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2018年2月 5日 (月)

SHOW-YA ニューアルバム『AURORA』リリース・ツアー <前編>

  
江戸時代、ご婦人方の最大の楽しみはお芝居…すなわち歌舞伎だった。
また、男女共通のお楽しみは寄席だった。
そして、殿方の「遊び」とくれば「飲む・打つ・買う」と3通りあって、その内最も誰しもが夢中になったのは「買う」の遊郭通い。

遊郭といえば「吉原」。
今、他のバンドさんのところで「吉原」の研究結果を「私のディープ浅草」と銘打ってシリーズで発表している。
江戸の粋な文化が色々とわかって来て実に面白い。
わかったことのひとつが、その頃の吉原というのは、表向きは一般の人が思っているような陰湿なところではなく、江戸の一大観光名所で、今で言う「テーマパーク」として家族連れで訪れたということ。
そして、その殿方の遊び方には「上中下」とランク分けがされていた。コレは今でもそうか?
「上」は来ず…つまり廓(くるわ)には足を踏み入れない。遊びに行かないということね。
「中」は昼来て昼帰り…吉原は最初、昼間しか営業していなかった。
「下」は夜来て朝帰り…見世(店)によってはかなりの資金が必要だった。
実はまだその下があって、
「下々(げげ)」は居続け。
「そのまた下々」は居残りをする。
…有名な落語「居残り佐平次」のマクラである。
いかにも江戸っ子らしい見栄の効いたランク付けだ。
「ナカにも飽きたことだし、今日はミナミへ繰り出そうじゃねぇか!」と噺は始まる。
他に「北国(ホッコク)」などという別称もあるが、この「ナカ」とは吉原のこと。
そして、「ミナミ」とは品川のことだ。
他にも洲崎(今の江東区東陽町の方)は「タツミ(辰巳)」、新宿は「ニシ(西)」などにも大きな遊郭があって、それぞれにそうしたアダ名がついていた。
そのうちのひとつで千住は「コツ」と呼ばれた。他が皆方角を示すのに対し、千住だけは「コツ」。
「コツ」などという方角はない。
コレのタネ明かしはその「吉原研究」で開陳することにします。
さて、品川は「江戸四宿」のひとつにして東海道の初宿…すなわち最初の宿場で、ものすごく栄えていた。
「江戸四宿」とは、五街道の起点である日本橋から二里(8km)にある宿場のことで、他に千住、板橋、内藤新宿(今の新宿1~3丁目あたり)があった。
広重の浮世絵なんかを見ると、品川は青い海が眼前に広がる実にステキな宿場町だ。
その後東海道は、川崎、横浜、程ヶ谷(今の保土ヶ谷)と宿場を連ねて行く。程ヶ谷宿が私の家内とかなり近しい関係にあることは他の記事に「生麦事件」を絡めて書いた。
さて、今日はその品川から。
新幹線が停車するようになって、猛烈な勢いで再開発が進んでいるが、品川にもホールができたのね?
その名も「品川インターシティホール」。
国鉄の操車場の跡地にできた「品川インターシティ」という総合ビジネス施設の中というロケーション。

10今日のMarshall Blogはそこで開催されたSHOW-YAのニューアルバムのレコ発ツアーのようすをレポートする。

20すでにニューアルバムに関するイベントを他でもレポートしているが、今日がクライマックスよ。
そしてコレがニューアルバムの『AURORA』!
原点に回帰したかのような、SHOW-YAらしい日本のハードロック・サウンドがギチギチに詰め込まれている。

30cd大阪、名古屋をめぐりココ東京で迎える千秋楽のオープニングは「私は嵐」。

40寺田恵子

40cd五十嵐sun-go美貴

50v☆sun-go☆さんはいつものMarshall JVM410H。

60ステージにはド~ン!
コレがロックのステージの正しい造作。
古くも、前時代的でも、ナンでもない。
「ロック」っていうものは、こういう見た目をした音楽なのだから。
もし、この見た目が好きでない人は「ロック」が好きではない人だ。
だってそうでしょう?

70ロックが好きな人。

80仙波さとみ
既報の通り、さとさんは手首の骨折により、今日は涙を飲んで欠席。

90v中村美紀

100v角田mittan美喜

110v『AURORA』の発売イベントとして川崎でイベントを開催したものの、アレはアコースティックのセットだった。
よって「電化SHOW-YA」としての公演は7月のCLUB CITTA以来となった。4ヶ月ぶり!

120_waそれだけに力が入ってるぜ~!

130v☆sun-go☆さんのソロ!
そして、観客の目は下手に集まる。

140vさとさんのベース・ソロ!
私もカメラを手に下手に走る!
あ、そうか…いないんだった。
寂しいな~!

150vさとさんがいない分、力がこもる4人のメンバー。

160「嵐」ポーズもバッチリ!

170すさまじいパワーでオープニングを大爆発させたぞ!

185♪ゴンゴロゴンゴロとギターのイントロがうなるのは…190v「流星少女」ダァ~!

200オラオラオラオラオラオラオラオラ~!回せ、回せ~!
なんか恵子さんになった気分で書いております。

210もはやSHOW-YAのステージには欠かせないスタンダード・ナンバー。

220みずみずしいパフォーマンスでショウの雰囲気をグイグイとヒートアップさせた。

230「Yeah! Yeah! 『AURORA』ツアー、最終日です!
何かがおかしい…いるべき人がいない…。みんなも知っていると思います。
さとが左手首をケガしました。
期待している人もいると思いますが、その期待通り今日はさとも来ています。
でもベースは弾けません。まだ骨がくっついていないから!」
と「さとさん事件」の経過を説明してから早速『AURORA』コーナーへ!

240_m残念ながらさとさんは不在だけど、待ちに待った『AURORA』の実演コーナー!
みんな「待ってました!」でしょう?!

250_srhまずは「そうよRunaway Home」。
恵子さんと☆sun-go☆さんが向かい合うアクション。

260こんな感じはいい感じ。
ガッチリしたハードなエイト・ビート・ナンバーだけど、副題は「人類は愛でしか救われない」とやさしく、あたたかい。
サビ前のパッシング・ディミニッシュがありがたい。270ヘヴィなギター・ソロもバッチリ!

280出た~!
ウルトラ・ドライビング・チューン!
「Day Breaker」だ!
「daybreak」とワンワードにすると「日の出」という意味。
もうひとつ、似た言葉に「dawn(ドーン)」というのがある。こちらは「夜明け」という意味。
この違いが面白い。
「daybreak」は最初にお日様がチョットだけ顔を出した瞬間という意味。その後が「dawn」。でも「dawn」も太陽がまだ見えない状態を指すらしい。
総じて大ざっぱな言語である英語にしては珍しく繊細な使い分けだ。
そういえばDawn Adamsというイギリスの女優さんがいたな。Marshall社にもDawnという女性がいて私の面倒をみてくれている。
290v_db疾駆するmittanのドラムが愉快爽快!

300こういう曲は絶対にMarshallのトーンが必要なのよ!

310「暑い~!皆さん、楽しんでますか?」
…とココでアルバム『AURORA』の説明。
「今回はさとちゃんやmittanが作った曲がいっぱい入っています。変わった曲があったり、変わったメロディラインで歌っていてスゴク楽しい…んだけど、そういう曲は今日は演りません」
ナンダ…。
「でも、全員で歌える曲をキャプテンが作ってくれました。とてもさわやで、純粋無垢。
もうすぐ還暦の人が作ったとは思えない」
そういえば、あと4年もすればMarshallも還暦です。
これからも夢と希望を持って、できるならみんなで一緒に歌いたい…と紹介したのは「All Together Now」。

320v_n明るいハード・ロックはいいね!

330_atnこの曲もSHOW-YAのステージには欠かせない曲になりそう。

350vよく練られたギター・ソロも曲にベスト・マッチ!

360v一転してガツンと重く演るのは「Monster」。
「♪エロすぎる兆発」という歌い出しからしてモンスター。

370v_ms「♪モンスター~」

390「♪モンスター」400v中間のキメからギター・ソロ、そしてまたキメに戻るところが何ともスリリング。
それとエンディングの奇抜なフレーズは秀逸!

380「どう?今回はアルバムを作って、5人でツアーしようと話していたんだけどそれがかわなわかったの。
それが悲しいんだけど、さとチャン、死んだワケはないんだから!(骨が)くっ付けばいいんだから!
今回のツアーは参加できなかったけど、今日、会場に来ています」

410v_mコ~コ~で~!
割れんばかりの拍手を浴びて仙波さとみ登場!

2_s41a1095 チャンとステージ衣装をまとって現れたさとさん。

420「皆さん、ご心配をおかけしました。今回は私の不注意によりステージに立つことが出来ず申し訳ありませんでした。
ベースを右肩にかけて、両手に荷物を持ったまま階段からコケてしまいました。
自分が(公演に)穴を空けてしまうのではないかと思うとすごく不安だったんですが、すぐさま動いてくれたのがメンバーたちでした。
そして、ファンの方々から温かいメッセージを頂戴して勇気づけられました。
心強かったです。
どうもありがとう!
チャンスがあれば『AURORA』ツアー…リベンジしたいです!」

2_s41a0330さとさんに鳴りものを振ってもらって1曲演奏。

450恵子さんがアコギを手にして「On my Crossroad」。

460vmittanはカホンをプレイ。
前々回の時はmittanが右手の小指の骨を折っちゃっていたんだった。
既にmittanはめでたく完治。
別の機会に「年齢が重なって来ると、なかなかくっ付かないんですよ~!」とお互い大笑い。
ウチのセガレは昨年末にヒザをグシャグシャに壊して大手術をしたのだが、信じられないぐらいのスピードで回復している。
やっぱり若いっていうのはスゴイね。パワーのカタマリだよ。

470v左手の黒いサポーターが痛々しいさとみさん。
でも、お会いしたところ、とても元気だったので安心した。
今頃はバリバリとベースを弾いていることでしょう。

480v☆sun-go☆さんもアコギにスイッチ。
490次は野音かな?
またステージ下手で暴れ回ってくれるのを楽しみにしていま~す!

500v「身体の傷はいつか必ず治る。でも心の傷は厄介で、傷つくたびに酒を飲んで…傷つくたびに酒をのんで…。
そうやって女は年を取るのです。
そんな…酒に人生を捧げたブルースを聴いてください」…と、源空寺あけびの「女は酒場でひとり泣く」を熱唱。
ウソ、ウソ!そんなのないから!
青いライトを浴びて恵子さんが歌ったブルースは「Blue Rose Blues」。

510vキャプテンのピアノが物悲しく響きわたる。

520v恵子さんのオハコだけあって、感情豊かに歌い上げるその姿と歌声が聴く人の心を揺さぶる。2_s41a0402 アコースティック・コーナーはまだ続く。
 
SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

530<後編>に続く。
  
(一部敬称略 2017年11月18日 品川インターシティホールにて撮影)

2018年1月24日 (水)

LUKE篁地球デビュー30周年記念 “蒼き疾風の誘惑”

   
時はさかのぼって昨年の8月。
ハイ、夏の気分になってください。
   〻
   〻
   〻
しかし、毎日暑いね~。
やっぱり11月生まれの私としてはどうしても夏は苦手。
そのせいか冷やし中華ってのもダメなんだよね。
どうしてみんなアレに夢中になっちゃうのかサッパリわからない。
私なんかどんなに暑くてもラーメンは熱いのじゃなきゃ受け付けないね。
山形に行くと、「冷やしラーメン」というのがあって、冷やし中華のことかと思うとさにあらず。
文字通り冷やしたラーメンで、地元の人も「ウマぐね」と言っていた…ことは他にも書いたな。
それにしても暑い。
そんな熱いモノ好きの私でもさすがにこう暑いと鍋モノには手が出ないな~。
グツグツいってる鍋で熱燗をキューッと…ああ、考えただけで暑くなってくる。
やっぱりこういう時はかき氷が恋しいわ。
facebookにオーストラリアにお住いの友人がいるんだけど、向こうは冬だもんね~。
うらやましいな~。
投稿する写真なんかを見ていると、長袖で涼しそうで…いいナァ。
日本も早く涼しくならないかナァ。
…ということで今日は真夏の川崎から。
LUKE篁の地球デビュー30周年を記念する『蒼き疾風の誘惑』と題するコンサート。
昨年に引き続いてのソロによるステージだ。

10オリジナルTシャツ。
コレはいいナァ~。
ミュシャですな?
アルフォンス・ミュシャはオーストリアの画家/デザイナー。
いつか東京で展覧会が開かれて観に行ったことがあったけど、混んでいてゼンゼンゆっくり観れなかった。
日本の美術館というか、美術展っていうのはカラっきしダメだよ。
もっと広いところで、来場者にタップリ時間をかけて、色んな角度で絵を見せてあげなきゃ…入場料だって決して安くないんだもん。
ゴッホ展なんて言ったら「ココは三社さんか?」ってなモンでしょ?まず行かないけど。
ところで、ミュシャのことを「ミュシャ」と発音しても英語圏の人には多分通じないと思う。
「ムーカ」みたいに発音するハズ。
ちなみに「ゴッホ」は「ゴッ」で、「ホ」は発音しない。

20vステージの上にはMarshall。
ラックに収まっているのはJVM410HとJCM2000 DSL100。
スピーカー・キャビネットは1960AXだ。

30ラックの上に並んだ「篁」デザインのピック。
逆さ向きに置いてあるところがミソ。

40大きな大きな歓声に包まれてルークさん登場!
50v1曲目は聖飢魔IIナンバーの「Masquerade」。
そして、「ロックスターの悲劇って…」が続いた。
LUKEさんのご挨拶の後、今日のメンバー紹介。

45K-A-Z

60v若井望

70v大桃俊樹

80vLEVIN
…とLUKEさんを支えるバンドの面々は前回と同じ。

90v3曲目は「Heaven`s Waiting」…Marshall Blogとしてはホーム感大。
CANTAナンバーだからね。
ただ、いつもと違うのはLUKEさんがドラムというか太鼓というか…とプレイしたこと。
何でもSHOW-YAのmittanからの借りものだとか?

110雰囲気が変わって4曲目は「Cute Boyのユ・ウ・ウ・ツ」。
そして、また聖飢魔IIナンバーの「Great Devotion」をバキッとカマした!

100「一番みんなに聴かせたかったのは次の曲かも…新曲です」
「オオ~!」っと大きなどよめきッ!
「コレが各所で評判がよくてね~。作る曲、作る曲ホメられるんだよ。
白鳥と同じ…優雅に見えるけど、水面下で足をバタバタしてるワケよ。
そうしてたくさん曲を作っているんだけど、その中から選んでお送りします。
おそろしくいい曲を作っちゃいました!」
こういうところがLUKEさんらしい。
自慢めいた話でもLUKEさんが語るとちっともイヤらしくなくて、聞いてて「ホホウ!」なんて思っちゃう。
7弦ギターを使って作ったという曲のタイトルは「Catch the Rainbow」…RainbowRainbowRainbow…とディレイをかけたくなるのは我々世代の習性か?
「虹をつかめ!オレの虹を!」

140vお客さんとの「ウォー」の声出しコラボも完璧!
そして、K-A-Zさんのソロも炸裂した。

120このバンドはギター・バトルも大きな見どころだよね。
高度なギター・プレイだけでなく、3人とも「オレが、オレが」感に横溢していて、ハデハデさが見ごたえ満点!
126K-A-Zさんと若さまのアコギで「Someday Oneday」。
「My Dear Friend ~世界は寂しいで出来ている~」、「Everybody Needs Somebody」とCANTAナンバーを2曲続けた。
115v今日は上に書いたように、LUEKさんはJVMを1960AXにつないで使っていらっしゃるけど、私なんかはLUKEさんが保有されているMarshallを知っているので、どのMarshallを選ぶかがいつも楽しみなのだ。
「アレ?今日はコレ?」みたいなこともあってね。
ま、どれを使っても「LUKE+Marshallサウンド」なんだけど、共通しているのは「やっぱりホンモノの真空管アンプっていい音だな~」ということ。
そりゃロックを作って来たサウンドだからね。

130楽しいLUKEさんのおしゃべりもタップリ。
「ボーカルとちょっとギターね…最後までお楽しみください。
歌に専念させてもらって…楽しいね~!
話すときは『いい声だ』とホメられるんだけど、歌う声だとは思わないんだよね。
自分の声はキライ。
だからオレは自分の歌しか歌えないんだよね…後は西城秀樹ぐらいかなァ。
次の曲も楽しいよ。
こういうことしなきゃダメなんだな…と思った曲です」
と「蝋人形の館」を熱唱!

150再びギターを持って最後のセクションに突入。
聖飢魔IIナンバーが続く…「Deserted Hero」、そして「Brand New Song」。

125本編の最後は「Dream Of The Lotus Land」で締めくくった。

155もちろんアンコールに応える。
「楽しかったけど今日は大変だった!オレひとりじゃナニもできないから最高のメンバーを呼び込みます!」
170v4人が呼び込まれて聖飢魔IIの「1999 Secret Object」をプレイ。

180v

190v

200v

210v続けてダンサー2人を従えて「呪いのシャ・ナ・ナ・ナ」。
LUKEさん、上手に舞うわ~。

220最後の最後は「Remember Flame」の熱演で幕を下ろした。160ペットボトルのコレもいつも通り!
「また来いよ!またやろうな~!」230この日のショウの中で、去る12月18日に開催された30周年の集大成となったコンサートの情報が発表され、割れんばかりの歓声が沸き上がった。
残念ながら、この前日、プライベートで大きな事件が起こってしまって、私はどうしてもお邪魔することができず失礼せざるを得なかったのだが、長尺のショウが大成功を収めたと聞いた。
さすがLUKEさん。
デビュー後30年の時を経てもバリバリだ!
これからの活躍がまた楽しみだ!
  
LUKE篁の詳しい情報はコチラ⇒CANTA official web site

240v(一部敬称略 2017年8月1日 CLUB CITTA川崎にて撮影)

2018年1月23日 (火)

Sound Experience 27 <後編>~ Strange,Beautiful and Loud

  
イヤ~、スゴイ雪でしたな~。
しかし、毎回毎回交通機関があれほどヤラれちゃって…飛行機なんかは仕方ないにしても、もう少し学習効果が出せないものかね?
渋谷のバス・ターミナルで来もしないバスを2時間半も待ってるとか、駅への入場規制をしちゃうとか、1日一生懸命仕事をして疲れ切った身体にあまりにもヒドイ仕打ちだわ。
ご苦労なさった皆さん、お疲れさまでした。
  
ところで私は30年前、学校を出て就職して、すぐに富山に赴任したんだけど、スゴかったな…北陸の冬。
当時はまだ雪が多かった。
子供の頃から毎年スキーに行っていたので、吹雪や大量の雪には驚かないつもりだったけど、イザ生活するとなると、スキーに行くのとは大違いだった。
下宿住まいで、当時はまだ携帯電話なんてなかったから、彼女(今のカミさん)に電話をしに行くにも外へ出なければならない。すると積雪でどうにも電話ボックスの扉が開かなかったりするんだよね。
車に乗る前はフロント・ガラスに山と積まれた雪と格闘したり…。
水道もチョロチョロと一晩中出しっぱなしだった。
富山の冬は一日中曇っているので、ふとんを干すこともできず、せんべい布団は鉄板布団に変わった。
でも、それほどイヤではなかったな。
それより夏のフェーン現象による異常なまでの暑さの方がツラかった。
その後、大阪を経由して長野に赴任した。
彼の地では7回ほど冬を経験したが、長野の冬は楽しかったナ。
毎週子供を連れてスキーに行って、帰りに温泉に浸かった。
長野は寒いことは寒いけれど、昼間は日が照るので道路にいつまでも雪が残っていることはない。
あの雪が降って積もった時の静けさが好きでね。
それでも朝のフロント・ガラスの雪降ろしは大変だったナ。
東京の雪といえば、1998年の1月6日。
前の会社に転職しての初出勤日だったので覚えている。
渋谷から当時住んでいた市川に帰るのに3時間以上かかったかな?
それと、直近では2014年の1月14日、成人式の日。
コレは気の毒だった。
「成人式」といえば、今年のナニあれ?
「晴れの日」どころか「怒りの日」じゃんね。
天気も人間もドンドンおかしくなってる。
お出かけになる皆さん、今日も足元に気をつけて!

3img_0246 『Sound Experience 27』の後半はStrange,Beautiful and Loud。

10_2三宅庸介20v_2三宅さんはいつものJVM210Hと1960BV。
今日、三宅さんと今井さんのバックラインは上下とも偶然おそろいだった!
コレはかなり珍しいよ。
JVMが重なることはあっても1960BVが重なるのは相当珍しい。

30v_2山本征史

40v_2征史さんも当然いつもの1992 SUPER BASSと中身がわからない1960A。

50v金光健司

60v金光さんもいつものバーチのNATAL。
フィニッシュはタバコ・フェイド。
13"のタムを取り外した。

70重く重くのしかかるようにして、バンドは三拍子で動き出す。

80v今日のオープニングは「mani」だ。

90何となく今日はハツラツとした感じ。

100v_2三宅さんから意味をうかがったことないんだけど、「mani」ってスペイン語で「ピーナッツ」っていう意味なんだよね。
で、有名なラテンのスタンダードで「The Peanut Vendor(南京豆売り)」って曲があるでしょう?
ジャズではAnita O'dayなんかがあまりにもカッコよく「♪ピーナ~ッツ」って歌ってるけど、コレ、原語のバージョンでは「♪マ~ニ~」って歌ってる。
コレをエノケンが焼き直しているんだけど「♪マ~メ~」ってやってるんだな。
ウマい!こういうのはとてもいいね。
音楽が今やるべきことは、徹底的に過去を振り返って、洗い直して、しらばっくれて古いアイデアをパクることですよ。
三宅さんの音楽はそれとはゼンゼン関係ないところにあるんだけど。

110_2続けて「devil」。
ンン~、三宅さんはこの曲をAstor Piazzollaの影響下にあると説明してくれるんだけど、凡人の私にはいつまでたってもそのことが理解できんな~。
チョット前に、そのピアソラのCD10枚組のボックスセットやKip Hanrahanがプロデュースしたアルバムを買って聴いたんだけど、さすがにチトきつかったな。
どこを切ってもアルゼンチン・タンゴだからね。
悪くないんだけど、どうしてもあのリズムだけだと飽きる。
日本でも熱心なタンゴのファンは多いようだが、最近知ったのは「Finnischer Tango」といって、フィンランドでタンゴが国民的な音楽として扱われているということ。
「Finnischer」は「Finnish」が語尾変化したもので意味は同じ。
一体ナンだって遠く離れた南米の音楽が北欧なんかで盛んなのよ?
CDを買って聴いてみた。

2_ft 1900年代、ヨーロッパの文化の中心だったパリに渡ったタンゴがドイツ経由でフィンランドに伝わったのだそうだ。
メランコリックとされるフィンランド人の国民性にマッチしたんだろうね。
ロシア音楽の影響も混じり合って、独自の進化を遂げて国民的な音楽に発展したのだそうだ。
このCD、なかなかいいのよ。
で、聴いてて腰を抜かすほど驚いた!
期せずしてよく知ってる曲が出て来たのよ。
それは「ラ・クンパルシータ」なんて並みのモノではなく、Frank Zappaの『You can't do That on Stage Anymore vol.2』に入っている「Satumaa」という曲。
それの原曲というワケ。
「Satumaa」というのは「伝説の国」というような意味で、曲は1955年に出版され、フィーニッシュ・タンゴの大スタンダードとなったそうだ。
Zappaは客のリクエストに応じて、初見で譜面を見ながらこの曲を演奏した。
もうGeorge DukeとChester Thompsonのカッコよさったらないんだけど、Napoleon Murphy Brockが読めないフィンランド語の歌詞を当てずっぽうで歌うところがメッチャおもしろい。

120v最近、すごく思うんだけど、ヒップホップなるツマらん音楽に押されているせいかどうかは知らんが、日本人はリズム貧乏になってるのではないか?
このタンゴもそうだけど、マンボやルンバ等のラテンのリズムなんてのは普段の生活の中で全く耳にしなくなった。
言葉もそう。
これまた毎年ヘンテコリンで幼稚な言葉は増えて行くけど、落語や浪曲のような伝統的な話芸に出て来る味わい深い単語や表現が年々減って、日本人の語彙がものすごいスピードでみすぼらしくなっていると思うのだ。
音楽も同じ。
心地よいリズムや美しく味わい深いメロディがジャンジャン減っている。
でね、落語ですよ。
最近、征史さんと、犬神さんのところでシリーズでやっている吉原研究の影響で落語をよく聴いているんだけど、スゴイよ、言葉のバリエーションが!
今、使わなれなくなった言葉のオンパレード。ステキですよ。
私は何とかしがみついていけるが、それでも知らない言葉が結構出て来る。
若い人はああいうのを聴いても何もわからないんじゃないかな~?
アノね、「言葉がなくなる」というのは、「物がなくなる」ということなの。
反対に、その物が無くなるから言葉もなくなってしまうのですよ。
科学は進歩しているつもりかもしれないけど、その裏で文化はドンドン後退しているんだよ。
ね?征史さん!

130v_2もちろん三宅さんの曲はタンゴではなくて、切れ味鋭い三宅ミュージックだ。
三宅さんからご挨拶があった後、「bloom」。

140vイントロで三宅さんのギターに絡みつく金光さんのドラムスがカッコいい。
この曲も印象的なワルツ。

200v_2三宅さんの曲は、ギターをオーバーダブしたスタジオ・バージョンがまたすこぶるカッコよくて、ライブでいつか再現してもらいたいナァ…と思うんだけど、三宅さんが2人いない限りそれは実現しないであろう。
ところがこの曲に関しては田川ヒロアキとツイン・ギターで演奏したことがあって、テーマのハモリをスタジオ・バージョンさながらに聴かせてくれた。
鳥肌が立ったことは言うまでもあるまい。
そんな魅力的なメロディなのだ。1_img_0340一聴してそれとわかるドラム・イントロは「murt'n akush」。

150_2この曲のタイトルに絡めてかつてアルフレッド・ヒッチコックのことを書いたことがあったが、三宅さんはその地方の文化・芸術に思いを馳せてペンを取った。
マラケシュはモロッコの中央都市の名前だ。
極力フレンドリーなメロディとハーモニーで曲が成立するように注意したとのこと。
ウン、確かに三宅さんの曲の中ではわかりやすい方。
しかし、三宅さんにとってはあまり使うことのないキーで作られており、コードの動きも慣れないものだったのでプレイはとても難しかったそうだ。
サビに限らず、メロディのモチーフが繰り返される手法は、三宅さんのメロディに対する考え方の提示だ。
180v現在のSBLのリード・チューン、「if」。
恐らくはSBLファンの間でも最も人気が高いであろうと思われるこの曲はナント、「オルゴールで聞くような曲」を標榜して作られたのだそうだ。
こんなオルゴールあったら欲しいわ!
170これまた意外なのは、以前に書いたことがあったが、三宅さんはフランシス・レイの影響下でこの曲を作っていると分析していることだ。
中間部に野性的なリフがあり、三宅さんの激しいソロが続く。
三宅作品の典型的な展開様式だ。

220やっぱりこの曲は演る方も聴く方も燃えるよね。
Deep Puepleなら「Highway Star」、Frank Zappaなら「Inca Roads」、John Coltraneなら「My Favorite Things」、五代目古今亭志ん生なら「火焔太鼓」、三代目桂三木助なら「芝浜」、広沢虎造なら「勝五郎の義心」、マーブロなら「イギリス-ロック名所めぐり」だ…最近ゼンゼンご無沙汰だけど。

190v_2「if」で脱線。
ifという1969年にデビューしたイギリスのバンドがあった。
ジャズ・ロックの範疇に繰り入れられるチームだが、ブラスが入っていることより「イギリスのChicago」なんて言われたらしい。
Dick MorrisseyというSony Rollins系のバリバリのサキソフォニストがメンバーにいることもあってChicagoと関係なくジャズっぽい。
最後期のメンバーとして、Marshallのデモンストレーターを長年務めたGeoff Whitehornが在籍していたこともあって、これまでにも何度かMarshall Blogで紹介している…が、あんまりおもしろくないのが正直なところ。
GeoffはこのIfの後、Paul Kossoffの公認としてBack Street Crawlerに転籍し、バンドはCrawlerとなった。
Geoffもスゴイけど、Ifのオリジナル・メンバーのTerry Smithというギタリストがまたスゴイ。

2_0r4a4060 「私はロックに興味なない」とジャズしかアタマにないような発言をどこかの本で読んだことがあったが、だったら「if」なんかやらなきゃいいと思うんだけど。
何枚かソロ・アルバムを出していて、この「Fall Out」というデビュー作がメッチャいいの。
ビッグバンドとの共演でいまにも「男のジャズ・ギター」みたいな。
「ジャズ・ギターでも聴いてみようかいな」…なんてロック・リスナーにおススメ。
…ということが言いたかった。

2_0r4a4064最後は三宅さんの重要なレパートリーを2曲続けた。
まずは「petal」。

210_2かつて三宅さん自身が「『petal』は大切な曲」のように発言していたせいか、この曲にはものすごくSBLの個性を感じるんだよね。
今日も薄皮を1枚1枚剥いでいくかのような入魂の演奏だ。

160_2最後は「virtue」。

230vSBLの3人がこうして一緒に活動しているのもこの曲があったからだと思う…という三宅さん。
つまり、この曲が今やっていることの原点なのだ。

240v_2いつも通り長尺なインプロビゼーションのパートを経て曲は灯を落とす。

Img_0314_2 Marshall Blogでレポートした通り、前回の8月のパフォーマンスが大変に重苦しいモノだったせいもあってか、今回は何かから解き放たれたような快活な演奏を観たと私は思った。
Voodoo ButterflyにStrange,Beautiful and Loud…どちらもカスミを喰って自分たちの音楽道を突き進むようなチームだ。
やっぱりそういう音楽を聴くのはうれしいし、楽しい。
安室ちゃんもいいけど、少しだけでいいから日本人は聴く音楽の幅を広げるべきだと思う。
でも、コレもリスナーとして「痛し痒し」みたいなところがあってね。
私は今、いよいよストラヴィンスキーとバルトークとショスタコーヴィチにノメリ込んでいて、もう聴いてて楽しくてしょうがない。
中学生の頃に体験したロックの感動や楽しさと同じモノを今これらの作曲家の作品で味わっている。
ところが、こうして聴く音楽の幅を広げて愉しみを増やしたのはいいんだけど、今度はあんなに好きだったプログレッシブ・ロックが全くおもしろくなくなっちゃった!

