は「目玉飛び出す」だの「腐乱した死体」だの「死ねばいい」だのなんて歌を歌うなんて夢にも思ってなかったのでしょうね。
それが今ではこんなにカッコいいシンガーになって!
「カッコいい」ということの意味のひとつは「替えがきかない」ということだ。覚えておこう。

400先月同じ場所で演じた『怪談 首つりの森』がもうDVDになってる。
マメなのよ、犬神さんは。
だから、客層も回転して、「伝承」がうまくいっているのだ。

410アンコール。
凶子姉さんからニュー・アルバムをリリースすることが発表された。

295凶子姉さんが手にしているのはコレ。
レコ発ツアーも決定している。

1_2img_4454_2アンコールに選んだ1曲は「白痴」。
今度は現在のテンポでブッ飛ばした!

1_img_0077 グワァァァ、は、早い!
ホンマか!

430今回も思いっきり盛り上がりました~!
  
犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式家頁

440

<<<NATAL NEWS>>>
NATALのドラム・キットが叩けるスタジオ、高田馬場のバズーカスタジオに新しい仲間が増えました。
それは14" x 6.5"のスチール・スネア・ドラム。
コレね。
見た瞬間、「オオ~!」っと声を出したくなるようなたたずまい。
実にゴージャスじゃあ~りませんか!
普通のスチールとは異なりチョット黒味がかっている。

1_3img_4207パーツはすべて「ブラッシュト・ニッケル(Brushed Nickel)」という仕様。
新型のスネア・スロー(Snare Throw)の感触も実にいい感じ。

1_2img_4208カ~!
居合わせたドラマーにチョット叩いてもらったんだけど、何たる音ヌケ!そして深い!
こりゃアンサンブルの中でもクッキリ音像が浮かび上がってくるのは間違いないな。
自分がドラマーだったら欲しいわ~。
  

1_2img_4212

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★上記のスネア・ドラムだけでなく、NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

 

(一部敬称略 2017年7月26日 神楽坂TRASH UP!!にて撮影)

 

2017年9月12日 (火)

MURO FESTIVAL 2017 <後編>~MAGIC OF LiFE

  
さて、昨日のレポートに記した通り、今年のMURO FESTIVALは従来とは場所を変えての開催となった。
下の写真は昨年までの開催地となっていた「東京晴海客船ターミナル」。

10_2MUROフェスには過去に数回お邪魔させてもらっているが、何しろ「暑い!」という印象が強いわ~。

20_2代わって今年のMUROフェスの会場はお台場。
暑いのを十分覚悟の上で出かけたんだけど…ハラ?
昨日も書いが、かなり蒸し暑いにしろ比較的薄曇りで、「死ぬほど暑い!」ということはほぼなかった。
助かるわ~。

30_2遠くに臨む東京ビッグサイト。
今回の会場も海辺の景観が心地よい。
私が子供の頃はこの周辺は全部海だった。
徳川家康が東京湾の埋め立てを始めて以来、まだ埋め立て続けているんだからスゴイ。

35会場の入り口。

40_2会場のロケーションが変わっても、たくさんの人と若モノの熱気はまったく変わりない。
60_2ステージ・トラックが2台セットされているのもいつも通り。

50_2場内には色々な設備が用意されている。

70ココはグッズ村。

80売店も充実。

90_2立体的だった晴海の会場もおもしろかったけど、こうしてシンプルに一面に広がる会場もいいね。
何と言っても階段の上り下りをしないので助かる。
最近はヒザが…。

1002つのトラック・ステージの他にも会場の奥に張られたテント内にもうひとつステージが設けられ、常時たくさんの人でにぎわっていた。
この中はさすがに暑いぞ。入らなかったけど…。

110_2場内はステージにかぶりついている子、ノンビリとヒイキのバンドの出番を待つ子、フェス特有の光景。
ホントにカンカン照りでなくてヨカッタ。
エエイ!蒸し暑いのぐらいガマンしろい!

120_2今度、こういうの真冬にやったらどうなの?
涼しくていいぞ~。
どんなに飲んだって酔っぱらわないし。
ところがね、コレは観る方ではなくて、演る方に問題が起きてしまってできないんじゃないかしら?
寒くて演奏ができない恐れがあるの。
私、25年ぐらい前に妙高高原で、毎年開催される「スキー供養」というイベントにバンドで呼ばれて、ギターを弾いたことがあった。
気温は氷点下。
現場は酒どころの新潟。
しかし、いくら日本酒をあおったところで芯から冷えた身体は一向に温まらない。
もう指がかじかんじゃってロクに動かないし、シンガーの「ズズズ」という鼻水をすする音をマイクが拾ってしまう。
ドラマーだって厚着をしているので、動きがやたら鈍くなってしまうのだ。
それでも目の前で不要になったスキー板をゴーゴーと燃やす光景はなかなかのものだった。
どう、冬に開催する「氷室フェス」って?

130_2さて、次のバンドの登場を待つ皆さん。

140_2MAGIC OF LiFEだ~!

150高津戸信幸

160v山下拓実

170v_2渡辺雄司

180v岡田翔太朗

190v_2翔太朗くんもNATAL。
メイプルのキット。美しいフィニッシュはシー・スパークル。

200_2オープ二ングは「はじまりの日々」。
先週リリースしたニューアルバム『Niemeyer』からのチョイス。

210ん~、いい曲だ!
アタマの「♪はじまりはいつの日も」の2小節のメロディでガッとつかまれること必至。
いい曲ってそんなもんだ。

220イントロから暴れまくる翔太朗くんのドラム。
この疾走感がタマらないね~。
間奏の後のバックのスネアのプレイはスゴイよ。

230vそれとね、エンディングがいいんだよ。
やさしく魅力的なメロディを竹を割ったようなアレンジで聴かせるMOLの新しいキラー・チューンだ。

240続いてはおなじみの「弱虫な炎」。

310続けて演奏されるドライビング・チューン。
2曲目とは思えない盛り上がりよう!

260v_2この曲でも疾駆する翔太朗くんのドラミングが気持ちいい~!
NATALの音もバッチリだ!

270_2まだまだ続く濃いナンバー。

280vこれまた盛り上がること必至の「呼吸」。
290_2翔太朗くんも「♪オッオッオッ!」。
コレも好きな曲。

300「呼吸」というタイトルがどうも曲に結びつかない所がまたいい。
私の場合、「呼吸」を聴くとThe Darknessの「Givin' Up」という曲を思い出してしまうことはお許しいただきたい。
320_3「楽しんでますか?MUROフェス好きですか?」
ココで高津戸さんのMC。
「オレらがやって来たことは何ひとつ間違えてなかったと思っています。純粋でみんな音楽でつながってる。
『奇跡』なんて軽々しく言いたくないけど、コレも奇跡だよね。人生が『素晴らしい』と思える瞬間がある」
そして…
「かけがえのない一日にしましょう!『命の魔法』という意味で『MAGIC OF LiFE』です!」

250vコレも必ずライブで取り上げられる1曲…「夜空のBGM」。

330_2そして、最後は『Niemeyer』から1曲。
「線香花火」をジックリとプレイしてステージを降りた。

340v_2

350v_2

360v

370vコレがニューアルバム、『Niemeyer』。
「Niemeyer」ってなんだろう。Music MeyerはドイツのMarshallの輸入販売代理店なんだけどね。
調べてみると、「オスカー・ニーマイヤー」というブラジルの高名な建築家がいるようだけど…まさかネェ。
今度、翔太朗くんに会った時に教えてもらおう。
今度会うのはいつだったっかな~…っと、9月24日。
渋谷のQuattroだな。
そうMAGIC OF LiFEはこの渋谷Quattroを皮切りに全国8か所を巡るレコ発ツアーに出る。
楽しみだ!
皆さん、MOLの音楽と共にNATALサウンドも十分に味わって来て!
  

MAGIC OF LiFEの詳しい情報はコチラ⇒official web site

380cdMUROフェス、来年も楽しみにしています!

390_2 

  

<<<NATAL NEWS>>>
NATALのドラム・キットが叩けるスタジオ、高田馬場のバズーカスタジオに新しい仲間が増えました。
それは14" x 6.5"のスチール・スネア・ドラム。
コレね。
見た瞬間、「オオ~!」っと声を出したくなるようなたたずまい。
実にゴージャスじゃあ~りませんか!
普通のスチールとは異なりチョット黒味がかっている。

1_3img_4207パーツはすべて「ブラッシュト・ニッケル(Brushed Nickel)」という仕様。
新型のスネア・スロー(Snare Throw)の感触も実にいい感じ。

1_2img_4208カ~!
居合わせたドラマーにチョット叩いてもらったんだけど、何たる音ヌケ!そして深い!
こりゃアンサンブルの中でもクッキリ音像が浮かび上がってくるのは間違いないな。
自分がドラマーだったら欲しいわ~。
  

1_2img_4212

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★上記のスネア・ドラムだけでなく、NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
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(一部敬称略 2017年7月23日 台場MURO FESTIVAL 2017特設会場にて撮影)

2017年9月11日 (月)

MURO FESTIVAL 2017 <前編>~グッドモーニングアメリカ

 

金ちゃんの声帯ポリープの手術のために約3ヶ月の間ライブ活動を休止していたグッドモーニングアメリカ。
下はその休止期間中のメンバーのようすが描かれたポスター。
幸一ちゃんはソバ打ち職人と工事現場の交通整理。メッチャ真剣に取り組んでいるぞ。
たなちゃんは強火を駆使する中華料理のコックと消防士。チャンと「ファイヤー!」と叫びながら仕事してる。
ペギちゃんは新聞配達とボール・ボーイ。オシャレなペギちゃんらしく首にしっかりマフラーを巻いてる。
金ちゃんが病魔と闘っている間、メンバーそれぞれこうして過ごしていたワケだ。
泣ける~。
メチャクチャいいセンスだナァ。
外人がコレを見たら、ソバ打ちと新聞配達は何をしているんだろうと思うんじゃん?
それにしても、友達っていいもんだ。
メンバーの協力もあっていよいよ金ちゃんが無事復帰し、グッドモーニングアメリカが活動を再開した!

10夕闇迫るお台場。

20ココはMURO FESTIVALの会場。
今回は従来とは異なる場所での開催。しかも2日にわたるプログラムが組まれた。

30そして、初日のトリとして大興奮の観客の前にグッドモーニングアメリカの4人は姿を現した。

140記念すべき復帰第1弾のステージの冒頭に選ばれた曲は「未来へのスパイラル」!

60金廣信吾

70v渡辺幸一

80v幸一ちゃんはMarshall JVM210H。

90たなしん

430v_2ペギ

110vペギちゃんのキットはNATALのメイプル。
フィニッシュはシルバー・スパークル。

110バスドラムは24"。
ペダルもNATALだ。

120そして、ペギちゃんのお気に入りのスネア・ドラム。
コレもNATAL。
素材はアルミニウム。
すごいんだよ、コレ。鋭くも分厚いサウンドが容赦なく飛び出してくる。

130初っ端の「♪お~~お~おお」で会場はもう大爆発!
金ちゃんの声だ~!
「帰ってきたんだな~」…私もすごいホーム感でちょっとホロっときちゃった!

