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2017年5月

2017年5月31日 (水)

CROSSWINDの未発表ライブ音源とLo-Dプラザの思い出

よくMarshall Blogに書いていることだが、「虫の知らせ」的な現象がやたらと身の回りで起こる。
別段困ることは何もないのだが、あんまり手の込んだヤツになるとさすがにうす気味悪くなる。
コレがラッキーな知らせだったら大いにありがたいのだが、そういうのはほとんどやって来ないね。
何かがキッカケで普段はまったく興味がない宝くじを買ったら大当たりしちゃった!…「ああ、アレは虫の知らせだったんだね~」みたいなヤツ。
来いよ、虫!
寄ってくるのはハエか蚊ばっかりじゃんか!
イヤ、知らず知らずのウチに「ラッキー虫の知らせ」も受けているのかも知れなくて、それに気が付いていないだけなのかもしれない。
また、人間はどちらかというとアンラッキーな事象に「虫の知らせ」を当てはめたがる習性があるのかも知れない。
今日の話はラッキーな部類に入るだろう。
それはこういうことだ。
私はよくジャズのピアノ・トリオを聴くのだが、好きなピアニストのひとりにKenny Barronという人がいる。
先日中古CD屋で目に留まったBilly Cobhamがリーダー名義のピアノ・トリオ盤『The Art of Three』に参加しているピアニストがKenny Barronだったので早速買ってみた。ベースはRon Carter。
コレが存外によくて、時々CD棚から引っ張り出しては聴いている。
で、数日前もこのCDを聴いていたのだが、その日は何となくBilly Conhamのドラミングがすごく気になった。
バックをやっている時は、何とも言えない硬質なスウィング感がとても気持ち良いのだが、ひとたびソロになると、やかましいというか、落ち着かないというか、場所違いというか、「コブさん、今演ってんのマハビシュヌではありませんよ!」と横から耳打ちしたくなるような感じ?
ま、それもこの人ならではのスタイルなんだけどね。
そこから、ますます気になり出して他のBilly CobhamのCDに乗り換えた。  

A3_2耳タコの「Stratus」を聴くのが辛いので、ファースト・ソロ・アルバムであるところの『Spectrum』は今回敬遠させていただいて、メッチャ久しぶりに2枚目のソロ・アルバムなんぞを聴いてみた。普段はまず聴くことのないアルバムだ。
その翌日のことだった。
ある友人から連絡があり、故小川銀次さんのバンド、CROSSWINDの未発表音源をクラウドファウンディングで制作することになったというのだ。
チョット、ビックリでしょ!
なぜなら、Billy Cobhamの2枚目のソロアルバムのタイトルが『Crosswinds』だからだ。

Cw2その新譜の音源というのは、かつて有楽町にあったLo-Dプラザでのライブ演奏を収録したものだ。
Lo-Dプラザは過去何回かMarshall Blogに登場しているので、熱心なマーブロ読者(そんなのいるのか?ありがたいことにいるんです!)は実際に行ったことはないにしても、名前を耳にしたことがあるかも知れない。
今日はそのLo-Dプラザのお話から。
チっ!こんなことになるなら今までチビチビ書くんじゃなかったよ…ということで、もう一回ちゃんとおさらいしておこう。
なんとならば、その連絡をくれた友人というのは、このLo-Dプラザでエンジニアをされていた方なのだ。
  
何か月か前に「ポタフェス」というポータブル・オーディオの展示会のレポートを掲載したでしょ?
なんとマァ、音楽やギター・アンプだけでなく、オーディオ機器のスタイルもデジタル・テクノロジーの革命を経て、すっかり変わり果ててしまったことに私は驚いてしまったワケだけど、40年ぐらい前は音楽を聴く時はチャンとしたオーディオ装置、いわゆる「ステレオ」で鑑賞するのが普通だった。
それがウォークマンの登場以来、アレよアレよと小型化が進んで、今では何もかも「こんなに小っちゃくなっちゃった!」状態になってしまったのはある意味残念なことだと思っている。
私も初代のウォークマンを手に入れて以来、40年近くの間その手のポータブル・オーディオの恩恵を受けているので、決して悪く言うつもりはないのだが、せめて家で音楽を聴く時は大きなスピーカーを鳴らす正式な再生装置を使うべきだと思っている。
時代が変わったといえばそれまでなのだが、昔はオーディオ機器もひとつのステイタスだったんだろうね。居間にステレオがあるのが当たり前の時代。だから50年ぐらい前のステレオは家具調だった。
こんなヤツ。
この電話器!ウチもコレだった。
でも、何もステレオの上に電話器を置くことはないと思うのだが…。
ウチは違ったけど、昔は玄関に電話器が設置してあった家をよく見かけた。アレはどういう理由からだったんだろう?

Cst そういう時代だったので、各家電メーカーがそれぞれ独自のオーディオ機器ブランドを持っていた。
コレも以前にも書いたけどね。忘れていませんよ。
三菱はダイアトーン(スリー・ダイヤだからね。岩崎弥太郎のステレオだ)
松下はテクニクス(当時は「松下電工」だった。雷門の提灯をありがとう!)
東芝はオーレックス(東芝にもそんな時代があった。毎年武道館でジャズ・フェスまでやってたんだから!)
サンヨーはオットー(親亀コケすぎ。三洋電気もろともなくなってしまった)
シャープはオプトニカ(ココも目の付けどころがちょっとマズかったか?)
…ってな具合。
DENONは「デンオン」と読んだし、KENWOODはTRIOという名前だった。
TRIOなんてレコードもやっていて、一時ECMを配給していたもんだから私が持っている『Travels』ぐらいまでのPat Methenyの初期のLPは全部トリオ・レコード製よ。
そして、日立。
日立のオーディオ機器ブランドは「Lo-D(ローディ)」という名前だった。
すごいよね、発電所のタービンやジェネレーターやエキサイターを作るメーカーがステレオのブランドを持っていたんだから。
こうした高速回転する重量のある発電機器を設置する時には「グラウト材」という特殊なセメントを使うんだ。
どうする?「セメント」で脱線する?それとも「発電所」?いくらでもできるよ。
でも、今日はやめておこう。
さて、Lo-D。
名前の由来は「Low Distortion」なのだそう。
ASTORIA CLASSICみたいなもんだね。ASTORIA CUSTOMは当たらない。
それで、各メーカーはそうしたオーディオ機器のデモンストレーションをするために、大都市にショウ・ルームを展開したんだね。
SONYビルなんてのはそれの親玉みたいなもんだ。
で、日立は有楽町のフードセンター(現銀座インズ)という高速道路の高架下に「Lo-Dプラザ」というショウルームを設置したというワケ。
コレがいつ始まったのかはわからないんだけど、クラスメイトの安藤君に教わって私が初めて行ったのは1976年ぐらいのことだったと思う。
私は最初映画キチガイだったので、有楽町にはなじみがあり、とても行きやすかったのだ。
ずいぶん通ったよ。
当時は土曜日にも学校があったので、日曜日になると毎週有楽町に足を向けた。
ナゼかというと、Lo-Dプラザには、オーディオ機器の視聴用に無料で聴けるレコードがたくさんあったからなのだ。
当時はLPレコードが一枚2,500円。
2,500円といえば子供にとっては大金だ。
大人になった今でも大金なのが情けなくもあり、不思議でもあり…。
当然YouTubeなんてあるワケがないので、今みたいに聴きたい音楽を無料で聴くなんてことは一切できなかった。
「もっと色んなレコードを聴きたい!」という欲望はもちろん激烈に強かったが、「不便」だと思ったことは一度もなかったし、音楽はお金を出して手に入れることに何の違和感もなかった。今でもそれが当り前だと思っている。
時代はまだCDが一般化するより十年も前の話で、「レンタル・レコード」なんていうのが登場するのはそれから四年ぐらい後のことだ。
だから、Lo-Dプラザに行って、レコードをそこで借りて、まったく買う気のないオーディオ機器を試すふりをして、次に買うべきレコードの下調べやロックの勉強をしたワケだ。
今にしてみると、何に興味を持って聴きに行っていたのかはほとんど覚えていないのだが、一枚だけハッキリと記憶しているのはサディスティック・ミカ・バンドの『ライブ・イン・ロンドン』だったが、何回か貸してもらって聴いたものの結局LPは買わずじまいだったな。
そうやって買った一枚のLPを大事に大事に何回も聴いたものだった。
不幸にして買ったLPが気に食わない内容だったとしても、ひたすら聴き込んで強引にお気に入りにした。
Cld
Lo-Dプラザにはスピーカーから盛大に音を出して聴く小部屋があって、日曜日はいつも満室で順番待ちだった。
一方、ヘッドホンを使って聴く装置が何台も並んでいて、私はいつもこっちだった。
他にもラジカセ等の小型オーディオ機器をディスプレイするコーナーや高級オーディオを体験するリスニング・ルームがあったのを覚えている。
…と、こんな説明をするより、その友人から写真をお借しりて、ココでお見せすればどんな様子だったかが一目瞭然なのだが、奇妙なことに写真がまったく残っていないらしいのだ。
今ならチョチョイとスマホで撮って残しておくところだろうが、昔は写真一枚撮るにしても、カメラを持って行って、撮影して、写真屋にフィルムを持って行って現像してもらわねばならなかったのだから大事だ。だからそう簡単に写真に残しておくなんてことなどできなかったんだね。
  
チョット脱線になるが、このLo-Dプラザの奥に「モーニング・サン」という輸入&中古レコード屋があった。
今はもう見る影もないが、昔は数寄屋橋の西銀座デパートとSONYビルの地下にハンターがあって、レコード好きにとっては有楽町も捨てたモノではなかった。
数寄屋橋のハンターは私が学校を出て就職した頃でもまだ残っていたな…と言っても1985~1986年ぐらいの話だからもう30年も経ってるか。
下の写真は数寄屋橋のハンターがあった場所。
私は14歳か15歳の時にココで生まれて初めて中古レコードというものを買った。ELPの『Tarkus』だった。
昔はこんなにきれいな内装ではなかった。

C2img_2499 ハンターは規模を拡大し、上の写真から50mほど離れた場所にもう一軒店を構えた。
そこで手に入れたのが下のTony Williams Lifetimeの『Energency!』。
大学の頃、どうしてもコレが手に入らなくてネェ。聴きたくて、聴きたくて…まんじりともしない日々を送っていた。
それがある日、その新しい方のハンターで発見したのだ。
まだカウンターの中にあって、値札も付いていない状態だったのだが、頼み込んで何とか売ってもらった。
当時は万単位のプレミアが付いていたやに聞いていたが、1,400円だった。
「へへへ、コレだから中古レコードはやめられまへんナァ」とか何とか言いながら家に持ち帰ったのではなかろうか?
で、聴いてガックシ。期待しずぎちゃったんだね。
今ではCDで簡単に手に入るが、コレはまだCDが世に現れる前の話。

C0r4a5836 まだ脱線中ね。
さて、そのLo-Dプラザの奥にあった「モーニング・サン」というレコード屋、いつまで営業していたんだろうか?
気が付いてみるとなくなっていて、洋品店になったのかな?
それでも二枚ほどその店でレコードを買ったことがあった。
一枚はコレ。
King Crimsonの『Earthbound』。
やっぱり15、16歳の時だった。
コレも以前に書いたことがあったが、当時このアルバムは音質が劣悪ということで国内盤が制作されておらず、聴くためには輸入盤を手に入れるしかなかった。
どうしても聴きたくて、Lo-Dプラザに行ったついでに、多分このお店で探したんだろうね。
店員さんが「ボク、何を探してるの?」…ま、本当に「ボク」と呼ばれたのかどうかは定かではないんだけど、とにかく店員さんに話しかけられて、「あ、キング・クリムゾンの『アースバウンド』です」と答えると、「あ~、今ないな~。イギリスから取り寄せてあげるよ!」と言うではないの。
「イ、イギリスから!?」とかなりビビった。
だって、コストがどれだけかかるかわからないじゃない?…と心配していたら「値段は普通のレコードと同じ」だというのでお願いすることにした。
すると今度は「やっぱりIsland盤がいいんでしょ?」と来た。
「あ、あいらんどぉ?」
こっちはロックを聴き始めて数年の15、16歳の子供だ。何のことかサッパリわからなかったが、「ええ、マァ…」と答えておいた。
そして、数か月後に「入荷した」という連絡を受けて手に入れたのが下のIsland盤の『Earthbound』。
2,000円だった。消費税などない時代のお話し。
Cimg_0096

もう一枚はKevin Ayers他の『JUNE1,1974』。
コレも聴きたかったのだが、当時国内盤は廃盤になっていてどうにも手に入らなかった。
それで、もう勝手がわかっていたので、コレは「モーニング・サン」にこちらからお願いしたような記憶がある。
私はこのアルバムでPeter Ollie Halsallという素晴らしいギタリストを知った。やはり15、16歳の頃。
世間的には決して貴重品というワケではあるまいがそれぞれ青春の思い出のアイテムとして今でも大切に保管してある。
私の青春はロックだったから。

Cimg_0097

話をLo-Dプラザに戻す。
そのオーディオ機器ブランドの戦国時代、Lo-Dプラザが他のブランドのショウルームと大きく異なっていたのは、今でいう「ライブ・スペース」があって、歌謡曲からロックまで広範囲なジャンルにわたるアーティストが頻繁に出演していたことだろう。
当時私は国内のアーティストにほとんど興味がなかったので、満員になっているそのスペースを横目に見て、「ああ、また今日も誰か出ているのか…」程度のものだった。
それよりも自分の聴きたいレコードの方が優先だった。
当時はこんなプログラムを発行していたそうなのだが、見事に記憶がない。
「ヤングと音楽のふれあう広場」だもんね。
「ヤング」か…。
名実ともに「ヤング」もずいぶん遠くなったもんだ。
人間、ヤングよりオールドの時期の方がはるかに長いということを知るのは、オールドになってからなんだよな~。
右は1981年8月の発行。表紙の人…有名な方なのかな?こんな二重アゴの写真、今なら絶対NGでしょう。ノンビリしてたナァ。
左の人が肩からブラ下げているのは日立製のウォークマンか?
ヤケにデカいな。
あ!今気が付いた!
このお姉さんが右手をかけている白い複数の板!
このケースにレコード・ジャケットが入っていたの。
コレをめくっていって気に入ったレコードを探す。ケースには番号が付いていて、その番号を受け付けのお姉さんに伝えると当該のレコードを出して来てくれる…というシステムだった。
Cpg
さらにLo-Dプラザがスゴかったのは、抽選で当たった10人のお客さんに16チャンネルのミキサーが設置された客席に座ってもらい、目の前の生の演奏をマルチで録音させていたのだ。(ミキサーを8チャンネルで使う時は20名)
録音媒体はカセット・テープ。
当然、そこで売っている日立Maxellのモノを使用する。
私は高校の時にコレを二度ほどやらせて頂いた。
ひとつはPANTA&HAL。
実はこの時は生の演奏ではなくて、卓に8チャンネル分の音源が送られてきて、それをミキシングして、その場で2チャンネルにトラックダウンするというものだった。
正確な演奏日時はわからないが、まだ『マラッカ』をリリースする前だったのだろうか?「マラッカ」の歌詞がレコードとは異なっている。
まだ今さんがHALにいた頃で、卒倒もののすさまじいギター・ソロを聴かせてくれている。
特に「マーラーズ・パーラー」のオブリガードは人間ワザとは思えないほどの出来で、ずいぶんコピーさせて頂いた。
もう一回はBAD SCENEだった。
この時は本当の生の演奏で、3曲演奏した後、BAD SCENEに銀次さんがジョインして更に3曲を演奏した。
どの曲も銀次さんらしいプレイにあふれていて、とりわけ「Rising Dream」のソロはあまりにも素晴らしい。Maj7thのアルペジオがクロマチックで上がっていくアイデアがカッコよくてね、コレも高校の時にコピーさせて頂いた。
下がその時のカセット・テープ。
アレ?富士フィルムのテープだね。
ったく、エチケットを知らねーな、若いヤツは!って、私ですわ。
とにかく大切な宝物のひとつ。
しかし不思議なのは、実施日が異なるのにどうして同じテープに音源が収まっているんだろう?
二回分を考慮して初めから90分テープを用意していたワケはないので、「PANTA&HALのテープにまだ空きがあったな…」とワザワザ家から持って行ったのだろうか?
あの頃はカセット・テープだってそう安くはなかったからね。

50

これでLo-Dプラザがわかった。
そして、今回のCROSSWINDの未発表音源は、1981年9月13日、1982年1月30日と5月15日にLo-Dプラザに出演した時のモノが収録されているのだそうだ。
私の友人がその音源を蔵出しし、ナント35年ぶりに陽の目を見ることになる。
下はLo-Dプラザのステージで演奏するCROSSWIND。
こんなだったかな~。もっと広い感じがしたんだけど。
そうそう、各ミキサー卓に「録音中」っていうサインがついていたな。

Ccw4 下の写真は渋谷の屋根裏ね。
しかし、こうしてみると屋根裏もいい加減小さかったな~。
でも、そんな感じはまったくしなかった。
私は高校二年の時にこのステージで銀次さんを観たことがあった。
RCサクセションで活動していた時のことだ。
大ブレイク寸前で、当時屋根裏でもっとも集客力の大きい二大バンドのウチのひとつだっただけに息もできないほどの超満員だった。
もうひとつの人気バンドはPANTA& HALだった。

Yu_2

持っているクラスメイトにカセットに録音してもらってよく聴いていたので、私はCROSSWINDのレコードはとうとう買わずじまいだった。
銀次さんのギターが殺人的にカッコよくてね~。
2001年の『マーシャル祭り2』にご出演頂いたのも、その時分のあこがれ感によるものだった。
結局大分後になってCDを買い込んだ。
「フュージョン」と形容するにはあまりにもハードなサウンで、当時の日本のロック・シーンでは他に類を見ないバンドだった。
日本人ばなれしていてジャケットもいいよね。真ん中のセカンド・アルバムなんてまるでフランスのAngeのアルバム・ジャケットのようだ。

60そして、今回のアルバムは今はやりのクラウド・ファンディングでの制作となる。
クラウドファンディングっていうのも私のような古い人間から見るとナンカ違和感のカタマリなんだよね~。
この手法について深い知識を持ち合わせているワケではないので大言は控えるべきだが、要するに「カンパ」っていうことなんでしょ?
私なんかが思うには、本当にいい音楽なら、やっぱりレコード会社が率先して作るべきだと思うんですよ。
そんなにね、誰も彼もが音楽をやったって、いいモノができる可能性なんか万にひとつもありゃせんって。
コレね、音楽だけじゃなくて、今の世の中何でも同じで、食べ物なんかもそうなんだけど、いいモノを教えないからドンドンおかしなモノばかりになってるんだよ。
それで、そのおかしなものばかりの中でラクして商売をしようとするから、ますます状況が悪くなっているんだと思う。
音楽に関して言うと、傍で見ていて今の若い人は本当に憐れだと思いますよ。
いい音楽を厳選して、レコード会社がコッテリと金をかけていいモノを作るだよ。
とにかくミュージシャンがタオルやシャツやチェキを売らなければ生活できないような状況を打破してやらないと!
「ミュージシャン」という職業は自分たちだけのいい音楽を作ってそれを形にすることなんだから。
断じてタオルやシャツを作って売るのが仕事ではない。
ま、古いと思ってもらって結構。
とにかくコンピュータの利便性が「無償」を武器に、「風情」どころか「芸術」までも壊滅的な状態に追い込んだことを人類はよく見つめ直すことですな。
私は「CD」というフィジカルな製品がある限り、それを支持します。
お、ナニが言いたかったかというと、小川銀次のような不世出のギタリストが作った音楽をナニが悲しくてカンパで形にしなきゃならないのか?ってことよ。
久しぶりに毒づいてみたけど、逆らったところで時代の趨勢にかなうワケがないこともわかってる。
結果、形はどうあれCROSSWINDの新しい音源が世の中に出て来ることは大歓迎であることは間違いない。
私は内容を耳にしているワケではないが、この時点で既にひとつ言いたいのは、「若い人」、特にひとりでもの若いギタリストやギターの勉強をしている人たちに聴いてもらいたいということだ。
銀次さんのギターを通じて「オリジナリティ」という言葉の意味を自分なりに分析してもらいたいと思う。
Cwc
さて、そのクラウドファンディングの案内がこの動画だ。
6月2日から出資者を募るそうだ。
興味のある人はゼヒご参加あれ。

今年の8月で三回忌を迎える銀次さん。
このプロジェクトがその三回忌に合わせた動きであることは言うまでもない。
また、「CROSSWIND」という唯一無二のバンドの名前を後世に残すことを目的にもしている。
さらに、経費を差し引いた売上金はすべて銀次さんの奥様のご遺族に贈られるとのことだ。
  
今日は過去の記事と内容が重複してしまうので銀次さん自身のことについてはほとんど触れなかった。
代わりに銀次さんの思い出や関連情報を掲載した過去のMarshall Blogの記事を紹介しておく。
★【訃報】 小川銀次さんのこと

★Ginji Lives!~小川銀次、新譜をリリース!

10v_2※今日のバナーは、銀次さんが2001年の『マーシャル祭り2』にご出演された際、JCM2000 DSL50をステレオでお使いになられたことより現行のDSL100の図柄を採用しました。

(Marshall並びにMarshall Blogは記事内のクラウドファンディング事業には関わってはおりません。ご質問他、いかなるトラブルも関知いたしませんこと予めご了承ください)

2017年5月30日 (火)

Koki Tetragonの『黄金のロックナイト』

久しぶりの荻窪。
前回お邪魔した時もそうだったのだが、偶然にも今日も雨。
そんな空模様にもかかわらず、ルースターには熱心な音楽ファンが多数詰めかけた。

10プログラムはコレ。
伊藤広規率いるKoki Tetragon!
そう、大人はロックの刺激に飢えている?!

20今日は去る4月5日にリリースされたKoki Tetragonのアルバム、『The Classy Rock GIG at Yokohama STORMY MONDAY』のレコ発ライブなのだ。

30コチラは同時発売されたDVD。

40会場にセットされたCDとDVD。
特典もバッチリと用意されていた。

50広規さんのライブ会場といえば~…熊本は南阿蘇、キャラメル・プディングの激うまプリン。

60今回もおいしかった~。
ホラ、NATALもよろこんでるよ。

キャラメル・プディングの詳しい情報はコチラ⇒オフィシャル・ブログ

70そして、マスターの「EXILEです!」の紹介とともにショウが始まった!

X 伊藤広規

90v松川純一郎
当時話題になった松川さんのフォトグラフィック・スマイル(from Mr.Big)。笑顔ってのはいいもんだ。

100v窪田晴男

120v岡井大二

130v今晩の大二さんのNATALはバーチ。

140スネアはNATAL自慢のメイプル・ステイヴの14"x5.5"。
大二さん、ぞっこん!
信じられないぐらいの音抜けの良さだった。

150一曲目は「Cissy Strut」。
当然CDとDVDの収録曲が演奏される。
曲についてはCDのライナー・ノーツやレコーディング時のレポートに書いておいたので、今回はグダグダと書きません。

160_csコレはオープニングにもってこいの曲だよね。
松川さんと…

170窪田さんのギターが早くも暴れまくる!

180そして広規さんのソロが渋い。

190となると、大二さんだってダマっちゃいられない!

200続いては「Red Baron」。
Billy Cobhamね。

210v_rbこの曲はレコーディング時には演奏されたが、CDには収録されなかった。
だもんで、今ではその音源が特典アイテムのひとつになっている。

220v二曲インストが続いたところで松川さんの歌で「Steady Rollin' Man」。

230v_srmココでも窪田さんと松川さんのギターがガッツリとフィーチュアされた。

240さて、次の曲…ジミヘンの「Wind Cries Mary」。
アレ、また始まった…譜面がない~。

250_wcm広規さんのところにあったので一緒に見よう、ということになってポジション・チェンジ。
「EXILEと紹介されたからには立ち位置ぐらい替えなきゃね!」だって。

260ま、譜面ナンカなくたって難なく演っちゃう方々なんですけどね。

270アルバム中最速のナンバー、「Lady Day and John Coltrane」。
イヤ、この曲、そのレコーディングの時に初めて聴いたんだけど、耳に残っちゃって、残っちゃって!
こういうのを「スゴイ曲」っていうんだろね。
最近、Coltraneが人生最後の演奏をする前のNewportでの写真というのを見たんだけど、スゴかった。
多分Jim Marshallの撮影だと思うんだけど、ステージ袖にソプラノとテナーを持ってうつむきながら立っているだけの写真。妖気が漂っていた。『明日のジョー』の最後のひとコマみたいなの。

280vそして、タマらないのは大二さんのドラムよ!

290v右手のシンバル・レガート!

300「♪チンチキチキチン、チンチキチキチン」。「ラム」のアレね。
このレガートを聴いているだけでも一曲聴ける。
320

こんなに指と手首を動かして…しかも何十年も。
大二さん、腱鞘炎大丈夫なのかナァ。
ドラマーはプレイする時のポジションが正しければ腱鞘炎にかからない…と誰かが言っているのを聞いた。
まさに大二さんがそれなんだろうね。ドラム・スローンに座った時の姿勢がすごくいいもん。
310

広規さん、曲が終わってから、「コレ、弾く前に練習しなきゃダメなヤツじゃん」ですって!
イエイエ、文句なく完璧でございました。

330v一部を締めくくったのはバラード。
Bob Dylanの「You Make me Feel my Love」。
松川さんがやさしく語りかけるように歌う。

340vそして窪田さんのロマンチックなギターで第一部を終了した。

350しかし、このお店は素晴らしい。
とにかくお越しになったお客さんを楽しませようという気概が伝わってくる。
最初この苗字のサービス・システムを知った時には笑った。
でも、ウチは絶対に二杯目が無料になることはない。
「目さん」も「属さん」も一生順番が回ってこないだろう。
そして、マスターがスゴイ。
開演前のMCでは大いに笑いを取り、、真ん中の休憩タイムでは笑いだけでなく、資格まで取ったというプロ・レベルの手品でお客さんを楽しませてくれるのだ。
こんなハコ、日本国中どこを探しても他に見当たらないだろう。

360マスターの手品にビックリしたところで第二部。
コレは「新曲」と言えばいいのかな?
「Talk to me Baby」…知らないな~、と思ったらElmore Jamesだって。
だ~か~ら~、ブルースは苦手なんだってば~。

360_ttmbそしてCDのオープナー「Teaser」。
ココはワイルドにノッちゃうところ。

370次は正真正銘の新曲。
広規さんが歌っているのは「Tetragonのテーマ」。
メロディは「ウルトラマン」なんだけどね。
リハの時にも歌ってらしたけど、まさか本当に本番でやっちゃうとは!
さすがエンターティナーの最高峰!

