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イベント・レポート Feed

2013年12月13日 (金)

mimic/+8 PARIS ROCK 2013-14秋冬展示会

生来シャレっ構わない性質でしてね…。いつもGパンでOK。そんなシャレッ気のない私でも避けたいと思うのは、年配者のTシャツ姿。企業のイベントなんかでよく見かけるでしょ?薄い頭と出っ腹、テッカテカに光った油ギッシュな顔のTシャツ姿のオッサン。プライベートではいいけど、ユニフォームとはいえ公の場ではあの格好は避けた方がいいと見かける度にそう思う。ムリな若づくりはしたくないな…。

思い起こしてみれば、Gパンって40年以上前、小学生校の頃「青山エイコー」って名前とともにポピュラーになったような記憶というか、認識があるな。よくラジオで宣伝してた。だいたい「Gパン」なんて言葉を使うこと自体オシャレじゃないことがわかってしまうね。「ジーンズ」でしょ?
「パスタ」よりは「スパゲティ」という言葉に安心感を覚える世代なのだ。キウイもマンゴーも食べない。アイスクリームはチョコレートかオレンジ(バニラもOK!)。ガンコおやじなのだ!

大好きな音楽でさえ流行り廃りには無頓着ときているのだから、ファッションへの執着度は推して知るべし。極北だ。
ネクタイを締めていた頃は家内が会社へ着て行く服を100%選んでくれていた。あ、ネクタイを締めなくなった今もだ。
何せ自分で服を買いたいと思ったことがほとんどないのよ。その代わりレコードやCDとなるとうるさいよ。私の人生、起きているプライベートの時間の97%ぐらいはGパンをはいて生きて来たな。

ところが!今日取材でお邪魔しているのはあるファッション・ショーの会場。

10_3ロビーのようす。

20v_2タイトルにあるようにこのショウはmimic/+8 PARIS ROCKというブランドの秋冬の展示会だ。

30_2Mercedes-Benzが主催する『Fashion Week TOKYO 2014S/S』の中の一幕。
60_3
40v_4mimic/+8 PARIS ROCKを主宰するふたり。
向かって左が滝川広志氏。右が柿沼憲一氏。

90v_3mimicのロゴを配したオリジナルのワイン・ボトルや一升瓶がカウンターに並ぶ。

40テーマは「ROCKS」。
昨日紹介したFUZZY CONTROLの最新作『ROCKS』もロビーに並べられた。
そう、昨日の記事の中で少し触れたが、FUZZY CONTROLのスタイリングは柿沼氏の手によるものなのだ。

そして柿沼氏のデザインによるブランドが+8 PARIS ROCK。そのプロフィールをオフィシャル・ブログから引こう。

「国内外問わず、多くのミュージシャンに衣装提供をしている+8 PARIS ROCK。
ローリングストーンズ、レッド・ホット・チリペッパーズ、ルーツ、グリーン・デイと言った海外のトップミュージシャンから、国内ではCHAR,中村正人(DREAM COME TRUE)、藤井フミヤ、RIZEと言った錚々たるアーティストにプライベートでも愛用されている。

近年では東京ディズニーシーにおいてブランド展開をはじめさまざまなアーティストとのコラボレーション企画を実現している。

とロックとは切っても切れない関係のファッションの世界において八面六臂の活動を展開しているのがカキさん。
そして、滝川さん、早い話し、コロッケさんと手を組んで新しくスタートさせたプロジェクトがmimic/+8 PARIS ROCKなのだ。

80_3カキさんとも存外に長いお付き合いになった。比較的迫力のあるルックスなので、昔はちょいと敬遠しがちだったが、レッチリのコンサート(VIP席)やファジコンのライブ他で何回も顔を合わせているうちに自然と仲良くさせて頂くようになった。

+8 Paris Rockのシンボルであるスカル・ラベルのミネラル・ウォーターも。
50_2ウオッ!こんなものまで!「ROCKSパン」!

110当日配布されたカタログ誌。表紙はJUONだ。

100_2ファッション・ショウが始まった!
以下の写真はモデルさんの登場順とは何ら関係ない。
160v会場は超満員!それにしても照明が暗い…。
140v_3今回はThe Rolling Stonesのベロ・マークや…

120v_3
220v
270Patti Smithらのイメージを使ったデザインがフィーチュアされた。

150v_2
170v
180v昨日の記事内でファジコンのメンバーが着ていた「MIMIC Rocks SHOW」のタイポグラフィをあしらったTシャツも登場。
200v
250v

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360v…とまぁ、こんな具合。ファッションのことには残念ながら口出しできません。

370v最後にカキさんが登場。

380vそしてコロッケさんも。

390vコロッケさんにお会いするのはこれが2度目。一度カキさんのお店でご紹介をいただいたことがあって、今回、私を見るなり「あ、以前お会いしましたね!」なんて言われてうれしかった。
私が心からコロッケさんを尊敬しているからだ。
誰もやらない、誰もできない手法でモノマネの新しい分野を開拓する姿勢は真のアーティストと呼べるものだ。お笑い界のMile Davisとでも言おうか。そのバーサティりティと完成度の高さはモノマネ界のFrank Zappaとでも呼ぼうか。
次から次へと出て来る人のモノマネをモノマネする芸人とは格も桁もまったく違う。「お笑いスター誕生」で出て来た時からコロッケさんをリアルタイムで見続けてくることができたのはラッキーなことだ。

ファッションの分野でも売れっ子デザイナーのカキさんと手を組んで大成功を収めることだろう。

400vmimic/+8 PARIS ROCKのショップもオープンしたばかりだ。このチェ・ゲバラ、コロッケさんになってる!

ところで、何でMarshall Blogでファッション・ショウをレポートしたかって?モデルさんを見てみてくだされ!大事なMarshallプレイヤーが颯爽とウォークしているよ!

mimic/+8 PARIS ROCKの詳しい情報はコチラ⇒+8 PARIS ROCK公式ウェブサイト

410shop最後にひとつ。ファッション・ショウは撮影したことがなかったんだけど、照明が暗いわ、モデルさんの動きが予想よりはるかに速いわで、もう無我夢中でシャッターを切った。
これが「ロック・テイストにあふれている!」とか「ライブ感が出ている!」とか思いの他高い評価を多方面から頂戴した。そして、ファッション関連のウェブサイトに私の写真を取り上げていただいた。素直にとてもうれしいです。
ファッションの解説ができないMarshall Blogに代わって私が撮った写真とともに仔細にショウの中身を解説してくれているので、こちらも是非ご覧いただきたい。

コチラ⇒FASSHION PRESS

(一部敬称略 2013年10月18日 目黒にて撮影)

2013年11月 6日 (水)

Kelly SIMONZ~クリニックと映像作品のご紹介

教則DVDの紹介記事はあったものの、しばらくマーブロとご無沙汰だったKelly SIMONZ。

10vもちろんその間、家でゴロゴロしていたワケではなく、ライブや商品制作の合間を縫って猛烈に過密なスケジュールでクリニックをして回っているのだ。
もちろんお供はMarshall。

20その行動範囲が全国津々浦々、広範囲過ぎてでなかなかキャッチできなかったが、ようやくここ川崎で捕まえた!

30v昔はずいぶん盛んにMarshall Roadshowをやった。
Kellyさんとも何度かお手合わせして頂いたような気がしたが、どうもたった1回だけのことだったらしい。

40Kellyさんの記憶によれば、「演奏よりもおしゃべり!」という雰囲気で進行したらしい。ゴメンね、しゃべりだすと止まんなくなっちゃうもんだから…。
でも、Marshallやギターに関するおしゃべりはクリニックみたいな機会じゃないと聞けないからね。

50v久しぶりに接したKellyさんのクリニックはもう「弾き倒し」もいいとこだった。ま、「市中弾き回しのうえゴキゲン」みたいな…うまい言葉がみつからなかった。

601時間半の予定が2時間を過ぎ…。演奏を削るどころか、メタル・コーナー、泣きコーナー、クラシック・コーナー…「アレも、コレも」と曲が増えてっちゃうんだから!

70vこのサービス精神はもはやすさまじい!まさにひとりだけカードを裏返しにしてババ抜きやっているかのように何でも見せてしまう!
とにかくギターを弾くことが好きじゃなきゃできんわ。

80vこの赤ちゃんのようなプッくらした手から出るわ出るわ必殺フレーズの数々。
そういえば「根を詰めてギターの練習をしたことがない」…とおっしゃっていたが、コレはウソ…でもありホントでもあるといったところか…。
相当脳味噌と筋肉の伝達能力を鍛えなきゃこんな芸当はできないワケで、それは一朝一夕に体得できるものではないハズ。膨大な時間がかかって当然なのだ。
つまり、こういう人はどんなにキツイ練習でも、キツイことをしているのに気がつかないだけなのだと思う。

鍛錬に耐える能力が才能。何度でも平気で同じことができるのがプロフェッショナル。鍛錬がキライでなんでもすぐに飽きてしまうのがワ・タ・シ。

75Kellyさんの超絶テクを至近距離で見れるクリニックもいいけど、是非、ライブ会場に足を運んでバンドで演奏するKellyさんの真価を堪能してもらいたい。

90vそれまではライブDVDや教則DVDで予習してもらうことにして…と。充実の物販類。

100これは2012年12月16日の東京キネマ倶楽部でのBAD TRIBE名義のライブDVD。

Ks_img_8163そしてこれは先日紹介したブルースについて学ぶ教則DVD。

Ks_img_8171さらに、これが最近発売されたライブDVD。
2013年4月27日のBAD TRIBEの映像だ。会場はこちらも東京キネマ倶楽部。収録された全12曲がKelly SIMONZの魅力を存分に伝えている。

Ks_img_8160もちろんベースのTim Miller、ドラムのYosuke Yamadaのプレイもタップリとフィーチュアされている。
…と、これらスリーブに使われている写真、すべて私が撮影させていただいた。撮っていてとても楽しかった!

Ks_img_8169終演後、愛用のギターうちわを手に、これまた私が撮った写真を加工して制作したポスターの前で記念撮影。いつもありがとうございます。
次のワンマンも楽しみにしておりやす。

Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website

110(一部敬称略 2013年10月26日 川崎市内某楽器店にて撮影)

2013年7月10日 (水)

Tokyo Guitar Show 2013~三宅庸介とピンナップ・ガール

今年も開催された『Tokyo Guitar Show』。2002年にスタートして以来、今年で12回目の開催になるという。
こういった企画は開催することより、継続していくことの方がはるかに困難なものである。

Tgs_10それを手を変え、品を変え、毎年毎年、グレードアップをめざし、12回も開催されてきたというのは、主催者側の大変なご努力の結果であり、尊敬に値する偉業と言わざるを得まい。
実際に会場は音楽好き、楽器好きの方々で埋め尽くされ、大きなにぎわいを見せていた。
Tgs_20 会場後方に設置されたひときわ目立つブースはMarshall!
Tgs_30 連日大にぎわい!
Tgs_40Marshall Blogでは、以前『NAMM2013レポート』で紹介したSlashの5Wコンボ、SL5が登場。
Tgs_50v 試奏コーナーも設けられ、開催期間中大いに盛り上がったのだった。
Tgs_60v JVM等のフラッグシップ・モデルを所狭しと展示されていた。
Tgs_70v 会場内のミニ・ステージではMarshall Blogではおなじみの顔が!
Tgs_90 そう、Strange Beautiful & Loudの孤高のギタリスト、三宅庸介だ。
三宅さんはFenderのカスタム・ショップのモデルのデモンストレーションで登板したのだ。
Tgs_140当然アンプはMarshall。ま、あまり大きな音が出せないのでJVM215Cを使用。普段はDSL100を使用している三宅さんだが、JVMのサウンドに大満足!思う存分ギターのいいところを引き出していた。
Tgs_120vウワッ!テレキャスターを弾く三宅庸介!担当楽器が「Stratocaster」という人だけにものスゴイ違和感が!…と思ったけど、そうでもないな。似合う、似合う!やっぱり、「ギターの人」ということなんだね~。
Tgs_110v 数本のギターをデモンストレーションした後は、バッキング・トラックに合わせ1曲。ストラトの人らしく、またこんな場にふさわしく「Stratify」をプレイ。
Tgs_130v いつでもどこでも演奏に入り込めばこの通り!まったく手を抜かない。まさにギターの鬼神!
Tgs_150 でもやっぱり三宅さんの本領は大音量のMarshallで鳴らすStratocasterサウンド。どちらが欠けても三宅サウンドは成り立たない。

終演後、私の後ろの若い男の子ふたりが「スゲェな…」ともらしながら三宅さんの演奏に驚いていた。うれしかった。「だろ?ギターをギターとしてちゃんと練習すれば、こうして楽器だけで人を感動させることができるんだよ」と彼らにテレパシーを送った。

是非、彼らにもその三宅さんの本領発揮ぶりを体験してもらいたい。お、ウマイぐあいに近々ライブがあるよ。7月16日 三軒茶屋Grapefruit Moonにて。
また、8月には「GOLDEN ROSES」と称して赤尾和重、板倉淳、満園庄太郎(初顔合わせ)らと仙台、山形を巡業する。東京公演は11日、同じく三軒茶屋Grapefruit Moonだ。この日、サマソニが被っているが、夜は三茶に集合だ!
詳しい情報はコチラ⇒Yosuke Miyake's Strange Beautiful & Loud
Tgs_160v会場内には各音楽系出版社の書籍の販売コーナーも。シンコーミュージックのブース。

マー本(三宅さんいわく「大人のエロ本」)『Marshall Chronicle』も重刷となり絶賛発売中!お、また1冊売れそう?!

165vさて、Marshllブース。従来のモデルに混ざって紹介されていたのは…

Tgs_170v_2 「C5 Custom Pin-up Range」だ。
これもNAMMのレポートで紹介しているが、いよいよ日本上陸。
Tgs_180v ちょっと雰囲気を盛り上げるために向こうの広告を紹介しよう。
190 これらの写真は昨年の9月に撮影されたもの。
200v Marshallの工場の近くのBletchley Parkというところでアメリカの友人のフォトグラファー、Matが撮影した。Bletchleyは第二次大戦中に重要な施設があったところ。この話しは将来またどこかで…。
210 この日、あいにく(イヤ、いつも)天気が悪くて気の毒だった。私もこの時、工場に居合わせ、撮影に誘われたのだが、例のマーボン『Marshall Chronicle』の資料を集めるのに忙しくて断らざるを得なかった。
220 チ、無理をしてでもくっついて行っておけばよかったな…。
230v この人を撮ってみたかった…あ、ちゃうちゃう、こんな場所で新商品を撮ってみたかった!…だった、
240v これは製造時のようす。
Pug_factory3 なかなかの壮観!
Pug_factory2 工場の中の雰囲気がグッと華やかになるね。いつも真っ黒だから。
Pug_factory1 ところで、「この古式ゆかしい女性たちは誰?」なんて人も多いんじゃないかな?誰も説明していないようなのでマーブロ式に簡単に解説をしておこう。

その前に…「ピンナップ」というのは、雑誌などに掲載されている写真などを切り抜いて、壁にピンで止めて(pin-up)ポスターがわりにしたことによるもの。向こうの人たちってよくやるでしょ?映画でよく見る刑務所の独房なんかにヌード写真を貼ったりしてるヤツね。

これらのモデルになっているのは1930~40年代にハリウッドで活躍した大女優さんたちだ。

Gretaは当然Greta Garbo(グレタ・ガルボ)。スウェーデン出身の大女優だが、サイレント時代からの人で、ちょっと作品は観てないナァ。古すぎちゃって…。昔『ニノチカ(Ninotchka)』を観たような気がするけど覚えとらん。
同じ時代の大女優さんでも、これが『サンセット大通り(Sunset Boulevard)』のGloria Swansonか『情婦(Witness for the Prosecution)』のMarlene Dietrichだったら原稿用紙20枚くらいは何かすぐ書けるんだけどな…。

アメリカ人かと思っていたら、アララ外国の人?なんてケースは昔はよくあったんだね。ガルボやバーグマンはスウェーデン人、ディートリッヒはドイツ人、オードリー(春日じゃないよ)はベルギー人、ヴィヴィアン・リーをはじめとしたイギリス勢は枚挙にいとまがない。昔はアメリカに美人が少なかったのかね?…ということよりも、ジャンジャンいろんなものを吸収しようとしていたんだろうナァ。

ちょっと脱線するけど、本当に今のアメリカ映画っていったいナンダ?どうなっちゃってるんだ?俳優とか、監督とかいうことではなく、これはね、脚本なんですよ。いい脚本が書ける人がいなくなっちゃった。
CGアニメとディズニーだらけ…。いい脚本がないから、おもしろい映画が作れない。だからリメイクに走ったりする。これは音楽でいえば、いいメロディが出てこなくなっちゃったのとまったく同じ。だからカバーばっかりやってる。

皆さん、ダマされたと思って、レンタルDVDで上の『情婦』という映画をご覧になって欲しい。これは原作はアガサ・クリスティの大ドンデン返しサスペンス。1957年のビリー・ワイルダーの作品。この50年以上前に作られた作品を観た100%の人がおそらくダマされることになるでしょう。

そして、今の映画がどれだけくだらないかを思い知るのではなかろうか?そういう意味では『サンセット大通り』も同様。とにかく音楽と同じでいいものを伝承しておかないと後で取り返しのつかないことになる。ああ、「映画ブログ」はじめようかな…。

ユーミンの「呉田軽穂」というペン・ネームはもちろんGreta Garboが元ネタ。谷啓とDanny Kayeと同じパターンだ。
250v Betty Grableは典型的なピンナップ・ガールだった。実際に1944年にはドンズバで『Pin Up Girl』という映画に出演している。もっとも有名な作品はMarilyn MonroeやLauren Bacall(この人はHumphrey Bogartの奥さんだった人ね)らが共演した『百万長者と結婚する方法(How to Mary Millionaire)』だろうか?
私はBetty Grableの映画を見たという記憶はないのだが、彼女をものすごく身近な存在に感じるのは、もう何回観たかわからない大好きなBilly Wilderの『第17捕虜収容所(Stalag 17)』のおかげだ。
この中で「Animal」という役に扮した最高にコミカルなRobert Struassが熱狂的なGrableファンで、それこそBettyのピンナップを大事に大事にしているという役どころなのだ。寝ても覚めても「ベティ、ベティ」…当時の人気ぶりがうかがえるというものだ。
このロバート・ストラウスというのがヤケクソにいい役者でしてね。私が戦争映画ではベスト、生涯観た映画のベスト10に数えるRobert Aldrichの『攻撃(Attack)』という映画で最高の演技をしてるんだな。サラリーマンの皆さん、この戦争映画、必見ですぞ!「お、ナンダナンダ、これウチの会社じゃねーか!」なんて人が続出するんじゃない?

