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2017年1月18日 (水)

四人囃子ニュー・アルバム発表記念 岡井大二スペシャル・インタビュー <vol.2>

昨日から岡井大二のインタビューつきで紹介している1月25日発売の四人囃子の新作『錯』。
「シンサクサク」というぐらいベテラン・ファンも初心者もサクサク聴けちゃうベスト盤。
四人囃子の世界には誰が入ってきてもいいし、誰でもそばにくれば、その素晴らしさを教えてくれる…そんなアルバムだ。

9_ 今日は2枚のCDのうち、『Studio Takes』を聴いてみよう。
鑑賞に当たっては、一昨日紹介したMarshall HEADHONESのBluetoothスピーカー、WOBURNに…

400 marantzのCDデッキをRCAで接続したセットを使用した。

Ncd_2

Bo『Studio Takes』の一曲目は、1978年の『包』収録の「Mongoloid-Trek」。
市ヶ谷の一口坂スタジオでのテスト・テイク。
いきなり脱線になってしまうが…いつも混んでる角ッコの小諸そばの交差点を降りて行った左側が一口坂スタジオだった。
私は、高崎晃さんが菅沼考三さんの『Convergence』というソロ・アルバムのレコーディングに客演した時、MarshallのJMD-1のお伴で丸一日お邪魔させて頂いたことがある。
その時、「あ~四人囃子もココでレコーディングしたのか!」と感慨にふけったのを覚えている。
レコーディングは昼頃から始まって、プレイバックをチェックする時以外、ほとんどスタジオから出てくることもなく、夜中までブっ続けで取り組んでいたにはビックリした。ものすごい集中力!(ベースはMASAKIさんだった)
その一口坂スタジオも5年前になくなってしまった。

さて、せっかくなので、このアルバムに託した大二さんの狙いにまんまと引っかかったことにして、「バンド名は知っているけど四人囃子の音楽を聴いたことがない人物」に成りきって聴いてみることにしよう。
  
ふ~ん、コレが四人囃子ってヤツか…まず普通にバンド名がいいんだよね~。でも普通に一回も曲を聴いたことがないからな…普通に楽しみだ。
ん~、ジャケットが普通にいいな~。
この曲は普通に歌がないな。四人囃子ってのは普通にインストのバンドだったのか?
なかなか普通に変わったメロディだな…普通にドラムがスゴイな。
ウワ!なんだこのキメ!普通にカッコいい!
なんだ、普通にメッチャかっこいいじゃねーの!もっと普通に聴いておけばよかったよ!
次の曲はナンダ?「カーニバルが普通にやってくるぞ」ってか?お、普通に歌入りだな?
  

Gpあ~、ダメだダメだ!ヤメヤメ!
今の若い人になったつもりでやってみたけど、満さんの「♪こわれかかった真っ赤な車に乗って」の声が聴こえた途端に顔が普通に浮かんじゃって!
とても四人囃子を初めて聴いている体の小芝居なんて普通にできない!…あ、「普通」が伝染っちゃった。
ということで「普通モード」に戻ることにする。(この「普通」は正しい使い方だ)
  

「円盤」みたいな言い回しになるが、佐藤満さんは2000年に開催した「マーシャル祭り」にご出演して頂いたことがあるのだ。
そう、この新しい四人囃子のベスト・アルバムは満さん時代のレパートリーから始まる。
ココからして今までの編集盤とは違う雰囲気満点。
『ゴールデン・ピクニックス』収録の「カーニバル」にしても満さんバージョンを持ってきたところがおもしろい。
この「カーニバル」と続く「ハレソラ」は1977年のFMの番組のスタジオ・ライブ。
アタマ3曲を満囃子で構成したのはものすごく新鮮な感じがするね。

