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ライブ・レポート Feed

2015年4月14日 (火)

【春のオガンちゃん祭り<前編>】 YOKOHAMA 4

「日本人ばなれ」という言葉がある。
最近のこの国の世情を見ていると、そろそろ「日本ばなれ」をしたくなるような気もするが、今言っているのは「日本人ばなれ」。

ベーシスト、小笠原義弘のことである。
アメリカ南部の田舎町から出てきたような頑強そうな風貌もさることながら、オガンちゃんの弾くベースが日本人離れしているというのだ。

「おがさはらです。おがさわらではありません」と、初めて会った時に言ったような言わないような…。イヤ、確かに言った。「おがさはらさん」と「は」をクリアに発音することはかなり手ごわかった。
あれからもう10年以上の月日が経った。
その「初めて会った」というのは、大阪でも開催したHandwiredシリーズの発表会の時のことで、デモンストレーションの一部を当時オガンちゃんが在籍していたグループ、Savoy Truffleにお願いしたのだ。
Frank Zappa好きということで仲良くなり、呼び名は「おがさはらさん」から「オガンちゃん」にすぐに変わった。呼びかけるのが大層楽になった。
そういえば、フジ・ロックでSavoyを観たこともあったな。
その後、ichiroちゃんや令文さん、Kruberablinka、Chris Duarte等々との共演を通じ、東京でしょっちゅう顔を合わせるようになり、オガンちゃんとの親交は深まっていき今日に至っている。

決して奇を衒うことのない、音楽をひたすら作ることに徹するオガンちゃんの「ベースらしいベース」が好きだ。
「~をするために生まれてきた男」…という言い方をよくするが、「~」に「ベース」という言葉を代入した時、「=」の右辺にくる確立の高い解のひとつが「オガンちゃん」なのである。
左辺がギターでもドラムでもこの等式は成立しない。
オアガンちゃんには「ベース」なのだ。
それと、トーン。音楽の色気がプンプンしてる。その深みはあたかもウッド・ベースのようだ。
EDENがオガンちゃんのサウンドづくりに貢献していることを誇りに思う。

3月にオガンちゃんが参加するおもしろいギグが立て続けにあったので、今日&明日の2本立てでそれらをレポートする。
名づけて『春のオガンちゃん祭り』!

10v小ぢんまりとしたステージにセットされたMarshall、NATAL、EDEN。この写真には写っていないが、向かって左側にいいものが置いてある。

20今日のオガンちゃんのセットアップ。
EDEN WT-800に1x15"キャビネットのD115XST。
こうした小規模現場用のセットだ。

30v今日は『オガンちゃん祭り』。
せっかくの機会だから他のシチュエーションも見ておこう。
コレは中規模~大規模現場用のセット。
Shrimpheadsの時のもの。ここでは1x15"キャビネットを2台使っている。

40vコレは令文さんとのTRIO the COLLAGENSの時のセット。ハードなロック向けだ。
Marshall社EDENの親分Lukeと。
ここでは4x10"と1x15"のキャビネットをミックスして音に鋭さを増させた。
4x10"と1x15"では音の立ち上がり感がまったく異なるので、演奏する音楽の内容でチョイスしている。

50vごく小規模にヘッド+4x10"だけ、なんてこともあった。

60vさて、今日のライブ。
「YOKOHAMA 4」なんて、取って付けたようなバンド名だけど、取って付けたんだろうナァ。

さっき「左にいいものがある」と言っていたのが…
40
コレ!
ヴァイブラフォンだ。
マリンバとかヴァイブラフォンとか、いわゆる「鍵盤打楽器」の類は好き。

80
奏者は宅間善之
スゴかった!
鍵盤打楽器というのはピアノの仕事を打楽器でやるもので、両方の楽器をマスターしていないととても演奏できないという。
ま、当然といえば当然。
かのPatto、Boxer、Tempest、Kevin Ayersのスゴ腕ギタリスト、Peter Ollie Halsoleは元々ヴァイブラフォン奏者を目指していたが、あまりにも難しいので断念してギターに転向したという。
それであなだけすごいギターを弾くんだからね…どれだけヴァイブラフォンという楽器が難しいかということがうかがい知ることができる。
そんな楽器がヴァイブラフォン。

70vギターは椎谷求(しいやもとむ)。
オガンちゃんが「変態ギター」というのでとても楽しみにしていた。

90アンプは1962 Bluesbreaker。

100ちゃんとジャズを勉強した人だ。今時それだけで十分に「変態」だったりして?!
期待通りのプレイだった!

110vドラムは丹菊正和。 年末のichiroちゃんのイベント以来だ。
今回初めてユックリとお話をさせて頂いたが、共通の友人がメチャクチャ多くて大いに話が盛り上がった。 超ベテランだから人脈が広くて当然だよね。
話していて思い出したのが、はるか昔に観たKelly Joe Phelpesのこと。丹菊さんはオープニング・アクトで登場していたのだ。アレも実に濃密なコンサートだった。

120v今日はNATAL(ナタール)を使用。

130スネアはNATALのPure Stave。

140「Stave(ステイヴ)」とは「桶」のこと。
このスネアはこうして「桶」のように木材をタテに組み合わせて作られている。
コンガ譲りの製法で、元来パーカッション・メーカーであったNATALの技術が活かされている。
ものすごい深く豊かな音で、好きな人にはタマらない。
実際、一発叩いただけで気に入って使っているプロ・ドラマーもいるほどだ。

150緩急自在な丹菊さんのドラミングにセンシティブに反応するNATALの音色も見ものだった。

160v1曲目は椎谷さんのオリジナルで「Mooffetard」。
タイトルはフランスのどこかの地名とか…。
「フランス風」というより、2ビートに乗ってギターが弾くメロディはどちらかというとジンタ風。
いずれにしても雰囲気がすごくあって実にいい感じ!

170vク~、なんてスゴイ音なんだっ!
この音のパノラマ感!
何でも生の方がいいにキマってるけど、、これほど生とCDの音の差がある楽器もそうないのではなかろうか?
ものすごく気持ちいいのだ!そして音抜けの良さったらないぞ!

1802曲目はシティ・ポップス風の「Unlucky Day」。オガンちゃんはこういうおしゃれな16ビートをうまくこなす。

190v丹菊さんのやさしい歌声に酔う。

200vこってりしたジャズ・フレーズを連発したヴァイブ・ソロ。

210v続いては「Ain't No Shunshine」。
これはBill Withersか…。「♪I know, I know」ってやつね。
みんなBill Withers好きね。
椎谷さんの歌はMose Allisonみたいな脱力感でこれまた実によろし。

220v4曲目は宅間さんのオリジナルで「Xel-Ha(シュルハ)」という作品。タイトルはラテン語だそうだ。
宅間さんは基本的には2本マレットのスタイルだそうだが、4本でスイスイ鍵盤を叩くバカテク姿はもはや曲芸に見える!
昔は『Crystal Silence』のレーザー・ディスクでGary Burtonを見てビックリしたもんだ。
宅間さんはGary Burtonのお弟子さんに師事したそう。
昔、「Gary Burtonって宇宙で一番ヴァイブがウマいという話しを聞いて笑った」と話したら、「イエイエ、今はGaruよりウマいのがゴロゴロしてますよ!」ですって。
そんなにウマくてどうすんの?!

よく見ると、フレーズによってはキーを叩いた後、マレットをギュッと押し付けてミュートしてる。
もちろん専門家には当たり前すぎるテクニックなんだろうけど、やっぱ世界が違う!

230ギター・ソロはアウト・フレーズ満載!なるほど変態。コレでいいのだ!
いかにも「ハイ、ソリッド・ギターでジャズ・フレーズを弾いています」という音が1962から飛び出してくる。
衝撃のファズ・サウンド。こんな風な音を1962で聴いたのは初めてのことだ。

240サンバのリズムに乗ってヴァイブとギターがユニゾンでテーマをなぞるのが5曲目「Shot Gun」。宅間さんの作曲。

250サビの4ビートのパートがすこぶるカッコいい!さすがオガンちゃん、スウィングしてまんねん!

260vマレットを2本で急速調のソロを展開!実にスリリング。
マレットを持ち替えるところがまたカッコいいんだよ。

270そして丹菊さんはコンガのソロも!
…とにぎやかに第一部は終了。

280休憩をはさんで第二部。

290宅間さんの「夜光列車」という曲。ホントは「夜行列車」だったんだけどチョット間違えちゃった!

300vちょっと「枯葉」風のミディアム・スロー。
オガンちゃんがベース・ソロをジックリと聴かせてくれる。

O_img_0153 つづいては椎谷さんの作品で「Aidden Village」。
ものすごく不思議な展開の曲。

330自由な発想に基づくギター・ソロだ。
最後は大爆発。イメージとしてはPete Cosey?いずれにしてもワン・アンド・オンリーだ。

340v曲は途中からボサノバに…。
ココのオガンちゃんのベースラインがまたひとヒネリしてあって、耳を奪われてしまった!

350メローに「On the Way Home」。宅間さんのオリジナル。
375v
ここのギター・ソロでも奇想天外なフレーズでハッとさせられる場面が!

360今度はStephen Stillsの曲。丹菊さんのボーカルで「Love the One You're With」。
もちろん私は知らない曲…方面が違うからね。
でも、こうして聴くといいもんだ!

380ここでも椎谷さんの独創的なソロ。今度はSonny Sharrockだ!

390v歌、コンガ、ドラムをいっぺんに演奏しちゃう「Spicy Beat」という丹菊さんのスタイルも大きな見所のひとつだった。

400最後はオガンちゃんのオリジナル「Valle Colorado」。
TRIO the COLLAGENSの演奏でもおなじみだ。
サボテンはアリゾナにしか生えていない…とはオガンちゃんの弁。
オガンちゃんからは全然オックスフォード・サーカスとかサウス・ケンジントンとかトラファルガー・スクエアとかいう香りがしない。
テキサス、アリゾナ、アラバマ、アーカンソー、サウス・ダコタ、ニュー・オーリンズ、モンタナ、ミネソタ、ちょっとシカゴ…オガンちゃんにはアメリカと大阪がよく似合う。
この曲もグランド・キャニオンの入り口に着いた時のイメージで、グネグネしたものにしたかったのだそうだ。
グランド・キャニオン観光のセスナはゲロゲロだったゼ。アレに乗った後にすぐ昼飯だなんてムリムリ。
今年もオガンちゃんはChris Duarteと一緒にアメリカをツアーする。

4107/8のラテン調のアップ・テンポ。

420ヴァイブ入りの演奏となると、また雰囲気がガラリと変わる。
まるで違う曲のようだ。

450v
豪快なベース・ソロ!
バッキングのような自然なソロ。ソロのような聴かせるバッキング。
いいプレイヤーというのはそういう演奏をする。The Beatlesかモロに当てはまる。Zappaもそういう時がある。
Jim HallのギターとかTommy Flanaganのピアノもそう。
オガンちゃんのベースもまさにそれだ。

430v変拍子だということを全く感じさせず、ごく自然にバンドをドライブさせてしまうのはさすが!

440vしかし、このヴァイブラフォンという楽器は上にも書いたけど、本当に音がよく抜ける楽器だ。こんなに丸く柔らかい音色なのにどこにいてもよく聞こえる。
そして、ひとたび音を出すと徹底的に周囲の空気を変えてしまう。
やっぱりとても魅力的な楽器だ。

460第二部はオガンちゃんフィーチュアの場面も多く、ファンにはタマらない5曲となった。

O_img_0142 アンコールは「Song of Yesterday」という曲。

480「憂い」を表現したかったというソフトな感じのタイトルとはかけ離れた硬質なミディアム・テンポの曲。

490ホント、見どころテンコ盛りのすごい演奏だった。
誘ってくれたオガンちゃんに心からお礼を言いたい。ありがとう!また明日!

小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒DANCIN' FUNKY BASS!!!

500つづく

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年3月18日 渋谷Terra Planeにて撮影)

2015年4月13日 (月)

RHYTHM OF FEAR <後編>~ EARTHSHAKER

3本立てでお送りしているイベント、『RHYTHM OF FEAR』、トリでの登場はEARTHSHAKER!
ただいま転換の真最中。
緞帳の中はこんな感じ。

10毎度おなじみSHARAさんのJVM410H。

20キャビネットはMF400B。

25v足元のようす。

30グガ~ン!
何たる音圧。登場して最初に出す音からして「ロックの塊り」だ!

40西田MARCY昌史

60石原SHARA慎一郎

70v甲斐KAI貴之

80v工藤KUDO義弘

90オープニングは「夢の果てを」。

100「原点回帰」か、はたまた「温故知新」か、1983年のデビュー・アルバムからのチョイス。
50
32年前の作品だからね。ビンテージな1曲。

110vしかし、まったく古臭くなっていない。シェイカーはずっとシェイカーのままだからだ。

120vそして、このコンサートの2日前の3月11日にニューアルバム『Bird』を発表した。
ゴメンナサイね~、職権乱用でメンバー全員にサイン入れてもらっちゃった。
前回も書いたが、このコンサートには偶然来日していたウチの社長も会場に来ていて、やっぱり楽屋でメンバーにサインをもらっていた。
今回のジャケットは『Let It Be』みたいにメンバー各々のサインを頂くには最高のデザインだ。
で、ウチの社長はSHARAさんと仲良しなもんで、ちゃんとスペシャル・サンクスに「Jonathan Ellery」ってクレジットして頂いている。
Jonathanニンマリ。
こういうのはいくつになってもうれしいもんです。

130そして、次の曲はその『Bird』から「One Soldier」。

140vハハン、コレでわかった。
一番最初のシェイカーと最新のシェイカーを並べたんだな?…そういう曲順だ。

150v最初から32年の時を経てもまったく変わらないジャパニーズ・ロック・フィーリング!

160vさらにもう1曲、最新作からタイトル・チューンの「The Bird」。
作曲はSHARAさん、作詞は天野月さん。

170v勇猛果敢に空を飛び続ける「鳥」をテーマにした曲。もちろんこの「鳥」はEARTHSHAKERという巨鳥のことだろう。

180今日もEARTHSHAKERは空を飛び続けている。

190v続いて、ドーンと工藤さんのドラム・ソロ!

200vナニせシェイカー名物だからね。
今日はシェイカーのすべてをコンパクトに全部見せるって感じか?

210気合が入りまくりの根性ドラミング!

220コール&レスポンス。ファンもよくわかっているので盛り上がることこの上ない!

230ドラム・ソロでみんなでワイワイやった後は既発のレポートリーで固めた。
ニュー・アルバムを出したばかりなのにたった2曲しか演らないところがニクイ。

240今日も分厚いMarsharaサウンドが炸裂!

245vJVM410H+MF400B+VIRTUOSO=SHARAサウンド。不変の定理だね。
それともうひとつ…Marshallの後ろに立っている貴くん。SHARAサウンドに欠かせない要素のひとつ。

250「放熱」。
410v

デビュー30周年を記念してリリースされたアルバム『RHE EARTHSHAKER』からの曲。

280vロック魂で火照った体から熱を放出するかのような入魂のソロ!

300続けて「走り抜けた夜の数だけ」。

310vそして最後はお待ちかねの「RADIO MAGIC」!

320人気曲の出番で会場の温度が一段とアップする。

330vお客さんの口が全員「♪Wo Wo Raido Magic」になってる!
あ、撮ってる自分もなってた!

360こうしてみんなで歌える歌はいいネェ。名曲中の名曲だ。

370…ということで本編は終了!アッという間だったわ!

380vアンコールに突入。

390Vに持ち替えたSHARAさん。ホントにVがよく似合う。
曲は「MORE2015」。

400vアレンジは最新なれど芯は変わらず…シェイカーの神髄だ。

420v「もっと、もっと」聴きたいけど、コレで最後!
430新旧のレパートリーを大胆に取り混ぜたショウケース的な素晴らしい内容だった!
350v
EARTHSHAKERの詳しい情報はコチラ⇒EARTHSHAKER OFFICIAl SITE

440(一部敬称略 2015年3月13日  恵比寿LIQUID ROOMにて撮影)

2015年4月10日 (金)

RHYTHM OF FEAR <中編>~人間椅子

『RHYTHM OF FEAR』、3番目に登場したのは人間椅子。
客電が落ち、「此岸御詠歌」が会場に流れる…。

10_2いきなりすさまじい盛り上がりよう!

20和嶋慎治

40v_2鈴木研一

50vナカジマノブ

60vバンド結成25年。昨年12月にはバンドそれを記念した2枚組ベスト・アルバム『現世は夢』をリリースした。
四半世紀の人間椅子。ブレずに25年。素晴らしいことである。
30cd
オープニングは「迷信」。

70昨年の6月にリリースした最近作『無頼豊饒』から。
いかにも人間椅子らしいギター・リフで一気に観客をつかんでしまう!

80こうしたギター・リフで演るロック。それこそがロックだ。

90_2人間椅子の迷信は「怖れ」、「病」…。
「壁に書いてあること」でも「倒れそうなハシゴ」でも、はたまた「13か月の赤ん坊」でもない。

100_2続いて「リンゴの泪」。

110v_2動くベスト・アルバム。
旧作をシレっと演奏するところが人間椅子流。ブレないので古いも新しいもない。全曲オールタイム・ベストなのだ。

125今日も猛々しい「ハード・ロック」の轟音を響かせる和嶋さん。

120v
すなわちMarshallによるギター・サウンドだ。
1987と1960TVのコンビネーション。

130vMarshallとSG…機材もブレないところがステキ!
5_img_0222
曲は『無頼豊饒』のリード・チューン、「なまはげ」。

140_2地を這うようなおどろおどろしいヘヴィ・ソング。

150vふたりとも青森のご出身ということで、ローカル文化を題材にした曲がまたいいのだ。「なまはげ」は秋田だけど。

160v「サバス・スラッシュ・サバス」。
そういえば、ステージの転換の時にNazarethの「Hair of the Dog」がかかっていた。それがうれしかったと鈴木さんがMCでおっしゃっていた。
B級ロックがお好きという素敵なgeezer!
ちなみに「a hair of the dog」というのは「向かい酒」を意味する。

1_img_0107 後半はBlack Sabbathの「War Pigs」となる。コレもカッコいい曲だよな~。私は熱心なSabbathファンではないが、素直にカッコいいと思う。
コレをMarshallの50周年記念コンサートでZakk Wyldeが演っていたが、Ozzyへのリスペクトが募ってか素晴らしい演奏だった。

170v三者一体となった怒涛の演奏!

190

『現世は夢』に収録された新曲。
「宇宙からの色」。
イントロからしてタマらん!ワタシャ、満足!タバコもアイスクリームもマリア様の像も要りません。

200vコロコロと変わる場面に目と耳がくぎ付けになってしまう。

210v「アニキって呼んでくれ~!」でおなじみのノブさんコーナー!
曲は『三悪道中膝栗毛』から「道程」だ。

220vここのところ『萬燈籠』の「蜘蛛の糸」が続いていたので、これまた新鮮!
180

ひとしきり大暴れして会場をさらに沸かせた!ダム!

240vそして〆は「針の山」。

250vMarshallから連絡があって、「5月にBudgieが行くからよろしく!」と言われて浮足立ったが、バンドではなくてドラマーの名前だった。ちなみにイギリス人は「ブジー」と発音する。
それにしてもこの辺りのロックはいつ聴いても素晴らしい!