さて、ジェーンはその美しい脚に高額な保険をかけたことでよく知られ、その後、Cyd Charisse(シド・チャリシ)が500万ドルの保険金を自分の脚に投じるまでその座を守った。
Bettyの最初の旦那さんは子役で有名なJckie Coogan(チャップリンの『キッド』のあの子ね)だった。離婚後はトランぺッター、バンド・リーダーのHarry Jamesと結婚した。

260v 『子鹿物語(The Yearling)』で有名なジェーン・ワイマン。はじめ「ジェーン」と聞いて「ジェーン・マンスフィールド(Jane Mansfield)」かと思ったけど、ワイマンだよね。
ナントいっても私は『失われた週末(The Lost Weekend)』よ。1945年のアルコール中毒をテーマにした作品。ああ、これもワイルダーだな。アカデミー作品賞、主演男優賞、脚色賞を獲得。このアル中の主人公を演じたレイ・ミランド(Ray Milland)がいいんだナァ~。飲みたくて、飲みたくて…みなさんも気をつけてくださいよ~!
この作品で中毒の夫を献身的に支える奥さんの役が素晴らしくよかった。
アル中の映画と言えばNicolas Cageの『Leaving Las Vegas』なんてのがあったけど、この『失われた週末』とBlake Edwardsの『酒とバラの日々(Days of Wine and Roses)』には遠く及ぶまい。

ところで、このアルコール依存症というのも西洋人と東洋人では中毒のケタが違うという話を聞いたことがあって、何しろ西洋人は内臓が破天荒に強いもんだから、中毒になるまで飲むというのは並大抵のことじゃないらしい。

こないだ王様がステージの爆笑MCでやってたけど、どうも中毒患者というのは小さいものが見えるらしい。…というか普通のサイズのものが小さくなって見えるっていうのかな?ま、幻覚ですわな。
で、これは本で読んだんだけど、中毒になりそうになったミュージシャンがピタリとアルコールを辞めたという話があって、ナゼこの人が酒を飲まなくなったのかというと、ある日、ボーっと横になって昼寝をしようとしたら、目の前を5cmぐらいの人たちが大名行列の格好をしてゾロゾロと通り過ぎて行ったっていうんだよね。それでゾッとして酒を飲まなくなった…という話し。ちょっと大名行列を観たいような気がするけどね…。
ああ、いつも通りの脱線ぶりでございました!はい、スミマセン!

ちなみにこのJane Wymanという人はRonald Reaganの最初の奥方。つまり、世が世ならファースト・レディになっていたかも知れない人なのだ。
270v こんなトリビアの極致のような情報ではございましたが、「C5 Custom Pin-up Range」ご購入ご検討の際にご参考になるかと…はい。ならないね。
280(敬称略 2013年6月30日 ベルサール渋谷ガーデンにて撮影)

2013年5月20日 (月)

ジム・マーシャルの生涯を祝う会

Shige Blog 2012年6月15日初出

シゲブログでも弔意を寄せた通り、マーシャルの創設者ジム・マーシャルが去る4月5日、鬼籍に入ってしまった。
そして、お葬式とは別に偉大なるジムの功績と人生を祝う会がMarshallの本社があるイギリスのミルトン・キーンズで開催された。

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幸運にも私のところにも招待状が届いた。
もう私はマーシャルの仕事から離れてしまっているが、もしジムに関する祝い事があった際には万難を排して参席するつもりだったので…

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…イギリスまでひとっ飛びしてきた。

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会場は「創立40周年記念パーティ」が開催された工場にほど近い「Wilton Hall(ウィルトン・ホール)」というところ。
町の公民館風と言っては聞こえは悪いが、ジムの地元中の地元の立派なホールだ。

来客を待ちうけるJVMのフル・スタック。

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会場に入ると、ジムの半生をつづった『THE FATHER OF LOUD』の表紙のおなじみの写真が…。

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ジムの足跡を記した巨大なボード。

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この会の招待状にはこう記してあった。
「ジムとの思い出の写真をご持参ください。会場にボードを用意しときますので、そこに貼ってください」と。
私もジムが2003年に最後に来日した際の写真を持って行った。

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貼ってあるのはどれも感慨深い写真ばかり…っと、よく知っている顔を発見!ってオレじゃんか!しかも2枚も貼ってある!
1枚は2009年に「Shige Award」を受賞した時のもの。
ま、こっちはまだイイかも知れないけど、もう1枚はホテルの部屋で酔っ払ってギターを弾いている写真じゃんか~!
恥ずかしい!さてはピーターのシワザだな…?

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他にもジムにまつわる思い出の品がゾロリ!

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エリザベス女王から下賜された『The Queen Award』の賞状や…

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「Dr.Jim Marshall」の「博士号」の授与証書なども惜しげもなく展示されていた。

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ステージの両サイドにはジムの遺影が飾られ、中央のスクリーンにはジムの思い出の映像や出席できなかった関係者からのビデオ・メッセージが上映された。

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会場は200名を超す招待客でイッパイ。
東洋人は私ひとりだけで、目立つ目立つ!
しっかし、オレの顔も平べってーナァ~!

もちろん出席者はすべてジムにゆかりのある人ばかり。
とてもうれしかったのは、招待客の中に何とケン・ブラン氏がいらっしゃって、友人に紹介してもらい、いっしょに写真を撮らせていただいた。
さすがにご高齢のため足をお悪くされているが、実にかくしゃくとしていて、しかも物腰の柔らかいとても素敵なおじいちゃんだった。
「この人がJTM45を設計したのか…」と感無量で握手をしてもらった。

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ひとしきりバーでイッパイやりながら旧知の仲間とジムの思い出を語り合った後、決められた場所に着席。
私はカナダのピーターの隣りで、「ピーターでしょ?あれ貼ったの?!」恥ずかしいじゃんか!」と問いただすと「キヒヒヒヒ!」とイタズラっ子のように笑っていた。

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そして、会が始まった。
トップに挨拶をしたのはマーシャル社社長のジョナサン・エラリー氏。

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続いて壇上に上ったのはこの日の司会を務めたドラマーのニコ・マクブレイン。

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ジムのドラム仲間であり、最良の友でもあったニコ。
ジムの思い出を切々と語ったのち、司会の大役を着実にこなしていた。
彼の軽妙洒脱ぶりは定評のあるところだ。

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続いて挨拶をしたのはこの方…誰かににてるでしょう?
そう、ジムの実弟のアル・マーシャル氏だ。
兄弟しか知り得ない昔の話しを面白おかしくしてくれた。

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こうしてジムの友人や、お世話になった人、仕事仲間たちが順々に登壇し弔辞とスピーチを捧げた。

ピート・タウンゼンドからはビデオ・レターが寄せられた。
ご存知の通りピートはマーシャルを使わないが、彼なくしては絶対にマーシャルはあり得なかった。
メッセージでピートは実に淡々と思い出を語った後、「じゃあな、ジム!」と締めくくった。ピートらしいカッコいいメッセージだった

さて、ここからは世界中から駆けつけたディストリビューターたちの中から、スピーチをした私の仲良したちを紹介しておく。

アメリカからミッチ・コルビー氏。
彼も今はマーシャルから離れてしまったが、ディストリビューターとしては世界でも最も長くジムとお付き合いをしたのではなかろうか?
自身もアンプのコレクターで優れたジャズ・ギタリストでもある。
はじめて見たマーシャルの壁はナント、ニューヨークで見たクリームだった!という話しが印象的だった。

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おお~、さすがミッチ!ジムの十八番のコルクのトリックだ!ちゃんど仕込んできてた!…と思ったが「できません!」

そういえば、私が楽器店の皆さんをマーシャルにお連れしてジムといっしょに食事をした時、まだジムはまったく元気で、みんなの前でこの手品を見せてくれたっけ。みんな、覚えてる?

手品というのは左右の手の人差し指と親指ではさんだコルグを交差させて、チチンプイプイと呪文を唱えるとアラ不思議!交差しているので離すことのできないハズの両手が離れてしまうというもの。
「おお~!ワンモア、ワンモア!」という歓声に応え、「フォッフォッフォッ…」とドヤ顔で何回もやって見せてくれたジムが実にチャーミングだった。

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おとなりアイルランドからレスリー・ケイン氏。いつも私によくしてくれる大の仲良し。

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レスリーもベテランだけにジムとのお別れは相当辛いものであったハズだ。
会議ではなかなかの論客のレスリーもこのスピーチ後半では涙ぐんでしまい、見てるこっちもホロっときてしまった。

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ピーターの出番!
彼があの写真をはっつけたのよ!
ピーターとは、会議で集まるといつもホテルの彼の部屋に集合して、ラム酒を飲みながら遅くまでギターの腕比べをした。
いつも楽しかった。
え、どっちがウマイ?彼、彼!熱心なマーシャル・ブログの読者の方なら覚えていて下さると信じているが、一度登場してもらったことがあった。彼は過去プロのバンドでデビューしており、そのマボロシの音源について私が一筆奮ったのだ。だからかなうワケないんよ。
よく自分でアレンジしたビートルズ・ナンバーを弾いて聞かせてくれた。ボードに貼ってあったギターを弾いている写真はその時に撮られたものなのさ!

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ピーターのジムとの付き合いはミッチほどは長くはないが、かなりの古株。
ジムを心から信奉していた。それだけに彼のショックも大きいかったろう。
スピーチもとても真摯なものだった…あんな写真のイタズラしたくせに!

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スティーヴ・ウッド氏。ジムのお抱えドライバーだった人。
イヤ、家族といっていいだろう。彼は献身的にジムの世話をし、絶大な信頼を得ていた。

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よくマーシャルへ行くと迎えに来てくれたり送ってきてくれたりで、車中私と冗談を言い合っては大笑いするのが常で、私も彼と会うのを楽しみにしていた。
そんな旧知の中なので、一体どんなスピーチをするのかと思っていたら、淡々とジムも思い出を語った。

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ところが、話しているうちにあまりにも色々な思い出がよみがえってきたのだろう。感極まって、泣きだしてしまったのだ。
スピーチ後、ニコと抱擁し合うスティーヴ。
見ているこっちもググっと来た。会場は割れんばかりの拍手!この日のクライマックスだった。やっぱりとてもやさしい男だったんだな、スティーヴは!

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マーシャル社からインターナショナル・デモンストレーター兼ニュー・プロダクト・コーディネーターのクリス・ジョージが登壇した。彼もフランクフルトMESSEのレポートなどでブログに登場しているので顔を覚えていらっしゃる方も多いだろう。

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彼は今、9月にロンドンのウェンブリー・アリーナ(ウェンブリー・スタジアムのとなり)で開催される50周年記念コンサートの仕込みに取り組んでいる。
また新しく始まる50年に向けて意気揚々とした若々しいスピーチが印象的であった。

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さらにマーシャル社からマーケティング&アーティスト担当のニック・ボウコットがスピーチした。
彼は元グリム・リーパーのギタリストでジムとの付き合いも深く長い。

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ジムを出来る限りの爆音で送りだそうと、参席者全員に手を叩き、足を鳴らすよう求めた。
ドド~っとモノすごい音が会場を揺るがした。ニックらしいユーモアあふれるスピーチであった。

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他にジムのドラム教室の生徒であり、ジムの店の最初の従業員だった方や、ジャズ歌手のデイム・クレオ・レーン!(仲良しだったそう…知らなかった!)といった方々もスピーチを披露。

また、ジムはマーシャルだけでその名を世に知らしめたワケではなく、OBEの勲位が示す通り、病院やスポーツ団体など多方面にわたってたくさんの寄付をした篤志家としても高名であった。
そうしてお世話になった方々からの心温まる言葉も寄せられ、ジムの生前の偉業がさらに浮き彫りにされた会となった。

下は参列者に配られた会のしおりとジムの歌が収録されたオーディオCD『Reflection of a Man』。こうしてジムの声が参列者の元に半永久的に留まることとなった。

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これは配られたしおりの内側。ボロボロのキャビネットに刻まれたジムの言葉は「私の辞書には世界で最高のものは音楽だ…と書いてある。音楽にかなうヤツはいない」…その通りだ。

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後先になったが、会の冒頭に上映されたフィルムにはツェッペリンの「Whole Lottta Love」に乗せてジミ・ヘンドリックス、リッチー・ブラックモア、ピート・タウンゼンド、The Who、スパイナル・タップ、ゲイリー・ムーアが登場した。そしてフィルムの最後に出た文字は「To Be Continued」…。

そう、音楽がある限りマーシャルは不滅なのだ…。

もう一度言おう…ありがとう、そして、さよならジム!

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またマーシャルの新しい50年が始まった!

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(敬称略 2012年5月27日イギリス、ミルトンキーンズ、ウィルトン・ホールにて撮影)

この時のイギリス滞在のレポートをShige Blogに掲載しました。併せてお楽しみください!

Shige Blog はコチラ⇒イギリス紀行2012

2013年5月 4日 (土)

【Marshall Museum Japan Open!】<後編>見どころの一部とちょっとしたウラ話し

Shige Blog 2012年5月9日初出


「マーシャル・ミュージアム・ジャパン・オープン!」レポートの最終日は、コレクションの見どころの一部と準備にまつわるお話しを少々…。

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ここの見どころは何といってもJTM45のコレクションだろう。1962年のオリジナルからサンドイッチ、100W、JTM50、さらにはKitchen-Marshallまで様々なモデルを網羅している。

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1962年型。これは昨日レポートした通りSHARAさんがデモで弾いてくれたものだ。

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「ホワイト・フロント」と呼ばれるタイプ。

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これが「サンドイッチ」。

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「JTM100」という表記の通りマーシャル初の100WのPA用アンプ。元のオーナーはピート・タウンゼンド。

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ジム・マーシャルが様々な理由で生産したマーシャルでないマーシャルも多数展示している。珍しいものばかり!
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ミュージアムには、有名なマーシャルに関する書籍、マイク・ドイル著の『The History of Marshall』に掲載されている物の実物が多数展示されている。

何でもそうだけど、写真で見るのとホンモノを見るのとではエライ違いだよ!何というかこういう古いものには、オーラ見たいなものが出てる。ニオイもあるしね。やっぱり実物を目にしてもらいたい。

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その極めつけは、表紙に登場する1968年の1959と1982Aのセットであろう。実物が日本にあるのだ!

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アンプの他に変わり種のマーシャル製品も展示されている。

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これはマーシャル製ワウワウ・ペダル。

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変わりダネも色々!Majorのベース・アンプ1978のフルスタック。普通の三段積みがミニ・スタックに見える?!

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限定品や記念モデル等、二度と手に入らないモデルのコレクションも充実している。

各アイテムの説明をここでしたいところだけど、是非ミュージアムで実物をご覧になりながら『Marshall Chronicle』を片手にその解説をご覧いただきたい。

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ところで、ミュージアムはマーシャル以外にもレアなコレクションを所蔵している。

これはジェフ・ベックが1973年にBeck, Bogert & Appiceで来日した際に実際に使用したUNIVOX。あの『Live in Japan』のジェフのギターの音はこのアンプから出されているものだ。「この」って簡単に言ってるけど、実物でっせ~!

かつては、Deep Purpleの『ライブ・イン・ジャパン』で使われたリッチーのMajorも売りに出されていたらしい。館長残念ながら事情によりゲットせず!縁があればきっとめぐり合えるよ!マーシャルのシリアル「#1」みたいにね。そして、またミュージアムの2階にディスプレイだ!

