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2013年5月

2013年5月13日 (月)

石原"SHARA"愼一郎、初のソロ・アルバム発表!

いつもニコニコのSHARAさん、今日はなぜかかなりマジ。

真剣なまなざしの矛先はテレビモニター。そこに映し出されているのは…

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寺沢功一

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そして向山テツ

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mintmintsのリズム隊がレコーディング・ルームに入っているのだ。

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譜面を見ながらプレイバックを聴くSHARAさん。

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そして、再びレコーディング・ルームに入ってテイクを重ねるmimtmintsが誇るリズム隊。

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そして、演奏をチェック。

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mintmintsの新作のレコーディング…というワケではない。ま、ミンツの新作といえばそういえなくもないのだが、このセッションはSHARAさんのソロ・アルバム用のレコーディングなのだ。

しかし、にわかには信じられないんだけど、SHARAさん、初のソロ・アルバムというのだ!

これがいよいよ今月22日に発売が迫った『SHARA』。初ソロに込めた気合が感じられるストレートなタイトルだ。

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「失くしたものも大切なものも、全てここに詰まってる」…ク~、いいコピーじゃないの!

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内容は4つに分かれている。その4つとは…

1. 第2期EARTHSHAKERの再演 : ニ井原実、工藤義弘、そしてSHARA(ベースも)の3人で、なんと19歳の頃に演奏していた曲をそのまま当時のアレンジで演奏しているという音楽タイムマシン。これがまた底抜けにカッコいい!

2. SMC : 西田"MARCY"昌史とのユニットSMCにThe Marcy Bandのgi-naがゲスト参加。

3. 石原"SHARA"愼一郎ソロ : 文字通りSHARAさんが一人で制作したギターがむせび泣くインスト。

4. mintmints : ファースト並びにセカンドでは打ち込みを使用した曲を今回はホンモノの人間(? 技は人間ワザではない)が演奏して撮り直したもの。

どれもこれもSHARAさんらしいキメ細かい仕事で聴きごたえ満点!

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それにナント!2012年10月14日の代々木でのライブ音源も収録。この時の様子はすでにMarshall Blogでレポートしているのだ!

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もうこれでなぜテツさんとてらちんがレコーディング・ルームにこもっているのかがわかったと思う。

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それにしても凄まじいことよ!

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この2人のコンビネーションにはロックのリズムのダイナミズムがすべて含まれている。

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ミキサー室の床にうずくまって譜面にペンを入れているのはsun-goさん。忘れないうちに書いとかないとね!

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今日はSHARAさんのギター入れはなし。弾きたくてウズウズしてきちゃってんじゃないの~?

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sun-goさんのギター入れも始まった。

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SHARAさんは譜面を確認しながら背後でそのプレイに耳を傾けている。

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sun-goさんの足元。

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難なくスラスラと自分のパートを弾き倒していくsun-goさん。

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そして、またプレイバックをチェック。大変な仕事だニャ~。

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さらに上のレベルを目指して探究が進められていくのであった!

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やっぱりスゴイ人間のmintmints。どんなにテクノロジーが進歩しても土台人間さまにはかなうまい!

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私はこれ以上邪魔をしてはいけないと思い、後日の仕上がりを楽しみにスタジオを後にしたのであった。

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私は一足先に聴かせてもらっているが、これは超一流レストランに使われる食材で作ったギター好きの大人のための「お子様ランチ」だと思った。

貴重な題材というハンバーグ、mintmintsというエビフライ、SMCというスパゲティ、それにEARTHSHAKERというふりかけがご飯にかかっていて…。しかも、新曲というオレンジジュースまで付いている。これ以上一体何を望もうか…?日本のロックを背負ってきた男の長い長いキャリアを俯瞰する好盤に仕上がった。

私はこういう全部が総花的なゴージャスなアルバムが好きでしてね…。高円寺に行く途中の電車の中ではじめて聴いて思わずニヤニヤしてしまったよ!

今までソロ・アルバムがなかったことは先述の通り本当に意外なことではあるが、現在のリリースがベストなタイミングだったかもしれない。SHARAさんも考えたに違いない。「ソロ・アルバム、いつ出すの?」…

「今でしょ!」

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石原"SHARA"慎一郎の詳しい情報はコチラ⇒Official Site

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(一部敬称略 2013年2月 都内某レコーディング・スタジオにて撮影)

2013年5月12日 (日)

島紀史、 ケリー・サイモン~神南の大決戦<後編>

Shige Blog  2012年5月25日 初出

ワイルドじゃないかもしれないけどヨ~、コーラの入ったペットボトルのフタを閉めてヨ~、思いっきり振って振って振ってヨ~、フタを開けてみな~!吹き出すだろ~?スゴイ勢いだろ~…それが今のコンチェルト・ムーンなんだゼ~。

と長田ちゃん言っている…かどうかはわからない。でもこの顔を見ればわかる!

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『ATTACK IF THE DOUBLE AXEMEN vol.2』レポートの後編はCONCERTO MOONの登場だ!

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冒頭に長田ちゃんが言っている(本当は言ってない)通り、信じられないくらいの勢い!

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CONCERTO MOONのライブを撮り出してからずいぶんと時間が経つ。何回ステージを経験しただろうか…。
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それでも、このバンドのパワーというか爆発力というか…何といえばよいのか、固体がいきなり気体になってしまうようなその勢いには毎回毎回驚かされる。
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ベーシストが変わっての初ツアー。さすが気心の知れた昔の仲間との演奏だ!

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CONCERTO MOONの総帥、島紀史。

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バンドで2番目に古い。ドラムの長田昌之。
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昨年9月にCONCERTO MOONの初ステージを踏んだ久世敦史。
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このツアーが久しぶりの登板となるCONCERTO MOONオリジナル・メンバーの三谷耕作。
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久世ちゃんの初ステージの時にも充分に感じたことなのだが、実にみずみずしい!オッサンぞろいのバンドにはにつかわしくない形容かもしれないが、「みずみずしい」としかいいようがないのだ。
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しばらくキーボード、ベース、ボーカル、ベースと数年の間にメンバーの出入りが何回かあった。ま、気丈なノンちゃんのこと、そんな素振りは全く見せることはなかったが、音楽的にもバンドの運営的にも苦労や心配は絶えなかったことであろう。

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それが旧友の帰還によって払拭されたのであろう、実に素晴らしいプレイの連続であった。

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それは「いつもより多く弾いてます!」とか「いつもより速く弾いてます!」とかいう類のものではなくて、「楽しさ」に裏打ちされたスーパー・プレイだったように感じた。「これだよ!オレが待っていたのは!」と心の中で叫んだに違いない。

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そんなノンちゃんと共に大いに演奏を盛り上げたのが、久世ちゃんだ。

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声量がますます増し、もう完全にCONCERTO MOONの声になった!
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このポーズが目印だ!

1曲目の「Savior Never Cry」から休みなしの大熱唱だかんね。やっぱりロックはこういう声じゃないと!
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耕作さんのCONCERTO MOONでの演奏を見るのははじめてではない。、が、今回すごく思ったのは、重さはそのままに、バンドの低域がすごくクリアになったということ。そしてドライブ感が増した。ベースの音が抜けて聴こえてくるのだ。
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現在はサポート・メンバー扱いとなっているが、私なんかはこのままずっとCONCERTO MOONの低域を支えてもらいたいと願っているのよ!
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長田ちゃん、こないだバッタリ会ったね。比較的近くに住んでいるのにまったくすれ違ったこともなかったのにね…。あれからおいしいもの食べれた?…それはヨカッタ!…という長田昌之
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今回は時間の関係で渾身のドラムソロはなかったが、濃~いドラミングを1時間のパフォーマンスにブチ込んでくれた。

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選曲は最近作『Savior Never Cry』からタイトル曲をはじめ4曲。

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合間には「Surrender」や「Inside Story」、「Take You to the Moon」、「Changing My Heart」、「From Father to Son」といったおなじみの曲がプレイされた。

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こうした旧作をなんのケレン味もなく自家薬籠中のものにしてしまうところに久世ちゃんのスゴサを感じる。

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見ての通り。すっかりといいコンビのノンちゃんと久世ちゃん。その姿は「From father to Son」だ。

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ギターをPAにこすりつけるアクションもいつより気合いが入った!

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…とまあ、約1時間。息をつくヒマもないくらいの疾走感あふれるステージだった。

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この後は、『Dos a tres caidas!~コンチェルト・ムーン 炎の三番勝負~』と銘打ったライブが開催される。また勝負だ!最初の試合が6月23日、同じ渋谷BOXXで人間椅子と…楽しみだ!

ところでメタル界はこれからスペイン語が流行るの?ヴァモス!

CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒CONCERTO MOON Ofiicial Site

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オラ!そしていよいよAxemanのそろい踏みだ!ギターバカ一代!いいネェ~!

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曲は「Kill the King」!このリフは盛り上がるよね~!何たってはじめて聴いたのが武道館でのホンモノの演奏だったからね。

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久世ちゃんの「でんじゃーでんじゃー」という歌声がまたいい!
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2曲目はJudas Priestの『Screaming for Vengeance』から「The Hellion~Electric Eye」だ。
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よく聴いたなぁ~、このアルバム…ってウソです。でもね、中2ぐらいの時にジューダスが出てきてラジオで「the Ripper」を聴いた時の衝撃ったらなかったのよん!
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その時の衝撃を思い出させてくれる感動的なパフォーマンス!
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素晴らしいソロの応酬!「オレが、オレが」だけではない「ゆずり合いの精神」も見受けられる完璧なバトル。これが大人のギター合戦だ!え?とてもそうには見えないって?このふたりじゃやむを得ないな!
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そして、これに戻る。

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ああ、感動的なフィナーレ!ギター愛する者どうしの心の交流。みんなギターが大好きなんだ!

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前のブログの時から一体何回書いたか皆目見当もつかないが、本当にこうした器楽をふんだんに取り入れた音楽を保護しないとマズいよ。もちろん、技術を競うだけがギターや楽器全般の喜びや楽しみでは決してないけれど、ギターを低くぶら下げて、少々歪ませてジャンジャカとコードをストラミングしているだけがギターではまったくない。ロック・ギターのもっともカッコいいところを切り捨てちゃってる!

このふたりのように弾けるようになるには、毎日10時間以上の練習を何年も積んでこなければならないだろう。普通の人間にはそんなこと出来ないのが当たり前だ。練習できることこそが「才能」だからね。

でも、こういう演奏を見て「ああカッコいいな!オレもソロ弾きてーな!」なんて思ってくれるギターキッズが出てきてくれればそれでいいのだ!

そういう意味でも実に内容の濃い、意義深いライブだった。
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(一部敬称略 2012年4月21日 渋谷BOXXにて撮影)

 

島紀史、 ケリー・サイモン~神南の大決戦<前編>

Shige Blog 2012年5月24日 初出

小さい頃「どうしてゴジラとガメラが戦わないんだろうな…やればいい勝負になるのにな」と思った人は、私だけでは決してあるまい…。

もちろん、その頃はまさか「怪獣が所属する映画会社が違うから戦わない」なんてことはまったく知らなかった。

そこへいくとハリウッドではエイリアンとプレデターを組み合わせるという暴挙に出たことがあった。「天ぷらとスイカ」あるいは「うなぎと梅干」的なあまり食い合わせがいいとは思えない企画だと思った。しかも続編まで作っちゃうのだからよっぽどネタに困っていたに違いない。

その点、音楽はいい。もちろんレコード会社の契約等の制限はあるにせよ、「見てみたい!」というドリームマッチが比較的簡単にかなうのだから。戦って街が破壊されることもないし…。

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前回、中間英明を迎えて大好評だった『ATTACK OF THE DOUBLE AXEMEN』。去る4月にこの好企画が再現された。
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今回のカードは島紀史率いるCONCERTO MOONと…

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Kelly SIMONZ率いるBAD TRIBEという組み合わせ。

それ聞いただけでギター好きにはトリハダもんだろう~?

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今回のDOUBLE AXEMENは倉敷、高知、博多、大阪、名古屋、東京と6ケ所を巡るツアーとなった。

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で、そのツアーに先駆けてPR動画を撮影しているところが、今ご覧いただいている写真だ。

かなりいい感じ?!