 

三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange Beautiful & Loud

250次にMarshall BlogがココGRAPEFRUIT MOONでの『Sound Experience』のレポートを掲載するまで間が空く予定だ。
それまでの間、皆さん、『Orchestral Supreme』を聴いて凌ぎましょう。
やっぱ聴けば聴くほどいいね。
ジャケットの写真も最高だ!

260cd 

★NATAL NEWS★
もうすぐNAMMショウですな。
それに向けてなのかな?
NATALのCafe Racerシリーズに新しいフィニッシュが加わるみたい。
 
1. Piano White with Black Sparkle Double Split
スゲエ名前だな。31のアイスにありそうな…。
写真ではまったくわからない毛d黒い2本のストライプはラメラメなのでしょう。

Nn1   

2. Green Sparkle with Black Sparkle Double Split
上のヤツのグリーン・スパークル版。
NATALのラメラメ・フィニッシュはメッチャ美しいからね~。
ホンモノが見てみたい~。

Nn2   
3. Tulip Wood Veneer
チューリップ・ウッドはローズウッドと同じ属の木。
これもイイ感じだ。

Nn3     

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

  

(一部敬称略 2017年11月17日 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONにて撮影)

2018年1月22日 (月)

Sound Experience 27 <前編>~Voodoo Butterfly

  
毎度おなじみ三宅庸介率いるStrange,Beautiful and Loudのシリーズ企画『Sound Experience』の第27回目。
今回はVoodoo Butterflyとのダブル・ヘッドライナーだ。
今井さん、Marshall Blogは久しぶりだな…と思って調べて見ると、前回ご登場頂いたのは2015年3月の「Sound Experience 15」の時のことだった。
この時、他にDAMIEN♡REGANと銘打って、赤尾和重、島紀史、高橋竜、下田武男が登場した。
もちろんバンドのことは覚えているけど、トリプル・ヘッドライナーのSounde Experienceがあったことは忘れていた。

10今回のVoodoo Butterflyの布陣は…
今井芳継

20vkachi

30v庄田(SHOW)浩

40vさて、本題に入ってもいないのに脱線。
イヤ、本題に入っていないから「脱線」にはならないか?
イジリたかったのはこの「butter」と「fly」から成るこの「butterfly」という英単語。
「butter」はあのバターね…パンに塗るバター(我が家ではマーガリンを絶対に使わない。ちなみに「マーガリン」は英語で「マージェリン」と発音する)。
「fly」というのは「ハエ」だよね。もちろん「飛ぶ」という意味。
アメリカのスラングでは「カッコいい」という意味で、あのCurtis Mayfieldの「Super Fly」は「メチャかっこいい」ということ。
ま、このアルバム、私も持ってはいても、100万年に1回ぐらいしか聴かない。

Cm 「-fly」でいくつかの虫の名前を表すことができるのが皆さんもご存知の通り。
「firefly」で「蛍」。コレはわかりやすい。
「dragonfly」で「トンボ」。トンボはまっすぐにしか飛ばないから日本では縁起のよい虫とされている。だから「素直にそだつように」…と子供の浴衣のデザインによく採用される。
「虻」は「gadfly」。「gad」というのは家畜を追い回す時に使う棒っきれのこと。虻は家畜を狙うからね。
で、どうしてバターが飛ぶと蝶になるのか?
その前に…。
ココでも何回か書いているけど、英語ってこういう表現がすごくおもしろいよね。
この辺りの知識をつけるのは英語を勉強するひとつの楽しみだ。
私がすごく好きなのは「ヤドカリ」。
「ヤドカリ」を英語で言うと「hermit crab」という。
「crab」は「カニ」でしょ。
「hermit」とは、1978年のTodd Rundgrenのソロ・アルバムに『Hermit of Mink Hollow』という作品があるように「世捨て人」のこと。
このアルバム、リリースされたと同時に買って、一時期よく聴いた。

Tr 「hermit crab」…カッコいいじゃん?
家も持たない、世を捨て去ったカニが「ヤドカリ」よ。
それともうひとつ、「ladybug」。
コレはご存知の方も多いだろう。
そう、「テントウムシ」のこと。
赤地に黒の水玉模様なんてデザインがオシャレじゃん?だから「レディ」の「虫」かと思っていたらさにあらず。
この「lady」は「Our Lady」、すなわちそこら辺の女性ではなくて、聖母マリア様のことなのだそうだ。
本場では「マリア様」とは言わずに「Our Lady」と呼ぶことの方が多いらしい。
ちなみに「ノートルダム(Norte-Dame)」も「Our Lady」という意味、「Dame」はイギリスの女性貴族の称号でもあるよね…「デイㇺ」と発音するけど。
ところでどうしてテントウムシが「Our Lady」なのかと言うと、古来よりテントウムシは葉っぱを食い荒らす虫を駆除する益虫と考えられていたかららしい。「ありがたいもの」ってこと。
ま、害虫のテントウムシもいるけどね。
そういえば近年テントウムシなんて東京では全く見なくなっちゃったナァ。
で、この「ladybug」、イギリスでは「ladybird」と鳥になっちゃう。

2_lb_2 ハイ、ココから本格的な脱線。
久しぶりの音楽脱線ね。
「ladybird」と来れば「Lady Bird」。
ピアニストのTadd Dameron作のビ・バップのスタンダード曲よ。
この人、日本ではほとんど名前を聞かないけど、「Hot House」とか「if You Could See me Now」とか「Good Bait」とか「Our Delight」とか有名な曲をいくつも書いてるんだよね。
コレはCharlie Parkerのアダ名である「bird」あるいは「yardbird」から来ているんだと思うけど、Tadd Dameronはこの曲で「Tadd Dameron Turnaround」なるものを開発した。
「ターンアラウンド」というのは、次のコーラスにスムーズにいくための「つなぎ」の部分のこと。
ブルースで言えば11と12小節がそれに当たるし、ハワイアンではコレが実に重要な役割をする。
この「Tadd Dameron Turnaround」というのは。コーラスの最後の2小節を普通は「I-VI7-IIm7-V7」とするところを「I-IIIb7-VIbM7-IIb7」とやる。
要するに「I-VI7-IIm7-V7」の裏コードやね。
コレをやられると、聴いている方はギョっとしちゃう。
「Lady Bird」は有名な曲だけに、ありとあらゆる人が取り上げているんだけど、ヘソ曲がりの私は下のRichie Coleの演奏が好きだった。
Richie Coleって何であんなに冷たい扱いを受けていたんだろうな。
「笑っていいとも!」にいきなり出て来てタモリと「Bag's Groove」を演った時は幻滅したけど…。
ま、もっともこのアルバムがお気に入りだったのは、もっぱらBruce Foremanというギタリストが好きだったからなんだけどね。
この人今どうしてるんだろうナ。

50cdで、そのTadd Dameronの「Lady Bird」をモジったのがJohn Coltraneの「Lazy Bird」。
もう何回聴いたかわからんが、いつ聴いても何度聴いてもカッコいい。

60cdそのカッコいい有名なColtraneのソロをサックス・ソリにアレンジして演って見せたのがWoody Herman。
コレが完全にSuper Fly!
この『Thundering Herd』というアルバム…ナゼかFrank Zappaの「America Drink and Goes Home」を取り上げているんだよね。
70cdで、肝心の「butterfly」ね。
どうしてバターが飛ぶと「蝶」になのかは、いまだに確固たる由来が見つからないらしい。
色んな説があって、蝶が舞う季節…すなわちバターは春に作り出す時期という説。
蝶のウンコがバター色という説。
スゴイのになると、夜になると魔女や妖精が飛んできてバターを盗む。その時、魔女や妖精が蝶の姿をしているんだって….。
ん?チョット待てよ…。
コレって…「Butterflies and zebras and moonbeams and fairly tales」?
「小さな翼」って「蝶の羽」のこと?
 

さんざん脱線したワリにはスッキリしない締めくくりでスミマセン。
あ~、でもキレイに脱線できて気持ちヨカッタ!ご高覧ありがとうございました。

Abl ハイ、久々のVoodoo Butterfly。
オープナーは映画『E.T.』のメイン・テーマが顔を出す「Flying Butterfly」。

80今井さんはJVM210Hと1960BV。

90vコレで繊細かつダイナミックなギター・サウンドをクリエイトする。

95v今日はSHOWさんはNATAL。
SHOWさんには前からNATALにご興味を持って頂いているのだ。

100v12"、13"、16"、22"のバーチ・シェル。

1102曲目は2011年のアルバム『Virty et vice』から「Butterly Effect」。
およそマリア様とは縁遠い怪しげなリフがカッコいい!

130vタイトなドラミングでそのリフを引き立てるSHOWさん。
実にいいサウンド!

150続いても同じアルバムから「Wuzhang Plains」。
この曲を初めて聴いた時、「和」を思い浮かべたんだけど、中国なのね。
「Wuzhang Pkains」とは中国の陝西省(せんせいしょう)にある五丈原(ごじょうげん)という原野のこと。
ちなみに『Virty et vice』にはチャイコフスキーをモチーフにした曲が2つ入っていてね、ゴキゲンなのよ。

140「皆さん、こんばんは。今日はCD発売記念ということです」…と、MCではSHOWさんと2人で新譜のPR。

155vこれがその5曲入りの新しいCD。
ナント、7年ぶりのレコーディングとなったのだそうだ。

120cdさっそくその新譜『-Z- Let It Die』から。

160ベースからスタートするのは「Dahlia」。190v5/4拍子のミディアム・チューン。
サビが6/8拍子になったりで…いいナァ。こういう曲は好き。

165トレモロ・アームを多用して紡いでいくメロディがスリリングだ。

170v前のアルバムにもどって「blanc lis」。

240vユッタリとしたリズムに乗って今井さんのきらめくようなテクニックが披露される。
今井さんのギターも自分の言葉を持ってるよね。
この独特な歌い回しと構成は今井さんだけのモノだ。

200vまた新作から「RISE」。
前の曲とはうって変わって7/4と4/4が入り組んだ複雑かつハードな曲。

210その複雑なリズムをモノともせず、一糸乱れぬプレイで曲を編み上げるSHOWさん。
この曲、カッコいいな~。
そうそう、庄田さんはMCでバッチリNATALの紹介もしてくれたんよ!
お気に召している証拠だね?

220vまた前作から「Angel of the Crimea」。
タイトルの「クリミアの天使」とはフローレンス・ナイチンゲールのこと。
クリミア戦争で献身的な看護からついた別称。

230この景色はよく見かけるでしょう?
私のハードディスクにはコレに似たような写真がゴマンとあるんだけど、このロケーションの背中にあたる場所の写真が残念ながら1枚もない。
探したけど出て来なかった。
この後ろにあるセント・トーマス病院の中に「ナイチンゲール看護学校」という施設がある。
そして、構内には「フローレンス・ナイチンゲール博物館」というのもあるんだけど、残念ながら入ったことはない。
今度ロンドンに行く機会があれば訪ねてみよう。
オマケ情報として、ジャズで「ナイチンゲール」といえば「A Nightingale Sang in Berkleey Square」という美しいスタンダード曲が連想される。

Img_0630 このまま写真の手前の方にホンの少し行くと「ランベス城」という古い古い城がある。

Img_0673_2今でもカンタベリー大司教がロンドンに来るとこのランベス城に滞在している。
19世紀頃はこの辺りはモノスゴク治安が悪かったそうで、この周辺で発生した殺人事件の犯人を主人公にした小説がある。
この犯人はアメリカ人で、精神を病んでいたために、精神病院に収監された。
そこで取り組んだ偉業が、世界で最も包括的な単一の言語による辞書刊行物というわれる「オックスフォード英語辞典(OED)の編纂だ。Img_0658_2そして、その小説というのがコレ。
サイモン・ウィンチェスターという人が著した『博士と狂人』。
驚いたことに、この伝記の映画化権をメル・ギブソンが買って、ショーン・ペンとの共演で映画化するとか…。
ナゼ、私が驚いているのかというと…あんまりおもしろくなかったの。
ダラダラ読んでいたせいもあって、読破するのにエラく時間がかかった。

Hk Voodoo Butterflyのナイチンゲールは。どちらかというと、ナイチンゲールの献身的な看護よりもクリミア戦争の激しさを表現している感じ?
なにしろ今井さんのギター・プレイがすさまじい!
説得力のあるサウンドとフレーズの連続が素晴らしいのひと言に尽きる。

250vそして最後は新作から「FEEL」。
5/4拍子のヘヴィなナンバー。
またしても息もつかせない怒涛のインプロビゼーションを炸裂させて締めくくった。
Voodoo Butterfly…もっとガンガンと活動してもらいたいチームのひとつだ。

180Voodoo Butterfly『-Z- LET IT DIE』の詳しい情報はコチラ⇒Official Website

260

★NATAL NEWS★
もうすぐNAMMショウですな。
それに向けてなのかな?
NATALのCafe Racerシリーズに新しいフィニッシュが加わるみたい。
 
1. Piano White with Black Sparkle Double Split
スゲエ名前だな。31のアイスにありそうな…。
写真ではまったくわからない毛d黒い2本のストライプはラメラメなのでしょう。

Nn1   

2. Green Sparkle with Black Sparkle Double Split
上のヤツのグリーン・スパークル版。
NATALのラメラメ・フィニッシュはメッチャ美しいからね~。
ホンモノが見てみたい~。

Nn2   
3. Tulip Wood Veneer
チューリップ・ウッドはローズウッドと同じ属の木。
これもイイ感じだ。

Nn3     

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
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(一部敬称略 2017年11月17日 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONにて撮影)

2018年1月19日 (金)

Nothing’s Carved In Stone ~ Live on November 15th 2017

  
豊洲から銀座方面の夜景を望む。
築地市場の移転やら東京オリンピックの開催等、この辺りの開発はスゴイね。
私のMarshall号に搭載されているカーナビは5年ぐらい前のソフトが入っているんだけど、このあたりの道路をほとんど表示しないよ。
画面を見ていると、道無き道とか橋のない川の上をドンドン走ってっちゃう。
  
昔はこの豊洲は工業地だったんだけど、徐々に巨大マンションが乱立し、海の方へと勢力を広げている。
あのマンション群を見ていつも思うのは、「一体誰が住むんだろう?」あるいは「住んでいるんだろう?」ということ。
元々は東京の出身ではない人の世帯が収まるのだろうが、しからば、そうした方の出身地はどうなるのだ?
「地方の過疎化」が問題となって久しいが、これだけ東京に人が集まって来れば、地方に人がいなくなるのは当たり前…とあの「マンションの林」を見て思うのだ。
オッと!
話があらぬ方向に進んでしまったが、ココに書きたかったのは「埋め立て」について。
現在の東京の基礎は徳川家康が造った。1600年代の初頭のこと。
御茶ノ水って、坂になってるでしょう?
家康が江戸に来た頃は、「神田山」といって、御茶ノ水から秋葉原辺りまでは山だったのだそうだ。
当時、東京の陸地は現在より小さく、今では全く考えられないけど日比谷公園の辺りまで海が迫っていた。
で、家康はその神田山を切り崩して、東京湾の埋め立てをして陸地を拡大したんだね。
日枝神社がある赤坂のあたりもそう。あそこも坂になっているけど、やはり山だった。
それを家康は切り崩して神田山と同じことをした。
家康が成し遂げた大業は他に「掘削」があった。つまり川を作った。
神田川を造ったのは家康だからね。
掘削の話は別の機会に譲るけど、こうして家康は現在に通じる江戸の基礎を造ったのだ。
一方…もちろん豊洲や周辺の有明や東雲も埋立地だが、家康の仕事ではない。
このエリアは関東大震災で発生した膨大な瓦礫を運んで埋め立たのだそうだ。

10その豊洲にあるライブハウス…って言うにはデカすぎるPIT。
私なんか世代的にいまだに「ピット・イン」と口を滑らしてしまう。
「ピット・イン」というのは六本木にあったジャズのライブハウスね。新宿の「ピット・イン」は今でも盛んに営業している。
そういえば、昔は「昼の部」と「夜の部」とそれぞれ別のバンドを出しているライブハウスがあったんだよね…渋谷の屋根裏とか。
まだライブハウスが少なかったから。
だから競争が激しく、出ているバンドのクォリティはどれもすこぶる高かった。
で、「ピット・イン」は「昼」と「夜」に加えて「朝の部」というのがあった。ま、「朝の部」と言っても実際にはお昼あたりの時間帯だったんじゃないかな?
PITは名前は似ていても「ピット・イン」が何十個入るほどの規模で、こういうのはもはや「ライブハウス」って感じではないよね。「ホール」って呼べばいいのかね?
隣にはサッカー場に併設されている喫茶店があるんだけど、そこのフライド・ポテトは細身でおいしいな。

20今日PITのステージに立っているのはNothing's Carved In Stone。
曲名にちなんで毎年開催している11月15日のコンサートだ。
超満員!

30ボーカルズとギターの村松拓。

40vベースは日向秀和。

50大喜多崇規がドラムス。

60そして、ギターは生形真一。

70v生形さんはMarshall。

80上段のヘッドは1959。
今回使用していた下段のヘッドはJMP時代の2203。
このモデルは、1975年に発表されたMarshall初のマスター・ボリューム搭載モデルで1981年にJCM800シリーズが始まるまで製造された。
Marshallによるこの頃の「2203」の定義は、100W、1チャンネル、マスター・ボリューム搭載…となっていた。
1チャンネル、マスター・ボリュームつき、50Wバージョンは「2204」だ。

90v足元のようす。

100オープニングが「Spirit Inspiration」。語呂合わせがいいね。
「Like a Shooting Star」、「The Poison Bloom」、「Rendaman」と続く。

120vこのバンドは問答無用でカッコいいわ…って、以前にも一度、2014年にMarshall Blogにご登場頂いたことがあったんだけど、失礼ながら、その時より格段にカッコよさが増したように感じた。
私はまったく曲を知らなかったんだけど、もうね、出て来る曲、出て来る曲。モノスゴク楽しみなの。

110続いてのセクションでは「Brotherhood」、「The Brake」、「(as if) it's)A Warning」。
いいね、「as if」、「あたかも~のように」。
150vイギリスの大作曲家、Andrew Lloyd Webberで「As If We Never Said Good-Bye(さよならなんて言わなかったかのように)」という超名曲がありますな。
…なんてことはどうでもよくて「Words That Blind us」をさらに続けた。
160vスゴイ盛り上がり!
日向さんがかけているメガネあるでしょう?
コレ、Marshall EYEWEARなんだよ。

130圧倒的に若いファンばかりなんだけど、会場には決して少なくない数のベテランのロック・リスナーを見かけた。
以前にお邪魔した時、コレには全く気がつかなかったんだけど、すごくいいことだと思う。
それだけNothing'sの音楽の求心力の幅が広く、強烈だ…ということだろう。
反対にベテランのバンドのライブにも若い人たちがたくさん来てくれるといいといいナァ。

140ウブちゃんとは他の機会で一度ご一緒させて頂いた。
2016年の5月に渡辺香津美さんのギター生活45周年を記念して開催された『Guitar Is Beautiful』というコンサートにウブちゃんがゲスト出演したのだ。
ジャズだの、フュージョンだの、並み居るベテランミュージシャンに交じってMarshall持参でガツンと気合いの入ったサウンドを出すウブちゃんの姿に「神」を見出したね、Marshall屋としては。

170それにしても魅力的なギターだ。
セミアコとMarshallの組み合わせの妙というのもあるが、きらめくコンテンポラリーなプレイの中に時折顔をだすトラディショナルなメロディ。
このサジ加減が私にはタマらない。
「音楽を作るための道具」としてギターを操っているとでも言おうか…。
間違いなく現代の日本のギター・ヒーローのひとりだろう。
そういうアーティストがMarshallを開いてくれていることがとてつもなくうれしいのだ。

180v「Assassin」、「Red Light」、「Chain Reaction」と曲は続く。
バンドも客席も一瞬たりとも気を抜かない真剣勝負…ってな感じ。
音楽を作る方とそれを受けとる方の波長がピッタリ噛み合ってる!

190Nothing'sは来る2月14日に『Mirror Ocean』をリリースする。

2_mo次のセクションではその『Mirror Ocean』から1曲…アルバムのオープナー、「Mythology」を演奏した。
「mythology」は「神話」とか「神話学」という意味ね。
その後、「Milestone」、「Shimmer Song」が続いた。

185vアッという間に最終セクション。
最後は怒涛の5曲連続!
「In Future」、「Sing」、「Out of Control」、「Isolation」とギンギンの展開だ!

200そして最後は「Novemver 15th」で本編を締めくくった。
アンコールも大興奮のうちに終了。
イヤ~、いいコンサートだった…と思ったら、『Live on November 15th 2017 at TOYOSU PIT』と題してこの日のライブを収録したDVDが3月14日にリリースされることになった!
楽しみだ!

210Nothing's Carved In Stoneの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

220(一部敬称略 2017年11月15日 豊洲PITにて撮影)

2018年1月17日 (水)

八王子天狗祭2017 <後編>~ a flood of circle & グッドモーニングアメリカ

  
『八王子天狗祭 2017』レポートの<後編>。
今まで気がつかなかったのが不思議…と言うほどフェスに行かないから無理もないのかも知れないが、今回若い皆さんの「フェス装束」ってのに初めて目が行った。
男の子も女の子も、ヒイキのバンドのTシャツに長めの短パン、そして首にはタオル…と。
パッと見た感じ7割ぐらいの来場者がそんな格好をしていた…と言ったらチョット大ゲサか?
こっちは相変わらずのMarshall装束。
Marshall Blogの取材以外ほとんど出かけないので、外に出る時は1年中まっ黒。
カラスの気持ちがよくわかるわ。
それに汚れが目立たなくていいわい。

10_2さて、会場のロビーにはこんなモノも用意されているのよ。
カラス天狗。

20_2オッサングラム。

30_2ウワ~、金ちゃんデカい!…と思ったらトリックか…ビックリした。
フェスを協賛しているトリックアート美術館のPR。

40今日のレポートはまず白虎ステージから。

50_2a flood of circle!

60_2佐々木亮介

70渡邊一丘
90_2HISAYO

80_2そして、サポート・ギターのアオキテツ。

100アオキさんはMarshall 1959。

110AFOCがMarshall Blogに登場してくれるのは一体何年ぶりのことだろう?
少なくとも今のマーブロになってからは初めてのことだから軽く丸5年は経っている。
MarshallのJMD:1が発売された頃、チョクチョク出てもらっていたんだよ。
一番最初にAFOCを観た時、まだベースがHISAYOさんの前の人だった。

120その間、1度もお会いしていないのに佐々木さんは私のことを覚えていてくれたし、アオキさんはMarshall Blogを読んでくれているというし、実にうれしかったね。
190そしてもうひとつうれしかったのはAFOCのサウンド!
佐々木さんの皮ジャンにGretch!
1曲目は「I'm Free」。

130やっぱり骨のあるロックにはMarshallだな~。
音も見た目も!

140_2続いて「Blood Red Shoes」。
切れ味鋭いドライビング・チューン。

150_2お、ペギちゃんがステージそでで演奏を見てる。

135コレは私も覚えてる…「Quiz Show」だ!
「Purple Haze」のモチーフとカウントダウン…すごく印象的だったんだよね。

180_2マイナーのワルツと疾駆する8ビートが交錯する展開がカッコいい「Flyer's Waltz」。

170_2そういえば、昔「どんなに汗まみれになっても佐々木さんは絶対に革ジャンを脱がない」って書いたことがあったっけ。
それも変わっていない。
うれしいね…ロックンロールの正装だからね。

1_img_0300さらに「プシケ」。
ステージ狭しと猛烈なアクションでギターをかき鳴らすアオキさん。
何でも公募で加入したそうだが、バンドのイメージにバッチリすぎるぐらいマッチしている。

160メンバー紹介を挟んで「New Tribe」で出番を終えた。
コレを機に、またひとつ、よろしくお願いします。
 
200a flood of circleの詳しい情報はコチラ⇒official web site

1_img_0307天狗ステージに移動。

210ナンダカンダ言って『八王子天狗祭 2017』もクライマックスを迎える。
トリの登場だ。
一日早かったわ~。
NATALのドラム・キットがステージにセットされる。
グッドモーニングアメリカの登場だ。

220_2「みなさ~ん!」
いつも通り奇声とともに現れたたなちゃん。
今日はマッチョな方々の騎馬に乗っての登場。
たなちゃん、細いな~!

230_2大きな歓声に包まれながら会場内を練り歩く。

230そして、マッチョもろともステージに上がって演奏がスタート!
1曲目は「未来へのスパイラル」。

240_2「待ってました!」とばかりに大合唱!
会場が瞬時にしてグドモ一色になってしまった!

250_2金廣信吾

260_2渡辺幸一

270_2幸一ちゃんはMarshall JVM210H。

280_2たなしん

290_2ペギ

Gma2_img_0967 ペギちゃんのキットはNATALのメイプル。

310_2フィニッシュはシルバー・スパークル。

320_2チョット写真ではわかりづらいんだけど、ペギちゃんはドラム・キットについているパーツを全取っ替えした。
「ブラッシュト・ニッケル」という黒味がかったビンテージっぽいフィニッシュのパーツだ。
渋い!

330_2スネアはアッシュのステイヴ。
コレは本当に音がいいナァ。

340_224"のバスドラムがスッカリ定番化したね。

345続けざまに「アブラカタブラ」。

350_2人気曲の連続で会場の温度がグングン上がっていく!

360_2幸一ちゃんもいつも通りしょっぱなから猛ダッシュ!
「アブラカタブラ」の後、ご挨拶。
「今日は本当に来てくれてありがとうございます!目の前の皆さん、ひとりひとりのおかげです。泣いても笑ってもオレたちが最後!ドラムのペギさん、今の心境は?」

Gma1_img_0423 ココで振られると思っていなかったペギちゃん。
「こうやって見てみると日本人って黒髪が多いですね~。ありがとうございます」
今の心境にバッチリのコメント!

300_2続いてたなちゃんコーナー。
やっぱコレがないとね。

450「3、2、1、ファイヤ~!」

4603曲目に「言葉にならない」。

380_2グドモは10月にニューアルバムを出したばかりなのに、やっぱり従来のおなじみのレパートリーで固めるね。
コレは「盛り上げ重視」のフェスの定石なのかしらん?
390_2次もやっぱり…「コピペ」。
イントロだけで大騒ぎ。

370vで、ココへ来てニュー・アルバム『502号室のシリウス』から1曲。
前に同じステージに立ったゴールデンボンバーが「尻と臼」でやってましたナァ…「シリウス」。

400_2曲は「風と鳴いて融けてゆけ」。
新しいグドモ・スタンダードとなりそうな1曲。

410vそれにしてもMVでは完全に風と融け合っていましたな。上の方から猛スピードで。

420金ちゃんのMC。
「第2回目の八王子天狗祭。またこのステージに立つことができました。色々とうまくいかなくて続けて行くことはムズカシイことだと感じました。
でも、今年も最高の景色を見ることができました!
オレらだけでは何もできないけど、みんながいれくれるおかげで本当に大好きな音楽をやることができます。
青春をすごした八王子で来年もやりたいと思います」
…とお客さんに言葉を投げかけて、ギターを降ろした。
490vハンド・マイクで熱唱したのは『inトーキョーシティ』から「STAY WITH ME」。

495v「♪Stay with me, stay with me」のリフレインが感動を盛り上げる。

500そして、本編の最後を飾ったのは「空ばかり見ていた」。

430火に油をたんまり注いだかのような爆発的な騒ぎ!

440もうこうなると後ろからガンガン若者が降って来るんでコッチとしては前と後ろを見ていなければならないので大変忙しい!

480vすぐにアンコール!

510「天狗祭を支えてくれたみんな、そして来てくれたみんなのおかげです。オレたちバンドマンはライブと音楽でお返しをするだけです。
またライブに来てください!」

520vそして、「拝啓ツラツストラ」をプレイした。
「ツラツストラ」は久しぶりのような感じがするな。

530

540v

550

Gma2_img_0676

570vすべての演奏が終わり、出演者が全員ステージに集合して記念撮影。
こうして『八王子天狗祭 2017』の幕が下ろされた。

Img_0538 さて、相変わらずグドモは忙しい。
今、最新作『502号室のシリウス』のレコ発ツアーの真っ最中。
ツアー・ファイナルは3月25日の渋谷TSUTAYA O-EASTだ。

Cdg

さらに!
今年はグッドモーニングアメリカの10周年アニバーサリー・イヤーなのだそうだ。
色々な企画が目白押しだからね。
詳しくはコチラをチェック!⇒10th ANNIVERSARY特設サイト

Gma10 グッドモーニングアメリカの詳しい情報はコチラ⇒Official Site

50_3

★NATAL NEWS★
もうすぐNAMMショウですな。
それに向けてなのかな?
NATALのCafe Racerシリーズに新しいフィニッシュが加わるみたい。
 
1. Piano White with Black Sparkle Double Split
スゲエ名前だな。31のアイスにありそうな…。
写真ではまったくわからない毛d黒い2本のストライプはラメラメなのでしょう。

Nn1   

2. Green Sparkle with Black Sparkle Double Split
上のヤツのグリーン・スパークル版。
NATALのラメラメ・フィニッシュはメッチャ美しいからね~。
ホンモノが見てみたい~。

Nn2   
3. Tulip Wood Veneer
チューリップ・ウッドはローズウッドと同じ属の木。
これもイイ感じだ。

Nn3     

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

  

(一部敬称略 2017年11月11日 エスフォルタアリーナ八王子にて撮影)

八王子天狗祭2017 <前編>~MAGIC OF LiFE & 04 LIMITED SAZABYS

  
生まれも育ちも東京の東部だったので、京王線ってのは滅多に乗ることがなかった。
今でもそう。
小田急線なんかはホントに人生のウチで数えるほどしか利用したことがない。
八王子も同じ。
今でこそタマ~に来ることはあるが、八王子方面に出かけることはかなり珍しい。
でも今日は八王子…のチョイととなりに来た!

