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2017年10月

2017年10月31日 (火)

Kelly SIMONZ'S BLIND FAITH:Tokyo Kinema Club the 14th~OVERTURE OF DESTRUCTION 2017~ <後編>

  
10月31日、今日は待ちに待った…感が以前に比べてスッカリ縮小してしまった感じがするハロウィン。
そうでもないのかな?
まさか日本にも定着して、当たり前の光景になったがゆえ目につかなくなったとか?
でも、とにかくマスコミの取り上げ方は2、3年前より絶対に熱が冷めたようには見える。
ハロウィン・ファンの皆さんにはゴメンなさいなんだけど、私はコレは最も日本に必要のない外国の風習だと思ているから。
でも、もし自分が若い時に日本に入って来ていたらどうなんだろう?
先頭切ってフランク・ザッパの仮装かナンカしてたりして。
イヤ、やらんな。
流行りモノが何しろ苦手なアマノジャクなもんスから。
    
さて、ニュー・アルバム『Overture of Destruction』からの新曲と既存の人気曲を絶妙に絡み合わせて展開している14回目のKelly SIMONZ'S BLIND BAITHの東京キネマ倶楽部公演も早くも後半に突入する。

05ステージには再びYAMA-Bが登場。
Kellyさんは「ギターに専念=思う存分弾きまくれる」状態。

10_2曲はニュー・アルバムから「Regeneration」。
YAMA-Bの伸びやかな声が会場に響き渡る。
「regeneration」は「再生」とか「改心」とかいう意味。
元は「generate」。
「generate」という言葉は「何もないところから何かがボコッと生まれて来る感覚」って誰かが言っていたな。
「gen-」というのはギリシャ語で「生む」という意味。
「創始」みたいな意味を持つ「genesis」も当然同じ語源。
そこで、よく「ジェネレーション・ギャップ」とかいうでしょ?「世代間の相違」ってヤツ。
で、不思議なのは「generation」がどうして「世代」という意味になっちゃうか?
コレは調べた。
わかったのは「generation」という言葉には「生命が発生して、成長し、死に至る過程」という意味があるんだって。
この言葉を「世代」と翻訳した人は天才だね。
何語でも最初に辞書を作った人たちって本当に尊敬するわ。
だって、これこそ「generate」でしょう。
何もないところから作り出したんだから。
そして、辞書といえばOED。
最も権威ある英語の辞書、Oxford English Dictionary。
コレの編纂の物語の本を読んだ。
また、別の機会に触れたいと思う。
本としてはおもしろくなかった。

20v「♪There's no fear, thre's no break」のところがすごくいいな~。
比較的短めな曲だが密度はかなり濃い。

30v『At the Gates of New World』から「Boud for Glory」。
この辺りは誰も手を付けられませんナァ。
蒸気機関車に石炭を過剰にくべたかのような爆走状態!
中間部のバロック・パートがカッコいいんだよね。
私は今は時代を問わず幅広く聴いてクラシック全般の勉強をしているが、バロックだけはチト…。
でもね、Kellyさんがこうして曲に取り入れてくれるので、コレだけでOK!

40v_bfgどんなにステージが興奮状態にあったても冷静にかつ的確にバンドを低域を支えてバンドを全身させるKAZさん。
しっかしEDENの音ってのは驚異的に音ヌケがいいナァ。

50v華やかなドラミングでKellyさんとその音楽を徹底的に鼓舞するYosuke Yamada。

60v_2後半も超絶好調のBLIND FAITH!

70_nisYAMA-Bと一緒にもう一曲。
コレも『At the Gates of a New World』から「Nobody is the Same」。

80v_2いいわ~。
完全にオールド・スクールのハード・ロック状態。
Kellyさんはこういうのもウマいんだよな。
ちなみに「Nobody's Perfect」というのはハリウッド映画の中で最も有名なセリフ。
作品は『Some Like it Hot』。
お熱いのが好きな人にとっては、この紫色の一編が完璧なものに響くだろう。

90ココでYAMA-Bが再びステージを降りて3人の演奏となる。
曲はガラリと変わってインスト・バラード、「The End of the Beginning」。
私はこの曲を初めて聴いた時、テレサ・テンの「つぐない」を連想して、一発で覚えてしまった。
霊長類史に永久に名を残すであろう2人の天才作曲家、George Gershwinの「Someone to Watch Over me」とDuKe Ellingtonの「In a Sentimental Mood」の出だしがソックリ同じように、いいメロディってのは似通っても気にならないものだ。
やはり誰の耳に入り込みやすい印象の強い旋律ということなのだろう。
そもそも「メタルと演歌」、「パンクと童謡」は紙一重だと思っている。
日本人のDNAが疼くのだ。
つまり人の心にまず入り込む、ということなんでしょうな。
それを手伝っているのがコーラスの最後の方に出て来る減5度の「D」の音(実音)。
Roy Buchananの「The Mesiah will Come Again」にも同じ手法が出て来るが、この音にハッとしないリスナーはいないだろう。
しかし、「名曲」ってのはナニがそうキメるんだと思う?
売り上げ?
私が思うに、名曲かどうかをキメるのは「時間」ではないか?
いくら売れても忘れ去られている曲なんていくらでもある。
つまりその曲は「時間に負けた」ということ。
売れたかどうかもわからないけど、それこそ「世代」を超えて歌える歌ってあるじゃない?
そういうのが「名曲」なんだろうナァ。
いつかね、若いバンドのメンバーと食事をした時、「今は支持されていても、ボクらの曲は世の中には残らないでしょうね」と言った子がいた。
私は「残念ながら無理でしょう」と正直に答え、自分なりの理論でその理由を説明した。
でも、その子たちは応援してあげたいと思った。
少しでも自分たちだけの音楽を作ろうともがき苦しんでいる姿勢が感動的だったからだ。

100v_eob前半で演奏した「Sea of Tears」同様、私にはこの曲もGary Mooreへのオマージュに聴こえるが、またかなりテイストが違うところがおもしろい。
しかし、全身全霊を傾けて一音一音ヒットする姿勢は全く変わらない。

120キタキタキタキタキタ~!
Kellyワールド前回の「Allegro Maestoso」。

130_am演っている方は大変だろうけど、面白いほどに弾きまくる!
気分爽快!
Kellyさんにはコレに似た写真をお気に召して頂いて最近方々でお使い頂いている。
うれしいね!
一生懸命シャッターを切っている甲斐があるってものです。
しからばてーんで、Marshall Blogは別バージョンを!
140v_2この曲も「Opus」のように続編を期待しております。
もちろん、タイトルは「Prestissimo Virtuoso」。

135同期のピアノをバックに熱唱するKellyさん。
ニュー・アルバムからのバラード「You're my Love」。

150_ymlYosukeさんのドンガラガッタで始まるのは"The Wrath of Gaia" suite N0.1-3」。
タイトルが示すように、10分にも及ぶインストゥルメンタルの組曲。

160v_wog「wrath」とは「激怒」の意味。
ジョン・スタインベックがピューリッツァー賞を獲得し、ノーベル文学賞受賞の主な対象となった名作「怒りの葡萄」の原題は「Wrath of Grapes」という。
原作も映画も見たけど、イヤな話だわね、アリャ。
「Gaia」は今では「地球」を意味するが、元はギリシャ神話の最古の大地の女神のこと。
Kellyさんは「みんなが地球を大切にしないから大地の神様が怒ってるんだよ!」とこの雄大な曲を通じてメッセージを送っているのだ。
ホント、温暖化はマズイって!

170このパートは組曲の「No.2」になってくるのかな?
曲が静かになってアコースティック・ギターが旋律を奏でるところ。
ココの演出がすごくいいな。

190目まぐるしくシーンが変わっていく長尺な曲も何のその。
3人のアンサンブルは完璧!

180v_2後半はガイアが怒っているところ?
大地の神様よりコワいぐらい弾きまくるKellyさん。
こうしたインストのストーリーものってのはおもしろいな。
秋吉敏子にも「Minamata」という曲があった。
静かな村に企業が入り込み、村は大いに繁栄を謳歌する。
しかし、その企業がタレ流す有機水銀を摂取した魚を村人が口にし、公害病が蔓延。
村は不幸のどん底に突き落とされる。
企業の名前は「チッソ」、病名は「水俣病」。
敏子はこの悲劇を「平和な村」、「繁栄とその結果」、「終章」という3つのパートからなる組曲に仕立て、村の平和をフルートで静謐に、そして繁栄を凄まじいジャズ・オーケストラ・アンサンブルで、更に病気が蔓延する恐怖を能楽を使って表現した。
興味のある方は1976年の『Insights』というアルバム、そのライブ・バージョンが1977年の『Live at Newport II』というアルバムに入っているので是非聴いてみてくだされ。

200v_2Yosukeファンの皆さん、お待たせしました!
本編、最後の最後でドラム・ソロ!

210_dsまさに燃え尽きんばかりの熱演!
「ヨースケ~!」
客席からは盛んに歓声が飛ばされていた。

220v_2三度ステージにYAMA-Bが上がり「N.W.O」で本編を締めくくった。

230_nwoコレはシングルっていうことになるのかな?
教則本や全国各地で開催しているクリニックを通じて後進の育成にも積極的に取り組んでいるKellyさん。
「Future Destination」と「Twilight of a Life」というギター誌やコンテストでおなじみの2曲とそのバッキング・トラックを収録した一作がコレ。
収録曲がそのままタイトルになっている…ということは、昔で言えば「両A面シングル」ってヤツやね。
何でも昔風に通訳してもらわないとようわからへんがな、年寄りは。
しかしね~、kellyさんってエライと思うんだよね。
曲を作って、定期的に音源を作って世に送り出してるでしょ?
仕事だから当たり前と言えば当たり前なんだけど、本来ミュージシャンの生業はコレだから。
ライブ演奏もツアーも重要な仕事には間違いないけれど、元来はそれが本業ではない。
ましてや、Tシャツを作るワケでも、チェキを撮るワケでもない、音楽を作ることこそがミュージシャンの仕事だからね。
「音楽を作る」ということは、すなわち「音源を形にして出す」ということ。
ある20年を超すキャリアを持つバンドの人も言っていた。
「活動を続けるコツは音源を出し続けること」って。
「でもCDが売れないから」って言うんでしょ?
世の中狂ってるんだって。
CDが売れないからってミュージシャンがTシャツ屋になっちゃう世の中なんておかしいにキマってる。
本当に才能があるミュージシャンを音楽で食べさせてやらないとドンドンつまらないモノばかりになってしまう。
いい音楽がジャンジャン出てきてくれないと楽器が売れないのよ!
ま、かと言って適当なモノを出せばファンは逃げちゃうし…ステージでは華やかに見える「ミュージシャン」と呼ばれる仕事も実に過酷な仕事ですよ。
David Bowieじゃないけど、お客さんにウケるのはキマって新しい曲ではなくて古い曲だし…。
やっぱりラクな仕事なんてものはこの世にないね。
Kellyさんの場合、音源制作に加えて教則本の制作やらMVの編集やら…一体Kellyさんっていつ寝てるんだろう。
「おやすみなサイモン」なんてサングラスをかけたままベッドに入るところをfacebookに投稿したりしているけど、ナンカKellyさんって寝ているところが想像できないんだよな。
もしかして、「Kelly SIMON2」とかいうクローンが存在していて年中無休の24時間体制になっていたりして?!

240cdさて、アンコールだよ!
まずはBLIND FAITHで登場。
律儀なKellyさん、「At the Gates of a New World」をキチンとアルバム通りにその前の「The Journey to the Gates」から演奏した。
ナンカもう1回コンサートが始まるような演出!

250_jtgこの黒いギターは今回初めて導入した一本ですな。
いかにも「シングルコイル~」という感じのジャリっとしたトーンがKellyさんの1959にマッチして、とても気持ちのいいサウンドだった。
やっぱりこういう音は真空管のアンプじゃないと出ないね。
サウンドだけでなく見た目も含めて、Kellyさんは真空管アンプの伝統を守り、シュレッド村に住む次の世代に若者にそれを伝承してくれることだろう。
すごく不思議なんだけど、あんなに「Marshall」だの「1959」だのと言ってくれていたギタリストがコロっとデジタル製品に鞍替えしちゃうのってどうしてなんだろう。
「ホンモノと変わらない」ということは「変わっている」いるから比べているワケだし、そのトーンにしたってコピーなワケであってオリジナルの音ではない。
ケーブルについては言うに及ばず、コンデンサーやブリッジのコマ一個まであんなに神経質になっているのにアンプになるとコロっと変わっちゃう。
Kellyさんには最後の最後まで1959の真空管トーンで突っ走ってもらいたい。
そうでなきゃKellyさんの音楽は成り立たない!

260vそして、OvertureからFinaleへ。
YAMA-Bがジョインして「At the Gates of a New World」へと移行した。
これが今回のキネマのBLIND FAITHの最後の姿だ。

270

280v_2

290v

300v

310v何のギミックもないストレートなステージ。
お客さんもすごく喜んでいたよ。
前述したが、実にいい具合に新旧のレパートリーを入り組ませたセットリストもウマかった。

2_s41a0986最後にチョット書かせてもらいます。
ここのところ、CDに収録されている演奏とライブのナマ演奏があまりにも違いすぎるバンドが多い…ということを書いているけど、そう思っているのは昔のロックで育った私のような年寄りだけかと思っていた。
ところが、先日あるライブ会場で若い女性にこのことを話すと、困ったような表情で「そうなんです。CDとライブがゼンゼン違うバンドが結構あるんですよ」と言うではないか!
ナンダ、若い人もそう思っているんかいな。
自分だけが気が付いたイイ気になっていたのに~!
しかし…そんなんでいいのかね?
ま、こう言っちゃ失礼だけど、この現象って、お見合い写真はすごい美人だったなのに、イザお見合いの段になって、目の間に現れた相手に目をやると、「ハ?どちらさまですか?」というのと似ているような気がするんだよね。
もちろんCDがお見合い写真だ。
スタジオで丹精込めて作り込んだサウンドとワイルドで迫力のあるライブのサウンドとは別モノである…ということも十分に承知している。
だから昔は、あれだけ複雑な曲を「スタジオ録音と寸分たがわずに再現するYesは驚異とされた。
ところが、最近ではスタジオでのデジタル・レコーディングの技術が進歩しすぎて、小さな部屋で演奏しているにもかかわらず、ライブ・レコーディングの迫力で録音するワザを手にいれてしまった。
ご存知の通り、スタジオでは録り直しでも修正でも、何でもやりたい放題だ。
となれば、一発勝負のライブ演奏と大きな隔たりできてしまうのは当然のこと。
ライブでガッカリ…なんてことは往々にして起こってしまう。
こんなことをやっていると、ヘタをすれば、ライブにもお客さんが行かなくなって来ちゃうのではないか?
だって家でCD、イヤ、ダウンロードされた音源を聴いていればいいんだもん。
というか、実はもう世の中はそうなっちゃってるみたいよ。
つまり普通のコンサートでは味わえない雰囲気を持つロック・フェスティバルにしか行かない若い子がグングン増えているそうだ。
で、ナニが言いたかったというと、反対にCDとライブの演奏が異なってもそれぞれが魅力的というバンドもあるということ。
スタジオで作り込んだサウンドもよし。
それをワイルドに演奏するナマ演奏もよし。
そういうバンドはやはりアナログを経験しているベテラン勢に多いようだ。
Kellyさんもそのウチのひとりだと思う。
何でも「昔はヨカッタ」というつもりは毛頭ない。
ただ、ステージ用のアンプにしてもそうだけど、音楽に関して言えば、人類は少し「アナログ」を取り戻した方がいいのではなかろうか?
人間は「0」と「1」ではできていないのだから。

1_0r4a1533さて、Kelly SIMONZ'S BLIND FAITHは来る11月9日に新宿ReNYで開催される『RYUMEI Presents ULTIMATE Vol.3』というイベントに出演する。
出番はトリ。
コレも見逃せなさそうだ!

171109 Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website

320(一部敬称略 2017年8月26日 東京キネマ倶楽部にて撮影)

2017年10月30日 (月)

Kelly SIMONZ'S BLIND FAITH:Tokyo Kinema Club the 14th~OVERTURE OF DESTRUCTION 2017~ <前編>

 

週末にスペイン人の友達と久しぶりにイッパイやった。
久しぶりのスペイン英語で、序盤はかなりリスニングに苦戦しちまった。
「r」の巻きとかはいいんだけど、「ス」と「ズ」が逆になるような発音法はリス二ングに滅法弱い私には、それに慣れるまでがツライ。
会話は今大騒ぎしているカタルーニャ地方の独立の話になった。
「カタルーニャの」という形容詞は「カタラン」っていうんだね。
何でもこの地方は、ニュースなんかでよくやっているように、独自の税制や教育を確立していて、オリジナルの憲法まで制定されているとか。
もうすでに別の国の様相を呈しているようだ。
スペインの中央政府とは歴史的に全くウマくいってなくて、生徒たちは学校でスペイン本体の悪口を徹底的に叩き込まれるのだそうだ。
「我々が稼いで収めた血税を他のナマケモノの地方のために使っている」…とかね。
チョット前もスコットランドがイギリス独立しようてーんで大騒ぎになったが、カタルーニャは、そのスコットランドよりも、カナダのケベックよりも自治が進んでいる、世界で最も「独立」に近い自治体なのだそうだ。
しかし、我々が住む極東エリアもそうだけど、世界中が不気味な不協和音を奏でているようでコワイね。
こういうことが世界の「破滅への序曲」にならなければいいけど…。

10…ということで、Marshal Blog、6年目の最初のライブ・レポートはKellyさん。
BLIND FAITHの14回目の東京キネマ倶楽部公演の模様をお送りする。

20今回のキネマは今年4月にリリースしたアルバム、『Overture of Destruction』のレコ発ライブだ。

30cdKelly SIMONZ

40vKellyさんの背後は当然Marshallの壁!

50KAZ

60vKAZさんはEDEN Terra Nova TN-501とD410XST。

70vYosuke Yamada

80vそして、今回もゲスト・シンガーとしてYAMA-Bが参加。

90v冒頭はアルバム『Overture of Destruction』通りにスタート。
つまりバロッキッシュな「Overture」から…

100v_ot圧倒的なメタル・チューンへと続く流れ…
150_rtr「Road to Destraction」だ!

130早速Kellyさんのギター・ソロが大炸裂!
ナンカこのソロはスゴいね。
鬼気迫るモノを感じる。

140vそのまま続けて「破滅への道シリーズ」で「Road to Ruin」。

1_0r4a1083 ハイ、ココで英語の勉強。
Kellyさんがとてもいい話題を提供してくれた。
「destruction」も「ruin」も「破壊」ということでは意味は同じ。
「壊す」とか「破壊する」とかいう意味の単語は、おなじみの「destroy」と「break」、それに「demolish」、「ruin」などがあるがそれぞれ意味が違う。
イヤ、意味が同じなら4つも存在する必要がない。
ザッとやると…
「destroy」は修理が不可能な状態にまで何かをブッ壊すこと。すなわち「破壊」。
「destroy」の名詞形が「destruction」。
ちなみに駆逐艦のことを英語で「destroyer」という。
次に「break」は、ある状態にあるものを外部から力を加えて2つ以上に分解すること。
destroyとは異なり、breakしても修理可能。
『デモリション・マン』なんて映画があったけど、「demolish」は建造物をブッ壊すこと。
イギリス人と街の話をするとこの言葉がジャンジャン出て来る。
「古い建物を壊して、味も素っ気もない新しい建物に作り変えてしまってモッタイない」というパターンね。
イギリス人が持つ古い建造物に対する感覚は日本人より格段に鋭い。
「ruin」は、基本的には修復できないほどの損害を与えることを指す。形としては残っていても、それが最早存在の意義を失っているような状態を指す広い意味の「破壊」。
こういう使い分けを身に付けるのが英語を勉強していて厄介なところのひとつなんだよね。
コレは「destroy」かな?「ruin」かな?と考えているウチに話が終わってしまう…というより相手がこっちの話を聞いてくれなくなってしまう。
ネイティブとの会話はスピードが第一なのだ…と私は思っている。
Kellyさんの頭の中ではこの2曲には「破壊」に対する明確なイメージの違いがあるのだろう。
それゆえ、姉妹曲のようなタイトルの曲を1枚のアルバムに収録したのではなかろうか。

160「皆さんに衝撃波を与えていきますよ!」と続けたのは、おなじみの「Toki-No-Kakera」。

170v_tnk痛快に飛ばすスピード・チューンで気合いの入ったソロを展開するKellyさん。
いつもキネマのステージで演奏されるKellyさんの愛奏曲だ。

180vYAMA-Bがステージから降りる。
「皆さんこんばんは!
いでたちを音楽に合わせてみました。
今日はニューアルバムの再現ライブです」

190_sedkellyさんの歌で「Sign of the End of the World」。
ニュー・アルバムからじゃないけど…。

200v切れ味のいい典型的なKellyさんのボーカル・チューンで会場から大きな声援が飛ぶ。

220v「3人で演るのはお客さんをノセる感がムズカシイ。
YAMA-Bのおかげでギタリストとして思う存分弾くことはできるんですが…。
新曲を演ります」

230_cyeサビのメロディの展開が意外なポップ・チューン、「Close Your Eyes」。
中間部のインスト・パートがカッコいい!

240vあらゆるタイプのレパートリーでピッタリKellyさんに低音で寄り添うKAZさん。

250vさらにニュー・アルバムから「Sea of Tears」。
お!出だしはJeff Beckかと思っちゃうけど、さにあらず。

270_sotGary Mooreだ!
KellyさんってGary好きだよね~。
この曲なんか天国のGrayに向けて弾いている感じ。
もう泣き泣きのナンバーなんだけど、一ヶ所ドキっとするようなJeff Beckっぽい奇抜なメロディが出て来る。
こういうところがおもしろい!

280vYosukeくんの閃光のようなフィルでスタートするのは「Magestic Prestigio」。

290_mpこの曲、カッコいいな~。
もら「オラオラ~!」感しかない!
何とも言えない不吉なメロディがメッチャ魅力的だ。
コレは今までのKellyナンバーにないテイストなんじゃない?

300このニュー・アルバム・セクションを締めくくるのは「All I Need is Your Love 」。
親しみやすいスイートナンバー。
Kellyさんのステージにあってはこうしたポップ・ソングは大きなアクセントになる。

320vMCを挟んで前半最後のセクションに入る。
Kellyさんの真骨頂、「シンフォニックに暴れまくろう!」のコーナー。

330まずはおなじみ「Opus#1」。

340_op演り慣れたナンバーでYosukeくんも思う存分暴れまくる!

350v続けてニュー・アルバムから「Opus#3」。
いいな~、こういうのは!
Kellyさん、そのウチ、「ケッヘル番号」よろしく、「KSナンバー」なんて付け出すんじゃない?
「ケッヘル番号」というのはルードヴィヒ・フォン・ケッヘルという人がモーツァルトの作品に時系列的に付けた通し番号。
「K.」と数字で表される。
例えば「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」は「K.525」。
「ジュピター」として知られる、ヴォルフィ最後の交響曲第41番は「K.551」だ。
コレ、世界共通の番号っていうんだからカッコいい。
ちなみに「K.1」はモーツァルトが5歳の時の作品。

360「#3」は「#1」に比べてシンフォニック・テイストが濃くなってますな。
しかし、マァ皆さん、こんな複雑なヤツをよく覚えられますな~。

370vこのセクションは前半のクライマックスとなった!

Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website

380<後編>につづく

(一部敬称略 2017年8月26日 東京キネマ倶楽部にて撮影)

2017年10月26日 (木)

Marshall Blog 5周年!

   
昨日で今のMarshall Blogをスタートして丸5年が経ち、今日から6年目に入りました。
巷間では30周年、40周年を迎えるバンドが林立し、本体のMarshall社は創立55周年。
その中にあっては「たったの5年」のヒヨっこですが、ま、我ながらよく続いたな…と思っております。
コレもひとえに制作にご協力頂いているアーティストの方やライブハウス、その他のご関係の皆様のおかげです。
そして、何よりもMarshall Blogをご覧頂いている読者の方々のおかげです。
この場をお借りしまして心から御礼申し上げます。
  
この5年の間のMarshall Blogの更新回数は1,241回。
マァ、自分でも飽きずによくやってんな~と思いますわ。
土日を除いて月に休まず20回は更新しているとして年間240回、5年で1,200回とすると、多少のズルはあっても毎日更新は達成しているかな?と。
ずいぶん文章を書いた。
おかげで重度の腱鞘炎になっちまった。
写真もよく撮った。
この5年間で一体どれぐらいの回数シャッターを切ったのだろう。
そうだ、アップロードした写真の枚数がわかるんだ!
どれどれ…57,833枚だって!
今日この後も写真をイッパイ載せるのでもっと行くな。
この枚数を記事の本数で割ると、46.6枚。
1本の記事に平均で47枚弱の写真が使われていることになる。
実際に切ったシャッター回数はコレの20倍ぐらいかな?。
20倍とすると、この5年間にシャッターを切った回数たるや推計115万回!
そりゃ腱鞘炎にもなるわナァ。
イヤ、誰かに「毎日更新しろ」なんて言われたことは一度もないんだけど、最初のMarshall Blogから数えて10年もこのペースでやっていると、もう身体がそうなっちゃってるのね。
そうなると、もう起きている間中はズッと「Marshall Blog」のことを考えている…なんてことになってる。
でも、コレは表現上そう言っているだけで、これはすなわち、いつもMarshall、NATAL、EDENのことを考えているということ。
それがMarshall社から私に託された仕事だから。
…ということで、いい機会なので5年前のことを思い出してみよう。
どうしてMarshall Blogが始まったかを…。
ポケタ、ポケタ、ポケタ…
  
アレは忘れもしない…どうしてだっけかな~?忘れとるやないけ!
2012年の4月5日にJim Marshallが亡くなって、今の社長のジョナサン・エラリーからボコッとメールが来たんだ。
「知っての通り、ジムが亡くなってそのお別れの会を開催するのだが、シゲも参加するかい?」という内容だった。
ジョンは以前から「ジムに『もしも』のことがあって何がしかの催しが開かれた場合、その時にはシゲにも必ず来てもらう」と言ってくれていて、彼は律儀にその約束を果たしてくれたのだ。

6a0163044657d3970d0163068e205c97_4 その時は前の会社を辞めていたので社用で渡英することはできない。
当然、費用は自腹。
いくつかお仕事の口をかけて頂いてはいたが、浪人の身にその旅費はかなり大きな出費となる。
しかし、答えを出すのにそう時間はかからなかった。
どうしようかと思案している私に家内がこう言ってくれたのだ。
「アホンダラ!行かないでどうするの!ジムにお世話になったんでしょ!お礼を言ってきなさい!お金なんてどうにでもなるわよ!」
ま、家内は「アホンダラ」なんて乱暴なクチは決してきくことはないんだけど、それぐらいのスゴイ押しだった。
男はダメだね。こういう時はツマらないことをグダグダ考えちゃって、なかなかキメられない。
でも、その押しで気持ちはキマッタ。
「よし、行って来よう!」
さて、費用はどうする?
「エエイままよ!」とばかりに、その時持っていたギターのほとんどを売り払って費用を捻出した。
ま、大したコレクションじゃなかったけどね。
  
そんなことがあって、そのことでジョンと連絡を取り合っているうちに、彼が5月の初めにアジア方面に出張することを知った。
その時私は山口県柳井市にあったMarshall MUSEUM JAPANのお手伝いをさせて頂いていた。
うまい具合にミュージアムのオープンが5月の3日だったで、ダメもとでアジア出張にからめて日本に寄るようにジョンを誘ってみた。
すると「お、じゃあ行こうかな」という答えが返って来、図らずともジムのお別れの会の前にジョンと顔を合わせることになった。
Img_0553_2ジョンはオープンのセレモニーに来賓として出席し、ひとこと挨拶もさせて頂いた。通訳は私。
マジメな人でね、私が通訳に困らないように事前にその挨拶原稿を送って来てくれた。
私も登壇しているので写真はない。

Img_4794 チョットなつかしいので久しぶりにミュージアムの写真を掲載しておこう。

Img_0304私は展示の作業自体には関わっていないのだが、その前段階で深く関わらせて頂いた。
整理をするのがもう大変だった。
コレクションが膨大すぎて、そもそもナニがあるのかがわからなかった。
それで泊まり込みで1台ずつ型番や仕様を精査して、写真を撮って、記録にまとめた。
それが『Marshall Chronicle』という本になったのはうれしかった(後述)。

Img_0307この博物館はもう閉鎖されている。
Marshall MUSEUM JAPANはオーナーの竹谷さんのお住まいで形を変えて現在も営業している。

Img_0334 で、2、3日の間ジョンと一緒にいる間に色々とMarshallの話をしてね~。
私のMarshallの仕事に対する考え方や、それまでに取り組んで来たこと、やりたかったこと…ジョンは熱心にそのすべてに耳を傾けてくれた。
そういえば、柳井のホテルの朝食に出た厚切りのトーストを見て大笑いしてたな。
イギリスでは私が知る限り、食パンを厚く切って食べる習慣がない。
メッチャうすい。
それがウマい。
コレも何度も書いたけど、イギリスには「イギリスパン」というモノはありません。
それで、ジョンを成田で見送る時、「シゲのことについてはチョット考えてみる。3週間後にUKで会おう!」と言ってくれた。
そして、渡英する時が来た。
ジムにお別れをしに行くのだ!

6a0163044657d3970d01676781d2c997_4 この時はとても楽しかった。
日本人どころか、200人ほどの出席者の中でモンゴロイドは私ひとり。
でも、たくさんの友達に囲まれ、シアワセな雰囲気の中でジムに別れを告げた。

6a0163044657d3970d01676781dade97_4 ケン・ブランやデイム・クレオ・レーンやニコにも会えたし。

6a0163044657d3970d0163068e255f97_4 ジムへの弔辞で登壇した人たちの写真を撮ってよろこんでもらった。
チョットは芸が身を助けたかな?
ニコとも久しぶりに会った。
6a0163044657d3970d01761577614597_4 そして、金がない割には、せっかくの機会だからということで、大好きなイギリスに2週間ほど滞在した。
貧乏旅行である。
最近の日本みたいで2週間の間、ほとんど雨でやがんの。5月なのに寒くて、寒くて。
その間、伊藤広規さんがロンドンにお越しになって合流した。
広規さんといえば長年Marshallのベースアンプを愛用してくださっていることで有名だ。
もちろんMarshallの工場へご案内する段取りをしていた。

6a0163044657d3970d017743e5d5a397_2 すると事前にジョンから連絡が入り、「ベーシスト(広規さんのこと)と工場に来る時に少し時間を作って欲しい。話したいことがあるんだ」と言うではないの。
そして、ミルトン・キーンズで3週間ぶりにジョンに会い、広規さんたちが工場見学をしている間に面談をした。
ジョンはいつも話が早い。
「シゲ、コレを持ってMarshallの仕事をしないか?」
と言って私に見せたのがコレだった。

_nc2 Marshallの名刺。
ビジネスマンとして(ウソこけ!)、コレを夢見ていたのだ!
人生最大の「ヨッシャ~!」だった。
ジョンは「Marshallのために、またあのブログをやったらいいじゃないか」と言ってくれた。
普段だったらガッツポーズで「ハイハイハイハイハイ、待ってました!」とやるところだけど、この時はその気持ちをグッと抑えて、「チョット考えさせてください」ぐらいのことを言ってその面談を終わらせた。
その方がカッコいいじゃん。
ジョンは「そうしてくれ。ワイフにも相談しなさい」と言ってくれた。
うれしかったね~。
がんばってきた甲斐があったと思ったよ。
それと、焦って他の会社の誘いをお受けしなくて本当にヨカッタ。
だからMarshallやジョン、ジムには本当に感謝している。
こうしてMarshall Blogは再開した。
それゆえ石にかじりついてでもMarshall Blogは更新し続けなければならないのだ。
毎日更新するぐらいナンダってんだよね!
    
さて、David Bowieじゃないけど、この5年間、色んなことがあった。
例えば、デジタル・テクノロジーの進化で音楽界の様子が大分変っちゃった。
私の分野で言えば、何といってもデジタル・アンプの躍進でしょうな~。
ま、コレについては四の五のココで書かないけど、もうひとつ、「小型化」っていうのも大きな変化のひとつだと思う。
『ミクロの決死圏』みたいに何でも小さくなっちゃう。
今は『スモール・ライト』っていうのかな?
「♪大きいことはいいことだ」の重厚長大は完全に過去のモノとなり、軽薄短小がトレンドになった。
当然音楽もそう。
やっぱり今の若い人はヘヴィ・メタルのような重厚長大な音楽は受け入れてくれないよ。
ハードロックやヘビメタで育った世代とは食べ物も言葉も気候もまったく違うんだもん。
これだけ環境が違ったらもう「外人」ですよ。
このことは若いバンドのコンサートへ行けば皮膚感覚で痛いほどわかる。
そういう意味では、トラディショナルなロックが絶滅する日が本当に来ると憂いている。
チョット、この写真を見てみて。

_2img_4303 今では珍しい町のレコード屋さん。
昔はこういうレコード屋さんがどこの町にもあったんだけどね。
ココは演歌専門の有名なお店だけあって、店頭にはビッシリと演歌歌手のポスターが貼ってある。
大御所ではサブちゃん、山川豊、大月みやこ、長山洋子、川中美幸等々。
不動の人気なんでしょうな。
で、このポスターたちをしばらくの間見ていてフト思った。
「一体、今、誰がこういう音楽を聴いているのだろう…」
私は今年で55歳になるが、私はもちろんのこと、「山川豊の音源をコンプリートしている」という人は友達の中にはいない。
私より年下の友達の中にもそういう人がいるとは思えない。
すると、こうした音楽を聴いている方々は私と同じ世代並びに年下の人たちにはごくマレで、恐らくは私より年上の人たちということになろう。
マァ、60歳、70歳?
大変失敬な話だが、あと数十年して、そうした方々が天に召された後はこの手の音楽どうなるのだろうか?
その時、「演歌」という音楽を好んで聴く人間が地球上に残っているのだろうか?
グッチャグチャのフリー・ジャズは聴けても、私はどうしても演歌は楽しめない。
そりゃ、リヴァイバル・ブームみたいなものもあるかも知れない。
しかし、根本的に演歌を好んで聴く層がなくなれば、気の毒だが絶滅することは必定だと思う。
芸術とかエンターテインメントは作る方がいくらガンバっても、それを鑑賞したり、楽しんだりする側がいなくなれば何の意味もなくなってしまう。完全に買い手市場なんだよね。
ポスターを眺めていたのは、上に書いたのと同じ理由で60年代や70年代、イヤ80年代もか…そうした時代のトラディショナルなロックも同じ運命にあると何ともやりきれない気持ちに思ったからだ。
  
私のところへ何人も20代のミュージシャンが遊びに来てくれるが、実際に70年のロックの話をすると、誰もカスリもしないよ。
何にも知らない。無理もない、必要としていないから。
だからいいモノを色々と教えてあげる。
するとすごく喜んでくれるけど、やっぱり彼らは彼らの成長期に聴いた音楽が一番で、それから抜け出すことはあり得ない。
土台PuepleやZeppelinを受け入れることはできないのだ。
私は、仕事として比較的横断的に今のロックの世界を俯瞰しているつもりなのだが、ベテラン層と若手の「溝」というモノは広くて、深くて、暗くて、そして誰も、ナニを持ってしても埋めることはできないものだともはや確信している。コレは演る方も楽しむ方も同じ。
つまり、今のところ「伝承」はムリだということ。
それにいち早く気がついたのはアメリカの大手のギター・メーカーだよ。サスガですよ。
私はMarshallの社員なので、Marshallの方針に従って、できるだけ時代に合った仕事をしていかなければならないという覚悟を決めた。
コレが5周年の豊富かな?
  
さて、この5年間でずいぶんいろんなことがあったけど、最も印象に残っている仕事は何だろう?
やっぱりMarshall GALAかな?
アレはやっててホントに楽しかった。
まだ具体的なことは何も決まっていないけど、必ずまた開催しようと思っている。
すぐではないよ。
2022年にはMarshallが創立60周年を迎えるので、それをニラみながら計画を進めていくことになると思う。

430 Marshallに関する本を上梓したのもうれしかった。
『Marshall Chronicle』と…

Mc『アンプ大名鑑 [Marshall編]』。
双方、エラく大変だったけど、名誉ある仕事を楽しんだ。

Ad 事務所を開設できたのもうれしかった。
「Room 1959」とか「Office 2203」とかいう名前を付けようかと思ったけど、恥ずかしいのでやめた。

Img_0014 大勢のミュージシャンの方々が遊びに来てくれたのもありがたい。
ココをそんなMarshallファミリーのメンバーが気軽に集まれるスペースにしたかったから。
開設以来10ヶ月の間に来てくれた人を順不同で並べてみようか?
 
