【50 YEARS OF LOUD LIVE】vol.6~Yngwie Malmsteen
早くも前半戦が終了した「50 YEARS OF LOUD LIVE」。後半戦に入る前にしばしの休憩。
ロビーの展示コーナーはたくさんの人でにぎわっていた。
プレス・ピット内のようす。これ全員カメラマン。トイレに行っている人や外で休憩している人もいるので、実際にはこんなものでは済まない。今にして思うと、いくら好きとはいえ私もよくがんばった~。
一旦自分の出番を終えてエミさんとステージ袖に遊びに来たポールをパパラッチ!
総合司会のアル・マレイが登場して後半がスタート!アルの絶叫で紹介されたのは…
イングヴェイ・マルムスティーン!!
足早に逃げ去るアル!
ここへ来て今日初めての大スモーク!スゲェ、ウルトラマンも到底かなわない無敵の怪獣でも出てくるような迫力だ。
1曲目は「Baroque & Roll」。
仕事柄 ずいぶんイングヴェイを見てきたけど、今日は一段とスゴイにゃ~!
やはりイングヴェイの体の一部、Marshallのお祭りとあって気合が入っていたに違いない。
昨日のリハーサルから張り切っていたもんナァ。(イングヴェイのリハーサルの画像はありません)
それにガップリ四つに応えるブライアン。昨日のあるドラマーと話しをしていたんだけど、やっぱりプロ・ドラマーの間でもブライアンの評価はズバ抜けて高いようだ。久しぶりに現れたロック・ドラムのスターだ。ホワイトスネイクやめなきゃよかったのにナァ~。
この時は私の位置からはどうしても死角でイングヴェイのバックラインが撮れなかった。
もちろん使用マーシャルはYJM100だ。YJM100を2台に1960AとBを組み合わせてイングヴェイのシンボルの4段積みを作っていた。写真は前日、リハーサルを終えたイングヴェイの機材。
ちなみにこの日、ステージのレイアウトの下限もあったのだろう、みんなハーフ・スタックにしていたが…
3段積み以上にしたのは見事にイングヴェイだけ。もちろんイングヴェイのリクエストだろう。
「エ?ハーフ・スタックだ?んじゃ俺ゃ弾かねーぞ!」と言っているようではないの?
それにしてもスゴイよ。ドッカーンっと現れて何が何だかわからないような大騒ぎなのだ。
そ、それにしても写真が撮りにくい!キツイ色の照明のすさまじい点滅、スモーク!これがイングヴェイのステージ演出。
さすが、イングヴェイ、すべての観客の目をくぎ付けにし、一挙一動に大歓声を集める。
2曲目は「Evil Eyes」。
みんなイングヴェイの演奏だけでなくイングヴェイのイメージを楽しんでいる!イメージというものは作るよりもかたくなに守り通す方が難しい。
それは「スタイル」という言葉に置き換えられるかもしれないが、こういう人の場合、イメージという言葉のほうがシックリくるような気がする。
メイプル指板の白いストラトキャスターを4段に積まれたマーシャル・スタック…。ロングヘアにぴったりの黒いパンツ…
世界のどこへ行ってもこの様式を崩さない姿勢はとにかく立派だと思う。プロ中のプロだ。
以前にも書いたことがあるが、前回の来日時(ディープ・パープルとのダブル・フィーチュア)に設計者のサンチャゴ・アルヴァレスとともにYJM100の最初のプロトタイプをイングヴェイに見せに行ったことがあった。楽屋を訪ねようとした時、ちょうどイングヴェイが廊下に出てきて、我々が裸のアンプ・ヘッドを手にしているのを見つけ、あいさつもそこそこに「お、それか!すぐに試そう!」とステージへそのプロトタイプを持ち込んだ。
その時、ステージではドラム等のサウンド・チェックの真っ最中だったが、イングヴェイは「ハイハイ、ちょっとやめて~」みたいな調子でそのプロトタイプをセットしていきなり爆音で弾き出した。目の前30cmの距離でだ。
スゴかった。もちろん本番だけでなく何度かリハーサルのイングヴェイも見たことがあったが、さすがに本当に目の前でアレをやられたらひとたまりもない!でも、圧倒されたのはその技術だけでなく、その存在感も同様であった。存在感がギターを弾いているとでも言おうか…。
そして、そのプロトタイプをエフェクターのつなぎ方を変えたりしていろいろと試す姿は、まるで小さい子がミニカーのセットをプレゼントしてもらいイジくり回す姿と同じだった。思い通りの音が出るとコチラを見てニヤリとする仕草などはたまらくキュートだったね。
いい迷惑だったのはサウンド・チェックを中断させられた音響のスタッフだったのは言うまでもない。
その時、楽屋で半日ほどイングヴェイ一家といっしょの時間を過ごしたが、いろいろな話が聴けて実に楽しかった。また、その話が音楽から政治から経済から話題が飛ぶ飛ぶ!よ~く話を聞いていないといつ矛先がこっちに向いてくるかわからんからこっちも必至だったけどね。
そして、程なくしてそのプロト・タイプがYJM100へと昇華したのだった。
イングヴェイの持ち時間最後の曲は「Far Beyond the Sun」。
この日も当然イングヴェイ式マーシャル・サウンドが炸裂!
どんなに激しく弾いても、決して汚くは弾かない。普通にギターを使う範囲においては、一流の人はみんなそうだ。いつでも美しく弾く。
もうやりたい放題!
持ち時間がたった3曲分しかないのでイングヴェイもその魅力を爆破すべくもうダッシュなのだ!
これらは撮りたかったアングル!
フィン・コステロっていう人が撮った有名なリッチーの写真もあるよね。へへへ、それをやりたかったの。
アッという間に3曲終了!王者の風格を見せつけられた!
しかし、「50周年」とか関係ないステージだったような気もする…。
でもこれでいいのだ!なぜならイングヴェイ・マルムスティーンだから!
イッチョあがり~!
ものすごい喝采!
つづく
(一部敬称略 2012年9月22日 London Wembley Arenaにて撮影)