D_Drive~フロア・ライブ vol.4 <前編>
つい先日、遂に『感謝の47都道府県ツアー』を終了させたD_Drive。
その人気のシリーズ・ライブが『フロア・ライブ』。
今日レポートする2月のstrageでの公演は4回目になるそう…もっと演ってるイメージがあるな。 さて、活動拠点が遠く離れていることもあって、残念ながらD_Driveにお手合わせを願ったことはなかったが、本家イギリスのMarshallに倣って、昔は頻繁に『Marshallロードショウ』というデモンストレーションのショウを開催した。
いわゆる「クリニック」ってヤツ。
腕利きのギタリストをお招きして私のトークを絡めてMarshall製品の魅力を伝えるPRイベントね。
その中でよく私が使っていた宣伝文句があった。
「いいですか?
皆さんがコンサートで聴いているギターの音というものは、ギターから出ているワケではなく、アンプが出しているんですよ!
だから、アンプというのはとても重要な機材なんですね」
たいていのお客さんはフムフムとうなずいてくれていたが、ある時「イヤイヤ、我々がコンサートで聴いているギターの音はPAの音ですよ!」と反駁したお客さんがいらっしゃった。
ま、そりゃそうだけど、それはヘリクツというモノだろう。
私がそのロードショウで言いたかったのは、ギター雑誌に目をやると十中八、九はギターの記事ばかりで、音を出す重要な仕事をこなしているアンプに関する記述があまりにも貧弱だったり、実際にギター演奏を嗜む人々がほとんどギターのことしか考えていないような状況を憂いてのことだった。
その頃からずいぶん時間が経ったが、デジタル機器の進歩によってロック・コンサートの音響がどうにもおかしなことになってしまった…と、古式ゆかしい70年代のライブで育った自分にはそう思えて仕方がない。
つまり、こういうことだ。
コンサートの会場でお客さんがPAスピーカーの音を聴いていることは変わらないものの、その音はギターの音でも、アンプの音でもなく、「デジタル」という「システム」の音を聴いているのではないか?と思うのだ。
要するに楽器自身の魅力的な音からほど遠いのではないか?ということ。
やっぱりね、ロックはちゃんとした真空管のアンプから出されるギターの音で楽しむ音楽なんですよ。
昔の人はそういうギターの音を聴いていたから耳が肥えていた。
天然マグロの味しか知らないのと同じだ。
そんな人が養殖マグロを口にして「ウマい!」と言うワケがない。
だから、このD_DriveのPAシステムを使わずにナマの楽器の音を楽しむライブは、今の世の中にあっては値千金だと言わざるを得ない。
実にいい企画だと思うし、歌手のいないバンドの特権ということも言えるだろう。今日のオープニングはギター・チームが7弦を携えて「Breakout」から。
SeijiアンプはいつものJVM410Hと、今日はBキャビですな。
Yuki
同じくJVM410Hと1960A。
Toshi
Toshiくんもいつも通りのEDENのワンハーフ。
Chiikoと…
愛用のNATAL…という楽器のナマの音で今日もブチかます!
早速ギターを持ち替えてSeijiさんの人力シーケンサーからスタートする「The Last Revenge」。
今日も完璧なギター・アンサンブル!
そうそう、「人力」といえば…D_Driveのいいところのひとつは外部の音源を使わないところ。
昔は今みたいな技術がなかったので、同じようなことをする場合はテープを流したものだった。
すると「あのバンド、テープ使ってんだよね」と、「卑怯者」扱いされるのが普通だった。
だって、ピアノがいないバンドなのにピアノの音が聞こえてくるなんてどう考えてもおかしいじゃん?自分たちの演奏だけで音楽を作ることがひとつの美徳であり、ミュージシャンにとっての矜持だった。
それがいつの頃からか、「同期、同期」と「桜」じゃあるまいし、平気でバンド・メンバーが出す以外の音をライブの演奏に加えるようになってしまった。
人間が古い私はいまだにアレに抵抗があるんだよね。
クラフトワークじゃないけど、それなら全員アテ振りで演奏すればいいじゃん!って話になる。
絶対ミスをしないし、多分今のお客さんの耳はアテ振りを見抜くことができないだろう。「皆さんこんにちは!D_Driveです!
