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2016年3月

2016年3月31日 (木)

【Marshall GALAレポート】 vol.13 : ジョナサン・エラリーとフィナーレ!

全出演者の演奏が終わったMarshall GALA。
ジャム・セッションをご期待頂いていたお客さんには申し訳ないんだけど、ハナっから組み込む気はなかったのです。
だ~って、これだけの人数だからして、出演者を呼び込んで、セットして、曲を初めて、ソロを回して…なんてやってるとすぐに30分ぐらい経っちゃうもんね。あれ以上大幅に上演時間を延ばすことはできない。
それと、4時間ギター浴をした後に延々と続くソロ回しは実際シンドイでしょ?
ショウの冒頭に「ゲップが出るほどギターを聴かせます」と確かに言ったけど、ゲップ以上のモノが出ちゃったら大変だからね。
これだけのすごいメンツゆえ、おもしろいと思われるアイデアを他にいくつか考えたんだけど準備と時間のことを考えて諦めた。またいつか。

実は、Marshall GALAは普段から「こうだったらいいな…」と思っているコンサートの類の在り方を実践した実験の場でもあったのです。
それを記しておくに…
★転換について
まずは、とにかく転換時にお客さんを退屈させないこと…コレ当然。
ま、私の下手クソなトークで大変恐縮だったけど、いかがでしたでしょうか?
本当のことを言うと、台本にあるセリフや話題を大分カットしたの。台本は転換が長引いてトークで引っ張らなければならない事態に備えてあったのだ。
まだまだ私にはしゃべりたいことが山ほどあったのだ~!
しかし、あまりにも優秀なスタッフさんのおかげで、予想よりはるかに転換タイムが短かくて済んだのです。
動画を見てみると、転換が終わって演奏の準備ができているにもかかわらず私がしゃべり続けているシーンが何回かあった。
ミイラ取りがミイラになってしまったのね。これらの部分をカットしていれば15~20分は上演時間が短縮されていたかも…。

★イス席
イスに座ってジ~ックリと音楽や達人の至芸や極上のサウンドを味わって頂きたかった。
もちろん「上演時間が長い」ということもあった。
何も大騒ぎするだけがロック・コンサートじゃなかろうて。
そして、それに十分に値する素晴らしい演奏だった。
写真はスタンディングの時の方が撮りやすいんだけどね。

★スモーク
「今日のステージがノン・スモーク」であることを告げると、多くのお客さんが笑顔でうなずいてくれたのが舞台から見えた。
いくら照明の効果を狙うにしたって最近はスモークたき過ぎだってばよ!
お客さんはコンサートが終われば忘れてしまわれるんだろうけど、撮った写真を後で見て驚くことがある。アレ?会場って富士山頂だったっけ?…みたいな。
もちろん撮っている時もスモークの濃淡は大きな問題だ。
グレースに聞いたけど、イギリスではアレを有毒視している向きもあるようだよ。
Marshall GALAの場合は写真の撮れ高を考えて使わなかったんだけどね。何せひとバンド15分しか時間がなかったから。

…ということを説明しているのが下の写真というワケではないが、とにかく皆さん最後までお付き合いくださってありがとうございました。

10で、フィナーレ。
もちろんこのまま私のあいさつだけでは終われない。

20出演者の皆さん全員にステージに集合して頂いた。

40ヨカッタ~、みんな帰らないでまだ残っててくれた!
ありがとうD_Drive~!

50お疲れさまでした~。
Neo-Zonkはリハーサルの順番が一番最初だったからね、かれこれ11時間ぐらいココにいることになる。

60THE SHRED MASTERSもお疲れさまでした~。
カッコよかった~!
もう大分前のことのようですな。

70CONCERTO MOONのみなさんもありがとう!

80みんなニコニコでうれしいな~。

100楽しそう!
90v
ココでMarshall社の社長、ジョナサン・エラリーがサブ・ステージから登場する。

105チョット照れてる。
入場のSEはエルガーの「威風堂々」。

110大きな拍手に迎えられて、「Good evenig…good-bye!」で挨拶は終了。爆笑。

130…なワケはない。ジョン流のギャグ。ウケてヨカッタね。

135「第一回目のMarshall GALAを楽しんで頂けましたか?今晩素晴らしい演奏をしてくれたアーティストの皆さんに心から御礼を申し上げます。
(出演者に向かって)どうもありがとう!
こんなスペシャルなイベントを開催させてくれた東京キネマ倶楽部にも深く御礼申し上げます。
転換の際、目を見張るべきチームワークで一生懸命動いてくれたバックステージ・クルー。どうそ皆さん、バクステージ・クルーの方々にも大きな拍手をお願いします。
そして、もうひとつお礼を言いたいのは…私の大親友…

140v 今夜のホストを務め、このイベントを実現させた…シゲに!」
どうもありがとうございます!
実はココの部分、ジョンは「compere」という言葉を使った。
勉強不足ゆえ私がわからなかったため、ジョンは「ホスト」と言い直してくれた。
「compere」はイギリス英語。
「比較」の「compare」と同じ発音で、テレビやラジオの司会者、またはこうしたバラエティ・ショウのMCなんかを指す言葉なのだそうだ。
失礼しました!
160

とにかく、うれしいな~!
ココに自分の身内からの謝辞を書くのは照れ臭いけど、記念と記録にと思い、イギリス流にやらせて頂いた。
欧米の人って自分の家族や、会社の上司や部下を遠慮なく讃えるんだよね。
「愚妻」とか「出来の悪い部下」とか「バカ部長」なんて直截的なことは絶対に口にしない。
うれしんだけど、チョットチョット、帽子が脱げそうだよ~!マズイってば!

A_dsc_5022n そういえば、前日にひと通り台本やステージのプランを見せた時、ジョンもグレースも口を揃えて私にこう尋ねた。
「グッドジョブだね。ショウの内容はよくわかった。ハード・ワークに心から感謝するよ。で、ところでシゲの出番はどこなんだい?
「ハ?何ですか?司会をするんですけど…」
「それはわかっているよ。私が訊いているのは、君がどの場面でギターを弾くのかということだよ!」
オイオイ、弾くワケねーだろ!こっちは司会だけで目一杯なんだから!
向こうの人達はコレをやっちゃうんだよね。スタッフが平気で登場しちゃうの。
こちとら段取りや司会でそれどころじゃないっつーの!
何しろ、スモークを止めて、ノドから手が出るほどやりたかったスチール撮影すら諦めたんだからサ~。
そもそも、私が尊敬しているミューシャン達に混ざってギターなんか弾くワケないじゃん!
でも、そんなこと言われるとうれしいもんです。

そして、ジョンは自分のあいさつをこう結んだ。
「皆さんお越しいただきましてありがとうございました。いい夜なったことと存じます。
次の…第2回目のMarshall GALAを心待ちにしております!」
「エ~?!」
お客さんからは大歓声を頂戴した!…のはありがたいんだけど、マジ?!

145そして、ここでサプライズ・コーナー!

180私が手にして一生懸命説明しているのは赤いMICRO AMP、MS-2。いわゆる「小マーシャル」。型番としてはMR-2R。

270

コレが普通バージョンのMS-2R。
ゴールド・パネル、ゴールド・トップ・ノブ、ブラック・フレット・クロスにホワイト・ロゴ。

A_ms2r

コレが私が手にしていたMarshall GALAのためのスペシャル・バージョン。非売品。
出演者へのお土産をお願いしたら、ジョンが考えて特別に作ってくれた。

200_2

コレにジョンの直筆サインを入れてもらった。
日付はグレースの書。
「何式」で日付を入れるかと訊かれ、当然イギリス式でお願いした。
06年3月2016日ではない。

210_2このサイン入れの作業がまた大変だった。
区営の会議室を借りたんだけど、あいにく和室しか空いていない。
ま、アッという間に終わるでしょうから、とイスなしでガマンしてもらった。
かしこまって作業にあたるジョン。

220v家内が箱から出す→ジョンがサインする→グレースが日付を入れる→乾かす→家内が箱へもどす…という工程。
セッセ、セッセ。

230_3コレが思ったほどに簡単ではなくて、存外に手がかかる!
NATALの輸入代理店であるラブレアトレーディングの高野さんも手伝ってくれた。

240_3セッセ、セッセ。

245v

だんだんジョンの腰が浮いてきた!
正直驚いちゃったんだけど、初めうちはかしこまっていたんだけど、やっぱりダメ。
アグラもまったくNGで、彼ら、5分と足を曲げて座ってられないことが判明。
サインするのは造作ない作業なんだけど、何しろ足がどうにもツライらしいのだ。
しまいにはふたりともホントに「ヒーヒー」言い出しちゃった!
ゴメンね。
でも、欧米へ行ってみるとわかるが、運動をする時は別にして、向こうの人って日頃の生活で朝起きてからベッドに入るまで90°以上ヒザを曲げることがないんだよね。せいぜいトイレで便器に座る時ぐらい。
ちなみにジョンは生まれてからこれまでにただの一度も地震の経験がないそうだ。
セッセ、セッセ。

250vシルバー・パネルにシルバー・トップ・ノブ、LCフレット・クロスにゴールド・ロゴ。
シルバーは昨年復活を果たしたSilver Jubileeを意識してのチョイス。
型番もうれしい。
「R」の代わりに「MS2-J」と日本向けを表す「J」が入っている。
全世界でココだけのレア・バージョンだ。

260_2コレをステージで皆さんに謹呈させて頂いた。
ステージ上手、奥の方から…Yukiちゃん。

280ハイ、Chiikoちゃん。おめでとう。
あ、ギタリスト以外、ベーシストさんもドラマーさんもキーボード・プレイヤーさんも同じものが贈られた。

285ナンカ、これ、「ギブミー・チョコレート!」になってる?!

286ヒロアキくん。
またホーム・レコーディングで使ってくれるかな?

290三宅さんもうれしそう!

300オオ~っと!三宅さん思わずジョンをハグハグ!
CONCERTO MOONの二人はお土産に夢中?!

340依知川さんには今度「書」でMarshallを表して頂こう。「麻亜紗瑠」かな?平仮名もいいな。
それを額縁に入れてジョンの社長室の壁に飾って頂こうではありませんか!

350みんな夢中になってる!

400Neo-Zonkの2人も!

410あいちゃんはさっそくキーボードをつないで使った動画を投稿してくれた。
430
みんなの思い出のアイテムになるとうれしいナァ。

420はい、守くん。

440全員に配り終わってすべてのプログラムを終了した。

450どうもありがとうございました!

460最後の最後に久しぶりにアレをやらせて頂いた。
「アンプはMarshall!」のコール&レスポンス。
私「アンプはッ?」
お客さん「マーシャルッ!」
なんてノリのいいお客さんなんだろう!
ご協力ありがとうございました。
そして、長時間お付き合いくださいましたことに心から感謝申し上げます。

480おしまい!
Marshall GALA2でお会いしましょう?!
やっぱりチョットしゃべり足りなかったナ…。

490v コンサートは終了しましたが、明日<番外編>をアップします。

(一部敬称略 2016年3月6日 東京キネマ倶楽部にて撮影 ※撮影:Nica Azuma ※お写真を提供してくださった方々、ご協力ありがとうございました)

2016年3月30日 (水)

【Marshall GALA レポート】 vol.12: 稲葉囃子

ああ、とうとう最後になってしまった。
あんなに手塩にかけて準備したMarshall GALAだったけど、イザ本番が始まるとアッという間だった。
ナンカTHE SHRED MASTERSが登場したのが遠い昔のような、ついさっきのことような…。
無事にココまで来れてうれしいような、もう終わっちゃうのが悲しいような…。

Marshall GALAのトリは稲葉囃子。
「日本のロック」の偉大なる遺産、四人囃子の音楽を本物のメンバーたちが伝えるありがたいグループ。
私は10代の頃から四人囃子が好きでしてねネェ。
一番最初に買ったLPはステージでお見せした数寄屋橋のHUNTERで買った中古の『ゴールデン・ピクニックス』だった。家から持ってきた。
1976年のリリースだから丸40年の年月が経った。帯もあるんだけど、よく聴いたものだからモロけて破れてしまっている。
しかし、このアルバムに詰まっている音楽は未来永劫スリ切れることのないオリジナリティに富んだもので、「日本のロック」が最もエキサイティングだった時代の空気を見事に閉じ込めている。

A_gp3大二さんと初めてお会いしたのは2003年、今はもうない新宿厚生年金会館大ホールで、四人囃子がProcol Harumと共演した時のことだった。
楽屋の廊下で休憩されている大二さんに私から話しかけた。大二さんは愛想よくお相手してくださってすごくうれしかった。
昔から大二さんのドラミングが大好きだったし、岡井大二のドラムなくしては四人囃子の音楽は成立不可能だったと信じている。
その13年後、私は演奏こそしないにしろ、まさかこうして大二さんと同じステージに立つことができるだなんて、あの時どうして想像できたであろう?
ましてや、HUNTERでわずかなお小遣いで中古の『ゴールデン・ピクニックス』を買ったロック好きの少年なんてナニをか言わんや…である。
それもこれも大二さんがNATALを愛用してくれているからで、私はMarshallに大感謝なのである。
自分が扱っている商品を自分が大好きなミュージシャンに使ってもらうことこそ、この仕事の醍醐味だ。今日はズットそれだ。私にとって最高の一日なのである。
大二さんにMarshall GALAへのご出演をお願いした際、「それでしたら稲葉囃子で出ることはできませんか?」と即答して頂き、うれしすぎてめまいがしたわい!

稲葉囃子の演奏の後はもうフィナーレになってしまい演奏後のインタビューができないので、演奏の前に大二さんにお話しを聞かせてもらった。
NATALの話しである。

10「ハッキリ言います。ドラマーに一番伝えたいのは、NATALは叩き勝手がよく、叩いた手応えがバツグンにいいドラムだということです。
アタックが固くて近代的なドラム・キットが多い中で、NATALは非常にヒューマンな音がするんです。
ヒューマンな音と近代的な音で鳴ってくれる。
今の時代の人にもマッチするし、ボクみたいに昔からやっている人達にもいい。柔らかい手応えをしてくれる。
非常に気に入っています。」

20v今日みんなで使い回しているNATALはアッシュという素材を使用したキットだが、大二さんが気に入っているとおっしゃる愛用のキットはバーチだ。
さぁ、いよいよMarshall GALAのヘッドライナーの演奏が始まる!

30e-ZUKAさんのセットでも活躍してくれたキーボードの坂下秀美。
坂下さんが奏でるDとEの繰り返しだけで成立しているごくシンプルなリフ。
いいリフ・メロディはいつだってシンプルだ。
初めてこの曲を聴いた時はあまりのカッコよさにビックリした。

40v1976年リリースの『包』収録の「機械じかけのラム」。

50cdバンドが動き出して坂下さんが弾く、ともすればメルヘンチックとも言えるリフに稲葉さんがヒットするA7#9が絡みつく。

60ギター/ボーカルに稲葉政裕。

80vベースは山崎洋。

90vそして、岡井大二。
この曲のイントロの大二さんが16で刻むハイハット(♪チキチキチキチキ)とその後のライド・シンバル(♪チンチキチキチン)のプレイは絶品だ。
Elvin JonesやTony WilliamsやArt Taylorなどの名手はシンバル・レガートだけでも十分に音楽になり、鑑賞に堪えうるが、ここでの大二さんのプレイがまさにそれだ。

100稲葉さんの歌がまたいい!
もうこの時代にコンピュータをテーマにした内容を歌詞に据えている。
この曲の出自はキューブリックの映画化で知られる、イギリスの小説家、アンソニー・バージェスの近未来小説『時計じかけのオレンジ(A Clockwork Orange)』だろう。
手塚治虫にコレを元ネタにした『時計じかけのりんご』という一編があった。
このあたりのことについてゴチョゴチョ書きたいところだが先を急ぐことにしよう。

110またこの曲はベース・ラインがすこぶるカッコよい。

120全編を通して登場する例の坂下さんのリフ・メロディ。
140
出てくるたびにトリハダものだ。稲葉さんのギター・ソロ。
今日の稲葉さん、1959SLPと1960BXのコンビネーション。リンクはなし。
Bluesbreakerの時も極上の音色だったが、1959でも素晴らしいトーンを味あわせてくれる。

150そしてそれらをひとつにまとめ上げる大二さん。
130v
4分にも満たない曲なのに何たる濃度!
凡百のアーティストなら10分ぐらいに膨らませていたことだろう。Argentだったら15分までいくか?(それがまたArgentの魅力だったりもするんだけど…)
良質な曲と演奏力の高さが核分裂を引き起こし爆発的なパワーを生み出す最高の例といえよう。

160息を整えて…大二さんのフィルで次の曲が始まる。

170今度はさっき紹介した『ゴールデン・ピクニックス』から超絶技巧曲「なすのちゃわんやき」。

180cd「絶対音感を持っている人の気分を悪くしてやる」というテーマで、途中での転調なしに曲の最初と最後でキーが変わっているという曲…とよく聞くんだけど、絶対音感など無縁な私には「カッコいい曲」ということだけでしかない。

190v作曲は初代ベーシストの中村真一。
「なす」は野菜の「なす」ではなく、「那須高原」の「なす」なのだそうだ。
那須で合宿をしていた時、中村さんが「こんな曲作っちゃった」と持って来られたとか。
全編全パートが完璧に書き込まれた交響曲のような大作。
210
レコードで佐久間さんが吹いていたリコーダーのパートは坂下さんがシンセで代演する。

200昨夏に稲葉囃子を観た時、この曲は途中までしか演奏されなかった。
ナゼなら大変な曲だから。
そう、こういう曲こそが「超絶曲」だ。
でも、大二さんが我が家にいらしてMarshall GALAの選曲について話し合った際、この曲をリクエストさせて頂いた。
すると、いとも簡単に受け入れて頂いた。
おそらく山崎さんが採譜の労を引き受けて頂いたのであろう。
何でも四人囃子の曲は、不思議と楽譜になることが過去になかったそうで、「山崎トランスクリプション」が最初らしい。
そういえば以前のライブでも山崎さんは「譜面書きますよ~」とMCの時におっしゃっていた。
いい人だ~!
この曲のギターのパート譜は欲しいナァ。

220vよく聞くと3/4と4/4がやりたい放題絡み合ってるんだけど、何ひとつ不自然なところがない。
リズムが稲葉さんのソロ。
リズムは3/4+4/4+3/4+/4/5になってるのかな?…ココは一時的に転調する。

240v

そして曲はいままでの喧騒がウソだったような静けさに包まれる。坂下さんのエレピが美しい。

250v_calmそして動。
大二さんのダイナミクス・レンジの広さは驚異的だ。
でもね、不思議なのはどんなフォルテシシモでも、ピアニッシシモの時も撫でるように叩くんだよね。Dennis ChambersにしてもVinnie Colaiutalにしても、外人のドラマーってみんなそうじゃんね?
汗だくでシャカリキなって叩いているのに音がまったく小さい若いドラマーをよく見かけるが、どうしてこう違うんだろうね?

260すさまじいアンサンブル・パートを経て約3分半の一大パノラマは幕を下ろす。
この曲、録音当時は大二さんも坂下さんも22歳だったというのだから開いた口が塞がらない。
昔の人はスゴかった。

230

稲葉囃子、最後の曲。
すなわちMarshall GALA最後の曲は「一触即発」。
日本のロック史に残る大作だ。
私は自らの手でこの曲を紹介できることに無上の喜びと誇りを感じたよ。
しかしさ、どのジャケットも文句なしにいいよね。
内容がいいからなおさらよく見えるのだ。
おそらくコレは世界で一番有名なナマケモノだろう。

280cdイントロ・ドン!
ボリューム奏法で飛び出すDb7#9…ギターのボリュームが2ぐらいの時にもう「一触即発」だとわかる。

290v坂下さんのオルガンも猛烈にクレッシェンド!

330v
スネア一発、おなじみのフレーズが!
♪ズンズダズダ、ズンズダズダだ!
このフレーズのアイデアが「Whipping Post」から来てるとはネェ。

300v最初のギター・ソロ。
このソロのメロディは不滅だ。
「天国の階段」や「ハイウェイ・スター」のようにギター・ソロのメロディがスタンダードになっている日本の曲ってほとんどないでしょ?
あるとすればこの曲のこのパートだ。
しかし、稲葉さん、メッチャいい音だな~。
320v
高校2年の時にある楽器店主催のバンド・コンテストに出たことがあった。
お坊ちゃんのシンボルでもある、普通より2個ぐらいボタンが多く付いたおそろいの学生服で登場したバンドが、銀星団バージョンの「Take Five」と「一触即発」を演奏して優勝した。
実際裕福な家の子たちであることは必定で、当時最新機材だったボコーダーを使っていた。
演奏で負けたことはそう悔しくなかったが、バンドのメンバーに女の子がいたのが悔しかったな。
我々は何を演奏したかって?
三文役者のコピーを演った。変な高校生でしょ。だから三文役者とはもう40年近い付き合いだ。
この曲にはそんな妙な思い出があるのさ。

310「♪気持ちのいい夕方に ボタンの穴から覗いたら クシャミなんか出そうになって ああ、空が破ける」
コレは一体どういうことだ?
でもこの歌詞でなければダメなんだ。

360

「21世紀の精神異常者」を初めて聞いたイギリスの連中もこういう感じだったのか?「Cat Food」なんかスゴイもんね。
この曲に「さくらが咲いた ありがとう がんばろう」なんて歌詞がついていたらどう思う?
やっぱり四人囃子は完璧だ。

340それにしてもカッコいい大二さんのドラミング。
リハーサルの時から三宅さんが「タマらないですね~」と何度も私に言いに来てくれたのがとてもうれしかった。
三宅さんも大二さんのドラミングに「本物」の空気を大いに感じ取っていたのだ。

350v稲葉さん、まさに空が破れんばかりの大熱唱!
四人囃子の全期のレパートリーを歌えるところがファンとしてはうれしいね。

380

さらにギター・ソロ。
さすがに名手中の名手、うまくまとめるな~。

370vこの後、この曲がこの曲であるべきところの空前絶後のドラマチックな大アンサンブルへと展開していく。

390一時もステージから目を離せない!
実際、出演者の方々も二階席からジックリとこの「日本のロックの権化」の演奏を味わっていたようだ。

400v後で聞いた話しだが、若手のドラマーから技術的な質問もされていたという大二さん。
そうなんですよ。
そういう新旧ミュージシャンの交流もMarshall GALAが大いに期待するところだったのだ。
この話を聞いた時「我が意を得たり!」とすごくうれしかった。

410vいよいよクライマックス!
稲葉さんの歌にもますます力が入る!