10「挟間」というところ。
こんな駅があるのを全く知らなかった。
で、気になる…名前が。
一体ナニとナニの狭間なんだッ?!
まさか「人生の狭間」か?
…と思って調べて見ると、ナ~ンダ、ただの固有名詞。
近くの集落の名前をそのまま駅名にしたとか。
ま、その集落がどうして「狭間」なのかは調べなくてもいいや。
この駅、昭和42年(1967年)の開業だというから、私より若いわ。
ただ1967年というのはロック史においてはとてつもなく重要な年だからね。
ビートルズの『サージェント・ペパーズ』をはじめとした歴史に残る名盤が集中して発表された年なのよ。

Img_0003 さて、今日ココへはるばるやって来たのは…

20『八王子天狗祭 2017』!
会場は挟間駅真ん前の多目的アリーナ、「エスフォルタアリーナ八王子」。

30八王子出身のグッドモーニングアメリカが主催する一大ロック・フェスティバル。
今年で2回目の開催となる。

30vMarshall BlogではおなじみのMAGIC OF LiFEも出演する。
この幟(のぼり)、スゴイんだぜ。
印刷された布が縫い合わされていて、、風に吹かれて裏返しになってもデザインが反転しないようになってるの。40v会場の入り口では「ぱっちぃ」くんがお出迎え。
最初ピーナツかと思ったらトンデモナイ。
八王子の「8」のデザインになってるんだね。
天狗祭の協賛をしている日本工学院八王子専門学校の7つのカレッジカラーをまとった王子様だ。
日本工学院さんには昨年NATALでお世話になりました。
  
詳しくはコチラ⇒ペギちゃんのNATAL体験教室!in 八王子

1_img_0024ロビーにはたくさんの祝い花が…。

60四国は高松のライブハウス、モンスターからも!
モンスターさんにはNATALドラムスをご使用頂いているのだ。
ありがとうございます。

70vその傍らでは金ちゃんが何やらメディアのインタビューを受けているよ。
おにぎりの販売もしたとか…。

80ステージはふたつ…「天狗」ステージと「白虎」ステージだ。
まずは「白虎」ステージに登場したMAGIC OF LiFEから。

90高津戸信幸

100v山下拓実

110v渡辺雄司

120v岡田翔太朗

130v翔太朗くんはNATALメイプル。美しいフィニッシュはシー・スパークルだ。

140MOLは冒頭、おなじみのナンバーで攻めて来た。

150「storyteller」と「弱虫な炎」だ。
9月にニュー・アルバム『Niemeyer』をリリースして、ツアーも無事終了させたにもかかわらず旧作からスタートさせるなんて渋いというか、余裕というか…。

160vコレがその『Niemeyer』。

Photo「MAGIC OF LiFEと申します。スゴイ、イッパイですね!うれしいです。
グッドモーニングアメリカ、大好きです!」とあいさつした後…
「歌を歌おうじゃないか!」とココからジックリと『Niemeyer』のレパートリーを披露した。

240ま、「ジックリ」と言っても残念ながら持ち時間は少ないんだけどね。
MAGIC OF LiFEのエキスをタップリと発散した演奏だった。170まずは「乱舞ランデブー」。

180チョット「2-3クラーベ」の要素を取り入れたようなMOLらしいリズムのアクセントを持った曲。
ん~、やっぱり翔太朗くんのドラムスはカッコいいナァ。
手前ミソながらNATALの音も素晴らしい。

190v続いて「Ansewr」。
バッキングのギターがいいね~。

200vもうこの辺りになると盛り上がりも最高潮に達した。
今日も渡辺くんのアクションが激しい!写真を撮るのがムズカシイぞ!
220みんなで「♪ウォッウォッオオ」と歌うのは「呼吸」。
この曲は『Niemeyer』の収録ではない。
楽しいね~!

210v「アナタにとって特別な1日になりますように…最後まで楽しんで行ってください!」と「線香花火」で出番を締めくくった。
この曲のMVはYouTubeで230万回以上のアクセスがあるのよ。
イギリスのNATALの担当者、ゲイリーがそれを知ってブッたまげてた!

230v2月からツアーが始まるMAGIC OF LiFE。
5月には自分たちが主催する栃フェスもあるし、今年もギンギンの活躍が期待できそうだ。
今年はMarshall Blogも栃フェス行こうと思ってる。
  
MAGIC OF LiFEの詳しい情報はコチラ⇒official web site

250変わって天狗ステージ。
ただならぬ歓声の中、舞台に姿を見せた4人は04 LIMITED SAZABYS!

260ボーカルズ&ベースのGEN。

270上手のギターはHIROKAZ。

280ドラムスはKOUHEI。

290そして、下手のギターがRYU-TA。

300RYU-TAくんがガッツリMarshallなのよ!
うれしいね~。
Marshallがあるだけでそこはロックのステージになるのだ。

310ヘッドはジョー・サトリアー二のシグネチャー・モデルJVM410HJSが2台!
スピーカー・キャビネットは1960Aだ。

320正直が取り柄のMarshall Blog。
白状しちゃうと…大変失礼ながら、この時、このステージを拝見するまで04 LIMITED SAZABYSを存じ上げなかった。
普段Marshall Blogをご覧になっていらっしゃる方の中にも世代の違いからこのバンドをご存知ない向きはいらっしゃるだろう。
少し書いておくと…2008年名古屋にて結成。
インディーズ時代にミニ・アルバムを3枚、シングルを1枚リリースし、メジャーへ進出。
昨年の2月には日本武道館公演を実現させた。
そのチケットは即日完売だったという大人気グループなのだ。

330GENくんの抜けのよい独特の歌声。

340ギター2本による…

350厚みのあるアンサンブルとソロ。

360ストレートに爆走する飾り気のないドラムス…。

370わかるよね、やっぱり。
我々の世代がいうところの「ロック」とは異なるモノだけれども、シンプリシティを礎にした「ロック」という音楽のわかりやすさや楽しさがふんだんに盛り込まれてるもん。
それと、やっぱり声。
歌のある音楽はとにかく「声」がすべてを左右するからね。
「フォーリミ」は一聴して「それ」とわかる声を持っている。
  
コレが今の若者を酔わせているロックなんだ。

1_img_0225 その現場にMarshallが立ち会っているということがすごくうれしい。
ありがとうRYU-TAくん!
しかし、今時エクスプローラー・シェイプのギターってのは珍しいね。
そんな独自性も若い人たちにとっては新鮮に映るのかな?

390「ココ八王子じゃないよね!ココ狭間でしょ?」…私みたいなこと言ってる!
「久しぶりに八王子でライブをやると思ったけど、違うよね?!
皆を幸せに楽しい方向に、音楽を通して導こうと思っています。
よろしくお願いします!」

38004 LIMITED SAZABYSのステージをジッと見つめる男たち…。

375あ、見つかっちゃった!
グドモの金ちゃんとMOLの渡辺くん。
実は今、サプライズでグドモの曲を演奏しているのだ!

376いいように天狗ステージを沸かせ返らせてステージを降りた。
ドンドン盛り上がって来たぞ、ハチテン!
2_img_026204 LIMITED SAZABYSの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAl WEB SITE

400<後編>につづく

★NATALについて★
時は1965年、場所はロンドン。
伝説のパーカッショニスト、アラン・シャープは理想の楽器を編み出すことに没頭していた。 
そして、ついにそれを手に入れた。 
やがてその楽器は多くの人の知れるところとなり、
レッド・ツェッペリン
ディープ・パープル
ザ・ローリング・ストーンズ
ブラック・サバス
UB40
ボブ・マーレー
…らに重用された。
アランは「*ロー・プロファイル・フープ」の開発者。
彼はいつもナニかを作り出そうとしていた。
そして今、我々がそれを引き継いだ。
アラン・シャープのレガシーは生きている。

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

  

(一部敬称略 2017年11月11日 エスフォルタアリーナ八王子にて撮影)

2018年1月16日 (火)

amber lumberワンマン・ライブ

    

今日は初めてお邪魔する神田のTHE SHOJIMARUというお店からamber lumberのワンマン・コンサートの様子をお届けする。
amber lumberは2回目の登場。

10v店内に展示されたamber lumberのオリジナル・グッズたち。

20amber lumberのグッズはすべて手作りだからね。
まるで「道の駅」に売っている手作り野菜のように、自信ありげに「おいしいから心配ない!」と主張している。
ホントに大変だよ、コレだけやるの。

30ライブの来場者に配られる特典のエッセイ「ambering lumbering」。
2人でコマメに書き続け、コレもかなりマッシブなコレクションになってきた。

40amber lumberの2人がステージに上がる。

50森永JUDYアキラ

60山本征史

70意外にも初の単独公演という。
好評のデビュー・アルバム『運命の輪っか』収録曲をフィーチュアしてショウは展開した。

75cd1曲目は「Eしか弾けない」。
アキラさんの左手がE9になってるでしょ?

80_eムズズズと入って来る征史さんのフレットレス・アコースティック・ベース。
ココまででもうamber lumberのキャラクターがバッチリ放出されている。

90v_2続いてテーマ・ソング「amber lumber」。
この「♪アンアンアンアン、アンバーランバ~」って耳にこびりついてて時々無意識に歌っちゃうことがあるんだよね。

100v_al_2まずはココで征史さんのベースがひと暴れ。

110征史さんがアコべを鳴らしているのはMarshall ASTORIA CLASSIC。
もちろんギター・アンプだが、征史さんがたくさん試した中でASTORIAの出す音が一番自分の音のイメージにマッチしたのだそうだ。

120「amber lumberはまだ曲があまりないので、古い曲も交えながらやっていきたいと思います」

130_bk…と演奏したのは「ブロックくずし」という曲。

140v_2続いてもアルバム未収録の「チョコレート」というブルース。
双方アルバム未収録の曲。

150v_cl_2「前半はあまりしゃべらずトントンと行きたいと思います。」
アキラさんは征史さんがかけているサングラスが気になるらしく…
「ああ、あのサングラス取りたい…」だって。

160次に演ったのはこの時点で最も新しい曲だった「雨雲レーダー」。

170コレもいい曲だね~。
征史さんのセリフだけの曲。
180v_2「♪こっちのアジサイ濡らした雨が、そっちのアジサイ濡らしにいくよ」
こんなロマンチックなセリフ、一体誰が思い浮かぶんだ?…山本征史なのだ!
もちろん「こっち」は征史さん。「そっち」はアキラさんだ。

Img_0034 次も『運命の輪っか』には収録されていない曲で「キミの知らないボク」。

190_ksbこの曲は2009年にリリースしたアキラさんの3枚目のアルバム『Arms』から。

210cd優しい歌詞とすべてを飲み込んでしまうかのような包容力のあるサウンド…アキラさんの歌によるところが大きいんだろうな。
amber lumberのルーツを窺わせるような曲。

220_kau続いても『Arms』から「冷めたスープ」。

200v_2オリジナルではパーカッションとワイゼンボーン、それにベースというインストゥルメンタリゼーションで臨んでいるが、アキラさんのギターと征史さんのベースだけでも十分濃厚な世界を作り出す。
もちろんアキラさんの作品。
コレも「アイラ―ビュー」に通じるようなamber lumberのルーツ的なサウンドですな。
ところが、「アイラ―ビュー」の作曲は征史さんなんだよな~。
おもしろいな~、音楽って。

230v第1部の最後を飾ったのは『運命の輪っか』にもどって「ここにある宇宙」。
静謐なアキラさんの歌から…

R_img_0121 征史さん爆発。

R_img_0044 ディレイの発振を使ってグワングワンとamber lumberの宇宙を作り上げる。
240v…という感じで第1部を終了して休憩に入った。

Img_0075 そうそう、このお店で出している「コーヒー焼酎」っての…征史さんのスタッフのボンちゃんに少し分けてもらって飲んだんだけど(この日は電車です)、スゲエおいしかった。
おススメ。(写真はイメージです)

Cs_2 第2部はとうとうサングラスを取り外した征史さんによる紙芝居から。
さすがに紙芝居屋ってのは見なくなったね~。
私が子供の頃はまだ頻繁に公園に来てたよ。
50年前の話ね。
考えて見ると、あの紙芝居屋が自転車に積んでいる紙芝居のフレームっての?アレってキマってボロボロだったよね。
で、もちろん演者はおジイさん。
だからあのフレームも軽く50年ぐらいは使っていたシロモノだったんだろうね。
アレ、紙芝居の合間にクイズのコーナーがあって、正解者にチョコチョコっとミルクせんべいかなんかを与えるんだよね。
みんなアレに梅のジャムをくっつけて食べてたけど、私はアレが不衛生に思えて、気持ち悪いので必ず普通のソースを付けてもらっていた。「ソースせんべい」ってヤツ。
考えて見ると悠長な商売だよね~。
おジイさん達は何も買わない子をイヤがって、セコいのになるとそういう子を追っ払っていたけど、一旦その場を離れた子供たちも平気で集まって来ちゃう。
今なら、あのフレームにセンサーがついていて、子供は紙芝居のウェブサイトからスマホにダウンロードしたQRコードをそのセンサーにかざす。センサーが反応すれば紙芝居を見ることができる…なんてことになってんじゃない?
もういい加減にしろ、デジタル!…と言っておきながらブログを書いてるんだから世話ぁない。
  
アキラさん、征史さん、ゴメン。
もうチョットだけ…。
紙芝居と同じ時代によく公園に来ていた子供のエンタテイメント業で「カタ屋」っていうのがいたでしょ?
ほんの一時期だったけど、アレには夢中になったナァ。
カタ屋のことを書こうと思ったけど、実にうまくまとめているブログを見つけたのでリンクを貼っておく。
読んで大笑いしてしまった⇒あの粘土屋は、何処へ行った?
2005年の時点で47歳と言っているから筆者は私より5つぐらい年上か…。
まったくこの通りだった。
イヤ、ナニが言いたいのかというと、部屋に閉じこもってグラブってるより、こうしたアナログ遊びの方がはるかに自然で健康的だっていうことよ。
  
紙芝居…それにしてもマメだな~、征史さん。
寝食を忘れて没頭しちゃうっていうからね。

250紙芝居のストーリーは『ここまでのamber lumber物語』。
主人公はキツネ扮する征史さんとタヌキのアキラさん。
「ナニよ、私タヌキなの?」というひと幕もあったが、曲を交えながら物語は楽しく進む。

260曲は先述のアキラさんの『Arms』から「少しずつ」。

270_szこれもとても優しいワルツ。
「♪少しずつ」というリフレインが耳に残る~。

R_img_0171 続いてはキツネさんが作った歌詞をウサギさんに送ったところウサギさんはツルっと5分で作ってしまったという「青い月夜」。
急にタヌキからウサギになっちゃった!

280この曲ができたから2人でやってこれたのだという。
普通男女混合のデュオというと女性が詩を書いて、男性が曲を書くというパターンが圧倒的に多いと思うのだが、amber lumberは完全に対面通行だ。
このことがおもしろい効果を出すのだろう。

Img_0188_2 『輪っか』の2曲目に収録されている「あたし待ってんの」。
ズバッと切り捨てるように歌うアキラさんの気風の良さを楽しむ。
そういえば、この頃になるとアキラさんもアルコールでスッカリ「いいこんころもち」って感じだったナァ。
酔っ払うとすぐ「結婚してください!」って告白しちゃんだって!

290_wm征史さんの歌で「思えども思えども」。
コレは何度聴いてもヤラれるわ~。
ナンなんだろうね、この曲。

300_ooこの曲がこんなにグッと来るのは私だけかと思っていたら…そうではなかった。
先日、ある現場で一緒になった方、その人もこのライブにお越しになっていたんだけど、やっぱりダメなんだって。
この曲を聴くともうタマらなく胸を締め付けられてしまうそうだ。
コレ、詞も曲もそうなんだけど、征史さんの声じゃないとダメなんだよね。
サッチモが歌っても絶対こうはならない。

310vアキラさんが「気持ちを込めて歌います」と演ったのは、さっきチョット触れた「アイラ―ビュー」。

330_ily深いベース・ソロが曲によくマッチする。
フレットレス・ベースってのはいいよね。

340vアルバム未収録の「ドウシテコンナニコワイノダロウ」…

350_dkkそして、征史さんがとても大事にしているという古いレパートリー「スパイラル」。

360_sp紙芝居も終了してココでひと区切りをつけた。

370vあ、またタヌキに戻ってる!
やることが細かいな~!
460次にドラムにお店のマスター、杉山章二丸を迎えての演奏。
章二丸さんに向かって、「結婚してください!」とはアキラさん。

380_rop章二丸さんとの1曲目は「ポニーに乗って」。

390vいかにも征史さんらしいメルヘンチックな一編。
ライブでチャンと演るのは初めてのことだとか…。

400v「初めてこのお店に出た時に最初に演った曲をドラム入りで…」と「Eしか弾けない」をもう一度。

410v_eココも盛り上がったね~!

415vさらに、歌とハーモニカで鬼頭径五がステージに上がる。

420_dh鬼頭さんとは「毒を吐く」を演奏。
征史さんからCDを聴かせてもらったことはあるのだが、ホンモノの鬼頭さんを拝見するのはコレが初めて。
ルックス、歌声、パフォーマンスが完璧に組み合わさってスゴイ迫力!

430vココからがアンコール。
もう一度amber lumer+章二丸さんの3人で「ココにある宇宙」を演奏。

440_kauそして「自分の曲みたいに歌っている曲」と紹介したのは、アキラさんが世界一好きだというLouis Armstrongの「What a Wonderful World」ですべてのプログラムを締めくくった。

R_img_0245 よくすごい演奏を喩えて「化学反応」なんて言葉を使うでしょ?
このamber lumberはまさにそれだと思うね。
演奏のスキルが起こす化学反応ではなくて、歌詞とメロディとアレンジと歌声とパフォーマンスがいいように反応し合っちゃって独特の世界が出来上がってしまう。
そんなことを感じたコンサートだった。

450  
<<<オマケ写真館>>>
コレは当日の終演後のようす。
Marshallの事務所が近かったので、2人が軽く打ち上げに寄ってくれた。

2img_5197 アキラさんとジャズ・ボーカルの話になって、みんなでSylvia SymsのCDを聴いて、ライブの緊張をほぐすかのように夜中の2時まで楽しいひと時を過ごしましたとさ…。
私、おジジはもうおネムだ。

480cd片時もグラスを手放さないアキラさん。
お疲れさまでした!
 
amber lumberの詳し情報はコチラ⇒amber lumber Official Website

490v(一部敬称略 2017年11月10日 神田THE SHOJIMARUにて撮影)

2018年1月15日 (月)

TOKYO BAKA EXPO 2017:犬神サアカス團単独公演『髑髏城』~私のディープ浅草 <その4>

 
またまた同じことを書いちゃうけど…何しろ時の経つのが早い!
1年に1回10月に開催しているこの『TOKYO BAKA EXPO』、アッという間にやって来ちゃう。
一番最初にお邪魔したのが2013年のことだから、今回で5回目。
アレから5年も経ってんのかよ~!
セッティングの時、「ヘタにギャラをもらうより米をもらった方がありがたい」なんて話をして盛り上がった時だ。
アータ、デヴィッド・ボウイじゃあるまいし、「5年」てひと口に言うけど、生まれたばかりの赤ちゃんが5歳になってんだぜ!?
コレはなんでもないか…。
95歳のお婆さんだったら100歳になってんだぜ!3ケタだぜ!
犬や猫の5歳ったら人間の36歳だぜ!
…ったく信じられないスピードですよ。
  
さて、2017年の『TOKYO BAKA EXPO』でも犬神サアカス團の単毒公演が企画された。
今回のタイトルは『髑髏城』。
例によって前半はコント・コーナーである。
The Whoの「Baba O'Riley」に包まれて「あぁルナティックシアター」の主宰、橋沢進一がステージに上がる。

10ん~、いつ聴いてもステキなお声…さすが我が後輩!
そう、この日は私の同窓生が私を含めて4人も集まる大同窓会なのだ。
ハイ、私が大先輩です。イヤイヤ、ただムダに年食ってるだけなんだけどね。

20v橋沢さんのご挨拶に続いて犬神サアカス團の4人が登場。
簡単な挨拶の後、今回のコントの説明がすぐに始まる。
これまで数回「いつ・誰が・どこで・ナニをした」というヤツが続いたので今回は趣向を変えようというワケ。
今回の内容は「火サスしりとり」だって。
どんなのかというと、普通のしりとりなんだけど、いかにも「火曜サスペンス劇場」のシーンのような答えを出さなければいけないワケ。
もちろん演技も交えてね。

30「寝込みをおそわれたようだ!」の「だ」。

40v「だから言ったじゃない!」の「い」。60「今だ!」の「だ」。

50v「ダダダダ、ダダダダ、ダ~ダ~(火サスのジングル)」
ウマい。
昔、お題が「ジ」の時、「♪ジャーン」と言って負けたヤツがいたけど、それはビートルズの「A Hard Days Night」のイントロだった。
写真と内容が合っていないけど、コレを2回ほどやって盛り上がったというワケ。

70…ということでライブのコーナーに突入~!
メンバーは一旦ステージを降りる。

80ステージに残ったのは…
ギター・アンプのMarshall JCM800 2203アンプ・ヘッドと2x12"スピーカー・キャビネット、1936。

90vベース・アンプのEDEN Terra Nova TN-501と4x10"スピーカー・キャビネット、D410XST。

100vそして、NATALのドラム・キット。
素材はアッシュ。フィニッシュはグレイ・スパークル。コンフィギュレーションは12"、16"、22"。

110メンバーが登場し、演奏が始まった!
今日は1曲目から「暗黒礼賛ロックンロール」。

12010月にリリースした最新作『新宿ゴーゴー』のリード・チューン。

130cd犬神凶子

140v犬神情次2号

150v犬神ジン

160v犬神明

170v続いては「花嫁」。
「♪火葬場の炎の中でふたり 灰になりましょう」とやる究極のラブソング。

180チョット前、横浜に墓参りに行った時に車を停めた近隣の火葬場の駐車場。その火葬場がスゴイところだったのを知ったのは偶然だった。
どういう風にスゴいのかは、ココにはチョット書きにくいので明兄さんに話しておくわ。

280v「暗黒礼賛ロックンロール」→「花嫁」の流れって、アレ?
こないだ犬フェスの時の和嶋さんたちの「死神ナパアム團」と同じじゃんか!
あ~、さてはパクったな~?

270_sg「改めまして、犬神サアカス團です!今年も1ヶ月公演に呼んで頂きました。このイベントも10年ぐらいかな~って感じ?
他のライブは楽しくなくなるぐらい楽園のライブは楽しいので、今日も全力で楽しんで欲しいと思います」

190凶子さんの挨拶に続いて『玉椿姫』から「虚像の誓い」。

200犬神の「天然の美」だね。
いいんよ、コレが。ノスタルジックで。
こういう曲が「帰ってこいよ!」。
情次兄さんのソロもバッチリ!
1936で十分だね。

210人気ナンバー「平成デモクラシー」。
こうしたドンガラガッタ節も最近のロックからは姿を消してしまった。

220_hdどうすんのこの曲。
もうすぐ元号変わっちゃうよ!
しかし、これだけ時の経つのが早いとすぐに「平成ノスタルジー」になっちゃうね。

230vさらに「ビバ!アメリカ」。
今日はヒット曲特集かいな?

240v_vaアメリカか…。アメリカねェ…。
昔ナンだってあんなに好きだったんだろう?
私の場合は映画だな。ハリウッド映画が大好きでアメリカに憧れた。
ところが、もうね、どんなにヒューマニズムあふれる感動的な映画でもハスに構えて観ちゃうんだよね…「どうせこの裏では世界中で戦争を起こして武器を売ってるんだろ!」って。
私は何とか「アメリカ病」を治したから、どうしてもこうなっちゃう。
炭酸飲料も絶対に飲まないし、ファスト・フードもまず食べない。
日本はまたアメリカで禁止されている農薬をそのアメリカから買うんだってね~。
スゴイなぁ日本って。アメリカのゴミ箱であり、貯金箱であり…。
そんなだから犬神の音楽が好きなんだよな。70年代のブリティッシュ・ハードロック・テイストでアメリカン・ロックの極北だから。

250v「今日初めて来た人いるのかい?楽園が初めてなの?犬神のライブは来てるの?新しいアルバムを出しても結局『地獄の子守唄』を聴いちゃんでしょ?
一番最初に買ったアルバムが結局好きなんだよね。それじゃあコッチが困るんだ!…なので最新の曲も演りたいと思います」
グッと雰囲気を変えて『黄金郷』から「エルドラード」。

260v_edジャケットを脱いでタンクトップになった明兄さん。
この曲って途中でマイナー・ブルースになるんだよね。今時マイナー・ブルースなんて他では聴けないよ~!
コルトレーンの「Mr.PC」なんてのは有名だけど、ジャズでも滅多に演らないんだから。

2_img_0123 次のセクションは『新宿ゴーゴー』コーナー。

320_ucクールなタイトル・チューン「新宿ゴーゴー」。

290v変形ブルース「昔みたいに」。

300v明兄さんのハイハットの16分音符でスタートするのは「栄光の日々」。
310vいいな~、70年代(前半)ロックのエキスたっぷりのサウンドだよ。
サビの展開がいいんだよね~。
そして、ギター・ソロの最後のピック・アップ・ソロが効果的だ。350v『新宿ゴーゴー』コーナー終わり~。CD買って~!

315vそして、最後のセクション。
まずは「運命のカルマ」。
前にも書いたけど、ホント、凶子姉さんの歌い方っていいよな~。
「♪巡り~」の「り」、「時を」の「き」、「絡み」の「ら」、「呪縛」の「く」…スっと出て来るところが実に気持ちいい。
絶対民謡に通ずるところがあるよ。
それもこの美しい声ありき、のことだけど。

330v続いても『黄金郷』から「生存狂騒曲」。

340大地を揺るがすスピード・チューン!

355vそして、本編の最後を飾ったのは「ロックンロールファイヤー」。

356vコレ演るの珍しいんじゃないの?

360今回も新旧混ぜ込んでのバラエティに富んだステージだったね~。
ところでどこが『髑髏城』なの?

370アンコールは「赤い蛇」。

390vやっぱこうしたロック・サウンドのギターはMarshallに限りますな…というか他のギター・アンプじゃできないでしょ。

400v小さな巨人、EDEN Terra Novaがジン兄さんのダイナミックかつ緻密なベースラインを忠実に炸裂させた。

2_img_0196そして、NATALはパワフルでドラマチックな明兄さんのドラミングを完璧に演出したぞ!
やっぱいいなNATAL。

420vいつも通り最後は橋沢さんのごあいさつで単毒公演は幕を下ろした。
またすぐ来ちゃうよ。
今年も楽しみだ。
  
犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式家頁
    
あぁルナティックシアターの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

430vさて、「女殺火箸地獄」に端を発して、ここのところ毎回犬神さんのレポートの巻末にお邪魔している吉原研究のコーナー「私のディープ浅草」も4回目を迎える。
まぁ、色んなことを調べていると次から次へと知らないことが出て来て実におもしろい。
興味のある方は是非ご覧くだされ。
そうでない方はここでお開き。
  

-----------------------きりとりせん----------------------

吾妻橋西詰の交差点を過ぎて馬道まで来たよ。
写真の横の通りは言問通りだ。
横浜には「馬車道」なんてあるけどね、浅草は馬道。
かなり古い地名らしい。
馬道の由来は諸説あるが、その昔、浅草寺には馬場があって、よその僧侶が馬術の練習をしに来る時にココを通ったので、「馬道」と呼ぶようになったとか…ツマらんな。
私だったら志ん朝の説を採るね。
「付き馬」の枕だ。
それは、前回&今回とやっているように、吉原へ向かうにはやはり蔵前方面から歩いたり、駕籠(かご)で行ったりしていたのだが、その前の時代には馬を使ったそうだ。
それで、その馬が盛んにこの辺りを通ったため「馬道」という地名が付いた。
ま、理屈は同じだけど、坊さんの馬の練習と吉原通いとでは大分違う。
ところが、当時はお寺の坊さんも吉原に通っていたらしい。
これぞ「生臭」の極み…さすがに袈裟をつけて吉原の大門をくぐるワケにはいかなかったので、医者の格好をして行ったそうだ。
昔は医者もスキンヘッドだったからね。

10_2馬道の交差点を右に曲がり、言問通りを大川(隅田川)の方面に進むと、左側に出て来るのが「猿若町」の標識。
「猿若町」なんてナァいいね…。
今は「さるわかちょう」と呼んでいるが、昔は「さるわかまち」と読んだ。
町名の由来は歌舞伎役者の「初代中村勘三郎」から。
「猿若勘三郎」として知られた初代の中村勘三郎(1658年没)」は、歌舞伎役者であるだけでなく江戸で初めて常設の芝居小屋を作った人。
それがリスペクトされて、当時の人がこの地に「猿若町」と名付けた。

20_2現在の猿若町のメインストリート。
全く何の特徴もないごく普通のまっすぐな道路。強いて特徴を言えば「一方通行」ってことぐらいか?それぐらいナンでもない通り。

30_4ところが、200年とチョットさかのぼるとココはこんなだったらしい。
この通りに芝居小屋が3つあって大層にぎわっていた。
ステキだね~。
当時、歌舞伎は庶民の大きな楽しみのひとつだった。
しかし、芝居小屋は躯体が大きく、構造上、中が空洞で空気が通りやすいため、一旦火が付くと盛大に炎上してしまう。さらに図体が大きいので消火しにい構造物の最たるものだった。
モノの本を読むと、江戸時代、火事は最も恐れられた災害で、何かの節目には大きな火事が関係していることがわかるね。
そんな恐ろしい火事だからして、幕府は江戸における芝居小屋の数を3つあるいは4つに制限していた。
コレらは「江戸三座(四座)」と呼ばれ、銀座と築地の間ぐらいにあった木挽町(こびきちょう)に位置していた。
時は1841年となり、水野忠邦が「享保の改革」を施行してゼイタクや余興を慎むようになると、歌舞伎を廃絶しようとする動きまで現れた。芝居のチャラチャラした楽しそうな雰囲気が風紀を乱す!というワケね。
しかし、「マァ、忠さん、そこまでしなくとも…」ということで、江戸三座をサビれたロケーションに追いやって歌舞伎の公演を継続することになった。
そうすれば風紀が乱れないし、小屋が火事になっても辺鄙なところだからあ~んしん、というワケよ。
その移転先には選ばれたのがココ、浅草寺の裏手の猿若町だった。
失礼な!
吉原といい猿若町といい、浅草をイッタイ何だと思ってんだ!
とにかくそれ以降、3つの芝居小屋は「猿若三座」と呼ばれ、江戸末期にかけて隆盛を極めた。
本物を見てみたかったナァ。

40_2上の広重の絵を見ると、屋根の上に紺の四角い箱が乗っているのがわかるでしょう?
コレは「櫓(やぐら)」と言って、幕府に認められた芝居小屋の証とされた。だから3つしかない。
櫓にはその芝居小屋のロゴを入れて、そこに人が乗って呼び込みをするワケ。
今の東銀座の歌舞伎座にも正面の真ん中にシッカリ付いてる。ま、形だけだろうけど。(現在はついていない)
このロゴを入れるってのが何ともカッコいいんだな。

Kbkz 前回紹介した喜熨斗古登子さんの本を読むと、江戸の時代、芝居見物がどれほど大きな楽しみだったのかがわかる。
何しろ女子供は芝居と寄席しか娯楽がなかったんだから。
で、猿若町の通りに入ってすぐ左側にあるこの白い建物。
ココに猿若三座のうちのひとつ中村座があった。

R_img_0121緞帳ってあるでしょ?
ホールや大き目のライブハウスなんかにある舞台からブラ下がっている「幕」のことね。
歌舞伎ではアレを定式幕といって、芝居小屋ごとに色がキメられていた。
カッコいいよね~。オシャレだよね~。
そもそもこの定式幕の起こりもさっき出て来た中村座を作った初代中村勘三郎、つまり猿若勘三郎。幕府の御用船である『安宅丸(あたけまる)』が江戸に入港する際、得意の木遣りで櫓漕ぎの音頭を取って見事に巨船をコントロールした。
あんなノベーっとした木遣りで一体どうやって音頭を取ったのかが知りたい。
その見事なワザのご褒美として、幕府は安宅丸の帆布を勘三郎に下賜した。
その帆布、すなわち白い布に黒と柿色の布を組み合わせて作ったのが定式幕の起源とされている。
したがって、白を定式幕に使うことが許されたのは中村座だけだったという。
そんな話を聞くといかに幕府が芝居の管理にうるさかったかが窺い知れるね。
今でも「平成中村座」は公演の時この定式幕を使っているんよ。

55_2そのまま進むと左手に「テラサワ」というお店が現れる。
「テラサワ」といっても低音を発して暴れているワケではない。パン屋さんだ。
このお店は国産の小麦とバターにこだわっていて、調理パンが実においしいんだ~。
「バターにこだわる」というのは、自然界には存在しない、「食べるプラスティック」と言われているトランス脂肪酸、すなわちマーガリンを一切使用していないということ。

90v調理パンはどれもオススメ。
甘いモノ部門ではこのロールケーキ。
味が濃くて大変においしい。

100_3お店の向かいの駐車場の脇に設置してある3台の自動販売機。
何の変哲もない自販機だけど…

110裏からみると…ホラ、トリコロール。
フランスの国旗になってるの。
テラサワのおカミさんに教えてあげたらエラく喜んでくれました。
「やぱっりカメラマンは視点が違いますネェ~!」なんて言ってくれたけど、そんな大層なモノでは全くありません。

120_3調理パンとロールケーキを買って歩を進める。

70v_3ね、見学ツアーの人たちが歩いていたりするんよ。「江戸を歩く」ぐらいのグループかね?