150v水を得た魚とはこのことじゃないの?
みんなイキイキとしてプレイしてる。

160気になったのはコレ。
ペギちゃんのカーディガン。
この日は薄曇りで死ぬほど暑いワケではなかったし、日が落ちてチョット涼しくもあった。
でも、ステージに上がって暴れたらどうせ汗みどろになることはわかっている…じゃない?
暑くなって脱ぐのがわかっているのにわざわざカーディガンを着て出て来るペギちゃん。
噺家の羽織と同じってこと?
最初のポスターのマフラーと同じでペギちゃんってオシャレおしゃれなんだよね。

170v誰にも止めることができないような勢いで2曲目で突入。

180これまたおなじみの「アブラカタブラ」。

190v人気曲の連続に大興奮を隠せない観客の前でシャープなソロを聴かせる幸一ちゃん!
420それを気迫のこのったプレイでプッシュするペギちゃん。
まだカーディガンを着てる。

210vココで幸一ちゃんからごあいさつ。
「グッドモーニングアメリカです!マジで最高の景色です!今日のこの日をメチャクチャ楽しみにしていました!」

230「今日初めて会う人もまた必ずどこかでお会いしましょう!いきますよ~!」…たなちゃんは「ファイヤ~!」をバッチりキメて見せた。

240vペギちゃんのハイハットによるカウントからブッ放したのは「言葉にならない」。
ハイ、脱いだ。
280このあたりでクラウド・サーフィンが始まっちゃう。
オジサンは要注意だ。

250「♪ことばにならない」…3ヶ月のブランクなどまったく感じさせないパワーと繊細さに満ちた金ちゃんの歌声。

260vその金ちゃんを思い切りバック・アップしようとしている…と言いたいところなんだけど…

2703か月ぶりに4人が集まって演奏することを存分に楽しんでる…って感じ?

2_img_0158 要するにいつものグドモ。
グッドモーニングアメリカが帰って来たということだ!

290今日はいくら復帰後初の記念すべきステージとはいえ、持ち時間が短い。

300v…ってんで濃い~選曲となっていて、4曲には「コピペ」を出してきたよん。

310vもう最後の曲!
「そして今宵は語り合おう」をプレイ。315今回は本当に短い時間ではあったけれど、4人の楽しそうな熱演を久しぶりに目の当たりにして、何かこう、グッドモーニングアメリカの音楽以外のモノを見たような気がしたな。

330

340v

350v

380vもちろん、最後のお辞儀も以前のままだった。

390さて、こうして無事に活動を再開させたグッドモーニングアメリカ。
さっそく忙しい。
10月4日にはニューアルバム『502号室のシリウス』をリリースする。

Cdg そしてその翌月の11月11日には地元八王子でグドモ主催のイベント『八王子天狗祭 ~2017~』が開催される。
コレも楽しみだね。
  
『八王子天狗祭 ~2017~』の詳しい情報はコチラ⇒特設公式ウェブサイト

396flさて、MUROフェス。
初日のトリだからして、アンコールに応えた。
「今日みんなとこの時間をいっしょに過ごせて幸せでした!オレは欲張りだからもうチョットやってもいいですか?」

220v…と、「半径30cmの中を知らない」をプレイ。

320_2 お客さんの興奮はとてもコレだけでは収まらず…

450もう1曲、4人は「空ばかり見ていた」を演奏し始めた。
すると、両手を上げてゲストがステージに飛びこんで来た!
400MUROフェスの主宰者ムロちゃん!
2_img_02715人で「空」を演奏してグドモのステージは終了。
完全復活おめでとう、グッドモーニングアメリカ!

2_img_0177

200

100v_2

440ステージにひとり残るムロちゃん。

1_img_0247_3 「今年は2デイズになりました。
ライブハウスから始まったこのイベントも今回で6年目です」…

460v「どこまで行けるかわかりませんが、これからもがんばります!」

1_img_0255 …とムロちゃん独特のスピーチに大歓声が浴びせられMURO FESTIVAL 2017の初日が終了した。

470<後編>につづく

  

<<<NATAL NEWS>>>
NATALのドラム・キットが叩けるスタジオ、高田馬場のバズーカスタジオに新しい仲間が増えました。
それは14" x 6.5"のスチール・スネア・ドラム。
コレね。
見た瞬間、「オオ~!」っと声を出したくなるようなたたずまい。
実にゴージャスじゃあ~りませんか!
普通のスチールとは異なりチョット黒味がかっている。

1_3img_4207パーツはすべて「ブラッシュト・ニッケル(Brushed Nickel)」という仕様。
新型のスネア・スロー(Snare Throw)の感触も実にいい感じ。

1_2img_4208カ~!
居合わせたドラマーにチョット叩いてもらったんだけど、何たる音ヌケ!そして深い!
こりゃアンサンブルの中でもクッキリ音像が浮かび上がってくるのは間違いないな。
自分がドラマーだったら欲しいわ~。
  

1_2img_4212

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★上記のスネア・ドラムだけでなく、NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

 

(一部敬称略 2017年7月22日 台場MURO FESTIVAL 2017特設会場にて撮影)

2017年9月 8日 (金)

MMM…(ムムム…)

  
SEO対策のカケラも感じさせないこのタイトル!
一体どういうことかと先にタネを明かしておくと、この3つの「M」は…
  
MASHA…
20vMakabe…
30vMarshall…

Mar_logo  …の「M」。
そんだけ。
「住友」でも「ヘパリーゼ」でも何でもない。  
7月の末に「Polyphonics」なるMashaくんのトリオと、「Y.M.N」なる真壁くんのトリオのダブル・ヘッドライナーのライブがあったのだ。
今日はそのレポート。
シュレッド・マニアには「ムムム!」の企画なんじゃないの?

10マァ~、それにしてもこの人たち…ホントにギター好きだよね~。
そもそも名前からして気合いが入ってる。
「MASHA」はほとんど「Marshall」と同じだし、「マーシャルの壁」略して「マ壁」だし。
「もしこの世からギターが無くなったらどうする?」と訊かれると「すぐに死んでしまいます!」とか答えながらも、ま、死なないだろうな。
ギターの代わりに手芸でも料理でも、きっと代わりに熱中できるモノを探して来て、その道の達人になるに違いない。
私が夢中になってギターを練習していた時代と違って、学校や教材が普及してメソッドが確立された昨今、目も覚めるような速弾きをすることはまったく珍しいものではなくなってしまったのは「皮肉」としか言いようがないが、それでも、人並み外れた努力と時間を惜しまずには体得できない特殊技能が「シュレッディング」だ。
今の人たちが気の毒なのは、そうした高度な技術の習得がスタート・ラインで、勝負のしどころがその先にあるということだ。
「速弾き」ということだけでチヤホヤされる時代はとっくに終わっちゃったからね。
東大を意気揚々と卒業して財務省に入ったところまではいいけど、同期全員が東大を出ていたと言えばわかりやすいか?
で、勝負のしどころは何かというと、「いかに自分だけの魅力的な音楽を創作するか」という、いつの時代も音楽家につきまとう当たり前の話。
簡単に言えば「オリジナル曲の良し悪し」ということにならざるを得ない。
ロックの場合、器楽演奏の高い技術を習得するよりも、そっち方がはるかにムズカシイと思う。
で、それなりのアウトプットをするためには、その何倍ものインプットをしなければならない。
それには膨大な時間を要する。
要するに「仕込みの早さ」というヤツ。
だから、若い人たちにはイングヴェイだけじゃなくてクラシックから民族音楽まで色んな音楽を一刻も早く聴くことをススメている。
ま、大きなお世話なんだけど。
イヤね、若い感性と高い演奏技術を絡めたスリリングで独創的な音楽が聴きたいと思っているだけなのよ。
いくら「スタイル」とはいえ、メタルならメタル、J-POP系ならJ-POP系、ハッキリ言って皆さんどこへ行ってもみんな同じなんだもん!
  
さて、そんな状況を打破する志を持っていると私が信じている2人の若手ギタリストのイベントは『Technical Ecstasy』と名付けられた。
Black Sabbathか…。
持っていないのかと思い込み、さして好きでもないのに勘違いして同じのを2枚買ってしまったアルバム。
最近こういうのが多くなってきて困る。
「ジャケ買い」ではなくて「ボケ買い」だ。
ま、このケースは片方は紙ジャケということで自分を許す。
しかし…このジャケット、本当に色校をやったのかな?
プラケースの方は国内盤。紙ジャケはイギリス盤。
バージョンが異なるのではないかと思うほどの差がある。
デザインはいいよね。
Hipgnosisだから。
久しぶりに聴くとSabbathもなかなかいいもんだ…でもナンダ、これ?
国内盤とイギリス盤では音も全く違うじゃん?
普段はかなり古いジャズの音源なども耳にしているので、音質にはさほどこだわらない方なのだが、こりゃイギリス盤を聴いちゃった後は国内盤を聴けないね!
ジャケットには書いていないけど、イギリス盤の方はリマスターされてるのかな?…と思ってインナー・スリーヴを読もうとしたけど、老眼で小さい字が読めん!

1_img_0889MASHAくんと真壁くん(以下、「雄太」)はとても仲良し。
それを象徴しているかのように、ステージにはふたりのMarshallが仲良さそうにセットされた。
ギターまでチョコんと並んでカワイイな。

40MASHAくんはJCM800 2203と1960B。

50v足元のようす。
今日はMarshallの歪み系ペダル、BluesbreakerII(BB2)は入っていない。
ナゼならアンプが自分のMarshallだから。
アウェイで自分のアンプが使いえないときにMarshall感をアップさせる時にBB2を使うのだ。
60ご参考…コレは別の現場で使われていた実際のMASHAくんのBB2。

380 雄太くんも愛用の2555X Silver Jubileeのハーフ・スタック。

70vコチラは雄太くんの足元。
なんだかMASHAくんのとよく似てるな~。

80出番は雄太くんのY.M.Nが先行。
バンドのメンバーは真壁雄太がギター。
ベースがNOS、ドラムが弓田"Yumi"秀明という布陣だった。

90v1曲目は「Dog Star」という曲。
George Clinton…え、ジョージ・クリントン?じゃ、なんでオムツ付けて来ないの?

100v続いてはCharさんの「Rainbow Shoes」。

110v「昨日までTORNADO-GRENADOやってました!」
そう、行かれなかったんだけど、この前日がラスト・コンサートだったの。
「メンバーの中で誰よりも早くスタート・ダッシュを切りたいということで今日やっちゃいました!」
ホントに早いわ~…ってんで次はF1。こっちは「速い」ね。
T-SQUAREの「TRUTH」。
安藤さんって大学のクラブの先輩でね。
在学中にジャズ・ギターのコンテストに出たんだって。そしたら審査をした著名なジャズ評論家から「キミ、明日からプロで十分やっていけるよ」と評価された。
今と違って、当時はプロとアマの差がハッキリしていたからね。
安藤さんのストレート・アヘッドなジャズって聴いてみたいな。
そのプレイはJim Hallのようでもあり、Wes Montgomeryのようでもあったらしい。

120ここまでものスゴイ選曲でやってきたけど、次は雄太くんのオリジナル。
待ってました!
まずは「APOCALYPSE」。

130v今年1月に雄太くんの母校、尚美ミュージックカレッジで開催された「Marshallスクール」の時にも演奏した曲・
その時のレポートはコチラ
私、こういうお仕事お待ちしてます。

260v_2 これは「APOCALYPSE」を収録した雄太くんの2曲入りCD『MAKABERHYTHM』。
もちろんタイトルの「真壁リズム」は「マキャベリズム」に引っ掛けてある。
「マキャベリズム」とはイタリアの思想家、ニコロ・マキャベリが提唱した、「どんな手段や非道徳的な行為も、結果として国家の利益を増進させるのであれば許される」という考え方。
そこから、「単に目的達成のためには手段を選ばないやり方」を指す、いわゆる「権謀術数主義」というヤツ。
まさに今の日本の世情に警鐘を鳴らす社会的問題作ではないか!ん~、さすが真壁。
ジャケットを見よ!
コレは「丸に橘」か?
雄太くんはこの家紋でオリジナルのピックも作っていた。
で、ココで脱線。
「真壁」で脱線。

