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2013年3月

2013年3月29日 (金)

SHOW-YA~SMOKIN' at O-EAST

今日は3月29日。何の日だ?!

SHOW-YAファンなら即座にこう答えるよ…「NAONのYAONのちょうど1ヶ月前の日!」って。いよいよ押し迫って来ましたな。とても楽しみだ。

このイベントは日比谷野外音楽堂の90周年の記念事業のひとつなのだ。90年前ということは1923年(大正12年)。ジム・マーシャルが生まれた年なのだ!

さぁ、あとひと月ワクワクしながら過ごすとして、今日は1月に開催された渋谷O-EASTでのライブのレポートをお送りしちゃうのよ。偶然今週は全部O-EASTからのレポートになった。

え、「エラク遅いじゃねーか!」ってか?そう、「NAONのYAON」まで間が空いてしまうので今日までキープしといたのさ!

では…。

10

22年ぶりのニュー・アルバム『Genuine Diamond』やライブDVD『HARDEST ROCK』を発表し、充実した1年を経、年が明けての最初のライブ。

20

会場は超満員!ほんと、SHOW-YAの凄まじいまでの勢いを感じざるを得ないね。

30

ズラリと並んだ名曲、人気曲にこの日も満員の観客が熱狂した。

40

今日もsun-goのマーシャル・サウンドが鳴り響く!

50v

ステージ上手ソデにセットされたアンプ類。ヘッドはおなじみJVM410H。

60

足元のようす。

70

キャビネット。音を拾っているのは下段の1960BDMだ。

80v

…と、ここまではいつもと同じ展開。

今日はですね、いつもと趣向を変えてレポートを作ってみた。いつもはショウの流れに沿って写真を並べていくが、今日は各メンバーさん毎に写真を並べてみた。ちょっとした写真集として楽しみつつ、この素晴らしいライブの雰囲気を味わってもらいたいと思う。

ナゼかっていうとね、写真が絞りきれないんですよ。もうみなさんカッコよすぎちゃって!会場はもう何回撮影したか数えきれないO-EAST、ステージ上には大好きなSHOW-YA…お気に入りの写真も増えようというものでしょ。アレも見せたい、コレも見せたいって。まずは恵子さんから。

寺田恵子

90v

今日のオープニングは「BATTLE EXPRESS」。

140

150v

ショウの間、必ず一度はくれるカメラ目線。

110v

客席を睥睨する恵子さん。りりしいことこの上ない!

120

キャプテンとのデュエット。

130

200

100v

キチット計算されたマイク・スタンドを使ってのアクションも恵子さんのカッコよさのポイントだ。

 

160

170

やっぱり恵子さんのカッコよさは筆舌し難いね。

180

全編、一時も手を抜くことなく全速力で走りぬけるサマには本当のロック・シンガーの誇りと魅力を感じる。

190v

中村美紀

210

多彩なキーボード・プレイでバンドのサウンドを分厚くするキャプテン。

220v

シンフォニックなキーボード・ソロのコーナーをいつも楽しみにしている。

230

コーラス・ワークも完璧!恥じらいのMCも大きなみどころ?

240

キーボードが入っているバンド自体が減少して久しいが、やっぱりこうして何台もの鍵盤楽器に囲まれて…

250

奥にはレスリー…やっぱカッコいいよね。

260v

270v

笑顔のキャプテンがまた素敵だ。

280

そういえば今回はキーボード・ソロと「流星少女」をくっつけなかったな…。

290v

「in My Arms」からそのまま突入したキーボード・ソロ。どこに入っていてもカッコいいものはカッコいい!

300

仙波さとみ

310

さとさんは何となくバシっとした写真が多くなる。

320v

こういうヤツね。激しいアクションだからどうしもこういう絵になるのだ。ん~、我ながらカッコいい。イヤ、さとさんがカッコいいんだけど…。

340

350v

マーシャルの前で1枚。

360

370v

ゴリンゴリンのベース・サウンドも大きな魅力だが、さとさんのベースラインってメロディアスなんだよね。

380v

それでいてハード。でも、主張しすぎることのないハード・ロック・ベースのお手本のようだ。

390v

「Count8」のさとさんは最高にカッコいい!

400

ベース・ソロの最後にJack Daniel'sを片手にステージに登場するsun-goさん。

550

グビ、グビ…

560

570

五十嵐sun-go美貴

sun-goさんもグビ、グビ…

580

ご満悦。

590

今日も岩石のようなギター・サウンドで観客を揺さぶったsun-goさん。

440v

450

JVMと1960BDMがクリエイトするギター・サウンドはもうSHOW-YAにはなくてはならなもの。

460v

ソロにリフに最高のギター・サウンドが炸裂する。

470

この3枚はとても似てるけど、選びきれなかった。どれもお気に入り。sun-goファンの皆さんはいかが?


480v


490v


500v

510

520v

クールにふるまうsun-goさんも素敵だが、情熱的にギターをかきならす姿も素晴らしい。

525v

やっぱりギタリストの背中にMarshallロゴが見えるとロック感が増すねぇ~。

530v

540v

フロント陣の絡みのアクションも見逃したらいかんね。

410

sun-goさんとさとさん(コレ読みにくいナ)、恵子さんとさとさん。

420

くっついては離れ、離れてはくっつく、この加減がまたとてもいい具合なのだ。

430

角田mittan美喜

600

ドライブ、またドライブ、壮絶なドラミング!

610

620

MCの時とはまるで別人のmittan。いや、MCの時が別人なのか…。

630v

緩急自在、臨機応変にバンドをプッシュする。

640v

650v

もちろんドラム・ソロもバッチリと披露してくれた。

660

670

680

ドラム・ソロの直後にものすごい歓声を浴びるmittan!

690v

全編見どころ満載のSHOW-YAのコンサートだが、人気曲が集中する本編の後半は特に目が離せない。

700

今日は「Rplling Planet」、「ギャンブリング」、「私は嵐」、「限界LOVERS」と続いた。

710

本編、全14曲。一時も目を話すことができないスリリングなショウだった。

720

そしてアンコール。

730v

また…

795

グビグビのsun-goさん。

796

 

まずは「Waht Do You Say」。

740v

ピンクのヤツがすっかりお似合いの可愛い恵子さん。

760v

もう会場は大熱狂!

810v

たくさんのバラを花を抱えて客席に投げ入れた恵子さん。

780

最後の曲は…

750v

「Fairy」!

770

やっぱりいい曲だニャ~。

800

しかし、恵子さんに絶唱ブリはいつもお見事!ほんとカッコいいわ~。MCはおもしろいし!

790

もう終わっちゃうよ~!

830

大歓声に応える5人。

840

アンコールを含め全16曲。

野音につなげるいいアクセントになった。

850

終演後の握手会も大盛況なのだ!

SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA OFFICIAL SITE

860

…ということでいよいよ次は『NAONのYAON』。マーシャル・ブログでおなじみの方々も登場するからね~、本当に楽しみなイベントだ。

NAONのYAONの詳しい情報はコチラ⇒NAONのYAON 2013

みなさん、次回は野音でお会いしましょう!

(一部敬称略 2013年1月20日 渋谷O-EASTにて撮影)

 

 

2013年3月28日 (木)

WE LOVE BAKUFU SLUMP 署無者もしくは罪無非

月曜日からお送りしている爆風スランプの偉業を称えるトリビュート・アルバム『爆風トリビュートComplete』の発売記念ライブ『WE LOVE BAKUFU SLUMP』のレポート。

今日はナミダ、ナミダのシリーズ最終回!

30cd

米川英之のフィーチュア・コーナー。

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ハウス・バンドのギタリストとして大活躍の米川さん。

1310v

ここでは渡辺英樹田口智治が加わった米田渡としてのユニット。

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まずはオリジナルで「Getting Better」。

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貫録のステージ!

1340v

そして、どこで出るかと皆様お待ちかねの「Runner」!

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爆風最大のヒット曲とあって、他の出演者も大勢加わったゴージャスな演出だ。

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当然観客もそれにこたえるかのような合唱!まちがいなくショウのひとつのクライマックスとなったことは言うまでもない。

で、「Runner」が出てしまったのでコンサートももう終わり…

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というのは大間違い。

この後、ROLLYが登場した。

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ROLLYさん、実は出演者にお名前が挙がっていなかった。

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それだけにお客さんは大興奮!要するにサプライズだ。

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出てきた瞬間、ツカミは完璧!

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ROLLYさんは「ギターが似合うギタリスト」のトップクラスにランクされると個人的に思ってましてね。ビシッとキマるんだよね。

1400v

2000年に開催された第1回目のマーシャル祭りにご出演いただいた時からお付き合いさせていただいていて、これまで何度となく写真を撮らせていただいてきた。

1430v

ROLLYさんも撮影するのがとても楽しみにミュージシャンのひとりだ。何たってロック魂満載だし!

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そのロック魂を爆発させて演奏した曲が「たいやきやいた」。

1420v

やっぱり、ROLLYさんもものすごい存在感というかアッピール感というか、ま、要するにエンターテイナーとしての大きな華を持っているんだよな~

タモリ倶楽部でファズを作った時もヨカッタもんね。あのマーシャル三段積みがまたスゴかった?

1440v

米川さんとのギター・バトルもタップリ!

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ギター・バトルとマーシャル…なんと美しいコンビネーションよ!やっぱりいかなるシーンでもそこにマーシャルがある限り、完璧なロック・ステージの演出を約束するのだ!

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1曲というのはちょっとさびしいような気もするけど、充実のステージ…何か短い間にひとつのロック・ショウを観たような気がした。

1450v

恐るべしROLLYさん、偉大なる爆風スランプ!そして、素晴らしきかなこの企画!

1480v

そして大トリの登場だ。 そう、まだこのグループが残っている。X.Y.Z.→A!

『ウッドストック』でいえばジミ・ヘンドリックスだ。ウッドストックの時は、時間が押しに押してしまい、ジミの出番が月曜日の朝にズレ込んでしまった。お勤めの人たちは当然帰ってしまっているので、40万人いた観客が減りに減り、たった3万人(それも3万!)の前で演奏した。

今日はそんなこと全然なくて、大したトラブルもなくこうしてトリを迎えることができた。

X.Y.Z.→Aがすべてを締めくくる~!

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二井原実

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橘高文彦

1510v

和佐田達彦

1520v

ファンキー末吉

1530v

もちろん各メンバーのキャリアから考えれば当然のことなのだが、X.Y.Z.→Aは音楽もスピリットも今の日本ロック界の最高峰に君臨しているバンドの一角であることは論を俟たない。

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まずはオリジナル曲を1曲プレイ。

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橘高さんのマーシャル・サウンド久しぶりだ~。このVとの組み合わせが生み出す独特のミッド・リッチ・サウンドがタマラン!橘高さんのギター・サウンドもまた日本を代表するマーシャル・サウンドといえよう。

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橘高さんとやったマーシャル・ロード・ショウ楽しかったナァ~。あの時は「全部で1時間半もやれば十分」と事前に打ち合わせていた進行だったが、ステージでふたりで夢中になってしゃべっていたら、ショウの前半だけで軽く1時間半経ってしまい驚いた!

1460v

今日のコンサートもそんな感じ。アッという間に最後になってるぞ~!

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大雪の影響で進行にトラブルがありそうでなかったと何回も書いてきたが、実はひとつだけ出順が変更になったグループがあった。それがこのX.Y.Z.→Aだった。

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でも、最終的にはX.Y.Z.→Aがトリを務め、ますますショウの盛り上がり度が上がったと思うし、それにふさわしい最高の演奏だった。やっぱり天気はこのイベントの味方をしたということになるんじゃないの?!

とうとうお別れの時間が来てしまった!

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フィナーレは「リゾ・ラバ」。

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出演者ほぼ全員参加の大合唱。壮観!

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ギター・バトルも!

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エンディングもキマッタ!

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お互いの熱演に敬意を表し合う。

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あとは自由行動。

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あ~あ~、もうやりたい放題!

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最後はファンキーさんにマイクが渡された。

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爆風スランプの中心人物として、このビッグ・イベントの主宰者として、そして音楽家として、来場した観客に感謝の意が表された。

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お疲れさまでした~!

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で、カンパイ!マグロが待ってるよ~!

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そして最後に記念撮影をしたのであった。

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あ~、それにしても楽しいイベントだった。こういうよくできているイベントってのは、後から写真の整理をしても、文章を書いても実に楽しいものである。

昼の大雪にはまったく驚かされたが、ほんの少し進行を変えただけでスムースにショウが完了したことも特筆すべき点であろう。

最後にこんなこと言うのもなんだが、テレビから流れてくる曲以外、爆風スランプの作品を耳にしたことがなかった。決して「聴かずギライ」とかいうことではない。ただ世代がジャスト・ミートしておらず、爆風が本当に爆風を吹かせていた頃にはタイプの違う音楽を聴いていたというだけのことだけだ。そして、今回のこのトリビュート・コンサートでその作品に接し、曲のクォリティがあまりにも高いことに仰天した。

歌詞のストーリー性や諧謔性、下ネタ性、そしてロマンチック度、そのどれもが高い水準にあり、ロックのエキスがふんだんに盛り込まれた曲にそれらが乗る。演奏技術は完璧。これがウケないワケがない。

やはり、これこそが「ロックがロックだった頃」のロックを熱心に聴いてきた世代の人たちのなせるワザなのではなかろうか?今、テレビに出て「がんばれ」だの「負けるな」だのを連呼している凡百のバンドやメロディのセンスのカケラも感じられない退屈なバラード歌手とは土台ケタが違う。

この日のすべての事象がこのイベントに与してくれたのがわかるような気がした。

ファンキー末吉の詳しい情報はコチラ⇒ファンキー末吉HomePage!!

30cd

(一部敬称略 2013年1月14日 渋谷O-EASTにて撮影)

2013年3月27日 (水)

WE LOVE BAKUFU SLUMP 王無棒

一昨日からお送りしている爆風スランプの偉業を称えるトリビュート・アルバム『爆風トリビュートComplete』の発売記念ライブ『WE LOVE BAKUFU SLUMP』のレポート。

今日はその第3回目。

30cd

続いて雷鳴が鳴り響くがごとくステージに登場したバンドはロリータ18号

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ボーカルの石坂マサヨ。

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ギターのKick。

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ベース、たこち。

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ドラムのTO-BU。

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曲は「うわさになりたい」。これもよくテレビでかかってたよね~。

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MC5あたりを連想させるプリミティブでストレートな演奏が爽快だ!

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シュレッディングだけでなく、ソリッドなギター・プレイもマーシャルに任せなさい!

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4人とも疾風迅雷のパフォーマンスで会場を盛り上げるが…

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やっぱりマサヨさんのかきまぜ方が尋常じゃなくすさまじい!

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この通りだもん!

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それに負けじと暴れまくるメンバーたち。

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何しろ「うわさ」になるような激演だった~!

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さぁて、いよいよ和佐田さんのウクレレ弾き語りにGoサインが出た!意気揚々とステージ中央に躍り出る和佐田さん…アレ、マイクスタンド低ッ!誰も何もしてくれない?これも和佐田さん一流のギャグなので心配ご無用。

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ご満悦の表情でやさしく歌いはじめた曲は…

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ファンキーさんの向こうを張って「京都マイラブ」。

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とてもしっとりとした味わいで、後半に向けてのとてもいいアクセントになった。もしかしてこれも計算ずくなのかしらん?!

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でも、よかった「南国マイラブ」じゃなくて…。

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さて、ここから後半戦。ハウス・バンドが戻ってきてゲスト陣の歌のバックを務める。

ドラムは当然ファンキー末吉。

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ベースは和佐田達彦。

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ギターは米川英之。 それにキーボードの田口智治と前半で客席を沸かせたギターの小畑秀光がステージに上がる。

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そしてゲスト…まずは曾我泰久が登場した。

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ヤッチンはバラード「それから」で勝負。

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ヤッチンの甘い歌声に観客はウットリ…。

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写真奥に見えるコーラスは衛藤さん。

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バックバンドも1月のライブよろしく、ヤッチンのほぼレギュラー・バンドだけあって息もピッタリの名唱となった。 先日はジャズのライブも行ったという。ヤッチンの今後の活動には要注意だ。

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ジャンジャン出てくる豪華ゲスト陣!

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次は44MAGNUMの梅原"Paul"達也。

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曲は「愛がいそいでる」。

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ひとことずつ歌詞を噛みしめるように心を込めて歌うPaulさん。

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しかもゴージャスなコーラスつき!

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この曲は爆風スランプ8枚目にして初のバラードのシングルとなった。

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自信がなければなかなかバラードをシングルにできないけんね。それだけに名曲だ。まさに大ベテランのPaulにピッタリの選曲といえよう。

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またしてもガラっと雰囲気が変わってバンドで登場したのがPEACE$TONE

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ボーカルは元モーニング娘。の福田明日香。

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ソリッドで元気ハツラツな演奏が心地よい!

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曲は「週間東京少女A」。

しっかし楽しい!

