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2022年2月

2022年2月25日 (金)

Marshallが音楽学校始めました!

 
まずはコチラをご覧頂きたい。
Marshallが音楽の学校を始めた。
 
…と言っても、ビデオをご覧頂ければおわかりのように、一から校舎を用意して、先生を揃えて…というワケではなく、イギリスのMLC(Music Learning Collective)という2007年に設立された音楽学校のサポートを始めた、というワケ。
形態はインターネット。
マンツーマンのリモート授業を通して優れたプロの音楽を育成する。
ギターやドラムス、音楽制作のコースにそれぞれ8つのグレードが設けられ、卒業の暁には修学が正式に認定される。
 
おなじみMarshall社社長ジョナサン・エラリーの弁。
「一般のミュージシャンや音楽業界の今と、そして将来を支えるというのがMarshall精神です。
そういう意味ではこのプロジェクトはMarshallの精神を具現化する最適なプラットフォームです。60年に渡って業界で培ってきた経験を活かし、音楽家やプロのミュージシャンになることを希望する人々にその道筋を提供することを誇りに思います」
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今やMarshallはMarshall RecordsとMarshall Studioを持っていますからね。
ソフトの制作は自由自在。
そしてMarshall Arenaという音楽を披露する場も用意されている。
このプロジェクトは、機材面のサポートもからめて有機的に発展していくことが期待されるのではなかろうか。
残念ながら、今のところ日本で展開する話は…ないの。
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2022年2月24日 (木)

【Music Jacket Gallery】メッセージ・ジャケット特集<vol.2>

 
§ 2 - a
グエッ!
まだ1列目が終わったところかよッ!
そんなに書いたつもりはないんだがな…。
11年前に掲載した記事の内容のほとんどを書き換えてお送りしています。
こんなバカなワタシでも11年の歳月を無駄に過ごしてはいなかったようで、たとえ世間では「どうでもいい」とされているような知識でも、自分が知らない間に結構蓄積しているものですな~。
それと大きかったのはSpotifyとYouTube。
以前にも書いたけど、この2つがありさえすれば、展示されているアルバムのほとんどの音源を聴くことができるようになった。
11年前には全く考えられなかったことだ。
それでいちいち音を確認しながら記事を書いているので膨大な時間がかかっておりま~す!
…ということで、『メッセージ・ジャケット特集』の2回目。
展示棚は2列目。
Img_0026 まずは上段から…。Img_00281964年、ニューヨークの現代詩人3人により結成したフォーク&ロック・バンドがThe Fugs。 
ノーマン・メイラーの『裸者と死者(The Naked and the Dead)』で使われている「f@#k」の婉曲表現である「fug」がそのバンド名。
The Fugsはベトナムを始めたとした様々な戦争やアメリカで起こる出来事を風刺するのが持ち味で、もしかしたら今回のMJGのテーマに最もシックリくるバンドなのかもしれない。
音楽的には…私はムリ。

Img_0161 一番上のリンカーンの『No More Slavery』というアルバム…どっかで見たことあるナァ~と思ったら、1975年のJonny Winterの『John Dawson Winter III(俺は天才ギタリスト)』にソックリじゃん?
このアルバム、高校の頃によく聴いたな~。
いつか何かのライブのリハーサルの時に稲葉政裕さんがこのアルバムの2曲目の「Golden Olden Age of Rock & Roll」のイントロをいきなり弾き出して驚いたことがあった。
だって、このアルバムって誰も聴いていないと思っていたんだモン。

Nm

Jw 
元はジョージ・ピーター・アレクサンダー・ヒーリーというアメリカの肖像画家の1869年の作品。

Al 後で絵画に手を加える手法のジャケット・デザインが出てくるが、有名な写真をアレンジするのはよくある手だ。
ジョー・ローゼンタールが撮影した有名な『Raising the Flag on Iwojima(硫黄島の星条旗)』はもっとも扱いやすいネタのうちのひとつであろう。
Ij左はアメリカのへビィメタル・バンド、Savatageの『Fight for the Rock』。
右は1980年のUriah Heepの『Conquest』。
Uriah Heepなんてだいたいイギリスのバンドなのにね。
インパールならわかるが、硫黄島の戦いに関してはイギリスは直接的には無関係のハズだ。
 
昔は何とも思わなかったんだけど、歳を取って戦争に関する文物を読むにつけ、こうした戦争ネタはいかがなものか?と感じるようになった。
連中は戦勝国だからいい気なもんですよ。
でも、敗戦国として310万人もの犠牲者を出した我々はこんなモノを「カッコイイ!」なんてよろこんではイカンよ。
ただ、この太平洋戦線屈指の激戦だった「硫黄島の戦い」は日本軍よりアメリカ軍の死傷者計の方が多かった珍しい一戦だったんだけどね。
それでも21,000人のウチ、212人の投降者を残して日本兵は全員死んだんだよ。
一方、アメリカ軍の戦死者は約7,000人に留まった。

I2mg_0162
とにかく日本は戦争に関する教育をしなさすぎるんだよね。
また戦争をできる国にしようとしているから、あんまりその悲惨さを知られたくないんだろう…としか思えない。
コンサートに行くことを「参戦」と言ってみたり、グッズを「戦利品」と言い換えたり、アマゾンから何かが届けば「着弾」と喜んでみたり…幸いにして私は経験したことがないけれど本当の「着弾」の恐ろしさは戦争末期の沖縄の人たちの暮らしに関する本を一冊読んだだけでよくわかるし、読めばとてもそんなフザけたことは言えなくなるハスだ。
もちろん実際の恐ろしさは書き記された文章などとは比べ物にならないだろう。
 
そういう意味ではこんなのもよくないんだよね。
このベイシーは結構好きなアルバムなんだけど、広島や長崎の原爆に関する本を読むと、このジャケットも気分の良いものではない。
トッド・ラングレンの「Hiroshima」なんて曲はハラが立つよ…昔は大好きだったのに!
「知る」というのは恐ろしいことです。
だから政府は戦争の教育に消極的なのだ。Abこういうのは悪趣味で、オジちゃんイヤだな。
Destroy All Monstersという1973~1985年にかけて活動したデトロイトのパンク&サイケ・バンドの『November 22. 1963』という作品。
1963年11月22日というのはジョンF.ケネディ大統領がダラスで暗殺された日。
私はちょうど1歳になったばかりの時分なのでリアルタイムの記憶は全くないが、後年よく父が「アレはスゴかった」と言っていたのを覚えている。
そりゃアメリカの現職の大統領が暗殺する瞬間を映したんだからそのショックは相当大きなモノだったハズだ。

Dmこのバンド、ボーカルズが女性なのね。
ジャケットはこんなだし、パンクはパンクなんだけど、今となっては結構おとなしく聞えるような気がしますよ。
私はプライベートでパンク・ロックを一切聴かないので確固たることは言えないのだが…。

Img_0164ケネディ大統領というと、「キューバ危機」だナンダということになるけど、「もしケネディが暗殺されなければ…」と、60年経った今でも言われることがあるでしょう?
生きていたらどうなっていたのか私にはわからないけど、とりあえず今のウクライナはどうなっていたかねェ?Img_0165チョット大きく脱線。
「ケネディが生きていれば…」という話と反対なのがイギリスのかつての首相、マーガレット・サッチャー=鉄の女。
ちょうど10年前にイングランドの北の方に行った時、現地の人々がいまだにサッチャーのことを心底憎んでいる…という話を聞いた。
サッチャーはイングランド北部でかつて盛んだった造船や重工業をすべて廃止させてたくさんの失業者を出した。
それで「英国病」と言われた長い不況から脱却したんだけど、その犠牲になった人たちはタマったもんじゃなかった。
現にいつもは静かな口調で話す私の友人もサッチャーの話になると顔を赤らめてツバを飛ばしていた。
そこでわかったのが…「ああ、コレはイギリスで『鉄の女』の話題にサッチャーいかんな…」ということ。
お後がよろしいようで…。
その時から1年経ってサッチャーが亡くなった。
イギリスでは各地でこんな風景が見られたようだった。
あからさまなお祭り騒ぎよ。

Mt3 そして、いまだにSNSにはこうした投稿が盛んなのだ。
「死んでてヨカッタ!」とか「安心してください!死んでますから」みたいな。

Mt1

Mt2
 
「地獄で焼かれてしまえマギー!」
マギーはマーガレットの愛称(dimunitive)ね。
つい最近もSNSにこの写真が投稿されていた。
 
こんなの日本では考えられないでしょう?
どんなに悪行を重ねた政治家でも国民はすぐ忘れちゃうもんね。
戦後、東京大空襲を指揮したカーティス・ルメイというヤツに勲章をあげちゃうぐらいだから。
こういうすぐに物事を忘れてしまう「水に流す」という行為は日本人の美徳であるらしいんだけど、西洋や中国ではそうはいかない。
未来永劫呪っちゃう。
人を嫌い続けたり、憎み続けたりというのは大変なパワーと根性が必要だからネェ。
Mt4さて、このケネディ暗殺の一件は後年『Executive Action(ダラスの熱い日)』という映画になった。
バート・ランカスターとロバート・ライアンが出演したドキュメンタリー・タッチの作品。
小学校6年生ぐらいの時にひとりで映画館に観に行ったナァ。
この作品の脚本を担当したのは名脚本家のダルトン・トランボ。
この人って誰だか知ってる?
聞いてオドロけよ…『ローマの休日』の脚本を書いた人のひとりなのだ!
Dah他の有名な作品に『ジョニーは戦場に行った(Johnny Got His Gun)』がある。
コレも小学生の時に新小岩の第一劇場で観たんだけど、ショックだったネェ。
私は子供の頃からこんなのを観ていたので、スッカリおかしくなっちゃったんだネェ。
でもね、さっきの話じゃないけど、こういう映画を若い子たちにジャンジャン観せるといいと思うよ。
怪獣の死骸を掃除したりする話よりは圧倒的にタメになる。
Jsi ところで、当時『ダラスの熱い日』と必ず併映していたのがフレデリック・フォーサイス原作の『ジャッカルの日』だった。
この頃は「~の日」ってのが流行っていたのかね?
『イルカの日』なんて映画もあった。

Doj 私が好きな「~の日」はコレだった。
ジョン・シュレシンジャーの『イナゴの日(The Day of the Locust)』。
やはり中学1年の時に東銀座の東劇に観にいった。
「イナゴ」を英語でどう言うかをこの作品のタイトルで覚えたわ。

Sdolゴメンね、ゴメンね~、映画のブログみたいになってきちゃったよ!
このバンドのことを調べていて発見したんだけど、東宝のゴジラ映画の9作目、1968年の『怪獣総進撃』の英題は『Destroy All Monsters』っていうんだって!
で、このバンドもこの映画のタイトルにちなんでつけたのかと思ったらさにあらず。
アメリカのコミックのタイトルにもこういうのがあって、そこから名づけたらしい。
今にして思うと『怪獣総進撃』ってスゴいタイトルだな。
ゴジラの他にキングギドラ、ラドン(「ラドン」は英語では「Rodan」って綴る。Zappaの4人の子供のうちの3人目はそれから『Ahmet Emuukha Roadan Zappa』と名づけられた)、アンギラス、クモンガ、バラゴン、バラン、そしてミニラが登場する超豪華オールスター映画。
もちろん映画館へ連れて行ってもらって観たけど、他のゴジラ映画とゴッチャになってしまって内容がまったく思い出せないな…。
それにしてもキングギドラのデザインってのは秀逸だと思う。
下のポスター、そうした怪獣の名前がズラリとクレジットされている。
スターだったんだネェ。
東宝なもんだから黒澤作品でおなじみの土屋嘉男まで出演している。Kss土屋さんも5年前に亡くなってしまったが、先日ブックオフでこんな本を見つけて買ってきた。
まだ読んでもいない本を紹介してスミマセン。
でも楽しみ!Yt戦争関連が続きますよ。
兵役に対するメッセージを発しているのはJefferson Airplaneの『Volunteers』。
ベトナム戦争盛んなりし1969年の作品。
「Volunteer」というのは「志願兵」という意味。
一方、徴兵された兵隊は「Draft」。
映画『Woodstock』のサントラ盤って映画で使われていない曲が入ってるんだよね。
ああいうのどういうことなんだろう?
「サウンド」の「トラック」をレコード盤にしているんだから映画本編にないものを収録するのはおかしいと思うのだが…。
この『Volunteers』に収録されているタイトル同名曲もそのウチのひとつだった。
<vol.1>にも書いた通り私はJefferson系列が苦手なんだけど、この曲だけはスゴく好きだった。
それなのに映画本編にはまったく登場しない!
確かJeffersonは「Volunteers」どころか、Grace Slickがチラリと映るだけでバンドとしてはゼンゼン映画に出て来ないんじゃなかったけ?
これは編集を担当したマーチン・スコセッシのせいなのか?
そのあとのディレクターズ・カットになってようやく登場したけど…。
反対にリッチー・ヘイヴンスやジョーン・バエズのように本編には入っているのにLPには収録されていない曲もあった。
 
ジャケットは新聞仕立てになってるんだネェ。
何て言う名前なのかは知らないけど、「VOLUNTEERS」という大見出しも新聞で使われるフォントでしょう。
新聞ネタのジャケットは結構多いからね~。
でも何があっても「ジェラルド」には到底かなわないな…。

Img_0166removebgpreviewロング・ジョン・ボールドリーの1972年のアルバム『Everything Stops for Tea』。
プロデュースはエルトン・ジョンとロッド・スチュアート。
コレも何回もMarshall Blogに書いてきたことだが、エルトン・ジョン(Elton John)の「John」はこのLong John Baldryの「John」。
「Elton」はSoft Machineのサックス奏者、Elton Deanの「Elton」から持って来ている。
ボールドリー、ディーン、エルトンの3人はBluesologyというバンドで一緒だった。
コレも以前何度か書いたが、Elton Johnは本名をReginald Dwightといい、イギリスの通のファンたちは彼のことを「Elton」などと呼ばず「Regi」と呼ぶのが普通のようだ。
一方、ロッド・スチュアートはSteampacketというブルース・バンドでボールドリーと一緒に活動していた。
このバンドは他にジュリー・ドリスコル(キース・ティペットの奥さん)、ブライアン・オーガー、ミッキー・ウォーラー(ジム・マーシャルのドラム教室の生徒さん)らが在籍していた今となってはスゴいバンド。
ま、といっても実際に聴いてみるとさほどオモシロくはないんだけどね。
そんな関係でエルトンもロッドもバッキング・ボーカルズでこのアルバムに参加している。
ロッドなんかバンジョーまで弾いちゃってるんだぜ。
曲も悪くない。
  
ジャケットのデザインのモチーフは「不思議の国のアリス」。
ボールドリーはマッド・ハッタ―に扮している。
「アリス」もかなり人気の高いネタですな。
とてもいい感じのイラスト。Ljbそれをガバッと広げるとこうなる。
ますますいい感じ。
このイラストを描いたのは、ナント、ロン・ウッド!
うまいもんですな~。

Img_0167removebgpreview 「不思議の国のアリス」の作者、ルイス・キャロルはオックスフォードにゆかりがあるため、現地のアーケードの天井にも大きなウサギがブラ下がっていた。0r4a0439 
§ 2 - b
2列目の下段。

Img_0029象の墓場をあしらったのはニューヨークのバンド、Elephant's Memory。
1972年のこの作品はアルバム・タイトルも『Elephant's Memory』。
なかなかカッコいいジャケットだ。
象は死に場所を選ぶため、死期が近づいた時には自ら「象の墓場」へ赴くというが、コレは密猟者やハンターたちが観光客目当てにデッチ上げた作り話しらしい。
 
