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ライブ・レポート Feed

2024年1月 9日 (火)

Silex~THE EVERLASTING NIGHT


昨年の4月1日のステージを最後にドラムスの石川達也が脱退。
7か月の準備期間を経た後、後任のドラマーを迎えたSilexの初のライブが開催された。
「新生Silex」だ。
Marshall BlogはSilexが誕生した時からお付き合いをさせて頂いて来たワケだが、今回は何度目の「新生」となったことか…。
絶体絶命の窮地に立たされながらも、その都度その難局を乗り越えて来たリーダー、Mashaくんの不屈の闘志には頭が下がるばかりである。
そう、「始めちゃヤメ、始めちゃヤメ」と取り組んだそばからヤメていたんじゃ良いモノなんてできるワケがないのよ。
東京おとぼけキャッツじゃあるまいし、何事も「Easy come, easy go」はダメなのよ。10ということで『THE EVERLASTING LIGHT(永遠の灯)』と題された新生Silexのお披露目ライブ。
満員の客席に向かって最初にブッ放したのは「Arise」。20ChoImg_6944 MashaImg_7343 Kohta50Hayate(颯)Img_7137 そして、新加入のドラマー、Takaya。70初っ端からMashaくんのクライング・ギターが大炸裂!80もちろんその素晴らしいサウンドを送り出しているのはMarshall。
プリアンプが「JMP-1」、50W+50Wのステレオ・パワー・アンプの「9100」、そしてスピーカー・キャビネットは「1960A」という布陣。
今回、このセットが「恐るべきモノ」であることをコンサートの中盤でMashaくんが思いっきりアッピールしてくれた。
どういうことか…それは後ほど。90v足元のようす。
昨年リイシューされたMarshallのビンテージ・リイシュー・ペダル「The Guv'nor」が加わった。1002曲目は「Metal Nation」。
まだ2曲目だというのに客席との一体感がスゴイ!
みんなSilexの活動再開を首を長くして待っていたんだネェ。110_mnメンバーたちも楽しそうだ!120「皆さん、こんばんは!
Silexソロ・コンサート『THE EVERLASTING LIGHT』にお越しくださいまして誠にありがとうございます。
我々がSilexです。
こんなにたくさんの方にお越し頂いて本当にうれしい限りです。
今年最後のライブになります…追加公演は入らないと思います。
ライブ回数が多くないバンドではありますが、今日のこの機会をみなさんと一緒に楽しんで盛り上がりたい思います」130vココで新しい曲を披露。
ワウ・ペダルを踏んだMashaくんのギターでスタートするのは「The Everlasting Light」。
今日のコンサートのタイトルだ~!140煙が出るような壮絶なスピード・チューン!
歌のメロディはどこまでもSilexyだ。130_eln続いても新曲の「Find My Own Way」。150_fmowコチラはミディアム・ファストのマイナーのヘヴィ・チューン。
チョット今までになかったパターン?
160ドワ!
メジャーでギター・ソロに入る展開が意表をつく。
ウ~ム、コイツぁどうにもウマい!
Img_7343ココでMashaくんからごあいさつ。
「こんばんは!本日はお越しくださいましてありがとうございます。
ハァハァ…歌ってもいないのにナンでこんなに息切れがするのかな?
新曲を聴いて頂きました。なかなかいい感じになっていると思います。
話せば長くなりますが…何度も『新生Silex』があったりするワケなんですが、とにかくやるしかない。
ボクがやらないと誰もSilexをやってくれないんで…ボクが一生やるかな?って感じ?
今回、素晴らしい仲間を迎えました。
まだまだ生まれたてヒヨっこちゃんなんでみんなで育ててください」
と述べてメンバーを紹介した。
180ごあいさつの後は「Everlasting Symphony」。
40vスッカリ見た目が変化したKohtaくんのソロ。
今日もキーボーズのコーナーがあるのかな?
とても楽しみだ。200この辺りはSilexのステージではおなじみの曲が続く。
「Call of the Northern Wind」から…220_cnw「Heart of Steel」。210vMashaくんの情念のこもったギター・ソロをタップリと!Img_6933 早くもバンドで2番目に古くなった颯くんはMashaくんの音楽を完璧にサポート。255v颯くんとバッテリーを組むことになったTakayaくんのプレイもバッチリだ。
240雰囲気を替えて「Made of Lies」。190v_esその雰囲気のまま、Kohtaくんのピアノから「Cry for the Moon」。260_cfmChoくんもMashaくんの向こうを張ったクライングな歌声でお客さんの耳目を惹き寄せた。270Choくんがステージを降りて、ココからSilex名物のインスト・コーナー。
要するに「楽器演奏腕自慢コーナー」。
まずは「Wind from the East」をバンドで演奏。280_wfeそして、Mashaくんひとりがステージに残ってア・カペラでギターを奏でる。290_cd冒頭に書いた「恐るべきモノ」を見たのはこの時だった。
「聴いた」と言った方がいいのかな?
それはこのMashaくんのギターの音色。295もうね、「音が良い」とか「悪い」とかそういう次元の話じゃないのよ、もはや。
彼の音楽をクリエイトするための「Masha専用の音」を聴いたって感じ。
やっぱり「良い音楽」ってのは、曲のクォリティとメロディを奏でる歌声や楽器の音色のバランスが本当にうまく調和した時にしか生まれないと思うんだよね。
どんなにカッコいい曲でも魅力のない声だったら聴いていられないし、トロけるような美声でも曲がツマらなければその美声はクソの役にも立たない。
そんなバランスの良さを見事に具現化してくれた演奏だと思った。
一般的に「良い音」でピロピロとめくめくテクニックを披露するギタリストは山ほどいるけど、こういう風に「自分の音楽」のために「自分だけの音」をクリエイトしているギタリストは本当に数えるほどしかいなくなっちゃったナァ。
ところでそんな音を出しているのはどこのギター・アンプかと思ったら…300やっぱりMarshallだよ!(←ここんところはイヤらしかったか?)
で、改めてチャンとした道具を使うべきだと思ったね。
このMashaくん愛用の「9100」とか後継機種の「EL34 100/100」というパワー・アンプのシリーズは図体のワリには信じられないぐらい重いのね。
どれぐらい重いかというと…癪に障るぐらい重い!
310vそりゃそうだ、「トランス(transformer)」という鉄のカタマリが4個も入っているんだから重いのは当然だ。
アンプ・ヘッドの重さっていうのはほとんどがこのトランスだから。
シッカリしたトランスを搭載しているからこそいい音を出すワケ…ところが~、その分重い。

Pa  
でも重くて取り扱いに苦労するだけのことは十分にある。
ナンか知らんが、いつの間にかギタリストの皆さんはアンプに対して「音質」より「軽さ」を重視するようになってしまった。
「デジタル技術やPAシステムが進歩したから」とか何とか言ったってホンモノに敵わんよ。
今のデジタル・アンプやその類を捕まえて「アッチの方が音がいい」とか「イヤこっちの方ホンモノに近い」とかやっているサマは、まるでハマチの養殖池の違いを比べているようなものだよ。
そんなのナンセンスではなかろうか。
絶対に天然モノのハマチには敵わないってば。
じゃ、「オマエ天然と養殖のハマチの味の違いがわかるのか?」って?
スマン、わからんわ…そもそもそんなにハマチは好きではないし。
でも、ギター・アンプの違いはわかる。
ポイントは2つ。
①太いか細いか
②抜けるか抜けないか
そんな音の違いをMashaくんが素晴らしい自作曲と音で証明してくれたかのような演奏だった。
お客さんからお金を頂戴してギターの音を聞かせる以上、真空管があるウチは真空管アンプを使うべきです。
真空管がこの世から消滅してしまった時には潔くみんなで養殖のアンプを使って「ギター」という楽器の魅力をアッピールすればよいのではなかろうか?
Img_7322続いてドラム・ソロ。
凄まじいまでのパワー!
わかっちゃいるけど、ドラマーが変わるとまるっきりバンドって変わるもんだわね。
数々のメンバー・チェンジを繰り返してきたSilexだけど、今回は一番変化の大きい「新生Silex」ではなかろうか?320vそして、キタキタ~!
ステージ上はKohtaくんフィーチャーのキーボード・トリオに。
330_st曲は「Seizing the Moment」。340颯くんのソロにもスポットが当たる。350スリル満点、密度濃厚の期待通りの1曲だった!Img_7406 Mashaくんがステージに戻って「Forevermore」。360おなじみのインストゥルメンタル・ナンバーに会場は大盛り上がり!370vそして、Choくんがステージに戻る。
「皆さん、インストのセクションはお楽しみ頂けましたでしょうか?
ボクも舞台袖で楽しみながら休憩してました。
どうですか?…キーボーズとベースとドラムスの三つ巴。
あのピロピロしていた曲を作ったのはこの人です」
370…とマイクを握ったのはKohtaくん。
「皆さん、お疲れさまでございます。今日、初めてしゃべります。
改めましていかがでしたか?
『Seizing The Moment』という曲で、『瞬間を捉える』という意味です。
その後に演った『Forevermore』は『永遠』ですので、それと対比するような感じです。
リーダーであるMasha不在のバンド演奏というのは初めての試みなのではないでしょうか?」400「我々、アルバムを作るぞ!と言いながら『作る作る詐欺』になっていましたが今度こそそう遠くないウチにアルバムという形にして何曲か皆さんにお披露目できればと思っております。
Mashaさん…勝手に口走っちゃいました!
ところで、今年を振り返って、いかがですか?」
380「仙台に行きましたね~?
メンバーのウチ2人が初の遠征でしたね。
新幹線と車で行ったんですが…アレ?…振り返ること無かったですね!
スミマセン!」410「4月のライブ以降前任ドラマーの石川達也がライブ活動をチョット休止していますが、達ちゃん本人から報告があって、復活に向けて色んな事をガンバっています。
詳しいことは今はまだ言えませんが、近々本人から発表されると思います。
今日、客席にいると思いますので『達也頑張れ!』の拍手をお願いします!
(お客さん励ましの大拍手)わ~。やさしいな~。
ボクからは以上です。ありがとうございました」390達っちゃん、ガンバってます。
今、ウチでは達也くんのNATALのデモ・ビデオを作っているんですわ…この編集がギターものと勝手が違って予想以上にムズカシく四苦八苦しています。
コレはMashaくんが触れた「まだ詳しくは言えないこと」ではなくて…0r4a0165 この時まだ発表できなかったこととはコレ。
ジストニアに苦しむミュージシャンに勇気や希望を与えるべく、クラウドファンディングで皆さんのお力添えを得、オリジナルのアルバムを制作するというプラン。
今日からスタート。
ガンバレ達っちゃん!
 
詳しくはコチラをご覧ください⇒muevo crowd funding10_cf さて、『THE EVERLASTING LIGHT』もまとめのセクションに突入する。
まずはSilexスタンダードの1曲「Cancion de Amor」。430_cdmドワ~、弾くわ弾くわ!
規格外の弾きっぷり。
Mashaくんは激しいパッセージを弾く時でも1音たりとも決しておろそかにしない。
「端正」っていう言葉がふさわしいのかな?
いつでも繊細極まりない。
…と思っていたら、Mashaくん、この曲で指がツッてしまった!
イヤ、ホントすごいプレイだったからね…それも無理ないよ。
曲を弾き終えた後ホンの少し休んですぐに復活!
440v続いてはお客さん参加の「One Evening in Paradise」。460「さぁ~皆さん、やってきましたよ~!みなさんの番がやってきました!」
Choくんのインストラクションに従ってみんなで歌ったよ。
450v_ep「さっきツッった指がもうこんなに動いてら!」と誰かが言ったどうかは知らないが、あの「指ツリ」はどこへやら、Mashaくんはココでも華麗なソロを聴かせてくれた。Img_7371 「今年はライブの回数も少なかったですけど、来年はアルバムを出すというお約束を守れるようにメンバー一同邁進して参りますのでどうか引き続きSilexをよろしくお願いします!
ラスト2曲いきます!みんな、ついて来れるか!」
会場のテンションが上がりまくったところへ…470v「Standing on the Grave of Yesterday」を持って来た!510_des最初から最後までバツグンのコンビネーションを発揮した新しいリズム隊!490起伏の激しいこの曲のメロディを完璧に歌いこなすChoくん!Img_7489 そして最後。
Silexはアンコールがないからね、コレが本当の最後。480_sog新しく生まれ変わったSilexの5人が激しく、そして美しく「Destiny」を歌い上げた。520 530 540 550 560「来年もよろしくお願いします!
ありがとうございました!」
とMashaくんが最後にあいさつのひと言を演奏に添えて『THE EVERLASTING LIGHT』の幕を降ろした。

Silexの詳しい情報はコチラ⇒Silex Website

580さて、Mashaくんが今日のステージでも使用していたThe Guv'nor他、Marshallビンテージ・リイシュー・ペダルのデモンストレーション・ビデオを公開しています。
音楽業界の関係者から「こんなに手の込んだ商品紹介動画を見たことがない!」という感想を頂戴した1本。
是非ご覧くださいまし!

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本場のブリティッシュ・ハードロックを存分にお楽しみあれ!

<Lowlife>

<Can You Forgive Me>


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200 (一部敬称略 2023年12月3日 新宿Wild Side Tokyoにて撮影)


2024年1月 5日 (金)

『Candytree Garden vol.3』の金属恵比須~ROUNDABOUT 10th Anniversary Live

 
2024年最初のMarshall Blogは横浜から。
お目当てのバンドの出番までは時間が大分あるので久しぶりに「横浜見物」とシャレこんでみた…と言っても、ウチは母と家内が横浜の出身で、私は赤ん坊の時からこの地に親しんでいるので今更観光の対象として見て歩くところはコレと言ってないんだけどね。
10ということで博物館めぐり。
この「神奈川県立歴史博物館」は何十回も前を通過していながら一度も入ったことがなかった。
ちょうど良い機会だと思って入ってみた。

20「足柄の仏像」という特別展が開かれていてやたらと薦められたが、お断りして常設展だけを見学した。
コレがなかなかにオモシロかった。
ウチは家内が保土ヶ谷宿の本陣を務めていた家の出身ゆえ、「近世の街道と庶民文化」という神奈川県内の東海道五十三次に関する展示がとても興味深かった。
よせばいいのに「生麦事件」のことに関してはホンの少しだけ学芸員の方をやっつけさせて頂いた。25今回ナゼこの博物館に入ったのかと言うと…上に書いたように一番は時間ツブシ。
もうひとつの理由は関東大震災にも空襲にも耐えたこの明治37年に造られた立派な建物が「横浜正金(しょうきん)銀行」の本店だったということ。
横浜正金銀行は明治13年に設立された外国貿易の関係業務を専門的に担当した銀行。
東京銀行を経ての現在の「東京三菱UFJ銀行」ね。
大分前、この横浜正金銀行がとあるアーティストと関係があることを知って興味を持った。Img_0521 そこで2019年に上海に行った時、こんなモノも見て来た。
コレは横浜正金銀行の上海支店だった建物。30v共同租界として栄え、東アジアの金融の中心地であったこの「外灘(ワイタン)」と呼ばれるエリアには「旧三井物産上海支店」他、たくさんの歴史的な建造物が並んでいてひとつひとつ見て歩くと大変にオモシロイ。40で、前掲の「とあるアーティスト」というのが誰かと言うと…小野洋子なのね、ヨーコ・オノ。
ヨーコのさんはとんでもない両家のご出身で、母方は安田財閥の人。
おジイちゃんが宇和島藩士の「伊臣忠一(いおみちゅういち)」の息子で、「安田善三郎」を名乗って安田家に婿入りし家督を相続したが、その経営手法が宗家の反感を買い追放されてしまったけど。
かつての「安田銀行」は日本三大銀行のひとつだった。
横浜正金銀行に関係があるのは父方で、お父さんがこの銀行のサンフランシスコ支店の副頭取を務めていた。
大正時代の話だからね、相当優だったハズ。
それもそのはず、父方のおジイちゃんは日本興業銀行の総裁だった。
だから戦時中を除いて子供の頃から海外と日本を往ったり来たりしていた…なんてことが下の本に簡単に書かれている。
結局はそこら辺のただスッ飛んでいるだけの女性がいきなりジョン・レノンと結婚なんかできないワケよ。Img_0006で、そのジョン・レノンの前のヨーコさんの最初のダンナさんは一昨年亡くなった作曲家の一柳慧(いちやなぎけい)さん。
一柳さんについては私なんかより今日の記事の主役の金属恵比須の皆さんの方がズッとお詳しいでしょうが、「邂逅」なんて雅楽と読経のコラボのような作品を聴くとメチャクチャかっこいい。
そんな前衛芸術家同士のスゴいカップルだったワケ。Kk下は私が2019年にマンチェスターに行った時に街中に掲げられていたバナー。
「マンチェスター・インターナショナル・フェスティバル」というお祭りのオープニングのイベントを務められたようだ。
こういう人こそが「国際人」ということなんでしょうナァ…とこの時感心してしまったっけ。
やっぱり何事も「家柄」ということよナァ。
というのは、芸術でも文学でもスポーツでも「仕込みの早さ」がモノを言うからね。0r4a0190 変な脱線をしてしまったけど、博物館のミュージアム・ショップで過去の特別展の図録のたたき売りをしていたので、3冊ほど買い込んで来た…のはいいんだけど、この手の本ってのは上質な紙を使っているので重いのなんのって!
日がな一日コレを背中にしょって歩き回ったモノだからクタクタになっちゃった。
45「神奈川県立歴史博物館」の後、前から入ってみたかった「日本郵船」の資料館を訪れてみたが休みで見られず。
50さて、今日お送りするのは、横浜・関内にある「まごころ居酒屋」の「ROUNDABOUT」の10周年を記念するイベントに出演した金属恵比須のステージのもよう。
ROUNDABOUTさんはプログレを中心としたロック好きが多く集うお店。80vpさて、ココで第2脱線。
お店の名前の由来はプロッグ・ロック・ファンであればピンとくるところであろう。
でもイギリスに行くようになると「ラウンドアバウト」といえば下のような交差点を真っ先に思い浮かべるようになるだろう。

90「環状交差点」という信号のない交差点。100Marshallの本社/工場があるミルトン・キーンズは1960年代に作られたイギリスで一番新しい町で、このラウンドアバウトがたくさん設置されている。
信号を取り付けるほどの交通量ではないし、かといって普通の十字路のままだと事故が発生しやすいかも知れないし…ということなのかしらん?
何しろ、この町は信号があるのはほぼ駅の周りだけで、他の交差点のほとんどがこのラウンドアバウトになっているのだ。
コレ、カーナビがどういう風に案内するかというと、それぞれの道路に「Exit」という番号付けられていて、「Exit何番を出てください」みたいな指示が出される…私が見たのはそうやっていた。
まぁ、信号で待つイライラは一切ないが、イッパイやって車でホテルに送ってもらう時、このラウンドアバウトを高速で直進されると「オエッ!」となっちゃうんだよね。110下はMarshallの本社。120その真ん前にも「センチュリオン」という名前の小さなランドアバウトがあるんよ。
ね、ミルトン・キーンズはラウンドアバウトだらけなの。
130さて、お待たせしました!
今日のイベントの会場は「ジャンプ禁止」で知られる横浜ランドマークタワー・ホール。140ユッタリしたロビーには大型の屋台村が設置されている。150コチラは金属恵比須の屋台。160ハハハ!ウマいね!
「今日しか入手不可」…ウ~ム、ココは普通「今日だけ入手可能」の方がシックリ来るのではなかろうか?
コレも金属流か。170vさて、このイベントのトリを務めた金属恵比須。
まずはいつもの通り高木さんがステージ姿を現してひと言ご挨拶。
「金属恵比寿です。
カメラ、映像、画像、OKです…そのかわり拡散してください」180「『これは広告です』というハッシュタグを入れて頂ければ最近はステマ規制法にも抵触しないということですので…全部撮っちゃって頂いて構いません。
そのかわりSNSに上げてください。個人で楽しむことはご遠慮ください。
ボクらはそれを見て反省しますのでゼヒYouTubeに上げてくださいね。
それでは始まります。
もうしばらくお待ちください」190v「ゴジラVSメカゴジラ・メインタイトル」が場内に流れる中、舞台に現れたメンバーたち。
高木さん指揮のアンサンブルのパ-トからオープニングの「新府城」へ続く。200_spj稲益宏美210v宮嶋健一220v新加入の埜咲ロクロウ。230v後藤マスヒロ240vマスヒロさんはNATAL。
このステージから正式に「NATALドラマー」になって頂いたのだ!
350この日は10"、12"、16"、22"のウォルナットのキットを使用。260そして、金属恵比須の総帥・高木大地。270v高木さんの背中にはMarshall。280vこの日も1959のフルスタックがステージに華やかな色どりを寄せた。290v宮嶋さんが奏でるメロトロン・サウンドに高木さんのカシミったリフが重なるヘヴィ・チューン。S41a0313 「新府城」かぁ…このフランス人が耳にしたら喜ぶような名前の城ね、金属恵比須とこんな関係になるなら一度ぐらい行っておけばヨカッタなぁ。
武田勝頼が甲府お躑躅ケ崎館(つつじがさき)館から当地に本拠を移転を計画したものの、1582年の入城後、織田&徳川軍に攻め入られて勝頼自らが火を放ったという「悲運の城」。
68日しかもたなかった…モッタイない。
場所は韮崎。
約30年前、昔勤めていた会社で山梨を担当していた私は下の標識を何度も何度も目にしながらとうとう一度も訪れることはなかった。
ま、今でこそこんなこと書いているけど当時は歴史になんか全く興味がなかったからね。
伊那の高遠だって何度も仕事で行ったけど「え?『ホシナ』ってダレすか?」ってな具合だったから。
無知ほど人生を無駄にするモノはない。
今は違うよ。
歴史を学ぶことは年寄の最大の楽しみだから。
300…ということで高遠からの~「武田家滅亡」。310_tm金属恵比須のキラー・チューンのひとつ。320vステージ前で入魂のソロを聴かせる高木さん。330それを引きついでの宮嶋さんのソロ。340リズム隊の弾け具合が気持ちいい!
マスヒロさんと…S41a0063 ロクロウくんのコンビネーションが完璧だぁ!360「武田家滅亡、武田家滅亡」と町の「武田さん」が聞いたら気を悪くするかも知れないが、そういう曲だから仕方ない。
武田と言えば…「アリナミン」でおなじみの「武田薬品工業」って大変に古い会社なんだよ。
1781年の創業。
もちろん大阪の道修町(どしょうまち)の発祥。
道修町って今でもシオノギ、小林製薬、扶桑薬品、田辺製薬等々、薬品会社の事業所が多い。
それは、日本で商われる薬は一旦道修町に集まり、品質と目方を保証してから全国に流通させた歴史があるからなんんだね。
いずれにしても武田薬品が滅亡することはあり得ないであろう。
そんな薬の町ゆえ、明治35年には「人頭黒焼き事件」なんて騒ぎがあった。
コレはどちらかというと犬神サアカス團向けのネタか?
そしてこの事件のようすを取りまとめたのは愛媛の八幡浜出身の二宮忠八だったという。
忠八はライト兄弟よりもはるか以前に飛行機(当時は「飛行器」)の原理を発見した人。
このあたりの話をし出すとキリがなくなるのでココでスパッと止めます。
370その代わりもう少し薬の話を。
薬は当然東京だって負けていない。
龍角散や浅田飴、津村順天堂も19世紀後半に創業し、日本橋本町は薬問屋街として大いに栄えた。
龍角散は秋田・佐竹家の関係、津村順天堂は順天堂大学と無関係。
浅田飴の創業者は堀内伊太郎という人で、「浅田さん」ではない。
「浅田」は第14代将軍徳川家茂のお目見えで、幕府の御典医だった漢方医浅田宗伯のこと。
伊太郎は宗伯に学び、浅田飴の作り方を教わって、商売を始めた。
下は谷中にあるその浅田宗伯のお墓。0r4a0178 「ありがとうございます。
今日は色々とお知らせがございます。
まず…楽器メーカー数社様のご協力を頂いております」
380vこの場面でMarshallのフル・スタックと…405vNATALをご紹介頂いた。
あ、マスヒロさん、ご協力ありがとうございます!406v「ありがとうございます!
おかげさまでいい音!バッチリ、バッチリ!」S41a0096 「はい。
今日は長いのでもう早く帰りたいでしょ?
スミマセン…それなのに次はゲストを呼びたいと思います。
そこにオルガンがございます。
オルガンのCX3といえば…難波弘之さんです!
難波先生とは5月に小松左京のSFのトークのイベントで初めて共演させて頂きました。
ですから演奏の共演は今日が初めてです。
最近ライブでトークが多いとおっしゃるかも知れませんね…いい加減にしたいと思います、ハイ」400v難波弘之登場!

難波さんもすごく久しぶりにMarshall Blogにご登場頂きました。410v_hgm難波さんをゲストに迎えての1曲は、これまた金属恵比須のキラー・チューン「ハリガネムシ」。420_hgm今日も稲益さんの「キセイチュウ~!」が会場にコダマする!430ロクロウくんの堂々たるソロ!
こんなに若いのにプログレッシブ・ロックを演るなんて…あのね、プロッグ・ロックの故郷のイギリスではもう誰も聴いていないんだよ。
そんなことを言っちゃいけないか。
今はインドネシアだよ。
先日、インドネシアでは知らない人が全くいない…と言われるイシヤナ・サラスファティという若い女性ミュージシャンが来日した。
コレはMarshall Blogでレポートさせてもらったんだけど、アータ、それがもうプロッグ・ロックの教典のような凄まじいシンフォニック・ロックだったんですよ!
「♪プログレ、滅亡!」ではなく「♪プログレ!存続!」がインドネシアからだとは驚いたよ。
440v宮嶋さんのシンセのソロ。
ツボを得たプレイはいつも通り。
シンセサイザーといえばMoog。
そしてMoogといえば、テルミン。
あの『テルミン』という映画、ひどくオモシロかった!
490v高木さんのボトルネックのパートを経て…460vキーボーズ・チームのスリリングなソロ合戦!
470もちろん難波さんのオルガン・ソロもタ~ップリ。
お客さん、大よろこび!480そこに高木さんのギターが入り込んで来ての「三すくみ」状態。510v 誰がへビで、誰がナメクジで、はたまた誰がカエルだとは言わないが、お互いに一歩も引かないソロの応酬!
450v間違いなくこの日の金属恵比須のステージのハイライトのひとつになった。515「最高ですね、コレは!ありがとうございます。
今日はいいものがいっぱい見られますねぇ。
…と言うことで、まだまだお知らせがあるんですよね?」
530v「はい。いろいろお知らせがございます。
まずは告知の通り宮嶋健一が今日をもちまして金属恵比須を卒業します」
S41a0343 「今日をもちましてしばらく雲隠れして、新たな姿でまた皆様の前にお目見えしようと思います。
しばらくお待ちください」
540「ハイ。
もうひとつ…栗谷秀貴がお休みさせて頂いておりましたが、今日をもちまして脱退とさせて頂きます。
本人が来られず申し訳ありませんが、そういうことになりますのでよろしくお願い致します。
で、新たに正式メンバーとして加入致しますのが、今回サポートで出演しております埜咲ロクロウくんでございます。
2000年生まれの23歳です!」
535v「金属恵比須ファンだったんです。
新しいベーシストに選んで頂いて非常に光栄に思ってます。よろしくお願いします!」
550vこれにて、高木さん、稲益さん、マスヒロさん、そしてロクロウくんの4人が金属恵比須の正式メンバーとなった。
そして、過日レポートした通り、後藤マスヒロさんにはNATALプレイヤーのお1人に加わって頂いた。
そうして既に決定しているこれからの2つのライブのキーボーズはトラで対応するとのこと。
詳しくは巻末のリンクから金属恵比須のウェブサイトをご覧頂きたい。0r4a1111 さて、金属恵比須のステージも残すところあと2曲。
下は、帯に記された「わたしは往プログレを許さない」という惹句が目を惹いた昨年10月発表の初のベスト・アルバム『邪神覚醒』。
このアルバムのタイトル・チューンを取り上げた。560cdマスヒロさんの威勢のよいカウントから…
580v重々しい5/4拍子のリフが繰り出される。570_jk「♪幸せを躙るもの わたしは許さない」
格式高い日本語の歌詞が曲にきれいにマッチする。590vもうひとつ、宮嶋さんが奏でるメロトロンのサウンドがあまりにも曲調にピッタリなのよ。
そしてココでも的を得たシンセサイザーのソロが飛び出した!
600vワウ・ペダルを踏んでの高木さんのソロ。610v_wwsそして、エンディングはプロッグ・ロック・ナンバーのドラマツルギーを具現したかのような壮絶なバンド・アンサンブル。620そんな場面をドラマチックかつダイナミックに演出するのはマスヒロさんのドラミング!
我ながらナンですけど…いい音だナァ。
叩き手が良いからなんですけど。
S41a0152 「さて、最後の曲なんですが、マスターたってのリクエストです。
是非セットリストに入れて欲しいとリクエストを頂戴しました」630「はい、ベスト盤『邪神覚醒』に入っております「猟奇爛漫」という曲でございます。
ところで、さっきジャンプした時に両足が攣ってしまいましてね…不自然すぎる動きスミマセン。
日頃の運動不足がよくわかりますね。
ちゃんと運動しましょう…ということで、最後はおとなしめにいきたいと思います」S41a0343_3 金属恵比須のライブの締めくくりではおなじみの「猟奇爛漫」をこの日も出番の最後=イベントの締めくくりに持って来た。650_rr高木さんのリード・ボーカルズ。650vその高木さんの傍らでハンド・パーカッションに、オノヨーコばりの奇声に、と大変に忙しい稲益さん。660前後もしくは左右の鍵盤を同時に押さえる宮嶋さんの姿がいつもカッコ良かった。
金属恵比須でのこの姿もコレで最後。680vこの曲の見せ場のインスト・パートに突入。
670v鉄壁のリズム隊が繰り出す5/4拍子のリズムに乗って高木さんの狂熱のソロが会場を駆け巡る!
690v圧倒的なバンド・アンサンブルを劇的にまとめ上げるマスヒロさん!
700v高木さんは右手を大きく回してエキサイト!720vそして、宮嶋さんが奏でる「火山ダンス」を想起させるメロディが聞こえて来ると雰囲気は一変する。
「今日は本当にありがとうございました。
最後に中央線沿線で流行っている振付を皆さんと一緒にやりたいと思います。
先ほども言いましたけれども、私は運動不足で皆さんも同様に運動が不足している思います。
そこで、少しばかりお付き合い頂ければと思います」
バンド陣が送り出す軽快なリズムに乗って高木さんがこれからやろうとすることを説明しようとすると…
「チョット、演奏止めてもらえますか?」
S41a0344「エ?」S41a0030「初めての方がいらっしゃると思いますので説明します。
『猟奇爛漫体操』というモノがあるんですね。
こう、手をブラブラする感じで…血行がよくなるんですよ。
リズムに合わせちゃダメなんです。
猟奇的に不規則にやらないと。
みんなで『猟奇爛漫』って言いながら、練習してみましょう!
1、2、3、4!」
730v「♪猟奇爛漫!猟奇爛漫!」740もちろん客席は完全に「猟奇爛漫」状態!750おお~っと!
宮嶋さんは客席に降りてまでの猟奇爛漫!760そして、演奏はクライマックスに達し…780それぞれのエンディングのルーティンへと突入した。
810 800暴れるだけ暴れて演奏が終了。
790「これからも金属恵比寿、まごころ居酒屋、よろしくお願いします。
そして、宮嶋健一に拍手を!」820最後は当日の出演者が全員ステージに上がって記念撮影。
ROUNDABOUTさん、10周年おめでとうございました!830そして、宮嶋さんお疲れさまでした!
ロクロウくん、よろしくお願いします。

金属恵比須の詳しい情報はコチラ⇒Kinzoku-Yebis Offical Web

840 

200(一部敬称略 2023年11月25日 横浜ランドマークタワー・ホールにて撮影)

2023年12月31日 (日)

地球魔界化計画~デーモン閣下

 
Damian Hamada's Creaturesによる地球魔界化計画が滞りなく遂行され、現在は次の舞台の準備中。
満員の観客が「まだか、まだか」と首を長くして準備が終わるのを待っている。
すると…おお、コレは!
BGMで田川ヒロアキの「Sky」が場内に流れ出したではないか!
まさかの偶然ではあるまいに、コレも閣下のお心遣いによるものか。
やがて「FOREST OF ROCKS」のシンフォニック・バージョンが流れる中、場内が暗転し、強烈な爆発音がと轟く。
デーモン閣下による『地球魔界化計画』の第2部の始まりだ!

