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2012年12月

2012年12月29日 (土)

2012年 年末のごあいさつ

締めくくりにツラっと今年の出来事を書いてご挨拶をしようと思ったが、この1年、本当にいろんなことがあってとても書ききれそうにない。
もう昨年のことなどほとんど思い出すことはできないが、公私ともに今年の方がはるかにたくさんの出来事が起こったような気がする。ワイドショウの見すぎかな?

で、マーブロ的自分勝手に超かいつまんで印象に残ったことを書いてみる。

マーブロ的には何といってもDr. Jim Marshall OBEが逝ってしまったことが筆頭に挙げられる。覚悟はしていたものの、やはりとても悲しくさびしい出来事だった。
普段いっしょにいることがなかったせいだろうが、何かいまだに元気にされているような感じがして、工場に行ってジムの元いた部屋を覗くと、そこに帳簿をチェックする元気だったころのジムがいるような気がしてならない。
ジムの思い出はコチラをご覧いただきたい。⇒ありがとうジム・マーシャル!I Remember Jim!

Jcm

5月の下旬にはジムのお別れ会に参加した。
詳しくはコチラ⇒ジム・マーシャルの生涯を祝う会

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その際、訪れたロンドンの街はエリザベス女王の在位60年を記念(Diamond Jubilee)して大イベントに盛り上がっていた。
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この時は寒かったナァ~。

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詳しくはコチラ⇒女王陛下のロンドン<前編><後編>

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そして、ロンドン・オリンピック。あ、コレは見たワケではござらんよ。この写真はテムズ川南岸のO2アリーナがあるノース・グリニッチからオリンピックのメイン・スタジアムがあるストラットフォード間を行き来するロープウェイ。もちろんオリンピックのために作られた。何かオリンピックの関連の写真を載せようと思ったけど見事になくてコレを使いました。

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2012年は「○×△何周年」というのが多かった。ビートルズもデビュー50周年ということで、『Let It Be』というミュージカルがロンドンで上演されていた。

Diamond Jubileeとオリンピック、ポール・マッカートニーがよく登場した。

詳しくはコチラ⇒『Let It Be』を観たよ

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「50周年」といえば何といっても我がマーシャル。

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9月22日にはウェンブリー・アリーナにて『50 YEARS OF LOUD LIVE』と題した記念コンサートが開催された。

この一大イベントのレポートは、前日のリハーサルのようすからしつこくマーブロに連載中⇒【50 YEARS OF LOUD LIVE】
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5月には山口県柳井市に「Marshall Museum Japan」がオープン。オープニングにはEARTHSHAKERのSHARAさんやマーシャル社からJonathan Ellery社長が駆けつけてくれて大いに盛り上がった。

詳しくはコチラ⇒Marshall Museum Japanオープニング・セレモニー・レポート

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スカイツリーも開業した。

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伊藤広規さんと過ごしたロンドンの数日も一生の思い出となった。

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いっしょにマーシャルへも行った。

詳しくはコチラ⇒伊藤広規ロンドンを往く

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さらに、念願のスコットランドへも行けたし…
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これからはじまる「UKロック名所めぐり」の取材でサウス・シールズにも赴いた
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イギリスに数えきれないほど存在する「イギリスいちウマいフィッシュ&チップス」のひとつをサウス・シールズでいただいた。、これはヤケクソにおいしかった!
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それにしてもよくチップスを食べた。これはマーシャルの工場の近くのフィッシュ&チップス屋のもの。これもなかなかにウマい。
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これは同店のチキン&チップス。あ~、見てるだけで胃液が逆流して食道に入り込んで来そうです。
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さらにチップス。これはフィンズベリー・パークのケバブ屋のもの。ズイマだった。ヒツジ。とにかく、今年は一生のうちで最も多くポテト・フライを食べた年であったことは間違いない。
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このTESCOのサンドイッチもよく食べた。「ブリティッシュ・ハム&イングリッシュ・マスタード」…これはシンプルで家のサンドイッチみたいでおいしかった。食べ物は話題にしないマーブロだけど、たまにはいいでしょう。またしても日本のごはんのおいしさを思い知らされた年でもあったな…。マジで日本の食べ物は世界最高だと思う。
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10月26日からは梅デ研デザインのバナーを戴いてマーシャル直営のブログをスタートすることができた。自分の居場所が戻ってきたみたいでうれしかった。そして、マーブロがいかに多くの方々に可愛がっていただいていたかを知り感動した。

詳しくはコチラ⇒マーシャル・ブログを語る

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そして、年末には日本ではじめてのマーシャルの本、『マーシャル・クロニクル』を上梓することもできた。制作には大きな労苦を強いられたが、とてもやりがいのある仕事だった。この場を借りて改めてプロデューサーの亀戸さんに御礼を申し上げる。

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まだまだここに書ききれないたくさんの出来事があった。残念ながら数々の物故にも遭遇した。考えてみるに恐ろしく充実した1年だったナァ。

とりわけ、こうして英マーシャル社直営でマーシャル・ブログをスタートできたことを大変うれしく思っています。

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年内のマーブロの更新はこれにて終了、そして、新年は1月7日より再開させていただきます。

来年もご愛読のほどマーシャルともども何卒よろしくお願い申し上げます。

どうもありがとうございました。

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2012年12月28日 (金)

【歳末SCANDALスペシャル!】 『QUEENS ARE TRUMPS ―切り札はクイーン― 』 <後編>

興奮の『QUEENS ARE TRUMPS ―切り札はクイーン― 』ツアー・ファイナル、後半に入って「HARUKAZE」。この曲のサビは実に印象的。

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そもそもPVが大変よろしかったですな…MAMIちゃんの背後が素晴らしい。

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ますます熱気を帯びる客席!

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今日のメンバー紹介はいつもと反対の順番で…

RINA

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TOMOMI
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MAMI
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HARUNA
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続いて「Bright」。ミディアム・テンポのポップ・チューン。

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この曲もサビのメロディが大変よろしいな。思わずいっしょに口ずさんでしまうね。

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ここでMAMIちゃんフィーチュア曲が登場。

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『Queens are Trumps』収録の「声」。そう、MAMIちゃんの声って以前からいいなって思っていたんだけど、大当たり。しかもタイトルがズバリ「声」!曲調もMAMIちゃんにピッタリで大変素晴らしい1曲に仕上がりましたね。

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開演前に「緊張する~」なんて言ってたけど、ゼ~ンゼンそんな素振りを見せない堂々たる歌いっぷりでした。
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同じくニュー・アルバムから「Welcome Home」。

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マルチ・ボーカルでいかにもSCANDALらしい曲。みんな歌がいいからね~、SCANDALは!

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見るたびにパワフルでダイナミックになっていくRINAちゃんのドラミング!♪ドッパンドドパンとじつに小気味よい!

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MCをはさんでいよいよ最後のブロック。こっから5曲連チャンじゃいッ!まずは「スペースレンジャー」。

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そしておなじみ「DOLL」、「SAKURAグッバイ」。

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やっぱりメッチャ盛り上がるね~!
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MAMIちゃんアクション、三態。

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   ↓
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   ↓
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今回、TOMOMIちゃんのベースの音がものすごくクリアだった。
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TOMOMIちゃんの弾くベースラインが、ゴリンゴリンとド迫力の低音でバンドをドライブさせていたのがよくわかった。もちろんボーカルもコーラスも完璧!

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「少女S」から続いて本編最後の曲は「SCANDAL BABY」。
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TOMOMIちゃんのクライマックスのアクション!

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「ありがと~!」とお客さんに笑顔で手を振るRINAちゃん。

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あ~、もう終わっちゃったよん~。
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割れんばかりの大歓声を後にしてステージを下りる4人。

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アンコールはツアーTシャツに着替えて登場。

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「♪オオッ、オオッ」と最近CMでやたら耳にする曲。

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あれSCANDALの「サティスファクション」。いい曲だもんね~。

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もちろんお客さんも大合唱!

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そして楽器を手に取り再びエキサイティングなパフォーマンス!

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軽快なバウンス・ナンバー、「Right Here」。

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この曲もサビのメロディが実によろしい!

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それと、展開部のTOMOMIちゃんの歌が非常に印象に残る曲だ。

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そして、最後は「太陽スキャンダラス」。

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やっぱりコレが来たか!ツアーの最後の最後にふさわしいナンバーだ。

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ツアー中、観に来てくれたすべてのお客さんに贈るかのようなこころを込めた熱演!

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本職のドラムの他にキーボード、MCと大活躍だったRINAちゃん。

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「バイバ~イ!」とさわやかに手を振るTOMOMIちゃん。

そうそう、SCANDALって2時間近くのショウに全力投球で臨んでも、終わる時が非常にさわやかなんだよね。あんなに熱演したのに汗ひとつかいていないようなさわやかさ!これがまたクールでカッコいい。一方、客席はみんな汗ビッショリ!

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HARUNAちゃんも「ありがとう~!」

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泣いても笑ってもこれで『QUEENS ARE TRUMPS ―切り札はクイーン― 』ツアーが終了する!

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RINAちゃん、盛大にガッツ・ポーズ!おつかれさま~!

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あ~、なんでオレ、こんなにSCANDALがいいんだろう?曲なんだよね。クォリティが高い。ロックなんだけど、歌謡曲のいい部分が実に絶妙なバランスで混ざっている。それをこの4人が演奏しているというコンビネーションが完璧。

さすがにこの齢になると、若い女の子の歌う言葉に共感することはないが、聴いていて歌詞が非常に音楽的にメロディに乗っていると感じる。いい曲は必ずそうなってる。歌謡曲の基本だ。大げさに言えば、いつも書いているビートルズの歌詞と曲の関係だ。若い人にはきっとタマらないだろう。

私はデビュー前のSCANDALを見たことがあるが、メンバーの演奏能力の向上にも驚かされる。そして、ヘタにカッコつけているバンドよりよっぽどロックの雰囲気がある。それでいて、もちろん可愛いし。

さらに、ショウにおける徹底したエンタテインメント性。確実にできることしかやらない。アンコールには応えるものの、つまらんソロをダラダラと弾くワケでもなし、考えてみるとブライアン・エプスタインがやったことに似ていたりして…。今までのガール・バンドのいいところをすべてつぎ込んで、よくないところをすべてそぎ落とした…とでもいおうか。プロダクションの大切さを思い知らされる。ロックだってエンタテインメントのひとつだ。特段ワイルドでハードなばかりがロックじゃない。

来年もますますの活躍をSCANDALに期待するばかりなのである!

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SCANDALの詳しい情報はコチラ⇒SCANDAL Official website

ジミ・ヘンドリックスと1959のポスター風に撮ってみました。
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(一部敬称略 2012年11月22日 中野サンプラザにて撮影)

2012年12月27日 (木)

【歳末SCANDALスペシャル!】 『QUEENS ARE TRUMPS ―切り札はクイーン― 』 <前編>

今年も残すところ今日を入れてあと5日!わかっちゃいるけど、早いモンですナァ~。公私ともに本当にいろんなことがあった年だった。

みなさまのおかげで復活を果たすことができたマーシャル・ブログも今日明日の2回をもちまして年内の更新は終了させていただきます。

最後はド~ンとSCANDALにご登場願い、いろんなことがあった2012年にニギニギしく別れを告げようというワケなのだ。

さて、今日のSCANDALのライブ・レポは、10月からスタートしたニュー・アルバムのタイトルを冠した『QUEENS ARE TRUMPS ―切り札はクイーン― 』ツアーの中野サンプラザでのファイナルのようすから。

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『QUEENS ARE TRUMPS』か…。フランク・シナトラの愛唱歌に「The Lady Is a Tramp」という曲がある。私はエラ・フィッツジェラルドの『Ella in Berlin』でおなじみになった。リチャード・ロジャース=ロレンツ・ハートのペンによる女性のたくましさと奔放さを歌った名曲。最近この曲をレディ・ガガがトニー・ベネットと演ってるのね。これがなかなかにいい感じで驚いた。妙な格好をして今風の歌を歌っているだけかと思ったら大間違い。ちゃんとそれらしくジャズも歌えるガガさまの芸達者ぶりに脱帽。

ついでに…昔人気があったドイツのニナ・ハーゲンがビッグ・バンドをバックにガラガラ声で歌うバージョンも白眉だ…とこんなこと書いていると、まったくまとまらなくなってしまうのでこれで切り上げることにするが、このツアー・タイトルを目にしてすぐにこの曲を連想してしまったというワケ。

でも、歌の「Tramp」は「ふしだらな女性」とか「ズカズカ歩き回る(ガサツな)女性」とかいう意味で、ツアー・タイトルの「Trump」とは綴りも意味も違う。

ちなみに、『Lady and the Tramp』はディズニーの「わんわん物語」の原題だ。

さて、超満員のサンプラ。客電が落ちるとステージが大スモークに覆われた。もうスゴイ歓声!でも、ステージにはスモークばかりで何も見えない!

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ステージが明るくなると、そこにSCANDALがいた!

オープニングは『QUEENS ARE TRUMPS』収録の「Rock'n Roll」。背後の時計が12時を指さして、これkらSCANDALの魔法が始まるのだ!

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続いて「瞬間センチメンタル」でたたみかける!

HARUNA

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MAMI
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TOMOMI
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RINA
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今日もステージ上手でソリッドなギターをキメるMAMIちゃん。
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ステージそでにセットされているMAMIちゃんの愛器、JCM2000 DSL50。

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キャビネットは1960AXだ。

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MAMIちゃんのメイン・ギター。
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足元のようす。
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マミタス席を表す「M」の印。

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ちなみにこちらはHARUNAちゃんの席。

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MAMIちゃん愛用のピック。

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続いてニュー・アルバムのタイトル・ソング「Queens are Trumps」ではHARUNAがギターを置いて…

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ハンド・マイクで歌に専念するHARUNAちゃんもまたよき哉。

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アクションもバッチリ!カッチョいい~!

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「ピンヒール・サーファー」や「Rising Star」、「ビター・チョコレート」、「生活音ノイズ」とニュー・アルバムからの曲の演奏を中心にショウが進む。
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「Kill the virgin」ではRINAちゃんがドラムを離れてキーボードを操った。
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TOMOMIちゃんとRINAちゃんのコンビで登場するは「OSAKA」。

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こういうところがまたSCANDALのいいところなんだよナァ~。

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「これでもか、これでもか!」と観客を楽しませようとするサービス精神。

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そして、それを完璧に演ずるショウマン・シップ!

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だから最初から最後まで、見ていてまったく飽きる瞬間がない。

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おもちゃのピストルを手にするTOMOMIちゃんに向かって「オレを打ってくれ~!」なんて大声叫んでいる男の子ファンもいたな。
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もう時計が4:45を指してる。楽しい時は過ぎるのが早いナァ~!

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場面がガラリと変わる。

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HARUNAちゃんとMAMIちゃんによる「会いたい」のアコースティック・バージョン。
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シットリと歌いこむHARUNAちゃん。

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ホッコリとしたアコギのバッキングにコーラスを加えるMAMIちゃん。
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エキサイティングであろうことが予想される後半にむけてのとてもよいアクセントとなる。
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今回はトランプをテーマにしたのであろう衣装を身にまとう4人。スタンダール状態ですな。こうしたシックな衣装がまた素敵だ。

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MCもとても味わい深いのだ!

SCANDALの詳しい情報はコチラ⇒SCANDAL Official website
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<後編>につづく

(一部敬称略 2012年11月22日 中野サンプラザにて撮影)

2012年12月26日 (水)

【50 YEARS OF LOUD LIVE】vol.2~Doug Aldrich, Tim "Ripper" Owens, Nicko McBrain

Vol.1よりつづく>

2番手のギタリストはDoug Aldrich!ハウス・バンドはそのまま居残りでフロントが入れ替わる「マーシャル祭り方式」。(あ、この名称は勝手に自分で言っているだけです…。知ってる人にはこの方が早い)

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Doug Aldrich(ダグ・アルドリッチ)

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ボーカルはTim "Ripper" Owens(ティム・リッパー・オーウェンズ)。
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やっぱりカッコいいダグ!
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もちろん、出演するギタリスト全員がこのコンサートに一方ならぬ思い入れがあるハズだが、ダグのそれは特に熱いものだったようだ。

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以前マーブロで紹介した、このコンサートに寄せたダグの言葉を見るとそう思わざるにはいられない。
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ダグのマーシャル。キャビネットは両方1960BX。ヘッドはYJM100とJVM410H。主にYJM100を使用していたようだ。

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1曲目はBlack Sabbathの「Heaven and Hell」。

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「♪Sing me a song, you're a singer」…以前にも書いたけど、昨日のリハーサルで聴いた時からこれがもう頭にコビリ付いちゃって!