シンガーが男女で何人かいるみたいなんだけど、ひとりスゴイ声を出す人がいるのよ。
コレが破天荒にカッコいい!
このアルバムからは1曲しか聴くことができなかったので、他の作品を聴いてみたんだけど呆れるほど色んなことをやっていてオモシロイといえば、オモシロイ。
まとまりがないといえば、サッパリない。
そんな万能ぶりが認められてかどうかは知らないが、このバンドはジョン・レノンとオノ・ヨーコのバック・バンドを務めている。

Img_0169
その音源は『Sometime in New York City』のC面で聴くことができる。
そういえば、コレも新聞ネタですな。
内ジャケにはデカデカとElephant's Memoryとジョン&ヨーコが一緒に写っている写真が使われている。

0r4a0221_2そしてD面がフランク・ザッパと共演した時の音源。
このレコード、ダストジャケットが欲しくて買ったんだよね。
ナントならば、元ネタになっているThe Mothersの『Fillmore East - June 1971』は、私が中学3年生の時に生まれて初めて買ったザッパのレコードだから。
正直、コレもジャケ買いだった。
この鉛筆の手書きのタイポグラフィがオモシロイと思ってね。
それをレノンのヤツ…がこんなことしやがった!
オモシロいね~。
0r4a0223コレ、『Sometime in New York City』とか言ってるけど、このザッパの面の音源を収録したのはロンドンなんだよね。
ウォータールー橋の北詰めをほんのチョット上がったところにある「Lyceum Theate(ライセウム・シアター)」でライブ録音された。
The Who、Pink Floyd、Led Zeppelin、Queenなんかもココで演奏している。
Img_0476で、ビックリしちゃうのは、このダスト・ジャケットの裏面。
「Technichian」というクレジットにジャック・ダグラスの名前が挙がってるんだよね。
コレはまさにTubesのライブ・アルバムのミキサーのクレジットに「マックス・ノーマン」の名前を見つけた時のようなオドロキだ。
今でこそ、やれシェル・タルミーだ、やれガス・ダッジョンだ、なんて聞いた風なクチをきいているけど、ロックを聴き始めた頃はプロデューサーの名前なんて全く気にしないのが普通だった。
でも、「ジャック・ダグラス」は別だった。
そのココロはAerosmithとCheap Trick。
とにかく「カッコいいアルバムを作る人」ということで子供でもその名前を認識していた。
私の場合は、それと「クリス・トーマス」かな?
Roxy Musicとサディスティック・ミカ・バンドで知った。Roxy好きだったから。0r4a0225さて、植村さんの大のお気に入りのVanilla Fudge。
セカンド・アルバム『The Beats Goes on』。
ジャケットにはその「The beat goes on」のいくつかの国の言葉の翻訳が載っている。
日本語は「音律がはずむ」となっている。ん~、「音律」ネェ。
このアルバムの解説を何かで読んでものすごく聴きたくなった。
「ベートーベン、ラグタイム、コール・ポーター、ソニー・ボノ(Sonny & Cher)、ビートルズらの曲を並べた音楽の変遷を俯瞰するような内容」ってな調子だった。
それに加えて世界のリーダーたちの名演説が収録されている…という。
例えばケネディの「Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country (国があなたのために何ができるかではなく、あなたが国のために何ができるかを問うてほしい)」とか。
そうと来ればオモシロそうじゃんね~!

で、聴いた…………この人たち一体どうしちゃったんだろう?
こういう時代だったんだろうネェ…で片づけてしまうより取り扱い方がわからん。
プロデューサーのジョージ"シャドウ"モートンという人がロクにコンセプトの説明もせずにこうしたアルバムづくりを指導したため、バンドはずいぶんこのプロデューサーと対立したらしい。
ま、それが普通だと思うよ。
やっている時にはワケがわからなかったけど、仕上がってみればアラ不思議!ならいいけど、コレじゃアタマに来るだろう。
「プロデューサーのせいによる実験の失敗」と公然と非難したそうだ。
このアルバムがリリースされたのは1968年の2月。
Fudgeはこの失敗作を隠すかのように同年の6月には矢継ぎ早にサード・アルバム『Renaissance』を発表した。

Img_0170下はこのアルバムの内ジャケ。
日本語ライナー・ノーツが載っている。
誰が書いたのか知らないが、書くのツラかっただろうな。
もうひとつ傷口に塩を刷り込むのであれば、カーマイン・アピスは自伝の中で「今聴いたとしても…チョット言わせてくれ…アレはクソだ。まるでSpinal Tapがビビッて作ったかのようなアルバムに聴こえる」と書いているそうです。

ザッパのヒット曲、「Dancin' Fool」に「The beat goes on and I'm so wrong」というリフレインが出て来るんだけど、まさかこのアルバムのことではあるまいな…。Img_0171removebgpreview § 3
3列目に移る。
ココは半分だけ。
それに私の守備範囲に入って来るアイテムがほとんどないのですぐ終わっちゃうよ。

Img_0032ホイットニー・ヒューストン他、キラ星の如く輝く大スターを集めて制作された1987年のコンピレーション・アルバム。
イラストは言わずと知れたキース・へリング。
すごい個性だよね。
Sxこの人の作品を見ると必ず横浜の「ロコさん」を思い出す。
東横線の桜木町から高島町の長い直線の高架下の壁にはいつの頃からかバラエティに富んだ落書きがされるようになった。
よく横浜に行っていた40年ぐらい前、その落書きを見るのが楽しみのひとつだった。
その落書きも時が経つにつれて次第にヒップホップ的なものに変わって行き、全くオモシロクなくなってしまった。
 
で、かなり昔のテレビ番組で見た記憶なのでさほど定かな記憶ではないが、確かその落書きを始めたのが「ロコさん」という日本人で、はじめは高架の壁に映った(投影された)歩行者用の信号機の影を白い太い線でなぞっただけだったという。
それで「ロコさん」という名前を知った。
それが徐々にか一気にかは知らないが、作風がエスカレートしていき、他の人の作品も混じるようになってあの壁がエラク賑やかになっていったのだとか。
しかし、いくら色々な作品が混ざって来てもロコさんのタッチは可愛く、そして一目でわかるオリジナリティの高いモノだった。
だから、私の中ではむしろへリングの作品の方が後なのね。
そして、ちょっとロコさんのことをインターネットで調べてみると、現在では日本を代表する壁画アーティストとしてますますご活躍されているようだ。
市で禁止令を出したのかどうかは知らないが、この高架下の壁は今ではただのコンクリート・ブロック塀になっている。

Loco  
§ 4-a
4列目いってみよう!

Img_0036 その上段。
ココは「核問題」っぽいゾーン。

Img_0038今から40年近く前、学校を出てすぐに北陸に住んでいたことがある。
担当地区ということで福井へ赴く機会が多かった。
ご存知の通り通り、福井県は(当時)13基の原発が稼動する原発銀座だ。
あの時も核燃料開発事業団の「高速増殖炉もんじゅ」の建設真っ盛りだった。

Mj ある日、いつもの出張と同じように福井駅に降り立つと、テレビのレポーターが近づいてきた。
「ズームイン朝!」の取材で、一般人にアンケートを取っていたのだった。
設問はその当時に政府が設定した「原発の事故重要度スケール」についてどう思うか?」というような内容で、それは「これくらいの事故だったら1。これぐらいだと放射能汚染の危険があるので5」とかいう類のモノで、内容に変化はあれど今でも存在しているはずだ。
私の答えは「いくら事故をランク分けしてみても、その危険度なんて実際に事故が起きてみなければわからないし、原発の場合、事故が起きたときにはもう遅いんじゃないんですか?」的な回答をしたように記憶している。
私の回答がテレビ局のお気に召さなかったのかテレビには映らなかったようだ。
それから26年経って福島の事故を目の当たりにした時、その時の私の回答が特段チンプンカンプンなモノではなかったと思っている。
原発なんてなければ少なくとも事故は起こらないのよ。
それより不必要な街のネオンサインを消して、コンビニも11時に閉めて、テレビの深夜放送を止めて、自動販売機を減らせって。
夜はサッサと寝ろ!F1 原子力もの。
BS&Tでこんなのがあったなんて知らなかった。
その名も『Nuclear Blues』。BSTの11枚目、末期の1980年の作品。
知ってるメンバーはデヴィッド・クレイトン・トーマスとデヴィッド・ペイチだけ。
1曲目のインスト・ナンバー…カッコいいな~。
ジミヘンの「Manic Depression」なんかも取り上げているんだけど、コレがヤケクソにいいぞ!
ペイチのベースもいいけど、ドラムスのボビー・エコノムという人が実によろしい。
この人、メーナード・ファーガソンのところにいたのか…道理でスゴイと思った。
ジャコのソロ・アルバムにも参加している。
 
物騒なジャケット・デザインだ。
コレは核爆発かなんかがあってボロボロになっている…けど笑っている。
「俺たちには音楽があるからヘッチャラさ!」みたいな意味合いなのだろうか?
原子力をナメちゃイカンぞ。
フーム、ジャケットのことはさておいて…このアルバムはすごく完成度が高いナ。
実にいい作品だ。

Img_0174私はBST門外漢なんだけど、コレの3年前のアルバム、『Brand New Day』にはマイルス・バンド加入前のMike Sternが参加しているとういうことで少し聴いていた。
『Nuclear Blues』の方がゼンゼンいいわ。

Bst「完全ヌード」みたいな意味を持つStark Nakedという名前のアメリカ産サイケ・バンドの1971年、唯一のアルバム。
すさまじく時代を感じさせるサウンド!…でも悪くない。コレでいいのだ!
人がメルト・ダウンしてキリストの顔になっているジャケット・デザインはなかなかに印象的だ。

Img_0175再びCheech & Chong。
またドラッグ!それにしてもCheech & Chongの諸作のジャケットは素晴らしい。これは1976年の『Sleeping Beauty』というアルバム。
このアルバムのジャケットとタイトルは「reds」として一般に知られている「セコバービタル」と「バービチュレイト」という汎用の薬にちなんでいる。
これらの薬はてんかんと不眠症のための治療薬で、1960~70年代のアメリカで広く濫用された。
ナゼ濫用されたのかを問うのは愚問だろう。
デザインはそのredsのカプセルから中身を引き出すと薬が舌の上に乗っているという仕掛け。
モチーフはどうでも実にカッコいいアイデアだとは思いませんか?
最近の音楽パッケージがこうした刺激的立体的なアイデアにおいて30年前、40年前の創作物に遠く及んでいないことは誰がどう考えても明らかだろう。もちろん内容、つまり音楽も同じだ。
Img_0176removebgpreview

「ロック史上最も攻撃的な作品」と評価されたThe Pop Groupの『Y』。
1979年のリリース。
コレが出て来た時、私は高校生だったんだけど。ずいぶんと話題になったことを覚えている。
私はこういうの苦手だったのでハナから相手にしなかったが、今聴くと…やっぱりタイプではないな。
でもなかなかいいな。
でも自発的には聴かないな。
でもCD持ってんだよね。
ロックではないけれど、コレだったらデレク・ベイリーだとかセシル・テイラーとかソニー・シャーロックといったフリー・ジャズの連中の方が「攻撃的」な感じがするナァ。
ジュゼッピ・ローガンとかね。
あ、「好きなんですか?」なんてその筋の人から言い寄られてもお相手はできませんが。
 
でも、ジャケットはインパクト強いナァ。
コレは出た時からそう思っていた。
パプア・ニューギニアの「マッドマン(Mud Man)」とか言われている種族らしい。
パプア・ニューギニアには種族によって当然使用している言語が異なるため、ものすごくたくさんの言葉があるらしい。
その中には、「話す」は「トクトク」、「食べる」は「カイカイ」、「花」は「ナタナタ」、「ワニ」は「プクプク」、「小さい」は「リクリク」…と、日本の擬音語や擬態語のように同じ音を繰り返す言葉を用いる種族がいるらしい。
可愛くない?
最近私が気に入っているこの手の言葉は「ヨボヨボ」。
まぁ、自分もかなり「ヨボヨボ」になって来たけど、老人の動作がシッカリしない様をよくもそんな言葉で表現したな~と、感心しきりなのである。
 
ところで、このバンド、イギリスはブリストルの出身なんですってね~。
知らなかった。

Pg_2このバンドにいたギャレス・セイガーとブルース・スミスという人がRip Rig+Panic を結成したんですってね~。
イヤ、別に好きなワケでも興味があるワケでもないんだけど、『Rip Rig & Panic』というのはラサーン・ローランド・カークの1965年のアルバムのタイトルでしてね、私の愛聴盤なもんだから。
で、このRip Rig+Panicにはネナ・チェリーというメンバーがいて、この人、ドン・チェリーの奥さんの連れ子、言い換えるとドン・チェリーが継父なんですってね~。
英語で言えば「Father in law」か?Rrpアルバムの方の『Rip Rig & Panic』ね、ドラムスのエルヴィン・ジョーンズ以外のメンバーは「The Jaki Byard Experience」というチームを結成してアルバムを発表する。
コレがまた実にいいアルバムなんだ~。
で、私の推測では、ジミ・ヘンドリックスはこのチーム、あるいはアルバムをヒントにして自分のバンドに「Jimi Hendrix Experience」という名前をつけたとニラんでいる。
多分、間違いない。
興味のある人はゼヒコチラをご覧あれ。
 ↓   ↓   ↓
【イギリス-ロック名所めぐり】vol. 62 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.5>

Jbe私は邦題否定、「オリジナル・タイトル至上主義」派なんだけど、このアルバムの『対自核』というのはうまいこと考えたな…と思う。
なんでも出自は哲学方面だとか。
私、ヒープはチョット苦手でしてね…何となくKISSのような「一般大衆向け受け狙い」のイメージを強く感じり。
ナンかこう「アク」とか「毒」みたいなモノが感じられなくて、わかりやすいぶん、聴いていてすぐに飽きちゃうんだよね。
それでも、高校の時にはほとんどのアルバムを持っていた…それで全部売っちゃった。
この『対自核』も同様。
でも、この記事を書いている間にブックオフで帯付きの安いのを見つけたので写真を撮るためだけに買った。
チョットうれしかったりして…。
 
このジャケットね、鏡に自分が写らないように撮影するのが実にムズカシイのよ。
どうやって撮ったのかは…へへへ、秘密。
この有名なアートワークにはDouglas Maxwell Ltd.という会社がクレジットされていて、他のジャケット作品もチェックしてみたが知っているモノは全くなかった。
 
ゲゲゲ!
「July Morning」の後半のシンセのソロを弾いているのはマンフレッド・マンだったのね?
それとOsibisaのメンバーがタイトル曲でパーカッションで参加しているのには驚いた!
Osibisa懐かしいナ…アフリカン・ロック。
私が中学1年生ぐらいの時、今でいうMVみたいなモノを流す早朝の番組に一時期ズッと出てたのよ。
今、聴くとカッコいいな…Osibisa。0r4a0214
 
§ 4 - b
このあたりは「人間の進化」がテーマみたいな…。

Img_00401972年のWeather Reportのセカンド・アルバム『I Sing the Body Electric』。
このタイトルはアメリカの詩人、ウォルト・ホイットマンの詩作、もしくはレイ・ブラッドベリ―の短編集のタイトルから名づけられた。
ブラッドベリーの方は人気TVドラマ、『Twilight Zone』に原作として取り入れられて映像化も果たしている。
電気仕掛けのおバアちゃんがやってくる話しらしい。
ザッパにも「Electric Jemima」なんて曲があったな。
このアルバム、最後の3曲は渋谷公会堂(当時)で録音されたライブ音源で、最終曲のマイルスの「Directions」が終わった後にメンバーを紹介するいソノてルヲさんの声が収録されている。
またこの時の音源は『Live in Tokyo』として2枚組LPで発表された。
子供の頃は「ウェザー・リポートってバンドはギターがいないんだってよ!」などと聴いて驚いたもんだった。
ギターのいないバンドなんてこの世にあるのか?とショックを受けた記憶がある。
Weather Reportもやっぱり『Heavy Weather』までだったかねぇ?
  