大二さん
Img_0223松川さん

Img_0123三宅さん

200v金光さん

220vAmber Lumberの2人、征史さん。
これでStrange, Beautiful and Loudコンプリート!

_img_0193Akiraさん

_img_0004_2FEEl SO BADからはだりあさんと冬樹さん!

Img_0500ヒロアキくん

Img_0390KRUBERABLINKAの和重さん。
ワザワザMarshallのTシャツをお召し頂いてる!

S41a0082アメリカで活躍しているドラマー、misaiちゃん。

2_img_4042 SilexのMashaくん。

Img_0005今、新しいバンドに燃えてる英太郎さん。
Img_0248_2真壁六郎太
コレ、スゴイの。
本当に偶然ジムのジャンパーとおそろいだったの!

Img_0254SUPER BLOODの亮さん。

Img_0129まよちゃん、けんちゃん、はやてくん他私の子供たち。

5img_0188 現在矢島舞依ちゃんのサポートをしているカズマくん。

Img_0247タジちゃんはRon Ron Necordsのギタリスト。
みんなは「Tazzy」って呼んでるけど私は「タジちゃん」…田島さんだから。
彼がいなかったらあのMarshall GALAはできなかった。

_img_0374 ARESZの皆さん。
なんかダチョウ倶楽部みたいだな。
真夏だったのに瑠海狐さん、まっ白!

Img_0236Fury of Fearの守くん。Img_0147NAKED MACHINEの達也くん。

Img_0248D_Driveの皆さん。
Seijiさん

Img_0658Yukiちゃん

Img_0681Shimaちゃん
Img_0716Chiikoちゃん

Img_0701そして、トリは我がボス!
「いいね~、ココ!」と大変よろこんでくれた。
このジムの1959ハーフ・スタックはジョンからの開所祝いなのだ。
それにしてもデカい!
そしてシャツはいつもIn!

Img_0017  
最後にさっきの「伝承」の話ね。
私だって70年代のロックで育った身です。
「70年代」って、私はゼンゼンそうは思わないんだけど、世の中ではモノスゴイ古い時代として扱われている感じがするんだよね。
そんな古いかね~。
でも60~70年代のロックが大好きで、あのカッコよさを何とか次の世代にパスしたいとは思っています。
特に80年代以降のロックを聴かない私としては心底そう願っている。
で、最近、「トリビュート・バンド」と称したハード・ロックやプログレッシブ・ロック盛んなりし70年代音楽のコピー・バンドのライブが盛んだ。
そうしたコンサートのお客さんは出演者と同じ世代の方々が圧倒的に多いでしょ?
そりゃ若い時に夢中になった音楽だもん、ホンモノでなくてもナマで聴きたい気持ちはとてもよくわかるし、演奏する方も楽しいにキマってる。
で、そうしたライブでトラディショナルなロックを次世代に「伝承」をしているかのように見えるかもしれないけど、「伝承」というのは新しい世代に何かをタテに受け渡すことで、同じ世代の人間にヨコに受け渡しても残念ながら全く伝承ということにはならない。
理由は上にさんざん書いた。
こうしたライブが10代、20代の若者で埋まればどんなに素晴らしいだろう?
最高の伝承ライブになるんだけど、それができないから苦労しちゃう。
その手のライブを全部観ているワケではないので、例外があったらゴメンナサイ。
そこでご提案。
  
1. フェスティバル進出大作戦

05_2 ヘビメタもひっくるめて、そういうロックを便宜上「トラッド・ロック」という風にここでは呼ぶことにするよ。
ベテラン層の間で「若い人はそうしたトラッド・ロックを知らないだけで、聴けば絶対カッコいいと思うって!」ってよく言うでしょ。
すでに記した通り、ハッキリ言って望みは薄いでしょう。
でも、少ないかもしれないけど引っ掛かりは出て来ると思う。
引っ掛かりが引っ掛かりを呼んで、火がつき出すなんてこともあるかもしれない。
そこでまずは、コピーバンドも含めそうしたテイストのバンドをかき集めて「日本トラッド・ロック協会」みたいなものを作る。
そして、レコード会社もヒレ伏す泣く子もダマる大御所に顧問になって頂く。
「トラッド・ロックの伝承」ということであれば、大物の方々もきっと賛同してくれますよ。
だって自分たちが苦労して切り開いてきた足跡が消えようとしてるんだから。
そして若者が集まるフェスティバルにそうしたトラッド・テイストのバンドを出してもらうように主催者に交渉する。
バンド個々に交渉しても歯が立たないからね。
5分でも10分でもいいから、転換の間、メインステージの前でも横でもでもいいからとにかく音を聴いてもらう。
もちろんコピー・バンドが予てからフェスティバル会場の片隅で演奏しているのは知っている。Marshallでサポートしたこともある。
でも、そうではなくて、メイン・ステージで演らせてもらうことが肝要なのだ。
今の若者は何しろ「フェス至上主義」で最早ライブハウスにも行かなくなってきてるんだってよ!
だから、フェスティバルに出さえすれば彼らのアンテナに容易に引っ掛かるかも知れない。
 
2. 大岡越前大作戦

Images コレは大変な仕事かもしれないけど、ヤリガイはあると思うよ。
「トラッド・ロック伝承」の志士、「憂国の志士」ね…を集めて、若者対象にフリー・コンサートを定期的に開催する。
コレはコピー・バンドがいいでしょう。
土日に無料で貸してくれるハコでノーギャラでコピーバンドに出演して頂く。
お客さんは25歳未満に限ってはチャージなし。要するにロハ。ドリンク代だけ。
そして、出演バンドが演奏している本家のCDを販売しているレコード会社さんに会場に来てもらい、音源の即売をしてもらう。
楽器メーカーも同様。
例えばマイケル・シェンカーのコピー・バンドが出れば、近隣の楽器屋さんがミニ・マーシャルを展示して即売するとか。
関連雑誌社にも協力を仰いで、ウェブサイトでよいので後パブを組んでもらって次につなげる。
コレを定期的に開催する。
みんな費用が掛かりますよね。
まずは全員費用の持ち出しが発生しますよね。
だから意味はチョット違うんだけど、「全員が少しずつ損をする」ということで、「大岡裁きの三方一両損」というワケ。(「三方一両損」の正しい意味は各自で調べてください)
細かい問題が山ほど出て来るだろうけど、うまく行って長い目で見れば「三方千両得」になるかもしれない。
最終的にはそういうトラッド・ロックに影響を受けた若いバンドが育って、由緒正しいロックが延命できればいいでしょう。
そうして育った若いバンドは次に世代のもっと若い連中に同じことをしてやる。
こうすればホンモノのトラッド・ロックは絶滅しないでしょう。
でもレコード会社にしてみれば『Machine Head』を10枚売るヤツより、AKBを10,000枚売るヤツの方が評価が断然高いだろうからナァ。
ムリか…。

2mb ということで、とにかく色々と考えています。
これからも一生懸命面白い記事作りに努力する所存ですので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
  
最後に…Marshall Blogの文章は100%私が書いていますが、それは家内がライブ会場でショウの内容を記録したメモに頼っています。
撮影に集中していてとてもライブの内容を正確に覚えていることはできないからです。
つまりMarshall Blogの半分は家内の助けで成り立っているといえましょう。
毎日、真っ先に読んでくれて、「アソコは笑った」とか「ココは意味が通じにくい」とかいつも適切なアドバイスをしてくれる、よき「マーブロ評論家」でもあります。
ノーギャラなのに熱心に取り組んでくれて本当にありがとう!
私事ですが、この場をお借りして家内に感謝の意を表したいと思います。
これからもよろしく!
  
言ってるそばからナンですが、明日は「5周年記念休暇」ということで更新をお休みします。
また来週の更新をお楽しみに!



2017年10月25日 (水)

田川ヒロアキ『THEME PARK-テーマ・パーク-』を100倍、イヤ10倍、イヤイヤ1.5倍ぐらい楽しむ <後編>

 
田川ヒロアキ『THEME PARk-テーマ・パーク-』の裏ライナー・ノーツの<後編>はジャケットのお話から…。
その前に…<前編>の「維新の言霊」のところに登場した「シリモンコン・ルーパスパット」さんというのは一体誰なんだ?という質問が多数寄せられているので(ウソこけ!でも本当に何人かに訊かれた)、ココでお答えしておきます。
実は、私もわからないんです。
コレは中学2年の時に、いいヤツなんだけど不良で通っていたクラスメイトの大鹿くんがいつもこの言葉を口にしていたので、意味も知らずに自然に覚えてしまったのよ。
子供ながらに音の響きがおもしろくて、40年経った今でも忘れられないでいるのです。
そういえば一度だけ大鹿君と有楽町のLo-Dブラザへ行ったことがあったナァ。
大鹿くんは他に「チャチャイ・チオノイ」のこともよく話していたので、もしかしたらムエタイかなんかで「シリモンコン・ルーパスパット」という選手が実在したのかも知れない。
チャチャイはWBCで2回、WBAで1回、それぞれフライ級の世界チャンピオンになったタイのボクサー。
大分前に、シリモンコンのこともインターネットで調べてみたのだが、手掛かりがつかめなかったのだが、今回を機に、念のためにもう一度調べてみると、エエッ?!
1997年のWBCのバンタム級の世界タイトル戦、辰吉丈一郎の対戦相手が「シリモンコン・ナコントン・パークビュー」というタイの選手だって!
すると、「シリモンコン・ルーパスパット」という人も実在した可能性は高いな…。
あ、コレ以上の情報は頂かなくて結構です。
シリモンコン・ルーパスパットは謎のまま、大鹿くんの思い出と一緒に胸にしまっておきます。
ちなみに、数学の先生のアダ名は「チャチャイ」だった。
チャチャイ・チオノイを知っているヤツなんていないに等しいのに、全校生徒から「チャチャイ」と呼ばれていたっけ。
    
話を戻して…ジャケットはコレね。
J10_cdジャケットの話となると、ヒロアキくんのマネージャーであり、ギター・テクであり、人生のパートナーである美瑞穂さんをフィーチュアすることになる。
美瑞穂さんファンお待たせしました!(写真はありませんが、スゴイの見せます)
    
ある日、マネージャーの美瑞穂さんから連絡があった。
電話の内容は、『THEME PARK』のジャケット・デザインを考えているんですけど、何かジャケットのいいアイデアはありませんか?という。
困った時はすぐこのオジさんだ。
ま、こっちもキライではないので、すぐに協力しちゃう。(デジャ・ヴ)
  
実はジャケットのアイデアは『THEME PARK』というタイトルより先に決まっていた。
美瑞穂さんはその電話の時にはすでに腹案を持っていて、こう説明してくれた。
「全国各地から依頼を受けて作った曲のコンピレーション・アルバムなので、いろんな人が田川の周りに集まってるイメージにしたいんですね。動物も集まっちゃうんです。
そして、その真ん中で田川はタクトを手にして、集まったみんなを指揮している…みたいな」
「ふーん、おもしろいじゃん。イラストでやりたいね!」
「そうなんですよ!」
「しからばこんなイメージで、写真とイラストを組み合わせたらどうだろう?」と『メリー・ポピンズ』を引き合いに出した。
「そうです、そうです!まさにこういうイメージ!」
…ということで指針がキマッた。
一応、美瑞穂さんには、簡単なイラストでいいから頭の中にあるイメージを描いておいて!と頼んでおいた。

Mp デザインはどうするか?
すでに美瑞穂さんと私の頭の中には「梅村デザイン研究所」があった。
デザインは梅村さん、モデルはヒロアキくん、写真は私…すなわち『Ave Maria』チームの再結集だ。
J170梅村さんはとても本人のモノとは思えないような最高に可愛くて、上品で、おしゃれなイラストを描く人。
「下町のひとりヒプノシス」を標榜しているが、カル・シェンケルとソール・バスの要素も入ってる才人だ。
残念ながら『Ave Maria』の時はイラストが使えなかったので、美瑞穂さんも私も今作では絶対に梅村さんのイラストが使いたいと思っていたのだ。
J50cd最近の『汚レコード』をはじめとして、梅村さんのことはすでに何度もMarshall Blogで紹介してきた。
Marshallの2010年度版と2011年度版のMarshallの日本語版カタログの表紙のデザインを梅村さんにお願いしたこともあった。
ジョン、デケえな~。
ジョンに会うといつも思うんだけど、ペリーが来航して初めて白人を見た人たちはさぞかしコワかったろうナァ~って。
J40梅村さんは私同様かなりの音楽変態で、Frank Zappaの過去の全演奏を聴くことをライフ・ワークにしている。
その他、ジャズから現代音楽まで、途方もない知識を蓄えていらっしゃる。
そんな梅村さんが一目を置いているのがヒロアキくんの音楽だ。
よって今回も快く仕事を受けてくださり、最高の仕事をしてくれた。

J30まずは素材となる写真の撮影。
美瑞穂さんのコンセプトを梅村さんに伝え、指揮棒を持つヒロアキくんのカットから撮影に入った。
実はですね、ヒロアキくんの撮影って大変なんですよ。
…とうのは「~みたいにして!」というリクエストが一切できないのね。
かつてステージ・アクションの練習をしていて、「不動明王みたいに立ってみて!」と言われたのだが、それができなかった…イヤ、できるワケがない。
「スミマセン!不動明王って見たことないんですよ!」
「あ!そうか!」となる。
「横向いて」とか「ギターを立てて」とかいう単純なリクエストはもちろん正確に対応してくれるが、微妙な調整になると、毎回身体にタッチしてポーズを作ってあげなければならないのだ。
いつも笑顔のヒロアキくんだけど、この日は一日中ヘヴィなニコニコで疲れたと思うよ。
前回は扇風機の風でクタクタになったんだよね。

J130さて、本格的な撮影に入る前に美瑞穂さんのイメージを確認しておく必要がある。
お願いしてあった頭の中にあるイメージのイラストを見せてもらった。
出て来たのがコレ。
一同絶句。
「キラキラ~」はどうしても書きたかったのかな?
しかし、いくら美瑞穂さんが竹を割ったようなキャラでもコレは潔すぎるでしょう!
_j100v特に身体の描写が強烈だ。
コレって…

_j110v目の錯覚のヤツ?
どっちが長いのかな~?
実は同じで~す!
ウッソ~!ってか?

Eyeなるほどヒロアキくんの周囲に人や動物が集まって来てるわ。
ナゼか動物はネコだけ。
しかも、どういうワケか人よりネコの描写の方がはるかに細密だ。
美瑞穂さん、ネコ好きなのかな~。
そんな話聞いたことないな。
あ~、でもネコの身体も「目の錯覚」になってるわ。
イヤもう、<前編>で「竹を割ったような人」と美瑞穂さんを例えたが、このイラストの一撃で竹なんか粉々になっちゃうわ!

_j120vでも、考えていることはわかる。
ひと通り指揮棒を持っている所の写真を撮っておいて、他のカットの撮影に入った。
梅村さんはジャケットサイズの穴が開いた型紙を当ててレイアウトを考えている。

J50「じゃぁ、ギターを抱えてチョット歩いてみて~」

J60「もう一回もう一回!」と何度も何度も同じことをやってもらった。

J65頭の中のイメージに合うカットが撮れていそうだとすぐさま梅村さんのチェックが入る。
梅村さんもジャンジャンイメージを膨らませているのだ。

J90ジャケットに使うかどうかは別にしてアー写も獲っちゃおう!ということで、もう後はやりたい放題。

J160そして出来上がったのがコレ!

_2cdjacあ、違う!
こっちだった!
メッチャ気に入ってる。
こんなジャケット、最近見かけないでしょう?
コンセプトといい、レイアウトといい、色合いといい、フォントといい、写真といい…世界に出してもまったく恥ずかしくない第一級のCDジャケットになったと思っています。
ジャケットは中身を写す鏡ですからね、絶対に軽んじてはならない。
エ、指揮棒のカットはどうなったかって?

J10_cd安心してください。
ブックレット他で採用されています。
ヨカッタね、美瑞穂さん!やっぱりあのイラストがヨカッタんだよ!
それでね、ココでは見せていないけど、ブックレットの中のデザインにも注目してもらいたいの。
各ページがまったく異なるイメージになっていて、描き下ろしのイラストの可愛いさったらないよ。
私の写真もとてもうまく使って頂いた。
見た目と中身の音が完全にマッチした素晴らしいパッケージに仕上がったと思う。J140
あ、それと忘れちゃいけないのがオビ。
梅村さんはオビにも細心の気を配ってくれた。
ちょっとレトロな雰囲気の「テーマパーク」のフォントがいいね。

_spine_2  
それでは今回も収録曲をいとつずつ見ていこう! 

   
  
9. ハンバーグのうた
ボクシングでひと汗流して、KRYで選挙速報を見た後は楽しい夕ごはん。
今日はハンバーグだよ~。
ヒロアキくんは時折「ハンバーガー・ナイト」というイベントに出演してロックとハンバーグの融合という仕事に取り組んでいる。
そのイベントにマッチさせて作ったのがこの曲。
かつてコロスケがコロッケの歌を歌っていたけど、同じ趣向。
言わずともハンバーグの方が高級だ。
カリプソというか、一時流行ったMolavoiみたいなサウンドが楽しいね。
そういえば、カリプソってのは日本ではダメだね。
誰も演りたがらない。
ユーミンの「避暑地の出来事」ぐらい?
そういう意味ではこの曲はとても新鮮だ。
「カリプソ」っていうのはトリニダード・ドバゴ等のカリブ海の島々発祥の音楽。
Van Dyke Parksの『Discovery America』の1曲目の「Jack Palance」なんて曲がモロそれ。
陽気で明るいんだけど、歌っていることはシリアスで世情を揶揄したりすることが多いようだ。
私も中村とうようさんの監修したコンピレーション・アルバムを1枚持っていて、何年かに1回聴くが、なかなかいいモノですよ。
何しろアーティスト名がどれも大ゲサで、マイティ・デストロイヤーとかロード・インヴェイダーとかマクベス・ザ・グレートとか、一聴すると「え、カリプソってヘビメタなの?」みたいな名前ばっかりで笑える。
最後の「いっただきま~す!」ってのがカワイイ。
ん、でも待てよ、コレ空気抜いてないんじゃないの?
パッチン、パッチンってやるやつ。
でもいいか、曲が可愛いから。
食べちゃおう!

225v10年以上前に初めてドイツのフランクフルトに行った時は驚いたね~。
ハンブルグではないにしろ、「ドイツに来たらやっぱハンバーグでしょう」ということで本場のヤツを頂いた。
「コレがホントの本場ーグ!」なんちゃって、中央駅のそばの惣菜屋でアツアツのハンバーグとフランクフルト・ソーセージ、それのビールをしこたま買い込んで、さっそくホテルの自室で頂いた。
コレがね~、とてもじゃないけど食べれなかった。
何しろとにかく塩っ辛いのだ。
ウチの食事は比較的薄味なものだから、余計にそれがツラくて。
少し食べただけで舌がビリビリとシビれてきちゃってね。
すぐ食べるのを止めたわ。
そうした惣菜ではなく、ちゃんとしたレストランに行けばおいしいものはいくらでもあるんだけど、どれも概して塩味が濃いんだよな~。
あと酢!
酸っぱすぎるんだよね。
もともと酢が苦手な私は、とてもじゃないけどドレッシングがかかっているサラダを食べることができないのよ。
もうショッパムーチョにスッパムーチョなの。
でも豚肉自体の味は最高だ。
それとヴァイツェン・ビールは大好き。あの香り…。
イングリッシュ・エールの次に好き。
下は同じ惣菜屋で買ったホットドッグ。
長いソーセージをワザワザ丸いパンにはさんで食べるのが地元式だっていうんだよね。
「どうやって食べるのが正しいのか?」とドイツ人の友達に尋ねると「好きな食べ方で食べるのが正しいんだよ」だって。
コレはハンバーグほどしょっぱくはなかったけど、ニューヨークの$1のホットドッグの方がゼンゼンおいしい。
ドイツに滞在していた友人が、直後にイタリアに移動した際、しばらくの間イタリアの食事は何の味もしなかったそうである。

_rimg0007 こちらはハンバーガー・ナイトで供されるハンバーガーたち。
おいしそ~!
やっぱり食べ物は日本が一番よ!
ハンバーガー・ナイトではヒロアキくんの曲にちなんだオリジナル・メニューが用意される。
コレは小田原で開催した時の「KABOSSバーガー」。
テーマは『Over Drive』に収録されている「海岸通り」。

230kaboss大和のPAOの時はチェッカー・フラッグを装った。
カーレースといえば、ヒロアキくんのテーマ・ソング「My Eternal Dream」だ。
250paomy_eternal_dreamcfb
もうひとつ、こちらは川崎ウッドストックの「プレミアム・ラクレット・チーズ・バーガー」。
コレのテーマは何だろう?
「チーズを乗せて」かな?

240川崎の時の記念写真。
アレ?SUPER BLOODのベースの亮さんもいる!
左から2番目の塩湯さんはこの企画の立役者で、Marshall Blogのよき理解者でもある。
いつも私の文章を惜しみなくホメちぎってくれるのだ。
人間いくつになってもホメられるってのはうれしいもんです。

_その塩湯さんとヒロアキくんの打ち合わせ風景。
どう見てもイッパイやっているようにしか見えんがのう…。
塩湯さんが手にしているのはハンバーガー・ナイトのチラシ。
壁に貼ってあるヤツね。7261 こういうヤツ。
いいデザインだ。
ま、言たかないけど、ヒロアキくんの写真は私が撮ってるね。

7263   
  
10. カラムーチョZ ~秘密結社コイケヤのテーマ~
ショッパムーチョの話の後はカラムーチョ。
オリジナルはファンキー末吉さんの作曲とドラム、「アニソンの帝王」水木一郎さんの歌、ヒロアキくんのギターで制作された。
それを今回ヒロアキくんの歌でリメイク。
そもそも、ファンキーさんの作った曲の仮歌はヒロアキくんが歌ったモノで、それを水木さんにお聞かせしたのだとか…。
下はPVを撮影した時のスナップ。
水木さんの「ズエッ~ト!!!!」という声が聞こえてくるようだ。

260この曲についてはヒロアキくんがライブのMCでさんざん語って来たので、その他の詳しい説明は要らないだろう。
そのMCに良く出て来る「風になびく赤いマフラー」がコレ。
もらえるのかと思ったら「3,000円です」ってヤツね。
そういえば横浜のヤッチンのライブ時にこの曲を演奏するってんで、ライブハウスの向かいにあるコンビニで偶然見つけたカラムーチョを買って差し入れたんだっけ。
するとヒロアキくんはよろこんで、「ライブ中に紹介しますね!」って言ってたんだけど、スッカリ忘れられちゃったんだよナァ。
あのカラムーチョ代返してくれますか?
は~、今日はずっと座りっぱなしでコレを描いているのでお尻が痛いわ!

270v  
   
11~14. シンジケート・アドレス
コレはおもしろいな~。
よ~やるわ~。
<前編>の府中のところで触れた、「府中に夢中」につながったラジオのジングルがコレ。
1991年2月から2014年6月の長きにわたってJFN系全国27局で放送されたヘヴィメタルの専門ラジオ番組「Heavy Metal Syndicate」への投書の宛先を歌にしたシリーズ。
当然歌詞は住所ということになる。
途中から歌詞がメール・アドレスになるところがミソ。
つまり、1991年から2014年のある時点から、文字によるコミュニケーション・ツールの主役がeメールに替わったこともこの曲は示唆しているのだ。
実は11~14は社会派ナンバーだったのだ。
ちなみに現在は、歌詞にある住所、メール・アドレスとも無効になっている。
  
  
15. The War is Over
ココから3曲はパチスロ・セクション。
イヤ~、それにしてもコレどうしてロックとパチスロってのが頻繁にくっつくのかしらん?
アレは忘れもしない…いつだったっけナァ~。
Marshall Blogでパチスロの新機種の発表会を取材したこともあった。
 
まずは「真モグモグ風林火山2」の月野ワグマ武将歌。
ク~、この声!
聞き紛うことなき、二井原さんの声!
この曲は作詞作曲も二井原さんが手掛けている。
ドラムはファンキーさん。
ヒロアキくんの担当はアレンジとギターだ。
ク~、このギター!
まずイントロがいい。
そして、ギター・ソロ。
「キミを乗せて」もいい例なのだが、曲との関連性を考えてコンパクトに、そしてスリリングかつメロディアスに言いたいことを弾き切るギター・ソロにかけては、ヒロアキくんは随一の存在ではなかろうか?
どんな時でも絶対にグダグダとソロを弾かない。
やっぱりMarshall使ってるからかな~?
でも「ホンモノを使っている」というプライドがプレイに影響を与えていると信じたい。
やっぱりアナログ真空管アンプじゃないとダメね、ロック・ギターは!

280v  
  
16.遅い春越後
今度は「真モグモグ風林火山2」から上杉モグ信武将歌。
「ナニ!上杉は米を喰っておるのかッァァ?!」と地団駄踏んで悔しがったのは武田信玄。
そりゃマァ、越後と甲斐とじゃね~。
それでも武田信玄の軍隊というのは日本の歴史上、最も強かったらしい。
しかし、米じゃ新潟にかなわないわな。
この曲ではヒロアキくんが作曲とアレンジを担当。
ドラムはファンキーさん。
歌は渡辺英樹さんだ。
歌詞もヒロアキくんの作ったメロディに英樹さんが丁寧に言葉を乗せた。
本当に英樹さんの訃報には驚いたナァ。
私は付き合いは長くないのだが、王様とファンキーさんのはち王子様と英樹さんのトリオが好きでしてネェ。
熊谷まで取材に行ったことがあった。
下の写真はその時のもの。
高めのキーの英樹さんの張りのある声が今でも耳に残っている。
この曲ではその声で自作のロマンチックな詩を朗々と歌い上げている。
  
そのライブの時に、オープニング・アクトのような形で「インドの林檎」というギター漫談の芸人さんが出演した。
終演後、物販タイムの時に、あるお客さんが英樹さんに「インドの林檎さんはいらっしゃいませんか?」と訊いたのかナァ?
英樹さんはあのメッチャ抜けのいい声で「インドさ~ん!インドさ~ん!」とその芸人を呼び出した。
インドさん…おもしろくない?
すると、その芸人さんは今まで「インドさん」と呼ばれたことがなかったらしく、「イヤ、オレ、インドさんじゃないんだけどな~」と言ってお客さんの方へ寄って行った。
それを横で見ていておかしくて、おかしくて!
私の英樹さんの思い出のひとつ。

290v  
  
17. 風林火山
パチスロ三部作のシンガリは、「真モグモグ風林火山2」からファンキーさん作詞作曲ドラムスの武田モグ玄武将歌。
歌うは田川モグ晃。
ホラ貝の音に導かれて「♪風・林・火・山」!
コリャまたとびっきりやかましいな~!
ヒロアキくんの気合いが入りまくりの歌もいいんだけど、バッキングがカッコいいんだよね、この曲。
サビのベースがなんか変わってる。
下の写真は、2014年12月に原宿のクエスト・ホールで「真モグモグ風林火山2」の発表会が開催された時のもの。

300vこの時のベースは英樹さんだった。

310v滅多にこんなことないと思って、パチスロの新機種とMarshallの記念撮影をしておいた。
いいね、四角ってヤツは。
スッキリしてる。

320  
  
18. 平和の風
賭けごとの後は清らかに…。
ヒロアキくん自ら「代表曲になってきた」という重要なナンバー。
作詞は三木あずささん。
実際にいい曲だもんね。
おかげで「やっと、ずっと」を全く演らなくなっちゃった?
「平和の風」は、学校の合唱コンクールの課題曲になったり、コーラス隊のアレンジが施されたりと様々な場所で、また様々な形で愛唱されている。
ヒロアキくん自身もTAGAWAの『Wind』ではストリングスをバックに2バージョン歌っているし、今年リリースされた『Winds and Waves』というアルバムでは灘校のグリー・クラブが取り上げている。

330cdこの曲も色々スゴイ話があって、やっぱり名曲にはドラマが付きまとうね。
まずヒロアキくんのファンのシンガーソングライターの方が自分の歌のレッスンで「平和の風」を歌ったところ先生がスッカリ気に入ってしまった。
先生がファンになっちゃったワケ。
すると、その先生は自分が所属する「Nadeshiko」というコーラス・グループで「平和の風」を取り上げ、Nadeshikoがイタリアに遠征した際、大聖堂でこの曲を歌ったのだという。
下は「平和の風」を海の向こうに連れて行ってくれたNadeshikoの皆さんとヒロアキくん。

_2nd その「先生」、声楽科の薄井彰子さんと。

Ui 薄井先生は西武台千葉中学校という学校で教鞭を取っていらして、学内のコーラス・コンテストの課題曲に「平和の風」を選んでくださった。
完全に公私混同である。
イヤ、「平和の風」がそれに値するクォリティということなのだ。

340そのコンクールに審査員として参加したヒロアキくん。
後姿なのに目立つ。

350下は真剣に審査をするヒロアキくん。
  
ひとつ、すごく興味があるのは、女性がソロでこの曲を歌ったらどうなるだろうかということ。
そうだナァ、夏川りみちゃんみたいな美しく澄んだ声で、この曲をミッチリと歌い上げたら聴いた人は必ずナミダするのではないだろうか?
少なくともオレは泣くな。

36030分のミニ・コンサートもやっちゃった。
当然、「平和の風」も演奏した。
生徒さんが「すいません!ギターの弾き方間違えてますよ!」と教えてくれたとか、くれないとか。
「紅」は間違いなく演っていません。

_211272   
  
19. たんぽぽと風
今、シットリ地帯に入ってます。
<前編>でも触れた通り、私はヒロアキくんの音楽を時折「校歌ロック」と呼んでいるが、ヒロアキくん、本当に社歌を作っちゃった!
公私にわたるヒロアキくんの強力なサポーターで、レストランを幅広く営む「株式会社無州」の社歌だ。
ギターを提げているお方が社長の浅野さん。
何でT5なんですか?!コアじゃないですか!
ワタシャこの浅野さんが持っているギターのデモンストレーションを何回もやったんだよね。
なつかしいナァ。
そんなことは当然どうでもいいワケで…。
380コレは浅野社長のお父様が描いたイラスト。
誰かさんのイラストとは大違いだ。
「たんぽぽと風」にピッタリのイメージ!
ホント、このイラスト通り、この曲はヒロアキくんのやさしい一面が大きくフィーチュアされた一編となった。

370浅野社長は先日の『THEME PARK』発売記念コンサートにもお越し頂き、客席から花束をヒロアキくんに贈呈された。

390   
  
20. すきっちゃ 好きなほ! 下関
『THEME PARK』はヒロアキくんの故郷である下関をテーマにした曲で締めくくられる。
この曲は以前にシングル曲としてこの世に出ている。

_mosekijacket下関がある山口県って、飛び抜けて大きな都市ってないんだよね。
でも下関市の人口が一番多いとは知らなんだ。
ナンダ、ヒロアキくんってシティボーイだったのね?
山口の人口は下関、山口、宇部、周南、岩国、防府がベスト5で人口が10万以上。
秋芳洞があることでわかるように、山口というのは石灰岩質の地層なのかな?
宇部興産、徳山曹達(現トクヤマ)、小野田セメント(現太平洋セメント)といったセメント・メジャーの重要拠点がある。
一度、宇部興産の工場へ連れて行ってもらったことがあったが、あまりにもデカくてビックリ仰天したな~。
石灰の原石山からセメントのプラントの間に原石を迅速かつ効率的に運ぶための何kmにも及ぶ立派な専用道路が作ってあってね。
夜の宇部の町にも繰り出したけど、寂しかったナァ。
  
曲は潮騒で始まる。
関門海峡の浜に打ち寄せる波の音なのかな?
関門海峡はかつては馬関海峡と呼ばれた。
下関の「関」と門司の「門」で「関門」ならわかるけど、ナゼ「馬関」だったのかしらん?
一回気になっちゃうと調べないと気が済まない…コレが私の悪いクセ。
で、調べてみた。
下関市は、明治22年に市制が施行された時、「赤間関市(あかまがせきし)」という名称だった。
それで、誰がやったか、「赤間」の「間」の字に「馬」の字をあてて「赤馬関」とした。
そこから「馬関」という名称がひねり出されたとか。
1863年と1864年、長州藩はアメリカ、イギリス、フランス、オランダと大ゲンカをした。
いわゆる「下関戦争」というヤツ。
もちろん列強の圧倒的な火力の前に惨敗。
その講和の業務に当たった高杉晋作は「身分を取り払った、かつ最新式の兵器を備えた軍隊でなければ攘夷なんてできっこないほ!」と、馬関奇兵隊を結成する。
勉強になるな、マーブロは。
そして、この曲の作詞をしたのが、<前編>に登場したよさこいチーム「馬関奇兵隊」の総督、濱崎康一さんだっちゃ。
「府中に夢中」同様、下関の歴史と魅力がぶち歌い込まれちょる。
ライナーノーツのヒロアキくんの解説にあるように、下関を愛するスタッフがよーけボランティアで参加してくれとるっちゃ。
チョット山口弁を取り入れてみたが、「~っちゃ」と文を結ぶところを見ると、『うる星やつら』のラムちゃんってのは山口の出身なのかね?
で、ヒロアキくんは濱崎さんの詞を元に巧みに下関民謡を取り入れて曲を作った。
いくら地元賛歌とはいえ、そこはヒロアキくんのすること、当然クールでハードなギターが活躍する。
このソロのピッキングのニュアンスなんてあまりにもカッコいい!
これは完全にJVMのおかげです…ぐらい言わせてくれ!

_sukitya本当にヒロアキくんは仕事の幅が広い。
そして、モノスゴイ数の人たちに支えられているということを感じた。
それもヒロアキくんと美瑞穂さんの人徳のなせるワザだろう。
2人とも熱心に頑張っているからね。
美瑞穂さんの名誉のために…さっきは凄まじいイラストを紹介したけど、皆さんも薄々感づいていらっしゃるだろうが、実は美瑞穂さんは元々イラストレーターではない。
プロのアナウンサーなのです。
文章を読ませたら、アータ、いつもとは丸っきり別人のように素晴らしい滑舌で、また鈴を鳴らすような美しい声で朗読されるんよ。
それが今ではヒロアキくんのギター・テクまで務めちゃって!
始めのウチはギターの「ギ」の字も知らないで、ステージの上や楽屋で右往左往していたが、最近では「シールド」なんて言葉も使っちゃって、すっかりステージまわりのことにも慣れちゃった。
残念ながら「シールド」という言葉は海外では通用しないんだけどね。アレは日本語だということを知っておこう。。
その他、CDの販売からブッキングの世話まで、果てはイラストまで描かされて…まったく美瑞穂さんの熱心さと活躍ぶりには頭が下がる思いなのである。
2人で力を合わせてこれからもいい音楽を作り続けて欲しい。
  
さて、こうして様々なところから作曲の依頼を受けているワケだけど、重要な国政選挙が終わったところでひとつヒロアキくんにお願いがある。
Marshallのことではない。
ヒロアキくんはMarshallでなければギターを弾く気が起こらないのを私は十分知っているから。
お願いというのは…軍歌の作曲を依頼されても断って欲しいのだ。
イヤ、軍歌というのは大ゲサだが、これから北朝鮮の脅威をチラつかせて、世の中はヒト、モノともに一気に軍事に傾いていくだろう。
「戦車は1,000社」っていつか書いた通り、武器を作って売れば簡単に景気はよくなるからね。
しかしそんなことをして儲けを出せば、今の状況となっては人も差し出すようになることは火を見るより明らかだ。
山下達郎さんがコンサートで口にした言葉で、この『THEME PARK』の裏ライナーノーツを締めくくりたい。
何度でも引用する。
「平和でなければ音楽なんてできない」
ヒロアキくんが「平和の風」を運んでくれ!