Pjこうしたアンソロジー系のアルバムとなると、どうしても時系列を重視した曲順にすることが多いが、思いっきりタブーを破ったところがいかにも四人囃子らしくていい。
大二さんがよく口にする「エポック・メイキング」だ。
私は森園囃子も満囃子も両方大好きなので、抵抗があるどころか、むしろ大歓迎。
ところでこの音!…ナンダこれ?
昨日の記事で説明した通り、今回のアルバムは、既発の『From the Vaults』とその続編の音源をリマスターしたものが中心になっている。
リマスターのやりようでこんなに音が変わっちゃうのか~?
『From the Vaults』の発売からそう時間は経っていないのにもう技術が進歩しちゃったのかしらん?
どうして最初からこうしなかったんじゃ?!…という感じ。
私は貧乏性なのか、「音質が良くなったので同じCDを買い直す」なんてことにはほとんど興味がなくて、その分の資金があれば、一枚でも聴いたことのないCDを買いたいのね。
別に余命を宣告されているワケでは決してないんだけど、死ぬまでに一枚でも多くのいい音楽を聴きたいと思ってるの。
でも、コレはチョットそれを考え直した方がいいかも!って思っちゃったよ。
写真で言うと、以前の音はjpeg。今回の音質はRAWで撮って、明暗や彩度等を最良の手を加えて補正した感じ。
「デジタル処理」ということではまったく作業は同じか!
そうだナァ、わかりやすく言うと、メンバーが10歳ぐらい若返って演奏している感じがする。
大二さんのドラムの暴れ方が激しくなっているのもスゴイが、満さんのギターが以前のものとはゼンゼン違う!ピッキングのひとつひとつが「必殺」という感じ?

Is今回のCDの目玉のひとつでもある「おまつり」と「一触即発」は『From the Vaults 2』に収録されていた、小分けのパーツをガッツリとひとつにまとめ上げて微調整を加えたもの。
すなわち、小分けにされていたパーツを組み合わせて作ったオリジナル・バージョンの元、すなわち小分けされたパーツを聴かせてくれたのが『Vaults 2』。
今回は、また別の手法でそのパーツをつなぎ直して一編にしたということ。
あのハエ人間の映画があったじゃない?瞬間移動装置のヤツ。
人間の体を細胞まで分解して、それを別の場所に電送して組成し直すとかいう。
アレに似ていると言っていいのかな?
映画では移動中にハエが入ってしまってハラホロヒレハラになってしまう。
一方、『錯』では移動中に「岡井大二」という音楽を知り尽くした最高プロデューサーに入って頂いて、『Vaults 2』の音源より尚一層聴きやすい二編が出来上がった。
コレにも「四人囃子の音楽を普通に知らない人」にも聴いてもらいたい…という例の目論見がカラんでいる。

その他、「なすのちゃわんやき」、「泳ぐなネッシー」、Marshall GALAでも演奏してくれた(私が頼んだんだけど)「機械じかけのラム」等、各アルバムの人気曲がガチッと収録されている。
個人的には「昼下がりの熱い日」を入れてくれたのがうれしいな。この曲の満さんのソロは「ロック・ギターかくあるべし」を聴かせてくれる。
『Studio Takes』に収録された曲をアルバム別に分類すると、12曲中、森園期の曲が7曲、満期の曲が5曲。
そして、パフォーマンスというくくりで数えれば、双方6曲ずつのちょうど半々となった。
いいバランスじゃないか!
四人囃子に関する文物には、まるで枕詞のように「20歳そこそこでこんなスゴイ音楽を作っていた」という一節がいつも出てくる。
なのでMarshall Blogでは今回それを避けようと思っていたんだけれど、ここ数日この音源を聴いていて、また新しい刺激を受けちゃうとやっぱりそれに触れざるを得ないね。
今の同年齢の若い人達がやっていることを九九だとすれば、四人囃子がやったことは微積分ぐらいになるのではなかろうか?
こんなことを書いたら若いミュージシャンは「ほんとに普通にそうなのかよ!」ということになるだろう。
そう思うったら、このアルバムを聴いてみればいい。作戦は成功だ!
  
さて、大二さんのロング・インタビューの第二回目。
おかげさまで昨日の第一回目のインタビューは各方面から大好評を頂戴した。
ありがとうございました!
今日はまず、大二さんの大好きなプロコル・ハルムの話からスタートだよ!

