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2023年3月

2023年3月31日 (金)

プログレッシブ・マサラ vol.1~Romanesco登場!

 
今日のライブ・レポートはMarshall Blog初登場の「Romanesco(ロマネスコ)」。
金属恵比須のメンバーの2人が参加していることよりご紹介頂いた。
『Progressive Masala vol.1(プログレッシブ・マサラ)』というイベント。
「マサラ」?…カレーでも出て来るのかしらん?
かつて「ロックとカレーの融合」みたいなイベントが実際にあったからね。
内容はRomanescoとEvraakのダブル・ヘッドライナー・ショウ。
「ツーマン」ではなく「ダブル・ヘッドライナー」ね。

10v

ところで…「Romanesco」というバンド名ね。
私はてっきり「ロマネスク様式(Romanesque)」から来ているのかと思っていた。
クロード・ドビュッシーとかね。
そこで、「ロマネスク」について調べようとインターネットを探っていてビックリ!
下の写真にあるおしゃれな八百屋さんで見かけるスゲエ形のヤツ。
コレ、「ロマネスコ」っていうんだってネェ。
ゼンゼン知らなかった。
カリフラワーの仲間でブロッコリーに近いというんだけど、なるほど言われてみればそういう感じがする。
ただルックスのインパクトが強すぎる!
で、「もしや?」と思い、Romanescoを紹介してくれたメンバーの秀貴くんに半ばフザけて訊いてみた。
そしたら「そうみたいです。バンドの名前はアレから来てるそうです」という答え。
これまたビックリしたわ!
そこで考えてみると、野菜の名前をグループ名にしているバンドって他にいないのではないか?
誰かいる?
「じゃがたら」は意味が違うし、私は苦いので好きじゃないんだけど、「ふきのとう」は野菜じゃないでしょう?
大根、人参、胡瓜、芋、白菜、椎茸、牛蒡、小松菜、南瓜、葱、茄子、玉蜀黍…思い当たらない。
私が知らないだけどフォークのチームにいそうだな。
一方、海外はどうか?
「Cucumber Slumber」とか「Green Onion」とか「Watermelon in Easter Hay」なんて曲はあるけど、バンド名はどうなんだろう?
全く思い浮かばないな。
ロマネスコ…ウマいところに目を付けたではありませんか。
しかもこの幾何学的なデザイン。
Romanescoの音楽を象徴しているようだし…。
オッと!宮嶋さんが「フィボナッチ数がどうのこうの」とか言い出す前にロマネスコの話を切り上げることにしよう。15演奏に先立ってトークのコーナーが設けられた。
パネラーはRomanescoのリーダー宮嶋健一とこの日2番目に登場したEvraakの菅野ハヤヲ。
20
まずは「プログレッシブ・マサラ」というイベント名について。
「このイベントの打ち合わせをした場所が大久保のネパール料理屋さんだったんですよ。
それで、シルエレさんにイベント名を訊かれて、『プログレッシブ・マサラです』と伝えちゃったんですね。
でも『マサラ』というのは、スパイスとか調味料を混ぜたモノという意味なので、2つの毛色の異なるバンドが出演するイベントにはもってこいだと思ったんですよ」30v
今日のロマネスコの演奏については…。
「今までアルバムを2枚出していて、それに収録されている曲を今のバンド編成であまり演っていないんですよね。
アルバムをお買い上げ頂いた方には申し訳ないんですが、新しくRomanescoがやることを楽しんで頂きたいと思うんです。
1981年にクリムゾンが初めて日本に来て『21世紀の精神異常者』を演るのかと思ったら何かワケのわからない曲を演った…みたいな。
今日も音源化されていない曲が半分以上なんですが…アルバムに入っているゴッツい曲も演りますので楽しみにしていてください」
50
この日のお客さんから寄せられた質問に答えるタイム。
まずは…菅野さんが影響を受けたバンド。
「高校の時にスウェーデンのAnekdotenがデビューしまして…多感な時期に出て来たバンドでしたからとても好きで今でも聴いています。
もうひとつ…その前からのバンドということでDeep Purpleも挙げておきたいと思います」
私もこのスウェーデンのバンドが好きでした。
Marshallの会議が開かれる時、いつも私の隣の席に座るのはスウェーデン人のエリックで、この日本で「アネクドテン」と呼ばれているバンド名が自国でどう呼ばれているのか?と正式な発音の仕方を尋ねたことがあった。
「How do you pronounce アネクドテン?」と訊いたところ見事に通じなかった。
私のことを憐れに思ったのか、エリックは少し考えてからハッとナニかに気づいたようにこう言った。
「Oh! Sorry, you said ニクウクン!」
この「ク」はアメリカ人が「mountain=マウンクン」という時のような、日本語にない鼻から息を抜いて出す「ク」の発音。
私はコレと同じことを「ケンタウロス」でも経験したのを最近もどこかに書いた。
アレは英語圏では「セントゥア(Centaur)」と呼ばれている。
日本式発音ではテコでも通じない。
40v
これからのバンドサウンドの傾向は?
「ロマネスコははじめ60年代や70年代のブリティッシュ・ロックを日本語で演るコンセプトのバンドだったんですが、セカンド・アルバムぐらいでそれをやり切ってしまったんです。
そこで、今は看板を『オルタナティブ・プログレッシブ・ロックバンド』に架け替えて時代とかにこだわらず『ナニを演ってもRomanescoだぞ』みたいなことをやっていきたいですね。
今日のライブの感じでそれが見えてくるかな?と思っています」
Img_7298_2
他に影響を受けたバンドや打ち上げでよく行く店など、バラエティに富んだ話題を交えてトーク・コーナーを終了した。60ひとつ…1981年のKing Crimsonね。
当時18歳の私は自転車に乗って近所の浅草国際劇場へ観に行ったんだけど、もうこの時には『Discipline』が出ていたので「全くワケのわからない曲ばかりだった」…という印象はなかったかな。
そういえばその『Discipline』はまだ日本に進出したばかりの渋谷のタワー・レコードで出てすぐに買ったんだったっけ。
渋谷中を赤字で「TOWER RECORDS」と書かれた黄色い袋を持った若者が歩いていて、自分もナニか買ってあの袋に入れてもらおう…と思ったんだな。
42年も前の話。
Shd_2 でも、宮嶋さんがおっしゃった通り、「精神異常者」を期待していた人は実際に多かったと思う。
エイドリアン・ブリューが「ア、カ」と次の曲名を告げた時の歓声の大きさがそれを物語っていると思う。
こんなタイトルの曲、戦時中だったら大変なんだけどね。
ロバート・フリップがイスに座ってジックリとギターを弾く傍ら、エイドリアン・ブリューがハネ回っている姿が印象的だった。
私は「Thela Hun Ginjeet」のトニー・レヴィンをすごくカッコいいと思ったナ。
ビル・ブルフォードも素晴らしかった。
「Indiscipline」とか「Frame by Frame」とか、とにかくモノスゴく演奏がウマいと思ったわ。

9kca

第1回目の『プログレッシブ・マサラ』、まずはRomanescoがステージに上がった。
1曲目は「隠された星空 Part3,1 &2」。
70栗谷秀貴80v須田慎吾90v重本遼太郎100vそして、ミヤジマケンイチ。Img_7361 めまぐるしく変化するワルツのリズムでソロを展開する秀貴くん。
130
秀貴くんは金属恵比須ではベースを担当しているが、Romanescoでは本職のギターをドップリと聴かせてくれる。
もちろんアンプはMarshall。
JCM900 4100と1960A。140v足元のようす。150余分な場所をとらないように気を遣っているのか、ペダル・ボードが2階建てになっている。
しかし、今は色んなモノがあるよネェ。
私が大学の頃、それこそKing Crimsonを観に行った頃はこんな便利なものなどなくて、大枚はたいて買ったペダルを適当な大きさに切ったコンパネにアロンアルファでペタリと貼っていたわ。
160遼太郎くんのドラムス、スゴし。
「手が速い」と言ったら人聞きが悪いか…スティックさばきが実に鮮やか。
粒立ちがハッキリしていて音が実にキレイなのだ。170宮嶋さんのボーカルズに…
110v
須田さんが重なっているツイン・ボーカルズ体制。
アチコチでメロトロンの音がしていて気持ちいいな。
120v
リズムが激しくなって秀貴くんのギターが縦横無尽に飛びまくる!180v今度は須田さんのピアノとImg_7398宮嶋さんのムーグのソロが絡む。
この後もジャンジャン出てくるけど、ツイン・キーボーズの目的ってこういうことか…と、Romanescoの演奏で納得できたような気がしますよ。
190v秀貴くんのアルペジオからスタートした2曲目は「テレマ」。200v_trm宮嶋さんの本日3つめの楽器はフルート。
フルートもプログレッシブ・ロックの音楽性にとてもよくマッチする楽器だ。
「まだ余裕がない!」とおっしゃっていたけど、一本足で吹きまくる日が近いことを期待する。210曲調がガラッと変わって勇猛な6/8拍子のパートに。
宮嶋さんはフルートを置いてすぐさまムーグのソロにスイッチ。
実に忙しい!
0r4a0054
リード・ボーカルズは須田さん。230ココでも秀貴くんの縦横無尽のソロ!240v疾走する遼太郎くんのドラムス!
250v
ドラマチックなギターとムーグのアンサンブルから歌のパートに戻って曲は静かに終わる。
もう一般的に「プログレッシブ・ロック」と呼ばれる音楽のエキスが存分に盛り込まれた1曲。
私も若い頃こういう音楽ばかり聴いていました。
350
「Romanescoです。この編成になって2回目のライブです。
今日もまたアルバム未収録の新曲ばかりを中心にお届けしております。
1曲目はセカンド・アルバムに入っていた『隠された星空』でした。
金属恵比寿の『星空に消えた少年』とちょっとカブりそうなんですけど、こっちの方が先につけたタイトルです。
コレがやってみたいと思っていた『歌の付いたマハビシュヌ』って感じの曲なんですが、しばらくはこの方向性でやってみたいなと思っています」
270
「ボクたち、昨日リハを演って、それで今日を迎えているんですが頭の中が真っ白になっちゃって…物販のCDを持って来るの忘れちゃいました!
今日は須田慎吾くんの詩集を持って来ております」280v次も秀貴くんのギターから。290_skRomanescoは須田さんのソロアルバム『ラムネ時代』をキッカケに始ったとか。
そのアルバムから「空が消えたら」。300vココでもメロトロンをタップリと。
しかし、メロトロンという楽器ってスゴイよね。
極めて構造は土木的というか原始的というか…でもこの音色一発で音楽のジャンルを特定してしまうほどの個性がある。
日本人はとてもこの音色が好きなんでしょうけど、海外の人ってどう思っているんだろう。
今度訊いてみよう。
310ナニ気に拍子が5/4拍子に変わって…
400v
上下両方からメロトロンのサウンドがあふれ出る。
340
そんな幻想的なムードの中秀貴くんがソロを奏でる。Img_7517 続いて出来立てのホヤホヤという「ブライト・デイ・ガーデン」。360v_bdg今度は須田さんがギターを弾きながら歌う。370ブリティッシュ然としたシャープなリフ。380宮嶋さんも加わってボーカルズはチョットポップな仕上がり。
コンパクトで聴きやすい1曲?
390意表をつくカットアウトのエンディングがカッコいい!
440v
ココでメンバーを紹介。
「結構新曲を中心に演ってるんで古い曲を演るスペースがあんまり無いんですが、またそのウチなにかピックアップして演りたいと思っています」
410v秀貴くんのアルペジオで始まった次の曲は以前にも披露しているという新しいナンバー、「雨の歌」。
コレは7/4拍子になっているのかな?430v_auこの曲もボーカルズは宮嶋さん。Img_7334ココでもドップリとメロトロン!460v後半の器楽パートがすこぶるスリリング!
遼太郎くんのドラムスが暴れまくった!
470v
続けては前回のライブでオープニングで演奏したという「ギュルヴィの惑わし」。
これまたノッケから遼太郎くんと…480v_gn秀貴くんが大爆発。
530v
おお、「A Man, A City」風!
この曲のリード・ボーカルズは須田さん。490v宮嶋さんは右手オルガン、左手ベースの二刀流。
520
リズムがゴキゲンなシャッフルになってギター・ソロ。
540
メンバー紹介の時に宮嶋さんが秀貴くんを「鬼弾き」と紹介していたけど、まさに「ギターの鬼」!
600

「ギュルヴィ」という言葉を初めて耳にした。
調べてみるとスウェーデン王国の最古の王様と言われているものの、実在していたかどうかは不明だとか。
今演奏した曲のタイトルは「ギュルヴィの惑わし」となっていたけど、「ギュルヴィのたぶらかし(Gylfaginning)」という話しがよく知られているらしい。
話せば長くなる…というか、よくわからないので脱線で逃げると…国を削られてしまったギュルヴィが行く先がナント「ヴァルハラ」なんですな。
「ヴァルハラ(Valhalla)」というのは、「戦士が戦いで死んだ後に行く宮殿」のことで、コレをYetti Valhalla(イェティ・ヴァルハラ)というカナダのバンドの人に教えてもらった。
で、この「ヴァルハラ」がレッド・ツェッペリンの「移民の歌」に出て来るんだよね。
コレは先月「王様」の記事を書いていて知った。
私んとこ、何だかしらないけど一気にヴァルハラ・ブームなんですよ。

Is

それでギュルヴィはそのヴァルハラで神様から色んな話を聞くんだけど、気がついてみたら館もナニもない原っぱにいた…みたいな話。
こういう話の発想って洋の東西を問わないのかね?
溝口健二監督の『雨月物語』なんかは空いては幽霊だけど結末が似てる。Um『耳なし芳一』もプロットが似てる。
ま、コレは原作がラフカディオ・ハーンだから元々日本のモノではないけど…。
この小林正樹の『怪談』の「黒髪」なんかも「気が付いてみると…」という点では同じ結末だ。

Kd「…というワケで残すところあと1曲です。
皆さん飲んでますか?いい感じに酔ってますか?
メンバーには酒が飲めない人が2人いて、ボクと須田くんは結構飲めるんですけど、今日みんな機材車で来ているので、お酒NGなんですよ!
ですから皆さんはボクたちの分まで飲んで楽しんで行ってください!」
570v
「それで唐突なんですが、最高のビールのツマミって太陽の光なんじゃないかとボクは思うんです。
昼間っから飲むビールって最高じゃないですか!
ワインもいいけど、やっぱ昼に飲むビールって夜に飲むよりウマいと思うんですよ。
そんな『昼に飲むビールはウマいな~』っていうのを歌詞にした曲です。
Romanescoを結成して以来、いつも最後に演ってる曲で今日も〆たいと思います。
今日はありがとうございました!」

550v
速めにかけたモジュレーションのギターで曲はスタート。
いいフレーズ!Img_7583んんん?
コレは譜面に書くとどうなるんだろう?
3つでグルーピングした8分が4つと、4つのグルーピングがひとつ…になってるのかな?
こう書くと複雑なイメージだけど、曲は実にスムーズ。
…と思っていたらやっぱりコレは4/4だ!
始めっからヘンなことをすると予想してかかるもんだから、そういう風に聞こえちゃうんだわ。
Img_7634そう感じさせるのは歌詞の力もあるのだろう?
「♪昼間からビール飲んでる」…まったくそのまんま歌ってた!
宮嶋さん、メッチャ酒強そうだもんナァ。
手をノドに当てているのは「アイ~ン」をやっているのではなく、ノドを叩いてビブラートをかけている。
もう酔ってしまったのか、声が震えるほどウマいビールということなのか…。
昼間に飲むビールは確かに美味しいけど、飲んだ後がツラくてね~。
605v
こうなるとは思っていたけど、曲は昼間のビールの力も手伝って壮絶なインスト・パートに突入する。590
須田さんのギター・ソロ。610秀貴くんの鬼弾き。
Img_7712
宮嶋さんはオルガンでソロ。620秀貴くんは今度はボトルネックでソロ!630vキーボーズだけでなくベースでもスケールの大きなプレイを見せてくれた宮嶋さん。640vまさにワン&オンリーな世界。
やっぱりこの手の音楽を絶やしてはいけないね。
若い人にも是非プログレッシブ・ロックのライブに足を向け始めてもらいたい。
Romanescoがその嚆矢となることを願って止まない。
 
Romanescoの詳しい情報はコチラ⇒Romanesco公式ウェブサイト

650

  
☆☆☆Marshall Music Store Japanからのお知らせ☆☆☆
 
日本が世界に誇るインストゥルメンタル・バンド、D_Drive。
海外ではプログレッシブ・ロック・バンドにカテゴライズされています。
と、いうことで先日イギリスの権威あるプログレッシブ・ロックの雑誌に取り上げてもらいました。

Prog

こんな感じ。

<だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)>

コチラはSONY Xperiaとのコラボレーションで制作した最新ビデオ<Wings>。

<Thmbs Up>

<Begin Again>

Marshall Recordsが世界にリリースするセカンドアルバム『DYNAMOTIVE』絶賛発売中!

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Marshall Music Store Japanでお買い上げのお客様にはMarshall特製スクエア・ロゴ・ステッカーを3枚プレゼント!
 
お求めはコチラ⇒Marshall Music Store Japan

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(一部敬称略 2023年2月26日 吉祥寺シルバーエレファントにて撮影)

2023年3月30日 (木)

生まれ変わるMarshall~Marshall GROUP誕生!

 
すでに経済関連のウェブサイトの速報でご存知の方もいらっしゃることと存じます。
この度Marshall HEADPHONESを運営しているスウェーデンのZOUND Industies社がMarshall Amplification plcを買収し、新しく『Marshall GROUP(マーシャル・グループ)』を立ち上げることとなりました。Img_5980現在、Marshall社はMarshall、NATAL Drums、Marshall RECORDS、Marshall STUDIO、Marshall LIVE AGENCYを運営していますが、今後はMarshall HEADPHONESを加えた『Marshall GROUP』として一本化されます。
日本市場においてはMarshall、NATAL Drums、Marshall RECORDS、Marshall HEAPHONESが流通しておりますが、当面はナニも変わることはありません。
MarshallはMarshall、NATALはNATAL、RECORDSはRECORDSです。
同じブランド名を持つMarshall HEADPHONESと一体化し、グループを強化することによって以前にもまして魅力的な商品やサービスをお客様に提供することが目的です。
つきましてはMarshallファミリー商品の倍旧のご愛顧を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

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ローレンス・ジョーンズ plays JMP50 2144コンボ

 
Marshallから新しいデモ・ビデオがリリースされた。
それがナンのデモンストレーション・ビデオかというと…ナント、1970年代の後期に生産していたコンボ、2144なの。
弾き手はローレンス・ジョーンズ。
10s
トラディショナルなロックにかけては権威のあるイギリスの「CLASSIC ROCK」誌に「ブルース・ロックの将来」と言わせしめた実力派ギタリスト/シンガーだ。
才気あふれるリフやソロ、キャッチ―な曲でこれまで数々のメジャーな賞を獲得し、ヴァン・モリソン、リンゴ・スター、ステイタス・クォー等のビッグ・ネームとの共演も経験している。
2017年のオランダで開催された国際ブルース・フェスティバルではバディ・ガイから共演の指名を受け、15,000人の前でそのギター・プレイを披露した。50ビデオの中でローレンスの横に置いてあるのが愛器のJMP50 2144。60

2144は拙監修本『アンプ大名鑑[Marhall編]』にも登場しているんだけど、この辺りのモデルってややこしいんだよね~。
ところで、久しぶりにこの本のアマゾンの現況をチェックしてみると、値段が3倍ぐらいになっているのね。
もしかしてその理由が「監修者の揮毫本」とかになっていたらどうしよう!かと思ったけどゼンゼンそんなことがなくてホッとしたわ。
え?思い上がるのも大概にしろ!って?おっしゃる通りですナ。70bナニがややこしいのかというと、その型番ね。
仕様も名前も見た目も似ているの。
チョット整理してみましょう。
まずは「2040」から。
コレはギター用50Wの2x12"コンボ。
70_20402チャンネル、4インプット。
1971~1978年まで「Artist」という名称で親しまれた。
7年も生産が続いたというのは人気があったと言える部類のモデルでしょうナァ。80コチラは「2104」。
同じくギター用50Wの2x12"コンボ。
実はコレはわかりやすい。90_2104マスター・ボリュームに2インプット。
つまり「JCM800 2204」のコンボ・バージョンの「2104」の前身がコレ。
まだ1981年のJCM800シリーズが始まる前ね。
一般的に「JMP期」と言っているのかな?
「JMP」は「Jim Marshall Products」の頭文字ね。
100_2104熱心にMarshall Blogを読んで頂いている方にはこの辺りでモデル・ナンバーについて「?」と思われるかも知れない。
というのは、この辺りのモデルはいつかMarshall Blogに書いたモデルのナンバリングのロジックに沿っていないのではないか?という疑問。
そうなんですよ。
コレはマイク・ドイルに確認したワケではないが、もうこの頃になると最初のナンバリング・システムはローズ・モーリス社内で崩壊していたんでしょう。
多分、ロックの普及に合わせて新しい楽器が次々と発売になって収集がつかなくなったのではなかろうか?
1971年に発売した上の「2040」はまだ従来のナンバリング・ロジックに沿っていたんだと思う。
ところがその後、ローズモーリスが一計を案じたのは、「もうややこしいので、少なくともヘッドとコンボの型番はハッキリ区別しようではないか?」ということ…あ、コレは推測ですからね。
で、どうしたかというと、4ケタのスタイルはそのままに、ヘッドは「1959」や「1987」に倣ってアタマ2ケタを「19--」に、そしてコンボは「21--」にした。
ナゼ「21」だったのかはわからない。
だから「1959」のコンボ・バージョンは「2159」だし、「1987」のコンボ・バージョンは「2187」となった。
同じようにこの「2204」のコンボ・バージョンも「2104」になった…何度も言いますがコレは「推測」よ。
その程度に読んでください。
私は牽強付会の主張はしませんから。
 
そのナンバリングについてはコチラをご覧あれ。
    ↓   ↓   ↓

12mae_rose同じく、ローレンス・ジョーンズが愛用している2144も何かのコンボ・バージョンではないかと思うんだけど、私が調べた限りでは「〇〇44」というモデルは見当たらなかった。110_2144ビデオの中でもローレンスが説明しているけど、このモデルはマスター・ボリュームとリバーブが付いているのが大きな特徴だ。120もうひとつの特徴は2つのインプットのうち「HIGH」にはフットスイッチでオンオフがコントロールできるブースト機能を搭載していた。
これにより、この辺りのモデルの中では抜きん出て深い歪みを得ることができる設計になっていた。130スピーカーは伝統のCesstion製。
もうひとつの特徴は、このモデルは1978年にしか生産されず短命に終わった…ということ。

140コレがそのビデオ。
その「2144」のサウンドをご堪能あれ。
ローレンスも気持ちよさそうに弾いてるわ。
ところで、ローレンス・ジョーンズはMarshall Recordsの契約アーティストです。
ウチにはローレンス・アーチャーもいるけど、「ローレンス」って長いな……「ラリー」にしてもらうとラクなんだけどな。
150
ローレンスが昨年Marshall Studioでレコーディングしたアルバムは『DESTINATION UNKNOWN』。 
CDと…

20

LPを用意しています。

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170s
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160s
 

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2023年3月29日 (水)

ジミ・ヘンドリックスのMarshallをオープン・ザ・プライス!

 
最後にMarshallの本社に行ったのは2019年の5月末のことだから、もうすぐ丸4年もイギリスにご無沙汰ということになる。
『名所めぐり』のネタも仕込んであることだし、ソロソロ行きたいんだけどね。
今、イギリスは物価の上昇で大変なことになっているからな。
加えてこの円安の状況下、節約覚悟で行ったにしても現地で侘しい思いをするのもイヤだもんね。
何しろ地下鉄の初乗りが1,100円もする国だからね。
新宿から新宿三丁目まで乗って1,100円。
梅田から淀屋橋まで乗って1,100円。
実際にこんな風にして地下鉄に乗っている人はいないけどシステム上ではこうなってる。
まぁ、とにかくまだまだ行かれそうにないわ。
 
で、よくMarshallに行っていた頃の話。Img_7867工場のリペアのスタッフは私がMarshall Blogをやっているのを知っていて、私が工場にいる時にレアなMarshallの修理品が舞い込んでくると、場内電話がかかって来て「シゲ、オモシロいものが入ったぞ!」とよく教えてくれたものだった。
Marshall Blogのネタに使え…というワケだ。
そこはさすがMarshallの母国だけあって、日本に入って来なかった見たこともないレアなアンプがタマに修理に持ち込まれるのだ。Img_0116この時は「JTM100が入ったぞ!」ってなもんだった。Img_0128コレも珍しい。
2061の赤。
コレ、リイシューじゃありませんからね。
オリジナルの2061だから50年以上前のMarshall。Img_0115この時はリペアのセクションからではなく、当時の副社長からの連絡だった。
「シゲ、オモシロいものを見せてあげるから社長室にすぐおいで!」
で、慌てて社長室に駆け込んだ。
「J. H.EXP…もしかしてコレって?」
「そう、スウェーデンのコレクターから借りたホンモノだよ」とこの時は言っていた。
「ジミ・ヘンドリックスが実際に使っていたSUPER100だよ」というワケ。
Srimg0183
このSUPER100は1966年の中頃に作られ、同年10月8日にジミの手に渡ったとされている。
その10日後にこのヘッドはパリでジミと一緒に写真に収まった。
モンタレー・ポップ・フェスティバルや1967年3月2日のマーキー(調べてみるとこの日はジミ名義でのライブではない)、また同年11月14日のロイヤル・アルバート・ホールでも使用されたことが確認されている。
Srimg0181MarshallはこのSUPER100をリファレンスに「ジミ・ヘンドリックス・シグネチャー・モデル」と称したリイシュー・モデルを発表した。
それがこのSUPER100JH。

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しからば、このジミ・ヘンドリックスが使っていたSUPER100が手に入るのであれば、一体どれぐらいの値段になるのであろうか…。
え、そんなものが手に入るワケがない?
イヤ、手に入るようなんですよ。
アメリカのビンテージ楽器を扱うウェブサイトに売りに出ていた。
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そして、その値段は…いち、じゅう、ひゃく、せん、まん…。
エエエエエエ!
100万ドル?! 「乙羽信子のエクボ」じゃないっつーの!
今なら1億4千万円也だぜ!
さっそくMarshallの連中にこの情報をシェアしてみると、案の定この値段には「Jaw-dropping」!
 
