【がんばれSeijiさん!】D_Driveフロア・ライブ DAY1 [第2部]
D_Driveの『フロア・ライブ』レポートの<後編>。
床で演るから「フロア・ライブ」。銭湯で演ったら「風呂屋ライブ」。
写真は地下鉄銀座線「稲荷町」駅から歩いて1分の「寿湯」。
こんな東京のど真ん中でありながら、20年ぐらい前まではにわかには数え切れないほど沢山の銭湯が散在していたものだが、今となってはこの寿湯を含めて2軒ぐらいしか付近に残っていない。
かつては真向いに東京最後の「同潤会アパート」があった。
もっと前、寿湯の一本駅よりの通りには古い四軒長屋があって、そこに噺家の林家彦六が住んでいた。
通称「稲荷町」、または「稲荷町の師匠」。
彦六は先代の林家木久蔵(現、木久扇)の師匠で、「林家彦六伝」という噺というか、漫談というか、をお聴きになったことがある人もいるだろう。
アレは殺人的にオモシロイからね。
稲荷町は彦六を名乗る前は「林家正蔵」といった。
「林家正蔵」と言う名前は「大」がつく名跡で、名人しか名乗ることができない重い看板なのです。
木久ちゃんはオモシロおかしくモノマネを交えて師匠の人となりを噺に仕立てているが、実際にはあのモノマネほど声は震えていないし、身体が揺れることもなく、怪談話や芝居話といったシリアスな噺を得意としていた。
私は若い頃は苦手だったけど歳を取った今聴くと、落ち着いていて、威厳があって、実に味わい深い。
彦六は「長屋こそ噺家にふさわしい住まい」として、終生その銭湯の近くのせまい長屋で暮らした。今、「林家正蔵」って誰だか知ってる?
そう、「下町の学習院」台東区立根岸小学校卒のこぶ平ね。
失礼ながら「正蔵」という大名跡を継げる能力はない…というのが世間一般的な見方なんだけど、この人は自分の実力を知っていて、「シリアスでムズカシイ大ネタはできません」みたいなことを自ら宣言したらしい。
コレは立派だよ。
じゃ「正蔵」を名乗るべきではない…と思いたくもなるんだけど、実はこの「正蔵」という名前はこぶ平のところの海老名家の噺家が継ぐ権利を持っているんだな。
じゃナンで彦六が「正蔵」を名乗っていたのか…。 昭和25年、ちょうどその時「林家正蔵」を名乗る噺家がおらず空跡になっていたので、「一代限り」という条件付きで彦六は海老名家から名前を借りたんだね。
本当は「ニキニキニキニキ二木の菓子」のこぶ平のお父さんの三平が継ぐことになっていた。
その後、林家三平が人気者になり、彦六は「正蔵」の名前を三平に返すと言ったのだが、人のいい三平は「イヤイヤ、兄さん、そのまま正蔵の名前を使ってください。もう大変なんスから」と彦六の申し出を断った。
三平は押しも押されぬ大スターになっていたので、名前を変えるのを得策と考えなかったのかも知れない。
何しろオモシロイからね~。
テレビでは「第7世代」とかなんとかいって騒いでいるけど、三平の方が全然オモシロイ。
もう、ジャズで言えばチャーリー・パーカー、ロックで言えばビートルズ、マンガで言えば赤塚不二夫ぐらいの革命児だったんだから。
そうこうしているウチ、近い将来に「正蔵」の名前を継ぐハズだった三平が1980年に死んでしまった。
そして同年、彦六は生前に海老名家に「正蔵」という名前を返上し、自分は「彦六」を名乗るようになった。
そしてその翌々年、「稲荷町の師匠」もこの世を去ってしまった。
皆さん、お餅ってカビがすぐ生えちゃうでしょう?
アレ、なんでカビが生えるか知ってる?
