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2017年12月

2017年12月31日 (日)

さよなら2017 今年のMarshall Blogをホンの少しだけ振り返る

  
チョッ~ト、ゴメンなさ~い!
Marshall Blogは世間一般の動向に合わせて年末は28日まで更新するのを常としていたんだけど、今年は31日まで更新を続けようと思っていたのね。
ところが!
facebookなんかでつながっている方々はご存知だと思うけど、普段から仕事が山積みになっているところへ持ってきて、プライベートでエライことが起こってしまい、とても記事を更新する時間がなかったのです。
ま、ひとりで書いているから仕方ない。
でも年末のご挨拶はキチっとしておかないと気が済まないので、今日、この投稿で2017年のMarshall Blogを〆させて頂きます。
  
今年投稿した記事はコレを含めて242本。
2017年の公休日は117日なので稼働日数は248日なんだと。
そこへ年始と夏の休みを加えれば、マァ毎日更新は達成したかと…この計算も年々セコくなっているような気が自分でもしておりますが…。
これらの記事を書くためにホールやライブハウス、各種イベントに赴いた回数は131回。
計算が大幅に合わないのは2本立て以上の記事が多数あるため。『NAONのYAON』なんか今年は9本立てだったでネェ。
反対に取材にお邪魔したけど、残念ながら記事にならなかったライブもいくつかあるよ。
Marshall Blogのステイタスが少しはあっての話か、どこの現場へ行っても大変丁重に扱って頂いて、どこでも楽しく充実した取材になりました。
この場をお借りしましてご関係者の方々に心から感謝を申し上げます。
    
皆さま、今年もMarshall Blogをご愛読頂き誠にありがとうございました。
来年もMarshall NATAL、EDEN、そしてMarshall Blogをよろしくお願い申し上げます。

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2017年12月28日 (木)

犬フェス~コピバン決勝大会 <後編>

     

さて、『犬フェス~コピバン決勝大会~』のエントリ―も終了し、審査結果を待つ間はゲストのパフォーマンスを楽しんだよ。

20v_2死神ナパーム團こと「犬フェス・スペシャルセッションバンド」の皆さんの演奏だ。

30_3ボーカルズにアーバンギャルドから浜崎容子。

40v_2ギターは人間椅子の和嶋慎治。

50v_2ベースにはGargoyleのTOSHI。

60v_2ドラムスは我がCONCERTO MOONから河塚篤史。

70v_2ナント豪華なメンバー!
当然のことながら、コレがまたヨカッタ!
こんなメンバーだとナニを演るのか気になるね。

80_31曲目は「暗黒礼賛ロックンロール」。
エエ~!

90_3この曲って10月にリリースしたニューアルバム『新宿ゴーゴー』のリード・チューンなんじゃないの?
それを他の人が演ってどうすんのよ!

200cd…とビックリしたんだけど、元々コレはアマチュア・バンドを鼓舞するために作った「コピーしやすい曲」を標榜していたのだそうな。
だからスコアも出していたのね?
その割には誰も演ってなかったね。
演ってやるがいいじゃねーか…。
それでプロの犬神ナタール團じゃない、犬神ナパーム團が取り上げてりゃ世話ないじゃん?

170_2「おもしろい」といえば、この曲、おもしろいことを発見してしまった。
テンポを♩=58ぐらいにグッと落として、三連、すなわち4ビートでAメロを歌う。
♩フ~ンフフフフフ~ン、フ~ンフフフフ…みたいな感じ。
どうですか?
わかった?
そう、1948年のジャズのスタンダード「Black Coffee」になるんですよ。
一応ご存知ない犬っ子さんたちのために記しておくと、「Black Coffee」はエラ、サラはもちろん、ペギ―・リー、クリス・コナー、ローズマリー・クルーニー(ジョージ・クルーニーのお母さんね)等々、女性ジャズ・シンガーの大御所がこぞって取り上げる大スタンダード曲ね。
私はアニタ・オディが新しめのライブ・アルバムで割とケロっと演っているのを聴いてハタとこのことに気がついた。
恋に破れ一睡もできず、ブラック・コーヒーを飲みながら彼が帰って来るのを待っているというどんよりとした歌。
アータ、ブラック・コーヒーなんか飲んでるから眠れないんでしょうが!と喝のひとつも飛ばしたくなるが、ダルでブルージーな曲の雰囲気はさすが大歌手たちが取り上げるだけのことはある。
その雰囲気を醸し出しているのは何といってもブルース・ペンタトニックのおかげ。
そして、それが「暗黒礼賛ロックンロール」のメロディにつながって来るワケ。
だから犬神の曲はいいんですよ…つまり、ブルースの流れを汲んだ「正統派なロック」というワケ。
今の若い人たちのロックにはこのエキスが欠落しているから、我々世代には「ロック」として響かないのよ。
そういうこと。

100_2「私たち死神ナパーム團です!
犬フェスのために、本日結成、本日発ライブ、本日ラストライブです!
そして、犬神サアカス團のために歌います」
…と自らを紹介し演奏したのは「花嫁」。

110v_4大ベテランのリズム隊のノリが気持ちいいこと!
TOSHIさん、超久しぶりのMarshall Blogへのご登場…というか、今のマーブロになって初登場!

120_2河塚さんのドラミングはやっぱりココでもキチ~ンとしていて手際がよいことこの上なし!

160v和嶋さんも久しぶりのMarshall Blog。
以前は人間椅子や和嶋工務店でよくご登場頂いたのだが…コレを機にまたよろしくお願いします!
いつでもやる時は真っ向勝負の和嶋さん、歯で弾くサービスっぷり!

150_2最後は「地獄の子守唄」で〆た。
容子さんがお召しの着物は凶子さんから借り物だとか。
ところで容子さんの声、すごく犬神ナンバーにマッチしていたよね。
凶子さんってスーっと声を出すでしょ?
決して力まない。
コレって民謡の歌い方に似ていると思うんだよね。
だからスゴクいい…日本的で。

140_3和嶋さんのシグネチャー・モデルは「冥王~Pluto」という。
見た目がサソリのようで、蠍座の支配星が冥王星というところから名付けられたそう。
和嶋さん自身は山羊座になるのかな?それなのに「蠍座」を引っ張り出してくるところがおもしろい。
そういえば、有名なアメリカン・フットボールの選手で「佐曽利」さんという人が昔いたらしい。
選手の紹介で「クォーター・バック、サソリ!」とかなっていたんだろうけど、カッコいいな~。
アダ名じゃなくて本名だからね。
何しろ優秀な選手で、相手チームには「サソリに気をつけろ!」と常にマークされていたという。
サハラか?!
そりゃサソリだからね、気を付けなきゃマズイ。
佐曽利さんの出身が千葉の佐原だったら話は出来すぎか…?
「支配星」というのはそれぞれの星座に影響を与える天体のことで、蠍座は冥王星。山羊座は土星。
水星と金星だけは欲張りで、水星は双子座と乙女座を金星は牡牛座と天秤座のふたつを担当しているのだそうだ。
  
今日はイベントゆえアリモノをお使いだが、和嶋さんはいつもは1987と1960TVを愛用してくれている。

130v和嶋さんとTOSHIさんのアクロバット合戦!
盛り上がったね~。

180ハイ、これにて死神ナパーム團解散~!
もっと聴きたいね。

190_2「うぇいうぇいうぇいうぇい!
サスガ、サスガ、サスガですよ!死神ナパーム團に拍手~!
このメンバーを集められるのも犬神のスゴさですね~!
さてさて、いよいよ犬フェスを開催してくれた方々の登場ですよ~!」

R_img_0003本家登場!

210_3犬神凶子

220v_2犬神情次2号

230vジョニーちゃんは愛用のJCM800 2203と1960A。

235v犬神ジン

240v_2コレもジンちゃんの好物、EDEN Terra Nova TN-501とD410XSTが2台の8×10"仕様。

245v犬神明

250v_2明兄さんのNATALはアッシュ。
フィニッシュはグレイ・スパークル。

255時間が短いので飛ばしていった1曲目は「光と影のトッカータ」。

260_2当たり前のことだけど、切れ味鋭い本家さんはサスガ。
コレぞ模範演奏。

330v_2ナンカいつもより颯爽として見えるのは気のせいか?

340v続いても疾走感あふれる「自殺の唄」。

350vそうなんだよね。
「入水」って何で「じゅすい」って読むんだろうね。
私はこう見えてもかなり泳ぎが達者なんだけど、アレ、ダメなんだってね。
いくら泳げる人でもヤラれてしまうのは、耳に水が入って三半器官がマヒして目を回しているウチにおぼれ死んでしまうらしい。
以前、ドイツ人の友人から聞いたんだけど、名前は忘れてしまったが、動けないように身体を板にくくり付けて海に繰り出す遊びがあるんだとか…。
ナニがおもしろいのかというと、ヘタをするとおぼれ死んでしまう…この自殺まがいの行為で死に直面するスリルを味わうのだそうだ。
その友人がそれをやっていたワケではないんだけど、知り合いの女性が彼氏にこの遊びを教わてハマってしまったのが心配だ…とかいう話をしていた。
アホか!
360v_2歌詞の題材はどうでも、親しみやすい従来型の和風ロック。
やっぱりいいね、こういうサウンドは。

310v_2「犬神サアカス團です!第2回犬フェスに来てくれてありがとうございます!応援してくれた皆さんも死神ナパーム團もありがとうございます!
『黒い花が嗤う』や『死に行く日に』のPVで着た着物を浜崎さんが来てくれました。
可愛かったですね!」
確かに。
コレ、「死に行く日に」を撮影したのってアソコでしょ?

300v_3続いては『新宿ゴーゴー』からタイトル曲。
コレもいいよね~。

320_3そして、4曲目は「白痴」。

270_2「♪どうせブァカぬぁんだろッ!」

280_2犬神ドライビング・ナンバーの最高峰を模範演奏のコーナーの最後に持って来た。

290v_3竿チームはジャ~ンプ!
最近は飛んでくれない。

370_2さぁさ、すべての演目が終わったところで審査結果の発表だよ。

380_2まずは個人賞。
犬神明賞はなな神サービス団のなな神きたろうさんに!

390_2犬神ジン賞は犬っ子サーカス團!のそういちさんに。

400_3犬神情次2号賞は一人サアカス團の犬神ゴマ丸さんに。

410_3凶子さんは景品がないのでスキップして…いよいよグランプリの発表。
凶子姉さんが持っているのは犬神サアカス團の前座をやる権利書だ。
グランプリは…

420_2犬っ子サーカス團!
おめでとう~!

430_3みんなで記念撮影~。
ん~、いい写真だ!

490_2せっかくだからと最後は全員で1曲演奏したよ。

440_2曲は「命みぢかし恋せよ人類!」。

450_2みんなが大好き、犬神賛歌。

460_2明兄さん!
オイオイ、賞状大事にしてくれよ!

470_2フィニ~ッシュ!

480_2楽しかったねか~!
また来年もあるといいな。
 
犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式家頁

500_2※今日は「私のディープ浅草」はお休みします。ダ~メ、時間がなくて!
ヨカッタね~。
楽しみにして頂いていた方、ゴメンなさい。
次回はお芝居の話を交えてコッテリやるよ。

 

<NATAL DRUMS>について
時は1965年、場所はロンドン。
伝説のパーカッショニスト、アラン・シャープは理想の楽器を編み出すことに没頭していた。 
そして、ついにそれを手に入れた。 
やがてその楽器は多くの人の知れるところとなり、
レッド・ツェッペリン
ディープ・パープル
ザ・ローリング・ストーンズ
ブラック・サバス
UB40
ボブ・マーレー
…らに重用された。
アランは「*ロー・プロファイル・フープ」の開発者。
彼はいつもナニかを作り出そうとしていた。
そして今、我々がそれを引き継いだ。
アラン・シャープのレガシーは生きている。

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。




(一部敬称略 2017年10月8日 高田馬場CLUB PHASEにて撮影)

2017年12月27日 (水)

さよならMEJIBRAY!~And Then There Were None

   
MEJIBRAYの『そして誰もいなくなった』と題した全国ワンマン・ツアーが終了した。
「そして誰もいなくなった」はイギリスの女流推理小説家、アガサ・クリスティの1939年の作品。
外界と断絶した空間で事件が起こる「クローズド・サークル(Closed Circle)」という典型的な推理小説のパターンのひとつ。
小学生の頃は江戸川乱歩、中学生の時分には横溝正史を結構おもしろがって読んだものけど、今は推理小説なんてまず読むことはないな~。
でもクリスティはスゴくてね、この「そして誰もいなくなった」もそうだけど、「オリエント急行殺人事件」をはじめとした「ナンジャラ殺人事件」等、書いた小説が大量に映画化されている。
映画は大好きだけど、こういうのもヤッパリ観ないな~。
もっと、こう…ナント言うか…同じ観るなら味わい深いヤツがいいな。
たとえばビリー・ワイルダーとか…。
今は亡き父から教わったワイルダーの作品で『情婦』という映画があった。
コレは喜劇が得意なビリー・ワイルダーにしては珍しいサスペンス・タッチの裁判劇なんだけど、もうすさまじいまでのドンデン返しの連続で、初めて観た時には、もう誰も信じられなくなるぐらいの衝撃を受けた。
コレがナント、クリスティの原作を映画した作品だったのよ!
しかし、ひどいタイトルだよね…『情婦』だなんて。主演のマルレーネ・ディートリッヒに失礼だわ!
この作品の原題は『Witness for the Prosecution』といって、「検察側の証人」という意味。
ま、コレじゃ宣伝しにくいというので、映画会社の担当者が考えに考えたんだろうね…『じょーふ』って。

Wp一方、『そして誰もいなくなった』の原題は、今日の記事のタイトルにしたように「And There Were None」という。「none」は「no one」の略ね。
コレは実にいい邦題だと思うよ。
直訳すると「そして誰もいなかった」となるんだろうだけど「いなくなった」としたところが素晴らしい…と言っても、コレはマザーグースの「10人のインディアン」からの引用なので映画会社の担当者をホメる必要なナ~ンにもない。
クリスティの小説もコレがモチーフ。
10人のインディアンの少年に色々なことが起こって、最後のひとりになる。
するとこの曲はこう歌われる;
 
One little Indian boy living all alone; He got married, and then there were none.
つまり、「最後のひとりぼっちのインディアンの少年は結婚してしまい、そして誰もいなくなった」ということ。
こういうのを「Nursery Rhyme(ナーザリー・ライム)」という。日本でいう「童謡」だね。
で、かつて『Nursery Crime(ナーザリー・クライム)』というタイトルのアルバムを出したGenesis(ジェネシス)というバンドがイギリスにいた。
コレは「rhyme(ライム:韻)」と「crime(クライム:犯罪)」を引っ掛けたモノで、「童謡」が一気に「子供部屋の犯罪」になる…というコワいシャレ。
女の子が人の頭のゲートボールをやっている薄気味ワルイジャケットだけど、音楽はイギリスからは絶対に出て来ないような魅力的なプログレッシブ・ロック。

Nc そして、このGenesisが1978年がリリースしたアルバムが『And Then There Were Three』。
「none」ではなくて「three」。つまり「3」。
Genesisは元々5人編成のグループだったが、ひとり減り、ふたり減りで、3人編成で制作したのがこのアルバム。
だから邦題が『そして3人が残った』となった。

R_2att3…ということで、コンサート会場に移動する。
新木場COASTだ。
夥しい数の祝い花。

10コレ、スゴイね!
真ん中のプレートには「Happy Birthday Tsuzuku!」とある。
ボーカルズの綴くんのお誕生日なのね?

20この翼!
生半可な気合いでは作れません。

30お作りになられたのはこの方々。
まったくもってスゴイ!
でも顔はNGなの。モッタイナイ!

40さて、ステージに目を移すと…いつものMarshallの壁!
やっぱいいね~。
コレがロックのステージの正しい姿だよ。

45予定の時間を少々過ぎてショウはスタート。
妖しげなスポットを浴びてMEJIBRAYの4人がステージに立った。
オープニングは「剥落」。

50

70vMiA

80v恋一

90vメト

100vノッケからすさまじい熱気!
コレはいつものことだが、今日は状況が違う。
ファンのみんなは「もうすぐ誰もいなくなる」ことを知っているのだ。
つまり、活動休止を控えたステージ。

110しかし、MEJIBRAYは全くの平生の演奏を装っている。

120「Agitatato GRIMORE」、「VICTIM(ism)」、「月食」、「DECADANCE - Counting Goats … if I can’t be yours -」と曲は続いた。

60お立ち台の上に上って観客を見つめながらギターを弾き続けるMiAくん。

130背後にはMarshallの壁だ!

14030秒ほどの無言にして無音のMCを挟んで次のセクションに進む。
「醜詠」だ。
コレは造語ですな?

150それほど長い付き合いではなかったけど、MEJIBRAYにはいくつかの言葉を教わった。
ひとつは「盈虧」。
いまだに書くことはできないけど、読み方と意味は覚えた。
それと「ネペンテス」。
Marshallはイギリスの会社だからして、私はほぼ日常的に英語を使ってイギリスと連絡を取り合っているが、「ウツボカズラ」なんて日々の仕事に絶対出て来ないからね!
それと、「アプリオリ」か…コレは以降も使いそうにないな…。

160MEJIBRAYとのお付き合いはあるライブハウスのブッキング・マネージャーからMiAくんを紹介されたことから始まったんだけど、私にとっては彗星のごとく現れて、そして去っていくイメージがあるナァ。
私は世代の違いもあって、いわゆるヴィジュアル系とカテゴライズされているバンドは決して得意ではないが、DELUHIとかAnziくんがいた頃の摩天楼オペラとかは好みだった。
そこに現れたのはMEJIBRAYだったんだな~。
それが今年イッパイ、すなわちあと5日で活動休止とは本当に残念だ。

1702番目のセクションも「-XV-」、「hatred × tangle red × hunger red」、「ナナキ」と淡々と演奏を進めていく。

180この日、綴くんと…

190恋一くんは黒塗りだったのね。
最初、しばらくの間、ステージの脇から眺めていたんだけど、照明の関係でこのことに気がつかなくてサ、そばに行ったらまっ黒だったんで驚いちゃった!

245vギター・ソロが、回って来るたびに大きな歓声を浴びるMiAくん。

200v既成のメロディにとらわれない独特のフレージングが印象的だ。

240早くも最終セクション。
ショウが終わりに近づくに連れて、「スンスン」とMEJIBRAYとの別れを悲しむ女性ファンの泣き声が大きくなってくる。

230そんなことはおかまいなしに、「DIE KUSSE」、「原罪の林檎」、「嘘と愚考-それもまた人間らしいって神様は笑ってるの-」、「枷と知能 -それってとても人間らしいって神様は笑ってるの-」、「BI"name"JIKA」と続けて5曲を演奏して幕を下ろした。
アンコールはなし。
バースデイのイベントなんて雰囲気は皆無。
全編約60分。
コレでいい。
コレでこの日、この場にいたファンはこのことを一生忘れることはないであろう。

250この日の模様がDVDになって3月7日にリリースされることが決定している。
  
ん~、カッコいいな。こんな終わり方。
しからば、私もサッパリと…さよならMEJIBRAY!

260MEJIBRAYの詳しい情報はコチラ⇒MEJIBRAY Official Web Site

270(一部敬称略 2017年12月15日 新木場COASTにて撮影)

2017年12月26日 (火)

MUSIC INNOVATION 2017 TOKYO OCTOBER X'MAS <後編>

   
ショウも終盤に差しかかり、最後の弾き手を待つMarshallたち…。

10最後はこの人!

20_2中間英明!
今日は「中間英明バンド」としての出演だ。

30v_3バックを固めるのは…
ベースに臼井孝文。

40vキーボーズに永川”TOSHI”敏郎。

45vドラムスはチャン長田、長田昌之。
イヤ、いつも「長田ちゃん」って呼んでいるものだから。

50v長田ちゃんが叩いているのはNATALのブビンガ…この日を通して使用されたキット。
ブビンガがCITES(サイテス:ワシントン条約)の管理対象木材になり、NATALはブビンガのキットの製造を終了したので同じモノは入手不能。
代わりはウォルナットが務めている。
あのね、もし、アッシュのキットを考えているドラマーがいたら早く決心した方がいいかもよ…NATALに。

60オープニングはアルバム『Point of No Return』の1曲目、「Inquisition」だ。

70v鉄壁のスピード・ギター・チューン。
中間さんがステージに姿を見せただけで雰囲気が変わるね。

80v中間さん、久しぶりだな~。
Marshall Blogへのご登場はちょうど3年前。鹿鳴館のイベントのレポート以来だ。

902曲目も『Point of No Return』から「Wings of Destiny」。
120vOZMAさんもノッケからスゴいテンションで中間さんを盛り立てる~!

110中間さんも実に楽しそうだ!

100v_2ココでシンガーを迎える。

140藤原MAXまさのり

150曲は「Stargazer」。

160_2出たなRainbow!
私が生まれて初めて行ったコンサートが『Rising』発表後のRainbow。
武道館の1階席から指人形ほどのRonnieやRitchieを眺めていた。
ライブ盤には収録されていないけど、この曲を演奏ったのかな?あ、演ったのね。今から41年前のことだからね~。

155折り鶴を正確に折るようにハード・ロックの名曲をジ~ックリと弾く中間さんの姿印象的だった。

170今度は金子くんがシンガーとしてステージにあがる。
ね、彼、今日はチョー大活躍でしょ?
曲はコレまた『Point of No Return』からで、収録されている2曲の歌モノのウチから「In 2040, on the Beach」を熱唱。

190v_2中間さんもMarshallがよく似合うギタリストのひとりだよね。
背が高いからMarshallの壁とバッチリ組み合わさっちゃう。

130_2出番を終えたNaNa☆ちゃんが客席から声援を送る!

2_img_0646ところで、さっきから出ている中間さんの1989年の初のソロ・アルバム『Point of No Return』ね。
コレ、鍵盤は文明さんがプレイしていたんだね~。
いまだに文明さんって元気にされているような気がしてならないんだよね。
そして、「Sound Producer」として、「森園勝敏」の名前がクレジットされている。
でね、大分前の話だけど、森さんにこのアルバムのことを尋ねたことがあったの。
森さんは「あ、アレね~。なんかオレんとこへ来たときにはもう出来上がっちゃててサ~。完成度が高いんだよね~。だからやることがほとんどなかったんだよね~」とおっしゃっていた。
日本のハードロック・ギターの定番であり、名盤である。

Pon最後はそのタイトル曲を演奏して集まった多くのファンを喜ばせた。

200vステージ下手で抜群の存在感を放出しまくるOZMAさん。
「OZMA」なんてアダ名、スゲエうらやましいってズッと思ってたのです。
私のハラなら「左門」か?
「査問」っていう言葉あるでしょ?「調べて問いただす」ことね。
コレって英語でも「summon」って言うんだよ。
ついでに、「仲直りする」もしくは「仲直りさせる」という意味の英単語は「reconcile(リコンサイル)」。
おかしいでしょ?「仲直り」なのに「離婚」なの。
こうやって英単語は覚える…という悪い例です。

210v_2長田ちゃんも久しぶりだった。
前のバンドでも今でもNATALを愛用してもらってるからね。いいね、長田ちゃんのNATALは!

220永川さんのポジションも真っ暗で…ゴメンナサイ!
でも、永川さんのキーボーズがバンドのサウンドをメッチャ分厚くしていた。

2_img_0386 ココで本編が終了してアンコールに突入した。

240_2アンコールにはSUNAOさんが合流。

250v_2ナニを演るのかと思ったらTOTOの「Children's Anthem」。
290_2意外な選曲だったけど、すごくカッコよかったね!

260vそして、最後は…ドワ~、Rayさん!

270_2どしたのッ?
BLINDMANのRayさんが加わって「Kill the King」をプレイ。

280v_2中間さん本当に楽しそうだった。

230v_2前回Marshall Blogにご登場頂いてから今回のコンサートに至るまで、どんな活動をされていたのか私は寡聞にして存じ上げないが、中間さんみたいな人は常に第一線で活躍していてもらいたいね。
やっぱりスター・ギタリストだからサ。
専門学校を出て、ピロピロと指を器用に回す若いギタリストはもう珍しくも何ともなくなっちゃたでしょ?速弾きはできて当たり前になっちゃったので誰ももう驚かない。
それより、今こそ中間さんのようなワイルドでスケールと音のデカいギタリストが必要なんですよ。
そして、その豪放なプレイで真空管アンプの素晴らしさを伝え直してもらいたいわ。

300v_2最後の最後には弦を引っ張って…

310おしまい~!

320 おもしろかったね~。
転換のストレスもなかったし、フォークから、アニメから、メタルから…様々な音楽が集結するにぎやかなショウだった。

330中間さん、Marshallが待ってますからね~!
遠慮なくバリバリやっちゃってくだされ!
 