380CDネタに戻って「I Got the Same Old Blues」。
今日もハンパな小節数ながらナチュラルな仕上がり。
本当に不思議な曲だ。

390v_soドンドン曲が続く。
「♪ドッドドッド」と広規さんの三連中抜きから始まるのは「Brush with the Blues」。
CDには収録されなかった曲。
よってコレも音源が限定特典アイテムになっている。
だから急いでCD&DVDをゲットしてね!

400v_bb今度は窪田さんの新曲。
ナゼか山本リンダの「どうにもとまらない」。

410_dt「キーを間違えた!」なんておっしゃっていたけど、演奏の勢いは本当にどうにも止まりそうにない感じだった!

420vそして、本編の最後は名曲「The Joker」。

430v広規さんの見事なグルーヴ!
ミディアム・スローな曲だけど、グイグイ感がすごいのよ。

450
ああ、しかし、大二さんが叩くNATALの音色は素晴らしいナ~。
「音楽がそこにある」って感じがするわ。
ドラム・キット購入を考えている違いのわかるドラマーさんはマジでNATALを選択肢に加えた方がいいでっせ。
460

以上が本編。
「ココから先はアンコールということで!」とそのまま演奏を続けたKoki Tetragon。
こういうところがまたいいんだよナァ~。

460v_rmwまだ演っていなかった重要なレパートリー…「Rocky Mountain Way」。

S41a0087松川さんはボトルネックを披露。

470v最後まで強靭な低音でバンドをリードした広規さん。
広規さんのプレイを見るたびに「いいバンドには必ずいいベーシストがいる」という自分自身の言葉を再認識してしまう。

480v活動40周年を迎えた広規さんは何しろ絶好調。
Koki Tetragonは7月11日にCD&DVDを収録した関内のSTORMY MONDAYでライブを開催した後、9月には名古屋、大阪、京都、神戸、札幌と巡業をすることが決定している。
そして9月12日にはまたSTORMY MONDAYで「ただいまコンサート」が開催される。
「♪来たぞ我らのテトラゴン」…お近くにこの四人がお邪魔した際はお見逃しなく!

伊藤広規の詳しい情報はコチラ⇒ITO KOKI official web site

CD&DVD収録時のレポートはコチラ⇒THE CLASSY ROCK GIG/Koki Tetragon(三本立て)

490

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2017年4月11日 荻窪ルースターにて撮影)

2017年5月29日 (月)

本城未沙子~Birds of Paradise

今日は主役も現場もMarshall Blog初登場。
場所は池袋。
知り合いもいるので滅多なことは言えないが、池袋ってのはライブハウスが林立する新宿、渋谷と肩を並べる繁華街でありながら、昔からライブハウスとは縁遠いイメージがあるのだがどうだろう?
ロックに狂って屋根裏やロフトに日参していた高校時代、池袋のライブハウスに行ったという記憶がまったくない。
40年近く前、あの頃は本当に池袋にはライブハウスがなかったのかな?それとも個人の活動範囲の問題かな?
池袋のパルコの屋上で東京おとぼけキャッツを観たぐらいだ。
そして、今でも池袋に足を向ける回数は他の繁華街に比べると決して多くはない。
そんなだから今日のレポートの舞台も初めてお邪魔するライブハウスということになる。
Black Holeというお店。
昔、『ブラックホール』っていうディズニー映画があったね。私は観ていないのだが、好きなアーネスト・ボーグナインが出演していたので予告編を覚えている。
それでこのお店さん、ものすごく親切なの。スッカリ恐縮してしまった。

10vそして、今日の主役は本城未沙子。
先に記した通り、ありそうでなかった「元祖メタル・クィーン」のMarshall Blog初登場だ。
未沙子さん、ようこそMarshall Blogへ!
ショウのタイトルは『Birds of Paradise』。
おお~、「Birds of Paradise」といえばParkerですな?
正確にはアッチの鳥は単数で「Bird of Pradise」。
Jerome Kern作曲の大スタンダード「All the Things You Are」のコード進行を借用し、モダンジャズ創設者のひとりにして天才アルト・サックス奏者のCharlie Parkerが絶頂期にDialレーベルに吹き込んだ一曲。この時のトランぺッターはMiles Davisだった。
1947年の録音だというから今年でちょうど70年!アタシャ、日頃からそんな古い音楽を聴いてよろこんでいるのか~。
ちなみに70年経った今でもその独創性と演奏技術においてCharlie Parkerに勝るアルトサックス奏者はいないし、未来永劫出て来ないと言われている。つまり「オリジナルの強さ」ということになる。
そういう意味ではMarshallと共通点があると言えなくもない。
…と、まず軽く脱線しておいて…。
(ココで注釈で脱線!今、未沙子さんとやり取りをしていたら、「Bird-of-Paradise」というのは「極楽鳥」のことだと教わった。さすがに鳥のことまではわからないの。
で、私にとって「極楽鳥」といえばPANTA & HAL。PANTAさんがMarc Bolanに捧げた名曲だ)

20v『Birds of Paradise』と銘打った未沙子さんのバースデイ・コンサート。

30本城未沙子

40vギターに是永功一。
是永さん、久しぶりのご登場。

50v是永さんはJCM2000 TSL100を使用。
コレ、長いことお使いでいらっしゃる。コレがホントの「コレナガ」、なんちゃって。
是永さんと初めてご一緒させて頂いたのは福山雅治さんの横浜アリーナの時だったっけかな?
ずいぶん前のことだけど、その時もこのTSLがステージに上がっていた。

60キャビはお店の1960A。
ウワッ、なつかしいな~。

70「Orange Crunch」。
1998年ぐらいだったかな?…の限定生産品。
当時は今みたいに自由にカラー・モデルなんてオーダーができなくて、こうして「限定品」として、世界統一で黒以外のカバリングのモデルをリリースしていた。
オレンジ色のカバリング自体はかなり昔からあるものだ。

80キーボーズは潮崎裕己

100vベースはおなじみ満園庄太郎

110vドラムスは小柳"CHERRY"昌法

120vオープニングは「魔女伝説」。

90
「♪ズンズク、ズンズク」…ハード・ロック!
私の中の「ロック」の定義はやっぱりこの手の「ハード・ロック」なんだな。
適度にハードでへヴィなヤツが私の「ロック」。

130中間部のカッコいいキメからギター・ソロへ!

150続けて「LOVE ME FOREVER」へ。
未沙子さんの余裕シャクシャクの歌いっぷりと誰も寄せ付けないかのような存在感がスゴい!

180
「春なのに…、日曜日なのに…、忙しいのに、ありがとうございます。お花見行きましたか?」
そうか、この時は桜が満開の頃だったのね。
お友達が投稿するfacebookの写真で目黒川の桜を満喫したという未沙子さん。

155vMCの後は1989年のアルバム『VISUALIZE』から「蜜のビート~HONEY BEAT」。

160ミディアム・ファスト・テンポで軽快に歌い上げる。

170v庄太郎ちゃんがベースを効かせるのは「TILL THE BREAK」。

190vこの曲も冒頭とはうって変わったポピュラー・チューン。
幅広い曲調のレパートリーだ。

220v

そんなバラエティに富んだセット・リストを完璧に支えるバック陣。

200百戦錬磨のベテラン勢だけに聴いてて安心、そしてスリリング!
ちなみに潮崎さんとCHERRYさんもMarshall Blogに初めてご登場頂いた。

210「SECURITY BLANKET」でハデに盛り上がる!

230vココで最初のゲスト登場。
FATE GEARのMina隊長!

240vMina隊長が演りたかったという曲、「夏は誰も愛さない」。

250タイトルからは想像できないドライビング・チューン!
ギター・ソロもバッチリ!

270v

未沙子さんとMina隊長のFATE GEARは3月にダブルヘッドライナーで鹿鳴館で共演した。
だからイキもピッタリ!

260「(リハーサルの)スタジオの時、メッチャ緊張してしまって弾けなかった!でも今日は大丈夫。!本番に強いのです!」と次の曲に進む。
今日一番早いナンバーだという「DISTRACTION」!

S41a0305「コレ歌っていた時、17歳だった!」という未沙子さん。
むしろ当時より今の方がパワフルなのでは?!

290vMina隊長はお店のJCM900 4100 Orange Crunchを使用。
やっぱりこういう気骨のあるハードなロック・ギターは真空管アンプで弾かなきゃダメだ。
さもないと「ウソ」になってしまう。
そのあたりのをことを100%理解しているかのようなMina隊長のプレイだった。

300vFARTE GEARのMV見てね!
Marshall、NATAL、EDENが大活躍しとります。
また、ライブのビデオも必見ね。
MarshallだけでなくNATALサウンドも炸裂してるってばよ~。
下のFATE GEARのウェブサイトから入ってチョーダイ。

FATE GEARの詳しい情報はコチラ⇒FATE GEAR OFFICIAL SITE

310前2曲とガラッと変わってシットリ・ムードに突入。
1983年のアルバム『THE CRUISER』から「TOO LONG」。
「♪トゥロン、トゥロン」、「♪ソロン、ソロン」が耳に残る~。

320v次の曲…ああ、未沙子さんやっちゃった~!
私に大脱線の機会を与えてしまったのね?
歌ったのは「嵐が丘(Wuthering Heights)」。
中にはこの曲を「さんまのテーマ」と思っている人がいるかも知れない。
それは鹿鳴館ね。

S41a0383 「Wuthering Heights」は1978年のKate Bushのデビュー・シングルにして最大のヒット曲。
Kateがデビューした時、私は高校1年生ぐらいだったが、「Dave Gilmourが見出した」とか何とかで、鳴り物入りで登場したように記憶している。(チョット!GilmourもCBEなのッ?!)
何しろ「どこか破けているんじゃないか?」と思わせるあのキテレツな声にはビックリ仰天した。
プログレッシブ・ロックに夢中だったその頃の私にとって好みの音楽ではなかったが、シングル盤は買った。
それが下の写真。
実はコレだけではなくて、滅多に聴かない割りにはナゼか彼女のアルバムはほとんど全部家に揃ってる。
本国イギリスでは今でもものすごい人気で、昨年ハマースミス・オデオンで開いた久しぶりのコンサートのチケットが取れた!とMarshall社の社長夫人のエリーがすごく喜んでいた。
エリーは同じ頃、他にFleetwood Macも観に行ったんだよ。
いいよな~。イギリス人に生まれたかったな~。
…とココまでだったら普通の脱線。
ココはまだまだ続く「大脱線」。
さて、この曲の最後に遠慮がちに出て来るギター・ソロを弾いているのはスコットランド出身のIan BairnsonというThe Alan Parsons Projectに在籍したギタリスト。
セッション・ギタリストとしても活躍していて、Pilotの大ヒット曲、「Magic」のあのハモリのギターの一部を弾いているそうだ。
この人は6ペンス硬貨をピックの代わりにしていたのだが、Barian Mayとどっちが早かったのかね?
ちなみに6ペンス硬貨の流通が終了したのは1980年なので現在はまったく見かけることはない。
昔のイギリスの貨幣制度は、ポンドの他にギニー、シリング、ペンスという補助貨幣が存在し、しかもそれぞれが12進法だったり、20進法だったりしてやたらと複雑だった。
このイギリスの貨幣制度のことを年配の方に聞くとおもしろいのだが、複雑すぎてサッパリわからない。
先日もMarshallの社長と上野のアイリッシュ・パブに行った時にこんな話になって(当然、私が持ちかけたのだが…)、結局よくわからずじまいだった。
おまけに「ストーン」の話になってさらに話がこんがらがった。
イギリスの人って体重を「stone」という単位で表すのよ。
貨幣制度のことについては、Bryan FerryがRoxy Musicの『Country Life』に収録されている「Three and Nine」という曲で歌っていることを以前にも書いた。
で、昔、6ペンスは1/40ポンドに等しかったが、1971年の「十進法化制」の施行によってペンスの価値が2.5倍に改められた…コレもよくわからん。
でも、この法改正によって100ペンスが1ポンドとなり、いっぺんにイギリスの貨幣制度がシンプルになった。
確か、この時に「シリング」が廃止されたんじゃないかな?…コレはエリーから聞いたことがある。
で、この6ペンス、「Sing a Song of Sixpence」という詞でマザーグースにも登場する。
見た目がきれいだからなのかな?
それにメロディが付けられて、マザーグースの中でも最も有名な曲らしい。私は知らなかった。
こういうマザーグースのようなわらべ歌のようなものを「Nursery Rhyme(ナーサリー・ライム)」という。
「nursery」は「子供部屋」。「rhyme」は「韻」という意味。
で、Genesisはコレに引っ掛けて『怪奇音楽骨董箱』という邦題で知られるアルバム『Nursery Crime』を制作した。意味は「子供部屋の犯罪」。ウマいな~。
もっとウマいのは私。
この後、話をもう一度Geneisに接近させる。
さて、話を元に戻すと、「Wuthering Heights」の録音を担当したエンジニアは、このIanのソロの録音レベルをもっと上げてギター・ソロを目立つようにすればよかった…と後悔したそうだ。
確かにあまり注目したことがなかったが、今聴いてみると実にいいフレーズを弾いているのよ。6ペンスコインで。ギターはレスポールかね?
Ianはこの後、『Lionheart』、『Never for Ever』、『The Dreaming』等のKateのアルバムに参加した。
Cimg_0186「嵐が丘」か…エミリー・ブロンテね。
「世界の三大悲劇」とか「世界の十大小説」とされているらしいが、ま、女性が読む小説だよね。
ところが私は読んでるんだな~。
しかも、高校の時にお姉さんのシャーロット・ブロンテの『ジェーン・エア』とセットで読んだことがあるのですよ。
ナンでかっていうと、進学する大学で英米文学を専攻することになっていたからなの。
『嵐が丘』はKateの歌のおかげで、ヒースクリフとキャシーという主人公の名前が一生忘れられないモノとなったが、内容は双方何も覚えていないな~。
どちらかというと『ジェーン・エア』の方がおもしろかったような気がする。
「世界の十大小説」に向かって失礼千万ですな。
そんなだから、イギリスに行ってもガイドブックに必ず出ている「嵐が丘」のモデルになったヨークシャーのハワースなんてところに行きたいなんて思ったことがない。
ロックの名所だけで大満足。ヨークは行ったけどね。
そのモデルになっているという場所は、どうにも風の強い荒野と聞いている。あ~、ますます行きたくない。
それもそのはず、「嵐が丘」の原題に使われている「wuthering」という言葉は「ビュービュー風の吹く」という意味らしい。
「…らしい」というのは、この単語、英和中辞典には出ていないマイナーな単語なのだ(少なくとも私が使っている大修館書店の「ジーニアス英和辞典の第3版」には出ていない)。
実際、普段の外人とのやり取りの中でこの単語が出て来たことは当然一度もない。
ところが!
この変な単語をアルバムのタイトルに使っているロック・グループがある。
それがGenesisだ。
彼らの8枚目の『Wind & Wuthring』がそれ。邦題では『静寂の嵐』なんて名前にさせられちゃってる。一応撞着を狙ったんだろうね。
どちらかというとGenesisの諸作の中では人の口に上らない一枚だけど、すごくいいんだよね。
コレとか前作の『A Trick of the Tail』とか、Phil Collinsは素晴らしい仕事をしていると思う。
実際、Steve HackettがGenesisの曲だけを演った何年か前の来日公演でもこのアルバムのB面の曲をほとんど演奏していた。
その中の一曲がアルバムの最終曲「Afterglow」。
コレがまた面白い。

Cww
Phil Collinsはこのアルバムの後、1977年のこのアルバムのレコ発ツアーでボーカルズに専念するために自分に代わるドラマーを雇う。
白羽の矢を立てたのがFrank ZappaのところにいたChester Thompsonだった。
そのツアーが『Seconds Out』という2枚組ライブ・アルバムとなった。
『Wind & Wuthering』のレコ発ツアーゆえ、当然そのアルバムに収録されている前掲の「Afterglow」も収録されている。
この曲の最後のところ…コレがタマらない!
ChesterがZappa時代に演奏していた人気曲「Trouble Everyday」の有名な二小節のドラム・フィルをそのまま叩いているのだ。
ドラマーでもあるPhil Collinsが「ココであのフィルを叩いて欲しい」とChesterに頼んだとかいう話だ。
ああ、こういう話は死ぬほどおもしろい。
知りたいことはまだまだ山ほどあるのだ。
このバンドはその後来日も果たし、私は新宿厚生年金会館に観に行った。
大脱線おわり。

So_2 未沙子さんのキャシー、とても魅力的だった!
ヒースクリフになりたいわ!

340v「あげていきましょう!」とショウも中盤に差し掛かる。
クールなリフがハードロック・フィーリングを爆発させる「Midnight Flower」。
続く「7 Seas World」はプロレス団体DRAGON GATEのユニット、OVER GENERATIONのテーマソング。
コレを未沙子さんがカバーしている。

350vさて、2人目のゲスト。
MASHAの登場!
Crying Machineで颯爽とMarshall Blogに登場して以来、現在はSilexでスッカリおなじみの若きギター・ヒーロー。

360vこの日のMarshall。
上はさっきMina隊長が使ったJCM900 4100のOrange Crush。
Mashaくんは下のJCM2000 DSL100を使用した。
キャビはJCM900時代の1960A。

370v当日、Mashaくんの足元で初めて目にしたのがコレ。
Marshallのブースター系ペダル、BluesbreakerII(BB2)。
日本は世界一のエフェクター天国だ。
それゆえ、最近は誰も知らないようなマイナーなブランドのエフェクターを使っていることがひとつのステイタスになっているような印象を受ける。
ま、そういうのもひとつの愉しみだということは理解するけどね。釣り具と同じ。
だから反対に、エフェクター界にあっては「Marshall」というメジャーなブランドはアダになっているような気がする。
その代表のひとつがコレ。
発売当時、現Procol HarumのGeoff Whitehornが「BB2は最高だ!」と言って愛用していたモノ。
さすがMashaくん、そんなこととはツユしらず、サウンド・クォリティでバッチリBB2を選んでくれた。
音はどうかって?
聴くだけヤボでしょ!

380さて、何を演ったかつーと、「Stratus」。
シ~ッ!マーブロ愛読者の方はダマってて!

390ココは当然是さんとのギター・バトルでしょう。

400ナウいシュレッディングで攻め込むMASHAくん!
420v
シブいアウト系フレーズを織り込んで迎撃する是永さん!
ギター好きにはタマらないシーンだ。
425v
MASHAくんを交えてもう1曲演奏したのは「Lost in Hollywood」。

355

前半のセレブ風のイメージとはガラリと変わって黒と赤でまとめた衣装がカッコいい!
スタンダールですな?
読んだわ~、「赤と黒」も「パルムの僧院」も…でもナニも覚えちゃいない。

410そして、Rainbowという素材。
まさにこのシーンにピッタリでないの!

430メタルの大先輩との共演で曲も思いっきりクライングのMASHAくんなのであった!

Silexの詳しい情報はコチラ⇒Silex official website

440v「巻きでいくよ~!」
ショウはいよいよ終盤に突入する。

460v「SHAKE IT BABY」をガツンとかまして…

470

アレ?
どっかで聴いた歌詞だと思ったら「ALL RIGH NOW」?

470vメッチャ大胆なアレンジにビックリ!

490

さらに「JUST A CARNIVAL」…
500
「Music On」と4曲連続でたたみかけ、圧倒的なクライマックスを演出した。

480激烈に盛り上がった後、グッと落として本編を締めくくったのはバラードの「キミがいるから」。
何とも盛りだくさんでゴージャスな内容だったよ~!

510vアンコールは全員おそろいのシャツで登場。
「私の大好きな大好きな曲。4月7日はシーナの日。愛を込めて歌います」…

530と、(私世代には)おなじみのイントロから「レモンティ」!

540イヤ、実はこの日のチョット前、MASHAくんがMarshallの事務所に来た時、昔の日本のロックの話になってサンハウスの名前を出した。
すると若いMASHAくんが知らないというので、いくつかサンハウスの曲を聴かせてあげた。
その中に当然「レモンティ」も入っていたんだよね。
だから、当日未沙子さんがこの曲を取り上げてMASHAくんとふたりしてビックリ!
未沙子さんの紅茶もレモンがタップリ入ったパンチの効いたモノだった!

550vするとそのMASHAくんがケーキを持って登場。

560フゥゥゥゥ~!

570未沙子さん、お誕生日おめでとうございま~す!

580v
MASHAくんが加わって演奏したこの日最後の曲はRIOTの「WARRIOR」。

580元々こういう日本語の歌詞の曲であるような感すらあるハマり具合。

590MASHAくんもバンドの一員であるかのような溶け込みよう!
会場は総立ちでこのにぎやかなフィナーレに参加したのであった。

600何かと「初めて」が多かった今日のライブ。
スッカリ楽しませて頂きました。
改めまして、未沙子さん、お誕生日おめでとうございます!

本城未沙子の詳しい情報はコチラ⇒本城未沙子の『魔女rity☆毬乃rity』

610(一部敬称略 2017年4月18日 池袋Black Holeにて撮影)

2017年5月26日 (金)

Dream Kingdom ロックの伝承強化書 <後編>~ARESZの巻

今日も川崎から。
川崎球場跡のスタジアム。
ココはかつてロッテ・オリオンズのホーム球場だったのかな?
野球は見事に見ることがないのでサッパリわからないが、今ロッテは何ていうチーム名なのかしらん?
あ、「マリーンズ」っての?…アレか、サマソニをやるところか。
それでも小学二年生ぐらいまではご多分に漏れず私にも野球に興味を持った時期があった。
その頃は大洋ホエールズとか、ヤクルトはアトムズって言ってたかな?
パ・リーグ西鉄ライオンズとか東映フライヤーズとか…そんな時代だった。
そこで、いつものMarshall Blogらしく、「川崎球場」の歴史で一発脱線しようかと思ったが、調べてみるとあまりにも波乱万丈の歴史があって、とてもまとめきれそうにないのでやめた。

10_2これからアメリカン・フットボールの試合が始まる…って、イケね!
場所を間違えた!
でも、もう間に合わない!

20_2仕方ないから、もうココで始めちゃえ!
キックオ~フ!

30v

そして、『Dream Kingdom ロックの伝承強化書』のトリ前に登場したARESZとお客さんの試合が始まった!

40
瑠海狐<るみこ>

50v
那都己<なつき>

60v
雅己<まさみ>

80v
翔己<しょうい>

70v

今回もサポート・ドラムスは鉄兵だ。

90
那都己くんはMarshall。
今日はJCM900 4100と1960A。

100v

翔己くんもMarshall。
3560というヘッドと1960Aを組み合わせて独特のサウンドを作っている。
このサウンド・メイキングの話を近々詳しく公開する予定。

110

今日もオープニングは「BATTLE MODE」。

120

猛烈な「ホイホイ」のあおりから飛び出す火の玉チューン。

130v

今日もARESZならではのツイン・ベースが唸りを上げる。

170

雅己くんのパートはベース。
いわゆる「ベース・ライン」を奏でる仕事。

160v

翔己くんのバートは「自由」。
仕事をしないでベースを持って遊んでいる。
…というのはもちろんウソで、6弦ベースという楽器の機能の限界を追求し、ベース、ギター、キーボーズのパートをベース一本でこなしている。

150

その低音域陣にのって那都己くんがソロをお見舞いする!
ショットガン・フォーメーションからのロング・パスといったところか。

140v

タイト・エンドの瑠海狐さんがそのボールをキャッチして、2曲目の「闘争本能」へのパス成功!
ん…「タイト」?瑠海狐さんが?
何の話をしているのかというと、「アメリカン・フットボール」ね。今、その試合中なの。
「タイトエンド」というポジションは、オフェンス・ライン(攻撃する時の守備)とレシーバー(駆けずり回ってパスされたボールをキャッチする人)の両方の特性を持つアメフトのゲームにおける重要かつ花形のポジションのひとつ。
アメフトは各ポジションの仕事が厳格に決まっており、選手の体形がその適性を左右する。
ごっついヤツは「ライン」といって、最初から最後までガツンと相手チームに激突して守りっぱなし。
蹴るのがうまいヤツはキック専門。「キッカー」ね。
身軽な「レシーバー」や「ランニング・バック」は走ってボールを取ってばかり。
敗戦処理のシーンだけに出て来て遠くにボールを蹴るだけの「パンター」なんてヤツもいる。
変なスポーツだよね。
で、タイトエンドの選手はどういう体系の人が向いているかというと、比較的背が高く、パスを取るという仕事に関しては、レシーバーやランニングバックほど足が速くなくていいらしい。
その代わり、ラインとして相手チームのディフェンスとガツンと当たることもあるので、体重があった方がいいとされている。
身体が重い方がいいということは、瑠海狐さんは…アッ、つい…後はご想像にお任せします。

180
今日はアメフトでやっているので、チョットなつかしネタで脱線させてね。
いつ日本にアメフトが入って来たのかは知らないけど、私が小学生6年の頃、すごいアメフト・ブームがあったのね。
その頃はよく「アメラグ」なんて呼ばれていた。「アメリカン・ラグビー」ってことなんだろうね。
ついでに、サッカーを漢字で書くと「蹴球」、ラグビーは「闘球」。バスケは「篭球」、バレーボールは「排球」。
アメフトは何ていうか知ってる?
「鎧球(がいきゅう)」という。
じゃ、怒られた時は?
「お灸」…ナンチャッテ。
で、ですね、その頃、何だか知らないが、アメリカのプロ・アメフト・リーグのNFLのロゴをあしらった「グルービー・ケース」っていうのがものすごく流行ったのよ。
翔己くん、コレ知ってる?
ただの厚紙でできたA4サイズのハコなんだけど、何しろ流行った。マジソン・バッグと同じ時期だったのかナァ?
私はマイアミ・ドルフィンズのヤツが欲しかったんだけど、どうしても手に入らなくて、二番目に欲しかったワシントン・レッドスキンズのヤツを買って使っていた。
でね、コレのおかげで、NFLのチーム名とフランチャイズ地を全部覚えちゃった。
別にアメフト・ファンではないのに…だよ。
アレから40年以上経った今ではフランチャイズが大分変わってしまったのでわからないチームがたくさんあるけど、現在でもあの頃のチーム名は言えますよ。
ウルトラマンの怪獣の名前も見れば全部言える。ウルトラセブンはチョット怪しいが、多分全部イケる。
それで、10年ぐらい前に取引先のアメリカ人で、アメフト・マニアのヤツがいたの。
最初、私は彼が大のアメフト・ファンであることを知らなかったんだけど、セガレ二人がやっていたので(二人とも今でも社会人チームでやっている。冒頭の写真はその試合から)、何の気なしにアメフトの話をしたところ、期せずしてエラク盛り上がってしまった。
とりわけ、私が昔のNFLのチーム名を片っ端から言えることにかなり驚き、大興奮していた。
日本にはほとんどアメフトが伝わっていないと思い込んでいたらしいのだ。
どんな具合だったかというと、彼が「シカゴ?」と地名を言うと、すかさず私が「ベアーズ」と答える。
「セントルイス?」…「カージナルス!」
「サンフランシスコ?…「フォーティ・ナイナーズ!」
「カンザス・シティ?」…「チーフス!」…これはCount Basieで今もおなじみ。
「ヒューストン?」…「オイラーズ!」
「ハッハッハッ、バカだナァ、シゲは。オイラーズなんてとっくの昔になくなったんだよ。今はテキサンズが正しい」なんて引っ掛け問題もあった。
そんなの知らないっつーの!
そしたらコイツ、二回目に仕事仲間と来日した時、挨拶もそこそこに、その同行者にこう言った。
「シゲってスゲエんだぜ!NFLのチーム名を全部覚えてるんだ。いいか、見てろよ!」
「ミネソタ?」…「ヴァイキングス!」
「ボルチモア?」…「コルツ!」
「な!スゲエだろ!昔のチーム名まで知ってるんだよ、シゲは!」と、もう自分のことのように自慢げに騒いでいた。
ま、「芸は身を助く」とまでは言わないけど、グルービー・ケースのおかげで彼らと一気に仲良くなれたし、「外国語を勉強することは相手の国の文化を勉強すること」を痛感したな。
ちなみに私は、こうしてMarshall製品と昔のロック(特にブリティッシュ)、それにジャズとハリウッド映画だけで人脈を作って来ました。
それにしても、このただの箱に「グルーヴィー」なんて単語を当てたのは誰だろう?
あの時代で「groovy」なんて言葉を知っているのはまずジャズ好きと考えていいのではなかろうか?
そういう人が開発チームにいたんだろうね?