あと館長の現在のターゲットはMajor1967の「Pig」。ミック・ロンソンが使ってたヤツね。これは1967年に1年間だけ生産されていたバージョンで入手が難しい。やっとのことで東京の楽器屋さんで見つけたけど、アットいう間に売れてしまい臍を噛む思いをしている。幸運を祈る。入ったら弾かせてネ、館長!

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スクリプト・ロゴ時代のMXRもドッサリ!子供の頃、これには憧れたよね~!それにしても昔の物ってナントも風格があってカッコいい!

エフェクターはこの他にもマエストロだのタイコブラだのユニヴァイブだの、スペース・エコーの交換用テープまで、エグイものが山ほどある!好きな人にはタマらないよ~!

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もう少し、マーシャル以外の物を見てみようか?

フェンダーのビンテージ・アンプ。model26っての?

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ギブソンも…ストーブかと思った。これ、フットスイッチが木製なのよ!

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これはナ、ナ、ナント、フランク・ザッパが使っていたMK1!ドゥイージルの鑑定書まで付いてる!これは欲しいナァ~。重いからナァ~。でも、コレっていつ使われたんだろうナァ。基本的には1959の人だったからネ。

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アンプやエフェクターのコレクションに比べるとギターはチトおとなしめ。でもこれはスゴイ!もうひとつジェフ・ベック・ネタなんだけど、『Rough and Ready』のレコーディングで使われたギター。

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と、すべては見せられるハズもないので、このあたりで展示アイテムの紹介は終わり。どう?行きたくなったでしょ?

でもね~、準備は大変だったのよ~。もっとも私はチョコチョコとしか手伝っていませんが…。

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それでもね、展示アイテムの写真をすべて撮ったのはキツかった~。足腰ボロボロ!数日間右目しか使わなかったから左目が退化してしまって…んなワケないけど、朝早くから夜中までやって何とか乗り切りましたぜ!

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見てチョーダイ、このケイオス!!

このコレクションは『T氏のコレクション』を取材した時に経験していたのである程度の覚悟はできていたけど、それでもスゲエ量!これは2階のマーシャルの展示フロアなんだけど、まだまだ3階にモノがあってジャンジャン送りこまれてくる!コレすべて個人の所有物なのよ!!

写真右側の三段積みが壁になってるでしょ?もうこれを組むに至るまでだってエライ騒ぎよ!足の踏み場は無いし、重いし、ヘタに積み上げて倒れたらヤバいし…。
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教訓!皆さんもマーシャル・ミュージアムをやる時は必ず次のことに注意すべし!

ナニをするにもとにかく作業手順を綿密に練っておくこと。今回は『T氏のコレクション』を下敷きに整理して撮影していったんだけど、もしアレがなかったら、どうなってたことやら?! どれもこれも同じような見てくれだし、同じのが複数あったりして…はじめのうちは頭もクリアだし元気もあって作業もはかどるんだけど、そのうちナニが何だか分かんなくなっちゃうの!疲れてもうアイテムを動かすのもシンドクなるし!この歳になると、ナンボ好きでも体力と気力と根気は別物だわ…。

でも、5、6年前の『T氏のコレクション』の取材の時の方がキツかったな…。アノ時は写真を撮るスペースすらなくてね。

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それでも何とか作業は完了!そしてオープンにこぎつけたってワケ。

ホラ、さっそく外国の人も「ナンダこりゃ?」って写真を撮ってる…と思ったらジョン・エラリー社長でした!

はるばるやって来ていただいてみんな感動の嵐でしたね。この場をお借りして、改めまして心から御礼申し上げます。

Jon, again thank you very much for coming to the opening ceremony the other day.  We all really had great time with you!
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そのほかの情報としては…

ミュージアムではこれから一部のアイテムに限り有料レンタルサービスをしていくそう。

また、2階には試奏ルームがあり、その中に一定期間ごとに入れ替えられるアンプを弾くことができるようになっている。

さらに、イベントやクリニックも定期的に開催して行きたいとのこと。

ところで、今秋には柳井市のとなりの岩国市に空港がオープンする。すると岩国空港からミュージアムへは約30分。乗り物だけ乗っている時間を考えれば、ナント羽田からミュージアムまで2時間かからなくなるね。そこへ、LCCでも就航すれば、東京の人が「チョット、ミュージアム行ってマーシャル弾いてくらァ!」なんて横丁の風呂屋へ行くように手ぬぐい、じゃなかったギター1本抱えて簡単に遊びに来れるようになるかも知れないよ!

マーシャル・ミュージアム・ジャパンのますますの発展を願ってやまない。

Marshall Museum Japanの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト
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【Marshall Museum Japan Open!】<中編>~SHARA Plays Vintage Marshall!

Shige Blog 2012年5月8日初出

はるばるイギリスからオープニング・セレモニーにかけつけてくれた、弊社社長のジョン・エラリーも圧倒的なコレクションに至極ご満悦のようす。

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セレモニー終了後、場所を2階のマーシャル展示フロアに移動。ここにはちょっとしたライブができるステージがある。

ここでEARTSHAKER、mintmintsの石原SHARA愼一郎氏によるオープニング記念デモンストレーションが行われた。

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冒頭にマーシャルの歴史やジム・マーシャルの生い立ちを簡単に紹介…するつもりが、ごめんなさいね~!久しぶりに人前でマーシャルのこと話したもんだからうれしくてついつい長くなってしまった!止まらんワイ!

なんてことはまったく意に介さないSHARAさん!やさしいんだ~。横で「フム、フム」。「そうだったんや~」と小声で突っ込んでくれる。実にやりやすい!

これまで、あれだけSHARAさんにお付き合いしていただきながら、「マーシャル祭り」でご一緒していただいただけで結局ロードショウを1回もやらなかったんだよね。それがスゴク心残りだったの。でもついに実現!形も場所も異なれど、私にとっても夢のイベントだったのだ!だからはしゃいでしまったのさ!

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SHARAさんには普段聴くことのできない貴重な貴重なビンテージ・モデルの音出しをお願いした。そしてそれらを使ってmintmintsの曲を演奏していただいたというワケ。

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使用したモデルはJTM45。ご存知1962年製のマーシャルの出発点となったモデルだ。Mmj_IMG_0001

それからJTM100というかJTM45の100Wバージョン。このアンプの以前のオーナーはピート・タウンゼンドだ。100Wにしては鳴りが小さかったがビンテージらしいふくよかな厚みのある音!

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Capri。これでもハンドワイアードのフル・バルブ回路だぜ。これね~、とにかく見ためが素敵じゃん?一度音を聴いてみたかったのよ~。館長にお願いしてレストアしてもらった。しかもKitchen-Marshallの貴重版!

音はどうかって?ん~。5W、8”スピーカーが思いっきりこのキャビネットにマッチしていなくて、ハナっつぁきで鳴ってる感じ?よく言えば「独特の音」っていうんだろうけど、想像とはだいぶ違ったナァ~。とにかくワイルドではない。

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1917。PA用のヘッド。4×10"のキャビで鳴らしてもらったが(元々セット販売)、これは素晴らしい!もういいように鳴りまくっちゃう!

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そして、2×10"の1958、18Wコンボ。甘~~~い、とろけるようなサウンドやね。上の1917と製造時期が約1年ぐらいことなるが、似たような回路にも関わらず、サウンドがまったく異なる。それは整流管の有無によるところ。

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そしてミュージアム名物の1968年製1959と1982のコンビ。SHARAさんの「前の方の人、注意して…」と警告しておいてドーン!ミュージアムの1階から4階の隅々まで行きわたったおとがハネ返ってくる!でも、あんまりうるさくは感じなかったな。「マーシャルってこういう音だよ!」というお手本サウンド!

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SHARAさんはmintmintsの名曲「Ghost」を披露。

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アンプは1962年のJTM45!これをリイシューの4×12"キャビで鳴らしてもらった。ヘッドは1962年製だよ。
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思うようにレスポンスしてくれる弾き心地に酔ったかのようなSHARAさん!

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mintmintsの新しいサウンドにもバッチリとハマる芳醇なビンテージのマーシャル・サウンド!のびやかでつややかで…何よりもヌケがスゴイ!スピーカーから出てくる音が1本の線となり、空気を貫いていくようだ!

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でもね、結局はSHARAさんのサウンドなんだよね。こういう人のレベルになるとナニを使っても基本的に弾き手の音になっちゃう。マーシャルの音なんだけど、SHARAさんの音。でもSHARAさんの音だけどマーシャルの音。ようするにSHARAさんがマーシャルを使った時の音…つまりMarsharaだ…ナニ言ってんだか…。でも感覚はわかるでしょ?

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この他mintmintsのレパートリーを2曲演奏してショウは幕を下ろした。Mmj_IMG_4883

記念すべきミュージアムのオープニングにふさわしい演奏だった!
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演奏後、記念に手形を押すSHARAさん。粘土が硬いもんだから、なかなか手形がつかず大騒ぎ!これハリウッドのチャイニーズ・シアターのなんかを見るともっとドロドロの石膏ですよ、館長!
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ここぞとばかり、みんなでSHARAさんの手に乗っかって何とか手形を残すことに成功!
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後はサインを入れて…と。

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もちろんエラリー社長にもお願い。ところが手がデカイもんだから今にもはみ出しそう!

これらの手形がどんどんコレクトされてミュージアムの名物になっていくことを期待している。

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石原SHARA愼一郎の詳しい情報はコチラ⇒石原慎一郎Official Site

マーシャル・ミュージアム・ジャパンの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

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<後編>へつづく

(一部敬称略 2012年5月3日 マーシャル・ミュージアム・ジャパンにて撮影)

【Marshall Museum Japan Open!!】<前編>~オープニング・セレモニー・レポート

祝!Marshall Museum Japan開館1周年!

早いものでもう1年!ちょうど1年前の5月3日には弊社Jonathan Ellery(ジョナサン・エラリー)社長も合流してミュージアムの開館を祝ったのだった!

各展示アイテムの解説の制作作業に開館の直前まで奮闘していたのを思い出すナァ。来る日も来る日も朝から晩まで色々な文献を読み漁り、イギリスのMarshallの友人に事実関係の確認を取って書き上げた。

その後、昨夏にはマー本『Marshall Chronicle』の取材で再訪。調べを進めていくうちに、さらに明らかになった事実も発見した。そのあたりは同書に詳しい。

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Marshall Museun Japanのますますのご発展をお祈り申し上げます。

Shige Blog 2012年5月7日初出

柳井市。山口県東部に位置する人口34,000人の街。ハワイのカウアイ島の姉妹都市だ。

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何と言ってもこの街の観光名所は国が「重要伝統的建造物群保存地区」に指定した「白壁の町並み」だろう。

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1997年には映画『ときめきメモリアル』がここがロケ地に選ばれた。
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それほどの長い距離ではないにしても古く美しい家並みが続くさまは圧巻だ。
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また、名物の甘露醤油もうれしい。ここは有名な醤油蔵だ。

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この醤油蔵を利用し、ライブも開催されている。

梁にぶら下がっているのは「金魚ちょうちん」という柳井の名物。冒頭の写真の駅前の風景の中にも見ることができる。
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ここは何しろ魚がウマイ!とにかくウマイ!ヤケクソにウマイ!それをこの甘露醤油につけて食すのだが、ほんのり甘く深い醤油の味わいが、極限まで魚のウマさを引き立ててくれる。「日本人でヨカッタ~!」と心から思える瞬間だ。
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そして駅前の通りを背にして少し行った角を曲がると、オオッ!見えるではないか!Marshallのあのスクリプト・ロゴがッ!
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これがマーシャル・ミュージアム・ジャパンの全景。新しい柳井の名物だ。
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もうどこから見てもマーシャル一色!
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本家マーシャルの工場にあるミュージアムを除き、世界に例を見ないマーシャルの博物館だ。

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ポストもマーシャル。

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館長の自家用オート三輪もマーシャル!

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駐車場も広々!

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去る2012年5月3日、オープニングのセレモニーが開催された。

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はじめにジム・マーシャルに1分間の黙とうが捧げられる。
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セレモニーでは、会長、館長といったミュージアム関係者の挨拶の他、柳井市長をはじめ、近接の町長、地元商工会議所会頭が来賓として参列されお言葉を頂戴した。

デモンストレーションで参加してくれた石原SHARA慎一郎さんもご紹介!大歓声が湧きあがった!

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2階&3階のマーシャル展示フロアに誘うレッド・カーペット、「Marshall Road」!

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そして、イギリスから弊社のジョン・エラリー社長が参席。

このセレモニーに参加できたことを喜び、このミュージアムがマーシャルの遺産のひとつとして末永く発展することを望む…と挨拶した。イングランドの国花であるバラと柳井のシンボル、金魚ちょうちんのコラボレーションだ!
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2階はマーシャルの専門展示スペースとなっている。

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どれもがかつて『T氏のコレクション』として紹介されたアイテムだが、こうしてキチンと並べてみると、言葉にならないほど圧倒的な存在感を示す。

また、新しい情報やエピソードを交えた各アイテム毎の解説も楽しみのひとつとなっている…と、我ながら思っている。

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ハイライトはこのJTM45コレクションということになるだろう。1962年のオリジナルJTM45、サンドイッチ、ホワイト・フロント、キッチン、等などレアなJTM45が勢ぞろい。

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NARBやPark、CMIなどのノン・マーシャル・マーシャル(?)もスゴイ。

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エラリー社長は地元メディアのインタビューに、サインに、記念写真にと大忙し!

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明日はSHARAさんのイベントをレポートします!

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マーシャル・ミュージアム・ジャパンの詳しい情報はコチラ⇒Marshall Museum Japan公式ウェブサイト
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<中編に続く>

※「白壁の町並み」はミュージアム・オープン時の来訪とは別の日に撮影したものです。いくらイギリスのブランドの博物館だからといって、柳井はこれほどイギリスのように天気がコロコロ変わるような土地柄ではありませんのでご心配なく!

(一部敬称略 2012年5月3日 マーシャル・ミュージアム・ジャパンにて撮影)

2013年4月26日 (金)

『NAONのYAON』への道~CUTE GIRL LIVE <後編>

今日から3日後に迫ったSHOW-YAの『NAONのYAON 2013』のオープニング・アクト出演権をかけたオーディション、『CUTE GIRL LIVE』のレポートの後編!

全10バンドのうち後半にエントリーした5バンドと結果発表をお届けする。

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6番目に登場したのはDOLLS。

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実はDOLLSを撮るのは2回目でしてね。今日も相変わらずチャーミングに演奏してくれた。

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「2度あることは3度ある」…次に撮る時は武道館かな?!

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7番目のバンドはHICCUP PANTHER。

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こちらはグッとロックな雰囲気。ギタリストもマーシャルを背にバッチリっとポーズが決まってる!マーシャルが似合うギタリストはいいギタリストなんだぜ!sun-goさんみたいにね!

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続いて白いんげん豆。高校の軽音楽部のバンドだそうだ。いっかにもホンモノの「けいおん」らしくていいナァ~。

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なんか変に思われそうなんであんまり言いたくはないんだけど、学生バンドのコンテストの審査員を何度もやってきているせいか、案外この制服っぽい出で立ちと楽器ってマッチように見えてきた。これで音がデス・メタルだったらビビるな。

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ピアノの弾き語りのエントリーは芹澤稚菜ちゃん。

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澄んだ歌声と素足でペダルを踏む姿が印象的だった。

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世界の貧しい国の子供たちに歌を届けたいという。

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そして10バンドを締めくくるトリでの登場は音恩。「ネオン」と読むそうだ。本当に最近のバンド名とか源氏名(?)はシャレているね。

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音楽の専門学校に通っているそうだが、裏方さんのコース、つまり制作サイドっぽい仕事の勉強をしているそう。コリャ将来どっかでいっしょになるかもね。「アンプはMarshall」よろしくね!

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…とこれで全10バンドのエントリーが終了。

ゲストのCyntiaの演奏の間に審査員の結果が集計され、いよいよ発表と相成る。

いったい誰が『NAONのYAON 2013』のオープニング・アクトで野音のステージにたつことができるのかッ!

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優勝はHICUPP PANTHER!

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このよろこびよう!見ていてこっちもうれしくてシャックリが出そうになる!

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おめでとう!HICUPP PANTHER!! 29日よろしくね。

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さて、この後、出場者のみなさんのあまりの熱演に恵子さんから衝撃発言が!

「あともう少し何組か出られないでしょうか~?」

ということで後日、「芹澤稚菜」「白いんげん豆」「Su凸ko D凹koi」「dolls」の4組も出演することが決定。にぎやかになるわ~。
みんなで仲良く『NAONのYAON 2013』を盛り上げよう!

SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA OFFICIAL SITE

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『NAONのYAON 2013』は4月29日開催。今日の予報では天気もOK!頼むぜ天気予報。「伝説の雨の野音」なんていうけど、絶対晴れろ~!

5年ぶりに開催されるSHOW-YAプロデュースの大ロック・イベントをお見逃しなく!