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またハウスバンドが戻って共演したのはオズNARUMI

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沖縄出身のNARUMIちゃん。楽屋では雪の話題でおお盛り上がり。沖縄雪降らないもんね~。

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昨日は自分のバンド、 オズで自作曲を交えて好演してくれた。

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今日は「きのうのレジスタンス」のみを熱唱。

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前回も書いたが、本当にこの曲はNARUMIちゃんにピッタリだ。まるでオリジナル曲のように聴こえる。

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これからの活動に注目したい存在だ。

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前夜祭でも異彩を放ち大いに雰囲気を盛り上げたザ・キャプテンズの傷彦。今日も八面六臂の活躍で監修の注目を集めた。曲は「満月電車」。

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ここでの和佐田さんのプレイについて触れておかなければなるまい。あまりにも素晴らしいランニング・ベース!ここはほとんどシャッターが切れなかった!

ランニング・ベースで思い出した。長い割におそらくつまらない話…オールド・ファンには少しは響くかな?

高校の時、新宿のルイード(今みたいにKナントカなんてのはなくて、東口のタカQか三峰の上にあったライブ・ハウス。シャネルズが出ていた店で、ロフトや屋根裏とちょっと趣が違った)に「誰がカバやねんロックンロールショー」を観に行った。私は結構「誰カバ」が好きで、高校の文化祭の時に「どこかで狼がないている」を演奏したことがあったのだ。

お店のフロアには丸テーブルがいくつも置いてあって、ひとりで行った私は年配の夫婦(といっても今の自分より若かったんだろうナァ)と相席になった。お店の人が私とその2人が同じグループだと思ったのか、それともこの店のシステムなのか、我々のオーダーが1枚の伝票にまとめられた。

ショウは期待した通り、爆笑につぐ爆笑、熱演に次ぐ熱演で最高だった。好きだった東京おとぼけキャッツのギター、キー坊金太さんがサプライズ・ゲストで登場されたのもうれしかった。

ちなみに金太さんはレコード・コレクターズの2005年5月号の「レコード・コレクター紳士録」にご本名のキスノキヨシさん名義で登場されていて、充実したコレクションとともに70年代のロック・シーンについて実に興味深い話をされている。何しろ74年にロンドンはフィンズベリー・パークのレインボー・シアターでアルヴィン・リーを観て、そこに来ていたポール・マッカートニーにサインをもらったというのだ。うらやましい…。

そして、現在は奥様のカオルコさんと「めおと楽団ジキジキ」というユニットでご活躍されている。これはキヨシさんのギターをバックにカオルコさんが額で鍵盤ハーモニカを弾きまくるというすさまじい芸風で、ある日、本当に偶然テレビで遭遇した。興奮した。だって、東京タワーや屋根裏で見た金太さんがデカデカとテレビにでていたんだから!後日、このことをそうる透さんにお話ししたら、「そう。彼はね、ホンモノになったんだよ…」という深~いお言葉を発せられた。

スミマセン、和佐田さん。脱線にもホドがありますよね。話しを戻して…。

で、誰カバ。ステージの一幕でこんなことがあった。メンバーがソロを自慢するコーナーがあって(あったんだと思う。何しろ30年以上前のことですからね。そうハッキリは覚えていられない)、ベースの人に何かやってみろ、ということになった(なったんだと思う。何しろ30年以上前のことですからね。そうハッキリは覚えていられない)。

すると、土建屋の格好をしたベースの人がせまいステージの上を突然全速力で走り回ってこう言った…「ドヤ?! ランニング・ベースやぁッ!」

これが言いたかっただけ…。おもしろかった。

この後が大変だった。さっきの相席になった年配のカップル…伝票が私といっしょになっているのをいいことに、勘定を支払わないでシレッと帰っちゃいやがんの!高校生の私は驚いたね。慌てたわ~。結局事情を説明して勘弁してもらった…っと言っても何も悪いことはしてないのよ!

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もちろん、和佐田さんのはステージの上を走り回る必要など何もない正真正銘のランニング・ベース。もうそれはそれはスゴかった。ファンキーさんのドラムとガッチリかみ合って尋常ではないグルーヴ感を発揮していた。こういうプレイを見るとベースをやりたくなってしまうよね。

シリアスな和佐田さんも、またいい。

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つづく

(一部敬称略 2013年1月14日 渋谷O-EASTにて撮影)

2013年3月26日 (火)

WE LOVE BAKUFU SLUMP 天無人

昨日からお送りしている爆風スランプの偉業を称えるトリビュート・アルバム『爆風トリビュートComplete』の発売記念ライブ『WE LOVE BAKUFU SLUMP』の本祭り。

30cd

第2回目の今日はEARTHSHAKERのつづきから…

420

爆風スランプのナンバーから「ひどく暑かった日のラヴソング」をシェイカー流にこんがり料理した後は…

400

「Radio Magic」!

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こうした日本のロック史に残る名曲が自然になじむのもこのイベントのステイタスの高さを物語っているといっていいだろう。

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いいナァ~。この安定感、この親近感!

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EARTHSHAKERのような大御所がショウの前半にシレっと出てしまうところがまたカッコいいではないか!

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映画『ウッドストック』でいえばThe Whoって感じやね。

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SHARAさんもこの祭典を存分に楽しんでいたようだった。

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さすが!たった2曲という短い時間ながら、やっぱり巨大な存在感をアッピールした。これがEARTHSHAKER!

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ここで再度三井ぱんと大村はん。

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渋い声と…

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深いギター…

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前後の派手なパフォーマンスとこの2人の泥臭い演奏の落差がまたいい。

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しゃべりの達人が勢ぞろいで幕間のMCは問答無用で大爆笑!

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衛藤さんのキャラがいい味を出すんだ~。こないだのヤッチンの時も最高に愉快だった!

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さらに!これがまたおもしろかった~!

7年ぶりの大雪ということで、首都圏の交通網はズタズタ…。電車は遅れるわ、道路は混むわで、お客さんだけでなく、果たして肝心の出演者が集まるのかいな?という心配がなくもなかったが、ショウは台本通りにスムースに進行した。

そしてお待ちかねの手数セッションの出番が回ってきた…アレ、ほーじんさんがいない!孝三さんもヒロアキくんもスタンバイOKなのに!

実は私、さっき近くの食べ物屋さんでほーじんさんにバッタリお会いしたのですよ。だからいないワケがない!

それじゃー…というんで、ほーじんさんがお見えになるまでの間、和佐田さんがウクレレの弾き語りでつなごうというワケ。実はここまで何回か和佐田さんのウクレレ弾き語りの出番のチャンスがあったが、なかなか演らせてもらえない!いよいよチャンス到来!

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…と思った矢先にほーじんさん登場! またしても和佐田さん、出番のチャンスを失ったのであった!

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手数セッション+ボーカル。

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ボーカル、三井雅弘。

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ベース、江川ほーじん

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ドラム、菅沼孝三

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そして、おなじみ田川ヒロアキ

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曲は昨日と同じ。

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まずは「東の島にブタがいた」。

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さすが手数!三人が一丸となった演奏はまさに「鉄壁」!

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どの曲を演っても手数セッションらしさが横溢している。

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このほーじんさんの表情!

620

この曲では豪華コーラス隊が加わった。

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コーラス隊の方が目立っているような…。

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相変わらずのシャープなプレイを披露するヒロアキくん。

670

ニュー・アルバム『Ave Maria』も大好評だ。

680v

CDで聴くことができるようにメロディをとことんまで歌い上げるプレイもヒロアキ君のひとつの大きな魅力だが、こうして破天荒なプレイではじけ飛んでしまうところも人気の的だ。

690

キタキタキタキタキタ~!はひふへほーじんの究極のスラップ!

700v

やっぱり手数はこのほーじんさんのハジケぶりがつきものだね!

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小振りの会場で真ん前で見るほーじんさんもいいけど、こうして大会場で暴れまくるほーじんさんがまた素晴らしい。

720v

孝三さんはプレスピットからどうしても死角に入ってしまい、写真が少なくて申し訳なかったのだが、もちろん手数は多いよ!

730v

このセットも盛り上がったな~。

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歌に司会にと大活躍の三井さん。

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歌声も手数の演奏にぴったりマッチしていて、あたかもいつも一緒にプレイしているメンバーのひとりのようだ。

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続いては「無理だ!」

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「前夜祭」のレポートの時にも書いたが、これは以前から手数セッションで演奏されていた。もちろん、このCDのためのアイデアだったのだが、「とにかく速く演る」がテーマの壮絶な演奏!

790v

ウソ偽りないその急速テンポはまさにスピード・キング。はっきりいってナニをやっているのかわからない時もある?!

800v

上に書いたほーじんさん「スワ遅刻」の件、実はこれまたスゴイ話があって、タイム・テーブルの時間が1時間分ゴッソリ抜けていて、それに記載されている手数セッションの出番の時刻が実際の出番より1時間も後になっていたのだ!登場時刻だけを見ていたら誰でもその時間に合わせた行動をしてしまうだろう。

ナ~ニ、イベントにアクシデントはつきもの。別に遅刻したワケでもないし、万事OKなんだけど、この楽しいイベントにあってもおかしくなさそうなスリリングなシーンをほーじんさんが演出してくれた…ということ。まさか本当にほーじんさんの仕込みだったりして?!

810v

もっとも、この3人+1人が出てきて演奏を始めた途端、全員、んなこと忘れちゃってたけどね!

820v

3人のうち誰ひとりかけても手数セッションのサウンドは成立しない。その総本山が孝三さんだ。なにせ元祖「手数王」だからね。ジェリー・ブラウンの話は手数セッションの別のレポートにまた記すことにしよう。それと、また孝三さんのビッグ・バンド聴きたいな~。

830v

たった2曲だったけど、やっぱりスゴイ演奏でショウの大きなみどころのひとつとなった。

840

三井さん、あまりの熱演に撃沈!

850

つづく

(一部敬称略 2013年1月14日 渋谷O-EASTにて撮影)

2013年3月25日 (月)

WE LOVE BAKUFU SLUMP 大無人

先週からお送りしている爆風スランプの偉業を称えるトリビュート・アルバム『爆風トリビュートComplete』の発売記念ライブ『WE LOVE BAKUFU SLUMP』。

熱狂の前夜祭が大成功のうちに終了し、今日はいよいよ本祭りが開催される。

開催されるのだが…

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何じゃ、コリャ?! 首都圏は7年振りの大雪でどこもかしこも真っ白けのけ!カメラを入れた重いガラガラを引きずるのも地獄の苦しみで、会場のO-EASTに着くまでにもうヘロヘロになっちゃったよ。

O-EASTやO-WESTは何かと思い出深い大好きなライブハウスだ。O-WESTではマーシャル祭りを開催した。

2004年の新潟県中越地震の時はちょうどO-EASTにいた。天井から吊り下げられたPAスピーカーが揺れ(防災対策が完全なのでパニック一切なし)、観客はビックリ。誰が出演していたがは覚えていないが、そのバンドは地震にまったく気づかずにそのまま演奏を続けた。演奏中あまり観客がにぎやかだったので、その曲の終了後、「どうだい!よかったろ?!」みたいなMCをしたところ、観客が口ぐちに「地震だった!」と告げるとそのバンドは驚いたやら、恥ずかしいやらで目を白黒させていた。

そして、2年前の3月10日にもO-EASTにいたことはちょっと前のマーブロに書いた

さらに今回の大雪だ。今日も忘れようにも忘れられないコンサートになることは必至だろう。

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しかもこの日は成人式。せっかくの晴れ着が気の毒に…。

でもね、雪はすべても無垢の純白に塗り替えてくれる縁起のいいものだそうですよ。天候も味方してくれたと思おうじゃないの!

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今日もマーシャルづくしだよん!昨日は撮れなかったからね。ステージ上手のようす。向かって右から橘高さんの1987と1960AX、SHARAさんのMF400B、ヒロアキくんのJMD501、みんなで使うDSL100と1960A。 コレに加えて下手にはDSL100Hと1960Aがワンセット用意されている。

やっぱり、こういう大舞台はマーシャルじゃなきね~!積んで、並べてサマになるのはマーシャルだけよ!

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こちらも昨日どうしても撮影できなかった…三井ぱんと大村はん。

このふたりで記念すべきコンサートは幕を開けた!

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三井雅弘

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ギターはサビエル大村

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曲は「スパる」。

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渋い三井さんの声と深い大村さんのギターでジックリと聴かせた。

なんか、このイベント、昨日に引き続いてあまりにも色々な方々が出るので何となくウッドストックを連想してしまった…というのは大ゲサか?しかも、三井さんの声と大村さんのルックスがリッチー・ヘヴンス的だったんだもん!

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ファンキーさん率いるハウス・バンドが登場。

ファンキー末吉

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ベースは和佐田達彦

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ギター、米川英之。それにキーボートの田口智治が加わった布陣だ。

バンド形態以外の出演者の伴奏はハウス・バンドが担当した。

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そこへ、昨日の前夜祭でも大いに会場を沸かせた小畑秀光が合流。

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曲は昨日と同じ「びっくりミルク」と「人間はなぜ」。

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しかし、ステージも客席も昨日とは打って変わって大きいため、派手なアクションが演奏をより充実したものにしてしまう!

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最高にパワフルな演奏に大喝采が送られた!

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総合司会は昨日同様、三井さん。三井さんひとりでもおもしろいのにそこにいろいろな人が絡んで、さらに爆笑シーンを作り出していく。

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続いての登場はCutt

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昨日はマイクを握っての登場であったが、今日は予定通り弾き語りのスタイル。

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「月光」を熱唱!

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このセットも心がこもった素晴らしい演奏となった。

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森田釣竿がステージに上がる。

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歴史的にこうした漁師系のミュージシャンっていうのが時折出てくるね。やっぱり日本人は「魚」だよ。

…と思ったら、森田さん、「漁港」の人なのね。だいぶ前に野音で拝見しましたわ。パンタさん企画の反戦イベントで、4月の雨のエラク寒い日だったけど、妙にテンションの高い「漁港」のステージをみんな食い入るようにして見入っていたのを覚えている。

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O-EASTには大きい楽屋が2つあって、この日、上の階の楽屋の芳名表のひとつが「マグロ様」となっていた。昔、「マグロ丸」というバンドがあったが、まさかそれじゃあるまいし、また海系の新しいバンドか…と思っていたらホンモノのマグロだった!

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ホンモノのマグロを森田さんがステージで解体していくという趣向。

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鮮やかな手つきで巨大なマグロに包丁を入れていく!…ってなんのレポート?マーシャルの「M」はマグロの「M」ってか?

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それしにても新鮮でいいマグロだ!終演後、楽屋でご相伴にあずかったが、ウマイのなんのって!

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手に持っているのは目玉! こんなライブ初めて見た!だってボーカリストがマグロの目玉持って歌ってるんだゼ!

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切り分けたマグロをちゃんとビニール袋に入れて客席にプレゼントしたには笑った!

マグロのおかげでまったく歌が耳に入らなかったかも…!曲は「45歳の地図~COME BACK青春!~」。

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今度は雰囲気がガラリと変わって…
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ファンキーさんの弾き語りで「坂出マイラブ」。

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ジックリ、しっとり、なかなかにいい雰囲気!

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そして、またまた雰囲気が変わる!

しっかし忙しいショウだ!でも、こんなだから全然飽きない!

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EARTHSHAKER!

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あ~、何たるホーム感!いつも撮らせていただいている方々がファインダーに入ってくると本当にホッとするもんですわ。

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西田"MARCY"昌史

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石原"SHARA"愼一郎

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甲斐"KAI"貴之

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そして、工藤"KUDO"義弘

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今日もSHARAさんはJVM410HとMF400Bのコンビネーションだ。

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爆風の曲は「ひどく暑かった日のラヴソング」をプレイ。

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シェイカーらしいアレンジでバッチリきめる!やっぱりシェイカーはいいナァ~。

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MARCYさんも楽しそうに大シャウト!

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相変わらずのブッといギター・サウンドが心地よい。何をどういう風にやってもSHARAさんの音はSHARAさんの音だね。

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EARTHSHAKERつづく

(一部敬称略 2013年1月14日 渋谷O-EASTにて撮影)

2013年3月22日 (金)

WE LOVE BAKUFU SLUMP 前夜祭 <後編>

爆風スランプの偉業を称え、総勢70名以上が参加して制作された2枚組のトリビュートCD『爆風トリビュートComplete』。このCDの発売を記念して催されたライブ『WE LOVE BAKUFU SLUMP』の前夜祭。昨日に引き続きその<後編>をお送りする。

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Cuttに続いて登場したのは44MAGNUMの梅原"Paul"達也。

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さすが大御所!堂々たる存在感で「愛がいそいでる」を熱唱!

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ここで、ハウス・バンドのメンバーとして活躍する米川英之をフィーチュア。

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田口智治と…

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渡辺英樹も加わり、米田渡でC-C-Bの「Beat the Meat」をプレイ。

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ここも相当盛り上がった!
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ツヤのある音色で縦横無尽に弾きまくる米川さん。存分にそのテクニシャンぶりを見せてくれた。

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そして、「Runner」。会場は完全に興奮状態だ!

