Reckless Night at 獅子王『THE THREE DIVA'S STRIKE US~歌姫襲来~』<前編>:NERVOUS BREAKDOWN
約10日ほど臥せってしまった。
今日から再開。
再会の1発目の記事は、ベーシストの臼井孝文、すなわちOZMAさんの企画によるハードロック・イベント『Reckless Night at 獅子王』。
OZMAさんは本当に色んな企画を立ち上げて、それを続けていらっしゃるのがスゴイ。
「続ける」ことは「始める」ことの何十倍もムズカシイ。
1回コッキリ開催するのは簡単なことなのよ。
そんなOZMAさんは、コピーなどではなく自分の音楽やバンドを通してハードロックの伝承に勤しんでいる救世主に見えて来る。
だから応援したいのよ。
さて、『Reckless Night』、つまり「無謀な夜」とはOZMAさん率いる「NERVOUS BREAKDOWN」が出演するイベントのタイトルだ。
副題には『THE THREE DIVAS STRIKE US』とある通り、女性ボーカルズを擁する3つチームが出演した。
ところで、この「reckless」という単語ね。
「無鉄砲な」とか「向こう見ずな」とかいう意味で、時折日常の会話の中でも使われる場面に遭遇する。
「-less」は「~がない」という状態を表す接尾辞なので、「reckless」は「reckがない」状態なワケ。
じゃ「reck」ってナニよ?
浅学の私なれど「reck」という言葉は耳にも目にもしたことがない。
一体どうしてだろう?
本家より派生語の方が浸透している言葉なんてそうあるワケじゃない。
どうしても気になったので、調べてみた。
すると、「reck」というのは今は使われない古語で、かつては「注意」とか「考慮」ということを意味していたそうだ。
なるほど!それならガテンがいくわ!会場となった巣鴨獅子王さんの男性用トイレ。
OAMAさんキモ入りのイベントだけにトイレの中でもダマっちゃいない。
コレ、男性だったら用を足すときに間違いなく目に入るからネェ。
いいアイデアだ!まずはOZMAさんが前説で登場。
自分が企画したイベントでは本人が前説を務める習わしになっているのだ。
「こんばんは!
今日は『無謀な夜の獅子王』と題しまして、歌姫3人が襲来するワケです。
3人の女性シンガーが襲いに来るワケですよ…うれしくないですか?
『女性の戦い』というのは男性からすると見てはいられないモノでしてね。
ギトギトしてるというか、生々しかったりもしますが、歌であればそんなことはありません。
1番最初に登場しますのは、僭越ながら私のバンド。
この後、私もアセって着替えなくてはなりませんが、やってしまいがちなのがチャックの上げ忘れですね。
それに注意してNERVOUS BREAKDOWNが1番最初に登場します。
シンガーは浅井Riekoでございます。
声は男前です…ビックリするほどの男前。
そして、2番目に登場しますのはレイチェル率いるTHE BLACK BUTTERFLY。
今年初のライブらしいので、皆さんに楽しんで頂ければと思います。
私も楽しみにしてます…初共演ですから」
最前列に鎮座された「ライブハウスの守護神」に直接話しかけて興業の安全と成功を祈念するOZMAさん。「そして3番目に登場しますのはNAKED MACHINE。
本間さんとKeisukeさんからなる強力なリズム隊が爆音ですからね。
リハの時、ココが大阪のSHOVELかと思いましたから!
関西の人にしかわからないかも知れませんが、SHOVELは爆音で有名ですからね。
『ホントに勘弁してくれ!』と…出演者が頼むぐらいなんですよ。
いつもSHOVELに来てくれるお客さんには『耳栓を持って来てね!』っお願いしています。
今日はNAKED MACHINEのために耳栓を持って来るようにみなさんにお伝えしなかった私の不注意だと思ってます。
申し訳ございません!
リズム隊の音がデカいと仕方ないんですよ…ギターの源ちゃんの音が大きくなるのは!