NAONのYAON 2013の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

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女の子が主役の記事の時にはどうしても書いてしまう「女の子がスゴイ」的な考察。もはやそんなことひつ必要はないし、そうした記述が女性に失礼に当たるようになってきているとも思う。

でもホントにスゴイと思うね。ロックの多様化がもたらした男女比の大きな変化…といいたいところだけど、あながちそうでもない。

女性のバンドにも食いつきやすそうな昔でいうニュー・ミュージック的なソフトなロックは男性サイドに流れ出し、かえって女性の方がSHOW-YAのように男性的な骨のあるロックに近い感じがする。大いに結構。ドンドン暴れまくってもらいたいと思う。

ボーカルやキーボードは昔から女性のエリアは広かった。最近はドラムやベースへの進出も目覚ましく、まったく男女の差はないといっても過言でもないと思うが、ひとつ気になるのはリード・ギターだ。出てきそうでなかなか出てこないのがEITAちゃんやD_DriveのYukiちゃんやこの日演奏してくれたCyntiaのYuiちゃんのようなリード・ギタリスト。

もっとも男の子のバンドでもみんなほとんどギター・ソロが出てこないから女性バンドに限って言えたことではまったくないのだが、なんでなんだろう。シュレッダーとまでいかなくても、キチットした音色でメロディを弾ける子をほとんど見かけないんだよね。

一般的にベースやドラムの水準が上がったことを考えればsun-goさんのようなブットい音色でリード・ギターをバリバリ弾く女性ギタリストがもっといてもいいと思うのだが…。これはMarshall屋としてのワガママなのかな?スケール練習をしてガンガン指を鍛えてMarshallでいい音を出してもらいたい。

でも、いい音を出すのはギターやエフェクターやアンプではありませんからね~!指、指!そのためにはスケール練習が一番早道。お金もかかんないしね!がんばってください。

それにしてもみんな楽しそうだった!ひとつお願いしたいと思うのはSHOW-YAのみんなが夢中になって聴いたであろうロックが一番ロックだった時代の音楽をジャンジャン聴いてエキスを吸収してもらいたい。そして第2の、第3のSHOW-YAを目指しでもらいたい。

(一部敬称略 2013年4月16 日 渋谷O-WESTにて撮影)

2013年4月25日 (木)

『NAONのYAON』への道~CUTE GIRL LIVE <前編>

「やおん」って聴くとこの歳になってもワクワクするね。やっぱり子供の時から行きつけているので、なんかものすごい「ホーム感」があるの。

聖橋から見た神田の景色、隅田川にかかる橋の数々、そして日比谷公園というのは東京の中でも特に好きな風景なのです。

そして、日比谷野外音楽堂が今年で90周年を迎えるんだそうですな。前にも書いたけど開業は1923年、すなわち大正12年。なぜスラスラ出てくるかというとJim Marshallと同じ年なのだ。Jimも生きていれば卒寿だったんだね。

楽屋が木造だった頃の野音をまだ覚えてる。学校の教室みたいだったぜ。

さて、その90周年を迎えた野音で5年ぶりに開催されるSHOW-YAがプロデュースする日本を代表するビッグ・ロック・イベント、『NAONのYAON2013』が目の前に近づいてきた!

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当日はMarshallもズラリとお目見えするよん!

その『NAONのYAON 2013』にオープニング・アクトとして登場できちゃうかもしれない!というオーディション、「CUTE GIRLS LIVE ~ROAD to NAONのYAON~」が去る4月16日渋谷O-WESTで開催された。

全国から200通を超える応募者の中から厳正な審査の末、全10バンドがエントリーし、熾烈なバンド合戦(←こりゃ古いか)が展開した。今日明日と2回にわたってその模様をレポートする。

まずは恵子さんが登場。
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アコギを片手に1曲歌ってくれたのはうれしい限り!

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ブルースだね。

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ジックリと歌いこむその姿は…

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これから出演する女性へのお手本のようであり、エールであり、音楽を楽しむ者たちの讃歌のように聴こえた。

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そしてSHOW-YAのメンバーも勢ぞろい。

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出場者全員にエールが送られる!

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トップ・バッターはBRATS。

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恵子さんが小声で「子供だよ…」なんて言っていたが、ホント!何しろ今年中学生になったんだって!「タメになるね~(もう中学生とひっかけております)

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ま、コワいもの知らずというかナント言うか…とにかく立派なもんです。だってこの子たちのご両親だって私よりかなり年下だろうにね~。一体オレはナニやってんんだ?

「野音に出してくださ~い!」の図。

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2番手の小野葉月。こういうバンド名だそうだ。

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こういう編成はカッコいい。ギターレスなのがカッコいい(Marshallには秘密だよ)。ヘタすりゃELPみたいな音楽かな…なんて勝手に期待したりして…。

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ELPとは似ても似つかないチャーミングなボーカルさんによるポップ・ロック。

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とにかく歌にアクションにと華やかな雰囲気がすごくいよかった!

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それに曲がなかなかによろしいですな。

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ひとバンドの持ち時間は20分。転換時には交替でSHOW-YAのメンバーが客席横の特設ステージに現れて出場者にインタビューをする。恵子さんの話だから、おもしろくてまったく飽きない。

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ここはsun-goさんと恵子さんの出番。「ちょっとあたし、恥ずかしいわ…」とsun-goさんにバンド名の紹介を振る恵子さん。

そして、sun-goさんが絶叫する…「次のバンドは~…」

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「失禁少女ぉ~!」

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彼女たちが身に着けているのはオムツです。介護用の…。だからもれない…って何がだ?!

パワフルなパンク風ロック。

ま、みんなビックリしてたけど、80年代のはじめごろはもっとスゴイのいっぱいいたからね~。

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も~やりたい放題!元気があってよろしいな。

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ドカンと雰囲気が変わって登場したのは山本香澄さん。

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ここはバンドではなくソロでの出場。堂に入ったソウルフルな歌いっぷり。まだかなりお若いんだそうですよ。

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前半最後はSu凸ko D凹koi。「スットコドッコイ」と読むんだって。

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ここは女の子特有の世界観を持ったバンド。「彼女のオッパイ飲まないで~!」…なんてこと歌ってんだ?!と思ったら「揉まないで」だって。大してかわらないか。でもこういうの男にはできないよね。あ、ただ単語を置き換えるはやめてくださいね。

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ま~、バラエティに富んだバンドが目白押しで楽しいな~。こりゃ野音もさぞかしにぎやかになるってば!

NAONのYAON 2013の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA OFFICIAL SITE

<後編>につづく

(一部敬称略 2013年4月16日 渋谷O-WESTにて撮影)

 

2013年4月15日 (月)

Hard Rock Rising 2013~東京地区大会決勝戦

おいしい料理と世界のロック・スターの貴重なメモラビリアでいつでもにぎわっている六本木の人気レストランHard Rock Cafe Tokyo。

Mr. BIGの記者会見、オリジナル・ジミ・ヘンドリックスTシャツ発売記念ライブなど。さまざまなイベントにこの場で立ち会ってきた。ジム・マーシャルが1998年に来日した際、名古屋のお店にスタッフみんなで繰り出したり、横浜のお店で元マーシャルの旧友に出くわしたりと、個人的にもとても思い入れの深い場がHard Rock Cafeなのである。

近い過去にも海外のHard Rock CafeとMarshallはコラボレーション企画が実現したこともある。

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そのHard Rock Cafe Tokyoが昨年、大がかりな改修工事を行い、よりゴージャスな雰囲気の空間に生まれ変わった。11月にはクリスタル・ケイちゃんを招いてド派手にオープニング・パーティも開催された。ありゃスンゲエ盛り上がりようだったゼイ。

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これが新しくなった店内。

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以前のような段差のないフラットなフロアとなった。前の雰囲気も好きだったけど、この使いやすくなったフロアの方が尚よろしい!色んなイベントがやりやすいもんね!

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ゴージャスなバー・カウンターが人目を惹く。ついつい、もうイッパイ?!

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もちろんHard Rock Cafe名物のロック・スターのメモラビリアも豊富に展示されていることは言うまでもない。

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イベント時にはこのコーナーがステージになる。

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2階のようす。

どこもかしこも来店者を満足させるステキな空間だ。あ~写真見てたらハラ減ってきた。

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さて、4月下旬のある日の入口。

下の写真にある「Hard Rock Rising」というのはHard Rock Cafeが世界規模で展開しているバンド・コンテストのこと…ってそう書いてあるね…。リズム、リズム、文章をにもリズムが必要でしてね。自分の書き方で筆を進めないとどうも先へ行きにくい。

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タイトルは「The Global Battle of the Band」。

日本国内ハードロックカフェ5店舗はもとより、世界中のハード・ロック施設で世界デビューを目指して開催されるのだが、優勝バンドには世界中の主要ハード・ロック・カフェでライブを実施するワールド・ツアーの他にアルバム・リリースとプロモーション・ビデオの制作、その上、$10,000相当の新しいバンド機材が贈られるという。

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しかし、いくら世界的な組織が運営してるとはいえ、こういうバンド・コンテストもゴージャスになったもんだ。「世界」だもんね~。スケールがデカイ!

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本編の前にスポンサーであるBudwiserのPR。バド・ガールズが髪を振り乱して踊り、そして舞う!もうコレでツカミはOK!コレが一番!(マイったな…ここであんないエール、エールって騒がなきゃよかったナ…)

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この日はサービス・プライスでBudwiserが飲めるということで飛ぶように売れていた。イヤ、バド・ガールの効果に違いない?!

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名物司会者でもある店長からごあいさつ。

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まずは、最初のバンドにインタビュー。

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最初のバンドは「No Name 101」。

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若さあふれる4人組だ。

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実はこの東京地区の決勝大会の直前の予選が1か月前に開かれ、私は審査員のひとりで参加させていただいたが、その時の優勝バンドがNo Name 101。

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予選の時にもまして迫力ある演奏を聴かせてくれた。パンクっていうのかな?私にはそう聴こえる。

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そういえば高校生の頃、自分たちのバンド名を決めるのがすごく恥ずかしくてね。友人のバンドで「なしよ」というのがあったな。「バンド名は?」「なしよ」…みたいな。「お名前は?」「いいの」「いいのじゃありません!お名前は?」「だから飯野!」のパターンやね。

いまでは「No Name 101」。彼らがバンド名に悩んで「No Name」にしたかは存じ上げないが、カッコよくて隔世の感があるナァ~。

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続いてのバンドは「The Complaints Department」。

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バンド名にビッグ・ワードが並んでいると思ったらメンバーのうちおふたりは外国の方。

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でも、このお方メチャクチャ日本語がお上手で礼儀正しくて驚いた!歌は英語。

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こちらのバンドもパンクっていうのかな?ニューウェイブっていうのかな?そちらの方はまったく知識がないので的確なカテゴライズができないが、パツンパツンのはじけるようなプレイだ!

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うれしくておもしろかったのが、ギター・アンプ。2人ともマーシャルのハーフ・スタックを持ち込んでくれていた。キャビは1960なのだが、ヘッドがこれまた2人ともMG100HDFXなのだ!

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MG100HDFXは現在のMGシリーズの一世代前の「MGIII」にラインアップしていたモデルだ。MGなのでオールトランジスタではあるが、独特なブルータルなサウンドを持っていて、Static XのWayne Staticが愛用していたことで知られる。

私はこのWayne Staticのサウンドを実際にO-EASTで体験したが、スゴカッタな~。「ザバー!」っというか「ギョギョーン!」というか、イヤ違うな、「ジャジョーン!」というか「ザホー!」ていうか、とにかく独特なサウンドだった。

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The Complaint Departmentの2人はそこまでではないにしろ、爽快なギター・サウンドだったね。さすがマーシャル。MGとはいえホントに音がよく抜ける! もし、ここでWayneみたいに爆音で弾いたらホンモノのComplaintが来ちゃうもんね!

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やっぱり外国の方がバンドにいるだけでエラク雰囲気が違うよね。2人ともキャラがメッチャ立ってるし!

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そして、3番目のエントリーは意表をついてデュオでスタート。

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前の2バンドガラリと雰囲気が変わる!

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その実体は4人組のSawas Phool。

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こちらのギターの方はDSLのハーフスタック。

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このバンドはパンクっ気なしのストレートなロックだ。

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カチッとした演奏にエネルギーあふれる熱演で持ち時間を上手に消化した。

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これでエントリーはすべて終了。後は結果を待つばかり…。

審査結果を集計している間、Budwiserを片手に…

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バド・ガール・ダンスをもう一度お楽しみください!

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そして、結果発表!結果発表は店長から。

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「優勝バンドは…」 (ドラム・ロール)ダララララララララララララララ…

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「No Name 101」!

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おめでとう!店長から目録を渡されてハッピー、ハッピー!

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最後にバド・ガールズと記念に一枚。No Name 101は次への舞台へとひとつ駒を進めたのであった!がんばれ!

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Hard Rock Cafe Tokyoの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

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<あとがき>

これも時流ゆえ、仕方のないことなのであろうが、一般論をひとつ…。

世のバンド・コンテストはいつの間にか演奏の技術を競うものではなく、ファッション(着ているものではない)を競うものになってしまったと思う。それはロックという音楽がとりもなおさずファッションの最先端を代弁するものに成長したということなのだろう。それはそれで構わない。ロックもビジネスだ。

しかし、昔のバンド・コンテストというと、「あの子、ギターうまかったね~、きっとプロになるよ」とか「あのドラムはスゴかった~」と見ている人を感心させるアマチュア・プレイヤーが必ずいたものだ。つまり楽器の演奏技術を競うところが大きな見どころで楽しみでもあったワケだ。大した演奏技術を必要としない音楽が流布するムーブメントのせいで若い人は残念ながら楽器演奏の楽しさの一部を失ってしまった。

「Smoke on the Warter」を演れ…なんていうつもりは毛頭ない。個人的にはこうした場所が、もう少し器楽演奏の真の楽しさにつながる演奏技術やカッコよさを見せつける場になって欲しいと願っている。コンテストのスケールは大きくなっても音楽のスケールは小さくならないことを願うばかりだ。

気軽に演奏できる音楽だけが音楽では決してない。「こんなのできるワケないじゃん!」というチャレンジ精神が器楽演奏にあっても全然かまわないのだ。いつも書いていることだが、若い人にはとにかくいろんな音楽を聴いてもらいたい。その上でHard Rock Risingにチャレンジしてもらいたい。また違うBudwiserの味がすると思うよ!

(一部敬称略 2013年3月24日 Hard ROck Cafe Tokyoにて撮影)

2013年2月 4日 (月)

【NAMM2013レポート】Sunday~最終日

順序が後先になったが今回のマーシャル・スタッフのユニフォームを紹介する。スラッシュ・シグネチャー・コンボの発表ということもあって前身頃にはスラッシュのロゴ・サインとスタッフの愛称(ディミニュティブ:アンソニー→トニーとかローレンス→ラリーとかね)かニック・ネームが刺繍されている。

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袖にはマーシャル・スクリプト・ロゴとジム・マーシャルのオートグラフ。

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背中はゴシック調のフォントで「Father of Loud RIP」とジムのポートレイトがあしらってある。

これを着て街へ出た時、ジムを知らない人はこれを見てどう思うんだろうかね?「ああ、この人、よっぽどおじいちゃんのことが好きだったのね~」って?

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さて、手前ミソながらやっぱり人気のマーシャル・ウォール!毎日毎日、引きも切らず大勢の来訪者が壁の前で記念撮影をしていく。みんな「お、マーシャル!」なんて言って必ず足を止めていくのだ。

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となりのブースからSamantha!

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そしてChad!

マーシャルがあるだけでみんなすぐに仲良くなれる。マーシャルは世界の共通語なのさ!みんなロックが好きだから。何回も書くけどこの黒い箱の中には夢が詰め込まれている。

そして、ただ並べているだけでこれだけたくさんの人をよろこばせてあげられるなんて、マーシャル冥利に尽きるね。やっぱり人類にはマーシャルの壁が必要なんだ!

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さて、最終日のケリーさん。
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昨日のトリプル・ヘッダーの疲れをおくびにも出さず今日もフル・スロットルだ。

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最終日は2回の登板。

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最終日とあって気合も入りまくり、ここまでの6回の演奏の集大成のような熱演だった。
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世界から集まった人々を相手にした久しぶりのアメリカでの演奏に燃えまくったケリーさん。こういうのを快演というのだろうな…脇目もふらず何かに向かって猛烈に突進する姿は美しい。
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4日間の演奏を無事に演奏し終わり、「日本にケリーあり!」を十分に主張したケリーさんだった。さすがにちょっとお疲れの様子であったが、もうきっと次のステップのことを考え始めていたに違いない。

Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website

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ところで、マーブロにはなるべく食べ物のこと等、音楽や楽器にに関すること以外は書かないようにしているのだが、これはチョット書いておきたい!