購入ご希望の方はコチラからどうぞ!⇒PURE Vintage 

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このアンプは元々、ジミの死後にリッチ・ディッキンソンというイギリスの人が所有していた。
ノッティンガムシャーのマンスフィールドという所にある「Carlsbro Sound Centre(カールズブロ・サウンド・センター)」という楽器店に£65で売りに出されていたそうだ。
1971年の話。
イギリスがECに加入してVAT(Valuable Added Tax=消費税)を導入するのは1973年のことなので、この当時は「£65」と言ったら支払いは「65ポンド」だけでOK。
1971年当時の為替レートはだいたい850円/£だったので、55,250円で売っていたことになる。
では、今から52年前の「5万円」って今のいくらぐらいに相当するか…。
1971年の国内企業物価指数が令和2年比「54.2」だというから、リッチはジミ・ヘンドリックスがモンタレー・ポップ・フェスティバルで使ったMarshallを今の感覚で概ね10万2千円で手に入れたことになる(リッチは£5の送料を別払いしている)
ハイ、欲しい人!
「ハイ!」…その値段ならさすがの私も買うわ!
10万2千円が今では1億4千万円だもん。
その後、アンプは回り回って2020年にはクリスティーズのオークションにも出品されたそうだ。
下はその「カールズブロ・サウンド・センター」があったノッティンガムシャーのマンスフィールド。
現在の人口が10万人ほどのこんな小さな町にジミ・ヘンドリックスが使ったアンプがあったなんてネェ。
Ten Years Afterのリック・リーとレオ・ライオンズはココの出身だそうだ。
Mfところで、イングランドの中央部に位置する「ノッティンガム」は「ロビンフット」の地元なんだけど、我ながら自分のダメさを自慢したくなるぐらいこの地方の英語がわからない。
「Ay up duck!(エイオプドック!)」なんていきなり言われてわかる?…イヤ、いきなりでなくても我々日本人には永久にわからんね。
「duck」は「北京ダック」の「ダック」…つまり「アヒル」。
何しろ私のバカ耳ときたら完全に「dog(犬)」としか聞き取れなかった。
で、この「duck」は相手に愛情を込めて呼びかける時の言葉だそう。
だから「Ay up duck!」というのは、ノッティンガム方面の「Hello my dear!」という意味なのだそうです。
こんなの学校の授業では教えてくれないよ~!
ま、ジミ・ヘンドリックスも初めてイギリスに来た時はその英語に驚いたっていうからね。
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さて、折角のジミ・ヘンドリックスの話題なので私が過去に丹精を込めて書いたジミ・ヘンドリックス関連のMarshall Blogの記事を紹介して今日の記事を締めくくりたいと思う。
ヘタな文章だけど、動画ばっかりじゃなく、タマには字にも目をやってくださいな。
コアなロックが好きな方にはオモシロイ内容になっていると思っています。
 
【イギリス-ロック名所めぐり】
vol.58 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.1>
1966年にロンドンに渡ったジミ・ヘンドリックスとその後の活躍。Img_9931_2

vol. 59 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.2>
ジミ・ヘンドリックスとMarshallの出会い。
今日の記事の1億4千万も出てきます。
S

vol. 60 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.3>
ジミ・ヘンドリックスのお宅訪問。20vol. 61 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.4>
ジミ・ヘンドリックス博物館のご案内。
あの有名な「Speakeasy」も出て来るよ。
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vol. 62 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.5>
ジミ・ヘンドリックスのレコード・コレクション。
ジミはどんなレコードを聴いて影響を受けて自分の音楽のアイデアを練ったのかな?
70_2

vol. 63 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.6>
レコード・コレクションの後半。この記事を書いていた時は本当に楽しかった。
そして、ロンドンの最後のジミ・ヘンドリックス。140_4以上。 


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120

200
(情報提供:三宅庸介さん)

2023年3月28日 (火)

D_Drive リクエストソングライブ

 
D_Driveとのお付き合いもずいぶん長くなり、これまで色々なシチュエーションのD_Driveを観て来た。
でも、リクエストに応えてセットリストを組んだライブというのは記憶にないナ。
キャリアを積んでいるバンドにはよくある企画なので、見逃しているだけなのかも知れない。
…ということで、ファンのリクエストに応えてセットリストを組むD_Driveのライブに行ってきた。
どんな曲にリクエストが寄せられているのかを知るのは今後のMarshall Recordsのマーケティングに役立つかも知れないしね。10v_2「Run to R」のオープニングSEで登場。20Seiji30vYuki40vまずは「Hyper Driving High」。
なんか懐かしいナァ。45_hdhToshi50vChiiko60v続けてYukiちゃん作の「Now or Never」。Img_7223この曲はギター・アンサンブルのSeijiさんが弾くハモリのパートがムズカシイそうです。80もう1曲続けたのもYukiちゃん作のナンバー「Drive in the Starry Night」。90v_dis…と来ればこのフォーメーション。
今日もバッチリとキマりました。
この曲はココで聴くことが多い気がする。
最近このポーズでシャッターを切った記憶がRoute Fourteenの時以外にないような気がするんだよな。
そうでもないか?…そうでもないな。0r4a0027 「こんばんはD_Driveです!
昨日はココRoute Fourteenでの『居酒屋でぃ~どらいぶD_Drive』を復活させました。
今日は『リクエストライブ』ということでご来場ありがとうございます。
そしてご予約の時にリクエストをして頂きありがとうございます。
皆様から頂戴したリクエストの曲をタップリとお届けしようと思っています。
早速レア曲からスタートしましたよ~。
オープニングのSEが『R』というアルバムの1曲目に収録されてた『Run to R』ですね。
この曲はナマで演奏することもあったんですが、基本的にはオープニングのSEの音源で使っていた曲なんです。
でも、今日は『オープニングSEで…』というリクエストを頂きにそれにお応えしました」
110v「リクエストの内容を見るとメチャメチャ、レアな曲ばかりなんですよ。
だから今日は変な緊張感がありますね。
皆さんにもその緊張感に付き合って頂きながら最後までお楽しみください!」120今回はリクエストの多い順というワケではなく、リクエストがあった曲でセットリストを構成するというスタイル。
よって「一番人気のある曲はナンだろう?」ということではないですからね。
さりとて「いつも演らないレアな曲」だけを選ったワケでもありませんのであしからず。0r4a0012 次に演奏したのは「Champaigne」。
この曲は単独公演の時に取り上げられることが多いよね。
先日の「Strage」でも演奏していた。130v_cpSeijiさんと…140vYukiちゃんのインプロヴィゼーションを楽しんだ後は…150vToshiくんフィーチュアの「Mr. Rat Boots」。160v_mrbコレもナンカ久しぶりに聴いた感じがするゾ。170相変わらず最後のギター・アンサンブルに切り替わるパートがカッコいい!180「ありがとうございます。
D_DriveはMarshall Recordsから『Maximum Impact』と『DAYNAMOTIVE』を出していますが、今となっては手に入らない音源もイッパイあるんですよね。
昨年『DAYNAMOTIVE』をリリースしましたが、その中にこの既存曲の『Runaway Boy』を入れました。
だからこれから出るアルバムでもそういうこともあり得るのではないか?と思ったりしています。
その『Runaway Boy』は一番最初に出した『Something to the Drink?』というアルバムの1曲目に入ってたんですが、『DAYNAMOTIVE』で新たに一からレコーディングし直しました。
同じ曲なんですけど、13年も経っていて結構新旧に差がありますので色々と聞こえ方が違うのではないかと思います」
190「あと2曲演ったら換気をします。
その間、皆さんはジャンジャン飲んでくださいね。
今日は『居酒屋でぃ~どらいぶ』ではありませんが、たくさん飲んで、何かしら食べて頂けますとありがたく存じます!」200v早速その「Runaway Boy」。
この曲の新旧の一番の違いはナント言ってもベースがToshiくんになっていることでしょう。210v_rbリクエストが来てうれしいね。
『DYNAMOTIVE』に入れた甲斐があるってもんです。220v続けて「Peach Fizz」。230v_pfコレも時々単独のライブで取り上げられる強力なワルツ。240vこの後しばし換気のための休憩が入ってショウが再開。
 
「皆さん、飲んでますか?」とYukiちゃんから厳しいチェックが入る。Img_6721 「もうすぐ3月ですね…2月は28日しかないのでアッという間でしたね。
そして、もうすぐ3月で気付いたら春だナァと。
今の季節って、やっぱり梅のシーズンですよね。
いつも『U_Me』のMCの時に言っている神戸にある『岡本梅林公園』の梅が今すっごい咲いてると思うんですよ。
地元なのに行ったことがないんです。
行きたいな~と思ってはいるんですが…。
皆さんも『U_Me』を聴きながら梅をご覧になられてはいかがでしょうか?」250vということで「Thumbs Up」…ウソウソ!
「U_Me」にもリクエストがあったのね?
うれしいわ。
前回の『フロアライブ』の<後編>で「梅特集」をやった。260_um真剣な面持ちで演奏するChiikoちゃん。270v続けて「Unkind Rain」。
ロンドンのショウケース・ライブの時もリクエストをもらったっけネェ。
Yukiちゃんの泣きのギターだけでなく…280v_urToshiくんのベース・ソロもこの曲の聴きどころだ。290v「ありがとうございます。
さて、次は『Wings』です…ミュージック・ビデオは見て頂けましたか?
ありがとうございます!」
ビデオを製作して頂いたSONYさんの提供で、最近のD_Driveのライブ会場ではXperiaグッズ・プレゼント・キャンペーンを開催している。
もちろん「Wings」のビデオをご覧頂いた方が対象ね。300vで、早速Yukiちゃんのファンク・ストラミングから「Wings」。
へへ、最近は「カッティング」という言葉を使わないようにしているのです。310v_ファンキーなパートからヘヴィなパートまでChiikoちゃんのドラムスも大活躍!
さっきの「U_Me」の時とエラく表情が違うぞ!
「U_Me」はレコーディングの時、一番難しかったんだって。320vこれもヘヴィなワルツ「Lost Block」。330v_lbそう演られてみると、この曲も久ぶりだね。340「今日も終わりの時間が近づいてきました。(客席:エ~!)
大丈夫です!ココからが長いのがD_Driveです。
まだリクエストにお応えしていない曲がアレコレありますからね。
今日は普段なかなか演らない曲ばかりだったので。我々も何度か冷や汗をかきながら演って来ました。
同時に久々に演れてオモシロかったナァ~という曲もありまして、今日はとても良い機会だったと思っています。
最近はプロモーションでどうしても『DAYNAMOTIVE』の曲を中心に演ってたのでセットリストが偏りがちでしたからね」
340v「新しい曲はドンドン演っていくとチョットずつ変化してくるんですね。
その小さな変化でも私たちの中では大きな変化だったりするんです。
例えばさっきの『Wings』もライブで何回も演っていますが、まだまだこう…」Img_6698 「まだまだインコの気持ちになってない…って感じでかね?
でも、ボクもインコを飼っていたことがあるんですよ。
名前は『ピラフ』」
350「だからSeijiさんは普通の人よりは、インコの気持ちが分かりやすい?」
…とココでしばしインコ談義。
カレーピラフがどうとか、レモンがどうとか…ナゼ食べ物の名前をインコに用いるんだろう?
どうせなら「ネギマ」とか「スナギモ」にすればわかりやすいのに。
360さんざんインコの話をしておいて…
「コレ…考えてみれば『Wings』の前にやるトークやったね?!
今日は『リクエストソングライブ』ということで、皆さんご来場頂きまして本当にありがとうございました!」
370vこの後、3曲続けて演奏して本編を締めくくった。
まずは最近ではおなじみの「だるまさんは転ばない(Red Light、Green Light)」から。
Chiikoちゃんのスネア・ドラムの連打が炸裂!380v_rlglSeijiさんが弾く切れ味の鋭いメロディ。
スリル満点!390_rlそして「M16」。400v_mコレもいつも演っているけど、やっぱり人気のある曲だね。410v珍しくToshiくんがステージ上手に!
コレもリクエストによるものなのか?420もちろん銃撃戦のシーンは欠かせない!430そしてまた「Hyper Driving High」で本編を締めくくった。
ギターの持ち替えなし!
写真を選ぶのがラクで大変助かります!
440_rrそしてアンコール。
「どうもありがとうございます!
あと1曲演らせて頂きますね。
私は数年前にXperiaのテレビCMをやったんですが、久しぶりにそのCMの曲『Voices』を演りたいと思います」
このCMの時からバンド内でYukiちゃんは「ぺリア姉さん」と呼ばれているそうです。450vということで久しぶりに「Voices」。460vこうして最近は普段取り上げられない曲なんかを聴くと本当に歴史を感じるネェ。470v14年目。
あの時から皆さんも私も14歳も歳を取った!480v白髪の生えるまでカッコいい曲を世に送り出してくださいな…ね、ぺリア姉さん!490vそんなセットリストゆえ、やっぱり今日はすごく新鮮な感じがしたね。
で、演奏した曲をまとめてみると…
Marshall Records契約以前の曲  6曲 
Maximum Impact                  5曲
DYNAMOTIVE                        4曲
でした。
 
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Website

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『Maximumn Impact』入荷しました!

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200 (一部敬称略 2023年2月25日 本八幡Route Fourteenにて撮影)

2023年3月27日 (月)

もしも東京の真ん中に、山があったら。…石川達也のNATALカホン

 
森永乳業のコーヒー飲料「Mt. RAINIER」。

10v_4発売30周年を迎えて商品をリニューアルしたことを知らせるテレビCMが流れている。
それがコレ。

「もしも東京の真ん中に、山があったら。」か…東京がCMのようだったらオモシロイね。
でも、400年チョット前の江戸には山があったんですよ。
それは「神田山」。
今のお茶の水駅前あたりが山頂だったそうだ。

40_2徳川家康は江戸の居住地区の面積を広げようと、この神田山をガンガン切り崩して…30v_3その土砂を今の日比谷公園の辺りに運び込んだ。
この辺りは江戸時代の初め頃には「日比谷入江」という海だった。
スゴイね、家康ってのは。
この大工事の副産物として出来たのが神田川というのもオモシロイ。50_2さて、このテレビCMの中に若い人集って野外で音楽を演奏しているシーンが出てくる。
画面の右端でカホンを叩いているのはSilexのドラマー、石川達也。
NATALプレイヤーだ。970v_2ロゴは映らないけど、達也くんが叩いているのはもちろんNATALを使ってくれている。
コレがそのNATALのカホン。80s_3横はこんな感じ。90s_2背面はこう。100s_2ナチュラル・フィニッシュもあるよ。105_2NATALカホンの詳しい情報はコチラ⇒NATAL日本語版オフィシャル・ウェブサイト

9110v_2さてその達也くん、既に本人が発表している通り、この度残念ながらSilexを脱退することになった。
最後のステージは4月1日の四谷ハニー・バースト。
達也くんのSilexでの雄姿を是非ご覧になりに来てくだされ!

Silexの詳しい情報はコチラ⇒Silex Official Website

120s_2 

200

2023年3月25日 (土)

D_Drive フロア・ライブ vol.7 <後編>~春がきた!

 
春ですナァ~。
若い頃は夏の暑さがキライな反面、寒いのはヘッチャラだった。
ところが最近の冬の寒さのツラいことと言ったら!
だから春の訪れがうれしくてネェ。
その点、反対に夏の暑さをあんまり感じなくなって来たわ。
 
さて、好評のフロア・ライブの7回目のDAY2。
ココStrageさんの掲示板も本当にいつも見事な出来ばえだ。
コレって下書きをしないでいきなり書いちゃうんだって!10_2換気を充分にした後は「だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)」から。20_rlgl今日もSeijiさんが弾くシャープなメロディが冴えわたる!30vドライブしまくるChiikoちゃんと…40vToshiくんの「火の玉リズムセクション」。
60v曲はCDと同じくそのまま2曲目のYukiちゃん作の「Begin Again」へ50v_baこのつなぎはいつ聴いてもゾクっと来ますナ。
Toshiくんが加入したD_Driveの10年目に作られた曲…現在14年目驀進中!70_2今度はChiikoちゃんがスネア・ドラムで叩き出すマーチ風のリズムに…90vToshiくんのベースがブイブイと乗っかって…100v親指立てる~。
490_coそしてホール・トーン・スケールなのは「Thumbs Up」。110vNAMMのMarshallブースのリハーサルの時、Marshallの連中にこの曲を初めて披露した時のことをよ~く覚えているわ。120vサオ・チーム3人のタッピングのパートはこの曲のハイライト!130_2ハイ、一丁あがり~!140v「ありがとうございます。
『DYNAMOTIVE』から3曲聞いて頂きました。
次は『Wings』なんですが、MVをご覧頂きました方?…結構たくさんいらっしゃる。ありがとうございます。
私はSONYのXperiaアンバサダーを務めておりまして、その関係ですべてXperiaを使って撮影をして頂きました。
まだの皆さんには是非ご覧頂きたいと思います」160_2「最近は声出しがOKの会場が増えて来て、来月からマスクの着用が個人の判断になる感じじゃないですか?
皆さん、どうするんやろ~って…。
お互いがお互いの様子を見る感じになるんじゃないかな?と思います」
花粉症対策もあるのか、着用義務から解放されても驚くほどマスク率が高いよね。
まぁ、暑くなって来たところでみんなハズし出すんじゃないかしら?
私は基本的にゼンゼン付けていないんだけど、お店とか公共の乗り物に乗る時は付けています。
だって、周囲の目が白いんだもん!
170v<前編>でYukiちゃんが説明してくれた通り、この「フロア・ライブ」はPAシステムを一切使わずにナマの楽器の音でお届けしています。
 
Seijiさんの音はMarshallから。180vYukiちゃんの音もMarshall。
 
そういえば、Marshallの本社が作った「Design Store」という「オーダーメイドのMarshall」のPRビデオにYukiちゃんの「ブルー・ローズ」が出ていたわ。
190vそのビデオがコレ。

ナンでビデオの中に出てくるデザインのサンプルがYukiちゃんのブルー・ローズになっているのかというと…YukiちゃんのMarshallがこの「Design Store」の担当者のスティーブ・ヒルのお気に入りの作品だから。
下の写真のSeijiさんとYukiちゃんの間のオッサンがスティーブ。
私と年齢が近く、付き合いも長いのでMarshallの中でも特に仲良しなんだけど、スゴイ刺青でしょう?
何でも入れる刺青の面積の目標があって、先日達成したのかな?
で、この訪問の時、2人で吹き出したことがあった。
ルックスでわかる通りスティーブもロックが好きなもんだから、よく昔のロンドンのロックの話しを彼にしてもらうのね。
何せプリ・パンクの時代からロンドンのロック・シーンを目の当たりにして来た「本場の人」だから。
ある時、ローリング・ストーンズの話になった。
実は私は子供の頃からローリング・ストーンズがニガテなのね。
それでスティーブにストーンズは全く聴かない…みたいなことを言っていて、途中でハッと気が付いた。
「しまった!やっちまった!」と思ってスティーブに謝った。
だってローリング・ストーンズと言えば、日本なら美空ひばりとか北島三郎みたいな「イギリスの人間国宝」みたいなもんじゃない?
「アナタの国の偉大な音楽家に失礼なことを言ってしまってゴメンね!」
するとスティーブは慌ててこう言った。
「シゲ、ナニ言ってんだよ!オレもストーンズがニガテなんだよ!」
ナント、イギリスにもローリング・ストーンズが好きではない人がいてビックリ!
2人で顔を見合わせて大笑い!Img_4545 ToshiくんはEDEN(イードゥン)。
200v
そして、ChiikoちゃんはNATALドラムスの生音を聴かせてくれる。
Chiikoちゃんの生音といえば…210Strageのライブにお越し頂いたことがある方はご存知だと思うけど、本番中に私がステージに上がってChiikoちゃんのすぐ横で写真を撮っているでしょ?
下のカットみたいな写真。
この時、当然誰よりも私が一番近くでChiikoちゃんのドラムの生音を聴いてるワケなんだけど、音が本当にスゴイんだわ。
それは決して「音が大きい」というのとは全く違って、何と言うか…銃声にも似た突き刺すような音の鋭さを感じるんだよね。
もちろんそれが全くうるさくない。
そうかと思うと、力いっぱい叩いているように見えて音が小さい人もいるし…オモシロイもんですよ。0r4a0296 Yukiちゃんのファンク・ストラミングで「Wings」。220v_wgこの曲も細かいところまでよ~く書き込んでいて聴けば聴くほどオモシロいナ。230vMCでYukiちゃんが触れていた淡路島で撮影したビデオも大好評だ!240v脱線します。
冒頭に書いたように、待ちに待ちに春がやって来た!
そうなると、やっぱりいくらヘソ曲がりの私でも桜は見たいわね…ということでいつもの上野恩賜公園。
旧、東叡山寛永寺の境内ね。
250彰義隊の慰霊碑も桜に彩られてとてもいい雰囲気。
今から155年前、ココで戦争があったんですよ。
え、誰と誰が戦ったかって?
薩摩、長州、佐賀、熊本、鳥取、尾張…等の新政府の連合軍に対して、我らが彰義隊が寛永寺の貫主、輪王寺宮を守るために単独で立ち向かった…でも、半日で負けた~!
コレが「上野戦争」。
この後、会津が斃れ、戊辰戦争で雌雄が結して明治の時代となり、いくつか戦争を経て、今のおかしな日本につながっているワケよ。
0r4a0039今年は宴会がOKということで上野恩賜公園も平日の昼間からスゴイ人出だった。
やっぱりいいね、桜は。
260そこで一首。

花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに

現代語に訳すと…桜の花の色がすっかり色あせてしまったように、私の容姿もすっかり衰えてしまったナァ。春の長雨が降り続き、私がもの思いにふけっている間によ。
 
なんか林芙美子の「花の命は短くて 苦しきことこそ多かりき」みたいですナァ。
詠み人はもちろん私ではなくて、「世界三大美女の一角」の誉れ高い小野小町。
で、普通こういうモノに出てくる「花」というモノは「桜」なワケなんだけど、奈良から平安の初期ぐらいまでは「梅」を指していたらしい。
そして、この小野小町の有名な歌に出てくる「花」は「梅」である可能性が高いらしいのだ。

9ok
今の元号「令和」も「梅」だからね。
万葉集の「梅花の歌」という歌に出てくる「令月」と「風和ぐ」の「令」と「和」を合体させたものだから…知らんけど。
Seijiさんはこの辺りのことをすべて知っていて「U_Me」という曲を作ったに違いない。
私なんか「百人一首」といえば、幽霊になったことで知られる天皇「崇徳院」と「千早ふる」の二首しか知らんからね。
しかも両方落語からだよ。

Rw  
ということで今度は「梅」。
梅の花ってのもとても可愛らしいモノでしてね。
先月、散歩をしていて紅白両方の桜が咲いているのを見つけて今日の記事のために写真を撮っておいた。270_2白梅。
この写真ではわかりにくいけど、右の真ん中ヘンに写っているのは今戸橋の欄干。
隅田川から引き込んだ「山谷堀」という運河が昔ココに流れていて、金持ち連中が柳橋から猪牙舟に乗って、ココを通過して吉原に遊びに行った。
縁結びや沖田総司終焉の地で知られる「今戸神社」はこのすぐ先。280_2また今戸は「今戸焼」発祥の地としてもよく知られている。
「キツネ」と呼ばれるサイコロ博打とキツネの今戸焼と吉原を題材にした「今戸の狐」という落語はとてもよく出来ている爆笑噺だ。
この地周辺を知っていると余計に噺を楽しむことができる。Ikこっちは紅梅。
梅の向こうに見えている瓦屋根の建物は有名な古刹「待乳山聖天(まつちやましょうてん)」。
池波正太郎はこの辺りの出身だよ。
赤い梅はいいね…ナンカおいしそうで。290
それで「梅仁丹」。
酔い止めに効果があるということで、小学校の遠足の時にみんな持って来てたな。
おいしくて私も大好きだった。
50年以上前の話です。
1969年の発売以来、製造を中止と再会を繰り返して現在は「のど飴」として販売を継続しているようだ。
Ujt