メンバーが登場し、1曲目の「X・Q JONAH」がスタートする。
この曲が取り上げられるのは30数年ぶりのことだという。
そして、興奮する満員の観客のまなざしを集めたのはステージ袖から運び込まれたひとつの棺。
棺の扉が開いて白煙が勢いよくこぼれ出て来る。
おお~!いよいよ閣下のご登場だ!0010_2アラッ!?…と思ったら、棺から現れ出たのは魔界化計画の「自分の番」を終わらせたばかりの陛下!
棺の前に立ってしばし客席を睥睨する陛下。
会場から驚きの歓声が上がったことについては触れるまでもなかろう。
棺といえば、1960年代、Marshallは自社の製造能力をはるかに超えた注文に手も足も出なくなり、棺の製造業者がOEMでスピーカー・キャビネットを作っていた時期があったそうだ。
また、1962年の創業時から数年間採用されていたMarshallのロゴは「Coffin Logo」と呼ばれている…すなわち「棺風ロゴ」。
棺とMarshallとの関係は案外近いのだ。
0020 そして閣下はごく普通にドラム・キットの脇から姿を現し、陛下はステージ下手の玉座へと退いた。20_2デーモン閣下10_s41a0449 そして地球の魔界化を企てる、恐ろしくも愉快な閣下の仲間たちは…
 
原田喧太40v_3雷電湯澤50v_2大桃俊樹60v_2MIYAKO70v_2ayumi80v_2田川ヒロアキ90v1曲目から閣下の曲のネタをクォートしたシャープなソロを披露したヒロアキくん。
もちろん背後にはMarshall。0r4a0282 向かって右がヒロアキくんのMarshallハーフ・スタック。
アンプヘッドは愛用のJVM210H。
それに今回のツアーでは1960BVを組み合わせた。
110_2もうノッケから会場のテンションの高さが半端じゃない!
とてもいい雰囲気だ。
「あまりにも見晴らしがいいので、ワタシはこの後、この場所で気配を消して閣下のバンドの演奏を見守っておこうと思う」と、陛下はそのまま玉座に収まり、そしていつの間にか凡人には見えなくなっていった。120_22曲目は「FOREST OF ROCKS」。
「石の森」…石ノ森章太郎?我々の世代は「石森章太郎」だったけど。
やっぱり、コレは仮面ライダー関連の曲なのね?
おお!イントロで喧ちゃんがトーキング・モジュレーターのサウンドを聞かせてくれた。
昔、「トーキング・モジュレーターを使いすぎると口の中の音の振動が脳にダメージを与える」という話が流布したことがあった。
あの話はその後どうなったんだろう?
まぁ、性質の悪い「都市伝説」だったのであろう。
ところで、今日の喧ちゃんは「氣志團風」だそうです。130v_2喧ちゃんもMarshall。
使用しているアンプ・ヘッドはヒロアキくんと同じJVMシリーズの「JVM410H」。
このモデルは2007年に発売され、喧ちゃんはその最初期から愛用してくれている。
だからもうJVMとはかなり長いお付き合いだ。
かつては「MF400」という今は製造していないスピーカー・キャビネットと組み合わせて誰にも出すことができないド迫力なをサウンドを作っていた。
今、このMFキャビを探している人がナント多いことよ!
だから世間ではこう言うのだ。
「いつまでもあると思うな 親とマーシャル」ってな。
140爽快なヘヴィ・チューン。
大サビでメジャーになる展開がステキ。
もちろん客席は大盛り上がり!150_2続いては「サンプリングという技法を使って他界した師匠が一緒に歌ってくれている」と紹介した「NEO」。
TBS「ひるおび」のエンディング・テーマで閣下が敬愛する「アリス」がプロデュースした作品。
観客はジックリと閣下の歌声を味わっている風であった。10_s41a0561 喧ちゃんもギターを持ち替えて味わい深いソロを披露。
このピンクの喧太モデルも付き合い長いよね~。
私が知っているだけでも22年は使っているのではないかしらん?180v続くは閣下の最初のソロ・アルバム『好色萬声男(こうしょくよろずごえおとこ)[魔暦前9(1990)年]』からのチョイスで「Half Moon 月下独酌」。
コレには驚いた。
だって、ジャニスの「Half Moon」なんだもん。
スゴいアレンジ!
こりゃジョン・ホールもビックリだわ。
「コレってオレんヤン?」ナンチャッテ…「オーリアンズ」との苦しいシャレでした。
 
いいね…「独酌(どくしゃく)」なんて言葉は。
山本夏彦が好んで使いそうな表現だ。
李白の五言律詩「月下独酌」を歌詞に引用した1曲。
こういうインテレクチュアルな試みはドンドンやって欲しいモノです。
かつては先頃亡くなったPANTAさんは、頭脳警察時代に「心の落ちつき失せて」というゲーテの詩に曲をつけて歌われていた。
またその頭脳警察の重要なレパートリーだった「さようなら世界夫人よ」の歌詞はヘッセの一編だった。
ロックもこういうことをやって欲しいと思うんですよ。
尾崎放哉の自由律俳句や瀧口修三の散文詩に適切なメロディをつけたらかなりアクの強い強烈なロック・チューンが出来ると思うんだけどだナァ。
170_hm名手たちだけが生み出すことができるゴキゲンなグルーヴ。
そして各メンバーのその名人芸が炸裂した!
 
まずは雷電さん。190相変わらずの素晴らしいお手前!
ホント、雷電さんのドラミングは最高に気持ちがよい!
2014年、『DEMON'S ROCK 戦慄の闇鍋』と銘打ったツアーでは我がNATALをお使い頂き、おホメの言葉を頂戴した。
うれしかった。200v_2喧ちゃんと…210v_2ヒロアキくんのギター・チームのバトルは「ファミリーマート」から「聖飢魔Ⅱ」まで様々なクォーテーションが挟み込まれてスリル満点!
220v桃さんのスラップ炸裂!
カ~ッ、気持ちいいのなんのって!
230_2
かつて桃さんにはMarshallのVBAシリーズというベース・アンプをお気に召して頂いたんだけど、タイミング悪くちょうど製造中止になってしまいましてね。
その時以来Marshallは大型ベース・アンプの製造から撤退してしまった。
今でもそのベース・アンプのキャビネットを探している方が結構いらっしゃいましてね。
だから世間でこう言うのだ。
「いつまでもあると思うな 親とマーシャル」ってな。
S41a1096「蝋人形の館」を引用したMIYAKOさんフィーチュアの後、曲を中断させてayumiさんのソロ。
あ、そういえば閣下はayumiさんをご紹介する時に「バック・グラウンド・ヴォーカルズ」とおっしゃった。
うれしかったね。
Marshall Blogをご覧頂いているに違いないから…チガウな。
折に触れてマーブロで訴えているように、英語の本場のイギリス人に教えてもらったところによると、「vocal」という英単語はパートを指す言葉で、常に複数形で「vocals」とするのが正しいらしい。
さすが閣下である。
ayumiさんがア・カペラで「♪ひまわりのように笑って…」と歌えば…230vドワッ!
雷電さんがひまわりに!
雷電さん、こういうの好きだナァ。
ナニをやっても板についている所がスゴイ!240v_2ココで閣下自らがメンバーを紹介した。
雷電さん、喧ちゃん、桃さんは昔からの閣下バンドのメンバー。
で、今回初めてツアーに参加したのがヒロアキくん。
憧れのアーティストとの共演をメチャクチャよろこんでいた。
そこでこのメンバー紹介でどんな風にご挨拶をしたのかを記録しておこう。
「思い起こせば今から38年前にレコードを買って心を売った身としては、閣下や皆さん全員にこうして迎え入れて頂けて…こんな不幸なステージに立たせて頂けて。
初日の大阪で私だけがメンバー紹介を忘れられるって…。
とってもうれしい逆境にも負ずに今日の千秋楽まで来ました!
ありがとうございます!」
閣下も大爆笑。
初日にはそんなことがあったのか…。
とにかくこの「不幸」を最大限楽しんでいた。240楽しいメンバー紹介の後は「今、吾輩はここに居る。全員の存在の肯定のために」という閣下の言葉に始まる「Just Being」。
「♪俺はここにいる 私ここにいる」…がとても印象に残った。
この場面でも田川トーン&田川フレーズ大放出!
彼にしかできない音とプレイでまさに「ギタリスト・田川ヒロアキ」の存在を肯定した。260次の曲に入る前に「今どこでこの歌聴いてますか?風に乗せてこの歌届きますか?夢叶える強さにできたなら」…と、閣下はある曲の歌詞を口にしてた。
ん?どっかで聞いた文句だな…と思っていたら閣下はこう付け加えた。
「…By 田川ヒロアキ」。
そして、東日本大震災の時に書いた「SOLA」を朗々と、かつ軽快に歌い上げた。270_srそうだ!
閣下が朗読したのはヒロアキくんが昨年リリースした「またどこかで」という曲の一節だったのだ。
10_mdkコレはヒロアキくんにとってもサプライズだったらしい。
スゴイな閣下は…本当に細かいところまで十分に演出していて「隔靴掻痒」な部分が一切ない。
練りに練ったキメ細やかなステージ。
やっぱりエンターテインメントは「作り込み」が命だと思うね。
そんなことをされればヒロアキくんもますますギター・ソロに気合が入るというモノだ。
ヒロアキくんも自分のショウではかなり作り込むからね。
280v続いては閣下とかつてのバンドメンバーだった石垣愛との共作となる「♡ 8」。
「月が出た出た 月が出た」…メンバー全員がひと言ずつセリフを口にして始まるハッピー・チューン。
愛ちゃんが作曲に携わっていたとは知らなんだ!
0r4a0274 お客さんも演っている方もとても楽しそう!
一方、会場では私ひとりだけが緊張していた。
315…というのは、「2番の後にヒロアキくんが閣下に向かって鳥の人形を投げるシーンを絶対に撮り逃がさないで欲しい」とヒロアキくんのマネージャーからの厳命が下されていたのだ!290v_8で、撮った。
バックドロップの「デーモン閣下」のロゴの前で宙に舞う鳥。300ヒロアキくんの定めた狙いはバッチリ!
閣下がシカとキャッチ!
イヤ~、トリハダが立ったわ。
通りいっぺんの写真ですが、とりあえず取り乱さずに撮り終えたということで…。310ヒロアキくんがパスした鳥を手に歌う閣下。320喧ちゃんも鳥を手にするシーンもあって大盛り上がり。330そして、最後は閣下が鳥を客席に投げ入れて曲はエンディングを迎えた。
寡聞にして存じ上げませんが、この鳥が意味するところはナンなんでしょう?
フランク・ザッパが制作した『Uncle Meat』という前衛映画にもこの黄色い鳥が重要な役割で出て来るんだよね。
かつて雷電さんはドラム・キットにくくりつけていたし。
 
後に偶然知ったんだけど、コレは「Shrilling Chicken」という伝統的なオモチャなんですってね。
「shrill」というのは「甲高い音を出す」という意味…なるほど。
330v閣下、ayumiさん、喧ちゃんの3名の「星」をテーマにしたセリフのやりとりから「太陽がいっぱい」。
サビのメロディが耳に残るこの曲も見どころ満載だった!340_ti2人のギター・ソロをタップリ!345vヒロアキくんのソロでは閣下が背中合わせに!350v_2そして、「汝も行くがよろしい」と言わんばかりに閣下が誘導してヒロアキくんはステージのセンターへ。360_2ステージ中央、原田喧太&田川ヒロアキ揃い踏みで壮絶なギター・バトルが繰り広げられた。370閣下は傍らで赤い旗を手にして盛り上げる!
このお客さんの手!
盛り上がるにキマってるわね!380雰囲気が最高潮に達したところで次の「New Day Comes」が本編を締めくくった。
今度は閣下、MIYAKOさん、ヒロアキくんの3名のセリフで曲を導く。
「遠すぎて 辛すぎて 涙胸に秘め手を振り上げ
大空見上げて心の叫びを描けば
降る雨 吹く風 夜明けが塗り替えてく」
このヒロアキくんのセリフはヒロアキくんが渡米して録音した「Sky」の日本語バージョンの一節。
閣下のチョイスだそうだ。400v赤い旗を手にした閣下が歌うストレートアヘッドなロック・チューン。
420v_2客席にも無数の赤い旗がひるがえった!410_ndc喧ちゃんの背中には大きなクマ!
ホント、色々やるナァ~。
S41a0876この曲でも2人のギター・バトルをタップリ!
サービス満点!S41a0874お互いに一歩も引かない2人のソロ合戦に観客は大喜びだった。S41a0882 すさまじい熱気の中、本編の幕を下ろした。440アンコールではお召し替えをして登場した閣下。
470まずは「野獣」を演奏。
聖飢魔Ⅱが地球デビューする前から存在していた陛下作の一編。460_2もちろん陛下もステージに上がった!480そしてシエルちゃんも!490ヒロアキくんは陛下とのギター・アンサンブルを披露。
コレは聖飢魔Ⅱ信者にとっては非常に感動的な1曲になったハズじゃが?
500_2アンコールの1曲目が終わるとこの日ご発生日を迎えた閣下にバースデイ・ケーキが贈られた。
キーボーズのMIYAKOさんも全く同じ誕生日ということで一緒にお祝い。
さらに「11月生まれ」ということで雷電さんと桃さんもお祝いされる側に加わった。
そうそう、以前ご本悪魔と話したことを思い出したんだけど、私は雷電さんと誕生日が1日違いなのよ。
いくつになっても誕生日ネタは楽しいね。
450_2さて、お誕生日のセレモニーも無事終了して、いよいよこの日バンド演奏の最後の曲となった。
ステージに運び込まれたドラム缶を打擲して閣下が熱唱したのは「Age of Zero!」。10_0r4a0344 最後の最後まで完璧な演奏で閣下の世界を創り上げたバンドメンバーたち。
閣下と一丸となって「コレでもか!」とお客さんを楽しませようとするエンターテイナー精神は感動的であった。520  S41a0580    70v_2  540v 550v 560v曲が終わった後、閣下は一名ステージに残り、さらに「千秋楽ー雅楽…独自楽曲」を独唱して観客の感動を膨らませ、『地球魔界化計画』を仕上げたのであった。
イヤ~、楽しかった~!
Marshallサウンドもタップリでシアワセ、シアワセ!
 
デーモン閣下の詳しい情報はコチラ⇒デーモン閣下公式サイト
570 

200 (一部敬称略 魔暦25[2023]年11月10日 Zepp DiverCityにて撮影)

2023年12月29日 (金)

地球魔界化計画~Damian Hamada's Creatures

 
10月の大阪からスタートした『地球魔界化計画』と銘打つデーモン閣下とD.H.C.によるダブル・ヘッドライナー・ショウのツアー。
11月10日にZepp DiverCityで迎えた「千穐楽」にお邪魔させて頂いた。
今回はそのレポートをお送りする。10sまずステージに上がるのは新しい改臟人間を迎え入れ、9月に第IV大聖典『運命の支配者』を発表したばかりのDamian Hamada's Creatures。
ステージに降ろされた紗幕に改臟人間たちのシルエットが投影される。20その紗幕が振り落とされ、『運命の支配者』のオープナー「The Beginning of the End」でショウがスタートした!30シエル伊舎堂40vRENOファウスト50vそして新しい改臟人間たち。
 
アックスKAZUMA60vリリス一ノ瀬70vKAZAMI Crowley80vノッケからギタリスト2人がお立ち台に上がり火花が散らし合うようなギター・プレイを披露。
うれしいね~。
やっぱり「ロック」って音楽はこうでないと!
もうひとつうれしいのは…
90RENOくんのギターの音を出しているのがMarshall。100v向かって左のハーフ・スタック。
JCM2000 DSL100と1960Aのゴールデン・コンビ。
110そして、アックスも当然Marshall。
え~い、申し訳ないんですが、「アックスKazuma」は以下「カズマくん」とさせてください。
だって、「カズマくん」とは長いお付き合いなんだもん!120カズマくんのMarshallシステムはプリ・アンプが「JMP-1」。
そして100W+100Wのステレオ・パワーアンプ「9200」。
スピーカー・キャビネットが1960Aという組み合わせ。
この「JMP-1」と「9200」はとっくの昔に製造を中止していて、カズマくんは「9200」を入手するのにずいぶん時間がかかった。
それだけにたくさんの愛情を注ぎ込んだ、まさに「愛器」なのだ。
ちなみに「Axe(アックス=斧)」はスラングで「楽器」という意味なのね。
現在ではギターのことを指すようだが、イヤイヤ、元はジャズ方面の俗語。
ロス・ラッセルという人が著した、モダン・ジャズの創始者のひとりと言われる「ジャズの巨人」チャーリー・パーカー(Charlie 'Yardbird' Parker:愛称は「Bird」)の伝記、『バードは生きている(Bird Lives)』に何度も「my axe」という言葉が出て来る。
コレはアルト・サックスのこと。
実際、サキソフォンは斧みたいな形だもんね。
だからまさにこのMarshallはカズマくんにとって愛すべき「アックス」なのだ。
ところで…『バードは生きている』は大変にオモシロイ1冊なのでジャズに興味のある方に大推薦です。130vステージ前方で一列に並んだシエルちゃんとサオチーム。
曲は『旧約魔界聖書 第I章』から「Babel」。140_bb今日もシエルちゃんの良く抜ける澄んだ歌声が響き渡る!
やっぱりギターと同じでクリーンな「声」というのは音ヌケがとてもいいんですよ。150猛進するリズムに乗ってカズマくんがソロをキメる!
170vそしてRENOさんとのギター・アンサンブル。
このアレンジが何ともカッコいい!160アタマ2曲でもう完全にD.H.Cの世界を確立した…イヤ、「地球魔界化計画」を大幅に推進した!180「こんばんは!Damian Hamada’s Creaturesです!
ア~いっぱい居る~!ありがとうございます!
ついにやって来てしまいましたね…『地球魔界化計画』の千穐楽。
全5ヶ所を回ってきましたが、ココを1番熱い会場にする準備は出来ていますか!
配信のみなさんも最後まで一緒に楽しんでくださ~い!」
190v「オイオイ!ワタシ抜きでなんだか楽しそうじゃないか~」と早速陛下のご登場!
客席から大きな歓声が上がる。
「『地球魔界化計画』の千穐楽…開演そうそう盛り上がっておるじゃないか~!
では、さっそくジャガ~、ワタシの方から地球魔界化を進めるための超強力なメンバーを紹介しよう」
「そのドラミングの速きこと風の如し」、「そのギター・パフォーマンスは侵略すること火の如し」と武田信玄の「風林火山」式にチームのメンバーを紹介して…
「そしてワタシが…、そう、魔王ダミアン浜田である。
さて、世界に目を向けてみようじゃないか。
現在世界中の至るところで争いが起きている。
このままでは我々が地球を魔界化する前に、もしかしたら人類は核戦争によって滅亡してしまうんじゃないかと心配しておるぞ。
いずれにせよ、人類にとって運命の支配者は結局のところ人間だということだ」
まったく仰せの通りでございます。
200vおかしかったのはカズマくん。
「アックスKAZUMA」という名前を速く言うと「ア・ク・マ」になってしまうという陛下。
しからば、と実際にやってみた。
「アックスカズマ、アックスカズマ、アックカズマ、アックカマ…悪魔」
ホントだ~!…ウソこけ~!
まさかこんなシーンでカズマくんがフィーチュアされるとは思わなんだわ。
オマエも「悪」だな…と思ったらキタキタ!
210v
「悪の華」が続いた。
『運命の支配者』のクローザーだ。
「Flowers of Evil」か…我々世代のロック・ファンにはとても馴染みのある名称だ。
私はあまり「山」には行かなかったけど。220_ah これまた切れ味鋭いドライビング・チューン。
物悲しいメロディにシエルちゃんの美しい声が完璧にマッチする。230手の込んだフレーズを詰め込んだカズマくんのソロから…250vココでもRENOさんとの絶妙なギター・アンサンブルが飛び出した。240v続いてKAZAMIさんが弾くおごそかなピアノから静かにスタートしたのは「Eternal Sinner」。260v_esギター・リフからドラマチックに曲を展開させるシエルちゃん。
ハスキーに、そしてハードにシャウトするシエルちゃんも実にカッコいい!270vこの曲でも2人ギター・ソロがフィーチュアされた。280続いても『運命の支配者』から。
ミディアム・テンポでヘヴィに展開する典型的なD.H.C.サウンドの1曲は「Walküre」。300_wkまたまた中間部のアンサンブル・パートが実にスリリングだ。
320v_geすなわちカズマくんとRENOさんのコンビネーションが満点ということに他ならない。
310v_ge「後半戦ですよ、みなさん!
最後の、最後の最後まで一緒に声出して、手を上げて盛り上がっていきましょう!」と客席をアオるシエルちゃん。
エエ~、もう後半なの?!330_tp文字通り大型の嵐が通過していくような怒涛のドライビング・ナンバーは「Tempest」。
もちろんこの曲も『運命の支配者』からのチョイス。
340シエルちゃんはアタマを振る客席を見降ろして堂々と自分の歌世界をブツけていく。350v再びお立ち台の上に上がるギターの2人。
とにかくソロにアンサンブルにとギター・チームが大活躍なのだ!
360
そして、いよいよ!
430ギターを提げた陛下が登場した!390v曲はD.H.C.のキラー・チューンのひとつ「魔界美術館」。400陛下の背後にもMarshall。410陛下の愛器。
ヘッドはMG100DFX。
そしてスピーカー・キャビネットは1960Aだ。420vこの曲は前回までのライブでもとても印象に残った。
スポットライトを一身に浴びたシエルちゃんの歌がとても凛々しい。370_mbkもちろんツボを得た陛下のソロも完璧な仕上がりを見せた!425「また出てきてしまった…。
さて、私が地球魔界化計画を宣言してまもなく2年が経とうとしている。
そろそろ我々の身の回りでその兆候が表れてもよさそうじゃないか…ということでこのコーナーでは改臟人間たちから身近な魔界化現象を、あるいは最近の魔界化現象をレポートしてもらおうと思っておる。
ただし、会場や時間の都合により1名だけだ。
今日は、シエル伊舎堂…頼んだぞ!」440v「ハイ!
5ヶ所続きましたこの『地球魔界化レポート』のコーナーの最後を担当させて頂きますシエルで~す。
ナニをしゃべろうか…と、ツアー中ずっと考えていました。
ご存知の皆さんもいらっしゃると思いますが、私は聖飢魔Ⅱが地球征服へ光の中に消えて行った1999年の魔暦元年に生まれました。
生まれた時、看護婦さんや家族がビックリするぐらいのツムジが頭のテッペンにあったんです。
それはオーメンのごとく『666』っていう数字だったそうです。
その話を耳にして、D.H.C.の結成当初に陛下に伝えると、『シエルは生まれる前から改臟されていのか?』っておっしゃってナルホドと思いました。
そして小学生になり、ついに聖飢魔Ⅱと出会いました。
さらに中学生になって悪魔になることが夢になりました。
高校の時、周りにメタルとか売れないよ…って言われながらもどうしてもメタルが歌いたくて、ロックが歌いたくて、どうにかこうにか続けて来ました。
大学生になって『もう私に音楽はダメなんじゃないかな?』、『就活して普通の人になんなきゃいけないんじゃないかな?』と思っていた時に陛下の僕として、そして改臟人間として選んで頂きDamian Hamada's Creaturesのボーカリストになることができました。
そして、個人的な話なんですが…今年、自分のライブ活動が『15周年』っていうすごい大切な年なんです。
そんな大切な年にこうやって陛下、閣下、DKBの皆さん、D.H.C.、そしてスタッフさんやお客さんと一緒に5ヶ所もツアーに回れたことを本当にうれしく思ってます。
これぞまさに!『地球魔界化計画』なんではないでしょうか!
スゴイね!最高の景色を見せて頂きました!
でも、D.H.C.って欲張りなんです…ワガママなんです。
なので、もっといい景色見たくなちゃったんです!
来年の6月、東名阪+アルファを巡ります。
魔界小学校修学旅行、魔界巡礼ツアーを決行します!
会いに来てくれますか!?」450「プラス・アルファということは、プラス666会場もありうるワケだな?
まぁ、結構結構コケコッコー。
日光江戸村来てチョンマゲ…という感じかな。
諸君はガクガクブルブルと震えながら楽しみに待っておれ。
そして、これからも我々と共に地球魔界化に向け、トラのように勇ましく駆けぬこうではないか!」460続いては…おお!このイントロ!470_rlt「当たり前田のクラッカー」的に曲は「Running Like a Tiger」だ!
クールなギター・リフ、親しみやすい歌のメロディ。
虎の尾を踏むことのないハードさとポップさが絶妙なバランスで同居するD.H.C.ならではのナンバー。
480vカズマくんのソロ。495そして、陛下とのアンサンブル。
イヤ~、正直カズマくんがこんなにフィーチュアされるなんて予想していなかった。
以前からカズマくんをよく知る私は自分のことのようにうれしかったぞよ!500シエルちゃんの手がトラに!
510vいよいよ最後の曲。

「さあ、先ほども言いました。
このをツアー中の1番熱い会場にしたい!
1階の後ろも2階も配信も一緒に声出していきましょう!
ラスト!イケるか東京!」
600v_2ドバ~っとCO2が飛び出して…520_ago『魔界美術館』から「嵐が丘」!530v出番の最後を飾るにふさわしい飛び切りイキの良いドライビング・ナンバー。
またシエルちゃんの伸びやかな声が曲にピッタリなんだよね~。
この曲のおかげでこないだウイリアム・ワイラーの『嵐が丘(1939年のアメリカ映画)』を観てしまったよ!490v「ギター三役」の揃い踏みに客席も大喜びだ!
緊張感あふれるリフから…
560もちろん3人のギター・プレイをフィーチュア!
3人のアックスが唸る!
545まさにクライマックスにふさわしい光景!570v_2やっぱりギターってのはカッコいいもんだよね。
ロックという音楽はこういうモノであって欲しい。580vもちろんギター・チームだけでなく…590鉄壁のリズム隊を従えて…S41a0307Damianミュージックを構築したD.H.C.の面々。
最高のパフォーマンスだった!540海外の音楽関係者から聞くに、今に始まったことではないものの、世界的な動向としてヘヴィメタルやハードロックのマイノリティ化が急速に進んでいるようだ。
リスナーの高齢化だ。
リスナーが増えなきゃ演る方も増えるワケがない。
するとますますリスナーが減っていってしまうという恐怖の悪循環。
それでも日本はまだマシなようだ。
550そうしてみると、この「地球魔界化計画」は「地球ハードロック化計画」あるいは「地球メタル化計画」と換言できるのかも知れない。
「魔王=救世主」というのも強力な撞着ではあるが、D.H.C.が地球のロックを保護&救済する最右翼のひとつであることは間違いない。610vまずはD.H.C.の計画完了!
 
Damian Hamada's Creaturesの詳しい情報はコチラ⇒Offical Website620さて、新しくD.H.C.のメンバーとして迎え入れられたアックスKAZUMA。
上に書いたようにありがたいことに彼は熱心なマーシャラーだ。
いつでもどこでもMarshallでギターを鳴らしてくれている。
…ということで、カズマくんにお願いして2本ほどMarshallのデモ・ビデオに出演して頂いた。
D.H.C.ファンの皆さん、ビデオをご覧頂きゼヒ是非アックスKAZUMAを応援してくださいまし!
 