260この曲は、本家より人間椅子バージョンの方が好き。

270vステージ前面で最後の大暴れで観客を沸かすふたり!

280全7曲、全力投球の人間椅子の魅力に横溢したステージだった!

2905月には筋肉少女帯との共演作をリリースする。
おっと、ギター・チーム全員Marshall!
ますます広範囲にわたって活動を展開する人間椅子が楽しみだ。

300v実はこの日、Marshall社の社長、Jonathan Elleryを連れて行った。楽屋で人間椅子の方々とずっとご一緒させて頂いたのだが、人間椅子の出番が近づくと、次々に身支度をするメンバーの3人を好奇の目で見ていた。そして、演奏が終わると「Great!」とよろこんでいた。
そうだ!こんなバンド、イギリスには絶対いまい!

310人間椅子の詳しい情報はコチラ⇒人間椅子オフィシャルサイト

320つづく

(一部敬称略 2015年3月13日 恵比寿LIQUID ROOMにて撮影)

2015年4月 9日 (木)

RHYTHM OF FEAR <前編>~BIG☆X PROJECT

『RHYTHM OF FEAR』というイベント。
EARTHSHAKER、人間椅子の登場とあってよろこび勇んでお邪魔してきた。

…と、現場に着いてタイム・テーブルを見ると、オープニング・ゲストとして「BIG☆X PROJECT」というグループが登場するという。
EARTHSHAKERの工藤さんと話していたら、「元BAD SCENEの人たちがやってるバンドだよ」と教えてくれた。
「え~?誰だろう…」
ま、どなたにせよ、どの道私のことは覚えていらっしゃらないだろう。
「どうしようかな…ご挨拶しようかな…」とほんの少し逡巡したが、すぐに意を決して恐る恐る隣の楽屋を訪ねてみた。

10お会いしてすぐにわかった。
元BAD SCENEのメンバーというのは、当時下手でギター弾いていた杉山さん。

O_s41a2211そして、ドラムの三根生さん!あ、ちなみに写真は楽屋のようすじゃないよ。本番中の写真ね。

16vBAD SCENEはCharさんやナルチョさんが在籍していたことで知られる、ボーカルの金子光則さんが中心となって1971年に結成された名門バンドだ。その当時のメンバーではシングル盤を1枚残している。

私がBAD SCENEを知ったのは高校1年ぐらいの時だから1978年あたりか…。
もうオリジナル・メンバーで残っていたのは金子さんだけで、ボーカル+2ギター+ベース+ドラムという編成で、それはそれはカッコいいロックをやっていた。
どういう風にカッコよかったのかというと、ともすれば演歌もしくは歌謡曲をハードにしたような雰囲気になりがちだった当時の日本のロックのスタイルを洋楽のまんま演った…といえばよかろうか?(この当時のBAD SCENEを知っている人もたくさんいるので、あまりヘタなことは書けんぞ…)
日本語を超カッコいいギター・リフの曲に乗せて演ってみせたのだ。
加えてZZ Topの「Tush」やFoghatバージョンの「Honey Hush」をカバーするセンスも秀逸だった。
「日本にもこんなグループがあったのかッ!」…とにかく16歳の少年の耳には、昨日ロンドンから来日したバンドが、自分たちのレパートリーを日本語で演っているように聴こえたのだ。

新しいレコードもリリースしていないBAD SCENEをどうやって知るようになったか…ハッキリと覚えていないのだが、多分、数日前に喧ちゃんのバースデイ・コンサートの記事内の織田哲郎さんの所で触れた、アマチュアの音楽サークル、「Plumage(プルーミッジ)」を通じてだったと思う。
もちろんBAD SCENEはアマチュアではないので、イベントの時にゲストして招かれていたのだ。
ある時、小岩にある(あった?)音曲堂という楽器屋さんのホールでイベントが開かれて、そこにBAD SCENEが登場した。
せいぜい20分とか30分とかの持ち時間なのに、Marshallのハーフ・スタックはもちろん、三根生さんはフル・セットを持参してきていて、ドラムのセッティングだけで軽く出番の時間を上回っていた。
そのPlumageが企画した杉並公会堂でのコンサートなんかもなつかしいナァ。
大分時間が経ってから吉祥寺のシルバー・エレファントで観た時には自作のPAシステムを持ち込んで、すさまじくダイナミックなサウンドで演奏をしていた。

こうして屋根裏やロフトにもよく見に行き、都度演奏を録音していた。ところが、当時はカセット・テープを買うお金もロクに持っておらず、上から録音して何度も繰り返し使うのが普通で、当時の音源はほとんどウチには残っていない。失敗した。
ところが、後生大事に保管しているテープがある。
有楽町にあった「Lo-Dプラザ」で録音した音源。
「Lo-Dプラザ」は日立のオーディオブランド、Lo-Dのショウルームで、オーディオ機器のPRのために好きなレコードが自由に聴けるようになっていて、1枚でも多くいろんなロックを聴きたかった私はハイエナのように毎週日曜日になると通ったものだった。
そこにはライブ・ステージを録音する体験コーナーが併設されていて、16チャンネルぐらいのミキサーとカセット・デッキ(もちろん日立製)がついた席が20~30設置されていた。
予約をしておけば、席がひとつ与えられ、目の前で人気バンドが演奏している音源を好きなようにミキシングして自分だけのライブ・アルバムが作れるというシステム。もちろん無料。

下の写真のテープにはもちろんBAD SCENEの演奏が収められているのだが、後半、小川銀次さんが参加しているのである。
銀次さんがちょうどRCをお辞めになった時ぐらいなのかナァ。銀次さんはおっそろしく記憶力がいいので、正確にこの時のことを覚えていらっしゃるかもしれない。
BAD SCENEは前半に「バラード」、「イン・ザ・シティ」、「熱い愛」、「風に向かってぶっとばせ」を演奏。
銀次さんが加わって「ダンシング・ウィザード」、「銀次」、「ライジング・ドリーム」の3曲を演奏している。
発売して間もなくの頃なのか、入手したてだったのか、杉山さんのほうではない鴫村さんという方が、やたらギター・シンセサイザーを使っていらっしゃるところに時代を感じる。
で、この「Rising Dream」が超絶で、銀次さんのソロを部分的にコピーして仲間と演奏したこともあった。
こんな演奏ができる若いバンドは今の日本のロック界にはまずいないだろう。

ついでに書くと、このテープのA面に収録されているのはPANTA&HALがLo-Dプラザに出演した時の演奏を、後年、マルチトラックで流した音源を録音したもの。「生録」ではないのだが、まだ今剛さんが在籍していた時代で、もう弾きまくり!この中の「マーラーズ・パーラー」の今さんのギター・ソロも当時コピーした。本当にケタ違いのスゴイ演奏だ。
このテープは私の宝物なんじゃ!

50

その後、BAD SCENEは「SAHARA」というシングル盤をリリース。日本人離れした曲と演奏がすこぶるカッコいい。

30
コレは「SAHARA」歌詞カード。裏ジャケっていうのかな?
向かって左のギターの人が杉山さん。

40

そしてこれが1982年にリリースされたフル・アルバム。
帯を見ると「誰が、ROCKを口あたりのいい音にしてしまったのか…」とあるが、このアルバムに限っては、残念ながら人のことが言えない内容が収められてしまった。
イヤ、正確には制作サイドがそうしてしまったのだろう。
鴫村さんのギター・ケースに「PURE HARD BOOGIE BAND  BAD SCENE」と記したテープ(今のテプラみたいなヤツ)が貼ってあったのを今でも覚えているが、このアルバムの音楽はそうは聴こえなかった。屋根裏やロフトで観たあのカッコいいBAD SCENEがこの中にいなかったのである。(好きな人にはゴメンナサイ)

意を決して今回杉山さんにもこの辺りの話しをさせて頂いたが、「そう、イジりすぎちゃったんだね~」とおっしゃっていた。
そこでだ…今からでもいいから…イヤ、今だからこそBAD SCENEに復活してもらって「辛口のロック」に再び命を吹き込んでもらいたいと願っている。
当時の曲を当時のまま演奏して、あの名曲たちを後世に残すべきなのだ。

20そして、舞台に話しを移す。
BIG☆X PROJECTのステージだ。

60ボーカル。ボブ・テンバロー。

65vギター、杉山勝彦。

70もう一人のギターは米山大輔。

80vベースに金森佳朗。

100vドラムは三根生啓だ。

110オープニングは「夕暮れ」という曲。

120杉山さんと米山さんの格好やボトルネックを見ると、サザン・ロックか?と思ってしまがちだがさにあらず。
アメリカンともブリティッシュともつかぬサウンド。どっちかというとブリティッシュかな?

O_img_0050 確かに言えることは、「心地よい」だ。コレがロックの心地よさだ。やはり、長年にわたりドップリとロックに浸かってきた連中の演奏だ。出て来るものは「Rock」以外には何もない。

160

コレは以前にも書いたことがあるように記憶しているが、35年前、杉山さんは「音がいい」と大評判の当時使っていたストラトキャスターを指して、「東京の楽器店にあるストラトキャスターを全部試して一番音が良かったのがコレなんだ!」とおっしゃっていた。
高校生だった私は「やっぱスゲェな、プロは!」と思ったものである。
加えて「Marshallは50Wを選んだ」とも…つまり1987だ。当時は1987と1960×1の組み合わせを「UNIT15」と呼んだ。
でも、私の周りでは。Marshallを「ユニット・ナントカ」って呼んでいるヤツはいなかったナァ。どう呼ぶかというと、「2段積みか3段積み」の別と「50Wか100W」の区別ぐらいだった。
そういえば、最近どこかの楽器屋のウェブサイトで3段積みを2段積みと呼んでいるのを見かけて仰天した。ヘッドを数に入れていないのだ。
コレは素人さんは時折迷うようだが、オイオイ、プロがそんなこと言うのはやめてくれよ…と言いたい。
もちろん杉山さんのチョイスはアンプでナチュラル・ディストーションを得るためだった。

…ということも楽屋で話すと大盛り上がり!「オイオイ、よく知ってるね!ちょうど今もその話しをしていたところだったんだよ!コレがその時のギターだよ!」って。
今では初心者でも簡単にホンマもんが買えるけど、当時は大変な金額だったからね。そもそも、どこにでもあるような代物ではなかった。Marshallも同じ。
でも、私の記憶では上のジャケットの写真にあるようにピックアップ・カバーが黒かったような気がする。

155v

米山さんはDOLLSのギタリスト。杉山さんとの交流が大変に深い。

140米山さんのMarshall。
はじめ遠目で見た時、Tatooシリーズかと思った。
正体はJCM800時代の1959。フレット・クロスを花柄の布に張り替えている。
キャビネットはJubileeのBキャビ、2551B。
90v
米山さんはこの組み合わせでヌケのよいカラっとしたギター・サウンドを作り出していた。

O_img_0020 2曲目は「I Can't Believe It」。
これまた王道ロック・サウンド。

150vこういう演奏を聴くとホント、ホッとする。

130

こうした王道ロックには不可欠のヘヴィでタイトなリズム隊。もちろんバッチリ。

170v昔はツーバスで超攻めのドラミングだった三根生さん。
ここではシンプルにバンドをグルーブさせることに徹しているようだ。コレでいいのだ。

180続いて「Leather」。
堂々たるステージ上の態度がまた素晴らしい。

190最後は「Lunacy」という曲で〆た、。全曲オリジナル。
全4曲と短い持ち時間であったが、ワンマン1回分ぐらいの存在感があったのではなかろうか?

200v

私もだいぶ人生のゴールが見えて来るようになったが、若い頃に戻りたい…なんてことはそう思わない。
でも、ロックだけは昔に戻ってもらいたいと心底思う。
こういう演奏に接する時、その想いはさらに募るのである。

210vBIG☆X PROJECT関連の情報はコチラ⇒高井戸ミュージックスクール

O_img_0032 つづく

(一部敬称略 2015年3月13日 恵比寿LIQUID ROOMにて撮影)

2015年4月 7日 (火)

原田喧太バースデイ・ライブ 『GUITAR CIRCUS 2015』 <後編>

原田喧太バースデイ・ライブ 『GUITAR CIRCUS 2015』の<後編>。
<前編>でもお伝えした通りステージはちょっとしたMarshall祭り状態!
420
休憩がわり(失敬!でも大いに盛り上がった!)のまろさんの激演に続いては『GUITAR CIRCUS』ならではのスペシャルなシチュエーション。

10ベースに鮫島さん

20vドラムにKenKenが入る!

30vこのフォーマットで2曲ほど演奏した。
「Get out of my life woman」と「Would you like it」。Ken Kenさんのお父さん、ジョニー吉長さんの曲だ。
これまた喧ちゃんのお誘いで、マサやんのバンドのジョニーさんを何度か撮らせて頂いたことがあったが、カッコよかったナァ。
「ナニ?写真撮るの?じゃ500円ね!」なんておっしゃって。その500円というスケール感が愉快だった。
また聴きたいナァ、ジョニーさんの歌とドラム…。

45

…と思ったらご子息が!
父親譲りのグルーヴ感が生半可じゃない!こういうのを持って生まれた才能ってんだよね。
お父さんの曲をお父さんのパートで…とにかく楽しそう!

K_s41a1916
喧ちゃんはといえば、また違ったリズム隊を得て、新たにギンギンに弾きまくる!

40

 ゴキゲンなパフォーマンスで、後半も滑り出しからマッハ級!

50しっかし盛りだくさんだな…今度はKATAMALI

60ベースに盟友・満園庄太郎。ドラムには満園英二を迎える。

70曲はKATAMALIのオリジナルだ。
「B.M.V.」。

80vなんか独特の世界だな…。

90v喧ちゃんが現在力を入れているプロジェクトだけあって、ものスゴイ気迫とテンションを感じるぞ!

1002曲目は「Strength」。
ソリッドにまとめたロック・サウンドと各人のテクニカルなプレイの見事なブレンド…とでも言おうか。

120v
3曲目は「Criminal」。

110喧ちゃんも切れ味鋭いソロを炸裂させてKATAMALIのステージは終了した。
しかし、色気のあるいいギター・サウンドだ。
JVMのいいところとModefourキャビの特性をうまい具合にからませている。やっぱりフル・ヴァルブと4x12"のサウンドこそがロック・ギターの真髄だということを喧ちゃんが教えてくれる。

125寺田恵子登場!
恵子さんのお顔をファインダーの中でキャッチする…なんか一気にホーム感が募るワ・タ・シ!

130v恵子さんのアコギ・ロックはヘタなロック・バンドよりよっぽどハードでヘヴィだからね。

140曲は「Jumpin' Jack Flash」でガス。

150vん~、やっぱりヘヴィでブルージー!カッコいいことこの上なし。

170
続いて「Rock 'n' Roll」。Led Zeppelinよ。

160アコギ・バージョンでコレを聴くのは初めてだな…。
この恵子さんのシンプルなギターがまた板についているのよ!

210v

コレは面白かった!
おなじみの「♪Lonly, lonly~」のところをドンドンとアクセルレイト(テンポを上げる)しながら繰り返す。
かなり速いとこまでやったよ~!恵子さん決死のストラミング!

180v途中、「メタル・バージョン」だかなんだかで、マイクを思いっきり低くして歌う場面も!

206v喧ちゃん、腰辛し…でも頑張った。スゲエ真剣!

205v
もちろん「熟女ナメんなよ!」もカマして出番終了。
200v
イヤ~、恵子さんらしい楽しく、にぎやかでヘヴィなステージでありました!
190
『GUITAR CIRCUS 2015』もいよいよクライマックス!
ここで大歓声に迎えられて山本恭司が登場!

220v曲は「Stratus(ストラトゥス)」。
カッコいいリフ、ワン・コード、こうしたジャム・セッションには持って来いの名作。

230相手にとって不足なし!容赦なくギターに魂をブチ込む喧ちゃん!

240幅広いフレーズで圧倒的なソロを編み上げる恭司さん!

250客席は鬼気迫るふたりの熱演をひと時も見逃すまいと食い入るようにステージに神経を注ぐ。

260そして恭司さんの歌で「Little Wing」。

280vこちらでもパノラミックなギター・バトルが繰り広げられ、お客さんはその濃厚なプレイに舌鼓を打った。
270
冒頭に「今日は長いよ~」なんて言っていたけど、アッと言う間に本編最終セクション。

290再びKATAMALIで、3曲を演奏して〆る。

300「R&Rに溺れたい」~「虫」…

310v最後は「Free Way」で固めた!

320それにしても喧ちゃんは忙しい。
自分のバンドでは歌ものの曲をフィーチュアし、KATAMALIではパーマネント・グループとしてシンプルな独自のロック・サウンドを追求し、「唄い繋いでいく旅」を展開し、DAMIJAW他のサポートを務め、数々のレコーディングに参加し、作曲し…これを絶好調と言わずしてナント言う~!
身体に気を付けてこれからも第一線でバリバリとギターを弾いて欲しい。Marshallをお供にね!

330vそして、アンコール。

340Ken Kenが本職のベースでステージに上がって「Come Together」。

350お~っとバースデイ・コンサートには定番のケーキのサプライズも!

360フィナーレは出演者ほぼ全員がステージに上がっての「生きてるうちが花なんだぜ」。

370もうこの曲が年々身に染み入るようになってきたよ。

380こうして豪華なゲストに祝福され、にぎにぎしく45回目の誕生日会を過ごしたのであった。

400原田喧太の詳しい情報はコチラ⇒原田喧太Official Web Site

410(一部敬称略 2015年3月3日 下北沢GARDENにて撮影)

2015年4月 6日 (月)

原田喧太バースデイ・ライブ 『GUITAR CIRCUS 2015』 <前編>

ズラリと並んだMarshallたち。
ロックのステージにはやっぱりこの光景が一番シックリくる。もうコレだけでいいコンサートになる予感がプンプンする。
そんなロックの魔法を持っているのがMarshallなのだ。

10今日は『GUITAR CIRCUS』と銘打った原田喧太のバースデイ・コンサート。
昨年に引き続いてお邪魔してきた。
出番を待つ喧ちゃんとその仲間+1。

30何しろタイトル通りの「サーカス」のようなにぎやかなコンサート。
まず最初に登場したのは喧ちゃんのソロ・バンド。

40原田喧太

50v向かって左2台のJVM410Hのハーフスタックが喧ちゃんのMarshall。キャビネットは双方MF280B。

60足元のようす。

70サイド・ギターの伊藤可久

80vベースは太田要。

90v今日のドラムは酒井まろ

100vオープニングは「Born to be Crazy」。

120v2004年リリースの『Glorious Colours』収録の1曲。「Colours」と「u」が入ってイギリス英語になっているのがうれしい。

125v気心知れた自分のソロ・バンドとの演奏で水を得た魚のよう!スイスイ感がすごい!

130
続いて「Frantic...」。
この曲、よく演ったんだ~…って私が弾いたワケじゃないけど。Modefourシリーズを発売した時、喧ちゃんと何回も「Marshall Roadshow」というクリニックを開催した。
その中でたいてい演奏してくれた人気曲。
150
やはり聴かせどころは中間部のツイン・ギターのキメ・フレーズ!