140cd「真壁」といえば誰が何と言おうと私はコレ。
1958年の黒澤明の『隠し砦の三悪人』。

150vも~、好きで好きで…。
初めて見たのは高校の時。
新小岩の第一劇場で、『用心棒』と『椿三十郎』と狂気の3本立てだった。
どういう順番で観たのかは覚えていないが、何しろ最後はもう尻が痛くて痛くて!
そりゃそうだ、3本合わせた上映時間は345分。すなわち6時間弱。
飛行機だったらロンドン・ヒースローまでの半分ぐらいまで行けちゃう。
でも、どれも面白かったナァ。
『用心棒』ももちろん最高なんだけど、この『隠し砦の三悪人』はもう日本映画のスケールを完全にはみ出して、超上質のハリウッド製アクション映画を軽く凌駕する面白さだった。
準主役の藤原釜足と千秋実が『スター・ウォーズ』のR2D2とC-3POのモデルになっていることはあまりにも有名だ。
その後、何度か映画館で観て、DVDが出たらすぐにゲットしたわ。
今でも時々観ているし、今日もこの後観ちゃうかも。

160これはロンドンのチャリングクロス・ロードにある新古書籍店で買った英語字幕入りの同作。
英語でのタイトルは『The Hidden Fortress』という。
コレ、円がすごく高い時に買ってね、600円とかそんなもんじゃなかったかな?でも形式がヨーロッパと日本では異なるので一般のテレビで見ることはできない。
他に『七人の侍』と『用心棒』を買った。
何でそんなものを買ったかというと、英語の勉強のため。
飛行機の中でやっていた英語字幕付きの日本映画を観ていて気がついた。
小津か寅さんだったと思う。
実は、海外の映画で英語の音声を聞き、そこに当てられた日本語の字幕を見て勉強するより、言葉と意味の分かる日本語を聞いて、それがどう英語に訳されるかを見た方がインプットの量がはるかに多いのだ。
もちろんリスニングの練習にはならないけどね。
ご存知の通り、日本語と英語は語順が全く違うし、日本語は著しく視認性に富んでいるため、字幕を一息に見て意味を取ることができる。平均的な人で1秒間に6文字は軽く読めるらしい。
すると、どういうことが起きるかというと、まず真っ先に日本語を読んでしまう。
それから英語を聞くため、英文の中の最後の方の単語を字幕の日本語に当てはめる作業に終始してしまう。
コレだと勉強にならないんだよね。
ナゼかというと英語では文章の一番キモとなる動詞が最初の方に来ちゃうもんだから、日本語を読んでいる間にその一番肝心な部分を聞き逃してしまうのが普通で、さして練習にはならないのだ。
また、ご存知の通り、字幕の文章は上記を根拠に文字数に厳格な制限があるため、訳された英語は、必然的に簡略で最も実用的な文章にしなければならないので、ネイティブたちが日常的に使う表現が多用される。
加えて、そのことによってや彼らの思考の筋道みたいなものが見えて来るのだ。
「あ、この日本語は英語でこう言えばいいのか!」と目からウロコが何枚も落ちる。
ネェ、ピート、いい考察でしょ?
…といいたいところだけど、全然やっとらんわ。
それより、一旦観始めると、何回観てもその面白すぎる内容に引き込まれてしまって英語の字幕なんか忘れちゃうのよ!

170さて、ナゼこれが雄太くんかというと、三船敏郎が演ずる主人公の名前が「真壁六郎太」というのだ。
だから新しいバンドが出来たら名前は「六郎太」にすればいいじゃん!って言ってやった。
真壁という姓は常陸国(今の茨城)は真壁郡に栄えた武家だったそうだ。
調べてみると、確かに家紋のひとつに「丸に橘」があった。
本当は映画の内容についてもっと書きたいところなのだが、これから観る人のためにガマンしとくね。
雄太くんにこの映画のことを教えてあげたところ、翌日すぐにTSUTAYAで借りて観たそうだ。
「メッチャ、おもしろかったです!もっと教えてください!」ってワザワザ電話してきたわ。180コレが真壁六郎太。

190そして、こっちが真壁雄太。
ソックリだな!

200vさて、曲はもうひとつ『MAKABERHYTHM』から「Exceed」。
コレも尚美さんの時に披露したインスト曲。
面白いのはね、こういうインスト曲を演ると、メインのメロディが歌のメロディになっていること。
ま、コレは当たり前の手法なんだけどね。
「ヘヴィ」だ、「メタル」だ、という言葉は世代を超えてつながっていても、今の若い人たちが作る曲に出て来るメロディって、70年代のハードロックで育った我々の世代の耳の中にはない旋律なんだよね。
我々の世代で言うと、どちらかと言えば「歌謡曲」の部類に入るメロディ。
良いとか悪いじゃないんですよ。時代はドンドン変わっていくから。
そういうタイプのメロディが歌の代わりにギターで奏でられると…チョット変な感じがするんだよな~。

210雄太くんが敬愛するPaul Gilbertの「Scarified」。
もうすぐMr.BIG来るね~。
Paulはナント1959を使う予定だよ。
どんなサウンドになるか楽しみだ!

220vそして最後はRUSHの「YYZ」にチャレンジ!
六郎太の底抜けに明るいステージはこれにてお開き。
 
真壁雄太の詳しい情報はコチラ⇒Twitter230続いてステージに上がったのはMashaくんのPoliphonics。

240vPolyphonicsもトリオ編成。
ギターはMASHA。
ベースはSilexの同僚、hibiki。そして、ドラムはFUMIYAという編成。

250MASHAくんの方は1曲目にAndy Timmonsの「Super '70s」。

260v続いては…やっぱりYngwieなのね!…「Blitzkrieg」
blitzkriegとは「電撃戦」という意味。
「blitz」で「電撃」なんだけど、イギリスで「The Blitz」ということになると意味が変わって来る。
1940年9月から1941年5月に渡って実行されたドイツ軍のロンドン大空襲のことだ。
映画『トミー』の冒頭のシーンね。
  
もう一回言っておきますが、Yngwie Malmsteenは「インギー」と呼ばれるのをイヤがっていました。
「オレの名前はイングヴェイだ。インギーとは呼ばないでくれ」…と私にハッキリ言っていた。
あ、私も「インギー、インギー」と呼んでいたワケではないですよ。そんな慇懃無礼なことはしません。
そもそも彼の音楽すら詳しくないし。
コレってもうMarshall Blogでもう何回書いたかな~。
それでもfacebookなんかで「インギー」って書かれていのを見ると、いかにMarshall Blogが読まれていないということがわかってとても悲しくなる。
青砥や寺田町あたりでイングヴェイとバッタリ行き会っても「インギー」って呼ばない方がいいですよ。

270vMASHAくんも2曲ほどオリジナル曲を披露した。
まずはLight Bringerの「It's Showdown」。
hibikiくんの曲。
Marshall GALAでも演奏してくれた曲。

280もう1曲は「What a Game!」。
こちらはMASHAくん作。

290v「次はムズかしい曲を演ります!」とMASHAくんが取り上げたのは「Hundreds of Thousands」。

300vまさに「数十万」の音符が会場を埋め尽くす!
Tony MacAlpineのナンバー。
以前、教則ビデオの仕事をしていた時ね~、この人のビデオってよく売れたんだよ~。

310Poliphonicの最後はRichie Kotzenの「Out Take」。
イヤ~、よく弾きましたな~。
MASHAくんのプレイは美しいよ。

320vさて、ノリにノッテるMASHAくんの本籍、Silex。
他のメタル・バンドとはチョット変わった色調でグングン人気をアップさせている。

330近頃セカンドCD『Everlasting Symphony』をリリースしたSilex。
間を空けずして新作をリリースした。
2016年のデビューと同時に発売され、大きな話題を呼んだ衝撃の第1弾シングル『Silent in Explosion』に最新のライブ・テイク2曲を加え全5曲入りのスペシャルエディションとしてよびがえったのだ!!
ノッてるわ~、Silex!

  
Silexの詳しい情報はコチラ⇒Silex official website

340cdしかし、真空管のギター・アンプの音ってのはやっぱりいいね。
2人とも愛用のMarshallで自由にのびのびと自分を表現する姿がとても頼もしかった。
なんかさ、「真空管が入ってる」ということで愛着も沸いてくるんだよね、不思議と。
「人間に近い」と言ったらもちろん言い過ぎなんだけど、音だけでなく、その存在があたたかい感じがする。
やっぱり人間の耳ってのはアナログだからね。
どうしたってアナログの音響機器の方がシックリくる。

2_img_0107「若いギタリスト」というと、問答無用で今流行のデジタル系アンプに喰いつきそうなイメージがあるけど、実は若い人って存外に従来型の真空管アンプを選んでくれる傾向があるんだよね。
今日の2人みたいなプレイをするギタリストはことさらその傾向が強い。
そして、そうした若いプレイヤーでも抜きんでた人たちはMarshallをチョイスするのだ。
  
またの機会を楽しみにしている。
次回は全曲オリジナルで…ね!

350v(一部敬称略 2017年7月31日 高円寺ショウボートにて撮影)

2017年9月 7日 (木)

50人のロックンロール

  
今年の3月の記事で、Marshallの工場があるミルトン・キーンズがオープンして50年を迎えたことをレポートした。
  
記事はコチラ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】 vol.27~Marshallが「Milton Keynes Business Achievement Award 2017」を受賞!

10_2Marshall Amplificationは「ミルトン・キーンズ」という街の発展に貢献した企業として、この記念すべき年に、最も権威のある「Business Achievement Awards」という賞を受賞した。
そのお礼というワケではないんだろうけど、今回Marshallでは「50」にちなんだイベントを開催することにしたそうだ。

20場所は当然ミルトン・キーンズのMarshallの工場。
「シアター」と呼ばれている設備。
この建物がそれ。
これまでにもMarshall Blogに何度か登場しているが、コレを機に思いで写真を撮り混ぜてシッカリと案内しちゃおう。

30「Theater」じゃなくて「Theatre」ね、イギリスだから。
あ、そうそう、Wordでサ、「program」とか「honor」とか、イギリス綴りでタイプすると、ミス・スペリングを知らせる赤い波線が付いちゃんだよね。
「Programme」とか「honour」みたいなヤツね。「favour」もそう。
アレはどうかと思うんだけどナァ。
元はといえばイギリスの言葉じゃんか?こんなところにも「アメリカ病」が入り込んでいるのだと思うよ。
それなのに「シアター」は「theatre」とタイプしても赤い波線は付かないんだゼ。
おかしくない?
何かしらの一定の規則があるんだろうな。

40建物の前に停まっているのはジムが愛用していた「N1 AMP」のナンバー・プレートが付いたVOLVO。
「N1 AMP」とは「ナンバーワン・アンプ」ね。

50vね?
ジムの右にいるおジイちゃんはジョン・ケントといって、長年ジムのショウファーを務めた人。
最初チョットこわかったけど、色々なところで一緒になっているウチに仲良くなり、「シゲ、シゲ」とずいぶん可愛がって頂いた。ご高齢を理由に2005年にMarshallを離れたが、どうしていらっしゃるかな?
ジョンが運転するこの車に私も何回か乗せてもらった。
(写真は『The Father of Loud』より転載しました)