リハをいっしょに見ていたサンチャゴも同様で、気が付いてみるとお互いコレを歌っている。何とか断ち切ろうとして歌わないようにして忘れていると、サンチャゴが歌っていてまたこっちも歌いだす…というピンポン感染状態で、もう苦しいやら、おかしいやら…。やっぱり名曲というものは恐ろしいパワーを持っているものだ。

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実は私はブラック・サバスに夢中になったことがなくて、極初期の作品しか耳にしたことがなかった。

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恥ずかしながら初めて聴いたのが2010年にロンドンで開催された「High Voltage」というロック・フェスでのこと。すでにハイ・ボルテージのことは新旧マーブロで何回か触れているが、これは初めて書く。

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このフェスは「ロニー・ジェイムス・ディオに捧げる」と副題され、出演したHeaven & Hellが大きな喝采を浴びていた。

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そこでこの曲が演奏されたのだが、会場にいた数万人の観客があのリフを大合唱したのだ。それが印象的でまずはリフが頭に叩き込まれてしまったというワケ。

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もちろん、ダグも当のロニーとこの曲を演奏していたワケだから、感情の込め方たるや尋常ではなかろう。

そういえば、来日したZappa Plays Zappaの女性マネージャーが「この日本のツアーでZPZは終わりなの。次はHeaven & Hellにつくのよ」なんて話していたのを思い出すな。
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相変わらず素晴らしいダグの情感豊かなプレイ。

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感極まってブチかますオーバーベンドがタマらない。

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「I can't hear you!!」と観客をあおるリッパー。

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普段着姿の昨日のリハとはエライ違いだ!ものスゴイ声!

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2曲目はWhitesnakeの「Slide it in」。
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ノリのいいストレートな曲調で会場も一層盛り上がる!
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ここでドラムがニコに替わる。
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3曲目はIron Maidenの「Flight of Icarus」。ホンモノのドラムだ~!1983年のシングル。PVではニコが顔を青く塗ったグリム・リーパー(死神)に扮している。

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演奏に加わるNick Bowcott。こっちはホンモノのグリム・リーパーだ!

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ハウス・バンドとして、ステージ総監督としてほとんど出ずっぱりのChris George。
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ここに再びCorey Taylorが登場!

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4曲目がJudas Priestの「Living After Midnight」。

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こちらもホンモノのジューダス!

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もくもくと仕事をこなすマーシャル・ギター陣。

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やっぱダグってストラトよりレス・ポールの方がいいね。音もそうだけど、見た目もダグにシックリくる。
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盛り上がる観客を目の前に楽しそうなふたり。そう、全員がこのお祭りを心から楽しんでいる!
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それにしても完璧なダグのプレイ。歌を歌うかのようなフレーズと独特な美しいフィンガリング・フォーム、図太いマーシャル+レス・ポール・サウンドでロック・ギターかくあるべし!を見せてくれた。

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今後のダグの活動がますます楽しみになった!

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つづく

(敬称略 2012年9月22日London Wembley Arenaにて撮影)

2012年12月25日 (火)

FoZZtone 『Pageant : Keller Water 完成披露会』

前のマーシャル・ブログに頻繁に登場してくれたFoZZtone。もちろん今回のマーシャル・ブログにも快く登場してくれた。

今年7月に発表されたニュー・アルバム『INNNER KINGDOM(内なる王国)』を引っ提げたツアーも大成功のうちに完了…。

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それに続く、今日レポートする東京キネマ倶楽部での公演は特別なものとなった。

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ステージにはさまざまな色の布がはためく。ウェブサイトには事前にこのことが知らされ、「当日は出来るだけカラフルなお洋服でお越しください」とアナウンスされた。

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メンバーは変わらない。

渡會将士

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竹尾典明
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菅野信昭
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サポート・ドラマーの武並"J.J."俊明。
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竹ちゃんと相棒。

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彼はいつでもどこでもジミ・ヘンドリック・シグネチャー、SUPER100JHを使用している。このモデルは1966年に製造されていたKT66 をパワー段に使用した最後期の1959だ。リファレンスとなった実際にジミ・ヘンドリックスが使用していたSUPER100の写真が12月12日に発売された『Marshall Chronicle』に掲載されている。
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さて、FoZZtone。今回ライブは『Pageant : Keller Water 完成披露会』と題された。

「Pageant : Keller Water 完成披露会」?って、もうCDは出ちゃってるし、この曲はとっくの昔に完成してるんじゃないの?

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このライヴは先に紹介した『INNER KINGDOM(内なる王国)』の“Disc mental”に収録された組曲「Pageant : Keller Water」を再現し、CDでは抜けている第三部もここで披露するという企画なのだ。

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それにしてもいろんなことをするバンドである。オーダー・メイドのCDを制作したり、リスペクトするバンドの曲を集めたライブを開催したり、他のバンドがやらないことをいつも考え、前進しようとする姿が実に好ましい。

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それとこのバンド、コンセプチュアルなところが素晴らしい。ストレートでわかりやすい佳曲を提供するかと思う一方、とても理屈っぽい。もちろんいい意味でだ。それがFoZZtoneの大きな魅力だと思っている。

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ただワイワイ騒ぐだけがロックじゃあるまい。「考えるロック」があってもいいじゃないか。もちろんFoZZtoneが聴き手に「考える」ことを強要しているとは思わないが、明らかに他のバンドとは違う大きな「何か」を持っていて、その「何か」がこうしたコンセプチュアルな姿にあることは間違いないのだ。

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入場時に配布されたプログラム。渡會画伯のイラストと「Keller Water」の4部にわたるストーリーが語られている。だから、こういうところがいいっていうのよ。

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「prologue」のSE。そして、何の前情報もなく本番に臨んで驚いたのは、いきなりアイリッシュ!「ん~、FoZZtone、そう来たか!」とちょっと驚く。

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「Keller Water」の再現がスタートした。「Discommunication Breakdown」、「Keller Water」。「Discommunication Breakdown」か…。先人へのリスペクトを忘れないFoZZtoneらしいタイトルだ。「Keller Water」、いい曲だ。

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これで1部終了。場面の移り変わり時にはSEが流れる。観客はジッと聞き入るばかりで拍手すら起こらない。これでいいのだ。

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そういえば、前回の『New World』の時もそうだった。ジッと聴き入るコンサート。昔はみんなこうだった。滅多に見ることのできない英米のバンドの音をただの1音も聴き逃すまいと、2時間、身じろぎもせずかじりつくようにしてステージを見入ったものだ。ステージの音楽も十分にそれに値するものであった。この日、プレス・ピットから見たお客さんたちの表情はまさにコレだった。

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第二部に入って「Crocodile bird reaction」、「Planaria fever」…
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…「El Condor Pasa」、「your song for new morning」と多彩な曲が続く。

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そして、第三部に入って演奏されたのが何と、キング・クリムゾンの「21st Century Schizoid Man」。会場は私より25歳若いぐらいじゃ収まらないお客さんで埋め尽くされていたが、みんなコレ聴いてどう思ったかな?おそらく初めて聴いた人ばかりだろう。FoZZtoneの曲だと思ったかしら。14か15歳の時にラジオで初めて聴いた時、アタシャ大変なショックを受けましたよ。会場のみんなは「変なキョク~」って思ったろうな~。
そして、既出曲のバリエーションを挟んで「21st Century Schizoid Man」に戻るという演出そして「professional car」につなげた。

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第四部は「african diabolo」からスタート。全員のパーカッション・アンサンブルが登場!

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しっかしホントにいろんなことやるわ~。
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ワッチのキーボード弾き語りから導かれる「africa」。

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そして、そのままクライマックスへ!

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色とりどりのテープが会場を舞い、1時間10分に及ぶ大作の再演が終了した。

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アンコール時にはワッチがひとりでステージに現れ、CD には収録されなかった第三部を演奏したことを説明して「ただいまをもちまして、完成とさせていただきます。ゆえに、『完成披露会』ということです」と宣言。会場が割れんばかりの拍手に包まれた。いいネェ~!「音楽を聴いた」って感じがするわ。

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そして、お約束のノリノリのアンコール!「blow by blow」、「LOVE」の2曲を演奏。
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竹ちゃんがサブ・ステージに上がり会場を盛り上げる!
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毎回MCコーナーで自然な笑いを取る菅ちゃん。もくもくと演奏する姿はいつも通り、ベースマンそのものだった。

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切れ味鋭いドラミング!サポートとはいえ完全にFoZZtoneの音楽一部と化しているJ.J.。以前は汗ビッショリで大変ことになったからね。今日の衣装は大丈夫そうだ。

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ダブル・アンコールでは「Mother Rock」をプレイして大興奮のうちに幕を下ろした。

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今FoZZtoneがナニを考え、次にナニをしでかしてくれるのかが楽しみになのであ~る!

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FoZZtoneの詳しい情報はコチラ⇒FoZZtone Official Website

 

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(一部敬称略 2012年10月27日 東京キネマ倶楽部にて撮影)

2012年12月21日 (金)

UNDIVIDE ワンマン・ライブ・ツアー『SAME SIDE』

DELUHI衝撃の解散から1年。

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LEDAのソロ・プロジェクト、UNDIVIDE(アンディヴァイド)が注目を集めている。

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2012年9月に発売されたデビュー・アルバム『UNDIVIDE』。

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UNDIVIDEはギターのLEDAを中心とした3人組のユニット。

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ボーカルのKihiro。

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ドラムはDELUHI時代からの盟友、Sujk。

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サポートでベースのShogo。

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同じくDJ(っていうのかしらん?)の中山さん。

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LEDAのギター・プレイは相変わらずテクニカルにして抒情的だ。そのプレイを支えるリグを見てみよう。

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バンドが変わろうとマーシャルは変わらない。モデルは変わった。

DELUHIサウンドの核ともいうべきLEDAのギター・プレイを華麗に演出した2203KK(下段)はここではスペアになっていて、JCM2000 DSL100がメインに使用されていた。

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足元のようす。

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ズラリと並んだLEDAの愛器たち。

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ショウはもうのっけからバンドと観客が組んずほぐれつの大激情大会。もう頭がクラクラしてくるほどの刺激的な照明がダイナミックにパフォーマンスを演出する。

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演奏曲はもちろんアルバム『UNDIVIDE』から選ばれたが、前半がアルバムの曲順通り。いかにアルバムの出来に自信があるかがうかがえるというものだ。それとも曲順を考えるのが面倒だったのかな?イヤ、決してそんなことはないハズだ。

だから1曲目は「400 DAYS」。いきなりLEDAのぶっといギター・サウンドが飛び出す。

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執拗に観客をあおるKihiro。本当にボードを使ったクラウド・サーフィンには驚いた!

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どの曲も強力に観客を押さえこむかのような重圧感で、息をつくヒマもない!

2曲目は「THE CATALIST」。この曲が一番印象に残った。ギターの「♪ピロリロ」が耳に残るのだ。へヴィなギター・リフも気持ちいい。

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しっかし、ドラムの役割もずいぶん変わったもんだ。ギターの早いパッセージとバスドラをシンクロさせる手法など昔は絶対なかったものだ。ツイン・ペダルの進化という機材の恩恵もあろうが、ロック・ミュージックにおいてギター・リフの地位が低下したせいもあるのだと思う。ドラム・サイドから見れば、リズム楽器がメロディ楽器の分野へ進出したということになるのだろうか。

実際、これだけペダル踏むのは大変だ。Sujkのキレのよいドラミングだからこそこのアレンジが生きる。

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ステージ下手奥でもくもくと作業を進める。UNDIVIDEサウンドを分厚くしているのだ。

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確かなテクニックとエキサイティングなステージ・アクションが素晴らしかったShogo。こうした音楽では低域の重さとクリアさがモノをいうからね。実にいい仕事をしている。

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もう見ていてノドと血管(こめかみのあたり)が大丈夫なのか?と余計な心配をしたくなるようなパフォーマンスのKihiro。

憔悴しきったところに尚激しい曲を重ねていく姿にすさまじさを感じた。

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ドラムだけではない。プレイング・スタイルというか、役割というか、アレンジというか、ギターのポジションもずいぶん変わったナァ。私のオールド・ファンには自分でもいつもギャーギャーいっている通り好みが分かれるところでろうが、LEDAくんはカッコいいと思うね。理由は最後に書くことにする。

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DELUHI時代、アンコールでLEDAのアコギとデュエットした時の演奏が忘れられない。あれはカッコよかったな~。

今日のドラマティックなドラム・ソロも最高にカッコよかったSujk。DELUHIのデビューから見ているが、この人の成長ぶりは素晴らしい。

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ギター・ソロに一段と大きな歓声が集まる。やっぱりマーシャルの音って抜けるな~。こうした新しいタイプのギターにも完璧にロック・フィールをブーストしてくれる。

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全力投球で歌い切るKihiro。時代は変わってもまったく変わらないのはへヴィなロックのボーカルはキツイ…ということだ。いかにも燃え尽きんという姿が観る者に感動を与える。

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本編15曲。汗みどろの強烈なステージのフィナーレ!

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ハロウィン近し。Jack O Lantern姿でアンコールに登場したKihiro。

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アンコールではかつての愛器を弾いてみせたLEDA。

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実はLEDAくんとはお付き合いも長くさせてもらっていて、DELUHIのデビュー前からの彼の変容ぶりもずっと見てきたつもりだ。LEDAくんがカッコいいのは、昨日今日ギターを始めてタマタマうまくなっちゃったなどという(そんなのいないと思うけどね。ま、例えば…の話し)のではなくて、キチンとロックを聴いていることを感じさせてくれるところなんだな。

それはどういう意味かと言うと、「ブルース」なんですよ。ブルースの香りをUNDIVIDEで前面に押し出したりすることはLEDAくんはしたりしないけど、ア・カペラのギター・ソロ(これをいつも楽しみにしている)なんかではそのあたりをソツな見せてくれる。そして、その姿が至極自然なのだ。だからカッコいい。

私は熱心なブルース・ファンであったことは生涯で一度もないが、やっぱりロックはブルースだと思うね。プログレッシブ・ロックはブルースの極北と定義づけられているけど、King Crimsonだってブルースを演奏しているし、その総帥、Robert FripはPeter Gabrielのファースト・アルバムで泣きのブルース・ギターを弾いてもいる。ロックはブルースなのだ。

それゆえこのバンドは楽しみだ。

それにしてもロックは変わった…イヤ、変わっていない。ロックが変わったところは、ブルースが忘れ去られたことぐらいで、変わったのはアレンジだけのような気がする。その方法も完全に限界に来ているようにも見える。

マクロ的にロックの歴史を俯瞰すればパンクもニューウェイブもさして新しかったとは思えない。教条的に過ぎるかもしれないが、今のロックの閉塞性を打開するには、やはり温故知新しかないのではなかろうか?

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UNDIVIDEの詳しい情報はコチラ⇒UNDIVIDE OFFICIAL WEB SITE

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(一部敬称略 2012年10月26日 新宿BLAZEにて撮影)

2012年12月20日 (木)

【50 YEARS OF LOUD LIVE】vol.1~Opening, House Band and Billy Duffy & Coley Taylor

意地と根性と性格でどうでもいいことまで書きに書いてきたマーシャル創立50周年記念コンサート『50 YEARS OF LOUD』のレポートもいよいよ本番に突入する!

