【Marshall GALA レポート】 vol.6: CONCERTO MOON
Marshall GALAの四番手は日本の正統派へヴィ・メタル界の名門CONCERTO MOON。
おかげさまで、島さん(以降ノンちゃん)とのお付き合いも決して短いものではなくなった。
Vintage ModernやJMD:1の発売のタイミングに合わせた「Marshall Roadshow」なるクリニック・タイプのイベントに関しては何回もお手合わせをお願いしたものの、タイミングが悪く、なかなか大型のMarshallのイベントにご出演して頂く機会が探せないでいた。
チャンス到来。
「お待たせしました!」と言わんばかりにノンちゃんにギタリストとしてMarshall GALAへの出演をお願いした。
もちろん間髪入れず、その場でご快諾頂いた。
ご快諾頂いたのは誠に結構なことなのだが、はて…バックのメンバーをどうしようかしらん…としばらくの期間考えあぐねていたところにノンちゃんから連絡があった。
「せっかくのマーシャル(ノンちゃんは「マ」にアクセントを置いて英語式に発音する。コレが正解)のイベントですからね、よろしければCONCERTO MOONで出演させてもらえませんか?」
そりゃもう!
ナンたって現存する日本のへヴィ・メタル・バンドの重鎮だからして、ノンちゃんの申し出は願ったり叶ったりだったのだ。
ひとつ心配があったとすれば、例によって転換のことだった。
キーボードの出し入れはあるし、ベース・アンプはVBAの持込を希望されているし…相当考えたよ、アタシゃ。ベース・アンプの上下を移動するのは結構ホネな作業だからね。
いかに作業を簡略化して転換の時間を短縮するか…。
そこでハッと気が付いた。
CONCERTO MOONの前に出演するバンドのベーシストは、hibikiくんにしても、征史さんにしてもいつも上手に立っている。
しかも、CONCERTO MOONのベースの中易さんは下手がスタンダードな立ち位置だ。それならば、下手のEDENの前にVBAを置いてしまえ!
そして、キーボードも初めからステージの端に待機させておけば、本番時に少しぐらい横にズラす作業なんて下からステージに上げることに比べれば造作ない。
そして、当日。素晴らしいスタッフの的確な作業を得て見事に作戦は大成功。
そして、ついにCONCERTO MOONはMarshall GALAのステージにその雄姿を現したのだ…Marshallの爆音とともに!
ドラム、河塚篤史。
雄叫び一発!
久世ちゃんがCONCERTO MOONに参加しての初めてのアルバム、『Savior Never Cry』のタイトル・チューン。
2011年のリリースだから、久世ちゃんが入ってからもう丸4年も経つのかよ~!
初めて観た柏でのステージ、すごくよく覚えてるナァ。
リズム隊も昨年入れ替わったばかりだが、そんなことを全く感じさせない息のあった完璧なパフォーマンスを見せてくれる。
オラオラオラオラオラ~!
泣く子もダマるノンちゃんの閃光のようなソロ!
音がいいまた素晴らしい!
ノンちゃんは写真向かって左の愛用のMAJOR1967を持ち込んでいる(写真提供:Mashaくん)
いい加減に扱う音がひとつもない華麗なフレージング。そしてあまりにもクリアなトーン!
まだ始まって数分しか経っていないが、CONCERTO MOONの昨今の好調ぶりを鮮やかに露呈しているかのような演奏だ。
しかし、この曲のサビの歌メロの音程の高さは尋常じゃないな。血管は大丈夫なのか?
久世ちゃんの声は、「ハイトーン」と巷で呼ばれているやたら高い女性的な声とは異なり、どこまでも汗臭く男性的だ。コレがロックの声だ。
そして、この曲の比較的長いアウトロがカッコいいんだ。イントロのキメのフレーズが一回しか出て来ない。普通だったら3回ぐらい弾いちゃいそうなんだけどね。シブい。
「オレたちにはなくてはならないMarshallサウンド。Marshall GALAに呼んで頂けてシアワセです!」
とにかく曲を聴いて欲しい…とすぐに2曲目に入った。
2曲目は「The Shinning Light of the Moon」。
出だしのコーラスが印象的な「CONCERTO MOON賛歌」…この壮大なパートを聴くといつも私の頭の中には「賛歌」という言葉が浮かぶのだ。
右手を何度も間に差し出し祈るように、諭すように歌う久世ちゃん。
Akiちゃんのキーボードがこのドラマチックな曲に何層もの厚みを加える。
熱唱、また熱唱。
ドラマチックに表情を大きく変えながら展開するこの曲の各パートを丁寧に歌いつないでいく。
オラオラオラオラオラ~!
