D_Drive~フロア・ライブ vol.4 <後編>
D_Drive『フロア・ライブ vol.4』の第2部がスタート。
まずはYukiちゃんからひと言。
「さてさて皆さん、セカンド・ステージです。
春が恋しい季節になってきました。
気を取り直して、春にピッタリな梅の曲を聞いて頂きたいと思います」「梅」といえば「U_Me(ユーミー)」。
和旋法を取り入れたイントロ。
この時点でユニーク。
日本で「ユニーク」というと「あなたユニークだね~」なんて、「風変りでオモシロい」というようなイメージで「ユニーク」という言葉が使われることがほとんどだが、英語での使い方にはもっと重みが感じられる。
「unique」は「uni-(ひとつの)」というラテン語が語源になっていることからもわかるように、「ほかに類を見ない、たったひとつしかないもの」というのが英単語としての意味で「オモシロイ」という意味はない。
「たったひとつしかない」ということから「個性的な」というホメ言葉で使うことはある。
同じ意味で「one of a kind」なんてよく言ったりしてるね。
だから日本人が「オモシロイ」というつもりで「unique」という言葉を口にするのは御用なので要注意。要するにこの曲は極めて「個性的」なワケで、路線から行くと「浪越徳治郎のテーマ」に近いモノがある。
Seijiさんの作曲能力のユニークさを物語る一曲。
作者であるSeijiさん自らが弾くワーミー・バーを効果的に使ったテーマのメロディも他にない独特なモノだ。「桜の曲は数あれど、梅の曲はいと少なし」…というSeijiさんの洞察から生まれた曲だが、頻繁で演奏するようになってからというもの、自分の身の回りの「梅」が気になるようになってしまった。
ま、もう季節は桜だけどね。
そこで思い出したのが私が敬愛して止まない吉村昭先生の『島抜け』という短編集に収録されている「梅の刺青」という作品。
日本で最初の篤志解剖の献体者である、梅毒で命を落とした美畿(みき)という遊女の話。
篤志解剖というのは、「自分が死んだ時には医学の発達のために亡骸を解剖して研究材料に使ってください」ということ。
長くなるのでココで詳しくは書かないが、そのお美畿が死んで死体が解剖台に載せた時、医学者たちは彼女の腕に彫られた「梅の花の刺青」を発見する。
その絵柄の中の梅の小枝に付けられた短冊に刻まれていたハズの惚れた男の名前が消されていたのに気づき何とも憐れな気持ちになってしまう…という話。
この話、それだけではなくて、幕末の米沢藩の志士、雲井龍雄が登場する。
しかも、解剖の献体としての登場だったから驚かないワケにはいくまい。
雲井は過度な明治新政府への批判が災いし、国家転覆計画の廉により小塚原で首を落とされた。
解剖台に上がった雲井の亡骸はその過激な言動とは対照的に華奢で色白、まるで少女のようだったという。
写真を見てもかなりの小柄に見える。雲井龍雄については藤沢周平が『雲奔る』という伝記小説を書いている。
熱心なファンというワケではないんだけど、私も藤沢周平が好きでしてね。
いいもんですよ~。
時折短編集をブックオフで買って来てはチョコチョコと読んで悦に浸っている。
だから、この本もかなり期待したんだけど…特大級の空振りだった。
私はチョット読んでツマらないとか文章のソリが合わないとかいう本は、容赦なく途中でも放り出すようにしている。
もう人生にあまり時間が残されていないので、ツマらない本なんかに無駄な時間をかけてはいられないのです。
しかし、「雲井に藤沢」…コレがオモシロくないワケがない!と妄信したのがイケなかった。
何とか乗り切らないと!と思い、苦しんで、苦しんで、「ようやく読み切った一冊」。
ゆえに却って「印象が深い一冊」になってしまった…という脱線でした。
藤沢は短編に限るな。2曲目は景気よく「Mr. RAT Boots」いってみよ~!