80_4この付近でガイドさんが説明するのはココ。
碑が立ってるでしょ?

60_2「江戸猿若町市村座跡」とある通り、ココには市村座があった。

60v_3市村座の定式幕は「黒・萌黄(もえぎ)・柿色」。
三宅坂の国立劇場は市村座の定式幕が採用されているそうだ。

62さらにもう少し進むと右側に出てくるのが森田座の跡だ(守田座ともされている)。
この白いビルの場所。

130_3森田座の定式幕は「黒・柿色・萌黄」。
現在の歌舞伎座も森田座のスタイルを採用しているそうだ。
コレは明治維新後、森田座は新政府の指導に従い、小屋を新富町に移転して「新富座」を開く。
新富座の開場にあたっては、時代の変化に合わせて当時の様々な近代的なアイデアが盛り込まれた。
ところが、しばらくすると「歌舞伎座」なるものが出現し、新富座よりも新しい工夫が凝らされた。
「コイツぁ、ヤバい!」と踏んだ12代目(!)守田勘彌(かんや)なる新富座の親分が、中村座・市村座・千歳座と組んで「四座同盟」というグループを結成して、役者を囲い、歌舞伎座に出演できないようにしたりして対抗する。
そこまで、角を突き合わせてモメにモメたものの、歌舞伎座は守田勘彌を座頭に迎えることによって収集を図った。
まぁ、あからさまな裏切り行為なんだけど、色々と事情があったんだろうね。
その時、勘彌はチャッカリ森田座の定式幕を歌舞伎座に持ち込んで、歌舞伎座の定式幕として定着させてしまったのだそうだ。
キッタねぇ~!

2_2考えてみると、たった黒、緑、オレンジの線がタテに並んでいるだけなのに、我々はこの定式幕のデザインでごく自然に「歌舞伎」のイメージを思い浮かべてしまう。
そして、この意匠が世の中に結構神道していることを知る。
もっとも親しみを感じるのはコレではなかろうか?

63vでも、このお茶漬けのパッケージは全然歌舞伎じゃない。
まず線が横じゃん?
それに、これまで見てきたように、江戸三座の定式幕には赤だの黄色だのは全く使われていない。
してみると、この彩色に勘亭流のフォントと隈取りのイラストはあまりにも無責任ではなかろうか?
一方、こっちはいい線いっているよ。
「歌舞伎揚げ」というくらいなので、「黒・萌黄・柿色」の市村座スタイルになっている。
製造会社によると、日本の代表的な食べ物である煎餅と同じく代表的な芸能である歌舞伎を「同じ伝統的」なモノとして絡めたのだそうだ。
だからチャンと市村座の定式幕を調べたんだろうね。
しかし、このお煎餅は古いよ。私が子供のころからあるからね。50~60年のロング・セラーなのではないかしら?…と思って社史を調べてみると、「昭和32年に開発した」とあるから1957年のこと。
Miles Davisで言えば『Walkin'』や『Cookin'』がリリースされた年だ…といえばどれぐらい古いかがわかるだろう。
わかんないか?
恐るべし「歌舞伎揚げ」。
あと「横綱揚げ」も古いよね。

136浅草の東洋館の看板は「黒・柿色・萌黄」の森田座スタイル。
さっきも書いたように江戸時代の庶民の最大の娯楽は芝居(=歌舞伎)と寄席だったからね。
寄席に定式幕のデザインが施されるのは至極うなづける。

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上野の広小路亭という寄席の看板は向かって左が「黒・柿色・萌黄」の森田座式で右が「黒・萌黄・柿色」の市村座式だ。

R_2img_5521_4お、ココは市村座のパターンだ。

R_img_5534さて、「今、吉原のことを色々と調べていて、猿若三座にも興味がある」と先のパン屋のテラサワのご主人に話したところ、「それなら藤波さんを訪ねるといい」と教えてくれた。
「藤波」というのはこの通りにある「藤波小道具株式会社」という芝居の小道具を扱っている会社のこと。

150v_2まさか、どこの馬の骨かもわからないオッサンがいきなり入って来て「吉原や昔の猿若町の話を聞かせてくれ」なんてやったらツマみ出されるに決まっているので当然ご遠慮させて頂いたが、調べてみるとこの会社がスゴイことを知った。
創業は明治5年(1827年)。
歌舞伎の舞台で使用する小道具を扱うことを生業していたが、テレビの放送が始まると、最初の放送から全テレビ局の番組で必要とされる小道具を一手に納めていたという日本の小道具界の雄なのだ。

160_2コレも広重…「猿わか町夜の景」という作品。
いいね~、満月の明かりで人影ができてる。
櫓の位置からすると、上で紹介した絵とは反対のサイトなんだろね。

170v_2藤沢周平の短編に「猿若町月あかり」という短編がある。
金の無心に来た義理の甥っ子を、追い返すだけの話し。金を渡してもどうせ博打に使ってしまうのだろうから本人のためにならないと主人公はニベもなく断るが、悩んだ結果、甥っ子を追いかけていくばくかの金を渡す。
暗い夜道を追いかけていると、急に明るく、人通りが多くなるシーンがあるんだけど、それが猿若町のこの通りなんだな。
きっと藤沢周平も上の広重を見て話を思いついたんだろうね。
今では真っ暗だよ。
ところで、いいよね~、藤沢周平って。ついつい読んじゃう。
藤沢周平はもう1997年に亡くなっているが、昨年末、奥さんの小菅和子さんも86年の天寿を全うされた。(藤沢周平の本名は「小菅留治」という)
この和子さん、長いこと藤沢さんの原稿の誤字脱字のチェックやスケジュール管理をされていたのだそうだ。
どっかで聞いたことあるな…Marshall Blogと全く同じだ!
きっと和子さんは藤沢さんのファンで、『ミザリー』みたいに誰よりも先に藤沢作品を読むのを楽しみにしていたんだろうね。

Htg ウワ~、近所のお茶屋さんで久しぶりにこういうのを見た。
緑茶を炒ってほうじ茶を作るマシン。
昔はどのお茶屋さんの店先にもこの機械が置いてあった。
子供の頃、このニオイが苦手だったのでよく覚えている。
さっき萌黄色なんて言葉を出したけど、お茶の色は緑なのに、どうしてブラウンのことを「茶色」って言うんだろう?
それは…。
「茶染め」ってあるでしょ?昔はお茶の葉っぱは染めの材料として使われていた。アレ、茶色でしょ?だから「茶色」なんだって。
そもそも、昔は番茶のような茶色のお茶を飲んでいたのだそうだ。ややこしい。
しからばbrownの語源は何だろう?
…と調べてみると「bear」とルーツが同じらしい。
175靴屋が林立する花川戸を抜けて、大川(隅田川)に沿うようにして歩を進めると、左側に現れるのが「待乳山聖天(まつちやましょうてん)」だ。
浅草寺の支院のひとつで本名を「本龍院」といいう。

180_2池波正太郎の生家が近いということで、こんな碑が立てられている。
池波正太郎はジム・マーシャルと生年が同じなんだよね。1923年、大正12年、すなわち関東大震災があった年だ。

190_3せっかくなのでチョット境内に入るよ。

200_3提灯には大根のイラスト。

210_4そう、ココはお供えものが大根という珍しい神社なのだ。
「大根は清浄、淡白な味わいのある食物としてすべての人に好まれ、しかも体内の毒素を中和して消化を助けるはたらきがあるところから、聖天様の「おはたらき」をあらわすものとして尊ばれ、聖天様のご供養に欠かせないお供物とされています。
私たちはそのお下がり(おさがり)を頂くことによって、聖天様のお徳をそっくり頂戴し、身体と、心の健康を得ることが出来ます」ということなのだそうだ。
ところで、演技のヘタな役者のことを「大根役者」って言うじゃない?
アレ、諸説あるようだけど、林家正蔵(のちの彦六)が『中村仲蔵』という噺のマクラで説明しているのは、大根は食あたりを起こさない食べもの…つまり「当たらない」というワケ。
うまいこと言いますな。

220_2この神社はチョットした高台に建っているので、お年寄りや身体の不自由な方のために、社殿の裏にモノレールが設置されているのよ。

230_3ハイ、到着~。

240_2もちろん無料。

250_2待乳山聖天のほぼ隣。

260_3後ろはこんな感じ。
すぐ横が台東区立リバーサイドスポーツセンターというロケーション。

270_3もう1回景色を確かめておく。

280_3ココ、明治時代にはこうなってた。
この橋の下を通っているのが「山谷掘」という吉原へ続く運河だった。
この川と平行に走っていたのが「日本堤」。
吉原に行く人たちは、徒歩や駕籠なら日本堤を通って、また、水路だと柳橋から猪牙船(ちょきぶね)に乗って、大川をさかのぼり、この山谷掘を利用して吉原に向かった。
風流だね~。
ココに見える橋は今戸橋。
山谷堀の最下流の橋だが、いつ建造されたのかは不明。
でも江戸時代のことらしい。
この下を吉原通いの船が通った頃には「今戸橋 上より下を人通る」というぐらい船がガンガン行き来していたらしい。

290江戸時代はこんな感じ。広重の「真乳山」という絵。
なるほどチョット奥まったところに橋が架かっている。

My猪牙船というのは、こういうヤツ。なるほど猪の牙みたいな形をしてる。
細身の形をしていて、吃水が浅いため、操船が大変不安定だったそうだ。
で、この船から立小便ができるヤツはたいてい親から勘当されていたという。
つまり、そんな不安定な船の上から用を足せるほど猪牙船に慣れているということで、それは吉原通いで大変な放蕩をしていることに他ならないというワケ。
この絵では船頭さんが竿を突いて操船してるでしょ?
他に櫓(ろ)を使う方法があった。
ギーコギーコって漕ぐあの「櫓」ね。
この竿と櫓、どっちが難しいと思う?
「竿は三年、櫓は三月」といって、竿で船を操る方がはるかに難しいのだそうだ。

305この「竿は三年、櫓は三月」というのを桂文楽の「船徳」という噺で覚えた。
八代目桂文楽、黒門町の師匠。
黒門町というのは今でいうと御徒町のエリア。
私は落語だけは超ミーハーで、五代目古今亭志ん生がやっぱり一番好きなんだけど、文楽も負けないぐらい好き。
2人とも昭和の大名人で、ライバルだった。
ジャズ・ギターで言ったら志ん生はウェス・モンゴメリー、対する文楽はパット・マルティーノ。
文楽は同じ噺を演ると、ほんの数秒しか違わなかったという完璧主義者だったが、晩年、高座でセリフが出てこなくなり、絶句。
「勉強しなおして参ります」とお客さんにお詫びをして、噺の途中で高座を降り、その後、二度と高座に上がることはなかった。

306古今亭志ん生は奥さんが亡くなった時には涙を流さなかったが、間を上げずしてライバルの文楽が死んだ時は声を上げて大泣きしたという。
志ん生と文楽はこの先も出てくることになるのでココで触れておく。
何しろ志ん生は明治の吉原に入り浸っていたのだから。
 
ちなみに、今の桂文楽はペヤングです。
それと知ってると思うけど、志ん生はネジネジの中尾彬の義理のオジイちゃん。
志ん生の長男の金原亭馬生の娘が池波志乃。そのダンナさんがネジネジ。
307v今のこの欄干は大正15年に竣工した時のモノ。

2img_5539昭和62年に山谷堀を埋めた時にこの欄干だけ残したのだそうだ。

2img_5540 山谷堀の暗渠の上は公園になっている。

300しかし、100年以上前にはここを船が上り下りしていたとはね~。
見て見たかったな~。
堀の岸には船を取り扱う船宿というものがあって、船でやって来た人はそこでイッパイやったり、泊まることもできるし、そこで吉原に行くための着替えをすることもあったのだそうだ。
上に文楽の船徳の若旦那は勘当されて行きつけの船宿に転がり込んで、慣れない竿を使って船を操りお客さんをパニック状態に陥れるという爆笑噺だ。
ところでこの辺りは「今戸」というんだけど、「今戸の狐」というのはこの辺りを舞台にした噺だ。
「狐」違いが起こす大爆笑噺。
前半の言葉の説明がシッカリできていないとサゲ(落ち)がおもしろくも何ともない。
コントのアンジャッシュなんかはこういう噺を聞いて参考にしているのだろう。

310_2この山谷堀と並行して走っているのが日本堤。
「堤」というぐらいだから、昔はここは堤防だった。

380_3広重は「待乳山山谷堀夜景」という作品も残している。
日本堤を歩く女性。
向こう側に見える川のようなものが山谷堀だ。
…と思ったら、コレそうではなくて、川のようなものは大川、すなわち隅田川なのだそうだ。
なんだよ。
つまり、川向こうの向島から山谷堀の下流を見ているロケーションなのだそうだ。

375vこれも広重。
「よし原日本堤」という日本堤を俯瞰した絵。
上の女性はココを歩いていることになる。
駕籠が盛んに行き交っている。
予算に余裕のある人が駕籠や船を使って吉原を目指した。
一般人はひたすら徒歩だ。

Ntまた、山谷堀に戻って…ハイ、ここ!
前述のように山谷堀は暗渠になってしまっているが、昔の地名が残っていて、ココには「紙洗橋(かみあらいばし)」という橋がかかっていた。

320_4後ろはこんな景色。
スカイツリーがドンドン遠ざかってきた。

325現在「紙洗橋」という名称は交差点の名前になっている。
よく買う気もないクセに商品を見たり、店員に値段を訊いたりすることを「ひやかし」っていうでしょ?
「あ~、どうせひやかしの客だ」みたいな。
この言葉はココが発祥の地とされている。
昔は浅草和紙というのがあって、この辺りに紙を漉す業者が集まっていた。
和紙を作る時は、原料の木の皮を煮て、それを冷まさなければならない。
材料が冷えるまでの間、することがないので、職人たちは時間つぶしでココから吉原に出かけた。
当然、そんな職人には登楼する経済力などないので、見世の遊女をからかったりした。
つまり、紙を「冷やかし」ている間にそういうことをしたことからこの言葉が生まれたのだそうだ。

330_2もう少し行くとこの地方橋の交差点に当たる。
向かって右側の今は下水道局の施設になっているところあたりまでが山谷堀だった。

340_3ココでグルメ情報。
上の写真の交差点を背中に隅田川方面にチョット行く。清川分室通りと交わった角にこの「金太楼寿司」がある。
店名は「サービス売店」。

350_3見て、値段。
にぎりが1人前で550円だぜ。
地元に事務所を構える人から教えてもらって早速行ってみた。
ゼンゼン普通。量もタップリでお得感爆発。

360_2金太楼寿司は関東近郊に17店舗を展開している大正13年創業の老舗。このサービス売店のすぐ近くに本店があるのだがコッチは普通の寿司屋の値段。
そのココを教えてくれた地元の知り合いから聞いた話では、山谷の人たちにも寿司を召し上がって頂こうというボランティア的な考えでこの値段がついているらしい。
ちなみに金太楼寿司のウェブサイトではこのサービス売店を紹介していない。

370_3さあ、いよいよ吉原に到着!
歩いて来ても、船で来ても、最終的には日本堤から下って吉原に入っていく。
下の写真で言えば右から左へ移動することを示す。

390_3現在ではココの交差点が吉原大門(おおもん)となっているが、実際にはもう少し奥まったところに大門はあった。
実際に蔵前からココまで歩いてみたけど、マァ、スタスタ歩いて30分ぐらいか?
大した距離ではない。
吉原に行く連中はその30分がどうしようもないぐらいワクワクだったんだろうね。
舞浜の駅からディズニーランドの入場口に向って歩くようなものか?
私だったら駅から中古レコードに向かう時だ。

400_4<つづく>

 

2018年1月13日 (土)

-おれパラ- 10th Anniversary ORE!! SUMMER~私の富士山 <後編>

   
『Original Entertainment Paradise-おれパラ- 10th Anniversary ~ORE!! SUMMER~』レポートの<後編>。
…と、その前に~。
またまた富士山関係について書かせてくださいね。
イヤな人はまたドバ~っとスクロールしてもらっていいですからね。

10_2「ふじさんミュージアム」の次に訪れたのは「富士山レーダードーム館」。

2035年にわたって富士山のてっぺんで台風観測を続けたレーダーがお役御免となったので、それを地上に下ろして来て復元した博物館。

30_3コレがそのレーダー。

50レーダーには何の興味もないんだけど、コレに大アリ。
作家の新田次郎。
『八甲田山死の彷徨』や『剱岳:点の記』などが映画化されている山岳小説家。この人、元は気象庁の職員だった。
その関係で富士山に関する作品を残している。

60_2例えばコレ。おもしろかった。
1707年の富士山大爆発を題材にした作品。

70bコレはそれこそ山頂にレーダーを取り付ける事業をテーマにした一編。
チョットね~、ドラマが無さ過ぎて物語としてピンと来なかったナァ。

80b日本の天気予報って富士山の上に観測所を作る前まではメチャクチャだったらしい。
「コレじゃイカン!」ということで、明治時代に自費で富士山のてっぺんに観測所を作った人を支えた奥さんの物語。
コレはおもしろいよ。
それほどたくさん読んでいるワケではないが、私は新田次郎の作品が好きで、『武田信玄』と『アラスカ物語』は夢中になって読んだ。

90bその他、当然気象観測に関するアイテムの展示がズラリ。

100_2そして、メイン・イベントはコレ!
気温-8℃、風速13mという富士山頂の過酷な環境を体験できるというシロモノ。

110_2スタジオみたいな所に入って、係りの人が「イキますよ~!」と言いながらスイッチを入れると、すべての扇風機が盛大に回って「ブワ~」っとすさまじい冷気が飛び出してくる!
一緒に体験した家内は寒さに弱いもんだから一気に震え上がっていたけど、11月生まれの私はそれほどでもなかったな。
何度もココに書いているけど、金沢の魚の冷凍庫の-25℃や-50℃に比べれば何でもない。
でも、お年寄りがこの夏の暑いさなかに汗にまみれでいきなり入った日にゃ「ヒートなんとか」で命に関わるかも知れんね。
そんな感じ。

120_2さて、最後のポイントはココ。
昨日ふじさんミュージアムのところで触れた御師の家。
130_2下はココに飾ってあった写真。
この家の前の通りのようす。
もちろん今のモノではないよ。
1867年にフェアトリーチェ・ベアトというイギリス国籍を持つイタリア人の写真家が撮影したもの。
ベアトは1863年から21年もの長きにわたって横浜に滞在した。有名な江戸の街のをパノラマ写真を撮った人ね。
左半分に富士山のシルエットが見える。
ベアトはイタリア生まれということで山の美しさを知っていたかも知れないが、この富士山の美しさには息を飲んだに違いない。
ところで1867年といえば大変な年だ。
前年に徳川慶喜が征夷大将軍に就任し、11月には大政奉還に踏み切った年だから。
京都や江戸では上へ下への大騒ぎが起こっていたのにナンダこの写真のノンビリ加減は?!
イヤ、そうでもないかもしれない。
真ん中あたりに立っているお婆さんはその前に座っているお婆さんと盛んにおしゃべりをしているところらしい。
「慶喜はどうするつもりズラ」
「政権を朝廷に返すら~!」
「そんだらことしたら会津や桑名がダマってないズラ」
「だっど、時代は薩摩、長州ズラ。錦の旗を持ってるら」
「なんだ、お前、討幕派ズラか?」
「インや、おマンマが食えりゃどっちでもいいズラ」
なんてことを話している。
右端の方にはヒザを抱えて座っているオジサンがいる。足にはゲートルみたいなものを付けているので強力さんかもしれない。
しかし、キレイなパンフォーカスで撮ってるズラ。

2_70r4a9415コレはその40年後ぐらいか?同じロケーションで撮った明治後期の写真だそうだ。
例の鳥居が設置されている。
やっぱり富士山には盛大に霧がかかっていて見えないね。
右は宿屋。
慶応の写真には道の真ん中に用水路があったが、ココでは鉄道の軌道敷になっている。

2_20r4a9415コレは馬車鉄道のレールだったのだそうだ。
馬が引っ張る車だね。
下は大正2年の撮影。
左にも宿屋の看板が出ている。
いかに富士講が盛んだったのかが窺える。

2_30r4a9415さて、現在の御師の家に戻ろう。
入り口の右側には富士山の雪解け水が流れる小川が流れている。
150_2「外川義直」という表札。

140vこの外川義直さんという方は昨日掲載したこの写真の向かって右の人。
いかにも立派ですな。
義直さんは明治14年(1908年)に外川家に婿に入り、向かって左の登さんの後を継いで外川家の当主になったそうだ。

110
家族とお手伝いさんと撮った大正13年の外川家の様子。
左の半纏を着た2人は強力さん。外川家に出入りの強力さんだったのだろう。昔は強力の組合ってのがあったらしい。
大正13年と言えば、関東大震災の翌年だ。東京はまだ相当な混乱状態であったことだろう。
おそらく富士講どころではなかったハズだ。
つまり、外川さんのところの商売も閑古鳥が鳴いていたのではなかろうか?
コレは記念撮影だからであろうか、それとも御師の家という理由からなのか、子供まで着物を来て袴をはいている。
地方ともなると大正末期はまだ和服だったのかな?
この年、1924年は日本がメートル法を採用した年なのだそうだ。
知ってた?
インチだのフィートだのポンドだのオンスだの、メートル法でなくヤード・ポンド法を使っている国って、世界でアメリカとリベリアとミャンマーだけなんだって!
で、リベリアとミャンマーはメートル法に移行したか、移行する準備をしているところらしい。
もうね、アメリカ人と寸法や重量の話をするのは本当に厄介なんだよね。「エーと、1インチは2.54cmだ~か~ら~」とか言いながら電卓片手に計算するのが実に煩わしい。

2_40r4a9415御師の家というのは一種の民宿なのね。
富士山に登る人たちが前日に御師の家に宿泊する。
そこで御師が富士山の最新情報を授けたり、食料や登山の必需品を用意したりする。
それだけでなく、御師は神官と農民の中間という位置づけで、神前で参拝者の無事を祈願したりもしていた。
だからこの家の中にもかなり立派な祭壇が設置してあった。

160富士山の世界遺産登録の証書のレプリカ。

175v家は半分が宿で、半分が御師家族の住まいという構造。
冬季は富士山に登ることができないので、旅館業は夏季に限られる。
富士の裾野とはいえ夏場はとても暑く、宿泊の参拝者たちが快適に過ごせるように、風の通り抜けを考えて建てられており、エアコンがなくてもとても快適だったらしい。
冬になると御師たちは都会に出て各地の富士講を訪ねて説法をし、収入を得ていた。
強力たちはやはり出稼ぎに行って大工仕事などをしていた。
下の写真に写っている部屋は一段高くなってるでしょう?
「敷居が高い」というヤツ。
コレは先達さん用の部屋。
それほど先達さんは偉かった。

180_2鴨居には富士講の団体のロゴのプラークが打ち込まれている。
その団体の定宿という印であるということと同時にこの家のスポンサーでもあったワケ。

190_2鴨居のロゴだけではなくて、食器にも全部ロゴが入っている。

200_2フタにロゴが入っている「山包(やまつつみ)」というのは、調べて見ると千葉の富士講のようだ。
銭湯にキープしてある風呂道具と同じで、ココに泊まった時には預けてある自分のグループのロゴが入った食器を使って食事をするのだ。
「銭湯にキープしてある風呂道具」って言っても若い人は何のことかわからないだろうな。

210_2お風呂の天井。
もちろんイメージは富士山。

220v外にはいくつかの石碑が建っている。
ココだけでなく、富士山登拝に関わる神社などにも多くこうした石碑が見受けられるが、コレらは富士山に33回登ったをことを記念して建てられるもの。

230コレは「山真」という名前の富士講かな?
「登山三十三度御禮」と謳ってある。
富士講では、富士山に33回登拝すると大願成就するとされているのだ。
33回って大変だよ。そもそも富士山に行くだけでも大変な時代なんだから。
年に何回も行けるワケではないし。毎年1回ずつ行っても33年もかかる。
年月が経つウチに体力も衰えて登るのが年々シンドくなるだろうしね。
富士スピードウェイの方にある登山ルートのひとつ、須走口(すばしりぐち)には「登山899回」という碑が建っているらしい。
ホンマかいな?

240vコレはその須走口(すばしりぐち)登山道の東口本宮冨士浅間神社の境内に建てられている記念碑。
明治30年(1987年)から昭和6年(1931年)にかけて33度登山したとある。
その間56年!…来れなかった年が23回もあったという計算だ。
よく諦めなかったな~。
この祈念碑の建造者は苅部浅吉という人。
実はこの方、ウチの家内の曽祖父なのです。
だから富士講に興味があったの。
浅吉さんは先達を務めていたというから、33回登拝した「大先達」だったらしい。

250v下の写真はその曽祖父の富士講の写真。
昭和初期に撮られたモノらしい。もしかしたら昭和6年の最後の登拝の時かも知れないね。
向かって1番右の人がその曽祖父。
左から3番目のちっちゃいのが家内のおじいちゃん。私はお会いしたことがなかった。
確か私が大学生の時、渋谷の屋根裏に出演している間に亡くなった。
しかし、こんな写真よく残ってたな。
以前、他のところで書いたことがあったんだけど、ウチの家内の本家は程ヶ谷(現保土ヶ谷)の本陣をやっていたのね。その関係で富士講をやっていたらしい。
本陣というのは、参勤交代の折に各地の大名が滞在する宿のこと。
お大名様とかエライ人しか本陣に泊まれない。
下っ端はその辺の旅籠に泊まる。
程ヶ谷は東海道の4番目の宿場ね。
何しろ、文久2年(1862年)、馬が暴れてしまい、生麦村を通過中の薩摩藩主島津茂久の父、島津久光の行列に乱入してしまったイギリス人を島津藩士が追いかけて行って斬殺した事件が勃発した。
いわゆる「生麦事件」だ。
島津藩はその日、横浜宿を過ぎ、程ヶ谷宿に停泊。
当然、島津久光は私の家内の本家の本陣に宿泊した。
そして、その斬殺されたイギリス人のチームのリーダーの名字は「マーシャル」といった。
ちなみに3年前に死んだ私の父の名前は茂久である。
また、マーシャル・アンプと私が撮る写真を愛用してくれているギタリストの本名は「島津さん」だ。
もっというと、マーシャルの創業と私の生年は生麦事件のちょうど100年後に当たっている。
ま、全部偶然だろうけどね。

260_2コレはおじいさん達が富士山に登る時に実際に使っていた杖。
昨年末、ウチの上の子がアメフトの試合中に大ケガを負ってしまった時、病院に行くまで活躍した時空を超えた魔法の杖なのだ。

270v上部には「須走口」という焼き印が押してあるホンモノだ。

280_2ハイ!
以上で富士山終わり。
またコニファー・フォレストに戻ります。
そうそう、富士山が見えて来たんだよね。
でも客席からは見えない。
ステージに上がっている皆さんはこういう景色をご覧になっています。

290_2休憩の終わりにステージに現れた2人は森久保祥太郎とキーボーズのShinnosukeによる新ユニット「buzz☆Vibes」。
「Screamin' 2nite」という曲を披露。

300_2ココから「おれサマー」も後半に突入する。
後半のトップバッターは鈴村健一。

310v_2後半はお待ちかねの「おれパラ」の4人のステージだ。
ここまで冒頭を始め、転換の場面に映像で何度も登場はしてきていたが、いよいよマイクを握るとあって会場気持ちも新たに盛り上がった。

320_2鈴村さんの3曲は「INTENTION」、「SHIPS」、そして「あいうえおんがく」。

330_2後半ももちろん藤沢健至の完璧なギタープレイがサポートする。

340健至さんのMarshallはJVM410HJSと1960B。

350v今回は色々と大人の事情で自分の撮ったステージ写真が使えないのが残念だったんだけど、イメージ写真の掲載はOKを頂戴したので下の写真を使おうと真っ先に思っていた。
コレね~、確固たるイメージを持ってシャッターを切ったのです。
それはCanned Heatの「Going up the Country」なんだな。
年配の人なら多分ピンと来てくれると思う…そう、ウッドストックのあの最初の方のシーン。
アレを見立ててシャッターを切ったのですわ。
お気に入りの1枚。
一応どの写真もいつも物語を考えて撮っているつもりなのです。
写真のお嬢さん、ご協力ありがとうございます。

355鈴村さんに続いたのは小野大輔。

360_2開演前に楽屋で主催者の方とお話をしていた所に通りかかったのが小野さん。
「コチラ、Marshallの…」とご紹介を頂いたんだけど、見た目の通り、ま~ナント感じのいいお方!
カワイイ振り付けを交えて、ステージもその感じの良さが爆発していたね。

370v_2「ROSA~Ble Ocean~」、「熱烈ANSWER」、「花火」をさわやかに熱演した。

380v大分日が暮れて来たけど健ちゃんもMarshallもバリバリ!