少しでも皆さんに観客席のひとりになっていただいたような気分に浸っていただければうれしいことこの上ない。

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観客席の最後尾。ロビーには夥しい数の観客が入場の列を作っている。すべての観客を収容するのにもう少し時間がかかるようだ。

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プレスピットに結集するフォトグラファーたち。ものすごい数!首にかけたパスがNMEだのUNCUTだの国内の人気音楽誌や、外国の出版社から派遣された連中であることを示している。

マーシャルからは、この写真に偶然写っているアメリカ人のマット(デカいヤツ)とマーシャル社の地元のフォトグラファー、ロブと私の3人が参加した。

ヘタすりゃマットと私だけで好き勝手に撮影できるかと思っていたらトンデモナイ!50人以上のフォトグラファーが2台も3台もガチャガチャとカメラをぶら下げて、すこしでもいい写真を撮ろうと殺気だっているのだ。コエ~!緊張するナァ。それだけに、プレス・ピットの中にも屈強な黒人のセキュリティが何人も配置されている。

しかし、イザ始まってみると、自分が撮った後は、案外「ドーゾ、ドーゾ」と場所を譲り合っていた。それでも、みんな興奮するとガッツリ立ち上がって撮影してしまう。観客の邪魔になってしまうのでセキュリティがすっ飛んできて「座れ」と指示をする。私も何回か怒られちゃった!

何しろ、大型スクリーン用の映像を撮るビデオカメラのためにステージの前にはバカデカいサブ・ステージが組まれていて、座っていようものなら思いっきりステージに立つミュージシャンが死角に入ってしまうのだ。かといって立てば叱られる…。どうしたかというと中腰よ、中腰!アータ、普通にしてても中腰のポジションなんてシンドイお年頃なのに、首からクソ重いカメラを3台もブラ下げてりゃどうなるか?ってことよ。も~、泣きたいぐらいシンドかった。しかも時差ボケ(私は時差ボケがドイヒー)と昨日からのリハ疲れや寝不足で体力がいつもの何分の一かに弱まっていたからね。マジで最後までもたないかと怖かった。ヘタすりゃ日本へ帰れなくなるかも…なんて心配もしたぐらい。でも何とか乗り切ったというワケ。

ま、それでもみんなバリバリ動いて撮影したがるのは最初のウチだけでしてね。1時間半もすればくたびれちゃって、写真にあるように柵に腰かけて自分の視界に入ってきたものだけ望遠で撮るという手法になるんだな。

海外のコンサート、しかもこれほど大きい会場でオフィシャルで写真を撮ったことなんてなかったので、とにかくいい勉強になった。

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プレスピットでマーシャルのゲイリーと話をしていたらゲイリーの携帯が鳴った。電話の主はステージに近いスタンド席に座っていたジョン・エラリー社長から!「調子はどうだい?」ってな具合。となりが奥様のエリー。ジョンの前はグラハム・ヤング重役とその奥方、その前がデヴィッド・コール重役。デヴィッドはなにやら難しい顔をしているが、仕事中かな?みんなとてもやさしい人たちだ。

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さあ会場も埋まった!いよいよスタートだ!

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最初の出番は、今日出演するギタリストたちのバックを務めるハウス・バンドの演奏。曲はEdgar Winterの「Franstein」。このリフはロックだよね~!いきなり大興奮!

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ドラムはWhitesnakeのBrian Tichy。叩いているドラムはマーシャルのドラム・ブランド、NATALのジム・マーシャル仕様のスペシャル・バージョンだ!

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ベースはJaz Lochrie(ジャズ・ロウクリー)。

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キーボードはAdam Wakeman。この写真だけはリハーサルの時に撮ったもの。

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ギター、そしてこのコンサートの総合監督を務めたChris George。

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そして総合司会が登場。イギリスでは知らない者がいない超人気コメディアンのAl Murray。

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彼が登場するショウはいつもソールド・アウトとなり、数々の賞を手にしている。また、作家としても有能で「Book of British Common Sense」「Think Yourself British」「Great British Pub Quiz Book(これ面白そうだな~)」などイギリスをテーマにした著作を発表している。こうした純粋なイギリス指向が、純イギリス企業を標榜するマーシャル社の方向性と一致したためアルが総合司会に選ばれたらしい。

また、アルはドラマーとしても有名で、実際に「The Pub Band International」というコミック・バンドの一員であった。また、2010年にはイギリス三大ロック・イベントのひとつDownload Festivalにも出演している。

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そして、アルが最初のゲスト・プレイヤーを紹介する。

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The CultのBilly Duffy!

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そしてStone Sour、SlipknotのCorey Taylor!

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1曲目はThe Cultの「Lil' Devil」。

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ストレート極まりないロック・チューンで会場は一気にヒート・アップ!

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ノビノビと歌うコリィ。まるで自分の曲を歌っているかのようだ!

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コンビネーションもバッチリ!マーシャルの50周年を祝い、イベントを楽しんでいることがよくわかるような演奏だ。

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2曲目もザ・カルトで「Love Removal Machine」。

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他のシュレッダーたちとはまったく違うスタイルのギター・ソロ。ロック・ギターの原点を見せてくれたかのようだ。

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この日、コリィはこの後のセットでも幅広いレパートリーを見事にこなし、八面六臂の活躍を見せた。

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気合の入った歌いっぷり!そういえば、以前に赤坂で観た時、MCではバリバリに日本語を駆使していたっけナァ。あの時も開演前にワザワザ楽屋から出てきてくれてマーシャル・ブログのために色々とポーズをとりながら撮影に協力してくれた。こっちは忙しいところ申し訳ないと思ってチャッチャと済ませたら「もういいの?いくらでも付き合うぜ」みたいに言ってくれた。ちょっと見るとすごく危ない感じのする人だが、実はすごくまじめであるに違いない。カッコいい人だ。

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ビリーは昨日のリハーサルに来なかったのでどんな具合にステージが進行するのかわからなかったが、スカッとする演奏で気持ちがヨカッタ!トップ・バッターの重責をイキのいいナンバーで見事果たしたビリー・ダフィであった!

今回のコンサート、実はゲスト・ギタリスト(ベーシスト除く)の中でイギリス人はこのビリー・ダフィとPhil Campbellだけである。後はアメリカ人とスウェーデン人が2人。ギター・ヒーロー完全不在の現在のブリティッシュ・ロック・シーンにあってビリーをトップ・バッターに持って来たのは大英帝国人の意地なのか?とにかくイギリスからギター・ヒーローをジャンジャン出してもらいたいものだ。そうしないとロック界は絶対におもしろくならない!

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ここでNicko McBrainが登場。Jim Marshllの思い出を優しく楽しく語ってくれた。

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ジムは大マーシャル・バンドIron Maidenのドラマーということだけでなく、同じPremierドラムのエンドーサーということもある、生粋のロンドナー同士ということもあってか、ニコと大変仲がよかった。そしてニコもジムを大層尊敬していた。

ジムがOBEを受賞した時かどうかはちょっと定かではないが、いずれの祝い事の時にロンドンの老舗の時計屋に特注の高級腕時計を発注しジムにプレゼントし友情を誓ったという話を聞いたことがある。

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少々長いが、プログラムに掲載されているニコのジムの思い出の言葉を引用しよう。

『ジムに初めて会ったのは1978年の9月、美しい夏の日でした。

ベッドフォードのゴルフ場のクラブハウスでミーティングを兼ねてランチをしたのです。私はその当時Staccatoドラムに関係していて、ジムを仲間に引き込みたいと思っていました。それが私の人生の大切な部分を占めるジムとの友情の始まりだったのです。

ジムはいつも私の心の中にいて、これからも居続けてくれるでしょう。それから数年経ち、展示会などでますますジムに会う機会が増えました。(サイン会をいっしょにて楽しんだものです) 

ジムはある時、フランクフルトのMusik MESSEのマーシャルのブースで演奏してくれないかと私に依頼してきました。「もちろんやらせてくだい!」と答えました。それから6年の間、マーシャルの仕事をさせていただきました。

そうしたイベントでの仕事、ディナーや夜更かし、伝説的な話を聞くこと…最高に楽しい時を過ごしました。ジムは完璧なホストであり、本物の紳士であり、偉大な歌手にして素晴らしいドラマーで、最良のアンプやスピーカー・キャビネットの製作者だったのです。でも、私にとってはもっとも親愛な友人でした。ジムの思いやりや音楽に対する愛情に触れることができた我々は幸せなのです。

 ”ジム、愛しています。また逢う日まで…”』

Jim

この6年間のフランクフルトでのニコの仕事を私も何回か手伝わせてもらったが、私にとってもとてもいい思い出である。

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ニコはこの後、ドラマーとしてコンサートに大輪を添えた。

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つづく

(敬称略 2012年9月22日London Wembley Arenaにて撮影)

2012年12月19日 (水)

ク~、ELECTRIC MARYはタマランの~!~良質なロックを配給するHYDRANT MUSIC

ま~た始まった…と思われるに違いない。

でもこの興奮を伝えずにはいられない。こういうのこそを「ロック」と呼んで欲しい。ELECTRIC MARYという5人組のバンドの話し。オーストラリアはメルボルンのバンドである。

イギリスとアメリカ以外の国で世界的にビッグなロック・アーティストを輩出している国といえば、まずカナダか?次いでオーストラリアということになろうか?「世界的にビッグ」と条件がなければ、音楽王国イタリアが何と言っても素晴らしい。PFMやArea、BancoやArti&Mestieriという世界級バンド以外にも良質なプログレ系ロックをクリエイトするバンドが数多く、日本にも熱心なファンが多い。東ヨーロッパあたりの、いわゆる「辺境」と呼んでいる地区のロックもかなりおもしろい。

では、オーストラリアと聞くとどうだろう?我々の世代ではまずはOlivia Newton Johnでしょうな~。Air Supply、Split Enz、Little River Bandあたりはよく名が通っていた。80年代に入るとMen at WorkだのMidnight Oilなんてのが『ベストヒットUSA』で騒がれていたが、私は興味のカケラさえなかったな~。

Sebastian Hardie(『Four Moments(邦題:哀愁の南十字星)』は名盤!)は好きだった。もちろんAC/DCを忘れているワケではないが、ヤング兄弟はもともとイギリス人だし…。そういう意味ではThe Bee Geesもそうか?

基本的にはあんまり食指を誘われることがなかったオージー・ロックだったが、ELECTRIC MARYを無視することは到底できない。前のマーシャル・ブログで紹介したAir Bourneもそうだが、「ロック魂」全開の骨太な音があまりにも素晴らしいのである!

そのELECTRIC MARYがヨーロッパ・ツアーの途中にマーシャルに寄ってコンサートを開催したのだ。会場は工場内の「Theatre(シアター)」と呼ばれている講堂だ。

よくマーシャルを使うバンドのUKツアーの際、リハーサルに開放したりすることもある。2年前、ロンドンで開催されたHigh Voltageというロック・フェスティバルに出演したBlack Label Societyのリハーサルはここで行われた。そして、本番の前日、ザックはお礼として従業員をシアターに集め、ゲネプロを披露していた。

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もちろん、爆音を出すことが可能なので商品の音質のチェックも毎日のように行われている。これは9月の『50 YEARS OF LOUD LIVE』の前日に開催された、いまやMarshall、NATAL、EDENからなるマーシャル・ファミリーの商品説明会のための準備で、ELECTRIC MARYのライブ用のセットではない。

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そして、12月1日。ついにELECTRIC MARYがマーシャル・シアターの舞台に現れた!

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1曲目は「Let Me Out」。まずは6弦の解放を使ったギターリフにノックアウト!コレコレコレコレ!やっぱりロックなんだからさ、こうじゃないといけない。そして、こういう音はマーシャルでなければいけない。法律はないけど、そうキマッてるの。

この曲が収録されているのが2008年制作、日本では2010年に発売されたセカンド・アルバム、『Down to the Bone』に収録されている。

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また、昨年リリースされた『III』にも国内盤ボーナス・トラックとしてライブ・バージョンが収録されている。このバージョンにはイントロのギター・リフの前に荘厳な導入部がつけられている。おそらくこの曲がショウのオープニングであったのだろう。それと同じスタイルでマーシャルでもプレイされたに違いない。ギター・ソロは疑いようのないマーシャルとレスポールのフロント・ピックアップのコンビネーションの音。むやみやたらと弾き狂わないところがまたニクイぞ!

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2曲目も『III』から「Stained」。これもイイね~。ミディアム・スローなへヴィなナンバー。シンプルでソリッドなギター・リフに印象的な歌メロが乗る。

何と言ってもボーカルの声が素晴らしい。「ロック」そのものだ。

ボーカルのRusty Brown。

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3曲目はあまりにもストレート・アヘッドなアップ・テンポ・ナンバー、「No One Does it Better Than me」。ちょっとNazarethの「Razamanaz」を思い出す。なんの飾りもない曲だけど、4度進行する展開部はやっぱりロックの醍醐味を感じさせてくれる。

「No One Does it Better Than me」…その通り。今こんなにカッコいいロックができるのはELECTRIC MARYだけかも知れんて。

下手ギターのBrett Wood。

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4曲目は「Luv Me」。Sladeみたいだな。コレもミディアム・スローのへヴィ・チューン。『Down to the Bone』にスタジオ・バージョンが収録されているが、これは今年7月に日本で発売された『From the Vault』のライブ・バージョンの方がいい。真ん中の観客との「♪Luv Me」のかけ合いのところがすこぶるカッコよく、そのまま「Gasoline and Guns」と題名を告げて次の曲に入るところなんざ、アータ、鳥肌もんですよ!

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上手のギター、Pete Robinson。

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このマーシャルでのライブも「Luv Me」~「Gasoline and Guns」とつなげているところをみるとCDの内容と同じことを演ったのだろう。

「Gasoline and Guns」の最後の部分は「Toys in the Attic」あたりのころのエアロスミスを連想させなくもないが、それがどうした、何の文句があろうか!…って自分でフってんじゃんね~。

6曲目は「Hey Now」。『III』と『From the Vault』に収録。静謐なバラードかと思うと、当然のごとく途中で激しく豹変する。このバンドはこうした重くひきずるようなミディアム・へヴィのナンバーが実によく似合う。

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それも、やはりこのヘヴィなリズム・セクションによるところなのであろう。

ベースのAlex Raunjak(出身はドコ?)。

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ドラムのVenom。ヘヴィな割には小回りのきく有能なドラマーだ。当然NATALを使用。

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続いてまたセカンド・アルバム『Down to the Bone』から「Do me」。こもミディアム・テンポ。さっきから同テンポの曲が並んでいるが、まったく飽きることがない。曲のクォリティが高く、極めて演奏能力が高いうえに、ボーカルの「声」がよく、ギター・ソロがツボ得ているからであろう。要するにロックの重要なエッセンスがすべて入っているのだ。「もっと聴かせてくれ!」と言いたくなる。

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次に演奏されたのは「Helter Skelter」。そう、あの「Helter Skelter」。『From the Vault』収録。実は最初これを聴いた時、いっちばん最初ですよ、正直日本のThe Whoozeの演奏の方がカッコいいと思った。ところが、聴き進むうちに、やっぱコリャ、このラスティって歌い手がスゴイと唸ってしまった…。

それとね、このバンド1曲の尺が実にいいんですよ。長くもなく短くもなく…あ、もうちょっと、ホンノちょっとでいいからもっと聴きたい!…っていうところで曲が終わるようにできてるの。コレ、絶対に時間を決めてアレンジしてるよ。このあたりはかつてのVan Halenのようだね。

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9曲目は『III』のオープナー「O.I.C」。久しぶりにアップ・テンポ・ナンバー!ク~、気持ちいい!

それと思ったのは録音の状態。さすがに70年代そのままではないが、かなりそれ近く、若干低域を持ち上げた程度のミキシング具合でドンシャリ感はほとんどない。とても聴きやすい。ギターの音もベースの音も隅々まで何やっているのかがよく聞こえる。今の音楽で育ってきた若い人たちに「コピーして演ってごらん」って言ってもできないだろうナァ。

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1曲を挟んで「Right Down to the Bone」。何だ、このリフ?こんなのありかよッ?いいな~、観たかったな~。なんだってこんなにカッコいいんだろうね~。あ~若返る!こんなに元気を与えてくれるバンドは他にSCANDALぐらいしかないかもよ!

わかった!それとこのバンドのキレをよくしているのは歌詞のリズムだ。もちろんアタシ程度の英語力じゃすべて聴き取ることなんて不可能だけど、わかる。ハードなギター・リフに乗せたストレートな歌のメロディが音のよい単語の連続によって聴くものに快感を与えているのだ。「You get under my skin, right down to the bone!」なんてさ、キモチいいじゃん?