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格闘家らしく、「正々堂々と戦おうゼ!」と固い握手を交わしているワケではないが、このふたりが揃うと、どうも格闘技っぽくなってしまうのは恐ろしいまでの気迫がそうさせるのか?

イヤ、彼らはギター格闘家なのだ!

これは実はどうしても撮りたかった構図なの。ガメラとゴジラが握手している写真が見当たらなかったので…。

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元ネタはコレ。Thad Jones & Mel Lewis Jazz Orchestraの『Live in Tokyo』ね。ノンちゃんがメル・ルイスでケリーさんがサド・ジョーンズだ。(これについては特に意味はない)

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そしてライブ!渋谷BOXXでの千秋楽のようす。

ツアー中登板の順序を日によって変えていたそうだが、この日はKelly SIMONZ's BAD TRIBEの先攻だ。

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今回はダブル・フィーチュア・ショウということでワンマンの時のような演出は一切なし。
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ショッパナからフル・スロットルのブッ飛ばし大会!

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メンバーはおなじみベースにティム・ミラー。

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ドラムは山田陽介。

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そしてKelly SIMONZ。

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この日も、Jaw Droppingな超絶技巧で観客の度肝を抜いてくれた。

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たたみかける怒涛のハードドライビン・チューン!盛り上がるのなんのって!
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ティムは安定したプレイでBAD TRIBEサウンドを下支えする。

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流暢な関西弁を交えたMCコーナーも人気だ!
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ふたりのイキもピッタリで、お互いに自分たちがやろうとしていることを理解しているのがわかるようだ。

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ますますバンド・サウンドに溶け込んできた陽介のドラミング。
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アクションもバッチリだゼ~。かなりワイルド!

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このふたりの相性も抜群だ!

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インスト曲も人気のコーナーだ。歌の入った曲とはまた雰囲気をガラリと変えるところがまたニクイ!徹頭徹尾弾きまくる雰囲気がアリアリと出てくるのでお客さんも期待に胸をふくらませてしまうのだ!みんなどれだけギター好きなのよ~?!
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私もバンド状態のインスト・コーナーが大好き!やっぱ手に汗握っちゃうよね!実際はカメラを持っているので握れないんだけどサ。

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Kellyもファインダーをのぞくのがとても楽しいアーティストのいひとりだ。「どうやって撮ってやろうか!」とアレコレ考えるのが最高に楽しいのだ。また、こういう人って、「ああ、今あそこのライトの下に立てばいいのが撮れるのになぁ!頼むから動いてくれ!」と念じると、どうもそれが不思議と伝わるらしく、その通りに動いてくれるんだよね~。

以前のブログのライブ・レポートではモノクロ写真を多数使っていたが、もうやめ。総天然色でKellyの魅力を引き出すことに最近努めている。
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Kellyの魅力は目にも止まらない光速弾きだけではない。心を揺さぶるようにて大きく弦を揺らすビブラートで歌い上げるバラードも人気の的だ。だからバラードで大歓声が沸き起こる。
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そしてまたエンディングに向けて大スパート!
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ティムもノリノリで観客をあおる!
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1時間程度のショウではあったが様々な要素がふんだんに盛り込まれた楽しいショウであった!

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Kelly SIMONZ's BAD TRIBEの詳しい情報はコチラ⇒++Kelly SIMONZ Official Website++

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ライブはもちろんのこと、教則本、レッスン、SNSと八面六臂の活躍を続けるkelly SIMONZ。これからはどんな活動を展開するのかとても楽しみだ!

<後編>につづく
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(一部敬称略 2012年4月21日 渋谷BOXXにて撮影)

ギターマガジン6月号~ジム・マーシャル追悼文

Shige Blog 2012年5月15日初出

これまで結構多くの文章を書いてきたけど、いくらやってもうまくならないし、語彙も増えるワケでもない…子供のころから、みんなが嫌う作文の時間がそう苦痛でもなくて、ま、「ヘタの横好き」でここまでやって来たということかな。

そんなんでも、パソコンのキーボードから指を離した瞬間「ヨッシャ!」とガッツ・ポーズを取りたくなる会心の文章を書いた「つもり」になることがある。

今回、ギター・マガジンからそんな機会をいただいた。

ジム・マーシャルへの追悼文執筆のご依頼を頂戴したのだ。

ギター・マガジンへの寄稿は実はこれが初めてではなくて、2008年4月号の「フランク・ザッパ特集」でも資料を提供し、数ページの記事を担当するという僥倖に恵まれた。

しかし、今回は「追悼文」…はたして上手に書けるかどうか心配したが、書き出してみると止まらなくなってしまい、「あれも書きたい!」、「これも記録に残したい!」と内容は膨らむばかり…ボリュームを圧縮するのに苦心惨憺してしまった。

結局、推敲に推敲を重ね、涙をこらえて内容を縮めてに縮め、何とか規定の文字数に抑え込んだ。

活字にはできなかったものの、色々なことを思い出しながら書いていると、また別の涙がこみ上げてきた。

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自分なりにジムの偉業を尊敬し、別れを惜しむ納得の文章に仕上がったと思う。これもジムのパワーのなせるワザか…。

是非、ご一読あれ。

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ギターマガジン6月号の詳しい情報はコチラ⇒リットーミュージック公式ウェブサイト

(敬称略)

好評の『Relaxin' at IWAKI ALIOS』~秘蔵写真で分析する伊藤広規の魅力!

Shige Blog 2012年5月10日初出

とてもうれしい知らせが届いたよ!

5月2日にリリースした『Relaxin' at IWAKI ALIOS』がどうにも大好評なのだ!

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日本を代表するベーシスト、伊藤広規のライブ盤だ。

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やっぱり、いい加減みんないい音楽を聴きたがってるんだナァ~…と思わざるを得ない大快挙にひとりほくそ笑んでいる。だっていいもんね~。

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私はこの名作に自分の撮った写真をスリーブに使っていただき、かつライナー・ノーツを執筆させてもらう僥倖にあずかったが、その中にこんなことを書いた…広規さんは、平気でアマチュア・バンドのライブに出演してしまうような人で、根っから音楽を愛し、音楽の力を信じている人…と。
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そんな片鱗を見せてくれたのがこの今年1月のライブ。
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パワフルな演奏!Processionというバンド。
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メンバーは…

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…とご覧の皆さまには馴染みがないかもしれない。

ベースは我らが伊藤広規!気合いの入った演奏だ!
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それもそのはず、実はこのバンド、広規さんの学生時代の仲間でやってるバンドなのだ! …ってシレっと言ったけど、スゴクね?だってバンドの中に山下達郎の右腕がいるんだゼ!もちろん、お友達にとっては広規さんはその前に「お友達」なんだけど。

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キーボードもプロ。広規さんのパートナーのくり子さん。『Relaxin' at IWAKI ALIOS』の最終に収められている名曲「わたげ」の作曲者だ。

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ホントに広規さんはスゴイよ。アマチュアのステージだからといって、バカにしたりナメたりする風情など微塵も見せない!それどころか、ナンカ自分が一番楽しんでいるかのような極上のプレイなのよ!ツェッペリンの「ロックンロール」なんかを演奏したんだけど、ものすごいドライブ感!

ベースの仕事をしていて、休みの日に趣味のベース?でも、気心の知れた昔からの仲間と楽しそうに演奏する姿は、達郎さんのステージとはまた違った広規さんの魅力をアッピールしていた。

ま、もっともナニに向けてドライブしているかっていうと「打ち上げ」なんだけどね!イヤ、実際、この日の打ち上げはメッチャ楽しかった!同じく広規さんが高校時代にいっしょにバンドやっていたというお友達がもうヤケクソに強力で、腹がねじれるほど笑わせていただきました。

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ところ変わって…横浜。
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森園勝敏。

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伊藤広規。

以前から展開しているデュオ・チーム「こうもり」。あ、この名前はウソです。今勝手に思いつきで書いちゃいました!

以前から展開しているデュオ・チーム「森広規」。これ、私が昔お世話になっていた鉄工所と同じ名前なんだよね…「森工機」ていうんだけど。あ、またウソです!

本当の名前は「森園・伊藤」。ウワ!黒板の右端に書いてある「今日の日直」みたい!このストレートさがまたいいんだけどね。

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この2人、ナント誕生日が1日違い!仲いいですよね~!はるばる南阿蘇からバースデイケーキが届けられたよ!

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当然、2人の「バースデイ・ライブ」ってことになるんだけど、当日スゴイことが起こった!ナント、予定していた会場の設備に不具合が出て使用不可となり、本番直前にライブ会場を同じ横浜の「YCC」に変更したのよ!出演者も、スタッフも、お客さんもみんなで引っ越し!私も子供の頃からずいぶんライブに通っているけど、こんなのははじめてだな。よかったぜ~、会場が東京ドームじゃなくて!

そんなことぐらいで文句を言ったりする人なんかひとりもいなくてね…実にいい雰囲気なのですよ!

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それもこれも、この2人の演奏が素晴らしいからなの!

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曲はブルースをブルースを中心にいつも2人が演奏しているシブいスタンダード集。張り合うワケでもなく、かといってダレるワケでもなく、2人の音楽を愛でる気持ちがにじみ出てくるような深~いパフォーマンスなのだ。いくら聴いてもまったく飽きることがない!

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お客さんも、鋭くもあたたかい2人の演奏を舐めるようにして味わう。いいね、こういうライブは。

アレ、今気がついたけど、ここって天井が船みたいになってるんだ?!
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ここでも広規さんのドライブ感!ドラムがいらないくらいにグイグイと音楽引っ張っていく!

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私が思うに、広規さんのベースってトリッキーで派手なことを実はやっているんだけど、それを感じさせないところがあるのね。ただのリズム楽器ではなくて、「音楽を作るベース」とでも言うのかな?やることすべてがその音楽にカチッと組み込まれていく。決して出しゃばらないけど、ものすごい存在感!結果、目立ってる!みたいな。いるじゃないそういうベース弾く人って。

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でも、この赤いジャケットは充分に派手だ!え?何で「赤」かって?イエイエぜんぜんまだですよ!
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森さん、実は先月体調を崩されましてね。大変心配しましたが、今はお元気になられました。森さんにもしものことがあったらどうしよう?!日本のギターはどうしたらいいんだ?!

森さんは日本のギター界の宝なのだから…気をつけていただかないと困ります、ウン。また極上のフレーズでシブ~くブルースをキメる森さんを味わいに行こう!皆さんも必ず、必ずライブを観てくださいね。がんばれ森さん!

この日はゲストでマリさんも2曲歌ってくださり、2人のお誕生日に素敵な花を添えてくれた。

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伊藤広規の詳しい情報はコチラ⇒伊藤広規オフィシャル・ウェブサイト

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『Relaxin' at IWAKI ALIOS』はレコミンツ他、ディスク・ユニオン、タワーレコード、HMV等の大手CDストア他の店舗、並びに各種通販でお買い求めいただけます。

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伊藤広規のベースの魅力をこのアルバムで十二分にお楽しみあれ!

そうそう!今年もいわきの「街かどコンサート」への出演が決定したんだって!またこの5人の奇跡の演奏の再演がのぞめるかも?! 楽しみ!

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(一部敬称略 2012年1月29日 浅草KURAWOOD、2月19日 横浜YCCにて撮影)

2013年5月10日 (金)

ひっさしぶりの手数セッションはやっぱりスゴかった!の巻

エ~、また今日も田川ヒロアキ?!

その「また」である。3連チャン。でも今日は主役ではない、今日は3人のメンバーが全員主役の手数セッションだ。

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以前のマーブロには頻繁に登場してもらっていたが、今のMarshall Blogになってからは意外にもこれが初登場。

元々は八王子のLive Bar『X.Y.Z.→A』のほーじんさんの企画で始まったこのバンド。あんまりスゴかったてーんで後に再演。それが評判に評判を呼んでパーマネント化した。Marshall Blogが休んでいた間もセッセとライブを重ね、今となってはこのバンド特有のひとつの大きなスタイルを確立したといっても過言ではないだろう。

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全国各地からのお呼ばれも多、数々のツアーもこなしてきた。

つい先日、4月下旬にも9連続という無謀というか乱暴というか強硬スケジュールをこなしてきたばかり。途中、高速道路でタイヤがバーストしてしまうという命に関わる派手なアクシデントも発生したが、各地で絶賛を浴びながら無事に帰還した。

これはそのツアーのPVの撮影時のもよう。真剣にツアーの日程を説明しているふたりの後ろでスゴイ形相で走り回っているのはほーじんさん。

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参加しているというより完全に邪魔をしている?孝三さんはとりあえず完全無視状態。

とにかくお疲れさまでした!

