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2021年10月

2021年10月27日 (水)

ミュージック・ジャケット・ギャラリー ~ コミック・ジャケット・コレクション <vol.3>


§3
「コミック・ジャケット特集」、今回はいつもより書きたくなることがベラボーに多くて自分でも驚いておりますが…それでは3番目のセクションへ移りましょう。
ようやくココで真ん中。
でも大丈夫、後半はだんだんシンドくなって取り上げるアイテム数が減少するのが普通だから。

Img_0243

『Sgt. Peppers~』同様、いったい『Abbey Road』はどれくらい作品でパロディのネタになっているのだろう。
ビートルズへのリスペクトを感じさせるモノからその反対まで…。

例えば、コレはBooker T and MG'sの『McLemore Avenue』。
アルバムのタイトルになっているこの「マクレモア通り」はBooker Tの地元のメンフィスにある通りの名前。
コリャ低予算だわ。
それでもホンモノよろしく、チャンと脚立に乗って上から撮影しているじゃん。7btmgコレなんか人すら出てこない。
マンドリンがジョン、バンジョーがリンゴ、ウッドベースがポール、ギターがジョージという役回り。
『Pickin' on the Beatles』というThe Pickin' on Pickersなるナッシュビルのブルーグラス・チームが展開しているシリーズ物のウチのひとつ。
コレ、BGMにはいいですよ。
このシリーズ、いい度胸していて普通のブルーグラスはもちろん、Led ZeppelinからLynard Skynyrdまで何でもありなの。
「ブルーグラス」と言っても、どれもほとんどニータカしていなくて、ブルーグラスの楽器を使ってホンモノに近いアレンジで演奏することを標榜している感じ。
「Black Dog」なんてなかなかのモンですよ。
コレはコレでゼンゼンあり。

Ppコレは昔よく聴いた。
ジョージ・ベンソンの1970年の『The Other Side of Abbey Road』。
コレでもアビィ・ロードのつもり。
撮影したのはマンハッタンの東53丁目だそうだ。
「西52丁目」と来ればセロニアス・モンクが「52nd Street Theme」という曲を残したぐらい、1950年代辺りまでは「ジャズ・ストリート」としてにぎわったが、それは意識していないでしょうね。
その52丁目、20年近く前に行ってみたけど、「ジャズ」の「ジ」の字も残っていなかった。

