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2017年9月 4日 (月)

横浜メタル地獄!! <後編>~ YOU-VAL♡メロン & Strange,Beautiful and Loud

    

『横浜メタル地獄!!』、2番手はおなじみStrange,Beautiful and Loud。10三宅庸介

20v山本征史

30v金光健司

40vステージに上がって三宅さんがいきなり奏でたのは…「君が代」。

50それに続けてのオープニング曲は定番の「if」。

60v誰かが押せば誰が引いて、時に誰かが押せば押し返す…当然のごとく三者が一体となったド迫力のアンサンブル。

702曲目に「murt'n akush」。
フフン?今日はこのパターンか。

90v5/4の印象的なリフが導く妖しくスリリングな音世界。

80v「if」、「murt'n akush」と強力なナンバーでアタマをガッチリと押さえこんだ。

100vSBLのステージと言えば、演奏だけでなく、やっぱり各人の楽器の音も大きな聴きどころだよね。
征史さんは今日もMarshall。

1101992 SUPER BASSと1960A。

120vフト、ヘッドを見やると「亜無亜危異」のタオルが…。
コレはこのステージの約ひと月前に亡くなった、征史さんが敬愛する逸見泰成さんを偲んでのこと。
アナーキー、高校の時にずいぶん流行って、普段ロックなど聴かないヤツも「♪団地のオバちゃん!」とか言って騒いでたな。
私はパンクについては今も昔も門外漢だが、デビューしたてのアナーキーを野音のイベントで観たことがあった。
The CLASHの「London's Calling」の日本語焼き直し版をあんなところ(天皇陛下のお住まいの近所)で歌詞も変えずに演奏したのには驚いたっけ。

130三宅さんのMC。
「こんばんは。『横浜メタル地獄』、ボクらは全然メタルではないんですけれど、時々出演させてもらっています。元はメタルだったかもしれません?」

2_img_0518 …とメタルではない「bloom」につなげた。

140ところで、もちろん三宅さんもMarshallね。

150JVM210Hと1960BV。

160vもちろん三宅さんは会場の状態に合わせてアンプのコントロールを綿密に設定する。
今回、使用しているバックラインもギターもペダル類も変わらないのだが、会場の規模や雰囲気がかなり違うせいか、すごくいつもとは異なるサウンドだった。210v「いつも」というのは、しょっちゅうMarshall Blogでレポートしている三宅さんのホームである三軒茶屋のGRAPEFRUIT MOONでの演奏を指している。
でも、いつもと違うのはギターよりもドラムスだった。
この記事をご覧になられている多くの方はご存知だとは思うが、SBLが普段使用しているドラム・キット、すなわち金光さんが叩いているドラムスはNATALであることが多い。
ところが今日はイベントということで全バンドともドラムスの持ち込みはなし。
したがって今日のSBLのドラム・サウンドはNATALではない。
金光さんのプレイはいつもと全く変わらないのに、ドラム・キットが変わるとこうも違うかね~?
ま、ナニを使っても同じだったらいくつものドラム・ブランドがあるワケないんだけど。
良し悪しではないよ。
好みの問題で、私はやっぱりNATALの方がいいな。
定点観測しているとこういうことが即座にわかる。
もうNATALのサウンドはSBLのドラムスのサウンドなのだ!

3_img_0087 4曲目はこれまたハードな「devil」…でもメタルじゃない。
複雑なリフは三宅さんの音楽がそこいらのロックとは一線を画していることを証明する。

165時折アイコンタクトをとりながら絶妙な呼吸で三宅さんのプレイをバックアップするリズム隊。
ドラムスの音は違えど、プレイの魂はいつも通り!