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さて、今日のレポートはちょっと日をさかのぼること3月下旬の高円寺SHOWBOATの時のもようだ。

ひっさしぶりの手数セッション…愉快痛快、スカッとする好演がテンコ盛りでやっぱりスゴかった!

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元祖手数王、菅沼孝三。

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江川ほーじん

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田川ヒロアキ

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今日はJCM900 4100と1960Aのコンビだ。

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一年以上ぶりに観る手数セッションはいい意味で何も変わっていなかった!

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ワザとワザの応酬、興奮のインタープレイだ!

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「Ave Maria」とは似ても似つかないゲリラ戦が手数セッション。

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あーあー、譜面台ぐらい出せばいいのに!

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やっぱりスカッとするナァ~、ほーじんさんのプレイ。

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でもこの日は実はとラブが降りかかっていてややそっちも気になるようす。それは後半でレポートするね。

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レパートリーはおなじみの手数スタンダードが中心。

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宙返りができるタイガー戦車… そんなイメージのリズム隊。ちなみにコンピュータは搭載していない。すべてアナログの人力走行だ!

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やっぱり好きだな、孝三さんのドラム。

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いつかまたビッグ・バンドでプレイしてもらう日を夢見ていたりしているんよ。また「Magic Flea」演ってもらいたいね。

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この写真!Buddy Richみたいでしょ!

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この日も2部構成。

第2部は着替えて出てきたヒロアキくんのア・カペラのギター・ソロから。

何も変わっちゃいない!

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「何も変わらない」というのは実はとてもスゴイことで、演っている方も飽きずに、そして聴いている人たちを飽きさすことなく同じことをするのがホンモノのアーティストなのだ。欧米ではそういう人たちが歓迎され尊敬される。

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もっともインプロヴィゼーション比率が極端に高いこのバンドのことだから、毎回全曲新曲ということも言えるがね。

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それで笑っちゃったのが、どうも「手数セッションは演奏はスゴイけど、曲がどうも…」という人がいるらしくて、ヒロアキくん曰く「だから曲じゃないって!手数の品評会なんですよ!」

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いつも曲のクォリティの重要性を説くマーブロだけど、こうしたバンドにはそれは無用。

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「名演あれど、名曲なし」

これぞインプロヴィゼーション・バンドの真髄なのだ。

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だからこそ一音一音に命をかける。

このほーじんさんの表情…さっきPVの撮影でふざけまくっていた人とは完全に別人だ。

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ほーじんさんのア・カペラ・ソロもすさまじい!

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あまりの熱演ゆえ、ストローでジュースを吸い上げて水分を補給しながら演奏する。エ、違う?

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もちろんこれは一般的にトーキング・モジュレーターと呼ばれているもの。ほーじんんさんのハンド・メイドで「トーク・ボックス」と名付けられている。

「Let It Be」を熱唱している。ボカロなんてらん、いらん!これで十分よ!

このほーじんさんを観てみろ!Beck Boggert & Appiceの『Live in Japan』ライブを聴いてみろってんだ!ボカロなんか比べ物にならんぐらいカッコいいぞ!(ボカロについてはまた他の機会でジックリと…)あ、Joe Perryもうまく使ってたよね。

ところでこのトーキング・モジュレーター、昔はJeff Beckにあこがれてサ、ラジカセにギターつないで、カミの筒をくっつけたイヤホンを口の中に入れてマネっこをして楽しんだっけな…そういうのやらなかった?

ところが、このトーキング・モジュレーターなるもの、「加えたパイプの振動が脳に悪影響を与えて使いすぎるとアホになる」という噂が流れてね。ラジカセ作戦をみんなピタリとやらなくなった時期があったんよ。今考えてみれば元々アホがそんなことをやるワケであって、気にすることはなかったんだけどね!

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しっかし、これだけ弦を叩きつけているとなると、いつかは右手の親指がすり減ってなくなってしまうのでは?と心配のひとつもしたくなるぐらいのバカチコぶり!痛快!

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また、フレーズがいいんだよね~!

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ソロが孝三さんにバトンタッチされる。

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孝三さんのソロ。

まずはジョウ・ハープ。

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ディジュリドゥ。

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おなじみパチカ。

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沖縄の軽打楽器、三板(さんば)。

それにホーミーも。

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西洋の打楽器、ジャズ・ドラム・セット。

宙を舞うスティック!

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ガッチリとくわえこんだスティック。

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もう孝三さんのドラム・ソロを何回拝見しただろうか…ゼンゼン飽きない。毎回もっと見たい!と思わせるところが何と言ってもスゴイ!

30年ぐらい前、Dizzy Gillespieの『Dream Band Jazz America』というビデオをジャズ喫茶で観た。そこに登場したMax RoachがCount Basie Orchestraのドラマー、"Papa" Joe Jonesに捧げて「Mr. Hi-Hat」という曲を演奏していた。それは文字通りハイハット1本だけを使ったすさまじい演奏で、もう目が点になった。その足で同じレーザー・ディスクを買いに行った。

後年、孝三さんがそのMax Roachのハイハット・ソロと同じことをされていてまた驚いた。もう驚いてばっかりなんです、私の人生。何か頼んでるか、何か探してるか、何か謝ってるか、何かに驚いてるか…これだけで人生の起きている時間の大半を過ごして来ました…。

で、幸運にも2001年に世界一のシンバル・メーカーに関するイベントの台本の制作を頼まれた。その時出演したドラマーは孝三さんの他に、そうる透さんと大坂昌彦さんで、まっさきに頭に浮かんだアイデアがこの「Mr. Hi-Hat」だった。つまり、この3人のスーパー・ドラマーがハイハットだけでバトルをしたらどうなるであろうか…。孝三さんにこのアイデアを持ちかけるとすぐに迎合してくれて、ハイハットだけを使った曲を作ってくれたのだった。あんなスゴイ演奏もう二度と見れないだろうナァ…。

孝三さんのドラム・ソロを観ているとたいていこの時のことを思い出すのだ。

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特別ゲストも登場。

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ヒロアキくんのお琴にのって「さくらさくら」を熱唱するケロミン。

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ほーじんさんのトラブルとはコレ。車の荷台のヘリの部分に弁慶の泣き所を強打してしまったのだ。これは痛いですよ。エグれる寸前ぐらいのところまで行っちゃってたからね~。みなさん、機材の積み下ろしには十分気をつけましょう!

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好例の順手・逆手交換コーナー。

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2人ともヘタ~!

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やっぱりコレだな。楽しそうなふたり!

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「Let It Be」、「Come Together」、「All my Loving」と、メンバーが好きなビートルズ・ナンバーも交えてますます手数ぶりが冴えたライブだった。

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とにかくこういうライブは観れるうちに数多く観ておくに限る。この先、世代が変わったらこういうことができる人たちの数が極端に減るだろうからね。

そういう意味でもいつまでも、そして何が何でも手数セッションには無茶な演奏を続けていってもらいたいのだ。

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菅沼孝三の詳しい情報はコチラ⇒手数王 菅沼孝三オフィシャルウェブサイト

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田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

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(一部敬称略 2013年3月25日 高円寺SHOWBOATにて撮影)

2013年5月 9日 (木)

Marshall and Car Race~田川ヒロアキ in 筑波サーキット<後編>

大盛況のOLD/NOW CAR FESTIVAL。

会場には車以外にも車に関するグッズを販売する露店がズラリ。ミニカーからキーホルダーから生写真から色んな物を販売している。笑っちゃったのは何の変哲もないSDカード。要するに車やレースクイーンを撮影するカメラマンたちへのサービスだ。

あ~あ、これらが全部中古レコードかCDだったらナァ~。

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さて、30分のステージを終え、マネージャーと現れた先は…

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レース・サーキット。

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大急ぎでマーシャルをセットするスタッフ!

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早く、早く!

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演奏直前に何やら小声で話しかけるスタッフの親分。「田川ちゃん、行っちゃって!ドーンと行っちゃって!」と伝えているのかどうかはわからない。

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もう弾いていいすか~?と訊いているワケではない。 まだレースに出場する車が到着していない。

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車の到着を待ち構えている…の図。

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来た来た!

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レースが出走する車はスタート・ポジションにつく。

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こういう車ね。なんていうのかわかりませんが…。レーシングカー然としたヤツね。

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ドライバーがスタートラインに立ち、ヒロアキくんの「君が代」を受ける。

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ライブの時にはかぶっていた帽子を脱いで国歌演奏に臨む。

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マーシャルの君が代だ!

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普段のライブでは緊張しないが、さすがに大舞台で「君が代」を演奏するとなると話しは違う…と言っていたヒロアキくん。なるほど緊張は隠せないようだ。

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どんな「君が代」になるとも知れず演奏の開始を待つ選手たち。

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いよいよ演奏が始まった!

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アンプはJMD100と1960Aを2台。

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いきなり♪ギュイーンだ! もちろん遠慮無用の大爆音!

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あ~あ~、メロディを奏でる他にライトハンドも交えて、マァ、やりたい放題!いいね~!

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選手の皆さんもさぞかし驚いたことだろう。ギュイーンだから。

実は国家斉唱というか国家演奏というか、撮影するの今年入って2回目なんだよね。「君が代」って歌ってると長いけど、撮影しているとものすごい短いのよ!シャッター・チャンスを逃さないように必死なのです!

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キマッタ~!

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このドヤ顔!

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「オイ、我ながらキマッタぜ~」…などとカッコつけている時間などまったくなく…

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大急ぎで撤収~!

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早くしないと轢かれてまうど~!

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これがその実際の演奏の動画。

チョコチョコとカメラを持って動き回っているのは私…。落ち着きがなくて恥ずかし~。一体どういう展開になるのかわからないし、シャッター・チャンスは逃したくないし、気がつきゃ逆光だし…で、アタフタしているのですわ。

<書き足し部分>

冒頭のグイーンはもちろんエンジンの音。こういう芸当の元祖的存在と言えばJimi Hendrixで、もちろんMarshallがなかったら実現できなかった。

1978年にカリフォルニアのオンタリオ・モーター・スピードウェイ(この時も!)で開催された『Carifornia Jam2(「カル・ジャム・ツー」なんて呼ばれて、確か東京12チャンネルかなんかでテレビ放映した記憶があるな…)』にはカナダの強力なHendrixフォロワーのFrank Marinoが出演してこのグイーンをやった。そして、そのグイーンに合わせて頭上を飛び交うセスナ機が急降下したりして観客の度胆を抜いた。やっぱスケールがでかい!

これを知ってかヒロアキくんもこのグイーンをかましたったワケや。

爆音で知られるMarshall。何年か前に「Marshallの爆音でガラスが割れるか?」というテレビ局の企画に付き合って、大学の研究室にこもって日がな一日Ebを弾き続けたことがあった。その時に測定ではEbの音が供試体の板ガラスを一番振動させる周波数だったからだ。ま、色々な条件が重ならないととてもガラスを割ることができないことがわかり、結果的に番組自体はボツになった。

それでもガラスの振動はすさまじいものでMarshallの爆音ぶりには満足のいく結果だった。

しかしね、このレーシング・カーのエンジン音たるやMarshallの比じゃないね。この音はホントにデカイよ。ま、みなさんそれがよくてサーキットにお見えになるんでしょうけどね。

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国歌演奏も無事に済んでいよいよレースがスタートした。

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ちょっとこれだけ岩石オープンみたいだね。そういえば、『チキチキマシン猛レース』っていうのは原題を『Wacky Race(ヘンテコレース)』というのは知っていたんだけど、ブラック魔王とケンケンの本名は知らなかった。ブラック魔王はRichard "Dick" Milhous Dastardlyという。「Rchard Milhous」というのは元アメリカ大統領のニクソンの名前。ケンケンはMuttleyという。

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ちなみにこれらの写真はレースふたつ分を混ぜている。

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そしてイベント・ステージのエリアに無事帰還。

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待っていたのはサインを求めるファンの人たち。CDの販売も好調だった!

