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2021年4月14日 (水)

【がんばれSeijiさん!】D_Driveフロア・ライブ DAY1 [第1部]

 
昨晩、D_DriveがSNSを通じて公式に発表した通りリーダー/ギターのSeijiさんが、4月10日の名古屋公演後、身体の不調を訴え緊急入院した。
診断は脳出血とのこと。
地球をひとりで7周半もドライブした強靭なSeijiさんのこと、きっとすぐに復帰してくれることと信じている。10vMarshallやMarshall Recordsの仲間もみんな心配して見守っていてくれているよ!
 
Seijiさん、ガンバれ!
20 今日は3月下旬の新横浜strageからのライブ・レポート。
「strage」という単語の考察は前回やった。30 この日とその翌日は「フロアライブ」という企画。40v 床で演るから「フロアライブ」。
下の写真でおわかりの通り、ココはPAスピーカーがない。
要するに完全に「バンド生音」という環境。
ドラムスやアンプにマイクを立てる必要がないなら、お客さんと地続きのところで演奏しようじゃないか…というワケ。
いいぞ、いいぞ!
地代は60年代に逆戻りだ!
今はPAやモニターのシステムが必要以上に発達しちゃったもんだから、ステージ内の音量をやたらと下げて演奏するようになった。
でもね、やっぱりステージ内の音量が大きくないとダメなのよ…ロックは。
客席にいて聞こえて来る音量はたとえ同じでも、中でガツンと派手に作ったデカい音をPAスピーカーで大きくした場合と、中でチマチマと行儀よく出した音をPAスピーカーで大きくした場合とでは、サウンドの質がゼンゼン違う。
迫力が全く違うんだよね。
見た目の問題じゃなくして、アンガス・ヤングが30Wの1x12"のコンボであの音楽を演っていたらどうなると思う?
彼はPAから出ている音の元とは別にステージ上に配置している1960を何台もの1959を使って実際に全部鳴らしている。
それはとりもなおさずステージ内の音を大きくしてバンド・サウンドを分厚くするためでしょう。
見た目の問題だったら全部鳴らす必要なんかあるワケない。
それを見習ってか、同じオーストラリアのAirbourneという後輩バンドもステージに置かれた三段積み数セットを全部鳴らしてたな。
スゲえデカい音だった。
でも「ホンモノのロック」を十分に感じた。
日本ではもうこの辺りのことが忘れ去られているか隠されているね。
何でも利便性優先。
ステージに機材をゾロゾロ並べるよりPAで音を大きくした方がどう考えてもラクで経済的だもんね。
でも、それでいいのか?
ロックは本当に一度立ち止まって、商売のことから離れてすべてもことを少し考え直した方がいいと思う。
我々の世代からホンの少し下の世代の人たちぐらいのMarshallの壁に憧れた世代までは、ロックの本来持っているカッコよさや、迫力を体験していると思うけど、気の毒なのは今の若者よ。
「ロック」という音楽が本当はもっとカッコいいモノであることを教えてすらもらえない。
こんなに音楽が無料で自由に聴ける時代になったというのに大変皮肉な話だ。
あ、イカンイカン、つい書きすぎてしまった。
とにかく生音で演ったのさ、ね~Seijiさん。
50 したがって今回はいわゆる、誰が言ったか「プロレス入場」。
しかし、ウマいこと名付けたよね。
60自分の楽器がステージ上にセットされているChiikoちゃんを除く3人が客席の間を通って登場した。70オープニングは「Hyper Driving High」。
D_Driveの基本だ。80そこから「M16」。
コレもD_Driveの基本だ。S41a0053もう1曲続けて「Casis Orange」。
コレも基本。
何しろD_Driveの最も古くからのレパートリーだからね。
…アタマはド定番の3曲で固めてきたよ。
今回は2日間でレパートリー全曲演奏するというプランだ。
S41a0126 「どうもありがとうございます!
ココでもう何度か演奏しているんですが、フロアで演るのは初めてのことです。
アンプ類にマイクが1本も立っていないことにお気づきになりましたか?
PA一切なしです」
ゴメン、もう書いて一発ボヤいちゃった。
130v「今日はChiikoさんもNATALのフルセットです!」
「広い」っていいナァ。
0r4a0001 「ショウが終わったらゼヒ私たちの機材を見て行ってくださいね!」

140Chiikoちゃんのドラムスからスタートしたのは…

S41a0495 コレ。
親指を立てろ~!
「Thumbs Up」だ~。

0r4a0060ナンカ前よりガンガンに親指を立てるようになったな。
よかよか!
英語においては、「親指」って特殊なんだよね。
「親指と他の4本の指」という感覚があるらしい。
確かに人差し指は「index finger」、中指は「middle finger」、薬指は「ring finger」、小指はpinkyなんていうけど「little finger」、でも「thumb finger」ってのは聞いたことがない。
親指は別格で「thumb」という言葉が特別に用意されているというワケ。
語源はラテン語で「膨れる」という意味。
ちなみにこのYukiちゃんが取っているポーズの起源は「グラディエイター」だそうだ。
Yukiちゃんが親指を下向きにした時は「全員死刑」となる。S41a0166D_Driveお得意の「4人が主役」のスリリングなナンバー。
曲はMarshallの社長に献呈されている。S41a0022