420坂下さんの不吉なオルガンが鳴り響く中…

440v4人が一丸となって複雑なキメを合わせる。

430v

一度聴いたら忘れない日本のロック史の中でも最も強引なキメ技だ!

450そして、曲の頭に戻った時の感動には筆舌しがたいものがある。
私はこの曲を一応知っているので、この頭のフレーズをそでで聴いていて、「ああ、Marshall GALAもコレで終わるか…」という感慨にひとりふけってしまった。
それにしても、自分の手でこの素晴らしい音楽を紹介することができたのは最高にうれしかった。

460vしかし!
出演者の方々、スタッフの若い人たち(特にTORNADOのリョータくん)、そして、お客さん…皆さんにジックリと稲葉囃子をご覧になって頂いて、とても好意的な感想を頂戴したことは何物にも代えがたい喜びだった。
コレを機会に、特に若い方々にこの時代の音楽を聴いてもらって、ロックに関する知見を広めて頂ければと願う次第である。
また、もし若いミュージシャンがこの演奏に刺激を感じてくれたとしたら、大いにこのエキスを吸収してもらいたいと思う。そして、若い人達だけが持ち得る時代の感性を絡めて新鮮な音楽をクリエイトしてもらいたいと思う。
いつも言っているように、音楽の将来は過去にしかないと思っている。

四人囃子の資料満載のウェブサイトはコチラ⇒四人囃子Official Web Site

470これでエントリーした9つのバンドの演奏がすべて終了した。
さて、最優秀賞は一体どのバンドの頭上に輝くのか!?優勝者にはMarshall一年分をプレゼント!ってどんなやねん?
ああ、終わってしまった。
楽しかったな~。みんなカッコよかったな~。
ありがとうございました。
でも、Marshall GALAのレポートはまだ終わらないよ。
明日もお楽しみに!
480
P.S. Marshall GALAの翌日、ご丁寧にも大二さんから出演に関するお礼のメッセージを頂戴した。
どうしようかと迷ったが、後進の方々のためにほぼ原文通り引用させて頂くことにする。
Marshall GALA、本当にお疲れ様でした。 出演させて頂いてとてもありがたく思っております。
ありがとうございました。
しかし、さすがウシさんのセレクションですね。どのバンドもメチャ上手!
マジで驚きましたし、勉強になりました。
それぞれの方々に 機会があったらオジさんビックリで腰抜かしてた!とお伝え下さい
大二さん、ありがとうございます。
この場をお借りしてお伝えさせて頂きました。
イエイエ、それよりもまだ勉強されるおつもり?
まったく頭が下がる思いである。

つづく

(一部敬称略 2016年3月6日 東京キネマ倶楽部にて撮影 ※撮影:Nica Azuma ※Special Thanks: Ai Ohnuma of Neo-Zonk and Kenichi Morita)

2016年3月29日 (火)

【Marshall GALA レポート】 vol.11: e-ZUKAチーム

5時ちょうどにスタートしたMarshall GALAももう残すところ2バンド。
フト、時計を見ると8時40分とチョット。
エ~、まだ9時前?
オンタイムとは言わないけど、予想よりはるかに順調な進行!
見たかマイケル・ラング!
ラングは「ウッドストック」のプロデューサーのひとり。
1969年8月のある週末、3日間に渡って開催されたウッドストックのコンサートは進行が大幅に遅れ、日曜日の夜にトリで出演することになっていたJimi Hendrixの出番が、押しに押して月曜日の朝9時にズレ込んでしまった。
多くのお客さんは月曜日には仕事に戻らなくてはならなかったので、40~50万人いた観客は減りに減り、人類史上に名を残す一大イベントのトリであるところのJimi Hendrixがステージに上がった時には2万5千人しかいなかったという。
全出演者中最もギャラの高かったJimiだけに実に皮肉な話しだ。
一方、Marshall GALAはどうかというと、ステージから観客席を見るに、スタートして4時間近くが経過しているのもかかわらず、皆さんニコニコと私のヘタな話しを聞いてくださって、逐一反応してくださる。
そそくさとお帰りになるような素振りは皆無だ。
安心したやら、うれしいやら!

いきなりの脱線だが、急に思い出したのでチョット書かせて頂く。
今回のレポート中でも何回か触れた通り、以前は「Marshall Roadshow」というクリニックをよく開催していた。その時の話し。
コレはMarshallを愛用するギタリストをお招きしてデモンストレーションを交えながら、私が商品や音楽の説明をするという、よくある普通のクリニックであり商品の宣伝のためのイベントなんだけどある時こんなことがあった。
私が真剣にMarshallやアンプの説明をしていると、一番後ろに座っていた若い客が私に聴こえるように…
「チッ、ホントかよ~」
「ケッ、んなの聞いたことねぇよ~」
「ったく、ナニ言ってんだよ~」
「んなこたぁ、知らねぇよ~」
と細々と逐一ツッコミを入れて来るのだ。もちろんそんなことを頼んだ覚えはない。そう広くない会場なのですべて聞こえてくる。
実にやりにくい!
その時は無料だったので、聞きたくなければトットと帰ればいいのに、不思議なことに出て行く素振りをまったく見せない。もちろん周囲のお客さんもものすごくイヤな顔をしている。
しばらくすると店員さんがそれに気づき、すぐに数人でやって来て、そのお客さんにお帰り願った。その後は楽しく過ごすことができた。

もちろんMarshall GALAではそんなことも一切起こらずに順調にここまで来た。
イヤ、ワタシが気が付かなかっただけかな?
イヤ、絶対皆さんいいお客さんだ。

さて、Marshall GALA、トリ前に登場したのはGRANRODEOのe-ZUKAさん!
コレも実に楽しみだった。
ココでしか見れない「V.S.O.P.」。
この言葉も最近まったく目にしなくなった。Herbie Hancockのところで「Very Special One-time Project」とかいう意味で使っていたが、転じてマンネリを指して「Very Special One Pattern」なんてのもあった。
もちろん正しくはブランデーの等級のひとつ、「Very Special Old Pale」だ。「pale」は「透き通っている」ということ。
ちなみに浅草神谷バーの「電気ブラン」の「ブラン」は「ブランデー」の「ブラン」だ。アレは私が飲む限り、「メッチャ甘いブランデー」としか思えないが、大正年間、最新式のものには「電気」という言葉を付けるのがナウかったのでそういう名前にしたしい。もちろんビリビリこない。
で、このチームは「一度限り」にして「最上級」の演奏を我々に見せてくれた。

10ギター/ボーカルにGRANRODEOからe-ZUKA(飯塚昌明)。

20vドラムに四人囃子の岡井大二。

40vキーボードは同じく四人囃子の坂下秀実。

30ベースは引き続いてBARAKAの依知川伸一。

50このセットもまずはア・カペラのギター・ソロでスタート。
GRANRODEOではおなじみの光景だが、今日は舞台がセリ上がったりはしない。
終演後のMCでも触れた通り、e-ZUKAさんも根っからのマーシャリストで、GRANRODEOのステージではいつも12台のフルスタックが並んでいる。

60v幕張メッセでも…

51_2

52さいたまスーパー・アリーナでも…

53

54

55別の機会のスーアリでも…

56もちろん野外でも!
コレが正しいロックのステージの姿。
やっぱりロック・ギタリストたるものコイツを背にしてギターを弾きたいものだ。
それなのに、最近じゃヘタをするとアンプの壁はおろか、スピーカー・キャビネットすらステージに乗ってないこともあるからね。
それじゃイカン!ってんでMarshall GALAをやってる。

57 今日もMarshallの壁を背負ってバリバリ弾きまくるe-ZUKAさん。

70ロック・ギターのマグナ・カルタのようなフレーズの洪水!
そして、とろけるような音色!ピッキングが最高に美しい!
「I'm nervous」とか「I wanna go home」とかおっしゃっていたワリには、弾き出したら別世界。

80ひとしきり弾き倒した後は、ロック・ファンなら誰しもが一度は耳にするあのイントロ。
今の若い人は知らないだろうけど、あのイントロ。
「♪スチュ~ン、ゴン、ジャキッ」で始まるあのイントロ。(こうして文字にするとPink Floydの「Money」みたい)
Jimi Hendrixの「Little Wing」だ。

90考えてみると、この日初のバラードなんだよね。

175

そして、e-ZUKAさん、熱唱!
GRANRODEOのステージにはアコースティック・セットもあって、コーラスはバンバン披露してくれるe-ZUKAさんだが、メインの歌を耳にするのはコレが初めてのこと。
かなり緊張されていたようだけど、ナンの迷いもなく、気負うこともなく、真摯にこの名曲を歌いきった。

140vMarshallの壁に投影されたe-ZUKAさんのシルエット…Zuka Hendrix。
森田健一さん撮影の動画から拝借した

A_jh2 e-ZUKAさんがアフロにすればこうなる。
要するにJimi Hendrixだ!
もちろん森田さんはこの1959SLPの宣伝ポスターをご存知で上の動画を撮られていらっしゃる。
写真がないのがとても残念なのだが、森田さんは着用していらっしゃるメガネもMarshall Eyeware。森田さん、Great job!

A_1959 そして、ソロ。
スタートはギターのボリュームを下げてクリーン・トーンでソロリソロリとブルージーなフレーズを並べていく。
2コーラス目はオクターブ奏法でスタートして徐々にクライマックスへ向けて物語を組み立てていく。
結構Jimi Hendrixはオクターブ奏法を使った。

150ギターのボリュームを上げて一期果敢に弾きまくる!
しかし、いい音だな。

160e-ZUKAさんのプレイにピタリと寄り添うように音楽を練り上げるバック陣。
感情をこめて一音一音を丁寧に紡いでいく依知川さん。
今のお気持ちを「書」にすると何と描くのだろうか?

100

キーボードの坂下さんはe-ZUKAさんともう20年を超える長いお付き合いなのだそうだ。
e-ZUKAさんは坂下さんがMarshall GALAにご出演頂くことを知って、2曲目に演奏する曲にご参加を願った。というか、坂下さんがキーボードを弾いてくれるなら…ということで次の曲が決まった。
つまり当初坂下さんは、この次の曲だけに参加する予定だったのだが、ミュージシャンによくある話しで、事前のリハーサルの時に「ご一緒にどうぞ。ハイ、譜面…」という流れでラッキーにも半ば強引に2曲にご参加して頂くことになった。
この曲はたおやかに流れる大河のようなバッキングをオルガンで聞かせてくれた。

120v

バラードだろうが、アップテンポだろうが抜群のグルーヴでバンドを律動させる大二さん。
このスケールのデカさ…いつ聴いてもタマらんわ~。こんなドラムでギター弾けたら気持ちいいだろうな~…といつも思う。
こういうのを「日本人離れ」しているというんだろうね。まるで外人が叩いているようだ。
ロックンロール、ロカビリーの後のロックの第一世代の人達だけがなせるワザだ。

130v

ジャム・セッションなんかで最近やたらと「Little Wing」が取り上げられる機会に出くわすが、この曲って、ギター・バトルなんかのフォーマンスのネタになりやすい。
その場合、するとたいてい何回もソロを受け渡しして、盛り上がったり、シブくなったりを繰り返すものだから、「やたら長くなる」というイメージがあるんだよね。
「Little Wing?じゃ、長いな?」みたいな。コレは私の「Little Wing」のトラウマ。
ちなみにJimi Hendrixのオリジナル・バージョンは約2分半だ。
e-ZUKAさんは冗長になることなく、手を緩めず最後までバリバリに弾き切った!
しっかし音いいな~。
Jimi HendrixはMarshallの永遠のシンボルだからして、選曲もバッチリなのだ!

170v「いつもは歌わないんだけど、ギターだけだとお金が頂けないんで今日は歌ってみました。歌ってみたら余計お金が頂けない…という」とご謙遜のMC。
カッコつけることのない、心のこもった歌はヨカッタよね!

180
そして、坂下さんのご参加を得て演奏できることになった2曲目はYellow JacketsのRussell Ferranteの「Revelation」。
も~、ヤケクソに好きな曲。
ギター・ファンにはRobben Fordのアルバム、『Talk to Your Daughter』でよく知られるところ。
今だからバラすけど、e-ZUKAさんから選曲のご相談があった時、「Little Wing」は固かったのだが、実は2曲目にはもうひとつ候補があった。
コレを書いてそちらのバンドのファンの方々をガッカリさせてもナンなので、バンド名と曲名は伏せておくが、とにかくe-ZUKAさんが弾く「Revelation」が聴きたくてね~。
大二さんにお願いして半ば強引に坂下さんにお付き合い頂いて「Revelation」に誘導しちゃったワケ。
e-ZUKAさんがこの曲でどんなアドリブ・ソロを弾いてくれるか、どうしても聴きたかったのだ!
職権乱用でスミマセン。
…ということで坂下さんにFerranteのイントロをバッチリとコピーしてきて頂きましたん!
坂下さん、ご協力ありがとうございました。

190v坂下さんのエレピに導かれてゴスペル調のテーマをe-ZUKAさんが弾く。

200コレが実に味わい深いくていいメロディなんだ。
ベンドやグリッサンドを多用して感情豊かに歌い上げるe-ZUKAさん。
何回も書くけど、いい音だわ~。

210リズムは軽いシャッフル。
ベテランの楽士たちにはお得意のリズムだろう。
久しく書いていなかったが、また書こう。
近ごろの若い人達の音楽では、このシャッフルやブギのような三連符を基本としたリズムが絶滅している。
テレビに出ている若いバンドが♪ザッコザッコって演ってるの聞いたことあるかい?ないハズだ。
シャッフルやブギが古臭いって?
バカ言っちゃイケない!(言ってなかったらゴメンなさい)
それじゃジャズなんか一生楽しめないわな。
ロックの基本ですよ。
イギリスに行けばブギ一筋50年のStatus QuoなんていまだにブギだけでO2アリーナ(キャパ20,000)をイッパイにしてるんだぜ。(本当はQuoは初期の頃は普通のブリット・ポップを演っていたので50年は言いすぎ。ただデビューして今年で54年を迎えるもんですからそれぐらい言っても許されるでしょう)
そうしたイギリスの状況は、ロックが盛んになる前にはブルースやスキッフルが愛でられ、演る側にも聴く側にも連綿とその素養が伝承されているからだ…と私は分析している。
翻って、日本はあくまでも歌謡曲だ。結果はテレビを見れば一目瞭然。今日はこれ以上は言わない。

220vもう書くのが失礼なぐらい「完璧」な大二さんのシャッフル。
それぞれが独立した生き物のように華麗に動く4本の手足は、見ているだけでウットリさせられる。

230この日、このセットではソロは一切なかったが、坂下さんのプレイと存在感はバツグンだった。

235テーマの後はお待ちかねのアドリブ・ソロ。
245v
まずはメジャーとマイナーのペンタトニックで軽くジャブを打っておいて…キタキタキタキタ~、「ターンバック」って言えばいいのかな?サビからAメロに戻 るところ…『TO CHI KA』の「Manhattan Flu Dance」の香津美さんのソロを彷彿とさせるバッピッシュなフレーズ!こういうのを待ってた。
思わずコピーしたくなるようなデリシャス度300%のスリリングなフレーズ。

240あ、また!
2コーラス目に入るとますますe-ZUKAさんらしさが増して、例の箇所で美味しいフレーズ!…というかコレは完全にParker系のビバップ・フレーズ。
タマりまへん!

250それをごく自然にゾワ~っと盛り上げる大二さんがヤケクソにカッコいい!

A_s41a0872
ステージそでのモニター卓の人も頭フリフリ、気持ちよさそうにe-ZUKAさんのソロを聴いている。
とにかくゴキゲンなソロなのだ!

260vGRANRODEOのステージでも時折ジャズ・ギターの妙技を見せてくれるe-ZUKAさんだが、何でもBireli Lagreneがお好きだとか…。
Breli Lagreneは純粋なロマ(ジプシー)の出身で、8歳の時にDjango Reinhardt(ジャンゴ・ラインハルト)のレパートリーを弾いたという。
12歳でリーダー・アルバムを発表した天才ギター少年。今はオッサン。
ま、最近は小学生で目の覚めるようなメタル・シュレッディングを弾いて見せてくれるスーパー・ギター・キッズもそう珍しくなくなって来たが、マヌーシュ・ギターでジャンゴの複雑なフレーズを、歪みの全くないトーンで高速で弾く方がはるかにムズカシイだろう。それをやってのけたのがBireli。
その後、Jaco Pastoriousとの活動でロックっぽいことを演ったり、ソリッド・ギターでバリバリのビ・バップを演ったりと、超絶なテクニックを武器に多彩な活動をしている人気ギタリストだ。
ちょっと意外だったが、わかるような気もする。
私も好きでゴチョゴチョとアルバムを持っているが、Vic JurisやDiz Disleyt組んだ1984年の『Live at the Carnegie Hall』と1994年のフランスはマルシアックのジャズ・フェスティバルのライブ盤『Live in Marciac』が好きでよく聴いているが、案外いいのは、その12歳の時に吹き込んだ『Route to Django』かもしれない。

270e-ZUKAさんのストレートアヘッドなジャズのライブがあれば絶対観たいな。
その時のMarshallはASTORIA CLASSICでキマリ!

A_img_0451 長くもなく短くもなく、濃い~フレーズをタップリ詰め込んだ素晴らしいソロで稀代の名曲、「Revelation」をまとめ上げて頂いた。
そう、コレが観たかったのだ!
できれば客席でユックリ、ジックリ観たかった!

280「メチャクチャ緊張しちゃった!帰りたかった、もう!」ですって!
いつもは何万人ものお客さんを前に弾いているのに一体どうしたことでしょうね?
e-ZUKAさん、本当に緊張されていたようで、事前のリハの時からあんなに寡黙だったのに、本番が終わった途端ドバ―っと堰を切ったようにシャベリ出した!
実際にポケットから携帯電話を取りだして、待ち受け画面がMarshallであることを見せてくれたり、当日販売していたiPhoneのケースを買い占めてしまったことに触れたり、Marshallへの敬愛ぶりに大感謝。
「Marshallとの出会いは?」なんて質問を投げかける前に自分から話してくれたのは…「初めてMarshallのロゴを認識したのはジミヘンを弾いているコンディション・グリーンのシンキさんなんですよ。で、Marshallってデカいんだ~!と思ったら…」と、今では三段積みが自分より小さいことをデモンストレーションしてくださった。
300
で、まだ尋ねてもいないのに2曲目に演奏した「Revelation」をナゼ選んだかをお話し頂いた。
「ボクは80年代に矢島賢さん(郷ひろみの「男の子女の子」や野口五郎の「私鉄沿線」、百恵ちゃんの「プレイバックPART2」や「ロックンロールウィドウ」等々70~80年代の歌謡曲全盛時代を支えた名スタジオ・ギタリスト。昨年惜しまれつつ逝去)のボーヤをしていたんですね。」
「ボクの人生初のMarshallはLEAD12(1980年代に発売された小型アンプ)だったんですけど、21歳ぐらいの時に矢島さんが譲ってくださったのがJMP時代の2203だったんです。」
「で、その矢島さんが好きでよく弾いていらした曲が、『Revelation』なんですよ」
…とここまでしゃべったe-ZUKAさんに客席から声がかかる。
お客さん「落ち着いて!」
e-ZUKAさん「エ?」
ハハハ、怒られてやんの…冗談ですよ!
でも、e-ZUKAさん、終わって本当に緊張が解けたような感じだったな。
ところで、e-ZUKAさんはいつもはJCM2000 DSL50をお使いになられている。本当はDSL100を使いたいのだが、今となってはベスト・コンディションのものがなかなか見つからないのでDSL50を弾いていらっしゃる。
でもさ、全然今日お弾きになられたJVM410Hでイケると思ったんですけど、ご覧になられた皆さんいかがお思い?
文中に何度も書いたけど、リハーサルの時にパッとセッティングしてこのトーン。
それと歪み系のエフェクターがひとつ。
これで少し時間をかけてJVMを少しイジくればもうバッチリでしょう。
楽しみがまたひとつ増えたぞ!