410v(一部敬称略)


2017年10月24日 (火)

田川ヒロアキ『THEME PARK-テーマ・パーク-』を100倍、イヤ10倍、イヤイヤ1.5倍ぐらい楽しむ <前編>

  
去る10月11日、田川ヒロアキがニューアルバム『THEME PARK-テーマ・パーク』をリリースした。
コレが、予想をはるかに上回る反響で、関係者一同は驚きを隠せないでいる。
このアルバムは「ギタリストの田川ヒロアキ」よりも「作曲家の田川ヒロアキ」に焦点を当てたコンピレーション・アルバムだ。
つまり、ヒロアキくんが色々な団体からの委嘱を受けて作った曲と演奏が詰め込まれた楽しい作品。
ヒロアキくんとはカレコレ長い付き合いをさせて頂いている。
大切なMarshallのアーティスト並びにお客さんであり、仲のよい友人でもあり、公私ともに割と頻繁に連絡を取り合っているので、広範囲にわたる彼の音楽活動を常時把握しているつもりなのね。
でも、出て来るね~、知らないのが。
「こんなことやってたの?」などという驚きの発見もあって、今度のアルバムはプライベート的にもとても楽しいアルバムになった。
すでに公式音源として世に出回った作品も多く収録されているが、そこはヒロアキくんのこと…「へへへ、モッタイないから溜まっていた音源を根こそぎかき集めましたゼ!」などと乱暴なことはするワケがない。
自分の最新のイメージに合致するように、録り直し、作り直しがタップリと施されている。
もちろん本邦初公開の作品も聴きごたえ満点だ。
仲の良いのをいいことに、普段ヒロアキくんの音楽を「校歌ロック」などと呼んでいるが、『THEME PARK』には様々な局面を通して、ヒロアキ・ミュージックのコアな部分が収められたと思っている。
今回は委嘱作品集ということで、当然各々の曲にはバックグラウンドがある。
封入されているブックレットにヒロアキくん自身がそのバックグラウンドについて一筆認めているが、大きなお世話だがこっちはマーブロ、そのあたりのところをもっとワガママに深く掘り下げて、2回にわたり「裏ライナー・ノーツ」を編んでみたいと思う。
要するに「Making of THEME PARK」だ。

10vある日、マネージャーの美瑞穂さんから連絡があった。
電話の内容は、今度カクカクシカジカでコンピレーション・アルバムを作るのだが、何かタイトルのいいアイデアはないか?という。
困った時はすぐこのオジさんだ。
ま、こっちもキライではないので、すぐに協力しちゃう。
一旦電話を切って考えた。
「フーム…テーマ・ソングのコンピレーション・アルバムか…。テーマね~、テーマ、テーマ、テーマ…何かうまいシャレはないかな~」などと考えて、比較的すぐに出て来たのが「テーマ・パーク」という言葉。
チョット安直に過ぎるような気はしたが、色んなシチュエーションの音楽が入っていて、遊園地みたいににぎやかでいいかも…と思った。
問題は表記。
当然、CDのジャケットには「THEME PARK」とアルファベットの表記を採用することになるだろう。
そうした場合、日本人は「テーマ」というカタカナと音には十分に慣れているが、「theme」というつづりと「シーム」という音には全く親しみがないので、タイトルとしてこの言葉を採用するのは不利なのではないか…コレが心配だった。
ま、「theme」を何のひっかかりもなく読む人は「シーム」という発音を知っているだろうから問題はないけど、慣れない人は「テメエ!」なんて読んだりして。
ヒロアキくんは「平和の風」だからして、そんな好戦的なことは絶対しないから。
とにかく、美瑞穂さんにこのアイデアを伝えてみた。
すると「ワ~、それいいですね!『テーマ・パーク』にキメました!」
「チョチョチョチョ、もう少し考えた方がいいんじゃないの?!」
「イエイエ、気に入りました。いいですね。もうそれで行きます」
美瑞穂さんは、時折ルックスからは想像できないぐらい竹を割ったような側面を見せる人なのだ。
そして、上に書いたような読み方の問題についての心配を伝え、ひとつのアイデアをお伝えした。
それは、サブタイトル的に「テーマ・パーク」という表記をつけ加えてはどうか?ということだった。
こうして、と言っても何の紆余曲折もないのだが、タイトルが決定した。
ジャケットについても色々とありましてね~。
それは<後編>のお楽しみ!

20それでは『THEME PARK』に収録されている曲をひとつずつ見ていこう。
本稿の作成に当たっては、ヒロアキくんご本人と美瑞穂さんに全面的にご協力を頂いたことを最初にお伝えしておく。
  
  
1. キミを乗せて
2015年にリリースしたアルバム、『Over Drive』のリード・チューンの採録。

232015年のMarshall GALAでは山本征史さんと金光健司さんと演奏してくれたヒロアキくんの最近の愛奏曲だ。

50「再録」と言っても、ボーカルズとドラムスをリメイクした。
そして、何よりもご注目頂きたいのはギターの音。
『Over Drive』の時にはまだ使っていなかった、現在愛用しているJVMを思う存分駆使してギター・パートを録音し直してくれたのだ。

30v車好きのヒロアキくんは筑波サーキットでの国家演奏等、何度もカーレースに関係した仕事をしていて、Marshall Blogでも紹介してきた。

25この曲は、岡山国際サーキットで開催されるMAZDAの大イベント、「マツダファンフェスタ」のテーマ・ソングとなり、ローカルテレビのCMでも採用されていた。

30下は筑波サーキットで「君が代」をメタル調でグイングイン演っているところ。
残念ながら私は岡山には行っていないが、恐らくこんな調子でブチかましてくれたハズだ。
エンジンをかけるところからスタートするこの曲、聴けば聴くほど引き込まれていく…今頃言うのもナンだけど。
初めての車の運転に胸をときめかせる歌詞を、全く別の意味で独自に解釈された方もいてビックリ仰天したが、なるほどそれもおもしろい。チョットここには書けませんが。
コレね、キャッチーなメロディも魅力的なんだけど、アレンジがすごく練ってあって実によろしい。
「さぁ行け~!」って感じのギター・ソロも好き。
ただし、安全運転で行きましょう!

40v   
  
2. 酎 High KING!
一瞬、日本語版Jefferson Starshipかと思うようなアメリカ調のハード・ロック。
広島県は呉市のライブハウス、「ケラウスランブラ」の20周年を記念して、マスターから依頼されたお店のテーマ・ソング。
下の写真はヒロアキくんがケラウスランブラに出演した時のもの。
な~んかメッチャ楽しそうだな。
スッカリ出来上がっちゃってるぞ、コレ。
左の白いギターを抱えているのがマスターのNaoさん。
「Marshall以外は使わない」という大のマーシャリスト。
残念ながらお店にお邪魔したことはないのだが、Marshallがドッサリ用意されていると聞く。
実にありがたい。
タイトルは「酎ハイの王様」なのね?
焼酎飲みながらハイキングするのかと思った。

60ナゼかと言うと、実は私はNaoさんと酒席をご一緒させて頂いたことがあって、その酒豪っぷりに仰天したからだ。
Naoさんなら焼酎をストレートでガブ飲みしながら野山の全力疾走するなんて、おちゃのこサイサイだろうと思った次第。
私もサラリーマンから、ミュージシャンから、色んな人と酒席を共にしてきたが、直さんはかなりイケる部類に入るだろうな。
さすがにレスラーや相撲取りと勝負するとそうなるかわからないが、ま、十分に渡り合えるだろうな。
かつて大酒豪と謳われた五代目古今亭志ん生は、関東大震災の時に、「こんなに揺れたんじゃ東京中の酒屋の酒が全部地面に飲まれちまう!」ってんで、家族を放っておいて酒屋に走ったという人。
「こんな時にナニやってんだ?酒なんかどうでもいいから好きにしない!」と酒屋の主人はトットと避難した。
志ん生は大よろこび…スゴい人がいたモノである。
その志ん生が双葉山に飲み比べの勝負を申し込まれたことがあったという。
双葉山は身長180cm、体重135kgとお相撲さんにしては決して大柄な部類ではないが、69連勝といういまだ敗れられていない記録を持つ大横綱だ。
その酒量も横綱級に間違いない。
この時、志ん生はすでに他のところでかなり飲んでしまっていて、スッカリ出来上がっていたのだが、「酒飲み」のメンツにかけてこの勝負を受けた。
結果…この時はさすがに双葉山に軍配が上がった。
しかし、もし志ん生が先に飲んでおらず、素面の状態で勝負に挑んでいたら志ん生が勝っていただろう…と自分で言っていた。それほどの大酒のみだった。
やっぱNaoさんもコレぐらいイケるでしょう。白鵬との取り組みが見てみたいものだ。
だから「酎High KING!」。
下の写真は手前から、おなじみMarshallの社長ジョナサン・エラリー、家で飲むと安心してすぐにウトウトしてしまう私、そしてNaoさん。
山口県柳井市のMarshall MUSEUM JAPANオープン時の時のショット。
たかだか5年前のことだけどなつかしいな~。

70またNaoさんは、このヒロアキくんが作った曲を大層気に入り、自分のプロデュースでCD化してしまった。
二井原さん、恭司さん、SHARAさん、てらちん等、ケラウスランブラにゆかりのあるミュージシャンがこぞって参加しているスーパーセッション作品に仕上がったとのこと。
Naoさん、ホントにこの曲がうれしかったんだね~。
ヒロアキくんはいい仕事をしたね!

Sho  
  

3. 府中に夢中
寡聞にして「府中市」が東京の他にもあることを知らなかった。
そのもうひとつとは、広島県府中市。
ヒロアキくんはその府中市に2つ作品を提供している。
まずは「府中に夢中」。
下が府中。
市内に芦田川が流れる人口4万人弱の盆地。
市長さんが戸成さんとおっしゃるようだ。
自分の町の市長なのに「となり市長」ということになる。
「となりの市長」と言ってもジブリは関係ない。
さて、「府中に夢中」の歌詞はかつての五木ひろしの「横浜たそがれ」に似たつくりをしている。
山口洋子は演歌に頻出する単語を並べてこの曲の歌詞を作ったというが、「府中に夢中」は、花から虫から名所旧跡まで、府中の魅力をズラリと並べた内容となっている。
作詞は府中の子供さんたちとヒロアキくん。
ヨカッタよ、コレ、子供たちで。
こんなのオッサンにやらせたら、「♪府中よいとこ、温泉入って、酒かっくらって、ウマいもん喰って、また温泉入って、酒かッくらって…」ってな内容に絶対なっちゃうからね。
ヒロアキくんが編む愛らしいメロディに自分の町を愛し、称える子供たちの歌詞がうまく合わさったほほえましい一編。
しかし、そんなにいいの、府中って?
…と思ってチョコっと調べてみると…

80もう、こんな街並みを見ただけで行きたくなっちゃうね。
時折マーブロに紀行文を寄せているように、私はロンドンに行くようになってからというもの、古い町並みが大スキになっちゃってさ。
ホントにこんなんなってんすか、府中?
いいな~。
ところで、ヒロアキくんは山口県下関の出身だ。
それなのにナンだって広島のいち都市の歌を作ってるんだろうか?
不思議でしょ?
そのいきさつはカンタン。
府中市にお勤めのヘビメタ好きの切原さんという方がヒロアキくんの大ファンだったから。
こう書いてしまうとそれまでなんだけど、物事そう簡単にはいきませんからね。
実現までの道のりは長かった。

90切原さんは、故成毛滋さんの関係でヒロアキくんが参加したギタリストのコンピレーション・アルバム『Voo Doo Doll』(1995年)を聴いてヒロアキくんのプレイに注目した。
このCDにはヒロアキくんが今でも演奏している「Fly Away」と「Stranger Destroys Arms」の2曲が収録されていた。
そして、2000年。
全国ネットのラジオで14年間にわたり毎週オンエアされた『Heavy Metal Syndicate』で使用されたジングル、この『THEME PARK』にも収録されている「シンジケート・アドレス(後出)」がヒロアキくんの作品と演奏であることを知って狂喜乱舞。
以降、二井原さんのアルバム『Ashes to Glory』に参加したことなど、徐々にヒロアキくん周辺の情報が増え、下関でライブがある際は欠かさず足を運ぶようになった。
…なんて簡単に書いたけど、アータ、その距離たるや片道300km弱よ。
どんだけ好きなのッ?…「惚れて通えば千里も一里」ってヤツだね。
そうしている内に「いつか、田川さんに府中の曲を作って欲しい」という気持ちが芽生えた。
そして遂に、20年越しの思いがかない、府中の市政60周年を記念する2曲が完成したのであった!
こうして市に熱狂的なメタル・ファンの職員さんがいらっしゃらなければ、このアルバムの3曲目は「焼酎に夢中」になっていたかも知れない(また焼酎かよ!)。
さて、場所は変わって町田のライブハウス。
今月のはじめに開催された『THEME PARK』のレコ発ライブの会場でのこと。
終演後、カメラを片付けていると、「あの~」とお声をかけて頂いた方があった。
その方は銀色の鋲が無数に付けられた黒い上下のへヴィメタ・コスチュームに身を包み…というのはウソ。
ご丁寧にお名刺を差し出しながら自己紹介した方は当の切原さんだった。
「いつもMarshall Blogを楽しみにしています!」とおっしゃってくださった。
とてもうれしかった。
私が、この次に出て来る府中の名産品でもある「タンス太鼓」の話を持ち出すと、切原さんは「あ、アレは私のアイデアなんですよ!」と、うれしそうなお顔をされたのがとても印象的だった。
大変おとなしく温厚な方で、ヘヴィメタルのコンサートでコブシを突き上げてデス声を張り上げているようには見えなかった。(多分されていないと思う)
下の写真は地元のダンスチーム「トゥインクルハート」とのコラボレーションで「府中に夢中」を演奏しているところ。
舞台の裏の瓦屋根の家が気になるな…。
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4. Lofty Tree
府中シリーズの第2弾。
切原さんから「へヴィメタルでお願いします」との注文を受け、好きにやっちゃった1曲。
あ~あ…。
府中はモノ作りが盛んな町で、世界的なダイキャスト・メーカーのリョービや機械メーカーの北川鉄工所が現在でも本社を置いているところ。
江戸時代から家具づくりの伝統を受け継いでいて、その製品は「府中家具」として知られている。
チョット話は反れるが、アンガールズの田中卓志ってのはココの出身なのだそうだ。
イヤ、それだけではなくて、平幹二郎も府中の出身。
私が一番驚いたのは松本英彦。
もう亡くなってしまったが、ソニー・ロリンズ直系の日本を代表するテナー・サキソフォニストで、ジョージ川口や小野満らと組んだビッグ・フォーは1950年代、アイドル的な人気を誇った。
そのピアニストは中村八大だ。
私は生前富山で一度だけ松本さんの演奏を見たことがあった。
もうかなりのおジイさんだったが、プレイは恐ろしくモダンで音もメチャクチャカッコよかった。
話を戻す。
この曲はすでにTAGAWAのセカンド・アルバム『Wind』にも収録されている。

10cd_2『Wind』の時は「備後しんいち鬼炎太鼓」のみなさんとの共演だった。

96だから曲は以前から知っていた。
今回は『Wind』に比べて気持ちテンポが遅めなのかな?
サビのメロディはヒロアキくんならでは「校歌テイスト」が炸裂。
コレでいいのだ。
しかし、メロディの歌わせ方がウマいよね。
本当に歌っているようにギターを弾く。
でも知ってた?
当たり前のことなんだけど、ヒロアキくんの弾くギターって、呼吸も含めて歌い回しが実際に歌っている時と全く同じなんだよ。
つまり、ギターを弾いている時は歌っている時なの。
聴いたことはないけど、「Ave Maria」を歌わせたら、間違いなくギターと寸分違わない歌い回しをするよ。
それとギターの音もいいね!
Marshallだからね!
  
今回の「Lofty Tree」はヒロアキくんの完全単独パフォーマンス。
だから冒頭の太鼓の音もヒロアキくんが府中名物の「たんす太鼓」を使って録音した。
ヒロアキくんは曲ができるずっと前にこの太鼓を打っておいて、今回その時の音源を組み合わせたそうだ。
ダウンジャケットを着て打っている。相当寒かったのかな?

Ht この「たんす太鼓」は家具づくりのノウハウを活かし、胴を府中で製作。皮については石川県は松任の老舗太鼓メーカー、浅野太鼓に製作を依頼したそうだ。
実は、前の会社に勤めていた時、一時期私の隣の席にはこの浅野太鼓の御曹司が座っていた。
とってもいい子だった。カメラが好きで、私が撮ったライブの写真をいつも興味深そうに、また熱心に見てくれた。
彼、どうしてるかな…って私よりゼンゼン立派になっちゃったにキマってるわな!

100  
  

5. 維新の言霊
ヒロアキくんは「よさこい」への作品提供も盛んに行っている。
「よさこい」の作品だけをコンパイルしたアルバムもリリースしているのはファンの方ならご存知であろう。
160cd私はこのヒロアキくんの「よさこい」の仕事をとても高く評価している。
最近は高梨康治さんの「刃」のように和楽器を組み合わせたロックも盛んになってきているようで、何かの機会にヒロアキくんの「よさこい」作品が耳目を集めるようにならないかと期待しているのだ。
ナゼかって?
だってカッコいいじゃん。
「ロック」と「和」の融合ということは70年代から幾度となく取り組まれてきたことだけど、このヒロアキくんの「よさこい」はそれがかなり自然な形に仕上がっていると思うのだ。
時代が追いついたということなのかもしれない。
それとね、ひとつ気が付いたのは、最近の若いロック・バンドってかなり平気でドンガラガッタ風のメロディを取り入れているんだよね。
この手法こそが、もしかした真の「日本のロックの独立」なのではないか?とも感じたりもするのである。
180さて、この「維新の言霊」は下関のよさこいチーム「馬関奇兵隊」の代表曲だ。

120下の写真でヒロアキくんの右隣にいらっしゃるのが馬関奇兵隊リーダーのシリモンコン・ルーパスパットさん。
あまり日本語が得意でないのが難点だ。
あ、チガウわ!
コレは私の人生で一番暑かった2015年8月に山口市阿知須きらら浜で開催されたボーイスカウトの世界大会で撮影した時のもの。
この時、初めてナマの「よさこい」を拝見した。

150ヒロアキくんと談笑しているのがホンモノの馬関奇兵隊の総督、濱崎康一さん。
ありがたいことに濱崎さんも熱心なMarshall Blog読者でいらっしゃる。
こんなにたくさんの方々に読んで頂いてMarshall Blogはシアワセだ。

130ヒロアキくんの演奏に合わせて、いくつもの連が一か所で踊る光景はまさにスペクタクルだった。

140この時はバッキングトラック+ヒロアキくん+村岡山口県知事というフォーマットだった。
いつか、生のバンド演奏でヒロアキくんの「よさこい」に合わせて馬関奇兵隊が踊るところを見たいナァ。
この「維新の言霊」を聴いてその思いが募ったよ。

170ソリッドでハードな演奏の間で素晴らしいノドを聴かせてくれるのは清野明子さん。
生まれは横浜だが、2歳半から民謡を始め、全国レベルの民謡大会の賞を総ナメにした日本を代表する民謡歌手だ。
日体大をご卒業されているのがおもしろい。




Ak 美瑞穂さんによれば、底抜けに明るい方で、ナマの声は相当スゴイらしい。
濱崎さんのご縁で今回のレコーディングにご参加頂いたとのこと。
あっさり2テイクで撮っちゃったって!

Ak_2 歌詞では下関の歴史に欠かせない人物たちの言葉を連ねている。
「高杉晋作は男の中の男 エライじゃないか」…高杉晋作は江戸に出て来て、尊敬する師の吉田松陰の骸を小塚原(今の南千住)に掘り返しに行ったっていうんだよね。
小塚原には刑場があって、ナント、江戸年間で20万人がそこで処刑されたという。
昔はチョットした悪さでもすぐ死刑だったから。
明治になって廃止となり、今はJRの敷地になっている。
つまり民家が建てられないようにしてあるのだ。
ナゼか?
最近まで、夜はタクシーがその辺りに近寄らなかったという……そういうことです。♪明るく元気にいきましょう。
このあたりも興味深い話がゴロゴロしていましてね…また今度。
  
「恋は思案の他…とやら」というのは坂本龍馬の俚謡の一節。
何でもNHKの大河ドラマで福山雅治が歌ったらしいが、今回ヒロアキくんはオリジナルのメロディを付けて清野さんに歌ってもらった。
「俚謡(りよう)」というのは「里謡(さとうた)」と同じ意味で、民衆の間で歌い継がれた地元の歌のこと。
下関の遊郭で遊んで朝帰りをした龍馬が、怒って帰りをまっていた奥さんに向かって歌ったところ、彼女は笑い出してしまったという。
奥さんは「おりょう」さんだっけ?
この文句の意味は「男女の恋情は常識で説明できるものではない」ということ。
大変平たく言うとこの場合、「ヘソ下三寸、人格なし」ということになりますな。
それを笑って許したおりょうさんが立派!と考えるのはそれほど当たっていない。
江戸時代、幕府公認の遊郭である吉原は、鼻の下を伸ばしたオッサンがニヤニヤしながら行くところと思ったら大間違い。
吉原は当時、観光客が大挙して訪れる江戸の一大観光エリアだった。
それこそ当時の「テーマ・パーク」よ。
今のディズニーランドよりはるかににぎやかなアミューズメント・スポットだったのである。
それゆえ、男性がそこに遊びに出掛けるのは、度が過ぎない限りは家庭内で問題にしなかった。
「オイ、チト吉原へ行ってくらぁ」と旦那が言うと「あいよ、行っといで。遅くなるんじゃないよ、オマイさん」ってな具合。
反対に、「不倫」は「下の下」とされ、ご法度扱いだった。
「不義密通」は重罪で、ケースによってはさっきの小塚原に連れていかれれ、男女ともにカンタンに首を落とされた。
だから幕府、つまり政府はそうした遊び場を作って、そっち方面のストレスを発散させたんだね。(他にも理由あり)
もちろん、それなりに金がかかるので、稼ぎの少ない町人はそうおいそれと行けるワケでなかったことは付け加えるまでもあるまい。
そして、吉原以外の幕府が認証していない遊郭を「岡場所」と言った。
そうした岡場所は全国各地にあって、恐らく下関にもあったのだろう。
当然、龍馬もそこへ遊びに出掛ける。
そのこと自体は問題ではなくて、龍馬が朝帰りをしたことがおりょうさんの機嫌を損ねたのではないか?
吉原の場合は、夜中の2時に営業を終了し、宿泊した客は朝6時に店を出なければならない。
ちゃんと係りのモノが起こしに来るのだ。
龍馬はコレをやったのではないか?
当然、お泊りとなれば金もかかるし、おりょうさんに寂しい思いをさせることになるからね。
あることがキッカケで現在吉原のにわか研究をしております。
近日Marshall Blogで研究結果を発表しますので乞うご期待!
  
ところで、この曲は最初のインストのロック・パートの後、清野さんとヒロアキくんのデュオになるでしょ?
都都逸のパート。
ココでヒロアキくんは中国琵琶をJMD50に通して弾いたそうだ。
JMDシリーズはMarshall初のデジタル・アンプ。かつてヒロアキくんはそのコンボを愛用していた。
そうだよね、コレ琵琶の音だわ!三味線じゃないじゃん!
一応書いておきますが、落語なんかを聞いていると、どうも三味線の音色は陽気で、反対に琵琶の音色は陰気ということになっているらしい。
ま、演目の内容がゼンゼン違うからね。
以前にも書いたが、戦前は「琵琶語り」という音楽がモノスゴイ人気だったんだよ。
それが戦後、演者側の団体がゴタゴタしているウチに人気を失い、聴き手がいなくなりほぼ絶滅してしまった。
今、「絶滅」という意味では、トラディショナルなロックも同じ運命にあるのではないかと真剣に心配している。
で、真ん中あたりで清野さんがロック・ビートに乗って入ってくるんだけど、そこが気持ちいいんだ。
犬神サアカス團みたいなんだな。
そうそう、犬神凶子さんの歌い方って民謡なんだよね。
つまり、力まない。ス~っと声を出してくるんだ。
だからとても日本的で品があって美しい。
私は黒人のマネをして力んで歌う日本の女性歌手がもうどうにもならないぐらい苦手なのだ。
そして、その後はハード・ロック満開!このパートのカッコよさったらないよ!
このアルバムの聴きどころの1曲と言えるのではあるまいか?
  
  
6. 笑顔らんまん
続いても「よさこい」。
今度は下関の菊川町というところの子供のよさこいチーム、「綺楽凛」のナンバー。

Kirari_2 軽快な和風のメロディのテーマからシャープなギター・ソロを経てスリリングなキメへ。
その後、ガラッと様相を変え、可愛らしい歌が続く
歌を歌っているのはAYANOちゃん。
いい声だ。
何のてらいもなくストンと歌っているところがとても気持ちがいい。
下の写真のヒロアキくんの両側はAYANOちゃん(右)と「菊川よさこい連合」代表の畑村則子さん。
子供歌というのは案外大きなパワーを秘めていて、ヒロアキきんはそれを知っていてこのパートのメロディを紡いだに違いない。
そしてまたアップテンポになりハッピーハッピー。
このパート、コーラスで美瑞穂さんが参加しているのを聞き逃してはならない。
和太鼓の採用もさりげなくていいね。

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7. Victory!
まぁ~、ホントに色んなことやってるわ。
コレは知らなかった。
下関の「関門JAPANボクシングジム」のテーマ・ソング。
血汗が飛び交うハードなイメージからガッツリと激メタル調で作ったところ、「チョットこれは…」とNGが出されてしまったという。
なるほど、気を取り直して出来上がったのは「勇気あふれる熱きメロディ」って感じ?
気合いだ、気合いだ、気合いだ!
コレ、やったね~…真ん中のギターのハモリのパート。
メッチャかっこいいわ。
今回の作品はJVMを手に入れたということで、徹底的にギターの音に凝り、JVMの機能を使いまくったという。
意地でそうしたのかどうかは知らないが、何しろ、JVM210Hの持つチャンネルとモード、6種類のサウンドすべてを使ったという。
あ、近々、『あしたのジョー』の故郷ってのをMarshall Blogで案内するのでお楽しみに。

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7. KRYニュースライブ
「KRY」とは山口県で最も古い放送局「山口放送株式会社」のこと。
何で「KRY」なの思うよね?
その心は「KK.RADIO YAMAGUCHI」だそうだ。
そのニュース番組のテーマ・ソングをヒロアキくんが作曲している。

_img_0189アレ?
ヒロアキくん、山口へ帰るとずいぶんルックスが変わるんだな~…とは思いませんね。
「はい、みなさんこんばんは」と、ついつなげたくなる曲調はさすがヒロアキくん。_img_0191実は私はこのKRYの方々と接触したことがありましてね、編成業務局企画事業部長なんて方とご挨拶したことがあった。
それも柳井市にMarshall MUSEUM JAPANがオープンした時のことだ。

200KRYの方々が取材にお見えになったのね。

210ジョンもブラ下がりで取材を受けちゃって!
コレもなつかしいな~。
ちなみにヒロアキくんは後年、この場所で「手数セッション」として演奏したことがあるのだ。
KRYは来なかったようだ。

220<後編>につづく。
次回はジャケット制作の現場からスタート。衝撃的なモノをお見せします。
 
(一部敬称略)

2017年10月23日 (月)

Sound Experience 26

 

三宅さんは上京するとMarshallの事務所に寄ってくれて、イヤな顔ひとつしないで私のツマらない話を熱心に聞いてくださる。
Marshall Blogについても、前の時代からひとつ残らず記事に目を通して頂いている。
私たちが話すことといったら、当然のことながらほとんどが「音楽」や「ミュージシャン」に関することだ。
次いで「ギター」や「アンプ」といった機材の話になろうか。
私がこんな仕事をしているのは、子供の頃からギターが好きで、一時はプロになりたいと思ったぐらいノメリこんだからなのだが、実は「機材オタク」であったことは一度もない。
だから、facebookなどであまりにも些細なことにこだわっている投稿などを見ると、第三者的に「皆さん、お好きですな~」ということになる。
カメラもそうなの。
チャンと使えるモノがひと通りあれば、マァ、それでいいの。
ギターの機材もカメラも釣りの道具と一緒なので趣味としては一向に構わないし、好きなモノをイジくるのはとても楽しいものであることは理解している。
ただ、ギターの機材に関しては、昔に比べてあまりにも音質に神経質になりすぎているのではなかろうか?
どんなにいい楽器で素晴らしい音を出していても、曲がツマらなかったら何の意味もないということが忘れ去られているような気がするのね。
すなわち、楽器は音楽を作るための道具であって、楽器が存在するの最終目標は「いい音」ではなく、「いい音楽」を作ることだと信じている。
いい「声」でツマらない曲を聴かせることはできるが、いい楽器の音だけでそれをやることは相当にムズカシイ。
ストラディヴァリウスにしても、素晴らしい楽曲があるからこそ、あの音色の価値があるのだ。(今、「楽曲」という言葉を珍しく使ったけど、私はクラシックの曲にしかこの言葉を使いません)
だから、アンプに関して言えば、Marshallがあれば十分…という風に本当に思っている。
で、三宅さんもかなりの機材オタクである。
でも、そこには腕のいい指物師がどうしても手に入らない理想の豆カンナを自作するような風情がある。
病的なまでのオタクの片燐は決してのぞかせない。
ただただ、自分のアタマの中にあるモノに近い音楽を実現させるための「道具」を揃えているイメージか。
ギタリスト好きが顔を合わせれば、微に入り細に穿った機材の話をするのであろうが、私たちの場合は必要最低限のことにしか触れない。
しかし、歴史に名を残すような偉大なギタリストたちの機材の研究には余念がなく、マァよく知ってるわ。
そこで、Marshall関連のミュージシャンに限っては情報を乞うことがよくある。
特にJimi Hendrix。
助かります。
では、肝心の音楽の話についてはどうかというと、Jimi Hendrixは別にして、最低一回は出る名前がJan AkkermanとJohn McLaughlin、それにMiles Davisかナァ。
Robin Trowerもよく出るナァ。
この辺りは私ももちろん好きなので大歓迎だ。
ところが…三宅さんは私より幾分年下で、私よりは80年代のロックを自然に体験している世代ゆえ、JourneyとかPoliceとかにナンの抵抗を示さない。
そっちの方が世間一般では普通なんだろうけど、80年代のロックは私にとって「暗黒時代」なのでそこが私とは決定に違うところ。
70年代と大して違わないだろうって?
イヤイヤ、最近のロックはどれだけ時間が経っても、どれも同じで変化がないが、昔のロックは1年違うとガラっと様相が変わったものなのだ。
「暗黒」と言っても、本当はこっちが勝手にロックがツマらなくなって、ジャズという「暗黒の世界」に入り込んだだけなんだけどね。
Journeyあたりは「ロックではなく歌謡曲だ」と私が主張すると、三宅さんはあの調子で「いいえ、それは違います。Journeyのことでしたら最後まで戦っても構いません」と冷静にそしてキッパリと反駁される。
そんなことでドンパチやって友達を失いたくもないので、そういう時は即座に話題を変えることにしている。(その代わり、話題がジャズになったら一発カマしてやるのさ!)
他方、三宅さんは若い人を相手に教鞭を取られているので、そうした若いギター学習者たちが嗜好する音楽の動向や、私からスッポリ抜け落ちている80年代以降の国内外のハードロックやヘヴィメタルのバンドの歴史なども詳しく話してくれるのでとてもいい勉強になる。
その語り口がまたいい。
三宅さんが弾くギターのように、序破急、チャンとしたストーリーが丁寧に組み立てられていて、それがたまさか自分に至近な話題ともなれば、聞く楽しみは倍増する。
でも、話をしていて一番楽しいのはやはり音楽自体の話だ。
何しろ、いつもMarshall Blogに書いているような、「よいプレイヤーはよいリスナーたれ」…を地で行くような人だからね。
さらに先述のように三宅さんは今でも毎日欠かさずMarshall Blogを閲覧してくださっていて、時折アドバイスをくださるのもありがたい。
先日も自分が心配していたことをズバリ指摘されて驚いた。
本当に昔からの記事を読んでいなければ絶対に出て来ることがないであろうご指摘だった。
加えて、何よりもありがたいのは、Marshall一本槍で他にはない自分だけの音楽をクリエイトし続けてくれていることだ。
「自分の音楽」でJimi Hendrixのサウンドを追求しているという意味においては、三宅さんはRobin Trower、Uli Jon Roth、Frank Marino等と比肩するのではなかろうか…と言ったらホメすぎかしらん?
とにかく、1人でも多くの人にStrange,Beautiful and Loudのサウンドを体験してもらいたいのだ。

05_1たまには趣向を変えてエッセイ風に始めたが、あまりうまくいかなかったね。
近しい人のことについて書くのはなかなか難しいものだ。
  
さて、おなじみの『Sound Experience』。
「26」まで来たよ!
今回はWEJAMという若いバンドとのダブル・ヘッドライナーだったが、当日私もダブル・ヘッダーだったので、後半に登場したStrange,Beautiful and Loudのみを拝見した。

10三宅庸介

20v今回も三宅さんのサポートをするのはJVM210Hと1960BV。

30v山本征史

40v征史さんも1992SUPER BASSと1960A。

50v金光健司

60v金光さんもNATALのバーチ。

70今日の1曲目は「murt'n akush」。
めずらしいな。

80エキゾチックな5/4拍子のテーマで重厚にスタート。
どの曲から始めても重厚なんだけど…。

90v続けて「ring」。

2_img_0037 やっぱりこのリズム隊のグルーブあってのSBLですナァ。
耳慣れたベースやドラムスの音がやたらと心地よいわい。
100v「最初に演奏してくれた皆さんとは会うのも今日が初めてだったんです。出会いがあってうれしいですね。
久しぶりに演奏する感じなんですけど、最後まで楽しんでいってください」とご挨拶。
そして3曲目に「virtue」をプレイ。
三宅さんがこの曲について語っているのは、「スリー・ピースのロック・バンドが激しいブルースの演奏のやり方で、ヴィヴァルディが如く美術的な旋律をプレイする」ということ。

110「ヴィヴァルディのように美術的に」というところがおもしろい。
バロックは苦手なので、ヴィヴァルディといえばそれこそ「四季」と「調和の幻想」しか存じ上げないが、何かわかるような気はするよね。

120そして、この曲でやっていることが、今やっていることの原点だというのだ。

13011月17日に同じ場所に出演することを発表。
『Sound Experience 27』ですな。
次回もダブル・ヘッドライナーで、お相手は今井芳継率いるBoodoo Butterfly。
今井さんもMarshallを使っていい音楽を作ってるでね~、楽しみだ!
曲は「devil」が続いた。

140「devil」は三宅さんのお気に入りの曲。
今、最も気持ちを解放して弾けるのがこの曲だという。

150さらに曲は続き、これも三宅さんの愛奏曲である「petal」…

160vそして、人気の「if」が続いてステージを降りた。

170vね、いつもの記事とは違うでしょ?
というのも…コレ、書こうかどうかチョット迷ったんだけど…。
書くことにする。
この日私は、2か所目で疲れていたのか、それとも調子があまりよくなかったのか、三軒茶屋に着いた時にものすごく身体が重かった。
ホントに何かに憑かれたように身体中が鉛のように重く、カメラを持ち上げるのもシンドかった。
そのせいだろうか?
ご存知の通り、Marshall Blogでは数え切れないほどStrange, Beautiful and Loudを取り上げていて、その数だけ実際の演奏を聴いてきたワケ。
つまり私が取り組んできたことは、緻密な定点観測になっている。
そうした中で、今回の演奏はまるで今までのモノとは比べようがないほど重いものに感じたのだ。
聴いていて「暗さ」を感じた。
実際、照明もいつもより格段に暗く、ファインダー越しの私の目には陰鬱な色に映った。
それよりも、やはりパフォーマンス。
征史さんや金光さんはいつも通りだし、Marshallもギンギンに鳴っているのに、ナゼか三宅さんが弾く普段と同じハズのリフもソロも猛烈にヘヴィでダークに聴こえた。
良いとか悪いとかではないんですよ。
毎回三宅さんのステージをご覧になられていらっしゃる常連さんは、やはりこの演奏を指して、「深く深く心に刺さった」と演奏を絶賛し、「いつもと違うな…何か儚い様子が。悲しい様子が伝わってきました」とSNSにご投稿されていた。
「やっぱり、そうだったんだな…」と思った。
そういう雰囲気の歌詞を持った曲を演奏するワケでもなく、肉声を発するワケでもなく、楽器の演奏だけでそうした感情を人の心に植え付けてしまうなんて本当にスゴいことだと思う。
いつも同じことを何万回で繰り返してできるのがプロなのだろうが、こういうことがあってもいいじゃないか。
人間が演奏しているんだから。
ラーメン屋は何万杯すべてが同じ味でないと潰れちゃうけど…。
「この日はダブル・ヘッダーだった」と書いたが、三軒茶屋に来る前、私は日本武道館にいた。
アニメ系のガール・バンドのイベントで、1万人を優に超す若い男の子たちの興奮の真っただ中にいた。
そして、ガラっと現場の雰囲気は変わり…。
本当に命を削るようなすさまじい演奏なのに、観客の数といえば武道館の100分の1に毛の生えた程度だ。
日本の音楽界は作る方も、演る方も、聴く方も、もう少しでいいから何とかならないものか?
ならないだろうナァ…本当にシリアスは音楽は商売にならないもんナァ。
その前に、とにかく選択肢が少なすぎるよ。
そして、その少ない選択肢を広めなさすぎる。
この素晴らしい音楽を前に、「一強支配」、「格差社会」という世の中の縮図を見たような気がして気持ちが落ち込んだのが、三宅さんの音楽が重苦しく聞こえた一番の原因だったのかも知れない。
勘違いしてもらいたくはないのだが、演奏は素晴らしいものだった。
何だか、記事自体がいつになく重苦しいモノになってしまった。
三宅さん、ゴメンナサイ!