で、KANちゃんもそれに負けじと『ワァ~』と声を張るじゃないですか。
その結果、大爆音でございます。
リハでもうキツかったですね、私も…でも、NAKED MACHINEのファンからしたらアレくらいの音量でないとロックじゃないんでしょうね。
そうしますと、トップに出てくるNERVOUS BREAKDOWNはヤワです。
『耳に優しいロック』と言われておりますので、ゼヒとも楽しんでくださればと思います。
では3人の歌姫がどのようにみなさんを襲ってくるのか…3バンドとも存分にお楽しみください。
『獅子王の夜』でございます!」
「We Will Rock You」のオープニングSEが場内に流れる中、OZMAさんのご案内通りまずNERVOUS BREAKDOWNがステージに姿を現した。 RiekoShinjiakkoOtochiそして、OZMA。1曲目は自らのバンド名を冠したキラー・チューン「Nervous Breakdown」。
とてもうれしい典型的なブリティッシュ・ハード・ロック・テイスト。
すなわち魅力的なギター・リフが曲をリードするナンバーだ。
もちろんそういうギター・リフはMarshallで鳴らさなくては意味がない…ということでShinjiくんはMarshall。JVM210Hと1960Aのコンビネーションだ。そして、Riekoさんの声もまたMarshallクランチ!
「ハードロック」の声だ!2曲目は乙部さんのスネア・ドラムスからスタートする「I Can't Hide」。ちょっとファンキーなヘヴィ・ナンバー。
ギターとベースで奏でるリフがとても心地よい。
そして、歌のバックで縦横に繰り広げるOZMAさんの幅広い音域のベース・ラインはこの曲の聴きどころのひとつだ。Akkoさんのコーラスとキーボーズならではのバッキングがサウンドを分厚くする。弾くわ、弾くわ!
でもね、よく見かけるピロピロ・スタイルとは異なり、Shinjiくんのプレイにはブルースを感じるよ。
最近の若い人ではついぞ見かけることのなかったタイプだ。
とてもいい感じ。
Marshall Blogも欠かさず読んでくれているようだし!
「改めましてこんばんは!
NERVOUS BREAKDONと申しま~す!
今日はトップバッターを務めさせて頂きますが、本当に恐ろしい女子ヴォーカルズがこの後に控えていますからね!
ナニ気にNERVOUS BREAKDONは昨日もココにいたんですけれども…実は東京でライブを演るのが今年初めてなんですよ。
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします!
私の地元は名古屋なんですが、福島や米沢にお邪魔したりして色々アクティブにやらせて頂いております。
ただいま、東京~!今日は最後まで楽しんでいってください!」ファースト・アルバム『Get Nervous』からの曲を中心にセットリストが組まれたが、この日、アルバムに収録されていない新しい曲も2つ披露された。
3曲目はそのウチのひとつ、「This Love」。 サオ・チームのコンビ―ネーションもバッチリ!このベテランと若手の息の合ったプレイもNERVOUS BREAKDOWNの見どころのひとつだ。しかし、Shinjiくんが動くこと動くこと!
まさかステージで日ごろの運動不足を一気に解消してしまおうという魂胆ではあるまいな…ぐらいに動く。
シャッター速度が追いつかんぞ!『Get Nervous』収録曲に戻ってコレも乙部さんのドラムスからスタートする「How Many More」。
乙部さんと…
OZMAさんの「三連のウネリのコンビネーション」を味わうことができる。ソウルフルなRiekoさんの歌声はこういう曲にベスト・マッチするね。akkoさんのオルガンも大活躍!そこへ切り込んで来るShinjiくんのソロ!
コレも大変よろしいな~!
Shinjiくんは開演前に初対面の私にワザワザご挨拶に来てくれた。
聞くところによれば、Marshall Blogに何度かご登場頂いた矢島舞さんのサポートをしていたとか。
もちろんMarshallで!…というか、彼の弾くギターはMarshallで鳴らしてこそ光り輝くに違いない。
「NERVOUS BREAKDONです!…何回も言っちゃうけど。
今日初めて見て頂ける方は多いのかナァと思っておりますが、こんな感じでやっております。
多国籍バンドです…大阪、東京、名古屋という。
さて、今日はすごくコレがしゃべりたくて…。
私は名古屋から来ているのでホテルに泊まってるんですね。
ホテルって『オーシャンビュー』とか、『夜景が見える部屋』とかってよく聞きますよね?
で、私のホテルの部屋を見たら『トレインビュー』って書いてあるんですよ!
ナニナニ、トレインビューって?と思ったら、部屋から電車の車庫というか、東北新幹線とか山手線が見えるんですよ!
東北新幹線っていろんな色があるのね~。
『はやて』とか『はやぶさ』とか『こまち』とか…鉄道ファンが狂喜乱舞するような部屋で、結構私も小躍りした。
私も鉄道オタクだったのかも知れないですね…そんなNERVOUS BREAKDOWNです」
「そんなNERVOUS BREAKDONではありませんよ~。
『ホテルの車窓から』みたいな。
いかがでしょうか、NERVOUS BREAKDON?」
OZMAさん、終演後に私のところへいらしてこのMCについて後悔を吐露されていた。
「ホテル」で「車窓」はおかしい…というワケだ。
大変な誤りである。「ホテルの窓から」で十分なのだ。
OZMAさんに代り、この場をお借りしてお詫びして謝罪申し上げます。
追い腹!