Gc 今、「groovy」といえばまずコレ。
Red Garlandのピアノ・トリオの名盤、1957年の『Groovy』。
ジャケットが問答無用でカッコいいよね~。
冒頭に収録されているルートと5度の二音だけを使って作られたDuke Ellintonの「C Jam Blues」の名演で知られる人気盤。「ジャズの入門盤」とされていて、滅多に聴くことはないが、たまに聴くと実にいい。

C2gv 大好きなRed Garlandのピアノ・トリオの愛聴盤はもっぱらコレ。
1956年の『Red Garland's Piano』。
チョット渋めの歌モノスタンダードが詰まっていてすごく好き。
Redのピアノもコロコロと味わい深いフレーズの連続で何度聴いても飽きない。
またArt Taylorのドラムがいいんだ~。
ハイ、脱線終わり!
試合に戻ります。

C2rgbココでも那都己くんのソロがナイス・パスを演じた。
しかし、彼はロング・パスは打たない。確実にボールをキャッチして、着実にゲインを重ねさせるソロだ。
もちろん防具はホンモノの真空管アンプだ。
ホラ、またファースト・ダウンを獲った!

190
「闘争本能」はライブでは必ずセットリストに加えられる観客参加の人気曲だ。

200

瑠海狐さんの「♪クラ~ッシュ」の掛け声の後に発されるアサインメントに沿って演者も観客も共通のフォーメーションを取る。

Img_0236 コレは「人形焼」。

210v
コレは「たこ焼き」。

220v
コレは「桜」かな?

230
ココでカバー曲をひとつ。

240v

2002年にリリースされたジャパメタのカバー・アルバム『魂(スピリット)Ⅱ』にARESZが参加した際のレパートリー。
LOUDNESSのナンバーから当然「アレスの嘆き(Ares' Lament)」。

250

今でもLOUDNESSのステージで頻繁に取り上げられる重要な曲。
「lament」とは邦題にあるように「嘆き」とか「悲しみ」とかいう意味で、トロンボーンの大スター、J.J. Johnsonの作品に「Lament」という有名なバラードがある。
「Ares' Lament」も美しいバラードだ。

Img_0422 ARESZバージョンは…もちろん急速調のスピード・バージョン!
コレでいいのだ。

270v

「地獄へ落ちろ~!」…四曲目は「Going to Hell」。

260

この曲でもツイン・ベースの魅力が爆発!

290

ギター・ソロもドラマチックにフィーチュアされる。

280v

担当パートが「自由」だけあって、翔己くんのハジケ具合もハンパじゃない。
両手はもちろん全身が6弦ベースと化すのだ。

300v

ハイ、アタマ回して~!
アメフトにコレはありません。
325
最後は血の繋がらぬ暗黙の同志に捧ぐ「Soldigers of Cause。」

320

短い持ち時間を暴れ具合の濃さで解消せんとする五人!

330

340v

350v

360v

370

そしてタッチダウン!

380v

今日もスゴイ試合、イヤ、ステージだった。
イエローもレッドも、はたまた担架も出なくてヨカッタ。
え?トライ・フォー・ポイントはどうしたって?(註:トライ・フォー・ポイントはタッチダウンをキメた後、ボーナス的に与えられる得点加算のチャンス。キックしたボールがフィールドゴールを通過すれば1点加算される。よってコレがうまくいけば、タッチダウンの6点とこの1点で計7点を得ることができる。
「1点ぐらいがなんだ?」と思われるかもしれないが、「ああ、あの時のトライ・フォー・ポイントさえうまくいってれば勝てたのに!」なんて局面も結構見かける大切なパートだ)

390

こっちこっち。
同じポイントでもこっちはラリー型。
ARESZの春のライブ・シリーズ『艶炎春嵐』のスタンプ・ラリー。
今晩の名古屋Heart Land公演を含めて、もう残すところ5回になっちゃったけど、4か所のライブに参加すれば非売品のポストカードがもらえちゃう。

400

そのポストカードがコレ。
何だよ、私が撮った写真じゃねーかよ~。
あ~あ~、こんなに大きくクレジット入れちゃって!うれしいじゃねーか!
ありがとう、ARESZ!
もちろん、7か所、10か所、14か所と数多く参加したファンにはそれ相応のプレゼントが待ってるそうだ。

410

ということで、最後はタマにはこんな写真でも…。
しかし、今日の記事、アメフトを全く知らない人には迷惑だったろうな。
ARESZの皆さんは知ってるかな?
  
ARESZの詳しい情報はコチラ⇒official website of ARESZ

420

<オマケ1>
コレはARESZの楽屋で発見した旧式の血圧計。聴診器で測るヤツだ。
取り扱いに慣れてしまえばデジタル・タイプのモノより、この旧式の血圧計の方が適正な値が得られるとのこと。
ステージでのあまりに激しいアクションを考慮して、健康管理をバンド自ら厳しくしているそうだ。
信じるか信じないかはアナタ次第だ。

Img_0492




<オマケ2>
今晩ARESZが出演する名古屋のHeart Landは過去二回Marshallのイベントを開いて頂いたことがあるんよ。
興味のある方はコチラをどうぞ⇒Marshall Mania 2


<おわり>

(一部敬称略 2017年4月2日 CLUB CITTA'にて撮影)

2017年5月25日 (木)

Dream Kingdom ロックの伝承強化書 <前編>~大山まきの巻 featuring 山口"PON"昌人

昨日レポートしたイベントの翌日…珍しく連チャンでCLUB CITTA'だよ。
今日は『Dream Kingdom ロックの伝承強化書』というイベント。
このイベントは「レジェンドから若手へのロックの伝承」を旗印に新旧のバンド/ミュージシャンが集まって開催された。
連日盛りだくさんで人生まったく飽きないわ~。
しかし、こういうのはいいね。
いつも書いている通り、ロックはクラシックやジャズと大きく異なり「遺産の伝承」という作業に完全に失敗しちゃっているから、こういうイベントは大歓迎。特に若い人にドンドン参加してもらいたいと日ごろから願っている。
ジャズなんかは歴史に名を残す生き神様みたいな大御所がキャリアは浅いけれども才能あふれる孫みたいな年齢のミュージシャンと平気で共演しちゃうのね。
そうして細々ながら文化の伝承というか延命作業に勤しんでいる。ま、ジャズは「アメリカ文化最大の発明のひとつ」といわれているからね。国を挙げてそうした活動に力を入れている局面も少なくないのであろう。
ロックは残念ながらそういう新旧の交流ができないね。
とにかく商売第一だから。
いくらホンモノのLed Zeppelinを観たことがあると言っても、60歳のギタリストが平均年齢23歳のバンドに正式加入するなんてことはあり得ない。
しかし、ここまで極端ではないにしろ、メンバー間の年齢差が大きいバンドがチラホラ出て来ていることは知っている。とても素晴らしいことだと思っている。
実際にMarshall Blogでもそういうバンドをプッシュしようとしていたが、本格的な活動をする前に空中分解してしまったのが残念でならない。
そうした年齢差バンドはやはり70年代前半あたりの伝統的なロックを嗜好する若者が主体になることが多いね…というか、それしかやりようがない。
だって、反対を考えてみて。
「好きです~」、「ありがとう~」、「さくら~」、「ごめんね~」、「がんばれ~」、「負けるな~」…あとナニがあったっけ?
そういう曲を演るバンドに腕の立つオッサンが入ってみたところでどうすんの?
逆に結構おもしろいか?
やっぱり音楽性の問題というのは大きいよね。
ジャズというのはアドリブを楽しむ音楽だから、曲はコード進行を提供する単なる「素材」とみなすことができるので、同じ曲を演ったり聴いたりすることができる(実際は同じ曲を繰り返し聴くと飽きる)。
クラシックは曲自体を楽しむのは当然のこととして、偉大な楽聖の創作物を誰がどのように料理するのかを楽しむ音楽だ。
同じベートーベンの第九でも「ベームのはゆるくてイライラする」とか「トスカニーニはドライブするな~」とか…。
もちろん器楽曲もそれぞれのヴィルトーゾのテクニックや曲の解釈の違いを楽しむ。それだけにクラシックの連中は何十分もある大曲の中の16分音符一個にこだわるのだ。ヤダね~。
でも、コレが「古典の芸能」の楽しみ方。題材が同じでも一向にかまわない。
そういう観点からするとクラシックと古典落語は楽しみ方が同じなのだ。
以前SNSの書き込みでコピー・バンドの是非を問う書き込みに「クラシックとジャズなんて全部コピーじゃないか!」という意見があったが、コレは驚いた。
かなり若い人の意見だったんだろうけど、コレには日本人の音楽的民度の低さを目の当たりにした気になった。
さて、しからば、そうした古典芸能の愉しみをロックに引き直すとどうなるか?
「地獄」なんですよ。
飢えたハイエナのようにさまよい、色々な音楽を探して食んでいる私のような人間にとっては阿鼻叫喚の単調地獄。
例えば「Burn」、例えば「Stratus」…ロック史に残る名曲であることは十分に認めるが、私の場合この辺りはもう耳にできたタコが擦り切れて血が噴き出している。
つまり、ロックの場合は同じ題材を使いまわすことが難しい。どうしても飽きちゃうもん。
そうした題材の使いまわしが比較的困難なことも世代間に大きな溝を作る要因になっているのではなかろうか…。
あのね、私がアチコチで見聞きする限り、現在のロック音楽における「世代間の溝」って、皆さんが考えているよりはるかに大きくて深くて、最早誰にも埋められないものだと思うよ。
え、大きなお世話だって?
トンデモナイ!
真空管のアンプでカッコいいギターが唸りを上げる魅力的なロックが盛んにならないとコチトラ商売にならないのよ!
うん、今日はこのあたりのことがボヤキなしでうまく書けたな。
ほんだば、「伝承」の部に入ることにしまっせ!

10v_psこのイベントにはゲストも含めて8つのパフォーマーがステージに上がった。
Marshall Blogではそのうち2つを取り上げさせて頂く。
まずはこのお方。
Marshall Blog初登場。

30シンガーの大山まき。

110v

実は、寡聞にしてこのステージを拝見するまで存じ上げなかった。
しかも、舞台に上がる数分前までご挨拶できなんだ。
もちろん人伝に許可は頂戴していたものの、それもいきなり舞台の下からカメラを向けるのは失礼なので、出番直前のまきちゃんをつかまえて「Marshall Blog用の写真を撮らせてください」とあいさつをした。
すると、「可愛く撮ってくれるならいいですよ~!」…と元気ハツラツにしてチャーミングなお返事!
こうなると、この時点で取材がうまくいくことがわかっちゃう。そういう感じがしちゃう。
そして張り切っちゃう。
やっぱり何事も波長とリズムですよ。

120v

まきちゃんを紹介してくださったこのお方…山口"PON"昌人。

50vギターは斉田和典。
1img_0067

ベースはZILCONIAの藤田克洋。
…というバンド編成。

70PONさんはもちろんNATAL。

1s41a0161 お気に入りのアッシュのツーバスのキットだ。

80もうチョット引くとこんな感じ。

90このNATALで暴れまくって頂く。
最近PONさんには「公」のNATALだけじゃなくて「私」の方でもお世話になっておりましてね~。
こんな所でナンですが…色々とありがとうございます。

100v  一曲目は2014年のミニ・アルバム『アダムの声帯』のオープナー「ダリア」。

40v

コレがですね~、もう「パワフル」なんて言葉で形容したら失礼なレベル。
もう攻めることしか知らない「歌の爆撃機」!

140

当然そんなパワフルな歌声だからバック陣も強靭でなければならない。
それだけにPONさまのワザが光ってくるというもの。

130v続けて演奏した「恋するノケモノ」は2013年のファースト・ミニ・アルバム『愛すべきけものたちへ』からのチョイス。

150v「ノケモノ」って「野獣」?
紹介しましょうか?
ピリリと辛いポップ・チューン。
サビの「♪ドキドキ」のメロディがカワイイな~。

170

こんなポップ寄りのナンバーもバッチリのPONさん。

160v口を開けばハードなロックの話ばかりなので、どちらかと言えばその手の音楽が専門というイメージがPONさんにはあるが、こうしたポップめな曲も完璧。
森友さんの時もバッチリだったもんね。

180そんなPONさんのドラミングを背に軽快に突っ走るのが「浮世ドライブ」。

190藤田さんのベース・ソロ!
230v
まきちゃんのヒート・アップは留まるところを知らない。
カッコいいわ~。
「四の五の言わせない!」的な迫力が漂っている。
210v
もちろんPONさんもまきちゃんのテンションにピタリと付けて来る。

200vココで一曲Janisを…「Move Over」 。
大爆発。
来るんじゃないかと思ってたよ~。だってまきちゃんにピッタリだもん…声といい、ノリといい。

280v

電車のイスなんかで「チョット詰めてください」なんて時に「Move over please?」なんて使うことがあるんだけど、なんかカッコつけているようで照れちゃうんだよね。
それは間違いなくこの曲のせいだ。
「♪バッツ、バッツ、バッツ、バッツ」…ココでもPONさんのドラミングがすこぶる気持ちいい!
NATALアッシュ、音カッコよし!

250何しろ素晴らしいまきちゃんの声!
そこらへんの草食系バンドで歌っている男の子が十人束になってかかってもかなうまい。
ますます女子の男子分野への浸食が進んでいるね~。
しかし、意外にも伸びないのがリード・ギター分野だ。
シュレッディング・ヒロインはいても、野太い音色でドッシリと弾く女子ってのはなかなか出て来ないね。
指や手首の力の問題なのかな?
そこへデジタル・テクノロジーが入り込んできたために余計に進化できなくなってしまっているのではないか?
太いギターの音を出したければ、やっぱりホンモノの真空管のアンプを使わなきゃ無理だよ。
見てみな、まきちゃんのノド。間違いなくEL34が四本以上入ってる。

260キマった~!
そうそう、このイヤミのない歌い方もカッコいいの。ヘンに外人気取りでやられるのは聴いててタマったもんじゃないからね。
ちなみにまきちゃんは2013年に『あさげ』というDeep PurpleやAerosmith等のカバーを収録したアルバムをリリースしている。

Img_0143 『愛すべきけものたちへ』から「修羅場deダンス?」。
こんな曲もおもしろい。

1img_0134まきちゃんの出番の最後を飾ったのは疾走感炸裂の「アコメタル」。
ド迫力の歌声が観客を圧倒する!

240v
ギター・ソロも大爆発!

60

そして、PONさんの圧倒的なドラミング!
愉快痛快、最高のNATALサウンドを聴かせてくれた。
300v

イヤ~、カッコよかったな~。
やっぱり音楽は「歌」だよ。
また新しい楽しみがひとつ増えた!
  
大山まきの詳しい情報はコチラ⇒大山まきOfficial Site

290<後編>につづく

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2017年4月2日 CLUB CITTA'にて撮影)

2017年5月24日 (水)

牙音 -Act.2- ~ Mary's Bloodの巻 <最終回>

13:30にスタートした『牙音-Act.2-』。
Mary's Bloodが登場したのは19:20!スタートからすでに6時間が経過。
なんかSilexがステージに上がったのが数日前のことのようだ。

10 Mary's Bloodの出番はトリ前。
人気のほどがうかがえるというモノだ。

20_2

EYE

30

SAKI

40v_2
RIO

50v_2

MARI

60

サポート参加の社-yashiro-。

70v_2

すさまじい激流サウンド!
1曲目は「Counter Strike」。
昨年10月にリリースしたアルバム『FATE』のオープナーだ。

80

その激流の主流のひとつがSAKIちゃんのギター。

90v_2

SAKIちゃんのトレードマーク、Marshall JVM410Hと1960Aのハーフ・スタックのTattooモデル。
このハーフ・スタックがあるところSAKIちゃんあり…日本でこのMarshallを使っているのはSAKIちゃんだけだからね。

100v_2

「いい球、打者ダメ(←ストライクっていうことね)」のド真ん中スピード・チューン。
これぞMaryの醍醐味。

110v_2

攻めまくるSAKIちゃん。
華麗なシュレッディングで観客にカウンター・パ~ンチ!

120v_2

EYEちゃんの絶唱に導かれし2曲目は「Wings」。

130_2

これまたMaryらしい正統派メタル・チューン。

140v

リズム隊の疾走感が気持ちいい!
160v_2

中間部のキメからSAKIちゃんのソロ。
サビの印象的なメロディをトレモロで奏でるところが何ともカッチョいい。
170v
観客をあおるEYEちゃん!
開演後6時間を経てもお客さんのレスポンスはシャープだ。
皆さん、お好きね~。

150_2

2014年のメジャー・デビュー・アルバム『Countdown to Evolution』から「Marionette」。
260v
2015年の夏の『NAONのYAON』の1曲目にプレイした曲。

180

ほどなくしてMary大活躍の今年の『NAONのYAON』のレポートを掲載するのでお楽しみに!

190v

この曲は「SAKIソロ」が大爆発!
ギターと一体と化したSAKIちゃんのパフォーマンスは鬼気迫るものだ。
はい、ご覧の通りMarshallが背後でガッチリとサポートしてます。
ちなみに「サキコロ」はジャズ史に残る名盤とされるSonny Rollinsの『サキソフォン・コロッサス(Saxophone Colossus)』の日本での略称だ。「コロッサス」とはバカでかい彫像のこと。
Marshallを背後に据えたステージのSAKIちゃんの姿はもはや「サキ・コロッサス」だ!…なんてことを書いてよろこんでいる自分が好き。

200v

同じく『Countdown to Evolution』から「Coronation Day」。
「coronation」は以前やったね。「戴冠」という意味だ。

210v

ステージ下手でもくもくとギターを弾く社ちゃん。今日はMarshallを弾いている。
ギターにコーラスにと大活躍なのだ。
先ごろ出したソロ・アルバム『ASTRAIA』も大好評だ。

230

そして最後も『Countdown to Evolution』から「Promised Land」。
「Promised Land」とはヘブライ語聖書(ユダヤの聖書)で、神がイスラエルの民に与える」と約束した土地。
メタルの女神さまがMaryに与えたこのキラー・チューンが「Promised Land」だ。
そういえば思い出した!
前の会社にいた時のこと。だいぶ前ね。
ある日海外の知らない人からメールがポコンと届いて、「見てもらいたい商品があるので会って欲しい」という。
商品の詳細については、エチケットとしてココでは触れないが、何しろギターをうまく演奏するためのアクセサリーだったと考えて欲しい。
特に断る理由もないので面会の要請を受け入れた。
数日後、そのメールの発信者が2人で会社に現れ、私に名刺を差し出した。
その名詞に目をやると、見たことがないワケではないが、普段まったくなじみのない形の文字が並んでいた。
それらはヘブライ文字だった。
先方はヤル気満々のオジサンとヤケに冴えない若者のコンビで、当時今よりゼンゼン痩せていて、髪の毛があって、それを長く伸ばしていた私の姿を見てすぐにオジサンがこういった。
「キミはロックンローラーだね!見てすぐにわかったよ!」
多分コレが我が人生で「ロックンローラー」と呼ばれた最後の瞬間だったろう。
で、その商品を実際に見せてもらった。
それは予め聞いていた通りギター演奏に使用するアクセサリーで、オジサンはジム・マーシャルやレオ・フェンダーよりスゴイ楽器を作ったかのような勇猛果敢な説明をしてくれた。
そのサマはまるで「啖呵売」だった。
しかしながら正直、箸にも棒にもかからないアイテムで説明を聞いていて閉口してしまった。
手渡された資料には色々な機能が書いてあるのだが、商品のどこをどう見てもそのような機能を発揮するような仕掛けが見当たらない。要するに商品の中身がカラなのだ。
そのことを尋ねると、「それはこれからあなたが自分で好きに開発してください」などという始末。
オイオイ…。
ココはビジネスだからして、「残念ながら興味がない」ということをキッパリと告げると、さっきまでの威勢の良さはどこへやら今度は世界の終わりが来たような悲しそうな顔をして、「せっかく地球の裏側から遠路はるばるやって来たのに…」とメソメソし出した。
今度は「泣き売」だよ!
そうかと思えば、傍らでは、さっきの冴えない若者が私のギターを手に取ってその未完成の商品を使ってバリバリ弾きだすではないの。コレがまたメチャクチャうまいときてる!
「上手ですね」と社交辞令程度の言葉を投げかけると、「バークリーを出てるんですよ!」などと急に元気になった。
アレにはマイったナァ…コレが私のイスラエルの思い出。
だからどうした?と言われればどうにもならない話。
  
Maryの「約束の地」は文字通り約束通りの大激演!

240

この曲、サビがいいんだよね。
そして、クライマックスはSAKIちゃんと社ちゃんのツイン・リード。

250v

こうして牙むき出しのメタル・サウンドでトリ前の大役を果たした5人なのであった!

270v

280v

290v

300

310v

…ということで、Marshall BlogでのレポートはMary's Bloodがトリ。
そういえば前作『Bloody Palace』からの選曲がなかったな…アレ、好きなんですけど。
  
先日の恵比寿リキッド・ルームのワンマン・コンサートにもお邪魔してきたのでレポートをお楽しみに!
それと、7月14日。
『WORLD GUITAR GIRLS COLLECTION vol.0 feat.Mary's Blood & CYNTIA』という、同じココCLUB CITTA'で開催されるイベントも楽しみだ。
コレの詳細は『NAONのYAON』のレポートの中で触れる。

320v

さ~ら~に~、今年1月22日にLiquid Roomで開催された『Change the Fate Tour』の千秋楽の模様を収録したライブDVDがヒット中だ。
コチラはBlu-rayバージョン。

Db

コチラは従来型のDVD…ウチはまだコッチ。

Dv

(一部敬称略 2017年4月1日 CLUB CITTA'にて撮影)

2017年5月23日 (火)

牙音 -Act.2-~exist†traceの巻

ヒ~、アブね~!
またやっちゃうところだった…。
こないだっから「layとlie」とか「rawとlaw」とかややこしい英単語の話をしてるけど、実は今日ご登場頂くチームの名前にもややこしい単語が入っている。
exist†trace、久しぶりの登場だ。
イヤ、「ややこしい」と思っているのは自分だけのことだろう。
ナニがややこしいかというと、単に自分がアホなだけなんだけど、いっくらやっても「exist」の綴りが覚えられない。
「exsist」と「x」の後にどうしても「s」を余計に入れてしまうのだ。
exist†traceは「存在の痕跡」という意味でこの「exist」を使っているが、実はこの単語、ビジネス文書などでは比較的よく使うおなじみの単語で、「the existing 〇〇」のように使って「今存在している〇〇」みたいな意味を作る。
現在手元にあるものと未来に入手するものを明確に区別する時にとても便利な表現だ。
ところが、いっつも「s」を入れちゃうんだよね~、「x」の後に…。
でもナンカ、この記事を書いたことによってようやくマスターできそうな気がするな。
ありがとう、exist†trace!
それと、70年代の中頃にRick van der Lindenというキーボーズ奏者が率いるTraceっていうバンドがいてね、「オランダのEmerson, Lake and Palmer」と言われていた。
「クラシックの楽典や楽理とジャズのリズム技法や旋律を同レベルで正式に学んだ人がTraceの音楽を聴くとすさまじくおもしろい」と言われていたらしい。
ジャズもクラシックもずいぶん長いこと聴いてきてはいるものの、その楽理も技法も正式に勉強したことがないせいか、Traceの音楽を「すさまじく」おもしろいと思ったことはない。
でも、結構好きで今でもたまに聴くことがある。
何とかその「すさまじさ」を感じてみたいと思ってるんだけどね~。

Tc_2 ちなみに、オランダ人ってメッチャ英語ウマいんだよね。
ま、オランダ語は英語の祖先みたいなものだからね。でも、同じゲルマン語系の言語を話すドイツ人よりゼンゼンうまい。
あと、北欧の人も英語がうまいナァ。なんでもスウェーデンなんかは政府が発行する公的な刊行物は全部英語だっていうからな。
日本もある日いきなりそれをやってみな…「早期英語教育」なんて騒いでいる政治家先生、みんな目を白黒させらぁ。
日本ではどんなに早くから英語を詰め込んだって受動的に英語をマスターすることは無理でしょうナァ。
生活様式が極端に西欧化されたと言われていても、文化的な思考回路が欧米人とまったく違うからね。
外国の言葉を学ぶのはその国の文化を学ぶことと丸っきりイコールだから。
完璧な英語が話せれば、英語圏の人とスムーズなビジネスをすることは当然期待できるが、「映画も知りません」、「音楽も聴きません」では最終的に相手がその人に興味を持つことはないだろう。「英語がうまい人」で終わってしまう。
でも、英語圏の人と接する時にそれよりマズイのは、やはり「英語ができない」ということだろう。「英語なんてできなくてもハートで通じるよ」とか「ブロークンで十分!」なんてことをよく聞くが、その場は何とかなっても、おそらく最後まで相手と本当の信頼関係を結ぶことはなかなか難しいと思う。
なぜなら、英語圏の人達は、いくら表面上はニコニコつくろっていても、英語をできない相手を「自分たちと同じ人間」とはみなさないのが本当ところだからだ。「英語ができない人」として区別される。
ま、コレは大ゲサではあるし、もちろん例外の人もいくらでもいるだろうが、基本的にはそう思っておいた方がいい。まずこの意識から始めないとダメ。
だから「英単語は100語で十分」なんていうやり方は絶対に止めた方がいい。滅多に使うことのない難しい単語もできるだけ身に付けておいた方がいい。
若い人も「ツーマン」なんてみっともない言葉を使うのは厳に謹んで、正しい英語を学ぶクセをつけた方がいい。
で、自分はやっているかというと「否」。気をつけてはいます。でも、この年だともうこの辺の事情がわかっただけでお腹イッパイだわ。だから若いうちにやっておいた方がいいのよ。
さぁ、脱線はこれぐらいにして、『牙音 -Act.2-』のステージに場所を移そう。

10exist†traceは3番手の登場だ。
会場もいい感じであったまってきたところにさらに煮え湯を注ぎ込んだ!

