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2019年2月 2日 (土)

レコードだ!CDだ!やっぱりモノだよ、モノ!


今日のタイトルにある「モノ」はステレオとかモノラルとかの「モノ」ではなくて、「物」ということね。
昨秋に導入したSpotifyが「便利」だの、「ラク」だの言ってきたけど、その感想に変わりはない。
でも、やっぱりダメだね。
最初はヨカッタんだけど、私のような古い人間には「音楽」を聴いているような感じが段々しなくなってきて、ナント言うか…ウ~ン、一種の「事務機器」に接しているみたいな感じ?
「アレを聴いてみようか?」とか、「コレはどうなんだろう?」と未知の音源に興味を持ってアクセスしていたのは初めのウチだけで、今現在、音楽的な活用法といえば何のことはない、昔から愛聴しているレコードやCDを引っ張り出すのが面倒だからSpotifyを使って聴いている…みたいな?
イヤ、「引っ張り出す」より「片づけなくていい」の方がありがたいかな。
未経験のアルバムを聴いた時にしても、チョット聴いて波長が合わないと「あ、ダメだコリャ…」ともう1分も経たないうちに打ち切っちゃう。
昔はサ、大枚2,500円も払って買ったレコードでコレは絶対にできなかったよね。
ウチのレコード棚には1回しか聴いたことのないアイテムが山ほどあるけど、1分聴いて止めた…なんてのはさすがに1枚もない。
中学生の頃は、不幸にして好みではなさそうなレコードにブチ当たった時でも好きになるまで意地で聴いたもんだったし。
とにかくタダ同然の音楽って頭に入って来てくれないんだよね。
何かインターネットで調べごとをする時に似ている。
ウェブサイトで何か調べるのはものすごく便利なんだけど、すぐ忘れちゃう。
反対に本を読んで、付箋を貼って得た知識の方がはるかに頭に残る。
ま、この年なので1回でナニかを覚えることが若い頃に比べで難しくなってしまったけど、本からの知識の方がどこか有機的で価値のあるように感じる…そりゃ本を買っているからね。
やっぱり音楽と同じだ。
でもコレも年寄りの古い感覚なんだろうね。
では、若い人はどうか…。
実際に尋ねてみた。
CD等の音楽商品を買ったり集めたりすることに魅力を感じない世代の子だ。
「ストリーミングやってるでしょ?」
「はい、音楽はストリーミングで聴いています」
「フフフン、オジさんも最近そうしているんだよ。でもさ、もし自分の聴きたいヤツがストリーミングで見つからなかったどうするの?お金を出してCDを買うの?」
「いいえ、CDは買いません。もしストリーミングで聴けなかったら、もう聴きません」
「え…」
このことである。
素人&年寄り考えで、タダ聴けちゃうそういうシステムにどうして手塩にかけた自分の大切な音楽をタダ同然で公開しちゃうのか不思議に思っていたけど、こういうことなのね。
そういう媒体に顔を出しておかないと、一生誰の耳にも止まらない可能性が高いんですよ。
とどのつまりはほぼ音楽でお金で取れない…ということじゃんね。
「オッサン、今頃ナニ言ってんだ?」と呆れられそうだけど、コレも実際にSpotifyを導入しなかったら最後まで理解できないことだったよ。
だって音楽ってそういうもんじゃないもん。
でもひとつ…Spotifyのカタを持つワケではないけど、こんな仕事をしていると「チョコっと聴いて調べたい音源」が必要な時なんかには途轍もなく便利だね。
コレには助かっています。
あ、更にもうひとつ。
数か月前に知り合った若いバンドさん。
ビデオの撮影でMarshallやEDENを使ってもらったんだけど、彼らビデオを作ってもCDを作らないのよ。
「それで大丈夫なの?ミュージシャンなのにCDなくていいの?」と訊くと、こういう答えが返ってきた。
「あ、いいんス。あの、いきなりCDを作っても1枚も売れないんッスよ。それよりビデオを作ってまずYouTubeにアップするんスよ。
それに引っ掛かってきて、ライブの動員が増えてくればCDを作るかも知れないス」
…だそうです。
世の中、そういうことになっています。
皮肉なもんでしてね、ロックが一般的になればなるほど、ロックで喰うのが難しくなる…という。
 
