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2021年4月

2021年4月13日 (火)

【訃報】John Kentさんのこと

 
「John Kent(ジョン・ケント)」なんていかにもミュージシャンらしい名前だけどさにあらず。
私のイギリスのお友達だ。
イエイエ、「お友達」などと申しては大変失敬に当たるぐらい年上のお方…イヤ、お方だった。
そのジョンが「先週お亡くなりになった」とワザワザMarshallの社長が私に知らせて来てくださった。
そうか…ジョンもか…。
と言っても、ジム・マーシャルとそう年が変わらなかったハズなので、80歳台も後半の大往生だったに違いない。
今日は全くの私事になってしまうが、ジョン・ケントの思い出を記して哀悼の意を表したいと思う。
そこで早速ジョンの写真を探したのだが見事に1枚もなかった。
そこで取り出したるのがジムの伝記本『Fathers of Loud』。
この本にジョンが写っていることをMarshall の社長のジョンが(ややこしい!)思い出させてくれた。Fol_2下の写真がそれ。
ジムの生家や最初の楽器店等、Marshallの誕生に関わるロンドンのランドマークを2003年にジムと一緒に回った時に撮られたモノ。
「Number 1 AMP」号をバックに微笑む2人。
ジョンはジムの運転手であると同時に大の親友だった。
業務上、常に車の中でジムと一緒だったので、「社内で会社の内情に一番詳しいのではないか?」という冗談があったぐらいの関係だった。
後ろの席の会話がイヤでも聞こえて来ちゃうからね。122kentジョンはジムの運転手を務めていない時は来客の送り迎えもしていて、何度もジョンにヒースローと工場の間を運転してもらった。
見るからに「イギリスのおジイさん」という感じで、一番最初にお会いした時はチョット恐い感じがしたが、実は全然そんなことはなく、車の中ではいつもニコニコしながらヘタな私の英語に応対してくれた。
そうして、何度もお会いしているウチに私もジョンと仲良くなり、日本から持って行って食べなかったカップ麺を差し上げたりするようになった。
次に会った時には「あのヌードルおいしかったよ!家族みんなで分けて食べたんだ」なんて言ってくれた。
 
ある時、車にMGのミニ・スタックが積まれていて、そのことを尋ねると「イヤ、今日孫の誕生日なんだよ。だからMarshallをプレゼントしてやるんだ!」とうれしそうに答えてくれたこともあった。

Mg15ms 今では舞台が中国に移り、スッカリ規模が縮小してしまったようだが、かつては世界一の楽器展示会だった「MUSIK MESSE(ムジーク・メッセ)」が毎年ドイツのフランクフルトで開催されていた。
MarshallとFenderはロック楽器のカテゴリーでは最大の展示ブースを設営していて、ジムはそこでサイン会を催すために毎年参加していた。
ジムは車でやって来た。
イギリスから英仏海峡トンネル(Channel Tunnel)でドーバー海峡をくぐり。フランスに入り、ベルギーを経てフランクフルトに向かう、4か国を跨ぐドライブだ。
順調にいって9時間ぐらいかかるって言ってたかな?
この運転を担当していたのがジョンだった。
ジョンが私に仲良くしてくれたのは、毎年フランクフルトで1週間毎日顔を合わせていたこともあったろう。
そのフランクフルトに最初に行った時のこと。
展示会は朝の10時からが5時まで開いていて、販促品の準備やブース内の観客の整理などで結構忙しく、閉会した後、夜はみんなで会食するのが普通だったので、会場の外の様子をうかがうことができなかった。
私にとっては生まれて初めてのドイツで、どうしても街の様子が見たくなり、ある時会食を辞退してひとりで地下鉄に乗って街に出かけた。
次の日の朝、ブースでMarshallの連中にこのことを話した。
その中にジョンがいた。
すると、その話を聞いたジョンが急に怒り出してしまった。
最初はフザけているのかと思ったら、トンデモナイ!
かなり真剣に怒っているのだ。
「シゲッ、そんなことしちゃ絶対にイカン!フルンクフルトという街は世界で最も多様な人種が集まった危険極まりない場所なんだ。
Marshallのボーイズ(←確かにこう言った)も街へ行く時には何人かのグループで行くのがルールになっているんだよ。
それを夕方にひとりでノコノコ出かけていくなんて冗談じゃない!
二度としてはイケないよ!」
ビックリした。
12img_0499ま、「知らぬが仏」ということか?
期待して行ってみると暗くて何やらツマらない街だった。
サッサとホテルに帰ったためコワイ目には全く遭わなかったけど、ジョンの話を聞いて後でゾっとしたよね。
私が経験した大都会といえば、ニューヨーク、ロンドン、上海、東京ぐらいのモノだけど、確かにフランクフルトが一番コワイ感じはするな。
そもそも街の雰囲気が何となく冷たいんだよね。
でも思い出は楽しいことばかり。
1週間丸々Marshallの連中と過ごすので、Marshallという会社のことはもちろん、音楽のこと、イギリスのこと、英語に関すること…フランクフルトではずいぶん色んなことを教わった。
私、メチャクチャ一生懸命やるからすごく可愛がってもらったのよ。
とても懐かしいし、あの頃がもう二度と戻って来ないのかと思うととても寂しく感じてしまう。
12img_0494 ヒースローからMarshallの本社に行く時、M1という高速道路(もちろん無料)に乗って行くのが一番早いんだけど、時間によっては渋滞地獄でニッチもサッチもいかなくなってしまうので、地元のドライバーたちは信号がほとんどない下のような田舎道をグングン進むことを選択する。
この途中の景色が美しいのなんのって!12img_5658 こんな小さな村を通って行くのも実に楽しい。
そこである時、ハンドルを握るジョンに「イギリスの田舎は本当に美しいですよね」と言うと「イヤイヤ、シゲ、こんな景色で驚いていてはイカンぞよ。
ベルギーなんてココとは比べ物にならないぐらいキレイだぞ!」
私なんかにはコレで十分なんだけど、生まれた時からこんな美しい景色に囲まれて生活している人が「キレイ」っていうんだからベルギーも行ってみたいと思ったよ。12img_2771ジョンと撮った写真が一枚もない。
Marshallに来ればいつでも会えるから…とさして撮る必要を感じなかったのかも知れない。
それがある時、ジョンがジムより先にリタイヤするという話が伝わって来た。
それでも、またいつか会えるだろうと思っていた。
一枚でもいいから一緒に写真を撮っておけばヨカッタ。
もうジムもジョンもいなくなっちゃった。
 
今のMarshallの本社に勤めている若い人はジョンはおろかジムとも会ったことがないからね。
こういうことはチョットしたことなんだけど、私は「ジム・マーシャルと仕事をした最後の日本人」としてこうしたMarshallの歴史を書き残しておきたいと思うのである。
 
さようならジョン・ケント…色々とお世話になりました。Jk
 

200




2021年4月12日 (月)

PROGRESSIVE ROCK FES 2010 IN TOKYO~Steve Hackett(スティーヴ・ハケット)編

 
【Marshall Blog Archive】
<2010年10月1日、旧Marshall Blog初出>
 
引き続いて『PROGRESSIVE ROCK FES 2010 IN TOKYO』のレポート。
加えまして、引き続き暑い夏の話し。
ロンドンの夏は暑いことは熱いけど、ダランダランに汗をかきまくるほど暑いという感じではなく、一般の家庭にはエアコンが付いていないのが普通だ。
マーシャルの工場の事務所も窓のある部屋には一切エアコンが付いていない。
空調ダクトすらない。
要するに建物を建てる前から「エアコンを取り付ける」という発想がないということだ(筆者註:コレを書いたのは11年年前のことで、最近ではイギリスの夏も暑さが厳しくなり、「ウチには何台もエアコンがある」とイギリスの友人に言うとすごく羨ましがられるようになった)。
身体を動した後に屋内に入ると確かに直後には暑いことは暑いのだが、窓を開けてジッとしているとサラ~と汗がひいて暑さを感じなくなる。
湿度の関係なのだろうが、羨ましい限りだ。
その代わり冬がね~。
 