ジョウ

30vmiko

40v乙魅(おみ)

50v猶人

60vMally

70vmikoちゃんはMarshall。
足、長ェな~。カッコいいな~。
ホント、日本人の体形もヒザから下が長くなってカッコよくなった。
exist†traceはいわゆる「ヴィジュアル系バンド」。
その中にあって女性的キャラがmikoちゃんの役回りだ。
例えそうだとしてもここまで足が長い必要はなかろうて。
昔サ、よせばいいのにThe DarknessのDan Hawkinsと2人で並んで写真を撮ったことがあるんですよ。彼、大のMarshall好きだから。
私もThe Darkness大好きだったからうれしかったんだけど、撮った写真を見てアタシャ驚いたよ。
Danの又下が私の首ぐらいの高さなんだもん。
さすがにそれは大ゲサなんだけど、同じ人間とは思えなかった。私の足なんかないのと同じだ。
だからmikoちゃんには近寄らないようにしている。

80vmikoちゃんの愛器。
JVM410H1960A
もうずいぶん長いこと使ってもらってるんだ~。

90v今日は乙魅ちゃんもMarshall。
JCM900 4100と1960A。

100vオープニングは昨年の3月にリリースしたミニ・アルバム『THIS iS NOW』から「DREAM RIDER」と続けてタイトル・チューンの「THIS IS NOW」。

110vお~!これだこれだ!コレがexist†traceサウンド。
ツイン・ボーカルをフィーチュアしたパワフルなサウンドだ。
歌は楽器の王様…歌えるメンバーが複数いるバンドってのはいいもんだ。
20

MCをはさんでアルバム『WORLD MAKER』から「ダイアモンド」。
そして、最近作から「キミと雨と秘密。」を披露。
140

ここで勝手に驚かせていただきますよ。
この曲が収録されているのが昨年の11月にリリースしたミニ・アルバム、『ROYAL STRAIGHT MAGIC』。
もちろんタイトルはポーカーの「役(ハンド)」のひとつから取られている。
器用に何でもこなしてしまうexist†traceのメンバー5人がそろえば「マジックを起こせるんだ!」という発想からこのタイトルが付けられたそうだ。
コレね。
Cmocd1911
で、ナゼ驚いたのかと言うと、ウチは本当に偶然にも先週Donald Byrdの『Royal Flush』を紹介したばかりだったから。
あるイベントの出演者がMarshallプレイヤーばかりだったので、コチラもポーカーに強いハンドに引っ掛けたのであった。
「Royal Straght」も「Royal Flush」も同じ。
両方我々がよく言うところの最強のハンド、「Royal Straight Flush」を指す。
前回ドナルド・トランプのことも書いてしまったので、今回は「女性とトランプ」というお題で別の情報を…。

RfLady Ga GaがTonny Bennettとのコンビで取り上げてリバイバル・ヒットしたようなのでご存知の方も多いかも知れないが、「The Lady is a Tramp 」という有名なリチャード・ロジャースとロレンツ・ハートの名曲がある。
かつてはフランク・シナトラの愛唱歌だった。
この「トランプ」はいわゆるカードのトランプではなくて「ふしだらな女」とか「売春婦」とかいう意味だが、歌の中に登場する女性は上流階級で「鼻持ちならない」というニュアンスになっている。
このカッコよく軽快なナンバーをゼヒElla Fitzgeraldの歌で聴いてもらいたい。
下がこの曲を収録している1960年の『Mack the Knife-Ella in Berlin』というライブ・アルバム。
ジャズの入門盤の1枚として有名なアルバム。私もジャズを聴き始めの頃よく聴いた。
ロックもいいけど、若いうちにドンドンいろんな音楽を聴いて楽しんでくださいな。
一般的に老若男女を問わず、日本人は音楽を知らなさすぎる!
しかし、Marshallと関係ないな…。
今日はチョット写真が少ないので脱線で紙幅を稼いでおります。

Ef 持ち時間が30分しかないので残り2曲!
ガツンと激しく「BLAST」。

150そして最後は前掲のアルバム『WORLD MAKER』同様「VOICE」で締めくくった。

160v久しぶりのexist†trace。
ま、敢えて「ガール・バンド」と書くが、ツイン・ボーカルをフィーチュアしたパワフルな曲調は他のガール・バンドとは一線を画するもので、相変わらずのexist†traceだけの世界をクリエイトしていた。

120v

さて、exist†traceは『the 19th challenge』と銘打って、4月から12月まで毎月19日にワンマン・ショウを開催している。
何で19日かと言うと、「イグジスト」の「イグ」が「1-9」なんだって!
ま~ホントに皆さん色んなこと考えるわ~。
「古今亭志ん朝を育てる会」みたいな感じだね。
会場は恵比寿club aim。
この一味違うなサウンドをゼヒ体験あれ!

130

exist†traceの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

170(一部敬称略 2017年4月1日 CLUB CITTA'にて撮影)

2017年5月22日 (月)

牙音 -Act.2-~Silexの巻

コレは昭和38年ぐらか…。
だから写真の中で「いい顔」をしている上品そうな子供は、この後登場するSilexのMashaくんではない。
50年以上の前の私だ。
カラー・フィルムが高かったんだろうナ、この時代はモノクロがスタンダードだ。
帽子なんかかぶっちゃって、どこへ行く時だったんだろう?…完全に「よそ行き」の格好だ。
この車…クラシックだナァ。一体何代前のクラウンだろう?
少しはお金持ちのお坊ちゃまに見えるだろうか?
だが、残念ながらこの車はウチのモノではない。運転がキライな父は終生車に興味を示さず、後年、仕事で使う建築資材や残土を積むためのライトバンを1台買っただけだった。
写真の私は十二分に可愛いが、残念ながら一日限りの「天ぷら」のお坊ちゃまというワケ。
ちなみに私は「お坊ちゃん育ち」と言われるのがそうキライではない。お坊ちゃんじゃないから。
「よそ行き」といえば、昭和38年3月、その日に限ってタマタマよそ行きの格好をして公園で遊んでいた当時4歳の男の幼児が裕福な家の子と間違えられ、誘拐されて殺害されてしまうという悲惨な事件があった。
今の若い人は知らないだろうが、世に言う「吉展(よしのぶ)ちゃん事件」だ。
その吉展ちゃんが連れ去られた公園というのが、この写真の場所から歩いて5分もかからないところに今もある。
左の奥に写っているオバさんが立っている通りは江戸時代に将軍様がよく歩いたという道だ。
今は年に一度、七夕の時だけにぎやかになる。普段は寂しい寂しい商店街だ。
終戦からほぼ20年、50年前は東京のド真ん中でもこうして道がロクに舗装されていなかったんだナァ。
でもいいな、昔の東京って…。いつも書いているように関東大震災と東京大空襲で古いモノがなくなってしまったが、今よりはゼンゼン素敵だ。
海外からの観光客の数は増えているようだが、東京の街はドンドン魅力を失っていっているような気がする。
写真に話を戻すと…とてもよく撮れていると思う。
先週三回忌を無事に終えた私の父の撮影。
写真に凝った時期があったワケではないようだが、父は若い頃写真が好きで、コンクールで何度か賞を獲ったこともあると聞いた。
どうしても正面から車全体を収めたかったんだろうな…。
こうしてガツンと画面をワイドに使ってしまうスタイルはどこか私の撮る写真と似ているような気がするな…黒澤明気取りでシャッターを切ったに違いない。
お~い、お父さん!アナタが撮った写真がMarshall Blogに載ってるよ!三回忌記念だぞ!
クレジットもチャンと入れておいた!

10さて、ナンだってこんな写真を載せたのか…。
イヤね、この頃、私が夢中になって見ていたテレビ・マンガが『鉄腕アトム』と『鉄人28号』だったらしい。
アトムは何となく覚えている。
主題歌のイントロのヴァイブのメロディがホール・トーン・スケールだということを知ったのはかなり後になってからのことだ。
一方、『鉄人28号』はほとんど覚えていないんだよね。
ナニこれ、今になって調べてみると、この「鉄人28号」ってのは太平洋戦争の末期に大日本帝国陸軍が起死回生の秘密兵器として開発したロボットなんだって?
で、その秘密兵器の開発は1号から始まって28号機にして完成を見たということらしい。
それが戦後に現れて正太郎少年がラジコンで操作して悪と戦うという。
つまり、もしアレが戦時中に開発されてたら奇跡の戦局逆転を目指して、鉄人28号がアメリカの兵隊さんをブっ殺しまくる…という設定になっていた。
スゲエな。
でも、コレって鉄人28号の形はしていないが、現実になっているんだよね。
つまり遠隔操作によって敵地を攻撃する無人の爆撃機のようなヤツ。
昔の人ってのはホントにスゴイ…イヤ、手塚治虫がやっぱりすごい。
私はマンガを読む習慣が一切ないが、『火の鳥』だけは何年かに一回読み返している。
今回は、ある時は命の価値に開眼する世捨て人、、ある時は生命の滅亡に歯止めをかける未来の科学者に扮して登場する各巻共通のキャラクター「猿田」に関心があって数冊読み返してみた。
もちろんこの我王、あるいは猿田博士は神話に出て来る「猿田毘古神(古事記)」あるいは「猿田彦命(日本書紀)」が元ネタになっている。
特に猿田関係で得たところはなかったが、今回も読んでビックリした。
今の我々が生きる現実の世の中が手塚治虫が50~60年前に描いたマンガの世界にますます近づいてきているからだ。
読んでいて恐ろしくなってくる。
同じマンガでも『ちーちゃんはちょっと足りない』とは大分志向を異にしていますな。
しまった!コリャ大分脱線しちゃったな…。
どうやって話を元にもどそう?
ココは強引に~、鉄人28号。
夢中になって見ていた記憶はないのだが、主題歌は知っていて、「スゴイものがあるな」…と長い間思っていた。
「♪夜の街にガオー 夜のハイウェイにガオー」…ホントはこの先がおもしろいのだが、最近はこういう歌詞の引用もシビアになっているようなのでここで留めておく。興味のある人はインターネットで調べてみて!
「ガオー」だよ、「ガオー」。
おもしろくない?
作詞作曲は三木鶏郎。歌詞だけでなく、シンプルにして勇猛なメロディも素晴らしい。
  
さて、ココまで書いて致命的な誤謬に気がついた。
…というのは、この『鉄人28号』の「ガオー」から今日レポートするイベントのタイトルを導こうと思いついたのだが、一字違っていたのだ!
もう今更引き返せないのでこのまま突っ走ることにする。
そのイベントとは『牙音 GAON』。

20北海道の名門バンド、SABER TIGERが主催するへヴィ・メタル系のイベントが『牙音』だ。
2回目の開催。

30ナント!新日鐵住金(新日本製鐵+住友金属工業)もJFE(川崎製鉄+日本鋼管)もビックリの「キューマン」!
9つのバンドがここCLUC CITTAに集結し、昼の一時半からメタルの祭典が繰り広げられた。
今日から3回にわたってのレポート。
Silexが登場することはもうバレてしまっているが、向こう2日間、誰が登場するかは当日のお楽しみ~!
もちろんMarshallファミリーのバンドにキマってる。

40チッタの大舞台にトップで登場したのは我らがSilex!

50Pete Klassen

60vMasha

70vMashaくんは愛用のJCM800 2203
ホ~ラ、また2203だ!
今日のキャビはJCM900ロゴ時代の1960Bだ。

80v足元のようす。
次回に登場する時はまた変わってるよ。乞うご期待。

90hibiki

100vhibikiくんはEDEN。
今日のヘッドも人気のTERRA NOVA TN501

110キャビネットはD410XLTD115XLT

120vそして、Yosuke。

130v今回もサポートでYosisiがステージに上がった。

140vお、今日のオープニングは「Standing on The Grave of Yesterday」だ!

150ファースト・シングル、『Silent in Exlosion』のリード・チューン。
イヤ、シングルだから「リード・チューン」もクソもないか…。
この「シングル」とか、「ミニ・アルバム」とか。「マキシ・シングル」とか、いまだのコレらの別がわからん!

160今日もクライングなソロでブッチぎるMashaくん。

170ステージ上手ではhibikiくんのベースが大暴れしてる!
アレ?いつも下手なのに今日は上手だな。

180v2曲目もファースト・シングルに収録されている「Cancion De Amor」。

190サビの展開が意外なスピード・チューン。
ココでもMashaくんがクライング!
340

Mashaくんの弾くギターはよく練られていて美しい。
ただやみくもにシュレッドするのではなく、そこに何かこう「思想」のようなモノを感じるんだよね。
それがMashsaくんの言うところの「クライング」なのかどうかは知らんけど、耳をそばだてたくなるソロであることは間違いない。
ただ「速く弾く」ということしか表面に出て来ない若いギタリストも正直見かけるが、やっぱりそういうギター・ソロを聴くのはツライ。「また、ギター・ソロか!もう速いのは十分わかったから!」ということになってしまう。
290v
Mashaくんのギターをそういった魅力的なものにしている要素のひとつは何と言っても音色だ。
それと曲のクォリティ。
「音色」は人間で言えば「声」だ。
声のつまらない人の歌なんて聴きたくないでしょ?
Mashsaくんのギターはいい声をしている。
ハード・ロックやへヴィ・メタルのギターのいい声はMarshallが出しているということだ。
やっぱりこういう音楽を演るには少なくともホンモノの真空管のアンプでなきゃ無茶だよ。
持ち運びはツライけどね…その分いい仕事をしてくれる。

210続けてファースト・シングル収録の「Cry in the Starlight」。
ココのところSilexのステージではオープニングを務めてきたナンバー。

220それだけに気合いの入りやすい重要な曲だ。
人気曲をつなげたところにこのステージへの意気込みを感じる。

230歌だけでなくPeteのステージさばきもSilexの見どころのひとつだ。

240Peteがかき回すとステージが大きくなるような感じがするのだ。
今日のステージは実際に大きいが、それ以上の会場で暴れているイメージを受ける。

250いた~!スモークが濃すぎてなかなか顔がハッキリ見えなかったYosukeくん。
いつもながらの怒涛のドラミング!

260vコチラも「熱演」では絶対負けないYosisi。
グバーっとバンドのアンサンブルを分厚くしていたが…ファンの私としてはもっと徹底的に暴れてもらいたい!

270v5月17日に全国発売されたばっかりのセカンド・シングル『Everlasting Synphony』からタイトル・チューン。

280コレがそのセカンド・シングル『Everlasting Synphony』。

55cd いまにもSilexらしいロマンティックなサビのメロディを持ったドライブング・チューン。
そのメロディをPeteがド迫力で歌い上げる。
300
この曲のソロもテクニカルにしてまったく曲の雰囲気を損なうことのないよく練られたものだ…コレが「クライング」のヤリ方か~!

200v
竿チームの息はピッタリ。
時折hibikiくんがMashaくんにカマすジャブがまたおもしろい。世間一般では「チョッカイ」と呼ばれている行為だ。

310なかよし。

320vきょうだい。

330そして、最後を締めくくったのは同じく『Everlasting Synphony』から「Cry for You」。
このシングルの収録曲の2/3のタイトルに「Cry」という単語が使われてるでね。
実は、最近私腱鞘炎をやってしまいましてね…その激痛にクライングなんですわ。
どうもいい年寄りがカメラとパソコンで右腕を使いすぎたようだ。

350このイベントは1時半に始まり、終演は9時少し前を予定する8時間近くにわたる超ロングランの興業であった。
その滑り出しをSilexが務めたのは完璧は演出だったと言えるのではなかろうか?

360

370

380v

390

400vSilexの詳しい情報はコチラ⇒Silex official website

410vこの日、ライブ会場で先行発売された『Everlasting Synphony』も大好評だった!420(一部敬称略 2017年4月1日 CLUB CITTA'にて撮影)

2017年5月19日 (金)

BOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOZE!!

今日は新人さんを紹介する。
札幌出身の23歳のチームで名前をBOOOOZE(ブーズ)という。
もちろん英単語の「booze」からきている。
「booze」というのはスラングで、名詞では「酒」を意味する。「酒」を意味する単語は他にも主に蒸留酒を指す「liquor」だの、ズバリ蒸留酒を表す「spirits」などがあるが、「booze」は「alchohol」同様、種類を問わず酒全般を指す。
でも不思議なことに、日本でいう「酒屋」は英語で「liquor store」とか「liquor shop」という。
イギリスには「corner shop」なる、大抵はイスラム系の人が営んでいる食料品から雑貨を扱うコンビ二のような小さな店がたくさんあって、普通は酒類も置いてある。
そこの看板には必ず「Off License」と記されている。
前にも触れたことがあったかもしれないが、この「Off License」ってのが長い間の謎だった。
こちとら、ライセンスがないなら酒は売れないんじゃないの?…という感覚だ。
で、ある日、この「ライセンス」というのは、「そこで客に酒を飲ませてもいい」ということを意味していることに気付いた。
つまり酒を売るだけ。税金の下限なのか、道徳的な理由なのかはわからないが、酒を売る場所と飲む場所を明確に区別しているんだね。
一方、酒を飲ませてもいい店は「On License」ということになるが、この手のコーナー・ショップでそういうサインを見たことがない。
今では滅多に見かけないけど、日本にも昔は「オン・ライセンス」の酒屋ってそこら中にあったんだよ。つまり、乾きものかなんかを出して、その場で酒を飲ませちゃう酒屋。
実際に私の実家のすぐそばにもそういう酒屋があって、夕方になると日焼けしたオジサンがわんさか集まって来てガヤガヤやっていた。子供ながらにガラが悪いとは思ったが、今にして思うとよき昭和の光景ということになる。
そこがセブンイレブンになってからもう40年は経ったか?もう「いい気分」になっているオジサンはそこにはいない。
お、イカン、「booze」だった!
一方、「booze」には動詞もあって、「大酒を飲む」という意味になる。
ハッキリした語源はわかっていないが、元はオランダ語という説が有力らしい。
そして、これから紹介するこのBOOOOZE、メンバー全員がアルコール好きということからこのバンド名にしたのだが、飲む量がスゴイことから「o」を4コも入れてしまったという。
体力の有り余っている若い連中と飲み比べてもかなうワケがないので、こっちは今日のタイトルには「o」を20コも入れてやったぜ…コレは完璧にワイルドでしょう~?
どこで接点を得たかというと、原田の喧ちゃんの紹介。
そのライブが昨日都内であったので早速お邪魔してきた。

10_2コレがBOOOOZE。
都内でチョコチョコとステージに上がっているのでご覧になったことのあるMarshall Blogの読者もいらっしゃるかも知れない。
では、ご存知ない方に…彼らどういう風に見える?
え、Marshallを使ってるようだって?
そりゃそうだ。
そうでなきゃMarshall Blogに出ることはできない。
パッと見てどんな音楽を演っているように見える?
今時の草食系ロック?
そう見えてもおかしくない。
でもそんな草食系のバンドをMarshall Blogが率先して紹介すると思う?

20コレがライブ会場の物販コーナー。
『GET BACK』というタイトルの5曲入りミニ・アルバム。
アタシャ、驚いたよ~。
コレ聴いて驚いたよ~。
勝手に解釈させてもらえば、この「Get Back」はポールの「Get Back」と同じ意味だろう?
ポールはジョンに向かって歌ったけど、BOOOOZEの「Get Back」はロックに向かって叫ぶ「Get Back」。
すなわち「Get back, Rock!  Get back to where you once belonged! (ロックよ、帰って来い!お前が元いた場所へ帰ってくるんだ!)」ということ。
そう、BOOOOZEの演っている音楽は「草食系ロック」とはかけ離れた70年代初期のサウンドを礎にした今風のロックだったのだ。
またいいのが出て来たよ~!
若いのにも~、オジちゃん、タマりまへんわ!

30メンバーは…

ボーカルズ&ギターに佐藤陽(あきら)。

50v_2ギターに伊藤大貴。

60v_2ベースは北川翔太。

Cimg_0076 ドラムは5107010(ごとうなおと)だって…イコール、後藤尚音。
80v
コレ、いつか書こうと思っていたんだけど、ちょうどおあつらえむきの連中が現れたので今書く。
いつの頃からか、フルネームで漢字でキチンと表記するステージネームが姿を消したでしょう?
みんな下の名前のアルファベット表記かアダ名になっちゃった。
ヘタすると長いこと付き合ってて苗字を知らないミュージシャンとかいるもんね。「え!アナタそんな名前だったの?」みたいな。
なんでこんなことになったのかしらん?
それにしても、コレはまさか野球のイチローの影響なのかしらん?
このバンドは古式ゆかしくチャンとフルネームを漢字表記している。
TORNADO-GRENADEなんかもほぼそうだ。すごくいい傾向だと思う。
やっぱり名前だけの芸名では大成した時にものすごく安っぽく聞こえると思うのですよ。
「hibari」じゃ何だかわからん。「美空ひばり」だからスゴイんじゃん?
「サブロー」とか「ハチロー」じゃいかんて。「北島三郎」、「春日八郎」だからカッコいいんだよ。チャンと業績と名前が釣り合ってくる。
外人はよく変名を使うよね。
エルトン・ジョン正体がレジナルド・ドワイトだということはよくココにも書いている。ロバート・ジンママンとかマック・レベナックなんてのは有名だ。
スティーヴ・タラリコって誰だか知ってる?コレはスティーヴン・タイラー。
しからば、ジョセフ・アンソニー・ヤコビ・パッサラクァは?コチラはジャズ・ギターの大家、ジョー・パスの本名。
移民で成り立つアメリカは世界中の名前が集まってるからね。耳なじみのない複雑な名前だと割りを食うことになりかねない。ポーランドの名前なんてサッパリ読めないもんね。
そこへいくとシュワルツェネッガーってのはスゴイ。
しかし、ナンだね、私もよく文句をならべるわナァ。「Marshall Blogは写真と脱線と文句でできている」なんて言われそうだわ…あながち間違いではない。
   
さて、いよいよ私の前に姿を現したBOOOOZE。
1曲目は「GET BACK」。

40

CD1曲目のコレを車の中で聴いてヤラれたんだ。
まず…このイントロのカッコいいことよ!
70年代初頭のロンドンからタイム・スリップしてきたみたいだ。

90v_2そして日本語の歌詞。
私の感覚としては、ロック的にはチョット厳しい語感が耳につくが、コレも彼らの世代の感性なのだろう。よかよか!
むしろ堂々と日本語で勝負しているところに好感が持てる。
聞いた話では、英語詞のバンドは若い人が集まるロック・フェスティバルに極端に出にくくなるそうだ。
そういう世の中だから仕方ない。

100vギター・ソロ。
トラディショナルなテイスト。この曲にシュレッディングは必要ない。

Img_0047 やっぱりこういうロックはチャンとしたバックラインで演ってもらわないとマズイだろう。
大きな「画竜点睛を欠く」ことになってしまう。
まず、少なくともホンモノの真空管のギター・アンプが必要だ。
ブリティッシュ・ロック・サウンドだからして、Marshallでなければ話にならん。

1101987を愛用している大貴くんだが、今日はJVM210Hと1960A。
まずはコレでよし…と。

120v足元のようす。
段ボールに並べたコンパクト・エフェクター。アットホーム感満点だ。
JVM2純正のフット・コントローラーを駆使していた。

130芯の太いベースを弾く翔太くんにはEDENのヌケのよいサウンドがピッタリだ。
Billy Sheehanのファンなのかな?Richどうしてるかな?会いたいな。

140vEDENの三段積み。
キャビはD410XSTが2つ。

150vヘッドはWTP-600。
BOOOOZEのへヴィなサウンドにはもってこいの抜け抜けトーン。

160尚音くんはNATAL。

17012"、13"、16"、22"のメイプル。フィニッシュはブラック・スパークル。

180チョットしか見えないけど、茶色いスネアは14"x5.5"のメイプルのステイヴ・スネア。
大二さんも一発でホレ込んだ名器だ。

190続いての曲は「銃声」。
コレまた胸のすくようなブリティッシュ・テイストのへヴィ・チューン。

200陽くんの声は斯界のフォーク調の草食系シンガーのそれとは一線を画しているものの、ハード・ロック仕様のズ太い声というワケではない。
もちろん志村けんのようなハイトーン・ヴォイスともワケが違う。
私には今風な声に聞こえる。
しかし、とにかく曲調にマッチする声と歌い方なのだ。
コレでもう少し歌詞が聞き取れるようになれば文句なし。
そう、歌は音楽の命。
どんなにいい声でも曲にマッチしていなければ意味がないし、どんなにいい曲でもヘナチョコの声で歌われたら台無しだ。
また、その両方がよくても歌い方や歌詞がヘボかったらやっぱり聴けたものではない。
歌詞を別にすると、このバンドはそのコンビネーションがすごくウマくいっていると思う。

210vこの曲はドへヴィなイントロとコーラスから意外な展開のサビに続くんだな。
その意外性がおもしろい。
コーラスでは翔太くんのベースが大暴れ。

260v_2 そして、例によってトラディショナルなギター・ソロ。コレでいいのだ。

230vCDと同じ曲順で演奏は続く。
3曲目は「ねがい」。

240このあたりは7:3ぐらいで今風のサウンドか?
サビ前のメロディが印象的。大サビの展開もおもしろい。
この曲をそこらの今の若いバンドがやっていたら、普通の今の草食系のロックになってしまうだろう。
そうはさせないのがBOOOOZE。
ハード・ロック・テイストが根底にシッカリと流れているのだ。

250vこんなミディアム・ナンバーだとパワー・ヒッターの尚音くんのドラムが一層へヴィに響くね。
そして、やっぱりNATALって音がいい。
新しくドラム・キットを購入する予定や必要がある、違いのわかるドラマーはゼヒNATALをお試し頂いてからナニをゲットするか決めるべし!

