先日、埼玉へ行った際に氷川神社を参詣した。
どうせなら晴れた日にお邪魔したいところなんだけど、滅多に来るチャンスがないので仕方ない。
でもね、雨の日の参拝は「洗い清める」と言って悪いことではない…ともされているんよ。
この大宮の氷川神社は武蔵国の「一宮(いちのみや)」なのね。
いつかもやったように、一宮というのはその地域で最も格の高い神社のことで、国司というエライ人が一番先に巡拝する先なんだね。
「〇〇国一宮」という言い方をして「あ、ウチ、一宮ですから」と、その格式の高さを表す。
ご存知の通り、東京は昔「武蔵の国」といってたでしょ?だから東京の一宮はこの大宮の氷川神社ということになる。
そんな大きなお宮があるところだから「大宮」…氷川神社の門前町として栄え、中山道69次の5番目の宿場町としてさらに繁栄を続けたのが大宮という街。
それと、武蔵の国に関しては多摩の「小野神社」というのも一宮になってるな。
なんで2つあるのかは知りません。
同じように他の有名な一宮を見てみると…
例えば安芸国(広島)はやっぱり厳島神社じゃん?ココは何度行っても素晴らしい。牡蠣は苦手だけど。
信濃国(長野)は御柱祭りで有名な諏訪大社ですよ。
相模国(神奈川)は交通安全で名高い寒川神社。アソコ、行くの大変なんだよね。
出雲国(島根)は当然、出雲大社。高校の修学旅行で行った。
伊勢国(三重)はダントツで伊勢神宮だと思うでしょう?ところがドッコイ、鈴鹿の椿大神社(つばきおおがみやしろ)なんだな。ココは全国にある猿田彦神社の「元祖」を伊勢の当の「猿田彦神社」と争っている…ということをご存知の方は相当Marshall Blogを熱心にお読み頂いている方に違いない。
境内でこんなものを発見。
「戦艦武蔵の碑」…埼玉には海も無いのにナンでやねん?
先に理由を書いておくとですナァ、戦艦武蔵の「武蔵」は「武蔵一宮」の「武蔵」で、艦内の神社は「氷川神社」の分社だったそうだ。
碑によると、「広島の呉で就航式が行われ、氷川神社から6人の神職が出向き、式が執り行われた」とある。
アレ?
武蔵は大和と基本的に同じ戦艦だけど、呉の海軍工廠で作られたのは大和では?
そして、武蔵は三菱重工業長崎造船所で建造されたハズ…と思ったんだけど、竣工式だけは海軍の施設ということで海軍工廠があった呉でやったんだね、きっと。
ちなみに、横浜港の山下公園の傍らに浮かんでいる氷川丸ね。知ってるでしょ?
昭和5年に建造された氷川丸は、唯一現存する戦前の貨客船として国の重要文化財になっているですよ。
戦時中には病院船として運用されて幾多の危機を乗り越え、終戦直後は引き揚げ船として活躍。
昭和35年まで北太平洋航路で運航を続け、ナント、238回も太平洋を横断した超働き者なのです。
で、この「氷川丸」という名前もこの大宮の氷川神社に由来しているそうだ。
ブリッジの神棚には氷川神社の祭神が勧請されているんだって。
子供の頃は何回も中へ入ったものだけど、もうずいぶんご無沙汰だナァ。
こういう歴史を知ると俄然、興味津々。
今度、横浜に行った時にこのあたりを踏まえてジックリ見てこようかな。
さて、戦艦武蔵。
下がありし日の武蔵…か、大和か…。
インターネットなんかでは同じ写真で武蔵だったり大和だったり。基本的に同じ戦艦だったのでムリもないが、双方、連合艦隊の旗艦(これがホントのフラッグシップ)で世界最大級の超弩級戦艦だった。