何回も引っ張り出して来て甚だお恥ずかしい限りなのだが、先日レポートした通り、7月下旬にロンドンのヴィクトリア・パークで開催されたロック・フェスティバル『HIGH VOLTAGE FESTIVAL』に参加してきた。
そのレポの中で、「イギリスは夏でも涼しいのでロック・フェスもラ~クラク」的なことを書いた。
直射日光を浴びていると確かに暑いことは暑いのだが、もはや亜熱帯気候と化した日本に住んでいる人間にとってはマァ、大したことない。
それにひとたび日陰に入るとス~っと汗が冷えて上着をまといたくなる感覚ですらあるのだ。
ところがですよ…一緒に行ったMarshallの友人と後に話をすると、何と彼曰く、「アレはは暑くてシンドかった」って言うんですよ!
「シンドかった」ってア~タ…あれで「暑い」なんて言ってたら日本のロック・フェスどうすんのよ?そういう人は間違いなく夏の日本では生きて行かれませんな。
イギリスは5月ころからフェスティバルがスタートして、8月にはすべてを終わらせるんだってサ。
後は雨や曇りの毎日が続いて寒くなってしまい、野外フェスなんてとてもじゃないけどやっていられないというワケ。
 
さて、下はこのイベントのポスター&チラシ。
いいですね~。
YesやGreenslade、BudgieやUriah Heepなどのジャケットでおなじみのロジャー・ディーンを起用。日本だからサクランボなのかな?ハートの形をしている。
このフォントだけでプログレを感じさせちゃうからスゴイ!Prj この日トリで登場したのはスティーヴ・ハケット・バンド。Img_0285 いいナァ~。大英帝国の深い歴史の香りがプンプン漂う音楽とでも言いましょうか。
2日前にはCLUB CITTAで単独公演も行った。
ま、こんな暑い夜にジトっと汗をかきながら屋外で聴くような音楽ではおよそないような気もするが、タマにはこういうのもオツなもんか?
上述のイギリスの環境から察するに、バンドの方々もあの気温ではさぞかしシンドかったのでは?…などという心配をヨソに実に折り目正しい演奏を展開してくれたのであった。
Img_0290私自身はプログレが大好きなんスけど、歴史的を振り返るとプログレッシブ・ロックの舞台でのMarshallの出番は少ないことを認めざるを得ないのが残念。
その中でスティーヴは常にマーシャルを使用してきてくれてうれしい限り。
開演前に楽屋にお邪魔してそのお礼を申し上げました。
実際にお会いしてみると、スティーヴはこうしてステージや写真やでお見かけするのと同様、ものすごく気品漂う実直そうな紳士にして真摯な方だった。

120img_0378 今回はレンタルのJCM800時代の1959を使用。
右上、つまりLOUDNESS2のHighのチャンネルにインプットしていた。
「ホントは50Wで弾きたかったんだけどね…」と スティーヴ。
イエイエ、十分に素晴らしいサウンド!
バンドのアンサンブルの見事さもあるけど、「Ace of Wands」なんてレコードとまったく同じ音だった!
クリーンを基調とした美しい音色でした。
やっぱりマーシャルのクリーンはいいね。

02img_0366 ギターはレス・ポール・タイプを使用。Img_0352 トレード・マークのトレモロ・ユニットつき。Img_0496そんなスティーブをサポートするのは…ギターのアマンダ・レーマン。Img_0469 スティーヴとの息もピッタリ。Img_0312 多くの重要なパートをこなしていたところを見ると、スティーブは彼女に全幅の信頼を置いているのであろう。Img_0452ベースはリー・ポメロイ。Img_0332 「ポメロイ」さんというから有名なデイヴ・ポメロイのご兄弟かなんかかと思ったけど、デイヴはアメリカ人でナッシュヴィルのベーシスト。
リーはロンドンのベトナム人のコミュニティがあるホクストンの出身。
ホクストンで食べたフォーはおいしかった。
リーはTake ThatやJeff Lynne's ELOで活動している。
ギッチョでリッケンバッカーでピック弾き…ポール・ファンなのだろうか?Img_0391キーボーズはロジャー・キング。Img_0466 スティーブのような音楽でのキーボーズの役割はとても大きい。
集中してズッと鍵盤と向き合っていた。Img_0506ドラムスはゲイリー・オトゥール。Img_0423 次々に現れる変拍子もラ~クラクに叩きこなしていた。Img_0427そして、サックス&フルート他はロブ・タウンゼンド。

Img_0407管楽器が休みのパートもコーラスで大活躍。Img_0333…という6人編成で一糸乱れぬ濃密な演奏を繰り広げる。
 
またコーラス・ワークが途轍もなく美しいんだ!
私も暑さから逃れて楽屋で大二さんと話をしていたのだが、西洋人はこうしてコーラスをすると声が各人似て来て、キレイに混ざるようになるのだそうだ。
歌声の出し方をよく心得ているということか。Img_0286 見るからに几帳面そうなスティーブ。
細部にまでこだわった微細なギター・プレイがこの人の音楽に対する態度を表している。Img_0299ほとんどロックのイディオムを使用しないスティーヴのギターは独特だ。 Img_0375決して派手ではないが、かなりワン・アンド・オンリーなのではなかろうか?
下にも出て来るGenesisの傑作の1枚『Selling in England by the Pound』の1曲目「Dancing with the Moonlit Knight」等、ライトハンド奏法(今は「タッピング」っていうの?)をかなり早く取り入れていたしね。Img_04901975年のスティーブ初のソロ・アルバム『Voyage of the Acolyte』の最終曲「Shadow of the Hierophant」の4:45辺りから出て来る3連のトリル・フレーズなんてVan Halenの「Erruption」で出て来るあの有名なフレーズにソックリだからね。
エディはこのアルバムを聴いているのではなかろうか?
たとえこのアルバムを参考にしていたとしても、コレをアソコまでカッコよく昇華したエディはやっぱりスゴイ。
イヤ、もっと元のネタがあって2人ともそれを頂いてしまったのかもしれない…浅学にして真相はわかりません。Voaこの日、自身のソロ作品を中心にジェネシスの曲では『ブロードウェイ』から「Fly on a Windshield」や…

Img_0303人気曲の「Los Endos」などを演奏した。
Img_0500暑くてかなわなかったけど、演奏は素晴らしかった!12img_0285 またまた『HIGH VOLTAGE』の話になるが、初日の夜9:00過ぎ、帰り道にTransatlanticが出演中の「PROG ROCK STAGE」の前を通りかかると ちょうど「Mr. Steve Hackett!!」というアナウンスとともに大歓声が聴こえて来た。
そして始まった曲は「The Return of The Giant Hogweed」だった!
メッチャ観たかったけど、マーシャルの友達もいたし、マゴマゴしてると電車が大混雑してヤバいので涙を飲んで会場を後にしたのだった!
そして2日目にはスティーヴ・ハケット・バンドがその「PROG ROCK STAGE」に登場していた。
コレもガマン…だって電車がすごい混むんだもん!
  
さて、下は2007年に発刊されたマーブロではおなじみのCLASSIC ROCK MAGAZINEの別冊「PROG ROCK」という雑誌。120r4a0716 この号に『PROGRESSIVE ROCK BEST30』というチャートが掲載されていた。
プログレ発祥の地であるイギリスのロック関係者が選ぶ「プログレッシブ・ロックの名盤30選」。
チラリと上位だけ紹介すると(以下、珍しくアルバム・タイトルは故意に邦題を採用します);
 
5位 : Brain Salad Surgery (恐怖の頭脳改革)/ Emerson, Lake & PalmerBss 4位 : Close To The Edge (危機)/ YesCte_2 3位 : In The Court Of The Crimson King (クリムゾン・キングの宮殿)/ King CrimsonCk2位 : Wish You Were Here (炎) / Pink FloydWywh1位 : Selling England By The Pound (月影の騎士)/ GenesisSebp …と、Geneisが1位に選ばれていた。
「ピーター、スティーブ、マイク、トニー、フィルというメンツがもっとも充実した時期に作られたアルバム」と評されている。
それ以前にこのシリーズの『British Rock Best 100』で1位に選ばれたLed Zeppeinnの『Ⅳ』みたいな感じですな。
どういう基準で選んだのかは書いていないのだが、これを見て思うのは、プログレの超名盤として誉れ高い『宮殿』や『狂気』が妄信的に1位に選ばれていないこと。
日本だったらまず、『炎』より『狂気』だろうし、Genesisが5位以内にはいるかどうかも疑わしい。
仮にGenesisがランク・インしたとしても、『月影』が選ばれることはないのではないか?『フォックストロット』か『ブロードウェイ』になるのでは?
このあたりがイギリスの現場の感覚が漂ってくるようで実に興味深い。
「イギリス、量り売りします」なんてタイトルからしてイギリス人の好みにピッタリなのかもしれない。
ちなみに「Firth of Fifth」というタイトルのはエジンバラにある湾の名前(Firth of Forth)ののモジり。
  