Akashic Recordsの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

340_2

<NATAL>について
時は1965年、場所はロンドン。
伝説のパーカッショニスト、アラン・シャープは理想の楽器を編み出すことに没頭していた。 
そして、ついにそれを手に入れた。 
やがてその楽器は多くの人の知れるところとなり、
レッド・ツェッペリン
ディープ・パープル
ザ・ローリング・ストーンズ
ブラック・サバス
UB40
ボブ・マーレー
…らに重用された。
アランは「*ロー・プロファイル・フープ」の開発者。
彼はいつもナニかを作り出そうとしていた。
そして今、我々がそれを引き継いだ。
アラン・シャープのレガシーは生きている。

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

(一部敬称略 2017年10月25日 渋谷Mt. Rainier Hallにて撮影)

2017年12月25日 (月)

MUSIC INNOVATION 2017 TOKYO OCTOBER X'MAS <前編>

  
今日はクリスマスだね。
最近、昔ほど「クリスマス、クリスマス」と騒がなくなったような気がする…と昨年も書いたような気がするが、今年もそういう気がするよ。
え、そんなことない?
歳を取ってまた感度が鈍っているのかな?
それでも、昨日は珍しくロースト・チキンを頂いたわ。
イギリスの田舎のホテルに行くと、「Half Roasted Chicken」というのを出すところがあって、コレがおいしい…というか一番無難。連泊するようなことがあると、毎晩ソレを頼むんだけど飽きない。
ま、どうせ大量に工場で作って、ホテルのレストランの厨房でオーブンに入れて温めているだけなんだろうけど、こんがりとローストした鶏は柔らかく、とてもおいしい。
イギリスは料理がマズイと言われるけど、土からこだわるオーガニックの本場の国なので、たとえ大量生産しているモノでも化学調味料まみれの日本の食べ物よりは格段に安全だ。
でも、付け合わせがよくないんだな~。
たいていがグリーンピースやカリフラワー輪切りのニンジンを茹でたヤツなの。コレはおいしくない。
日本では今時あんまりカリフラワーって食べないよね?
そういう時は「フライドポテトにしろよ~。チップスによ~」とボヤきながら別に注文をすることになる。
コレらをおいしいエールで流し込めば完璧!
昨日のチキンはかなり奥まで味が付いていていたな。おいしんだけど塩を使い過ぎかな?
後でノドが乾いて困っちゃった。
  
さて、本日のマーブロは今から2月ほど早く訪れたクリスマスのレポート。
札幌を拠点に音楽や演劇等のエンタテインメントのプロデュースをしているAkashic Recordsの『MUSIC INNOVATION 2017 TOKYO OCTOBER X'MAS』というイベントだ。

10v_2ステージにはドォ~ン!
フル・スタックの3連!

20ベース・アンプは名器VBA400とVBC412。

30v_2ドラム・キットはNATAL。
最高のバックラインだね!

40…と思ったが、トップに登場したのはMarshallもNATALも使わない「越村九至aka94」のアコギ1本の弾き語り!

50「現実逃避した先も立派な現実」他、個性的な3曲のオリジナル・ナンバーを熱唱してくれた。
ホントだよな~、生きている以上どこへ行っても「現実」はつきまとって来るよね。

60v続いてはガツンとトラディショナルなハード・ロック・バンド、C・R・Y!

70Cameron Lee

80Ryo

90vHiroyuki

100vTakumi

110v「Jane's」、「Friends」、「God help me」の3曲をプレイ。
やっぱりこの手のハード・ロックはよいね。
フーム…なるほど。
このチームはメンバーにネイティブさんがいるようなので、気になってチョット調べたんだけど、3曲目、「God help」と「help」に三単現の「s」がついてないでしょう?
Marshall Blogには政治と宗教のことは持ち出さないようにしているけど、コレはいいでしょう。英語の勉強だから…というのは、キリスト教は「一神教」なので神様はひと柱しかいらっしゃらないことになっている。
つまり絶対に「単数」なワケ。しかも「ワタシ」でも「アナタ」でもないので「三人称」だ。さらに、「help」と現在形になっている。コレ、「現在形」という時制は、日常的に起ることを表現する力を持っているので、「自分が困った時にいつも神様は助けてくれる」という意味が込められているハズ。「♪When I find myself in time of trouble, Mother Mary comes to me」の「Let It Be」と同じ。
でも、「聖母メアリー」の「come」には三単現の「s」が付いている。
ナゼか?
そう、聖母メアリーは神様ではないから。
つまり神様は不加算名詞なんですよ。数えられないの。だから「God help me」となる。
…かどうかは知らないけど。
ま、私はこうやって英語の勉強をしているのです。
でもね、ネイティブではない人の口からこういう表現がスラっとでてくるのは、相当英語に慣れている証拠。
「文化」を理解しているということになるからね。
ところで、最近行ったハードな音楽を演る若いバンドのライブで強く感じたことがありましてな。
記事の順番が来たらその時に詳しく書きます。

120雰囲気がガラリと変わる。
大人の雰囲気。

130Mae Nakama

140vサポート陣は、ギターに金子聡司。170vギターに星諒。ベースはJunya。
写真はないが、ドラムスはkéy。この日、ドラムス向けの照明がなく、ズッと真っ暗で、申し訳ないんだけど写真を撮れないバンドがあったのです。

180曲は「Left to Die」と…

150v「命火」を熱唱。
この曲は終戦直後、当時日本の領土であった樺太で発生した「真岡郵便電信局事件」という悲劇をテーマにした『九人の乙女〜もうひとつの真実』という舞台の主題歌だ。
終戦直後の外地からの引き揚げにまつわる悲劇は枚挙にいとまがないが、それは中国からだけではなく、当時日本領であった樺太から内地(北海道)への引き揚げにも数々の凄惨な事件が発生している。
私は吉村昭の「烏の浜」や「脱出」という記録小説を通じてこのことを少しは知っていたが、この「真岡郵便電信局事件」は知らなかった。
この事件は、南樺太の郵便電信局に勤めていた9人の女性が電話交換の仕事を最後までまっとうし、終戦の5日後、進攻するソ連軍を前に自決したという悲劇。
もう戦争は終わっていたのにソ連は容赦なく樺太に残留する日本人を殺戮し、引き揚げを阻止したんだね。
理由は、まず自分たちの身の安全を確保するため。相手が民間人でもナニをされるかわからないからね。殺すのが一番手っ取り早い。また、引き揚げ者が財産を内地に持ち帰ることが予想されるので、それら何としても取り上げる必要があったというワケ。
もうひとつは捕虜の確保。
捕縛された70万人の日本兵はシベリア送りとなり、鉄道敷設の重労働に就き、10万人が犠牲になった。
160そのシベリアから帰還した香月泰男という画家がいる。
私は立花隆が香月さんのことを話しながら、ボロボロと涙している姿をテレビ見て驚き、興味を持ち、そしてすぐに関連する書籍を読んだ。

Tt香月さんの展覧会にも行った。
シベリア抑留時代の悲惨な日々を独特の技法で描写した作品からは、うめき声が聞こえた。
今回のイベントの出演者は北海道の方々が多いので、わたしなんぞが軽く口にだすべきではないであろうが、私は前の前の仕事で金沢港のマイナス25℃という冷凍庫に入ったことがあるが、何とかもって10分。大腿部が冷え切ってしまってそれ以上は全く耐えられなかった。
シベリアはというと東部のオイミャコン村というところでマイナス67.8℃が記録されているが、コレが人間が住んでいる地域での最低気温なのだそうだ。
そんなところに何年も抑留されてごらん。
その苦しさは並大抵のものではないことが、香月さんの絵から容易に感じ取ることができる。

Ky私なんかはこうした戦争の犠牲者になった方々の話を聞くと無性に腹が立つんだよね。
小学校で使い物になんかならない英語を教えるより、こうした戦争の悲劇を徹底的に子供のころから刷り込むことの方がよっぽど大事だと思いますがね~。
だから、こうしたことを題材にした映画や劇や音楽は大事にせにゃいかん。
日本が戦争に参加できるようになったら映画も、劇も、音楽も自由にできゃせんのだよ。
「暗い歌ばかり」とMaeさんはMCでおっしゃっていたけど、私には大変意義のある時間となった。

190vまたまた雰囲気が変わって、今度はパーリ―級のにぎやかさ!
Unlimited Platinum Tracksの登場だ。

200安達勇人

220v大野雄一

210vサポートでSUNAOが参加。
先日長谷川浩二さんと共演されていましたな?
あ、TMレボリューションつながりか!
230vSUNAOさんは下手のJVM210Hのハーフ・スタックを使用。
250vUnlimited Platinum Tracksは、「Feel My Breath」、「Venus Temptation」、「YABAI! motion」、「FAST&LOUD」、「One Reason」の5曲を演奏。

240ファンの人たちがステージ前に押し寄せ、音楽に合わせてこのセットを楽しく踊り明かした。

260続いてはNaNa☆。
色んなのが出て来て飽きないわ~。

270NaNa☆

280v$hinya

290達使郎

300vリズム隊は航とkéy。
kéyくん、ゴメン!どうしても暗くて撮れん!

310vオープニングは「Starring Start」。
この曲はニコニコ動画の『山田玲司のヤングサンデー』という人気番組のオープニングアニメ主題歌になっているそうだ。

320ま~、元気のいいこと!

330vNaNa☆ちゃんはトークもメッチャ上手でお客さんをいいように惹きつけちゃう。
曲は「Co-to-no-ha」、「Nostalgic Water Jet」と続く。

340そして、松竹芸能 の『松竹アニメ部〜アニメ狂室に集合』のテーマ曲、「曇りのち笑い声」で締めくくった。

350v次はメタル。
Europeの「Final Count Down」でスタートさせたのはMEDIAS ZONE。

360ギター/ボーカルズの金子聡司。

370v星諒

380vJunya

390vキーボーズは Tomo Ishihara。

R_img_0261 kéyくん、見えた!

400v金子くんは以前からの知り合いなんだけど、今回初めてステージを拝見させて頂いた。
弾くわ、弾くわ、もうシュレッディングの権化!

410v歌声がまたスゴイ。
…と思ったら…そうか、20110年の3月に新宿で開催したRandy Rhodesのイベントに出演した中間さんのバンドで歌っていたのは金子くんだったのか!

440この時ね…

R_img_0039 ホントだ!
なつかしいな~。
8年近く前か…。

R_img_0077ステージは「BURN OUT」、「Devil Juice」とメタル一色で進んでいく!

420そうなるとMarshallの壁が一段と映えますナァ。

430最後は「The Powe of the Gate」で狂熱のステージの幕を下ろした。

405Maeさんのバンド、このMEDIAS ZONE、そして明日登場する中間さんのバンド…とこの日大活躍の金子くんなのであった!

450vAkashic Recordsの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

460<後編>につづく
  

<NATAL>について
時は1965年、場所はロンドン。
伝説のパーカッショニスト、アラン・シャープは理想の楽器を編み出すことに没頭していた。 
そして、ついにそれを手に入れた。 
やがてその楽器は多くの人の知れるところとなり、
レッド・ツェッペリン
ディープ・パープル
ザ・ローリング・ストーンズ
ブラック・サバス
UB40
ボブ・マーレー
…らに重用された。
アランは「*ロー・プロファイル・フープ」の開発者。
彼はいつもナニかを作り出そうとしていた。
そして今、我々がそれを引き継いだ。
アラン・シャープのレガシーは生きている。

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

(一部敬称略 2017年10月25日 渋谷Mt. Rainier Hallにて撮影)

2017年12月22日 (金)

だから私は、Marshall。~私の居酒屋について来れる?

 
久しぶりに仕事で来る港ヨコハマ。
天気ワル~。

10今日はパシフィコ横浜にやって来たのだ。
ココへ来ると必ずジム・マーシャルのことを思い出す。
まだ楽器フェアをこの隣の展示場でやっていた2003年、ジムはこのホテルに滞在した。
この時がジムの最後の来日になった。

20詳しくは『ありがとうジム・マーシャル!<中編>~I Remember Jim! 2』という記事に書いたが、この車寄せで車を待っている時に、前日のしくじりをジムに詫びた。
この時のことを本当にハッキリ覚えている。
私の前に立っていたジムは、振り返って私をチョット見上げ、「フォッ、フォッ、フォッ」とニッコリ笑いながら「Never mind!」とおっしゃった。
もちろん「気にしないで!」という意味なんだけど…と、いうことは忘れてないんじゃん!というワケ。

30以前にポータブル・オーディオの展示会のレポートを『あなたが知らない世界』と題してお送りしたことがあるが、今日も「私が知らない世界」へと足を踏み入れる。
1_img_0279今回は『居酒屋甲子園』というイベント。
何なのソレ?…という方も少なくないだろうが、イベントのタイトルからおおよその察しを付けることができるだろう。
そう、全国の居酒屋の最優秀店を決める「居酒屋の甲子園」なのだ。
それに加え、売り上げを伸ばしているお店のノウハウを勉強することができる居酒屋さんの一大研修会とでも言おうか…。
え?そこへ何でMarshallが来てるのかって?
実は…居酒屋「ま~しゃる」を始めるので勉強しに来たの。
なんてことはないワケで…

50このおふたり。
D_DriveのSeijiさんとYukiちゃん。
熱心にも「居酒屋でぃ~どらいぶ」のために研修を受けに来たのだ。
…なんてことはないワケで、「このイベントを盛り上げるためにD_Driveの音楽が必要」…と、お呼びがかかったのだ。

60_2まずは前日のリハーサルのようすから。
ステージ裏でプレイを確認するふたり。

70_2会場はこんな感じだからね。
明日の本番は5,000人の居酒屋関係者でココが満席となる。
スクリーンのすぐ右隣りに注目!

80寄るとこうなる。

90演奏する曲は「The Lat Revenge」。

2_img_0016 泣いても笑ってもコレ1曲。

1_img_0091 ふたりが目にしている光景はコレ。
いつも演ってるライブハウスより幾分広い感じかな?

120今回は演奏する場所が狭いこともあり、いつものMarshallのハーフスタックはなし。

130v_2その代わりASTORIAを用意した。
ふたりは楽器屋さんでASTORIAのイベントをやってくれるほどこのモデルに詳しいからね。
いつものハーフ・スタックでなくても何の問題もない。
その代わりMarshallでないとダメね。それも真空管のモデルじゃないとダメ。

140Seijiさんは…

150v2チャンネルのブルー・ハワイ、ASTORIA DUAL。

160足元のようす。
190Yukiちゃんは…
110v_2歪みが得意なアズキちゃん、ASTORIA CUSTOM。

180足元のようす。
YukiちゃんはASTORIAの純正のフットスイッチもセットした。

165リハ―サルは続く。

170_2ふたりが演奏するのは上に書いた通り、「The Last Revenge」だ。
「Shape of Your Life」とカップリングされた1年前にリリースしたシングル曲。

200_2ナンだってこの場で、この曲を演奏することになったのか…。

220vそれは…このイベントのプロデューサーがD_Driveのファンで、表彰式の選手(?)入場のシーンでどうしても「The Last Revenge」を使いたくてホンモノ半分だけを呼んでしまったというワケ。

230v_2念入りにリハーサルやったね~。
今晩見る夢は完全に「♪タラッタ~タラッタ~タラタラタラッタッタッタ~」だぜ。
本番は翌日。
「細工は流々、後は仕上げを御覧じろ」ってか!

240_2ハイ、翌日。
この『居酒屋甲子園』はアニュアルのイベントで、今回で12回を数える。

250_23階まで満席。
皆さん、売り上げを伸ばしている他店の成功例やノウハウを吸収しようと真剣なのだ。

255プレゼンをするお店のスタッフは前日から熱心にその練習に没頭していた。
アチコチから様々なスローガンや自店の心意気を表した言葉が聞こえて来る。
「『おいしかった』より『楽しかった』を!」…な~んて実にいいじゃない?
1_img_0380ロビーには『居酒屋甲子園』のオフィシャル・グッズも用意されていた。
270_2「What is your core?」が今回のテーマ。
私はナンだろな…やっぱりMarshallだな。
衣料やアクセサリーだけではなく、過去の大会の様子を収録したDVDなどもラインアップしてあって、みんなそれを見て勉強するワケですな。

280_2予選を勝ち抜いてきたお店のブースも設置されている。

260_2

290_2

300

310

320

330

340大会が始まった。
まずは『居酒屋甲子園』の主旨や選考方法についての説明がなされる。

350コレすごいんだよ。
1年かけてジックリ選ぶんだから。
審査員が一般のお客さんの体でお店に赴き、ありのままのお店の様子をチェックする。
いわゆる「覆面調査」ってヤツ。
コレを何回か受けた後、プレゼンや面接を経て、1756店の中から5店舗を抽出する。
そして、その5店がいよいよ今日のこの場に臨み日本一の居酒屋の座を獲得せんと火花を散らすワケ。
何せこの大会で優勝しようものなら、翌日からは予約がゼンゼン取れなくなってしまうほど全国から注目を浴びることになるのだ。

2_img_0085 過去の受賞者の体験談や成功事例などもタップリと紹介される。

370イヤ~、大変なもんですな~。

360コレ見ちゃうとね、「唐揚げひとつ」おろそかには食べられなくなるよ。

380客席では皆さんプレゼンに耳を傾け、熱心にメモを取っている。

375そして、『第12回居酒屋甲子園』決勝大会のエントリー店がステージに集結する。

390ココで登場するのがSeijiさんとYukiちゃん!
イヨッ!「居酒屋でぃ~どらいぶ」!

400曲は予定通り「The Last Revenge」。

410「♪タラッタ~」が会場の10,000個の耳に突き刺さる!

440そして、ふたりが演奏している間にエントリー店が続々とステージに現れる。

490チョットこの曲だとハード過ぎるのでは?と思っていたがゼンゼン!

500エキサイティングな雰囲気を実にうまく醸し出していた。

420v

430v選手(?)の入場が遅れたりしたら先に曲が終わってしまいバツの悪いことになってしまうからね~。

510でもそんな心配はご無用。
昨日の念入りなリハーサルが奏功してバッチリと収まった!
しかし、ココにいるお客さんはXperiaのCMを見て、Yukiちゃんのことを「あ!『居酒屋甲子園』の女の子だ!」って思っただろうな。
違います。
「居酒屋甲子園の女の子」ではなくて「D_Driveのギタリスト」です。
540ハイ、お疲れさまでした~!

520v2日間、ご苦労さまでした!

530vSeijiさんとYukiちゃんの熱演でスッカリ盛り上がった居酒屋甲子園。
ここからは最終選考に残った5店のプレゼンとなる。

550皆さん、ホントにアツい!

560「私たちはー!」
繰り返しになるけど、こんなに情熱を傾けてお店をやっているのかと思うと、ホント、客の方も真剣に飲み食いしなきゃいけない気になるよ。

580まさに『七人の侍』の島田勘兵衛状態よ…「このメシ…おろそかには食わんぞ」ってヤツね。

590最終的に第12回居酒屋甲子園の栄冠は…
北関東地区から選出、埼玉県の「三好屋商店酒場 深谷店」さんの頭上に輝いたそうだ。
おめでとうございます!
 
居酒屋甲子園の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

600やっぱりASTORIAいいな~。
だから私は、Marshall。
 
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

140(一部敬称略 2017年11月13&14日 パシフィコ横浜国立大ホールにて撮影)

2017年12月21日 (木)

サイキックサーカス始動!レコ発ライブ!!

 
サイバーニュウニュウのメカ・エルビスの新しいバンド、サイキックサーカスのデビューCDが昨日リリースされた。
「サイキック」…英語で書くとムズカシイんだよね、綴りが。
「心理学」を意味する「psychology」という単語は『試験に出る英単語』の比較的はじめの方に出て来るんだよね。つまり試験に出る確率が高い受験生にとっては重要な単語というワケ。
そこに「『プショロジー』なんて読まないように注意」と書いてあったのを思い出す。
「psychic」は「精神の」とか「精神的な」という形容詞。
では反意語はナニか?
そう、「physical」で「肉体の」という意味。綴りはこっちの方がラクだね。オリビア・ニュートン・ジョンのおかげで一般的な言葉になった…なんていうのは古いか。

10cd_2さて先日、そのレコ発ライブが開催された。
グループ名の通りマーキー柄をあしらったサーカスのイメージがいいね。

Pcいきなり当日の終演後の話をして恐縮だが、BGMにThree Dog Nightの「The Show Must Go On」がかかっていた。
ご存知の通り、この曲はアタマに例のサーカスのテーマソングみたいなアレがくっついている。
そのサーカスのメロディに続いて出て来るのがタマらなくいい曲で、中学の時かな?高校の時かな?すぐにレコードを買いに行った。
下がその「The Show Must Go On」が収録されている『Hard Labor』というアルバム。
いいジャケットだよね~。
「hard labor」とは「重労働」ということ。
洋の東西を問わず「お産」は大変な仕事ということだ。
コレ、分娩室に見えるけど、レコーディング・スタジオなんだよね。
このバンソウコウがステッカーになっていたが、アレはオリジナル盤だけだったのかな?時折ハンターでそういう仕様のモノを見かけたが、私が買ったのはリリースから何年も経ってからだったのでバンソウコウは印刷されていた。
Three Dong Nightは3人編成のマルチ・ボーカルズをフィーチュアしたポップ・バンドだっで、1973年に来日もしている。
その3人のシンガーのうち、Chuck Negronが歌ったこの曲は全米第4位のヒットとなった。
Queenにも同名異曲があるが、残念ながらこの曲はThree Dog Nightのオリジナル曲ではない。

20cdオリジナルはイギリスのシンガーソングライターのLeo Sayerによるもの。
「The Show Must Go On」を収録しているのはこの『Silverbird』というアルバム。
好きだったナァ。今でも時々聴いているんよ。
Leoのオリジナル・バージョンでもあのサーカスのメロディを聴くことができる。
しからば、このサーカスのテーマみたいになっている曲は一体ナンなのか?
コレは、ユリウス・フチークというチェコの作曲家の「剣闘士の入場」という曲。
フチークは軍楽隊の指揮者を長いこと務めた人で、行進曲やポルカをたくさん作って「ボヘミアのスーザ」の異名を取ったらしい。
なるほど、実際にオリジナル・スコアのバージョンを聴いてみると、サーカスっぽいのは最初の方だけで、全体としては完全に「マーチ」。
ましてやこのクロマチックのカタマリのようなメロディがサーカスに使われていることを知らなければ、聴いても「サーカス」という言葉は頭に浮かんでこないだろう。
イメージっていうものはスゴイものだよね。
今、この曲が軍隊の行進に使われたら、間違いなく「サーカス」の軍隊だと思われるわな。
さて、「The Show Must Go On」。
題名からすると「それでもショウは続く」…と、芸人の根性物語のコピーのようなイメージがあるが、実は違う。
Leoは各コーラスを「I won't let the show go on」と結んでいる。
反対に歌の中には「The show must go on」というタイトルとなっている一節が出て来ない。
この曲は「もう心が折れてしまって、ショウを続けることはできない!」という道化師の叫びの歌なのね。
ところが、Three Dog Nightバージョンは、すべてのコーラスを「The show must go on」と歌っているんですよ。
エンターテインメントに対する英米の考え方の違いなのかな?
コレを聞いたLeoは大層怒ったのだそうだ。
そりゃそうだよね。
作者の意と反対のことをやられたんだから。
でも、名曲だからこそこういうエピソードが成り立つんですな。

30cdさて、サイキックサーカス。
客電が落ち、ステージ下手から登場したのは全身を電飾に包んだ人。

40メカさんにキマってる!
大きな拍手が沸き上がる!

50vそして、ショウが始まった!
それこそ3管のホーンがメロディを奏でる「剣闘士の入場」のようなテーマ・ソングから…

602人の女性シンガーが加わりサイキックサーカスがスタートした。

70メカ・エルビス

80v諸藤英太郎

90v忍者ボーイ・ヒデ
以上の3人はサイバーニュウニュウを経ての参加。

100vベースは上埜トヲル。

110vそして、魅惑のボーカルズ。
エビ沢キヨミ

130vGOW

120vコレにホーン・セクションが加わる。
アルトサックスは麻世。

140vトランペットは今泉直司。

150トロンボーンは小池隼人。
私事ですが…この日、会場はそれこそ立錐の余地がないほどの満員状態で(ハッキリ言って入れ過ぎです)、一旦脚立に乗ったが最後、身動きが全く取れない状態だった。
その結果、私の位置からは上手の奥が完全に死角になっていた。
それで、最初の方の曲でボントロ・フィーチュアの曲があって、上手から出て来たトロンボニストを見て驚いた。
結構、大きなショックだった。
ナゼなら、小池さんが私の前の会社の後輩と取り返しがつかないぐらいソックリだったのだ。
その後輩は学校も同窓で、2001年のMarshallのイベントで、私のミスで小川銀次さんを激怒させてしまった時、夜中まで一緒に謝ってくれた男。
しかも、その後輩はトロンボニストだったのだ。
もう、髪型から、顔つきから、身のこなしまでウリ二つで、終演後「どうやってアイツを驚かせてやろうかな~」と、も~メンバー紹介でお名前を確認するのが待ち遠しかった。
ゼンゼン違う方でした。

160v何しろにぎやかなファンキー・サウンド!