290ココで私からもひとつ…。
「Marshallを並べているすごいギタリストがいますよ!」…とある方の紹介で私が初めてGRANRODEOのコンサートにお邪魔したのは、忘れもしない…アレはいつだっけナァ…忘れとるやないけ!(←スミマセン、二井原さんの影響でコレをやらないと気が済まない)
2011年のZepp東京だった。
「Marshall Blogです」と楽屋にご挨拶にうかがうと、e-ZUKAさんがガバっと立ち上がって、「ヤッタ~!ついにMarshall Blogが取材に来てくれた!」と快哉の声を上げてくれたのだ。
うれしかったのはこっちの方だったんですけど…。
取材をよろこんで頂けるのはMarshall Blogをいつもご覧になって頂いているワケだし。
このことを今回話すと、「今日もそうなんですど、ボクはアニソンでチョット他の方とはジャンルが違うのでMarshall Blogさんなんて相手にしてくれない…と思っていたんです。ところがまさか!」
イエイエイエイエイエイエ、あれだけステージにMarshallを並べて、クールなギター・リフにテクニカルなギター・ソロ、KISHOWさんのカッコいい声にVALさんと瀧田さんのへヴィなリズム隊…コレってロックそのものじゃないですか!
アニメと出自は異なるかもしれないけど、GRANRODEOのコンサートに来ている若い人たちがロックに単体に興味を持ってくれて、SweetでもBudgieでもNazarethでも聴くようになってくれればスゴイことだ…と真剣に期待しているのです。

320

そのGRANRODEOも昨年10周年を迎えた。
その記念コンサートのもようはMarshall Blogでもドバっとレポ―トさせて頂いた。
下はその10周年を記念する豪華クロニクル。
写真満載でおもしろいし、私には大変勉強になる。

B_img_1984 最後に…e-ZUKAさんが早々とご自身のブログにMarshall Blogの感想を書いてくださっている。
コチラをご覧くだされ。e-ZUKAさん、ありがとうございます!

GRANRODEOの詳しい情報はコチラ⇒GRANRODEO Official Website

C_dsc_7135 つづく

(一部敬称略 2016年3月6日 東京キネマ倶楽部にて撮影 ※撮影:Nica Azuma ※Special Thanks: Ai Ohnuma of Neo-Zonk)

2016年3月28日 (月)

【Marshall GALA レポート】 vol.10: ルーク篁チーム

先回のD_Driveのレポートの終演後のMCのところ…お気づきになられた方もいらっしゃるかと思うが、そう、私も衣装替えをしてみた。
黒づくめで少しは細く見えるかと期待したけど、ダメだな。
久しぶりに人前に立つこの日のためにダイエットしようとしていた…というか、チョットは努力していたつもりだけど、この歳になると代謝量が減ってなかなか痩せないし、ガマンも長続きしない。
かつては10kg超の減量を4、5回やって来たんだけどな…。
私のことなんかどうでもいいか…。
A_dsc_7094
さてさて~、今日レポートするルークさんのチームは盛り上がったよ~。
予てからお知らせしているメンバーがステージに上がった。
ところで今日のタイトルで、ご登場のルークさんのグループを「チーム」と呼ばせて頂いた。
最近日本ではあまりこの言葉を使わないようなイメージがあるが、イギリス人はよく使う。
何かひとつのことをみんなでやり遂げようとする時、その仲間を指して「We are a team!」なんて言ったりする。「group」とも「circle」とも絶対言わない。
「team」はいい言葉なのだ。
だから、今回のイベントにご参加頂いた方々は出演者、スタッフを問わず「Marshall GALA Team」なのです。
そして、Marshall、NATAL、EDENを愛する人は「Marshall Family」なのです。コレはMarshallの創始者、Jim Marshallが好きな言葉だった。
そのJimの意志を引き継いで、私は日本のMarshall Familyを育てたいと思っているのです。
前置きオワリ!

 Mary's BloodからSAKI!

20vBARAKAから依知川伸一!

30NAKED MACHINEから石川達也!
トップ・バッターのTHE SHRED MASTERSでも登場してくれた達也くんの♪ドンドンパンでこのチームのパフォーマンスが始まった。
♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン

40♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン
SAKIちゃんが轟音とともに目の覚めるようなシュレッディングをブチ込む!
♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン

50♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン
オート・ワウを使った渋いフレーズで依知川さんがソロを引き継ぐ!
♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン

60♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン
数日前のリハーサルの時にも「一番盛り上げるぞ~!」と張り切っていたルークさんがいない!
♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン
…と思ったら~!
♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン
サブ・ステージにその雄姿を現した!
♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン
誰もが予想&期待した通り、フレディ姿のルークさんだ~!
♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン
70v♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン
曲は「Killer Queen」…なワケねーだろ!
♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン

80♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン
歌詞も完璧にフレディになり切ったルークさんが楽しくも勇ましい!
♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン

90v♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン
BARAKAでQueenのカバー・アルバムを出したばかりの依知川さん。さすが、コーラスが完璧だ!
♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン

100♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン
この人はひたすら、ドンドンパン、ドンドンパン。とにもかくにもドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパンだ。
♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン

110v♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン
SAKIちゃんのギターが絡む!いい感じだ!
SAKIちゃんのBraian Mayっぷりも見事!Brian MayはMarshallじゃないけどね。
♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン

120♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン
しかし、Braian Mayもうまいこと考えたもんだ。こんなの盛り上がるに決まってるもんね!
この曲が入った『News of the World』がリリースされた時、私は高校1年だったんだけど、コレ聞いて「なんじゃ、コリャ?」と思ったもんだけどね。
今では何人も知る一大ロック・スタンダードになっちゃった。
このアルバムもロンドンは有名なLadbroke GroveのSarm Studioで録音したんだね。知らなかった。
♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン

120v♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン
最後まで完璧に歌い切った、そしてフレディになり切ったルークさん。客席から割れんばかりの喝采が浴びせられた。
♪ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン、ドンドンパン

130vはい、ここで「ドンドンパン」はおしまい。
曲は「We Will Rock You」…あ、わかっちゃった?

さて、いかがでしたか?
この新しい手法。まるで自分が「ドンドンパン」の会場にいたような感じになったでしょ?
あたかも眼前でルークさんが熱演しているようだったでしょ?
エ?そんなワケないって?
でも、こんなことができるのはこの曲だけだよ。
ボ・ディドリーでもできるかな?♪ドンストトットンストトットンって。
とにかく今晩は「♪ドンドンパン」の夢を見そうだな…。

ね~。
ルークさん、ロンドンのEarl's Courtにある「Garden Lodge」と呼ばれているかつてフレディが住んでいた家でもトリビュートしてるんだよ。
詳しくはコチラ

140「さ、お遊びはコレくらいにして…」とルークさん。
ここで場面がガラっと変わる。
ルークさんはフレディ装束を解いて素に戻る。
すると眼前の譜面台に乗ったファイルから何やら紙を取り出した。
ナンダナンダ?イッタイ何をしようてんだ?
「今日はMarshallの社長がいらっしゃっている…ということで、ジョナサン・エラリーさんに手紙を書いてきました!」
ド~、大歓声。
ルークさんが日本語で読み上げてSAKIちゃんが英語に通訳するという趣向だ。
さすがルークさん。
生半可なマーシャリストではない。そして根っからのエンタティナーなのだ!

150「親愛なるジョナサン・エラリーさま

本日はこのような素晴らしい機会を与えて頂き本当にありがとうございました。
実は…お話ししなければならないことがあります。
ボクは先日まで人間ではありませんでした…悪魔だったのです!」


ドッカ~ン!この日一番の大爆笑!!
ルークさん、うらやましいナァ、必殺技があって。

「こんなボクですが、Marshallアンプが大スキです。心の底から大スキです。どうか私をMarshallアンプのエンドーサーにしてください!

よろしくお願いします!

ルーク篁
ドッカーン!また大爆笑。
160
それを聞いたらジョンも立ち上がってOKサイン出してやんの!
見た目はイカツイけどノリがいいのだ。
そしたらSAKIちゃんもチャッカリしてて「私もお願いします」だって!

ところで、この写真、二階席の奥に(写真でいう左側)ステージを見ている人がたくさんいるでしょう?ビデオから起こした写真なので見にくいけど。
皆さん、出演者の方々なの。
普段のライブでは、自分の出番が終わると楽屋へ戻って休むのが普通の光景なんだけど、Marshall GALAは違った。
決して楽屋に居場所がなかったワケではなくて、皆さんが皆さんの音楽をこうして熱心に鑑賞(敵情視察?)されていた。
コレもすごくうれしかった。

A_ok3_2 ところで、ルークさんがこんなことを言うから後でジョンから、「シゲ、ところであのLukeというギタリストはチョット前まで本当に悪魔だったのか?お前悪魔と付き合ってるのか?」と真顔で訊かれてしまった…なワケない!
ってか、あなた方、既にエンドーサーみたいなもんでしょうに!
でもワザワザこんなことを仕込んで来てくれるなんて本当にありがたいことです。

170vイキのいい達也くんのカウントで始まる2曲目。

180おなじみのリフはFreeの「Wishing Well」。ただしGary Mooreバージョン。歌うはもちろんルークさん!
この曲が出て来る度に書いてるけど「well」は「井戸」とか「泉」っていう意味ね。だから石油を採掘する穴を油井っていうけど、英語では「oil well」という。
「wishing well」は「望みの井戸」が元の意味。
古来、ヨーロッパでは水には神様が宿っていると信じられていて、井戸は生活に欠かせないもので神様からのありがたい贈り物と考えられていた。
そして、コインを投げ与えて願い事をすればそれが叶うという風習がいつしか生まれた。
それが「wishing well」。
この曲のタイトルを王様式に強引に和式に意訳すれば「銭洗い弁天」ぐらいになろうか?チョット違うか?

190vふたりのギタリストがこの有名なリフをオクターブで奏でる快感!

200v着実に四分音符を刻み続ける依知川さん。

210v重すぎず軽すぎず、忠実にルークさんのプレイをバックアップする達也くん。
カウント一回止められてドキっとしちゃったね~!

A_dsc_6911 もうルークさんは観客と一心同体だ!
ドンドンパンはあったにせよ、やっぱりこうして一瞬にしてお客さんをグワっとひとまとめにして自分の側へ持ってきちゃう求心力は尋常じゃない。スターの証しだ。

220vさっきは通訳で活躍したSAKIちゃん。
Mary's Bloodの時とはまた違う表情で身体をクネらせたり、かがんで見せたり、飛び跳ねたり、とにかく楽しそう!
こういうところはイベントならではの楽しみだ。
写真右上段の白いMarshallはSAKIちゃんの愛機。日本に1セットしか入っていないエミリー・ウッドという女性タトゥー・アーティストの作品が施されたJMN410Hと1960A。
SAKIちゃんのトレード・マークだ。
230そして、SAKIちゃんのソロ。
ま~、弾くわ弾くわ、実力派No.1ガール・メタル・バンドのギタリストの壮絶シュレッディング!
340
Mary's Bloodは今年も『NAONのYAON』への出演が決定している。

240vオリャ~!絶唱の後はルークさんのソロ。
王道的なフレーズから入ってから、ズタズタに切り刻む。
でも、ダラダラとは弾かない。
CANTAの時もそうだが、言いたいことを言ってコンパクトにソロをまとめるのがルーク流。
そして一気にエンディングへ持っていった!
Gary Mooreバージョンとはいえほとんど原曲通り。やっぱいいな、Freeは。

250ココで、また雰囲気が変わる。
ステージ中央前方に歩み出たルークさんが猛烈な勢いでア・カペラ・ソロを弾き出した!

260vそれを受けてSAKIちゃんも何かがのり移ったかのように、タッピングを交えて猛然とシュレッドする!

270vそうなの。
ギター・バトルなの。
2回ずつソロを弾いた後は2人でブッ速いアンサンブルを奏でる。
数多くの見せ場をMarshall GALAに期待していた。
実際、これまでにもたくさんの見せ場があって、さらにショウはまだ続くワケだけど、ん~、ココは大きな大きな見せ場になったな。
2人とも使用MarshallはJVM410H。
ガシガシとしたピッキングの音が気持ちいいね~。Marshallが作りだしたピュアなロック・ギターのサウンドだ。
やっぱりこういうところで使うギター・アンプは真空管アンプに限りますな。

280♪ジョコジョ~ン……ジョコジョーン。
どデカい火の玉のぶつかり合いのようなソロ・バトルの後は、ルークさんが'E'のローコードを会場全体に鳴り響かせる。
そしてこれまたおなじみのリフ。
達也くんが入ってビートを刻めば会場はもう大ノリノリの桃源郷!

300v曲はT.Rexの「21st Century Boy」。
ルークさん、T.Rex大スキなんですってね。
それだけに「立て板に水」的なナチュラルな演奏だ。
この曲はホントに強いよね。
CMにBGMにと、テレビでコレを聞かない日はないぐらい。
ロックの永遠のスタンダード曲と言って差し支えあるまい。

T.Rexはボーカル/ギターとパーカッションからなるグループ。要するに頭脳警察といっしょ。
で、T.Rexと来れば、マァMarc Bolanですわな。コレは誰でも知ってる。
私はまったくファンではなかったけど、中学3年の時、新聞の朝刊にMarc Bolanの死亡記事が出ていたのを発見してビックリしたナァ。
ホンじゃパーカッションの人は誰だか知ってる?
Micky Finnという人なんだけど、この人、NATALのエンドーサーだったんですよ。
つまりT.Rexの作品の中でMickyが叩いているパーカッションの音はNATALの音なのだ。
Mickyだけじゃなくて、Mic Fleetwoodも、John Bonhamも、Charlie Wattsも、Ian GillanもみんなNATALのパーカッションを使ってたんよ。
今回はドラムだけでNATALパーカッションの出番はないけれど、    NATALは今でも盛んにパーカッションの生産をしております。

290v

ベースだけでなく全編コーラスでも抜群のパフォーマンスを見せてくれた依知川さん。
やっぱりこの世代ですもんね、ノッて当然!

310ルークさんに続いてソロをブチかますSAKIちゃん。

Dsc_7032 お~っと、ココでまたバトルだ~!
ココは相手のことはお構いなしに「オレが、オレが」、「イヤ、ワタシが、ワタシが」で同時に一気に弾き切るタイプのヤツ。
大いに盛り上がった~!

330v曲間もお楽しみだったアッという間の3曲。
「たった3曲でこの汗!」
熱演した~。

350v「僕らの世代はMarshallとともに育ったようなものですからね。はじめは見たこともなかったんですが、色々と調べると、このアンプだからあの(ギター・ヒーローの)音が出るんだということがわかってきて憧れました。」
そして、ズッとMarshall。
ありがたいことです。

ちょっとボヤいていいですか?いつものヤツ。
今日ルークさんは3つのロック・スタンダードを聴かせてくれた。
Queenは1977年、FreeとT.Rexはともに1973年のリリース。
それぞれ約40年経ってる。40年経ってもテレビからそのメロディが流れ、我々は40年も前の音楽をこうして楽しむことができる。
翻ってみるに、今テレビで流れている、新しいとされる音楽を2056年に聴くことができるだろうか?
私は残念ながらそれを見届けることはできそうにないが、まずもって無理だろね。
まずもって何も残っていないでしょう。その時も「ロック「と言う音楽が存在していればきっと「♪ドンドンパン」で盛り上がっているに違いない。
ま、ジジイがボヤいでも仕方がないけどね、音楽を取り巻く世情は実に辛辣だということ数日前の新聞を読んで知った。
「最近の女子中学生は通信制限がかかるので音楽をダウンロードしない」ということが記してあった。要するに音楽を聴かなくてもヘッチャラということ。
んなことはどうでもいい。私はこの「配信」っていうヤツは一度もしたことがないし、これからも絶対にしないと思っているから。
驚いたのは、そういう子たちは「音楽を聴く手段はストリーミングしかない」と思っている…ということだった。
結果、「音楽は必要ない」ということ。
CDを買わないどころか、いよいよCDというものがあることすら知らない世代が現れているそうだ。音楽が無くなって行く気配が漂ってきたね~。
売り上げ至上主義のツケが回って来て、皮肉にも音楽がビジネスに抹殺されようとしているということか。
私は何と言われようともMarshallを通じて、また、こういう機会を通じて、いい音楽や今日GALAのステージで皆さんが演奏したようなカッコいいロックの延命措置に努めたいと真剣に思っている。

360v人間界へお戻りになられて色々とお立て込みでルークさんのGALAへのご出演はムズカシイかと思っていた。
ところがある方のサポートも頂いてお願いをしてみると、「Marshallのためなら」とご出演をご快諾頂いた。そして、この興奮のパフォーマンス…お誘いして本当にヨカッタ!
写真はこの日に配布された4月9日の赤坂BLITZからスタートするCANTAの春のツアーの情報を掲載した新聞「カンスポ」。
またMarshall Blogで取材させてくださいね!

CANTAの詳しい情報はコチラ⇒CANTA Official Web Site

390

下はMary's Bloodの最新作『Bloody Palace』。
SAKIちゃんのギターがタップリフィーチュアされた、No.1メタル・ガール・バンドの面目躍如たるメロディアスながらもドハード&ドへヴィの一大巨編!
この日、物販コーナーで販売されて好評を頂戴した。

Mary's Bloodの詳しい情報はコチラ⇒Mary's Blood Official Site

380cd

そして、MCでも触れた通り、書道家・依知川風人でもある依知川伸一さん率いるBARAKAの最新作、『A Night at the Open』。
一目瞭然、Queenのカバー・アルバム。ホンモノのジャケットはライオンと鷲だが、コチラは狛犬と鶴になってる。
ちゃんと狛犬も「あ」と「ん」の口をしている。つまりココにQueenのすべてが詰まっているってこと…か?
とにかく痛快無比のBARAKA流Queenをお試しあれ!最後のQueenメドレーは圧巻!

BARAKAの詳しい情報はコチラ⇒BARAKA official website
依知川風人の記事はコチラ⇒【Marshall Blog】芸術の春・依知川風人の世界

370cd

そしてドラムの達也くんが参加しているNAKED MACHINEもよろしく!

NAKED MACHINEの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIALWEBSITE
<つづく>

(一部敬称略 2016年3月6日 東京キネマ倶楽部にて撮影 ※撮影:Nica Azuma)

2016年3月25日 (金)

【Marshall GALA レポート】 vol.9: D_Drive

さぁ、Marshall GALAも後半に入ったよ~!
6番目に登場したのはD_Driveだ!
後ろ向きでスタートするのはD_Driveのルーティン。
そして、勝負衣装に使われているブルーはバンドのイメージカラーだ。

10D_Driveもこの企画の立案が始まった時、真っ先に出演依頼を考えたチームのひとつだった。
もちろんMarshall Blogに頻繁にご登場頂いていることもあるが、大きいステージでのD_Driveを見たい!…という個人的な希望もあった。
そこでリーダーのSeijiさんに相談したところ、話も聞き終わらないうちに即刻OKを頂いてうれしかった。
三宅さん同様、この日のこのステージのためにワザワザ関西からお越し頂いた。


昨日、現在活動を休止している充電中のある著名ギタリストから突然お電話を頂戴し、ずいぶん長いこと会話をして楽しかったのだが、今活躍しているミュージシャンに関西出身者がいかに多いことよ…という話になった。その方も関西のご出身だ。
で、Marshall GALAのステージをチェックしてみると、冒頭に出演したTHE SHRED MASTERSのMASHAくんと守くんの2人のギタリスト、Strange,Beautiful and Loudの3人。CONCERTO MOONのノンちゃん。Neo-Zonkのキーボードの2人。D_Driveの4人。
ヒロアキくんも下関、CONCERTO MOONの久世ちゃんも長崎の出身だから西方だ。
Marshall GALAも西軍が圧倒的に強いかと思っていたら、図ったかのようにこの後の出演者に関西勢のメンバーがいないんだよね。
こんなこと考えていたらおもしろくなってきちゃって統計を取ってみた。
驚いただよ。
総勢28人が出演したこのMarshall GALA、ナント東軍と西軍、14人ずつのイーブンだったのだ!(出演者の皆さんへ :ここまでいい調子で来てますので、「私はどっちに入ってます?」なんて確認して来ないようお願いします)
こんなことあり得ないでしょう?
「だからどうした?」っていう類の話なんだけど、コレはかなり珍しいと思う。たいてい西が勝つからね…とくにハードなロック系は。
言い方を換えると、前半は西のロック、後半は東のロックということになろうかいね?
おもしろいな~。
お雑煮で言えば、前半は丸い餅に味噌仕立て、後半は餅が四角で出汁はすましだ。
ヨカッタ~、お昼はカレーにしておいて!

D_Driveに戻る。
時間は短いながらも、MarshallやEDENのために、ワザワザ東名高速をブっ飛ばして来て頂いただけのことはある素晴らしいパフォーマンスを見せてくれてた。

20Marshall Blogの読者の皆さんには完全に説明不要の4人。

Seiji

30vYuki

40vShimataro

50vChiiko

60v1曲目はおなじみの「M16」。
Yukiちゃんがオクターブで奏でるテーマのメロディ。私のD_Driveのイメージってまずこのメロディなんだよね。
別に初めて聞いた曲がコレで刷り込まれているというワケでは決してないのだが、ものすごくD_Driveを感じるメロディなのだ。

70_theme華麗なツイン・リード・パート。

80Seijiさんのワウを軽く踏み込んでのソロ。
「ま、最初はコレぐらい弾いとくか…」みたいなライトな感覚が余裕シャクシャクでカッコいい。

90続けてYukiちゃんのソロ。
イニシャルの「Y」が入ったこの白いギターはYukiちゃんのお気に入りだ。アン・ブーリンでいえば「B」のネックレスか。(アン・プーリンについてはそのうち『名所めぐり』で詳しくやります)

100vこの曲の見せ場、ギター2人の掛け合いのパート。

110この「♪タリラリラ~ン」も実にD_Drive的だ。
2人のアクションも含めてD_Driveのステージには決して欠かすことのできないパート。

120フロント2人の激しいバトルに一歩も引けを取らないリズム陣。

130v壮絶なバックアップでいやがおうにも盛り上がる!