中学から高校にかけてYesだのELPだのKing Crimsonだのはホントによく聴いた。
当時、こうしたメイン・ストリームの中では、私はKing Crimsonが一番好きでGenesisが一番苦手だった。
ところが、プライベートでロックを聴くことがあまりなくなってしまった今、例外的によく聴いているバンドの最右翼がGenesisなんだよね。
『Trespass』から『…And The There Were Three』の辺りまではライブ盤も含めどれもよろこんで飽きずに聴ける。
不思議なモノだ。
 
お、ソロソロ1時…昼ゴハンの時間だ!
それでは!Img_0351 
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ 後日譚 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
 
スティーブを観たのはこの時が2回目だった。
その前は2003年、昔の赤坂BLITZで開催され、ジョン・ポール・ジョーンズがヘッド・ライナーを務めた『Guitar Wars』というイベントだった。
この時、スティーブはやたらブルース・ハーモニカを吹いていた。
そして、この野音で初めてご挨拶をさせてもらった。
その時、下のMarshallのバッグをお土産に持って行ったところ、スティーヴは大変喜んでくれた。0r4a0724レポートした野音の3年後、2013年にGenesisの曲を上演する企画でスティーブがまた日本にやって来た。
下がその時の写真。
1987Xと1960Aのハーフ・スタックが2セット。
今度は彼の希望通り50Wでプレイすることができたワケ。
Img_0700この時、リハが終わったスティーブとバック・ステージの廊下で遭遇。
するとSteveが私の顔を見るなりナニも言わず、スッと自分の楽屋に入って、すぐにまた廊下に戻って来てくれた。
彼の手にはナント、3年前に野音の楽屋でプレゼントした上のMarshallのバッグが握られていた。
「コレ、本当に便利なんだよ。いつも使っているんだ。改めて礼を言うよ!」…と言ってくれた。
うれしかった。
バッグを大切に使ってくれているのはモチロンだが、私のことを明確に覚えていてくれたのがもっとうれしかった!
アナタね~、「Watcher of the Skies」や「The Musical Box」、「Supper's Ready」や「I Know What I Like」、「The Lamb Lies Down on Broadway」や「Dance on a Volcano」…キリがないな…のギターを弾いた人が目の前にいて、自分のことを知ってくれているんですよ!
こんな感動はそうないでしょう?
Img_0823この時も撮影の条件が厳しくてね~。
かなり苦労してシャッターを切った。
しかし、『ストレンジ・デイズ』の2013年9月号に掲載されているライブ・レポートが私が撮った写真で埋め尽くされていたのを見た瞬間、その苦労はすべて報われましたとさ。0r4a0719

200(一部敬称略 2010年8月22日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)




2021年4月 9日 (金)

PROGRESSIVE ROCK FES 2010 IN TOKYO~四人囃子編

【Marshall Blog Archive】
<2010年9月30日、旧Marshall Blog初出>
 

人間、夏になりゃ冬の寒さを忘れて涼しい秋冬が恋しいし、冬になりゃ夏の暑さを忘れて暖かい春夏が待ち遠しくなる。
1年という時の流れは実によくできたサイズですな。
さて、もうすっかり秋になってしまったけど、マーブロはまだ夏のレポートが結構残っている。
今日は臨場感を高めるために室内の温度を思いっきり上げて記事をご覧くださいまし。
というのも、お送りするのは真夏の野音のレポート。
暑かった~。
それも先週レポートした横田基地のイベントの翌日でしてね、2日間続けて朝から晩まで汗のかきっぱなしヨ!
これだけ汗をかいてちっとも痩せないんだからイヤになっちゃう。
よく野外コンサートのレポート評で「暑さに負けない熱いライブが繰り広げられた」なんて惹句が用いられるが、そりゃウソだ。
コリャ何をどうしたって暑いわ。この暑さに勝てる道理がない。
それにしても、いくら真夏とはいえ昔の野音ってこんなに暑くはなかったと思うんだけどな…。
まだ楽屋が木造でサ。
もちろん昼間は、特に日向の席は4時ぐらいまで死ぬほど暑くて汗ダラダラなんだけど、夕方になるといい風が入って来て、それこそ「熱い演奏」を客席から心地よく眺めたものだ。
その時分になるとスッカリ出来上がっちゃった連中がゲロ吐いて客席の上の方の踊り場で倒れていたりしてね。
 
さて、四人囃子。
今日の舞台は『JAPAN PROGRESSIVE ROCK FESTIVAL 2010』。
いいネェ~。
先日のロンドンの『HIGH VOLTAGE FESTIVAL』といい、プレグレ来てるんじゃないの~?(筆者註:この時から11年間…まったく来なかった。それどころか「プログレッシブ・ロック」という音楽の定義がドンドン歪曲して来ているように思う)
出演はSteve Hackett Band、いまだに綴りが正確に覚えられないRenaissance(ルネッサンス)、そして我らが四人囃子。

Img_0006森園勝敏はマーシャルを使用。
メインは1959HW。
キャビネットは1960HWの上下だ。
アレレ?と思った方もいらっしゃるかもしれない。
そう、向かって右のヘッドはスペアとして用意されたJMD100だ。
実際に使用されることはなかったが、森さんほどの名手に1959HWのサブとして指名されたのだから完全にその実力が証明されたようなものだ。Img_0003会場は超満員!
ああ~、日向の席の人、夕方までガンバって!水分摂ってよ!

Img_0012いよいよ演奏が始まる。
出番はトップだ。Img_0013もうメンバーは全員有名すぎてご芳名を記す必要もありませんが…一応やっておこう。
ギターは森園勝敏。12img_0089キーボーズは坂下秀実。

Img_0023ベースは佐久間正英。

Img_0214ドラムスは岡井大二。
(筆者註:この頃はまだNATALではなかった。
と言うより、まだNATALが日本に入って来ていなかった。
大二さんは、この時から数年後、日本に入って来てすぐに使い始めて頂いた譜代中の譜代ナタラーなのです)Img_0109「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」でスタート。Img_0064んん~、このギターの音!タマラン!

Img_00861959のボリュームはかなり小さめでクリーンなサウンド。
曲に応じてペダルを用いて歪みを作る伝統的なスタイル。
なんだかんだ言ってもこの方式が一番シンプルで一番いい。
でも、このスタイルでいい音を出すには、基本となるアンプのクリーンの音がしっかりしていることが必要条件。
その点、1959なら安心。ギター、アンプ、エフェクト・ペダル、それぞれの特長をしっかりと活かしてくれる。
マーシャルのクリーンって最高だ!

もうマーブロでも何回も書いているような気もするが、実際のジミ・ヘンドリックスの演奏を2回見たウリ・ジョン・ロートが言っていたことを思い出す…「ジミのサウンドは最高にクリーンだった」と。

この森さんの音!美しいことこの上ない!ああ、これがストラトキャスターの音か!って思い知らされるようなプレイ。
ストラトとマーシャルのコンビネーションも素晴らしい!

Img_0162森さんはギターの音色だけでなく歌声も渋くてカッコいい!Img_0078_22曲目は「泳ぐなネッシー」。
名曲だ~。
もうとにかく『ゴールデン・ピクニックス』って途方もない名盤だよね。
自分の中の日本のロックの名盤で必ずカウントされる1枚。
そして、あの名盤を四人囃子の方々は20歳ソコソコでペロっと作っちゃった。
昔の人(失敬!)は本当に偉大だ。
もちろん『一触即発』も大好きだけど、『ゴールデン・ピクニックス』の方がよく聴いた。
よく日本のピンク・フロイドと形容される四人囃子だけど、私などはあの凝り方など『ゴールデン・ピクニックス』に10ccの『How Dare You?』とかトッドの『A Wizard, A True Star』辺りが被ってしまうんですがね…どうだろう?
なんと言うか、1枚のアルバムが途轍もなく高価な宝石箱のような…。Img_0206そして「カーニバルがやってくるぞ」が続く。
これも 『ゴールデン・ピクニックス』からの1曲。
このイントロっていつもどうアレンジされているのか気になっていて、以前『From The Vaults』に収録されている渋谷屋根裏の満さんのバージョンをコピーしてみた。
でも、森さんの演奏を目にすると、これまた違うのね。
間にシャンソンの有名曲「パリ野郎」を挟むなんざ素晴らしいアイデア!Img_0187最高の名手が最高の素材を料理する。
『一触即発』と『ゴールデン・ピクニックス』からの曲が常に演奏されるが、何回聴いてもまったく飽きることはない。
しかも、いつも何がしかの新しいアイデアが封入されていて毎回新鮮だ。
これは、長年の風雪に耐えられるだけの良質の素材、つまりそういう曲がなければ絶対にできないことだ。
フランク・ザッパが何十年にもわたって、ひとつの曲を何度も何度もし直して演奏していたのと同じ。実は四人囃子は1976年のフランク・ザッパの来日時、今はなき浅草の国際劇場でオープニング・アクトを務めている。

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Img_0183_2

Img_0222_2 ココで「ヴィオレッタ」登場。
「レディ・ヴァイオレッタ」ではありません「レディ・ヴィオレッタ」が正しい。
ところでこのギターの音!う、美しすぎるッ!
だから1959は好きだよ。
この至高の名曲がマーシャルで奏でられるこの幸せ!涙でファインダーも霞むゼイ!
楽しそうに演奏するお2人。イヤイヤ暑すぎちゃってもう笑うしかないのかも?!