桜は咲き出せば一発で目に入って来るけど、梅は地味だよね。
でも、気を付けて見ていると結構植わっているもの。
コレもそう。
「♪花も嵐も踏み越えて~」っていう歌を知ってるでしょ?
コレは「旅の夜風」という映画『愛染かつら』の主題歌。
『愛染かつら』の原作を書いた川口松太郎はこの谷中の「自性院(じしょういん)」にある「愛染明王像」と本堂の前にある古木にインスピレーションを受けて書き上げたという。
その入り口にも梅の花が咲いていた。
川口松太郎は昭和の大衆小説の大文豪。
日本の映画監督の最高峰のひとりである溝口健二の小学校の同級生で、奥さんが女優の三益愛子。
その間に生まれたのが嘉門達夫に歌でおなじみの「探検隊」の川口浩。
妹は女優の川口昌(あきら)。
川口昌って最近全く見なくなったね…引退したのかな?
昔は『水もれ甲介』とかテレビドラマなんかによく出ていたのにナ。
9280ということで「U_Me」。
Seijiさんが弾くどこかもの悲しく懐かしいメロディ。320vそれを吹き飛ばすかのようなChiikoちゃんのドラム・フィル。330v和のテイストを押し出した世界でもD_Driveにしか実現し得ない曲。340この曲でも随所にカッコいいベース・ラインが潜んでいるんだよな~。
350_2世間一般から見るとホール・トーンだの、ディミニッシュだの、ミクソリディアン、だののスケールで作られた「Thumbs Up」は十分「裏」っぽいんだけど、この「U_Me」は更にそれをヒックリ返した「裏Thumbs Up」という感じが私にはするんだよね。
世の中の8割の人が興味を示さないような音楽も含めて、私もずいぶん色んな音楽を聴いてきているけど、「U_Me」はスゴイ曲だと思うよ。
「和」を謳って和楽器なんかを盛んに取り入れているロックバンドがあるけれど、「和とロックの融合」ということになると「U_Me」みたいな曲こそが成功している例と言えるだろう。
ジャズで言うと、小野田さんのことを曲にした穐吉敏子さんの「孤軍」とかね。
D_Driveのレパートリーはどれも世界に出して恥ずかしくない曲ばかりだけど(だから世界デビューしている)、「U_Me」は「日本」ということをキーワードに据えた場合、世界中のロック・ファンに真っ先に聴いてもらいたいと思うわ。0r4a0204 続けて「Runaway Boy」でスカっと飛ばす!
コレも改めて聴くととてもよろしいな。
14年前から好きだった1曲。
あ、でもコレを『DYNAMOTIVE』に収録することを決めたのは私の独断では決してありませんからね~!
そりゃ私は入ってヨカッタと思っていますけど!
350_rb「ありがとうございます!
実は私たち、昨日から新しい試みを始めたんです」
物販のオマケクジでメンバーのプライベートなグッズをプレゼントしようテェやつ。
420v例えばライブで使ったセットリストの実物にサインをして差し上げるとか。
Yukiちゃんが一生懸命説明しているんだけど、昨日のクジ引きではそのセットリストの当選者が出なかったそうだ。
「今日はナントかどなたかに当選して頂きたいものです」
370vChiikoちゃんからグッズの紹介。
とにかくカレンダーがスゴイ!390v光陰矢の如し…D_Driveの1年は早い。
だって3月の最終週と…4005月の最終をカットしちゃうから!
世間より10日ほど早くクリスマスを迎え、お雑煮が食べられるという寸法。
それでは都合が悪い人のためにマス目を空けてあるので、各自日付を書き加えて欲しいとのこと。410最後の2曲。
まずは「Champaign」。430_cpChiikoちゃんの♪ドンスカドンスカというリズム。440そのリズムに乗って繰り広げられるサオ・チームのインプロヴィゼーション・バトル。450vまずはSeijiさんが思う存分弾きまくる。460それに応えるYukiちゃん。470Yukiちゃんも持てるテクニックを惜しげもなく披露。480v逆説的になるけど、このチームのいいところはココよ、ココ。
ボーカルズがないギター中心のチームというと、ついアドリブ・ソロにジャブジャブと浸かりがちになってしまう。
D_Driveはそれをやらない。いわばクラシック音楽と同じ。
「1000000hp」も少しフリーのソロがあるけれど、オープンでこれだけソロを披露するこの
「Champaign」は例外中の例外。
500vそして本編の最後を「Cassis Orange」で締めくくった。495_coそしてアンコール。
「アンコールありがとうございます。
今回も無事にフロア・ライブをすることが出来ました、
また次回、vol.8があると思いますので、その際にはゼヒゼヒお越しください!
今日は本当にどうもありがとうございました」360v アンコールは「The Last Revenge」。540この4人が奏でる生音の極上ライブ。
是非、お出かけください!550v

560v

570v

Img_6587 え、どこで観られるの?…「ストラージェ」
630D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive official website

580ライブが終わったら屋台村へ急げ!0r4a0381(セットリストが当たりますように…セットリストが当たりますように…)」と祈るYukiちゃん。0r4a0384 当たった~!
YukiちゃんがMCで触れていたセットリストへのサイン。
ヨカッタね~。610コレがそのセットリスト。
文字はYukiちゃんの直筆。
620vおしまい。
次回は本八幡の『リクエスト特集』だよん。

 
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日本が世界に誇るインストゥルメンタル・バンド、D_Drive。

<だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)>

コチラはSONY Xperiaとのコラボレーションで制作した最新ビデオ<Wings>。

<Thmbs Up>

<Begin Again>

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200 (一部敬称略 2022年2月13日 新横浜Strageにて撮影)

2023年3月24日 (金)

D_Drive フロア・ライブ vol.7 <前編>

 
「キミ…こんなにいいライブを一体どこで?」
「ストラージェ!」10いつかも書いたんだけど、この一音節のいかにもそれっぽい「strage」という単語が実は英語になくてイタリア語になってしまう。
発音は「ストラージェ」で、意味はどうしても「皆殺し」なんだよね。
そう、最高の演奏とサウンドでお客さんを皆殺しにしちゃうのがD_Driveの「フロア・ライブ」。
ナンダカンダでもう「vol.7」だって。
毎回、土曜日と日曜日の2回公演なので、今回は延べ14回目のステージということになる。
いつもは土曜日にお邪魔しているんだけど、このレポートは日曜日の分、すなわちその14回目の公演。20vChiikoちゃんの激烈なドラム・フィルでショウがスタート。30v_2珍しい…「GEKIRINー逆鱗ー」をオープナーに持って来た。
ギターを見ればわかるように今日はドロップDチューニングのレパートリーからのスタートだ。
40_grYukiちゃん作のドヘヴィ・ナンバー。50v続けて「Russian Roulette」。60v_rr珍しい展開が新鮮!70「♪タスタスタスタス」…再びChiikoちゃんのドラムスから「1000000 hp」。80_hpいつもはショウの最後の方に出てくるこの曲…こんなに浅いところで出て来るとナンカ不思議な感じがするナァ。
ひとしきりソロを回して…「ベースッ!」。100「ジブン、チャンとやりなはれや!」
90v_2「わかってまんがな」
110v_24人のくんずほぐれつのインタープレイ!120ノッケからスゴいテンションでスタートした「フロア・ライブ」。
今日も楽しくなりそうだ!
130「こんにちは!D_Driveです。皆さん、お元気でしょうか?
Strageでのフロアライブはもうvol.7になりました。
この前は私の姉とコラボした『ART』というイベントでした。
今回は普通のフロア・ライブなんですが、初めてお越し頂いた方はいらっしゃいますか?」
160v「あ、いらっしゃいますね…ありがとうございます!
初めての皆さんにチョット説明しておきますと…。
ご覧頂きます通り、アンプやドラムスに音を拾うためのマイクが一切立っていません。
つまり、PAシステムを全く使わず、私たちが奏でる楽器のナマの音を皆さんに味わっていただこう…と、こういうライブでございます。
ですので、お越しいただく度に座る場所を変えて聞こえてくる音の違いを楽しんで頂くようなこともオモシロイかな~と思ってます。
140v_2Yukiちゃんの「フロア・ライブ」の説明でまた思い出した。
昔、今よりズッと景気がヨカッタ頃、頻繁にMarshallのクリニックを開催していた。
私が商品の説明をして、腕利きのギタリストがデモンストレーションをするというよくあるヤツ。
当時、いつも大きな不満だったのが、雑誌で喧伝されるのがいつもギターについてのことばかりで、ギター・アンプにスポットライトが当たることが滅多になかった…今も同じだけど、当時は私も若かったのでいつもコレにカリカリ来ていた。
だって、木材の材質がなんであろうと、ピックアップを換えようと、ギターの音を出しているのはアンプでしょ?
ナン千万円のギターと1万円のギター・アンプの組み合わせと1万円のギターと何十万円かのギター・アンプの組み合わせと、どちらが良い音を出すか?
コレは間違えなく後者なワケ。
ま、そんなことを言って何とかMarshallを1台でも多く売るような啓蒙活動にも似た営業活動を毎週のようにやっていた。
その活動での殺し文句のひとつが…「ドームでも武道館でも、みなさんがライブで聴いているギターの音ね、アレはギターの音ではなくてアンプの音なんですよ!」というヤツ。
コレを言うとみんな「フムフム」とか「なるほど」とやってくれるんだけど、ある日、いつも通りコレをやったところ、客席からこんな声が上がった。
「ウソこけ!アレはPAの音じゃないか!」って。
思わず私も「フムフム、なるほど」…じゃなくて!
ま、それはヘリクツというモノでしょう。 
 でも、「フロア・ライブ」はYukiちゃんの説明の通り、正真正銘アンプやドラムスの音だけでお客さんにD_Driveの音楽をお届けしているのです。
 
SeijiさんのギターはMarshallの音。240v_2Yukiちゃんのギターの音もMarshallの音。250vToshiくんはEDEN(イードゥン)の音。260vChiikoちゃんはNATALの音。270コレは夜の姿。280「昨日もココで演奏したんですが、その前の日には大移動して来ました。
すごく雪が心配だったんですけれど、大した影響もなく到着することが出来ました。
もう本当に今年はラッキーだなと思ってます」
D_Driveは数年前に東京の大雪の時に国道246号線で地獄を見ていますからね。
150ココから『DYNAMOTIVE』のドロップDゾーン。
まずは「古き良き街(I Remember the Town)」。170v_townSeijiさんの街の思い出をChiikoちゃんのタイト極まりないグルーヴで綴る。180v_2いくつかあるD_Driveの手拍子ナンバーのひとつ。
精緻なギター・アンサンブルの後のこの手拍子のパートが楽しい。185続いては『DYNAMOTIVE』の曲順通りYukiちゃん作の「Get Away」でブッ飛ばす!200_gaん?コレBメロのバッキングのメロディってメッチャかっこいいな~。0r4a0063 Toshiくんと…200v_2Chiikoちゃんのピックアップ・ソロもスカっとキマった!Img_6304 続いては空と海が放つ青い「Gradation」。
Img_6151コレは5年前のリリースか…。
よくSeijiさんが曲の解説をしていたのを思い出すナァ。
0r4a0044 この曲もみんなで手拍子を打って楽しかったネ。
190「あと2曲演ったら換気タイムです。
その間に是非ドリンクを飲んで頂きたいなと思っています。
アルコールが解禁になっていますのでジャンジャン飲んでください!」
このStrageさんはバーの雰囲気がありますからね!
会場ごとのその雰囲気っていうか、お店の独特の雰囲気も楽しみの1つかな~と思ってまして、Strageさんなんかはお酒がすごくマッチするのではないんでしょうか…。
キミ、こんないいバーを一体どこで…ストラージェ」0r4a0311 「バーにしたらスゴく広いですよね。
詰め込んだら相当な数の集客が出来ると思います。
D_Driveは結構バーで演る機会が多くて、普通のバーだと、ココの1/3ぐらいのお客さんの数になるのかナァ。
ココはデカい…で、横のライブハウスNew Side Beachはさらにデカい
その横はもう!
今日は『ももクロ』さん2daysですかね」
300「ココに何回も来てくださっている方って多くいらっしゃるじゃないですか。
会場のファンというか…会場も含めてファンみたいな感じでいらっしゃってくれてるのがすごくありがたいと思います。
あと2曲演りましたら1回換気をさせて頂きたいと思っております。
7弦ギターを持ちまして『DYNAMOTIVE』からいきたいと思います!」
290vまずはYukiちゃんの哀調ギターでスタートする「Be Yourself」。310_by不気味でヘヴィなパートと絡まって…320曲は最後まで劇的に展開していく。Img_6321 コレもChiikoちゃんスタートの「Break Out」。
こうして見るとドラムスから始まる曲って結構あるな。340v_bo7弦の低域をうまく使ったSeijiさんのリフ。350どこまでもヘヴィに突き進む!0r4a0344 後半の壮絶なギター・アンサンブル!370v_3今日もバッチリとキマった!380vD_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive official website390春を満載した<後編>に続く。 
 

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200 (一部敬称略 2023年2月12日 新横浜Strageにて撮影)

2023年3月22日 (水)

虚無回廊~金属恵比須レコ発ワンマン<後編>

 
金属恵比須『虚無回廊』レコ発記念ライブ・レポートの<後編>。
 
「星空に消えた少年」に続けてキラー・チューンのひとつ「ハリガネムシ」。
イントロのキメに合わせて客席に両手のコブシを突き出す稲益宏美。10_hgm「嵐を運んできそう」なBRGR(ブリティッシュ・ロック・ギター・リフ)をブチかます高木大地。S41a0267 ♪ニュイーンと雄叫びを上げる宮嶋健一のムーグ・シンセサイザー(今は「モーグ」って呼んでいるのかな?)の特徴的なサウンドが曲をグッと引き締める。S41a0028 「♪ボクはキミの中にある」…とやっておいてキメのパートで「♪寄生虫」で落とすところがショッキング。
そして、「♪キミがアイツに差し入れをしたオニギリの具、ヒジキじゃなくて」…S41a0709 「♪ハリガネムシ、ハリガネムシ」
ヤメれ!
ただでさえコオロギで震えあがってるんだから!
でもそのウチ日本人はカマキリの尻から採取したハリガネムシも食べさせられちゃうんだろうね。
「コレはウマい!ヒジキ代用食の決定版!オニギリの具にどうぞ」とか言われて…。
 
いきなり変なところで脱線しますが、日本人って世界から見るとモノスゴク危ないモノを食べているんですよ。
それは素材についてではなくて、農薬とか化学調味料の多用ということね。
そして、そうした自然界に存在しない危なそうな食べ物が、将来人体にどんな影響を及ぼすのか誰もまだ知らない…とされている。
でも本当は政府は知っていると思うよ。
今からでも遅くないから有吉佐和子の『複合汚染』なんて本を読んでみるといい。
50年前からその危険性がわかっていたんだから…。
高木さん、「複合汚染」の音楽化お願いします。
金属恵比須に持って来いの題材だと思います。
あ、政治、少子化、食料、教育、宗教等々、現在世の中で問題になっているような事柄のほとんどすべては50年以上前から連綿と続いている問題で、すべてが悪化し続けているんよ。
虫できない重大な問題ばかりだ…あ、「無視」だ。S41a0555 曲の場面が変わって栗谷秀貴のベース・ソロ!30_2秀貴くんはギタリストゆえ、ベースの枠を超えたスケールの大きなソロを聴かせてくれた。
40v高木さんのボトルネックも飛び出す。
金属恵比須の曲はどれも盛りだくさんだけど、この作品も例外ではない。
50それとガッチリとまとめ上げているのが後藤マスヒロのドラムス。55v高木さんもステージ・フロントへ出て来て竿チームが大騒ぎ!
あ~、盛り上がった。60「ありがとうございます。
良いですね…色々とこうして直に反応がわかるのは。
さて、ワンマン・ライブは去年の4月の高円寺以来で、シルエレさんでワンマンというか、有観客のライブを演るのは相当久しぶりですよね?」460v そのせいもあってか場内は立錐の余地がない超満員。
おかげで私は2時間以上脚立から降りることができなかった。
前回の高円寺では天井板がハズれてしまってまるで落語の『口入屋』のような状態に陥り苦しい思いをしたんだっけ。
今回は、オマケにカメラをストラップに取り付けるためのアダプターを忘れて来てしまって、2台のウチの大きい方の1台を始終手で持っていなければならなった。
カメラって重いでしょう?…その結果、左の肩をスッカリ壊してしまった。
2度ほど鍼灸院に通ったんだけど、鍼灸師が「どうしてこんなんなっちゃったんですかッ!?」とビックリするぐらいの凝りようで、残念ながら鍼では全く完治しなかった。
机の上のパソコンに向かった姿勢で頭の重みを支えることが出来ないため、結局3日ほど横になり肩への負担を避けるようにして完治させた。
金属恵比須の久しぶりの有観客のシルエレでのライブは私にとっても忘れがたいモノになったわい。
80_2「有観客」以外のシルバーエレファントでの演奏ということであれば、『黒い福音』をツイキャスでライブ・レコーディングしたそうで…
「今日もご覧頂いていますか~?ツイキャスのみなさ~ん!」
とご挨拶。
90v「はい…ということで『星空に消えた少年』から『ハリガネムシ』。
結構、疲れてきて…だってココで演るのは4年ぶりとかでしょ?体力も落ちるよね?
リハビリして参りましょう。
と、そんな感じで皆さん休憩できましたか?」100_2次に演奏したのは「紅葉狩り」の「3部」と「4部」。
「紅葉狩り」か…箕面の山を思い出すナァ。
35年ほど前に2年ほど箕面で過ごしたことがあったが、とてもいいところだった。
散歩がてら「紅葉狩り」もチョっとしたよ。
天ぷらにはしなかった。
 
この曲は「4部」のみを取り上げることが多く、今ステージで「3部」と続けて演ったのは大変久しぶりのことだったそうだ。
高木さんが足鍵盤を奏でるイントロ。120_mjgメロトロンとムーグを操る宮嶋さん。
壮大なイントロだ。
20v高木さんの12弦ギターのワルツのアルペジオに乗って…140_2稲益さんが情感を込めて歌う。150v高木さんが弾く7/4拍子のヘヴィなリフからインスト・パートに移行する。
ココからが「4部」。170vやっぱりいいナァ、こういうの。180v私だって『Red』や『Discipline』までのKing Crimsonは大好きでしたからね。
160vココは13/8拍子かな?
稲益さんのハンドパーカッション屋さんが大繁盛。130 延々と続く高木さんの「Frane by Frame」風フレーズに何種類もの打楽器を重ねていく。185カシシも大活躍。190_2コレはナンだ?
見たことがない楽器だと思ったら、コレはパーカッションじゃなくて稲益さんの水筒だわ!200本編最後の2曲を演奏する前に金属恵比須並びに各メンバーの告知コーナー。
220_2「乙部さん、いらっしゃっていますか?」
「乙部さん」とは<前編>で紹介した通り、『虚無回廊』のスリーヴの表4に賛辞を寄せて頂いている小松左京さんの元マネージャーの乙部順子さんのこと。
この日、お見えになられていたのだ。
この数日前に同じ場所でドラムスをプレイしていた「乙部さん」ではない。
210そこで、スリーヴの説明があった。
何でも初出の写真が使われているのだそうだ。
「だからスリーヴにサインをするのは気が引ける=サイン入りとサインなし保管用の2枚をご購入いただいたらいかがか?」というお誘い。
もちろん、小説と併せて鑑賞することが強く勧められた。07cd「じゃあ最後…残り2曲です。
最後の2曲は『虚無回廊』のオープニング・テーマとエンディング・テーマです!…人気ねぇ~!」
会場大爆笑。
だから、「オープニング・テーマ」はとってもいいですってば!235まずは『虚無回廊』から「う・ら・め・し・や」。
このヘヴィなギター・リフも金属恵比須ならでは。240_umyそして、こういうギターはMarshallで弾くのが常識です。
高木さんの愛器は1959SLP。
キャビネットは1960A。60vおお!「Cat Food」!
このチームは網の目のように張り巡らされたキーボーズの存在が素晴らしい。
昔ね…といっても私がまだ子供だった時代だから後追いの情報なんだけど、アルヴィン・リーの「Ten Years Afterにキーボーズが必要か」なんて論争をミュージック・ライフ誌上でやってたりした時代があったんだよ。
もちろん、当のチック・チャーチルはそんなこと知らなかっただろうけど、知ったらイヤな気がしただろうナァ。
でも私はグランド・ファンクのクレイグ・フロストの方がどうかと思うけど…。
その点、この金属恵比須はELPにギタリストが正式に加入したかのような、インストゥルメンタリゼーションの妙を感じるんだよね。
要するにアレンジがとてもウマいということね。
つまり、メンバーの誰かがひとり欠けても全く金属恵比須にはならない…みたいな。250「♪う・ら・め・し・や~」
重要なのは楽器陣だけではない!255v当然、この時稲益さんは「うらめしや」ポーズ。
そういえば、さっき触れた箕面に住んでいた時に勤めていた会社の事務所は梅田の駅前にありましてね。
大きくて伝統のある会社だったからスゴくいい場所だったの。
で、そのビルの「裏」には古くからあるお世辞にもキレイとは言えない「めし屋」が並んでいて、その中に破天荒においしいカレーチャーハンを出す人気の店があった。
ところがそんな人気にもかかわらず、ナゼかその店の本当の名前を知る者がいなくて、全員その店のことを「うらめしや」と呼んでいた。
もう一度あのカレーチャーハンを食べたいけど、どう考えてももうお店は残っていないだろう。
食べたいナァ、残念だナァ…これがホントの「うらめしや~」。
245ベースと…
310_2ドラムスとピックアップソロを挟んで…270ギター・ソロ!
マイク・スタンドのブームにネックをこすりつけて大暴れ!
340_2本編の最後はコレも金属恵比須のキラー・チューン「武田家滅亡」!
ハードなブリティッシュ調サウンドをバックに語られる武田の物語。
290v_tdm「♪武田家…滅亡!」300v「♪タケダケ!」という音の連なりが楽器のキメのフレーズのように響いて気持ちいいのね。
その最高峰は葉山の「日影茶屋事件」で知られる「神近市子(カミチカイチコ)」ではないかと私は思っている。
一概に「美は乱調にあり 諧調は偽りである」というワケでもないのだ。
280
次々と変わって行く史上最強の軍団を誇った武田の物語を音で表現するバンド陣。
でも作りはとてもストレートでドラマチックだ。S41a0545

S41a0079

345_2こうして『虚無回廊』のレコ発ライブの本編を「かいがいしく」終了させた!
ハハン、コレは「甲斐」のシャレか…。350vコレにて本編終了。
 
今日はシッカリした脱線をしていないのでアンコールまでの間「うらめしい」脱線をひとつ。
下は浅草にほど近い長瀧山 本法寺(ちょうりゅうざん ほんぽうじ)という小さな古刹。Img_5063戦時下の「時局に合わない」として、国は廓や酒や間男に関する53の落語の演目の上演を禁止した。
「ぜいたくは敵だ!」と、国民が一丸となって戦争に協力しているんだからそんな風紀の乱れた噺はけしからん!というワケ。
ところが『明烏』だの『五人回し』だの『居残り佐平次』だの、人気の演目を禁止されたのでは落語サイドはタマったもんじゃない。
そこで噺家たちは「はなし塚」という演目のお墓を建立して、公式にそれらの噺を葬り去った。
もちろんそれは国に対するイヤミだった。
その塚がこの本法寺にある。Img_5068ココは寺の割には珍しく外壁に寄進者の名前を表示していて、そこには名だたる昭和の落語の名人の名前が示してある。
圓生、正蔵、今輔、三木助、可楽…いいナァ。
ホンモノの高座を観てみたかった。
ハッキリ言って、レッド・ツェッペリンよりも観たい。
ジミヘンだったらジミヘンの方が観たい。Img_5066その最高峰の五代目古今亭志ん生と八代目桂文楽は最上段だ。
初めてコレを見た時はエラく興奮したわ。
両師匠の家にはお邪魔したことがある。もう両方残っていないけど。
Img_5064コレが境内に建立されている「はなし塚」。
ご存知の方も多いと思う。
真珠湾攻撃の2ケ月前の昭和16年10月に立てられたというから、かなり早い時期から軍部はそうしたことに敏感になっていたようだ…でも日本は「十五年戦争」と言うように、同年12月8日の対英米開戦以前から中国と戦争していたからね。
日本がこんなことをしている間、アメリカの連中は従来型のグレン・ミラーやベニー・グッドマン等のスイング・ジャズや、チャーリー・パーカーやディジー・ガレスピーを中心としたビ・バップと呼ばれる新しいジャズで大いに盛り上っていた。
余裕ですよ。
日本の敗戦色が濃くなった時分のある時、アメリカ空軍の捕虜に日本の士官がこう尋ねた。
「空襲をした後は帰りの爆撃機の中でいつもどうやって過ごしているんだ?」
するとそのアメリカ兵の捕虜はこう答えた。
「ジャズを聴きながらリラックスしているよ」
日本の士官はその答えに激昂。
ついその場で捕虜を射殺し、戦後、戦犯に問われてしまう…という吉村昭の小説があった。
一方は庶民の楽しみまで取り上げて銃後の忍耐を強い、もう一方はジャズで大盛り上がり…そんな状態で戦って勝てるワケがなかったんよ。
とにかくまたこんな時代にはしたくないものだ。Img_5075この寺には他に扇子を葬った「扇塚」なんてのもある。Img_5076コチラは筆の墓「筆塚」。
コレなんかは有名な服飾家で教育者の田中千代の揮毫だよ。
さすが達筆だナァ。
 
宝物のお墓の「宝塚」ってのはない。
いつか「宝塚歌劇団」と映画の関りの話もしたいナァ…金属恵比須の記事でね。
Img_5077 で、ここからが脱線の本題。
さっき稲益さんが絶唱していた「う・ら・め・し・や」ね。
カッコよかったでしょ?
実は戦時中、艶っぽい落語だけでなく、怪談話も禁止されていたんだよ。
知ってた?ナンで怪談話がNGなんだと思う?
またこの答えがスゴイ。
『東海道四谷怪談』でも『番町皿屋敷』でも『真景累ケ淵』でも、「怪談」って死んで化けて出るでしょ?
この展開が軍部には都合が悪かった。
「お国のために花と散ってこい」と送り出す兵士が戦死して化けて出てはマズいワケですよ。
お国のために死んだらそれまで…あとは白木の箱に入れられた「英霊」と書かれた紙になって家に帰るだけ…こうしておきたかったからだそうだ。
こういう話はたくさんあってね、どれもヒドイ。
若い人はこの国の過去に何があったかをもっともっと自発的に勉強しないと自由に音楽も聴いていられない時代がすぐに来るよ。
まぁ、コレを読んでいる若い人はあまりいないでしょうけど…う・ら・め・し・や~。

Kd2はい、アンコールのはじまり、はじまり。
まずはマスヒロさんがひとりでステージに上がる。
「心温かいアンコールをどうもありがとうございます!
アンコールを演奏させて頂きたいと思います。
とりあえず私はしばらくの間、金属恵比須以外はなんの用事もありませんので告知などございません。
え~、MJ(宮嶋さん)率いるROMANESCOの2枚目は全曲私も参加してます。
あと私のソロアルバムもよろしくお願い申し上げます。
しゃべるのすごく苦手なんで…他のメンバーが早く出て来てくれないかなと思ってます。
アララ…話しベタが3人揃っちゃったよ」
380v宮嶋さんと秀貴くんが登場。
370「ROMANESCO経験者は3人揃いましたね。
イヤ~、あん時のマスヒロさんのドラムスはマジで感激でした!」
390v「……」
秀貴くんはとてもおとなしいの。
400vそして、高木さんと稲益さん登場。
「アンコールは2曲演ります。1曲目はコチラになります」S41a0807ウワッ!コレは懐かしい!410_kd「♪電流火花が身体を走る」
渡辺宙明先生作曲の『人造人間キカイダー』の主題歌。420v小学校4年の時に『人造人間キカイダー』がテレビで始まった時は大ショックだった。
「ナニが?」って、アレ、デザインが半分スケルトンになっているでしょ?
それがどうしようなくカッコよくて、よく絵を描いて遊んだモノだった。
そうやって遊んでいた子供が今では「人造」どころか「腎臓」に気をつけなきゃならない年齢になりましたからね。
おかげさまで今のところ全く問題がありませんが…。430_2しばしそうしたヒーローものの話をして…
「ハイ、最後の曲いきます。
配信なんで外国曲のカバーが出来ないという縛りがあってね。
コレまでいろんなカバーをやってきましたけれども自粛中でございます」
450vアレ?
ココでマスヒロさんが「Peaches en Regalia」のイントロのドラム・フィルを叩いたような気がしたが…気のせいか?
それとも金属恵比須で過去に演奏していたのであろうか?
S41a0254「洋楽を演るのがが難しいので洋楽をパクッたフレーズを入れた曲を今日は演りたいと思います。
最後の曲です。今日はどうもありがとうございました!」
440最後の最後に演奏したのは「イタコ」。480_itc「♪死のはコワい」490_3「♪死んでも平気」
イタコのいる恐山で会えるって!
ちなみにイタコを英語で表すと「medium(ミディアム)」になるんだよね。
「medium」の複数形が「media(メディア)」なんだよ。
S41a0801 暗黒のドライビング・ナンバー。500_2猛り狂うリズム隊!510v稲益さんの木魚がスゴイ!
こんなに激しく叩く人をはじめて見た!520v高木さんはギターを放り出し…540v踏んづけて…
560v宮嶋さんはリボン・コントローラーで大暴れ!550v阿鼻叫喚の様相を示してこの日のすべての演奏を終えた。570_2最後は荒川河川敷の例のポーズでパチリ。580その本番はコチラ。


D.H.C.の活動に別れを告げた金属恵比須。
私はD.H.C.を通じて金属恵比須とお近づきになったのでチョット寂しい気もするが、新たな活動もとても楽しみにしている。
次の単独公演は『人造人間キカイダー』の主役を演じた伴大介さんをゲストに迎えた4月の『猟奇爛漫FEST vol.5』。
またMarshall Blogで取材させてくださいね。
アラ?…調べてみると伴さんって大学の同じ学部の先輩だわ!Hi ROMANESCOのライブ・レポートも近々掲載しますので乞うご期待!
 