140vサオ・チームがそろい踏みしての迫力のアンサンブル。

150曲はテーマに戻り…

160_theme流麗なツイン・リード・パートを経て終結する。
まさに燃えたぎるようなパフォーマンス!

170_twin文字通り矢継ぎ早に次の曲のイントロに入るSeijiさん。

180v_intro曲は最新作『R』に収録されている「Attraction 4D」。
もちろん疾走感に満ち溢れたコレまたいかにもD_Driveらしい曲だ。

190v延々と続くフロントふたりのツイン・リードが圧巻!まさにAttractive!

200右手を上げて観客をあおるYukiちゃん。

210ツイン・リード・パートだけでなく、この曲は計算されつくしたD_Driveの超絶なアンサンブルが堪能できるのだ。

220_ensamble
250v
Seijiさんのソロが切り込んで来る!

230息をつかせるヒマもなく最初から最後まで4人が迫りくる…そんな曲。
テーマの中の上昇する9つのクロマチックの部分が大スキ!

240vそして、Seijiさんがハジキ出すシャープなリフに戻って曲は終了するのだが、この乾いた音が実にいい。
SeijiさんはJCM2000 DSL00ECというビンテージ・ルックスのDSLを使用している。
このDSLは、昔私が企画したもので、めぐりめぐってSeijiさんに愛用してもらっているのがすごくうれしいね。

260_riff_gsYukiちゃんのご講話。
「Marshall GALAに呼んで頂いてホントにホントに光栄でございます!」と「ホントに」をホントに2回口にした。
こちらこそ光栄です。
280

「あと1曲なんですが…」
「エ~!」
そんな、もう後半なんだからだいたいの進行はわかってるでしょうに!
でも、わかっていても「エ~!」と叫びたくなるような熱演なのだ。
Yukiちゃんなんか暴れすぎて髪の毛が口に入って、それが取れなくなっちゃうほどのノリようなのよ!
やっぱステージが広いと暴れ甲斐があるよね。

270最後の曲は4人のピックアップ・ソロまわしで始まる人気曲「Cassis Orange」。

290この曲も私の中でモノスゴク「D_Drive」なんだよね~。
もちろん「Russian Roulette」も「Lost Block」も「Mr. Rat Boots」も全部D_Driveそのものを示す重要な曲たちなんだけど…

300v1曲目の「M16」同様、何とも強いインパクトを受けた曲なのだ。
それと「Runaway Boy」かな?

310Chiikoちゃんなんかノリすぎて和太鼓奏者状態だ。
この数日前にうれしいことがあったしね!
ココでひとつ発見したのは、Chiikoちゃんのソロの時には必ず「Yukiちゃんがしゃがむ」という「あるある」。
もちろんお客さんにChiikoちゃんのプレイをよく見えるようにするための心配りなんだけど、広いステージなんだからチョット横にズレるだけでいいのに…。
数多くのライブをこなしてきて、いかに身体にアクションが染み込んでいるかということやね。

320v親しみやすいテーマのメロディ。やっぱりこの曲は盛り上がるよね!

330D_Driveのレパートリーの中では歴史のある曲だけに…

340こなれた感じが聞いていてとても心地よいのだ。
もちろんメロディのよさが際立っているせいもある。

350しまちゃんのハイパー・ベース・ソロ。
後ろに見えているのは愛機と同じEDEN WT-800。
しっかし、この音抜けの良さは驚異的だ。もう「ベースがここにいます!」と声高らかに宣言しているようなものだ。
360
Shimaちゃんが弾くフレーズにSeijiさんがオクターブ・ユニゾンでかぶさってくる。

356さらにYukiちゃんが加わってそのオクターブ上を弾く。
こういうアイデアはD_Driveのチームワークならではですな~。カッコいい!

S41a0533 そしてスリリングなタッピングを多用したツイン・リード・アンサンブルのパートへ!

370ここのベースのバッキングがまたスゴイ。うねりまくっちゃう!

390vこの後ダ・カーポして4人のソロ回し。
Seijiさんは「湖上の煙」をブチこんだ!
♪ジャッジャッジャ~、ジャッジャッジャジャ~!

400vYukiちゃんはスウィープで♪ピロリロリロリロ!

410vShimaちゃんはタッピングで♪デロロデロロデロロデロロ!

420Chiikoちゃんは♪ダンスタタン、ダンスタタンと孝三さん言うところのロック・バカ・フレーズでキメた!

430vテーマに戻って曲はお開きとなる。
Yukiちゃん、ジャ~ンプ!
イヤ~圧巻のステージでしたな~。
すごい歓声が沸き上がったことは言うまでもない。

440「僕が初めて買ったギター・アンプがJCM800だったんです。その後、色んなアンプを試したんですが、やっぱりMarshallに戻りました。
Marshallみたいに音が前に飛ぶアンプって他にないんです。コレを味わっちゃうともうMarshall以外は使えない。」
ありがとう!

450「D_Driveを始めた時は違うメーカーのアンプだったんです。Seijiさんがその頃Marshallに換えて、その音を聞いた途端、『ア、私が求めている音はコレや!』とすぐにMarshallに換えました。」
ありがとう!

460こちらはD_Driveの演奏の前に聞いたSimaちゃんのEDENの話。
「ムズカシイ設定をしなくてもそのままでもパワーがあって高級感に満ちた音が出るアンプがEDENです。ただ、このバンドは激しめな設定にしないとベースの音が抜けてこないんですね。
でもEDENだと場面に合わせていろんな音作りができるのでバッチリなんです。」
ありがとう!

470私は、Marshall Blogのネタ探しもあって、よく音楽に関する過去の資料に目を通すことがある。
特に幅広い音楽をリアルタイムで聴かれていらした故中村とうようさんの文献はとても勉強になるので好んで読んでいる。
そんな中、1973年に発売されたRoy Buchananのファースト・アルバムの評にこんな文言を発見した。
「ロックのレコードで、歌なしのギターだけでアルバム裏表もたせるというのは至難なことだ(ミュージックマガジン増刊号 『中村とうよう 今月のレコード』より)」
Jeff Beckも畏敬の念を抱いていたテレキャスターの巨人、Roy Buchananをもってしてもそう思われていた時代だったのだ。(Roy Buchanan、ホンモノはスゴかったよ)
それから43年の月日が流れた。
下は冒頭で触れたD_Driveのニュー・アルバム『R』。
ロックのレコードで、歌はまったく入っていない。
裏表はなくなっちゃったが、全編まったく飽きずに楽しむことができる。
やれ「ありがとロック」だの「草食系ロック」だの昨今のロック・シーンについてはいつもボヤいてばかりだが、こうしてよい方向に向かっている箇所もあるんだな…と自分の洞察の浅さに恥じ入る次第である。
もうひと超え、D_Driveには「21世紀のベンチャーズ」を目指してもらいたいのだ!
ちなみに、当日の物販では、Neo-Zonk同様、新旧のD_DriveのCDが飛ぶように売れたそうだ。
そうしたリスナーのクロスオーバーもMarshall GALAの目的でもあったので、そういう話を聞くとすごくうれしい!

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Offiical Web Site

480cd<つづく>

(一部敬称略 2016年3月6日 東京キネマ倶楽部にて撮影 ※撮影:Nica Azuma)

2016年3月24日 (木)

【Marshall GALA レポート】 vol.8: Neo-Zonk

…ということで大掛かりな転換も迅速かつ無事に終了。
ね、ステージのようすが全然変わっちゃったでしょ?
Marshall GALA、五番目の出演者はNeo-Zonk。

05かつてMarshall Blogに「プログレッシブ・ロックの救世主」として一度だけ紹介した女性キーボード2名と男性ドラマーからなるトリオ。
Marshall GALA最初の女性アーティストとなる。
ま、こう言っちゃナンだが、Neo-Zonkを目当てにMarshall GALAに来た方以外のお客さんはその実際のステージをご覧になったことはなかったであろう。
ヒヒヒ…。

10下手キーボードの大沼あい。

20v上手キーボードの長崎祥子。

30vそして、ドラムは伊藤ショボン太一。

40vそう、このトリオにはギタリストがいない。
それなのにMarshallのイベントにご登場頂いた。
なんとならば、ドラムのショボンちゃんはNATALエンドーサーなのだ。
そして、キーボードで奏でるベース・パートにはEDENが使われるからなのだ。
赤線に示したステージの真ん中の機材だけを使用した。
大福でいえばアンコだけ食べたようなものだ。
皆さんは「こしあん」と「つぶあん」どちらがお好みだろうか?私は決してアンコが苦手なワケではないが、まわりの餅の部分が好きだったりする。鯛焼きも尻尾の先っちょまでアンコが入っているヤツはちょっと頭にくる。
あまりにもどうでもいい話しだとお思いになるであろうが、例えキーボードで鳴らしていても、ベースのパートにいいベース・アンプを使うとメチャクチャ気持ちがいいそうだ。
つまり、「餅は餅屋」というワケ。
ハイ、餅だけに丸く収まりましたね。

501曲目は「Disorder-out of the cosmos-」。
あいちゃんが奏でるウエストミンスター寺院のような壮大なパイプ・オルガンの音色でこの曲は始まる。
イヤイヤ、ココはカンタベリー大聖堂といこう。なんたってプログレッシブ・ロックだからね!(カンタベリーはプログレッシブロックの聖地。詳しくはコチラ、またはコチラをご覧あれ)

60そして、アンサンブルに突入。
ん?コレはどうなってんだ?5/4と6/4がくっついてんのか?
…とガマンして何回も数えてみるに…ハハン、5/4+5/4+5/4+6/4になってんだな、こりゃ。

70そのまま3人一丸となった怒涛のキメ!
100

ズドドドババドドドズズドドダダドドデデドドババドドダダドドデデドドザザドド!
一糸乱れぬアクロバット!

90vお客さん、目がテン。
ハイ、一回目の度肝抜き成功!

80

あいちゃんが先行してラテンチック(ラテンではないんだけど)なテーマを奏でる。

A_dsc_6453 それを受けて祥子ちゃんがサビのメロディをブチ込む。

110矢継ぎ早にReturn to Foreverを彷彿とさせるトリック・プレイ!

120「ナンダってそんなことやる必要があるんかい?!」と思わず訊いてみたくもなるすさまじいキメ技。
いいんです。
プログレなんです。
こういうのが聴きたくてプログレ・ファンを長いことやってるワケ。
だからMarshall GALAに出てもらったのです!
とにかく二度目の度肝抜き難なく成功!ま、ハイドンじゃないんだけどね(交響曲第94番)。

130vしばしつなぎがあって、曲はまたここから徐々に違った表情を見せ始める。

140まずは祥子ちゃんのソロ。
180v
時折フレンドリーなフレーズを散りばめ、アグレッシブに弾きまくる。
ギターでいえばシュレッディングだ。
だから背景のMarshallが実にシックリくる。

160ソロもすごいんだけど、リズムがまた凝ってる。
7/4+6/4になってるのかな?

170あいちゃんが弾くバッキングがまたよくできていて、キーはDm→Em→Fm→Gmと転調していくんだけど、ベース・ラインがただ移調するワケではなくて、転調するたびに少しずつ変化していくのだ。
Dmの時はルートと短2度、ルートと短3度を行き来し、Emの時は同じく長2度と短3度、Fmの時は短3度。そして、GmのになるとDmの時と同じパターンに戻る。要するに転調する度に二番目に発する音程が半音ずつ上がっていくという仕組み…になってんじゃないの?
200

 ショボンちゃんのソロ!
十分にテクニカルだが、実にウォーム。懐が深い、日本人離れしたドラミングを聴かせてくれる。若いドラマーにしては70年代の洋楽の空気感が漂っているのだ。
そして、とにかく音がいい。
ホンのチョットのアクションで素晴らしく抜けるトーンを叩き出す。
NATALがピッタリのドラマーだ。
いつもはウォルナットとバーチのキットを愛用しているが今日はアッシュ。何度も私のところに来て「音がいい!」と感動ぶりを示してくれた。
ショボンちゃんは現在はStaveスネアの入荷待ち中。今日はNATALのハンドハンマード・スネアを使用。ズドンズドンとドスのきいたスネア・サウンドだ。
190v

キメの後、大きなブレイクに…。ココで曲が終わったかと思ったお客さんが拍手。
すると「ノンノン」と首を横に振ったあいちゃん。

A_s41a0376

頃合いを見て祥子ちゃんがハープシコードでバロックなフレーズを上品に奏でる。
そして、静寂。
コレが「嵐の前の静けさ」だということはプログレ・マニアなら先刻お見通しのことだろう。

A_dsc_4794 大正解!
派手なキメを経てサビへ。

230

ハイ、あいちゃん、〆のソロをお願いします。
ロック・フレイバーが濃厚なソロだ。

210vテーマに戻り、またぞろ3人のスリリングなキメで曲は終了。
大歓声!ヨカッタ~!
フ~、疲れた。
でもそれでいい。
プログレッブ・ロックを聴いてリラックスなんかしちゃイカン!眉間にシワを寄せて聴く音楽がプログレッシブ・ロックなのだ!
ウチのCD棚はそんなんばっかりよ。スワンプ・ロックとか全然なし。
我が家に「レイドバック」という言葉は…断じてない!

240ショボンちゃんが刻む16ビートのパターンに乗って祥子ちゃんがMCマイクを握る。
「ギターレスのバンドですが、Marshallに囲まれてシアワセです!私たちチョットだけ変拍子が多いんですけど、手拍子とかして頂いて大丈夫ですよ!裏返っちゃうだけですから!」
祥子ちゃんの左手はホンの少しの変拍子を表現している。
ウソコケ!
初めて会った時、「私たち4/4の曲はないんですよ。あ、1曲あったかな?」とか言ってたよ。
変拍子は好き。
イヤ、正確に言うとカッコいいと感じる曲が変拍子だったりするだけのこと。
何拍子であろうが曲がよければそれでよし。
反対にいかに難しいことをやっても曲がおもしろくなければ何にもならないもんね。
Neo-Zonkの曲はそのことをとてもわかりやすく教えてくれている。
それと、ウチの社長に怒られちゃうかもしれないけど、Neo-Zonkには絶対にギターを入れて欲しくないナァ。
この音楽にギターを入れるとなるとシュッレッド系のギターになりがちで、そうなると一気にありきたりのテクニック系ロックになっちゃう。
Joe Zawinulはやっぱりスゴかった。Weather Reportのカッコいい点のひとつはギターがいないことだったと思う。Soft Machineもほぼそうだ。
ギターは最も普遍性の高い楽器だけに、使いようによっては音楽を凡庸なものにしてしまうアクの強さがあるんだよね。ある種、「両刃の剣」なのだ。
強引にNeo-Zonkのインストゥルメンタリゼーションを広げるならヴァイオリン(実際にやってる)かトロンボーンかな?チェロなんていうのもすごくおもしろい音になりそうだ。
だからFrank ZappaとJohn Mclaughlinは偉大だよね。コレガまた2人ともギタリストなのがおもしろいところ。もちろんZappaやMacLaughlinのような破天荒な個性を持ったスタイリストであればいくらギタリストが参加しても問題ないんだけどね。
250ショボンちゃんの刻む軽快なビートに乗ったまま2曲目の「U.T.」に入る。

270あいちゃんはオルガンでバッキング。ベースがすこぶるカッコいい!
それをEDENがギンギンに鳴らしてくれる。
290
祥子ちゃんもオルガンでテーマ・メロディを奏でる。
この曲のサビにはマイナーのII-V-Iの典型っぽいフレーズが出てきたりして楽しいな。フュージョニーな展開だ。

280ショボンちゃんの刻む16ビートが小気味よい。
お、この曲は4/4拍子だ!

300…と思ったのもつかの間。
必殺のキメ!
コレ最初に聴いた時はビックリしたっけナァ。
でっきり合図と根性で合わせてるのかと思った。
ショボンちゃんからタネ明かしをしてもらって二度ビックリ。
バラしたいのはヤマヤマだけど教えない。
でも、恐らく耳のいい人ならこのトリックを見破っちゃうんだろうね。アタシャからっきしダメだ。

310vショボンちゃんは難なくピタリと合わせて来る。

330そのまま6/8のハード・ロック・パートに突入。
アイちゃん、コルナでポーズをキメてから…

340v ダイナミックなシンセサイザー・ソロ!
あのね、このバンドって絶対にダラダラとソロを弾かないのよ。
バシっと言いたいことを言って規定のサイズで切り上げる。だから何回ソロが出てきても全然飽きない。
そして、キーボードは楽器の構造上、ギターと違ってペンタトニック地獄に陥らないからね。聞いていて楽しい。

350ドワ~、ここの祥子ちゃんのベース、メッチャかっこいいわ~。
祥子ちゃんのベース・ラインもEDENで鳴らしてますから、ハイ。

360_2バラエティにインストゥルメンタライズされた掛け合いを経て静かなパートに。
動と静を組み合わせてドラマを織りなしていくのはプログレ必須のパターンだ。

380 タマにトリッキーなパターンでショボンちゃんが仕掛ける。

370vテーマに戻る。

410

そして、例の必殺のキメを経ていよいよエンディングへ。

400v

ク~、タマらんわ~。もっと聴きたい~!

C_dsc_6429世の中、「ありがとう」だの「がんばれ」まみれの草食系ロック全盛にあって、同じ年ごろの若者がこんなにシリアスな音楽を演っている現実に快哉の声を上げたいと思う。
この後のMCで偶然にもEmerson, Lake & Palmerについて触れた。
1970年代中盤、ミュージック・ライフ誌の読者投票でELPが人気第一位だった…ということを述べたのだ。
驚くことにKeith EmersonはこのMarshall GALAの4日後に自ら命を絶ってしまった。
そのMCで何が言いたかったのかと言うと、今から40年ほど前は中高生やごく一般のロック・ファンが普通にNeo-Zonkが果敢に取り組んでいるようなプログレッシブ・ロックを聴いて楽しんでいたということだ。
もちろんELPはどんな人が聴いても楽しめる究極的に質の良いロックをクリエイトしていたので万人から愛されて当然と言えば当然なのだが、今の若い人達が聴いたらはどうだろう?
ELPの音楽を楽しむことができるだろうか?
今の若いリスナーはNeo-Zonkの演奏に即座に歓声を上げるだろうか?
答えは「Yes」だと私は信じている。聴かせる音楽はそれこそYesでもいい。
ただただ若い人達は「ありがとロック」しか知らないだけだし、知らされていないだけなのだ。
だって「21世紀の精神異常者」を聴いてカッコ悪いと思う人間はこの世にはいないと思うでしょ?
知らないだけなの。
問題は、プロを標榜する若いバンドの子たちや、商品を作っている側の若手が最早「ありがとロック」しか知らないのではないか?ということだ。
その状態では音楽に明るい将来は見出だせないだろう。
今朝のニュースで驚いたんだけど、今度は政府が演歌の再興を援助することになったんだって?
レコード会社も大変だよな~。流行歌を政府が指導するなんてことあっていのかね?
でもね、実は「ありがとロック」もその一端なんじゃないかと最近にらんでいる。
1969年、ベトナム戦争盛んなりし頃にウッドストックが開催され、音楽や若者はそのパワーを露わにした。決してウッドストックがベトナム戦争を終結させたワケではないけど、反戦ムーブメントの一端を担ったことは確か。
昔そんな状況を目の当たりにした政府は、すでにロックには若者に対して計り知れない影響力があるのを知っていて、レコード会社に銘じて「ありがとロック」を流布させ、若者を骨抜きにしているんじゃないか?なんて考えちゃったりするんだよね。
スポーツさせて「♪ありがと、がんばれ」って歌わせておけば安泰じゃん?その反対を考えたら世の中スゴイことにならないとも限らない。
ま、こんなの単なるジジイの妄想なんだけどね。
どんな音楽を聴いても好き好きだからそれについてアレコレ言うのは大きなお世話なんだけど、「ありがと、がんばれ」だけじゃあまりにも若い人たちが気の毒だと思う。ロックじゃないもん、そんなの。

色んな音楽を聴かなきゃモッタイない。
「Tarkus」や「Knife Edge」を知らないで死んでいくなんて…。
「Knife Edge」を聴いてカッコいい!と思って、今度はヤナーチェクの原曲「シンフォニエッタ」を聴いてみる。コープランドの「ファンファーレ」でもグルダの「プレリュードとフーガ」でもいい。もちろんムソルグスキーでもいい(←私は苦手)。
こうした自発的な探求行為こそ音楽の大きな楽しみのひとつなんだよね。
でも「ありがとロック」はそれがムズカシイ。「売らんかな」で人工的に盛り上げた「草食系ロック」はどこかに大きなミッシング・リンクが存在していて、過去の偉大な遺産を継承できていないからだ。

そんなことばかり考えている日常にNeo-Zonkに出くわしたものだから、小さいながらも現在の音楽シーンに一石を投じるつもりでMarshall GALAにご出演願ったのだ。
文字通り私の「Take a pebble」だった。(今日はKeith Emerson追悼の意味も含めてELPで揃えてある)
ゴメンナサイ。ちょっと書きすぎた。Zonkを聴きながら書いてるうちについ興奮しちまったもんで!
ま、平たく言っちゃえば、昔のロックよ、帰って来てくれ~!ってこと。

4202曲を演奏し終えて大歓声を浴びたNeo-Zonk。
私の顔も「してやったり!」になってる?
祥子ちゃん、「こんなへヴィなイベントに出させて頂いてとてもうれしかったです。」
この「へヴィ」が「変な」に聴こえちゃって、「こんな変なイベントに出させて頂いてとてもうれしかったです。」って言ったのかと思ってビックリしちゃった。
普段のライブでの祥子ちゃんのMCもおもしろいでね。へヴィな冗談かと思ったワケ。

430ショボンちゃん、「高田馬場のバズーカ・スタジオでNATALに出会って、もうそれからNATAL一辺倒です。」
ショボンちゃん、ありがとう!
若きスーパー・ドラマーを紹介してくれたバズーカさんもありがとう!