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サインももうお手のもの!「田川」と幾何学的な文字面なのでサインもしやすい。これが「渡嘉敷さん」とか「瀧澤さん」とかだったら大変だったぜ。

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すべて終了後、「体験ラン」のお誘いが…。オリジナルのマツダコスモでサーキットを走ろうというのだ。

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「生きててよかった~!」と大喜びのヒロアキくん。

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アレ? 運転はしないのか…。

それではコースを1周。いってらっしゃ~い!

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レーサー気分を味わえたようで、ご満悦のヒロアキくん。大興奮で降りて来たよ。ヨカッタね!

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田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

5月23日には昨日紹介したメンバーによるライブも開催されるので要チェック!

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(一部敬称略 2013年5月5日 筑波サーキットにて撮影 ※取材協力:株式会社オルウェイズ

 

2013年5月 8日 (水)

Marshall and Car Race~田川ヒロアキ in 筑波サーキット<前編>

曜日の感覚がスッカリなくなって久しいが、やっぱり世の中ゴールデン・ウィークとなるとやっぱりなんかウキウキするね。

皆さまにおかれましては楽しい連休をお過ごしになられたことと存じます。

私はといえば…どこへ行ったってものすごい人出だし、お金はかかるし、疲れるし…で、ゴールデン・ウィークは家でゴロゴロしながらテレビの渋滞情報を見るのを一番の楽しみにしている。

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でも今年はここへ来た。筑波サーキット。

5日に開催されたのが車に関する催しがテンコ盛りの「オールド・ナウ・カーフェスティバル」という車のイベント。

1986年から続いているってーんだからスゴイ。

フェラーリ・カップ、JAF筑波スーパーFJ選手権シリーズ第2戦、ロードスター・パーティ・レースⅡ 第2戦、数々のデモ・ラン(こんな言葉あるのね?)等々、色んな企画が目白押し。

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え?車に興味があるのかって?ないない。まったくないのよ!私は電車育ちでしてね、親が運転ギライということもあって残念ながら見事に興味ないんだよね~。趣味的な感覚で「車が欲しい」と思ったことはマジで人生で一度もないかもしれないのよ。

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会場は、ま~、よくもこんなに集めたな~と感心してしまうぐらいの車であふれかえってる。

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ポルシェとかフェラーリぐらいはわかるんだけどあとはサッパリだな。ただ、最近車に詳しいギタリストから教わったんだけど、Jeff BeckですっかりおなじみになっちゃったBilly Cobhamの「Stratus」は「層雲」という意味で、ランチャ・ストラトスの「ストラトス」なんだそうだ。この単語、辞書を見ると発音は「ストレイタス」になっているけど、向こうの人は「ストラトゥス」と発音するから海外でこの曲を演奏する人は要注意!

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フェラーリ。これは知ってますよ。ああ、イングヴェイがいたらナァ~。

The Beach Boys的な意味合いでなく、ロックと車ってのはすごく近しいよね。Marshallもなんかのレースのスポンサーをしていたし、いつかラリーのゲームでMarshallのロゴを付けた車が走っていたりもした。

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でも、今回このフェスティバルにお邪魔したのはコレ。残念ながら車とは関係ない。

田川ヒロアキがライブ・イベントに登場し、かつ、レースの前の国歌演奏をするってーんで駆け付けた!

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この日は実にいい天気だったでしょ。楽屋はステージ横のテント。イヤ~、風がまったく通らないビニールハウス状態なもんで暑いのなんのって!!

出番前のヒロアキくん。手数セッションの怒涛の9連続ライブ・ツアーが終わってまったく休むヒマがない!

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イベント・ステージではレース・クイーンの撮影会。

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ちょっと私も撮らせてもらった。 初めての経験。

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司会の方が仕切りまっくてクイーンたちに「あっち向け、こっち向け」って指図をするのがおもしろい。

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カメラマン諸氏、みなさんすさまじいまでの気合と高級機材でパチパチ撮りまくる!

それがですね~、ちょっとその仕上がりを除き見たんだけど、メッチャクチャうまい!これスタジオで撮ったんじゃないの~?と我が目を疑うぐらい。

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イヤ~、色々な世界があるもんだな…と。

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出番を待つJCM900 4100とMF280A。

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ちびっ子相手にこんなショウも。「秘密戦隊ゴレンジャー・ショウ」!ウソウソ、古すぎか…。今のはえ~と、「獣電戦隊キョウリュウジャー」だよ、もちろん。この「~ジャー」もよく続いてるよね~。少子化が進んで苦戦されているんだろうけど、是非がんばって欲しいと思う。「食卓戦隊デンシジャー」とか、「六弦奏者リックデリンジャー」とかね。

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コレしかしね~、大変ですよ。この炎天下で衣装をつけて暴れまくって…。

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これからの季節、もっとも厳しい仕事のうちのひとつだろう。

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でも子供たちがうれしそうにしている姿はナニモノにも代えがたいですな…。ウチの子も「ジュウレンジャー」ってのに夢中になっていたっけ。子供たちに夢を売る素晴らしいお仕事です。

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キュウリュウジャーの後に登場するは我らが田川ヒロアキじゃー!

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実は、ヒロアキくんはこの日を大変楽しみにしていたという。

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彼は目の障害がなければカー・レーサーになりたかったという。鋼鉄の塊が音速で走り来る姿を想像して書いた曲が彼のテーマ・ソング的曲「My Eternal Dream(永久なる我が夢)」。これでライブが始まった!毎回ライブでも演奏される人気曲だ。

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それをいよいよホンモノのレース場で演奏したのだ!

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今回のバンドのメンバーは…

ベースにFUKUSHIN。

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ドラムにはその盟友、田口耕郎…というトリオ編成。

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夢がかなったというだけあって、ノッケからドライブしまくる!

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さっきまでちょっと見せていたお疲れモードも跡形もなく吹っ飛んでまさに会心の出来!

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「夢をかなえる」ということは、すごいパワーを生み出すということやね。どんな時でも「夢」をもたなきゃいかん!

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ガラッと変わって最新作『Ave Maria』からメンデルスゾーンとショパン。

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なんかこういうところで聴くクラシック曲って妙にプログレっぽく響くな…。

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これもヒロアキ流のシャレか?ビートルズ好きの彼が選んだ次の曲は「Drive my Car」。そのまんまじゃないの~!

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原曲よりちょっとハードに仕上げたアレンジはこのリズム隊とバッチリ!

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今回はボーカル曲がひとつだけということもあって一曲入魂の絶唱!

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そして、「Ave Maria」。

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快晴の休日の午後を美しく彩る。しかし、弾き手のよさもあるけど、マーシャルってきれいな音を出すよナァ~。

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今回演奏時間が30分と短く、もう最後の曲。

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これまたレースっぽい曲、というかそのままズバリの「Speedway」。アルバム『Ave Maria』のオープナーだ。

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ゴリゴリのドライビング・チューン!

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FUKUSHINさんのベース・ソロも大フィーチュア!

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思いっきりバンドをプッシュする田口さん。

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こういう機会なので当然初めて田川ヒロアキを見たお客さんも多く、また、生のロック・バンドを普段見ることのない人たちが集まるワケだが、緩急取り混ぜたレパートリーもよく、ものすごい反響だった。

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目のハンディキャップだの、変な弾き方だの、そんなことはまったく関係なしに、田川ヒロアキが自分の音楽とギターで多くの人々を感動させた瞬間だった。恐るべし「逆手戦隊タガージャー」!

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田口さんのリードでステージを降りるヒロアキくん。この後、すぐに国家の演奏だ!さぁささぁさ、急いでサーキットへ向かえ!

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田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

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<後編>につづく

(一部敬称略 2013年5月5日 筑波サーキットにて撮影 ※取材協力:株式会社オルウェイズ

2013年5月 7日 (火)

Guitar☆Man #003

回を重ねるごとに人気と話題が集まるGuitar☆Man。4月上旬に開催された3回目の会場は六本木のスイートベイジル 139。会場の雰囲気がショウの内容をよりゴージャスなものにした。

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おなじみのチャリティ・ギターの展示。

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会場は満席。みんな大好きなあの頃のロックを今か今かと首を長くして待っている。

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今回のギター・エンジェルは佐々木心音ちゃん。

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鈴木茂さんにギターが手渡され、「Guitar☆Man #003」が始まった。

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オープニングはDeep Purpleの「Burn」。

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「Foxy Lady」でメンバーが紹介される。

今回のメンバーは座長の伊藤広規

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もちろんベース・アンプはMarshallだ。VBA400とVBC810のコンビ。TシャツまでMarshallだ!

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ギターは鈴木茂

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そして横内健亭。

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キーボードは重実徹。

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ドラムは小田原豊

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ボーカルは左からアラキマキヒコ、坪倉唯子、浦田健志

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J-POPメドレーは「黄砂に吹かれて」~「神様お願い」~「木枯らしに抱かれて」~「BAN BAN BAN」。

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続いては洋楽メドレー。「Brown Sugar」~「White Room」~「Helter Skelter」~「Detroit Rock City」が演奏された。

ナント言ってもここは浦田さんの「Helter Skelter」。素晴らしいシャウトで日本人離れしたノドを聴かせてくれた。

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司会はおなじみNACK5の山本昇。

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茂さんのチョイスでMoby Grapeの「Omaha」。Moby Grapeは1960年代後半に活躍したアメリカのバンドだ。

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ここでもうひとり加わったギタリストは北海道出身の外園一馬。VintageModern2266Cでブルージーにプレイ。

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横内さんとのイキもピッタリだ!

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The Venturesの「Memphis」。

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これまでは同じ内容を2回上演してきたが、今回は休憩をはさんでの2部構成となった。

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第一部を締めくくったのはLed Zeppelinの「Good Times Bad Times」。

昔、あるベテラン・ギタリストがリハーサルでこの曲のリフを弾いて、「本当にカッコいいリフだな~!」とつぶやいたのを聴いてから一段とこの曲が好きになった。

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ここは広規さんのスーパー・プレイ。本家JPJにも負けない素晴らしいベース・プレイ!

私が今一番聴きたいのは広規さんが弾くエントウィッスルだ、「Real Me」とか「Baba O'Riley」なんか弾かれた日には腰が抜けるかも?!

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休憩をはさんで第2部がスタート。

スタートはまたメドレーだ。

Deep Purpleの「Hush」…

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Nirvanaの「Smells Like Teen Spirit」…

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そしてJanisの「Move Over」…

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あまりにもスゴイ坪倉さんの熱唱!トリハダ立ちまくり!

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ここでゲストが登場。

山本恭司だ!

多くの人がすでにご存知の通り、恭司さんはスノー・モービルで右手を大破してしまった。

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それでも不屈のミュージシャン・シップで左手一本で参加。

「吼」印のミュートの力を借りて大熱演!

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…というか、いつもと変わらないほどの完璧なプレイ!

曲は「Purple Haze」。

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それとBB&Aでおなじみの「Sweet Sweet Surrender」。Steve CropperやDuck Dannとサックスで活動を共にしていたメンフィスのソングライター、プロデューサー、Don Nixの作品だ。

ちなみに外国人が寄ると触ると演奏するジャム・セッションの超定番曲「Goin' Down」もDon Nixのペンによるものだ。

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それにしても恭司さんのプレイ!ほとんどをグリッサンドとハンマリング並びにプリングオフで弾かなければならないという途轍もない制約の中で実に中身の濃い刺激的な演奏を披露してくれた。

恭司さんはVintageModern2466のパワー・アンプとキャビネットを使用。KT66の太いサウンドがプレイの美しさを際立たせていた。

もちろん演奏後には盛大な歓声が送られたことは言うまでもない。

最新の情報では大分よろしいようでギプスも小型化された。一日も早いご快癒を願っている。日本のロック・ギターの宝だからね!