おなじみになりましたね、フロア・ライブ…今日も来てくれてありがとうございます!
今回はヴォリューム何なん?4?」記事のタイトルにあるように一応「vol.4」となってはいるが、「フロア・ライブ」の呼称がなかった時もあるので、同じ形式で4回以上は開催しているらしい。
ファンの方に訊けば一発でわかるでしょう。
「見ての通り、アンプやドラムスにマイクが立ってないんですよ!
本当の生ですね」「次はですね、『Wings』という曲を演ろうかと思うんですけども…。
レモンちゃんとラムちゃんの…私が飼っているインコの名前なんですが…『ラムちゃん』が『ライムちゃん』に間違えられやすいという噂が…」ハイハイ、それ私のことですね。
だって「レモン」とくれば「ライム」でしょう?
もうだいぶ前から完全に「ライムちゃん」と思い込んでいて、過去のMarshall Blogでずっと「ライムちゃん」と記していたばかりでなく、イギリス人の蔑称が「Limey(ライミ―=ライム野郎)」だなんてことまで書いていたのです。
アホ丸出しよ!
Yukiちゃんももっと早く言えばいいのに、この日、開演前の楽屋で「あの~シゲさん、チョット言いにくいことがあるんですけど…。
私のインコはレモンちゃんとラムちゃんなんですけど…ラムネ色のラムちゃん!」とガッツリ叱られてしまったのです。
失礼しました!…と素直に謝ったところで過去の記事は訂正しませんので、もし読み返すようなことがあった際には「ライムちゃん」を「ラムちゃん」に置き換えて読んでくださいましね。
と、「ラムちゃん」で叱られたところでYukiちゃん作の「Wings」。
もちろんこの「翼」はレモンちゃんとライムちゃん…じゃない、ラムちゃんの翼だ。Chiikoちゃんはよくココのステージが暑いと申告するが、今日もそうだったの。
温風が出てくるダクトでもあるのかな?
さっきのMCの間に温度を調節してもらって快適ドラミング!続いて…写真では親指が立っていませんが、おなじみの「親指ポーズ」。
もうおわかりですね。…ということで、今日は小石川の伝通院(でんづういん)に向かって脱線!
伝通院は芝の増上寺、上野の寛永寺と並ぶ「江戸の三霊山」の一角を占める名刹で、徳川家の菩提寺のひとつ。
だから「三つ葉葵」が高張提灯に入っている。何と言ってもこの寺が知られているのは「於大の方(おだいのかた)」がココに眠っていることだろう。
「於大の方」というのは徳川家康のお母さんね。
晩年は「伝通院」を名乗った。 他にもたくさんの徳川家の皆さんの墓がココにある。
圧巻なのは11代将軍・家斉関係。
家斉自身の墓は上野の寛永寺にあり、ココ伝通院にはその息子や娘が葬られている。
家斉は「徳川家のビッグ・ダディ」の異名を取るぐらいの子だくさんだったのね。
何しろ約40人いた妾のウチの16人に子供を産ませ、55歳になるまでの間に28男27女の計55人をもうけたというのだからさすがにスゴイ。
家斉家が全員集合するとババ抜きがができない…という冗談もある。
カードが足りないのよ! その子供たちの子供の墓がココにズラリと並んでいるワケ。
だから墓碑銘を見るとビックリしちゃう。
「十一代将軍徳川家斉 十五女 元姫」
「十一代将軍徳川家斉 二十男 久五郎」
十五女?!
二十男?!
こういうのがガンガン出てきちゃう!
