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2013年3月 8日 (金)

Mr. T Rock Live "Alive and Well M"~森園勝敏、復帰祝いライブ <後編>

第2部は金子マリからスタート。

マリさんは年明けということもあって、キッチリと日頃の御礼を述べたご挨拶からスタート。気持ちのいいもんです。

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マリさんはギターの弾き語りで「イルカ達のように」を披露。

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ギター1本というシチュエーションにマリさんの声がひときわ心にしみる。

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マリはんは後にもご登場いただくが、ここはもう1曲弾き語りで「風に立つ」を熱唱。

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歌を歌っているかのような森さんのギターとは反対に、まるで楽器のようなマリさんのうた。「歌は楽器のように、楽器は歌のように…」、サミー・デイビスやエラ・フィッツジェラルドを聴いているといつもれを思い出してしまうのだが、マリさんの歌もこのことをよく教えてくれる。

マリさん、4月1日から京都の磔磔で「たっぷり金子な7日間」という企画を催す。森さんも出演するし、渋谷毅さん(渋谷毅オーケストラの『Live '91』は私の大の愛聴盤なのだ~!)と小川美潮さんと組んだ日もあって…観たい、撮りたい!東京でやってほしいナァ~。

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続いては鈴木茂のセット。 茂さん、グリコさん、庄太郎ちゃんの布陣。

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1975年発表の日本のロックを代表する名盤、『Band Wagon』から「砂の女」。

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殺人的にいい曲だ。II-Vを繰り返してII-V-Iからディミニッシュでつないで、またII-Vに持ってくるところが鳥肌もんだ。あんまりカッコいい!

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『Band Wagon』でのドラムはデヴィッド・ガリバルディ。グリコさんはガリバルディに一歩も引けをとらないグルーヴを見せてくれた!

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庄太郎ちゃんもこの名曲にすっかり溶け込んで素晴らしいプレイを繰り広げる。

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アンプはEDENのWT800とD410XSTだ。

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そして、2曲目も同じく『Band Wagon』から「100Wの恋人」。森さんが加わる。

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「100W」とは電球のこと。ちょっとユーモラスな松本隆さんの歌詞も魅力的だ。

私にとって「100Wの恋人」は1959だ。愛人は2203。

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レコードではビル・ペインがピアノを弾いているが、このステージでは森園勝敏がギターを弾いた。

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歌の延長線のようなボトルネックがこれまた素晴らしい。

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実は茂さんを撮るのは今回が初めてではなく、おととしの暮れにステージ丸々撮らせていただいたことがあった。あの演奏もスゴかったなぁ。やっぱりしばし聴き惚れてシャッターが切れなかった瞬間があった。

なんか、日本人じゃないんだよね、音楽のあり方が…。ホンモノなの。ロックがクリエイティブだった時の空気が漂ってくる。間の時代なんかまったく存在していなくて、そのころの音楽があたかも続いていたかのように感じるんだよね。

今日の出演者の多くがそうした魔力みたいなものを持っていると思う。こういうライブこそ若い人たちが観るべきなんだよね。若いバンドの人たちが満杯になったライブハウスの観客を前に、暴れながら大音量で演奏しているものよりよっぽどパワフルだと思う。いい音楽が生来持っている本当の力のようなものを知っている人たちばかりだからね。

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ここでまた雰囲気が一転!なんとグランド・ファンク! こっれがまたスゴかった! 茂さんの後だけにまたスゴかった!

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マーク・ファーナー役はエージ・ファーナー。

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ベースは鳴瀬喜博

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ドラムは岡井大二に交替。

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曲は「Inside Looking Out」。アニマルズのカバー。

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これがお盆に正月、クリスマスにハロウィン、三社と鳥越と下谷(と矢先も)の祭りがいっぺんに来ちゃったようなにぎやかな演奏!お客さんもこの無責任までに派手なパフォーマンスに大喜び!

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また、ナルチョさんがダイナミックなこと!ナルチョさんはキャビネットはマーシャルだったんだけど、今日はメル・サッチャー役なもんでヘッドは「ナントカ」ってのが指定。これがまたジージー・ジージー、ギンギンに歪むアンプでナルチョさんも笑ってた。

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それにしても今時GFRってのもスゴイナァ。アルバムは何枚も持っているけど、ほとんど私は聴くことがない…でも、こんなにエキサイティングなパフォーマンスを見せられたら久しぶりに聴いてみようかな?って気になっちゃうよ!

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コレだもん!

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やっぱりせっかくやるからには、成りきらなきゃソンソン!ものすごい歓声が上がった充実のセットだった。

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「イヤ~、すごかったね~。エージにはもっと演ってもらいたいんだけど、1曲が長いからな~」と高橋さん。

GFRとは関係なしに、転換時には森さんへのインタビューもはさまれた。

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弾いてもしゃべっても豪快なナルチョさん!久しぶりだ。前回は中野サンプラザで開催されたジャニス・ジョプリンのトリビュート・コンサートでVBAを弾いていただいたっけ。

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森さんが再び加わって「Susie Q」。

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この曲も森さんのライブではよく取り上げられる。しかし、森さんの選曲は勉強になると前回のRepublic Saxophoneのレポートで書いたけど、本当に影響を受けて、J.J. CaleだのFreddie KingだののCDを買い込んでしまいましたよ。アタシャ、ほとんどブルース聴かなかったんだから~。J.J. Caleなんて生まれて初めてCD買ったわ。

「まだ早い」といわれかも知れないけど、生きてる間にできるだけたくさんのいい音楽を聴いておきたいと思うんだよね。こういうライブはそのいいネタ探しにもなる。大先輩の皆さんが演奏する曲はいいロックの、ホンモノのロックの宝庫だからね。

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…とそれほど説得力のあるギターなのさ!

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そしてフィナーレ。メンバーを呼び込む森さん。

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マリさんと、

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ジョージさんを呼び込んで…

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ジェファーソン・エアプレーンの「Somebody to Love」。

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この曲を演奏している人たちをトンと見かけない。こんな有名な曲なのに。曲のイメージが強すぎちゃうのかな?

でも、今日のメンバーがひとたび演奏を始めると空気がまたガラっと変わってみなさんなりのサイケになるんだな~。めちゃカッコいい!

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最後に1曲は「Venus」。

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これまた皆さん板についた演奏で、聴いていて痛快極まりない!

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森さんも本当に元気になられてよかった。でもご無理は禁物ですぞ!

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最後に記念撮影。みんなニコニコで楽しそう!もちろん観客の皆さんも大満足。最近は不幸にして「●●トリビュート」みたいなライブが多い中、大ギタリストの快気祝いの演奏会なんてとても喜ばしいことだ。こんな機会を作ってくだすった高橋さんにこの場をお借りして心から感謝申し上げます!

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高橋さんの「アンコールはありませ~ん」の〆の言葉で解散!

あ~、楽しかった!

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(一部敬称略 2013年1月11日 原宿クロコダイルにて撮影)