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さらにゲストが加わる。

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上田正樹

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しっかし、スゴイね。もう登場しただけでガラリと雰囲気が変わる。思いっきり引き込んじゃう。

ソロを回すときに「Your turn...」とやるのが滅法カッコいい。とても自然なのね。

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私は昔からジャズ以外の黒人音楽を聴くことがほとんどなくて、ソウルやR&Bを滅多に聴かないし、聴くとしてもいまだに勉強聴きの域を出ない。でもね、高校の時、上田さんの「Try a Little Tenderness」や「I Can't Turn you Loose」を聴いたときはシビれたナァ~。「オーティス、聴いとるか、オーティス!」と天国のOtis Reddingに語りかけてから歌うその姿はもう完全に音楽の化身となっていた。その時のことを思い出しちゃった!

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「Feelin' Fine」、「That's What All I Wanna Do」…

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そして、「I've Been Working on the Railroad」が演奏された。

上田さんからの説明もあったが、日本ではこの曲は「線路はつづくよどこまでも」として時代を超えて愛唱されているが、元は過酷な労働に従事する線路工夫の労働歌だ。

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そしてショウも大詰め!

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Jimi Hendrixの「Manic Depression」。もともとは「Bipolar Disorder(バイポーラー・ディスオーダー)」という病気の名前。躁状態と鬱状態を繰り返す症状で、日本語では「双極性障害」という。ロンドンの記者会見で、同席したマネージャーのChas Chandlerがジミと記者との受け答えを見て「まるでManic Depressiveだな」といったのを聴いたジミが翌日この曲を持ってきたという。

Jimiスタンダードの中でも珍しいワルツの名曲だ。

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全員一丸となった演奏!

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そして、本編最後の曲。これには驚いた!Rick Derringerの「Rock 'n' Roll, Hoochie Koo」なんだもん!

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1970年、Johnny Winterのバンドが初吹き込みのゴキゲンなロック・チューンだが、作者はRich Derringer。1973年に自分のバンドでもレコーディングしてヒットした。

一般的に日本で「デリンジャー」というとピストルの名前が先に出てくるかもしれないが、Rick DerringerはSteely Danのレコーディングにも参加している名ギタリストで、『Royal Scam』の「Green Earings」のシャープなギター・ソロが彼が弾いていたりする。Alice Cooperの必殺の名曲「Under my Wheels」のソロもDerringerだ。Toodの『Something/Anything』や『Back to the Bars』にも参加しているし、Led Zeppelinの最後のアメリカ・ツアーのオープニング・アクトも務めている。

Derringerという自分のSurnameを冠したバンドも率いていた。近年はどこかのギター・メイカーでシグネチャー・モデルを出してNAMMショウなんかでもかつてはよく見かけたが、『All American Boy』や『Spring Fever』のジャケットに見られるような美少年の面影はなかった。

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特段、Rick Derringerのファンなワケでもないんですけど、「ギタリスト」としてもっと日本でも評価されていい人だと日頃から思っていたもんでつい…。

そして、こんな曲が出てくるこのショウの懐のデカさに感動したりして…。

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ギターだけでなく、こうした「隠れた名曲」的な、または「忘れられている名曲」的なものを押入れから引っ張り出してきてくれるのもGuitar☆Manの魅力のひとつなのだ。

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そしてアンコールは、きっと毎回1曲は演奏されるであろうJeff Beckの曲。

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今回は「Freeway Jam」だ。
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広規さんの三連のグルーヴがバンドをグイグイ引っ張っていく!

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さらにゲストのふたりとボーカル陣が加わる。

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恭司さんを気遣う上田さん。恭司さんの演奏を「マジックのようなプレイ」と大絶賛。
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アンコールはGuitar☆Manのテーマソングともいうべき「Smoke on the Water」。

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「上田さんがDeep Purple?!」的なパフォーマンスも楽しい熱のこもった素晴らしい演奏!

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やっぱり名曲は不滅なのだ!

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次回のGuitar☆Manは5月9日。明後日ね。

土方隆行氏、今剛氏を迎えて渋谷のJZ Bratで開催される。お見逃しなく!

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Guitar☆Manの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

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(一部敬称略 2013年4月10日 六本木スイートベイジル139にて撮影)

2013年5月 5日 (日)

他流試合は朝飯前じぁい!~田川ヒロアキ vs. 天游

Shige Blog 2012年5月11日初出

おお!ナンダ?今日のタイトルはッ?プロレスか?! テンリュウと戦うって…田川ヒロアキ、一体大丈夫なのか??
んなワケないよね~?

天游…「鬼太鼓座(おんでござ)」出身の和太鼓奏者だ。Img_0072 今日は『エレキと和太鼓のコラボレーション』というイベントのレポートだ。
最近はちょっと和太鼓づいてましてね。和太鼓を撮るのは実にエキサイティングなのです!Img_0049まずはじめに天游の和太鼓のソロ・パフォーマンスからスタート。Img_0087日本人ならやっぱりタイコ!このド迫力の律動感はシックリくるね~。

Img_0304天游が手にしているのは? そう、ふとんたたき。
和風で何か目立つものはないか…ということで目に付けたのがふとんたたき。バッチンバッチンと高域リッチな音になる。

あ、ちなみにふとん干した後、取り込む時にふとんって叩かない方がいいらしいよ。

Img_0158全編あせみどろの大熱演!
大太鼓のパフォーマンスはやっぱり何といってもハイライトだよね!大喝采が起こっていた!

Img_0374そして田川ヒロアキ!お?今日は珍しくジャケットを着ての登場だ。

Img_0184第2部は、田川&天游を中心としたバンド形態でのパフォーマンスだ。

Img_0127田川ヒロアキ

Img_0103天游

Img_0280キーボードはもんた&ブラザースなどでご活躍の林政宏。

Img_0362ベースはヒロアキくんのライブではおなじみの仮谷克之。いいんだ~、またこの人のベースが!

Img_0153「音楽に国境はない」なんてよく言われるけど、あるんですよ。やっぱり強引にまったく起源や歴史の違う楽器をゴッチャにしてひとつのいい音楽を作るのってムズカシイんですよね。

「音楽に言葉はない」とも言うでしょ。あれはフィーリングが合って、演奏する人たちの間には言葉は無いんだけど、楽器には言葉があると思うんですよ。文法というのかな?

で、言葉はその使われる地方によって異なるワケで、国が違えば言葉も違って当然。すると、楽器に言葉があるとすれば国境もあるというのが私のヘリクツ。

Img_0311ま、どうでもいいんだけど、強引に音楽や楽器をひっつけてもうまくいかないこともある…と思うのですよ。

で、過去にもずいぶんと東西の音楽交流みたいなことが試されてきているワケだけど、この手の創作で一番成功していると思うのは穐吉敏子の「孤軍」とか「ミナマタ」だと思っている。もろに和楽器を西洋音楽に取り入れて素晴らしい効果を出しているだけでなく、逆に西洋楽器を和のイメージで使用したりするところがスゴイ。文句なくカッコいい。これが一番大事!

Img_0110_2今回はギター、ベース、キーボードに和太鼓という編成…つまりドラムが和太鼓に代わった格好。

Img_0121これが案外素直にいってて大変おもしろかったナ。

Img_0376でもさ、こうして見ると、西洋のポピュラー音楽、つまりジャズとかロックってものすごくドラムのサウンドに支配されているんだナって思うね。特にシンバル。シンバル・レガートの音って想像以上に我々の耳に入り込んでいるんですよ。

Img_0135_2今回はリハーサルの時間も充分にとれなかったようだが、バンドの編成を考えて曲を書き、ジックリとアレンジをすればもっともっとおもしろいものができそうだ!

Img_0238そして第3部は田川ヒロアキのソロ・パフォーマンス。

12img_0179クラシック曲をアレンジしたしっとりした演奏に観客はうっとり。Img_0199この粘っこいクランチトーンがいいんだよね~。

Img_0211ジャケットを脱ぎすてて大ハッスル!
ア・カペラのソロではいつも通り超絶技巧をテンコ盛りにした。

Img_0380ワン・ステージのうち、必ず歌われるであろうバラード。今日は「平和の風」だ。特にセカンド・ステージの歌が素晴らしかった!

Img_0546いつも「ギターはいいけど歌には自信がない」なんて言ってるけど、なんのなんの!心に染み入る実に深い歌唱ッぷりだったのだ!

Img_0438さあ、歌も終わったことだし!弾き倒すゾ~!っと!

Img_0425曲は「My Eternal Dream」。

Img_0418ヒロアキくんがF1のテーマ・ソングをイメージして書いた疾走感あふれるドライビング・チューンだ。

Img_0512得意のスライド・ウォッチも存分に披露!終了後には会場を割れんばかりの喝さいで満たした! 

Img_0536サイン会も大忙し!

Img_0465田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

Img_0249※当日のステージは2回公演でした。レポートでは双方のステージの写真を混合しました。

(一部敬称略 2012年3月4日 聖蹟桜ヶ丘アウラホールにて撮影)

 

 

2013年5月 4日 (土)

【Marshall Museum Japan Open!】<後編>見どころの一部とちょっとしたウラ話し

Shige Blog 2012年5月9日初出


「マーシャル・ミュージアム・ジャパン・オープン!」レポートの最終日は、コレクションの見どころの一部と準備にまつわるお話しを少々…。

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ここの見どころは何といってもJTM45のコレクションだろう。1962年のオリジナルからサンドイッチ、100W、JTM50、さらにはKitchen-Marshallまで様々なモデルを網羅している。

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1962年型。これは昨日レポートした通りSHARAさんがデモで弾いてくれたものだ。

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「ホワイト・フロント」と呼ばれるタイプ。

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これが「サンドイッチ」。

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「JTM100」という表記の通りマーシャル初の100WのPA用アンプ。元のオーナーはピート・タウンゼンド。

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ジム・マーシャルが様々な理由で生産したマーシャルでないマーシャルも多数展示している。珍しいものばかり!
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ミュージアムには、有名なマーシャルに関する書籍、マイク・ドイル著の『The History of Marshall』に掲載されている物の実物が多数展示されている。

何でもそうだけど、写真で見るのとホンモノを見るのとではエライ違いだよ!何というかこういう古いものには、オーラ見たいなものが出てる。ニオイもあるしね。やっぱり実物を目にしてもらいたい。

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その極めつけは、表紙に登場する1968年の1959と1982Aのセットであろう。実物が日本にあるのだ!

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アンプの他に変わり種のマーシャル製品も展示されている。

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これはマーシャル製ワウワウ・ペダル。

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変わりダネも色々!Majorのベース・アンプ1978のフルスタック。普通の三段積みがミニ・スタックに見える?!

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限定品や記念モデル等、二度と手に入らないモデルのコレクションも充実している。

各アイテムの説明をここでしたいところだけど、是非ミュージアムで実物をご覧になりながら『Marshall Chronicle』を片手にその解説をご覧いただきたい。

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ところで、ミュージアムはマーシャル以外にもレアなコレクションを所蔵している。

これはジェフ・ベックが1973年にBeck, Bogert & Appiceで来日した際に実際に使用したUNIVOX。あの『Live in Japan』のジェフのギターの音はこのアンプから出されているものだ。「この」って簡単に言ってるけど、実物でっせ~!

かつては、Deep Purpleの『ライブ・イン・ジャパン』で使われたリッチーのMajorも売りに出されていたらしい。館長残念ながら事情によりゲットせず!縁があればきっとめぐり合えるよ!マーシャルのシリアル「#1」みたいにね。そして、またミュージアムの2階にディスプレイだ!

あと館長の現在のターゲットはMajor1967の「Pig」。ミック・ロンソンが使ってたヤツね。これは1967年に1年間だけ生産されていたバージョンで入手が難しい。やっとのことで東京の楽器屋さんで見つけたけど、アットいう間に売れてしまい臍を噛む思いをしている。幸運を祈る。入ったら弾かせてネ、館長!

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スクリプト・ロゴ時代のMXRもドッサリ!子供の頃、これには憧れたよね~!それにしても昔の物ってナントも風格があってカッコいい!

エフェクターはこの他にもマエストロだのタイコブラだのユニヴァイブだの、スペース・エコーの交換用テープまで、エグイものが山ほどある!好きな人にはタマらないよ~!

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もう少し、マーシャル以外の物を見てみようか?

フェンダーのビンテージ・アンプ。model26っての?

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ギブソンも…ストーブかと思った。これ、フットスイッチが木製なのよ!