200v
さすが、可久ちゃんとのイキもピッタリ。
キメの後、可久ちゃんが4小節だけ歌うところもいつも通り!

140
やっぱり喧ちゃんノリノリ~!すぐ汗ダクになっちゃうよ。

K_img_0033 3曲目は「嘆きの天使」。
同じく『Glorious Colours』からの1曲。
K_img_0090
初っ端はジャンジャン矢継ぎ早に喧ちゃんのソロ曲が演奏された。
160v
ピックで弾く要さんの歯切れのよいベースが心地よい。
170
続けて2011年のソロ・アルバム『心ノ音』から「人生得てしてそう云うもんDeath」。

K_img_0067 『心ノ音』はバラエティに富んだ曲が収録され、喧ちゃんの多彩な魅力に溢れた好盤だった。内ジャケットに私の写真も使ってもらってすごくうれしかったっけ。

K_img_0043最初のセクションぼラストは「白い雨」。
180
昨年の『GUITAR CIRCUS』でも演奏した曲。コレも『心ノ音』からの1作だ。

110v

ちなみに昨年の『GUITAR CIRCUS』の模様はDVD化されているので是非そちらもご覧頂きたい。
『原田喧太 LIVE GUITAR CIRCUS 2014(アトスインターナショナル刊)』
ジャケットに使用されている写真は私が撮ったもの。アレから1年…信じられないほど早い!

5_khdvd
ここから喧ちゃんの誕生日を祝うゲストさんたちの怒涛のラッシュがスタート!

210最初のゲストはSkoop On Somebodyのおふたり。

220TAKEと…

230vKO-ICHIRO。

240「みんなが知っている曲で盛り上がろう!」とTAKEさん。

250曲はMarvin Gayeの「What's Goin' On」。

280
ソウルが極北であまりにも門外漢な私でもさすがに知っている。EllaとBasieのバージョンは好きで、時々聴く。コレ曲調が柔らかで明るいから、快活なラブ・ソングかと思っちゃうけど、内容はきわめて政治的で辛辣な曲なんだよね。

260TAKEさん「♪Ah, what's goin' on」のリフレインを熱唱!

270v

2曲目はStevie Wonderといおうか、BBAといおうかの「Superstition」。

310鋭く切り込む喧ちゃんのギター…

300v

真っ向から受けて立つ情熱的なKO-ICHIROさんのキーボード!
290v
TAKEさんのもくろみ通り、ステージが一段とヒートアップした!

320矢継ぎ早に登場したのは織田哲郎

330織田さんもMarshall。ナントHandwiredシリーズの2245THW。

340vリンクしてチャンネル2のローにインプット。しかもVOLUME2を上げ目。
ちょっと深めに歪んだトーンは全然モサモサにならず、ヌケのよい図太いゴキゲンなサウンドだった。やっぱり真空管のアンプってのはいいナァ。

350ベースは鮫島秀樹にスイッチ!

360vこのセクション、1曲目はJ.J.Caleの「Cocain」。

370v昔…またか?といわれそうだが、コレは書くの初めてだと思う。35年ぐらい前の話し。
「Plumage(プルーミッジ:鳥の羽という意味)」という民間の音楽サークルがあった。
某世界一のコンピュータ会社の方が中心となって、学校やキャリアを問わず、歌や楽器をたしなむ若者が、不定期にライブハウス等に集い、演奏したり交友を深めたり…ということをしていた。
年に一回合宿なんてのもあって、高校の時のバンド仲間と一度だけ参加したことがあったが、毎日朝から晩まで音楽漬けでものすごく楽しかった。
自主コンサートなんて企画もあって、BAD SCENEが出演したのを覚えている。
高校時代、3年間ぐらい出入りさせてもらったのかな?
その期間の後半にPlumageに時折お越しくださっていたのがWHYの織田さんだった。
その関係で北島健二さんは高校の時から存じ上げていた。
ある時、織田さんはそのPlumageのライブの時に、ステージおっしゃっていたことを思い出した。
「僕が四国に住んでいた頃、間違いなく四国で一番ギターがうまいと思っていた。でも、親の転勤で東京へ来て、自分なんか比べものにならないぐらいギターのウマいヤツに出会って衝撃を受けた…それが北島健二だった」
…ということを、当日織田さんにお話ししたかったのだができなんだ。

その後、先日記事を書いた三文役者に私も参加させてもらったりしてまったく疎遠になってしまったが、あの後Plumageってどうなったのかな?

380Eric Claptonが取り上げたことで有名になった(のかな?)この曲。Nazarethもヘヴィ・バージョンで演ってたけど、やっぱりいいね。
390v喧ちゃんがやっている別のプロジェクト、「唄い繋いでいく旅」でも一緒に活動している鮫島さん。
さすがにイキがピッタリ。すごい安心感!

400v2曲目は「Messin' With the Kid」。

410vコレはJunior Wellsの曲。

420完璧な演奏で最高にゴキゲン!
440
織田さんと…

430v喧ちゃんのギター・バトルもタップリ!

445v前半のハイライトのひとつとなった。

450休憩時間に登場したのは、前半ドラムで活躍した酒屋まろ吉。

455お三味を片手にイキな着流し姿でステージ中央に陣取る。

460vナニを演るのかと思ったら…エロ都々逸。
490v
コレがまた大ウケ!
ナニが「海の幸」と「山の幸」だ!飽くまでも真剣に取り組んでいるところがまた素晴らしい。
500v
そして、三味線の弾き語りで本家マイケル・ジャクソンばりの「Thriller」!

470コレがまた最高に面白かった。問答無用で大笑いしちまった!

480v…と意外な形で後半につながっていった。

原田喧太の詳しい情報はコチラ⇒原田喧太Official Web Site

510(一部敬称略 2015年3月3日 下北沢GARDENにて撮影)

2015年4月 3日 (金)

TAGAWA~アルバム発売ツアー千秋楽

田川ヒロアキのギターをフィーチュアしたスーパー・トリオ、TAGAWA。
デビュー・アルバム『Flying Carpet』も話題になり、そのレコ発ツアーも大好評だった。
Marshall Blogではそのツアーの初日をレポートした。
こちらもすさまじいアクセス件数で、このトリオの注目度の高さと、ギターという楽器の魅力に溢れたこの手のハード・ロックが健在であることを如実に表してくれた。
…ということで、ツアーの千秋楽にもお邪魔してみた。

40cd
会場は八王子のLive Bar、X.Y.Z.→A。ヒロアキくんの凱旋公演とだけあって応援団もガッチリと徒党を組んだ!
写真に写っている皆さん、今すぐシェア!facebook、Twitter、なんでもいいから責任持ってこの記事を拡散してくださいね~。後でチェックしますよ~。

10ヒロアキくん以外のふたりも演奏し慣れている会場だけあってとにかくホーム感満点。

20_2田川ヒロアキ

30寺沢功一

40長谷川浩二

50v_2初日ではJVMをステージに上げたヒロアキくんだが、千秋楽では使い慣れたJMD501を使用した。

60v_2もうコレはヒロアキくんと一心同体だね。

70vさて、このツアーは全行程を通じで同一プログラムが貫かれた。パートリーの多寡の問題があるにはあったが、変にイジったりしないですべてのファンに同じものを観て頂こうというもくろみもあったに違いない。
さすがプロ集団。
学校の先生でもお坊さんでもそうだが、「プロ」の定義のひとつは「同じことを同じように何回でもできる」ということなのだ。
私もMarshall Blogのプロだ。だから何回も同じことを書いていいのだ?!
イヤ、よくない…のでいつもアノ手コノ手でバラエティに富んだことを書くように努めている。

でも、今回は初日のコンサートの内容をすでに仔細にお伝えしているので、今回は写真を中心にセットリスト的に、そしてシンプルにお送りしたいと思う。

初日のレポートはコチラをご参照あれ⇒TAGAWA~アルバム発売記念ライブ『Flying Carpet Tour』

ん~、やっぱいいこと書いてあるわ~。

80オープニングは「Stranger Destroys Arms」。

90v_2相変わらずのドヘヴィなサウンド!

100v初日より会場が小ぶりな分、迫力が倍増!

110v続けて「My Eternal Dream」。

120v_2コレはマジでてらちんがヤバい!あまりにもカッコいいラインでゴリゴリとバンドをリードする。
なぜ楽器を持ち替えたのだろう?訊くの忘れた!

130v_2圧倒的なリズム隊と…

140_2真っ向からぶつかり合うヒロアキくん!勇ましい!

150ここは例のカバー・コーナー。曲数を膨らませた…というヤツだ。
曲はまず「Into the Arena」。

160v続いて「Breaking the Law」。

180v_2そして件の「Led Boots」。
関係ないことも少し書いておくか…マーブロ名物だから。
「件」…これはご存知の通り「くだん」と読むんだけど、小松左京に「くだんのはは」という短編があるのをご存知だろうか?
もちろん、タイトルは二葉百合子で大流行した「九段の母」のシャレだ。
こちらは「件」。この字は人偏に「牛」と書くでしょ?「件」という頭が牛で身体が人間の妖怪がいるワケ。
ギリシャ神話にも「ミノタウロス」ってのがいるじゃんね。日本のは、古来は頭が人間で身体が牛だったらしい。
この「件」は戦争や災厄を予言する力を持っているという一種の都市伝説があって、小松左京はコレを題材に何とも薄気味の悪い戦時中の話しを書いたのだ。
私は中学生の時にコレを読んで、何ともイヤな気分になったことを覚えている。興味のある人のためにコレ以上は書かない。
地面を掘れば掘るほど新しい化石が出て来る話しとか、部屋の何もない空間から血が滴り落ちてくる話しとか、この頃の小松左京は冴えていたね。
今、こんな世情で「件」がいたら、近い将来をどう言い当てるだろうか…?

190今日も強引な「Led Boots」!

200_2でも、初日とは異なり、余裕タップリの豪快さが前面に押し出され、「ナンダ、この曲、コレでいいじゃん!」的な印象。やっぱ一流の弾き手はちゃうねんナァ。

1_s41a0957 おしゃべりコーナー。

1_img_0075マァ、3人ともよーしゃべる!

1_s41a0946ツアーの千秋楽だけあってツアーの思い出話が尽きない!

1_img_0077おもしろかったけど、このトークの長さがヤバいのよ~、私には!

1_s41a0944ヒロアキくん曲コーナーで「Train」。

220v_2そして、「キミを乗せて」。
ハイ、詳しくはコチラ を見てくださいね~!

1_img_0126コレもお楽しみの1曲「That's Over」。

240_2リズム隊フィーチュアのスリリングな一編。

250v_2てらちんのテクニカルなソロが炸裂!

260v_2続いて浩二さんの乱れ打ち!

270v今日のソロは長尺!お客さんもふたりの熱演に大歓声を送る!

280それに負けじと頂点に上り詰めるヒロアキくんのソロ!オラ~、もうこうなりゃジャンジャン弾け、弾けィ!

290一変して静かな「Luminous」。

300vそして、本編最後は「Fly Away」だ。

310オハコ中のオハコをキッチリとキメた!

320vそして、アンコールは「Space Walker」。
もうダメだ…もうダメ。
何がダメって、最後の特別快速に間に合わなくなる!
だからあんまり長いおしゃべりはヤバいってさっき書いたワケ。

330v…と時間を気にしつつギリギリまでネバる。

340vだって「Space Walker」って一番聴きたい曲なんだもん。校歌ロック!
それにこの3人の激演を最後まで見届けてあげたいのだ。
…ということで途中で涙の退場…しようと思ったら家内の上着がどうしても見当たらない!
爆音の中で暗闇をまさぐる…あ~あ、もう間に合わないよ~。

350v…と言っているウチに「Space Walker」もバッチリとキマった~!…かどうかは見ていない。残念!
写真だけはキメポーズ!

360vややふてくされ気味にとにかく八王子駅へ向かう。鈍行で帰るのはシンドイなァ。
と、思ったらですよ!ダイヤが乱れていて、ナント最終の特別快速に間に合ったのだ!
こうして「中央特快」という名のFlying Carpetに乗って無事に帰って行ったとサ…。

ありがとうTAGAWA!ありがとう乱れたダイヤ!
とにかく!これからもTAGAWAにはがんばってもらいたい。ナニせ目標は「世界」だからね!
ヘヴィでカッコいいギター・ロックを絶やしてはならないのだ。そして、それがMarshallによってこそ実現することを訴え続けて欲しい。

1_img_0060 次回のTAGAWAは7月17日、吉祥寺シルバーエレファント!

田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

1_img_0152(一部敬称略 2015年2月25日 八王子Live Bar、X.Y.Z.→Aにて撮影)

2015年4月 2日 (木)

FoZZtone~『Return to Earth』 TOUR FINAL

Marshall Blog久しぶりの登場となるFoZZtone。
昨年11月にリリースした6枚目のアルバム、『Return to Earth』を引っ提げてのツアーの千秋楽のレポート。
このツアーは各公演毎にテーマが設定されていて、残念ながら都合が悪くて行けなかったのが、初日に至ってはギタリスト竹ちゃんの誕生日と重なったため、『竹尾典明生誕 マーシャル祭り』と銘打ったものだった。

10cd千秋楽の会場は満員の赤坂BLITZ。
いつもと変わらぬ4人。

20渡會将士

30v竹尾典明

40v菅野信昭

50vサポート・ドラムの武並J.J俊明。

60vステージ上でいつもと変わらないものがもうひとつ…

70それは竹ちゃんのMarshall。
愛用のJimi Hendrix Signature、SUPER100JHだ。

80vいつでもどこでもオーナーといっしょ。本当に大切に使ってくれていてうれしい限り。それだけにそのサウンドは「♪あったかいんだから」。
KT管の音はホント好き。時に激しく、時に「♪あったかいんだから」。まさにKinless Tetrodeなのだ!

90v…と、いつもと変わらないFoZZtone…のハズだった。
ところが!
この日の公演を最後に活動を停止するというのだ。
会場のロビーにはこうしてメンバーへ贈る言葉が寄せられた。

100千秋楽ではニュー・アルバム『Return to Earth』の収録曲を中心におなじみのレパートリーがちりばめられたプログラム。

110思えば竹ちゃんのおかげでFoZZtoneとのお付き合いも結構長いものになった。
250v
今の時代、「がんばれ」、「まけるな」一辺倒の他のバンドには例を見ない知的な音楽づくりは魅力的だった。
また、私にとってはコンセプチュアルなアルバムづくりは、今の音楽配信という悪行に抵抗しているようにも映った。

120v「オーダー・メイド・アルバム」なんていう企画も話題になった。

130v私もいい加減口が悪い方だけど、竹ちゃんもかなりのもので、私なんかずいぶんイジられたが、いつの間にか仲良くなって、ふたりで外タレのコンサートに出かけたことなんかもあったっけ…。

150v
そして、目の前のFoZZtoneの熱演を目の当たりにして改めて思ったことは…「モッタイナイ」だった。

140大分前、『The Sound oF MUSIC』をリリースした時だったかな?新宿ロフトで「自分たちが影響を受けたロックの曲」を演奏するというコンサートがあった。
誰が選んだのかは知らないが、レパートリーの中には70年代のスタンダードも数多く含まれていた。
正直、「本当にその時代の音楽に影響を受けているのだろうか?」と訝しんだこともあった。
170v
しかし今回FoZZtoneの演奏を見て、そして聴いて、それがわかったような気がした。

160

古き良き黄金時代のロックンロールの血脈(けちみゃく)をしっかりと受け継いだロック宗家のバンドだったのだ。
いつも書いているように、「もう音楽の将来は未来にはなくて、あるとすれば過去の中にこそある」。
若い人たちがロックがロックだった時代の音楽を吸収し、自分たちの感性を練り込んで音楽を作ることによってしか今の閉塞された音楽の状況を突破できないことは明らかで、それを具現していたバンドのひとつがFoZZtoneだったのだ。

180v「口笛男」で幕を開けたコンサートは終始エキサイティング・ムード。

190v好きな「JUMPING GIRL」も早々にプレイしてくれた!

2004月から早速ソロ活動に入るという渡會氏。汗だくの熱唱はまるで「気合」がパフォーマンスをしているかのよう。

230v
寂しい気持ちを押さえつけてのファンの声援が会場を満たす。

210ま、「解散」ということではないので、またきっとその姿を我々の前に見せてくれるであろう。

220vその日を楽しみに待つことにしよう。

240FoZZtoneの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

260vこの日はあいにくダブルヘッダーで途中で失礼せざるを得なかったのが残念至極!

270(一部敬称略 2015年2月28日 赤坂BLITZにて撮影)

2015年4月 1日 (水)

ピストル・ディスコ巡業2015 〜サヨナラダケガ人生ダ〜東京編

「ROCJ DJ集団」を標榜する『ピストル・ディスコ巡業2015 〜サヨナラダケガ人生ダ〜東京編』というイベントのレポート。今回で6周年。
満員の会場はTSUTAYA O-EAST。
普段は「サブ・ステージ」と呼んでいる会場右手の小さい舞台は拡張され、「Disco STAGE」と名付けらた。
要するにまったくメインもサブもないふたつの大きな舞台に総勢16組のバンド&DJが出演し熱演を繰り広げた。

10そのDisco STAGEで活躍していたのがウチの働きものトリオ、Marshall、NATAL…そして、この写真には写っていないが、もちろんEDENもステージに上がっている。
20
あいにく私はこの日もダブルヘッダーで、すべてのステージを見ることができなかったが、Disco STAGEにトリで出演したこのバンドの登場には間に合った!
VOLA & THE ORIENTAL MACHINE。

25ボーカル、ギター、マニュピレーターのアヒト・イナザワ。
バンドの中心人物だ。

40楢原英介

50v有江嘉典

60v中畑大樹

70実はですね、このバンド、かなり前から知っていたが、観るのは今回が初めてだった。
「Volaってアノ?」、「そう魚のボラです」なんて会話をしたのを覚えている。

80説得力に満ちたイナザワさんのボーカルとパワフル極まりないバック陣の演奏!

85やっぱりこうしたパワーを必要とした音楽にはNATALの鳴りの良さがモノを言うね。

86vもちろんMarshallとの相性もバツグン!
自らのスタイルを「人工ハード・フロア・ビート」と称しているだけあって、エレクトロ・サウンドを大胆に導入したノリのよいサウンドがすさまじい!

90v元々ドラマーだったイナザワさんもスティックを握りエレクトリック・パーカッションを操る。モノスゴイ音圧!
とにもかくにも内容が盛りだくさん!スリリングで楽しいバンドだ。

100VOLA & THE ORIENTAL MACHINEの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEBSITE

ピストル・ディスコの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

110NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)

NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

(一部敬称略 2015年2月28日 渋谷TSUTAYA O-EASTにて撮影)

2015年3月31日 (火)

陰陽座~全国ツアー2015『雷神』 <後編>

陰陽座、全国ツアー2015『雷神』の<後編>。

M_img_0164ショウの本編は中盤に入り、ますますもって満員の観客の熱気はさらにエスカレートする。

M_img_0144 そして、その興奮を作り出している人たち…

黒猫

30_3瞬火

40v狩姦

50v狩姦さんのラック。
名器JMP-1とステレオ・パワー・アンプEL34 100/100が収まっている。

60v招鬼

70vコチラは招鬼さんのラック。
やはりJMP-1が組み込まれている。

80vそして1960の壁!