……Thinking time……
答えは…「早く食べないから」。
…と彦六が言ったことになってるけど、マァ木久扇師匠の創作だろう。
ウマいこと言うもんだ。
下がその彦六師匠が住んでいた長屋。
この小さな2階建ての木造の家を縦に割って、2世帯が今でも暮らしている。
イギリス風に言うと「Detouched House(デタッチト・ハウス)」ということになろうが、あれほど立派ではなく、木久蔵の噺によると中は滅法狭かったらしい…見ればわかるか。
今はTimesの駐車場になっているが、40年ぐらい前まではココに同じものが立っていた。
2棟並んで立っていたワケじゃないよ。つながっていたの。
つまり、横長のひとつの家を縦に4つに区切っていたワケ。
だから「四軒長屋」。
私の記憶では、彦六師匠の後を継いだのか、「ナントカ」という噺家の表札がかかっていて、隣りには「彫りナントカ」という刺青師が住んでいた。
タトゥーとはワケが違いますよ。
「浅草の彫り師」ですからね、ホンモノ中のホンモノですよ。
今は残っている方の部分に「藤間流」の日本舞踊の師匠がお住まいのようだ。 参考までに…。
コチラは根岸の海老名家。
いわゆる「三平御殿」。
どっちに住みたいかはアナタの自由だ。 急に落語の話なんかをしておかしいでしょう?
私は18歳ぐらいの頃に父の影響で落語を聴き始めたんだけど、聴かなくなるとパタリと聴かなくなるてぇヤツ。
聴いたり、聴かなかったり…コレの繰り返し。
で、今、何度目かの大落語ブームが私のなかで起こっているのです。
ゴメンね、「そんなのヨソでやれ!」って感じですよね?
やるつもりです。
参考までに…下がイギリスの長屋「Detouched House(デタッチト・ハウス)」。
ヴィクトリア様式っていうのかな?
一見すると、1棟の3階建ての家に見えるでしょう?
内部は縦に2棟に分けられていて、黒と緑のドアがそれぞれの入り口になってる。
彦六師匠の長屋とは偉い違いだ。
コレで建物の向こう側には「Backyard」と呼ばれる細長い裏庭が付いているのが普通で、私も何人かの友人の家にお邪魔したことがあるが、とても機能的で快適だ。
この建物もそうだけど、2世帯で建物がひとつということではなくて、こういう建物がズラーっとつながっていて、2世帯ずつ組みになって区切られている。さて、書きたいことを書いて気が済んだ後は、『フロア・アライブ』の第2部。
竿を持ち替えての登場。
Seiji
Yuki
Toshi
Chiiko
第2部の1曲目はYukiちゃん作の「逆鱗-GEKIRIN-」。
YukiちゃんのMarshallはいつもの「Blue Rose」のJVM410Hと1960A。
矢継ぎ早にSeijiさんのリフで始まる「Russian Roulette」。
Seijiさんもいつもの「Seiji Vintage Special」。
声が出せないからみんなで手拍子!
さらに「Amomg the Distruction」をつなげた。
ちなみにイギリスでは「among」を「amongst」と書くんだけど、コレがなかなかになじめない!
Toshiくんのソロ炸裂!新鮮な空気の中、Dチューニング特集で派手に始まったフロア・ライブの1日目の第2部。
「次はまだ音源になっていない曲を演ります。
私が飼っているインコ、ラムちゃんとレモンちゃんをテーマにして作った曲です」
出た~、「愛犬」、「お姉さん」、「ドラゴンボール」に続く「Yuki's Private Life」シリーズ。曲は「Wings」…鳥だからね。
Yukiちゃんが16ビートのカッティングを奏でる。でも結局はヘヴィなD_Driveナンバーとなる。
コレでいいのだ!
「インコの声をギターで演ったのははじめて」というSeijiさん。
ま、エイドリアン・ブリューじゃないからネェ。 続いてもYukiちゃんナンバーで「Begin Again」。
この曲もスッカリ「Dスタンダード」の仲間入りをした感がありますな。
聴けば聴くほど味が出て来るスルメ曲。私が特にそれを味わったのがこのビデオ。
皆さん観てくれたかしら。
Seijiさんに相談して私が編集させて頂いた。
D_DriveRの皆さんならすぐにおわかりだろうけど、大阪十三GABUでの『10周年記念コンサート』とウチの『Marshall GALA2』のビデオをミックスしてオフィシャル音源を重ねたモノ。
コレがなかなかに大変な作業だった。
いくら同じ曲を演奏している動画とはいえ、やっぱりスタジオで録音した音源とアドレナリンが出ている生演奏とでは大きな差が出て来るのが普通だからね。
でもD_Driveはすごく優秀で、テンポもそのキープもかなり正確でオフィシャル音源通りの生演奏。
それでも画面に映えるシンクロ・パートを探すのに苦労しましてね~。
作業に1週間ぐらいかかったわ。
おかげさまでイギリスからもおホメの言葉を頂戴しました。
と、いうことで、観たことがある人もまたどうぞ!