写真では隠れてしまっているが、菅沼孝三も加わり、ツイン・ドラムになっている。

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まだまだ続く飛び道具!

江川ほーじん田川ヒロアキを呼び込んで手数セッションだ!

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これが何ともゴージャスなファンキーさんと孝三さんのツイン・ドラム!

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三井さんをボーカルに迎えて「東の島にブタがいた」と…

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超速「無理だ!」。何が無理ってこのテンポ?以前から手数セッションのステージで見聞きしていたが、今日は御大も加わってなおさらすさまじい~!

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思いっきり混沌状態にしておいて、まるで火消しのように登場してくれたのが上野まなちゃん。

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さわやか~。飲みすぎた後にいただくお茶漬けよろしく、かわいい歌声でボサノバをサラサラっと流し込んでくれた。曲は「カンカン」。最高のスマイル~!

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それにしてもファンキーさんってメチャクチャいい曲をたくさん作ってるよナァ~。

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そしていよいよ最後のコーナーに突入!

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二井原実、登場!

また、ガラリと雰囲気が変わるからスゴイ!

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またベースが仮谷さんにスイッチして2曲を演奏。

ドラムが孝三さんということなので、デッド・チャップリンの曲が選ばれた。

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「Far Away」と「Money Eater」。

やっぱり圧倒的な迫力で一瞬のうちに聴衆の心をわしづかみにしてしまう二井原さん!

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米川さんのギター・ソロも冴えわたる!

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そして、ここで二井原さんがスペシャル・ゲストを呼び込んだ。

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この人、1986年結成のアメリカのベテラン・へヴィメタル・バンド、スキッド・ロウのギタリスト、スコティ・ヒル。

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田川ヒロアキのギターを借りてブルースを1曲。

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「弾き方が違うぞ~!」のかけ声に会場は大爆笑!

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もちろん本場仕込みのギターは…ってこんな表現はヤダね!やっぱり、プレイに説得力があるというか、華を持っているというか…西洋人特有のロックのDNAをまき散らすね。

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ロックのDNAなら二井原さんもまったくヒケをとらないけどね!この盛り上げようは天才の域を超えている!

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もちろんお客さんも大喜びよ!

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スコティも実に楽しそう!

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大喝采を浴びるスコティ・ヒル。

この時は、ステージのスコティを撮影しただけだで、彼に直接挨拶をすることもなかった。ところが、偶然は恐ろしいというか、世界は狭いというか、このライブの数日後、たまたまあるイベントで知り合った方を介してスコティと電話で話す機会を得たのだ。

話をしたところ、最高に感じのいい人で、写真の使用もふたつ返事でOK。「マーシャル大好き」ということで、私も大好きになってしまった!

また日本に来るというので、その時にはカメラかついで絶対取材に行かなくちゃ!

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そして、いよいよフィナーレ!

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出演者が勢ぞろいして「リゾ・ラバ」を大合唱!

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ファンキーさんもラスト・スパート!

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みんな楽しそう!

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冒頭に登場して思い切り会場を沸かしたザ・キャプテンズの傷彦も加わって最高のフィナーレとなった。

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最後はみんなで記念撮影。あ~、本当に面白かった~。

コレ、まだ前夜祭だかんね。明日のO-EASTはどんなことになるのやら…。

まさかあんなことになるとはね~。朝起きて驚いた~!

ファンキー末吉の詳しい情報はコチラ⇒Funky末吉HomePage!!

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注:大爆笑の総合司会をご担当された三井さん。司会だけでなく「三井ぱんと大村はん」というユニットで渋く「スパる」を聴かせてくれたのだが、イスでの演奏だったためにステージ上のふたりがまったく見えず撮影不可…。その他にもご登場いただいたが、それぞれ15秒ほどの出番で、しかも照明がめっぽう暗かったため残念ながらこちらも撮影できす…。ファンの皆様失礼しました。次回からのO-EASTのレポートではしっかりご登場いただきますのでご期待ください。

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(一部敬称略 2013年1月13日渋谷Milky Wayにて撮影)

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Shige Blog更新しました⇒エイドリアン・ブリューを撮ったよ

2013年3月21日 (木)

WE LOVE BAKUFU SLUMP 前夜祭 <前編>

2階のキャバレーを通り過ぎて、4階の渋谷屋根裏の入口の横の壁に貼ってあったチラシで初めて目にしたような気がする。それを見て「ばくふうじゅう」って言っていたら、ちょっと年上のギタリストの友人に「アレ、『ばっぷがん』って読むんだぜ」と教えられた。

一方、日曜の朝、11時ぐらいに東京12チャンネルで放映していた『ロックおもしロック』という番組の中のアマチュアのバンド合戦に妙な出で立ちで変な曲を演奏していたのが「スーパー・スランプ」だった。

あれから随分と時間が経ったが、ファンキーさんやほーじんさんやホッピーさんと今こうしてお近づきにさせて頂いている姿を誰があの時想像できたであろうか?

そして、爆風スランプが活動を休止してから14年。こちらももう随分時間が経った。そして、その偉業をたたえるべく、バラエティ豊かなミュージシャンが集い、爆風スランプへのトリビュート・アルバムを発表した。

そのアルバム発表記念イベント『WE LOVE BAKUFU SLUMP』が2日間にわたって開催された。両日ともふんだんにマーシャルが使われるということでマーブロも完全取材を敢行。これがまぁ、楽しいのなんのって!2日間大いに爆風スランプの音楽を堪能してきたのであった。

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初日は『前夜祭』と銘打って渋谷のMilky Wayで開催された。

当然のことながらもう超満員で、ステージ前で撮影することなんて到底ムリムリ!一番後ろに陣取って、ほとんど最初から最後まで脚立に上りっぱなしという過酷な環境。でも、あんまりおもしろいんでアッという間に終わっちまった!

でもね、まったくマーシャルが見えん!なので、一応紹介しておくと、使用されたモデルはJCM900 4100にDSL100H。それぞれに1960A。さらに田川ヒロアキのJMD501。基本的にギターはほぼ100%マーシャル・サウンドとなった。

主催のファンキーさん。そして総合司会を務めた三井雅弘さん。MCが圧倒的におもしろいさね。

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2番目に登場したバンドからレポートスタート。

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沖縄からやってきた4人組、「オズ」。

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ボーカルのNARUMIちゃんが何しろ魅力的!

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チャーミングにして最高にパワフル!

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登場した途端、グイッと観客を惹きつけてしまう力強い魔力(?)を持っているようだ。

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オズはタイトなオリジナル曲の他、爆風スランプのナンバーは「きのうのレジスタンス」を演奏。

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これまたサビのメロディがNARUMIちゃんの声にピッタリでジックリと聴き込んでしまったよ。

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会場の雰囲気がグッとしまって登場したのが2月にアムステルダムでのレコーディングを終了させたCRACK BANQUET

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2010年結成のイキのいいバンドだ。

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これまたキャラの濃いフロント!カミジョウテツヤ。

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とにかくものすごい勢い!

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ワイルドなギター・プレイはシタンダアキラ。

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紅一点、サックスのユアサイクカ。

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こういうストレートなロックってのはやっぱいいもんだね。

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ベースはフルヤシュンスケ。

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オリジナル曲2曲の他に爆風スランプの「シンデレラちから一杯憂さ晴らしの歌今夜はパーティー」を演奏。

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メンバーひとりひとりのキャラクターが立っていて、それでいて統一感のある演奏が素晴らしかった!サマソニへの出演も決定しているこれkらの活動が楽しみなバンドだ。

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ここからはファンキーさんも参加してのハウス・バンド+ゲストの演奏となる。

まずは小畑秀光が歌う。

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「びっくりミルク」をじっとりとヘビィにプレイ。これがまたいい!

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ファンキーさんの気合の入ったドラミングが切り込んでくる!

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小畑さんはDSL100Hを使用…まったく見えないけど…。

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ベースはマーブロでは田川バンドなどでおなじみの仮谷克之

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2曲目は「人間はなぜ」。しっかし、なんちゅー歌だ?! でもロックはこれでいいのだ!聴いてて♪気持ちいいから~!

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ここはここでまた大盛り上がり!ホントに今日は芸達者ばっかりで飽きないわ~!

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次に登場するはCutt

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雰囲気がグッと変わる。

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ギターを抱えて歌う予定だったが、マイクだけの熱唱に予定変更。

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ハウス・バンドのギター米川英之のソロも冴えわたる!

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出演者のスタイルや方法はそれぞれ異なれど、熱演に次ぐ熱演で、その爆風スランプへの尊敬と愛情がひしひしと伝わってくる。後半も実に楽しみなのだ~!

ファンキー末吉の詳しい情報はコチラ⇒Funky末吉HomePage!!

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つづく

(一部敬称略 2013年1月13日 渋谷Milky Wayにて撮影)

2013年3月19日 (火)

【50 YEARS OF LOUD LIVE】vol.9~感動のフィナーレ

すべてのセットが終わり、いよいよフィナーレを迎える「50 YEARS OF LOUD LIVE」。司会のアルも声に力が入る。

これが最後の1曲。この曲が終われば次は50年後なのだ!

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最後は全員参加の「Smoke on the Water」。

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やっぱりこのギター・リフが「ロック」を象徴しているということなのであろう。

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もちろん会場は究極の盛り上がり状態!

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今日の出演者が全員集まりソロを回す。

イングヴェイ…

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サトリアーニ…

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ダグ、

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ポール…

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ハウスバンドも この難事業を最後までうまくこなした。

グレンの向こうがギターのクリス・ジョージ。このコンサートのプランナーだ。

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ベースのジャズ・ロウクリー

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ドラムのブライアン・ティッシー。

他にキーボードのアダム・ウェイクマンが素晴らしい仕事をしたが、残念ながら完全死角で撮影できず…。

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ボーカル陣も素晴らしかった!

ティム・オーウェンズも立派!

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グレン…

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もうプレス・ピットの中も最後だってーんで興奮&ケイオス状態!少しでもよいショットを撮ろうと場所の取り合い奪い合い!こりゃ、カメラマン入れすぎだ!っちゅーの!

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他にもステージに上がった出演者がいたが、そんな状態だったので撮影範囲もやや限られてしまった。でも、ほぼ全員撮った!コレ全部撮れたカメラマンはいないと思うよ。

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目立つイングヴェイ、渾身のソロ!

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またやってる!

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もう後は、下手なテキストを控えておくので、写真だけでこの雰囲気を存分に味わっていただきたい。

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アンディもステージに上がってる!

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誰?彼はベースのジャズ・ロウクリーの息子さんのベン。15歳のギタリスト。この日、お父さんのローディとして参加していたが、最後はドサクサに紛れてステージに上がっちゃった。クソ、私もステージに上がっちゃえばよかった!

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仕切りはグレンだ。

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フィルの姿も見える。

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司会のアルまでドラムを叩いてる!

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しかし、スゴイ光景だ!もうこんなの生きてる間には見れんな。

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あ~、終わっちゃった~!

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ほぼ4時間半!長いような、短いような…いずれにせよ、とうとう世紀の祭典が終了してしまった。

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最後にニコからこのコンサート企画したマーシャルのクリス・ジョージにマイクが渡された。

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お客さんや参加ミュージシャン、スタッフへの御礼が述べられた。

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そして、もちろんジム・マーシャルにも…。

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お客さんも大満足だ!

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これほどたくさんの世界的ミュージシャンのそばで2日間過ごすなどという経験はもう二度とないかもしれない。この2日間、彼らを見ていてとにかく強く感じたことは、みな自分のイメージを恐ろしく堅固に守っているということだ。

ギタリストなのでギター・プレイに関するオリジナリティは当然のことなのだが、着ているいるものや立ち振る舞い、しゃべり方、笑い方、そうしたすべての所作まで計算されているような印象すら受けた。凄まじいまでの「プロ意識」とでもいうのかな?

こうした不変のスタイルを日本人は簡単に「ワン・パターン」といって敬遠するキライがあるように思うが、向こうの連中は違う。どこをどう切っても、いつでも同じものが出てくることこそが「スタイルを確立する」ということであって、それが尊敬の的なのだ。

そうしたことを思い知らされた2日間でもあった。

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割れんばかりの拍手と歓声を浴びる出演者たち。

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今日、こうしてジムが作ったマーシャル社の最初の50年が締めくくられた。

50年後に開催されるであろう【100 YEARS OF LOUD LIVE】には、今日出演したミュージシャンもスタッフも、マーシャルの社員もお客さんの多くも参加することはできないであろう。歴史の証人としこのて記念すべき祭典に参加できたことはこの上ない幸運であった。しかも、唯一の日本人スタッフとしてコンサートの手伝いができたことは私の一生の思い出となった。

【100 YEARS OF LOUD LIVE】の時にはさらに規模も大きく、ロックが今よりももっと魅力的なものでなっていることであろう。

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ありがとうジム・マーシャル!

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リハーサルと本番ともにドップリとイベントに浸かったが、疲れたな~。米を食べてないから疲れがなかなか取れないのだ。終演後、スタッフの控室で思わず倒れ込んでしまった。すると、目の前に「Red Bull」って缶飲料が目に入った。私はこれまで一度も飲んだことがなかったのだが、スタミナ・ドリンクで飲めば即効性高く、疲れが取れるやに聞いていた。

「こりゃ、助かるわい」と3本ほどイッキに飲み干した。冷えてはいなかったけど、のどが渇いていたのでおいしく感じた。

でも、疲労感はナニひとつ軽減させることはなかった。後で聞いて驚いた。これ一時に1本以上飲むと命取りになるかもしれないんだって?!

何ともなかった。イヤイヤ、私の身体はそんなものを完全にはねつけるほど疲れきっていたのだ。

その後、ホテルに帰ってマーシャルの仲間と今夜のコンサートを反芻しながらみんなでワイワイやりながらエールのグラスを傾けた。これの方がよっぽど回復に効果があったよ。

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こうして、ロック史上まれに見る世紀のギターの祭典が無事に終わり、ギターとマーシャルの魅力を再認識するとてもよい機会となったが、残念こともあった。

ひとつにはジム・マーシャルがいなかったこと。そして、ゲイリー・ムーアが出演できなかったこと。もうひとつは表現の仕方を気をつけなければならないが、登場したギタリストにイギリス人がいなかったこと。

演奏された曲の多くがイギリス産、つまりチャキチャキのブリティッシュ・ロックであったにもかかわらずそれを奏でたのはすべてブリティッシュ・ロックに影響を受けたアメリカ人だった。

私見ではあるが、ロックが面白くなくなったのは、ブリティッシュ・ロック・シーンからギター・ヒーローがいなくなったのが原因だと思う。もしくは、ギター・ヒーローがいないからブリティッシュ・ロックが、いやロック全体が面白くなくなってしまったのかもしれない。

現在でもアメリカのヒットチャートをにぎわしているミュージシャン(アーティストという言葉は使わない)の多くはイギリス人だとイギリスの音楽業界の人たちは胸を張るが、そんなものはロックじゃない。70年代、あれほどクリエイティブで魅力的だったブリティッシュ・ロックはパンク、ニュー・ウェイブ・ムーブメント以降まったくダメになってしまった。

音楽には流行り廃りがあることは百も承知だが、あまりにもヒドくはなかろうか?

いくらイギリスのミュージシャンがアメリカや世界のヒットチャートを賑わしてみたところで、我々は、もしくはマーブロの読者の皆さんは(多分)そんなことどうでもいいのではなかろうか?そんなものより、図太い音色で奏でるカッコいいギター・リフと野太い男性的な声でシャウトしまくるホンモノの「ブリティッシュ・ロック」を期待しているに違いない。今日の「Smoke on the Water」に対する声援がそれを証明していると思う。

そして、そのホンモノのブリティッシュ・ロックがマーシャルの三段積みから発せられることをみな望んでいると信じている。

なぜならばそれがロックだから…。

今回にて【50 YEARS OF LOUD LIVE】のレポートを完了です。長期間にわたりご愛読いただきました読者の皆様に心から御礼申し上げます。

【50 YEARS OF LOUD LIVE】関連のレポートは下記の通り掲載されています。

<Shige Blog>

マーシャル50周年記念コンサートにむけて : 【50 YEARS OF LOUD LIVE】にまつわるイギリス滞在記(その1~その3)

<Marshall Blog>

前日リハーサル : コンサート前日にロンドンのスタジオで行われたリハーサルのレポート(その1~その4)

当日リハーサル : コンサート当日、ウェンブリー・アリーナでの本番直前のリハーサル(その1~その4)

【50 YEARS OF LOUD LIVE】 : コンサート本番のレポート

vol.1 : Opening, House Band and Billy Duffy & Coley Taylor

vol.2 :  Doug Aldrich, Ripper Owens and Nicko McBrain

vol.3 : Paul Gilbert

vol.4 :  Phil Campbell, Kerry King, Coley Taylor & Ripper Owens

vol.5 :  Zakk Wylde

vol.6 :  Yngwie Malmsteen

vol.7 : Joe Satoriani

vol.8 :  Glenn Hughes & Andy Fraser

この他にももう1編あるので、書きも書いたり総勢21本!しつこくてゴメンね、ゴメンね~!でも、この記念行事を具に記しておきたかったのです。

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マーシャル創立50周年を記念して上梓されたシンコーミュージック刊の『Marshall Chronicle ~ 50th Anniversary Edition』も是非ご併読ください。

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おわり

(一部敬称略 2012年9月22日 London Wembley Arenaにて撮影)

2013年3月18日 (月)

ピック・アップをマーシャルがピック・アップ!