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Img_0117サングラスのお2人はクール。

Img_0128

Img_0076続いては『一触即発』から「おまつり」。
後日森さんと演奏したROLLYさんもMCでおっしゃっていたが、本当にこの歌詞の世界はスゴイ。
もちろん曲もスゴイ!Img_0192佐久間さんのリコーダー。
曲はもちろん「なすのちゃわんやき」だ。
ああ、今、日本のどこかにこんな曲を演奏するバンドはないかしらん?「自分でやれ!」って?できません、できません!Img_0241〆は当然のごとく「一触即発」。
イントロが始まると大きな拍手もすぐに止み、観客のすべての目と耳がステージに集中する。
ココから12分間、「空が落ち、海がせり上がってくる」ほどのスペクタキュラーを期待しているのだ!この日、真ん中のEmのパートをEmとC7に往復で弾いていたのがとても印象的だった。Img_0272今日は四人囃子について書けてヨカッタ…。

Img_0279 
*********************************
大分手を入れたが、以上が11年前に投稿した記事。
基本的には進歩ゼンゼンなしだった。
寸分もブレることなく、ズ~っと同じことをしております。
2012年末に前のMarshall Blogが終わってからというものお見せすることができないでおりましたが、「スピン・オフ四人囃子」の記事に合わせて復活させました。
 
今回の復活に当たり、チョット追補します。
それはウチの『From the Vaults vol.2』について。
この時の野音の楽屋でメンバーの皆さんにサインを入れて頂いた。
表紙には大二さんと佐久間さん。120r4a0195裏面には坂下さん。120r4a0198内側には森さん。
『ゴールデン・ピクニックス』時代の四人囃子のメンバーのサイン。
実はウチには『vol.2』がもう1セットあって、そちらには大二さんのメッセージとサインが入っている。
双方家宝です。
しかし、このセットがリリースされてから11年経つのか!
驚いたな…つい昨日のことのようなのに…。
そういえば、『Vol.1』が出た時に何かの機会で西山毅さんとご一緒させて頂き、そのセットの話をしたことを思い出した。
確か「買おうかどうか迷ってる」と私が言うと、「そんなに好きなら買っちゃいなよ!」とプッシュしてくれたんだっけ…。
あの時から10年以上経って西山さんが四人囃子に参加するなんてことになろうとは夢にも思わなんだ。
長いこと生きていると色んなことがあります。
四人囃子の音楽よ、永遠なれ!
120r4a0199四人囃子の詳しい情報はコチラ⇒Yonin Bayashi official Web Site

 
これまたせっかくの機会なので、この後、同イベントに出演したスティーブ・ハケットのレポートも蔵出ししちゃいます。
 

200

(一部敬称略 2010年8月22日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)

2021年4月 8日 (木)

スピンオフ四人囃子 feat. 根本要&西山毅 <後編>

レポートの<後編>は本編のちょうど真ん中のMCから。10v_3ココでは要さんが大二さんのサポートを受けながら四人囃子の沿革を紹介した。
 
四人囃子はアマチュアの時代から「ミュージックマガジン(当時:ニューミュージックマガジン)」に取り上げられていたのだとか…。
だから『From the Vaults』のスペシャル・サンクスに「中村とうよう」さんがクレジットされていたのか。
とうようさん、その頃は編集長でしたからね。20要さん、「四人囃子のレコードはジャケットもヨカッタ」ともおっしゃっていらした。
そ~なんですよ。
昔の日本のロック・バンドは、ジャケットのデザインもすこぶるカッコよかった。
「あの音楽がまとっているジャケット」、「このジャケットに収まっている音楽」といった具合にオリジナリティが豊かで音と見た目が完全にマッチした名盤が多かった。
そりゃ30cm×30cmという大きなスペースだもんね。
デザインのし甲斐があったというものです。
配信リリースじゃ力の入れどころがないもんね。
だから動画になっちゃったのかな?アレはイカンよ。
そして、ジャケットの楽しみを知らない今の若い人たちは本当に気の毒だと思う。
30それで『ゴールデンピクニックス』のジャケットを改めてジックリ見直してみた。
イラストは佐藤和宏さんという方。
収録曲に登場するキャラクターが巧みに描き込まれている。
まず、カブトムシが飛んでいて「Flying」…どうにもウマいてぇヤツだ。40s空が破けて四人囃子が降りて来て、ジャケットの大半を覆う白い渦は空のようでもあり、海のようでもあり…コレがホントの「空と海の間」?
壊れかかった真っ赤な車に、ネッシー、そしてレディ・ヴィオレッタ。50ジャケットをひっくり返すと、表面では渦の端の方に隠れていたネッシーの好物のリンゴが宙を舞う。レコードB面の1曲目はそのリンゴが登場する「泳ぐなネッシー」なのだ。
60s
それを食べにネッシーが出て来た。
「リンゴが食べたくなっても顔を出しちゃいけないよ」と言われているのに!
そして、ナマケモノと円盤も登場する。
オモシロいねぇ。
…ということは、曲の内容を先に佐藤さんに伝えておいて描き込んでもらったということか。
それともまさか、全部録り終えた後、完成した音源を聴いてもらって急づくりで描いてもらったとか?
それはないでしょう。

レコード・ジャケットがお好きな方、Marshall Blogでもそういうカテゴリーがありますので、興味のある方はコチラをどうぞ⇒ミュージック・ジャケット・ギャラリー70さて、EXシアターのステージに戻って…。
次の曲は『一触即発』から「空と雲」。80_sk独特な歌詞の雰囲気をジックリと歌い込む要さん。
以前にも書いたことがあったが、この曲を聴くとどうも谷中の町並みを思い浮かべてしまう。
坂や古いお寺がたくさんあるからだ。
あの辺は犬ではなくて猫だけどね。
ついでに、「おまつり」を聴いた時に浮かぶイメージはナゼか「ねじ式」なんだよね。
85v_2三国さんのソロから…90西山さんのソロへ。
2人のベテランが紡ぎ出す濃いメロディの連続をしみじみと味わう。
1001979年の『NEO-N』から1曲。
「NAMELESS」だ。110この曲では三国さんがボコーダーを披露。120ココのMCでも昔の話に花が咲いた。
アルバム『包』のレコ発コンサートで日比谷野音にテントを張ろうとしたが都からNGが出てしまい、天幕業者まで決まっていたにもかかわらず断念。
代わりに真夏の野音の客席をアルミフォイルで「包」んだ話とか…。
照り返しがスゴかったろうナァ。
でもムラなく日焼けできたことでしょう。浜辺で使うマットと同じ原理だもんね。
でも反対にテントを張っていたら熱がこもっちゃってどうにもならなかったんじゃないかしら?
真夏の野音は暑いでな~。
そういえば、四人囃子が出演した2010年8月の『Progressive Rock Fes』も暑かったっけナァ~。
囃子の皆さん、出番以外は冷房のきいた楽屋から全く出て見えなかったもんね。160そして、要さんがココで紹介したのは、この日発売となったSEE・SAWレーベル時代の3タイトル、『Printed Jelly』、『包』、『NEO-N』を集めたCDボックス・セット。
もちろん特典の音源も収録されている。170s三国さんが弾くキーボーズのリフから始まるのは、その『包』収録の「機械仕掛けのラム」。
やっぱりいいリフはシンプルな音使いで出来てるんだよね~。
フランク・ザッパの「Inca Roads」なんてドとレとソの3つだけだし、「Smoke on the Water」だってシンプルなことこの上ない。
この「ラム」で使っている音は4つ。
半音程が出てこない。
そりゃそうだ、ホールトーン・スケールで作られているんだから。
ま、でもこの手の話のチャンピオンはデューク・エリントンの「C Jam Blues」じゃないかしら?
 