85やっぱり陰陽座のステージにはコレがないと始まらない!

86

サポート・キーボードの阿部雅宏。

90vサポート・ドラムの土橋誠。

100ニュー・アルバム『雷神創世』から大作「累」。
コロコロと変わりゆくシーン。
こういうスケールの大きい曲は特に好きだナァ。
容貌が醜いというだけの理由で殺されてしまった女性の恨みを歌った曲ということなんだけど、ヒドイことするじゃないの。
「なまじ顔がついてるおかげで要らぬ苦労をする人もいますもんネェ」…あ、コレは私が言ったんじゃないよ!古今亭志ん朝か誰かの有名なクスグリ。
「人柱」とかネェ、昔はずいぶんと残酷だった。

M_img_0053続けて「和色」が濃い「蜩」。
「虫編」に「周」は「ヒグラシ」か…。ヒグラシの鳴き声って本当にいいよね。ジージー暑苦しく鳴くアブラゼミと違ってなんと涼しげなことか…。
ああ、また暑い夏がやってきてイヤだナァ…なんてことは全く考えずにジックリとステージに見入ってしまった。

120v_2前の2曲に続いて『雷神創世』からの曲を惜しみなく披露する。

130「青天の三日月」と…
160_2
「人首丸」だ。

150ここでも狩姦さんのソロがさく裂!
180v

組曲「鬼子母神」に入って「鬼子母人」。

190_2
ホント、ステージの上下両方から飛び出してくるギター・ソロは聞きごたえ満点。
適材適所で二人のソロの分担がまた絶妙なんだ~。

170vいよいよ本編も佳境に入る。
「吹けよ風、轟けよ雷」。

200v_2Pink Floydをもブッ飛ばす風と雷!

210vさすがの人気曲だけあって客席からの熱視線が激しい!
290

本編の最後も『雷神創世』からの2曲で締めくくられた。

220_2まずは「而して動くこと雷霆の如し」。
230v
「イカヅチ」か…しかし勉強になるな~陰陽座の曲は…。瞬火さん、絶対に漢字検定1級持ってるな。

M_s41a0633 本編の大詰ということもあって、まるで火花が散るような熱演!

235

260_2そして、本編の最後曲は「雷舞」が演奏された。『雷神創世』と同じ…という演出。

270v_2「雷舞」という当て字はかつてFrank Zappaの『Zappa in New York』の邦題や激テクフュージョン・トリオのFragileのライブ・アルバムのタイトルにも使われていたが、陰陽座の「雷舞」も負けず劣らずの名演だ!

280v_2これで本編は終了。
ニュー・アルバム『雷神創世』収録曲を中心に組み立てられた17曲をすさまじい熱気の中で披露した。

240_2

そして、アンコール。一回目。ここからも陰陽座の本領が発揮される。

300v組曲「鬼子母神」から「徨」…
250v_2

そして「膾」。これは「なます」でいいのかな?
私はまったく大したことないけど、漢字にはそれほど弱くない方だと思っていて、テレビのクイズ番番組の難読漢字なんかは結構イケちゃう。でも陰陽座の記事を書くのはなかなか苦労が絶えませんわ~!
そう、それでも「羹」に懲りないでガンガンいきます!

310_2一回目のアンコールは2曲で終了。

320v_2
もちろんここで会場を後にするファンなどひとりもいない。

330全員がTシャツに着替えて登場の二回目のアンコール。ここから、ほぼひとコンサート分演っちゃうのが陰陽座流。ファンは最高にうれしいよね~。

340組曲「義経」から「悪忌判官」。
410
海外では、というかイギリスには歴史を題材にしたロック作品ってのがあるでしょ?
Rick Wakemanの『ヘンリー八世』とか『アーサー王』とか…。

考えてみると陰陽座ってそれに近いものがあるかもね。「義経」だもん。実に独創的。
絶対にアメリカン・ロックにはマネできない題材だ。
それを変に「和」にこだわらないスカッとしたへヴィなロックで聴かせるところが何ともカッコいいと思うのよ。

360_2マジでCD4枚組ぐらいで『真田太平記』がロックにならないかな?
『ヘンリー八世と六人の妻』みたいに登場人物のイメージを曲にするだけでも瞬火さんの手にかかればかなり面白いものができると思うんだけど…。
「信之」とか「幸村」だけじゃなくて、「お江」とか「角兵衛」とか…カッコいい曲ができそう。

370v「卍」。
昨日、浅草寺のことを書いたけど、本堂の前にお香を炊くデカい入れ物があるでしょ?アレには「卍」の印が入っているんだけど、それを見つけたある外人がエラく驚いていた。
「ハーケンクロイツ」だと思ったらしい。
ドイツでは右手を斜め前方に上げる仕草すら禁止されているからね。
招鬼さん、緑のレスポールがよく似合う。
380vまだまだ続く2回目のアンコール。

390v激しい曲で会場を思い切りアジテイトする。
「魔王」から…

400v…「骸」。
430v
ギター・チームもラスト・スパート!

440v
二回目のアンコール5曲目にして最後は陽気に「がいながてや」。

350v_2
さらに、三回目のアンコールに応え「喰らいあう」を演奏した。
これまたコンサートの最後を飾るにふさわしい曲!

420vしめて3時間半!
ニュー・アルバム『雷神創世』を全曲演奏し、いつも通りの最高に充実したプログラムで観客を魅了してツアーの最後を締めくくった。
それにしてもこの何人も追随し得ないオリジナリティと堂々たるパフォーマンス、加えて気品あふれるステージ・マナー…陰陽座が日本を代表する一流のロック・バンドであることを『雷神創世』を通じて新たに証明した夜であった。

450陰陽座の詳しい情報はコチラ⇒|||陰陽座公式庵頁|||

480(一部敬称略 2015年2月22日 TOKYO DOME CITY HALLにて撮影)

2015年3月30日 (月)

陰陽座~全国ツアー2015 『雷神』 <前編>

我が街、浅草…。
そのシンボルといえば浅草寺。
毎年5月になれば三社祭が開かれ、期間中150万人が集まり大きな賑わいを見せる。
この東京を代表する大祭が浅草寺のものと思っている人がいるようだが、祭りは寺で開くものではない。
三社祭は向かってすぐ右隣りにある浅草神社のものだ。
こんなことを書くと「祭りは神社のものにキマっている!」と呆れる方もいらっしゃるであろうが、傍らで観ていると、仏様を前に柏手を打つ人、二礼二拍一礼がまったくできない人がまったく珍しくはないことを即座に知ることができる。
さすれば浅草寺が三社祭を開いていると思っている人が多いことも十分に想像できるのだ。
もし、浅草寺に行く機会があったら、50mほど境内を右へ移動して浅草神社にも訪れてみるといい。
人だかりができているのは猿回しの大道芸のまわりぐらいで、浅草寺の喧騒が信じられないぐらい人出が少なく、静かでとても厳かな気分にしてくれる。

さて、話しを浅草寺に戻そう。

10浅草寺の山門、雷門。
一年を通じてたくさんの観光客でゴッタ返しているのはご存知の通り。
もっとも最近はその半分ぐらいが人力車の客引きのような感じがしなくもない。アレ、いつからあんなに増えたんだろう?
写真を撮ってあげたりするのはよいが、片っ端から若い女性に声をかけて壮絶な客引き合戦を展開しているところは観ていてあまり気持ちのよいものではない。
もちろん私は乗ったこともない。
この辺りも最近は自撮り棒が林立してなかなかにスゴイことになっている。この光景を見ているとヴェルサイユ宮殿やロンドンのナショナル・ギャラリーが自撮り棒の使用を禁止したことが容易に理解できる。
しかし、一方、他の浅草のエリアは土日こそ人出は多いが、平日は自撮り棒をいくら振り回しても誰にも触れないぐらいの閑散ぶりである。
浅草寺の少し西のエリア、戦前の浅草六区はすさまじい数の劇場や映画館が立ち並びぶ東洋で一番賑やかな歓楽街だった。
すなわち、日本のブロードウェイであり、ウエスト・エンドであったワケだ。そういえば、初めてロンドンに行ったとき、レスター・スクエアあたりなんか、「昔の浅草っぽいな…」という印象を受けた。

この街も私が小さい頃はまだかなりにぎやかであった。「新世界」という、今風に言えばアミューズメント・ビルとでもいうのかな?下層階が場外馬券売り場になっていて、上は屋内遊園地という趣の娯楽施設だった。
今はこの街はそのにぎやかな面影すら残しておらず、海外からのお客さんにそのことを告げるとたいていは驚かれる。
何故ゆえそこまで斜陽になってしまったかを一度調べたことがあった。
終戦直後、焼け野原になった東京の都市再興計画が立案された時、新宿や渋谷はそれを受け入れたが、浅草地区は従来の街のスタイルに固執してそれを受け入れなかったというのだ。
その結果、新宿や渋谷に人が流れ、反面、浅草は来訪者を失ってしまった。浅草も戦争の犠牲者だったのだ。
他にも公共交通機関の変遷がもたらす地理的条件の不利化、映画産業の衰退等々、浅草に斜陽化をもたらした原因はたくさんあるだろう。
高いばかりでウマいものもそうたくさんあるワケではないし…。
それでも、ここのところスカイツリーのおかげで少しは元気を取り戻したかな?

ま、何があってもこの町が好きであることには変わりない。私にとってはビバリー・ヒルズであり、サウス・ケンジントンであり、田園調布でもあるのだ。

20その雷門のシンボルは風神&雷神、それに赤い提灯。飲み屋じゃないよ。
この提灯は浅草寺を信奉していた松下幸之助が病気の平癒のお礼にと寄進したものだ。
だから、下の金色の部分に「松下電器」と社名が入っている。この会社は今「Panasonic」と正式に社名を変更したが、この提灯には「松下電器」と記されている。
国内外から訪れた年間3,000万人もの人がこの4文字を目にすることになる。外人には読めないかもしれないが、モノスゴイ宣伝効果だ。
その提灯、台風の時と三社祭りの時以外は基本的にたたまないことになっている。つまり、一年を通してお目にかかれない時はほとんどないということだ。
ところが、2013年に老朽化した提灯の架け替えが行われた。10年に1回のことだ。
あらかじめ提灯を作っておけばいいものを、ナゼか旧提灯を先に取りハズしてしまった。
その結果が下の写真。
かわいそうだぜ、観光客の人たち…はるばる遠くからやって来てコレだもん。こっちは笑って済むけどさ…。でもコレもかなり貴重な体験にはなったことは間違いない。

20v_tempoそして、ようやく本題。
陰陽座、久しぶりのMarshall Blogへの登場だ。

昨年9月、陰陽座は2枚のアルバムを同時にリリースした。
このCD不況のご時世、スゴイ快挙だと思う。偉業といってもいいかもしれない。
もちろん伊達や酔狂でこんなことをしているワケではない。
まずはバンドのとめどもない音楽制作への意欲がそうさせるのであろうが、それだけでは成り立たない。
CDが売れなければこんなことはできないのだ。
もちろん今を時めく大人気バンドの陰陽座のこと、大きなセールスが見込まれることは火を見るより明らかだ。
ナニが言いたいのかといえば、「CDが売れない」と小騒ぎしている昨今、お金を出すに値する内容の作品であればCDは売れる…っちゅうことなんじゃないの?というワケ。
陰陽座の曲をチマチマとダウンロードして聴いたってしかたない。
この4人が作る深遠な世界はアルバムで聴いて、ジャケットを手に入れてこそ価値が倍増するんじゃないの?
だ~か~ら、配信はツマランって言ってるんだよ!

コレが11枚目のアルバムとされる『風神界逅』。

21_fujin雷門では向かって右手でおっかね~顔しているのが風神さま。首に引っ掛けている袋に風が入ってる。

22そして、12枚目のアルバム『雷神創世』。

23_raizinコレが雷神さま。
瞬火さんの雷神の方がよっぽどコワイ?

30_2背中に12"ぐらいのタムを7個背負っている。NATAL製ではない。もちろんこのタムを叩いて雷を起こすのだが、スティックのごっついこと!

40皆さん、あまり雷門の裏をご覧にならないのではなかろうか?

60この提灯の裏側には「風雷神門」と書かれている。「雷門」の正式名称だ。
そして、陰陽座のニューアルバムの世界への入り口でもある?!

70昨年11月には『風神』を名乗ったツアーが敢行された。
そして、今回のツアーは『雷神(RISING)』と銘打ったもの。2月22日、「忍者の日」にして「ニャンコの日」の千秋楽にお邪魔した。

80オープニングはニューアルバムから「雷神」。

90黒猫

100v瞬火
200v

招鬼

120v狩姦

130v サポート・キーボードの阿部雅宏。

140vサポート・ドラムの土橋誠。

150v忘れちゃいけないのがコレコレ!

160ステージ上下にそびえたつ魔阿娑瑠壁。

165超満員のお客さんは…
300
ノッケから最高潮!

170それに応える陰陽座のテンションの高さったらない!

1802曲目はアルバムと同じ流れで「天獄の厳霊」。

190狩姦さんのソロがキマる!

M_img_0092 ところで瞬火さん。
110v

うれしいのはアンプがEDENなのだ!
WT-800と…

M_s41a0836Navigatorが2台!
EDENの鋭く、そして重々しい想像を絶する音ヌケのよい低音が陰陽座の音楽にベスト・マッチするのだ。
EDENはMarshall傘下のベース・アンプ・ブランドだ。

220ニュー・アルバム『雷神創世』の曲が続く…「夜歩き骨牡丹」。

230ヒラヒラとステージ上を舞い、そして鈴を鳴らすような声でメロディをなぞる黒猫さん。

240ひと時も目を離すことができない歌姫。

250v1. 「瀬を早み 岩にせかるる滝川の 割れても末に逢わんとぞ思う」 by 崇徳院
2. 「千早ぶる 神代もきかず龍田川 からくれなゐに 水くぐるとは」 by 在原業平朝臣
…コレが私がソラで詠める百人一種のすべて…恥ずかしいがコレしか知らん。しかも両方とも落語で覚えた!
4曲目はその「千早振る」。この曲もニュー・アルバムの収録作品だ。

260いきなりファースト・アルバムに戻って「百の鬼が夜を行く」。
「百鬼夜行」というヤツ。妖怪大行進ですな。「宇治拾遺物語」等色んな話しに出て来る「仏の功徳」を描くためのフックだ。

270v6枚目のアルバム『臥龍點睛』から「靂」。
ギター・リフを基調をしたハード・ロック曲。

280v相変わらず見事なギター・チームの完璧アンサンブル!

290v8曲目は「組曲『鬼子母神』~鬼拵ノ唄」。

310

満場のお客さんがあおぐ扇子の力で場内の空気がものすごい勢いで回転する!ってぐらいの一体感!

110 ま、鬼子母神といえば歌詞にあるように、人様の子供をさらっては食べちゃう女鬼を神様が懲らしめる的な話し…だったかな?
そんな内容とはかけ離れた楽しげな場内の雰囲気がまたよろし哉。

320vしかし、それにしても瞬火さんのクリエイティビティはスゴイ。
もうずいぶん前のことになるが、初めてお会いして、最初におっしゃった言葉が、「ベース・ボーカルの瞬火です」だった。
その瞬間、折り目の正しい人だな…と思った。そうした瞬火さんの「超ちゃんんとした感」に裏打ちされた作品の緻密さが陰陽座の大きな魅力の秘密だと思う。
「ま、とりあえずやってみようか?せーの!」みたいなところがまったく感じられないのだ。
そういう音楽が好きだ。

330v9曲目は「天狗笑い」。
一段とテクニックを増すギターの招鬼さんと狩姦さん。

340v弾くフレーズのひとつひとつが陰陽座の音楽の重要なパーツとなって組み込まれていく!

350v陰陽座の詳しい情報はコチラ⇒|||陰陽座公式庵頁|||

360つづく

(一部敬称略 2015年2月22日 TOKYO DOME CITY HALLにて撮影)

2015年3月27日 (金)

三文役者なわたし <後編>

昨日は私的なことをグダグダと書いてしまって失礼しました!でもホントにうれしかったんだも~ん。
今日はサラっといけます。
…ということで<後編>。

10_2休憩をはさんで着替えて登場したボーカルの花之木哲。
そもそも苗字がスゴイ。
哲さんにダマって勝手に調べさせて頂くと、「花之木」さんという名前は広島の安芸郡がオリジナルのようだ。茨城にもいらっしゃるようだが、超激レアなお名前で、今全国で10人程度しかいらっしゃらないらしい。
哲さんも広島のご出身だ。
コレが「花木」さんになると7,500人ぐらいにハネ上がる。恐るべし「之」!

20v_2ギターの大竹亨。

30v大竹さんは1962 Bluesbreakerだ。

40_2ベースは石井正夫。

50vそしてドラムはさとっちょ。

60v第二部にはゲストで元メンバーの片山一郎が登場。
片山さんは二回三文役者に参加している。どういうことかというと、一回辞めて時期を改めてまた加入したということ。
昨日さんざん書いた「私の三文役者」は大竹&片山のツインギター期を指す。
ステージ上手にストラトの大竹さん、下手にレス・ポールの片山さんというのが当時の三文役者のフォーメーションだった。

70v第二部のオープニングは「銀ラメ」。
FreeというのかAlbert Kingというのか、はたまたBooker T.というのか、「The Hunter」に似たリフを持つこの曲は、いかにも三文役者っぽい作品だ。
コレもミュージカルのための曲。

50_2「♪チョット踊りに行きましょう」の繰り返しとサビのメロディが何とも魅力的だ。
ところがこの曲、演奏経験者が押しなべて口にするのは「構成がムズカシイ!」ということ。Aメロ、Bメロが不規則に繰り返されて演奏しているうちにワケがわからなくなってしまうのだ。

80_2片山さんはボトルネックでプレイ。現役時代には見られなかったアレンジだ。
片山さんのギターには憧れた。
ピッキングが完璧で、三文役者に非常にクールなギター・アレンジを持ち込んだ。当時ハード・ロック狂いだった私は、片山さんが作った「悪魔の誘い」という曲がすごく好きだった。
片山さんの家にも遊びに行ったこともあったし、彼がウチに泊まったこともあったっけ。

そして、彼は卓球の達人で現役選手。今でも大きな大会に出場している。
一度ご一緒させてもらったことがあった。もちろん私が相手じゃ面白くもなんともないってんで、「チョット、テーブルの端にラケットを立ててごらん」と言われてその通りにすると、私の持つラケットめがけてボールを打ち放し、延々とひとりでラリーを続けていた。アレにはブッたまげた!