170冒頭にThree Dog Nightが登場したのは偶然なんだけど、マルチ・ボーカルズの強みを活かした楽しいステージだ。

185このハチ切れんばかりのサウンドを律動させているのが英太郎さんとNATAL!

230v愛器のアッシュ・キットを豪快に鳴らしてくれた。
コンフィギュレーションは10"、12"、16"、22"。
スネア・ドラムは14"x6.5"のステイヴ。
イヤ~、このステイヴとバス・ドラムのサウンドのコンビネーションがこの上なく素晴らしい。
ガッチ~とバンドを引き締めて、かつ、すさまじいグルーヴ感を演出していた。
やっぱりNATALって音がいいな。

240もちろん2人のシンガーをソロでフィーチュアしたコーナーも。
まずはGOWさんから。

190vキヨミさんのパートではヒデくんのクモの巣が炸裂!

210忍者ボーイだからね。

220お召替えも数回。
至れり尽くせりのエンターテインメント・ショウなのだ。

250メカさんのソロもところどころに挟み込まれロック・フレイバーを添える。

260アンコールでも衣装を替えて熱演を見せてくれた。

270そしてエンディングはヒデくんの大ジャ~ンプ!
キマったね!

280英太郎さんがひとりステージに残ってご挨拶した後、記念撮影を提案。

290サイキックサーカス、発ライブ大成功の図!
これからのご活躍をお祈りしてます!
  
サイキックサーカスの詳しい情報はコチラ⇒公式facebook または公式Twitter

R_group

<NATAL>について
時は1965年、場所はロンドン。
伝説のパーカッショニスト、アラン・シャープは理想の楽器を編み出すことに没頭していた。 
そして、ついにそれを手に入れた。 
やがてその楽器は多くの人の知れるところとなり、
レッド・ツェッペリン
ディープ・パープル
ザ・ローリング・ストーンズ
ブラック・サバス
UB40
ボブ・マーレー
…らに重用された。
アランは「*ロー・プロファイル・フープ」の開発者。
彼はいつもナニかを作り出そうとしていた。
そして今、我々がそれを引き継いだ。
アラン・シャープのレガシーは生きている。

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

(一部敬称略 2017年12月15日 下北沢MOSAIC撮影 ※集合写真提供:諸藤英太郎)

2017年12月20日 (水)

『ROAD TO EDEN』のJEKYLL★RONOVE

   
EDENがMarshallの傘下に加わって6年経つのかな?
我々は「エデン」と発音するけど、ネイティブさんたちは「イードゥン」みたいに発音するんだよね。

10logo_2おかげさまで、このTerra Nova TN-501という500Wのモデルの評判が大変よろしくて喜んでいる。
今日はEDENの話…。
といっても、ベース・アンプのEDENではない。

20

同じEDENでも、今日はフジテレビが制作する『ROAD TO EDEN』というテレビドラマの話題なのだ。
というのは…ナント!
JEKYLL★RONOVEの曲がそのドラマの挿入歌に採用されたのですよ!
そして、そのドラマが地上波で放映されることになり、昨日それにちなんだ『試写会&トーク・イベント』が開催された。
今日のそのイベントのレポート。
  
まずはその第1回放送分をみんなで鑑賞した。
地球とは別の荒廃した惑星が舞台のSF劇。
人類を支配する「ニュークローン」という連中との戦いを背景に、主人公の出生の秘密を明らかにしようとエデンを目指す…というお話。

30試写の後、司会者が舞台に登場。

40司会はフジテレビのアナウンサー、渡辺和洋。

50vステージ上手にはMarshallのハーフ・スタックが2セット。

60そして、主演の皆さんがステージに現れた。

70主役の柄本佑。

80v久松郁美

90v松田慎也

100v桜田通

110v三浦真耶

120v台湾でのロケがスゴイの。
CGもタップリと導入されて『ターミネーター』とか『バイオレンス・ジャック』とか、その手のモノが好きな人にはタマらない作品だろう。
撮影の裏話をタップリと聞かせてもらった後はフォト・セッション。
JEKYLL★RONOVEや主題歌を担当したUse With Cautionも登場。

130前日、「緊張している」と言っていたN★OTOくんだったけど、ナンダよ、ゼンゼンいつも通りじゃん?

140この作品を音楽で支えた2つのチームからもメッセージが発された。

R_img_0035 JEKYLL★RONOVEはJEKYLLちゃんがご挨拶。
155「ただ光栄です。これまでバンド活動をしてきた中で色々な方のお力添えを頂いたおかげでここまで来ることができました」
2_img_0062「ドラマのメッセージがバンドの思いと同じで、一緒に理想郷のEDENを探し求めて頂けたら…と思います」
…と、まるでスミレのように清らかなメッセージがJEKYLLちゃんから発っせられた。150「トーク」のコーナーを終えてイベントは「ライブ」のコーナー。
最初に演奏したのはUse With Caution。
アダ名を「ゆず胡椒」というそうだ。
ずいぶんウマいことを言うヤツがいたもんだ。まるで「掘ったイモいじるな」じゃんか!
Use With Cautionはドラマの主題歌を提供している。

160ヨシスエコージ

170ジニー早﨑

180芳賀慎司

190熊澤伸義

200ギターの 早崎くんは普段からMarshall。
曲想にピッタリのディレイ・トリックを効果的に使っていた。
コレぞ今時のギター・スタイル。

210平均年齢22歳!
メンバーには現役の大学生がいるのだとか。
完全に今のロック・サウンドで、ドラマの主題歌「EDEN」を含む3曲を熱演した。

  

Use With Cautionの詳しい情報はコチラ⇒【四人組ロックバンドゆずこしょーの公式サイト】

220続いてJEKYLL★RONOVEの4人が登場。
アングルが似通っているのは、ご用意頂いたプレス席から移動ができなかったからです。
横着しているワケではありません。

230Jekyll

240N★OTO

250SEI

260キャプテン★いえっち
410N★OTOくんは自前のMarshallを持ち込んだ。

280Silver Jubilee 2555Xと1960BVだ。

290Jubileeの上には敬愛するSLASHが…。
向こう側はジャック・スパロウだって。

3001曲目はアルバム『E=mc2』から「Guilt or Innocence」。
ゆずこしょーとは正反対のハードロック・サウンド!
こんなに違ってて大丈夫なのかッ?!

310前回観た時は半分コピー曲だったでね。
今日は3曲といえども全部オリジナル。
こっちの方がゼンゼンいい。

3202曲目にはドラマの挿入歌「Always~The answer is blowin' in the wind~」を熱唱。
Bob Dylanか…こういうクラシックなネタをガツンと組み入れるのもこれからのひとつのやり方かも知らんな。
ドンドンやるがいい。
先日もあるフェスに出ていた若いバンドが「Purple Haze」をモチーフにしたオリジナル曲を演奏していたけど、すごくいい感じだった。
若い人は過去の音楽を徹底的に勉強して新しいモノをジャンジャン作り出してもらいたい。
現在の音楽には未来はないからね。過去の音楽のなかにこそ未来がある。
ま、このJEKYLLちゃんの作品は、曲自体は「Blowin' in the Wind」とは毛色が全く違うけどね。

330試写で観た第1回目のエピソードの中でも実に効果的に使われていた。
JEKYLLちゃんの声が実にいいんだな。
キャストの三浦さんはイントロを聴いただけでナミダが出てしまう…という。

340最後はこれもアルバム『E=mc2』に収録されている「HELTER SKELTER」。

350グリングリンのハードロックでイベントを大いに引っかき回す!
しかし、タマらないね、この声は!
チョット鼻にかかった芯のシッカリしたサウンドはまさにMarshall Jubilee!

380最後の曲だけギターを持ち替えたN★OTOくんも最後まで大熱演!

390オイオイ、あんまり近づくとまたボコっとやられるぞ!

400鮮やかなベース・ソロも見せてくれたSEI。
次回のベース・アンプは間違いなくEDENだろうな…。

370いえっちの豪快なドラミングも素晴らしかった!
やっぱハードロックはいいね~!
360JEKYLL★RONOVEの詳しい情報はコチラ⇒official site

420『ROAD TO EDEN』は毎週水曜日24時55分から。
初回の放映は2018年1月17日。
ドラマだけでなく、ブラウン管から流れて来る…今はブラウン管じゃないか…テレビから流れて来るこの2バンドの音楽がどんな場面で使われるのかも楽しみだよ。
  
それと!
今日ナマで披露したJEKYLL★RONOVEの「Always」とUse With Cautionの「EDEN」の音源が配信されることが決定している。
開始は2018年1月18日から。
配信される曲目は;
JEKYLL★RONOVEが…
1. Always~The answer is blowin' in the wind~
2. VENOM
3. HELTER SKELTER
そして、Use WIth Cautionが…
1. EDEN
2. タイトルバックの続きを
…となっている。
さらに!
「Always」とEDEN」が同時に収録されたCD。つまり物体も2月21日に発売されることが決まった。
こういうの「スプリット・シングル」っていうんだって。昔の「両A面シングル」って感じかな?
コレらの音源でEDENへの道をたどろうではないか!
双方よろしく!

Rte (2017年12月19日 赤坂BLITZじゃなくて、マイナビBLITZ赤坂にて撮影)

2017年12月19日 (火)

犬フェス~コピー・バンド決勝大会 <前編>~私のディープ浅草 <その3>

   
「犬フェス」か…私は特段犬好きでも、動物好きでもないがいい名前だと思う。
「犬神フェスティバル」を略して「犬フェス」というワケでもなし、最初から「犬フェス」としているところが何とも犬神サアカス團らしいではあるまいか。
2回目の開催。
前回は「プロのバンドが犬神の曲を演奏する」という内容であったが、今回はアマチュア・バンドによるコンテストとなった。
下のチラシにあるように「厳正な審査を勝ち抜いた犬神サアカス團のコピーバンドによる決勝大会!」だ。
ん?…「厳正な審査を勝ち抜いた」?
コレは変でしょう?
「厳正な審査を経て勝ち抜いた」が正しいところではなかろうか?
「審査」自体は勝負ごとではないので、「勝ち負け」はつけられない。
な~んてね、
タマには揚げ足取りもよかろう。
「クセ」のある連中が集まったイベントだけに私も「ナンクセ」をつけてみた。05v「うぇいうぇいうぇいうぇいうぇい!」
司会はおなじみ魔将軍チャッキー!
「千葉県市川市の魔界から来ました~!」
うぇいうぇい!あの魔界には私も2年ほど住んでいたことがあるぞ!
駅のすぐ横の「田吾作」といううどん屋が大好きだった。まだあるのかな?
魔将軍からこのイベントの主旨が説明される。
優勝者には犬神サアカス團の前座として同じステージに立つ権利が与えられるという。
その他、個人賞もモロモロ。
徹頭徹尾、犬神にまみれた豪華イベントなのだ!

20vさっそく「團」の登場だ!

30まずはメンバー各々からひと言ずつご挨拶。
「ボクらが愛している曲を何度も聴いて、音を採って、一生懸命やってくれたのかと思うだけで胸がイッパイです!」とジョニーちゃん。

40v凶子姉さんは、「今日はみんなガンバルと思います。そんな中で我々が一番チャンとやらなきゃいけない…というプレッシャーを感じながらもガンバります!」

50v「個人賞の景品も豪華です。真剣に審査したいと思います!」とはジンにい。

60v最後は明兄さん。
「2年前からこの企画を考えていました。それがやっと形になってうれしいです。コレが続いていったらいいな…と思います」
大丈夫でしょう。
ナントならば、いつも書いている通り、ファンがジャンジャン入れ替わって、犬神さんには若い人たちも多いから。
伝承がうまくいっているので、ズッと続けることができると思いますよ。

70vところで、明兄さんの毒蛾のようなマツゲ。
いつ見てもスゴイな。

80一番最初に見た時、即座にこのToddを思い出したわ。
Toddの代表作の2枚組『Something/Anything』を日本で編集したアルバム『Hello It's Me』。
私はコレ、14歳の時に買って「I Saw the Light」の良さにビックリしたわ。
それから10年チョット経って中古レコード屋に売ったら、買った時より高い値がついてまたビックリした。
そして、売らなければよかったと後悔した。

85cd開会宣言よろしく…

90「キンメダイ」の社歌を斉唱した。

100vさて、厳選な審査を経て決勝大会に進出した皆さんがステージで使用するバックラインは…
ギター・アンプはMarshall。

110vベース・アンプはEDEN。

120vヘッドは大人気のTerra Nova TN-501。

130そして、ドラム・キットはNATALね。

140「さっそく犬フェス始めるぜうぇい!」

150vトップ・バッターは福島県はいわき市から参加の「犬っ子サーカス團!」。
初めてのステージだそうだ。

1_img_0033 ゆら

170vこうた

180vそういち

190vあやた

200曲は「幽霊忌憚」と「命みぢかし恋せよ人類!」の2曲。

210まだ皆さん、10代だでね。
ギターのこうたくんは暴れすぎて何度もギター・ケーブルを抜いちゃった!
何しろ元気イッパイ、忠実に犬神ミュージックを再現してくれた。

220審査員席の犬神メンバーさ~ん!

230情次兄さん、「初ライブとか言ってたけど、楽しそうにやってたね!張り切りすぎてケーブルが抜けちゃったけどギリギリ間に合ってヨカッタね!」
   
※Marshall Blogでは「シールド」という言葉を使わないのでチビッとアレンジさせてもらいました。

240v明さん「そうだねェ、始まった瞬間から涙が止まらないよ!可愛くってサ!やばい…本当に泣いちゃった!」

250「うぇいうぇいうぇいうぇいうぇい!次のバンドは水仔寺!」

260今度は杉並から来たトリオ。
明兄さんじゃないけど、ステージの中央に「遺影」が飾ってある。
ま、出て来るべくして出て来たタイプやね。

270ギターは犬神ちゅうこ。

280vベースに犬神ちょうこ。

290vドラムスが犬神けしこ。

300vボーカルズの方は先ごろ亡くなられたそうです。

310取り上げた曲は「後生車」。
ナンカ、みんな渋いな。
「後生車」なんて落語の題名みたいだけどスゴイ曲だ。アレは「後生うなぎ」か…。
2_img_00752曲目は「瘡の妙薬」。

2_img_0054 ココのチームはアングラ感をプッシュした「負の犬神」みたいな感じ?…と思ったらなるほど「暗黒アヴァンギャルド・バンド」を標榜してるんだって。
独特の世界だった。

2_img_0053 凶子姉さん、「多分、演奏しながら歌うってムズカシイよね?ボーカルズさん死んじゃったからしょうがないけど。
みんなチビっ子でよく学ランがあったね!このまま私がボーカルズで入ってもできるね!チビっ子で可愛かった!」
  
※Marshall Blogでは「ボーカル」は正しい英語に倣い、常に「ボーカルズ」と複数系で書き表しています。英語では歌と鍵盤のパートは常に「vocals」と「keyboards」と複数形で表現するのが普通です。

320芝居仕立てで始まったのは「なな神サービス団」。
ギターの人が読んでいるマンガは「ガロ」。
犬神サアカス團は、その昔ガロの文通コーナーでメンバーを集めたとか…。

330vキーボーズ入りの5人チーム。
結成は2014年。
曲はまず「レクイエム」。

340なな神なな
1_img_0146なな神けいた

360vなな神たかお

370vなな神さたろう

390vそしてキーボーズのなな神まみ。

380vもう1曲は「くたばれ」。
350小芝居を交えてこのチームも正統派犬神ワールドを展開した。

400「もうね~、涙が止まらないね!工夫してるよね。色んな所から抜いてきて、ボクらのエンターテインメント性をよく消化してくたよね。『くたばれ』なんて渋いね!最近演ってないよね」
  
※「くたばる」の語源は「くたくた」と「へたばる」が合体してできたという説があるが、多分違うだろう。この他にも色々な説があって実のところは不明らしい。
※「なな神」と言えば「七福神」。七福神をスラスラ言える人は存外に少ない。「恵比寿天」だ「大黒天」だのは簡単に出て来るが、たいてい「福禄寿」でつまづき、もうひと柱であるところの「寿老人」が出て来ず六福神で終わってしまうケースがなんと多いことか…私は言えます。

2_img_0044「うぇいうぇいうぇいうぇいうぇい!次で最後だ!」

406v一人サアカス團の犬神ゴマ丸。
「見て!私、きれいなあざらしでしょ?!」
バッキング・トラックを使っての演奏。
「ひとりコピー・バンドという無謀な挑戦ですが、やらずに後悔するより、やって後悔した方がよいという思いで応募しました」という。
ココまでくれば、やって後悔するってことはないでしょう!

410曲は「桜散る中」と「聖約」。
ジョニーちゃんに「リズムの向こう側を見た気がする(←コレはナイスな表現ですナァ)」と絶賛せしめたギター・ソロ!

420vバッキング・トラックを使ってのエントリーなんて今の子ならではだよね~。
色々な形態があっていいですよ。
一人サアカス團がトリを務めるという構成も強烈といえば強烈だった。
  
※文中に記した出場者さんのお名前は一発勝負で聞き取ったものなので誤謬が多々あるかとは存じますが、正しい情報が入った時点で都度直してまいりますことご了承願います。

430凶子姉さん、「ネタからブッ込んでいきましたね!出オチになる要素がイッパイだったけど、15分の間、会場を惹きつけていたのはスゴイよ!」
ジン兄さん、「自分で録音したという『桜散る』のベース。ちゃんとコピーしてましたね~!声のキーが高くてヨカッタですね。男性があのキーで歌えるってスゴイですよ!」
明兄さんは横で泣いていた。

2_img_0047 「うぇいうぇいうぇいうぇいうぇい!次は犬フェス・スペシャル・バンドです!」
…ということで<後編>につづく。
 
犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式家頁
 
※ウチのPCは「うぇい」と1回タイプするだけで5回「うぇい」が連なって変換される。

440v   
(一部敬称略 2017年10月8日 高田馬場CLUB PHASEにて撮影)

さて、今回で3回目となる「私のディープ浅草」。
段々犬神サアカス團の「女殺火箸地獄」との関係も薄れるわ、なかなか本題に入らないわで迷惑に思われている方もいらっしゃることだろう。
そういう方はココでバイバイ。
ご興味がある方は下から切り離して前回に次に足しておいてくだされ。

  
--------------------------きりとりせん------------------------

  
前回「吉原は元々人形町にあって、それを『元吉原』と呼ぶ」ってなことを書いて、人形町の交差点付近のようすを紹介した。
実はコレを書いた時、ものすごく迷ったのね。
何に迷ったのかというと、人形町の交差点からはさほど遠くはないにしろ、その「元吉原」はもっと秋葉原寄りにある隣町の堀留町に存在した…という説があることを知っていたからだ。
どちらが正しいのだろう?とさんざん悩んだあげく、「元吉原総鎮守」というコピーを掲げる末廣神社の威光に負け、「堀留」案を引っ込めた。
では、何で「元吉原は堀留町にあった」ということを知ったのかというと、その出自は下の写真の本にある。
この『吉原夜話』は、喜熨斗古登子(きのしことこ)という新吉原にあった「中米楼」という妓楼の家に生まれ、初代市川猿之助に輿入れしたという女性が著した本だ。
今の東京新聞の前身である「都新聞」に連載されていたインタビューを一冊にまとめたもので、喜熨斗さんの言葉が仔細に筆記されている。
インタビュー大正期のことだから、連載されていたのは100年以上も前のことだ。
そして、この本が上梓されたのが昭和39年。
現在でも装丁を変えて出版されているが、私はこの箱入りのオリジナル・バージョンが欲しかったので、東京オリンピックがあった年、すなわち私が2歳の時のモノを手に入れた。
ゼンゼン高くはなかったんだけどね。
ただ53年前で定価が950円もしている。
昭和39年の大卒の初任給は20,000円内外だったらしく、物価水準は現在の1/10と見て差し支えないらしい。
ということは、今の感覚で言うと、この250ページ足らずの本が9,500円もすることになる。
コレは高いよ!当時は相当高級な書籍だったハズだ。
前の持ち主が大事にしていたのか、ロクに読まなかったのか、私が入手したモノはまだ製本が大変シッカリしている。
1,200円で買ったの。
内容は…メチャクチャおもしろかった!
江戸時代から明治にかけての吉原や東京の様子が、喜熨斗さんの口から出たナマの言葉で綴られているワケ。
つまり、本物の江戸時代の人の言葉をそのまま聞くことができるシロモノなのだ。
昔の女性はこんなクチのききかたをしていたんだナァ…と思うことしきり。
カッコいいの。まるで落語を聴いているようだ。
そう、落語を聴いていてつくづく思うんだけど、日本人ってオッソロしく多くの言葉を切って捨てて来ているんだよね。
あまりにもクダらないマスコミやテレビのおかげで日本語のステキな部分を台無しにし続けているのだ。
日本人は日々の生活の中で5万語を使い、その点英語はたったの2万語しか使わない…という話を聞いたことがあるが、恐らくコレは昔の話だろう。
英語など足元にも及ばない数多くの擬音語や擬態語が示すように、日本語ってのは英語より語彙がゼンゼン豊富なのだ。
そして、何よりも響きが上品で美しい。
コレは四季が豊かに変化することに起因しているとよく聞くが、まさにその通り。
そのおかげで食べ物や着る物の種類が多くなり、それに連れて語彙も多くなったのではないか?
落語を聴いていると、登場人物がナニを着ているか…ということをすごく細かく説明するでしょ?
アレは季節とそれを着ている人の暮らしぶりを表現しているに他ならない。
そして、それを理解している寄席の客さんがスゴイ。
私なんか恥ずかしながらその衣料のことに関しては、出て来る言葉がほとんどわからないもんね。
あ、それと日本はイギリスと並ぶ世界の文学王国なんだよ。
そのおかげで語彙が豊富なのか、語彙が豊富だから文学が盛んなのかはわからないが、昔は知的な国民であったことは論を俟たない。
 
それで、この本の中で喜熨斗さんがいとも簡単に言ってるんだよね…「元吉原は堀留でしたかしら?」って。
「人形町」とは言ってないの。
また別の回で紹介するが、その後、昔の吉原の関係者の方が書いた他の本を読んでも「元吉原は堀留二丁目にあった」ということが書いてあった。
それでいよいよ「人形町」か「堀留町」かがわからなくなってしまったのだ。
ま、双方近くだからゴッチャになっているか、昔は堀留町と人形町を同じに見ていたのか…いずれにしても彼の地を一回押さえておこう。

10…ということでやって来たのは中央区日本橋堀留町。

20400年前の話だからね、「元吉原」のカケラもありゃせんわな。

30_2この辺りも通勤路で何度通ったことか…。
古いモノは何にもないことは先刻承知。

40コレぐらいかな?
椙森神社(すぎのもりじんじゃ)は、江戸時代には柳森、烏森と並ぶ「江戸三森」の一角として栄えた…って、そんな「三大」あるの?!

