島紀史、 ケリー・サイモン~神南の大決戦<後編>
Shige Blog 2012年5月25日 初出
ワイルドじゃないかもしれないけどヨ~、コーラの入ったペットボトルのフタを閉めてヨ~、思いっきり振って振って振ってヨ~、フタを開けてみな~!吹き出すだろ~?スゴイ勢いだろ~…それが今のコンチェルト・ムーンなんだゼ~。
と長田ちゃん言っている…かどうかはわからない。でもこの顔を見ればわかる!
『ATTACK IF THE DOUBLE AXEMEN vol.2』レポートの後編はCONCERTO MOONの登場だ!
冒頭に長田ちゃんが言っている(本当は言ってない)通り、信じられないくらいの勢い!
CONCERTO MOONのライブを撮り出してからずいぶんと時間が経つ。何回ステージを経験しただろうか…。
それでも、このバンドのパワーというか爆発力というか…何といえばよいのか、固体がいきなり気体になってしまうようなその勢いには毎回毎回驚かされる。
ベーシストが変わっての初ツアー。さすが気心の知れた昔の仲間との演奏だ!
昨年9月にCONCERTO MOONの初ステージを踏んだ久世敦史。
このツアーが久しぶりの登板となるCONCERTO MOONオリジナル・メンバーの三谷耕作。
久世ちゃんの初ステージの時にも充分に感じたことなのだが、実にみずみずしい!オッサンぞろいのバンドにはにつかわしくない形容かもしれないが、「みずみずしい」としかいいようがないのだ。
しばらくキーボード、ベース、ボーカル、ベースと数年の間にメンバーの出入りが何回かあった。ま、気丈なノンちゃんのこと、そんな素振りは全く見せることはなかったが、音楽的にもバンドの運営的にも苦労や心配は絶えなかったことであろう。
それが旧友の帰還によって払拭されたのであろう、実に素晴らしいプレイの連続であった。
それは「いつもより多く弾いてます!」とか「いつもより速く弾いてます!」とかいう類のものではなくて、「楽しさ」に裏打ちされたスーパー・プレイだったように感じた。「これだよ!オレが待っていたのは!」と心の中で叫んだに違いない。
そんなノンちゃんと共に大いに演奏を盛り上げたのが、久世ちゃんだ。
声量がますます増し、もう完全にCONCERTO MOONの声になった!
このポーズが目印だ!
1曲目の「Savior Never Cry」から休みなしの大熱唱だかんね。やっぱりロックはこういう声じゃないと!
耕作さんのCONCERTO MOONでの演奏を見るのははじめてではない。、が、今回すごく思ったのは、重さはそのままに、バンドの低域がすごくクリアになったということ。そしてドライブ感が増した。ベースの音が抜けて聴こえてくるのだ。
現在はサポート・メンバー扱いとなっているが、私なんかはこのままずっとCONCERTO MOONの低域を支えてもらいたいと願っているのよ!
長田ちゃん、こないだバッタリ会ったね。比較的近くに住んでいるのにまったくすれ違ったこともなかったのにね…。あれからおいしいもの食べれた?…それはヨカッタ!…という長田昌之。
今回は時間の関係で渾身のドラムソロはなかったが、濃~いドラミングを1時間のパフォーマンスにブチ込んでくれた。
選曲は最近作『Savior Never Cry』からタイトル曲をはじめ4曲。
合間には「Surrender」や「Inside Story」、「Take You to the Moon」、「Changing My Heart」、「From Father to Son」といったおなじみの曲がプレイされた。
こうした旧作をなんのケレン味もなく自家薬籠中のものにしてしまうところに久世ちゃんのスゴサを感じる。
見ての通り。すっかりといいコンビのノンちゃんと久世ちゃん。その姿は「From father to Son」だ。
ギターをPAにこすりつけるアクションもいつより気合いが入った!
…とまあ、約1時間。息をつくヒマもないくらいの疾走感あふれるステージだった。
この後は、『Dos a tres caidas!~コンチェルト・ムーン 炎の三番勝負~』と銘打ったライブが開催される。また勝負だ!最初の試合が6月23日、同じ渋谷BOXXで人間椅子と…楽しみだ!
ところでメタル界はこれからスペイン語が流行るの?ヴァモス!
CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒CONCERTO MOON Ofiicial Site
オラ!そしていよいよAxemanのそろい踏みだ!ギターバカ一代!いいネェ~!
曲は「Kill the King」!このリフは盛り上がるよね~!何たってはじめて聴いたのが武道館でのホンモノの演奏だったからね。
2曲目はJudas Priestの『Screaming for Vengeance』から「The Hellion~Electric Eye」だ。
よく聴いたなぁ~、このアルバム…ってウソです。でもね、中2ぐらいの時にジューダスが出てきてラジオで「the Ripper」を聴いた時の衝撃ったらなかったのよん!
素晴らしいソロの応酬!「オレが、オレが」だけではない「ゆずり合いの精神」も見受けられる完璧なバトル。これが大人のギター合戦だ!え?とてもそうには見えないって?このふたりじゃやむを得ないな!
そして、これに戻る。
ああ、感動的なフィナーレ!ギター愛する者どうしの心の交流。みんなギターが大好きなんだ!
前のブログの時から一体何回書いたか皆目見当もつかないが、本当にこうした器楽をふんだんに取り入れた音楽を保護しないとマズいよ。もちろん、技術を競うだけがギターや楽器全般の喜びや楽しみでは決してないけれど、ギターを低くぶら下げて、少々歪ませてジャンジャカとコードをストラミングしているだけがギターではまったくない。ロック・ギターのもっともカッコいいところを切り捨てちゃってる!
このふたりのように弾けるようになるには、毎日10時間以上の練習を何年も積んでこなければならないだろう。普通の人間にはそんなこと出来ないのが当たり前だ。練習できることこそが「才能」だからね。
でも、こういう演奏を見て「ああカッコいいな!オレもソロ弾きてーな!」なんて思ってくれるギターキッズが出てきてくれればそれでいいのだ!
そういう意味でも実に内容の濃い、意義深いライブだった。
(一部敬称略 2012年4月21日 渋谷BOXXにて撮影)