思わず笑ってしまった。
だってそんなの聞いたことないもんね。
また戒名がスゴイ。
元姫の方は「真鑑院殿性譽圓明浄覺大姉」。
久五郎の方は「浄門院殿暁覺幻夢大童子」。
さすがの11文字。
元姫に至っては12文字という破格の待遇(戒名の文字数は宗派によってルールが異なる)。
この戒名料は今なら軽く100万円越えコースだろう。家康ファンで於大の方のお墓を詣でるのを楽しみにしていた家内が、この日伝通院に入ってまず最初にエキサイトしたのが入り口に立っているこの碑。
「うわ~!サムズ・アップじゃん!」まさに「Thumbs Up」!
…というのも、この伝通院は指圧師の浪越徳治郎の菩提寺であり、近くに「日本指圧専門学校」なる専門学校を創設しているのだ。
浪越さんはジョー・ディマジオとの新婚旅行で日本に立ち寄ったマリリン・モンローが胃痙攣をおこした時に彼女の身体を揉みしだいて快癒させたという人。
いつもより丁寧に揉んだそうだ。
「指圧の心は母心 押せば命の泉湧く」…なんて言って昔はしょっちゅうテレビに出ていた。その浪越さんの業績を称えて建てられたのがこの「指塚」というワケ。
イヤ~、コレは我々にはどう見ても「Thumbs Up」にしか見えないよね~。
ちなみにB面はこんな感じ。
4曲目は当然「Tumbs Up」。
Toshiくんも指塚ポーズ!浪越さんに腰でも揉んでもらっているかのように気持ちよさそうにギターを弾くSeijiさん。
「全員参加」のこの曲、Toshiくんも…
Chiikoちゃんもバッチリとフィーチャーされた。
続いてはYukiちゃん作のシングル「Begin Again」。
スッカリおなじみになったこの曲。
10周年をマークして作られたが、それからもう3年目に入ってしまった!
今年、D_Driveは13年目。ココでもアクロバチックなギターのアンサンブルが炸裂する。
「ありがとうございます。3曲続けて聴いて頂きました。
この前、D_Driveはスタジオに籠って色々やっていたんですけど…今年は色々と新しいアルバムも出せたらうれしいなって思っております。
結構まだお披露目していない曲がチラチラとあります…今日は演らないですけど。
ライブで演る時も、音源になる時も楽しみにして頂けたら…と思っております。
では、第1部もあと3曲になりました。
3曲演ったら、換気に入りますので、みなさんもチョット休憩してください」青い照明に彩られるSeijiさんが弾くイントロのクリーン・トーン。
感情を込めてYukiちゃんがテーマ・メロディを奏でるのは「Unkind Rain」。
Toshiくんが弾くフレットレス・ベースの特徴を活かした物悲しいソロも聞き逃すことはできない。
続けて「Peach Fizz」。
Chiikoちゃんのシャープなドラミングが映えるヘヴィ・ワルツ。
そうだ、サビの「♪ティラリラ~」のリピートがディレイ・トリックと知って前回驚いたんだっけ。
第1部の最後は「Attraction 4D」。
人気のドライビング・ナンバーで盛り上がりに拍車をかけて前半を終了した。
「ありがとうございます!
今から10分ほど会場内の換気をしたいと思います。
第2部もよろしくお願いします!」
■□■□■□■□■□お知らせ■□■□■□■□■□■□
Marshall Music Store Japan
Marshallのレコード屋さん「マーシャル・ミュージック・ストア・ジャパン」営業中です!
Marshall Recordsのバンドの作品を販売するお店。
D_Driveの世界デビュー盤『Maximum Impact』が全部売れちゃってただ今入荷待ち!
またすぐに入って来るのでよろしく! 帯と豪華ブックレットが付いている国内盤仕様の『Maximum Impact』はD_Driveのライブ会場でお買い求めください。
Marshall Music Store Japanはコチラ
↓ ↓ ↓
Marshall Music Store Japan