おかげさまで大好評の『Marshall Chronicle』のプロデューサーからご連絡を頂戴し、また一緒にひと仕事させていただいた。

今回はピック・アップの本。

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古今東西のシングルコイル・サイズのピックアップをかき集めて、実際にギターに乗せて、録音して解説しようという企画。

試奏用アンプはマーシャル。そして、試奏されるピックアップの写真をすべて撮影する…とまぁこういうお仕事なんだね。

これが大変だった。

この試奏されるピックアップが1ケや2ケなら造作ない。しかし、「大全」である。「大全」。

集めも集めたり、その数66ケ!阿鼻叫喚の磁石とコイル地獄!死んだわ~、腰。

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それにしてもスゴイね。このピックアップ業界(?)ってのも。ギター・パーツ・ビジネスの主役になっちゃって。各者各様工夫が凝らして会あっておもしろい。

昔はこんなんじゃなかったよね。私がギターに夢中になってた頃は「ディマジオってのがスゴイらしいよ!」ぐらいで、こんなにウの目タカの目で喧伝されることは無かったように記憶している。

私もセス・ラバーが巻いたというハムバッキングが乗っているレス・ポールを持っているが、まぁそれで満足かなァ。別にそれでいいバップ・フレーズが頭に浮かぶワケでもなければ、指が早く動くワケでもない。

それでもこれだけ盛り上がっちゃうのは、やっぱり男のロマンなんだろうね~、こういうのは。

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何せすごい作業だった。

ゾロリと並んだ試奏に供されるピックアップたち。

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これをいちいち試奏用のギターに乗せ換えなければならない。当然ギターを換えてしまうと音が変わって比較にならないからね。

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ものすごいスピードで、かつ正確に、そして巧妙にピックアップが次から次へと交換されていく。

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この超人的な重労働を一手に引き受けてくださったのはMarzismの石井正人氏。

ピックアップの取り付けだけでなく、採寸など細かい作業もすべて引き受けてくれた。

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そして、今回試奏に使われたのはDSL100Hと1960A。2代目のDSLだ。

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ピックアップが交換されたギターをとめどもなく次々に試奏していくという今回の荒行に挑んでくだすったのは菰口雄矢氏。

これはね~、マジで大変な仕事ですよ。繰り返すけど、1ケや2ケならいいけど、アータ、66通りものピックアップ弾いてひとつひとつコメントしていくなんてのは人間業じゃござんせん。

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一方ではせっせとピックアップの交換!

え?私はって?後日、夜中までかかって66ケいっぺんに写真を撮ったですよ~。おかげでビルのシャッターがガッチリ閉まって車が車庫から出せなくなってしまったじゃないの!

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さすが、新進気鋭の人気ギタリストだけあって耳もスゴイ!ひとつひとつのピックアップの特性、特徴、いいところ、そうでないところ…をテキパキと指摘していく。

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イヤ~ホントにスタッフの苦労と努力がつまった良書になったと思う。

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さて、菰口氏、先日紹介した『六弦心 vol.2』にも参加していることに注目~!

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氏は本作で「旅愁」を演奏しているが、味わい深いフレーズを重ねて大変素晴らしい作品に仕上げている。是非聞いてみて欲しい。

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最後にひとつ。内容にどう書いてあるかは別にして、頭に入れておいた方がいいことをひとつ。音をよくするのはピックアップの交換ではござらん。ピックアップを換えて音がよくなるのはそれなりの技術を身につけている人の場合です。基本的にギターの音の良し悪しを決めるのは機材でもギターやアンプの改造でもなく弾き手の指です。ピックアップの交換をするのは技術を身につけてからでもゼ~ンゼン遅くありません。

音をよくしたくてピックアップ代を稼ぐためにバイトをするぐらいなら家でスケールの練習をした方がよっぽど手っ取り早く音がよくなるし、金も時間もかからずゼッタイ得です。

そして、腕を上げた時に自分の音のイメージに合致しそうなピックアップを愛器に乗せてあげましょう。その時のためにこの本はきっと大切なピックアップ・バイブルになると思うよ。そして付録CDで菰口氏の素晴らしいプレイとDSLのサウンドを楽しんで欲しい。

発売は3月25日。

詳しくはコチラ⇒シンコーミュージック公式ウェブサイト

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2013年3月15日 (金)

Paul Gilbert Live in Japan~DAY2

ポール・ギルバート来日公演レポートの2回目。2013年1月16日のステージのレポート。

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アッチャ!皆さん衣装が昨日と同じだった。でも昨日アップしたのは15日の初日に撮った写真だけで構成しているし、今日は正真正銘16日撮影の写真でお送りします!

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両日とも満席。男性客圧倒的に多し!年齢層は高め。

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ギター好きが大集合したコンサートだ。

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バンド・メンバーは昨日紹介した通り、キーボードはエミ・ギルバート。

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ベースはケリー・レミュー。

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ドラムはトーマス・ラングだ。

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1曲目は『Vinrato』のオープニング曲でもある「Enemies (in Jail)」。

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イントロのホール・トーンのフレーズがカッコいい!

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このホール・トーンの部分はなんでもチャカ・カーンが演っている「And the Melody Still Lingers On」 すなわちガレスピーの「A Night in Tunisia」にヒント得たという。 このチャカの「チュニジア」を初めて聴いた時は興奮したな~…って実はチャカにではなくて、このアレンジにね。

もちろん曲の中に有名なチャーリー・パーカーの「Famous Alto Break」と呼ばれるピック・アップ・ソロを使ったところね。Dialというレーベルのレコーディングでのファースト・テイクで飛び出したバードの超絶神業ソロ。残念ながら他のレコーディング・メンバーのミスでそのテイクがボツになってしまった。その後何テイクかやり直したが、ファースト・テイクのような奇跡は起こらなかった。

チャカのテイクではバードのソロにユニゾンでハービーがシンセを重ねている。

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世の中スゴイやつっているもんで、大学の時いっしょにやっていたテナー・サックスのヤツがこのソロをラクラクと吹いていた。普通サックスなんて家で練習したりできないでしょ?だから「どうやってコピーしたの?」と訊いたら「え、家にあったリコーダーで…」っていうじゃない?リコーダーでチャーリー・パーカーをコピーするのもスゴイし、コピーしたということは、あの複雑極まりないフレーズをリコーダーで吹けるワケだから恐ろしい。その友達は当然のようにプロになって今でも大活躍している。今週彼のステージを撮影してきた。

ポールがアイデアを得たのはこの部分ではなく、さっきも書いたようにイントロのホール・トーンのヴォイシングだ。

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この曲、実に密度が濃くていいね。それにこの曲を私に聴かせるのが楽しみ…とポールが言ってくれていたのもうれしい。

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そういえば、一昨日に降った大雪で大変な目に遇ったって言ってたな…。FMの生ライブ番組に出るためにどこかそう遠くないスタジオに行ったんだけど、行きは40分で着いたけど、帰りは4時間かかったとか…。

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2曲目はアルバムの2曲目「Rain and Thunder and Lightning」 。

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一転してハードなリフのドライビング・チューン!

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4ビートになったりして、コロコロと曲が展開していく…こういう曲はいいねぇ。大好き。さすがトーマス・ラング!

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エミさんのジャジーなソロも大フィーチュアだ。

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ポールのソロも大爆発!

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4人がものスゴイ勢いで押し寄せてくるような演奏がタマラン!ポールはきっとこういうのやりたかったんだろうね~…というこのバンドのショウケース的な曲と見たが、どうなのよ?

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続いてタイトル曲「Vibrato」。オクターバーを聴かせたリフがクール!いかにもポールらしい軽快なファンキー・アメリカン・ロックだ。

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Racer Xのレパートリーから「Scarified」。

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あまり目立った場面はなかったが、着実に自分のパートをこなしたケリー。以前、フレディ・ネルソンと来た時もちょっと似た感じのベーシストだったな。こういう控え目なタイプのベースが好きなのかな、ポールって?あ、これは失言かな?

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もうひとつカバーが続く。パット・トラバースの「Go All Night」。ホント、パット・トラヴァース好きだな~!

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『Vibrato』から「Bivalve Blues」。こってりドップリのマイナー・ブルース。「Bivalve」っていうから真空管がプッシュ・プルで動いている歌かと思ったらトンデモナイ!

真空管の話が出たところで今回のマーシャルの話を…。写真にあるように今回はJVM410Hと1960Aのコンビを2セット。VintageModernも捨てがたかったようだが、JVMでいくことになった。

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その2台のJVMをステレオでふって、曲によってはそれぞれ回転数の異なるフェイザーをセットしてステレオ感を倍増させるという手法。11月のギター・クリニックの時と同じセッティングだ。

で、「Bivalve」というのは「二枚貝」のこと。「海の底で悲しい歌を歌う以外にやることがない」という切ない歌なのよ。このあたりはさすがポールで、ブルースの歌詞の傾向をそのまま踏襲しているということだろう。

「オイラがもし●●だったら~」とか「オイラは、●●なのさ~」みたいなヤツね。「Catfish Blues」とか…。この手の歌だと、私はサンハウスの「ナマズのうた(そのままだ~)」なんてのが大好き!菊さんの歌が猛烈にカッコいいからね。

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『Vibrato』からの曲が続く。「Put it on the Char」。何でもこれはもともと「char」ではなくて「chair」だったのをレコード会社のスタッフが「i」を落としてしまった。それでも意味が通じるのでそのままにしておいた…というこれまたいかにもポールらしい話。インストだからOK。

「char」というのは鉄板のこと。イギリスへ行くとレストランのメニューに「Char Grilled Stake」というのを見かける。これはよくステーキにアミアミの焦げ目をつけて焼くでしょ?あれを焼くのが「char」。ギタリストでもたむけんでもない。

オクターバーを使ったポール・ギルバート・フレーズ炸裂のへヴィ・チューン。ここでもホール・トーン・スケールをうまく使ってるね。

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そして先ごろ亡くなったデイヴ・ブルーベックの「Blue Rondo a la Turk」。家が牧場だったために若い頃は「カウボーイにジャズができるかよ!」ってな侮辱も受けたらしいが、何せ1959年にこの曲「トルコ風ブルー・ロンド」が収録された『Time Out』がビルボードのヒット・チャートの2位まで上がる大ヒットアルバムになっちゃたもんだから一気にスター・ピアニストになってしまった。このアルバムにはロック・ファンにもおなじみの「Take Five」が収録されている。

私はデイヴ・ブルーベックよりも「Take Five」を作曲した相棒のアルト、ポール・デスモンドの方が好きかな。どう聞いても病み上がりで録音したとしか思えないような元気のない音色が昔は好きでなかったけど、この頃とてもよくて…。枯れてて。ま、熱心に聴いているワケではないけど、聴いてるこっちも存分に「枯葉」状態になってるのね?

で、「Take Five」を演らないのがこのバンドのいいところ。

ここはエミさん、思いっきりフィーチュア!

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この9/8拍子の妙チクリンなテーマをやすやすと弾いて、ブルースのパートでは裏コードを駆使した過激なフレーズがバンバン飛び出した。

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ポールとの掛け合いの場面も幾度となくフィーチュアされ、キーボード・プレイヤーとしての実力と存在感を十二分にアッピールした。

さらに『Vinrato』から「Atmosphere on the Moon」。

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ここでトーマス・ラングのドラム・ソロ。これがまたスゴイときてら!

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トーマスを見たのはずいぶん久しぶりのことだ。大分前に親友のHudson Musicの社長、Rob Wallisにすすめられてフランクフルトで観た時以来だ。ロブはあのDCIの創設者。もう長い付き合いで、いっしょに仕事をすることはなくなったが、いまだに仲良くしてもらっている。先日もNAMMで行き会ってお互いの子供の成長の話しで盛り上がった。

さて、そのロブがすすめてくれたコンサートというのがドイツのシンバル・メーカーが主催したもので、当時、新進気鋭とされた3人のドラマーの腕比べ的な企画で、出演者がマルコ・ミネマン(マルコもポールとやってるよね?マルコはその後、エディ・ジョブソンのバンドで来た時にO-EASTで観た)、ジョニー・ラッブ、そしてトーマス・ラングという顔ぶれ。もちろん全編ドラム・ソロだったけど面白かった。あの、私、ドラム好きですから。

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テクニックとパワーがマッチしたすさまじいソロで会場を大いに沸かす!

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スティックも無事キャッチ!

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素晴らしいドラマーだ!

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Racer Xの「Technical Difficulties」をはさんでポールさんの弾き語りコーナー!

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完全にポールとギターだけという演出で音量的にはもっともおとなしい時間帯ではあったが、ストンプをしながらRacer XやMr.Bigのレパートリーを9曲演奏。コンサートのハイライトといってもよかろう。

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「To Be with You」

「Hurry Up」

「Mr. Spock」…

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「Paris Hilton Look Alike」

「Alligator Farm」

「Superheroes」…

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「Space Ship One」

「To Be with You」

「Green-Tinted Sixties Mind」

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いつも楽しそうに演奏するポールだけど、このコーナーは特に楽しそうだったな~。

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バッチリ決まった~!

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もうひとつ『Vibrato』から「Pronghorn」。プロングホーンというのはカモシカみたいなヤツ。

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ここでもエミさんのソロをフィーチュア。

上にも書いたが、ふたりの掛け合いは見応え十分だった。

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ポールが弾くフレーズを正確になぞるエミさん。完璧なアドリブ!エ、これも?といった長いポールの奏でるギターのフレーズもエミさんがキーボードで再現してしまう。

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本編最後はゴキゲンな「Down to Mexico」でしめくくった。

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ここでポールのMC…ソングリストには次の曲は「アンコール」って書いてあるよ。でも引っ込まないでこおまま演っちゃおうか!…とそのまま演奏を続けた。

アンコールはすべてカバー曲。ポール曰く「ボクのギターの先生はカバー・ソングなんだよ!」

もったいぶらず平気でカバー・ソングを演奏する。先人へのリスペクトとエンタテインメント精神を感じるね。カッコいいですよ。

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今回用意された曲はまず、フェイセズの「Stay with Me」。1971年のアルバム『A Nod Is as Good as a Wink...To a Blind Horse(馬の耳に念仏)』から。これいい曲だよね~。

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オリジナルではロン・ウッドのソロの前にロッド・スチュアートが「ギッター!」っていうんだけど、そこもちゃんと再現しているのがかわいかった。自分がギターなのに!

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そして「Still Got the Blues」。当然トリハダ。シングル・コイルでもメッチャ太い音!というかポール・ギルバートの音やね。ギターのボリュームを上げ下げして音色を的確に作るサマもカッコよかった!

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ここで出てきたのがジョージー・フェイム。1970年のシングル「Somebody Stole my Thunder」。なんでここでジョージー・フェイム?

ちなみに、ミッチ・ミッチェルはかつてジョージー・フェイムとブルー・フレイムスのドラマーだったんよ。で、バンドがなくなって、受けたアメリカ人ギタリストのバンドのオーディションで最後まで競ったエインズリー・ダンバーにコイン・トスで勝った。そのアメリカ人ギタリストがジミ・ヘンドリックスだったのね。

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ポリスの「Synchronicity」。

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エミさんのコーラスが素敵だった!

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そしてAC/DCの「C.O.D」と「Beating around the Bush」ですべてを終えた。

「♪Beating around the bush!」って叫ぶケリーがよかったね。「Beat around the bush」は「藪のまわりを叩く」という意味。「Don't beat around the bush!」で「まわりくどいことを言うな!」という意味になる。幸いまだ外人に言われたことはないがそろそろ言われそうだナ。

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アンコールに若干違いがあったが、本編は2日ともまったく同じセットリスト。

両日とも本当にエンタテインメント性に長けた素晴らしいコンサートだった。もちろんマーシャルの音も最高!

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Paul Gilbertの詳しい情報はコチラ⇒Paul Gilbert Official Site 

※現在のHomeのページに使われている写真は今回の来日公演時に撮影したものです。ってんで是非見てみてくだされ!