440_2
ここで祥子ちゃんが目ざとく私が脇に挟んでいたモノを発見。
それはMarshall HEADPHONESのホームスピーカー、STOCKWELL。

450最大出力25Wのパワード・オーディオ・スピーカー。
フル充電で25時間の再生が可能というすぐれもの。
何しろ音がいい!
持ち運びに便利なこの薄いボディから信じられないぐらいのリッチな低音が飛び出してくる。

320…ということで私も自前のiPodを使ってデモンストレーション。
Neo-Zonkの3人も「ウワ~、いい音~!」とビックリ仰天。
しかもSTOCKWELLから流れ出て来たのは昨年の12月にリリースしたNeo-Zonkの最新アルバム『Luminous』から「Flow of Time」。このあたりの仕込みにヌカリはない。
音もいいけど、曲がいいから余計に良く聴こえるのだ。
460
コレがそのCD、『Luminous』。
ナントこの日、Marshall GALAにお越し頂いた1割近くのお客さんがこのCDをお買い上げになったそうだ。
何しろ1曲目が終わったとたんに物販コーナーへ走った方もいらっしゃったとか…。
やっぱりね、みんなこういう音楽に飢えてるんですよ。
オリジナリティに富んでいて、音楽家としての技術を発揮していて、細かいところまでちゃんと作り込んだ音楽。
Neo-Zonkにご出演願って本当にヨカッタ。私の目も節穴じゃないってことよ。
紹介してくれたショボンちゃんに感謝!
がんばれプログレ!負けるなZonk!
Get well soon and long live prog rock!!

Neo-Zonkの詳しい情報はコチラ⇒neo-zonk-site

CdちなみにMarshallのiPhoneケースも完売したそうな。
コレは売れるわな。

370ハイ、次。
また大型転換お願いします!

470<つづく>

(一部敬称略 2016年3月6日 東京キネマ倶楽部にて撮影 ※撮影:Nica Azuma)

2016年3月23日 (水)

【Marshall GALA レポート】 vol.7: LUKE Tries CODE!そしてスタッフの皆さんのご紹介!

「転換、転換」と何度も恐縮だが、9つものバンドが出るイベントとなると、最低でも8回はステージ上の何がしかの機材の入れ替えや調整が必要になる。コレはどうしても避けられない。
Marshall GALAは出演バンドが9つ、すると転換が8回!…オイオイ、半分近くが転換じゃないの!ということに気がついてビビった。
「ナンダ、ナンダ、転換を見に来たんじゃねーよ!これなら家でグラブってればヨカッタ!」なんてお客さんに言われたらイヤだからね。
出演者のパフォーマンスは最高にキマってるんだから、とにかく転換をスムースかつ興味深いモノにして、観てる皆様をいかに飽きさせないようにするかを熟考しながら台本を書いた…つもり。
Marshall GALA終了後、ある方からご指摘を頂戴した。年間にものすごい数のライブ・コンサートに足を運んでいる方のご高察だ。
「これだけの出演者がいながら進行はサクサク、物販はスムース、開場から開演までのムダな待ち時間もなしと、普段あちこちのイベントで感じるストレスが一切なかったです」
このことである。うれしいのである。
台本や段取り考えていた時の私の頭の中を除いていたかのような的確なご指摘。
もうひとつあるとすれば、スモークと照明のことぐらいかな?
で、とにかく転換の時間を短くしようとしたことは何回も書いたけど、何回かの大きな転換はどうしても避けられず、そこをどうするか…?と結構頭をヒネった。
それが今日レポートするシーン。


ステージの機材を入れ替えしている間、サブ・ステージに上がった私。
そこには黒いヴェールを被ったモノが…。

10vこの場面はCONCERTO MOONの機材を撤収して、やや大掛かりなステージ機材の入れ替えをしなければならなかったところ。
さあ、どうやって時間を稼ぐか…。
ハタと思いついたのが「新商品」。
そうだ!1月にNAMMで発表したデジタル・アンプをMarshall GALAで紹介できないだろうか?
そして、それをこの大型転換に充てればお客さんは退屈しないで済むのではなかろうか?
このアイデアが浮かぶやいなや社長に相談してみた。
すると、即座に了解してくれて、ほどなくしてサンプルが送られてきた。
それがこのCODE。
CODEについてはその由来も含めてすでにMarshall Blogでレポートしているが、実際に日本の公衆の面前で音を出すのはこの時が初めてだった。
何しろ今日本にあるのはヴェールを脱いだこのCODE50と、裏で待機してあったCODE25のたった2台だけなのだ

20もう一度おさらいしておくとCODEはMarshallが満を持して発表したフル・デジタルのモデルだ。

30歴代のモデルのプリアンプ14種類、パワー・アンプ4種類、スピーカー・キャビネット8種類のサウンドが詰め込まれ、さらにわんさかエフェクターを搭載しているMarshallファンならヨダレが垂れるのを禁じ得ない夢のアンプ。

50Marshall GATEWAYというアプリケーションで携帯電話からのアクセスが可能だ。
この辺りの機能とサウンドをMarshall GALAでお披露目しようというワケね。

60ナゼ「CODE(暗号)」という名前がつけられたかは、以前にイヤというほど詳しく説明した。
Marshallの本社があるのはブレッチリー、ミルトン・キーンズといって、第二次世界大戦中にドイツの暗号を解読し、連合軍を勝利に導く手助けをした暗号解読の設備があったところだ。
ゆえにブレッチリーには「暗号解読者の故郷」というニックネームがつけられている。
未読の方はまずコチラをご覧頂きたい⇒BREAK THE CODE!~その暗号を解け!<前編>

80
<…間…>
ハイ、読んだ?
コレはGALAの時にもしゃべったんだけど、そのドイツの暗号「エニグマ」を解くためにアラン・チューリングが開発した「Bomb(ボム)」という機械が今のコンピュータの礎となったとされている。
で、このチューリングという人はホモセクシュアルで、当時のイギリスの法律では同性愛が禁止されていた。
見つかると投獄されるか、ホルモン注射を打たれて体質を強引に変えてしまう措置が取られていたらしい。
そのことに悩んだチューリングは自殺を企み、小ぶりのリンゴ(多分マッキントッシュ)に青酸カリをまぶしてひとかじりして絶命した。
一方、有名なアップル社のリンゴのロゴって、ガブリとかじられているでしょう?
一体誰がかじったのか?
コンピュータの開祖とも言えるアラン・チューリングがかじった後なのだそうだ。
つまり、アップルの創設者たちは、コンピューターの開祖であるアラン・チューリングに畏敬の念を示すために、ひとかじりしたリンゴをロゴのデザインに採用したというのだ。
信じるか信じないかはアナタ次第です

90v私が弾いて音をお聞かせしてもいいんだけど、皆さん幻滅して売り上げに悪影響を及ぼさないとも限らないのでデモンストレータをお呼びした。
ルーク篁!

105_2ルークさんともMarshall Roadshowをやったことがあった。
アレもふたりでしゃべりまくって楽しかったな~。
今日は時間がないのでダラダラしゃべるワケにはいかない。
手にした携帯でさっそくCODEをイジってお見せした。

120プリアンプをSilver Jubilee、パワー・アンプをClassic 100W Marshall、キャビネットを1960に設定してと…。

123ルークさんはJCM2000以降のフラッグシップ・モデルや1959RR等の限定品に至るまで数多くのMarshallを実際にステージの上で使用してくださっている。

130v

それだけでなく、1960~70年代のビンテージMarshallを極上の状態で何台も保有しているコッテコテのMarshallコレクターなのだ。
だからCODEのように「歴代のMarshallサウンドを再現する」なんてモデルをチェックして頂くにはルークさんが最適だったのだ。

1253種類ほどのサウンド・キャラクターをガツンと弾いて頂いた。

140「コレいいですよ!素晴らしい!」
「デジタルでいろんな音が出るアンプが今はたくさんありあすが、コレはMarshallなんですよ。Marshallに特化しているところがうれしい。コ レが一番Marshallですね。(Marshallですから) Marshallが好きだという人には絶対におススメです!」
と結んでくれた。
160
まさか、ルークさんにこの場で初めて弾いて頂いたワケではなくて、実は、別の機会に前もって色々とイジって頂いていた。
その時も、かなり興味津々でバリバリ弾いて頂いたのね。
Marshallを熟知した一流プレイヤーのうれしいレスポンスだった。
そして、ルークさんはMarshallのCODEを日本のパブリックな環境で弾いた最初のギタリストとなった。
ルークさん、ありがとうございました!

150vコレがCODEの全ラインアップ。
発売はまだ先になるが実に楽しみだ!

170一方、メイン・ステージでは…
冒頭で触れたように、ここはCONCERTO MOONの機材を撤収して次に登場するバンドのキーボード2台をセットするMarshall GALA最大の転換。
どうなるかと思っていたらサッサとやっちまいやがんの。ココの手際の良さは見事だった。

180それもこれも最高に優れたスタッフさんがいてくれたおかげ。
今日のレポートの後半はMarshall GALAの進行を支えてくれた皆さんを紹介させて頂く。

私の手足となって当日の全体の進行を監督してくれた田島朋仁さん。
自身もJubileeを愛用するギタリストで、征史さんや金光さんとRon Ron Necordsというバンドで活躍している。
度重なる事前の打ち合わせにもイヤな顔ひとつしないで付き合ってくれたり、転換のための気の利いたアイデアを出してくれたり、当日のスタッフさんの切り盛りも一手に引き受けてくれた。
この人無くしてはスムースな進行は絶対に実現できなかった。Marshall GALAがMarshall GATAになっていたことだろう。
タジちゃん、どうもありがとう!

190Jonと一緒に写っているのはNATALの輸入代理店ラブレア・トレーディングの高野純さん。
ドラムまわりのケアを一手に引き受けて頂いた。
あの狭いところに4時間半もこもり切ってドラム・セットの管理をするのはさぞかし大変だったと思う。
高野さん、ありがとうございました。

200稲葉囃子のスタッフでご参加頂き、全編にわたってキメ細かいサポートをして頂いた灘井敏彦さん。
灘井さんもギタリストで、四人囃子の初代ベーシストである故中村真一さんとバンド活動をされていた。
灘井さん、ありがとうございました!

210vStrange,Beautiful and LoudやCONCERTO MOONのスタッフとしてご参加頂いた中脇一成さん。
一成さんからはこんなメッセージを頂戴した。
「このような素晴らしいイベントにスタッフとして参加することができ、心から感謝しております。
皆さんの"Marshall 愛"がいっぱい溢れたとても素敵な空間でした。
皆さん本当におつかれさまでした。そしてありがとうございました。」
こちらこそ…である。
数々の現場をご経験されている一成さんのサポートは本当にありがたかった。
一成さん、ありがとうございました!

230CONCERTO MOONのスタッフ、木戸達弘さん。
いつもニコニコ、何でも気持ちよ~く対応してくれるナイス・ガイ。
彼とは以前からの知り合いだったので、サポートしてもらえてうれしかった!
木戸ちゃん、ありがとう!

240v朝一番で会場に乗り込んできてくれた2人。仙台でFrozen Cake BarというバンドをやっているBAWとSARAYANGの両氏。
D_Driveのスタッフで参加してくれたが、彼らも積極的かつ全面的に手伝ってくれた。
本当にMarshall GALAを楽しんでくれたようで、感激の言葉がとてもうれしかった。
BAWちゃん、SARAちゃん、どうもありがとう!

250TORNADO-GRENADEの3人も手伝ってくれた!
左から松浦カズマくん、真壁雄太くん、寺沢リョータくん。
カズマくんは1987プレイヤー、雄太くんは先日Silver Jubileeをゲットしてくれて、今キャビネットも揃えようと画策している。
最初は雄太くんだけがTHE SHRED MASTERSのサポートで参加してくれる予定だったが、後にカズマくんとリョータくんがも加わってくれた。
こういう若くにぎやかな連中と仕事をするのは実に楽しいし、大いに刺激になる。ウチのセガレ達より若いんだぜ。
雄太くん、カズマくん、リョータくん、ありがとう!
今日ニュー・アルバムをリリースするTORNADO-GRENADEにはまた近々Marshall Blogに登場してもらう。

255v征史さんのケアをしてくれた小野寺由紀子さん。通称BONちゃん。彼女もmonomo...?というバンドのベース弾きだ。
BONちゃんもいつもStrange,Beautiful and Loudでご一緒させて頂いているが、いつもかいがいしくMarshallやNATALのケアをしてくれる。
この日も微に入り細に穿ち全体のサポートを手伝ってくれた。
BONちゃん、ありがとう!

C_img_2952_2 ドラムの達也くんのスタッフ、森井雅音さん。
森井さんとはこの日が初対面だったが、彼もものすごいナイスガイで、すぐに現場に打ち解けて色んな作業を手伝ってもらった。
どうもありがとう!

270vTHE SHRED MASTERSで出演した西村守くんのバンド、Fury of Fearのベーシスト、文月りらちゃん。
りらちゃん東京キネマ倶楽部のスタッフでもあるが、この日は休みを取ってくれて、自ら名乗り出て、SHREDS以外の物販や転換の作業に当たり、地の利を生かして八面六臂の活躍をしてくれた。
りらちゃん、ありがとう!

280v写真がなくて残念なのだが、他にも依知川さんのサポートで参加して頂いた金枝さんにも色々とステージまわりのことをお手伝い頂いた。
ありがとうございました。
他にも出演者専属でのケアでご参加頂いた石井ちゃんや社ちゃんやその他の方々、物販をお手伝い頂いた馬場さんや美瑞穂さん…高い評価を頂戴したスムースな進行はみなさんのおかげで実現しました。
Tシャツに関して惜しみないアドバイスをして頂いた未来さん、他にもお手伝いを申し出て頂いたご親切な皆さん。
さらに長丁場にめげずにビデオ・カメラを回して頂いた森田健一さん、狭い狭い前ッツラに身体をこごめて大量の写真を撮ってくれた吾妻仁果さん、私じゃあのスペースに身体が入らなかった!
本当にありがとうございました。

440 さらに、Marshall Eyewearの藤原さん、上田さん、Marshall HEADPHONESの小池さん、白鳥さんも物販ブースに張り付いてグッズの拡販に勤しんで頂いた。

285最後に、GALA菓子の買い出しから詰め込み、Tシャツの折りたたみやグッズの仕込み、その他色々な局面で女性ならではの細かいアドバイスをしてくれた家内の美幸にはこの場をお借りして心から感謝する次第である。疲れたね~!でも最高に楽しかった。
どうもありがとう!
ちなみに…かけてるメガネはもちろんMarshall Eyewear。家内もJAMESを愛着している。

290ここまでがMarshall GALAレポートの前半。
まだまだつづきます!

(一部敬称略 2016年3月6日 東京キネマ倶楽部にて撮影 ※撮影:Nica Azuma ※他、写真をご提供してくださいました皆さん、ありがとうございました!)

2016年3月22日 (火)

【Marshall GALA レポート】 vol.6: CONCERTO MOON

Marshall GALAの四番手は日本の正統派へヴィ・メタル界の名門CONCERTO MOON。
おかげさまで、島さん(以降ノンちゃん)とのお付き合いも決して短いものではなくなった。
Vintage ModernやJMD:1の発売のタイミングに合わせた「Marshall Roadshow」なるクリニック・タイプのイベントに関しては何回もお手合わせをお願いしたものの、タイミングが悪く、なかなか大型のMarshallのイベントにご出演して頂く機会が探せないでいた。
チャンス到来。
「お待たせしました!」と言わんばかりにノンちゃんにギタリストとしてMarshall GALAへの出演をお願いした。
もちろん間髪入れず、その場でご快諾頂いた。
ご快諾頂いたのは誠に結構なことなのだが、はて…バックのメンバーをどうしようかしらん…としばらくの期間考えあぐねていたところにノンちゃんから連絡があった。
「せっかくのマーシャル(ノンちゃんは「マ」にアクセントを置いて英語式に発音する。コレが正解)のイベントですからね、よろしければCONCERTO MOONで出演させてもらえませんか?」
そりゃもう!
ナンたって現存する日本のへヴィ・メタル・バンドの重鎮だからして、ノンちゃんの申し出は願ったり叶ったりだったのだ。
ひとつ心配があったとすれば、例によって転換のことだった。
キーボードの出し入れはあるし、ベース・アンプはVBAの持込を希望されているし…相当考えたよ、アタシゃ。ベース・アンプの上下を移動するのは結構ホネな作業だからね。
いかに作業を簡略化して転換の時間を短縮するか…。
そこでハッと気が付いた。
CONCERTO MOONの前に出演するバンドのベーシストは、hibikiくんにしても、征史さんにしてもいつも上手に立っている。
しかも、CONCERTO MOONのベースの中易さんは下手がスタンダードな立ち位置だ。それならば、下手のEDENの前にVBAを置いてしまえ!
そして、キーボードも初めからステージの端に待機させておけば、本番時に少しぐらい横にズラす作業なんて下からステージに上げることに比べれば造作ない。
そして、当日。素晴らしいスタッフの的確な作業を得て見事に作戦は大成功。
そして、ついにCONCERTO MOONはMarshall GALAのステージにその雄姿を現したのだ…Marshallの爆音とともに!

10CONCERTO MOONの総帥・島紀史。

20ボーカル、久世敦史。

30キーボード、Aki。

40vベース、中易繁治。
280v

ドラム、河塚篤史。

60v1曲目は「Savior Never Cry」だ。

70v雄叫び一発!
久世ちゃんがCONCERTO MOONに参加しての初めてのアルバム、『Savior Never Cry』のタイトル・チューン。
2011年のリリースだから、久世ちゃんが入ってからもう丸4年も経つのかよ~!
初めて観た柏でのステージ、すごくよく覚えてるナァ。

80vリズム隊も昨年入れ替わったばかりだが、そんなことを全く感じさせない息のあった完璧なパフォーマンスを見せてくれる。

350

オラオラオラオラオラ~!
泣く子もダマるノンちゃんの閃光のようなソロ!

100音がいいまた素晴らしい!
ノンちゃんは写真向かって左の愛用のMAJOR1967を持ち込んでいる(写真提供:Mashaくん)

90_2いい加減に扱う音がひとつもない華麗なフレージング。そしてあまりにもクリアなトーン!

110vまだ始まって数分しか経っていないが、CONCERTO MOONの昨今の好調ぶりを鮮やかに露呈しているかのような演奏だ。
しかし、この曲のサビの歌メロの音程の高さは尋常じゃないな。血管は大丈夫なのか?
久世ちゃんの声は、「ハイトーン」と巷で呼ばれているやたら高い女性的な声とは異なり、どこまでも汗臭く男性的だ。コレがロックの声だ。

120そして、この曲の比較的長いアウトロがカッコいいんだ。イントロのキメのフレーズが一回しか出て来ない。普通だったら3回ぐらい弾いちゃいそうなんだけどね。シブい。

130「オレたちにはなくてはならないMarshallサウンド。Marshall GALAに呼んで頂けてシアワセです!」
とにかく曲を聴いて欲しい…とすぐに2曲目に入った。

140v2曲目は「The Shinning Light of the Moon」。

150出だしのコーラスが印象的な「CONCERTO MOON賛歌」…この壮大なパートを聴くといつも私の頭の中には「賛歌」という言葉が浮かぶのだ。

170右手を何度も間に差し出し祈るように、諭すように歌う久世ちゃん。

160
Akiちゃんのキーボードがこのドラマチックな曲に何層もの厚みを加える。

180熱唱、また熱唱。
ドラマチックに表情を大きく変えながら展開するこの曲の各パートを丁寧に歌いつないでいく。

190vオラオラオラオラオラ~!
泣く子もダマるノンちゃんの閃光のようなソロ!ってさっきも書いたことはわかってる。
ボケているワケでも横着しているワケでもない。
まさに「閃光」なのだ。
だからまた書いた。

200vこの曲のソロではサビのコード進行に乗せてメロディアスなフレーズをつなぎ合わせていくところが実にいい!
こういうことをサラっとやってしまうところがノンちゃんの手練手管に長けたところだ。

210出た!「ノンちゃんにらみ」!
ノッてる証拠。

230超高速のロードローラーのような重圧感が何とも気持ちいい。

240信じられないような密度の演奏で2曲目も走り抜けた。
320
早くも最後の曲。
持ち時間が短くてゴメンね!

260「Between Life and Dea~th」!!!!!!!!

