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2017年1月

2017年1月31日 (火)

LOUDNESS 35th Anniversary Year Special Live “SAMSARA FLIGHT” <後編>

さて、コンサートも中盤に差し掛かる。

10_2高崎晃

70v

二井原実

160
山下昌良

150v_2
鈴木政行

S41a0366 ギターを持ち替えて演奏したのは1999年の『ENGINE』収録の「ASYLUM」。

20_3初めて耳にした曲だが、カッコいいナァ。
この時期のLOUDNESSも実にいいナァ。
「asylum」というのは「亡命者」という意味。
この言葉に関して、誰かからイヤな話を聞いたことがあった。
例えば政治的あるいは経済的な理由で国境を越えて来た者を白人は、白人に向かっては「aylum」と呼び、有色人種に向かっては「refugee(リフュジー)」と呼ぶ…とか。
「refugee」とは「難民」という意味だ。
30

昨日も書いたが、LOUDNESSはやっぱり曲のクォリティが問答無用で高いと思うね。
私が感じるその「高さ」とは、「日本人離れ」ということ。
例え日本語で歌ってもテイストとか空気は欧米のハードロック、あるいはヘヴィメタル・ミュージックのモノだ。

40v反対に今の若手のヘヴィメタルのバンドが奏でている音楽は丸っきり「邦楽」に聞こえる。
特に女の子のバンドは顕著だ。
最近の皆さんは、若くても楽器を扱う技術に関しては、昔に比べて圧倒的に優れているのだが、ごくわずかのバンドを除くと、やっぱりやっている音楽は欧米のそれとは全く違って聞こえる。
いいとか悪いとかいうことでは全くないんですよ。
ただ、やっぱりどこからか変わっちゃってるんだよね、この手のロックも。
一曲で普通の人の一生分ぐらいのピッキングをして、煙の出るようなものすごい速弾きのギター・ソロを聞かせてくれるのはいいのだが、前後の歌のメロディが「え、それで本当にいいの?」という感じ…私なんかにはそう聞こえちゃうのね。
元々ロックが持っているハズのナニかが欠落している気がしてならないんだよね。
大人の表現をすれば、「日本人は自分たちのヘヴィメタルを確立した」ということになるのだろうか?
そこへいくとLOUDNESSの曲の場合、歌詞を英語にして、同じ演奏技術を持つ外人に入れ替えて演奏させ、それを目をつぶって聞いたらどうだろう。
恐らく全員が日本のバンドの曲とは思うまい。
そこには「時代」とか「世代」の違いということ以外に、ロックへの関わり方の大きな差があるのだろう。

50このギターを提げた高崎さんを何度も撮らせて頂いたが、今日はいつになく蛍光が鮮やかだナァ。
暗がりで黄色いフチ取りだけのギターがブチかます轟音が素晴らしい。

6021世紀のLOUDNESS、最初のアルバム『SPIRITUAL CANOE~輪廻転生~』から「THE WINDS OF VICTORY」。
100
オリジナル・メンバーが結集し、ここでもテーマは「輪廻」だった。

60vこの曲なんて、さっき書いたことがモロに当てハマるでしょう?
歌詞は日本語だけど、日本のバンドのサウンドにはまったく聴こえない。
もちろん、それもこのリズム隊があってのこと。

80v日本が世界に誇る「ジャパニーズ・ヘヴィメタル・リズム・マシーン」だ。
(コレはジャズ・ドラムの巨匠、Elvin JonesのJazz Machineとアルト・サックス界のRitchie Blackmore、Phil WoodsのEuropean Rhythm Machineから拝借しました)

90いよいよコンサートも終盤に入る。

1102001年にリリースされたもう一枚のオリジナル・スタジオ・アルバム『PANDEMONIUM~降臨幻術~』から「THE PANDEMONIUM」。

120タイトル通りの大修羅場チューン!

130_2段々時代が近くなって来た!
やっぱりこの時代になるとLOUDNESSサウンドにも大きな変化が出てくるね。
2002年の『BIOSPHERE』から「HELLRIDER」。

1402004年の『TERROR~剥離~』から「THE CITY OF VAMPIRE」。
行きつけのラーメン屋で、スポーツ新聞を見ながら大好きなニラそばをすすっていると、芸能欄にLOUDNESSが出ていた。
それは「LOUDNESSがニュー・アルバムをリリースした」という紹介記事で、そこには「今度のアルバムはBlack Sabbathを標榜した」ぐらいのことが書いてあった。
その時、アルバムのサンプルを頂戴し、実際に聴いたけど、私にはゼンゼンLOUDNESSだった。(私はほんのチョットだけSabbathが苦手なんです)

180そして時代は一気に現在に!
2014年の『THE SUN WILL RISE AGAIN』からタイトル・チューンと「MORTALITY」を演奏して本編の幕を降ろした。
このアルバムについてはリリース時にMarshal Blogでも記事を編んでいるのでご覧になられていない方はゼヒご覧頂きたい。
コチラ⇒LOUDNESS~WORLD TOUR 2014 "THE SUN WILL RISE AGAIN″

200
そして、アンコール。
ここは定番の人気曲で固めて来たよ~!

190まずは「CRAZY DOCTOR」。
イントロだけで最高の盛り上がり!
昨日、今日とLOUDNESSの曲の良さについてチョコチョコと書かせて頂いているが、2009年ぐらいにフランクフルトのMarshallのパーティでPaul Gilbertと一緒になったことがあった。
どこかに書いた記憶があるが、彼はもうとんでもないロック好きで、ズ~っと音楽を話をしている…といっても共通の話題は音楽かMarshallしかないんだけど…。
で、高崎さんの話題になると、ギター・プレイの素晴らしさに触れた後、「LOUDNESSの曲はメロディアスですごく好きだ」って。
自分が作った曲でもないのにこういうのはスゴクうれしいよね。

210v
締めくくりは「S.D.I.」!

240

80年代から90、2000年代、そして現在までの偉業を俯瞰し、また、80年代の原点に帰っていった今日のLOUDNESS。
まるで一編の映画のような展開だった。
長年追いかけているファンにはたまらなかろうて!

230_2エンディングをガツンと決める高崎さん。

250_2裏はこうなってるんだぜ。

S41a0004

この後、LOUDNESSは東京で二度コンサートを開く。
ひとつはガン撲滅チャリティ・コンサートの『Rock Beats Cancer』。
そして、もうひとつはファンのリクエスト曲で構成されたベスト・ヒットLOUDNESS。
そのコンサートをもって『THUNDER IN THE EAST』の完全再現から、35年のLOUDNESSの歴史を〆ることになったワケだ。
一年を費やして作り上げた35周年記念事業の企画自体もアッパレだったと思う。
さすがLOUDNESS!

LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒LOUDNESS Official Website

26035周年イヤーであった2016年には数々のアイテムがリリースされた。
最後に発売した音源アイテムがコレ。
『LOUDNESS BUDDHA ROCK』。
『GHTTO MACHINE』、『DRAGON』、『ENGINE』の3枚のアルバムのリマスター音源にビデオクリップを収録したDVDが組み合わさった4枚組。
ジャケットもカッコいい!

Br そして、もはやおなじみ『SAMSARA FLIGHT』が2種。

30cd_2

スッカリ気に入っちゃってかなり聴いています。

40cd_2
そして、高崎さんのギター・コレクション写真集。

270v_2そして、ギター・カラオケ本。
スコアとマイナスワンCDですな。
もう一回言わせてもらうならば…表紙の写真は私が撮らせて頂きました!
  
2017年のLOUDNESSも楽しみだ!

280v(一部敬称略 2016年11月28日 Zepp Diver Cityにて撮影)

 

2017年1月30日 (月)

LOUDNESS 35th Anniversary Year Special Live “SAMSARA FLIGHT” <前編>

毎度、毎度、「早い、早い」と時の流れの容赦のなさに驚いているが、一年なんていうのはアッというまだ。
そもそも2017年の最初の月ももう明日で終わろうとしている!
そんなワケでLOUDNESSの35周年イヤーであった2016年も信じられないぐらいのスピードで過ぎ去ってしまった。

10_2でも、Marshall BlogではまだLOUDNESSの35周年は続いている。
今日お送りするのは、11月末に開催された『LOUDNESS 35th Anniversary Year Special Live “SAMSARA FLIGHT”』という文字通りスペシャルなコンサート。
そして、まだ今日のレポートの後にもスペシャルが控えているのでお楽しみししておいて頂きたい。

20_2さて、35周年ということで2016年はLOUDNESS関連、あるいは高崎さん関連のアイテムのリリースもにぎやかたっだ。
まずは今日レポートするコンサートのタイトル作品『SAMSARA FLIGHT』。
初回限定盤は2枚のCDとDVDで構成され、DISC1にはメンバーが選んだファーストからサード・アルバムの12曲のセルフ・リメイク音源が収録され、DISC2は、ファンが選んだベスト・アルバム、そしてDVDは、Marshall Blogでもレポートした、今は無き渋谷公会堂で一昨年の9月に開かれた『THUNDER IN THE EAST』完全再現ライヴの映像が収められている。

30cdそして、通常盤には上のセルフ・リメイク曲集とボーナス・トラックが一曲収録されている。

40cdCDだけでなく、高崎さんのギター・コレクション本もリリース。
発売イベントのもようもレポートした

50vbさらに、高崎フォロワーにはうれしいスコア&カラオケ本も発売された。
ちなみに、表紙の写真は私が撮らせて頂いたものだ。うれしい。

60vbさて、コンサート。
いつも通りの期待と緊張感が張り詰める中、4人がステージに登場した。

80高崎晃

90v二井原実

100v山下昌良

110v鈴木政行

120vしばしのインスト・パートを経てオープニングに選ばれた曲は「LOUDNESS」!

130あのハード・ロックの権化のようなカッコいいイントロ・リフがガツンと出てきただけで、もう会場の興奮は最高潮よ!

140v矢継ぎ早にドライビング・チューン、『Lonly Player』。
ココまでの2曲は『SAMSARA FLIGHT』のDisc1に収録されている。
すなわちメンバーにチョイスされた曲たち。

150vそして、「SPEED」。
この曲のリフも、いかにもLOUDNESSらしくて好き。
「SPEED」はDISC2に収録されている。ファンの人気が高いということね。ま、当然でしょう。

160vMCをはさんで「CRAZY NIGHTS」。
当然ドッカ~ンと盛り上がるわナァ。
200v

山下さんの地の底を這うような重低音…

180vアンパンさんの怒涛のドラミング…このリズム隊あってのこのサウンド!
気持ちいいいことこの上なし。

190vそして、カラっと「LET IT GO」。
LOUDNESSはドハードでドヘヴィな曲は言うに及ばず、この曲とか「GOTTA FIGHT」のようなメジャー系の曲もすごく魅力的だよね。

170v

そしてグッと落として「So Lonely」。

210ここまでの6曲はすべて『SAMSARA FLIGHT』に収録された曲でセットリストは構成された。
この後、コンサートはガラリと変わる展開を見せた。

220LOUDNESSはこの35周年を迎え、そして終わる間に35周年史をキッチリと俯瞰する事業に取り組んでいたのだ。
つまり『THUNDER IN THE EAST』の完全再現で幕を開け、『SHOCKING DEVIL'S LAMD』で初期のレパートリーを披露。
今日のコンサートを経て、昨年の最後の最後にファンが選んだ人気曲をすべて演奏して35周年を締めくくったのだ。
ん~、メッチャ仕事が丁寧!さすがLOUDNESS!

230今日のコンサートは1989年の『SOLDIER OF FORTUNE』以降の各アルバムから、これまた丁寧に一曲ずつ選び出し、演奏した。
まずは「YOU SHOCK ME」。

240v1991年の『ON THE PROWL』から「DOWN 'N' DIRTY」。

250どの曲でもギター・ソロが出るたびに「タッカ~ン!」の大きな掛け声がかかる。
それに呼応するかのような密度の濃いソロ!
やっぱりカッコいいわ~。

260vバンドに在籍していなかった時代のレパートリーも完璧に歌いこなす二井原さん!

270vそして、ここで定番のドラム・ソロ!

280ツーバスを利してのすさまじいパフォーマンス!

290そしてこの笑顔!
LOUDNESSのコンサートに不可欠なシーンだ。

300vここはチョット変則的に、92年の『LOUDNESS』から「BLACK WIDOW」と「EVERYONE LIES」が選ばれた。

310『HEAVY METAL HIPPIES』からの選曲はなく、97年の『Ghetto Machine』から「LOVE & HATE」。

320…と80年代と90年代のLOUDNESSを駆け抜けて見せた。
35年の歴史ってのは相当長いね。
なぜ、長いかという、常にLOUDNESSが前進してきたからなんだな。
しかしね~、ホント思うんだけど、曲のクォリティがあまりにも高いよね。
いい素材に素晴らしいパフォーマンス…やっぱりケタ違いにカッコいいわ!

330v<後編>ではコンサートの後半のもようをレポートする。

LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒LOUDNESS Official Website

10

(一部敬称略 2016年11月28日 Zepp Diver Cityにて撮影)

2017年1月29日 (日)

【号外!】 四人囃子『錯』、桜咲く!サクサクとサクセス!!

岡井大二さんのロング・インタビューを交えて紹介した四人囃子の新譜『錯』が去る25日にリリースされ、大好評を頂戴しているそうです!

9_ 過去のバンドの古い音源で編まれたアルバムとして異例の売れ行きだとか。
Marshall Blogをご覧になってお買い求め頂きましたお客様には心から御礼申し上げます。
ご存知の方にはなつかしく、初めての方には新鮮にこの日本のロックの最高峰のサウンドをお楽しみ頂いていることと存じます。
これを機に…というほど甘いものではないことはわかっていますが、流行や話題以外のいい音楽が復権できることを願って止みません。
ありがとう四人囃子!

Img_01042 <岡井大二さんのインタビューはコチラ>
Vol.1
Vol.2
Vol.3
Vol.4

おかげさまで大二さんのインタビューは毎回ものすごい件数のアクセスを頂戴しました。
やはり、いい音楽を求めている人がたくさんいらっしゃることを確信した次第です。
末筆ながら、すでにご覧頂きました皆様にこの場をお借りして併せて厚く御礼申し上げます。

2017年1月27日 (金)

空より高く~Strange, Beautiful and Loud×Silex <SBL編>

Strange, Beautiful and LoudとSilexのダブル・ヘッドライナー、『Up from the Skies』も後半に入る。
ちなみに「ツーマン」という言葉はいくら和製英語にしてもヒドすぎる。
和製英語でも秀逸なものもあるが、「ツーマン」はチョット…。せめて「ツーメン」、「スリーメン」。
何か新しいラーメンみたいでおかしいな。
そこで、「ダブルヘッド・ライナー」あるいは「ダブル・ヘッダー」という呼び方をおススメしている。
とにかくネイティブさんの前で「ツーマン」なんて不思議な言葉を使うことだけは避けて頂けるとありがたい。
ネイティブさんといえば、前半で出演したSilexのPeteはカナダのご出身だ。
カナダと言えばフランス語を公用語としているエリアもあるが、Peteの故郷はロッキー山脈の真っただ中の英語圏。
イメージとしては、長野の日本一の星空の阿智村、「日本のチロル」が愛称の上村(現在は飯田市に編入)、あるいは南信濃村(同現飯田市)という感じか。
スケールがゼンゼン違うか…。
また昔話で恐縮だが、何度もマーブロに書いている通り、以前の仕事で長い間信州に赴任していた。
その関係で、上の村々を訪れる機会が何度もあった。
これらの村は飯田市街から入って行った南アルプスの中にあるのだが、イヤ~、初めて南信濃村に行ったときは心底驚いた。
…というかショックを受けたって感じかな?
私は生まれも育ちも東京なもんで、あまりの田舎加減にビックリしてしまったのだ。イヤ、田舎というのとはまたチョット違うんだよな…「山」か。
それまでにも富山に住んでいたことがあって、なかなかにアルプスチックな山村をいくつも見てはいたのだが、信州のソレには到底かなうものではなかった。
よく地方の中学生が修学旅行に来て、渋谷駅前のスクランブル交差点を見て腰を抜かす…みたいのがあるでしょ?
アレの正反対。クララみたいなもんね。
「何もない」というより山しかない。
「どうして、一体どういう理由があってこんな山間に住まなければならないんだ!」というとてつもなく大きな疑問が浮かび上がってくるワケよ。理由は後で知った。
当時、南信濃村は無医村だった。
それで、仕事先の方と昼食を摂ることになって、「名物料理を召し上がれ」というワケ。
ありがたいですね。
「名物料理」は「ヤマニク」だという。
「ヤマニク?」ってなんだ?こんなところでエスニック料理か?…と思い、「ヤマニク」の名店に連れて行ってもらった。
また驚いたよ。
店先には白目をむいて、ダラ~と長く赤い舌を伸ばしている大きなイノシシの死骸が山と積んであったのだ。
そもそも本物のイノシシ自体だってほとんど見たことがないのに、ドッカと山になってんだよ。しかも死んでるし。中にはうらめしそうにこっちを見ながら悶死しているヤツもいるわ。
さ、「ぼたん鍋」召し上がれ~…って食えないよ~!
ぼたん鍋は丹波篠山に行った時に一度ご相伴に預かったんだけど、ごめんなさい、私、鼻に関しては「犬」と言われてますもんで…もうあのオイニーで頭がクラクラしちゃって…。
で、この時も当然降参。
「なんだ、シシはダメら?」ぐらいのこと言われたが、ご親切にも代わりの料理を注文してくれる。
できれば放っておいて頂いて、カップラーメンでもいいんですけど…何てことも言えない。
相手はお客さんだ。
「じゃ、熊は?」「イヤ、ちょっと…」
「じゃ、鹿は?」「イヤ、それも、あの、普通の牛とか豚とか…」
「山にはそんなモンはねえら!」
そう、「ヤマニク」とは当然「山肉」のこと。
今でこそ「ジビエ料理」とか言ってるけど、私は一食ぐらい抜いてもゼンゼンへっちゃらですから!
それで、一昨年、イギリスのコッツウォルズへ行ってまたビックリ。
イギリス人がウサギを食べるのは知っていたけど、結構山肉を召し上がるのを新しく知った。
詳しくはコチラ⇒【イギリスーロック名所めぐり vol.16】 コッツウォルズにロックの名所なんかあんの?!
何でイノシシの話になったんだ?
あ、Peteの故郷だ。
上の話はPeteとは一切関係ありませんからね。
話を元へ戻すと、そのネイティブのPeteも「ツーマン」、「スリーマン」はすごく変だと言っていた。
コレが言いたかっただけなのにイノシシの死骸の山まで出てきちゃった。
あ、それと「メタラー」という言葉にも大きな違和感を覚えるともPeteは言っていた。
私はコレはそんなに抵抗がないのです。
  
さて、Strange, Beautiful and Loudの登場。

10三宅庸介

20v山本征史

30v金光健司

40v三宅さんはMarshall JVM210Hと1960BV。
征史さんのヘッドはMarshall 1992SUPER BASS。キャビネットもMarshall。
金光さんはNATALのアッシュ。
すなわち、Marshallのファミリー商品がこの素晴らしいサウンドのサポートをしている。
SilexのhibikiくんはEDENだし…このダブル・ヘッドライナー、最高だ!

50今回のオープニングは「devil」。
まだアルバム未収録の新しめの曲…と書き続けてどれだけ経ったかな?

60vこのバンドならではのリフと、ロックとはおよそ呼びにくい丸で映画音楽のような独特のサビ(と言っていいのかわからないが)のメロディ。

70v

もうスッカリSBLの代表曲の仲間入りを果たした一作だ。

80v続いては「murt'n akush」。
これまた5/4拍子のリフを持った三宅式ハード・チューン。

90この日、Silexを観に来て、SBLを初めて目にした人も少なくなかったのではなかろうか。

110それを意識してか、SBLの中でも比較的耳なじみのよい二曲を続けて演奏した。

110v三曲目は「bloom」。
このいかにもSBLらしいワルツが出たところで…。
「どうしてMarshall BlogにはStrange, Beautiful and Loudが頻繁に登場するんですか?」と訊かれる…ということは一回もないんだけど、ま、よく登場して頂いていることは確か。
しかも、ほぼ毎回同じ曲だ。
したがって、 こうして毎回レポートを書くのも正直大変ですよ。手を変え、品を変え記事を作っている。でも、こんな曲、ホイホイと次から次へと作れるワケはないことはよくわかっている。
またぞろ大二さんのインタビューを引き合いに出して恐縮だが、「いいものができるまでの過程にナニがあったか」…ということを実感させられる曲たちなんだよね。
一回や二回、イヤ、もしかしたら十回聴いても三宅さんの曲の良さがわからないかもしれない。
私はジャズやクラシックはもちろん、現代音楽から民族音楽まで聴いて耳と感性とワガママと音楽の変態性を鍛えているが、私ですら一番最初は「なんてキテレツな曲だ」と思ったもんね。
ただひとついえることは、今のところ三宅さんと同じレベルの音楽性と精神性で演奏活動をしているロック・ギタリストは他にそういないと思っている。
要するに「ワン・アンド・オンリー」だと思うのね。「ユニーク」と言ってもよい。
「聴いて、踊ってハッピー、ハッピー」というのは音楽の魅力のひとつであることは間違いないが、眉間にシワを寄せて、「この曲ができるまでに、この人の中に一体ナニが起こっていたんだ?」と考えながら聴く音楽があってもよいではないか?
そして、そういう一般大衆に容易には簡単に受け入れられそうにない厳格な音楽は好きな人たち助けてやらないと生き残ることができない。
セスジキノボリカンガルーやオガサワラオオコウモリトキ、あるいはメキシコサンショウウオのように保護をしてやらないと絶滅しちゃう。
そして、絶滅したら最後、そういう音楽はそう簡単に出てこない。
コンサートの客席で聴衆がグルグル回ってよろこんでいるだけの音楽ばかりの世の中だからね!
もうね、私は鼻歌で出るよ、SBLの曲は。
私の頭の中では、「if」なんか「Let it be」と同じところに入ってるよ。
ウチの家内もそう。
台所でネギを刻みながら「♪かきねの、かきねの」と「Solitary Past」を歌ってるよ。
ま、そこまでやる必要はないけれど、とにかく、皆さんに色んな音楽を聴いてもらいたいと思ってるんだな。
大きなお世話でしょうけど…。
それと、もちろん、Marshallの宣伝ですよ。
そもそもこのブログ自体がそうなんだから。
でも、こんな音でMarshallを鳴らしている人は他に滅多にいないでしょう?
ギターをやっている人は、デジタル商品に手を出す前に三宅さんのMarshallの音を生で聴いてくださいよ!

あ~、ずいぶん説教くさくなっちゃったな。
とにかくそんな気持ちでいつも記事を書いている。
今日はナンカ変だ。
後はサラっとやらせてもらいましょうかね。

120四曲目はその「Solitary Past」…a.k.a. 「垣根」。

130このあいだも。別の会場で聴いていて思ったんだけど、この曲には私はものすごく「和」を感じる。

140vこうしたゆったりしたテンポの曲での金光さんの空間の埋め方が実にいい。
一打、一打、音を出す場所を厳密に選んでスティックを動かしているようだ。

150v二枚目のアルバム『Orchestral Supreme』のクローサー「Ring」。

160もうコレはブッちぎりのドライビング・ナンバー。

170v他にはきっと聴くことのできないであろうユニークなリフで爽快に突っ走る!

180お次はさっき名前が出た「if」。

185SBLのテーマ・ソング的リード・チューン。
コレも三宅ミュージックの入門編としては最適だろう。わかりやすく親しみやすい。
私なんかしょっちゅうサビのメロディを口ずさんでいるよ。
なんか今日は「ベスト・ヒットSBL」だな。

190v好事魔多し。
ここからSBLの「暗黒ゾーン」が展開する。
SHARAさんがおっしゃるところの、いわゆる三宅さんの「悪魔的世界」かな?
…ったって、ナ~ニ、怖がることはまったくない。
インプロヴァイズド・ミュージックに慣れていないような人は最初は「この人一体ナニやってんの?」と面食らうかも知れない。
しかし、ココは三人が織りなす至高の即興音楽を楽しむべきなのだ。
コレこそが三宅ミュージックの真骨頂とも言えるのだから。

200三宅さんの愛奏曲「petal」。
この曲は聴けば聴くほど、時間が経てば経つほど魅力が大きくなってくる。

210そして、飽きることがない。
こんな曲、よく考えつくな~。

220v最後は「virtue」。これまた三宅さんの好きなワルツのリズム。

P_img_0400 ライブでのこの曲の後半のケイオスがまたタマらない!
三人はこのままあの世に行ってしまうのではないか?…とまで思わせる入り込みよう。
この曲はライブでどうぞ。

230vさて、最近私が思っていることを最後にひとつ。
もしこの記事を読んで、あるいはMarshall Blogの他のSBLの記事を読んで「ホンマかいな?ライブに行ってみようかな」と思った人で、まだCDを聴いていない人がいたら先にCDを聴いておくといいと思う。
三宅さんのCDは二枚出ているが、セカンドの『Orchestral Supreme』をおススメする。
理由はジャケットの写真は私が撮ったものだから…というのはウソで、三宅/征史/金光の現メンバーの三人で録音した作品だから。
MarshallとNATALの至高のサウンドがテンコ盛りだし。
このアルバムで聴ける緻密なサウンドで曲に慣れておいてから、ライブで超ワイルドなバージョンを堪能して頂きたいと思う。

9_os_2三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange,Beautiful and Loud

240vアンコールではSilexからPeteとMASHAくんが合流!

250二人のこの個性派が一緒になってナニを演るのか楽しみにしていた。

260一曲目はScorpionsの「Roch You Like A Hurricane」。

280
ああ、コレか。
コレは知ってる。
何しろオジちゃん、『Love Drive』までしか聴いてないもんだから。
だから二回目の来日公演は観に行った。

270vこの選曲はSilexサイドからのリクエスト。
二曲演ることになっていて、一曲ずつ選んだのだそうだ。

310vしかし、「80年代」丸出しの曲だな。
でも、大丈夫。
SBLのリズム隊はこの手の曲は何でも完璧にできちゃう。

290v

いつもSBLのリハーサルで三宅さんが弾き出すリフに即座に反応して遊んでるからね。
それがまたカッコいいんだ。

300v

キマった!
ウリでなく、マティアスの三宅さんもまたよき哉。それともマイケル?

320二曲目はSBLからのリクエストで「Highway To Hell」。

330個人的にはせっかくPeteが歌ってくれるのなら「Let There be Rock」なんかいいと思うんだけどな。
あの曲こそ日本人が歌ってもサマにならないでしょう?
360
そんなことは全く関係なくて、ノリノリ・ナンバーの代表だけあってジャム・セッションのムード満点

340ギター・チームの相性もとてもいいようだ。

350三宅さん、SBLのMCでMASHAくんとの関係を「Marshall GALAが結び付けてくれた縁」って言ってくれたんよ。
うれしいね。
また、来年にはMarshall GALAを開きたいと思っているんだけど、ベテランと若手の交流の場にできたらいいな…と思ってるんだ。
それは出演者だけでなくて、お客さんもなの。
誰かがそういうことをやらないと!
具体的なアイデアはまだない。

370征史さんもノリノリだ~!

380当然ギター・ソロもたっぷりと!

390シュレッディングで攻めるMASHAくんと個性で攻める三宅さん。
どちらもMarshallあってのスタイルだ!
弾き方、魅せ方はどうでも、やっぱり真空管のアンプの出す音ってのは魅力的だよね。
土台新しいテクノロジーでマネをしてみたところで代役が務まる代物ではない。
この二人はそのことがよ~くわかってる!

410v「♪ハ~ウェ~トゥへ~」
今日も楽しい一日でした。
コルーソーがお届けしました!

Silexの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook

420

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。 詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2016年11月23日 高円寺SHOWBOATにて撮影)

2017年1月26日 (木)

空より高く~Strange, Beautiful and Loud×Silex <Silex編>

「もしも、もしも」と並ぶJimi Hendrixナンバーの名邦題「空より高く」…ウソこけ。
原題は「Up from the Skies」。
1967年の12月にリリースされたJimiのセカンド・アルバム『Axis:Bold as Love』の、曲としてはアルバムのオープナー。
ファースト・アルバムであれだけ衝撃的なギター・サウンドを聴かせたにも関わらず、セカンドではいきなり4ビート。
歌詞は氷河期の頃に住んでいた宇宙人が地球に戻って来てハラホロヒレハラという浦島太郎ストーリー。
ナゼ「Skies」と複数形になっているのかはわからない。宇宙人だからいろんな星の空を飛んできたのだろうか?
ハイ、ココで時代を整理してみましょう。
もし、先週から今週にかけて掲載した岡井大二さんのインタビューをまだご覧になっていない方はココから先に行く前にコチラを読んでくださいね。
さて、この『Axis:Bold as Love』が録音されたのは1967年の3月から10月にかけてのこと。
ハイ、ピンと来た人?…そうです、1967年です。
ご明解!
Jimiがこのアルバムをレコーディングしている間に『Sgt. Peppers』が出てしまった。
PaulはJimiを観にカーナビー・ストリートのライブハウス、「Bag O' Nails」に足を運んでいたりしていたので、Jimiが『Sgt. Peppers』を聴いていないワケがない。
そして、実際Jimiは曲の「Sgt. Peppers Lonly Heart's Club Band」をいち早く自分のレパートリーにしている。
(下の写真がその「Bag O' Nails」。PaulとLindaが出会った場所でもある。私が写っててゴメン。カーナビー・ストリートはモッズ発祥の地だけあって、「名所めぐり」のネタに事欠かないんだけど、色々と調べる時間がなくてなかなか記事にできません)

9_img_0732 こんな宇宙人の話を歌にするなんて、その前に同様の曲があったのかどうかは知らないが、この発想がDavid Bowieの「Space Oddity」のヒントになっていたらおもしろいな…と。
「サージェント・ペパーズからすべてが変わった」…という大二さんのお話に感化されすぎたのかもしれないが、ん~、1967年…深い!
あ、この辺りは大二さんのお話をお聞きしての私の勝手な夢想ですからね。
私はジミヘン研究家ではないので、詳しい人、文句をつけないように。
でもね、コレは「まっちがいない」という想像がひとつある。
それはドラムのMitch Mitchelのこと。
この「Up from the Skies」のブラシのプレイ…絶対、Jim Marshallに教わったんだよ。
Jimはロックの大流行を予測してドラム教室を開いたんだけど、ジャズ・ドラミングも教えていたに違いない。
「おいおい、ミッチ、ブラシも練習しておかないとダメだぞ!フォッ、フォッ、フォッ、」なんてやっていたハズだ。
その成果が実ってJimi Hendrix ExperienceのオーディションでAynsley Dumberを破ることができたのかもしれない…ということが関係ないことも実はわかっている。
でも、ElvinやPhilly、Ed Thigpenのようにはいかないまでも、なかなかにスウィングしているのはJimのおかげじゃん?

Abl それから50年後…高円寺で『Up from the Skies』というタイトルのイベントが開催された。
Strange, Beautiful and LoudとSilexのダブル・ヘッドライナーだ…ツーマンではない。ツーマンという言葉はない。
おかげさまでジワジワと「ダブル・ヘッドライナー」や「ダブル・ヘッダー」という言葉が定着してきているような気がするんだけど…。
あ、そうそう先日ね、おもしろいことがあったんだよ。
あるバンドがMCでライブの告知をした。
その人はいつもは「ダブル・ヘッドライナー」という言葉を使ってくれているんだけど、どういうワケかその日は昔使っていた「ツーマン」という言葉をウッカリ口にしてしまった。
すると、ナニが起こったと思う?
お客さんたちが大声で「ダブル・ヘッドライナー!!!」って訂正してくれたのよ~!
うれしかったな~。みんなマーブロ読んでくれてるのよ!
そのバンドが誰だったかは、レポートの順番が回って来た時にわかります。
それにやっぱり、「『ツーマン』という言葉はおかしい」…と思っている人が多いみたい。いくら和製英語にしても恥ずかしいもんね、こんな言葉。
ちなみに今日明日とご登場頂くMASHAくんも、三宅さんも、「ツーマン」という言葉は使わない。
あ~、しょっぱなから変な脱線の仕方をしてしまった!
脱線のファンの皆さん、今日はこの後もう一回脱線します。
  
さて、『Up from the Skies』…初めにステージに上がったのはSilex。

10インストの壮大なプロローグを経て…

20vシンガーが登場。

30Pete Klassen

40hibiki

50vYosuke Yamada

60vそして、MASHA!

70v今日も当然Marshall!