アートワークはフレッド・スワンソンという人。
ミジンコのイメージらしい。
ポートフォリオをチェックしてみたけど、他に馴染みのある作品は見当たらなかった。
そういえば、最近はミジンコなんて全く見なくなっちゃったけど、コレ英語で「daphnia(ダフニア)」というらしい。
ダフニア?
そこですぐに頭に浮かんで来るのはジャンゴ・ラインハルトの代表曲のひとつ「Daphne(ダフネ)」。
もちろんこれはフランスの女性の名前なのは知ってる。
ビリー・ワイルダーの『お熱いのがお好き(Some Likr It Hot)』で女装したジャック・レモンの役名も「ダフネ」だった。
そこで「ダフニア」の語源を調べてみると、ギリシア神話に出て来る「ダフネ」だという説があるらしい。
このダフネ、アポロンの初恋の人だったんだってよ!
すごくない?
ミジンコがギリシア神話と関係しているなんて!
Img_0178
コレは「ケルティック・パンク」っていうのか…。
以前、Drop Kick Murphysというアメリカのバンドが来て、Marshallを貸してくれってんでカメラを持ってライブに行ったことがあったけど、アレは「アイリッシュ・パンク」とか言ってたな。
どうしてアイリッシュとパンクを合体させる必要があるのか甚だ不可解だが、ロックなんて他の音楽の要素を貪欲に吸収して発展して来た音楽なのでケルトを吸収することぐらいきっと朝飯前なのだろう。
このアルバム、まずタイトルがいいね…『Rum Sofomy and the Lush』。
元々はアンソニー・ブラックモア(リッチー以外のブラックモアさんってはじめてだね)という人の著書のタイトル。
一般的にこの「Rum Sofomy and the Lash」というフレーズはウィンストン・チャーチルが海軍のことについて語ったセリフとして認識されているようだ。
"Don't talk to me about naval tradition. It's nothng but rum, sodomy and the lash"
「ワシに海軍の伝統についての話しなんかするもんじゃないよ。アレは酒(Rum)とSodomy(同性愛)と虐待(Lash=ムチ。ウサ晴らしのための内部暴力のことか?)以外の何物でもない」
イギリス海軍もそういうことらしい。Img_0177大変カッコいいジャケットは18世紀末のフランスの画家、セオドア・ジェリコーの活人画『The Raft on the Medusa(1819年)』が元になっている。
こういうのはオモシロイね。
今回も他に紹介したけど、ロッド・スチュアートのルノアールを使った『A Night on the Town』みたいなヤツ。
いっそ名画そのものを使ったカッコいいジャケもあるよね。
ジャズに多い。
モンクのルソーを使った『Plays Duke Ellington』とかキリコを使った『Mistrioso』とか。
Wyntonのマチスとか。
ジャクソン・ポロックのものもあったっけ。Tpg <つづく>

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Reugniung_daysこのバンド、もう解散しちゃいましてね…なかなかいいバンドだったんよ。
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2022年2月21日 (月)

【Music Jacket Gallery】メッセージ・ジャケット特集<vol.1>

  
人間生きてりゃ誰にでも言いたいことぐらいある!
仕事のこと、上司のこと、政治のこと、家庭のこと、学校のこと、就職のこと、子供のこと、食べ物のこと、最近の音楽のこと…言いたいことだらけなのが普通なのだ!(注:これらの言いたいことは世間一般での普遍性を重視しており、決して私の希望を優先したワケではないので誤解のなきよう)
3.11東日本大震災と原発問題の影響下にある今日の日本の特異な社会状況を踏まえて、今回のギャラリーには60年代から80年代にかけての反戦、反差別、反核、チャリティーといったメッセージ性の強いジャケットが集結した。
Img_0001元来ロックのというものは反社会的な場所に位置している(いた)もの。
とろけるようなトーチ・ソングからノリノリのロックンロールまで様々なスタイルを吸収し、聴衆を熱狂させてしまうところがロックが持つ本来のパワーであり、そのパワーと大衆性に乗じて自然とメッセージ性を帯びた作品が出て来たという歴史がロックにはある。
そして、音楽そのものだけの表現にとどまらず、ジャケットにもメッセージを込めてしまおう…という意気込みで作られたジャケットがココMJGに並んだというワケね。
だからジャケットって大切なのよ! Img_0010 もちろん今回も植村和紀さんのコレクションで構成されている。
何しろ帰りの電車賃が80円になってしまい、帰れなくなるのを覚悟してまでレコードを買い漁ってしまったという植村さんのこと、このコレクション自体がメッセージを訴えているような気がする。
それは「レコードへの愛情」に他ならない。
Img_0011今回のブローアップ・ジャケットは…知らない!
でもメッチャいいジャケット・デザイン。
プリント機械が替わったため、今回からこのブローアップのサイズが若干小振りになったとのこと。
でもこうして説得力のあるデザインだとそんなことまったく気になりませんね。Img_0007 もうひとつはフィンランドのプログレ・バンド、Wigwam。
そのタイトル名も『Nuclear Nightclub』と早くもメッセージ感タップリ。
これは銅版画かなんかかしらん?
中世のサロンみたいな空間(これがナイトクラブ?)の向こうで核爆発が起こっている。Img_0009ではイザ!
 
§1 -aImg_0014 『Full Metal Jacket』のサントラ盤が見えてるけど今回は触れませんのであしからず。
キューブリックやり出したら止まらなくなっちゃうから…。
その代わりコチラで盛大にやっていますので、お好きな方は世界最大級の「キューブリック展」のレポート11本立てをどうぞ!
  ↓    ↓    ↓
【Shige Blog】ギリス紀行2019 その12 ~ スタンリー・キューブリック展 <vol.1>

Img_0016 今回のブロウアップ・ジャケットにも選定されている1979年のA&Mのオムニバス盤。
文化大革命を揶揄したジャケットが文句なくカッコいい!
ブライアン・デイビスという人の作品。
モチーフは「毛沢東のロックバンド」。
タイトルは『Propaganda』。
Sparksに同名の名曲があったのを思い出す。
左上にある「A BLATANT ATTEMPT TO INFLUENCE YOUR MUSICAL TASTE」というのは「アナタの音楽の嗜好に影響を与える露骨な試み」…という意味で、それが「プロパガンダ」ということ。
Img_01341979年のリリースでPoliceの曲も収録されている他、Joe Jacksonの未発表曲が収録されている。Img_0135調べてみるとこのジャケットに使われているイラストは『Police, Squeeze and Joe Jackson, Propaganda』としてニューヨークのMOMA、つまり「現代美術館」に展示されているようだ。
こんな感じ。Pg 近代美術館といえば…
ソニー・ロリンズのImpulse盤に『There Will Never Be Another You』というライブ・アルバムがあるが、アレ昔は『近代美術館のソニー・ロリンズ』というタイトルで、我々が学生の頃は「近代美術館」と呼んでいた。
もちろんMOMAの中庭で録音された音源が収録されている。
30年近く前、はじめてMOMAに行った時はうれしくてね~。
「ココでロリンズがアレを演奏したのか!」と感動したモノです。
ロリンズは後年、同じ場所でサックス1本で演じたライブ・アルバムも発表している。
ちなみに、MONAで一番私の目についた日本人の美術作品って誰のモノだと思う?
断トツで横尾忠則だった。
話はそれるが、横尾さんは若い頃そのニューヨークでCreamを観たそうで、あまりの音の大きさに気分が悪くなった…と何かの記事に書いてあった。
確か横尾さんってジミヘンも観てるんだよね。Stwb 「文化大革命つながり」ということで…Matching Moleのセカンドアルバム『Little Red Record』。
邦題は『そっくりモグラの毛語録』。
あんまり「毛」については触れて欲しくないが、とても好きな作品。
1972 年の作品でプロデュースはロバート・フリップ。
ジャケットからすると中身はイギリスのMr.BIGのような「中華ロック(この名付け親はRollyさん)」を想像するかもしれないが、Matching Moleはカンタベリー派を代表するバンドだからそうなならない。
メンバーもロバート・ワイアット、ビル・マコーミック、デイヴ・マックレー、フィル・ミラーと強力で、ブライアン・イーノが1曲ゲストでシンセサイザーを弾いている。
「メッセージ」という切り口でこのアルバムを眺めると、1曲目なんかは「Starting in the Middle of the Day We Can Drink Our Politics Away(昼の日中からイッパイやって政治問題なんか忘れちまおう)」なんてタイトルからしてかなりストレートだ。
ヘンテコリンな歌声がダラダラと続いて「It's a mole!」の叫び声の後に飛び出してくるロバート・ワイアットの超絶ドラム!タマリマセン!
ジャケットはとてもいいイラストをまとっているのに、残念ながらアートワークのクレジットが見当たらない。
一方、肉太文字でイヤが応でも目に入ってくるのが「Der Mütter Korus」というドイツ語のクレジット。
コレ、「ママさんコーラス」という意味なんだけど、「究極的にアホらしい声のパートのパフォーマンス」として参加している。
さらにそこにはロバート・ワイアットの他にLittle Honest Injunという名前が挙がっている。
どれがその「アホらしい声」なんだろう…まず1曲目のアタマがそうなんだろう。
あとは4曲目の「Righteous Rhumba」の中のおしゃべりの部分とかのことかな?
この曲、「ルンバ」なんていってるけど、当然のようにまったく「ルンバ」ではない。
ちなみに「毛沢東」は結構英語圏で出て来る名前で、「Mao Zedong(マオ・ゼドン…的な)」と呼ばれていることを覚えておくといいかも知れない。
考えても絶対に出て来ない単語のひとつだから。
私は何回聞いても忘れちゃうけど。Img_0137ジャック・ケルアックとともに「ビート文学」を代表するアメリカの詩人アレン・ギンズバーグ…と、聞いた風なクチを叩いているが、読んだことがないどころか近寄ったこともない。
同じアメリカ文学でも卒論は単位が取りやすいサリンジャーだったし…。
そんなもんだから、いつもセルジュ・ゲンズブールと間違えてしまう。
さて、「Howl」というのはギンズバーグの最も知られた詩にして代表作(らしい)。
この作品もタイトルも「HOWL」。
発音は「ハウル」。
この写真ではわかりにくいがコレは全部墓石だ。
その墓碑銘がすべてメッセージになっている。
これは一種の生前葬を具現化したもので、「オレが死んだらこうしてくれよ、と言っている」というのが植村さんの解釈。
「Live and Let Live」なんてのも見える。
これ10ccのライブ・アルバムのタイトルにもなっているが、実はコレは「人生がもたらす楽しみや喜びを享受しよう。そして同じことが他人に起こっていることを看過しよう」みたいな意味で、つまるところ「寛容であれ」ということ。
ロジャー・ムーアが初めてジェイムズ・ボンド演った『Live and Let Die』という映画があったでしょ?
もちろんこれはこの「Live and Let Live」のパロディ。
アレの邦題は『007死ぬのは奴らだ』。
つまり、「オレは生きて楽しむけど奴らは死ね!」…つまり『死ぬのは奴らだ』というワケ。
コレももう何度も書いたナ…。

S2agその詩集がこの『HOWL and Other Poems』。

Hb 翻訳版の題名は『吠える』。
CONCERTO MOONの島紀史さんはかつて「吠える」というサブ・プロジェクトをやっていた。
それが言いたかっただけ。
尼崎ご出身の方なのでDeNAベイスターズのファンというワケではないハズだ(←若い人にはわからないだろうナァ。若い人がこの記事のシリーズを読むこともないだろうけど…だからナンにも知らないんだよ)2hoelコレは知らん!
見たこともない…「Boomerang」というバンド。
そう、西城秀樹でおなじみの「ブーメラン」だ。
それにしてもインパクトの強いジャケットだ。
バンドロゴとブーメランを構えるアボリジニだけ。
BoomerangはVanilla Fudgeのボーカル&キーボードのマーク・スタインがFudge脱退後にはじめて作ったバンド。
1971年にこのアルバムをリリースして消滅。
調べてみると国内盤も出ていなかったようだ。
コレがですよ…聴いてみるとアキれるぐらいカッコいいハードロック!
取りあえず文句のつけようがない。
コレは完全にジャケットで損したな。
問答無用でボーカルズが素晴らしい。Brメンバーはマーク・スタインしか名の通った人はいない。
スタインはこの後、トミー・ボーリンやデイヴ・メイソンと仕事をした。
ボーリンの遺作「Private Eyes」にも参加している。Img_0140そういえば思いだした!
トミー・ボーリンっていまだにプロ・ミュージシャンの間で評価が高い。
この人メッチャ早死にで、亡くなったのは1976年、トミーが25歳の時なんだよね。
それなのにDeep Purpleに入るわ、ビリー・コブハムの『Spectrum』に名演を残すは…で、もしこの人が生きていたら80年代のロックももう少しシッカリしたのでは?…なんて想像してしまう。
で、ナニを思い出したのかというと、通学途中の電車で前に座ったオッサンが広げたスポーツ新聞に『Private Eyes』の写真がデカデカと出ていて、その横に「當墓林」と大きく表示されていた。
その新聞は「アメリカの天才ギタリストが新作のタイトルに『墓』なんて文字を使うもんだから死んじゃった!」と報道していた。
まだ中学2年生だった私は「トミー・ボーリン」Tommy Bolinという名前は知っていたが、音は聴いたことがなかった。
でもこの新聞記事がものすごく印象に残った。
今にして思うと、いちアメリカ人ギタリストの死がよくメジャーなスポーツ新聞にデカデカと載ったものだと思う。
今では考えられないよね。
コレズッと「富」かと思っていたら「当」の旧字体の「當」だったのね。
もしかして間違えてるんじゃない?Tb さて、Boomerangの裏ジャケットを見てみる。
ドワッ!マイケル・カスクーナが解説を書いてる!
この作品は1971年に制作されているが、もうこの時点で既にBoomerangが「ラウドでジャンピングな音楽に回帰している」ことを褒め讃えている。
当時その反対に位置していた音楽はプログレッシブ・ロック。
その複雑さへの回答がBoomerangの音楽というワケだ。
こんな時代からオリジナル回帰志向があったのね。
カスクーナはジャズ系の音楽プロデューサー。
デイヴ・ブルーベックやArt Ensamble of Chicagoのアルバムの制作を担当している。
それよりもBlue Noteの未発表音源の発掘家としての方が有名か?
1983年には「Mosaic Record」を設立しモンクやマイルス他、300のボックス・セットを制作してグラミー賞を獲ったそうな。
Blue Noteの作品すべてをオリジナル盤で揃えている世界的に有名なコレクターの小川隆夫さんはアメリカ留学時代からカスクーナを知っていて、レコード店で彼を見かけるとガッカリしたという。
ナゼならカスクーナがレコードをチェックした後は、もうそこには何もイイものが残っていないからだ。
日本でいえば植村さんか…。
カスクーナがもうひとつこの解説の中で触れているのがリチャード・ラミレスというギタリスト。
1曲、ビンテージのストラトっぽいサウンドで目の覚めるようなソロを披露してくれている。
このアルバムを収録した時にはまだ15歳だったらしい。
知らんナァ~…っというので早速この人の名前で検索してみると「Richard Ramirez」というのしか出て来ない。
「ラメリス」と「ラミレス」の微妙な違いね。