もうだいぶ前のことだけど、アメリカ人と話をしていて、「Physical Products」という言葉を初めて耳にした時はかなりショックだった。
寝ても覚めてもレコードだった青春時代を過ごした私には、その言葉が「悪魔の呪文」もしくは「この世の終わり」みたいに聞こえたもんだよ。
「やがてレコードやCDがこの世からなくなってしまうのか?」…けどマァ、なるようにしかならないね。
芸術よりも経済活動が優先だから…。
で、なるようにしてなったのが、レコードのリバイバルだっていうんだからこれまたフシギ極まりない。
さらに自分でもフシギに思っているのは、私がコレをあんまり快く思わないんだな。
だってそうでしょ?
1984年、CDが一般化し出した時、みんなどう言ったよ。
「最高の音質」って泣いて喜んで、座りションベンしたでしょうが…失敬。
「あ、そのアルバム持ってるよ。レコードじゃなくて、エヘン!CDで持ってるよ」なんてことを言ってたヤツがたくさんいたハズだ。
そんなヤツをうらやましく思うことなどなく、もちろん私は「レコードの貞操」を守っていたよ。
CDを凍らせるともっと音が良くなるなんて話もあった。
ところが、以前に何度か書いたように当時は転勤族でね、度重なる引っ越しの労苦に耐えかねて3,000枚以上のレコードを売ってCDに買い替えてしまったんだね。
音質に関してはどっちでもヨカッタ。
それから25年ぐらいは経ったか?
今度はレコード・ブームだってよ。ざけんなよ!…となるワケ。
もうね、Spotifyも経験したことだし…何でもいいわ。
とにかく死ぬまでに少しでも多くのいい音楽を聴きたいわ。
 
ハイ、結論!
とにかく、「音楽はモノで持っとけ」ということ。 
例の仏壇屋のキャチコピーこですよ。
「形は心をすすめ、心は形をもとめる」
ついでに言うと「性格は顔に出る。生活は身体に出る」…コレは関係ないか。とあるお寺の掲示板に書いてあった。
今日の話題はその「モノ」。
Marshall RECORDSのモノがしばらく前に届きましてね。
ようやくイジくる時間ができたので紹介させて頂く。

10まずは、BAD TOUCH。
現在Marshall RECORDSと契約しているアーティストはレコードとCDの両方をリリースしている。
収録曲数はレコードもCDも同じ。
あ、あの日本人が「ヴァイナル」っていう呼ぶのはイヤだな~。「レコード」って呼んで欲しいな~。
20コレがレコード・ジャケット。
いいね、デザインが!
コレをデザインしたのはこのバンドのギタリスト、Daniel 'Seeks' Seekings。ヤケに「求める」人だな~。

30裏はこんな感じ。

40そ~ら、「Marshall RECORDS」のロゴ。
70ダスト・ジャケットも付いてる。

60レコードのレーベルはこう。
ああ、いいニオイ。
輸入盤のニオイだよ。
こうして久しぶりに新しいレコードを手にしてみると…やっぱりレコードはいいな~。
考えて見ると、最後にレコードで新譜を買ったのはいつのことだろう?
Frank Zappaであることは間違いない。
そもそもレコードもCDもZappa以外は新品なんてまず買わなかったからね。

80こっちはCD。
デジパック仕様…悪いけど、小さくて頼りない感じがするナァ。
でも中身はいいよ~。
私がいつも言っている、古き良き伝統のハードロックを踏襲しつつ、今の世代のエキスが詰め込まれている感じ。
どうして日本の若いバンドってこういうのが出て来ないんだろう…それはロックのルーツが違うからなんだね。
イギリスの連中はブルース、もしくはブルース/ロック。
我々の国のロックのルーツはグループ・サウンズなんだよ。要するに歌謡曲だ。

90続いてはマーレコでは古株のコーンウェル出身、KING CREATUREの『VOLUME ONE』。
レコードはコレ。
ああ、コレもいいニオイ。
かつてウチの居間はディスクユニオンと同じニオイがするのが自慢だったんだよ。
だから便通がいいのなんのって!

100ク~「SIDE A」!タマらんね。
その下にMarshall RECORDSロゴ。

110コチラはCD。
コレもデジパック仕様。
KING CREATUREはシュレッド・ギターもふんだんに盛り込まれたマーレコの中では最もメタル寄りのバンド。
私あたりでも何の抵抗もなく聴ける。
先日のNAMMで演奏して来たようだ。

120コレはロンドンやベルファストをベースに活動を展開しているギター女子とドラム女子のデュオ・チーム、REWSの『PYRO』。
コレはCD。
REWSもNAMMで演奏して大きな反響を呼んだようだ。今度はニューヨークへお呼ばれだとか…。
いかにも「海外の女子ロック」という感じ。
不思議なんだよナァ。
イギリスは日本ほどガール・バンドが盛んではないんだけど、「英語で歌っている」とかいうことではなしに、女子でもチャンとこうして「イギリス風女子ロック・サウンド」になる。
やっぱり聴いている音楽が日本人と違うということなんだろうね。
そんな典型的な「海外の女子ロック」なんだけど、チョイとヒネった曲作りがとても魅力的だ。

140こっちがLP。
キャ~!カラー・レコード!
うれしいなったら、うれしいなッと!
1曲目のタイトルが「Let it Roll」っていうんだよ。
もちろん我々世代のアレとは違いますのであしからず。