これはコール・ポーターの「I've got you under my skin」のヒネリかな?この曲は「あなたはすっかり私のもの」という邦題がついているんだけど、英語の意味は「私の肌のなかにあなたがいる」っていうくらい好きだという意味。このMaryはそれを通りすぎて「骨」まで到達しちゃってるということ…でしょう。もしこのバンドがコール・ポーターを意識してこの曲の歌詞を書いていたとしたら、また点数上がっちゃうよ。

なんでこういうバンドがいなくなっちまったんだ!昔はこういうバンドがいっぱいいたんだぜ!飽きられちゃったのね。みんな同じことを一斉にやっちゃうもんだから。そういう意味ではちょっと前のThe DarknessがそうだったようにElectric Maryが「はきだめに鶴(失敬!)」状態になるかもしれない。何とかうまくやってもらいたいナァ。

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アンコールは『Down to the Bone』のキラー・チューン、「Sorry」。イヤイヤ、それはこっちのセリフ。本当にマイリましたよ。アータ方には!これも歌詞がメッチャ気持ちいいな。この歌詞の気持ちよさってものすごく重要で、ビートルズの音楽の大きな大きな魅力のひとつはここにあると思っている。もし、今英語がさっぱりわからないでビートルズを楽しんでいるとする。で、英語をマスターしてまた聴けば間違いなく今の50倍は楽しめると思う。

あ~とにかく聴けば聴くほどカッコわ~。

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…といつものマーブロのライブ・レポと同じように書いていかにも自分が観てきたかのようだけど、その場にいたワケではないの。写真はホンモノだけど感想はCDを聴いてのものです。

でもね、この記事を読んで一人でもElectric Maryの音楽を聴いていただけたらメチャクチャうれしいです。

どうもThe DarknessやThe Answer以降この手のバンドが出てきそうもない。とにかくブリティッシュ・ロックがしっかりしてもらわないと困る。ギター・ヒーロー出してよ、イギリスから!

でも、もうこうなりゃイギリスもアメリカもオーストラリアも関係ない!「ホンモノのロックは何か」に対する答えは案外南半球から出されるのかも知れない。その答えにはMarshallというキーワードが含まれていることは言うに及ばないであろう。

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もう一度現在入手可能なELECTRIC MARYCDの作品をみておくと…

セカンド・アルバム『Down to the Bone』

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『ELECTRIC MARY III』
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そして『From the Vault』。

どれも素晴らしい出来だ。

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そして、これらのアルバムを日本で配給しているのがHYDRANT MUSIC。これまでにもBIG ELFやTHE UNION、3 Inched of Blood、国内のバンドでは紫、等々良質のロック・アルバムを日本に紹介しているレーベルだ。リッチー・ブラックモアの息子のJ.R.BlackmoreのアルバムもHYDRANT MUSICから配給されている。

そして、今日のELECTRIC MARYの他にもいいバンドを教えてもらったので最後に少し紹介したい。

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これもオーストラリアのバンドMT DYNAMITE。このバンドには驚いたわ。さすがの私も「君たち、若いんでしょ?こういう音楽でいいの?」というくらいトラディッショナル。決してポップというワケではないのだが、メジャーのへヴィ・ロックなのだ。印象としては、昔、ゴリゴリのハード・ロック・バンドが重苦しい曲の合間の清涼剤的に挿入する聴きやすい気軽な曲ってあったじゃない?あれの連続。でもね、これってひとつの今の音楽のスタイルではないか?という気もしてる。

つまり、70年代のロックの黄金期のエッセンスを丸ごといただいて、若い人の感性で楽しく好き勝手に作っちゃった…みたいな。楽しくカッコいいバンド。

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これはいいバンドですよ。LA出身。前のマーシャル・ブログにも登場した。アレ、なんだっけなぁLOUD PARKだったかな?私も写真を撮らせてもらった。惚れちゃってネェ。ジャケットもヒプノシスでね。このCDは、そのアルバム「PRESSURE & TIME」に、新たに2曲のボーナス・トラックを追加して、2011年「High Voltage(行きたかったな~、これプレス・パスももらえたのよん!)」でのライヴ映像やプロモーション・ビデオなどを収録したDVDをカップリングしたCD+DVDの2枚組デラックス・ヴァージョン。
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スンゲェな、バスドラ。これはすでにUKロック・チャートで第一位を獲得したRIVAL SONSのニュー・アルバム『Head Down』。今回もジャケットがいいな。マイナーなイギリスのプログレ・バンドみたいで…。

このバンドは70年代というより60年代の香りを強く発しているところが大きなチャーム・ポイントだな。それが少しもノスタルジックでもなんでもない。別に新しくしている必要もない。ただのカッコいいロックだ。それが一番!彼らがやりたいことが前作よりハッキリした。これはいいもちろん意味で言うんだけど、ハイパーなオールディーズって感じすらする。1曲1曲が輝いている。

な、なんだ、この7曲目…「All the Way」っての。これはカッコよすぎるでしょ?!もういい加減にして欲しいわ~。

でもね、あの「オールディーズ」ってあるでしょ?ニール・セダカとか、コニー・フランシスとか…あのあたりの曲ってもはや人間が作ったものとは思えないぐらいいい曲ばっかりなんだと思うこの頃なんですよ。もう人類はあのようないい曲を量産することはできないんだろうな…とテレビを見ていると、いつもそんなことを思ってしまう。もう60年も歌い継がれてるんですよ。今のテレビに流れている曲は来年には誰にも覚えてもらっていないではなかろうか。

今から50年経って、テレビがまだあったとしても「懐かしの平成メロディ!」なんて番組は到底作れない。恐ろしいことです。その時歌われているのはきっと「木綿のハンカチーフ」なんですよ、きっと!

とにかくボーカルのジェイの魅力が充満している。素晴らしい声だ。でも、このひと、歌っている間、前髪で顔が隠れちゃって写真撮りにくいんだゼ~!

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実はMY DYNAMITEもRIVAL SONSも今はMarshallを使っていないけど、いいロックだから紹介した。いいじゃない!どうせマーシャルがなければできなかった音楽をやってるんだから!孫悟空と同じで所詮ジムの手の平からは抜け出せない。なんか、あのマーボンの制作をしてからますますマーシャルが、そしてマーシャルが作った音楽が愛おしくなったよ。

今日の記事を書くために長時間新しいCDを聴いたが、楽しいことこの上なかった。若いの、結構ヤルじゃないか!

みんなでいいロックを聴こうよ!

HYDRANT MUSICの取り扱い商品の詳しい情報はコチラ⇒HYDRANT MUSIC公式ウェブサイト

(2012年12月1日イギリス、ミルトン・キーンズ、マーシャル社内シアターにて撮影 ※The stage photos were taken by Grace Pantony at Theatre of Marshall Amplification plc in Bletchley, Milton Keynes, England.  Many thanks for your hard work, Grace!!)

 

2012年12月18日 (火)

いわき街なかコンサートin 平 2012 <後編>

昨日レポートしたように『いわき街なかコンサート』は街中に10か所のコンサート会場が設置され、総勢200ものグループが各所でパフォーマンスを繰り広げる音楽の祭典だ。その中でもここいわきアリオスはこのイベントの総本山的な役割を果たしている。

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紗幕には「Marshall」のロゴが…。

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この会場には2日間で26のパフォーマーが登場。そして、初日のトリを務めたのが伊藤広規&「His Friends」だ。

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今年の伊藤広規&His Friendsは4人編成。

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メンバーは親分の伊藤広規。

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ボーカル&ギター、Kaz南沢

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サックス&鍵盤ハーモニカ、中村哲。

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ドラム、青山純。

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この編成に森園勝敏を加えた5人編成の去年の名演を捉えたのが『Relaxin' at IWAKI ALIOS』だ。あまりの名盤ゆえ、ロンドンまで行って(勝手に)プロモーションしたことは何度も触れてきた。

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そういうバックグラウンドがあるだけに、森さんがいないのがさびしいが、今年もあの奇跡のパフォーマンスに大いに期待してしまうのだ。

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広規さんは今回もVBA400とVBC810を使用。達郎さんの時には1992SUPER BASSのフル・スタックを使っている。そして、最近の情報ではまた新しいスタックをゲットしたとか…早くその新兵器のプレイを聴いてみたい。

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KazさんはVintageModern2466と1960Aのコンビネーション。昨年は2266Cを使用した。

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今年のオープニングはEaglesの「Tequila Sunrise」。

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まずはKazさんの声にウットリ…。

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今年は森さんがいない分、KAZさんのギター・ソロでの出番も増え、いぶし銀のギター・プレイを見せてくれた。

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2曲目にBill Withersの「Lean on Me」。

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『Relaxin' at IWAKI ALIOS』にもBill Withersの「Kissing my Love」が収録されている。双方、このバンドにとてもシックリくるレパートリーだ。

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ここで名物(?)広規さんのMC。あ~あ、カンペガン見!

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ここが実に広規さんらしいところ!

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続いて演奏されたのはKAZさんのオリジナル・バラード「Lost and Found my Love」。この曲も『Relaxin' at IWAKI ALIOS』に収録されている。

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哲さんの泣きのサックス!

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4曲目はRay Charlesの「I Don't Need no Doctor」。思いっきり二重否定。実際、ついやっちゃうんだよね~。この曲はHumble Pieのバージョンもスゴイ。Steve Marriottの激唱っぷりがすさまじいのだ。広規バージョンは「Relaxin'」でお送りします。

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しかし、このバンドはこうしたR&Bネタがよく似合う。あたかもオリジナル曲のように演奏してしまうところが素晴らしい。

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KazさんのMCの後に演奏されたのは、ナント喜納昌吉「花」。ここはKazさんの熱唱ぶりを大いに楽しむべき!

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もともとリラックスできるバンドだけにこうしたゆったりとした曲が実にハマる。「気持ちいい」の一言につきる。

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再度、広規さんのMC。広規さんのライブ会場でいつも販売している復興チャリティバンダナの説明をしているところ。きれいにバンダナを見せようということで今回は板に張り付けてみた。

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裏面にはカンペが!広規さん見せちゃダメですってば!

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広規さん「デヘヘ…」。ま、こういうところが広規さんっぽくてよろしい。(コレばっか!)

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ココから後半。次の曲はやはり『Relaxin' at IWAKI ALIOS』に収録されているDave Masonの「Feelin' All Right」。

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こうした曲になると「青山&伊藤」のリズム・チームのすごさが一段と際立つ!

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この曲だったかどうかは忘れてしまったが、哲さんからすげぇフレーズが飛び出してノケぞってしまった!

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次は今回の新ネタ。「Fly Like an Eagle」。大好き!Steve Miller Bandは前回「Baby's Calling me Home」が演奏されアルバムにも収録された。

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Steve Miller Bandも日本に来ない大物のひとりだ。メチャクチャいい曲がたくさんあるのにナァ~。2年ぐらい前にSteve Miller Bandのスタッフの方にお話をうかがったのでが、アメリカでは相変わらずのスーパースターで、一声でコンサートには2万~4万人が集まるそうだ。このバンドでグッとテンポを落として「The Joker」なんかやったらよさそうなんだけど…。

!!!!!と思ってYouTubeで「The Joker」を見ていたら、スティーヴ・ミラーの背後に、ミュージアムで謎だったキャビネットが使われている!!スティーヴ・ミラーもマーシャルだったのね。うれしんわん!

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そして、最後は「People Get Ready」。この曲も人気あるナァ~。これもこのバンドにピッタリ!

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アンコールにはこのバンドの十八番「Groovin'」。今年も素晴らしい演奏でありました!!

やっぱりこういう楽器と音楽を知り尽くしたベテランの奏でる音楽はいいもんだな~…と今さらながら認識してしまう。

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もちろんメンバーそれぞれの達人ワザが重なってこうした素晴らしい演奏になるワケなんだけど、特にこのリズム隊は素晴らしい…などと私が今頃改めていう必要はまったくないのだけれど、素晴らしいしょうがない!

青山純と伊藤広規…このふたりのユニットが「A*I」。

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12月5日に発売されたA*Iの2枚組アルバムが好評だ。発売当日にマーブロでも紹介させていただいた。繰り返し書かせていただくが、この日本最高の律動感を是非味わっていただきたいと思う。

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さて、ところ変わって…浅草のライブハウス。急逝した高校時代の音楽仲間を偲んだ追悼コンサートが開催され広規さんが出演した。日本を代表する名ベーシストのワリにはフットワークが軽く、どこでも素晴らしい演奏を聞かせてくれる…これも広規流なのだ!

写真はちょっと先輩の「堀さん」のバックを務めているところ。この堀さんのオリジナル曲がほのぼのとしていてすごく味わい深いのよ。

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こちらはレッド・ツェッペリンを演るProcession。スゴイよ、広規さんの「移民の歌」…。

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Processionのドラムの荒川さん。高校時代、誰よりも先に広規さんの才能を見抜いたという。もし、荒川さんがそれに気づかずに広規さんをプッシュしなかったら今の広規さんはなかったかもしれない。広規さんもまっとうなサラリーマンで、有楽町のガード下の焼き鳥屋に座っている広規さんとすれ違っていたかもしれないのだ。イヤイヤ、それよりも、達郎さんの音楽すら変わっていたかもしれない…。イヤイヤ、そうなると日本の音楽シーンも変わっていたかもしれないのだ。げに荒川さんは偉大なのである!

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荒川さんに発掘された伊藤広規さん。

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「天国への階段」!広規さん完コピのギター・ソロ!

いつでも広規さんのまわりは楽しい!

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伊藤広規の詳しい情報はコチラ⇒伊藤広規オフィシャル・ウェブサイト

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(一部敬称略 2012年10月20日 いわきアリオスにて撮影 ※後半は11月18日 浅草KURAWOODにて撮影)

2012年12月17日 (月)

いわき街なかコンサートin 平 2012 <前編>

花?

タイトルと「ゼンゼン関係ねーじゃん!」とお思いだろうが…とりあえず関係ない。ん~、「マーシャルはロックの華」ということで結びつけちゃおう!

以前のマーブロで紹介した福島県のビッグ・イベントのひとつ、『いわき街なかコンサートin平』が今年も開催された。昨年は東日本大震災の復興のさなかにもかかわらず、いわき市民の熱意により華々しく開催され、今年も昨年に引き続き無事に開催されることとなった。そして、今年もマーシャル・ベース・アンプの偉大なるプレイヤー・伊藤広規率いる「伊藤広規&フレンズ」がヘッド・ライナーとして登場することとなり、取材に駆けつけた。

で、そのコンサートに行く前に立ち寄ったのがこの花卉直売所。

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当該の季節はシクラメンを主に出荷しており、ビニールハウスの中は美しいことこの上ない。

イヤ~、こちとら、「花よりダンゴ」の権化みたいなものだが、たまにはお花も実にいいもんだ。心があらわれるね。

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しかもここは製造元とあって見事なシクラメンが格安ででゲットできる。

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もちろんシクラメン以外にも色々な種類の花々が用意されている(バラぐらいはわかるけど、あとはサッパリ…!)

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お~、これは実に美しい!

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素晴らしい演奏の前に、可憐な花々を目にして清楚な気持ちで会場に向かおうというワケ。

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この直売所は「磐植(ばんしょく)」という。興味のある方でいわきに赴いた際には是非チェックしてみてください。

磐植の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

…と、イザいわき市街へ!

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おなじみの幟。

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10月下旬の週末2日間、この静かな街が音楽に満たされる。街中にコンサート会場が設置され、全国からアマチュアバンドが終結し楽しい演奏が展開するのだ。

すぐそこの交差点のカドッこでも…

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信用金庫の駐車場でも…

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そして、数多くの現場でマーシャルに出くわすのだ。これはValvestate。

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銀行の駐車場でも…。 お、ここはDSLのハーフ・スタックだ。

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ここは駅前の会場。このバンドは「お祭りマンボ」をアグレッシブなアレンジでプレイ。なかなかにカッコいい!