270v「右脳」というCDには収録されていない曲も取り上げられた。
しかし、ナンだってこんなトラディショナル風味のハード・ロックを志向しているのかと思い、終演後陽くんに訊いてみたところ、お父さんの影響が大きいのだそうだ。
お父さんったって、私とほぼ同年齢よ。
その影響でブルースをはじめとした黒人音楽をよく聴いてきたとか。
それなら大丈夫だ。

280ギターのカッティングで始まるのは「Naive」。

290vゴキゲンなファスト・チューン。

300CDで初めてBOOOOZEを聴いた時、イギリスのThe Answerを思い出した。
どこか同じスピリットを感じたのだ。
いつも言っている、本来あるべき姿であって欲しい70年代前半までのロックのテイストが今の若者の感性と融合し、見事によみがえっていると感じた。
ただのクラシック・ロックの模倣とは異なり、自分たちの世代を反映させているので、非常に若々しくもあるのだ。
そして、コレが今のロックに対するひとつの提案であってほしいと思った。

310最後を締めくくったのは「静寂が聞こえるか」。
コレも堂々たるドライビング・チューン。
320

へヴィにへヴィに展開する曲調をドラマチックに演出するリズム隊。

340陽くんのシャウトと…

350v

大貴くんのギター・ソロがより一層伝統的な世界をクリエイトする。

330v

昨日、「最近JCM800の活躍がやたらと目立っているのはその時代のロックが戻ってくる兆候だとうれしい」などと書いたが、BOOOOZEのようなバンドを見ると、その期待が叶えられそうな気がしてくるのだ。

370冒頭のライブハウスの案内にあるように、このライブは一昨日のものだ。
記事のアップがライブの1ヶ月後、2か月後も当たり前のMarshall Blogがこんなに早いペースでレポートをアップするなんて珍しいでしょう?
コレは超法規的措置などでも、ネタがないワケでもゼンゼンなくて、単にタイミングを計ったものなのだ。
…というのは来る27日に目黒の鹿鳴館にて我が里村源太朗のバースデイ・ライブがあって、そこにBOOOOZEが出演することになっているのね。
NAKED MACHINEファンの皆さんにはBOOOOZEの鑑賞ガイドに、まだ行こうかどうか迷っている人には決心の足しに…そんなつもりで超特急で記事を書き上げたとうワケ。
でもね~、先約があって私は当日行かれないの!この日、4つ重なってるのよ!この土日集中を何とかして欲しい!あとライブハウスのホール内完全禁煙ね。
ってんで私の分までシッカリ観て来てね!
NAKEDのギター、源ちゃんも杉浦さんもMarshallだし、ドラムスの達也くんはNATALだし…そのあたりもタップリ楽しんできてよ!

390vそれとコレ。
冒頭で紹介したミニアルバムの『GET BACK』。
このバンドはアレンジも凝っているので、スタジオ録音音源も聴きごたえ満点だよ。アタシャもう何回聴いたことか…。
ライブ会場で売っているので興味のある方はゼヒ。

Gb がんばれ若者!ロックは若いキミたちが作っていくのだ!
  
BOOOOZEの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook

Img_00371965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2017年5月17日 目黒LIVE STATIONにて撮影)

2017年5月18日 (木)

No sleep 'til Saitama STSN-9 <後編> Blind Bird番外編3とDisqualia

眞子内親王がご結婚されるとのこと。
今日はいきなり時事ネタ。
こういうことを書いておくと後で見た時の楽しみが広がる。
「内親王」というのは天皇陛下から見て直系で二親等以内の後続に与えられる称号。英語では眞子さまの場合は「Princess」。
ご結婚により眞子さまは皇籍を離れることになるが、コレはどういう感覚なんだろうナァ。
反対に皇室に入るってのはどんなもんなんだろうか?
ク~、入りて~、皇室!
ブログやっちゃうんだよ、皇室で。
「コーブロ」とかいって。
世界中の公務にカメラを持参してバリバリ撮ってアップしちゃう。
ロイヤル・ファミリーとMarshallの話かなんかしちゃって。
アメリカでは当然Zappaの話題よ。
「皇居名所めぐり」なんて絶対見たいじゃん?
お宝のレポートなんて相当見ごたえあるよ。
…なんてバカなことを考えているからドンドン忙しくなっちゃうのだ。
庶民が一番か…。
  
さて、『No sleep 'til Saitama STSN-9』の三番手はBlind Bird。
その番外編。
以前とは異なるラインナップでの演奏を観るのは初めてのことだ。

10桐嶋直志

20v河野充生

30v山口PON昌人
ココまでは以前と変わりなし。

40v4月末のステージを最後にBlind Birdを去った小松優也の代わりに「ゲスト・プレイヤー」という形でギターで参加したのはONOCHIN。
Marshall Blog初登場。

50vさらにBlind Bird初のキーボーズ…盛山こういち。
せいやんはKellyさんのサポートで何度もMarshall Blogにご登場頂いている。

120v

ONOCHINさんはMarshall。
そうさ、ギターがMarshallサウンドでなきゃBlind Birdは成り立たない。
それはBlind Birdが本物のロックだからだ!

160v

JMP時代の2203。
しっかし、ほんとに最近やたら2203なんだよね。

60v直志さんも数年前からずっとMarshall。

70ホ~ラ、直志さんもオリジナルJCM800の2203だ。
ね~、こうしてJMP以前(1975年製)、JMP、オリジナルJCM800、リイシューJCM800を問わず2203がここのところ大爆発なのです。
加えて2555Xの復活でしょ?
コリャ「八百会」かなんか作ったらどうかね?
新旧のJCM800シリーズのモデルのオーナーが集まってイッパイやりながら真空管アンプの素晴しさを語り合うの。
エエイ、そうなりゃVintageのオーナーも、JCM900のオーナーも、JVMのオーナーも、Vintage Modernのオーナーも、SUPER BASSのオーナーも真空管アンプが好きなヤツよって来い!でもMarshallじゃなきゃイヤよ…みたいな。
それにしてもこの800旋風が70年代のような骨太ロックの再興の兆候だったらうれしいな。
最近流行のデジタルのヤツとか新機軸のパーツを使ったギター・アンプとかあるでしょ?
いろいろと私の周りのギタリストに話を聞いてみると、意外なことに若い人たちはあんまり興味を示してないようなんだよね。
かえって経験を積んだベテランさんの方々の方が抵抗がないみたい。
ベテランの方々は真空管アンプの本当のよさを知っているので、最終的にはそんなに心配ない。
世の中うまくできているということか?

80vPONさんはNATAL…じゃない~。
今日は出入りの激しいイベントだでね。ドラム・キットは持ち込めない。

90いつもはこんなだったり…

100こんなだったり…。
ちなみにコレはイギリスのNATALのスタッフがみんな「Super cool!」と大絶賛した写真。
あ、撮ったのは私ですわ。
イエイエ、PONさんとNATALがカッコいいだけの話。

110 オープニングは「Spicy Sweet」。
辛くて甘いOxymoron(撞着)はソリッドなハードロック。

140直志さん、ギターを降ろしての二曲目は「Loser」。

150vこの曲も『Spicy Sweet』から。
ファンクっぽいノリのへヴィ・チューン。
170
コレはBlind Birdの鉄壁のリズム隊の腕の見せ所。
PONさんと…

165v河野さんのコンビネーションのうねりを楽しむ。
こんなの聴くとホントにカッコいいバンドだと思うよ。

190v

「番外編3へようこそ~!」と直志さん。
「ナゼ番外編かと言うと、実は小松優也が脱退します。で、今日はスペシャルゲストを迎えて演っているからです。」と今日の「番外編」の説明があった。
このステージの時は優也くんのBlind Birdの最後のライブがまだ残っていた。
曲は「Keep the Tension」。
早い話が『Spicy Sweet』の曲順で演ってる。

180いいバンドにはブルースやこうした三連のレパートリーがきっとあるもんだ。
しかし、カッコいい曲だ。
「♪キッザテンショ、キッザテンショ」

200せいやんとのリハはたったの一回だったとか…。
いいロックを演る連中はダラダラとリハはやらないってことよ。

220v
バッチリとバンドに溶け込んでいるONOCHINさん。
しっかし細い!うらやましい!
人生、一度でいいからこういう体躯になってみたかったな…。

210vまだCD通りに演っちゃうよ…シットリめに「Bala-Bala」。

S41a0652 再びギターを手にする直志さん。
曲は『Spicy Sweet』のクローザー、「絶叫スパイラル」。

230気分爽快、誰にも止めることのできないドライビング・チューン!

280
この河野さんのベース!
どんなにハードなナンバーでもゲロゲロ弾いたりしない大人のベース。
すなわち、本当にベースらしいベースということ。

260v
もちろんPONさんが後ろから「これでもか!」とあおってる!
こういうロックはいいナァ。

270v
名盤『仮想粒子』から「Still」。

240ONOCHINさんのギターも決してピロピロすることのない従来型のロック・ギター。
ロックはコレでいいのだ!後はMarshallがRock度を倍増してくれる。

250v最後はバンドのテーマソング「Blind Bird」。
やっぱいいナァ、Blind Bird。
優也くんが抜けても絶対にKeep your tension!!

290vBLIND BIRDの詳しい情報はコチラ⇒BLIND BIRD official web site

300vそして、このイベントを締めくくったのはDisqualia。

10 IBUKI

20v成美

30v葉月

40vRISA☆RISA
60v
サポートで参加の大場和香。

50v折に触れて書いているけれども、それにしてもガール・メタルの元気のいいことよ。
今、人前に出ているバンドの男女比率って一体どれぐらいになっているんだろう?
何の論証もなく感覚でモノを言うことはあまり好きではないが、私がロックを聴き出した70年代の中頃は皆無に近かった。イヤ、本当に全くいなかったのではなかろうか。
80年代に入ってThe Runawaysが出て来る前の有名どころといえば、それこそThe Shaggsぐらいだけだったのはないだろうか?それを考えるとThe Shaggsってスゲエな。あの音楽だからか…。
70
それが今では男よりゼンゼン元気がいいもんね。
その第一集団で快進撃を続けているのがDisqualiaだ。
ま、いいロックであれば性別なんて関係ない。
80
そして、いいロックのステージには必ずMarshallが並んでいる。
  
Disqualiaの華やかで熱狂的なステージでイベントは幕を下ろした。
バラエティに富んだ出演者で大変豪華なイベントでした~!

90v Disqualiaの詳しい情報はコチラ⇒Disqualia Official Website

  

(一部敬称略 2017年3月26日 さいたま新都心VJ-3にて撮影)

2017年5月17日 (水)

No sleep 'til Saitama STSN-9 <前編> D_DriveとTORNADO-GRENADE

ストレート・フラッシュかな?
フルハウスよりは上手だろう。
Donald Byrdというトランぺッターに『Royal Flush』というアルバムがある。
マァ、Blue Noteは別格にしても、昔のジャズのレコード・ジャケットってのはホントにオシャレでカッコいいな。
四つあるトランプのマークのうちスペードだけが左上に描かれているでしょう?
スペードは主に「騎士」とか「貴族」を表している。
だからスペードの絵札に描かれている人物は、キング(13)がダビデ王、クイーン(12)がバラス・アテナというギリシャ神話の「戦いの女神」、ジャック(11)はオジェ・ル・ダノワなるカール大帝の騎士を描いているそうだ。
Donald Byrdは『Black Byrd』という1973年のフュージョン系のアルバムで大ヒットを飛ばし大スターになった50年代からのBlue Noteの看板アーティストだった。
だからスペード扱い。
お、「ドナルド」で「トランプ」…どこかで聞いた組み合わせだな。スゴイ偶然だな。
最近、アメリカでは生まれた子供に「Donald」という名前を付ける親が減っているそうだ。

Rf さて、「ストレート・フラッシュ」と言ったのは、今日レポートするイベントの顔ぶれのこと。
Marshall Blogでおなじみのバンドが一堂に会してくれたのだ。
「Marshall Blogでおなじみ」ということはMarshall Blogによく登場するバンド、すなわちMarshallのファミリー製品を愛用してくれているバンドということだ。
『No sleep 'til Saitama STSN-9』というイベント。
タイトルの意味はわからない。
  
まずステージに上がったのはTORNADO-GRENADE!

10…とトップ・バッターのバンドの紹介も終わったところで今日の記事はコレでおしまい!
短かッ!

(一部敬称略 2017年3月26日 さいたま新都心VJ-3にて撮影)

   

   

  

  

  
   
   
   

  

  

   

  

  

  
   

   

   

   

  

  

    

  

  

  

  

  

  

  

  

…というのはウッソ~!
ビックリした?
オレってワルだ。
TORNADO-GRENADEは…  

塚本”JOE”旭

20
松浦カズマ

Img_0051
真壁雄太

40
寺沢リョータ…コワい。

50v
ドラゴンシャドウ村田

60
カズマくんはMarshall。
JCM900 4100と1960A。

70
雄太くんも当然Marshall。

80
愛用の2555X Silver Jubileeと1960Aだ。

90v
今日もスロットル全開のステージ!
オープニングは「LOVE NEVER DIES」。  100v炸裂するツイン・リード。

110疾走感あふれるリズム隊!

120vいい加減若いのにいいバンドだよ!
ワシゃ涙が出て来るよ。

130v続いて「Wings Of Steel」。
来る5月24日に発表するセカンド・ミニ・アルバム『Mighty Flugel』からのチョイスだ。

140vこれがその新作『Mighty Flügel』。
そうか…『LOVERUPTION』からもう1年2ヶ月も経つのか…アレ、とうとうサンプル盤くれなかったな…。

Mf 2曲目の〆にはコイツ!

150ウワッツ!…ノケ反ったら照明がちょうど顔面に!
大変なお仕事です。

160左右から迫りくるシュレッディングの嵐!

170vMarshallサウンドてんこ盛りのギター・スペクタキュラーだ!

180v3曲目はその新作のタイトル・チューン「Mighty Flügel」。
「Flügel(フリューゲル)」とはドイツ語で「翼」という意味。
ハイ、ここから脱線。
「フリューゲル・ホーン」、あるいは「フリューゲル・ホルン」って楽器知ってる?
我々は単に「フリューゲル」って呼んでいるけど、Art Farmerなんて名手もいて、ジャズでよく使われるコルネットみたいなトランペットの兄弟楽器。イヤ、ホルンの仲間か?
昔、フェリーニじゃないけど、ホルンを「オカマの楽器」と言ったヤツがいたな。
その心は…「掘るん」だって。ウマい!かどうかわからない。
フリューゲル・ホーンってのはこういうヤツ。

Fh トランペットみたいなんだけど違う。
管の径が太くて、巻がゆるいことからトランペットよりゼンゼン柔らかい音が出る。
「♪ポロペ~」みたいな。「♪パラパ~」ではない。
ギターで言えばトランペットがリア・ピックアップでボリューム&トーン全開。一方、フリューゲルはフロント・ピックアップってトーン絞り気味って感じかな?
で、コレがナゼ「翼のホルン」なのか?
大昔、この楽器にはバルブが付いてなくて、二人一組になって本体を水平に倒して吹いたそうだ。
その水平にした二本のラッパが翼のようだったから…だってさ。諸説あるようだけど。
トランペットより柔らかい音を出すために深めカップ(凹み)のマウスピースを使うのが普通。結果、素人にも音が出しやすくなる。
へへへ、よく知ってるでしょう?
大学でビッグ・バンドをやっていた時、よくラッパのヤツに借りて遊んでたから。だってトランペットはチョットやソットじゃ音が出ないんだもん!
 
さて、こっちのフリューゲルはTORNADO-GRENADE臭満開のナンバーに仕上がった!

190v相変わらずの「温故知新」サウンド。

200昭和のハードロックの伝統に根差した平成生まれの若者の感性の融合だよ。

210さらにニュー・アルバムから…って、コレ、レコ発みたいじゃないの!
MCで新譜のこと言ってなかったじゃん!
「ワル」ネタばっかりだった。

250でも最後は定番の「SSR」!

255vすなわち「Sex, Spice, Rock 'n Roll」!

256v大分浸透してきたこの曲、最後の合唱のところは盛り上がるね。

260vコレはコール&レスポンスだって。

Img_0199お定まりの脱サングラス!

270今日もカッチリ返還の儀が執り行われた。

280そして、大ジャ~ンプ!
トップバッターとして会場を大いに沸かし、思い切りパワーを発散させてステージを降りて行った。
今回はサンプル盤もらえるかな?
  
TORNADO-GRENADEの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

290(一部敬称略 2017年3月26日 さいたま新都心VJ-3にて撮影)

   

   

  

  

  
   
   
   

  

  

  
   
   
   

  

  

  
   
   
   

  

  

  

  

  

    
   
    
     
    
    
…というのはウソウソ!
もうしません。
どれぐらい皆さん下までスクロールするのかチョット実験がしてみたかったの。
ココまで下ってこなかった人が「D_Driveなんて出てないじゃん!え、アレまだ先があったの?」と二回見ればアクセス件数が上がるじゃん?
ウソ、これも冗談!
ただのイタズラです。
D_Driveちゃん、ごめんチャイ!
  

で、D_Driveは二番手の登場。
「_」はアンダー・バー、二つの「D」は大文字、後は小文字。
コレが正しい「ディードライブ」の表記法だ。

300Seiji

310vYuki

320vShimataro

330vChiiko

340v今日もSeijiさんのMarshallが暴れてる!

350JCM2000 DSL100ECと1960AX。

360vYukiちゃんのMarshallも猛威を振るってるぞ!

370JCM2000 TSL100と1960A。

380vShimaちゃんの轟音はEDENから。
先代のフラッグシップ・モデルWT-800だ。

390v今日のオープニングは「Advance and Attack」。
チョット前のシリーズでは「Hyper Driving High」をトップに持ってくることが多かった。
そんなフレキシビリティもD_Driveのステージの魅力。
430

続いては定番「M16」。

410v今日も緻密なギター・コンビネーションがスリリングだ。

420二人の掛け合いはこの曲の見せ場!

400

今日は持ち時間が短いでね。
サクサク行っちゃうよ~。

420vココまで続けて「Attraction4D」。

440v「今週三回目のステージ」だというMCをはさんで「Mr.Rat Boots」。
あ、セカンド・アルバムの再々プレスの残りもわずかですってよ!

450「オラオラオラオラ~!」とChiikoちゃんのドラムから突っ走れ!
ちなみに本当に「オラオラ」と言っているワケではありません。
そういう感じ…ということね。
このドライブ感、コリャやっぱり言ってるな?

500

SeijiさんとYukiちゃんの掛け合いのリフがこの曲の二つ目の目印。

460vShimaちゃんのソロ。
イヤ~、スゲエな、EDENの音って!こんなにヌケていいのかしらん?

470

コレはこの曲でのSeijiさんのキメ・ポーズ。
540v
最近作のシングルから「The Last Revenge」。

465これまた幾重にも仕掛けがはりめぐらされたゴージャスな一品。

480美しく完璧にハモるサビの二本のギターが魅力的だ。

490そして最後はD_スタンダードの「Cassis Orange」。

530前回のMarshall Blog登場時は三宅さんとのインスト・タッグだったが、今回は他の三組の出演バンドすべてが歌モノ。
インスト・メタルのカッコよさをバリバリに見せてくれた四人だった!

510v

550v

560v

570vD_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

580<つづく>

(一部敬称略 2017年3月26日 さいたま新都心VJ-3にて撮影)←コレはホンモノのクレジットです。今日はコレでホントに終わり。その証拠にもうこれ以上下にスクロールしませんから。

2017年5月16日 (火)

Go Go Heroes! Okahiro 55th Birthday Special <後編>

 『Okahiro 55th Birthday Special』、次なるステージはKISS THE WoRLD。

10DIE

20vMAD

40v_2

木村世治

30vそしてOKAHIRO。
例のタスキはかけていないけど、「本日の主役」だ。
お召替えしての登場。
今日もOKAHIROちゃん自身のチョイスによる写真でお送りしますよ~。

50v_2主役がギタリストで筋金入りのロック野郎と来れば、何が何でもMarshallが背後に必要だ。

60v_3フルスタックが2セット。
OKAHIROちゃんが長きにわたって愛用している1975年製の2203のフルスタックは向かって左側だ。詳しくは昨日の記事を見てチョ。

70v_21曲目は「RAINBOW」。
おお!いい感じ!
今回、このバンドを初めて拝見したが、そう、実にいい感じなのだ!

80_2 「理屈抜きの楽しいロック」感満点。
私はゴタゴタとヘリクツを積み重ねた小難しいロックが好きなんですけどね、こういうストレートなものもいいもんですよ。
そもそも「Rock」とはそういう音楽だ。

110v

続けて「SKYLARKING」。
Johnny MercerとHoagy Carmichaelが書いた、「Skylark」というよく知られたジャズのスタンダードがあるが、コレは鳥の「ヒバリ」という意味。
Hoagy Carmichaelは第二のアメリカ国歌と言われる「Stardust」を作った人。「Georgia on my Mind」やあの美しい「The nearmess of You」もCarmichaelの作曲だ。
ちなみに「Stardust」は最も有名なヴァースを持つ曲としても有名だ。私ですらこの曲を口ずさむ時、ヴァースから歌っちゃうもんね。
で、この「skylark」という言葉には動詞もあって、「バカ騒ぎをする」という意味。かたや「ひばり」、かたや「バカ騒ぎ」…この相反する意味はシャレから端を発したのではなかろうか?
こういうところが英語を学ぶひとつの楽しみ。

100_2

「オレ、いいバンドやってるな~。KISS THE WoRLD最高だな。このバンドでギターを弾くことができてうれしいよ!」とOKHIROちゃん。
そして、「ロック・ギタリストはMarshall背負ってナンボでしょ!」…と。コレは私がうれしかった!

90v

「Love Love Motion」…このバンドは可愛らしい感じの曲がすごくいいね。OKAHIROちゃんがギターを弾くのにピッタリのバンドって感じがするぞ。

120DIEさんの歌うバラード「MOTHER HEALING」。
KISS THE WoRLDはDIEさんとMADさんが中心になって結成したバンドとか。
DIEさんも昔のMarshall BlogにはRa:INで何度かご登場頂いているのよ。

130v同じ赤いTシャツだけどMADさんのはSUPERBLOODの時に来ていたモノの色違い。
ウマいこと考えたな…元のデザインはHipgnosisだ。

150v

「次の曲はね…オレが歌います」といよいよ王子の歌の出番!

155歌うは「HURRY GO ROUND」。
ココ、今日の一種のハイライトじゃないの~?

160v最前列、ジックリ。
156
カッコよく歌おうみたいな気負いがまったくない素直な歌い方がいいな。
OKAHIROちゃんって普段話す声がいいんだよね。チョット鼻にかかかった感じで口跡も魅力的だ。

170v_3世治さんはギター/ボーカルズも披露。

140v

「IMAGINARY LAND」、「against」を演奏し、最後は「KISS THE WoRLD」で盛り上がって出番を終えた。
何度か「KISS THE WoRLD」とタイプしているうちに思ったんだけど、この「o」だけが小文字になっているのはもしかして「チューの口の形」を表してるのかしらん?
こんなオッサンにそんな可愛らしいことを想像させてしまうような可愛いステージだった。
  
KISS THE WoRLDの詳しい情報はコチラ⇒facebook

180_2そして、OKAHIROちゃんのお誕生会の最後を飾ったのは「SUPER HARDROCK SESSION」なるワンオフ・バンド。

190二井原実の登場だ!

200_2このセットのメンバーは…OKAHIROちゃん。

210v_2RYUくん

220v亮さん

230v_2そしてMADさんという面々。
MADさんの「MAD co.」シャツ、白→赤ときて、最後のシャツは黒だった。

240vこのセットの幕を開けたのはAerosmithの「What It Takes」。
意外にもバラード。

250_2二井原さんのひと声でステージの雰囲気がガラリと変わる。
すごいミュージシャンってのは楽器の別を問わずみんなこうだ。
「Happy birthday~!Come on guitar!」
260v

2曲目はハードにDIOの「Stand Up And Shout Dio」。
OKAHIROちゃんのギターも二井原さんの声と共に猛り狂う!
280
「どうだ!スゲエだろう!ボリュームは11。スパイナル・タップだぜ!」
270v_2
ご存知ないお客さんが多かったように見受けられたが、『This is Spinal Tap』はMarshall Blogには何度か登場しているイギリスのロック・バンドの架空のアメリカ・ツアーで起こるドタバタを描いた1984年のアメリカ映画。
日本においては劇場では公開されなかった。つまりマニアックな映画。
1984年の日本人のエンタテインメント感覚では、劇場での公開を見送ったのが正解だったであろう。今ならミニ・シアターでイケるか?
でもロック・ミュージシャンはみんなコレが大スキ。
マニアックといっても、『スタンド・バイ・ミー』や『めぐり逢えたら(←クソ邦題。原題は'When Harry Met Sally…'という)』や『ミザリー』を撮ったロブ・ライナーの劇場用映画の処女作ですからね。
もう何回も書いてるけど、OKAHIROちゃんファンの皆さんのためにまた書いちゃえ!
映画には主役のナイジェル・タフネルが機材に関するインタビューを受けるシーンがあって、自分のMarshallのボリュームの目盛りが「11」まで付いていることを自慢する。
自分のMarshallは普通のモノよりより音が大きいということを言いたかったんだけど、そのインタビュアーは何の関心も示さない。
このあたりがギターをやっている連中にとってはタマらなくおもしろいワケ。
OKAHIROちゃんが言っていた「11」とはこのこと。
私はこの映画を30年近く前に衛星放送でたまたま観て一発でハマった。
その時は、まさか後にMarshallの従業員になろうなどとは夢にも思わなかったが、映画の制作にはMarshallも関わっていて、主役のナイジェルは映画の公開から6年後の1990年にスタートしたJCM900シリーズの広告にも登場した。
その広告の中でナイジェルがこう言っている…「今や目盛りは20まで…9も音がデカいじゃねーか!」
いわゆる楽屋落ち。
当時この広告を日本語に置き換えても誰も意味を理解することができなかっただろう。
反対に世界中の人たちはこの映画を観ていたというワケ。それなのに日本では未公開。
日本人が置かれているエンタテインメントの状況がよくわかる話だ。
このナイジェル・タフネルはイギリスの貴族の出身で、女優のジェイミー・リー・カーティス(トニー・カーティスのお嬢さん)はこの映画を観て一目ぼれしてとうとう結婚してしまった。ナイジェルはJim Marshallとも仲がヨカッタらしい。
下は『This is Spinal Tap』の公開25周年を記念した作った「Spinal Tap」仕様のMS-2。
私の宝物だ。
チャンとボリュームの目盛りが11まで付いていることはいう間でもなかろう。

N_img_0004 Ronnie James Dio、2曲目。
Ritchie Blackmore's Rainbowの「Kill the King」。観たな~Rainbow初来日…この曲を初めて聴いたのは14歳の時だった。
Img_0740
もう二井原さんの歌声がタマらんわ~。
もうひとつタマらんのは、見て!二井原さんのリスト・バンド!

290_2
Jon Lordが出てきちゃった!となると…

400v

やっぱり「紫の炎」なんでしょうね~。

Img_0826 さらにJourneyの「Separate Ways」。
申し訳ありませんがJourbeyは一切ノー・コメント…私に振らないで!
Aynsley DumberもSteve Smithも好きです。
Stve SmithのRonnie Scott'sでのライブ盤、『Buddy's Buddies』はSteve Marcusが最高にカッコいいので愛聴盤なのだ。
でも、Joueneyはゴメン。

275vYesterday & Todayの「Forever」。
この曲ってよく取り上げられるね。

295v

ココでLOUDNESSナンバーを2曲。

Img_0905 「アレスの嘆き」…ココでアレスを持ってくるところがスゴイな。
もちろん最後のパートはみんなで大合唱。
シャッターを切りながら私も歌いました、ハイ。

S41a0665 もうひとつは「Crazy Doctor」。

Img_0631 そりゃ盛り上がるにキマってるわな!