90v向かって右側がMASHAくんのMarshall。
JCM800 2203と1960Aだ。キャビは借り物だ。

100そしてhibikiくんはEDEN。
わかりにくいけど、後ろのアンプのてっぺんに置いてある白くて小さいヤツね。

110vコレがそのEDENのアンプ・ヘッド。
TERRA NOVA(テラ・ノヴァ) TN501。
誰だ!「ニラレバ」とか言っているヤツは!…あ、オレか。
コレね~、ほんとスゴイよ。マジでスゴイ!
出力は500W。
最近こういう小型のベースアンプが流行っているけど、コレ、結構切り札になるんじゃないかな?
音作りの幅が広くて、ヌケが抜群に良い。
ベーシスト諸君にはゼヒ一度お試し頂きたい!

120_ed「♪ワイヤ~」…天地を引き裂くかのようなPeteの絶叫!
一曲目はデビューCD『Silence in Explosion』にボーナス・トラックとして収録されている「Cry in the Starlight」。

130v基本的にスピード感満点のメタル・チューンだが、色々な光景が現れては消えていくパノラミックな一曲。
MASHAくんらしく、普通のメタル・チューンとは一線を画そうとしている意図が伝わってくる。
160v
そんなひと癖もふた癖もある曲を余裕でこなすリズム隊!
ここもSilexの見どころね。

200v
そして、MASHAくんのソロ。
まぁ、とにかくドラマチックにギターを弾く人だ。

180v
そのドラマの最高潮が曲の最後にやって来る。
MASHAくんのお父さんが好きだった「青い影」のメロディ。
大二さんがインタビューの中で触れていた「作曲の段階でクラシックの要素を組み込むところが魅力」というProcol Harumの最初期の傑作。元ネタはバッハ。
ちなみに「青い影」は古今東西、世界中で電波に乗った回数が最も多い曲だとか…。

140前回のレポートでは「シャンソン・ダ・ムール」について書いた「Cancion de Amor」。
こちらも『Silence in Explosion』に収録されている。

80cd

コレは展開部のコード進行がおもしろいのね。
170
Peteの声がまた曲にぴったりなのよ。
このフィット感はまるで年末ジャンボたからくじで一等が当たったかのようだ!

150続いてはミディアム・テンポのパワー・メタル「Metal Nation」。

185曲の最後でMASHAくんがガツンとカマしてくれた!

220v

そして、コレまた得意のスピード・メタル・ナンバー「Haunted Forest」。

190vこのあたりの曲はCDには収録されていない。
ナンとならば、新曲だからだ。
ドンドン新しい曲を作るがよい。みんなそれを待ってる。
でも、音楽はまず「曲ありき」ということを一時も忘れて欲しくない。
いくらアクロバチックな演奏ができても曲がおもしろくなければ誰にも聴いてもらえないのだから。
今時速弾きギターや手数ドラムは子供でもやる時代だからね!
「曲」のクォリティだけが勝負のしどころの世の中になってしまった…大変な時代だよ。
MASHAくんの作る曲はホント期待している。

210ココでバラード。
新宿のデビュー・コンサートで初披露した「Cry for the Moon」。
ハイ、ココで脱線。
「cry for the moon」というのは「月に泣く」ということだけど、実は他の意味がある。いわゆる慣用表現というヤツ。
「cry」を「ask」に変えて「ask for the moon」でも同じなんだけど、「手に入れることが不可能なモノを望む」という意味がある。
ま、外人がコレを実際に入っているところは見たことはないけど。
その代わり、Marshallの連中なんかは似たような意味でよく「Holy Grail」という言葉を使うね。
「Holy Grail」は通常頭文字は大文字にする。日本語で「聖杯」ってヤツね。
最後の晩餐でイエス・キリストが使った杯…コレがあるのか、ないのか?手に入るのか、入らないのか?
『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』のアレね。(ちなみにショーン・コネリーはスコットランド人)
とにかく手に入れられないアイテムなワケ。何せこの世に存在するのかどうかもおぼつかないんだから。
それで新商品の宣伝文句なんかに「Holy Grail」という表現が使われる。
「ギタリスト垂涎の聖杯が手に入る」ってな具合。
しまった!ココまで書いて気が付いた。
このバンド、ネイティブさんがいたのを忘れてた!
ココ、カットしておいてください!
ところで「聖杯」といえば最近、「いい仕事」はどこへやら、鑑定団がエライ騒ぎになってるね。
その昔、私が勤めていた会社の特約店に骨董品のエキスパートがいた。
この方の家の倉庫から、フョードル・シャリアピンのサインが入ったSP盤が発掘され、全国ネットのテレビ番組で紹介されたことがあった。
シャリアピン・ステーキの「シャリアピン」。
でも、この人はコックではありませんよ。20世紀初頭に活躍したロシアの大オペラ歌手。
1936年、この人の入れ歯の調子が悪い時、あるホテルの料理長が薄切りにした肉をタマネギに漬け込み、焼いたその肉の上に炒めたみじん切りのタマネギをかけステーキをシャリアピンに供したところメッチャ気に入られた。
それがシャリアピン・ステーキのはじまり。
そのホテルとは東京の帝国ホテルのこと。
だからこの来日時にそのSP盤にサインが入れられたのだろう。
で、その骨董品の収集家に「鑑定団」でつけられる値段の話について尋ねたところ、アレは業者を経て最終的に骨董品店に並ぶときの末端価格で、あの鑑定士たちはあんな値段では絶対に手を出さないとのことだった。
マァ、そうだろうね~。
翻ってみるにチョット無責任のような気がしますな~。アレなら「私ならこの値段で買って進ぜよう!」というイメージがついて回るもんね。
もひとつ、「最後の晩餐」。
イヤ、ムズカシイことは言いません。
10ccの「Sitting for the Second Last Supper」を知らない人はゼヒ聴いてみてくだされ。
私はコレを中学の時に聴いて、あまりの曲のよさに腰を抜かした。
今日の脱線終わり!
  
汗が飛び散るスピード・チューンもいいけれど、こうした雰囲気のPeteの熱唱もまたいいものだ。

P_img_0111_2ココでPeteがステージから降りて三人のインスト・コーナーに入る。
Andy Timmonsの「Super 70s」。

240MASHAくん作のブギ、「What a Game!」はこの日が初演となった。
いいね、三連は!
もう若い人はブギを知らない。
絶滅寸前のブギを救ってくれ!さもないとRick Parfittが浮かばれん!

250オタマジャクシの行進(March of the Tadpoles)に大激演!

260v余裕。

270vインスト・コーナーの最後にはMarshall GALAでも演奏してくれた名曲「Forever More」が飛び出した!

275告知・物販紹介コーナーもバッチリだよ。
ロゴTシャツやサイン入りポスターを紹介。
あ、もう一回言っておきますが、このポスターの写真、私が撮ってま~す!
MASHAくん、ありがとね~。
でもね、私はミュージシャンがこんな物販なんかをやらずに、CDを売って、すなわち自分の「音楽」を売って潤うことができる時代がまた来ることを願っているよ。
ミュージシャンはタオル屋でも携帯ケース屋でもない。音楽を作るのが仕事なんだ。
一体、誰が音楽をタダにしたんだよ!
え、インターネット?
このやろ~!と言いたいところだけど、インターネットなくしてはMarshall Blogはできないもんナァ。
インターネットを非難したところで、所詮天に向かってツバを吐くようなもんだ。

280Silexの持ち時間も終わりに近づいたよ!
残り二曲もブッ飛ばしてくれ!

290「Everlasting Symphony」

300v目の覚めるようなスピード・チューン!

310vそして、クローサーはCDのリード・チューン「Standing of the Grave of Yesterday」。

320ステージ上の四人、一糸乱れぬ演奏でSilexの音楽を完璧に奏で上げた!

330v

340v

350v

360vSilexの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook

370

<つづく>

(一部敬称略 2016年11月23日 高円寺SHOWBOATにて撮影)

2017年1月25日 (水)

森友嵐士 ~ Hallowe'enでCOVERな嵐

もうすぐハロウィンだね~。
ナァに、10か月なんてアッという間だよ!
2017年ももう20日以上が過ぎてしまったんだから。
え、フザけんなって?
でも今日は森友嵐士のハロウィンのコンサートのレポートなのだ。
ドンドン時間がさかのぼってるよ!
まるで「タイムマシーンにお願い」したみたいだ!

10会場内はソレっぽい装飾やら照明やら…。

20開演時間になり客電が落ちると…ワァ!ビックリした!
暗くて写真ではわかりにくいけど、客席にもゾンビ装束のダンサーが!

30そして、バンド・メンバーがステージに上がりショウがスタートした。

40森友嵐士
そう森友さんもハロウィンの出で立ち!

50vギターは原田喧太。

60vドラムは山口PON昌人。

70v喧ちゃんは今日も当然Marshall!

80でもね、今日はいつもとチト違う。
今日はいつも使っているJVMでも2チャンネルのJVM210Hなのだ。

90v足元のようす。

100PONさんも当然NATAL!

110愛用のアッシュのツーバス・キット。

120PONさんはドラム・キットがハロウィン・バージョンになってる。
通常は目玉なしです。

130フィニッシュはブラック・スウォール。
別段ハロウィン用ではないんだけど、妙に雰囲気が出てるな。

140オープニングは「ピンク・スパイダー」。
コンサートのタイトル通り、今回のコンサートはドメスティックのカバー曲のみで構成された。

150セットリストがすごいフリ幅。
世代の違いで私が知らない曲もあったが、ほとんど聞き覚えのある曲ばかり。

160喧ちゃんやPONさんの力演も手伝って熱気あふれるコンサートとなった。

170続けて「BAD FEELING」。
あ、今日は曲の説明等はほとんどしません。
皆さんの方が圧倒的にお詳しいにキマってるもん。

180「アジアの純真」から「SOMEDAY」へ。

190v「しょげないでよBABY」、「わがままジュリエット」、「A DAY」。

200いいナァ、ロックの歌い方。
声の質によるところももちろんあるけど、森友さんのようにいかにも「ロック」な歌の歌い方ができる人っていいよな~。
ま、今更自分がロックっぽく歌えるようになったところでクソの役にも立たないけど…。

210ロックっぽいドラマー!
PONさんのブライトなドラミングは「ロック」以外の何物でもないね。
NATALのアッシュ・サウンドがバッチリはまってる。
気持ちいい~!
FEEL SO BADも着実に動き出しているし、今年は「PON活」が楽しみだ。

220v「あぁ無情」、「激しい雨が」、「愚か者」。
「愚か者」といえば井上尭之さん。
昔、井上さんはMarshallのVALVESTATE VS100Rという中堅機種とテレキャスターを組み合わせてお使いになられていてね。
その音の良さみビックリ仰天したことがあった。
私もVS100Rとテレキャスターを持っていたので、家に帰ってすぐ試してみたが、まったく及びもつかない音だった。

230vお、喧ちゃん、珍しくVだ!
後で聞いたら、(当時)最近ゲットしたものだとか…。

240ショウはクライマックス・パートに突入する。
「WON'T BE LONG」、「CLOUDY HEART」…

250_2喧ちゃんのソロ炸裂!
ん~、新入りのギターでもバッチリといいサウンドを聴かせてくれる。
やっぱり使い慣れている分、JVMのツボもわかっているからね。

260v「BE MY BABY」、「LA VIE EN ROSE」、「POISON」と続く。
人気曲の連続に観客は大喜びだ。

270vおなじみのシグネチャー・モデル。
シックリくるな~。
気に入っているんだね~。
たくさんのギターを使うのもギターへの愛情の表れなんだろうけど、ず~っと同じギターを使い続けるのも愛情だよね。
喧ちゃんは両方だな。

280森友さんとのコンビネーションもバッチリだ!
310
ノリノリのパートに入り、ますますシャープなドラミングでフロント陣をプッシュするPONさん!
スゴイ迫力!

290v本編を締めくくったのは「Runner」!
チョットこの曲は異質な感じがしたが、流れる汗もそのままに客席も走り続けていた!

300そして、アンコール。
まずは永ちゃんで「止まらないHa-Ha」。

340爆走ランナーと化した喧ちゃん、もはや止められない!
320v
PONさんも同じ!
ヘヴィにブライトに永ちゃんスタンダードを叩き上げた。
330
そして、最後は「タイムマシーンにお願い」。
コード三つでできた最もシンプルでカッコいい日本のロック・ナンバーで楽しくハロウィンのステージの幕を降ろした。
翌日は森友さんのオリジナル・ナンバーで構成されたコンサートが開催された。

350
原田喧太の詳しい情報はコチラ⇒原田喧太Official Web Site

360

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。 詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2016年10月31日 新宿ReNYにて撮影)

2017年1月24日 (火)

四人囃子ニュー・アルバム発表記念 岡井大二スペシャル・インタビュー <vol.4:最終回>

さて、発売がいよいよ明日に迫った四人囃子のニュー・アルバム、『四人囃子 ANTHOLOGY~錯~』。
大二さんのスペシャル・インタビューを交えてここまで三回にわたり、ヘタな文章で熱弁を振るってきたが、もうオールド・ファンだの若者だの言ってはいられない。
四人囃子の名前しか知らない人、ゼンゼン知らない人…エエイ!とにかくこれを機にひとりでも多くの人に四人囃子が作った音楽を聴いてもらうことを願っている。
決戦前夜の戦国武将みたいなことを言っているが、それもこれも、大二さんのセリフのせいだ。
「メンバーが直接制作に関わった作品を世に出すのはこれが最後になるかも知れない」…なんて寂しいことをおっしゃるから!
  
大二さんの狙い通り、今回初めて四人囃子の音楽に接する人もいるだろう。
もちろん誰にでも、何事にも、「好み」というものがあるだろう。
しかし、四人囃子の音楽がつまらないと思ったら、その人はもうロックを楽しむことができないのでないだろうか?
イギリスの文学者、サミュエル・ジャクソンの名言と同じだ。
「ロンドンに飽きた者は人生に飽きた者だ」
もちろん「ロンドン」のところに「四人囃子」を代入してもらうワケだが、この名言には続きがあって…
「ロンドンに飽きた者は人生に飽きた者だ。ロンドンには人生が与え得るもの全てがあるから」
後半の「ロンドン」には「四人囃子」を、「人生」のところを「ロック」という言葉に置き換えて読んで頂きたい。
チョット大上段に構えてみたが、とにかく!明日このアルバムをゲットして、永久に日本のロックの歴史に残り続けるであろう、40年の風雪に耐えた名曲の数々でロックが持つクリエイティヴィティを存分に味わって頂きたいと思う。
しかも高音質で!

9_さて、『錯』紹介の最終回はDVD。
収録されているのは、まず『ROCK LEGEND』の名のもと、2008年4月19日にJCBホール(現東京ドームシティホール)で開催されたクリエイションとのダブル・ヘッドライナー・ショウ。「ツーマン」ではない…そんな言葉はない。
ショウとしてはCSですでに放送されたものだが、今回はその際にカットされた「おまつり」を収録。
アンコールで演奏したピンク・フロイドの「Cymbaline」を除いたその日の公演のすべてが収録されている。
この公演では「オレの犬」と「SAKUMA#1」という新曲が披露され、ここにDVDの形で収録されることになった。
さらにもう一曲の新曲「Rumble」も収録。
コチラは2003年11月1日の、同じく『ROCK LEGEND』の追加公演であるCLUB CITTA'でのもよう。
すなわち、プロコル・ハルムとのダブル・ヘッドライナー。「ツーマン」ではない…そんな言葉はない。
私もこの公演を厚生年金会館で観たことは大二さんとのインタビューの中で触れた。
そして、DVDは「眠い月(Nemui-Tsuki)」で締めくくられる。
コレは2002年10月25日に同じく新宿厚生年金会館で収録されたものだ。
頭脳警察とのダブル・ヘッドライナーだった。「ツーマン」ではない…そんな言葉はない。
コレも観たな。二階席まで超満員だったよ。
頭脳警察のオープニングSEが「Who Are the Brain Police?」だったけな~。
CD同様、DVDも高画質&高音質で、いつでも四人囃子のコンサートを体験できることになったワケだ。
  
さて、大二さんに『錯』のサンプル盤を送って頂いてからの約三週間、この記事を書くために、ほぼ毎日四人囃子の音楽を聴いて来た。
『錯』だけではなく、聴き比べのために、他のアルバムのほとんどをCD棚から引っ張り出してきて改めて聴き直したのだ。
私もこれほど集中的に四人囃子の音楽を聴くことは、この先もうないかも知れない。
元より大好きなグループなのでとても楽しかった。
四人囃子というと、必ず「プログレッシブ・ロック」、それから「高い演奏能力」という枕詞がついて回る。
私は四人囃子に「プログレッシブ・ロック・バンド」のレッテルを貼ることを良しとしない事はすでに書いたし、同じ意見をお持ちの方も多いようだ。
しかし、演奏能力の高さについては何人(なんぴと)も否定できまい。
『一触即発』を21歳(大二さん基準)で、『ゴールデン・ピクニックス』をたった23歳で作り上げた能力は「奇跡」としかいいようがない。
そして、今回根を詰めて四人囃子の音楽を聴いて、その奇跡を実現させた要因のひとつに「歌詞」があると思った。
初期の歌詞を書いているのは末松康生さんではあるが、その内容の独創性については今更ココに書くまでもないだろう。
興味を引いたのはその言葉の選び方だ。
「おまつり」の「♪文句を忘れてフシだけで歌ったのさ」の「文句」なんて和風でいいな。そういえば、歌詞のことを昔は「文句」と言っていたよ。
「空と雲」の「♪長く細い坂の途中に お前の黄色いウチがあったよ」の「ウチ」。「ウチ」というのは江戸っ子の言葉だ。江戸っ子は「イエ」とは言わない。
そう、四人囃子は東京のバンドなのさ!
「ネッシー」だって「♪水はやさしい」だなんて…最近は恐ろしい水が多くなってしまったが、なんて素敵な言葉の連なりだろう。
どれもこの歌詞あっての曲、そしてこの曲あっての歌詞…に仕上がっていると思うのだ。
とにかく音楽は曲のクォリティがすべてだということを教えてくれる。
四日間ホメ続けたのでさすがにもう言葉がないが、「いまさら四人囃子」だの「たかが四人囃子」だのと間違えても言ってくれなさんなよ!
    

お待ちかねの大二さんのスペシャル・インタビューの最終回は、日本の音楽マーケットの話やNATALについて語っていただいた。

Img_0414

日本のマーケット

 M:(Marshall、以下「M」)こと音楽に関して言えば、日本はやっぱり昔から独特のマーケットということになるとお思いですか?
O:(岡井大二、以下「O」)数字だけで見れば日本の音楽マーケットは世界二位の国ですよね。
でも、残念ながらとにかくファー・イーストで「東洋の島国」。
で、90年代の後半あたりから、ポピュラリティを持つ音楽の傾向が圧倒的にドメスティックになってしまいました。
要するに海外の情報がたいして重要ではなくなっちゃった。
国内で何でも手に入るようになって、元の発想ネタが海外のナニから来ているかとかは、興味の

Img_0012先ではなくなってしまったみたい。
M:まったくそうですよね。
自分と考え方の方向性が同じで安心しました!
O:今の音楽業界を憂えているか?憂えていないか?と訊かれたら「憂えている」と答えますね。
M:とにかく売れればいい…という感じしかして来ない。
O:制作する側に「制作マインド」みたいなものがあるとしたら、「いいものが売れるようになっていって欲しい」と思うのが「制作マインド」なんじゃないかなと思います。
M:そうあって欲しい!
O:そう思いたいんだけど現実は違っていて、制作する側の人たちがチャンと対峙して自分にとっても大切な「いい音楽」を聴くのは、家に帰ってからのプライベートだけ…仕事とは別なのかな。
仕事で徹底的に叩き込まれるのは、売れたものが「いい音楽」ということ。
M:苦痛だろうな~。でも今の世の中にあっては、それこそが仕事ですから。
O:売れたもん勝ち…ということです。
M:まったく。
若いバンドさんたちの会話を聞いていてすごくそう思います。
小さいライブハウスをやって、中型のライブハウスに出るようになって、ホールでコンサートができるようになって、次は武道館でハイ上がり!…と、まるで双六のよう。
そこに音楽が存在していないような感じがします。
ステージのMCで「いい音楽」とか「音楽が好き」とやたらと「音楽」という言葉を口にするのがまた変な感じがする。


  
名盤の秘密

  
M:私もいい加減色んな音楽を聴いてきましたが、どのジャンルでもやっぱり「いいモノ」と呼ばれ

Img_01042_2ているものは良いですよね。
駄盤の類も好きで、いろいろ買い込んで来ては聴いていますが、やっぱり「名盤」と呼ばれているものには最終的にどう転んでもかなわない。
一般の人なら死ぬまで知らないような無名のプログレ・バンドのアルバムなんかもおもしろいんですが、それらはどうやっても『宮殿』を駆逐することはできません。結局何回も聴くことはない。
「名盤」といわれているジャズのアルバムもそうです。
O:その曲とか、そのテイクに行きつくまでにナニがあったかということなんです。
やはり名盤というものはその「ナニか」がふんだんに詰め込まれているから名盤になるんです。
M:なるほど!そんなこと考えてみたことなかった。
O:コレは100m走で例えれば、コンマ何秒早かったから名盤になったのではなくて、誰もやらない走り方で100m走ったから名盤になったんです。
M:とってもよくわかります。言い得て妙ですね!

    

☆この辺りでふたりとも大分アルコールが回ってきて完全に雑談タイムとなった。ナニせ笑い声で言葉が聞き取れない箇所も少なくなかったのです。

 

外タレの思い出
 
O:昔、高校生の時にバンド・コンテストに出ましてね、高中くんが出ていたんですよ。
ボクらよりひとつ年上でね。
M:何を弾かれていたですか?
O:テン・イヤーズ・アフターの「ウッド・チョッパーズ・ボール」…すごくウマかった。
その時に半ズボンはいてジェスロ・タルを演奏した小学生ドラマーがいたんですよ。

Img_0015「This Was」かなんかを演ったんですけど、すごく上手だった。
M:どなただったんですか?
O:古田たかしだったんです。
M:しーたかさん?!
O:そう。こっちは高校生で、負けまいとシャカリキになりましたね。
M:天下の大二さんでも!?
当然タルはご覧になっていますよね?
O:もちろん!
伝説の厚生年金。「あの素晴らしさを語れ」と言われたら今でも30分は余裕で語れます。
M:いいな~!うらやましい。
ご覧になった方はみんな「アレはよかった!」っておっしゃいますもんね。
私は何年か前に「『アクララング』全曲演ります」の時にようやく観ることができました。
O:音楽もライブ・パフォーマンスも「時代の違う音楽」として完成したものを見せられて、スゴイな!って思うわけです。
それまでにない音楽ですから。
M:そんな感覚に浸ってみたい…。
O:同じように、すごくそう感じたのはピンク・フロイドが最初に来た時、それからデヴィッド・ボウイの初来日…。
M:サンフランシスコから船で来たってヤツですね?オルセイア号。
帰りはウラジオストックまで船で行って、シベリア鉄道でイギリスまで行ったとか…。
O:アレ、本当にそうなの?
M:噂ではフィリピンあたりまで飛行機で来てそこから船で日本に来たとか…。
O:やっぱり?
あと正統派ロックスタイルの外タレで理屈抜きに「やっぱり外タレすごい!」、「気持ちいい!」…と思ったのはハンブル・パイとロリー・ギャラガーですかね。
M:ああ!スティーヴ・マリオットの肉声って聴いてみたかったな~!
  

コーラスの妙

  
M:外タレの話で思い出すのは、野音で楽屋のモニターで四人囃子の皆さんとルネッサンスを観ていた時、「コーラスがうまいね~」と騒いでいたら、大二さんが「向こうの連中ってコーラスする時って声を似せれんるんだよ」っておっしゃった。
O:そう。あのサウンドの音楽をやるにはこの声…みたいな発声の仕方っていうのがごく自然にあるんですよ。特に白人。
我々も民謡とか演歌って特に習わなくても何となくわかる部分があるでしょ?アレと同じなんです

Img_0103よ。
ホリーズなんかを聴いているとよくわかる。
M:「バス・ストップ」の?
O:そう。
マージー・ビートの発声の仕方とハモリ方なんですよ。
そのマッチングの具合がいいんです。ビートルズも最初の頃はそうだった。
で、そのコツを覚えた元がカリフォルニアのコーラスなんですね。喉の絞り方っていうのかな?
M:ビーチ・ボーイズみたいな?
O:そんな感じ。アレは日本でいったら例えば関西弁の発声で全部歌う感じ。
M:エエ~?
O:だからあの発声でコーラスをやっているバンドってアメリカの東海岸にはほとんどいないんですよ…(間)…ウン、確かに出ていない。
M:ハモリ方も教わらなくてもわかっている。
DNA的にそういう能力を持っているようですよね。
O:そう!我々にはそういうDNAはない。
ところが「間」には滅法強い!
M:ハハハ!リズムではなくて「間」!
O:そう。
「間」なの。イヨ~、ポン!の「ポン」を入れるところが自然にわかるでしょ?外人にはそれがケッコー苦手。

 

フランク・ザッパの思い出

M:フランク・ザッパのお話を…。
O:コワかった~。
M:エレベーターで二人きりになっちゃったんですよね?
O:そう!でもリハも本番も全部見ることができました。
M:小川銀次さんもリハをご覧になったとおっしゃっていた。
「一体リハなんかどうやって入ったんですか?」と尋ねたら「エ、円谷英二の息子って言ったら入れてくれたよ」って。

S41a1399今となっては本当かどうかはわかりませんが、まったく銀次さんらしい。
O:ハハハ!
M:で、サウンド・チェックの時にザッパがPAミキサーの人に向かって「○○HzをXXだけ上げて…」とかいちいち細かい指示を出していたそうです。
すると外の音が劇的に変わったとか。
O:そうでしょうね~。
ボクはあの時、テリー・ボジオのドラム・キットに座ったんですよ。
で、あんなかわいい顔をしていて、身体がデカいの知らなかったもんだからキットが大きいんでビックリしました。
ツーバスなんか思いっきり足を広げないと届かなかった。
M:私も15年ぐらい前にバーミンガムのドラム・ショップで実物を見ました。
テリーがイギリスに行くとそのキットが出動するんだとか。
今の冗談みたいなキットになる前でしたけど、点数は多かった。やっぱりデカいと思いました。
O:そうでしょ?
M:その時の実際の演奏はいかがでした?
今はその時のツアーのオーストラリア公演の音源が公式にCDになっています。
日本公演といえば、私は西部講堂と大阪の音源も聴いているんですが、マァ、「手抜き感」は拭えないかと…。
O:手抜と言えば手抜きなのでしょう、リラックスしてて。
でも、存在も、曲も、演奏も、世界中のどこにコレと同じものがあるんだ?というぐらいスゴイものでしたよ。
M:やっぱり?いいな~。
しかも会場は国際劇場。記者会見は吉原。裕也さんも実にイキなことをされた!
それで、若かりし日のテリーをご覧になってどう思われました?
私は高校生の時、すなわちその3年後の1979年にUKの来日公演でテリーを初めて観たんですが、ドラム・ソロに腰を抜かしました。
O:それはもうスゴかった!それしか言えない!

 

NATALについて

 

M:ちょっとドラムの話をしますと、大二さんぐらいの大御所になられると…。

S41a0198O:ゼンゼン、大御所じゃないですよ!
M:イエイエ、大の大御所でいらっしゃる!
で、ゼンゼン道具なんてお気にされないのかと勝手に思い込んでいたんです。
ところが、NATALをお試しになられた時、すごくシビアで、実は結構驚いたんです。
「ああ、なんでもいいよ!」っておっしゃるかと思ったらすごく真剣だった。
決して変に「細かい」という印象はありませんでしたが…。
O:イヤ、こちらもNATALが思った以上にいい楽器だったので、チャンと試してみようと思ったんです。
M:それで、大二さんがバスドラムにミュートを入れていないのを発見して、いつか向山テツさんがすごくビックリされていましたよね?
アレはどういうことなんですか?
O:だって、バスドラムにミュートを入れるとか入れないのは、趣味とか意地では済まない問題ですからね。
もはや入れるのが当たり前。でもNATALのバスドラはそれが不要。
アレはNATALだからできるんですよ!
M:お、うれしい予感!
O:なんでミュートを入れるかと言ったら、スッピンだとペダルを踏んだ時に「バイ~ン」とヘッドのうねりが鳴ってしまうのがうるさいから入れるワケです。
ミュートを入れなくて済むのはそうならないからで、あのNATALの作りだからこそ、そういうことができるんです。

Img_0017M:なるほど。
O:NATALのドラムは胴の鳴りがチャンと出るから、あとは何を好きにやっても出てくる音がすごくいいんですね。
M:NATALが要因ということは言うつもりはありませんが、とにかく大二さんのドラムは音もプレイも外人っぽい。
O:もしウシさんがそう思ってくれているのならとてもうれしいですし、本当にそうであったとすれば、それには自分なりの理由があるんです。
かなり持論なんだろうな…と思う。
M:え?どんな?
O:あのね、チョットこれは書いて欲しくないんですけど…

<筆者注:…と。ここでカット。

大二さんドラミングの秘密をご自身でご説明頂いた。なるほど~。テクニックというよりもリズムに関すること。
ちなみにこれは「企業秘密」とかいう理由で大二さんが文字お越しをご希望されなかったのではない。大二さんはそんなケチな人ではない。

ご考察が個人的なものであり、普遍性が低いという大二さんの謙虚な態度によるものであることをご了解頂きたい>

M:なるほど。そういう意味では森さんもそうだし、チャーさんなんかも同じような外国の空気を感じますよね。
モノマネではないオリジナルのロックをダイレクトに体験できた世代。
O:その通り。
あと、山岸(潤史)も昔からそうだよね。
M:よくわかります。
NATALが大二さんのおメガネにかなって心底ヨカッタと思っています。
O:イエイエ…「おメガネ」だなんて!

