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2017年10月30日 (月)

Kelly SIMONZ'S BLIND FAITH:Tokyo Kinema Club the 14th~OVERTURE OF DESTRUCTION 2017~ <前編>

 

週末にスペイン人の友達と久しぶりにイッパイやった。
久しぶりのスペイン英語で、序盤はかなりリスニングに苦戦しちまった。
「r」の巻きとかはいいんだけど、「ス」と「ズ」が逆になるような発音法はリス二ングに滅法弱い私には、それに慣れるまでがツライ。
会話は今大騒ぎしているカタルーニャ地方の独立の話になった。
「カタルーニャの」という形容詞は「カタラン」っていうんだね。
何でもこの地方は、ニュースなんかでよくやっているように、独自の税制や教育を確立していて、オリジナルの憲法まで制定されているとか。
もうすでに別の国の様相を呈しているようだ。
スペインの中央政府とは歴史的に全くウマくいってなくて、生徒たちは学校でスペイン本体の悪口を徹底的に叩き込まれるのだそうだ。
「我々が稼いで収めた血税を他のナマケモノの地方のために使っている」…とかね。
チョット前もスコットランドがイギリス独立しようてーんで大騒ぎになったが、カタルーニャは、そのスコットランドよりも、カナダのケベックよりも自治が進んでいる、世界で最も「独立」に近い自治体なのだそうだ。
しかし、我々が住む極東エリアもそうだけど、世界中が不気味な不協和音を奏でているようでコワイね。
こういうことが世界の「破滅への序曲」にならなければいいけど…。

10…ということで、Marshal Blog、6年目の最初のライブ・レポートはKellyさん。
BLIND FAITHの14回目の東京キネマ倶楽部公演の模様をお送りする。

20今回のキネマは今年4月にリリースしたアルバム、『Overture of Destruction』のレコ発ライブだ。

30cdKelly SIMONZ

40vKellyさんの背後は当然Marshallの壁!

50KAZ

60vKAZさんはEDEN Terra Nova TN-501とD410XST。

70vYosuke Yamada

80vそして、今回もゲスト・シンガーとしてYAMA-Bが参加。

90v冒頭はアルバム『Overture of Destruction』通りにスタート。
つまりバロッキッシュな「Overture」から…

100v_ot圧倒的なメタル・チューンへと続く流れ…
150_rtr「Road to Destraction」だ!

130早速Kellyさんのギター・ソロが大炸裂!
ナンカこのソロはスゴいね。
鬼気迫るモノを感じる。

140vそのまま続けて「破滅への道シリーズ」で「Road to Ruin」。

1_0r4a1083 ハイ、ココで英語の勉強。
Kellyさんがとてもいい話題を提供してくれた。
「destruction」も「ruin」も「破壊」ということでは意味は同じ。
「壊す」とか「破壊する」とかいう意味の単語は、おなじみの「destroy」と「break」、それに「demolish」、「ruin」などがあるがそれぞれ意味が違う。
イヤ、意味が同じなら4つも存在する必要がない。
ザッとやると…
「destroy」は修理が不可能な状態にまで何かをブッ壊すこと。すなわち「破壊」。
「destroy」の名詞形が「destruction」。
ちなみに駆逐艦のことを英語で「destroyer」という。
次に「break」は、ある状態にあるものを外部から力を加えて2つ以上に分解すること。
destroyとは異なり、breakしても修理可能。
『デモリション・マン』なんて映画があったけど、「demolish」は建造物をブッ壊すこと。
イギリス人と街の話をするとこの言葉がジャンジャン出て来る。
「古い建物を壊して、味も素っ気もない新しい建物に作り変えてしまってモッタイない」というパターンね。
イギリス人が持つ古い建造物に対する感覚は日本人より格段に鋭い。
「ruin」は、基本的には修復できないほどの損害を与えることを指す。形としては残っていても、それが最早存在の意義を失っているような状態を指す広い意味の「破壊」。
こういう使い分けを身に付けるのが英語を勉強していて厄介なところのひとつなんだよね。
コレは「destroy」かな?「ruin」かな?と考えているウチに話が終わってしまう…というより相手がこっちの話を聞いてくれなくなってしまう。
ネイティブとの会話はスピードが第一なのだ…と私は思っている。
Kellyさんの頭の中ではこの2曲には「破壊」に対する明確なイメージの違いがあるのだろう。
それゆえ、姉妹曲のようなタイトルの曲を1枚のアルバムに収録したのではなかろうか。