Img_0141ところが!
ラミレスの方は「Night Stalker(ナイト・ストーカー)」やら「Valley Intruder(峡谷の侵入者)」の異名を取る、1984~1985年の間に無差別に民家を襲撃して、強盗、暴行、レイプのし放題で13人もの命を奪ったという とんでもないヤツだった。
私は知らないんだけど、マリリン・マンソンのベースはトゥイーギ・ラミレスっていうの?
その「ラミレス」の由来はこのナイト・ストーカーなのだそうだ…って、このバンドのメンバーの名前はみんな凶悪犯から採っているのか。
物騒なバンドだナ…一度写真を撮らせてもらったことがあったけど。Rr上と下の共通メッセージは「裸」。
イヤ、裸ということが直接メッセージを発しているワケではなく、「ヌーディズム」というのか一種の平和主義みたいなことに結びつけてみたというワケなのです。
一時「ストリーキング」なんてのが流行ったっけね。
ずいぶんニュースでやってたけど実際には一度も見たことがなかった。
さて、これはThe Lovin' Spoonfulの69年のアルバム『Revelation Revolution '69』。
最終作かな?
ジョン・セバスチャンはもういない。
このジャケットの写真、合成だな。
人間だけ走らせて流し撮りをしておいて後でライオンを合成したんでしょう。

Img_0142 続いては反戦系。
これはWarm Dustというポール・キャラックなるキーボード・プレイヤーを中心としたイギリスのプログレッシブ・ジャズ・ロックグループの『Peace for Our Time』というアルバム。
「隠れた名盤」と言われていて、何万円もするらしい。
ジャケットはオモシロくないが、コレ、中身がなかなかのモノ。
管楽器のプレイヤーが2人も入っていていい感じ。
広島と長崎の放射能のことに触れたりしている。

Img_0143ヴィヴィアン・スタンシャルはBonzo Dog Doo-Dah Bandの創設者のひとり。
この1984年リリースの『Sir Henry at N'didi's Kraal』は『Sir Henry at Rawlinsoin End』の続編で、スタンシャル4枚目にして最後のソロ・アルバム。
内容はコメディで、前作同様ほとんどしゃべり。
両方聞いてみたけど、何かをしながら耳に入ってきた英語の意味を捉えることができるレベルの英語力を持っている人以外にはオモシロイものではないだろう。
え?私はダメよ。
南アのズールー族を引き合いに出して大英帝国の植民地政策と王室を猛烈に皮肉っているらしい。
だから純粋な「戦争反対!」的なメッセージとは異なっているようだ。
くたびれた兵隊さんが便器の上に座っている皮肉感タップリのイラストはラルフ・ステッドマンというイギリスの有名なイラストレーターの作品。

Img_0144しからば、このタイトルにある「ヘンリー・ロウリンソン」というのは誰か?
調べてみると、実在したヘンリー・ロウリンソンという人は「イギリス東インド会社(East India Company)」の陸軍士官であり、政治家であり、楔形文字研究の権威で、どうも南アのことには触れていないのでスタンシャルの登場人物とは関係ない人なのかしらん?
「東インド会社」ね…。
若い頃はアメリカにゾッコンだった私も色んなことを知るにつれて段々イヤなイメージを持つようになってしまい、今では仕事の関係もあって完全に「イギリスびいき」になってしまった。
ま、イギリスはアメリカの元だからね、歴史的にどんな悪事をして来たかということも学んでいる。
で、産業革命の発祥地であるマンチェスターに行ってからというもの、アフリカとアジアの三角貿易に興味が湧いて来て、下のような本を読んでみた。
本当は陳舜臣の『アヘン戦争』の正編を読みたいんだけど、「登場人物が多く、読み解くのが大変なのでダイジェスト版を読むといい」と中村とうよう先生がススメてくれた『実録アヘン戦争』と加藤祐三という横浜市大の教授が著した『イギリスとアジア』という新書。
その時代に中国との茶の悪徳貿易で大活躍したのが「東インド会社」だったのは学校で習った通り。
黄色い方はすごくオモシロかった…貼った付箋の数を見ればどれだけオモシロかったかをおわかり頂けるであろう。
とにかくヒデエ話よ。
「龍馬、龍馬」って騒いでいるけど、実は明治維新もイギリスだもんね…という説を私は採っている。
そうでなきゃ、皇居の隣の一等地にあんなクソデカい大使館なんか建てられないって。
0r4a0195_2ところで…マイク・オールドフィールドの『Tubular Bells』のA面の最後で使用楽器を発表するところがあるでしょ?
「エレクトリック・ギター」とか「マンドリン」とか…アレを読み上げている人がこのヴィヴィアン・スタンシャル。
Tb2それで、フト気が付いたんだけど、名盤の誉れ高いボンゾの『Gorilla』という作品に「Intro and the Outro」という曲が入っている。
4ビートでデューク・エリントンの「C Jam Blues」をパクッたような曲。
イントロの部分でニール・イネス他、バンドのメンバーと担当楽器を次から次へとジャンジャン紹介していく。
スタンシャルはトランペットで出て来る。
その他、ジョン・ウェインだのヒットラーだのカサノヴァだのやりたい放題。
カウント・ベイシー・オーケストラの担当楽器がトライアングルだとか、もうメチャクチャ!
その中にはトロンボーン担当としてヘンリー・ロウリンソンの名前も出てくる。
スゴイのはエリック・クラプトンがウクレレ担当で登場してジャンジャカ弾いてるのね。
これは実際にクラプトンが弾いたそう。
で、結局イントロの部分だけでフェイドアウトしてしまう。
だから「Intro and the Outro」。
で、このメンバー紹介のナレーションをしているのもヴィヴィアン・スタンシャル。
コレで「Tubular Bells」と「Intro and the Outro」の間に深い関係があることは間違いないことがわかった。
さぁ、ここで想像を膨らませたくなるのは、あの世紀の名曲「Tubular Bells」で楽器名を挙げていくアイデアは一体誰が出したのか…?
オールドフィールドはわざわざスタンシャルを雇ってボンゾのパロディをやったのだろうか?
でも、精神に異常をきたすほど打ち込んだ自作にそんなフザけたことをするだろうか?
真相はいかに?Bg 続いてはCheech & Chong(チーチ&チョン)の1973年の作品『Lod Cochinos』。
「Los Cochinos(ロス・コチノス)」とはスペイン語の「豚」の蔑称でアメリカでは「警官」を意味するらしい。
去年、外道の加納秀人さんと久しぶりにご一緒した時にこのチーチ&チョンの話になった。
私はチームの名前ぐらいしか知らないんだけど、秀人さんはアメリカでご覧になったことがあって、メチャクチャおもしろかったとおしゃっていた。
Img_0147このギミック・ジャケットは素晴らしい!
アイデアもデザインも秀逸!
ゆッる~い感覚がいいように伝わってくる。
Img_0149removebgpreviewJefferson Airplaneのポール・カントナーとグレイス・スリックの1971年のアルバム、『Sunfighter』。
JAの創始者のひとりマーティ・ベイリンに捧げられたアルバムでGrateful Dead、CSN、Tower of Powerのメンバーが参加している。
後にStarshipのリード・ギターとなるCraig Chaquicoが17歳の時に初めて合流したアルバムだそうだ。
『Dragon Fly』あたりのチャキーソって抜群にカッコいいと思ったけど、どうもこのJefferson系って昔から苦手なんだよな~。
写真の赤ちゃんは実際のふたりの愛娘Chinaちゃん。
アルバムにはグレイス作の「China」という曲も収録されている。
ちなみに「china」と頭文字を小文字にすると「瀬戸物」という意味ですからね。
同じように「japan」は「うるし」。
 
「陽が昇って新しい生命が生まれる」から「輪廻」みたいなメッセージを感じるジャケット・デザインだ。 
約20年前にサンフランシスコに行った時、現地の友人のアメリカ人が遠くの山の上の方に建っている家を指して「あれはグレイス・スリックの家なんだよ」と教えてくれたっけ。
グレイスはクスリか何かの前科があって「あと1回警察のお世話になることがあったら一発で刑務所送りなんだよ」なんてことを言っていたのを覚えている。
Img_0150The Doorsにこんなのあったなんて知らなかった…って、ドアーズは全くといっていいほど聴かないからムリもないか。
1972年の『Full Circle』というジム・モリソン亡き後2枚目のアルバム。
だから私が知っている「ドアーズ臭」は皆無…毒気も何にもないけど、曲がなかなかいいな。
このアルバムをリリースした6年後にレイ・マンザレク、ロビー・クリーガー、ジョン・デンスモアの3人がモリソンの詩の朗読テープにバッキング・トラックをダビングした『An American Player』というアルバムを発表してThe Doorsはその活動に終止符を打った。
 
これはまさに「輪廻転生」の図ですな?
ちょっと宗教的な雰囲気もしないではないが、絵柄としては実にステキ。
ダリっぽい?

Img_0151ジャケットを開いて切り抜くとルーレットみたいなゲームができるようになっている。
海に浮かぶ夕日を眺める3人の寂しそうな背中…「ジムよ、何でオレたちを残して死んじゃったんだよ~」みたいな?

Img_0152 
§ 1- b

Img_0024
「エエエエッ!まだやってたの?」なんて、思わずイキの長い活動歴に驚かされるバンドに時々出くわすけど、このThe Groundhogsはその最右翼だろう。
たったひとりのオリジナルメンバーであるギター/ボーカルズのトニー・マクフィーが1963年以来、現在までガンバっているというんだよね。
1963年と言えばMarshallが創業した翌年。
来年このバンドは還暦だよ。
イヤ、ストーンズみたいにやればやるほどウハウハ儲かるバンドならいいよ。
そうなりゃ反対に解散もしにくいってもんだ。
このThe Groundhogsはどうだ?
バンドの歴史を見ると、取り立ててヒット・アイテムがあるワケでなし、名前の知られたメンバーが在籍していたことは皆無だし、日本においてはほとんど知名度がないと言っても過言ではないだろう。
それなのに…辛抱&我慢の60年。
 
ところでこの1970年の『Thank Christ for the Bomb』というサード・アルバム、コレが実にいい。
それもそのハズ、リリース時には全英チャートで9位に食い込んだらしい。
とてもトリオ・バンドとは思えない音作り。
すごく曲が凝ってるんだよね。
やっぱりこういうロックはよろしいナ~。
あさま山荘よりも横井さんが出て来るよりも前のロック。
いい時代だったんだナ~。

このジャケット植草甚一さんが大好きだったという。
「日本人にこのセンスはわからないだろうな…」とおっしゃったとか。
わかっているかわかっていないかがわからないが、とりあえずカッコいい。

Img_0153ま、ニューヨークに行くとゴミの写真しか撮って来なかったという植草さんのセンスもたいがいどうかと思わなくもないが…。
植草さんは数多くの奇妙なコラージュ・アート作品を残している。0r4a0200_2 そして、ジャケットの左端で腰かけているのはベースのピーター・クルイックシック。
コレは第一次世界大戦の時に塹壕の中で撮影された写真をコラージュしたモノだそうだ。
何でこんなことをしたんだろう?
不思議。

Sgh_2この塹壕ってヤツね…ヒドかったらしいよ。
キューブリックの『突撃(Paths of Glory)』はこの塹壕での撮影がリアルで見事だったが、実際にこうした塹壕に長時間留まったことがある旧日本兵の手記を読むとホンモノはとてもあんなモノじゃなかったらしい。
何しろ狭い溝に兵隊さんが何百人も入ったきり何日も外へ出ることができない。
当然そんなところにトイレなんかあるワケがない。
でも、出るモノは場所を選ばない。
さりとてガマンもできない。
結果…塹壕の中はウンコだらけだったらしい。
 
この『突撃』のカーク・ダグラスはヨカッタ。
内容はコレもヒデエ話よ。

Pog 裏ジャケには「The End」。
このデザインは血とバラを暗喩しているらしい。
何かむしろヤケクソ感すら漂っている気がする。
それにしてもこのアルバム、ホントいいわ~。

Img_0155社会的なメッセージはないが、ジャケットが面白いという理由で展示されていたのがコレ。
アンドリュー・ロイド・ウェッバーがプロデュースした1978年の『Variations』というアルバム。
参加メンバーがスゴイ。
ジョン・ハイズマン、ドン・エイリー、ゲイリー・ムーア、ジョン・モール…要するにColloseum II。それにロッド・アージェント、バーバラ・トンプソン、ジュリアン・ロイド・ウエッバー (アンドリューの弟のチェロ奏者)が加わり、ゲストとしてフィル・コリンズが参加している。
指揮者としてロリン・マゼールがクレジットされているのがスゴイ!…ホンマかいな?

内容としてはパガニーニの『Caprice No.24(奇想曲)』をロック・テイストにアレンジした…なんだろうけど、どうも原曲に対応しているのは有名な24番だけのように聴こえるのは私だけであろうか?
7番なんかは7/4拍子でゲイリー・ムーアのギターが活躍してカッコいいんだけど、元は全然違う。
23番も同様なんだけど、こっちはまるでCurved Airの「Vivardi」みたいでヴァイオリンがカッコいい。
でも、その肝心のヴァイオリニストのクレジットが見当たらないのよ。
コレってもしかしてダリル・ウェイが弾いているのかな?

Img_0156…というのも、そのダリル・ウェイはアンドリューとジュリアン兄弟と同じ、ロイヤル・アルバート・ホールの裏にある「Royal College of Music(王立音楽大学)」のOBなんだよね。

160 一方、ロッド・アージェントはもちろん元ZombiesやArgentでおなじみのロッド・アージェント。
Argent時代には結構派手にそのキーボード・テクニックを披露した場面も多いが、それもそのハズ、この人、リック・ウェイクマンの後継者としてYesから加入の誘いを受けていたんだよね…ということはもう何回も書いた。
でも、上に名前が上がっている管楽器のバーブラ・トンプソンと組んだ『Ghosts』というアルバムは期待が大きかっただけに、聞き通すのになかなかの忍耐が必要だった。
バーブラも王立音楽大学でサキソフォンを学んだが、エリントンとコルトレーンの影響を受けて人生が変わってしまった。
そして、ジョン・ハイズマンが亡くなるまで奥さんだった。
Btraコレは最近知ったんだけど、ロッド・アージェントがデンマーク・ストリートで楽譜屋をやっていたという話。
下は結構以前に撮った写真なんだけど、「musicroom」という下にある「ARGEN〇S」という赤い看板。
「〇」には「T'」が入って「ARGENT'S」となる。
3年前に行った時には取り外されていたけど…。130 さて、ジャケット。
チェロやリュートみたいなヤツにピックアップが付いていたり、ビールの空き缶が転がったりしているけど、元は1733年にフィリップ・メルシェという画家が描いた油彩画。
この絵はロンドンの「ナショナル・ポートレイト・ギャラリー」に展示されいるらしいので今度訪れる機会があったら見て来ることにしよう。Npg_2 最後にパガニーニ。
この「カプリース」…24番だけやたらと有名だけど、今回この記事を書くに当たってひと通り全部聴いてみた。
コレがどの曲もすごくカッコいいんですわ。
24番だけってのはあまりにもモッタイない!
「アランフェス協奏曲」も第2楽章ばっかりが知られているけど、アレは第1楽章の方が断然楽しめる。
我々は…少なくとも私は、まだまだ「音楽を聴いている」ウチに入らんのよ。
 
ココから先は期せずしてつい先日掲載してしまったんだけど、せっかくのパガニーニなのでもう1回やっておくことにする。
それはロンドンのマリルボンにある王立音楽院(Royal Academy of Music)」の博物館にあるニコロ・パガニーニの肖像画。Img_0534パガニーニは超人的な演奏技巧…いわゆる「超絶」っていうヤツですな…を用いてこの「カプリース」のような数々の名曲を残したが、秘密主義者で、曲を盗まれても困らないように誰にもわからない暗号で楽譜を書いていたという。
そんな行為に加え、身体が弱く不健康なルックスから「悪魔に魂を売ってその才能を手に入れた」という噂が立っていた。
その証拠にある時、コンサートの演奏中に弦が切れてしまった。
連続してまた1本切れ、さらにまた1本切れ、とうとう最後の1本まで切れてしまった…しかし、パガニーニのヴァイオリンからは音が出続けていた…という。
ウッソだろ~。
ま、あんなに美しい音楽とは対照的にそれだけ神秘的な音楽家だったらしい。