こういう機会で海外へ来ると、昼食をスキップしたり、せざるを得ないことが多い。理由は時差ボケで空腹になるサイクルが狂ってしまうこと。それから忙しさ。ミーティング等で昼食を摂る時間を逃してしまうことも多い。

でも、最大の原因は食べたいものが何もない…ハンバーガー、ピザ、サンドイッチ等々、こういうところの食べ物にウンザリしてしまう…というのが一番の理由だ…。

それに、何かも高い!何しろ500mlよりちょっと大きいPETボトルの水が$3もするんけんね。驚くわ。しかも、会場内は乾燥していてひどくノドが乾く。ノドが乾くたびに$3も払っていたら身上つぶれてしまうがな!あれほど物価の高いロンドンより金がかかる。

で、どうするかというと、PETボトルの水を最初は一本買って、中身を飲み終わったら水道の水(給水機がある)をリフィルするのだ。ロサンゼルスの水は何というか、味の素が入っているような、すごく人工的な味がして、飲み終わった後に何かイヤなものが舌に残る感じがする。東京の水もかなりひどいのでそう苦にはならんがね。

イギリス人にロンドンの水とどっちがマシか尋ねてみると、「ほぼ同じ」という答えだった。水の話しをカナダ人にしてみると、「どこもかしこもマズイ。一番おいしい水はカナダさ!」だって。

さて、この最終日、時間が空いた3時頃、猛烈な空腹感を覚え、何か食べる決心をした。それに今晩はブースの片づけをしなければならないので、とにかく何かをハラに入れておかないとマズイ。しかし、食べたいものがない…、ハンバーガーにするか、ターキー・サンドイッチにするか…どれも食べたくないナァ~。もうウンザリだ…。

と逡巡していたら発見!「アッレ~?こんなのあったんだ!?」と快哉の声を上げたのが下の写真のヤツ。チャーハンに焼きそば、それに鶏を甘辛く煮たのが乗っかってる。

値段を見ると$11もするけど、もう我慢できない!さっそく列に並んでレジに進む。なにせハラ減ってるからね~。すると、チンタラやってるんだな、レジが…。どうしてこういうところでコーラ1杯買うのにクレジット・カード使うんだよ~!通信の速度が遅いらしく、一人当たり5分ぐらいかかってる。イヤ、さすがに後ろの奴らもブーブー文句を言ってる。

「オレのチャーハンが冷めちゃうじゃねーかよー!」と心の中で悲鳴をあげつつひたすら待つ。そして支払い。ちょうどテーブルも空いて後はただ食べるだけ。うれしいなったら、うれしいな!食うぞ~!

そして、食べてみる。

絶句…。

ナンダコレハ?

ともすれば悲鳴をあげてしまうところだった。殺人的にマズイのである。空腹と期待感が頭の中で勝手にこの食べ物の味付けをしていたのだろう…あまりの落差と驚きにイヤ、もはやこれは感動の域に達していたかもしれないゾ。

次に思ったのは「一体どうしてこういうものを作ってしまうのだろう?」ということ。「わからないなら誰かに訊けよ!」と怒鳴りたくなってくる。まわりの西洋人はペロリと平らげていたが、ちょっと私はムリ。ひと通り上に乗ってる鶏肉を食べて(これは観念しさえすればそう悪くない)おしまい。いっぺんに食欲が失せてしまったのだ。

間違いなく日本人は、三食世界で一番おいしいものを食べているに違いない。朝は焼き魚、卵、のり、納豆、味噌汁…。昼はバラエティに富んだ各種定食。夜は鍋にすき焼き、お好み焼き…。
西洋人は質素だよ~。朝はシリアル、かなりよくてトーストにハムエッグ、昼はサンドイッチ、ポテチ、りんごかバナナ、夜は冷凍食品をチンして終わり…。

食べ物に関しては本当に日本人でよかった!

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最終日はD_Driveが3回登板した。

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D_Driveもトッコトン気合を入れた演奏で8回のデモンストレーションをこなした。

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この日もデカい黒人のおじちゃんが音量測量機を手にしてジッと様子を見ている。あ~、そしてとうとう…。ブース内に入って来てYukiちゃんの前に立ち、「音を下げて!」のジェスチャー。ハイ、わかりましたとちゃんと音量を下げて演奏続行。ベースなんかスゴイ小さくしたんだけど、実によく聞こえる。スゴイ音抜けだ。

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各デモでは惜しげもなくD_Driveの代表曲が繰り出された。オープニングは常に「Cassis Orange」。この曲は非常に日本人っぽいメロディを持っていると日頃から思っていたし、それがD_Driveっぽい部分でもあると思っていた。ようするにツカミはバッチリということだ。

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他にも「M16」、「Hyper Driving High」、「Screw Driver」、「Lost Block」、「Russian Roulette」等の代表曲が毎回演奏された。

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派手なプレイで存在感を十分に示したShimataro。D_Driveの魅力はギターだけではないことを証明してみせた。

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ちょっとかわいそうだったChiikoちゃん。でも実はD_Drive、前の日の晩に地元のライブハウスに出演したんだって!もちろんドラムもOK。きっともんのすごいドラミングだったんだろうね。見たかった!

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デモの合間を縫ってマーシャルのブースを訪れる。ちょうどジョン・エラリー社長が外に出ていたので機を逃さず記念撮影!

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すると、ジョンが「あそこで撮ろう!」とジムの壁に移動して一枚。

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

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…というワケで、アッという間に2013年のNAMMショウも無事終了。

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マーシャルを片付けるのはお手のモノだが、今回はナタール・チームを手伝うことにした。実際に触れて商品を覚えたかったからだ。それに、どう考えてもマーシャルより腰にやさしいと踏んだワケだ。

ところがだ!確かにそれぞれのアイテムに重いものはないのだけれど、あれドラム・セットってのは分解するとものすごいパーツの数に膨れ上がるのね~。それが読めなかった!「あ~、やっぱりマーシャルやっときゃよかった…」と後悔しながらバスドラのヘッドをはずす…。でもとても勉強になりましたわ。

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空き箱でふざけるジェイソン。向こうの人はこういう時、絶対に焦らない。自分のペースでゆったりと仕事するんだよね~。こちとら江戸っ子でどうにもチンタラやってられねー!ってんで率先して何でも片付けちゃう。するとものすごく感謝される。こっちはせっかちなだけなんだけどね。

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昼間の喧騒がまったくウソのようなひっそりとしたメイン通り。

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オイオイ、もうよそのブースはすっかり作業が終わって帰っちゃってるじゃんかよー!

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…といつ終わるともしれない無間地獄と思われたが、ナントカ片付いた!

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はい終わり!疲れた~。これらのスタックは業者が来ていっぺんに引き取っていく。10時半だよ、10時半!昔、フランクフルトで12時近くまでかかったこともあった。それに比べればマシな方だわ。

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もう解体業者も数少なくなってヒッソリとした会場。この時間でも出口にセキュリティのおばさんがいて、持ち出すものをチェックしてる。我々はホテルに持って帰るためカホン他いくつかパーカッションを持参していた。するとそのおばさんがオレンジ色の書類を差出し、ナニを持って出るかを書き込めという。変なとこ厳重なんだよな~。

そうそう、そういえばトイレ。6時ぐらいになると1か所か2か所を残して全部閉鎖してしまう。「Closed」と書いたパイロンが置いてあるのだが、みなそれに気づかずおかまいなしに入ってきてしまう。すると、トイレの掃除のアジア系の人が怒る、怒る!「早くしろ~!」と怒鳴りまくっている。何しろ用を足してる後ろに立って「早く、早く!」と急き立てるんだから出るものもでなくなってしまう?!それでも大声で「Thank you!」と告げると「ハイよ~!」と案外やさしかった。

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今回久しぶりに参加したNAMMだったけど、10年ぐらい前に比べたらおっそろしく来場者が少ないように感じたナァ~。聞けば去年よりにぎわっていたらしい。でも、昔はこんなもんじゃなかったよね。日曜日ともなれば会場のメインの通りは元旦の浅草寺みたいで身動きが取れないぐらいの人出だった。今回は日曜日の午後なんかガラガラだったもんね。もしかしたら一般の入場者を厳しく排除したのかもしれない。

それと、来場するミュージシャンが減ったような気がする。自分が熱心に歩き回らないせいもあるんだろうけど…。見かけるミュージシャンはいつも来ている人ばかりなので、私の感覚がボケてしまったのだろう。

でも、個人的には古い友達にたくさんあって近況を報告し合い、マーシャルの連中とワイワイやって…楽しかったナ。

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翌日、日本へ帰るの日、南カリフォルニアらしい雲ひとつない青空だった。滞在中珍しくずいぶん雨が降ったもんね。しかし、この頃自分の飛行機はとっくの昔に出発しとったんじゃ!

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<おまけ>

NAMM会場を歩いていると、CDや商品のサンプル、小冊子などなど色んなモノがもらえっちゃったりする。でも、それもめっきり少なくなったような気がする。

色々と細かく見て回る時間がないせいもあろうけど、昔はもっといろんなモノを配っていたようなイメージがあるな~。これも景気が優れないせいか…。

で、今回自分からすすんでもらって来たのがこの雑誌。HAL LEONARDのブースだ。HALは全米で一、二を争う音楽出版社だ。ここの社長には昔から可愛がっていただいている。ご令嬢のローレンちゃんが「Trinity Irish Dancers」というアメリカでナンバー1のアイリッシュ・ダンス・チームのメンバーのひとりで、去年来日公演に招待していただいた。その様子はシゲ・ブログでレポートしているが、お父さんもこのシゲ・ブログの記事を大変よろこんでくださり、同僚に「見ろ!見ろ!」と迫ったとか…と、ブラッド・スミスというその迫られた同僚から聞いた。ブラッドはレッチリのチャド・スミスのお兄さんだ。

HAL LEONARDのブースでこれらの雑誌を眺めていたら、「好きなの持ってってください~」とショーンという社員が親切に声をかけてくれた。ので、この2冊をいただいた。「Guitarist」誌のアンプ特集と大好きなイギリスのCLASSIC ROCKの姉妹誌PROG ROCKだ。しかも、特集がジェネシスの『Foxtrot』!「Supper's Ready」のことが何やら詳しく書いてあるらしいのでショーンに丁重にお礼を言ってもらって来た。

帰ってきて、このPROG ROCKを外袋(英語でWalletという)から出してニンマリ…。表紙がカッコいい~!ピーターとキツネの頭の女性がフォックストロットを踊っているというアイデア。何かすごく得した気分になっちゃった!

何年か前に来日したスティーヴ・ハケットと少し話しをしたことがある。その時はレンタルのJCM800 時代の1959を2台使用していたが、本当は1987がお好みだとか…。次回は50Wで演りたいと言っていた。大人しくて、威厳がある感じのとても素敵な英国紳士だった。

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このシリーズ、これにておしまい

(一部敬称略 2013年1月25日ロサンゼルス、アナハイムNAMMショウにて撮影)

2013年2月 1日 (金)

【NAMM2013レポート】Saturday~3日目

NAMMの3日目は土曜日。木&金曜日は比較的落ち着いているが、土日になるともう信じられないくらいの混雑ぶりで、目抜き通りは完全に「仲見世通り」状態となる。
その前にマーシャル・ブースをもう少し撮っておこう。
奥がミーティング・ルーム。ここに世界中からディストリビューターが訪れ、会期中には数えきれないほどのミーティングが執り行われる。
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受付カウンターってほどではないけれど、ここでマーシャルのバッグが販売された。フランクフルトではほぼ全種のマーシャル・グッズを取りそろえて販売されるが、ここではイベントで取り扱われない簡易バッグのみが販売された。
NAMM会場にはこのマーシャル・バッグをブラ下げた数えきれないくらい大勢の人が行き来した。いったい何万枚売ったのかな?
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マーシャル冷蔵庫のディスプレイ。冷蔵所があんまり溶け込みすぎてて、はじめ冷蔵庫のディスプレイだとは気がつかなかった。
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さて、今日もケリーさんのデモは絶好調!何とこの日はトリプルヘッダー!日に3回もデモ演奏に取り組んだのだ。
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人前でおんなじことを日に3度もやるのは実に大変なこと。私もかつて、一回当たり1時間半のマーシャルの講義なるものを日に3回やったことがあったが、3回目は死んだね。
体力的なこともあるけど、ずっと集中してなきゃならないのが滅法疲れる。同じことを何回もやるのはある種苦痛だし、かといって聴いている人が毎回異なるので、違うことをするワケにはいかないし…。
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レイド・バックした音楽で「♪ほんにゃら~」と演奏するならまだわかるが、ケリーさんの場合は毎回火を噴くようなシュレッドに次ぐシュレッドだ。ちょっとでも手を抜いたらいっぺんに瓦解してしまう剃刀のような音楽だから何回も演るのは本当に大変だってば。
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そこはケリーさん、鬼の集中力で毎回フル・スロットルで弾ききった!さすがのケリーさんも昨日早めに寝たという。その効果は絶大?!何せケリーさんの場合、ローもセカンドもない。いきなりギアをトップいれなきゃならないからね。
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才能のある人というのは練習をしなくても演奏できる人ではなく、練習を苦にしない人のこと…つまり、同じことをいくらでも集中してできる人のことを指すのだ…と思う。ベートーベンだったか、モーツァルトの言葉をアレンジしてみました。スゴイ人って「イヤ、練習なんかしません」なんて言ったりするけど、アレ、練習を練習って感じてないんだぜ。イヤになるぜ~、単純なことを何回も繰り返しやるのは…ああ凡人でよかった~。

Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website
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元ホワイトスネイクのブライアン・ティッシーがブースにやってきた。「元」というのは当然ホワイトスネイクを辞めてしまったから。ダグから連絡があって5月に来日するって聞いてただけに残念!

ひと通り今回のBONZO BASHの話しをした後に「なんでホワイトスネイク辞めちゃったの?! 5月に東京で会うの楽しみにしていたのに!」と訊くと「イヤ~、やりたいことが他にたくさんあってさ…」だそうだ。そういえば、BONZO BASHではかなりギター弾いてたな…と思って、「もしかしてギタリストとして?」と尋ねると「ギターとドラム両方だよ!」だって。

聴けばブライアンは実はジミー・ペイジの大大大ファンだそう。とこのタトゥーを見せてくれた。なんと、ジョン・ボーナムではなくジミー・ペイジのシンボルが入っちゃってる!

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ブライアンからもらったBONZO BASH記念ピック。

それにしてもこのブライアン・ティッシー、9月のウェンブリーの時も「エラク感じのいい人だナ~」と思ったが、本当にニコニコ明るくて素敵な人だ。それに、ここ最近とみにこの人のドラマーとしての人気が高まっているようで、会場内でもひっぱりダコだったし、もちろんBONZO D…イヤ、BONZO BASH(危ない!すぐ、BONZO DOGって言いそうになっちゃう!)でもひときわ声援が大きかった。間違いなく世代を担う名ドラマーだ。

ブライアンはNATALプレイヤーだ。

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ダグもやって来た!何せ忙しそう!昨日BONZO BASHに出演して今日は会場でサイン会。そして、もう次の日はツアーに出るといっためまぐるしい活動ぶり。表にいたらサイン&写真攻めになってしまったのでエラリー社長が裏に連れて来た。5月が楽しみだ!
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ダグの右手見て…。これが付いてる。これは昨日のそのBONZO BASHのパスなの。ダグと同じとしうことは、ま、VIP待遇?な~んて、マーシャルはスポンサーをしているので2階席へ上がれたってだけね。

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さて、FUJIGENさんのブースで大暴れしたもうひとつの日本からの刺客はD_Drive。

ここでまず公開するのは前日の金曜日、つまりNAMM2日目のようす。実は初日は第三者の責によるやむを得ない事情で出演の時間が大幅にくるってしまい、私が出席するミーティングと重なってしまい見ることができなかった。

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今日は晴れてそのステージを目の当たりにすることができた!ヒヒヒ…。

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この日を待ちわびていたSeiji!

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この日を待ちわびていたYuki!

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この日を待ちわびていたShimataro!アララ、全部同じになっちゃった!

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…というくらい気合を入れていたのですよ!

うれしそう!このYukiちゃんの表情からもその気合の入れっぷりがわかるというもの。

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Seijiさんも入魂のプレイ!
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この人も実に楽しそうだ!いつもニコニコしている聖人のよなShimaちゃんだが、ニコニコぶりが倍増してるもんね!
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海を渡っての演奏に臆することなく、いつも通りピッタリと息の合ったプレイを聴かせてくれたギター・チーム。

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ただひとついつもと違うのはChiikoのドラムがないこと…。やっぱり4人そろってのD_Driveを披露して欲しかったが、スペースや音量の問題でNG。いつか4人でリターン・マッチをしてください。
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でもChiikoちゃんも来てるの。とっても仲良しのD_Driveなのであった。

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サイン攻めに会うYukiちゃん。

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地元のTV曲からインタビューを受けるYukiちゃん。デッケェなァ、インタビュアー!Yukiちゃんがメッチャ小さく見える?!

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「チョット、アナタノハヤサニツイテイケマセンデシタ」なんて言ってるのかね?んなことないか…。やっぱりこうした可憐な東洋の女性が目にも止まらない速さでギターを弾き倒すなんてのは類を見ないだろうからね。大きなニュース・ソースになるのだろう。

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かわって翌土曜日のデモンストレーション。

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もう完全にフィーリングをつかんだのだろう、もうス~ラスラの余裕演奏!もうホントに演奏を楽しんでる感じ?

