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2013年3月18日 (月)

ピック・アップをマーシャルがピック・アップ!

おかげさまで大好評の『Marshall Chronicle』のプロデューサーからご連絡を頂戴し、また一緒にひと仕事させていただいた。

今回はピック・アップの本。

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古今東西のシングルコイル・サイズのピックアップをかき集めて、実際にギターに乗せて、録音して解説しようという企画。

試奏用アンプはマーシャル。そして、試奏されるピックアップの写真をすべて撮影する…とまぁこういうお仕事なんだね。

これが大変だった。

この試奏されるピックアップが1ケや2ケなら造作ない。しかし、「大全」である。「大全」。

集めも集めたり、その数66ケ!阿鼻叫喚の磁石とコイル地獄!死んだわ~、腰。

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それにしてもスゴイね。このピックアップ業界(?)ってのも。ギター・パーツ・ビジネスの主役になっちゃって。各者各様工夫が凝らして会あっておもしろい。

昔はこんなんじゃなかったよね。私がギターに夢中になってた頃は「ディマジオってのがスゴイらしいよ!」ぐらいで、こんなにウの目タカの目で喧伝されることは無かったように記憶している。

私もセス・ラバーが巻いたというハムバッキングが乗っているレス・ポールを持っているが、まぁそれで満足かなァ。別にそれでいいバップ・フレーズが頭に浮かぶワケでもなければ、指が早く動くワケでもない。

それでもこれだけ盛り上がっちゃうのは、やっぱり男のロマンなんだろうね~、こういうのは。

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何せすごい作業だった。

ゾロリと並んだ試奏に供されるピックアップたち。

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これをいちいち試奏用のギターに乗せ換えなければならない。当然ギターを換えてしまうと音が変わって比較にならないからね。

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ものすごいスピードで、かつ正確に、そして巧妙にピックアップが次から次へと交換されていく。

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この超人的な重労働を一手に引き受けてくださったのはMarzismの石井正人氏。

ピックアップの取り付けだけでなく、採寸など細かい作業もすべて引き受けてくれた。

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そして、今回試奏に使われたのはDSL100Hと1960A。2代目のDSLだ。

Pu_img_3602

ピックアップが交換されたギターをとめどもなく次々に試奏していくという今回の荒行に挑んでくだすったのは菰口雄矢氏。

これはね~、マジで大変な仕事ですよ。繰り返すけど、1ケや2ケならいいけど、アータ、66通りものピックアップ弾いてひとつひとつコメントしていくなんてのは人間業じゃござんせん。

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一方ではせっせとピックアップの交換!

え?私はって?後日、夜中までかかって66ケいっぺんに写真を撮ったですよ~。おかげでビルのシャッターがガッチリ閉まって車が車庫から出せなくなってしまったじゃないの!

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さすが、新進気鋭の人気ギタリストだけあって耳もスゴイ!ひとつひとつのピックアップの特性、特徴、いいところ、そうでないところ…をテキパキと指摘していく。

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イヤ~ホントにスタッフの苦労と努力がつまった良書になったと思う。

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さて、菰口氏、先日紹介した『六弦心 vol.2』にも参加していることに注目~!

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氏は本作で「旅愁」を演奏しているが、味わい深いフレーズを重ねて大変素晴らしい作品に仕上げている。是非聞いてみて欲しい。

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最後にひとつ。内容にどう書いてあるかは別にして、頭に入れておいた方がいいことをひとつ。音をよくするのはピックアップの交換ではござらん。ピックアップを換えて音がよくなるのはそれなりの技術を身につけている人の場合です。基本的にギターの音の良し悪しを決めるのは機材でもギターやアンプの改造でもなく弾き手の指です。ピックアップの交換をするのは技術を身につけてからでもゼ~ンゼン遅くありません。

音をよくしたくてピックアップ代を稼ぐためにバイトをするぐらいなら家でスケールの練習をした方がよっぽど手っ取り早く音がよくなるし、金も時間もかからずゼッタイ得です。

そして、腕を上げた時に自分の音のイメージに合致しそうなピックアップを愛器に乗せてあげましょう。その時のためにこの本はきっと大切なピックアップ・バイブルになると思うよ。そして付録CDで菰口氏の素晴らしいプレイとDSLのサウンドを楽しんで欲しい。

発売は3月25日。

詳しくはコチラ⇒シンコーミュージック公式ウェブサイト

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