Jj コレがシアターのロビー…といっても2年前のようす。
90こっちはホールへの入り口。
時折模様替えをしているので今はもう写真とは違っているかもね。

60入り口のとなりの壁。
かなりのイメージ・チェンジなのよ。

100かつてはこんな感じで、同じ壁一面にサイン入りのアーティスト写真が飾ってあった。

70コレもかなり前に壁にかかっていたバックステージパスのコレクション。

80vこんな飾りを置いていたこともあった。

Img_0016Zakkのフル・スタックも。

120v中に入る。
どうだろう…スタンディングでギチギチに詰めれば500人以上入るかな?
かなり広い。

130ステージのようす。
基本的には商品のデモンストレーションに使用する。

140コレは2006年秋のVintage ModernとJVMの発表会の時のようす。
DougはVintage Modernを紹介した。

150研修会や展示のスペースとしても活用している。

160コレは上のVintage ModernとJVMの発表会の時のようすだね。
この時は「今話題のバンド」という触れ込みでThe AnswerがOA的に出演した。
出演したのはいいんだけど、The Answerの一番のウリのCormac Neesonのノドの調子が悪いとか言って、インストで演りやんの。
ま、ギター・アンプの発表会だから問題ないといえば問題なんだけどサ。
Cormacメッチャかっこいいからね~。

170こっちはMAシリーズを立ち上げた時か…なつかしいな。
同時にカラーMGもリリースしたんだね。

180またシアターはMarshallを愛用してくれているバンドのリハーサルの場として提供されることもある。
コレはZakk WyldeのBlack Label Societyの時のようす。

190リハなんだから何も壁まで作る必要はないと思うんだけど…。
でも、マイク・スタンドからギター・スタンドまで、何から何まで本番と同じ状態でリハをしている感じだった。
それがプロなんだね~。

200vBLSは何日かこもってミッチリとリハーサルをして、最終日、機材を片付ける前にMarshallの従業員をシアターに招待してその成果を披露した。
私もその一部始終を見せてもらった。
歌は抜きだったが、耳をツン裂くようなモノスゴイ爆音で、はじめは大人数だった従業員も最後の方ではわずかしか残っていなかったナァ。
そして、Zakkはこの後、ロンドンのヴィクトリア・パークで開催されたHigh Voltageにこのバックラインを従えて登場し、UKツアーに出かけた。
その時のようすはコチラ⇒HIGH VOLTAGEの思い出 <その2>210Casabianというレスターのバンドがリハーサルに使う時にカチ合ったこともあった。

220まさに機材が揃ったところというタイミングだったのだろう。
お母さんがコノ状態を見たら「コラ~、片づけなさ~い!」と怒り出しちゃいそう。
コレはアメリカ人から聞いたんだっけな~?
「部屋をキレイに片づけなさい!」とお母さんが叱る時、「Clean up your room, spick-and-span!」なんて言うらしい。
俄然気になるのは「spick-and-span(スピック・アンド・スパン)」でしょ?
そんな名前のバンドもいたよね?
コレは「真新しい」とか「チリひとつない」という問答無用でキレイな状態指す表現。
何でそう言うの?…知りたいでしょ?
16世紀ごろの英語では、「spick」は「釘」のことを、「span」は「木質チップ」という意味を表したそうだ。
当時は航海が盛んな時期で、安全を期して船に使う釘や木材は必ず新品を使っていたのだそうだ。
それが18世紀になると「とてもきれい」という意味に転じたんだって。
私はspick-and spanにするのが苦手な方です。

230新商品のテストやミュージシャンの試奏の場としても使われる。
広規さんもホラ!
同じベーシストの山田直子さんもココでEDENを試したことがあるんよ。
その昔、AC/DCのAngus Youngが試奏した時、通りの向かいの荒物屋まで音が聞こえたというが、シアターで試奏している分にはもうそういうことも起こるまい。
Ritchie Blackmoreもそんな話があったね。ノンちゃんがよく話してくれる。

240vそれから会議にも使われる。
昔は年に一回世界中のディストリビューターが集まって、新商品やプロモーションやマーケット対策等々、ありとあらゆることを話し合って情報を共有したものだ。
たいてい3日間、朝8時から5時近くまでドップリ英語でね~、ま~、疲れることこの上ない。

250英語もシンドイんだけど、寒いのがツラくてね~。
火の気がなくてとてもヒンヤリしてる。
「シゲ、風邪でも引いたのか?」と毎回訊かれたが、5、6月でもこっちは厚手のセーターを着なきゃとてもいられない。ダウン・ジャケットを着て会議に出たこともあった。
でも見て、奥に立っている2人、半袖でしょう?
アレはイギリスとカナダの人。
皆さん寒い国に住んでいらっしゃるんですよ。
オーストラリアも日本ほどは暑くないようなので、ウン、今考えてみると、日本が一番暑い国だったんだね。

260さて、コレでシアターの紹介は終わり。
ミルトン・キーンズの50周年を記念してMarshall Amplificationがココでナニをやるのかというと…コレ。
Led Zeppelinの「Rock and Roll」を50人同時に弾いてしまおう!という企画。

270_epコレに入ってるヤツよ。
CLASSIC ROCK誌によるところのブリティッシュ・ロックの名作第1位のアルバム。
ヨカッタ「B&%n」じゃなくて!
4s で、今、Marshallのウェブサイトでこのイベントへの参加者を募集している。
ご丁寧にMarshallのデモンストレーターのスティーヴがこの先発売されるCODE100Hで弾く教則動画と譜面まで提供してくれているよ。
  

3_2_50  

「50For 50」か…私だったら課題曲にFrank Zappaの「Fifty-Fifty」を選んでいたかも?!
  
ウェブサイトはコチラ⇒50 FOR 50

 で、ですね、このウェブサイトに出ている勧誘文がおもしろかったのでチョット訳出してみた。
こういうのは文化の違いがわかってすごくおもしろい。
コレを読んで「オレも!」、「私も!」というイギリスまで行ける猛者がいらっしゃれば、是非申し込んでみてくだされ!
当然ギャラは出ないけど限定のMS-2ぐらいはもらえるかも?
  
ココから。
------------------------------------------------------------------------
Marshall社はMarshallにしかできない方法でミルトン・キーンズ開設50周年を記念します。
限定生産するMS-2を使って、ひとつの曲をユニゾンで演奏する50人のギタリストをご招待します。
演奏技術は問いません。

その曲とは、レッド・ツェッペリンの「Rock and Roll」です。
  
開演:午後5時

  
<応募条件>
応募をする方は次の条件を承諾頂きます。
●参加者は9月27日(水:現地時間)の午後3時にMarshall本社にお越し頂き、3時45分から始まるリハーサルの準備を完了させておいてください。

  • 参加者は本番の時に譜面を見ることのないよう、予め練習してきてください。
  • 参加者は自分のギターを持参すること。
    3~5mのシールドまたはスクリーンされている良質なケーブルとピックも忘れずに。(註:チッ、ギター・ケーブルを「ギター・リーズ」って言って欲しかったな)
  • 交通費は自己負担です。
  • 参加するために必要とされる練習や教育に要する時間に関してはすべて参加者の責任となります。Marshallはそうした時間のために損失するかもしれない経済的なロスについて一切責任を取ることはありません。
  • 18歳未満の参加者は付き添いが必要です。
    Marshallの設備内で発生する参加者の行動や健康、安全に関してはその付き添いの方に責任を負って頂きます。
  • Marshallの施設内における飲酒、法的に禁止されている物質の摂取は厳禁です。
    疑わしき状態の参加者は演奏する機会を失い、退場して頂きます。違法の物質を発見した場合には警察に通報します。
  • 参加者は収録する映像や音声に関する権利が完全にMarshallに帰属することにご同意頂きます。使用に供される媒体は現存するもの、将来発明されるものを問いません。また、その権利は永久に継続するものとします。
    さらに、それらの素材をMarshallの許可なしに第三者に分配することを禁じます。
  • 参加者はその場にふさわしくない、もしくは他人に不快感を与えると思われる服装を着用しないでください。また、つまづきやすい服装や身体の弱点を露出するような服装の着用も控えてください(靴も同様)。
  • 参加者が直接的、または間接的にこのイベントに関して利潤を得ることを禁止します。

   

<タイム・テーブル>

3:00 – 3:45pm  工場内のシアターで練習

3:45 – 4:45pm  製品デモンスとレーションと展示会(Marshallが担当)

5:00~     50人による「Rock and Roll」パフォーマンス

5:15 – 7:00pm  King Creature(キング・クリーチャー)他によるライブ・ショウ(Marshallが担当)

7:00    終了

  

<場所>
Marshall工場内、シアター

 

★場内の駐車場は無料です。ファースト・アベニューとロマール・コートにも停めることができますがMarshallは駐車に関する責任は負いません。
(註:駐車場はコレね)

280

 <申込書>

名字

名前

年齢

演奏レベル  □ビギナー  □中級  □上級

メール・アドレス

電話番号
------------------------------------------------------------------------

コレ、もし日本の楽器メーカーがやったら曲はナニになるのかね?

290

 

2017年9月 6日 (水)

電波は飛ぶ、飛ぶどこまでも~Marshall HEADPHONESの新商品 <スピーカー編>

  
疲れ目の症状を緩和するための商品のテレビCMをよく見かけるでしょ?
飲み薬もあるよね。「目、肩、腰の疲れに!」みたいなヤツ。
ノドに関する商品も色々出てる。
鼻だってあるじゃんね。息の通りを良くするヤツとか、イビキ防止の絆創膏みたいなヤツとか。
花粉症の季節になると、目と鼻に関するこうした、いわゆる「ケア商品」は大忙しだ。
このあたりの商品の市場たるや相当巨大なモノに違いない。
じゃ耳は?
耳はケアされているのか?
耳栓のコマーシャルなんて見た記憶がないし、耳のケア製品って「耳かき」と「綿棒」ぐらい?
耳だって疲れてるゾ~。
耳は何も文句を言わないけど、クタクタになってるゾ~…と思うワケ。
私の耳は特にヒドイと思う。人一倍使ってきたからナァ。
  
なつかしいナァ。
ナショナルの「スタジオマックff」とかいう下のラジカセ。
1973年の発売だというから…そうそう確かに小学校5年生の時だった。
出てすぐに買ってもらった。
ワイアレス・マイクが内蔵されているのがカッコよかったんだけど、ほとんど使わなかったな。
コレ、調べてみると定価が34,800円だったそう。
1973年の大卒の初任給って80,000~85,000円だったっていうから、オッソロシク高価なものだったのね…天国にいるお父さん、ありがとう!
その頃、国鉄の初乗りは30円。ハガキの送料は5円だって!ダマってりゃ郵便料金ってものすごく高くなってるんだな~。
このラジカセで、FMの映画音楽の番組をエアチェックしてテープが伸びるほど聞いた。
その後、その映画音楽がビートルズに代わる中学1年生の終わりぐらいまでこのラジカセを愛用していた。
起きている間中、コレで音楽を流していた。
昔の電化商品は実にシッカリと作られていて、その間一度も調子が悪くなったことはなかった。
だから、そんな高価なモノではあったけど、オツリは3回ぐらい来てると思う。

Ff_2もうそれから何度も家の中のオーディオ機器は変わっていったが、今の今まで、家にいる間は起きている間中何がしかの音楽が鳴り続けている。
今は珍しくLaurindo AlmeidaとCharie Byrdのデュエット・アルバムを聴いている。
ブラジルもタマにはいいもんだ。
最近は、事務所ではMarshall HEADPHONESのBluetoothスピーカーの最大モデルWOBURNがヴォリューム1以下で音楽を鳴らしてくれている。Marshallらしく超ラウドなのだ。
コレはCDプレイヤーにRCAで直結させて使っている。

50r4a6474倉庫で作業する時も同様に音楽が付いて回る。
コチラはインターネット・ラジオの音源をBluetoothを利用して事務所のコンピュータからSTOCKWELLに送り出している。
おかげで、こうして四六時中音楽に囲まれているというワケ。
だから、耳が働きすぎだ!っていうのよ。
気の毒に、私のミミちゃん…。
Marshall Blogの取材でライブ会場に行けば、撮影場所の関係でドデカイPAスピーカーにさらされる。もちろんガッチリ耳栓はしているが、それでもものすごい負担だろう。
夜はイヤホンを突っ込まれて、寝入るまでジャズを聴かされてる。
真剣な話、耳って休ませなくて大丈夫なのかね?
目はつぶることができるけど、耳と鼻は心臓と同じで24時間働いてら…なんてことは今生まれて初めて気づいた。
ん~、確かに総じてBluetoothってのは便利だな。
ミミちゃんゴメン!