Img_0582そこでこの肖像画をよく見てみると…Img_0582 ね、ヴァイオリンも弦が切れちゃってるの。
私はこの弦の話をかなり昔から知っていたので、この肖像画を目にした時は「やっぱり!」とうれしくなった。Img_0583この項の最後にアンドリュー・ロイド・ウェッバー。
コレももう何度も紹介してナ…『Jesus Christ Superstar』も『Evita』も『Cats』もいいけど、やっぱり私は『Sunset Boulevard』。
ブロードウェイでも観たし、CDを一体何回聴いたことか。
で今回、オリジナルのパガニーニの方の7番を聴いてドキっとした。
『Sunset Boulevard』の「序曲」にソックリなパートを発見したのだ!
ホンの一瞬なんだけど…やったな、サー・アンドリュー・ロイド・ウェッバー。

0r4a0206ドイツのロック・グループBirth Controlの1972年の作品『Hoodoo Man』。
このバンドも何度かの活動停止期間を経て現在も活動しているようだ。
野太い声のシンガーを擁した正統派ハードロック。
カッコいいな。
 
すごいイラスト…「Heinz Dofflein(ハインツ・ドフラインかな?)」という人の作品。
いまだにマニア向けのレコード屋に行くとレコードを立体展示していて見かけるイラスト。
コレ、ゲイトフォールドになっていて、広げると…

Hmこんな感じ。
スゲエ迫力。

Sbchd ダンナさん、ヘロヘロなのにまだネジ巻かれてら!
このバンドは他のアルバムのジャケットもいい感じ。

Hdn1965年のジュニア・ウェルズのデビュー・アルバムも『Hoodoo Man Blues』というが、この「hoodoo」というのは「縁起の悪い人」とか「不運」とか「疫病神」という意味。
コレで上のジャケットのイラストのストーリーがわかった。
 
このジュニア・ウェルズのアルバムの1曲目、「Snatch Back it and Hold it」という曲に「I ain't got a brand new bag」という一節が出て来ることに気がついたんだけど、コレはジェイムス・ブラウンの「Papa's Got a Brand New Bag」と何か関係があるのだろうか?
両方とも1965年に発表した自作曲。
当時流行っていたフレーズなのかな?…と思って調べてみたら、コレは「新しいカバン」を指すのではなく、「新しいモノ」という意味なのだそうだ。Hdmb1970年代のはじめ頃、『ソイレント・グリーン』とか『赤ちゃんよ永遠に(Zero Population Growth)』という人口増加問題をテーマにしたSF映画があった。
コレ、当時はたいてい2本立てでかかっていて、私は新小岩の西友の屋上にあった「第一劇場」で観たように記憶している。
「将来、映画みたいになったらコワイなぁ」なんて思ったものだ。
あの頃から50年。
実際はどう変化したのだろう?
日本は「少子高齢化」が大きな問題と化し、映画とは大きく乖離した状況となった。
コレはコレでこの国最大の危機であるワケ、この危険な状態をもたらした原因は100%「政府の無策無能」にあると私は思っているが、全世界的には発展途上国の人口増加が問題となっているワケだよね。
最近よく「代用肉」なんてモノがテレビで紹介されているけど、ゾッとする。
映画よりもっとイビツな形で問題が深刻化しているのでしょう。

『ソイレント・グリーン』の方は、人口爆発により地球上の資源が枯渇し、ほんの一部の特権階級とその他の貧民という激しい格差社会が舞台。
そこでは肉や野菜といった本物の食料品は宝石以上に稀少で高価なものになっている。
オイオイ、それじゃもはやSFじゃなくてほとんど「今」じゃん!
トドメを刺しましょうか?…ナントこの映画の舞台は2022年なのだ!
♪テッテレ~!
2sg
大きなショックを受けたところで次!
あ~、ひっさしぶりに持ってるヤツが出てきた!
Manfredman's Earth Bandの『The Roaring Silence』。Rsエ、チガウカ?
ウワ!耳からニョキッと指が出てる!
ナンダ~、ポール・バターフィールドの『Put It in Your Ear』。
「耳をかっぽじってよく聴きやがれ!」というメッセージか…。
1975年の作品。
なんってたってバック・ミュージシャンがスゴイ。
エリック・ゲイル、デヴィッド・サンボーン、セルダン・パウエル、ガース・ハドソン、チャック・レイニー、ジェイムス・ジェマーソン、ゴードン・エドワーズ、バーナード・パーディー等々なので、フト気が付くと歌よりも伴奏を聴いている盤。
それにしてもサンボーンってスゴイ。
一聴して彼ってわかるじゃん?
いつかジャズ評論家の大御所がこうおっしゃっていた「デヴィッド・サンボーンがあの音色とアーティキュレーションでちゃんとしたジャズを演っていたらそれは素晴らしいものになったと思う」って。
これを聞いて思い出したのがウチの父。
「桂小金治がちゃんと古典を演っていればナァ。小円遊が生きていればナァ」って。
2人とも実に古典落語向けの声だったからね。
サンボーンのサックスの音色を耳にするたびに小金治と小円遊の顔が浮かんでくる私なのです。
ちなみに小円遊は、吉村昭先生もヒイキにしていた日暮里の寿司屋にワザワザ電車に乗って足繁く食べに通っていたそうだ。
どうでもいいか?

Img_0159自らのバンド名を冠したマサチューセッツ出身のChameleon Churchの1968年のアルバム。
デビュー・アルバムにしてラスト・アルバム。
ジャケットは不気味だが中身はソフトなポップ・ロック。
アメリカのコメディアン、チェビー・チェイスが在籍していたそうだ。

Img_0160<つづく>
 

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 200

2022年2月16日 (水)

藤澤健至 Plays STUDIO

 
おかげさまでSTUDIOシリーズが発売後3年を経ていまだに好評だ。
10
今日は高梨康治さんとの数々のレコーディングやGRANRODEOのライブ等で活躍中の藤澤健至さんのご登場。
これまでにも幾度となくMarshall Blogにもご登場頂いている。
 
健至さんは、熱狂の高梨さんのライブでも…40真夏の富士急ハイランドでも…

50 GRANRODEOの東京体育館の大ステージでも…
いつもMarshallのJVM。60v そんな健至さんにSTUDIOシリーズを試奏して頂いた。
実はかなり前からご試奏のリクエストを頂戴していたのだが、超多忙な健至さんのこと、なかなかタイミングが合わずノビノビになっていた。
そこで今回は強引にお時間を作って頂き、某レコーディングの現場に押しかけて来たというワケ。
メタルからジャズまでこなし、歌心のあるテクニカルなフレーズを身上としている健至さんのギター。
この日をすごく楽しみにしていたのだ!
20試奏して頂いたのは例によってSTUDIO VINTAGEシリーズとSTUDIO CLASSICシリーズの2種。
キャビネットに搭載しているスピーカーはVINTAGEとCLASSICともに「Celestion V-Type」と共通なのでVINTAGEシリーズのキャビネットを兼用した。
インタビューは全て弾き終わってから感想をお聞きするスタイルを採った。
 
それでは早速…
70vMarshall Shige(以下「S」):まず…全部試して頂いていかがでしたが?
藤澤健至(以下「K」):予想以上にヨカッタです。
20Wと聞いていたので、音が小さかったり、コシが無かったりするのかな?…なんて思っていたんですが、音量もデカくてコシもあって、100Wと言ってもわからないじゃないか?という感じですね。
ワッテージが小さい分ゲインも上げられるし…。
S:普段はJVMをご愛用頂いていますが、ディストーション・サウンドを出す時は歪みのチャンネルを使って、外部の歪み系のエフェクターを足したりして…
K:…いません。
OD1とかOD2そのままの音です。
ま、ソロに関してはエフェクターをつなぐこともありますが…。
ボクはOD1の音が好きなんですが、OD1だけでイケちゃう場合は歪み系のペダルを使ったりすることはありません。
ボクの場合色んな現場があるので、使い方も仕事によってマチマチなんですが、OD2でゲインを絞って、歪み系のペダルをつないでミッドを調節して弾いたりすることもあります。
S:久しぶりにJVMの説明をしますが…コレ、発売された15年前はしょっちゅうやっていたんですよ…OD1はそれ以前のJCM2000系のサウンド、OD2は「今までMarshallになかったサウンド」と言う風に設計したんですね。
だから今さらですが、そういう使い方なんていうのはオモシロイかも知れませんよね。
K:ボクは前からそういう歪みの強いチャンネルのゲインを下げて使うのが好きなんです。
その方が低域がタイトになるんですね。
S:そんな時、ギターのボリュームは?結構イジる派?
K:「イジる派」なんですけど、ロックやメタルの時はズッとフルテンです。
1_jvm4
S:それではいよいよSTUDIOシリーズのお話を伺いましょう。
まずは1959の小さい版の「STUDIO VINTAGE」から….。80vpS:今日はリンクしてお使い頂きましたね。
K:ハイ。ボクは本家本元の1959を使ったことがないので比較はできないんですが、とにかくメチャクチャ反応が速くて、音量を上げても割れない…というか、イヤな感じが全くしてこない。
90K:音楽のジャンルがボクとは違いますけど…ブルースとか、ファンクとか、何ならジャズまでイケるみたいな。
ボリュームをコントロールして後はペダルでプッシュしてあげればメチャクチャいい音になるでしょうね。
110S:試したキャビネットは初めは2x12”のSV212、それから1x12”のSV112に替えた時、「オオ!」って叫んでいましたよね?

140p_2 K:アレはですね、2x12”の時は音が散って聞こえる感じ?…レンジが広いっていうのかな?
それが1x12に替えた途端、音がギュッとまとまって、痛いところが全部消えちゃった。
ボクの好みの音だったんです。
ボクからするとAC/DCとか懐かしのサウンド…ヘヴィメタル以前の音。

100S:これまで試して頂いた皆さんもあの1x12"のSV112を特にお気に召していらっしゃいましたよ。
今までにありそうでなかったサウンド?
すごく評判がいいんですよ!
K:やっぱり?

110_2S:コンボにSV20Cはいかがでした?「ウワ~!コンボの音がする!」って…。

150p K:はい、コンボの音ですよね。
S:コンボですからね。
160vK:ボクはコンボ・アンプにはなじみが薄いんですが、アレはアレで使い道があるな~と思いました。

180健ちゃんの弾くSTUDIOの音を聞きつけて高梨さんご登場。
「どんな感じ?」190高梨さんはステージではショルダー・キーボードを携えて健至さんとギンギンな演奏をされる。
レスリー・スピーカーのサウンドに芯のある音をつけ加えたいという考えがあって、ガッツのあるアンプを探していたというのだ。
200ということでSV20Cを鳴らしてみた。
Deep Purple炸裂!
『Classic Rock Jam』で冠さんがしきりに「タカナシ乳業!」とかけ声を上げていたのを思い出してしまった。
さすがにワッテージが小さいのでうまくいかなかったが、Marshallの100Wヘッドに大型のキャビネットをつなげば相当迫力のあるサウンドに仕上がりそう。
最近、「Marshallで鳴らしたい」というキーボード・プレイヤーの方にたて続けにお会いして実際に弾いて頂いたが、とてもいい感じの音だった。
Marshallは70年代にはしきりにオルガン用のアンプを作っていたのよ。210S:次に移りましょう。JCM800 2203の方…「STUDIO CLASSIC」シリーズ。
コチラも2x12”キャビの方から試して頂きましたが、一発でシックリきていたような感じでしたね?
220vpK:(即座に)きましたね~!
コレはもうずっと長い間頭の中に描いていたMarshallの音です。

0r4a0078K:歪みの感じも1959より現代寄りですし、も~とにかく文句のつけようがない!
他にナニも要らない感じです。

120S:しかし、そんなに2203系の音がお好みなら、そのまま2203を使えばいいのに…。
もちろんそこはワッテージの大小という問題があるんでしょうね。
他にこのSTUDIO CLASSICがシックリくるポイントって?147K:ワッテージが小さい分、音のまとまりがいいんだと思うんですよ。
S:まとまり?
K:ま、JVMを愛用していてナンですが…ワッテージの大きなアンプって、大きな音を出した時に出て来る耳に痛い部分とかがチョット苦手なんです。
その点コレはそれが和らぐ…というか、とにかく全体的にまとまっていてとても使いやすいですね。
ゲインをマックスにしてもメチャクチャは歪まない…でも、マックスにしている分サスティンはある。
そして、音がとてもクリア。
そんなところもスゴくいい感じでしたね。
145_2S:そしてキャビネット。
コチラの方は1x12”よりお2x122の方がシックリきたんですよね?
K:そう。こっちは2発の方がヨカッタ。
ナンなんでしょうね?…相性なのかな?
アレならペダルをうまく使ってメタルからブルース・ロックまでどんな音楽でもできると思います。
70年代や60年代のロックもバッチリでしょう。
S:70年代、60年代ネェ…私の世代ですね。
しかし、健至さんと私は19歳も年が離れていて、世の中の音楽もガンガン変わっているのにこうしてMarshallのサウンドの魅力でつながることができるというのはスゴイことですよね。
それが伝統というモノなんでしょうけど、やっぱり一番はサウンドに「個性」があるということなんだろうナァ。
220vK:ボクの初めてのMarshallはJCM800でした。
世代的にはハイゲインのアンプがドンドン出て来ていて、スタジオに入って2203を弾いたらゼンゼン歪まなくて驚きました。
でも今になってみるとそれがすごくいい音だったワケで…。
S:ハハハ、我々の世代は1959でその「歪まない!」を体験したんですよ!
K:アハハ!「世代の差」ですね~!「ゲインの差」って言うのかな?(2人爆笑)
やっぱり子供の頃は音が良かろうと悪かろうと、スタジオに入って大きな音を出すのが楽しかったワケですよ。
だから、とにかくアンプでガツンと弾いた方がもう単純に楽しいにキマっています。

Tu_2S:いいこと言うわ~。
今ではギターは買ってもアンプを買わない、つまりアンプでエレキギターを弾かない…なんてことがほぼ当たり前になっているようですが、そんなの気の毒だし、憐れに思いますね。
ロックの場合、チャンとしたアンプで大きな音を出して弾かないのは、半分ギターを弾いていないようなモノです。
また、その魅力を忘れた途端、世の中の流れがヒップホップに打って変わってしまった。
ロックは本来持っていたカッコいい部分を自ら切り捨ててしまったんじゃないかな?
K:なるほど…。
S:でも、Marshall以外のアンプも使われていたことはあるんでしょ?
K:他のアンプももちろんすごくいいんです。
でも、Marshallってスゴい「王道感」がありますよね。
マンガで言えば「主人公」。
ハンサムで主人公のライバルを演じる「脇役」が他のアンプってイメージがボクにはあるんですよ。
そういう脇役も魅力的なんですが、やっぱり後ろにいるのが主人公だと安心できるんです。
だから結局ボクはMarshallですね。
S:どうもありがとう。
そう。脇役や悪役が魅力的でない映画は全くオモシロクないですからね。
K:ハハハ!