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(一部敬称略 2013年1月16日 赤坂BLITZにて撮影)

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Shige Blog更新しました⇒『カイズ』~クルベラブリンカのセカンド・アルバム

2013年3月14日 (木)

Paul Gilbert Live in Japan~DAY1

昨年9月に発表した『Vibrato』を引っ提げてのポール・ギルバートの来日公演。東京では赤坂BLITZで2日間開催された。今回のアルバムはポールの思い入れも深いようで、マーブロでもこのアルバムにまつわる話題をこれまでいくつかアップしてきた。

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そんな時期の来日公演だけにショウの取材をとても楽しみにしていた。ポールは快く取材をOKにしてくれて両方の東京公演にお邪魔をしてきた。

今日はその初日、1月15日のようすをレポートする。

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今回のバンドはポールの他にベース、キーボード、ドラムというカルテット編成。

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プログラムはもちろん『Vibrato』を中心に組まれていた。

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しかし、そこはポールのこと、当然サービス精神満点、起伏に富んだセット・リストで一流のロック・ショウを演出していた。

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もはや、ギタリストとかシンガーとかいう枠を完全に通り越して、一大エンタテイナーという地位を確立しているように見えるよね、ポールさんは。

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ポール・ギルバート

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キーボードとコーラス、エミ・ギルバート。

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ベースとコーラス、ケリー・レミュー。

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ドラムはトーマス・ラング!

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『Vibrato』のレコーディングに参加したメンバーでもあり、息の合った演奏はさすが!

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個人的にはインストのパートが増えていつも以上に楽しめたな~。

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徹底的にお客さんを楽しませようとする姿はいつも通り。

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照明もバッチリとショウの内容にマッチしていて素敵だった。

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中盤ではパット・メセニー・モデルを持ち出して弾き語りを披露。

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いい表情!

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乾坤一擲、「ここぞ!」というところで決めるハイテクニックが光る。しかし、いまだに「速弾きの王様」みたいに紹介されるのを目にするけど、どうなんだろうね?

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もはや速弾きはポールの音楽では山椒みたいなものだと思いますが…。

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エミさんとの掛け合いもスリリングで見応え十分!

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今回はエミさんのソロもタ~ップリとフィーチュアされた。

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マーシャルはJVM410Hと1960Aを使用。ステレオで2セットが用意された。

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盤石なリズム隊。

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しかも、演奏は実にそつなく自然だ。

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そんなリズム隊にのって縦横無尽に自身の音楽を奏でるポールが実に楽しそう!

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おなじみ、アンコールはカバー・ソングで固められた。

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このコーナー、どんな曲が選ばれるか…これがまた楽しみなのね。

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アンコールの構成に若干の変更が加えられたが、2日ともほぼ同じ進行。どちらも素晴らしい出来でまったく飽きずに2日間連続して楽しめた。

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JVMを使ってもシングル・コイル・ギターの特長がいいように強調されて気持ちいいわ~。

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ショウの詳しい内容はまた明日…お楽しみに!

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Paul Gilbertの詳しい情報はコチラ⇒Paul Gilbert Official Site 

※現在のHomeのページに使われている写真は今回の来日公演時に撮影したものです。ってんで是非見てみてくだされ!

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<DAY 2>につづく

(一部敬称略 2013年1月15日 赤坂BLITZにて撮影)

 

2013年3月13日 (水)

【50 YEARS OF LOUD LIVE】vol.8~Glenn Hughes & Andy Fraser

さて、いよいよ大詰めの「50 YEARS OF LOUD LIVE」。フィナーレを除いてはあと1セットを残すのみとなった。

司会のアル・マレイ。

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アルは英国を代表するコメディアンだが、ドラマーとしてもその名を知られており、10代のころからビッグ・バンドでプレイしたり、市民オーケストラでパーカッションを演奏している。また、自身のTVシリーズ『Pub Landlord』の音楽のドラム・パートを自分で演奏しており、同番組にフィル・コリンズが出演した際、ドラムのデュオを披露したというからその腕は本格的だ。

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アルがドラムに座ると会場が大騒ぎ!本当に人気あるんだナァ。しばし、ドコドコ叩いた後、♪ドンドンパッ、ドンドンパッと「We Will Rock You」を快演していた。

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そして、大御所グレン・ヒューズが登場!

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実質的にはこの一大イベントのトリということになる。やっぱり存在感がスゴイね。

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ギターはソレン・アンダーセン。

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ドラムはブライアン・ティッシー。

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1曲目はジョー・ボナマッサとのBlack Country Communionのデビュー・アルバムと同名の「Black Country」。

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まぁ、スゴイ声ですよ。まったくスゴイ。一体どっからそんなデカイ声が出るんじゃろ?ってくらいスゴイ。

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前日だったか前々日だったかBBCの朝のワイドショー「Breakfast」に出演してこのイベントに対する意気込みを語っていたグレン。ちょっと待てよ…。グレン・ヒューズってマーシャルのベース・アンプだったの?とかいう声も聴こえて来たりもするが、まぁ、いいじゃないの。何よりもこの声がマーシャルだってば!

それにですよ、やっぱりマーシャルなくしてはあり得なかったディープ・パープルのフロント・マンですからね。(マーシャルもパープルにはお世話になっている)このイベントで暴れまわっていただく権利は十二分にあるのだ!

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渋いわ~、この人。ゴチャゴチャ弾かない、ジックリとフレーズを聴かせるタイプやね。

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騒々しいわ~、この人。またね、ベースの音がとびきっりゴツイんよ~。当日はVBA400 とVBC810 を使ったんだけど、VBC412 を積み上げた方がよかったんじゃないかな?

こんな声を出すベースがいてですよ、あのギターにキーボート、それにあのドラムにあの声を出すリード・シンガーがいたバンドってどんなよ。観たかったな。結局パープルもMKIIIは日本に来なかったからね。やっぱこの時代のバンドはケタが違うわ。

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昨日のリハーサルでもおとなしかったけど、本番でも落ち着いてるわ~。

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2曲目は2005年発表のグレンのアルバム『Soul Mover』 からタイトル曲。このアルバム、ドラムがレッチリのチャド・スミスなんだよね。

2005年より前のNAMMにて…エエイまた書いちゃえ!

私はチャドのお兄さんととても親しくしていて、お兄さんが日本に来ると息子さんたちへのお土産を買いに(ウチの)家族総出でいっしょに京橋のポケモン・センターへ行ったりしたもんよ。

大分前にチャドが出演する、Sabianが主催するコンサートがNAMMであって、「チャドが出るからおいでよ」とそのお兄さんが招待してくれたので遊びに行った。楽屋に行くとチャドもお兄さんもいて、首から下げていた私のカメラを見つけて「シゲ、写真撮って!撮って!」というので撮った。チャドとお兄さんと知らないおじちゃん。

それからしばらくして、私はその写真のことをすっかり忘れていた。するとお兄さんからメールが来た。「ヘイ、シゲ!あの時の写真はまだかい?早く送ってくり~!あれはチャドとグレン・ヒューズと3人で撮った貴重な写真なんだぜ!」って…。

おいおい、はじめに言ってくれよ、あれグレン・ヒューズだったのかよ!だったら私も一緒に撮ってもらえばよかった!こちとらグレン・ヒューズといえば挑発で白いヒラヒラした衣装を着た印象しかなかったからね。

で、あの時のコンサートが縁でこの『Soul Mover』ができたんじゃないの?

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とにかく密度が濃い!堂々たる演奏だ。これぞロック!これがロック!

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「この人がいなければベースをやっていなかった」と紹介されたフリーのベース、アンディ・フレイザー!

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街ですれ違ったらまさかこの人が『Fire and Water』のジャケットの左端の人だとはまずわかるまい。どう見てもラーメン屋のオヤジさんっぽい!

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ところがですよ、ひとたびベースを弾くと完全にあの音なのだ! それを聴いた瞬間、激トリハダ!

アンディはしばらく第一線から退いていたが、このコンサートを機に復帰したという。

曲は「Mr. Big」。

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またブライアンのドラムがいいんだよね~。完璧にサイモン・カーク!

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歌もアンディが歌った。

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セカンド・コーラスはグレン。雄叫び炸裂!

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この曲でソレンも爆発的なソロを披露。

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他の曲同様、音数の少ない渋いソロだが、こうした曲にはピッタリだ。

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それにしてもスゴイ声だ!

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クリス・スペディングとやっていた「Sharks」というバンドがありましてね。猛烈に聴きたかったんだけど、アルバムがどうしても手に入らなくてね…。結局、聴かずじまいになってしまったな。

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マーシャルの50周年を祝うコンサート、やっぱりフリーの曲が聴きたかったとこなのよ!

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ギター・アンプもベース・アンプもマーシャルだったからね。創立40周年の記念式典の時にはポール・ロジャースから祝辞も来ていた。

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終始パワフルなグレン、1951年生まれ。まだ若いヤツらには負けない。

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最後にグレンはアンディを「My teacher!!」と紹介していた。

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そして、もう1曲。

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イングヴェイも交えての1曲。

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お待ちかねのパープル・ナンバー…

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「Mistreated」。

子供のころはカッタルイ曲だナァ~と思っていたけどトンデモナイ!ノンちゃんすみません。

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もう破天荒にカッコいい!いい曲だナァ~。

この曲はリッチー・ブラックモアの作曲。もともとは『Machine Head』に収録する予定であったが、リッチーがそうさせず、結果『Burn』に収められた。これはアルバム中、唯一カヴァーデイルがすべての歌詞を書いた曲だそうだ。

もうすっかりこの曲が耳慣れた我々には「ディープ・パープルの代表曲のひとつ」的な存在でしかないが、当時はパープルの「ブルース・ロック」として他の曲と一線を画していた。そして、そのブルース・ロック・フィーリングをバンドにもたらしたのがデヴィッドとこのグレン・ヒューズとされているのである。

もちろんカヴァーディルの歌は最高だけど、グレンのノビノビとした「Mistreated」も素晴らしい!

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どちらかといえばツェッペリン派のブライアンであろうが、やっぱり本物のディープ・パープルのメンバーと演奏するとなれば気合も入ろうというものだ。って考えてみればいつも演っていたのか…。

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執拗に絡み合ってお互いを鼓舞するグレンとイングヴェイ。(ちなみにイングヴェイは自分のことを「インギー」と呼んで欲しくない的なことを以前に私に言っていました)

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まるで自分の曲のように自在に弾きまくる!

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イングヴェイからキツイ右フック一発!たまらず吹っ飛ぶグレン!

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そして続けてヘッドバット!

…というのはもちろんウソだけど、熱演のほどがうかがえよう。本当にいいコンビネーションで演奏していたのが印象的であった。

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エンディングは当然来ると思ってた。「I've been losing my mind」の「my mind」の大絶叫。やっぱりキタ~、♪ママ~イって!

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やっぱりこうして本当のロック黄金時代を築いてきた人たちを抱えているMarshallというブランドは素晴らしい!

いつまでも元気にスーパー・ボイスを炸裂させて欲しいグレンなのであった!

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次回いよいよ最終回!

(敬称略 2012年9月22日 ロンドン ウェンブリー・アリーナにて撮影)

 

2013年3月12日 (火)

六弦の心、日本の心…

メロディ、リズム、ハーモニー…「音楽の3大要素」!なんて学校の音楽の授業で習ったけど、やっぱり音楽はメロディだな。

いいリズムがないといいメロディも生きてこないし、ハーモニーでメロディのあり方がいかようにも変わってくるので、もちろんメロディ以外の要素もとても重要であることは論を俟たない。

でも、メロディというものは、人間で例えると「第一印象」みたいなもので、とりあえず清潔にしておくとか、少しでもおしゃれしておかないとまず人様の心をつかむのは難しいでしょう。

「付き合ってみると、あいつスゲエ性格がよくてサ…」という人間の根幹をなすのがリズム。「しかも、あいつ絵もウマイし、暗算もスゴイし、酸辛湯麺作らせたらプロ並みでやんの!」とその人が持つ特技のようなのがハーモニーだったりするような気がするんだよね。

でも、やっぱりその人が持っている印象というか、雰囲気というか、ま、率直に言って「見てくれ」がよくないと、その人の性格や特技がわかるほどは緊密になれないってこと。

だから、メロディは大切なのだ。

それに、気分がいい時、何か作業をしている時、口ずさむのはメロディだよね。まさか、「♪チーチッキ、チーチッキ」とリズムパターンを口にする人はかなりまれだと思うし、ひとりじゃどうあがいてもハーモニーは作れない。

だから、メロディは楽しいのだ。

さて、最近我々はいいメロディに飢えていると思うんですよ。テレビをつければどこを切っても同じようなメロディに歌詞。CMに使われている曲もいつも同じ。よくもマァあれだけ人と同じことができるよナァ~と思うよね。ちょっと前の車のCMでジミの「Cross Town Traffic」が使われているのが妙に新鮮だったっけ。

ま、CMの音楽に関しては「商品を売らんかな」で音楽を選んでいるのだろうから、少なくともクセナキスやソニー・シャーロックやアンソニー・ブラクストンあたりは使えないだろうけどね…。でも、そのうちシャッグスあたりは登場しそうな感じがするな…。食べ物のCMに使われたら面白いな。

以上でオープニング・トークおしまい!

そんないいメロディに飢えた我々に最適なプレゼントが『六弦心』のCDだった。人気ギタリストがオリジナルのアレンジで童謡を奏でるという企画だ。もちろんギター・インスト。

下がそのCDのvol.1。

「いいメロディは国境を越え聴衆の琴線に触れるであろう」という企画も的を得、世界51か国で配信されたそうだ。

山本恭司さんを中心に11曲が10組のギタリストによって演奏され、我がマーシャル陣からは石原SHARA慎一郎と原田喧太が参加した。

SHARAさんは♪春のうららの~、の「花」を、そして喧ちゃんは「夕焼け小焼け」を演奏。どちらも2人の個性がにじみ出た素晴らしい演奏だ。

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こうした誰でも知っているメロディを料理するというのは実に大変なことだと思うね。しかも、たいていこの手の曲は「歌謡一部形式」といって「トロイメライ」のようにメロディがひとつしか出てこないサビのない作品が多く、展開のさせ方も難しい。しかも、それぞれの尺が4小節とか8小節と極端に短いのも頭痛のタネのハズだ。

さらに、ギターの魅力を前面に押し出さなければ意味がないし、かといって弾きまくったところで曲の良さが出てくるとも思えない。さりとて、メロディをただなぞったところでどうしようもない…。

そうしたことを考慮すると、ギタリストだけの力量では追いつかない、音楽家としてのスケールの大きな実力が問われる企画だと思う。逆に言えば、この『六弦心』に参加すること自体が名ギタリストとしての証となるのではなかろうか?

そして、vol.1の発売から約1年、恭司さんをプロデューサー(もちろん演奏も!)に迎え、前作と同じく10組のギタリストが11の名作に挑んだ。

今回マーシャル・ファミリーから参加したのはルーク篁、そして、大抜擢のD_DriveのSeijiとYuki!よかったね~!

ルークさんは「七つの子」、SeijiさんとYukiちゃんは「どこかで春が」を取り上げている。

発売は2013年3月20日。

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さて、その発売に先立って、代官山の「蔦屋書店」にて『六弦心vol.2展』が開催されているのでここでご案内させていただく。

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会場は2階の音楽関連のフロア。

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エスカレーターを上がると『Vol.2』に参加したギタリストたちのポスターがズラリと並ぶ。お、あのYukiちゃんのポスターは見覚えがあるね~!

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その反対側ににはSeijiさんやルークさんのポスターが…。SeijiさんとYukiちゃんのポスターはD_Driveの初の東京でのワンマンの時のショットだね。

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もちろんCDも陳列。

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さらに参加ギタリストの詳しいプロフィールが展示され…、

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所有するギターも目の当たりにすることができる。

これは恭司さんモデルだね。

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こちらはSeijiさん(左)とYukiちゃんのギター。

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こちらは先日、某社のピックアップの特集本の制作時、すべての試奏をDSL100Hでこなしてくれた菰口雄矢さんのギター。(この本についてはまた別の機会に紹介さしてくださいまし)

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じ~っくり聴いてください。そして、しみじみ味わてください。この美しい言葉と美しい旋律を持っている国に生まれてきた喜びをかみしめようではありませんか!もちろんギター好きという品のいい趣味を持ち合わせていることもね!

『六弦心vol.2』の詳しい情報はコチラ⇒六弦心Official Website

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2013年3月11日 (月)

I Thought I was Going to Die~英音楽誌が伝えた大震災

今頃こんな話を切り出すのもどうかと考えたが、震災からちょうど2年の今日、これも「ひとつの記録」としてこの記事をマーシャル・ブログに残しておこうと考えた。

下は「The World's Biggest Selling Weekly Rock Magazine(世界で一番売れてる週刊のロック雑誌)」を標榜するイギリスの音楽誌KERRANG!の2011年3月26日号。

普段この雑誌を目にすることはほとんどないのだが、2年前にイギリスに行った時、本当に偶然この本を手に取った。そして、ひとつの記事が目に入った。

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I thought I was going to die.....