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これはナ、ナ、ナント、フランク・ザッパが使っていたMK1!ドゥイージルの鑑定書まで付いてる!これは欲しいナァ~。重いからナァ~。でも、コレっていつ使われたんだろうナァ。基本的には1959の人だったからネ。

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アンプやエフェクターのコレクションに比べるとギターはチトおとなしめ。でもこれはスゴイ!もうひとつジェフ・ベック・ネタなんだけど、『Rough and Ready』のレコーディングで使われたギター。

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と、すべては見せられるハズもないので、このあたりで展示アイテムの紹介は終わり。どう?行きたくなったでしょ?

でもね~、準備は大変だったのよ~。もっとも私はチョコチョコとしか手伝っていませんが…。

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それでもね、展示アイテムの写真をすべて撮ったのはキツかった~。足腰ボロボロ!数日間右目しか使わなかったから左目が退化してしまって…んなワケないけど、朝早くから夜中までやって何とか乗り切りましたぜ!

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見てチョーダイ、このケイオス!!

このコレクションは『T氏のコレクション』を取材した時に経験していたのである程度の覚悟はできていたけど、それでもスゲエ量!これは2階のマーシャルの展示フロアなんだけど、まだまだ3階にモノがあってジャンジャン送りこまれてくる!コレすべて個人の所有物なのよ!!

写真右側の三段積みが壁になってるでしょ?もうこれを組むに至るまでだってエライ騒ぎよ!足の踏み場は無いし、重いし、ヘタに積み上げて倒れたらヤバいし…。
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教訓!皆さんもマーシャル・ミュージアムをやる時は必ず次のことに注意すべし!

ナニをするにもとにかく作業手順を綿密に練っておくこと。今回は『T氏のコレクション』を下敷きに整理して撮影していったんだけど、もしアレがなかったら、どうなってたことやら?! どれもこれも同じような見てくれだし、同じのが複数あったりして…はじめのうちは頭もクリアだし元気もあって作業もはかどるんだけど、そのうちナニが何だか分かんなくなっちゃうの!疲れてもうアイテムを動かすのもシンドクなるし!この歳になると、ナンボ好きでも体力と気力と根気は別物だわ…。

でも、5、6年前の『T氏のコレクション』の取材の時の方がキツかったな…。アノ時は写真を撮るスペースすらなくてね。

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それでも何とか作業は完了!そしてオープンにこぎつけたってワケ。

ホラ、さっそく外国の人も「ナンダこりゃ?」って写真を撮ってる…と思ったらジョン・エラリー社長でした!

はるばるやって来ていただいてみんな感動の嵐でしたね。この場をお借りして、改めまして心から御礼申し上げます。

Jon, again thank you very much for coming to the opening ceremony the other day.  We all really had great time with you!
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そのほかの情報としては…

ミュージアムではこれから一部のアイテムに限り有料レンタルサービスをしていくそう。

また、2階には試奏ルームがあり、その中に一定期間ごとに入れ替えられるアンプを弾くことができるようになっている。

さらに、イベントやクリニックも定期的に開催して行きたいとのこと。

ところで、今秋には柳井市のとなりの岩国市に空港がオープンする。すると岩国空港からミュージアムへは約30分。乗り物だけ乗っている時間を考えれば、ナント羽田からミュージアムまで2時間かからなくなるね。そこへ、LCCでも就航すれば、東京の人が「チョット、ミュージアム行ってマーシャル弾いてくらァ!」なんて横丁の風呂屋へ行くように手ぬぐい、じゃなかったギター1本抱えて簡単に遊びに来れるようになるかも知れないよ!

マーシャル・ミュージアム・ジャパンのますますの発展を願ってやまない。

Marshall Museum Japanの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト
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【Marshall Museum Japan Open!】<中編>~SHARA Plays Vintage Marshall!

Shige Blog 2012年5月8日初出

はるばるイギリスからオープニング・セレモニーにかけつけてくれた、弊社社長のジョン・エラリーも圧倒的なコレクションに至極ご満悦のようす。

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セレモニー終了後、場所を2階のマーシャル展示フロアに移動。ここにはちょっとしたライブができるステージがある。

ここでEARTSHAKER、mintmintsの石原SHARA愼一郎氏によるオープニング記念デモンストレーションが行われた。

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冒頭にマーシャルの歴史やジム・マーシャルの生い立ちを簡単に紹介…するつもりが、ごめんなさいね~!久しぶりに人前でマーシャルのこと話したもんだからうれしくてついつい長くなってしまった!止まらんワイ!

なんてことはまったく意に介さないSHARAさん!やさしいんだ~。横で「フム、フム」。「そうだったんや~」と小声で突っ込んでくれる。実にやりやすい!

これまで、あれだけSHARAさんにお付き合いしていただきながら、「マーシャル祭り」でご一緒していただいただけで結局ロードショウを1回もやらなかったんだよね。それがスゴク心残りだったの。でもついに実現!形も場所も異なれど、私にとっても夢のイベントだったのだ!だからはしゃいでしまったのさ!

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SHARAさんには普段聴くことのできない貴重な貴重なビンテージ・モデルの音出しをお願いした。そしてそれらを使ってmintmintsの曲を演奏していただいたというワケ。

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使用したモデルはJTM45。ご存知1962年製のマーシャルの出発点となったモデルだ。Mmj_IMG_0001

それからJTM100というかJTM45の100Wバージョン。このアンプの以前のオーナーはピート・タウンゼンドだ。100Wにしては鳴りが小さかったがビンテージらしいふくよかな厚みのある音!

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Capri。これでもハンドワイアードのフル・バルブ回路だぜ。これね~、とにかく見ためが素敵じゃん?一度音を聴いてみたかったのよ~。館長にお願いしてレストアしてもらった。しかもKitchen-Marshallの貴重版!

音はどうかって?ん~。5W、8”スピーカーが思いっきりこのキャビネットにマッチしていなくて、ハナっつぁきで鳴ってる感じ?よく言えば「独特の音」っていうんだろうけど、想像とはだいぶ違ったナァ~。とにかくワイルドではない。

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1917。PA用のヘッド。4×10"のキャビで鳴らしてもらったが(元々セット販売)、これは素晴らしい!もういいように鳴りまくっちゃう!

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そして、2×10"の1958、18Wコンボ。甘~~~い、とろけるようなサウンドやね。上の1917と製造時期が約1年ぐらいことなるが、似たような回路にも関わらず、サウンドがまったく異なる。それは整流管の有無によるところ。

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そしてミュージアム名物の1968年製1959と1982のコンビ。SHARAさんの「前の方の人、注意して…」と警告しておいてドーン!ミュージアムの1階から4階の隅々まで行きわたったおとがハネ返ってくる!でも、あんまりうるさくは感じなかったな。「マーシャルってこういう音だよ!」というお手本サウンド!

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SHARAさんはmintmintsの名曲「Ghost」を披露。

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アンプは1962年のJTM45!これをリイシューの4×12"キャビで鳴らしてもらった。ヘッドは1962年製だよ。
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思うようにレスポンスしてくれる弾き心地に酔ったかのようなSHARAさん!

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mintmintsの新しいサウンドにもバッチリとハマる芳醇なビンテージのマーシャル・サウンド!のびやかでつややかで…何よりもヌケがスゴイ!スピーカーから出てくる音が1本の線となり、空気を貫いていくようだ!

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でもね、結局はSHARAさんのサウンドなんだよね。こういう人のレベルになるとナニを使っても基本的に弾き手の音になっちゃう。マーシャルの音なんだけど、SHARAさんの音。でもSHARAさんの音だけどマーシャルの音。ようするにSHARAさんがマーシャルを使った時の音…つまりMarsharaだ…ナニ言ってんだか…。でも感覚はわかるでしょ?

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この他mintmintsのレパートリーを2曲演奏してショウは幕を下ろした。Mmj_IMG_4883

記念すべきミュージアムのオープニングにふさわしい演奏だった!
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演奏後、記念に手形を押すSHARAさん。粘土が硬いもんだから、なかなか手形がつかず大騒ぎ!これハリウッドのチャイニーズ・シアターのなんかを見るともっとドロドロの石膏ですよ、館長!
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ここぞとばかり、みんなでSHARAさんの手に乗っかって何とか手形を残すことに成功!
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後はサインを入れて…と。

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もちろんエラリー社長にもお願い。ところが手がデカイもんだから今にもはみ出しそう!

これらの手形がどんどんコレクトされてミュージアムの名物になっていくことを期待している。

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石原SHARA愼一郎の詳しい情報はコチラ⇒石原慎一郎Official Site

マーシャル・ミュージアム・ジャパンの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

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<後編>へつづく

(一部敬称略 2012年5月3日 マーシャル・ミュージアム・ジャパンにて撮影)

【Marshall Museum Japan Open!!】<前編>~オープニング・セレモニー・レポート

祝!Marshall Museum Japan開館1周年!

早いものでもう1年!ちょうど1年前の5月3日には弊社Jonathan Ellery(ジョナサン・エラリー)社長も合流してミュージアムの開館を祝ったのだった!

各展示アイテムの解説の制作作業に開館の直前まで奮闘していたのを思い出すナァ。来る日も来る日も朝から晩まで色々な文献を読み漁り、イギリスのMarshallの友人に事実関係の確認を取って書き上げた。

その後、昨夏にはマー本『Marshall Chronicle』の取材で再訪。調べを進めていくうちに、さらに明らかになった事実も発見した。そのあたりは同書に詳しい。

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Marshall Museun Japanのますますのご発展をお祈り申し上げます。

Shige Blog 2012年5月7日初出

柳井市。山口県東部に位置する人口34,000人の街。ハワイのカウアイ島の姉妹都市だ。

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何と言ってもこの街の観光名所は国が「重要伝統的建造物群保存地区」に指定した「白壁の町並み」だろう。

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1997年には映画『ときめきメモリアル』がここがロケ地に選ばれた。
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それほどの長い距離ではないにしても古く美しい家並みが続くさまは圧巻だ。
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また、名物の甘露醤油もうれしい。ここは有名な醤油蔵だ。

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この醤油蔵を利用し、ライブも開催されている。

梁にぶら下がっているのは「金魚ちょうちん」という柳井の名物。冒頭の写真の駅前の風景の中にも見ることができる。
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ここは何しろ魚がウマイ!とにかくウマイ!ヤケクソにウマイ!それをこの甘露醤油につけて食すのだが、ほんのり甘く深い醤油の味わいが、極限まで魚のウマさを引き立ててくれる。「日本人でヨカッタ~!」と心から思える瞬間だ。
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そして駅前の通りを背にして少し行った角を曲がると、オオッ!見えるではないか!Marshallのあのスクリプト・ロゴがッ!
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これがマーシャル・ミュージアム・ジャパンの全景。新しい柳井の名物だ。
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もうどこから見てもマーシャル一色!
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本家マーシャルの工場にあるミュージアムを除き、世界に例を見ないマーシャルの博物館だ。

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ポストもマーシャル。

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館長の自家用オート三輪もマーシャル!

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駐車場も広々!

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去る2012年5月3日、オープニングのセレモニーが開催された。

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はじめにジム・マーシャルに1分間の黙とうが捧げられる。
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セレモニーでは、会長、館長といったミュージアム関係者の挨拶の他、柳井市長をはじめ、近接の町長、地元商工会議所会頭が来賓として参列されお言葉を頂戴した。

デモンストレーションで参加してくれた石原SHARA慎一郎さんもご紹介!大歓声が湧きあがった!

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2階&3階のマーシャル展示フロアに誘うレッド・カーペット、「Marshall Road」!

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そして、イギリスから弊社のジョン・エラリー社長が参席。

このセレモニーに参加できたことを喜び、このミュージアムがマーシャルの遺産のひとつとして末永く発展することを望む…と挨拶した。イングランドの国花であるバラと柳井のシンボル、金魚ちょうちんのコラボレーションだ!
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2階はマーシャルの専門展示スペースとなっている。

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どれもがかつて『T氏のコレクション』として紹介されたアイテムだが、こうしてキチンと並べてみると、言葉にならないほど圧倒的な存在感を示す。

また、新しい情報やエピソードを交えた各アイテム毎の解説も楽しみのひとつとなっている…と、我ながら思っている。

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ハイライトはこのJTM45コレクションということになるだろう。1962年のオリジナルJTM45、サンドイッチ、ホワイト・フロント、キッチン、等などレアなJTM45が勢ぞろい。

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NARBやPark、CMIなどのノン・マーシャル・マーシャル(?)もスゴイ。

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エラリー社長は地元メディアのインタビューに、サインに、記念写真にと大忙し!