お客さんには第2部もこの4人がブチかます生音をお楽しみ頂いた。
SeijiYukiChiikoToshiストレートなドライビング・テイストに息もつかせぬスタントの連続! 爆発するToshiくんのソロ!Toshiくん、最大の見せ場!
思う存分弾いたった!雰囲気を変えて最後にキメるアンサンブルのパートが最高にカッコいい。
このパートが大好きなの。
「ありがとうございます。
『U_Me』はいかがだったでしょうか?
チョット春の感じが…。
春の曲というわけではないんですけど、『梅の曲』ということで…。
なんか韓国では春の花と言えば「梅」らしいです…桜じゃなくて。
次のアルバムができるとしたら、そこに入ったらうれしいなぁ~…という感じの曲でございました。
さて、私たち4月の17日に西川口のHeartsで、再び『Drums Drive Vol.2』を開催することが決まりました。
ね、Chiikoさん!」
「そうなんですよね。
チョットわかりづらいと思いますが、今のちょうど逆のパターンで演ります。
つまり私以外のメンバーはいつも通りのステージで、反対に私が客席に降りてしまう。
今回はどうするかわからないけど、前回は皆さんに背中を向けて演りました。
緊張するんですよ!…普段、位置的にはステージの後ろにいるのが当たり前で、前を向くとメンバーの背中が見えて、その向こう側にお客さんがいらっしゃるでしょ?
でも私が客席に降りて前を向いてしまうと、私はどこを見て叩いたらいいんでしょうか?っていう状態になってしまうんです!
だからものすごく緊張するんですよね」
「まだ、どっちを向くかわかんないんですけど、とりあえず、その日は私がそこら辺にいるような感じになっていますので、生のドラムの音をもっと近くで体験してもらいたいと思います。
ゼヒよろしくお願いしま~す!」
私は写真を撮る都合でChiikoちゃんのすぐ隣でナマの音を聞く機会が多いが、スゴイよ。
近くで聞くと、ホントにこの小柄な女性が叩いているか?と驚いてします。
あのね、それは音の大きさじゃないの。
ドラムスの音の大きさって「力」じゃないのね。
シンバルはスネアドラムを打擲する超微細なタイミングなんだろうネェ。
エルヴィン・ジョーンズでも、アート・ブレイキーでも、ポール・モチアン(ビル・エヴァンス・トリオのドラムスを長年務めた名ドラマー)でも、岡井大二さんでも、神保さんでも、孝三さんでも、ゆる~く叩いているのに信じられないぐらいナマの音が大きい。
でも絶対にうるさくない。
こういうこともやっぱりナマで体験しないとわからないね。
他にもD_Driveの直近のライブ・スケジュールが紹介された。
「お知らせばかりですが『コレだけは言わせて!』ということがあります!
『D-Drive感謝の47都道府県ドライビングツアー』…皆さん、お忘れではありませんか?
まだ、終わってないんですよ、コレ。
まだ終わってないです!
ナンと、2月23日に大阪の十三GABU。そして、3月21日にコチラの隣の新横浜New Side Beachでツアー・ファイナルを開催いたします!」
「2年越しなんです。
ファイナルも本当にできるかわからなったんですけど、12月に最後に山梨県にお邪魔して、それでツアーを終わらせるには終わらせたんですが…。
あ、元々『ツアー・ファイナル』を企画していたんですよ!
ところが、コロナのせいでスッカリ予定が変わってしまったんですね。
で、ヤッパリやらないと終われないよね…と言うことでその2日間でツアー・ファイナルを開催することになりました!
