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2017年12月27日 (水)

さよならMEJIBRAY!~And Then There Were None

   
MEJIBRAYの『そして誰もいなくなった』と題した全国ワンマン・ツアーが終了した。
「そして誰もいなくなった」はイギリスの女流推理小説家、アガサ・クリスティの1939年の作品。
外界と断絶した空間で事件が起こる「クローズド・サークル(Closed Circle)」という典型的な推理小説のパターンのひとつ。
小学生の頃は江戸川乱歩、中学生の時分には横溝正史を結構おもしろがって読んだものけど、今は推理小説なんてまず読むことはないな~。
でもクリスティはスゴくてね、この「そして誰もいなくなった」もそうだけど、「オリエント急行殺人事件」をはじめとした「ナンジャラ殺人事件」等、書いた小説が大量に映画化されている。
映画は大好きだけど、こういうのもヤッパリ観ないな~。
もっと、こう…ナント言うか…同じ観るなら味わい深いヤツがいいな。
たとえばビリー・ワイルダーとか…。
今は亡き父から教わったワイルダーの作品で『情婦』という映画があった。
コレは喜劇が得意なビリー・ワイルダーにしては珍しいサスペンス・タッチの裁判劇なんだけど、もうすさまじいまでのドンデン返しの連続で、初めて観た時には、もう誰も信じられなくなるぐらいの衝撃を受けた。
コレがナント、クリスティの原作を映画した作品だったのよ!
しかし、ひどいタイトルだよね…『情婦』だなんて。主演のマルレーネ・ディートリッヒに失礼だわ!
この作品の原題は『Witness for the Prosecution』といって、「検察側の証人」という意味。
ま、コレじゃ宣伝しにくいというので、映画会社の担当者が考えに考えたんだろうね…『じょーふ』って。

Wp一方、『そして誰もいなくなった』の原題は、今日の記事のタイトルにしたように「And There Were None」という。「none」は「no one」の略ね。
コレは実にいい邦題だと思うよ。
直訳すると「そして誰もいなかった」となるんだろうだけど「いなくなった」としたところが素晴らしい…と言っても、コレはマザーグースの「10人のインディアン」からの引用なので映画会社の担当者をホメる必要なナ~ンにもない。
クリスティの小説もコレがモチーフ。
10人のインディアンの少年に色々なことが起こって、最後のひとりになる。
するとこの曲はこう歌われる;
 
One little Indian boy living all alone; He got married, and then there were none.
つまり、「最後のひとりぼっちのインディアンの少年は結婚してしまい、そして誰もいなくなった」ということ。
こういうのを「Nursery Rhyme(ナーザリー・ライム)」という。日本でいう「童謡」だね。
で、かつて『Nursery Crime(ナーザリー・クライム)』というタイトルのアルバムを出したGenesis(ジェネシス)というバンドがイギリスにいた。
コレは「rhyme(ライム:韻)」と「crime(クライム:犯罪)」を引っ掛けたモノで、「童謡」が一気に「子供部屋の犯罪」になる…というコワいシャレ。
女の子が人の頭のゲートボールをやっている薄気味ワルイジャケットだけど、音楽はイギリスからは絶対に出て来ないような魅力的なプログレッシブ・ロック。

Nc そして、このGenesisが1978年がリリースしたアルバムが『And Then There Were Three』。
「none」ではなくて「three」。つまり「3」。
Genesisは元々5人編成のグループだったが、ひとり減り、ふたり減りで、3人編成で制作したのがこのアルバム。
だから邦題が『そして3人が残った』となった。

R_2att3…ということで、コンサート会場に移動する。
新木場COASTだ。
夥しい数の祝い花。

10コレ、スゴイね!
真ん中のプレートには「Happy Birthday Tsuzuku!」とある。
ボーカルズの綴くんのお誕生日なのね?

