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2012年12月25日 (火)

FoZZtone 『Pageant : Keller Water 完成披露会』

前のマーシャル・ブログに頻繁に登場してくれたFoZZtone。もちろん今回のマーシャル・ブログにも快く登場してくれた。

今年7月に発表されたニュー・アルバム『INNNER KINGDOM(内なる王国)』を引っ提げたツアーも大成功のうちに完了…。

Cd

それに続く、今日レポートする東京キネマ倶楽部での公演は特別なものとなった。

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ステージにはさまざまな色の布がはためく。ウェブサイトには事前にこのことが知らされ、「当日は出来るだけカラフルなお洋服でお越しください」とアナウンスされた。

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メンバーは変わらない。

渡會将士

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竹尾典明
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菅野信昭
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サポート・ドラマーの武並"J.J."俊明。
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竹ちゃんと相棒。

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彼はいつでもどこでもジミ・ヘンドリック・シグネチャー、SUPER100JHを使用している。このモデルは1966年に製造されていたKT66 をパワー段に使用した最後期の1959だ。リファレンスとなった実際にジミ・ヘンドリックスが使用していたSUPER100の写真が12月12日に発売された『Marshall Chronicle』に掲載されている。
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さて、FoZZtone。今回ライブは『Pageant : Keller Water 完成披露会』と題された。

「Pageant : Keller Water 完成披露会」?って、もうCDは出ちゃってるし、この曲はとっくの昔に完成してるんじゃないの?

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このライヴは先に紹介した『INNER KINGDOM(内なる王国)』の“Disc mental”に収録された組曲「Pageant : Keller Water」を再現し、CDでは抜けている第三部もここで披露するという企画なのだ。

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それにしてもいろんなことをするバンドである。オーダー・メイドのCDを制作したり、リスペクトするバンドの曲を集めたライブを開催したり、他のバンドがやらないことをいつも考え、前進しようとする姿が実に好ましい。

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それとこのバンド、コンセプチュアルなところが素晴らしい。ストレートでわかりやすい佳曲を提供するかと思う一方、とても理屈っぽい。もちろんいい意味でだ。それがFoZZtoneの大きな魅力だと思っている。

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ただワイワイ騒ぐだけがロックじゃあるまい。「考えるロック」があってもいいじゃないか。もちろんFoZZtoneが聴き手に「考える」ことを強要しているとは思わないが、明らかに他のバンドとは違う大きな「何か」を持っていて、その「何か」がこうしたコンセプチュアルな姿にあることは間違いないのだ。

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入場時に配布されたプログラム。渡會画伯のイラストと「Keller Water」の4部にわたるストーリーが語られている。だから、こういうところがいいっていうのよ。

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「prologue」のSE。そして、何の前情報もなく本番に臨んで驚いたのは、いきなりアイリッシュ!「ん~、FoZZtone、そう来たか!」とちょっと驚く。

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「Keller Water」の再現がスタートした。「Discommunication Breakdown」、「Keller Water」。「Discommunication Breakdown」か…。先人へのリスペクトを忘れないFoZZtoneらしいタイトルだ。「Keller Water」、いい曲だ。

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これで1部終了。場面の移り変わり時にはSEが流れる。観客はジッと聞き入るばかりで拍手すら起こらない。これでいいのだ。

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そういえば、前回の『New World』の時もそうだった。ジッと聴き入るコンサート。昔はみんなこうだった。滅多に見ることのできない英米のバンドの音をただの1音も聴き逃すまいと、2時間、身じろぎもせずかじりつくようにしてステージを見入ったものだ。ステージの音楽も十分にそれに値するものであった。この日、プレス・ピットから見たお客さんたちの表情はまさにコレだった。

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第二部に入って「Crocodile bird reaction」、「Planaria fever」…
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…「El Condor Pasa」、「your song for new morning」と多彩な曲が続く。

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そして、第三部に入って演奏されたのが何と、キング・クリムゾンの「21st Century Schizoid Man」。会場は私より25歳若いぐらいじゃ収まらないお客さんで埋め尽くされていたが、みんなコレ聴いてどう思ったかな?おそらく初めて聴いた人ばかりだろう。FoZZtoneの曲だと思ったかしら。14か15歳の時にラジオで初めて聴いた時、アタシャ大変なショックを受けましたよ。会場のみんなは「変なキョク~」って思ったろうな~。
そして、既出曲のバリエーションを挟んで「21st Century Schizoid Man」に戻るという演出そして「professional car」につなげた。

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第四部は「african diabolo」からスタート。全員のパーカッション・アンサンブルが登場!

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しっかしホントにいろんなことやるわ~。
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ワッチのキーボード弾き語りから導かれる「africa」。

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そして、そのままクライマックスへ!

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色とりどりのテープが会場を舞い、1時間10分に及ぶ大作の再演が終了した。

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アンコール時にはワッチがひとりでステージに現れ、CD には収録されなかった第三部を演奏したことを説明して「ただいまをもちまして、完成とさせていただきます。ゆえに、『完成披露会』ということです」と宣言。会場が割れんばかりの拍手に包まれた。いいネェ~!「音楽を聴いた」って感じがするわ。

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そして、お約束のノリノリのアンコール!「blow by blow」、「LOVE」の2曲を演奏。
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竹ちゃんがサブ・ステージに上がり会場を盛り上げる!
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毎回MCコーナーで自然な笑いを取る菅ちゃん。もくもくと演奏する姿はいつも通り、ベースマンそのものだった。

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切れ味鋭いドラミング!サポートとはいえ完全にFoZZtoneの音楽一部と化しているJ.J.。以前は汗ビッショリで大変ことになったからね。今日の衣装は大丈夫そうだ。

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ダブル・アンコールでは「Mother Rock」をプレイして大興奮のうちに幕を下ろした。

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今FoZZtoneがナニを考え、次にナニをしでかしてくれるのかが楽しみになのであ~る!

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FoZZtoneの詳しい情報はコチラ⇒FoZZtone Official Website

 

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(一部敬称略 2012年10月27日 東京キネマ倶楽部にて撮影)