85v続けて「サド書簡」。
この「サド」とはあの「サド」のこと。
最近、女性も含めて平気で「S」だの「M」だのという言葉を口にしている機会を見かけるが、非常に恥ずかしいと思うね。日本人の公衆的道徳感が世界と大きく離れていることを実感する。
私は仕事柄海外人と付き合う機会が多いが、「S」だの「M」だのと口にする人は皆無だよ。
ちなみに日本でいう「SM」は英語では「S&M」という。Frank Zappaの「Bobby Brown」という曲に出て来る。

さて、この曲の主人公、マルキ・ド・サドは18世紀のフランスの貴族であり、『悪徳の栄え』で有名な小説家だ。もちろん小説の内容はご想像の通りポルノチックで快楽的。
サドは虐待と放蕩の廉でバスティーユほかの刑務所に長期間にわたって投獄される。サドの作品はほとんどは獄中で書かれたという。
そのサドが獄中で書いた手紙、すなわち「サド書簡」を小説家/フランス文学者の澁澤龍彦が日本語に翻訳し、メロディをつけたのがこの曲だ。

90_2ツインリードによるEmのペンタトニック・フレーズでこの曲は始まる。

100v_2

110vこれもミュージカルのための作品で、それだけにシアトリカルに曲は展開する。大竹さんに借りたテープで初めてこの曲を聴いた時の衝撃はかなり大きかった。日本のロックってスゴイ!と思った。
すなわち歌詞の魅力である。
ある意味では、わたしにとっては最も三文役者らしい曲かもしれない。

120v切なくももの悲しい歌詞とメロディ。
「何たる人生だ!何たる殉教者だ!」…中間部の哲さんのセリフにはかなりグッときた!

130_3コレもいつでも弾けるし、一生忘れられない曲だ。

140名曲「北斗星」。

150哲さんは若い頃、勘当同然に家を出て、それ以来北斗星を道しるべにして頑張ってきたという。それを言葉にしたくて作ったという曲。
そういえば、曲の由来や自分がたどって来た道など、MCでずいぶん話していた。現役時代にはなかったことだ。
哲さんは私大の法学部の最高峰を中退していて、私が高校生の時、どうして法学部に進んだのかを訊いたことがあった。
弁護士になりたいと答えていた。これから変な犯罪がドンドン増えていくだろうから弁護士の出番が多くなるというのをその理由としていた。
哲さんが弁護士ならさぞかし心強いだろうな…。

160v片山さん、泣きのソロ!
160_2
この曲を歌う時にはいつも並々ならぬ感情を注入していた。
哲さんの中でも思い入れの大きい曲なのだ。

170v_2ここでまた4人体制にもどる。
上着を取ってさらにエキサイトする哲さん。

180v10曲目は「Hello Dear Friend」。

190_2さらに「Home Again」。

200vこの辺りは『Live On』というCDに収録されている曲。
時代がCDに突入したのだ。

210_2「Home Again」では哲さんもギターを披露。
私はなじみがないのだが、この辺の曲もいいナァ。シンプルにして深い!そして楽しい!

215哲さんのギターって音数が少なくて実にいい味を出すんだよね。
よく私に「キース・リチャーズみたいに弾いてくれ」って言ってたけどできなかったナァ。
ストーンズ苦手だからね。今でも聴いていないし、まったくできん。

当時は今みたいに「打ち込み」なんてものはなくて、作曲者が簡単にデモ・テープを作るなんてことはできなかった。
どういう風に新しい曲を作っていたかというと、哲さんがコードをストラミングしながら、フガフガと頭にあるメロディを口ずさむ。私が知っている限り歌詞は後からだった。
その哲さんの弾き語りにめいめいが音を足して行き、なんとなく形になってくる頃、そこに哲さんが素晴らしい言葉を乗せて曲に命を吹き込む…こんな感じだった。

217ショウもいよいよ後半に入り全員がヒートアップ!

220v派手なアクションこそないが着実にバンドをウネらせる正夫さんのベースがカッコいい!

230v_2昨日紹介したシングル「怒雨降り(どしゃぶり)」。

250_2コレも哲さんのお気に入り。
歌詞だけ読むと演歌だが、ゴッキゲンなロックンロール・ナンバー。
240
ア~ア~、一番前に座っていた女子もステージに引っ張り上げちゃった!

260_2続けて「回転木馬」。コレもミュージカルのための曲だ。

270v_2この曲もすごく好きで、高校の時、歌詞を書いた紙を屋根裏のお客さんに渡して「みんなで歌いましょう!」なんてやったこともあった。私も若かった!誰ひとり歌わなかった。

280v_2真ん中のギターのピックアップがカッコいいんだ!
今、急に思い出した!
昨日のゲームセンターのアルバイトの後、大竹さんは古巣の新宿の喫茶店の仕事に戻ったんだけど、私はその喫茶店でアルバイトをさせてもらった。ココでもお世話になった。
ひと夏で貯めたお金を全額つぎ込んでギターを買った。その時も大竹さんに付いて行ってもらったんだっけ…。
その当時、ウルリッヒ・ロートがすごく好きだったので、メイプル指板の国産の白いストラト・モデルが欲しかったのだが、当時、白いストラトにはローズ指板のネックが組み込まれているのが普通だった。
店員さんは「真っ白でカッコ悪いよ」というアドバイスをくれたが、断ってカスタムオーダーした。
1弦が切れやすいのが難点だったが、気に入ってずいぶん使った。フレットも猛烈にスリ減ってしまい弾けなくなってしまったので手放した。今も、その店が残っていれば、白馬のディスコの壁面に飾られているはすだ。
不思議なのは、その楽器店での様子はおぼろげなのだが、大竹さんとふたりで帰り道に乗った山手線の車内の光景をものすごくクリアに覚えているのだ。ゼンゼン普通の光景なんだけどね。こういうことってない?
ゴメンナサイ。それだけの話し。イヤ、なつかしいな…と思ってサ。

290vこの「回転木馬」はアップテンポでちょっと物悲しいメロディを持っている曲なんだけど、昔からステージの最後の方に演るのが定番だった。
320
前半とか中盤で演ったという記憶がない…それぐらいクライマックスにマッチする曲なのよ!
「♪スーパースターを背中に乗せて 夜の銀河に駆け上がれ」という歌詞がステキ。

295リズム隊も猛然とドライブ!

300_2さとっちょのドラミングも最高潮に達する!

310本編最後は「Goodbye my Town」という曲。

330_2そして、エンディング!
本編14曲。命を削ったかのような魂の熱演の連続だった!

350アンコールは「ヤケ酒ロックンロール」。
哲さんは、3コードで即興的な曲を時折作った。大抵はすぐに消え去ったが、この曲は案外長命を得た。
「ヤケ酒ロックンロール」…哲さんらしい。
18、19の時、池袋の極安飲み屋で初めてホッピーを飲んだ時も哲さんたちと一緒だった。イッパイ百数十円だった。
そういえばあの頃、ミュージシャンはタバコを吸うのが当たり前で、み~んなハイライトだったな。アレ、なんでだったんだろう?
私はちょっとキツくて好きではなかった。あ、今はまったくダメね、タバコ。

370長年の恋女房!
『七人侍』でいえば哲さんが勘兵衛と菊千代の二役、大竹さんは加藤大介演じるところの七郎次だ。

380正夫さんは作戦参謀的な五郎兵衛。片山さんは剣の道一筋の久兵衛。さとっちょはムードメイカーの平八だ。
え、私?へへへ、私は木村功が演じたオマメの勝四郎だよ。私はこの人たちの前では永遠にオマメで満足だ。
こんな個性的な連中だったからおもしろかったんだよね。
しかし、三文役者を辞めた後、友達に売ったあの1959、どこへ行ったかな?

390もっかい最後にジャ~ンプッ!!

400v始まる前、昔の曲を聴いたら号泣しちゃうんじゃないかと思っていた。でも案外大丈夫だった。
写真撮りながら「オエオエ」泣いてたらカッコ悪いじゃんか?助かった。
とにかくこの人たちのパワーがすごくて圧倒されまくり。懐かしくて涙ボロボロどころじゃなかった!

それとうれしかったのは哲さんがすごく元気で楽しそうに歌っていたこと。
もちろんとてもやさしくて思いやりのある人だけど、昔の哲さんはもっと音楽にガツガツした感じで、近寄っただけでヤケドをしそうなピリピリした雰囲気を持っていた。
当時は30を超えてビジネスにならないバンドをやっているなんてことは正気の沙汰ではなかった。「男子は30までに結婚すべし」という風潮があった時代だ。
哲さんもすごく焦っていたんだろう。
しかし、今回のステージはそういった「迷い」とか「焦り」とかいうものが一切ないように見えて、ものすごくハートフルな部分が露呈していたたと思う。
例えはよくないのかもしれないが、まるで覚えたての童謡を小さな子供が楽しそうに歌っているようなピュアな無邪気さを感じたのだ。
これこそがまさに<前編>に書いたように「時間の経過が与えてくれる感動」ではなかろうか?

それにつけてもやっぱり曲がいい。
三文役者の曲はブルースの形態はとっていないが、「ブルース」感に満ち溢れている。ブルーノートがどうの、とかコード進行がどうのとかいうのではなく、魂がブルースなんだな。日本人のブルースとでもいえばよいのか?
ロックの黄金時代を経験している年配の諸兄が若いロックを聴けない理由はここにあると観ている。若いバンドのサウンドにはこうしたブルース感が完全に欠落しているのだ。
これまた「時代」がそうさせるのであって、文句を言ってもはじまらない。
だから、ジジイはジジイが演るロックを聴けばいい。ジジイにはジジイしかできないこともたくさんあるのだから。
そのためにはもっと三文役者にガンバってもらわなきゃ!
360
昨日も案内した通り、4月18日、新宿URGAに出演するので是非三文役者を体験してもらいたい。

三文役者の詳しい情報はコチラ⇒三文役者オフィシャルサイト

【特報!!】
チョット、これはスゴイよ!
大人のフジロックかサマソニか、はたまた日本のHigh Voltageか?!
外道、頭脳警察、めんたんぴん、THE 卍、そして三文役者が一堂に会するスペシャル・コンサートが決定した。
おやじニンマリ。
6月28日、場所は新宿のスペースゼロ。
ここは2000年にJim Marshallを呼んで「マーシャル祭り」を開催した会場だ。
ん~、運命を感じるネェ~!

June
終演後、打ち上げで…。
「オマエはいくつになっても可愛いナァ~」って!親父にも言われたことない!

S_tetsu (一部敬称略 2015年2月21日 荻窪ルースターズ・ノースサイドにて撮影)

2015年3月26日 (木)

三文役者なわたし <前編>

まさかね~。
まさか、こんな日が来るとは思わなかったよ。
人間、生きていると本当に驚くべきことが起こる。そして、つくづく思い返したのは歳を取るのも決して悪いことばかりではないということだ。
「時間の経過が与えてくれる感動」とでも言おうか…歳を取っていくと若いうちには絶対に味わうことのできない大きな感動に遭遇できることがあるということがわかった。
長い間生きてる分、もちろん苦労も多いワケだが…。

ずっと以前はMarshall Blogに私的なことを書くのをなるべく控えてきたが、最近はそうでもなくて、私が若い頃に体験した音楽をはじめとしたあらゆるエンターテインメントについて触れて、忘れ去られようとしているよき時代を伝承しようと努めている。
決してジジイの自慢話しでも思い出話しではないつもりなのだ。

しかし、今日はタップリ公私混同させて頂いて、私的な思い出話しを書かせて頂きたい。タマにはいいでしょ?
いわゆる「カミング・アウト」ってヤツ?

私はゲームの類は一切やらないが、それでも高校1年ぐらいの時は夢中になったものである。
スペースインベーダーの登場だ。
あのブームは本当にスゴかった。ゲームセンターがそこら中にポコポコと現れ、どこも賑わいを見せていた。
その時住んでいた東京の東のはずれも例外ではなく、ごく普通の商店街にもゲームセンターがある日出現し、さっそく入ってみた。
それは何の飾りもないただの部屋にズラリとテーブル型のゲーム機が設置してあるだけのお店だった。例えて言うなら温泉場の射的場をさらに簡素にした感じか?
奥には長髪でヒゲをはやしたお兄さんが店番をしている。
フトその奥を見やると、ピックガードにヘビ革を貼った国産のストラトキャスター・モデルが壁に立てかけてある。
そのお兄さんはチョット怖い感じだったので勇気を出してこう訊いてみた…「お兄さん、ギターやってるんですか?」
するとお兄さんは実にやさしく、「やってるってほどじゃないんだ。あ、このギター?コレは僕の友達のギターだよ」と答えてくれた。
何でもその友達の方と住み込みでゲームセンターで働いているとのこと。その時はその友達がいなかったので、店番をしている日を教えてもらってインベーダーを1~2ゲーム楽しんでその場を離れた。

数日後、その友達がいるという日にゲームセンターに再び出向くと、店の奥には先日とは違う兄さんが座っていた。長髪で色白でチョー細身の人だった。何日も太陽の光に当たっていないのは明らかだった。
やはりストラトはその人の持ち物で、名前を大竹亨さんといい、私より4つほど年が上だった。
ナニを話したのか、後の細かいことは忘れてしまったが、とにかくすごく気が合ってたちまち仲良くして頂いた。正確には可愛がって頂いたということになろうか?

その頃の私は洋楽一辺倒で、学校で最もロックに詳しい一人である自信はあったが、国内のロックは全くと言っていいほど聴いていなかったので無知に等しい状態だった。
1978年頃、大竹さんはすでにプロとして渋谷屋根裏や新宿ロフトに出演していて、日本のロックについて色んなことを教えてくれた。

この真ん中の青い看板のお店がそのゲームセンターだった。
今はお好み焼き屋さんになっている。
10
時折Marshall Blogに書いているが、その当時は自分たちで音源を作って販売するなんて構想は無いに等しく、自分たちの音源を世に出すにはレコード会社に認められてレコードを出すしかなかった。
こんなことはホントに奇跡のような話で、ライブハウスに出演できるだけでもバンドにとってはひとつの大きな大きなステップだった時代だ。
今みたいにスターバックスよりライブハウスの方が多いのではないか?というような時代ではないからね。
加えて、ミュージシャンたちも洋楽の黄金期のエキスをタップリと吸収したロックの権化のような連中ばかりで、楽器の演奏技術は高くて当たり前。どれだけ人と違うことをやるかに心血を注いでいるオリジナリティあふれる連中ばかりだった。


話しは反れるが、そんな連中でも持っている機材といえば、極めて貧弱なもので、ギターは国産が普通で、MarshallやFenderやGibsonが当たり前のような今とは全然ワケが違った。
しかし、みんないい音を出していたよ。腕は一流、機材はなにせ全部アナログのホンマもんのロック機材だからね。
今でもいいMarshallの音を出している人に出くわすと思わず、「昔、屋根裏やロフトで聞いた音だ…」と形容してしまう。

そんなライブハウスに出ている人がこんな場末のゲームセンターにいることも信じがたいことであったが、4つ年上の大竹さんにはロックに関する色んなことをたくさん教えて頂いた。

大竹さんがギターを弾いていたバンドは「三文役者」といった。
彼の影響で日本のロックに大きな魅力を発見した私は、三文役者のライブのテープを借りて聴き、いっぺんに好きになった。曲のよさがハンパじゃなかったのだ!

「それなら今度の屋根裏に遊びにおいでよ」と大竹さんはライブに誘ってくれたのだが、当時はライブハウスに行く高校1年生などは周囲にまったくおらず、親に相談して許可を得て渋谷に行った記憶がある。親は当然心配していた。
行ってみると、さほど大きくないスペースにホールと同じような大音響で演奏する様に腰を抜かしたが、とても楽しかった。
当時三文役者は屋根裏と新宿のロフトに月替わりで出演している感じで、すっかり魅せられた私は毎月そのどちらかに友達を連れて遊びに行くようになった。
そうこうしているうちに「ボウヤ」として三文役者のライブに出入りさせてもらえるようになった。
何せ金のない高校生の時分だったのでうれしかった。
イヤ、何よりも好きなバンドのメンバーの傍にいられて、ギターのチューニングをしたり、弦を張り替えたり…こんなことが最高にうれしく楽しかった。
自分が高校の友達と組んでいたバンドも完全に三文役者のコピーバンドになってしまった。当時のレパートリーなら今でも弾ける。

この人が大竹亨さん。
20v
その後、ほどなくして大竹さんはゲームセンターのアルバイトを辞め引っ越してしまったが、付き合いは当然続いた。
コレは引っ越す前に記念に…とお願いして作ってもらったサイン入り色紙…のようなもの。
大竹さんは手先が大変に器用でこの程度のステンシルはいつも簡単に作ることができるのだ。
しかし…「女学生」だって…死語だな。
50
この色紙と一緒にこんなのが出てきた。下敷き。今下敷きなんて持っている子なんているのかな?
時代を表すアイテムとして本文とは関係ないが掲載しておこう。
こういう時代だ。若いってはヤッパリいいな。野村さんワッケ~!
60
ある時、スゴイことが起こった。
大竹さんではない方のギターの人が高熱を出して屋根裏に出れそうもないので、私に代演してくれというのである。コピーバンドやっていたので全曲弾けたからね。
コレはうれしかったナァ。
高校生の分際で当時のライブハウスに出ることなど、昨日デビューしたバンドがいきなり武道館に出るようなものだ(←今なら十分あり得るか?…)。
この話しをもらって、家に帰った時、寝ていた両親を叩き起こして報告したことを覚えている。
結局、そのギターの人は無理を押して出演されたので、私の出番は2曲となったが、あの感動は一生忘れんよ。
今を時めく国民的バンドがまだ屋根裏の昼の部に出てた頃の話しだからね。
このロフトの創設者、平野悠さんの著書『ライブハウス「ロフト」青春期(講談社刊)』にも、スケジュールのページにRCサクセションやカシオペアやシーナ&ロケッツと並んで「三文役者」の名前が出ている。

S_img_0029 その後、私は大学に入り大竹さんの友人が手放すというMarshallを手に入れた。JMPの1959と1960AXだった。
コレがおっそろしく音がデカくて、とうとう歪んだところを聞いたことがないうちに手放した。
私は国産のストラトとOD-1、CE-1、それにSpace Echoをつないで1959を使うのが好きだった。
そして、時を同じくして、大竹さんではない方のギターの方が三文役者をお辞めになるのを受け、バンド参加の誘いを頂戴した。
これも当然うれしかった。まだ18の時だ。私はプロのギタリストになりたかったのだ!