1705曲目は「ring」。

190この曲のイントロのカッコよさったらない…でもメタルではないよ。
「ring」なんて耳の肥えたロック・ファンなんかが聴いたらみんな大喜びすると思うんだけどな~。

180最近はこの曲で最後を締めくくrことが多い「virtue」。

200v中盤から展開する三宅さんの大インプロヴィゼーション・パート…この曲の最大の見どころであり、ステージのクライマックスでもある。

2_img_0386延々としゃべり、そして叫び続ける三宅さんの後ろにピタリついてプッシュし続ける征史さんと金光さん。

220vそうしたサマをステージの脇からうれしそうに見守る出番を終えたノンちゃん!
あのね、何年か前にDeep PurpleとYngwie Malmasteenがダブル・ヘッドライナーで日本に来たことがあったでしょう?
東京公演で、Yngiweが出演している時、ステージの袖でズッとそのパフォーマンスをうれしそうにニコニコしながら見ている金髪で長髪の外人がいたのね。
誰かと思って、チラリとその外人の顔を見たらSteve Morseだった!
その時のことを思い出したよ。

250終わりました~!
今日もすさまじい演奏でした。
あのね~、Marshall Blogを読んでいて、まだSBLのステージをご覧になっていない方はライブへ足を運んでみてはいかがですかね~?
特に次のような人におススメです。
1. 長い間いろんなロックを聴いてきて「やっぱオレは(私は)硬派なロックがいいな」と思っている人。
2. 「ありがとう」や「がんばれ」なんて歌っているぐらいなら歌無しのロックの方がいいと思っている人。
3. 「ナンカ、変わった、そこらロックとは違うロックが聴きたいな~」と思っている人。
4. ギター・オリエンテッドな音楽が好きなんだけど、ピロピロに辟易している人。
5. ドでかいギターの音を直に浴びたい人。
6. Marshallの魅力に浸かりたい人。
7. ストラトキャスターが好きな人。
8. 機材が大好きな若いギタリスト。ギターの音は機材だけではないということを教えてくれます。
9. Jimi Hendrixが好きな人(でもジミヘンの曲は演りません)。

  
そんな皆さんとStrange,Beautiful and Loudの爆音会場でお会いしましょう!
一回でいいから試しに観に来てみなってば!

230vStrange,Beautiful and Loudの詳しい情報はコチラ⇒三宅庸介facebook

240vトリを飾ったのはYOUさんのバンド。
YOUさんのバンドは拝見するたびにメンバーも名前も違うからな~!
今日は「YOU-VAL♡メロン」というトリオ。

260YOU

270v渡辺広志

280v長井VAL一郎

290vYOUさんもMarshallだよ。

300JCM2000のDSL100と1960A。

310v1曲目は「Romantic Brain」。

320ク~、コレコレ!
まるでCDを聴いているかのような正確極まりないプレイ。

330vしかし、ひとつひとつの音が実にイキイキとしていて、YOUさんの出した音が、自分から歌となっていくようだ。

340VALさんの折り目正しいドラミングがYOUさんのギターによくマッチする。
2曲目は「Flower」。

3503曲目は6/4拍子と5/4拍子が混ざっているのかな?
「Garden」という曲。
こうしたトリッキーな曲がまたいいんだよね~。
どんなに複雑な構造の曲でもまったくシレっとしてる。
そのせいで変拍子に気が付かない人も多いのではないかしらん?

360v渡辺さんはMarshall Blog初登場。
YOUさんの片腕だけあって、そんな複雑な曲も楽々と弾きこなしてしまう。

3704曲目はユッタリめの「My Sun」。
YOUさんが弾くメロディはすべてシングル・ノート。
和音はなし。ダブル・ストップすらない。
とにかくメロディを歌わせることを念頭に置いているかのように見える。
すさまじい集中力だ。

380ソロに至っては「オレが、オレが」的な?みたいな速弾きはまったくない。
とにかくメロディ第一。
ミス・トーンは皆無。
出す音にまったく迷いがなく、すべて「書き譜」のよう。
だから、時折どこからがアドリブ・ソロかがわからなくなるほどだ。

390vいつも通り曲と曲の間のMCはまったくなし。
曲が続いて5番目に演奏したのは「天使の誘惑」。
黛ジュンじゃないことは知っている。

400コレもスゴイ曲だナァ。
サビのフレーズが実に奇抜だし、意表をつくキメが大変スリリングだ。
そして、聴く者に展開を予想させない大サビのキャッチーなメロディがあまりにもウマく出来過ぎてるでしょう?
その意外性が「天使の誘惑」ということなのね?