本当は半年で終わる予定だったんですけど、2年もかかってしまいました。
その2年の思いをファイナルの2日間にブツけたいなぁ~と思っておりますのでどうぞよろしくお願いします!」
…ということで、先日New Side Beachのライブを盛況のうちに終わらせて『D-Drive感謝の47都道府県ドライビングツアー』を完全に終わらせたとさ。
その時の様子は近日Marshall Blogでレポートします。さて次の曲はドラムスから。
「いくデェ~」「♪ダカダダカダダカダダカダダン」×4の強烈なドラム・フィルは… 「GEKIRIN-逆鱗-」!「進撃の巨人」をモチーフにしたYukiちゃん作のメタル・チューン。ローDチューニングのギターに持ち替えて奏でるヘヴィなサウンドが客席に進撃する! 続いてはSeijiさん作の人気曲「Russian Roulette」。
この時はロシアがあんなことになるだなんて誰も想像していなかったんよ!
Yukiちゃんに合わせて客席は手拍子で盛り上がる。ココでChiikoちゃんから新年に毎年発売している『福DVD』の紹介があった。
メンバーがそれぞれ何をDVDに収録したか…という話。コレが2022年の『福DVD』ね。Seijiさんはギター・アンプについている「ループ」とか「センド&リターン」の解説をして頂いたそうで…。
そうね、昔は私も新入社員の研修の時ずいぶんやりましたわ。
ギターをやらない人にはわかりにくいもんね。
それとToshiくん。
アララ、ナンでマイクがそんなハジッコなの?なんてね…実はこの日、Toshiくんと示し合わせてライブの写真をもう少し撮っておこうということになって、マイクスタンドが邪魔にならないようにして欲しいとお願いしてあったの。
そしたらこんなにハジッコに避けてくれた…というワケ。
Toshiくんも私に気を遣ってのことか、ベース・アンプの「バイアンプ」という音域を分けてスピーカー・キャビネットから出すシステムを説明してくれたそう。
色々とありがとう!「では、では、では…残り3曲です。
チョット飛ばしていきますか!
今日も長い時間お付き合い頂きまして本当にありがとうございます。
ココからが長いんですけど…一緒に楽しんで帰りましょう!」
まずは「1,000,000hp」。
最近は「ミリダンス」からも遠ざかっているけど、また復活する日もきっと近いことでしょう!。最近、この曲がすごく良くて…。
ハイライトのソロ・リレー!
「ハイ、次の人!」「あ、ハイ!」
2人ともヒロアキくんみたいになっちゃって!
「ハイ、次!」
「私です!」 そして、「オラオラオラオラ~!」キメのポーズ。ああ、ミリオンは楽しいナァ。
コレ、NAMMでも1回だけ演ってウケたんだよね?続けて「Gradation」。
コレまた楽しいね~。D_Driveのレパトワ(=レパートリー)の中でもチョット毛色の変わっているこの曲でも魅力的なギター・アンサンブルがフィーチュアされる。本編の最後はおなじみ「Screw Driver」。飛んでハジけて4人はにぎやかにこの日の本編を締めくくった。
すぐにアンコール。
「今日も長い時間お付き合い頂きましてありがとうございます!
よろしかったらゼヒ明日もお越しください。
最近は平日にライブをするのが難しくなりました。
コロナ禍の前ってけっこう3日間連続でライブを演っていたじゃないですか?
金・土・日、金・土・日って感じで。
毎週そうやっていたんですけどそれが無くなりましたね。
土・日、土・日になってしまいました。
で、今回は昨日厚木で演ってきて、何気に久しぶりに3日間連続やナァ…みたいなね。
ガンバりますのでよろしくい願いします。
それではラスト1曲、聴いて頂きたいと思います」アンコールは、誰が詠んだか…
今日もまさに「歌詞はないけど、歌はある」の力と心のこもった演奏だった!
みなさん、ありがとうございました。また、お会いしましょう!D-Driveでした。
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official WebsiteD_Driveのお供をしたのは…
Marshall JVM410Hと1960BMarshall JVM410Hと11960A
EDEN WT-800、D210XSTとD410XST。そして、ドラムスはNATALでした~!
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