270v現在の5人になってから初めのアルバムのタイトル・チューン。
つまり、今のノンちゃんだ。イヤ、ノンちゃんはもう次のステップに歩を進めているのかもしれない。

290河塚さんが使用しているスネアはNATAL自慢の「Stave(ステイヴ)」スネア。Staveとは「桶」のこと。
「ケロリン」の赤いロゴが底に入った黄色いビニール製の風呂桶ばかりになってしまって久しいが、昔の銭湯は木製の桶が普通だった。
「桶」というぐらいなので、NATALのStaveスネア・ドラムはアレと同じ構造をしている。
肉厚で縦長の木のブロックを丸く組み合わせたシェルが瞬発力バツグンのヌケの良いサウンドをクリエイトする。
それでいてものすごく鳴りが上品なのだ。世界中の多くのドラマーが注目しているのもうなずける。

300v中易さんが使っているのはVBA400とVBC412。
Marshallのベースアンプ史、最後のフラッグ・シップ・モデルだ。とてもいいベース・アンプだった。
Jim Marshallは元々、ギターではなくベースのためのアンプを作ろうとしていた。
そんなこともあってずいぶん色々なベース・シリーズを展開したが、このVBAシリーズを最後に開発を終了。
代わりにアメリカの名門ベース・アンプ・ブランドEDENを傘下に収め、現在に至っている。
中易さんと河塚さんのリズム隊はCONCERTO MOONにソフィスティケイトなイメージを付け加えたように私には聞こえる。
50v

新生CONCERTO MOONを象徴する曲なのだが、とにかくCONCERTO MOONに変わりがないことを提示する曲でもある。
CONCERTO MOONはいつでも15番目の月だ。

310派手なキメに続いて…

90

ノンちゃんのソロ。

330

素晴らしい!コレも文句なしの出来!

370v速く弾くだけではない別次元のシュレッディングとでも言おうか…

375vていねいに、ていねいにページをめくって本を読んでいるかのよう。ソロの流れがひとつの雄弁な壮大な物語になのだ。

3803曲と演奏曲数はすくなかったが、CONCERTO MOONの魅力にあふれるステージだった。
中間のMCで久世ちゃんが言った通り、Marshallなくしては成立しないサウンド。
CONCERTO MOONで出演してもらって本当にヨカッタ!

390ノンちゃんへのインタビュー。話が長くながくなる恐れ大。
冒頭で触れたように昔はふたりでクリニックをよくやったものでしてね。よ~しゃべったんだ。

400ノンちゃんがうれしいことを言ってくれた。
「皆さん、うるさかったでしょ?…(間。息が上がっている)…でもね、コレが正しいMarshallの音量なんですよ。さっきの三宅さんとボクで皆さんに正しいMarshallのボリュームをお送りした。迷惑でしょ?」
イヤイヤ、コレぞロック・ギターの音量。真空管のアンプでしか実現できないロック・ギターの音色なのだ。

A_dsc_6376 人のことは言えないけど、ま~ノンちゃんもよくしゃべる。
普段のCONCERTO MOONのコンサートでは絶対に口にしないような話だったので会場も大爆笑!
しっかり告知コーナーも…春からは、『BETWEEN LIFE AND DEATH TOUR vol.2』と銘打って全国ツアーがスタートする。
それならば…と、前回のツアープログラムを引っ張り出して私も自慢大会というワケ。
写真はスタジオに入ってすべて私が撮らせていただいた。

410今回もツアーのテーマとなる近作の『Between Life and Death』。
この中のアーティスト写真も担当させて頂いた。

415cdそして、コレは前回のツアーのもようを収めたDVD、『OFFICIAL BOOTLEG SERIES 03』。
修正一切なしのガチンコ映像。
今回のツアーの4月1日の大阪公演から会場で販売される。
オッと、このDVDにも私が撮った写真を使って頂いた。
ありがとうCONCERTO MOON!

416dvdCONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒Official Site

ココでMarshall GALAの前半は終了。

420<つづく>

(一部敬称略 2016年3月6日 東京キネマ倶楽部にて撮影 ※撮影:Nica Azuma)

2016年3月18日 (金)

【Marshall GALA レポート】 vol.5: Strange,Beautiful and Loud

そういえば、このMarshall GALA、気が付いてみるとみんな「ガラ、ガラ」って呼ぶようになっていたな~。
ジョンが提示してくれたショウのタイトルのアイデアには「Marshall Extravaganza」というのがあったことは以前にも書いた。
私はFrank Zappaが口にするこの「Extravaganza」というビッグ・ワードが以前から好きで、意味も「豪華絢爛なショウ」だから、はじめは企画にピッタリだと考えた。
でも、「Marshall Extravaganza」とすると、一般の人が最近テレビに出ている「ナントカ・エクストラバガンザ」というドラッグ・クイーン(おネエ)を想起するのではないか?と心配して却下させて頂いた。
重要なもうひとつの理由は、その言葉の連なりでは、略称が得られにくいと考えたのだ。「マーエク」じゃ座りが悪いし、「マーガン」じゃどうにもカッコ悪い。マーゴ・ガーヤンみたいだ。(マーゴは60年代後半の女性シンガー・ソングライター。ナント、コルトレーンの諸代表作で有名なジャズの名門レーベル「impulse」のロゴをデザインした人。マーゴの音楽にはサッパリ興味がなかったがこの事実だけでCDを買った)
一方、Marshall GALAという名称なら「マーガラ」とすぐに略称で呼ばれると踏んだのだ。日本人は略称が大スキだからね。
英語にも「OMG」とか「ILY」式の省略をよく見かける。コレを真似て芸のネタにしているの輩がいるが、おもしろくも何ともない。
それよりおもしろいのは、そうしてアルファベットの頭文字だけに短縮した名称を日本人はさらに縮めて呼んでしまうことだ。
「VIP」を「ビップ」みたいにね。英語圏の人はコレを必ず「ヴィ・アイ・ピー」と読む。ココにも日本人の「略称精神」が見て取れる。
ま、何にせよ愛称があるっていうのはいいことだ。浸透度あるいは親密感のバロメーターだからね。

「マーガラ」の三番手は三宅庸介率いるStrange,Beautiful and Loudだ。

10田川ヒロアキのリズム隊はステージに残ったまま。
こっちが本職だからね。
ベースの山本征史

A_dsc_5905_2 ドラムは金光KK健司だ。

A_dsc_5909 そして、三宅庸介。
冒頭、天に向かって両手を広げる。
Jimi Hendrixの魂を迎え入れているのだろう…ということにさせて頂こう。
(後でビデオを見てわかったことだが、この写真は一種の「奇跡」だ。写真では三宅さんが悠然とこのポーズを取っているように見えるが、実はコレ、コンマ何秒かの間の仕草なのだ。写真っておもしろくも恐ろしい。
そもそも三宅さん特有のデモーニッシュな雰囲気があってこそこういう写真のになるのだが…。とにかく、この瞬間にシャッターを切ったNicaちゃんに最敬礼!)

40_2三宅ワールドはまずすさまじいグリッサンドを合図に炸裂した。
かなり前にこの日の演奏曲目についてスリ合わせをした時、三宅さんは何かイギリスっぽいイメージの音をオープニングに持ってこようと思っている…とおっしゃっていたが、どうやら考えを変えたようだ。

47v

このGALAのために新しく作ったというイントロダクション。
音を出した瞬間に会場は三宅庸介の空気に満ち溢れてしまった。

45v耳なじんだ金光さんのイントロ・フィル!

80v

「If」だ。
250_2

三宅さんの代表曲ともいうべきこの作品。
もう何回も聴いてきたハズなのに今日はやっぱり雰囲気がいつもと違う。
90
やはりGALAマジックが存在したのであろうか?
100v

何しろ耳を疑いたくなるような轟音だ。
JVM210Hと1960BV。
先に登場したヒロアキくんと丸っきり同じバックラインなのだが、似ても似つかないサウンド。
これだからMarshallはおもしろい!

195

この轟音、JVMのチャンネルはCLEAN/ORANGEで、GAINは10、TREBLE 3、MIDDLE 9、BASS 3、VOLUME 9。
MASTERセクションはVOLUMEが10。RESONANCE3、PRESENCE 0だそうだ。
良い子はマネしないように。
たとえ三宅さんと同じギターやエフェクターをつないでも絶対に同じ音は出ないから。
140

いつもはハーフ・スタックの三宅さん。
先に記した通り、三宅さんも下のキャビネットを鳴らしているのだが、今日はフル・スタックなので、いつもより鳴らしているキャビネットに荷重がかかっている。結果、筐体がいつもより振動しにくくなっている。
それを考慮してRESONANCEをキャビネットを振動しやすくしたのだそうだ。
Marshallのキャビネットは、裏板の震え方を見ればわかるように、振動を十分に計算して設計してある。三宅さんの考察は正しい。
95
征史さん、引き続いての熱演!
身体に染み込んでいる曲だけに気持ちの入れ込みようもすさまじい。

70印象的なメロディのサビからリフを経て…

200_2

一旦曲調が変わる。
ん~、やっぱりカッコいい。間違いなく三宅さんのキラー・チューンのうちの1曲。
三宅さん自身も「大切な曲」と述べている。

230_2

そして、魂のギター・ソロへ!

110v_2

縦横無尽に暴れまわる征史さんのベース・ラインも聴き逃してはならない!

120三宅さんと同じ波長でドラムを打擲する金光さん。
さっきのヒロアキくんの時のひたすらドライブすることに徹したドラマーと同一とは思えない。

130v「まさかのハンド・マイクですが…」。
マイク・スタンドあったんですけどね。端っこすぎちゃったからかな?
三宅さんがマイクを握りしめて喋ってしまったのも一種のGALAパワーとしておこう。

A_s41a0285「こんな場所に呼んで頂けるなんてとても光栄です。子供の頃からの夢と憧れだったMarshall。愛情を込めて演奏させて頂きます」

150v_2まるで「Foxy Lady」のようなフィード・バックから入った2曲目は「murt'n akush(マラケシュ)」。

160_25/4拍子というリズムだが、三宅さんのレパートリーの中ではわかりやすく親しみやすい作品。
三宅さんの中でも「陽」の曲と位置付けられている。

R_dsc_5881 また、この曲は征史さんや金光さんとどれだけ楽しんでインスパイアし合えるかという題材にもなっている。

180まさにMarshall GALA向けの曲ではなかろうか?
細工は流々、火花散る3人のインタープレイが十分堪能できた。

190「マラケシュ(Marrakech)」とはモロッコ中央部の都市の名前で、ベルベル語で「神の国(murt 'n akush)」を意味するのだそうだ。
映画ファンならこの街がヒッチコックの1956年の名作、『知りすぎていた男(The Man Who Knew Too Much)』の舞台となったことでおなじみだろう。ダニエル・ジェランの「Ambrose Chapell」ってダイイング・メッセージも印象的だった。最後のシーンはロイヤル・アルバート・ホールだし。この作品は1934年の『暗殺者の森(原題同じ)』セルフ・リメイクなんだよね。
私も「マラケシュ」という地名は、大学の時に観たこの映画で知った。
子供の頃から観ていたヒッチコック映画なのに、なぜ大学の時まで観たことがなかったのか…『裏窓』、『知りすぎていた男』そして『ハリーの災難』は数十年もの間、日本で上映されていなかった幻のヒッチコック作品だったのだ。『ロープ』と『めまい』もそうだったかな?
で、それがリバイバル上映されると聞いて、コレは絶対観なきゃ!と、GALA当日物販コーナーにいた女性を誘って観に行ったのだ。
2回目に観たのは富山の高岡でだった。ナゼか『ターミネーター』が併映されていた。
ちなみに『知りすぎていた男』の主題歌が、主演を務めたドリス・デイが歌う「ケ・セラ・セラ(Que Sera Sera)」で、同年のアカデミー歌曲賞を獲得した。スーパーマンとバットマンが戦ったりしない、まだアメリカ映画が正常な時代の話し。
ハイ、本シリーズ初の大脱線でした。

210_2何が言いたかったのかというと、この三宅さんの「murt 'n akush」は十分『知りすぎていた男』に使える緊張感に満ち溢れたサスペンス巨編だってこと。
三宅さん、映画音楽の仕事でも当たればおもしろいのにな。Milesの『死刑台のエレベーター』みたいにフィルムを見ながら三宅さんが思うがままに爆音で即興演奏する。
『エレベーター』ではルイ・マルも、マイルスも、モーリス・ロネも、ジャンヌ・モローも、存在感が拮抗していたけど、三宅さんのギターに渡りあえる映像作家なんて今はまずいないだろうな。
170v_2
基本リフを使用した中間部のカッコいいキメからソロに入る。

240_3

三宅さんの弾くメロディに絡みつく征史さんが奏でる対位法的ラインが素晴らしい。

220終始貫かれる5/4拍子が終盤には突然3/4拍子に姿を変える。
原曲のワルツ・パートをGALA用に拡張した。「Fm Waltz」と題する「murt'n akush」の最終楽章。
そういえば、キーがタイトルに入っている曲ってありそうでない。考えてみたけどWes Montgomeryの「D-Natural Blues」しか思い浮かばなかった。
三宅さんがこういうことをすると、十二音階にはないアルファベットだが「P's March」を思い出す…Focusだ。
60v
この辺りのドラマの並べ替えがまた実にカッコいい。
260_2
どこまでも自分だけの言葉で語りつくすソロ。大変なことだ。
270_2
そして、曲はリタルダントして静かに横たわる。
50
三宅さんは自分の魂を音楽の神に捧げるように…

280v愛用のストラトキャスターを…

290vMarshall GALAのステージに葬った。

300_2「本来Marshallはフレンドリーな存在ではないんですよね。いかに美しく、そして大きなロック・サウンドが出せるかMarshallに毎日テストを受けながら弾いているようなものなんです。
Marshallを本当に鳴らすことができる一流のプレイヤーになりたいと子供の頃から願っていました。」

350_2

ココでStrange, Beautiful and Loudのセカンド・アルバム『Orchestral Supreme』を紹介。

330_2なんとならば、このCDのジャケットに使われている写真は、今日とまったく同じ場所に立つ2012年10月13日三宅さんの姿を私が撮影したものなのだ。
今日演奏した2曲はこのアルバムの冒頭に収められている。
MarshallとNATALのサウンドがふんだんに盛り込まれたアルバムだ。
誰もが諸手を挙げて喜んで聴き入るタイプの音楽では決してないものの、日本でもこういうサウンドがもう少し一般大衆の間に受け入れられてもいいと思う。かつてはジャズを愛でた国民なのだから。
そんな思いも込めて三宅さんにMarshall GALAにご出演頂いた。
Marshall Blogでは知っていても、初めて三宅さんの音楽を耳にした方も多かったと思う。十分刺激的だったのではなかろうか?

340cdおっと!
本番では時間がなくて触れることができなかったので、ココで紹介させて頂くが、私がこの時かけていたメガネもMarshall Eyewearだ。
最近、小さい字が全く見えなくなってのう…。名刺のメール・アドレスの字がまったく見えんのじゃ…「6」か「8」か、「i」か「l」か。
そこでMarshall Eyewear!
中近両用というのにしたら快適、快適。
私のはJAMESというモデル。
James Marshall HendrixかJames Charles Marshallか…名前もゴキゲン!

360_2三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange,Beautiful and Loud

310

<つづく>

(一部敬称略 2016年3月6日 東京キネマ倶楽部にて撮影 ※撮影:Nica Azuma)

2016年3月17日 (木)

【Marshall GALA レポート】 vol.4: 田川ヒロアキ

THE SHRED MASTERSの興奮冷めやらぬステージに残る私。
仕方ないでしょ。転換の間つながなきゃ!
ココでは東京キネマ倶楽部がMarshall公認のライブハウスになったいきさつを詳しく説明させて頂いた。
ちなみに、「ライブハウス」は日本語で、海外の連中は生演奏ができるこうした施設を「クラブ」と呼んでいる。
イギリスでは週末になるとアチコチのパブにバンドが登場して生演奏を聴きながらチビチビやっているが、「クラブ」とは言わない。「パブ」は「パブ」だ。
そのパブでのライブはみんなが知っている彼らの偉大なる文化的遺産であるところのブリティッシュ・ロックの名曲がつづられ、お客さんも一緒になってThe WhoやLed Zeppelinを歌う。
うらやましい文化だ。
そんなロックのお国からやって来た2人をここで紹介した。

10v Marshall社社長、ジョナサン・エラリー!Marshall GALAの発案者であり、名付け親でもある。
おお!コルナでキメた!
遠くにいてもデカい。

20そして、もうひとりはグレース・パントニー。
「Marshall」他のブランド・ライセンスの仕事に携わっている。
30ステージの準備が整った。
Marshall GALAの2番手は田川ヒロアキ!

35まずはギター・ソロ。

40ヒロアキくんお得意のア・カペラのソロだ。

50v いつもは後半に出て来るタッピングのシーケンスが冒頭に現れた。
お、Marshall GALAスペシャル・バージョンか!

60弾き出したら止まらない!
相変わらずの美しいサウンド!
使用しているMarshallはJVM210Hと1960BVだ。

70v パノラミックに展開するプレイはまるでMarshall GALA開催への賛辞のようにも聞こえた!

80そして、バンドでの演奏に入る。
予てよりレポートしている通り、今回のトリオはそれこそMarshall GALAスペシャル・バージョンだ!

100

ベースに山本征史

110v

ドラムは金光KK健司。

120v

ク~、タマらん!
この3人の組み合わせの妙をどう表現したらよいのだろう?
160
Marshall Blogをいつもご覧頂いている方にはご存知の通り、田川ヒロアキは登場頻度の高いアーティストのひとりで、バラエティに富んだフォーマットでの演奏をレポートしてきた。
どのチームも名手ぞろいで、素晴らしい演奏だったのは言うに及ばない。
しかし、このリズム隊も間違いなく「田川史」に残る名演を提供してくれたと思う。

130コレも「GALAマジック」と言いたいところだけど、さにあらず。
ヒロアキくんにGALA出演の依頼をし、即ご快諾頂いたところで、ドラムとベースは誰にお願いするか?…という話になった。
すると、ヒロアキくんがスンナリとアイデアを出してくれた。
「Strange, Beautiful and Loudの山本さんと金光さんと演れたらうれしいですね…」
三宅さんが出演するのを知った上でのアイデアだ。
「ホホウ…それはおもしろいことになるかも」…と三宅さんに相談したうえ(コレはエチケット)、征史さんと金光さんに打診してみた。
こちらも即ご快諾!
征史さんも「前から田川さんと一緒に演ってみたかったんです!」なんて言ってくれる。
しかもふたりはMarshallとNATALプレイヤーだ。
実は、征史さんも金光さんもかつて同じ機会にステージに上がり、三宅さんの曲を演奏したことはあったのだが、田川オリジナルを一緒に演奏するのはコレが初めてだったのだ。
それで、リハーサルで十分な手応えをつかみ、こうして本番に臨んだというワケ。
こういうのがイベントの醍醐味だよね。
このMarshall GALA、自信を持って皆さんにお届けしたいシーンが山ほどあったが、ココのチームもそのうちのひとつだった。

140v金光さんの鋭いフィルが入って猛然とバンドがドライブするのは「My Eternal Dream」。

180v

ヒロアキくんのテーマ・ソング的ナンバー。
デヘヘ、私のリクエストなんだ。
シンプルでストレートで、メロディアスでメタリック…どこまでもドライブする名曲。これこそオーバー・ドライブだ。

150v 征史さんのベース!
実は、この日撮影した動画が私の手元にあるのだが、それを見て金光さんのクリスピーなドラミングに乗った征史さんのベース・ラインに何度鳥肌が立ったことか!
また音がいいんだ!
下の写真の向かって右のMarshallが征史さん愛用の1992 SUPER BASS。コレとプレシジョン・ベースの組み合わせが今まで聴いたことがない「My Eternal Dream」をクリエイトした。

A_dsc_5763 そんなゴキゲンなリズム隊にバックアップされてヒロアキくんもこの通り!

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A_s41a0193

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ノリノリだ~!っていうか、最高に気持ちよさそう!

190v

田川ファン多かれど、この「My Eternal Dream」をご覧になった方はラッキー&ハッピー。Marshall GALAにお越しにならなかった方は残念無念!この値千金のパフォーマンス、是非見て頂きたかった!

200「Marshall GALAに呼んで頂いて光栄です!」
MCではCDリリースに伴う春のソロ・ツアーと次の曲を紹介。

2102曲目はトレモロ・アームを使った車のエンジン音からスタートする。
A_s41a0129
最新作『Over Drive』のリード・チューン、「キミを乗せて」だ。

225v (二回目があるとすれば…)Marshall GALA史上最初の歌声だ。

230初めて車をゲットして、彼女を乗せてドライブするウキウキな気持ちを表現したポップ・チューン。
すぐ眠くなっちゃうので私は車の運転が好きじゃないんだけど、この曲は好き。
知らない間に「♪手にした~はじめての~」なんて口ずさんじゃうことがある。
「平和の風」とか「やっとずっと」とか、ヒロアキくんの曲って、ナゼかフトしたところで思い出して口ずさんじゃうんだよね。

240「ポップ・チューン」とは言っても、そこは筋金入りのメタラーのヒロアキくんのこと…ハードな側面もタップリ。

A_dsc_5752 ピック弾きで低音をかき鳴らす征史さんも曲をオーバードライブさせる!
170v

それもそのはず、征史さんはこの曲がとてもお気に召したようで、リハーサルの時にも絶賛されていた。
征史さんもSTANDという自分のバンドで作詞作曲をしているので、ヒロアキくんの創作マインドに触発されたようだ。

250…ということでコーラスもバッチリ!

300

ヒロアキくんも歌っていて実に気持ちがよさそうだ。

260金光さんのエイトビートの権化のようなドラミングがドライブの源。

270何よりも、見ていてみんなすごく楽しそうなのが伝わって来てうれしい。GALAやってヨカッタ!

280この曲のソロも実に魅力的だ。

290徹底したポップ基調で曲が進められて来、ソロでガツンとロック・ギターの神髄を提示する。
コレでいいのだ!