これはあるミュージシャンのシリアスな言葉…『死ぬかと思った』。その目に止まった記事というのは、震災の時、ちょうど日本に来ていたミュージシャンの体験記だった。

誌面にはスリップノットのドラム、Joey Jordisonのバンド、MurderdollsやBlack Veil Brides、All That Remains等が登場している。

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ところでMurderdollsはマーシャルを使用しており、例によって渋谷のO-EASTに取材に出かけたのが震災前日の2011年3月10 日のことだった。Murderdollsは翌日にも東京公演があったが、その日にライブの写真を撮らせて頂けるということで、当日の本番のプレスピットには私ひとりだけが入っていた(…ようだったが、あるいは他の方もいらっしゃったかもしれない)。下がその時に撮った写真。

会場は超満員で、バンドのメンバーもノリノリの激しい演奏で素晴らしいライブとなった。中には翌日のライブも楽しみにしていたファンの方も大勢いたことだろう。

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そして翌日、2011年3月11日14時46分、地震発生。

マーダードールズのボーカル、Wednesday 13がKERRANG!誌に語っている。

「床が揺れ出した時に、オレはTGI Friday'sにいたんだ。周囲の人が叫び声を上げ出した。オレはコートと携帯を手に取って外へ走り出た。外の方が安全だと考えたんだ」

そして続ける…

「街路樹やビルディングが真横に揺れていたよ。オレのまわりの物、すべての物が揺さぶられて壊れていった。マジで死ぬかと思ったよ。取材で別行動をとっていたジョーイを除いた仲間は何とか探し出すことができた。ジョーイとは何時間も連絡が取れなかったんだ。まったくパニクったよ。ついに彼といっしょになった時は抱き合ったぜ。もう大興奮だった。ホント、その点ではラッキーだったよ」

当然、11日の公演は中止。結果的にこの時の来日公演の様子を写真に収めたのはマーシャル・ブログだけとなった。

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我々日本人は生まれた時から日常的に地震を経験しており、不幸にして地震がそう珍しいものではなくなってしまっているが、イギリス人などは、ほとんどの人が生まれてからただの一度も地震を経験していないという。

地震から約1か月後、たくさんの外国人と会う機会があり、地震の時の様子を訊かれると私は決まって次のように説明した。

「地震発生日、私はたまたま仕事を休み家でノンビリしていた。私の住む家は木造でしかも大層古く、当然その揺れ方たるや尋常でなかった。(Wednesday13ではないが、)このまま家の中にいたら間違いなく潰されてしまうと思い、家の外へ飛び出そうとしたが、揺れが大きすぎて歩くことが大層困難だった。外へ出ると、あちこちで悲鳴が起こり、電信柱はクネクネと曲がり、電線はとび縄のように大きく旋回していた」

この話を聞いた外国人たちは、みんな顔をしかめてOMG状態の表現をしていたが、いくら口で説明したところで地震の経験のない人たちにはこの恐ろしさはわかるまい。

また、原宿のアストロ・ホールでサウンドチェック中だったBlack Veil Bridesのボーカル、Andy SixはKERRANG!に対し、(古い家の話を除き)私とまったく同じ表現でその時の恐ろしさを語っている。

5月にはアイアン・メイデンのニコにも会ってこの時の話になったが、「あの時は参った」と言っていた。メイデンもジャパン・ツアーを予定していて、ブルース・ディッキンソンが操縦する自家用ジェット機で名古屋に来ていたが、すべての公演がキャンセルとなり、次のツアー先にそのまま移動したのだった。

今日であれからちょうど2年。いまだに30万以上もの人たちが避難生活を余儀なくされ、過去の日常を取り戻せずに苦しんでいるというのはあまりにもヒドイ話である。

改めて犠牲者の方のご冥福をお祈りし、一日も早い復旧・復興を心から祈っています。

(一部敬称略 ライブ写真は2011年3月10日渋谷O-EASTにて撮影)

2013年3月 8日 (金)

Mr. T Rock Live "Alive and Well M"~森園勝敏、復帰祝いライブ <後編>

第2部は金子マリからスタート。

マリさんは年明けということもあって、キッチリと日頃の御礼を述べたご挨拶からスタート。気持ちのいいもんです。

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マリさんはギターの弾き語りで「イルカ達のように」を披露。

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ギター1本というシチュエーションにマリさんの声がひときわ心にしみる。

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マリはんは後にもご登場いただくが、ここはもう1曲弾き語りで「風に立つ」を熱唱。

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歌を歌っているかのような森さんのギターとは反対に、まるで楽器のようなマリさんのうた。「歌は楽器のように、楽器は歌のように…」、サミー・デイビスやエラ・フィッツジェラルドを聴いているといつもれを思い出してしまうのだが、マリさんの歌もこのことをよく教えてくれる。

マリさん、4月1日から京都の磔磔で「たっぷり金子な7日間」という企画を催す。森さんも出演するし、渋谷毅さん(渋谷毅オーケストラの『Live '91』は私の大の愛聴盤なのだ~!)と小川美潮さんと組んだ日もあって…観たい、撮りたい!東京でやってほしいナァ~。

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続いては鈴木茂のセット。 茂さん、グリコさん、庄太郎ちゃんの布陣。

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1975年発表の日本のロックを代表する名盤、『Band Wagon』から「砂の女」。

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殺人的にいい曲だ。II-Vを繰り返してII-V-Iからディミニッシュでつないで、またII-Vに持ってくるところが鳥肌もんだ。あんまりカッコいい!

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『Band Wagon』でのドラムはデヴィッド・ガリバルディ。グリコさんはガリバルディに一歩も引けをとらないグルーヴを見せてくれた!

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庄太郎ちゃんもこの名曲にすっかり溶け込んで素晴らしいプレイを繰り広げる。

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アンプはEDENのWT800とD410XSTだ。

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そして、2曲目も同じく『Band Wagon』から「100Wの恋人」。森さんが加わる。

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「100W」とは電球のこと。ちょっとユーモラスな松本隆さんの歌詞も魅力的だ。

私にとって「100Wの恋人」は1959だ。愛人は2203。

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レコードではビル・ペインがピアノを弾いているが、このステージでは森園勝敏がギターを弾いた。

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歌の延長線のようなボトルネックがこれまた素晴らしい。

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実は茂さんを撮るのは今回が初めてではなく、おととしの暮れにステージ丸々撮らせていただいたことがあった。あの演奏もスゴかったなぁ。やっぱりしばし聴き惚れてシャッターが切れなかった瞬間があった。

なんか、日本人じゃないんだよね、音楽のあり方が…。ホンモノなの。ロックがクリエイティブだった時の空気が漂ってくる。間の時代なんかまったく存在していなくて、そのころの音楽があたかも続いていたかのように感じるんだよね。

今日の出演者の多くがそうした魔力みたいなものを持っていると思う。こういうライブこそ若い人たちが観るべきなんだよね。若いバンドの人たちが満杯になったライブハウスの観客を前に、暴れながら大音量で演奏しているものよりよっぽどパワフルだと思う。いい音楽が生来持っている本当の力のようなものを知っている人たちばかりだからね。

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ここでまた雰囲気が一転!なんとグランド・ファンク! こっれがまたスゴかった! 茂さんの後だけにまたスゴかった!

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マーク・ファーナー役はエージ・ファーナー。

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ベースは鳴瀬喜博

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ドラムは岡井大二に交替。

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曲は「Inside Looking Out」。アニマルズのカバー。

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これがお盆に正月、クリスマスにハロウィン、三社と鳥越と下谷(と矢先も)の祭りがいっぺんに来ちゃったようなにぎやかな演奏!お客さんもこの無責任までに派手なパフォーマンスに大喜び!

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また、ナルチョさんがダイナミックなこと!ナルチョさんはキャビネットはマーシャルだったんだけど、今日はメル・サッチャー役なもんでヘッドは「ナントカ」ってのが指定。これがまたジージー・ジージー、ギンギンに歪むアンプでナルチョさんも笑ってた。

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それにしても今時GFRってのもスゴイナァ。アルバムは何枚も持っているけど、ほとんど私は聴くことがない…でも、こんなにエキサイティングなパフォーマンスを見せられたら久しぶりに聴いてみようかな?って気になっちゃうよ!

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コレだもん!

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やっぱりせっかくやるからには、成りきらなきゃソンソン!ものすごい歓声が上がった充実のセットだった。

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「イヤ~、すごかったね~。エージにはもっと演ってもらいたいんだけど、1曲が長いからな~」と高橋さん。

GFRとは関係なしに、転換時には森さんへのインタビューもはさまれた。

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弾いてもしゃべっても豪快なナルチョさん!久しぶりだ。前回は中野サンプラザで開催されたジャニス・ジョプリンのトリビュート・コンサートでVBAを弾いていただいたっけ。

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森さんが再び加わって「Susie Q」。

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この曲も森さんのライブではよく取り上げられる。しかし、森さんの選曲は勉強になると前回のRepublic Saxophoneのレポートで書いたけど、本当に影響を受けて、J.J. CaleだのFreddie KingだののCDを買い込んでしまいましたよ。アタシャ、ほとんどブルース聴かなかったんだから~。J.J. Caleなんて生まれて初めてCD買ったわ。

「まだ早い」といわれかも知れないけど、生きてる間にできるだけたくさんのいい音楽を聴いておきたいと思うんだよね。こういうライブはそのいいネタ探しにもなる。大先輩の皆さんが演奏する曲はいいロックの、ホンモノのロックの宝庫だからね。

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…とそれほど説得力のあるギターなのさ!

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そしてフィナーレ。メンバーを呼び込む森さん。

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マリさんと、

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ジョージさんを呼び込んで…

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ジェファーソン・エアプレーンの「Somebody to Love」。

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この曲を演奏している人たちをトンと見かけない。こんな有名な曲なのに。曲のイメージが強すぎちゃうのかな?

でも、今日のメンバーがひとたび演奏を始めると空気がまたガラっと変わってみなさんなりのサイケになるんだな~。めちゃカッコいい!

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最後に1曲は「Venus」。

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これまた皆さん板についた演奏で、聴いていて痛快極まりない!

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森さんも本当に元気になられてよかった。でもご無理は禁物ですぞ!

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最後に記念撮影。みんなニコニコで楽しそう!もちろん観客の皆さんも大満足。最近は不幸にして「●●トリビュート」みたいなライブが多い中、大ギタリストの快気祝いの演奏会なんてとても喜ばしいことだ。こんな機会を作ってくだすった高橋さんにこの場をお借りして心から感謝申し上げます!

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高橋さんの「アンコールはありませ~ん」の〆の言葉で解散!

あ~、楽しかった!

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(一部敬称略 2013年1月11日 原宿クロコダイルにて撮影)

2013年3月 7日 (木)

Mr. T Rock Live "Alive and Well M"~森園勝敏、復帰祝いライブ <前編>

ステージの造作はまだ謹賀新年。

昨年末の最後のライブのレポートとして森園勝敏のバンド、Republic Saxophoneの復活を伝える記事を掲載した。やはり日本のロックを作った巨人として、森さんのような人はいつでも第一線にいなければならないのだ。それが偉大なアーティストの宿命であり、義務であり、特権であり…反対に聴く方からすれば「願い」であったり「喜び」であったりもするワケだ。

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そして、個人的にコンサートを企画して森さんの現場への回帰をお祝いした人がいる。それがこのお方、高橋重夫氏。

以前のブログでもレポートしたが、自分が還暦を迎えた時もCharさんや鮎川さん、森さん等豪華絢爛な友人のギタリストを招いてライブしちゃった楽器業界の重鎮だ。かつてはレコード会社に在籍し、四人囃子の『一触即発』にもExecutive & Advising producedの項にその名前がクレジットされている。

『一触即発』に関して、ご本人は謙遜して「イヤ~、何もしなかったよ~」とおっしゃるが、この世紀の名盤のジャケットに名前が印刷されるなんて…羨ましいことこの上ない!一生残るもんナァ。日本のロックの歴史に名前が残っちゃうんだからね~!

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さて、高橋さんの「森さんの復活を祝う」ご挨拶の後、すぐに演奏がはじまった。

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まずは森さんが登場して「Sleepwalk」。よく森さんが「Lady Violetta(レディ・ヴィオレッタ)」のエンディングでチラリとこの曲のテーマを弾いたりしているが、今日はこの美しい曲を全編披露。いい曲だよね~。

日本ではブライアン・セッツァーの演奏で有名になったのかな? 元はSanto & Johnnyというブルックリン出身のデュオ・チームの1959年のヒット曲。名曲だけあってシャドウズからダニー・ガットンまでヤケクソにいろんな人がカバーしている。

ジェフ・ベックは1985年の『ポーキーズ最後の反撃!(Prkey's Revenge)』という1985年の映画のサウンドトラックでこの曲を録音している。シュワちゃんの『ツインズ』の中ではない。

「ラ・バンバ」で有名なリッチー・ヴァレンスの伝記映画、『ラ・バンバ』の中でも印象的にこの曲が使われていたが、あれは元々サンタナが弾いたんだって。残念ながら映画にそのトラックは使われなかったけど、聴いてみたかったな。なんか仰々しい「Sleepwalk」なんだろうナァ。

そういえばラリー・カールトンのもよかったな。渋谷のタワー・レコードがまだハンズのハス向かいにあった頃、クリムゾンの『Discipline』とディ・メオラの『Electric Rendezbous』と同時に買ったのを覚えてる。そんな時代だ。

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サイドギター、高橋重夫。

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ドラムは盟友、岡井大二。マーブロでもすっかりおなじみだ!

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ベースは遠藤雅美(ガミ)。ひっさしぶりにお会いしたナァ~。「アレッ?太ったナァ~」なんて声をかけられてビックリした。

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2曲目は森さんが下がって西山毅が登場!

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曲はアストロノウツの「Hot-Doggin'」。高橋さん、せっかくの出番なのにスミマセン。アタシ全然知らないんですアストロノウツとかスプートニクスとか…。

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さらに加山雄三の「Black Sand Beach」。『若大将』は好きです。あの映画を観るたびに「ああ、オレも田能久の家に田沼雄一で生まれたかったナァ~」と思ったもんです。でも加山雄三は『赤ひげ』かナァ。保本登。若大将シリーズの合間の1年で『赤ひげ』を撮ったんだってネェ。よく黒澤さんがそれをよしとしたよなぁ。

高橋さん、ふたたび出番中にスミマセン!テケテケ系疎いんですよ~。黒澤明の話ならいくらでも…。でも高橋さん、とても楽しそうだ!

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ドラムが富岡グリコ義弘に、ベースが満園庄太郎にスイッチして「Scatterbrain」。

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難なく9/8拍子でノリまくるグリコさん。

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西山さんのキッ~ク!で曲を〆る。

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続いては「'Cause We've Ended as Lovers」、「哀しみの恋人達」。「私たち、恋人同士ではなくなったから~」みたいな。

西山さんの弾くこの曲は絶品です。一寸の隙もない演奏はまさに芸術品。最初のヴァイオリン奏法の一音で電気が走る。テレキャスターで弾くところを見てみたい。

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庄太郎ちゃんとも長い付き合いをさせて頂いている。そういえば西山さん、庄太郎ちゃんと若手ドラマーの3人と組んで何回かマーシャルのイベントやったっけナァ。アレ、楽しかったナァ。

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共演する機会も多いこの2人の呼吸はもちろんバッチリだ。

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続いてギターが5Xのジョージ吾妻。ボーカルが…

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久世敦史。エ~、なんで久世ちゃん?! 驚いたわ~。まさかここで久世ちゃんといっしょになるとは!念のために書いておきますが、久世敦史は名門へヴィ・メタル・バンド、コンチェルト・ムーンのシンガーですから

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大ベテラン、ジョージさんの堂々たるプレイが迫りくる!曲は「Crossroad」。

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庄太郎ちゃんはEDEN WT800とD410XSTを使用。庄太郎ちゃんらしい芯のしっかりしたブットいサウンドが気持ちいい!

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もう大笑いしたのは、どうも庄太郎ちゃんは昔から久世ちゃんのことを知っていて、ナンカの仕事でいっしょにアメリカへ行ったこともある仲だとか…。それで、今回のステージで久世ちゃんが「コンチェルト・ムーンのボーカル!」と紹介されるのを聴いて庄太郎ちゃんが真顔で、「チョチョチョ!」と割って入り、「ナニ、お前、コンチェルト・ムーン入ったの?知らなかった!」と本気で驚いてる。その様子が最高におかしくて!お客さんも大笑い!

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このセット、2曲目は「Gimmie Some Lovin'」。

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スティーヴ・ウインウッドとは毛色が違うが十分にいい感じ!

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グリコさんもギンギンにフロント陣をあおる!

へヴィ級のセットだった!