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でもですね、ひとつ問題が発生。それは、音がデカすぎるって怒られちゃったの!ま、いつもに比べれば全然大したことないんですよ。まわりもガチャガチャすさまじい騒音だし…。
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実は犯人はベース。もちろん、Shimataroちゃんだけ音を大きくしていたわけでは決してない。

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むしろ犯人はこのEDENの2×10"の180Wコンボ・アンプなのだ。プラクティス・アンプなのに十分に実戦で使えるパワフルなヤツ。信じられないくらい音抜けがよいので大きく響いてしまうのだ!なんてよろこんじゃイカンか…。

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あんまりイエロー・カードが出ちゃうとデモできなくなっちゃうからね…音量に気をつけながら演奏するShimataroちゃん…には見えないナァ~、ノリノリで。(注:実際には音量を下げて問題なく演奏しています)

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しまった!「Can you follow my spped?!」ってYukiちゃんにステージで叫んでもらうべきだったな~。

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バリバリ弾く女性ギタリストがいるバンド…ということだけではもちろんなく、インストのメタル・ギター・バンドということで注目度も高かったに違いない…。

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毎回大勢の人がブースを訪れてきた。

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

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帰り道外で出くわしたサイン。「NAMMは一般の方々には開放しておりません」…なんだけどどう見ても楽器業界で働いている人じゃない人をたくさん見かけるんだよね~。だって格安航空券業者のNAMMツアーとかあるもんね。これはどういうことなんでしょうか…と昔から不思議に思ってるんだよね。フランクフルトなんかは最後の日だけだったかな?一般の人も受け入れるようになっているんだけど、NAMMはあくまでトレーダーさんのための展示会なんじゃ。

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帰りは大渋滞だ~!

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次回、最終回につづく

(一部敬称略 2013年1月25日ロサンゼルス、アナハイムNAMMショウにて撮影)

2013年1月31日 (木)

【NAMM2013レポート】Friday~2日目

ゴメンナサイ!3日も休んじまった!

ありがたいもんですよ、マーブロをアップしないと「身体を悪くしたのか?」と心配して連絡してくれる友人がいるんですよ。うれしいものです。時差ボケなんて言っていられませんが、何しろNAMMから帰って来て片づけなければならない急ぎのお仕事がたくさんあって…。もちろん毎日更新したかったのですが、どうにも時間がありませんでした。

しかも!NAMMが日曜日に終了して、日本へ帰る日、チョイとおもしろいことが起こってしまったのよ。これで半日損をしちゃった!

というのは、帰りの飛行機は「0:10」にLAを経つANA便。早く納豆食べたいし、余裕をもって早めに朝の9時ごろロサンゼルス空港に着いてみる。さすがに旅慣れているな…オレ。

パスポートとeチケットのバウチャーを差し出してチェックインする。すると、カウンターの女性がeチケットのデータをチェックして驚いていらっしゃる。「なんだろう、もしかしてダブル・ブッキングのミスをしてビジネスに無料でグレード・アップしてくれるのかしらん?ヒヒヒ…。

するとその女性が…「お、お客さま…大変申し訳ございませんが…」

「(来た来た来た!)」

「申し訳ありませんが、お客様の12時の便はお昼ではなくて夜中の12時でいらっしゃいます…」

「ゲ!これから15時間近く待つワケですか?」

これがロンドンなら荷物を預けて、すぐにピカデリー線でウエス・トエンドへ戻ってもう半日ロンドン・タウンを楽しむところなのだが、LAじゃな~。しかたない、空港でマーブロでも書くか…なんて半ばあきらめていると…

「イエ、お客様の便は今日の「零時」の便です。つまり、もう昨日の夜中に出てしまっています…」

「ゲゲゲ????」

これにはマイッタ。ま、確かにチケット・インフォーメーションには「21日の0:10」とある。オイオイ、こんな便あったのかよ~!そりゃ確かに21日の便だけどさ~。今までだってずっとそうだったし、スッカリ昼の12時かと思っていましたよ。そういえば行き先が羽田になってたからな~…というかこの時はじめて羽田着ということも知ったのですよ。

昨日の夜中の12時っていったらマーシャルの連中とワイワイ打ち上げしてましたよ~。で、結局、昼の12時の便に空席がひとつ残っていたのでそこに乗せていただきました。残りモノなので4人掛けの真ん中。でも。777というのは真ん中も2席ずつ分かれているのでそう問題ない。

問題はトイレだよね~。通路側のオジちゃん全然トイレに行かないもんだからマイッタ!みなさんも気をつけてください!

さて、NAMM。2日目の金曜日となり人も増えてきたよ~。

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これが土日になると爆発的に混雑するんだよね~。

 

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あちこちでテレビの取材が行われている。ナタールを説明するのは担当のひとり、ジェイソン。緊張してら!

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さて、我らがケリーさん。今日もFUJIGENさんのブースで大暴れ!
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昨日、1回だけ登板して感じをつかんだのか、スイスイとデモを進める。
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今日はダブル・ヘッダー。土日になるともう騒音でどうにもならないから今のうちにジャンジャン弾いてもらいたい!
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超絶サウンドを聴きつけて次から次へと人が寄って来る!
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英語に「jaw-dropping」という言葉がある。
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文字通り、スゴイものを見て「アゴが落っこちるほどビックリする」時に使う言葉。
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ケリーさんのプレイは、そこにいた世界から集まった人々の頭の中にその言葉を思い浮かばせたにちがいない。あ、もちろん英語圏に人だけね。
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終演後、毎回多くの人から悪者や質問を浴びせられるケリーさんなのであった。ケリーさんも楽しそうだ!

Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website

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さて、地下へ行ってる。地下はこれからブレイクしようという新進のメーカーや小さいながら良品を作り続ける老舗ブランド、「オイオイ、これは売れないでしょうよ!」と思わざるを得ないエグイアイデア商品まで、種々雑多なブースが並んでいて、ある意味一番見応えがあったりする。ここに多くの友達がいるので何回か訪れている内に気が付いたのがコレ。

ちょっとした楽器の博物館になっている。個人のコレクションのようだ。

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これはアドルフ・サックスのサキソフォン。サキソフォンはベルギーのこの人が発明したのでサクソフォンなのよ。私が発明していたらシゲソフォンだ。音汚そ~!
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これはメロトロンの原型。
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何だか知らんがフェイセズ(フェイシズ?→この表記問題はいつか論じたいと思っています)関連アイテムのコレクションがあって、1975年のツアー・パンフとスーツケース。

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それにスタッフ・ジャンパー。これ、持ち主がフェイセズのスタッフだったのかな?
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帰り道。会場前のステージでは盛んにライブ演奏が行われていた。何だか知らんが、「Stay With Me」を演ってたよ。偶然かな?いい曲だよね、コレ。こないだポール(ギルバート)もアンコールで演ってた。
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2日目終了!寒!

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(一部敬称略 2013年1月25日ロサンゼルス、アナハイムNAMMショウにて撮影)

2013年1月26日 (土)

【NAMM2013レポート】Thursday~初日 その2

さて、Kelly SIMONZのデモンストレーション。日本を代表するギター・メーカー、FUJIGENのブースで行われた。

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猛烈な弾き倒し!

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離日前からテンションを上げていたケリーさん。そのテンションをそのまま持ち込んで爆発させた。

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曲は「ロンド」をはじめおなじみのケリー・スタンダード。

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今回は歌は一切なく、ケリーさんがステージに上がっている間中ギターのサウンドで埋め尽くされた!

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まさに休符なしの鬼気迫る演奏!

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高いテンションだけでなく、何かを強引につかみ取ろうとする者だけが持つ怖いくらいのハングリーな迫力をまき散らしていた。

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『四季/春』もプレイされた。

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はじめは観客もパラパラだったが、いつの間にか黒山の人だかりに!

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結果、大ウケ!人が少ない(それでも混んでる)初日からこの調子なのだから、爆発的に混雑する週末にはブースがパニック状態になることだろう。

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終演後はたくさんの人が握手やサイン、CDを求めた。ケリーさん会心の笑み!

Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website

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そして、初日の夜にはジョン・ボーナムのトリビュートコンサートが開催された。こうしたNAMMの間にしか実現しないスペシャルなコンサートもNAMMの楽しみのひとつだ。

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NAMM会場から車で20分くらいのサンタ・アナというところにあるライブハウスで開催。1,000人をちょっと欠けるくらいのキャパくらいの会場は超満員!むちゃくちゃ空気悪そう!

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ジョン・ボーナムへのトリビュートというくらいだから主役はドラマー。一曲ずつ入れ替わり立ち代わりドラマーが変わる。

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もちろん曲はすべてレッド・ツェッペリン。

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おかまいなしに新旧…というか初期、後期の曲が入り混じって飛び出してくる。

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もうお気づきのことと思うが、ギター・アンプ、ベース・アンプ、ドラム・セットすべてはマーシャルのファミリー・ブランドなのだ。つまりMarshall、NATAL、EDEN。要するにスポンサーということなのね。うれしいね~、こういう光景は大歓迎だ!

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マッドさんかと思った!スミマセン、出演者はこのイベントのウェブ・サイトを参考にしてください。

BONZO BASH NAMM JAM 2013の詳しい情報はこちら⇒NATAL Official Web Site

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ステージ脇に待機しているブライアン・ティッシーを紹介。

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この人「Royal Orleans」を演奏したんだけどエライかっこよかった!

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カーマイン・アピス登場。

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ブライアンはまずはギタリストとしてステージに上がった。

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曲は「Good Times Bad Times」.。ドラマーはもう交替している。何しろ1曲ずつだけだから。エンディングだけで叩いてた人もいた。

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ギター・ソロをキメるブライアン。

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続いて「Heartbrealer」。

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またボーカルの人の声がロバート・プラントによく似てるんだ~。英語がとびっきりうまい!

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ブライアンは真ん中のソロを完コピで披露!

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ジャンジャン変わるドラマー!誰が誰だかサッパリわからん!

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すっかりおいしいところを持っていくブライアン。というのも彼はこのコンサートの発起人なのだ。

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テスラのギタリスト登場。

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スッゲ~、パワフルそうなヤツが出てきた~。もし有名な人だったらごめんなさいね。

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曲は「Celebration Day」。

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予想通りモノスゴイ迫力!

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やっぱりこのあたりの曲は人気があるね。

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ニコ登場!ニコはこの日の昼に会った。会う時はいつも愛想よくハグハグしてくれる。いつもニコニコしていて本当に素敵な人だ。名前がニコだもんね。

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ブライアンがドラムにつく。曲は「Rain Song」。

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ブライアンはちょっと前にホワイトスネイクを脱退してしまった!5月に来日するだけに実に残念!でもNATALは使い続ける。このNATALドラム、海外では驚くべきスピードで評判を得ているようだ。

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転換の間をつなぐカーマインとニコ。ニコは話がとてもうまい。

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この人はスゴかった!アリス・クーパーのドラマー。

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これスティックがブレて写ってるでしょう?

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エレクトリック・イール・ショックのジャイアンみたいにスティックを2本ずつ持ってるの。この人でアリス・クーパーの演奏を是非聞いてみたい!

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アンスラックスのドラマーも登場。

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昔から言われているけど、向こうの人は本当にバスドラが強力だ。力があるとかそういう次元の話しではなくてとにかく重い。相手がボンゾともなれば余計か。

とにかくツェッペリンの人気は衰えることを知らない。イヤ、また、燃え上がってきているかのように見える。実によろしいことだ。ツェッペリン世代のみなさん!自分たちだけで楽しんでいないで若い人たちにもこの魅力を伝えてあげようじゃあ~りませんか!

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つづく

(一部敬称略 2013年1月24日 ロサンゼルス、アナハイムにて撮影)

2013年1月25日 (金)

【NAMM2013レポート】Thursday~初日

ハリウッドがいわゆる「映画の都」になったのは、ご存じの通り年間を通じて雨が少ないからだ。雨が降らないから予定通りロケが進むっていうワケね。

ロンドンほどではないにしても、ロサンゼルスは何回か来ている。何せ最初に来たのは新婚旅行だかんね。これまで一回も雨が降ってるのを見たことがなかった。それがコレよ。このザマ。2013年のNAMMショウは雨から始まったのだった!

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ところが、今、友達からのメールを見ると、彼が11月に来た時はナントは5日間も雨が降りっぱなしだったという…。ホントにおかしくなってるんだね。

でも、そういえばビリー・ワイルダーの『サンセット大通り』にこういうシーンがある。ウィリアム・ホールデン扮する主人公、ジョー・ギリスの独白… 『ロサンゼルスは雨はめったに降らない。一旦、降るとそれはバケツをひっくり返したかのような大雨になる』。私の友人はちょうどそれに当たってしまったの かもしれないね。

ロンドンなら毎日何回も雨が降るので手の施しようがないけど、ロスで雨はやめてもらいたい!出発直前に傘をわざわざスーツケースから取り出したものだからこの思いはよけいだ。

さて、完成したマーシャルのブース。

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入り口にはジムを偲ぶサインが設置されている。BLS仕様だ。

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やっぱりコレだよね~。ホッとするわ~。

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並べられているスタックはすべてJCM800 2203。

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前列にはMGと今回発表された新商品がディスプレイされている。

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真ん中がその新商品。

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これがその新商品のSL-5C。

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スラッシュのシグネチャー・コンボだ。

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2ch。プリ管はECC83 が3本、パワー管にはEL34を1本配した。

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リア・パネルには1W/5Wの切り替えスイッチがついている。

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フットスイッチはチャンネル/リバーブ。

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こちらはカスタム・ショップ商品のピンナップ・シリーズ。限定品。

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母体はClass5のスタック。

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1930年代のアメリカのハリウッド女優がモチーフになっている。

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こちらは試奏室。弾いているのは元グリム・リーパーのギタリストで現在Marshall USAのニック・ボウコット。

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この人だ。前にも書いたことがあったが、この人の写真でちゃんとしているものは1枚もない。

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ブースは当然マーシャル以外のファミリー商品が展示されている。

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Marshall、NATAL、EDENが現在のマーシャル一家だ。

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ズラリとならんだスネア・ドラムの展示。

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ナタールについてはまた詳しく触れるが、元々はパーカッションのブランドだった。

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このカホンがヨーロッパではバカ売れしている。

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へヴィ・デューティなペダル。

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マーシャル50周年を記念して作られたスネア・ドラム。非売品だ。

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Gold Jubileeらしく金ピカ!

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こちらは50周年記念のセット。

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ナタール・ドラムは比較的ハイエンドな商品で、今回のNAMMではSpiritというエントリー・モデルが発表された。それがコレ。

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コレもそう。多くの人が担当者に質問を浴びせていた。

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シン・リジーのブライアン・ダウニーのセット。シン・リジーというとすぐに「ツイン・リード」と相成るが、よく聴くと実はドラムもすごくカッコいいんだよね。

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こちらはユーライア・ヒープ。もともとはリー・カースレイクだったけど(この名前いったい何年ぶりに口にしたかな?覚えてた自分に驚くわ!)、今は ラッセル・ギルブルックという人。アラン・プライスやクリス・バーバー、ヴァン・モリソンらと仕事をしてきたベテラン・ドラマー。トニー・アイオミともいっしょにやっていたので、この名前を聴いたことのある人も多いかもしれない。あ、最近日本に来たっけね、ヒープは。

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お、ボンゾ仕様?!

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ジョン・ヘンリー・ボーナムが使っていたパーカッションはナタール製だった。実はこの晩、マーシャルとナタールがスポンサーの一部となったボーナムのトリビュート・コンサートが開催されたのだ。もちろん行ってきた。この模様はまた追ってレポートする。

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これたはエデンのコーナー。

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ハイエンドのライン。

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こちらは普及品。今回のNAMMで新しい小型コンボが仲間入りした。

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マーシャル・グッズもしっかりと展示されている。フランクフルトと異なり販売はしていないけどね。これらはマーシャルUSAの企画。左端にはマーシャル・フリッジ(冷蔵庫)も見える。

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FUJIGENでのケリーさんのデモンストレーションも大好評だった。これも追ってレポートする。今日はD_Driveは見れなかった!残念!

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私は滅多に有名人の写真を撮ったり、いっしょに写ったりしない。でも、NAMMショウのひとつの醍醐味は有名な海外のアーティストに出くわすことなのはよくわかっている。でもナンカ恥ずかしくてね…。

ところが!コレだけはどうしても我慢できなかった!追いかけて行ってお願いして撮らせていただいた。

チェスター・トンプソン!

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ウェザー・リポートの『ブラック・マーケット』に参加していたり、ジェネシスのサポート・ドラマーとして有名だが、なんといっても70年代のザッ パ・バンドの業績が一番だろう。『One Size Fits All』、『Roxy & Elsewhere』、『Studio Tan』、『You Can't Do That~ vol.2 』等、フランク・ザッパが一番ザッパザッパしていた時代の名作は彼なしでは実現し得なかったであろう…という私のもっとも好きなドラマー。

「フランク・ザッパの大ファンで、あなたがジェネシスにいる時に東京でショウを拝見しました」と激白!「ハハハ、サンキュー」以上!