250S:ところで、CLASSICのコンボ、SC20Cはいかがでした?
K:あ、コンボもすごくヨカッタ!
(ジッと音を聴いている高梨さん)

240S:健ちゃんが弾いているのを聞いていて、それこそ音がスゴくまとまっているな…と思いました。
K:ボクもそう思いました!
コレはスタックとコンボを使い分けたい感じですよね。
でもボクのスタイルとしてはやっぱりスタックですね。
ヘッド(SV20H)と2発キャビ(SC212)に歪み系のペダルを足してやればもう十分ですね。
230 S:最後に歪み系のペダルを足して弾いてもらいました。
K:はい。アレはどちらかというとTS系のペダルで、そんなに歪むタイプのモノではないんです。

290 S:とても弾きやすそうに見えましたが…
K:弾きやすいです。
特にメロディ関係がとても弾きやすい。
ピッキングのニュアンスがすごくキレイに出るんです。
0r4a0087S:ピッキングするたびに「キュイッキュイ」っていってましたね?
K:あの音が好きなんです。
e-ZUKAさんはナニを弾いてもキュイキュイ鳴るんですよ…弾き方なんでしょうね。
でもね、あの音を出そうとしても出ないアンプってあるんですよ!
特に歪みが深すぎるとダメなんです。
あの「キュイキュイ」ってピッキングのノイズですよね?
歪みを深くしすぎるとそのノイズが負けて聞こえなくなっちゃう。
ボクがあまりディストーション・ペダルを使わない理由はそれもあるんです。
S:ピッキングはギター・サウンドの最も大きな魅力のひとつですからね。
ギターは絶対「右手」です。
K:エディでもジミー・ペイジでもみんなキュイキュイいわせています。
ボクはあの音が大好きなので、メロディを弾く時もバッキングを弾く時も割と出すようにしています。
それに適しているこのアンプは最高に良いと思います。

190_2S:ライブ・ステージとかレコーディングでこのSTUDIOシリーズを「こう使ってみたい」…みたいなアイデアって何か頭に浮かびますか?
K:SC20HとSV212の組み合わせで十分ライブもできるし、あと足元をチョット考えればそれだけで十分でしょう。
イヤ、ロック系の音楽だったらSTUDIOだけでゼンゼンいけちゃいますね。
S:健ちゃんが関わっているような現場だとどうでしょう?
K:ウ~ン、やっぱり複数のチャンネルは欲しいですね…せめて2チャンネル(2人爆笑)。

TuS:できないんですよ~。それをやっちゃうと途端に音が変わっちゃう!
1チャンネル、ノー・マスター、ノー・ループという構造が一番いい音を出してくれる。
K:なるほど。
でもね、小さくて軽いワケですから現場に2台持って行けばいいんですよ。
それでナンの問題もない。
ただ、バンドの編成によってはキャビは4x12”の方がいい場合もあるかも知れませんね。
やっぱり背中からガツンと聞こえるというのがなくなっちゃうのはマズイ…そこだけですかね?
でも今のままで不満は全くありません!
S:他には?
K:JVMが出すハイゲインのサウンドと組み合わせて2台同時に鳴らすのもオモシロイかも知れませんね。

180_2S:ルックスはどうですか?
K:ロックは見た目が大事ですからね。一番Marshallのルックスがいいと思います。
S:ありがとうございます!よく言われます。
ジム・マーシャルのセンスです。
K:見た目といえば、今日は1960では試しませんでしたが…でもあのヘッドのサイズだからあのキャビネットがいいのか…。
K:見た目はそうでしょうね。
サウンド的には、以前Class5という5Wのモデルがあって、アレで1960を鳴らすとチョット物足りないというか、鳴らしきれない感じがしたんですが、このSTUDIOは1960でもイケるようです。
ま、音は1960の音になりますが…。
K:もうそれでナンの文句もありません…文句を探そうとしても何も思い当たりません!
S:若いのにいいこと言うな~。
K;いいでしょう~?(2人大爆笑)
(スタッフさん:もう若くもない!)
S::イヤイヤ、私より20も下ですから!

0r4a0132健至さんはまたこの後レコーディングの作業に戻って行った。
 
この日もロックからジャズまで実に味わい深いフレーズを並べてSTUDIOを鳴らしてくれた健至さん。
神経質にアンプをイジくり回すこともせず、一旦どんな音が出るのかを確認すると、自分のプレイの方でそのアンプの特徴的なところを引き出してくれたような印象を持った。
そして、その中で自分の個性を出していく。
ヴァーサタイルな仕事をこなしている人一流のテクニックを見たような気がした。
実現までにずいぶん長い時間がかかってしまったが、この日を待っていただけの甲斐があった楽しいひと時だった!

170vさて、健至さんの近況…相変わらずお忙しい!
 
数々のレコーディングをこなしている他、下は現在絶賛放送配信中のアニメ、「バキ/BAKI」シリーズの『範馬刃牙』の音楽も担当している。
 
詳しくはコチラ⇒『範馬刃牙』公式ウェブサイト
1_©板垣恵介(秋田書店)/範馬刃牙製作委員会

英題に『SON OF OGRE』とあるね。
この「ogre」というのは北ヨーロッパでは人の生肉を食らうきょぼうな怪物の種族で、日本で言うと「鬼」のイメージに相当するらしい。
英語読みでは「オーガ」。
Queenのセカンド・アルバムに「Ogre Battle(オーガ・バトル)」という曲があるが、アレ。
「昔々…」と年老いた男が話してくれる鬼退治の話。
だからあの曲は「ピーチ太郎」という邦題にするべきだったのだ。
でも、曲はヤケクソにカッコよかった。Q2また、下はMarshall Blogでもビデオの収録のようすやイベントをレポートした健至さんが参加している『THE LAST METAL』。
CDが先月出来した。310DVD他がついている初回限定盤と…

320通常盤。
 
『THE LAST METAL』のレポートはコチラ⇒THE LAST METALのMarshall

330 S:さて、健至さん、最後にひとことお願いします。
K:さっき言いました「いまだに頭の中にある昔のJCM800」より良い音です。
とにかくいいアンプだと思います!
S:どうもありがとうございました!
K:こちらこそありがとうございました!340 

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 200(一部敬称略 2022年1月 都内某スタジオにて撮影)






2022年2月10日 (木)

【ギター・ヒーローズ】ジミー・ペイジの巻

 
Marshall本家のウェブサイトの『ギター・ヒーローズ』というページにジミー・ペイジが登場した。
「お、コリャいいや!」と思ってロクに読みもせず翻訳作業を始めたのはいいんだけど…。
ゴメン…。
正直大したことが書いていなかった。
途中で作業を止めようかと思ったけど、折角なのでジミー・ペイジにまつわるイギリスの写真を交えて記事を膨らませてみた(青字のところね)。
よろしかったら読んでみてチョーダイ!
 

【Guitar Heroes】

Jimmy Page

リフの王様にしてロックの革命家であるジミー・ペイジは他の歴史的なギタリスト同様、音楽の発展に大きな足跡を残した。
一体何が彼をそうした唯一の存在たらしめたのであろうか?

2page 
History <歴史>
1944年、西ロンドン生まれ。
ジミー・ペイジはサリーのエプソムという所で思春期を過ごした。
一家が引っ越した家の裏に放り出してあったギターが彼の最初のギターでエルヴィス・プレスリーの「Baby Let's Play House 」に触発され、12歳の時にギターを弾き始めた。
ジミーは少しレッスンを受けたものの、ほとんどは友達との情報交換や自分の耳で演奏技術を磨いた。
 
サリー(日本語ではサーリーとも表記される)はイングランド南東部の人口120万人ほどの行政区画(County=訳語なし。州とか郡とか県のようなモノ)。
ココすごくて、エリック・クラプトンとジェフ・ベックの出身地なのね。
ジェフは今でもサリーに住んでいて仕事があるたびにロンドンに来るまで出て来るとかつてのジェフのギターテクが私に話してくれたことがあった。

Img_1101 ギターを始めたごく初期にジミーはスキッフルに強く影響された音楽を地元の屋外でよく演奏していた。
ジミーは同時に科学の勉強にも熱心で、学校を卒業してガンの治療法に関する生物学的な研究に取り組もうとしていた。
実際に研究アシスタントの仕事を求めて遠くの地まで面接に赴いたりもした。
しかし、15歳の時には音楽のキャリアを積むために学校を離れることを決心し、ニール・クリスャンとザ・クルセイダーズのツアーに参加。またいくつかのレコーディングに参加した。
 
この頃、ジミーは腺熱(身体の各所のリンパ節がはれて高熱を出す病気。咽頭が赤くなり、物を飲みこむ時に強い痛みを感じる)を罹患してしまい、ツアーから離脱してその治療に専念しなければならなくなってしまった。
彼はサーリーの芸術学校に復学し、好きな美術に専念したものの、18か月後には健康を取り戻し、セッション・ミュージシャンとして音楽の世界に戻っていった。
そうしてジミーは60年代初頭、ザ・フー、ザ・キンクス、ザ・ローリング・ストーンズ、シャーリー・バッシー他、沢山のレコーディングに参加した。

Rpjp 同じ時期、ペイジはエリック・クラプトンの後任としてザ・ヤードバーズ加入の誘いを受けていたが、それを断りジェフ・ベックを推薦した。
その後、ポール・サミュエル・スミスがグループを去った後、ジミーはジェフと同時期にヤードバーズに籍を置いた。
しかし、ジミーにとって最も大きな出来事はツアーの日程を残したまま、1968年、極めて不安定な状態でバンドを離れたことであった。
そして、そのツアー日程を消化するために「ザ・ニュー・ヤードバーズ」というバンドを結成し、ロパート・プラント、ジョン・ボーナム、ジョン・ポール・ジョーンズらを雇った。後のレッド・ツェッペリンである。
 
ロンドン最大の繁華街ウエスト・エンドにある中華街、「ジェラード・ストリート」に入ってすぐ左。
Rh1968年8月、この中華料理店の地下でレッド・ツェッペリンの最初のリハーサルが行われた。
1曲目は「ブギウギ列車夜行便」だったらしい。すなわちジミー・ペイジが在籍していたヤードバーズの「Train Kept a Rollin'」。
恐らくはマーシャルを持ち込んだのだろう。
Rh2一方、コチラはイングランド北部、ニューカッスルの複合商業ビル。
「Led Zeppelin」としてイギリス国内で最初にライブをした「The Mayfair Ballroom(メイフェア・ボールルーム)」がかつてココにあった。
末期のThe Yardbirdsの契約を消化するために1968年10月4日、レッド・ツェッペリンの4人がココのステージに立った。
そして、この晩からバンド名を「Led Zeppelin」に変えた。
セットリストはすでにツェッペリンのモノだったという。
これを見た人がニューカッスルに1,500人ほどいたいたワケだ…うらやましい。

Img_6864 ジミー・ペイジのコンセプトは初めから明解で、それは「ブルース、ハードなロック、アコースティック音楽を混合して重厚なコーラスを加えたモノ」を標榜した音楽だった。
ジミーが作る特徴的なリフは、レッド・ツェッペリンをロック史上最も人気のあったバンドのひとつに君臨させた要素のひとつで、度重なるレコ発ツアーを効果的に絡めて発売したアルバムの数はおおよそ3億枚にのぼった。
そうしてジョン・ボーナムの死去によりバンドが解散する1980年まで快進撃を続けた。
 
ロンドンでも有数の高級住宅地サウス・ケンジントンにある「タワー・ハウス」という住居。
以前の持ち主はイギリスを代表する俳優リチャード・ハリスで、バンドで成功したジミー・ペイジは1972年にデヴィッド・ボウイと競って350千ポンドで購入した。
今の貨幣価値だと3,910千ポンド、現在の為替だと630百万円程度か。Img_0538 その後ジミーは、多発性硬化症治療の研究開発、ノードフ=ロビンス音楽治療(精神的、身体的、または発達障害のある子供のための療法)、『Live Aid』、ブラジル子供基金(ブラジルの恵まれない子供たちを救援するためのイギリスの慈善機関)といったチャリティ目的や個人的な機会で主に演奏を続けている。
 
 
Playing Style <演奏スタイル>
「Black Dog」、「Whole Lotta Love」、「Heartbreaker」等々、ジミー・ペイジは優れたリフの創作者として知られているが、彼の付くリフの多くはマイナー・ペンタトニックに基づいて作られている。
コレに彼が初期に影響を受けたスキッフルやブギのタイム感をミックスしているのだ。
 
また、ペイジはオルタネイト・チューニングのエキスパートでもある。「Moby Dick」のドロップD、「Kashmir」のDADGADなどの他にオープンGやオープンAを好んで使用した。


また「In My Time of Dying」ではスライドを効果的に取り入れた。
さらにステージではヴァイオリンやチェロの弓を使用したことはつとに有名だ。2bow ジミー・ペイジはスリー・ピースのバンド・サウンドを厚くするためにストリング・ベンダーも採用し、結果重厚なリズム・フィーリングを強調した。
カントリー以外では滅多に使われていなかったナット・ビハインド・ベンディングをソロやリフの中で使用した。
 
Gear Used <使用機材>
ジミー・ペイジの最初のギターは「Futurama Grazioso(フューチュラマ・グラオーソ)」で、その後さまざまなギターを手にして来た。
しかし、最も活躍したのは何と言ってもジョー・ウォルシュから入手した有名な'59年製ギブソン・レスポールで、レッド・ツェッペリンのほとんどのレコーディングやライブ・ステージで使用された。
  
ツェッペリンは1975年5月23~25日にかけて1万7千人収容の「Ear's Court Exhibition Centre(アールズ・コート・エキシビジョン・センター)」でバンド史上に残る大コンサートを開催した。
そこでも'59年のレスポールが大活躍した。

コレは「Victoria & Albert Museum(ヴィクトリア&アルバート博物館)」に展示されているその告知ポスター。

Img_2231コレがそのアールズ・コート。
写真は2009年に私が撮ったモノ。
Pink FloydもSladeもココで大コンサートを開催したが、ツェッペリンは上記の3回の他に17&18日に追加公演を設け、その時点でイギリス史上最大のショウを開催したバンドになった。
Img_0199_2二ューカッスル ⇒ キングス・クロス駅
マンチェスター/グラスゴー/バーミンガム/リバプール ⇒ ユーストン駅
カーディフ&スウォンジー/ブリストル ⇒ パディントン駅
ボーンマス/ブライトン ⇒ ウォータルー駅…後は地下鉄でアールズ・コートへ来てね!
 