410続けて「Ghost Song」。
この曲とすぐ前の「天使の誘惑」は以前拝見したステージでも取り上げていた。
コーラスの怪しいメロディと6/4拍子のポップなサビのメロディの対比が強烈で印象に残っていたのだ。

2_img_0619 7曲目は7/4拍子の「Desert Love」。
コレでひと区切り。

3_img_0159いつも通り最後に1曲を残したところでMC大会。

420イヤ~、おもしろかったな~。
私、コレ大好きなの。
ひと通りバンドのことについて話した後は「ひとり攻撃コーナー」!
今日のお相手はVALさん。
440どんな変拍子よりも、ディスコードよりも危険なYOU節。
YOUさんの話した内容をココに記すワケにはとてもいかないので、興味のある人には実際にライブに行って頂くより仕方ない。
会場にいた友人から「シゲさんの笑い声が一番大きかったですよ!」と後で言われてしまった。
だってホントにおもしろかったんだもん!
かつてGRAPEFRUIT MOONで三宅さんが生贄、イヤイヤ、話題になった時も大いに笑わせて頂きました、ハイ。

430あんな話をしていた人と同じ人が奏でているとは思えない美しい音色で「Green Green」という曲を演奏して出番を終了した。

450アンコール。
当日、これだけのギターの名手が揃ったので当然ジャム・セッションかと思いきやさにあらず。
YOUさんはこうおっしゃった。
「ギタリストが集まると必ずDeep PurpleとかJimi Hendrixのカバーを演るじゃないですか。
それでダラダラとソロを回し合って…そんなのモッタイないですよ。
どうせ演るんだったら3人の良さをを弾き出すような曲を今度ボクが作ってきますよ」
そうして頂くとありがたい。
今日はシンガーがいないので、「Burn」のリフを21回聴くことはないと思っていたが、「Stratus」ぐらいは出て来るのではないかとヒヤヒヤしてた。
私はYOUさんの考え方に大賛成ですわ。
もちろんこれだけの名手だからして、凡百な曲を取り上げても凡庸な演奏になることはないだろう。
でも私もモッタイないと思う。
そのYOUさんの曲を聴くのをとても楽しみにしている。
  
…ということでYOU-VAL♡メロンの3人の演奏で「Bionic Zone」で今回の『横浜メタル地獄!!』を締めくくった。

460v

470v

480Terra Rosaのリユニオン・ライブアルバム『TERRA ROSA LIVE FROM CODA』が大好評だ。
皆さんはもう聴いたかな?

  
YOUの詳しい情報はコチラ⇒You's Alien blog

490cd 弦とピックがこすれる熱が伝わってくるような島紀史の灼熱のMarshallサウンド。

500Jimi Hendrix直系のド迫力のMarshallサウンドを聴かせた三宅庸介。

510v プレシジョン・ベースとのコンビネーションで孤高のMarshallベースサウンドを鳴らした山本征史。

520まるでクラシックのヴァイオリン奏者のように正確無比かつ情熱的なMarshallサウンドで独自の音楽を構築した足立祐二。
   
四者四様、自分だけのMarshallサウンドを持つツワモノがオリジナリティあふれる音楽を聴かせてくれた夜。
横浜の「メタル地獄」は実は「Marshall天国」だった!
やっぱり真空管のアンプじゃないと天国には行けんな。

530v 今回は車で来てるのでトイレの心配はありません!

(一部敬称略 2017年7月8日 新横浜New Side Beachにて撮影)