Img_00312

プロコル・ハルムの魅力

 
M:ところで、四人囃子の皆さんはプロコル・ハルムがお好きですよね~?
結果、共演もされましたし。
O:ウン。

Img_0013M:どういうところこにシビれちゃってるんですか?
O:たぶん、ジェスロ・タルなんかも同じ理由で好きということになると思うんですけど、ボクは、一般にクラシックとかジャズのテンション・コードなんかを必死に取り入れて作ったイギリスのロックミュージックって、かえってダサく感じちゃうんです。
で、人によっては、ツェッペリンのこのフレーズだったら許せるけど、こっちはベタでイヤだとかいう部分が分かれている。
やっていることは近くてスレスレなんですよ。
イギリス特有の産物であるプログレ系とかのフレーズなんていうのは、アメリカ人からしたらベタで聴いていられないか、えらくカッコいいかのどっちかしかない。
ジェネシスなんかがまさにそうですよね。
M:童謡か~?みたいな。
O:そう。
それで話を戻すと、ボクなんかにすると、プロコル・ハルムみたいにクラシックのエレガンスさを作曲の段階でごく自然に取り入れている部分なんかがすこくカッコよく感じるんです。
M:へ~!
O:ディープ・パープルをはじめ、色んなバンドが実験的に取り組んだ、「オーケストラとの共演」とかとは違って感じた。
M:「エドモントン・シンフォニー・オーケストラ(筆者注:1972年のライブ・アルバムでプロコル・ハルムが共演したカナダのオーケストラ)」?
O:というか、オーケストラと共演するかどうかというのではなくて、曲作りなんですね。アメリカ人と

Ghは感覚が違う…当たり前だけど。
その典型例であり最高傑作が『グランド・ホテル』ですよね。
M:同感です。
『グランド・ホテル』についてはROLLYさんも先日新宿のライブハウスの楽屋で熱弁を奮っていらっしゃいましたね。
O:ああ~、そうだったね~。
それと『Thick as a Brick(ジェラルドの汚れなき世界←この邦題こそ「thick as a brick」だ!)』もそう。

M:アレのA面の最後なんか童謡ですもんね。
O:でもね、アレも和声を色々勉強した人なんかが聴くとベタで聴いていられないんですよ。

Tab

♪ダカダカダッ、ダカダカダッ、ダダダダ…。
M:(続けて歌う)チキチキチッ、チキチキチッ、チチチチ、ビョ~ン…。
O:ベタでしょ?
M:最高です。一生聴き続けるレコード。

<ここでプロコル・ハルムの「コンキスタドール」がBGMにかかる>
O:これ(「コンキスタドール」のこと)は当時、最高にカッコいいと思ったけど、今ではベタすぎちゃうな…好きだったけど。
M:で、そのプロコル・ハルムとのご共演はいかがでした?
O:アレね、最初の話しはキング・クリムゾンだったんですよ。
M:えッ!!
アレはKさんの企画ですよね?
O:そう、で、企画を持ちかけて下さった時に「観に来るお客さんがクリムゾンと囃子じゃ同じ気持ちで楽しめないような気がするんですが…」と言ったんです。
M:私はゼンゼンOKですけど!
それでどうなったんですか?

Img_0234O:「それじゃ、誰だったら一緒に演れる感じなんですか?」とKさんが訊くので、「ん~、プロコル・ハルムだったらシャレになるかな?」と答えたんです。
「じゃ、呼んじゃおうか?」となった。
M:ギャハハ、「シャレ」?!
O:そう!
それでしばらくしてKさんから連絡があって、「岡井さん、プロコル・ハルム呼んだからね!ちゃんとやってくださいよ!」って。
M:え~!それでキマったんですか?! いかにもKさんらしい!
Kさんって私の大学の先輩なんですよ。
それで、あの時、ギターでジェフ・ホワイトホーンもやって来た!
日本酒を持って会いに行きました。
2003年か…もうずいぶん昔の話になりましたね。
今は無き厚生年金の楽屋の廊下で恐る恐る大二さんとお話させて頂いたのをハッキリと覚えていますよ!
O;そんな!ウシさんがボクに恐る恐る話していたことなんてあったっけ?!
M:今でこそこんな感じですけど、最初の頃はビビってましたよ!
O:そうだったかな~?
M:だって相手は「岡井大二」ですからね!
イカン!案の定、話が大分脱線してしまいました!