「Machine Work RAM」…勝手にキューブリックに触発されたタイトルだと思い込んでいたんだけど、『包』のリリースは1978年。
映画の『時計じかけのオレンジ(A Clockwork Orange)』は1971年で、大分前のこと。
1978年は『バリー・リンドン(75年)』と『シャイニング(80年)』の間なんだな~。
すると、佐久間さんをインスパイアしたのはアンソニー・バージェスの原作の方かな?
イヤ、ゴメンなさい。キューブリック好きなもんで強引に結びつけております。
 
こんなレポートもやっていますのでよろしかったらどうぞ⇒イギリス紀行2019 その12 ~ スタンリー・キューブリック展 <vol.1>
 
オレンジ⇒ラム(rum)⇒RAMというつながりか…この時代からコンピュータをテーマにしているのがすごいご慧眼である。
私はこの時代でコンピュータを扱っている曲ちいえば、他にはPANTA & HALの「HALのテーマ」ぐらいしか知らない。
今となってはAIが進化を遂げ、もはや人類はコンピュータなしでは何もできない一介の子羊(lamb=ラム)と化してしまった。ナンチャッテ。
180_lumすごく好きな曲で最初のMarshall GALAの時にリクエストさせて頂きました。0r4a01585人とも一時も目を離すことができない素晴らしい演奏!200v山崎さんのググ~っと低いところを行くベースがタマらんね。
EDENのいいところを思いっきり引き出してくれている。
L<前編>で少々落語のネタを挟み込んだところ、それをご覧になった四人囃子さんのSNSが志ん生のオハコだった「火焔太鼓」を引き合いに出してくださってうれしかった。
そう、豪放磊落で天衣無縫で当意即妙な大二さんのドラミングは五代目古今亭志ん生のイメージがありますな。
ところが、それだけではなくてセンシティブで緻密なプレイはまるで八代目桂文楽だ。
私はよく、ウェス・モンゴメリーを志ん生、パット・マルティーノを文楽に喩えるのだが、大二さんはその両方だね。
『七人の侍』だったら久蔵(宮口精二)と菊千代(三船敏郎)のミックス。
山手線で言えば「鶯谷」と「上野」の間ぐらいか?
イヤ、日暮里の師匠と黒門町(御徒町)の師匠の家の間ぐらいだから。
そんな大二さんにはNATALのドラムキットがピッタリなのだ!
ホントにいい音なの。
190締めくくりはギター・バトル。
220vココでも要さんのギター・プレイが冴える!230 今回、何度かこうしたギター・バトルのシーンがあったが、ピロピロいうだけのただの「速弾き自慢」ではなく、どれも双方から練ったフレーズが繰り出される聴きごたえのあるバトルだった。
240再び『DANCE』から「ai-sala-di SCENE」。250v_asds「ナウいロックとアラビアンを混ぜた曲を作りたかった」という大二さん。
「昔、前に出て演っちゃったけど、もう二度とやらない」280そのステージ前方でシンセドラムを叩きながらこの曲を歌う大二さんが観たい人はコチラ。
1989年のMZA有明でのコンサートを収録したDVD。好評発売中!
Fhm 「次は難曲中の難曲です」
もうコレだけで次に演奏する曲がわかってしまう。
270vハイ、「なすのちゃわんやき」。300_ncこれまた5人のイキがピッタリ合った素晴らしい演奏。
もっともイキがあってなかったら演奏できないような曲の代表だからね。
310v

320v

330v

340 

350ココでもギター2人が絡み合う見せ場が用意されていた。
345「この曲はコピーしていると段々チューニングが合わなくなってくるんですよね」と要さん。
絶対音感を持っている人を困らせてやろう…ということを標榜して作られた曲ということは知っていたが、大二さんがその手法を語ってくれた。360v「ネタをバラしちゃうと、アレはあらかじめドラム・トラックを録っておいて、再生速度をどれぐらい遅くすれば音程が半音下がるかを測っておくんですね。
速度調節のツマミに印を付けちゃうんです。
そして、そこに向けて徐々にドラム・トラック音源の再生速度を遅くしていき、そのテンポに合わせて他の人たちが演奏をする。
すべて録音した後、全編普通の速度で再生してやると自動的に音程が半音上がるワケです」
なるほど、ワウフラッターの応用というか、悪用というか…。
この大二さんの話を聞いて瞬時にして思い出したのが10ccの「I'm Not in Love」。
やっていることは全く違うが、そのクリエイト精神が同じ次元ではなかろうか…というワケ。
昔の人(失敬!)はエラかった!
 
10ccが「I'm not in Love」でナニをやったか興味のある人はコチラをどうぞ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】vol.43 ~ 10ccに会いに行く <前編>

370vやっぱりスゴイ曲だわね。
日本って今でもプログレッシブ・ロックが盛んじゃない?
発祥の地、イギリスでは「Prog Rock」と呼ばれているけど、聴いている人なんてほとんどいないからね。
その点、日本はスゴい。
何しろ、ディスク・ユニオンのかつてお茶の水の明治大学記念館の前にあった店舗は世界で一番『クリムゾン・キングの宮殿』を売る店だという話を聞いたことがある。
「世界一」ですよ、世界一。
そんな国なのにこの「なすのちゃわんやき」のような曲が他に見当たらないというのはどういうワケか…(あるのかも知れないけど)?
器楽演奏能力のレベルも極めて高いのにとても不思議な現象だと思うんですよ。
 
私もこの曲が大好きで、やはり『Marshall GALA』で大二さんにリクエストして「稲葉囃子」で演奏して頂いた。
その時のビデオがコレ。

大二さん、ココで感動のスピーチ。
「この曲が出来上がった時はみんなすごく喜びましたね…。
今となってはメンバーが3人も亡くなってしまったけど、森もミツルも今後いつでも戻って来れるように空席を保っているんです。
坂下、悔しいだろう…早く戻って来いよ!」
12s41a0400_2いよいよ本編最後。
「一触即発」だ。0r4a0145冒頭のソロは要さん!

3901日に2回しかリハーサルができないという12分に及ぶ四人囃子の音世界にドップリと浸かることができたお客さんはラッキーだった。400

410

420v

430

440「♪ああああ 空が破けて ああああ 声も聞こえない」450長いものがたりを経て到達するエンディング。
やっぱり何度聴いても感動するね~!460アンコール。
「今日のことを本当に幸せに思っていたんですけど坂下さんが事故に遭ってしまって一緒にできないのが悔しくてタマりません。
そんな想いを込めて1曲歌わせてください」470要さんの弾き語り。
名古屋公演でも大好評だった「泳ぐなネッシー」。
ワンステップ・フェスティバルの1曲目。
坂下さんの作品だ。480_onギター1本をバックに会場に響き渡る要さんの歌声。
490この歌を聴いて心を揺さぶられない人はよもやいないだろう。500v「最後の曲…コレはシングルですね」
大二さんから加えられた説明では四人囃子のシングルは3枚。
「レディ・ヴィオレッタ」と『酔拳』の「カンフージョン」とこの「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」。
あの…「カンフージョン」って「Kung fu」と「Fusion」の「カバン語(portmanteu)」だったんですね。
恥ずかしながら最近気が付きました。510「♪ズダストダン、ズダストダン…」
大二さんドラムスによるおなじみの滑り出し。530_seアタマのリード・メロディは要さんの担当。S41a0484 最後の最後で出て来た人気曲。
お客さんは大喜びだ。
名古屋の時は一番最初に演ったんだよ。
200西山さんはこの曲だけギターを持ち替えた。
しかし…リハーサルの時から拝見していてつくづく思った。
やっぱり真空管アンプの音っていいね~。
どんなに電気機器やコンピューターの技術が進歩しても、真空管アンプの音には絶対にかなわないよ。
12s41a0486 次はいつ観れるんだろう…チョット寂しい気持ちを抱えながらバルコニーからシャッターを切り続けた。
580v
560
550v