当時の日本の科学技術の粋を結集した鉄壁の設計で、「絶対に沈まない不沈艦」というのが最大の特徴だった。
攻撃力に関しても世界最大にして最強の46cm砲を3基備えていた。
コレ、どれぐらいの威力だったかというと、子供の体重ほどの爆薬を積んだ普通車が40km先の標的まで正確にスッ飛んで行くイメージだとか。
何しろ砲弾を撃つ瞬間、何かの物陰に隠れずに傍にいると、爆音で内臓が破裂してしまうというのだから、Marshallの爆音など可愛いものだ。
しかし、武蔵や大和に搭載された46cmは、「軍艦vs.軍艦」を想定したもので、射程距離の長い大砲を積んで、なるべく遠くから敵艦を攻めるというのが有効な兵法だった。
しかし結局、武蔵は軍艦に対しては1発も砲弾を撃ち放つことがなかったらしい。
また、大和も砲弾を敵艦に当てたことがなく、司令官が「ナゼ、命中しないのだ?!」と部下を叱責すると、部下が「敵艦が動くからであります」という信じられない言い訳をした…という話を何かで読んだことがある。
武蔵は国家的な機密で、三菱重工業の長崎造船所で秘密裡に建造された。
何しろ全長が263mもあって、ジャンボジェット機を3機並べたのと同じぐらいの大きさで、作っている時は誰も全体の姿を見たことがなかったという。
また他で作ればいいのに、長崎にはアメリカやイギリスの領事館があったため、棕櫚(ヤシの木の葉っぱみたいなヤツね)で作ったムシロで製作現場をスッポリと覆い隠した。
何しろ巨大な艦船ゆえ、そのムシロに使われる棕櫚の量も膨大で、一時期には日本にあった棕櫚のすべてが長崎に集中したという。
それだけデカい施設ゆえ、地元の人たちはそのムシロの中で「バケモノを作っている」と言っていたそうだ。
ハイ、また得意の吉村昭先生。
戦艦武蔵についても書いていらっしゃるので興味のある方はどうぞ。
吉村さんでもう1冊。
小説は「取材7割、書くは3割」なんて言われているでしょ?Marshall Blogですらそれに近いことをやっている。
寿司じゃないけど、何せいい内容はネタが命なのだ。
で、吉村先生は小説の下地となった取材の内容も何冊かの本にしていて、コレがまた滅法面白い。
下の『戦史の証言者たち』というのもその内の1冊で、『戦艦武蔵』を書く時に取材した武蔵の進水式の時の様子が、「進水の神様」の異名を取った大宮さんという方へのインタビュー形式で収録されている。
とにかく前例のないデカさだし、秘密にしなきゃいけないし…で苦労が絶えず、武蔵が長崎港に浮いた瞬間、みんな感激の涙を流したのだそうだ。チョットここで脱線。
前の文章で「超弩級」という言葉を使った。
下は1906年に進水したイギリスの軍艦。
名前を「ドレッドノート」という。
英名は「HMS Dreadnaught」というが、いつかもやったけど、「HMS」は「His(またはHer) Majesty's Ship」の略。
「His Majesty」の「His」とは、この時のイングランドの君主ジョージ5世のこと。
今なら『Abbey Road』でおなじみの「Her Majesty Ship」となり、当然エリザベス2世女王のことを指す。
で、「Dreadnaught」というのは「Dread=恐れ」が「naught=ゼロ」、すなわち「恐れ知らず」という意味で、実際に当時は世界で最も強力な軍艦だった。
その強さたるや「超弩級」!