S41a0212

S41a0236

S41a0350「♪D~ではじまり、eで終~わる、インストのバンドはD_Drive」…みたいな?
コレ、関西でもやってるのかな?
AGCってのは昔の「旭硝子」ね。
「竜馬がゆく」にも出て来る三菱グループの創始者、岩崎弥太郎…の弟、岩崎弥之助の次男である岩崎俊弥によって創業した会社が旭硝子。
S41a0177Marshall Recordsプロデュースのビデオは見てくれているよね?
久しぶりの「Runaway Boy」。
この曲を演るたびに書いているけど、D_Driveを始める前から友達だったSeijiさんからCDをもらって初めて聴いて驚いた思い出深いD_Driveの曲。
S41a0190 ギター・チームの妙技にも感動したけど…

S41a0093 疾駆するドラムスにも大いに感銘を受けたっけ。
そのドラマーが女性だと知ったのは後になってからのことだった。S41a0108 このブロックを締めくくったのはヘヴィなワルツ「The Lost Block」。0r4a0079 Toshiくんのベースがズドンと食い込んでくる。S41a0082 今日のToshiくんのイードゥンはWT-800とD210XSTにD410XSTのセット。
コイツ、マジでスゴイ音を出しやがる。0r4a0009 春が近づくと出て来るのが「どこかに春が」。
「私、この曲知らないんですよね~」
しからば教えてやろう。
イヤイヤ…そんなエラそうなことは言えない。
私は知ってるけれど、子供の頃コレを歌った、あるいは歌わされた記憶がない。
何しろこの曲にサビがあるのを知らなかったのだから。
 
作詞は百田 宗治。大正から昭和期の詩人、児童文学者にして作詞家のお方。
高等小学校(今の中学校)を卒業後、独学でフランス語を学んだ。ホイットマンやロマン・ロランの影響を受けた詩を作ったのだそうだ。
こんなこと書いていると頭脳警察の「まるでランボー」という曲を思い出すな…でもね、オレには詞なんてわからない。
一方、作曲は草川 信という人。長野のご出身で旧制長野中学(今の県立長野高校)から東京音楽学校(今の東京芸術大学音楽学部)に進みヴァイオリンとピアノを学んだ。
「夕焼け小焼け」を作ったスゴイ人。
いい「童謡」ってのはちょっとやそっとじゃ作れないからね。S41a0144Seijiさんもこの曲をご存じなかった。
日本の抒情歌や動揺をギターで奏でるイベントへの出演依頼があり、演奏を指定された曲が「どこかで春が」だった。
元が1分ぐらいの曲を3分以上に引き延ばすのに苦労したとか。
初めてD_Driveの演奏を聴いた時、「あ~、D_Driveっぽいイントロをくっつけたな」と思った。
そしたらアータ、あのイントロのメロディはサビのメロディだったのね?
上に書いた通り、この曲にサビがあるなんて知らなかったもんだから今回知ってビックリした。
ところが元のサビのメロディは長調(童謡だけに!)なんだけど、Seijiさんは短調にアレンジして曲のアタマに持って来たのだ。
コレは冴えてますよ。
さすがSeijiさん!いいアイデアだ。
たくさんホメて元気になって、早く復帰してもらわないと!
コレだけ書くとこの曲の聞こえ方もゼンゼン変わって来るでしょう?

S41a0461ということで1年に一回、この季節にしか聴くことのできない貴重なナンバー「どこかで春が」。

0r4a0135 桜も終わった今の季節は「緑雨」とでも表現されるのでしょうか?
コチラはいつまでも降り続く青い悲しい雨…ハイ、それでは弾いて頂きましょう。
D_DriveのYukiさんをフィーチュアして…「Unkind Rain」です。
Yukiさん、どうぞ!
S41a0554思う存分感情を込めて弾ききったYukiちゃん。S41a0563「おかげさまで『47都道府県ツアー』を再開することになりました!
東北と北海道に全く行けていなかったのでゴールデン・ウィークを使って1週間以上かけて回ります。
北海道では2日演ります。
コロナで中止になる前にはソールドアウトしていたんですよ!
以前行った時は機材をレンタルしたんですが、今回は車で全部持って行く予定です!
身体がもつか心配…。
次の2曲で換気タイムです」12s41a0149_2第1部締めくくりの2曲はまず「Chanpaign」。S41a0073 コレもメンバー総当たり的な曲。S41a0236_2ワンマンのように持ち時間がタップリある時にしか取り上げない曲だけど、実はすごくいいんだよな。S41a0320個人的に今にして思うと『Mazimum Impact』に入れてもヨカッタと思っているぐらいなのです。

S41a0227 全編にわたってフィーチュアされるChiikoちゃんのドラムス。

S41a0307冒頭でYukiちゃんが紹介してくれた通り、NATAL Chiiko Secialのフルセット!0r4a0003 そして「Mr. RAT Boots」で締めくくる。S41a0038やっぱり、最後のパートはいつ聴いてもカッコいいな。S41a0112サラっと場面が変わる所が実にニクイ演出なのだ。

S41a0035 D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official WebsiteS41a0074<つづく> 
 

200 (一部敬称略 2021年3月20日 新横浜strageにて撮影)