R_0r4a7975ここはまた、江戸時代は富くじで大層にぎやかだったらしい。
「富くじ」っていうのは今の宝くじね。
「富久」だの「水屋の富」だの、富くじを題材にした噺も多いよね。

R_0r4a7972 さて、吉原に関する専門書の類を読むと間違いなく出て来るのが「吉原への道」。
つまり、昔の皆さんはどうやって吉原へ行ったか…ということ。
吉原は今でも交通の便が悪いところだ。
「陸の孤島」とまでは思わないけど、「最寄りの駅」がないところなんだよね。
ココは喜熨斗さんの本に沿って実際にやってみることにする。
ルートは陸路か水路かの2つ。
まずは陸路。
はじまりは蔵前から。
下の写真は大川…あ、隅田川のことね…にかかる蔵前橋の西詰からスカイツリーの方を見たところ。
江戸の昔は吉原へ向かう人でこの蔵前あたりからもうスゴイ人出だったのだそうだ。
まだ相当あるよ、吉原まで。

50蔵前橋のたもと。
私が学生の頃までは「蔵前国技館」といって、今両国にある国技館がこのピンク色の建物あたりにあった。

60そして、江戸時代、ココには「浅草御蔵(あさくさおくら)」という倉庫があった。
なぜココに来たのかというと、喜熨斗さんの本に出ているこの辺りにあったという「札差屋」なる言葉が気になったのだ。
この「浅草御蔵」というのは「浅草御米蔵」とも呼ばれ、大坂(昔は「大阪」ではなく「大坂」と書いた)、京都の二条と並んで「三御蔵」と呼ばれる重要な米の倉庫だった。
幕府が全国に点在する「天領」と呼ばれる直轄地から巻き上げた年貢米や買上げ米をココに貯蔵していた。
江戸には北の丸や代官町にも米蔵があったが、享保年間にココに集約してしまった。
この前の地帯を「御蔵前」と呼んでいたことから、辺りを「蔵前」と呼ぶようになったんだな。
さて、その「札差屋」…ナニをする職業だったか。
よく時代劇なんかで「石高」ってやってるでしょ?武士の給料ね。
コレは米ですよ。
江戸ではこの浅草御蔵からその米が配給されていたらしい。
で、武士は米をもらって一体どうやって暮らしているのかって以前から不思議に思っていたのね。
米ばかり食べていたら脚気になってしまうから。
そこで出て来るのが「札差屋」。
この札差屋というのは、武士が幕府からもらった米を買い取って、他へ売って利潤を得る仕事なのです。
つまり、武士はもらった米を札差屋に売ってお金に換えていたワケ。
あのディスカウント・チケット屋みたいなものですな。
喜熨斗さんの本によると、この辺りには札差屋が軒を並べていたそうだ。

70その御蔵前の通りを秋葉原方面に向かって50mほど行くとこの交差点に出る。
ココはスゴイですよ。
おっと、その前に…この写真の道を左に行くと浅草橋になる。
江戸時代は「浅草見附」といった。
「四谷見附」、「赤坂見附」と東京には「見附」がつく地名が今でもあるが、コレは「見張り台」という意味。
だからディランのあの曲にチャンとした邦題をつけるなら「見附からずっと」になる…コレ、以前にもどこかに書いたかな?
下の写真の中央にある白いビルのあたり、江戸時代、ココには人工の山があった。
そのてっぺんには「浅草視天台」という「天文観測所」があったんだな。
見たことはないけど。
そこの所長を高橋至時(よしとき)といった。
そして、そのお弟子さんが伊能忠敬だ。
伊能勘解由、または推歩先生。
歩く時にいつも歩数を数えていたので「推歩」というアダ名がついた。
忠敬は千葉の佐原というところの出身だが、隠居してからは江戸に出て深川に住んだ。
そして、毎日深川からこの浅草視天台に歩いて通った。
もちろん歩数を数えながらだ。

80_2チョットここで思いっきり伊能忠敬で脱線させて頂く。
というのは、大分前にはなるが、井上ひさしの伊能忠敬の伝記小説『四千万歩の男』を読んでいるからだ。
文庫で約3,200ページ、全5巻の大著をアッという間に読破した…というのはウソで、実はあんまりおもしろくなかったな。
イヤ、世間一般では十分におもしろい部類に入るのだろうが、他の井上作品に比べるとチョットな~。
私にとっての井上ひさしの最高作は、直木賞を獲った出世作の『手鎖心中』…ではなくて、それとカップリングされている『江戸の夕立』という中編なのね。手に汗握るローラー・コースター小説。
でも、『四千万歩の男』は「伊能忠敬」という偉人に興味を持つには余りあるほどの良著ではあった。
そんなワケで、伊能忠敬の出身地、千葉県佐原市に行ってみたよ。

90_2コレが伊能忠敬の住居。
忠敬は貧しい家の出で、17歳の時に婿として伊能家に入り、50歳までココに住んだ。
伊能家は作り酒屋や米穀商を営む佐原の名家だったが、奥さんがキツかったらしく、イヤミたらたら、ずいぶんイジめられたようだ。
しかし、忠敬はとても優秀で人望が篤く、ラッキーなことにそのイジワルな奥さんも早逝して、伊能家の資産を桁違いに増やしたそうだ。
50歳になって念願の天文学を修めるべく江戸に出て、「栄」という三番目の奥さんをめとった。
お栄さんは吉原の花魁だった。
花魁は一般の女性を「地女」と呼んで軽蔑するほど皆優秀ではあったが、お栄さんは取り分け頭がよく、計算もでき、忠敬の地図作りも手伝ったという。

100家の中庭にある忠敬の銅像。

95推歩先生、案外小柄である。
んな、バカな!

110v_3町には「伊能忠敬記念館」もあり、興味のある人には大きな見どころとなるだろう。
そもそも伊能忠敬は地図を作ろうと思って日本国中を回ったワケではないんだよね。
師匠である高橋至時のススメで、その当時誰も実現していなかった子午線の一度の長さを実測して世界的な名声を得ようとしたワケ。
それをするには長い距離を測量する必要があった。
ところが当時は国内を自由に行き来することができなかったので、至時の骨折りで「地図作り」という名目を用い、「測量方」というオールアクセスエリアのパスを幕府から取り付けた。
結果、日本で初めて正確極まりない全国地図を作ることができたというワケ。115このね~、佐原という町がまた素晴らしくいいですよ。

120 最近オロナミンCのコマーシャルで古い町並みが出て来るでしょ?
190あのロケ地がココですわ。

130_2水郷と呼ばれる佐原は水運の重要拠点であり、酒造や醤油の製造で発達した。
そして、空襲がなかったので、この美しい町並みが残った。
こういう古い町並みが残される条件って、私の観察では3つあって、ひとつは何がしかの産業が発達していたこと、水運の利があったこと、そして、空襲にあっていないこと…なんだよね。
麻で栄えた栃木市なんかもそう。

140_2しかし、いくら古い建物が現存しているとはいえ、やはり痛みかたが尋常ではなく、これらの建造物は町でかなり手を入れているのだそうだ。

150だからどこもとてもキレイなんだけど、昔の風情をブチ壊すようなところまで手を入れていないのが実に素晴らしい。
いつも書いているけど、東京だって大震災と空襲がなければもっと素敵な街だったんだよ。
170「もい」じゃないくて「いも」ね。
166それだけに観光客の数もスゴイ。
ウチは9時前に来たので駐車場には困ることはなかったが、ユックリ来ていたら面倒なことになっていた。
それでナンダカンダで夕方まで見て回ったからね。
すごく面白かった。

160いいでしょ、この住所!

165町はやはり忠敬色が濃く、公園にもこんな立派な銅像が建っている。

180v_2この山車も有名なのだそうだ。

195そして、話はいきなり浅草に戻る。
スカイツリーがよく見えるこの辺り。
アレ、先っチョがない!
そうなの。
もっと以前から撮っておけばよかったんだけど、気がついた時にはこの高さになっていたんだぜ。

200_2この辺りに源空寺という寺がある。

210_2ココは有名な幡随院長兵衛や天保年間の画家である谷文晁(たにぶんちょう)の墓があることで知られている。

220vなかなか立派なお寺ですよ。

230_2大みそかにはひとり1回この鐘を突くことができる。
鐘を突くとギャラとしてお菓子がもらえるよ。

240コレが幡随院長兵衛の墓。
この人が誰かご存知ない人は池波正太郎の『幡随院長兵衛』でも読んでみてくだされ。
ま、任侠の人だよね。
命を狙われるのがわかっていて風呂に入っている時に暗殺された。
池波本を読んだけど、あんまりおもしろくなかったナァ。

250vコチラが谷文晁の墓。

260vそして源空寺にはまだスゴイものがある。
それが伊能忠敬と師匠の高橋至時のお墓なのです。

265vコレが高橋至時の墓。

270vその向かって右隣りにあるのが伊能忠敬の墓。

280そうなの。
師弟、同じところに眠ってるの。
忠敬は年下の師匠である至時を心から敬愛していて、「自分が死んだら高橋先生の隣に葬って欲しい」という遺言を残した。

290v_2それがこの通り守られているというワケ。
向かって左が至時、右が忠敬の墓。

R_0r4a1529 脱線の幅を広げよう。
至時の向かって左の墓は長男の高橋景保の墓だ。
景保は父親の後を継いで天文学者になった。

300v_2四角い墓標の後の石碑はなんだろう?

310v背面を見るとアルファベットではあるが見慣れない単語が並んでいる。
オランダ語だ。
330景保に色々と助けてもらったことに対するお礼の言葉だ。
その言葉の送り主はフリッツ・フランツ・フォン・シーボルト。
樺太東岸のことを知りたがっていた景保はその情報を記した書物と引き換えに忠敬の全国地図の写しをシーボルトに渡してしまった。
有名な「シーボルト事件」ね。
当時、国内の情報を海外へ持ち出すことは厳禁で、景保は捕らえられ、伝馬町の牢屋に入れられ、獄死してしまう。
そして、景保は塩漬けにされた。
コレはメッチャ重罪を意味しているのね。
死んだ罪人を塩漬けにするのは、死刑に処すためなの。
もう死んでいる罪人を死刑にするなんておかしいでしょ?
罪人はとにかく処罰を受けなければならない…という精神だったワケ。
結審する前に死んでしまった重犯罪人を腐らないように保管しておいて、刑が確定したところで…といってもまず打ち首なんだけど…塩漬けの死体を取り出し、ワザワザ首を落としたのだそうだ。
モノの本によると、冷凍庫も冷蔵庫もない時代だからね、この塩漬けは膨大な量の塩を使って、作業もエラく大変だったんだって。

320_2さらに、今度は長崎に話が飛ぶ。
シーボルトの日本の奥さんは「瀧」といった。
やはり彼女も出島に出入りする遊女で、オッソロシク美人だったらしい。
またぞろ吉村昭で恐縮だが、日本で最初の産婦人科医となったお瀧さんの娘、楠本イネの生涯を描いた『ふぉん・しいほるとの娘』は最高におもしろいよ。
文庫で1,000ページぐらいあるのかな?
もう読みだしたら止まらなくて、本当に一気に読んじゃった。
吉村昭は他にもシーボルト関連の長編を書いている。
『長英逃亡』という、無実の罪で投獄された高野長英なる医者の逃亡劇。
コレも破天荒におもしろかった。
江戸時代の幕府の諜報網というのはものすごく優秀で、逃げても逃げても追いかけて来る。
最後は…あ~言えない!
  
それと、高橋景保のことを幕府に売ったのは「間宮海峡」で有名な間宮林蔵だと言われているらしい。
間宮はやはり『四千万歩の男』の中でもクセモノで描かれているんだよね。
吉村昭の『間宮林蔵』という小説もメッチャおもしろかった。
当時、樺太の先っチョと大陸が陸続きかどうか…コレが「世界の七不思議」のひとつになっていたんだけど、間宮はそれを確かめに行って、中国大陸まで歩いて行って帰ってきた。
つまり、干潮になって海水が引くと、陸地になることを発見したのだ。
樺太の情報が欲しかった景保は間宮と敵対していて、そのあたりを間宮に訊くに訊けないので、シーボルトの書物がどうしても欲しかったのかも知れないね。
そして、間宮は地図の写しをシーボルトに渡した景保を幕府に売った…のかどうかは知らないけど、そういうことと自分の中でまとめておくことにしよう。

340_2そんなことがあったので、昨夏上野科学博物館で開催されていた『シーボルト展』に行って来た。

350_2スゴイんだよ、何でもかんでもオランダに持って帰っちゃったんだから。
動物も剥製にして持って帰った。

360植物学者であったシーボルトは日本の固有種にとても興味がったようで、おびただしい数の植物を押し花にしてコレクションした。
植物は剥製にできないからね。
しかし、そのコレクションは押し花にとどまることはなく、ワザワザ日本人の画家を雇って細密な絵まで描かせた。
実物があるのになんでそうしたか…。
それは押し花にしてしまうと、ペッチャンコになってしまって、どういう風に生えていたのがわからなくなってしまうため、3Dの様子を記録したかったのだそうだ。
後は色だね。
押し花は色が褪せちゃうから。

380コレが押し花。
このアジサイはシーボルトによって「オタクサ」と名付けられた。
「オタクサ」とはシーボルトの細君となった例の「お瀧さん」からの命名だ。

390コレがお瀧さんの肖像。
笄に櫛、かなりキチっとした身なりをしている。
実物は最高の美人だったらしい。

410_2話は長崎から蔵前へ戻りますよ。
今日はメッチャ忙しい!
  
この辺りはおもちゃの街で、昔は数多くの問屋が軒を連ねていた。
一般のお客さんが入れないような業者向けの問屋だ。
ま、元来問屋ってのはそういうものだけど。

420うわ~。

430_2古式ゆかしいな~。
コレも玩具問屋。
450隣のこの看板建築もいい感じだよ。

440ウチの父は変なところがダイナミックで、花火というと業者のふりをして、この辺りの「オンダ」という問屋へ来て大量に買って来ちゃう。
問屋だから箱単位でしか売らないからね。
たくさん買うのはいいんだけど、何しろ種類が同じモノばっかりになっちゃう。
こっちは子供だから線香花火やヘビ花火とか色んなのをやりたいじゃない?
ドラゴンならズッとドラゴン。
キーンロケットならズッとキーンロケット。
それだとさすがに飽きちゃうもんだから、最後はたいてい連射で消化しちゃう。
ドラゴンを20個ぐらい地面に並べて片っ端から火をつけて「ナイヤガラだ~!」とやるワケ。
それはそれなりに面白かったか…。

460もう少し行くとアソパソマソがお出迎えしてくれるバンダイの本社ビル。

470社屋の横にはウルトラマンや仮面ライダーも…
Img_5436コレはドラゴン・ボール?

R_2img_5435通りを挟んだすぐ隣は有名な駒形どぜう。

480ようやく松屋まで来たよ。
吉原まではまだまだ結構あるわ。

490ココまで来ると大川の対岸はこんな感じ。
ちょうどウンコビルのウンコを改装していた時。
下品ですみません。私のせいではありません。この辺りでそれが正式名称ですのであしからず。

500で、さっきの源空寺の方から夕方スカイツリー方面を眺めるとこういう現象が起こる。
上の金色のビルに西日が当たって辺り一面が黄金色に包まれるのだ。
コレはホンの数分だけしか起こらない。
ステキでしょ。
車の運転には要注意だけどね。

510<まだまだつづく>

2017年12月17日 (日)

ポタフェス2017 -WINTER AKIHABARA-

   
スゴイね~。
どこかの企業の差し金の投稿かナンか知らないけど、巷間では生活空間でCDを再生する装置がないのが当たり前で、最早CDから音楽を聴くってことがないのが普通なんだって?
すなわち、「CDが売れない」とか騒いでいるレベルではなくて、「CDを売っていること」が不思議な時代なんだってさ。
マァ、以前から耳にしてはいたけど、私はダメ。
音楽のダウンロードということは一切したことがないし、ストリーミングとかいうのにも興味のカケラすらない。
ところが、先日とうとう「やっちまったな~!」だったのがUSBってやつ。
しかもよりによってフランク・ザッパだよ。
1977年のニューヨークでのハロウィンの公演をすべて収録しているてぇヤツ。
CD版も同時に発売しているけどUSBの方が圧倒的に内容が濃い。
そうなると、買いたくないけどUSBで買わざるを得ない。
で、買った。
そして聴いた。
どういう風にして聴いているのかというと、PCからBluetoothを使ってMarshall HEADPHONESのWOBURNを鳴らしているのね。つまりいつもCDを聴いている状態といっしょ。
音質にはさほどうるさくない方だし、WOBURNは素晴らしい音で鳴ってくれるので、耳に入って来る音自体は何ら気にならない。
しかし、気になるんだよね。
川上が…。
コレが!しかも地球上で最もカッコいいザッパのこのロックが!LPやCDではなくてUSBってェもんから出て来ていることがどうにも気になってしまう。
ありがたみがないんだよナァ。
それにコレクションのし甲斐ないよ、こんなチューインガムみたいの。
「慣れ」とかそういうことではなしに、あまりに味気ないじゃん?
   
私は知っている。
ナゼこういうものを受け付けたくないのかを…。
それはね、我々世代はレコードであの素晴らしいロックを体験したからなんだよ。「ヴァイナル」なんて言葉がない時代。
それがCDに変わったまではヨカッタ。小さくはなったが、ジャケットもあるし。
ナニよりも盤が回ってるから。
我々はトーマス・エジソンの子でしてね。
カセットテープにしてもそうだけど、音楽を聴く時は何かが回ってないとダメなのよ。
だから「このUSBなるものからはいい音楽が流れ出て来ない」という一種の刷り込みがあるんだな。
こんなこと考えてるのは私だけかもしれないけど、この「CD古し」の話は、何か、こう、音楽が破滅に向かう道を発見してしまったような不吉な印象を覚えるんだよね。
ちなみに日本で最初に蓄音機を出した場所って知ってる?
それはね、「鹿鳴館」だったんだよ。目黒ではなくて、今の内幸町にあった明治時代の社交場ね。
1889年だったというから明治22年のこと。
音が悪すぎてみんなドン引きだったらしい。
それから約130年。
音楽は内容も装置も、進化どころか退化しているように思えてならないのだ。
この「CD絶滅」の話がフェイク・ニュースであって欲しい。
チョット今日の話題にはふさわしくないオープニング・トークになっちゃたな…。
  
先日、夏の回をレポートしたと思ったらもう冬のポタフェスがやって来ちゃった。
開催は昨日と今日。

10場所はいつものベルサール秋葉原。

20今回も1階、2階、地階と3フロアを独占しての開催だ。

50マァ、最初に「ポタフェス」と聞いて、一体何のことだ?と思ったが、3回目めともなればもうヘッチャラ。

60展示の内容もますます濃くにぎやかに、そしてバラエティに富んできている感じ。
もうね、昔のオーディの話なんかしてられんよ。

70訪れるタイミングもあるのだろうが、来場者も毎回増えて行ってる感じだよ。
コレは昨日、つまり初日の2時ぐらいだったんだけど、マァ、すごい人出だった。
Marshall Blogの効果ってスゴイね…ウソこけ!

751階のエントランスのドデカいヘッドホンもバッチリ人目を惹いていた。

30アラ?
その隣にはおなじみのロゴ・サインが!

80そう、Marshall HEADPHONESのスタンド。
前回あまりにも大きな音でデモンストレーションをしたもんだから、今回は「もう外でやってくれ!」ということになったんだって。
コチとらMarshalldデェ、やっぱりそう来なくちゃイケねぇよ!

90…というのは残念ながら冗談でもあり、本気でもあり…Marshallの轟音で道行く人をポタフェスに呼び込んで欲しいということなんだって。
昨日は晴れてたからいいけど、曇りや雨だったら寒いぞ~!
今日も完璧な晴天でいい感じだね。

R_img_0215 お時間のある方は是非ポタフェスにお出かけくだされ。
今日の夕方5:30まで入場を受け付けてるから。
入場無料。

R_img_0194…というのは、今回Marshall HEADPHONESで商品を体験された方には特製Marshallマグネットか缶バッチがもらえるから!
色は2種類。

180コレは今回初めて紹介するモデル、「Major」。
Majorは以前からあったモデルだが、コレはBluetoothバージョン。
デザインも一新されてカッコ良くなった。
音質はもちろん極上なのでご心配なく。

130Bluetoothスピーカーもちろんゾロリと展示されている。
先頃、「マルチ・ルーム・ワイアレスWi-Fiシステム」というWi-Fiを使用するスピーカーを発表したが、アレはまだチョット先になる。

110しかし、いつの間にかディスプレイの台が全部1960になっちゃったね。
そのうち1960サイズのスピーカーも出て来るんじゃないの?

120ASカバリングのSTANMORE。
ウチのSTANMMOREは夜間に大活躍している。
いつもはWOBURNなんだけど、周囲が寝静まった時間に使うと、どんなにボリュームを下げても音が大きすぎるのよ。
そんな時はSTANMORE。
小さな音量でも豊かな低音で実に伸びやかに鳴ってくれる。

150ヘッドホン類も勢ぞろい。

160イヤホンも…。
その横はMarshallのスマートホン、LONDON。

170オサレなカタログを2種類用意してお待ちしております。

175Marshall HEADPHONES製品の詳しい情報はコチラ⇒NAVYS
 
英語版はコチラ⇒Marshall HEADPHONES Official Web Site

190※明日のMarshall Blogの更新はお休みです。記事の仕込みをしなきゃ!
 
(2017年12月16日 ベルサール秋葉原にて撮影)

2017年12月15日 (金)

【田川ヒロアキ結婚スペシャル】SPORTS of HEART 2017の田川ヒロアキ

 
さて、「Will you marry me?」で始まった田川ヒロアキの『結婚スペシャル』も今日が最終回。
シンガリは今年も開催された大イベントでの田川ヒロアキをレポートしよう。
そのイベントとは、今年で3回目の出演となる『SPORTS of HEART』だ。

10   
 
前回までは代々木第一体育館での開催であったが、今回は外へ飛び出した。
代々木公園の野外音楽堂だ。
しかし、よりによって雨…。
下は開催前日のリハーサルのようす。
去年はあんなにいい天気だったのにナァ。コレが反対だったらどれだけヨカッタことか…。
翌日の本番が晴れることを祈った。
20_2この日は10月の中旬にしてはひどく寒かった。

30ステージにはJVM210Hのハーフ・スタックを2台用意。

60今回も鼓の大倉先生との共演だ。

40もう3回目だからね、先生とはスッカリ気心も知れていい感じだ。
おかげさまで私も近しくして頂いている。

50前回同様、三味線チームの「疾風」も合流だ。

100演目も一部は定番曲なので安心、安心。

70v_2完全に手慣れた感じでリハーサルは順調に進んだ。

80v寒かろうが、暑かろうが、後は翌日晴れてもらえば万事OK!

90「晴れろ~!」
85晴れない…。
ダ、ダメだ。
残念ながら翌日は今にも泣き出しそうな曇り空だった。
でも代々木公園の中は何やら大にぎわい。

110「泣ぐ子はいで~が~」とナマハゲが動員されている。
人間椅子も出るのか?

120_2と思ったら(本当は思っていない)…道理で。
『あきた納豆発酵フェス』なんてのをやっていた。

130タイトル通り、秋田産の発酵食品の展示即売会ですな。

140コレは「秋子さん」かな?
それとも「いぶりがっ子」ちゃんかな?

150v_2色んな秋田の食品が展示されていた。
秋田ってのは行ったことがないな~。
NATALを愛用してくれている秋田出身のいいドラマーなら知ってるけど…ショボンちゃんのことね。

160ゾロゾロと並ぶ出店。

170_2今度はナンダ?雰囲気が変わったぞ。

180_2奥の方ではインドネシアの物産展が開かれていた。

190虫?

200vそう、インドネシアの虫の実物を閉じ込めたキーホルダー。
他にも洋品や食品など盛りだくさんだった。
ウチはニンニク味とか生姜味のカシューナッツのお菓子を買ったんだけどおいしかったな。
ビールにピッタリ系のヤツ。

210_2チョットしたステージも設営されていて、バリ舞踏のグループなんかも出演した。
観たかったのだが、時間が合わず断念。
ガムラン、好きなんだ~。

220_2そして、一番奥に陣取っていたのが『SPORTS of HEART』の会場。

230野外会場の利点を活かして色々なアトラクションが用意されていた。

240登るヤツとか…。
よくテレビでやってるけど、コレおもしろいの?わからんな~。

260他にもハネるヤツとか…。
子供さんが来ても楽しめるようになってる。

270昼間からバラエティに富んだプログラムが組まれており、ステージ前にはもう既にたくさんの人が集まっている。
ヒロアキくんの出番は夜だ。

280_2はい、夜になりました。
やっぱり降っちゃったな~。

290_2今日はギターに専念する田川ヒロアキ。
新婚さんだ。
演目は「Seascape」と「君が代」を合体させた「Seaが代」。「君がScape」ではダメ。
あ、「Seaが代」と呼んでいるのは私だけですからヨソでは言わないように。

300v_2鼓は大倉正之助。
先生は今回、袴姿ではなく洋装で臨んだ。
いいね、こういうのも。

2_img_0329 もう1曲はヒロアキくんのオリジナル曲、『Over Drive』収録の「Driving Jam」。

320よくヒロアキくんがライブで取り上げる曲だけど、今日は三味線の激演のおかげでまたいつもとは違う雰囲気。
合うね~、三味線!
ナイス選曲!

3_img_0083 ステージの前方では車イスを使ったパフォーマンスが繰り広げられる。
340v_2スリリングな演奏とパフォーマンスの融合で…

350_2寒さなんていっぺんにスッ飛んだ!

330_2ココで場面が変わり、ヒロアキくんだけがステージ残り、変わりにヴァイオリニストの穴澤雄介が登場。
そして、下手のギターは…

310林文部科学大臣。

365v曲は「見上げてごらん夜の星を」。

370v_2大臣はソロも担当してその腕前を披露した。

380v_2はじめて合わせたとは思えないスムースなコンビネーション!