 

ドラムの音

 M:それで、いつも思うんですが。大二さんのドラミングはかなり音が大きいですよね?
すごく軽く叩いているように見えても大きい。
ところが、ゼンゼン耳障りではない。いわゆる「遠鳴り」っていうヤツ。

Img_0556エルヴィンとかポール・モチアンなんかもそうでした。
手をチョットしか動かしていないのに出てくる音がすごくクリアで大きい。
何より音が美しく、音楽的です。
で、反対に最近の若いドラマーってシャカリキになって叩いているのに音がすごく小さいように思えます。
それと、手足がすごく早く動いてテクニカルなんだけど、バッチンバッチンいってるだけで、まったく音楽的ではないように聞こえる若いドラマーをよく見かけます。
このあたりどうお思いになりますか?
O:アレは相当小さい音ですよ。
ウシさんは90年代のイギリスのバンド…例えばブラーとかオアシスとかのドラムを聴いてどう思いますか?
M:ゴメンナサイ。双方Marshallなんですが…印象にまったくありません。
O:そうか…。
あのね、いわゆる「ハード・ショット」とか「ストロング・ショット」のドラミングというのは、アメリカではなくて、実はイギリスから出てきたモノなんですね。
ボーナムとか、コージーとか…。イアン・ペイスはこんなに太いスティックで、あのスピードでアレをやったんです。
それで、正統派のハードロックを見渡した時に、そういうドラマーって、80年代になるまでアメリカから出てこなかったんですよ。アピスくらいか…。
正統派なハードロックはあってもそういうドラマーはいないんです。
M:確かにそうですね。
70年代のアメリカのドラム・ヒーローって聞いたことがない。まさかのドン・ブリューワー?
O:そう、ヒーローはそれほどいないんですよ。
コレは注目すべきことだと思うんですが、「個性的なドラム」っていうのは圧倒的にイギリスのバンド・ドラマーになるんです。
ボーカルとギター以外のパートで個性的なサウンドを作った…つまり、個人的なスタイルがサウンドを作って注目されたのは圧倒的にブリティッシュ・ドラマーなんです。
ボーナムもペイスもアメリカにはいなかった。
M:なるほど。考えたことなかった。それだけマーシャルがうるさかったってことかな?
O:ハハハ!
それで、その「ハード・ショット」なんですが、90年代になって、PAとモニターの技術が発達して、その出元のイギリスのバンドからドラムの音がちっちゃくなっちゃったんです。
M:ギター・アンプと同じですね。
O:イギリス勢から率先して音が小さくなっちゃった!
ボクはブラーが大好きだけど、あの時代からハード・ヒッターがいなくなって、ガックンと音が小さくなったんです。

Img_0053_2M:そういうハード・ショットを必要とする音楽がなくなってしまったということですよね。
O:もちろんそれもありますし、ステージの上で大きい音を出す必要が一切なくなってしまったんです。
結果、ハード・ヒッターが残ったのはアメリカを中心としたヘヴィ・メタルとデス・メタルぐらいでしょう。
M:ギターというか、ギター・アンプと同じ流れですね。
O:後はメタリカ系?
そういうバンドはとことんやり続けると思ったら、そのメタリカですら最近はキレイに音を出していますよね。
M:しかし、大二さん、ブラーとかオアシスとかそういう新しいものまでご熱心によくカバーされますよね。
私はMarshall Blogなんてのをやっていて、本当はすべてのロックに対して全方位外交をしなければならない立場だと思うんですが、その前に、もうリスナーに徹して思いっきりワガママにやらせてもらおうと思って…。
O:うん。
でも、これはボクが作る側の人間だから「勉強」のためにそういう若い世代のロックを聴いている…とかいうことではないんです。
ボクは手足をもがれようと、何をされようと一生オープンな音楽ファンでいるつもりなんです。
    

…と、大二さんが音楽への尽きぬ興味と愛情を宣言されたところでこの三時間半に及んだインタビューの幕を降ろすことにする。
途中の私の無駄話や笑い声で聞き取れない箇所、書いても第三者には通じないような話題もあって、内容はだいぶスリムになった。
大二さんのお話をお聞きしていてとにかく思ったのは、「いいミュージシャンはいいリスナーたれ」ということだ。
かつて井上ひさしが言っていたが、何かの本を書く時、最低でも書架二つ分の関連書籍を読むと言っていた。彼がタヌキかなんかの本を書くことになった時、神保町からタヌキに関する本が無くなったという話も聞いたことがある。
こうして何かをクリエイトする人というものは、常にアウトプットをはるかに上回るインプットの蓄積があるのもだ。
大二さんはロックの日本上陸とともに、当時のオリジナリティあふれる音楽を浴びるようにインプットし続けた傍ら、自分たちの音楽を創造した稀有な存在である。
そんなアーティストの話が面白くなかろうハズがない。
ここまで三回のインタビューへの反応はすこぶる良好であった。
今日でこのシリーズは完結するが、大二さんの狙い同様、老若男女を問わずひとりでも多くに方にこのインタビューを読んで頂くことを切望する。
って最後に書いてもしょうがないじゃんね!
インタビューを読んで「おもしろい」と思った人はゼヒ拡散して頂きたい。
そして、これが少しでもロックの延命対策に役立てばうれしく思う。
大好きなバンドの、最も好きなドラマーを三時間半にわたって独り占めし、自分の好きな話をうかがうことができたのは最高の幸せだった。
大二さん、ご協力ありがとうございました。

Img_0273  

四人囃子よ永遠に…。

<アウトロ>
昨日登場していただいた四人囃子研究家の灘井さんから『Fullhouse Matinee』に関する資料を追加して頂いた。
コンサートのプログラムだ。
コレは欲しいな~!尚、灘井さんには『Fullhouse Matinee』周りの情報以外にもたくさんの貴重なご助言を頂戴しました。
この場をお借り致しまして厚く御礼申し上げます。

9_pg1_4 大二さん若ッ!
念のため記しておきますが、右端が1989年ごろの岡井大二さんです。

9_pg2_2 四人囃子フェイスブックはコチラ⇒Official facebook   
      スマートホンをご利用の方はコチラ
四人囃子のウェブサイトはコチラ⇒四人囃子ウェッブ・サイト


(一部敬称略 ※協力:灘井敏彦氏)

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。 詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2016年10月20日 下北沢楽園にて撮影)

2017年1月23日 (月)

四人囃子ニュー・アルバム発表記念 岡井大二スペシャル・インタビュー <vol.3>

大二さん、読売新聞にご登場されてましたな…紙幅の関係もあり、記事の内容は四人囃子のプロフィールと『錯』の紹介にほぼとどまっているが、それほど『錯』の話題性が高いということ、あるいは四人囃子の音楽への再注目の兆しの表れであると信じたい。
こうした過去の素晴らしい音楽に耳目が集まりチョットした「社会現象」にまでなってくれるとうれしいのだが…。
そこまでが私の「野望」の第一章。
そうした社会現象で若い人たちがそうしたカッコいい昔のロックに興味を持ってもらうことが野望の第二章。
そして野望の最終章は、その若い人たちが過去のチャンとしたロックのエキスを吸収して、自分たちの感性で今のロックを作ってもらうことだ。
ま、マーブロに書いていることよ。
大二さんの言葉を借りれば「日本のオリジナルロック第一世代を知らない世代にも体感してほしい(読売新聞のインタビューより)」ということだ。
『錯』の発売まであと二日…25日の夜、または26日の朝のフェイスブックの投稿が「『錯』買いました!四人囃子最高!」という投稿で埋め尽くされることを期待している。

さて、『四人囃子ニュー・アルバム発表記念 岡井大二スペシャル・インタビュー』の第三回目の今日は『錯』の「Live Takes」を聴いてみよう。

9_今日も試聴に当たってはmarantzのCDデッキをMarshall HEADPHONESのWOBURNにつないだオーディオ・セットを使用した。

Wbさて、この「Live Takes」に収録されている内容は、『From the Vaults』と『Fullhouse Matinee』、さらに『'73四人囃子』から一曲が選ばれた音源であり、すでに世に出回っているもので、初出の音源は含まれてはいない。
「なんだよ、未発表の音源入ってないのかよ!」なんて文句を言うことなかれ。
だからはじめっから「ない」と言ってる。
その代わりに、それらの歴史的音源がデジタル・テクノロジーの進化を得てさらに良質な音源で楽しむことができる。
選曲や音質において、まさに大二さんがおっしゃるように、「四人囃子という名前しか知らない人にも楽しめるアルバム」ということが「Live Takes」でもいえるワケだ。
さて、収録曲は10曲のうち、9曲が『From the Vaults』からの選曲。
「一触即発」、「おまつり」、「泳ぐなネッシー」、「ピンポン玉の嘆き」、「機械しかけのラム」、「Nocto-Vision For You」と、四人囃子の活動を俯瞰して選ばれた代表曲が惜しげもなく収められている。
ちなみに「ピンポン玉の嘆き」は1973年7月21日、杉並公会堂における初演のもの。
私ごとながら…1978年か1979年に「Plumage」という民間のロック・サークルのコンサートがココで開かれ、サークルに参加していた高校生だった私もそこでギター弾かせてもらったのだが、ヘッドライナーで出演したBAD SCENEと同じ舞台に立ててうれしかったのを覚えている。
さて、四人囃子というと必ず「日本を代表するプログレッシブ・ロック・バンド」というキャッチが付いて回る。
話を戻して…私は大のプログレッシブ・ロック好きだが、四人囃子の音楽をプログレッシブ・ロックと感じて聴いたことがほとんどない。
大二さんは四人囃子の活動を「ポピュラー音楽でエポック・メイキングなことをする、というのが基本理念だった(読売新聞より)」とおっしゃっている。
まさにその通りのことをされたとは思うが、「プログレッシブ・ロックのバンド」という感覚が今でもないのだ。
ところが、この「ピンポン玉の嘆き」だけは別で、四人囃子を「プログレッシブ・ロックのバンド」たらしめているのは、この7/8拍子の一曲だけなのではないか?とまで思ったりするのだ。
「プログレッシブ・ロック」というカテゴリーの定義が極めて曖昧なので、コレはあくまで個人的な意見なんだけどね。

9_img_0225そして、9曲のうち、5曲が1989年9月22日と23日にMZA有明で開催されたリユニオン・コンサート『Fullhouse Matinee』で収録されたものだ。
二日のうち23日は昼夜の二回公演。すなわち「マチネー」があったワケだ。
一応記しておくと、「matinee(アメリカじんは『マリニー』みたいに発音する)」というのは昼間興行のことで、ブロードウェイの人気ミュージカルでは週末と水曜日にマチネーがある。
ロンドンのウエスト・エンドは木曜日、あるいは水曜日と土曜日とショウによって異なる。ちなみにウエスト・エンドは日曜日はお休みだ。
当然のごとく、主役級の役者さんは一日にミュージカルを二回演ることは体力的に難しいのでマチネーは代役を立てることが結構ある。
当然代役となると人気も落ちる。
すると、当日売りのチケットがものスゴイ値引きをされて売り出される。
ショウの内容自体はまったく同じなので、安くショウを楽しむにはコレを利用するのも一興だ。
私はといえば、もうだいぶ前の話だが、ブロードウェイに行った時、ジュリー・アンドリュース主演のミュージカルがかかっていて、マチネーで格安チケットが出ていた。
「ヨッシャ!」と思い、チケットを買いに行くと、案の定代役。で、やめた。
変にプライドの高い私としては「代役が演じたミュージカル」は後で自慢が効かないと計算したのだ。
ま、私なんかそんなもんですわ。
それで、四人囃子、ご存知の通り、このコンサートの音源はすでに二枚組のライブ・アルバムとして発表されている。
下の写真がそれ。
1989年といえば、私はロックから離れていたどころか、転勤で東京からも離れて信州で安穏としたサラリーマン生活を送っていた。当然ネクタイとスーツを着用していた。
したがって、このコンサートが開かれたことも知らなかったし、MZA有明なんて小屋も知らなかった。
そういう意味では「日清パワーステーション」も経験していないのです。
その時代のライブハウスいえば、東京に帰って来て辛うじて渋谷の「On Air East」でTower of Powerを観たぐらいか?(Galibardi氏の無事を祈る!)
それじゃダメじゃん!って?
ナンノナンノ!「それじゃダメだ」と笑わば笑え。
アタシャ後楽園ホールでロイ・ブキャナンやフランク・マリノを観た。後楽園ホールだぜ!ボクシングの試合じゃないぜ!ワイルドだろう?
浅草国際でキング・クリムゾンの初来日も観てるから!国際劇場だぜ!
ま、どうあがいてもこの後のインタビューに出てくる大二さんの話にはかなわないんだけどサ…。
さて、話を戻す。
『Wish You Were Here』を連想せずにはいられないヒプノシスっぽいジャケットがカッコいい。
9_img_0223_2
元の音源も何ら文句の付けようもない音質なのに、今回はそれに「迫力」というスパイスを存分に振りかけたイメージに仕上がった。
まぁ、この味を知っちゃうと、そうおいそれとは元には戻れないだろうナァ。
今回、『錯』の音質をチェックするために、『Fullhouse Matinee』と『From the Vaults』と、三枚の音を聴き比べていた。
すると、『Fulhouse Matinee』と『錯』では、一曲目の「Nocto-Vision For You」の満さんの歌いだしのピッチが異なることを発見した!…と喜び勇んでいた。
しかし、「待てよ…」と思い、ココに書く前に念のため確認をすることにした。
教えを乞うたのはMarshall GALAでの稲葉囃子のスタッフもお願いした四人囃子研究家である灘井氏だ。
ちなみに灘井さんは、四人囃子やCharさん、金子マリさんらが参加した、四人囃子の初代ベーシストである中村真一さんの追悼コンサートにご出演されギターの腕も披露されている。
そして、私の研究の結果は当然のごとく空振り。
私は『Fullhouse』→『Vaults』→『錯』と同じ音源を三段構えでリマスターしているものと思い込んでいたのだ。
今回の『錯』の音源は、『Vaults』にすでに収録されているコンサートの23日のマチネーの音源をリマスターしたものであって、『Fullhouse Matinee』のモノとは異なる音源だったのだ。
ああ、単なる私の勘違いでこんなに紙幅を割いてしまった!
お詫びに全公演をご覧になった灘井さんからの情報を付け足すことにしよう。
セットリストは基本的に全公演共通だったそうだ。
衣装も同じで森さんの髪型に少々変化があった程度。
そして、23日夜の最終の公演のみ二度アンコールに応えた。その時は出演者全員がお揃いのTシャツを召していたそうだ。
下は灘井さんからお借りしたその時のチケットの半券。
おもしろいのは、初めの二公演の席が「G列」と前の方であるのに対し、一番下の23日の夜の公演のみ「T列」と大分後ろの方になっている。
もちろん皆さん最終公演のみのダブル・アンコールを見越していたワケではないのであろうが…そうか、みんな最後の方を見たいんだな~…と、東京にすらいなかった私はそんなことしか分析できません。
灘井さん、どうもありがとうございます!

Mza_tick1_3

Mza_tick2

Mza_tick3 もうひとつ。
『From the Vaults』以外の音源は『'73四人囃子』の「円盤」だ。
『錯』には「(Full Length Version)」と記されているが、『'73』と内容は同じ。
何をもって「Full Length」なのかを灘井さんと話したのだが、我々の間では「シングルの短いバージョンとは異なり、丸々一曲全部を演奏しているという意味で『Full』なのではないか?」という結果に落ち着いた。
再三書いている通り、音質はオリジナルに比べて格段に良くなっている。
まるで見慣れたモノクロの映画が総天然色になったかのようだ。
そして、若さあふれるパワフルな演奏!
こうして「ロックがロックだった時代」の素晴らしい音源の質が向上することも若く、新しいリスナーがひとりでも増やしてくれるキッカケになることを願ってやまないい。
黙ってりゃいいんだけど、知ってることは言わないと気が済まない性質なので書いてしまうが…このジャケットに写っている1959のフルスタック(UNIT3)は四人囃子のものではなく、対バンの安全バンドのものだったとか…あ~書かなきゃヨカッタ。

73さて、大二さんのインタビューの三回目。
今回はまたビートルズの話に始まって、大二さんの音楽論について語って頂いた。

S41a9563

さらにビートルズ

O(岡井大二、以下「O」):もう一度、ビートルズについて言うと、彼らが日本に来たのは1966年の6月です。
あの時に飛行機から降りてきた彼らの格好はご存知ですよね?
M(Marshall、つまり私、以下「M」):マッシュルーム・カットに日本航空の法被。
O:そうです。
そしてあのツアーの後に「もうレコーディングしかやらない」と宣言しますでしょ?
M:フィリピンで散々な目に遭ってしまってツアーにウンザリ…。
O:それでスタジオに引きこもって1966年中に『リボルバー』を出してるんですよ。
M:はい。

SffO:さらに引きこもって、年が明けて1967年になった途端「ストロベリー・フィールズ」のシングル盤を出してるんですね。
そして、その年の夏に、つまり、日本に来た1年後に『サージェント・ペパーズ』を出してるんですよ!
1枚のアルバムを挟んで(『リボルバー』のこと)、曲からファッションから全部変わっちゃった!
M:そういうことだったんですね。
O:日本に来た時の新曲が「ペイパーバック・ライター」です。
サウンドはハードになって何かを予感させるものあっても、ビート・バンドの域は出ていない。
それが『リボルバー』から変わっていって『サージェント・ペパーズ』ですよ。
それで、ケンカしたりしても最後には『アビィ・ロード』を作ってしまったワケですよね。
M:大二さんたちの世代の方はナマでそれを見続けたんですもんね~!

Img_0019_3O:ビートルズのこの変化の順番を目の前で同時期に見ていたという「幸福感」は、申し訳ないんですが、後の世代の方々にはわからないでしょうね。
M:私の世代になりますと、『ラバー・ソウル』が65年、『リヴォルバー』が66年、そして『サージェント・ペパーズ』が67年ということは後で教わって知っていても、その間の「一年」に起きた変化にまったく実感が湧かない。
生まれてはいたんですが…。

言ってみれば、本能寺の変が1582年、関ケ原が1600年、それから徳川幕府ができたということを知っているのとまったく同じなんですよ。
こんなことに実感が湧くワケはありません。

それと同じこと…うらやましすぎます。
マァ、最近は「いい国作ろう江戸幕府」なんて言っている若い人もいるようだから「実感」も何もありませんが…。
でも大二さん!私だってダテに年を喰ってはいませんよ!
O:ほう?!
Mもう大分前の話になりますけど、イギリスに行って、若い楽器店の連中と大勢で食事をする機会がありましてね…話題はもう自然と音楽の話になる。
私が「生でレインボウを観た」、「ライブ・イン・ジャパンの時に客席にいた」なんて話をするとそのイギリス人の若い子たちが「スゲエ!握手してください!」って言うんですよ!

Img_0679_3O:ワハハ!
M:大分スケールが小さいですね、こっちは!もう5年早く生まれていればナァ。
O:そうか~。
もうちょっとビートルズの話をすると、人気に乗じて初めて4チャンネルを駆使して「コレがマルチ・チャンネル・レコーディングの極致」というサウンドを作ったのが『ラバー・ソウル』ですよね。
M:はい。
Oで、『サージェント』は4チャンネルのテレコを2台用意して、1チャンネルをシンク信号に使って7チャンネルで録音した。
でも今、7チャンネル渡されて「サージェントと同じ音づくりしてみろ」と言われても誰もできない。
M:そうでしょうね~。
O:で、なんでそんなことができたのかというと、時代の空気みたいなものもあったと思いますが、とにかく発想がブっ飛んでいた。
ビートルズだけじゃなくて、ストーンズも色々やっていたし、ザ・フーは『トミー』を作る、『ラバー・ソウル』のエンジニアだったノーマン・スミスが『サージェント』を作っているとなりのスタジオでプロデューサーとしてピンク・フロイドのファースト・アルバムを作る。
あの1枚目の衝撃たるやスゴかったですからね。
宇宙みたいな、夢みたいな、コワイような、気持ちいいような…またまたナンダこりゃ?となったワケです。
M:今では「ピンク・フロイドのファースト・アルバム」以外のモノではないかもしれませんが、当時はあの音楽が相当新しく響いて本当に『夜明けの口笛吹き』だったんでしょうねェ。
O:音楽雑誌を見れば、アメリカではフランク・ザッパみたいのが出て来る…。

Pfボブ・ディランがどうして変わっちゃったのか?
グレイトフル・デッドも出て来た。
デッドの2枚目(註:Anthem of the Sun、1968年)なんかも少年にはスゴイと興奮しても、どうなっているのか分析なんかできないんです。生活も健康的だったし…(笑)。
M:わかってます、わかってます!
Oとにかく英米で何が起こっているかわからない。
無知な少年だったから、元よりビートニクの文学のことも、ティモシー・リリーの精神世界のことも知らない、ヒッピーってなに?
ベトナム戦争は泥沼化してる、世界が混沌の極み…こうしたことが1960年代の終わりにいっぺんに起こちゃったワケです。
それで、ビートルズはアメリカで名声を得てからたった3年でそういうムーブメントの中心になっちゃったんですね。
このあたりは世界の音楽界の明治維新みたいなものだったんです。
M:私は幼稚園で、パーマをかけたら、それを見た親戚のオバさんが「ビートルズか?」と言ったのを覚えています。
そうした世の中の文化的な大きな変化は英米のお話しでしょ?
O:そうですね。日本にはそれに関するハンパなデータしか入ってこなかったですね。
レコードは一応手には入りました。どんな人たちかは雑誌の写真で何となくでわかるんですが、どんなことが起こっているのかがわからないワケです、少年からすると…。

S41a9510M:そういう感覚がピンと来ないですね。
O:そのあたりのことがわかってきたのはようやく90年代に入ってからですね。
さすがにインターネット以前に本や映画を通じてわかってきたんです。
M:90年代?
O:そんなもんです。
60年代の歴史上の人たちの本当の姿や、何が行われていたのかを広く日本人が知ったのは90年代に入ってからでしょうね。
M:時差が10年どころじゃない!

 

オリジナル曲で勝負!

M:オリジナルで勝負しよう…ということになった時、「何をどうしよう」ということはご自分たちなりのお考えというものはあったんですか?
O:何をしていいかということはわからなかったけど、何となく勘が働いたんでしょうね。
M:たとえば「ブエンディア」なんていきなりボサノバだったりしますでしょ?
あの時代にああいうアイデアはどこから出て来たんですか?
O:「一触即発」、「おまつり」、坂下(秀実さん)による「泳ぐなネッシー」なんかは『一触即発』を作る前からのレパートリーなんです。
M:「ネッシー」のコード進行のアイデアなんかはI-I7-IV-IVm-I、いわゆるターンバックっていえばいいのかな?
基本的なコード進行。アレをすごくゆっくり弾いていたりしますよね?
でも、「ブエンディア」のボサノバのアイデアは不思議。

Se_2O:まぁ、あれは「こういうの好き~」ってだけでやった感じですよ。
ジョビンの「Wave」あたりがようやくピンときて、「こんな気持ちいい音楽があったか~。こういうの演りて~な~」っていう感じでしたからね…なんて時に、「空飛ぶ円盤に弟がのったよ」をシングルで出すことによってバーターで移籍ができることになったんです。
M:お、またバーター。
O:「円盤」をシングルで出すのは忍びなかったんですけど…。
M:え、いいじゃないですか。
O:でも、出すことになって…ところがイザとなると今度はカップリング曲がない!
それで、「四人囃子用の曲じゃないけど、オレ、インストが一曲あるよ」ってB面に入れたのが「ブエンディア」だったんです。
だからアレは四人囃子向けの曲ではなかった。個人的な趣味です。
M:へぇ~。

 

昔のライブハウス

M:その頃、ライブハウスの状況というのはどんな感じだったんですか?
O:「グループ・サウンズの先輩達が出ているところ」ということになりますね。
M:さっきの話ですね?
O:で、伴奏を聴かせるスペースと音楽に合わせて踊るスペースに分かれているところが多く、そういうところでは踊るスペースの方が圧倒的に広いんです。
M:昔のジャズみたいに、要するに踊るためのバンド演奏だったワケですよね?

Img_0003O:そういうことです。ゴーゴー・バンドです。
それで、人気の出たグループ・サウンズの歌や演奏だけを聴かせるスペースとしてできたのが、ACB(アシベ)でいえば、「ニューACB」というところだったんです。踊る方は「ゴーゴーACB」。
で、そういう演奏だけを聴かせるスペースが増えていったんですが、あくまでも女の子たちがあこがれのグループを観に行くところでしたね。
M:なるほど。
O:だから、今の感覚で言う「ライブハウス」というのはロック・ポップ系にはなかったですね、当時は。
で、やっとそれらしいものが出て来た…。
M:え、どこですか?
O:…というのが、実は渋谷で言えば「ジァンジァン」だったんですね。
M:へ~。子供の頃、アレは芝居小屋だと思っていました。
O:そうそう。
だから「ありとあらゆるパフォーマンスに開放する」という意味合いがあるスペースだったんです。
M:色んなのが出てましたもんね。他には?
O:「ロック・バンドのためのスペース」ということであれば、吉祥寺のOZ(筆者注:1972年6月から翌年の9月という短期間に渡り営業していたライブハウス。久保田麻琴と夕焼け楽団、裸のラリーズ、南正人、タージ・マハル旅行団、カルメン・マキ&OZ、安全バンド、四人囃子、クリエイション、頭脳警察、ウエスト・ロード・ブルース・バンド等が出演した)なんてのもそう。
あとは屋根裏、そしてロフトですよね。
M:当時は吉祥寺なんてまだ閑散としていたんじゃないですか?
O:かなりさびしかったですね。
M:あとはホール・コンサートですか?
杉並公会堂なんかよく使われていましたよね?アレは何か特別な意味があったんですか?
O:ゼンゼンなかったです。ひとこと「地元」だから。
当時は各町の公会堂がグループ・サウンズのTV収録の場だったりもしたんですよ。
M:それと昔は学園祭が盛んでしたよネェ?「学園祭の女王」なんてね。
今はもうゼンゼンですよね?
O:今は実行委員会とかイベントのサークルとかの人たちが、「企画を立ててビジネスが成立するか?」みたいなシミュレーションの勉強の場になってしまったんですよ。
昔は、「ロックの息吹」なんて時代ですから、「学園祭」というイベントで晴れて自分たちの好きなバンドを呼んで演奏してもらうことができる場だったんですね。
そんな機会ですから呼ばれる方も張り切って演った。

 

音楽を作るということ

M:いつもMarshall Blogで騒いでいるんですが、今の若い人たちのロック界を見渡すと、「ロック」という言葉は残っていても、我々が持っている感覚で言うところの「ロック・バンド」というものはほとんど存在しない。
かといって歌謡曲もなくなってしまった。

Img_0524O:そうですね。
我々の世代が言う「正統派ロック・バンド」というのはいないですね。
それで言うと、最近の傾向として、デスクトップだけで音楽を作る人も多いですよね?
ウシさんはそういう人をミュージシャンとして認めていますか?
M:それなら「作曲家」ということになって、「ミュージシャン」っていう感じがしないかも。
O:「作曲家」は「ミュージシャン」ではない?
M:ミュージシャンは生の楽器を演奏する人のことを指すようなイメージがありますね。
O:そういうことね。「演奏」ということを重視するワケですね?
ボクはチョット考え方が変わっていて、絵に例えましょうか?
M:お願いします。
O:「匠」とか「道」の世界で考えれば、まずデッサン2,000枚描けということになるんですね。(筆者注:大二さんのお父上は、武蔵野美術大学の教授や同美術学園の学園長を務めたデザイナーの岡井睦明さん)
でも「絵を描く」ということになった時、最初からペンキを壁に投げつけたいヤツもいるんですよ。
M:ジャクソン・ポラックみたいな?
O:ダリのように細密な絵を描く人もいれば、谷岡ヤスジみたいに(筆者注:古すぎて鼻血ブー!)ドヘタ風味の四コマ漫画でいい味を出しちゃう人もいるんですね。
M:確かに。
O:要するに「出来上がり」なんですよ。
「何を生み出すか?」が一番だと思うんです。
家づくりに例えて言うと、大工さんにあたるのが 「プレーヤー」で、腕・技術を通してセンスを発揮するスタンスだと思うんです。
でもボクは設計の具合に一番興味があって、アホなものでも独創的なものにワクワクするんです。音楽の場合は発想に具体的な規制は無く自由ですから、例えば半分フランス庭園で半分日本庭園なんてことをしてもいいし、フランス庭園のド真ん中に鳥居を建てちゃうことだってできる。
出来ることなら月までハシゴ立てたい…みたいな。
M:できません!
Oだから自分の感覚で言葉を使い分けると、大工として名工を目指すのが「プレーヤー」の世界、設計図を提出して未完の想像物を世に問うのが「ミュージシャン」の世界、と考えています。
もちろん、ひとりの音楽家においてくっきり境目がある訳ではないのですが…。

S41a0872_2「プレーヤーとして」と話題にする時と、「ミュージシャンとして」と話題にする時とボクにとっては違うんです。
M:なるほど。
そういう言葉の使い分けであれば、私の感覚は作曲する人が「アーティスト」、それを演奏する人が「ミュージシャン」っていうのはあります。
もっともコレは私が考えたワケではなく、西欧人の受け売りです。横文字だけあって彼らはそれらの言葉を使い分けているように見えます。
O:で、一番大切なのは設計することからなんじゃないかということなんです。
M:はい!
O:「音楽」で言うと、「曲を創造する」ということになる。
コピーして演奏するより、どんなにボロクソに言われようと、落ち込んでしまおうと、自分はオリジナル曲を作るということの方が「ものづくり」ということにおいては、はるかに尊いと考えちゃうし、個性的な発想の人を尊敬するし、憧れてしまう。
「創作物」の積み重ねがあっての音楽の歴史だと思うんですよ。
M:私は何も作ることができませんが…まったく同感です。
O:「創作」や「ものづくり」に制約はありません。
例えばコンピュータしかイジれない人が何か曲を作る。
それに対して聴く側には賛否両論があったとしても、また、実際に上手に演奏できたとしても、コピー・バンドをやっている人達よりは、ボクはそのデスクトップ・ミュージックで画期的な作品を生み出す方の人を評価したいんですね。
M:よくわかりますが、実際そういう人はいるんですか?
O:ん~(笑)ま、そうは滅多にいませんね、確かに。
絵心・筆心のようなことが、奏でるという場には重要ですもんね。
M:それでは、スイートやエアロスミスのように職業作曲家に曲を作ってもらうというスタイルはどうお思いになりますか?
例えば、スイートはニッキー・チンとマイク・チャップマンというソングライティング・チームの曲を演奏して、たて続けにヒットを飛ばしました。(註:このふたりはスージー・クアトロやスモーキーなどにも曲を提供した大ヒット・メーカー。スージーの「Wild One」なんていいもんね~。チョット郁恵ちゃ

S41a5215_3んの「夏のお嬢さん」みたいだけど…)
エアロスミスも復活後は曲の提供を受けていますよね?
ロックはもうチャンとした音楽教育を受けたプロの作詞家や作曲家に「創作」の主導権を渡したらどうかと思うんですが…。
他の人が同じ曲を演らない限りは「持ち歌」ということでオリジナル・ソングになるワケですから。
O:それはまったくその通りですね。
M:曲は職業作曲が作って、あとはバンドがピロピロしようが、ドカドカやろうがそれは自由。
そこで腕自慢をすればいい。
O:わかります。
M:しかし、あのピロピロ系の方々というのは大変だと思いますよ。
「様式」にとらわれて他のことをするのが罪悪となってしまっているように見えます。
それこそが個性でもあるのかもしれませんが…。
O:最初にアレから入っちゃうとね~。抜け出すのがムズカシイのかも…。

<vol.4:最終回>につづく。

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(一部敬称略 ※協力:灘井敏彦氏)

2017年1月20日 (金)

秋CANTA'16 Growth~成長中の男達~

例年通り、年が改まってもしばらくの間は旧年中のライブのレポートが続くMarshall Blogでございます。
たとえ間が少々空いてしまったにしても、今日の記事を楽しみにして頂いていた方も多かったのではないのかしらん…とよい反応を期待していおりますが…CANTA秋のツアーの千秋楽だ~!

10この千秋楽の3日前には9枚目のアルバム『Love Fixxxer』が発売されたばかりのタイミング。
9月17日に広島からスタートした秋のツアー、ニュー・アルバムの発表後の公演はこの東京のみとなった。
いいね~、「水がしたたり落ちる桃」。
内容も成長中の男たちのみずみずしいパフォーマンスが満載だ!
ルークさん曰く、歌詞に苦労したとか…。
たどりついたテーマは「愛」だ!

20cdルーク篁

20vMASAKI

30v雷電湯澤

40v今日もルークさんの後ろにはMarshallがドッシリと控えている。

50_2こんな感じ。
やっぱりカッコいいね。
間違いなく「ロック」を奏でる時の正しい光景だ。
今日はいつものMFキャビではなくて1960AXを鳴らしている。

9_img_1016熱気ムンムンの会場…ステージに現れた3人はいつもの通りインストの「The Theme of New Frontiers」で思いっきり景気をつける!

70…か~ら~の~「Tonight3」。

80v_tnすでにステージと客席の波長がビッタリと合致している!今日も最高の滑り出し。

90今回のツアーは熊本地震の影響で鹿児島公演がキャンセルとなってしまった。
ルークさんからは、代わりに「熊本へ行くぞ!」宣言が発された。
そして、いきなりの健康ネタ。
ルークさん、何でも腰が痛いとか…。
そして、腰が痛い原因のひとつは寝相がいいことなのだそうだ。(テレビネタ)
私は別の原因による腰痛持ちだが、確かに私も寝相が大変よろしくてね。
ズ~っと仰向けなの。
うつ伏せで寝ることは絶対にあり得ないし、横を向いたとしてもものすごく短時間で仰向けに戻ってしまう(らしい)。
あ~、腰イテ…。
ウォシュレットネタから、寝相ネタへの転換の瞬間だった?!
170v_mc
続いての曲はニュー・アルバムから「Bound for Freedom」。
この曲、いいな~。
アルバムの中でも一、二を争う私的ベスト・ナンバー。CDを先に聴いておきたかったな。

100v_bffこの後のMCで「イッパイ間違えちゃった!」なんてルークさんはおっしゃっていたがゼンゼン問題なし!
リズム隊のおふたりも新しいレパートリーを完全に自家薬籠中のモノにしてしまっていた。

110雷電さんなんか余裕、余裕!この表情だもんね!

120一旦、ニュー・アルバムから離れて「オルタナ」。

140_al出だしの音で大歓声が沸き上がるのは、ライブでは必ずセットリストに組み入れられる「Fantasize」。

150v_fs各曲に挿入されるギター・ソロも好調そのもの。
ん~、しかしいい音だ!
中域の張り出した「ルークさん+Marshall」ならではの独特なトーン。
やっぱりアンプは真空管に限るね!
130v
MCをはさんでニュー・アルバム・コーナーに入る。
まずはタイトル・チューンの「LOVE FIXXXER」。
アルバムのオープニングにぴったりのドライビング・チューン。
サビのメロディが印象的だ。

180v_lf猛然と突き進むドラムと縦横無尽に放たれる低音!ゴキゲンだ!

190そして、ブッちぎりのギター・ソロ!身近ながらもスリリング!

200静かに始まる「Campanella」。
I-IM7-IIdim…コレもいいナァ~。
ディミニッシュ・コードがうまく使われているとうれしくなる。
George Harrisonの専売特許だ。

200v_cp続けてニュー・アルバムの最後から2番目に収録されている「Madness」。

210_mdチョット「fantasize」っぽいノリノリ・ナンバー。

220vコレもサビのメロディがいいナァ~!
きっとこれからライブの定番曲になっていくことだろう。

230v「CANTA恒例のしっとりコーナー」とMCで案内しておいてから「金木犀」。

240v_kms「Everyday」…

250_ebそして「月とチャリとGuitar」を続けて演奏して「しっとりコーナー」を締めくくった。

260v_tcg「あ~、楽しかった!
(音楽を)聴いている時も旅に出るけど、演奏している時も旅に出るよね。それぞれのトリップがある。どこに行っているのはわからないけど…とにかく浮いている感じ?
今日はそれを何回も感じているから、いいライブだと思います」
そして、メンバー紹介。

270v雷電さんのMC。
新曲の演奏を指して…「リハやってないんだよね!初演はものすごく集中力が必要。でもリズム隊は完璧でした!
聖飢魔Ⅱの国際フォーラムの前の日にレコーディングしたんだよ!
ルークの頭の中では曲が出来上がっているんだろうけど、オレの頭の中は『?』だよ!」

280vこないだTerra RosaでMarshall Blogに登場して頂いたばかりのMASAKIさん。
「You know me? ノドチンコが寂しかったよ!」といつもの爆笑パターン!