☆☆☆Marshallからのお知らせ☆☆☆

Marshallのペダルのビンテージリイシューが大反響!
1988年に発売したエフェクツ・ペダル4種類が完全復刻発売されたのです。
イギリス製の手づくり!20The Guv'nor(ザ・ガヴァナー)

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120

200(一部敬称略 2023年2月4日 吉祥寺シルバーエレファントにて撮影)


 



2023年3月20日 (月)

虚無回廊~金属恵比須レコ発ワンマン<前編>

 
吉祥寺シルバーエレファントの山門に建てられた唐花紋の幟。05v今日は金属恵比須の単独公演のレポート。
Marshall Blogは2度目のご登場。
もっと出て頂いている感じがするんだけど、2022年4月の高円寺以来なのよ。
アレからもう1年近く経ったのか…とても信じられん。06v入り口の掲示にある通り、今回は昨年12月7日に発表した新譜の発表記念ライブ。
コレがその新譜、『虚無回廊』。
2011年の死去に伴い、結果的に未完成のまま小松左京の遺作となった同名の説を素材にしたコンセプトアルバム。
07cd私は残念ながらこの小説を読んでいない。
また、生来大のアマノジャクゆえ、氏の代表作である『日本地没』の映画作品すら観ていない。
というのは、この映画が公開された1973年当時、私は小学校5年生だったんだけど、それはそれはモノスゴく大きな話題になっていたんですよ。
そうか…この作品は橋本忍が脚色していたんだね。
この時からもう50年も経ったのか…。01ncしかし、中学生の時、短編を夢中になっていくつか読んだ。
遺跡を掘っていくと発掘されるアイテムがドンドン新しいモノになっていく話や、普通の部屋の空間からポタリと血が滴り落ちて来る話とか、子供ながらにスゴイ着想に感心したものだった。
とりわけ印象に残っているのが「くだんのはは」という作品だった。
もちろん戦後に二葉百合子の歌でリバイバル・ヒットした「九段の母」に引っ掛けてのタイトル。
戦死した愛息を自慢に思う憐れな母を歌った「軍国歌謡」と呼ばれたプロパガンダ・ソングだ。
一方、小松先生の「くだんのはは」は一種のホラー小説…っていうのかな?
空襲で焼け出された少年があるツテで身を寄せた家は、ナゼか爆撃の被害を受けず、食料にも困っていないことを不思議に思う。
その少年はある時、その家の奥に自分が知らないナニか得体の知れないモノが隠れ住んでいることに気づく。
そして、少年はその正体とその家が災厄を被らないかの理由を知る。
どう読んでみたくなった?
何とも言えない暗くドロドロとした不気味な雰囲気が絶妙な筆致で描かれていて中学1年生の私は大きなショックを受けた。

01kh_3
ややネタバレになってしまうが、「くだん」というのは「件」と書く。
「件」はその字の形が表す通り人と牛が合体した妖怪の一種で、災厄を予言する能力を持っていると言われていた。
ギリシア神話にも頭が牛で身体が人間の「ミノタウロス」という「件」とは逆のパターンのヤツがいるけど、ナンで皆さん人と牛を合体させたいのかね?

01kd
東京の街を歩いていると下の写真のような緑色の外壁の古い家を見かけることがあるでしょう?
コレは「銅板建築」といって、大正12年の関東大震災(今年で100年)の時の火災を教訓に、燃えにくくするため薄い銅の板で包んだ外壁材を用いて作った家で、時間が経った今では緑青がふいて貫禄ある風合いになっているが、オリジナルは美しい赤銅色だった。
今、こうした銅板建築の建造物は取り壊されて大分少なくなってしまったけど、台東区の下谷やナゼか神田の神保町で見ることができる。
この銅板建築は昭和3年に集中して建てられたらしい。
つまり昭和20年3月10日の東京空襲を含む122回のアメリカ軍の空襲にも耐え抜いた建造物こそが東京の銅板建築なのだ。
そうして、この銅板建築のように焼け残った家があると、空襲で焼け出された人たちはヤッカミもあって「あの家には件がいるのでは?」と噂をしたりしたそうだ。
本当はいないのよ。

01db戦時中、自らの無事を祈るワラにもすがる民草の気持ちは共通で、金魚を飼っていると空襲に遭わないということも言われたそうだ。
コレは、空襲を免れたある夫婦が、フト気が付いてみると飼っていた金魚が2匹死んでいて、「我々の身代わりになってくれた」と思い込んだのがコトの始まりで、ウワサがウワサび、金魚ブームが起こってしまった。
ところが、人々が満足に喰うこともできない戦時中ゆえ、金魚など流通しているワケもなく、人々はガラス細工の金魚を買い求めて無事を祈ったという。01kk4「らっきょう」もこうした戦禍から逃れるためのお守りになった。
ナンでだと思う?
アメリカ人がニオイをキラって逃げるから?
ウン…チョットそれに近い。
空襲が終わって爆撃機が去っていくことを当時「脱去(だっきょ)」と言ったらしい。
それに「らっきょう」を引っ掛けた。
つまり、空襲があった時にすぐに爆撃機が「脱去」するように「らっきょう」を備えてお守りにしたというワケ。
そんなことまでして…かわいそうにナァ。
今日はインテリ・バンドの登場ゆえ、チョッと知的な脱線でスタートしたよ。901rkさて、金属恵比須のニュー・アルバム。
まずは映画監督の樋口真嗣さんのペンによるの帯の惹句を読んで驚いた!
「この電圧と正弦波の饗宴に堕ちるがよい!」
その果てのバニシング・ポイントに屹立する虚無の伽藍よ!
耳朶(じだ)を打ち鮮血と化したアンペアを浴びて痲痺(しびれ)るのだ!」
瀧口修三の詞みたいだな。
CDを聴いたら電圧より血圧が上がりそうだ。
そういう作品は大好きだゾ!01kk『バニシング・ポイント』か…バリー・ニューマンね。
懐かしいね。
小学生の時、テレビにカジりついて観たわ。Vp 下は『虚無回廊』のバック・パネル(イギリスではこういうCDスリーヴの「面」のことを「パネル」と呼びます=チャンとした英語)。
小松先生の元マネージャーの乙部順子さんと先頃亡くなられた渡辺宙明先生の賛辞が寄せられている。
私はこういうのがうれしいんだよね。
つまり、バカみたいに「英語表記優先」の日本の文化にあって、こうして平気で日本語の文章をCDスリーヴにドッカと載せてしまう。
それと曲名をご覧。
「Nantoka of Kantoka」とか「Are in the Kore」とか簡単な英単語を並べたタイトルで中身が日本語なんてのはもうヤメたらどうかね?
もう英語表記なんてカッコよくないって。
ナゼかというと、英語ができない日本人のそうした言葉の羅列には英語が作っている文化を感じさせないから。
ゴメンなさい…今日はチョット書き過ぎか?
でもマーブロ的前説ココまで…後は大人しくしています。
0r4a0007…ということで金属恵比須のレコ発ライブが始まるよ!
初めに高木さんがひとりで登場。
ココからがホンモノの前説。
「まだお客様が入り切れていないので…7時から始めようと思っていたんですがチョット押します。
その間、少しお話を…。
12月11日は大変申し訳ございませんでした」
公演が中止になっていたとは知らなかった。
その日のお誘いを頂戴していたんだけど、いくつかの他の取材と重なって臍を噛む思いをしたのだ。
その振替公園が今日だったとは…。
中止はアンラッキーだったけど、マーブロ的にはラッキー!10「今日は写真OKですのでドンドン撮ってください。
動画もチョコっとだったら撮っても大丈夫です…が、撮ったモノは個人で楽しまずに、人に見せて自慢してください。
SNSに上げて頂いてもかまいません」
30「今回『虚無回廊』というアルバムを出しまして…もうお買い上げ頂きました方はいらっしゃいますか?
ありがとうございます。
今日は、この会場にご用意しておりますのでよろしくお願いします。
サインも致します」20v_2そして、お客さんが入り切ってショウがスタート。
満員御礼!
まずは「八つ墓村」のオープニングSEからそのままバンド演奏へ。40高木大地50v高木さんは今日も愛用の1959SLPと1960A。60v足元のようす。70足鍵盤も装備。80宮嶋健一90v_2宮嶋さんの機材郡。
鍵盤がこうして集まっている様もとてもいい景色だ。100栗谷秀貴110v_2後藤マスヒロ113v曲は高木さんが弾くシンプルでヘヴィなギター・リフに入る。160v_2そして早速『虚無回廊』収録の「魔少女A」につながった!
115稲益宏美120vコチラ、稲益さんの機材。
やっと名前を覚えたカシシ他、ゾロゾロ。
とてもにぎやかだ。
130「A」は『虚無回廊』の登場人物「アンジェラ・インゲボルグ」の「A」。
歌のメロディがとても印象的。
「♪無聊をなぐさめる」なんて表現がロックの曲に出て来たのを初めて耳にした!140そして、いたる所に散りばめられた宮嶋さんが弾くキーボーズがドラマチックに曲を演出するのだ。150「こんばんは!うれしいですね~。え~…」170v_2…というMCを遮ってマスヒロさんのカウントが容赦なく入る!S41a0079続いても『虚無回廊』から「人工実存」。
ドバーっと繰り出されるメロトロン・サウンドがうれしい。
人はナゼこの音が好きなのかネェ。
オッサンだけか?
ロックを聴く若い人はこの音色って知っているのかしらん?180_jj「人工実存(AE)」とは「人工知能(AI)」と異なり、人間と同じ個性と判断力を持つ人工の知性…みたいな。
『虚無回廊』の中で重要な役割を担う。
高木さんのアルペジオをバックに…S41a0178 哲学的な歌詞を重々しく歌う稲益さん。230中間部から曲想が変わり幻想的なシーンで活躍するのが宮嶋さんが奏でるビンテージ楽器のリボン・コントローラー。
240vオリヴィエ・メシアンの「トゥーランガリラ交響曲」で使われている電子楽器、オンドマルトノがその原型とされているとは知らなんだ。
やっぱり新しい音楽をクリエイトする時にこそ新しい楽器は生まれて来るし、新しい楽器が生まれてくからこそ新しい音楽も生まれるってことよナァ。
そこへいくと今は惨憺たる状態だ。
一番ヒドイのはギター・アンプではなかろうか?
利便性を優先せんとするデジタル技術が音に退化をもたらしてしまったのだから。
250v各種ハンドパーカッションでサウンドに色どりを添える稲益さん。260vちなみにMarshallのドラムス・ブランドNATAL(ナタール)でも各種ハンド・パーカッションを取り揃えてございます。9np続けてガラッと変わって「ルシファー・ストーン」。270_lsすさまじいビート感で疾駆するマスヒロさんのドラムス!
220高木さんの典型的なハード・ロック・ギター。
やっぱりこういうのはMarshallでないよダメよね。
その点、金属恵比須は安心!280v猛然とドライブするバンドをバックに稲益さんが熱唱する。S41a0009 意表を突いたジャズ・ビートのパートから…
200v高木さんのボトルネックのパートへ。S41a0324そして宮嶋さんのオルガン・ソロをフィーチュア。
脇目を振らず走り抜ける曲中にいくつものドラマが盛り込まれたゼイタクなナンバー。320「こんばんは!ありがとうございます。
1曲目が終わった後にしゃべり出そうとしちゃって!
3曲続けて演るのをスッカリ忘れてしまった。
この客席の光景を見た瞬間にすごくうれしくなってテンション上がっちゃったの!
今日はお越し頂いて本当にありがとうございます!」
330「1曲目…登場の音楽が芥川也寸志先生の『八つ墓村』の『呪われた血の終焉』からの「魔少女A」、そこに稲益のMC…結構恨むよオレ」
340「オレ、真顔でニラまれたもん。
でも、コレは止ちゃダメだと思って次の曲に入ったよ…スゴい圧だった」
稲益さんが感無量になってしゃべり出そうとしたのを、マスヒロさんが引っ張って予定通り次の曲につなげて修正した…というひと幕ね。
350「さて、2曲前の『人工実存』は初披露でございます。
この曲は歌詞が出来ずに最後まで仮のタイトルが付けられていたんですよね。
一昨年の12月から取り組んで来て去年の9月まで書けてなかったんだよ」
345「仮のタイトルはたいてい誰かの曲のタイトルを2つ3つくっつけて付けちゃうんだけど、一番ヒドかったのは『砂の器』から『器に砂』ね…」
ギャハハ!
言葉が前後に入れ替わっただけで不思議とオモシロイ。
そういえば『砂の器』は「橋本忍の代表作」とされている作品。
音楽は芥川也寸志だった。
私は苦手な映画なんだけど、サントラ盤は持っている。
芥川家は息子さんが3人いて、也寸志さんは末っ子。
長兄はビルマで戦死されて、そのすぐ下の息子さんは芥川比呂志という俳優さんだった。
伊藤一葉の『にごりえ』を今井正が監督した1953年の同名のオムニバス映画で主役の人力車夫を演じるのを観たけど、なかなかカッコいいんだよ。
一方、也寸志さんの方はクラシックの作曲家だけど、それでは喰っていけないので膨大な数の映画音楽を手掛けた。
早坂文雄、伊福部昭、古関裕而、佐藤勝、林光、木下忠司、團伊久磨、この時代の作曲家はみんなコレをやった。
芥川さんは『野火』、『鍵』、『おとうと』、『女経』、『私は二歳』等々、比較的市川崑の仕事が多いのかな?そうでもないか?
どれもいいお仕事をされています。3604曲目も『虚無回廊』から「誘蛾灯」。
タイトルを連想させるようなオドロオドロしいイントロからしてカッコいい。
390秀貴くんのベースがゴリンゴリンとド迫力だ。380v_ygt稲益さんはマスヒロさんのシンバルを打擲して加勢する。
436曲はSGモデルに持ち替えた高木さんが弾く5/8拍子のリフから様子が変わる。410v宮嶋さんのキーボーズが大活躍!
ああ、いいナァ。
こういうことを演ってくれるバンドがまだ日本にいることを誇りに思うわ。420v_2また曲調が戻り高木さんのソロ。430「♪開け~ゴマ~」
いいわ~。400v_2続け『黒い福音』から高木さんが高校2年生の時に作ったという「鬼ケ島」。440v_ogs高木さんがリード・ボーカルズを務める正統派ヘヴィ・チューン。450キタキタキタ~、6/4拍子のインスト・パート。
それに続くギター・ソロもタップリの高木さんフィーチュア曲。
S41a0414 「『虚無回廊』、聞いて頂けましたか?
ありがとうございます。いかがでしたか?
色んな曲が入っているので結構人によって好みがバラけるのはないでしょうか?
370vお客さんの拍手で『虚無回廊』の人気曲を調査するコーナー。
どの曲も甲乙つけ難い反応。
結局みんな全部スキ…みたいな?
0r4a0075「オープニングテーマ」が別扱いのようになってしまった高木さん…
「ボク、作ったんですけど~」で客席大ウケ!
まるでアンドリュー・ロイド・ウェッバーの『キャッツ』が始まるかのような怪しげな幕開けからメロトロンが鳴り響くワルツ…私は初めて聴いた時「コリャ、ナニがが始まるぞ!」という感じがしてすごくいいと思いましたよ。
こんなことをしているバンドは他にいないかね。それがとても大切。
470次に演奏する「星空に消えた少年」について解説。
作曲指導を乞うた日本を代表する作曲家の渡辺宙明先生がその3か月後の昨年6月に亡くなってしまったのだ。
その先生の思い出について触れた。010r4a0078 荒川の河川敷でビデオも撮影した。
今日はその時の服装なのだ。
まさに私が子供の時にリアルタイムで観ていたヒーローもののような仕上がりが最高に楽しい!
そのビデオの中のポーズを…少しキメてくれた。500そして、『虚無回廊』のリード・チューン「星空に消えた少年」を思い入れたっぷりに演奏してくれた5人!
ホントにいい曲なの。
520v_2

530v

540v_2

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510_hks<後編>につづく
 

☆☆☆Marshallからのお知らせ☆☆☆

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120

200(一部敬称略 2023年2月4日 吉祥寺シルバーエレファントにて撮影)

2023年3月17日 (金)

直訳ロッカー 王様『ツェッペリン研究会ライヴ 』<後編>

 
休憩中。
今回も物販の屋台村には楽しい王様グッズがズラリ。10「KING OF ROCK CHOKUYAKU ROCKER」Tシャツのハーミットはマイク・スタンドを握った王様になっているんだよ。
研究会は今、ちょうどそのハーミットが出て来る4枚目のアルバムが終わったところ。20v乙部さんグッズ&リョータくんグッズも充実の品揃え。
30…と、屋台村でのショッピングを楽しんだところで再び「威風堂々」でメンバーが登場した。
「後半戦は毎回お約束ですが、なんちゃってジミー・ペイジ…みたいな。
いつもはリッチー・ブラックモアと全く同じ黒いジャージで演っておりますが、あの~、エヘン!…今日は取材が入っているもんですから同じ絵ヅラじゃ王様の面目も丸つぶれになってしまいますからね(取材とはこのMarshall Blogのことです)。
インチキ・ホワイト・ドラゴンスーツ的な…」
40_2「もう2005、6年に着て以来、全然使ってないから。
これホントは、ジョン・レノンやバングラデシュのジョージ・ハリスンを演るために買ったんですけどね。
渋谷で見つけて『コレだぁ!』って。
で、商品をパッと見たら『矢沢永吉モデル』ってなっていたという」
70v「『♪ノッテルかい!アーハン』みたいなねッ。
でも、永ちゃんもきっとジョンとかをマネて白い服にしたんじゃないかな?。
『♪時間よ~とまれ~』」Img_5778 …というトークから、乙部さんのドラムスで第2部がスタート!
♪タススタススタス タススタススタス タススタススタス スタススタスタスタタタタ
そう「ロックンロール」ね。
乙部さんも第2部は衣装を替えて登場。80v王様は早くも得意のジミー・ペイジ・ポーズ!
100「♪オイラの人生 ユラユラグラグラ!」
久しぶりだな~。
110vリョータくんの重いベースに乗って…90v定番のギター・ソロもバッチリとキマった!120v「ロックンロールがオレの宿命だっていうことでね。
それじゃあ、『聖なる館』と言うアルバムに移りましての1曲目。
レコードでも1曲目の「The Song Remains the Same」。
直訳すると、王様の解釈ではツェッペリンが飛行機に乗って各地へ行って、あ~ソロソロハワイに着くぞ~。
ハワイにはハワイの歌があるネェ、カリフォルニアに行ったらカリフォルニアの曲があるネェ。
あ~、歌い継がれてるネェ。
そして、佐渡には『佐渡おけさ』があるネェ…無理やり日本に置き換えましたけど、歌が受け継がれて世は流れるというねッ。
オレたちの曲もそんな風に歌い継がれていけばいねナァ…みたいなことをロバート・プラントちゃんが思って作ったんじゃないかナァ」140vということで、王様のギターから「永遠の詩」。150_srsこの曲ってこうして聴くとメッチャかっこいいナァ。
Img_5340先回のディープ・パープルの時も気合の入ったドラミングを聴かせてくれた乙部さんだけど、今回は専門分野ですからね。
「Zep道楽」というバンドをやっていらっしゃるぐらい。
もう目をつぶってでも完璧に叩けちゃう…ってホントにつぶってる。160vスリリングなインスト・パート。
コレ、ジミー・ペイジはダブルネックで弾くんだっけ?
そんなことはおかまいなしにストラトキャスターでガンガン演っちゃう王様がステキ。170でもギター・アンプはジミー・ペイジと同じMarshallだよ。
JCM900 4100と1960A。170v 歌のパートもバッチリです。
言っておきますが…基本的に王様が直訳した日本語歌詞はココに書かないようにしていますからね。
レッド・ツェッペリンがどんなことを歌っているのか直接日本語で味わいたい人は王様のライブに足を運んでくださいね!
楽しいよ~。Img_5724 さて、<後編>に入って最初の私の研究結果発表。
下はこの曲が収録されているアルバム『Houses of the Holy』のスリーヴ。
おなじみヒプノシスの作品。
北アイルランドのジャイアント・コーズウェイというところで撮影した写真が使われていることは「ディープ・パープル研究会」の時に報告した。190cd実はこのスリーヴは下のようなデザインになるハズだった。
『Houses of the Holy』はヒプノシスにとって最初のレッド・ツェッペリンとの仕事で、ストーム・ソーガソンは「レッド・ツェッペリンのイメージを組み込んだテニス・コート」の図柄というアイデアをジミー・ペイジに提示した。
なぜテニス・コートを引っ張り出すのかが理解できなかったペイジがソーガソンにその理由を尋ねるとそのココロは「ラケット」だという。
ジミー・ペイジはそれを聞いて大層気分を害したらしい。
というのは、「ラケット(racket)」という言葉はイギリスの都市部のスラングで「雑音」を意味するから。
つまりレッド・ツェッペリンの音楽がうるさいという、マァ、イギリス特有のブラック・ジョークだったんだね。
当然却下。
そして、そのアイデアは下のString Driven Thingというバンドのアルバム・スリーヴに利用された。
ちなみにこのバンドはグラハム・スミスというヴァイオリニストを中心にしたグラスゴー出身のバンドで「少しポップなハード・ロック」という感じ。
ゼンゼン「racket」ではありません。むしろカッコいいです。
200cdこの話は元アニマルズのギタリストで私の親友のスティーヴ・ドーソンから聞いたんだけど、スティーヴによるとイギリスでのレッド・ツェッペリンの爆音たるや本当にスゴかったらしい。
人生で一番音のデカいコンサートだったそうだ。
電圧が日本とは全く違うので、Marshallの鳴り方が全然違うのだ。
下はやはりソーホーのウォード―・ストリートにある有名なマーキー・クラブの第2号店の跡。
マーキーは建物の老朽化を理由に第3号店に移転したんだけど、長年にわたる爆音のせいでこの建物全体が数センチかなんかズレたっていうんだよね。
その一番の原因はレッド・ツェッペリンの大爆音だったという。
ホントかどうかは知りませんよ。
いずれにしてもMarshallがなければ起こらなかったスゴイ事件なのです。
504「ありがとうございました。
続きましてもアルバム『聖なる館』から…無謀にも希望の曲。
やればできる…諦めたら負けだ。
『ノー・クウォーター』という冬の歌。
『ノー・クォーター』っていうのは、小銭もねぇ…みたいな。
マクドナルドじゃないよ。あれはクウォーター・パウンダーだから。
オレの解釈は70年代のロンドンにも夢に破れて徘徊する浮浪者たちみたいのがいたんだけど、彼らだって昔は夢をもっていた…でも今はもう一文無しだ…みたいな。
やや社会問題提起方直訳みたいな。
で、タイトルはチョット私情をふまえて『あ~無情』」230vキーボーズがあって当たり前…イヤ、いなきゃできないような曲をギターとベースでカバーしていい雰囲気を出していた。240_nqライブ・アルバムを聴く時にはC面を飛ばすのが常だったけど、こうして聴くといい曲だナァ。250v王様の直訳ロックでレッド・ツェッペリンの新しい世界を見たような気がしたわ。260_2コレは研究結果というほどのことではないんだけど、イギリスには「Quarter」という硬貨はありません。
だからこの曲は恐らくアメリカが舞台なんでしょう。
アメリカはPenny(1セント)、Nickel(5セント)、 Dime(10セント)、そしてQurter(25セント=1/4ドル)というニックネームのついた4種類のドルの補助硬貨がアメリカにはあるけど、イギリスは全然違う。
イギリスの場合は1ペニー、5ペンス、10ペンス、20ペンス、50ペンス、1ポンド、2ポンドと7種類の硬貨が流通している。
ペンスはペニーの複数形。
100ペンスで1ポンドだけど、1971年までは間に「シリング」というのがあって、12ペンスで1シリング、20シリングで1ポンドだった。
だから1ポンドは240ペンスだった。
ややこしい!
向こうの人はペンスは「ピー(p)」、ポンドは「クイッド(quid)」なんて呼んでいますな。 Coins「ねっ~、やれば出来るよ‼
結局キーボーズは要らない!ダメダメ。弱音を吐いたらダメなの!」
ホント、お見それしました!
王様のライブは直訳歌詞や爆笑MCだけではなくて、こういうムチャなアレンジも見どころ、聴きどころだね。
260v「それじゃ『フィジカル・グラフティ』にいくよ。
フィジカルグラフティ…日本語に訳すと?はい、リョータくん。
ん?『肉体の落書き』?
そうだ!普通はそうに決まってるけど、王様の場合は?」
Img_5719「ん?…顔面の落書き?」
420「そう!応用問題でした。
チャンとわかったじゃないか!王様は『顔面の落書き』だねッ。
シック・アゲイン…『また風邪ひいた』みたいなね。
ま、そういう意味もあるけど、詩の内容としては『バンド熱がまた出た』みたいな」
スゲエなリョータくん、よくわかったな。
やっぱり10年も一緒にやってると違うな。
 