50r4a6469しかし、Bluetoothってなんで「青歯」なの?
昔は「味噌ッ歯」の子がたくさんいたけど最近は見かけなくなったね。しかし、「味噌ッ歯」なんてスゲエ表現がよく思いついたもんだ。見習わなきゃイカン。
「味噌ッ歯」は英語で「Circular Carries」っていうんだって。
今度どう?バンド名に…「サーキュラー・キャリーズ」なんてカッコいいじゃん?
チョット脱線。
子供と言えば…昨日のことなんだけど、遊びながら下校する女の子たちを見かけた。
我々も子供のころやった、ジャンケンの勝敗で歩数をキメて進むヤツだ。
グーで勝てば「グ-リ-コ」で3歩。
パーで勝てば「パ-イ-ナ-ツ-プ-ル」で6歩。
チョキで勝てば「チ-ヨ-コ-レ-イ-ト」でコレも6歩。
やったでしょコレ?
で、その女の子たちもコレをやっていたワケ。
ところがどうも様子がおかしいのよ。
まず、ジャンケンのかけ声は「3時のお~や~つ」ってやる。我々はどうだったっけ?「ジャンケンポン」だっけ?
そういえば、どこかの地方では「ジャンケン」のことを「ジャイケン」って言うでしょ?アレ不思議。
話を戻して…。
見ていると我々のモノとはゼンゼン流儀が違うのね。
グーで勝てば「グ-ミ」で2歩なの。3時のおやつだけにグミを食べるらしい。
で、チョキは「チョコ」なの。だから2歩。ま、コレは歩数の数え方は違えど、我々と同じ。チョコレートはやっぱりお菓子の王様だ。
さて、こうなるとパーが俄然気になってくるじゃん?
なのでしばらく見ていたら、勝負がどうにもグーとチョキで決まり続けている。
つまりグミとチョコよ。
とうとうガマンできなくてその女の子たちに尋ねた。
「オジサンの時はね、あ、オジサンは怪しいモノなんかじゃないんだよ。Marshall Blogっていうのやってるんだけど、見たことある?あ、ない。
イヤ、オジサンの時はグーはグリコで…」と説明した。
まず「グリコ」でポカンとしてるんだよ。
「で、オジサン、さっきから気になっちゃってるんだけど、パーで勝つとどうなるの?」と訊いた。
するとひとりの子が小声で「パフェ」と答えてくれた。
ん~、時代は変わったわ~。
待てよ、「グ-ミ」、「チョ-コ」、「パ-フェ」って全部2歩じゃないの?それじゃおもしろくないじゃん?!
お巡りさんが通りかかって職務質問されてもかなわないんで、お礼を言ってその場を去った。
  
さて、Bluetooth。
この奇妙な名前は「ハーラル・ブロタン(Harald Blåtand)」という10世紀のデンマーク国王に由来しているんだって。
この「ブロタン(Blåtand)」ってのを英語に音訳したものが「Bluetooth」。
「ブロタン」→「ブルタン」→「ブルトゥン」→「ブルートゥーン」→「ブルートゥース」ぐらいか?
古代のデンマーク語では「ブロ」は「浅黒い肌」、「タン」は「英雄」という意味なのだそうだ。
だから、その王様の名前の意味から英語名を決めていたら、「Bluetooth」は「Tanned Hero」かなんかになっていたハズ。
ロゴはその王様の頭文字の「H」と「B」を合体させたモノ。
で、この王様、ナニをやらかしたかというと、ノルウェーとデンマークという異種民族を「交渉」によって無血統合させた人なのだそうだ。
白人は戦争大好きだからね、こうして武力を用いないで国家間でなにかをやり遂げるというのはスゴイことなのだ。
開発者のエリクソン社はスウェーデンの企業で、「多数存在する無線通信規格を統一したい」という願いを、同じ北欧の仲間であるデンマークのブロタン王の偉業に絡めてBluetoothと名付けたのだそうだ。
思った通り味噌ッ歯とは関係なかった。

Bt  
Bluetoothの由来もわかったところで今日の話題。
でも、Bluetoothと関係のない、その先のMarshall HEADPHONESの新商品の話。
下の写真がソレ。
もう、後光がさしちゃってるよ!
何ていうモノかというと「WIRELESS MULTI-ROOM SYSTEM」というシロモノ。

190
見た目は今までのBluetoothスピーカーと何ら変わらない。
「マルチ」という言葉が気になるけど、「リモコンがついたのか?」ってぐらいの感じ?

200

ところがココにはスゴイ進歩が詰まってるんだって。
それな何かというと、Wi-Fi。
BluetoothではなくてWi-Fiで音源の電波を飛ばすことができるのだ!…って、「オマイさん、それがどういう意味かわかってるのかえ?」ってことでしょ?
そうなの、私はにわかには何のことやらその意味がわからなかったの。
一体どこからこんなにメカ音痴になっちゃったんだろうな~…ってんでMarshall HEADPHONESの方にお願いしてコレについて勉強させて頂いた。

250
結果!
BluetoothではなくWi-Fiを利用することによって、複数台のスピーカーを同時に鳴らすことができるのだそうだ。
そうか、Bluetoothって1回線しか電波を送ることができないもんね。
またSpotifyだのに直結できる利点があるのだそうだ、Wi-Fiだから。
他にもRCAジャック、普通のオーディオ・ミニ・ジャック、もちろん従来通りBluetoothも使用できる。
しか~し!
コレはWi-Fiの環境が整っている場所での話。
大分普及してきたのかも知れないけど、日本の一般家屋でWi-Fiが飛んでいる所なんてまだまだ少ないでしょう?
こんな私でもイギリスに行って帰ってくると、日本のIT環境の僻地っぷりには驚くわな。
決して困りはしないけど。
言い換えると、これだけWi-Fiの環境が異なると海外の人に不親切なんだよね。
一般の日本国民って、私も含めて本当に海外のことを知らないよ。いまだにテレビで喧伝されていることだけしか知らない。
かといってインターネットがあっても同様。
それどころか、インターネットが発達したおかげで、日本がドンドン世界標準から切り離されていってると思う。原因は英語。
英語が苦手なもんだから他の先進国に比べて極端に情報量が少ないのだ。
昔はよく「島国根性」という言葉を耳にしたけど、最近はまったく聞かなくなった。
開き直っちゃったんだね。
J-POPを見ているとそれを一番実感する。
それとね、ウィキペディア。
信頼性の問題は別にして、海外の事柄を調べるときには正直よくウィキを利用するが、海外の事物を調べる時、日本の記事を見ることはほとんどない。95%以上ぐらいは英語版を利用している。
だって情報量が雲泥の差だもん。英語も平易で読みやすいし。
マスコミの閉鎖性の問題もあるけど、その英語版ウィキを使うたびに、海外から取り残されていることを確信するのだ。
ITテクノロジーもそう。
昔、今のMarshallの社長のジョンが社内でITの仕事を担当していた頃…15年ぐらい前の話ね…私が工場に行くたびに「Cutting edge」という言葉を使って、「シゲ、今、日本の最新のIT機器はなんだい?ナニが流行ってるんだい?」と我が国のコンピュータ事情を尋ねてきていたけど、今は全く訊いてこなくなった。
Marshallの社長として時折日本に来るようになって、日本のIT環境のお粗末さを知ったからだ。
新しい携帯電話やゲームソフトが一日中テレビで紹介されていて、いまだに「日本は世界一のIT技術を誇る国」だなんて思っている人…違うんですよ!
こんな商品の出現を目の当たりにすれば、海外のWi-Fi普及の進みっぷりが知れようというものだ。
  
フフフン、こう見えてもウチはバッチリなんだ、Wi-Fi。家中ビュンビュン飛んでるの。
結構便利なもんだよね。
先日Marshallの社長が来日した時も、事務所にWi-Fiが飛んでるもんだからすごく安心していた。
  
で、話題を戻すと、今度はひとつの音源で複数のスピーカーを同時にならせるようになるワケね。
リビングでも、ダイニングでも、トイレでも、倉庫でも、スピーカーが置いてありさえすれば、同時にどこでもThe Shaggsが聴けるということ。もちろんAnthony BraxtonでもシュトックハウゼンでもOK。

210

そして、Wi-Fiを経由することによりBluetoothより音質が向上するそうな。
確かにBluetoothって音量のレベルがチョット低いもんね。

220

プリセット・コントロールがついていて、自分がストアした音源にワンタッチでアクセスすることができる。
何だかCODEみたいだな。

230

最初の写真にあったリモコンは実はスマホ。
「Marshall Multi-Room」というアプリをインストールすれば手元のスマホでスピーカーをコントロールできる。
ってコレ、もう完全にCODEじゃんか!

240

環境に応じて3つのタイプがラインナップされる。
大きい方から、WOBURN、STANMORE、ACTONの3種類。
日本での発売は今のところ未定。

Marshall HEADPHONES製品の詳しい情報はコチラ⇒NAVYS
英語版はコチラ⇒Marshall HEADPHONES Official Web Site

260

しかし、1962年のこのJTM45から55年。
Marshallもずいぶん遠いところまで来たな~。
チョコやグミやパフェで小出しに歩んでいたら到底たどり着けんぞ。

180

(協力:NAVYS INC.

2017年9月 5日 (火)

【訃報】 ウォルター・ベッカーのこと

  
Steely DanのWalter Beckerが3日に亡くなったそうだ。
67歳。
昨今では「早死に」の部類に入るだろう。
死因は今のところ不明。
  
Steely DanもWalter BeckerもおおよそMarshallに関係なさそうだが、素晴らしい音楽を作った業績に対しエッセイ的に一筆寄せることをお許し頂きたい…というか、こんな時でなければMarshallのブログでSteely Danについて書くことなんてないだろうし…。  
早い話、Steely Danが好きだったのよ。
普段から、やれ「イギリス」だ、やれ「ロンドン」だと騒いでいることからもわかるように、私は根っからのブリティッシュ・ロック派で、いつの頃からかアメリカのロックをあまり聴かなくなってしまった。
ま、局地戦ではSteve MillerやLittle Featのような例外もたくさんあるけど、アメリカン・ハードですらAerosmithを除いてはチョット苦手なんだよな~。Grand FunkもKissも夢中になったことがない。Blue Oyster CultとAlice Cooperぐらい?
アメリカのロックを「アメリカン・ロック」たらしめる、さわやかなウエスト・コースト・ミュージックとかアーシーな南部のロック、さらにカントリーやブルースがかった音楽をもはや自主的に聴くことがないんだよね。(といいつつ、つい先日Black Oak Arkansasを聴いて、あんまりカッコいいんでウナってしまったけど)
しかし、Frank ZappaやTodd Rundgrenは例外中の例外でゼンゼン別物。一生好き。
そして、もうひとつの大きな例外がSteely Danなのです。
  