310vそして、歌も最終コーラスに入る。ギアはもちろんトップ!

320v ますますヒートアップするKKドラミング!

340v

それにしてもこのトリオは刺激的だ。まさにロックバカ一代(失敬!)だけが実現し得る不思議な化学反応。

330こうなると他のヒロアキくんの曲もこの3人の演奏で聴いてみたくなるのは人情というモノだろう。
実現するか?
実現したらバンド名は「TAGALA」にしてもらおう。

350あ~、終わっちゃった!もっと聴きたい~!

360MCでは私もサングラスをかけてヒロアキくんとお揃いにしてみた。
すぐにヒロアキくんもそれに気が付いてくれた。
最近は「田川河内」と呼ばれているとか…イヤイヤ、ここ2、3日は「ショーンT」でしょ。

A_dsc_5845 そして、私が手にしているのは2曲目に演奏した「キミを乗せて」が収録されている最新作『Over Drive』。

380当日も物販コーナーで展示されて好評を博した。

220cd そして、私がかけているのは当然Marshall Eyeware。モデルはJOHNNY。
かけ心地がバツグンで車を運転する時の必需品になっている。
当然運転する時は「キミを乗せて」を口ずさんでいる。
ま、私の場合、助手席に乗っている「キミ」はいつもカミさんか、空港へ送り迎えするジョンなんだけどね。
それでいいのだ。

400「THE SHRED MASTERSのスゴイ演奏の後でやりにくかったですね!でも、今日は一日Marshallのサウンドに囲まれて幸せです!」

田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒Fretpiano

410v ココでGALA菓子のご紹介。
もうこの時点でグッズは完売していたが、GALA菓子の方も最後にはほぼ完売。
お買い上げ頂きました皆様、ありがとうございました!

420<つづく>

(一部敬称略 2016年3月6日 東京キネマ倶楽部にて撮影 ※撮影:Nica Azuma)

2016年3月16日 (水)

【Marshall GALA レポート】 vol.3: THE SHRED MASTERS

客電が落ちる。
暗闇の会場にAlice Cooperの「Cold Ethyl」が流れる中、ステージに登場したのはワタシ。
私でスミマセン。
この「Cold Ethyl」はSlashをして、「この世で一番カッコいいギター・リフ」と言わせしめた『Welcome to my Nightmare』収録のハードロックの名曲。(歌詞の内容はとてもこんなところには書けない)
Slashがそう言ったからこの曲をオープニングSEに選んだんじゃない。ズっと以前から好きだったんだ。以前にもイベントのオープニングに使った。
そういえば、Marshallの50周年記念コンサートの時のオープニングの曲はEdgar Winterの「Frankenstein」だった。
なんだよ、両方アメリカものじゃねーか!トランプ喜んじゃうじゃないの!
またの機会があればイギリスもの…そうだな~、Henry CowかThird Ear Bandあたりにするか…。それじゃオープンできそうにないな。

A_dsc_5419_2当初の計画では、このオープニングでMarshall GALAを開催することになったいきさつを滔々と語ろことになっていた。
ま、私もしゃべり出すと止まらないクチなので、20分は固い。Marshall、ロック、ジャズの話題であれば3時間は軽い。
でも、少しでも上演時間を短縮しようとしているのに20分もしゃべっちゃマズイよな…。
そもそもお客さんにイヤがられちゃう。
で、頭を捻ったところ、最初のバンドは転換が要らない…ということに気がついた。
それならグダグダとくだを巻いていないで即演奏に入っちゃえ!ということで、早速台本を書き直した。
開始後数分で最初の演奏に入ったのにはそういうワケがあったの。
そして、とにかくオープニングのバンドは派手に行きたかった。
色々考えた結果、若手のシュレッダーに弾き狂ってもらってイッパツ景気をつけよう!と思いついてすぐに頭に浮かんだのが、しばらくステージを拝見していなかった元Crying MachineのMASHAくん。
そんなことを考えていたところ、偶然とは恐ろしいもので、ずいぶん長い間会うことがなかったのに、11月はじめのD_DriveのライブでMASHAくんにバッタリ出くわしてしまったのだ!
「コイツぁはいいや!」とMASHAくんにGALAのことを相談すると、条件も情況も確認せずにふたつ返事で承諾してくれた。
まさに『七人の侍』で島田勘兵衛(志村喬)が七郎次(加東大介)を野武士退治に誘うシーンだ。
あの時は「Marshall GALA」なんて名前も決まっていなかったんだっけ…。
その後私がTHE SHRED MASTERSのアイデアを提示し、2人で意見を交わす傍らMASHAくんが組み上げてくれたのがこのMarshall GALAのパフォーマンスだった。
…という内容はMCではしゃべっていません。写真と文章はほぼ無関係です。

A_dsc_5409_3THE SHRED MASTERSはMASHAと…

30_2Fury of Fearの西村守のツイン・ギター。

40その2人をガッチリとバックアップするのは、ベースにhibiki

60そしてドラムにNaked Machineの石川達也だ。
270

そして、いよいよMarshall GALAの最初の演奏が始まった!

80曲は「Forevermore」。
MASHAくんのペンによるメタル様式美あふれるスピード・チューンだ。

85冒頭のかき回しに続いて…

90いきなりふたりの火花の出るようなシュレッディング!

100一糸乱れぬ呼吸でテーマのメロディをハモる。

110theme転調からMASHAくんのソロ。
ディミニッシュ・フレーズがキマる!

120vそのまま2人のハーモニーでバロック風のパートに入り、聴く者の度肝を抜いた。
Crying Machineのインスト曲でもケルト風のメロディを取り入れて作曲テクニックを見せたことがあったMASHAくん。さすがの展開だ。

130vbaroque続いて守くんの若さと熱気あふれるソロ!

140vポーズもバッチリ!
昼のカレーも辛くなくてヨカッタ!

150v猛然とバンドをプッシュしまくる達也くん!イケイケ~!

160v守くんからhibikiくんにソロのバトンが渡される。

170まだまだ熱気のこもりまくったソロが続く!よ~弾くわ~。

180ギター2人のキメから曲はメジャーに、そしてまたマイナーに…このあたりのツメがおもしろい。

200まずは1曲目、キマッタ~!

210v間髪入れずに2曲目につなげる。

220今度はhibikiくんの曲、「It's SHOWDOWN」。
茶目っ気のあるメロディがすごく印象的だ。

230ここでもソロはMASHAくんが先行。

240続いて守くんのソロ。
徹底的に切り刻む!

260
守くんのソロの時のドラム・パターンがおもしろい!

250vしかし、このBb→Db→Gb→Db→Bb(実音)とつなぐメロディはやたらと耳に残るなぁ~。ただGbのトライアドを3度からアルペジオしただけなのにチョットした工夫ですごく可愛くて印象的な旋律になった。もっともこの後のスリリングな展開との対比があっての話しなのだが…。
MASHAくんの曲に続いてこのhibikiくんの曲もとても魅力的だ。

300v

以前よりMarshall Blogでお知らせして来た通り、達也くんはルークさんのチームでご登場してもらうにとどまっていた。
ところが土壇場になってTHE SHRED MASTERSのドラムに欠員が出てしまい急遽達也くんにお願いしたのだった。
もうSHREDSのリハーサルの日がキマっていたし、そもそも達也くんが受けてくれるかどうか…恐る恐る達也くんに電話を入れてみた。
「イヤ~実は…申し訳ないんだけど折り入ってお願いがあって…」
「エ、な、な、なんスか…」
私が神妙な調子で切り出すものだから、達也くんはテッキリ自分がMarshall GALAから降板させられるのかと思ったらしい。
トンデモナイ!誰がそんなことを!
事情を告げると「あ、ハイ!」と一発でOKしてくれた。「しばらくツーバスを踏んでいない」とチラリと不安な様子も見せたが、決してグジュグジュ言わない。男だ、達也は!
しかも、ウマい具合にリハーサルの日も空いているっていうじゃないの!
…ってんで電話を切ってすぐにMASHAくんに相談の電話を入れた。順番が反対かもしれないが、んなことは言っていられない。
MASHAくんもちょうどその時自分のライブで、出番の直前だったが、これまたウマい具合に電話に出てくれて、すぐに音源を達也くんに送る算段をつけてくれた。
それから中2日か3日で達也くんは曲を頭に叩き込んでリハーサルに臨んでくれたのであった。
ホント、ウマくいく時はこうしてなんもかんもウマくいくもんなんだよね~。
その反対のケースの方が圧倒的に多いんだけど…マジでJim Marshallが天国から見守っていてくれたとしか思えない!
70v

さて、この曲にはまだ仕掛けが残っていて、最後には4人で2小節ずつのソロを回して完結する。
そして期待をはるかにしのぐ大きな歓声と喝采!
A_dsc_4663

280v

290v

410

なるべく持ち時間を演奏に費やしたかったので、この日はどのチームもMCは短めとなった。
MASHAくんはTHE SHRED MASTERSの名前の由来について説明があった。
「Marshallがかつて販売していた速弾き用歪み系エフェクター『SHRED MASTER』からチーム名が付けられたんです」…オイオイオイオイオイオイ、ダメだよ、ココでそれ言っちゃ!
次のMCで私が言おうとしていたんだから!…ま、手間が省けていいか。

310v正直言おうか?
アノね、2曲目が終わって、お客さんの大喝采を耳にした時、「コリャ今日はイケるぞ!」って確信した。
ステージのそでから立ち上がって歓声を上げるお客さんを見てなおさらそう思った。
「イケる」と確信したのは、この場の雰囲気とか空気とか、そういうものが普通じゃないって我ながら感じたからなのね。
イベントからオーラが出てる…とでもいうのかな?
冷めた部分が何もないのだ。実は冒頭の「Cold Ethyl」は冷蔵庫で凍らした恋人のEthylの死体の歌なんだけど、クール(冷たい)なのはその歌詞の内容だけ。曲は十分にクール(熱い)だ。
そんな雰囲気でのSHREDSの3曲目はYngwie。
MASHAくんも演奏するのを楽しみにしていたという「Far Beyond the Sun」。

320冒頭の有名なフレーズをMASHAくんと…

330v守くんで掛け合いで奏でる。
コレはシュレッダーたちの一種の「聖典」でしょう?つまりシュレッダーを自称する人ならみんな弾けるハズ。
それならば…いつか10人ぐらいの腕利きシュレッダーをGALAに集めてこの曲をユニゾンで合奏しちゃうってのどう?
ハモらせちゃえば尚おもしろい。
ジャズではハーモナイズしたCharlie Parkerの有名なソロを5人のサックス奏者が合奏するSupersaxというグループがいた。圧巻です。
ギター版ではTonny Rizziという人がCharlie Christianのソロで同じことをやっている。
どう?Yngwieでやるのは?ギネスに載れるかもよ。

340vもうココは2人とも「水を得た魚」状態!

350イヤイヤ、激流を下る「2匹の雷魚」か?!

360何しろすさまじい疾走感だ!

370v先輩たちに混ざって遠慮なくグイグイと押しまくる守くん。

380vプレイもさることながらステージせましと動き回るシャープなアクションも見物だった!

390hibikiくんのベースが切り込んで来る!

400そして、MASHAくんと守くんのバトルに突入!

420

430v双方一歩も引けを取らないスーパー・シュレッディング!

440しかし、Yngwieってのはスゴイね。
ギターのイノベーターは数多く存在すれど、これだけ多くのフォロワーを生んで自分のスタイルを刷り込んだギタリストはそうはいまい。

450vこの時代に生まれてなくてヨカッタとしみじみ思うわ。どんなに練習してもこんなの到底できんもんね~。

455いよいよTHE SHRED MASTERSのステージもクライマックスに突入する!

460圧倒的なパフォーマンスでMarshall GALAのトップバッターの重責をいとも簡単に果たしてくれた!

470v転換の間はインタビュー。
「ギターを始めてからというもの、Marshall一筋。浮気をしたことがありません!Marshall大スキです!それだけです!」

480「Marshall最高です!これからもずっとMarshallです!」

490しばらくツーバスから遠ざかっていた達也くん…シンドそ~。
「NATALは叩いていてすごく気持ちがいいドラムなんです!」

500v「EDENは現場を選ばない優秀なアンプです!」

510「ギター・ソロ」なんて言葉すら死語になりつつありそうな現在の一般的なロックの状況にあって、あまりにも硬派な演奏。
我々の世代なんかはギター・ソロがカッコよくて、それにあこがれてギターを始めたもんだったけどね。
「新しい」と言われたり、「新しい」と勘違いされているモノがどんどんカッコ悪くなっている今、Marshallが育んできたロックをかたくなに演奏し続けるこういう連中をどこまでも応援したいね。
だからこそMarshall GALAに出てもらったんだ!
Marshall GALAは、Marshallの魅力を味わうだけでなく、ロックのカッコよさを再認識する場所でもあるのさ!

520<つづく>

(一部敬称略 2016年3月6日 東京キネマ倶楽部にて ※撮影:Nica Azuma)

 

2016年3月15日 (火)

【Marshall GALA レポート】 vol.2: 絶賛リハーサル中!

照明さん、音響さん、ご苦労さまです。
ステージの準備がほぼできたところでさっそくリハーサルに突入。
いつもご覧の方々はご存知だと思うが、Marshall Blogがコンサートのリハーサルの模様をレポートすることはほとんどない。
単におもしろくないと思うし、本編のレポートが薄まってしまうのがその理由。でも、Marshall GALAのリハーサルのようすはレポートせずににはいられないナァ。
イヤ、特に変わったことはないんだけど、すごく楽しかったの。
遅刻する人ももちろんいないし、信じられないぐらい順調だったのよ!
本番で演奏する曲数も少ないので当然といえば当然なのだが、とにかく時間通りにサクサクと進むようすは快適極まりなかった。
さすがにライブ慣れした百戦錬磨のプロ中のプロが集まっただけのことはあるというもんだ。
加えてスタッフの方々の手際の良さには目を見張るものがあった。

10s_2そうそう、MarshallやEDENは問題ないんだけど、NATALのキットの選択には大いに悩んだ。
メイプルにするか、バーチにするか、はたまたアッシュにするか…。
何人かの有識者からご意見を仰ぎ、結局「NATALしか持っていない」という理由でアッシュのキットを選ぶことにした。
コレがまた「音がよい!」と、ドラマーだけでなくギタリストやベーシスト、さらにはお客さんからも最高の評価を頂戴した。
NATALの向こうに見えているEDENは先のフラッグ・シップWT-800とD410XSTの組み合わせだ。ドラムを挟んでこのコンビを2セット用意した。
こちらも「音抜けがハンパじゃない!」と大好評だった。

20リハーサルのトップバッターに当たってはNeo-Zonkにお願いした。
もちろんキーボード類セッティングによる転換の時間を省くためだ。リハーサルの開始時間の前にセットしちゃえば転換の時間が半分で済むでしょ?

30ドラム・セットを調整するショボンちゃん。

40Neo-ZonkはGALAでどうしても紹介したかったバンドのひとつ。
案の定リハーサルの時から大きな注目を浴びていた。
このあいちゃんが撮ってくれた写真、ナイスですな。

50続いてはTHE SHRED MASTERS。

60以前にMarshall Blogでレポートした通り、4人が集まって演奏するのはコレが初めてではないにせよ、素晴らしい完成度だ。MASHAくんのリーダーシップがなせるワザなのだ。

70ドラムは急遽このチームに参加してもらった達也くん。

80vMASHAくんの1987(向かって右)とノンちゃんの1967のツーショット。MASHAくん撮影。

90_2サウンドをチェックした後、サクサクと3曲をさらってリハ終了。実にスムース!
守くんはもうGALAシャツ着ちゃってる!

100ヒロアキくんが出てきた。
ヒロアキくんの向かって左で何かを記しているのはタジちゃん。また別の機会に紹介するが、この日の私の相棒。
タジちゃんなくしては、リハも本番もスムースな進行は絶対に実現し得なかった。

110ヒロアキくんはいつも同じ愛器JVM210H。
今回は付属のペダルは使わず。
歪みはすべてアンプ。空間系のエフェクターをセンド&リターンにかましていつもの美しいトーンをクリエイトしていた。

120お、征史さん、今日はSting Rayだ。
ミュージシャンらしからぬ、しっかりしたVサインがまぶしい!

130_2金光さんはシングル・タムにセットをリセット中。

140_2このトリオもみんなに早く見せたいネタのひとつ。

150_2ものすごい過密スケジュールの合間を縫って駆け付けてくれたヒロアキくん。

160_2このチームのリハも実にスムース!

190_2いつも超パンクチュアルなヒロアキくん。当然時間通りに終了。あ、「パンク」じゃないよ。「パンクチュアル(punctual=時間厳守の)」だからね。
ヒロアキくんのパンクも見てみたいような気もするが…。

180_2

リズム隊のふたりははそのままに三宅さんがステージに上がる。
Strange,Beautiful and Loudだ。

220_2ココはもう完全に三位一体だから。

230_2

235何回も見てきているSBLだが、今日はやっぱり雰囲気が違う。
Marshall GALAへの意気込みを見せてもらっているようでとても光栄だ。

240_2音デケェ~!でもちっともうるさくない。
コレが本物の音だから。
ちなみにキャビネットは1960BVをご所望された。1960Bが足りなかったのでありがたい。
こんなところにも今回のMarshall GALAがうまくいく片鱗が見て取れたような気がする。

250いつもはこんなことをしないふたり。今日はGALAモードだ。

260リハとは思えない入魂ぶり…はいつものことか…。

280_2

SBLを初めて見る人はこの後ビックリするぞ~!

290_2

「音、どうですか?」
「デカいです」
「ボリューム9ですから」
「ドワッ!」…なんて話をしていたのかな?
お気に入りの一枚。三宅さんもMarshall GALAを楽しんでくれいるようでうれしい。
オ、向こうに征史さんのスタッフで参加してくれたmonomoのBONちゃんの姿が…。彼女、この日はオフィシャル・スタッフに支給された名札付きのメッセンジャー・バッグを一日中肩からかけっぱなしにしていてくれた。

270_2ハイ、お昼の準備ができましたよ~!
陸橋を挟んだキネマ倶楽部の向かいにある「GOKAN」というバルにカレーのホットミールをお願いした。
ココのカレーがメッチャおいしいんだ~。

300_2ココはカレーだけでなく、生パスタやトマト味のおでん、ロースビーフ等々おいしいものだらけ。
キネマでライブを観た後のお食事&イッパイにおススメ…なんだけど、席数が少ないのと高い人気のせいでいつも満席なのがツライところ。

310_2D_Driveの番が回ってきた。

320_2D_Driveはもうこの手のコンサートはお手のモノだ。
今日も最高のパフォーマンスを見せてくれるに違いない。

330この後はルークさんのチームのリハーサル。
ふたたび達也くんがドラムにつく。340
依知川さんもルークさんとe-ZUKAさんの2チームにわたっていぶし銀のプレイを見せてくれた。

A_dsc_4628ひょえ~、リハーサルが時間通りに進んでる~!イヤ、むしろ巻き気味でないの~!
この時点で「コリャ今日はうまくいきそうだな」って感じがした。
うまくいかない時はリハからうまくいかないもんよ。
350坂下さんと…

A_dsc_4627大二さんはe-ZUKAさんのセットから引き続いての登板。
ああ~、素晴らしい。
曲よし、演奏よし、四人囃子の音楽を自分の手で紹介できるだなんて最高に幸せなことだ。

360

それにしても大二さんのドラム!
三宅さんが私の所へ来て…「タマりませんね。最高にカッコいい!」って。私も心の底からそう思います。
ロック・ドラムの神髄がココにあると思うね。
370

リハーサルの最後はCONCERTO MOONだ。

380CONCERTO MOONはMarshallのベース・アンプ、VBAの上下を持ち込んでくれていて、その出し入れの手間を省くためにリハーサルの順番を最後にさせて頂いた。
CONCERTO MOONのリハーサルが終わると、アラ不思議…バックラインが本番に最初に登場するチームのセッティングになってるの。

390サブステージで行った新商品CODEの紹介のリハーサル。
リハーサルでは守くんにデモをお願いした。
チョット、チョット、なんだってジョンまで上がってくるのよ?

400エラリー社長にはフィナーレの段取りを説明する。
すんげえコワイ顔してるけど、真剣だからなの。マジメなの。

410安心してください。普通はこんな感じですよ!
言葉数は決して多い方ではないけれど、いつも冗談を言っている。
メールの簡潔さはピカいちだ。簡潔過ぎて時々意味がわからない時がある。
でもバランス感覚はいいし、決断はメッチャ早いし、親切で思慮深い。私にとっては尊敬すべきボスなのだ。

420リハーサルが終わって時間があったらやろうと思っていた記念撮影。
スンナリできちゃった。
だってあまりにもリハーサルが順調だったんだもん。

430ハイ、それでは開場~!

440開場と同時に物販コーナーは大忙し!

450出演者のCDも各種勢ぞろい。
Neo-Zonk…

460ヒロアキくん…

470CONCERTO MOON…

480三宅さん諸作と征史さんのSTAND…

500D_Driveいろいろ…

510さすが大御所の大二さん。スケールがデカい。何せ四人囃子の5枚組ボックス・セット!特製「四人囃子バンダナ」を添えて…。

520開演前じゃないと見れないからね、私もチョットようすをうかがいに来たよ。

530そして、いよいよ開演時間が迫る。

320_3<つづく>

※掲載の写真はオフィシャル・フォトグラファーとしてご参加頂いたNica Azumaさんの写真を中心に、出演者やスタッフの皆さんから寄せられたもので構成しました。
お写真をお寄せいただきました皆様にはこの場をお借りしまして心より御礼申し上げます。

2016年3月14日 (月)

【Marshall GALA レポート】 vol.1: Ready for GALA!