160「皆さんに衝撃波を与えていきますよ!」と続けたのは、おなじみの「Toki-No-Kakera」。

170v_tnk痛快に飛ばすスピード・チューンで気合いの入ったソロを展開するKellyさん。
いつもキネマのステージで演奏されるKellyさんの愛奏曲だ。

180vYAMA-Bがステージから降りる。
「皆さんこんばんは!
いでたちを音楽に合わせてみました。
今日はニューアルバムの再現ライブです」

190_sedkellyさんの歌で「Sign of the End of the World」。
ニュー・アルバムからじゃないけど…。

200v切れ味のいい典型的なKellyさんのボーカル・チューンで会場から大きな声援が飛ぶ。

220v「3人で演るのはお客さんをノセる感がムズカシイ。
YAMA-Bのおかげでギタリストとして思う存分弾くことはできるんですが…。
新曲を演ります」

230_cyeサビのメロディの展開が意外なポップ・チューン、「Close Your Eyes」。
中間部のインスト・パートがカッコいい!

240vあらゆるタイプのレパートリーでピッタリKellyさんに低音で寄り添うKAZさん。

250vさらにニュー・アルバムから「Sea of Tears」。
お!出だしはJeff Beckかと思っちゃうけど、さにあらず。

270_sotGary Mooreだ!
KellyさんってGary好きだよね~。
この曲なんか天国のGrayに向けて弾いている感じ。
もう泣き泣きのナンバーなんだけど、一ヶ所ドキっとするようなJeff Beckっぽい奇抜なメロディが出て来る。
こういうところがおもしろい!

280vYosukeくんの閃光のようなフィルでスタートするのは「Magestic Prestigio」。

290_mpこの曲、カッコいいな~。
もら「オラオラ~!」感しかない!
何とも言えない不吉なメロディがメッチャ魅力的だ。
コレは今までのKellyナンバーにないテイストなんじゃない?

300このニュー・アルバム・セクションを締めくくるのは「All I Need is Your Love 」。
親しみやすいスイートナンバー。
Kellyさんのステージにあってはこうしたポップ・ソングは大きなアクセントになる。

320vMCを挟んで前半最後のセクションに入る。
Kellyさんの真骨頂、「シンフォニックに暴れまくろう!」のコーナー。

330まずはおなじみ「Opus#1」。

340_op演り慣れたナンバーでYosukeくんも思う存分暴れまくる!

350v続けてニュー・アルバムから「Opus#3」。
いいな~、こういうのは!
Kellyさん、そのウチ、「ケッヘル番号」よろしく、「KSナンバー」なんて付け出すんじゃない?
「ケッヘル番号」というのはルードヴィヒ・フォン・ケッヘルという人がモーツァルトの作品に時系列的に付けた通し番号。
「K.」と数字で表される。
例えば「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」は「K.525」。
「ジュピター」として知られる、ヴォルフィ最後の交響曲第41番は「K.551」だ。
コレ、世界共通の番号っていうんだからカッコいい。
ちなみに「K.1」はモーツァルトが5歳の時の作品。

360「#3」は「#1」に比べてシンフォニック・テイストが濃くなってますな。
しかし、マァ皆さん、こんな複雑なヤツをよく覚えられますな~。

370vこのセクションは前半のクライマックスとなった!

Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website

380<後編>につづく

(一部敬称略 2017年8月26日 東京キネマ倶楽部にて撮影)