しっかし、このお方が「Inca Roads」を叩いていたのかと思ったら誰だって興奮しちゃうでしょ?!え、しない?おかしいナァ~。

…ということで初日が終了。これからひと仕事だよ…トホホ。

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(一部敬称略 2013年1月24日ロサンゼルス アナハイムNAMM会場にて撮影)

2013年1月24日 (木)

SCANDALコピーバンド/ヴォーカリストコンテスト vol.3

今、日本でもっともアマチュア・バンドにコピーされているガール・バンド、SCANDAL。

ギターのMAMIちゃんがマーシャル・プレイヤーということもあってマーブロでも応援させてもらっていることはすでに皆さんご承知の通り。オッサン、のめり込んじゃってるのもご存知の通り。いいのですよ、何回も言うけど…。実にいい、SCANDALは。アマチュア・バンドがSCANDALの曲を演奏したくなるのは至極当然のことだと思う。

だから『SCANDALコピーバンド/ヴォーカリストコンテスト』がある。去る2012年12月9日、第3回目の決勝大会が渋谷AXにて開催された。実はこのコンテスト、私、第1回目で審査員を務めさせていただいている。そして、今回は写真撮影とマーブロの取材ということでお邪魔した。

昨年はお休みせざるを得ない事由があって拝見していないのだが(ホントは見たかったのよん!)、今回は第1回目に比べ、参加者の幅も演奏レベルも格段にグレード・アップしていることに驚いた!おそるべし、SCANDAL人気!だってSCANDALをコピーしているバンドだけを集めてコンテストが成立しちゃうんだから。まさに平成の「勝ち抜きエレキ合戦」。世が世なら、ヘタしたら若大将だってエントリーしていたかもしれない。

確か、第1回目の時は東大名から来たバンドたちだけが参加したように記憶しているが、今回は仙台やら隠岐の島やらから参加してくれてにぎやかなことこの上ない。

驚くべきはナント今回の最年少の参加バンドは中学校1年生よ!小学校3年の時からバンドやってたんだって!で、これがどんな演奏かと思いきや、ウマい。年齢の低さなど何のハンデにもなっていない立派な演奏だった。

開演前に各バンドのポートレイトを撮ったんだけど、これも楽しかったナ。いろんなポーズをお願いして、ナニを言ってもケタケタケタケタ笑ってくれる。みんな明るくて、楽しそうで、本当にかわいい!自分も35年ぐらい前はこんなにハツラツとしていたのかナァ~…としきりに思ってしまった。イヤ、私の場合はプログレッシブ・ロックに狂って音楽変態道を一生懸命突き進んでいたな。

さて、アマチュア・バンド・コンテスト…とにかく昔に比べてみなさんうまくなりましたよね~。

私が初めてこの手のコンテストに出場した時、演奏した曲はウィッシュボーン・アッシュだった。「剣をすてろ」ってね。「ギターを捨てろ」ってなヒドイ演奏だった。別の機会では山岸潤史さんや鳴瀬喜博さんに審査していただいたこともあった。妹尾隆一郎さんの時もあったっけ。

大分前にナルチョさんとご一緒した時、この話をした。「エ~、オレなんつってた、その時?」、「イヤ、ワウワウを踏むときリズムが乱れるって」、「イヤ~、ゴメンゴメン!そんな生意気なこと言えたもんじゃないよね~!」と大笑い。

今にして思うとコンテストに出てどうしようってんだろうね?プロになりたかったんだろうナァ~。ずいぶん金も時間もかけたもんナァ~。

その頃はヴァン・ヘイレンがちょうどデビューした時分で、みんな♪ティラリティラリに夢中になっていた。「ライトハンド奏法」なんて立派なお名前がなかったから。でもまだディープ・パープルは結構定番だったな。一方では「一触即発」だとかマキOZの曲、珍しいところではサディスティック・ミカ・バンドの「嘉永●●年」で出場するバンドがいたもんね。高校生がこんな曲を演っていたんだから昔の人はエライ。RCサクセション大ブレイク前々夜の頃だ。まだいい時代だった。

当時はうまいバンドはケタ違いにウマくてカッコよくて、ヘタなバンドはチューニングすらできていなかった。ヒドイ時にはチューニングが合っていさえすればマシな大会もあった。

若い読者のみなさん、「チューニングもできないの?」って笑っちゃいけませんぜ。当時はチューナーというものが高価で、普通は買えなかったんです。というよりは、必要なかった。みんな500円で音叉を買ってきて、どこかに当てては音叉の端っこを耳に突っ込んで5弦の5フレットのハーモニクスをそれに合わせていたんですよ。それがひとつの耳のトレーニングだった。

だいたいね、この頃はドラムがしっかりしていて、ギターのチューニングが合ってて、ボーカルがウマければなんとかなった。この条件さえ満たしていれば予選を突破することができたコンテストも多かった。

ひとつ不思議なことがあって、昔は洋楽のコピーって絶対にボーカルが鬼門だったんですよ。つまり、西洋人のようなキーで歌えるヤツってまったくと言っていいくらいいなかった。要するにイアン・ギランやロバート・プラントね。パープルとかツェッペリンの曲を演りたくてもボーカルがダメだった。高校の文化祭なんかでは「Rock'n'Roll」をオクターブ下で歌ってるヤツなんかいたもんね。でも最近はどうだろう?平気で「Burn」とか演奏できるようになったでしょ?これって食べ物のせいなのかな?ますます西洋人化が進んでるってこと?

とにかく最近のマチュア・バンドはうまくなった。まず、みんな歌やコーラスがすこぶる上達した。これはおそらくカラオケのおかげだろう。それからギターのチューニングが正確になった。これは何といっても安価で優秀なチューナーが普及したせいに他ならない。いまだに音叉しかなかったらまずこうはいかないだろう。

さらにドラムがうまくなった。この理由はわからない。8ビートのような西洋のリズムが日本人のDNAに組み込まれ出したのかもしれない。コンテストに出るような子たちのご両親はもう完全にロック世代なのだから。

もうひとつうまくなった…というよりうまく聞こえる理由がある。それは、コピーの対象となる音楽の器楽演奏レベルが著しく低くなったことだ。だって考えてもごらんなさい。我々が子供の頃はギター始めるとコピーの対象がいきなりリッチー・ブラックモアやジェフ・ベックだったんですよ!できるワケないじゃん!もちろん譜面なんてありゃしない。TABなんてこの世に存在していなかったんだから!

それでもカセット・テープが擦り切れるほど聴いて聴いて1音ずつコピーしたものだ。「耳コピ」なんて言葉もなかった。コピーはコピー。耳でなければできない仕事だ。

今はギター・リフもソロもない。思いっきりギターを歪ませてジャカジャカやるだけになってしまった。しかも、どんな曲でも譜面が出ていて気軽にバンドをやるにゃ楽かもしれない。音楽というものは誰でも簡単に楽しめることも重要なことであることは理解している。

でもね、ギターに限って言えば、今の若い人たちのやっていることを見ると、ロック・ギターの一番おいしいところを切り捨ててしまってるようにしか思えない。これがマグロだったら大変だよ。天然マグロの大トロ(ギター・ソロ)と中トロ(ギター・リフ)をまとめてゴミ箱に入れているようなものなんだから!みんなトロのおいしさを知らずにスーパーの売れ残ったタイム・サービスの赤身ばかりをおいしいおいしいと言って食べているようなもんだ。

それに昔の音楽は発展性があった。60~70年代のバンドが好きになるとそのバンドのルーツを追いかけてドンドン音楽の幅が広がったものだ。ブルース・ロックがお気に入りならブルース地獄に、プログレが好きならジャズ地獄かクラシック地獄に…。今の音楽は「J-POP」なんて呼べば聴こえはいいけど、それだけで凝り固まってしまってまったく発展性がない。ルールを少しさかのぼったとしてもまったくオリジナルだけが持つすごさにたどり着くことはできない。

これは若い人たちのせいじゃない。黄金期のロックやロック・ギターのカッコよさを教えない大人が悪い。だからロックの黄金期を知っている年配の方々はみんなで教えてあげなければいけない。パープルやツェッペリンの魅力(個人的にはザッパ!)を知らずして死んでいく人生なんてあまりにもかわいそうでしょ?映画でいえば『七人の侍』を見ずして死んでいくようなもんだ。

ちなみに黒澤明は『七人の侍』の脚本制作で行き詰った時、トルストイの『戦争と平和』を参考にしたという。つまり温故知新だ。温故知新こそ今の音楽に必要なものであると確信している。また同じこと言ってる~、とお思いかもしれないが、何度でも書く。

いかん、いかん、またやっちまった!アメリカにまで来てこんなにグダグダ書くつもりじゃなかったんだけど…(現在NAMMショウで来たロサンゼルスのホテルでコレを書いてます)。

とにかくSCANDAL!SCANDALのコピーは楽しいと思うよ。まず曲がいい。歌詞の語感と曲が美しくマッチしている。それにコムズカシイ技術を必要としない。これは前述と矛盾しているように見えるかもしれないが、そうではない。こうしてキチットしたアンサンブルにおいては中途半端なソロなどかえって曲を台無しにしてしまう。このあたりの要素が絶妙に混ざっているのがSCANDALだ。つまり音楽的によく練らているということだ。あえて言うならば歌謡曲のクォリティの高さとロックのスリルがいい塩梅に混ざり合っているのだ。だから好きなのよん!

前置き以上!

さて、当日はまず、エントリーした510組(!)の中から予選を勝ち残った11組のファイナリストが演奏した。詳細は後で紹介する専門ウェブサイトを見て欲しい。

彼女たちの(男性の出場はひとりだけ!)演奏を見る(撮る)前に、ひと組ずつポートレイトを撮ったでしょう?たったそれだけの事前のふれあいなんだけど、いざステージに上がって演奏をしているところを見ると、すごく親近感が沸いてしまって、どの組も熱心に応援してしまった!いいオヤジだなオレも…。

そして、全ファイナリストの演奏終了後、お待ちかねのSCANDALの演奏が始まった。

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MAMIちゃんはいつもの愛用のDSL50と1960AX。

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こんなこと言ったら怒られちゃうけど、「さすが!」の演奏であっという間に会場は大いに盛り上がった!

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短時間ながらSCANDALエキスが十分に詰め込まれた演奏で楽しかった~。

3月3日の大阪城ホールのチケットはとっくに完売!SCANDALの勢いは誰にも止められない!

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そして、いよいよドキドキの結果発表!

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彼女たちが注目の中学校1年生のバンド、Chee bur。

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小型のMAMIちゃんゆえに「コマミ、コマミ」とよばれていたギターの瑞歩ちゃんがMAMI賞をゲット!

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MAMIちゃんから贈られたMG10CF。

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終演後楽屋で記念撮影!うれしそう!何しろみんな開演前もチョットでもSCANDALのメンバーの姿が見えただけで天地がひっくり返るほどの大騒ぎなんだから!これはうれしいでしょう。

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そして、優勝はこのDOLLさん。真ん中のボーカルの七海ちゃんはHARUNA賞も同時受賞したんだけど、圧倒的な歌唱力だった。ポートレイトを撮っていた時はおとなしくしていて想像だにしなかったんだけど、もうね、マイクを握った瞬間からものすごい存在感で、完全にステージの華になっていた。こういう人っているんだよね~。もちろん、声量も音程もバッチリ。バックもしっかりした演奏をきかせてくれた。

DOLLはSCANDAL主催のイベントにて上演する権利をゲットした。

朝、早くから現場に入ってずっと写真を撮っていたけど、楽しかったナァ~。あっという間の一日だった。オレもまたバンドやろうかな…。

がんばれ、若人!目指すはSCANDAL!いい音楽を聴けよ!アンプはマーシャルだゾ!

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SCANDALの詳しい情報はコチラ⇒SCANDAL Official website

SCANDALコピーバンド/ヴォーカリストコンテストの詳しい情報はコチラ⇒teena

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(一部敬称略 2012年12月9日 渋谷AXにて撮影)

2013年1月23日 (水)

【NAMM2013レポート】ただ今準備中!

はたして日本で一番早い「NAMMレポート」となるか?!

…ということで明後日から始まるNAMMショウのレポート第一弾をお送りする。

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まだエントランスのロビーもひっそり…。

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NAMMへ来るのは久しぶり。5年ぶりぐらいかな?

このすぐ左隣はディズニー・ランドなんだけど、以前に比べてホテルやらレストランやらがメチャクチャ増えていて驚いた。

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このNAMM会場の真ん前のステージも今年からだそうだ。以前はただの道路だった。

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中に入る。会場のちょうど真ん中あたりにマーシャルのブースがある。

ゾロリと積み上げられた展示品たち。

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フランクフルト同様に1年おきにディスプレイのデザインが変更される。今年は2年目なので前年と同じレイアウトだ。私は昨年の様子を知らないので楽しみだ。

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ここのブースにはマーシャルとドラムのナタールが展示される。エデンはとなり。

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マーシャルのコーナー、のんびり設営中!

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ブースの責任者、Marshall USAのライアン・ローズ(Ryan Rhodes)。まず、名前がカッコいい!ギターうまそう!って実際ものすごくうまくて、かつてはAVTのデモCDで素晴らしいプレイを披露してくれた。

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なんかノンビリしてるんだよナァ~。

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巨大なロゴの看板を取り付ける。

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こういう作業も「ま、こんなもんか?」的で実にイージーでいい感じ!

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ミーティング・ルーム。表札には「Marshall UK」と「Marshall US」とある。会期中一コマの空きもなくたくさんのミーティングが実施されるのだ。

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遠くから見ても目立つ!

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ユニオン・ジャックの背中はマー本などでもおなじみのジョナサン・エラリー社長。

今回発表される新商品を見せてもらったが、とてもいい感じ!これも日本で一番早くレポしたいと思っている。

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今回は日本からKelly SIMONZやD_Driveがデモンストレーターとして参加するのでとても楽しみだ。当然マーブロでもレポートするつもりなのでお楽しみに!

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木曜日から日曜日までもうイヤになるほどたくさんの人でゴッタ返すのだ。音もスゴくてね~、耳栓は必須。
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つづく

(一部敬称略 2013年1月22日現地時間 ロサンゼルス・アナハイムNAMM会場にて撮影)

2012年11月26日 (月)

【改訂版】Paul Gilbert Plays DSL40C!~最新クリニック・ツアー・レポート

先回の記事で告知した通り、ポール・ギルバートがクリニック・ツアーで来日した。

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目的はクリニックの他に自分のモデル限定版Firemanのプロモーションと…

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1月に催行される、新しいソロ・アルバム『VIBRATO』のジャパン・ツアーのプロモーションだ。

『VIBRATO』については前回の記事『「VIBRATO」の秘密』を参考にして欲しい。

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そして、今回のツアーで使用されたマーシャルは新商品のDSL40C。ポールはこれを前回の記事で述べていた通りステレオで使用した。

これが素晴らしいサウンドでしてね。わが社の製品ながらジックリ聴き入ってしまいましたよ!

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ポールの足元。もう何回もポールの機材を取材させてもらっているが、セットは毎回異なる。
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これが前回ポールが触れていた2台のPhase90。ちょっと設定を換えてステレオ感を強調するってヤツだ。ポールも「slightly」と言っていたが、本当に少しズラしてあるだけ。V字型になっているのはワザと。スイッチを近寄らせてデカイ足で2ついっぺんに踏み込むのだ。

しかし、ポールの機材はアナログでいいナァ~。ルーパーだとかそんなの関係ないもんね。…と思ったら、クリニックの中で触れていたが、フランク・マリノ大好きなんだってね。それでナットク!フランク・マリノのペダルはポールの3倍ぐらいの曲があったけど…。パット・トラヴァースとどっちが好きなんだろう?今度訊いてみよう。

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今回のバックバンド。何と言うモノか知らないが、小さな箱にピックアップが付いていて、足でそれを踏むと信号が増幅されてボンボンとバスドラのような効果を生む。そういえば以前はギター・ケースでこれをやっていたっけ!
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ギターの説明をするポール。このシェイプに対する思い入れとギターの持つ色の特徴のようなものについて触れていた。

大分前に、「イヤ~、シングル・コイルとマーシャルの組み合わせにハマっちゃってサ~」なんて言っていたが、本当にいいサウンドだ。特にボリュームを上げ下げした時のトーンの変わり具合が絶妙で、クリーン~クランチ~リードと実に多彩な音をクリエイトするのだ。

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『VIBRATO』からのレパートリーを挟みながらトークと実演を交互でクリニックは構成されていく。

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こうした時、普通だったらニュー・アルバムの宣伝で収録曲ばっかり演っちゃうところなんだけど、ポールのスゴイところは、カバー曲を平気で交えちゃうんころ。

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トークの内容はどちらかというとギターのテクニックに関する話題よりも、「音楽」に関する話しが多く、すごくおもしろかった。

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ここ数年のポールは、本当に「ギタリスト」というよりも「アーティスト」という感が強く、いかに自分のロックで人を楽しませるかということに腐心しているように見える。

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リハーサルの時、映画『ピーター・パン』の挿入歌、「Never Never Land」を演っていた。ポールは『Fuzz Universe』でトッド・ラングレンの「Blue Orpheus」を取り上げていたぐらいだから、トッドが好きなことは容易に想像できた。私が「A Wizard, A True Star?」と言うと「Yeah!」とうれしそうにしていた。この出だしのコードがまた恐ろしくカッコよくてサ。こういう人たちには、アレがこんな風に聞 こえるのかと驚いたよ。

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で、「音楽に関する話し」の中心はコードの話しだった。というか、それが一番印象に残った。
例えば、マイナー・セブンス・フラット・ファイブ、つまり「m7b5」、「ハーフ・ディミニッシュ」というコード。これはジャズの世界では、マイナーのII-VのIIの部分のコードの5thを半音下げ、V7にb9オルタード・テンションを加えると、b5ーb9が同じ音で、ドミナント・モーションした時にルートのマイナー・コードの5thの音に半音進行してより解決感が強調される…とかなんとかやるんでしょ?