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ここはAVTとMGか。

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ジャズ・クラブも解放される。

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広規さん、8日スケジュール空いてるな~。これがホントの「イトーヨーカドー」。

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ここの会場はスタックが置いてあるだけあって、なかなかコアなバンドが出ていた。

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ここはフォークっぽい出演者たちが集っていた。

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出演者の向こうの車…チョット、この写真じゃわからないけど、運転席で手を振っているのが伊藤広規さん。

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街には古い蔵を利用したこんな建物も。左は美容室。真ん中がカフェ。右がバーだ。

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ところどころに震災の爪あとを目にする。

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ここがこのフェスティバルのメイン会場「いわきアリオス」。設備的、音響的に東北地区でトップクラスの施設だ。
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ロビーには棟方志功の巨大なアートも。

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お、あったあった!アリオスの売店にて。

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昨年の演奏を収録した名ライブ盤『Relaxin' at IWAKI ALIOS』。伊藤広規、青山純、森園勝敏、中村哲、南沢KAZという音楽達人による名人芸がタップリ詰め込まれている。

タイトルはチャーリー・パーカーの『リラキシン・アット・カマリロ』から。私はこのタイトルのほか、キャッチ・コピー、写真を担当させていただいた。そして、ライナー・ノーツも書かせていただいたが、サンプル音源を聴いているウチに書きたいことが山積みになってしまった。そして、制作サイドにこのことを告げると「好きなだけ書いていい」とお許しをいだだき9,000字ほど書かせていただいた。自分で言うのもなんだが、名ライブ・アルバムである。

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広規さんが取り組んでいるチャリティのバンダナ。

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お~、ロンドンの再現!

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<後編>につづく

(一部敬称略 2012年10月20日 いわき市にて撮影)

2012年12月14日 (金)

【SHOW-YA~NAONのBATTLE】 SHOW-YA ×土屋アンナ<後編>

SHOW-YAが登場しての盛り上がりようはそりゃスゴイもので、本当にステージと客席が一体となっているのを実感したわ~。

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今年はSHOW-YAの東京でのすべてのライブを見た。

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そして、今年もこの後のクアトロのワンマンだけを残すことになった。(11月23日に終了)

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どのライブも素晴らしいものであったが、とにかく回を重ねるごとに調子を上げてきたように感じる。それに合わせてお客さんの盛り上がり方もとどまるところを知らず、まさに何回目かの全盛期を迎えているようにすら思える。

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クォリティの高い曲と非の打ち所のない演奏、お客さんを楽しませようというミュージシャン・シップ…どれをとっても一流のもので、やっぱりSHOW-YAは今の日本の音楽シーンにおいては本物のロックをクリエイトするgenuineな宝石のような存在なのだ。

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この日も本編は1時間弱のステージで、終演後、外で何人ものお客さんが「ヤッバ~イ。SHOW-YA、メッチャかっこいい!」とか「もっとSHOW-YA見た~い!」と口にしていた。ナンカそんなことを話しているのを聞くと自分も鼻タガダカになってしまう!

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そんなお客さんがたまりにたまったのか、今年最後の公演となったクアトロのライブはあまりにもスゴイことになってしまった!詳しくはまたね…。

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すっかりSHOW-YAのギター・サウンドとなったJVM410Hと1960BDM。

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こないだmintmintsを見ていて感じたsun-goさんのSHARAさんとの共通点…それは厚み。同じJVMを使っているということももちろんあるが、同じ道具を使えば同じ音が出るものではないことはもう何度も触れてきた。これがプロの音なんだよね~。

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白熱のステージが続く!

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寺田恵子

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五十嵐sun-go美貴

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中村美紀

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仙波さとみ

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角田mittan美喜
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3曲目は「Survivor」、そして「性~SAGA~」へと続く。コレ、ふたりナニやってるんだろう?

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そして、「流星少女」。

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この曲は個人的には去年の富士スピードウェイの時の演奏がすごく印象に残っている。

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PVも撮ったしね~!

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「流星少女」は中盤のハイライトとなることが多かった。

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熱唱するキャプテン!

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ワンマンだとMCにソロに大活躍のmittanだけど、今日はひたすらドラミングに徹する!

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「♪まわる~」でおなじみの「Rolling Planet」。

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もう、SHOW-YAの持ち時間もあとわずか!暴走機関車と化す5人!

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「私は嵐」!

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キメのポーズ直前!

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締めくくりは「Fairy」!

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人気曲だけに盛り上がりは最高潮に!

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キーボード・ソロもクールにキマった!

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久しぶりにマーブロ版「竿まわし」いきます!

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 ヨッ…

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コラッ…

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 ショッ…とくらぁ~!キマッタ~!

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こうしてア      (間)      っという間に本編が終了。

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Shige Blogで紹介した2013年のSHOW-YAカレンダー、まだもうちょ~~~っとだけ残っているそう。早いもの勝ちですからね。

詳しくはコチラ⇒SHOW-YAカレンダー情報

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SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA OFFICIAL SITE

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そして、アンコール。

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まずはSHOW-YAで1曲。

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当然「限界LOVERS」が来るわね~。

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お客さんもよ~くわかっていてイントロの最初の音だけで大歓声が湧き上がる!

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お揃いの「NAONのBATTLE」シャツがまたよく映える!SHOW-YAのシャツはいつもセンスがいい!

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今日も絶好調だったさとさんと…

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mittanのリズム隊なのであった!

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アンコールの2曲目には石田ミホコちゃんとアンナちゃんが加わる!

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選ばれたのはLady Gagaの「Bad Romance」。

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実は、このあたりの共演シーンを撮影してスポーツ新聞に掲載するというプランだったのだが、何しろ新聞は締切時間が厳しくて!アセッたわ~。

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で、撮ったそばからデータをチェック!無事写真は確保。でも、もうあわただしくてジックリ見れなかったな…イヤ、ファインダー越しには誰よりもジックリ見てはいるんですけどね…。

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SHOW-YAへのリスペクト感あふれる気持ちのいい演奏だった!

楽しかった~!やっぱりSHOW-YAっていいナァ~、マーシャルっていいナァ~。

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次回は年明けの1月20日のO-EASTでのワンマン。そして、4月29日には待望の『NAONのYAON』が開催される。

ひとりでも多くの人にこの素晴らしいロック・ショウを味わってほしいと思う。

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次回は阿鼻叫喚のクアトロでのワンマン・ライブのレポートだよん。どうぞお楽しみに!

(一部敬称略 2012年10月19日 渋谷O-WESTにて撮影)

2012年12月13日 (木)

【SHOW-YA~NAONのBATTLE】 SHOW-YA ×土屋アンナ<前編>

SHOW-YAの『NAONのBATTLE』の2本目、前回のお相手はZone。そして今回は今ノリにノッてる土屋アンナちゃん!

オープニング・アクトには元サッカー選手という異色の経歴を持つ石田ミホコちゃんが登場。この日はスポーツ新聞の取材が入っていて、その写真撮影の打ち合わせをしていたため、ミホコちゃんのソロ・ステージは撮影できなかった…ごめんなさい!でも、<後編>のセッションのコーナーに登場してもらいますね。

…ということで土屋アンナちゃんのステージ。

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アンナちゃんのバックはギター、ベース、ドラムにヴァイオリンというインストゥルメンタリゼーション(この言葉、以前から一度使ってみたかったの!)。大変シンプルでストレートな演奏だった。

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実はアンナちゃんは以前、ハードロックカフェのイベントで一度撮らせてもらったことがあった。驚いたね、頭ちっちゃくて、真っ白で、あんまり足が長くて…。ヘタするとアンナちゃんのヒザが私の又下ぐらいまである感じだからね。こっちは末席を汚しているだけとはいえ、同じ人間の仲間とは思えんわ。

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歌ってはエキサイティングなパフォーマンスで実にカッコいい!

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バンドとの一体感もバッチリ!

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曲はどれもこれもがド迫力の超ロック!

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「アタシ、昔からこんな声だから…」なんて言ってたけど、すごく曲にマッチしていていい感じだった。

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長い長い四肢を利してのステージ・アクションもバッチリで、衣装もまた華美に過ぎず素敵だったな~。

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「SHOW-YAさんから誘われた時はうれしかった」とアンナちゃん。

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こんなサービスも!

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ピストルズの「Anarchy in the UK」をプレイ。

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「アンナかわいい!」なんて掛け声には「かわいくないわよ!」なんて照れちゃったりして…。

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前回HRCでアンナちゃんを見た時はもっと「歌手然」としたパフォーマンスだったが、今日のステージでは一転してバリバリのロックンローラーぶりを披露してくれた!

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『仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!』の主題歌「Voyagers」も熱唱!

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「アンナ・ロック」として確立された楽しいショウであった。

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土屋アンナの詳しい情報はコチラ⇒土屋アンナ Official Site

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そして、SHOW-YAの登場!

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何たる存在感!やっぱ何度見ても撮ってもカッコいいな。

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今日のオープナーは「Out of Limits」だ。

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角田mittan美喜

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中村美紀
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五十嵐sun-go美貴

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仙波みき…ウソ、仙波さとみ
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寺田恵子。今日はいつもとは異なる順番でご紹介させていただきました。理由はありません。

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そして続けざまに「奪い取れ」。

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今日も時間があまりないので、思いっきりブっ飛ばすパターンのヤツやね?!

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いつも通りのすさまじい音圧!今日も最高のロック・ショウが楽しめるゾ!

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SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA OFFICIAL SITE

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<後編>につづく
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(一部敬称略 2012年10月19日 渋谷O-WESTにて撮影)

 

2012年12月12日 (水)

日本で初めてのマーシャル本、『Marshall Chronicle』ついに出来!~メイキング・オブ・マーボン

今日は12年12月12日全部12!めでたい~!そんな日に日本ではじめてのマーシャルに関する本、『Marshall Chronicle~50th Anniversary Edition』がついに出来した!
マーシャルの本、だから「マーボン」だ。今日のマーブロはマーボンができるまでを振り返ってみたい。

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よく本屋さんで「まるごと一冊XXXXXX」とか「△△△△の本」とかいう楽器関連の本を見かけるでしょう?昔から「いいナァ~。マーシャルもやりたいな~」って思ってた。もちろん、過去何回か「マーシャルの本をつくりませんか?」なんて企画を頂戴したことは何回かはあった。
しかし、経済的な理由や、「まるごと」ではなかったりして、結果として1冊すべてのページをマーシャルに割いた本というのは実現しなかった。
そりゃいいよ、ギターは何て言ったってギターなんだから、主役なのは認める。どうせアンプは脇役よ。いいよ。でもさ、一体誰がギターの音を大きくしてあげてるのかな~?

まぁね、確かにアンプがなくてもギターは弾けるけど、ギターのないアンプこそ困っちゃうもんね~。眺めて楽しむという使い方もなくはないけど、使わないマーシャルほどデカくてジャマなものはないもんナァ~。
実際、大学生の時、1959と1960AXを6畳の自分の部屋に置いていたけど、ライブハウスに出て使うなんてのは月に1回か2回で後はもう部屋に置きっぱなし。ジャマだぜ~。アレはステージやスタジオに置いてある分には問題ないけど、普通の家の部屋に入れた日にはデカいのなんのって!それに、眺めて楽しむにも限界があるからね。

ところがだ、マーシャルがなかったらハード・ロックが生まれなかったかもしれないよ~。祭典の日も来なかったかもしれないし、紫の炎も燃え上がらなかったかもしれないよ~。

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みなさんは自分のレコードやCD、もしくはiPODから「マーシャルが使われていないものを取り除け」と言われたらかなりコレクションが縮小してしまうのではないですか?

え?ビートルズが残るから別にかまわない?ダメダメ、マーブロの読者たるもの、ハード・ロックやメタルが聴けなくなったら困るでしょう?

でもね、こんなことを偶然昨日発見した。たまたま写真の整理をしながら、ポール・マッカートニーの『Venus and Mars』を聴いていた。「これからすごいロックが聴けるよ~」という『サージェント・ペパーズ』の焼き直しとも言えそうな、いかにもポールらしいコンセプト・アルバム。ジャケットはヒプノシス。2曲目に「Rock Show」という曲が入ってるでしょ?ご存知の通り、この曲はロック・コンサートに臨む時のあの高揚感を歌ったものだよね。そこにこんな一節がある;

♪The lights go down - they're back in town OK.  Behind the stacks you glimpse an axe.

これが「やがてライトも消えて-ほらショーの始まりさ  積み重ねた乾草の裏にこっそり隠した斧」と訳されている。

これは、どう考えても「stacks」っていうのはマーシャルを表しているんでしょう?それから「斧」っていうのはギターのことでしょう?向こうの人は楽器のことをスラングで「Axe」って呼ぶからね。サックスもアックスだ。

つまり、ポールはステージにズラリと並べられたマーシャルの壁に見え隠れする楽器の目にすると、コンサートへの期待が高まり興奮してしまう…ということを歌っているじゃないのかしらん?…なんのこっちゃ、「乾草」って?「斧」って?

ポールはジムが亡くなった時に正式に弔辞を送っているからね。ステージではマーシャルを使わなかったポールだけど、ちゃんとマーシャルのことを認めている…という話し。

だからやっぱりマーシャルは大切な音楽の素材なのですわ。それなのにマーシャルの本がなかった!

しかし、時は来た…のであった!

『Marshall Chronicle』はシンコー・ミュージックのYOUNG GUITARの別冊として上梓された。シンコーさんの担当の方、亀戸(仮名)さんから連絡を受けた時はうれしくもちろんふたつ返事で引き受けさせていただいた。

ところが、それから実際の作業となると骨折りの連続でしてね~。でもとても勉強になったし、楽しかった。ちょっとそのあたり、私が担当させていただいたパートを振り返ってみたい。

■50 YEARS OF LOUD LIVE レポート

マーブロでもリハーサルのレポートを連載して、これから本番のレポートに移るところだが、とにかくここに掲載されているライブ写真を撮るのはシンドかった~。そのあたりはまたマーブロに詳しく書きたいと思っている。「日本人唯一のスタッフとしての視点からレポートを書いて欲しい」という亀戸さんのリクエストに応えてテキストを書いた。紙幅が限られているので、ほんのチョットでも詳しく書こうものなら字数がオーバーしてしまうあたりに苦労した。思い入れが深いのでつい書きすぎちゃうからね。詳しくはマーブロで!

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■The History of the "Father of LOUD"

これは苦労しましたよ。約23,000字。これまでにも「マーシャルの歴史」関連については専門学校で講義をさせていただいたりもしているし、記事も書かせていただいているが、講義は別として、記事はいつも厳格な字数制限があり、なかなかすべてを書き記すことができないでいた。それが今回は亀戸さんからとりあえず好きなだけ書いていいといううれしい指示を頂戴して取り組んだ。

色々な文献をひっくり返したり、工場の友人に事実を確認しながら書き進めていると、知らなかったこともゾロゾロ出てきて面白くてしょうがない!それにすでに認識している事象に若干の誤謬を発見したりもした。

マーシャルの歴史で何といっても面白いのは、1962年にJTM45を開発するあたりで、その前後については特に紙幅を割かせていただいた。

せっかくのマーボンなので、今まで見たことのない写真の発掘にも尽力した。9月に工場に行った時に、PR担当のSteve Greenwoodと過去の写真データをひとつひとつチェックさせてもらった。

率直に言って、50年もの歴史を持っていながら、残された写真の類が存外に少なく、収集に苦労した。

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それで、フト思いついたのが、かつての社長室。つまりジムが生前に使っていた部屋。「確か、部屋の片隅に何やら資料っぽいものが積み上げてあったナ…」と。で、社長の奥方にお願いしてみた。「ナ~ニ、アレが見たいの?どうぞ好きなようにしていいわよ!」と快く了解してくれたので、その資料の山をひっくり返してみた。 すると、下のような見たことのない写真が少し出てきた。

それらをかき集めて「The History of the "Father of LOUD"」のコーナーに掲載させてもらった…というワケ。よく使われている古い写真もあるし、もしかしたら過去に公開されたものも含まれているかもしれないが、本邦初公開の写真もかなりあるはずだ。

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■コラム

亀戸さんにお願いして、エッセイ的に3つのコラムを書かせていただいた。

①マーシャルの故郷を訪ねて

これは楽しかった!元来ロンドンの街を歩き回るのを無上のよろこびとしているだけに、ジムの生家やお店の跡を見て回るなんてことが楽しくないワケがない!これもマーブロで新装再スタートしようと思っている「イギリス・ロック名所めぐり(仮称)」で詳しく再録しようと思っている。

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もしね、私がロンドンのロック名所めぐりのガイドなんかを頼まれたら、絶対にここコースに組み入れるよ。

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②シリアル#1アンプの物語

考えてみるとこの話しに詳しく触れたことがないことに気づき、挿話させていただいた。いつか実際に弾いてみたいと思ってるの。

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③"Father of LOUD "ジム・マーシャルが英国で愛される理由

誰だ?このタイトルつけたのは?私ではござらんよ。私はロックと同じぐらいジャズが好きで、いつかこのジムのCDについて何か書きたいと予てから思っていた。チャンス到来。もっとスペースがあれば1曲ずつ解説を書いちゃうところなんだけど…。ジムがパーティで歌っている写真を探したんだけどなかったナ。ドラムを叩いている写真はいくつか見つけたんだけど…。やっぱり写真は面倒がらないでバンバン撮っておくべきだナ。

■Marshall Products Gallery

山口県柳井市のマーシャル・ミュージアム・ジャパンが所蔵しているアイテムに足りないモデルを足して構成した。製造年度は私が調べたものを亀戸氏が精査した。これは時間がない中で亀戸氏は大変な労苦を強いられたハズだ。

写真はすべて私が撮影した。ミュージアムのアイテムは、オープン前に5日ほど泊り込んで撮りまくった。これは泣きたいぐらい大変だった。何が大変かって?とにかく重いでしょ、マーシャルって。向きがちょっとズレたりしていても、ちょちょいと直すことなんてできませんからね。いちいち「おりゃ!」と掛け声とともに動かさなければダメ。ま、実際には竹谷館長にそっちの重労働はお願いしたんだけどね。もしひとりでやったら腰が大爆発よ!