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明日はSHARAさんのイベントをレポートします!

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マーシャル・ミュージアム・ジャパンの詳しい情報はコチラ⇒Marshall Museum Japan公式ウェブサイト
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<中編に続く>

※「白壁の町並み」はミュージアム・オープン時の来訪とは別の日に撮影したものです。いくらイギリスのブランドの博物館だからといって、柳井はこれほどイギリスのように天気がコロコロ変わるような土地柄ではありませんのでご心配なく!

(一部敬称略 2012年5月3日 マーシャル・ミュージアム・ジャパンにて撮影)

2013年5月 3日 (金)

名盤誕生!伊藤広規ライブ・アルバム『Relaxin' at IWAKI ALIOS』

Shige Blog 2012年5月1日初出

実は明日という日、「2012年5月2日」という日を指折り数えて待っていた。「エッ?何の日だっけ?」って?

誕生日でも結婚記念日でも、はたまたクレジット・カードの引き落とし日(あ、これはうれしくないな…)でもない!明日は、伊藤広規のニュー・アルバム『Relaxin' at IWAKI ALIOS』の発売日なのだ!

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アルバムは昨年10月16日に開催された『いわき街なかコンサートin平』の一幕を切り取ったライブ盤だ。

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会場は日本屈指の音響を誇る福島県のいわきアリオス。

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以前、よそのブログでもレポートした通り、広規さんの呼びかけで日本を代表する音楽達人が終結した!

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ドラムは青山純。

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ギター&ボーカルは森園勝敏。

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サックスと鍵盤ハーモニカは中村哲。

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ボーカル&ギターはKaz南沢。

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そして、ベースは親分、伊藤広規!

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これだけのメンバーが集まるのだから演奏が悪かろうハズはない!しかも広規さんの親友でもある音響界のカリスマ、岡田辰夫が音作りを担当するのだから、何とかCDとして記録を残し、ひとりでも多くの人に聴いてもらいたい!というのが人情だろう。

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そこでやってくれました!あの奇跡の演奏が『Relaxin' at IWAKI ALIOS』としてCDになってくれたのでした!

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広規さんはかねてより東日本大震災のチャリティ・プロジェクトを個人で立ち上げており、都内のライブハウスを中心に積極的な活動を展開している。このアリオスのパフォーマンスはその広規さんの活動に賛同した仲間が集まって実現したものだ。だからバンド名も「伊藤広規&His Friends」!

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タイトルの通り、リラックスした雰囲気の曲を、音楽の達人がリラックスして奏でるリラックスした内容なのだが…

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…トンデモナイ!カミソリのように鋭い演奏に聴き入り、シャッター・ボタンを押す手が止まってしまう!
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曲はスティーヴ・ミラー・バンド、ジョン・ハイアット、ヤング・ラスカルズ…
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…デイヴ・メイスン、ビル・ウィザーズ…とシブどころのカバーが選ばれている。
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その中にKazさんのオリジナル曲や…
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アラうれしい!「Lady Violetta」も収録されているのだ!

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とにかくひとりひとりの楽器演奏の技量がものスゴイもんだから、とにかく飽きさせない。どれもこれも唸ってしまう見事な演奏!

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これだけの名人が集まるとヘタをすれば「オレが、オレが」で演奏がギスギスしたりしてしまう危険性があったりなかったりもするが(あるのかないのか、どっちなんだ?)、この5人はむ~ッかしからの付き合いの気心の知れたFriendsだからそんなことは起こり得ない。

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自分の弾きたいように、叩きたいように、吹きたいように、そして歌いたいようにやっていれば完璧にして実に味わい深い音楽が出来上がってしまうのね。

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この日はギタリスtとして参加した森さんも1曲シブいノドを聴かせてくれる。
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本番は時間を超過してのパフォーマンスとなった。止まらなくなっちゃうんだネェ~、名人たちでも。ま、これだけゴキゲンな演奏だもん、ムリもない!

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シゲブログのこと、本当はね、1曲ずつ演奏曲目を解説したいところなんですけどね。でも今回はそれをしません。

何故なら、このCDには各曲を詳細に解説したカッコいい写真入り16ページの豪華ブックレットが付いてるからなの。それを見て、読んで頂きたいのです。

これが言いたくて今日の記事を書いたワケでは決してござらんが、その解説と写真は私が、ア~、担当させていただきました。

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制作サイドから「自由に書いてよい」というありがたいご指示を頂戴し、書きも書いたり8,000字。

楽しかったナァ~。うれしかったナァ~。子供の頃からやりたい仕事だったんだよね!しかも題材が広規さんたちだもんね~タマリマセン!

あれも言いたい、これも言いたい!ととめどもなく頭に浮かんでくることを、ズッパズッパと取捨選択しつつ心をこめて書きました。でも、言いたいことはただひとつ。「こうしたいい音楽をいい演奏で、そしていい音で楽しんでもらいたい」ということなのです。

一昨日、友人から得た情報で驚いたのだが、現在の日本の音楽シーンを代表するビッグネームのシングルCDが初動で1,000枚も売れないそうだ。大変なことですよ。もちろん配信だの何だの色んな要素があってのことなのは充分承知している。でも、この情報の本質は「『CD』が売れてないのではなくて『音楽』が売れてない」というところに突き当ると考えている。まったく新鮮味のない現在の音楽シーンがアノ手コノ手で先へ進もうとすればするほど自殺行為につながってしまうのではないか?開いている方位があるとしたら、「過去」方面しかないのではなかろうか?つまり温故知新。

おかげさまで『Relaxin' at IWAKI ALIOS』の予約数は期待をはるかに上回るものらしい…。きっとこのCDからは宣伝の段階でも「いい音楽」のニオイがしてるんだよ!

是非、みなさん聴いてください!ブックレットでお会いしましょう!

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そして、発売日の翌々日、5月4日に「『Relaxin' at IWAKI ALIOS』リリースライブパーティ」が開催される!

場所は横浜YCC(横浜クルージングクラブ)。限定50名のスペシャルライブ!

パーティ及び伊藤広規の詳しい情報はコチラ⇒伊藤広規オフィシャル・ウェブサイト

さらに!今夏には関西方面も回る大規模ツアーも計画している!乞うご期待!

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『Relaxin' at IWAKI ALIOS』はレコミンツ他、ディスク・ユニオン、タワーレコード、HMV等の大手CDストア他の店舗、並びに各種通販でお買い求めいただけます。

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いわきアリオスの詳しい情報はコチラ⇒いわき芸術文化交流館アリオス公式ウェブサイト
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(一部敬称略 2011年10月16日 いわき芸術文化交流館 中劇場にて撮影)

Shigeo at Hard Rock Cafe~Jimi Hendrix Tシャツ発表会!

Shige Blog 2012年5月2日初出

Hard Rock Cafe Tokyoにカメラを持ってお邪魔するのは久しぶりだ…Mr. Bigの記者会見以来。アノ時は写真を撮っている私に向かってポールが「シゲさ~ん、シゲさ~ん!」とさかんに声をかけて、くうれしいやら恥ずかしいやら…楽しかった!

今日も楽しいイベントでお邪魔している。ここは何かと楽しいな~。

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実はハードロックカフェでは「シグネイチャー・シリーズ」と銘打って、オリジナルのTシャツを制作、販売している。そして、今回は第29弾にしてジミ・ヘンドリックスが登場した!

アイテムはジミのサインが入ったチャリティーTシャツとピンズ。

Tシャツは、ジェイニー・ヘンドリックス(ジミの義理の妹)の協力の元、ハードロックカフェとアラン・アルドリッジ(ハードロックカフェのロゴデザイナー)、フェンダー・ミュージカル・インストゥルメントの共同企画によるもの。

2011年にロンドンで行われたハードロックカフェ主催のコンサート、「Hard Rock Calling」で披露された特製のストラトキャスターをモチーフにしている。

ワタシ、10年以上前の話しだけど、そのジミの義理の妹さんのジェイ二ーにお会いしたことがありましてね…。「すきや~き」とか「てんぷ~ら」とか「ふじや~ま」程度の日本語を披露してくれたっけ。とッてもチャーミングな方でしてね、今でも彼女からもらった「Hendrix Experience」のロゴの入った名刺は宝物として、立川談志の名刺といっしょに大切に保管してある。

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ピンのデザインはにウッドストックの時に使用していたギター が元になっている。やっぱいいよナ~、こういうのって!

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で、今日はそのTシャツやグッズの発表会なのだ!つまりファッション・ショウ!

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モデルさんたちが新作のシャツをまとい店内を回る。
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次から次へと登場するお召し物とモデルさん…こういうのも写真撮ってて楽しいね!
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素敵なウォーキングでとても華やかな雰囲気!

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フレアバーテンディングも登場!

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あのトム・クルーズがやってたヤツね。これがまた見ごたえタップリ!

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そして、なぜシゲがここにきたかといえばシゲさん!ジミヘンといえばシゲさん!
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ハードロックカフェのイキなはからいで東京、横浜、大阪、福岡と中野重夫の演奏を組み込んでくれたというワケ!
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まさか、このロケーションで愛用のSUPER100JHを炸裂させるワケにもいかないので、VintageModern2266Cを使用したが、これがまた実にゴキゲン!
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まずはア・カペラの「アメリカ国歌」でごあいさつ!この後、前述のファッションショーがあって…。

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シゲさん、再登場!

後はマイナス・ワン(直前に入手!ね?、シゲさん)を使っていつものパフォーマンスを展開。

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「Foxy Lady」のフィードバックもすべてバッチリきまり、「Red House」dではお得意のシブ~いブルース・フレーズでギターを泣かせ…
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本人より回数を多く弾いている「Purple Haze」で〆た。

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短いながらも入魂のステージだった!

普段、マイナス・ワンではあんまり演奏したがらないシゲさんだけど、直前にいいパートナー(音源)が見つかってヨカッタ!これでまた活動の場所が広がるかも!

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ちなみに大阪はRollOverとして出演し、これまた大いに盛り上がったとか…そう、ジミヘンは不滅なのです!

中野重夫の詳しい情報はコチラ⇒ShigeoRollover Official Web
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いつもの白のストラト…リアにはTシャツと同じモチーフが!シゲさんもますますこのギターが可愛くなったことだろう。

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Tシャツとピンは国内7店舗をはじめ世界中のハードロックカフェ、ハードロックホテル&カジノで販売され、売上の一部はThe Fender Music Foundation、The Jimi Hendrix Park Foundationに寄付される。

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(一部敬称略 2012年3月19日 Hard Rock Cafe Tokyoにて撮影)

2013年5月 2日 (木)

グッドモーニングアメリカ

「Good Morning America」といえば1975年から2004年まで続いたアメリカのテレビの定番モーニング・ショウのタイトル。

でもね、今、若い人の間で「グッド・モーニング・アメリカ」といえばグッドモーニングアメリカ(以下時々「グドモ」)だ。

ナニを言ってるのかって?従来の名前を変えてデビュー2007年にデビューした人気バンドのこと。

その4人組が登場したSPACE SHOWER主催のシリーズ・ライブ『SPACE SHOWER 列伝JAPANツアー2013』に潜入してきた!

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この人気のコンサート、グドモはトリでの登場。これだけでもいかに人気を集めているのかがわかる。

も~、会場は若い人ば~っかり。ウチの子たちより年下だな、みんな。コレ、ヘタするとマジで自分が一番年上かも…。イヤ、ヘタしなくても一番年食ってるわ!

