【Rock Beats Cancer Fes vol.6<DAY4:最終回>】~高崎セッション&感動のフィナーレ!
さて、6回目の『Rock Beats Cancer Fes』もいよいよ最後のセクションに差しかかる。
今回トリを飾ったのは「高崎セッション」と銘打った高崎晃を中心にしたジャム・セッションだ。
ココでしか見ることができない異色の顔合わせがバカスカ実現しちゃうというワケ。
最初のセットは…
ベースは桜井さんの盟友、MR.JIMMYからジョンジー大塚。
Led Zeppelinだからね、ブリッティッシュ・ハードだからね、そして最高のロック・ミュージックだからね…当然Marshallの出番となるワケよ。
何時間も前から出ずっぱりだけど…。
さて、ナニを演るんだろう?
気合いの入った高崎さんのヘヴィなドラムで始まったのは…
「When the Levee Breaks」。
超久しぶりに聴いた~。
この曲ってLed Zeppelinの純粋なオリジナル曲ではなくて、カバーなんだよね。
アルバム・クレジットにあるメンバーの4人以外の名前がその元の作者で、Menphis Minnieという女性黒人ブルース奏者。
作者といっても、もうこの曲はPD(パブリック・ドメイン)になっているぐらい古い曲。
どれぐらい古いのかというと1929年…昭和4年。
「levee」というのは「堤防」のことね…アメリカの英語。
で、この曲は「もしこのまま雨が降り続いたら堤防が壊れてしまう…堤防が壊れてしまったら私たちには行くところがない」という悲惨な歌。
最初のコーラスが終わったところでロバート・プラントが何度か「Oh well」と言うんだけど、この曲が最後に収められているアルバム『(通称)Led Zeppelin IV』の一番最初の曲は大人気曲の「Black Dog」。「♪ヘヘイマ~マ」ね。
この「Black Dog」の元になっているのはFleetwood Macの「Oh Well」だと云われているんだよね。
勝手な想像をすれば、アルバムの最後でプラントが一番最初の曲のタネ明かしをしたのでは…なんてね。
イギリスでは「堤防」のことを普通「bank」って言うハズ。「bank」と言っても「銀行」じゃないよ。競輪なんかで出て来る「バンク」ね。
ロンドンの地下鉄でテムズ川沿いに「Enbankment(土手)」っていう名前の駅があるぐらい。
しかし、ロバート・プラントがこんな古い(当時で約40年前)ブルースを聴いていて、それを題材に選んでいる…というのがスゴいと思う。
ちゃ~んと過去の偉大な音楽を熱心に聴いて勉強しているということよ。
ロックにおいては、こういうところに欧米のミュージシャンと日本人のミュージシャンのルーツの違いを感じるね。
音楽のスタート・ラインがゼンゼン違うのよ。
とにかく今、音楽は先祖返りするしか生き残る術はないと思っているのです。
ところでこの曲、オリジナルを聴いて、Led Zeppelinが演った「When the Levee Breaks」だって気が付く人はいないんじゃないかな?
ハーモニカとボトルネックが大きなアクセントとなっているこの曲。
遠藤さんのハーモニカも桜井さんのボトルネックも完璧だった!
それと、この曲を今回のレパートリーに選らんだ人もスゴいな。
高崎さんかな?
桜井さんかな?
ちなみにイギリス人が『Four Stickers』と呼んでいるその4枚目のLed Zeppelinのアルバムは、数年前イギリスの『Classic Rock』誌で有識者が選ぶ「Best British Rock Album」の第1位に選ばれていた。
さらにちなみに、それのプログレッシブ・ロック部門ではGenesisの『Selling England by the Pound』が一等賞だった。
こういうイギリス人の感覚もまた、日本人とのロックの文化や歴史の違いを感じさせる。
高崎さんからご挨拶。
「『Rock Beats Cancer Fes』にたくさんご来場頂きありがとうございます。
引き続き『樋口宗孝がん研究基金』へのご支援をよろしくお願いします」
そして、セッションのメンバーを紹介した。
「ソックリでしょう、ジミー・ペイジに~。
桜井くんとは80年代からよく顔を合わせていたんやけど、4年半前に渡米したんよね。勇気あるよね。
それで本家のジミーさんにも認められたんやから!」
私は桜井さんと知り合ってから20年弱になるかしら?
実は、桜井さんに初めてお目にかかったのって、池袋の楽器店で開催された高崎さんのイベントの時だったんだよね。
何たる偶然!
「レッド・ツェッペリンを追求しているんですよ」と、桜井さん自らご丁寧に挨拶をして頂いたのをよく覚えている。
その後、何度もMR.JIMMYのステージにお邪魔したり、Led Zeppagainではオフィシャルで写真を撮らせて頂いたりもした。
下の写真は最近のモノです。
おもしろかったのは、2010年に桜井さんとほぼ1週間違いで同じ舞台に上がったことだ。
場所は福島の郡山美術館。
『スウィンギン・ロンドン50's-60's』という特別展で、私は鮎川誠さんとシーナさんとの鼎談にご招待頂き、桜井さんはその翌週に同じ会場でギターをお弾きになられたのだ。
アレから9年かよ!
その時の様子はコチラ。
さて、高崎さんの紹介でステージに姿を現したのは2番目のシンガー、福山芳樹。
「ジミー・ペイジってホンモノはこんなに痩せてるんですね!」
そう、その郡山の時にジミー・ペイジの衣装の実物が展示されていたんだけど、「子供のズボンか?!」というぐらい細いのよ!