それと、デカいアイテムはなかなか光が回り込まなくて、4灯ものストロボを使用した。

実はコレクションを撮影するのは2回目。以前のマーブロで「T氏のコレクション」を作った時にもこの作業をしたが、あの時は光だの色だの、ほとんどおかまいなしに撮ったけど、今回は1台ずつキチンと撮らなければならないので膨大な時間がかかった。

厄介だったのはミュージアムには案外スタンダードな1959やJCM800がなくて、それを補完しなければならないことだった。そして亀戸氏の調査の元、都内の中古楽器店に撮影道具一式を携えてロケを敢行。アホみたいに暑い日でね~。ホント、この本はみなさんのご協力の結集やね。

そして、#1のJTM45 。いつもは下の写真の壁側のロゴの真下の白い展示台にガッチリと収められていて、そう簡単に触ることすらできない。でもね、よ~くこの写真を見ると別の場所に#1が置いてある。ど~こだ?

答えは左下のコンボの前にタテになってるヤツです。この日、コンサートを翌々日に控えて、BBCやら地元のテレビ局やらが入れ替わり立ち代わりやってきてエラくバタバタしていて、ついしまうの忘れちゃった。マーシャルも案外ユルイ。よっしゃ!ということで、自由きままに撮影してしまったというワケ。

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マァ実際には「チョット写真とらせてチョ」とフィル(後出)に頼めば、何の制限もなく撮影できるんだけどね…。

■Details of Marshall Products

ここはシンドかった。元来私はトレイン・スポッターではないので、至福を埋めるのに苦労した部分もある。それでも、やればやっただけの成果というものは得られるワケで、改めてとても勉強になった。むしろ、ここは色々と内容の正誤性や関連性を精査した亀戸氏のPoop Cleaner的な重労働に感謝!

■Marshall-men talk...

①Jonathan Ellery

エラリー社長のインタビューはメールを介して行われた。50周年のコンサートにあたり、さまざまな媒体でエラリー社長のインタビューが取り扱われたが、このマーボンのインタビューはコンサート後に行われた珍しいもの。一大イベント直後の高揚感と安堵感と寂寥感が表れたいいインタビューになったと思う。それに過去のインタビューを少々混ぜて再構成されている。私は翻訳と写真を担当させてもらった。ちなみに右ページの写真はBBC1のインタビュー時のもの。翌朝、このBBCのインタビューは「Breakfast」という日本でいえば「朝ズバ!」とか「めざましテレビ」みたいな朝のワイドショウ番組でOAされていた。

②Phil Wells

実は、この本の企画を相談された時、真っ先に思いついたのがこのインタビューだった。フィルは工場の技術畑ではもっともキャリアの長い人で、おもしろい話しがたくさん聞けるとニラんだのだ。

「今回の滞在中にインタビューの時間を作って欲しい」とお願いしたところ、「シゲのためならいつでも、どこでもよろこんで対応するよ!」と気持ちよく引き受けてくれた。実はフィルとはマーシャルと関わり出した最初の頃からの知り合いで、思い返してみると最初に工場を案内してくれたのはフィルだった。

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案の定、インタビューはもうメチャクチャおもしろくて、ファンにはタマらない内容になったと思う。フィルから話しを聞いていて、「ああ、ここに三宅さんがいればよろこんだろうにナァ…」と何回思ったことか!紙幅が限られているので、マーボンには2ページ分しか掲載されていないが、実際のインタビューは3時間半近くにも及んでしまった。

このフィルの話しは、もし誰かがフィルの頭の中に残っている内容を活字にしておかなければ、永久に聴くことができなくなる可能性が高いと思った。誰も語ることのなかった貴重なマーシャルの歴史だ。実際にインタビューをする私の後ろにはマイルス・ホートンという若いエンジニアがいて、聞こえてくるフィルの話しに何度もも「へ~」と感心していた。

そこで、亀戸氏にお願いして、マーボンに掲載できなかった部分をマーシャル・ブログで公開させてもらうようお願いした。全文に目を通した亀戸氏もその希少性を高く評価し、後日マーブロに掲載することを許してくれた。ファンのみなさん、お楽しみに!

③Steve Dawson

大の仲良しのスティーヴからは、日本に伝わってこなかったたくさんのブリティッシュ・ロックの情報をもらってきた。この人とのおしゃべりはいつも楽しい。図々しくもイングランド最北部のスティーヴの家まで遊びにも行ってしまった。このあたりのことはシゲ・ブログでレポートしているのでチラリとご覧いただきたいと思う。
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そして、思いついたのがスティーヴのインタビュー。70年代の若き日をニューキャッスルを中心としたイングランド北東部で過ごした彼に当時のロック事情+マーシャル事情を語ってもらおうと思ったのだ。

■Marshall Factory Tour

亀戸氏は以前に工場を訪れているため、ここはスムースに事が運んだ。ここは写真と最新情報を提供した。さすがにもう何回も見学しているし、写真も多数撮ってきたので、今回は職人さんが写るように撮ってみた。

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もうみんな顔見知りなので実に愛想よく対応してくれる。

今回ひとつ初めて知ったことがあった。カバリングを貼り付ける際、細かい部分をピタリと接着させるために使う白い棒状の器具がある。それを何と呼ぶか知りたくて、知りたくて…訊いてみた。「え?コレか?これはボーンって言うんだよ、ボーン」。は~、「骨」か…。

日本語と英語は文法的に真反対に位置するといわれるけど、発想は案外同じなんだよね。ラックのアンプをラックにくっつけるために前面に付いている「耳」とか呼ぶ部分あるでしょ?あれ、英語で「ear」っていうんだよね。アンプの底面についてる「足」は「feet」だし。それと、よく展示のひとつのかたまりを「島」って呼んだりするじゃない?あれも「island」って呼んでたな。

■Promitional Literature Gallery

これは亀戸氏が困った。「カタログ、チラシ等の販促物を全部ひっくるめて英語で何というんですかね?」…こんな質問が彼から寄せられた。さっそく英語の達人、つまりイギリスの方々に訊いてみると、「Promotional Literature」でいいのでは?という回答を得、こう題された。ほとんどがミュージアムからの提供品。

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最後のThe Marshall Worldは例の元ジムの部屋の片隅に積み上げられていた書類の山から発掘したもの。事務所の中で光の具合がいいところを選び、一枚一枚写真に収めた。これがまた腰が痛くなる過酷な撮影でござんしてね…。その作業を見た事務所の連中が「またシゲが変なことやってるゾ!」なんて騒いでるし…。つまり、彼らにはこれの希少性がツユも感じられないのね。ところが、全部70年代のロックの一番おいしい時期のアーティスト・ニュースじゃない?こちとら読みだしたらとまらなくなっちゃって…。

■Marshall Museum探訪
扉の写真がヤケに暗めに刷られちゃったねぇ。実際の写真はもっと明るいんだけどナァ。

■マーシャル座談会
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これも楽しかった。座談会の聞き手は亀戸氏。
これは本当は元のアイデアがあったの。それはその道のプロにマーシャルが使われた名盤を語ってもらうという企画。例えばノンちゃんにパープルの『Who Do We Think We Are』の聴きどころを説明してもらう…とか、三宅さんにジミヘンの『Winter Land』を語ってもらう…とかね。
それがなかなかまとまらなくて、「それじゃ、マーシャル・プレイヤーに集まっていただいて座談会をやろう!」と提案した。普段お忙しい方々なので、スケジュールを調整するのが心配だったんだけど、こういう時は恐ろしいもんで、みなさん、一発で電話にお出になってくれて、しかもすぐに、そして、見事に全員が空いている日が見つかった。天国のジムが操作したとしか思えない手際のよさ!こんなこと滅多にない!
そして、東京キネマ倶楽部さんも快く場所を提供してくださった。
みんなよくしゃべる!すべてマーシャルの話題。ありがたいことです。座談会の後の打ち上げでもまた同じ話題。でもおもしろかったな~!
みなさんありがとうございました。この場をお借りしまして改めましてご協力に感謝申し上げます。

■Marshall Album Selection
これにはまったく絡んでない。亀戸氏は思ったに違いない。私に任せたら恐ろしく偏ったセレクションになってしまう…と。結果、ヤンギらしいセレクションになってよかったと思う。

ちょうど同時進行で広規さんのCDのライナーを書いたり、写真の整理が山になったりと、実に多忙な日々であったが、やりがいのある楽しい仕事であった。今、こうしてイザ上梓されてしまうとうれしいような、さびしいような…。

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みなさん、書店&楽器店に是非お手に取ってみてください。

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『Marshall Chronicle』の詳しい情報はコチラ⇒シンコーミュージック公式ウェブサイト

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2012年12月11日 (火)

Concerto Moon Dos a tres caids!~Concerto Moon 炎の三番勝負~<vs. UNITED>

人間椅子、EARTHSHAKERと続いていよいよ第三局を迎えたConcerto Moonの三番勝負『Dos a tres caids!』。

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相変わらずのブッチギリ選曲でチョー豪快なステージをカマしてくれた!

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まずはノンちゃんの機材チェッ~ク!今回、シリーズを通じてメインに使用したのは向かって左側の1967MAJORだ。200WヘッドMAJORの第二世代モデル。

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アタッチメント類。ステージ袖にセットされている。以前には足鍵盤用のアンプが置かれていた場所だが、今日はそれがない。

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で、足元はこれだけ。ディレイ…イヤ、エコー・チェンバーと呼んでおこう。そのオン/オフ・スイッチだ。これだけ。

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コチラはステージ下手のマーシャル類。向かって右は耕作のベース・アンプ…といっても1959だが…。キャビネットはマーシャルではない。

その隣、向かって左側はキーボード用に使用された4100と1960A。そう、今日は5人目のメンバーがいるんよ。

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ショウがスタート!

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またいつもの通りメンバー紹介からいくゼイ!

島紀史!

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長田昌之。

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久世敦史。

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三谷耕作。

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そして、今回ゲスト出演のキーボード、遠藤均。

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1曲目は2008年発表の『After the Double Cross』から「Find the Key」。Concerto Moonらしい込み入ったギター・リフが印象的なアップ・テンポのストレートなメタル・ナンバーでいきなり客席大爆発!

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2曲目は2003年発表の『Life on the Wire』のオープニングを飾った「Stranger」。

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これもストレートなメタル・チューン…なんて言ってると今回は全部同じになっちゃうな…ってなぐらい密度の濃い体力を極端に消耗するようなタフな曲が並べられた。

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今回、終演後の楽屋でのメンバーの憔悴ぶりはいつもより明らかに激しかったもんね~。こんな曲ばっかりやってたらそりゃボロボロになるわ~!

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全部A面の1曲目みたいなヤツだからね。でも私は大賛成!よくさ、ものすごい人気のある人のコンサートでも予告で「今度は僕の知られていない曲を集めてみました」とか「シングルのB面曲をメドレーでお送りします」とかいうことになると、みんな一応「ヒュ!ーヒュー!」って歓声は上げるけど、顔はガッカリしてるもんね。

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ライブはこれでよし!「Live」なんだから!「生」なんだから!イキのいい、人気のある曲を並べて聴かせるのはコンサートの絶対条件だと子供のころから思ってる。

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3曲目も『After the Double Cross』から「30 Minutes into the Darkness」。

でもこれだけこの手の曲を並べるのは、演ってる方にしてみりゃタマッタもんじゃないですわね~。

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今回のシリーズで存在感を一足飛びにデカくして見せた久世ちゃん!

「久世ちゃんじゃないよ、久世だよ!」という存在感!(スミマセン、これは何のことやら久世ちゃん自身にもわからないと思いますわ~)

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「イデ~、釘ふんじゃった~」 普通の人はこんな顔するのはそんな時ぐらいなものでしょう。ノンちゃんはズッとそしていつもコレだからね~!

子供のころ、よく釘踏んだナァ~。最近はめっきり踏まなくなった。そういえば私の父は大工なんだけど、職業柄よく釘を踏んだ。私も学生のころはよく父を手伝ったもので、ヨコで釘を踏んでしまった父を見て驚いたことがある。釘を踏んでしまった時、プロはどうするか知ってる?足の裏の釘を踏んだ箇所を金づちでガンガン叩くのです。「ちょっと何やってんのよ?!」と父に訊くと「ん?治療」とか言ってた。もちろん、消毒作用にも何にもならないのだが、痛みは和らぐらしい。皆さんも今度釘を踏んだ時、試してみてください。

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ノンちゃんのこの姿は何物にも代えがたいカッコよさがあるね!やっぱりノンちゃんの孤高のソロはConcerto Moonのハイライトだ。

1998年発売の『From Father to Son』から「Into the Fire」が続く。

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久しぶりのキーボード入りのConcerto Moon。小池さんが離れてからもうずいぶん経つ。

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4人編成になって、それはそれでまた違うConcerto Moonの魅力が発揮された。そして、キーボードなしのConcerto Moonにも慣れて鍵盤楽器の存在を忘れかけていた時にこうしてキーボードが加わるとまたおっそろしく新鮮なんだよね~。世界がガラリと変わった。

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今日もスゴイよ~!耕作さんのベース!ホント、こういう音のベースって最近いないからね。マジでカッコいいわ~。

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あまりにもヒート・アップしてしまい、舌での体温調節に入った長田ちゃん。ホント、鬼気迫るドラミング、まったく休む瞬間がない!

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お~と!ノンちゃんも!ベロっとした!

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「マネせんといてや~」と長田ちゃん!

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そしてまるっきりペースを崩さないまま後半に突入!

「Angel of Chaos」、「From Father to Son」、「Climb Up」と新旧取り混ぜた選曲。

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そして最新アルバムから「Savior Never Cry」だ。これは久世ちゃんが参加した初の同名のアルバムから。ふつうボーカルが変わってアルバムを発表すれば選曲はそこからが中心になるのが自然なのだが、Concerto Moonはそんなことしない。

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すべてのファンを満足させることのみに集中するのだ!

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最後は2002年のアルバム『Destruction and Creation』から「Change my Heart」。

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ま~、最後の最後まで全員が怒涛の演奏で走り抜けたのであった!

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さて、今年ももう後わずか、ということで、Concerto Moonの2012年最後のライブがもうすぐやってくる。

12月21日、会場は目黒鹿鳴館。Concerto Moonのふるさと的会場だ。今回はCONCERTO MOONからファンの皆さんへ「ありがとうの気持ちを込めて贈るファン感謝祭」という企画なのよん!「REQUEST OF THE MOON」 と題して、 皆様からの投票によるリクエスト上位19曲と最下位1曲を演奏しちゃおうという内容。歴史のあるバンドだからこんなことができるのね?