<Marshall ヴィンテージ・リイシュー・ペダル>

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200 (一部敬称略 2023年11月10日 Zepp DiverCityにて撮影)



2023年12月27日 (水)

大山まき~Unchained Tour 2023千秋楽

 
今年6月に開催された初日の公演の様子をMarshall Blogでレポートした大山まきの『Unchained Tour 2023』。
あの時、千秋楽が11月25日であることを知って「ずいぶん先のことだナァ」と思ったものだったが、もう終わっちゃったよ!
アッという間に半年過ぎちゃった。コワい。
…ということで今日はその千秋楽の様子をレポートするんだけど、かなり以前からこの日は先約が入っていて私はお邪魔できなかったの。
そこでまきちゃんのチームから写真をシェアして頂いて記事を構成した次第です。
そこんとこよろしくです。0_010vオープニングは6月にリリースしたフル・アルバムのタイトル・チューン「Valkyrie」。01今日も大絶好調のようすの大山まき!01_2vまきちゃんがギターを手にした続いての曲も『Valkyrie』から「Trigger」。
02_1Marshallちゃんのギター・アンプはMarshall。
ギターの赤に合わせてASTORIA CUSTOM。
お、ギター・ケーブルも赤だ。
02_2ゴキゲンのギター・サウンドで歌声も高らか!02_3次は昨年リリーズの『UNSTOPPABLE』から「Red Elephant」。
 
ギターは斉田'KAZZ'和典。03_1KAZZさんもMarshall…「Marshallファミリー」の一員だから当然だ。
愛用のJVM410Hに1960BVを組み合わせた。03_2v2019年の『MONSTER』から「Satisfaction」。
なんかもう『MONSTER』というと懐かしい感じがするね。
コロナの前だもんね。04_1ベースは佐野優。04_22週間前にリリースしたばかりのミニ・アルバム『Eclipse』から「キミノカナタ」。Dsc_0427ベースの佐野さんとドラムスの中山直樹さんはそのレコーディング・メンバーだ。05曲は「Missing」と続いて…06ゲスト登場。
ベースのRosana:mihoを迎えて「Monster」。
mihoちゃんはMarshall Blogのライブ・レポートへは超久しぶりのご登場。
07_1KAZZさんのソロが冴えわたる!07_2mihoちゃんを交えて「Bless & a Curse」。
mihoちゃん、教えてあげた洋食屋へは行ったのかな?08ココで雰囲気を替えてアコースティック・セット。09_1KAZZさんのアコースティック・ギターで…09_2「Voice」を熱唱した。09_3だからどうした?の「So What?」10この辺りはおなじみのナンバーが続く。
「MERA MERA」から…11「浮世ドライブ」だ!12どれもまきミュージックを代表する曲。12_2さらに「Pain Letter」を押し込む!13本編の最後にはもうひとりのゲストTokiちゃんを迎えた。14_1『Valkyrie』から「Wings of Icarus」。14_2そして新作のタイトル・チューン「Eclipse」を経て…15「Over the Wall」で本編の幕を降ろした。16そして、アンコールはmihoちゃんもTokiちゃんも参加した全部ノッケで「Valkyrie」をもう一度。17この日最後の曲、まきちゃんは再びギターを手にした。18曲は赤いビデオでおなじみの「My Only Hero」。18_2「赤いビデオ」とはコレのことね。0r4a0002 

0r4a0074_2 こうして最高の盛り上がりを見せて5カ月に及ぶツアーにピリオドを打ったのであった。
お疲れさまでした!
 
大山まきの詳しい情報はコチラ⇒大山まきofficial website_dsc6216   
200(一部敬称略 2023年11月25日 代官山UNITにて撮影 ※写真提供:DAISUKE HAYAFUJIさん ご協力ありがとうございました!)
 

2023年12月26日 (火)

ワンコにワンコイン vol.02

 
去る11月22日、『ワンコにワンコイン vol.02』というイベントが開催された。
一頭当たり600万円の経費を必要とするといわれる盲導犬の育成。
行政も支援をしてはいるものの、その育成に要する費用の90%が一般からの寄付によって賄われているそうだ。
コレは全く知らなんだ。
そんな盲導犬の普及の状況を憂いて開催されたチャリティ・イベント。
「ワンコにワンコイン」なんてそもそもタイトルがウマいね。
「1 coin」とそのコインを「ワンコにin」というダブル・ミーニングになってる…かどうかは存じ上げない。10主催は現在名称を『Guitar Canvas』と変更したギターやアンプをフィーチュアしたイベントを主宰し、先月『bhodhit magazine(バディット・マガジン)』という音楽誌を創刊した「合同会社バディット」。Bm 今回Marshall Blogではこのイベントのトリを務めた「小次郎 feat. 惺光玖拾玖」のステージを取材させて頂いた。20TK30v志歩40v上の2人が「小次郎」。
「Guitar Canvas」ではTKさんがドラムス…110v志歩さんがベースを担当してハウスリズム隊を務めている。115vそこに惺光玖拾玖(サトミツクモ)が加わったのが「小次郎 feat. 惺光玖拾玖」のメンバー。
TKさんが構想を練ったいわゆる「ギター・インスト」のチームだ。45vそこに今回「スペシャル・ゲスト」として加わったのが…
 
AHImg_6762 同道公祐60v湊雅史70vそして、ホッピー神山。
ホッピーさん、Marshall Blogにはメチャクチャ久しぶりのご登場。
Marshallをホッピーさんにお使い頂く機会はないからね。
お帰りなさいまし!Img_6735ホッピーさんとお仕事で初めてご一緒させて頂いたのは11年前。
青山純さん、伊藤広規さんという日本のリズム・セクションの最高峰が、2012年に『A*I』という2枚組のアルバムをリリースした。
ホッピーさんはこのアルバムのプロデューサーだった。
90cd私は幸運にもこのアルバムのライナーノーツを書かせて頂き、また写真の撮影も担当させて頂いた。
ホッピーさんとはこの時以来のお付き合いなのです。
100そして、ホッピーさんは「小次郎 feat. 惺光玖拾玖」の『破滅の劫火』というアルバムをプロデュースされた関係でこのイベントにご参加されたというワケ。105cd「ホッピーさんのプロデュース」ということであれば間違いのないアルバムであろう。
何しろホッピーさんの『A meaning of meaningnessless(意味のないものには意味がある)』は私の大愛聴盤の1枚でしてね。
「日本人だってこんなにスゴイ音楽をクリエイトすることができるんだぞ!」と言わんばかりの濃い内容があまりにも素晴らしい。Mm 場面はイベントの締めくくり。
オープニングでは「Black Dog」を取り上げた。120「♪へヘイ、マ~マ」とAHさんの声が圧倒的な迫力!330v公祐くんのソロ。
もちろんMarshall。
この日、公祐くんはJVM410Hと1960Aを使用した。1402曲目は「すべての天上を望んだ祭壇」。
この後、『破滅の劫火』の収録曲を披露していった。150このハードなサウンドに切り込んで来るアコギ!
猛然とストラミングするTKさんのパフォーマンスもまたハード極まりない。
ドラムスをプレイするところしか拝見したことがなかったのでその全然違う姿にビックリ!
なるほど、TKさんは自らを「Ovationist」と呼んでいるのか…。
私もOvatonが好きで「Custom Legend」を持ってます。
160vこの人の出現によってTKさんの理想が実現したというぐらいあって充分にフィーチュアされた惺光玖拾玖さん。170vホッピーさんが時折振りかけて来るサウンド・エフェクトが薬研堀の七味唐辛子のように良い香りを放つ。
180湊さんは奥田民生さんの時以来のMarshall Blogへのご登場。
やっぱりシャープで音楽的なドラミングが素晴らしい。200熱のこもりまくったパフォーマンスが何しろスゴイ!210TKさんはあたかも荒行に挑んでいるかのように音楽に没頭していた。220AHさんが歌詞を口にしたのは冒頭の「Black Dog」のみ。
他の曲では「歌」というより「声」を演奏していた。
この「声」が曲に完璧に溶け込むのだ。230vこのメンバーとの演奏はまるっきり初めてだったという公祐くん。
ステージ下手に陣取ってそんなことを全く感じさせない当意即妙のギターを奏でていた。300v「本当に皆さんありがとうございます!
こういうところでライブをすると経費がかかりますよね。
ミュージシャンの方々も関係者の方々もみんな苦しいじゃないですか。
そこでみんなで音楽を楽しくやって盛り上げよう!ということで今日もベースを弾いている会長が『バディット』という会社を作ったんです。
それで、こんなすごい超大作ができた。
本当に皆さんに盛り上げて頂いてうれしいです」
とステージ上のメンバーと関係者を紹介した。250v「皆さん、自分の人生は自分でシッカリと掴んでください。
そのためにオレらはやってるから。
それを応援するための会社だから」
240このチームは「ギター・インスト」といってもバリバリにギターが活躍する従来型のサウンドではなく、ギターはフィーチュアされることはあっても、バンド全体が一丸となってナニか他にないものを作り出そうとしている気概に満ちてでいるように感じた。260出番の後半でも7人が一糸乱れぬ演奏でその独自の世界をつくり上げた。270 280v 290v 190v 310 
130vそして、大いに盛り上げて『ワンコにワンコイン vol.02』の幕を降ろした。320v小次郎 feat. 惺光玖拾玖の詳しい情報はコチラ⇒kojiro band Official Site

340さて、このイベントにスペシャルゲストで参加したRED ORCA&Aahumの同道公祐さんがMarshallの新商品をデモンストレーションする動画が公開されています。
ゼヒともご覧ください!


そして、「小次郎 feat. 惺光玖拾玖」の3人と公祐くんが出演する『GUITAR CANVAS』の第5回目が年明け1月5日開催されるのでそちらの方もどうぞよろしく!350 
 
☆☆☆Marshall Music Store Japanからのお知らせ☆☆☆
 
日本が世界に誇るインストゥルメンタル・バンド、D_Drive。
コチラはギター丸出しのギター・インスト。
カッコいいよ~!

<だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)>

コチラはSONY Xperiaとのコラボレーションで制作した最新ビデオ<Wings>。

<Thmbs Up>

<Begin Again>

Marshall Recordsが世界にリリースするセカンドアルバム『DYNAMOTIVE』絶賛発売中!

9dyna

Marshall Music Store Japanでお買い上げのお客様にはMarshall特製スクエア・ロゴ・ステッカーを3枚プレゼント!
 
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9img_9727 200 (一部敬称略 2023年11月19日 渋谷Spotify O-Westにて撮影)

2023年12月25日 (月)

amber lumber~7周年記念ライブ<後編>

 
amber lumberの7周年を記念するライブのレポートの<後編>。
今、ステージの方は第2部の2曲目が終わったところ。
 
「皆さん、生き物は進化したらみんなカニになる…って知っていますか?
ワタシ、最近知ったんですけど最終進化系が『カニ』なんだってよ~。
『進化 カニ』とかで検索するとマジでいっぱい出てくるの。
だって、ミジンコも甲殻類らしいよ…ミジンコ」
今の若い人は「ミジンコ」なんて知っているのかしらん?
考えてみると「ミジンコ」なんてずいぶん失礼な名前だよな…「微塵」だぜ。
「食用ガエル」なんてのもかなり気の毒な名前だ。Img_6398「だからミジンコもカニになろうとしているんですよ。ちっちゃなカニね。
この間の北海道で見事に育ってきたボクの代表曲を聞いてください。
森永さん、伴奏してもらっていいですか?」480征史さんのメルヘン部門のキラー・チューン「カニはエライ」。490vみんなで楽しく「ピース!」したね!500「♪来世はカニに生まれたい~」510カニへの感謝の気持ちを十二分に溢れさせての征史さんの熱唱だ。
見よ、この首のカニ!510vそして、その首のカニからカニが出て来た。
ハハン!曲が育ったから脱皮したっていうことだったのね?530それをアキラさんの頭に…戴冠式ならぬ戴蟹式。540カニオパトラだって。550そしてしばし演奏。
征史さんは指2本で弾くカニ奏法を披露。560カニか…。
ウチのカニといえばコレ。
アート・カーニー主演の『ハリーとトント』。
この映画が封切られたのは私が中学生の時だった。
私は元々映画から音楽を聴くようになったのだか、この頃は特に映画に夢中だった。
でも「こんな年寄が主演の映画なんか観たくないわ」とパス。
ところが…だ。
こうして今自分がジジイになってこの映画を観てみると…泣ける、泣ける。
ま、アメリカ版変形『東京物語』みたいなロード・ムービーなんだけど、コレが実にいい。
カニは出て来ないけど、ハリージイさんの相棒のネコのトントが実にいい味を出している。
ネコ好きにはよろこんでもらえる作品かも。
Harry3それと、今急に思い出したんだけど、2、3年前の夏のある日。
突然、家の前に下水道の作業車が何台もやって来て、ホースをマンホールに突っ込んでワイワイやり始めた。
一体何事かと思って警備に立った東南アジアから来ている若い男に尋ねてみた。
「どしたの?ナニがあったの?」と私。
「カ、カニ臭い」
「エ?カニ?カニってハサミの?」
「カ、カニ臭い」
「ナンでカニのニオイがするのよ?」
「カ、カニ臭い」
と、その子はとうとう「カ、カニ臭い」しか口にしなかったが、コレが本当にカニ以外の何ものでもないニオイが辺りにただよっているのよ。
おそらく近所の人が区役所かなんかに電話をしてこう言ったんでしょうね。
「カ、カニ臭い」
アレは一体ナンだったんだろう?Img_0002 「このカニね、すごく似合う人が各地にいるんですよ。
カニになりかけてる!って思うほど進化の途中の人ね。
今日も本当にいい音で演らせてもらってるんですけど、Marshallの上にカニを置いてもいいですか?(どうぞ、どうぞ、イギリスのMarshallは「ピンクリボン運動」に積極的に参加しているぐらいですから!)
ギターがやっぱり、圧倒的にいい音だよね。
ダイナミクスもすごく伝わるし、どれくらいの強さでこっちも合わせていいかがすごくよくわかる」570「今日もギターの音はノー・ストレスです。
本当にいい音。
飛行機とかに乗せるのは大変ですよね?
でもココに来てくれたら、その良い音が聞ける。0r4a0147お2人が紹介してくれたのは、Marshallのアコースティック楽器用アンプ『AS100D』。
イヤ~、アキラさんが本当にいい音を出してくださったんですよ。80 「amber lumberという名前もそろそろ知られて来たっぽくてね。
『amber lumberだ!』って飛行場でamber lumberを知ってる人に会ったんだよ。
コッチは知らない人なんだけど、メッチャ話しかけてくるからナンパされてるのかと思った。
『アレでしょ?amber lumberの人ですよね?今日は1人なんですか?』って言われてガ~ンとなって…ちゃんとメイクしようと思いました」
580v「ホンマに…その人よう気付いたな?
なんかアレやろ?メイクしたお遍路かと思ったのかも…」590v「お遍路」といえば…。
先月、愛媛の道後温泉にある第51番の霊場「石手寺」に行って来た。
特に「八十八霊場」を巡ったしているワケではないんだけど、ものすごい由緒ある寺だというので見学に行ったワケ。
なるほど、729年に創建されたという大変な古刹だ。
その成り立ちも大変に興味深い。
その一方、ココには書かないが最近では好ましくない話もチラホラ聞こえて来るらしい。
で、なるほど行ってみて驚いた。
本当に立派なお寺なんだけど、雰囲気が「普門院」にソックリだったのだ。0r4a0130「普門院」というのは、亀戸天神のすぐ近くにある真言宗の寺院。
木が鬱蒼としていて境内は昼間でもやや薄暗い。
それはいいんだけど、やたらと色んなものが境内に散乱していて、近所の人たちはこの寺を「ゴミ寺」と呼んでいる。
石手寺の雰囲気がココにソックリだったワケ。
Img_6758この「普門院」、創建は1522年と石手寺には遠く及ばないが、今半の創業者や伊藤佐千夫の墓があることで知られている。
「民さんは野菊のような人だ」…なんてロマンチックな悲恋モノは自分の性には合わないので『野菊の墓』は読んだことはないが、木下恵介の1955年の『野菊の如き君なりき』は観た…が、舞台が信州だったこと以外は不思議なぐらい覚えていないナ。Img_6759そんな乙女チックな小説を書く伊藤佐千夫って想像に反して結構なコワモテだったんだよね。
柔道家にしか見えない。
それもそのハズ、この人、短歌や小説家を書く傍ら酪農家としての顔を持っていた。
何しろ錦糸町の駅前で牛を飼って搾乳していたというのだから昔の東京には全く驚かされる。
ちなみに私が出た大学の先輩です…残念ながら帝大ではありません。Si 「カニはエライ」につづくアキラさん作の「かわいい歌」は「最後のひとつ」。
そう、アキラさんが自己申告したようにお題を元にした可愛らしいワルツ。
…とココまで書いて気が付いた。このレポートまだ2曲目だよ!30_sh征史さんもソロを可愛くまとめてきた。40v征史さんもMarshall。
この深いベース・サウンドは1978年製の「1992 SUPER BASS」が送り出している。50v_1続いては泣かせどころの「青い月夜」。
ファースト・アルバム収録の「月」シリーズのひとつ。90v_at「♪泣いて 泣いて君の涙が涸れたなら 僕が舟を出すから」
もうココのパートは何回聴いてもグッと来るね。100そして、これまたアキラさんのストラミングが心地よい「あたし待ってんの」。
70vウン、やっぱりこうしたストラミングの時の音がタマらないね。
終演後にアキラさんが話してくれたんだけど、ボディを「カツン」とやる時、叩く場所によって出て来る音の違いを忠実に出してくれるところがとても気持ち良いのだそうだ。
ラインではこうはならないとのこと。
80_2コレもファースト・アルバム収録のナンバー。
古くから演っているだけに「7年」の重みを感じさせる。60_wmt「トントントンと進むと、また『終わりたくない病』が出て来ますね。
7年前、札幌で初めて合わせた日が11月10日だったので、今回も最初同じ日にココを押さえていたんですが北海道の予定が入ってしまったので今日にズラしてもらいました」
170v「その7年前の11月10日にたまたま1曲一緒に演りましょう…って言ったんだけど、その1曲があまりにも素晴らしかったんで他の曲もできますか?って訊いたんです。
そしたらナント山本さん、『アナタの曲はなんでもできます』って言ったんですよ!
じゃあ、っということでそのステージでブッツケで演奏したんです」
スゴイな、征史さん。
まるでフランク・ザッパのバンドのウォーレン・ククルロみたいだ。
テリー・ボジオもそうかな?
よっぽどの自信がない限りはなかなか言えないセリフですよ。
Img_6422 続いてまだ音源になっていない「呼吸とテレパシー」…140_kttそして「キミの知らないボク」を演奏した。
この曲のサビの展開も素晴らしいね。
170さらにアンコール用に用意していたという「半分の月」を続けた。160v_ht「ありがとうございます。
ギターの音が良いと曲に入り込むことができますね。
すごくありがたい…邪念が無くなる。
思いっきり歌ったら、耳が痛い感じかな~とか、今ベースの音の方が大きいかな~とか、山本さんのコーラスが大きいかな~とか…そういうことばっかり考えてしまうんですけど、今日は本当に集中して出来ました…って、まだ終わってないのに!」
180「ハイ、いつも邪念だらけですからね!」120vそしていつも通り本編の最後は「そこにある宇宙」。
今回は7周年で初心へ帰ったのかどうかわからないが…イヤ、少なくともそんなことはひとことも言っていなかったが、比較的『運命の輪っか』からの選曲が多かったね。
ということでamber lumberでしか作り出すことができない「宇宙」がそこに広がった!190_sau曲の後半は征史さんのビッグバンだ!
150v_2出た「Two-seventy」!210v征史さんが足でコネクリ回しているのはコレ。
前回とは少々中身が変わっていて(左の方)、いつにも増してすさまじいエフェクター・サウンドの嵐だった。
50v_2ひたすら自分の宇宙に入り込む征史さん。220v_2轟音の中、クライマックスに向かって暴れまくる!230v思う存分弾き切って…240v昇天。
amber lumberのライブの見どころ多かれど、このパートも大きな魅力のひとつ。250v「ありがとうございました!」260_2これにて「7周年記念ライブ」の本編終了。270v_2もちろんアンコールあり。05「ありがとうございます。
これからもナンとか仲良くやっていきたいな~と本当に思っております。
何、演ろうかな?なにか演りたい曲あります?
アンコールで演ろうと思っていた曲を先に演っちゃうからこういうことになるんだよな。
よし、じゃもう1曲。
スープを温め続けることは難しいねっていうヤツを演ります。
7周年にピッタリな気がするんだ。
でもこんな曲で終わっていいのか?…『冷めたスープ』だよ?」280v_2「冷めた」どころか、曲も演奏も「あったかいんだから」のホッコリ・ムード。300征史さんのコーラスも温かい。310そして、いよいよコレが最後。320_kf締めくくりは「風が吹いたら」。330v2人もとても楽しそうに演奏していた。
この調子なら10周年も20周年も大丈夫でしょう。340v最後はアキラさんの四股で〆た!350「よいしょ~!」360_27周年、おめでとうございました。
コレからも仲良くamber lumberならではの音楽をクリエイトし続けてくださいね!

amber lumerの詳しい情報はコチラ⇒amber lumber Official Site

370_2 200 (一部敬称略 2023年11月19日 神田SHOJIMARUにて撮影)

2023年12月22日 (金)

amber lumber~7周年記念ライブ<前編>

 
amber lumberの7周年を記念するステージ。10v「本日はようこそいらっしゃいました!」
ステージに上がるなり「♪ナ~ナナナナ~」と、ザ・ウォーカー・ブラザーズの「Land of a Thousand Dances(ダンス天国)」を口ずさむ2人。
コレ、私が幼稚園生だった頃のヒット曲だけど、すごく流行っていたのを覚えている。
久しぶりに聴いてみると…コレ、「♪ナ~ナナナナ~」ではなくて「♪ラ~ララララ~」と歌っているね。
私もズッと「ナ」だと思っていたけど「ラ」だった。
amber lumberは「2017年1月に結成した」としているので、このステージの時は実はまだ満7周年になってはいなかった。
イヤ、そんなハンパなことをこの2人がするワケないと思ってこの日の来場者に配布されたエッセイ「ambering lumbering」の386号を読んでみるとやっぱり…。
2人が初めて一緒に演奏したのが、つまり「amber lumber」という形になったのが2016年の11月10日だった。
だからこの11月でちょうど7周年!
おめでとうございます。
20ちょうどいい機会なのでMarshall Blogでのamber lumberの歴史を振り返ってみるか。
 
amber lumberが初めてMarshall Blogに登場したのは2017年7月12日のこと。
5月26日に開催されたイベントに出演した時のライブ・レポートだった。Img_0020この時からほぼ7年!
出したアルバムは6枚。
よくぞ続けてくれました!

Img_0497000img_0057
…ということでamber lumberの「ララ周年記念」のショウの始まり、始まり~!
 
森永 JUDY アキラ40_lv山本征史
 
まずは「ランデブー」で陽気に幕を開けた。50続けて『Mother Moon』から「ドウシテコンナニコワイノダロウ?」。
コレ、珍しいんじゃない?
アキラさんのピックを使わないファンク・ストラミングが炸裂。
60v_dkkアキラさんの歌と自分で弾くギターのバッキングがゴキゲンなグルーヴを生み出す。
しかし、ギターの音がいいナァ~。70アキラさんは今日もMarshallのアコースティック楽器用アンプ『AS100D』を使用している。
ま、自分で言うのもナンだけど、ホントにいい音だと思う。
コレを一回使っちゃうとラインに戻れなくなってしまうのも当然のことでしょう。
特にアキラさんの場合、この曲のようなファンク・ストラミング(かつては「16ビートのカッティング」ぐらいのことを言っていましたが、コレは日本でしか通用しない方言らしいので最近は呼び名を変えました)にすごくマッチしていると思う。
どういう風にいいのか?と言うと、そのギターが持っている音をそのまま出すことができるの。
加えてナチュラルでパンチが効いてる。
80そのアキラさんのストラミングに乗って展開する征史さんのソロ。
歪み具合が絶妙。90v征史さんもいつものMarshall。
ヘッドは1978年製の「1992 SUPERBASS」だ。100vいつも賑やかで楽しい足元のようす。
前回とはチト違う。110そして、アキラさんが「♪プライド、プライド、プライド」とファンキーにまとめ上げた。Img_6123 「さて私たち、8月にココでワンマンさせてもらった後、10月、11月とチョット長い旅をして来ました。
一応、レコ発ツアーで関西方面と北海道と行って来たんです…曲を育てて来たんですよ」
140「一番最初は11月にレコ発をやるつもりやったんですよ。
それが頑張ったらアルバムが早く出来ちゃって、前倒しでツアーに出たワケです」
130v「で、7周年記念ということで初めて記念Tシャツを作りました。
今まではナ~ンとなく作っていたんです。
山本さんが良さげな絵を描くと私がTシャツにする…っていう形でした。
今回は初めて私の絵が使われました…ま、落書きなんですが…ホント、すみません。
秘密をバラすとね、左側にお日様みたいなのがいるでしょ?
それを半分ずつ見ると山本さんに似ていて、もう半分は私になってるの。
自分じゃわからないでしょう?」
150vこの日からそのTシャツの販売がスタートした。10_160こんな図柄。
イヤイヤ、「落書き」だなんてトンデモナイ!
とてもいい感じのイラストではありませんか。
アキラさんも絵がウマいからね。

Ts

続けて演奏したのは最近作『オーダーメイド』にも収録されている「モノラル」。
アルペジオの音もいいナァ~。
① カレンダー②白紙③太陽④抱き枕⑤瞳に映った月⑥感触⑦モノラルという7つのお題を使ってビスポークされた1曲。
「ビスポーク(bespoke)」は「オーダーメイド」を意味するイギリスの英語…コレは前にも書いたね。
170v_mnディレイを効かしたフレットレス・ベース・サウンドが深い!180v「育ってます?
やっぱり、同じ曲を何回も演って、何回も歌っていると曲が段々育っていくのね」
育っています。0r4a0147 炊事、洗濯、掃除…家事ってメチャクチャ大変だよね。
身体だけでなく頭も使う。
会社でエラそうにペッタンペッタンとメクラ判を押しているより何千倍もシンドイ仕事だ。
その過酷な家事の業務の中で一番苦労する仕事は、洗濯でも掃除でもなく、食事のメニューを考えること…ということをよく耳にする。
ホント、大変だと思いますよ。
家族の栄養を考えて、文句を言われないようなモノを日に3度も作らなきゃならないんだから。
80_btf…というようなことを征史さんが考えて歌詞を書いたのかどうかはわからないけど、amber lumberならではの1曲が次の「バジトーフー」。
「♪トーフー」
前にも書いたと思うけど、ウチの周りにはチャンとしたお豆腐屋さんが3軒もありましてね。
とてもシアワセです。120で、もう一度登場して頂くのがこのアタマの形がウリの幕末の政治家、学者、医師他の大村益次郎。
豆腐が大の好物だった。
で、行って来たんよ…どこへ?って?
豆腐屋じゃなくて、益次郎さんの家。125vこれが益次郎の家の跡。
場所は愛媛の宇和島。
今気が付いたけど、後ろは墓地だったんだネェ。126益次郎は長州の人なんだけど、その優秀さを買われ、時の宇和島藩主で、福井の松平春嶽、薩摩の島津斉彬、土佐の山内容堂と並んで「幕末の四賢候」とひとりに数えられた伊達宗城(むねなり)に招聘され、宇和島藩士の教育係を務めた。
シーボルトの孫弟子ということでオランダ語が達者だったが、それは読み書きだけの話で、発音がカラっきしNGだったという。
何しろ教わっている弟子の方がそのヘタクソな発音で吹き出してしまったという。
益次郎はそのことをシッカリと認識していて「どうせ話す機会がないのだから読み書きが完璧にできればよろしい」と発音の巧拙は切り捨てていたそうだ。127実はこの時、益次郎の家の跡を見にこの地を訪れたわけではなく、本当の目的はココだった。
幕末の頃、ココには「三角屋敷」と呼ばれる家が立っていた。
シーボルトのお嬢さんの稲本イネ、通称「オランダお稲」が住んでいたのだ。
おイネさんはお父さんであるシーボルトの高弟だった二宮敬作を頼って長崎から宇和島、あるいは西予卯之町に出て来たんだネェ。
何の血縁もないけれど、ウチは長崎にある稲本家のお墓まで行っているのよ。
もちろんこの時、西予卯之町の二宮敬作の墓もお参りして来た。128_2場面は替わって「ラッタカ」。200v_rtk「♪ラッタカ~、ラッタカ~、髪洗ったか?」
シャンプーも石鹸も減らすことのない「地球にやさしい女」のことを歌ったこの曲が私は大好きなのです。210征史さんのエキサイティングなソロもバッチリ!220vさて、さてさて、今日の脱線のハイライトだよ~!
下はジュディ・ガーランドとジェイムス・メイスン主演の1954年のアメリカ映画『スタア誕生(A Star is Born)』。
私のお気に入りの1本なんだけど、先日また観ていてスゴイことを発見してしまった!
それは…今ココに2人の「ジュディ」がいる。
ひとりは髪の毛を滅多に洗わないということになっている「森永 JUDY アキラ」。
片や子役時代に『オズの魔法使い』で「Over the Rainbow」を世界的にヒットさせ、押しも押されぬハリウッドの大女優&歌手だったJUDY Garland。
ハリウッドのジュディがこの『スタア誕生』の中でこう言うのだ。
「私はムシャクシャするとすぐに頭を洗うの。とにかく髪の毛を洗ってサッパリするのよ!」
どうよ。
やっぱり髪の毛を「洗う/洗わない」でジュディはつながっていたんだネェ。
ん?…あるいはこの曲の詩を書いた征史さんはこの映画のことを知っていたのかな?
アイラ・ガーシュインとハロルド・アーレンが作った挿入歌「The Man That Got Away」がとにかく素晴らしい。
いつか髪の毛を洗わない方のジュディにもこの曲を歌って頂きたいと思っている。190「髪を洗う」でもうひとつ。
英語で言うと…「I wash my hair」。
コレを現在進行形にして「I'm washing my hair」とか「I have to wash my hair」と言うと、誘いを断るセリフになるんですって。
ま、言われたことないけど…誘わないから。
「Why don't we go shopping?(買い物に行かない?)」
「I have to wash my hair(行きたくない)」
となるワケ。
だからアキラさんは自然に対してだけでなく、みんなにやさしい女性ということになりますナ。