290自慢のヤカン・スタンドを紹介。
楽器メーカーが作ってくれたんだって。
めっちゃガッチリハマってる!

300v「みんな誰かが必要なんだぜ!」と「Everybody Needs Somebody」。

310_ens続けて「108」。
実はもうココは最終コーナー。
もう怒涛の如く押しまくっちゃうよ!

320v_108「♪ダッ、ダッ、ダッ」…キタキタ~!
本編の最後は「HEAVEN'S WAITING」。

330v_hw毎回ライブの盛り上がりシーンで演奏されるこの曲…今日のエキサイト具合も最高だ!

340vオリャ~!弾きまくりだ~!

350本編14曲。
短いと思うことなかれ!コレでいいのだ。
ファンの皆さんはこの先のスペクタクルをよくご存知じのハズ。

360v「奇跡を起こすのは神様じゃなくてボクらだってこと…被災した次の日から顔を上げた人だっているんだ…という思いで歌います」
アンコールの1曲目はルークさん弾き語りの「MIRACLE」。

370_mcそして、アンコールの爆発の部!
まずは「FEEL YOUR LIGHT」。

380v「1400km/h」…

390vそして「春の嵐」!

400v「待ってました!」…スゲエ参加率!

1_img_1108 もちろんMASAKIさんのタライ芸も!

450フィニッ~シュ!

460vそして、いよいよ最後の曲。
もちろん「Happy Birthday To You!」。

470vこの曲を聴いて、このパフォーマンスを見なきゃCANTAのコンサートを見たことにはならないよね!
ギターとともに客席へGo!

480ステージではMASAKIさんがピョンピョン大暴れ!

490雷電さんも行った~!

500そしてモニター・ブースで集合!

510しかし、毎回見てるけど、こんなことやってるの世界広しといえどもCANTAだけだろうな~。
感心しますわ~。

520ステージに戻って弾きまくり、暴れまくりだ!

530最後の出し物もセット完了!

540巨大スティックで手際よく風船を割った雷電さん。

550感動のエンディング~!
今日も最高に充実したステージなのであった。

560年が明けて2017年はCANTAの結成15周年になるのだそうだ。
今年も大きな飛躍を期待している!

570vCANTAの詳しい情報はコチラ⇒CANTA Official Web Site

580(一部敬称略 2016年11月5日 新宿BLAZEにて撮影)

2017年1月19日 (木)

TORNADO-GRENADE~FIRE YOUR GUN-風愛溶岩-

しかし、驚いたよ!
ナニが?って、「ぼんご」のおにぎり。メチャクチャおいしいんじゃないの!
少し値段が張るので敬遠していたんだけど、「この時」はじめて食べた。
「ぼんご」とは大塚のライブハウス、「Hearts+」のそばにあるおにぎり屋さん。
アレ、見てるとオジちゃん、ほとんど握らないんだよね。炊きたてのアツアツごはんを無謀にも素手でつかんでやんわりと海苔に押し付けて、たっぷりの具を乗せて丸めるって感じ?
具の種類も豊富だし、なにより米がおいしい。
行列ができるワケだわ。
ギャル曽根ちゃんだったら100個ぐらいイケるんじゃないのかね?
私は3個までなら余裕だな。
この「ぼんご」のおにぎり食べたさに「日曜日のブッキングはできれば避けたい…」なんてバンドもあるようだ。
日曜日はお店が休みなのだ…と、マァ、コレは冗談にしても、やっぱりこういう何千年も食べられ続けているトラディショナルな食べ物はおいしいね。
音楽もトラディショナルなモノがいいナァ。
イヤ、トラディショナルな要素を含んだものがいい。
いつも書いているように、そんなハード・ロックやヘヴィ・メタルのトラディショナルなテイストを持って時代の感性でロックを料理しているのがTORNADO-GRENADOだ。
そして、冒頭の「この時」というのはTORNADO-GRENADOがホームのHearts+(本当は西川口Hearts)で初の単独コンサートを開催した時のことを指す。
コンサートは最新アルバム『LOVERUPTION』の発売を記念したツアーの千秋楽で、『FIRE YOUR GUN-風愛溶岩-』と題された。
このツアー、総計70本も演ったんだって!
千秋楽は当然ソールド・アウト。

10コレがアルバム『LOVERUPTION』。
「Fire your gun」なんて聞くとナンカPattoを思い出すね。

Lr単独コンサートなんてもうとっくの昔にやっているのかと思っていたら、コレが初めてのことだという。
ということで、色々な記念アイテムが展示された。
壁にはポートレイト…なんかシャドウだけデフォルメがキツくない?

 20

立派な祝い花(っていうのかな?)も!

30 ここにもポートレイト。苗字、しかも漢字の表記がすごくいいね!

40このバンドは物販のアイテムが豊富だ。
各種Tシャツは言うに及ばず…

50 ポストカード、ステッカー、トートバッグといったスタンダードなアイテムはすべてカバー。

60 こんなモノも!

70 クリスタルの楯!ピックが付いてる。

80 ジグゾー・パズルや時計。
何とCDまで売ってる!…って当たり前か。
しかし、この物販ってのも時代の産物だよね~。
昔はこういうモノなんてなかった。
まず、こういうアイテムが簡単には作れなかった。
そして、バンドやミュージシャンは、グッズではなく音楽を作って、レコードを売って利潤を得るのが当たり前だった。
コンサートも重要な仕事だが、レコードを作る、すなわち「音楽」を作ることこそが「ミュージシャン」という職業の仕事内容だった。
「誰が音楽をタダにした?」なんて本が出ているようだ。
消費者も「音楽がタダになった」と喜んでいるのはいいが、トンデモナイ代償を払っていることに本当は気が付くべきだ。
それは音楽の質の著しい低下だ。
もちろんTORNADO-GRENADEは例外だ。
だからこうしてMarshall Blogで紹介している。
また、物販なんかしなくてもいい時代が来るといいね~。
出だしからツマらないことを書いてゴメン!
でも、いつかこのことに触れたいと思っていた。
時代が変われば状況が変わるのは当たり前なんだけど、過去や歴史を知っていないと何かの時に軌道修正ができないんだね。
だからケムたいと思われるだろうけど、コトあるごとにこうして文字にしているというワケ。

90 さて、これがその記念すべき初の単独コンサートのステージのようす。

100上手はカズマくんのMarshall。JCM2000 DSL100のフル・スタック。

110v足元のようす。
140

下手は雄太くんのMarshall。
Jubilee2555のハーフ・スタックの間に1960Bを組み込んだブチのフル・スタック。

130v足元のようす。
120

初の単独コンサートのステージの両脇は風神&雷神、助さん&角さん、あるいはリー&ラーのようにガッチリとMarshallで固められた。

150 オープニングSEのインスト・チューン「Loveruption」が流れる中、五人が登場。
そして、ショウがスタートした!

160 〜 Sex,Spice,Rock'n Roll !! 〜
塚本”JOE”旭

160v〜 Mr.Little Heart 〜
松浦カズマ

170 〜 ハイテンションエクスタシー 〜
真壁雄太

180v〜 カーニバルフィンガー 〜
寺沢リョータ

190v〜 ジャパメタ界のキューティーハニー 〜
ドラゴンシャドウ村田

200 記念すべき…そんなに記念しなくてもいいか、もう…一曲目は「Love never Dies」。

210アルバムでも実質一曲目を飾るスピード・チューン。

220 アルバムのコンセプトを歌い上げるかのような「愛」の歌。
滑り出しは絶好調!

230 続いては「Rise up to the Win」。
出だしの文句をずっと「アラブの町」だと思っていてゴメンね。

240 TORNADO-GRENADEと私を結び付けてくれた一曲なのだ。

250 コレもお初!ドローンを使ってシャドウを撮ってみた。

260 三曲目は話題の「荒神見ない」、ウソ「Cause in Midnight」。
でも、この曲は耳に残るよ~。
ピリッとしたハードロックに耳慣れた言葉。
そのコンビネーションが、いいんだこのバンドは。

270さっそく、おなじみのアクロバットが飛び出した。

280 Joeくんのヒザの上でソロをキメる雄太くん。

290vそして、Joeくんの肩に乗って…

300vハイ、上手に向かってポーズ!

310 そして反り返り。
ずっとソロ弾いています!

320 フィニッシュ!
1月30日、水道橋の「尚美ミュージックカレッジ専門学校」でMarshallやギター・アンプの講義を開催する。
講師はMarshall社から私。
デモンストレーターはOBの雄太くん。
最強なんだか最弱なんだかわからないコンビ。
残念ながら在校生しか受講できないけど、レポートはMarshall Blogでするつもり。
とにかく受講生を飽きさせないようにお笑い第一でやるぞ!
私はかつてこういう仕事をずいぶんやらせて頂いておりましてね。
好きなお仕事のひとつなので張り切ってしゃべります!
あ、肩車はしません。

330v続いても「Scarlet Love Story」で大疾走!

340 それにつけてもこの曲のJoeくんの劇唱ぶりはすさまじい。
…とここまでは『Loveruption』から。
しかも、アルバム通りの曲順だ。
370
人気の「ワル」のMCも当然挟み込まれる。
「オレはメチャクチャ酒が強ェんだよ」
「お前、それ『ザル』だろ!」

9_joe「バイブス、マジで下がるんですけど~」
「そりゃ『ギャル』だろ!」

9_s41a0103「こないだ海外行ったんだよ~」
「それは『JAL』!」

9_s41a0107「フォッフォッフォッフォッフォッフォッ!」
「オイ、オメェ、そいつァまさか」
「フォッフォッフォッフォッフォッフォッ!」
「『バル』か『バルタン星人』なのか?」

9_s41a0105

…というのはまったく架空のMC。
今私が作りました。スミマセン。
イエね、TORNADO-GRENADEはMCも楽しいよ!ということが言いたかったのさ!
真偽のほどはライブ会場に来て確かめてチョ。

9_img_0111次に一旦『Loveruption』から離れて「Ride on Fire」。
この曲カッコいいよね~!
現代版日本人AC/DCみたいな感じ?すごく好き。
350
ちょっとファンキー・テイストの「My Sweet lover」。中間のキメがカッコいいんだ。
それで、もう歌詞がさ、70年代歌謡なワケよ。それがいいんだな~。
TORNADO-GRENADEのやっていることは、大ゲサに言えば70年代初頭の「日本語でロックはできるか論争」のひとつの答えだね。
タイム・マシーンがあって、TORNADE-GRENADEを1972年ぐらいに送り込んで演奏させたらどうなっていたろうね。
完全にマーティ・マクフライ状態。
アンプのことは心配するな!Marshallがバッチリ用意されているぞ。
1972年といえば創業から丸十年。ハードロックの黄金時代、最高にMarshallが忙しい時だ。

450

ようやく霧も晴れてきたところで、ギター・バトル。

380 若きシュレッダー二人の大決闘!

400武器はMarshall。
二人とも弾くわ、弾くわ!

390v

勝負の結果!…真空管アンプ最高!アンプはMarshall!
ハイ、賛成の人「いいね!」押して!

S41a0193 今回はワンマンということもあって、「Reason of the Life」の後にはリズム隊もソロを披露した。
まずはリョータくん。
気を衒うことのないオーソドックスなプレイが魅力なんだけど、この日は、ソロを終わりたくても終われないというアクシデントが発生!結果大フィーチュア!
悪いけど、メッチャおもしろかった!

430 シャドウも正統派のドラム・ソロで会場を沸かせた。
440
私の好きな「Love Blizzard」。
若い人のシャッフルがうれしい。
420
ここで新曲を披露…「Wings of Steel」。
ウケてたね~!

S41a0353 Vシェイプのアコギを下げてしっとり歌うのは「Sleepless Liar」。

460 そして、TORNADO-GRENADEのテーマ・ソング「Sex, Spice, Rock 'n Roll」…あるいはJoeくんの自伝歌。

470おなじみのゴキゲン・ナンバーとだけあってエライ盛り上がり!
360
当然、いつものエグザイル(正しい発音は絶対「イグザイル」)フォーメーション…グルグルグルグル。

480 コレまたキマった!

490 定番のボーカル持ち回りコーナー。

500v もちろん歌うパートは「Sex, Spice, Rock 'n Roll」

510vしかし!いくら歌とはいえ、人前で「sex」なんて言葉は口に出せんな~。
この辺りはそれこそ世代の違いか…どころか、この子たち、ウチの下の子と年齢が同じなんだよね~。
そういう若い人たちと私は仕事をしています。Marshallありがとう!真空管アンプが結んでくれた親子の絆だ!

520 このコーナーはシャドウのこの無気力パフォーマンスが最高におもしろい!

530_2ちなみにこの曲の歌詞に出てくる「♪刺激を求めているなら カレーをたべよう」の「カレー」は、ココ文京区白山のSURAJIのカレーを指している。
しばらく留守にしていたマスターも復帰して「カラサ タリナイノトキ イッテクダサイ」も絶好調のようだ!
チョット待て!
コレ、「スーラジ」じゃなくて「スラージ」って読むの?
昔、ウルトラマンに「バラージの青い石」なんてのがあったね。

9_suraji本編最後は「Storm is Blowin'」。

540 この曲、コンパクトなリフがカッコいいんだよね。
560
まさに台風のような怒涛のパフォーマンスで本編を締めくくった!

550 アンコールはおそろいのロゴTで登場。
曲は「What's up Crazy Girl」。

570 ストレートなハードロックで五人は燃え尽きた!

590

600v

610vあんまり燃えてない?それに一人だけ衣装が違うってか?ま、現場では色々なことが起こりますから。
もちろんシャドウもギンギンに燃えていたよ~。

620 サングラスも無事返還された。

S41a0508 終わり~!

630…と思ったらもう一度アンコールに応えたよ!
全体を締めくくったのは「Cry for the Light」!

640

あ~おもしろかった!
いいバンドです。
初の単独コンサートの大成功おめでとう!
これからもMarshallと一緒にガンバってね!

TORNADO-GRENADEの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

660(一部敬称略 2016年11月19日 大塚Hearts+にて撮影) 

2017年1月18日 (水)

四人囃子ニュー・アルバム発表記念 岡井大二スペシャル・インタビュー <vol.2>

昨日から岡井大二のインタビューつきで紹介している1月25日発売の四人囃子の新作『錯』。
「シンサクサク」というぐらいベテラン・ファンも初心者もサクサク聴けちゃうベスト盤。
四人囃子の世界には誰が入ってきてもいいし、誰でもそばにくれば、その素晴らしさを教えてくれる…そんなアルバムだ。

9_ 今日は2枚のCDのうち、『Studio Takes』を聴いてみよう。
鑑賞に当たっては、一昨日紹介したMarshall HEADHONESのBluetoothスピーカー、WOBURNに…

400 marantzのCDデッキをRCAで接続したセットを使用した。

Ncd_2

Bo『Studio Takes』の一曲目は、1978年の『包』収録の「Mongoloid-Trek」。
市ヶ谷の一口坂スタジオでのテスト・テイク。
いきなり脱線になってしまうが…いつも混んでる角ッコの小諸そばの交差点を降りて行った左側が一口坂スタジオだった。
私は、高崎晃さんが菅沼考三さんの『Convergence』というソロ・アルバムのレコーディングに客演した時、MarshallのJMD-1のお伴で丸一日お邪魔させて頂いたことがある。
その時、「あ~四人囃子もココでレコーディングしたのか!」と感慨にふけったのを覚えている。
レコーディングは昼頃から始まって、プレイバックをチェックする時以外、ほとんどスタジオから出てくることもなく、夜中までブっ続けで取り組んでいたにはビックリした。ものすごい集中力!(ベースはMASAKIさんだった)
その一口坂スタジオも5年前になくなってしまった。

さて、せっかくなので、このアルバムに託した大二さんの狙いにまんまと引っかかったことにして、「バンド名は知っているけど四人囃子の音楽を聴いたことがない人物」に成りきって聴いてみることにしよう。
  
ふ~ん、コレが四人囃子ってヤツか…まず普通にバンド名がいいんだよね~。でも普通に一回も曲を聴いたことがないからな…普通に楽しみだ。
ん~、ジャケットが普通にいいな~。
この曲は普通に歌がないな。四人囃子ってのは普通にインストのバンドだったのか?
なかなか普通に変わったメロディだな…普通にドラムがスゴイな。
ウワ!なんだこのキメ!普通にカッコいい!
なんだ、普通にメッチャかっこいいじゃねーの!もっと普通に聴いておけばよかったよ!
次の曲はナンダ?「カーニバルが普通にやってくるぞ」ってか?お、普通に歌入りだな?
  

Gpあ~、ダメだダメだ!ヤメヤメ!
今の若い人になったつもりでやってみたけど、満さんの「♪こわれかかった真っ赤な車に乗って」の声が聴こえた途端に顔が普通に浮かんじゃって!
とても四人囃子を初めて聴いている体の小芝居なんて普通にできない!…あ、「普通」が伝染っちゃった。
ということで「普通モード」に戻ることにする。(この「普通」は正しい使い方だ)
  

「円盤」みたいな言い回しになるが、佐藤満さんは2000年に開催した「マーシャル祭り」にご出演して頂いたことがあるのだ。
そう、この新しい四人囃子のベスト・アルバムは満さん時代のレパートリーから始まる。
ココからして今までの編集盤とは違う雰囲気満点。
『ゴールデン・ピクニックス』収録の「カーニバル」にしても満さんバージョンを持ってきたところがおもしろい。
この「カーニバル」と続く「ハレソラ」は1977年のFMの番組のスタジオ・ライブ。
アタマ3曲を満囃子で構成したのはものすごく新鮮な感じがするね。

Pjこうしたアンソロジー系のアルバムとなると、どうしても時系列を重視した曲順にすることが多いが、思いっきりタブーを破ったところがいかにも四人囃子らしくていい。
大二さんがよく口にする「エポック・メイキング」だ。
私は森園囃子も満囃子も両方大好きなので、抵抗があるどころか、むしろ大歓迎。
ところでこの音!…ナンダこれ?
昨日の記事で説明した通り、今回のアルバムは、既発の『From the Vaults』とその続編の音源をリマスターしたものが中心になっている。
リマスターのやりようでこんなに音が変わっちゃうのか~?
『From the Vaults』の発売からそう時間は経っていないのにもう技術が進歩しちゃったのかしらん?
どうして最初からこうしなかったんじゃ?!…という感じ。
私は貧乏性なのか、「音質が良くなったので同じCDを買い直す」なんてことにはほとんど興味がなくて、その分の資金があれば、一枚でも聴いたことのないCDを買いたいのね。
別に余命を宣告されているワケでは決してないんだけど、死ぬまでに一枚でも多くのいい音楽を聴きたいと思ってるの。
でも、コレはチョットそれを考え直した方がいいかも!って思っちゃったよ。
写真で言うと、以前の音はjpeg。今回の音質はRAWで撮って、明暗や彩度等を最良の手を加えて補正した感じ。
「デジタル処理」ということではまったく作業は同じか!
そうだナァ、わかりやすく言うと、メンバーが10歳ぐらい若返って演奏している感じがする。
大二さんのドラムの暴れ方が激しくなっているのもスゴイが、満さんのギターが以前のものとはゼンゼン違う!ピッキングのひとつひとつが「必殺」という感じ?

Is今回のCDの目玉のひとつでもある「おまつり」と「一触即発」は『From the Vaults 2』に収録されていた、小分けのパーツをガッツリとひとつにまとめ上げて微調整を加えたもの。
すなわち、小分けにされていたパーツを組み合わせて作ったオリジナル・バージョンの元、すなわち小分けされたパーツを聴かせてくれたのが『Vaults 2』。
今回は、また別の手法でそのパーツをつなぎ直して一編にしたということ。
あのハエ人間の映画があったじゃない?瞬間移動装置のヤツ。
人間の体を細胞まで分解して、それを別の場所に電送して組成し直すとかいう。
アレに似ていると言っていいのかな?
映画では移動中にハエが入ってしまってハラホロヒレハラになってしまう。
一方、『錯』では移動中に「岡井大二」という音楽を知り尽くした最高プロデューサーに入って頂いて、『Vaults 2』の音源より尚一層聴きやすい二編が出来上がった。
コレにも「四人囃子の音楽を普通に知らない人」にも聴いてもらいたい…という例の目論見がカラんでいる。

その他、「なすのちゃわんやき」、「泳ぐなネッシー」、Marshall GALAでも演奏してくれた(私が頼んだんだけど)「機械じかけのラム」等、各アルバムの人気曲がガチッと収録されている。
個人的には「昼下がりの熱い日」を入れてくれたのがうれしいな。この曲の満さんのソロは「ロック・ギターかくあるべし」を聴かせてくれる。
『Studio Takes』に収録された曲をアルバム別に分類すると、12曲中、森園期の曲が7曲、満期の曲が5曲。
そして、パフォーマンスというくくりで数えれば、双方6曲ずつのちょうど半々となった。
いいバランスじゃないか!
四人囃子に関する文物には、まるで枕詞のように「20歳そこそこでこんなスゴイ音楽を作っていた」という一節がいつも出てくる。
なのでMarshall Blogでは今回それを避けようと思っていたんだけれど、ここ数日この音源を聴いていて、また新しい刺激を受けちゃうとやっぱりそれに触れざるを得ないね。
今の同年齢の若い人達がやっていることを九九だとすれば、四人囃子がやったことは微積分ぐらいになるのではなかろうか?
こんなことを書いたら若いミュージシャンは「ほんとに普通にそうなのかよ!」ということになるだろう。
そう思うったら、このアルバムを聴いてみればいい。作戦は成功だ!
  
さて、大二さんのロング・インタビューの第二回目。
おかげさまで昨日の第一回目のインタビューは各方面から大好評を頂戴した。
ありがとうございました!
今日はまず、大二さんの大好きなプロコル・ハルムの話からスタートだよ!

Img_00312

プロコル・ハルムの魅力

 
M:ところで、四人囃子の皆さんはプロコル・ハルムがお好きですよね~?
結果、共演もされましたし。
O:ウン。

Img_0013M:どういうところこにシビれちゃってるんですか?
O:たぶん、ジェスロ・タルなんかも同じ理由で好きということになると思うんですけど、ボクは、一般にクラシックとかジャズのテンション・コードなんかを必死に取り入れて作ったイギリスのロックミュージックって、かえってダサく感じちゃうんです。
で、人によっては、ツェッペリンのこのフレーズだったら許せるけど、こっちはベタでイヤだとかいう部分が分かれている。
やっていることは近くてスレスレなんですよ。
イギリス特有の産物であるプログレ系とかのフレーズなんていうのは、アメリカ人からしたらベタで聴いていられないか、えらくカッコいいかのどっちかしかない。
ジェネシスなんかがまさにそうですよね。
M:童謡か~?みたいな。
O:そう。
それで話を戻すと、ボクなんかにすると、プロコル・ハルムみたいにクラシックのエレガンスさを作曲の段階でごく自然に取り入れている部分なんかがすこくカッコよく感じるんです。
M:へ~!
O:ディープ・パープルをはじめ、色んなバンドが実験的に取り組んだ、「オーケストラとの共演」とかとは違って感じた。
M:「エドモントン・シンフォニー・オーケストラ(筆者注:1972年のライブ・アルバムでプロコル・ハルムが共演したカナダのオーケストラ)」?
O:というか、オーケストラと共演するかどうかというのではなくて、曲作りなんですね。アメリカ人と

Ghは感覚が違う…当たり前だけど。
その典型例であり最高傑作が『グランド・ホテル』ですよね。
M:同感です。
『グランド・ホテル』についてはROLLYさんも先日新宿のライブハウスの楽屋で熱弁を奮っていらっしゃいましたね。
O:ああ~、そうだったね~。
それと『Thick as a Brick(ジェラルドの汚れなき世界←この邦題こそ「thick as a brick」だ!)』もそう。

M:アレのA面の最後なんか童謡ですもんね。
O:でもね、アレも和声を色々勉強した人なんかが聴くとベタで聴いていられないんですよ。

Tab

♪ダカダカダッ、ダカダカダッ、ダダダダ…。
M:(続けて歌う)チキチキチッ、チキチキチッ、チチチチ、ビョ~ン…。
O:ベタでしょ?
M:最高です。一生聴き続けるレコード。

<ここでプロコル・ハルムの「コンキスタドール」がBGMにかかる>
O:これ(「コンキスタドール」のこと)は当時、最高にカッコいいと思ったけど、今ではベタすぎちゃうな…好きだったけど。
M:で、そのプロコル・ハルムとのご共演はいかがでした?
O:アレね、最初の話しはキング・クリムゾンだったんですよ。
M:えッ!!
アレはKさんの企画ですよね?
O:そう、で、企画を持ちかけて下さった時に「観に来るお客さんがクリムゾンと囃子じゃ同じ気持ちで楽しめないような気がするんですが…」と言ったんです。
M:私はゼンゼンOKですけど!
それでどうなったんですか?

Img_0234O:「それじゃ、誰だったら一緒に演れる感じなんですか?」とKさんが訊くので、「ん~、プロコル・ハルムだったらシャレになるかな?」と答えたんです。
「じゃ、呼んじゃおうか?」となった。
M:ギャハハ、「シャレ」?!
O:そう!
それでしばらくしてKさんから連絡があって、「岡井さん、プロコル・ハルム呼んだからね!ちゃんとやってくださいよ!」って。
M:え~!それでキマったんですか?! いかにもKさんらしい!
Kさんって私の大学の先輩なんですよ。
それで、あの時、ギターでジェフ・ホワイトホーンもやって来た!
日本酒を持って会いに行きました。
2003年か…もうずいぶん昔の話になりましたね。
今は無き厚生年金の楽屋の廊下で恐る恐る大二さんとお話させて頂いたのをハッキリと覚えていますよ!
O;そんな!ウシさんがボクに恐る恐る話していたことなんてあったっけ?!
M:今でこそこんな感じですけど、最初の頃はビビってましたよ!
O:そうだったかな~?
M:だって相手は「岡井大二」ですからね!
イカン!案の定、話が大分脱線してしまいました!

 

大二さんのロック体験

M:その頃の洋楽はどういう感じだったんですか?
O:はい、それでボクらの当時の状況をもう少し詳しく話すと、やっぱり我々もずいぶん音楽の雑誌を読みましたが、今にして思うとその情報って正直、全然アテにならなかったんです。
ファー・イーストの国に入ってくるのは抜粋して限られた情報で、それが記事になっていたんですね。
M:そうだったらしいですね。
O:さっき、「日本の音楽の状況は10年遅れている」と言いましたが、ボクらが中学、高校の時は1960年代の後半になるんですね。
M:よさそうな時代!
O:1960年代の後半と言うのは…一番わかりやすく言うと、1967年のビートルズの『サージェン

Sgtト・ペパーズ』の前後という時期なんです。
大ゲサに言うと、ポップ・ミュージック・シーンにおいては世界的に明治維新よりゼンゼン大きな出来事が起こってしまったワケ。
時代背景がまずあるのですが、世界の世相。そこから哲学も文学も急進していて、あらゆるものが変わりました。
M:私、5歳でした。「サージェント前後論」というのはよく耳にしますが、本当にそうだったんですか?
O:当然音楽もまったくそこから変わるんです。
例えば曲作り、アレンジ、録音技術、ファッション…そもそもラブソングではない曲がヒットするということはそれ以前には、ほぼあり得なかったんです。
M:ある時に気が付いたんですが、ロック史に燦然と輝く『サージェント』って意外に8ビートの曲って少ないんですよね。
O:うん、意外にハネてるのが多い。
M:矛盾していませんかね?4ビートの曲が多いアルバムがロックの歴史を変えたなんて…。
O:近田(春夫)君もそれを言っていましたね。
近田君は「みんなスゴイって言っているけど、オレはいまいち好きじゃない。♪ツッチャツッチャが多いんだよね~」って言い方でしたけど。
M:ハハハ!「♪ツッチャ、ツッチャ」っていうのがいいな!
O:ま、それは曲のタイプの話ですよね。そういう曲が多いということ。
で、『サージェント』というアルバムが総合的な仕上がりと結果的に成し得てしまったことは前人未到で、どうしようもないぐらい大きなことだったんです。
M:やっぱりお兄さんがレコードを買って帰ってきたとか?
O:イヤ、『サージェント』の頃はもう自分で買っていましたね。
M:『サージェント・ペパーズ』がある日新譜として発売されて、それをレコード屋に買いに行くっていうことにどうも実感がわきません!
O:友達と分担して別のレコードを買って貸し借りしたものです。
今でも同窓会ではそんな話で盛り上がりますよ!

 

ビートルズのすごさ

M:ビートルズの曲って、歌詞の意味がダイレクトでわかって、そして歌ってみるところに大きな楽しみがあると思っているんです。実際に歌詞を口にしてあのメロディに乗っけるとすごく気持ちがいい。
そういうところも受けたんだろうなって思います。あ、日本の話じゃないですよ。
O:それもあるでしょうね。
ボクはね、少年時代は少なくともビートルズ派じゃなかったんですよ!男の子だから。
キャーキャー言われているモノよりも、「やっぱりサ~、ストーンズ、ヤードバーズ、スペンサー・デイヴィス・グループだよね~!」って感じ…シャドウズ、デイヴ・クラーク・ファイブから入ったクセに!
M:大二さんってヴェンチャーズじゃなくて、シャドウズ派なんですよね。いつかクロコダイルで

Img_0559Charさんとそんなお話をされていた。
O:そうなんです。
で、あの頃は男の子と女の子の好みがハッキリ分かれていた。
ビートルズは海外から入って来たとびっきりのアイドルでしたからね。
M:我々の世代はクイーンが女の子、キッスが男の子かな?いずれにしても古くなりましたね!