そう、この「超弩級」の「弩」はカタカナで「ド」と書くこともあるけど、この「ド」は「ドレッドノート艦」のことなんだね。
すなわち、「ドレッドノートよりマジでスゲえ!」というのが「超弩級」の意味。
まさに大和や武蔵は「超弩級」だったワケ。
そして取り出したはこの形のアコースティック・ギター。
CF Martin社が開発した「D」と呼ばれるこういうボディ・シェイプことを「ドレッドノート」って言うでしょ。
「D」は「ドレッドノート」の「D」だから。
上のドレッドノート艦をタテに輪切りにするとこういう形になるんだってよ。
だからこの形のことを「ドレッドノート」というのだそう。
あ~あ、ドレッドノート艦が輪切りになっているところを見てみたかったな~。
さて、もう一度戦艦武蔵に話を戻して今日のオープニング・トークを締めくくることにしよう。
超弩級の不沈艦武蔵は昭和19年10月にフィリピンのシブヤン海というところで、5度にわたるアメリカ戦闘機の猛攻撃を受け、発された1発の魚雷がドテっ腹に命中した。
それぐらいでは何でもなかったハズだったのだが、艦の重要機能を守っていた装甲板がめくりあがり、海水の抵抗を受けスピードも出せず、大海原の真ん中で逃げも隠れもできず、さりとて自慢の46cm砲は戦艦を責める時に使うモノなので役にも立たない。
4度目の攻撃に米軍は100機もの戦闘機を送り込んだそうだ。
そうして武蔵は海のサンドバッグと化した。
戦争はもう完全に飛行機でする時代に変わっていたのだ。皮肉にもこのことを教えたのは真珠湾を空爆した日本海軍だったという。
かくして2,399人を乗せた武蔵は大きく艦体を傾けフィリピンの海の暗闇に消えて行った。
泣いて騒ぐ者、お母さんの名前を呼んで助けを求める者でそれはそれは悲惨な最後だった。
そうして生還した者は全部で430人。
その後、彼らは陸上線に送り込まれて結局ほとんどの人が命を落としたのだそうだ。
そんなバカな!せっかく命拾いしたのに…丸っきりの犬死だ。
今日のような若いバンドさんを扱う記事は若い人が見る機会もあるだろうと、故意に戦争に関する文章を掲載した。
ひとりでも多くの若者が戦争の悲惨さや愚かさを知って、日本では学校で戦争のことを教えないので、興味を持ったら自発的に勉強し、同じ過ちを犯さないようにひとりひとりが意識を高めてくれることを期待する。
まずは必ず選挙に行きましょう。
そしてやってきたのはおなじみ西川口Hearts!
今日は『激突!!SAITAMMER SLAM 第47戦』というハード&メタル系のバンドが集まるイベントなのだ!
トップで登場したは4人組のガール・バンド、Olivia Sugar。
LISA
mia
Eli
Ray
ガッツのあるハードロック・サウンドでドカンとイベントの滑り出しを盛り上げた!
Olivia Sugarの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEBSITE
続いては静岡から参加のBOOTS WALKER。
前のバンドとはガラリと変わって…
男のニオイがプンプンの…
トリオ・ハードロック・ミュージック!
やっぱりロックは肉食でいい!
BOOTS WALKERの詳しい情報はコチラ⇒Official Twitter
3番手はCerveteri。
「チェルヴェーテリ」というのはイタリアの地名か…。
Hina
Isao
hiro
kazuma
2018年1月結成という新しいチームながら、絶妙のアンサンブルでハードなサウンドを聴かせてくれた。
Cerveteriの詳しい情報はコチラ⇒official website
続いてはHeaven's Crow。
HINA
SHUN
GAKU
Kusama
kaito
偶然ながらもMarshall Blogには2回目の登場となるHeaven's Crow。
こうなるとすごく親近感が湧くから不思議なものだ。
相変わらずの小気味のよいストレ―トなロックンロール。
先日D_Driveのインタビューが出ていたので「Burrn!」の姉妹誌「METALLION」をめくっていたらHeaven's Crowが紹介されていてチトうれしかった。
HEAVEN'S CROWの詳しい情報はコチラ⇒official website
さて、今日の記事のタイトルにある、生まれ変わったIOSISがステージに上がった。
鷲塚真志
真壁雄太
雄太くんのシンボル、Marshall Silver Jubileeのハーフ・スタック。
颯(はやて)
颯くんはEDEN(イードゥン)のTerra Nova TN501を使用。
同じくEDENのプリアンプDI、WTDIも愛用している。
瀧村 和也
和也くんはNATAL。
アッシュのホワイト・スワール。
今日のバンドさん全員に使ってもらったキット。
さて、新生IOSISはどんなかな?