で、お越し頂いたお客様全員に、2013年発表予定の10thアルバム用のデモ音源(1曲)と演奏曲の順位表をプレゼントする。

さらに、この日会場では特製2013年Concerto Moonカレンダーを販売する。後日、通販も実施するかもしれないが、とりあえずは鹿鳴館での限定販売となる。来年はConcerto Moonと過ごしませんか?ナンチャッテ~。使用されている写真のほとんどを私が撮影しやした~。

下の写真はカレンダーに入っているオマケ。実際の商品はCDサイズで1か月1枚という構成。

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それから、明日12月12日発売のマーシャル本『Marshall Chronicle』…世間では「マーボン、マーボン」と話題になっていますが(ナニ?なっていない?じゃ、あしたはマーボンに関する記事だ!)、ここでもノンちゃん大活躍されております。

コレ、私もかなりの部分で内容に携わらせていただきましたが、実はこっそりノンちゃんにも助けてもらったパートがあるのですわ。是非見てくださいね!

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もろもろ頼むゼ!21日、目黒で会おう!

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Concerto Moonの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

過去の勝負の内容は以下↓

<Shige Blog>  Dos a tres caids!~CONCERTO MOON 炎の三番勝負~<vs. 人間椅子:前編>

<Shige Blog>  Dos a tres caids!~CONCERTO MOON 炎の三番勝負~<vs. 人間椅子:後編>

<Marshall Blog>  Dos a tres caids!~Concerto Moon 炎の三番勝負~<vs. EARTHSHAKER:前編>

<Marshall Blog>  Dos a tres caids!~Concerto Moon 炎の三番勝負~<vs. EARTHSHAKER:後編>

これにて三番勝負、う~ち~ど~め~!

(一部敬称略 2012年10月28日 渋谷BOXXにて撮影) 34

2012年12月10日 (月)

mintmints Love & mints Tour 2012 mintmints VS D_DRIVE <後編>

久しぶりのmintmints。残念ながら長い間ライブに接することができなかった。

今回はサード・アルバムのレコ発ツアー。大好きなバンドだからね、今回のライブはニュー・アルバムの発表と併せて楽しみが倍、いや倍以上だ!

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これがmintmintsのサード・アルバム『LOVE & mints』。CDとDVDの豪華2枚組。今回もいい曲がテンコ盛り!

実はですね、ウチの社長のジョン・エラリーがミンツ気に入っちゃったのですよ。つまりマーシャルの社長はmitmintsファンなのね。SHARAさんとは面識もあるし…。「曲がいい」って!だから今日の記事もきっと気に入ってもらえると思います。

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石原SHARA慎一郎

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五十嵐sun-go美貴

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寺沢てらちん功一
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向山テツ

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轟音、また轟音!この4人の演奏は本当にスゴイ。アレ?表現があまりに陳腐だな…。とにかく曲のクォリティも高いのでトコトン楽しめる。
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こういうのはどうかな?「お菓子の街を行進するお花ガラの大型ブルドーザー」。エンジンは当然マーシャル製だ。

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ふたりのマーシャル・チェック!ヘッドはふたりともJVM410H。キャビはSHARAさんがMF400Bでsun-goさんが1960BDMね。

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オープナーはmintmintsの記念すべきファースト・アルバム『Whitemints』より「Ghost」。名曲やね。

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続いてニュー・アルバム『LOVE & mints』から「everyday」。

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長年のお付き合いでイキが合うというのはもちろんだが、やっぱりアンプが同じだとツイン・リードもよけいにシックリ来るね~。

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とびっきり分厚いギター・サウンドがSHARAさんの特長だと私は思っているが、sun-goさんの音色も同じ。SHOW-YAの時と同様にすさまじく音像がマッシヴだ。

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「driver」、「Rare temple」、「zima」と過去のアルバムからの曲とニュー・アルバムからの曲を巧みに織り交ぜたセット・リストとなってる。

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「Kotetsu」、「Travelling」となつかしの名曲が並ぶ。sun-goさん、SHOW-YAの時とはまた違う雰囲気で…こっちもいいデスねぇ。

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ギター弾きとしてSHOW-YAの時とはまたひと味違う楽しみを味わっている感じ?

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ここのリズム隊も相当へヴィだ。

ロック・ベースの権化、てらちんのマグマライザーのようなベースは言うに及ばない。

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そして、テツさんのドラムになんの注文のつけようがあろうか?テツさんも、スネアならスネア、レガートならレガート、ひとつひとつ聴いていてもまったく音楽になるドラムだ。ロック・ドラムの最高峰といってまったく差支えないであろう。さすが、SHARAさんの人選は鋭い。

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次はニュー・アルバム・セクションで「3BB」、「lalu」、「macaroni」。

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「3BB」だの「Rare temple」だの「zima」だの…よーやるわ~。落語の世界やね。

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ミンツ名物、てらちんの「○○本スラップ」!
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スゲェ真剣!なかよし三郎もビックリだ!
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ドリャ~!っと最後までバッチリ決めた!

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ショウは後半に入って『LOVE & mints』のリード・チューン「Twin」。そして「cube」。

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「Don't cry」。

しり上がりにドライブ感が増すテツさんドラミング。本当にロックのかたまりだ!

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【ギタリストの手シリーズ】やっぱりSHARAさんの手もきれいだニャ~。

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ミンツ名物、sun-goさんの「竿回し」。

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「kimino motohe」。これも思い出深い曲。

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汗みどろのテツさん!鬼気迫るドラミング!

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本編の最後は「Bakuon」で締めくくられた。

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しっかし、今日は見事にマーシャルだったな。やっぱり、ステージにマーシャルがあるだけでロックになるね。そもそも美しいですよ、ジム・マーシャル発明したこの魔法の黒いハコは!

mintmintsの詳しい情報はコチラ⇒mintmints 公式ウェブサイト

石原SHARA慎一郎の詳しい情報はコチラ⇒石原SHARA慎一郎 Official Site

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で、こっちもマーシャル満載。曲よし、演奏よし、装置よし、最高のPV!

mintmintsでアンコールを1曲。「Hell Dance」。

ミンツ名物、sun-gさんのジュリセン!このバンドは名物が多いな…。ナント言っても一番の「名物」がSHARAさんのギター・プレイだけど…これは「名物」じゃなくて「魅力」っていうのか?!

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一心不乱に扇子を振りまわす!あ~あ、ギターまで降ろしちゃって!もともとはてらちんの掛け声だけだったんだけど、sun-goさんがジュリセンを手にし てからというもの、ファンがそれに呼応して定着した。今ではなんとサイン入りジュリセンまで物販で扱っている!mintmintsライブの見せ場のひとつ。

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もっかい…今日演奏された多くの曲がこのニュー・アルバム『LOVE & mints』から演奏されている。

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このスリーヴの表4に使われているアーティスト写真…アタシが撮らせていただヤツね!
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しかも、それがこんなデカいポスターになって!うれしいもんです~。SHARAさんありがとうございます!どれぐらい大きいかわかりませんな。ウチの障子に貼って撮った。そういう大きさです。

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そして話しは戻って…ジャム・セッション。sun-goさんに対して、コレ見よがしにYukiちゃんをベタぼめするてらちんが、も~おかしくておかしくて!「あわてなくいいんだよ~」とか「いい音してるね~」とか…。

で、何を演るかと思ったら、「移民の歌」!SHOW-YAのライブにつながるかと思った?!

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歌のパートをみんなのソロでまわす。

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Yukiちゃんの最新のテクニック vs. sun-goさんのド迫力フレーズ!みたいな。

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今日のライブは2バンドとも時間的に比較的ゆったり落ち着いて演奏できた感じで満足満足!実にいいライブでやんした!

いつかわが社の社長も連れて来て見せたいもんだで。

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D_Driveがドライブしまくってるディ!の<前編>はコチラ⇒mintmints Love & mints Tour 2012 mintmints VS D_DRIVE <前編>

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

(一部敬称略 2012年10月14日 Zehr The Zooにて撮影) 33

2012年12月 8日 (土)

ギター大脱走!~ポール・ギルバート情報

ポールから連絡が来た。ポールが主宰する『GREAT GUITAR ESCAPE』の情報だ。

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7月の8~13日までニューヨーク州のフル・ムーン・リゾートで開かれるギターのクリニック・キャンプだ。昔は日本もこういうのよく見かけたんだけどね…。
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ポール曰く、「自分の音楽の炎を燃やすためにもっとも重要な燃料は、すごいミュージシャンのスゴ技を見ることだよ」。
ってんでスゴ腕の先生を集めて充実したギター合宿が開かれるワケ。アンプはマーシャルなんだろうなぁ~。

タイトルはもちろんジョン・スタージェスの『大脱走(Great Escape)』からでしょう。ポールらしい。
で、このウェブ・サイトに使われているポールの写真は『50 YEARS OF LOUD LIVE』で私が撮影したものなんです。
とにかくチェックしてみてね!

詳しい情報はコチラ⇒GREAT GUITAR ESCAPE   

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2012年12月 7日 (金)

やっと、ずっと~田川ヒロアキ、レコ発ライブ

菅沼孝三、江川ほーじんとの手数セッション、和佐田達彦やそうる透とのスパイス・ファイブ、是方博邦とのユニット等々休むヒマもないないぐらい多方面にわたった活動を展開していきた田川ヒロアキが待望のニュー・アルバムを発表した。

今日はそのレコ初ライブのレポート。

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これがそのニュー・アルバム『アヴェ・マリア』。え?田川ヒロアキが「アヴェ・マリア」?そうなのです。今までのノリノリのロックンロールとは一味違う田川ヒロアキが飛び出して来たのである。

内容は従来のスリリングでダイナミックなハード・ロックに交じって「アヴェ・マリア」や「メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲」のクラシック・ネタやいかにも彼らしいロマンチックなバラード、とバラエティに富んでいるが、実にコンパクトにまとまりカチっとした仕上がりになった。本当に老若男女を問わず楽しめそうな内容だ。

それとビジュアルが素晴らしい。実はこのジャケ写とCD内のすべての写真、私が撮らせていただいた。だから、「素晴らしい」といってるんだな?とお思いでしょうな~。でも我ながらかなり気に入っている。

ヒロアキくんのコメントの英訳も担当させてもらった。世界に向けてのCDだからね。エ?「オマエ英語大丈夫なのか?」って?バカにしてもらっちゃ困りまっせ!ちゃんと仲良しのイギリス人に添削してもらったワイ!メッチャいい英語に変身しやんのよ!
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そんなお気に入りに仕立て上げてくれたのは梅村デザイン研究所(梅デ研)の素晴らしいアートワークがあってこそ。私が「日本のカル・シェンケル」と愛してやまない梅村さんに自分の写真をイジってもらってシアワセなのだ~!(写真自体には手を入れていません)このブログのバナーも梅デ研の作品だ。

やっぱジャケットがいい作品というのはいいね。もちろん中身がいいからジャケットもよく仕上がるんよ!帯もタマラン!

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さて、ライブ。 直前でメンバーが差し替えになるトラブルもあったが、いつもの田川パワーで難なく乗り切った!

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田川ヒロアキ
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キーボードは石黒彰。石黒さんはニュー・アルバムの中の曲のアレンジも担当してくれた。

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ベースは仮谷克之。今日はいつもと帽子が違う!

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そして盟友、高仁範(コウ・インボム)。思い出すなぁ、宮古島!ねぇ高くん?!

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今回は会場が広いので愛用のJMD501に1960Aをつないで鳴らした。

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演奏曲目はほとんどが『アヴェ・マリア』から。1曲目は「Symphony- seven-four time」。タイトル通り7/4拍子に乗ってめまぐるしくシーンが変わるスリリングな作品。

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2曲目はメンデルスゾーンの「ヴァイオリン・コンチェルト」からショパンの「別れの曲」。これは石黒さんのアレンジがメッチャかっこよくてね。

これのCDの演奏をベテランのクラシック・ピアニストに聴かせたところ「アラまぁ、よく弾くわね~。おもしろそうね!是非いっしょに演ってみたいわ!」と言っていた。また面白そうな他流試合が成立しそうだ!

つづいて「With Love-愛をこめて」…タイトルはベタだが、すごくいいメロディ!観客が耳をそばだてて聴き入っていたのがとても印象的だった。こういう時のJMD:1がまたいい仕事をする!

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続いてバラード。「平和の風」。この曲は従来から演奏してきたもの。そして「たんぽぽと風」。

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仮谷さんのツボ得たベース・プレイは健在。実においしいラインを紡ぐ人だ。今日は出なかったけど、仮谷さんのスラップ・ソロがカッコいいんだ~。ドンドン激しくヤケクソになっていくところがメッチャ好き!

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石黒さんを得たこともヒロアキくんのキャリアにとって大変有意義なことだ。
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6曲目はアルバムのオープナーとなっているキラー・チューン「Speedway」。シンプルなリフに導かれて目くるめくようなギター・テクニックが飛び出してくる!

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こうしたドライビング・チューンは彼の得意とするところ!快演そのもの!

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最後はタイトルにもなっている「アヴェ・マリア」。

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祈るように、そして囁くようにして弾くヒロアキくん。こういうリリシズムにあふれた演奏も彼のギター・プレイの大きな魅力なのだ。ヒロアキくんの使い方がうまいのは当然なのだが、JMD:1のコンボってこういうサトルな表現が得意だったんだよね~。エレクトリック・ギターの「静」の部分をうまく引き出した実に魅力的なトーンだ。

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全7曲。田川ヒロアキの従来の魅力と新しい魅力を絶妙にアッピールした素晴らしい内容であった。

彼は来る12月22日、このアルバムを引っ提げて故郷の下関での凱旋公演に臨む。山口県のふるさと大使も務める田川ヒロアキ。彼が手掛けた下関よさこい連のサポートも得、盛り上がりは必至であろう。

やっとここまで来た。ずっとこのままがんばってほしい!ますますの活躍を期待する。

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田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

CDの販売はコチラ⇒amazon 

amazonのロック・チャートで初登場38位。ナント、エアロスミスと同位だって!やっぱマリア様のおかげだね。「♪れりびー、れりびー」!

ジャケットにも注目してよ~!Shige Blogでメイキング・オブ・ジャケ写をアップしていま~す。

コチラ⇒田川ヒロアキ、ニュー・アルバム『アヴェ・マリア』ジャケット撮影

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(一部敬称略 ライブ写真:2012年12月1日 川崎市民プラザ~ふるさと劇場にて撮影) 31

2012年12月 6日 (木)

mintmints Love & mints Tour 2012 mintmints VS D_DRIVE <前編>

石原SHARA慎一郎率いるギター・インスト・バンド、mintmintsのサード・アルバム、『LOVE & mints』のレコ発ツアーはD_Driveがお伴した。東京公演のレポート。

エ?こないだの『YUKIちゃんのゲーム』編といい、『ALL PART CLINIC』といい、D_Driveの出番が多いんじゃないの、って?しょうがないでしょうね~、スゴイ注目度なんだから!

今日もギターのふたりは当然マーシャル!SeijiさんがDSL100+1960AXでYukiちゃんがTSL100+1960Aだ。

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「♪ティーラリラリラ」のメロディが印象的なイキいい「Hyper Driving High」でスタート。「♪ジャンジャン」で決めるポーズはファンならおなじみ。

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相変わらず息のピッタリあったツイン・リード!