385vさらに寺島拓篤。

390v_2パワフルに広いステージを端から端まで使い尽くす!

400「sunlight avenue」、「ソラニ×メロディ」、「スターテイル」と歌い込んでおれサマーのトリへとつなげた。

410v_2辺りがいよいよ暗くなって来てサイリウムがとても美しい。

415トリは森久保祥太郎。
<前編>でも触れた通り森久保さんは『LIVE TOUR 2014 心・裸・晩・唱 〜PHASE4〜』でMarshall Blogに既に一度ご登場頂いている。
最初はサングラスを着用。黒いVが渋い!

420v_2演奏したのは「Let's get started」、「Stand down」…
サングラスをハズしただけで大歓声!

430そして、「never ends…」でおれサマー本編の最後を締めくくった。

440v長丁場を最後まで集中力を切らすことなくこなしたのはサスガ。
もっと長いこともあるらしいから。
トイレとか心配だよな~。
お疲れさまでした!

435そしてアンコール。

445アンコールはお客さんと一体になって「眠るものたちへ」を歌ってドラマチックにフィナーレを迎えた。

450野外コンサートといえばコレ!
派手に花火が上がってみんな大よろこび!

460_2丸一日数々の熱演を見せてくれた出演者の皆さんに惜しみない拍手と歓声が送られた。

470おれパラの詳しい情報はコチラ⇒公式サイト

480_2(一部敬称略 2017年7月15日 富士急ハイランド・コニファー・フォレストにて撮影 ※ ©SHIGEYUKI USHIZAWAのクレジットが入っていないライブ写真は株式会社ランティスさんよりご提供頂きました。この場をお借りしてご協力に御礼申し上げます)

2018年1月12日 (金)

-おれパラ- 10th Anniversary ORE!! SUMMER~私の富士山 <前編>

    
聞いて驚け~ッ!
2018年のMarshall Blogの最初のライブ・レポートは「夏」だ!
イヤね、今年の冬は寒いからサ、夏のイベントのレポートでもアップしてみんなで温まろうと思ってサ。
しかし、昨日の燕三条の13時間電車立往生なんてのはスゴイね。雪に慣れているハズの地域なのに…。
13時間立ちっぱなし、座りっぱなし、空気はドンドン悪くなっていくし、トイレにも行きたくなるし、ハラも減る。携帯だって電源が切れちゃうでしょう?
とにかく各地でこれ以上の豪雪被害が出ないように祈る。
 
さて、今日の内容は昨年の7月15日と16日の2日間にわたって開催された『Original Entertainment Paradise-おれパラ- 10th Anniversary ~ORE!! SUMMER~』のレポートだ。
アニメ関係に疎いMarshall Blog読者に説明しておくと、小野大輔、鈴村健一、森久保祥太郎、寺島拓篤という4人の人気声優をホストに、その界隈のバラエティに富んだ人気者をゲストにお迎えして個性あふれるパフォーマンスを繰り広げる音楽イベントが「おれパラ」。
「Original Entertainment Paradise」の略だね。
年に1度冬に開催しているその「おれパラ」が昨年10周年を迎え、それを記念して夏にも開催した。
それが『ORE!! SUMMER』…夏の「おれパラ」だから「おれサマー」なワケ。
このイベントは10周年を記念するだけではなく、おれパラ史上初の野外フェスとなった。

10会場となったのは富士急ハイランドのコニファー・フォレスト。
この2日間、あたりは「おれパラ」パラダイスになった。

20sコニファー・フォレストは、以前『GRANRODEO LIVE 2013 ヤッホー ワンダホー FUJIYAMA!! 』で訪れたことがある…って、アレから4年も経ったのか!

30_2さて、今回はせっかく富士山に来たのでライブ・レポートの前に「私の~」シリーズをやらせて頂く。
「私の富士山」だ。
興味と時間のない人はガツンとスクロールして後半にワープしてもらって構わない。
ただ…読めば少しは何かのタメになるかも知れない。
…と、コニファーに行く前に訪れたのがココ。

40「ふじさんミュージアム」という富士山関連の博物館。
まずコレを見るために早めに家を出て来た。

55昭和61年の冬の静岡国体の際、「ふじさんミュージアム」がまだ「富士吉田市郷土館」だった時に今の皇太子殿下夫妻も行啓されている。
「行啓(ぎょうけい)」というのは皇后・皇太后・皇太子・皇太子妃の方々がお出かけをすること。
天皇陛下のお出かけは「行幸(ぎょうこう)」という。
さらに、その他の皇族が外出するのは「お成り」という。
私の場合は「取材」もしくは「配達」という。

50vこの博物館は富士山の科学的な博物館ではなくて、富士山にまつわる文化や風習、信仰についての展示をしている施設なのね。

60「人はナゼ富士山にのぼるのか?」とか、「富士山信仰について」とか、「富士吉田の暮らし」についてとか…。

70私は富士山自体には特に興味もないし、もったいなくも登りたいとも思わないんだけど、「富士講」というモノに興味があったのでココを楽しみにしていた。
「富士講」というのを知ってる?
いつかMarshall Blogで「伊勢講」というのをやったけど、それの富士山版が「富士講」。
コレに興味を寄せている理由については次回の最後にお話しする。
「〇〇講」というのはサークルみたいなもので、みんなでお金を出し合って、年に1回代表者を決め、その人に遠くの地に行ってもらってみんなの分までお詣りしてもらう…というヤツ。
下は各地の富士講のフラッグ。
私がコレをやったらMarshallのロゴが入ることは間違いない。
90「大山詣り」なんて落語があるけど、あれは「大山講」をテーマにした噺。
富士山信仰というのも歴史が古く、みんな富士山に登ってお詣りをしたいのはヤマヤマだけど、江戸から富士山に登って帰ってくるまでにどんなに急いでも8日はかかった。
歩いて行くんだから。
その間、仕事は休まなければならないし、莫大な経費はかかるしで、とても一般の人が富士登山をするなんてことはできなかった。
そこでこのシステムができたというワケね。
このシステムが最も盛んだったのは、さっきチョット出て来た「伊勢講」というヤツ。代表して伊勢神宮をお詣りしてもらう…これは全国規模だった。
ところが富士山信仰というのは、富士山が見えるところに住んでいる人の間にだけしか広まらなかったので、富士講の規模は伊勢講ほど大きいモノではなかったらしい。
形を変えて今でもやっている人はいるんよ。
ところで、今「お詣り」という言葉を使ったけど、コレは神社の時ね。お寺の場合は「お参り」となる。

80vこのミュージアムはその富士講に関するアイテムを豊富に展示している。
下は明治時代の写真。
上に掲載したミュージアム内の鳥居は写真の鳥居のレプリカだそう。

100「御師(おし)」の説明も詳しくされている。
遠方から来た富士講の参加者は「御師」と呼ばれる一種の神官の家に泊まって富士山を登拝した。
「御師」については<後編>でやるのでココではその名前だけ覚えて置いてくだされ。

110富士講には大小さまざまな規模のグループがあり、そのリーダーを「先達(せんだつ)」といった。
大きなグループには「大先達」というその上の職位があった。
先達さんは毎年リーダーとして当該のグループを引き連れて富士山に登るワケだが、この行為は商売ではないので、当然ギャラが出ない上に本業も休まなければならなかったため、経済的に大変な負担を負ったらしい。
参加者は皆こうして白装束に身を包む。白は穢れのない色だからだ。

120上の写真にも写っているけど、コレらは吉田登山道の一合目の「馬返し」というところの山小屋に奉納されたノレン。130こっちはグッとキレイだけどホンモノだそうだ。

140良く見ると浅草とか神田の飲食店の名前が多い。
あ!大黒屋!

150大黒屋は浅草の伝法院の向かいにある老舗の天ぷら屋。
そういえば昔、シンガポールから来た仕事先の女性と食事をする時、「どこかトラディショナルなお店に連れて行って欲しい。会計は私がします」と言われて大黒屋で天丼を食べてもらったことがあった。
私なんかは普段浅草で天ぷらを食べるなら他のところへ行くけど、有名なお店のほうがよかろうと大黒屋にお連れした。
それで勘定の段になると、彼女はまるで腰から銃を抜くガンマンのように、あらかじめ用意していた自分のクレジットカードを素早く店員に差し出した。
するとその店員が言った「あ、ウチ、クレジット・カード受け付けてませ~ん。現金でお願いしま~す」
ハナから現金を持っていない外人のこと、結局私が支払った。
その時の彼女の泣きそうな顔は忘れられない。
彼女は当時アメリカで一番大きかった音楽出版社に勤めていて、長い間教則ビデオの仕事を一緒にさせてもらっていた。
「シゲ、シゲ」ととても私を慕ってくれて、独身の頃からの付き合いだったが、今では5人の子供のお母さんとなった。
あの出産ラッシュの時はおもしろかった。年に1回、会うたびに「シゲ、赤ちゃんが生まれるの!」とほぼ連続で5回聞かされたんだから!

160v他にも実際に富士講で使われたグッズがたくさん展示されている。

170吉田口から富士山に登頂するには20kmの距離があり、標高差は3,000m。徒歩だと11時間を要するため、朝早く出発しても山小屋に1泊する必要があった。
昔の山小屋には床がなく、地面にムシロを敷いてあるだけだったので、夏でもメッチャ寒く、こうしたドテラが必需品だったのだそうだ。

200記念スタンプということになろうか。
これらを登山する際に着用している白装束に押印する。
何度か富士講に参加するうちにそのスタンプが増えて行き、その人のステイタスの高さを証明するようになる。
先に触れた先達さんは毎年来るので、自然と白装束のスタンプが増える。お金に困った先達さんは、それを高額で売ることもあったらしい。
そんな人様のモノを買ってもしょうがないと思うけど、富士山登拝はそれだけご利益のあるモノとされていたのだ。

210コレは富士講のグループで作ったお盆でしょうナァ。
ここにも大黒屋の名前が入っている。

180他にもミュージアムには、富士山の様々な表情をプロジェクト・マッピングで再現したアトラクションなども用意されている。

215なかなかよくできてるのよ。

216コレで富士山の一年を見たことにしよう。

217「~したことにしよう」…といえば、ロビーにはこんなモノも。
コレは「富士塚」のミニチュア。
富士山にお参りに行きたくても行かれない…ということで、江戸時代には「富士塚」といって、ミニチュアの富士山を作ることが流行した。
そのミニチュアの富士山に登って「富士山にお詣りしたことにしよう」という仕組み。

220話は飛んで、東京は台東区入谷にある小野照埼神社。

240樋口一葉の「たけくらべ」にも出て来る西暦852年を起源とするとても古い神社。
小野篁(おののたかむら)や管原道真を祀る神社だが、境内には色んな神道の流派の施設があって、狭いながらもまるで神道のテーマ・パークを思わせる。

250その奥にあるのがこの浅間神社。
「浅間神社」っていうのがそこら中にあるでしょ?
「浅間(せんげん)」っていうのは富士山の頂上のこと。すなわち富士信仰の神社ということ。
で、富士山の頂上の土地は、その頂上にある浅間神社の所有物なのだそうだ。
だから頂上にある観測所も浅間神社の土地を借りて建てられている。

260チョットわかりにくいかな?
コレ、富士山です。

270「三合目」とか「五合目」とか丁寧に道程標が建てられている。
標高5m、直系16mの富士山。
普段は入ることができないが、6月30日と7月1日だけ一般に開放されている。
私はタマタマその日に来たのか、この富士山に登ったことがあるんだけど…低かった。
江戸時代にはこうしたミニ富士が、江戸とその近辺に50以上もあったという。
実際に富士山の溶岩で表面が覆われていて、かなり原形のままに保存されているのが大変貴重なのだそう。
ってんで、コレ、国の重要有形民俗文化財に指定されているのだ。

280奥にはこんな碑も。
ね、「東講」という名前の富士講のグループの登拝の記念碑。

290ミュージアムにまた戻って…。
施設内の敷地にはこんな古民家なんかもあって見どころは結構多い。

300この後、もう2か所ほど富士山関連の施設を見学してコニファー・フォレストへ向かった。
その前の腹ごしらえは当然「吉田うどん」。
長い旅路を経て伊勢に来た人の体調を考え、胃の負担にならないように麺を軟らかく煮た伊勢うどんは苦手。
その点、麺がカッタカタの吉田うどんはいいナァ。安いし。
なんだってこんなに麺が硬いのかというと、昭和の初期、このエリアは一般の家庭でお母さんが機織りをしていて、昼食づくりの手間をかけないようにするのと、手が荒れないようにするのとで、お父さんがうどんを打ったのだそうだ。
お父さんが馬鹿力で小麦粉を練って、おおざっぱに切るもんだから大変にコシのあるプリミティブなうどんが生まれたというワケ。
残りの2か所についてはまた次回。
315さてコニファー・フォレスト。
開演時間が近づき、会場は若い人であふれかえって来た!

320左右に取り付けられた大型スクリーンにオープニングの映像が流れた後は小野さん、鈴村さん、森久保さん、寺島さんのホスト4人がステージに現れ1曲披露。
曲は「United Flag」。
この後、ホストの4人は度々スクリーンに登場して楽しいMCを展開してくれた。
みなさん、話がとっても上手でおもしろい!

330さて、ナゼゆえMarshall Blogが「おれパラ」の取材に来ているかというと…もちろんそこにMarshallがあるから。
ステージに乗っているのは名ギタリスト、ジョー・サトリアー二のシグネチャー・アンプ・ヘッド、JVM410HJS。
スピーカー・キャビネットは1960B。

340v使い手は藤沢健至!
CURE METAL森久保さんのライブ・レポートでMarshall Blogではスッカリおなじみ。

350お~、ドラムスは板垣正美!
板さんは杉本篤彦さんというやはりMarshallを使用してるジャズ・ギタリストのライブ・レポートでMarshall Blogに何度もご登場頂いている。

360ベースは三宅博文。
三宅さんは森久保さんの時以来かな?

370v最初っからおれパラの4人が出てきちゃったもんだからもう会場の興奮はいきなり最高潮!
その興奮を引き継いで矢継ぎ早にステージに上がったのはDearDream。

380石原壮馬

390v溝口琢矢

400v富田健太郎

430v太田将熙

420v正木郁
 
圧倒的な躍動感で「PLEASURE FLAG」と「真夏色ダイアリー」を熱唱。

410v続いては豊永利行。

440キレのよいダンスとともに「C"LR"OWN」、「メッセージ」、「僕の☆☆(キラキラ)計画」を披露した。

450vその頃、健ちゃんはというと、Marshallを背中に完璧なギター・ワークを見せてくれている。

475vひと際大きな歓声。
こちらもダンサーを帯同してのステージに現れたのは波多野渉。

460「You Only Live Once」…お、ジェイムス・ボンドですな?アッチは「You Only Live Twice(007は二度死ぬ)」ね。
さらに「覚醒のAir-運命のCodaメドレー」と「ハート・シグナル」の3曲で会場を沸かせ、みんなでジャンプして出番を締めくくった。

470vココは個人的に楽しみにしていたコーナー。
2HEARTSの登場だ。
ナント8年ぶりだとか…。

480森川智之
森川さんは実はMarshall Blogにご登場頂くのは2回目なの。
前回はGRANRODEOのe-ZUKAさんのバースデイ・パーティの時

490v立木文彦

500vギターにはそのGRANRODEOのe-ZUKA。
そしてベースに瀧田イサムが入った。
曲は「こころ咲き誇れ!」、「ギャンブラー」、「ALL MY LIFE」。

510e-ZUKAさんの弾きまくりは当たり前!
相変わらずいいフレーズをいい音で奏でてくれる。

520vいつもレポートしている通り、e-ZUKAさんはMarshall。
愛用のJCM2000 DSL50を使用。
瀧田さんとのイキはもちろん完璧。
このコーナーを楽しみにしていたのは、開演前に楽屋にうかがったところ、e-ZUKAさんと健ちゃんから「今日は師弟ギター・バトルをしますからね!」と聞かされていたからだった。
写真を使えないのが残念だが、もちろん師弟Marshall対決はバッチリ!
楽しませて頂きました!

530前半の最後に登場したのは岩田光央。

540曲は「グラスホッパー」、「ウェイクアップベイベエウェイクアップ!」。
そして「かわいいオシリ」ではホストの4人もジョイン。
最後に3回もジャンプしたよ!
何でもこの「おれサマー」という名称のアイデアは岩田さんとのことで、さすが発案者だけあって、会場を最高に盛り上げちゃった!

550vココで休憩。
お段々と富士山が見えて来たぞ!
上にも書いた通り、富士山周辺にはこのMarshall Blogの取材で何回も来てるんだけど、1回も富士山を見たことがないんだよね。
いっつも曇ってる。
夏場は朝のウチじゃないとダメなのかな?
私も日本人だわ…富士山を見るとその威容に「ありがたや~」って思うもん。

2_0r4a9816<後編>につづく

※Marshall Blogは明日の土曜日も更新します!

(一部敬称略 2017年7月15日 富士急ハイランド・コニファー・フォレストにて撮影 ※ ©SHIGEYUKI USHIZAWAのクレジットが入っていないライブ写真は株式会社ランティスさんよりご提供頂きました。この場をお借りしてご協力に御礼申し上げます)

 

2017年12月28日 (木)

犬フェス~コピバン決勝大会 <後編>

     

さて、『犬フェス~コピバン決勝大会~』のエントリ―も終了し、審査結果を待つ間はゲストのパフォーマンスを楽しんだよ。

20v_2死神ナパーム團こと「犬フェス・スペシャルセッションバンド」の皆さんの演奏だ。

30_3ボーカルズにアーバンギャルドから浜崎容子。

40v_2ギターは人間椅子の和嶋慎治。

50v_2ベースにはGargoyleのTOSHI。

60v_2ドラムスは我がCONCERTO MOONから河塚篤史。

70v_2ナント豪華なメンバー!
当然のことながら、コレがまたヨカッタ!
こんなメンバーだとナニを演るのか気になるね。

80_31曲目は「暗黒礼賛ロックンロール」。
エエ~!

90_3この曲って10月にリリースしたニューアルバム『新宿ゴーゴー』のリード・チューンなんじゃないの?
それを他の人が演ってどうすんのよ!

200cd…とビックリしたんだけど、元々コレはアマチュア・バンドを鼓舞するために作った「コピーしやすい曲」を標榜していたのだそうな。
だからスコアも出していたのね?
その割には誰も演ってなかったね。
演ってやるがいいじゃねーか…。
それでプロの犬神ナタール團じゃない、犬神ナパーム團が取り上げてりゃ世話ないじゃん?

170_2「おもしろい」といえば、この曲、おもしろいことを発見してしまった。
テンポを♩=58ぐらいにグッと落として、三連、すなわち4ビートでAメロを歌う。
♩フ~ンフフフフフ~ン、フ~ンフフフフ…みたいな感じ。
どうですか?
わかった?
そう、1948年のジャズのスタンダード「Black Coffee」になるんですよ。
一応ご存知ない犬っ子さんたちのために記しておくと、「Black Coffee」はエラ、サラはもちろん、ペギ―・リー、クリス・コナー、ローズマリー・クルーニー(ジョージ・クルーニーのお母さんね)等々、女性ジャズ・シンガーの大御所がこぞって取り上げる大スタンダード曲ね。
私はアニタ・オディが新しめのライブ・アルバムで割とケロっと演っているのを聴いてハタとこのことに気がついた。
恋に破れ一睡もできず、ブラック・コーヒーを飲みながら彼が帰って来るのを待っているというどんよりとした歌。
アータ、ブラック・コーヒーなんか飲んでるから眠れないんでしょうが!と喝のひとつも飛ばしたくなるが、ダルでブルージーな曲の雰囲気はさすが大歌手たちが取り上げるだけのことはある。
その雰囲気を醸し出しているのは何といってもブルース・ペンタトニックのおかげ。
そして、それが「暗黒礼賛ロックンロール」のメロディにつながって来るワケ。
だから犬神の曲はいいんですよ…つまり、ブルースの流れを汲んだ「正統派なロック」というワケ。
今の若い人たちのロックにはこのエキスが欠落しているから、我々世代には「ロック」として響かないのよ。
そういうこと。

100_2「私たち死神ナパーム團です!
犬フェスのために、本日結成、本日発ライブ、本日ラストライブです!
そして、犬神サアカス團のために歌います」
…と自らを紹介し演奏したのは「花嫁」。

110v_4大ベテランのリズム隊のノリが気持ちいいこと!
TOSHIさん、超久しぶりのMarshall Blogへのご登場…というか、今のマーブロになって初登場!

120_2河塚さんのドラミングはやっぱりココでもキチ~ンとしていて手際がよいことこの上なし!

160v和嶋さんも久しぶりのMarshall Blog。
以前は人間椅子や和嶋工務店でよくご登場頂いたのだが…コレを機にまたよろしくお願いします!
いつでもやる時は真っ向勝負の和嶋さん、歯で弾くサービスっぷり!

150_2最後は「地獄の子守唄」で〆た。
容子さんがお召しの着物は凶子さんから借り物だとか。
ところで容子さんの声、すごく犬神ナンバーにマッチしていたよね。
凶子さんってスーっと声を出すでしょ?
決して力まない。
コレって民謡の歌い方に似ていると思うんだよね。
だからスゴクいい…日本的で。

140_3和嶋さんのシグネチャー・モデルは「冥王~Pluto」という。
見た目がサソリのようで、蠍座の支配星が冥王星というところから名付けられたそう。
和嶋さん自身は山羊座になるのかな?それなのに「蠍座」を引っ張り出してくるところがおもしろい。
そういえば、有名なアメリカン・フットボールの選手で「佐曽利」さんという人が昔いたらしい。
選手の紹介で「クォーター・バック、サソリ!」とかなっていたんだろうけど、カッコいいな~。
アダ名じゃなくて本名だからね。
何しろ優秀な選手で、相手チームには「サソリに気をつけろ!」と常にマークされていたという。
サハラか?!
そりゃサソリだからね、気を付けなきゃマズイ。
佐曽利さんの出身が千葉の佐原だったら話は出来すぎか…?
「支配星」というのはそれぞれの星座に影響を与える天体のことで、蠍座は冥王星。山羊座は土星。
水星と金星だけは欲張りで、水星は双子座と乙女座を金星は牡牛座と天秤座のふたつを担当しているのだそうだ。
  
今日はイベントゆえアリモノをお使いだが、和嶋さんはいつもは1987と1960TVを愛用してくれている。

130v和嶋さんとTOSHIさんのアクロバット合戦!
盛り上がったね~。

180ハイ、これにて死神ナパーム團解散~!
もっと聴きたいね。

190_2「うぇいうぇいうぇいうぇい!
サスガ、サスガ、サスガですよ!死神ナパーム團に拍手~!
このメンバーを集められるのも犬神のスゴさですね~!
さてさて、いよいよ犬フェスを開催してくれた方々の登場ですよ~!」

R_img_0003本家登場!

210_3犬神凶子

220v_2犬神情次2号

230vジョニーちゃんは愛用のJCM800 2203と1960A。

235v犬神ジン

240v_2コレもジンちゃんの好物、EDEN Terra Nova TN-501とD410XSTが2台の8×10"仕様。

245v犬神明

250v_2明兄さんのNATALはアッシュ。
フィニッシュはグレイ・スパークル。

255時間が短いので飛ばしていった1曲目は「光と影のトッカータ」。

260_2当たり前のことだけど、切れ味鋭い本家さんはサスガ。
コレぞ模範演奏。

330v_2ナンカいつもより颯爽として見えるのは気のせいか?

340v続いても疾走感あふれる「自殺の唄」。

350vそうなんだよね。
「入水」って何で「じゅすい」って読むんだろうね。
私はこう見えてもかなり泳ぎが達者なんだけど、アレ、ダメなんだってね。
いくら泳げる人でもヤラれてしまうのは、耳に水が入って三半器官がマヒして目を回しているウチにおぼれ死んでしまうらしい。
以前、ドイツ人の友人から聞いたんだけど、名前は忘れてしまったが、動けないように身体を板にくくり付けて海に繰り出す遊びがあるんだとか…。
ナニがおもしろいのかというと、ヘタをするとおぼれ死んでしまう…この自殺まがいの行為で死に直面するスリルを味わうのだそうだ。
その友人がそれをやっていたワケではないんだけど、知り合いの女性が彼氏にこの遊びを教わてハマってしまったのが心配だ…とかいう話をしていた。
アホか!
360v_2歌詞の題材はどうでも、親しみやすい従来型の和風ロック。
やっぱりいいね、こういうサウンドは。

310v_2「犬神サアカス團です!第2回犬フェスに来てくれてありがとうございます!応援してくれた皆さんも死神ナパーム團もありがとうございます!
『黒い花が嗤う』や『死に行く日に』のPVで着た着物を浜崎さんが来てくれました。
可愛かったですね!」
確かに。
コレ、「死に行く日に」を撮影したのってアソコでしょ?

300v_3続いては『新宿ゴーゴー』からタイトル曲。
コレもいいよね~。

320_3そして、4曲目は「白痴」。

270_2「♪どうせブァカぬぁんだろッ!」

280_2犬神ドライビング・ナンバーの最高峰を模範演奏のコーナーの最後に持って来た。

290v_3竿チームはジャ~ンプ!
最近は飛んでくれない。

370_2さぁさ、すべての演目が終わったところで審査結果の発表だよ。

380_2まずは個人賞。
犬神明賞はなな神サービス団のなな神きたろうさんに!

390_2犬神ジン賞は犬っ子サーカス團!のそういちさんに。

400_3犬神情次2号賞は一人サアカス團の犬神ゴマ丸さんに。

410_3凶子さんは景品がないのでスキップして…いよいよグランプリの発表。
凶子姉さんが持っているのは犬神サアカス團の前座をやる権利書だ。
グランプリは…

420_2犬っ子サーカス團!
おめでとう~!

430_3みんなで記念撮影~。
ん~、いい写真だ!

490_2せっかくだからと最後は全員で1曲演奏したよ。

440_2曲は「命みぢかし恋せよ人類!」。

450_2みんなが大好き、犬神賛歌。

460_2明兄さん!
オイオイ、賞状大事にしてくれよ!

470_2フィニ~ッシュ!

480_2楽しかったねか~!
また来年もあるといいな。
 
犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式家頁

500_2※今日は「私のディープ浅草」はお休みします。ダ~メ、時間がなくて!
ヨカッタね~。
楽しみにして頂いていた方、ゴメンなさい。
次回はお芝居の話を交えてコッテリやるよ。

 

<NATAL DRUMS>について
時は1965年、場所はロンドン。
伝説のパーカッショニスト、アラン・シャープは理想の楽器を編み出すことに没頭していた。 
そして、ついにそれを手に入れた。 
やがてその楽器は多くの人の知れるところとなり、
レッド・ツェッペリン
ディープ・パープル
ザ・ローリング・ストーンズ
ブラック・サバス
UB40
ボブ・マーレー
…らに重用された。
アランは「*ロー・プロファイル・フープ」の開発者。
彼はいつもナニかを作り出そうとしていた。
そして今、我々がそれを引き継いだ。
アラン・シャープのレガシーは生きている。

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。




(一部敬称略 2017年10月8日 高田馬場CLUB PHASEにて撮影)

2017年12月27日 (水)

さよならMEJIBRAY!~And Then There Were None

   
MEJIBRAYの『そして誰もいなくなった』と題した全国ワンマン・ツアーが終了した。
「そして誰もいなくなった」はイギリスの女流推理小説家、アガサ・クリスティの1939年の作品。
外界と断絶した空間で事件が起こる「クローズド・サークル(Closed Circle)」という典型的な推理小説のパターンのひとつ。
小学生の頃は江戸川乱歩、中学生の時分には横溝正史を結構おもしろがって読んだものけど、今は推理小説なんてまず読むことはないな~。
でもクリスティはスゴくてね、この「そして誰もいなくなった」もそうだけど、「オリエント急行殺人事件」をはじめとした「ナンジャラ殺人事件」等、書いた小説が大量に映画化されている。
映画は大好きだけど、こういうのもヤッパリ観ないな~。
もっと、こう…ナント言うか…同じ観るなら味わい深いヤツがいいな。
たとえばビリー・ワイルダーとか…。
今は亡き父から教わったワイルダーの作品で『情婦』という映画があった。
コレは喜劇が得意なビリー・ワイルダーにしては珍しいサスペンス・タッチの裁判劇なんだけど、もうすさまじいまでのドンデン返しの連続で、初めて観た時には、もう誰も信じられなくなるぐらいの衝撃を受けた。
コレがナント、クリスティの原作を映画した作品だったのよ!
しかし、ひどいタイトルだよね…『情婦』だなんて。主演のマルレーネ・ディートリッヒに失礼だわ!
この作品の原題は『Witness for the Prosecution』といって、「検察側の証人」という意味。
ま、コレじゃ宣伝しにくいというので、映画会社の担当者が考えに考えたんだろうね…『じょーふ』って。

Wp一方、『そして誰もいなくなった』の原題は、今日の記事のタイトルにしたように「And There Were None」という。「none」は「no one」の略ね。
コレは実にいい邦題だと思うよ。
直訳すると「そして誰もいなかった」となるんだろうだけど「いなくなった」としたところが素晴らしい…と言っても、コレはマザーグースの「10人のインディアン」からの引用なので映画会社の担当者をホメる必要なナ~ンにもない。
クリスティの小説もコレがモチーフ。
10人のインディアンの少年に色々なことが起こって、最後のひとりになる。
するとこの曲はこう歌われる;
 
One little Indian boy living all alone; He got married, and then there were none.
つまり、「最後のひとりぼっちのインディアンの少年は結婚してしまい、そして誰もいなくなった」ということ。
こういうのを「Nursery Rhyme(ナーザリー・ライム)」という。日本でいう「童謡」だね。
で、かつて『Nursery Crime(ナーザリー・クライム)』というタイトルのアルバムを出したGenesis(ジェネシス)というバンドがイギリスにいた。
コレは「rhyme(ライム:韻)」と「crime(クライム:犯罪)」を引っ掛けたモノで、「童謡」が一気に「子供部屋の犯罪」になる…というコワいシャレ。
女の子が人の頭のゲートボールをやっている薄気味ワルイジャケットだけど、音楽はイギリスからは絶対に出て来ないような魅力的なプログレッシブ・ロック。

Nc そして、このGenesisが1978年がリリースしたアルバムが『And Then There Were Three』。
「none」ではなくて「three」。つまり「3」。
Genesisは元々5人編成のグループだったが、ひとり減り、ふたり減りで、3人編成で制作したのがこのアルバム。
だから邦題が『そして3人が残った』となった。

R_2att3…ということで、コンサート会場に移動する。
新木場COASTだ。
夥しい数の祝い花。

10コレ、スゴイね!
真ん中のプレートには「Happy Birthday Tsuzuku!」とある。
ボーカルズの綴くんのお誕生日なのね?