オープニングは以前のメンバーと吹き込んだデビュー盤に収録されていた「Never Look Back」。
雄太くんのソロ炸裂。
2曲目もかッ飛ばして「Freesia」。
先回のベーシストはトラだったけど颯くんは正式メンバーとして参加している。
19歳か?今年20歳か?
いわゆる「若さあふれるプレイ」。若いってのはヤッパリいいもんだね。
今回初めて拝見した和也くんのドラミング。
思った以上に折り目正しいプレイ。
素早い手の動きが素晴らしい。
コチラ、相変わらずのシュレッディング三昧!
まぁ、指がよく回ること、回ること!
「改めまして明けましておめでとうございます!IOSISです!
久しぶりのHeartsです。前回とはメンバーは替わりました」…と、ココでメンバー紹介。
おう、そういえばギターも換わったな。
三宅庸介、島紀史と同じ黒いストラト…お、おい!まさか大谷一門に入ろうとしているんじゃないだろうなッ!?
3曲目もCDに収録されている「Cold Dusk」。
コレもまた聞く者に息をつかせぬスピード・チューン。
拓也くんの素早いストロークがモノを言う!
この2人のコンビもバッチリだ。
可愛がってるんだネェ。
何しろ同じ学校の先輩後輩だからね。
とにかく弾きまくる雄太くん。
新しいメンバーでの再スタートをとても楽しんでいるようだ。
4曲目は「Love Bite」。
短い挨拶を挟んで「Forever」で持ち時間を使いきった。
ま、ハッキリ言ってしまうと、昨年の5月4日に同じ場所でお披露目した内容とほぼ同じだったのだが、ガラっと変わったね~。
リズム隊が変わるとこんなにも違うなんだね~。わかっちゃいるけどね。
今後もいいオリジナル曲をジャンジャン作って仲良くガンバってください。
IOSISの詳しい情報はコチラ⇒Official Twitter
SAITAMMER SLAMもいよいよトリを迎える。
しかし、47回ってスゴイよ。
いつも言っているけど、何事も「始める」のはそうムズカシイことではない。
「続ける」のは「始める」の何十倍もムズカシイからね。
このステッカーを見ると「10TH ANNIVERSARY」とある。
10年続けるってのは並大抵のことではないですよ。
ま、我がMarshall Blogも昨年丸10年を迎えましたけどね。
『激突!!SAITAMMER SLAM 第47戦』のトリを飾ったのは…
HELLHOUND!
Crossfire
Lucifer's Heritage
Blackwind
Mountain King
十字砲火、魔王の遺産、黒風、山王…皆さん、スゴイお名前だな~。
どれもバンド名かアルバム・タイトルみたいだ。
2002年結成の大ベテラン。
昨年の6月にリリースした『THE OATH OF ALLEGIANCE TO THE KINGS OF HEAVY METAL / 鋼鉄の軍団』も大好評だ。
Crossfireさん曰く、「メタル鏡開き」!
まさに鋼鉄の餅が粉々に飛び散るかのようなメタル・パフォーマンス。
やっぱりこういうロックとMarshall…人類にはコレが必要なんだ!
リリースした全アルバムがワールドワイド・ディストリビューションされている。
スゴイことだ。
そして、2004年と2008年にはドイツのメタル・フェスティバルの舞台に上がっているだけあって、奥の奥までキチっとした演奏が実に気持ちいい!
Crossfireさんの「コレでもか!」とばかりの至れり尽くせりのステージングが深く印象に残った。
またヘビメタ・ブームが来るといいですな~。
5バンド出演とだけあって、「コリャ長くて年寄りにはシンドいぞ~」と正直思ったけど、アッという間に終わっちゃった楽しいイベントだった!
HELLHOUNDの詳しい情報はコチラ⇒HELLHOUND OFFICIAL SITE
(一部敬称略 2019年1月12日 西川口HEARTSにて撮影)