20この翼!
生半可な気合いでは作れません。

30お作りになられたのはこの方々。
まったくもってスゴイ!
でも顔はNGなの。モッタイナイ!

40さて、ステージに目を移すと…いつものMarshallの壁!
やっぱいいね~。
コレがロックのステージの正しい姿だよ。

45予定の時間を少々過ぎてショウはスタート。
妖しげなスポットを浴びてMEJIBRAYの4人がステージに立った。
オープニングは「剥落」。

50

70vMiA

80v恋一

90vメト

100vノッケからすさまじい熱気!
コレはいつものことだが、今日は状況が違う。
ファンのみんなは「もうすぐ誰もいなくなる」ことを知っているのだ。
つまり、活動休止を控えたステージ。

110しかし、MEJIBRAYは全くの平生の演奏を装っている。

120「Agitatato GRIMORE」、「VICTIM(ism)」、「月食」、「DECADANCE - Counting Goats … if I can’t be yours -」と曲は続いた。

60お立ち台の上に上って観客を見つめながらギターを弾き続けるMiAくん。

130背後にはMarshallの壁だ!

14030秒ほどの無言にして無音のMCを挟んで次のセクションに進む。
「醜詠」だ。
コレは造語ですな?

150それほど長い付き合いではなかったけど、MEJIBRAYにはいくつかの言葉を教わった。
ひとつは「盈虧」。
いまだに書くことはできないけど、読み方と意味は覚えた。
それと「ネペンテス」。
Marshallはイギリスの会社だからして、私はほぼ日常的に英語を使ってイギリスと連絡を取り合っているが、「ウツボカズラ」なんて日々の仕事に絶対出て来ないからね!
それと、「アプリオリ」か…コレは以降も使いそうにないな…。

160MEJIBRAYとのお付き合いはあるライブハウスのブッキング・マネージャーからMiAくんを紹介されたことから始まったんだけど、私にとっては彗星のごとく現れて、そして去っていくイメージがあるナァ。
私は世代の違いもあって、いわゆるヴィジュアル系とカテゴライズされているバンドは決して得意ではないが、DELUHIとかAnziくんがいた頃の摩天楼オペラとかは好みだった。
そこに現れたのはMEJIBRAYだったんだな~。
それが今年イッパイ、すなわちあと5日で活動休止とは本当に残念だ。

1702番目のセクションも「-XV-」、「hatred × tangle red × hunger red」、「ナナキ」と淡々と演奏を進めていく。

180この日、綴くんと…

190恋一くんは黒塗りだったのね。
最初、しばらくの間、ステージの脇から眺めていたんだけど、照明の関係でこのことに気がつかなくてサ、そばに行ったらまっ黒だったんで驚いちゃった!

245vギター・ソロが、回って来るたびに大きな歓声を浴びるMiAくん。

200v既成のメロディにとらわれない独特のフレージングが印象的だ。

240早くも最終セクション。
ショウが終わりに近づくに連れて、「スンスン」とMEJIBRAYとの別れを悲しむ女性ファンの泣き声が大きくなってくる。

230そんなことはおかまいなしに、「DIE KUSSE」、「原罪の林檎」、「嘘と愚考-それもまた人間らしいって神様は笑ってるの-」、「枷と知能 -それってとても人間らしいって神様は笑ってるの-」、「BI"name"JIKA」と続けて5曲を演奏して幕を下ろした。
アンコールはなし。
バースデイのイベントなんて雰囲気は皆無。
全編約60分。
コレでいい。
コレでこの日、この場にいたファンはこのことを一生忘れることはないであろう。

250この日の模様がDVDになって3月7日にリリースされることが決定している。
  
ん~、カッコいいな。こんな終わり方。
しからば、私もサッパリと…さよならMEJIBRAY!

260MEJIBRAYの詳しい情報はコチラ⇒MEJIBRAY Official Web Site

270(一部敬称略 2017年12月15日 新木場COASTにて撮影)