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木暮"shake"武彦が登場。

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アコースティック・ギター1本でガラリと雰囲気を変える。

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心を込めてギターと真摯に向き合う姿が聴衆の耳目を引き付ける。

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グリコさんがジェンベで加わる。

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2曲目にはビートルズの「Norwegian Wood」。

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そして「カジノドライブ」をアコースティックに演じ上げた。

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色々とバラエティに富んだ音楽スタイルが登場したイベントであったが、どちらかといえば静謐なshakeさんのコーナーは他とは違った時間が流れていたようで強く印象に残った。

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第1部の最後には再び森さんと西山さん、大二さんが登場して「Lady Violetta(レディ・ヴィオレッタ)」を演奏。

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何回聴いてもいい曲だニャ~。

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西山さんとのコンビネーションもバッチリだ。西山さんは海外のギター・ジャイアンツへのリスペクトはもちろんのこと、寺内タケシをはじめとした日本のロック・ギタリストへの傾倒ぶりに関しても人後に落ちることはない。こうした日本のロック史に燦然と輝く名曲が素材とくれば、その演奏の密度は驚異的なものになるのは当然だ。美しい~!

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前回のRepublic Saxophoneのレポートでも書いたが、まだ100%の回復ではないという森さんの指。もちろん一刻も早い完璧なリカバリーを望むが、今の時点でも十分に納得のいく音楽的仕上がりだ。すさまじいまでに重厚にメロディが繰り出されてくる。

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庄太郎ちゃんのバラードもまたいい。後半のギター・ソロに展開した時の引っ張り方がカッコいい!

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もちろんオリジナル・レコーディングの『ゴールデン・ピクニックス』でドラムをプレイしているのは大二さん。あまりにも素晴らしいアルバム。今でも愛聴している。天才音楽家たちと時代の空気が作り出した奇跡の一枚だ。

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これにて第1部終了。第2部も楽しみだ!

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<後編>へつづく

(一部敬称略 2013年1月11日 原宿クロコダイルにて撮影)

 

【号外!】アルヴィン・リー逝く

ショック…。アルヴィン・リーが3月6日早朝(イギリス時間)鬼籍に入ってしまった。

私は特段テン・イヤーズ・アフターや彼自身の熱心なファンではないし、ちょっと世代が後なため、来日公演も観ていない。でも、ウッドストックのアルヴィンを、下手をすれば50回ぐらいは見ているかもしれない。

35年ぐらい前、中学生の時、初めて映画『Woodstock』を観た時は本当にブっ飛んだ。実はあの時、併映の『Concert for Bangladesh』を目当てに映画館へ足を運んだのだった。

あの頃は動く海外のミュージシャンを目にすることは本当にマレで、初めて観る『ウッドストック』はライブ・パフォーマンスの部分は大歓迎であったが、子供だった私には合間のウッドストックへ集まった若者へのインタビューなどが実にうっとうしくて、途中スカッリ寝てしまった。(今ではそっちの部分の方がおもしろかったりする)

しかし、あの閃光のような速弾きが映画館に充満した途端、眠気がいっぺんに吹っ飛んだ!驚いたナァ~。そしてカッコよかったナァ。

アル・ディ・メオラがアルヴィン・リーの速弾きを聴いて全部ピッキングしているのかと勘違いをし、その練習をしているうちに彼も速く弾けるようになったというエピソードはよく知られていよう。

すっかり感化された中学生の私は後日秋葉原の石丸電気のレコード館へ行って2枚ぐらいテン・イヤーズ・アフターのLPを買った。ところが、あのウッドストックのすさまじい演奏のカケラも見当たらず、すごくガッカリした。それから聴かなくなったナァ。

でも、その後も動くThe Whoやジミが見たくて、『ウッドストック』がかかっている映画館を「ぴあ」で見つけてはセッセと通った。

「I'm goin' home...........by.....helicopter......」

と白い息を吐き出しながら曲名を紹介する瞬間からいつも拳を握りしめた。「来るぞ、来るぞ!」って。『ウッドストック』の中のアルヴィン・リーは何十回観てもカッコよかった。

それから四半世紀近くの歳月が流れ、私がマーシャルの仕事をするようになり、『マーシャル祭り』を企画し、4回目にはイギリスのギタリストをゲストに呼ぼうと当時のマーシャルのアーティスト担当と相談したことがあった。こちらから「ロビン・トロワーはどうか?」などとオファーをすると、向こうからは「アルヴィン・リーはどう?」なんてオファーをもらった。結局、この企画自体が実現せず、アルヴィンに声すらかけないで終わってしまったが…呼んでおけばよかったと後悔している。

出番が夜間で、乏しい照明しかなかったため、映画『ウッドストック』ではほとんどアルヴィン・リーの姿しかスクリーンに登場しないが、落ちているスイカを肩に乗せてステージから降りるところで1959のフル・スタックがチラリと見えたように記憶している。

アルヴィンもマーシャル・プレイヤーで最近ではJubileeを愛用していたようだ。ゲイリーに続いてまた偉大なマーシャル・プレイヤーを失ってしまったことは大変残念だ。

弾くだけ弾いて、ヘリコプターに乗って天国へ行ってしまったのだ…。

心からご冥福をお祈り申し上げます。

2013年3月 6日 (水)

【50 YEARS OF LOUD LIVE】vol.7~Joe Satriani

再びニコがMCで登場。ニコは本当におしゃべりが上手。ステージでもオフステージもまったく変わりなく人を惹きつける魅力を持っている。

10年以上前、初めてニコに会った時、その強いコックニー訛りで(ニコはロンドンはハックニーの生まれ)何を言っているのか理解するのにかなり苦労したが、フランクフルトの展示会で一緒にドラムを組み立てたり、来日公演に遊びに行ったり、色々な機会で顔を合わせているうちに仲良くなった。すると、訛りの問題なんかウソのように吹っ飛んでしまうんだな…。コミュニケーションって実に不思議なもんだ。

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そして、紹介される7番目のギタリストは…

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ジョー・サトリアーニ!

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ものスゴイ歓声!驚くべき人気の高さ!

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演奏の前にジムへの弔辞と50周年への祝辞を述べるジョー。

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ハウス・バンドのギタリストとしてクリス・ジョージも出ずっぱりだ。

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ベースのジャズ・ロウクリーも出ずっぱりだ。

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♪チーチッキ、チーチッキ…ハイハットのレガートで始まるこの曲… 「Satch Boogie」!

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いきなりの代表曲にものスゴイ歓声が送られる!

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それにしてもものすごいテクニックと歌心!

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昨日のリハーサルで十二分にブッ飛んだけど、こうして本番で見るとこれまたスゴイ。

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真ん中のタッピングのパート。

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この曲を聴くとね、西山毅さんを思い出すんだ~。2001年に開催した『マーシャル祭り2』の時に西山さんはこの曲を選んだ。そのプレイが最高にカッコよくてね~。ドラムは菅沼孝三、ベースは櫻井哲夫だったからね。スゴイに決まってるでしょ?

今回、ホンモノを見ていて思い出しちゃった!

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さて、今日のイベントにはシグネチャー・モデルを出しているギタリストが多く出演しているが、ジョーもそのうちのひとり。

JVM410Hにノイズ・ゲートを組み入れたJVM410HJSを 使用していた。 下の写真でいえば向かって左で並んでいるJVMだ。この人もやっぱりBキャビなんだね~。

向かって右はニック・ボウコットのDSL100Hと1960A。このジョーのセットではおやすみしている。

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本番直前にステージ横に準備されていたジョーのJVMのフット・コントローラー。JVM最大のウリ、CLEAN、CRUNCH、OD1、OD2と4つのチャンネルすべてを使用しているのがわかる。

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ナンダカンダ言ってもですよ、こうしてジョー・サトリアーニのようなあまりにもすごいギタリストが無条件に認めているJVMはすごいと思いますよ。

こんなスーパー・プレイを見れば、何のヒイキ目もなしに素直にそう思っちゃうよ。

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「ウマイ」の種類にもいろいろあるし、昨日も書いたけどプロに対して「ウマイ」なんて表現は失礼だとも思う。でも、「ギター」という楽器をひとつの「音楽作るための単なる道具」としてとらえた場合、その道具を使いこなすことにおいては、もしかしたらこの人が一番「ウマイ」んじゃないかな?…という気がした。

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これまで40年近い間にずいぶんといろんなギタリストを見てきた。ジェフ・ベックやゲイリー・ムーア、イングヴェイ、ザック・ワイルド、ウルリッヒ・ジョン・ロート、パット・マルティーノなんかはすぐ目の前で見たし、昔のサンタナもヴァン・ヘイレンもルカサーもリッチーも、ロバート・フリップもヤン・アッカーマンもフランク・マリノもフランコ・ムッシーダもドイル・ダイクスもローレンス・ジューバーもマーチン・テイラーもパット・メセニーも、レス・ポールもロイ・ブキャナンもローウェル・ジョージも…ありとあらゆるタイプの名手を見てきて、その誰もが「スゴイ」と思った。でも、「ウマイ」というキーワードが与えられたら…ん~、やっぱりこの人を推すかも。

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2曲目は「Always with me, Always with you」。この愛くるしい旋律!

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曲の良さが彼のプレイのウマさを引き立てていることも間違いない。

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またね、たたずまいがいいんだ。落ち着いていて、すごく大人の感じがする。

この日、ジョーはポールと楽屋がいっしょだった。で、ポールに用事があったので楽屋を訪ねると中からギターの練習をしている音がする。ドアをノックすると、そのギターの音が止み、中からドアを開けてくれたのはジョーだった。「あ、練習の邪魔をしてスミマセン」というと「ゼ~ンゼン、平気さ!」とニコニコ答えてくれた。こういうちょっとしたことでますますファンになっちゃうんだよね~!

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ジョーのコーナーの3曲目にはポールさんがジョインした。

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曲は「Goin' Down」。

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向こうの人、この曲好きだよね~。何かというとコレ。でもカッコいいから大歓迎だ。

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ドラムはブライアンからニコにスイッチ。

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歌も披露したジョー。

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ニコのこの表情がまた素晴らしい!

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もちろん、この2人が揃えばお約束のギター・バトル!

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2人ともテクニックに頼らない濃いフレーズの応酬で聴衆をまったく飽きさせない!

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「あ、そう来る~?、じゃこっちは…」みたいな…。

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ジョーが歯で弾けば…

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当然、ポールも!

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名手同士のバトルは素晴らしい~!

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技術の粋を尽くしてスリリングに速く弾くギターと数少ない音でエモーショナルに弾くギターとどちらが難しいか…なんてことを昔はよく考えたものだ。昔、マーブロに書いたこともある。

以前は私は「速弾き至上主義」で圧倒的に「速弾き」の方が難しいと確信していた。とにもかくにも脳ミソと指を超人的になスピードで自由にリンクさせる至るまでには呆れるほど時間のかかる鍛錬と努力が必要だし、それらの音をひとつひとつ美しく出すことは最高の難関だ。

しかしですよ、数少ない音で人を感動させるというのも同じぐらい難しいということが段々わかってきた。それはビブラートのかけ方がどうとか、音色がどうとかいうことではないしに、やはり音楽の神様に選ばれた者だけがなし得る所業で(ナンカ、「下司の極み!」みたいになってきたな…)、一般人が努力しただけではどうにもならないエリアのような気がしている。森園さんのギターなんかを見ているとそう思うね。

ジャズとロックのバンドをバックにソロを弾くスタイルのギターを対象に、弾いているフレーズの難易度や音楽性を考慮して個人的に選ぶとすれば、タル・ファーロウあたりが頂点だと思うな。味わい深い複雑なフレーズを、速く、そして誰よりもうまく弾いているように思う。私くんだりじゃまったくコピーできないし、コピーする気にもならんわ。

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で、私なりの結論は、ギターという楽器は、早く弾くのも、ゆっくりいい音色で弾くのも難しい。引き分け。どちらとも言えないんだけど、ひとつ言えるのは、すべての楽器がそうであるように、もっともいいギターというのは、「歌っている」かどうか、つまり「音楽的」か否かに収斂されるではなかろうか?当たり前のことなんだけど、ギターはロックにおいてはファッション性の強い楽器なのでこのことがすぐに忘れられてしまう。

やっぱり「歌」は音楽の頂点にあるものだからね。これが「オペラが音楽芸術の頂点」といわれている所以だ。

そうしたことを煮詰めたギタリストって似て来てしまう、ということも今回発見した。ロンドンのスタジオでジョーが新しいモデルの試奏をしているのを見て本当に驚いた。土方隆行にソックリなのだ。私は仕事柄ずいぶんオフ・ステージの土方さんのギターと接してきたが、なんというか、リズムの感覚とかアーティキュレーションとか、呼吸のタイミングとか、もちろん弾くフレーズもどことなく似ている。とにかく「正統派達人の域」に届いてしまうと、ああして同じになっちゃうんだね~。

落ち着いていて、とてもやさしい物腰もよく似ていると思った。

ああ、いいものを見せていただきやした!地球の裏側まで行った甲斐は十二分にありましたわ!

後日、チャリング・クロス・ロードのCD屋でジョーのパリの2枚組のライブ盤を買った。

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つづく

(一部敬称略 2012年9月22日 London Wembley Arenaにて撮影)

2013年3月 5日 (火)

Guitar☆Man #001<後編>

<後編>いきます。<後編>といっても間に休憩があって、今からその後半のレポートをお届けするワケではござらんよ。

当日は17:00と20:00の2回公演で、選曲・内容は同じ。本稿ではその両公演で撮影した写真を混成して1回分の公演としてレポートしている。途中から衣装が変わっているメンバーさんがいるのはそのためね。

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日本の名曲に続いて演奏されたのはジミー・ジェイムス。もとい、ジェイムス・マーシャル・ヘンドリックス。要するにジミヘン。

やっぱり「Purple Haze」のリフはロックの象徴だ。それに乗ってメンバーが紹介された。

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ベースは伊藤広規

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ドラムの渡嘉敷祐一

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キーボード、難波弘之

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ギター、土方隆行

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ギター、北島健二

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充実したマルチ・ボーカル…

MICKEY-T

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StuartO

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浦田健志

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難波さんのオルガンに導かれてプロコル・ハルムの「A Whiter Shade of Pale(青い影)」。これは当然選ばれるだろう。ユーミンにも達郎さんにも多大な影響を与えたというこの曲、何しろ世界で最もオンエアされた曲だというのだから…。

私なんかは「ウワッ、またコレか!」という耳タコ状態な感じがしないでもないが、発表された1967年(意外に新しい)当時は大変な反響だったようだ。プロコル・ハルムはラテン語で、「Beyond these things」とか「Of these far off things」いう意味らしいが、正確なラテン語ではないらしい。

私はあまりプロコル・ハルムは得意な方ではないが、『Grand Hotel』は大好き。その他にも、ハッとするような素敵な曲があってやはり長年活動を続けるだけの魅力を存分に備えているイギリスを代表するバンドといえよう。今は無き新宿厚生年金会館大ホールで観た四人囃子とのダブル・フィーチュア・ショウは最高に見ごたえがあった。

ところが、世の中ではご年配の方を中心に、やはり「プロコル・ハルム=青い影」というピタゴラス級の定理があって、現在プロコル・ハルムで活躍中のギタリスト、ジェフ・ホワイトホーンをマーシャルのイベントで呼んだ時に(ビクターさん主催の『Marshall Night』)、オフステージでやはり年配の男性から「青い影」、「青い影」と言われソロ・ギターでポロリポロリと弾いて見せていた。ジェフもサラリと弾いたところを見ると、こういう場面に世界中で出くわすのであろう。ところが、そのプレイがすごくよくて、失敬ながら私的にはすっかりこの曲を見直してしまった…という次第。

ちなみに、この曲の原題がスラスラ出てくる年配の方々は私を含めほとんどいないと見ている。歌詞はキテレツで意味がまったく分からないが、「青い影」はひとまずいい邦題といえるだろう。

ちなみに達郎さんは2001年の難波さんのプロ・デビュー25周年のコンサートでこの曲を歌っている。

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カタやんのFのオクターヴの16のカッティングで始まるのはフォーカスの「Sylvia」。

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メロディは北島さんが担当。ふたりヤン・アッカーマンだ!

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この曲は難波さんと北島さんのチョイスだそうだ。今度またおふたりがお顔を合わせる機会があれば「Focus II」にしてもらいたいナァ。難波さんだったらPFMでもいいナァ…ってイベントの趣旨がズレるか…。

でも待てよ、いつか「Progressive☆Men」っていうのはいかがだろうか?相当受けると思いますよ。なんたって日本は世界のプログレ大国だからね。ウン、絶対いい。

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やっぱりタイス・ヴァン・レアの難波さん。リハの時は「In the Court of the Crimson King」の後半をひとりメドレーで演ってくれた!ク~、タマらん!絶対プログレ編やった方がいいよ。その時はプロデュースさせてもらいたいナァ~。

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ロックの代表曲のメドレーが次に来た。

正直、北島さんや土方さんのイメージではないが、まずはT-Rexの♪ジャカジャ~ン、「20th Century Boy」だ。

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ローリング・ストーンズの「Jumpin' Jack Flash」。

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シカゴの「25 or 6 to 4」…「Twenty Five or Six to Four」。ここに「長い夜」という意味はない。これじゃ原題のままシングル盤出せないもんね。

この表現、学校で教わったかな?「4時25、6分前」。要するに「3時35分か34分」という意味。ま、ネイティヴの人がこんな細かいこと言っているのを聞いたことはないけど、「10 to 6(5時50分)」とか「Quarter to 12(11時45分)」なんてのはいつも言ってる。反対に「すぎ」は「past」を使う。「A half past 8(8時半)」とか「10 past 11(11時10分)」とか。

この歌はドラッグ関連の歌と言われたが、作ったロバート・ラムは「ただの一日のうちの一時」とそれを否定している。

シカゴは聴かなかったナァ。でもこれは文句なしにいい曲だよね。

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続いてはTOTOの「Child's Anthem」。コレ邦題は「子供の凱歌」っていうんだ?変なの。(人知れず訂正しました。三宅さんありがとうございます!)