390_2代々木の雨の夜空に三人囃子(ココ、シャレになってます)が奏でるやさしいメロディが響き渡った。
しかし、ヒロアキくんの音は美しいのう。

360もう1曲。
ピアノに向かった林大臣は「Let It Be」を弾き語った。

410vヒロアキくん、村岡山口県知事に続く「政治家シリーズ」第2弾ですな。
新しい政党を率いて政界に進出するのもそう遠くないかも。
政党名はもちろん「日本マーシャル党」。
比例区の投票用紙には「ニチマ党」で大丈夫。
「アンプは真空管に限る!アンプはMarshall!」ってのが党是。
アタシャよろこんで演説の原稿書きますよ。

420vフィナーレは全員集合!
チーターと一緒に「365歩のマーチ」を歌ったよ。

430SPORTS of HEARTの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

440…というワケで、【田川ヒロアキ結婚スペシャル】はコレにて完結。
書いた~!疲れた~!もうしばらくないよ、ヒロアキくんは!
でもおめでとう!
これからも2人仲良く、そしていい音楽を世に送り出してください。
  

田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

50v (一部敬称略 2017年10月14日 代々木公園にて撮影)




2017年12月14日 (木)

【田川ヒロアキ結婚スペシャル】『THEME PARK -テーマ・パーク-』発売記念ライブ

    
Marshallギタリスト、田川ヒロアキの結婚を記念するご祝儀企画【田川ヒロアキ結婚スペシャル】も残すところあと2回。
今日と明日は結婚式から離れて、ライブのレポートをお送りする。
涙はなし。
既報の通り、田川ヒロアキは10月に委嘱作品のコンピレーション・アルバム『THEME PARK -テーマパーク-』を発表した。

10cd今日は10月初旬に開催したそのレコ発ライブのレポートだ。
バックというか演奏はナントTAGAWA!
『THEME PARK』の収録曲をTAGAWAが再現する…「コリャおもしろくなりそうだぞ!」と誰しもが思わざるを得ない企画だ。
  
オープニングは「Victory!」。
下関のボクシングジムのテーマ・ソングだ。
ココから先、演奏する曲が「誰のために、どんな経緯で作られたのか」

興味がある読者は次に2編をご参照頂きたい。
  
『THEME PARK-テーマ・パーク-』を100倍、イヤ10倍、イヤイヤ1.5倍ぐらい楽しむ <前編>
『THEME PARK-テーマ・パーク-』を100倍、イヤ10倍、イヤイヤ1.5倍ぐらい楽しむ <後編>

  
20田川ヒロアキ

30v寺沢功一

40v長谷川浩二

50vメンバーは以上の3人。
バンドの名前は、田川の「TA」、田川の「GA」、田川の「WA」を組み合わせて「TAGAWA」としている。
ヒロアキくんはお気に入りのいつものMarshall。

60vヘッドはJVM210H、スピーカー・キャビネットは1936V。

70v足元のようす。
歪みは100%アンプで作る。
エフェクターは空間系のみでJVMのセンド・リターンに接続。
JVMのフットスイッチはチャンネルの切り替えとセンド・リターンのオン/オフがアサインされている。
シンプルだが、JVMのサウンドと機能をフルに活用した合理的かつ理想的なシステムだ。

80ベース・アンプはEDEN。
ヘッドはWTP-600。
キャビネットはD410XSTが2台の8 x10"バージョンのフル・スタック。

90v「皆さん、こんばんは!2年ぶりのアルバム『THEME PARK』…色々なパターンの曲を選んで、許可を取り付けてようやくリリースすることができました!
今日はほとんど初めてこのメンバーで演ります。
珍しがって頂けたら…と思います。
最後までお楽しみください!」

190v_mcご挨拶の後に演奏したのは「府中に夢中」。

110_fmコレは以前にもTAGAWAで演奏したことがあるナンバー。

120続く「カラムーチョZ」も以前にもTAGAWAで取り上げたかな?
この曲は他のメンバーでの演奏も聴いてきたけど、今日はいかにもTAGAWAらしいドライブ感が気持ちいい。

130v_kmMCをはさんで「酎High KING!」。

140v_chk呉のライブハウス、「ケラウスランブラ」の20周年を記念して作った曲。
お酒とMarshallが大好きなマスターがどんな人か興味のある人は一昨日の『Will You Marry Me? <披露宴:前編>』をご覧あれ。

150v次は『THEME PARK』からチョット離れてTAGAWAのアルバム『Flying Carpet』からのチョイスで「That's Over」。

160_toココはもうリズム隊のお二方の至芸を楽しむ。
まずはてらちんのベース・ソロ。

2_img_0416低音暴力団組長の面目躍如たる暴れよう!

1_img_0135 替わって浩二さん。

180相変わらずのすさまじい狂打!
痛快そのもの!

2_img_0187 早逝した渡辺英樹さんの紹介して演奏したのはもちろん…

100v「遅い春越後」だ。
パチスロ三部作の一角。

200第1部はコレで終了。
  
この日のライブは正式な発売日より数日早かったが、当日は先行発売を実施。
休憩時間の間にもよく売れていた。
実際、正式発売されてからも、かなり高い評価を受け、『THEME PARK』はヒロアキくんのマスター・ピースのひとつになった。

210第2部はまずソロで登場。

220実物を手にしてCDを紹介。
ジャケットの説明も加えられた。
タイトルが私のアイデアだったということにも言及してくれた。

230v第2部のオープナーはバッキング・トラックを流して「ハンバーグのうた」。
可愛い曲だ。

240_hココでカホンの浩二さんを呼び込む。
「直前にこんなことを思いつきましてね~」
「ナンでそんなことを思いつくんだよ~」…といつもの浩二さん節。

250曲は「たんぽぽと風」。
レストラン企業「株式会社 無洲」から委嘱された同社の社歌だ…ということは昨日&一昨日のマーブロを読んで頂いた方はお詳しいわね。

260v浩二さんのカホン姿って初めて見た。
背が高いからかがむのが大変だ。

1_img_0248 ホンワカしたあたたかい曲が、ホンワカした演奏で会場をとてもあたたかくした。

280おお~っと!
ココでホンモノ登場。

290株式会社 無洲の浅野社長が花束をプレゼントしてくれた。

300v次にてらちんを呼び込んでTAGAWAを完成させる。
何とそのTAGAWA、当初のもくろみであった世界進出を果たすことがキマったというのだ。
1月27日、タイでの公演が決定。
そこでタイへの渡航経験があるてらちんから即席「タイ講座」が…。
「タイは蒸し暑いです。でも音楽祭はすごく楽しかったですよ。食事もおいしいし!」
「暑い」のは察しがつくけど、「食事がおいしい」っていうのは未体験者にとってはかなり有力な情報だよね。
反対に「イギリスの食事がマズイ、マズイ」ってみんなあんまり言うもんだから、行ったことのない人まで「イギリスって食事がマズイんでしょ?」っておもしろがってるじゃんね?
行ったこともないのにそんなことを言っている人は実際に行ってみなって、イギリスへ!
マズイなんてもんじゃないぞ!…というのは冗談で、ちゃんとお金を出すモノはおしいですよ。
日本みたいに食べ物がアミノ酸にまみれていないので、安いモノはゴマカシがきかずマズさが強調されるということか?
そういう意味では日本の食べ物のほうがよっぽど「マズイ」。
この「マズイ」は「不味い」のではなく身体に良くないという意味だ。
コンビニで売っている食べ物がいい例だけど、あの値段であの味っておかしいでしょ?
日本の食品事情を知った英米独の友人は口をそろえて日本のアミノ酸地獄(連中は「MSG」と呼ぶ)にビックリ仰天していたからね。
特にイギリスは土からオーガニックにこだわる国だから余計だよね。
イギリスの食べ物に話を戻すと、私の感覚でキツイと思うのは、冷たいモノを平気で食べたりするんだよね。
アイスクリームみたいに最初から冷たいモノはもちろん一向に構わないんだけど、例えばチョットでいいからオーブンで温めれば格段に美味しくなるであろうオープンサンドみたいのも歯が浮いちゃうぐらい冷たいまま食べちゃう。だから味なんかしない。
口の中で温まったころようやく味が出て来る感じ?
そのクセ、ナゼか食器だけはやたらと熱くするんだよね。
ウェイターが「お皿が熱いので注意してください」なんて言いながら運んでくる皿を素手で受け取った日には手にヤケドをしてしまう。
  
さて、タイの話が出たところで『底抜け脱線クイズ!』
下はアジアの国々の名前を漢字で表記したもの。日本式の表記ね。
この習慣は中国から伝わったものだけど、中国とは表記法が違う。
問題…この中で「タイ」はどれでしょう?

印度尼西亜
柬埔寨
孟加拉国
新嘉坡

比律賓
越南
馬来西亜
緬甸
老檛
 
クイズとしては簡単だよね。
一発で「泰」だってわかる。
印度尼西亜(インドネシア)や越南(ベトナム)なんてのはわかりやすい。
比律賓(フィリピン)や馬来西亜(マレーシア)や新嘉坡(シンガポール)あたりも書けないにしても、マァ読める。
しかし、残ったヤツがなかなかに手ごわい。
答えは…
柬埔寨(カンボジア)
孟加拉国(バングラデシュ)
緬甸(ミャンマー)
老檛(ラオス)
 
こんなモン読めるか!知らなきゃ無理だよ。
昔の人はスゴイね。
ラオスで思い出したけど、「羅宇屋(らうや)」って聞いたことある?
昔、そういう商売があった。
この話はまた別の機会に…。
  
このクイズを導入したのは実は理由がある。
以前、ヒロアキくんにインターネットの画面やメールを一体どうやって読んでいるのか尋ねたことがあった。
何でも「読み上げソフト」というものがある…というので試させてもらった。
なるほど、画面の文字をコンピュータがスラスラと読み上げてくれるのよ。
読み上げの速度の指定ができて、ヒロアキくんは慣れているので最速のバージョンで聞いているとのこと。
それを聞かせてもらったのだが、ほとんどカセット・テープのあの早回し状態(「キュー&プレイ」だっけ?)で、一般人には即座に聞き取ることはまず不可能。
さて、このクイズの目的は、これらの複雑な漢字の国名をそのソフトに読んでもらいましょう!という企画。
結果はヒロアキくんが発表してくれるだろう。

310vてらちんを迎えて演奏したのは投書の宛先の住所を読み上げるジングル4連発。
「シンジケート・アドレス」だ!
コレおもしろかったな~。
恐らくコレはこの先滅多に演らないだろうから、観たお客さんラッキー。

330ゲストが登場。
太鼓の壱太郎だ。

2_img_0281実は私、ヒロアキくんと壱太郎さんの共演を目にするのはコレが2回目なんですわ。
前回拝見したのは2013年3月のこと。
その時の様子がコレ。

350他流試合よろしくヒロアキくんのギターと壱太郎さんの白熱の太鼓演奏が絡み合う迫力のパフォーマンスだった。

360v今回はTAGAWAに混ざっての演奏。
曲は「Lofty Tree」。

365「Lofty Tree」は府中名物のタンス太鼓を使った曲だからね、
もちろん壱太郎さんはトレードマークである「フトンタタキ」を使用したプレイも披露。

400v壱太郎さんを得て臨場感あふれる「Lofty Tree」となった。

380v「フトンタタキは、自分としては『日本の生活の音』を出せると思っているんです。
島忠ホームズで普通に売ってるフトンタタキです」
壱太郎さんは太鼓の演奏でカレコレ30か国以上を回って来たそうだ。しかも、極端に費用をかけずに旅行する特技をお持ちなのだそうだ。
「最近は日本の方が変わっている国だと思うようになって来ました」と言う。
日本はですね、変わっている国かもしれないけど、日本だけで自己完結すれば何ら問題のない、とてもいい国なんですよ。
それを海外の価値観に照らし合わせてみんなで寄ってタカっておかしくしてるだけだと思う。
  
壱太郎さん曰く、おかしいことの例として…
「誰もいない駅のホームで『扉が閉まりま~す!』と駅員が言ったりしますもんね」
それを聞いたヒロアキくん…「目の見えない私のような者に言っているんだと思いますよ」
壱太郎さん、ガックシ…!「な~に~、やっちまったな~」状態で会場は大爆笑!
ウマいな~壱太郎さん。
私は駅員の経験はないけど、それは「マニュアルにそうしろ」と書いてあるからだけの話でしょ。
そこが日本人のいいところなのです。
反対に良くないことがマニュアルに書いてあったら平気でそれに従っちゃうのも日本人。
今、その傾向が大企業で露見しまくってるじゃんね。
「マジメなのにおもしろいのは変わってないな~。壱太郎くんは海外の方が合っている感じがするナァ」とは4年ぶりに共演したヒロアキくんの感想。

340v壱太郎さんともう1曲。
『THEME PARK』の収録曲の中でもひと際目立っている「維新の言葉」。
「民謡メタル」だって!

3902曲ともまさに壱太郎さんを迎えるに超ふさわしい迫力のパフォーマンスだったね。

370vものすごく雰囲気を変えて「平和の風」。

410_hkこの曲はTAGAWAのセカンド・アルバム『Wind』に2バージョン収録されているヒロアキくんの愛唱歌だ。
それだけに力のこもった歌声が会場の隅々まで行きわたった。

420本編最後はヒロアキくんのテーマ・ソング「My Eternal Dream」。

430_medもうコレはTAGAWAでも頻出の曲だからね。
3人とも「水を得た金魚」あるいは「水を得ないポイ」のような演奏で本編を締めくくった。

440v

450v

460v「楽しいリリース記念ライブになったと思います!この曲はCDの1曲目に入っています」と
アンコール曲の「キミを乗せて」を紹介。

470『TAGAWA PARK』じゃない、『THEME PARK』のリードチューン。

490お待ちかねの1曲で会場の盛り上がりが最高潮に達した!
そして、アンコールは1回、1曲。
いいね~。
コレでいいんだよ、アンコールなんだから。

480v_2 最後はみんなで記念撮影。
コレは客席側のようす。
そうか、こうなってんのか。

500ハイ、パチリ!

510ちなみに「TAGAWA PARK」、すなわち「田川公園」っていうのが実際にあるのだろうか?
ゴマンとあると思ったんだけど、サラっと調べた限りでは大阪市淀川区に「田川公園」というのが見つかったきりで、どうも他には見当たらない。
そのかわり、西田川、尾田川、村田川、深田川、柿田川、三田川、春田川…と「Son of 田川」はゴマンと出て来たよ。
ご参考までに…。
  
浩二さんに手を引かれてステージを降りたヒロアキくん。
お疲れさまでした!
  
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano
1_img_0383(一部敬称略 2017年10月7日 町田まほろ座にて撮影)

2017年12月13日 (水)

【田川ヒロアキ結婚スペシャル】Will You Marry Me? <ウェディング・ライブ・パーティ編>

  
爆音と感動の披露宴も終わり、ヒロアキくんと美瑞穂さんの祝言の場所は芝浦のレストラン「ピアシス」へと移動した。
10ここから先は一般の方々も参加できるライブを主体としたパーティとなる。
入り口の階段に飾ってあったモズライトのウェルカム・ボード。
もうコレだけで盛り上がっちゃう感じ?

20vライブ・パーティの舞台。
まだMarshallは2人を祝い続けてるぜ!
ココではベース・アンプ3510のスタックも助っ人に加わってくれた。

30ヒロアキくんが使うMarshallは披露宴の時と同じヘッドJVN210Hとスピーカー・キャビネットは替わって1936となる。

40v披露宴からのテンションをそのまま持ち込むご来賓の方々。

50竹内藍ちゃんも駆けつけてくれた。

60アレ、Kenちゃんまた写ってる!

70皆さん、まだまだ祝いしきれていない感じで盛り上がり感が生半可じゃない!

80開宴の時間となり『ウェディング・ライブ・パーティ』の司会がステージに上がる。

90司会にはMarshall Blog久しぶりの登場となる三井雅弘と…100v和佐田達彦。
しかし、この2人…わかっちゃいるけど、人間、ココまでおもしろくなれるもんかね~っていうぐらいおもしろい。
「ヘタな漫才よりおもしろい」なんて言ったらこのお2人に失礼だ。
「ウマい漫才よりゼンゼンおもしろい」が適切な表現だ。
110v会場はL字形になっていて、パーティからご参加の方はステージの前の、L字で言えばタテの線のポジションの席に…そして、披露宴から出席している方はステージが直接見えない席、すなわちL字のヨコの線のポジションに席が定められていた。
三井さんは披露宴からのご参加なので、ステージが見えない席にお座りだったのだが、開演前、ステージ側のスペースにガンガン出ていらっしゃる。
そして「こっちの水に慣れとかなアカンな…」としきりに独り言をおっしゃっている。
それを耳にした和佐田さんが「『水』?ナンやねん?『水』って?」と三井さんに訊いている。
「こっち側の『水』や」
「『水』ッ?」
「せや、こっちの『水』に慣れとかなあかんで!」
「『水に慣れる』ってナンやねん?」
「こっち席の『水』に慣れとかんとアカン言うとんのや!」
「だからナンやねん?『水』て?」
要するにステージの見えない奥側の席に引っ込んでいると、ステージ側の席の様子がわからないでしょ?
それでは司会者としてマズイから「こっち側のスペースの雰囲気に慣れておこう」ということなのね。
プロである。
ところが、コレを2人でズッとやっているのがも~横で聞いていておかしくて、おかしくて!
フザけているワケでもウケを狙っているワケでもなく、ごく普通に仕事に取り組んでいるだけなのに殺人的におもしろい。
…と、そうこうしているうちに新郎新婦が会場に到着した。
「新婚さん、いらっしゃ~い!」

3_0r4a7593_2 ヒロアキくん、パワフルに花嫁の手を引いて登場!

120こりゃまたスゲエ拍手だな~!
スタンディング・オベーションをしているのは広島県府中市からお越しの切原さん。
『THEME PARK』に収録されている「府中に夢中」の作曲を委嘱されたご本人。
Marshall Blogの強力な愛読者でもあらせられる。

1302人がステージに上がり歓声がクレッシェンドする。

135さっそくヒロアキくんと美瑞穂さんからご挨拶。

140続いて奥島さんからもおひと言。

165奥島さんは『Ave Maria』のプロデューサーだ。

166cdさらにピアシスを経営するレストラン企業「株式会社 無洲」の社長、浅野正義さんからもご挨拶があった。
この数日後、あるコンサート会場で浅野さんとバッタリ出くわしてビックリした。
もっとビックリしたのは、聞けば浅野さんは私の元いた会社の部下と同級生だっていうのよ~。
最早こういうのは「広い」とか「狭い」じゃないね。
「縁」ってヤツだよ。

166vヒロアキくんたちがパーティの会場をココに決めたのには実は深~いワケがある。
「株式会社 無洲」はヒロアキくんの音楽活動をズッと親身になって応援して来てくれた。
で、昨年7月に会長の浅野勝義や他のご関係の方々に入籍の報告をした際、「チョット話があるんだけど…」と浅野会長が切り出した。
「キミ、ギターの弾き方がおかしいよ」…なんてことは百も承知なのでおっしゃるワケがない。
何のお話かと思い2人が身構えていると…「ココ(芝浦)のピアシスをキミたちにプレゼントするから、キミたちのやりたいような結婚パーティをやりましょう!」とおっしゃってくださったのだそうだ。
ク~!
はいココ、昨日に引き続いて泣くところです。
なんていい人なのかしら。そしてスマートな言い渡し方!
下は披露宴でご挨拶をされる浅野会長。
『THEME PARK』に収録されている「たんぽぽと風」は無州さんがヒロアキくんに委嘱した社歌だ。
ご挨拶をされている背後の可愛いイラストも会長の手によるもの。
3_s41a0025ヒロアキくんがパーティの席上で開陳していたが、2人が身に付けているスーツとドレス、さらにこの食事も無洲さんからのプレゼントだったのだそうだ。
そう、プレゼントは会場だけではなかったのだ。
そのおかげで、皆様から頂いたライブへの参加料は、全額パーティへの運営費に充当することができたとのこと。
このノシ紙っていうのかな?
ココに記されている言葉もあたたかいことこの上ない。
ちなみに「ノシ」って漢字で「熨斗」って書くんだよね。
その内Marshall Blogにまた出て来るので覚えといて。
それと、コレは違うけど、祝儀袋なんかに着いている赤白のヒモね…あの「水引」は国内生産の70%を長野県の飯田市で作ってるんだよね。
アレのことの始まりって知ってる?
室町時代、当時の中国である明から贈られた物品に赤と白のヒモが付いてたんだと。
日本サイドは「フムフム、贈り物にはこういう赤白のヒモを付けるモノなのか…」と勝手に思い込んで、日本国内でも贈答品にその習慣を適用することになった。
ところがさにあらず、明ではただ単に輸出する物品を他と区別するだけのためにその赤白のヒモを付けてたんだって。「贈り物」関係なし!
でもこの勘違いのおかげで飯田市の経済が成り立っているのだからおもしろい。
…という説があることを紹介してショート脱線を終了する。
3_0r4a7648このお重がまたスゴイ。
引き出し式になっている。
司会の和佐田さん曰く「食べ終わった後は机としてご使用になれます!」

3_0r4a7813乾杯の音頭は三井さん。
しかし、何度でも書くけど、なんだってこんなに愉快なんだろうね~。
テクを盗みたいところだけど絶対ムリ!

150「カンパ~イ!」
ココで長渕剛の「乾杯」がBGMに流れ…ない。

160新郎新婦はステージから降りて…

145VIP席に収まった。

170さて、もうココからは狂熱のライブ・コーナー!
最初にご登場願ったのは…

3_0r4a7640竹内藍

190v和佐田達彦

200vはんだすなお

210vドラムレスのトリオで「はじまりの朝」。
何と藍ちゃんの今日の2人のために書き下ろしてくれた曲だ!
イイ感じの滑り出し~。

3_0r4a7646 次に登場したのは新郎。
休んでライブを楽しんでいりゃいいのに、もう出て来た!

215…というのも、出番がTAGAWAだから。
田川なしのTAGAWAじゃしまらない。
浩二さんが見えないけどTAGAWAです。

220寺沢功一230v長谷川浩二

240v曲は披露宴と同じ「Seascape」と「キミを乗せて」。
盛り上がったね~!

3_0r4a7669 盛り上がりすぎてヒロアキくんの髪の毛がこんなんなっちゃった!

260続いては清野明子がステージに上がる。

270曲は『THEME PARK』に収録されている「維新の言霊」の再現だ。
日本は言霊の国だでね~。
言葉が魂を持ってるんですよ。
「口にしたことが本当起こる」という信仰。
だから間違ってもコンサートに行くことを「参戦」だなんて言ってはいけないの!

275cdコレはね、私的にスペシャルだったんですよ。
まずは清野さんの声。
民謡の声ってすごくいいんだ。
理由は至極日本的だということ。ス~っと声を出すでしょ?コレが実に気持ちいい。
よく黒人のマネをして歌っている日本人の若い歌手がいるけど、アレはマジで勘弁して欲しい。
日本人の歌はやっぱりコレだよ。
相変わらず私はジャズもロックも聴いているけど、プライベートでは「和」のものに強い刺激を感じてるんだよね。
民謡にはまだ手を伸ばしていないけど、最近は雅楽や長唄なんかも聴いているのね。
浪曲なんか最高!
280vこのセットのもうひとつの見どころは曲
「よさこい」だ。
別の機会にも書いたけど、この「よさこい」の仕事はヒロアキくんのマスターワークのひとつだと思っていて、ズッと以前から生のバンド演奏で聴きたいと願っていた。
それが今日実現した。
しかもてらちんと浩二さんという最高の布陣で!
290ね?
美瑞穂さんもよろこんでいるでしょ?

285vバンド演奏の合間には共同作業。

300パチパチと2人の愛が火花を散らしております。

310浅野社長の出番!
愛器コアのT5を持ってのご登場。

330曲は株式会社 無洲の社歌「たんぽぽと風」。
350も~社員の皆さんのノリもいいこと!
あたたかな風が会場を吹き抜けたよ!

340ますます油に乗る三井さんの司会!
楽しいな~。

360ココでガラリと雰囲気が変わって沖縄チームの登場となる。

370Lino.

380vRAY

390vChris

400vLEON

410vAKIRA
あ、石黒さんだった!
石黒さんは沖縄からお見えになったワケではござらんよ。

420曲はシンディ・ローパーの「Time After Time」。

3_s41a0563 彼の地の仲間とヒロアキくんの関係の緊密さがうかがえるステージだった。

430おまちどうさまでした。
DioKenの出番。
今日はロニーでなくマー坊さんだよ。
当然曲はクリスタル・キングの「大都会」。

440「♪あ~あ~はってしな~い~」

450v「♪うらぎ~りのこと~ばに~」

3_s41a0585 んん~、絶妙なコンビネーション!
名曲を名演で…めでたいなったらめでたいな!
もちろん大ウケ。

460今度は司会の三井さんがマイクを握った!
あ、さっきから握ってはるか。
歌のマイクね。

471リズム隊が入れ替わる。
キーボーズにはんだすなお。
474ドラムスが高インボム。

475vベースは再び和佐田さんだ。
473v曲は「お前今日絶対」。
この演奏もスゴかったな~。

472まるでスズメ蜂の巣をつついたような火の玉ファンク!