 

大二さんのロック体験

M:その頃の洋楽はどういう感じだったんですか?
O:はい、それでボクらの当時の状況をもう少し詳しく話すと、やっぱり我々もずいぶん音楽の雑誌を読みましたが、今にして思うとその情報って正直、全然アテにならなかったんです。
ファー・イーストの国に入ってくるのは抜粋して限られた情報で、それが記事になっていたんですね。
M:そうだったらしいですね。
O:さっき、「日本の音楽の状況は10年遅れている」と言いましたが、ボクらが中学、高校の時は1960年代の後半になるんですね。
M:よさそうな時代!
O:1960年代の後半と言うのは…一番わかりやすく言うと、1967年のビートルズの『サージェン

Sgtト・ペパーズ』の前後という時期なんです。
大ゲサに言うと、ポップ・ミュージック・シーンにおいては世界的に明治維新よりゼンゼン大きな出来事が起こってしまったワケ。
時代背景がまずあるのですが、世界の世相。そこから哲学も文学も急進していて、あらゆるものが変わりました。
M:私、5歳でした。「サージェント前後論」というのはよく耳にしますが、本当にそうだったんですか?
O:当然音楽もまったくそこから変わるんです。
例えば曲作り、アレンジ、録音技術、ファッション…そもそもラブソングではない曲がヒットするということはそれ以前には、ほぼあり得なかったんです。
M:ある時に気が付いたんですが、ロック史に燦然と輝く『サージェント』って意外に8ビートの曲って少ないんですよね。
O:うん、意外にハネてるのが多い。
M:矛盾していませんかね?4ビートの曲が多いアルバムがロックの歴史を変えたなんて…。
O:近田(春夫)君もそれを言っていましたね。
近田君は「みんなスゴイって言っているけど、オレはいまいち好きじゃない。♪ツッチャツッチャが多いんだよね~」って言い方でしたけど。
M:ハハハ!「♪ツッチャ、ツッチャ」っていうのがいいな!
O:ま、それは曲のタイプの話ですよね。そういう曲が多いということ。
で、『サージェント』というアルバムが総合的な仕上がりと結果的に成し得てしまったことは前人未到で、どうしようもないぐらい大きなことだったんです。
M:やっぱりお兄さんがレコードを買って帰ってきたとか?
O:イヤ、『サージェント』の頃はもう自分で買っていましたね。
M:『サージェント・ペパーズ』がある日新譜として発売されて、それをレコード屋に買いに行くっていうことにどうも実感がわきません!
O:友達と分担して別のレコードを買って貸し借りしたものです。
今でも同窓会ではそんな話で盛り上がりますよ!

 

ビートルズのすごさ

M:ビートルズの曲って、歌詞の意味がダイレクトでわかって、そして歌ってみるところに大きな楽しみがあると思っているんです。実際に歌詞を口にしてあのメロディに乗っけるとすごく気持ちがいい。
そういうところも受けたんだろうなって思います。あ、日本の話じゃないですよ。
O:それもあるでしょうね。
ボクはね、少年時代は少なくともビートルズ派じゃなかったんですよ!男の子だから。
キャーキャー言われているモノよりも、「やっぱりサ~、ストーンズ、ヤードバーズ、スペンサー・デイヴィス・グループだよね~!」って感じ…シャドウズ、デイヴ・クラーク・ファイブから入ったクセに!
M:大二さんってヴェンチャーズじゃなくて、シャドウズ派なんですよね。いつかクロコダイルで

Img_0559Charさんとそんなお話をされていた。
O:そうなんです。
で、あの頃は男の子と女の子の好みがハッキリ分かれていた。
ビートルズは海外から入って来たとびっきりのアイドルでしたからね。
M:我々の世代はクイーンが女の子、キッスが男の子かな?いずれにしても古くなりましたね!

O:ボクはビートルズに命をかけてきた熱心なマニアではまったくないんです。
でも、ビートルズについて考えてみると、録音技術にしても、ポップスでこんな曲が作れちゃうんだ!という曲作りにしても、まわりのスタッフも含めて、ビートルズというのはファウンダー的作業のとんでもない重なりでできているんですね。
まさしくエポックメイキングで。