180v三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange Beautiful & Loud

190

<<<NATAL NEWS>>>
NATALのドラム・キットが叩けるスタジオ、高田馬場のバズーカスタジオに新しい仲間が増えました。
14" x 6.5"のスチール・スネア・ドラム。
メッチャ評判がいいそうです!
うれしいわん!
1_3img_4207パーツはすべて「ブラッシュト・ニッケル(Brushed Nickel)」という仕様。
新型のスネア・スロー(Snare Throw)の感触も実にいい感じ。

1_2img_4208カ~!
居合わせたドラマーにチョット叩いてもらったんだけど、何たる音ヌケ!そして深い!
こりゃアンサンブルの中でもクッキリ音像が浮かび上がってくるのは間違いないな。
自分がドラマーだったら欲しいわ~。
  

1_2img_4212

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★上記のスネア・ドラムだけでなく、NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

 

(一部敬称略 2017年8月21日 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONにて撮影)

2017年10月20日 (金)

【秋のsun-go祭り:千秋楽】 FATE GEAR~OZ -Rebellion- Release Tour Final!

   
すでにMarshall Blogに幾度となく登場してもらっているFATE GEARが今年6月に『OZ-Rebellion-』というアルバムをリリースした。
第一印象…ジャケットがいいね。
まるで『インディ・ジョーンズ』のポスターみたい。
デザインはドラムスのHarukaちゃんの手によるものだそうだ。
実はコレは本の表紙になっていて、ちゃんと表4に背表紙が描かれているところがニクイ。
内容は劇団わたあめ工場の『Oz-1526』というストーリーを元にしたコンセプト・アルバムだ。
今時コンセプト・アルバムなんてうれしいね。
コンセプト・アルバムというコンセプトは1966年のThe Kinksの『Face to Face』が最初と言われているようだが、インターネットの普及でCDが売れなくなった昨今、アルバム収録された曲全体で意味やテーマを形成する「コンセプト・アルバム」というのは近い将来この世から姿を消すのではなかろうか?
ココでもデジタル・テクノロジーの進化が音楽を殺している。
この『Face to Face』…いいよ~。
今の若い人たちは、演る方も聴く方も1971年の『Muswell Hillbillies』までのThe Kinksあたりを聴いて、「ロックのいい曲とはどんなものか?」を研究するといい。
特に演る方は「ロックの曲」の作り方の偉大な教科書、あるいは参考書になるハズだ。
ちなみに、このアルバムに収録されている「Sunny Afternoon」という曲は「およげ!たいやきくん」の元ネタだ。
さて、今回FATE GEARはこのアルバムのリリースを記念してツアーを企画。
今日は目黒鹿鳴館で開催されたそのツアーの千秋楽のもようをレポートする。

4_2oz_2CDの冒頭に収録されている壮大な「Noah's Ark - The End of Darkness」がオープニングSEで会場に流れる。
コノ曲、アレンジが岡垣さんなのね?
すごい立体的な仕上がりになっていて、途中Mike Oldfieldの「Tubler Bells」を思わせるメロディが出て来て思わずニヤっとしてしまう。
メンバーのシルエットが白い緞帳に浮かび上がると、満員の客席から大きな歓声が上がった。

1_img_0002 そして緞帳が開く。
そこには背を見せるFATE GEARの5人の姿が…。

1_img_0005_2そして、ソールドアウトの満員の観客の前で、1曲目の「New Gate」とともにFATE GEARの冒険が始まった!

30スゴイ勢いで突き進む勇猛果敢なナンバー。

2_img_0300 中間部にはスリリングなキメが待っている。

2_img_0306 そしてキーボーズのソロから…

50v皆さん、待ってましたの隊長のギター・ソロへ!

60胸のすくようなアップテンポに乗って意外な展開を見せるこの曲はショウのオープナーにもってこいだ。

70v2曲目はとびきりへヴィなミディアム・チューンの「Lunatic-faced」。

80この重々しいドラムス!
やっぱりNATALはいいなぁ~。

90HARUKAちゃんの使っているNATALはメイプル。
22"のツーバス・キットだ。

100Mina隊長のギター・ソロ。
220vMina隊長はMarshall。
向かって左のDSL100Hと1960Aのコンビネーション。

120続いては「Queen of the War」。
この曲はおもしろい。
ケルト風っていうのかな?

130歌のメロディも他のメタル・バンドとは違っていて、私なんかにはすごく「FATE GEAR」を感じる曲。

140皆さん一生懸命やっているところ大変恐縮なんですけど、最近のドメスティック・メタルってもうどれを聴いても同じに聴こえます。
コーラスでガ~っとヘヴィに大騒ぎして、サビに入ると歌謡曲。
ハッとするようなメロディになかなかめぐり会えないんだよな~。
ズバリ言っちゃってゴメンね。
でもさ、みんな横並びで同じことをやっていてもしょうがないでしょう?
もう皆さんのやりたいことはわかったから、人とは違う音楽を演ることに若き情熱と労力を費やすべきだと思いますよ。
「様式美」ということもあるんだろうけど、生き残るためにも是非そうした方がいい。
そのためにはインプットしかない。
徹底的に色んな音楽を聴いて盗んじゃえばいいんだよ。
音楽なんてほとんどズッとそれの歴史なんだから。
盗んでそれをどう料理するのかが腕の見せ所なのね。
もうギターの速弾きは腕の見せ所のウチに入らないことはみんなよく知っているハズだ。
いつも言っている「音楽の未来は現在にはない。音楽の未来は過去にしかない」というのはこういうこと。
音楽評論家やライターさんはこんなこと言ってくれませんよ!
で、好みは分かれるところだろうけど、FATE GEARのこの曲なんかとってもいいと思いますよ。
あ、他のバンドさんがこんなことをやっていたのかどうかは私は知りません。
私だってこの世にあるすべての音楽を聴いてチェックしておくことはできませんので!
他のバンドにはないおもしろさを素直に感じただけ。
さて、この曲も中間部でハードな様相を見せる。
ギターのフレーズがトラディショナルで好感が持てますな。

150ジャンジャン行くよ~!
ダウン・チューニングの響きがスリリングな「Architecture Slave -Dictator-」。

160vNicoちゃんの声はどちらかというと女性らしいカワイイ系の声になるのだろうが、こういった曲にマッチするところがまたおもしろいね。

170v「Good Old Days」では前キーボーズ・プレイヤーのKurumiちゃんがゲストとして駆けつけ、一生に演奏してくれた。

180チョット変わった雰囲気。
コレも他のメタル系バンドにはチョットないテイストかな?
どっちかというとプログレッシブ・ロック的でいい感じ!

190Kurumiちゃんのソロ。
引っ掛けのところなんかReturn To Foreverの「No Mystery」のチック・コリアみたいでカッコいい!

200vベースソロも披露!

210vもちろんギター・ソロも!

110v「the Truth of this World -I am...-」を続けて演奏したところで…

1_img_0067 乗組員紹介コーナー。
「乗組員」ってのはメンバーってことね。
彼女たち、FATE GEARという飛行艇で大陸を調査している最中だから。
銃を持っての紹介。
危ないナァ…もしタマが当たっちゃったらどうするつもりなんだろう。

225ということで、銃は終演後に目黒警察署に押収された。
その銃がコレ。

226ドラムス、Haruka。

230vベースはErika。

240キーボーズはYuri。

250vボーカルズはNico。

260vそしてギターはMina隊長!

270vメンバー…イヤ、乗組員の紹介で盛り上がった後は急速調の「Scars in my Life」でさらに盛り上がる!

280キャッチーなメロディでストレートに爆走する迫力の1曲。

290キーボードパイプオルガンの荘厳なイントロの「Farewell -炎の餞-」。
「餞」ね。
祝儀袋の「餞別」を「銭別」と書いていたヤツが昔いたが、コレでは「手切れ金」になっちゃうって。
「餞」は「はなむけ」ね。

310v連続するスピードチューンに会場は大騒ぎ!

300vおお~、Mina隊長がセンターに躍り出て弾いたギター・ソロは中近東風だ!

320ココでドバっと雰囲気が変わってドバラードの「Oyasumi」。

330そして、最後までCD通りにもう1曲のバラード「Ray -Over The Rainbow-」を熱唱。340隊長のソロもシットリとフィーチュアされた。

2_img_0443 こうしてアルバム『OZ -Rebellion-』の完全再現が完了した。
すなわち、本編の終了。

2_img_0009 さて、アンコールで登場するまで少しお時間を頂いて脱線しましょうか?
この『OZ -Rebellion-』のストーリーの下地はタイトルが仄めかしているように、『オズの魔法使い』なのだそうだ。
私は母が読んでくれた絵本で幼少の頃からこのストーリーに親しんでいたが、小学生の時にテレビで初めて映画を観た。
ドロシーの住むカンザスのシーンはモノクロで、竜巻に飛ばされてオズに行ってしまった瞬間からカラーになるなんてマァ、感動したネェ。
私の世代、テレビははじめモノクロで、幼いウチにカラーになった。
アレ、テレビがカラーになったのはいつからだろう。
最初の頃、色のついている放送は新聞のテレビ番組欄に「カラー」って表記されていたよね。
そのうち形勢が逆転して、白黒の番組には「モノクロ」という印が付くくようになって、それもいつの間にかなくなっちゃった。
『オズの魔法使い』はヴィクター・フレミングによる1939年の作品。
1939年といえば、戦前ですからね。
ドイツがポーランドに侵攻して第二次世界大戦が勃発した年。
この2年後に太平洋戦争が始まった。
映画のカラーフィルムが実用化されたのが1937年だというから、かなり最初期の総天然色作品ということになる。
この「総天然色」なんていいう表現は素晴らしいね。昔は「カラー」のことをこう呼んだ。
主演のジュディ・ガーランドが好きでしてね~。
ジュディ・ガーランドはミッキー・ルーニーという男の子役と組んで数々の映画に出演して大きな人気を博したが、1969年に睡眠薬の過剰摂取で死亡した。
自殺だったらしい。
プライベートは必ずしも幸せな生涯ではなかったようだが、ジャズの歌手としても素晴らしい仕事をした。
白人の割には太くて、黒人ほどコテコテではない声がとても好き。
お嬢さんのライザ・ミネリより全然素敵。
そんなだからウチには何枚もジュディのCDがあるけど、何しろ『Best of』みたいなのが多くて、ものすごいダブリようなんだよね。
つい先日も見たことがない、ジャケットがステキな2枚組のベスト盤を買ってしまったばっかり。もちろん内容はほとんど既に持っている音源なんだけど。
で、メタル&ハードロック・ファンにもおなじみの「We must be over the rainow」ね。
ジュディが歌う「Over the Raibow」はやっぱり殺人的にいい曲だよね。
Harold Arlenという人の作品。
この人は、有名曲をココに並べたら多すぎて怒られちゃうぐらい、たくさんの名曲を作ったティンパンアレイの大作曲家。
私は若いミュージシャンにことあるごとに「最初はツマらないだろうけど、ティンパンアレイの曲を聴いて作曲に役立てるといいよ」とオススメしている。
そこにはビートルズもキンクスもザッパも、後に偉大なロック・ミュージシャンがやったことが全部入っているから。
ナニがオススメか知りたきゃオレんとこへ来い!
ところで、この『オズの魔法使い』のテーマってなんだと思う?
ドロシーのお供をするカカシがアメリカの農夫、ブリキマンが鉄鋼業の工員、ライオンがウィリアム・ジェニングス・ブライアンというアメリカの政治家…という暗喩を含んでいる政治的な作品という見方もあるようだが、私はこの映画に関しては、単純に「我が家」がテーマだと思ってるのね。
ドロシーが言うでしょ?
「家へ帰りたい。家が一番いい」って。
黄色いレンガの道を通って、ようやく面会する西だか東だかの美しい魔女からもらった赤い靴のカカトを3回鳴らし、住み慣れたカンザスの家に帰る。…大好きな家族が待つ「我が家」に。
コレに気が付いたのは『フォレスト・ガンプ』を観た時かな?
映画の中でガンプはジェニーに向かって何度も「家へ帰ろう」って言うでしょう?
ところがジェニーは家で不幸な幼少時代を過ごしているので、自分の家がキライ。
でもガンプと一緒になって、「家庭」の意味を知って、余命短いながらも家族と幸せな時間を過ごす。
ナニせガンプはAppleの大株主だからさ。
アメリカ人って、引っ越しが全然平気なんだよね。
反面、家自体がどこにあろうと、自分が安心して過ごせる「我が家」とか「家族」というものをすごく大切にする。
今はどうだか知らないけど、アメリカ人の「家」に対する考え方はものすごく合理的だ。
若い時に結婚して所帯を持つと、まず小さな家を買う。
収入も多くないし、子供がいないから手に入れるのは小さくて安い家で十分だ。
その内、子供が生まれ、収入が幾分増えてくると、今まで住んでいた家を売って、以前より広い家を買う。
売る家は不動産の価値が大抵上がっているので、元本を割ることがなく、次の家を買う時の強力な資金元になる。
今度は子供が増えたり、大きくなって手狭になるとまた同じことを繰り返す。
そして、子供たちが成長し、息子が独立、あるいは娘が嫁いで家族が減ると、大きな家は必要なくなってしまうので、その家を売って、今度は小さな家を買う。
もちろん大きな家を売って、小さな家に買い直すワケだから、不動産価値の上昇も相まって発生する売却益は老後の生活に大きな潤いを与える。
合理的ではあるまいか?
コレは国土の広さの違いも大きく関係しているが、「家」になじむイヌ的なアメリカ人の感覚と、「土地」になじむネコ的な感覚の日本人の生活習慣の違いも大きいに違いない。
これはニュー・イングランドから西へ西へと開拓を進めたアメリカ人のフロンティア精神と厳格な藩制度により地域間の行き来が禁じられていた日本人のDNAの違いも関係しているのだろう…なんて勝手に解釈してるのです。
脱線終わり。
アンコールに移りましょう。
  
ヒョコッとステージに現れ出たのはMina隊長。
「まだ終わるには早いよね?これからゲスト・コーナーに突入しますよ~!
私がステージをご一緒させて頂くのは2013年以来かな?
すごく優しい方ですよ~!
1曲は私のリクエストです」

350…と、緞帳が開いてステージには6人の姿が!
FATE GEARプラス…

360五十嵐sun-go美貴!
諸星和己、STARMARIEと続いたMarshall Blogの『秋のsun-go祭り』の千秋楽だ!

365vもちろんsun-goさんは「Anyway, Anyhow, Anywhere」Marshall。
向かって右がsun-goさんのキャビネット1960BDM。
ヘッドは今はJCM900 4100が乗っているが、コレはOAのZestriaのギタリストが使ったモノ。
Marshallでありがとう!
sun-goさんが実際に使ったのはいつものJVM410H。
ちなみに「Anyway, Anyhow, Anywhere」は、1965年のThe Whoのヒット曲。
「とにかく、どうしても、どこでも」という意味。
ご存知の通りThe WhoのPete Townshendは、1962年のMarshallの第1号機の開発に深く携わった人ゆえ、この頃はMarshallを使っていた。
ところが、翌年ジム・マーシャルの息子のテリーとケンカをして「絶対、何が何でも、どこにいても」Marshallを使わなくなってしまい、ジムが生きている間はとうとうMarshallを使わずじまいだった。
しかし、ジムは終生ピートと仲がよく、2012年に開かれたジムのお別れの会でもビデオ・メッセージを贈って来てくれた。
「ジム、あばよ!」的な内容で、それが実にカッコよかった。

120さて、sun-goさんを迎えての演奏曲は「紅」。

370盛り上がるわね~、当然。
470Nicoちゃんの歌にも力がこもる!

390SHOW-YAのアルバム、『Glamorous Show』でも取り上げた曲だけあって、sun-goさんのプレイも板についたもの。

400vsun-goさんとの2曲目は「限界LOVERS」!

440いいな~、ホンモノとの共演!
みんなうれしそう!

450

460

480

490vsun-goさんのソロもバッチリとキマって…

500v大興奮のゲスト・コーナー終了~!

510FATE GEARはステージに残りアンコールはそのまま継続。

520曲は「MEGABULLETS」と「Romancer」。

530大熱演で最後まで飛び続けた5人!

540v

550v

560v

570v

580vさらに、もう一度アンコールに応え、チームのテーマソング「Fate Gear」を演奏してツアーを完了させた。
今日を境に、また新しい大陸にテリトリーを広げてもらいたい。

590…という内容が下のDVDに収録されている。
その名もズバリ『OZ -Rebellion- Release Tour Final!』。
発売は10月25日。
当然、私のヘタな解説やつまらない脱線は収録されていないが、sun-goさんが登場するゲスト・コーナーも入っていないので予めご了承頂きたい。
純粋にFATE GEARの航行をお楽しみアレ!

FATE GEARの詳しい情報はコチラ⇒FATE GEAR official site

600dvd

<<<NATAL NEWS>>>
NATALのドラム・キットが叩けるスタジオ、高田馬場のバズーカスタジオに新しい仲間が増えました。
14" x 6.5"のスチール・スネア・ドラム。
メッチャ評判がいいそうです!
うれしいわん!
1_3img_4207パーツはすべて「ブラッシュト・ニッケル(Brushed Nickel)」という仕様。
新型のスネア・スロー(Snare Throw)の感触も実にいい感じ。

1_2img_4208カ~!
居合わせたドラマーにチョット叩いてもらったんだけど、何たる音ヌケ!そして深い!
こりゃアンサンブルの中でもクッキリ音像が浮かび上がってくるのは間違いないな。
自分がドラマーだったら欲しいわ~。
  

1_2img_4212

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★上記のスネア・ドラムだけでなく、NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

 

(一部敬称略 2017年9月3日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2017年10月19日 (木)

【秋のsun-go祭り:中日】 FANTASY THEATER ~ STARMARIE 

  
寒い!
暑いより寒い方が好ましいことはいつもMarshall Blogに書いている通りだけど、コリャやりすぎだってば!
【秋の】なんてタイトルの付けたけど、マジで【冬の】にしようかと思ったよ。
…ということで昨日のかーくんに続いてsun-goさんご登場のライブレポートの第2弾だよ。
  
やって来たのは久しぶりの中野サンプラザ。
高校生の頃、何十回私もこの階段に並んで開場を待ったことか…。

10v今日はSTARMARIEの2回目の中野サンプラザ公演なのだ。

20_2ロビーにはファンからSTARMARIEへ贈られた大きな寄せ書きがズラリ。

30台湾をはじめとした海外での公演も数多くこなしているSTARMARIE。

40日本語のメッセーに混ざって、漢字のメッセージがたくさん見受けられる。
「加油」しかわかりませんな。

50関係者からの色紙もズラリと飾られていた。
アレ?
見覚えのあるお姿?…と思ったら浩二さん!
シンガポールで一緒だったのか…。

60えみつんからも。
えみつんのバンドのドラマーはNATALプレイヤーなのだ。

70緞帳が上がりステージに姿を見せたSTARMARIE。

80STARMARIEは歌とダンスの5人組のチーム。
バンドは入らない。

90木下望

100v高森紫乃

110中根もにゃ

120v松崎博香

130渡辺楓

140v以上の5人が一糸乱れず、独特なロック・チューンにに乗って歌って踊るのだ。

150オープニングは今年4月にリリースした『FANTASY THEATER』の冒頭を飾る「ホシノテレカ」。
失礼ながら私は今回までSTARMARIEを存じ上げなかったのだが、ステージ後ろに投影された歌詞を読んで仰天したわ。

160以前にも書いたことがあるけれど、映画で悲しい場面にワザと明るい音楽や効果音を付けたりすることを「対位法」と言うが、まさにそれが目の前で起こってるのよ。
こんなアイドル風のお嬢ちゃんたちが5人も集まっているもんだからスッカリ甘ったるいポップソングを歌うのかと思っていた。

170ところが、これらの写真からはまったく想像できない、ダークでヘヴィな、世間の不幸を一心に背負ってしまったようなことを歌ってるんだよね。
180一部の歌の内容だけについてマーブロ的に言えば、「カワイイ犬神サアカス團」か…。
コレは強力だわ。1905人のコレオグラフフィがあまりにも激しいので、時折メンバーがステージから降り、代わりに数人のパントマイマーたちが現れて場をつなぐ。

200MCは一切ないのも実に効果的な演出。
「ナツニナレ!」、「ぐらんぱぐらんぱ」、「ステラとスバル 宇宙のラブストーリー」と次から次へとバッキングトラックに合わせて歌い、そして踊りまくる。

210「ぐらんぱぐらんぱ」はもうじき死期を迎えるおじいちゃんと孫娘の話。
そして、「ステラとスバル 宇宙のラブストーリー」はロミオとジュリエットかな?
昴はおうし座の中の7つの星。谷村新司のことではない。
ステラ・スティーヴンスという女優がいるように、また「Stella by Starlight(星影のステラ)」というジャズのスタンダードがあるように、「ステラ」は女性の一般的なファーストネーム。
この名前はテネシー・ウィリアムスの「欲望という名の電車」でウマく使われていた。
大学の米文学の授業で原文を読まされたが、その内容は何も覚えちゃいない。
もっぱらエリア・カザンの映画の方だわね。
マーロン・ブランドー扮するスタンリーと財産を巡って、精神を病んだお姉さんのブランチと妹のステラの確執が繰り広げられる。
「ステラというのはラテン語で『星』という意味だけど、ブランチは『蛾』という意味なのよ!」みたいなシーンがあって、すごく印象的だった。
映画では『風と共に去りぬ』でスカーレット・オハラを演じた絶世のイギリス美女、ヴィヴィアン・リーがブランチを演じて見事2度目のアカデミー主演女優賞をゲット。
かわいそうなスタンリーの友人、ミッチに扮したデカ鼻のカール・マルデンは助演男優賞。
そして、ステラを演じたキム・ハンターも助演女優賞を獲得した。
この頃のアカデミー賞は価値も権威も今とはケタ違いに高かった。
ちなみにキム・ハンターはオリジナルの『猿の惑星』でチンパンジーのジーラを演じた人。
チャールトン・ヘストン演じるテイラー船長のキスを受けて恥じらうジーラは猿ながらとてもチャーミングだった。
日本での文学座の舞台では、そのヴィヴィアン・リーが扮したブランチの役を杉村春子が演じ当たり役となった。
私はお芝居にはほとんど興味がないが、杉村春子のブランチだけは観ておけばヨカッタと今でも時々思い出しては臍を噛む思いをしている。
あ、STARMARIEファンで初めてMarshall Blogをご覧になられる方はビックリしたかも知れませんな。
一体、このブログはナニについて書いてるんだ!?って。
コレがMarshall Blog名物の「脱線」というヤツです。
今日は映画で脱線しています。
すぐ元に戻りますから!

220「かけおちしようよ」、「スペル・オブ・ブック」、「三ツ星レストラン・ポールからの招待状」と曲は続く。
この「三ツ星レストラン」はおもしろいね。
「♪お迎えにあがりましょう 自慢のロールス・ロイス 明日あの世へ行くこと 決まったアナタ!! そう、アナタ!!」
ブラック・ファンタジーとでも言おうか、こういうコンセプトは実に素晴らしい。

230vさらに「サーカスを殺したのは誰だ」。
こうなるともう完全に寺山修司状態。あるいは瀧口修造か。

240vこうした曲がズラリと並び独特の世界を演出する。
こんなの今まであった?

250ステージ狭しと華麗に舞う5人のパフォーマンスも素晴らしい。
大変な運動量だ。

260ショウの中盤。
Marshall JVMのフルスタックがステージの中央にセットされる。

270vsun-goさんの登場だ!

280五十嵐sun-go美貴!
大きな歓声が浴びせられる。

290sun-goさんがSTARMARIEにまずジョインしたのは「ママは天才ギタリスト」。
STARMARIEの2014年のサード・アルバム『ファンタジーワールド3』に収録されている人気曲を、今年リリースした『FANTASY THEATER』に採録。
いわゆる「セルフカバー」てーヤツだね。
その新しいバージョンのアレンジとギターをsun-goさんが担当したというワケ。
300v残念ながら私はこの曲を存じ上げなかったが、タイトルを耳にした瞬間頭に浮かんだのがジョニー・ウインター。
私はジョニー・ウインターがどちらかというと苦手なのだが、若い頃、唯一好きで聴いていたアルバムが、本名をタイトルにした『John Dawson Winter III』という作品。
それでナニをどう思ったのか、それには『俺は天才ギタリスト』という邦題が付けられていたからだ。

310vアルバム発表時のsun-goさんのメッセージを引く(「エンタメウィーク」2017年4月4日付け記事より)。
  
「ギタリストの私にとって、自分のバンド、もしくは関わったユニット以外での全面リアレンジした曲がCDとして世に出るのはギタリスト生活40周年で初めてのこと。
今年の私のキャッチコピー『ワイドル(Wildなidol)』として、この曲をSTARMARIEと一緒にプレイできる日を楽しみにしています」

320vその楽しみにしていた日がやってきた!

330楽しそうなワイドル、sun-goさん!

340vMarshallのフル・スタックがバッチリお似合い。
シチュエーションはどうあれ、いつものJVM410Hと1960BDMの「sun-轟音」が鳴り響く!

360vSTARMARIEのメンバーとの絡みも完璧。

370v

380私の方はと言えば、予めsun-goさんの出番の段取りを聴いていて、それがそう長くないことは知っているでしょ?
だからシャッターチャンスを逃しがないようにと必死!
無我夢中で構図をキメてシャッターを切る。
「俺は凡才カメラマン」だからして!

390vその甲斐あってか、我ながらお気に入りのsun-goさんが撮れたと思っている。
少しでも多くsun-goさんファンの皆さんにsun-goさんと私のコラボ作品をお目にかけたい!
…と、いうことで、今日はもう四の五のキャプションを付けないで、一部「五十嵐sun-go美貴写真集」としてお楽しみあれ!
あ、Marshallのことは忘れちゃイヤよ。

400

410vキャッコいい~!

420

440vキマった~!

4302曲目、sun-goさんはセンターからステージ上手に移動。
1_img_0330曲は2013年の『ファンタジーワールド2』から「お化け屋敷に就職しよう」。

450ポジションが変わっても絶大なる存在感と爆音で独自の雰囲気を作り上げるsun-goさん。

1_img_0331本編でのsun-goさんの出番はこの2曲。
大変にヘヴィな2曲でございました。
やっぱ最高にカッコいいわ、美貴ちゃん。
我々、来月お誕生日なんだよね~。

460vあ~、興奮した。
また雰囲気がスッカリSTARMARIEワールドに戻ってステージが進行する。
紫乃ちゃんのピアノ・ソロからそのピアノをバックに「ヘブンズ・ウェディング」

480「私の居ない世界で君は明日を迎えられる?」、ニュー・アルバムから「さよならお弁当」と「屋上から見える銀河 君も見た景色」が続く。
コノね~、「さよならお弁当」という曲はかなり衝撃的だったな。
私は甘い卵焼きは好きではないのでお弁当に入れて欲しくはないが、この曲、小学校の時に岡林信康の「チューリップのアップリケ」をラジオで初めて聴いた時に似たショックを与えてくれたわ。
何ともやるせない歌詞だが、音楽のパワーに満ち溢れている曲だと思う。

490そして、本編の最終セクション。

2_img_0246シングル「メクルメク最高!」と「名もなき星のマイホーム」を歌い、そして踊って本編の幕を下ろした。
照明も素晴らしかった。

470アンコールではメンバーが客席の間を縫って登場。
まずは「タイムマシーン・ラブ」とニュー・アルバムから「FANTASTIC!!」を披露した。

500v「あ~、やっとしゃべれるぞ~!」と、しばしMCコーナー。
本編では一切MCがなかったからね。

510「スポンサーから帰りにパパイヤのジュースが配布される」ことがアナウンスされた。
「太陽が育てた完熟パパイヤのドリンク」という商品。
私はマンゴーとかキウイとか、新しめの南洋の果物はほとんど食べないのね。
インド料理屋のマンゴー・ラッシーぐらい?
あ、若い人にはわからないだろうけど、こういうのは私が子供の頃は日本にはまだなかったの。あったのかも知れないけど、普通の果物屋さんに置いてあることはまずなかった。
だから不慣れなのね。
決してキライというワケではなくて、食べるチャンスがないだけということ。
でも、コレはおいしかった!
パパイヤのジュースってのはまだ珍しいんだって。

4_pp_2 さらに、後援の新日本プロレスから、デビュー25周年を迎える永田裕志選手がステージに登場してひと言ご挨拶。
激アツだ!

520そして、sun-goさんも登場。

530「天才ではなくて極悪ギタリストなんです。
30年前、1987年にココで演りました。ジャニーズの振り付けを教わって踊りました」
そして、STARMARIEから…「sun-goさんと一緒に盛り上がって終わりたいと思います!」
イエ~!

540vFairyに持ち替えたsun-goさん。

550v曲は「姫は乱気流☆御一行様」。

560では、しばしアンコールのsun-goさんとSTARMARIEの共演をお楽しみアレ!
600

565v

570

580

590v

610

620

630

640vラストはサオ回し!
よ~く見てて!
せ~の~!

650グ…

660ル…

670リ…

680ン…690パ…

700と回して…

710キャッチ!

720そして、フォロースルー。

730ココまでフォローしないと距離は伸びない…

740そして忘れちゃいけないのが…ポーズ!

750ドヤ顔もバッチリ!
ここまでできて10点満点。

760vイヤ~、パフォーマンスといい、曲といい、そしてsun-goさんのカッコよさといい、実に見ごたえのあるショウだった。
しかし、「お弁当」の歌は何ともショックだナァ。
忘れていたのに記事を書いて思い出しちゃったよ。
ナンにせよ、音楽の力ってのはスゴイもんです。

770v来年10周年を迎えるSTARMARIE。
2月4日には3度目の中野サンプラザ公演が決定している。
未体験の人はこのオリジナリティあふれるファンタジー・ワールドに足を踏み入れてみてはいかが?
  
STARMARIEの詳しい情報はコチラ⇒STARMARIE OFFICIAL WEBSITE

780
(一部敬称略 2017年8月30日 中野サンプラザホールにて撮影)

2017年10月18日 (水)

諸星和己 BIRTHDAY LIVE Volt-age47

 

こうした恒例の催しとなるとどうしても同じような書き出しになってしまうが、「歴史を刻む」という意味ではそれもひとつの楽しみと言ってよいだろう。
「Volt-age」と銘打ったかーくんのバースデイ・コンサート。
今はなき横浜BLITZの「43」からお邪魔し続けて、今回で5回目!
Volt-ageも「47」となった。
もはやMarshall Blogには欠かすことのできない重要な年中行事のひとつなのだ。
  
今回はブルーのライトの幽玄な雰囲気の中、ピアノをバックに、かーくんがスポットライトの下に現れた。
オープニングはシットリと「Graduation」。

10一転してステージが燃え上がる。
光GENJIの30周年を記念した「Vibes XXX」で光GENJIのメドレーを!

20諸星和己
180v_guそして、おなじみのバンド・メンバーは…
ギターに五十嵐sun-go。

40vsun-goさんはMarshall。

50愛用のJVM410Hと1960BDM。

60v足元のようす。
SHOW-YAの時よりチョット複雑だ。

70下手のギターは田中”TAK”拓也

80vTakちゃんもVolt-age46からMarshall。

90vSilver Jubilee 2555Xと1936V。

95足元のようす。
前回とゼンゼン違う!

96キーボーズに佐藤真吾。

100vベースは梅田潤。

110vドラムスは前回はお休みだったがドラムの吉田太郎が復帰。

120v今回はパーカッションの中村順一と…

130vコーラス隊のふたりも加わった。

140封印していたという光GENJIナンバーがゾロゾロ飛び出してくる。

160もちろん客席はナミダナミダの大興奮!

150v30年前というと、「一生懸命なサラリーマン」の3年生の頃だな。
まったく流行に疎い私でもこのあたりの光GENJIの曲はかなりなじみ深いですな。
スゴイことだと思う。
私はテレビの歌番組をまったく見ないし、この頃普段聴いている音楽といえばもうジャズ一辺倒だった。後はヘンテコリンなマイナーなロックばっかり。
それでも知ってるもん。
どれだけ光GENJIの人気がスゴかったかを思い知る。
今、そういう曲って本当になくなったよね。

180v2曲終わったところでMC。
「めでたく47歳を迎えることができました。
たくさんの誕生日への電報、メッセージ、どうでもいいコメントをありがとうございました!」
キタキタ~、お楽しみのかーくんトーク!
「今日はバースデイ・ライブじゃん?いつもはオレの好きな曲を演るんだけど、今日は皆さんが主役だよ。皆さんが大好きな曲を演りますよ。
デビューの頃からの付き合い…」
…と、話題がsun-goさんに。

170v「『30周年なんだからこういう曲がいいんじゃない?』と、sun-goがリハの時に口出してきたんだよ」
「口出し」!相変わらずのかーくん節。
「sun-goちゃん…ウチのファンはそんなに甘いもんじゃないと言ったんだけど、やっぱりsunちゃん…女心をよくわかってらっしゃる。で、その通りやったらリハが大変だった!」
今日はそういうセットリストというワケ。
4_img_0101ラップ調の「GROWING UP」が続く。
音玉でみんなビックリ!(私も)

2_img_01284曲目は「Meet Me」。

190_mmこの曲でかーくんはハーモニカを披露。

200「わかる人は一緒に歌ってください!」
「あ・き・す・と・ぜ・ね・こ」では大胆なスモークをバックにギターを手にした。

210_ak若い人は「あきすとぜねこ」なんて知らないだろうに…と思っていたら光GENJIのおかげで大リバイバル・ブームになったんだってね?
何でも名前を数値化して占ったとか…。
我々が小学校だった頃、つまり45年ぐらい前は、女の子たちが折り紙で作った「パクパク」とか「パックン」というのを使って「あ・き・す・と・ぜ・ね・こ」ってやってたよ。

220v「皆さんの顔を見てると、こういう曲が好きなんだね。元気が出る曲。今日のセットリストはsun-goさんがほぼ決めてるから!
イキな計らいのsun-goに拍手を!」

4_img_0175 前の曲とはガラっと雰囲気が変わって「Hello」。

230_hlジックリとシッカリと歌うかーくんに全観客の熱い視線が注がれる。

30v「Doll」が続く。

250v_dlここでTakちゃんのソロが大フィーチュア。
270ステージセンターで「やったるで!」炸裂!
ん~、Marshallのサウンドはやっぱり素晴らしい。

260続けて「Gimmie Attention」。
宝石のように輝くミラーボールが抜群の演出効果をもたらす。
そう、かーくんのショウは照明がキレイなのよ。

280_gaかーくんはジャケットを脱ぎ捨ててヒートアップ!
290vTakちゃんとウメさんが揃い踏むのは「BREAK DOWN BOY」。

300_bdbショウも中盤に差し掛かり、加速度的にエキサイトメントが増してきたよ!
かーくんは「KEEP ON RUNNIN'」で帽子をかぶって見せてくれた。

300_korsun-goさんはギター・ソロから…

4_img_0122_3 サオ回し!
ハイ、キマった~!