476お客さんだってジッと見てなんかいられないよね。
手拍子です。

470ココで世界の二井原実登場!

480ベースは仮谷克之。

510vナニを演るのかと思っていたら、アータ、LOUDNESSの「Let It Go」ですよ!

490v「♪レリゴ!レリゴ!」
おなじみのLOUDNESSナンバーだけあってお客さんも大合唱。
525大恩人、二井原さんとの最高の共演だったね!

520あ~、楽しかったし、おいしかった。
そして、ずいぶん飲んだ~!
何しろ皆さんの熱気で室温が上がり、すぐノドが乾いちゃうのよ。
皆さんも同様でドリンクのコーナーは大盛況だったが、ちっとも待たされることもがなく、ピアシスのおもてなしのスキルの高さにも感動した。
何しろ店員さんも最高に感じのよい方々なんだ!
そういえば、写真を撮っていることを気遣って私の前をかがんで通過してくれた店員さん。
私はそれを知らないでカメラを提げたところ、70-200mのレンズでその方の頭部を強打してしまった。
痛かったでしょう~?ゴメンなさい!
この場をお借りして心からお詫び申し上げます。
  
最後も2人の御礼の挨拶で締めくくった。
コレで終わり…と、思ったんだけど私のアイデアで全員で記念撮影をすることにしたよ。

530せ~の!
パチリ。

540矢継ぎ早にお客さんの送り出し。
パーティにお越し頂いた皆様にも缶バッジをお渡ししなきゃ。

550最後の最後にウチも記念撮影。
家内は披露宴とパーティを通じて受け付けを担当した。
マーブロ仕事を通じてミュージシャンの方々を全員存知上げているからね?(←この文章、謙譲になってるかな?)
しかし、人間って本当にたくさんの人に支えられて生きているんだな~…なんて思ったよ。
感謝、感謝、感謝あるのみ。
さぁ、また今日もがんばろう!

ヒロアキくん、美瑞穂さん…おめでとうございました!

560日頃Marshall Blogにご登場頂く方が一堂に会する珍しい機会でもあったので、祝言全部を「ライブ」と見立てて、3日間に渡り詳細にレポートをさせて頂きました。
披露宴とパーティ、双方にわたってMarshallも活躍したしね!
やっぱりMarshallでヨカッタ!
  

田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

570(一部敬称略 2017年11月23日 ピアシス芝浦店にて撮影
ピアシス芝浦店の情報はコチラ⇒Piasisオフィシャルサイト

2017年12月12日 (火)

【田川ヒロアキ結婚スペシャル】Will You Marry Me? <披露宴:後編>

   
主役の2人がお色直しをしている間は歓談&お食事タイムだよね。
ミュージシャンの披露宴でもコレは同じ。
この間に新郎新婦のご両親が来客の皆さんにご挨拶して回り、さしつさされつするのはおなじみの光景だ。
「今日はありがとうございます。セガレがいつもお世話になりまして…」
「あ、本日はおめでとうございます!イエイエ、お世話になっているのはコチラの方でして…」
「どうぞどうぞ、イッパイ。イケるクチなんでしょ?」
「イヤ、そんなでも…。ありがとうざいます…」
「あ、ビールじゃなくて。日本酒?」
「どーもすいません。ビール飲むとトイレが近くなっちゃって…」
「イヤ~、一緒ですな~、ガッハッハ。じゃご一献…」
「ウワァットットット…こいつぁ、お口が迎えに行くてぇヤツですな」
「イヤ~、めでたい、めでたい」
…なんてね。
そのうちらくだの馬さんが『かんかんのう』を踊り出ししたりしてね…それはないか。
私もそのウチやるのかな、コレ?

10新郎新婦のプロフィール紹介は欠かせませんわな。
美瑞穂さんのアナウンサー時代の動画も映しだされ、2人の出会いのストーリーがこと細かに綴られた。
美瑞穂さんって、こういうアナウンス仕事になるとメチャクチャしゃべるの上手なんだよね。
プロだから当たり前なんだけど、普段のフンワカしたムードとはゼンゼン違うので、こういうアナウンサー時代の記録を知らない人が目にするとビックリしちゃう。
20ところで、結婚式のスピーチって、どうして「私が新郎の〇〇さんと初めてお会いしたのは~」ってやるんだろうね。
誰かが「出会った時のことを教えてくれ」と頼んだワケでもないのにどうしてもコレになっちゃう。
スピーチをしているのが誰かわからなくてはラチが明かないことはわかるんだけど、1人がそれをやると、続く人もみんなその話題になっちゃう。
ということで、私もやってみると…
「私が新郎のヒロアキくんと初めてお会いしたのは忘れもしない…アレはいつのことだったかいな~。
忘れとるやんけ!」
…とやっておいて、アレは2008年に池袋で開催された楽器の展示会でのことだった。
会ったというよりも、各メーカーのブースでコレみよがしにピラピラとギターを弾き倒している姿を見かけたという程度なんだけど。
ヒロアキくん、金髪のロングヘアだったんだよね。
「ウマいな~。弾き方が完全に間違ってるけど」…なんて思ったが、テクニックなんかよりも弾いているフレーズとその歌わせ方がすごくヨカッタのを覚えている。
音は普通だった。
ナゼならその時に使っていたギター・アンプがMarshallじゃなかったから。
この時の写真を探したんだけど、サスガになかった。その時はまだ「知らない人」だったからね。
翌年の5月、『NAONのYAON』が復活する前、日比谷の野音で『HARDなYAON』というイベントがあって、Marshallで機材のお手伝いをさせて頂いた。
そこにヒロアキくんが出演していたのだ。
「あ、あの池袋の時の変な弾き方の人だ!」
話かけてみると「Marshallが大好き」だと言うではないの。
この頃はもうMarshall Blogをやっていたので、写真撮影の許可をマネージャーにお願いした。
そのマネージャーは「Marshall Blog」という聞き慣れない言葉を耳にして不思議そうな顔をしていたがすぐに快諾してくれた。
そのマネージャーこそ今日の新婦さんだ。

3_2img_1075二井原さんとの共演ですさまじいプレイを聴かせてくれた。
この時のヒロアキくんのサウンドはスゴかったよ。
上の写真の通りMarshallだったから!
で、この時私が撮った写真を気に入って頂いて、ファースト・ソロ・アルバム『FLY AWAY』に使って頂いた。

3_2img_1065この時のことが最近作の『THEME PARK』にまでつながっているというワケ。
だから、あの時勇気を振り絞ってあのおっかないマネージャーに撮影の許可を取ってヨカッタ。
人生、ナニが起こるかわからない。

J10_cd そんな感じでお付き合いが始まりすぐに仲良くなった。
野音の翌年にはヒロアキくんが今でも時折使ってくれているMarshall初のデジタル回路搭載のモデル「JMD:1」のデモ動画の撮影をお願いしたりした。
そうそう!この時、短いデモ曲を3つヒロアキくんに書き下ろしてもらって、私がそれぞれに「J」と「M」「D」で始まる曲名を付けたんだった。
なつかしいな~。
それから、フォトグラファーとして宮古島へ連れて行ってもらったり、昨日触れたボーイスカウトの世界大会に呼んでもらったり、ずいぶん色んな仕事をさせて頂いた。
恐怖の「3時間半押しのイベント」なんてのもあった。
どれも楽しかったナ。
そして、今日!

3_img_0071お色直しを済ませた2人が会場に戻って来た!

30v美瑞穂さんは鮮やかな赤いドレスに身をくるんでいる。
ヒロアキくんはネクタイとベストを替えてリフレッシュ。

40_3たくさんの拍手に包まれて何とも幸せそうな2人。

50vご来客の皆さんの間をユックリと縫って歩き、新郎新婦席に着座。

55普通の会社員でもないし、年齢が年齢ゆえ同世代の友人は所帯を持ってしまい、私はもう滅多に結婚式に出ることなどないので、最近の傾向なんてモノはサッパリわからないが、キャンドル・サービスなんてのは古いのかしらん?
今回のコレは初めて見たんだけど、各テープルには予め何やら液体の入った背の高いグラスが置いてあって、各テーブルごとに決めた代表者が手元の液体をそのグラスに注ぐ。
すると、グラスの中に最初から入っていた薬液と化学反応が発生して大爆発!…となるところが、ウチのテーブルはグラスが美しい緑色に輝いた。3_0r4a7110 お隣のテーブルも爆発を免れ、グラスは赤く輝いた。
あのコンサートの時に頭上で振り回すサイリウムっていうヤツと同じだね。
何でもこのグラスの色は新婦のチョイスで、それぞれのテーブルのイメージを表しているのだそうだ。

3_0r4a7112 なるほど…それで美瑞穂さん、私の髪が生えるようにワカメ色にしてくれたんだな?
やさしいな~。

3_0r4a7111 今度は新郎新婦の番。
ハートの形をした我々のテーブルのグラスの親玉みたいなヤツに2人が液体を注ぐと…。
ピンクのハートになった!

3_20318さて、宴もたけなわ。
披露宴のハイライトでもある「爆音の部」の始まりだ!

100_2ハナっからTAGAWAが登場!
まずはヒロアキくんのライブでおなじみの「Seascape」でスタート。

110_2さっきはスピーチでマイクを握った寺沢功一。

120_2この日、早めにいらっしゃってバッチリと下準備をして臨んだ長谷川浩二。サスガである。130v曲はそのまま「キミを乗せて」。

150vとうとう美瑞穂さんを「ヒロアキ号」に乗せたね~!

9marry 新郎、エラくノッてます!
てらちんもノリノリ!

160結婚披露宴だからといって何の遠慮もない爆音での演奏。
Marshallも背後からお祝いしております。

170_2続いてシットリと「やっと、ずっと」。
久しぶりだな、この曲。

190_2キーボーズは石黒彰。
石黒さんはヒロアキくんのライブでの重要なサポート・プレイヤーであるだけでなく、重要なレパートリーの「Ave Maria」のアレンジャーでもある。
そして、私の「マニアック音楽友達」。
今度どっちが「音楽変態」かを勝負することになっている。200vリズム隊はヒロアキくんには欠かせない重要な音楽仲間、イヤ仕事仲間。
ベースに仮谷克之。

210_2宮古島に一緒にいった高インボム。

220vひとり両手を上げている人がいますが…ココはヒロアキくんの染み入るような歌を堪能。

180_2そして、二井原さんが加わる。

240_2「ヒロアキくんとの出会いは忘れもしない…え~、いつのことやったかな?忘れとるやんけ!」…コチラがご本家。
先回も書いたように、「田川ヒロアキ」をインターネットで発掘し、世間に引っ張り出したのが二井原さん。
それが縁で美瑞穂さんとも出会った。
人生ってスゴイな~。
“Life is like a box of chocolates. You never know what you're gonna get until you open it up.”ってヤツ。
こういうことは後から考えるからこそ「スゴい」と思えるんだけどね。
やってるときはみんな無我夢中でしてね。
「将来どうなるか…」なんて考え要るヒマなんかありゃしない。
そして、無我夢中に頑張った人だけがいい思いをするってことよ。
あ、コレは二井原さんのご挨拶とは関係ありませんからね。
二井原さんからはヒロアキくんとの「出会い物語」が披露された。

250_2二井原さんのソロ・アルバム『Ashes to Glory』への全面参加のストーリーだ。

Atg そして1曲。
二井原さんの『歌うたい祭り 寿』からその「寿」。

260_2キーボーズは半田すなおにスイッチ。

3_s41a0234 この曲でヒロアキくんが二井原さんと共演するのを見るのは初めてだ。

270v「♪鶴は千年、亀は万年、ナニ言うてまんねん」

280_2日本のロック界のお宝ヴォイスとヒロアキくんの美しいギターの音が絶妙に絡み合ったね。
やっぱりギター・アンプは真空管に限るね。
「高砂」にデジタルのアンプは似合わねぇ。
人間はアナログでできてるんだから。

290v素晴らしいミュージシャンの熱演に大きな拍手が沸き上がった。

300_2こうして披露宴も最終セクションに移っていった。
アレよ…恐怖の「涙コーナー」よ。

310ご両親への感謝の気持ちを認めた手紙を美瑞穂さんが読み上げる。
プロだからウマい!
結婚式に弱い人はもうここでナミダナミダね。

330v_2そして、お互いのご両親の元へ…。

335披露宴のクライマックス。
いいシーンだ。
でも私は泣かないよ。

340_2両家のご家族が揃ったところでヒロアキくんからご挨拶。

350_2「皆様、ホントにもう何度お礼を言っても言い足りないぐらいです。
私は、よく『見えてる疑惑』とか言われたりして、ヒョイと普通にギター・ケーブルを跨いだり、 ビデオカメラ持って走ったりとか、そんなこともあるので『ホントに見えてないのか?』と言われることもあるんです」
360_2「見えてないのかと言われながらも……今日は……見たかったな~!!で
ひとつ自慢できることがあって…私は一回も両親を恨んだことがないんですよね。 コレが最高の自慢だと思います。
そうでなかったら、多分ココの皆さんとも出会ってないでしょうね。
全然違う人生だったと思うんで…。
そうでなかったら美瑞穂とも出会ってないし、今日の皆さんとも出会っていないから…『ヤヤッ、この人生、最高だな!』と思って。
両親から最高のプレゼントをもらったな…と。
『見えてる疑惑』とみんなにネタにされたりするのもおもしろいし」

370vガサガサガサガサガサ。
涙を拭くハンカチを取り出す音が響く。
会場は全員Marshall!
「1959」、すなわち「号泣」ということね。
そんなこと聞いたら泣くにキマってるわナァ。
恥ずかしながら、ワタクシ、声を出して泣いてしまいました。
せっかくここまでこらえていたのに~!
アタマ痛え~!

380_2そして、披露宴に協力をしてくださった方々への「感謝の言葉」が綴られた。
意外にも今日のようにバンド演奏ができるホテルが少なくて、会場探しにはかなり苦労を強いられたのだそうだ。
まさかMarshallのせいじゃないよね?
最後にようやくコートヤードッ・マリオットにめぐりあったとか。
  
「今日CDを皆さんの引き出物の中にお入れしました…

3_cd2 …全部私が作らせてもらったんですが、1曲目に入っている『二人のMelody』という曲は、実は美瑞穂の誕生日に私がプレゼントした曲なんです。
 今日の曲は、『結婚式ミックス』ということで急遽仕上げました。
オーケストラの音を使って入れたんですけど、本当はピアノの弾き語りの曲なんですね。 夏が誕生日だし、2人の出会いも夏だったので、それを歌詞にしたという…まだ完成していないので、いつか完成したら今度は有料で販売したいと思います!」
コレで今日出席した人は全員買うな。
最後にマイクをハズして…
「今日はありがとうございました!超幸せです!!」

390v_2さてさて、今度はお客様の送り出し。
忙しい、忙しい…ライブの後の物販みたいだね。
あ~アタマ痛ェ。

400お帰りの皆さんにオリジナルの缶バッチをプレゼント。

410_2上に書いたように私はそれほど結婚式に出た経験はないんだけれど、とにかく最高に楽しくて感動的な披露宴だった…と思う。
とてもいいコンサートを見た時の「エ、もう終わっちゃうの?」みたいな。
おかげでメッチャたくさん写真撮っちゃったよ。
  
ヒロアキくん、美瑞穂さん、末永くお幸せに…。
そして、お2人の益々のご活躍をお祈り申し上げています。
さあ、次の会場へGo!

420_2<ウエディング・ライブ・パーティ編>につづく
 
(一部敬称略 2017年11月23日 コートヤード・マリオット銀座東武ホテルにて撮影)

2017年12月11日 (月)

【田川ヒロアキ結婚スペシャル】Will You Marry Me? <披露宴:前編>

    
Will you marry me?  
  
求婚の際、王様から家来までが口にする英語圏におけるプロポーズの決まり文句。
もちろん意味は「ボクと結婚してくださいませんか?」
「marry」というのはとってもカワイイ響きの単語だよね。
名詞の「marriage」の語源はラテン語の「maritare」。
女神アフロディーテの庇護の下に結合する…という意味なのだそうだ。
「Will you marry me?」は、最後の最後にケジメとして登場させる儀礼的な成句とする向きもあるらしいが、それだけに「彼ったら、ちっともプロポーズしてくれないの…」とその瞬間をクビを長くして待っているような彼女がこの決まり文句を告げられると「涙ドバ~」となる。
つまり、求婚相手から「Yes」という言葉が帰って来ることがキマっている時だけに使われる最後通牒というワケ。
で、「Will you~」は、「相手の意思を尋ねる表現」と学校で教わるけど、私の経験で外人と会話をしていて「Will you~?」なんて言われた記憶はほとんどないな。
でも、この決まり文句はいつでも「Will」なんだって。
  
コレが付き合い出して間もないけど、どうにも彼女のことが好きになってしまい、とりあえず「結婚したいニャ~」と自分の意思を伝えておこうという時に「Will you marry me?」ってやっちゃうと相手が「ハァァァァ?」ってなことになる。
こういう時は「Will」をシフトバックさせて過去形にして「Would you marry me?」と言うのだそうだ。
そうすると「もしかしたらでいいから結婚してくれない?」みたいなイメージになる。
どっちも言ったことがないから、アタシャよくはわからないけどね。
でも、The Beach Boysの『Pet Sounds』の1曲目、必殺の名曲「Wouln't It Be Nice」にコレが出て来る。
この「It」は「彼女と結婚すること」。
「もしキミと結婚出来たらどんなにNiceなことか!」という将来の彼女との愛の夢を一方的に歌っているとてもカワイイ曲なのだ。
  
さて、今日の主役のふたり、田川ヒロアキとマネージャーの美瑞穂さん…。
アタシャね、以前からどうも2人の仲が怪しいんじゃなかとニラんでたんだよ。
そしたらホ~ラ!
結婚したっていうじゃないか。図星だったでしょ!
…って、誰しもがいつ2人が結婚するのかヤキムキしてたっつーの!
ヒロアキくんが「Will you marry me?」と美瑞穂さんに言ったかどうかは知らないけど、めでたくゴールイン!
  
ご結婚おめでとうございます!
  
Marshall Blogもそれこそ好き勝手に色んなネタをやらせてもらってきたけど、結婚式のレポートって初めてなんじゃないかな?
タマ~にブライダルの撮影のお仕事を頂戴するけど、それらはMarshalとl関係がないからね。
あの、ブライダルの撮影ってイヤなんだよね~。
失敗したら取り返しがつかないのでものスゴく緊張するのよ。
今回は披露宴にお招き頂きつつの撮影だからまだ気がラク。
その分、私も心からお祝いをさせて頂いた!
「今、Marshallを最も美しく鳴らすギタリスト」のひとりとして、日ごろからMarshall Blogに多大なるご協力を頂戴しているヒロアキくんへのお礼の意味も込めて今週のMarshall Blogはヒロアキへの結婚ご祝儀週間にすることとした。
  
話はやっぱりMarshallから。
2人が披露宴の会場に選んだのはココ、「コートヤード・マリオット銀座東武ホテル」。
新橋寄りの昭和通り沿いにあるポッシュなホテル。
70ココで登場するのがMarshallのJCM2000 TSL100というモデル。

40_21998年の発売で、5月に『Marshall Night in TOKYO』と称したこのモデルの発表会を銀座のライブハウスで開催した。
約20年前…なつかしいな~。
その時に来日したジム・マーシャルが宿泊したのがこのホテルなのだ。
当時は単に「銀座東武ホテル」という名前だったように記憶している。

50コレがその時の様子。
左端の外人がジム・マーシャル。
こうして見ると、ガヴァナーもずいぶん若かったな。
この時、初めてジムにお会いしたのだが、まさかそれから14年経ってMarshall社に勤めるようになるとは当時夢にも思わなんだ。

60そんな思い出があるこのホテル。
この日、ヒロアキくんと美瑞穂さんのご結婚披露宴という強力な思い出が新たに刻まれることになった。
受付ロビーの様子。
開かれたのは11月の23日だというのに早くももうクリスマスツリーが…。

80とにかくみんな祝福の気持ちが抑えられないようで、ずっとヒロアキくんを応援してくれている貴子さんのイラストや沖縄の華ちゃん作のグッズをはじめとした、ファンや友達から寄せられた様々なお祝いアイテムが受付に飾られた。

90その隣にはヒロアキくんのこれまでの作品がズラリと展示された。
ずいぶん色々やって来たね~。

100開宴前、まだ誰もいない会場にチラリと忍び込ませてもらったよ。

110ああ、私がこの席に座らせて頂いたのはいつのことやら…31年も前のことだ~!

120何やら見慣れない装置も…。

130ケーキでかし!
いつか自分たちの結婚披露宴の写真をカナダから来た若い女の子に見せたところ、ケーキの写真を見て「one, two, three, four, five…」と段を数え出した。
すると、私たち夫婦をチョットからかうように「お子さん、3人足りませんね?!」と言った。
コッチは意味がわからずポカンとしていると、「ケーキの段数は、結婚してから設ける予定の子供の数を表しているんですよ!」と教えてくれた。

140v会場内にセットされた特設ステージ。

150Marshallのハーフスタックがセットされた結婚披露宴会場なんてメッタにないでしょう。
ヒロアキくん愛用のJVM210Hと1960A。
ま、言ってみりゃMarshallはいつもと同じ。

155vいつもと違うのはこの2人…

170今日はこんな感じ!

180着替えを済ませ、2人は開演前に記念撮影を済ませた。
ウェディング・ドレスを着飾った美しい花嫁さん。
今日の主役は完全に美瑞穂さんだよ~。

185v受付が開始され、続々とお客さんが集まり始めた。

190浩二さん。
後ろは音楽室DXの賀山さん。

200SUPER BLOODの亮さん。210石黒さん。

220てらちん。

240お~、NAOさん!
久しぶり~。
20周年を迎える広島は呉のライブハウス、「ケラウスランブラ」の親分。

245和佐田さんも到着。

250控室もにぎやかになってきた!
いつもMarshall Blogにご登場頂く方がズラリ。
二井原さんももうお見えになってる。

270「滅多にしない格好」ということで記念撮影。

280いよいよ開宴の時間となった。

290披露宴会場へ移動~。

3002人も会場へと向かうよ。

310v会場の中は賑やかなイルミネーションが雰囲気を盛り上げている。
ヤベッ!ココで私はトイレに行きたくなっちゃってサ…。

320アラま!
「♪ロビーでバッタリ~」
ちょうど新郎新婦がスタンバっいるところだった。

330vこの姿は今ココでしか撮れないのでトイレを我慢してシャッターを切る。

340そしていよいよ…

350新郎新婦のご入場~!
BGMは二井原さんの「Here We Go」。
美瑞穂さんはもうこの時点で胸がイッパイになってしまい涙が出そう~!
それを見たヒロアキくん(実は見えている)ももらい泣き。
また、それを見たホテルのスタッフももらい泣き。
何のこたぁない、ハナっからどころか、ドアが開く前からみんなで泣いてやがる。
しっかりしろ!

360それもそのハズ、この2人を結びつけた当人こそが二井原さんだったのだから!
 
ちなみに私は自分の結婚式の時、まったく泣きませんでした。
それより、うれしくてうれしくて…。

370盛大な祝福の歓声に包まれながら着座。

380新郎新婦からごあいさつ。
「オ~イエ~、オオオイエ~」…と来るかと期待したけどサスガにやらなかった。

390v純白のドレスに白い花のブーケ…花嫁さんってのは本当に美しいですな。
いつもステージの上でギター・ケーブルをクルクル巻いてヒロアキくんの機材を片付けている敏腕マネージャーさんにはとても見えません。

400vハイ、カンパ~イ!
ここで長淵剛の「乾杯」が流れ…ない!

410「やっと、ずっと」だね~。

420ココからご来賓の方々の祝辞やビデオによるお祝いメッセージのコーナーに突入。

425村岡山口県知事もビデオ・メッセージを送ってくれた。

430_1知事とヒロアキくんは一昨年に山口市で開催されたボーイ・スカウトの世界大会で共演していることはマーブロ読者ならご存知の通り。

440私の人生で一番暑かった日。
後で知ったことだが、実際に当日の彼の地は日本で一番高温だったと聞いた。
演奏のことは忘れても、あの暑さは一生忘れんわ。

450ヤッチンからもメッセージが届いた!
心温まる~。
ヒロアキくんは年明け早々の恒例のヤッチンのバースデイ・ライブに出演することになっているからね。
楽しみだ!