Seijiさんの弾くシンプルなリフがでスタートするのは「Attraction 4D」。
この曲は海外でもとても人気があるのです。
ココで物販の紹介があって、明日のフロア・ライブの告知。
いよいよ初のフロア・ライブ最後のセクション。
Yukiちゃん作の「Drive in the Starry Night」。今日もしっかりとフォーメーションがキマりました。
「Advance and Attack」…「てめえ、ヤル気か?」みたいな雰囲気の曲。
この曲を聴くたびにそう思っていたら、それもそのハズ、コレはYukiちゃんが「進撃の巨人」をイメージにして作ったのだそう。
またマンガか…。
次はドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」かなんか読んでナニか作って頂きましょう! 本がダメなら映画にしよう。
この曲にちなんでロバート・アルドリッチの『攻撃』という作品はいかが?
原題は「Attack!」。
私は音楽の道に入る前は映画に夢中で、古い作品しか観ないとはいえ、人よりは数多く観ているつもり。
その中にあってこの『攻撃』はいつでも「私のベスト10」に入って来る作品なのです。
舞台は戦場だけど、中身は全然違うから。
ちなみに神戸出身の淀川長治さんもこの作品をかなり高く評価されています。
少なくとも『ナントカ、部活やめるってよ』とか『シン・ナントカ』よりはタメになります。
こういう重苦しいハードな曲にもこのリズム隊はバツグンのコンビネーションを見せてくれる。
2人の高度なテクニックがEDENとNATALのいいところを引き出してくれるのだ。
今度はSeijiさんの人力ギター・シーケンサーから「The Last Revenge」。
そういえば「全国居酒屋甲子園」の時、この曲をASTORIAで弾いて頂きましたっけね~。
本編を締めくくったのはエピローグ的1曲の「Over REV」。
アンコール。
「今日はD_Drive初の『フロア・ライブ』にお越しくださいましてありがとうございました。
皆さまのおかげで『47都道府県ツアー』を再開することになりました」
と挨拶したYukiちゃんだったが…すでにD_DriveのSNSで発表した通り、Seijiさんが参加できないため、『D_Drive感謝の47都道府県Drivingツアー』は一旦すべての予定をキャンセルすることとなった。
公演を楽しみにしていらした方も多かろうが、ココは仕方がないね。
みんなでSeijiさんの早期の復帰を祈ろうではないか! アンコールはハーモニクスを活かしたリフから始まる新曲「Breakout」。
Yukiちゃんも7弦ギターに持ち替えてのヘヴィ・チューン。
Toshiくんも5弦ベースに持ち替え。
ChiikoちゃんはNATALに変化なし。
完璧なサウンド。
そうそう、今回は完全にNATALの素の音だったでしょ?
何人かのお客さんに「NATALってすごくいい音ですね!」とおホメの言葉を頂いた。
うれしいね~。
イエイエ、叩き手がいいんですよ~。こうしてD_Drive初のフロア・ライブの第1日目が幕を下ろした。
この企画のテーマは「フロアで演奏する」ということだけでなく、2日間でD_Driveのレパートリーをすべて披露するというモノでもあった。
残念ながら2日目はお邪魔できなかったので、セットリストのみココに記録しておく。
Marshall Blogの良いところは、写真でも文章でもなく、私が生きている間はライブの内容がズットこの世に残り続けるということなのよ。
さて、今週末のD_Drive。
吹田「TAKE FIVE」の2日はYukiちゃん、Toshiくん、Chiikoちゃんの3人体制「C_Drive」で臨みます。
関西の皆さん、ゼヒ応援に行ってあげてください!
Seijiさんは完璧に治して早く元気に帰ってくること!
みんな待ってるよ~! D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Website<つづく>