ところで…「グラフィティ」って正式な発音知ってる?
「グフィティ」じゃなくて「グラフィーティ」なんだよ。
昔、『アメリカン・グラフィティ』という映画があって、その解説で淀川長治さんが「アメリカン・グラフィーティ」と発音して「変なの!」とゲラゲラ笑ったんだけど、淀川さんの方が正しかった…という。
知らないってコワいですネェ。
だから我々も「フィジカル・グラフィティ⤵」とスラっと読むのではなく、「フィジカル・グラフィーティ」と言うべきなのです。
Img_5850ということで「熱病再び」。280vコレは初めて聴いた。
こんな曲が日本語で聴けるなんて!
スゴイぞ王様!290vますますスゴくなって来た乙部さんのドラミング!270_saタイトな演奏で「熱病感」満点!300_2<後編>の研究結果第2弾。
ココはジミー・ペイジの家に近いロンドンのサウス・ケンジントンにある「ヴィクトリア&アルバート博物館(通称:V&A)」。
工芸品や建築物の一部等、古今東西人類が作ったありとあらゆるモノを展示している博物館。
ロンドンの博物館というと真っ先に「大英博物館」が頭に浮かぶが、見る分にはV&Aの方がオモシロい。
310「Sick Again」が収録されている『Physical Graffiti』をレッド・ツェッペリンがリリースしたのは1975年の2月。
下はその3か月後に開催した大コンサートの告知ポスター。
会場は2万人を収容するアールズ・コートの「エキシビジョン・センター」。
3日間の公演だったが、公演が追加され、リヴァプールやマンチェスター等の地方都市からロンドンに来やすいように「ZEPPELIN EXPRESS」という臨時列車を走らせた…そういうポスター。
それぐらいの人気だった。
高い席でチケットの値段が£2.50というから、今の為替レートを当てはめるれば450円ぐらいか。
しかし…最近の大物外タレのコンサートのチケットって信じられないぐらい高いのね!
「江戸の仇を長崎で」よろしく、みんながCDを買わなくなったツケをココで払わされてる。
でも大枚をはたいてコンサートへ行くような人はCDを買ってるからね…残酷な話です。
320_2コレはそのV&Aに展示されているその頃ジミー・ペイジが身にまとっていたステージ衣装。
襟の辺りはエジプト風のデザインなんだって。
かつて福島の郡山で開催した『スウィンギン・ロンドン展』でもジミー・ペイジの衣装が展示されていたが、ビックリするほどウエストが細いの。330vココは「シアター&パフォーマンス」という展示コーナーなんだけど、こんなピート・タウンゼンドがステージでブッ壊したレスポールなんてのも飾っていた。
展示品はしょっちゅう入れ替わるので注意が必要だが、日本では絶対に見ることが出来ないアイテムを無料で見学できる。
展示アイテムの数はそう多くはないが、音楽好きの人にはタマらない。340vコレがそのアールズ・コートにある「エキシビジョン・センター」。
スレイドや、ピンク・フロイドが『狂気』のレコ発を開催して満員にしたのは向こうでは伝説になっている。350こんな出で立ちの時もあった。
滞在中に行きたいコンサートをやっていなかったので場内に入ることはなかったが、この時はロビーまで入ることができた。370_2こんな感じ。
コレはインテリアかなんかの展示会だったのかな?
コンサートからスポーツの試合から見本市まで色んな催しに利用されている。380そこで登場するのがこのスリーヴ…『Presence』ね。
この奥のボートね、コレはこのエキシビジョン・センターで開催された小型船舶の見本市の時の写真なのだそうです。390cdそのエキシビジョン・センターの2019年の姿。
更地…何にもなくなっちゃった。
コレには驚いた。
同時にレッド・ツェッペリンやピンク・フロイドの伝説も消え失せてしまった。
400_2日本人とは比べ物にならないぐらい古いモノや伝統を大切にするイギリス人だけど、経済的な理由には抗えないようで、ロンドンの街も猛烈なスピードで古いモノが淘汰されているのです。
下の写真は20年ぐらい前に撮ったんだけど、ココも一部の建物は残してあるものの、ショッピングモールの建設をしているからね。
ブリティッシュ・ロック好きの方は早めに行った方がいいです。
5002 ということで、第2部の最後は『プレゼンス』から。
「楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうもので、次の曲で最後です。
次の曲が長いからね…その後のアンコールも長いから。
まだメインのおフザケが残ってるからね。
『アキレス』ぐらいサクッと終わりたいね。
短くした『アキレス最後の短期決戦』っていうのもありますけどねッ。
もうイントロがエンディングみたいな」
410v「で、一応説明しておくと…ギリシャでしたかね?
ロバート・プラントさんがギリシャで事故に遭ちゃってね。
もう生死をさまよう…みたいな。
その時にきっと、子供の声が聞こえたり、奥さんの笑顔が見えたりしながらケガと戦った。
そのケガと戦った気持ちをギリシャ神話に例えて、「最後の戦い」という気持ちで作ったんじゃないかな…と。
それじゃあ、ちゃんと演奏します」430v有名なEm69のアルペジオのイントロから…440_als疾走感あふれるアキレスが始まった!450v王様の熱唱。460vもはや乙部さんのスティックさばきがヤバい!
完全にジョン・ヘンリー・ボーナムになり切った!
あ、ちなみにジョン・ボーナムが使っていたパーカッションはウチのNATAL(ナタール)でしたから。Img_5760ギター・ソロもドラマチックに弾きこなしてアキレスの長期決戦にカタを付けた!480v本編終了。490さよなら~。500アンコールが始まるまで最後の研究発表。
さっきV&Aのところで出て来たサウス・ケンジントンにある「タワー・ハウス」と呼ばれているジミー・ペイジの家。
サウス・ケンジントンはスイス・コテージと並んでロンドンの中でも最も高級な住宅街。
タワー状ではないにせよ、こうした豪邸がゴロゴロしている。501v<前編>に書いたようにジョン・ポール・ジョーンズには2度ほど会ったことがあるんだけど、ジミー・ペイジは1度だけ会った…というより「お見かけ」した。
それは2010年にロンドンで開催された「HIGH VOLTAGE」というオジさん、オバさん対象のフェスでのこと。502私はMarshall特権で下の写真の楽屋村への出入りが自由だったんだけど、ココへヒョッコリとジミー・ペイジが現れた。
背が高くニコニコしていてゼンゼン普通の人だった。
ついでに書くと、この時ELPやZZ Topのダスティ・ヒルの最後の姿を見ることができたのはラッキーだった。
また、ビリー・ギボンズやスティーヴ・ハウがMarshallを見に来たりしてね、私の人生のウチでも最高の部類に属する2日間だった。503お、出て来た!505アンコールの始まり!510「ありがとうございます。
いつも通りお客さんがアンコール!アンコール!と大合唱してました。
配信見てる人~!白いスーツ初めてでしょう?
今日はお得でしたよ。
いつもは、ただ立っているだけで牛にやられる…みたいな。
もうこれからはスーツかもしんねぇな」
520「じゃあ、最後にオレたちのとっておきの『ホールロッタラブ』ね。
アトラクション付きで…こんな安いアトラクション他にありませんよ!
まぁ、色々『なんちゃってレッド・ツェッペリン』みたいねッ」
530「それじゃ、最後は『胸いっぱいの愛を』と『幻惑されて』です!」560v「胸いっぱいの愛を」ということは…570_wllリョータくんの頭に乗っていよいよテルミン登場!580vリョータくんが笛を手にして王様がテルミンを巧みに操る。
「ヒュ~⤴」
600v「ヒュ~⤵」
そうか、こうなっていたのか!
ホンモノのテルミンみたいだ!…ウソこけ!
でも楽しい!
590_2そして、今度はヴァイオリンの弓を手にした王様…じゃない!
ハンガーじゃんそれ!610vギギギギギギギギギ~。
コレはホントにヴァイオリンの弓と同じ!620vジャッ!ジャ!630ギギギギギギギギギ~。635vジャッ!ジャ!640そしてお得意のジミー・ペイジ・ポーズでソロ!
よ~やるわ!
でも最高に楽しいゾ!650vクライマックスの歌だけのパート。
ナゼか土俵入り!
660
最後の最後まで盛りだくさん!670 そして、レッド・ツェッペリンに「胸いっぱいの愛を」!680_2最後に…
「ジェフベック追悼!鮎川誠さん追悼!
『トレイン・ケブト・ア・ローリン」いってみよう!」Img_5720 …と「ブギウギ列車夜行便」でアンコールを締めくくった。
470v

710v

720vあ~、今回もよく笑った!
若い人にはこのオモシロさはわかんネェだろうナァ…気の毒に。
ネタの元を知らなければラチが開かん。
その点、ホンモノでカッコいいロックを味わって、王様でまた楽しんで、我々の世代はまったくいい時代に生まれたと思う。
ご年配の皆さん、王様のライブにゼヒお出かけくださいませ。730_2王様の詳しい情報はコチラ⇒王様のROCK'N'ROLL TOWN

最後は記念撮影!740 

☆☆☆Marshallからのお知らせ☆☆☆

Marshallのペダルのビンテージリイシューが大反響!
1988年に発売したエフェクツ・ペダル4種類が完全復刻発売されたのです。
イギリス製の手づくり!20The Guv'nor(ザ・ガヴァナー)

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120

200(一部敬称略 2023年2月1日 吉祥寺シルバーエレファントにて撮影)

2023年3月16日 (木)

直訳ロッカー 王様『ツェッペリン研究会ライヴ 』<前編>

 
この1月、10年ぶりにお邪魔した王様のライブは『深紫研究会』だった。
それから1カ月もたたないウチに今度はレッド・ツェッペリンの研究会を開催するというではないか。
パープルやってツェッペリンやらず…なんてことはできないでしょう。
ということで直訳ロッカー王様の『ツェッペリン研究会ライヴ』に行って来た。
最高にオモシロかった!
前回と同じく、今回も自分の研究結果を交えてつぶさ(Blow by Blow)にレポートしてみたいと思う。

10v
いつも通りエルガーの「威風堂々」でステージに上がったメンバー。
50_2さっそく私の研究結果発表から…。
ココはロンドンの中心からチョット北のセント・ジョンズウッドという地下鉄の駅から歩いて7~8分の世界一有名な横断歩道。
ココは結構な交通量でネェ。
ココは歩行者優先が厳しく定められた横断歩道なので、世界中から集まって来ては4人で横断されるのは車にとってはエライ迷惑なのだ。
コレの向かって左にあるのが…15世界一有名であろうレコーディング・スタジオの「アビィ・ロード・スタジオ」。20その玄関の左の壁についている緑色のプラークには…
「サー・エドワード・エルガー 作曲家1857-1934  1931年11月12日この設備をオープンし、レコーディングを行った」と書いてある。
40この人がサー・エドワード・エルガー。
「威風堂々」の作曲者だ。
イギリスには歴史的に有名な作曲家が少ないのでかなりのヒーロー的存在。
ヘンデルは元はドイツ人だし、他と言えばホルストとブリテンぐらいだもんね。
そのエルガー、もちろんスタジオのオープンに当たっては「威風堂々(Land of Hope and Glory)」を演奏した。
ところで、アビィロード・スタジオはビートルズのために作られた施設では全くない。
ロンドンにフル・オーケストラとお客さんがスッポリ入って演奏し、録音する設備がなかったので、EMIが一念発起して建設したスタジオなのです。30v一般の人は中に入ることはできないが、今はもう完全に観光地化していて、グッズショップまで作っちゃいやがんの。
昔はセント・ジョンズ・ウッド駅の売店でビートルズ・グッズをチョコッと売っていただけだったんよ。
コロナの前の年に行った時、せっかくなのでガイドブックを買って来た。35「威風堂々」といえば、毎年年末にロイヤル・アルバート・ホールで開催されるニュー・イヤー・コンサートのハイライトで演奏され、満員のジイさん&バアさんが腰に手を当てて、膝を曲げ伸ばして踊るシーンが有名でしょ?
他でもイギリス人はナニかの儀式があると必ず「威風堂々」なワケ。
そんな具合なので「威風堂々」は「God Save the King」に次ぐイギリスの「第二の国歌」ぐらい大切な曲なんだけど、コレには強力なライバルがいる。
それはエマーソン・レイク&パーマーの『脳ミソサラダの外科手術(Brain Sald Suegery)』でグレッグ・レイクが朗々と歌い上げている「エルサレム(Jerusalem)」。
コレ、ELPのオリジナル曲ではありませんからね。
で、皆さんはどっちの方が「第2のイギリス国歌」とされていると思いますか?
コレ、気になって実際にマーシャルのイギリス人数人に尋ねてみた。
結果は…「エルサレム」。
ウィリアム・ブレイクの歌詞が影響しているのかも知れないね。
「威風堂々」より「エルサレム」の方が「第2のイギリス国歌」という研究結果でした。Bss2 「お待たせしました~!
ようこそお越しくださいました。
ワタクシ、洋楽ロックを日本語に翻訳し続けて27年…この恥ずかしいカッコをして27年。
今年で63歳。
直訳ロッカー、王様です。よろしくお願いします。
今日はレッド・ツェッペリンをタップリ2時間、日本語で、ヤ~ナ雰囲気で、後味最悪で演ります!」
60_2「変な日本語訳がタマに入ってますからねッ。
でも本物の来日公演の時に王様の日本語で口ずさんだりしたら周りから白い目で見られますからね。
例えばガンズ&ローゼズの『Welcome to Jungle』ね。
オレは『♪ニー、二―!』のところを『♪ヒザッ、ヒザッ!』ってやってるの。
ガンズのライブで『♪ヒザッ、ヒザッ!』ってやったら『なにコイツ?』って思われますよねッ?」
80v_2「そういう感じでオレの日本語が耳に残るようであって欲しいですよねッ。
レッド・ツェッペリンですから、そういうことがいくつかあるかもしれませんけどねッ。
王様という濾紙を通して自分だったらこう言うな…みたいなねッ。
言葉を選ぶ難しさって言うのがありますからね。
そういう所を経て絞り出されたレッド・ツェッペリンの日本語バージョンですからね。
それは違うだろ~!みたいなことがいっぱいあるかもわかりませんが、そういう気持ちで心を込めたおもてなしをしたいと思います」
70今日も「王様お笑いトリオ」の一員として活発な王様のフリを受け止めるリョータくん。
80「早く結婚しろ」とか色々イジられていたけど、リョータくんは王様と活動を初めて10年経つんだって!
ビックリ!
私が10年前に熊谷まで王様のライブに行った時には故渡辺英樹さんがベースを弾いていたので、あの後すぐぐらいから一緒に演っているということか?
90v_2長いオープニング・トークが終わったところで…
「先ずはファースト・アルバムから『人生ラクもあれば苦もあるさ』いってみよう!」110もちろん曲は「Good Times, Bad Times」。120_gtbtさっそくこのポーズ。
今日の王様はコレ専門!130vベースは寺沢リョータ。140v_2ドラムスは乙部ヒロ。150vレッド・ツェッペリンを演るからには…160当然Marshall!
JCM900 4100と1960A。170v足元のようす。
今日も時計を置いてパンクチュアルな進行を心がける!180さっそく私の研究結果第2弾。
ココはロンドンの西の中心ウエスト・エンドのソーホーにある中華街。190その入り口近くにあるこのビル。

200vごく普通の中華料理屋に見えるが、ココはごく普通の中華料理屋。
ところが、ごく普通の中華料理屋とワケが違うのは、レッド・ツェッペリンの4人はこの地下で初めてリハーサルをしたそうだ。
スタジオかなんかあったのかどうかはわからないが、予約表には「齐柏林飞艇」と記名してあったとか、ないとか…ないよ。210「じゃあ、セカンド・アルバムにいくよ!
『Ramble On』…抒情的な歌だね。
コレとか『Out on the Tiles』とかね。なんか、だいたいツアーの曲だね。
オールマンブラザーズの『Ramblin' Man』とかね…♪ピロピ~ってね。
グレイトフル・デッドとか、オールマンブラザーズとか、みんなツアーからツアー。
アメリカは広いからね」
220「そういうオレはもう、旅、旅、旅、音楽…みたいな。
この『Ramble On』もまた旅が続いていく…っていうかね。
ライブ・ツアーは続くっていうことだね。
そのライブの先々で色々な人と知り合いって…ねッ。
これからだぜ、リョータも」Img_5315 セカンド・アルバム収録の「旅は続く(Ramble On)」。250v_roレッド・ツェッペリンにカッコいい曲は数多くあれど、この曲ってかなり上位に入るのではないか?と個人的に思っている。260そのココロは何と言っても「♪ラブロン!」の後のドラムスと…270vベースのキメね。
このアルバムでいうと「Lemon Song」もそうなんだけど、JPJって本当にカッコいい。
私は2度ほど会って会話をしたことがあるんだけど、大人しくて実に感じのいい人だった。280v_2私の研究結果第3弾。
Marshallの50周年の時、すなわち2012年の秋に2週間ほどイギリスに滞在した。
いつもロンドンばかりなので、地方の都市にも足を伸ばしたかったのだ。
その時に行き先のひとつがニューカッスル。
1968年10月4日、かつて下の写真の場所にあったとてもゴージャスなクラブ「The Mayfair Ballroom」でレッド・ツェッペリンは初めて人前で演奏した。
この時、The New Yardbirdsの名前でブッキングされていたが、バンドはツアーから戻って空中分解。
この出演契約を消化するために、ジミー・ペイジが代わりに新しく結成したバンドで舞台に上がった。
その時からそのバンドが「レッド・ツェッペリン」となった。
セットリストはツェッペリン・ナンバーだったそうだ。
ウィキペディアをはじめ、この辺りは色々な情報が交錯しているようだけど、私のはイギリス仕込みです。290ニューカッスルに行った足で友人の地元のサウスシールズという小さな港町へ赴いた。
小さな町とは言え、1950~60年代は炭鉱と造船で大いに栄えたところで、モハメド・アリ(当時カシアス・クレイ)とジミ・ヘンドリックスが来たことが自慢。
下の写真の場所にあった「Cellar Club」という店でジミヘンやクリームが演奏した。
スゴイね。300そのサウスシールズの週末の夜。
ロンドンの真ん中は別として、イギリスは週末になるとパブにバンドが入って、男性はエール、女性はジンを片手にワイワイやりながらみんなで古のロックを歌うのが楽しみのひとつ。
もうオジさん&オバさんで盛り上がっちゃってスゴイんだわ。310_2で、店に入ってビックリ!
ナニを演奏しているのかと思ったら「Ramble On」だったの。
オジさんもオバさんもみんなで「♪ラブロン!」ってやってんだよ。
本家でもそう演奏する機会がなかったというこの曲の実演を北海に面した小さな港町で耳にするとは!
他にThe Whoの「The Seeker」なんかを演っていた。
こうしたロックは彼らのモノであることをモノスゴク実感したね。
日本と音楽の状況が全く違う。
もちろんギターアンプはMarshallでした。
320で、この時のことを思い出して事前にリョータくんに「Ramble on」をリクエストさせてもらった。
そのリクエストを王様にかなえて頂いたのかどうかはわからないが、日本語歌詞で聴くことができてうれしかった!0r4a0104 「旅をすると色んな人と出会うからねッ。
オレなんか全部の都道府県に領土があるよ。
それでそこに行けば必ず家来がいるからね」
380v「次は『移民の歌』だよ。
「移民の歌」は、オレたちには海賊のDNAが流れていて、これからアメリカへ、アメリカへ、みたいなね。
今オレたちは、船ではなく飛行機というモノに乗って、ロックという武器で海賊のようにアメリカから金銀財宝を奪い取るぞ!イザ、戦いに行くぞ!という歌。
これから突撃するぞ!って歌っているんだねッ」240「2週間前のディープ・パープル研究会で最後に『Smoke on the Water』を演ったね?
アレは『Smoke on the Waterをアレンジしてみよう!』の研究発表でした。
四畳半バージョン、ボサノバ・バージョン、そしてスモークオンザ音頭と3つのアレンジで演ったんですよね。
もうイヤイヤ演りましょう」
Img_5446「イヤイヤ、ちゃんと演奏しますけどね。
まずはこういうバージョンでどうでしょうか?
コレは去年のサッカーのワールドカップを見ててね…やっぱりブラジルだ!と。
あの暗さが全くないバージョンの『移民の歌』も良いんじゃないかと。
『移民のサンバ』ねッ!」
340乙部さんの繰り出すサンバ・ビートに乗って…Img_5355 「♪あ~あ~あ~」
370サンバに欠かせないホイッスルはリョータくんの担当。
ムズカシかったって。
350v「夏はみんなでコレで踊ってもらってリオのカーニバル状態!
それじゃあ、もう1個。
コレが出来るか?!っていうねッ!
それじゃあ乙部さん、お願いします」
100v♪ドンドンドンカラカッカ。
やっぱり出て来た「音頭バージョン」。
360「♪あ~あ~あ~、ア、どっこい」
400「♪あ~あ~あ~、ア、どした」
410「♪寒い国からやって来た~」
完璧!
420…ということで普通の「移民の歌」。440_is「♪寒い国からやって来た~ 白夜の大地に温泉が湧き出る」
コレは昔から演っている王様のレパートリーのひとつで、はじめて聴いた時からこの冒頭の歌詞が耳にこびりついてしまった。
ロバート・プラントはホントにこういうことを歌ってるのよ。450v_2研究結果の第4弾。
この曲の歌詞に「Valhalla(ヴァルハラ)」というのが出て来て、王様は「ワルハラの神殿」と訳している。
この「Valhalla」というのは「兵士が戦いで死んだ後に行く場所」というノルウェイの言い伝えなのだそうだ。Img_5442 ナンでコレを知ったのかというと、つい最近facebookを通じて「Yeti Valhalla(イェティ・ヴァルハラ)」というカナダとアメリカの混成トリオ・チームと知り合ったから。
リーダーのアダムに直接「Valhalla」に意味を教えてもらったのだ。
12月に来日したので観に行ってみると、コレがすごくいいバンドだったのよ!
6月にまた来日するそうなので、ハードが好きな方は要チェック!
12月のライブのレポートはコチラ⇒YETI VALHALLA(イェティ・ヴァルハラ)にロックの原点を見た!
290_mm ギター・ソロもタップリ!
もうこの王様の表情を見ればどんな演奏だったかがわかるんじゃない?460「それじゃあもう1曲サード・アルバムからね…今度はフザけないよ。
ブルースね。
ツェッペリンはやっぱりブルースをやっておかないとダメですね。
「シンスアイヴラビングユー…現在完了進行形なんだよ。
邦題は『貴方を愛し続けて』。
一途な愛みたいなキレイな物を想像しちゃダメだと…口を酸っぱくして言います。
悪い女に手を出したお前が悪いんだってね。
例の『Heartbreaker』とかね。
好きになった女が、あっちでチョロチョロ、こっちでチョロチョロ…浮気女だったんだよ。
でも、あの女に惚れてしまった。それ以来オレの人生はもうメチャクチャだ!みたいなねッ。
そういう悪い女に惚れてしまった歌…ねッ」
490v「一応設定としては吉祥寺のキャバ譲に惚れてしまったっていう。
で、働いちゃあお金を貢いでいたんだけど、別の男ともチチくりモンぐりしてた。
でも忘れられないんだよ。
で、この曲には1つ提起したい問題があって『オレは毎晩7時から11時まで働いた』っていうんだけど、4時間しか働いてねぇのかよ?って!
それはない。
でも、コレは昼間の仕事ではないのではないか?…と。
ロバート・プラントがハコバンかナニか夜のバンドの仕事していて、夜の7時から翌朝の11時までの30分のステージを何回か演っているのではないか?
普通の果物屋とか八百屋とかで働いてはいないんじゃないか?という見方があるという…ねッ」470v_2あの有名なイントロのギターのフレーズをフェイクした王様。
とてもいい感じ。
そして長いイントロが終わって…500v_sibl「♪ベロベロベロベロベロベロ~!」
本当にこうやって歌った。510vこれには腹がヨジれるほど笑ったわ!
イエ、多くの人がご存知の通り、ホンモノは全然違うんですよ。
ところが、この曲の歌い出しってまさに王様が演ったようなイメージがあって、それをそのまま演ってくれたもんだからメチャクチャ面白かったのです。
0r4a0098 そんな大爆笑のボーカルズをヨソにシリアスでヘビィなリズムを送り込むリズム隊の2人。520vこっちもとてもいい感じ!530v王様のギター・ソロも思い入れタップリの極上プレイだった!
550v_2私の研究結果第5弾…と言ってもコレはまだ研究の途中。
私が考えるにこの「7時~11時働き通し」は朝の7時から夜の11時までだと思う。
多分、昼間に肉体労働かなんかをして、夕方からパプあたりで働いたのではないか?…と推察するのは「11時」という表現。
イギリスは法律で普通の飲食店の営業時間が「11時まで」と決められている。
「11時まで働いた」ということを耳にすると「ハハン、コイツ、パブで働いているんだナ…」みたいなことになる。
一方、ナイトクラブはコレとは別で朝の4時ぐらいまで営業しているんだけど、店が閉まってから午前11時までナニかの仕事をするとは考えにくい。
なので、「朝7時から毎晩11時まで働いているところ」というのが正しい解釈なのではないか?…と思った次第。
一応、音楽業界のイギリス人の友達に確認をしているので、ナニかわかったらどこかで報告します。
 