230sココで相撲の話。
今は「正代」というお相撲さんに夢中なのかな?
ところで寺尾にはビックリしたネェ。
ココの家は、長兄の鶴嶺山が61歳、次兄の逆鉾が58歳、そして寺尾が60歳と、ずいぶん短命だったんだネェ。
気の毒にナァ。
240ファースト・アルバムから「Eしか弾けない」。
ナンカとてもなつかしい感じがする。250v_eCDを初めて聴いた時のことを思い出させてくれる征史さんのソロ。Img_6371「正代、カッコいいゼ!」とアキラさん。
そして、そのアキラさんににじり寄る征史さん。
Eコンビではありませんか!260「頭の中が正代になっちゃった!
私はいつも母親とお相撲を見ているんだけど、母親は正代が負けるとこが見たくないって言って見ない。
本当は正代のことが大好きなのに…。
ところで今のはファースト・アルバムの1番最初に入ってる曲でした。
そして、今から歌うのはファースト・アルバムの最後に入っている曲です。
ファースト・アルバムを作った頃はまだマァマァ仲が良かったんだよね」280v「まだ知らなったからね…知っちゃうとチョットね」
イヤイヤ、そんなこと言わないの!
290v『運命の輪っか』の最後の曲とは「毒をはく」。
コレはアキラさんがamber lumberを始める前から演っていて、この曲を聞いて征史さんは一緒に演りたいと思うようになったそうだ。300_dhこの曲に「♪テレビでは立派そうな大人たちが子供のように罵り合う 些細なことじゃない 大きな問題で」というパートがある。
コレは政治家のことでしょう。
この国の政治家は本当にどうしようもないね。
勉強すればするほどそのヒドさがわかってくる。
でも、その政治家を選んでいるのは他でもない我々ですから。
とにかく日本国民は勉強しないと!もっと本を読まなきゃダメだよ、歴史に関する本を。
もともと政治は五流、でもかつては経済があった。
その経済が衰えてしまった今、この国はまた世界の三流以下の国になってしまった。
やっぱりナントいっても「世界の一流国」のトップはイギリスなんだってサ。
…ということで、アキラさんにはこれからもジャンジャン毒を吐いて頂きたい。320アキラさんの傍らでは征史さんが低音域で毒を吐き続けた。330ココまでが第1部。
しばし休憩。340送られた鉢植えの祝い花。350v屋台村はいつも通りの賑わいを見せた。360もちろん今回もエッセイとネコ大仏の「おさとし」が来場者に配布された・
「一日一日が人生」か…全くだナァ。370第2部はアキラさんの叩き語りでスタート。
人の曲シリーズ…前回は「ここに幸あり」を取り入れていたけど、今回は趣向をガラリと変えてダイアン・リーヴスの「Endangered Species」という曲。380v_es「絶滅危惧種」か…私は知らない曲だったので調べてみた。
チョット失礼なんだけど、オリジナルを聴いて大笑いしてしまった。
だって、「オリャ~!」感が本当にアキラさんみたいだったんだもん。
そしてドラムスがやたらと幅を利かせたアレンジなのよ。
このシーンに完璧すぎる選曲と言って間違いないでしょう。
390征史さんのソロもタップリとフィーチャされてからの~…400v「I Wanna be Your Blood」
キタキタキタキタ~!410v_bld「♪ドクド~ク、ドクド~ク」430vハード・ロッカー征史さんの面目躍如たるシーン。
まさに血がたぎるパフォーマンス!440v最後はジャ~ンプ!450v「サンキュ~!」
 
コロナの頃はネタがなくてライブ・レポートを2本立てで構成するのが常だったけど、ここのところ大分落ち着いてまた以前の通りシングルで記事を作ることが普通になった。
でも、今日は「7周年」のお祝いということで2本立てでタップリとお送りします。
<後編>もお楽しみに!

amber lumerの詳しい情報はコチラ⇒amber lumber Official Site

460<後編>につづく
 

200 (一部敬称略 2023年11年19日 神田SHOJIMARUにて撮影)

2023年12月21日 (木)

Aahum(アウン)の単独公演

  
今回はチョイとオシャレなところへやって来たよ。
場所は六本木。
「キーストンクラブ東京」というジャズのライブのお店。
プログラムはRED ORCAのギタリスト、同道公祐が今年5月に立ち上げたAahn(アウン)の単独公演。10開演時間になって公祐くんが1人でステージに姿を現した。70ピックを口にくわえ、シャンソンのスタンダート「La Mer」を想起させる美しいメロディのバラードをア・カペラ披露。
何とキレイなクリーン・トーン!
80そして、弾き語りで「太陽」を演奏。
90vそして、リズム隊の2人が合流する。100_ms後藤マサヒロ120v高浦”suzzy”充孝130vAahumのメンバーが揃ったところで演奏したのは「Mistake Shot」。140ギター・ソロになると猛烈にテンポがアクセルレイトして強い熱気を放出した!150vところで、今日はジャズのお店ではあるけれど、ステージにはMarshallが2台もセットされているのです。170しかもSTUDIO JTM!10_0r4a0208公祐くんが使ったのは1x12"コンボのST20C。
やっぱりメチャクチャ音がいいな~。180ジャンプ(=リンク)を施してバランスの良いサウンドを作り出した。190ところで公祐くんがMarshall Blogに登場するのはコレで3回目。
スカイツリーの下のミズマチ内にある「Lattest Sports」というお店で月に1回開催している、現在では「Guitar Canvas」と名称を替えたイベントのレポートに過去2回登場して頂いているのだ。
200「いつもとは雰囲気の違うオシャレなお店でヤバいですね!
皆さん、ココはご存知でしたか?…キーストンクラブ東京」210イヤ、東京のお店は存じ上げなかったが、サンフランシスコにあった「Keyston Korner(キーストン・コーナー)」というジャズのハコはもちろん知ってた。
行ったことはないけど(今は閉店してボルティモアで営業している)。
元はバーで、そこをライブハウスに改造。
その当時はエルヴィン・ビショップ、ボズ・スキャッグス、ポインター・シスターズらが出演していたらしい。
後にジャズのライブハウスに転身。
初期の頃はソニー・ロリンズやアート・ブレイキーが出演し、マッコイ・タイナーやビル・エヴァンス、ベティ・カーターやスタン・ゲッツも出るようになった。
だって下の看板を見なよ。
デクスター・ゴードンのカルテットにブレイキー、マイルス、それにジョージ・ベンソンだぜ!
コレは夢かッ?
でもね、コレは時代のせいだと思う。
開店が1979年と遅く、「ジャズ」という音楽が時代遅れになっていたため、こうしたレジェンド級のミュージシャンでも演奏する場が極端に少なくなっていたのではなかろうか?
東京のジャズのライブハウスと同じ状況よ。220この店は音響がヨカッタのか、ものスゴいたくさんのライブ・レコーディングをしているんだよね。
さっそくウチには何があるかな?…とレコード/CD棚をまさぐってみると…。
下の4枚ぐらいしか見つからなかったわ。

230cd240cd

250cd_2

260cd そして、東京のキーストン。
演奏はベースからスタートしたキーを「Bm」に据えたファンキーなジャム。290リズム隊の2人のソロをタップリとフィーチュア。300そして、公祐くんが暴れ回るという寸法。280v
突然場所は替わってココは長崎。
こんな会話が聞こえて来る。
「コレ、使っとるの?」
「使っとる…バッテン、持ってってよかとよ」0r4a0068 ということで、続けて「Scuttle Buttin'」。
みんなコレ好きね~。
私はレイ・ヴォーンが出て来た時にはもうロック系の音楽を聴いていなかったので、彼については全くの門外漢なんだけどこの曲だけは知ってる。
270ところで、以前から「Scuttle Buttin'」とはナンじゃろな?と思っていたんだよね。
「スカットル・バッティン」なんてヘンな言葉じゃん?
スラングで「Scuttle Butt」という名詞が元になっている…意味は「ウワサ」。
コレはどういうことか?
「scuttle」というのは「フタのついた小窓」のこと。
「butt」は「尻」ではなくて500ℓの容量の大樽を指す。酒樽だわね。
昔、アメリカの船乗りはこの大樽に水を蓄えて航海に出ていた。
そして、水を取りに集まる船乗りたちはこの樽の周りでするウワサ話で盛り上がった。
そこから「scuttle butt」が「ウワサ」という意味に転じたらしい。
320「水を得た魚」にように公祐くんは楽しそうに弾いとったよ!
310v_sb「改めましてこんばんは!
『Aahum』です。皆さん、楽しんでますか?
こんなオシャレなところでこんな爆音出してていいんですかね?
お店の方に『こんなの初めてです』って言われました!」Img_5999_2 ココで最初のゲストが登場してカルテットに。
曲は「Dear K.C.」。330_dkc土橋くん。
公祐くんのお弟子さんで、どうしてもこの日のライブに連れて来たかったのだそうだ。340v土橋君はSTUDIO JTMのヘッド「ST20H」と2x12"キャビネットの「ST212」を使用。350vさらに次の曲ではピアノのガクちゃんが加わってクインテット体制に。360_rb小気味よいファンク・ビートに乗って思い思いのソロが飛び交った。380ガラッと変わって公祐くんの歌を交えた「プルースト」。
今風のサウンドやね。390v_pltそして、ゲストを交えた演奏の最後はハードなジャム!
400ガクちゃんはア・カペラでソロ。410vもちろん公祐くんんもエキサイト!420_emコレぞジャム・セッションの醍醐味。
楽器同士の当意即妙な会話が展開し、バツグンの盛り上がりを見せた。430Aahumの3人に戻ってジミ・ヘンドリックスの「Voodoo Chile」。
コレは御茶ノ水の野外イベントでも演奏した公祐くんのオハコ。440v続けて「Doping Brain」。440本番の最終セクションは、飛び入りのゲストを迎えて「Wanderwall」…450v「Error Number 402」で本編を締めくくった。460そして、アンコール。
飛び入りゲストを迎えたまま、現在進行中のオリジナル・ギターのプロト・タイプを提げて1曲演奏してこの日のプログラムを終了した。
満席のお客さんは大よろこびの様子だった!
480vで、ですね。
公祐くんがこの日に使用したSTUDIO JTMのデモ・ビデオに登場してくれました。
上手にSTUDIO JTMを使ってくれています。
是非ご覧くださいまし!

200_3 (一部敬称略 2023年11月16日 六本木キーストンクラブ東京にて撮影)

2023年12月12日 (火)

D_Drive フロア・ライヴ vol.9

 
9回目を迎えたD_Drive名物の『フロア・ライブ』。10今回も100%楽器の生音だけで勝負だァ!20_2今日のオープニングは…おお!珍しく「Peach Fizz」。30_pfSeiji40vもちろん、生音を出しているのはMarshall。
JVM410H と1960BのSeijiバージョン。50vYuki60vこちらもいつも通りのJVM410Hと1960B。
ブルー・ローズをあしらった純白のYukiバージョン。70vToshi80vToshiくんもいつものイードゥン。
今回もスゲエ音を聞かせてくれた。90vChiiko100vChiikoスペシャルNATALのフルセット!110次は「Runaway Boy」。
2曲続けてD_Driveが最初にリリースしたアルバム『Something to Drink?』から。120_rb「Runaway Boy」が昨年リリースした『DYNAMOTIVE』に再録されたのは皆さんもご存知の通り。130cdさらに続けて「Lost Block」。
ナンカ久しぶりだな。
NAMMや上海でよく取り上げた1曲。
140_lbコチラはMarshall Recordからのファースト・アルバム『Maximum Impact』から。150cd「皆さん、こんばんは、Ⅾ_Driveです!ありがとうございます。
新横浜Strageでのフロア・ライブも9回目ということになりまして…ということはもう18回くらい演ってるっていうことですかね?
今回は1日だけですが、いつもは2日出演させて頂いていますから18回くらい演っていることになります。
今日初めてお越しになられた方はいらっしゃいますか?
初めてのD_Driveがフロア・ライブっていうのもなかなかレアですよね!」
170「ご覧の通り楽器にマイクが全く立っていないんですね。
ドラムスはもちろんのこと、ベースとギターも全部アンプから出て来る生の音をダイレクトにお聴き頂いています。
ですからお座りの位置でかなり聞こえて来る音が違うと思います。
そのナマ~の感じを楽しんで頂けたらと思います。
今日も最後までよろしくお願いします!」
160v「マイクが立っていないということは、ボクの前に置いてあるモニターからは音が出ていないワケでして、曲順を書いたセットリストが貼ってあるただの台になっているんですよ!
ゼイタクな台です」0r4a0216 「コレも久しぶりに演る曲」とYukiちゃんが紹介したのは、またしても『Something to Drink?』からYukiちゃん作の「Escape from...」。0r4a0200 この記事を書くに当たってどんな曲だったかを確認するためにCDを引っ張り出して久しぶりに聴いたんだけど、思わずアルバムを全編を通して聴いちゃったわ。
ナンカ、初々しくてね~。
190v続いては「だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)」。
しかし、このフロア・ライブってのはありがたいね。
Marshallの音の威力を説明してくれているようなもんだからね。
どういうことかと言うと、今流行りのデジタル商品にはできないことを実際に音を以って照明してくれているということ。
それは「音ヌケ」ということ。
真空管アンプとデジタル系のアンプでは格段の違いがある。
近くではわかりにくいが、アンプから距離を取ると如実にそれがわかる。
この違いで真空管アンプは「楽器」であるのに対しデジタル・アンプが「機械」であることを思い知ることができる。200v_rlgl凄まじい疾走感!
イードゥンの音ヌケの良さもバツグン。
音質がどこまでも澄んでいるかららしい。
180_efそして、このセクションを締めくくったのは10年目のD_Driveが発表した「Begin Again」。
来年は15周年。
「Begin Again」からもう5年かよ!
ついこないだYukiちゃんが作って披露したばっかりだったのによ!210v_ba「さっきも申しました通り、今回で9回目ですからね。
皆さんがたくさんアップしてくださったのか、口コミか、グーグルマップでStrageさんを見るとD_Driveの写真ばっかりなんですよ!
ウチらしかライブを演っていないみたいな…」
ココでYukiちゃんはギターを持ち替え。
230v「今から2曲続けて演るんですけど、どちらもコロナ禍の最中に作ったドロドロとした曲です。
あの自粛している間すごくイヤでしたよね。
外にもなかな出れないし…そんな時に地球の怒りみたいなことを感じてそれを曲で表したいと思って作ったんですね」240vということでギター・チームが7弦ギターに持ち替えて臨むドロドロの重低音コーナー。
245まずはYukiちゃん作の「Be Yourself」。
物悲しいギターのメロディから…250v_by不吉に、そしてヘヴィに展開するドロドロ・ナンバー。255v続いてはChiikoちゃんのドラムスでドロドロと始まる「Break Out」。
270Seijiさんのハーモニクスを利用したリフでドロドロして…260v_boドロドロのギターアンサンブルが炸裂する。0r4a0263 …と、ドロドロ書きましたが、本当は2曲ともドロドロなんかしていない胸のすくような良質のヘヴィ・チューンですから!
Seijiさんが「ドロドロ」というからそう書いてみた。
ココでドロドロと休憩。
280vそして、第2部。
「皆さんありがとうございます!
今年の秋は大分温かいおかげでメチャメチャ”カメムシ“が…。
神戸はカメムシがすごくて…特に新神戸がヤバかったです。
しっかり緑のヤツ」
290v「そんな季節を感じる曲を次に演りたいと思います。
季節は秋とは全然違うんですが…」
「とりあえずカメムシは忘れてください!…梅の曲です!」300カメムシといえば…「木曽路はすべて山の中である」の「妻籠宿」。
中山道42番目の宿場。
下はその本陣跡。0r4a7736そういえば、横溝正史に『本陣殺人事件』というのがあったな。
後にATGが映画化した。10_hj 「本陣」というのは参勤交代などの時に大名等の身分の高い人が宿泊する公のホテル。
実際には暗殺を恐れて大名はあんまり泊まらなかったらしいけどね。
それだけに立派な施設であるのが普通。
それなのに…出るらしいんだよ。
ナニが?…って?
0r4a7743カメムシだよ。 
実は私はカメムシってわからないんだよね。
見た記憶がない。
「足元」っていうことはコレは地面にいるヤツなのか?
ナンでも「激クサ」だっていうんでしょ?
クサいのはイヤだナァ。0r4a7748 「今から演るのは梅の曲とインコの曲…カメムシはホント忘れてください!
梅、梅、梅ですよ!
『U、M、E』って書いて『うめ』と読まずに『ユーミー』としています。
コレは本当に梅の曲で、木がスクスク育って、梅の実がなって、そしてそれが収穫されてどこかに出荷されていろんな形で食べられるっていう。
梅酒を連想する方もいれば、梅干しのお漬物を連想する方、いろいろあると思いますけど、梅は頑張ってるんだぞ!っていう曲。
梅の曲は日本に少ないと思います。
梅を思いながらこの曲を聞いてくれれば絶対梅にしか聞こえません。
カメムシは絶対ない!」
と、Seijiさんが自作曲を宣伝。
コレがホントの梅名行為…チガウ、売名だ!
「蟹」がガンバっている曲を演っているバンドもあるけど、D_Driveは「梅」ね。310v「和」の旋法を使った「U_Me」。
こんな曲は世界のどこを探しても他にないぞ。
320v_um繊細にしてゴリゴリの重低音がまた素晴らしい。330v一方、インコの方はおなじみの「Wings」。
Yukiちゃんのファンク・ストラミングが冴えわたる!0r4a0180加えてChiikoちゃんが景気よく翼をバタつかせてくれた!350v「ありがとうございます。
今演奏した2曲はどちらもMarshall Recordsからのセカンド・アルバム『DYNAMOTIVE』というアルバムに収録されていますのでまだお持ちでない方はゼヒゼヒお買い求めください!」
360vコレです、コレ。
130cdツアーで方々へ行くという話をして…
「田舎っていいですよね。その生まれ故郷に帰るとかね。
ボクもコロナの時にフトそう思って生まれ故郷を見に行ったんです。
とても懐かしい雰囲気で、すごく昭和を思い出しました。
ボクは昭和が大好きで、ホンなら昭和の曲を作らなアカンと思って作ったのが今から演る曲です」
380またギターを持ち替えて「ドロップD」のコーナー。
ギターをラジカセで鳴らした音を模したSeijiさんのギターからスタートするのは「古き良き街(I Remember the Town)」。420v_irtトリッキーな入り方でクリスピーに叩くChiikoちゃん。430ココはみんなで手拍子ね。440v

450vToshiくんの手拍子、ちっさ~!
指拍子ね?460v皆さん、Chiikoちゃんが新たに導入したNATALのカウベルに合わせて手を叩いて頂きました!
ウン、たくさんのカウベルの中から選んだだけあっていい音!
510続いてはスカっとブッ飛ばしていくYukiちゃん作の「Get Away」。470v_gaToshiくんのベースがココでもブイブイいってるわ!480vドロップDのセクションのもう1曲は「Gradation」。490_gd「早いもので、あと数曲です。
さっきチョット触れました『DYNAMOTIVE』と『Maximum Impact』をまだお持ちでないという方はゼヒご購入して頂きたいと思います。
今日もそちらの方に物販コーナーにご用意してあります。
ライブ会場で販売しているのは帯やブックレットが付属している特別バージョンです。
今、新しいグッズがないんですが顔を拭くのにちょうどいいタオルとかあるんですよね!」500vコレです。520「あと数曲になってきましたが、本日もじっくりと楽しんで頂けましたでしょうか?
最後も3曲続けていきたいと思います。
本日も本当にありがとうございました!」0r4a0283 本日最後のセクション。
まずはD_Driveのレパートリーの中で2番目に古いという「Mystery Zone」。530_lsecコレまた『Something to Drink?』から。
昔はよく単独公演の時に演っていた。540v爆発的にドラム・フィルから「GEKIRINー逆鱗ー」!550vココでもどこまでもヘヴィに曲を演出するToshiくんの重低音。560vそして最後は定番中の定番「Screw Driver」。570vいつもとは一風変わったセットリストをお客さんも存分に楽しんでいた本編だった。580そしてアンコール。
「アンコールありがとうございます!
D_Driveはお陰さまで来年15周年を迎えます。
なかなか長い歴史だと思いますが、それも皆さんがライブに来てくださったりとか、音源を聴いてくださったりとか、そういうサポートがあってこその15年であることをヒシヒシと感じております。
スゴイね…本当に14年間めちゃくちゃライブを演ってきたと思います。
コロナ禍もあったりもしましたが、その中でも出来る範囲でライブを続けました」590「ココで私たちも次なるステップアップせなアカンな~と思いまして、来年の3月ぐらいからライブの数を絞ることにしました。
地方に行くのは難しくなるとは思いますが、新横浜には戻って来たいと思っています」
1回のライブの内容を濃いモノにしていきたいと思いますので15周年もどうぞよろしくお願い致します」
…と、YukiちゃんがD_Driveの新方針を発表した。
610v15周年…イヤ~、長くなったナァ。
まさかあの大阪の「松下IMPホール」の控室で初めてSeijiさんに会った時、こんな関係になるとは思ってもみなかったワ。
15周年も応援させて頂きます。
 
ということでアンコールの1曲は「Attraction 4D」。620v 0r4a0325 640v  0r4a0498D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Website660 

☆☆☆Marshall Music Store Japanからのお知らせ☆☆☆
 

日本が世界に誇るインストゥルメンタル・バンド、D_Drive。

<だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)>

コチラはSONY Xperiaとのコラボレーションで制作した最新ビデオ<Wings>。

<Thmbs Up>

<Begin Again>

Marshall Recordsが世界にリリースするセカンドアルバム『DYNAMOTIVE』絶賛発売中!

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Marshall Music Store Japanでお買い上げのお客様にはMarshall特製スクエア・ロゴ・ステッカーを3枚プレゼント!
 
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9img_9727 200 (一部敬称略 2023年10月28日 新横浜Strageにて撮影)

2023年12月 1日 (金)

26周年記念コンサートのBARAKA~Red version


昨年結成25年を迎えたBARAKA。
「25周年」の次は…そう、「26周年」だネェ。
「別に5年、10年と5の倍数でお祝いをしなくてもいいではないか!」…というワケではなくて、今日レポートするコンサートが開催されたのは去る10月19日のこと。
この「10月19日」はまさにBARAKAの3人が初めて一緒に音を出した記念すべき日なのだが、その長い歴史においてこれまでその「10月19日」にライブを演ったことが一度もなかったのだそうだ。
今回のライブがちょうどその日に当たったものだから「26周年」を謳ったワケ。10v 開演前、会場にはマイルス・デイヴィスの「Nefertiti」がBGMで流れた。
以前「In a Silent Way」も使われていたが、メンバーの誰の好みなのかな?
ウェイン・ショーターが作曲した前者はジャズの命である即興演奏を排除した1968年の問題作。
後者はテリー・ライリーやスティーブ・ライヒらのミニマルミュージックよろしく、「♪タカチータカチー」と同じリズムを延々と繰り返す「フュージョン・ミュージックの嚆矢」とされる1969年当時の衝撃作。
ちなみにオランダのFocusはこの曲のリフを拝借して「Harem Scarem(『Humburger Concerto』収録)」という曲を作っている。
こうした音楽の雰囲気がこれから始まるショウのイメージにすごくマッチしている感じがした。
 
エキゾチックなSEが会場に響き渡り、BARAKAの3人が舞台上に姿を現し演奏が始まった。
1曲目はこの日初めて人前で演奏したという「Superior Force2」。
20高見一生
Img_9979_2 依知川伸一
40v平石正樹30v疾駆する依知川さんと平石さんのリズムに乗って一生さんがテーマに、そしてソロにとハナから暴れ回る。60依知川さんが使用しているアンプはEDEN(イードゥン)。
思えばコレのおかげで私はBARAKAとの縁を結ぶことが出来たのだ。70vもうMarshallはEDENから手を引いてしまったが、コレはホントに素晴らしい音を出すアンプだと思うよ。
「ベースらしいベースの音」っていうのかな?
どこまでもヌケてくる正しい低音が爽快極まりない。80v足元のようす。
依知川さんは足鍵盤を操るパートも多く、まさに四肢を駆使してのパフォーマンスだ。90一生さんはもちろんMarshall。100Marshallが創立40周年を記念してリリースした白の1959と1960。
コレをジャンプ(旧名:リンク)して使用している。110コチラは一生さんの足元のようす。120一生さんの音も最高に素晴らしかった。
「パチーン、パチーン」と1959独特のサウンドが会場のどこにいても直接耳に入ってくる。
それだけ音ヌケがよいのだ。
コレ、絶対にデジタル・アンプではできない芸当。
あの手の機械はアンプからの距離が大きくなるとナゼか聞こえなくなっちゃうんだ。
このMarshallのギター・アンプはPAシステムが全く貧弱だった時代に作られたアンプなので、音が遠くまで飛ぶように出来ている。
「今はPAシステムが発達したからそんなアンプは必要ないじゃないか」って?
トンデモナイ!
ロックの現場はステージの中の音がある程度大きくないと、どんなに優れたPAのシステムを使っても十分に迫力が出ないからだ。
AC/DCがステージ上のMarshallのスピーカー・キャビネットを何十台も鳴らしているのは、彼らがそのことをよく知っているからなのです。130景気よくブっ飛ばして最高の滑り出しを見せた26周年記念コンサート!0r4a0009 フェイザーを効かせた一生さんのアルペジオから始まる2曲目は最近作『Maverick』のタイトル・チューン。150v_mいかにもBARAKAらしい1曲。
5/4拍子、7/4拍子、緩急自在、当意即妙に表情を変えていく。170vフレットに弦を打ち付けてアグレッシブなソロを聴かせる一生さん。
BARAKAのライブ・レポートではいつも書いていることだが、一生さんも「自分だけの言葉」を持っているギタリストの1人だ。180v 平石さんのドラムスがフィーチュアされ…190尚も曲は数々の情景を映し出して消えていった。200 続けての3曲目は「Meteor」。
「Meteor(メテオ)」とは「隕石」とか「流星」のことね。
「comet(コメット)」は「彗星」。
我々の「コメットさん」といえば上野桜木町出身の九重佑三子だ。
「上野桜木」といえば…あ、イカンイカン!コレをやっていると一生さん式MCのお株を奪ってしまうことになる!
 