Img_0714 もちろん定型ソロをバッチリとキメた!

300

 アンコールではお定まりのバースデイ・ケーキの儀が執り行われたが…

330出て来る、出て来る!

340次々に登場するバースデイ・ケーキ。合計4つ!
OKAHIROちゃんの人望の厚さを物語ってるね。

350そしてRYUくんが持ってきたケーキは…

360二井原さんへ!
そう、二井原さんも3月生まれなのであった!

370最後は全員参加でLOUDNESS!

380曲はわかっていてもうれしい「Crazy Nights」!

390お客さんも「♪M.Z.A.」で大合唱!

410イヤ~、盛りだくさんで実にゴージャスなお誕生会だったよ~。

420最後にOKAHIROちゃんからごあいさつ。
「このメンバーに誕生日を祝ってもらえて最高!(お客さんに)みんなも来てくれてありがとう!今日のことは一生忘れません!
名残惜しいな…ズっとここに居ようかな?
来年もまた祝ってもらえるように一生懸命ギターを弾きます!
応援してください!
あ、バンドも応援してください!」

430OKAHIROちゃん、おめでとうございました!
そして、激演お疲れさまでした!
最近、そこら中でバースデイ・ライブってのをやってるじゃない?
昔はこんなことしなかったんだよ。私が知ってる限りでは、屋根裏やロフトでこんな光景を目の当たりにしたことはない。ケーキが今よりベラボウに高かったのかな?
イヤ、インターネットの出現でミュージシャンがお客さんに身近な存在になったからだと思う。
どこでもケーキをステージに出して、ローソクを消して…と、そんなしょっちゅう出くわしているお誕生会イベントだけど、今日ほどの祝福を受けている人って見たことがないかも知れない。
ファンの方が好きなミュージシャンの誕生日を祝うのは自然のことだろうけど、同業者からこんなに祝福される人は滅多にいないんじゃないかしらん?
OKAHIROちゃんの「人徳」を見た気がするわ。
8ヶ月兄貴!お見それしやしたぜ!

OKAHIROの詳しい情報はコチラ⇒minority

440(一部敬称略 2017年3月25日 代々木Zher the Zoo YOYOGIにて撮影)

2017年5月15日 (月)

Go Go Heroes! Okahiro 55th Birthday Special <前編>

今日は代々木から。
かつて総武線沿線の住人だった私は、毎朝代々木駅を通過して通学していた。
山手線29駅の中で最も昇降客の数が少ないのは鶯谷駅。
鶯谷駅はMarshallのオフィシャル・ライブハウスである「東京キネマ倶楽部」から徒歩2分という素晴らしいロケーションだ。
では、都内の総武線の駅、すなわち小岩~三鷹間(ホントはお茶の水から三鷹間は中央本線の仲間)の中で最も昇降客の少ない駅はどこか知ってる?
答えは平井駅だそうだ。
「平井」といえば。先ごろ亡くなったex.月の家円鏡(橘屋圓蔵)の地元だ。昔ラジオでよく「平井小学校、平井小学校」と騒いでいたのを覚えている。
コレを自分に引き直して考えてみるとどうだろう。
つまり、都内の総武線の駅で最も利用する機会が少ない、あるいは少なかった駅はどこか?
私の場合、代々木のような気がする。
信濃町もかなりいい勝負か…。
そんな代々木は今日もかなり久しぶりだ。
それなのに…。
この日、駅のホームに降りると、向こうから巨大な白人がトボトボ歩いてくるのが見えた。
お互いに近づいてビックリ!
ドイツ人と結婚した家内の友人の家で開かれたホームパーティに招かれた時に私の隣に座ったミヒャエルだった。
彼、その時スッカリ呑み潰れちゃってね、みんなで地下鉄の駅まで肩を貸して歩かせたんだよ。
ヨーロッパ人の中でも特に体格がいいと言われるドイツ人。
女性もスゴくデカいからね。フランクフルトの街なんかを歩いていると、ホントに自分が小人になったような感じになる時があったぐらい。
その人も190cm近い長身である上に、かなりかなり恰幅がよい体型で、そのあまりの重量に驚いた。
日本人と違って骨格がものすごくガッチリしていて、おっそろしく身体の密度が高いんだよね。
アレ、骨自体が重いんだよ。
日本人の体躯と比較すると、まさに石造りの家と木造の家の違いという感じだ。
10vそんな代々木だからして、このライブハウスへ来るのもかなり久しぶりだ。
今日の出演はSUPERBLOOD他…ギタリスト岡田弘、オカヒロのバースデイ・コンサートだ。!

20
開演前に会場に入るとスタッフの皆さんがせわしなく準備に追われていたが、何やらすでにすごくにぎやかで楽しそうな雰囲気!
物販のセットも完成。
ひとつビックリしたことがあった…というのは、オカヒロちゃんのポスター、後ろにNATALのロゴがガッツリ写っていたのよ。うれしいですわ。
おかげさまでドンドン広がってるからね、NATAL。
140
トップでステージに上がったのはSUPERBLOOD。

30RYU

40vRYO

50vMAD大内

60vそして、本日の主役、OKAHIRO!
今日と明日のOKAHIROちゃんのソロ写真はすべて自身のチョイス。
私が選んだ写真は一切ありません。
つまり「こういう風に見られたい」というOKAHIROちゃんの意思表示ですからね~。
ファンの皆さんはそのあたりもお楽しみあれ。

70v今日は特別な日。
だから長年Marshallを愛し続けてくれているOKAHIROちゃんにMarshallの壁。

80

フルスタックを2セットとOKAHIROちゃんの愛器たち。
アレ、あんなにいつも使っていたのに「シュワルツ」っていったっけ?レスポール・カスタムが見えなくなっちゃったね。
それにEagleを使う人なんて久しぶりに見たような気がするぞ。

90

OKAHIROちゃん所有の1975年製の2203。
2203の正式発表は1976年のことだから、コレはかなりレア。
1981年にJCM800シリーズに移行する前の2203はいわゆる「JMP」と呼ばれているスタイルだが、コレはそれよりも前の1959ルックスの2203。
ラージ・ロゴは後から付け替えられたのかな?それにしても信じられないぐらい状態がいい。
40年前のモノですよ!
ちなみにMarshallによる2203の定義は、「100W、マスターボリュームつき、2インプット」ということになっている。

100

足元のようす。
左上のグラフィック・イコライザーなつかしいな~。
Van Halenが使っているってんですぐに買いに行ったことがあった。
私にもそんな時代があったのだよ。

110

RYOさんもMarshall。

120v愛用のMB450H。
コレ、名器なんですよ。
もう製造していないけど、勝った人はラッキー。
ズバ抜けてコスト・パフォーマンスに長けたモデルと言われている。
何せ開発者が来日した時、コレを使っているベーシストのライブに連れて行ったら「アレ?こんなにヨカッタっけ?」と腰を抜かしたぐらいなのだ。
RYOさん、まだPOPステッカーを貼ったまま大切に使ってくれている。うれしいね、こういうのは。

130

さて、SUPERBLOODは、ライブ会場では先行して発売され話題になっているが、この5月24日に『RAISE YOUR HANDS』なるファースト・アルバムをリリースする。
「Raise your hand!」か…中学の英語の先生がよく授業で言ってたな。
この「raise」という単語は「挙げる」という意味の他に、問題や案を「提起する」という意味でよく使われるんだよね。
ここでは「hand」が複数形になっているので、万歳みたいな格好かな?
レコードのスクラッチ・ノイズから始まるストレートでゴキゲンなアルバムだ。
日本だけでなく東南アジアにも活躍の場を広げるSUPERBLOODの勢いを感じざるを得ない。

4ryh_jacketオープニングはファースト・ミニ・アルバムのクローザー「P.A.T.E」。

150イケイケ~!
遠慮会釈の一切ないぶっ飛ばしナンバー!

160OKAHIROCKの誕生会の幕開けににもってこいだ!

170v_2続いては新作『RAISE YOUR HANDS』から「Round and Round」。

180これまた胸のすくようなハード・ブギ。
若いバンドさんの音楽にはこういう三連の曲がほとんどないからね。
そんなところもSUPERBLOODの魅力だ。
190v
OKAHHIROちゃんのシャープなギター・ソロ。
なんだコレ!
後半の転調がメッチャかっこいい!

200

年季の入ったパワフルかつスキルフルなMADさんのドラム!
ホントMADさんっていつでもニコニコしていて素敵だ。
この日、久しぶりにお会いしたが、私を見かけるなり「ウッシ~!」と駆け寄ってくれた。
私はそういう人になりたい。

210v

MBを使いこなして素晴らしい低音でバンドをグルーブさせるRYOさん。
この曲ではコーラスでも大活躍だ。
RYOさんと初めてお会いしたのはヒロアキくんのLOUD PARKの時か。
それ以来、横田基地や富士スピードウェイなんかで色々とお世話になりっぱなしだ。

205

その横田基地で私はOKAHIROちゃんと初めて出会った。
TYOで出演していたのだが、当時ルックスがDoug Aldrichみたいでビックリしたのを覚えている。
実は、学年はひとつ違うのだが私はOKAHIROちゃんと同じ年ということもあって、それからとても仲良くしてもらい、TYOの他、DENIAL、BLUES DETOX等々にお邪魔させて頂いた。
ホントにロックの塊のような人だからして、いつでもMarshallを可愛がってくれてとても感謝している。
お誕生日おめでとう!
8ヶ月ほど弟させて頂きます。
しかし、「オカヒロ」なんて愛称うらやましいよな。
日本人はよく苗字と名前を一文字ずつ取って略称を作るけど、私なんか「ウシシゲ」だもんね。
言いにくいし、カッコ悪いし、ともすれば浅瀬に生息する節足動物の名前みたいだ。
最近は下の名前だけを取って芸名にする人がやたら多いけど、略称をそのまま芸名に使っている人はそんなにいないでしょう。
アメリカのブルース・ミュージシャンで「Keb' Mo'(ケブモ)」という人がいるが、この人の本当の名前は「Kevin Moore(ケヴィン・ムーア)」…略して「ケブモ」。日本だけではない。

220

続いても『RAISE YOUR HANDS』から「WANDERLUST」。
ジャズ・ヴァイブラフォン奏者のMike Mainieriにも同名のアルバム&曲があるが、「Wanderlust」というのは「放浪癖」という意味。
Minieriの「Wanderlust」もフュージョン・ミュージック史に残る名曲だが、SUPERBLOODの「Wanderlust」もカッコいいね!
RYUくんの「♪Do You Wanna Love Me」のリフレインが印象的だ。

230vここでもOKAHIROちゃんのハードなソロがさく裂!

Img_0100 続いては『RAISE YORU HANDS』のオープナー、「IN/OUT」。
CDではレコードのスクラッチ・ノイズから始まるへヴィ・ナンバー。
RYOさんのベースが快感!

240サビはポップな展開となるが、それをハードにそしてドラマチックにまとめ上げちゃうのがSUPERBLOOD流!

270v

そして、タイトル・チューンの「Raise Your Hands」。
紫に煙るチョットファンク調なハード・ナンバー。

250ココで前作から「NO REASON TO CRY」で一旦クールダウンしておいて最後の追い込みに入る。

290
「LOVE IS MYSTERIOUS」も新作から。
そして、続く「Rescue Me」は前作からのチョイス。
このあたりはSUPERBLOODの中でもチョット毛色の変わった、音楽性の幅の広さが垣間見れる曲たちと言って差し支えないだろう。

310

そして、最後は4人が猛スピードで駆け抜ける!
『RAISE YOUR HANDS』の2曲目、「Going Savage」だ。

280v

S41a0302

300v

Img_0298 オイオイオイオイ、ウッソだろ~。
今調べてみたら、前回富士スピードウェイでSUPERBLOODを観た時からもう3年も経ってやがんの!
あの時はまだレパートリーが少なかったのか「The Boys Are Back in Town」なんて演っていたけど、今回はゼンゼン違う。
とんでもなくスケール・アップして、魅力的なハードロックを聴かせてくれた。
何よりも「ノッテる感」がすさまじいね。
調子のノッテいるバンドっていうのは見ていて実に気持ちがいいもんだ!

まだまだ続くOKAHIROちゃんのお誕生会!
 
SUPERBLOODの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

260

<後編>につづく

(一部敬称略 2017年3月25日 代々木Zher the Zoo YOYOGIにて撮影)

2017年5月12日 (金)

サーキットのギター狼リターンズ!~筑波サーキットのTAGAWA

今日はゴールデン・ウィーク中に開催されたイベントのレポート。
鯉のぼりがが上がっちゃう季節ネタなので、掲載の順番を変えて早めにアップさせて頂く。
真夏の汗ダックダクの中で鯉のぼりが出てるレポートを見るのもイヤなもんでしょ?

10さて、過去二回(かな?)ほどレポートしてきている、筑波つくばサーキットの『オールドナウ・カーフェスティバル(OLD/NOW Car Festival)』。
今頃ナンですが、このイベントはゴールデンウィークの恒例行事として、毎年5月5日に開催される筑波サーキット最大の自動車イベントなのだそうだ。
第一回目はの開催は、ナ、ナント!1986年!
つまり30年以上続いていたのだ。
「いたのだ」と書いたのは、今月の5日、すなわちこのレポートの回をもってこのイベントが終了することになったのだ。
したがって、今回の名称は『OLD/NOW Car Festival Finale』とされた。
同じ「最後」でも「final」は「last」と違って、スッカリ終わっちゃうことを意味するからね。
さびしいね。

20何しろゴールデン・ウィーク中の開催だからして心配なのは高速道路の渋滞。
テレビのニュースでヨソの人の渋滞を見るのは大好きだけど、自分が巻き込まれるのはまっぴらゴメンだ。
なので、かなり余裕を持って家を出て来た。
柏でチョットつまってしまったけど、他はスイスイ。
おかげでエラク早く着いてしまった。よってステージはまだカラの状態。
今年も田川ヒロアキがMarshallとともにこのステージに立つ。
しかも今回は寺沢功一、長谷川浩二とのトリオ、TAGAWAでの登場だ!

30三回目ともなると勝手知ったるところで、スイスイと裏の楽屋テントに向かう。
アレ?まだ11時なのにもうお弁当を食べてる人がいる!
暑いんだよね~、こういうテントの中って…ということもあって、先にイベント会場内の様子を撮影することにした。

40_2 いつも言ってるけど、私は完全に車の門外漢なので、ここから先、何らかの知識を記すことは不可能です。
車好きな人は写真を見て楽しんでくれればよし。
私のように車に興味がない人はチャッチャとスクロールすればよし。
  
ズラリと並んだロータス。

50コレ、パブみたいでカッコいいな。
78万円だって。案外安いんだな。

90
実は!
私はロータスがイギリスの車だってことを知らなかったんよ。

100

そうなると、イギリスってすごいよね。
ロールス・ロイス、ジャギュア、アストン・マーチン、ミニ・クーパー、ベントレー…車に興味がない私でもこれだけ知ってる。
ま、ニューポート・パグネルのアストン・マーチン本社ぐらいは行ったことがあるけどね。
アストンとジャギュアの工場はMarshallに比較的近いんだよ。

6070万円!…コレも安いな。
って、中古車センターじゃないっつーの!
失礼しました…お高いんですよね?こちら。

70チキチキマシンみたいなやつ!
『グレート・レース』っていう映画観たことある?

110ピット建屋の周辺は高級車がズラリ!

120この辺りはポルシェ・コーナーか…。
ああ、コレが全部中古レコードだったらいいのにナァ。

140

こんなカバンみたいなヤツも!

150vこういうタイプも展示されていたけど、実際には使っていないのかな?みんなタイヤがツルツルだったもん。

160これじゃ車検通らないよ、絶対。

170エンジンのようす。

180運転席。
コースをグルグル回るだけなのにカーナビが要るのかね?
しかし、狭いな~。
これじゃMarshallどころかギターも積めないじゃん?

190もう一台の方の運転席。
消火器が足元に備え付けられている車なんてイヤじゃない?

200vおなじみ「サーキットの狼」コーナー。

210ココはフェラーリ・コーナー。
なんつってもイングヴェイを思い出すな~。(イングヴェイは「インギー」と呼ばれることをすごくイヤがっていました)
イングヴェイってフェラーリのロゴ・ステッカーを何枚も持ち歩いてるんだぜ。

230やっぱりカッコいいな。

240車の半分がエンジンじゃん!
これもMarshallが積めないので私は要りませ~ん!

250これからフェラーリのデモ・ランだそうで…。

260ゾロゾロとコースに向かう。
ついて行ってみよう!
ダメダメ、赤いスポーツカーについて行ってはダメ!
皆さん、「赤いフェアレディ殺人事件」って知ってる?
1980年代の初頭、富山と長野で女性が殺害されるという事件があったんだよ。
その犯人が赤いフェアレディZに乗っていてね、当時「赤いスポーツ・カー」の男について行っちゃいけない…と言われたんよ。
その事件の発生から約10年ほどの時が経って…私は以前勤めていた会社で、長野に赴任することになった。
当時は大阪に住んでいて、業務の引き継ぎで長野に出張した時のことだった。
これから赴任する土地なので、右も左もわからなければ、地元の情報などナニもありはしない。
まだインターネットがない時代だからね。
よって現地のスタッフの指示通りに、あるホテルに投宿したのだが、宿泊費が滅法が安いのだ。
ま、地方なんで都会の宿泊費より格安であることは想像に難くないが、それでもどう考えても安すぎた。
二泊ぐらいした後だったろうか、これから同じ釜の飯を食うことになる現地の仲間三人と夜イッパイやった時に何の気なしにこのことを尋ねてみた。
三人ともどうも反応が鈍い。
「おかしいな…」と思ってしつこく尋ねていると、上司となる人物がこう切り出した…。
「お前、『赤いフェアレディ殺人事件』って知ってるか?」
「あ、はい。確か…赤いスポーツ・カーの男にさらわれて若い女の人が富山と長野で殺されてしまった事件ですよね」
「やっぱり知ってるのか…」
「10年ぐらい前ですよね?それと私の泊まっているホテルと何か関係があるんですか?」
「あの事件な…お前が泊まっているホテルで起こったんだよ」
「ヒエ~!」
気の弱い私は、その晩まったく眠れなかったとサ。
今日の脱線でした。

270ピットに並んで出走のタイミングを待つフェラーリ軍団。

180v
コースからは前の出演者(?)、マツダ軍団がハケていく。
290

そしてフェラーリのデモ・ラ~ン!

300やっぱりこの音がスゴイよね!

310しかし、ナンダカンダ言って一番稼いでる車はコイツだろう。
「♪のりもの集まれ 色んな車 ドンドン出てこいはたらく車」…ウチの上の子がよく歌ってたナァ。
知ってるコレ?
「♪ケガ人、病人、急いで救急車」とか「♪ビルの火事にはハシゴ消防車」とかいう歌詞でありとあらゆる実用車が出て来て車のお勉強をしましょう!という歌。
ウチの子、アッという間に歌詞をそらんじましてナァ、天才かと思ったけどゼンゼン違ったわ。
コレを私が「♪棺桶焼き場に運ぶよ霊柩車」とか「♪先っチョ軟球気になるバキューム・カー」とかフザけて歌っていたら家内にものすごく怒られた。
185
グッズ売り場も人気の的だ。

320ミニカー屋さん。

330コレは車のイラストを売ってるお店。

340プラモデル。

350世界中の車のカタログね。

360シート屋さん。
コレは実際に車にくっつけるのかな?
それとも座イスがわり?

370アクセサリー屋さんは定番だね。

380で、ステージがある会場へ戻って来たよ。

390コレも見納めか…。

400食べ物の出店も多数並んでいる。
  

今回はいつもより多くの写真を掲載して詳しく会場のレポートをした。
…というのも冒頭に書いた通り、今回が最後ということなので、このブログに資料的な価値を付加しようと思ったのだ…コレはマジです。

410ステージに上がっているはLily Babies

420すごいハイトーン・ヴォイス!

430v両端のボーカルさんはヒロアキくんのソロ・コンサートに出演してくれたことがあって、Marshall Blogにも一度ご登場頂いている

440その時もこの筑波サーキットが縁で出演と相成ったそうだ。

45060&70年代の洋楽のスタンダードを次々に演奏するステージ。
このポーズ…The Supremesの「Stop! In the Name of Love」ですわな。
長野でハコバンやってた時、よく演奏したっけな~。

460ヒロアキくんは楽屋で準備万端。

465「何とかジャー・ショウ」は子供たちに大人気。
てらちんも見に出て来てたな。戦隊モノ好きだからね。
コレは「何レンジャー」なんだろう?
ことの起こりはやっぱり「秘密戦隊ゴレンジャー」か。
調べてみると、このシリーズ、1975年からだって!スゲエな、40年以上「レンジャー」してる!
我々の時は「マン」だったね。

470ヒロアキくん、ペダルのセッティング中。
何とかレンジャーが悪を退治してくれたので安心して作業ができるね。

480簡単なサウンド・チェックの後は司会のおねえさんが登場。

490ヒロアキくんとTAGAWAを紹介。

500そしてTAGAWAのステージが始まった!

510田川ヒロアキ

520v寺沢功一

530v長谷川浩二

540vヒロアキくんはMarshall。
愛用のJVM210H1960A
Marshallのスタックって見た目が野外の現場にすごくマッチしてると思う。
Jimi HendrixやAlvin Leeのウッドストックをはじめ、世界中の空の下で轟音を出し続けてきた実績の賜物だ。
今、最早ギターの世界は、利便性を追求するあまり、音だけでなく、ステージ上の見た目も度外視されてしまうようになってきてしまった。
屋根があってもなくても、ロック・ギタリストの背後にはMarshallのスタック・アンプがベスト・マッチするものなのだ。

550一曲目はバッキングトラックを使ったソロ、「Seascape」。

560v耳慣れたメロディが今年も筑波の青空にこだました。

570そして、最強のリズム隊がなだれ込んで来て「My Eternal Dream」。

580_medヒロアキくんのテーマ・ソングというか、キラー・チューンというか、レース・サーキットという舞台にふさわしいスリリングな曲。
Marshall GALAでも演奏してくれた…私がリクエストしてくれたんだけど。

590v猛烈にドライブするてらちんの低音!
「低音暴力団」の組長ならではド迫力の演奏だ。

600目の覚めるような疾走感。
やっぱり音の押し出し感がハンパではない浩二ドラミング。

610vMCをはさんで次の曲のイントロ的に短いギター・ソロをプレイ。
やっぱりMarshallすごいね…野外でもギンギンに音が抜けて来る。
「音の抜け」のことを向こうの連中は「cut through」って表現するんだけど、まさにソレ。

620_sgs続けてプレイしたのは「Stranger Destroys Arms」。
ヒロアキくんのメタル版反戦曲。

630_da楽屋ではしきりに「野外は好きじゃないんだよね~」とこぼしていた浩二さん。
とてもそういう風には思えない入魂のドラミング。

640お得意のメタル・テイスト。
左手の指が縦横無尽にフレットボードの上を駆け巡る…弾き方間違えてるけど。
でもね、見た目ではどうしても左手に注目してしまうけど、ヒロアキくんのギター・サウンドのカギは右手のピッキング握っている、と私は思っている。
アップかダウンか、強くか弱くか、弦に対して平行に弾くか角度をつけるか…ものすごいバリエーションを使い分けて音を変えているのがよくわかる。

4img_0245 ココで歌モノ。
サーキットでのイベントでは大抵演奏されるビートルズの「Drive My Car」。
もちろんTAGAWAバージョン。

660てらちんもコーラスを担当。
てらちんはTAGAWAのセカンド・アルバム『Wind』では歌でも暴れてるからね~。
  
本家ビートルズの「Drive My Car」のコーラスは大変気になる箇所があって、コレはJohn Lennonなんだろうな~。
セカンド・コーラスの最後の「♪But I show you a better time」の「time」の声が裏返っちゃってる。
コレ、子供の頃から気になってた。
ポールがドスのきいた声とベースでカッコよく演っているのに、「画竜点睛を欠く」というか、どうしてGeorge Martinもポールも録り直させなかったんだろう?
チャンネルの関係でがんじがらめになっていたのかな?
でさ、フト思ったんだけど、ビートルズが車をテーマにしている曲って、もしかしたらこの曲だけなんじゃない?
電車は「Ticket to Ride」や「One after 909」か?
潜水艦まで出て来るのに、車の曲が見当たらない。
「Magical Mystery Tour」?ま、アレも映画としてはバスが主役かもしれないけど、曲としては車とかドライブをテーマに据えたモノではない。
  
その正反対がThe Beach Boys。
海、サーフィン、太陽、車…ああ、能天気なビーチ・ボーイズ。「Little Deuce Coupe に」「Little Honda(コレはバイク)」だもんね。
ココでロンドンとロサンゼルスの差が出る。
私は断然ロンドン派だけど、Brian Wilsonはやっぱり好き。
そこへいくと「女の子」ってのは共通のテーマだ。

670v最後を締めくくったのはMAZDAファンフェスタの公式テーマ・ソング「キミを乗せて」。

4img_0250 この曲もMarshall GALAで演ってくれた。
「車」を取り除いたら何も残らないような車が主役の曲。
「OLD/NOW Car Festival」ファイナルのステージをポップなメロディで飾った。

680短いながらも壮絶なドラム・ソロで会場に来ていた大勢の家族連れのお客さんの度肝を抜いた浩二さん。
それを見ていた子供たちが終演後に浩二さんのことを「ドラムレンジャー」と呼んでいた…という情報は入って来ていない。

690今日も「てらちん低音節」がさく裂!
さすが日本を代表するロック・ベーシストのプレイだった!

700vこのフェスティバルは今回までのような形としての開催は今年が最後となるが、また形を変えて来年もこの姿が見れるとうれしいね!

710v30分と短い持ち時間だったがTAGAWAの魅力が爆発!
てらちん、ガッツ・ポーズ!