460メッセージは海外からも届けられた。
美瑞穂さんがアメリカに留学していた時のホスト・ファミリーから。
スゴイね!大変だよ、コレだけ仕込むの!

470さらに!
「ああ、田川くん!ワシや!今日は行かれんでスマン!」
会場から大爆笑が沸き起こったファンキーさんのメッセージ!
ファンキーさんもヒロアキくんのキャリアに欠かせない重要人物だが、例によって海外に出ていらして残念ながら披露宴には出席できなかった。
ファンキーさん得意の360度画像でイヤがオウにも盛り上がってしまう!

480おふたりさんも大爆笑!
しかし、笑いの絶えない披露宴だ。

485

ご挨拶の実物編では、ミュージシャン仲間代表でてらちん…

490沖縄チーム代表でLinoちゃんがご挨拶。

495vそして地元下関の朋輩、濱崎さん。
濱崎さん、メチャクチャご挨拶が上手でビックリしちゃったよ。
笑いと感動を絡めた内容といい、早口の割には発音がやたらとクリアなしゃべり方といい、「良いスピーチ」の完璧な例以外のナニモノでもない。

500コレもボーイスカウトの時のひと幕。
濱崎さんは「馬関奇兵隊」というよさこいチームを率いていて、このイベントのクライマックスで登場した。
地元の郷土史に造詣が深く、先日、下関で開催されているある行事の興味深い写真を見せて頂いた。
さらに数週間前、五代目古今亭志ん生が昭和31年に芸術祭文部大臣賞を受賞したことで知られる「お直し」を久しぶりに聴いていたら、そのマクラで濱崎さんが見せてくれたその下関の写真に関することに触れていた。
こういうのが重なると俄然現地に行きたくなって来ちゃうんだよね~。
いつか行ってみたい下関なのだ。

510あ…そういえば、シリモンコン・ルーパスパットさんは披露宴に来てなかったな~。
ヒロアキくんの隣のお方。
こんなに仲がヨカッタのに。

520新郎新婦、ご結婚後初めての共同作業でございます…

530ケーキ入刀!

540歓談タイムを挟みながら宴は進行する。
そして、2人はココでお色直し。
私もやったよ、31年前!

550v写真タ~イム!
小野原さんも、KENちゃんも、亮さんも、塩湯さんも、府川さんもニッコニコ!
こんなにみんなが楽しそうに新郎新婦の写真を撮る披露宴なんてないんじゃない?
今回の撮影で最も気に入っている写真のひとつなの。

555ヒロアキくんも実にうれしそうだ。
しかし、美しいドレス姿ですな。
美瑞穂さんは上背があるので、こうした洋装がよく似合う。
ちなみにさっきのケーキの段数もそうだけど、この結婚式の装束にもチャンと意味がある。
やっぱり一番目を惹くのは花嫁さんの長いヴェールとドレスの裾だよね。
もちろん、ドレスの裾が長いのは、床の掃除を省くためのアイデアなんだけど…ウソですよ~。
Marshall Blogは冗談は書くけど、ウソは書かないようにしてますからね~。
このヴェールもドレスもビローンと伸びている部分を「トレーン(train)」というんだけど、決してJohn Coltraneのアダ名ではなくて、電車のように「長~く伸びているサマ」を表わす言葉。
古来、コレは家柄を示しているのだそうだ。
つまり、格式が高い家ほど、長くなる。
だから美瑞穂さんはこの長めのトレーンのドレスがよく似合うのだ。
ダイアナ妃だってスゴかったでしょ?ナニせ「Princess of Wales」だから。
ウチは娘がいなくて助かってるけど、我が家は「無トレーン」よ。
また手袋は、キリスト教では肌の露出をしないのが正装とされているため、必ず花嫁は手袋を着用する。コレも長い方が家の格式が高いことを示す。
さらに手袋をつけて「無垢で清い存在」を守るという意味もあるんだって。
そして、結婚指輪をハメる時は手袋をハズすでしょ?
アレは手袋をハズして「私は今からアナタのモノになります」ということなんだと。
また、ヒロアキくんはやらなかったけど、新郎はよく手袋を手に持ってるでしょ?
アレは新婦を守る「剣」の象徴なのだそうだ。
もうひとつ…今、ヒロアキくんが美瑞穂さんの右側に立っているけど、このポジションにも理由があって逆はマズイ。
この状態は新郎が右手に剣、左手に盾を持って、その盾でお嫁さんを守る…という意味が込められているそうだ。
ハイ、ギッチョの人は文句言わない!

560盛大な拍手で送り出される2人。
お色直しの後、披露宴は爆音と感動の後半に突入する。

570v<披露宴:後編>につづく
  
(一部敬称略 2017年11月23日 コートヤード・マリオット銀座東武ホテルにて撮影 ※一部を除く)

2017年12月 9日 (土)

2017はSHOW-YA、2018もSHOW-YA

  
「年末か~…」。
この数年この時分になると、私にはうれしい季節の風物詩が届く。
それは、翌年のSHOW-YAのカレンダー!
今回の2018年分も私が撮った写真をたくさん載せて頂いた。
こうして苦心して録った自分の写真や文章が形になるのは、いつになってもとてもうれしいものです。
今年も「ロックの女王様」たちをイッパイ撮らせて頂いた。
それにしてもスタッフの方々、選ぶの大変だろうナァ。
私の感覚では、写真ってモノは撮るより、選んだり、キチッと保管したりする方がよっぽど大変だと思っている。

20去年は30周年記念ということで、色んな企画が目白押しだったが、今年はややユッタリ・ムードだった。
チョット今年のSHOW-YAを振り返ってみると…
スタートは4月の『NAONのYAON』。
コレはSHOW-YAのファンの方々とも話をしたんだけど、昨年の最後のコンサートが六本木で終了した時、「ああ、次は4月野音か…。まだ大分先のことだナァ」…なんて寂しがっていると、アッという間に年が明けて、年度が変わって『NAONのYAON』がやって来ちゃう。
ホント、早いよ。

057月には『GET YOUR SHOW-YA 2017』と題した夏のツアーで大阪、名古屋、川崎でコンサートを開催。
「今年は鹿鳴館がないんですかね~」とザンネンがっていたファンがいらしたが、チョット待てよ…
私なんか「エ~?! 鹿鳴館で演ったのって去年だっけ?今年じゃなかったっけ?」というアリサマ!
筒井康隆の小説で時間の経過がやたらと早くなってしまう男の話があったが、私はアレになっちゃってんのかね?

440そして、9月になると2年ぶりとなる待望のオリジナル・アルバム『AURORA』を発表。
コレはヨカッタ!
私なんか聴いた瞬間「そうこなくちゃ!」と快哉の声を上げたよ!
そして、2か月後のレコ発をメッチャ楽しみにしていた。
しか~し、「さとみさんが大ケガを負ってしまった」という衝撃のバッド・ニュース!

15cdレコ発ライブの直前に開催されたミニ・ライブと握手会ではさとみさん抜きで敢行。

120鹿鳴館が今年のことだったと勘違いしている私のことだからして、2ヶ月なんてアッという間にやって来る。
初めてお邪魔した品川のインターシティ・ホール。

10寺田恵子

30v_2五十嵐☆sun-go☆美貴

40v中村美紀

50v角田mittan美喜

60v やっぱりさとさんは欠席。
残念だったけど、その穴を埋めるべく趣向を凝らした内容がとてもステキだった。
今回はコレをもってインターシティのライブ・レポートに代えさせて頂く。

80エ?チャンとやれ!って?
もうMarshall Blog飽きたでしょうに~。
…なんてことはツユほども思っていないので、いつも通りドップリやりますので乞うご期待!
  
すでに次の『NAONのYAON』も4月29日に開催されることだし、来年もSHOW-YAと決め込みましょうや!
野音まで丸4ヶ月…またアッという間だぞ、コリャ。
  

SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

70

 

2017年12月 7日 (木)

MR.PG PLAYS 1959

  
またもやって来ましたブードカン。

10今日はMR.BIGの東京公演。

207月にリリースした『Defying Gravity』を引っ提げての来日公演だ。
いつぞやはブタちゃんが飛んでいたけど、今回はゾウさん。
「defy」とは「無視する」とか、「ものともしない」とかいう意味。
するとタイトルは「重力関係なし!」みたいな意味だからゾウが逆さになってる?

30リハーサル後の楽器雑誌向け取材タイム。
ナンカ久しぶりにこの光景を見た気がするな。

70伝統と例によって皆さん、サオものの撮影にご執心。
ま、アンプはおもしろくないからね。
四角くて黒いだけだから。
でも、音を出しているのはアンプだからね。

T_0r4a3537 ということでウチはもっぱらコレ。
アンプ屋ですので。
今回のポールのチョイスは1959のフル・スタック。
つまり、1959SLP、1960Aそれに1960Bのセット。
ナ~ンの手も施していない市中に出回っているのと同じモノ。
何で知っているかというとウチから持って行ってるMarshallだから。

40vアンプの取材はおもしろくないかもしれないけど、よく見てみると色んな発見があるんよ。
例えば、今回ポールは「INPUT IIのHi」を使っていること。
それにボリュームは「2弱」…「less than 2!」とポールは笑ってた。
MIDDLEを「1以下」にしてPRESENCEは「7近く」まで上げている。BASSは「4」。
こんなんだと音がペランペランになりそうなイメージだけど、ゼンゼンそうはならない。
キャビネットは上下鳴らしている。
ギターばっかりマネして、こういうところに目を向けないのはナンセンスだよね。

50足元のようす。

60武道館でMR.BIGを拝見するのは何回目かな?
今回も大入り満員!
開演前には愛息のマーロンくんをお連れになったポールの奥様と再会。
2013年のポールのソロ・バンドの東京公演以来。
マーロンくんは生まれた時の姿を写真で拝見しただけだったので、その成長ぶりにビックリ!

35大歓声に包まれてショウはスタート!

90ニュー・アルバムを引っ提げての来日とだけあって、セットリストはアルバムの収録曲が中心となった。

100相変わらずのショウマンシップに長けたエンターテインメント性の高いステージ。
いかにもアメリカのバンドって感じだよね。

100v曲を引きたてるツボを押さえたソロが素晴らしいね。
決してギター・ソロを聴かせる曲ではなくて、曲を聴かせるためのギター・ソロ。
でも、ジックリ聴いちゃうソロ!

120vステージの後には大型のスクリーンが備え付けてあって、色々なイメージ画像やポールが描いたイラストが映し出される。
さすが、ポール!
ギター・アンプのイラストがMarshallになってる!
「Marshall」とは書いていないけど、どう見てもMarshall。
コレで判別できちゃうMarshallもスゴイ。
そう、オリジナルだからね。
そして、エリックがポールに向かって手を差し出しているのは…

130ドリル~!

140v当然下手側ではビリーもやってる。
やっぱりコレがなくちゃね!

150ポールとは彼がMarshallに戻って来てくれてからのお付き合いなので、カレコレもう結構長くなった。
その間、ずいぶん色んなモデルを使ってもらった。
最初はVintage Modernのコンボ、2266Cだったかな?
JMDのコンボを使ってもらったこともあったし、JVM410HやDSL40Cの時もあった。

160大分前、ポールは私に「シングルコイル・ピックアップの音の特性を強調したいんだ」みたいなことを言っていたことがあった。
今まではそれを考えてのアンプのチョイスということもあったハズなのだが、ナニを使おうといつもそれぞれのモデルの良いところを引き出してくれた。

170そして今回のギターのピックアップはハムバッキング。
1959SLPはそれゆえのチョイスだったのかもしれない。
でもね、今までで一番好きな音だったな、私は。
もう音の輪郭がハッキリしていて、何せヌケる。
それよりもナニよりも、出て来るのが限りなく美しいMarshallの音なのだ!
やっぱりギターアンプは真空管に限る。

190v知り合いも何人か観に来ていて後で話を聞いてみると、皆クチを揃えてポールのギターの音の良さをホメ称えていた。
ま、Marshallですから?!
それとショウの楽しさだよね。
アニメで語られた「パット・トーピー物語」にはやはり涙を流した人たちが多かったようだ。
そのパットがアンコールで「We're an American Band」を元気よく歌ったのにはビックリ!
メッチャ歌うまし。
外人ってのはホントに歌のうまい人が多い。
ポールもそうだけど。
そんな連中が集まってるんだもん、コーラスがキレイにキマってるわい。
「Vocals」と歌のパートが常に複数で表現されることからもわかるように、海外では複数の人間が同時に歌を歌う行為は、古来からごく当たり前のことなんだろう。
そして、海外のロックと日本のロックを決定的に異にしている要素のひとつは「コーラスの多寡」なんだよね。
ホント、素晴らしいショウでした。

180タマにはこんな一枚も。
しかし、背が高い!
マーロンくんもデカくなるんだろうな~。

200vMR.BIGの詳しい情報はコチラ⇒WOWOW ENTERTAINMENT公式サイト

T_0r4a3648(敬称略 2017年9月26日 日本武道館にて撮影)

2017年12月 6日 (水)

クリスマスがやってくるぞ!(ケリー・サイモンCODEへ飛ぶ)

 

先日、CODEシリーズの100Wのヘッドとコンボが発売されたことをレポートした。

10そして、それに伴って渋谷のアンプステーションでKelly SIMONZによるCODE100のセミナーが開催された。

20実はKellyさんのCODEのデモンストレーションはコレが初めてではなくて、昨年の楽器フェアでもご担当頂いている。

30この時はCODE50までしか発表されていなかった。

40_2 それが今日は100W。
実は私も100WのCODEは未体験だったのでどんなことになるやらとても楽しみだった。
何せ「爆音」はMarshallの大事な商品だでね!

50v会場内には100WコンボのCODE100も展示。

55_3既発のCODEやフットスイッチまで取り揃えて頂いて、そのサマはさながら「コード天国」。
さすがイケベさん、高度な行動力!
後はフィッシュ&チップがあればな~。(註:Marshallの故郷、イギリスの代表的な食べ物のフィッシュ&チップスのネタはタラ。「タラ」を英語にすると~。「コッド」ですな。チト苦しいか。)90特設ステージにセットされたCODE100Hと同時発売のスピーカー・キャビネットCODE412。

45このヘッド、今回の正式発売に際し、一番最初に姿を現した時よりホンの少し小さくリサイズした。
パネルのレイアウトにも少し変更が加えられ、反対にディスプレイは若干大きくなり、フットスイッチのジャックとヘッドホンやMP3のジャックの位置が入れ替わった。

60キャビネットのアングルのデザインにも変更が加えられた。

T_img_0014 「Kellyさんは、Xperia」かどうかわからないが、ヘッドの上にはCODEの専用アプリ、「GATEWAY」がインストールされているKellyさんの携帯をセット。

70その画面を傍らのディスプレイに表示した。

80セミナーは時間通りにスタート。
会場の都合で定員は20名で打ち止め。
予約の段階でアッという間に定員に達してしまった。
参加できなかった皆さん、ゴメンナサイ!

95司会はアンプステーションの本田さん。
本田さんとMarshallへ行ったのはもう何年前だ?
ジムは倒れた後だったけど、まだゼンゼン元気な頃だったよね。

100v_2そして、Kellyさん登場!
ギターを下げる前にまずは衣装の解説から。
手ごろな値段でアメリカでゲットした皮の上着。
手を入れたら元の値段の何倍にもなってしまったとか…。
そういうえばこういうロック衣装って見なくなりましたナァ~。

110_2結局、冒頭からその自慢の皮の上着を脱いじゃった。
そして、さっそくデモンストレーションに入る。

120v曲はKellyさんのライブではおなじみの「Future Destination」。
いつも通りギンギンに弾き倒してくれた。

130本田さんからCODEについての質問が寄せられ…

135Kellyさんがひとつひとつ丁寧に答える。
数え切れないぐらいこうしたセミナーをこなしているkellyさんのこと、説明はバッチリ。
どんな質問に対しても、お客さんが知りたいであろうと思われることを絡めて理路整然とキチッとわかりやすく話してくれる。

140v基本的にはいつも使っている1959を想定したKellyさんのてプリセットを使用。
もちろんそれだけでなく、他のプリセットやその場でGATEWAYを操作して音質や機能を説明。

150「47」っぽい設定は自分の年齢だって!
Kellyさんもおっしゃっていたけど、ノイズ・ゲートはできるだけ浅くセットするのがCODEをうまく使うコツ。
Kellyさんは通常はノイズ・ゲートに頼らず、ギターのボリュームの光速(ママ)コントロールでノイズを殺している。
耳障りなノイズはもちろんご免被るが、「ノイズもMarshallのうち」という考え方もあって、ある著名なギタリストは、レコーディング・エンジニアが気を効かせて取り除いたノイズが全く気にくわず、後からノイズだけ足し直した…という話もあるぐらいなのだ。
要するに不自然なノン・ノイズはかえって「エレクトリック・ギター特有」の音質を悪化させてしまうということ。

160音色を変えてGary Mooreの「Sunset」。

170v100Wということや4x12"キャビネットということもあろうが、楽器フェアの時に比べてサウンドは格段にグレードアップ。
Kellyさんがいつも使っている1959と同じ…ということは口が裂けても言えないし、思わないが、かなりの完成度。
やはり大出力のCODEの方がよりMarshallらしさが出るように聴こえた。

180サウンド・メイキングのコツを懇切丁寧に解説するKellyさん。

190もちろんQ&Aにも積極的に取り組んでくれた。

200v演奏の方も「Far Beyond the Sun」や「Opus #1」等の人気曲をタップリと演奏し、CODEの魅力をジックリとデモンストレーション。
そう、Kellyさんっていつもホントにサービス満点なんだよね~。
ありがとうございました。
 
Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website

210vさて、毎回書いているけど、CODEのもうひとつの魅力は「MY MARSHALL」というコミュニティ。
コレを活用してもらいたいんだよね~。
ということでKellyさんも色々仕掛けてくれているよ。
  
詳しくはコチラ⇒CODEをフル活用するなら、MYMARSHALLへ登録!

220vもうすぐクリスマスだからね~。
どうでしょう、ギタリストの皆さん。
CODEシリーズもアンプ系がすべて出そろったところで、自分へのクリスマス・プレゼントにCODEを贈るってのはいかが?
しかし、このコスト・パフォーマンスはスゴイよ。
今回の100W系も「Marshallさん、大丈夫なの?無理しないでよ!」と言いたくなるのではないか?と思われる価格だと思われると思うのです。
クリスマスがダメならお年玉!
冬の夜長をMarshallの歴代の名器を自分で好き勝手イジって楽しもうではあ~りませんか!
 
CODEに関する情報はコチラ ↓  ↓  ↓
Marshall日本語版オフィシャル・ウェブサイト
Marshall BlogのCODEウンチク大全集『その暗号を解け!』

230(一部敬称略 2017年12月3日 渋谷アンプステーションにて撮影 ※協力:ヤマハミュージックジャパン)

2017年12月 5日 (火)

KRUBERABLINKA ~ 秋の大演奏会

 

「イヒヒ…」
今日はいきなりCazさんの笑い声から。
ステージに立つのがとてもうれしそう!

10v11月のはじめにヘヴィメタルの重鎮が大阪の野音に集結した『Burn Up The Castle』なる強力なイベントでひと暴れしたKRUBERABLINKA。
早々に和重さんから当該のイベントへの取材のお誘いを頂戴し、私もお邪魔したかったのだが、なかなか大阪までは行かれないのよ~。
東京でもやってくれればいいのに…と思うところだが、東京にお城はないからナァ。
もし、ドクが私のそばにいてプルトニウムが手に入ったら江戸時代にタイム・スリップしてまず吉原を見に行く。
それから江戸城。江戸城見てみたかったナァ。
それでもうサッサと現在に帰って来る。
何やらステキだったと書かれることが多い江戸時代だが、モノの本を読むと、現代に比べて不便は仕方ないにしても、不衛生で危険で残酷で、とても今の人たちが暮らせるシロモノではなかったらしいから…。
ということで、東京のKRUBERABLINKAを楽しもう!
9月末に開催した4か月ぶりの東京公演だ。
今回も新曲を携えてのステージ。
とても楽しみにしていた!

20赤尾和重

30v鈴木広美

35v広美さんはJVM210Hと1936。

40足元のようす。

50鎌田学

60鎌田さんはEDEN。
Terra Nova TN501とD410XLT。

70おかげさまでこのTN-501、いつでもどこでも大好評なのです。

80泉谷賢

90NATALのアッシュ。
フィニッシュはホワイト・スワール。

100和重さんの「イヒヒ」に続いての1曲はいきなり「宇宙は滾れ」。

110セカンド・アルバム『KAIZU』のリード・チューンをいきなり出してくるなんて。
気合いが入ってるようすがうかがえる。
「大富豪」で言ったら一巡目の一1目が「2」か「A」の3枚組を出すようなモノだぞ。
ま、いつものことだけどね。

120続けて最近作『Conicarify』から「場所」。
270v広美さんのソロもジョーカー級の切れ味。
やっぱりこういうロックは真空管アンプのギター・サウンドに限りますナァ。
お望みとあらば、レコーディングではデジタル系の製品をいくら使っても一向に構わないが、やっぱりお客様からお金を頂戴して音を聴かせる生のステージでは真空管のアンプでギターを弾いてもらいたいよね。
だって、「ロック」ってそういう音楽なんだもん。
いくらテクノロジーが進歩しても「自然の法則」をネジ曲げることはできないんよ。

130v「リハの時、ハシゴ車が3台ぐらい走って行ったんです。カッコよかった~」
え、和重さんって「はたらくくるま」マニア?
そう、すぐ近くに四谷消防署があるのです。
アソコ、消防博物館みたいのが入ってるんだよね。いつか見てみようと思ってる。
そして、前回の「メロン」に続くKRUBERABLINKAのこの日だけのスペシャル・カクテルが紹介された。
140今回は「キウイ」。
KRUBERABLINKAのキウイは「変なヤツ」…すなわち鳥のキウイね。
鳥のカクテルだとオロナミンCに生卵を入れて「オロナミン・セーキ」ということになってしまって誰も手を出さないだろう。
だから、ココは当然果物のキウイを使ったカクテルね。
あの「オロナミン・セーキ」…本当に試した人っているのだろうか?
私の周囲でそういう人にめぐりあったことはついぞない。

150「『キウイ』のお味はどうですか~」
テーブルのフチに置いてある黄色いのがソレ。
サッパリしていてとてもおいしかったそうだ。

155v「久しぶりに演ります」と紹介したのは「ZULU SUIT」。
コレも『KAIZU』からのチョイス。

160_zl鎌田さんのソロ。
今日はノッケからフレットレスだよ、
「ニュイーン、ニュイーン」という独特のサウンドがタマらんね。
その音を送り出しているのがEDENちゃん。
このTN-501ってのは成りは小さいクセに本当にスゴイ。
音に深みがあるんだよね。

170和重さんもカシシをフルっての熱唱!

180v続けては『CYPRESS』。
ココまで『KAIZU』と『Conicarify』の収録曲だけで固めてある。

190_cpKRUBERABLINKAの独特な曲調にベストマッチする独特のギター・ソロ。
うまくできてますな。

1_img_0209ココで5月に披露した新曲「CELL DIVISION」を再演した。
この時でまだ4回ぐらいしか演奏したことがなかったとか。

210v_cd変拍子をごく自然に取り入れた複雑な曲調。
転調もゴチャゴチャとからまって実にゴキゲン!
NATALの音がまた気持ちいいこと!

220こういう曲は好きだナァ。
「作るのも演奏するのも苦労のカタマリ」みたいな曲は大歓迎だ。
そも代わり、聴く時は真剣に聴きまっせ!
この曲、次のCDに入れてくれるんでしょうね~?

230MCを挟んで次に持って来た曲も久しぶりだとか…「サイコロ」。
そうかナァ…曲ひとつひとつの存在感が大きくて印象が強いせいか、ナニを演っても久しぶりに聞こえないのよ!