7gbar コレ知ってる?
The King's Singersの『The Beatles Connection』。
メッチャ気に入ってCDを買ってしまった。
The King's Singersというのは1968年にケンブリッジ大学の学生を中心に結成した声楽グループ。
日本で言えば慶応のダークダックスとか早稲田のボニー・ジャックスみたいなもんですな。
といっても、ただのコーラスではなくて、完全ア・カペラで、楽器の音も声で出しちゃうヤツ。
しかし、ソ連の鍬や太陽やカエルが『アビィ・ロード』とどう関係しているのかがわからんな。
Ksbc このレッチリのEPはどっちだろう?
レッチリなりのリスペクトか?
1988年の『Abbey Road E.P.』という5曲入りEP盤。
上の3枚とは違ってチャンとアビィ・ロードで撮影している。
ところが…ココはかなり交通量が多いところ。
光の加減から察するに、早朝やって来て車の中で服を脱いで、ソックスを局部に装着してサササと撮っちゃったんだろうな。
本物はイアン・マクミランというカメラマンが脚立に乗って横断歩道を往復する4人を往き返りそれぞれ3枚ずつ計6枚撮影し、歩調が合っていた5枚目の写真を選んだ。
そもそもロンドンの街中でこんな格好をしていたら捕まっちゃうのではないだろうか?
だから「それ急げ!」と、脚立などに乗らず急いで普通に地面から撮ったのだろう。
レッチリ、どうしてるんだろうね?Img_0370この横断歩道には信号はない。
コレは日本と同じ地面にシマシマの模様が描かれた「ゼブラ・クロッシング」と呼ばれる横断歩道で、渡り始めている人がいる場合は車は必ず止まらなければならない。
日中は観光客がひっきりなしに渡っているので、ココを通過する車のドライバーはさぞかしイライラするだろうな、といつも見ていて思う。
70r4a0025シマウマとは別に「ペリカン・クロッシング」という横断歩道もある。
「ペリカン」といってもペリカンの絵が描いてあるワケではなくて、「PEdestrial LIght COntroled」
の略称で歩道の両側に点々の模様が施してある。
すなわち「歩行者用信号制御装置付き横断歩道」のことで、簡単に言えば「押しボタン式」ということ。
ロンドンの街中は圧倒的にこちらのタイプが多い。
でもね、場所や状況にもよるけど向こうの人って、通りを渡ろうとしている人を見かけると自主的に止まってくれる車が日本に比べるとゼンゼン多いと思う。22 レッチリのジャケット写真の左奥に見えているのはこの建物。
70r4a00672年前に行って驚いたんだけど、アビィ・ロードの土産物店になっていた。
昔はこんなのなかったのよ。
お店のようすはコチラをどうぞ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】vol.36~The Beatles was here! <後編>
70r4a0070 
ベット・ミドラー、1976年の『Songs for the New Depression』。
シナトラで有名な「Stranger in the Night」で幕を開ける3枚目のアルバムはボブ・ディランやルーサー・ヴァンドロスとの共演を含む豪華盤。
参加ミュージシャンはブレッカー兄弟をはじめとしたガッド、スピノザといったスタジオ常連さんからミルト・ヒントン、トッド、リック・デリンジャー、さらにトッドが連れて行ったのか、ジョン・ウィルコックスまで参加している。
でも、ですね…私は何かベット・ミドラーってダメなんだよな。
ジャケットがカッコいいこともあって初期のアルバムは何枚かは持っているんだけど、まず聴くことはない。
なんか、みんなで寄ってたかってイジりまくって豪華に作り上げるところが「総花的」というか、却って中途半端でチープな感じに聴こえちゃうんだよね~。
ファンの方ゴメンなさい。
私にはベットが「ジャズ歌手」というアタマがあるからかも知れない。
「女優で歌手」という観点でライザ・ミネリみたいに捉えればいいんだろうけど…でもライザはバッチリと「ジャズ」感を醸し出しているもんね。
でも上に書いた通り、この次のアルバムぐらいまでのジャケットはすごくステキ。
このアルバム、「新しき不況への歌たち」なんてタイトルになってる。
ホームレスっぽい格好をしたベットが壁に貼られた「BETTE MIDLER」にヒゲのイタズラ描きをしたところ。
どういうことか考えた。
「C.TRUCKING」と縦書きで書いてある。
コレ自体の意味はわからないけど、「Trucking」というのは「物々交換」という意味がある。
勝手な想像なんだけど、不況でモノがないからそうした「闇市」のような「交換所」ができてい
る…。
壁でベットが扮しているのは政治家…。
ホームレスのベットはその悪政が引き起こす不況にハラを立てて政治家の写真にヒゲのイタズラ描きをした…。
そのヒゲは「レーニン」のヒゲ!
…ということなのかしらん?
コレを考えて調べるだけで1時間…時間がかかるのよ、このシリーズは。

Bette 今回コレを書くのに久しぶりにアルバムを聴いてみた。
SHOW-YAの寺田恵子さんはベットが歌った「Rose」をいうバラードを時々歌うんだけど、かなりベットのことを研究していると観た。
曲によって歌い方がビックリするほどソックリなんだよね。
私も10年以上目の前で恵子さんの生歌を聴いてきたけど、コレは大きな発見だった。
「寺田恵子」ほどの大歌手ゆえ、完全にベットのスタイルを自家薬籠中のモノにして自分のスタイルに消化しいらっしゃるんだけどね。

7s41a0226 
Henry Grossはアメリカのシンガーソングライターで、Sha Na Naの活動で名が知られている。
何せギターのオリジナル・メンバーなのだ。
この人は1951年の生まれ。Sha Na Naのデビューが69年なので18歳の時に参加したことになる。
ま、昔はそんなもんか。
久しぶりに『ウッドストック』のSha Na Naを観てみよう。
 (間)
セミアコを持って暴れている眼鏡の人がヘンリー・グロスなのか…。
次に出て来るジミ・ヘンドリックスのMarshallがステージの後ろにそびえている方にどうしても目が行ってしまうな。
 
1976年、友人のThe Beach Boysのカール・ウィルソンが飼っていた「シャノン」という愛犬が死んだ時に作った曲「Shannon」がヒットしているらしい。
このヒットのおかげでヘンリー・グロスは「ワン・ヒット・ワンダー・アーティスト」の仲間入りを果たした。
「One-hit wonder」というのは「一発屋」のことね。
でも、コピーやカバーよりはるかに一発屋の方が素晴らしい。
The Knackは「My Sharona」で、舟木一夫は「高校三年生」で、永遠にその名前を残すことになったでしょ?
コピーじゃ何も残らない。
それだけ「創る」というのは偉大なことなのだ。
 