590v「ありがとうございました!」

610vメンバーの皆さんと握手を交わす大二さん。620そして、大二さんからごあいさつ。630「結成50年、デビューから45年。
『おとなしい反逆児』としてモノづくりに励んで来ました。
茂木くん、真ちゃん、佐久間くんはいなくなってしまいましたが、森やミツルは回復に向かっています。
坂下…悔しいだろう!早く帰って来いよ!」640v「みんなで作った音楽が少しでも皆さんの気になってもらえるような活動をしたいと思います。
メンバーの皆さんにはとても感謝しています。
キッカケを作ってくれた稲葉くんや小野瀬くんにもとても感謝しています」650「元のメンバーで五体満足なのは私だけですが、四人囃子の音楽がオモシロイと思ったらゼヒ手に取って頂きたいと思います。
今後ともよろしくお願いします!」660vかのレナード・バーンスタインが音楽を担当した『Candide(キャンディード)』というブロードウェイ・ミュージカル、あるいはオペレッタがある。
残念ながら劇の内容がオモシロくないということで、たった2か月の公演でクローズしてしまった。
しかし、さすがにバーンスタインの作品だけあって、有名な「Glitter and Be Gay」や殺人的な名曲「I'm Easily Assimirated」等、佳曲が目白押しの一作であることには間違いない。
バーンスタインは『Candide』の終演から4年後、あるコンサートの中でこう言った。
「悲しいことにミュージカルは終わってしまったけど、『序曲』が残った」とその曲を紹介し、タクトを振った。
この『Candide』の「序曲」はミュージカルが打ち切りになってから65年経った現在でも世界中のオーケストラが演奏している。(バーンスタインの変な記事に興味のある方はコチラをどうぞ⇒【Shige Blog】レナード・バーンスタインの/とアメリカ
 
そう、本当にいい「曲」って環境や時代がどんなに変わっても生き残ることができるんですな。
四人囃子の作品はまさに生き残って来たし、これからも生きながらえていく曲たちだと思っている。
今回もボックスセットで旧作がリイシューされたけど、『一触即発』や『ゴールデンピクニックス』他が何度も何度もリイシューされるサマはまるで『Kind of Blue』や『Saxophone Colossus』や『Portrait in Jazz』や『A Love Supreme』のようでしょう?

Kob

Sc

Pij

Ls 人類が滅亡するまで聴き継がれていく運命を背負ったジャズの名盤たちね。
 20代の若者が作った「四人囃子の音楽」というモノは『Candide』の「序曲」やこれらの名盤のようにずっと受け継がれていくだけの価値と力を持っていると思うのです。
大二さんは「自分たちの音楽に興味を持ってくれる人がいれば、この身体が動く限りお届けしたい」とよくおっしゃっている。
多分、そのお言葉に偽りはなかろう。
正直、そのあいだにひとりでも多くの若い人たちに観て、聴いてもらいたいと思う。
 
四人囃子の詳しい情報はコチラ⇒Yonin Bayashi official Web Site
 
しかし…この記念すべきコンサートの写真をいつも通りに撮りたかったナァ。
コロナのアホンダラ!670P.S. 今回、とても良い機会なので、「From the Marshall Blog Vault」ということで2010年の『Progressive Rock Fes』の記事を次回お送りしたいと思います。
 

200(一部敬称略 2021年3月3日 EX Theater Roppongiにて撮影)

2021年4月 7日 (水)

スピンオフ四人囃子 feat. 根本要 & 西山毅 <前編>

 
「ようやく」というか、「とうとう」というか、「ついに」というか、「いよいよ」というか、「やっと」というか…とにかくこの日がやってきた!10いきなり脱線しますが、この「ようやく」他の4つの副詞ね、英語だと「finally」1語で全部言えちゃう。
もちろん「at last」とか「after all」に置き換えることもできるけど、日本語ほどバラエティに富んでいない。
日常生活における語彙の数が「日本語5万、英語2万」と言われるのがうなずける。
でも、「5万語」というのは昔の話で、日本人の語彙は恐ろしい速さで少なくなっているのではなかろうか?
「一触即発」なんて表現を使うのは四人囃子ファンぐらいなもんでしょう?
若い人たちがこの四字熟語を使っているのを耳にしたことがありますか?
 
スターダスト☆レビューの根本さんと、ギターの西山さんをフロントに迎えてのスピンオフ四人囃子。
このラインナップは大好評だった2018年5月12日に開催された名古屋のボトムライン公演以来。
あの時は楽しかったな~。
もう3年も経ってしまったのか…。
イヤ、本当はこのショウはもっと早く上演されていたハズなのだが、コロナのせいで大幅な延期を余儀なくされてしまったのだ。20_2会場は六本木のEXシアター。
完全な感染防止体制が敷かれての有観客公演。
客席はひとつ飛びとし、開演前には全席を念入りに消毒した。
もうホントにコレにはマイっちゃうね。
仕事がただただ増えるばかりで、良いことがナニひとつありゃしない。
もういい加減に終わって欲しい。
コロナでまたチョット脱線。
私は2週間に1回、イギリスのMarshallのスタッフとミーティングをしているんだけど、ここ1年というもの、冒頭はお互いのコロナの状況を報告し合うのが恒例となっている。
御存知の通り、イギリスは惨憺たるコロナ大国になってしまったが、基本的に「Be optimistic」を標榜していて、いつ話をしても明るい雰囲気に満ちていた。
何しろモンティ・パイソンの国の方々ですからね、「♪Always look on the bright side of life」なワケ。興に乗って電話口で一緒に歌っちゃったりしたこともある。
それが去年末になると、先が全く見通せない状況に元気を失い、さしものイギリス勢も完璧に「青菜に塩」状態に陥ってしまっていたようだった。
それが…ココのところ猛烈に元気を取り戻しているんですよ。
ワケを尋ねると、それはワクチンのおかげだった。
連中は「ワクチン打ちますか?それとも死にますか」という状況まで行っていたからね。
もう「ワクチン=大勝利」なワケ。自分のところで作ってるし。
ものすごい勢いで普及したのは日本のテレビでも報道している通りで、5月には8月に開催されるイベントのチケットを発売し出すそうだ。
ウチのMarshall Recordsのアーティストも秋のツアーの予定を発表し出した。
エンターテインメントのジャンルを問わず、一時期すべてのコンサートや実演の芸能が完全に消滅した国ですよ!
昨日の大阪のことといい、翻って日本はこんな調子でこの先一体どうなるんだろう?
このまま一生続くんじゃないか?なんて心配になってもおかしくなない。30客席から今度はステージに目をやると…
中央にNATAL。40大二さん愛用のバーチのキット。

50今日はタムタムが2つセットされている。

60スネア・ドラムは「ビーデッド/ハンマード・スチール」。
コレ、名前をナントカして欲しいんだよな~。
「チャーシューワンタンメン」みたいで長くてイケねぇ(←コレがわかる人は五代目古今亭志ん生ファンですね?)。
やってる私もクタびれたよぉ。イヤ、まだまだ始まったばかり。
サイズは14"×6.5"。
見た目は火をいれすぎた「常盤堂の雷おこし」みたいでエラくゴツいけど、案外ウォームなサウンドが魅力なのよ。70リハーサルのようす。
おお~!
85大二さん、Marshall GALA2のTシャツをお召しになられています。80vこのMarshallはキーボーズの三国さん用。
JVM410Hと1960BV。
90v三国さんは2015年に開催したご自身の還暦記念コンサート以来。
三国さんは昔からキーボーズにMarshallを愛用されていて、大分前にダイヤモンド・ユカイさんのレコーディングにお邪魔した時もオレンジ色の古い1959をお使いになられていた。
その1959がさすがにヘタってしまい、今では普通に世に出回っているMarshallをお使いになられていらっしゃる。
ということでJVMが登板した次第。
Deep Purpleのジョン・ロードが愛用していたことからもわかる通り、Marshallは70年代まではキーボーズ用のアンプを盛んに作っていたんですよ。100ベース・アンプはEDEN。
キャビネットは4x10"のD410XSTが2台。110v今回のヘッドはWTP-600が用意された。
120ああ、ASTORIA CLASSIC。
いいアンプだ~。
心底いいと思う。130西山さんには名古屋の時にお使い頂いて、今回もご指名に預かった。
コレはリハーサルのようす。140v西山さんもMarshallのTシャツだ~!
ありがたや、ありがたや。150会場のロビーにはグッズがズラリ。160イベントTシャツもバッチリ販売された。

170コンサートは配信も導入。180チケットはこんな具合。
いいね…昔のコンサートのチケットはみんなこんな具合だった。
今のコンビニで発券するチケットは味気ないもんナァ。
チケットを買うのには便利なのかもしれないけど、アレじゃ集めたってオモシロくも何ともないじゃんね。
発売日にプレイガイドやウドー音楽事務所に並んだ時代が懐かしいわ。
…と、注目して頂きたいのはこのチケットを持っている手の親指の爪!190左手が四人囃子のロゴ。
右手が『一触即発』のナマケモノなのだ!
熱烈な四人囃子ファンにご協力を頂きました。
ありがとうございました!200s_2コンサートの冒頭にステージに上がったのは…