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リーダーであり、D_Driveの頭脳であり…私は本当は彼も「おもしろ担当」だとニラんでいるんだが…Seiji

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珍魚落雁のスーパー・スウィーパー、Yuki
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まだ骨がくっついていないShimataro

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「だかどんばー(後出)」とよりへヴィに、よりクリスピーに…Chiiko

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「♪ジャゴジョジョ、ジャゴジョジョ」とみんなでリフを回して始まる「M16」。この曲のテーマはすごく独特で、いつもD_Driveっぽいナァって思うんよ。

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「M16」名物、真ん中のかけ合いのところ…今日はヤケに近いナァ…。

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アップテンポの「Mr. Rat Boots」が続いて…

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Yukiちゃんフィーチュアのバラード、「Unkind Rain」。

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「Peach Fizz」から激情型の「Lost Block」。

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「♪ゾンゾンゾゾンゾ」で大暴れする「Screw Driver」。

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Shimataroは手の骨が折れてたの。それでも痛みを隠して完璧なプレイに徹した。でもMCで言っちゃったのね、「骨折れてる」って。こういうアクシデントは格好のMCネタになるに決まってる。

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後半に入って、「Among the Distruction」。ピストルの形をした左手をこめかみに当てて曲紹介をするYukiちゃんがカッコいい「Russian Roulette」。

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Seijiさんが弾く、このギター・リフは日本の陰旋法を連想させるな。カッコいい。Areaみたいにバルカン風とかのメロディを入れてもカッコよさそうだな、D_Driveは。

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D_Driveのテーマ・ソング的「Cassis Orange」と「Over REV」を続けてプレイして出番を終了させた。

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ギターふたりのめくるめくようなテクニックに酔うのはもちろん正当なD_Driveの楽しみ方なのだが、見落としてはいけないのはそのリズム隊だ。Shimataroの豪快にして細心なプレイやChiikoの繊細なドライブ感も十分に味わうべき。ってみんなわかってるか…。

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このふたりも 青山純+伊藤広規のような名リズム・セクションになってもらいたい。

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私はリーダーのSeijiさんとはずいぶん前からの仕事仲間でしてね、そんな関係でD_Driveのライブも大分前から見てるんだけど、ホント、目に見えてお客さんの数が増え、確実に熱狂度が増してる。

自分たちの信じている音楽を好きにプレイして民衆に支持されるということは大変に難しいことだ。D_Driveが着実にそれを実行していることは本当によろこばしい。

デモンストレーターとしてNAMMに参加することも決定し、ますます活躍の幅が広がることは間違いない。もちろんマーブロではそのデモをレポートする予定。

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D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

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ところで、このハコ、前柵がなくてね~。今日の写真、後ろとステージ上手のSeijiさんの正面ちょっと横の20cm四方のスペースからだけで撮ったんよ~。シンドかった~!
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*****オマケ画像******

これはChiikoちゃんの手帳に記されたこの日のセット・リスト。出面帳を持ってるなんて案外几帳面?!(失敬!)しかも、譜面つき…「だかどんばー」とか「ば~ん」とか…やっぱり几帳面?!

Bang

つづく

(一部敬称略 2012年10月14日 Zher the ZOO YOYOGIにて撮影) 30

2012年12月 5日 (水)

ミート・ザ・リズム・セクション~A*I(青山純&伊藤広規)登場!

偉大なミュージシャンやバンドの自伝や評伝を読むことはとても刺激的だ。それも主人公が大きな業績を残している破滅型のキャラクターとくれば、尚更ドラマチックで読み応えがあるというものだ。

天才ジャズ・アルト・サックス奏者、アート・ペッパーの自伝、『ストレート・ライフ―アート・ペッパー衝撃の告白自伝(スイング・ジャーナル社刊)』はその代表といえよう。
アート・ペッパーはある悪癖により、人生の大半を刑務所と病院で過ごした人物だけにその生きざまはすさまじく、読みどころも満載なのだが、とりわけその中でとても印象に残った箇所があった。読んだのはもうずいぶん昔のことだし、現物が手元にないので正確に再現することは難しいが、概ねこういう内容であった。

あるレコーディングの朝、ヒドイ生活がたたり、例によって体調がすぐれず、ベッドから出てこないアートを妻(あるいはガール・フレンド?)が揺り起こし、こう話しかける。「アート、早く起きなさい!今日はレコーディングの日でしょ?スタジオでは世界一のリズム・セクションをあなたを待っているのよ!」…と。

世界一のリズム・セクションとは当時(1957年)のマイルス・デイヴィス・クインテットのリズム隊、レッド・ガーランド、ポール・チェンバース、そしてフィリー・ジョー・ジョーンズらのことだ。アートがイヤイヤ出かけたこの日のレコーディングが、ジャズ史に残る超名盤『Art Pepper Meets the Rhythm Section』となったというから歴史はおもしろい。

この話を知ってから「リズム・セクション」ってめちゃくちゃカッコいいと思うようになった。アメフトでいえばディフェンスってとこかな?強いチームは絶対にディフェンスが優秀だ。どんなにオフェンスが点を取ってもディフェンスがアホだと試合で勝つことが格段に困難となる。

『七人の侍』で島田勘助兵衛がお百姓さんに向かっていうでしょ?「守るのは攻めるより難しいでナァ…」と。

だからリズム隊は重要なのだ!…と強引に結びつけておいて…。

海外では有名なリズム・チームがたくさんあるでしょ?ロンとトニーとか、ロッコとガリバルディとか、でも、日本ではあまり聴かないのが実情でしょう…このふたりを除いては…。

青山純。

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伊藤広規 。

山下達郎のリズムを長年にわたり支えた日本のリズム・セクションの最高峰だ。

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広規さんは達郎さんのツアーではいつも1992SUPER BASSのフル・スタックを使用する日本を代表するマーシャル・ベーシスト。

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今年の6月にはイギリスのマーシャルの工場にも行った!

このあたりはコチラを参照していただきたい⇒Relaxin' in London 伊藤広規、ロンドン・タウンを往く

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今年も10月にはいわき市の『街かどコンサート』で素晴らしい演奏を聴かせてくれた。このコンサートはマーシャルも協力している。近日ここマーシャル・ブログでその模様をレポートする。

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さて、今日の本題…その日本を代表するリズム隊のCDがとうとうこの世に現れた!本日、2012年12月5日発売!

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それがこの『A*I』だ。「アイ」ではござらん。「エーアイ」だ。ベースとドラムのデュオ作品がベースとなった驚異の音世界!スゴイよ~!鳥肌だよ~!私も「万」単位でレコードやらCDやら聴いてきたけど、こんなの以前に聴いた記憶がないな。

ベースとドラムだけチョコチョコというのはありますよ。例えばザッパの『Sheik Yerbouti』の「Rubber Shirt」とか。パトリック・オハーンとテリー・ボジオのヤツね。これはこれでまたスゴイことをザッパはやっているんだけど、意味は違えどこうなってみるともはや『A*I』の方がスゴイかも…。

光栄にも写真とライナー・ノーツは私めが担当させていただきましたが、音源が送られてきたとき、マジでA&Rの人に「音源間違えていないですか?」と電話しちゃったぐらいなんだから。だってベースとドラムしか入ってないんだもん!

迫りくるアオジュンのバスドラと空前絶後のグルーブにまるでソニー・ロリンズのソロのように尽きることなくフレーズがつながっていく広規さんのベース!

ジャケットも凝ってる。

レッド・バージョン。青山カラー。

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裏面はこんな感じ。タテ書きだ!

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こちらはパープル・バージョン。広規カラー。

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裏面はレッドになる。…というのは大げさで、ケース(サック)に穴が開いていて、中身を表裏にひっくり返して楽しむことができるのだ。

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中身はこの通り。2枚組の大作だ。

1枚目は青山さんのご自宅で録音した青山さんと広規さんの完全デュエットにプロデューサーのホッピー神山が手を加えたもの。そして、2枚目は、ゲスト・ミュージシャンが好きな音源の好きな箇所を選び音を重ねたリミックス・バージョンだ。

ゲスト・ミュージシャンは、宮崎禎男、難波弘之、Banana UG、森園勝敏、重美徹といったA*Iのふたりにゆかりのある面々。いずれも才気あふれるミュージシャンたちだ。

ジャケット中央部にはナント、小島剛夕(ごうせき)先生のイラスト!

デザインは前作同様、やましたみか。

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これが広規さんの前作『Relaxin' at IWAKI ALIOS』。昨年の『街かどコンサート』の演奏を収録したライブ盤。

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さて、制作に先だって、青山さん、広規さん、他スタッフが一堂に会し、このアルバムを振り返ってみることになった。場所は高尾。この素晴らしい庭園に面した和室でおいしいものを食べながら、アルバムの聴きどころや裏話を白日のもとにさらすという企画。そのネタをベースにライナー・ノーツも執筆された。イヤ、させていただきました。

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プロデューサー、音楽王・ホッピー神山。ホッピーさんの『A meaningful meaningnessless(ママ)』は私の大愛聴盤だ。

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まずはおいしいものいただいて…と。

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ここで話し、聴いたことの大事な部分は『A*I』のライナー・ノーツに記しておいたので、是非実際のCDでご確認いただきたい…なんていうと、ライナー目当てにゲットしてくださいと言っているようだが、トンデモナイ!

スリリングな青山さんと広規さんの火花が散るような決闘、それに油を注ぐホッピーさん。驚異の演奏をタップリとご堪能いただきたいと思う。

この座談会の撮影の詳しい様子はコチラでご覧ください⇒Shige Blog 『青山純&伊藤広規『A*I』のライナー・ノーツと撮影』

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これは広規さんが継続して展開しているチャリティ・バンダナの新色。特に赤は今回の『A*I』の発売記念に製作された。

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チャリティ・バンダナはロンドンでも大活躍!ちょっと銀行行ってきます。

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マーシャルのジョン・エラリー社長も紫のを持ってる!

ライブ会場などで取り扱っているので是非記念にお求めください。売上金は東日本大震災のチャリティに充当されます。
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さて、『A*I』の発売を記念したイベントが12月9日、ディスクユニオン御茶ノ水駅前店で開催される。青山純、伊藤広規、ホッピー神山によるトーク&サイン会だ。詳しくはコチラ⇒ディスクユニオン公式ウェブサイト

CD『A*I』の詳しい情報はコチラ⇒ULTRA VYBE公式ウェブサイト
伊藤広規の詳しい情報はコチラ⇒伊藤広規公式ウェブサイト

ホッピー神山の詳しい情報はコチラ⇒HOPPY KAMIYAMA × GOD MOUNTAIN

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(一部敬称略 2012年10月23日 一部を除き高尾にて撮影) 29

2012年12月 4日 (火)

クルベラブリンカと究極の楽師達@東京キネマ倶楽部はちょっぴりテラローザです~クルベラブリンカ編

さぁて、『クルベラブリンカと究極の楽師達@東京キネマ倶楽部はちょっぴりテラローザです』も後半に入り、クルベラブリンカの出番がやってきた。おとなしく出番を待つ5人。

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先代ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンのカッワーリーに導かれてクルベラブリンカが舞台に上がった。パキスタンではこの宗教音楽を聴きながら昇天するのが至高の幸福とされているらしい。クルベラブリンカもメタルのカッワーリーを目指しているのだ!

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1曲目からいきなり新曲をしかけてきた!「宇宙は滾(たぎ)れ」という曲。

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赤尾和重

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鈴木広美
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山崎浩一
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岡田英之
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泉谷賢

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こんな未発表のキラー・チューンを冒頭に持ってくるとは!Rainbowの初来日の「Kill the King」を思い出すゾ!誰も知らないけど、とにかくカッコいいのだけはわかる!…みたいな。
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クルベラブリンカのこのライブへの意気込みがうかがえるてェもんだ!「たぎれ!たぎれ!」が「Take it, take it!」にも聞こえなくもない。もちろん新曲Take Awayさせていただきます!

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2曲目はファースト・アルバムから「だれも」。

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「誰もいないネバーランド」…へヴィなブギに重い歌詞。クルベラブリンカの魅力爆発だ。3連の曲が最近はほとんどなくなってしまった、とレイブンさんもかつておっしゃっていたが、まるっきり同感。若い人たち、「ブギ」っていうスタイルをもしかしてもう知らないのかもしれないね。

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3曲目は「太陽」。大好き。しっかし、このギター・リフはスゴイ。ディミニッシュ炸裂!

ジャズではディミニッシュ・コードって「パッシング・ディミニッシュ」といってI→I#dim→IIm7みたいにコードの流れをスムーズにするために使われることがほとんどなんだけど、ロックはもうコレ単体でいっちゃうよね。特にメタル系のバンドではこれを多用していることが多い。してみるとですよ、へヴィ・メタルという音楽のひとつの特徴はディミニッシュにあり!と言えるのかもしれない…なんてことを想起させてくれるリフだ。コレって誰が大っぴらに取り込みだしたのかね?

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いっつぁんのベース・ソロ。問答無用にストレートなプレイが気持ちいいぞ!

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そして新曲「Zulu Suit」が続く。これもクルベラブリンカらしい曲だ!

ステージ下手で思いっきり暴れまくった岡田英之。クルベラブリンカにはこの人の音が必要だ。

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緩急自在にクルベラブリンカをプッシュしまくったボンちゃん。
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そして、バラード「砂山」。シャウトしまくるCazはもちろんだが、こうしてジックリと感情をこめて歌い上げていくサマも素晴らしい!

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ギター・ソロを挟んでこれまた新曲「帳(とばり)」。

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本編最後は「業火」だ。

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今日は結局3つの新曲が演奏された。そして、それらの3曲はすべて2月20日に発表される8曲入りの待望のセカンド・アルバムに収録される。

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ニュー・アルバムのタイトルは『KAIZU』。今日演奏された3曲以外もKruberablinka独特のサウンドが詰め込まれていることであろう。楽しみ!
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さらに、そのレコ発も決定している。2月16日(土)大阪あべのROCKTOWN。で、このライブのオープニング・アクトを務めるのが「世界一静かなへヴィ・メタル・バンド、ズンコ

バンドといってもボーカルとギターのデュオなのだが、もだん・ぎたーというギタリストがまたゴイス。フルアコをJMP2204につっこみ、ゴロゴロゴロゴロ、巨岩が転がり落ちてくるよう(『インディ・ジョーンズ』のアレね)なプレイが圧巻だ。是非、このカードの東京公演も実現してもらいたいものだ。

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Kruberablinkaの詳しい情報はコチラ⇒Kruberablinka facebook

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そして、スペシャル・ゲスト、Jillこと岡垣正志がステージに上がった!ここからテラローザ!

荘厳なキーボード・ソロからスタート。

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ギターが三宅庸介(三宅さんの出番はコチラ)にスイッチした。

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曲は「もの言わぬ顔」。三宅さんのソロが鶯谷から谷中、根津、千駄木、上野、下谷、あたりまでこだまする!入谷の鬼子母神さまもビックリだ!

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楽しそう!やっぱり昔の仲間っていいもんだよね~。

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これ、ステージの上です。演奏直後のふたり。いかにいい雰囲気だったかがおわかりでしょ?

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三宅さんからYOUさんにギターが替わる。

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「5」と「1」…「5」と「1」とYOUさんにしきりにサインを出すCaz。後ろでいっつぁんが笑ってる!

これ年齢の話し…。全然ヘッチャラ!Cazさんはマーシャルよりひとつ年上なのね…ってなもん。しかし、歳とロックというものは全く関係なくなったね。「まだやってる」とか「いつまでやる」とか、そんなことまったくロックとは無関係になった。もちろん、体力的な問題は避けられないな…これはしょうがない。今の巷間の音楽を見ていると、間違いなく年配組(チョットごめんなさい、他にい言葉が浮かばなかったの!)の方が器楽演奏の技術ははるかに上だと思うしね。当分抜かされることはない。いいバンドにはいつまでもいつまでも活動してもらいたい。

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曲は「I Will Love You Again」。

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そして、ギターが鈴木広美に戻り「Beware」を演奏。

しかし、岡垣さんの様式美は素晴らしい。本当にこういう分厚いキーボードが入ったバンドがなくなったよな~。イヤ、全くないワケではないのだが、新しい人たちが出てこないような気がする。いいもんですよ。

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そして、最後はクルべラブリンカのファースト・アルバムから「Don't be so Mad」。取っておいたナ~?!コレがやりたかったのか~? スリリングに展開するファ-スト・アルバムのキラー・チューンに観客は大よろこび!

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しかも、岡垣正志を加えたスペシャル・バージョン!

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ツイン・キーボードってののいいもんだ。ゴージャス感満点だよね!

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4時間近くに及ぶ長大イベントとなったが、三者三様、最高のパフォーマンスでひと時も飽きることがないいいコンサートだったな~。カメラ重くてちょっと腰がシンドかったけど…撮影は歳が関係するな…。

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(一部敬称略 2012年10月13日 東京キネマ倶楽部にて撮影) 28