【50 YEARS OF LOUD LIVE】vol.2~Doug Aldrich, Tim "Ripper" Owens, Nicko McBrain
<Vol.1よりつづく>
2番手のギタリストはDoug Aldrich!ハウス・バンドはそのまま居残りでフロントが入れ替わる「マーシャル祭り方式」。(あ、この名称は勝手に自分で言っているだけです…。知ってる人にはこの方が早い)
Doug Aldrich(ダグ・アルドリッチ)
ボーカルはTim "Ripper" Owens(ティム・リッパー・オーウェンズ)。
もちろん、出演するギタリスト全員がこのコンサートに一方ならぬ思い入れがあるハズだが、ダグのそれは特に熱いものだったようだ。
以前マーブロで紹介した、このコンサートに寄せたダグの言葉を見るとそう思わざるにはいられない。
ダグのマーシャル。キャビネットは両方1960BX。ヘッドはYJM100とJVM410H。主にYJM100を使用していたようだ。
1曲目はBlack Sabbathの「Heaven and Hell」。
「♪Sing me a song, you're a singer」…以前にも書いたけど、昨日のリハーサルで聴いた時からこれがもう頭にコビリ付いちゃって!
リハをいっしょに見ていたサンチャゴも同様で、気が付いてみるとお互いコレを歌っている。何とか断ち切ろうとして歌わないようにして忘れていると、サンチャゴが歌っていてまたこっちも歌いだす…というピンポン感染状態で、もう苦しいやら、おかしいやら…。やっぱり名曲というものは恐ろしいパワーを持っているものだ。
実は私はブラック・サバスに夢中になったことがなくて、極初期の作品しか耳にしたことがなかった。
恥ずかしながら初めて聴いたのが2010年にロンドンで開催された「High Voltage」というロック・フェスでのこと。すでにハイ・ボルテージのことは新旧マーブロで何回か触れているが、これは初めて書く。
このフェスは「ロニー・ジェイムス・ディオに捧げる」と副題され、出演したHeaven & Hellが大きな喝采を浴びていた。
そこでこの曲が演奏されたのだが、会場にいた数万人の観客があのリフを大合唱したのだ。それが印象的でまずはリフが頭に叩き込まれてしまったというワケ。
もちろん、ダグも当のロニーとこの曲を演奏していたワケだから、感情の込め方たるや尋常ではなかろう。
そういえば、来日したZappa Plays Zappaの女性マネージャーが「この日本のツアーでZPZは終わりなの。次はHeaven & Hellにつくのよ」なんて話していたのを思い出すな。
相変わらず素晴らしいダグの情感豊かなプレイ。
感極まってブチかますオーバーベンドがタマらない。
「I can't hear you!!」と観客をあおるリッパー。
普段着姿の昨日のリハとはエライ違いだ!ものスゴイ声!
3曲目はIron Maidenの「Flight of Icarus」。ホンモノのドラムだ~!1983年のシングル。PVではニコが顔を青く塗ったグリム・リーパー(死神)に扮している。
演奏に加わるNick Bowcott。こっちはホンモノのグリム・リーパーだ!
ハウス・バンドとして、ステージ総監督としてほとんど出ずっぱりのChris George。
ここに再びCorey Taylorが登場!
4曲目がJudas Priestの「Living After Midnight」。
もくもくと仕事をこなすマーシャル・ギター陣。
やっぱダグってストラトよりレス・ポールの方がいいね。音もそうだけど、見た目もダグにシックリくる。
盛り上がる観客を目の前に楽しそうなふたり。そう、全員がこのお祭りを心から楽しんでいる!
それにしても完璧なダグのプレイ。歌を歌うかのようなフレーズと独特な美しいフィンガリング・フォーム、図太いマーシャル+レス・ポール・サウンドでロック・ギターかくあるべし!を見せてくれた。
今後のダグの活動がますます楽しみになった!
つづく
(敬称略 2012年9月22日London Wembley Arenaにて撮影)