210EXシアターの倉林支配人。
Marshall Blogでは「Led Zeppagain」の記事でおなじみね?
このコンサートに込めた想いを交えてひとことご挨拶。220v「四人囃子のコンサートは2013年のEXシアターの杮落し公演のひとつとして企画されましたが、残念ながら実現できませんでした。
代わって昨年4月30日、佐久間さんのご命日にコンサートを開くことになっていたのですが、それも新型コロナウイルスのせいでやむ無くキャンセルせざるを得ませんでした。
そして本日、坂下さんがご出演できなくなってしまいましたことは大変残念ですが、四人囃子のコンサート開催の運びとなりました。
緊急事態宣言下にもかかわらず、『コレだけはどうしてもやりたい』という私の思いに応え開催を実現してくれたスタッフ一同に心から感謝を申し上げます。
歴史的なコンサートとなることでしょう。
3月3日の桃の節句にふさわしく『五人囃子』での登場です」

230そして、メンバーがステージに現れた。240岡井大二R スピンオフ四人囃子のベースといえば…山崎洋。270vそして、2018年の名古屋以来となる…
300根本要と…
290v西山毅。280v残念ながら今回ご参加になれなかった坂下さんに代わり…310vキーボーズに三国義貴。320v♪ドコドン!
大二さんが叩き込むNATALのフロア・ドラムの音で始まった1曲目は「眠たそうな朝には」。
ドラムは「叩く」、太鼓は「打つ」…が正しいシンタックスであると鼓の大先生から教わりました。325実は前回もオープナーが「円盤」だったので大二さんのドラムからスタートしたんだよね。
その時、西山さんは3曲目からのご登場だったが、今回はスターティング・メンバーで最初からステージに上がられた。
倉林支配人がおっしゃった通り、最初から「五人囃子」だ。330_na要さんの歌声が心地よ~く曲に馴染んでいて素晴らしい。340西山さんのギターで始まる2曲目は「Chaos」。
「ケイオス」ね。
この西山さんが弾くギターリフの拍子が3日前のリハの時からズットわからなくて苦しんでいた。
佐久間さんが弾いた音源のイントロを聴くと7/8拍子だとすぐにわかるんだけど、私の「バカ耳」には西山さんが同じ拍子で弾いているようにはどうしてもも聞こえないいのね。
1234
12345
12
123…『春の祭典』みたいに聞えちゃって…でもコレ、結局7/8拍子なんだよね?
佐久間さんの方も大二さんのバス・ドラムが入ってアクセントをズラされると途端にわからなくなっちゃう。
西山さんはこのバス・ドラム入りのパターンを最初から弾いていたのね…という風に私のバカ耳は分析しています。350_ch前回は取り上げられなかった曲。
今回は四人囃子のすべてのアルバムから曲を取り上げようということで、この曲が収録されている1989年の『Dance』から2曲が選ばれた。
そのウチの1曲。360vホラ、先ほどのファンの方の爪…「Dance」バージョンもあるのだ!
400sこの曲では大二さんもボーカルズを披露。370キーボーズの「Peter Gunn」的なバッキングがやたらと耳に残る~。S41a0019「はい、曲が終わりました。
ようこそおいでくださいました!
令和3年3月3日という「3」が重なるひなまつりです」
とまずは簡単にご挨拶。
 
ところで…さっきから掲載している私が撮った写真ね…ズット高いところから失礼しております。
相手が「みこし」だったら大変です。「はやし」でよかった。
昔はお神輿にこんなことをしていたら、身体中に荘厳なアートを施した皆さんからドヤされるか、水をブッかけられたものです。
この日は完全な感染拡大防止策を期して、カメラマンも客席へ入り込むことができなかったのです。
コロナのバカったれ!
よって今回のレポートは、終始上手側のバルコニーから撮影した写真で構成していきますことご承知おきくださいまし。
何せ全く移動ができないので似通ったカットが多いけど、演奏中の写真はすべて異なっており、使い回しは一切ありません。
3903曲目も大二さんのシンバル・レガートから。410_om「♪ナニもすることがなくて…」…「おまつり」だ!

420山崎さんのベースがクッキリと聞こえて来て気持ちいい~!430あたりまえだけど、要さんの歌があまりにも素晴らしい。
「やっぱり『おまつり』を聴いたら一緒に歌ってしまった」…となる。440スピンオフ四人囃子の沿革について語る要さん。
「4年前に大二さんと飲んだ」⇒「一緒に演ろう」てぇヤツ。
そして、3年前に名古屋でその計画が実現して、この東京公演となった。450vココでまずはメンバー紹介。455vそして、皆さんからひとこと。
 
「大二さんたちに遊んでもらっていました」
三国さんは北海道のご出身で、札幌でミツルさんと演奏していていらした。
ミツルさんはその時代から街を歩くと女性からヒューヒュー!だったそうです。
三国さんは四人囃子の曲を演奏するのが今回は初めてで、身体の大きい坂下さんは手のサイズも大きく、代役を務めるのはとても大変だとか。
「坂下さんはホヤが好きで北海道にくるとよく食べてましたよ」
480「高校の時に初めて四人囃子を聴きました。
KISSが全盛の時代、四人囃子はムズカシかった」456「で、その高校の時、小岩の『音曲堂』という楽器屋さんでバンド・コンテストがあったんですよ。
1回戦で敗退。
その時の審査員が大二さんだったんですよ!」
西山さんは私と年がひとつ違いなんだけど、当時はアチコチでバンド・コンテストが開かれて私も高校の時には時々チャレンジしたもんです。
もちろん同じ高校生でも腕前は西山さんとは雲泥の差ですよ。
西山さんはその後、東京12チャンネルの『ロックおもしロック』という番組のバンド合戦で「津軽じょんがら節」を弾いて近田春夫さんから大絶賛され、翌日学校での大きな話題になった。
となると、大二さんのジャッジはどうだったのか?という疑問が残らなくはないが、昔はそういうチャンとした「ロック」を演奏しているミュージシャンがコンテストの審査員を務めていらした。
私も妹尾隆一郎さんとか、山岸潤史さんとか、鳴瀬善博さんの前で演奏したことがあった…さぞかしお耳汚しだったに違いない。460しかし、驚いたのは西山さんのおクチから「音曲堂」の名前が出たことよ!
今でもありますよ。
最上階にチョットしたホールがあってね、そこで各種のイベントを開催していた。
バンド・コンテストではなかったけど、何を隠そう、高校2年の時に私も舞台に上がったことがあった。
UFOのコピーを演った。今で言うとカバーとかトリビュートって言うのかな?
マイケル・シェンカー役よ。
いい思い出です。
小岩には「珈琲園」というすごくいいジャズ喫茶もあったんだよ…それはいいか。470v「ボクの世代ではリアル・タイムで聴くことはできなくて、四人囃子は『伝説のバンド』でした。
高校でベースを始めて、少しムズカシイことをやりたくなった時に先輩が四人囃子をススメてくれたんです。
あるセッションで稲葉さんと一緒になって『タマにやる?』と誘って頂いたのがはじまりです」
山崎さんは譜面を起こしたりする山崎さんはこのチームの影のまとめ役なのだ。
490「次の曲は『プリンテッド・ジョリー』から…」
S41a0165「『ジョリー』じゃなくて『ジェリー』ね」と大二さんからjollyなツッコミが入ったところで…「昼下がりの熱い日」。
名曲だよね~。
まるでご自分の曲のようにメロディを歌い上げる要さん。500_hsa三国さんのソロ。12s41a0121 西山さんのソロ。
タッピングを交えてのトリッキーでスリリングなプレイ!
音に全く無駄がない完成度の高いソロ構成は西山ならではのモノでしょう。
510v曲の〆のソロは要さんだ。
前回に比べて今回は要さんのギターへの重点が増したようだった。520そのまま「カーニバルがやって来るぞ(パリ野郎ジャマイカへ飛ぶ)」。
私が一番最初に好きになった四人囃子の曲はコレかな?
中3かな?高1だったかな?もう40年以上も前、『ゴールデン・ピクニックス』を確かお茶の水のディスクユニオン(駅の横の画材屋の上にあったお店)で買って、聴いて、「Flying」が終わってブッ飛んだ。
こういう曲、私の中では「10cc的」っていうのかな?…もう大好きなの。
最初に聴いた時、「♪壊れかかったマットの車」という歌詞かと思ったのを今でも覚えている。530_carniこの曲もメロディだけではなく明るく楽しい歌詞が要さんの歌声にピッタリだ。540お楽しみの中間部。
「パリ野郎(Paris Canaille)」のメロディを華麗に奏でる三国さん。550vツイン・ギターのパート。
本当のことを言うと、ココの入り口はリットして欲しくないの。
レコードをさんざん聴いたからでしょうね。
ハモりバッチリ!
いつ聴いても楽しいナったら楽しいナ!560かき回しの締めくくりは大二さん。
ここぞとばかりにイアン・ペイス炸裂!
みんなさりげなく合わせるところがオモシロかった。
もう広規さんなんかはオモシロがって無視しちゃうからね。
C'est si bon!、お後がよろしいようで…。S41a0053 MCでは「パリ野郎」のことについて触れた。570「パリ野郎(Paris Canaille)」はシャンソンを代表する1曲。
作ったのはこのレオ・フェレ(Leo Ferre)という人。
私はフランス語はまったくの門外漢なので、調べてみるとこの「canaille(カナイユ)」というのは「下層民」とか「クズ野郎」とかいうヒドイ意味のようですな。
そんなゲスなヤツがなんでジャマイカへ飛んだんだろう?
音からすると舞台はパリのようだけど、ジャマイカでコトが起こっている設定なんだよね?
今度大二さんに訊いてみよう。
『ゴールデンピクニックス』のライナー・ノーツにはこの「Paris Canaille」のパートを「レゲエで演っている」と書いてあるんだけど、私のバカ耳にはレゲエのリズムには聞こえないな~。575v_smallチョット脱線してMarshall野郎パリへ飛ばせて頂きます。
この「Paris Canaille」、かのミシェル・ルグランがパリにまつわる曲をテーマにした1959年のアルバム『Paris Jazz Piano』というアルバムで、取り上げている。
2分チョットのごく短い演奏なんだけど、「Apris in Paris」、「I Love Paris」、「The Last Time I saw Paris」といったパリ丸出しのジャズ・スタンダードに交えてのシャンソン・ナンバーが実によろしい。Pjp2_2今、Gitanes Jazz Productionsという廉価盤レーベルに権利が移ってジャケットがこんなんなっちゃった。
ツマらんけど、このシリーズは安くてうれしい。Pjp2_1 しかし、「パリ」といえばコレだろう。
越前福井はヨーロッパ軒の「パリ丼」。
もう35年前ぐらいに一度食べて以来なんだけど、確か上に乗っかっているのはメンチだったように記憶している。
パリも行ってはみたいけど、やっぱり私は「ロン丼」かな?
Pd2 こういうご当地アルバムみたいな作品はいいね。
このニューヨークにまつわる曲を集めたメル・トーメの『Sunday in New York』なんかもそう。
私の愛聴盤。
日本でも東京をテーマにした曲を集めたアルバムなんてできたら楽しいのにな。
「黒門、根岸に稲荷町、なめくじ、日暮里、矢来町」…「Houses of Rakugo」なんて曲が入ってるの。12mynyc 曲単位だったらあるじゃんね。
一番カッコいいのは何といっても「東京ワッショイ」でしょう。
うまくまとまりました。
脱線終わり。Tw 1974年に開催された郡山ワンステップフェスティバルのお話。
スモーキー・メディスンをお目当てに参加した要さん。
スッカリ四人囃子にヤラれてしまい、コピーしてはオリジナル曲と偽って熊谷近辺を荒らし回っていたという…この話は名古屋でもされていたので、本当の話なのだろう。
ある時、あるツテを通じてその郡山の時のサウンドボード音源を収めたカセットテープが要さんの所に舞い込んできた。
現在正式に世の中に出回っているワンステップの四人囃子の音源はその要さんが所有しているカセットテープがソースになっているのだそうだ。
今、amazonのこのCDに関するコメントを見ていてこんなのを見つけた。
いま聞いたばかりの話なんだけど、この音源の元のカセットは根本要さんが持っていたものなんだそうです
ギャハハ!会場にいらした方かな?配信でお知りになったのかな?
 