310v今度はサングラスにタバコ。
このタバコのシークエンスはおなじみ。
曲は「Never give up」。

320v_nguこの曲ではブレイクダンスも交えてカッコよくキメまくっちゃう。

330vシャツも脱いでもろ肌を見せるかーくん。
「最後!飛ばしていくぜ~!」
本編最後のセクションの最初は「WINNING RUN」。

340v_wr続けて「COUNT DOWN」。
かーくんの水しぶきがsun-goさんを直撃!

350v_cdハイ、私のカメラもしっかり頂戴しました!

1_img_0146 水もしたたるギター・ソロ!
sun-goさんとMarshallのコンビネーションがクリエイトする轟音が響き渡る。

430vさてさてクライマックス!
今度はアコースティック・ギターを手にしたかーくん。

360v_tasun-goさんもアコギ。

370vTakちゃんは変わらずエレクトリックとMarshall。

390v歩み出るウメさん……とくれば「Try Again」でしょう!

380v そして「Try Again」と来れば何といってもコレでしょう。
待ってました!

400フロント陣4人がガッと集まってみんなで景気よく楽器をかき鳴らすこのシーンはいつ見てもスカっとするぜ!

410本編を締めくくったのはピアノをバックにかーくんが歌い込む。
つまり、ショウの冒頭の形に戻ったワケだ。
そして曲は「I'LL BE BACK」…ん~、いい構成!

420_ibbアンコール。
「はい、みんな手をつないで…ありがとう!」
手を下ろした途端、「さぁ、帰るぞ~!」
エエ~?

440コレで終わるハズもなく、お誕生日のセレモニー・コーナーに突入。
バースデイ・ケーキ登場!

450いくつになってもうれしいもんですな。

4802回ほどローソクを吹き消したかーくん。

490そして、白いローラー・スケート靴が献上された!

460「コレを履くってこと?」
期待満々のお客さんの視線がスケート靴に集まる。470vバンドを交えて「Happy Birthday」をみんなで合唱。
「もう1足持ってきて!」と左右の靴が揃えられ、イスに座ってそれらを履く。
「普段、履く時の姿は見せていないからね。ハイ、履きました!
誕生日をやってもらったのでこの曲をみんなにプレゼントします。

2_img_0559 イスに座りながらかーくんが歌ったのは「Love snow」。

500vsun-goさんはアコギで熱唱に花を添える。

510vそして、かーくんがイスからスックと立ち上がる。
もうそれだけで大きな歓声!

520vスイ~っと軽やかにステージの上をすべるかーくん。
曲は例の光GENJIのメドレー「Vibes XXX」。
コレは盛り上がるにキマってるじゃんね!

550クライマックスでは銀テープも飛び出し、会場の興奮は最高潮に達した。

540何でもなくツルツルっと滑っちゃうところが何ともカッコいいのよ!
小学生の頃、区民センターの屋上でガラガラ滑ってた我々とはワケが違う。
お客さんたちもとてもうれしそうにステージに熱い視線を送っていたよ。
これでアンコールも終了。

530でも、まだまだコレじゃ収まらない!
モノスゴイ「かーくんコール」に応えてステージに再度現れたかーくん。

560「夏の思い出に!」と、最後は弾き語りで「あの夏の日」を熱唱して『Volt-age 47』のプログラムをすべて終了した。

570今回も歌に踊りに、ドキドキのトークに、と見どころがテンコ盛りのバースデイ・コンサートだった!
「48」も楽しみ!
  
諸星和己の詳しい情報はコチラ⇒KAZUMI MOROHOSHI Official Website
580vこの後もsun-goさん関連の記事を掲載しますからね~。ファンの皆さんはお楽しみにね!
    
sun-goの詳しい情報はコチラ⇒オフィシャル・ブログ

2_img_0343(一部敬称略 2017年8月12日 ZEPP Divercityにて撮影)

2017年10月17日 (火)

NAKED CULMINATION~OZ RAM INDIO

   
今日は初登場の若いチーム、OZ RAM INDIO。
ドラマーだけはNATALプレイヤーとして既に紹介済みだ。
彼らの3枚目のミニ・アルバム『NAKED』のリリースを記念した『NAKED GENERATION』と題した、ツアーのファイナル公演。
この日だけ『NAKED CULMINATION』という企画名が付された。
「culmination」という言葉は、普通定冠詞のtheをともなって「最高点」という意味を成すが、努力をした「結果」という意味合いで用いられることも多いようだ。
努力に努力を重ねて来たスポーツ選手が試合で見せる内容のような…つまり、「集大成」ということ。
この日のライブはチャージは無料。
最近時折見かける「投げ銭ライブ」というヤツ。
OZ RAM INDIONのこの日に賭ける猛烈な「思い」を感じさせるではあるまいか。

10OZ RAM INDIOは男女2人ずつの4人編成。

20ボーカルズのMeg。

30vギターはKaeDe。

40vKaeDeくんはMarshallプレイヤー。

50v足元は今時にしてはエラくシンプル。
DSLの純正フットスイッチを使ってくれているのがナニやらうれしい。

60ベースはrhythm。

70vそして、ドラムスはRin。

80vRinくんはNATAL。
アッシュのブラック・スワール。

90ペダル類もNATALだ。

100新しいミニ・アルバムの内容通りにスタートしたライブ。

110コレが今年5月に発表した9曲入りのミニ・アルバム『NAKED』。
コレがいいのよ!
やっぱり若い人が演っている音楽なので、正直世代が大きく異なる私には、1回聴いてすぐに「気に入った!」というワケにはいかないんだけど、何回か聴いているウチにビビビときた。
だから、この日のライブをとても楽しみにしていた。

120cd「結果は?」と言えば、期待通り素晴らしいものだった。
Megちゃんのパワフルな歌声。

130KaeDeくんのクールなリフとメロディアスなソロ。

140rhythmちゃんのヘヴィな低音とアグレッシブなキャラクター。

150そして、Rinくんのテクニカルでクリスピーなドラミング。

160vそして、みなぎる若さ…。
Megちゃんはまだ19歳だってーからね。
ところで、最近CDではすごくいいのに、ナマの演奏を聴くと「アララ?」なんてことがよくある。
演奏がマズイということではないよ。
コレ、昔は反対だったんだよ。
おっかなビックリ、バカっていねいに録音したスタジオのバージョンより、はじけ飛んだパワフルなライブ・バージョンの方が聴きごたえがあってカッコいいことが多かった。
ところが、デジタル技術が発達してからというもの、CDの音が昔のライブ録音並みの迫力になっちゃったでしょ。
楽器のクォリティの進化もあるよね。
それに加えて、スタジオで色々と凝ったことをするのはいいんだけれど、それをライブで緻密に再現できないケースが多いように私には感じられる。
もちろん、スタジオで作ったものと実際の生演奏が違うのも魅力のひとつであることは百も二百も承知している。
しかし、最近の若いバンドさんたちは、CDとライブの演奏の差があまりにも激しいのよ。
仕事柄、ライブで聴いた曲を、家に帰ってCDのスタジオ・バージョンで確認することが多いのだが、「ハラ?コレ同じ曲?」なんてこともそう珍しくない。
大抵「なんだ、こんなにカッコいい曲だったの?」となる。
このあたりのことが巷間で指摘されているのを見かけないところを見ると、それが当たり前の時代なのか、私の耳や感性が狂っているのか…ま、多分後者なのだろう。
で、このOZ RAM INDIO…ホメすぎかもしれないが、CDはCDなりに、ライブ演奏はライブなりに、双方がそれなりの魅力を持っているように感じた。

170Rinくんはドラム・ソロを披露。

180NATALアッシュのサウンドのナント気持ちのいいことよ!

190v中盤ではMegちゃんとKaeDeくんのアコースティック・セットもはさみ込まれた。

200熱唱するMegちゃん。
何やらコピー曲を演ったというんだけど…若いバンドさんが演るコピー曲は元がほとんどわからないのよ、ゴメンね。
調べてみるに…ワンオクだったのね。
アコースティック・セットのもうひとつは「Among You and Me」という曲。
アレ?ナンで「among」にしちゃったんだろう?
「among」は2つ以上のモノに囲まれた状態に使う前置詞。
2つの時は「between」を使うのが英文法の鉄則。
歌詞がわからないんだけど、きっと何かロマンチックな意味が設定されているのでしょう。
歌の文句だからいいけど、もし試験だったら「×」になるので一応書いておきました。
ちなみにイギリスでは「among」を「amongst」と言います

210v後半は衣装をチェンジしての登場。

220Megちゃんは熱唱ぶりも十分に魅力的なのだが、何しろ、身のこなしがカッコいいのよ。
ダンスをやっているということなので、それも当然なのかもしれないが、ポーズがビシっとキマる。
ただ手を上げ下げしているだけでもゼンゼン違うんだよね。
また、そのしぐさが大ゲサでなく、とても自然で曲によくマッチしているのだ。

230v曲はKaeDeくんのペンによるものが多いようだが、聴きごたえのあるものばかりだ。
聞けば、KaeDeくんのアイドルはナント、ラリー・カールトンだという…道理で。
ギター・ソロも決してシュレッドしまくらない、曲のためのギターソロを展開していたのが印象的だった。
ところで、今の若い人たちって、ものすごく「和」のテイストを持ってるんだよね。
ファー・イースト・ファミリー・バンドのようなタイプを除けば、我々の世代のロックには決して見られなかった要素だ。
別の言い方をすれば、「ブルースから遠い音楽」ということ。
しかし、kaeDeくんの曲はどこかトラディショナルなロックの香りがするんだな。
その若い感性の部分と伝統的な部分の混ぜ具合がこのバンドの曲の魅力なんだと思う。

240vドラムスとベースのインタープレイなんかも見せてくれた。

260v何しろサービス精神も満点なのよ!

Img_0411 最後まで全くゆるみのない歌声を聴かせるMegちゃん。

270v本編20曲、猛然とダッシュで走り抜けた!
コレがOz Ram Indioの「Culmination」!

280アンコールに応える4人。
でも、この姿も12月21日の渋谷eggmanまでのことだそうだ。
この日はまだ発表されなかったが、年内でOZ RAm INDIOは解散する。

290せっかくいいバンドを見つけたと思ったんだけどね~。
モッタイナイ。
若い人たちのバンドはみんな短命だ。
才能あるメンバー皆さんの今後の活動に期待している。
300vOZ RAM INDIOの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEBSITE

310(一部敬称略 2017年9月10日 渋谷GARRETにて撮影)

2017年10月16日 (月)

CANTAの15年 "黒歴史" 千秋楽

  
最近は結成30周年とか35年周年とかいうバンドがゾロゾロ出てきた。
それは取りも直さずベテラン勢が元気に活動していることを示すワケで、とても素晴らしいことだと思う。
しからば世界規模で見て、現役で最もキャリアの長いチームはどこか?…と調べてみると、どうもザ・ベンチャーズらしい。
1959年のデビューというから58年のキャリアということになる。
いいね、今なら「ザ・ヴェンチャーズ」と書くところだろうけど、以前「ベンチャーズ」と綴るところがいい。
「デズニーランド」みたいなものだ。
アレ、お年寄りがナゼ「ディズニー」ではなく「デズニー」となってしまうのかというと、日本語に「ディ」という発音がないかららしい。
ま、今もないんだけどね。「ディズニー」は外来語の固有名詞だもん。
その代わり、昔の人は「ぢ」と「じ」の音を使い分けることができたとか…。
さて、日本ではどうなるか?
ジャズのビッグバンドになるが、宮間利之とニューハードが1958年から活動を開始。
1950年に結成された前身も含めれば67年のキャリアということになり、コレが最長らしい。
…と言いたいところだが、宮間さんが昨年94歳の若さで亡くなったため、オーケストラが現存しているのかどうかは不明。
下がその宮間利之とニューハード。2002年の撮影。
真ん中でアルトサックスを吹いているのは私の親友。
大学時代にビッグバンドで一緒に演奏していた。
今もバリバリに第一線で活躍している。
大学時代、「将来、彼はプロのジャズ・ミュージシャンになり、私はジャズ喫茶のマスターになる」という契りを交わした。
彼はチャンとその約束を果たしたが、私はMarshallになっちゃった!
すまん、約束は忘れてくれ!
オレは今の仕事が大スキなんだ!

Nh 30周年記念とかになると、よく「いいですか?30年というと、私たちがデビューした時にオギャーと生まれた赤ちゃんが、今30歳になってるんですよ!」
って言うじゃない?
ホントだよね。
早いもんですよ、ヨソの家の子が大きくなるのは…。
で、ルークさんは地球デビュー30年になるワケだけど、CANTAは15周年。
「15年」というヤツをこの話に当てハメてみると、チョット微妙な感じがすることを発見した。
  
「オマイさん、こないだ生まれた横丁のクマさんとこの子ね…」
「オウ、あの与太郎かい?」
「そう、もう15になるんだってサ」
「そうかい」
で終わっちゃうような…。
  
それよりも!
「オマイさん、こないだ75って言ってたウラの八っつぁんね…」
「オウ、どうした?グエェでも悪くしたのか?」
「そうじゃないよ、もう90になるんですってよ」
「それじゃオメエ、『卒寿』じゃねーか!コイツぁメデェ!オメエ、近所のマイバスケットでも行って赤飯買って来ネェ!」
…なんてこともあるもんで。
同じ「15」でも当てハメるところによって、印象てぇモノがずいぶんと違うもんでございます。
エ~、エヘン(咳払い)。
我々のロックの世界ってーと、30年連れ添う徒党もあれば、アッという間に離れ離れになってしまう連中も多いようで…。
近頃の若いバンドってイヤぁ、チョット売れて来るってーと、すぐバラバラになってしまう。
これじゃイケませんな。
同じ志を持って集まった連中だ。
最後の最後まで添い遂げてもらいたいと思うワケでしてな。
やっぱり~、「15周年」てーと、メデテェもんでございます。
オイ、どうしたい!エエ?
CANTAの『黒歴史』もオメェ、千秋楽だってーじゃねーか。
  
落語を聴かない方にはMarshall Blogがブッ壊れてしまったのではないかとお思いの方もあろう。
コレは古今亭志ん生風にやってみたところ。
大学の時に夢中になった落語が最近私の中で猛烈なブームになっていましてな…。
ヒマさえあれば志ん生を聴いてるてぇヤツで。
あ、イカンイカン、また!
それに加えて浪曲という新しい楽しみを見つけてしまって、広沢虎造の声にウットリしている毎日なのである。
浪曲って、日本の「ひとりミュージカル」だからね。
すごくおもしろい。 
  
CANTAの15周年を祝う3週連続のコンサートもいよいよ最終回になってしまった。
グループの歴史を振り返って3週連続でライブハウスのステージに立つ…なんて企画はなかなかないんじゃないの?
今にして思うと何のパロディだったのかな?…というのは、東京おとぼけキャッツが5日連続で渋谷の屋根裏に出演したりしたこともあった。
また、彼らは「日本で一番高いところで開催するコンサート」と称して、東京タワーの展望台でライブをしたり(私は両方とも観に行った)。
高いところつながりで言えば、当時世界で最も高いギャラを取ると言われたジャズ歌手のエラ・フィッツジェラルドが、空を飛ぶ飛行機の中でコンサートをしたり(コレは観ていないが話題になったのは知っている)…とか、マァ、皆さん色々とやられているワケだけど、このCANTAの企画も必ずや珍しい部類に入ることだろう。
それも今日が千秋楽。
3週間なんてアッという間だったね。

10最終回の今日は7枚目から9枚目のアルバムからのレパートリー、つまり一番最近のCANTAの姿をお見せすることになるワケよね。

20ルーク篁

30vMASAKI

40v雷電湯沢

50vこの3回すべてのステージでルークさんのお供をしたMarshall…

55v1959RRと1960X。
15年目のCANTAのMarshallを記憶に留めておこう。

50v前回は「1959講座」もやっちゃったからね。
記念にクローズ・アップを1枚。

60ショウの冒頭は早速7枚目から「たった…」と…

70v「NATURAL BORN FIGHTERS」を続けて演奏。

80さすが『セヴン』からの曲ともなると何となく楽勝に演奏しているように見えるのは目の錯覚か?
イギリスの名門プログレッシブ。ロック・バンド、ソフト・マシーンにも『Seven』というアルバムがあるんだけど、双方『7』と表記しないところがおもしろい。
私はこのソフト・マシーン好きが昂じて、出身地のカンタベリーまで2回行ったわ。
原宿アストロはこのシリーズだけで3回。
ああ、コレで終わっちゃうなんて寂しいナァ。

90「サンキュー!ありがとう!CANTA黒歴史・千秋楽へようこそ!」
ルークさんの最初のMC。
「一番最近に近い音楽を演るワケですけど楽しみにしていましたか?」
お客さんが「イエ~!」で応える。
「その楽しみ加減をオレたちにブツけてくれ~!
再度お客さんの「イエ~!」。
「受け止めました!」
170v…と、ルークさんが『セヴン』とそれに続くアルバム『My Generator』の話をしていると、どうもお客さんは早く演奏が聴きたい様子。
それを敏感に見て取ったルークさん…「曲だね?わかったよ!オマエたちとはわかり合えない!」とお客さんをイジってピアノから始まる「Flower Song」。
2013年の『My Generator』からのチョイスだが久しぶりの演奏となったそうだ。

100「行こうぜ!」
「シャボン玉放りDay」と「Fantasize」をつなげる。
この「シャボン玉」は濃密な社会派ソングなんだね~。
ルークさんとは政治の話をしたことは一切ないけれど…とにかく今度の選挙、皆さん必ず投票しに行ってくださいね。

110「Fantasize」は最近でもよく取り上げる重要ナンバーだもんね。
それだけに実に濃密な演奏となった。
あ、他の曲ももちろん十分濃いです。

120「この辺の曲も楽しいね!
大丈夫かい?
みんなボクのつまらない話について来てくれるかい?
ついさっき『わかり合えない』って言ったけど、わかり合っちゃったからね!
音楽は壁をブチ破る時があるからね。
このライブの中にもそういう瞬間があったら大成功かもね!」と、ルークさんは客席の後ろまでウインクを届けた。
イントロがお気に入りという「Home」。

130vエエ~、「壁」なんてあったんですかッ?
確かにMarshallの壁はなかったけど…。
このシリーズ、CANTAとお客さんの間に壁を感じた瞬間はまったくなかったよね!
「Home」と連続に披露したのは最近作、桃の『LOVE FIXXXER』から「My Dear Friend~世界は寂しいでできている~」。

140vこれまで初日、中日と「暗黒」っぽいイメージで構成した中盤。
イヤ、実際はゼンゼン違ってただただカッコいいんだけどね。
今回もそういう設定にした。
ルークさん曰く、「ボクの中ではシットリした曲。シットリした中にも骨太さがある最悪の暗い曲です」
またまた~。
演奏したのは「Born to Love」、そして「Campanella」。

1503曲目にはギターを持ち替えて、『My Generator』から「Round & Round」。

220v白いストラト・タイプのレフティ。
このギターを弾くルークさん、始めて見た。
使用したのもこの曲だけだった。

180vココで恒例のMCコーナー。
「3日目、ありがとう!アッという間の6月だったね!」

190v「今日はかなり緊張感があります。15周年にふさわしいイベントができてヨカッタ。」

200vルークさんがMASAKIさんに合流。
吹き出しちゃったのはダテ眼鏡の前防衛大臣の話。
ルークさんがそのダテ眼鏡を手ではなく口でそっとハズしてあげるとかナンとかで大盛り上がり!
「次のライブはメガネのお客さんが増えちゃったりして!」
あ、Marshallもメガネやサングラスをやってますからね。
伊達や酔狂ではありません。
コチラをご参照あれ。
「あんなこともやりたい、こんなこともやりたい」という楽しみな話を経て…
「さぁ、盛り上がる曲をやっていこうか!コレも久しぶりです!」

210『セヴン』から「一滴」。  

165間髪入れずに「Make My Day」と来て…

160「デカい声出して行こう!」と「HEAVEN'S WAITING」!

230ルークさんとお客さんを猛然とプッシュしまくるリズム隊がまさに一大スぺクタクル!

240途中みんなでジャンプしたりして楽しかったね!

250v「楽しかったかい?!
オレも楽しかった~!オマエらのおかげだぜ!
最後の最後でわかり合えたな!」
そんなことないでしょうって!
「次の曲は最高に気に入っている曲!…その後でアンコールでもやったら?」とルークさんが紹介した千秋楽の本編を締めくくる曲は最新作の『LOVE FIXXXER』から「EVERYBODY NEEDS SOMEBODY」。

260ルークさんにいわれないまでも、もちろん早速アンコール!
「イヤ~、千秋楽。ヨカッタね。
いい企画だったね。おもしろかった。
アルバムを1枚ずつ演るのもいいかもしれないね!」の言葉に盛大なレスポンス。
アンコール最初の曲は『セヴン』から「MIRACLE」。

270v「ミラクル起こしていこうぜ!
じゃあお祭りだ!」
「Virginity」と「Bound for Freedom」…

280vそして「月とチャリとGuitar」をプレイして千秋楽のプログラム、そして、『CANTAの15年"黒歴史"』3公演すべての演目を完結させた。
これほどアッという間の3週間もなかったね。

290vそして、ショウを締めくくるルークさんのクリシェ…「またやろうな!また来いよ~!」
3回とも実に楽しく、見ごたえのあるショウだった!

300この分だと20周年なんかすぐに来ちゃいそうだね。
楽しみだ!
現在『秋CANTA’17 夜の匂いに目眩を覚えた、それは15の秋でした♥』と題したツアー続行中!
 
CANTAの詳しい情報はコチラ⇒CANTA Official Web Site

310v(一部敬称略 2017年6月29日 原宿ASTRO HALLにて撮影)

2017年10月13日 (金)

ポタフェス 2017~私の秋葉原


お、今日は「Friday the 13th」ですな?
しからば、朝からセロニアス・モンクを聴くことにしよう。
          
今日は、前回の開催時にもレポートしたポータブル・オーディオの展示会、『ポタフェス』のレポート。
コレが本体なんだけど、出て来るのはズ~ット後のこと。
その前に…ハイ、出ました「私の~」シリーズ。
イヤですね~、長くて、ツマらなくて…。
そんなジジイの取るに足らない思い出話などまっぴらゴメン!という方は、どうぞツラ~っと飛ばしてくださいね。
どうせ十にひとつもタメになることなんて書いちゃいないんだから。
今回はポタフェスが開催される秋葉原の思い出をやります。
同時代に当該のエリアをブラブラしてた人には「なつかしい!」なんて場面もあるかも?
  
ではさっそく…。
「アキバ」は「アキバ」でも、いきなり秋葉原ではないところからスタートするよ。  
下は日本で初めて報道規制が導入されたことで知られる、1963年に発生した凶悪な営利誘拐事件、いわゆる「吉展ちゃん事件」の犠牲者である、当時4歳だった吉展ちゃんが連れ去られた「入谷南公園」のすぐそばにある神社。
「秋葉神社」という。
  
秋葉原ってなんで「秋葉原」っていうのかを知ってる?
私は知らなかったんだけど、知って結構驚いたんよ。
もちろんこの秋葉神社が関係している。

10_3江戸時代、「火事とケンカは江戸の華」と言ったぐらい昔の東京には火事が多く、明治に入ってもその様相は変わらなかった。
ケンカぐらいならいいけど、火事は困るじゃんね。
で、火事に苦しむ庶民のことを案じて、明治初期に時の天皇のお母さんである英照皇太后のご発案で、今の秋葉原に神社を建立した。
火事が起こらないように願った神社だったので、そもそもはそれを「鎮火社」と呼んだらしい。
一方、浜松にある「秋葉山」の山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の宗派に「秋葉権現」というのがある。
秋葉権現は火防の神様と知られることより、人々はその秋葉原の「鎮火社」のことを勝手に「秋葉さま」とか「秋葉さん」と呼ぶようになった。
実際は秋葉権現とは何の関わりもないのに…だ。
それがいつのまにか「秋葉社」と呼ばれるようになり、その周辺の火除地(「広小路」ってヤツね)を「『秋葉』がある『原』っぱ」ということで「秋葉原」と呼ぶようになったんだと。
そんなんでいいのかッ?!
AKB48のメンバーはもちろんこのことをご存知だろうナァ。
そして明治21年(1888年)に秋葉原の駅ができることになり、オリジナルの秋葉神社は境内地を払い下げて、現在の場所に引っ越して来たんだとさ。

3_aj現在の秋葉原、中央通り。
銀座周辺では「銀座通り」と呼ばれる、新橋から上野を結ぶ日本の「通り」界のスーパー・スターだ。
通りの重要度から言えば、ロンドンならオックスフォード・ストリートかリージェント・ストリート。
ニューヨークならフィフス・アヴェニューだ。
正面は上野広小路。

20その中央通り沿いのモダンなビルで「ポタフェス」は開催される。
ココへは後でまた戻ってくるね。

30そのモダンなビルのあたりで上野方面を背中にすると、前方に緑色の総武線の鉄橋が見える。
この辺りは世界に冠たる「電気の街」の心臓部と言ってよいだろう。

40_2第二次世界大戦後、神田の須田町(後述)に主に真空管を取り扱う電気部品の闇市が立った。
それが秋葉原に移転し、1949年にGHQが都市のインフラ整備のために「露店撤廃令」を出した際、代替地を提供した。
その提供された土地が秋葉原駅のガード下で、現在も元気に営業している下の写真の「ラジオストアー」や「ラジオセンター」となった。
そして、これが「電気の街」の礎となったのだそうだ。

50ロンドンにもトッテナム・コートロードという電気街のつもりでいるらしいエリアがあるが、ココに比べたら「屁」のニオイすらしない(失敬!)。
コレはかつて私が勤めていた会社の先輩から聞いた話だが、ジム・マーシャルとともにMarshall Amplificationを興したエンジニアのケン・ブランがかつて来日した際、「アキハバ~ラに行きたい」と言い出し、連れて行ったところ、このラジオ・センターに入り込み、バッグいっぱいの電子部品を買い込んだそうだ。
それから程なくすると、Marshallの歪みエフェクターの名機、「ガヴァナー」が発表された。
イギリスから送られてきたサンプル品の中身を見たところ、そこにはラジオセンターで買ったに違いない「Made in Japan」のパーツがふんだんに使われていたのだそうだ。

60そのケン・ブランと私。
ケンはMarshallの創始者のひとりであるにもかかわらず、今となっては社内の極めて限られた重役や、ごく親しい古い友人しかその動静を知らない。
私もMarshallの仕事をしている以上、何とかして一度お会いできないものかとそのチャンスが来るのを狙っていた。
そのチャンスがジムのお別れの会の時にやって来た。
ジムが私をケンに会わせてくれたのだ。
その時に撮影した1枚がコレ。
完全に舞い上がっている私…だってメッチャうれしかったんだもん!
この時から5年、元気にしていらっしゃるかしら?
え?私が帽子を取ったところを初めてみたって?
だからいつも言ってるじゃん、薄いって!

3_img_5798最近は大規模免税店として外国からの観光客でにぎわっている「LaOX」。
ココはかつて「朝日無線」といった。
私が中学生の時分は、「エレキなら朝日無線」といわれていて、私も初めてのギターとアンプは朝日無線さんにお世話になった。
考えてみると、生まれて初めて目にしたMarshallの実物もココでだった。
よく古くからある秋葉原の電気屋さんで「〇〇無線」というのを見かけるが、あの「無線」というのはハムとかの無線ではなくて、「ラジオ」のことなんだって。
「ハム」って言葉も使わなくなったね。
70v_3そのほぼ向かいの「TAX FREE 愛客旺」というタレ幕がかかっているビルもかつては朝日無線で、ここの2階にはシンセサイザー・コーナーがあった。
時々イジりに行ったものだが、たいていは操作方法がわからず音が出ることはなかった。
1階のオーディオ売り場には「Lカセット」のデッキなんかが並んでいた時分の話だ。

80v_3万世橋の手前を右折する。
すっかり、カラオケ屋になっちゃったけど、ココは最近まで石丸電気の2号館だった。
この上の方の階には倉庫を改装したようなチョットしたホールがあって、数年前にポール・ギルバートが来て演奏したんだよ。
かつてはレコードも豊富に取り扱っていて、閉店処分セールの時には結構買わせて頂きました。
そこに残っていたアイテムは普通の人なら見向きもしないようなゲテモノだったけど、私は結構ウハウハでしたわ。

90vその向かい。
「AKIBAガールズステーション」とあるビル。
昔は石丸電気3号館「レコードセンター」というレコードの専門店だった。
1階から5階まで全部レコード。
ビートルズから始まって、トッド・ラングレン、フランク・ザッパ…いったいココで何枚買ったかな?
1階が歌謡曲、2階が洋楽、3階がジャズ、4階がシングル盤と国内のロック、5階がクラシックの売り場だった。
繰り返すけど、全部レコードね。
CDなんてモノが姿を現す何年も前の話。
初めてのジャズのレコード、チャーリー・パーカーの『マッセー・ホール』もココで買ったのをよ~く覚えている。

100v_3今はアニメのお店になっている。
先日、アニメの勉強をしようと思い立ち、チョット中に入ってみた。
「アニメ」といってもソレそのものではなくて、声優さんや音楽に関係することを調べに行ったのだ。
もうどれも同じに見えちゃって…不慣れなジジイには何がなんだかサッパリわからない。
ってんで、アラレちゃんみたいなメガネをかけた若い女性店員さんにいくつか質問を投げかけてみた。
すると、「よくぞ、マァ、私に訊いてくださいました~!」という風情で、その説明たるや完全に「立て板に水」。
アニメの暴走機関車!一向に止まる気配がない!マ、私も人のことは言えた義理ではないが…。
コチラも負けずに質問を繰り返すで大いに盛り上がっているところに他のお客さんが現れて講義は終了。
ナニせこっちは何も買わないから。
しかし彼女、実に親切でタメになった。

110v_2実はアニメの勉強もあったけど、久しぶりに中に入ってみたくなっっちゃってサ。
懐かしかったな~。
建物自体の構造は何ら変わっていないんだけど、展示物は似ても似つかないものばかり。
この踊り場のウインドウにはかつて発売されたばかりのレッド・ツェッペリンの『永遠の詩』が飾ってあった。
今は『バチカン奇跡調査官』だ!ナンダそれは?

111vこの踊り場も懐かしい!

120v_2信じられないだろうけど、この踊り場の壁に下の写真のようなフィル・マンザネラの『リッスン・ナウ!』の巨大なジャケット画を飾っていたことがあった。
いくら大型レコード店でも壁一面を使ってフィル・マンザネラの新譜をプッシュするなんてこと、今では絶対に考えられないでしょ?
スゴイ時代ですよ。
松本孝弘でも布袋寅泰でもなくて、フィル・マンザネラですよ。
ナゼこれを覚えているかというと、ロキシー・ファンだった私は、店員さんにおねだりして、その壁に貼られていた巨大なポスターを使用後にもらったからだ。
もちろんただお願いしてもそんなものをゲットできるワケがない。
そのポスターをくれた店員さんは、そのフロアの主任さんで私の家の近くに住んでいた。
何度もその人からレコードを買っているうちに顔見知りになり、お互いに近くに住んでいることを知ったのだ。
当時は春になるとまだ国鉄のストライキがあった。
学生はすぐに学校が休みになったが、社会人はそうはいかない。
何とかして会社に行かなければならない。
そこで、その店員さんは通勤のために私の自転車を貸して欲しい、とストの前夜にウチを訪ねて来たのだ。
もちろん貸して差し上げた。
そして貸しを作った。
そしてそのポスターをもらった。
イヤ、ポスターだけでなく、その後ずいぶんといろんな販促品でサービスしてもらったな。
こっちはまだ子供だったから、そんなものでもとてもうれしかったものだ。
あの人、考えてみると、今ではもう70歳は軽く超えているだろうな…どうしてるかな?
  