720ヒロアキくんも得意のポーズでお客さんの歓声に応えた。

730v後はレースをチョット見ておこう。

740難しいね、この流し撮りってヤツは。

750富士スピードウェイの時もそうなんだけど、このカー・レースってのは何をやっているんだかいつもサッパリわからないんだよね~。

760さかんに場内アナウンスで解説をしてくれているんだけど、誰がトップでレースの状況がどうなっているのかがわからないの。
…ということで高速道路が混む前に早々に会場を後にしたのであった。

770さて、最新の田川ヒロアキ情報をふたつ。
まずは、「Neo Glee Ensemble Project」というチームの『Winds and Waves』という5曲入りのアルバム。
「よさこい」の作曲なども手掛けているヒロアキくんの他流試合シリーズと呼んでもいいのだろうか…「筑波山麓合唱団」とのコラボレーション。
あ、ちがう、つい筑波に引っ張られてしまった!
でも、四六時中こんなこと考えてるんですわ(←コレ、軽いシャレになっています)。
では、Take2。
兵庫は灘高校のグリー・クラブとの共演盤。
参加しているのは他に….島田聖子(key)、西尾Bun博文(b)、岡野リキ(ds)、織谷ひろこ(per)…といつもとは異なる面々。
田川ヒロアキくんはギターと歌、加えてバンド・アレンジで参加している。
コレがね、いいんですよ~。
おもしろいんですよ~。
私は結構コーラスものが好きで、ジャズでもCount BasieとThe Mills Brothersの『The Board of Directions』だとかFour Freshmenだとか、Lambert, Hendricks and Rossとか、思い出しては聴くことがあるんよ。

780cdそんなこともあってとても楽しめた一枚なのだが、収録曲になかなかのインパクトがあるのも魅力のひとつ。
だって、
1. Ride the Chariot
2. おてもやん
3. 平和の風
4. Ave Maria
5. 坂本九メドレー(上を向いて歩こう/涙くんさよなら/見上げてごらん夜の星を)
だもん。
「Ride the Chariot」はいわゆる二グロ・スピリチュアルズ。現在では白人の合唱団も取り上げているスタンダード曲になっているようだが、成り立ちは間違いなく「線路は続くよ」系のヤツ。
ここからブルースやジャズが生まれた。
ま、そんな堅っ苦しい話は抜きに軽快なリズムに乗ったコーラスとヒロアキくんのギターを十分に楽しむことができる。
続く「おてもやん」も強烈。
こうした大胆なアレンジを施した曲がとても魅力的だ。
ヒロアキくんの愛奏曲も二曲。
感情豊かに歌い上げる「平和の風」は灘校の皆さんのおかげでいつになく荘厳な仕上がりになっているし、「Ave Maria」もいつもとはまったく異なる気持ちでメロディを奏でているのが手に取るようにわかる。
最後の灘校グリー・クラブの十八番の「坂本九メドレー」も面白かった。
メドレーといってもストレートに名曲を三つ並べた構成になっているが、タップリとヒロアキくんのギターがフィーチュアされてとてもゴキゲン!
しかし、この歌詞!「涙くんさよなら」ね。聴いてるこっちが「涙くん」だわ。
ナニナニ、、「悲しいことばっかりだったけど、ステキな恋を見つけたので、しばらく涙は流さない」だ?
コレ、失恋した時の涙くんの猛威と来たらすさまじいものがあるよ。
でもさ、「振り向かないで」なんて曲もそうだけど、昔の歌は本当に可愛いよ。
何だ?今の歌は「ありがとう、ありがとう」って。ロック・バンドまでお礼ばっかり言ってやがる。
あ、イカンイカン、またいつもの悪いクセが…。
ところで、このアルバム、全編にわたってヒロアキくんのソロが実によくできてるんですよ。
「上を向いて歩こう」のギター・ソロなんてどうしちゃっやの?
コレ、アドリブなのかな~…だとしたら相当スゴイな。
別に作り込みであっても何ら問題ないんだけどね。
チョットホメすぎかもしれないけど、ハードロック版のLarry Carltonとでも言おうか、フレーズ、音色、構成ともに完璧と言って差し支えないのではなかろうか?
そう、その音色!
ラインでチャチャチャと済ませるのではなく、JVM210Hと1936の音をマイキングして録ったそうだ。
聴いてすぐにわかった。やっぱり面倒がらずにチャンと作り込むといいものができますな。
やっぱりアナログにはかなわないんですよ、楽器は。
ナゼか?人間の耳がアナログだから。
このアルバム、難を言えば…もうチョット聴いてみたい感じ?
790_cdもうひとつのニュース。
八王子のLive Bar X.Y.Z.→Aで8年(!)にわたってシリーズで展開してきた『田川ナイト』が同店の閉鎖にともない、一旦終了することとなった。
毎回楽しみにしていた方も多数おいでのことと思うが、心配はご無用!
現在、場所を変えての開催を準備している。
詳細は明後日のX.Y.Z.→A最後の『田川ナイト』で発表されるとのことだ。
お楽しみに!
 
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒fretpiano

800vそれにしてもこの日は暑かった!
帽子かぶってるもんだから、またスッカリ顔が二色になっちまった!
イヤだな~、暑いの。

43me

(一部敬称略 2017年5月5日 筑波サーキットにて撮影)

2017年5月11日 (木)

Strange,Beautiful and LoudとD_Driveのダブル・ヘッドライナー<高円寺編>~SBLの巻

もし…。
ジミヘンじゃないけど「もしも、もしも」ですよ、あの時代に今みたいなSNSがあったらどうなっていたかね?
こんな感じかな?
1967年7月の投稿。

4img_3712

この後、ドカンと「いいね!」が押されてくる。
ナニせビートルズの新譜だ。もうみんな買ってビロテしているにキマってる。
当時は「ヘビロテ」なんて言葉はないが…。
…とか、こんなの。

42jh2正直、コレには無理がある。
『Are You Experienced?』の発表は英米ともに1967年だが、日本では同時期に発売されたのであろうか?日本はまだこの頃GSブームの真っ最中だ(筆者は幼稚園生)。
この辺りは三宅さんにお訊きした方が時間のムダにならないのであろうが、タイトルや「日本発売」等のキーワードをいくつか放り込んでインターネットで調べたところ手がかりがつかめなかった。
私の調べ方が悪いせいも多分にあるのであろうが、このあたりに日本のロック文化の貧弱性を見出さざるを得ないんだよね~。
実は今コレを書いているのも、そのあたりのことを述べたいから。
しかし、コレも67年…岡井大二さんのインタビューにあるように1967年ってのはロックにとってホントにスゴイ年だ。

もうひとつやってみようか?

Kc
…なんてね。
この投稿は大枚をはたいて発売直後のイギリス盤を個人輸入した私という設定。
というのは、アルバムの本国でのリリースは1969年だが、日本では2年後の1971年に発売されたようなのだ。
私が初めて聴いたのは1974年か75年のことだった。
  
さて、facebookを見ていて思うんだけど、日本人のあの「一局集中性」とには恐るべきものがあるように思う。
Deep Purple、Led Zeppelin、Rainbow、Whitesnake、Yngwie Malmsteen等々への変わらない執着度高さには驚くばかりだ。
それと40年前に比べるとドメスティック度の高さが尋常じゃなく高くなった。
私の「友達」の地域性もあるだろうし、それらの人気者が人気者たる由縁も理解しているし、それが決して悪いことではないとも思っている。
こちらは生まれつき大の「アマノジャク」ゆえ、流行は追わず、特に音楽に関するものは人様が「よし」とするモノに反目し続けてきた。で、ブームが去った頃、隠れて夢中になったりして…Queenがそうだった。
私もロックを聴き始めの頃は、そりゃDeep Purpleのような超メインストリームのバンドに夢中になったもんですよ。
でも、猫も杓子も騒ぐもんだからひと通り聴いて失礼しちゃった。
こんなことを子供の頃からやってきて知ったことは、「世界の音楽の幅広さと深さ」だ。
音楽は知れば知るほどおもしろい。
しかし、その「知る」機会が問題でしてね。
私みたいにワガママに音楽の刺激を求めていつもヨダレを垂れ流している「音楽変態」は別にして、普通の人はそう熱心にアチコチ嗅ぎまわるなんてことはしないでしょう。
それが普通の生活だもん。
だから、あの時代にインターネットがあって、様々な新しい音楽の情報が万人に広く行きわたったとしたら、今の音楽界は違うモノになっていたかな?と思って冒頭のオフザケをやってみたというワケ。
  
そして、特殊扱いされて、一般大衆に浸透していない…と思わざるを得ないロックのジャンルがある。
それは、歌なしのロック。
いわゆる「インストゥルメンタル・ミュージック」。
あんなにみんなギターが好きなのに、ギター主役の歌なしの音楽になるとナゼか二の足を踏んでしまうのがすごく不思議なんだよね。
それに、器楽演奏が主体となるプログレッシブ・ロックがいまだに日本では人気があるのに、インストゥルメンタル・ミュージックとなると話が別になってしまう。
音楽の精神が違うせいももちろんあるけどね。
本当の意味でこの分野で成功したのヴェンチャーズだけでしょう。
ナニが言いたいのかというと、Strange,Beautiful and LoudやD_Driveのようなインストルメンタル・ロックもたくさんの人に聴かれるべきものだと思っているのですよ。
あのね、こういう音楽をヨーロッパに持っていくと向こうの人たちってすごくよろこぶと思うんだよね。アメリカよりもクラシック音楽の土台がシッカリしているヨーロッパの方がウケるんじゃないかな?
以上、今日も変なオープニング・トークになっちゃった。
  
今日のダブル・ヘッドライナー、後攻でステージに上がったのはStrange,Beautiful and Loud。

10三宅庸介

30v山本征史

190v

金光健司

50v三宅さんはいつものJVM210Hと1960BV。

60金光さんはNATAL。

80vSBLのセカンド・アルバム『Orchestral Supreme』で実際に使用されたバーチのキット。

90オープニングはその『Orchestral Supreme』から安定の「if」。
ク~、この音!
こういう音を出したいなら真空管のアンプよ。
似てるヤツとか似せてるヤツでは無理よ。
「似てる」ということは「違う」ということだから。

100v耳なじんだコーラスのテーマ・メロディ。

110v徐々に燃え上がっていく征史さんのベース。

S41a0324 力いっぱいに、でも繊細なタッチでリズムを送り出すKK。

130そして、思わず一緒に口ずさんでしまいたくなるサビのメロディから灼熱のギター・ソロへ。
やっぱりこの曲は問答無用でカッコいい。
今日の記事の書き出しが「if」だったの気が付いた?

140「bloom」の2曲目は珍しい?
このテーマもスゴイね。
いつか田川ヒロアキくんとハモって弾いた時はトリハダが立った。
そういえばあの時もココだった。
「bloom」っていうのは「花」という意味。特に観賞用の花のことを「bloom」という。
せっかくだからまたアレやってみようか?
「lay/lie」のシリーズ。
まず「bloom」からアタマの「b」を取ると「loom」。「loom」とは織機のこと。糸を織物に加工する機械のことね。
で、「l」を「r」に変える。するとコレはおなじみの「room」になる。英語圏の人はこの言葉を「部屋」だけでなく「空間」という意味で使うことがやたら多いのを知っておくべき。
「loom」と「room」…これが基本形。
そこで、「loom」に「b」をくっつけると三宅さんの「bloom」。今やったヤツね。
今度は「room」に同じ「b」をくっつけると「broom」となって「ほうき」になる。あの棒状の床を掃く道具ね。
では、今度は「g」でやってみる。
「gloom」は「薄暗」がりとか「陰気」という意味。
一方、「groom」は「花婿」さんだね。
こうやって英単語の語彙を増やしていくとよい…ワケがない。かえってややこしくなる。
でも、「loom」と「room」の両方のアタマにくっついて意味のある言葉を作るアルファベットは「b」と「g」しかない…ということをたった今発見した。
勉強になった!ありがとう、Marshall Blog!

150v_b…なんていうことを考えているとはツユ知らず魂の塊のようなソロを展開する三宅さん。
この後のD_Driveとの出会いについて語ったMCではMarshall GALAのことに触れてくれた。

160最近のスタンダードが3曲目。
それは「devil」。

S41a0515 ハード・ロック・テイストのリフを持つこの曲はこの3人にとてもマッチする。

180v曲が始まった途端ステージの温度が何度か上昇するのだ。
いつも一番前にいるから私にはそれを肌で感じることができるのだ。

40v_2 そして金光さんのスネア・ドラムの轟音でから「murt'n akush」。

200v_nこの「devil」から「murt'n akush」へのくだりは最近の流行り。
ガッツのあるハード・チューンの連続は聴くものの手に汗を握らせる。
270
それにしても征史さんの音、いいナァ。
SBLの時はコレ以外は考えられない。この音がSBLの音楽の一部になっちゃってるから。
ヘッドは1992 SUPER BASS。キャビネットは型番不明の4x12"。

70v
「petal」とは「花びら」のこと。
三宅さんの愛奏曲。

230_p今日も最後の2曲で燃え尽きる。
このあたりから三宅さんが薄皮を剥ぎ、命を縮めていくような演奏を展開するのだ。

240演奏するのは「virtue」。
どのシーンも一切の甘えがない厳格なパフォーマンスだがやはりクローサーとなると意気込みが違う。
この迫力が写真から伝わるだろうか。
うん、コレなら伝わるでしょう。
でも実際はこんなもんじゃない。

Img_0225

290

310v

全6曲、ひとりでも多くの音楽好きに聴いて頂きたい素晴らしい演奏だった。

210
Strange,Beautiful and Loudの詳しい情報はコチラ⇒三宅庸介facebook

320vさて、アンコールのセッション・コーナー。

330前回とは逆にSBLにSeijiさんとYukiちゃんが加わった。

340曲は同じくSteve Vaiの「The Crying Machine」。
私にはクレイジー・ケン・バンドにしか聴こえません。

400
え、「どうせジジイはSteve Vaiなんか知らないんだろう」って?
冗談言っちゃイケね~よ。
こちとら大のZappaフリークだぜ。
Steve VaiがZappaのところでStunt Guitarやってる時から知ってんだい!
『Shut Up 'n Play Yer Guitar』の頃だから1981年ぐらいだな。
私がSteve Vaiの名前を知った頃にまだ生まれていないマーブロ・読者もいるんじゃない?
その後すっかりスターになっちゃって…。
一応こんなのも持ってるんだよ。
10インチ盤って持ってるだけでナンカうれしいよね。
でもこの曲は知らなかったので大いに驚いた。
こういう感覚がまたすごく受けるんだろうね。30年以上聴いていないけど、確か下のアルバムでは必死にZappaのマネッコをしているんだよね。
…と、前回書いたことをコピペしてやったぜ~、ワイルドだろう?
30r4a2375
ステージの上はもうノリノリ状態。

350もちろんギター・ソロのリレーもタップリ。

360vリズム隊が異なるので前回とはまたゼンゼン変わった雰囲気だった。

370征史さんのベースも暴れてたな~。

X 短くもなく長くもなく、ちょうどいい頃合いの、実に中身の充実したダブル・ヘッドライナーだった。
ツーマンではない。

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

390

今はこうだもんね~。

410v

  

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2017年3月24日 高円寺SHOWBOATにて撮影)

2017年5月10日 (水)

Strange,Beautiful and LoudとD_Driveのダブル・ヘッドライナー<高円寺編>~D_Driveの巻

今日の舞台は高円寺。
時折ココに書いているように、各地のライブハウスの近くにお気に入りの食べ物屋を見つけておくことはとても重要なことだ。
楽しみが倍増すらぁな。
高円寺でよく来るのはココ。
天ぷらの「天すけ」。
最近はテレビで紹介される機会もあるのでご存知の方も多いかもしれない。
名物はご主人が直々揚げてくれる「卵の天ぷら」だろう。
ミスター・マリックよろしく、卵をお客さんに見せておいて、手際よくカラを割り、揚げ油の中に中身を落とす。
もちろん片手だ。
そのカラを背後のゴミ箱に投げ捨てるのだが、そのゴミ箱に目をやらないところがミソ。
決して小さくないゴミ箱なので、見ないでその中にカラを投げ入れることはそれほど造作のないことだとも思うのだが、カラが入った瞬間、ご主人は最上級のドヤ顔でお客さんの顔を見やる。
この時小声で、「おお~!」と言ってあげるのがエチケットというものだ。
頃合いを見計らって油から取り出し、卵をタレに浸して、丼のごはんに乗せて頂く。卵は半熟状態に揚がっているので、半分に割ると黄金色に輝くの黄身が炊き立てのご飯の上に広がる。
ココからが私のこだわり…私は白いご飯を極力白いまま頂きたいので、一切コレをかき混ぜない。
衣の香ばしさ、タレのうまみ、そして卵の芳醇な風味が絡み合いウマいことこの上なし。
もちろん普通の天ぷらもひとつひとつ目の前で上げてくれるのでマズイわけがない。
ただ、いつも機材を運ぶ車で行くので、飲めないのが残念至極!
天ぷらって信じられないぐらい高いじゃない?
大分前に結婚記念日に両親からプレゼントしてもらった一流ホテルのクーポン券を使って、家内と天ぷらを食べたことがあった。
新鮮な魚介類や獲れたての野菜…次々に出される揚げたての高級店の天ぷらのお味はそれは素晴らしいものだった。
食後、二人で「どれが一番おいしかった?」なんて話になった。
結局、二人の共通の答えは「エビの足」だった!本体じゃなくて足!
ま、そんなもんですわ。
ココは1,500円ぐらいの定食でバッチリ天ぷらの魅力を味あわせてくれる。
私なんかは天すけで十分!値段は高級店の十分の一!

10でも、頻繁に行くのはコッチなの。
そう天ぷらばっかりは食えんからね。
煮干しラーメンの「太陽」。
大スキなの、ココのラーメン。
もうさ、最近のラーメンってスープがドロッドロしてるヤツばっかりじゃない?
アレが苦手でしてね~。よっぽど空腹の時でない限りはおいしいとは思えない。
やっぱり「中華そば」然としたアッサリしたヤツが好き。
ココは餃子もおいしい。ジャンボより小ぶりの方がいいな。
うれしいのは、このスープの量。
タ~ップリと注がれているでしょう?気前いいでしょう?
煮干し丸出しの風味がタマらなくおいしい。
しょっぱくないし…近頃は塩っ辛いラーメン屋が多すぎるよ。
麺の量もタップリでうれしい。
コレで470円…だったかな?(下の写真の煮卵はトッピングで別料金のハズ)
支店だか姉妹店だか知らないけど、江古田でも同じお店を発見。だからマーキーの取材もOKだ。
私が一番好きなラーメンは浅草「十八番」のニラそばで、太陽は二位に着けてる。
40年食べ続けているニラそばの地位は死ぬまで揺らぐことはなく別格とすれば、いつでも行けるラーメン屋の範疇においては、私の中ではこの太陽のラーメンが第1位ということになる。

20vご存知の通り、高円寺には何軒かのライブハウスがあるが、今日はSHOWBOAT。
3月のライブのレポート。
この月はD_DriveとStrange,Beautiful and Loudの当たり月だった。
約2週間前には本八幡でSBLがD_Driveに合流する形でのダブル・ヘッドライナー・ショウがあった。
今回の高円寺はSBLのライブにD_Driveが合流するスタイルで開催された。

30v最初にステージに上がったのはD_Drive。
Seiji

40vYuki

50vShimataro

60vChiiko
今日はドラムではなくヒモがついた棒を振り回している…って、コレ違うヤツじゃん!
メッチャ古い写真!
もう一回やり直しね。

70v Seiji

72v_2

Yuki

72v_1Shimataro

73vChiiko

74v アレ?
コレも違う!
  
実は、コレらの写真はD_Driveが初めてMarshall Blogに登場した記事に使用されたモノなのだ。
途中に空白期間があるものの、最初のMarshall Blogは2008年4月にスタートしたので、先月で9年目を迎えたというワケ。
しまった!コレ、10周年記念企画にとっておけばヨカッタ!
バンドとしてD_Driveが2011年5月16日にMarshall Blogに登場する前に、あるイベントに出演したYukiちゃんだけが単独で二月前に登場してくれている。
Seijiさんとのお付き合いはもっと前からだが、マーブロ・デビューは案外遅かったんだナァ。まだ6年しか経っていない。
でもD_Driveは今年で8年目。
まだこの頃は今みたいに頻繁に上京していなかったのかもしれない。
今ではアチコチで引っ張りダコだ!

さて、時を今に合わせて…

80Seiji

90vYuki

100Shimataro

110vChiiko
6年ぐらいじゃあんまり変わらないか?

120vそして、もうひとつ変わらないのはMarshall。

130SeijiさんはJCM2000 DSL100ECと1960AX。

140v足元はしょっちゅう変わってる。

150Yukiちゃんも変わらずMarshall。

160vJCM2000 TSL100と1960A。

170足元のようす。
あ~あ、Marshall純正のTSL用のフットコントローラーがなくなっちゃった!

180ShimaちゃんはEDENに切り替わった。

190先代のフラッグシップ・モデル、WT-800…轟音。

200今日のオープニングは「Hyper Driving High」。

210初めてのSHOWBOATに響き渡るD_Driveサウンド!

220v初めての場所でも安定のドライビング・パフォーマンスは不動。

230v続いてもドライビング・チューンで「Drive in the Starry Night」。
240リズム隊のドライブ感も健在。
食らえ!ドライブづくし!

250v2週間前にも観たばっかりなのにまた観てバッチリ楽しめるぅ!

260v続いては定番「M16」。

270この切れ味の鋭さはゴルゴ13の仕事級だ。

280v新しいギターももう完全に2人の身体の一部になってるね。

290押したり引いたり…この曲のクライマックス。
SeijiさんとYukiちゃんの掛け合い「♪タラリラリ~ン」。
ちなみに私、関西のMBSラジオの人気番組『押尾コータローの押しても弾いても』に、ナッシュビルの世界的フィンガー・ピッカーDoyle Dykesの通訳として出演したことがあるんよ。
収録だったけど、結構緊張したな。
でも、北海道のFM局で、同じDoyleの通訳をしたことがあったんだけど、生放送だったので小便チビりそうになったわ。

300MCをはさんで「Attraction 4D」。
Yukiちゃん渾身のプレイ!

305vSeijiさんも「完璧」なプレイを惜しげもなく披露する。
やっぱり、正真正銘の真空管ギター・アンプは音がいいね。
やっぱりホンモノは違う。
「似てる」ということは「違う」ということを覚えておこう。

310vさらに続けて演奏したのは「Now or Never」。

320「SBLとダブル・ヘッドライナーをさせて頂けるのは光栄です」
ね~、ちゃんとYukiちゃんは「ダブル・ヘッドライナー」って言ってるでしょう?
「ダブヘ」でいいんだから…とにかく「ツーマン」はやめましょうよ。
D_Driveもチョット気を許すとSeijiさんが「ツーマン」って言うからな~。
でも、先日滋賀で9つのバンドが集まる「キューマン」ってのがあったんだって。
麻雀か?
もうそれは「キューマン」でいいじゃないですか?

325春ですからね。
Seijiさんのオリジナル・アレンジの「どこかで春が」をプレイ。

330チャンと変拍子も再現している。

340v「おかあさんといっしょ」っていう幼児向けの番組あるでしょ?
ウチの上の子が小さい時によく挿入歌を聴いていたんだけど、それに収録されていた「透明人間」という曲が変拍子であることに気付いた。
「カッコいいな~」と思ってクレジットをチェックしたら作曲者がジャズ・ピアニストの渋谷毅さんだった。
童謡ってスゴイよね。
そんな変拍子もChiikoちゃんにかかればお茶の子Silent Sirenだ。イヤ、最近野音で撮らせてもらったもんだから…。

350最後を締めくくったのは最近作から「Shape of Your Life」。
4人がガツンとカマしてくれた!

360v

370v

380v

390vウン、コレを最後に持ってくるのはいい構成ですな。
エラく華やかな終幕となるよ。
今日もカッコよかった!

400D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

410v<つづく>

(一部敬称略 2017年3月24日 高円寺SHOWBOATにて撮影)

2017年5月 9日 (火)

川島だりあ LIVE SHOWCASE 3・2・1 GO!~川島だりあバンドの巻

私は一切できませんが、ARESZの音楽に合わせてみんなで頭を振り狂った後は、いよいよヘッド・ライナーの登場だ。

06川島だりあバンドだ。

10コレが3月15日、すなわちこのライブの二日前に発売となった川島だりあのソロ・アルバム『LIFE=NOW』。
2016年4月に配信でリリースされた同名のサード・ソロ・アルバムにボーナス・トラックを追加。
さらに全曲のベース・パートをFEEL SO BADの新メンバーであるSYOIが差し替え。
加えて数曲のギター・ソロを新しく取り直した強力盤。
地球がサッカー・ボールになってるのね?

30cdアルバムの4曲目に収録されている「Introduction Goal」のSEが流れる中、メンバーが登場。
だりあさんを支えるメンバーは…

50vARESZから那都己<なつき>。

60vFEEL SO BADからCHRIS。

80v
その両方から翔己<しょうい>。

70vドラムスは、ひこ。

90vそして、一曲目は「Goal」。

100コレがまた実に独特なんだよね~。
20
パワフルなこのライブ・バージョンも結構だけど、CDの方のこの曲のアレンジはスゴイよ。こんなの他にない!

110vショッパナっから一発でだりあムード!

120v続けてはアルバム二曲目の「Judgment Day」で突っ走る!

130ドライブ感満点のCHRISのギターもMarshallが鳴らしてる!

140vヘッドはJVM410H、キャビネットは1960Bだ。

145v那都己くんももちろんARESZから引き続きMarshall。
JCM2000 TSL100と1960A。

150続いて「Dive Into Myself」。

Img_0352翔己くんの鍵盤のようなベースが面白い。

S41a0231へヴィにしてシットリ感濃厚の印象的な一曲だ。

170ここで、だりあさん、Chris、那都己くんの三人がステージを降りる。
そして代わって登場したのがFEEL SO BADの倉田冬樹!

180vそう、冬樹さんもインストゥルメンタルのソロ・アルバムをリリースしたのだ。
タイトルは『Tyrannosaurus The Guitar World with SYOI』。
だりあさんの『LIFE=NOW』同様、配信でリリースしていた『Tyrannosaurus』のインスト曲に新曲を二つ追加。
さらにだりあさんの『LIFE=NOW』に収録されている「Going My Way」とさっきオープニングで実際に演奏した「Goal」のインストゥルメンタル・ヴァージョンを収録した。
そして、タイトルにあるように、コチラでも全編で翔己くんの六弦ベースが大活躍している。

190cdまずはアルバムから「Journey to the Planet」をプレイ。

200今回、冬樹さんは那都己くんのTSLを使用した。

210vアルバムではMichael Schenkerに捧げた曲も収録されているが、今日はSatriani。

270

先日の来日公演でも演奏していた「Surfin' with the Alien」をカッコよくキメでくれた。

Img_0404 冬樹さんと翔己くんのスリリングにして濃密な演奏が続く。

230

ちなみにひこくんが叩いているドラム・キットはNATALのアッシュね。

220翔己くんの六弦ベースをフィーチュアして一曲。
ココでの前回のステージでも披露した「6弦Bassの為の超絶技巧曲1番 ロ短調」だ。

250
フィンガーボードの上を縦横無尽に両手の指が舞う!