O:ボクはビートルズに命をかけてきた熱心なマニアではまったくないんです。
でも、ビートルズについて考えてみると、録音技術にしても、ポップスでこんな曲が作れちゃうんだ!という曲作りにしても、まわりのスタッフも含めて、ビートルズというのはファウンダー的作業のとんでもない重なりでできているんですね。
まさしくエポックメイキングで。

Img_0019M:「史上初の…」づくしですね?
O:そういうことです。
曲作りについてはあらゆる作曲家が、感覚オンリーで作曲しているジョン・レノンとポール・マッカートニーって何てスゴイんだって言っていますよね?
それからほんのチョット後のエルトン・ジョンとかの世代になると音楽の知識やクオリティも上がって、ピアノから曲を作ったりするワケですが、ビートルズは本当にほぼ「感覚」だけで作曲してるワケです。
リバプールの田舎の青年たちがですよ!
元はただの「あこがれ」だったのに。
M:『ビートルズ・アンソロジー』かな?ポールが「From me to you」だったと思いますが、サビのコードを発見して時はうれしかった…なんて言っていますもんね。
「発見」ですから!
O:たった何年かの間にあれだけのメロディを作ったことは、誰がどう考えても彼らは異常なまでの天才なんですよ。
で、彼らが目指した曲も演奏も、彼らにとっては「コレが画期的というもんだ!」なんてことはなかったんですね。
ただただ、やりたいことをやっただけ。
それなのに世界中で色んなもののパロディの対象になるほど行き渡ってしまったのは、ファウンダーとしてのオリジナリティがあまりにも詰め込まれ過ぎてるんです。
M:そうか…。
そうやって指摘されないと、当たり前すぎてただただ「いいな~」で終わっちゃいます。
O:トータル・アルバムなんてモノを考えたり、演奏不可能なアレンジで曲を作ったり、そういうことをするためのプロデューサーやエンジニアとの関係までも作った。
で、『リボルバー』あたりからドンドンおかしくなっていった…ホントは『ラバー・ソウル』あたりからなんですが…。
M:『ラバー・ソウル』は本当に素晴らしい!
O:『リボルバー』と『サージェント・ペパーズ』の前に「ストロベリー・フィールズ/ペニー・レイン」のシングル盤があって…。
ココで一番最初のボクの話に戻ると、当時の日本の少年からすると、やれビートルズがヒゲを生やしてトータル・アルバムなんてのを作るは、やれジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスなんてバンドが出て来るわ…あのヤードバーズにいたギターのウマいエリック・クラプトンが始めたバンドは「ブルース・ロック」とか言うらしい。…さらにアート・ロックなんてのも出て来るし…。
そういうのがいきなり1966~1967年のたった2年の間に出て来ちゃったんです。
M:すごい時代ですよね!まさに百花繚乱!いいな~!
O:そこでビートルズ以外のアイドルのバンドは、わがデイヴ・クラーク・ファイブを含めてみんないきなり消えていっちゃうんです。

S41a0871ホンの1~2年の間にガラッと入れ替わっちゃった。
M:私はデイヴ・クラーク・ファイブって聴いて来なかったんですが、大二さんがお好きなのを知っていて、このインタビューのために色々と聴いてみたんですが、メッチャかっこいいですよね!
O:そうでしょ?!
ちょっとデイヴ・クラーク・ファイブのことをしゃべらせてもらうと…彼らのスゴイところは、当時イギリスではビートルズ全盛だったでしょ?
だからビートルズの先輩でも後輩でもみんなマージー・ビートっぽいものを強制的に演らされたんですね。
でも、デイヴ・クラーク・ファイブだけは一切ビートルズ・サウンドに関係しなかったんです。
M:へ~。チョット黒っぽくて…声もすごくカッコいいですもんね。
O:歌もうまいし、とにかくアカ抜けてた。
M:ロンドンのバンドですよね?
O:そうです。無理です…当時ああいうサウンドが作れるのはロンドンのバンドじゃないと無理だった…無理だったはずです。
M:それにしてもですよ、私がロックを聴き始めたのはビートルズが解散して5年後ぐらいの時分からだったんですが、それでも、「ストロベリー・フィールズ」なんかも先に「名曲」と刷り込まれて「フムフム、これが名曲か…」となるワケです。ゼンゼン後追いの状態。
そこへ行くと大二さんの世代の方々は「今度のビートルズの新曲って『ストロベリーなんとか』だってよ!食べ物の歌かな?」なんて言ってレコードを買いにいらしたワケでしょ?
O:そうですね。
M:それで、買って帰って来てさっそく聴くと、あのメロトロンの「♪ホエ、ホエ、ホエ」って今まで耳にしたことがないような妙に元気がない音が飛び出して来る。
こういうのってどうだったんですか?
O:まったくわかんないですよ!「なんじゃこれ!?」です。でもとにかくワクワクする。

<vol.3>につづく。明日はインタビューお休み。<vol.3>は来週の掲載となる予定です。

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(一部敬称略)

2017年1月17日 (火)

四人囃子ニュー・アルバム発表記念 岡井大二スペシャル・インタビュー <vol.1>

2017年1月25日、四人囃子のニュー・アルバムがリリースされる。
タイトルは『四人囃子 ANTHOLOGY~錯~』。
「錯」…何かPink Floydのアルバムのタイトルみたいだね。
毎年、年末に京都の清水寺のお坊さんが「今年の漢字」なんてやっているけど、四人囃子の場合だと「錯」になるのか…。
レコード会社の解説によると、「多くのメンバーの変遷を経て、アメーバのごとくその音楽性を変容させていった四人囃子のバンド・カラーを代表するイメージ」を漢字一字で表現したのだそうだ。
私だったら「金」てつけるな。
値千金の「金」…奇しくも2016年の清水寺の漢字と重なった。
  
アルバムは『Studio Takes』と『Live Takes』からなるCDが2枚と、2008年のコンサートを中心に収録したDVDが1枚という構成だ。
ウ~ム、まずジャケットがいい。
そもそも四人囃子は『一触即発』、『ゴールデン・ピクニックス』、『包』等、ジャケットがとてもヨカッタもんね。
9_CDは2001年にリリースされた未発表音源集、『From the Vaults』と『From the Vaults 2』から選ばれた曲にリマスタリングを施したトラックと、『Studio Takes』の方には岡井大二監修のもと、「一触即発」や「おまつり」のオルタネイティブ・バージョンが今回初めてCDに収録される。
当時、Frank Zappaのように頻繁にアレンジを変えていた四人囃子のオルタネイティブ・バージョンは大歓迎だ。
下がその『From the Vaults』と『From the Vaults 2』。
左は特典のボーナスCD。1974年の中野公会堂での「Cymbaline」と1976年、渋谷公会堂でのZappaの「Overture to a Holiday in Berlin」が収録されている。
残念ながら現在は絶版になっていて入手困難なのだそうだ。
ダメよ~、ダメダメ、そういうことをしちゃ。

9_img_0467私が持っている『2』には2010年に日比谷野音で開催された「プログレッシブ・ロック・フェス」の時に頂いた大二さん、森さん、佐久間さん、坂下さんのサインが入っているのよ。

Img_00182 『2』はもう一部持っていて、大二さんから頂戴した「Thank You!! ウシさん!!」のサインが入ったバージョン。ウチの宝物だ。
自慢コーナー終わり。

9_img_0470_2もう少しこの『錯』について記す。
大二さんとレコード会社のインタビューによれば、年齢やバンドの状態を鑑みて、メンバーが直接関わって音源を出すという形はこれが最後になるのではないか…という。
そんな…寂しいこと言わないで~!
佐久間さんに対しての追悼ができていないことが、ずっと大二さんの心残りだったという。その気持ちを込めた作品でもあるのだそうだ。
そして、大二さんの気持ちとしては、「四人囃子という名前は聞いたことがあっても、実際の音楽を聴いたことがない」という人たちに手軽に聴いてもらいたい…ということを意識したそうだ。
私ですら現役当時の四人囃子は見たことがないため、昔からの熱心なファンの前では決して大きな声では言えないが、今回のこのアルバム、すごくよくできていると思った。
大二さんがこだわったという選曲や曲順への配慮が手に取るようにわかる。
その配慮が奏功して、まるで新録のニュー・アルバムのように聴こえるのだ。
まさに「anthorogy(選集、名曲集)」というタイトルに偽りのない良質なベスト・アルバムに仕上がっていると思う。
  
さて、Marshall Blogでは、このアルバムの発売を記念し、CDの紹介を交えながら、大二さんのスペシャル・ロング・インタビューを今日から4回にわたって掲載する。
実はこれから皆さんに読んで頂くロング・インタビューは、今回のアルバムとまったく関係のない環境で行われた。
平たく言えば、だいぶ前に実施したインタビューということ。
したがって、インタビュー中に『錯』の話題はツユほども出てこない。
では、何だってMarshall Blogでそんなインタビューをしたのかと言うと、チョー大ゲサに言えば、日本のロックの揺籃期から現在に至るまで、実際にその変遷を体験した方のお言葉を半永久的に記録しておきたかったのだ。
とは言ってもそこはMarshall Blogのこと、固っ苦しい話は抜きで、日ごろから私が知りたいと思っていた昔の日本ロックの状況を興味本位で大二さんから聞き出した…と思って読んで頂ければそれでOK。
ただ、若いミュージシャンを指導している立場にいらっしゃるような方々、また、お子さんがロックに興味を持っているようなロック好きのご両親には、内容に満足がいけばゼヒ若い人たちに読むようにご指導頂きたいと願っている。
実際に大二さんと同じ時代を体験した方が懐かしんで読んで頂くのももちろん大歓迎だが、若い人たちに読んで頂き、少しでも元来あったロックの姿を知っておいてもらいたいと思うのだ。
それで、もしこのインタビューを読んで昔のロックに興味を持ったなら、それこそ今回の四人囃子のアルバムを聴いてみるもよし、ビートルズに興味を持つもよし、あるいはデイヴ・クラーク・ファイブでもよし、そこから始まる音楽の無限のよろこびと楽しさ、そしてカッコよさを知ってもらいたい。
若い人たちはまだ何も知らない。
  
ところで、どうしてドラマーの大二さんがMarshall Blogかと言えば~、そう、大二さんはMarshallのドラム・ブランドNATALのエンドーサー(正確にはエンドーシー)なのであ~る!

Img_0415 インタビューに際しては大二さんに拙宅にご足労頂き、アルコールをチビチビ摂取しながら行われた。
肴は刺身。ワザワザちょいと足を延ばして買い出しに行ってきた。
マグロは天然。おいしかった~!
なんてことはどうでもいいか。
何しろ、後半ではインタビュアーの私もスッカリいい気分になっちゃって、後で録音した会話を聴いて恥ずかしくなってしまった!そもそも笑い声で言葉が聞き取れない箇所があったぐらいだった。
そんな雰囲気の中でのインタビュー、はじまりはじまり~。
養殖ではない、天然のロックの時代のお話をお楽しみあれ。

  

日本のロックの今

Marshall(以下「M」):大二さん、お忙しいところ本日はどうもありがとうございます。よろしくお願いします。
岡井大二(以下「O」):いいえ!こちらこそよろしくお願いします。
M:ではさっそく…日本におけるロックを取り巻く環境が我々の頃と大きく変わって久しいですよね。
O:日本だけでなく、海外でも状況は同じですね。
M:最近の日本の若い人たちは、「ビートルズを知らない」ということが普通になってきているみたいですね。

Img_0017O:アノですね、ロックとかポップスとかに興味を持って、そういうものを好んで聴いている以上、好きとか嫌いとかいうことは別にして、まさか「ビートルズを知らない人がいる」ということは日本ならではの現象なのではないでしょうか?
イギリスは母国ですから別にして、アメリカではあり得ないことだったはず…ところが日本ではあり得ているんですよね!しかも、とっくに!

M:そう「とっくに」です。
O:2000年以降、ビートルズを知らないポピュラーミュージック界の音楽人が確かにイッパイ出て来てしまっているらしい。
で、それは果たして「世代の違い」とかいうことだけで済む話なのかな?…と思っちゃいます。
M:私もまったくそう思います。
私はイギリスへ行く機会が比較的多く、現地ではいまだにビートルズのスゴさを肌で感じる部分があって…。
とにかく日本人の音楽に対する姿勢が欧米とはまったく違うということをいつも思い知らされます。向こうの人たちは子供から大人まで本当に音楽を日常的によく聴いていて、またよく知っている。
O:私はアメリカ人になりたい…とか、イギリス人になりたい…とか、そういう憧れはまったくないんです。日本人としての誇りも持っていますから。
ですけど、たまたま興味を持って好きになっちゃった「音楽」に関してだけは別ですね。

Img_0054野球で言えば、頂点を目指したい人がいれば、今の段階ではメジャーリーグを目指すしかないでしょ?
それと同じで、ポップ・ミュージックに関して言えば、質の高さ、レンジの広さ、ディープさ…いろんな点において、日本は海外の音楽事情にいまだに多くの事柄で追いついていないと正直思うんです。
そんな状態にもかかわらず、世間全体で音楽に集まる興味が年々薄れているのは、ナンダかなあと思いますね。
M:興味が薄れているというより、ロック系の音楽に関して言えば、「J-POP」という新しいカテゴリーを作り、すべてそこに押し込んでしまって、みんな黙ってそれだけ聴いているような…。「洋楽なんかもう要らない!」という「鎖国状態」と言うと大ゲサですけど…そんな感じ?
それは島国特有のキャラクターなのかな~?
イギリスも島国ですが、ゼンゼン違う感じがする。
アソコではどんな田舎のパブでも金曜日と土曜日の夜には地元のバンドが登場して、レッド・ツェッペリンやザ・フーの名曲をお客さんと一緒に歌う。
それを見ていて、同じ島国でも音楽のあり方が日本とすごく違うのを実感しました。
連中は英語で歌えるから…というのは抜きにしてです。
だってツェッペリンの曲にしたって「Rock and Roll」みたいなスタンダードなんかじゃなくて、「Rumble On」とかを演っちゃうんですよ!
本物だってライブでほとんど演らなかったのに!
レッド・ツェッペリンが一般の人の日ごろの生活の中にある感じがしましたね。
ザ・フーにしても「The Seeker」とかを演っておじさん、おばさんが大合唱してる。

S41a9546O:いいなあ~。
M;土台、あの音楽は連中のモノですからね。
加えて、ロックが大人のためのものという部分が残っているように感じます。イヤ、残されている…というのかな?
そこへ行くと、今この国の「ロック」と呼ばれているモノはあまりにもお子様向けになってしまっていると思います。
O:「売上」ということだけでなく…、世間の「評判指数」とでも言いましょうか…。
いわゆる評価っていうモノが売上の高いアーティストの所に何でもかんでも集まり過ぎちゃって、「たまには音楽でも」という感じの人達から見たミュージック・シーンのイメージを作っているんですよね。
M:はい。それで更にみんなそれのマネをして終わっちゃう。
O:実際、世界的にはインディーズとか自主制作でワールド・ワイドに活動している人もいるじゃないですか。それも新世代、かつディープでなかなかいいものを作っている人もいるんです。
で、日本にもそういう人たちはいて、まったくいなくなったワケでは決してない。
でも、さっきの「評判指数」の高い人の音楽は「大人向けでない」というか、面と向かってジックリ相対して楽しむための音楽とは思えないものが多いのは確かですよね。

 

昔のロック・シーン

M: 公私混同かも知れませんが、今日、大二さんから正式に歴史的なお話をうかがうのをとても楽しみにしていました。
まず、四人囃子がデビューした頃の日本のロック界とかその周辺のお話を聞かせていただけますか?
O:まず、自論かもしれないけど、知っておいて欲しい「時代の背景」というものがあるんですね。
それは、当時、アメリカやイギリスと日本では音楽シーンの状況にキッパリ10年の時差があったということです。
M:10年も?
O:例えば、1955年がロックンロールの始まりと言うことになっていますよね?
M:「Rock Around the Clock」。
O:そうです。
そのあたりからビートルズが出て来るまでの10年間…ビートルズがアメリカに進出を果たしたのは1964年ですから…それまでのその約10年は「評判指数」のトップが エルヴィス・プレスリー の時代だったんです。彼の人生を総括した場合、最終的には「偉大なキング・オブ・芸能人」として殿堂入りしているワケです。
Img_0014その後、ブリティッシュ・インヴェイジョンでビートルズの時代が来ますよね。
プレスリーと何が違ったかと言うと、「オリジナル曲」の存在の有無なんですね。
プレスリーは職業作曲家が作った曲を歌う「芸能人」としての歌手でした。
それが、ブリティッシュ・インヴェイジョンをキッカケに自分たちの「創作物」を売る時代になった。
ビートルズの世代というのはストーンズにしても、ジミ・ヘンドリックスにしても、レッド・ツェッペリンにしても、1940年代生まれの人たちなんです。
それで、ボクは昭和28年ですから1953年の生まれで、ポスト団塊世代のアタマの世代なんですね。
日本のポップスとロック音楽シーンにおいて、ボクらの前の世代はグループ・サウンズの方々なんです。
先輩達は人気者となり、レコードやTV出演などの場では世間の「評判指数」の高い音楽を演った。
でもその裏では自分達が本当にやりたい音楽スタイルを色々と見せてくれたんです。
M:なるほど。
O:それとGS旋風の前のソロ歌手時代は、主にアメリカのポップスの焼き直しが若い世代向けのヒット・ソングスだったんです。
そういうソロ歌手からウエスタン・カーニバルを経て、グループ・サウンズへとつながっていった。
まず、そういう流れがあって、そこまでは「芸能界」の時代だったんです。
M:日劇何周の頃ですね?
O:そう。
そして、その後が僕らの世代なんですよ…ボクらの世代からオリジナル曲が中心になる時代に入るんです。
自分たちで曲を作って、それをどう演奏して、どう発表するか…ということをやるようになった。
そして、それがレコード・デビューする時の「カギ」になってきた。
M:大きな変化ですよね?
O:はい。
また聴く側にも変化が表れて、「この人、この連中はどういう音楽を演っているのか?」ということが興味の対象になっていったんですね。
顔を知らなくても、「聴こえてくるモノ」で興味の対象を選ぶというように変わってきた。
M:演る方も聴く方も独自性が出てきた時代?
O:そういうことですね。
で、ボクらは大方1950年代生まれのミュージシャンですよね?
そうすると…ホラ、ね?
向こうとキッチリ10年違っているんです。
M:ホントだ…。ビートルズと10年のズレ。
O:でしょ?

Img_0232そして、この図式がそのままズレて続いて行くんです。
我々の先輩たちは「本当はこういう音楽をやりたい」とか「本当はこういう音楽が得意なんだけど」という自分たちの理想の音楽を表立ってはできないので、ライブハウスなどの比較的裏のシチュエーションで演っていた。
当時は「ゴーゴー・クラブ」って呼んでいたりしたんですが…。
M:たとえば?どんな曲が取り上げられていたんでしょうか?
O:ストーンズをやったり、アニマルズをやったり…。
で、ボクらはそういう先輩たちの演奏にあこがれていたんですが、どんどん音楽の状況が変わっていく中で、ボクらは「次世代」というような強い意識もあったんです。
M:その当時の「次世代」ね。
O:もちろん。
要するに、洋楽をマネたにしても、それを更に発展させたものを作りたいと思ったんです。
批判されようが、「ダサい!」と言われようが、とにかく「オリジナル曲」という自分たちの「創作物」を世に出したかった。
ボクらがそういう志向の始まり世代に当たるんですね。
結果、日本の音楽シーンもポップスやロックの本場の国から10年ズレていることになるんです。M:確かにそういうことになりますね~。
O:そこから始まったんですね。
まあ、大ゲサに言うと、世界的に見れば「ビートルズ世代」っていうのが「次世代」の人で、日本においては、ジャンルを問わずに物作り・曲作り・スタイル作りが活動の前提になってくる「ボクらの世代」がそれにあたるんですね。

S41a0142M:「ボクら」の「ら」とおっしゃいますと?
O:バンド・スタイルのアーティストだけで言っても、はっぴいえんど、フラワー・トラベリン・バンド等の先輩バンドを始め、ミカ・バンド、クリエーション、OZ、シュガー・ベイブ、ムーン・ライダース…とにかく続々と出てきました。
キャロルはあのロックンロールのスタイルで出て来たし、一方ではウエスト・ロード・ブルース・バンドみたいなのもいました。
ホントのブルースのマニアですからねね。
M:「マディ・ウォーターズ命」みたいな。
O:「好き」だけでは済まない。
追求度がハンパない。もう洋楽に聴こえてましたもんね。
素晴らしかった。
M:ホトケさんの声と歌、メッチャかっこいいですもんね!
O:でもね、ウエストの連中と話をすると、「お前らは好きにオリジナルを作っ分だけ自由に演れたんだよ」…なんて話してくれたこともありました。
M:それは「ブルース・スタイル」…という枠の制限という意味ですか?
O:だと思います。
その他にもスモーキー・メディスンが出て来て、その後バックス・バニーでしょ。
センチメンタル・シティ・ロマンスもそうだし、そんな中でボクらもオリジナル曲でデビュー・アルバムを出したワケです。

  

ロックのレコード・ビジネス

M:で、四人囃子は「自由が利きそうだ」ということで東宝レコードを選んで『二十歳の原点』とバーターで『一触即発』を制作した…という話は以前にもうかがっていますが、果たしてその時代、レコード会社は『一触即発』のような作品が世間で受け入れられると思っていたのでしょうか?
O:そこはまず…聞いてビックリするかもしれませんが、そもそもビートルズとヴェンチャーズこそ日本でも枚数が出て、レコード会社としてのビジネスが成立していましたが、その他はですね…「まさか!」というぐらいに、まだその頃は日本国内では枚数が出ていないという時代なんですよ。
M:なるほど…。

S41a5219O:ローリング・ストーンズにおいては、かわいそうに…キング・レコードはロンドン・レーベル時代のストーンズのアルバムでは、それほど商売になっていないと思います。
M:初期の全盛期なのに!
O:ワーナーに移って『山羊の頭のスープ』の「アンジー」でやっと日本でもストーンズが商売になり出したんです。
そういう意味ではツェッペリンの方が全然ビジネスになっていたんじゃないかな?
M:レコード業界に深い関係をお持ちになる、日本を代表するレコード・コレクターの方からお聞きしたのですが、当時レコード会社の稼ぎ頭は、圧倒的にヴェンチャーズだったそうです。
ビートルズももちろん強かったけど、ヴェンチャーズの比ではなかったらしい。
O:そうでしょうね。全国津々浦々ということでいえばヴェンチャーズの方が全然上だったに違いない。
M:ストーンズですら「アンジー」までは商売にならなかった…というのはやはりそれが「ロック」だったから?つまり歌謡曲とは全然違うということ?
O:まあ、そういうことになると思います。「ロック」というものがまだ定着していなかった。
M:まだロックと歌謡曲がまったく分かれていた時代ですよね?
O:そうなんですが、実は、70年代に入ると、日本の音楽市場に歌謡曲に分類されない新しい息吹が既に生まれているんです。
M:え、それは何ですか?
O:それは日本のフォークなんです。
M:あ、フォークか!
O:ボクは本当はフォークかロックかは、サウンドのスタイルで分かれるようなものではないと思っています。
でも、とりあえず日本では「フォーク系」とか「ロック系」のジャンル分けがあって、日本中の若者に日本のフォークが届き始めていて、レコード会社は既に大きな手応えを感じていたんですね。
M:社会的な背景もありましたもんね。
O:そうです。
そして、そこへ更に加わりそうなものとして 「日本のロック」 が登場してきました。
だから最初のウシさんの質問に答えると、四人囃子がレコード会社にどう受け止められていたかというのは、「新たな市場とジャンルが作られつつある、だったらそこは早めに手を出しておこう!」…ということだったのだと思います。
そしてレコード会社のスタッフもフォーク、ロックの息吹真っ只中の人達がこぞって入社している時代になっていたんですね。
M:実体験を経た方のお言葉をこうしてお聞きすると本当に「日本のロックが動き出してきた!」という感じがしてきますよ!

 

日本人とブルース

M:日本の場合、イギリスのようにブルースのムーブメントみたいなものがありませんでした。
イギリスのロックの動きを俯瞰して日本と照らし合わせると、そのブルース体験の欠落が今の日本のロックをある意味、四面楚歌にしてしまっていると私は思っているんです。
イギリスはそういう歴史的な下地があるので、いつでも先祖返りしてマーケットに熱湯を注ぐことができる。
ま、どうも今ではそれがすぐにぬるくなっちゃうようですけど…。
O:ウン。
ブルースって、例えばロバート・ジョンソンなんかは1930年代の人ですよね。30年代の音楽。
でも、アメリカにおいてですらブルースがポピュラーなシーンに根付いたのは50年代なんですよね。
今で言う有名な人たちの大半が50年代以降に名前が知れ渡った。チャック・ベリーやファッツ・ドミノとかと一緒のムーヴメントで出てきた…というのも、1955年にやっとアメリカで黒人の音楽が放送されるようになったから。
それまでは生粋の黒人の音楽と言えるものは公共の電波に乗せてもらえなかった。

M:40年代は、シナトラとかビング・クロスビーがアイドルだったワケですからね。

Img_0294_2O:そう。
ではロバート・ジョンソンの30年代のアメリカがどうだったかと言うと、グレン・ミラー楽団のようなスウィング・ジャズ・オーケストラによる高度なダンス・ミュージックの時代ですよね。
M:エリントンでもベイシーでも踊るためのジャズでしたからね。観賞用の音楽ではなかった。

O:ですよね。
で、いま我々が話しをしようとしているタイプのブルースはどうだったかというと、ジャズでも「ブルース」という形式はあったにしても、根っこの「ブルース」という音楽自体は、ローカルにそれぞれのエリアで恵まれない黒人が演っていたというレベルで、国全土に響き渡るような一般的なものでは決してなかった。
M:グレン・ミラーの「In the Mood」とか「Pennsylvania 65000」とかの大ヒット曲は普通のブルース形式でできているのに!
O:一方では近代クラシックや映画音楽なんかも含めて、1900年代に入ってから更に音楽はもうとんでもなく進化しちゃった。
その後、やっと黒人音楽が表に出て来てブルースも耳にするようになるんですけど、第二次世界大戦の間に米軍兵の手によってアメリカのレコードがイギリスに渡った。
それがイギリスの新たなミュージシャンを生んで、そこでブルースが根付いた。
R&Bなんかもそう。なぜイギリスにそういうブルース系の音楽の下地があるかというと、アメリカ軍が駐留したせいなんですよね。
M:そうだ!
O:そこで、日本のことを考えてみると「日本は10年ズレ状態」ですよね?
日本にとって多くの場合のブルースはエリック・クラプトンに代表されるような「ブルー・アイド・ブルース」なんです。
M:いわゆる「ブルース・ロック」ですよね?
少なくともイギリスにおけるロニー・ドネガンの「Rock Island Line」のような現象とは違う。英米の大分後追いの現象。
O:そうそう。
「ブルース・ロック」なんです。日本の若者が60年代、70年代にロックムーブメントと同時に好きになったスタイルのブルースは「ブルース・ロック」だったんです。
M:すごくよくわかる。

Img_0065O:それで、その頃ブリティッシュ・インヴェイジョンを成し遂げた以後のイギリスはどうなったかというと、独自で独特の進化を急速に遂げていったワケ。
で更に、クラプトンはアメリカの土臭い音楽に心頭していって、ジェフ・ベックはブルース・スタイルかどうかよりもエレクトリック・ギターの可能性を追求したし、ジミー・ペイジはレッド・ツェッペリンという音楽を作った。
ボクはレッド・ツェッペリンってのは究極のプログレッシブ・ロック・バンドなんじゃないかな…って考えてたりするんです。ある意味で、プロコル・ハルムやジェスロ・タルなんかもそう。
だから、イギリスでブルースが本当に若者の人気の的とされていたのは60年代のある時期だけなんだと思うんですよね。
M:でも、「ブルース」が「ブルース」として入ってきたところが日本とゼンゼン違う。
O:うん、キッカケが本当のブルースだったんですね、イギリスの場合は。日本は「ブルースの二世」から始まっている。
M:モノマネのモノマネから始まった。
O:そうなると思います。
M:モノマネのモノマネはくみしやすいですからね。

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<vol.2>につづく

2017年1月16日 (月)

あなたの知らない世界~ポタフェスからWOBURNまで

少年マガジンで『うしろの百太郎』の連載が始まった時私は小学校5年生だったろうか?
連載の1回目の扉にどこかの建物の門柱の前にオカッパ頭の女の子がハッキリ写っている写真が掲載されていて、それが幽霊だということを知ってチビりそうになった。
CGなんてない時代だよ。
その時から「お化けの写真」と呼ばれていたモノが、「心霊写真」という名前に取って代わったのではなかろうか?
子供だったせいもあってか、そもそも「心霊」なんて言葉はそれ以前には耳にしたことがなかったので妙に怖い感じがしたな。
それから心霊写真ブームが起こって、御多分に漏れず私も一番最初の写真集を買ったような気がする。
テレビでもそうした科学の力では説明しにくいような心霊系の事象を扱ったプログラムが盛んに出始めた。その老舗のひとつが昼のワイドショーでやっていた『あなたの知らない世界』というヤツ。
ほとんど見た記憶はないのだが、夏休みなど学校が休みの時に目にしてコワがっていたような気もする。
今日はMarshall Blogがその「あなたの知らない世界」へご招待しよう…と言っても、別にコワイ世界ではない。
しかも、知らないのは「私」だけで、「あなた」はよくご存じの世界かもしれない。
それでは…。
コレがその私の知らなかった世界への入口。

10「ポタフェス」である。
初めて聞いたときは何となく「おせんべいの祭典」かなんかかと思った。コレ、結構マジ。
ただ「おばあちゃんのぽたぽた焼き」が頭にあっただけなんだけどね。
「ポタフェス」とは「ポータブル・オーディオ・フェスティバル」の略。

20それがどんなものであるかは今の時点では「ポータブル・オーディオ機器専門の展示会」としか言いようがないのだが、今回が2回目で、2日間の会期でナ、ナント59,000人が訪れたという。

30会場は秋葉原。
D_DriveのYukiちゃんとダイノジが5年前(早い!)に「Rocksmith」というギターのゲームのデモンストレーションを演ったところだわ。
YukiちゃんがMegadethの曲を弾いたんだよね。
Yuki_img_1353
そして、私は自分が知らない世界を見た。
最初に書いた通り、正確に言うと「自分だけが知らなかったかもしれない世界」かな。

40この展示、ほとんどがヘッドホン本体並びにその周辺機器なの。

50もうそのあたりのアイテムが信じられないぐらいたくさん並んでいる。

70失礼ながらヘッドホンのブランドがこれほどイッパイあるとは夢にも思わなんだよ!

210

それだけじゃない、ヘッドホン・アンプってのがこんなに盛んだなんて全く知らなかった。
ほとんどのヘッドホン・メーカーがヘッドホン・アンプを併売しているのだ。

220

ケーブル、プラグ、イヤーパッド等のアクセサリー類の充実具合がまたスゴイ。
ヘッドホンに関するありとあらゆるアイテムがテンコ盛りなのだ。
それにしても、ヘッドホンをカスタマイズする時代が来るなんて夢にも思わなんだナァ。
言っておきますが、コレ、音楽をかける装置の展示はほとんどないのよ。ひたすら聴く方のアイテムばっかり。
ご来場の皆様は熱心に商品を眺めてテストに大忙しだ。

225v

以前にもMarshall Blogで何度か触れたことがあるが、私が中学性の頃…アレは一種の流行だったのか、はたまたステレオが一般的な家電として扱われていた時代だったのか、今となってはわからないが、各家電メーカーがオリジナルのステレオのブランドを擁立して、プレイヤーからスピーカーまで盛んに販売合戦が繰り広げられていた。
そもそも、今「ステレオ」なんて言葉も死語かな?いつのまにか「オーディオ」という言葉が当たり前になった。
アレは以前、大抵の家庭にあったレシーバーが入った仏壇のような大きなステレオ・コンソール(たいていビクターだったような気がする)の需要が下火になり、「コンポーネント・ステレオ」という自分で好きなブランドの音響機器を組み合わせるスタイルに変わる瞬間だったのかも知れない。
40年以上前の話だ。
その時分14~15歳の私は、お小遣い+親の援助でステレオ一式を買い揃えたが、その時のプレーヤーとスピーカーは今も使っている。
それから数年してキラ星のごとくウォークマンが登場した。
この時は本当にビックリした。
それ以前にも「カッパ・サイズ」なんていう新書と同じ大きさの小型カセット・レコーダーというものはあったが、それは機器を小さくすることに重点を置いた、会議等の内容の録音を目的を主にした商品で音質はほとんど無視され、「音楽を聴く」ための機器ではなかった。もちろんモノラル。
それが、この初代ウォークマンが発売されてからというもの、音楽を外に持ち出せるようになった。
「歩きながら」あるいは「電車の中で」または「家の中のステレオのない場所で」自分の好きな音楽が楽しめるようになった瞬間であり、生活の中での音楽の位置が大きく変わることとなった。
そもそも「外で音楽を聴く」なんて発想自体がなかったので、洗濯機や冷蔵庫のようにそれまでの生活を変えてしまうような大発明だったんですよ。
その前に「Lカセット」で思いっきりしくじったソニーの会心の一撃でもあった。
この黄色いボタン、なつかしいね。
このボタンを押すとヘッドホンの音量がミュートされで、内蔵マイクが外の音を拾ってヘッドホンから流してくれるんだよね。
まだ外で音楽を聴くことに慣れていない民衆は、ヘッドホンから音が出ている間、自分の声がモニタリングできないため、無意識のうちに大声でしゃべってしまったものだった。その対策がこの黄色いボタンだったというワケ。
私も生涯この手の商品を一体何個買ったかナァ?
いつも使うのですぐに壊れてしまうのだ。
その後、本体は小型化が進み、ヘッドホンがイヤホンになり…CDウォークマンやらMDタイプやらが登場し、現在のようなデジタル製品に変遷を重ねた…というのが大ざっぱな歴史かな?
それがポタフェスに連綿とつながっておる。

Wm_3

実は、私にとってはこのポタフェスは結構衝撃的だったのよ。
わかってはいたものの、従来のオーディオ機器が完全に駆逐されたという現実を再確認したような気になったことが理由のひとつ。
それと、こうした再生機器の変化が音楽そのものを変えてしまっていることを改めて確信したから。
230
どういうことかというと…今度は音楽制作サイドの話ね…ミュージシャンはレコーディングする時、消費者がどういう再生機器を使用して自分たちの音楽を聴いてもらうかということを考える。
レコーディング時にスタジオの高級スピーカーでプレイバックを聴いたとき、それが絶世の音質であったとしても、実際にお金を出して音楽を楽しむ人たちは、スタジオ・クォリティのスピーカーでそれを聴くことはまずあり得ない。
すると、自分たちの作った音楽が自分たちの理想とはまったく違う状態で聴いているという事態が発生する。
それは、例えばキーが変わっちゃうとか、ギター・ソロの長さが変わっちゃう、なんてことはないんですよ。
ベースやバスドラムの音が小さくなってしまったり、ボーカルの聞こえが悪かったり…とかいう風に音楽のイメージがガラリと変わってしまうということね。
コレは作り手にとっては致命傷だ。
丹精込めて作って演奏した自分の音楽が、大ゲサに言えば自分のイメージとは異なる作品として聴かれるワケだから。
そこで今のミュージシャンは、いいヘッドホンからチープなイヤホン、あるいはカーステレオとあらゆる再生装置が使用されるケースを想定して、納得のいく範囲内の最大公約数的な音質を選んでいるのだ。
「そんなの当たり前だろ」って?
イヤイヤ、昔はステレオで音楽を聴いていたもんですよ。ステレオとはレコードを回して音楽を聴くための装置なんだから。だからそれを想定した音決めをすれば、それで済んだ。
ところが今は違う。
逆にステレオで聴かれることはもう想定していないというのだ。
235
ある仲良しのミュージシャンから聞いた話では、今、音楽の聴き方でもっともスタンダードな環境は、コンピュータにダウンロードした曲やiTunesに入っている曲をPC用のスピーカーで鳴らすケースなのだそうだ。
あのスピーカーもピンからキリまであるんだろうけど、ああした小さいスピーカーで聴いているのが普通なのだそうだ。
絶句…。
私は幸運にして真空管のアンプと最上スピーカーでオリジナル・プレスのレコードを聴かせて頂くという幸運に恵まれたことがあるが、あまりの臨場感に腰を抜かしそうになった。
目を閉じれば、本当にそこでバンドが演奏しているかのような生々しい迫力なのだ。
音楽好きにとっては、アレはもっとも贅沢な趣味だね。それだけに楽器など比べ物にならないぐらい金がかかる。平気でケタがひとつ違う。
ミュージシャだってできればそうい環境で自分の音楽を聴いてもらいたいと思っているだろうな~。だから「イヤホンやヘッドホンで聴く音楽」と音楽のあり方も変わってしまったワケですよ。
もっとも、いわゆる「ステレオ」という音響機器がこの世からスッカリなくなってしまい、本当にイヤホンやPCのスピーカーでしか音楽が聴かれなくなればもうそんなこと関係なくなっちゃうんだけどね…そんな近未来を実際に見たような気がして衝撃的だったのです。

240

で、なんでMarshallのオッサンがそんな展示会に来ているのかというと…あ、バレちゃった!