何しろ「このコンサートを観よう!」とロンドン以外のイギリスの主要都市から臨時列車を走らせたというのだからスゴイ。
50年前の話ですよ。Img_2230ご丁寧に列車の時刻表まで告知している。
こうしてレッド・ツェッペリンは5回のショウで8万7千人を動員したという。
50年前の話ですからね!
Img_2234 そのアールズ・コート。
2年半前のようす。
あ~あ、無残にもこんなことになってしまった。
ツェッペリンもスレイドも幻と化した。
Img_9916_2
更地。

メッチャ広い。
住宅地になると聞いた。Img_9919_2 加えて「ジミー・ペイジのギター」と聞いて即座に頭に浮かぶのは、やはり'59年製のフェンダー・テレキャスターであろう。
ペイジ自らがボディに竜のペインティングを施したその名も「the Dragon」と呼ばれる1本だ。
このギターはヤードバーズ時代やツェッペリンのファースト・アルバムのレコーディングで使用された。
そして、忘れてはならないのがダブル・ネックのギブソンEDS-1275だ。

ロンドンの中心からチョット西の「ラドブローク・グローブ」というところにある「Sarm West Studio(サーム・ウエスト・スタジオ)」。
ココで「Black Dog」と「Stairway to Heaven」のレコーディングが行われた。
もちろんあのダブルネックもココに持ち込まれたワケだ。Img_0472アンプは、ライブ・ステージでは基本的にMarshall JMP Super Leadを使用していた。
一方セッション・ミュージシャンとして参加したスタジオ・ワークにおいてはサウンドの自由度を図り、信頼を置くMarshallの他にVOX、フェンダー、オレンジ、スープロ、ハイワット等の様々な機材を使用した。
エフェクターも様々で、「Sola Sound Pro MKII」、Tone Benderのファズ、MXRの「Phase 90」、 ダンロップの「Cry Baby」、マエストロの「Echoplex」等を愛用した。
 
私は2010年にロンドンで開催した『High Voltage』の時に楽屋村で一度だけジミー・ペイジをお見かけしたが、終始ニコニコしてとても感じのよさそうな方だった。
 
オリジナルの記事はコチラ⇒Marshall.com/Live for Music/Guitar Heroes

1_mc

 

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2022年2月 9日 (水)

D_Drive~14号線で家へ帰ろう <後編>

 
換気タイム終了。
本八幡の新鮮な空気をタップリと取り込んだところでD_Driveの2年ぶりの「Route Fourteen」でのステージの第2部が始まった。
 
♪E-B-Bb-Gb…Seijiさんが奏でるルパートのアルペジオ。
コレはG7/Bとでも言うのかな?
BとBbのクロマチックにEとGbのトライトーンをくっつけた不気味な音列。
そこからディレイ・トリックを使ってインテンポに。10v_2 ChiikoちゃんとToshiくんのヘヴィなリズム隊が律動する…

20vヘヴィなワルツ。30vそこへYukiちゃんがメロディを放り込んでいく。
40v第2部のオープニング曲は「Peach Fizz」だった。
そして、すかさず「unaway Boy」。50_b私の思い出のD_Driveナンバー…だということは何度も書いているのでもう書かない…って、書いてる。
ストレートなエイト・ビートが相変わらず爽快だ。60これら「Peach Fizz」と「Runaway Boy」をココで引っ張り出したのにはワケがある…でもその理由はココには書かない。70v「この『Runaway Boy』は13年前になるんでしょうかね?
ファーストアルバムに入ってるんですよ。
Marshall Recordsからデビューするよりも前の最初の本当にD_Driveが初めて出来たアルバムです。
次はSeijiさん作曲の『U_Me』という曲です。
『U_Me』と書いて『ユーミー』と読む。
『梅』の曲ということですけど…」
80v「季節感があんまり感じないですよね、梅は…『桜は4月』みたいな感じがありますけど。
桜って言うたら、だいたい桜の花を皆さん思い浮かぶと思うんですけど、梅って言うたら、さまざまやなぁ~と思いません?…パット思う浮かぶものが。
でも、この『U_Me』という曲を知った以上、梅と言えば『U_Me』や!って思って欲しいですね~。次のアルバムとかに入ったらいいナァ~っていう。
そうすれば、みなさんにしっかり覚えてもらえるかなと思います。
U-M-E…"ウメ"って読んだらダメですよ!"ユーミ―"っていうタイトルです!」

90vSeijiさん、それは違う。
「梅」は初春を表し、「早梅」とか「寒梅」となると「晩冬」を表現する俳句ではとても重要な季語。
すなわち季節感満点の言葉なんです。
 
新潟の亀田郷というところは江戸時代からの梅の名産地で、そこで育てられる「藤五郎」という梅は越後の猛烈な寒さに耐え、初春の雪の残る中で美しく可憐な花を咲かせるそうだ。
この梅の花の美しさから名付けられたのが、淡麗辛口で人気のある新潟の銘酒『越乃寒梅』。
つまり、梅の花は厳しい冬の終わりを告げる重要な季節の知らせなんだね。

Kk 
ちなみにこの「亀田郷」というのはあの「ハッピーターン」でおなじみの「亀田製菓」の「亀田」ね。

Ht  
そして、新潟の「亀田」で思い出すのが島根の「亀嵩(かめだか)」。
そう、『砂の器』に出て来るトリックのひとつね。
名脚本家、橋本忍の代表作のひとつでもあり、日本映画史に残る感動作…と言われているけど、私はどこでどう感動していいのかわからない。
映画を2回観て、原作も読んだけど…いまだにサッパリわからない。
丹波哲郎はナニを言っているのかよくわからないし、加藤嘉の配役にリアリティが感じられなくて…。
全編を流れるピアノ協奏曲も絶賛されているけど、辛気臭いメロディが劇中でひっきりなしに流れて来るのがてツライ。Su でも、サウンドトラック盤がウチレコード棚に入っているのはナゼか?
知らん。Sb今日の脱線はすごく気持ちがいいな。
 
それと「梅」といえば有名な江戸端唄(はうた)がある。
端唄というのは「長唄」の対極で、短い歌謡の総称。
 
「♪梅は咲いたか 桜はまだかいな」
 
やはりココでも桜より先に春の訪れを告げる重要な樹木だったことがわかる。
昔の冬は寒かっただろうからね~。
春が来るのが本当に待ち遠しかったのだろう。
でも、これは同じ日本でも北の地方や寒さが厳しい山岳都市には当てはまらない。
梅と桜が一変に咲いてしまうから。
そうした地方では今でも梅と桜の花が区別できない人が多いと聞く。
長野なんかは梅と桜にアンズが一斉に咲くので尚ややこしい。
でもアンズの花って桜に似ていてとてもキレイでね。
しかも桜とは異なり、幹の背が低いので目と花の距離が短く、見ていて美しいことこの上なし。

1_2az_2 「シゲさん、今日はとてもいい脱線でしたね。
では、いってみましょうか。『U_Me』と『Champagne』を聞いてください」

100vSeijiさんが作った新しい曲「U_Me」。110_um和旋法を使ったワルツ。
言い方はウマくないが、チャンとレコーディングした状態の音で早く聴いてみたい。
多分、また新しい発見があると思う。120vコレは思わぬ伏兵。
2か所、フィンガーストレッチの加減でYukiちゃんがガバッとギターを立てる。
この仕草がすごくカッコいいのだ!
ま、演っているご本人は大変だと思いますが…。
130v
ところで、私も50年近くロックやジャズを聴いて来たでしょう。
もう最近はさすがに飽きちゃって、プライベートでは長唄とか浪曲、たまに民謡なんかを聴いているんですよ。
特に浪曲がオモシロい。
下は長唄のレコード。
ま、ブックオフで安く買って来るんだけどね。
コレがジッと聴いていると実にいいんですよ。
「U_Me」もそんな味わい深い曲に育っていくことだろう。0r4a0611そして、今日も「Champahne」を取り上げた。150_cgn単独公演のような持ち時間がタップリある時にしか演らない曲ではあるが、さすがに長いことお付き合いをさせて頂いているだけに何度も耳にはして来た。
しかし!
恥ずかしながら今回初めて気がついた。
それは…あの印象的な「♪タラリラ~ン………タラリラ~ン」と同じメロディを繰り返すところ。

160_2 コレ、ギターの2人がコール&レスポンスで弾いているのかと思っていたら、ディレイ・トリック…すなわちロング・ディレイをかけて「ひとりコール&レスポンス」を演じていたのね?
知らなかった~。
となると、よほどリズムを正確に出してやらないとディレイ音のタイミングが合ってこない。170そこはこの優秀なリズム隊が付いてるからこそできるワザ。
D_Driveは打ち込みなしの「純人力」。
メトロノームでテンポ確認すらしない。
どうなってんだ?
150vだから以前、「Begin Again」の音源を使ったビデオを編集した時にも驚いたことがあった。
大坂で開催した『10周年記念のライブ』と『Marshall GALA2』のビデオを合体させたモノにオフィシャル音源を被せたことがあるんだけど、曲が2/3ぐらいまで進行するまで3つのマテリアルがほぼ完璧にシンクロしていたんですよ。
一切走ったり、モタったり、リズムがヨレたりしない。
スゴイ演奏能力だと思うのですよ。180v「Begin Again」は今日はもう第1部で演っちゃったけど、そのビデオだけ紹介しておきましょう。
久しぶりに観たけど、カッコいいな…私の編集が。
だって、映画『ウッドストック』のマネをしたんだもん!
Marshall Recordsの親分のスティーヴ・タネットはこのビデオを観て一発で「Woodstock!」って言って来たヨ。
ちなみにあの映画の編集を担当したのはマーチン・スコセッシなんだぜ!


♪ドンドコドンドコドンドコドコドコ…
そんなリズム隊をバックに繰り広げられるアドリブ・ソロ合戦。
まずはSeijiさん、どうぞ~。
♪ドンドコドンドコドンドコドコドコ…
Img_9936♪ドンドコドンドコドンドコドコドコ…
手を叩いて応援するYukiちゃん。
♪ドンドコドンドコドンドコドコドコ…
190v♪ドンドコドンドコドンドコドコドコ…
バッキングご苦労さまです!
♪ドンドコドンドコドンドコドコドコ…
240♪ドンドコドンドコドンドコドコドコ…

Img_9699 ♪ドンドコドンドコドンドコドコドコ…
Seijiさん終わりました~!
ハイ、Yukiちゃんどうぞ~!
♪ドンドコドンドコドンドコドコドコ…
220♪ドンドコドンドコドンドコドコドコ…
D_Driveのライブって歌詞がないのに何度観ても飽きないでしょ?
私が思うにその理由のひとつはココにあると思っているのです。
つまり、アドリブ・ソロが極端に少ないんですよ。
いうなればクラシックみたいなモノ。
延々とペンタトニックを往ったり来たりとか、無用な速弾き自慢はもういい加減飽きたでしょう?
そんなD_Driveのレパートリーで派手にアドリブ合戦を見せるのはこの曲だけなんだよね。
それだけに魅力的に聞こえるんですよ。
♪ドンドコドンドコドンドコドコドコ…

230v「ありがとうございます!」
♪ドンドコドンドコドンドコドコドコ…あ、もう終わったのか。
Img_0319「私たち最近、まだ音源になっていない曲、例えばさっきの『U_Me]』ですとか、『Wings』ですとか演っていますが、今、新曲を色々と作っております。
まだ皆さんにお披露目していない曲もあって、スタジオでアレンジを進めている曲が4つほどあるんですよ。
また次のアルバムを今年中に期待して欲しいなと思っております。
そんなこと言って来年になってしまったらどうしましょう!」
Img_9869「ホントに…デへへ…今けっこう色々とスタジオでアレンジを進めているところなんですよ。
ですから『U_Me』や『Wings』のようなD_Driveに今までなかったような曲にも取り組んでいます。活動を始めてから13年経ってるワケですので、D_Driveのカラーというものを残しつつ色々なことにチャレンジしていきたいと思っております。
ねっ、トシユキ兄さん?ウフフ…」Img_0312 「シングルは出してますけど、Toshiくんが入ってからのオリジナル・アルバムって次が初めてじゃないですか。
『Maximum Impact』は昔のデータに改めてToshiくんのベーを乗せたという感じでしたから」
「もう、多種多様な曲を多種多様に弾けるように頑張っています」とToshiくん。
なんかヤケに新しいアルバムに関するっぽいことばっかりしゃべってるな…ナニか変なコトをたくらんでいるんじゃないだろうな…。260ココから3人で曲作りについてのトーク。
「曲を作った人は自分が作ったフレーズなんで当然弾けるっていうか、マァ、弾きやすいワケですね。
でもそうでない場合、つまり人が作った曲は指使いが自分にないモノでしょ?
ですからトンデモナイ運指になるんですよ。
弾くのがとてもムズカシイ。
それでボクはYukiちゃんにかな~りイジメられてます!」
290v「イヤイヤ、私がSeijiさんにイジメられているんですよ~。
大体、Seijiさんが作った曲は私がハモリのパートを弾いてるんです。
反対に私が作った曲はSeijiさんがハモリを弾いてる」
結局お互いに自分の頭の中にないメロディを弾かなければならないので、それを指に覚えさせるのが大変だ…というワケ。
270こういう話はジャズのビッグバンドにもあって、トランペットでもサックスでも「3番」のパートはハーモニーを担当していることが多く、アレンジによってはメインのメロディとはかけ離れたキテレツなフレーズを吹かなくてはならない。
そんなヘンテコリンなフレーズなどとても覚えることができないので、常に譜面をガン見して吹かねばならないから大変なのよ。
譜面に強い人じゃないととてもじゃないが務まらない。
下は私が大学の時に所属していた大学のオーケストラなんだけど、ウディ・ハーマンというオーケストラのレパートリーでジョン・コルトレーンの「Lazy Bird」という曲に取り組んだ時のこと。
その曲はコルトレーンが残した超絶ソロを5本のサックスが演奏する(こういうのをソリという)のがハイライトで、ただでさえ複雑極まりないコルトレーンが吹いたソロ。
それに付けられる3番アルトが吹くハーモニーと来れば、それは想像を絶するヘンテコリンなメロディなワケ。
誰かがそれが異常にオモシロイことを発見して、練習の休み時間に3番アルトのヤツにソロで吹いてもらったことがあった。
それはあたかも朝鮮当たりの民謡のような旋律で、もうそこにいた部員は全員ヒックリ返って大笑いしましたとサ。
いい音楽ってこうやってできてるんですよ。
SeijiさんとYukiちゃんの話を聞いていてそんなことを思い出した。
2bs「『Wings』なんかはベース・ソロのところに『インコっぽく』とか書いてあるんですよ!
言っていることはわかるので、少しインコの勉強をしました!」
250「そういうワケでスタジオでガンバってるんですよ。
そちらの方も楽しみにしていてください。
続きまして、もう今日の最後のセクションです。
早いですね~!今日も」
D_Driveはインストのバンドで歌がないにもかかわらず、観ていて飽きませんか?というYukiちゃんの問いにお客さんから「それどころかライブが短く感じる」…といううれしい反応があった。
それに対して…280v「ちがう、ちがう!歌はある…。
歌詞が無いの!」
…とすかさずSeijiさん。
「ウチはボーカルズがいないんですよ。
だからって言うのもナンなんですけど、こういう時代でも違和感なくできている…というか、シンガーがいたら、すごく演りにくいと思うんですよね。
シャウトしてお客さんをノラせてナンボ…みたいなとこあると思うんですけど、ウチの場合はそのヴォーカルがいない。
スタンディング・ライブも昔からズッとやって来ましたけど、敢えて椅子席にして聞いて頂くというスタイルもコロナの前からしょっ中やってたんですよ。
だから今、こういうスタイルであんまり違和感無く演らせてもらっているわけです。
だからこの先もよほどでない限り大丈夫かなっと思っています」
「歌詞はないけど歌はある」…コレはSeijiさんがD_Driveを始めた時から掲げていたスローガン。
まさにそういう音楽を追求して来たと思う。

Img_0125_2 この後、Chiikoちゃんからいつも通り物販の紹介。
300v今回は1月ということで恒例の「福DVD」を大プッシュ!

310そして、今回は人の写真で構成したカレンダーも発売した。320Yukiちゃんからは今後のライブのスケジュールの紹介。
そして本編最後の3曲に取り掛かった。330v目も覚めるようなドラム・フィルをイッパ~ツ!340v_gkYukいちゃん作の「GEKIRIN-逆鱗-」だ~!
ココからギター持ち替え。350地を這う低音!360vYukちゃんならではのヘヴィ・チューン。
「進撃の巨人」もよろこんでいるハズ。370vそして、ココのところ頻出の「1,000,000hp」が続く。
さ~、第2部のクライマックスだよ~。380_hp 今日も全速で突っ走れ!390v

400v

410v

420v「ギター勝て!ベース勝て!ドラムス勝て!」の音楽の徒競走!430今日もスカっと走り切った!