260
この冬樹さんが奏でる奇抜なフレーズがタマりませんな。
自身のアルバムだけでなくだりあさんの『LIFE=NOW』でもその奇天烈感が大爆発している。

240v

冬樹さんのセットを締めっくくったのは、もちろんアルバム収録曲の「火の鳥」。
コレも前回このステージで演奏され喝采を浴びた一編だ。

290しかし、今日は盛りだくさんだね~。
今度はだりあさんとCHRISがステージに戻ってZARDのカバーを一曲。
『LIFE=NOW』の最後に収録されている「あの微笑みを忘れないで」。

300vだりあさんが作曲してZARDに提供した曲。
ZARDの中でも最も人気のある曲だ。
最前列には、曲を始める前から落涙する熱心な女性ファンの姿もあった。

310vだりあさんも感極まってこの通り。
バック陣の優しくあたたかい演奏が感動を際立てた。

320ステージはさらに転換を重ねる。
冬樹さんが退場し、那都己くんが戻る。
スタート時の状態に戻り、FEEL SO BADのレパートリーを二曲プレイした。

330まずは1995年の四枚目のシングル「憂鬱な快楽」。

340vお客さんは勝手知ったるところで大騒ぎ!

350もう一曲は1994年の「BACK YARD RAISE MAN」。

360シャープな演奏でだりあさんをガッチリとサポートするバック陣!

370vエネルギッシュなパフォーマンスも大きな見どころだった。

380v本編の最後を飾ったのは『LIFE=NOW』のリード・チューン、「譲れない場所~Hometown~」。

390思い入れタップリに熱唱するだりあさん。
ハードな曲もいいけど、こういうタイプの曲がすごくよく似合うね。

400vまぁ、とにかく「FSB TURBO DREAMS祭り」とでも形容したくなるような盛りだくさんのレコ発ライブだった。

410そしてアンコール。
今日の出演者が全員集合!

420遊びに来ていたPONさんがNATALの前に座った!

430v曲はだりあさんの右手が示してる!
もちろん「バリバリ最強NO.1」!

440やっぱコレは死ぬほど盛り上がるわな~!

450PONさんの切れ味鋭いドラミングが大爆発。
NATALのアッシュ…いい音するわ~。
イヤ、さすがPONさん、いい音出してくれるわ~!

460ナンダカンダで一番目立ってます!

465…とみんなで大騒ぎして、ライブは終了したとさ…。
おもしろかった~!

470だりあさん、冬樹さん、ソロ・アルバム発売おめでとうございます。
ふたりはソロだけでなく、FEEL SO BADとしても動き出してますからね~。
今後の活動に大注目!

FEEL SO BADの詳しい情報はコチラ⇒FSB TURBO DREAMS Official Website

ARESZの詳しい情報はコチラ⇒official website of ARESZ

10_2 1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2017年3月17日 六本木新世界にて撮影)

2017年5月 8日 (月)

川島だりあ LIVE SHOWCASE 3・2・1 GO!~ARESZの巻

終わっちゃったね~、ゴールデン・ウィーク。
今年は1日と2日を休まなくても、後半がガツンと4連休でうれしかったね~…と、いっても私は休みも週末も関係ないんだけどね。
いつもは大抵どこにも出かけないで、テレビで高速道路の渋滞情報を見て連休気分に浸っているんだけど、今年は観光というか、勉強というか、仕事というか、二か所ほどお出かけをしてきた。
ひとつは千葉の香取市の佐原というところ。
かつてMarshall Blogで栃木市や松阪を仔細に紹介したことがあるように、ロンドンを訪れて以来、古い町並みにすごく興味があって、この佐原はその手の格好の観光スポットなのです。
ユックリお邪魔できて大満足。
ココで何度も書いているように、わが街だって「東京大空襲」さえなければ、残っている古い建造物を修繕&補強して、いくらでも昔の街並みを存続することができた。そして、世界に冠たる一大観光都市になっていたハズだ…なんて話を百年以上続いているという佐原の荒物屋のおジイさんとしていたら、「水戸がそうなんですよ」とおっしゃっていた。
おジイさんは続けて…都心部の空襲を終えたアメリカの爆撃機が、余らせておいても帰路の燃料を食うだけ、と必要もないのに残った爆弾を水戸に落として行ったのだそうだ。
水戸は尾張、紀州と並ぶ徳川家の一角であり(異説あり)、戦前は昔の風情をそのまま残す、それはそれは魅力的な街だったと聞いた…ヒデエ話だよナァ。
戦時中、「あの美しい街を壊してはいけない」とルーズベルトだかトルーマンが京都への爆撃を禁止した…とかいう話があるが、これは作り話らしいね。
で、ここ佐原はさしたる工業がなかったので空襲を免れ、こうして古い町並み残すこととなった。(註:「街」と「町」は使い分けています。表記ユレではござらん)

40r4a5120でもね、この佐原を訪れたのは、古い町並みを見に行きたかっただけではない。
また、BAD SCENEが好きだったからではない。(「佐原」は「さわら」と読むのであって、「サハラ」とは読まない)
一番の理由は、佐原がチョット前まで一番興味のあった歴史上の人物の出身地だからということ。
その辺りのことはあまりにも音楽とは関係ないのでMarshall Blogで触れるワケにはいかないが、佐原が期待通り色々と興味深い町だったので、時間がある時にShige Blogで一作編みたいと思っている。
シーボルトとか間宮林蔵も関係しちゃうよ。

40r4a5091もう一か所は車。
何かと茨城がらみっぽいが、「つくばサーキット」へ行ってきた。

4img_0064こっちは仕事なので、後日Marshall Blogでレポートすることになる。
双方、道中さしたる渋滞もなかったし、結果、近年まれに見るいいゴールデン・ウィークになったかな?

4img_0393さて、本題。
時は3月にさかのぼる。
遅くなっちゃってゴメンちゃい。
再活動を始めたFEEL SO BADの川島だりあと倉田冬樹がそれぞれソロ・アルバムをリリースし、記念のライブが開催された。
今日&明日はそのもようをお届けする。

10その記念ライブの冒頭に登場したのは、FEEL SO BAD の倉田冬樹が最近作『Skill』をプロデュースしているARESZ。
Marshall Blogでももうおなじみの顔ぶれだろう。

20瑠海狐<るみこ>

30v那都己<なつき>

40v雅己<まさみ>

50v翔己<しょうい>

60vサポート・ドラムの鉄兵。

70ドラム・キットはNATALアッシュだ。

75この五人が奏でた最初の曲は「BATTLE MODE」。

80ノッケから瑠海狐さんのMarshallボイス炸裂!
ニコニコしながらこの声を出すところが恐ろしくもスゴイ!

90「♪ホイホイホイ」のデス声が瑠海狐さんの後を追う。
240v

那都己くんのコンパクトなギター・ソロ。まずは小手調べ。

100v小手調べにしろ、取り調べにしろ那都己くんはMarshall。
JCM2000 TSL100と1960Aだ。

110v「♪ロックロックロック」と続くのは「Come on baby☆ロック魂」。
「今日は精一杯キャッチーな曲を演奏している」のだそうだ…どこがやねん!

180

ARESZの大きな魅力のひとつはやはりこのふたりのツイン・ベース。

165
六弦ベースを使い、ソロの他、両手を使ってARESZのアンサンブルを分厚くするのが翔己くんの仕事。
150

音作りの基本はMarshall 3560。
パワー・アンプはEDEN等を使用。
キャビネットは1960を使うことが多いが、この日はキャビネットもEDENのD410XSTだ。
それらを併用して爆音を轟かせることもあり。

140vそれ以外の普通のベース的なパートは雅己くんが受け持つ。

160v「あのだりあ様のソロ・ライブです!光栄です。体重も、顔の大きさも3倍ある私が同じステージに立てるなんて光栄です!」とやっておいて、ダイエット中の進捗状況を報告。
ダイエットか…そういえばそんなのあったね~。

120

三曲目は三々七拍子を取り入れたという「神いづる國の祝い囃子」。

170三々七拍子はいいよね。
やっぱり運動会だな。小学生の時、先輩の応援団の演技にあこがれたもんだ。
昔、日野皓正も思いっきり三々七拍子を突っ込んだ曲をやってたっけね。
ちなみに「三々七拍子」は4/4拍子だ。

190那都己くんは七弦プレイヤー。
曲を追うごとに激しくなるソロ・プレイが小気味よい。

200v対する翔己くんもギターばりのシュレッディングで対抗する。
ギター、キーボーズ、ベース(当たり前か)の役割を六弦ベース一本でこなしている感覚か。
昔はこういうことができる楽器と言えば鍵盤楽器と相場がキマっていたんだけどね。
ベースでやっちゃうところがヘソ曲がりだ…イヤイヤ、ユニークだ。

210vそして、雅己くんは本来のベースらしいベースで着実にバンドをプッシュする。

230vお!ETとエリオット君!?
違うか…。

280v あ、片方は合ってた。

Y「だりあ様からの命令に対する答えは二文字のみ。『御意』でございます」と、だりあさんからのリクエストに応えて「闘争本能」。

220v

この和風のメロディが何ともいえんのよ~!
そこに楔を打ち込むかのようなシャープなギター・ソロ。
その楔は当然Marshall製だ!

260v

そして、瑠海狐さんの「クラ~ッシュ!」の掛け声でお客さんがジェスチャーで曲に参加。
たこ焼き、グリコ、さくら、大阪城、人形焼…と瑠海狐さんから指示が下る。
写真は「たこ焼き(ひとつ)」楽しいね~。
この日は他に、ミトコンドリアやインドイボイノシシをはじめ、ニューギニアヒメテングフルーツコウモリ、リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシなどの指示が出た(ウソです)。

290ポジションの関係でチョットうまく撮れなんだが、ベースふたりがお互いにネックをこすり合わせるという荒技も!

Img_0167 「♪ひらり、ひらり」と闘争本能をムキ出しにした後は早くもこの日最後の曲。
「血のつながらない暗黙の同志の皆さんに捧げます…Soldiers Of Cause!!」。

250v

スゴイな~。
コレだけは絶対にマネできないな。

270

「もっと~!」と猛り狂いながら客席をあおる瑠海狐さんをすさまじいパワーでバックアップする4人!

300

310v

320v

330v

340vそして~、キメのポーズへ。

350キマった~!
今日もとにかくスゴかった。

360v<お知らせ>
さて、今日も六弦ベースとMarshall、EDENを使って華麗なプレイを見せてくれた翔己くん。

130v

「特別音楽セミナー」と題して、来る5月22日、ベース・クリニックを開催するそうだ。
実はこの企画、ARESZのメンバーが順番で講師を務めていて、前回は雅己くんが担当した。
今後も続いていく予定なのでお楽しみに!
もちろん、ARESZのライブのスケジュールも相変わらずギッチギチに組まれていることはいう間でもないよね。

  
ARESZの詳しい情報はコチラ⇒official website of ARESZ

380v<つづく>

(一部敬称略 2017年3月17日 六本木新世界にて撮影)

2017年5月 2日 (火)

2017 春の魔界都市めぐりツアー <後編>~Silex & セッション編

昨日、今日と仕事が休みで9連休を取っているみなさん、いかがお過ごしですか~?
そろそろ会社へ戻りたいんじゃないですか~?!
仕事の合間にMarshall Blog読みたいんじゃないですか~?!
ま、たまには家でゴロゴロしながらスマートホンでマーブロ読んでやってくださいな。
  
『2017 春の魔界都市めぐりツアー 』の柏公演、昨日もお伝えした通り、実際の出番とは順番を変えてレポートを編んどります。
今日は二番手で登場したSilexから。

10Pete Klassen

190_2

MASHA

30vhibiki

40v_2Yosuke Yamada

50v_2サポート・キーボーズはYOSISI。

60v_2MASHAくんはもちろんMarshall。

70v_2昨日もチョイと触れたがヘッドはJCM800 2203
スピーカー・キャビネットはSilver Jubileeシリーズから2551BV
搭載されているスピーカー・ユニットはCelestion Vintage30だ。

80v_2hibikiくんはEDEN。

90v_2スピーカー・キャビネット昨日も紹介したD410XLTD115XLT

100vアンプ・ヘッドはTERRA NOVA TN501だ。

110_2しかし、Silex人気はスゴイね。
MASHAくんには失礼だけど、想像をはるかに上回る評判の良さとファンの皆さんの熱狂ぶりだ。
ヨカッタよ~、滅多なこと言わないで。
まさに「絶好調」!
Marshall GALAの時のTHE SHRED MASTERSの人気ぶりが納得できるというモノだ。

120オープニングは今日もファースト・シングル収録の「Cry in the Starlight」。

130MASHAくんのCrying Machine時代のドライビング・チューン。
後半の「青い影」のメロディはいつ聴いても「うまいことやったな~」と思っちゃう。
Procol Harumも50周年。
Gary Brookerは72歳。それでもニューアルバムを出して大規模なツアーをやってるって!

140vこの日、Mardelasから連続で登板したhibikiくん。
頭の中はすでに完璧にSilexミュージックになっている。

150v_2今回のSilexのステージでうれしかったことのひとつはこの人の登場。。
Crying Machineで初めてYOSISIを見た時の衝撃は忘れられない。
本当に弾いているのか、弾く気があるのか、はたまた本当に弾けるのか、暴れたいだけなのか…?
あまりのアクションのすさまじさに、私は以前のMarshall Blogのライブ・レポートの中で「まるでふなっしーのような動き」と形容した。
当時、まだふなっしーは関東エリアのローカルな存在で、西方のCrying Machineのメンバーたちはふなっしーを知らないようだった。
YOSISIはMarshall Blogを読んで自分のブログに「『ふなっしー』と言われた。ふなっしーがどんなものかは知らないが、知るのがコワい」…みたいなことを書いてくれたのがおかしくて、おかしくて!
そのふなっしーもゼンゼン見かけなくなっちゃったね。
今日もすさまじいアクションを期待しています!
もちろん、派手なアクションにマッチしたダイナミックな鍵盤さばきはSilexのサウンドを極限まで重厚なモノにする。

160_2Yosukeくんは安定のドラミングでバンドを容赦なく猛プッシュする。

170_2二曲目もファースト・シングル『Silent in Explosion』に収録されている「Cancion de Amor」。
このタイトルについてはかつてゴチャゴチャ書いた。

180v_2三曲目は「Metal Nation」。

210_2

クライ~ング!
感情タップリのソロがさく裂。これぞMASHA節。
「マシャ節」なんていうと本当にそういうのありそうだな…サバ節、マシャ節、カツオ節みたいな。

200vhibikiくんも余裕シャクシャクの激演で、時折くれるカメラ目線が楽しい。

220v前半ショルキーで気炎を吐いたYOSISI。
まだまだ序の口だ!

230v続いて「Cry For The Moon」。
曲を追うごとに熱を帯びて来るPeteの歌声が響き渡る!235vMASHAくんもノリノリだ~!

240_2「きょうだい」っていいな…。

245こちらは双子のように息の合ったアンサンブル。

265
Peteがお召替えをして「Cry For You」。

250ひとつ前の「Cry for the Moon」とこの「Cry for You」は4月1日に先行リリースされたセカンド・シングル『Everlasting Synphony』からのチョイス。
着々と前進するSilex。
なんかすごく丁寧にやってる感じがしていいね。
しかし、「cry」のオンパレードですな。
最近、ありがたいことに悲しいことでは泣いてないな~。
でも年取ってくると変なところで感動して涙が出ちゃうんだよね。
私に「木綿のハンカチーフ」を聞かせてごらんなさい。セカンド・コーラスの終わりには涙を出して、最後には「オエオエ」ってなってみせるから!
若い人にはわかんねーんだろーなー。
もちろんこの「Cry for You」は太田裕美ちゃんとは縁もゆかりもないバリバリのSilexテイストだ!
20v

これがそのセカンド・シングルの『Everlasting Synphony』。
全国発売は5月17日だ。
前掲の二曲とタイトル・チューンが収録されている。

335
言ってるそばからそのタイトル曲「Everlasting Synphony」をお見舞いしてくれた!
Img_0484
最後を締めくくったのは…
270v_2
Silexのキラー・チューン「Standing on The Grave of Yesterday」。
290_2
全員が一丸となった火の玉のようなパフォーマンス!
歌におしゃべりにと圧倒的存在感のPete。

 260v_2
最後まで怒涛のドラミングを見せてくれたYosukeくん。

280v_2hibikiくんは2バンド連続でテクニック全開のスリリングなプレイを披露!

300v_2とてもサポート・メンバーとは思えないYOSISI!
でも、アクションは比較的おとなしかったな…後で訊いたら、暴れる余裕がなかったとか!
お疲れさまでした。

310vそして、随所にクライングなソロをちりばめ観客を魅了したMASHAくん。

320vよく練られたフレーズと美しくも力強いトーン。
や~っぱりMarshallでないとこうはならないよね~。
真空管のアンプってやっぱり素晴らしい。
しかし、今日はホントにJCM800づくしのコンサートだったね。

330Silexの詳しい情報はコチラ⇒Silex official website

340アンコールは出演者全員参加の大セッション!

350_2曲はマリナちゃんの「Sward of Avenger」。
370
MASHAくんもTORUさんも、別の時期にMardelasのサポートを務めたことがあって、それが礎で今回のイベントになったとのこと。
まさにその最後を飾るにふさわしい曲。

360_2みんな楽しそうだ。
そう、若い人たちが力を合わせて肉食系ロックを受け継いでいってもらいたい。
そうしないとハードなロックが本当に絶滅しちゃうぞ!

380お疲れさま~!

390_2(一部敬称略 2017年2月19日 柏PALOOZAにて撮影)

2017年5月 1日 (月)

2017 春の魔界都市めぐりツアー <前編>~Mardelas & TEARS OF TRAGEDY編

世の中ゴールデン・ウィークなのね?!
今年は今日と明日を休めば9連休だって?
ああ、またテレビで高速道路の渋滞のニュースを見るのが楽しみだナァ~。
Marshall Blogは今年もカレンダー通りに動かします。
  
Mardelas、Silex、TEARS OF TRAGEDYという若手個性派メタル・バンドが結集して各地を回る『魔界都市めぐりツアー』。
4月中旬の名古屋ですべての公演を完了した。
「魔界都市」か…。
何となく耳にする言葉だけど、自分では生まれてこの方、一度も口にしたことのない言葉だな…「歳」は魔界の域に達してきたんだけどね。
…と思って調べるに、ナニナニ、菊池秀行という人の空想小説のタイトルなのか。
私はそういうの一切読まないからナァ。
菊池秀行…どこかで聞いたことあると思ったら、菊池成孔のお兄さんね。
昔のMarshall Blogにはよく菊池さんにもご登場頂いたんよ。
  
さて、少々時間が経ってしまったが、今日はその『魔界都市めぐりツアー』の柏公演のもようをお送りする。
ショウは。各バンドを代表してひとりずつメンバーがステージに上がり、前説からスタートした。

10_2Silexからは真壁雄太…って、メンバーじゃないっつーの!
よく出てくるな~。
この人はTORNADO-GRENADEのギタリストね。
Silexのデビュー・ステージにはサポート・ギタリストとしてステージに上がった。

20 会場が暖まったところでトップ・バッターの登場。
Mardelasだ!

30蛇石マリナ

40v及川樹京

50v樹京さんの背後にはMarshall。

60v珍しい!JCM800 2210だ。そのパワー・アンプだけを使っている。
キャビは1960A。
2210は1983年に発売されたJCM800シリーズの「Split Channel」と呼ばれるモデル。
2203の2チャンネル・モデルと思えばよいだろう。
当時を知るMarshallの友人に話を聞くと、その頃「マスターつき2チャンネル」という回路はかなり先進的な技術で、製造するのが結構大変だったらしい。
50Wは2205。
Michael Schenkerが長年愛用していることで有名だ。
また、2210は日下部BURNY正則も長いことステージで使い、素晴らしいサウンドを出していた。
このシリーズはリイシューのリクエストも多いファン垂涎のモデルだ。

70vhibiki

80vhibikiくんはEDEN。

90vキャビネットはD410XLTD115XLT

100ヘッドはTERRA NOVA TN501
この図体で500W。そして、驚異的なパワフル・サウンド!
売れています。
しかし…何でもかんでも小さくなっていくね~。
1981年、MarshallのTHE 2000というベース・アンプのラインナップに375W出力の2001というヘッドがあった。
大きさは普通の100Wヘッドと同じなんだけど、中身の半分ぐらいがトランスで、もう近寄っただけで腰が痛くなるような代物だった。
それに比べたらこのTN501、大きさは1/4以下、重さは多分1/20ぐらいじゃないの?イヤ、もっとかな?
それでいてワッテージは2001より大きいと来てる。
小さくなっているのはベース・アンプだけじゃないもんね。シューマイ弁当のシューマイのタマのサイズも昔に比べて小さくなったような気がする。昔直径を測っておけばヨカッタな。
まったく「エール・チョコレート」がなつかしいよ。

110して、hibikiくんのEDENへの信頼度は…ホレ、この通り。

120v

ドラムスは弓田"Yumi"秀明。

130v

「待ってました!」的な滑りだしで、会場は最初っから最高潮!

140マリナちゃん、久しぶりだね~。
相変わらずの爆発的な歌声で観客を圧倒する。

150vテクニカルでエモーショナルな樹京さんのギター。

160曲を追うごとにヒート・アップするマリナちゃんのパフォーマンス。

170こんなシーンも。

S41a0203 hibikiくんもノリノリだ!
ちなみにhibikiくんはこのシリーズのオーガナイザーを務めている。

180vパワフルなボーカルズとシャープでハードなギター…

190そして、へヴィな鉄壁のリズム隊。

200へヴィ・メタルの憲法を遵守する姿は凛々しくも美しい!

Img_0162 見て、コレ!
マリナちゃんの一挙手一投足に歓声が上がる盛り上がりよう!

210Mardelasは『Premium One-man Show 2017』と銘打って5月6日に表参道GROUNDにて単独公演を開催する。
その会場で第二弾シングルとなる『Snake to Metamorphose』を緊急発売するそうだ。
ファンは待ちきれないね!
でも、もうすぐじゃん?!

215cdこのイベント、もうノッケからこんなに盛り上がっちゃって…。

Mardelas Officialの詳しい情報はコチラ⇒Mardelas Official Website

220実際の出演順とはチョット順番を変えてレポートさせて頂く。
展開の間、毎回例のMCチームがステージ上がって間をつないだのだが、トリの前に現れたのはまた雄太。
とうとう歌まで歌っちゃった!
今度はアクセル・ローズだって。

230 当日、実際にはトリでステージに上がったTEARS OF TRAGEDY。

240HARUKA

250vTORU

260vYOHEI

290vHAYATO

295vHIDEYUKI

300vTORUさんはMarshall。

270v
JCM800 2203と1960A。

280v
一体、どうしたっていうんだ!
明日登場するSilexのMASHAくんもJCM800 2203。
若者がズズズと2203に傾いている!
「デジタルだ~」、「モデリングだ~」と、ギター・アンプの多様化が進む中、ホンモノを見極める目を持った若手ギタリストが増えてきた…ということだろうか?
そう思っておく。
「新しいもの=いいモノ」の公式が成り立つのは日本人の間だけだ。
古かろうが、代わり映えがしなかろうが、いいモノはいい。
1959がいい例だ。50年以上変わらない工業製品なんて珍しい。
ギターの二大名器もそう。
手を変え、品を変え、ナンダカンダ色んなものを世に問うけど、基本的にはオリジナルのままだ。
それなのにギター・アンプだけがコロコロとスタイルを変えるのはどういうことか…。
テクノロジーの変化や進化を吸収し、変容してくのは電気機器の宿命であるけれど、コレ、考えてみるとやっぱりギター・サウンドのカギっていうのは、最終的にはアンプが握っているっていうことじゃん?
それを知ってか知らいでか、こうして若い世代の人たちが40年も前に生まれ出た電気機器を愛用しているなんてうれしいことだわね。

290
昨年の12月にリリースした『STATICE』も好評と聞くTEARS OF TRAGEDYだけど…私は今回丸っきり初めて拝見しました。
310
他の若いバンドさんにも「スターチス」という曲があって、意味を知らなかった。
「スターチ(starch)」が「デンプン」だったり洗濯用の「のり」を指すこと知っているんだけど…。
「スターチス(statice)」というのは花の名前なのね?
語源はギリシア語の「statizo(止める)」。
スターチスが古くは薬草として下痢止めに用いられてきたことに由来しているらしい。
現代なら「正露丸」か?イヤ、「ストッパ」か…。
スターチスは今では「リモニウム」と呼ばれているらしいが、全般の花言葉は、「変わらぬ心」、「途絶えぬ記憶」だそうだ。
そして、スターチスは花の色ごとに花言葉が定められていて…
紫は「しとやか」、「上品」。
ピンクは「永久不変」。
黄色は「愛の喜び」、「誠実」。
道理で紫のスターチスが自分に似合うと思っていた。
あ、勝手に書き進めておりますが、TEARS OF TRAGEDYの「Statice」が上記と関連しているかどうかは未確認ですから。
でもせっかくだからマーブロを読んでくれた人は何かひとつでも知識が増えればいいと思っております。
ちなみに花の「statice」の英語式発音は「スタティス」。

315cdさて、コチラも女性ボーカルズと…

320猛烈なギター・シュレッディングをフィーチュアしたサウンドがウリのチーム。
340v
コレがですね~、実に新鮮というか、ビックリというか…。
サウンドはもうバリンバリンにしてゴテゴテの伝統的メタル系。
そういったメタル系の女性シンガーといえば、Marshallのようなブッとい声で地獄の底から絶叫するのが、ま、当たり前といえば当たり前。
ブッとい声でなくとも、命をかけて絶唱するスタイルの歌い手さんがバンドにいるのが定石でしょう。

345v
ところがこのバンド、そのハード極まりないバンド・サウンドに乗って、HARUKAちゃんが女性的な声で歌い、そしてヒラヒラと舞うというなかなかに珍なるもの。
私も勉強不足なので、鬼の首を取った風には決していえないが、実によろしいな。
360

もちろんそのハードなメタル・サウンドにはパワフルなベースと…

370vドラムスをタッグを組んでいる。

380vドラマチックに展開する曲たち。
しかし何度も言うがその音像はどこまでもメタリック!

350HARUKAちゃんとTORUさんのコントラストも絶妙だ。

330v
ハード一辺倒かといえばそうではなく。

384キーボーズという利点を活かしたバラードも披露。
(註:Marshallでは正式な英語用法にのっとり、「ボーカル」と「キーボード」、「ドラム」は常に複数形で表記しています。
また、「ツーマン」、「スリーマン」という言葉は絶対に使いません。今日のイベントは「トリプル・ヘッドライナー」です。「トリへ」でいい。「スリーマン」なんて変な言葉より「トリへ」の方がはるかにカッコいい)

385シットリと歌いあげるHARUKAちゃんの歌声を固唾を呑んで聴き入るお客さんの姿が印象的だった。

386vそして、また~、ハード路線に!

390弾きまくるTORUさん。
やっぱりMarshallじゃないとイカンな…こういう音楽は!

400熱狂的なステージでトリをバッチリ務め上げたTEARS OF TRAGEDYなのであった。

410TEARS OF TRAGEDYの詳しい情報はコチラ⇒TEARS OF TRAGEDY Official web

420<つづく>

(一部敬称略 2017年2月19日 柏PALOOZAにて撮影)