80Marshall HEADPHONESの輸入販売代理店のNAVYSさんが出展していたからなのだ!

90目立つな、~三段積み。
皆さん、コレがMarshallの三段積みですよ~。「アンプ・ヘッド+上のキャビネット+下のキャビネット」、上から1、2、3で「三段積み」ね。
最近、この数え方も不確かなミュージシャンや機材屋さんのスタッフが出てきたからね。「ロックは遠くになりにけり」…なんて言っちゃいられない!スタックもがんばらないと!

100Marshallのヘッドホンを試しに見えた若いお客さんとスタッフの会話を少しの間そばで聞かせて頂いた。
そして、スタッフの商品説明の間隙を縫ってつい口をはさんでしまった。
「お客さん、やっぱりギターをやっていらっしゃるんですか?」
「あ、イエ、特に…」
「アレ?それじゃまたどうしてMarshallのヘッドホンにご興味を?」
「あ、イエ、普通に…」
「ロゴがカッコいいとか?」
「あ、イエ、何となく…」
「ん~、あの~、もしかしてMarshallってブランドってご存知ないとか…」
「あ、イエ、普通に知らないッス」
「じゃ、今初めて知ったとか?」
「あ、イエ、普通にそうです」
「ありがとうございます!」…ま、ココは「普通じゃないですよ!」なんて言いたいところだけど、若い人は仕方ないね…。
逆にMarshallというブランドを知らないのにこのスクリプト・ロゴを見て興味を持ってくれるなんてうれしいね!
何かMarshallというブランドの時代を超えた底知れぬパワーを感じるよ。
初めてMarshallというものを知ってから40年以上経つけど、我ながら今でもカッコいいと思うもんな~。

110v展示の主役は当然ヘッドホンたち。

120それに人気のBluetoothスピーカーたち。
最近、あるギタリストにこの写真のKILBURNをお買い上げ頂いた。
どうやってお使いなのか伺ったところ、Bluethoothを利用してパソコンから電波(でいいの?)を飛ばしてパソコンのない部屋で音楽を楽しんでいらっしゃるとか…なるほど。
音もルックスも最高!と大変よろこんで頂いている。

130スピーカーは人気も高いため軽量級のKILBURNからヘヴィ級のWOBURNまで展示されていた。

140Marshall HEADPHONESの輸入販売代理店NAVYSさんではこんなヘッドホンも取り扱っている。
カラフル~!
以前はこういうモノは「黒」と相場がキマっていたんだけどね~。

160もうちょっとポタフェスを味わってみましょうか?
ちなみに入場料はロハです。

170ヘッドホン関連のアイテム以外で異彩を放っていたのがコレ。
6L6GCを使って組み立てるオーディオ・アンプ・キット。私がEL34だの5881だのKT66だのECC83の名前を出したら係りの人がビックリしてた。
いつかは真空管のアンプにデカいスピーカーでゆったりを音楽を楽しみたいものだ。
早速挑戦してみようかとも思ったが、ハンダゴテを使えない人は作れないというので諦めた。
私、イモハンダの王者ですので。

180会場の入り口にはこんなアトラクションンも。
人気アニメの「ラブライブ!」のアトラクション。

190よく知ってるでしょう?
何とならば主人公、高坂穂乃果の声を演じているのは新田恵海ちゃん。
その恵海ちゃんのコンサートを二度ほどMarshall Bogでレポートしてるんだよ。

200_2なぜなら、恵海ちゃんのバンドのドラマー、ショボンちゃんはNATALプレイヤーだからなのだ!

3120_こんなモノも。
コレは我々世代ではカートリッジ・メーカーでおなじみのオルトフォン社製。
やっぱりイヤホンなんかを製造して世の荒波を乗り切っているようだ。

250以上でポタフェス終わり。
さて、この度、Marshall HEADHONESのBuetoothヘッドホンがいよいよ日本に上陸するそうだ。
もうヘッドホンもすっかりワイアレスの時代なのね。
MAJOR IIはブラック、ブラウン、ホワイトの3タイプが用意されるそうだ。

M22 Marshall HEADPHONESの詳しい情報はコチラ⇒NAVYS公式ウェブサイト

150v

今日はこの後もう少しMarshall HEADPHONES商品をご紹介させて頂きますよ。
ナ~ンだ、コレ?

260表には1959や1960Xに使用されているレヴァント・カバリングにゴールドのMarshallエンブレム。

270ペロリンと開けると麻雀牌のケース!
じゃなくて充電式BluetoothスピーカーのSTOCKWELL。

280要するに今、STOCKWELLのケースを紹介している。
Marshallロゴをギューギュー押し付けないようにフタの裏側がへっこんでいる…という気の配りよう!

290ケースにはツメは二個付いていて…

300STOCKWELLの背面の凹みにそのツメを入れる。
ツメが付いている板の中には磁石が仕込んであって、ペロンとケースがSTOCKWELLにくっつくようになっている。
この「ペロン」が気持ちいい。

310そして、フタをたたむとこの通り…STOCKWELLのスタンドになるというワケ。

320こんな感じね。

330しっかり立ってる。

340…というのもコレ。
最初に紹介した金のMarshallエンブレム。

350SROCKWELL本体がこのエンブレムにひっかかってズルと滑らないようになっているのさ。

360Marshall GALAの時もチョイとした小芝居つきで紹介したけど、もうね、私、このSTOCKWELL大好きなの。
見た目よりズッシリくる。それがまた高級感を醸し出していていいんだな~。
このケースに収めてからというものますます好きになった。

370昔、何かのテレビCMに「好きなものに囲まれて生活するよろこび」なんてキャッチがあったような気がするんだけど、STOCKWELLに加えてまた「好きなもの」が!

380上でチョコっと触れたBluetoothスピーカーの最大機種、「WOBURN」。
MS-2と比べるとこんな大きさだよ。

390いつかも書いたけどWOBURNはMarshallの工場があるBletchleyの隣の町の名前。
Marshall HEADPHONESの商品にはその肝心のBletchleyという名前を冠した商品がない。
不思議に思って社長に尋ねたところ、「’ブレッチリー’という言葉はアメリカ人には発音しにくいんだ」ということだった。
そうかナァ。
しからばこの「WOBURN」はどう発音するか…なんか「WOBURN」って、字面からするとすごく親近感が湧かない感じがするんですけど。
この「WOBOURN」…「ウォバーン」ではなく、「ウォウバーン」という風に発音する。
アメリカ人は「バーン」のところで思いっきり舌を巻いても大丈夫だ。
まずはこのルックス!
いいナァ、タマりまへんナァ。

4001962や1969TVなどに使用されているECフレット。
そしてスモール・ゴールドのロゴ。

410ヘリにはチャンとゴールド・パイピングが施されていてビンテージ・テイスト満点!

420底を見るとカバリングを合わせた個所が…。
コレもさ、工場のカバリングの作業を見ているようでいいんだよね。
あ、こお製品はBletchleyで作っているワケではないんだけどね。

430工場はこんな感じ。

9_img_8298いまだに100%手作業でひとつひとつ丁寧にカバリングをキャビネットの貼り付けている。
道具はカッターとハサミと「ボーン」と呼ばれる細かいところにカバリングを定着させる小さな棒状の道具だけだ。
Marshallの工場には様々な工程があり、不器用な私にはそのどれもが不得意なのは請け合いだが、このカバリングの工程だけは絶対に無理だな。
できるのはみんなのコーヒーを淹れるぐらいか?イヤ、あれもブラックだの、砂糖だけだの、スペックが全員違うので大変だ。

9_img_0051上から見るとこんな感じ。
ひとつだけリクエストをさせてもらえば、上面にストラップが欲しいな。
大きさからしてMarshallの小型コンボみたいなので、移動する時、無意識のうちについストラップを探してしまう。
「あ、そうか、ないんだった!」となる。

コントロールはボリューム、トレブル、ベースと入力をチョイスするスイッチとBluetoothのペアリング・ボタンだけ。
ノブはゴールド・トップのブラック・ボディ。
ピン・スイッチにしたところがまた泣かせるじゃん?
さらにコントロール・パネルはアルミ削り出し。「プレキシじゃないの?」なんて言いなさんな。

450入力の方法は4通り。
Bluetooth、オプティカル、それにアナログのInpurtがふたつ。
コントロールの表示に使われているフォントが本物のアンプみたいでグッとくる。
ま、本家のギター・アンプみたいというのも当然だよね。アンプからアンプを作ってるんだもん。冷蔵庫とはワケが違う。

460背面の様子。
上部についている穴は持ち運びのためものではなくて、豊かな低音を実現するためのダクトだ。
「バスレフ式」っていうヤツ。

470OPTICALとInput2のRCA端子はコチラに搭載されている。

480付属品は電源ケーブルの他に、ミニプラグのカールコード(!)と分厚い取り扱い説明書。
取説は何も使用法が難しいから分厚いワケでは決してない。英語、フランス語、ドイツ語等ユニバーサルな仕様になっているから。
Marshallのアンプの取説も同様なのだが、こういうものに中国語のページが割かれるようになってから久しい。
このようなチョットしたことで世界情勢が変わっていることを実感する。日本語のページがなくならないことを祈るわ。

490こういう袋に入れられてくるのもうれしいところ。

500さて、せっかくの機会なのでWOBURNを使って少し試聴会をやってみよう。
試聴会といっても勝手に選んだCDをWOBURNで鳴らしてどんな印象かを記しただけなんだけどね。
試聴に当たっては、一時代を作ったオーディオの老舗ブランドに敬意を表してmarantzのCDコンソールを使用し、WOBURNのInput2に接続した。

 

Marantz

WOBURNには1インチのドーム・ツィーターと5と1/4インチのウーファーが2台ずつ搭載されている。
最大出力は80Wなので家で使う分にはボリュームは1か1以下で十分。こんなところもまるで1959みたいだ。
でも、1959と決定的に違うのはボリュームを5以上にしても当然歪まない。もっともそれだけ大きくするなんてことはほとんどないであろう。
とにかくラウドだ。
で、私もウサギの小屋のようなところで使っているのでボリュームはほとんど1。トレブルもベースも中点の5にセットした。

440

  

★Are You Experienced / Jimi Hendrix Experienceから「Manic Depression」
ん~、WOBURNで初めて聴いたけど、なんかね~、感無量なんだな~。
WOBURNを目の前に置いて聴いているでしょ。するとイヤでもMarshallのロゴとECフレットが目に入ってくる。
で、そこからJimiの音楽が流れ出てくるのがすごく感動的なんだな~。
むしろ音質とかよりもそちらのほうに意識が硬いてしまう。
ま、音としてはこのトリオのワイルドさが実にうまく表現されているとでも言おうか…。
Noel Reddingのベースってこんなにふくよかだったのね?

Are  
★Live in Japan / Deep Purpleから「Highway Star」
Marshallつながりのライブ盤を選んでみた。
ま、「Highway Star」といえばアンコールのジャム・セッションで「Burn」と並んでもっとも選んで欲しくない曲だが、久しぶりに本物を聴くと…カッコいいな~。
こういうロックで育った我々は幸せだ。
うん、コレはIan Gillanの歌がチョット引っ込んで聞こえる。
例えて言うと、ステージ・フロントではなくて、4人に囲まれて歌っている感じ。
そのかわりIan Paiceのバスドラがアホほどカッコいい!
さすがに左右のスピーカーがくっついているので、ステレオ装置で聴いた時のようなパノラマ感は希薄だが、ものすごく状態の良いモノラル録音盤を聴いたような印象を受ける。

Dpチョット脱線。
コレはご存知の通り輸入盤の『Made in Japan』。
写真はロンドンのフィンズベリー・パークにあるRainbow Theatreで撮られたもの。
この写真の中でIan Gillanが叩いているコンガはNATAL製だ。

Dp2 
しからば、試聴盤の候補に入れていなかったんだけど、純のモノラル録音盤をかけてみよう。
 
★With the Beatles / With the Beatlesから「Till There was You」
ウワ!今度はPaulがグッと前に出てきた!
全体がバキッとまとまっているけど、ひとつひとつの音が実にクリアだ。
何かでこの曲のことをビートルズの作品と紹介しているを見かけたことがあるが、それは誤り。
これは『Music Man』というブロードウェイ・ミュージカルの挿入歌だ。
でも、Paulが作曲したといわれても全く疑いようのないようなハマりようだよね。だから、常々私は「Paulはティン・パン・アレイの作曲家に本当にあこがれていたんだナァ」と思うのだ。
さもなければ「When I'm Sixty Four」とか「Honey Pie」とか、後の「You gave me the Answer」なんて曲作らないよね。

Wb

 

★Samsara Flight / LOUDNESSから「Loudness(Disc1)」
ヘビメタいってみよう!
文句なしに気持ちいい!
ついボリュームを上げたくなってしまいますな。
世界がうらやむ高崎トーンもナマナマしく再現されているし、リズム隊の迫力たるや文句のつけようがない。
その手前にヌッと二井原さんが現れて絶唱してくれる。
最新の音響テクノロジーの利点をうまく活かされていると思う。

Sf 

★One Size Fits All / Frank Zappaから「Inca Roads」
生涯の愛聴盤から一枚。「20bit 24k Gold」とかいう金色の盤の仕様。
今度はChester Thompsonのドラムが引っ込んだ。何か別室で叩いているような…。
その代わりBruce Fowlerのベースがスゴイな~。コレ出すぎなんじゃないの?
銀色の普通の盤に変えてみたらそうでもなくなったわ。
ま、知った風なことを書けば、こうしたコンパクトな音響装置というものは低音の出方を重視するので、マスタリングでベースを強調するような手の加え方がされていると効果がてきめんに出すぎちゃうことがあるのではないかしら。

Osfa

ジャズを聴いてみよう。

★Kind of Blue / Miles Davisから「So What」
何にしようかメッチャ悩んだけど、猛烈に普遍性が高いことからこの誉れ高き入門盤をまず選んでみた。
コレはいいわ~。
Paul ChambersのベースとJimmy Cobbのシンバル・レガートが気持ちいいことこの上なし。
そこへのっかってくるMiles、Coltrane、Cannonball、Evansらのソロの音色のクリアなこと!
それにしてもスゴイ演奏だな。もうこれまで何回聴いたかわからないけどいまだに緊張感に満ち溢れている。真剣に聴いてあげないと怒られそうだ。

Kind★From Toshiko with Love / Toshi Akiyoshi=Lew Tabackin Big Bandから「let the Tape Roll」
ビッグ・バンドから一枚聴いてみよう。
まるでジャズの「Highway Star」のようなブルース。
冒頭のLew Tabackinのテナーの音が図太く鳴っている。
アンサンブルでは音がゴチャゴチャになっちゃうかと思っていたけど割合そうでもなく、各パートがそれぞれカッキリと聴こえてくるわ。
やっぱりここでもベースとドラムのコンビネーションが素晴らしいな~。
サックス・ソリではバリトンがよく聴こえてくるナァ、こんなだったかしらん?

Toshiko   
★Jurassic Classics / James Carterから「oleo」
新しい録音から一枚聴いてみよう…といっても1995年の作品。
このアルバムはブレーキの壊れた大型トラックが暴走しているような乱暴な演奏が魅力なんだけど、ベースの音が弱すぎて爽快感が完全に失われてしまっている。
コレは大きなステレオで聴いたほうがゼンゼンいい。
イヤホンなどで聴くことを想定して低音をリッチに録音するんじゃないのか?
よくわからなくなって来たゾ。

Jc

今度はクラシック…
★ハチャトゥリアン / ヴァイオリン協奏曲から「第一楽章」
「20世紀に作られたヴァイオリン協奏曲の中で一番カッコいい」といわれているだけあって、何人かのギタリストにおススメしたところ好評だった。
何しろこの曲を聴かずして死ぬのはモッタイないとまで書いている音楽評論家もいるぐらい。
実際、メッチャかっこよくて大好き。
で、それを聴いてみると…ダメだ!
イツァーク・パールマンの弾くヴァイオリンは何ら問題ないんだけど、オーケストラがゼンゼンだめ。小型ラジオのクラシック音楽の放送を聴いているようだ。
実は、この他にもクラシックのCDを鳴らしてみたんだけど、どうもWOBURNにはクラシックは向かないようだ。Marshallだからな。
でも、この曲はホントおススメですよ。他の人の演奏も聴いてみたけど、このパールマン盤の方がゼンゼンよかった。
今、また聴いているんだけど、どうしても聴き入ってしまう!

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最後は民族音楽。
それこそ限りなく種類があるので、どうしようかと思ったが、一時夢中になったパキスタンのスーフィー歌謡、カッワーリーを選んでみた。
★法悦のカッワーリー[I] / ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンから「ナミー・ダーナム(たどり着いた場所はどこなのか)」
ま、コレはゼンゼン普通だった。
あの壺みたいなヤツの「プォ」という音がチョット目立って聞こえるぐらいか?
こうしたアコースティック・ミュージックはごく素直に再生するということだろう。

9_nfa1   
…と、色々聴いてみたけど、音的には低音がふくよかですごく好みのタイプということが言えるのね。
やっぱりロック系の音楽にマッチしていると言えようが、ジャズもすごくイケる。
それで、新たに気がついたのは、WOBURNを置く場所によって聴こえ方が結構変わってくるということ。
上に書いたように、WOBURNには低音を吐き出すダクトが背面についているので、壁の近くに置いた時と離して置いた時では低音の聴こえ方が異なるのだ。
コレはまさにコンボ・アンプと同じことだよね。
そのあたりにMarshallからのアドバイスがあったのかどうかは不明だが、色々と試してみるとおもしろいと思う。
何しろこういう自分のお気に入りのものが生活の中にあるっていうのはうれしいね。
Marshallが提唱する「Lifestyle」ってのがよく理解できる。



(一部敬称略 2016年12月18日 ベルサール秋葉原にて撮影)

2017年1月13日 (金)

EDGE OF STRINGS II <後編>~D_Driveと名物セッション!

楽しい時間が過ぎるのは早いもので…EDGE OF STRINGS IIのトリがステージに上がった。
D_Driveだ!
ん、チョット待てよ…。
Marshall GALA、ASTORIAやCODE、楽器フェアなんかでD_Driveのみんなとチョクチョク一緒になっているからなんだろうけど、Marshall Blogの『ライブ・レポート』に登場するのってすごく久しぶりなのでは…?
そう思って調べてみると、GALAの二週間後に三宅さんとダブル・ヘッドライナー(ツーマンはやっていない)をやって以来だわ。
すなわち5月下旬の記事以来。
そうだ、10月の六本木の単独コンサートに行かれなかったからメッチャ間が空いちゃったんだ!
ゴメンね~、D_Drive!

Gf2 ということでK-A-Zさんのイキな計らいでD_Driveはトリで登場。
この「ギターの塊」のようなチームもギターの魅力をしっかりと伝えてくれた。

10Seiji

20vYuki

30vShimataro

40vChiiko

50v久しぶりの登場でも安定のMarshallでホッとしますな。
SeijiさんはJCM2000 DSL100と1960AX。

60YukiちゃんはJCM2000 TSL100と1960A。

70Shimaちゃんも安定のEDEN。
WT-800だ。

80vオープニングは「Drive in the Starry Night」。
120

Yukiちゃんのペンによる、オープニングに持って来いのハードでストレートなドライビング・チューン。
スカッとくるぜ!

110

当然Seijiさんとのギターのからみを活かしD_Driveらしさも忘れていない。
すなわちスリリングで完璧なギター・インスト曲に仕上がっているということ。

100v続いては「Attraction 4D」。
コレもいいな~。圧倒的な疾走感!
Seijiさんの作だ。
サビのクロマチックのメロディが好き…と以前書いた。でもコレって一回目とそれ以降のサビのメロディが違うのか…。
二人のもはやムチャとも言えそうなハモリや、ドンドン変わっていく情景…メッチャ手が込んでるナァ、この曲。メッチャムチャや!
しかし、考えようによってはHell Dumpのサタン鈴木のような声のズ太いシンガーを入れて、ドギツイ歌詞をつけて、もっと変拍子を大胆に取り入れたら結構70年代中盤のZappaミュージックをハードにした感じに近くなるんじゃないかね?
90

どんな複雑な曲でもガンガンとフロントの二人を責め立てちゃうD_Drive名物のリズム隊は今日も絶好調だ!

130v

140最初の2曲は一昨年の11月に発表したミニ・アルバム『R』からのチョイス。
毎回書いてるけど、もう「一昨年」かよ~!
なんかついこないだ出したばかりのような気がするじゃんか!
あのね~、ライブのワイルドなパフォーマンスはもちろんD_Driveのウリなんだけど、スタジオ・バージョンもすごくいいよ。
最初の2枚のアルバムも当然聴いているけど、この『R』はそれらよりも完成度が高いということが言えそうだ。
まずすごく音がよくなった。
内容もますます充実していて、ライブでの迫力をそのままスタジオに持ち込みながら実に緻密な演奏を展開している。
以前にも触れたことがあるが、生演奏で聴きなれている曲でも「アレ、こんなことを演っていたのか!早ぐ言っでよ~」という発見がたくさん。名刺じゃなくてヨカッタ。
ヘヴィメタル・ギター・オリエンテッド・インストゥルメンタル・ファンにおススメの作品だ。

55cd_2そんなアッという間続きはD_Driveの歴史にも当てハマる。
何と、この1月から結成8年目に入るというのだ!
おめでとうD_Driveゥ~!
その結成丸7年を直前に控えた先月。2曲入りのシングル盤を発表した。
続いてはそのコーナー。

150まずは盤の後に収録されているYukiちゃんの作品「Shape of Your Life」。
私?
あ、私のShape of Lifeは「メタボ」です。
いいこと教えてやろうか?
近所のお寺の壁にこう書いた紙が貼ってあった。
「性格は顔に出る。生活は身体に出る」
誰か座布団持って来い!
160
ゆったりナンバー。
Yukiちゃんは以前にも「Unkind Rain」というバラードを発表しているが、こっちはまたゼンゼンそれとは違うイメージのミディアム・スロー。
180
でも、そこはやはりD_DriveのYukiちゃんが作る曲だ。凝りに凝ったツイン・リード・パートや激烈ソロがテンコ盛りだ!
組んずほぐれつ、段々とハードに盛り上がっていくところがタマらなくカッコいい!

170v続いての曲はSeijiさんの「Last Revenge」。
これまたアータ、重い鎧を着て100mを全力していそうなハード・チューン!
サビの展開の発想が「Attraction 4D」に似ている。

200vShimaちゃんのテクニカルなソロもバッチリ!
230v
コレもしばらくはライブの定番になることは間違いないな。
CDでは冒頭にSEが入っていて、ゼンゼン似ても似つかない割にはナゼかSteve Millerの名曲「Fly Like an Eagle」を思い出してしまった。
つまり、とても気持ちがいいということ。

210Yukiちゃんからこのシングル盤が当日先行発売されていることがアナウンスされた。
「7年間ずっとインストでやっています!」
ガンバレ!

190v

下がYukiちゃんがMCで紹介した最新のシングル盤『Last Revenge/Shape of Your Life』。
大変ですよ~。
これほど作り込むのはあまりに大変な仕事ですよ。
「愛してる」だの「ありがとう」だの「さくら、さくら」と、どこにでもある歌詞に何の工夫もないメロディをつけてハイ出来上がり…というのとはワケが違う。
それらが鉄骨にペタペタを新建材を貼り付けた家だとしたら、D_Driveの曲は完全木造の三階建て。宮大工まで繰り出した細工の凝った家と言えるだろう。
建てるに当たってはMarshallやEDENといった良質の材料が使われていることは言うまでもない。
毎回、曲の構想を立てて、メロディを考えて、ハモリをつけて、何よりも大変なのは何がしかの仕掛けを考えることのは地獄の苦しみだと思う。
ただいいメロディを作ってベンベコ弾いているだけではベンチャーズのやっていたこととは変わらないもんね。
それにどんな安易な発想じゃ誰も興味を示してくれまい。
カッコいいリフをひとつ作るだけでも至難のワザなのに、D_Driveならではの、あるいはD_Driveしかできないトリッキーなパフォーマンスを考える部分がもっとも大変な作業だろう。
しかも、一度やってしまったら他で使うことはできない。「○○と同じじゃん!」となってしまうから。
こういう創造の苦しみに耐えて、初めて世に問う曲だからこそ価値があり、聴く側を感動させるハズなのだ。
カッコやウサ晴らしだけで音楽をやっているのとは土台芸の厚みが違う。
それを8年もやってきたんだからD_Driveは偉大だよ。
東名をブッ飛ばして月に何回も東京へ来てさ…。
でも今回のこのシングルはまたしても見事にその苦行に耐えた証となり得る立派な作品に仕上がっていると十分に言えるだろう。
  
ところで、何気なくこのシングル盤とか『R』のジャケットを見ていてフト気が付いた。
タイトルのアルファベット表記が実にキチンとしているのだ。
つまり、大文字と小文字の使い分けのルールを知っている人の仕事が入っていると思った。
どういうことかというと、一番最初の文字は大文字。コレは常識。
それと名詞や動詞、形容詞、副詞といった動作や形態を表す重要な単語の頭文字は大文字にする。逆に言うと、冠詞、助動詞、接続詞、前置詞等は、文頭でない限りは常時全部小文字にする。
コレは意見や好みの分かれるところらしいんだけど、名詞や動詞でも4文字以下の短い単語は全部小文字にするというルールを採用する流派もあるらしい。
何でこんなことを知っているかと言うと、昔、教則ビデオの翻訳の監修の仕事をしていた時に気が付いた。会社によって表記がそれぞれ異なることを発見して不思議に思い調べたことがあったのよ。
でも、不完全でしてね、機会があればもっと正確な情報が欲しい。
ね、この下を見ると「Shape of Your Life」の「of」だけ小文字になってるでしょ?
こういうところもD_Driveの好きなところだ。

Lr それと!
へへへ、また書くぞ。
しかも、今日は名指しだ。
Seijiさんはかつて対バンがあるライブのことを「ツーマン」とか「スリーマン」とか呼んでいたけど、ある時から「ダブル・ヘッドライナー」とか「トリプル・ヘッドライナー」と言ってくれるようになったのです。
時々戻っちゃうのは知っているけど、マァたまには許す。
これでまたひとり…三宅さんやMashaくんなんかも取り入れてくれているからね。うれしいじゃないの、ネェ?
    
ココまでは新しめのレパートリーを固めてきた。
そして、ココからはおなじみのナンバーを並べてきたよ!

Img_0455まずは「Russian Roulette」。
もうライブではしょっちゅう演ってきたナンバーだけど、シングル盤を経て、『R』に収録された。
繰り返すが、このスタジオ・バージョンがスゴイのだ。
もちろんライブはライブのスゴさで押しまくる!

250ステージ前は勝手知ったるD_Driverさんたちが大騒ぎ!
310
今回のイベントの出演者4つのうち、Marshall GALAに出演して頂いたバンドは3つ。
GALAに来て頂いた方々はもうそれぞれのバンドをご存知だったワケだけど、初めて見た人ってどう思ったんだろうナァ。
皆さん、それぞれヒイキのバンド以外の音楽をどう聴いたのか…。
実に興味がある。
「また新しくいいのを見つけちゃった!」なんて人がいてくれるとうれしいナァ。
え?「お前はMarshallのことだけ考えていればいいだろう!」って?
そうじゃないんだな~。
楽器なんて、いい素材がなければクソの役にも立たないただの雑音製造機だ。
いい音楽があってこそいい楽器が生きる。
だから十把一絡げのツマらないポップソングは少しでもお引き取り願って、今日の出演者たちのように命を削って作った音楽をその分少しでも広めたいんだ。
いい音楽をまず作る。楽器はその後だよ。
いい楽器がいい音楽を作ることもある。例えばMarshallはまさにそのいい例だけど、そんなの滅多にない。
昨日ヴェンチャーズの話をしたのはこのあたりのことが言いたかったからなのだ。
正月早々シビアでゴメン。
出演者のみんなが真剣に音楽に取り組む姿を見ていてつい一席ぶちたくなってしまったのさ!
300
最後は「♪ジェゲロゲ~ロ、ジェゲロゲ~ロ、ジェゲロゲ~ロ、ゲロツク、ゲロツク」
わかんない?
260v
この後は、「♪ゲンゲンゲロンゴ、ゲンゲンゲロンゴ、ゲンゲンゲロンゴ、ゲンゲンゲロンゴ」
その通り!「Screw Driver」だ!
320

演奏し慣れたオハコ・ナンバーで大爆発!

270vきれいにアルバム毎に選曲した6曲で会場を盛り上げ、EDGE OF STRINGS IIのトリを見事に演じきった!

280vさぁ、9年目!
D_Driveの猛ドライブは止まらない!

290vここでD_Drive情報をひとつ…1月のライブ会場ではおみくじ付の『D_Drive福DVD2017』ってのを販売するのだそうだよ。
・新年の挨拶
・昨年を振り返る
・Chiiko(Drアングル動画)
・Shimataro(機材紹介)
・Seiji(曲解説)
・Yuki(曲解説)
・今年の抱負
・㊙︎エンドロール
が収録されているんだって。書初め、福笑い、双六、コマ回し、凧揚げの動画はカットされたようだ。
しかし、みんな色んなことやるな~。そのうち「会場物販税」ってのが導入されるかもよ。気をつけろ!

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

3304バンドすべての演奏が終了したところでこのイベントの名物ともなっているバトルロイヤル型セッションのコーナーへ!
つまり「全員参加」ってこと!

340曲はHear 'n Aidの「Stars」。

350こちらも本家に負けないギター・スターズの饗宴が繰り広げられた。

360これだけ個性派のギタリストがそろうと壮観ですな~!

370さて、定番のソロ回しが始まるよ。
380

ひとりひとり中央のお立ち台に上がる。
上手からということでまずはSeijiさん。

390K-A-Zさん。
デカ!
頭をかがめてる!
大きさがYukiちゃんと完全に倍半分になってる!

400次はノンちゃんの番。
へへへ、実はノンちゃんがお立ち台に上がるかどうか楽しみにしていたんだ。
結果…やっぱり上らなかった!
理由…ノンちゃんは高いところがキライなのだ。

410三宅さんも照れて絶対に上がらないかと思っていたら…なんだよ、マンザラでもないわ。
「あ、上がった」…後ろの二人も興味深そうに見てるでしょ?

420Yukiちゃん!
「あたしの速さについて来れる?」とバッチリ決めた!…そんなこともう言わないか。

430ベース・チームもガツンといった~!
Shimaちゃんから…

440征史さん!

450ドラム・チームも大ハッスル!
河塚さんに…

460Chiikoちゃん…

470そしてケンケン!
なんでドラム・チームは何かかぶってんの?
どうでもいいけど金光さんうれしそうだな~!

480それぞれ局地戦でも色々ありまして…

485

490

500_2エンディング!

510「これからもEDGE OF STRINGSを続けていくのでよろしく!」
ガンバレK-A-Zさん!

