DYNAGON Presents 『MASSIVE DYNAMIX』~マーブロ名古屋へ行く2 <後編>
尾張名古屋は芸どころ…ってんで今日も名古屋今池はTHE BOTTOM LINE NAGOYAから。
いよいよ本日のイベント『MASSIVE DYNAMIX』のトリ…
かつて「中京の重戦車」と形容したが、我ながらその言葉に偽りなし。
パットンもロンメルもこのDYNAGONのサウンドを耳にすればきっとシャッポを脱いだことだろう。
ここのところ、シゲさんはDYNAGONの時は普通の1959を使っている。キャビネットはJimi Hendrix SignatureのSUPER100JHのBキャビネットを組み合わせている。このキャビ、持ち運びは大変だけど、音は最高!
「中京の…」というぐらいなので、あまり東京で演奏することが少ないのが残念…ということで、ナント!車をブッ飛ばして東京から観に来て頂いたファンもいらっしゃたんよ!
そんなシチュエーションを活かして企画されたのが今日のイベント。まさに「地元の親方登場!」を思わせる堂々たる雰囲気だ。
こういうベテランと若手が交流するようなイベントはいいね。バンドの交流もさることながら、お客さん、特に若い人たちがベテランのステージに接するのは大歓迎!
何しろこの一種ダークな雰囲気の音楽が他にはない異様な輝きを放っている。このダーク感はやはり60~70年代の黄金時代のロックを体験していなければ絶対出て来ないものだ。
木に竹を接ぐことはできないように、今巷間での「電気フォーク」からはこうしたブラック・コーヒーを煮詰めたような濃いサウンドは何百年待ってもクリエイトされることはないだろう。
「Hammerhead」とは例の面妖な頭の形をしたサメのことか?どうもアメリカのスラングで「バカ」とか「のろま」というような意味があるようだが、サウンドを聴く限りでは大洋を悠々と泳ぐサメの姿が見えて来る。
あのサメ、本当はおとなしいんだよね?
冒頭から剛さんのソロが光る!
キーボードの席はこんな感じ。手作りのスタンドのことは以前に紹介した通り。
撤収の時にビックリ仰天したんだけど、スゴイ量なんだよね~、剛さんの機材!でもそれがカッコいいんだよ、キーボードは!
この「Freeway Jam」にも似たテーマを持つへヴィなシャッフル…
そして人気曲、「The Art of Nazka」。
怪しげなテーマの提示部から…
ダイナミックなシゲさんのギター・ソロ。コレが最近までジミヘンばっかり演ってた人のやることかッ?あまりにも正統派のハード・ロック・ギター・ソロ!
こういう人は先人から無意識にロックの文法をガッチリと学び取っているのだ。
この曲はDYNAGONが何千年か前に地球に来た時にペルーのナスカに記していって地上絵のことをテーマにしているらしい…アノ、DYNAGONの方々は至って正常でとてもいい人たちですからご心配なく!
コロコロと変わる場面を的確にサポートするリズム隊が見もの。Toshさんの決して派手ではないがバンド・サウンドを膨らませる厚みのあるベースのトーンと…
それにガッツリかみ合うYasuさんの符ドラムは気持ちいいの一言!
Yasuさんは前回の横浜公演でNATALを使ってくれたが、大いに気に入って頂いた。ウン、NATALのらウドな鳴りはDYNAGONにベストマッチなのよ。
「Rising Dragon」と「Put the Metal to the Panel」が続く。
コレがスゴかった。ナニがって、シゲさんのギターの音。
使っているSGは70年代に作られた国産のコピー・モデル。もちろん世界でも有数のクォリティを誇るコピー品なのはわかるが、ナントヌケがよく、ツヤっぽいトーンなんだろう!ビックリしたわ!
後で聞いたらやっぱり評判がいいらしい。
素晴らしい弾き手といいアンプ。指が80%のサウンドを作り、増幅されるトーンの70%は、ギターではなく、アンプがカギを握っているということを改めて痛感した。
フルヴァルブのヘッドと4x12"ってやっぱりホント~にいい音だ。最近デジタル機器の勢いが強くなるにつれて、その音質の差がよけい意識されるようになってしまった。
やっぱりロック・ギターはPAじゃなく、自分の後ろのスピーカーで空気を揺さぶらなじゃダメだ!