当時メンバーの入れ替えを機に「三文役者」もボーカルの哲さんをフィーチュアしたバンド名に変えようということになり、一時期「哲&ATOMS」と名乗っていた。口にすればわかる通り、「鉄腕アトム」に聞こえるというのが由来。
しばらくしてまた「三文役者」に戻ったが、私は18~19歳の2年間お世話になった。
その間、毎月屋根裏かロフトに出演し、吉祥寺に新しいライブハウスが出来たというのでシルバー・エレファントにも何回か出たかな?埼玉大学や慶応大学医学部の学祭に出てビートたけしの前座をやったこともあった。
二度ほど関西方面へツアーにも出かけた。名古屋のElectric Lady Land(もちろん昔の方ね)、京都のフレンチマーケットや磔磔、大阪の寺田町にあったスタジオあひる、千日前にあった夢屋などに出演した。
当時はインターネットなど当然なく、宣伝することすらままならないので、見知らぬ土地で集客なんかできるワケがない。動員は予想通り苦しい展開となったが、個人的には「ツアーする」ということが実にカッコよく思えてウキウキだった。
京都で肩をハチに刺されてストラップが付けられなくなったり、大阪では大好きななぞなぞ商会と対バンしたり、ELLや磔磔のような名門のライブハウスのステージに上がれたり、と思い出に尽きない楽旅となった。

その後、徐々にロック熱が冷めてきたり、自分の才能のなさを思い知ったり…と将来への不安も大きくなり、学校へ戻る決心をして、無理を承知でバンドを退団させて頂いた。
時代はパンク/ニューウェーヴのムーブメントを経て80年代に入っていて、ロックは急速にポップ化の道をたどり、大衆におもねる姿勢を示したことに幻滅を感じたことも大きな理由だった。
以降私の音楽の嗜好の中心はジャズに移行した。

後悔はまったくない。
こうして縁の下の力持ちとしてミュージシャンをサポートしたり、写真を撮ったり、文章を書いたりして、文句を言いながら側面的に音楽の魅力を伝える方が性に合っている。
だいたいね、ミュージシャンになる第一の条件は…食べ物に好き嫌いが全くなく、どこでもすぐに平気で寝ることができて、世間のことには少し鈍感なぐらいでなければとても持たん!私には音楽的才能の欠落の前にそうした難関もあったのだ。
そして、バンドを辞めた後は、学業に専念し(コレはウソ。とにかく大学を卒業しただけ)、ジャズのビッグバンドでギターを弾いた。
その関係でバンドを辞めた後もブラスのアレンジをして、ビッグバンドの管楽器の連中と一緒に新宿ロフトに出させてもらったことが一回あった。あれも楽しかった。
その後、就職して地方に赴任してしまったため完全に大竹さんとも哲さんとも疎遠になってしまった。

こんな青春を過ごしてきて、振り返ってみるに、今の斯界の音楽の状況があまりにもイビツな恰好をしていることに驚きを感じ得ない。
それに同感する諸兄も多いのではなかろうか?
最近、この三文役者が活躍していた時代のご同輩たちが集まり、次々と音楽活動を再開している傾向がある。
ドンドンやるがいい。大人が聴けるロックを演るのだ!
ロックは若者のモノであると同時に元来大人のものだったのだから!大人のロックはもうジジイが演るしかない!
そんなムーブメントが感じられる中、とうとうやらかしてしまったのだ。
いい大人が最後の悪あがきを見せてくれるというのだ。
三文役者の復活である。

そこで、Marshall Blogはその三文役者のワンマン・ライブを公私混同で2本立てでお送りするワケだが、その前に少しだけこのバンドの説明をしておきたいと思う。

三文役者はPANTAさんの芝居の仲間であった花之木哲という人のバンドだ。
哲さんが曲を作り、歌っている。
優れた作詞家でもある哲さんは、PANTAさんの『PANTAX'S WORLD』の中の「三文役者」と「EXCUSE YOU」という曲の詩を提供している。
もちろん、この「三文役者」という曲がバンド名にスライドしていることは言うまでもない。ちなみにこのレコーディングではCharさんがギターを弾いている。
大分前にこのことをCharさんに言ったら「オマエ、何でそんなの知ってんだ!」と笑っていらした。さすがCharさん、日本人離れした分厚いギターがカッコいい。

30さらに『走れ熱いなら』では「ガラスの都会」、「あやつり人形」、「走れ熱いなら」、「追憶のスーパースター」等の詩を提供。
「三文役者」、「ガラスの都会」、「あやつり人形」、「走れ熱いなら」あたりは私もよく演奏させてもらった。
そんな関係で、一度新宿ロフトの時にPANTAさんが飛び入りで出演してくれたことがあって、ファンだった私は興奮しまくった。
「Cadillac」というブルースだった。The Kinksの「Cadillac」ではない。
ちなみにこのジャケット写真、双方鋤田正義さんの撮影。この後の『マラッカ』も『1980X』もそう。PANTAさんの写真はいつも鋤田さんだ。

40そしてコレは三文役者の12"シングル。LPサイズ、45回転の4曲入り。当時はまだ珍しかった自主制作盤だ。
新宿ロフトの昼間を借り切って録音機材を持ち込み一発録音した。
コレが思い出せない…。高校生だった私は一部始終を見ているのだが、日曜日だったのかな?昼間に録音したことは間違いない。それとも平日で学校を休んで行ったのかな?
…と思ってインターネットで調べてみたら、案の定日曜日だった。

「三文役者」、「北斗星」、「サド書簡」、そして当時新曲だった「東京デストロイシティ」の4曲が収められている。

80その中から出てきたのがこの「ロッキンf」誌1980年5月号の記事のコピーを使った宣材物。このレコードについて書かれている。
どれどれ…
「彼らには3原則がある…
1. ファンには絶対に手を出すな。破れば即クビである。
2. ステージの前及びステージ上での禁酒禁煙。
3. 時間厳守。
ま、そういうバンドだった。

70

そしてこれは名曲「怒雨降り」と「風」を収録した10"シングル。
これは目黒のスタジオで録ったような…。これも私が高校の時。
夜中の録音で、終了後、大竹さんの家に泊めてもらってそこから直接学校へ行った。
この後にも音源を制作しているが、ここでは自分に特にかかわりの深い作品を紹介した。我がセイシュンなのだ!

90そんな思い出がたくさん詰まった三文役者。
とうとう我々の前に再び姿を現したのだ!

…といってもコレが初めてではなくてPANTAさんといっしょに昨年の暮れにも舞台に上がっていたのだが、私はインフルエンザで行けなかったのよ。
これまただいぶ前の話しだが、頭脳警察のトシさんが「哲がまた三文やるって言ってたよ」とおっしゃっていた。
その時から、ずいぶん時間が経ってしまって、はたしてコレがそうなのかはわからないが、とにかく哲さんが帰ってきたのだ!
120
この人が花之木哲。
実は私の結婚式にもご参列頂いている!
100v
ベースは石井正夫。
130_2正夫さんは三文役者のオリジナルメンバーというより創設者のひとり。
元頭脳警察のメンバーで日本のロック史に残る必殺的超スーパーウルトラ名盤『悪たれ小僧』のレコーディング・メンバーでもある。
アタシャ、このアルバム、高校の時に大竹さんから教わって聴いて好きでネェ。今でも聴いてる。
そのレコーディングメンバーの正夫さんと一緒に演奏できるってんでものすごくうれしかった。
ちなみにこの日、同じくレコーディング・メンバーの勝呂和夫さんも会場にいらしていて正夫さんにご紹介頂いた。
すごく腰の低い方で、この方があの狂気の「戦慄のプレリュード」や「真夜中のマリア」なんかを弾かれていたとはチョット信じがたかったが、とにかくうれしかった~!

140cdドラムはさとっちょ。
さとっちょは元是夢(ゼム)というバンドのメンバー。
このバンド名に聞き覚えのある方もいらっしゃるだろう。昔、某楽器メーカーの広告に出ていたバンドだ。
「俺たち浦和のツェッペリンじゃなく、世界の是夢になりたいんだ」
これが広告のキャッチ・コピーだった。
是夢というバンドも凝った曲作りが魅力的ですごくいいバンドだった。

150vそして大竹亨。いわゆる「ちぇり~」。
ヘタすると私をこの世界に引きずり込んだ犯人。
コレがまた不思議で、何でまた大竹さんと再会したかというと、SHOW-YAのsun-goさんのおかげだったのよ!
最後に会ったのは22歳ぐらいの時だから30年ぶりの再会だ。ゼンゼン変わっていない!
ステージ・ネームは「ちぇり~」ということになっているけど、私はいまだに「大竹さん」と呼んでいる。
だって子供の時に知り合った大竹さんは、私にとっては永久に「大竹さん」なんだもん。今更とても恥かしくて「ちぇり~」とは呼べん!

110

G→D→B…何回弾いたことか…。オープニングは当然「三文役者」!

160「♪待ち続ける朝の光…歌い続ける人の愛…演じ続ける三文オペラ」…一生忘れないわ。

170v大竹さん、昔はMUSIC MANのコンボを使っていたんだけど…

180今日は1962 Bluesbreaker。

190ああ~、哲さんの声だ!
ナンカ30年前よりパワーが増してる感じ!

2002曲目は「あやつり人形」。
PANTAさんはコレをレゲエで演ったが、三文役者はストレートな8ビートでヘヴィに聴かせる。

210また正夫さんのベースが堅実かつ剛健でいいんだ~。ベースらいしいベース。低音以外は何もいらない!って感じ。
昔はね、1992SUPER BASSを使ってたんだよ。ステージの上で私の1959と並べていたんだ。

230v「♪あやつり人形さ、人間なんて…」
しっかしいい曲だナァ。
300
さとっちょのヘヴィなビートがバッチリとマッチする。是夢のころからカッコいいドラムだな~って思ってた。

250ここでビックリするMCが…。
次の曲は「聖羅」というロッカバラード。昔からある曲で、ずっとバンド・アレンジで演奏してきたが、『主役だけじゃつまらない』というアルバムの中で哲さんはピアノをバックに録音した。
今回のコンサートではそれを再現すべく、ピアノを弾いた「タコ」こと高島田裕之というキーボード・プレイヤーを呼ぼうとしたが、それはかなわなかった。
私も最後期に一緒に演奏させてもらっていたので、久しぶりに会いたかったが、この哲さんのMCでもう二度とお会いできないことを知った。
このコンサートの数日前に亡くなったというのである。
タコさんは底抜けに明るい人で、腕も確か。後にマキさんのバンドでも活躍したと聞いた。
この場をお借りしてご冥福をお祈り申し上げます。

260この「聖羅」という曲は昔「おまえ」というタイトルだったのかな?

240v

古式ゆかしいロッカバラードの典型のような曲。そう、ロックのバラードはコレでいい。
情感豊かに絞り出すように熱唱する哲さんの姿が印象的だ。
310v
第一部最後。
「今日は特別よ!」と私に言っていた哲さんが最後に選んだのは「コルト63」。
270v
うれしいわ~。
哲さんが自作ミュージカルのために作った曲のひとつ。
この楽しく、ハードな曲が大好きだった。

290元々この曲のタイトルは「コルト●●」の●●にその時の年を入れることになっていた。
一番古いところで記憶に残っているのは「コルト'77」ぐらいかナァ。つまり40年以上前の曲ということだ。
今年は1963年でも2063年でもない。
「63」とは哲さんの齢というワケだ。若い!
ホント、身体を悪くされたと聞いていたが何のことはない、昔よりよっぽどパワー・アップしているし、声もよく出ている。何よりも歌がうまくなった!(失敬!)
昔から根性とエネルギーが服を着ているような人だった。

330その鉄人を支える鉄壁のバンド陣!

340シンプルにしてタイト。

350vハードにしてロマンチック!ああ、やっぱりいいナァ、三文役者!
320v
…と、コレだけ読んだらMarshall Blogをご愛読頂いている方は三文役者を見たくなったでしょう?
4月18日、新宿URGAに出演するので是非この日本のロックの生きる化石のようなバンドを体験してもらいたい。

三文役者の詳しい情報はコチラ⇒三文役者オフィシャルサイト

360v【特報!!】
チョット、これはスゴイよ!
大人のフジロックかサマソニか、はたまたHigh Voltageか?!
外道、頭脳警察、めんたんぴん、THE 卍、そして三文役者が一堂に会するスペシャル・コンサートが決定した。
おやじニンマリ。
6月28日、場所は新宿のスペースゼロ。
ここは2000年にJim Marshallを呼んで「マーシャル祭り」を開催した会場だ。
ん~、運命を感じるネェ~!

June あ~、今日はタップリ書いた!
<後編>はもっとサッパリいきます!

(一部敬称略 2015年2月21日 荻窪ルースターズ・ノースサイドにて撮影)

2015年3月25日 (水)

D_Drive in 平成26年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業

久しぶりにお邪魔したのは五反田のゆうぽうとホール。
2011年のCLASSIC ROCK JAM以来。

10その昔はPat Methenyを観に来たナァ。プログラムを見ると…1983年だって。
私だってMetheny好きですから、ハイ。
1983年といえば『Offramp』の後ぐらい。このアルバム、邦題が『愛のカフェ・オーレ』とかいっていたっけ。
ナンノコッチャ?! 「Off-ramp」とは高速道路なんかの出口車線のことだ。
Metheyの作品の中でも最も好きな部類に入るな…。
何年か前にPat Methenyのソング・ブックってのが出たでしょう?分厚いヤツ。出版社のHal Leonardの友達に聞いたんだけど。Metheyは365日猛烈に忙しいので内容をチェックしている時間がまったくない。かと言って他人に任せたくない…ということで、「2日だか3日だか時間をくれ」…と言って出版社の一部屋にこもって全楽譜を自分でチェックしたそうだ。
その間、トイレ以外は部屋から出て来なかったとか。恐るべき集中力の持ち主らしい。
Marshall BlogではPat Methenyを扱う機会がないのでココで強引に持ち出して来てみた。
今日の記事はMethenyとはまったく関係ない。

15会場前からたくさんの人!正直、平均年齢高し。

20会場ロビーには寺内タケシさんのシグネチャー・ギターの展示。

40今日レポートするコンサートは文化庁と寺内さんの事務所が主催している。主旨はエレクトリック・ギターを通じて新進芸術家の育成を促進するというもので、『ELEKI GUITAR CONVENTION 2014』というタイトルが冠されている。
この「エレキ」というのがいい。
私も数行上に「エレクトリック・ギター」と記したが、「エレキギター」や「電気ギター」を一体いつから「エレクトリック・ギター」と呼ぶようになったのだろう?
私が若い頃は間違いなく「エレキギター」だった。
「正しい英語を使おう!」的なことを喧伝しているMarshall Blogだが、「エレキギター」という言葉はそのままでもいいと思う。
ナゼなら、完全に日本語になっていたから。
加えて、この「エレキギター」がクリエイトする「テケテケ文化」は日本独自のモノだと思っているのも理由のひとつ。
私はテケテケ・ブームの後の世代で、どとらかといえばあまり得意ではないが、そのブームに関しては大いにリスペクトしている。何しろ、当時のThe Venturesのレコードの売り上げはThe Beatlesの10倍もあったと言うのだから。
しかし、つくづく思うのは、エレキのカッコよさもさることながら、その素材となった曲のクォリティの高さだよね。
やはり今の音楽界は完全に名曲が枯渇していると思う。CMで70年代のロックがいまだに盛大に採用されているのは、かかる状況のひとつの明確な証拠であろう。
こうした企画を通じて新しい才能を発掘・育成することはとても大切なことだと思うのだ。

エレキギターアカデミー21の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

50開場と同時にほぼ満席。
今日のこの舞台に最初に立つのが…

60D_Drive!
Marshall Blog久しぶりの登場だ。

80_2 今日は持ち時間が短いゾ!ってんで気合を入れてシャッターを切る。

90Seiji

100vJCM2000 DSL100ECと1960A。アラアラ、フレットクロスが大分ヘタって来ちゃったナァ。

110vYuki

120vJCM2000 TSL100と1960A。

130vShimataro

140vEDEN WT-800とD410XST×2のフル・スタック。

150v…とフロントはMarshallファミリーでガッチリ固めて最高のエレキ・サウンドを出すのがD流!

160v

170v

180そして、そのフロント陣を遠慮なくグイグイとプッシュするのはChiiko!

155v オープニングは「Lost Block」。

190え、いきなりコレ?ってぐらいハードな曲。

200v客席の現場レポーターの言によれば、年配のお客さんはややビックラこいてたらしいが、コレでいいのだ。コレがD_Driveなのだ。
D_s41a0091

ヒョエ~、ベースの音がおっそろしくクリア!しまちゃんの細かいワザまですべてが耳元で鳴っているようだ!

220vピラピラと一糸乱れぬふたりのウルトラCにお客さんは二度ビックリ!

230大会場での演奏でSeijiさんもソロに気合を入れまくる!

240vキマった~!

250さぁ、早いものでいよいよ次は最後の曲!

260エ、省略してるんじゃないかって?
イエイエ、ホントなの。

270この日のD_Driveの持ち時間で演奏できる曲数は2曲なの。

280v2曲目はおなじみ、そして人気の「Cassis Orange」。

210

親しみやすくクールなメロディで、曲に合わせて頭を振ったり(ヘドバンではないよ)、身体を揺らすお客さんがたくさん!

290こうしたデカい会場でのD_Driveもいいもんだ。がんばれD_Drive!

320v…ということで、D_Driveの出番の後は、寺内さんが主宰する「エレキギターアカデミー」の受講生の選抜メンバーたちが登場して腕前を披露した他、西山毅さんのグループやクラシックの原善伸さんも登場した。もちろんヘッドライナーは「寺内タケシとブルージーンズ」だ。
個人的にうれしかったのは、ひっさしぶりに渡辺香津美さんにお会いできたこと。香津美さんはエレキギターのソロで「Milestones」や「Spain」をプレイした。
こうしてクラシック、ジャズ、メタル、エレキ等々、ギターを主役に据えた、実にバラエティに富んだ楽しいコンサートになった。
340v
さ~てさてさて、今週末は楽しみだよ~。
D_Driveとmintmintsとのダブルヘッドライナーのコンサートがあるからね。別名「Marshallまつりみたいな…」みたいな。
27日は下北沢のGARDEN、28日は厚木のThunder Snake。アタシは行きますよ。

それと、今年もYukiちゃんとChiikoちゃんが4月29日のSHOW-YAの『NAONのYAON』に出演することが決定しているからね。コレも楽しみ!

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

70
チョット2曲じゃあまりにも寂しいのでSeijiさんには秘密でパパラッチ画像をお届けしちゃうぞ!
リハの様子ね。

350逆リハで、押しちゃったもんだからD_Driveのリハの時間が思い切り短くなっちゃった!

360vでも、少しも慌てない4人。

370vさすが百戦錬磨のライブのプロだね。

380こんなことには慣れっこ…という一幕なのであった!アッパレD_Drive!

390vそれと…この日のヘッドライナー、ブルージーンズのベーシスト、杉田孝弘さんもEDENプレイヤーであることを申し添えておく。

160vs しまちゃんと同じWT-800を愛用している。
EDENプレイヤー…着実に増えてるよ~!

400(一部敬称略 2015年2月21日 五反田ゆうぽーとホールにて撮影)

 

2015年3月20日 (金)

BLIND BIRD~New Year, New Era Blind Bird Tour 2015 Final

絶好調のBLIND BIRD。

10昨年サード・アルバムをリリース。その力作、『仮想粒子』を引っ提げて今年念頭からスタートしたツアーが2月上旬に終了した。
今日のレポートはその千秋楽のもようだ。

20cd桐嶋直志

30v_2Yu-ya

40v河野充生

50v山口'PON'昌人

60vオープニングは『仮想粒子』のリード・チューン、「hi-lite」。

70vノッケからのハイライト・シーンで切れ味鋭いYu-yaのギターが炸裂する。

80vもちろんMarshall。
長年Vintage Modern2466を愛用してきたが、最近はオリジナルのJCM800 2203にハマっている。

90v同じくニュー・アルバムから「初触」。
「僕のいた場所」、「再生」と続け、孤高のロック・ヴォイスを会場に響かせる直志さん。

110曲を大切にしたクールな計算のもと、音列を編み上げるYu-yaくん。このバンドでのYu-yaくんのプレイには「引き算の美学」を感じる。

120v歌うようなラインでバンド・サウンドをキッチリと締め上げるのが河野さんのベース。
モノスゴイ存在感!