Steely Danを初めて知ったのは1976年のことだったと思う。
記憶違いだったらゴメンなさいよ。当時、東芝EMIって下のような洋楽のレコードを紹介する小冊子を時折出していた…と思う。
下のヤツはもしかしたら1976年に出たビートルズの『Rock'n'Roll Music』というコンピ―レーション・アルバムのオマケだったのかも知れない。
私はこのアルバムを一度も買ったことはなかったんだけど、ナゼかこの小冊子だけは持ってたな。
ところで、この頃って、ビートルズが解散してからまだ5、6年しか経ってない頃だったんだよね。
今はナニ…ビートルズが解散して47年が経ったの?
ビートルズのメンバーの名前が言えない若者が普通…なんてのもムリのないことなのかも知らんね。
47年…道理で私もどこへいっても最年長になるワケだよ。
さて小冊子…当時はレコード会社もロックを広めるために必死だったんだろうね。定期かはたまた不定期かはわからないけれど、こういうモノを作ってロックの普及に努めていたワケだ。
あんまり一生懸命やりすぎたせいか40年経ったらこの頃のロックがスカッリどっかへ行っちゃった。

20vで、この頃中学2年生だった私は何かの拍子に、このひとつ前の紺の表紙の小冊子を手に入れて、しょっちゅう中身のチェックをしていた。
ロックの知識を吸収しようとして夢中だったのね。
そして、そこに出ていたのがSteely Danで、確か『Ketty Lied(うそつきケティ)』が新譜として紹介されていたのだと思う。
その紹介文には下の1973年の『Countdown to Ecstasy』の裏ジャケの写真が使われていた。
で、この写真で印象に残ったのが、ちょっとイッちゃってる感じのDonald Fagenではなくて、ご立派なヒゲがステキなJeff Baxterでもなくて、はたまたコワモテのDanny Diasでもなくて、一番奥にサングラスをかけて座っているWalter Beckerだった。
何でかって?
この頃はWalterがSteely Danなるバンドの中心人物などということはツユ知らず、「ウワ~、意地の悪そうなオジさんだな~」という猛烈に強力な印象を受けてしまったのだ。
だって、今この写真をパッと見てもひとりだけ変でしょう?
コレで紙袋を持っていたら「宅八郎」だよ(古いか?)。

10当時はまだロックを聴き始めた頃だったので、Steely Danに興味が湧くワケもなく、ビートルズを卒業すると、私はToddを経てZappaやRoxy Musicをはじめとしたブリティッシュ・ロックの道を突き進んだのであった。
2度目にSteely Danに接近したのは『Aja』が出た時だった。
2年後の高校1年の時だったかな?
池袋に新しくできた楽器店でアルバイトをしているヤツがクラスにいて(ど~こだ?)、バイト先の年上の人に教わって来たんだろうね…ソイツはハード・ロックやプログレッシブ・ロックに夢中になっている我々に向かって小バカにした口ぶりで「お前らも『エイジャ』いいぞ~」なんて言っていた。
やかましい!こっちがナニを聴いたって「えいじゃないか!」…ナンチャッテ。
そんなことがあったので、どうもSteely Danは長い間苦手にしていた。友達ギライによる聴かずギライ。
40cdで、Steely Danを本格的に聴くようになったのは、私の場合、実は高校を卒業してからなのですよ…恥ずかしながら。
それも一番大きなキッカケは今の家内と話を合わせるためだったの。
まだ、18歳の時よ。
「私、Steely Danが好きなの…」なんて言われた日には「ダメダメ、そんなの!男は黙ってFrank Zappa!」なんてことも言えない。フラれるのがコワいから。
ま、Steely Danも完全に知らないワケでもないし…ということで家内が持っていたカセット・テープをこと細かに聴き出してブっ飛んだ。
「ナンダ、こんなことをやっていたの?」
当時、すなわち1980年に入りたての頃は、パンク/ニューウェイブ、テクノ、フュージョン等の嵐が吹きすさび、時の音楽に興味を失っていたことに加え、従来型のハード・ロックやプログレッシブ・ロックにも飽きが来ていたので、私は何か自分にとっての新しいタイプの音楽を摸索していたんだね。
そして、完全にシビれてしまったのが、『The Royal Scam』の1曲目、「Kid Charlemagne」のLarry Carltonのソロ。
彼はコレをアドリブで弾いたと言っているけど、いまだに信じられん。
人間、こんなことが即興でできるハズがない。
このアルバムはSteely Danのハードな面が出ていて好きだった。
Rick Derringerがこんなにギターがウマいんだということも知ったし…。

30cdそれで改心して(?)、『Gaucho』までのすべてのアルバムを即時中古で買い揃え、聴き漁った。
まずは「Do it Again」で名高い『Can't Buy a Thrill』。
「Reelin' in the Years」のDenny Diasのソロにもシビれたな~。
5曲目の「Only a Fool World Say That」で、曲が終わったところで「ムッフフ、止めて、ホント、ホントに」と言っているように聞こえるのは私だけか?
最後の「Turn That Heartbeat Over Again」も名曲。
このアルバムにもVictor Fledmanが参加しているのか…。
FeldmanはMiles Davisの愛奏協でおなじみの「Seven Steps to Heaven」の作曲者。お父さんもジャズ・ミュージシャンで、有名なロンドンの「100 Club」のオーナーだった。

50cdこの頃はまだCDが出て来る前でね、『Gaucho』は数寄屋橋のハンターで買ったのを覚えている。
コレの「Third World Man」のCarltonのソロもスゴイよね。
Larry Carltonはかつて自分の代表的な仕事をメドレーにして自分のコンサートのレパートリーにしていたが、「Theme from Hill Street Blues」や「Put it Where you Want it」の他に、「Kid Charlemagne」や「Don't Take Alive」を加えていた。
ホ~ラ、やっぱりアドリブじゃないんじゃないの?1101975年の『Katy Lied』。
「Rose Darling」「Daddy Don't Live in That NYC no More」、「Everyone's Gone to the Mivies」、「Your Gold Teeth II」、「Chain Lightning」…名曲そろいの傑作だと思う。
特に「Doctor Wu」のPhil Woodsのソロが好きだった。
そういえば日本でもおなじみになったんだか、なじまなかったんだか知らないが、「Black Friday」なんてブギも入っていた。
この『うそつきケイティ』という邦題はなかなか良いセンスだと思ってる。
ところで、このアルバムのジャケットがなぜバッタだか知ってる?
コレ、実はバッタではなくて「Katydid」というキリギリスの仲間なんだって。イギリスでは「Bush Cricket」というらしい。
それでアメリカではこの虫が鳴くと「katy did, Katy didn't(ケイティ・ディド、ケイティ・ディドゥント)」と聞こえるんだって。虫の名前としては「ツクツクボーシ」みたいなもんだね。
で、さっきの「Doctor Wu」。
「Katy tried」と「Katy lies」という歌詞が出て来る。
この虫をその歌詞に引っ掛けたんだって。

80cd下はCDになってから初めて聴いた1970年代初頭に吹き込まれた未発表音源集。
一時アメリカの音楽界では「Steely Dannish」という言葉があったらしい。
この音源集での録音や演奏は原始的なものだが、この頃には既にそのSteely Dannishなサウンドが完成していることに驚く。
「Don't Take Me Alive」とほとんど同じ曲もあったりするぐらい。
プロデューサーのGary Katzはコレらの原石を磨き上げたワケね。
「プロデュース」という仕事がいかに重要かということを思い知るわ。(誰か私にナニかプロデュースさせて!)
このアルバムで上の『Can't Buy a Thrill』に入っている「Brooklyn」や、その後の『Pretzel Logic』に収録された「Parker's Band」の原型を聴くことができる。

60下がその1974年の『Pretzel Logic』。
ジャケットがいいね~。
しかし、邦題がひどかった…「さわやか革命」。ナンだそりゃ?「サワデー」かぁ?それとも「消臭力」かぁ?
プレッツェルってニューヨークに行って初めて食べたんだけど、驚いたナ。
アレ、上にかかっている粒々って砂糖かと思っていたら塩だったんだもん!
  
ココでもう一度「Parker's Band」。
タイトルにある「Parker」とはもちろんモダン・ジャズの巨人、Charlie Parkerのこと。
彼のオリジナル・ブルース、「Parker's Mood」に引っ掛けたのかな?
オットット…今ココでParkerで脱線しようものなら、それこそキリがなくなってしまうことは必至なので、要点だけ書く。
このSteely Danの曲は、Charlie Parkerの音楽の素晴らしさについて歌っているんだけど、歌詞が実におもしろい。
冒頭の「Savoy presents a new saxophone sensation(サヴォイが新しく紹介するとんでもないサックスの新人スター)」とある。
「Savoy」というのは「Now's the Time」や「Confirmation」や「Koko」などのParkerスタンダードを世に出した1940年代のニューアークのジャズのレコード・レーベル。
皆さんはJacoの愛奏曲としてご存知であろう「Donna Lee」もParkerがMiles Davisと一緒に吹き込んでこのレーベルからリリースした。
「Savoy」なんて固有名詞を入れるところが何ともカッコいい。日本のロックの歌詞には見ることのできない手法。
そして、実はこの部分には伏線がある。
1954年2月にニューヨークのBirdlandというジャズ・クラブで録音された、「ハードバップ時代の幕開け」とされる『A Night at Birdland』というArt Blakeyの名ライブ盤がある。
「Birdland」という店の名前もCharlie Parkerの「Yardbird」というアダ名から付けられたのだが(Clapton、Beck、PageのThe YardbirdsもCharlie Parkerゆずりだ)、このクラブにはPee Wee Marquetteという小人の有名な専属司会者がいた。
この司会者がそのライブ盤に収録されているパフォーマンスの中で、当時デビューしたての天才トランぺッター、Clliford Brownを「A new trumpet sensation、Clliford Brown!」と紹介しているるワケ。
「trumpet sensation」と「saxophone sensation」…ジャズ・マニアのDonaldとWalterはコレを知っていてそういう歌詞にしたにちがいない。
いいナァ~、こういう楽屋落ちは大好きだ。
もうチョット書かせて!
この「Parker's Band」の歌詞の中にはこういう一節も出て来る。
「♪You'll be grooving high or relaxing at a kind of riddle」…ジャズ・ファンなら絶対にニヤリとしちゃう。
この一節にはふたつ仕掛けが仕込んであって、前半の「grooving high」というのはDizzy Gillespieが書いたCharlie Parkerの愛奏曲の「Groovin' High」から持ってきている。
もうひとつがおもしろい。
「relaxing at a kind of riddle」…「riddle」は「ナゾナゾ」ね。つまり「ナゾナゾのようなものでリラックス」という意味。
これだけではおもしろくもなんともないし、そもそも意味がわからん。
実はココは言葉遊びになっていて、Donaldは「a kind of riddle(アカインダバリロル)」を強引に「カマリロ」って歌っている。
そうすると、この一節の後半は「♪リラキシンアットカーマリロ~」となる。
アメリカン・イングリッシュだから実現できる芸当。
クイーンズ・イングリッシュではこんな発音は許されません。
この「Relaxin' at Camarillo」というのはParkerが作った有名な「C」のブルースのタイトルなのです。
恐らくDonaldとWalterは「どう歌ったら『カマリロ』に聴こえると思う?」なんてさんざん考えたんじゃないかしら?
カマリロというのはカリフォルニアにあった精神病院の名前で、Parkerは6ヶ月間ココに収容されて治療を受けた。
ナゼ、精神病院に入れられたのかはまた今度…キリがなくなっちゃうから。
そして、この辺りの言葉遊びこそが「riddle」、すなわちロック・リスナーに向けた「なぞなぞ」だったんじゃないかしら?