それにしても、やっぱりレコードひとつとっても本当に風情がなくなったよね。
我々の世代は、音を聴いたことがないバンドに出くわして興味を持つと、考えに考えて、想像に想像を重ねて、大枚2,500円を用意して、電車に乗ってこの石丸電気に行って、その聞き覚えのないバンドのレコードを探して、清水の舞台の三倍ぐらい高いところから飛び降りるようにして2,500円を支払って買ったものだ。
もしそれがツマらなかったり、自分の好みでない音楽だったら、2,500円はパァだよ、パァ。
でも、決してそんなムダはしない。
どうするかというと、そのツマらなかったレコードが好きになるまで徹底して聴くのだ。
今でいえば超「ヘビロテ」を組んで、朝から晩まで聴き込んで強引に好きになってしまう。
そうすると不思議なモノで、またそこから他のバンドや音楽への興味が広がって来るんだな。
昨日も東京ではまだ知名度の低いバンドをMarshall Blogで紹介した。
そのバンドに興味を持った人はどうするか…「YouTubeでどんなんかチェックしてみよっと!」
それが自分の好みでなければ…ハイ終わり。
こんなんでCDが売れるワケがないわな。
もっともYouTubeに音源なり動画なりを投稿する方もする方だ…ということなんだけれど、コレも時代の趨勢だから抗えないのもよくわかる。
インターネットの普及でよくなったこともたくさんあるけれど、こと音楽に関しては、上辺は便利になったかもしれないが、音楽の質としては、恐ろしいほどの退化を強いられているのではないだろうか?
コレは演る方だけでなく、聴く方にも言えることなのだ…と最近強く思う。

125cdこんな記事を書いていたら奇跡が起こった!
石丸電気で買い物をすると、下のような和田誠が描いた人気アーティストの似顔絵が施された黄色い紙袋にレコードを入れてくれた。
この袋がひとつのステイタスだった。
なつかしいナァ~。
一生懸命石丸電気でレコードを買っていた頃は、モッタイなくてこの紙袋を捨てられず、段ボール箱に入りきらないぐらい保管していた。
でも結局みんなどっかへ行っちゃったな。
今回もこの記事を書くに当たって、「ああ、あの黄色い袋を1枚ぐらい大事に保存しておけばヨカッタな~」と後悔していた。
ところが、先日、普段は寄りつかない近所のリサイクルショップの店頭にエサ箱(レコードを展示する箱)が置いてあることを発見し、なんの気なしに箱の中を見てみると、ナント!この黄色い袋が入っているではないか!
そこでレコードを買って、黄色い袋をオマケにもらおうと思ったのだが、欲しいアイテムが見事に1枚もない。
しかも存外に値段が高かったので、イチかバチか袋だけ頂けないかお願いしてみた。
「ナニかを買ってお願いするのがエチケットだとは思うのですが、あいにく…」と切り出すと、「ああ、どうぞどうぞ!」と快く譲ってくれた。
LP用のビニール製とEP用の紙袋だ。
片面にはジャズとポップスの人気アーティストの似顔絵が載っている。
時代を感じるぜ~!
サッチモ、マイルス、コルトレーン、キース…そもそもジャズ・ミュージシャンが多いところからして猛烈なタイムマシーン感覚に襲われる。
ディランやスティーヴィー・ワンダーやエルヴィスやビートルズの面々は別にしても、シャルル・アズナブール、ポール・モーリア、オリヴィア・ニュートン・ジョン、アンディ・ウィリアムスは今なら絶対に載せてもらえないだろうな。
  
私が記憶している限りでは、この袋は2代目のデザインかな?
この前の時期は人名が水平に入っていて、ビートルズの4人も初期のルックスだったような気がする。
それにしてもいい時代だな~。

3_img_0009片面はクラシックの方々。
今より盛んだったんだろうね。
ブラームスが丸っきりザ・バンドのガース・ハドソンになってる。
私の頭の中にあるワルターとかオイストラフとかストラヴィンスキーの顔ってこの袋の絵の顔なんだよね。
3_img_0013この袋には別の思い出があって、ある時、PANTA&HALのリハーサルにお邪魔させて頂いたことがあった。
その時、ギターの平井光一さんに無理をお願いして「HALのテーマ」のコード進行を教えて頂いた。
「11th」だの「13th」だの、ロック狂いの青年には何しろチンプンカンプンだったけど、とにかく書き留めておこうと思った。
ところが、ノートなんか持ち合わせているワケがない。
ハッと思い浮かんだのがこの黄色い袋。
PANTAさんにサインをもらおうと思って、リリースされたばかりの『1980X』をこの黄色い袋に入れて持参していたのだ。
そして、慌てて黄色い袋を破いて、その裏面に平井さんが口にする聞き慣れないコードの名前をツラツラと書いて行ったのだ。
アレ、どこへ行ったかな。
ああいうものは大事にしているつもりでも、自然になくなっちゃうね。
ま、37年も前のことだからな…。
下はその時の『1980X』。

3_img_0015 時代が下って、紙がビニールになった。
キャラクターも若干替わって、貞夫さんやオスカー・ピーターソン、ロッド、イヴ・モンタンが加わった。
また、ジョージ・ベンソンなんかも入って来たところを見ると、クロスオーバー・ブームの後…ということになるんだろうね。
不思議なことに、ビートルズには「The Beatles」という表記がなくて、「John、Paul、George、Ringo」とメンバーのファースト・ネームだけが表示されている。

3_img_0003クラシックの方はストラヴィンスキーとオイストラフが失格になってポリーニとワーグナーがエントリーした。
オイオイ、イゴールは載せとけよ!
それほど頻繁に通った石丸電気のレコード・センターだが、家に取り置いていた段ボールに入りれないほどの黄色い袋は、ある時から徐々に白い袋に替わって行った。
その白い紙袋には「HUNTER」という文字が印刷されていた。
私の中古レコード人生の到来である。

3_img_0006店を出て右に進む。
昔はこのあたりも店先に巨大なスピーカーをディスプレイしたオーディオ関連の電気屋さんがズラリと軒を連ねていたんだけどな…。
その中のひとつに「九十九電気」というお店があって、「つくも」という読み方を覚えた。
どうして「九十九」を「つくも」と読むのかはまた別に機会に。

120_2どこだっけな~…。
このあたりの地下にとてもおいしい札幌ラーメン屋があったんだよ。
とても気風のいいオバちゃんが店を切り盛りしていた。

130_3それと、並びにカレーライス屋があったの。
家庭風もいいところで、今にして思えばよくあんな店に入ったな…と思うんだけど、その店は食後にコーヒーをサービスしてくれてね。
コーヒーたってアブクだらけのインスタントよ。
でも中学生にはそんなんでもモノすごく得をした気になっちゃうワケ。
カレーの味は悪くなかったような気がするな。

140_2その向かいの「千代田区万世会館」。
イヤ、私の親友がお父さんの葬式をココでやったというだけ。

150_3『鬼平犯科帳』にも出てくる昌平橋付近の総武線ガード下。
ここは江戸時代、広小路だったという。
つまり火避け地。
延焼を防ぐために幕府が建物を作らせなかった空き地エリア。
もちろん上野の広小路も同様。

160_2私が以前勤めていた会社の直属の上司の家族は、かつてこのあたりで喫茶店を経営していた。
「アノな、いいこと教えてやろうか?のコーヒーってのはな、原価が安いんだよ。だから流行さえすれば喫茶店ってのはとてつもなく儲かるんだ」とよく話していた。
スターバックスもドトールもない時代の話だ。
実際ここにあったその上司の家族の店はモノすごく流行って、笑いが止まらないぐらい儲かったらしい。
この上司、私が転勤してお別れした後、社内旅行の宿泊先で心臓が止まってアノ世に行ってしまった。
まだ、40歳になるかならないかぐらいの若さだったのでかなりビックリした。

170コレが昌平橋。
最初に神田川にかけられたのは1624年から1645年の間のことだという。
明治41年には「昌平橋」という駅が仮で設置され、明治45年(1912年)にすぐ隣に万世橋駅ができるまで名古屋までの中央本線の始発駅として活躍した。

180_3昌平橋から万世橋方面を望む。
今、この高架の下がショッピングセンターになっている。
いいね、こういうのはロンドンみたいで。
いいことはドンドン真似しなさい。

190_2「マーチ エキュート神田万世橋」という名称らしい。
名前がよくないな…長すぎるよ。
写真の向かって右側はかつて交通博物館があったところ。

200交通博物館で撮ったウチの下の子の写真。
カワイかったな~。ダッコしたいな~。
下の子はとても色が白く、髪が完全に栗毛色で、日に当たるとオレンジ色に輝いた。
その頃はオリンピックが開催される前の長野に住んでいて、外人に接する機会がほとんどない現地の人たちがウチの子を見かけると、「見て見て!外人の赤ちゃんだよ!」などとよく言っていた。
それがどうだ?
高校からアメリカンフットボールを始めた彼はみるみるウチにゴツくなってしまい、今ではタテもヨコも私よりデカい屈強なアンちゃんになってしまった。
子供たちは家内に連れられて何度も交通博物館に来たようだが、私自身は自分が子供の頃から不思議と縁がなく、とうとう一度も入ることなく2007年に博物館は閉鎖してしまった。

3_2img_4665 それ以前、同じ場所には、すでに上でチョコっと触れた中央本線「万世橋駅」があった。
その名残りを「マーチ エキュート神田万世橋」の2階で見ることができる。
ホームの屋根を支える柱の一部だ。

210v_3つまり、今立っている場所がホームの一部ということになる。
ここから先は少々この万世橋駅の話題になる。

220_2私がナゼこの万世橋駅に興味を持ったのかというと…実はバリバリの鉄道マニアだからだ。
というのは、まったくのデタラメ。
地下鉄はすごく好きだけど、あいにく普通の鉄道に興味を示すことはない。
それよりも、ロンドンに行くようになってからというもの、自分が生きてきたこの東京という街の昔の姿に興味が沸くようになった。
そして、その関係の本を読んでいたときに、「明治の頃、神田須田町は日本でもっともにぎやかな繁華街だった」ということを知ってかなり驚いたのだ。
神田須田町はココの周辺のエリアを指す。
須田町がにぎやかでナゼ驚くか…。
それは地下鉄銀座線の神田駅がそもそもの始まり。
銀座線の神田駅には、JRへの乗り換え客でにぎわう出口とは反対に昇降客が少ない須田町へ向かう出口があるのね。
今ではこんなにきれいに、そしてモダンになってしまったけど、昔はかなり古式ゆかしいスタイルだった。

3_img_4672で、地下鉄の改札と出口の階段を結ぶ通路には「須田町ストア」という、ま、今でいえば駅地下があった。
上に登場した「千代田区万世会館」でお父さんの葬式をやった友人が小川町に住んでいて、中学の頃、時折この決して短くない距離の地下道を利用したのだ。
コレがものすごく不思議な空間だった。
商店街といっても、多くの店がトタンの戸にヒモを巻いて閉めていて、とても薄暗く、子供が見ても斜陽感丸出しで、気味の悪い雰囲気だった。
開いているお店といえば、床屋とか、歯医者とか、服の仕立て屋ぐらいで、間違っても流行りのスイーツを扱う店などなかった。
下は現在のようす。
ココに地下商店街があった形跡はまったくなく、工事中ではあるが、すっかり明るくなっている。

3_img_4670かつてはこんな感じだったが、これもかなりキレイにした後、あるいはキレイにした部分だけを撮ったんじゃないかな?

Scsそれで、「須田町」というと自動的にこのさびしく暗い「須田町ストア」のイメージが重なり、この辺りがかつては日本で最もにぎやかだったことなどとても想像できず興味を持った。
それで万世橋駅とつながって来るワケ。
後になってわかったことなのだが、この地下街、須田町がかつてにぎやかだったので作られたワケではないというのだ。
地下街は、地下鉄の利用客を増やすための地下鉄会社のアイデアだったそうだ。
浅草や上野にも古い地下街があるのはこのアイデアによるもの。
つまりやっていることは今とナニも変わらないのだ。

3_img_4667「マーチ エキュート神田万世橋」に展示している万世橋駅のジオラマ。

230_2今、この模型を見ているのと同じ場所にこんな立派な駅舎があったのだ。
チョット大げさに言えば、ロンドンの国際駅、「セント・パンクラス駅」にも劣るまい。Mbイヤ、ちょっとかなわないか?この激ゴシックには。

3_img_0831 「マーチ エキュート神田万世橋」にはこのジオラマの他にほんのチョットだけ万世橋駅に関する資料が展示されている。

240_2「何だよ、こんなの東京駅のパクリじゃんかよ!」なんて思うことなかれ。
万世橋駅舎は東京駅ができる以前の建物なのだ。
しかし、意匠が似ているのもムリはない。
東京駅や日銀の本店を手掛けた辰野金吾という人が設計したからだ。
こんなものが今も街の中にあったらさぞかしステキだったろうね~。
しかし、そうは問屋が卸さないのが、またもや大正12年(1923年)の関東大震災。
駅舎は焼失したが、仮の駅舎が造営され、震災の遺体の安置所に利用されたそうだ。
その後、東京駅ができ中央本線の始発駅の座を奪われ、さらに神田駅や秋葉原駅ができたことが追い打ちをかけ、結果昇降客が激減し、駅としての役目を終え、昭和18年に廃止された。
かくして須田町の栄華は人々の記憶から消えてなくなったのであった。

250_2「マーチ エキュート」の外廊下から昌平橋を望む。

270_3目の前には元石丸電気2号館の背中がそびえる。
かつてここには石丸電気の赤い白抜きの「石」という巨大なロゴ・サインが施してあって、中央線のすべての乗客の目に入ったものだ。

280v外に出て今度は万世橋から「マーチ エキュート」を一望する。
写真の左端、ビールのブリュワリーがあるの。

260何種類かのオリジナル・ビールを飲ませるお店で、おいしかった。

310_2グルッと回って万世橋のかかる中央通りまで戻ってきたよ。
1676年に架けられた万世橋の前身は筋違橋(すじかいばし)といって、現在のロケーションとは異なるが、徳川将軍が江戸城から上野の寛永寺に赴く際にこの橋を渡ったいう。
想像するとすごいよね。
江戸城を出た将軍様ご一行がゾロゾロと万世橋を渡って中央通りを進み、上野広小路を過ぎ、坂を上って寛永寺にたどり着く。
何のことはない、普段よく自転車や車で通る道だけど、将軍様が歩いたのかと思うとロマンを感じるよナァ。
見てみたかったナァ。ま、「下に~、下に~」で庶民はその姿を見ることはできなかったんだろうけど。
今のこの万世橋は昭和5年に建造されたものだ。
立派だね~。

325そして、今回この記事を書くに当たって、万世橋に関して初めて気がついたことがあった。
子供の頃から数え切れないぐらい渡っていたのだが、興味がないので全く目に入って来なかったのであろう。
それは、この船着き場。
かつて盛んだった水運の名残だ。
市場があった秋葉原は物流の要所だった。
窓の付いた小部屋は、昔は荷揚げ作業員の詰め所とか、荷揚げ作業の道具を保管するスペースに供されていたのだろう。
今は向かいにある万世警察の機材倉庫になっているらしい。

326不思議なのは対岸の設備。
手すりが見えていて、小部屋を経て橋のたもとの中に入れるような様相を示しているが、上には公衆トイレがドッカと設置されていて、この手すりのフロアに降りる階段がない。
少し調べてみた。
この設備に気が付いて、その存在を不思議に思う人はどうも私だけではないらしく、色々なサイトで取り扱われていた。
結果、この小部屋が何のために作られたのかハッキリしたことはわからないらしい。
単なるデザイン上のものという説や、銀座線の工事のための設備という説、いまだにナゾなのだそうだ。

327コレはチョット番外編。
というのも秋葉原から御徒町方面へ少し行ったところのロケーションだから。
建物のデザインがカッコいいので興味を持った。
ご覧の通り銭湯。
「燕湯」といって2階が宝石屋になっている。
宝石商が並ぶ御徒町はマンハッタンで言えば5番街だからね。それにしても銭湯の上に店を構えることもないように思えるが…。
で、私は入ったことはないのだが、調べてみると、やっぱりこの銭湯…ひとクセあった。
昭和25年に作られた建物と内部にある岩山の装飾が国の登録有形文化財に指定されているというのだ。
特にその岩山の装飾は、本物の富士山の溶岩で作られていて、国立公園となっている富士山は、現在は溶岩などを持ち出すことが厳禁となっているためメッチャ貴重なのだそうだ。
それと、湯。
ちなみに銭湯を「お風呂」と呼ぶのは関西弁なんだって。
江戸っ子は「湯屋(ゆうや)」と呼ぶのが正しい…と、古今亭志ん生が言っておりました。
で、この銭湯、朝6時から入れるというのだ。
昔、秋葉原にあった「ヤッチャバ」の早朝の労働者や行商の人たちのための慣習のなごりなのだそうだ。
そう!今、ヨドバシカメラがあるあたりって、私が中学ぐらいの頃まではデカい青物市場だったんだよ!
そのお湯が尋常でなく熱いらしい。
銭湯の一番風呂は湯が硬く、普通より熱いものと相場が決まっているが、燕湯は朝48~50℃まで沸かしてそのまま自然にさましていくスタイルらしい。
アータ、48℃のお湯なんてとてもじゃないけど入れませんよ。
その後、自然にさますといっても、平均で45~46℃までしか下がらないのだそう。
私も熱い風呂が好きなんだけど、45℃でもまずムリです。
実は家の近くにもそれぐらいの温度にしている銭湯があるんだけど、なかなかに強烈だ。
「お湯が喰いついてくる」てェヤツ。
普通、「熱い風呂」って言っても、最初思いきってガバっと入っちゃえば、湯を揺らさない限り、マァ気持ちのいいもんですよ。
ところが、これぐらいの温度になるとそうはいかない。
入っていればいるほど際限なく熱くなってきて、何やら自分が茹でられているような心持ちになってくるのだ。
もうその時分には、熱いとかヌルいとかいうことは最早問題ではなくなり、生きるか死ぬかの二者択一になってくる。
それほど熱い。
行ってみようかな…燕湯。

328ハイ、中央通りに戻って来ました。
コレで終わりかと思ったらこれからが今日の本題。

330去る7月15&16日の2日間にわたってポータブルオーディオの祭典、「ポタフェス」が開催された。

340_2以前、昨年12月に開催された冬の「ポタフェス」をレポートしたが、「Spring & Summer」と称される、この夏場に開催される「ポタフェス」が「主」なのだそうだ。

350_2今回もたくさんのポータブル・オーディオ・ファンが詰めかけていた。
来場者の数は2日間で56,000人に上ったという。

360_2あ!こんな人も!
うれしいね~。

370さて、ナゼ私がポタフェスにお邪魔しているのかといえば、当然コレ。
Marshall HEADPHONESのスタンドを覗きに来たのだ。

380_2前回は2階の室内の会場にスタンドを設けていたが、今回はメイン・エントランスを数メートル入った左側。
モノスゴイ人通りだ。
420_2展示はもはやおなじみのBluetoothスピーカーと…

390vヘッドホンの数々。

430最も目立つロケーションだけあって、すぐ近くにはステージが設置されていて、耳をつんざくような大音量でアニメ系アイドルがライブ・パフォーマンスを展開している。

450大音量なら負けないゼ。
こっちを誰だと思ってんだ?
Marshallさんだぞ!
…と、いうことで、特段頼んだつもりはないのだが、私のためにスタンド内にあるすべてのMarshallスピーカーを使って大爆音のデモンストレーションしてくれた。
曲は「Highway Star」。
イヤま~、スゴイのなんのって!
さながら「♪Nobody gonna take our speakers…」ですわ。
恐らく、フェスを通して一番の爆音だったのではなかろうか。
もっとも他はヘッドホンとかの展示だでね。

400「お!Marshallじゃん!」なんて言いながらひっきりなしにお客さんが立ち寄ってくれて大変な賑わいを見せていたMarshall HEADPHONESスタンドであった。

440_2Marshall HEADPHONESはこうした展示会だけでなく、全国各地でコマメにポップアップ・ショップを展開しているのね。
東京は終わってしまったんだけど、10月22日まで京都と福岡、さらにオンラインのコンラン・ショップで「hoping LONDON」という展示会が開催されていて、Marshall HEADPHONESも参加している。
 
hoping LONDONの詳しい情報はコチラ⇒THE CONRAN SHOP

410_2さて、今回もポタフェスの会場をグルリと見てみましょうかね。

4601階の会場では即売のコーナーを設置。

470_2「アニソンのためのイヤホン」だって。

480こちらは「女性ボーカルにおススメのイヤホン」だそう。
正しくは「ボーカルズ」ね。

490_2冬は1階と2階のみの展示だったが、今回は地階も使用していた。

500_2前回、初めて来た時は「こんな世界があったのかッ!」とかなり驚いたけど、今回はゼンゼン慣れっこよ!

510_2そういえば、今年の初めに白山通りで交通切符を切られちゃってさ…。
担当のお巡りさんがすごく若い人で、私の来ていたシャツのMarshallロゴに気が付いてしゃべり出したんだっけかナァ?
そのお巡りさんはイヤホンが趣味だというワケ。
それで、このポタフェスをことを教えてやったの。
ついでにMarshall Blogにレポートが掲載されていることも教えてあげた。
すると、「見ます!見ます!」とものすごくよろこんで違反を帳消しにしてくれた…というのはウソ。
違反は違反でガッツリやられて9,000円振り込んできたよ。
私はズ~っとゴールド免許だったのよ、長いこと車に乗らなかったから。
で、Marshallの仕事を始めて車に乗るようになったら一発で庶民の免許に逆戻り。
アレ絶対に「ゴールド免許=車に乗らないこと」なんだよね。
だからあのシステムには意味がない。

520様子はわかっていたつもりでも、やっぱりスゴイな、この世界は!

530もう皆さん、夢中になってイヤホンを耳に突っ込んでる。

550v業者さんに話を聞くと、皆さん、家の中と外で同じクォリティの音質で音楽を聴きたがっている…のだそう。

540スピーカーとイヤホンの音質の差にこだわるなら話はわかるが、家の外にいようが中にいようが、イヤホンで聴いている分には大差ないと思うのだが…。

560vケーブル類がスゴイんだよ。
イギリス式に言えば「リード」。
聞けば、何でもメーターで30万円するケーブルなんてのもあるらしいよ

570ケーブル製作の実演コーナーなんてものある。

580試聴しているお客さんの装置を見せてもらった。
ね、iPodみたいなヤツにヘッドホン・アンプをくっつけて聴いてるワケ。
業者さん曰く、「現代の音楽は現代のヘッドホンで聴くべし」…だそうです。
ま、そうでも言わなきゃ商売になりませんからね。
そうなると、チャーリー・パーカーをSPで聴いてみたくなるような気がしないでもない。

590v海外ブランドも目立ってたナァ。

600こんなものも。
欅で作ったヘッドホン・スタンド。
お値段は想像にお任せします。

610vコレが一番いいわ。
イヤー・マフ。
私は仕事柄ライブ会場に行くときは必ず耳栓を携行している。
演奏自体がうるさいからではなく、写真を撮っていると、どうしてもPAスピーカーの直前に立たなければならないことが多く、その爆音から耳を守るためにどうしても必要なのだ。
で、自分の耳に合わせて成型できるドラマー用の耳栓を愛用しているんだけど、完全に遮音することは全くムズカシイ。
ところが、このヘッドホン型のヤツは素晴らしいね。
スゴイ遮音性能。
ハメると「シーン」となる。
でもナァ…。

620vコレをハメている姿を一生懸命演奏しているステージ上のミュージシャンにはお見せできないよね~。
失礼すぎるわ。

630vスタンプ・ラリーなんかも開催していて人気を呼んでいた。
 
次回のポタフェスが12月16&17日、同じ場所で開催されることが決定している。

640vMarshall HEADPHONESの詳しい情報はコチラ⇒日本語版オフィシャル・ウェブサイト

650さて、場所は変わって、Marshallの事務所。
ココでは3台のMarshallスピーカーを使っている。
向かって左からWOBURN、STANMORE、そして、ポータブル・タイプのSTOCKWELL。

660最近、レコード・プレーヤーを導入したため、かつてはWOBURNだけだったシステムにそれより小ぶりのSTANMOREを追加して、LPをWOBURNで、CDをSTANMOREで再生するようにしている。
ちなみに…このWOBURN、Marshallの工場があるBletchleyの近隣の町の名前なんだけど、発音がややナゾ。
代理店の方は「ウバーン」と呼んでいるし、私は「ウォバーン」だと思っていた。
で、デモ動画でネイティブの人の発音を確認してみた。
カタカナにすると「ウォウバン」が一番近い感じがするな。

670ふたつとも大のお気に入りで事務所にいる間はズッと鳴らしっぱなし。
双方、抜群の音質だが、真剣に音楽を聴こうとするならWOBURNの方が上。
スピーカーも筐体も大きいので音がすごくリッチでクリアなのだ。
ところが、WOBURNは本物のMarshall同様、小さい音量で鳴らすことが大の苦手。
つまりボリュームが「ゼロか大」の2種類しかない。
そうなると辺りが寝静まった夜中なんかはチョット厳しい。
そこでSTANMOREに助けを求める。
適材適所ですな。
小さめの音量で実に優雅に、そしてバランスよく音楽を鳴らしてくれる。
それとSTANMOREってナゼかクラシックを聴く時にいいんだよね。
すごく音がまとまるの。
ジャズは断然WOBURN。
ロックはどっちでもOKかな?

680それと、やっぱり見た目がいいな。
Marshallが生活に中にあるってのはとてもステキなことだ。

690ああ~、ずいぶん長くなってしまった。
最後までくださった皆さん、お付き合いありがとうございます。
今、もっと長いヤツに取り組んでいるんだけど、またよろしくね!

 

2017年10月12日 (木)

火の神からの一撃~ヒヌカムブロウ登場!

 

質問。
「オールディーズ、ハード・ロック、プログレッシブ・ロック、サザン・ロック、パンク・ロック、パブ・ロック、ジャズ・ロック、ヘヴィメタル、J-POP…世の中には色々なスタイルのロックが存在しますが、アナタが『ロック』という言葉を耳にして直感的に思い浮かぶのはどういうタイプのロックですか?」
  

ロックに関して言えば、リアルタイムで聴いたモノもあれば、後追いで親しんだモノもあるし、新しいモノにはかなり疎いけれど、私の場合はプログレッシブ・ロックが一番好きなのね。
いつかも書いたように、プログレッシブ・ロックほど定義が曖昧なジャンルもないと思うが、マァ、ブリティッシュやイタリアンの器楽演奏を中心とした、大ゲサでややこしく、テクニカルな音楽が私にとってのプログレッシブ・ロック。
だからFaustとかAsh Ra TempelとかKraftwerkみたいなジャーマン・プログレは対象にならない。
そういうのが一番好き…というだけの話。
で、冒頭の質問に私が答えるならば、ナンダカンダ言って、ブルースを礎ににした飾り気のない、シンプルでエンターテインメント性の高い、エイトビートの音楽こそが「Rock」っていうところに落ち着く気がする。
それは70年代の初期にしか存在しない音楽で、Led Zeppelinでも、またDeep Purpleでも、はたまたビートルズでもないのね。
どんなにハードなスタイルを採っているにせよ、売上第一主義の80年代以降のモノとは一線を画しているロック。
どんなバンドをイメージするかというと、Humble PieとかStatus Quoって言えばいいのかな~。
録音技術のレベルによるところもあるかも知れない。
飽くまでも自分だけの感覚よ。
ある人は「The Shaggsこそがロックだ」と思っている人もいるかも知れないし、あるいは「Devoこそがロックだ」という人もいるかも知れない。
若い人に同じ質問をすれば、「ゲスの乙女極み。」…アレ?反対か。「ゲスの極み乙女。」と答える子もきっと少なくないだろう。
要するに世代の問題か。
だからこんな質問はナンセンスなんだけど、今日紹介するチームは紛れなく「ロック」だと思うんだよね。
  
その名を「ヒヌカムブロウ」という。
名古屋を拠点に、2009年に活動を開始したバンド。
7年前、ヒヌカムブロウが下のファースト・アルバムをリリースした時、某ギター雑誌に籍を置く、学校の後輩にして親友の編集者が「コレ聴いてみてください。カッコいいですよ!Marshallですし…」と、親切にもサンプル盤を送ってくれたのが始まりだった。
マァ、聴いてみて驚いたね。
「カッコいい!」という言葉しか思い浮かばなかった。
そして、ココで今一度冒頭の質問に戻って答えるならば…「こういうのこそがロックだよ!」

Hb1当然、上京したらMarshall Blogの取材にお邪魔しようとしていたのだが、そのチャンスがまったく巡って来ないウチに、正直徐々に忘れていってしまった。
それが、Marshallの事務所を開設して、若いミュージシャンが出入りするようになり、「こんな音楽聴いたことあるか?」とか、「こういうのカッコいいだろう!」と頼まれもしないのに彼らにロック、ジャズ、クラシック、民族音楽の音源を聴かせ、「迷惑音楽塾」みたいなことをやっているウチにヒヌカムブロウのことを思い出した。
そして、上のファースト・アルバムを若い連中に聴かせると、「ウワ!カッコいい!コレ誰ですか?」と百発百中でジャケットを手にするのだ。
若い人たちは、ヒヌカムブロウが私がまだ若かりし頃に親しんだ古いバンドだと思うらしく、現在活動している名古屋のバンドであることを伝えると大抵が驚くね。
そんなことが幾度もあって、私のヒヌカムブロウ熱が再燃してしまった。
そこで、先述の出版社の友人にお願いして再度間を取り持ってもらった。
するとどうだろう、ヒヌカムブロウは丁度セカンド・アルバムを発表して東京へやって来るというではないか!
何たるタイミング!
まさに「I'm on fire!」。
コレはMarshallの社長夫人が日本に来た時に教わったんだけど、物事がすごくスムーズに行っている時に使う表現。
例えば、電車の乗り換えがうまく行ったり、待たずにエレベーターが来たり、行く先の信号が全部青になっていたり。
まさにヒヌカムブロウの状況が「I'm on fire」だったのだ。
そりゃそうだ、「ヒヌカム」というのは縄文言葉で「火の神」を表すのだから!
そして「ブロウ」は「Blow」…「ヒヌカムブロウ」で「火の神様の一撃」だ。

3_img_0002 その一撃をくらわせてくれたのが…
ボーカルズ/ギター/ハーモニカのコースケ。

2_img_0010ギターはエイリ。

30vベースはケンタロウ。

40vそして、ドラムスがオガサワラ…の4人。

50v1曲目は「Hard to Handle」というアルバム未収録のゴキゲンなエイトビート・ナンバー。

60やっぱりこういうロックは気持ちがいいね!
言っちゃ悪いけど、私が若い頃はこういうロックを演奏するバンドがたくさんいたんだけどね。
ベルボトム履いてさ、タバコは必ずハイライトだった。

3_img_0035 「ヒヌカムブロウといいます。よろしくね!『手の鳴るほうへ』!」
ウォ~、CDとおんなじだ~!
タマりまへんな~!

80v「手の鳴るほうへ」はファースト・アルバムの冒頭を飾るアルバムのリード・チューンだ。

90コースケさんはハーモニカをブロウ。

100vイヤ~、でらカッコええがね~!

110アーシーなブルース調の曲なんだけど、サビの展開が意外なんだよね。
コレもよくMarshall Blogで若い人たちにお願いしている「トラディションと現代の感性の融合」のひとつ形なのではないだろうか?

120vギターを手にしたコースケさん。
3曲目は「Break Out Boogie」。

130今年リリースしたセカンド・アルバム『夜明けの風』に収録されているゴキゲンなアップテンポのブギ。
3の感覚。
そう!
今の若い人たちがやっている音楽は「3と4」がないんだよね。だから我々世代にはロックに聴こえて来ない。
「3」はいつも書いているように三連のこと。ブギとかシャッフルを表す。
「4」はコード進行。トニックから4度進行する曲がない。あるいは少ない…というか聴いたことがない。

3_2img_4705 しっかしいい声だな~。
声だけじゃなくて、歌い回し方が何とも言えないんだ。

140エイリさんの歌を歌うようなボトルネック・ギターが気持ちいい!

150再度MCがはさまれ、お客さんから「バンド名はどういう意味なの?」と質問が飛び、すでに上に記したバンド名の由来を説明した。
それほど東京はなじみがないのかな~。
今時、毎週のように大阪から東名をぶっ飛ばして東京に通うバンドさんがたくさんいるじゃない?
名古屋からならしょっちゅう東京に来ていたんじゃないかしら?と思っていたらさにあらず。
ナント、ナント、コレが初めての東京での演奏となるのだそうだ。
またしてもビックリよ。
メンバーに東京ギライの人がいるのか、はたまた、ただのスケジュールの問題なのか、結成して10年近くになるのにこんないいバンドが東京で演奏したことがなかったというのはどうしても信じられん。
昔はそういうケースはいくらであったけどね…。
考えてみると、名古屋ということで言えば、なぞなぞ商会だってそうだったもんな~。
私は東京で都合3回ほど拝見したが、それも2年とか3年越しでの話。
毎週のように「なぞ商」が吉祥寺のライブハウスに出演するなんてことはついぞなかったもんね。

160次も『夜明けの風』から「悪魔と踊る影法師」。
歌い出しは「ルパン三世」を思い出させるが、ヘヴィな内容な歌詞が曲にマッチしてとても聴きごたえのある1曲だ。

170vエイリさんのギター・ソロがフィーチュアされ…

180v後半ではコースケさんとのツイン・リードの場面も登場する。
見ごたえ満点のヒヌカムブロウ!

240続いてはファースト・アルバムからシットリめに「Lonesome man」。

190この曲ではエイリさんを大フィーチュア。

1_img_0113エイリさんは1987Xに1936をセットしていた。

3_img_0070 楽しい時間はアッという間に過ぎるもんでございまして…。
鉄壁のリズム隊に支えられて最後の曲。

200vファーストから「カンカン照りの太陽」。

210vココでもエイリさんのボトルネックが炸裂!

2_img_0031どれもトラディショナルなテイストに満ち溢れたステキな曲なんだけど、コースケさんの声だけでも楽勝で聴かせちゃう。
やっぱりこういうのを「ロック」っていうんだよ。

220vひとつのメディアであるMarshall Blog(←コレばっかり。決して調子に乗っているワケではありません。いいバンドやショウをジャンジャン紹介したいだけなのよ!)がこれだけホメそやしたんだから、皆さんもヒヌカムブロウを観てみたくなったでしょう?
私も是非東京の皆さんにお見せしたい!…と思ってスケジュールをチェックしてみたけどダメ。
東京、来ませんわ。
興味のある人はウェブサイトをこマメにチェックしてチョ!
コースケさん、スケジュールがキマったら私には連絡よろしく!
  
ヒヌカムブロウの詳しい情報はコチラ⇒ヒヌカムブロウ公式サイト

250(一部敬称略 2017年8月19日 吉祥寺BLACk AND BLUEにて撮影)

2017年10月11日 (水)

鋼鉄のハート、Silex!

  

勉強不足でスミマセン!
正直に白状するけど、ワタクシ、STEELHEARTというバンドをまったく存じ上げませんでした。
27年ぶりの来日か…ファンはうれしかっただろうな~。
その東京公演の前座に我らがSilexが登場した。
今日はそちらの模様をレポートする。
ところで、「前座」という言葉がスッカリ使われることがなくなったが、私は「サポート・アクト」なんて言うよりゼンゼンいい思っている。
私は英語のことがとても好きだけれど、何でもかんでも英語にしちゃうのがすごく恥ずかしい。
「ワイズ・スペンディング」ってナニよ?
美しく、理知的で上品極まりない我々の大切な日本語をないがしろにして、公の人がこんな言葉を恥ずかしげもなく使うことは到底「ワイズ」に思えない。
将来ナニが起こるかわからないご時世だ。
「The Super Volunteers」とか「The Drafted Warriors」だの、何やらカッコよさそうな言葉がお上から出て来ないように、若い人たちには付け焼刃でいいから勉強して、毅然とした態度で今度の選挙に臨んでもらいたい。
さて、それとは関係なしに、「前座」と同じように、最近聞かなくなった言葉に「ぼうや」ってのがある。
これだけ現場に行っていて、まったく聞いた記憶がない。
「ボウイ」じゃないよ、「ぼうや」。
今風に言えば「ローディ」ということになるんだろうけど、今や「ローディ」はショウビジネス界の一大ビジネスに成長している感もあるので、「ぼうや」とか全然イメージが違うモノになってるか?
あ、「付き人」って言えばいいのか…。
昔はプロ・ミュージシャンを志す若者はみんな師匠について、荷物を運んだり、楽器の手入れをしたり、身の回りの世話をして、現場で実地の研修をして、人脈を広げてデビューのチャンスを狙ったものだ。
今をときめくスター・ミュージシャンが「若い時に〇〇さんのぼうやをやっていたんですよ」なんて話を聞くのはすごくおもしろいものだ。
芸能界では今でもそういうシステムが当たり前だし、ロックの世界でも昔はそれが普通だった。
今は学校があるからね。
学校でひと通りそういうことを教えてもらえちゃうので、ワザワザ小意地の悪い先輩についたりしなくても習得できちゃう。
人脈なんて広げなくてもスッポ~ンとアニメかなんかの仕事も転がり込んできてくれる。
あ、いいとか悪いとか言っているんじゃないですよ。
そういう世の中になった…ということを言っているだけ。
  
ハイ、今日のマクラは以上。
さて、ノリにノッてるSilex。

10Pete Klassen

15vMasha

20vステージにはSTEELHEARTが合計3セットのMarshallフル・スタックがセットしてくれていた。
ありがとうSTEELHEART!
やっぱり見た目の破壊力が違うね~、フル・スタックは。
もうそこにあるだけで無条件に「ロック」だよ。

30でもMashsaくんのMarshallは裏にセットされてたの。
愛用のJCM800 2203!

50キャビネットは表の1960AXを使用した。

40hibiki

60vhibikiくんはEDEN Terra Nova TN-501。
よ~、抜ける~。

70vYosuke Yamada

80vそして、サポート参加のYosisi。

90会場は開演前からスゴイ熱気だった。
Silexを目当てに来ていた人もかなり多かったんじゃないかしら?

100オープニングは「Everlasting Symphony」。
Mashaくんのソロではひときわ大きな歓声が上がった。

110あまりにも熱狂的な反応にSilexのテンションもいいように上がりまくる。

120v続いての曲はファースト・シングルから「Cancion De Amor」。

130vここでもMashaくんがクライング!
会場を埋め尽くすMasha+Marshalサウンドが素晴らしい。

140vアタマは3曲ブッ続け。
「Metal Nation」が締めくくった。

150Roxy Musicの前座を務めたサディスティック・ミカ・バンドじゃないけれど、「前座が本編を喰った」なんて話が昔からあるけど、まさにそんなことを狙っているかのような気合いの入りようだ。
STEELHEARTのステージはこれからだし、もちろんSilexも普段通りにプレイしているに違いないのだが、そんな勢いを感じたわ。
その理由のひとつはギタリストの背後のMarshallだろう。
Marshallは単にギターの音をアンプリファイするだけではないのだ。
ステージ全体をアンプリファイすることができるのだ。

160時間がないので短めのMCをはさんで、Silexからのプレゼントがファンに贈られた。

170それがナニかと問うならば?
---問うならば~!
久しく筋少さんにもお邪魔していないナァ。
Silexはこの日、完全初披露となる「An Evening in Paradise」という新曲を演奏したのだ!
230vMashaくんによると「メンバーのエッセンスが凝縮されたSilex流のハードロック」…まさにその通り!
作った本人が言っているんだから間違いないし、間違いなかった。
今後のSilexの重要なレパトワのひとつになることだろう。

180v勘を取り戻したのか、Silexの曲に慣れたのか、チョット前よりもアクションが激しくなったYosisi。
好きなんだ~、彼の動きが!
初めてYosisiを見た時に「ふなっしー」を思い出したことをCrying Machineのライブ・レポートに書いたことがあった。もう4年以上も前のことだ。
そして先日とうとう、本物のふなっしーをMarshall Blogにお迎えした
信じられないぐらいのアクセス件数にタマげちゃったよ!
そして、これだけ沢山の人にMarshall Blogが読まれているのかと思ってチョットこわかったね。
で、そのふなっしーの記事内でYosisiのことを書いて、4年以上前のライブ・レポートにリンクを張っておいた。
するとどうだろう。
予想をはるかに超える数の読者がそのCrying Machineの記事を読みに行ってくれたのだ。
もちろんこっちはそれを期待していたんだけど、ナニが起こるかホントわからない世の中ですわ。
田川ヒロアキがいつも「Marshall Blogはひとつのメディアである」と言ってくれる。
彼はロック・ギタリストで活躍すると同時に作曲家としてものすごく裾野の広い仕事をしているんだけど、日本国中、津々浦々、行く先々で「Marshall Blog見ましたよ!」と言われるらしいのだ。
そういう状況を指して「ひとつのメディア」だなんて言ってくれるのはとてもうれしいことだし、これからもそうありたいと思っている。
とにかく、制作に協力してくれる皆さんと、読者の皆さんに感謝感謝なのだ!
190vもちろん「Silexの新曲」とあってお客さんたちは大喜び!
超大ウケの反応にメンバーもうれしそうだった。

200v新曲の後はおなじみの「Cry for the Moon」。

210vhibikiくんの必殺ワザ、「又兵衛」!
又にベースを突っ込んでいるからです。今、私が勝手にそう呼んだだけです。
でもhibikiくん、コレ好きだよな~。
しかしさ、チョットしたタイミングや態勢のズレでベースのペグがアソコに当たっちゃったらイテエだろうな~!
そんなシーン…見てみたいと思いませんか?
hibikiくん、よろしく!