130vこの疾走感はいつ来ても爽快そのもの!

140v説明不要のPonnishドラミング!
アンコールでひと波乱あろうとはこの時誰が想像しただろうか?!

150「Sunny Rain」、「Pride on the Street」、「Wonderful World」、「領域」、「星座」…と、『仮想粒子』収録曲で中盤をガッチリと固める。

160v『仮想粒子』好きの私としては実にうれしい展開!
こうした迫力のライブ・パフォーマンスももちろん素敵だが、このアルバムの曲は緻密に作り込まれたCDでも味わってもらいたいものだ。2度おいしいこと請け合い!

170ソロ・コーナーも充実。

180Yu-yaくんのギター・ソロ…

190v河野さんのベース・ソロ。
こういったコーナーは器楽演奏能力の高いバンドのコンサートの大きな楽しみのひとつだ。

200「バラバラ」、「帽子の影」、「Earth Below」…

210…新旧の曲を巧みに織り交ぜる構成もウマい!

230v本編最終コーナーの入り、「凡才」、「Blind Bird」を披露。

220

歌に、ギターに、おしゃべりに、とエンターテイナーぶりを存分に発揮する直志さん!

240セカンド・アルバムから「桜一片」で全15曲で組み立てた本編の幕を下ろした。

260vアンコールでは異変が!
Pon'sなるバンドが登場してひと暴れ!

270ボーカルの山口'PON'昌人。

275vギターの河野充生。

280vベースはYu-ya。

290そしてドラムは桐嶋直志!

300vなかなかの安定感で「BAD FLOWER」をプレイ。会場が湧き上がったのは言うまでもない!
しかし、ドラマーって歌のウマい人が多いナ…そうる透、工藤哲也、丹菊正和…Carmine Appice、Roger Taylorもか…。

310その他アンコールでは定番の「デタラメデモラヴ」と「Still」を演奏して、この日のエキサイティングなショウ、そしてツアーの最後を締めくくった。

320vBLIND BIRDの詳しい情報はコチラ⇒BLIND BIRD Official Web Site

100

(一部敬称略 2015年2月15日 渋谷CHRSEA HOTELにて撮影)

2015年3月19日 (木)

諸藤英太郎 Plays NATAL in Coffee Dance6〜光陰矢の如し〜

私は生まれも育ちも東京なんだけど、完全に東京の「東」の人間なんだな。ロンドン式に言えば、「イースト・エンド」出身。
呉羽山を境に、地区を呉東/呉西と呼び分ける富山あたりと違って、どこからが東京の「東」で、どこからが「西」になるのかはわからないが、中野から先はいまだにすごく西の向こうというイメージがある。
ところで、「城西」とか「城南」なんていう東京23区を地域分けしているかのような呼び名をホンノ時々耳にするが、アレはなんだろう?「信用金庫」用語なのかしらん?

そんなだから、下北沢あたりも私にとっては最近までかなり未開の地の部類に属していた。
否、今でもそうかな…?
基本的に仲良しのミュージシャンがどこかのライブハウスに出る時以外には「絶対」と言っていいほど下北沢に赴く機会はないもんな。
考えてみりゃ下北沢だけでなく、正直、コンサート会場やライブハウスのない街にはほとんど行かないと言った方が早いか…?完全に仕事のエリアの中だけで生活していることになる。誰でもそうか?
で、下北沢は「演劇の街」ということで、小さな劇場がたくさんあることはもちろん予てより知っていた。
犬神サアカス團が参加している『TOKYO BAKA EXPO 2014』を開催している小劇場「楽園」なんてのも初めてお邪魔した時にはその雰囲気に度肝を抜かれた。「こういうところがあるのか…」…と。
しかし、そうしたスペースで毎晩命を削るようにして繰り広げられる演技や演奏は押しなべていいものが多い。「ウエスト・エンド」というより「オフ・オフ・ブロードウェイ」っていう感じかな?
そうした街にピッタリの出し物を観に行ってきた。
『Coffee Dance6~光陰矢の如し~』という音楽と踊りのショウ。

10v場所はアレイホールというマンションの一室を利用したような感じのスペース。お世辞にも広いとは言えないが、立錐の余地が全くないほどの満員で、熱気ムンムン!
下の写真の3人が奏でる音楽に合わせて歌やら踊りやらが飛び出してくる。

20ミュージシャン&俳優の諸藤佳子。楽器はピアノとアコーディオンを担当。
佳子さんと後出の舞踏家の田村裕子が中心となって2002年からシリーズで上演されている。

30マリンバとパーカッションのりへい。

40ドラムは諸藤英太郎。

50vドラム・キットは愛用のNATALのアッシュ。

60色々な現場で活躍する英太郎さんだが、いつでもどこでもNATALを愛用してくれているのがうれしい。

70長いキャリアと楽器に関する豊富な知識が英太郎さんにNATALを選ばせた。もはや英太郎さんの身体の一部だ。

803人の腕利きの楽団員を背景にたくさんの芸達者が登場。

90このショウの狂言回し的な存在、松尾マリヲ。
ショウ自体にはストーリー性はなく、歌と踊りのバラエティ・ショウといった趣。

100幾種類にも及ぶ衣装を身にまとったダンサーが入れ替わり登場してキレのよい踊りを披露する。
ダンサーは先の田中さんの他に、藤田さくら、小沼葉子、荒木祥知の面々。

110

120こんな仕掛けも登場。

130りへいさんがジャンベに持ち替える。

140踊りは田村裕子さん。先述のこの企画の中心人物だ。英太郎さんとのイキもバッチリ!

150ジャズのシーケンスも登場する。

160「Cheek to Cheek」他で独唱するは、えがわたかこ。

170vドラムから離れて英太郎さんが演技をする場面も!

180v

1904本マレットでテクニカルなプレイを展開するりへいさん。
マリンバの音っていいよね~…大好き。
この楽器をごく自然に、そして破天荒にカッコよくインストゥルメンタリゼーションしたFrank Zappaはやっぱりエライ!

200演奏と同時に表現豊かな芝居をしているかのような佳子さん。

210vそして、緩急自在なスティックさばきを見せてくれた英太郎さん。
ベースがいないのが残念!次回はゼヒ。

220決して凝った照明設備ではないが効果は満点!

230vでも写真は撮りにくい!

240vこんな林家正楽のようなアトラクションも飛び出した。

250そして感動のフィナーレ。

260踊りに…

280歌に…

270
…と楽しく充実した内容のショウだった。
下北沢恐るべし!

290フィニッシュ!

300v詳しい情報はコチラ⇒クロカミュズ公式ウェブサイト

310NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)

NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2015年2月7日 下北沢アレイホールにて撮影)

2015年3月16日 (月)

JOHNNY A. Live in Japan

コレは珍しい。
私も長年この仕事をしているけど、初めて見る光景だ。

10ナニがかと言うと、ステージに1962 Blueasbreakerが3台も並んでいる!
まるで1965年にタイムスリップした感じ?…って私はその頃のことは記憶にないけどね。3歳だった。
今年は2015年…そう、実は1962が発売されて50年が経ったのだ!
1959や1987なんかもそうだけど、50年も姿を変えずに生き残っている工業製品なんて滅多にありはしない。
50年前の車や飛行機に乗るなんてことはまずないもんね。
その点、楽器はスゴイ。
Les PaulやStratocaster等の名器もそうだよね。進歩がないと笑わば笑え。
いかにオリジナルの商品がパワー秘めているかがよくわかる。それはコレらの楽器が作った音楽にこそパワーがあって、どんなに時代が移り変わろうとも魅力が褪せないからだろう。

今はデジタル技術の進歩で色んなものが出ているけど、果たして50年後に残っているか…?
残念ながら私はそれを確認すことはできないが、きっとギターを嗜んでいるであろう孫が私の墓前に報告に来てくれることだろう。
「ジイちゃん、残ってないよ。でも1962は2065年の今も元気だよ!」って!

15そして、今日の主役はボストン出身のJOHNNY A.。
120v

今回が2度目の来日。
2月の上旬に東京のCotton Clubにおいて2日間にわたり4回のステージをこなした。

30バンドのメンバーは…
Evan Coniglio

40Marty Richards

50Greg Tawa

60そして、JOHNNYはいつでもMarshall。

70レギュラーの1962が2台。

80足元のようす。

90ケーブルはカール・コード!
あ、ちなみに海外では「シールド」という言葉は通じないので注意…イヤ、少なくともイギリスでは通じない。「コード」もきいたことがない。「シールド」は日本語じゃないかな?「シールド」には「電線」的な意味はないからね。
「shielded cable」なら通じるかもしれない。
イギリスではギターとアンプつなぐ線のことを何と呼ぶかというと、「guitar lead」といいます。
ついでに言っておくと、Marshallアンプのリア・パネルのヒューズホルダーに「MAINS」って表記があるでしょ?これはイギリスでは「電源」という意味。
だからイギリスでは「電源ケーブル」のことを「mains lead」と言います。
以上、「マーブロ英語教室」終わり!

95v以上、ツイン・ギターのカルテットというメンバー構成だ。

100コレは昨年の6月にリリースされた最新作の『Driven』。レコ発記念来日にはちょっと日が経ってしまっているが、当然アルバムから数局が演奏された。

290cdコレがですね~、とにかくウマいの、ギター。
勉強不足で恥ずかしいんだけど、今回初めてJOHNNYのプレイを観て、聴いたんだけど、べらぼうにウマい!
Gibsonから「JOHNNY A. Soecial Edition」なんてシグネチャー・ギターを出しているぐらいだから、ウマいのはまず当たり前なんだけどね。

1_s41a9220 JOHNNYはMingo Lewis(SantanaやAl Di Meolaのパーカッション)、Peter WolfやBobby Whitlock(Delaney & BonnieやDerek & the Dominosのキーボード)のサポートを務めキャリアを積んできた人。Peter Wolfとは7年も活動を共にし、レコーディングやワールド・ツアーを通じ活躍してきた。
アメリカにはこういうのがゴロゴロしてる。

S41a9252 終演後、会場でバッタリお会いした、超大物アーティストのサポートを長年務めている有名な日本人ギタリストの方も「この人、ウマいですね~!」とかなり驚かれていた。

110ここでいう「ウマい」というのはもちろん「速く弾ける」とか「複雑なフレーズをラクラク弾く」とかそういうことではなく、とにかく弾くギターのメロディと音が「歌」になってるんだよね。1本のギターが「音楽の塊り」になっている。
恐らく、完全なアドリブ・パートを除いては、全パート、全ステージ同じように弾いたと思う。そういうカチっとしたキメ細やかさが見て取れるんだけど、それがゼンゼン窮屈じゃない。

130v海外のウマいギタリストって、みんなこういうテイストを持ってるんだよね。日本のウマい人と明らかにフィーリングが違う。
SatrianiとかSteve Vaiなんかモロにそういう感じだし(実際、JOHNNYはVaiのFavored Nationsからアルバムをリリースしている)、Paul Gilbertもそう。Zakkですらそういう感じがする。
ギターを演っている一部の方にはおわかり頂けると思うのだが、日本のギタリストのプレイよりも海外のギタリストのプレイをコピーする方が難しいと思ったことはないだろうか?日本人のギタリストだと、何となくやっていることが見えるんだけど、海外のギタリストはそうはいかない。少なくとも私の「低性能耳」はそう。
もう一度言うが、それは「速く弾く」とかいう意味においてではありませんよ。ヴォイシングとかフレーズの弾きまわし方の感覚がゼンゼン違う。
下手な比喩を用いれば、日本人は「線」でギターを弾いているような感じで、対して海外のギタリストは「面」で弾いているようなイメージなのだ。
190
バック陣の腕も当然第一級。
ベースのEvanもウマかったナァ。派手なことは一切しなかったけど、実にベースらしいベースで音も素晴らしかった。

140vMartyはドラム・ソロも披露した。

150vもうひとりのギターのGregはほとんどバッキングに徹していたが、数回まわってきたソロ・パートでは大爆発。
かないコンテンポラリーなプレイで、コレまたカッコよかった!
1_s41a9562
Zappa Plays ZappaのJammie Kimeなんかもそうだったが、海外のバンドでバッキング・ギターを担当している人って指示がない限り絶対に前に出て来ないんだけど、イザ出番が回ってくると「ココぞとばかり」大抵すさまじいプレイをするんだよね。

160Gregも1962だ。スタンダードなBluesbreaker。

180実は今回のMarshallはすべて日本国内で用意したもの。
JOHNNYはいつもは異なるモデルを使っている。
その愛用のMarshallの情報をJOHNNYが送ってきてくれたので紹介する。

200Handwiredシリーズの2245THWのハーフ・スタックが2セット。
JOHNNYはいつでもステレオでギターを弾くのだそうだ。
キャビは…皆さん、お気づきかしら?スモール・ゴールドのロゴ、ソルト&ペッパーのフレット・クロス。そして、左上に付いている「100」のプラーク。
1960AHWに見える…でもそうではない。
さて、間違い探し…答えは後で!

210コチラはそのバリエーション。
やはりコレも上と同じく1960HWのモディファイではない。

230実は、これらのキャビはJOHNNYのハンドメイドなのだ。

240ベアウッド状態のキャビ。
上部のキャビティは、インプット・ジャックプレートのためのもの。

250こんなプレートが仕込まれる。構想自体は普通の1960A/Bと同じ。プレートに使われている文字のフォントやプレートのプレキシ具合まで実にそれっぽく作ってある。

260搭載スピーカーはCelstionのAlnico Gold。
ハイ、ここで種明かし。これらのスピーカーは実は10"。
実はコレ、4x10"用のキャビネット(入れ物)にロードされている。
すなわち、1960より小さいサイズなのだ。
ココで今一度上のハーフ・スタックの写真をご覧になれば納得頂けると思う。

270ゲストで呼ばれて軽く弾くようなときには同じくHandwiredシリーズの1958Xを使用する。この1958XにもCelstionのAlnico Goldが搭載されているそうだ。
また、ソロやデュオ等、小さな音量で演奏する機会には手前のJTM1Cを2台使う。
いつもステレオ。
こっちも音良さそうだな~。

280レパートリーはもちろんオリジナル曲が中心だ。
曲はシンプルでストレート、しかし深い。それを最高のギター・トーンで一気に聴かせてしまう。

300オリジナル曲以外にも、「The Beatlesメドレー」などがレパートリーに加えられ聴く者を飽きさせない。
このメドレーの選曲がまたふるっていて、「Night Before」、「And Your Bird Can Sing」、うれしいうれしい「Bulldog」。それにア・カペラで「Ticket to Ride」…変わってるでしょう?
「And Your Bird Can Sing」は以前Mike Keneallyが来日した時、弾き語りでこの曲を演っていた。もちろんあのイントロはそのままに…だ。
「Bulldog」はカッコいい曲だよね~。歌詞もカッコいい。Peter Ollie Halsallがギターを弾いているBoxerバージョンもおススメ。

310vさらにはStevie Wonderの「Superstition」やらThe Bee Geesの曲。はたまたAllman Brothersナンバーでは「Elenor Rigby」までガッツリ引用しちゃってもうやりたい放題。
1_img_0050
なるほど、JOHNNYはJimiやClapton、Jimmy Pageらから絶大な影響を受けているのだそうだ。
そりゃMarshallにキマりだわな。JOHNNYのやり方は至極正しいのだ!

320v…とうので、まさかの「Nobody's Fault but Mine」に「Whole Lotta Love」!

340vもちろんそのどれもがJOHNNY流。
「計算されたハードさ」みたいなものがビシビシと伝わって来て実に気持ちがいい。
バックの押し出し感もハンパではなくて、やっぱり外人特有の奥深いパワーを感じた。
330

そして、アンコールは「Crossroad」。
イヤ~、おもしろかったな~。
素晴らしい演奏と最高のトーン!そして、目の前にはMarshall。シアワセ、シアワセ!

350vJOHNNY A.の詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site(英語版)

360(一部敬称略 2015年2月8日 Cotton Clubにて撮影)

2015年3月13日 (金)

SHOW-YA in WOMEN’S POWER SPECIAL~ONE NIGHT DREAM!

マァ、何度も書いてきたことなので、Marshall Blogをご愛読いただいている方々には「耳にタコ」…イヤ、読んでるんだから「目にイボ」か?…かもしれない。
しかし、ガール・バンドが登場する時には一種の枕詞だと思って頂ければよい。一種のリズムだ。
人間、何でもリズムなんですよ。いい職人になると大工やブリキ屋のおじさん、焼き鳥屋やすし屋のおじちゃんでも作業をしている時、身体全体を動かしてるでしょう?アレでリズムを取ってる。動きを止めるといい仕事ができなくなる。
実はこのMarshall Blogもそう。
例外もたくさんあるけど、オープニングの文章でリズムを作ってるんのよ。この「脱線」もそう。
そりゃ、ひとりで1600回もやってりゃ息詰まることも珍しくない。そういう時は、たいていこのオープニングがうまく書けない時なんですよ。
どんな変てこりんな持って行き方でも、スラっと記事を書き出せる時は、たいていツルっと書き上げることができる。そうしてうまく書ければ気分爽快!これが私のリズムなのだ。

例によっていきなり変拍子になってしまったが、リズムを4/4に戻すと、それはガール・バンドのこと。
かつてMarshallの社長が奥方と来日し、ミュージシャンにご参集頂いてパーティを催したことがあった。sun-goさん他、女性ミュージシャンも多数お越し頂いた。
その様を社長の奥さんがすごく驚いたのだ。
「イギリスには女性の歌手はいくらでもいるけど、ギターを弾いたり、ドラムを叩いたりすることができる娘はいないのよ!日本の女性ミュージシャンはすごい!これがガール・パワーね!」…と女性陣だけで記念撮影をした。

このことである。(池波正太郎調)

日本の女性ミュージシャンはスゴイのである。
しかも最近は、男の子のバンドといえば、甲高い歌声で、ナヨっとした「私小説的電気フォーク」とも呼べそうな骨抜きの音楽ばかりを演奏するようになってしまった。反面、ガッツのあるハードなガール・バンドがジャンジャン出てきた。実にうれしいことだ。
ホント、今ならアニメやらゲーム抜きで日本のガール・バンドは世界進出できるのではなかろうか?
昔は「♪チチチチチチチチ、チェリーボ~ム」だけでビックリしてたのに!
そういえば、当時あの曲を「チェリー・ボンブ」なんて表記していたのを見かけたけど、「都こんぶ」じゃあるまいし…。

ガール・バンドのレベルとは反対に日本人の英語力はアップしていないような印象を受けるナァ。

で、「WOMEN'S POWER」と銘打って、このガール・バンドにスポット・ライトを当て、数えきれないぐらいのイベントや催しでシーンを盛り上げてきたのが「FLYING CAT」というオフィス。
スゴイよ、30年以上だもん。
そのFLYING CATが去る1月31日、渋谷のTSUTAYA O-EASTとO-WEST、そしてO-CRESTを陣取って一大イベントを開催した。
名付けて『FLYING CAT 30th+1 Anniversary~WOMEN’S POWER SPECIAL~ONE NIGHT DREAM!』
イキのいいガールバンドが結集し、シーンを象徴する宴を繰り広げられたのである。

ここでお詫び。
Marshallも大活躍したイベント、もちろん仔細にレポートしたかったのだが、オリ悪く先日レポートした『CLASSIC ROCK JAM』とカチ合ってしまった!
そこで断腸の思いでダブル・ヘッダーすることを決意。前半川崎で、大急ぎで電車で移動して渋谷に駆け付けた。
『WOMEN'S POWER』のアイコニックな存在であるSHOW-YAのステージだけは逃すまいと…。

05f ジャ~ン!間に合った!
SHOW-YAはトリの登場だ。

10寺田恵子

20v五十嵐sun-go美貴

30v仙波さとみ

40v中村美紀

50v角田mittan美喜

60v今日のsun-goさん…

80もちろんMarshallといっしょ。ヘッドはJVM410H。

90キャビネットは1960BDMだ。

100オープニングは「私は嵐」。

110いつも通りのパワーで会場を沸かす恵子さん。
でも恵子さんと…

120mittanは川崎でひと仕事終えてきたばかり。

130マァ、ふたりとも疲れの片鱗などまったく見せない、まさに「嵐」のようなパフォーマンス!