20この翼!
生半可な気合いでは作れません。

30お作りになられたのはこの方々。
まったくもってスゴイ!
でも顔はNGなの。モッタイナイ!

40さて、ステージに目を移すと…いつものMarshallの壁!
やっぱいいね~。
コレがロックのステージの正しい姿だよ。

45予定の時間を少々過ぎてショウはスタート。
妖しげなスポットを浴びてMEJIBRAYの4人がステージに立った。
オープニングは「剥落」。

50

70vMiA

80v恋一

90vメト

100vノッケからすさまじい熱気!
コレはいつものことだが、今日は状況が違う。
ファンのみんなは「もうすぐ誰もいなくなる」ことを知っているのだ。
つまり、活動休止を控えたステージ。

110しかし、MEJIBRAYは全くの平生の演奏を装っている。

120「Agitatato GRIMORE」、「VICTIM(ism)」、「月食」、「DECADANCE - Counting Goats … if I can’t be yours -」と曲は続いた。

60お立ち台の上に上って観客を見つめながらギターを弾き続けるMiAくん。

130背後にはMarshallの壁だ!

14030秒ほどの無言にして無音のMCを挟んで次のセクションに進む。
「醜詠」だ。
コレは造語ですな?

150それほど長い付き合いではなかったけど、MEJIBRAYにはいくつかの言葉を教わった。
ひとつは「盈虧」。
いまだに書くことはできないけど、読み方と意味は覚えた。
それと「ネペンテス」。
Marshallはイギリスの会社だからして、私はほぼ日常的に英語を使ってイギリスと連絡を取り合っているが、「ウツボカズラ」なんて日々の仕事に絶対出て来ないからね!
それと、「アプリオリ」か…コレは以降も使いそうにないな…。

160MEJIBRAYとのお付き合いはあるライブハウスのブッキング・マネージャーからMiAくんを紹介されたことから始まったんだけど、私にとっては彗星のごとく現れて、そして去っていくイメージがあるナァ。
私は世代の違いもあって、いわゆるヴィジュアル系とカテゴライズされているバンドは決して得意ではないが、DELUHIとかAnziくんがいた頃の摩天楼オペラとかは好みだった。
そこに現れたのはMEJIBRAYだったんだな~。
それが今年イッパイ、すなわちあと5日で活動休止とは本当に残念だ。

1702番目のセクションも「-XV-」、「hatred × tangle red × hunger red」、「ナナキ」と淡々と演奏を進めていく。

180この日、綴くんと…

190恋一くんは黒塗りだったのね。
最初、しばらくの間、ステージの脇から眺めていたんだけど、照明の関係でこのことに気がつかなくてサ、そばに行ったらまっ黒だったんで驚いちゃった!

245vギター・ソロが、回って来るたびに大きな歓声を浴びるMiAくん。

200v既成のメロディにとらわれない独特のフレージングが印象的だ。

240早くも最終セクション。
ショウが終わりに近づくに連れて、「スンスン」とMEJIBRAYとの別れを悲しむ女性ファンの泣き声が大きくなってくる。

230そんなことはおかまいなしに、「DIE KUSSE」、「原罪の林檎」、「嘘と愚考-それもまた人間らしいって神様は笑ってるの-」、「枷と知能 -それってとても人間らしいって神様は笑ってるの-」、「BI"name"JIKA」と続けて5曲を演奏して幕を下ろした。
アンコールはなし。
バースデイのイベントなんて雰囲気は皆無。
全編約60分。
コレでいい。
コレでこの日、この場にいたファンはこのことを一生忘れることはないであろう。

250この日の模様がDVDになって3月7日にリリースされることが決定している。
  
ん~、カッコいいな。こんな終わり方。
しからば、私もサッパリと…さよならMEJIBRAY!

260MEJIBRAYの詳しい情報はコチラ⇒MEJIBRAY Official Web Site

270(一部敬称略 2017年12月15日 新木場COASTにて撮影)

2017年12月26日 (火)

MUSIC INNOVATION 2017 TOKYO OCTOBER X'MAS <後編>

   
ショウも終盤に差しかかり、最後の弾き手を待つMarshallたち…。

10最後はこの人!

20_2中間英明!
今日は「中間英明バンド」としての出演だ。

30v_3バックを固めるのは…
ベースに臼井孝文。

40vキーボーズに永川”TOSHI”敏郎。

45vドラムスはチャン長田、長田昌之。
イヤ、いつも「長田ちゃん」って呼んでいるものだから。

50v長田ちゃんが叩いているのはNATALのブビンガ…この日を通して使用されたキット。
ブビンガがCITES(サイテス:ワシントン条約)の管理対象木材になり、NATALはブビンガのキットの製造を終了したので同じモノは入手不能。
代わりはウォルナットが務めている。
あのね、もし、アッシュのキットを考えているドラマーがいたら早く決心した方がいいかもよ…NATALに。

60オープニングはアルバム『Point of No Return』の1曲目、「Inquisition」だ。

70v鉄壁のスピード・ギター・チューン。
中間さんがステージに姿を見せただけで雰囲気が変わるね。

80v中間さん、久しぶりだな~。
Marshall Blogへのご登場はちょうど3年前。鹿鳴館のイベントのレポート以来だ。

902曲目も『Point of No Return』から「Wings of Destiny」。
120vOZMAさんもノッケからスゴいテンションで中間さんを盛り立てる~!

110中間さんも実に楽しそうだ!

100v_2ココでシンガーを迎える。

140藤原MAXまさのり

150曲は「Stargazer」。

160_2出たなRainbow!
私が生まれて初めて行ったコンサートが『Rising』発表後のRainbow。
武道館の1階席から指人形ほどのRonnieやRitchieを眺めていた。
ライブ盤には収録されていないけど、この曲を演奏ったのかな?あ、演ったのね。今から41年前のことだからね~。

155折り鶴を正確に折るようにハード・ロックの名曲をジ~ックリと弾く中間さんの姿印象的だった。

170今度は金子くんがシンガーとしてステージにあがる。
ね、彼、今日はチョー大活躍でしょ?
曲はコレまた『Point of No Return』からで、収録されている2曲の歌モノのウチから「In 2040, on the Beach」を熱唱。

190v_2中間さんもMarshallがよく似合うギタリストのひとりだよね。
背が高いからMarshallの壁とバッチリ組み合わさっちゃう。

130_2出番を終えたNaNa☆ちゃんが客席から声援を送る!

2_img_0646ところで、さっきから出ている中間さんの1989年の初のソロ・アルバム『Point of No Return』ね。
コレ、鍵盤は文明さんがプレイしていたんだね~。
いまだに文明さんって元気にされているような気がしてならないんだよね。
そして、「Sound Producer」として、「森園勝敏」の名前がクレジットされている。
でね、大分前の話だけど、森さんにこのアルバムのことを尋ねたことがあったの。
森さんは「あ、アレね~。なんかオレんとこへ来たときにはもう出来上がっちゃててサ~。完成度が高いんだよね~。だからやることがほとんどなかったんだよね~」とおっしゃっていた。
日本のハードロック・ギターの定番であり、名盤である。

Pon最後はそのタイトル曲を演奏して集まった多くのファンを喜ばせた。

200vステージ下手で抜群の存在感を放出しまくるOZMAさん。
「OZMA」なんてアダ名、スゲエうらやましいってズッと思ってたのです。
私のハラなら「左門」か?
「査問」っていう言葉あるでしょ?「調べて問いただす」ことね。
コレって英語でも「summon」って言うんだよ。
ついでに、「仲直りする」もしくは「仲直りさせる」という意味の英単語は「reconcile(リコンサイル)」。
おかしいでしょ?「仲直り」なのに「離婚」なの。
こうやって英単語は覚える…という悪い例です。

210v_2長田ちゃんも久しぶりだった。
前のバンドでも今でもNATALを愛用してもらってるからね。いいね、長田ちゃんのNATALは!

220永川さんのポジションも真っ暗で…ゴメンナサイ!
でも、永川さんのキーボーズがバンドのサウンドをメッチャ分厚くしていた。

2_img_0386 ココで本編が終了してアンコールに突入した。

240_2アンコールにはSUNAOさんが合流。

250v_2ナニを演るのかと思ったらTOTOの「Children's Anthem」。
290_2意外な選曲だったけど、すごくカッコよかったね!

260vそして、最後は…ドワ~、Rayさん!

270_2どしたのッ?
BLINDMANのRayさんが加わって「Kill the King」をプレイ。

280v_2中間さん本当に楽しそうだった。

230v_2前回Marshall Blogにご登場頂いてから今回のコンサートに至るまで、どんな活動をされていたのか私は寡聞にして存じ上げないが、中間さんみたいな人は常に第一線で活躍していてもらいたいね。
やっぱりスター・ギタリストだからサ。
専門学校を出て、ピロピロと指を器用に回す若いギタリストはもう珍しくも何ともなくなっちゃたでしょ?速弾きはできて当たり前になっちゃったので誰ももう驚かない。
それより、今こそ中間さんのようなワイルドでスケールと音のデカいギタリストが必要なんですよ。
そして、その豪放なプレイで真空管アンプの素晴らしさを伝え直してもらいたいわ。

300v_2最後の最後には弦を引っ張って…

310おしまい~!

320 おもしろかったね~。
転換のストレスもなかったし、フォークから、アニメから、メタルから…様々な音楽が集結するにぎやかなショウだった。

330中間さん、Marshallが待ってますからね~!
遠慮なくバリバリやっちゃってくだされ!
 
Akashic Recordsの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

340_2

<NATAL>について
時は1965年、場所はロンドン。
伝説のパーカッショニスト、アラン・シャープは理想の楽器を編み出すことに没頭していた。 
そして、ついにそれを手に入れた。 
やがてその楽器は多くの人の知れるところとなり、
レッド・ツェッペリン
ディープ・パープル
ザ・ローリング・ストーンズ
ブラック・サバス
UB40
ボブ・マーレー
…らに重用された。
アランは「*ロー・プロファイル・フープ」の開発者。
彼はいつもナニかを作り出そうとしていた。
そして今、我々がそれを引き継いだ。
アラン・シャープのレガシーは生きている。

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

(一部敬称略 2017年10月25日 渋谷Mt. Rainier Hallにて撮影)

2017年12月25日 (月)

MUSIC INNOVATION 2017 TOKYO OCTOBER X'MAS <前編>

  
今日はクリスマスだね。
最近、昔ほど「クリスマス、クリスマス」と騒がなくなったような気がする…と昨年も書いたような気がするが、今年もそういう気がするよ。
え、そんなことない?
歳を取ってまた感度が鈍っているのかな?
それでも、昨日は珍しくロースト・チキンを頂いたわ。
イギリスの田舎のホテルに行くと、「Half Roasted Chicken」というのを出すところがあって、コレがおいしい…というか一番無難。連泊するようなことがあると、毎晩ソレを頼むんだけど飽きない。
ま、どうせ大量に工場で作って、ホテルのレストランの厨房でオーブンに入れて温めているだけなんだろうけど、こんがりとローストした鶏は柔らかく、とてもおいしい。
イギリスは料理がマズイと言われるけど、土からこだわるオーガニックの本場の国なので、たとえ大量生産しているモノでも化学調味料まみれの日本の食べ物よりは格段に安全だ。
でも、付け合わせがよくないんだな~。
たいていがグリーンピースやカリフラワー輪切りのニンジンを茹でたヤツなの。コレはおいしくない。
日本では今時あんまりカリフラワーって食べないよね?
そういう時は「フライドポテトにしろよ~。チップスによ~」とボヤきながら別に注文をすることになる。
コレらをおいしいエールで流し込めば完璧!
昨日のチキンはかなり奥まで味が付いていていたな。おいしんだけど塩を使い過ぎかな?
後でノドが乾いて困っちゃった。
  
さて、本日のマーブロは今から2月ほど早く訪れたクリスマスのレポート。
札幌を拠点に音楽や演劇等のエンタテインメントのプロデュースをしているAkashic Recordsの『MUSIC INNOVATION 2017 TOKYO OCTOBER X'MAS』というイベントだ。

10v_2ステージにはドォ~ン!
フル・スタックの3連!

20ベース・アンプは名器VBA400とVBC412。

30v_2ドラム・キットはNATAL。
最高のバックラインだね!

40…と思ったが、トップに登場したのはMarshallもNATALも使わない「越村九至aka94」のアコギ1本の弾き語り!

50「現実逃避した先も立派な現実」他、個性的な3曲のオリジナル・ナンバーを熱唱してくれた。
ホントだよな~、生きている以上どこへ行っても「現実」はつきまとって来るよね。

60v続いてはガツンとトラディショナルなハード・ロック・バンド、C・R・Y!

70Cameron Lee

80Ryo

90vHiroyuki

100vTakumi

110v「Jane's」、「Friends」、「God help me」の3曲をプレイ。
やっぱりこの手のハード・ロックはよいね。
フーム…なるほど。
このチームはメンバーにネイティブさんがいるようなので、気になってチョット調べたんだけど、3曲目、「God help」と「help」に三単現の「s」がついてないでしょう?
Marshall Blogには政治と宗教のことは持ち出さないようにしているけど、コレはいいでしょう。英語の勉強だから…というのは、キリスト教は「一神教」なので神様はひと柱しかいらっしゃらないことになっている。
つまり絶対に「単数」なワケ。しかも「ワタシ」でも「アナタ」でもないので「三人称」だ。さらに、「help」と現在形になっている。コレ、「現在形」という時制は、日常的に起ることを表現する力を持っているので、「自分が困った時にいつも神様は助けてくれる」という意味が込められているハズ。「♪When I find myself in time of trouble, Mother Mary comes to me」の「Let It Be」と同じ。
でも、「聖母メアリー」の「come」には三単現の「s」が付いている。
ナゼか?
そう、聖母メアリーは神様ではないから。
つまり神様は不加算名詞なんですよ。数えられないの。だから「God help me」となる。
…かどうかは知らないけど。
ま、私はこうやって英語の勉強をしているのです。
でもね、ネイティブではない人の口からこういう表現がスラっとでてくるのは、相当英語に慣れている証拠。
「文化」を理解しているということになるからね。
ところで、最近行ったハードな音楽を演る若いバンドのライブで強く感じたことがありましてな。
記事の順番が来たらその時に詳しく書きます。

120雰囲気がガラリと変わる。
大人の雰囲気。

130Mae Nakama

140vサポート陣は、ギターに金子聡司。170vギターに星諒。ベースはJunya。
写真はないが、ドラムスはkéy。この日、ドラムス向けの照明がなく、ズッと真っ暗で、申し訳ないんだけど写真を撮れないバンドがあったのです。

180曲は「Left to Die」と…

150v「命火」を熱唱。
この曲は終戦直後、当時日本の領土であった樺太で発生した「真岡郵便電信局事件」という悲劇をテーマにした『九人の乙女〜もうひとつの真実』という舞台の主題歌だ。
終戦直後の外地からの引き揚げにまつわる悲劇は枚挙にいとまがないが、それは中国からだけではなく、当時日本領であった樺太から内地(北海道)への引き揚げにも数々の凄惨な事件が発生している。
私は吉村昭の「烏の浜」や「脱出」という記録小説を通じてこのことを少しは知っていたが、この「真岡郵便電信局事件」は知らなかった。
この事件は、南樺太の郵便電信局に勤めていた9人の女性が電話交換の仕事を最後までまっとうし、終戦の5日後、進攻するソ連軍を前に自決したという悲劇。
もう戦争は終わっていたのにソ連は容赦なく樺太に残留する日本人を殺戮し、引き揚げを阻止したんだね。
理由は、まず自分たちの身の安全を確保するため。相手が民間人でもナニをされるかわからないからね。殺すのが一番手っ取り早い。また、引き揚げ者が財産を内地に持ち帰ることが予想されるので、それら何としても取り上げる必要があったというワケ。
もうひとつは捕虜の確保。
捕縛された70万人の日本兵はシベリア送りとなり、鉄道敷設の重労働に就き、10万人が犠牲になった。
160そのシベリアから帰還した香月泰男という画家がいる。
私は立花隆が香月さんのことを話しながら、ボロボロと涙している姿をテレビ見て驚き、興味を持ち、そしてすぐに関連する書籍を読んだ。

Tt香月さんの展覧会にも行った。
シベリア抑留時代の悲惨な日々を独特の技法で描写した作品からは、うめき声が聞こえた。
今回のイベントの出演者は北海道の方々が多いので、わたしなんぞが軽く口にだすべきではないであろうが、私は前の前の仕事で金沢港のマイナス25℃という冷凍庫に入ったことがあるが、何とかもって10分。大腿部が冷え切ってしまってそれ以上は全く耐えられなかった。
シベリアはというと東部のオイミャコン村というところでマイナス67.8℃が記録されているが、コレが人間が住んでいる地域での最低気温なのだそうだ。
そんなところに何年も抑留されてごらん。
その苦しさは並大抵のものではないことが、香月さんの絵から容易に感じ取ることができる。

Ky私なんかはこうした戦争の犠牲者になった方々の話を聞くと無性に腹が立つんだよね。
小学校で使い物になんかならない英語を教えるより、こうした戦争の悲劇を徹底的に子供のころから刷り込むことの方がよっぽど大事だと思いますがね~。
だから、こうしたことを題材にした映画や劇や音楽は大事にせにゃいかん。
日本が戦争に参加できるようになったら映画も、劇も、音楽も自由にできゃせんのだよ。
「暗い歌ばかり」とMaeさんはMCでおっしゃっていたけど、私には大変意義のある時間となった。

190vまたまた雰囲気が変わって、今度はパーリ―級のにぎやかさ!
Unlimited Platinum Tracksの登場だ。

200安達勇人

220v大野雄一

210vサポートでSUNAOが参加。
先日長谷川浩二さんと共演されていましたな?
あ、TMレボリューションつながりか!
230vSUNAOさんは下手のJVM210Hのハーフ・スタックを使用。
250vUnlimited Platinum Tracksは、「Feel My Breath」、「Venus Temptation」、「YABAI! motion」、「FAST&LOUD」、「One Reason」の5曲を演奏。

240ファンの人たちがステージ前に押し寄せ、音楽に合わせてこのセットを楽しく踊り明かした。

260続いてはNaNa☆。
色んなのが出て来て飽きないわ~。

270NaNa☆

280v$hinya

290達使郎

300vリズム隊は航とkéy。
kéyくん、ゴメン!どうしても暗くて撮れん!

310vオープニングは「Starring Start」。
この曲はニコニコ動画の『山田玲司のヤングサンデー』という人気番組のオープニングアニメ主題歌になっているそうだ。

320ま~、元気のいいこと!

330vNaNa☆ちゃんはトークもメッチャ上手でお客さんをいいように惹きつけちゃう。
曲は「Co-to-no-ha」、「Nostalgic Water Jet」と続く。

340そして、松竹芸能 の『松竹アニメ部〜アニメ狂室に集合』のテーマ曲、「曇りのち笑い声」で締めくくった。

350v次はメタル。
Europeの「Final Count Down」でスタートさせたのはMEDIAS ZONE。

360ギター/ボーカルズの金子聡司。

370v星諒

380vJunya

390vキーボーズは Tomo Ishihara。

R_img_0261 kéyくん、見えた!

400v金子くんは以前からの知り合いなんだけど、今回初めてステージを拝見させて頂いた。
弾くわ、弾くわ、もうシュレッディングの権化!

410v歌声がまたスゴイ。
…と思ったら…そうか、20110年の3月に新宿で開催したRandy Rhodesのイベントに出演した中間さんのバンドで歌っていたのは金子くんだったのか!

440この時ね…

R_img_0039 ホントだ!
なつかしいな~。
8年近く前か…。

R_img_0077ステージは「BURN OUT」、「Devil Juice」とメタル一色で進んでいく!

420そうなるとMarshallの壁が一段と映えますナァ。

430最後は「The Powe of the Gate」で狂熱のステージの幕を下ろした。

405Maeさんのバンド、このMEDIAS ZONE、そして明日登場する中間さんのバンド…とこの日大活躍の金子くんなのであった!

450vAkashic Recordsの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

460<後編>につづく
  

<NATAL>について
時は1965年、場所はロンドン。
伝説のパーカッショニスト、アラン・シャープは理想の楽器を編み出すことに没頭していた。 
そして、ついにそれを手に入れた。 
やがてその楽器は多くの人の知れるところとなり、
レッド・ツェッペリン
ディープ・パープル
ザ・ローリング・ストーンズ
ブラック・サバス
UB40
ボブ・マーレー
…らに重用された。
アランは「*ロー・プロファイル・フープ」の開発者。
彼はいつもナニかを作り出そうとしていた。
そして今、我々がそれを引き継いだ。
アラン・シャープのレガシーは生きている。

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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(一部敬称略 2017年10月25日 渋谷Mt. Rainier Hallにて撮影)

2017年12月21日 (木)

サイキックサーカス始動!レコ発ライブ!!

 
サイバーニュウニュウのメカ・エルビスの新しいバンド、サイキックサーカスのデビューCDが昨日リリースされた。
「サイキック」…英語で書くとムズカシイんだよね、綴りが。
「心理学」を意味する「psychology」という単語は『試験に出る英単語』の比較的はじめの方に出て来るんだよね。つまり試験に出る確率が高い受験生にとっては重要な単語というワケ。
そこに「『プショロジー』なんて読まないように注意」と書いてあったのを思い出す。
「psychic」は「精神の」とか「精神的な」という形容詞。
では反意語はナニか?
そう、「physical」で「肉体の」という意味。綴りはこっちの方がラクだね。オリビア・ニュートン・ジョンのおかげで一般的な言葉になった…なんていうのは古いか。

10cd_2さて先日、そのレコ発ライブが開催された。
グループ名の通りマーキー柄をあしらったサーカスのイメージがいいね。

Pcいきなり当日の終演後の話をして恐縮だが、BGMにThree Dog Nightの「The Show Must Go On」がかかっていた。
ご存知の通り、この曲はアタマに例のサーカスのテーマソングみたいなアレがくっついている。
そのサーカスのメロディに続いて出て来るのがタマらなくいい曲で、中学の時かな?高校の時かな?すぐにレコードを買いに行った。
下がその「The Show Must Go On」が収録されている『Hard Labor』というアルバム。
いいジャケットだよね~。
「hard labor」とは「重労働」ということ。
洋の東西を問わず「お産」は大変な仕事ということだ。
コレ、分娩室に見えるけど、レコーディング・スタジオなんだよね。
このバンソウコウがステッカーになっていたが、アレはオリジナル盤だけだったのかな?時折ハンターでそういう仕様のモノを見かけたが、私が買ったのはリリースから何年も経ってからだったのでバンソウコウは印刷されていた。
Three Dong Nightは3人編成のマルチ・ボーカルズをフィーチュアしたポップ・バンドだっで、1973年に来日もしている。
その3人のシンガーのうち、Chuck Negronが歌ったこの曲は全米第4位のヒットとなった。
Queenにも同名異曲があるが、残念ながらこの曲はThree Dog Nightのオリジナル曲ではない。

20cdオリジナルはイギリスのシンガーソングライターのLeo Sayerによるもの。
「The Show Must Go On」を収録しているのはこの『Silverbird』というアルバム。
好きだったナァ。今でも時々聴いているんよ。
Leoのオリジナル・バージョンでもあのサーカスのメロディを聴くことができる。
しからば、このサーカスのテーマみたいになっている曲は一体ナンなのか?
コレは、ユリウス・フチークというチェコの作曲家の「剣闘士の入場」という曲。
フチークは軍楽隊の指揮者を長いこと務めた人で、行進曲やポルカをたくさん作って「ボヘミアのスーザ」の異名を取ったらしい。
なるほど、実際にオリジナル・スコアのバージョンを聴いてみると、サーカスっぽいのは最初の方だけで、全体としては完全に「マーチ」。
ましてやこのクロマチックのカタマリのようなメロディがサーカスに使われていることを知らなければ、聴いても「サーカス」という言葉は頭に浮かんでこないだろう。
イメージっていうものはスゴイものだよね。
今、この曲が軍隊の行進に使われたら、間違いなく「サーカス」の軍隊だと思われるわな。
さて、「The Show Must Go On」。
題名からすると「それでもショウは続く」…と、芸人の根性物語のコピーのようなイメージがあるが、実は違う。
Leoは各コーラスを「I won't let the show go on」と結んでいる。
反対に歌の中には「The show must go on」というタイトルとなっている一節が出て来ない。
この曲は「もう心が折れてしまって、ショウを続けることはできない!」という道化師の叫びの歌なのね。
ところが、Three Dog Nightバージョンは、すべてのコーラスを「The show must go on」と歌っているんですよ。
エンターテインメントに対する英米の考え方の違いなのかな?
コレを聞いたLeoは大層怒ったのだそうだ。
そりゃそうだよね。
作者の意と反対のことをやられたんだから。
でも、名曲だからこそこういうエピソードが成り立つんですな。

30cdさて、サイキックサーカス。
客電が落ち、ステージ下手から登場したのは全身を電飾に包んだ人。

40メカさんにキマってる!
大きな拍手が沸き上がる!

50vそして、ショウが始まった!
それこそ3管のホーンがメロディを奏でる「剣闘士の入場」のようなテーマ・ソングから…

602人の女性シンガーが加わりサイキックサーカスがスタートした。

70メカ・エルビス

80v諸藤英太郎

90v忍者ボーイ・ヒデ
以上の3人はサイバーニュウニュウを経ての参加。

100vベースは上埜トヲル。

110vそして、魅惑のボーカルズ。
エビ沢キヨミ

130vGOW

120vコレにホーン・セクションが加わる。
アルトサックスは麻世。

140vトランペットは今泉直司。

150トロンボーンは小池隼人。
私事ですが…この日、会場はそれこそ立錐の余地がないほどの満員状態で(ハッキリ言って入れ過ぎです)、一旦脚立に乗ったが最後、身動きが全く取れない状態だった。
その結果、私の位置からは上手の奥が完全に死角になっていた。
それで、最初の方の曲でボントロ・フィーチュアの曲があって、上手から出て来たトロンボニストを見て驚いた。
結構、大きなショックだった。
ナゼなら、小池さんが私の前の会社の後輩と取り返しがつかないぐらいソックリだったのだ。
その後輩は学校も同窓で、2001年のMarshallのイベントで、私のミスで小川銀次さんを激怒させてしまった時、夜中まで一緒に謝ってくれた男。
しかも、その後輩はトロンボニストだったのだ。
もう、髪型から、顔つきから、身のこなしまでウリ二つで、終演後「どうやってアイツを驚かせてやろうかな~」と、も~メンバー紹介でお名前を確認するのが待ち遠しかった。
ゼンゼン違う方でした。

160v何しろにぎやかなファンキー・サウンド!

170冒頭にThree Dog Nightが登場したのは偶然なんだけど、マルチ・ボーカルズの強みを活かした楽しいステージだ。

185このハチ切れんばかりのサウンドを律動させているのが英太郎さんとNATAL!

230v愛器のアッシュ・キットを豪快に鳴らしてくれた。
コンフィギュレーションは10"、12"、16"、22"。
スネア・ドラムは14"x6.5"のステイヴ。
イヤ~、このステイヴとバス・ドラムのサウンドのコンビネーションがこの上なく素晴らしい。
ガッチ~とバンドを引き締めて、かつ、すさまじいグルーヴ感を演出していた。
やっぱりNATALって音がいいな。

240もちろん2人のシンガーをソロでフィーチュアしたコーナーも。
まずはGOWさんから。

190vキヨミさんのパートではヒデくんのクモの巣が炸裂!

210忍者ボーイだからね。

220お召替えも数回。
至れり尽くせりのエンターテインメント・ショウなのだ。

250メカさんのソロもところどころに挟み込まれロック・フレイバーを添える。

260アンコールでも衣装を替えて熱演を見せてくれた。

270そしてエンディングはヒデくんの大ジャ~ンプ!
キマったね!

280英太郎さんがひとりステージに残ってご挨拶した後、記念撮影を提案。

290サイキックサーカス、発ライブ大成功の図!
これからのご活躍をお祈りしてます!
  