みなさん、お久しぶりです。
毎日更新を続けて来たMarshall Blogだけど、ついに沈没。スッカリ休み込んでしまった!
でも、私、遊んでいたワケでも、病の床に臥せっていたワケでもござらんよ。
Marshall GALAの事後処理や写真の整理等に追われてマーブロの記事を書く時間が全くなかったのだ。
Marshall GALAが終わって「真っ白な灰」になりゃしないか…と心配していたけど、「灰」になってるヒマも余裕もなくバタバタしているのですよ。

改めまして…。
Marshall GALA、無事に終了しました。
おかげさまで出演者の皆さん、スタッフの皆さんに楽しんで頂けたようでホッと胸を撫で下ろしている。
そして、何よりもお越し頂いたお客さまから絶賛の声を多数頂戴したことに筆舌し難いほどの喜びを感じております。
ありがとうございました。
特に、「アッという間だった」とか「ま~ったく飽きなかった」等の好意的なご評価は、4時間半にも及ぶ規格外の上演時間を心配していた私にとって最高の賛辞であり、大きく快哉の声を上げたい。
GALA開催にご尽力頂いたすべての皆さまに心から御礼を申し上げる次第である。

さて、GALAもひと段落したと来れば当然Marshall Blogのレポート。
本日からトックリとMarshallらしく「Blow by Blow(当然Jeff Beckに引っ掛けてる。『具に』という意味ね)」に長尺でお送りするので、キネマにお越し頂いた皆様も、残念ながらお越し頂けなかった皆さまも是非最後までお付き合いくださいまし。

10_logo従前からお伝えしている通り、鶯谷の東京キネマ倶楽部はMarshallの壁がいつでも設置できる英Marshall社公認のライブハウスとなった。

20hコレはGALAのMCでも触れたが、キネマ倶楽部の前身はグランド・キャバレーで、当時は若かりし頃の私の父も時折訪れたそうだ。
要するにこのホールには親子二代でお世話になることになった。
そこで、今回も父が生きていればGALAを見せてやれたのだがチョット間に合わなかったな。
ちなみにウチの父は2000年Jim Marshallを見ている。

30hとにかく!
PAシステムの発達やロックの草食化ですっかりステージへの登場頻度が減ってしまったMarshallの壁…。
こんなんじゃイカン!みんなMarshallの壁で大きくなったんでしょう?…ということで思いついたのがこの「公認ライブハウス化」計画だった。
イギリスの本社も即OK。
東京キネマ倶楽部さんの絶大なるご協力を得て実現した次第。
そして、この機会を記念して、Marshall社の社長のアイデアで企画されたのがMarshall GALAなのね。
ま、この辺りのことはもう何度もMarshall Blogに書いてきたし、GALAのMCでも触れたのでココではシレっとやり過ごすことにさせて頂く。

40hそれにしてもMarshall GALAの当日は疲れたわ~。
こんなに疲れたのは久しぶり。人生で二番目の大疲労だったわ。
今まで生きてきて一番疲れたのはMarshallの50周年コンサートの時。
少しでも疲れを和らげようと、楽屋でRed Bullを3本立て続けに飲んでMarshallの友人のサンチャゴから「シゲ、そんなことをしたら死んでしまうぞ!」と大慌てで忠告された時だ。
あの時は激務に加えて、時差による体内時計の狂いやコメ不足による栄養失調もあったのでボロボロになったとしてもムリはない。もちろん「加齢」という大敵も目の前に立ちはだかっている。
今回は友達ばかり、日本語。地元。時差なし。アジの開きにも納豆にもラーメンにも不自由しない。
それにもかかわらず、あれほどヘロヘロになっちゃったのは、フィジカルな理由だけでなく、メンタルな部分も大きかったんだと思う。
※写真は鶯谷ではありません。

Wembley2 規模は違えど「俺のウェンブリー」…指示通りに60人からの仲間に動いてもらって、何とかまとめ上げさせて頂いたが、とにかく心配だったのは進行、すなわちステージプランだった。
出演バンドは欲張りに欲張って、9チーム。誰も削りたくなかった。
すき焼きとしゃぶしゃぶと焼肉を同時に食べて〆に天丼を頂くような内容だ。
出演時間はトリの稲葉囃子を除いて15分。転換はたったの10分とした。
ハイハイ、わかってます、わかってます。
転換が「たったの10分」なんてことがムチャなのは。
キネマさんにも音響さんにも「不可能」と言われた。正直私も同感だった。
Marshall Blogで「Marshall GALAは長尺で、上演時間が延びる可能性もある」と執拗に告知したのはそのためだ。
遠方からお見えになるお客様もたくさんいらっしゃって、マドンナみたいなことには絶対にしたくなかったからね。
だから、演奏時間を削ることなく(元より15分しかないので削りようもない!)、いかにその他の場面を短くするかということに今までの経験とあらゆる知恵を注ぎ込んだ。

下の写真はそのステージ・プラン。
何日も考えて、何回も何回も書き直した。
まず頭を悩ませたのは出演の順番。
Marshallのコンサートというと、どうしても「ギターの大洪水」になってしまう。確かにMarshall GALAとてギターの大洪水だ。
MCでは「ゲップが出るまでギターを聴かせます!」とは言ったものの、とにかく見ている人を飽きさせないように、飽きさせないように…と工夫したつもり。
4時間半、ひっきりなしにピロピロやられたらナンボ好きでも飽きちゃうもんね。

次は演奏者の立ち位置。
レッツゴー三匹だってジュンと長作(文明さんがよく「スタンリー・クラークに似ている」とおっしゃっていたのを思い出す)の立ち位置が入れ替わったらさぞかし漫才がやりにくかろう。イヤ、できないかもしれない。
出演者はいつも実際のステージを拝見している方々だ。だからワザワザ確認しなくても立ち位置は頭に入っている。まずはそれを尊重した。
そのままいつも通りに並べりゃいいじゃん?とお思いだろうが、それが簡単にはいかないのよ。
それはBackline、つまり機材との兼ね合いが重要だからなのね。
上手のギターを一番下手の1960Bで鳴らしたらいくらモニターがあっても弾きにくいでしょう?
「アンプの風を背中で感じる」ぐらいのことはしないと!

140

こうした作業はこれまで何回もやって来たのだが、いつもは出演者にサオだけご持参頂いてコチラで用意したMarshallを弾いてもらう…というのが普通だった。
この手法だとまずアンプの入れ替えの必要は発生しない。アンプを使いまわして頂いて、せいぜいアンプのボリュームやトーンをチョコチョコっと変更する軽作業で済むのだ。
しかし、今回は「ご自分の音楽を好きなように演奏してください」と出演者の皆様にはお願いしてあった。
自分の音楽を演るのに借り物のアンプはなかろう…ということで、アンプ・ヘッドは自由に持ち込んでもらうことにした。
アンプはひとつの楽器だからね。
ギター一本一本の音が異なるようにMarshallもそれぞれのMarshallに固有の声を持っている。イヤ正確に言うと使い手に応じて声を出す。誰だって自分の声で歌を歌いたいでしょう?
何しろ音を出しているのはギターではなくて、アンプなのだからして自分が信頼しているアンプを使った方がよいにキマっている。
私は「演奏者」の夢はとっくの昔に捨て去ったが、演奏者の気持ちになることはできるつもりでいる。
何て言うとカッコいいんだけど、それがこのステージ・プランの組み立てを困難極まりないものにしてしまった!余計なことしなけりゃヨカッタぜ!…というのはウソで…
1. いつもの立ち位置
2. アンプ持込歓迎
3. 最低限のアンプの差し替え
…を尊重して、いかに転換の手間を省くかを念頭に合理的な壁の設計を考えた。
ココで無理な転換のプランを立てて時間を喰うワケには絶対にいかないからね。
Marshallは上下4セットずつ…イヤ~、頭使ったわ~。
「三宅さんは下手…」、「ノンちゃんは上手…」とかブツブツ言いながら下のチャートも何回も作り直した。
黄色はそれぞれの場面で使用する機材。
青色は差し替えを必要とするアンプだ。
結果、アンプヘッドの差し替えは5台、キャビは2台で収め込んだ。NATALとEDENは使いまわして頂いたが、Marshallは使い回しなし。
怖かったのはキーボード類。
勝手がよくわからないことに加えて、どうしても転換が大掛かりとなるからね。
今回は鍵盤奏者が4人いらっしゃって、そのうち一台を使い回すことになっていた。
プランを立てる時、その取り回しにもかなり神経を使った。

150

今度は台本。
コレはお手のもの。いつもMarshall Blogに書いていることをしゃべればいいだけ。
…なんだけど、待てよ、お客さんはMarshall Blogの読者が多いだろうから、あまり同じこともしゃべれないな…ということに気が付いた。
結局は出演者とのインタビューをからめて「出たとこ勝負」の様相を呈してしまって、台本通りにしゃべったのは恐らく30%ぐらいか?
それでもA4で19枚ほどの台本を用意しておいた。
コレは好きな作業なのでスラスラできた。

130スタッフの皆さんが何をすればよいかが一目でわかる「進行早見表」みたいなものも作った。
「ステージでコレをやっている間にコレをやる」みたいな。
私の小道具も全部書き込んである。本番中はまったく見なかったけど。

160会場の辺りには駐車場が少ないので、車でお越しになる関係者の皆さんが困らないように、実際に歩いて回って駐車場をすべて調査した。
マァ、思いつくことは色々とやってみたワケ。

170…と、ずいぶん先だと思っていた本番の日が信じられないぐらいの速さで近づいて来て、アッという間に社長が来日する日になっちゃった!
成田へ迎えにいかなきゃ!
このBA便は朝9:30に成田に着くんだよね。実にイヤな便だ。
今はもうVirginは飛んでいないので、イギリスの航空会社を利用するとなるとBritish Airwaysしか選択肢がない。
「Why did you come to Japan?」なんて、ゲートから出てきたジョンにテレビ局のスタッフがインタビューすると…
「Of course, Marshall GALA!」
と答える場面があればおもしろかったのだが、スンゲェ、空いててとてもそんな雰囲気ではなかったな。
Marshall GALAの密着取材して欲しかったな。

180前日の社長との打ち合わせも厳格な雰囲気の中で行われた。

190さて、当日。
そのMarshall公認のライブハウスの入口には、おなじみのMarshallスクリプト・ロゴが!

50h

Marshallを知っていて、背景を知らない人がコレを見たらビックリするだろうな。
「な、何で鶯谷でMarshall?!」
そう、コレでいいのだ。東京キネマ倶楽部はMarshallの壁が作れるライブハウスなのだ!

60h

6階のホワイエにもMarshallスクリプト・ロゴ。

70s_2ホール内奥のカウンターもMarshall。1960仕様だ。

80sカウンターの壁にはMarshallの創始者、Dr. Jim Marshall OBEのポートレイトが飾られている。

90sコインロッカーもドバとMarshallだ~!

100s同じコインロッカーでもコイツぁ、モノを入れるのが楽しくなるね。

110s物販の準備も万端!

196オリジナルグッズは「下町のひとりヒプノシス」、梅村デザイン研究所の手によるGALAシャツ。

200s実に気品のあるデザイン!
私はイラストだろうが、コラージュだろうが、レタリングだろうが、タイポグラフィだろうが、梅村昇史さんの作品が大スキなのだ。

210sそのTシャツとランヤードとメッセンジャーバッグの3点セット。

220家の中は一時期、グッズやら新商品やらチラシやらで段ボールだらけになったよ!
226
実はコレもかなり大変だった。
お客さんにはTシャツをバッグに入れてお渡ししようということで毎晩徹夜でTシャツをたたみ続けた…家内が。
不器用な上にやることが雑な私は完全に手出し禁止。
お疲れさまでした。
おかげさまで、開場して30分で完売!
お買い求めになれなかったお客様、申し訳ありませんでした。

225出演者やスタッフさん用のグッズは別立てで用意。会場ですぐに渡せるようにしておいた。
コレ、なまじサイズがあるから大変なんよ。

227vGALA菓子。
おかげさまでコチラもほぼ完売。
メイン・キャラクターがポテチ、かっぱえびせん、ポップコーンの別になっていたんだけど、かっぱえびせんが一番人気だったんだって!
絶対ポテチかと思っていた。

230実はコレはですね、私の中学生の時の苦い経験から思いついたアイデアだったの。
1977年、中三の時に晴海の国際展示場で『ローリング・ココナッツ・レビュー』という「アンチ捕鯨」を標榜したロック・フェスティバルがあった。
リッチー・ヘヴンスだのカントリー・ジョー・マクドナルドだのウッドストックのミュージシャンが出るというので友達とよろこんで見に行った。
考えて見ると、あの時ってウッドストックからたった8年しか経っていなかったのね…。
開演は5時で終演は10時の予定だったが、帰りのバスがもうとっくに終わっていて、銀座まで歩いて帰ったのでそうとう押したハズだ。
それよりも困ったのは食料だった。
会場の中の暗がりでパンを売っていたんだけど、コレがかなりズイマでとても食えたもんじゃなかった。そのおかげでものすごくひもじい思いをした。
腹減っちゃって「Freedom」どころじゃないのよ。
ハラ具合までウッドストックの真似をさせることはなかろうに…。
この時の印象が強烈で、長尺になることがわかっていたMarshall GALAのお客さんにはそんな思いをさせたくなかったのね。
かっぱえびせんをポリポリやりながらビール片手に最高の演奏を楽しんで頂きたかったのだ。
でもかっぱえびせんって人気だけじゃなくてカロリーもNo.1なんだよね。

240Marshall関連グッズも大好評だった。

270Eyewearはモノによっては20%オフ!それに3Dのステッカーがオマケについたのよ!

280Marshall HEADPHONESのコーナーではiPhoneのケースがガンガン売れたと聞いている。

290入口にはASTORIAを展示した。

300イヤ~、ひっさしぶりにPOPなんて作ったよ!

310そんなこんなでステージの準備ができたようで…。
リハーサルは時間通りにいくかしらん?

320<つづく>

2016年3月 7日 (月)

【Marshall GALA】 無事終了しました!

Marshall GALA無事終了しました!
東京キネマ倶楽部にお越しくださいました皆様、どうもありがとうございました。
そして、アーティストの皆様、素晴らしいパフォーマンスをありがとうございました。
さらに、細々とした指示を確実、かつ迅速にこなして頂きましたスタッフの皆様、ありがとうございました!

K_marshall_gala_emblem 今だから言います。
Marshall Blogで何回も「上演時間が延びるかもしれません」と書いてきたでしょう?
実は、時間内に収めることは、自分で正直不可能と思っていたのです。
詳しい話しはまたの機会に譲りますが、ま~、我ながら無茶な企画を立てたものです。
前日まで胃がチリチリする思いでした。
ところがリハーサルはサクサクすすむわ、ステージ転換の要領はいいわで、「こりゃもしかしたらイケるかも?」と胸に秘めた期待が現実になったのでした。
つまりショウはほぼオンタイムに進行し、誤差範囲内で終演したのです。

G_dsc_5369そして、出演者の極上のパフォーマンス!
イヤ~、その演奏をもちろん何度も何度も拝見してきたけど、何かMarshall GALAのステージはチョット雰囲気が違ってたな~。
これが「Marshall愛」ってやつ?
MCでの皆さんの言葉もとてもうれしかった!
ホントはもっとたくさん演奏して頂きたかったんですけどね~。

G_dsc_5357_2 社長のJonathen Elleryもブランド・ライセンシング役員のGrace Pantonyもとても喜んでショウを楽しんでくれました。
50周年のウェンブリーを除いてこんなことやってんの日本だけだからね。
私も鼻タカダカです
天国のジムも喜んでくれているに違いないと思います。

もちろんMarshall GALAのレポートはMarshall Blogに掲載されます。
軽く10本立てかな?
そちらもどうぞご期待ください。

ステージでは「Marshall GALA2」の話が出ましたが…とりあえずチョット休ませて…。
どうもありがとうございました。

G_img_0107 (2016年3月6日 東京キネマ倶楽部にて撮影)

2016年3月 4日 (金)

【Marshall GALA】 It's Showtime!

いよいよ今週末に迫ったMarshall GALA。
我ながら興奮するゼイ!

05開催に先立ちお越し頂く皆さまへ当日の段取りにつき今一度お伝えさせて頂きます。

06Marshall GALAの入場の順番はチケットに記されている番号順となります。
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20

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40Marshall GALAに入場の際には別途ドリンク代500円を申し受けさせて頂きます。

50Marshall GALAの開場は午後4:15です。
そして、午後5:00ちょうどに開演させて頂く予定です。

60Marshall GALAグッズ他、物販の先行販売はありません。
また、Marshall GALAグッズの販売はお一人様2点までとさせて頂きます。
70

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90Marshall GALAの終演は午後9:40頃を予定しています。
もちろん円滑な進行を心がけますが、出演者の過熱演、予期せぬ転換時のトラブル等により終演が延びることが容易に予想されますこと予めご容赦くださいませ。

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140Marshall GALAに遠方からお越し頂けますお客様は、特にお帰りの手段の確保につきご留意願います。

150Marshall GALAでは「Marshall GALA菓子」の販売をご用意致しておりますが、入場前にお食事を済まされることをおススメしております。

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190Marshall GALA本番中の録音、撮影は固くお断り申し上げます。
加えて本番中の携帯電話のマナーモード設定をお願いします。

200Marshall GALAの当日券の発売はございません。

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230Marshall GALAではMarshallの最新情報をお届けしますのでご期待ください。

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260Marshall GALAではMarshallだけでなく、ファミリー商品のNATALやEDENも存分にフィーチュアされます。
是非それらもお楽しみくださいませ。

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280Marshall GALAにはMarshall社の社長も登場します。

290Marshall GALAは正直、客席から観たかったナァ。
当日はワタクシ、一生懸命MCと若干の写真撮影に取り組みます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
それでは日曜日、東京キネマ倶楽部でお会いしましょう!

300Marshall GALAの詳しい情報はコチラ⇒【特報!!】Marshall GALA

310

2016年3月 1日 (火)

【Marshall GALA】 リハーサル・レポート!~THE SHRED MASTERS編

GALAの冒頭に登場するTHE SHRED MASTERSのリハーサルも終わった。
K_marshall_gala_emblem

刻め、刻め、思う存分刻みやがれ~!
「shred」というのは「切り刻む」という意味ね。書類を粉々に細かくする「シュレッダー」って事務機器があるでしょ、あの「シュレッド」。
海外では「速弾き野郎」のことを「シュレッダー」って言う。
これも日本になかなか定着しない言葉だね。
「携帯」と「速弾き」はいまだに日本語のままだ。
そういえば、「チョーキング」ってまだ言ってるのかな?「ベンディング」?
これやりだすとまたキリがなくなっちゃうんだけど、「ヴァイブラート」とか「ケイポ」とか、ギターはどうせ英語圏の文化なんだから、どっかの時点で本場と同じ表現に統一しちゃえばいいのにな。

10THE SHRED MASTERSはGALA当日だけのバンドだ。
このチームのリーダー、Masha。

20vFury of Fearの西村守。

30vマーデラス他のhibiki。

40vNaked Machineの石川達也。

50v Mashaくんは愛用の1987をお持込!
そしてこのTシャツ!
早くもGALAムードなのだ。
Mashaくん、ありがとう!

60v 「SHRED MASTER」というのは以前説明したように、かつてMarshallが発売していた歪み系のエフェクターだ。
このチームにピッタリの名前だね。
「ガヴァナー」じゃシックリこない。

70まあ~、とにかく弾くわ、弾くわ…。

80この1時間で私の一生分ぐらいピッキングしてるわ。
あ、後ろに誰かいる。

90v 何を演るかは、例によって本番の時のお楽しみというこで、ここでは伏せておくが、マァ、「超絶」っていうの?「美学」っていうの?
ま、それのカタマリやね。
とにかく弾きまくり!こんなの最初に出しちゃって大丈夫かな?ってぐらいのアクロバチックな演奏。
ふたりのコンビネーションがめっちゃくちゃスリリングだ。

100hibikiくんはひっさしぶりだね~。相変わらずのキツネちゃん。
本番では愛用のEDENを使ってくれるよ。

110既報の通り、このチームのドラムは急遽達也君に参加してもらうことになった。
チョット音源を聴いて「ホンじゃ演りまひょか?」なんて曲はひとつもない!
音源を受け取ってから3日。クラッシュ・コースでさらってきてくれた。

120久々のツーバスということで心配していたようだが、1曲演り終えると、作曲者から「完璧!」の声が上がった!
130v
Mashaくんからキビキビと指令が下る。

125v気迫を込めて一心不乱に音符を切り刻む姿には近寄りがたい雰囲気さえ漂う。

150v余裕。

160v 当日の達也君のNATALサウンドも楽しみだ!
腰が抜けるほどペダルを踏みまくってくれ!

170…ということで、Marshall GALAは今度の日曜日、この4人の激演・爆演・烈演・熱演で幕を開ける。
お見逃しなきよう!

180Marshall GALAの詳しい情報はコチラ⇒【特報!!】Marshall GALA

※すでにご案内しております通り、残念ながらMarshall GALAの当日券はありません。
※スムースな進行を心がけますが、転換、熱演等の事情により、終演時間が大幅に延びることもありますこと予めご容赦ください。

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おおっと、TORNADO GRENADEの真壁雄太乱入!
190
(一部敬称略 2016年2月29日 高田馬場バズーカスタジオにて撮影)