でもそんなの関係ない!今日は思いっきり若いエキスを吸い取らせていただくことにしよう(…ってオレ害虫みたいだナ)

会場は赤坂BLITZ。冒頭バルコニー(2階席の上下にある出っ張った客席)にベースのたなしんが「去年はこのコンサートをここ(客席)から見ていたが、今年は出る方になってうれしい!」旨のスピーチを携えて登場。

そして客席からクラウド・サーフィンでステージへ。

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グッドモーニングアメリカは…

ボーカル&ギターの金廣真悟。
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ギターに渡邊幸一。
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渡邊さんは1959SLPと1960Aを使用している。こうしたソリッドなロックにも1959は最適だ。RAMONESが(この名前、恐らくマーブロで今回初めて出たかもしれない…)パンク黎明期に早々とそれを証明してくれている。

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実は彼とはもうずいぶん前に会っていて、よせばいいのに生意気に「今のロックは…」なんて話しをしちまったことがあった。いつもこのブログで騒いでる例のヤツよ。

ところが彼はそんなオヤジにの話しにイヤな顔ひとつせず耳を傾けてくれましてね…。超ナイス・ガイなの。

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今回ステージをギターを弾く彼の姿を見て思った。生きている時代が20年ちょっとも異なっているのだから嗜好が違うのも当たり前。でも音楽を愛する気持ちは変わらんのだな…と。

だからこそ、若い人たちには急ピッチでいろんな音楽、イヤ音楽とはいわん、いろんなロックを聴いてもらいたいのだ!ガンコですいません。
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久々に遭遇した猛烈にパワフルなキャラ、たなしん。

おとといだったっけな?朝のワイドショウを見ていたら、グドモの4人が登場!彼らは八王子の出身で、うまいラーメン屋を紹介してくれるというコーナーだった。

その水先案内人が彼で、もう「元気!」としかいいようのない強烈な押しで画面を席巻していた。また声がスゴイ!恐ろしくヌケのよい周波数帯にあって、目から耳から入ってくる彼の存在感は途方もなく強い!

当然ステージでも演奏にMCにとその元気ぶりが発散された。
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ドラムはペギ。

彼のドライブ感満点のドラミングはグドモの大きな武器だ。そしてとてもフォトジェニック。彼がドラムを叩いている姿がまた実にチャーミングなのだ。

やっぱりね、人気の出るバンドはこうしてメンバーのキャラは全員立ってるもんですよ。
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そしてグッドモーニングアメリカは来る5月8日、待望のファースト・アルバムを発表する。

これがその『未来へのスパイラル』。初回盤にはDVDが付いている。

そういえばこのバンド、名前のワリに英語表記が少なくていいね。バンド名からしてカタカナ表記だし、しかも「・(中黒)」さえ入れない。こうしたところにこだわりを感じてしまうのは私だけなのかしらん?

Gmacd

総勢5バンドが出場するイベントだったため、グドモの持ち時間はそう長くなかったが、アンコールを含めて全7曲。

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『未来へのスパイラル』からの曲とそれ以前のレパートリーをからめてエキサイティングな充実したステージが展開された。

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アンコールでは特別参加のダンサーを交えてシングル「キャッチアンドリリース」をプレイ。

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やっぱりいつの時代もロック・ギターの音色はMarshallが作るのだ!

グッドモーニングアメリカの詳しい情報はコチラ⇒グッドモーニングアメリカオフィシャルウェブサイト

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(一部敬称略 2013年3月9日 赤坂BLITZにて撮影 協力:SPACE SHOWER)

2013年5月 1日 (水)

ALHAMBRA vs. D_Drive ~2nd IGNITION~<その2:ALHAMBRA&あぶらどらいぶの巻>

昨日と連続してお送りしているのはALHAMBRAの春のツアーのファイナルのレポートだ。

そこにD_Driveが共演しているので『ALHAMBRA vs. D_Drive ~2nd IGNITION~』という触れ込みとなっている。

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『~2nd IGNITION~』となっているのは、もちろんALHAMBRAとD_Driveの顔合わせが2回目ということ。前回も大好評だったのでその再演となった。この再演を楽しみにしていたお客さんも多かったようで、会場は立錐の余地がまったく大満員だったのね。

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ああ、それにしても久しぶりだナァ~、ALHAMBRA。

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前回渋谷で見たのはずいぶん昔のことで、あの時はLIGHT BRINGERとのダブル・フィーチュアだったっけ。今やそう多くは見かけないシンフォニック・ロック・サウンドで大変楽しめたことを記憶している。

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数年ぶりに拝見したALHAMBRAは相変わらずの荘厳なオリジナル・サウンドで、またしても素晴らしいステージを展開した。

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キーボードでリーダーのYUHKI

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いつも通りのハイ・テクニックでALHAMBRAサウンドの核を形成している。実はYUHKIさん、古くてね…。古いって「人間が」じゃないですよ。だいぶ前からお付き合いさせていただいているということね。

フランクフルトで一緒になった時は楽しかったナ。あるメーカーの商品デモ演奏で「Alaska」かなんか弾いちゃって!そう、YUHKIさんのキーボード・プレイはプログレ好きの魂を揺さぶるカッコよさがあるのだ。

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ボーカルはJUNKO。

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JUNKOさんの美しいオペラチック・ボイスもALHAMBRAサウンドの大きな特徴だ。

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ギターのTOSHIHIRO。

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今日のTOSHIさんはVintageModernを使用。以前はJCM900 4100も使用していた。

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実はTOSHIさん、古くてね…。古いって「人間が」じゃないですよ。だいぶ前からお付き合いさせていただいているということね。

私は彼が弾く端正な中にも一種狂気を帯びたようなフレーズが好きで、Marshallの初のデジタル・アンプJMD:1のデモ動画への出演をお願いした。

あの時は他にも巨匠・土方隆行氏(私は勝手に心の中で『日本のサトリアーニ』と呼んでいる)の音源、島ノンちゃん、田川ヒロアキくん、そしてこのTOSHIさんの動画を制作した。

各人3曲を書き下ろしてもらってそれぞれの曲名の頭文字を「J」、「M」、「D」にしたりして…あ~、楽しいな~。こうして才能のある人たちと好きなことをやるというのは!

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おかげさまで日本でのJMD:1シリーズのセールスは世界でもトップクラスだった!!

あの動画を制作する時にも何度もテイクを繰り返して納得のいくような仕上がりにした。しかもソロのフレーズが毎回180度異なる完全なアドリブで聴いていて最高に面白かったナ。いわゆる完全主義者なのだ。

そんなプレイを心がけるTOSHIさんの魅力が十分に発揮されたステージだった。

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ベースはHIBIKI

実はHIBIKIさん、古くてね…。古いって「人間が」じゃないですよ。だいぶ前からお付き合いさせていただいているということね。イヤ、そうでもないか。

HIBIKIさんとの初めての出会いは(なんか送別会のあいさつみたいだな…) 、先に記したALHAMBRAとLIGHT BRINGERのライブの時だった。

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その後、O-EASTのイベントで一回撮影させてもらったんだけど、アレなんのイベントだったっけな~。LIGHT BRINGER、ガーゴイルX.Y.Z.→Aらが出たんだけど、その時に撮った写真を大層気に入ってもらいましてね…。Yo-くんがサポートで出てたな。あれはラブリはメジャー・デビューする直前だったような…。

それで先日の『QUEENS OF NOISE IN TOKYO』の時に再会。イヤ、その前にもMorphで行き会ったな…。なんだ結構顔を合わせてるじゃんね。というか、こうして縁がある人というのは自然にこうなるんだよね。ラブリの次の次の東京でのライブも楽しみにしてるんだ~。

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5弦ベースを自在に操ってALHAMBRAの低域をドラマチックに演出する。

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ドラムはTETSURO。

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起伏に富んだALHAMBRAの曲の数々を完璧に叩きこなす!

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私は生来、プログレッシブ・ロックが大好きなんだけど、日本はなかなか「プログレ・バンド」の安住の地がなかった。四人囃子を筆頭にコスモス・ファクトリーとかNOVELAとか新月とか…いいバンドはいっぱいいたのだが…。

「プログレッシブ・ロック」とは何ぞやとかいう話になると、「Progressive」という言葉の意味をとらえて「進歩的な」バンドがプログレ・バンドということになりがちで、それでは何が「進歩的」かという問題になっちゃってね。

で、ひとつうまく逃げた定義に「ブルースを感じさせないロック」というのがあって、なるほど…と思わなくもないが、すると今テレビやラジオから流れてくる最近のロックはほとんどがプログレになってしまう。…でしょ?

ま、そんなの揚げ足を取ってるだけなんだけどね。ゴメンね。とにかく日本のプログレッシブ・ロックってあまりにも冷遇されてると思わない?

白雲なびく駿河台…眉秀でたる若人が、文化の潮を導き、明けの時代の鐘をつこうと集まる、おお明治大学の正面にあるレコード屋さんはナント、「世界で一番」…「世界で」ですよ!一番『クリムゾン・キングの宮殿(The Court of the Crimson King)』を販売した店なんだそうよ。とにかく日本人ってプログレが大好きなのね。

そうでなければMaxophoneだのMuseo RosenbachだのFormula 3だのAreaだの今頃日本に来ないって。

今挙げた4つのバンドの名前イギリス人に言ったって誰も知らんよ。ま、イギリス人は自分の国のロック以外を「ロック」と認めたがらないという理由もあるけどね。

ちなみにイタリア人の仲良しのマキシミリアーノにそんな話をしても知っているのは、せいぜいPFMとかAreaぐらいのもんだ。Arti& MestieriもOsannaも多分知らないハズだ。Quella Vecchia Locandaとかスゴくいいんだけどね…。(…といいながら今SBBのライブを聴きながらコレを書いている。でも、つまらんなコレ)

ところが日本人は知っている!恐るべきプログレ・リスナー大国!それなのにプログレ・バンドの数が圧倒的に少なく演奏される機会も極端に少ない。

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ALHAMBRAがプログレ・バンドであると言っているワケではないし、彼ら自身もそんな範疇にいるとは考えていないことも知っている。だけどね、ナンカYUHKIさんにはそういうプログレの可能性を強く感じるんだよね。

技術の粋を尽くしたドロッドロのプログレッシブ・ロックをクリエイトしてもらいたいな~。

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ARK STORMの佐々井さんも参加!

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曲を追うごとに盛り上がりまくるステージ!

TOSHIさんのギター・ソロもバッチリとキマる!音抜けも完璧。VintageModernだからね。

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そのころ楽屋では…SeijiさんとYukiちゃんがセッションで演る曲をピロピロとおさらい中!

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ALHAMBRAも90分の持ち時間を完全に燃焼しきったのであった!

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ALHAMBRAの詳しい情報はコチラ⇒ALHAMBRA OFFICIAL SITE

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そして、2曲のALHAMBRAのアンコールを挟んでALHAMBRAとD_Driveのギター・チームが合体した「あぶらどらいぶ」が登場!

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前回はD_HAMBRAとしていたが、今回は「あぶらどらいぶ」だって!お客さんもそのあたりの経緯をよくわかってるのでノルわ、ノルわ!

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しかも1曲目は「Burn」。

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この曲とLed Zeppelinの「Rock 'n' Roll」を聴くたびに日本人の演奏レベルが大変アップしたことを感じる。

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35年ぐらい前はこんな曲を歌えるヤツ、プロでもそういなかったもんね。食べ物がよくなったんでしょう。次にドラム。歌のバックの狂ったように叩きまくるところが難しかった(…ってやったことないけど)。それと、高校生のバンドってキーボードがいなかった。それとも自分は男子校だったからかナァ。

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昔の高校生は誰もこの曲を「ばーん」なんて呼ばなかったんだよ。みんな「紫の炎」って呼んでたよ。それが今ではマイホームまで建てちゃって!

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YUHKIさん、激演!

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やっぱりこういう曲は盛り上がるね。演ってる方も実に楽しそうだし…。

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そして最後はALHAMBRAの人気曲「Missing You」。

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オ!「ショルキー」っての?久しぶりに見た!George Duke以降、猫も杓子もコレだった時代があったな。Chickまで使ってたもんね。

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キーボードの席はたいていステージの横か後ろに位置していてなかなか前に出る機会はないからね。こういう楽器はステージを華やかにしてとてもいいと思う。

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スリリングでメロディアスなソロをかますYUHKIさん!

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みんなで合唱するパートのスゴさといったら!

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お客さんも待ち構えていたかのようにノドを枯らして大絶叫!

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3時間を超える充実のステージ!

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アッという間にフィナーレを迎えた。

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これだけの人気だもん、きっと「~3rd IGNITION~」もあることでしょう!その時までお楽しみに!

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(一部敬称略 2013年3月24日 新宿RUIDO K4にて撮影)