Img_0019M:「史上初の…」づくしですね?
O:そういうことです。
曲作りについてはあらゆる作曲家が、感覚オンリーで作曲しているジョン・レノンとポール・マッカートニーって何てスゴイんだって言っていますよね?
それからほんのチョット後のエルトン・ジョンとかの世代になると音楽の知識やクオリティも上がって、ピアノから曲を作ったりするワケですが、ビートルズは本当にほぼ「感覚」だけで作曲してるワケです。
リバプールの田舎の青年たちがですよ!
元はただの「あこがれ」だったのに。
M:『ビートルズ・アンソロジー』かな?ポールが「From me to you」だったと思いますが、サビのコードを発見して時はうれしかった…なんて言っていますもんね。
「発見」ですから!
O:たった何年かの間にあれだけのメロディを作ったことは、誰がどう考えても彼らは異常なまでの天才なんですよ。
で、彼らが目指した曲も演奏も、彼らにとっては「コレが画期的というもんだ!」なんてことはなかったんですね。
ただただ、やりたいことをやっただけ。
それなのに世界中で色んなもののパロディの対象になるほど行き渡ってしまったのは、ファウンダーとしてのオリジナリティがあまりにも詰め込まれ過ぎてるんです。
M:そうか…。
そうやって指摘されないと、当たり前すぎてただただ「いいな~」で終わっちゃいます。
O:トータル・アルバムなんてモノを考えたり、演奏不可能なアレンジで曲を作ったり、そういうことをするためのプロデューサーやエンジニアとの関係までも作った。
で、『リボルバー』あたりからドンドンおかしくなっていった…ホントは『ラバー・ソウル』あたりからなんですが…。
M:『ラバー・ソウル』は本当に素晴らしい!
O:『リボルバー』と『サージェント・ペパーズ』の前に「ストロベリー・フィールズ/ペニー・レイン」のシングル盤があって…。
ココで一番最初のボクの話に戻ると、当時の日本の少年からすると、やれビートルズがヒゲを生やしてトータル・アルバムなんてのを作るは、やれジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスなんてバンドが出て来るわ…あのヤードバーズにいたギターのウマいエリック・クラプトンが始めたバンドは「ブルース・ロック」とか言うらしい。…さらにアート・ロックなんてのも出て来るし…。
そういうのがいきなり1966~1967年のたった2年の間に出て来ちゃったんです。
M:すごい時代ですよね!まさに百花繚乱!いいな~!
O:そこでビートルズ以外のアイドルのバンドは、わがデイヴ・クラーク・ファイブを含めてみんないきなり消えていっちゃうんです。

S41a0871ホンの1~2年の間にガラッと入れ替わっちゃった。
M:私はデイヴ・クラーク・ファイブって聴いて来なかったんですが、大二さんがお好きなのを知っていて、このインタビューのために色々と聴いてみたんですが、メッチャかっこいいですよね!
O:そうでしょ?!
ちょっとデイヴ・クラーク・ファイブのことをしゃべらせてもらうと…彼らのスゴイところは、当時イギリスではビートルズ全盛だったでしょ?
だからビートルズの先輩でも後輩でもみんなマージー・ビートっぽいものを強制的に演らされたんですね。
でも、デイヴ・クラーク・ファイブだけは一切ビートルズ・サウンドに関係しなかったんです。
M:へ~。チョット黒っぽくて…声もすごくカッコいいですもんね。
O:歌もうまいし、とにかくアカ抜けてた。
M:ロンドンのバンドですよね?
O:そうです。無理です…当時ああいうサウンドが作れるのはロンドンのバンドじゃないと無理だった…無理だったはずです。
M:それにしてもですよ、私がロックを聴き始めたのはビートルズが解散して5年後ぐらいの時分からだったんですが、それでも、「ストロベリー・フィールズ」なんかも先に「名曲」と刷り込まれて「フムフム、これが名曲か…」となるワケです。ゼンゼン後追いの状態。
そこへ行くと大二さんの世代の方々は「今度のビートルズの新曲って『ストロベリーなんとか』だってよ!食べ物の歌かな?」なんて言ってレコードを買いにいらしたワケでしょ?
O:そうですね。
M:それで、買って帰って来てさっそく聴くと、あのメロトロンの「♪ホエ、ホエ、ホエ」って今まで耳にしたことがないような妙に元気がない音が飛び出して来る。
こういうのってどうだったんですか?
O:まったくわかんないですよ!「なんじゃこれ!?」です。でもとにかくワクワクする。

<vol.3>につづく。明日はインタビューお休み。<vol.3>は来週の掲載となる予定です。

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(一部敬称略)