530ギター・アンプとギター万歳!
最後に…皆さんギターの音がとてもヨカッタ!
やっぱり真空管のアンプに限るね。
真空管アンプは重くて手入れも大変、利便性や機動性、多様性はどう逆立ちしてもデジタル製品にはかなわないけど、ひとつだけ絶対に負けないものがある。
それは「音」だ。
今日のギタリストは全員それがわかっている…ということだ。

520

次回をお楽しみに!
さ、高速乗って家に帰ろう。

275(一部敬称略 2016年11月22日 横浜F.A.D.にて撮影)

2017年1月12日 (木)

EDGE OF STRINGS II <中編>~CONCERTO MOONとK-A-Z with BPM 13 Groove

昨日からレポートしているギター好きにはタマらないギター・インスト・イベント、『EDGE OF STRINGS』の第二回目の横浜公演。
考えてみると日本ってのはギター・インストの国なんだよな~。
いまだにこんなにThe Venturesに幕を掛けて崇め奉っている国って、日本の他に地球上で存在するのだろうか?
あのテケテケでいつも思うことがある。
それは、あのエレキ・ブームが「電気ギターのブーム」であったことは確かなのだが、その以前に「電気ギターを使った『音楽』のブーム」だったのではないか?ということなのだ。
もちろん、あの音楽が電気ギターでなければならなかったし、できなかったという必然性はある。
でも、あのテケテケの音色で奏でる「Walk don't Run」や「Pipeline」のメロディにヤラれちゃったんじゃないの?
ちなみに、あの「Walk don't Run」という曲はジャズ・ギタリストのJohnny Smithの作品ですからね。ヴェンチャーズが作った曲ではござらんぞ。
で、このJohnny Smith…欧米に数万人は軽くいるであろう平凡な名前を持ったギタリストの才能は極めて非凡だった。
今日の一回目の脱線。ギターがテーマの記事だからいいよね?
Johnny Smithは50年代に活躍した大ギタリストだ。
私も好きで色々聴きたいんだけど、寡作なワケでもないのに条件にあったCD(中古)に巡り合うことができなくて下の四枚しか持ってないの。
しかも、右側のピンクのと黒っぽいのはJohnny Smithの代表作とされる『Moonlight in Vermont』で、ただのジャケ違い。だから音源の内容としては3種類しか持ってないゾ、コノヤロー!
で、「Walk don't Run」は左上の『Johnny Smith's Kaleidoscope』に収録されている。
コレは1967年の録音。だからVenturesのヒットに乗じてセルフカバーした…と思いたくもなるが、67年といえば『Sgt. Peppers』が出た年だからね、今更「Walk don't Run」でもなかろうに…ということになる。
何しろVenturesの「Walk don't Run」は1960年なのだから。
でもね、演奏はすごいよ。
テンポは速めでTal Farlowスタイルの超絶技巧。ものすごくウマい人だよね。
このアルバム、「Old Folks」とか「酒バラ」とか「Sweet Lorraine」とか名曲満載でおススメです。

9_img_0262もうひとつ、ジャズの「Walk don't Run」として、Joshua Breakstoneを紹介しておこう。
この人、猛烈にわかりやすい。
「え、プロなのにそんなフレーズ弾いちゃっていいんですか?」みたいなジャズの定番フレーズを連発してくれる。
そのJoshuaがVenturesの愛奏曲を集めて録音したジャズ界から見れば一種のゲテモノ盤。
コレが実にいい。
この人、「ダレダレ集」というアルバムを得意としていて、そのうちの1枚『Remembering Grant Green』というGrant Greenの特集盤は、コレからジャズ・ギターもやってみたいな~、なんてロック・ギタリストには大いに参考になるだろう。
Johshuaの「Walk don't Run」は少しテンポを落としたJohnny Smithのバージョンで演奏している。

9_img_0263 Johnny Smithに戻って…。
この人がいかに人気があったかの証拠。
コレは欲しいナァ~、向かって右。

Js_2 このギターをASTORIA CLASSICにつないでさ!
最高じゃん?
大して弾けないけど…。

9_astoria_ast1c_classic_combo1 さて、本題に戻ると…「エレキ・ブーム」は「音楽」のブームだったということね。
私は楽器よりも、録音よりも、ジャケットよりも、何よりも音楽が先に来なければならないと考えていて、このイベントは「ギターのカッコよさをアッピール」するということにはなっているけど、本当は「ギターが主役の『音楽』のカッコよさを伝える」ということだと思うのですわ。
似ているようだけど意味合いが大分違う。
そのカギは演目がオリジナルかコピーかということだ。
出演する4つのバンドがそれぞれ自分たちの「音楽」でギターの魅力を発揮する…素晴らしいじゃないの!
Venturesの魅力も新しい世代にまったく伝承されていない。
Marshallの出現によってギタリストがヒーローだった音楽、すなわち70年代前半のロックもしかり。
今、巷に残っているのは、ピロピロと速く弾きまくるギターかジャンジャカかき鳴らすだけの脇役のギターばっかりじゃない?
コレじゃ本当にマズイって。Venturesの魅力を知っている世代やハードロックで育った世代の人たちがいなくなったら本当にそれらの音楽は絶滅しちゃうよ。
ま、私はいいよ。もう十分に楽しんだから。ジャズもクラシックも残っているし、民族音楽だってある。
でも、仕事で困るのよ!ギターが脇役になっちゃうと!
また、美田は子孫に残してしかるべきものでしょう。
だから、このようなイベントでギターのカッコよさが後世に伝承されることを願って止まないのだ。

15さて、二番手にステージに上がったのはへヴィ・メタル部門からCONCERTO MOON。
「おいおい、チョット待った!コレはインストのバンドのイベントじゃないの?」って?
そうなの、CONCERTO MOON(inst. ver.)と銘打った、歌わないMOONなのよ!

10
だからメンバーは久世ちゃんなしの…
島紀史

20v_2Aki

30v中易繁治

40v河塚篤史

50v当然ノンちゃんは今日も愛用のMarshall MAJORを持ち込んでいる。
昨日書き忘れたが、三宅さんが使ったキャビはノンちゃん所有の年季の入ったもので、素晴らしいサウンドだった。
もちろん、こちらのオーナーのサウンドも素晴らしいことこの上ない!

60vこの日、山本征史さんに続いてのMarshallベース・アンプ。
VBA400とVBC412。

70vCONCERTO MOONは2015年にリズム隊が交代し、新メンバーで同年9月にニュー・アルバム『Between Life and Death』を発表。
アルバムの出来に呼応するべく三度にわたってレコ発ツアーを実施し、その最後のツアーが先月終了した。
このイベントが開催されたのはそのツアーの直前のことで、当日は気合も芸も充実しきったところでのステージとなった。
Bld

オープニングは「Reason to Live」。

80おお~、ノンちゃんのソロ・アルバム『From the Womb to the Tomb』のオープナーだ!

90v考えてみると、この『From the Wonb to the Tomb』っていうのは、言葉の意味としては『Between Life and Death』の外側に位置しているんだなァ。
人間はお母さんの子宮(womb)から出て来て生(life)を受け、死(death)に、墓(tomb)に収まる。
気になるのは「womb」や「tomb」には「the」をつけて、「life」や「death」にはつけなかったこと。ノンちゃんはソロ・アルバムのタイトルをつける時、誰か特定の人の「子宮」や「墓」を想定し、CONCERTO MOONのニュー・アルバムをつける時には、生と死は生まれてきた以上、誰でも直面する普遍的なこととして「the」をつけなかった…とい意味合いか。
そんなことを考えてみるのも興味深い。

95vま、曲はそんなことは全くお構いなしのスーパー・ドライビング・チューンだ!
オイオイオイオイオイオイオイオイ、このソロ・アルバムが出てから丸8年経ってんのかよ!
ザケンなよ~。発表に当たっては前のMarshall Blogでインタビューしたっけナァ。あのアルバム、すごく好きでよく聴いた。
ホントに早いな~。コレじゃ、私もアッという間にDeathとTombのクチだな、コリャ。
あ、そういえば!私、煙草を止めて丸十年経ちました!
こっちは時の経つのがエラク遅かったな~。「まだ十年か!」って感じ。
いつかも書いたことがあったが、ヘヴィなスモーカーではなかったが、ホント止めた時はしばらくの間ツラかった。
そして、止めて本当にヨカッタ~!

S41a0193 続いては「Eye for an Eye」。
2003年の『Life on the Wire』。ホラ、ここでも「life」。

110v冒頭の垂直型フレーズからして密度の濃い、これまた「すさまじい」の一言に尽きるメタル・ギター・チューン。
ココまで2曲。
もうすでにカルビづくしの焼肉にうな丼(松)と天丼(エビ4尾)を食らったかの充実感!キムチや肝吸いを口に運んでいる余裕はない。

120Akiちゃんのキーボーズもいつも以上に大活躍だ!

130「楽しんでますか!オレはうさぎの7倍寂しがり屋だから、みんなが反応してくれないと寂しいぞ!」
普段のMCではココで久世ちゃんとカラむところだが、今日のMCはノンちゃんのソロ。
関西の公演ではそのノンちゃんトークが長くなって時間をオーバーしてしまったとか?!

140MCの後もガツンと来た!
すき焼きと火鍋と大盛ナポリタンの追加だ!
それは「Change my heart」と「Between Life and Death」と「Alone in paradise」のソロ・パートのメドレーだ!ムッチャするな~。

150特濃のナンバーの連続に難なくついていくリズム隊。

160vイヤ、反対か!グイグイと引っ張っていく!
180v
久世ちゃんが絶好調なだけに、「歌のないCONCERTO MOON」はどうなの?なんて思った人もいるかもね。
私はゼンゼン心配していないどころか、すごく楽しみにしていた。
それは久世ちゃんのボーカルズ(Marshall BlogはKruberablinkaの赤尾和重さんからのご指摘を尊重し、正式な英語表現を取り入れて、今年から歌のパートを指すときは「ボーカルズ」と複数形にしています。「キーボード」も同様)がない方がいいワケではござらんよ。
久世ちゃんの声はCONCERTO MOON鑑賞の大きな楽しみのひとつだからして。
私が楽しみにしていたのはノンちゃんのインプロヴィゼーションなの。

170v昔はノンちゃんとふたりで何回も「Marshall Roadshow」というMarshallのクリニックをやったもんですよ。
デモンストレーションの題材はCONCERTO MOONナンバー。当然、その時は歌なんか入らないから、歌のパートも全部ノンちゃんのギターで埋め尽くすことになるワケ。
そのソロがいつもスゴイかったんですよ。
どういう風にスゴイかと言うと、「速弾き」とかいうことではゼンゼンない。
商売柄、また年齢柄、あるいは経験上、最早どんなに速く弾くギターとかタッピングを見てももう驚くことはない。
私も若いころは速弾きに夢中になったけどね!でも音楽の楽しみは他のところにもたくさんあることを比較的早い時期に知ったって感じかな?
もちろん速弾きがよくないとは絶対言いませんし思いません。音楽的にすごいフレーズを弾いていれば話は別なのだ。
とにかくイングヴェイ以降、老若男女を問わずみんな同じことをやっているのを見るのがキツイのだ。
で、ノンちゃんはそれなの。出てくるフレーズの密度が極めて濃いのだ。
でね、ある時彼に尋ねたことがあった。
「ノンちゃん、アレ歌のパートって作ってあるんでしょ?」
「イイヤ、何にも考えてませんよ」
「ええ~、アドリブなの?」
「ああ、全部アドリブです~」
結構ビックリしたわ。
チョット、思い出しついでに…。
一度、CONCERTO MOONのツアー先の大阪でMarshall Roadshowをやったことがあったんだけど、当時のバンドのメンバーがRoadshowを見たいっていうワケ。
まさか、断るワケにもいかないし、かと言って恥ずかしいし…。
ナゼそんなもんが見たいのか?と尋ねたら、「イヤ~、だってMarshall Roadshowはおもしろいってみんな言ってますからね~」と言われてうれしかったな。一生懸命やってたからね~。
その日、私のトークとノンちゃんのギターがいつもより冴えわたったことは言うまでもなかろう。

190そんなギター・プレイがふんだんに詰め込まれたMoonナンバーのメドレーだった。
それとね、やっぱり音が素晴らしいよ。説得力のある音なんだよね、ノンちゃんのギターは。
時に説教をされているような?威厳のあるプレイだ。

200vココで「泣き」を一発。
『Black Flame』から「Until You Remember」。こんなMoonならぬMooreチックなナンバーもまたいいもんだ。

210そして、最後は普段もノンちゃんフィーチュアで演奏しているおなじみのインストゥルメンタル・ナンバー「To Die for」で締めくくった。

220v近々「at the end of the year ~Between life and death tour final~」もレポートすっからね。

CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒CONCERTO MOON Official Website

230vそして、三番目にステージに上がったのはK-A-Z with BPM 13 Groove。

240K-A-ZさんはMarshallプレイヤーではないが、CLASSIC ROCK JAMなどでご一緒させていただき、何度かMarshall Blogにもご登場いただいている。

250今回もベースと…

260ドラムのトリオ、K-A-Z with BPM 13 Grooveでの登場だ。

270v

三宅さんの孤高の音楽、ノンちゃんの極上のヘヴィ・メタルときて、K-A-Zさんはそれまでとはまたガラリと変わったコンテンポラリーなギター・ミュージックを披露した。

280vK-A-Zさんも自分の思った音楽を、好きなように好きなスタイルでクリエイトするタイプのギタリストだ。
やっぱりこのルックスだしね~。ナニをしてもサマになる。
Marshallでないのがザンネンだけどね。

290でも、当日楽屋で話をした時はうれしかったな。
前述のように活躍の場が広い人だけに色んなところでK-A-Zさんとは出くわすのね。
このイベントの数日前にも幕張のKNOTFESTでお会いしたばかりだった。
ところが、あんな話をしたのは初めてだったのだ。
…というのは、このイベントについての話。
ご存知の方も多いと思うが、このイベントはK-A-Zさんが主宰している。
そのK-A-Zさんがこう言っていたのだ。
「最近は本当にギターのカッコよさが忘れられているんですよ。ギターってカッコいい楽器ですよね。それなのに若い連中はまったく興味を示さない。カッコよさを知らないんです。
そこでこういう企画をやって少しでもギター・シーンを盛り上げていきたいんです。
そのためには、とにかくコレを続けていきたいと思っています。」
うれしかったね。
ま、ここに記した字句は実際の発言と多少異なるが、こういうことをクールに言っていた。
目的や取り組みは違うかもしれないが、根っこのところでMarshall GALAとつながっていると思った。
その理由のひとつは、冒頭に書いたようにコピーではなく、自分たちのオリジナルの音楽でギターの魅力をアッピールさせようということだ。
そこで、Marshall BlogでガッチリとレポートしてPRのサポートをさせて頂くことを約束したのだった。
本当にどうして、ロックってこんなことになっちゃったんだろう?
ギター・リフもソロもないロックって一体どういうつもりなんだろう…と私の世代は思わざるを得ない。カッコいいロックを体験してきたからね。
こうした催しの意図が若い人たちにも伝番してカッコいいロックを若い人たちにまた盛り上げてもらいたいナァ。
本当にあの時代のロックは高齢化と過疎化と少子化があまりにも進んでしまった。
こういうイベントにもっと若い人たちが来るような算段はつけられないものだろうか?
とにかく日本のロック界は文化の伝承に急いで真剣に取り組むべきだ。

300しかし、大きいな~。
会場に向かう時、K-A-Zさんがコンビニの袋をさげて歩道を歩いているのが、車の運転をしていて一発で目に飛び込んで来たよ。
だって、人ごみの中から頭ひとつどころか、肩が出ちゃってんだもん!
昔、あるバンドに巨大なギターの人がいて、地方の小さなライブ・ハウスに出演した時、ステージに上がったら大きすぎて頭が天井に当たってしまい演奏できないことがあった。
それでどうしたかというと、仕方ないのでステージを取っ払ったって嵩を下げたっていうんだよね。
本当の話らしい。
それを思い出さずにはいられない!

320忙しいところ企画を立てるのも大変かもしれないが、次回のEDGE OF STRINGSも楽しみだ。
できれば、Marshallのギタリストでお願いしますね。だってガンガンレポートしたいもん!

330vK-A-Zの詳しい情報はコチラ⇒K-A-Z Neo Stylez

340<後編>につづく

(一部敬称略 2016年11月22日 横浜F.A.D.にて撮影)

2017年1月11日 (水)

EDGE OF STRINGS II <前編>~Strange, Beautiful, Loud and Motomachi

先週の金曜日に掲載した今年最初のMarshall Blog。
見てくれた?
年始めのことだからして、干支のことに触れ、大昔はなぜ元号を頻繁に改めたかの理由のひとつを記した。
そして、「『酉』の年は革命の年で世の中が大きく変わる」と言われてきたことについても書いた。
すると、昨日今日のニュースで「平成は30年までで改元する」ようなことが報道されているではないの!
日本政府はMarshall Blogが大好き…ということがコレでわかった。
ますますヘタなことは書けないな~。
Marshall Blogの記事で世の中がコロコロ変わっちゃ皆さんに申し訳ないもんな~。
そんなことも考えつつ…そんなバカな…今日は無難に観光案内から。
このMarshall Blogの観光案内、決してネタがなくてやっているワケではござんせんからね。
イヤ、実はこの件が皆さんにご迷惑をおかけしているかとチト心配していたんだよね。ところがつい先日、著名な大ギタリストから惜しみのない大賛辞を思いがけず頂戴してビックリした。
特にあの松阪&伊勢の回をお気に召して頂いたようで、「本当におもしろかった!ああいうのもっとやって!」とリクエストを頂き、いい気になっているところでの今日の観光案内。
  
今日は近場だ。
お好きでない方はどうぞご遠慮なくツツツ~っと飛ばしちゃってくだされ。
今日来ているのは、「石川町」。
今や大阪を抜いて日本で二番目の都市となった横浜。その横浜駅から根岸線で三つ目の駅。
かつては近辺にフェリスや横浜双葉等、女子高が7つもあったため、マニア垂涎の「女学生の駅」と言われていた。
登下校の時間になると駅は女学生であふれ返ってしまう。
一方、駅の前を流れる中村川の向こう側には、あいりん、山谷に肩を並べる「日本三大ドヤ街」の一角、寿町が広がる。
建ち並ぶ「山手」の豪奢な住宅エリア。他方、プスプスとガスが沸き上がるドブ川に沿ったドヤ街…まさに黒澤明の『天国と地獄』の舞台のようなところだ。
チョット脱線。
『天国と地獄』の室内のシーンはほとんどがセットで撮影されたが、ロケのシーンは横浜の伊勢佐木町等で敢行された。
映画に登場する、阿片窟は黄金町とされているが、アレは架空の設定で実際は寿町がモデルになっている。モノの本を読むと、1962年当時、撮影に行った際は実際にかなりコワかったらしい。
黒澤映画の大きな特徴のひとつはパンフォーカスと言われるタッチで、カメラのレンズを思い切り絞る。一眼レフをやっている人ならわかると思うが、そうすると被写界深度が浅くなり、画面の端から端までにピントが送られる。
その代わり画面が暗くなってしまうので、大量の照明が必要となってくる。するとどうなるか…室内のシーンなどは現場が灼熱地獄だったらしい。
それだけでなく、あまりにも照明が明るいため、役者さんが目を傷めてしまったという。
これは主役を演じた香川京子の回想。
香川京子って品があっていいよナァ。
『どん底』の時はものすごく可愛かった。『悪い奴ほどよく眠る』もすごくよかった。
昔の女優さんは洋の東西を問わず、実に「女優然」としていた。今のガラッパチの若い女優とは異なり、美しいだけでなくどこか威厳を感じさせたものだ。
ほとんどの役者さんが黒澤明にどやしつけられる中、彼女だけは一度も怒られることがなかったらしい。すごく可愛がられていたようだ。
脱線おわり。
  
さて、昔はこの中村川には無数の船が不法で係留されて川面が見えないほどだったんよ。いわゆる「水上のスラム街」を形成していたワケだが、今ではその姿をスッカリみなくなった。アレ、どこへ行っちゃったんだろう?
ほど近い真金町には金毘羅大鷲神社があって、子供の頃、一度親に連れられて酉の市に行ったことがあったが、大きな見世物小屋が設営されていて、至るところに傷痍軍人の方々が立っていた光景をすごくよく覚えている。
あの見世物小屋ってのがすごく衝撃的だった。
その時は入れてもらえず、後に浅草で一回だけ入ったことがあった。タコ女とか「何とか男」とか…やっぱり衝撃的だったな。
さて、また近くにはかつて「十全病院」という、今の横浜市立大学医学部付属病院の前身があった。
そこにはかつて「巨人病」という、ホルモンのバランスに支障をきたすことにより身体が際限なく肥大化してしまう患者がいて、病院の窓から足が飛び出していたという話を聞いたことがあった。
そんな、たけしの漫才じゃあるまいし、そんなことはよもやあるまいが、何せ子供の頃のことだったので実に驚いたものだ。
昔はのんびりしていて、まだ、医療器具が置きっぱなしになっていた建て壊し前の古い病院の設備に自由に出入りすることができ、叔父につれられて昼間の肝だめしに行ったことがあった。
どうして、東京生まれ&育ちの私がこのあたりの昔の話を知っているのかというと、母の実家がこの近くで、幼いころから何度も行き来していたからなの。

10_2ココの駅は構造上の理由なんだろうけど、いまだにホームと地上を結ぶエスカレーターあるいはエレベーターが設置されていない。

20v お隣の関内駅もそうなんだけど、こんなにホームが高いのに昇降機がない!
建造物の構造上の理由があるのかもしれないけど(あるようにはとても思えない階段の幅員)、かなり不親切だぜ。

30駅前の通り、昔は本当に何にもなかった。これでもかなりにぎやかになった方だ。
ま、この先に元町の商店街があるので、ここで商売しても立ち行かないんだろうね。

40ああ~、この二階、司城さんっていう耳鼻咽喉科があってしばらく通ったことがあったんだけど、なくなっちゃったね。

50_2駅を背中に大通りを渡る。
この通りは何ていうんだろう?
右手を見る…このトンネルを抜けるとそこは本牧だ。
私が大学生の頃までは、本牧はまるでアメリカの街のようだった。
かつてはアメリカ海軍の居留地があって、今でいう横田基地のようなものだが、街の雰囲気は今の福生どころではなかった。
便が悪く、バスで訪れるしか公共の交通手段はなかった。
バスの窓の外の光景はと言えば、ある地点から街の中の看板がすべて英語に変わり、完全に日本ではなくなってしまう。
私は当時アメリカに行ったことはなかったが、「コレがアメリカか~!」なんて錯覚してしまう雰囲気だった。
「日本で最古」といわれた「Lindy」なんてディスコもあったが今はどうなっただろう?
70_2
そして、横浜元町へ。
我々東の人間は「元町」といえば問答無用で横浜の元町を指すが、西の方々には神戸の「元町」ということになるだろう…と思いやって、ワザワザ「横浜」とつけてみたが、太古の昔は「横浜元町」が正式な地名だったらしい。
神戸の元町もいいな~。
大阪に住んでいた頃何度も訪れ、行く度に中古レコード屋でZappaのいいアイテムをゲットした。正確には「ガット」した思い出がある。

55こんなにカッコよくなっちゃって…。

60_2横浜の元町は、1859年に横浜港の開港によって退去した旧横浜村の住民が移住することによって始まった。
明治維新の頃には外国人向けの商店街としてすでに賑わいを見せていたそうだ。

80v_2して、後ろを振り返り、今歩いて来た石川町駅の方面を見る。
このガストのところには、昔はTOWER RECORDSがあったんだよ!
いきなりステーキのところはケンタッキーだった。

90_2チョット離れて中村川を渡り、中華街に向かって少し行った左側にジャズ喫茶の老舗「MINTON HOUSE」がある。
崎陽軒のCMに出てくるあのジャズ喫茶だ。
横浜には有名な「ちぐさ」を筆頭に良いジャズ喫茶がたくさんあってね、私は桜木町の「downbeat」が大好きだった。
大学の頃、ホンの短期間ではあるが、チョットした家の事情で本牧に住んでいたことがあって、やることがない時はほとんど一日downbeatで過ごしていた。アレでずいぶんジャズを覚えたし、のめり込んだ。
当然このMINTON HOUSEにも何回か来たが、全くの偶然なのだろうが、ナゼか私が行く時はPhineas Newborn Jr.とかStanly Cowellなんかのソロ・ピアノのレコードか、つまらないクロスオーバー(当時はまだ「フュージョン」という言葉は使われていなかった)のアルバムがかかっていtて、それが退屈でトンと行かなくなってしまった。
そこへ行くとdownbeatはかなりの硬派で、当時はJohn Coltraneの月命日である17日には開店から閉店まで丸一日Coltraneのレコードをかけるという荒業をやっていた。
『A Love Sureme』ぐらいだったらまだいいけど、『OM』とか『Expressions』あたりを一日聴かされたら身体悪くするぜ(『Ascension』なら大丈夫)。残念ながら私は17日に行ったことは一度もなかったが…。
ちなみに「MINTON HOUSE」という名前は、40年代ニューヨークのハーレムにあった「Minton's Playhouse」から採られたのであろう。
ハーレムのそれは、Charlie ChristianやDizzy Gillespieらが夜な夜な集まってジャム・セッションを繰り返した「ビ・バップ生誕の地」とされているジャズ史に名を残すクラブだ。

100もうだいぶ日も傾いて来たけど、久しぶりに元町をブラっとしてみよう!

110「久しぶりに」というのは、実はウチの家人も横浜出身で、今から37、38年前にはよく元町でデートしたもんなのよ。
毎年二月と九月に開催される「チャーミング・セール」にはよくつき合った。
調べてみると、このセール、1961年からやってるんだそうだよ。

120_2先述の通り、横浜は古くから外人が居住していたということで、「~発祥の地」が多いんだよね。
元町は「日本のパンの発祥地」とされていて、今でも営業している「ウチキ・ベーカリー」というパン屋さんがそれにあたる。
パンのチェーン店「ポンパドウル」も元町がスタート。「ポンパドール」じゃなくてこの大きい「ウ」がいいね。犬神サアカス團の「ア」みたいで…。
「アイスクリーム発祥の地」なんてのもこの辺りにあったと思う。

130元町UNION。
このスーパーは元来シップ・チャンドラーだった。
「シップ・チャンドラー」というのは、滅多に耳にしない言葉だが、港に停泊する船舶に、食料品や日用品、船具や船舶機械を販売する業者を指す。日本語では「船舶納入業者」という。
で、このユニオンはそうした外国船舶との関係に優位性を見出し1958年、当初は外国人向けスーパーとして流通業に参入した。
シップチャンドラーとしての立場を利用した品揃えは多彩で、来店する外国人客の要望に応じて当時日本には無かった商品を次々と仕入れて流通させた。
どんなものかというと、野菜だったらズッキーニや、マッシュルーム。
お菓子だったらチョコレート。
調味料ならマヨネーズやスパイス。さらにウイスキーやバーボンの酒類も扱った。
それらは当時、ユニオンでしか手に入らない品々で、その評判が広まり、次第に日本人もそれらの品を買いに来るようになったという。
ね~、コレ1958年の話だからね。昭和で言えば33年。
私はまだ生まれていないが、日本ってまだそんなだったんだよ。チョコレートもマヨネーズも普通には手に入らない世界の田舎国だった(今でも結構そう思うことが多い。経済を別にすれば、西欧基準に立脚した場合、残念ながら日本はまだ世界の三流国だと思う)。
そのたった13年前までアメリカとケンカしていたんだから恐れ入谷の鬼子母神。
最も日本が戦争に負けないで、あるいは、生活がアメリカナイズされず独自の道を歩み続けてチョコレートもマヨネーズも不要で、アンコと酢味噌で十分やって行かれたのかも知れんよ。間違いなくそっちのほうが身体によかったハズだ。
ココの緑色のロゴの紙袋が高級感があってカッコいいんだよね。
現在は京急傘下となっているようだ。

140「ハマトラ」なんて今の若い人は知らないでしょうナァ。
「My Way」ばっかり有名だけど「Nice Work if you can Get it」の方がゼンゼン好きだナァ~…そりゃ「シナトラ」だ!
「テリマカシ~!」…それは「スマトラ」!
私、生まれも育ちも…「フーテンの寅」ってか?ゼンゼン違うじゃねーか!
「ヨコハマ・トラディショナル」…だよね?
流行しだした神戸の「ニュートラ」に対抗して70年代後半から流行りだしたファッション。
フーン、コレはフェリスの女学生が着用することをイメージしたファッションだったのか。
スゲェな、フェリスは。行きたかったな~。イヤ、親子面接でダメだな。あ、それ以前に私は男だった!
そのファッションの特徴はミハマの靴、キタムラのバッグ等、元町のブランドを身に着けることだった。
そして、その極め付けがこのフクゾー。
こんなブームがあったからフクゾーは誰にでも知られるブランドになったけど、ウチも家内の実家もその前からおなじみだった。
私はもちろんなんの興味もないのでまったく詳しくないが、家内曰く、モノがいいのでとにかく長持ちする…のだそうだ。
確かに彼女は40年近く前に買ったレインコートをいまだに着用している。
でも、何といってもスゴイのは、一世を風靡したファッション・ブランドながら、1946年(昭和21年)に開業して以来、店舗はこの本店と横浜のそごうの中の二店でしか展開していないということだ。そごうが開店する前はこの本店だけだった。
さすがに今では通販は取り扱っているらしいが、スゲエ自信だよね。カッコいいよ!

150v1924年創業の老舗洋菓子店、喜久屋。

160ココの名物(かな?)は左のジャム・ターツと右のアーモンド・ビスケット。
「ターツ」ってのは「タルト」のことだよね。パイ生地にジャムを挟んでペッチャンコにしてザラメをかけたシンプルなお菓子。
コレがおいしい。
アーモンド・ビスケットはスライスしたアーモンドがメッチャ硬いビスケットに乗っているだけという、これまたシンプルなアイテム。コレもおいしい。
喜久屋はフクゾーと異なり、支店展開をしているので、昔はそこらでよく買って食べた。
しかし…コレ、昔に比べてだいぶ小さくなった感じがするナァ。以前は包装もペッラペラの透明無地のセロハンに包まっているだけだったんよ。

Jt

Ab_2大分暗くなってクリスマスの飾りつけのイルミネーションが映える時間になってきた…のはいいけど、人いね~!ガランガランだよ。
浅草よりヒデェな~。
土日の観光客だけを相手に商売をせざるを得ないんだろうな~。
昔は元町も伊勢佐木町もものすごい賑わいだったけどナァ。

165それでも、元町らしくシャレた飾りつけはサスガだ。

166華やかな商店街を抜けたところにあるのがこの元町プラザ。
店の名前はスッカリ忘れてしまったが、37年前にはこの中に中古レコード屋があったんだよ。

170_2その向かいがコレ。
ああ~なつかしい。

180_2クレープ屋のドン。
もう40年ぐらいはやっていることになる。

190オジちゃんも昔のまま…でもないか。人のことは言えないけどお年を召されましたな~。
「37、38年前からきているんですよ!」とオジちゃんに告げたところ、昔からあんまり愛想のいい方ではなかったが、うれしそうにしていた。
そこで少し話かけてみた。
「もう長年やっていらして、この(クレープを焼く丸い)鉄板、すり減って何回も交換してるんじゃないですか~?」…田原町の焼きそば屋を思い出しちゃってサ。死んだウチの父はあの焼きそばが鉱物で、「鉄板から削れた砂鉄が入っているからここの焼きそばはウマいんだよ!」と物騒な冗談をよく言っていた。
さて、オジさん、「イヤイヤ、鉄板はすり減ることはないんですが、やっぱり電気系統はダメになってしまうのでヒーターは何回も取り換えましたね」
フムフム…してみるに、アレからオジちゃんはクレープを一体累計で何枚焼いたことだろう?
皆目見当もつかないが、一日50枚焼いたとして、週六日、それを38年続けると…547,200枚!?
土日は平日の何倍も忙しいので、実際はもっと大きな数字になるだろう。
アレから一人で55万枚以上ものクレープの記事を焼いたってのかよ!
Marshall Blogの1,000回なんて屁でもないな。
そして、私が知っている子供の頃の元町のことについて触れると、チョット寂しそうに「元町もずいぶん変わりましたよ…」
「元町」なのに元の通りではない…とはコレいかに。
オジちゃんの視線はす向かいのコンビニエンス・ストアに向けられていた。元町も今ではどこでも見かけるチェーンストアばかりになってしまったのだ。
オジちゃん曰く、「昔、元町には元町にしかないものしかなかった。もうここは『元町』じゃありませんよ」…ア、ここジーンとくるところです。
200元町散歩を終わって中華街へ。
一番山下公園側にある老舗は「北京飯店」。
実は母方の叔父が長年にわたってココで料理長を務めていた。
その関係で、私はこのエリアの中華料理店はほとんどココしか知らない。
220_2
そんな関係で、北京飯店はジム・マーシャルが来店した中華料理店になった。
まだ楽器フェアを横浜でやっていた頃来日したジムを囲んでココの二階で会食をしたのだ。
ジムはチャイニーズが好きだったからね。
この時のことをココに記してあるので、未読の方はお時間がある時にゼヒご覧頂きたい。
  ↓      ↓      ↓
ありがとうジム・マーシャル!<中編>~I Remember Jim! 2

北京飯店は反対側に支店もあったんだけど、ものすごく前に火事になり閉店してしまった。

210アッラ~、この丸い建物は以前はHoliday Innだったんだよ。
大学の時にダンス板を敷くアルバイトに来たっけナァ。

230ネオンは派手だけど、中華街も寂しいな~。
平日はこんなもんか?昔はもっとにぎやかだったけどな~。

240ドワ~、中華街の真ん中に「すしざんまい」!
どういうマーケティング・リサーチの仕方をして進出をキメたんだろう。マジで知りたいナァ。
結構お客さん入ってるんだよ。

250_2横道に入るとこんな居酒屋も!
そうか、地元の人とか、中華料理店で働く人とか、観光客以外を狙っているのか?
まさか中華街へきて「神田」はないもんな~。

260_2さて、元町&中華街散策はコレにて終了。
仕事、仕事!
今日、横浜に来たのは『EDGE OF STRINGS II』というイベントの取材のためなのだ。
「ギターという楽器のカッコよさを見直そうよ!」的な願ったり叶ったりの企画の第二回目。
出演がD_DriveにStrange, Beautiful and Loud、そしてCONCERTO MOON他のインスト・バージョンという夢とも爆音の悪夢とも言えそうなゴージャスなイベント!
今日から三本立てでレポートしちゃうのだ。

270ステージはこんな感じだもん。Marshallだらけ。うれしい~です。
クレープ屋のオジちゃんにも見せてやりたかったナァ。「元町は変わってもMarshallが変わりません!」って。

275一番手はおなじみStrange, Beautiful and Loud!
いきなりギターのカッコよさ満開!