桜井さんはそこまでコピーしてるからね。
「イエイエ、でも日本へ帰って来て10日で3kg増えました」
以前桜井さん、アメリカぐらしは「食べ物がツライ…」っておっしゃってた。
そうだと思うよ~。若い時ならまだしも、齢を重ねてからのアメリカの食事はさぞかしツライと思う。
私なんざ2、3日で音を上げちゃう。
桜井さんの場合、恋しくなるのは「へぎそば」だとか。
「へぎそば」といえば十日町!「へぎそば」はアメリカじゃ無理でしょうからね~。
コレはまた後で。
「メジャーな曲じゃないけど」と前置きして演奏したのは『Led Zeppelin III』から「Ont on the Tiles」。
「Black Dog」のイントロとしてはおなじみだけど、この曲自体を選ぶ人って見たことなかった。
さすが高崎セッション!
高崎さんのドラムスがまた絶好調と来てる!
「Immigrant Song」とか「Whole Lotta Love」とか「Stairway to Heaven」とか「Heartbreaker」などを演らずしてスッカリLed Zeppelin色の染めた桜井さん…サスガ!
そして、私はいつかノン・スモークのステージの桜井さんを撮らせて頂きたいのであった。
ジミー桜井の詳しい情報はコチラ⇒MR.JIMMY OFFICIAL WEBSITE
ココで新しく加わるゲストを紹介して、猛然とドラムスを叩き出す高崎さん。
私たち世代には一聴してそれとわかるドラミング・フレーズ。
コレが後で大変なことに…。
もうココでLed Zeppelinから一気にDeep Purpleに空気が変わった!
曲は「Fireball」!
それにしてもこの鬼のような高崎さんのドラミング一体なんだ!?
あまりにも激しい!
「Fireball」といえばベース・ソロ。
柴田さんのダイナミックなプレイが圧巻。
e-ZUKAさんもは絶妙のバッキングでバンドをドライブさせる。
ココでも変則的に高崎さんとの共演となった。
影山さんの完璧な激唱が気持ちよい!
まさに客席に突っ込む「火の玉」のような演奏だった!
高崎さんがドラム席を離れ、Marshallを背後にギターを手にする。
奏でるのは名リフ…「Burn」だ。
そして…コレは写真の配置ミスではない。
チューニングが安定せずギターを交換したのだ。珍しい。
しかし、この時の高崎さんにはチューニングよりも大変なことが起こっていたそうだ。
翌日、開演前の楽屋でお聞きした話…
「昨日、ドラムスすごかったですね~!」と私。
「せやろ」と高崎さん。
「特にFireball!バリバリでしたね!」
「ガハハハハ!死ぬかとかと思たわ。チョットやりすぎたな…。やりすぎて手がおかしなってしもたな。Burnがエラく弾きにくかったわ」
「高崎さんでもそんなことがあるんですか?」
「あるある~!やっぱりドラムスとギターでは使っている筋肉が違うんやナァ。ガハハハハ!」
いやいや、ギターはトラブっちゃったけど、プレイはいつも通り完璧でございました。
加えて「紫」からジョージさんだからね~…コレ、今考えられる日本一の「Burn」じゃないの?
そんなこと言われなくてもわかっていらっしゃるお客様の皆さん、いいように盛り上がっております。
4時間以上立ちっぱなし!
そしていよいよフィナーレ!
高崎さんからお客様へご来場の御礼と『樋口宗孝がん研究基金』への支援のお願いが述べられた。
出演者の皆さんも口々にご挨拶。
二井原さん「お疲れさまでした!ちなみに"あんぱん"くんは療養で先に帰りました。"あんぱん"にも拍手してやってください!
タッカン、お疲れさまです!」
増子さん「呼んで頂いてありがとうございます!かなり勉強させて頂きました。スゴイですね~、ハイ・トーン!」
影山さん「どうでした?今日は?」
KISHOWさん「今日、ボク、ギャラ要らないです!仕事納めがこのステージでヨカッタと思います!」
マイクに徹する高崎さん。
歌がとても上手だからね。いつかナニかのイベントで高崎さんがBoz Scaggsの「We Are All Alone」を聴いたことがあったけどすごくヨカッタ。
この手のオールスター・セッションのお楽しみ、同じパートの共演。
キーボーズ・チームは双方大ベテランのツーショット。
ベース・パートも同様。
日本を代表する2大ハード・ロック・ベーシスト!
ギター・パートは…
あ、コレ、十日町のへぎそばだ!
ちょっとヌルヌルしていて、すごくおいしいの。
ギター・チームは新潟県は十日町の奇跡。イヤ、日本ギター界の奇跡!
十日町が生んだ2大ギタリストの共演だ!
ふたりともデカい!
「e-ZUKAさん、桜井さんを語る」はコチラのGANRODEOのライブ・レポートをご覧くだされ。
そして、e-ZUKAさんのお兄さんと同じ年で仲良しだった桜井さんから今回お聞きした話…
「飯塚くんの家に遊びに行きますでしょ?
で、e-ZUKAさんの家に遊びに行くと、弟の昌明くんがギターを弾いているワケですよ。
それが、まだ小学生なのに、バリバリ弾けていて、もうウマいのなんのって!」
なんだ、子供の頃からウマかったんじゃん、e-ZUKAさん。
しかし、世界のジミー桜井とGRANRODEOのe-ZUKAさんがこの「飯塚テレビ電化」で同じ時間を過ごしていたなんて…やっぱり「十日町の奇跡」だね~。
ステージへ戻って…
センターではKISHOWさんんも「♪ロンリ、ロンリ」と大盛り上がり!
4時間半の大イベント。
お客さんもお疲れさまでした~!
また次回、楽しみにしております!
樋口宗孝がん研究基金(MHF)の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト
(一部敬称略 2018年12月29日 六本木EXシアターにて撮影)





