<調査結果>
実際にイギリス人に確認してみた。
王様が問題提起した「I've been working from seven to eleven every night」は「朝の7時から夜11時まで働いている」のか、「夜の7時から朝の11時まで働いている」のか…
この「working seven to eleven every night」というのはハードな仕事環境を表現する時の一種の「決まり文句」のようなもので、状況は決まって「朝の7時から夜の11時」を指すそうです。
もし、この曲の主人がロバート・プラントで、ハコバンで毎晩夜通し働いているのなら「I sing every night from seven to eleven」のように具体的に歌うのではなかろうか?…というのは私の蛇足。
以上。
Img_9478 「サンキュ~!
チョット入り込み過ぎました。
こういう歌だったんですねッ。
やっぱり、場所を日本にして立場を自分にを置き換えると自分なりのアドリブが出て来ますね。
ロバートだったら、こんなかな~って。
楽しいよ~、奥行きが出るね~。
あんまりわかっていないで演っちゃうとただのモノマネになってしまうんだねッ。
それじゃあ、4枚目」
Img_5446「『黒い犬には気をつけろ』ってね。
こんなことはツェッペリンはしてませんけど、王様は5枚目のアルバムに入っている『クランジ』という曲から犬にブチぶち込もうぜ!という感じでお願いします」560『The Houses of Holy』に収録されている「The Crunge」でスタート。
コレは9/8拍子かな?
乙部さんのシャープヘヴィなドラミングが快感!580_crそこにリョータくんが絡んで…590王様のファンク・ストラミングが入って来る。Img_5509 そして「黒い犬」へ。
コレも昔からのレパートリー。600v_2重要な曲ではこのジミー・ペイジ・ポーズが出て来る。
乗っている証拠だ。
610v_2王様が執拗にこのポーズをキメることを不思議に思ったレッド・ツェッペリンを詳しく知らない家内にライブのDVDを見せたところ、ヒックリ返って笑っていた。
「王様の方がカッコいい!」って。620v_2研究結果第6弾。
この曲はフリートウッド・マックの「Oh Well」が元になっているというんだけど、コレをああいう風にしちゃうのがスゴイね。
「Oh Well」もアホほどカッコいいけど。
ミック・フリートウッドが使っていたパーカッションはウチのNATAL(ナタール)です。
630_ep「前半、後半に分かれた王様のライブの前半の最後です。
最後は「天国への階段」で。
短いバージョンじゃありませんよ。
ショート・バージョンは『天国への脚立』って呼んでいますからね」
640v「この曲も色々な解釈ができると思いますが、王様の解釈は『人生輝けば何してもいいんじゃないの?』的な人がいて、安易に薬に手を出してしまう。
そして、薬で輝いてしまう。
ねッ、1970年代の頃はジャニス・ジョプリンとかジム・モリソンとかジミヘンとかっていう人たちが輝いてはサッサと天国へ行ってしまいましたからね。
そんな、生き方じゃダメだ!というねッ」650『レッド・ツェッペリン研究会ライヴ』の第1部を締めくくったのは「天国への階段」。670v_swh「名曲」の誉れ高い1曲だけあって、演奏するにも気合が入る!680おなじみのギター・ソロもバッチリ!Img_5291 王様がMCで触れたようにフル尺での演奏。690vクライマックスでの迫力がスゴかった!700v_2ひとつずつ歌詞の解説を交えての演奏。
タメになるね~。
後半も楽しみだ!730私の研究結果第6弾。
この曲が収録されているアルバムはイギリスの『CLASSIC ROCK』という60~80年代のロックの専門誌で『ブリティッシュ・ロックベスト100』の第1位に選ばれているんですよ。
レッド・ツェッペリンがやりたかったことのすべてが詰め込まれている…とか。740cdそれにしてもリョータくんのアンプの上に置いてある「テルミン」が気になる…。
 

王様の詳しい情報はコチラ⇒王様のROCK'N'ROLL TOWN

750 

☆☆☆Marshallからのお知らせ☆☆☆

Marshallのペダルのビンテージリイシューが大反響!
1988年に発売したエフェクツ・ペダル4種類が完全復刻発売されたのです。
イギリス製の手づくり!20The Guv'nor(ザ・ガヴァナー)

290BLUES BREAKER(ブルースブレイカー)

9f43f3948e5fb45dcbd6eda5a9505b2fbDRIVE MASTER(ドライブ・マスター)

190_2SHRED MASTER(シュレッド・マスター)

9deeb9550f577438eaba4afc5814638a1 商品の詳しい情報はコチラ⇒【Marshall Blog】THE LEGENDS ARE BCAK~伝説のペダル復活!

120

200(一部敬称略 2023年2月1日 吉祥寺シルバーエレファントにて撮影)

2023年3月14日 (火)

帰って来たSilex Studio Live & Talk

 
人生2回目のひばりが丘。
用件は1回目と同じ。
ココ、STUDIO VITOで開かれるSilexメンバーによる『Studio Live & Talk』。30v2実際の時間としては1年チョットぶりなんだけど、前回開催されたのは「2021年」、今回は「2023年」…と、コレだけ耳にすると途方もない時の早さを感じちゃうね。
あの時は「Silex Presents」ということで、Mashaくんと達也くんの2人によるショウだった。80s今回は「Silex & Moon Presents」という形式。
「Moon」さんというのは老舗国産ギターのブランド。
ということで、Mashaくんとベースの颯くんが出演することになった。
が…せっかくなので前回同様、達也くんにも出演してもらい、ギター、ベース&ドラムスというゴージャスな編成での公演と相成った。10s会場にズラリと展示されたSilexの関連グッズ。15時刻通りにショウはスタート。
1日2回興行で、Marshall Blogは最初の回にお邪魔させて頂いた。20「よし!大丈夫かな?…近いな~!
じゃあ始めますね。
皆さん、今日はお集まり頂きありがとうございます。
今日は『SilexとMoon Guitarプレゼンツ ライブ&トーク』ということで2部構成で行いますのでよろしくお願いします。
今日はSilexのリズム隊とギター隊…ギター隊は1人ですけど。
Silexの楽曲を通じてMoonギターとベースの魅力をお伝えしたいと思います。
もしよろしければ写真を撮って頂いて…カッコいいヤツ限定なんですけど、SNSなどに上げてもらえればうれしいです。
ヨシ、寒いけどやるか!
音量大きいので気をつけてください」
230vMasha30v40v石川達也50vMashaくんはMarshall。60vSilexのステージではおなじみのセットアップ。
プリアンプがJMP-1。
パワーアンプにJCM800 2203。
それに1960AXという構成。70v一方、達也くんはNATAL。80映画の撮影にも使用したいつものメイプルのキット。9010"、12"、13"の3タムが目印だ。
「ものすごい踏みやすい!」と達也くんはツイン・バスドラム・ペダルもNATALのモノを愛用してくれている。
100まずは演奏のコーナー。
1曲目は「Forevermore」。110おなじみのインストルメンタルのSilexスタンダード。150v_cnw緻密な音の積み重ねと…Img_4908 疾駆するドライビング・リズム!
160v続いて「Call of The Northern Wind」。
短調をベースにところどころ長調のメロディを挟み込んだ、これまたMashaくんらしい凝った作り。120主題を弾くMashaくんのバックのスネア・ドラムのバッキングは今までSilexになかったパターン。0r4a0043 昨年11月の四谷での現体制お披露目ライブの時にもセットリストに組み入れられた次のアルバムに収録する予定の1曲なのだ。130 ココまでの2曲の紹介をして…「楽器の話もしたいのでドンドンいきますか!」と、矢継ぎ早に3曲目に突入した。180v達也くんがクルリとスティックを回して…190_oep2017年発表のアルバム『Arise』から「One Evening In Paradise」。
210おなじみの歌メロにおいしいギター・ソロ。
Mashaくんの魅力爆発!
アンプはMarshall。200トークのコーナー。
280「ハイ、ココでMCがボクに変わります…皆さん、本日はお越し頂きありがとうございます!
昨日まで天気が悪かったですけど、ようやく晴れましたね。
今日が今年のSilexの活動の皮切りになれたらな…と思っておりますのでよろしくお願いします。
『トーク&ライブ』はもちろんなんですけど、本日はMoon Guitarsのシグネチャー・モデルをフィーチュアします。
Moonのギターをを使うキッカケはナンだったんですか?」
260v「好きでギターをズットやっているんですけど、コレまで色んなギターを試したと言うか、買ってきました。
その中で、『人生の伴侶』と言うとオーバーかも知れないけど、そういうギターが欲しいと思ったんです。
それでまずオーダーメイドで作りたいなと思いました。
オーダーメイドのギターと言えば…ご存知ないかもしれませんがMoon Guitars!
色んなお店に行って試したらすごく良くてですね。
コレなんですけど…コレだ!と思ったんです。
これと一緒に演っていきたいなと思いました。
そして、その時に自分の音を作りたいな…と、そういう気になってMoonを選んだという。
出会いとしてはそんな感じですね」
390v「Moonの社長さんとお近づきにさせて頂いたのはSNSですからね。
社長さんもSNSやってるんですよ。
それで『ワタクシ、ギターが好きで演ってる者です。御社の製品の音に感銘を受けました。素晴らしいギターを作ってくれてありがとうございます!』ってメールを送ったんですよ。
ファンレターですね。
SNSってすごいですよね!
そういえば去年ライブを手伝ってくれたオリ―くんもSNSで知り合いましたからね」
Mashaくんのシグネチャー・モデル、早速売れたそうだ。
スゴイ!
Mashaくんもそりゃ嬉しいだろうけど、メーカーとしてはもっと嬉しいんじゃないかな?
わかるんだよ~、私も数えきれないほどのクリニックをやったからね。
「たとえ売れなくても宣伝になれば…」なんてことを言ったりもするけど、やっぱりこうしたイベントを開催するからには売れて欲しいモノです。
ヨカッタね、Mashaくん!
そして、Mashaモデル第1号をゲットしたお客さん、おめでとうございます!
Img_4753 今度は颯くん。
「ベースといえばもはやMoonは避けて通れない楽器というか、みんな知ってるんですよ。
名だたる日本のアーティストが使っていてズット憧れがあったんですね。
学生の時にこのタイプではないんですけど友人がジャズ・ベースを持っていて弾かせてもらった時にコレだな!って思ったんですが、その時は極貧だったんで…」
その極貧時代の颯くんのようす。400v_2 「ある程度お金を貯めて絶対買おう!と思っていました。
それでMashaさんを通じて、Moonの方にお会いして、ボクのプレイをご覧頂いたりしました。
するとありがたいことに応援して頂けると…しかも作って頂けるということで間違いないだろう思って決めた次第です」
370v「それと、カスタム・オーダーのメーカーはどこだろうって考えて…ボクはジーノ・ロートが好きなんです。
ジーノ・ロートは80年代のフェンダーを使ってたんですけど、日本に来るときにMoon Guitarsを紹介してた。
ジーノ・ロートの最初に作ったアルバムはほぼMoonで作っていて、『やっぱMoonかな?』っていう感じもあったかな」0r4a0129



250v

270v

とジーノの話題が出たところで…。
グッと雰囲気が変わって、Mashaくんが敬愛する故ジーノ・ロートに捧げた「Wind From The East」。
コレもとてもいいメロディた。
シンプルで深い。
作家の新田次郎と藤原てうのご子息での数学者の藤原正彦先生によると、数学は「美」を探求する学問で、美しい数式というモノは必ずシンプルだっておっしゃるんだよね。
その「美しい数式」がどんなものかは、例え見たところでサッパリわからないだろうけどよ。
音楽も同じだ。290v_wfe過去に何度かMarshall Blogに書いたことがあるが、ジーノとはずいぶん親しくさせて頂いて、CONCERTO MOONの島紀史さんと演ったMarshallのクリニックを観に来てもらったり、大谷令文さんや三宅庸介さんとイッパイやったり、一緒にROLLYさんに会いに行ったり、ウチまで車で送ってもらったり、とても楽しい思い出が私にもある。
その時はMashaくんとは接点がなかったが、もしジーノがご存命で日本にいらっしゃったらMarshallでナニか仕込むことができたのにナァ。
それを考えると返す返すも残念だ。Img_5134 Mashaくんの思い入れタップリのギターに呼応するように…
510vジックリと情感を込めてリズムを送り出した2人。310vそこから続けて「Aria」。320_arバッハの「G線上のアリア」からのインスピレーションに基づいて聴かせてくれるア・カペラのギター・ソロ。
きっとライブの後半に出て来るSilexのショウのハイライトのひとつだ。330vん~、いい音だ。
MashaはMarshallとMoon。
ね、全部「M」なんだよ。340v2回目のトーク・コーナー。
その前に…。
実は私もMoonさんのギターが好きで、昔あった市ヶ谷のショウ・ルームにお邪魔したことがあったのです。
もう何年前だ?…多分、1989年ぐらいのことだからカレコレ34年前か。
当時コンポーネント・ギターなんてのが流行っていてね。
アンプはラックの時代よ。
「エキゾチック・ウッド」とか言ったかな?…Moonさんは他のメーカーが持っていないような木材を使用しているのが大きな特徴で、カタログに載っている音の解説を読んでは興奮したモノです。
それにバルトリーニのピックアップを組み合わせるのが何ともカッコよかった。
私もハコバンなんかをやって小遣いを稼いでいたので、3本ほど買った。
ウォルナットとカリンとパドゥクとかいう素材のギター。
全て手放してしまったけど、パドゥクというのは貴重な材質かなんかで、結構高く売れたように記憶している。
楽しい時代だった…ナニか欲しいモノがあるウチはシアワセだよ。
350「当然、ギターのパーツは全部大事なんですけど、マイクの部分はもっと重要で、ココからMarshallに信号が送られて音が出るワケです。
それがとてもクリアーな音なのよ。
今まではギターでパワーを出したいとかいう思いがあったんですけど、このギターを弾いた時に後はもう自分で弾いて何とかしたいかな~と思ったんですね。
色々やってきた結果、ドノーマルの基本の音の時に今までやってきた経験が音になって出て来るのかも知れない。
クリーンなんですよ…タッチがよく聞こえてくる。
自分のダメなところとか、今のイケてなかったとかゴマカシがきかない。
今、丸裸な感じがします」
と、他にも色々とギターとトーンの突っ込んだ話を聞かせてくれた。
360v司会役と務める達也くん。
400「やっぱり出て来る音によって、演奏の仕方とか弾き手の方も変わって来ると思います」…と、颯くんも自分のこだわりを交えて愛器の解説を詳しくしてくれた。375v演奏のコーナーに戻る。
もう1曲、ドラマチックに「Made of Lies」。420vココでも達也くんと颯くんの鉄壁のサポートを得て…
430美しくこの名曲を弾き切ったMashaくん。440Mashaくんがインストラクターを務めてくれたビデオ『BREAK the CODE』では、Marshallの人気デジタル・アンプ「CODE25」を使って「Made of Lies」をジックリ弾いてくれています。
「残すところ1曲となりました。
その前にQ&Aコーナーを…今までの話の中からもっと深堀したいとか、それ以外にも今後の活動についてとか、個人的な質問でもナンでもいいので質問ある方いらっしゃいますか?」460指板の素材の話、ワーミーバーの話等々…470次々と質問に答えてくれた。480vそして最後は思い出の「Got A Large Ambition(大志あり)」。
曲名の頭文字を並べると「GALA」…Mashaくんが『Marshall GALA2』に出演してくれた時に書き下ろしてくれた1曲。490コレがその時のようす。


Mashaくんは第1回目のGALAの時は「THE SHRED MASTERS」として、2回目には「THE GUV'NORS」として出演してくれたが、これらのバンド名はMarshallのかつて販売していたエフェクツ・ペダルの名前。
Mashaくんのおかげでナント、2つとも再生産されることになってしまった!
スゴイ、Mashaくん!
ちなみにその両方のバンドでドラムスを叩いてくれたのは達也くんです。9group そんな尾ひれもハヒレも付いた「Got A Large Ambition」を豪快なパフォーマンスでキメて見せてくれた3人!
300v

520

530v演奏におしゃべりに…ととても楽しい1時間だった!
540ところで、新生となったSilexの単独公演が間近に控えている。
Silexのロマンチックでダイナミックな音楽を浴びに是非お出かけくだされ!
 
Silexの詳しい情報はコチラ⇒Silex Official Website550s_2 

☆☆☆Marshallからのお知らせ☆☆☆

そういえばMashaくんはMarshallのエフェクツ・ペダルを以前から愛用してくれていたんだよ。
それはBLUESBREAKERII。

560 上で紹介した、その先代を含むMarshallのペダルのビンテージリイシューが大反響!
1988年に発売したエフェクツ・ペダル4種類が完全復刻発売されたのです。
イギリス製の手づくり!20The Guv'nor(ザ・ガヴァナー)

290BLUES BREAKER(ブルースブレイカー)

9f43f3948e5fb45dcbd6eda5a9505b2fbDRIVE MASTER(ドライブ・マスター)

190_2SHRED MASTER(シュレッド・マスター)

9deeb9550f577438eaba4afc5814638a1 商品の詳しい情報はコチラ⇒【Marshall Blog】THE LEGENDS ARE BCAK~伝説のペダル復活!

120

200(一部敬称略 2023年1月29日 ひばりが丘 STUDIO VITOにて撮影)

2023年3月13日 (月)

TOKYO ROCK DOWN~THE BLUE SCREAM

  
今日はロサンゼルスから…?Img_0004…とは言っても、コロナの直前にアナハイムには行ったものの最後にハリウッドを訪れたのは2014年のこと。Img_0001一番の繁華街、ハリウッド・ブールヴァ―ド辺りは36年前に新婚旅行で初めて行った時とあまりにも様変わりをしていて歩くのがコワかったワ。Img_0205 36年前と言うと1987年…ちょうど「LAメタル」が盛んだった頃なのかしらん?
06…ということでTHE BLUE SCREAMがシリーズで展開している『TOKYO ROCK DOWN』の後半。
ヘッドライナーのTHE BLUE SCREAMの登場だ。10v_2「後藤・祝・爆誕」…エラくシンプルな木札だな。
メンバーのバースデイ・ライブでもあった。
20vNAKED MACHINEの演奏が終わり、転換の間、またゴキゲンなロック・サウンドを聴かせてくれたのはDJの増田勇一さん。30vツーバスのドラムキットを入れ替えたものだからベラボーに転換の時間を要したが、THE BLUE SCREAM登場!40Goty50vYosuke60vWassy70vMORISO80vキーボーズでサポートしたGAKU。90vオープニングは2020年リリースのアルバム『All Night Burning』から同名曲。100_anb_liteとてもわかりやすいストレートなアメリカン・ハードロック。110もちろんこの手のロックにはギター・ソロは欠かせない!120それもMarshallのギター・サウンドでなければラチがあかない…ということでMarshall。
JCM2000 DSL100と1960Aだ。1302曲目も同アルバムから「Yes, I'm Thunder(Lightning)」。 
この日初めてTHE BLUE SCREAMさんとご対面したのだが、「LAメタル・サウンドを標榜するバンド 」と聞いていたので会ってビックリ。
LAメタル盛んなりし頃のオジさんたちが演っているのかと思いきや若い人たちではあ~りませんか!
「LAメタルのバンドが現在活動していたら…」というタイプ・スリップ系チーム。
140若い人たちが「ロックが盛んだった時代のロック」のエキスを吸収して自分たちの音楽を作ろうとするのはとてもいいこと。
今、音楽の将来は「温故知新」しかあり得ない。150Yosukeくんがバリバリとクールなソロを聴かせてくれた。160v3曲は「Hello I Love You」。
ココまでの3曲はアルバム『All Night Burning』通り。170_hilアコギを手にするGotyくん。180vThe Doorsの「Hello, I Love You」でも、ましてやThe Kinksの「All Day and All of the Night」とは似ても似つかないポップ・ロック・チューン。190「元気だったか?TOKYO ROCK DOWN!
本当は3年ぐらい前にワンマンライブを演る予定だったんです。
今日はこうやって皆さんに集まって頂いてありがとうございます!
NAKED MACHINEも出て頂いてありがとうございます!
そして、DJで増田勇一さんに入って頂きました…原稿執筆がお忙しい中ありがとうございます!」
…とご挨拶。200vYosukeくんが弾くソリッドなリフからスタートしたドライビング・ナンバーは…S41a0742 1990年に発表した…という設定のアルバム『Blue Dream』のオープナー「Break Out」。210v_boピュアな疾走感がとても心地よい!220そのまま続けて「Downtown Girl」。230_dg「♪Downtown girl」のメロディが耳に残るミディアム・テンポ・ナンバー。S41a0752 「いいっすね、目黒鹿鳴館!
今日は古(いにしえ)の長髪を見に来てもらって誠にありがとうございます。
ボクの髪もきっと喜んでることと思います。
去年の6月から始まって、『TOKYO ROCK DOWN』は今日でだいたい16回目ぐらいのライブです。
最後にこの目黒鹿鳴館にお集まり頂いてありがとうございます。
コレはボクらのバンド人生を変えたと言ってもいいイベントだと思います。
今日で最後というワケではないんですけど、この後はちょっとアルバムを作って、それからまた皆様の元にまた帰って来たいと思っています。
その時また鹿鳴館でお会いしましょう…鹿鳴館で演ると決めたんで…鹿鳴館で演ります。
その時までよろしくお願いします。
それではいつものカバー曲の時間なんですけど、今日はボクの誕生日っていうこともありますのでボクの愛した曲を演りたいと思います」260v_mcカバー曲のコーナー。
まずはマイケル・センベロの「Maniac」。
270_mn今、「センベロ」っていうと赤羽あたりになるのか?
マイケルさんの方はロンドンの有名な蚤の市通り「Portobello(ポートベロー)」みたいにきっと「センベロー」みたいに発音するんだろうな。
恐らくはイタリア系の人だろうから元は「センベッロ」かも知れん。
この曲、当時ずいぶん流行っていたよ。
ビックリしたんだけど、このセンベロさん…ナント、パット・マルティーノのお弟子さんなんだって?
そうとうギターがウマそうだな~。
ものすごいキャリアにビックリ!
280vもう1曲はオランダのバンド、Shocking Blueの1969年のヒット曲「Venus」。290_vnココでもYosukeくんが鮮やかなソロを聴かせてくれる。300「それでは最近巷で話題になっております『全日本Vixen協会会長』をお呼びしたいと思います。
NAKED MACHINEのKANちゃ~ん!
大きな拍手でお迎えくださいませ」310_mcKANちゃん登場!
320_egbh「Vixen協会会長です。LAメタルってこういうことよね!」…と、会長が選んだ曲は「Edge of Broken Heart」。
330vTHE BLUE SCREAMとのイキはピッタリ!340「♪I'm living on the edge of a broken heart」…失恋ギリギリか。
イヤ、KANちゃんは寝過ごしギリギリに気を付けてくださいね!
370さすがVixen教会会長、とても楽しそう!
350そして、さすがKANちゃん!
どうせやるならなり切らなくきゃね!S41a1076 ドッカーンと盛り上がったわ~!S41a1140 「Vixen」か…ご年配の諸兄には「Russ Meyer」でしょうな…さすがに古いか?
興味のある男性はググってみてください。380場面はガラっと変わって…。
GAKUくんのキーボーズをバックに…390v_tdGotyくんがアコギを手にした。
ココはかなり驚いた!400出て来た曲がエルトン・ジョンの「Tiny Dancer」だったのだ!
こんな古い曲をよく知ってるね~。
ま、レジ(年配のイギリス人はエルトン・ジョンのことを本名の「レジナルド・ドワイト」から「レジ」と呼びます)はハリウッド・ブールヴァ―ドよりデンマーク・ストリートの方がお似合いだけどね。
「エルトン」はSoft Machineのサックス奏者「エルトン・ディーン」から、「ジョン」は「ロング・ジョン・ボールドリー」というシンガーの名前を引用しています。410そのままGotyくんがアコギを下げて「I'll Be Lovin' You」へ。
『Blue Dream』収録の1曲。420_illココでドラム・ソロ。
あまりに深銅のタムを使っているので、1階にいると顔が全く見えないんだよね。
まるでドラマーがいない感じ。430ということで2階から拝見。
カッチリとしたソロをキメてくれた。440v続いてWassyくんのベース・ソロから…450GAKUくんのキーボーズのソロ。
みんな見せ場を作るわ~。460vハイ、休憩終わり!
ソロソロ出番ですよ~!
S41a0032『All Night Burning』から「Black I Scream」。470_bisヘヴィなヤツをミディアム・テンポでジックリと…。S41a0193 そして、Yosukeくんのソロ。480やっぱりロックにはギター・ソロが必要だと思うんだけどね~。
まさかギター・ソロが飛ばされる世の中になるなんて思わなかったよ。500そんな杞憂をフッ飛ばすかのように思う存分ガッシガシやってくれた!510vそのまま「Thunder」へとつなげた。520_th「鹿鳴館!あと2曲です」
(客席)え~!
「ありがとうございます!『え~!』と言われるようになったんだな…と。
以前は「帰れ!」とか本当にありましたからね。
あと2曲なんで楽しんでいってください!」530v「今年新しいアルバムレコーディングしようと思っています。
この時代だから出来るLAメタルみたいなものを本気で作りたいと思っていて…。
コロナで色んなバンドが休んでいる中、オレらは毎月ワンマンを演るという無謀な企画をして、実際に演って来ました。
本当に毎回毎回来て頂いて本当にありがとうございます!
LAメタルの未来を信じて…絶対裏切らないから!
これからも演っていこうと思うんでよろしくお願いします!」
その意気、その意気!
LAメタルに限ったことではなく、アニメやゲームに絡んでいない「ロック」はどんなことをしてでも若い人に来てもらうようにしないとダメだよ。
このままだと本当に「ロック」の終わりが来ちゃう。
理由はお客さんの超高齢化。
演る側がどんなに気炎を吐いても、音楽というモノは聴く人がいなければ何の価値もないんだ。
「エンターテイメント」というビジネスの主役はお客さんなんだよ。
ガンバれ、THE BLUE SCREAM!S41a0148 Bon Joviの「Bad Medicine」。540_bmお、コレか!
どうもあの地下鉄のオジさんの曲とゴッチャになってしまって…。
555_pnnまだまだ押しまくるギター・ソロ!
550そして、本編を締めくくったのは「Party Naughty Naughty」。
フォーメーションも…570バッチリとキマった!580派手に本編を締めくくって大盛り上がり!590_enアンコールは「Born in the L.A.」。
最後の最後までLAメタル魂で突っ走った5人!600v

610v

620v

640v630vTHE BLUE SCREAMの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

650vこうして興奮の目黒のLAの夜は更けていった。Img_0071_2_2  

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「やっぱりロックは骨太に限る!」という貴兄におススメなのはBAD TOUCH!
筋金入りのブリティッシュ・ハード・ロックをお楽しみアレ! 
 