240v_skココで休憩。
第2部に移る前にみんなで「キウイ」を補給。

3_img_0005 そして、第2部。
ここのところ第2部の初めは広美さんのギターをバックにアンプラグドで和重さんと「KIWI」を演るパターンが続いていたいたが、今回はバンド・バージョンで…。

250チョットこの写真ではわかりにくいけど、和重さんが「KIWI」にちなんでお腹のあたりがグリーンの衣装をまとっているの。

260_agこんな感じ。
照明も緑になっちゃってるけど。
ちょっとゴシック調なところがKRUBERABLINKAのレパートリーにマッチしてるね。290v「お待たせしました~!新曲コーナー!
グチャグチャ言わんと聴いてもらいまひょか。気に入って頂けたら我々も続けていけますんで…」
KRUBERABLINKAの新曲はいつも楽しみだ。
このバンドでしか聴くことができない音楽が飛び出してくるからだ。
人のことかと思って簡単に言わせてもらうけど、やっぱりジャンジャン作っていかないと!
そしてそれを続けていかないと!
ファンはいつでも好きなミュージシャンの新しいモノを待っているんだから。

300_mtしかし、やってしまいましたね~、和重さん。
「ナンやねん?」ってタイトルやねん。
あれほどセメント関連は危険だ…と言っておいたにもかかわらず、今回の新曲のタイトルは「モルタル」。
ということで、ここで「モルタル」で大脱線!…しようと思ったけど最小限に止めておくことにしましょう。しかも、以前にもどこかで書いたことだ。
ハイ、「モルタル」とはナンでしょう?
そう、セメントと砂と水を混ぜたモノですな。
そこにジャリを入れるとどうなりますか?
答えは「コンクリート」。
モルタルと砂利が混ざるとコンクリートという材料に呼び名が変わる。
そうした時、砂のことを「細骨材」、砂利のことを「粗骨材」と呼ぶのね。
日本工業規格(JIS)では粗骨材には最大寸法というのが定められていて、土木は40mm、建築は20mmなの。
要するにそれ以上大きな砂利をコンクリートに入れてしまうとJIS製品として生コンクリートを出荷しちゃいけない。
そして、「モルタル」はそれらの粗骨材をつなげる役目をしている…というのがコンクリートの仕組み。
砂利にも色々な仕訳があって、「栗石」とか「籠石」とかデッカイ石も用意されている。一般的に大きければ大きいほど値段も高い。
もうね、石だの砂だのも話し出すとキリがないのでココで止めておこう。
「表面乾燥飽和状態」とか「アルカリ骨材反応」とかなつかしいな。
私も結構勉強したぜ。
モルタルは他にも積みレンガや空洞ブロックのつなぎ、外壁材として使われますな。
ちなみに水とセメントだけの「十割そば」みたいなヤツはセメント・ペーストと呼びます。
以上、大きなマイクでお騒がせしました!

310v_piKURUBARABLINKAらしいファスト・チューン。
しっかりギター・ソロもフィーチュアされて期待通りいい感じに仕上がった!

320「ありがとう!OK!ではもう1曲。コレも新曲です!」
おお~!
大サービス!
370…と、いきなり和重さんから歌い出したのは「PARADISE INFERNO」という曲。

340_ycこれまたゴキゲンのスピード・ナンバー!

360この和重さんの自信ありげの姿を見よ!
演奏し慣れない曲を初めて聴く人たちの前で演奏するってのはやっぱりドキドキもんなんだろうけど、それだけにドカっとウケた時の快感はスゴイものなんでしょうね。

350_sd「ありがとう!楽しい曲やね。楽しいけど大変やわ!」
もちろん2曲とも大ウケ。
「コレだけでも来た甲斐があったわ~!」

330v「チョット大人になってもらおうか…お酒飲みながら聴いてね」
新曲を無事演奏し終わってジックリ演ったのは『Blanko』から「夜光虫」。

2_img_0444 次もライブではあまり取り上げて来なかったという「スゴイダンス」。
このセクションは『Blanko』特集だ。
バラードの次に演ると余計にヤカマしいというけど、コレもKRUBERABLINKAらしい曲だ。

380_drmそして、いよいよ最終セクション。
大人のマイナー・シャッフル「だれも」。
なつかしのファースト・アルバムから。
2011年の11月のリリースか…もう丸6年経ったのですね。
まだ私は40歳台だったのか…。
Tempus fugit!

2_img_0405各メンバーのソロもタップリとフィーチュアされた一大巨編!

390鎌田さんのフレットレス・ベース・サウンドが宙を舞い…

400vボンちゃんの汗が飛び散る!

410vもう1曲。
ファースト・アルバムから「業火」を演奏して本編を終了した。
もんのスゴくキメ細かい気遣いのセットリスト!
和重さんがいかに自分たちの曲を愛でているのが伝わって来る。

1_img_0182 アンコールではおなじみの広美さんのア・カペラのギター・ソロでスタート。

420_tbrそのまま「帳」になだれ込み…

430最後は期待通りのキラー・チューン「Don't be so mad」ですべてのプログラムを終了した。

440

450v

460vそうか…KRUBERABLINKAは2016年はアルバムを出さなかったのか…。
『Conicarify』がつい最近だったような気がしてたもんだから、和重さんにそういわれて初めて気がついた。
和重さん、「来年はスゴイの作りますよ!」とおっしゃっていますぞ!
「CELL DIVISION」入れてくれるかな?
新作が楽しみだ~!

470vKRUBERABLINKAの詳しい情報はコチラ⇒KRUBERABLINKA Facebook

480

<NATAL>について
時は1965年、場所はロンドン。
伝説のパーカッショニスト、アラン・シャープは理想の楽器を編み出すことに没頭していた。 
そして、ついにそれを手に入れた。 
やがてその楽器は多くの人の知れるところとなり、
レッド・ツェッペリン
ディープ・パープル
ザ・ローリング・ストーンズ
ブラック・サバス
UB40
ボブ・マーレー
…らに重用された。
アランは「*ロー・プロファイル・フープ」の開発者。
彼はいつもナニかを作り出そうとしていた。
そして今、我々がそれを引き継いだ。
アラン・シャープのレガシーは生きている。

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

(一部敬称略 2017年9月30日 四谷Sokehs Rockにて撮影)

2017年12月 4日 (月)

さよならマット・ユマノフ!~私のニューヨーク

 
実際には既に金曜日の時点で12月に入っちゃってるんだけど、改めて時の早さに驚きますナァ。
2017年ももう終わりだもん。
モダン・ジャズ・ピアノの開祖として知られるバド・パウエルに『Jazz Giant』というアルバムがある。
『ジャズの名盤』に数え上げられることもあって、私も20代の頃はよく聴いたものだった。
このアルバムの1曲目に「Tempus Fugue-It」という曲が収められている。
凄まじくドライブするマイナーのバップ・チューン。
録音は1949年。
穐吉敏子もソロ・アルバムで取り上げているが、ピアニストの他にもマイルス・デイヴィスの演奏なんかも有名だ。
それだけカッコいい曲…マイルスはカッコいいこと以外は絶対やらないから。
で、そのタイトル。
コレはチョットしたシャレになってる。
クラシックが好きな人は「Fugue」が「フーガ」であることはすぐ読み解けると思う。
元は「Tempus Fugit(テンパス・フュージット)」というラテン語(ラテン語では「テンプス・フギト」と字面通り読むらしい)。
意味は「光陰矢の如し」。
英語で言えば「Time flies like an arrow」…と教えるのは日本の学校。
ネイティブの人はこんなこと言わない。
「Time flies!」だ。
そんな「Tempus Fugue-It」のテンポのようにブッ早い時の流れの中で世の中がガンガン変わり、それによって色んなことが起こる。
良いことももちろんあるけれど、音楽業界に目をやるとITテクノロジーの進化でソフトもハードもズタズタにされているように見える。
CDの開発までで止めておけばヨカッタんですよ。
そして…。  
コレはちょっとショックだったナァ…。

T_3img_5346 マンハッタンはグリニッジ・ヴィレッジにある老舗の楽器店、「Matt Umanov(マット・ユマノフ、「ウーマノヴ」が正しい発音かな?)」が昨日閉店した。
リペア部門は今後も継続するらしいが、かつてはボブ・ディランも通ったという1965年開店のニューヨークの名物楽器店のひとつがなくなってしまうのはとても寂しいことだ。
いつも「ロンドン、ロンドン」と騒いでいるのは、色んなことを知るにつれて、若い時あれほど憧れていたアメリカが「チョット、チョットチョット」の国であると思うようになった背景もあるんだけど、ニューヨークだけは別。
今でも、いつでも行きたい街であることに変わりはない。
この楽器店のことをからめてタマにはニューヨークの思い出なぞを…。

10私が初めてニューヨークに行ったのは1995年のことだから、22年も前のことになる。
ナニをしに行ったのかというと、デヘヘ、遊びに…。
ジャズとミュージカルと美術館の旅だ。

15まだ、前の前の会社に勤めていた時のことで、その会社のニューヨーク支店の方々に大層お世話になった。
コレは3rdアヴェニューにあるその会社の事務所で撮った一枚。
ね~、窓からクライスラー・ビルが見えるんだよ。
東京じゃどうガンバってもスカイツリーが関の山だもんな~。
以前はパーク・アヴェニューにあるあの有名なパンナム・ビル(現メットライフ・ビル)に事務所を構えていたが、アホほど家賃が高いとかで何年か前にこの3rdアヴェニューに引っ越してきていた。
残念!
この頃のマンハッタンは、128丁目以北や8thアヴェニュー以西、そしてアルファベット・アヴェニュー以外であれば安全と聞いていたが、駐在の方から「先週も1stアヴェニューで追いはぎがあったんだよ」という話を聞されてビックリした。
その方は、移動の際にはどんなに近距離でもタクシーを使うとのこと。
「だって、相手は銃を持ってるんですよ。ズドンで終わりですから」と言っていたのがとても印象的だった。
そんなことを聞かされてはいたものの、着いたその日の晩にひとりでグリニッジ・ヴィレッジのブルーノートに繰り出し、パット・マルティーノとジョー・ロヴァーノのダブルヘッドライナー・ショウを観た。
久しぶりの海外旅行で興奮していたのか、身体はクタクタのハズなのに全く眠くならなかった。
次の日も、またその次の日も夜になると目が冴えて、寝付いたかと思うとすぐに目が覚めてしまう。
この時、人生で初めて時差ボケのツラさを知った
しかし、この頃は毛があったな~。
今は「お怪我(毛が)なくてヨカッタ」ってか?「大山」じゃねぇ「ミューヨーク」詣りしてんだよ。

17vちょうどこの時、フランク・ザッパのベスト盤がリリースされた時で、HMVの店頭にザッパの顔がズラリと並んでいてうれしかった。
やっぱり日本のレコード店をはワケが違うのよ。
昼は美術館や名所めぐり、夜はミュージカルやコンサートを観て、それからヴィレッジのライブハウスにジャズを聴きに行くということを繰り返した。
そう、丸っきり『踊るニューヨーク』のフランク・シナトラ状態だった。
楽しかったな~。
でも、このために1年近く前から、ニューヨークに関する本や映画に目を通し、丹念に下調べをした。
行く頃には郵便配達ができるぐらいの知識を蓄えていたんよ。
ところが!
英語にはかなり難渋した。
ナメていたのね。
向こうに行ってすぐに気がついたのは、現地の連中は「英語ができないヤツは相手にしない」ということだった。
とにかく現地の皆さんの態度が冷たい。
英語を解さないヤツは人間じゃない…というワケで、日本に来ている外人と違ってやたらと愛想が悪い。
反対に気がついたことは、「コレ、英語ができたらこの何倍も楽しいんじゃないの?」ということだった。
そして、その場で英語を勉強し直そうと決心したのであった。

16とにかくガッカリしたのは楽器屋だった。
ニューヨークにはロンドンのデンマーク・ストリートやお茶ノ水のようなところが西48丁目にあって、サム・アッシュやマニーズのような店がズラリと軒を連ねていた。
この頃はまだギターに夢中で、希望に胸を膨らませてイの一番に訪れたのだが、ゼンゼン期待はずれだった。
チョット程度のいいストラトキャスターを見つけると日本製だったり、汚いワリには値段が破天荒に高かったり…。
「ダメだ、コリャ…」とキッパリと諦め、事前に調べておいたグリニッジ・ヴィレッジにある楽器店に期待をかけた。
その店がマット・ユマノフだった。
 
グリニッジ・ヴィレッジに行って11時の開店を待って店に飛び込んだ。
その時のことが「旅日記」に記してある。
アタシャ、元来こういうことをするのが好きでしてね。
昔からマーシャル・ブログをやっているようなもんでさ。
でも、こうして書いておくと絶対に忘れてしまうような些細なことも後に思い出すことができてすごく楽しいね。
ナニナニ…フムフム…なるほど、この頃はホントに一生懸命ギターをやっていたんだな~。
長野市のパブでハコバンをやってたからね。
ギョエ!途中でヤバいことが書いてある!
ま、この時はマーシャルに勤めるなんてことは夢にも思っていなかったのでご愛敬ね。

50上のメモにあるように、お店ではウィットという日本人の奥さんがいる若い店員が相手をしてくれた。
日本語なんてゼンゼンできないのよ。
にもかかわらずアンケートに答えてくれっていうワケ。
質問は「どうしてこの店に来たのか」ということなんだけど、もちろんこっちは英語で説明なんてできるワケがない。
何とか知っている単語で「日本にいる時に、前もって調べて来た」と伝えたいのだが、どうもうまくいかない。
すると彼は「Come across?  Come acorss?」ってしきりに訊いてくるんだよね。
何とかして私の答えを「I came acorss your store」にしたいようなのだが、何しろコッチは「come across」の意味がわからない。
面倒だから「ハイハイ、『かむあくろす』って答えればいいんでしょ」と心で思い、最終的に「Yes」と答えた。
彼は「ほおらね!」と言わんばかりにニコリとしてくれたが、コレは「タマタマ出くわした」という意味で、私の本意ではなかった…ということが大分後になってわかった。
おかげで「come across」は一生忘れない英語表現のひとつに昇格した。
  
ところでマクドナルドをはじめとした海外のファストフード店って有色人種の店員ばかりでやたら不愛想じゃない?
ロンドンなんかはそうでもないけど、ニューヨークはヒドイというか、もはやコワイというか。
小声で注文などしようもんなら「ハアアアア?」と、まるでテレビドラマに出てくる殺人事件の取調べの刑事のような迫力で攻めて来やがる。
で、「Here or to go?」なんて眼光鋭くドスのきいた声で聴かれると完全にビビってしまって、そこで食べて行くつもりだったのに、つい「トトト、トゥ、ゴウ」と答えてしまったりして。
それでワザワザ袋に入れてくれたハンバーガーを店内で食べる時の後めたさと恐ろしさね。
その店員の視線から死角の席に座って隠れて食べたりして…。
さすがに今はこんなことはないけど、以前は「コーヒー」を頼んで普通に「コーラ」が出て来たこともあった。
「コ」しか聞いていない。確認もしない。
もちろん何の文句も言わずにそのコーラをおいしく頂戴しました…とさ。
やっぱり日本が一番いいわ。

40で、その時買ったレス・ポールがコレ。
セス・ラバーが巻いたピックアップが乗ってるんだって。
翌年、イリジウムに行った時、レス・ポールご本人にこのギターの写真を見せたところ、「ああ、キレイなギターだね~」と言ってくれた。

20vね、「MATT UMANOV GUITARS」というステッカーが貼ってあるでしょ?
私がこのギターを買ったようすを見ていて他の店員がやたらと「いい買い物だ!」みたいなことをうれしそうに言っている。
私も実際気に入って買ったものなのでそう言ってもらえると悪い気がしない。
しかし、よくよく聞いてみると、このレスポールはその店員の委託品だったの。
道理でホメるワケだわ。
コレに立派なリユニオン・ブルースのケースが付いていた。
 
結局、48丁目の楽器店よりは魅力的な品ぞろえではあったが、それでもヒックリ返って驚くようなモノがズラリと並んでいるようなことはなかった。
ところが…。
途中でトイレに行きたくなって貸してもらうように頼んだ。
「ああ、どうぞ。アッチだよ」と店に裏に連れて行ってもらった。
すると、そこには大きなガラスのショウ・ケースが置いてあって、あるわあるわ!
中に収まっていたのは、ビンテージのL5、L7、L6S、ピッカピカのTal FarlowやJohnny SmithやBarney Kessel…この時はフルアコしか興味がなかったのでフェンダー系のギターは記憶にないが、きっとスゴイものがあったのだろう。
そういうことです。

30翌年、リターンマッチをやった。
再度ニューヨークを訪れたのだ。
この時に備えて1年間、ミッチリ英語の勉強をした。
朝から晩までやった。
まず「出る単」の内容を1冊頭に入れて、NHKの英会話のプログラムは初級からビジネス英語まですべて録音。買って来た教本と首っ引きで取り組んだ。
ブックオフで良さそうな英語関連の書籍を見つけると片っ端から買い込んだ。
営業でひとりで車に乗っている時はズ~っと英語のテープをかけて耳を鍛えた。
英字新聞のスクラップもやった。
当時は長野に住んでいたのだが、家内が近くに住んでいる外人を探して来て個人レッスンをしてもらった。
ま、コレだけやっても所詮は付け焼刃。
とても完璧というワケにはいかなかったが、それでも英語の勉強が楽しくなったし、さほど英語がコワくなくなった。
ポイントは語彙と文法ということもわかった。
そして、もうひとつ。
よく「アタシって~、外人の言ってることは~、だいたいわかるんだけど~、しゃべれないんだよね~、ウケる~」みたな話を耳にするが、コレは絶対ウソ。
「わかっている」ような気になっているだけ。
話している相手の英語が聴き取れる能力がある人は、しゃべることもできるって!
ナゼかというと、スピーキングというモノは、しゃべる時に適切な単語が見つからないことはあるにしても「ナニを相手に伝えたいか」を見失うことはない。自分が言いたいことなんだから。
それに相手は世界中のヘタクソな英語に慣れているので、何とかそのヘタな英語を理解してくれようと歩み寄ってくれるのが普通だ。
つまり助け船を出してくれる。
中にはものすごく勘のいいのがいて、60%ぐらいしか英語で説明できていないのに120%以上理解するヤツがいるんだよね。
一方、外国語を聞きとるのは本当に大変なことだ。
ナゼなら、ナニが出て来るかわからないし、頼れるのは自分の聴き取り能力だけだから。
聞いたことのない単語が出てきたら、もう理解のしようがないでしょ?
「辞書を引かなくても単語の意味がわかるようになる」なんて言うけど、コレもウソ。
「意味が分からなくでもごまかせるようになる」だけの話。
もちろん何度も相手に訊き返すことも構わないのだが、人によっては3回目はNGになることもある。
だからまず気を付けるべきは、少なくとも肯定文か疑問文の区別をつけられないとかなり恥をかくことになる。
「What....」と訊かれて「Yes」と答えたところ、「'What'に'Yes'の答えはない!」と注意されている人を目の前で見たこともある。
  
「『聞く』は『言う』よりムズカシイ」、すなわち、「攻撃は最大の防御なり」…ということもわかって意気揚々と再度ニューヨークに乗り込んだのであった。
その結果…恥ずかしがらずに色々な局面でこちらから積極的に話をすると、なるほど前回とは大違い。
どこでもみんなニコニコしてとても親身になって応対してくれるではないか!
とてもうれしかったね~。
そして、再度マット・ユマノフを訪れた。
今回はオーナーのマットに会うことを前提にお土産を持参した。
海苔だ。
首尾よくマットに会ってそのお土産を渡したところ大いによろこんでくれて、お店の黒いオリジナルTシャツをお返しにとプレゼントしてくれた。
さっそく昨年私の面倒をみてくれたウィットに面会を申し入れると既に辞めてしまったという。
代わりに私の応対をしてくれたのは…アレッ?!
去年もお店で会った私のレスポールの前の持ち主じゃないの!
彼の名前をズィークといった。
向こうも私のことを覚えてくれていて「ヨォ!どうだい、オレのレスポールの調子は?」ってなもん。
「オレのレスポール」だっての。キミのじゃない。
「今回はどうするんだい?」と訊かれて、「安いSGかテレキャスターがあれば買って行こうかと思っているんだ」…コレぐらいのことはもう英語でラクラク言える。
予算を告げると、さすがにSGはムリだという。
じゃ、ということで下のテレキャスターのアメリカン・スタンダードを買うことにした。
約60,000円だった。

60vおしゃべりをしている時に当時私が大好きだったピックをズィークに見せた。
「ジョン・スコフィールドだね?」と、すぐさま言い当てた。
「でもね、本物はこのサインが金色なんだよ」と付け加え、「彼はこの店に来るの?」と私が尋ねると、「ウン、時々来るよ」と答えた。
本場やな~。
そうしている合間も店内の電話がジャンジャン鳴る。
すると、電話を取り次いだ店員が呼び出された人に受話器を渡しながら「ジョン!ギブソンから!」とか「フェンダーからだぞ、ポール!」とか言うワケよ。
MarshallからSkypeがかかってくる今なら何とも思わないけど、当時はコレがメッチャカッコよくてね~。
本場ならではの光景でしょう。
日本だと「〇×楽器さんから」とか「△□商会からお電話です」ということになる。

70その後、数年して私は楽器業界に転職し、楽器の輸入販売の仕事に就いた。
さっそく何か最新の海外のヒット商品を輸入できないものか?と考えた私はズィークに連絡を取ってみた。
メールなんてまだ普及していない時代だったのでファックスだ。
自分が楽器業界に転職したことと、彼が持っていたレスポールを愛用していることを伝え、「今、ニューヨークで最も流行しているグッズを教えてくれ」と頼んでみた。
すると、すぐに返事が来た。
「It makes me happy that my Les Paul is being enjoyed by a fine guitar player」だって。
もちろん社交辞令である。
そして、1998年当時、ニューヨークで猛烈に流行しているアイテムとして…

T_img_5319このホンモノのタバコの空き箱で作ったアンプを紹介してくれた。
すぐに買って送ってもらったが、その会社で取り扱うことはなかった。
コレ、どこ行っちゃったかな?
  
コレが最後のマット・ユマノフとの交流だった。
この後、一度だけNAMMの直前にニューヨークに行ったが、マット・ユマノフを訪ねることはなかった。
代わりにすごい光景を目にした。
その日は信じられないほどの大雪で、人っ子ひとりいないタイムズスクエアを目撃したのだ!
写真を撮っておけばヨカッタな~。
後で知ったことなのだが、実はそれは雪のせいだけではなくて、スーパー・ボウルの試合が重なっていたからだったらしい。
冬季にニューヨークを訪れたのは初めてのことだったので、『真夜中のカウボーイ』のあの道路から吹き出る湯気を見て興奮したっけ。

80vそれから数年して、ギターセンターがニューヨークに進出したことにより48丁目の楽器店街は壊滅状態に陥ったと聞いた。
その情報を耳にした時、マット・ユマノフがヴィレッジにあってヨカッタと思った。
そして、そのギターセンターも経営が苦しいという話を最近耳にした。
通販の隆盛である。
「実際に弾いて試さないでギターを買うのかね~」なんて台詞をもう日本でもスッカリ聞かなくなった。
アメリカはシアーズをはじめとして元々通販の盛んな国なので、ひとたびギターが通販で普通に流通し出せば小売店はひとたまりもないのであろう。
そして、とうとうマット・ユマノフも斃れた。
少し前にスタテン島のマンドリン・ブラザーズも終わったとか…。
さらに世界でも一、二を争うギター・メーカーも今や苦しい経営を強いられているとウェブサイトのニュースが報じていた。
あと数年したらギターを楽しむ人がこの世からいなくなってしまうのではなかろうか?
冒頭でも触れたが、この原因はもちろん流通の変化によるものではなく、ITの普及により音楽が無料になってしまったことが根本的な原因だろう。
おかげで音楽の質が低下して、ギター・ヒーローもいなくなってしまった。
一体どこまで変わっていくのやら…。
日本でこの現象を歓迎しているのはTシャツ屋とチェキ屋、それに今治の方々か…。
そういえば、私がニューヨークに行った時にはワールド・トレード・センターがあったんだよな~。
  
最後に得意の「三大」でこの記事を〆てみると…。
「自分の人生を変えた三大出来事」は…まず、家内に出会ったこと。
それからジャズを知ったこと。ココから音楽の愉しみが飛躍的に広がった。
そして、英語を覚えたこと…と言っても、まだまだゼンゼン使い物にはならないが、結論としてこうしてMarshallで働き、毎日のように英語を使っているのは驚き以外の何物でもない。
それもこれも、この2度のニューヨークの旅があったからなのだ。
Tempus Fugit…今日はちょっとセンチな気分でマット・ユマノフの個人的な思い出をつづらせて頂いた。
   
ちなみに、1回目の渡航にはカメラだけ。
そして2回目の時はビデオを持って行った。
もちろん私のことなので、微に入り細に穿ちテープを回したが、帰って来て1度はそのビデオを見たが以降2度と見ることはなかった。
ビデオはテレビなりパソコンの前で構える必要があるし、どうしても一定の時間がかかってしまう。規格もすぐに変わっちゃうし。
動きもしなければ音も出ないけど、写真はこうして気軽に引っ張り出して好きなところだけ見れるのがいいし、思い出を書き込んでおくこともできる。
2回目も写真にしておけばヨカッタ…と少々後悔している。
やっぱり私は写真派だ。

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