サイキックサーカスの詳しい情報はコチラ⇒公式facebook または公式Twitter

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<NATAL>について
時は1965年、場所はロンドン。
伝説のパーカッショニスト、アラン・シャープは理想の楽器を編み出すことに没頭していた。 
そして、ついにそれを手に入れた。 
やがてその楽器は多くの人の知れるところとなり、
レッド・ツェッペリン
ディープ・パープル
ザ・ローリング・ストーンズ
ブラック・サバス
UB40
ボブ・マーレー
…らに重用された。
アランは「*ロー・プロファイル・フープ」の開発者。
彼はいつもナニかを作り出そうとしていた。
そして今、我々がそれを引き継いだ。
アラン・シャープのレガシーは生きている。

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
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(一部敬称略 2017年12月15日 下北沢MOSAIC撮影 ※集合写真提供:諸藤英太郎)

2017年12月19日 (火)

犬フェス~コピー・バンド決勝大会 <前編>~私のディープ浅草 <その3>

   
「犬フェス」か…私は特段犬好きでも、動物好きでもないがいい名前だと思う。
「犬神フェスティバル」を略して「犬フェス」というワケでもなし、最初から「犬フェス」としているところが何とも犬神サアカス團らしいではあるまいか。
2回目の開催。
前回は「プロのバンドが犬神の曲を演奏する」という内容であったが、今回はアマチュア・バンドによるコンテストとなった。
下のチラシにあるように「厳正な審査を勝ち抜いた犬神サアカス團のコピーバンドによる決勝大会!」だ。
ん?…「厳正な審査を勝ち抜いた」?
コレは変でしょう?
「厳正な審査を経て勝ち抜いた」が正しいところではなかろうか?
「審査」自体は勝負ごとではないので、「勝ち負け」はつけられない。
な~んてね、
タマには揚げ足取りもよかろう。
「クセ」のある連中が集まったイベントだけに私も「ナンクセ」をつけてみた。05v「うぇいうぇいうぇいうぇいうぇい!」
司会はおなじみ魔将軍チャッキー!
「千葉県市川市の魔界から来ました~!」
うぇいうぇい!あの魔界には私も2年ほど住んでいたことがあるぞ!
駅のすぐ横の「田吾作」といううどん屋が大好きだった。まだあるのかな?
魔将軍からこのイベントの主旨が説明される。
優勝者には犬神サアカス團の前座として同じステージに立つ権利が与えられるという。
その他、個人賞もモロモロ。
徹頭徹尾、犬神にまみれた豪華イベントなのだ!

20vさっそく「團」の登場だ!

30まずはメンバー各々からひと言ずつご挨拶。
「ボクらが愛している曲を何度も聴いて、音を採って、一生懸命やってくれたのかと思うだけで胸がイッパイです!」とジョニーちゃん。

40v凶子姉さんは、「今日はみんなガンバルと思います。そんな中で我々が一番チャンとやらなきゃいけない…というプレッシャーを感じながらもガンバります!」

50v「個人賞の景品も豪華です。真剣に審査したいと思います!」とはジンにい。

60v最後は明兄さん。
「2年前からこの企画を考えていました。それがやっと形になってうれしいです。コレが続いていったらいいな…と思います」
大丈夫でしょう。
ナントならば、いつも書いている通り、ファンがジャンジャン入れ替わって、犬神さんには若い人たちも多いから。
伝承がうまくいっているので、ズッと続けることができると思いますよ。

70vところで、明兄さんの毒蛾のようなマツゲ。
いつ見てもスゴイな。

80一番最初に見た時、即座にこのToddを思い出したわ。
Toddの代表作の2枚組『Something/Anything』を日本で編集したアルバム『Hello It's Me』。
私はコレ、14歳の時に買って「I Saw the Light」の良さにビックリしたわ。
それから10年チョット経って中古レコード屋に売ったら、買った時より高い値がついてまたビックリした。
そして、売らなければよかったと後悔した。

85cd開会宣言よろしく…

90「キンメダイ」の社歌を斉唱した。

100vさて、厳選な審査を経て決勝大会に進出した皆さんがステージで使用するバックラインは…
ギター・アンプはMarshall。

110vベース・アンプはEDEN。

120vヘッドは大人気のTerra Nova TN-501。

130そして、ドラム・キットはNATALね。

140「さっそく犬フェス始めるぜうぇい!」

150vトップ・バッターは福島県はいわき市から参加の「犬っ子サーカス團!」。
初めてのステージだそうだ。

1_img_0033 ゆら

170vこうた

180vそういち

190vあやた

200曲は「幽霊忌憚」と「命みぢかし恋せよ人類!」の2曲。

210まだ皆さん、10代だでね。
ギターのこうたくんは暴れすぎて何度もギター・ケーブルを抜いちゃった!
何しろ元気イッパイ、忠実に犬神ミュージックを再現してくれた。

220審査員席の犬神メンバーさ~ん!

230情次兄さん、「初ライブとか言ってたけど、楽しそうにやってたね!張り切りすぎてケーブルが抜けちゃったけどギリギリ間に合ってヨカッタね!」
   
※Marshall Blogでは「シールド」という言葉を使わないのでチビッとアレンジさせてもらいました。

240v明さん「そうだねェ、始まった瞬間から涙が止まらないよ!可愛くってサ!やばい…本当に泣いちゃった!」

250「うぇいうぇいうぇいうぇいうぇい!次のバンドは水仔寺!」

260今度は杉並から来たトリオ。
明兄さんじゃないけど、ステージの中央に「遺影」が飾ってある。
ま、出て来るべくして出て来たタイプやね。

270ギターは犬神ちゅうこ。

280vベースに犬神ちょうこ。

290vドラムスが犬神けしこ。

300vボーカルズの方は先ごろ亡くなられたそうです。

310取り上げた曲は「後生車」。
ナンカ、みんな渋いな。
「後生車」なんて落語の題名みたいだけどスゴイ曲だ。アレは「後生うなぎ」か…。
2_img_00752曲目は「瘡の妙薬」。

2_img_0054 ココのチームはアングラ感をプッシュした「負の犬神」みたいな感じ?…と思ったらなるほど「暗黒アヴァンギャルド・バンド」を標榜してるんだって。
独特の世界だった。

2_img_0053 凶子姉さん、「多分、演奏しながら歌うってムズカシイよね?ボーカルズさん死んじゃったからしょうがないけど。
みんなチビっ子でよく学ランがあったね!このまま私がボーカルズで入ってもできるね!チビっ子で可愛かった!」
  
※Marshall Blogでは「ボーカル」は正しい英語に倣い、常に「ボーカルズ」と複数系で書き表しています。英語では歌と鍵盤のパートは常に「vocals」と「keyboards」と複数形で表現するのが普通です。

320芝居仕立てで始まったのは「なな神サービス団」。
ギターの人が読んでいるマンガは「ガロ」。
犬神サアカス團は、その昔ガロの文通コーナーでメンバーを集めたとか…。

330vキーボーズ入りの5人チーム。
結成は2014年。
曲はまず「レクイエム」。

340なな神なな
1_img_0146なな神けいた

360vなな神たかお

370vなな神さたろう

390vそしてキーボーズのなな神まみ。

380vもう1曲は「くたばれ」。
350小芝居を交えてこのチームも正統派犬神ワールドを展開した。

400「もうね~、涙が止まらないね!工夫してるよね。色んな所から抜いてきて、ボクらのエンターテインメント性をよく消化してくたよね。『くたばれ』なんて渋いね!最近演ってないよね」
  
※「くたばる」の語源は「くたくた」と「へたばる」が合体してできたという説があるが、多分違うだろう。この他にも色々な説があって実のところは不明らしい。
※「なな神」と言えば「七福神」。七福神をスラスラ言える人は存外に少ない。「恵比寿天」だ「大黒天」だのは簡単に出て来るが、たいてい「福禄寿」でつまづき、もうひと柱であるところの「寿老人」が出て来ず六福神で終わってしまうケースがなんと多いことか…私は言えます。

2_img_0044「うぇいうぇいうぇいうぇいうぇい!次で最後だ!」

406v一人サアカス團の犬神ゴマ丸。
「見て!私、きれいなあざらしでしょ?!」
バッキング・トラックを使っての演奏。
「ひとりコピー・バンドという無謀な挑戦ですが、やらずに後悔するより、やって後悔した方がよいという思いで応募しました」という。
ココまでくれば、やって後悔するってことはないでしょう!

410曲は「桜散る中」と「聖約」。
ジョニーちゃんに「リズムの向こう側を見た気がする(←コレはナイスな表現ですナァ)」と絶賛せしめたギター・ソロ!

420vバッキング・トラックを使ってのエントリーなんて今の子ならではだよね~。
色々な形態があっていいですよ。
一人サアカス團がトリを務めるという構成も強烈といえば強烈だった。
  
※文中に記した出場者さんのお名前は一発勝負で聞き取ったものなので誤謬が多々あるかとは存じますが、正しい情報が入った時点で都度直してまいりますことご了承願います。

430凶子姉さん、「ネタからブッ込んでいきましたね!出オチになる要素がイッパイだったけど、15分の間、会場を惹きつけていたのはスゴイよ!」
ジン兄さん、「自分で録音したという『桜散る』のベース。ちゃんとコピーしてましたね~!声のキーが高くてヨカッタですね。男性があのキーで歌えるってスゴイですよ!」
明兄さんは横で泣いていた。

2_img_0047 「うぇいうぇいうぇいうぇいうぇい!次は犬フェス・スペシャル・バンドです!」
…ということで<後編>につづく。
 
犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式家頁
 
※ウチのPCは「うぇい」と1回タイプするだけで5回「うぇい」が連なって変換される。

440v   
(一部敬称略 2017年10月8日 高田馬場CLUB PHASEにて撮影)

さて、今回で3回目となる「私のディープ浅草」。
段々犬神サアカス團の「女殺火箸地獄」との関係も薄れるわ、なかなか本題に入らないわで迷惑に思われている方もいらっしゃることだろう。
そういう方はココでバイバイ。
ご興味がある方は下から切り離して前回に次に足しておいてくだされ。

  
--------------------------きりとりせん------------------------

  
前回「吉原は元々人形町にあって、それを『元吉原』と呼ぶ」ってなことを書いて、人形町の交差点付近のようすを紹介した。
実はコレを書いた時、ものすごく迷ったのね。
何に迷ったのかというと、人形町の交差点からはさほど遠くはないにしろ、その「元吉原」はもっと秋葉原寄りにある隣町の堀留町に存在した…という説があることを知っていたからだ。
どちらが正しいのだろう?とさんざん悩んだあげく、「元吉原総鎮守」というコピーを掲げる末廣神社の威光に負け、「堀留」案を引っ込めた。
では、何で「元吉原は堀留町にあった」ということを知ったのかというと、その出自は下の写真の本にある。
この『吉原夜話』は、喜熨斗古登子(きのしことこ)という新吉原にあった「中米楼」という妓楼の家に生まれ、初代市川猿之助に輿入れしたという女性が著した本だ。
今の東京新聞の前身である「都新聞」に連載されていたインタビューを一冊にまとめたもので、喜熨斗さんの言葉が仔細に筆記されている。
インタビュー大正期のことだから、連載されていたのは100年以上も前のことだ。
そして、この本が上梓されたのが昭和39年。
現在でも装丁を変えて出版されているが、私はこの箱入りのオリジナル・バージョンが欲しかったので、東京オリンピックがあった年、すなわち私が2歳の時のモノを手に入れた。
ゼンゼン高くはなかったんだけどね。
ただ53年前で定価が950円もしている。
昭和39年の大卒の初任給は20,000円内外だったらしく、物価水準は現在の1/10と見て差し支えないらしい。
ということは、今の感覚で言うと、この250ページ足らずの本が9,500円もすることになる。
コレは高いよ!当時は相当高級な書籍だったハズだ。
前の持ち主が大事にしていたのか、ロクに読まなかったのか、私が入手したモノはまだ製本が大変シッカリしている。
1,200円で買ったの。
内容は…メチャクチャおもしろかった!
江戸時代から明治にかけての吉原や東京の様子が、喜熨斗さんの口から出たナマの言葉で綴られているワケ。
つまり、本物の江戸時代の人の言葉をそのまま聞くことができるシロモノなのだ。
昔の女性はこんなクチのききかたをしていたんだナァ…と思うことしきり。
カッコいいの。まるで落語を聴いているようだ。
そう、落語を聴いていてつくづく思うんだけど、日本人ってオッソロしく多くの言葉を切って捨てて来ているんだよね。
あまりにもクダらないマスコミやテレビのおかげで日本語のステキな部分を台無しにし続けているのだ。
日本人は日々の生活の中で5万語を使い、その点英語はたったの2万語しか使わない…という話を聞いたことがあるが、恐らくコレは昔の話だろう。
英語など足元にも及ばない数多くの擬音語や擬態語が示すように、日本語ってのは英語より語彙がゼンゼン豊富なのだ。
そして、何よりも響きが上品で美しい。
コレは四季が豊かに変化することに起因しているとよく聞くが、まさにその通り。
そのおかげで食べ物や着る物の種類が多くなり、それに連れて語彙も多くなったのではないか?
落語を聴いていると、登場人物がナニを着ているか…ということをすごく細かく説明するでしょ?
アレは季節とそれを着ている人の暮らしぶりを表現しているに他ならない。
そして、それを理解している寄席の客さんがスゴイ。
私なんか恥ずかしながらその衣料のことに関しては、出て来る言葉がほとんどわからないもんね。
あ、それと日本はイギリスと並ぶ世界の文学王国なんだよ。
そのおかげで語彙が豊富なのか、語彙が豊富だから文学が盛んなのかはわからないが、昔は知的な国民であったことは論を俟たない。
 
それで、この本の中で喜熨斗さんがいとも簡単に言ってるんだよね…「元吉原は堀留でしたかしら?」って。
「人形町」とは言ってないの。
また別の回で紹介するが、その後、昔の吉原の関係者の方が書いた他の本を読んでも「元吉原は堀留二丁目にあった」ということが書いてあった。
それでいよいよ「人形町」か「堀留町」かがわからなくなってしまったのだ。
ま、双方近くだからゴッチャになっているか、昔は堀留町と人形町を同じに見ていたのか…いずれにしても彼の地を一回押さえておこう。

10…ということでやって来たのは中央区日本橋堀留町。

20400年前の話だからね、「元吉原」のカケラもありゃせんわな。

30_2この辺りも通勤路で何度通ったことか…。
古いモノは何にもないことは先刻承知。

40コレぐらいかな?
椙森神社(すぎのもりじんじゃ)は、江戸時代には柳森、烏森と並ぶ「江戸三森」の一角として栄えた…って、そんな「三大」あるの?!

R_0r4a7975ここはまた、江戸時代は富くじで大層にぎやかだったらしい。
「富くじ」っていうのは今の宝くじね。
「富久」だの「水屋の富」だの、富くじを題材にした噺も多いよね。

R_0r4a7972 さて、吉原に関する専門書の類を読むと間違いなく出て来るのが「吉原への道」。
つまり、昔の皆さんはどうやって吉原へ行ったか…ということ。
吉原は今でも交通の便が悪いところだ。
「陸の孤島」とまでは思わないけど、「最寄りの駅」がないところなんだよね。
ココは喜熨斗さんの本に沿って実際にやってみることにする。
ルートは陸路か水路かの2つ。
まずは陸路。
はじまりは蔵前から。
下の写真は大川…あ、隅田川のことね…にかかる蔵前橋の西詰からスカイツリーの方を見たところ。
江戸の昔は吉原へ向かう人でこの蔵前あたりからもうスゴイ人出だったのだそうだ。
まだ相当あるよ、吉原まで。

50蔵前橋のたもと。
私が学生の頃までは「蔵前国技館」といって、今両国にある国技館がこのピンク色の建物あたりにあった。

60そして、江戸時代、ココには「浅草御蔵(あさくさおくら)」という倉庫があった。
なぜココに来たのかというと、喜熨斗さんの本に出ているこの辺りにあったという「札差屋」なる言葉が気になったのだ。
この「浅草御蔵」というのは「浅草御米蔵」とも呼ばれ、大坂(昔は「大阪」ではなく「大坂」と書いた)、京都の二条と並んで「三御蔵」と呼ばれる重要な米の倉庫だった。
幕府が全国に点在する「天領」と呼ばれる直轄地から巻き上げた年貢米や買上げ米をココに貯蔵していた。
江戸には北の丸や代官町にも米蔵があったが、享保年間にココに集約してしまった。
この前の地帯を「御蔵前」と呼んでいたことから、辺りを「蔵前」と呼ぶようになったんだな。
さて、その「札差屋」…ナニをする職業だったか。
よく時代劇なんかで「石高」ってやってるでしょ?武士の給料ね。
コレは米ですよ。
江戸ではこの浅草御蔵からその米が配給されていたらしい。
で、武士は米をもらって一体どうやって暮らしているのかって以前から不思議に思っていたのね。
米ばかり食べていたら脚気になってしまうから。
そこで出て来るのが「札差屋」。
この札差屋というのは、武士が幕府からもらった米を買い取って、他へ売って利潤を得る仕事なのです。
つまり、武士はもらった米を札差屋に売ってお金に換えていたワケ。
あのディスカウント・チケット屋みたいなものですな。
喜熨斗さんの本によると、この辺りには札差屋が軒を並べていたそうだ。

70その御蔵前の通りを秋葉原方面に向かって50mほど行くとこの交差点に出る。
ココはスゴイですよ。
おっと、その前に…この写真の道を左に行くと浅草橋になる。
江戸時代は「浅草見附」といった。
「四谷見附」、「赤坂見附」と東京には「見附」がつく地名が今でもあるが、コレは「見張り台」という意味。
だからディランのあの曲にチャンとした邦題をつけるなら「見附からずっと」になる…コレ、以前にもどこかに書いたかな?
下の写真の中央にある白いビルのあたり、江戸時代、ココには人工の山があった。
そのてっぺんには「浅草視天台」という「天文観測所」があったんだな。
見たことはないけど。
そこの所長を高橋至時(よしとき)といった。
そして、そのお弟子さんが伊能忠敬だ。
伊能勘解由、または推歩先生。
歩く時にいつも歩数を数えていたので「推歩」というアダ名がついた。
忠敬は千葉の佐原というところの出身だが、隠居してからは江戸に出て深川に住んだ。
そして、毎日深川からこの浅草視天台に歩いて通った。
もちろん歩数を数えながらだ。

80_2チョットここで思いっきり伊能忠敬で脱線させて頂く。
というのは、大分前にはなるが、井上ひさしの伊能忠敬の伝記小説『四千万歩の男』を読んでいるからだ。
文庫で約3,200ページ、全5巻の大著をアッという間に読破した…というのはウソで、実はあんまりおもしろくなかったな。
イヤ、世間一般では十分におもしろい部類に入るのだろうが、他の井上作品に比べるとチョットな~。
私にとっての井上ひさしの最高作は、直木賞を獲った出世作の『手鎖心中』…ではなくて、それとカップリングされている『江戸の夕立』という中編なのね。手に汗握るローラー・コースター小説。
でも、『四千万歩の男』は「伊能忠敬」という偉人に興味を持つには余りあるほどの良著ではあった。
そんなワケで、伊能忠敬の出身地、千葉県佐原市に行ってみたよ。

90_2コレが伊能忠敬の住居。
忠敬は貧しい家の出で、17歳の時に婿として伊能家に入り、50歳までココに住んだ。
伊能家は作り酒屋や米穀商を営む佐原の名家だったが、奥さんがキツかったらしく、イヤミたらたら、ずいぶんイジめられたようだ。
しかし、忠敬はとても優秀で人望が篤く、ラッキーなことにそのイジワルな奥さんも早逝して、伊能家の資産を桁違いに増やしたそうだ。
50歳になって念願の天文学を修めるべく江戸に出て、「栄」という三番目の奥さんをめとった。
お栄さんは吉原の花魁だった。
花魁は一般の女性を「地女」と呼んで軽蔑するほど皆優秀ではあったが、お栄さんは取り分け頭がよく、計算もでき、忠敬の地図作りも手伝ったという。

100家の中庭にある忠敬の銅像。

95推歩先生、案外小柄である。
んな、バカな!

110v_3町には「伊能忠敬記念館」もあり、興味のある人には大きな見どころとなるだろう。
そもそも伊能忠敬は地図を作ろうと思って日本国中を回ったワケではないんだよね。
師匠である高橋至時のススメで、その当時誰も実現していなかった子午線の一度の長さを実測して世界的な名声を得ようとしたワケ。
それをするには長い距離を測量する必要があった。
ところが当時は国内を自由に行き来することができなかったので、至時の骨折りで「地図作り」という名目を用い、「測量方」というオールアクセスエリアのパスを幕府から取り付けた。
結果、日本で初めて正確極まりない全国地図を作ることができたというワケ。115このね~、佐原という町がまた素晴らしくいいですよ。

120 最近オロナミンCのコマーシャルで古い町並みが出て来るでしょ?
190あのロケ地がココですわ。

130_2水郷と呼ばれる佐原は水運の重要拠点であり、酒造や醤油の製造で発達した。
そして、空襲がなかったので、この美しい町並みが残った。
こういう古い町並みが残される条件って、私の観察では3つあって、ひとつは何がしかの産業が発達していたこと、水運の利があったこと、そして、空襲にあっていないこと…なんだよね。
麻で栄えた栃木市なんかもそう。

140_2しかし、いくら古い建物が現存しているとはいえ、やはり痛みかたが尋常ではなく、これらの建造物は町でかなり手を入れているのだそうだ。

150だからどこもとてもキレイなんだけど、昔の風情をブチ壊すようなところまで手を入れていないのが実に素晴らしい。
いつも書いているけど、東京だって大震災と空襲がなければもっと素敵な街だったんだよ。
170「もい」じゃないくて「いも」ね。
166それだけに観光客の数もスゴイ。
ウチは9時前に来たので駐車場には困ることはなかったが、ユックリ来ていたら面倒なことになっていた。
それでナンダカンダで夕方まで見て回ったからね。
すごく面白かった。

160いいでしょ、この住所!

165町はやはり忠敬色が濃く、公園にもこんな立派な銅像が建っている。

180v_2この山車も有名なのだそうだ。

195そして、話はいきなり浅草に戻る。
スカイツリーがよく見えるこの辺り。
アレ、先っチョがない!
そうなの。
もっと以前から撮っておけばよかったんだけど、気がついた時にはこの高さになっていたんだぜ。

200_2この辺りに源空寺という寺がある。

210_2ココは有名な幡随院長兵衛や天保年間の画家である谷文晁(たにぶんちょう)の墓があることで知られている。

220vなかなか立派なお寺ですよ。

230_2大みそかにはひとり1回この鐘を突くことができる。
鐘を突くとギャラとしてお菓子がもらえるよ。

240コレが幡随院長兵衛の墓。
この人が誰かご存知ない人は池波正太郎の『幡随院長兵衛』でも読んでみてくだされ。
ま、任侠の人だよね。
命を狙われるのがわかっていて風呂に入っている時に暗殺された。
池波本を読んだけど、あんまりおもしろくなかったナァ。

250vコチラが谷文晁の墓。

260vそして源空寺にはまだスゴイものがある。
それが伊能忠敬と師匠の高橋至時のお墓なのです。

265vコレが高橋至時の墓。

270vその向かって右隣りにあるのが伊能忠敬の墓。

280そうなの。
師弟、同じところに眠ってるの。
忠敬は年下の師匠である至時を心から敬愛していて、「自分が死んだら高橋先生の隣に葬って欲しい」という遺言を残した。

290v_2それがこの通り守られているというワケ。
向かって左が至時、右が忠敬の墓。

R_0r4a1529 脱線の幅を広げよう。
至時の向かって左の墓は長男の高橋景保の墓だ。
景保は父親の後を継いで天文学者になった。

300v_2四角い墓標の後の石碑はなんだろう?

310v背面を見るとアルファベットではあるが見慣れない単語が並んでいる。
オランダ語だ。
330景保に色々と助けてもらったことに対するお礼の言葉だ。
その言葉の送り主はフリッツ・フランツ・フォン・シーボルト。
樺太東岸のことを知りたがっていた景保はその情報を記した書物と引き換えに忠敬の全国地図の写しをシーボルトに渡してしまった。
有名な「シーボルト事件」ね。
当時、国内の情報を海外へ持ち出すことは厳禁で、景保は捕らえられ、伝馬町の牢屋に入れられ、獄死してしまう。
そして、景保は塩漬けにされた。
コレはメッチャ重罪を意味しているのね。
死んだ罪人を塩漬けにするのは、死刑に処すためなの。
もう死んでいる罪人を死刑にするなんておかしいでしょ?
罪人はとにかく処罰を受けなければならない…という精神だったワケ。
結審する前に死んでしまった重犯罪人を腐らないように保管しておいて、刑が確定したところで…といってもまず打ち首なんだけど…塩漬けの死体を取り出し、ワザワザ首を落としたのだそうだ。
モノの本によると、冷凍庫も冷蔵庫もない時代だからね、この塩漬けは膨大な量の塩を使って、作業もエラく大変だったんだって。

320_2さらに、今度は長崎に話が飛ぶ。
シーボルトの日本の奥さんは「瀧」といった。
やはり彼女も出島に出入りする遊女で、オッソロシク美人だったらしい。
またぞろ吉村昭で恐縮だが、日本で最初の産婦人科医となったお瀧さんの娘、楠本イネの生涯を描いた『ふぉん・しいほるとの娘』は最高におもしろいよ。
文庫で1,000ページぐらいあるのかな?
もう読みだしたら止まらなくて、本当に一気に読んじゃった。
吉村昭は他にもシーボルト関連の長編を書いている。
『長英逃亡』という、無実の罪で投獄された高野長英なる医者の逃亡劇。
コレも破天荒におもしろかった。
江戸時代の幕府の諜報網というのはものすごく優秀で、逃げても逃げても追いかけて来る。
最後は…あ~言えない!
  
それと、高橋景保のことを幕府に売ったのは「間宮海峡」で有名な間宮林蔵だと言われているらしい。
間宮はやはり『四千万歩の男』の中でもクセモノで描かれているんだよね。
吉村昭の『間宮林蔵』という小説もメッチャおもしろかった。
当時、樺太の先っチョと大陸が陸続きかどうか…コレが「世界の七不思議」のひとつになっていたんだけど、間宮はそれを確かめに行って、中国大陸まで歩いて行って帰ってきた。
つまり、干潮になって海水が引くと、陸地になることを発見したのだ。
樺太の情報が欲しかった景保は間宮と敵対していて、そのあたりを間宮に訊くに訊けないので、シーボルトの書物がどうしても欲しかったのかも知れないね。
そして、間宮は地図の写しをシーボルトに渡した景保を幕府に売った…のかどうかは知らないけど、そういうことと自分の中でまとめておくことにしよう。

340_2そんなことがあったので、昨夏上野科学博物館で開催されていた『シーボルト展』に行って来た。

350_2スゴイんだよ、何でもかんでもオランダに持って帰っちゃったんだから。
動物も剥製にして持って帰った。

360植物学者であったシーボルトは日本の固有種にとても興味がったようで、おびただしい数の植物を押し花にしてコレクションした。
植物は剥製にできないからね。
しかし、そのコレクションは押し花にとどまることはなく、ワザワザ日本人の画家を雇って細密な絵まで描かせた。
実物があるのになんでそうしたか…。
それは押し花にしてしまうと、ペッチャンコになってしまって、どういう風に生えていたのがわからなくなってしまうため、3Dの様子を記録したかったのだそうだ。
後は色だね。
押し花は色が褪せちゃうから。

380コレが押し花。
このアジサイはシーボルトによって「オタクサ」と名付けられた。
「オタクサ」とはシーボルトの細君となった例の「お瀧さん」からの命名だ。

390コレがお瀧さんの肖像。
笄に櫛、かなりキチっとした身なりをしている。
実物は最高の美人だったらしい。

410_2話は長崎から蔵前へ戻りますよ。
今日はメッチャ忙しい!
  
この辺りはおもちゃの街で、昔は数多くの問屋が軒を連ねていた。
一般のお客さんが入れないような業者向けの問屋だ。
ま、元来問屋ってのはそういうものだけど。

420うわ~。

430_2古式ゆかしいな~。
コレも玩具問屋。
450隣のこの看板建築もいい感じだよ。

440ウチの父は変なところがダイナミックで、花火というと業者のふりをして、この辺りの「オンダ」という問屋へ来て大量に買って来ちゃう。
問屋だから箱単位でしか売らないからね。
たくさん買うのはいいんだけど、何しろ種類が同じモノばっかりになっちゃう。
こっちは子供だから線香花火やヘビ花火とか色んなのをやりたいじゃない?
ドラゴンならズッとドラゴン。
キーンロケットならズッとキーンロケット。
それだとさすがに飽きちゃうもんだから、最後はたいてい連射で消化しちゃう。
ドラゴンを20個ぐらい地面に並べて片っ端から火をつけて「ナイヤガラだ~!」とやるワケ。
それはそれなりに面白かったか…。

460もう少し行くとアソパソマソがお出迎えしてくれるバンダイの本社ビル。

470社屋の横にはウルトラマンや仮面ライダーも…
Img_5436コレはドラゴン・ボール?

R_2img_5435通りを挟んだすぐ隣は有名な駒形どぜう。

480ようやく松屋まで来たよ。
吉原まではまだまだ結構あるわ。

490ココまで来ると大川の対岸はこんな感じ。
ちょうどウンコビルのウンコを改装していた時。
下品ですみません。私のせいではありません。この辺りでそれが正式名称ですのであしからず。

500で、さっきの源空寺の方から夕方スカイツリー方面を眺めるとこういう現象が起こる。
上の金色のビルに西日が当たって辺り一面が黄金色に包まれるのだ。
コレはホンの数分だけしか起こらない。
ステキでしょ。
車の運転には要注意だけどね。

510<まだまだつづく>

2017年12月15日 (金)

【田川ヒロアキ結婚スペシャル】SPORTS of HEART 2017の田川ヒロアキ

 
さて、「Will you marry me?」で始まった田川ヒロアキの『結婚スペシャル』も今日が最終回。
シンガリは今年も開催された大イベントでの田川ヒロアキをレポートしよう。
そのイベントとは、今年で3回目の出演となる『SPORTS of HEART』だ。

10   
 
前回までは代々木第一体育館での開催であったが、今回は外へ飛び出した。
代々木公園の野外音楽堂だ。
しかし、よりによって雨…。
下は開催前日のリハーサルのようす。
去年はあんなにいい天気だったのにナァ。コレが反対だったらどれだけヨカッタことか…。
翌日の本番が晴れることを祈った。
20_2この日は10月の中旬にしてはひどく寒かった。

30ステージにはJVM210Hのハーフ・スタックを2台用意。

60今回も鼓の大倉先生との共演だ。

40もう3回目だからね、先生とはスッカリ気心も知れていい感じだ。
おかげさまで私も近しくして頂いている。

50前回同様、三味線チームの「疾風」も合流だ。

100演目も一部は定番曲なので安心、安心。

70v_2完全に手慣れた感じでリハーサルは順調に進んだ。

80v寒かろうが、暑かろうが、後は翌日晴れてもらえば万事OK!

90「晴れろ~!」
85晴れない…。
ダ、ダメだ。
残念ながら翌日は今にも泣き出しそうな曇り空だった。
でも代々木公園の中は何やら大にぎわい。

110「泣ぐ子はいで~が~」とナマハゲが動員されている。
人間椅子も出るのか?