440そして本編を締めくくったのはおなじみ「Screw Driver」。

450_sd2年2ヶ月ぶりのホーム・グラウンドでの演奏をD_Driveのメンバーたちも楽しんだようだった。

455アンコール。
まずはYukiちゃんからひとこと。
「私たちですね…本来であれば明後日からNAMMショウでロサンゼルスに行く予定をしていたんですよ。
でもNAMM自体が6月に延期になってしまいまして、飛行機のチケットはキャンセルして頂きました。
今回はですね、2022年はMarshallの60周年記念ということで、大きな特設ステージで演奏するかも知れなかったんです。
それが…。
コロナのせいでまだまだ海外には行けそうにないんですが、またいつか海外へ、アメリカやイギリスや中国へ行ける日が早く来ればいいなと思っております」
Img_0451「海外に行けなくなってる状態っていうのが、悲しいというか、切ないといいますか…。
D_Driveはコロナになる前の2019年には上海に行って、2020年の1月にはNAMMに行って演奏して来たんですけど、実はその後も色々と海外に行く予定が決まってたんですよ!
ずいぶん前から飛行機のチケットも取って頂いていて楽しみにしていたんですけど、コロナ禍ということで全部キャンセルになってしまったんです!」
470「すごい悲しいんですけど、今日は皆さんと一緒にこうしてライブができて、本当に楽しいなと思ってます。
でもまた海外へも行けるようになったら、私たちも気をつけながら精力的に頑張っていこうと思っていますので引き続きD_Driveの活動に注目して頂けたらなと思います。
よろしくお願いします!
今日は本当に長時間、ありがとうございました!」460vSeijiさんのハーモニクスを使ったリフがカッコいい「Breakout」。
このタイトルはワンワードで「Breakout」と記します。475お客さんをアオるYukiちゃんとToshiくん。
ホーム感タップリよ!476そして、これまたヘヴィにシャープにD_Drive節を炸裂させた。480またこの4人とココで『居酒屋でぃ~どらいぶ』ができる日が早く来るといいね!

490v

500v

510v

520vこの曲ね、ギター・ソリのパートを締めくくる1小節のフレーズがスゴイのよ。
よくこんなこと思いついたナ…とそのフレーズに気が付いた時には感心してしまった。
音源になった暁には注目!
 
コレにてドライブ完了!530さて、今日のD_Driveのお供を務めたのはいつも通り…
 
SeijiさんのMarshallはJVM410Hと1960B。560vYukiちゃんはJVM410Hと1960Aのハーフ・スタック。

570vToshiくんはWT-800ヘッドにD410XSTとD210XSTキャビネットを組み合わせたいわゆる「ワン・ハーフ」のスタック。580vChiikoちゃんのNATALは今回はシングル・バス・ドラム仕様。

590「皆さん、今日も本当にありがとうございました!
またお会いしましょう。D_Driveでした」
535さて、今週末のD_Driveは厚木と新横浜だよ。
関東は明日から「警報発令レベル」の大雪らしいぞよ!
「D_Drive行くところ試練あり」はいつものことだけど、気をつけて来てくださいよ~!
 
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Website550


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 200(一部敬称略 2022年1月 16日 本八幡Route Fourteenにて撮影)



2022年2月 7日 (月)

D_Drive~14号線で家へ帰ろう <前編>

 
今日はイギリスのレコード・レーベルの契約アーティストに関する記事なので、冒頭イギリスのことについて少々書かせて頂く。
というのは、今朝のニュースでエリザベス女王が、バカ息子チャールズの奥さんであるカミラ・パーカー・ボウルズ(チャールズと結婚したので今となっては「カミラ・コーンウォール公爵夫人」)を「王妃として認める」という発言があったという報道を目にしたからだ。
正確に言うとカミラに「Queen Consort」という称号を与えるということ。
この「Queen Consort(クイーン・コンソート)」というのは、「統治しているその国の王様の妻」ということで、自分が死んでチャールズが王位に就いた時には「王妃」になってもよろしい…ということ。
呼び名は「Queen Camilla(クイーン・カミラ)」となる。
だからチャールズが国王に即位した時はQueenファンも心を入れ換えなければならない…そんなこたぁないか。 
コレはどうも今年の女王の在位70周年を迎え、また、王配であり最愛の夫であったフィリップ・エジンバラ公を昨春失い、ご自身も96歳の超高齢に達した末の終活宣言のひとつなのであろう。

 こういう考え方は我々日本人にはなじみが薄いが、チャールズとカミラの不倫は、ダイアナ妃との結婚における神への誓いの直後に始まったとされ、そうなるとチャールズが戴冠する時の誓いも信用できない…とみなし、イギリスの宗教界からも大変に評判が悪かったという。
というのも、イギリスの君主になるということは、同時に同国の宗教的な最高権威を誇る「イギリス国教会首長」に就任することを意味するため、チャラ男じゃ困っちゃうワケ。
イギリス・プロテスタントの「ローマ法王」みたいなモノだからね。

Cc 現にエリザベス女王は「ダイアナとの結婚に失敗したチャールズは王位継承を受け容れない恐れがあるので孫のウイリアムに王位を継がせたい」とかつての総理大臣メージャーに言っていたという。
女王はカミラのことが大キライだっていうから。
「カミラと結婚するようなバカ息子を王様にするワケにはいかないわよ」というのが本音だったのだろう。
ところが人間年を取ると丸くなるもの。
余生がわずかとなると何でも許して身を軽くして死んでいきたくなっちゃうんだろうね。
よくわかる。
私が多い時で月に40枚以上買っていたCDを一切買わなくなったのと似てる…ウソこけ!
 
Ec今回のカミラに関する報道は「晴れてチャールズに王位を継がせてもよい」という意思を表明したことにもなるワケなのね、多分。
もっともイギリスは2013年に「絶対長子優先制」という、「お家を継ぐのは何が何でも長男か長女」という王位継承に関する法律を施行させたこともあるのかも知れない。
いくらセガレの嫁さんが気に入らなくても、家督相続を一世代スキップさせて孫に譲るなんてことが国の法律で出来なくなったのだから。
チャールズも今年74歳だって。
私はマジでウィリアムが王位を継承するのかと思っていましたよ。
ちなみにカミラは前のダンナの時もチャールズと二股かけていたんだゼ。
しかし、ウィリアム王子もイヤだろうな。
カミラはお母さんを亡くすことになった遠因となった女性だからね。
ヘンリーのことは別にどうでもいいけど、ウィリアムのアタマを見ているとどうもアカの他人のような気がしないのよ。
あ~あ、ロイヤル・ファミリー入りてぇナァ~。Queenelizabethiicatherineduchessofc さて、2022年の今年は女王在位70周年の他、Marshall創業60周年、私が還暦…という年に当たる。
Marshallと私は「Diamond Jubilee」。
女王は「Platinum Jubilee」ね。
60周年の時に引き続き、今年の6月にはその「プラチナ周年記念」を盛大にお祝いするらしい。
一体、コロナどうするつもりなんだろう?
在位60周年の式典の時、私はちょうどロンドンにいてその雰囲気を味わった。
雨ばっかりで寒かったわ~。
でも、ロンドンじゅうがユニオンジャックづくしのお祝いモードでオモシロかった。
Img_7348この時からもう10年経ったなんて全く信じられん!
コロナさえなければまた行くことができたかも知れなかったのにナァ。
Img_7643ところで、チャールズがイギリス君主になって、ウィリアムがそれを継いで、その後ジョージが王位を継承するとなると、しばらくの間はずっと「King」の時代が続くことになるね。
するとイギリス国歌がジョージ6世の時以来の「God Save the King」に戻る。
ヘンな感じ。
Sex Pistolsのあの同盟曲もインパクトが薄まってしまうネェ。
歌詞の中に何回か「Queen」という言葉が使われているので、印刷物は全て刷り直しとなる。
印刷屋ウハウハだ。
「King」が続いて後年、ジョージが王位に就くころには「ナンでQueenなんてバンド名にしちゃったんだろう?」なんて不思議に思う世代が出て来るかも知れないね。
一方ではイギリスでの君主制を支持する人々も年々低下しているんだってね。
昨年の調査では国民の61%の支持率を保っているものの、18~24歳の若者の間では31%しか支持者がいないらしい。
もし、将来イギリスが共和制になったら国名はどうなるんだろう?
「グレートブリテン及び北アイルランド共和国」か…シックリこないな…。

Img_7687 一方、問答無用でシックリきていたのはコチラ…。
D_Driveの東京首都圏のホームのひとつともいえる「Route Fourteen」でのライブ。
前回ココのステージに立ったのがいつのことだったか調べてみると…2019年の11月20日。
そうだ、この日は私の誕生日だったので、MCで何がしか触れてくれると期待していたら全く何にもなくて、D_Driveの冷淡さにガッカリしんだった…ウソです、ウソです!
ま、そんなことはどうでもよくて、今回はこの時から2年2ヶ月ぶりの「Route Fourteen」だったのよ。
その時にはお店も35周年といういことで、Marshall Blogの記事からお祝いのメッセージをお送りしたのでした。
まさかその時はコロナなんてモノが出て来るなんて夢にも思わっていなかったワケよ。
 
そんな久しぶりの「Route Fourteen」…オープニングにナニを持って来るのかと思っていたら「Advance and Attack」だった。10ノッケからToshiくんと…20vChiikoちゃんのヘヴィなリズムが炸裂!30v続けてSeijiさんが奏でるギター・リフから「Attraction 4D」。40v今日もYukiちゃんとのギター・ハーモニーが心地よい。50v2年2ヶ月ぶりの本八幡、滑り出しはバッチリ!
ホーム感を噛みしめての演奏だ。
60「みなさん、こんばんは、D_Driveです!
久しぶりに本八幡ROUTE14にD_Driveが帰って参りました!」
90「実際にお客さんを迎えてのコチラでのライブは、コロナ禍になって初めてのことです。
コロナ禍になってから『無観客ライブの配信』を3日間連続で開かせて頂いたんですけど、こうして、やっとお客さんとお会いすることができました。
今日の夜中、津波警報とか注意報が出て、どうなるかと思いましたよ!
ご来場ありがとうございます!
今日も途中に10分間ほど休憩タイムを挟んで2部制でお送りします。
中間の換気タイムでは皆さんご協力をよろしくお願いします。
今日も『Maximum Impact』の中の曲も演りますし、シングルも演りますし、音源になってない曲も演りますし。色々盛りだくさんでいこうかなと思ってます」
70v「この1月でもう13年目ですよ!だから色んな曲もありますよね~!」
グワっ!あの10周年からもう3年経ったのか…あの十三の「うどんばか」のうどんは本当においしかった。
その時のレポートはコチラ⇒D_Drive 10th Anniversary Live!<前編>

80vYukiちゃんがタイトルをコールした次の曲は「Begin Again」。
10周年の時に「気持ちを新たに再び最初から始めよう」という想いを込めて作ったYukiちゃんの曲。
うまいことつなげましたな…。100v_baそのYukiちゃんはいつも通りMarshall。
JVM410Hと1960Aのハーフ・スタック。110v何周年を迎えてもバリバリと弾き倒す姿が勇ましい。

120次は「M16」。
ナンカ久しぶりのような感じがするナァ。130_m16このおなじみの「銃撃戦」のシーンをずいぶん見ていなかったような気がするぞ。140海外でも繰り返し演奏した曲。
上演中、曲の解説をしたことは一度もなかったが、このシーンを見た現地の人たちはどう思っていたのであろうか?150バキューン、バキューン…今日も相打ち~!160リズム隊が叩き出すビートに乗ってすかさず親指ポーズ!170_tuSeijiさんが『Marshall GALA2』の時に発表したMarshall社社長ジョナサン・エラリーに捧げた曲。
D_Driveも私も何度も海外でジョンと顔を合わせる予定だったけど、コロナのせいで全部スッ飛んでしまいやがった。180vSeijiさんのMarshallはJVM410Hと1960B。190vD_Driveのひとつのテーマは「メンバー全員が主役」。
この曲も全員のプレイがフィーチュアされる。
そのプレイを支えているのは…
 
ToshiくんはEDEN。200WT-800ヘッドにD410XSTとD210XSTキャビネットを組み合わせたいわゆる「ワン・ハーフ」のスタック。210vそしてこの曲でも最高にシャープなプレイを繰り出してくれるChiikoちゃんはNATAL。220vステージのスペースの都合で今日のバスドラムはシングル。

230

240「ありがとうございます!
シングルの『Begin Again』、続けて『Maximum Impact』に収録されている『M16』、そしてもう1曲シングルの『Thumbs Up』の3曲を続けて演奏しました。
次の3曲が終わったところで、一旦休憩に入ります。
皆さん、今日も色々なところからお越し頂いていると思うんですけど、千葉の方ってどれぐいいらっしゃいますか?
(千葉のお客さん挙手)
あっ、なるほど…けっこういらっしゃるんですね。
ありがとうございます。
このコロナの情勢がまたチョット厳しくなってきたところで今日も大分キャンセルが出てしまったんですよ~」
250「メッチャ多かったんですよ!
マァ、こればっかりはもう仕方ない…というか、様子をみながらチョットずつ演っていくしかないですね。
ところで次の曲…これはYukiちゃんの飼ってるインコの曲なんですよね?」
Yukiちゃんが可愛がっているオスのレモンちゃんとメスのライムちゃんの紹介をする。
レモンちゃんはしゃべるのだそうだ。
Yukiちゃんが言うには、インコってのはオスがしゃべるらしい。
それを聞いたSeijiさん…
「もう結構しゃべるんですか?」
…って、子供の話じゃないでしょう!
ウチの家内がメモを取っていてこのSeijiさんの質問にハラを抱えて笑っていた。Img_0317
「もうねぇ、レモンちゃん、あまりお得意じゃないんですけど『レモンちゃん』って言うんですよ。
他にも何を言ってるかわからないけど…アレは『ココ行こう』って言いたいのかな?って思うねんけど、『チョシコウ』にしか聞こえなくて…。
『チョシコウ、チョシコウ』って言うんですよ。
アレが口グセって言うんかな?
そのレモンちゃんの口グセをメロディにして取り入れた曲なんですね。ハイ」

260vということで次はYukiちゃん作の「チョシコウ」。
ウソですよ~「Wings」といいます。
でも、マジで「Cho-Shi-Ko(チョシコウ)」なんてのも実にカッコいいタイトルだと思いますよ。
昔サディスティック・ミカ・バンドが「WA-KAH!-CHICO(ワカチコ)」というワウワウのサウンドを模したような曲名があった。実にセンスのいいネーミングだと思う。
それを思い出すね「Cho-Shi-Ko」。
どうせやるならそれぐらいの「超思考」がオモシロイ。

ところで!
インコはオスだけがしゃべるなんて知らなかったナァ…感心してこの辺りのことを調べてみた。
インコは「鳴管」という器官を使ってしゃべるそうなんだけど、オスもメスもその鳴管を持っているので実はメスもしゃべることができるそうだ。
ところが、オスの方が圧倒的におしゃべりが得意なんだって。
そのため「オスしかしゃべらない」と思われがちらしい。
それでは、どうしてオスの方がおしゃべりが得なのか…それはメスへ求愛する時に歌を歌うようにしてさえずるため、鳴管の筋肉がメスよりも発達しているからなんだって。
インコもオスの方が大変なんだナァ。
 
Yukiちゃんのカッティングから…270v_wg_2 ヘヴィに展開していくサマからはとてもインコをイメージすることができませんな。
そう、ヘヴィなの。
280vSeijiさんもレモンちゃんとライムちゃんの鳴き声を奏でています。Img_9714 コレも久しぶりの「Lost Block」!290_lb『Maximum Impact』に収録したこともあってこの曲も海外でよく演奏した。

300次は雰囲気を変えて、Seijiさんのクリーン・トーンのイントロから。310v_ur第1部を締めくくったのは「Unkind Rain」。
330v感情をタップリ込めて弾くToshiくんのソロもフィーチュア。

320vそしてYukiちゃんのギターが哀しみの雨を降らす。
 
2年ぶりのホームでお客さんを相手にした演奏はが調子よく続く。Img_9969D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Website

0r4a0025<後編>につづく

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 200(一部敬称略 2022年1月 16日 本八幡Route Fourteenにて撮影)