そして下はそんなOne-hit Wonderアーティストが1981年に発表した『What's in a Name』というアルバム。
1曲目の「That Someone」という曲…中間部でドラムスが突然グワ~っと前に出て来るんよ。
カッコいいんよ。
誰が叩いているのかと思ったらテリー・ボジオでやがんの。
1981年というとMissing Personsをやってた頃か。
サウンドとしては人畜無害のポップ・チューンが並んでいるけど、テリーの他にもドラムスはエド・グリーンだの、ジェフ・ポーカロだのがプレイしていて、他にもヒュー・マクラッケンやらポリーニヨ・ダ・コスタやらの名前がクレジットされている。
ま、「当時のスタジオ・ミュージシャンが参加している」とくくってしまえばそれまでか。
1曲だけピーター・ウルフがキーボーズを担当しているのが気になるけど…。
それと「Better Now We're Friends」という曲ではチャカ・カーンとデュエットしている…ということが当時話題になったのか私は知らない。
 
ジャケットはシンプルな人文字。
すごく良く出来ていると思わない?

Img_0371よっぽどお気に召したのか、裏ジャケットもほぼ同じ。

Img_0372 

Brainstorm?…ゼンゼン知らんな。
1972年のデビュー作『Smile a While』。
コレが「1970年代にもっとも才気を表したドイツのプログレッシブ・ロック・グループ」だっていうんだけど…。
このジャケットでか?
例えて言うなら「Soft MachineやCaravan系のサウンドのバカテク・ジャズロック」なんだって!
このジャケットでか?
お!Spotifyにこのアルバムがあるではないの!
さっそく聴いてみる。
……………オイ、チョット待てよ!
メチャクチャかっこいいではありませんか!
このジャケットでか?
 
1968年、バーデンバーデンで結成され、当初は「Fashion Pink」というバンド名だったらしい。
コレはコレでまた趣味が悪いバンド名だな。
それでデビューするに際し「Brainstorm」に改名したそうな。
ジャズをベースにした高い音楽性と豊かな演奏能力でドイツ国内で人気を博し、テレビやラジオにも頻出してそれなりに名前が通っていたらしい。
知らんわ。
 
どんな調子か…
1曲目は4ビートのワルツでザッパの「King Kong」を思わせる。
2曲目も4ビートで5/4、6/4、7/4拍子をつなげた曲だったりする。
結局、コレもSoft Machineというよりザッパっぽいな、イヤ、Soft Machineっぽいフレーズも出て来て実に面白い。
3曲目は早いテンポのボサノバ。
ボーカルズが決してウマくはないんだけど、これまたヘンにロバート・ワイアットを連想させるのよ。
4曲目は5/4拍子のフォービート。
このサックスの人、テナーもフルートもこなしているけど、ソプラノが一番いい。音も太いし。
5曲目は「Snakeskin Tango」…タンゴだって。
1小節だけ典型的なタンゴのフレーズが出て来る以外は全くタンゴではない、6/4拍子のストレートなエイトビート・ナンバー。いよいよザッパっぽいナ。
またまた7/4拍子でおっぱじまるのが15分の大曲、アルバムのタイトル・チューン「Smile a While」。
…と、インスト主体の濃い~ジャズ・ロックが詰め込まれている。
このバンドはこの後、2枚目の『Second Smile』、『Last Smile』というライブ・アルバムをリリースして1975年に解散した。
微笑んでお別れしたのかは定かではない。
お隣の国だとフランスだとMagmaやZAOや後期のGongみたいなのがいてそれなりに「フランスのジャズ・ロック」というイメージがあるんだけど、私なんか「ドイツ」というとFaustとかTangerine Dreamとかみたいなチームの印象が強く、こういうバンドがドイツにいたというのが結構オドロキ。
 
これならCDを買ってもいいな…と思ったけどヤメた。
高ェんだもん。
ジャケットもコレだし。
 
ちなみに今でも「Brainstorm」というバンドがドイツにいるようだけど、そちらはヘビメタだそうで…お間違いなきよう。

Img_0373 
まだCDを毎月30~40枚ぐらい買っていた頃のパット・トラヴァースの話。
ないんですよ…。
下の『Heat in the Street』と『Live! Go for What You Know』はやたらとよく見かけるんだけど、『Pat travers』、『Makin' Magic』、『Putting It Straight』の3枚を見かけないのよ。
と言っても私は決して熱心なトラヴァース・ファンではなくて、ライブ・アルバムまで聴いて卒業してるんだけどね。
でもポール・ギルバートなんかはものスゴい「パット好き」だよね。
実際に「Snortin' Whisky」とかライブで演ってるし。
以前、単身で来日した時に開演前に楽屋で話をしていて、パット・トラヴァースの話題になった。
「パット・トラヴァースだったら”Gettin' Betta”が好き」と言ったら間髪入れず弾いてくれて、「僕とヌーノがいっしょに演っているのがYouTubeに上がってるよ!」とニコニコしながら教えてくれた。
 