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200 (一部敬称略 2023年1月21日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2023年3月10日 (金)

ANVIL PLAYS NATAL

 
「anvil(アンビル)」というのは「金床」のことだったのか…知らなかった。
「安蒜」さんという方もいらっしゃるよね。
この「金床」というヤツ、これまで全く用がなかったので詳しいことは全く知らかったが、歴史としては青銅器時代にまでさかのぼる古いモノで、鉄道の廃レールで作るらしい。
鍛冶仕事に使うことぐらいはもちろんわかってはいたが、ナンでこんな形をしているのかがややナゾだった。
良い機会だと思って調べてみると、当然のこととはいえ金床のすべての部位に意味があることにスッカリ感心してしまった。
赤く熱した鉄塊を乗せて「しばしも休まず槌を打つ」上面の平らな部分は「Face(フェイス)」という。
サイの角のような尖がりの部分は、そのまま「Horn(つの)」。
ココは部材にアールをつける時に使用される。
また丸い穴は「Pritchel Hole(プリッチェル・ホール)」と言って、部材に穴を空ける時の目打ちのウケの役目をする。
一方の四角い穴は「Hardie Hole(ハーディ・ホール)。
外部の固定工具を取り付けるためのモノ。
さらにフェイスの両端は部材を直角に曲げるために几帳面に90度になっているし、フェイスとホーンの境目に段差が付いているのは部材を切断する時に利用するのだそうだ。
これまでは金床が不愛想な鉄の塊にしか見えなかったが、職人の技に応えるべく至れり尽くせりのアイデアが詰め込まれていることを知った。
やっぱりモノの形には理由があるんだネェ。
10それらの機能が何に有益だったかと言うと…代表的なモノでは馬の蹄鉄づくりなのね。
で、果たして30kg内外もあるこの金床がいくらぐらいするものかと思ってAmazonをチェックしてみると…チャンと取り扱っていて、その値段は1万円もしなかった。
意外に安いんだな。
ウチは使わんナ。

Hs

さて、コチラは少し前にドキュメンタリー映画で大きな話題となったカナダの職人ヘヴィメタル・バンドANVIL。
今日はその来日公演の話題。20v先週、東京で2度の公演を開催した。
40ドラマーのRobb "Geza" ReinerはNATAL。30メイプルの10"、12"、13"、16"に24"のバスドラム×2に、スネアは14"×5.5"のアルミシェルというコンフィギュレーション。50v残念ながら私はお邪魔できなかったのだが、凄まじくパワフルなサウンドで両公演とも満員の観客を魅了したと聞いた。
観たかったナァ~。60NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL日本語版公式ウェブサイト

70v 

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北アイルランドのベテラン、Therapy?のベスト・アルバムもMarshall Recordsから!
 
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200 (一部敬称略 2023年3月1日 立川BABELにて撮影 ※写真提供:UPP-tone music様 ご協力ありがとうございました!)

2023年3月 9日 (木)

TOKYO ROCK DOWN~NAKED MACHINE

 
THE BLUE SCREAMがヘッドライナーを務めるイベント『TOKYO ROCK DOWN』にNAKED MACHINEがゲスト出演した。05会場の鹿鳴館は満員。
バツグンにノリのいいロックで場内を盛り上げるDJの増田さん!10NAKED MACHINE登場!20KAN
30v里村源多朗40v岡本啓祐50v本間大嗣60v1曲目は「Evil Eyes」。
イベントのオープニングにふさわしいどこまでもスッ飛んでいくドライビング・チューン!70もちろん客席はイントロから大爆発!80そして源ちゃんのソロが炸裂…と。
もうノッケからNAKEDテイスト満点!90v矢継ぎ早に本間さんのドラム・フィルから2曲目の「Go to the Top」へ。100_gtt本間さんのドラムスと啓祐さんのベースが絡んで極上のハードロック・グルーヴを生み出す。
120v「燃えろ!(Burn!)」KANちゃん!110v(実音)GbmからAbmに全音転調して切り込んで来る源ちゃんのソロ。
ソロの途中でBbに再び転調。
ところが今度はマイナーではなくBbメジャーに移行する。
コレはとてもいいアイデアだと思う。130「NAKED MACHINEです!
はじめましての方も…NEKED MACHINEです!
名前を覚えて帰って頂ければとてもうれしいです。
そうですね、ブルスクとの思い出と言えばナニから話せばいいんだろう?
彼らとは思い出がいっぱいありすぎるんですよ」140「私は大分前から新宿のあるビルの7階の住人なんです。
そこに宮城から東京にLAメタルを求めて出て来た少年たちが『新宿の歌舞伎町のロックバーを荒らしてやろーぜ!』と飲み歩いてたんですって。
それであるお店に行ったら『ここはお前たちが来る店じゃない』と言われて私が住んでいる『Pepe Trick』を紹介されたそうです。
それで翌日に来たんだよね。
ドアがガチャンって開いて、長髪の連中がゾロゾロ入って来て、『あ~本当だ!ココにはオレたちのLAがある!』って言ったの。
私的にはさ、もうツカミはOKなワケですよ!
『まぁ、座って座って!』って言って。
すぐに意気投合しちゃいました。
とりあえずそんな感じで私は長いお付き合いさせて頂いております」150v3曲目は「Walk Don't Run」。170_wdrコレも歌い出しでの転調でドッキリ。
そして大サビでもまた転調。
コレが世に云う「NAKEDの転調マジック」だ…イヤ、私がそう言っているだけなんですけどね。S41a0210 普通、「転調」は「最後の手段」的に稀に用いる作曲テクニックなんだけど、NAKED MACHINEはあたかも普通のコードチェンジのように多用する。
2拍ずつ転調するコルトレーンの「Giant Steps」とまではいかないまでも、「ハードロックのSteely Dan」ぐらいの域には達しているのではないか?
私なんかはこういうワザが好きなのでドンドンやってもらいたいと思う。
190それにつけても源ちゃんのソロはカッコいいのう。
奇を衒うことのない味わい深いフレーズをシッカリしたピッキングで聴かせてくれる。
こういういいギターはMarshallで弾かなきゃウソだ。190vだから今日もMarshallだってばよ。
鹿鳴館の時はJCM900 4100を使うことが多い源ちゃんだけど、今日はJCM2000 DSL100と1960A。Jcm源ちゃんがギターで大騒ぎしている一方、ステージ下手もにぎやかにやってる!0r4a0210 チョット雰囲気を変えて「Wing of Tomorrow」。
600vハードなミディアム・バウンスに乗ってたたみかけるように歌うKANちゃん。
230源ちゃんと啓祐さんのコーラスがサウンドを厚くして…615源ちゃんのソロがココでも楽しめる。
ピック・アップソロのなんとカッコいいことよ!240v「ありがとうございます!
初めて見た方も応援してくださってありがとうございます。
励みになります…ホメられて伸びるタイプのミュージシャンなんで!
すぐに盛り上がって、後で音源を聞いて反省してまたゼロに戻る。
そういうミュージシャンの生活なんですけど…。
ウチのバンドは果敢にもコロナ禍の8月に3曲入りの『VANITY OF THE WORLD』というマキシシングルを出しました。
物販の方に置いてありますので、もし気に入って頂いた方がいらっしゃいましたら是非よろしくお願いします。
と言うよりも今日はBLUE SCREAMのアイテムいっぱい買ってください。それが1番よね」
いつも通り対バンへの気遣いを欠かさないKANちゃん。260コレが2022年8月にリリースしたマキシシングル『Vanity of the World』。Vow 前にも書いたけど、今でもこの「vanity」という単語を耳にすると瞬時にして『試験に出る英単語(青春出版社版刊)』を思い出す…NAKEDにはナンの関係もないけど。
コレをやったことが今でもMarshallとの仕事の中で大いに役立っているの。
言葉は単語だ。
Dt2 そのマキシシングルのタイトル・チューンを一発…「Vanity of the World」!280_vowこれまたタイトル・チューンだけあって切れ味の鋭いドライビング・ナンバー。
曲だけでも十分に盛り上がるところへ、KANちゃんがそれをアオる、アオる!
S41a0143「源公、チョット、一発カマしておやり!」とは言っていないと思うが…300源ちゃんがシャープなソロをブっ込んで来た!
370そのまま源ちゃんの弾くハード・リフなリフでスタートするのは同じく『Vanity of the World』から「Glory Days」。320v_gdハードにメロディアスに展開するゴキゲンな1曲。330vリズム隊とバッチリ息の合った…350vスリリングなキメから…360vギターソロへ!
このソロの終わりから…S41a0483 またKANちゃんの歌に戻る所の処理の仕方が素晴らしい!S41a0625「そ…今の2曲がそのマキシシングルに入っています。
次の曲もそのマキシシングルから演るんですけれども、以前その曲の歌詞について地方公演の時に触れたら止めた方がいいって言われたので内緒にします。
じゃあ言うなって話なんだけど。今、言いそうになっちゃったからさ!」
380そのナイショの歌詞の曲は「Trust Me」。
源ちゃんが弾くギターのアルペジオに…400_tm静かに、かつ情感を込めてKANちゃんが歌を乗せる。410そしてその静寂を切り裂くギター・リフ!
キタキタキタキタキタ~!420ライブハウスの守護神の見守る中、壮絶なソロをキメて見せた源ちゃん。430あ、イカン!
色んな所に気を取られていたら歌詞のナニがナイショだったのか聞き逃した!
S41a0314ココでメンバー紹介。
3人を紹介したあと「KANちゃん」と自己紹介。
「自分で『ちゃん』って付けてるのはバカみたいと思ったんだけどね、大人になってきたら『ちゃん』って付けて良かったと思ってるの。
後輩のミュージシャンも先輩のミュージシャンも『KANちゃん』って気遣いなく呼んでくれるから。
この『KANちゃん制度』は結果的にヨカッタと思っている今日この頃でございます」
440v「この後、3曲続けていくんですけれども、最後に演る『Fight to Survive』だけは撮影OKです!
むしろ撮影してください。
そしてSNSに良いことを書いてください。
そして私はチョット光らせる。
いいですね。わかりましたか?
そう、お肌がキレイに見えるように撮ってくださいね。
基本的には、私は目つぶってる写真でも全然OKなんで!NGないの。
『コレだよ~!』みたいな感じの写真を撮って行ってください!」

S41a0167 NAKED MACHINEの出番を締めくくる3曲は2019年のフル・アルバム『Turn on the Ignition』から。まずはタイトル・チューン「Turn on the Ignition」。
本間さんのドラムスが鮮やかなスティックさばきでスタート。480_toi「ウッ!」490もうね、この曲は「ワン・オン・ワン」なの。
ナゼかこのパートがどうにも印象的で、個人的には「One on One」をタイトルにしてもらいたいぐらいなのだ!
歌詞とKANちゃんの歌い方なんだろうね。
音楽って本当に不思議だ。500vギター・ソロ点火!
ココでも「NAKEDの転調マジック」。
もう「お見事!」としか言いようのなソロ。S41a0389 続けて「Don't Say Anything」。
いかにもNAKEDっぽいリフ
520_dsa転調してKANちゃんが歌うソフトなメロディとそのリフとの対比がオモシロい。S41a0400 凄まじい疾走感!540v終始無駄な音がひとつもないソロで観客を圧倒した源ちゃん。
すごい集中力だ。550v最後は撮影OKの「Fight to Survive」。560_ftsやってる、やってる!570ポジションを変えて最後まで突っ走りまくる!0r4a0243「♪Fight!」…
200v_wot「♪Survive!」…
S41a0246「♪Alive!」…S41a0248この人たちはSurviveしてくれるでしょう。
そうでなければ日本のハードロックはいよいよダメだよ。580b全10曲…616

S41a0275 1時間という短い時間の中で思いっきりNAKED MACHINEの音楽をアッピールした4人。620最後はこの日が最後となったローディの茜ちゃんを交えてご挨拶!
 
NAKED MACHINEの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEBSITE630 

☆☆☆Marshall Music Store Japanからのお知らせ☆☆☆
 
イギリス南西部のコーニッシュ出身のキング・クリーチャー。
本場のブリティッシュ・ハードロックを存分にお楽しみあれ!

<Desolation>

<Captives>


Marshall Recordsからのセカンド・アルバム『セット・ザ・ワールド・オン・ファイヤ』絶賛発売中!
このアルバム、すごくいいよ~!
 
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200 (一部敬称略 2023年1月21日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2023年3月 8日 (水)

【Marshall Blog Archive】森園勝敏インタビュー<後編>

 
「森園ブランド」のギター・プレイを文字で表す場合、どうしても使いたくなるのは 「いぶし銀」という表現だろう。

Img_0108「いぶし銀」というのは「銀」を「燻し」たモノかと思っていたらさにあらず。
シャケじゃない。
銀などの金属に硫黄のススを擦りつけて故意に曇らせる加工のことを「いぶしをかける」というらしい。
時間が経つとやがて黒ずんできてそれが実にいい風合いを出すようになる。
そこから「見た目が派手ではないが、本当に実力を持っていて高い評価を得る人やモノ」を指す表現としてこの言葉が使われるようになったのよ。
森さんが弾くブルースがまさに「いぶし銀」だ。
森さんが奏でる一音一音に重い意味と物語があるのだ。

Img_0401その演奏に耳を傾けていると、ギターを速く弾いたりする必要性が一体どこにあろうか?…と感じ入ってしまう。
一方では、50年の長きにわたり音楽づくりの現場から進化を見続けてきた「ロック楽器の歴史」の生き証人でもある。
森さんと話しをしていると「エ~ト、アレなんだっけナァ~」などという場面がほとんど出て来ない。
どんなに時間の経った事がらでも森園コンピュータが瞬時にして必要なデータを引き出しれてくるのだ。
その記憶力を駆使した語り口がまた実に巧妙でしてね。
「話し上手は聴き上手」…森さんは話す時だけでなく、人の話しを聴く時も恐ろしく真剣。
このインタビューではいちいち文字にしなかったが、間に挟まって私が解説するMarshallの歴史やこぼれ話しにジックリと耳をそばだてていらっしゃった。
こうした好奇心がまた森さんの音楽家としての厚みを倍増させているのであろう。
『森園勝敏インタビュー』の<後編>をどうぞお楽しみあれ!


フランク・ザッパ
M:またぞろ私的昔話しで…。
岡井大二さんからお聞きしたんですが、浅草国際劇場でフランク・ザッパとエレベーターでふたりきりになっちゃって…とてもコワかったって。
恐ろしいまでのオーラだったっておっしゃっていました。
K:アイツも?イヤ~、そうですよ。
楽屋が隣でね(これだけでもうスゴイ!)、ボクらの演奏が終わって戻って来ると、ちょうどザッパが部屋から出て来たんです。
その時、目と目が合ってボクはそのまま石になってしまって…それでボーっとしちゃって彼らの演奏を観ないでそのまま家に帰っちゃったんです。
Img_0414
M:エエ~ッ?! ナンで?! ナニも帰ることはないでしょうに!
K:イヤー、もうヤラれちゃって!
「ウワ~、ホンモノだ!」って思って…だってザッパですよ!
M:じゃ、本当に演奏を観ていないんですか?
K:本当に観ていない! 
ベースのロイ・エストラーダといっしょに部屋から出てきたの。
ボクはそれで夢遊病者のように家に帰ったんですよ!
M:モッタイない!
K:モッタイないと言えばモッタイないけど、もうそれで充分だったといえば充分だった。
それから何年か経ってLAのあるスタジオで自分のアルバムをレコーディングをしていた時に一番離れた部屋でザッパがレコーディングしていたんですよ。
M:エエ?! ナニを録っていたんでしょうかね?
K:『Joe's Garage』ですね。
その時も本人に会って目が合ったらホテルへ帰っていたかもしれないけど、いつスタジオへくるかわからないって感じだった。
M:助かりましたね。
K:ウン。ナンカね、『いつ来て、いつ帰ったか』なんて誰も知らない…みたいな感じでしたよ。
しかもスタジオに出入り口がやたらいっぱいあってね。

<コラム:森さんと大二さんとザッパさん>
この記事の推敲をしていて思い出した。
それはギターマガジン(リットーミュージック社刊)の2008年4月号に掲載された「フランク・ザッパ特集」。
私もMarshallとは関係なく、いちファンとして「おススメアルバム」のページを寄稿させて頂いた。
特集の扉に使われた写真のザッパのレコードは私のコレクションからお貸出しした。Gm 特集の中に古今のミュージシャンにお気に入りのアルバムを3つ挙げてもらう企画があって、森さんが登場された。

Km 森さんが選んだのはVERB時代のベスト・アルバム『Mothermania』、『Weasels Ripped my Flesh(いたち野郎)』と『One Size Fits All』だった。
で、後に大二さんにお聞きしたところ、その『Mothermania』は大二さんの所有物だったとか…。
イヤ、天下の四人囃子の創設メンバー2人といえども、高校時代からの友達同士だから起こり得る話だナァと思ったのだった。
しかもお気に入りの1位に選んだのが借り物というのも何となく森さんらしい感じがしてオモシロイ。
あ、私ももちろんオリジナル盤の『Motherania』を持っています。Mm  

レディ・ヴィオレッタ
M:コレも極めて「私的」に…。
あの時代の私の日本のロックのアルバムのベスト5を挙げるとすれば…『ゴールデン・ピクニックス /四人囃子』と『黒船 / サディスティック・ミカ・バンド』と『悪たれ小僧 / 頭脳警察』と『マラッカ / PANTA & HAL』、そして「外道」なんですけど、とりわけ『ゴールデン・ピクニックス』が好きでした。
すごく洋楽の香りがする。
名曲「レディ・ヴァイオレッタ」も入っているし…あの曲はまたどういうアイデアで出来上がったんです

Img_2568か?
K:イヤ、アイデアもクソもありません。
でも色々逸話があることはあります。
”逸話”真弓なんちゃって…。
M:それカットしときますか?
K:はい、お願いします(笑)。
あの頃マックスフィールド・パリッシュ(Maxfield Parrish 1870 - 1966)という絵描きさんの作品が大好きだったんです。
It's a Beautiful Day(1967年デビューのサンフランシスコのバンド)のジャケットに使われているような絵ですね

Ibd_2※このジャケットにはケント・ホリスターという画家がパリッシュの作品を模倣して描かれた絵が採用されている。「ジャケット・デザイン・ベスト〇〇」みたいな企画には必ずと言っていいほどランクインするとても美しいジャケット。B面1曲目の「Bombay Calling」という曲がDeep Purpleの「Child in Time」の元ネタになっていることはつとに有名。

M:はい。とてもステキなデザインですよね。
K:それで誰かに彼の画集をもらったんだけど、その中でたまたま見つけた絵のタイトルが「Lady Violetta(レディ・ヴィオレッタ)」なんです。
いくつかヴィオレッタが登場している作品があるんだけど…「Knave of Hearts」という物語に出てくるんですね。
ちょっとモナリザっぽい不思議なスマイルでね、とてもいい感じだったのでそれをイメージして曲にしたんです。

Lv_3※「Knave of Hearts」はルイス・キャロルの『不思議の国のアリス(Alice’s Adventures in Wonderland)』の登場人物、ハートのジャック。
森さんがおっしゃるように「Lady Violettaもの」はひとつではなく複数の作品が存在していて、そのウチのひとつが『Lady Violetta and Knave of Hearts』という作品。
もうひとつが『The Lady Violetta about to Make the Tarts』で、モナリザ的なスマイルを見せているのはコチラの方だろう。
ちなみに『アリス』に出てくる「トカゲのビル(Bill the Lizard)」という名前はこのインタビューの<前編>の『カラフル・クリーム』のところで登場した19世紀のイギリスの政治家、ベンジャミン・ディスレイリをもじったといわれているらしい。

K:その絵を見ながら友達のウチでポロポロやっているうちにできちゃったんですけど、後で気がついたらボズ・スキャッグスの「Here to Stay」という曲と丸っきりコード進行が同じだったんだよね!
M:サビも?

Boz_2K:サビも同じ。
M:そんなことってあるんですかね?
K:あったんですよ~。できてから10年ぐらい経って気がついたんです。
ボズだから歌ものでメロディは全然違いますけどね。
※この曲はボズの1971年発表のソロ4作目『Boz Scaggs & Band』に収録されているが、森さんおっしゃる通りサイズは違えどコード進行は本当にほとんど同じ…ドキッとするくらい同じ。
IIm7 – IM7の繰り返しに加え、サブドミナント・マイナー(IVm7)という印象的な展開がますます「同じ感」を引き立てている感じ。
でも、私は『ゴールデン・ピクニックス』の最後に収録されているこの曲の方が断然美しいと思う。
森さんはアドリブ・ソロの時にIIm7の時にG/Aを弾くことが多い。

K:四人囃子は大作主義だったので、A-B-Cみたいな単純な構成の曲が少ないんですが、珍しく『Lady Violetta』はそのうちのひとつ(笑)…A-Bだけだもんね。
でもアドリブはしやすい!(笑)
M:ところで、あの曲は「ヴァイオレッタ」ではなくて「ヴィオレッタ」と発音するのが正しいんですね?
K:そうです。
M:Marshall Blogが責任を持って訂正しておきましょう。
K:お願いします!私も最近一生懸命訂正して歩いているんですよ!
 
一触即発IsM:話しは戻って『一触即発』。
K:ウン、アレは本当に面白いレコーディングだった。
その前に『二十の原点』ていうのがあって、バーターだったんだよね。
「これをやれば、そっちをやらしてあげる」みたいなね。
当時はFM局もあまりなくて…イヤ、FMなんてなかったのかな?
AMでしか流れなかった。

Img_6029で、「一触即発」をかけてもらってもイントロだけで、歌が始まるはるか前に終わっちゃうんだよね。
M:知らない人は「ナンダ、この曲は歌が入ってたんだ?」みたいな?
K:そうそう!それで「円盤(空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ)」を出したんですよ。
で、「円盤」も最初は歌が始まるまでイントロがかなり長かったんですけど、ムリヤリ短くしたんですよ。
M:あのB面の「ブエンディア」という曲がまた不思議。
K:そう。あの頃大二はもうあんまりロックを演る気がなくて、本人はもうCTIとかばっか聴いちゃって…。
今で言うフュージョンみたいなことをやりたがっていたんだよね。
M:確かにそんな感じの曲調ですよね。
K:ちなみに「レディ・ヴィオレッタ」はNHKの「明るい農村」で何回かかかりましたよ。
M:ホントに?! スゲェ~!
K:何がスゴイんだかわかりませんけどね!(爆笑)
M:普通かかりませんよ!
K:山岸(潤史さん)の曲で「モーニング・ブライト」ってあるんですけど、プリズムは「モーニング・ライト」で…ま、それをモジっているんですが、その曲と「ヴィオレッタ」が使われてた。
フュージョン・ブームの前でインストものが少ない時代だったんですよ。

Gbc_2※CTI(Creed Taylor Incorporated Records)は1967 年にA&R傘下に創設されたジャズ・レーベルで後に独立。ジョージ・ベンソン、ボブ・ジェイムス、ヒューバート・ロウズなどが在籍し、ストリングスを多用したドン・セベスキーの甘いアレンジが時代にマッチして人気を博した。
今聴くとどれもかなりアマアマ。いわゆるイージー・リスニング・ジャズ。
でも、フレディ・ハバードの『Red Clay』やジム・ホールの『Concierto(アランフェス協奏曲)』などのジャズ・スピリット旺盛な名作も多数残されている。
そういえばアラン・ホールズワースの『Velvet Darkness』もCTIだったね。
余計なことだけど、個人的にはケニー・バレルの『God Bless the Child』が好き…というのはあくまでも後からCTIを体験した人間のコメント。
大二さんのようにほぼリアルタイムでCTIを聴いた方々には、当時このテイストがどういう風に受け取られたのか大変興味がある。

 
ゴールデンピクニックス

71cpz3amj0l_ac_sl1500_ M:「Flying」ってどなたのアイデアだったんですか?