泣く子もダマるノンちゃんの閃光のようなソロ!ってさっきも書いたことはわかってる。
ボケているワケでも横着しているワケでもない。
まさに「閃光」なのだ。
だからまた書いた。
この曲のソロではサビのコード進行に乗せてメロディアスなフレーズをつなぎ合わせていくところが実にいい!
こういうことをサラっとやってしまうところがノンちゃんの手練手管に長けたところだ。
信じられないような密度の演奏で2曲目も走り抜けた。
早くも最後の曲。
持ち時間が短くてゴメンね!
「Between Life and Dea~th」!!!!!!!!
現在の5人になってから初めのアルバムのタイトル・チューン。
つまり、今のノンちゃんだ。イヤ、ノンちゃんはもう次のステップに歩を進めているのかもしれない。
河塚さんが使用しているスネアはNATAL自慢の「Stave(ステイヴ)」スネア。Staveとは「桶」のこと。
「ケロリン」の赤いロゴが底に入った黄色いビニール製の風呂桶ばかりになってしまって久しいが、昔の銭湯は木製の桶が普通だった。
「桶」というぐらいなので、NATALのStaveスネア・ドラムはアレと同じ構造をしている。
肉厚で縦長の木のブロックを丸く組み合わせたシェルが瞬発力バツグンのヌケの良いサウンドをクリエイトする。
それでいてものすごく鳴りが上品なのだ。世界中の多くのドラマーが注目しているのもうなずける。
中易さんが使っているのはVBA400とVBC412。
Marshallのベースアンプ史、最後のフラッグ・シップ・モデルだ。とてもいいベース・アンプだった。
Jim Marshallは元々、ギターではなくベースのためのアンプを作ろうとしていた。
そんなこともあってずいぶん色々なベース・シリーズを展開したが、このVBAシリーズを最後に開発を終了。
代わりにアメリカの名門ベース・アンプ・ブランドEDENを傘下に収め、現在に至っている。
中易さんと河塚さんのリズム隊はCONCERTO MOONにソフィスティケイトなイメージを付け加えたように私には聞こえる。
新生CONCERTO MOONを象徴する曲なのだが、とにかくCONCERTO MOONに変わりがないことを提示する曲でもある。
CONCERTO MOONはいつでも15番目の月だ。
ノンちゃんのソロ。
素晴らしい!コレも文句なしの出来!
速く弾くだけではない別次元のシュレッディングとでも言おうか…
ていねいに、ていねいにページをめくって本を読んでいるかのよう。ソロの流れがひとつの雄弁な壮大な物語になのだ。
3曲と演奏曲数はすくなかったが、CONCERTO MOONの魅力にあふれるステージだった。
中間のMCで久世ちゃんが言った通り、Marshallなくしては成立しないサウンド。
CONCERTO MOONで出演してもらって本当にヨカッタ!
ノンちゃんへのインタビュー。話が長くながくなる恐れ大。
冒頭で触れたように昔はふたりでクリニックをよくやったものでしてね。よ~しゃべったんだ。
ノンちゃんがうれしいことを言ってくれた。
「皆さん、うるさかったでしょ?…(間。息が上がっている)…でもね、コレが正しいMarshallの音量なんですよ。さっきの三宅さんとボクで皆さんに正しいMarshallのボリュームをお送りした。迷惑でしょ?」
イヤイヤ、コレぞロック・ギターの音量。真空管のアンプでしか実現できないロック・ギターの音色なのだ。
人のことは言えないけど、ま~ノンちゃんもよくしゃべる。
普段のCONCERTO MOONのコンサートでは絶対に口にしないような話だったので会場も大爆笑!
しっかり告知コーナーも…春からは、『BETWEEN LIFE AND DEATH TOUR vol.2』と銘打って全国ツアーがスタートする。
それならば…と、前回のツアープログラムを引っ張り出して私も自慢大会というワケ。
写真はスタジオに入ってすべて私が撮らせていただいた。
今回もツアーのテーマとなる近作の『Between Life and Death』。
この中のアーティスト写真も担当させて頂いた。
そして、コレは前回のツアーのもようを収めたDVD、『OFFICIAL BOOTLEG SERIES 03』。
修正一切なしのガチンコ映像。
今回のツアーの4月1日の大阪公演から会場で販売される。
オッと、このDVDにも私が撮った写真を使って頂いた。
ありがとうCONCERTO MOON!
CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒Official Site
ココでMarshall GALAの前半は終了。