70cd私はこの「Relaxin' at Camarillo」が大スキで、伊藤広規さんのライブ・アルバム『Relaxin' at IWAKI ALIOS』でアイデアを借用させて頂いた。

Ri それと、『Pretzel Logic』の1曲目の大ヒット曲、「Rikki Don't Lose That Number(リキの電話番号)」のイントロはHorace Silverの「Song for my Father」の完全パクリ。
コレは偶然にも最近Marshall Blogで触れたばかりだ。

350 Steely Danが2000年に『Two Against Nature』で復活した後、『Everything Must Go』も聴いた。
往年のクリエイティビティには叶わないかもしれないが、音楽としては十分にカッコよろしく、Steely Dannishを貫いていると思った。
でも、私にとって復活後のSteely Danで最もご利益があったのは、Drew Zinggというサポート・ギタリストを知ったことだったかな。
Marshallじゃないけどね。
120もう『Aja』あたりになると誰でも知っているでしょうから、今回ココでは詳しく触れなかった。
その代わり、ヘソ曲がり的にこんなヤツを…。
Marian McPartlandというベテラン女流ピアニストがパーソナリティを務めて1978~2011年まで続いた『Piano Jazz』というラジオ番組に、Steely Danの2人とベースのJay LeonhartとドラムのKeith Carlockが出演した時の音源。
ピアノ談義とジャム・セッションという内容で、Bill EvansやElvis Costello版もあるようだ。
ま、ジャズに興味がなければ例えSteely Danファンであっても、そうおもしろい内容ではないかも知れないが、私はこの2人のジャズへの傾倒ぶりがよくわかっておもしろかった。
取り分け、Duke Ellingtonへの敬愛ぶりには興味をそそられる。実際、『Pretzel Logic』では「East St. Louis Toodle-Oo」というエリントンの古い曲を取り上げているもんね。
どうして今、私がエリントンに興味を持っているのかというと、長年アメリカで活躍しているジャズ・ギタリストが書いた本を最近読んで、それに感化されたからなの。
その本によると、アメリカでは「ジャズ」は「マイルス・デイヴィス」でもなく「ジョン・コルトレーン」でもなく「デューク・エリントン」を指すというのだ。
もちろん日本でも「デューク・エリントンは数々の名曲を残したジャズの偉人」とされているが、アメリカでの地位とは雲泥の差があるようなのだ。
だから、「エリントニアン(Ellingtonian)」などという言葉があるワケ。
「エリントニアン」というのはデューク・エリントン・オーケストラで演奏することができる数少ない優れたミュージシャンを指す名誉ある言葉。
どうなんだろう?
アメリカ在住のミュージシャンの数とエリントン・オーケストラの席数を考慮すると、エリントニアンになれるチャンスたるや、大相撲の横綱になるぐらいの確立なのではないだろうか?(無責任な推測)
ということは日本の総理大臣になるよりムズかしいということだ。
ま、ココでエリントニアンの名前をズラズラと上げるのはいともたやすいことだが、知識をひけらかしているようでイヤらしいのでヤメておこう、ヒヒヒ。
しかもジャズだけでなく、ありとあらゆるアメリカのポップ・ミュージックはデューク・エリントンの影響を受けているというというのだ。
あの有名なJames Brownのガウン芸も元はエリントンなんだって。
つまりは、このSteely Danもエリントン傘下ということになるのだろう。
私も好きで30枚以上のエリントンのLPやCDを持っているが、そういう風に彼の音楽を聴いたことはなかった。
どんなに情報が氾濫していても、本当の情報が伝わってこないことが多い…ということを思い知る。

90Mrian McPartlandはOBEも叙勲しているイギリス人でJimmy McMartlandというアメリカ人トランぺッターと結婚してアメリカに帰化した。
私はほとんど知らないのだが、下のイギリス人ピアニストふたりによるコンピレーション・アルバムはナゼかLPとCDの両方を持っている。
収録されている私の好きな曲「It Might as Well be Spring(春のごとく)」なんかを聴くと、Marianはいかにも上品で面倒見のよさそうなピアノをお弾きになっていらっしゃる。
ちなみにこのMarianも前掲のSavoyからアルバムをいくつかリリースしている。
もうひとりのピアニストはGeorge Shearing。
有名な「バードランドの子守唄」の作者であり、そのプレイング・スタイルはHerbie HanckやChick Coreaといったモダン・ピアニストに多大な影響を与えているらしい。
私は聴いてもよくわからないが、好きなピアニストのひとり。

100ナゼかSteely Danのスコアもこんなに家にあった。
ナンダ、結局大スキなんじゃん!…と言われれば「Yes」ですよ。

2_img_0184しからば、Steeley Danのどのアルバムが一番好きか?と訊かれたら…コレかな?
1973年のセカンド・アルバム『Countdown to Ecstasy』。
やっぱり「My Old School」は泣ける!
他にも、マァ、よくもこんなにいい曲を作ることができるものだ、と感心せざるを得ない。
昔の人はエラかった!

130…とスッカリ、私的なSteely Dan録になってしまったが、恐らくみなさんが触れたり、書いたりしないような内容で故人を偲んだつもり。
ジャズの話題をからめたのは私の弔意(condolence)だ。
私は『Nightfly』も『Kamakiriad』もDonald Fagenのソロってどうもシックリこなかった。
やっぱりWalter Beckerという相棒がいてからこそのSteely Dannishサウンドだったのだろう。
ギタリストとしては、活動中に出した音の数の合計はYngwie Masmsteenが弾く1曲の音数よい少ないかもしれない。
でも、どれもヨカッタよね。
彼の弾くギターこそ「ツボを得たプレイ」というのだろう。
ロック界はまた大きな才能を失ったことと、この先Steely Danの新しい音楽は永久に聴くことができないということだけは確かだ。
謹んでお悔やみ申し上げます。

2017年9月 4日 (月)

横浜メタル地獄!! <後編>~ YOU-VAL♡メロン & Strange,Beautiful and Loud

    

『横浜メタル地獄!!』、2番手はおなじみStrange,Beautiful and Loud。10三宅庸介

20v山本征史

30v金光健司

40vステージに上がって三宅さんがいきなり奏でたのは…「君が代」。

50それに続けてのオープニング曲は定番の「if」。

60v誰かが押せば誰が引いて、時に誰かが押せば押し返す…当然のごとく三者が一体となったド迫力のアンサンブル。

702曲目に「murt'n akush」。
フフン?今日はこのパターンか。

90v5/4の印象的なリフが導く妖しくスリリングな音世界。

80v「if」、「murt'n akush」と強力なナンバーでアタマをガッチリと押さえこんだ。

100vSBLのステージと言えば、演奏だけでなく、やっぱり各人の楽器の音も大きな聴きどころだよね。
征史さんは今日もMarshall。

1101992 SUPER BASSと1960A。

120vフト、ヘッドを見やると「亜無亜危異」のタオルが…。
コレはこのステージの約ひと月前に亡くなった、征史さんが敬愛する逸見泰成さんを偲んでのこと。
アナーキー、高校の時にずいぶん流行って、普段ロックなど聴かないヤツも「♪団地のオバちゃん!」とか言って騒いでたな。
私はパンクについては今も昔も門外漢だが、デビューしたてのアナーキーを野音のイベントで観たことがあった。
The CLASHの「London's Calling」の日本語焼き直し版をあんなところ(天皇陛下のお住まいの近所)で歌詞も変えずに演奏したのには驚いたっけ。

130三宅さんのMC。
「こんばんは。『横浜メタル地獄』、ボクらは全然メタルではないんですけれど、時々出演させてもらっています。元はメタルだったかもしれません?」

2_img_0518 …とメタルではない「bloom」につなげた。

140ところで、もちろん三宅さんもMarshallね。

150JVM210Hと1960BV。

160vもちろん三宅さんは会場の状態に合わせてアンプのコントロールを綿密に設定する。
今回、使用しているバックラインもギターもペダル類も変わらないのだが、会場の規模や雰囲気がかなり違うせいか、すごくいつもとは異なるサウンドだった。210v「いつも」というのは、しょっちゅうMarshall Blogでレポートしている三宅さんのホームである三軒茶屋のGRAPEFRUIT MOONでの演奏を指している。
でも、いつもと違うのはギターよりもドラムスだった。
この記事をご覧になられている多くの方はご存知だとは思うが、SBLが普段使用しているドラム・キット、すなわち金光さんが叩いているドラムスはNATALであることが多い。
ところが今日はイベントということで全バンドともドラムスの持ち込みはなし。
したがって今日のSBLのドラム・サウンドはNATALではない。
金光さんのプレイはいつもと全く変わらないのに、ドラム・キットが変わるとこうも違うかね~?
ま、ナニを使っても同じだったらいくつものドラム・ブランドがあるワケないんだけど。
良し悪しではないよ。
好みの問題で、私はやっぱりNATALの方がいいな。
定点観測しているとこういうことが即座にわかる。
もうNATALのサウンドはSBLのドラムスのサウンドなのだ!

3_img_0087 4曲目はこれまたハードな「devil」…でもメタルじゃない。
複雑なリフは三宅さんの音楽がそこいらのロックとは一線を画していることを証明する。

165時折アイコンタクトをとりながら絶妙な呼吸で三宅さんのプレイをバックアップするリズム隊。
ドラムスの音は違えど、プレイの魂はいつも通り!

1705曲目は「ring」。

190この曲のイントロのカッコよさったらない…でもメタルではないよ。
「ring」なんて耳の肥えたロック・ファンなんかが聴いたらみんな大喜びすると思うんだけどな~。

180最近はこの曲で最後を締めくくrことが多い「virtue」。

200v中盤から展開する三宅さんの大インプロヴィゼーション・パート…この曲の最大の見どころであり、ステージのクライマックスでもある。

2_img_0386延々としゃべり、そして叫び続ける三宅さんの後ろにピタリついてプッシュし続ける征史さんと金光さん。

220vそうしたサマをステージの脇からうれしそうに見守る出番を終えたノンちゃん!
あのね、何年か前にDeep PurpleとYngwie Malmasteenがダブル・ヘッドライナーで日本に来たことがあったでしょう?
東京公演で、Yngiweが出演している時、ステージの袖でズッとそのパフォーマンスをうれしそうにニコニコしながら見ている金髪で長髪の外人がいたのね。
誰かと思って、チラリとその外人の顔を見たらSteve Morseだった!
その時のことを思い出したよ。

250終わりました~!
今日もすさまじい演奏でした。
あのね~、Marshall Blogを読んでいて、まだSBLのステージをご覧になっていない方はライブへ足を運んでみてはいかがですかね~?
特に次のような人におススメです。
1. 長い間いろんなロックを聴いてきて「やっぱオレは(私は)硬派なロックがいいな」と思っている人。
2. 「ありがとう」や「がんばれ」なんて歌っているぐらいなら歌無しのロックの方がいいと思っている人。
3. 「ナンカ、変わった、そこらロックとは違うロックが聴きたいな~」と思っている人。
4. ギター・オリエンテッドな音楽が好きなんだけど、ピロピロに辟易している人。
5. ドでかいギターの音を直に浴びたい人。
6. Marshallの魅力に浸かりたい人。
7. ストラトキャスターが好きな人。
8. 機材が大好きな若いギタリスト。ギターの音は機材だけではないということを教えてくれます。
9. Jimi Hendrixが好きな人(でもジミヘンの曲は演りません)。

  
そんな皆さんとStrange,Beautiful and Loudの爆音会場でお会いしましょう!
一回でいいから試しに観に来てみなってば!