Img_0126_3K:アレはね、「何かビートルズを1曲入れよう」ということになったんです。
あのバンドのメンバーは全員音楽の好みが違っていて、唯一話しがまとまるのがビートルズだったんですね。
M:ピンク・フロイドもダメなんですか?
K:ん~、でもボクがピンク・フロイドに興味を持ったのは「Echoes」からですからね。
大二と知り合った頃よくアイツのウチへ遊びに行くと『神秘(A Saucerful of Secrets:ピンク・フロイドの2作目。ヒプノシスが初めて手がけたレコードジャケット)』とかをかけながらひとりでドラムを叩いてましたよ。
ボクは気が付くと寝てて、「ア~、こんなのどこが面白いんだよ…」って。
インチキな感じがするナァ~って思っていたんです。
M:そういえば「Cymbaline」とかも演られてましたよね。

Img_0420ザッパでは「Holiday in Berlin」…。
K:野音の「Holiday in Berlin」ね。でも、アレはギターはボクじゃないんですよ。
M:エ?どなた?
K:小林克己。ちょっとあの時具合が悪くてね…デヘヘ。
M:そうなんですか~。
で、「フライング」…アレってビートルズのオリジナル曲の中で唯一の純粋なブルースですよね?
「ブルース形式」って言った方がいいのかな。
K:あ~、そうかもね。
でもおおよそブルースには聴こえない。
レスリーを使ったギターがすごくよくてね。
深いトレモロがまたいいんだ。今でも聴きますよ。
※エコーズ Echoes: ピンク・フロイド6枚目のスタジオ作品『おせっかい(Meddle)』のB面すべてを占める23分の大作。当時、四人囃子はこの「エコーズ」を完璧に演奏できるバンドとして有名だった。
「スリット・スキャン」と呼ばれる手法を駆使して撮影したキューブリックの『2001年宇宙の旅』の最後の前衛的なシーンと「Echoes」がシンクロしていることはよく知られている。実際の映画ではリゲティの音楽が使われている。
※ビートルズのブルース:後年気が付いたのだが、もう1曲ビートルズのブルース形式の曲を発見した。それがナンだったかは忘れた。
確かナンカあるハズ。

 …と、結局は自分の訊きたいことばかり訊いてしまう公私混同のワガママなインタビューとなったが、個人的には大満足。
こうした記録をドンドン残しておかないと日本のロックは後でヒドイ目に遭うことになるのだ。
ひとつ、今でも気になっていることがあって、今度森さんにお会いした時に直にお訊きしてみようと思うのだが、四人囃子の初代ベーシストの中村真一さんの追悼コンサートの時…だったと思ったが、森さんはCharさんと演奏した。
その時Charさんがこうおっしゃった。
「ああいうストラトの使い方をしたのは日本では森が初めてなんだよ」
その時、誰も何も反応しなかったのだが、私にはこのCharさんの言葉がとても印象的だった。
一体どういう使い方なんだろう?
なるほど森さんが弾くストラトキャスターの音は素晴らしく美しい。
そのCharさんの言葉の意味を確かめるためにナマの森さんのプレイを体験しに行って頂きたい。
もちろん森さんがMarshallをお使いになる時に!
それにしても驚異的な記憶力の持ち主だ。
ココには書けない、もしくは書かないほうがいいような話しも実はたくさん披歴して頂いたのだが、それらのどれもがあたかも先月に起こった出来事のようにお話しになられていた。
できることなら、ギターだけでなく、お話しもいつまでも聴いていたかった!
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2023年3月 7日 (火)

【Marshall Blog Archive】森園勝敏インタビュー<前編>

 
つい先日ゲストとしてsimoのライブに合流し、Marshall Blogにご登場頂いた森園勝敏さん。
本当に久しぶりにお会いすることができて、また、相変わらずの素晴らしい演奏を目の当たりにすることができてとてもうれしかった。
110vお会いした際、今では読むことが出来なくなっている昔のMarshall Blogでのインタビュー再掲の許可を乞うたところその場でご快諾頂いた。
ということで、その2010年8月5日に行ったインタビューに思い出の写真をいくつか取り混ぜ、若干の加筆訂正を施して再掲することにした。
それでは早速タイム・スリップ!
Img_0421
<ココから13年前>
森園勝敏さんにはこれまでCounter Moon、Thlee of Us、四人囃子、と何度もMarshall Blogにご登場頂いており、マーブロではそのことをとても誇りに思っている。
森園さんというと四人囃子やご自身のソロ活動を通じて「日本のロックを作った」とか「日本を代表する」とかいう枕詞が付いて回るのが普通だ。

Img_0063もちろんそれらの表現が事実を曲げていることはまったくない。
しかし、幸運にもこうして森園さんとお付き合いをさせて頂くとそういった仰々しい枕詞が不釣り合いである感覚を覚えるのだ。
実際の森園さんはどうか…私の印象ではとにかく「永遠のギター・キッズ」。
もしくは「ギターが服を着て歩いている」…とでも言えばよかろうか?
そうでなければ「音楽の人」だ。
私も大概「音楽バカ」だが、森さんにはとても敵わない。
私より8歳年長の森さんは、ロックが一番魅力的でオモシロかった時代をリアルタイムで体験されて来たのだから土台敵うワケがないのだ。
マーブロで多くの紙幅を占めている…イエ、勝手ながら占めさせて頂いている私の知ったかぶりの音楽知識の源泉の多くは、文字や映像から吸収したものであって、実体験として記憶が残っているのはせいぜい1975~76年ぐらいからの出来事だ。
では、その当時森さんは何をしていたか…。
1974年に日本のロック史に残る作品『一触即発』発表。
さらに世紀の名盤『ゴールデン・ピクニックス』を発表して四人囃子を離れようとしていたタイミングなのだ。

Img_0311つまり、当時まだまだ揺籃期にあった日本のロックの一角をチョチョチョとまとめて、もう次のステップに歩み出していたのだ。
私もいい加減プログレッシブ・ロックが好きでしてね。
メインストリームからカンタベリー(何しろ現地まで2度も行っちゃったからね)、そして辺境まで若い頃は結構聴き漁った。
この辺りの分野においてはそれほど簡単に人後には落ちるつもりはない。
で、言わせてもらうと、四人囃子というと「日本のプログレッシブ・ロックの権化」のようなイメージとされているが、今聴くとそれほどでもないように思うのね。
『一触即発』に関してはピンク・フロイドの香りが強く、そう騒がれたのも無理もないような気もするが、海外のプログレッシブ・ロックとはかなりかけ離れた響きが私には感じられる。
どこかのインタビューで故佐久間正英さんが、「四人囃子は歌のバンドだった」とおっしゃっていたのを読んだことがあるが、「日本のプログレの元祖」みたいな表現よりも、むしろそっちの方が的を得ているような気がする。
現に名曲「一触即発」のリフはオールマンの「Wipping Post」からインスピレーションを受けたということだし、「Lady Violetta」のどこにプログレの要素があろうか?
「空と雲」も「パリ野郎」も同様。

Img_6155_4四人囃子の中心的存在だった森さんはブルース・マンなんですよ。
森さんの弾くブルースを聴いてごらん。
そこには無限の「歌」があるから…。

さて、森さんはMarshallを弾き抜いて来た人ではない。
したがって、今回のインタビューの中に出てくるMarshallの話しは、とっかえひっかえ買い替えて来たMarshallマニアのストーリーではない。
むしろロックの成長を間近で見続けて来たアーティストの記憶を借りた「日本のMarshall小史」のようなものだ。
これこそが私が森さんに聴きたかったポイントであり、ギタリスト・森園勝敏のルーツと併せて掘り下げてみたかった内容なのである。
ゴメン…意気込みすぎて前置きが長くなっちゃった。

 はじめて見たMarshall
マーシャル(以下M):四人囃子の『一触即発』が1974年、森さんが20歳の時ですよね?

Img_0415森園勝敏(以下K):はい。で、『二十歳の原点』が19歳の時ですね。
M:この頃の日本のMarshallの状況ってどんなでした?
K:銀座のヤマハではじめて見まして、ウォ~、デカイなぁ~って思いましたね。
コレがいつも写真で見てるMarshallかァ!…って。
当時で60万円とか70万円とか…眺めていただけです。
M:写真とは誰の写真ですか?
K:ボクがはじめて見たのはね、プロコル・ハルムに「これが真実だ(Quite Rightly So:セカンド・アルバム『Shine on Brightly』収録)」というシングル盤があったんですけど、そのジャケットでロビン・トロワーの後ろに置いてあったのがMarshallだった。

Qrsそれとクリームですよね。
意識したのはいつ頃からかな…ハッキリ覚えていないけど、それまでF社のアンプしかなかった。
見慣れたアンプの形というと、もうF社のスタイルなワケ。
日本製のアンプは結構独自のデザインが多いんですけど、それでも似ているものが多くてね。
ギター・アンプというものはああいう形のモノだって思っていましたよね。
M:そこへMarshallが現れて…
K:一体コレはなんだろう?!って。
レコードで音を聴いてビックリして、形を見てもっとビックリした。
M:「これがあの音を出すアンプなのか~」って感じですか?
K:ま、形か音か、どっちが先かは忘れちゃったけど、少なくとも今までFで聴いていたサウンドではまったくなかった。
いわゆるニュー・ロックとかアート・ロックとか云われ始めた時代ですよね。
クリームとかヘンドリックスのサウンドっていうのがそれまで聴いていたのと全然違っていてね、それと同時にMarshallの形も目に入ってきたから、このアンプだからこういう音が出るのかナァ?…みたいなね。
M:森さんはジミヘンの『Are You Experienced?』の出現に立ち会っているんですよね?
あれは1967年?
K:そう、ボクが中学3年の時だった。まだ輸入盤しかなかったですよ。
それまで聴いていたギターの音がすべてチャチに聴こえましたね。
これは一体どういうことなんだッ?って結構ショックでしたよ。

Aye1Aye2_2
M:「ザ・サンニン」の頃?
K:イヤ、まだ…その前ですね。
先輩と「グループ・サウンズ」っていうバンドをやっていました。
ベンチャーズが終わって、ビートルズからアンディ・ウィリアムズ、PPM、セルジオ・メンデス…何でも聴いていましたね。
中学2年の時にビートルズの『ホワイト・アルバム』が出て…あの頃から世の中が変わってきた感じがしますね。
それと同時にMarshallが現れた感じがしたな。
M:やっぱりその頃のMarshallの代表選手はジミ・ヘンドリックスとクリームですか?
K:そうね。
クリームは『Disraeli Gears』の頃ね。
とにかく、当時こんなアンプは他にはなかったよね。Dg ※Disraeli Grars(カラフル・クリーム):自転車の変速機のチェーンを切り替える装置は英語で「Derailleur Gear(ディレイラー・ギア)」という。
当時変速機つきの自転車を買おうと考えていたクラプトンが、ジンジャー・ベイカーとローディにそのことを相談したところ(ジンジャー・ベイカーは元自転車競技の選手だった)、そのローディがフザけて「え?Disraeli Gear?(ディスレイリ・ギア)を買うんですか?」と訊いた。
「Disraeli」とは19世紀のイギリスの総理大臣、Benjamin Disraeli(ベンジャミン・ディスレイリ)のこと。
で、そのクリームのメンバーはそのシャレをオモシロがって、そのままこのクリームのセカンド・アルバムのタイトルに付けてしまったというワケ。
もし、ローディがその時フザけていなかったら『カラフル・クリーム』はただの『Cream』というタイトルになるところだったそうだ。

Img_2309_2K:そういえば、オーティス・レディングが生きていた頃のブッカーT&MG’sって、アメリカのバンドにもかかわらずMarshallを使っていたんだよね。
だからスティーヴ・クロッパーもドナルド“ダック”ダンもMarshallだった。
M:へ~、知らなかった!
そのMarshallを一番最初にアメリカに持っていったのはロイ・オービソンなんですって。
K:へ~、知らなかった!
 
はじめて弾いたMarshall
M:というワケで銀座でMarshallを発見されて、その後は?
K:音を出したのはもう随分後ですよね。
ボクら四人囃子がフラワー・トラヴェリン・バンドの前座をやることになってね、石間(秀機)さんがMarshallを使っていて、それを弾かせてもらったんです。
ゴールド・トップのレス・ポールを使ってて、ボクらのリハが終わってフラワーの番になる時に「ちょっとストラト貸してくんない?」なんて言われてサ(笑)。
それでツアーの途中なのにストラトに変わっちゃったんだよね。
あの時が初めてのMarshallだったな…イヤ、それが実にいい音でね~。

Img_0415_5M:その当時、日本のバンドでMarshallを使っていたバンドってあったんですか?
K:クリエイションなんか使っていたね。
後、国産のMarshallのマネっこアンプってのは結構あったよね。
あ、初めてMrshallを弾いたのは新宿の御苑スタジオにあった18Wのコンボだ。
M:1974ですね?
K:ウン、でもあれじゃやっぱりパワーが足りなくてね、バンドで使うと…。
音はものすごくよかったのを覚えています。
だから結局Marshallは高嶺の花でしたよね。
M:やっぱり思っていたより歪まないというイメージ?
K:ボクもそう思った。
それとチャンネルであんなに音が違っちゃうなんて知らなかった(4 Inputモデルのこと)。
とにかく歪まなかった。
エ~?!、こんな感じなんだ?と思った。
それと、ボリューム・ノブがすごく小さいのが印象的だった。
「ぽらりてぃ」ってなんだろうナァ~とかね。


四人囃子の活躍
M:「ワンステップ・フェスティバル」とか「ワールド・ロック・フェスティバル」とか…しかし、四人

Img_0207囃子って色々な記録を調べると途轍もないほどの場数をこなしていらっしゃいますよね。
箱根の「アフロディーテ」も?
K:イヤ、アフロディーテはやってません。
M:それでも出てない有名なコンサートはない?
K:それほどでもないですよ。
大きいフェスティバルには結構出させてもらいましたけど…でも仕事といえば、秋の学祭ぐらい?
だってライブハウスなんてほとんどなかったからね。
後はアマチュアの人たちがやっているサークルのコンサートに呼ばれるとか?
杉並公会堂とかホールばっかりでしたよね。
(内田)裕也さんのコンサートにはよく出してもらいましたね。
M:四人囃子が裕也さんのお気に入りだった?

Img_0073K:なんでしょうね?ま、言うことをきくバンドだったから…(笑)。
M:そうか、そのつながりでフランク・ザッパの前座をされた?
K:そうですよ。
まあ、だいたいボクらとクリエイションとハルヲフォンと…その3つはどこへ行くのもセットだったですね。
M:クリエイションもすごいキャリアですよね。
K:そう。
でも、フラワー・トラヴェリン・バンドはそう簡単に出てこないんだナァ。
ジョー(山中さん)は出るんだけど、バンド自体は半ば外タレ扱いでしたね。
M:そうだったんだ~。
K:フラワー・トラヴェリン・バンドが日本に帰って来て東京体育館で凱旋コンサートをやったことがあったんです。
で、裕也さんに「ちょっと東京体育館まで来てくれる?」って言われたんです。
「やった、観せてもらえるんだ!」って思って四人囃子のメンバー全員行ったワケですよ。
行ったらサ…「ちょっと悪いけど警備やってくれる?」って!(大爆笑)
でもそれをやったおかげでツアーの前座を全部やらせてもらったんです。


Marshallの魅力
M:なんか印象に残っているMarshallってあります?
K:ワリと最近の話なんですが、北千住にあったライブハウスのMarshallはものすごくよかった。
普段は誰にも触らせないんですけどね。
ボクらがジミ・ヘンドリックスのトリビュートをやる時に貸してもらってたんだけど、アレは本当にスゴ

Img_0054かった。
いい音のMarshallっていうのはケタ違いに音がいいんですよね。
M:Marshallの好きな音って?
歪みではなかったりするでしょ?
K:クリーンがいいよね。
ヘンドリックスもよく聞くとすごくクリーンだもんね。
で、ストラトとMarshallっていうのは独特のいいマッチングなんですよね。
特に巻き弦の音が素晴らしい。
張りたての弦の音っていうか…。
ギターのボディに耳をつけて聴いた音っていうかね…あの音が他のアンプじゃなかなか出ないんです。
M:その辺りのサウンドを確立したのがやっぱりジミ・ヘンドリックスということになってくるんですかね?
K:ン~、とにかくいい音ですよね。クリーンも。
ポール・コゾフの音もそうなんですけど、「歪んでる」ってとこまで行かないんですよね。
すごく「ナマ」の感じ。
ブシュッて潰れていなくてちゃんと「ゴツン!」っていってる。

Img_0486_2それでいてサスティンがすごい。
Marshallはやっぱりワン・アンド・オンリーだな~。
M:ま、これとて初めはコピーですからね。
K:そうね、そこにベースマンが絡んでいるところがおもしろい。


好きなギタリスト
M:ところで、森さんの一番好きなギタリストってジミ・ヘンドリックスなんですか?
K:ヘンドリックスがいなかったら今こうしてここにいないでしょうね。
ギターを始めるキッカケはノーキー・エドワーズです。
もちろん好きなギタリストはいっぱいいますけど、ヘンドリックス、ブルースブレイカーズの頃のエリック・クラプトンがすごく好き。


 
森園勝敏とマーシャル
M:また同じような話しになりますが、こうしてお話しをうかがっていると四人囃子も森園勝敏もあんま

Img_2234りMarshallと深い関係だったワケでなないんですよね。
K:そうですね。
M:すると、当時Marshallをバンバン使ってたバンドというと?
K:クリエーションでしょう。
スタックを3つ並べていましたからね。
M:ものすごい投資になりますよね、当時だと。
K:アレはロンドンで買って来たのかな?
彼らロンドンへ行く前はマウンテンみたいな音楽を演っていたんだけど、帰ってきたら完全にハンブル・パイになってたっけ。
歌なんかもう完全にスティーヴ・マリオットになってた。
M:周りは猫も杓子もMarshallというイメージはありましたか?
K:イエイエ、「みんなMarshall」っていうことはあの当時確かなかったですよ。
M:するとやっぱりディープ・パープルだのレッド・ツェッペリンだのが完全に行き渡ってからMarshallが広まったって感じですか?
K:そうだね。気がつくともうみんなMarshallになってたっていう気がする。
 
<後編>につづく
 

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2023年3月 6日 (月)

かかってこんかい!~HADESのファースト・ミニ・アルバムとMV

 
「イギリスの食事はマズイ」と聞いた風なことを言うけど、体験してそれを言っているのかね?
知りもしないでそんなことを言ってるなら勘弁しねーぞ!
Bring it on!(かかってこんかい!)…と頭から湯気を出して怒るほどのことはなくて、ただウマいものはウマいし、マズいものは確かにマズいというだけの話。
日本と一緒だよ。
ただ、イギリスは産業革命や石炭や鉄鋼産業が盛んなりし時代に「メシよりも仕事」ということで、簡単に食事を済ませてもヘッチャラだぜ…という習慣がついた。
…という話には頷ける。
他にも「ジェントルマンは質素であるべき」という思想や、ライバルのグルメ国フランスの文化を排除したとか様々な理由が挙げられる。
じゃ、美味しいモノはナニがあるのよ?…という話になると…朝食?
「イギリスは朝食が一番豪華」と言われているぐらい。
下はその典型的な「English Breakfast」。
なるほど豪華…でも毎日はとても喰えん!それにそもそも特段ウマいワケではない。
でも、日本でいうところの「10枚切り」に薄くスライスしたトーストは日本の食パンよりはるかに美味しい。
しかし、間違いないのは「アジの開きに焼きのり、納豆、卵焼き、それに豆腐の味噌汁」の朝食の方が断然おいしい。
今は化学薬品まみれのヘンテコリンなものばかり喰わされているけど、こうして考えてみると日本ってのはホントに食文化を持った国だと思う。
それを…コオロギだなんて。10フィッシュ&チップスは「マズイもの」の代表にも出て来ることもあるようだけど、それは店の選択が悪いだけ。
美味しいお店ではホッペが落ちるほどウマいフィッシュ&チップスを食べることができるよ。
下はイングランド最北部のノースポートという港町にある「イギリスで一番美味しい」と評判のお店で出されるスタンダードなフィッシュ&チップス。
フィッシュはタラね。
でも「イギリスで一番美味しい」と謳っているお店は100軒は下らないらしい。
日本で言う「元祖つけめん」とか「カレーうどん発祥の店」みたいなもんですな。
でも、コレはホントに美味しかった。
こんなにギッタギタなのに全く油っこさを感じさせないの。
フィッシュだけでなく、元々から美味しいイギリスのジャガイモをナマのイモの状態から揚げたチップスがまたウマい。
〇〇ドナルドのポテトフライとはワケが違う。
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それとカレー。
ま、イギリスのオリジナル料理ではないけれど、長いこと支配していただけあってインド料理はおいしい。
ただし、店によってクォリティの差が激しく、安い店はダメ…クサくて食べられませんから!
反対に値段の張る店は日本ではとても味わえないような美味しいヤツを食べさせてくれる。
下のアールズコートのインド料理店で食べた野菜カレーは人生の中でも1、2を争うおいしいカレーだった(ホントは家内のチョイス)。
他にもチョコチョコと美味しいモノがあったし、私は食の冒険を絶対にしないので他の美味しいモノを知らずに損をしているのかも知れない。
食べ物ではないけれど、何よりもパブで飲むあの上面発酵のビールのウマさは日本のビール会社が束になって逆立ちしても勝てやしまい。
それと硬水で淹れた紅茶の美味しさも日本では味わうことのできないモノだ。
だから「イギリスの食べ物はマズイ」と全面否定するのは全く間違えていると思うワケ。30反対にイギリスでマズイとされている代表的なモノを3つ。
まずはマーマイト。
コレはマズかった…というか、日本人の知らない味なんだよね。
パンに塗って食べるんだけど、ホテルに置いてある1回分の小さなパッケージを日本に持って帰り、コックの経験者に差し上げたことがあった。
その人はさっそくそれを指につけてペロリ。
「コレ、イーストじゃん」と平然と言ってのけた。
つまりマーマイトは下の写真のラベルに書いてある通り、イースト菌のペーストで知っている人にはおなじみの食材なの。
でもナニがナンでもマズイ。40次に「ジェリード・イール」。
「うなぎのゼリー寄せ」というヤツ。
あ~あ~、蒲焼にすればいいのに!
テムズ川の河口で獲れるうなぎをブツ切りにして煮凝りにした食べ物で、かつてはロンドンの下町っ子「コックニー」の皆さんの常食だったとか。
いつも「食の安全地帯」にいる私としては当然食べたことがないのだが、「すごく生臭い」と聞いただけでとてもじゃないけどパス。
しかし、最近はうなぎもご無沙汰だナァ。50そして、この手の話題でいつもチャンピオンのなるのがこの下のヤツ。
羊の心臓などの内臓を茹でてミンチにして、それにハーブを混ぜて羊の胃袋に詰めた…というキテレツな料理。
はい、即パス。
 
まぁ、「ウマい」、「マズい」というのは人それぞれの好みによるところが大きいので、一概には言えないことだけど、色々と経験してみるに、やっぱり食に対する心構えが日本人と違う感じがするね。
例えば、温めれば美味しく食べられるものを平気に冷たいままで食べて、それを「ウマい、ウマい」とやっているところとかね。
でもね、ひとつハッキリ言えるのは、化学調味料や化学薬品が山ほど入っている日本の食べ物の方がよっぽど「ヤバい」し、それを「安くてうまい!」と平気で食べている人たちの方がおかしいと思うよ。
そういう意味では日本人の食に対する心構えは完全狂っていると言えるでしょう。
イギリスのパンはアッという間にカビが生えちゃうんだよ。
それが当たり前なのだ。
 
あ、ところでこの下の食べ物はスコットランドの料理で名前を「ハギス(haggis)」と言います。
で、今日はその「ハギス」の話題。60…ではなくて、「HADES(ヘイディーズ)」の話題。
Marshall Blogにも何度か登場してもらったAZAZELの後進バンド。
もちろんハギスとは何の関係もありません、どころかコチラは最高に美味しいバンドなのだ!
80上の前書きで「HADES」を「ハギス」と引っ掛けたのは、下のギリシア神話の神様の「Hades(向かって右)」の読み方には「ハーイデース」とか「アイデース」とか、ものすごくたくさんのバリエーションがあって、その中に「ハデス」というのがあったから話をくっつけてみた。
西洋古典文学では「ハーデース」という表記が一般的らしいが、英語圏ではバンド名のように「ヘイディース」と発音するようだ。
このヘイディースはポセイドンとゼウスのお兄さんで、地下の世界に君臨して「冥界を支配する神様」。
それだけ聞くとナニやらコワ~い感じがするが、「曲がったことが大っキライ」という折り目正しい神様らしい…会ったことがないのでよくは知らないけど。
下の写真で写メを撮っているのが奥さんのペルセポネー。
ヘイディースの横にいる犬みたいなヤツは冥界の番犬、ケルベロス。
頭が3つ、尻尾がヘビ、胴体にヘビの頭が付いているというメチャクチャなデザイン。
ヘラクレスがコイツを地上に引っ張り出したところ、あまりの明るさに驚いてヨダレをたらした。
するとそのヨダレが猛毒のトリカブトになったらしい。
洋の東西を問わず「ケルベロス」という名前のバンドがいくつかあったナ。
70sその「正しい神様」のハズのヘイディースも男ですからね、浮いた話がないわけではなかった。
相手は「メンテ(Menthe)」というとても美しい妖精。
メンテを地下の世界に連れて来ようとすると、奥さんのペルセポネーが「オイ、ヘイ公!フザけんなよ!」と怒ってメンテを葉っぱに換えてしまう。
コレが「ミント」になった。
だからミントのことを英語で「メンソール(Menthole)」って言うでしょ?
アレは妖精の「メンテ(Menthe)」から来ているんだって。
メンテは自分の居場所を知らせるためにあの香りを発しているそうだ。
コレがホントの「居場所の発覚」…ナンチャッテ(←「ハッカ」のシャレになっているんですよ~)

9mint さて、HADESのドラマーはもちろんDr. MayoことMayo。
今回、HADESはファースト・ミニアルバムのリリースに先駆けてシングル曲のビデオをリリースすることになった。
Mayoちゃんといえば、NATALドラムス。
そこでそのビデオの撮影現場にお邪魔して来た…というワケ。
今日はそのレポート。

My_2 コレがそのファースト・ミニアルバムの『BRINGS』。
とてもいいデザインだ!100cd撮影スタジオのようす。110ギター用のMarshallはJVM410Hと1960A。
130一方、ベース用のMarshallは1959SLPと1960A。120NATALはMayoちゃん愛用のバーチのキット。
もんのすごく鳴るヤツ。140準備完了!150さっそく撮影開始!
曲は「BRING IT ON!!!」。
「bring it on」とは「かかって来いや~!」という意味。
サム・クックの有名な「Bring it on Home to me」とは意味が違う。
160Sala

170v空也180vyuriImg_3857 Mayo

200vもう皆さん手慣れたもので撮影はサクサクと進む。

205次のテイクまでチョットすり合わせ。
「このすぐ近くにメチャクチャおいしいパン屋さんがあったんだけど、今やってないんだって!」
「イヤ、最近週末だけはお店を開けているらしいよ」
なんて会話をしているのであろうか。
210こんなことをしている人もいる。220vカメラアングルを変えてもう1回。
何回も大変だネェ。
でも、同じことを同じように何度でも繰り返しできることが「プロフェッショナル」ということだから!
ラーメン屋さんも学校の先生もミュージシャンもやっていることはみんな同じ。
230皆さん、すべてのテイクで問答無用の大熱演!
オラオラ、かかってこんかい!Yy

Img_4051

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260vそして出来上がったのがコレ。
4月28日発売のHADESのファースト・ミニアルバム『BRINGS』のリード・チューン「BRING IT ON!!!」。
見てね!


ミニアルバムのリリースに向けて色々とライブも仕込んでいるHADES。
詳しい情報はコチラでどうぞ!⇒Official Website

My2 Mayoちゃん出演のMarshall/NATALのイベント『Marshall GALA2』はコチラ。

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ビックリの大反響! 
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イギリス製の手づくり!

20The Guv'nor(ザ・ガヴァナー)

290BLUES BREAKER(ブルースブレイカー)

9f43f3948e5fb45dcbd6eda5a9505b2fbDRIVE MASTER(ドライブ・マスター)

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120

200(一部敬称略)