250もう一度MCをはさんで最後のセクションに突入した。
今一度Marshallの壁の前で写真を撮っておきましょうね。

220v曲はSilexの第1キラー・チューン「Standing on the Grave of Yesterday」。
そして、最後を「Cry for You」で締めくくった。

240今秋、Silexの待望のファースト・フルアルバムのリリースが決定した。
そのリリースに合わせ、『DRAMATIC METAL NATION』と銘打ったツアーが決定している。
順風満帆にますます勢いを強めるSilex。
これからの活動が楽しみだ。

260vSilexの詳しい情報はコチラ⇒Silex official website

270(一部敬称略 2017年8年15日 渋谷WWWにて撮影)

2017年10月10日 (火)

CANTAの15年 "黒歴史" 中日

  
黒歴史の「中日」。
前回も超満員だったけど、今日はドラゴンズ・ファンで満員御礼。
今年のペナント・レースは最下位だったようだけど、熱心なファンの多いこと!
え?チガウ?
「中日」ってドラゴンズじゃないの?…と冗談を言ってみたところで、私が野球に何の興味も知識もないことはMarshall Blog読者の皆さんは先刻ご承知か。
ホ~ント、スポーツって見ないわ。
Marshall Blogに最も縁遠い話題はスポーツなのね。
ちなみに今月のヤングギターは「ギターと人体」という特集を組んでいて、ギタリストの皆さんに「運動はしていますか?」とか「食事に気を遣っていますか?」とか、クリニックで出て来るような質問でアンケートをしている。
ルークさんも登場するんだけど、普段おつきあいしている方がとても多く、プライベートの一部を知っている私にはメチャクチャおもしろかった。
  
さて、今日も原宿のアストロ・ホールから。
このハコには忘れられない思い出がありましてね…。
私が初めて司会のマイクを握り、ズラリとMarshallを並べてHandwiredシリーズの商品発表会をココでやったのです。
2004年のことで、出演は土方隆行さんに北島健二さん、それにFuzzy Controlといった方々。
もうアレから13年も経っているのか…。
ハコのスタッフの皆さんにはとてもご親切にして頂きましてね~、それ以来今でも仲良くしてもらっています。
それと7年前にココで10ccを観たんだよな~。
もうオリジナル・メンバーはGraham Gouldmanしかいなかったけど、最初から最後まで、細部に至るまでバンドの演奏に合わせて歌えたコンサートって、人生のウチでココで観たその10ccと、Zappa Plays Zappaだけだわ。
  
そんなアストロ・ホールで観るCANTA。
デビュー15周年を記念する3週連続のコンサート。
今日はその2回目のようすをレポートする。

05「中日」に演奏されるのは4~6枚目のアルバムに収録された曲たち。
  
「行くぜ東京ッ!」
オープニングは6枚目のアルバム『Green Horn』から「Go Faster! Go Faster! Go Faster! Go Faster! 」。
続けて同じアルバムから「愛という名の下に」。

10ルーク篁

20vMASAKI

30v雷電湯澤

40vルークさんの背後には今日もMarshall。
Marshallコレクターのルークさんのこと、15周年を記念してご自身のコレクションを披露すべく、毎回違うMarshallがセットされるのかな?と勝手に思い込んでいたけどさにあらず。
「初日」と同じ1959RRと1960AXがステージに上がった。

50vMASAKIさんの背後はおなじみの特注のヤカン・スタンド。

60vそれと、コレ。
十手。
気になるナァ~。

70v2曲終えたところでルークさんのMC。
「『黒歴史』の中日です!1~3枚目の曲を演った初日が好評だったからね!
ファースト・アルバムには『Everything’s Gonna Be Happy』と、『すべてよくなるでしょう!』というタイトルをつけてみた」
外人は「Everything's gonna be alright!」とかその手のセリフが好きなんだよね。
イギリスでは「I always look on the bright side of my life」というのが有名。
コレはエリック・アイドルが歌ったモンティ・パイソンの挿入歌で、ロンドン・オリンピックの閉会式にも本人が登場して歌っていた。
で、ルークさん…「そんなことあるワケないじゃん!」だって!
ハイ、すべてがウマくいくことなんてそうはない。
「でも、そんな感じを表現したくてそのタイトルをつけた。そういうバンドにしたかった。
3枚目までとても好評で、心に闇を抱えていらっしゃる皆さま…闇を抱えながらも日々頑張っていらっしゃる。それが美しいんですよ!
ほいで…」
ココで皆さん大爆笑。
せっかくいい話をしているのに、ルークさんが「ほいで」なんていう言葉でつなぐから!
「今日は4枚目の『百花颯鳴』から『Green Horn』までの曲を演奏します」とシャツの腕をまくった。
「ジャケットで来たシャツ。腕をめくると白い『細腕繁盛記』なのさ…」
『細腕繁盛記』…久々に聞いた言葉だ。
「銭の花の色は清らかに白い。だが蕾は血がにじんだように赤く、その香りは汗の匂いがする…」
学校から帰ると、母が家の仕事をしながら昼間の再放送を時々観ていて耳にこびりついている。
こっちはまだ子供だったので、「こんなのナニがおもしろいんだろうな~」といつも思っていた。
そういえば、「カギっ子」っていう言葉は絶滅したね。
ウチは母が専業主婦だったので、家のカギを持って学校へ行くことは一度もなかったけど、当時はそんな言葉があったぐらい共稼ぎとか母子家庭は珍しかった。
仮にお母さんが働いていてもおジイちゃんやおバアちゃんが家にいるとかね。
言葉ってのは本当に「時代を映す鏡」だね。
  
さて、MCに続いては4枚目の『百花颯鳴』ゾーン。
「In my Room」と「1959」。

80v5枚目の『流星と春の嵐』から「World Wothout End」も続けて演奏。

90この曲では途中でチョットしたトラブルがあったが、「♪愛してま~す」が逆にすごく印象的に聴こえた。

100「アレ?素通り?」と古くからMarshall Blogをご覧の皆さまはお思いになったことかも知れない。
ナニが?って「1959」よ、「1959」。
こんなにおいしい脱線ネタを私が放っておくワケがない。
ナントならば…「1959」はMarshallを代表するシンボル的モデルなのだから。
…ということで、頼まれてもいないのに、今日だけの「Marshall大学」をココで開校しましょうね!
いつもライブ会場で声をかけて励ましてくれるCANTAファンの皆さんへ、「1959」を1.2倍楽しむための特別講義だよ。
まず、「マー大」の校章はコレ。
Mar_logo校舎はココ。
イギリスはウエストミンスターシャー、ミルトン・キーンズにあるMarshallの本社工場。

9_img_5982いいから、いいから、行った気になって!

9_img_5993ルークさんはこの曲の中でこう歌う。
「♪WOW WOW 1959 DREAMIN' フルテンで始めよう 100WのECSTACY 真空管がCRY」または、「♪WOW WOW 魂の解放者 ROCK'N'ROLLの夢を叶えた影の功労者」…。
ナント素晴らしい。
「さすがルークさん!」としか言いようがないじゃないか!
ま、私も長年にわたっていい加減色んな音楽を聴いてきたけど、「絶対」とは言わないが、世界広しと言えどもこれだけドンズバでギター・アンプのことを歌った曲って他にないんじゃないかな?
「ギター」の名の付いた曲は「Johnny Guitar」だの、「While my Guitar Gently Weeps」だの、「Guitar Jamboree」だの、そう珍しくはないけど、アンプのモデル名がタイトルの曲はやっぱり他に思い浮かばない。 
1960年代の中頃、爆音合戦に明け暮れていたロンドンのロック・シーンから生まれた名器。
それまではギター・アンプというものは、せいぜい50W程度の出力で十分であった。
要するにその程度の音量で事足りる音楽しかこの世になかった。
ある時、「100Wのギター・アンプを作って欲しい」と、Marshallの創始者、ジム・マーシャルに依頼したのはThe Whoのピート・タウンゼンドだった。
ロックが大きく変化しようとしている時代だった。
想像を絶する大きなギターの音がピートの作る音楽に必要だったのだ。
ピートは1966年以降Marshallを使わなくなってしまったが、1962年にMarshallが最初に発売したモデルの開発にも大きく関与した人。
そうして1965年、「1959 SUPER LEAD」としてこの世に生を受け、現在まで「Marshallの歴史的代表機種」として100か国にも及ぶ世界のマーケットで流通している。
以上が歴史。
細かいことをチョット書いておくと…。  
Marshallではギター用のアンプのことを「LEAD」と呼んだ。だから1959の正式名称は「1959 SUPER LEAD」という。
よくMarshallの4桁の数字を用いた型番を、そのモデルが発売された年と考えている人がいるが、全く関係ないどころか、この数字には何の意味もない。イヤ、チョットある。
この数字は実はMarshall自身ではなく、60年代から1981年まで世界のMarshallの販売を一手に請け負っていたロンドンのRose Morrisという楽器店がつけたもの。
世界で最も有名なスピーカー・キャビネット、1960は1959と同時に売り出されたため連番になっている…程度のもので、そもそもMarshallは1962年の創業だから、1959年にはまだこの世に存在していなかった。
しかし、後付けで「1959の定義」というモノがあって;
●100Wのヘッド(コンボの場合はアタマ2桁に「19」ではなくて「21」が用いられた)
●4インプット(向かって右端のギター・ケーブルをつなぐ穴が4つある仕様)
●マスター・ボリュームなし。
…こんだけ。
こういう状態のアンプはどんな形をしていようと、Marshallではすべて「1959」という名前になる。
下の写真は現在も販売しているほぼ原形の「1959SLP」というモデル。
一時はコントロール・パネルにアルミが使われていた時代があった。
現在流通しているこの1959は、復刻の際、オリジナル同様のプレキシ・グラスという材質をコントロール・パネルに採用し直したので、「SUPER LEAD PLEXI」と称し、さらに型番にその頭文字を付して「1959SLP」として他の復刻モデルと区別した。
それにしてもカッコいいデザインだよな~。私の年だともう40年以上目にし続けているけど、まったく飽きが来ない。
やっぱりジムはアッパレだよ!

21959slp_frontすぐ下は1970年代、「JMP期」と呼ばれていた頃の1959。
見た目は変わったが、やはり定義通り、「4インプット、マスター・ボリュームなしの100Wヘッド」だ。
私は大学の時、コレを使っていた。
何しろ音がデカくて、歪んだことなどただの一度もなかった。
大きさでマイッタのは、音よりもその図体。
ライブハウスなんかで目にしている分には何でもないのだが、コレとスピーカー・キャビネットを自分の部屋に入れてごらん。
デカいよ~。
それに、いくら見た目がイカしていでも狭い部屋の中では邪魔だわ。
使わないMarshallほど重くて邪魔なものはないからね。

2jmp19591981年にJCM800シリーズが発売され、デザインが大幅に変わっても定義に則って1959は存続した。

8001959下はJCM800シリーズの代表機種、2203。
上の1959とほとんど同じでしょう?
ところが、仕様は全く異なっているのね。
なんだか「こち亀」みたいになって来たな…。
この2203は2インプットでマスター・ボリュームが搭載されているのね。
つまり…
●100Wのヘッド
●2インプット
●マスター・ボリュームあり
…というのが2203の定義。この仕様のモデルはすべて2203となる。(50Wは2204)
1980年代、この2203が世界的にアホほど売れてMarshall社は莫大な外貨を獲得し、ジム・マーシャルはエリザベス女王から表彰された。
コントロール・パネルが以前のモデルに比べて左右にガバチョと広がっちゃったでしょ?
今では当たり前のルックスだけど、このシリーズが発売された時、世界のMarshallファンがヒックリ返って驚いたらしい。

2203Marshallに興味のある方は、こんな本があるので是非読んでみてください。
コチラは私が監修した『アンプ大名鑑<マーシャル編>(スペースシャワーブックス刊)』。
よせばいいのに、表紙の写真も私が撮らせて頂いた…大変だった。

Ad コチラはほとんど私の文章と写真で構成された、Marshall社の50周年を記念して刊行した『Marshall Chronicle(シンコーミュージック刊)』
コチラは企画段階から参画させて頂き、取材をし、関係者にインタビューをし、すごく大変だったけどおもしろかったな~。
「日本で初めてのMarshallの本」ということもあって燃えたわ~。

Mc さあ、1959がわかったところで、黒歴史でルークさんがお使いになっているMarshallをもう一度見てみよう。
すでに記した通り、モデル名は「1959RR」だ。
「RR」は1982年に飛行機事故で25歳の若さで夭折した天才ギタリスト、ランディ・ローズの頭文字。
ランディがMarshallの工場に行った時に施してもらった改造をそのまま採用したシグネチャー・モデルだ。
元々はマスター・ボリュームが付いていない、4インプットの100W仕様のヘッド…すなわち1959なんだね~。
  
1959が発売されてから52年が経過した。
50年以上経っても中身が変わらない電化製品なんて他にある?
ないでしょう?52年ですよ!
ナゼ1959は変わらないか?
理由はルークさんが歌ってくれている。
「夢を叶えた影の功労者」…
雑誌でもなんでも皆さんギターばっかり注目するけど、そのギターの音を出しているのは誰なんですか?
ギター・アンプでしょうが!
Marshallはその独特の音でロックの歴史を変えたんですな。
もちろん、それはピート・タウンゼンド等の偉大なミュージシャンの音楽的アイデアのおかげなのね。
楽器はいつでも音楽の僕なんです。
ジム・マーシャルが亡くなった時、ギターマガジンに寄稿した追悼文に「あの黒い大きな箱には夢がつまっている」と書いた。
今でもそう思っているし、だから長年見続けて来ても飽きが来ない。
夢に飽きてしまう人はいないでしょ?
「真空管の夢」…。
私はルークさんのギターの音が好き。
もちろんそれはルークさんの指先から出される「ルーク篁のギターの音」なんだけど、すごくMarshallっぽいんだな。
不思議なもので、Marshallを使っていてもそれほどMarshallっぽい音がしないギタリストもいるのね。
いいとか悪いとかじゃないんですよ。
そのルーク・ブランドのギター・サウンドはMarshallの心臓部でもある真空管じゃないと作れないんだな~。
どんなにデジタル・テクノロジーが進化しても、絶対にこのホンモノの真空管のサウンドを超すことはできない。
考えてみると、真空管のアンプというのは、音だけでなく、「ロックの空気」を同時に作っているからなんだな。
「大音量の代名詞」…。
説明不要でしょう。
チョットだけ書くと、ピート・タウンゼンドのアイデアがギターの多様性を進化させ、ジェフ・ベックのカッコいいギターがそれを昇華させ、ジミー・ペイジがそれを見てレッド・ツェッペリンでハードロックを大爆発させた…そしてそこにはいつもMarshallが放つ大音量のギターがあった。
つまりMarshallの大音量がなければ、今のロックは別のモノになっていたであろうということ。
誰よ?「そっちの方が静かでヨカッタ」なんて言ってるのは?
ロック・ギターの同義語、1959。
どんなにギター・アンプのデジタル・テクノロジーが進化しても、1959は永久にビクともせんよ、ガハハハ!
講義終わり。
    
さて、ルークさんの「1959」には加えて「You Really Got Me」、「Heaven and Hell」、「Whole Lotta Love」というロックの名曲のタイトルが散りばめられている。
いいね、こういうのは。10ccっぽくて好き。
日本のロックは歌詞に固有名詞的を使うのが苦手だからね。
「Michelle」、「Lucille」、「Angie」、「Lola」、「Layla」…女性の名前を題名にした曲ひとつとっても洋楽はこうだ。
コレが日本だと、「お富さん」、「順子」、「おゆき」、「サチコ」…となる。
ま、しょうがないか。
Marshallの親友が昔、フランクフルトの展示会の時、参加者が200人にも及ぶ大パーティの壇上から挨拶をした。
普段、私なんか英語の挨拶を聴き取るにはやはり相当な集中力が要るのだが、この時はスラスラと彼の英語をすべて聴き取ることができた。
ナゼなら彼は10分近い挨拶の原稿を完全にロックの曲の題名だけで書いたのだ。
「Rock Island Line」だとか「Guitar Boogie Suffle」なんていかにもイギリス(Marshall)らしいのも出て来てとてもおもしろかった。
アレ、録音しておけばヨカッタな…残念ながら、その親友は数年前に天国に行ってしまったので、もう永久にあの挨拶を聞くことはできない。

50v_2「中日」に戻る。
「久しぶりに演る曲ばかりで、もう十分だろう?」
「エエ~!」
「じゃもうチョット演ろうか…」と「破綻ライダーV3」と「Rolling Days」をプレイ。
  
その後のMCでルークさんがうれしいことをおっしゃってくれた。
「みんな音楽を買う気ないでしょ?もっと音楽にお金を使って欲しいね。今はCDを買わないでネットで拾ってきちゃうもんね」
そうだ、そうだ!
CANTAファンはそんなことないでしょうけど…。
芸術にお金をかけないで楽しむことなんてことは土台できないんですよ。
だって芸術は「お金と時間」できているんだもん。
芸術というものは、作る方もそれを鑑賞する方もある種同じ立場だと私は思っている。
つまり鑑賞する方も、その芸術を理解する努力や勉強をして初めて本当に楽しめるものだということ。
お金と時間をかけて自分の好きな芸術を追求すればドンドン面白く、そして深くなってくる。
音楽でいえば、その最高峰はイタリア・オペラだろう。
私もそれを目指しているんだけど、ロッシーニやヴェルディの方で私のことを寄せ付けてくれないんだよな~。でも、プッチーニの「ラ・ボエーム」だけは私を迎え入れてくれたよ。メッチャかっこいい。
皆さんだって、お金と時間をかけて原宿までお越し頂いたワケでしょう?
インターネットで家にいながらにして、クリックひとつで無料で手に入れた音楽なんか絶対に心に入って来ないって!
そんなのその時だけの、そして上辺だけの楽しみに過ぎないよ。
ルークさんはこう続けた。
「音楽との出会いを大事にして欲しい。ライブ会場はそういう場でしょう。だから今日も大切に演っていきたい」
ところが…コレは先日、大手のライブハウスのブッキング・マネージャーから聞いた話。
最近は若い人の足がライブハウスからも遠のいているのだそうだ。
ナンでだと思う?
フェスだけで十分なんだって。
各地で開催しているロック・フェスに行くことがステイタスになっていて、もうそれだけで満足している若者が多いらしい。
そうなると、もうアニメのコンサートの方がケタ違いにスゴイ。
私が若かった頃に体験したような「ロックの興奮」がそこにあるもんね。
ロック界はアニメ界に頭を下げて、出会いの機会をシェアしてもらったらどうだろうか?
どうせ同じような音楽を演っているんだから。
  
ああ、毒づいた感じになってしまってゴメンね。
ちょいとルークさんの威を借りてしまったよ。

120「『初日』に最悪のセクションと言いましたけど、それが好きな人が多いみたいだね~」
イエイエ、前回の記事に書いたように、「初日」のあのパート、すごくカッコよかったですよ。
それと同じコーナーが次。
「Someday」、「Always」、「パピヨン」と3曲立て続けに演奏した。
140vゼンゼン最悪じゃないし!
「Someday」のルークさんのスライド・ギターもヨカッタです。
このバンドは一切譜面を使わないので久しぶりに演る曲は大変でしょうね、確かに。
皆さんとっても忙しいし。

130v雷電さんのMC。
「1週間、アッという間ですね!すごい勢いでやって来ちゃったよ!今回は全部で50曲ぐらいあるからね、来る日も来る日もCANTAの曲を聴いています。
久しぶりの曲はやっぱり緊張するね~!」
雷電さんは楽屋でも緊張しているようには見えないけどな~。

160v続いてMASAKIさん。
「どーもッ。皆さんの心の隙間を埋めに来ましたよ。その時代のグッズ…タオルやTシャツを持ってきてくれてありがとう!ナウなヤツを持て来てくれた人もありがとう!」
いつも通りの「立て板に水」式のMASAKIさんトークが素晴らしい。
「ボクは『やすきよ』になりたいんですよ。何も決めずにドンドン客席が沸いちゃう。そういう風になりたいですね!」
十分なってますから!

170v早くも「中日」も最終セクション。
最後は5枚目と4枚目からの曲を交互に並べた。
「お願い♡ロック」、「Plesure Dome」、「1400km/h」。

150vようやく出て来た十手!
いつ出るかと思っていたのでスッキリした。
タライ、ヤカン、十手…噺家のカゼとマンダラみたいですな。

190v連日CANTAの研究に取り組んだ雷電さんのドラミングには一分のスキもない!

Img_0012「ありがとう!おかげさまで楽しくできました!
いよいよ佳境です!
なんていい曲だらけなんだ!ヨカッタね~、いいバンドにめぐり会えて。
今日は4、5、6枚目のアルバムからの選曲。
この曲で終わってみたいと思います」
「エエ~!」
「いいじゃないの!アンコールすれば!」
ルークさん節が炸裂。
「いつもイントロダクションではじまるんだけど、『エ~』とか一度もないんですよ。皆さん、この曲うれしくないのかな?」
ルークさんが弾いたイントロは「Rainbow」。
すかさず客席から「エエ~!」
ん~、CANTAはステージと客席のコンビネーションが素晴らしい!

180CANTAはいつもアンコールの隅々まで盛り上がるけど、今回もすごかったよ。
このMASAKIさんの舞い!
ホントにこういうの上手だな。
やすきよ以上です。

230アンコールは「SHINE」…
240 「オルタナ」…

220v「So Alive」と続けて…

210v「春の嵐」で「中日」の幕を閉じた。

Img_0404お客さん、楽しそう!

Img_0399 雷電さんもタオル回し!

Img_0303_1ルークさんって最後に「またやろうな!また来いよ~!」っていうセリフで〆るでしょ?
アレがすごく好き。
また来たくなっちゃうよね。
高木守道もビックリの最高に充実したステージだった!

250vCANTAの詳しい情報はコチラ⇒CANTA Official Web Site

260v<千秋楽>につづく

(一部敬称略 2017年6月14日 原宿ASTRO HALLにて撮影)

2017年10月 6日 (金)

WORLD GIRLS GUITAR COLLECTION vol.0 <後編>

 
CYNTIAとMary's Bloodのステージが終わったところで今度はEYEちゃんとSAKIちゃんがMCで登場。
「初めての対バンだったね!」…って、そうなんですか?
野音で何度も見ているせいか、MaryとCYNTIAはしょっちゅう対バンをやっているのかと思っていた!

10「次はいよいよお待ちかねのWORLD GIRLS GUITAR COLLECTION!
始めるよ~!手拍子よろしく!」

20そして、緞帳が上がると、人気のガール・ギタリストがゾロリ!
ステージ上手から…

30AYUMI

50CYNTIAのYUI。

40センターを飛ばして…
LoVendoЯから宮澤茉凛。

60Mary's Bloodではサポート・ギターの他コーラスでも大活躍してくれたYASHIRO。

70そして、中央はMary's BloodからSAKI。
ちゃっき~!

80v<前編>でEYEちゃんとSAKIちゃんが触れた通り、この企画は『NAONのYAON 2017』で大好評だった、ガール・ギタリストが一堂に会したセッションの再現だ。
5人のガール・ギタリストが古今東西のロックの名曲を切れ目なくメドレーで引き倒す「ロックのファッション・ショー」なのだ。

901曲目というか、1巡目は「Burn」でスタート。
オリジナル・バージョンでは21回繰り返される耳タコのリフもメドレーなら安心!
Deep Purpleつながりで「Smoke on the Water」へと続く。

100vガラっと変わって「Ultra Soul」。こういうところに時代の移ろいを感じますな、オジサンは。
また洋楽に戻ってNight Rangerの「Don't Tell me you Love me」。

110vまた雰囲気が変わってSantanaの「Euroa」。
いわゆる「哀愁のヨーロッパ」。
この「Europa」が「ヨーロッパ」か木星の第2衛星「エウロパ」のどちらを指すか…という論争もあるが、この曲ってLos Angeles Negrosというチリのバンドの「Y volvere」という曲と全く同じだって知ってた?
平たく言えば、「哀愁のヨーロッパ」に歌詞がついてるってこと。
どちらの方が先かというと…Santanaの負け。5年ほど「Y volvere」の方が先なのだそうだ。
やっちまったな~。
ちなみに、この曲ってコーラスの最後のメロディがメジャーで終わるでしょ?
こういうマイナーのメロディをメジャーで解決させる手法を「ピカルディの三度(Picardy TriadもしくはPicardy Cadence)」と呼ぶそうです。
もちろん、出元はクラシック。
音楽人が使っている歴史的専門用語みたいなものは、ほとんどクラシックの人たちが始めている。
「ツェーマン」とか「ゲーセン」と数字を音階名で表すのはもちろん、「ロイク」とか「ナオン」のような文字の順番を入れ替えるいわゆる「倒語」も同様。
コレ、正式な倒語のルールっていうのがあって、ナゼか2文字の言葉は文字をヒックリ返さないで、間に音引きをいれて表現するらしい。
例えば、「寿司」のことをよく「シース―」と呼んでいるが、これは誤りで、正式には「スーシー」となる…と山下洋輔が著書の中で論陣を張っていた。

1_0r4a9074 SAKIちゃんが今日も愛用しているのは、トレード・マークのMarshall JVM410Hのハーフスタック、タトゥー・モデル。

160vメドレーはジャンジャン続く。
Metallicaの「One」からもう一度「Smoke on the Water」に戻る。

140vそして「Hotel California」からまた「Burn」に戻って1曲目を終了した。

130vしかし、コレはウマく考えたよね。
「ガール・ギタリストだけのギター・オーケストラ」とでも言おうか…。
だってコレは日本ならではの企画でしょう。
海外にはこんなにバリバリ弾くギター女子はそういないもん。
そのうちMarshall GALAでパクらさせて頂こうかな?
ウチでやる場合は、全員Marshallギタリストになるけど…。
5年後にはMarshallも創立60周年を迎えるでね。
その時にいいかもね~、華やかで!
「マガギ大集合!」なんつって…「マーシャル・ガール・ギタリスト」の略です。
150v5人のギタリストをサポートしたのは…
キーボードにジャッキー池田。

170vベースは平元純平。

180vそして、ドラムが杉村良介。

190vSAKIちゃんオリジナルのほんわかムードのMCがはさまれる。

200「チッタ盛り上がってますか~?息が切れちゃったよ~!」
そして、各メンバーから感想が述べられた。

210v2曲目はKISSの「Detroit Rock City」で始まった。
私が中学2年、すなわち41年前に流行っていた曲。
1曲目はまんま『NAONのYAON 2017』の再演だったが、ここから先は本邦初公開!

230しかし、このギターを弾きながらランウェイを闊歩する姿ってのはカッコいいもんだね。
パリでも見ることはできないよ。川崎じゃなきゃ見れない!

120SAKIちゃんのこんなサングラス姿もココでしか見れないんじゃん?

2_s41a0776「China Grove」から「Sweet Child O'Mine」、「Don't Stop Believin'」、「Let it Go」と続く。
さらに切れ目なく「Owner of a Lonly Heart」、「You Give Love a Bad Name」、「Livin' on a Prayer」、
「One Night Carnival」が飛び出してきた。
Guns 'n' Roses、Def Leopard、Journey、Bon Jovi等々…やっぱり世間の「ロックの伝統の名曲」ってのは80年代のモノが多いんだね。
こういう選曲を目にすると、今でも60~70年代のロックしか自発的に聴かない私なんぞ、本当に古い人間って感じがするわい。
同じクラシックでもワタシなんぞは「バロック」世代なのか?
もし私がこのメドレーを作ることになったらどうしよう…ジジイのためのメドレー。
The Who、The Kinks、Robin Trower、Free、UFO…結局、イギリスばっかりになっちゃう。
ナゼ、ジジイのためのメドレーかというと、昔はドップリとロックを聴いているごく普通の女の子は少なかったから。
でも、この辺りのバンドの曲を歌なしで演るのはムズカシイでしょう。
ギターで歌のメロディをなぞるのがシンドイからだ。
そうか…翻ってみるに、こうした企画となると、俄然80年代以降の曲が多く選ばれるのは、80年代に入ってロックが一般大衆化してメロディが格段にわかりやすくなったということなんだろうな。
イヤ、わかりやすいから一般大衆化したのか?…その両方か?
いずれにしても「70年代は遠くなりにけり」だね。

240皆さん、燃えたぎるような入魂の演奏で熱気も気魄もすさまじい。
もちろんそれに応えるお客さんの興奮も最高潮に達している!

250お!コレは古い!「Layla」。
その次には「Heavy Rotation」、「Love Gun」と何しろバラエティ豊か!
最後はMr. Bigの「Daddy, Brotherm Lover, Little Boy」で締めくくった。
コレは知ってる。こないだの武道館でも演ってたよ。
…とマァ、何しろ見ているコッチも息が切れそうな怒涛のロック・メドレー。
作る方も覚える方も大変だったことでしょう。
でも、その素晴らしいコンテンツに浴びせられた大歓声でその苦労が報われたのではないかしら?

260「欲しがりの皆さんにもう1曲プレゼントします!」
アンコールではEYEちゃんとCYNTIAのSAKIちゃんも加わった!

270曲は「I was Made for Lovin' you」。
「皆さん、ノリノリで踊ってくれたらうれしいです!」

280vこうして見ると、KISS強し!トータルで3曲も出て来た。
そういうものなのかKISSってのは!
ま、盛り上がるもんね!

290最後の力演を見せる5人の雄姿!

300v

310_2

320v

330

340vあ~、よ~盛り上がった!

350最後は出演者全員でランウェイを練り歩く。

360

370「どうもありがとう~!」

380今回も大好評だった『WORLD GIRLS GUITAR COLLECTION』。
ナント来る11月25日の開催される『CLASSIC ROCK JAM』で再々演されることになった!
やっぱり恐るべしガール・パワー!  
  
CLASSIC ROCK JAM 2017の詳しい情報はコチラ⇒CLUB CITTA' LIVE INFORMATION

Crj「バイバ~イ!」

390まだやってる!
ちなみにステージは女性ばっかりでとてもいいニオイだったらしい。

400さて、昨日もお伝えした通り『Raise the Flag Tour 2017』と題して来週の月曜日、柏PALOOZAを皮切りにMary's Bloodはツアーをスタートさせる。
今回のツアーは全16公演。
全国細かく巡るよう工程を組んだそうだ。
そして千秋楽は11月19日の品川インターシティホール。
是非アナタの街でMary's Bloodを!

Fl
Mary's Bloodの詳しい情報はコチラ⇒Mary's Blood Official Site

410(一部敬称略 2017年7月14日 CLUB CITTA'にて撮影)

2017年10月 5日 (木)

WORLD GIRLS GUITAR COLLECTION vol.0 <前編>~Mary's Blood & CYNTIA

   

緞帳の降りた舞台に登場したのはMary's BloodのEYEちゃんとSAKIちゃん。
「イェ~イ!盛り上がってるか~い?まだ始まってないけど~!」
たしかに…。
「〚NAONのYAON〛の時にやった『GUITAR GIRLS COLLECTION』を抜き取ってシッカリ聴いてもらおうということ!」と、このイベントの説明からスタート。

10_2コレね。
今年の『NAONのYAON』でやったヤツ。
この時のレポートはコチラ

830「世界初だから『WORLD COLLECTION』っていう名前をつけた」…そうだ。
その前に、今のガール・バンド界を代表する2つのグループがステージに上がった。
まずは…

20_2CYNTIA!

30_2SAKI

40vYUI

50vAYANO

60vAZU

70vサポート参加の夏芽。

80vCYNTIAは日比谷野音以来…というか、『NAONのYAON』以外でのMarshall Blogへの登場は滅多にないよ。

90_22曲目の「閃光ストリングス」ではSAKIちゃんが登場!
スゲエ歓声!

100v「ツインSAKI」でいきなり盛り上がる!

110いつもの野音仲間だからね。イキもピッタリ。

120_2YUIちゃんとのギター・バトルは前半の、そのまた前半の見せ場。
そう、この日はイベントのタイトルが示すように、ファッション・ショーのスタイルを模したコンサ―トゆえ、ランウェイが設けられた。
要するに「出ベソ」ね。
時々こういう現場で撮影のお仕事を頂戴するんだけど、コレ、結構大変なんだよね~。

130上下の移動で、いつもの何倍もの時間と労力がかかってしまうのよ。
それとどうしも逆光の場面が増えてしまう。
でも普段とは違う写真が撮れるのでシャッターを切っていておもしろい!140ハッピを着て、大きなウチワを手にしたAYANOちゃんのこのパーフォーマンスは初めて見た。
チョット私にはむずかしかったな~。
いつも野音ではCYNTIAの他、サポートでモクモクと鍵盤を叩いている姿しか見たことがないので結構ビックリしました。

155AZUちゃんはMarshallのベース・キャビネットVBC412を愛用してくれているんだぜ。今日は違うけど。

150_2CYNTIAらしい、可愛くて、激しくて、にぎやかなステージで会場は大いに盛り上がった!

160_2CYNTIAの詳しい情報はコチラ⇒Cyntia Official Website

170続いてはMary's Blood。
ダークな照明の中に佇む5人。

180EYE

190v_2SAKI

200vSAKIちゃんは今日も愛用、かつトレード・マークのMarshall JVM410Hのハーフスタック、タトゥー・モデル。

210v_2RIO

220vMARI

230v_2そしてサポート参加の社。

235vオープ二ングは「Coronation Day」。
「戴冠の日」ね。
Mary's Bloodの「Mary」はヘンリー八世の長女、あるいはスペインから嫁いだ最初の奥さん、キャサリン・オブ・アラゴンの娘、あるいは「1000日のアン」で知られるヘンリー八世のアン・ブーリンの娘であるエリザベスI世の腹違いのお姉さんのMaryを指している。
父への恨みを晴らすべく、カソリックを擁護し、容赦なくプロテスタントを弾圧した「血のメアリー(Bloody Mary)」。
実はほぼ同じ時代のスコットランドの女王もMaryといった。
この辺りがやたらと忙しい。
そして、このスコットランドのメアリーは当時の君主(スぺインの無敵艦隊を破ってイギリスを一気に世界の一等国ののし上げた)エリザベス一世の意思に反して、国家反逆罪で処刑されてしまう。
コレでスゴイ話があるんだけど、あまりにも血なまぐさいので、さすがにガール・バンドちゃんの回ということもあるし、今日は止めとく。
そうだナァ、犬神サアカス團の時にでも書くか…あ、今、犬神サアカス團のライブ・レポートで大脱線を制作中なの。
ほぼ取材が終わってコレから書くところ。
その手の話に興味のある方は乞うご期待!

240ランウェイの先端に立ってポーズをキメるEYEちゃん。
カッコいい~。
コチラは移動が大変です。

250_2コブシを振って観客をあおるSAKIちゃん。
浴びせられる歓声も大きいわ~!