郡山と来れば、それじゃ私も…かつてこんなイベントをお手伝いさせて頂いたことがあった。
このイベント会場に『郡山ワンステップフェスティバル』のポスターが燦然と飾ってあったのを思い出したのだ。S41a0151もう1曲『プリンテッド・ジェリー』から「ハレソラ」。580_hs前回、キーボーズと…
600西山さんのアンサンブルで彩られたイントロを聞いた時は感動したな~。
あの感動がよみがえったわ。
しかし、オリジナルはマンドリンでしょ?
素晴らしいインストゥルメンタリゼーション(←Ruth Underwoodが使っていて覚えた単語)だと思う。590メンバー全員の見せ場を集めた前半のハイライト。
要さんの伸びやかな歌声。610ピックでガツンと低音をお見舞いした山崎さん。

210v そして、ギター・バトル!615双方一歩も退かない硬派なギター・ソロ。

630おおっと!

640v西山さんが竿回しをキメこんだ!650v楽しさイッパイ盛り込んでショウは中盤にさしかかった。
 
四人囃子の詳しい情報はコチラ⇒Yonin Bayashi official Web Site
S41a0331<後編>につづく
 

200(一部敬称略 2021年3月3日 EX Theater Roppongiにて撮影)

2021年4月 2日 (金)

【BREAK the CODE】vol.17~SPADREI 松浦カズマ

 
Marshall CODEの魅力をお伝えする動画シリーズ『BREAK the CODE』の第17弾はSPADREIの松浦カズマ。

10v…と言ってもナンのコッチャかわかるまい。
元TORNADO-GRENADOのカズマくんが新しく結成したバンドが「SPADREI」。
まずは読み方だけさらっておくと、「スペードライ」と読む。
英語圏の人だと「スパッドレイ」になっちゃうかな~?
次回のイギリスとミーティングの時に試してみよう。100そのカズマくんはもちろんMarshall。20_2根っからのMarshall好きとあって、スッカリ気に入ってくれたCODE25を実にうまく使いこなしてくれている。30ホラ、カズマくんのCODE25に付けられたこの「亦」マークがお気に入りの証。
この「亦」は「有朋自遠方来、不亦楽乎。」でおなじみね。
え、コレ?
「友遠方より来る、亦た楽しからずや」ね。
「カズマ」くんの「マ」はこの「亦」が当てられているのね。50ギターにも亦ホラ。

40このギターをご覧頂けば一目瞭然、カズマくんは高崎晃さんの超大ファンで、子供の時からLOUDNESSをずっと追いかけているのだ。60すると!
WeROCK誌で『マーシャル CODEで作るLOUDNESS 81-84の高崎 晃サウンド』という企画が公開された。
何たるタイミング!
そこで、WeROCKさんのご協力を得て『BREAK the CODE(以下、「BTC」)』で実際にやってみよう!ということになった。70v今回のカズマくんのBTCの冒頭は、WeROCK誌が監修したセッティングをそのまま用いてLOUDNESSの初期のギター・サウンドの再現にトライしてみた。
80そして、その後はカズマくんが作ったオリジナル・サウンドを3つほどご紹介頂いた。
どれも上出来!
120v中でも出色なのはSPADREI(スペードライ)のギター・サウンド。
実はですね、このスペードライがスゴイんですよ。
何がスゴイって、シンガーさんの「声」。
久しぶりにこういう声で歌う若者のロックを聴いたよ。
要するにノドが張り裂けんばかりのシャウト系ボーカルズね。
実にうれしい!90_3その素晴らしい歌声が聴けるスペードライのファースト・シングル「Give Me Your Voice」を、今回はカズマくんがCODEを使ったインスト・バージョンで奏でてくれた。

130cdそれだけじゃなくて、近日リリース予定のセカンド・シングル「雷鳴-Rain Make-」もムリをお願いしてチラっと収録させて頂いた。
宣伝、宣伝!
早くライブが観たいわ~。
150cd歌だけじゃなく、TORNADE-GRENADEの時からカズマくんは曲作りがウマいでね。
2曲ともとてもいい感じだ。
そして、肝心なところをビシっとキメて見せるツボを得たギター・プレイ。
コレがまたいい。
CODEを使ってその辺りをバッチリと披露してくれた。110vコレだけ書いたら見たくなるでしょう?
ゼヒ、見てやってくださいまし!
バンド名の由来も説明してくれています。

…ってなことでSPADREI(スペードライ)とCODE、よろしくお願いします!
 
SPADREIの詳しい情報はコチラ⇒SPADREI Official Site Japan

140Marshall CODEの詳しい情報はコチラ⇒Marshall日本版ウェブサイト
BREAK the CODEのアーカイブはコチラ⇒Marshall日本語版ウェブサイト

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