230vStrange,Beautiful and Loudの詳しい情報はコチラ⇒三宅庸介facebook

240vトリを飾ったのはYOUさんのバンド。
YOUさんのバンドは拝見するたびにメンバーも名前も違うからな~!
今日は「YOU-VAL♡メロン」というトリオ。

260YOU

270v渡辺広志

280v長井VAL一郎

290vYOUさんもMarshallだよ。

300JCM2000のDSL100と1960A。

310v1曲目は「Romantic Brain」。

320ク~、コレコレ!
まるでCDを聴いているかのような正確極まりないプレイ。

330vしかし、ひとつひとつの音が実にイキイキとしていて、YOUさんの出した音が、自分から歌となっていくようだ。

340VALさんの折り目正しいドラミングがYOUさんのギターによくマッチする。
2曲目は「Flower」。

3503曲目は6/4拍子と5/4拍子が混ざっているのかな?
「Garden」という曲。
こうしたトリッキーな曲がまたいいんだよね~。
どんなに複雑な構造の曲でもまったくシレっとしてる。
そのせいで変拍子に気が付かない人も多いのではないかしらん?

360v渡辺さんはMarshall Blog初登場。
YOUさんの片腕だけあって、そんな複雑な曲も楽々と弾きこなしてしまう。

3704曲目はユッタリめの「My Sun」。
YOUさんが弾くメロディはすべてシングル・ノート。
和音はなし。ダブル・ストップすらない。
とにかくメロディを歌わせることを念頭に置いているかのように見える。
すさまじい集中力だ。

380ソロに至っては「オレが、オレが」的な?みたいな速弾きはまったくない。
とにかくメロディ第一。
ミス・トーンは皆無。
出す音にまったく迷いがなく、すべて「書き譜」のよう。
だから、時折どこからがアドリブ・ソロかがわからなくなるほどだ。

390vいつも通り曲と曲の間のMCはまったくなし。
曲が続いて5番目に演奏したのは「天使の誘惑」。
黛ジュンじゃないことは知っている。

400コレもスゴイ曲だナァ。
サビのフレーズが実に奇抜だし、意表をつくキメが大変スリリングだ。
そして、聴く者に展開を予想させない大サビのキャッチーなメロディがあまりにもウマく出来過ぎてるでしょう?
その意外性が「天使の誘惑」ということなのね?

410続けて「Ghost Song」。
この曲とすぐ前の「天使の誘惑」は以前拝見したステージでも取り上げていた。
コーラスの怪しいメロディと6/4拍子のポップなサビのメロディの対比が強烈で印象に残っていたのだ。

2_img_0619 7曲目は7/4拍子の「Desert Love」。
コレでひと区切り。

3_img_0159いつも通り最後に1曲を残したところでMC大会。

420イヤ~、おもしろかったな~。
私、コレ大好きなの。
ひと通りバンドのことについて話した後は「ひとり攻撃コーナー」!
今日のお相手はVALさん。
440どんな変拍子よりも、ディスコードよりも危険なYOU節。
YOUさんの話した内容をココに記すワケにはとてもいかないので、興味のある人には実際にライブに行って頂くより仕方ない。
会場にいた友人から「シゲさんの笑い声が一番大きかったですよ!」と後で言われてしまった。
だってホントにおもしろかったんだもん!
かつてGRAPEFRUIT MOONで三宅さんが生贄、イヤイヤ、話題になった時も大いに笑わせて頂きました、ハイ。

430あんな話をしていた人と同じ人が奏でているとは思えない美しい音色で「Green Green」という曲を演奏して出番を終了した。

450アンコール。
当日、これだけのギターの名手が揃ったので当然ジャム・セッションかと思いきやさにあらず。
YOUさんはこうおっしゃった。
「ギタリストが集まると必ずDeep PurpleとかJimi Hendrixのカバーを演るじゃないですか。
それでダラダラとソロを回し合って…そんなのモッタイないですよ。
どうせ演るんだったら3人の良さをを弾き出すような曲を今度ボクが作ってきますよ」
そうして頂くとありがたい。
今日はシンガーがいないので、「Burn」のリフを21回聴くことはないと思っていたが、「Stratus」ぐらいは出て来るのではないかとヒヤヒヤしてた。
私はYOUさんの考え方に大賛成ですわ。
もちろんこれだけの名手だからして、凡百な曲を取り上げても凡庸な演奏になることはないだろう。
でも私もモッタイないと思う。
そのYOUさんの曲を聴くのをとても楽しみにしている。
  
…ということでYOU-VAL♡メロンの3人の演奏で「Bionic Zone」で今回の『横浜メタル地獄!!』を締めくくった。

460v

470v

480Terra Rosaのリユニオン・ライブアルバム『TERRA ROSA LIVE FROM CODA』が大好評だ。
皆さんはもう聴いたかな?

  
YOUの詳しい情報はコチラ⇒You's Alien blog

490cd 弦とピックがこすれる熱が伝わってくるような島紀史の灼熱のMarshallサウンド。

500Jimi Hendrix直系のド迫力のMarshallサウンドを聴かせた三宅庸介。

510v プレシジョン・ベースとのコンビネーションで孤高のMarshallベースサウンドを鳴らした山本征史。

520まるでクラシックのヴァイオリン奏者のように正確無比かつ情熱的なMarshallサウンドで独自の音楽を構築した足立祐二。
   
四者四様、自分だけのMarshallサウンドを持つツワモノがオリジナリティあふれる音楽を聴かせてくれた夜。
横浜の「メタル地獄」は実は「Marshall天国」だった!
やっぱり真空管のアンプじゃないと天国には行けんな。

530v 今回は車で来てるのでトイレの心配はありません!

(一部敬称略 2017年7月8日 新横浜New Side Beachにて撮影)

2017年9月 1日 (金)

横浜メタル地獄!! <前編>~ CONCERTO MOON

 

スッゲ~久しぶりの新横浜。
前回も新横浜を訪れた目的はMarshall Blogの取材以外は考えられないのだが、いつ、誰の取材で来たのか思い出せない。
今回お邪魔したのは「New Side Beach」。前回と同じ会場ではあるが、名前が変わった。
それぐらい新横浜はご無沙汰だ。
でも、新横浜には強烈な思い出がある。
いつかも書いたことがあったが、CONCERTO MOONを観に来て、帰りに令文さんや三宅さんとイッパイやった時のこと。
気が付いたら終電が出た後の時刻だったが、ラッキーなことにダイヤが大幅に乱れていたおかげで、東神奈川で乗り継ぐ最後の京浜東北線に間に合った!…までは大変ヨカッタ。
ところが乗り換えた途端どうにもトイレに行きたくなってしまった。
しかし、乗っているのは最終電車。
ガマンも身体に悪いので、どこかの駅で降りてトイレに駆け込むのは簡単なのだが、そんなことをしてしまったら残された家までの道程はタクシーを使うことになってしまう。
しかし、ブラダー(膀胱)の状態としては、途中どこかでトイレに行かなければ絶対に最後まで持ちこたえられないことは火を見るより明らかだ。
幸いハコの中にいるのは私だけだし、相手は「小」だし、よっぽどその場で失礼しようかと思ったが、やはり理性がそれを許さない。
ってんで、極限までガマンして、どこかの駅で降りて用を足し、後はタクシーで帰ることに覚悟を決めた。
東神奈川→新子安→鶴見→川崎→蒲田→大森→大井町→品川…ウワ~この先まだ9駅もある!
もうダメだ~!
とうとう限界に達し、「田町」で降車。
「お客さん、コレ最終電車ですよ~!」…なんていう駅員の声を後にトイレに駆け込んでセーフ!
後は悠々とタクシーで家路に付いたとさ。
コレが私の新横浜の一番の思い出の「横浜トイレ地獄!!」だ。
  
今日はシリーズで展開しているイベント、『横浜メタル地獄!!』。
Marshall Blogには初めての登場…かな?
少なくとも今のマーブロになってからは初めてのハズだ。

10奇しくも出演は今日もコンチェルト・ムーン!…かと思ったら「コンサート・ムーン」だった!
あ、失礼…「O」が小さく入ってたわ!

20そのCONCERTO MOON、出番はトップ!

30総帥・島紀史

40v久世敦史

50中易繁治

60河塚篤史

70vそしてサポート参加のキーボーズ、BLINDMANから松井博樹。

75vノンちゃんは当然Marshall。

80今、このノンちゃんのMAJOR1967のサウンドが素晴らしすぎるとプロ・シュレッダーの間で評判だ。
つい2、3日前にもこの音を新宿で聴いてきたが、キャビネットを入れ替え、さらに張りのある元気の良い音になっていた。

90v久世ちゃんの「行くぜ~!」の叫びとともに…

110「Dream Chaser」でCOMCERTO MOONのステージは幕を開けた。

100続けて人気曲「Savior Never Cry」。

120v久世ちゃんの素晴らしい歌声と火の玉のようなノンちゃんのギターが迫りくる!
この日、歌入りのチームはCONCERTO MOONだけだったのよね。

1_img_0137MCでは「キーボーズは正式なメンバーではありませんが、このシリーズにお招き頂いてありがとうございます!バンドを休まないでヨカッタ。とてもいい状態です」とノンちゃんがお客さんにご挨拶。
「なつかしい曲を演ります」と次の曲を紹介した。

140「Cheating Fortune Teller」だ。
2003年の『Life on the Wire』からのチョイス。
15年前か…ブレないナァ、コンチェは!

170そんな過去のナンバーも完全に自家薬籠中のモノにしているリズム隊…といってもリズム隊の2人が加入してもう丸2年以上経っているのか…。
ウチのスタジオでアー写を撮ったのがもうずいぶん昔のようだ。

150v日本が誇る名門メタル・バンドの安定した名リズム隊だ!
河塚さん、今日も手際いいな~。
サクサクとドラミングを処理する姿はいつ見ても小気味よい。

160ここは「なつかし」のセクション。
続いて演奏したのは1998年のセカンドアルバム『Fragment of the Moon』から「Run to the Sky」。

2_img_0284 まださかのぼる!
今度はファースト・アルバム『From Father to Son』に収録されていた「Into the Fire」。
このアルバムもリリースされたのが1998年。
まだ久世ちゃんが生まれる前のことだ…それはないだろう。

190時間をいくら経ても、世代がどんなに変わっても、頑なに自分の突き進むべき道を進み続ける島紀史。
いつもその傍らにあるのはMarshallだ。
やっぱりホンモノの真空管が入ったギター・アンプがいいね。
2、3日前もあることががキッカケで、改めてそう思ったよ。
180久世ちゃんから「レコーディング中」であることが簡単に告げられ、サクサクと曲のコーナーを進める。
そのファースト・アルバムのタイトル曲「From Father to Son」。

210そして、グッと時代が下って「Black Flame」。
しかし、よく弾くな~、わかっちゃいるけど。
200vご覧の通り、この曲ではバック陣が鉄壁のフォーメーションを組む。
なかなかうまく撮れないんだけど、河塚さんもやってるのよ!

1_img_0100 松井さんも忙しいのにバッチリ仕込んで来たよ~。
BLINDMAN、今絶好調だからね~。
「ノッてる男」なのだ、マッちゃんは!

220vえ~、楽しい時間は過ぎるが早いものでございまして…あ、コレは私のMCね。
アっという間に最終セクション。
残り2曲は「死」シリーズを持ってきた。

230すなわち「Struggle to the Death」と最近作から「Between Life and Death」です。

250v全9曲というやや短い時間ながら日本のへヴィメタル・ミュージックの伝統と経過と現在を提示する中身の濃いステージだった。

260さて、コレがMCで久世ちゃんが触れていたCONCERTO MOONのニュー・アルバム『Tears of Messiah』。
全10曲入り。
キーボーズに岡垣JILL正志が参加している。
発売は10月25日。
楽しみだね!

240cdCONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

270v<後編>につづく

(一部敬称略 2017年7月8日 新横浜NEw Side Beachにて撮影)