WE LOVE BAKUFU SLUMP 王無棒
一昨日からお送りしている爆風スランプの偉業を称えるトリビュート・アルバム『爆風トリビュートComplete』の発売記念ライブ『WE LOVE BAKUFU SLUMP』のレポート。
今日はその第3回目。
続いて雷鳴が鳴り響くがごとくステージに登場したバンドはロリータ18号!
ボーカルの石坂マサヨ。
ギターのKick。
ベース、たこち。
ドラムのTO-BU。
曲は「うわさになりたい」。これもよくテレビでかかってたよね~。
MC5あたりを連想させるプリミティブでストレートな演奏が爽快だ!
シュレッディングだけでなく、ソリッドなギター・プレイもマーシャルに任せなさい!
4人とも疾風迅雷のパフォーマンスで会場を盛り上げるが…
やっぱりマサヨさんのかきまぜ方が尋常じゃなくすさまじい!
この通りだもん!
それに負けじと暴れまくるメンバーたち。
何しろ「うわさ」になるような激演だった~!
さぁて、いよいよ和佐田さんのウクレレ弾き語りにGoサインが出た!意気揚々とステージ中央に躍り出る和佐田さん…アレ、マイクスタンド低ッ!誰も何もしてくれない?これも和佐田さん一流のギャグなので心配ご無用。
ご満悦の表情でやさしく歌いはじめた曲は…
ファンキーさんの向こうを張って「京都マイラブ」。
とてもしっとりとした味わいで、後半に向けてのとてもいいアクセントになった。もしかしてこれも計算ずくなのかしらん?!
でも、よかった「南国マイラブ」じゃなくて…。
さて、ここから後半戦。ハウス・バンドが戻ってきてゲスト陣の歌のバックを務める。
ドラムは当然ファンキー末吉。
ベースは和佐田達彦。
ギターは米川英之。 それにキーボードの田口智治と前半で客席を沸かせたギターの小畑秀光がステージに上がる。
そしてゲスト…まずは曾我泰久が登場した。
ヤッチンはバラード「それから」で勝負。
ヤッチンの甘い歌声に観客はウットリ…。
写真奥に見えるコーラスは衛藤さん。
バックバンドも1月のライブよろしく、ヤッチンのほぼレギュラー・バンドだけあって息もピッタリの名唱となった。 先日はジャズのライブも行ったという。ヤッチンの今後の活動には要注意だ。
ジャンジャン出てくる豪華ゲスト陣!
次は44MAGNUMの梅原"Paul"達也。
曲は「愛がいそいでる」。
ひとことずつ歌詞を噛みしめるように心を込めて歌うPaulさん。
しかもゴージャスなコーラスつき!
この曲は爆風スランプ8枚目にして初のバラードのシングルとなった。
自信がなければなかなかバラードをシングルにできないけんね。それだけに名曲だ。まさに大ベテランのPaulにピッタリの選曲といえよう。
またしてもガラっと雰囲気が変わってバンドで登場したのがPEACE$TONE。
ボーカルは元モーニング娘。の福田明日香。
ソリッドで元気ハツラツな演奏が心地よい!
曲は「週間東京少女A」。
しっかし楽しい!
沖縄出身のNARUMIちゃん。楽屋では雪の話題でおお盛り上がり。沖縄雪降らないもんね~。
昨日は自分のバンド、 オズで自作曲を交えて好演してくれた。
今日は「きのうのレジスタンス」のみを熱唱。
前回も書いたが、本当にこの曲はNARUMIちゃんにピッタリだ。まるでオリジナル曲のように聴こえる。
これからの活動に注目したい存在だ。
前夜祭でも異彩を放ち大いに雰囲気を盛り上げたザ・キャプテンズの傷彦。今日も八面六臂の活躍で監修の注目を集めた。曲は「満月電車」。
ここでの和佐田さんのプレイについて触れておかなければなるまい。あまりにも素晴らしいランニング・ベース!ここはほとんどシャッターが切れなかった!
ランニング・ベースで思い出した。長い割におそらくつまらない話…オールド・ファンには少しは響くかな?
高校の時、新宿のルイード(今みたいにKナントカなんてのはなくて、東口のタカQか三峰の上にあったライブ・ハウス。シャネルズが出ていた店で、ロフトや屋根裏とちょっと趣が違った)に「誰がカバやねんロックンロールショー」を観に行った。私は結構「誰カバ」が好きで、高校の文化祭の時に「どこかで狼がないている」を演奏したことがあったのだ。
お店のフロアには丸テーブルがいくつも置いてあって、ひとりで行った私は年配の夫婦(といっても今の自分より若かったんだろうナァ)と相席になった。お店の人が私とその2人が同じグループだと思ったのか、それともこの店のシステムなのか、我々のオーダーが1枚の伝票にまとめられた。
ショウは期待した通り、爆笑につぐ爆笑、熱演に次ぐ熱演で最高だった。好きだった東京おとぼけキャッツのギター、キー坊金太さんがサプライズ・ゲストで登場されたのもうれしかった。
ちなみに金太さんはレコード・コレクターズの2005年5月号の「レコード・コレクター紳士録」にご本名のキスノキヨシさん名義で登場されていて、充実したコレクションとともに70年代のロック・シーンについて実に興味深い話をされている。何しろ74年にロンドンはフィンズベリー・パークのレインボー・シアターでアルヴィン・リーを観て、そこに来ていたポール・マッカートニーにサインをもらったというのだ。うらやましい…。
そして、現在は奥様のカオルコさんと「めおと楽団ジキジキ」というユニットでご活躍されている。これはキヨシさんのギターをバックにカオルコさんが額で鍵盤ハーモニカを弾きまくるというすさまじい芸風で、ある日、本当に偶然テレビで遭遇した。興奮した。だって、東京タワーや屋根裏で見た金太さんがデカデカとテレビにでていたんだから!後日、このことをそうる透さんにお話ししたら、「そう。彼はね、ホンモノになったんだよ…」という深~いお言葉を発せられた。
スミマセン、和佐田さん。脱線にもホドがありますよね。話しを戻して…。
で、誰カバ。ステージの一幕でこんなことがあった。メンバーがソロを自慢するコーナーがあって(あったんだと思う。何しろ30年以上前のことですからね。そうハッキリは覚えていられない)、ベースの人に何かやってみろ、ということになった(なったんだと思う。何しろ30年以上前のことですからね。そうハッキリは覚えていられない)。
すると、土建屋の格好をしたベースの人がせまいステージの上を突然全速力で走り回ってこう言った…「ドヤ?! ランニング・ベースやぁッ!」
これが言いたかっただけ…。おもしろかった。
この後が大変だった。さっきの相席になった年配のカップル…伝票が私といっしょになっているのをいいことに、勘定を支払わないでシレッと帰っちゃいやがんの!高校生の私は驚いたね。慌てたわ~。結局事情を説明して勘弁してもらった…っと言っても何も悪いことはしてないのよ!
もちろん、和佐田さんのはステージの上を走り回る必要など何もない正真正銘のランニング・ベース。もうそれはそれはスゴかった。ファンキーさんのドラムとガッチリかみ合って尋常ではないグルーヴ感を発揮していた。こういうプレイを見るとベースをやりたくなってしまうよね。
シリアスな和佐田さんも、またいい。
つづく
(一部敬称略 2013年1月14日 渋谷O-EASTにて撮影)