陰陽座~全国ツアー2015『雷神』 <後編>
陰陽座、全国ツアー2015『雷神』の<後編>。
ショウの本編は中盤に入り、ますますもって満員の観客の熱気はさらにエスカレートする。
狩姦さんのラック。
名器JMP-1とステレオ・パワー・アンプEL34 100/100が収まっている。
コチラは招鬼さんのラック。
やはりJMP-1が組み込まれている。
サポート・キーボードの阿部雅宏。
ニュー・アルバム『雷神創世』から大作「累」。
コロコロと変わりゆくシーン。
こういうスケールの大きい曲は特に好きだナァ。
容貌が醜いというだけの理由で殺されてしまった女性の恨みを歌った曲ということなんだけど、ヒドイことするじゃないの。
「なまじ顔がついてるおかげで要らぬ苦労をする人もいますもんネェ」…あ、コレは私が言ったんじゃないよ!古今亭志ん朝か誰かの有名なクスグリ。
「人柱」とかネェ、昔はずいぶんと残酷だった。
続けて「和色」が濃い「蜩」。
「虫編」に「周」は「ヒグラシ」か…。ヒグラシの鳴き声って本当にいいよね。ジージー暑苦しく鳴くアブラゼミと違ってなんと涼しげなことか…。
ああ、また暑い夏がやってきてイヤだナァ…なんてことは全く考えずにジックリとステージに見入ってしまった。
組曲「鬼子母神」に入って「鬼子母人」。
ホント、ステージの上下両方から飛び出してくるギター・ソロは聞きごたえ満点。
適材適所で二人のソロの分担がまた絶妙なんだ~。
本編の最後も『雷神創世』からの2曲で締めくくられた。
まずは「而して動くこと雷霆の如し」。
「イカヅチ」か…しかし勉強になるな~陰陽座の曲は…。瞬火さん、絶対に漢字検定1級持ってるな。
そして、本編の最後曲は「雷舞」が演奏された。『雷神創世』と同じ…という演出。
「雷舞」という当て字はかつてFrank Zappaの『Zappa in New York』の邦題や激テクフュージョン・トリオのFragileのライブ・アルバムのタイトルにも使われていたが、陰陽座の「雷舞」も負けず劣らずの名演だ!
これで本編は終了。
ニュー・アルバム『雷神創世』収録曲を中心に組み立てられた17曲をすさまじい熱気の中で披露した。
そして、アンコール。一回目。ここからも陰陽座の本領が発揮される。
そして「膾」。これは「なます」でいいのかな?
私はまったく大したことないけど、漢字にはそれほど弱くない方だと思っていて、テレビのクイズ番番組の難読漢字なんかは結構イケちゃう。でも陰陽座の記事を書くのはなかなか苦労が絶えませんわ~!
そう、それでも「羹」に懲りないでガンガンいきます!
一回目のアンコールは2曲で終了。
もちろんここで会場を後にするファンなどひとりもいない。
全員がTシャツに着替えて登場の二回目のアンコール。ここから、ほぼひとコンサート分演っちゃうのが陰陽座流。ファンは最高にうれしいよね~。
組曲「義経」から「悪忌判官」。
海外では、というかイギリスには歴史を題材にしたロック作品ってのがあるでしょ?
Rick Wakemanの『ヘンリー八世』とか『アーサー王』とか…。
考えてみると陰陽座ってそれに近いものがあるかもね。「義経」だもん。実に独創的。
絶対にアメリカン・ロックにはマネできない題材だ。
それを変に「和」にこだわらないスカッとしたへヴィなロックで聴かせるところが何ともカッコいいと思うのよ。
マジでCD4枚組ぐらいで『真田太平記』がロックにならないかな?
『ヘンリー八世と六人の妻』みたいに登場人物のイメージを曲にするだけでも瞬火さんの手にかかればかなり面白いものができると思うんだけど…。
「信之」とか「幸村」だけじゃなくて、「お江」とか「角兵衛」とか…カッコいい曲ができそう。
「卍」。
昨日、浅草寺のことを書いたけど、本堂の前にお香を炊くデカい入れ物があるでしょ?アレには「卍」の印が入っているんだけど、それを見つけたある外人がエラく驚いていた。
「ハーケンクロイツ」だと思ったらしい。
ドイツでは右手を斜め前方に上げる仕草すら禁止されているからね。
招鬼さん、緑のレスポールがよく似合う。まだまだ続く2回目のアンコール。
…「骸」。
ギター・チームもラスト・スパート!
二回目のアンコール5曲目にして最後は陽気に「がいながてや」。
さらに、三回目のアンコールに応え「喰らいあう」を演奏した。
これまたコンサートの最後を飾るにふさわしい曲!
しめて3時間半!
ニュー・アルバム『雷神創世』を全曲演奏し、いつも通りの最高に充実したプログラムで観客を魅了してツアーの最後を締めくくった。
それにしてもこの何人も追随し得ないオリジナリティと堂々たるパフォーマンス、加えて気品あふれるステージ・マナー…陰陽座が日本を代表する一流のロック・バンドであることを『雷神創世』を通じて新たに証明した夜であった。
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