ところでこの曲って車かなんかのCMに変な風にアレンジして使われてたでしょ?譜割りがまったく同じなのに裏メロが表になっちゃってるような…。すごく気持ち悪い。

これね~スゴイ思い出があってね~。以前も書いたことあるんだけど、もう以前のブログは誰も見れないからまた書いちゃおっと!

何年か前にTOTOが来日してアンコールでこの曲を演った。この曲、メロディをルカサーが弾くでしょ?で、どういうワケかチューニングがあまりにもメチャクチャだったんですよ。どんな優秀なギタリストでもあのチューニングじゃメロディをさらうことはできないってくらい。ピッチが狂ってしまったオープン・チューニングみたいだった。

どうやら、ルカサーは自分のギターの音が聴こえなかったのか、聴いていなかったのか、それに気がつかずお構いなしにドンドンとメロディを弾いてしまった。外ではどんな素人でも気が付くぐらいヘンテコリンなサウンドになっているもんだから観客が騒ぎ出した。かなりメロディが進んだところでルカサーはようやくそれに気が付いた。

するとどうしたかというと、そのギターを反対側のステージの袖にギターを放り投げ、それを受け取ったギター・テクに向かって思い切り首を切る仕草をしたのだ。「F%&#in' ba"!&d!  You got fired!!」って。TOTOのような世界の超一流のバンドでもこんなことがあるのかと本当に驚いたね。でも、「IV」を出した頃、今の家内(あ、今も昔も今の家内です)と観に行った武道館のコンサートはよかったな~。

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もちろんこのバンドではそんなトラブルはありえない。イヤ、むしろこういう曲は非常にシックリ来ると思った。どうだろう?

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メドレーの最後は「いつものラーメン」。イヤイヤ「♪There's motor runnin'」の歌いだしでおなじみの「Born to be Wild」。この邦題は実にいいね。カナダのステッペン・ウルフは日本ではこの曲しか知られていないが、海外ではモンノすごく人気があったんよ

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そして「Layla」。こんな有名な曲、よ~っぽど演奏能力がなかなかできませんよ。それを演っちゃう!

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生命保険のCMでも使われている後半のジム・ゴードンのピアノのところを、広規さんが「あのタルいところ」とリハーサルで呼んでいたのを聞いて大笑いしちゃった!デュアンの人気もあって、「アソコがいいんじゃん!」という人も多いが、私も広規さん派でしてね…。もうおかしくておかしくて。

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ところが、そんなタルいパートも目の前で難波さんに弾かれた日にゃ、そりゃ飛び切り美しくて実にいいもんです。

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まだまだ出てくるロックの超スタンダード。
カッティングの鬼、土方さんから始まる「Long Train Runnin'」。

それにしてもウマイ。一流のプロに「ウマイ」なんて言うのは失礼なのは百も二百も承知している。でも、土方さんのプレイを形容する時、「ウマイ」という言葉が一番ピッタリくる思うんだよね。付け加えるなら「問答無用にウマイ」かな?

JCM800がリイシューされた時からお付き合いさせていただいているが…ウマイ。

明日の記事でもお名前だけ拝借しようと思っている。

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やっぱり人気のこの曲…やっぱり快感の広規グルーヴ。「Relaxin' at IWAKI ALIOS」のライナー・ノーツでも書かせてもらったが、広規さんのベース・ラインだけを聴いていても音楽になってしまう。それは青山純さんとのデュオ・アルバム「A*I」でタップリと堪能できるが、やっぱり真骨頂はライブにおけるプレイだろう。
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マルチ・ボーカルを利しての「♪Without love」。

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海外のバンドの曲をカバーする時、ケタ違いに大きな問題となるのがコーラスなんだよね。欧米の人ってどうしてああコーラスがウマイんだろう。岡井大二さんとそんな話をしたことがあったが、大二さん曰く「声が似てくるんだよ。だからきれいに重なるんだよ」と教えてくれた。確かにそうなんだよな。似てるというか似せるというか…。もちろん発音の問題も大きい。

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今回は専門家が3人で合わせるので安心。全編で美しハモりを聴かせてくれた。

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「時代の音楽を作って来た」と昨日、出演者のみなさんを紹介したが、百恵ちゃんの「ロックロール・ウィドウ」で実際にドラムを叩いているのは渡嘉敷さんだそう。広規さんから情報をいただきました!

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この曲では渋いソロを聴かせてくれた北島さん。

33~34年ぐらい前、私が高校生のころ、友人とやっていたバンドのドラムのヤツが胃炎で練習に来れなくなってしまった。その時、ある人が「ドラマーを連れて行ってあげる」と近所の練習スタジオに現れたそのドラマーが北島健二だった。ドラムもスゴイプレイだったけど、私のフライングVを使って目の前でヴァン・ヘイレンの「Eruption」を弾いてくだすった。その当時、北島さんは某誌のためにコピー譜を書かれていたハズだ。しかもその直後、図々しくも一緒にギターも弾いてもらった。

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でね、その時北島さんにお訊きしたんですよ。今でもハッキリと覚えてる。「アンプは何をお持ちなんですか?」って。すると北島さんは「マーシャルとブギだよ」って(今でいえば)シレっとお答えになった。

もうこれがカッコよくてね~。今の若い人たちにはわからないだろうけど、当時はマーシャルもブギも高くて高くて、弾くことはおろか、においを嗅ぐことすら難しかった。そんな時代だからね。「マーシャルとブギだって~!やっぱプロはスゲェ!」と女子高生のように(その時は)本当に高校生だったけど)友達と猛烈に感激したものだった。

今にして思うと、そういう時、その手の質問ってギターのことを訊くと思うのね。でも、なぜかギター・アンプについて訊いたナァ。それが今こうしてマーシャルのスタッフになって仕事をしているんだから我ながら驚いてしまう。やっぱりなんかの因縁だね。

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これでもか!と迫りくる有名曲。小林克也さんに紹介された本編最後の曲は「Hotel California」だ。

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StuartOさんが身振り手振りで歌いながら詞の内容を説明。

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ここでも、2人のギターも存分に楽しめたよね~。

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最後の♪ティララ、ティララのハモりも完璧!

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ちょっとサラっと終わりすぎた感じがするけど、本編はひとまず終了。

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アンコールではまず、難波さんとMICKEY-Tさんが登場。

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デュエットでベット・ミドラーの「The Rose」を演奏した。

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渾身の歌声が会場に染み入る。

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バンド・メンバーが呼び込まれるが、広規さんの楽器がない!…と思ったら…。

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あ~、これがやりたかったのね~。

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この顔!鼻の下がエキストラ・ロング・スケールになってますよ、広規さん!

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冒頭で2回の公演の内容・選曲は同じと記したが、広規さんがチューしてもらったのは2回目のみです。

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泣いても笑っても…の最後の1曲はこれまたドスタンダード「Stairway to Heaven」。バンドも観客も天国へ一直線だ~!

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渡嘉敷さん、お待たせしました、ツェッペリン!

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スケールのデカイ演奏はさすが!最後の最後までさすが!

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有名なギター・ソロを同時に弾いてしまう2人。

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実に楽しそうなギター・マンたち!

こういう末代にまで継承される曲や演奏はもう永久に出てこないだろうね。

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ベース・マンも楽しそう…には見えないがこれは写真のせい。真剣です。

メンバー全員、昔を思い出しての楽しい楽しい演奏会となった。

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ギター・マンたちが握手を交わしてすべての演奏が終了した。

いい音楽と素晴らしい演奏、この系譜を絶やさないことは、幸運にもロックの黄金時代を経験した者が負うもはや重要な責務ではなかろうか?

もうCDが消滅し出し、iTunesすら近い将来駆逐される時代が来ると喧伝される音楽業界。定額でいくらでも好きなだけ好きな音楽が聴ける時代がすぐに来るらしい。そういう環境になれば若者がいい時代のロックに触れる可能性がもしかしたら出てくるかもしれない…とも思えない。

もういい加減にしたらどうだろう。そんなことよりいい音楽を作ることをみんなで考えた方がいいのではないのかね?便利そうで聴こえはいいが、そんな環境で、今日演奏された曲のように将来みんなに好んで演奏されるようないい音楽などが育まれるワケがない。

柄ではないが、SNSに目をやると多くの音楽関係者が業界の現状を嘆き憂えているようだ。しかし、誰かが何かをしているようにはほとんど見えない。エラそうに言っている私もこうしてブログでブーブー文句をタレているのが関の山だ。そう考えると、こうしたGuitar☆Manのような企画は大変有益であると思う。

昔を思い出しておやじさんが押入れからギターを取り出すのも大いに結構だが、同時にこのGuitar☆Manというイベントが、単なる懐古趣味に陥らず若い世代に向けたイベントに成長してもらうことを願ってやまない。そういう趣旨ならMarshallはよろこんでお供をさせていただきますよ!

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※Guitar☆Manの第2回目の公演が3月7日(あさって!)に控えています!

詳しくはコチラ⇒Guitar☆Man公式ウェブサイト

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(一部敬称略 2013年2月10日 汐留Blue Moodにて撮影)

2013年3月 4日 (月)

Guitar☆Man #001<前編>

過日、リハーサルのようすをレポートしただけで大変な反響があった「Guitar☆Man」。大きな期待が注がれる中、その第1回目が開催された。2回の公演は双方とも多数の立ち見が出るほどの満員で大成功を収めた。

最高の音楽素材、確かな演奏テクニック、いかに多くの人がこうした王道ロックの復活を待ち望んでいるか…と理解して差支えないだろう。

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当日展示されたチャリティのサイン入りギター。広規さんのサイン、全部で7画。目立つ~!

このギターはGuitar☆Manによる楽器支援プロジェクト第1弾として、三陸新報(宮城県・気仙沼市)の募集により抽選で選ばれた、気仙沼市にお住まいの高校に後日寄贈された。
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ただ今リハーサル中!

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デザートもおしゃれにキメてみた。

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さて、ショウは冒頭、短いアニメーションが上映され…

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ミューズ(音楽の神)がギターを携えて登場。

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これからの演奏に大きな期待を抱く観客の中を優雅に歩む音楽の女神…。

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抱えるギターは演奏のの熱狂を示唆する聖火のようにも見えた。(アタシもよー書くわ!)

…とは書いたが、この女性の役回りは「Guitar Angel」というのだそうだ。

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そして、ついにギターが北島健二に手渡され…

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…ショウがスタートした!

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タイトルに「#001」とあるようにこのイベントはシリーズで開催される。その記念すべき第1回目の出演者は…

北島健二

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土方隆行

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難波弘之

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渡嘉敷祐一

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ステージ上手に陣を張るボーカル・チーム、左からMICKEY-TStuartO浦田健志

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そして、このプロジェクトの中心的存在の伊藤広規

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1曲目はディープ・パープルの「Burn」。

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永遠に弾きつがれて欲しい、非の打ちどころのない4小節のギター・リフ。

ギター・リフこそロックなのよ!

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そして、ギター・マンたちはこうしたカッコいいフレーズを弾ける楽器を選んだことを至高の喜びにしているのだ。

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最高のギター・マンたち。ふたりだからギター・メンだ。

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難波さんもお茶の子さいさいにジョン・ロードのパートを再現!

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「バ~~~ン!」 ボーカル陣の絶唱も聴きどころ!

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昨年の9月にロンドンで本物のグレン・ヒューズが歌うのを目の前で見てきたけど、本家に負けないド迫力だ!

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やはり、いい演奏はリズム隊がしっかりしている。この2人がいれば百人力だ。

広規さんはシャツだってMarshallだ!

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イアン・ペイスも楽々こなす渡嘉敷さん!

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続いてもディープ・パープルで「Smoke on the Water」。

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♪ジャッジャッジャ~、ジャッジャッジャジャ~か…。ああ、このフレーズを人生でこれまで何千回聴いたことだろう。しかし、今日はどこか飛び切り新鮮に聴こえる。この2人が弾いてくれているから当然か…。ものスゴイ拍手だ!きっとお客さんも皆そういう感覚があったんじゃないかな?

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トリッキーでスリリング、そしてロック・テイストあふれる北島さんのプレイはいつの時代も人気の的だ!

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このイベントはMarshallがサポートしている。「ギターの魅力を見直そう」的なイベントの趣旨に賛同したからだ。したがってステージにはマーシャル・アンプがお目見えする。

北島さんのマーシャルはVintageModern2466と1960A。残念ながらVintageModernはすでに製造中止になってしまったが、KT66を使用したマイルドなディストーションと中域の張り出た図太いトーンで根強いファンを持っている。

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足元のようす。

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味わい深い音色と完成されたメロディ、まったく危なげないソロで聴く者をウットリとさせてくれる土方さんのプレイ。

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土方さんはJVM410Hと1960A。プリアンプ搭載のマルチ・エフェクターをつないでJVMのパワー・アンプだけを使用していた。JVMにはPOWER AMP INSERTという機能がついており、パワー・アンプだけを気軽に使えるように設計されている。

でもね、土方さんも普段はVintageModernを愛用しているのよ。

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グルーヴの鬼神、広規さん。どんな曲を演奏しても破格のノリをクリエイトする日本のベース界の屋台骨だ。加えて大のマーシャル・ファンというのもうれしい限り。達郎さんとの仕事もすべて1992 SUPER BASSでこなしてしまう。

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今回使用のマーシャルは新しくゲットした1994年製の限定版1992 SUPER BASS。Bキャビネットが縦長の通称「ヘンドリックス・スタック」のベース版。「Barney」というアダ名もある。

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そして昨年6月、とうとうイギリスのマーシャル社まで行ってしまった!マーシャルの本社の入口ホールで社長のジョナサン・エラリー(Jonathan Ellery)とチャリティ・バンダナを持って記念撮影。そういえばこの時、「そうだ!」とジョンが思い出して、わざわざ自分の部屋にこのバンダナを取りに行ってくれたのよ!

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今回、ベースとマーシャルの間につながれたEDENのDIペダル、WTDI。EQやコンプレッサー、エンハンス機能が詰まっている。

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実はこのペダル、そのマーシャルに行った時のお土産。向かって右のEDEN担当のルーク・グリーン(Luke Green)がプレゼントしてくれた。工場の近くの古い古いパブ、YE OLDE SWANの前でパチリ。

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と話は汐留に戻って…。

ここでもジョン・ロード役を完璧に立ち回る難波さん。

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ナント渡嘉敷さん、今回が人生「初パープル」だそうだ。とてもそんな風には見えないスティックさばきだったよね~!

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ここでガラリと趣を変えて、日本の曲を演奏。

アン・ルイスの「WOMAN」。

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メドレーで百恵ちゃんの「ロックンロール・ウィドウ」と工藤静香の「黄砂に吹かれて」。

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その時代の音楽を実際に作り、演奏してきた人たちだけにまったく違和感がない。

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「ロックンロール・ウィドウ」のようなストレートな8ビートもお手のもの!

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2人のギター・マンのドライビング・ギターが会場をドンドン盛り上げていく!

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司会はNACK5の山本昇。山本さんとはSCANDALのコピー・バンド・コンテストなんかで何回かご一緒させているんだ~。短い時間に相手の魅力を引き出してしまうインタビューの達人だ。

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ホンワカ~。広規さんのまわりはいつもホンワカしてる~。

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カメラを向けるとこの通り!サービス精神も満点!

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出演者全員が一言ずつ感想を求められた。みなさんさすが!ごあいさつもお上手!

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「広規は休憩ばっかり!」という厳しいご指摘も一部あったが(会場は大爆笑。ちなみに「莫大小(バクダイショウ)」とはメリヤスのこと)、メンバー全員、「楽しい!」という感想で統一された。

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やっぱり演奏している方が楽しくなければ、見ている方は到底楽しめない。その点、これほど演る方、見る方ともに楽しめたライブも珍しかったのでは?<後編>でドンドン紹介していくが、誰もが知っている耳慣れた不滅の名曲の連続に、見ているほうも演奏している ような気分に至ったのではなかろうか?

少なくても私はシャッターを切りながら頭の中でギターを弾いていたよ!

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出演者がアイテムを持ち寄り物販コーナーも設置され好評を博していた。

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※Guitar☆Manの第2回目の公演が3月7日に控えています!

詳しくはコチラ⇒Guitar☆Man公式ウェブサイト

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<後編>につづく

(一部敬称略 2013年2月10日 汐留Blue Moodにて撮影)