120_2と思ったら(本当は思っていない)…道理で。
『あきた納豆発酵フェス』なんてのをやっていた。

130タイトル通り、秋田産の発酵食品の展示即売会ですな。

140コレは「秋子さん」かな?
それとも「いぶりがっ子」ちゃんかな?

150v_2色んな秋田の食品が展示されていた。
秋田ってのは行ったことがないな~。
NATALを愛用してくれている秋田出身のいいドラマーなら知ってるけど…ショボンちゃんのことね。

160ゾロゾロと並ぶ出店。

170_2今度はナンダ?雰囲気が変わったぞ。

180_2奥の方ではインドネシアの物産展が開かれていた。

190虫?

200vそう、インドネシアの虫の実物を閉じ込めたキーホルダー。
他にも洋品や食品など盛りだくさんだった。
ウチはニンニク味とか生姜味のカシューナッツのお菓子を買ったんだけどおいしかったな。
ビールにピッタリ系のヤツ。

210_2チョットしたステージも設営されていて、バリ舞踏のグループなんかも出演した。
観たかったのだが、時間が合わず断念。
ガムラン、好きなんだ~。

220_2そして、一番奥に陣取っていたのが『SPORTS of HEART』の会場。

230野外会場の利点を活かして色々なアトラクションが用意されていた。

240登るヤツとか…。
よくテレビでやってるけど、コレおもしろいの?わからんな~。

260他にもハネるヤツとか…。
子供さんが来ても楽しめるようになってる。

270昼間からバラエティに富んだプログラムが組まれており、ステージ前にはもう既にたくさんの人が集まっている。
ヒロアキくんの出番は夜だ。

280_2はい、夜になりました。
やっぱり降っちゃったな~。

290_2今日はギターに専念する田川ヒロアキ。
新婚さんだ。
演目は「Seascape」と「君が代」を合体させた「Seaが代」。「君がScape」ではダメ。
あ、「Seaが代」と呼んでいるのは私だけですからヨソでは言わないように。

300v_2鼓は大倉正之助。
先生は今回、袴姿ではなく洋装で臨んだ。
いいね、こういうのも。

2_img_0329 もう1曲はヒロアキくんのオリジナル曲、『Over Drive』収録の「Driving Jam」。

320よくヒロアキくんがライブで取り上げる曲だけど、今日は三味線の激演のおかげでまたいつもとは違う雰囲気。
合うね~、三味線!
ナイス選曲!

3_img_0083 ステージの前方では車イスを使ったパフォーマンスが繰り広げられる。
340v_2スリリングな演奏とパフォーマンスの融合で…

350_2寒さなんていっぺんにスッ飛んだ!

330_2ココで場面が変わり、ヒロアキくんだけがステージ残り、変わりにヴァイオリニストの穴澤雄介が登場。
そして、下手のギターは…

310林文部科学大臣。

365v曲は「見上げてごらん夜の星を」。

370v_2大臣はソロも担当してその腕前を披露した。

380v_2はじめて合わせたとは思えないスムースなコンビネーション!

390_2代々木の雨の夜空に三人囃子(ココ、シャレになってます)が奏でるやさしいメロディが響き渡った。
しかし、ヒロアキくんの音は美しいのう。

360もう1曲。
ピアノに向かった林大臣は「Let It Be」を弾き語った。

410vヒロアキくん、村岡山口県知事に続く「政治家シリーズ」第2弾ですな。
新しい政党を率いて政界に進出するのもそう遠くないかも。
政党名はもちろん「日本マーシャル党」。
比例区の投票用紙には「ニチマ党」で大丈夫。
「アンプは真空管に限る!アンプはMarshall!」ってのが党是。
アタシャよろこんで演説の原稿書きますよ。

420vフィナーレは全員集合!
チーターと一緒に「365歩のマーチ」を歌ったよ。

430SPORTS of HEARTの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

440…というワケで、【田川ヒロアキ結婚スペシャル】はコレにて完結。
書いた~!疲れた~!もうしばらくないよ、ヒロアキくんは!
でもおめでとう!
これからも2人仲良く、そしていい音楽を世に送り出してください。
  

田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

50v (一部敬称略 2017年10月14日 代々木公園にて撮影)




2017年12月14日 (木)

【田川ヒロアキ結婚スペシャル】『THEME PARK -テーマ・パーク-』発売記念ライブ

    
Marshallギタリスト、田川ヒロアキの結婚を記念するご祝儀企画【田川ヒロアキ結婚スペシャル】も残すところあと2回。
今日と明日は結婚式から離れて、ライブのレポートをお送りする。
涙はなし。
既報の通り、田川ヒロアキは10月に委嘱作品のコンピレーション・アルバム『THEME PARK -テーマパーク-』を発表した。

10cd今日は10月初旬に開催したそのレコ発ライブのレポートだ。
バックというか演奏はナントTAGAWA!
『THEME PARK』の収録曲をTAGAWAが再現する…「コリャおもしろくなりそうだぞ!」と誰しもが思わざるを得ない企画だ。
  
オープニングは「Victory!」。
下関のボクシングジムのテーマ・ソングだ。
ココから先、演奏する曲が「誰のために、どんな経緯で作られたのか」

興味がある読者は次に2編をご参照頂きたい。
  
『THEME PARK-テーマ・パーク-』を100倍、イヤ10倍、イヤイヤ1.5倍ぐらい楽しむ <前編>
『THEME PARK-テーマ・パーク-』を100倍、イヤ10倍、イヤイヤ1.5倍ぐらい楽しむ <後編>

  
20田川ヒロアキ

30v寺沢功一

40v長谷川浩二

50vメンバーは以上の3人。
バンドの名前は、田川の「TA」、田川の「GA」、田川の「WA」を組み合わせて「TAGAWA」としている。
ヒロアキくんはお気に入りのいつものMarshall。

60vヘッドはJVM210H、スピーカー・キャビネットは1936V。

70v足元のようす。
歪みは100%アンプで作る。
エフェクターは空間系のみでJVMのセンド・リターンに接続。
JVMのフットスイッチはチャンネルの切り替えとセンド・リターンのオン/オフがアサインされている。
シンプルだが、JVMのサウンドと機能をフルに活用した合理的かつ理想的なシステムだ。

80ベース・アンプはEDEN。
ヘッドはWTP-600。
キャビネットはD410XSTが2台の8 x10"バージョンのフル・スタック。

90v「皆さん、こんばんは!2年ぶりのアルバム『THEME PARK』…色々なパターンの曲を選んで、許可を取り付けてようやくリリースすることができました!
今日はほとんど初めてこのメンバーで演ります。
珍しがって頂けたら…と思います。
最後までお楽しみください!」

190v_mcご挨拶の後に演奏したのは「府中に夢中」。

110_fmコレは以前にもTAGAWAで演奏したことがあるナンバー。

120続く「カラムーチョZ」も以前にもTAGAWAで取り上げたかな?
この曲は他のメンバーでの演奏も聴いてきたけど、今日はいかにもTAGAWAらしいドライブ感が気持ちいい。

130v_kmMCをはさんで「酎High KING!」。

140v_chk呉のライブハウス、「ケラウスランブラ」の20周年を記念して作った曲。
お酒とMarshallが大好きなマスターがどんな人か興味のある人は一昨日の『Will You Marry Me? <披露宴:前編>』をご覧あれ。

150v次は『THEME PARK』からチョット離れてTAGAWAのアルバム『Flying Carpet』からのチョイスで「That's Over」。

160_toココはもうリズム隊のお二方の至芸を楽しむ。
まずはてらちんのベース・ソロ。

2_img_0416低音暴力団組長の面目躍如たる暴れよう!

1_img_0135 替わって浩二さん。

180相変わらずのすさまじい狂打!
痛快そのもの!

2_img_0187 早逝した渡辺英樹さんの紹介して演奏したのはもちろん…

100v「遅い春越後」だ。
パチスロ三部作の一角。

200第1部はコレで終了。
  
この日のライブは正式な発売日より数日早かったが、当日は先行発売を実施。
休憩時間の間にもよく売れていた。
実際、正式発売されてからも、かなり高い評価を受け、『THEME PARK』はヒロアキくんのマスター・ピースのひとつになった。

210第2部はまずソロで登場。

220実物を手にしてCDを紹介。
ジャケットの説明も加えられた。
タイトルが私のアイデアだったということにも言及してくれた。

230v第2部のオープナーはバッキング・トラックを流して「ハンバーグのうた」。
可愛い曲だ。

240_hココでカホンの浩二さんを呼び込む。
「直前にこんなことを思いつきましてね~」
「ナンでそんなことを思いつくんだよ~」…といつもの浩二さん節。

250曲は「たんぽぽと風」。
レストラン企業「株式会社 無洲」から委嘱された同社の社歌だ…ということは昨日&一昨日のマーブロを読んで頂いた方はお詳しいわね。

260v浩二さんのカホン姿って初めて見た。
背が高いからかがむのが大変だ。

1_img_0248 ホンワカしたあたたかい曲が、ホンワカした演奏で会場をとてもあたたかくした。

280おお~っと!
ココでホンモノ登場。

290株式会社 無洲の浅野社長が花束をプレゼントしてくれた。

300v次にてらちんを呼び込んでTAGAWAを完成させる。
何とそのTAGAWA、当初のもくろみであった世界進出を果たすことがキマったというのだ。
1月27日、タイでの公演が決定。
そこでタイへの渡航経験があるてらちんから即席「タイ講座」が…。
「タイは蒸し暑いです。でも音楽祭はすごく楽しかったですよ。食事もおいしいし!」
「暑い」のは察しがつくけど、「食事がおいしい」っていうのは未体験者にとってはかなり有力な情報だよね。
反対に「イギリスの食事がマズイ、マズイ」ってみんなあんまり言うもんだから、行ったことのない人まで「イギリスって食事がマズイんでしょ?」っておもしろがってるじゃんね?
行ったこともないのにそんなことを言っている人は実際に行ってみなって、イギリスへ!
マズイなんてもんじゃないぞ!…というのは冗談で、ちゃんとお金を出すモノはおしいですよ。
日本みたいに食べ物がアミノ酸にまみれていないので、安いモノはゴマカシがきかずマズさが強調されるということか?
そういう意味では日本の食べ物のほうがよっぽど「マズイ」。
この「マズイ」は「不味い」のではなく身体に良くないという意味だ。
コンビニで売っている食べ物がいい例だけど、あの値段であの味っておかしいでしょ?
日本の食品事情を知った英米独の友人は口をそろえて日本のアミノ酸地獄(連中は「MSG」と呼ぶ)にビックリ仰天していたからね。
特にイギリスは土からオーガニックにこだわる国だから余計だよね。
イギリスの食べ物に話を戻すと、私の感覚でキツイと思うのは、冷たいモノを平気で食べたりするんだよね。
アイスクリームみたいに最初から冷たいモノはもちろん一向に構わないんだけど、例えばチョットでいいからオーブンで温めれば格段に美味しくなるであろうオープンサンドみたいのも歯が浮いちゃうぐらい冷たいまま食べちゃう。だから味なんかしない。
口の中で温まったころようやく味が出て来る感じ?
そのクセ、ナゼか食器だけはやたらと熱くするんだよね。
ウェイターが「お皿が熱いので注意してください」なんて言いながら運んでくる皿を素手で受け取った日には手にヤケドをしてしまう。
  
さて、タイの話が出たところで『底抜け脱線クイズ!』
下はアジアの国々の名前を漢字で表記したもの。日本式の表記ね。
この習慣は中国から伝わったものだけど、中国とは表記法が違う。
問題…この中で「タイ」はどれでしょう?

印度尼西亜
柬埔寨
孟加拉国
新嘉坡

比律賓
越南
馬来西亜
緬甸
老檛
 
クイズとしては簡単だよね。
一発で「泰」だってわかる。
印度尼西亜(インドネシア)や越南(ベトナム)なんてのはわかりやすい。
比律賓(フィリピン)や馬来西亜(マレーシア)や新嘉坡(シンガポール)あたりも書けないにしても、マァ読める。
しかし、残ったヤツがなかなかに手ごわい。
答えは…
柬埔寨(カンボジア)
孟加拉国(バングラデシュ)
緬甸(ミャンマー)
老檛(ラオス)
 
こんなモン読めるか!知らなきゃ無理だよ。
昔の人はスゴイね。
ラオスで思い出したけど、「羅宇屋(らうや)」って聞いたことある?
昔、そういう商売があった。
この話はまた別の機会に…。
  
このクイズを導入したのは実は理由がある。
以前、ヒロアキくんにインターネットの画面やメールを一体どうやって読んでいるのか尋ねたことがあった。
何でも「読み上げソフト」というものがある…というので試させてもらった。
なるほど、画面の文字をコンピュータがスラスラと読み上げてくれるのよ。
読み上げの速度の指定ができて、ヒロアキくんは慣れているので最速のバージョンで聞いているとのこと。
それを聞かせてもらったのだが、ほとんどカセット・テープのあの早回し状態(「キュー&プレイ」だっけ?)で、一般人には即座に聞き取ることはまず不可能。
さて、このクイズの目的は、これらの複雑な漢字の国名をそのソフトに読んでもらいましょう!という企画。
結果はヒロアキくんが発表してくれるだろう。

310vてらちんを迎えて演奏したのは投書の宛先の住所を読み上げるジングル4連発。
「シンジケート・アドレス」だ!
コレおもしろかったな~。
恐らくコレはこの先滅多に演らないだろうから、観たお客さんラッキー。

330ゲストが登場。
太鼓の壱太郎だ。

2_img_0281実は私、ヒロアキくんと壱太郎さんの共演を目にするのはコレが2回目なんですわ。
前回拝見したのは2013年3月のこと。
その時の様子がコレ。

350他流試合よろしくヒロアキくんのギターと壱太郎さんの白熱の太鼓演奏が絡み合う迫力のパフォーマンスだった。

360v今回はTAGAWAに混ざっての演奏。
曲は「Lofty Tree」。

365「Lofty Tree」は府中名物のタンス太鼓を使った曲だからね、
もちろん壱太郎さんはトレードマークである「フトンタタキ」を使用したプレイも披露。

400v壱太郎さんを得て臨場感あふれる「Lofty Tree」となった。

380v「フトンタタキは、自分としては『日本の生活の音』を出せると思っているんです。
島忠ホームズで普通に売ってるフトンタタキです」
壱太郎さんは太鼓の演奏でカレコレ30か国以上を回って来たそうだ。しかも、極端に費用をかけずに旅行する特技をお持ちなのだそうだ。
「最近は日本の方が変わっている国だと思うようになって来ました」と言う。
日本はですね、変わっている国かもしれないけど、日本だけで自己完結すれば何ら問題のない、とてもいい国なんですよ。
それを海外の価値観に照らし合わせてみんなで寄ってタカっておかしくしてるだけだと思う。
  
壱太郎さん曰く、おかしいことの例として…
「誰もいない駅のホームで『扉が閉まりま~す!』と駅員が言ったりしますもんね」
それを聞いたヒロアキくん…「目の見えない私のような者に言っているんだと思いますよ」
壱太郎さん、ガックシ…!「な~に~、やっちまったな~」状態で会場は大爆笑!
ウマいな~壱太郎さん。
私は駅員の経験はないけど、それは「マニュアルにそうしろ」と書いてあるからだけの話でしょ。
そこが日本人のいいところなのです。
反対に良くないことがマニュアルに書いてあったら平気でそれに従っちゃうのも日本人。
今、その傾向が大企業で露見しまくってるじゃんね。
「マジメなのにおもしろいのは変わってないな~。壱太郎くんは海外の方が合っている感じがするナァ」とは4年ぶりに共演したヒロアキくんの感想。

340v壱太郎さんともう1曲。
『THEME PARK』の収録曲の中でもひと際目立っている「維新の言葉」。
「民謡メタル」だって!

3902曲ともまさに壱太郎さんを迎えるに超ふさわしい迫力のパフォーマンスだったね。

370vものすごく雰囲気を変えて「平和の風」。

410_hkこの曲はTAGAWAのセカンド・アルバム『Wind』に2バージョン収録されているヒロアキくんの愛唱歌だ。
それだけに力のこもった歌声が会場の隅々まで行きわたった。

420本編最後はヒロアキくんのテーマ・ソング「My Eternal Dream」。

430_medもうコレはTAGAWAでも頻出の曲だからね。
3人とも「水を得た金魚」あるいは「水を得ないポイ」のような演奏で本編を締めくくった。

440v

450v

460v「楽しいリリース記念ライブになったと思います!この曲はCDの1曲目に入っています」と
アンコール曲の「キミを乗せて」を紹介。

470『TAGAWA PARK』じゃない、『THEME PARK』のリードチューン。

490お待ちかねの1曲で会場の盛り上がりが最高潮に達した!
そして、アンコールは1回、1曲。
いいね~。
コレでいいんだよ、アンコールなんだから。

480v_2 最後はみんなで記念撮影。
コレは客席側のようす。
そうか、こうなってんのか。

500ハイ、パチリ!

510ちなみに「TAGAWA PARK」、すなわち「田川公園」っていうのが実際にあるのだろうか?
ゴマンとあると思ったんだけど、サラっと調べた限りでは大阪市淀川区に「田川公園」というのが見つかったきりで、どうも他には見当たらない。
そのかわり、西田川、尾田川、村田川、深田川、柿田川、三田川、春田川…と「Son of 田川」はゴマンと出て来たよ。
ご参考までに…。
  
浩二さんに手を引かれてステージを降りたヒロアキくん。
お疲れさまでした!
  
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano
1_img_0383(一部敬称略 2017年10月7日 町田まほろ座にて撮影)

2017年12月13日 (水)

【田川ヒロアキ結婚スペシャル】Will You Marry Me? <ウェディング・ライブ・パーティ編>

  
爆音と感動の披露宴も終わり、ヒロアキくんと美瑞穂さんの祝言の場所は芝浦のレストラン「ピアシス」へと移動した。
10ここから先は一般の方々も参加できるライブを主体としたパーティとなる。
入り口の階段に飾ってあったモズライトのウェルカム・ボード。
もうコレだけで盛り上がっちゃう感じ?

20vライブ・パーティの舞台。
まだMarshallは2人を祝い続けてるぜ!
ココではベース・アンプ3510のスタックも助っ人に加わってくれた。

30ヒロアキくんが使うMarshallは披露宴の時と同じヘッドJVN210Hとスピーカー・キャビネットは替わって1936となる。

40v披露宴からのテンションをそのまま持ち込むご来賓の方々。

50竹内藍ちゃんも駆けつけてくれた。

60アレ、Kenちゃんまた写ってる!

70皆さん、まだまだ祝いしきれていない感じで盛り上がり感が生半可じゃない!

80開宴の時間となり『ウェディング・ライブ・パーティ』の司会がステージに上がる。

90司会にはMarshall Blog久しぶりの登場となる三井雅弘と…100v和佐田達彦。
しかし、この2人…わかっちゃいるけど、人間、ココまでおもしろくなれるもんかね~っていうぐらいおもしろい。
「ヘタな漫才よりおもしろい」なんて言ったらこのお2人に失礼だ。
「ウマい漫才よりゼンゼンおもしろい」が適切な表現だ。
110v会場はL字形になっていて、パーティからご参加の方はステージの前の、L字で言えばタテの線のポジションの席に…そして、披露宴から出席している方はステージが直接見えない席、すなわちL字のヨコの線のポジションに席が定められていた。
三井さんは披露宴からのご参加なので、ステージが見えない席にお座りだったのだが、開演前、ステージ側のスペースにガンガン出ていらっしゃる。
そして「こっちの水に慣れとかなアカンな…」としきりに独り言をおっしゃっている。
それを耳にした和佐田さんが「『水』?ナンやねん?『水』って?」と三井さんに訊いている。
「こっち側の『水』や」
「『水』ッ?」
「せや、こっちの『水』に慣れとかなあかんで!」
「『水に慣れる』ってナンやねん?」
「こっち席の『水』に慣れとかんとアカン言うとんのや!」
「だからナンやねん?『水』て?」
要するにステージの見えない奥側の席に引っ込んでいると、ステージ側の席の様子がわからないでしょ?
それでは司会者としてマズイから「こっち側のスペースの雰囲気に慣れておこう」ということなのね。
プロである。
ところが、コレを2人でズッとやっているのがも~横で聞いていておかしくて、おかしくて!
フザけているワケでもウケを狙っているワケでもなく、ごく普通に仕事に取り組んでいるだけなのに殺人的におもしろい。
…と、そうこうしているうちに新郎新婦が会場に到着した。
「新婚さん、いらっしゃ~い!」

3_0r4a7593_2 ヒロアキくん、パワフルに花嫁の手を引いて登場!

120こりゃまたスゲエ拍手だな~!
スタンディング・オベーションをしているのは広島県府中市からお越しの切原さん。
『THEME PARK』に収録されている「府中に夢中」の作曲を委嘱されたご本人。
Marshall Blogの強力な愛読者でもあらせられる。

1302人がステージに上がり歓声がクレッシェンドする。

135さっそくヒロアキくんと美瑞穂さんからご挨拶。

140続いて奥島さんからもおひと言。

165奥島さんは『Ave Maria』のプロデューサーだ。

166cdさらにピアシスを経営するレストラン企業「株式会社 無洲」の社長、浅野正義さんからもご挨拶があった。
この数日後、あるコンサート会場で浅野さんとバッタリ出くわしてビックリした。
もっとビックリしたのは、聞けば浅野さんは私の元いた会社の部下と同級生だっていうのよ~。
最早こういうのは「広い」とか「狭い」じゃないね。
「縁」ってヤツだよ。

166vヒロアキくんたちがパーティの会場をココに決めたのには実は深~いワケがある。
「株式会社 無洲」はヒロアキくんの音楽活動をズッと親身になって応援して来てくれた。
で、昨年7月に会長の浅野勝義や他のご関係の方々に入籍の報告をした際、「チョット話があるんだけど…」と浅野会長が切り出した。
「キミ、ギターの弾き方がおかしいよ」…なんてことは百も承知なのでおっしゃるワケがない。
何のお話かと思い2人が身構えていると…「ココ(芝浦)のピアシスをキミたちにプレゼントするから、キミたちのやりたいような結婚パーティをやりましょう!」とおっしゃってくださったのだそうだ。
ク~!
はいココ、昨日に引き続いて泣くところです。
なんていい人なのかしら。そしてスマートな言い渡し方!
下は披露宴でご挨拶をされる浅野会長。
『THEME PARK』に収録されている「たんぽぽと風」は無州さんがヒロアキくんに委嘱した社歌だ。
ご挨拶をされている背後の可愛いイラストも会長の手によるもの。
3_s41a0025ヒロアキくんがパーティの席上で開陳していたが、2人が身に付けているスーツとドレス、さらにこの食事も無洲さんからのプレゼントだったのだそうだ。
そう、プレゼントは会場だけではなかったのだ。
そのおかげで、皆様から頂いたライブへの参加料は、全額パーティへの運営費に充当することができたとのこと。
このノシ紙っていうのかな?
ココに記されている言葉もあたたかいことこの上ない。
ちなみに「ノシ」って漢字で「熨斗」って書くんだよね。
その内Marshall Blogにまた出て来るので覚えといて。
それと、コレは違うけど、祝儀袋なんかに着いている赤白のヒモね…あの「水引」は国内生産の70%を長野県の飯田市で作ってるんだよね。
アレのことの始まりって知ってる?
室町時代、当時の中国である明から贈られた物品に赤と白のヒモが付いてたんだと。
日本サイドは「フムフム、贈り物にはこういう赤白のヒモを付けるモノなのか…」と勝手に思い込んで、日本国内でも贈答品にその習慣を適用することになった。
ところがさにあらず、明ではただ単に輸出する物品を他と区別するだけのためにその赤白のヒモを付けてたんだって。「贈り物」関係なし!
でもこの勘違いのおかげで飯田市の経済が成り立っているのだからおもしろい。
…という説があることを紹介してショート脱線を終了する。
3_0r4a7648このお重がまたスゴイ。
引き出し式になっている。
司会の和佐田さん曰く「食べ終わった後は机としてご使用になれます!」

3_0r4a7813乾杯の音頭は三井さん。
しかし、何度でも書くけど、なんだってこんなに愉快なんだろうね~。
テクを盗みたいところだけど絶対ムリ!

150「カンパ~イ!」
ココで長渕剛の「乾杯」がBGMに流れ…ない。

160新郎新婦はステージから降りて…

145VIP席に収まった。

170さて、もうココからは狂熱のライブ・コーナー!
最初にご登場願ったのは…

3_0r4a7640竹内藍

190v和佐田達彦

200vはんだすなお

210vドラムレスのトリオで「はじまりの朝」。
何と藍ちゃんの今日の2人のために書き下ろしてくれた曲だ!
イイ感じの滑り出し~。

3_0r4a7646 次に登場したのは新郎。
休んでライブを楽しんでいりゃいいのに、もう出て来た!

215…というのも、出番がTAGAWAだから。
田川なしのTAGAWAじゃしまらない。
浩二さんが見えないけどTAGAWAです。

220寺沢功一230v長谷川浩二

240v曲は披露宴と同じ「Seascape」と「キミを乗せて」。
盛り上がったね~!

3_0r4a7669 盛り上がりすぎてヒロアキくんの髪の毛がこんなんなっちゃった!

260続いては清野明子がステージに上がる。

270曲は『THEME PARK』に収録されている「維新の言霊」の再現だ。
日本は言霊の国だでね~。
言葉が魂を持ってるんですよ。
「口にしたことが本当起こる」という信仰。
だから間違ってもコンサートに行くことを「参戦」だなんて言ってはいけないの!

275cdコレはね、私的にスペシャルだったんですよ。
まずは清野さんの声。
民謡の声ってすごくいいんだ。
理由は至極日本的だということ。ス~っと声を出すでしょ?コレが実に気持ちいい。
よく黒人のマネをして歌っている日本人の若い歌手がいるけど、アレはマジで勘弁して欲しい。
日本人の歌はやっぱりコレだよ。
相変わらず私はジャズもロックも聴いているけど、プライベートでは「和」のものに強い刺激を感じてるんだよね。
民謡にはまだ手を伸ばしていないけど、最近は雅楽や長唄なんかも聴いているのね。
浪曲なんか最高!
280vこのセットのもうひとつの見どころは曲
「よさこい」だ。
別の機会にも書いたけど、この「よさこい」の仕事はヒロアキくんのマスターワークのひとつだと思っていて、ズッと以前から生のバンド演奏で聴きたいと願っていた。
それが今日実現した。
しかもてらちんと浩二さんという最高の布陣で!
290ね?
美瑞穂さんもよろこんでいるでしょ?

285vバンド演奏の合間には共同作業。

300パチパチと2人の愛が火花を散らしております。

310浅野社長の出番!
愛器コアのT5を持ってのご登場。

330曲は株式会社 無洲の社歌「たんぽぽと風」。
350も~社員の皆さんのノリもいいこと!
あたたかな風が会場を吹き抜けたよ!

340ますます油に乗る三井さんの司会!
楽しいな~。

360ココでガラリと雰囲気が変わって沖縄チームの登場となる。

370Lino.

380vRAY

390vChris

400vLEON

410vAKIRA
あ、石黒さんだった!
石黒さんは沖縄からお見えになったワケではござらんよ。

420曲はシンディ・ローパーの「Time After Time」。

3_s41a0563 彼の地の仲間とヒロアキくんの関係の緊密さがうかがえるステージだった。

430おまちどうさまでした。
DioKenの出番。
今日はロニーでなくマー坊さんだよ。
当然曲はクリスタル・キングの「大都会」。

440「♪あ~あ~はってしな~い~」

450v「♪うらぎ~りのこと~ばに~」

3_s41a0585 んん~、絶妙なコンビネーション!
名曲を名演で…めでたいなったらめでたいな!
もちろん大ウケ。

460今度は司会の三井さんがマイクを握った!
あ、さっきから握ってはるか。
歌のマイクね。

471リズム隊が入れ替わる。
キーボーズにはんだすなお。
474ドラムスが高インボム。

475vベースは再び和佐田さんだ。
473v曲は「お前今日絶対」。
この演奏もスゴかったな~。

472まるでスズメ蜂の巣をつついたような火の玉ファンク!

476お客さんだってジッと見てなんかいられないよね。
手拍子です。

470ココで世界の二井原実登場!

480ベースは仮谷克之。

510vナニを演るのかと思っていたら、アータ、LOUDNESSの「Let It Go」ですよ!

490v「♪レリゴ!レリゴ!」
おなじみのLOUDNESSナンバーだけあってお客さんも大合唱。
525大恩人、二井原さんとの最高の共演だったね!

520あ~、楽しかったし、おいしかった。
そして、ずいぶん飲んだ~!
何しろ皆さんの熱気で室温が上がり、すぐノドが乾いちゃうのよ。
皆さんも同様でドリンクのコーナーは大盛況だったが、ちっとも待たされることもがなく、ピアシスのおもてなしのスキルの高さにも感動した。
何しろ店員さんも最高に感じのよい方々なんだ!
そういえば、写真を撮っていることを気遣って私の前をかがんで通過してくれた店員さん。
私はそれを知らないでカメラを提げたところ、70-200mのレンズでその方の頭部を強打してしまった。
痛かったでしょう~?ゴメンなさい!
この場をお借りして心からお詫び申し上げます。
  
最後も2人の御礼の挨拶で締めくくった。
コレで終わり…と、思ったんだけど私のアイデアで全員で記念撮影をすることにしたよ。

530せ~の!
パチリ。

540矢継ぎ早にお客さんの送り出し。
パーティにお越し頂いた皆様にも缶バッジをお渡ししなきゃ。

550最後の最後にウチも記念撮影。
家内は披露宴とパーティを通じて受け付けを担当した。
マーブロ仕事を通じてミュージシャンの方々を全員存知上げているからね?(←この文章、謙譲になってるかな?)
しかし、人間って本当にたくさんの人に支えられて生きているんだな~…なんて思ったよ。
感謝、感謝、感謝あるのみ。
さぁ、また今日もがんばろう!

ヒロアキくん、美瑞穂さん…おめでとうございました!

560日頃Marshall Blogにご登場頂く方が一堂に会する珍しい機会でもあったので、祝言全部を「ライブ」と見立てて、3日間に渡り詳細にレポートをさせて頂きました。
披露宴とパーティ、双方にわたってMarshallも活躍したしね!
やっぱりMarshallでヨカッタ!
  

田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

570(一部敬称略 2017年11月23日 ピアシス芝浦店にて撮影
ピアシス芝浦店の情報はコチラ⇒Piasisオフィシャルサイト