マレットで叩く平石さんのドラムスが深遠な雰囲気を演出して…210v_mtココでも一生さんが指ではじいた弦をフレットに当てて弾奏でたギターの音が響く。
シットリとしていていいナァ。
このライブ・バージョンはCDとはゼンゼン異なるアレンジで、このライブ・バージョンを私が耳にすると、一生さんがフランク・ザッパにギターで語り掛けているように聴こえる。
5/4拍子の名バラード「Watermelon in Easter Hay」だ。
220v_wmeh
…と思ったらドカ~ン!
チコちゃんではないが、ボーッと生きてちゃダメだ。
このパートのリフはムズカシイからね。
前回も書いたけど、こういうのはナンて言えば良いのだろう?
23/8拍子か?
そういえばパット・メセニーにも「First Circle」という22/8拍子の曲があった。
ステージではしきりに曲に合わせて手拍子を打つようにアオるんだけど、お客さんは誰ひとりそのリズムに手拍子を合わせることができない。
BARAKAの場合は8つ並んでいる3連符の最後の1拍を削るというパターン。
ボーッとしていなくてもコレに合わせて手拍子を打つことはムズカシイ。
230依知川さんは手と足で大忙し。240v美しいクランチ・トーンで弾くテーマ・メロディ。250曲は例のハードな変拍子パートで終わるかに見せかけて、転調してまた動き出す。
レゲエっぽいリズムに合わせ、パーム・ミュートしてスタッカートで弾くベース。
260
そして、そのリズムに呼応して弾く一生さんのギター。
ココでもマイルス・デイヴィス…マイルスの晩年のオハコ、「Jean Pierre」のテーマをクォートした。
マイルス好きは一生さんなのね?
BARAKAのことだからもうひと騒ぎありそうなイメージだが、このまま消え入るように終わってしまう。コレもBARAKA流。270v_jp「皆さん、こんばんは!
BARAKAの26周年記念コンサートにお越し頂きましてありがとうございます。
26年前の10月19日…三軒茶屋のスタジオで初めて3人で音を出した時、『ア、コレはすごいモノが出来るんじゃないか?』という感覚を覚えました。
その時、2人はどう思ったかはわかりませんが…。
週1回リハーサルをして、ライブを演って、それから26年の間休むことなくガンバって参りました。
明日から27年目に入ります。
今日も最後まで思いっきり演りますね!
どうぞ楽しみにしていてください。
ところで皆さん、入り口に『Maverick』のタオルわかりました?」
280v「今日のために限定で50枚作りました。すごくいいタオルです。
みなさんでコレを手にして応援して頂けたらうれしいです!」
と、BARAKAの最近作『Maverick』のジャケット柄のタオルを紹介した。
Img_0042 「次はカバーを演奏します」と続けたのは「いい風よ吹け」という曲。
寡聞にして私は存じ上げなかったが、コレは1999年の沢田研二さんのアルバムのタイトル・チューン。310v 最近はBARAKA全員で沢田さんのバックを務めているからね。
依知川さんのこのアルバムに「インチキ小町」と「お気楽が極楽」という曲を2つ提供している。320もちろん曲はおおよそBARAKAらしくない素直な(失敬!)ポップ・チューンだったが、とても大事に演奏している3人の姿が印象的だった。330続けてはBARAKAのショウではおなじみのビートルズ・メドレー。
330_bt持ち替えた依知川さんのベースがメロディを担当する「Norwegian Wood」。340v_nw一生さんはダブルネックに持ち替えて「Something」をプレイ。350v そして「Day Tripper」。
12弦ギターであのリフを弾く。360_dt刻々と変わって行くビートルズの風景。380完全に自家薬籠中に入れたビートルズ・ナンバーを完璧に演奏した。Img_0105 エ?ナンでやねん!
それ…ビートルズちゃいまっせ!
最後にビリー・コブハムの「Stratus(ストラトゥス)」が出て来た!
しかもあのリフを一生さんは12弦で弾いたのだ。390v_stts いつ聴いてもこのBARAKAの破天荒なアレンジのビートルズは楽しい!
そういえば、最近「Lady Madonna」で新しい発見をしましてね…やっぱり英語とイギリスの文化が本当にわかっていないとビートルズを100%楽しむことはできんね。
だからBARAKA版のビートルズを楽しもうじゃないか!400「皆さん、今日はありがとうございます!
去年25周年を記念してEX Theaterで演りましたがあの時もありがとうございました。
普通25周年の次は、30周年、35周年、となるんでしょうどBARAKAは26周年。
そしてまた、結成した時と同じ日にライブを演るという…こう見えて意外と3人ともマジメなんです」410v 「皆さんも『1年早いよねぇ~』ということをおっしゃっていると思うんですけが、ついこの間お正月だったと思ったらもう間もなく年末ですもんね。
本当に時が流れるのは早いと思いますが、我々もガンバって色んなことにトライしていきたいと思っています。
ゼヒ皆さんも我々と楽しい時間を共有して頂ければと思いますのでこれからもよろしくお願いします。420次はその平石さんのお気に入りという「Reflected Waves」。
平石さんが叩くスネアのリムの音が脳裏に焼き付くとても印象的なイントロ。Img_0083 そして曲は突如として表情を変え11/8拍子のヘヴィなセクションに移行する。440依知川さんの図太い低音がグイグイとバンドを引っ張って行く。
実に良い音!
475v_811一生さんは自由に曲の中を飛び回る。450v今回は「Stella Maris」をメドレーでつなげた。
それこそマイルスの『On the Corner』じゃないけれど、BARAKAの曲はメドレーにされるとどこで曲が変わったのか判別がムズカシイ時があるね。
「Stella(ステラ)」とはラテン語で「星」、「Blanche(ブランチ)」は同じくラテン語で「蛾」という意味…というのはテネシー・ウィリアムスの『欲望という名の電車』の一節。
コレばっかり書いてスミマセン。
とても好きな映画なもんスから。
そういえば『1958 Miles』の「Stella by Starlight」はいいな。
480vこのメドレーのつなぎ目はわかりやすい。
ナンとならば、あの平石さんが叩く印象的なリムの音が帰って来たからだ。
つまり「Reflected Waves」で「Stella Maris」を挟んだのであった。490「イエイ!みんな元気?
ホントありがとうございます。
元気1番!
2に睡眠…3時のおやつは」
「文明堂!」
出た!コレが一生さんしかできないMC。
話がどこに飛んで行くのか誰にもわからない。
510ちなみに、長崎に行くと「文明堂」は新興のカステラ屋さんであることがわかる。
文明堂の創業は1900年。
一方、コウモリのロゴで知られる「福砂屋」の創業は1624年だからね。
テレビ・コマーシャルの力ってのはやっぱりスゴイね。
ところで、カステラってハジッコの切り落としてしまう部分が一番おいしいんだって。
でもその部分は販売しておらず、どうもスタッフが頂いちゃうらしいよ。0r4a0447 「そう…25年。
丸25年やってきたワケですけど、最初はもうオモシロイすよ…オモシロくないですけど。
最初の頃はスタジオに入ると『おはよ!』とかやっていましたけど、だいたい20年くらい経つと『あ!』とか『うっす』みたいな感じです。
会話も『ソレ、アレちゃうん?』、『コレ?』みたいにアレ、コレ、ソレばっかりですわ。
顔の筋肉使なアカンのに…これを機に口角を使う顔の運動をみなさんと一緒にやりましょうか?」
と、「元気」をキーワードにみんなで「い」の発音をして顔の運動に取り組みました。
仕事がら、私もずいぶん色んな人のMCを聞いて来ているけど、一生さんのようなMCは他に2つとない。
いつも楽しみにしています。
500v「もう後半戦です。
最近は世界中で何が起こるかわからないような状況ですが、ボクらはこれからも1音1音、大事に音を奏でていきたいと思います。
よろしくお願いします」Img_0037 「どこまで演るかわからない」と紹介した本編最後の曲は「Bharmad」。
『BARAKA VII』に収録されている20分を超す大組曲。
25周年記念コンサートの際には「Flow」と呼ばれる第2曲を演奏した。
今回はその全てを丸々披露しよういう企画…だから依知川さんの「どこまで演るかわからない」という発言になった。
0r4a0139いきなり10/8拍子のリフが炸裂!530v5/4と6/4拍子が入り交ざるパートにつながる。
ああ、こういうのはオモシロイなぁ。540v当然のことながらこの曲も山あり谷あり、刻々と情景が変わって物語が進んでいく。560そしてBARAKのショウでは欠かすことのできない平石さんのソロの出番。570ステージにひとり残って気魄に溢れたスティックさばきを披露した。580vそのまま依知川さんのベース・ソロ。590v平石さんとの会話を楽しむかのような深みのあるソロ。
バカチコと弦を叩くばかりがベースのソロではないのだ。
でも、この2人の音の会話の内容はきっとかなりシリアスだぞ。600v一生さんのソロを交え、曲は更に様々な表情を見せながら…
620vクライマックスへと向かった!
610さて、本編の最後を飾ったどこまで演るかわからない「Bhramad」…どれだけ演ったと思う?
攻めも攻めたり何と38分!
ただただ、ひたすら「圧巻」だった!520_bra_2 アンコールを待つ間に今日の屋台村を拝見。
さっき依知川さんが触れていらした「Maverickタオル」あり〼。Mer1Tシャツもズラリ。
一貫性に富んだデザインがステキ!Merc2そして、3人がステージに戻って来た。
「皆さん、ありがとうございました!
アンコールにお応えして…参ります!640v「参ります!」で気合が入った!
アンコールでは「Superior Force」。640_sf1豪快にブッ飛ばす3人!
27年目が見えた!650v

660v

670v26周年おめでとうございました!
これからジャンジャンBARAKAだけの音楽をクリエイトし続けてくださいまし!
 
BARAKAの詳しい情報はコチラ⇒BARAKA Official Web Site

680 <つづく>
 

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インストルメンタル・ミュージックつながりということで…日本が世界に誇るインストゥルメンタル・バンド、D_Drive。

<だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)>


コチラはSONY Xperiaとのコラボレーションで制作した最新ビデオ<Wings>。


<Thmbs Up>


<Begin Again>


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200 (一部敬称略 2023年10月19日 渋谷PLEASURE PLEASUREにて撮影)




2023年11月27日 (月)

『宇宙一超絶技巧雑技団』の犬神サアカス團

 
「アレ?今日って大晦日?」なんて、最近は歳の瀬や正月の雰囲気が極端に希薄となった。
子供の頃は一大事だったけどね。
ハロウィンは当然のごとく完全無視。
クリスマスさえ全くの素通り。
さりとて、恵方巻を食べたり、花まつりを祝ったりするワケでもなし。
加えて異常気象で季節がズレ込んでいることもあって、加齢という原因だけでなく「1年」の感覚が昔と大分変ってしまったような気がする。
そんな中、「ああもう1年経ったのか…」と我が家にその時の早さを伝えてくれるのは、この下北沢の「小劇場楽園」と葉山のジャズのイベントだけだった。
それゆえ双方がコロナのせいで開催されなくなった2020年から我が家に「1年」という時間の単位が無くなった感があった。
それが、今夏から『真夏のジャズ葉山』が復活10そして、いよいよ「楽園」も帰って来た!
こうして現場に来てみるとこの日が「4年ぶり」などということを全く感じさせない「ホーム感」があるね。20そういえば、2014年には凶子姉さんが出演できずトリオで出演したこともあったっけナァ。
        ↓    ↓    ↓
犬神サアカス團Z単毒公演「狗供養」~TOKYO BAKA EXPO2014より

000020 コロナの前の最後、2020年のようすがコレ。
   ↓    ↓    ↓
【勝手に犬フェス】『宇宙一超絶技巧雑技団 2019』~犬神サアカス團を単毒公演<呪怨の理>

0040 そして今の目の前の光景。
ああ、懐かしいとしか言いようがない。40でも、見慣れないモノもが…。
と言うか、最近は下のような「指さし看板」と呼ばれる葬式会場への案内を街中で見かけなくなった。
こんな機会でもない限りこの「左手」を気に掛けることなどないので、コレはどういうことか?と調べてみた。
すると意外なことがわかった。
それは…。
そもそも、昔は葬儀屋というモノがなかったらしい。
黒澤明の『用心棒』の渡辺篤が演じていたように、当然「棺屋」という商売はあった。
だから「風が吹けば桶屋が儲かる」なってムチャクチャなことわざが存在していてもおかしくはない。
そもそも、葬式の祭壇のグッズの貸し出しという商売が考案されたのは明治の中頃のことで、明治32年に大阪の知恵者が白木の祭壇を発案したのが最初だったらしい。
東京のごく一部で白木の祭壇飾りを目にするようになったのが昭和初期だというのだから、東西の大きな文化の違いを感じるね。
時代は下って昭和30年代になって全国的にその祭壇飾りが普及し始めた。
だから今の一般的な葬式のスタイルが確立されるようになってからまだ60年ぐらいしか経っていないようなのだ。
そして、昭和40年代に入ると葬具の貸付業社は「葬式のことなら何でもどうぞ」と総合葬式サービス業に変化した。
この当時に件の「指さし看板」が使われるようになったようだ。
その後、バブル景気を迎え葬式の規模も大きくなるにつれて指さし看板の需要も増加したが、バブルがハジけた以降は弔問を受け付けない家族だけで葬儀を済ませる密葬が普及し、葬儀は小規模化が進んだ。
また、葬儀専用ホールも普及して自宅や町内の会館での葬儀が激減。
そうなると葬儀場への案内の必要も減るワケで、そうしてこの指さし看板を見かけることがなくなってしまったのだそうだ。
「葬式も 昔指さし 今スマホ」というワケだな。
きつねどん兵衛とビズリーチのテレビCMも盛んに流れているけど、「人の死」周辺のしきたりも驚くほど変わってしまったよね。
鑑真も空海も最澄も天海もダライ・ラマもビックリだ。
コレも核家族化の影響のひとつでしょうね。
葬式に限らず、過去のしきたりを無視するようになって、日本国民が世界的なバカになってしまった大きな理由のひとつは、家に年寄がいなくなってしまったからなんだよ。
老人は「知識の宝庫」なのよ。
それと、もうひとつは読書の習慣を捨てたこと。
この2つしかない。
60さて、犬神サアカス團の「楽園」の企画といえば、かつては『バカ・エクスポ』だったが、今回はコロナで中断される前と同じ『宇宙一超絶技巧雑技団』という10月を通じて開催されたイベントへの出演となった。90まずは『宇宙一超絶技巧雑技団』のプロデューサー、橋沢進一が登場してご挨拶。
橋沢さんは私の大学の後輩でしてね。
久しぶりにお会いできてヨカッタ!
ビックリするほど変わらない!
100企画の名前は変わっても「楽園」でやることは全く変わらず。
ホッとするね。
つまり、第1部はコントというワケ。110今回は「あいうえおコント」という演目。
五十音の任意の行を選んで、その行の段の5つの文字から始まる文章にフリを付けるという至極文学的な内容。
ん?考えてみると演劇人である橋沢さんは文学部だったのかな?
ナンとならば、我々の学校の演劇科は文学部に属していたから。
125まず出されたお題は無難に「あ行」。
まぁ、コレは「アア~!」とか「ウウ~!」とかになりやすいわナ。
そんなんも含めて皆さん、当意即妙にお題をこなす。
120ONOCHINは小道具まで持ち出した!
ノリノリだぞ!126v「な~ん時だ?今6時半か…困ったもんだな。
6時半か…4時半に待ち合わせたのに2時間も来ないよ~。
ところで誰を待っているんだっけ?」…と、「な」を演じる橋沢さん。140敦くんも大熱演。
こういうの好きそうだもんな。130ココでしか見ることのできないパフォーマンスにお客さんは大喜び。
「コントでした~。
皆さん、楽しんでもらえましたか?
さぁ、演奏の方に集中できるように一旦脳をリセットしてください。
これからタップリと演奏して頂きます!」150コントのコーナーを終えて一旦舞台から降り、再び姿を見せた犬神サアカス團。
160犬神凶子170v犬神明180v明兄さんはもちろんいつもの愛用のNATAL(ナタール)ドラムス。
指さし掲示板つき。190犬神敦200vONOCHIN210v今回、ONOCHINは所有する自分のMarshallを持ち込んだ。
キャビネットは1936。
持参のヘッドはJMP時代の2204。
すわなちマスター・ボリューム・モデルの50W。220リアパネルに貼られたテープにも記してあるが、シリアルナンバーから1976年製であることがわかる。
通常の2204のパワー管はEL34が2本だが、ONOCHINのこのヘッドは6550仕様に改造してある。
また、この当時日本に輸入されていたMarshallはアメリカ向けの製品と同じであったため、定格電力が117Vになっている。
もちろんONOCHINはいつもステップアップトランスで昇圧して使用している。
ところが、ONOCHINはいつも1960と併用しているので出力インピーダンスを16Ω以外に設定したことがなかった。
というのは、2x12"の1936の入力インピーダンスは8Ω。
果たしてONOCHINはこの日、初めてインピーダンス変更のピンを16Ωから8Ωに差し替えることになった。
今の製品はこうしたピンを抜き差しする必要はなく、10円玉でクルリとロータリースイッチを回すようになっている。
230で、肝心のサウンドはどうか…。
私は立場上Marshallを改造することを絶対によしとしないが、このアンプの音の素晴らしさは筆舌し難いものがあった。
「素晴らしい!」としか言いようがない。
1936とのマッチ具合もあったのであろうが…最高のロックギター・サウンドだった。0r4a0129久しぶりの楽園で1曲目に演奏したのは「花嫁」だった。240「改めましてこんばんは、犬神サアカス團です!
2019年にこのイベントに出て以来なのでだいぶ久しぶりです。
ということで明兄さん、まずが最初にひと言お願いします」0r4a0047_3「そうだね…最初にパン!といかなきゃダメだね。
いいことを言わなきゃいけないナ…。
皆さん、今日はどうもありがとうございます!
3年ぶりと言うことですが…いつもの感じがチョット蘇ってきましたよ。
いつもココで演っていた時の『楽しい感じ』と言いますかね。
なので最後までみなさんよろしくお願いします!
いいこと言った?」
んんん~、いいことをおっしゃったんだけど、この「~年ぶり」というのが問題で、NHKの基準を調べると、「引き算すればよい」ということが記してある。
つまり、前回ココに出演したのは2019年のことで、コロナでお休み期間があって、今年2023年に復活したとなると、「2023-2019」で「4年ぶり」という言い方がどうも正しいらしい。
「満~歳」という数え方と同じで、計算の対象となるのが1月だろうが12月だろうが「年全体」で数えちゃう。
Img_9492ココで凶子姉さんの啖呵。
「今宵お目にかけますは犬神一座の大サアカス
どうか一つ最後まで
(♪ジャン)
最後まで
(♪ジャン)
最後まで
(♪ジャン)
最後まで盛り上がっていくぜ~!」
 
啖呵といえば…「田へしたもんだよカエルのしょんべん、見上げたもんだよ屋根屋の褌」ね。
皆さん、コレの意味ってわかります?260v2曲目は例のあの素晴らしいMarshallのサウンドでONOCHINが弾くメロディから「マッチポンプ」。270_mp決して他では聴くことのできない犬神だけのナンバー。280続けて「赤猫」。280v_anこの曲も同様。
ココは犬神サアカス團だけが構築し得る世界なのだ。
こういうバンドって本当にいなくなった。290v冒頭3曲を最近頻出しているレパートリーで固めた。300「どうもありがとうございます。
この下北、『小劇場』という場所、…そして、コント。
今日、この3つ初体験の人がいますね…ONOCHINさん?」
310「こんばんは、ONOCHINです!」
すると客席から「ODDY!」と掛け声があがった。
「ありがとうございます。
実はボク、イエローモンキーのHEESEYさんのところでギターを弾いていたの。
そこでODDYという名前を付けられて…レアな方ですね。本当にありがとうございます。
ところで、コント楽しいね!
意外とテンション上がってる自分が楽しかった。
コレやった方がいいよ…ホントに。
それと、こういうところで演ったことがなかったんです。
高校の文化祭で演る視聴覚教室みたいな場所。
ライブの感じや距離感がオモシロイっす。
クセになっちゃいますね」
コントでは小道具まで繰り出していたからね。
そして、今日使用しているスピーカー・キャビネット「1936」を紹介してくれた。
それほど音がヨカッタということよ。320vMCに続いては「太陽を待っている」。
敦くんと入れ替わって下手でソロをブチかますONOCHIN。330_tmもちろんいつもの凶子姉さんとONOCHINの掛け合いもバッチリきまった。350♪ドコチ~ドコチ~のパターンのドラムスから始まる「東京2060」。360v_2060これまた凶子姉さんとONOCHINのカラミが見どころの曲。370「どうもありがとうございます。
サァ、敦くんも実は下北では初めて、この演劇の小劇場初めて、コント初めてですね。
どうですか、コント?」380「そうっすね…コントというか、やっぱり、人前で何か即興的なことをやる時って言うのはやっぱりドキドキして『今自分は生きてるんだな』ということを感じます。
『あ、緊張するな。イヤだな』ということはありません。
でも『ドキドキするな。生きてる!』ってなります。
だからチョット気持ちがいい部分もあります。
ありがとうございます。
小劇場については、下北沢に来るといつも外から見ていて『いっぱい劇場があるんだな~』と思っていました。
中は見たことがなかったので本当にありがたいです」390v凶子姉さんをフィーチュアして「女囚のブルース」。400_jbセリフを交えて大熱唱を聴かせてくれた凶子さん!Img_9504「ありがとうございます。
明兄さん…コントよかった?」
「コントはいいねぇ」
420「楽園に出演させて頂くということはコントに挑むことになるワケでしょ?
ってことは、『芝居を勉強しなくちゃ!』と思ってね。
やっぱり芝居のテキストと言ったら『ガラスの仮面』じゃないですか?
最初、渋谷の『ジアンジアン』っていうところ出させてもらった。
そこに出る時も、『どうしよう、どうしよう!勉強しよう、勉強しよう!』とみんなで『ガラスの仮面』を回し読みしましたね。
寒い時、おしくらまんじゅうやったりとかして…」
『ガラスの仮面』っていうのは全く存じ上げませんが、明兄さんの話を聞いていると、きっとイジワルに耐え忍んで成功を手にする劇団員の話かなんか?
で、今宝塚歌劇団が問題になってるじゃない?
コレもジャニーズと同じなんだよ。
もう先輩団員のイジワル&イジメなんてのは戦前からあったんだから。
古くは轟夕起子さんが語っているし、乙羽信子さんなんかもヒドイ目に遭ったと自伝に書いている。
月丘夢路さんもそう。淡島千景さんだってきっと同じだったでしょう。
みんなそれをズッとほったらかしていたんよ。
イジメは日本人の国民性とはいえ、死者やケガ人がでるまでやっちゃ絶対イカン。
それにしても昔の宝塚の「娘役」のクォリティの高さったらないナ。
他にも有馬稲子やら新珠三千代やら八千草薫やら。430v私は「宝塚歌劇団」のやっていることには興味がないんだけど、上に書いたように日本の映画の全盛期を支えた女優さんの多くが宝塚出身ということに大きな関心を寄せてはいるのね。
下の黄色いバラの花。
コレには「天津乙女(あまつおとめ)」という名前が付けられている。
「宝塚の至宝」と謳われた大スターだった天津乙女に捧げられたバラなのだ。Ao この人が天津乙女。
もう、当時の団員にとっては「神にも等しい存在」だったらしい。
Ao0_2 先に触れた『どろんこ半生記』という乙羽ちゃんの自伝にも「憧れの超大スター」として登場する。
この乙羽ちゃんの自伝は口述筆記で書かれていて、昔、朝のワイドショー番組を持っていた朝日新聞の江森陽弘が筆記している。
とってもオモシロかった。Dhというのは私は乙羽信子の大ファンでしてね。
さぁ、せっかくの犬神さんだからお墓の話題で脱線を締めくくりましょう。
その乙羽ちゃんが崇拝する大スターのお墓が谷中にあると聞いて訪れてみた。
当然指さし看板はついていないので見つけるのに少々苦労してしまった。
というのは天津さんの本名は「鳥居」さんだったから。0r4a0029墓碑の左から3行目にある「鳥居榮子」というのが「天津乙女」のこと。
最後の将軍、徳川慶喜を頂点として、この谷中の墓地にはスゴイ人たちがたくさん眠っている。
広津柳浪とか小平浪平とか浅田宗伯とか、東大の医学部で解剖に供された人たちの供養塔だとかジックリお参りして歩くと大変にオモシロイ。
もちろん勉強していかなきゃダメよ。
静かだし、木がたくさん生えていて歩いていて実に気持ちがいい。
寺や墓は都内のオアシスなんだよ。0r4a0028 凶子さんがタンバリン手にするのは「天変地異」。440_tpcギターを持ち替えたONOCHIN。
やはりとても魅力的なサウンド。
460v「♪死にたくな~い」450v再び明兄さんのドラムス。470v_eh敦くんのベースが絡み…。Img_9480 ONOCHINのギターが被さる。Img_9772 凶子姉さんは客席と一体となって手をフリフリ!
480「栄光の日々」でギンギンに盛り上がった!
0r4a0236いつもは目にしないこんなシーンも!
490「今日は平日にもかかわらず、お越し頂き本当にありがとうございます。
もう楽園で出来ないんじゃないかと思っていたので本当にうれいです。
来年も再来年もココで出来るように橋沢さんにお願いしたいと思います!
そして楽しい時間はアッっという間で残り3曲です。」
「エ~!」
500v「その気持ちを、ワタシにぶつけてみないか!
その気持ちを歌でワタシにぶつけてみないか!」510またまた明兄さんのドラムスがリードして「暗黒礼賛ロックンロール」。Img_9580いつも通り「♪ロックンロール」で凶子姉さんに歌をブツける練習から。
620vこの日もこの曲の魅力であるところのタイトさが際立っていた。
530つづけざまに「たからもの」。
ああ!今、「映画チラシ」って言ったな!
今まで気が付かなかった。
それは私です。
中学2年生でロックにハマる前、も~どうにも映画が好きで、小学校の高学年からチラシを集め夢中になったのサ。
実際に学校でも流行っていたな。
今はナニをカッコつけているんだか、「フライヤー」とか言っているけど、「チラシ」は「チラシ」でいいんだよ。
でも映画館へ行って「スイマセン、チラシください」と言ったら「ウチは寿司屋じゃネェ!」と追い返されたヤツもいたナァ。
今でも…イヤ、今だからこそ「映画チラシ」は私が本当に大切にしている宝物なのよ。
あのね、こういう元がタダのモノってあまり残らないのよ。
高価なモノは残って行くけど、元々金目ではないモノは捨てられてしまうのが常だから。
私のコレクションで一番古いモノは53年前の『ボルサリーノ』。
70年代のモノはゴロゴロしている。
時折それらを眺めて日曜日を日比谷の映画外で過ごした遠い日々を思い出すのサ。
そういえば、その頃のことを自分のブログに書いたのだった。
映画好きの皆さん、よろしければ見てやってください。
   ↓   ↓   ↓
【Shige Blog】
I Remember The Town~私の銀座/日比谷/有楽町<その1>
I Remember The Town~私の銀座/日比谷/有楽町<その2>
I Remember The Town~私の銀座/日比谷/有楽町<その3>
 
しかし、「空き缶」なんてのが歌詞に出て来るけど、そんなモノを集めているヤツなんているのかしらん?
きっと明さんの周りにいるんだろうな。Img_9696敦くんのグルーヴィーなベースが響き渡る!535本編の最後を締めくくったのは「命みぢかし恋せよ人類」。550_imko「♪ウォ~オゥオウ~」
男性陣のコーラスが力強い!560v「♪ウォ~オゥオウ~」570v「♪ウォ~オゥオウ~」580v「どうもありがとう~!」
0r4a0172さて、次の犬神サアカス團の単独公演は年の瀬も押し迫る12月27日。
今度は明兄さんの「生誕祭」だ!
犬神さんのバースデイ・ライブはスキ。
ゲストが出るワケでもなし、ケーキの蝋燭を消すワケでもなし。
ただ演奏するだけ。
コレが実にいい。
ケーキをフゥ~するのに長~い時間をかけるバンドがあるからね。
そもそも一体いつからこんなに「バースデイ、バースデイ」なんてやるようになったんだ?
昔はこんなことをしなかったんだよ。
605v「アンコールどうもありがとうございます。
物販ですが、今日は私が売り子をします。
『財布の中空っぽにしてけ~!』って冗談でやっているんです。
ずっと『ソフトかつあげキャラ』っていうので長年やってるんですけど、最近よくコンプライアンスとかあるじゃないですか。
このキャラを知らない方もいらしゃるのでチョット難しくなってきたんですけど。
交通費かICカードだけを残して、お財布を空っぽにして頂けたらいいなと思ってます!
よろしくお願いします」Img_9840 アンコールで演奏したのは「最後のアイドル」。0r4a0259 敦くんと…640vONOCHINにとっては初めての「楽園」。Img_9617 明兄さんと…
630v凶子さんにとっては懐かしの「楽園」。
メンバーそれぞれで感じ方は異なれど、みんなとても楽しそうだった。0r4a0274 最後のメンバー紹介で明兄さんがルーティンをこなして終了。660v「やっぱりカッけーなぁ~!」と橋沢さんが再び登場。
「犬神サアカス團に大きな拍手を!
来年も来てくれます?」670「どうもありがとうございました!」
あ~、楽しかった。
見ててみな…また1年アッという間に来ちゃうよ。
 

犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒犬神サアカス團公式家頁680

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オルタナティブなパンクロッカー、パーティ・スターター、混沌の使者…そんな呼び名がピッタリのDegenerates。
揺れ動くブリティッシュ・ロック・シーンの中にあって、このチームをもっとも印象的なバンドのひとつにしているのは、アンセミック・ロックの暴動と侵略がもたらすカッコよさ、そして存在感と魅力に満ちたライブ・パフォーマンスだ。

<Underwear>

<Runaway Blues>


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200 (一部敬称略 2023年10月12日 下北沢「小劇場楽園」にて撮影)

2023年11月16日 (木)

VINTAGE & PREMUM GUITAR RHYTHMS & ROASTS Vol.2 ~私の亀の子束子

 
毎月1回開催される『VINTAGE & PREMUM GUITAR RHYTHMS & ROASTS』。
今回レポートしている第2回目までは2日間にわたって開催された。
今日はその2日めの模様をお送りする。10_22日目はSEKAIくんと北村さんでスタート。
もちろんSEKAIくんはハナからハイ・テンション!20_2早速ライブがスタートする。
まずは昨日と同じく「Crossroad」。
30_22日間にわたって交代することなくフル・サポートを務めたリズム隊の2人。
ベースのSHIHO。40v_2ドラムスは倉川知也。50vそしてギタリストたち。
ジョージ吾妻60vKunio Kishida70v以上、初日と同じ布陣に加え、今回新たに登場されたのは…
 西尾智浩80v2曲目は「Statesboro Blues」。
今日もKishidaさんのボトルネックが唸りまくる!100v西尾さんも入魂のソロをブチかます!
三宅さんからお聞きして「西尾さん」のお名前は予てから存じ上げていたが、残念ながらご一緒できる機会がなかった。
そして今回、満を持してMarshall Blogにご登場頂いた次第。
110v今日はKishidaさんとお揃いのカスタムで登場したジョージさん。
「値段が違う!」なんておっしゃっていたけど、熱気のこもったプレイはお揃いだ。
120_2アンプ類は前日と変わらずでコンボがズラ~リ。130_2Marshallは右から… 

ORIGINシリーズから「ORIGIN20C」
この時はまだ発売前だったSTUDIO JTMシリーズの「ST20C」
STUDIO CLASSICシリーズから「SC20C」…140_2ステージ下手も右から…
 
ORIGINシリーズの「ORIGIN50C」
STUDIO VINTAGEシリーズから「SV20C」150ステージの方は今日も引き続いて「Z世代コーナー」。160_2SEKAI170vNatsuki180v菊池ともか190v今日もまずは「Wikd Thing」から。
280vともかちゃんと…240v_2Natsukiちゃんもソロを披露。230_22曲目は「I Love Rock'n Roll」。
今日も思う存分暴れてくれたSEKAIくん。
ロックはこうでなくちゃ!S41a0456 ジョージさんと西尾さんが加わっての「We're Not Gonna Take It」。
250こうしてベテランと若手、あるいはベテランと女子の混成で演奏するのはこのイベントの主旨のひとつなのだ。260今日も大成功!270「大人の曲なんだから、ピロピロやるなよ」と戒めたジョージさんの歌をフィーチュアする1曲が続く。
オオ~っと!
315ココでジョージさんのお誘いでお客さんとして観にいらしていたジミー桜井がステージに上がった!
300v曲はMark=Almondの「The City」。
320v_2「世界のジミー桜井」…桜井さんも久しぶりにお会いしたナ。
以前お会いした時、アメリカでの食生活の苦労をお聞きしたが相変わらずらしい。
桜井さんの出身地である新潟十日町の名物「へぎそば」が食べたくなるが、乾麺でガマンされているとか…。
かわいそうだけど、それが「世界に行く」ということなのだ!チガウカ?
340vわかる人にはわかるこのツーショット!
私は同じ十日町出身であるGRANRODEOのe-ZUKAさんと桜井さんのツーショットも撮ったことがあるのよ!310_2若手の見せ場もバッチリ!350下手からは西尾さんの百戦錬磨のギターが鳴り響いてくる!
 