「Put the Metal to the Pedal」はとても好きな曲。剛さんが弾くテーマが何とも魅力的なのだ。
そして、唯一のカバー曲「Paradise a Go Go」。
コレもすごくいい。
アレンジの大胆さではヤナーチェクの「Sinfonietta」を転用したELPの「Knife Edge」ぐらい。
なんか、このヤナーチェクの曲は村上春樹で知られるようになっているらしいけど、断然ELPですから。
カバーされることの多いこの曲だが、DYNAGONバージョンは典型的なハード・アレンジで最高にゴキゲンだ!
そしてショウはクライマックスへ…。その名も「Dynagon」だ。「Led Boots」のようなイントロから曲は意外な展開へ。
曲はシゲさんのギターと剛さんのキーボードの壮絶なバトルでクライマックスを迎える。
双方一歩も退かない激しい競り合いをユックリどうぞ!
「なんや、そんなん弾きやんやん!」…てなことを楽器で話している。
そして、アンコールで「Deep Impact」と「Victory」を演奏してDYNAGONの出番の幕を下ろした。
DYNAGONの詳しい情報はコチラ⇒DYNAGON facebook
そして、お楽しみのジャムセッション。
千田さんが加わって「Burn」。
ラクラクとうたいこなすデビカバぶりが快感!
ギターに入ったのはGO†ONのえんどおさん。
もうひとり、ゲストの植木英史。
足元のようす。
イヤ、このディレイが懐かしいナ…と思って。若い皆さんは平気でコンパクトなサイズのデジタル・ディレイを使っているけど、昔はバカでかいテープ・エコーしかなかった。しかも軽く10万円越えしていた。35~40年ぐらい前の10万円と言ったら大金よ。今でも大金だけど。当時の価値では大卒の初任給と同じぐらい。
たかが「こだま」にそんな大金を投資するのは大変だった。まずプロ、もしくはセミプロ以外のギタリストぐらいしかテープ・エコー(エコー・チェンバー)なんて持っている人はほとんどいなかった。
それで出てきたのがこのディレイ。「ディレイ」なんて言葉もこの頃から使い出したんじゃないかしら?
何せ中にテープが入っていないんだから驚いた。私は、音質的にはテープ・エコーの方が断然いいと思ったけど、今にして思えば音楽機材の利便性や可搬性において、一種の革命がおこった時代だったのかもしれない。
Yngwieもコレを使っていて、リハの時、はじめは平らにおいていたがスペースの関係で写真のように立てて設置することになった。その瞬間、Yngwieの合図でローディがフェラーリのステッカーを持ってきて、ディレイの客席に向かっている面にペタリと貼りつけたのを見た…笑った。
キーボードは剛さん。Jon Lordスキだでネェ~。それこそ「♪燃えろ~(王様風)」だった。
2曲目はWhitesnakeの「Crying the Rain」。
千田さんのデビカバ!
ドラムはYasuさんにチェンジ。
YJMでバリバリ弾き込む植木さん!
Toshさんのノエルっぷりも板についてる!
「水を得た魚」とはこのことか…見よ!シゲさんのナチュラルな熱演!
シゲさんもホント勉強熱心で、「ジミのピッキングがわかったんや!」と最近大騒ぎしていた。「エ。まだ研究することがあるの?」と思ったが、イエイエ、ホントに一段と音がナマナマしくなった感じで奏法を変えた成果がうまく出ていたように聞こえた。
イヤ~、楽しいイベントでした~、チョット長かったけど。
「名古屋時間」というものがあるのかどうかは知らないが、なんか雰囲気がユ~ックリしていて、ま、旅先ということもあるけど、時間が遅くなってもそう気にならない感じがするね。
いつかのMarshallのイベントの時もそうだった。時間の流れ方が明らかに東京と違うように思えるのだ。
いい音楽と最高の演奏をゴキゲンな場所で…いい旅でした!ありがとうDYNAGON&GO†ON!