260v2曲目は「I'm Dead」。

270_2SAKIちゃんのソロが冴えわたる!
280vココでMaryが6人編成になる。

290「邪悪なオーラを中和してくれる」と紹介されて登場したのはYUIちゃん!
さっきのお返しですな。
曲は「Moebius Loop」。
「メビウス」といえばサ、今、タバコってスゴイね、種類が!
「メビウス」って昔の「マイルドセブン」のことでしょ?
私は止めてようやく10年が経ったけど、その間にメチャクチャ銘柄が増えたよね~?
コンビニで「メビウスください」とお客さんが言うと、店員さんが「ア、バンゴーデオネガイシマ~ス」なんて答えているシーンに出くわすことがあるけど、アレはムリもないと思う。
私はフランク・ザッパに憧れてWinstonが吸いたかったんだけど、強くて断念。KENT MILDを愛飲してた。
止めてから2年ぐらい吸っちゃった夢を見たけど…ホントに止めてヨカッタと思う。

300ココでEYEちゃんからMaryのライブ告知。
それは10月9日、つまり来週から全国16か所を巡るツアー。
今回はいつもより細かい行程になっているそうなので、より多くの人にMary's Bloodを観て頂けそうだ。
305vMaryの持ち時間もはや後半!
「Bloody Birth Day」を持って来た。

310「オイ、チッタ!声の準備できてるか?」
コール&レスポンスで盛り上がるコーナー。

320_2SAKIちゃんもガンガンあおって会場の熱を上げていく!
よくさ、最近のコンサートって「かかって来いよ!」ってやるじゃない?
誰が最初にアレをやり出したのかは知らないけど、本当にお客さんたちがステージに上がってかかってきたらどうするの?
「イケるのか~、チッタ~?」なんてのも昔はそれほどやらなかった。
外タレのマネッコなんだろうけど、地名を当てハメるパターンもあるでしょ?「イケるのか~、渋谷~?」みたいに。
今、渋谷だけでも数え切れないほどのライブハウスがあるので、アレは住所までキチンで入れたらどうかと思うんだよね。
例えば、「イケるのか~、渋谷区道玄坂2-14-8~!」みたいに。コレはO-EASTの住所。
一方、O-WESTになると、「イケるのか~、渋谷区円山町2-3~!」と、すぐ向かいにあるのに町名がガラっと変わってしまう。
おもしろいね~。
すいません、こんなことで紙幅を割いてしまって!
ま、アホな冗談だけど、タオルを回したり、独特なフリで曲に合わせて身体を動かしたり…ずいぶんコンサートのやり方も変わったもんだよな~、とつくづく思うワケ。

330v_2今日もゴリンゴリンに攻めまくるMaryのリズム隊。

340v_2容赦なくハードでヘヴィな押し出しがタマりません!

350続いては「Marionette」。

360vいかにもMaryらしい、ストレートに突っ走るドライビング・チューン。

380v_2この曲はギターのバッキングがおもしろい。
セカンド・コーラスにだけリフ処理が施されている。
それとサビの8小節パターンが繰り返される、その2回目に入る前のバッキングがおっそろしくクールなんだよね。

370v最後の曲。
「Counter Strike」!

2_s41a0243 これまたお得意の剛速球メタル・チューン!

390ランウェイの周りはもうエキサイトメントのカタマリ!
みんな大よろこびだ~!

400さてさて、上述のEYEちゃんがMCで触れていたツアーとはコレ。
『Raise the Flag Tour 2017』だ。
初日は10月9日の柏PALOOZA。
そして千秋楽は11月19日の品川インターシティホール。

Fl アナタの街でMary's Bloodを!
440v_2

420v_2

430v_2

450v…と、ひとまず、CYNTIAとMary's Bloodで大いに盛り上がっておいて、ショウはこの後メイン・ディッシュの『WORLD GIRLS GUITAR COLLECTION』に移ったよ!
 
Mary's Bloodの詳しい情報はコチラ⇒Mary's Blood Official Site

460_2<後編>につづく
 
(一部敬称略 2017年7月14日 CLUB CITTA'にて撮影)

2017年10月 4日 (水)

TOKYO HIGH SCHOOL ROCK 2017

  
月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也
 
今日は内容に合わせて芭蕉でスタートしたよ。
そう、今年も10月1日がやって来た。
それにしても…2017年もあとたった3月かよ~!
ったく信じられんな、この月日の経つ早さときたら。
10月1日は「都民の日」で学校が休み…ということで、高校生バンドのライブをやろう!と第1回目を開催したのが2008年。
あの時、高校3年生で出演してくれた子たちは今頃25、26歳になって、毎日額に汗して働いていることだろう。
「赤痢オルガン鳥」とか「ほめごろし」の子たちはみんな元気でやってるかな?
なつかしいな…でも、そんなこととは全く関係なく、今年も「都民の日」名物『TOKYO HIGH SCHOOL ROCK』が開催された。
今回でもう9回目!

10このイベント、Marshallは第1回目から機材でお手伝いさせてもらっているのです。
なので、今回もステージにはMarshall JCM2000 DSL100と1960A。

10vNATALのドラム・キット。
今回はアッシュね。

20そして、ベース・アンプのヘッドには、大人気のスグレモノTerra Nova TN-501。
せっかく一生懸命演奏するんだから、気持ちよくいい機材で臨んだ方が気持ちいいもんね!

30まず最初にステージに登場したの司会の深野叶子さんからこのイベントの主旨が説明された。
以前は司会もいなくて、シレ~っと始まって、シレ~っと終わっていたんだけどね。
司会者を立てたのはとてもいいことだ。
叶子ちゃん、チョット緊張した面持ち?
できれば私が替わってあげたいわ。

40今回のトップバッターは鷺宮の都立武蔵丘高等学校からLyric Jack。50森口楽絃

60旭朋子

70前田梨沙

80江田遥

90女性3人に男性1人のいわゆる「ハーレム状態」。
この反対、すなわちボーカルズが女の子でバックがみんな男の子…というパターンは昔からあったが、こういうのは時代の変化がなせる業ですな。
今、共学の高校の吹奏楽部なんて、ほとんど男子がいないでしょう?
120「こんなに広いステージで演るのは初めてです。スゲエ景色で感無量です!最後まで楽しんでください!」とあいさつして、熱唱を見せてくれた森口くん。

100各バンドの持ち時間は20分。
その限られた時間で苦労して作った自分たちの曲を精一杯披露する。130vベースの梨沙ちゃんのプロ顔負けのアクションがカッコよかった!

110v2 パートナーの遥ちゃんとのコンビネーションもバッチリ!

140v楽しそうに、また、とてもシッカリした演奏でトップバッターの重責を完璧にこなしたLyric Jackだった
1502番手はガール・バンド。
都立武蔵丘高等学校の旋光少女…って、前のチームと同じ高校じゃん!
そう、同じ高校の2つのバンドが別々に応募して、双方オーディションを通過してしまったのだとか。
ロックが盛んな学校なのかな?

160山家潮音

170v関絵理奈

230v河田夏子

190vかわいい!
夏子ちゃんのエフェクター、ポーチのクッションが敷いてあった。
コレは女子ならではの所業でしょう。

200福田彩瑛

210v「いい日、悪い日あるじゃないですか?たとえ悪い日でも、今日という日はその日しかない。ガンバリましょう!」という曲を作りました。
そう、「明るく陽気にいきましょう(by ぴろき)」!

1_img_0464ナンじゃ?この夏子ちゃんベースの音。
オッソロシク抜ける~!そして深い!
EDENのTerra Novaはやっぱりスゴイわ! 
やっぱり女子はこういう音ヌケの優れたベース・アンプを使うといいね。

2_img_0726 理奈ちゃんのギター・ソロも各曲でフィーチュア。
やっぱりアンプは真空管に限るでしょ?180v「今日はこんなステージに立つことができてうれしいです!人生の中で忘れられない経験となりました。最後に私たちの大スキな曲をやります!」
とあいさつして右手を高く上げた。

220旋光少女も4曲。
若々しく、ガール・バンドの魅力に満ちたステージを見せてくれた。

240v今日はトリもガール・バンドなんだけど、女子パワーは相変わらずスゴイよ。

250仕事中の私。
右手にハメている黒いベルトは決してアクセサリーではない。

1_2img_9004 転換が終ると、その前のシーンとは雰囲気がガラっと変わって、ギターふたりが向き合ってイントロを奏で始めた。

2603バンド目はPatchworks 。
日本大学第二高等学校から。
日大二高の最寄り駅は、荻窪、阿佐ヶ谷、下井草…なるほど、アッチの方か。270池田将人

280関本晃輔

290v西原和哉

300v米久保隼介

310vこの日、初めての私立高校からのエントリー…。
イヤ、それより、この日初めてのボーイ・バンド!
あ、今ワタシ、生まれて初めてここで「ボーイ・バンド」という言葉を使ったよ。
ナゼなら私の世代は、バンドってのは「ボーイ」がやるのが当たり前だったので、ワザワザ「男の子」と付け加える必要が全くなかったからね。
もちろん私が通った高校にはボーイ・バンドしかなかった…アレは男子校だったからか。

320「皆さん…盛り上がってますか?
ステージの折り返し地点ですけど、最後まで盛り上がっていきましょう!」
西原くんのメッチャ恥ずかしそうなMC、ヨカッタよ~!見ていてこっちがドキドキしたわ!

330v派手なアクションを交えてバリバリとMarshallを鳴らしてくれた関本くん!
いいギターの音を出したかったら、ギターよりもアンプに気を遣うこと。
音を出しているのはギターではなくてアンプなんだから。
ステージで弾く場合は最低限真空管アンプを使おう!
つまりMarshallということね!

340vタイトでカッコいいドラミングを披露した米久保くん。NATALのことを絶賛してくれていたらしい。
パッとみるとミュージシャンというよりアスリートっていう感じだけど、彼、ドラムスだけじゃなくて、コーラス・ワークが抜群に素晴らしかった。

350v曲は池田くんが作っているのかな?それともみんなでやっているのかな?
どの曲もなかなか作りがシッカリしていて聴きごたえがあった。

360さて、怪しげな照明の中ステージに現れ、トリを務めたのは神奈川県立厚木高等学校のSEED。
5人編成のガール・チーム。
「都民の日のイベント」と謳っている『TOKYO HIGH SCHOOL ROCK』だけど、今年は10月1日が日曜日に当たったので、東京近隣の高校にまで門戸を広げたそうだ。
千葉県民の日は6月15日、埼玉県民の日は11月14日、そして神奈川県民の日は…ないらしい。
「県民の日」があるところは、県内で何がしかの大きな行事があったり、「ナニかが何年目を迎える」という記念事業があると、「その日を〇〇県民」の日にしよう!住民が自主的に盛り上がり、その要望が県議会に上程され「県民の日」が決定してきた。
ところが神奈川県にはそういう盛り上がりがなかったんだって。
でも、神奈川県には「市民の日」というのがあって、横浜は6月2日、川崎は7月1日に制定されているそうだ。
あ、それとね、今はどうだか知らないけど、我々世代の横浜市民って多分漏れなく「横浜市歌」が歌えるんだよ。
どうして10月1日が「都民の日」になったのかはコチラに書いておいたので興味のある人は読んでごらん。
ね~、タメになるでしょう、Marshall Blogって?!
アンプもブログもMarshallにキマりでしょう!

460SEEDは、矢萩栞奈。380v池田澪菜

390v武田萌

400v村川佳乃

410v伊藤真依

420v今風のJ-POP風ロックっていうのかな?ま、我々の世代から見ると「電化フォーク」っていうイメージなんだけど、そういうのとは全く異なるサウンド。
見た目からは想像できないドロドロっとした昭和のイメージ。
いいね~。

430vこのイベントはコンテストではないので、奇を衒って目立とうとする必要は全くない。
力まずに自分たちの音楽を演ればいい。
それでもこうしてチョコっと雰囲気の違ったバンドが出てくるところがおもしろいんだよね。

1_img_0716この日、キーボーズは全編を通じて佳乃ちゃんひとり。
コレはイヤでも目立ちますな。

1_img_0703 なるほど、彼女たち、「暗い音楽」を標榜しているのね。
そんなダークなロックでもNATALがバッチり。
NATALっていい音でしょう?

2_img_0909 そしてMarshallでバッチリとハードなギター・ソロを披露してくれた澪菜ちゃんも大活躍!

440vスッカリ入り込んでしまっている栞奈ちゃんの渾身のパフォーマンスはもちろん大きな見どころだったね。

450コレで高校生の演奏は終わり。

370イベントはゲスト・コーナーに突入。
今日のゲストは大阪出身のラックライフ。
彼らも高校の同級生で結成したのだそうだ。
今風のロックにちょっとハードなボーカルズが乗ってとてもいい感じ!
会場を大いに沸かせた!

470全員集合。
やっぱり女子強しだナァ。
数えてみると男女比は5:12。
70%が女性ということになる。
応募の段階でも7割とまではいかないまでも、感覚的に見て6割は女性だったらしい。
  
繰り返すが、このイベントはコンテストではない。
こんな光景と見ると、いかにも「結果発表!ダラララララララ」みたいな感じだけどさにあらず。
最後に出演者からひとことずつメッセージを発してもらった。

480みんな口々にこの日のステージに立てた感動を述べてくれた。

490今日出演の皆さんが演奏してくれたのは100%自作曲。
つまり全部オリジナル曲でコピーは1曲もなかったそうだ。
このライブはコピー曲を禁止しているワケではない。
しかし、みんな苦労して自分たちで作った曲を披露してくれたのだ。

500もちろんこのイベントに出演するにはオーディションを経なければならない。
年々出演を希望する応募者の数は増えているが、ハードロックやヘヴィメタル・バンドの応募はとうとう皆無になったそうだ。
70年代あたりのスタイルのロックは、日本の若者の間ではすでに絶滅していると言っても過言ではないだろう。
とても残念で悲しいことだが、伝承に失敗したのだから仕方がない。
510私から若い方々へお願いしたいことがふたつある。
ひとつは続けること。
ふたつ目は、とにかくジャンルを問わず少しでも多くのいい音楽を聴く努力をすること。
生意気言ってゴメンね。
私も若いミュージシャンに接する機会が少なくないが、今の時代、皆さんはあまりにも音楽のインプットの量が少なすぎると思う。「音楽の幅」という意味ね。
でもそれはキミたちのせいではない…そういう風にしてしまったのは、後先を考えなかった「売り上げ至上主義」の音楽関連産業に従事する大人たちなのだから。
世の中にはクラシックから、ジャズから、民族音楽から…素晴らしい音楽がたくさんあって、キミたちはまだ何も聴いていないに等しい。
モッタイないよ!
人生なんてアッという間。
若い頃から垣根を取り払って色々な音楽を聴くクセを付けるといい。
私もキミたちに劣らないロック狂いの少年だったけど、20歳前にジャズを聴くようになったことで、音楽人生が飛躍的に拡充した。
民族音楽も大スキだし、今はクラシックにも夢中になっている。個人的には古いロックなら今でももちろんよく聴いているよ。
生きている間に少しでも多くの素晴らしい音楽を聴いて感動してください。
自分で音楽をやるのはそれからでも遅くない。
あ、ゴメン、もうひとつあった。
アノね、コレは実際に年を取って気がついたことなんだけど、「何かに感動する」ってのは若い人が持つ特殊技能のひとつなんだよ。
たくさんの経験を経て年を取ると、感性が著しく衰えて、チョットやソットのことでは感動しなくなる。
だからこそ、若いウチに色んな音楽を聴いておくことが大切なんだ。
私もビートルズを聴いてトリハダが立った頃に戻りたいよ!

520最後は記念撮影。
「オラオラ、そこの!もっと寄って寄って!」…ウソ、もっとゼンゼンやさしいです、私は。

1_2img_9013「ハイ、撮るよ~!ワン、ツー、スリ~!」

1_2img_0249 「パシャ!」
お疲れさまでした!
来年の「10周年記念」でまたお会いしましょう!

530

<<<NATAL NEWS>>>
NATALのドラム・キットが叩けるスタジオ、高田馬場のバズーカスタジオに新しい仲間が増えました。
それは14" x 6.5"のスチール・スネア・ドラム。
コレね。
見た瞬間、「オオ~!」っと声を出したくなるようなたたずまい。
実にゴージャスじゃあ~りませんか!
普通のスチールとは異なりチョット黒味がかっている。

1_3img_4207パーツはすべて「ブラッシュト・ニッケル(Brushed Nickel)」という仕様。
新型のスネア・スロー(Snare Throw)の感触も実にいい感じ。

1_2img_4208カ~!
居合わせたドラマーにチョット叩いてもらったんだけど、何たる音ヌケ!そして深い!
こりゃアンサンブルの中でもクッキリ音像が浮かび上がってくるのは間違いないな。
自分がドラマーだったら欲しいわ~。
  

1_2img_4212

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★上記のスネア・ドラムだけでなく、NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

 

(一部敬称略 2017年10月1日 渋谷TSUTAYA O-WESTにて撮影)

2017年10月 3日 (火)

NATALドラム・クリニック by ペギ&翔太朗

 
初めて来た…八王子のMatch Vox!
以前からお邪魔したいとは思っていたんだけど、ウチから遠いこともあって、なかなかその機会が訪れなかった。でも今回、ペギちゃんがそのチャンスをひねり出してくれた。
グッドモーニングアメリカのペギちゃんのドラム・クリニックだ。
ペギちゃんのドラムスといえば…そう!
NATALね。
そのNATALつながりで仲良しの翔太朗くんをゲストに迎えた企画。
コレがメッチャおもしろかったんよ~!

05vさすがグッドモーニングアメリカのホームだけあって店内にはこんな寄せ書きが。

06さて、今日のデモンストレーターは…
まずは西の横綱。
グッドモーニングアメリカから、ペギ!

20v当然いつもステージでペギちゃんが使っているNATALのドラム・キットが持ち込まれた。

3010"、12"、16"、24"のメイプル。
フィニッシュはシルバースパークル。

40スネアドラムは14" x 6.5"の同じくメイプルのステイヴ・スネア。
「ステイヴ」とは「桶」のことね。
普通のスネア・ドラムとは異なり、縦に木を組み合わせて、まさに桶状に組み立てられているNATALの人気商品。

50バスドラムのペダルもNATAL製だ。

60続いて東の横綱。
MAGIC OF LiFEから岡田翔太朗!

70v翔太朗くんもいつもはシー・スパークルという青いメイプルのキットを使ってくれているんだけど、今回はちょうどツアーのための機材運搬の都合で持参できず。
ってんで、ウチから持って来たのがアッシュのキット。
12"、16"、22"のシンプルなセット。
ラーメンで言えばチャーシュー、メンマ、ナルトだ。これだけで十分においしい。
フィニッシュはブラック・スワール。
以前「スウォール」と言っていたけど、「スワール」に発音を訂正します…今ココで。

80スネア・ドラムは14"x5.5"のブビンガ。
パリっとした音が気持ちいいのだ。

90…と機材は揃った。
役者も揃ってる。
さて、この2台のドラム・キットをどう配置しよう…と、みんなで色々と考えた。

10普通であれば当然ステージにドラム・キットを乗せてお客さんの方に向けるところなんだけど…。
結果、フロアの真ん中にキットを2台設置して、お客さんにはステージとその他の客席スペースに座って頂こうということになった。

100この通り、2台のドラム・キットが角を突き合わせたようなルックス。
これが大成功!
ペギちゃんのグレート・アイデアだ。110リハーサル。
バッキング・トラックの動作確認や音量のバランスをチェックに余念がない。
で、ペギちゃんは時間が空きさえすれば、いつでも練習してるんだよ。

120PCに向かって真剣な面持ちの翔太朗くん。
実はバッキング・トラックにトラブルが発生したようで、色々と対処を試みている所。
でも慌てず、お店のPCに詳しい方の援助を仰ぎながら難なく問題をクリア。

130v定刻になり、司会者が大きな拍手を浴びながら登場!

140私です。
さぁ、「♪明るく陽気にいきましょう!」…とは、ぴろきではないので言わなかったけど、冒頭でNATALについて説明させて頂いた。
若い方を中心に満席状態だ。

150vそして、ペギちゃん登場!
ペギちゃんとは6月にも日本工学院八王子専門学校さんでNATALのクリニックを開催させて頂いた。
その様子はコチラ⇒ペギちゃんのNATAL体験教室!in 八王子
今日は雰囲気がゼンゼン違うよ。

160そして翔太朗くんも登場!
おお~、茶系で統一した帽子にストールがバッチリじゃん!

170まずはご挨拶代わりに1曲ずつ演奏してもらった。
先行はグドモさんチームで「コピペ」。

190v人気のグドモ・ナンバー。
実はこの前日も渋谷のO-WESTで開催された『凌ぎ合う』でペギちゃんと一緒だった。
その時にアンコールで演奏したのが「コピペ」。
場所も、形態もゼンゼン違う環境で2連チャンで聴いた!

200クリニックだろうとなんだろうと容赦なくNATALを打ち込むペギちゃん。
もちろんNATALもピッタリとペギちゃんのアグレッシブなプレイに着いて行くよ。

210v後攻のマジックさんチームは「線香花火」。

220vペギちゃんは翔太朗くんのことを「ストールの男」なんて呼んでいたけど、ナンカ若い頃のマーカス・ミラーみたいですな。
「イナセなドラマー」感タップリ!

230翔太朗くんらしいドッシリしたドラミングはいつ聴いてもカッコいい。
アッシュもすごくいいんじゃない?

240vこのレポートでは先にやってしまったが、演奏の後はドラマー・サイドの観点で使ったNATALの解説を詳しくしてもらった。
材質や音の特徴、気に入っているところ等々。
せっかくなので、24インチと22インチのバスドラムの音の違いなんかも実演してもらった。
恥ずかしながら、この日初めて知ったのは口径が2インチ、すなわり5.08cm違ってもバスドラムから出て来る音のピッチは変わらないということ。
ところが、音の奥行きの違いがあまりにも違うのでビックリ!

260クリニックではお定まりの「練習方法について」や曲の中で使われているドラミング・パターンを実演を交えて解説してくれた。

280そして、ふたりがドラマーとして、バンドの創作活動に音楽的にどう参加しているかを熱心に語ってもらった。
こういうのは面白いね。
私はドラマーではないので、「ドラマーがナニを考えているのか?」、結構目からウロコが落ちるような話だったな。
こういう話を聞くと、ますますグドモやマジックの音楽を聴くのが楽しみになる。
「ああ、コレがあの2人が言ってたヤツか~」みたいな。
あ、ナベちゃん、Zildjianの解説も知ってる範囲内でしておきましたから。
オマエがZildjianのナニを知っているんだ?って?
へへへ、ナニを隠そう、日本で最初に出たZildjianの歴史本、『ジルジャンの軌跡(The History of Zildjian)』の日本語版の翻訳の監修は私が担当したのだ!
下訳の仕上がりがかなり厳しくて、結局原文をすべて読んでしまった。
それでだいたいのことは覚えちゃった。
好きなジャズのドラマーがイッパイ登場したので面白かった。

270次もスペシャル。
またしてもペギちゃんが持ってきてくれたアイデアでこの日ならではの企画が実現!
それは曲のSwitch。
つまり、翔太朗くんがグドモの曲を、ペギちゃんがマジックの曲を演奏したのだ。
翔太朗くんはナニを演奏ったのかというと、「鉛色のスターゲイザー」。

290コレはメッチャ面白かった。
金ちゃんの声に、幸一ちゃんのギターなのにドラムがMAGIC OF LiFE!

1_img_0081その反対にペギちゃんは「呼吸」をプレイ。

2_img_0215ペギちゃんの「♪オッオッオッオ」もいいね~。
やっぱりガラっとサウンドが変わるよね。
そう、ロック・バンドの要ってドラムスとボーカルズなんですよ。
ギター・アンプ屋が言うのもナンですが、ロック・バンドってギターやベースが変わっても、あるいはマズくても、聴いている分にはマァ何とかなる。
でも、ひとたびシンガーとドラマーが変わるとそうはいかない。
ヘタをすると、ゼンゼン違うバンドになってしまい、クォリティが極端に上がり下がりするのだ。
もちろんギターやベースも大切。
「アンサンブル」を重視するのであれば、どちらかというとベースの方が重要だろうね。
ギターは仮にヘタクソでも「個性」として乗り切れることがあるけど、ベースはそうはいかない。
反対にいいバンドってたいていいいベーシストがいるものだ。
ついでに言うと、ジャズのオーケストラもやっぱりドラムが一番重要なんだよね。
ドラムスと、メロディを奏でる「リード・ラッパ」と呼ばれる「第1トランペット」の2人の良し悪しで20人近くで編成されるオーケストラの良し悪しのすべてがキマってしまうと言われているんだよ。

2_img_0213お客さんトライコーナー!

K10ペギちゃん、このコーナーが大スキで、実際にお客さんにジャンジャンNATALを叩かせちゃう!

K20vお、若きドラマー!ウマかった!
将来のNATALのお客さま、よろしくお願いします。
  
「お父さん、お母さん、今日ペギさんと翔太朗さんのドラム・クリニックに行って来て、そこでスゴイものを見たんだ!」
「おう、それはヨカッタな!一体ナニを見て来たんだい?」
「ナタールだよ!ナタール!」
「『ナタール』?何だいそれは?頭痛薬かなんかかい?」
「違うよ!ドラム・キットだよ!ボク、ナタールのドラムキットが欲しいんだ!」
「あ、そうか!ドラムスのナタールか!道理でどこかで聞き覚えのある名前だと思ったよ。
アレは音は最高だし、値段もお手頃だってみんな言ってるぞ…ナタールを選ぶなんてさすがお父さんの子だ!
お父さんもドラム・キットを買うなら絶対ナタールがいいと思っていたんだ」
「じゃ、買ってくれるの?!」
「ああ、ただしナタールじゃなきゃダメだぞ!ヘタな買い物はしたくないからな」
「やった~!将来、ボクもジーン・クルーパを目指すぞ!」
…なんて会話がこの後、彼の家であったかどうかは知らない。
  
若い方々に説明しておきますが、「ジーン・クルーパ」とは、ジャス・ドラム史上最も偉大とされる1930~40年代に一世を風靡したアメリカのジャズ・ドラマーです。
Marshallの創始者、ジム・マーシャルは元々はドラマーで、ジーン・クルーパがジムのアイドルでした。

K30vガールズも容赦せず。
はじめは少し端化しそうなんだけど、すぐ楽しくなっちゃう。

K40v腕自慢の猛者も当然出て来るね。

K60vそんな腕自慢にも評価が高いのがNATALなのよ!

K50続いては、コレもクリニックには欠かさないQ&Aコーナー。
事前に質問を集めて置いて、2人には私が選んだ質問に対して答えて頂いた。
当然、笑いが絶えませんな~。
私としては、少しでもお客さんに笑って頂こうと必死です。
クリニックが成功するかどうかは、「笑い」が多いかどうかなのよ。
私はMarshallのクリニックを全国で数え切れないほどやったんだけど、結局コツは商品の説明ではなくて「笑い」だということを学んだ。
話がツマらないと、どんなに上手に商品を説明しても、素晴らしいデモンスストレーションをしてもお客さんを惹きつけることはムズカシイ。
エ?それにしてはヘタだったって?
ホっとけ!

250恒例のプレゼントコーナー!
ハイ、クイズ。間違い探しね。
ちなみに間違い探しは英語で「Error recognition(エラー・リコグニション)」という。
問題です…♪ジャカジャン!…上の写真と下の写真の翔太朗くんの大きな違いはナンでしょう?
チッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッチッ…はいブー!
答えはストールです。
上はストールを首に巻いているけど、下の写真ではそれを着けていないでしょう?
翔太朗くん、自作の練習パッドの他に、臨時のプレゼントととして、抽選で当たったお客さんに首に巻いていたストールをその場で差し上げちゃったの!
太っ腹!
やっぱり見た目はウソをつかないね!
あ、私も「太っ腹」なんですけどね…見た目だけ。

311ぺぎちゃんはマメでね~、使用済みシンバルやらナニやら、いつもこまごまとグッズを用意して来てくれるのです。

312ペギちゃん名物の「Tシャツプレゼント」。
Tシャツのプレゼントなんて珍しくないのにナゼ「名物」かと言うと…ペギちゃんのプレゼントしてくれるシャツは新品ではなくて、既にペギちゃんが着用したモノなのです!
もちろん完璧に洗濯は済ませてあるよ。
だから抽選に当たったファンにはタマらないアイテムなのだ!

313最後のコーナーもペギちゃんが練って来てくれたアイデア。
ふたりがドラムスに向かう。

320その通り!
ふたり同時に演奏しようというのだ!

330曲は色々悩んだが、結局先ほどの「レパートリー・スイッチ・コーナー」で翔太朗くんがプレイしたグドモの「鉛色のスターゲイザー」を再演することになった。

350さっき見せてくれた通り、チャンとさらってきているので翔太朗くんのドラミングは完璧。
380そして、本家、余裕のドラミング!

370火花散らす…というより仲良しのドラマーが、心からドラムスを、そして音楽を演奏することを楽しんでいるようだった。
その2人をつないでいるのは…NATAL!

390さて、Marshall Blogでも2回にわたってレポートしている通り、無事に活動を再開させたグッドモーニングアメリカ。
明日、10月4日にはニューアルバム『502号室のシリウス』をリリースするよ~!
  
グッドモーニングアメリカの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEBSITE

Cdg_2一方、MAGIC OF LiFEはニューアルバム、『Niemeyer』を引っ提げて全国ツアー中!
 
MAGIC OF LiFEの詳しい情報はコチラ⇒official web site

380cdそして、11月11日には再びココ八王子でグドモ主催のイベント『八王子天狗祭 ~2017~』が開催される。
グドモは当然だけど、MAGIC OF LiFEも登場するよ~。
コレも楽しみだね。
  
『八王子天狗祭 ~2017~』の詳しい情報はコチラ⇒特設公式ウェブサイト

396flイヤ~、我ながら本当に面白いイベントだったな~。
欲を言えば、もうチョットしゃべりたかったか?
しかも昔のロックの話。
ダメね。コレをやっちゃうと若い人たちイヤがっちゃうのね…レッド・ツェッペリンとかジミ・ヘンドリックスとか。
ところで、講義の内容やQ&Aの細かい内容は故意に割愛させてもらいましたよ。
イジワルでしょう~?
違うのよ!
もしそのあたりを見たり聞いたりしたかったら、是非、現場へ来てください…ということなの。
クリニックはPCやスマホの中で起こってるんじゃない!
現場で起こっているのさ!
  
そうそう、ひとつ驚いたことがあったんだ!
終演後、楽屋でお店の方に「ペギちゃんのお友達」というドラマーをご紹介して頂いた。
彼もNATALを高く評価してくれていて、とてもうれしかったんだけど、アレ?チョット待てよ…。
どっかで会ったことがあるナァ~…と思って二、三質問をさせてもらってビックリ仰天!
昔、私はマキシマム・ザ・ホルモンのベースの上ちゃんとお仕事をさせて頂いていた時期があったのね。
で、ある楽器のPRで、ベースマガジンの付録DVDの撮影があった。
その時、上ちゃんが連れて来たドラマーはまだ子供、子供した弟さんでね。
でも、演奏はバッチリだった。
その楽屋で会った彼というのは、その上ちゃんの弟さんの「上原晃」くんだったの。
スッカリたくましくになっちゃって言われなければゼンゼンわからなかった。
お互いに「あ~、アノ時の!?」なんて言っちゃって。
更に驚いたことには西村守くんのFury of Fearのサポートもやったことがあるっていうんだよ!
長いことやってるとこういうことが起こっておもしろいね。
  
…と私が楽屋でこうしている間に、ホールではドラム・キットを片づけるまでの寸暇を惜しんでグドモの「言葉にならない」をお客さんみんな演奏していたようだ。
  
最後に出演者3人で記念撮影…っていうのはウソ。
翔太朗くんの首にはお客さんにプレゼントしてしまったストールが巻かれているからね。
コレはリハ―サルの後に撮った1枚。
とてもいい記念になりました。
ああ、またやりたいナァ~!

400

 

<<<NATAL NEWS>>>
NATALのドラム・キットが叩けるスタジオ、高田馬場のバズーカスタジオに新しい仲間が増えました。
それは14" x 6.5"のスチール・スネア・ドラム。
コレね。
見た瞬間、「オオ~!」っと声を出したくなるようなたたずまい。
実にゴージャスじゃあ~りませんか!
普通のスチールとは異なりチョット黒味がかっている。

1_3img_4207パーツはすべて「ブラッシュト・ニッケル(Brushed Nickel)」という仕様。
新型のスネア・スロー(Snare Throw)の感触も実にいい感じ。

1_2img_4208カ~!
居合わせたドラマーにチョット叩いてもらったんだけど、何たる音ヌケ!そして深い!
こりゃアンサンブルの中でもクッキリ音像が浮かび上がってくるのは間違いないな。
自分がドラマーだったら欲しいわ~。
  

1_2img_4212

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★上記のスネア・ドラムだけでなく、NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

 

(一部敬称略 2017年8月3日 八王子Match Voxにて撮影)

2017年10月 2日 (月)

【号外/お知らせ】 記事最下部の「いいね!」ボタンについて

      
これまでMarshall Blogでは、それぞれの記事の最下部にfacebookの「いいね!」ボタンを表示しておりましたが、この度、そのボタンを削除させて頂きました。
長年にわたりましてそのボタンを押してMarshall Blogをお引き立て頂きました皆様には心から感謝申し上げます。
  
以前の記事内で、同じライブ・レポートを<前編>と<後編>に分けて掲載した時、<後編>で押されるその「いいね!」の数が必ず<前編>より少ない…ということを記しました。
テレビ・ドラマなどでは最終回の視聴率が際立って高い傾向がありますが、マァ、「SNSの場合はこんなものか?」と勝手に理解しておりました。
  
ところが今回、ある記事で<前編>と<後編>の「いいね!」の数に100倍以上の開きが出てしまい、さすがにコレはおかしいのではないか?と思い、私なりに調べてみました。
原始的ではありますが、「いいね!」を押してくだすった方の実際の数と記事に表示されている「いいね!」の数字を比べてみたのです。
するとどうでしょう…見事、実際に押して頂いた方の数が、記事の「いいね!」の数字より多かったのです。
つまり、何票かが「死に票」になっていたのです。
多少のタイムラグがあるのでしょうが、迅速性を身上とするIT関係のシステムにあっては、それも甚だ不都合なことではないか?と思うのです。
「不都合」であると私が思う理由は最後に記します。
さて、当方といたしましては、ブログを運営している会社にこの現象を報告し、相談してみました。
返答は「今のところ正常に機能しているのでしばらく様子を見て欲しい」ということでした。
  
ところが、とうとうこんなことが起こってしまいました。
自分が作ったものを自賛するのがイヤなので、私はこのボタンを一切押すことはありませんでした。
しかし、今回の問題の調査をするためにボタンを押したところ、驚くべことに目の前に表示されていた数字が減少してしまったのです。
同様の事象があったことは、ある方からもお聞きしていました。
もう「ダメだ、コリャ」と思いました。
  
また、ブログ自体のアクセス件数が極めて多いにも関わらず、この「いいね!」の数が信じられないほど少ないことも日常茶飯事でした。
すなわち、実際のMarshall Blogへのアクセス件数とこの「いいね!」の数が全く連動しないのです。
もうひとつ…10年近くMarhall Blogをご覧頂いている愛読者の皆様でもこのボタンの存在や意味についてご存知ない方が少なくないということもわかりました。
もうコレ、意味ないじゃん?
   
基本的に私はこういったデータにはなるべく拘泥しないように努めています。
こうした指標にこだわり出すと、際限なく、また手段を選ばず成績(と思われるもの)を伸長させることだけにノメリ込んでしまう恐れがあるからです。
コレは大企業の「売り上げ至上主義」に酷似しており、一時問題になった、無茶なことをする動画投稿者同様、ロクな結果をもたらさないことはわかりきっています。
私がやりたいことは、皆さんに興味を持って少しでも楽しく読んで頂けるような記事を書いて、長年培った経験を活かしてステキな音楽を紹介し、結果、Marshall、NATAL、EDENの宣伝に役立てることです。
コレに尽きます。
とは言え、こういった人気のバロメーターとなり得るデータは、にぎやかであった方が張り合いがあることも確かです。
しかしながら、そのデータが信用できないものであった場合は…?
謝ったデータを鵜呑みにして、「ああ、このブログはたった数人にしか読まれていないのか…」などという風評被害を被らないとも限りません。
よくある話ですが、この情報化時代、いかに適切な情報をつかみ取ることが肝要で、かつムズカシイかということを改めて思い知りました。
そこで、突然ではありますが、以上のことを勘案し今回の措置を取ることにしたワケです。
ご理解頂きますれば幸甚に存じます。
  
何やらシリアスな筆致になってしまいましたが、Marshall Blogは記事最下部の「いいね!」ボタンを廃止した以外にはナニも変わりません。
今後ともMarshall Blogをお引き立て頂きますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
  

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