ご本人と主催者から了解を頂戴して西尾さんが社長をお務めになる会社の特集を今日の巻末に組んだのでゼヒ最後までご覧くだされ!330v_2新しく刊行された音楽雑誌「bhodhit magazine」の北村さんの進行で休憩に入る。25その間に本イベントの主催者「FUJIWARAアクリル・ギターディスプレイケース」の藤原靖弘さんからご挨拶。370v_2そしてトークのコーナーにコマを進めた。360今日もアキマさんがゲストで出演。
昨日同様、マーク・ボランの愛器について詳しく説明してくださった。
380_2このアンプをよく見ると、ビーディング(カバリングに埋め込まれている金色の線)やフレット・クロス(ヘッドやキャビネットに張られているアミアミ)の素材がMarshallが使っているモノとほぼ同じなんだよね。
Marshallではこのタイプのフレット・クロスを「バスケット・ウィーヴ」と呼んでいる。
どうして同じパーツを使っているのか?その理由をアキマさんにお尋ねすると「同じイギリスの製造業者なので、国内で同じ業者が生産していたパーツを調達していたのではないか?」とのご見解。
私も全くの同意見。
Marshallに関して言うと、今でこそMarshallは音楽業界では名の知れたギター・アンプのブランドだけど、例えば同じイギリスのブランドでも「Burberry」やら「Aston Martin」などに比べたら零細も零細。
だからパーツの購入先が他のメーカーとダブっていたなんてことはゼンゼン不思議ではないワケ。
もっと言うと、外装のパーツの在庫がなくなってしまった時には急場しのぎで「仕方ない…こっちのパーツをひっ付けちゃえ!」なんてこともあったらしい。
そうとは知らず、今になって「コレはレアだ!」なんてやっているケースがあるんだからオモシロイ。
ギターも似たようなモノだろう。540v…ということで2日目もMarshallについて少々しゃべらせて頂いた。
久しぶりに「アンプは?」「Marshall!」のコール&レスポンスをやらせて頂いた。
ご協力を頂きました皆様、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
それがサ…390v『We Are Marshall(邦題:マーシャルの奇跡)』という2006年のアメリカ映画があるんだよね。
2018年、Marshallは「We Are Marshall.」というブランドのキャッチコピーを使っていたのでビックリ!70 その映画の中で大学のアメフト・チームのコーチに扮したマシュー・マコノヒー(Matthew McConaughey←綴りが大変にムズカシイ!)が選手たちにペップ・トークをする場面が出て来る。
「ペップ・トーク(pep talk)」というのは、気合を入れるために檄を飛ばす言葉とか話ね。
それがコール&レスポンスになっていて、コーチが「We are!?」と叫ぶと、選手たちが「Marshall!」と叫び返す。
このシーンが上で触れた私がやる「アンプは?Marshall!」にソックリで見ていて恥ずかしくなっちゃった!
10_10m トークのコーナーが終わり、いよいよアキマさんが参加してのクライマックス。400_2今日も「20th Century Boy」と…00000r4a0306 「Get It On」で大騒ぎ!415vみんなで順番にギター・ソロ~!440_2 445 448vクライマックスにふさわしく大いに盛り上がった…と思ったら。000000r4a0319 「みんな立って、立って!」とKishidaさんが観客をアオった!
420_2Z世代がステージから降りて、再び桜井さんが加わる。
430v_2「グッと年齢が上がった!」としながらも、パワフルな「Sweet Home Chicago」を聴かせてくれて本編が終了した。
410_2そして、アンコールは前日同様ジョージさんのリードで…470v_2「Johnny B. Goode」を演奏してイベントの幕を下ろした。480『GUITAR CANVAS(ギター・キャンバス)』と名称を変更して4回目の開催となる次回は12月8日。
私もまたおしゃべりさせて頂くことになっていますのでどうぞよろしく!
 
GUITAR CANVASの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

Gc4    
さて、イベントが終わった後は「小梅村」から「谷中」に移動。
「夕焼けだんだん」と呼ばれている階段の上から見下ろすのは人気の「谷中商店街」。
かつて、「昭和の大名人」と言われた五代目古今亭志ん生やそのご長男の十代目金原亭馬生は階段を降りた最初の角を右に曲がってしばらく行ったところに住んでいた。
「ネコの町」とか言って最近は海外のガイドブックにも掲載されているようで、実際にネコ好きのオーストラリアの知り合いが訪ねて来たことがあった。
でも、今はネコよりもメンチで人気なのかな?
「谷中メンチ」とか言ってそこら中が揚げ物屋になって、休みの日になると大変なな賑わいを見せているわ。
昔はゼンゼン静かだったんだけど、今となっては油臭くってしょうがない。
近くの「不忍通り」沿いには「マツコの知らない世界」に取り上げられたにもかかわらず、全くお客さんが増えなかった…ということをウリにしているアップルパイ屋がありましてね…ココのアップルパイがすっごくおいしいのよ!490_2その商店街からチョット離れてはいるんだけど、不忍通りから言問い通りに入って最初の角を左に曲がったところ。
ここはかつて銭湯だった。500_2今ではオシャレな「束子(たわし)」のお店。510v店内はこんな感じ。
520一口に「束子」といってもスゴイ商品の数で、ひとつひとつ見て回ると色んなアイテムがあって実にオモシロイ。
540ココは明治40年(1907年)創業の『株式会社亀の子束子西尾商店』の直営店。
今日のレポートにご登場頂いたギタリストの西尾智浩さんはこの老舗の五代目社長なのだ!530_2さすが「亀の子」…床も亀甲模様!536亀は縁起が良いからね。
ウチは長崎の「チョーコー」という醤油を愛用しているんだけど、あの「キッコーマン」は「亀甲」に「萬」ですからね。
535_2店内に飾られている束子のオブジェ。550v当然、亀もある。
コレがホントの「亀有」。
580_2身体を洗うための束子。
考案した人の名前が付けられているのかな?
「ニシオくん」という商品もあった。
ウチは手前の「サトオくん」というヤツを買ってみた。
慣れないうちはチョット硬くて痛い感じがするんだけど、使い慣れてくるとコレでゴシゴシやるのが実に気持ちよくなる。
足の指とか快感だよ。560_2身体洗い用、食器洗い用と色々なタイプの束子があって、店内に設置された流し台でそれらを試すことができるようになっている。
大変親切なアイデアだ。
570_2関連グッズもたくさん!590_2コレは「BE@RBRICK」というオモチャの亀の子束子バージョン。595vもちろんベーシックな束子も扱っている。
コレが棕梠を原料としたオリジナルの「亀の子束子」。600_2コチラは「椰子」が原料の「亀の子束子」。610その差は一目瞭然。620_2コレが原料の棕梠(しゅろ)。635棕梠というのはこういう南国ルックスの木ね。
常緑の高木で温暖で排水良好な土地が好き。
湿度や日当たりを気にせず、潮にも強く、頑丈で手がかからないという実に頼もしいヤツ。
ただ、樹皮から細い毛がたくさん出ているので、火が付くとアッという間に盛大に燃え上がってしまうらしい。
ルックスはソテツに似ているけど、全くの別物なんだって。
630vで、なんだって私がこんなに「亀の子束子」が気になっているのかというと…。
ひとつは、「伝統」と「老舗」が好きだから。
Marshallと同じです。
「良いモノ」を作ると「伝統」が育まれ、やがて「老舗」になるワケですよ。
そして、もうひとつの大きな理由はコレ…戦艦「武蔵」。
第二次大戦中、「武蔵」は「大和」と同じ形式の世界最大の軍艦だった。
大きな違いは、大和が呉の海軍工廠で製造されたこと…つまり官製の軍艦であったのに対し、一方の武蔵は民間が建造したことだ。640_2製造したのはココ…三菱重工長崎造船所。
対岸に見えるヤツね。650写真ではわからないが、今でも武蔵を作るために使用した当時の船台が錆にまみれて残っている。
武蔵は規格外のサイズだったゆえ、この工場の敷地に入りきらず、後ろの山を掘削してスペースを広げた。
もちろん世界最大級の軍艦ゆえ極秘の内に建造しなければならない。
しかし、それだけデカイものを作れば簡単に人目についてしまう。
しかも間の悪いことに対岸にはイギリス領事館があって、そこからは工場の中が丸見えだった。
そこでどうしたかというと、武蔵を作っている場所全体を何かで覆い、工場の中を隠してしまうことにした。
ところがそれだけ大きな膜状のモノは風通しの問題があって、その素材の選定に大変な苦労を強いられた。
そして様々な素材で実験した結果、棕梠で作った筵(むしろ)が最も有用であるという結論に達した。

660_2その超巨大な棕梠の筵の中でナニが作られているのかは当然一般には知らされず、長崎市民は「化け物」と呼んでいたらしい。
何しろ武蔵が浸水した時には下の長崎港の水位が数センチ上がった…というのだからその大きさが窺い知れようというモノだ。
それを覆うための幕をつくる棕梠と言ったら当然莫大な量になるワケで、一時はこの三菱重工長崎造船所以外、日本から棕梠がなくなってしまったという。
しからば…だ。
武蔵は1938年3月に起工し1940年11月に親水したのだが、武蔵を作っていた時期、「亀の子束子西尾商店」はどうやって束子の原料の棕梠を手当てしていたのか?
もちろんズッと棕梠の筵を作っていたワケではないであろうから一時のことだとは思うが、棕梠は生育が遅いため、1年やそこらで束子の原材料になるほど育つことはあるまい。
輸入したのかな?
コレにメチャクチャ興味があるワケよ。
谷中の店長にこの話をしたところ「それで椰子の商品を開発したんじゃないでしょうか?」というご推察。
ココは社長にご確認願いたいところである。
670_2コレに興味を持ったのは私が敬愛する吉村昭先生の最初のベストセラー『戦艦武蔵(新潮文庫刊)』を読んでのこと。
どうしてもその武蔵を作った現場を見てみたくて去年ワザワザ長崎まで行って来た。
長崎は素晴らしい。680_2ところで、よくメチャクチャすごいモノを指す時に「超ド級」という表現が使われるけど、アレも戦艦から来た表現ですからね。
「ド」は「ドレッドノート」の「ド」。
この場合、「ド」は「ドーナツの「ド」ではない。
1900年当時、イギリスの「ドレッドノート(Dreadnaught)」という戦艦がそれまでのモノよりケタ違いに強力だったため「ドレッドノート」というのが「他より強い」とか「他よりデカイ」という意味で使われるようになった。
「Dread」は「恐れ」、「naught」は「ゼロ」…つまり「コワいものなし」ってこと。
その「ドレッドノート」を超えるワケだから…「超ド級」ってどんだけ~?ってなるワケ。
写真を見ると特段強くはなさそうだけどね。690 で、「ドレッドノート」っていうアコギのシェイプがあるでしょ?
「Dーナントカ」っていうヤツ。
コレは、そのドレッドノート艦を竹輪みたいに輪切りにするとああいう形になるからなんだって。

700 
あ~、書きたいことを書いてスッキリした。
…と、気がついてみたら家内が爆買いしてやがんの!
イヤ、ほとんどは贈り物。
商品のクォリティは高いし、ベラボーに実用的だし、軽いしで贈り物に最適なのだ。
今度、海外に行く時のお土産は何の迷いもなく「亀の子束子」だな。710お店にはカフェが併設されているので、こんなコーヒーも取り扱っていらっしゃいます。
パッケージがカッコいい!720こうなると、「西尾商店」の本社にも行かなきゃマズイでしょう?…ということで行って来た。
コレも理由が2つ。
まず大正12年に建てられたという社屋が見たかったということ。
もうひとつはロケーションが倍賞千恵子の出身地である北区滝野川である…ということ。
私はSKD出身の倍賞さんの歌がホントに好きで、何しろココ数年で一番聴いているCDといえばマーラーでも、コルトレーンでも、はたまたザッパでもなく、この倍賞さんの6枚組のボックスセットなのだ。0r4a0017 下は倍賞さんが1966年にリリースしたライブ・アルバム。
この中で1962年に大ヒットしたデビュー曲の「下町の太陽」を歌う時、「東京の北のハズレの町、北区滝野川。この町は私にとって忘れることができない町です。また、決して美しい町ではありません…」と、滝野川の様子を紹介している。740cdそして、コチラが理由の第1番に挙げた大正12年に竣工したという「亀の子束子西尾商店」の社屋。
大正12年(1923年)ってジム・マーシャルが生まれた年なんだけど、9月1日には関東大震災が発生している。
当然その前に竣工して、震災にはビクともしなかった…ということか。
まるで昔の帝国ホテルみたいだな。
730_2震災の後、帝国ホテルを設計したアメリカに帰っていたフランク・ロイド・ライトにホテルが無事だったころを知らせると、「でっしょ~!」と言って喜んだというヤツ。
コレね。90r4a2444 傍らにはチャンと棕梠の木が植わっている。
また武蔵を作る時に備えているのだ…なワケないか。760_2貫禄を醸し出している店舗の入り口。770ココでも亀。780亀…790亀…845 亀とコアラ。850店内の様子。800_3谷中のお店とは異なる束子のオブジェの数々。810束子のリース。820おお!亀の子束子の特許証。
亀の子束子は「日本の三大発明品」と言われているんだよ。
ひとつは松下幸之助が考案した「二股ソケット」…これから「パナソニック」になった。
次は石橋正二郎が発明したゴムを使った足袋、すなわち「地下足袋」…これから「ブリヂストン」になった。
そして3番目が西尾正左エ門が作った「亀の子束子」…今でも「亀の子束子西尾商店」。
ブリヂストン系にもギタリストがいらっしゃったと聞くが、コチラも五代目がギタリストだ。
Marshallにとってはコレが一番ありがたい。830v私はスッカリ気に入っちゃったんで西尾商店の亀の子束子で風呂に入り続けます。
 
亀の子束子西尾商店の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

860v 

200 (一部敬称略 2023年10月7日 東京ミズマチLATTEST SPORTSにて撮影)

2023年11月15日 (水)

VINTAGE & PREMUM GUITAR RHYTHMS & ROASTS Vol.2 ~私の小梅村

 
春になると八代将軍が徳川吉宗が植え始めたという隅田川沿いの「墨堤の桜」を見に訪れる大勢の人でにぎわう「隅田公園」。10江戸の昔、ココには水戸藩の「下屋敷」があった。
下屋敷でこの広さ!
水戸藩の石高は35万石…尾張62万、紀伊56万には及ばないが、さすが徳川御三家の一角だけのことはある。
何しろ「後楽園」でおなじみの小石川にあった「上屋敷」の敷地内には現在東京ドームがスッポリ入っているんだからスゴイ。
上屋敷は藩主やその奥さんが起居し、「中屋敷」は主に隠居や世継ぎが用い、下屋敷は藩の倉庫として使われていた。
倉庫でこの広さだから驚いちゃう。
ちなみに水戸藩の中屋敷は駒込にあって、現在は東大の本郷キャンパスになっている。20隅田公園の同じ敷地内にあるのがこの「牛嶋神社」。
850年代に創建された古刹中の古刹で、元は違う場所にあったが関東大震災の時にココに移転した。30この石柱の揮毫は東郷平八郎元帥によるもの。40vその牛嶋神社の境内の一角にあるのが「小梅稲荷神社」。
現在は「向島」という地名に括り入れられているが、昔はこの辺りを「小梅村」といった。
「小梅ちゃ~ん!」なんてアメのコマーシャルがあったよね。
アレを叫んでいるのは坂上冬目さんというジャズ・シンガーだった。
「冬目(とめ)」と名乗るぐらいだから、よっぽどのメル・トーメ・ファンだったのだろう。
私もメル・トーメはかなり好きだけど。80この神社のすぐ近くにあるのが「墨田区立小梅小学校」。
短期間ではあるものの、1947年公開の『安城家の舞踏会』を監督した吉村公三郎がココに通っていたと聞いてビックリ!
吉村さんは脚本家として名高い新藤兼人や名優殿山泰司らと「近代映画協会」という独立プロを立ち上げた人。
『安城家~』もヨカッタけど、中村鴈治郎(玉緒のお父さんね)と浪花千栄子の『大阪物語(1957年)』や若尾文子で撮った水上勉の『越前竹人形(1963年)』もメチャクチャよかった。45ついでに…チョット離れてはいるが、隅田川を挟んだ対岸には台東区立石浜小学校がある。
コチラには『西鶴一代女(1952年)』や『雨月物語(1953年)』でその名を世界に知られる溝口健二や、「愛染かつら」他、数々の名作を残した作家の川口松太郎が通っていた。
山下清もこの小学校のOBだそうだ。
小林桂樹が山下清を演じた『裸の大将(1958年)』が観たいんだけど、どうもコレはDVDになっていないようだ…残念!
Isg この小梅小学校の前を走っている通りは「見番通り」という。
かつてはこの通り沿いに「見番」があったんだろうネェ。
「見番(けんばん)」というのは芸妓さんのマネージメント・オフィスね。
「アソコの料亭へ行け」とか「コッチのお座敷へ行け」と芸者さんたちを差配する事務所。
向島は江戸末期から花街として大いに繁栄し、今でも花柳界の檜舞台になっているため、その見番の役割を果たす「向嶋墨堤組合」なんてのがすぐ近くにある。Img_5754_3 小梅小学校のすぐ並びには「三囲神社」。
コレ、「ナニ神社」って読む?50この神社は「三越」がサポートしていることで有名なの…ナゼか?
「三囲」と書いて「みめぐり」と読む。
三井グループのロゴって「井桁」で「三」を囲んでいるでしょう?
だからだって。
Mm
だから三囲神社の境内には、三越デパートの入り口に鎮座しているシンボルのライオンの銅像が置かれている。60「三井」自体を起こしたのは松阪出身の三井高利。
その松阪にある「三井発祥の地」に行くとやっぱりライオンがドテっと横たわっているんよ。452 そして、向島といえば永井荷風の『墨東奇譚』の舞台で知られる私娼窟の「玉の井遊郭」ということになるんだけど、この手の話を始めるとキリがなくなるので今日は触れない。70さて、ここからが本題に入る前の本題。
この古地図、右のブルーの部分は隅田川。
「水戸殿」とあるのは冒頭で触れた水戸藩の下屋敷のこと。
すなわちココまで紹介して来たエリア周辺の安政年間の地図
で、地図中央の赤い丸で囲んだ中には「料理屋大七」とある。95「大七」は鯉料理が有名で『伊達競阿国戯場(だてくらべおくにかぶき)』という歌舞伎狂言の中に出て来るらしい。
主役の「絹川与右衛門」を演じたのは初代の「大川橋蔵」だって。
そしてその場面が「今戸大七の河岸」と題した錦絵にもなっている。
巨大な鯉をさばいているシーン。
85v「蛮社の獄」で小伝馬町の牢屋敷に投獄された天才蘭学者の高野長英は、1844年、出入りの者に依頼して自分が入っていた牢屋敷に火をつけさせて脱獄し、全国の支持者や教え子を訪ね回り、6年間にわたって日本国中を逃げ回った。
その逃避行の最初に匿われた先がこの鯉料理屋の「大七」の2階だったという。
私はこの高野長英の逃避行を描いた吉村昭の『長英逃亡』という小説が大好きで、それが昂じてつい先日、長英が比較的長く滞在していた愛媛の宇和島までその潜伏先の跡を見に行って来た。90vそれゆえどうしても「大七」があった場所を突き止めたくて上の古地図をたよりに周辺を歩き回ってみたが、「この辺りか?」と当たりをつけることぐらいしかできなかった。
コレがロンドンだったら絶対に街中に記録を残していただろうにナァ。

100その代わりにはならないが、近くには元琴欧州が親方を務める鳴戸部屋がある。
いつもデッカイ洗濯物がスラリと干されていて、この辺りを散歩すると瓶付油のニオイを漂わせたお相撲さんによく出くわす。
あの瓶付油の原料は「ハゼ」という漆の仲間の木から採取する「木蝋(もくろう)」で、宇和島に近い「内子(うちこ)」という小さな町の特産物だったんだよ。110 着いた…。
今日はその鳴戸部屋のハス向かいの「LATTEST SPORTS」というカフェからのレポート。1202日間にわたって開催された『VINTAGE & PREMIUM GUITAR RHYTHMS & ROASTS』。
新旧のミュージシャンや斯界のエキスパートが集ってギターの魅力をアッピールする毎月1回開催のイベント。130会場内に展示されたギターたち。
コレはKUNIさんのギター。
KUNIさんはかつて2016年のLOUD PARKのレポートでMarshall Blogにご登場頂いたことがあった。
 
その時の様子はコチラ⇒LOUD PARK 2016 ~ KUNIの巻

150vコレは故沢田泰司さんの愛器。160本物のクジャクの羽をボディに接着して塗装を仕上げている。170出演者のグッズもゾロリ。180ステージにズラリと並んだギター・アンプ。
しかもコンボ・アンプばっかり。
こんな光景は楽器屋や楽器の展示会ぐらいしかお目にかかれないだろう。140我がMarshallからは、右から…
ORIGINシリーズから「ORIGIN20C」
この時はまだ発売前だったSTUDIO JTMシリーズの「ST20C」
STUDIO CLASSICシリーズから「SC20C」…190ステージ下手は左から…
ORIGINシリーズの「ORIGIN50C」
STUDIO VINTAGEシリーズから「SV20C」
…の5台。
私もMarshallの仕事をするようになってカレコレ四半世紀、すなわち25年が経った。
その間、三段積みがズラリと並んでいる光景は数えきれないほど目にして来たが、実戦の舞台でこれだけMarshallのコンボが並んだのを見たのはコレが初めてのことだった。200前説の後、早速ライブがスタート!
曲は「Crossroad」。
230最初にステージに姿を現したのは…
 
ジョージ吾妻240vKunio Kishida000r4a0080 SHANE孝之260vリズム隊は…
 
SHIHO
270v倉川知也290v2曲目はKishidaさんのボトルネックが炸裂した「Statesboro Blues」。
イヤ~、Kishidaさん久しぶりだナァ~。
どう軽く見積もっても10年以上はお会いしていなかった。
相変わらずの「アラバマ魂」が素晴らしい!250vジョージさんも中身の濃いフレーズで迎え撃つ。
この日の約ひと月前に某ライブハウスでジョージさんと偶然ご一緒してこのイベントにお誘い頂いた。320vそして若手がグイグイ切り込んで来る!
いいぞSHANEくん!
 
SHANEくんの「シェーン」はアラン・ラッドが演じたシェーンと同じ。
黒ずくめの敵役を演じたジャック・パランスが最高にカッコよかった。
少年が「Shane, come back!」と叫ぶラスト・シーンがあまりにも有名で、あの後に本当のラスト・シーンがあることを知る人が案外少ないんだよね。
気になる人はチェックしてみてください…この作品の見方が変わるから。330vvol.2の冒頭はブルース2曲で盛り上がった!
300司会は元Player誌の北村和孝。210v北村さんはこの度新しい音楽誌を新たに立ち上げた。
おめでとうございます!
雑誌の名前は「bhodhit magazine」……読めないな。
コレは「バディット」と読むそうです。
創刊号巻頭のご挨拶を拝見すると、コレはゴータマ・シッタルダの別名である「bhodhi(ボーディ)」から採ったそうだ。220m続いてはステージのようすがガラリと変わる。
Z世代コーナー!340メンバーは…
 
SEKAI350vkeme360vNatsuki370v曲はZ世代の皆さんには無関係であろう「Wild Thing」!
思いっきり野性的に暴れてくれたSEKAIくん。
 
「Wild」といえば、望月三起也の『ワイルド7』に「世界」というキャラクターが出て来ることをSEKAIくんに訊いてみたけど彼は知らなかった。
世界の単車はチョッパー・スタイルで、愛用するピストルが「モーゼル」なのもカッコよかった。
今の若い人たちが『ワイルド7』なんて知るワケないわな~。
私の世代は『秘密探偵JA』までさかのぼって夢中になって読んだものだった。
今「JA」って言ったら「農協」だもんナァ。 380続けてのもう1曲は「I Love Rock'n Roll」。S41a0113 もちろん女性陣も…390バッチリとソロをキメてくれた!400v今度はジョージさんが加わってTwisted Sisterの「We're Not Gonna Take It」。
この曲のタイトルはThe Whoの『Tommy』のパロディなのか?
でもこの曲は知ってる。
このTwisted Sisterは、フランク・ザッパが『Does Humor Belong in Music?』というビデオ作品の中の「Honey, Don't You Want a Man Like Me?」なる曲の中で取り上げていることで私はその名を知った。
もちろんザッパが良い意味で扱うワケがありません。410ジョージさんはVに持ち替え。
ジョージさんにはVよりもエクスプローラーのイメージがあるナ。420コレはSEKAIくんのイメージにベスト・マッチの曲ですな~。430vジョージさんはコーラスでも大ハッスル!435そこにKishidaさんが加わる。440もう1人このセットに参加したのは同道公佑(どうみちこうすけ)。450v曲はブルースのスタンダード・ナンバー「Sweet Home Chicago」。460公佑くんも若さとシブさが入り混じったプレイを聞かせる!470vもう1曲、ジョージさんが「I don't wanna go…」と歌うのが印象的なナンバーは「The City」。
Mark=Almondの曲。
実にいい選曲。
もちろんこのイギリスのチームは知っているけど、他に「Marc Almond」というソロで活動しているミュージシャンがいることを今回知ってビックリしちゃったよ。
 
Mark=Almondってナゼかミンガスの相棒だったダニー・リッチモンドがレコーディングに参加しているんだよね。
一体どういう関係だったんだろう?
リッチモンドは元々テナー・サックス奏者だったんだけど、チャールズ・ミンガスにプッシュされてドラムスに転向した。
以降、ミンガスの生前のレコーディングやライブで活躍し、数多くの名盤を残した人。480vこうして新旧のミュージシャンが一緒になってナニかを演る…というのは実にいいことですよ。
ジャズなんかはよくやってる。
作り手の「売り上げ至上主義」と受け手の「幼稚化」によってできてしまったベテランと若手のミュージシャンの間の絶望的な断絶はこういうことをしない限り埋まらないと私は普段から思っていた。
私も50年近くの長きにわたってロックの動きを見て来たけれど、その創造性が限界に達して久しいことは間違いないと思う。
だからこのような機会を通じて、ベテランは「今」を知り、若手は「ロック」を知ることが必要なんですよ。
クリエイティブなロックの延命はコレしかないって!
一説によると、落語はコレを繰り返して江戸の昔から命を長らえて来たという。
若い噺家が出て来ると若いお客さんが寄席に来るようになり、そこでベテランの名人芸を体験して「落語」自体のファンになるという図式。
ロックからするとうらやましい話だネェ。490ココでしばし休憩…の間に主催の「FUJIWARAアクリル・ギターディスプレイケース」の藤原靖弘さんとギター・インフルエンサーのこーじ隊長からご挨拶。500ライブのコーナーはひとまず終わって今度はトークのコーナー。
510ゲストのアキマツネオ。
アキマさんはマーク・ボランが愛用していたことで知られるVelenoのギターを持参してくださった。520vそして、同じくボラン愛用のイギリスのギター・アンプ「VamPower」
540vアキマさんは実際に音を出しながらこの2つのアイテムの希少性を説いてくれた。
私はボランの相棒のミッキー・フィンがNATALを使っていたことは知っているけど、マーク・ボランについては知らないに等しいのでとてもオモシロく、興味深いお話だった。
アキマさんのお隣は元Player誌の田中稔。
田中さんにはかつてこのトーク・コーナーと同じテイストのイベントにお呼び頂いたことあった。
アレもオモシロい企画だった。
その時の様子はコチラ⇒"Cafe de Player vol.1"~Inaba Plays Les Paul with ASTORIA編

530ところで、名盤の誉れ高いT.REXの1971年のアルバム『Electric Warrior(電気の武者)』。
「武者」ってのがスゴイな。
ジャケットのデザインはヒプノシス。
このフル・スタックをMarshallだと思っている人が多いようだけど…違う。
コレは昔から私も知っていた。
で、このアンプこそが今回アキマさんがご持参されたVamPowerなんだよ。
コレは知らなかった。550cdこのアルバム、一部は今でもロンドンのソーホーにある「トライデント・スタジオ」で録音された。
トライデント・スタジオについては【イギリス-ロック名所めぐり】に書いたことがありましてね…お気に入りの記事のひとつ。
『Electric Warrior』も紹介しています。
  ↓   ↓   ↓
【イギリス-ロック名所めぐり】vol.49 ~<オールド・ロック・ファンに捧ぐ>トライデント・スタジオとC.ベヒシュタインとデヴィッド・ボウイ