130 REIGNING DAYSもマーレコでは古株だ。
ヘヴィだよ。
典型的な今の人のハード・ロックとでもいいましょうかね。
でも3曲目の「Chemical」という静かめの曲なんかおもしろいな。
短調の曲が多く日本の若いバンドなんかとはやっぱりゼンゼン雰囲気が違うね…Rockだ。

150今の西洋のロックと日本のロックの一番大きな音楽的な違いって、メロディのワザとらしさの違いだと思うんだよね。
こういうところにルーツの違いが出るね。
私なんかには、日本の若いバンドさんは無理してメロディを作り込んでいるように聞こえるんだよね。
そういうのは「歌謡曲」がやっていたことで、少なくとも「ロック」のやることではない。
でもね、奇妙なことにこの傾向が一番顕著に表れているのは、メロディのキャッチーさよりもパワーで押し切るはずのヘヴィメタル・バンドさんたちなんだよね。
あのサビ…一体誰があんな風にしちゃったの?
正直マーレコの中で一番印象が薄い感じだったんだけど、このバンド、一度見てみたいナァ。

1601989年に結成した北アイルランドのオルタネイティブ・ロックバンドのTherapy?のモノ。
アルバムは『CLEAVE』。
何となくHipgnosisを連想させるジャケット?
このアルバムがリリースされて初めて聴いた時、私にとってはちょっとパンキッシュで苦手な印象があったんだけど、聴き直してみると…いいね。

165「cleave」というのは「突き進む」とか「切り裂く」とかいう意味…まさにそんな感じ。
このバンドはドラムスがカッコいいな。

166最後のモノはコレ。
コレもまずジャケットがすこぶるよい。
Press to MECOの『Here's to the Fatigue』。
「fatigue」か…「出る単」に出てくるよね。「疲労」という意味。
このジャケットの絵はバンドのお友達かなんかが描いたらしいんだけど、Zappaの『Grand Wazoo』あたりのCal Schenkelの影響を受けているんじゃないかしら…なんて思ってしまう。
『Chunga's Revenge』の内ジャケにもイメージが似ている感じがする。

180若バンドなので「若い音」がするのは当然なんだけど、このチームはひと味違うな…と、大分前に初めて聴いた時に思った。
日本の若いバンドには絶対に出せないサウンド。
ハードだのヘヴィだの、とかいうことではなくて、メッチャ若い割には音楽が熟しているという感じがする。
そのカギはコーラスの多用と高度な演奏技術。
やっぱりそれなりの音楽を聴いていないとこうはならないワケで…Marshall RECORDSのプロデューサーに訊いてみたら大当たり。
3人ともFrank Zappaの大ファンなのだそうだ。
やっぱりね…「コーラスと高度な演奏技術」はZappaの影響を受けているに違いない。
それにCal Schenkelだって符合する。
でも音楽は『Freak Out』でもなければ『One Size Fits All』でも『Shiel Yerbouti』でも『Jazz from Hell』でもない。
Press to MECOの音楽なのだ。
コチラはCD。

190ガーンと見開くとThe Carpentersの『Now & Then』みたいになってるよ。
コレ、レコードでやればヨカッタのに!

200以上が現在のところのMarshall RECORDSのモノたち。
よろしくね!

今、音楽商材の和洋の売れ行きの比率はもう、9:1なんだって。
まぁ仕方ないよ、時代だから。
聞いた話によると、今の若い人にとっての「ロック」って「恋」の人なんだって?
松山千春じゃないよ!
まぁ仕方ないよ、時代に合わせて言葉の意味が変わることもある。
でも、このまんまの「ありがとロック」や「草食ロック」でいいのかね?
「仕方ない」じゃ済まされないんじゃないの~?
このまま放っておくと、日本のロックってこの後どうなって行くんだろう?
私が生きている間に顕著な変化が見られるかしら?チョット覗いてみたい気もするナ。
今日紹介したバンドは自分のところのバンドとあって正直ヒイキ目な聴き方をしちゃうんだけど、どのチームも、やっぱり「ロックのルーツ感」というものをシッカリ感じるんだよね。
ナント言ってもビートルズの国だからネェ。
そして、コレらのバンドには日本の「草食ロック」にはない、そしてロックには不可欠な強烈な「肉食」を感じるワケです。
そういえば、どなただったか忘れちゃったけど、Marshall Blogで以前から唱えていた、若い人のロックを指す「草食ロック」という言葉をごく自然に使っていた人がいらしてビックリしたよ。
私だけじゃなくて、やっぱり70年代あたりのロックを経験しているとそういう表現がごく自然に浮かぶんですな?
Marshall RECORDSのように我々も少しでいいから「肉食ロック」を取り戻して次の世代に「ロックはかくあるべき」を伝承したいものです。
え、「肉食ロックってどういうの?」かって?
Marshallをガツンとならす音楽のことよ。

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