140vsun-goさんも別の現場から駆け付けた。みんな大忙しなのだが『WOMEN'S POWER』だけはハズせない!

150v「嵐」ポーズもバッチリ!

170v

さとさんのベース・ピック・アップ!

165続けて、欲しいものは~「奪いとれ」!

180持ち時間が長かろうが短かかろうが、火の玉のように演奏するのがSHOW-YA流。

190v今日はナンカすごい!Jerry Lee Lewisもビックリの特大の火の玉だ!
ちなみにデニス・クエイドが主演したJerry Lee Lewisの半生記『Great Balls of Fire!』ってのはなかなかに面白かったよ。

200バシバシとハードなソロをぶっ放すsun-goさん!

210vウワ!恵子さん、もろ肌をお見せになったのかと思ったのは「Look at Me」。もちろんWill do!

220脱兎のごとくステージを走りまわるsun-goさん!

230ステージ下手でポーズ!

240ん~、しかし今日もいい音だ~!

250ドンドン行くよ~!

260vMCをはさんで「Outsider」。

270予想はしていたけど、予想以上のハード加減が高い!

280vそしてこのホーム感がタマらん!SHOW-YAを撮るのは最高に幸せだ~!

285キャプテンのキーボードから…

290v「流星少女」

310v

オラオラ~、回せ~!

300ホント、曲はガッチリとSHOW-YAスタンダードに一角に組み込まれたね。

320MCをはさんで「限界LOVERS」。

340もうここまで来るとエキサイトを通り越した、何かその上にある段階やね。

350v

キャプテンもノリノリ!

360しかし、mittanって、なんてパワフルなんだろう!今日一日まったく休む暇がない!

370お客さんも最高のノリっぷりを見せてくれた!

380まだ続く!
「BATTLE EXPRESS」

390v恵子さんの声がまたスゴかった!

400v最後の最後までまったく手を抜かず、コレでもか、コレでもかと攻めまくる姿は美しい!

410そして、最後に持ってきたのは「Fairy」。

420v猛烈にノリにノッったお客さんを前にメンバーも実に楽しそう!

430v

440v

450v

460名曲に激演!

470v「Fairy」ポーズをお客さんも合わせて…

480クライマックス!

490そして、〆の…
クル…

500リン…

510パッ…と!

520今日もバッチリ!カッコいい~!

530全部で9曲。あまりにも激しいステージはまさにSHOW-YAだけのもの。ケタが違うわ!
ナンカ、私も当時を思い出してSHOW-YAのリズムに乗せられ、興奮しながら書いてしまった!

SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA OFFICIAl SITE

540最後は全員参加のアンコール。

550曲は「学園天国」。

560これは盛り上がるにキマってるわな~。

570世界に誇れる『WOMEN'S POWER』。益々の発展を祈るばかりである。

580WOMEN'S POWERの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

590P.S. このイベント、「ウーマンズ・パワー」かと思い込んでいたら、正確には「ウィミンズ・パワー」なのよ。

(一部敬称略 2015年1月31日 渋谷TSUTAYA O-EASTにて撮影)

2015年3月12日 (木)

DYNAGON Presents 『MASSIVE DYNAMIX』~マーブロ名古屋へ行く2 <後編>

尾張名古屋は芸どころ…ってんで今日も名古屋今池はTHE BOTTOM LINE NAGOYAから。

10_2いよいよ本日のイベント『MASSIVE DYNAMIX』のトリ…

20_2DYNAGONの登場だ。

30_2ステージ直前のDYNAGONの4人。

40_2かつて「中京の重戦車」と形容したが、我ながらその言葉に偽りなし。
パットンもロンメルもこのDYNAGONのサウンドを耳にすればきっとシャッポを脱いだことだろう。

60_2中野重夫

80_2ここのところ、シゲさんはDYNAGONの時は普通の1959を使っている。キャビネットはJimi Hendrix SignatureのSUPER100JHのBキャビネットを組み合わせている。このキャビ、持ち運びは大変だけど、音は最高!

85vキーボードは加藤剛。

90vベースとMC担当の宮田叔侑。

100_2ドラムは増井康博。

110v「中京の…」というぐらいなので、あまり東京で演奏することが少ないのが残念…ということで、ナント!車をブッ飛ばして東京から観に来て頂いたファンもいらっしゃたんよ!

120メンバー4人ともキャリアが長くおっそろしく人脈も広い。

130そんなシチュエーションを活かして企画されたのが今日のイベント。まさに「地元の親方登場!」を思わせる堂々たる雰囲気だ。

140こういうベテランと若手が交流するようなイベントはいいね。バンドの交流もさることながら、お客さん、特に若い人たちがベテランのステージに接するのは大歓迎!

150何しろこの一種ダークな雰囲気の音楽が他にはない異様な輝きを放っている。このダーク感はやはり60~70年代の黄金時代のロックを体験していなければ絶対出て来ないものだ。
木に竹を接ぐことはできないように、今巷間での「電気フォーク」からはこうしたブラック・コーヒーを煮詰めたような濃いサウンドは何百年待ってもクリエイトされることはないだろう。

160_2オープニングは「Hammerhead」。

170v_2「Hammerhead」とは例の面妖な頭の形をしたサメのことか?どうもアメリカのスラングで「バカ」とか「のろま」というような意味があるようだが、サウンドを聴く限りでは大洋を悠々と泳ぐサメの姿が見えて来る。
あのサメ、本当はおとなしいんだよね?
冒頭から剛さんのソロが光る!

180キーボードの席はこんな感じ。手作りのスタンドのことは以前に紹介した通り。
撤収の時にビックリ仰天したんだけど、スゴイ量なんだよね~、剛さんの機材!でもそれがカッコいいんだよ、キーボードは!

190_2もちろんシゲさんのソロも冴えわたる!

200vこの「Freeway Jam」にも似たテーマを持つへヴィなシャッフル…

210v_2リズム陣のプッシュ感も強烈だ。

220v2曲目は「The Moon」。

230vコレまたDYNAGONならではフィーリングに満ちた曲。

240v_2そして人気曲、「The Art of Nazka」。
怪しげなテーマの提示部から…

1_img_5397幻想的なキーボード・ソロを経由して…

280v

ダイナミックなシゲさんのギター・ソロ。コレが最近までジミヘンばっかり演ってた人のやることかッ?あまりにも正統派のハード・ロック・ギター・ソロ!
こういう人は先人から無意識にロックの文法をガッチリと学び取っているのだ。

1_img_5291 この曲はDYNAGONが何千年か前に地球に来た時にペルーのナスカに記していって地上絵のことをテーマにしているらしい…アノ、DYNAGONの方々は至って正常でとてもいい人たちですからご心配なく!
コロコロと変わる場面を的確にサポートするリズム隊が見もの。Toshさんの決して派手ではないがバンド・サウンドを膨らませる厚みのあるベースのトーンと…

270v_2
それにガッツリかみ合うYasuさんの符ドラムは気持ちいいの一言!
Yasuさんは前回の横浜公演でNATALを使ってくれたが、大いに気に入って頂いた。ウン、NATALのらウドな鳴りはDYNAGONにベストマッチなのよ。

260_2「Rising Dragon」と「Put the Metal to the Panel」が続く。

290v_2コレがスゴかった。ナニがって、シゲさんのギターの音。
使っているSGは70年代に作られた国産のコピー・モデル。もちろん世界でも有数のクォリティを誇るコピー品なのはわかるが、ナントヌケがよく、ツヤっぽいトーンなんだろう!ビックリしたわ!
後で聞いたらやっぱり評判がいいらしい。
素晴らしい弾き手といいアンプ。指が80%のサウンドを作り、増幅されるトーンの70%は、ギターではなく、アンプがカギを握っているということを改めて痛感した。
フルヴァルブのヘッドと4x12"ってやっぱりホント~にいい音だ。最近デジタル機器の勢いが強くなるにつれて、その音質の差がよけい意識されるようになってしまった。
やっぱりロック・ギターはPAじゃなく、自分の後ろのスピーカーで空気を揺さぶらなじゃダメだ!

300_2「Put the Metal to the Pedal」はとても好きな曲。剛さんが弾くテーマが何とも魅力的なのだ。
330
そして、唯一のカバー曲「Paradise a Go Go」。

310カバーといっても出自はボロディンの「韃靼人の踊り」。

320コレもすごくいい。
アレンジの大胆さではヤナーチェクの「Sinfonietta」を転用したELPの「Knife Edge」ぐらい。
なんか、このヤナーチェクの曲は村上春樹で知られるようになっているらしいけど、断然ELPですから。
カバーされることの多いこの曲だが、DYNAGONバージョンは典型的なハード・アレンジで最高にゴキゲンだ!

335そしてショウはクライマックスへ…。その名も「Dynagon」だ。「Led Boots」のようなイントロから曲は意外な展開へ。

340v_2どこまでも重いToshさんのベースに思わず耳が奪われる!

336v

曲はシゲさんのギターと剛さんのキーボードの壮絶なバトルでクライマックスを迎える。
400
双方一歩も退かない激しい競り合いをユックリどうぞ!

350_2

360「お、シゲさんがそう来るならこうだ!」

370「なんや、そんなん弾きやんやん!」…てなことを楽器で話している。

2_s41a7594放っておけば一晩中でもやってる人たちなのでこなへんで…。

410そして、アンコールで「Deep Impact」と「Victory」を演奏してDYNAGONの出番の幕を下ろした。

420vDYNAGONの詳しい情報はコチラ⇒DYNAGON facebook

50_2

そして、お楽しみのジャムセッション。

440千田さんが加わって「Burn」。
ラクラクとうたいこなすデビカバぶりが快感!

180v_2

ギターに入ったのはGO†ONのえんどおさん。
480v
もうひとり、ゲストの植木英史。

450v植木さんはYJM100を愛用している。

460v足元のようす。
イヤ、このディレイが懐かしいナ…と思って。若い皆さんは平気でコンパクトなサイズのデジタル・ディレイを使っているけど、昔はバカでかいテープ・エコーしかなかった。しかも軽く10万円越えしていた。35~40年ぐらい前の10万円と言ったら大金よ。今でも大金だけど。当時の価値では大卒の初任給と同じぐらい。
たかが「こだま」にそんな大金を投資するのは大変だった。まずプロ、もしくはセミプロ以外のギタリストぐらいしかテープ・エコー(エコー・チェンバー)なんて持っている人はほとんどいなかった。
それで出てきたのがこのディレイ。「ディレイ」なんて言葉もこの頃から使い出したんじゃないかしら?
何せ中にテープが入っていないんだから驚いた。私は、音質的にはテープ・エコーの方が断然いいと思ったけど、今にして思えば音楽機材の利便性や可搬性において、一種の革命がおこった時代だったのかもしれない。
Yngwieもコレを使っていて、リハの時、はじめは平らにおいていたがスペースの関係で写真のように立てて設置することになった。その瞬間、Yngwieの合図でローディがフェラーリのステッカーを持ってきて、ディレイの客席に向かっている面にペタリと貼りつけたのを見た…笑った。

470キーボードは剛さん。Jon Lordスキだでネェ~。それこそ「♪燃えろ~(王様風)」だった。
380v
2曲目はWhitesnakeの「Crying the Rain」。
千田さんのデビカバ!

490vドラムはYasuさんにチェンジ。
2_s41a7182
YJMでバリバリ弾き込む植木さん!

500vそして、最後はシゲさんのジミヘンだ~!
曲は「Fire」。

510vDYNAGON全員参加のジミヘン!

1_img_5384Toshさんのノエルっぷりも板についてる!
2_s41a7196
「水を得た魚」とはこのことか…見よ!シゲさんのナチュラルな熱演!

520当然こんなことも!

530シゲさんもホント勉強熱心で、「ジミのピッキングがわかったんや!」と最近大騒ぎしていた。「エ。まだ研究することがあるの?」と思ったが、イエイエ、ホントに一段と音がナマナマしくなった感じで奏法を変えた成果がうまく出ていたように聞こえた。

540vイヤ~、楽しいイベントでした~、チョット長かったけど。
「名古屋時間」というものがあるのかどうかは知らないが、なんか雰囲気がユ~ックリしていて、ま、旅先ということもあるけど、時間が遅くなってもそう気にならない感じがするね。
いつかのMarshallのイベントの時もそうだった。時間の流れ方が明らかに東京と違うように思えるのだ。
いい音楽と最高の演奏をゴキゲンな場所で…いい旅でした!ありがとうDYNAGON&GO†ON!

550(一部敬称略 2015年1月24日 名古屋THE BOTTOM LINEにて撮影)

2015年3月11日 (水)

DYNAGON Presents 『MASSIVE DYNAMIX』~マーブロ名古屋へ行く 2 <前編>

久しぶりの名古屋。
前回のことは忘れもしない…アレはいつだったっけナァ~…忘れとるやんけ!っていうヤツ…ではなくて、ちゃんとレポートしてるから大丈夫。
コレね⇒中京の重戦車、DYNAGON見参!
もう2年前か…ホントに早いナァ。
今回もお呼ばれして、初めて今池のTHE BOTTOM LINEにお邪魔した。

20
THE BOTTOM LINEは思い出がありましてな…。
下の写真にあるALLAN PEPPER & STANLEY SNADOWSKYというのは本家ニューヨークのTHE BOTTOM LINEの創始者の名前。1974年の開業だ。
私の場合、なじみがあるのはこっちのTHE BOTTOM LINE…ナンチャッテ!今から約20年前に1回行ったことがあるだけなんだけどね…。
すごく大きなライブハウスで、大勢のウェイトレスがやたら忙しく動き回っていたのが印象的だった。
何を観たのかというと、もう度々書いてきたけど、Buddy Rich Big Band。ドラムがDave Wecklだった。
この組み合わせというのは、Buddy Richへのトリビュート・アルバム『Burning for Buddy』で、Joe Zawinulの「Mercy, mercy, mercy」を録音しており、当日も当然披露された。
もうDave Wecklが信じられないぐらいカッコよくて、オカズをキメるたびに客席から「ウェッコー」という掛け声がかかっていた。
Wecklもヨカッタが、私はテナーのSteve Marcusにすっかり魅せられてしまった。ギターでいえば1959のようなヌケるトーンでバリバリと遠慮なくバップ・フレーズを紡いでいくサマは圧巻だった。
あの時はBill FriselだのDave StrykerだのMingus Big BandだのWynton Marsalisだの、精力的にアチコチでいろんなのを観たな。今より20歳も若かったからね。
で、肝心のニューヨークのTHE BOTTOM LINEは2004年に閉店してしまった。
私が行った頃はまだイースト・ビレッジにTOWER RECORDSがあって、現地で知り合った日本人ジャズ・ベーシスト(この人が後にWyntonと共演することになる中村健吾さんだった!)に教わった、日本ではまだそれほど名前が知られていなかったRussell Maloneの『Black Butterfly』に加えて、Miugusの『Changes volume1』とBud Powellの『In Paris』を道すがら買ったのを覚えている。
あの頃はマンハッタンにもレコード屋さんがまだ普通にあったのだ。まったくなつかしい。

10名古屋のボトムラインは健在。
コレがすごくいい感じでビックリしちゃった!

30東京の人たちはあまり行く機会がないでしょうから、店内を少し紹介しちゃう。

40これがステージ。

50ステージから客席を見たところ。
2階席も立派だ。
70
店内の装飾も凝っていてとてもいい感じ。
ニューヨークのお店はもうほとんど覚えていないに等しいけど、こっちの方が断然快適なのは確か!

80

1989年にオープンした名古屋のボトムラインは昨年25周年を迎え、こんなリーフレットが制作された。
1989年6月のRichard Teeから出演したミュージシャンやバンドの写真やサインがギッシリ!
現役で今でもバリバリ活躍しているミュージシャンやバンドの名前がたくさん見える傍ら、Jack Bruce、Rick Danko、Joe Sample、Milt Jackson、Michael Brecker、Cornell Dupree等々、もう二度と観ることができないミュージシャンの名前がゾロリと並んでいる。

60The Show Must Go On…そして、今夜もステージに上がるバンドがある。
今日は『MASSIVE DYNAMIX』と銘打ったDYNAGONが主催するイベントだ。
タイトル通りダイナミックな4つのバンドが登場し、饗宴を繰り広げた。

まず、ステージに上がったのはその名もGO†ON。
下は「名刺がわりに…」と頂戴したピック。

90Heavy Sounds Projectを標榜する名古屋のトリオだ。

100パッと見で音が聞こえてきそう!

110ベース&ボーカルのぴえ~る。

120vギターのえんどお。

130v背後にはJCM2000 DSL100と1960A。

140vドラムはクッパだ。

150vもちろん「GO ON」とは「轟音」のこと。

160トリオ・バンド特有の荒々しさが前面に押し出されたワイルドなサウンド!

170v頑強そうな体躯から絞り出されるへヴィなロック・ヴォイス。

185vそれをガッチリとサポートするエモーショナルなギターと…

186vストレート・アヘッドなドラム。

180v

ユーモアあふれるMCも魅力だ。
210v

えんどおさんのテクニカルなギター・ソロも随所にちりばめられる。

200

ゴリンゴリンに押しまくる猪突猛進型のステージはバンド名の「轟音」に恥じないものなのだ。

230

演奏する各曲も奥行きのあるへヴィ・チューン。

220初めてだったので曲名等詳しいことはわからないが、最後に演奏した曲なんかは実にカッコよかったな

240v
メンバー3人のキャラを生かした轟音サウンドでますますの活躍を期待している!

190

GO†ONの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

250続いての登場はDEAD EYED SPIDER。

260ボーカルの千田さんとは岡垣さんのイベント『JILL岡垣~様式美大作戦2013』でお会いした時以来だ。名古屋でバッタリ~。

270v『Black Deal』というニュー・アルバムを発表したDEAD EYED SPIDER。このステージはそのレコ発ツアーの一場面だったのだ。

280cd日本人離れした野太いハードなヴォイスはいつ聴いても素晴らしい!

DEAD EYED SPIDERの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

290v明日も今池からお送りする。

300明日はこの4人が登場!

310v

320v

330v

340vお楽しみに!
<後編>につづく。
430

(一部敬称略 2015年1月24日 名古屋THE BOTTOM LINEにて撮影)