560そして、ベテランのギター談義。
も~、「朝日無線」の5階に通い始めた中学生みたいなお2人の表情が実に素晴らしい!570このKishidaさんのレス・ポールは59年製。
お値段は明かさなかったけど推して知るべし…というシロモノ。
昔、弦を買いにデンマーク・ストリートに行って、59年製のレス・ポールを買って帰って来ちゃったという今も現役で活躍しているイギリスのツワモノのギタリストがいるけど、マァ、コレは作り話でしょう。でも、このKishidaさんのレス・ポールーはホンモノの59年製。580で、私もMarshallについてひと言語らせて頂きました。
Marshallに関する話なら休憩をはさんで3時間半はイケるんですけどね、この時は5分ぐらいに縮小しました。
後ろでアキマさんが私の話にジックリと耳を傾けていらっしゃるのがコワいな。590さて、トークのコーナーもにぎやかに終了して、出演者がゾロリと舞台に上がりイベントもついにクライマックスに差し掛かる。
せっかくアキマさんが機材付きでお見えになられているんだから、ココはT.REXを演らないという手はないでしょう。
ということで、「♪ジョコジョ~ン」から!620まずは「20th Century Boy」。
600そして「Get It On」。620v名曲に乗って新旧入り乱れての…630大盛り上がり!640アンコールにはジョージさんがマイクを握って「Johnny B. Goode」で更に盛り上がってこの日の出し物を全て終了した。660さて、この日から2週間とチョット…薄暮のお茶の水。670世界に冠たる「楽器の街」を上げてのイベント『お茶の水熱烈楽器祭2023』が開催された。
このイベントは2014年にMarshall Blogで取材させて頂いたことがあった。
 
その時の様子はコチラ⇒お茶の水熱烈楽器祭の田川ヒロアキ680今回の会場のひとつはJRお茶の水駅の聖橋口を出てすぐに設置されたステージ。
ココに今日レポートしたイベントのライブのパートが丸ごと移動した!690ジョージ吾妻700vKunio Kishida710v同道公佑720vこの日の公佑くんはJVMの1x12"コンボ「JVM215C」を使用。730SHIHO740v倉川知也750vこの時、結構寒くなってネェ。
それにも関わらず大勢の人が観に来てくださった。760公佑くんは「Voodoo Chile」を歌いワイルドなギターを聴かせてくれた。
明日の11月16日、公佑くんは今年5月に始動させた「Aahum(アウン)」の単独公演を開催する。
場所は六本木のキーストンクラブ東京。
詳しくはコチラ
770v次回のレポートに登場する菊池ともかちゃんも演奏に加わった。780vさらにアンコールでは西尾知矢さんも登場。790vお茶の水の駅前がギター一色に染まった夜だった。800<つづく>
 

200 (一部敬称略 2023年10月6日 東京ミズマチLATTEST SPORTS & 10月22日 JRお茶の水駅前にて撮影)


 

2023年11月 6日 (月)

-East Of Eden World Premiere Special Showcase 2023-

 
D_DriveのYukiが参加している「EAST of EDEN」が去る10月8日にデビュー・ライブを開催した。10vチョット…ココは脱線させて頂きますよ。
 
「East of Eden」といえば「エデンの東」…当たり前か。
小説の作者は1962年に「ノーベル文学賞」を獲ったジョン・スタインベック。
でも何と言っても「エデンの東」といえば、名匠エリア・カザンがジェイムズ・ディーンを「キャル」役に起用した1955年の映画でしょうナァ。
私が若い頃、チョットしたジェイムズ・ディーンのリバイバル・ブームがあった。
影があるチョット悪っぽいイメージが時代を越えて受け入れられたのであろう。
しかし恐らくは、ブームに乗った人たちの大半が『理由なき反抗』も『エデンの東』も観ていなかったのではなかったか?
イヤイヤ、ジェイムズ・ディーンの良さって確かに外見もカッコいいけれど、決してそこではない。
内面から湧き出て来る演技の奥深さや、そうした雰囲気が生み出す「存在感」が生半可ではなかったんだよね。
この映画でも「ムム?この人には何やら計り知れない悩みごとがあるな?」と観る者に思わせて、最初に登場したところからグ~っと惹きつける。
こういう魅力はモントゴメリー・クリフトやマーロン・ブランドにも言えるね。 20vところで「エデンの東」とはナニか?
『旧約聖書』の「創世記」にある「禁じられた果実(Forbidden Fruit)」を食べてしまったアダムとイブが罰としてエデンの園から追放されてしまった場所のこと。
コレを「失楽園(Paradise Lost)」という。
やがて、エデンの東に追い出されたアダムとイブの間に「カイン」と「アベル」という2人の子供が生まれる。
兄のカインは田を耕し、弟のアベルは羊を飼った。
まだこの頃は第一次産業しかなかったから。
ある時カインは農作物を、そしてアベルは肥えた子羊をヤハウェ(ユダヤ教の神様)に捧げた。
するとヤハウェは野菜より肉が好きだったのか、カインの農作物には目もくれなかった。
大人げないナァ。
カインだって丹精を込めて野菜を作ったワケだからそんなことをすればキレるに決まってる。
そしてカインはそんなヤキモチを妬いて弟のアベルを殺してしまった。
コレが人類史上初の殺人事件。10_ot そして、スタインベックは小説の『エデンの東』でこの辺りの話をモチーフにし、カザンが映画化した。
子供の頃に映画を観た時にはピンと来なかったけど、時間が経って人の親になり、父親を亡くしてからまた観た日にゃ泣けたのナンのって!
ジェイムズ・ディーンの演技の素晴らしさだけでなく、母親を演じたジョー・ヴァン・フリートという女優さんの演技がスゴくてね~(アカデミー助演女優賞ゲット)。
そこへ持って来てあの有名なテーマ曲の美しく切ないメロディでしょう…まぁ、感動するにキマってるわな。
『紳士協定』とか。『波止場』とか、『欲望という名の電車』とか、エリア・カザンは50年代のハリウッドのレッド・パージで冷や飯を喰ったがとても映画作り上手な人だと思う。
『欲望という名の電車(A Streetcar Named Desire)』と言えば…今度「ブランチ・デュボア」の役をエリカさまが演られるそうで…驚いた。
「ブランチ」といえば、田中絹代と並んで「日本の最高の女優」と称される杉村春子の文学座の当たり役だったんだよ。
今回のそのポスターを見て「蛾」のイラストを載せてしまっていることにも驚いた(下のポスターは違いますよ)。10_scnd そして、私にはもうひとつ「East of Eden」があるのね。
それは、1960年代の後半にデビューしたイギリスのバンド。
私は中学生の頃、Roxy Musicのエディ・ジョブソンから始まって、ヴァイオリニストを擁するロック・バンドがとても好きだった。
決して多くはなかったけど、Curved Airやその系列のWolf、Hatfield & North(コレはヴィオラ)、またPFMをはじめとしたイタリアのプロッグ・ロック・バンドなんかにも夢中になった。
今でもジャン・リュック・ポンティとかデディエ・ロックウッド等のジャズ系のヴァイオリニストは好きだし、ジャズということであれば有名なステファン・グラッペリやスタッフ・スミスからレイ・ナンスまでヴァイオリンは大歓迎なのです。
そんな中で知ったのがイギリスの「East of Eden」だった。
このバンドはデイヴ・アーバスというヴァイオリニストを中心にして、「Jig(ジグ)」というアイリッシュ、あるいはスコティッシュ系の音楽をオハコにして、1970年に「Jig- a-Jig」という大ヒット曲を生み出した。
私は下の写真の2枚のCDしか持っていないんだけどね。
で、今回デビューする日本の「EAST of EDEN」はヴァイオリニストのAyasaさんのバンドだっていうじゃない?
Yukiちゃんから最初に話を聞いた時、「コイツぁいいや!」となったワケ。30そして、デビュー・ライブ。
場所はZepp Diver City。
その楽屋に飾られていた祝い花。
Yukiちゃんにはやっぱり「Blue Rose」だ。35v超満員の会場。
何せチケットが一瞬にして完売したというからね。
凄まじい熱気の中、EAST of EDEN(以下「EOE」)がステージ・デビューした。40ヴァイオリンのAyasa。50vギターは我らがYuki。60vYukiちゃんの背後にはいつも通り当然Marshall。70v愛用しているJVM410Hと1960Aのハーフ・スタックが2セット。
Marshallはルックスがいつもと異なれど、ブルー・ローズのギターとのツーショットになると、ホーム感満点!
80驚いちゃったのはコチラのMarshall。
ベースのわかざえもんちゃん愛用のハーフ・スタック。
見た目はJCM800 2203…でも違う。
コレはJCM800シリーズのベース・アンプ「1992 SUPER BASS」。
珍しい。
このモデルは1981年から86年に製造されていた。
シリアル・ナンバーを拝見するに、わかざえもんちゃんの1992は1982年製。
一方、キャビネットはベース用の4x12"の1935A。
「1935」というモデル自体は1967年から作られていて、型番をそのままに何度かスピーカーを乗せ換えている。
写真のわかざえもんちゃんのキャビは「G12-65S」という、単体で入力が65Wのスピーカーを搭載している260Wのモデル。
260W仕様の1935は1979年から1983年まで生産されていたので、ヘッドとおなじ時期に作られたモノであることが想像できる。
ショウの中にわかざえもんちゃんがソロを披露する場面があったが、もうね~、このアンプでなければ絶対に出ないサウンドを聴かせてくれてくれた。
それは私が若い頃によく耳にしたベースのサウンドで、とても懐かしく、そしてうれしかった。
このように「自分だけの音を持っているアンプ」がMarshallなのだ。
90vこの公演の時にはまだ1曲しか正式な音源を発表していなかった。
その1曲「Evolve [Extended Version] 」でショウはスタート。100すぐさま7弦ギターに持ち替えて「Deep Dive」。160v3曲目の「無重力飛行」でまた持ち替え。
今日はエラく忙しいな。110v 「鈍色のラビリンス」120vク~、やっぱりロックのヴァイオリンっていいナァ~。
私はもちろんクラシックのヴァイオリンも大好きで、最近の一番のお気に入りの曲はアラム・ハチャトゥリアンの「ヴァイオリン協奏曲」です。
いつかEOEでアレンジして、インスト曲のコーナーで演ってもらいたいナァ。
絶対カッコいいと思うよ。
180v「New Day」
この後、メンバーのトークが挟み込まれた。170v「螺旋回廊」
7弦ギターが大活躍なのだ。190v「残された果実」220「echo echo」
お立ち台に乗ったYukiちゃんってすごく久しぶりに見たような気がする。200v9曲目はインストゥルメンタルで「YELLOW CARD」。
インストなら任せとけ!S41a0003 「花美」がつづく。
この時、Yukiちゃんは前回Marshall Blogでレポートした難しいこと極まりないイシヤナ・サラスファティのサポートも務めている最中だった。
イシヤナも大変だったけど、コリャ、EOEもキメが多くて大変だわ。
プロとはいえ、よくもこんなに完璧に弾き切った!
さすがD_Driveのギタリスト!
0r4a0132 ココまで10曲。
MCでも触れていたけど、考えてみると何しろ1曲しか公式な音源をリリースしていないワケだから、皆さん9曲はこの時初めて聴く曲なワケでしょう?
それなのにこの盛り上がりようはスゴすぎる!
175そして11曲目の「Chasing The Moon」で本編を締めくくった。S41a0075当然のごとく巻き起こった大アンコールに応えてEOEのメンバーが再びステージに姿を現す。0r4a0075 アンコールの1曲目は「This Moment」。130vそして最後にもう一度各メンバーからのご挨拶。
「ご来場頂きましてありがとうございます。
私ひとりだけが関西に住んでいるので、実はメンバーのみんなと頻繁に会うことができなかったんです。
初めて5人集まったのって前はいつでしたっけ?
その時は、みんなが『はじめまして』だったんですけど、最初からお互いに打ち解けてとても居心地がよかったんです。
すごく刺激を受けるメンバーですし…。
バンドにお誘い頂いて感謝しています」140「このバンドで色々やっていきたいと思います。
バリバリ本気で取り組んでガンバります。
生半可な気持ちではできないバンドですからね…そうハラを括ってこのステージに立っています。
Zeppに出ることが目標でした。
その目標を達成させて頂きありがとうございます。
今日が初ライブ…コレからこのグループでドンドン楽しんで成長していく過程をみんな見守ってくれるとうれしく思います。
皆さんよろしくお願いします!」
そしてこの日、ショウの中でEOEのメジャー・デビューが決定したことが発表された。150v最後にもう1度「Evolve [Extended Version] 」を披露。S41a0293会場はもう手の付けられないぐらいの盛り上がりを見せてショウは大成功裡に終了した。
 

EAST of EDENは来る12月20日に5曲入りのミニ・アルバムをリリースする。
タイトルは『Forbidden Fruit -1st piece-』。
ね、「Forbidden Fruit」ってナンダ?と思った人は今日の記事を始めから読み直しましょう!
 
EAST of EDENの詳しい情報はコチラ⇒EAST of EDEN Official Website230ひとつ…最後に大きなお世話を…
YukiちゃんはD_DriveのMCに時にベース・アンプの「EDEN」を「イードゥン」と紹介しているんだけど、笑っちゃいけません。
ナゼならコレが世界標準の発音だから。
私が知る限り「EDEN」を「エデン」と発音した海外の人には会ったことがない。
今回のショウのタイトルが示しているようにEOEは世界向けての活動を標榜しているワケであろうから、バンド名の読み方をどうするのか大変興味があるのです。
「ギョエテとはオレのことかとゲーテいい」なんていうこともありますからね。
世界15億人の英語人口に立ち向かって「私たち、『イードゥン』ではなく『エデン』です」とガンコにやるか、それとも「イースト・オブ・イードゥン」と世界標準に合わせるか…コレ「大きなお世話」なようだけど、結構重要な問題だと思う。
オリジナル発音優先主義のMarshall Blogとしては最初から「イードゥン」にすべきだと思っているのよ。
 

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<だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)>

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<Thmbs Up>

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200 (一部敬称略 2023年10月8日 Zepp Diver Cityにて撮影)

2023年11月 5日 (日)

イシヤナ・サラスファティのYuki

 
今日はD_DriveのYukiのソロ活動のレポート。
去る10月の4日と9日、Yukiちゃんは来日したインドネシアの国民的音楽アーティスト「イシヤナ・サラスファティ(Isyana Sarasvati)」のサポートを務めた。10_bty7v9t9 7日の公演はビルボードライブ横浜。
10
いつもの通り、YukiちゃんをサポートするのはMarshall。20vルックスはいつもと違うけど、勝手知ったるJVM410Hと1960A。
だから普段と変わらない「Yukiサウンド」だ。
30v世の中、色んなモノが出て来て「ギターの良い音」の基準や価値がスッカリひん曲がって来てしまった感があるけど、やっぱり流行に惑わされずYukiちゃんみたいにチャンとギターをアンプにつないで弾くのが間違いなく一番太くて、コシがあって、ヌケが良い音が出ますよ。
メーカーもバカじゃない。こんなことは当たり前のこと。
でもね、いい音を出すアンプは例外なく重いもんね…ゴメンね。40ケチャやガムランやクロンチョンに代表されるように、インドネシアにはスゴイ音楽がたくさんあることを知っているんだけど、恥ずかしながら私はイシヤナ・サラスファティを全く存じ上げなかった。
「国民的音楽アーティスト」ということで勝手にポップなイメージを想像していたんだけど…コレが大きな間違いだった!
イシアナが聴かせてくれたのは、シンフォニック・テイスト満点の完全なプロッグ・ロックだったのだ。
ホントにビックリしちゃったよ。
正式な音楽教育を受けたイシヤナの美しい歌声で演奏する曲の全てが音楽的に凝りに凝っていて素晴らしいことこの上なし。
これぞ「プログレッシブ・ロック!」と思ったわ。
そんな複雑極まりない音楽ゆえ、ステージ上手に立ったYukiちゃんは始終ステージの中央のイシヤナに視線を振ってアンサンブルの確認をしていた。50vYukiちゃん、最高にカッコよかった!
言ってみりゃ、ショウの最初から最後まで譜面をさらうだけでもイヤになっちゃうような「キメ」の連続だからね。
コード譜が配られて、チョコっとしたメロディを覚えてステージに臨むようなショウとはワケが違う。
明日からYesに入れるような曲なワケだから。
それを完璧に弾きこなして見せてくれたのだから超立派である。
この数日前、Yukiちゃんが「イシヤナ、カッコいいですよ」なんて気軽に私に言っていたけど、「カッコいい」なんてもんじゃありませんでした。
お邪魔してマジでヨカッタ!
60
横浜から5日、Yukiちゃんは再びイシヤナのサポートで銀座のヤマハ・ホールのステージに立った…イヤ、座った。
今度はアコースティック・ギターを弾いたの。70vこの日はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロを加えてのバンド編成。
来年15周年を迎えるD_Driveとの付き合いもいい加減長くなったけど、Yukiちゃんがアコギを奏でる姿を目にしたのはコレが初めてのような気がする。75vイヤ、あったわ。
2019年、上海に行った時、出番待ちの楽屋で某社のエフェクター内蔵のアコースティック・ギターを試していたことを思い出したわ。
0r4a0057 アコースティックの現場でもYukiちゃんの背後にはMarshall。
0r4a0018Marshallのアコースティック楽器用アンプのAS100D。
Yukiちゃんはコレに自前のペダル・ボードをつないで使用した。
90Yukiちゃんはこれまでラインのシステムでアコースティック・ギター弾くことが多かったのか、AS100Dの音の良さにビックリしていた。
そうなのよ。
日本ではアコギというとすぐに「ライン」ということになるけど海外は違う。
特に超絶技巧を凝らすフィンガー・ピッキングのスタイルの人たちはアコギ用アンプを使って音を作り、その上でラインを併用する。
理由は音のパンチ力とナチュラルさがゼンゼン違うから。
このAS100Dはヨーロッパでアコギ用アンプとしての評判がとても高く、Marshallの商品ラインナップの中でロング・セラ―の上位に食い込む人気商品だった。
「だった」というのは、残念ながら現在は同じモデルを作っていないの。100v「アコースティックのセット」ということで、横浜の時とはアレンジが異なるのかと思っていたらこれまたトンデモナイ!
Yukiちゃんはほぼ同じことをアコースティック・ギターでやってのけて見せてくれた。
いくらMarshallが味方しているとはいえお見事!
110v ストリングスが加わって横浜の時とは違う雰囲気ではあったものの、相変わらず曲のクォリティはそのままで再び「スゴイもの」を見せて頂いた。
この2つの公演をご覧になった方はラッキーだったと思うよ…それが私だ!
日本にもこういうバンドが出て来てもらいたいナァ。
 
Yukiの詳しい情報はコチラ⇒Yuki lit.kink
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Website
イシヤナ・サラスファティの詳しい情報はコチラ⇒日本語版公式ウェブサイト80v 
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200 (一部敬称略 2023年10月4日:ビルボードライブ横浜、9日:銀座ヤマハホールにて撮影)

2023年10月30日 (月)

様式美大作戦2023~Jill's Project

 
さて、これまで4回にわたってレポートして来た『様式美大作戦 2023』。
今日で最後…ナンカ寂しくなっちゃうね。
そんなイベントを締めくくったのは、当然Jill's Project。10vオープニングSEはグスタフ・ホルストの『惑星』から「火星」だ。
「戦争の神」がテーマの曲だから当然重々しい。
それにガミガミと誰かのガナリ声が被さる。
絶望的に不吉に演出された雰囲気の中、まずは4人がステージに姿を現した。1_op1 ホルストはイギリスの作曲家だ。
強大な軍事力と狡猾な植民地政策によって19世紀にはほぼ世界を征服したイギリス。
極東の小国で自分たちの国がまさか「イギリス」などと呼ばれていることを知っている人がまずいないイギリス。
文化の面では、日本と肩を並べる文学大国(実際には日本が世界一)でありながら、食事の質を犠牲にしてまで産業革命に勤しんだその国民性ゆえなのか、音楽や美術の「創作」に関してはさして大きな業績を残すことはなかった…文学国ゆえ、演劇はスゴイ。
音楽に関しては、ロンドンのジミ・ヘンドリックスと同じフラットに住んでいたヘンデル(ハンデル)は元々はドイツ人だし、誰でも名前を知っているイギリスの他の作曲家といえば、エドワード・エルガー、ヴォーン・ウィリアムスにベンジャミン・ブリテンぐらいか?
今となってはアンドリュー・ロイド・ウェッバーも仲間に入るのかな?…後は一気にビートルズか。
…というぐらいなので、『惑星』を「クラシックの名曲」のひとつにカウントさせた純イギリス人のホルストの業績は計り知れないほど大きいと言ってよいのではなかろうか?
一方のエルガー、イギリス人はとにかくナニかにつけて「威風堂々(Pomp and Circumstance)」を演りたがる。
どんなイベントでも最後はいつでも「威風堂々」。
それゆえエルガーの功績は大きいといえようが、それはイギリス人にとっての話し。
エルガーといえば他に『エニグマ変奏曲』が有名だけど、アレを構成している曲のメロディを口ずさめる日本人はほとんどいないのではなかろうか?
かく言う私も何度聴いても印象に残らない。
さて、かつてロンドンにはフル・オーケストラが入って録音することができるレコーディング・スタジオというモノがなかった。
「それじゃぁ…」とEMIが作ったのが誰でも知ってるセント・ジョンズ・ウッドの「アビィ・ロード・スタジオ」。
コレ、元々は「EMI Recording Studios」という名前だったが、ビートルズのアルバムが定着したため名称を変更しちゃった。
下はその入り口。
向かって左側にかかっている緑のプラークには、「1931年11月12日、作曲家サー・トーマス・エルガー(1857-1934)がこのスタジオのオープニング・セレモニーを務めレコーディングした」と書いてある。
もちろん演目は「威風堂々」だった。
それほど「威風堂々」はイギリス人にとって重要な曲なワケで、「第2のイギリス国歌」と言われている。
しかし、それに異論を唱えたヤツがいた……私である。
コレは単なる受け売りに端を発する話なんだけど、アメリカの「第2の国歌はホーギー・カーマイケルの『スターダスト』」というのはよく知られているところだが、イギリスの第二の国歌は「威風堂々」ではなく、ウィリアム・ブレイクの歌詞にメロディを付けた「エルサレム(Jerusalem)」だろう…という話しを耳にして、どうしてもその真偽を確かめたくなってしまったのだ。
そこで、ココはせっかくイギリスの会社に勤めているのだからと、何人かのホンモノのイギリス人に尋ねてみた。
彼&彼女たちに「Questionnaire(クエスチョニア)」、すなわちアンケートをしてみたのである。
ちなみに「アンケート(enquete)」はフランス語ですからね、要注意。0r4a0003結果…質問の「第2の国歌」の定義の曖昧さを指摘しながらも、全員が「エルサレム」を挙げたのには驚いた。
どんな曲かといえば、昔からロックを聴いている方々なら間違いなく知っているハズ。
エマーソン・レイク&パーマーの『恐怖の頭脳改革(Brain Salad Surgery=脳ミソサラダの外科手術/なぞなぞ商会)』収録の「聖地エルサレム」がそれ。
グレッグ・レイクの美声で歌いあげられるこの曲をELPのオリジナル曲だと思っている人がいたのには少々驚かされたこともあったが、コレも要注意。Bssスイマセンな、この長いシリーズの最終回なのでもう1回チャンと脱線しておこうかと思ってよ。
ココまではサブ脱線。
では、脱線のメインに入ります。
コレでホルストのスゴさがわかった。
下の写真の右側…ホルストはこの「The Anchor」というパプの常連だったそうだ。
場所はロンドンの中心から地下鉄で20分ぐらい西へ行ったハマースミス。
ホルストはこの近くの女学校で音楽の先生をしていた。
ちなみのこの写真のチョット手前の辺りがクイーンの映画『ボヘミアン・ラプソディ』に出て来るよ。
契約のシーンだったかな?
このハマースミスというところにはとても愛着がありましてね。
Marshall Blogで2本ほど記事を書いたことがあるので興味のある方はコチラをどうぞ。
あんまり他ではお目にかかれないどうでもいいようなことがタップリと詰まっている(と思う)。
   ↓    ↓    ↓
【Marshall Blog:イギリス-ロック名所めぐり】vol.32~ハマースミスが好きだった <前編>
【Marshall Blog:イギリス-ロック名所めぐり】vol.33~ハマースミスが好きだった <後編>

20vJill's ProjectのオープニングSEで「火星」被せられていたダミ声はヒトラーの演説。
ヒトラーについて脱線できることと言えば、演説する時にはAKGのマイクロフォンを愛用していた…ということぐらいか?
イヤ、フランクフルトでエラく恥をかいたことがあったんだ!
その時のようすはコチラ。これからドイツに初めて行くような機会がある皆さんはゼヒ読んでみてください。
ナニせ私はドイツのPolizei(ポリツァイ)にもお世話になったことがあるんよ。
   ↓    ↓    ↓
【Marshall Blog】私のフランクフルト <vol.1:2003~2006年>(全7回)

脱線終了!40 いよいよ『様式美大作戦 2023』レポートの最終回!
「♪ビヤァァァァ~!」 
岡垣さんの奏でるパイプ・オルガンがそのホルスト&ヒトラーのSEを引き継ぎ…40vJill's Project発進!
1曲目は「Reach out for Something」。
まずお見舞いしたのは超重量級のドライビング・ナンバー。
60Dio Ken70v島紀史
100v関勝美
アニかつさん、期待通り今度はJill's ProjectのTシャツだ!80v金光健司90vそして3度目のご登場となるJill提督…岡垣正志。110v2曲目はピアノの音色から…120v_ihsノンちゃんのクリーン・トーンで繰り出すもの悲しいフレーズでまずは舞台を整える。130そして金光さんが叩き出す3連のグルーブでアンサンブルが動き出す。000s41a0688金光さんはもちろんNATAL。150先日2人でスタジオにこもってNATALのビンテージ・テイストの新商品「ZENITH(ズィーニス)」を試したんだけど、メチャクチャよかったわ~。
金光さんはいつもシングル・タムだからね、このキットに持って来いの人なんだ。
皆さんにも早く実戦でお見せしたい!0r4a0065 曲は「I Have the Shakes」。
270_ne重く重く展開していく曲をさらにヘヴィに演出するKenちゃんの歌声。160vエキゾチックなパッセージを存分に盛り込んだソロ。170vサウンドは「島紀史が出すMarshallの音」。
言葉で表すとコレしか言いようがない。
もうひと言付け加えるのであれば、ノンちゃんのトーンって驚くほどクリーンなんだよね。
こうして弾き手の持ち味と機材本来の音を本当にうまくハイブリッドさせているという人は案外いないもんよ。
令文さん亡き今、ノンちゃんとか三宅さんはその格好の例と言えるでしょう。
175ノンちゃんのMarshallは愛用の1967 MAJOR。180vこの曲、後半にギターやピアノのア・カペラのソロがあったりして恐ろしくドラマチック!190そんなドラマを凄まじいまでの歌声で演じ尽くすKenちゃんがまだスゲエ迫力!0r4a1118 そして、曲を締めくくるのはノンちゃんのソロ。
CONCERTO MOONの時とは明らかに異なる精神で弾いているのがよくわかる。
196そのバックのベース・ライン!
攻める、攻める!
コレを聴きのがしたらモッタイない。195v金光さんとの噛み合わせ具合も完璧だ!S41a0801 キマった~!370KenちゃんのMC。
「Jill‘s Projectです。
4年前でした…4年前に大阪で演って以来で、やっと東京に戻って来たって言っていいのかな?
戻ってきました~!
『最後の鹿鳴館』ってアチコチに書きまくったんですけど、めでたいことにコレについてはお詫びをしなくちゃいけなくなってしまいました。
多分来年もやりそうですよね?」
0r4a0953「みなさん、大変だったと思うんですけど…5時間くらい?
まだ大分ありますよ!
みんなまた来年も演りたいって言ってますけど…どうですか?」
210v「ゼヒ来年も集まってください!…ってか最後のMCみたいになってるけど。
今日のイベントとしてはJill‘s Projectが最後なんでそのつもりで皆さんかかってきてください!」220v3曲目は「Heavy Rain Sheds Blood」。230_hrsbコレまた金光ビートが引き立つミディアム・テンポの重量ナンバー。240岡垣さんのオルガンのバッキングがカッコいい!250遠慮なくシュレッドしまくるノンちゃん。
繰り出すフレーズが曲調に最高にマッチする。260v続けて「The Naked Earth」。140典型的なハード・ロック・ナンバー。
こういう「♪ジンジダジダ、ジンジダジダ」というリズムを何と呼ぶのか知らないが、もはやこのパターンもブギやシャッフル同様、若いバンドさんの中では絶滅して久しかろう。
280v岡垣さんと視線を合わせてソロに入るノンちゃん。
「へへへ、イキマまっせ!」290で、イッた~!
ノンちゃんが好きなだけ思う存分弾き貫くギター…快感!
300v「4年ぶりにこうやって集まったんですけど、今回は大マジメにリハーサルを2回演っております。
1回目のリハで4年間会っていなったことがウソのようで、ホントに一瞬で会わなかった4年間がなくなりましたね。
1回合わせただけですぐに感覚が戻って、もう2回目は遊びながら合わせた感じ。
皆さん、満足して頂いておりますでしょうか?」 200MCが終わると鐘の音が聞こえて来る。
岡垣さんが壁面側のキーボードを操るところで次の曲はスタート。
壮大でスペイシーなサウンドに包まれてシンセサイザーのソロ・プレイが始まる。320_cmそしてオルガンへ移行。
このシーンでも鍵盤の上に足を乗せてグバ~!
鬼気迫る独奏だった。330vキーボーズとギターがユニゾンで奏でるリフに導かれてKenちゃんが思い入れタップリに歌い込むのは「Crazy Me」。
340vこの曲も次から次へと情景を変えていくパノラミックな展開を見せる。
中間部の静かなパートからギター・ソロへ。350ココのソロもスゴかった!
最早、「ギターの鬼神」状態。360v「サンキュー!
最後に我らがJill 岡垣にひと言頂きたいと思います」0r4a0953 「ありがとうございます。
皆さん、朗報です…次は最後の曲ですよ!
いつまでこんな『暗い』、『重い』、『長い』の三拍子揃った曲を演ってんねん?
ようやく終わりですよ!
Jill‘s Projectは2004年から2006年に立て続けにアルバムを出して、その後しばらくカバーみたいなことばかりしていました。
そうしている間にオリジナル曲がたまって来たのでこのメンバーで1回レコーディングしたいとなと思っています。
前から言っていたんですよ…そろそろやっておかないと老い先が短いじゃないですか。
真剣な話なんですけど、絶対長生きすると思っていたジャパメタ界の人が何人かいなくなっちゃったんで、やれるウチにやらないとアカンって思っています。
お客さんの方も年齢層高いし…。
聴く方も、今日なんかはすごく体力が要りはったと思うし。
で、鹿鳴館が続くとお聞きしたので来年あたりもまた演らせて頂きたいと思っていますのでよろしくお願いします」
390「最後です…皆さん長丁場お疲れ様でした!って言っていいのかわからないですけど、本当に最後の1曲です。
最後はみなさんも力を振り絞って、もう1度声を出して頂きたい思います。準備はよろしいですか!」400vKenちゃんの「Are you ready?Are you ready?!」の雄叫びでこの日最後の曲が始まった。・S41a0855ノンちゃんが弾くリフは「Upsurge Unconcscious」。420v長かったこの日のイベントを締めくくるにふさわしい…
450v泣く子も黙る急速調のリフ・ナンバー。S41a0783 客席を圧倒するばかりのkenちゃん!
435v岡垣さんも客席をアオる、アオる!430vノンちゃん、本日最後の弾きまくり!440vキーボーズのソロもタップリ!470楽器を前後に揺さぶるおなじみの激しいパフォーマンス!0r4a0005 エエイ、大サービスや!480モニターにベースをこすり付けるアニかつさん。500v最後にKenちゃんがキメのポーズをとって曲は終了した。510vそして、締めくくりに岡垣さんがマイクを握ってメンバーを紹介し、ご挨拶をしてこの日の全ての演目を終了した。
正直殺人的に長かったけど、それぞれのチームの特徴が大いに発揮されて全く飽きることがなかった。
「様式美」は不滅です!
 