「次はセンチな曲です。女々しい曲ね。
女の人は昔の彼氏を思い出すこととかあるんですか?
女性はすぐ上書きするって言いますからね。
一方、男の人は今まで付き合った女性をファイリングしていく。
いずれにしても、昔付き合っていた人のことを思い出すことがあるかもしれません。
雨音を聞くと好きな人のことを思い出す…彼氏でも彼女でも雨の日と寒い夜はあなたのことを思い出して1人では生きられないわ…っていう風な女々しい曲です。
私…こう見えて女々しいんです」ココまでとはガラリと異なる曲調。
コレはいい曲ですよ…「Raindrops」。 OZMAさんがしきりに「女々しい」というから「神田川」みたいなジメ~っとした曲を想像してしまったがトンデモナイ。
Riekoさんのハスキーな声がミディアム・テンポの曲調によくマッチして何とも独特な世界を作り上げる。
akkoさんの美しいピアノとコーラスが曲のロマンチシズムを増加させ…これまたセンチメンタルなShinjiくんのギターが曲を盛り上げる。こういう曲を作ってシレっと挟み込んで来るのが「ベテランの妙」というモノですな。
作曲はもちろんOAMAさん。
激しいだけがOZMAさんじゃないのだ! 替わってヘヴィなヤツは「Don't Let Me Get Down」。
Shinjiくんが弾くリフ。
イントロからコレ…相変わらずのアクションである。
若いって素晴らしい。 同じ声なのに前の曲とは打って変わった印象のRiekoさんのボーカルズ(註:「vocal」というのはパートの名前で英語では必ず「vocals」と複数形で表現します)。
コレが自分だけのスタイルを持っている人の強さなのだ。
曲が個性をアレンジしてくれる。やっぱりヘヴィなナンバーだけあって、リズム隊の2人の妙技は見逃せませんな。OZMAベースの「♪ブイブイ」のナント気持ちのよいことよ!「あと残り少なくなってきました!
今日この時を最後まで楽しんでいってください!」最後のセクションに入ってますますヒートアップする5人。 ココでもうひとつの新曲「Take Me Back」を披露。待ってました!のOZMAさんのソロ!
キメのポーズもバッチリだ!
続いてはShinjiくんのソロ。
この人が弾くソロは実に内容が濃い。
そして、ナニを弾いてもちゃんとMarshallが出すストラトキャスターの音がしているんだよね。
曲がそうさせている面もあるのかも知れない。そんなギター・サウンドがいきなり炸裂する「Come on」。こういうちょっとファンキーっぽさを持つトラディショナルなハードロック・サウンドがNERVOUS BREAKDOWNのテイストと言えようか?
実にいい感じだ。乙部さん的には『Presence』的な世界かな?
こうしたファンキーなナンバーをバツグンのグルーヴを叩き出す。
ツノを突き合わせるOZMAさんとShinjiくん。OZMAさんがこう来れば…こう返す!こういう場面はいいね。
今の若いバンドさんのステージでは絶対に拝むことのできない光景でしょう。全編に流れるakkoさんのオルガンの存在感たるや強力そのもの!
大昔、Ten Years Afterのキーボーズ、「チック・チャーチルの要否論」という論争があって、確かにキーボーズがいるんだかいないんだかわからないようなバンドが以前は散見されたが、このチームのサウンドはキーボーズがかなり大きなカギを握っているね。
そういうバンドっていいバンドなんだよ。
キーボーズの人ってチャンとした音楽教育を受けていることが多いので、バンドのサウンドが豊かになる傾向にあるからだ。
Riekoさんが「Set Your Power!!!!!」とタイトルコールして…NERVOUS BREAKDOWNのステージを締めくくる最後の曲「Set Your Power」が始まった!最後もファンキー・テイストを感じさせるナンバー。
5人全員がそれぞれの持ち味を生かしてNERVOUS BREAKDOWNならではの1曲を歌い上げた。
全9曲、期待していた通り見どころ満載のステージだった!NERVOUS BREAKDOWNの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト「どうもありがとうございました!
NERVOUS BREAKDONのファーストアルバム『GET NERVOUS』よろしくお願い致します。
この後のTHE BLACK BUTTERFLYとNAKED MACHINEも楽しんでいってください!
どうもありがとうございました!」<中編>につづく
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