もちろんポールはそんなこと一言も触れない。このハーフ・ディミニッシュというロックで使われることが珍しいコードを、ビーチ・ボーイズの「God Only Knows」やスティーヴィー・ワンダーの「Living for the City」やポールの「My Love」などを引き合いに出して、弾いて、歌って実演してみせる。
ん~、アタシャね、この辺りの曲、百回とは言わないけど、50回以上は軽く聴いてるんですよ。イヤ、「God Only Knows」はどう数えても100回以上は少なくとも聴いてるな…。でもね、一度も「まいなーせぶんすふらとふぁいぶ」のことなんて考えたことない。イングヴェイの曲まで出てきてたな。

人間、ボーっと生きていると私みたいに損しますナァ~。

ポールはそういうところがハッキリするまで曲を調べるんだと!で、実際にそれをギターでやってくれると「なるほどね~」になるんですよ。そこがメチャクチャおもしろかった!

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もちろんギターもバリバリ弾いてくれましたよ!

それと先人の偉大なギタリストの話しがバンバン出て来るのもおもしろいな。やっぱり、「いいミュージシャンは熱心なリスナー」ということなんだよな~。やっぱりミュージシャンには誰よりも音楽を詳しく知っておいて欲しいと思う。

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時々、忘れる…。

そうそう、そういえば、今制作・進行しているウェンブリーのライブレポの原稿を見せたらすごく喜んでくれてた。

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おっと、最近凝ってる「ギタリストの手特集」。ポールの手はどうかな?…と見るとやっぱりきれいな手をしてる!
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…と実に楽しく有意義なクリニックだった。

私は初日の川崎公演のみお付き合いさせていただいたが、翌日の神戸公演を終えたところでポールから私宛にメールが入った。ポールはDSL40Cを心底気に入ってくれたらしく、レポートを書いて、よければマーシャル・ブログで紹介してくれというのだ。いい人だ~!
ということで翻訳していかに全文を掲載させていただく。Domo arigato gozaimasu, Polu-san!

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『Ibanezの限定版Firemanギターと1月の「VIBRATOツアー」のプロモーションでクリニックをしに今日本に来ているんだ。DSL40Cはこ のクリニックにピッタリだよ!クラシック・ゲイン・チャンネルで「クランチ」ボタンをオンにして、「ゲイン」思いっきり上げているんだ。このセッティング だと、サウンドもフィーリングもぼくのハンドワイアード2061Xみたいな感じになる。マーシャルナマ音はこんな感じで、歪みをプラスするためにペダルを 2、3種使っている。そうすることによってレーサーXのメタル・チューンからポール・マッカートニーのバラードまでカバーすることができるんだ。』
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『以前楽器店でDSL40Cを試したことがあったんだけど、実戦で使うのは今回が初めてだった。僕はDSLのファンだったから、回路が素晴らしいであろうこ とはわかっていた。でも、本当に驚いたのは12インチ・スピーカーとキャビネットだったよ。ぼくが4×12”キャビネットに期待していた低域とタイトさを 実現していたんだよ!
ぼくはオクターバーをペダル・ボードに組み込んでいたんだけど、これはアンプを通してスピーカーにバカ低い周波数帯を送ることにな る。DSL40Cは完璧にそれを鳴らし切ったね。
それと、最近ぼくはフェイザーを違う設定にセットして、よくステレオで弾いているんだけど、4×12”キャビネッ トでこれをやると、ライブ・ハウスなんかではデカすぎてどうにもならないんだ。だからDSL40Cをペアで使うのが大好きなんだ。クリニック会場に持って 来いの実用的なサイズの割には、大型アンプに期待するトーンと明確さのすべてをぼくに与えてくれるんだよ。誰が設計したのかわからないけど、本当にスゴイ 仕事をしてくれたもんだ!』

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『I'm in Japan right now, doing some clinics to promote my limited edition Ibanez Fireman guitar and my upcoming VIBRATO tour in January. The Marshall DSL40C combos are perfect for these clinics! I use the "Classic Gain" channel with the "Crunch" button turned on, and the "Gain" knob turned all the way up. With that setting, the amp sounds and feels just like my hand-wired Marshall 2061x. This is pure Marshall tone.I use a couple pedals to push the amp into different amounts of distortion, and it let's me play anything from Racer X metal to a Paul McCartney ballad.

I've tried the DSL40C in a music store before, but this is the first time I could try it in a performance situation. I've been a fan of the DSL for a long time, so I knew the electronics would be great, but I was also really impressed with the 12" speaker and the cabinet. It had the same low end and tightness that I would expect from a 4 x 12 cabinet! I was using an octave pedal on my pedalboard, and this sends huge low frequencies through the amp. The DSL40C combo handled them perfectly. I've been playing in stereo a lot lately, using a couple of phase shifter pedals to separate the sound, and sometimes two 4 x 12 cabinets can be a bit big for a club, so I really liked playing through a pair of DSL40Cs. They gave me all the tone and clarity that I would expect from a larger amp, but at practical size to fit the venues where I'm doing my clinics. Please tell whoever designed it that they did a great job!』

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さらに、ポールからの情報。『VIBRATO』の1曲目に収録されている「Enemies (in Jail)」のPVができたのでチェックして!とのこと。それがコレ。ナント完全にアニメ。使用しているアンプは白い1959のポール・モデル!いかにもポールらしい!

年明けのポールの来日公演の予定は…
1月15日(火) 赤坂ブリッツ
1月16日(水) 赤坂ブリッツ
1月18日(金) 松下IMPホール

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(敬称略 2012年11月21日 川崎Serbian Nightにて撮影 ※協力:星野楽器販売株式会社) 21

2012年11月14日 (水)

D_Drive~ALL PART CLINIC & MINI LIVE

最近あらゆる方面でますます話題を集めているD_Drive。

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CDの売り上げ、ライブの動員数、ともに順調に伸びているようで、以前から応援しているマーシャル・ブログとしてはうれしい限りなのだ!

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リーダーでギターのSeiji

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ギターのYuki

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ベースはShimataro

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ドラムはChiikoだ。

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CDや動員数の盛り上がりに加えて、D_Driveが話題を集めているポイントは教則DVD。各メンバーがそれぞれ教則DVDをリリースしていることは皆さんご存知の通り。ギター・ソロが「死後」になったなどと言われている昨今、こうして器楽演奏のカッコよさを伝えてくれるD_Driveの4人はロックの救世主にすら思えてくる。

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各メンバーのDVDを紹介すれば、、まずはSeiji。

Seijiらしい至れり尽くせりの内容でギター演奏に関する情報がテンコ盛りの『リズムからソロまで完璧に弾けるギター・トレーニング』!

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Yukiの処女作『一緒に弾ける!速弾きギター超入門』はベストセラーになった。

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これがYukiの最新作。テーマはスウィ―プ。

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Chiikoの作品も明るくてためになる名作だ。

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「ゼッタイ」シリーズで『ゼッタイ叩ける!ドラム・フィルイン超入門』。よくできてる!

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そして、ひとりだけ教則DVDをリリースしていなかったのがベースのShimataro。ちょっとウチの下の子に似てる。

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そのShimataroがついに発表したのがこのDVD『身体全体を使って弾く指弾き&スラップ・ベース』。こういうのを「満を持す」というのだろう。Shimataroらしい音楽と楽器愛に満ち満ちた真剣な内容になっている。

大体ですね、ジャケットの写真がいいですね~。ジャケ買いしてもいいくらい?そうなんですよ、私が撮影させていただきやした。ジャケがよければ中身もいいと相場が決まってら!

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で、今日は全員の作品が出揃ったところで一種の記念ライブというかクリニックというか…。だからタイトルが『ALL PART CLINIC& MINI LIVE』になってる。

メンバーひとりひとりが自分の教則DVDに則した内容を実戦で見せてくれるという内容。

Seijiはリズムのレッスン。みんなで裏打ちの練習ね。お客さん全員が順にひとりずつ裏で拍手をしてみようということになったんだけど、これはムズカシイですよ~、Seijiさん!

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Yukiは当然スウィ―プに関すること。

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「ドラムやってる人どのくらいいらっしゃいますか~?」とChiiko。結構多かったね!例のヒモをつけたスティックの練習法を紹介。

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Shimataroは手の骨を折ってもベースを弾ける方法について講義。そう、彼、手の骨を折っちゃったのね~。でもベースマン魂(そんなのあるのか?!)で一回も休まずライブをこなしてるのよ。

どんな楽器でもそうだけど、弾く時の姿勢の大切さを解説してくれた。

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もちろんライブ演奏もバッチリ見せてくれた!

私はD_Driveが「21世紀のベンチャーズ」か「メタルのカシオペア」になって欲しいと願っている。もちろんD_Driveの音楽をもってしてね!

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今日もSeijiは愛用のDSL100と1960AX。最近、新兵器を導入したんだぜ。

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YukiはTSL100に1960A。たまには後ろ姿をば。
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ミニ・ライブでは惜しげもなく代表曲を披露!

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アップテンポもいいけど、 「Unkind Rain」のYukiの泣きのギターも素敵だ!

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Seijiが奏でるソリッドなリフはスリリング極まりない!

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手の骨が折れていようがいまいが、Shimataroのプレイは華麗でテクニカルだ。

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ドライブしまくるChiiko!みんなこの人のドラミングにマイってる!

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いつ見てもスリリングなギターのかけ合い!

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新作DVDはスウィープを課題にした内容であったが、タッピングもバッチリ!

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Seijiはギターだけでなく、MCも抜群なのよ。ライブでしゃべるのはSeijiだけではないが、楽しいおしゃべりもD_Driveの魅力のひとつ。

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今回のD_Driveの上京のもうひとつの目的はSHARAさん率いるmintmintsとのダブル・フィーチュア・ショウに出演すること。

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そのライブのもようも近々レポートするのでお楽しみに!

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D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

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教則DVDの詳しい情報はコチラ⇒アトス・インターナショナル 

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過去のD_Driveのライブ・レポも見てね!⇒Shige Blog

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(一部敬称略 2012年10月12日 渋谷J POP Cafeにて撮影) 14

 

2012年11月 7日 (水)

YUKI in AKIBA~『Rocksmith』デモンストレーション

今更ながら秋葉原の変わりようには恐れ入るばかりだ。海外から来たお客さんや友達を連れて行くと、驚くやらおもしろがるやら…。一番人気があるのは間違いなくメイド喫茶の勧誘の女の子たち。「シゲ、あれは一体どうしたんだ?」、「ナニをやってるんだ?」、「どうしてメイドなんだ?」と興味津々だ。

続いて大爆笑を取りやすいのは、いわゆる「ウォシュレット」。ルークさんとこの話になると必ず盛り上がる。果たしてウォシュレットは身体にいいか、悪いかって。

外国人たちにとっては、水やお湯が出て来るとか、風が出て来るとか、そういうところも相当おもしろがるんだけど、どうも「Electric Toilet」という商品の説明がたまらなくおもしろいらしい。

これは一種の撞着(Oxymoron)というヤツで、電気を必要としないハズの便器が電動になっているところがどうにも可笑しいようだ。もちろん私は超ウォシュレット派で、海外に行く時は、パスポート、お金、携帯ウォシュレットを「三種の神器」としている。イカン、イカン、ウォシュレットの話しなんてするつもりじゃなかったんだ!

戦前は電気街というのはとなりに神田にあった。ちなみに明治時代には神田の須田町が東洋で一番にぎやかだったらしい。立派な駅が今は無き交通博物館のところに駅があった。秋葉原とお茶の水の間に駅の名残が残っている。

そして、戦後GHQの区画整理にあって秋葉原へ移動したというわけね。昔は、今のヨドバシカメラがあるあたりは大きな青果市場だったんだよ。あんな東京のど真ん中に市場があったんだからね~。そして、パソコン屋なんて一軒もなかった…ってPCがないんだから当然なんだけど、全部家電販売店だった。

ラジオ会館のなかにあるオーディオ店によくカセット・テープのまとめ買いに行ったナァ。箱で買うと断然安かったからね。そして、朝日無線。生まれて初めてマーシャルを見たのはここだった。ガッチリとディスプレイ・ウインドウに中に入っちゃってて、当時はニオイをかぐことすらできなかった。

それとハンターに通う前、レコードはすべて石丸電気のレコード館(3号店)で買ってた。お店の人とすっかり仲良くなって、使い終わった販促用のポスターなんかをもらったりした。当時ロキシー・ミュージックが好きで、フィル・マンザネラの『Listen Now(1977年)』のドでかいポスターをもらった時はすごくうれしかった。あそこで香津美さんやケニー・ドリューに握手してもらったこともあった。

その仲のよい店員さんが奇しくも近くに住んでいて、「スト」の時、自転車を貸してあげたりもした。「スト」なんてなつかしいね。今の若い人は「スト」を知らないようだよ。国鉄ないからね。

秋葉原にはいつの頃からかパタリと行かなくなってしまった。で、今日は秋葉原で行われたゲームのイベントのお話し。

ゲームとはこれ。「Rocksmith」という。この音楽ゲームのデモンストレーションに人気沸騰中のD_DriveのYUKIちゃんが登場したのだ。

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楽屋で練習するYUKIちゃん。おなじみD_DriveのSeijiさんも来てくれた。

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お、Red Bullの差し入れ!こないだ、ウェンブリーのマーシャルのコンサートでどうにも疲れちゃってサ…あ、この話しはレポートの時まで取っておこう。

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YUKIちゃんの前にはエア・ギター元世界チャンピオンの大地さん擁するダイノジが出演。

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実は以前にもダイノジさんを撮らせていただいたことがあった。つしまみれの結成10周年記念コンサートの時だ。大地さんがリキッドのサブステージで踊り狂ってた。

ものすごいパワーでグイグイと会場を盛り上げていくダイノジのふたり。今まで何回かお笑いの方とご一緒させていただいてるが、ちゃんとした芸に限るが、この笑いの世界のプロとアマの差ほど大きいものはないね。これはライブで見ないとわからない。本当にプロはスゴイ。もうおもしろさの塊ですよ、プロは。ダイノジは素晴らしい。

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ふたりともステージでこの「Rocksmith」にチャレンジして、どちらがよかったかお客さんの審判をあおいでいるところ。結果は大谷さんの勝ち!

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ちょっと間があって…

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YUKIちゃん登場!

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ところで、このゲーム、どんなんかというと、画面と音声に合わせて、バリバリのロック・チューンのギターのパートを弾いてしまおう!というもの。本物に近く弾ければ弾けるほど点数が上がっていくワケ。

YUKIちゃんの後ろに移っているのがプレイ中のゲームの画面。弾くべきコード、弦、フレットがジャンジャン出て来て、ベンドたビブラートの指定までしてくる!スゲエ情報量!

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会場は満員!

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こういうゲームは以前にもあったけど、この「Rocksmith」はチョイと違う。イヤ、大分違う。

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一番スゴイのは自分の愛用のギターでプレイできるってこと。
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選曲の幅もメチャ広い!YUKIちゃんはMEGADETHの曲を選んでいた。

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曲を選ぶと自動的に、その曲のギター音(アンプシュミレーター)が設定されるので音作りはしなくてもOK。だから今日は愛用のTSLはなし。

さらに、演奏する会場を選ぶことができる。ドームとかね。すると観客が自動的にその会場の雰囲気に合った感じで登場するんだからおもしろい。
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それにしてもYUKIちゃん大変だ。生放送のテレビ番組で歌詞のテロップが出るのをイヤがる歌手がいるでしょ?歌詞を間違えるとすぐわかっちゃうから。あれと同じ状態なんだもん。でもYUKIちゃん、このデモを先日の東京ゲーム・ショーでも披露してくれたそうでス~ラスラ!

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しっかし、こういったゲームの進化具合っていったらないね。ホントすごい。コレの「おじさん編」があったらいいな~。曲は全部70年代で、会場は渋谷屋根裏とか新宿ロフトなの。厚生年金会館ホールとか後楽園ホールなんてのもいいな。お客さんの服装は全員ベルボトムにロンドン・ブーツ。アンプは当然すべてマーシャル。でも、これはヴァーチャルではなくて史実だからね。

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インタビューに応えるYUKIちゃん。

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ゲーム誌の取材等、マスコミもワンサカ!
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目線をもらって、ハイ、「ロックスミ~ス!」

どんなキッカケであれ、若い人がギターを弾く楽しさを発見してくれればうれしく思う。ギターをやってる人も、これからやろうとしている人も、今はギターに興味のない人もまずはお試しあれ!

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「Rocksmith」の詳しい情報はコチラ⇒Rocksmith公式ウェブサイト

近いうちにD_Driveのライブ・レポをアップするのでお楽しみに!

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

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ところで、マーシャルのゲームもあるの知ってる?

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(一部敬称略 2012年10月27日 ベルサール秋葉原イベントホールにて撮影) 9