Jill's Projectの詳しい情報はコチラ⇒Masashi "Jill" Okagaki Official Website
530v<おしまい>
  

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本場のブリティッシュ・ハードロックを存分にお楽しみあれ!

<Lowlife>

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200 (一部敬称略 2023年9月30日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2023年10月27日 (金)

様式美大作戦2023~TERRA ROSA SESSION


後半に入る『様式美大作戦 2023』。
現在舞台は転換中。
緞帳の内側からいきなり「グワァァァァァァァ!」という凄まじいギターのサウンド!
客席から歓声が上がった。
一聴して誰のギターの音かがわかるのだ。10v_2そして緞帳が上がる。
スタート早々、会場はそのギターの音で満たされた。05v『様式美大作戦 2023』の4番手はTerra Rosa SESSION!
オープナーは「A Hell Ray」。20_2再び「Jill元帥」の登場.。
岡垣"Jill"正志30v荒木真為40関勝美
60v_2堀江睦男
70v_2そして、三宅庸介。
50三宅さんはもちろんMarshall。80JCM2000 DSL100と1960A。
昔は三宅さんDSL100を使っていたからね。
三宅さん所有のDSLは1997年製のかなり初期に製造されたモノだった。90v_2Terra Rosa時代も当然Marshall。01_1959_tr_1そうやって誰にもマネすることができないスタイルとサウンドを確立した。04_1959_tr_3_880124 そして今日もMarshall!
熱気あふれるパフォーマンスに全く疲れを知らない観客が大きな歓声を上げた。
1002曲目は三宅さんが弾く少々深めにディレイをかけたリフでスタート。
三宅さんが参加しているアルバム『The Endless Basis』から「Friday's Free Faie」。110_ff平たく言えば前のバンドとギタリストが違うだけなのにガラッとバンドの雰囲気が変わった。
コレがベテランのスゴさ。
ちゃんとそれぞれのバンドが持つサウンドを演者全員が自家薬籠中にキチっと収めているのだ。130岡垣さんのシンセサイザー・ソロ!140vそれを三宅さんのギターが引き継ぐ。
この表情がそのままソロの内容を表している。150v_2「どうもありがとッ、鹿鳴館!
Terra Rosa SESSIONでございます。
『またキミか!』と言われそうな気がするんですが、ワタクシ、一応上着を替えて参りましたのでよろしくお願いします!
どうですか、先生?」
実はこの日、クリアな写真がなかなか撮れなくて真為さんの写真は何枚か直前のAPHRODITEのモノを転用しようかと思ったのね。
上着を替えたとはいえ、同じ黒だからわからないだろうと思ってよ。
ダメだった…真為さん、このセットでは胸に大きなブローチを付けちゃった!
160v_2「コロナ禍がやっと明けまして、三宅くんから『一緒に演ってくれる』といううれしいお言葉を頂きましてTerra Rosa SESSIONとして今日一緒にステージに立っています。
1984年当時みたいに機材車で走ってきました。
ホントは今頃は自家用ジェット機に乗って海外へ行って、40万人ほどいるお客さんのところへヘリコプターで降りていくような感じの夢を見ていたんですけど…。
ま、当時とあんまり変わんないね。
『変わらない』んというところが一貫して『様式美』。
紫綬褒章を受賞するぐらいまでガンバりますかね。
さて、コロナで計画していたTerra Rosaのツアーが潰れてしまったんですが、ようやく落ち着いて来たのでナニかやれないか?と思っています。
帰りの車の中で三宅くんと話が出来たら、また何がしかのいい形でTerra Rosaの名前を冠したライブをやりたいと思います。
三宅くんが19とか20歳で『The Endless Basis』に参加して、最初に会った時にMarshallのヘッドをボクが運びましたね…初対面の時。
色々あるんですけど、今日は仲良くやって来ました!
皆さんの応援が必要なんです。
よろしくお願いします!」170v_2アニかつさんのロゴTシャツも紹介された。
さっきはAPHRODITEのTシャツをお召しになられていたのです。180v舞台は暗転し、岡垣さんのキーボードが流れ出す。
その瞬間に客席から歓声が上がった。190_mik曲は「もの言わぬ顔」。200ヘヴィなミディアム・テンポのナンバー。
岡垣さんのキーボーズが分厚く曲全体を覆う。200v_2そして真為さんが前のチームとは丸っきり異なる表情で熱唱する。220vギターで「ものを言う」三宅さん。
しかし…このトーンと歌い回し!
誰とも違う。誰にも似ていない。
「自分だけのスタイルを確立する」というのはナント強力なことよ!230「ありがとうございます。
皆さん、本日は知ってる曲しかありませんよ。
世の中もいい感じになって来てるもんですから、皆さんもゼヒ一緒に歌ってくださいね!
私は皆さんの口元を見てカンニングします!」250v_2堀江さんの鋭い3連のビートが切り込んで来る。240v「さて、コレが来たら次はナニを演るかわかりますかね?
もう、おわかりですね。
ナンダ?この曲は?」
コレはCazさんのアオリの再現。
真為さん凝ってるナァ~!260_2三宅さんの弾くリフから「Endless Basis」。0r4a0677 もちろん客席の皆さんは曲をご存知なので、そりゃもう大騒ぎ!0r4a0673_2 岡垣さんも腕を上げての大熱演。
310vこの曲でも三宅さんのソロが炸裂。
イヤ~、スゲエ音だわ。
今日もMarshallの魅力全開だ。290v_2ステージと客席が大いに盛り上がったところでTerra Rosa SESSIONは最後の曲に取り掛かった。280_2岡垣さんのオルガンが深遠に響く。320_kt「最後の曲になりました。
まだまだ、聴きたい曲もいっぱいあると思うんですがこの曲で最後です。
皆さん、一緒にコブシ上げて歌いましょう!」330vで、ドーンといったのが『The Endless Basis』収録の「Vision of the Lake Bottom」。0r4a0672_2 出番の最後をにぎやかに飾るドライビング・ナンバー。3405人が再現したTerra Rosaの世界に観客もすっかり魅了されていた。270v_2 360v_2 370v_2 380v 390v_2岡垣さんがMCでおっしゃっていらしたように、近い将来再演されるといいですな。
楽しみがまた増えた!

Terra Rosa SESSIONの詳しい情報はコチラ⇒Masashi "Jill" Okagaki Official Website400<つづく>
 

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北アイルランドのベテラン、Therapy?。
 
<Nowhere>

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200 (一部敬称略 2023年9月30日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2023年10月26日 (木)

様式美大作戦2023~APHRODITE EXTRA

 
ようやく中盤に差し掛かった『様式美大作戦 2023』。
なんて濃いイベントなんだ~!
ん?…この告知バナー、岡垣さんが出演するバンドのロゴ・サインは赤、それ以外は白になっているんですな?
今気がついた。
10vさて、勇猛なSEが会場に流れる中、真ん中の3番手で登場したのはAPHRODITE EXTRA。
いよいよその「Jill総統」のお出ました!20岡垣"Jill"正志30荒木真為40v関勝美50v堀江睦男60vそして、今回のEXTRAで迎えたギタリストは藤本泰司。
70v泰司さんは超お久しぶりで、今はもう見ることができない昔のMarshall Blogに一度ご登場頂いたことがあった。
2008年6月のことだから、もう15年も前のことになる。
『東京ギターショウ』というイベントで、当時発売されたばかりのランディ・ローズのシグネチャー・モデル「1959RR」のデモンストレーションをお願いしたのだ。
下の2枚の写真はその時のようす。
80v「1959RR」は当時Marshallに在籍していたエンジニアのダニー・トーマスがカリフォルニアのランディの実家に飛び、実際にランディが使っていた1959のパーツのひとつひとつを精査して、それを忠実に再現したモデルだった。
このイベントの時の演目は当然BLIZZARD OF OZZ。
泰司さんには正真正銘の「アンプ直」で弾いて頂いた。
当時のMarshallがランディのリクエストで施した改造により、いくらマスター・ボリュームっぽい機能が搭載されていたとはいえハイゲイン・モデルがこの世に登場する前の仕様だからして、「歪む」といっても今のアンプみたいに盛大に歪むワケではなかった。
ところが泰司さんは見事にアンプ直でBLIZZARD OF OZZを弾き切ってくださったのだ!
スゴイ演奏だった。
90v
APHRODITEは幾度となくMarshall Blogにご登場頂いているので「人形愛」や「詩人シャロ―」などのレパートリーはおなじみだ。
今日のAPHRODITE EXTRAの1曲目は「Before the Dawn」。
問答無用で猛進するドライビング・チューン。
100v泰司さんのソロ。
ノッケからMarshallサウンド炸裂!110本日、大活躍のJCM2000 DSL100と1960A。120v迎え撃つ岡垣さん!
こっちのチームにはレスリーが付いているぞ!130v「こんばんは!APHRODITE EXTRAです!」
拳を上げて観客をアオりながら2曲目に突入する真為さん。
150vアニかつさんのベースがうねるミディアム・テンポのパートから…
160v岡垣さんのオルガンを巻き込みながら急速調にテンポ・チェンジ!
170vスリリングな2曲目は「Worship」。
2019年にリリースしたAPHRODITEのアルバムのタイトル・チューン。140泰司さんのソロから…190v岡垣さんの好みが一発で判明してしまうアンサンブル・パートへ。
ああ、こういうのを耳にするとホッとするわい。0r4a0360 「ありがとう~!こんばんは!
改めましてAPHRODITE EXTRAです!
実は今、APHRODITEは活動を休止しているんですね。
2019年末に『Worship』というアルバムを発表したんですが、2020年以降不思議なことが色々起こってしまい、東京でレコ発ができなかったんです。
そして今回この目黒鹿鳴館でライブをするということになりました。
最後にAPHRODITEでコチラにお邪魔したのが2019年だったので4年ぶりになります」
エエ!アレからもう4年か…コロナの前だから当然か。
その時のようすはコチラ
  ↓   ↓   ↓
【Marshall Blog】Metal総進撃Vol.2~APHRODITEの巻

200vココで泰司さんをご紹介。
「世の中がコロナ禍になってしまって、オレの音楽人生が一気に止まってしまいました。
3年間で6本か7本のぐらいしかライブができなかったんです。
そして今日…チョット系統が違っていたりもしますが、元々オレはこの音楽のスタイルにいた人なんだよね?
ナンカ前はピロピロやっていた気がする」230v「今日はピロピロやってもらわないとお客さんが…。
泰司くんも色々やっていますけれども、やっとこっちの世界に戻って来ましたね?
ピロピロやる気になってきたかな?
今日はそんな泰司くんと久しぶりに演るので皆さんお楽しみください。
よろしくお願いします!」210v堀江さんのスネア・ドラムからスタートするのは『Worship』に収録されている「Long Live the Dead」。240v_lldこの岡垣さんの弾くフレーズ!
この曲はAPHRODITEのステージには欠かせない「定番中の定番」と言ってよいだろう。
イヤ~、初めて聴いた時にこの岡垣さんのキーボーズが耳にこびり付いたのよ。250vどこまでも届く伸びやかな声で熱唱を続ける真為さん。260泰司さんとのコンビネーションもバッチリだぜ!
300岡垣さんのシンセによるソロ。270vそこににじり寄る泰司さん。280スリリングなバトルだ!
やっぱこうこなくちゃね!
290v「Long Live for the Dead」を意外なピカルディ・ケーデンスで〆てホッとしたのも束の間、今度はミディアム・テンポなヘヴィなヤツ。310_sofsコレも『Worship』収録の「Song for Silence」。320ココでも激しい歌声を聴かせてくれる真為さん。
真為さんってどんなに激しく声を張り上げてもピッチをハズすことがないんだよね。
いつも音程が完璧なの。330エキゾチックなフレーズを出し合うギターとキーボーズの2人。340vコチラもとてもいいコンビネーションではありませんか?
380チョット雰囲気を替えて「Heal Your Heart」。350_hyhん~、いかにもMarshallのサウンドでメロディアスに弾くソロ。
いいナァ。370v泰司さんのソロの間、ステージ前で徹底的にアグレッシブなベース・ラインをブチ込んだアニかつさん。
360v「アッという間に我々の持ち時間はあと1曲となりました。
アルバムには、自分で言っちゃあイケませんけど良い曲が詰まっていますからね。
2019年末に出して、お陰様で大阪の方ではライブを続けることが出来たんですが、なかなか東京に来ることが出来なくて、今日ようやく皆さんに『どうだ!』って言う機会が作ることが出来て私も胸がいっぱいです。
本当にこの何年間、皆さんにも色々あったと思うんですが、こうしてまた同じ空間でデカい音を浴びて楽しむことが出来て本当にうれしいです。
ありがとうございます。
ハッキリ言ってAPHRODITEの未来はどっちだ?って感じなんですけど…先生、どうですかね?」
390v「そうなんですよね…。
ナンカ、泰司くんはもうすっかりメンバー感が出ていましたよね。
彼と演っていて非常に楽しいです。
昔ね、Terra Rosaの時も世田谷の方でギターを代わりに演ってもらったことがあったんです。
テラローザで唯一の関東のギタリスト」
410「やっちゃおうかな…。
(観客から歓声が上がる)
そうでしたね…あの時は司会がせんだみつおさんだった。
そうか…Terra Rosaで唯一の東京ギタリストだったんですね?」400v「それではあと1曲!。
皆さんに『ウォ!ウォ!ウォ!』と叫んで頂きたいところがあります。
よろしかったら、参加してください!
『頭をふるぞ!』っていうところもありますのでよろしく!」450v最後に演奏したのは「Nauseous」。
「nauseous」とは「不快な」とか「胸がむかつく」みたいな意味。0r4a0313 出番の最後を飾ったのは「胸がムカつく」どころか「胸がスカっとする」ドライビング・ナンバーだ!470v重戦車のように突進するリズム隊の2人。
520もちろんギター・ソロも大フィーチュア。480vココでも2人のスリリングなバトル!490お客さんをアオりながら最後まで鉄壁の歌声を弾けさせた真為さん!500v当然、岡垣さんは猛烈に愛器を前後に揺さぶりエキサイトぶりをアッピール。495ヘドバンもバッチリとキマって…510岡垣さんのコレ!
「♪グバ~」とやってくれた!530コれにて東京でのレコ発完遂!
そして、『様式美大作戦 2023』は今、中盤が終わったところ。
 
APHRODITEの詳しい情報はコチラ⇒Masashi "Jill" Okagaki Official Website540<つづく>

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フィル・リノットの魂を受け継ぐGRAND SLAM。
 
<Gone Are the Days>

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200 (一部敬称略 2023年9月30日 目黒鹿鳴館にて撮影)


 

2023年10月24日 (火)

様式美大作戦2023~Aya Project

 
『様式美大作戦 2023』の2番手の登場。10_3会場内に鳴り響くパイプオルガンの荘厳な音色…そして雷鳴。15Aya Projectだ!
やはりMarshall Blog初登場。20_2Aya30v_2鈴木広美40v_2水元まりお50v_2堀江睦男60v_21曲目は「Brug Eltz」。
コレはありがたい!
モロに私好みのサウンド。
天衣無縫、驚天動地、自由闊達、当意即妙、そして問答無用の「Prog Rock」!
紛れもない「様式美」のひとつ。
 
「Brug」というのは「ハンブルグ」とか「ブランデンブルグ」とか「ヒンデンブルグ」の「ブルグ」。
英語だと「バーグ」になるヤツ。
コレ、「城塞」という意味で、「Brug Eltz」で「エルツ城」のこと。
ドイツの「3大美城」の一角なのだそうだ。
ドイツといえば、私はフランクフルトに10回ほど行ったが、お城なんて一度も見たことがなかったナァ。
目にしたモノといえば展示場のMarshallとホテルの天井だけだった。
するとドイツ人の友達にこう言われたものだ。
「シゲ、ナニをどう間違えてもフランクフルトをドイツだなんて思ってくれるなよ。
ドイツってのは本当に美しい国なんだ」って。
気の毒なフランクフルト…。
結局、「美しいドイツ」はカケラも見ることはできなかったが、毎年1週間Marshallの連中と一緒にいてずいぶん色々なことを教えてもらって楽しかった。
そのフランクフルト関連の記事はコチラ⇒【Marshall Blog】私のフランクフルト(全7回)
70
いきなり少々脱線してしまったが、ステージの方は続けて2曲目に入った。
やはりAyaさんが弾くスケールの大きいキーボーズからスタートするのは「Night at Oakley」。80v_nao地を這うような低音が炸裂するヘヴィなナンバー。
90_2テムズ川の上流ウィンザーにある「Oakley Court(オークレイ・コート)」という19世紀の中頃に建設された貴族の館で、現在はホテル(もちろん超高級です)になっている宿泊施設に滞在。
そして「Royal Ascot(アスコット競馬)」でエリザベス女王に遭遇したAyaさんご経験がこの曲になった。
ナント、映画の『ロッキー・ホラーショウ』のロケ地となったのがこの「Oakley Court」だったのだそうだ。
ブラッドとジャネットが雨の晩に迷い込んじゃうところですな?
何か夜になるとナニか出て来るとしか思えないような歴史的な貴族の部屋でAyaさんは一睡もできず!
しかし、ロイヤル・アスコットに行ったなんて…スゲエなぁ。
あの『マイ・フェア・レディ』でロイヤル・ファミリーの写真を撮り続けたセシル・ビートンという写真家が、オードリー・ヘップバーン演じるイライザのドレスをデザインして「アカデミー衣装デザイン賞」を獲得した有名な「アスコット・ガボット(Ascot-Gavotte)」のシーンね。
アレがロイヤル・アスコット。
Ayaさんは一体どんな出で立ちでご参加されたのであろう?S41a0143そして、今度はピアノのソロ。
次から次へと変わって行く情景の中でひと際その音色の美しさが目立つ。120さらにギター・ソロ。
広美さん、久しぶりだナァ…チョット調べてみると、2018年5月のKRUBERABLINKA以来!100_2広美さんもMarshallを使用。
え?前回の記事と同じ写真だってか?…そう。
要するにこの日は皆さんこのJCM2000 DSL100と1960Aを使って頂いたというワケ。110v_2「こんにちは、Aya Projectです。
鹿鳴館…4年ぶりの『様式美大作戦』です。
Aya Projectはセカンド・アルバムの『Resurrection』というセカンド・アルバムをリリースしまして、コレが東京での初ライブとなります。
皆さま、最後までよろしくお願い致します。
さて、Aya Projectは『中世ヨーロッパの城』をテーマとした曲を作っております。
ドラゴンだったり、魔物たちが住むというイギリスのお城や館、その周りの深い森などをボーカルズなしのインストゥルメンタルでお送りします。
映画を見るような感覚で、映像を想像しながら聴いて頂ければうれしく思います。
それではさっそくその深いイギリスの森を想像して頂きながら女性の亡霊が出るという館についての曲をお聴きください」
この亡霊は上の「Oakley Court」に出て来る予定だったヤツかな?0r4a0174 ココで大脱線。
「イギリスの城」かぁ。
どうしても所在が地方になってしまうので数えるほどしか行ったことがない。
例えばこの「ネブワース城」。
ネブワースはあのフェスが開かれるところね。
もう20年以上も前の写真。
周囲はこの世のモノとは思えないの美しさだった。1_nw2012年に行った「エジンバラ城」。
中はほとんど「戦争博物館」。1_img_6500シェイクスピアの地元のストラッドフォード・アポン・エイヴォンにほど近い「ウォリック城」。1_img_0677コレは「ヨーク城」。Img_6091 ヨークは下のような城壁がキレイに残っている。
よーくできました…ナンチャッテ。
ヨークは大聖堂の他、見るところがたくさんあって楽しい。1_img_6271ところ替わってロンドン。
ビッグ・ベンと国会議事堂が遠望できるロケーション。
この右の建物も「ランベス城」というお城。1_img_0673見た目はパッとしないけど、カンタベリーの大主教がロンドンに来ると今でも必ずココに宿泊するらしい。
カンタベリー大聖堂はイングランド国教会の総本山でその大主教といえばもうトップですから。
戴冠式の時、王冠を授けるのもカンタベリー大主教の役目。
2番目にエライのは上に出て来たヨーク大主教。
で、このランベス城の辺りは19世紀の終わり頃までは大変に治安に悪いところで、ウィリアム・マイナーというアメリカから来た男がこの辺りで人を殺してしまった。
そのマイナーが収容された精神病院から投稿し続けた英単語の情報のおかげもあって世界最高の辞書である「オックスフォード英語辞典(OED)」を完成させることができたというのは有名な話。1_img_0668コレは山谷の「あしたの城」、じゃない「あしたのジョー」。1_img_0705コレは「ロンドン塔」。
かつては城だったが、後に色々な用途に使われ、しまいには監獄や刑場として利用された。
ココの中で首を落とされた7人のウチのひとりがヘンリー八世の2番目の奥さんの「アン・ブーリン」。1_img_0588いかにもお城みたいなデザインだけど、コレはサウス・ケンジントンにあるジミー・ペイジの家。
かつては俳優のリチャード・ハリスの家だった。1_img_0543そのジミー・ペイジの家のすぐ近くにあるのが「ケンジントン宮殿」。
宮殿と城の違いはどちらも偉い人の住み家という意味においては違いがないんだけど、戦争に備えた設備があるかどうかで違ってくる。
ココはウィリアムとキャサリンが住んでいるところね。1_img_0583コレはどうよ?まるでお城。
コレはオックスフォードのウッドストックというところにある世界遺産の「ブレナム宮殿」。
ウィンストン・チャーチルの実家。
実家が「世界遺産」ってのはいかがなものか?
ウチも古さにかけてはそう負けていないのだが…。1_0r4a0366_2そして、これもかつては家だった。
立場が微妙になった枢機卿のトマス・ウルジーがヘンリー八世のゴキゲンを取るために「どうぞ、どうぞ!」と献呈した「ハンプトン・コート宮殿」。1_img_1077_2ヘンリー八世はココを終の棲家とした。
下は何番目かの奥さんが冬の天気の悪い間退屈しないようにと家の中に作った「ギャラリー」。
これが今も「ギャラリー」と呼ばれている設備のはじまりだったらしい。
さっきAyaさんがMCで触れたように、このギャラリーにはそのヘンリー八世の5番目の奥さんのキャサリン・ハワードが化けて出ることが世界的に知られている。
私が行った時はいなかった…ヨカッタ。
他にも3番目の奥さんのジェーン・シーモアも出るらしい。
ヘンリー八世と六人の妻についてはコチラをどうぞ。
  ↓   ↓   ↓
イギリス-ロック名所めぐり】vol.28~ヘンリー八世と六人の妻 <その1>(全5回)
1_img_1331_2 脱線終わり。
続けて演奏したのは「Silky」。
Ayaさんが奏でる幻想的なキーボーズ…コレがMCで触れていた深い森。
260その森に広美さんのギターが迷い込む。
ボトルネックがとてもいい効果を出していた。150もちろんこの曲も次々と光景が変化していって壮大なストーリーを組み立てていく。
Ayaさんの弾くシンセと広美さんのギターの掛け合いもスリリング!190堀江さんのドラムスが猛然とダッシュするのは「Ominous Dragon」。
「Ominous」とは「不吉な」という意味。180曲調はゼンゼン不吉ではなくて、Ayaさんのシンセサイザーが会場内を駆け巡る爽快なドライビング・チューン。170ギターとベースのユニゾンのピックアップ・ソロもバッチリ。
そりゃ広美さんとまりおさんもノリノリだ!200ビッシリと音符を敷き詰めたようなAyaさんが弾くパートが素晴らしい。0r4a0137 続いては「Fairies on the Eastern Green」。
160三連のグルーヴの勇ましいナンバー。230v_2妖精に関する様々な本を著したキャサリン・ブリックズというイギリスの民俗学者がいた。
私は妖精はやっていないのでAyaさんに教えて頂いて初めて耳にする名前なんだけど、この方の著書『妖精Who's Who(Abbey Lubbers, Banshees and Boggarts)』に出てくる「東の原の妖精たち」をテーマにした曲。
イングランド南西部のコーンウォールの北にある村がこの物語の舞台だそうだ。
炭鉱夫のお弁当の「コーニッシュ・パイ」のコーンウォールね。
その『妖精Who's Who』に登場する魔物や妖精にちなんでつけられた題名の曲がセカンド・アルバム『Resurrection』に収録された。0r4a0186 広美さんの少々エキゾチックなギターも大活躍。240_2この曲も全パートをフィーチュアした圧倒的な演奏。
それだけに会場も大いに盛り上がった。
客席からは「カッコいい~!」の呼び声がかかった!210vfoegAyaさんのア・カペラのソロ。
シンセサイザーから始まり、ほどなくしてオルガンにスイッチ。
リチャード・ロジャースの「My Favorite Things」のクォートするサービスも!
250vオルガンと来ればレスリー・スピーカー。
やっぱりサウンドがゼンゼン違うからね。
え、コレじゃない?225vそう、Ayaさんの奥。
シュインシュインとスピーカーが休むことなく回り続けている。
速くなったり、遅くなったり…コレ、見てるとオモシロいね。
スピーカー自体を回転させてしまうなんて無茶なアイデアをよく思いついたものだ。
そして、こんな大きくて重いモノを持ち運んでいらっしゃる皆さんもスゴイ。
コレはね、ギター・アンプでいえば真空管アンプですよ。
重いし、メンテナンスも面倒だけど、良い音のためには仕方ない。
どんなに取り扱いが大変でも、お金を払って見に来て下さるお客様にはホンモノの音をお聴かせしたい!…というのは演奏家の当然の振る舞いでしょう。
だから「様式美」なのだ!220vそんなレスリー・スピーカーを駆使して魅惑のフレーズを弾き重ねていく。
しまいには鍵盤にヒザを乗せ、身体全体で操作して大いに会場を沸かせた!270文字通りAyaさんが壁側を向いて背後にセットした楽器を操る。280v_ot曲は「Overturn」。0r4a0231 コレまたどこまでも突き進むドライビング。ナンバー。290v_2堀江さんのドラミングがすさまじい!
でも曲が短い…もっと聴きたい!300v続けての「The Chaos」はAyaさんの静かなピアノから始まった。
「chaos」は「カオス」じゃありませんからね。
「ケイオス」ですからね。
0r4a0216Ayaさんは、混沌としたコロナ禍での不安やフラストレーション、挫折、そして会えなくなってしまった人たちへの哀しみなどをこの曲のテーマに据えた。
ご自身で大変気に入っている曲だそうだ。
0r4a0272おお!この曲もギターとベースのディミニッシュのキメがカッコいい!320「イギリスの風景が思い浮かびましたか?
亡霊やドラゴンがたくさん出てきました。
今日も販売しておりますセカンド・アルバムの『Resurrection』には2つ歌入りの曲が入ってます。
一方、ファースト・アルバムには3曲入っています。
歌入りの曲が合計5曲あるんですが、歌ってくださっているのはDead Eyed Spiderの千田忠彦さんです。
そしてウチ2曲は今日の主催のJILL岡垣先生が書き下ろしてくださった名曲でございます。
そして堀江さんがそのセカンド・アルバムから参加してくださってます。
堀江さんは最近、『女子高生命』から『熟女推し』になったそうで…。
熟女の皆さん…そんな堀江さんがドラムスを叩いているアルバムをぜひぜひお買い求めください!
英国王室御用達の紅茶やハロウィンのお菓子もプレゼントしますので、ステージが終わったら物販の方に会いに来てください!」
0r4a0171 そして、最後に演奏したのは泣く子も黙る…であろうゴリンゴリンのブギ!
うれしいな、ブギは。
若い人たちの間ではほぼ絶滅しているリズムですからね。
そんな私の好みを見透かしてくれたような4人の素晴らしい演奏だった。
こういう音楽はやっぱりスキ!340v_dl

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380<つづく>
 

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「関西出身」&「インストゥルメンタル」ということで…。
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<だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)>

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200 (一部敬称略 2023年9月30日 目黒鹿鳴館にて撮影)