280三宅庸介

290v山本征史

300v金光健司

310v横浜でも三宅さんはMarshall。
JVM210Hと1960Bだ。

320征史さんもいつもの1992 SUPER BASSと愛用のキャビネット。

330v一曲目は「bloom」か…。
最近の三宅さん、この曲は昔よりテンポを落として演奏しているように思うのだがどうだろう?

340征史さんのソロ。
SUPER BASSとプレシジョンのコンビネーションがクリエイトするこの独特のサウンドがいいんだな~。
360
それを受けて三宅さんのソロが炸裂。
こうしたミドル・テンポのワルツは三宅さんのプレイング・スタイルがよく乗る。

350vそして金光さんの「モノ言うドラム」がガッチリと支え上げる。

370vこれがまさにStranege, Beautiful and Loudのあるべき図式なんだけど、なんか雰囲気がいつもと違う。
イベントという「くくり」とことと横浜という「現場」のせいだな。
横浜の三宅さんは初めてかな?…と思いついて、考えてみたらだいぶ前に令文さんやジーノ・ロートなんかと新横浜で一杯やったことがあったな~。
アレ、何の時だったけかな?
帰りにヒドイ目にあったのは覚えている。
あんまり楽しくて長居してしまい、終電を逃してしまった。「コレ、タクシー代ヤバいな」…と思ったら国鉄のダイヤが乱れていて、うまい具合に東神奈川でその日最後の京浜東北線をキャッチすることができた。
「お~、まさにCatch Your Train!アレは兄貴の方か…」なんて電車に飛び乗った。
安心していたのもつかの間、どうにもこうにもトイレに行きたくなっちゃて…こういう話は定番ですな。
普段だったら次の駅で降りでトイレに駆け込むところなんだけど、終電だからそうもいかない。
降りたら最後、そこから先はタクシーだ。
ってんで、これから支払わなければならないであろうタクシー代を何とか少しでも抑えようと、肉体の限界に挑戦した。
電車の中には誰も乗っていなかったのでどれだけズルしちゃおうかな…と思ったけど、さすがにそれもできん。
結果、田町まで我慢した。膀胱に小水がたまっちった…なんて言ってられない!
田町の駅員さんが「終電ですよ!降りちゃっていいんですか!」なんて注意してくれたが、そんなことはわかっとる!
まぁ、あの時の足の速さならボルトに勝てたな…。そして、解放。
結局、その後大枚はたいて家までタクシーで帰ったとさ…。
三宅さん、ご熱演中にこんな話をすみません。でも、あの時のイッパイは楽しかった。

380そのまま「murt'n akush(マラケシュ)」へ。

390vナチュラルな5/4拍子のリフに乗って繰り広げられる熱砂の物語。

400MCをはさんで「devil」。

420三宅さんのレパートリーでは新しい部類で、まだ正式にレコーディングされていない曲だが、ステージではよく演奏されているので、もはや咀嚼しきった円熟した演奏が楽しめる。
410v
「Marshallでストラトキャスターを鳴らす」という三宅さんのこだわりのテーマの課題曲のひとつ。

430それだけに音楽と楽器の関係を熟慮した作品であり、また、演奏もテーマに見合った白熱したものになるのが常だ。

440vバラエティに富んだ出演者、すなわち色々ギターが楽しめるこのイベント、初めて三宅さんの音楽を聴いた人たちはどう思うのかな~。
いつも同じようなことを書いているけど、リスナーの皆さんもこうした機会を利用して幅広い音楽を聴いてもらいたいと思う。
そういう意味でもEDGE OF STRINGSはとてもいい企画だ。

450このイベントは石巻を皮切りに大宮から関西を回り、この横浜を経て二日後の下北沢で閉幕するという旅程だった。
Strange, Beautiful and Loudは大阪、神戸、京都と今回の登板だったため、この日が最後の参加となった。
三宅さんは楽屋にいる他の出演者に聞こえるように「ありがとう!」とお礼を伝え出番の最後のセクションに移った。
460v
曲はSBLのテーマ曲的存在の「if」。

470寸分の狂いもなく三つの歯車がギリギリと回り、独特のノリをクリエイトする。
歯車のひとつ、イヤ、歯のひとつが欠けてもこの音楽は成立しない!
そんな三人が一丸となったパフォーマンスが聴けるのが「if」だ。

480そして、もう一曲は三宅さんが愛奏曲のひとつに挙げる「petal」。
「petal」とは「花びら」のこと。
三宅さんの愛花、ハス(Lotus)の白く、美しく、そして気高い花びらをイメージして作曲したのだろう。

490あ曲は可憐な花びらとは異なる重厚なものだ。

500この曲って、ワン・コーラス(っていえばいいのかな?)終わった後に大きなギターのピック・アップ・ソロがあるんだけど、コレってなかなか出ないアイデアだと思うな。
このアイデアがこの曲全体に強力なドラマ性をもたらすんだな。
三宅さんの愛奏曲とだけあって、もう何十回と生の演奏を聴いてきたが、鑑賞の仕方によっていくらでも新しい発見ができるのが三宅さんの曲だ。

S41a0036 ギターの魅力をアッピールするイベントのオープナーにふさわしい三人の激演だった!

510v<お知らせ>
最近まで入手が困難だったStrange, Beautiful and Loudの二枚のアルバムが再発売されている。言い方は悪いけど、手に入れやすいうちにゲットした方がいいですよ。
凡百のロックとはことなる音楽性とMarshallにより至高のギター・サウンドをお楽しみあれ!

★Lotus and Visceral Songs
9_lvs  
★Orchestral Supreme

9_os 三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange,Beautiful and Loud

520v<中編>につづく

(一部敬称略 2016年11月22日 横浜F.A.D.にて撮影)

2017年1月10日 (火)

BARAKA 単独公演

2017年の最初のライブ・レポートはBARAKA。
今年結成20周年を迎えるベテランのプログレッシブ・ロック・トリオ。
Marshall Blogには久しぶりの登場となる。
11月に開催されたワンマン・コンサートのもようだ。
さて、正月早々申し訳ないのだが、早速一席ぶらせて頂きたい。
「またかよ~」とお思いになることを承知で書くが、それは「ワンマン」という言葉。
「『ツーマン』、『スリーマン』は止めてください!」と泣いて頼んでいるにもかかわらず、ほんのごく一部の人しか「ダブル・ヘッドライナー」とか「トリプル・ヘッドライナー」に改まらないのはとても悲しい…どころか段々こっちも意地になってきた!
今年も記事の中で何回も触れることになるだろう。
一方、「出演者が単独のコンサート」のことを我々は「ワンマン・コンサート」と平気で呼んでいるが、これも英語圏の人にはおかしい…というか、言葉の意味が違うというのだ。
コレは以前にも書いたことなのだが、英語圏の人々にとって「One-man concert」というと、バンドの中のメンバーの一人が独立してギター一本で弾き語るコンサート…というイメージが強いらしい。
しからば、「ダブル・ヘッドライナー」や「ダブル・ヘッダー」よろしく、「出演者単独のコンサート」のことを連中は何と呼んでいるか…。
調べてみると、どうも特定の言葉はないようで、「a live performance without any supporting acts」とか言うらしい。
コレじゃ「言葉」ではなくて「説明」じゃんね。
「皆さん!いよいよア・ライブ・パフォーマンス・ウィズアウト・エニィ・サポーティング・アクツが決定しました!」、♪ドコドン、ジャーン!…なんてライブでやるのは無理だ。
「ねえねえ、あのバンドのア・ライブ・パフォーマンス・ウィズアウト・エニィ・サポーティング・アクツのチケット買えた?」なんてのもあり得ない。
ネイティブ・イングリッシュ・スピーカーが何というか、一緒になった時に毎回尋ねて調査をしてみるね。
恐らく、そもそもコンサートとかリサイタルなんていうのは、単独で演るものであって、わざわざ「ワンマン」なんて言葉を使う必要がないのではなかろうか?
「ベルリン・フィルハーモニック・オーケストラ・ワンマン・コンサート!」なんてはヘンだもんね。
それに昔はロック・バンドでも「ワンマン」なんて言わなかったような気がするよ。
何て言ったかな…「ピン」かな?
「ツーマン」は「対バンあり」って言ってたかな?絶対に「ツーマン」とは言っていなかった。
何だって正月早々、こんなことを書いたのかと言うと、今回のBARAKAはピンなのに、コンサートになんのタイトルもついていないのが逆に気になったからだ。
ライブハウスのスケジュールを見てもただ「BARAKA」としてあるだけで、「ワンマン」とも書いていないし、何ら修飾の語句が付されていない。
カッコいい~。気持ちいい~。
では私が代わりに言って差し上げましょう。
今日のレポートは、BARAKAのア・ライブ・パフォーマンス・ウィズアウト・エニィ・サポーティング・アクツだ!

10ベース&ボーカルズの依知川伸一(SHIN ICHIKAWA)。
もちろん「ボーカルズ」と複数形にしているところにも注目して欲しい。今年はコレを貫く(和重さん、ありがとう!)。

60

依知川さんはEDEN。

70

ヘッドは長年愛用しているWT-800。
キャビネットはD410XLTの旧タイプ。

80v
足元のようす。
90
ギターは高見一生(ISSEi TAKAMI)。

20v一生さんはMarshall。

30v1987Xと1960AX。

40v足元のようす。
このドバッと広がったセッティングがトレードマーク。

50ドラムは平石正樹(MAX HIRAISHI)。

100vオープニングは「Butterfly」。
1999年のファースト・アルバム、2003年の5枚目のアルバム、2008年のマキシ・シングル、さらに2012年の10枚目のアルバム並びにシングル配信と、何度も生まれ変わっては世に問われてきた。

110_bfドラムのフロント・ヘッドも「蝶」だ。
BARAKAにとって大切なイメージ・アイテムなのね?
しかし、なんで「バターのハエ」で「蝶」なんだろうね?「バターのイヌ」なら知ってるけど。
butterflyの語源を調べたんだけど、何パターンもの説があったので今回は触れないでおく。
120昔は歌が入っていたが、現在は7/4拍子のメロディをメインテーマに据えたインストゥルメンタル・ナンバーとなっている。

130v時間を追うごとにコロコロと変わっていく光景。

140vBARAKAの音楽を象徴するかのようなショウ・ケース的な一編で幕を開けた。

150続いては一生さんのヘヴィなリフとやや不思議なメロディがカッコいい「19-16」。
このタイトルはどういう意味なんだろう?まさか引き算で答えは「3」?

160v_19これまたムチャとも思えるスリリングな場面展開!目をつぶって針の穴に一発で糸を通すような演奏。
こういうのはいいナァ~。
日本はKing Crimsonの『宮殿』が今でも世界一売れるプログレ大国なのにこういう音楽を演るバンドが少なすぎるよナァ。
その点、BARAKAはありがたい。

170大英帝国の芳香漂うハード・ロックだけでなく、こうしたプログレッシブ・ロックも絶滅していくんだろうナァ。
若い人たちがこういう音楽を聴くワケがないもん。イヤ、聴くチャンスがないといったほうが適切か…。
冷や水をブッかけるようなことを書いて申し訳ないけど、先人の偉大な遺産をもっと大切にするべきだと思うけどね。(ああ、今年もまたコレか…)

180もう1曲続けて「Reflected Waves」。

180_rwBARAKAのシャッフル。
一生さん独特のフレーズがハードに飛び交う!

190v_2もちろん曲は素直に進むワケがなく、11/4(かな?)拍子の一生さんのカッティングからアクロバティックなパートに突入する。

9_s41a0173 そして、そのままスペイシーなワルツ、「Plung from the Darkness」へとつなげられる。
2010年の9枚目のアルバム『Inner Resonance』と同じ構成だ。

200_pfd「今3曲演ったんだけど、曲の切れ目がわかりましたか?」と依知川さん。
インストゥルメンタルで情景を表すことに取り組んでいる…と、BARAKAの音楽を説明し、昨年が19年目の活動であったことに触れた。

210v続いては、The Beatlesの大メドレー。

220BARAKAがビートルズとQueenのカバー・アルバムをリリースしていることは以前Marshall Blogで紹介した。
また、依知川さんが出演してくれたMarshall GALAでも触れた。
これが2013年に発表したそのビートルズのカバー・アルバム

230cdアルバムには14曲が収められているが、今日はその中から6曲を取り上げた。
まずは「Can't Buy me Love」。
この曲のタイトルってヘンだと思わなかった?訳では「愛はお金で買えない」となっていて、何となく英文からも意味がわかるんだけど、シックリいかない。主語は一体なんだ?となるハズ。
で、歌を聴いていると「Money」が主語だということがわかる。
すると文章としては「お金は私に愛を買い与えることができない」、すわなち「愛はお金で買えない」ということになるんだけど、イントロもなしにいきなり主語を省略したこんな歌詞が来るところなんか、当時すごく新鮮だったんじゃないかね~…なんて思うのよ。
ビートルズってその時代の背景も含めて色んなことを知って聴くと、そのおもしろさは留まるところを知らないんだよね。
さて、BARAKAの「Can't Buy me Love」…もちろん、原型は一旦破壊されている。
そして、三人の手によって新たに再構築されている。
「I Feel Fine」から始まる依知川さんのベースが唸るヘヴィ編だ。

240v続いては「Love me do」…って、どこかじゃい?みたいなアダルトな仕上がり。コレは結構「原曲当てクイズ」に使えるだろう。
「原曲当てクイズ」の「イントロドン」だったら正解者はまず一人も出まい。

250さらに「Norwegian Wood」、「Something」、「Day Tripper」、「She's a Woman」とカマしてくれた。

260すべてDNAはビートルズなれど、血肉はBARAKAというダイナミックなアレンジで完全にビートルズとは別の音楽として楽しむことができる。

270
私の手元に『Beatle Vibrations ビートルズのフォロワーたち(音楽之友社)』という、ビートルズのフォロワーやカバー・バージョンを山ほど紹介している1998年発刊のムックがある。
ま、この手の本はいくらでもあるんだろうけど、タイミングが合えばこの本にもBARAKAのアルバムが掲載されていたろうにナァ…というぐらいBARAKAのカバー集は立派な出来だ。
興味のある人は『THE BARAKA』、ゼヒどうぞ。

9_img_32372 ココで依知川さんから重大発表!
今年がBARAKAの20周年に当たることは先に触れたが、それを記念して11月2日に大コンサートを開催することをアナウンスしたのだ。
会場は東京フォーラムのCホール。キャパは1,500人!
スゴイね、BARAKA。
20年のキャリアと音楽的蓄積をそこで一気に爆発させてくれることであろう。楽しみだ!

280次の曲は依知川さんのベース・ソロから…

290依知川さんは決して派手にバカチコバカチコやることはない。
ごくオーソドックスな手法でこの「ベース」という低音楽器の深淵な魅力を伝えてくれる。
もちろん、そのプレイを支えるEDENのトーンは依知川さんのプレイに不可欠だ。

300vそして、そのまま「Let me in」へ。
開演前にセットリストを拝見したとき、「え、Rick Derringer?」とチト驚いたが、そんなワケはないね。
一生さんはギターをセミアコに持ち替えて渋めのバッキングに回る。
330v_at
依知川さんのボーカル。
広い声域が実現する豊かな表現力が日本人離れしている。
330v
しかし、この曲、依知川さんだけでなく、エラク日本人離れしてるな~。
それは歌詞が英語ということでは決してないのよ。
海外での演奏活動も盛んなBARAKAの特徴的な曲ともいえるのではなかろうか。

320vそして、2012年のベスト・アルバムのタイトルにもなっている「Atlantic」。
このあたりは今までのハードなパフォーマンスがウソだったかのような幻想的で静謐な世界を綴りあげた。
こんなBARAKAもまた佳き哉。

9_s41a0259 一生さんのMC。メンバーを紹介したんだけど、なんとも言えない、そして誰にもマネできない独特なトークなんだよね。
一生さんもおっしゃっていたが、依知川さんのお名前って「回文」ならぬ、「回名」になっているんだよね。私もGALAの書類を作っているときに気が付いた。
だって、「イチカワシンイチ…カワシンイチ…カワシンイチ…カワシンイチ…カワシンイチ…」と永久に続けられるんだぜ!スゴくない?
それにしても、こんなシリアスな音楽を演っているのにこのMC!この一生さんが作り出す落差もBARAKAのコンサートの楽しみのひとつ、間違いない。

340v本編最後の曲は大作「Bharmad」。

350v_bhmもうコレはガッツリBARAKAワールド。
変拍子を織り交ぜながらグルグルと情景が変わっていくサマは愉快痛快!

360vしかも余裕シャクシャク!
それにしてもこのバンドは毛の量がスゴイなぁ。ま、依知川さんは別格としても、みんなフッサフサでうらやましい。
405v
ドラム・ソロでMAXさんを大フィーチュア!

380
パワフルでストレートなプレイが圧巻!

370白熱のドラム・ソロを受けてさらにエキサイティングなアンサンブルで後半を奏で上げた。
いいね~、やっぱりこういうロックは!
このバンドはいわゆる「プログレッシブ・ロック」を標榜しているんだけど、やれジャズっぽいとか、やれクラシックの要素だとかいうことは一切ない。
ロックなんだよね。生一本のロック。
そこがまたとても気持ちいいところなのだ。

390アンコールまでの間にCM。
コレもGALAで紹介したけど、BARAKAのカバー・アルバムシリーズ、Queen編の『A Night at the Open』もおもしろいよ!
こちらも完全にやりたい放題のおもちゃ箱状態だ!

Qo
そこでアンコールはQueenの「Tie Your Mother Down」。
ボーカルが入るのは「♪Tie your mother down」のとこだけね。

400_tymdさらに続けたのは「Palm Tree of the Maldives」。
軽快な曲調にノ~リノリ。
そしてもう何でもアリ!

410「見て、見て!」と依知川さん。
依知川さんの指さす方に目をやると…

420_ptおお~!あんなところに一生さん!

430二階席からこんにちは!

440その場でソロをキメて…

450vおかえりなさ~い!
ホント、こうしたアクションとは縁遠い音楽のハズなんだけど…イヤ、コレでいいのだ!

460…と色んな要素がゴッチャ混ぜになった楽しいコンサートでした~!
20周年おめでとうございます!
今年も日本のプログレッシブ・ロックをよろしくお願いします。
そして、11月のフォーラム、楽しみにしていま~す!

470_3BARAKAの詳しい情報はコチラ⇒BARAKA offcial website

480(一部敬称略 2016年11月11日 渋谷 Mt. RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて撮影)

2017年1月 6日 (金)

こんにちは2017、今年もよろしくお願いします!

明けましておめでとうございます
   
Marshallファミリーの皆様におかれましては、良いお年をお迎えになられましたこととお慶び申し上げます。
本日より2017年のMarshall Blogをスタートします。
今年も毎日更新を励行する所存ですので相変わらずのご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。
内容にさしたる変化はないでしょう。まったくの「相変わらず」で…コレしかできないんです。
ムリして抱負めいたことを言うのであれば、開店休業中となっている英語版に手をつけていきたいと思ってることぐらいかな…おかげさまで海外の読者も増えてきているようですので。
「毎日の更新だけでもヘロヘロになっているのに英語版なんかできっこないだろ!」って?
私もそう思いますわ。
「それなら言うんじゃない!」って?
ダイジョブ、ダイジョブ…英語でマーブロを読むような人は今コレを読んでないから!
とにかく今年もワガママなコンテンツにどうでもいい脱線話をタップリとブチ込んで元気よくやるつもりです!  
さて、今日はウォーミング・アップということで脱線で固めることにするよ。
   
2017年は平成29年。
「2」と「9」をひっくり返すと昭和になる。
つまり、今年は「昭和92年」…私なんか昭和37年生まれだからね。ずいぶん遠いところまで来たよ。あと8年すると「昭和100年」!
そして、年末にチョット触れた干支。
今年の干支はなんじゃんろな?
2017年は、十干の4番目の「丁」、十二支の10番目の「酉」を組み合わせた『丁酉』。
コレで「ひのととり」と読む。

さて、この「丁酉」、陰陽五行説では「相克(そうこく)」の関係になる。
人間椅子に「相剋の家(「克」にりっとうがついていても意味・読みが同じ)」という曲があったけど、「相克」とは、対立・矛盾する二つのものが互いに相手に勝とうと争うことで、決して穏やかな状態ではない。
反対の「相生(そうじょう)」はすべてがうまくいっちゃう。「相性がいい」の「相性」という言葉はコレからきている。
今年は残念ながら「相克」だ。
また、コレも年末の記事で触れたことだが、「酉」は革命の年で、世の中に大きな変化が現れると太古の昔から言われている。
政治の局面では思い当たる節が色々と「あるある」じゃない?
おお~っと、コレ以上は言わねぇぜ!麻風呂では政治の話はご法度でい!
とにかく何がしかの変化があるにしても、いい方に転んでもらいたいものだ。
  
…と、今年の雰囲気がわかったところで次の脱線。
ア、今日は最初に書いた通り全部脱線ですから。
この記事を書くに当たって、「2017年か…。二度とやってこないからな…干支の話題以外にナンカないかな…2017、2017」…と考えているウチにフト気が付いた。
「2017」は素数じゃないの?…と思ったら大当たり!306番目の素数。
最近で素数の年といえば2011年があった。
そして、この2017年が来て、次は2027年まで間が空く。
だから何だ?といわれれば、何でもありません。
この他にも三角数とか巡回数とか「2017」という数にまつわる興味深い数学的な話題があるんだけど、長くなるし、ヘタな説明でボロが出てもナンなので触れないでおくことにした。
    
最後に音楽的な話題で2017年のMarshall Blog1回目を締めくくることにしよう。
10年前にどんな音楽、あるいはロックがもてはやされていたかを調べてみた。
2007年、つい最近だ。
売り上げということで活躍していた国内のトップ3は倖田來未、浜崎あゆみ、Mr.Childrenだって。
洋楽ではArctic Monkeys、My Chemical Romance、Norah Jonesが活躍していたようだ。
映画では『ノーカントリー』という作品がアカデミー作品賞を獲っているようだけど、聞いたことないわ。
この年のオリコンの年間チャート第一はコレだったそうな。
王様のモノマネがおもしろかったな。

2007_2  

もう10年さかのぼって1997年。
同じ調子でいくと、御三家はGLAY、globe、Mr.Childrenとなる。
ミスチルってのはスゴイね。10年持ちこたえたんだ。今も人気あるもんね。こんな人気の続いているバンド形態の歌手は珍しいんじゃない?後はサザンがいるか。
洋楽では、Mariah Carey、Boys II Men、OASIS、Jon Bon Jovi、U2、Mr.Big、Jamiroquai、なんて名前が散見される。
アカデミー作品賞は『タイタニック』。
同じようにこの年のオリコンの年間チャートをチェックすると安室ちゃんがNo.1だった。
この長っ細いCDシングルのジャケットも懐かしいんじゃないの?
ちなみに世界で最初のCDシングルはFrank Zappaの「Peaches en Regalia」とされている。

1997   

さらに10年さかのぼって1987年。
私が今のMarshall Blogのアシスタントと結婚した年。今年で結婚30周年だよ!真珠婚式か…30年なんて本当にアッという間だった。
さて、この頃になるとだいぶ身近な名前が出てくる。
中森明菜、安全地帯、荻野目洋子だもん。
特筆すべきはオリコンの年間チャートの第1位は瀬川瑛子の「命くれない」、そして3位が吉幾三の「雪國」ということ。
演歌が盛んだった時代に戻るには30年もさかのぼらなければならない!
この頃はスーツ着てネクタイ絞めて普通のサラリーマンをやっていた。
まだまだ景気が良い時代で、一杯飲みに出ると必ず何軒かスナックを梯子をしてカラオケ。
コレが苦痛でしてネェ。
当時はまだ麻雀がサラリーマンの必須科目だった。私はまったくやらなかったけど。
「どうせコイツは麻雀よりギターの方がいいんだよ」なんて言われたこともあったけど、そんなの当たり前じゃねーか!
洋楽ではThe Bangles、Heart、Whitney Houston、Whitesnake、Bon Joviらの鼻息が荒かった。
私はまったく興味なかったな…やっぱり80年代はどこを切っても私には「暗黒時代」なのだ…それ以降もずっと「暗黒」だけど。
アカデミー作品賞は『ラスト・エンペラー』。
いいナァ~、ドーナツ盤。CDが普及しだしてまだ3年かそこらの時代。
あれほど「音がいい!」とCDを崇め奉っていたヤツら…まさか今のレコード・ブームに加担しているんじゃねーだろーな!許さんぞ!(私は昔から両刀使いです)

1987  

まだ行くよ!
1977年だ~!
さすがに40年もさかのぼると実にいい感じだ。
ピンクレディーに清水健太郎に百恵ちゃんだもん。日本レコード大賞はジュリーの「勝手にしやがれ」だからね。まだ「レコード大賞」にも意味があった時代だ。
洋楽では何といってもFleetwood Macの『Rumours』でしょうナァ。Eaglesの『Hotel California』、Stevie Wonderの『Songs in the Key of Life』がリリースされ、Bostonがデビューした。
Bostonはスゴかったナァ。秋葉原の石丸電気のレコード館2階の洋楽売り場があの円盤だらけになってた。あの頃は洋楽のPRに経費を突っ込んでも十分に元が取れたんだろうね。
『噂』ねぇ。コレはいくらヘソ曲がりな私でも「名盤」と言わざるを得ないだろうナァ。イヤ、大好きです。捨て曲なしの超名盤!私はChristine McVieの声がとても好きなのです。
もっともコレが出たときはハードロックに狂ってて全く聴かなかったけどね。
アカデミー作品賞は『アニー・ホール』だって。アタシャ、ウディ・アレンが苦手なもんでいまだに観たことないわ。
この年のNo.1は「渚のシンドバッド」。名曲だ。そもそもタイトルからして素晴らしい。
またこの頃みたいにキチンと音楽を勉強した職業作曲家が流行歌を作る時代に戻るといいと思っているのは今年も同じ。
ところでコレ、B面は「パパイヤ軍団」っていう曲だったの?どんな?

1977   
まだまだ行くぞ~、1967年。
私は幼稚園生だったけど、レコード大賞を獲得した「ブルー・シャトウ」が大流行していたのがわかったな。「♪森トンカツ、泉ニンニク、か~コンニャク、まれ天丼」のせいかな?誰だ。こんなの考えたの?今は流行歌がないので、こんな替え歌もでてこないね。
せいぜい「アッポーペン」をアレンジするぐらいか?
この時代は裕次郎だとか水原弘、伊東ゆかりの時代ね。
そして、日本のロックの礎の一部ともいえるGSの人気がすごかった。「失神ショー」なんてね。
そんな日本の音楽界を尻目に海外では何が起こっていたのかというと…ビートルズが『サージェント・ペパーズ』を発表。
大二さんのお話によると、コレですべてが変わってしまったという。
この時期のロックの創造力たるやモノスゴくて、1967年は『サージェント・ペパーズ』を筆頭に、後に名盤と呼ばれるアルバムが続々と登場している。
ツラっと挙げてみると…
Are You Experienced? / Jimi Hendrix
Axis:Bold as Love / Jimi Hendrix
Surerealistic Pillow / Jefferson Airplane
Disraeli Gears / Cream(このアルバムのタイトルの意味はかつてどこかに書いたね)
Vanilla Fudge / Vanilla Fudge
Mr. Fantasy / Traffic
The Velvet Underground / Velvet Underground & Nico
Groovin' / Rascals
The Satanic Majesties The Rolling Stones
私的には、We're Only in it for the Money / The Mothers of Inventionも入れてしまえ!
そして、この翌年の1968年には『Led Zepplin I』やJeff Beck Groupの『Truth』が出て一気にハードロックが力をつけてくる。
まさにこのあたりを境にロックが思いっきり自己表現の場を広げていったんだね~。
Marshallがそのムーブメントに大活躍したことはココに書くまでもないでしょう。
今から50年も前のお話。
このあたりのことは実際にこの時代を体験されている岡井大二さんにお話を伺った。
近々そのインタビューを掲載する予定にしているのでお楽しみに!
この年のアカデミー作品賞は『夜の大捜査線』か…ロッド・スタイガー、メッチャよかったよね~。ちなみにこの映画の音楽はQuincy Jonesだ。
コレ、原題が『In the Heat of the Night』といってね、全然関係ない邦題をつけるもんだから、アメリカ人と話をした時に通じなくてエライ苦労したんだぜ。
ちなみにこのブルー・コメッツの方々はジャズメンなんだよね、確か?

1967  

さて、これで最後。
60年さかのぼってみよう。私は生まれていないし、MarshallもJTM45を発表する5年も前の話だ。
ラーメンが40円だったって。
コレも昨年書いたけど、ラーメンってのは昔は生活が苦しい時の食べ物だったんだよ。
「月末でお金がないから今日もラーメンで我慢するか…」みたいな。だからこそいつもラーメンを食べている小池さんが奇異に映るワケ。
今、毎日ラーメンを食べている人なんて幸せ者扱いじゃん?
ラーメンはもはやグルメ・メニューだもんね。
そして、この50~60年で最も社会的地位が上がったモノは「ラーメン」かも知れないよ。
1957年…ロックに関して言えば、プレスリーが「監獄ロック」のヒットを飛ばした年だって。
ともなるとロックもまだジュラ紀みたいなものなので、書いてもおもしろくないので個人的趣味でジャズの世界を見ておこう。
こういう時はMiles Davisの動向をみるとわかりやすい。
57年はPrestigeで『Walkin'』、Columbiaで『'Round Midnight』と『Miles Ahead』をリリースしたMiles激動の年だ。モード・ジャズ前夜。
この後、有名なマラソン・セッションの四部作がチマチマとリリースされたワケね。
ColtraneはPrestigeから初めてのリーダー・アルバムを出して、Blue Noteからは『Blue Train』を発表した。
一方Sonny Rollinsを見てみると、Blue Noteから『vol.1』と『vol.2』に『Newks Time』…ということはBlue Noteの型番が1500番台から4000番台になった年ということか。さらにContemporaryから『Way Our West』を発表してギンギンだった時代だ。
ちょっと個人的な趣味でMingusに目をやると『The Clown』を出している。このアルバムに収録されている「Haitian Fighting Siong」なんてのはハードロックの祖先だよ。
ジャズもいい時代だったんだな~。
もっともこの頃がアメリカの一番いい時代だったんだろうね。華々しい白人社会の裏では黒人に対して壮絶な人種差別をやっていた。
アカデミー作品賞は『戦場にかける橋』が受賞した。
歌謡曲では島倉千代子の「逢いたいなァあの人に」という曲だそうです。「知らないなァこの曲は」。

1957 せっかく名前が出たところで(自分で出したんだけど…)、上記のジャズの名盤のカッコいいジャケットを掲載して今日は終わり。

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Jc

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Cm


  
さて、2017年の音楽界はどうなる?

今年もMarshall、NATAL、EDEN、そしてMarshall Blogをお引き立てのほど何卒よろしくお願い申し上げます。
  

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