そんなポールも崇拝するパットなんだけど、地元のカナダの人と話をして驚いた。
こんな感じ…
「Steppenwolf、Guess Who、BTO、Triumph、ジョニ・ミッチェル、ニール・ヤング、ザ・バンドの4/5…カナダもすごいミュージシャンをたくさん出してますもんね」
「Rushとかね」
「あ、パット・トラヴァースもそうだ!」
「ん?それって誰だっけ?」
「え?知ってるでしょ?あの『Makin' Magic』とか…」
「おお!ブンブンのことか”!ブンブンね」
パット・トラヴァースがカナダでは「ブンブン」で片づけられているのを知ってちょっとショックだった。
マギー・ミネンコと同じレベルだったのか!7bun2 さて、この『Heat in the Street』もよくある表裏ストーリーもの。
あんまり暑いんでパーキング・メーターで日光浴。
それを見つけたオマワリさんが「オイオイ、そんなところで日光浴なんかしたら車が停められないじゃないか。
ったくボンボンベッドまで出しちゃって…一体君たちはナニを考えているんだね!?」 
すると…

Img_0374「イエ~!マァ、いいじゃないの!オマワリさんもいっしょに楽しんじゃおうよ~!」
「デへへ、それもそうだな、バンドのみなさん!こんなに暑いんじゃ仕事もやってらんないもんね!これがロケンロールってヤツかい?」みたいな…。
婦警さんが親切にサンオイルまで塗ってくれている。
 
カナダの気候…こんなこともあった。
もう1人のカナダの友人曰く「シゲ、カナダは寒いだろ?だから春の訪れが待ち遠しいんだ。
だから春が来て、暖かくなり始めて気温が5℃になると家の窓はすべて開け放つんだ」
「エエエエ~!5℃で!?」
それを聞いてビックリした。
何年かしてその彼とこの話をしたところ…「デヘヘ…シゲ、ゴメン。アレはウソだよ。さすがに5℃は我々だって寒いわ!」だって。
それでもMarshallの会議で私が厚手のセーターを着ている時、彼らは半袖短パンです。

Img_0375

このアルバムを好きな人ってどれぐらいいるんだろう?
私はそのウチのひとり。
その中でこのジャケットが好きでない人はどれぐらいいるんだろう?
私はそのウチのひとり。
なんだってこんなジャケットにしちゃったんだろう?
酔拳か?
あまりにも変でしょう?
コレ、ジャケットから想像することは困難極まりないけどエライカッコいいんだぜ!
…と、10年前に書いた。
今はもうメッキリこの手の音楽を聴かなくなってしまった。
 
スコット・ヘンダーソンはスゴイよ。
このジャケットのおじいさんよりよっぽど仙人なの…完全な「ギター仙人」。
大分前の話だが、雑誌の付録DVDにスコットが登場したことがあった。
私は幸運にもその収録の機会に居合わせることができた。
彼は「1959を使っている」と言っていたけど、その時は私が持って行っていたJCM2000 TSL100を弾いてくれた。
スコットはクリニックで使うのであろうオリジナルのバッキング・トラックを持参していた。
ミディアムテンポの「A」のブルースだった。
撮影の準備が整い、いよいよ演奏がスタート。
チョワ~!カッコよすぎる!
ナニ、このフレーズ!ナニこのソロ!
すっかり聴き入ってしまい、「ああ~さすがだな、やっぱり1テイクでキメルんだな、スーパー・ギタリストは。トホホ、もうちょっと聴きたかったナ」…なんて思いながら5コーラスほど進んだ辺りであろうか、ギターの音がピタリと止んだ。
「エ、どしたの?」とステージのスコットを見ると欧米人がよくやる肩をすぼめる仕草をしている。
一体ナニがお気に召さなくて彼が演奏をストップしたかサッパリわからなかったが、「しめしめ、またスゴイ演奏が聴けるゾ!」と喜んだ。
気を取り直してテイク2。
またしても出て来る、出て来る、すごいフレーズ!
ク~、たまらん!
さっきよりいいフレーズが出てる!
よく「ファースト・テイクが一番」とか言うけど、やり直すとよくなる人もいるんだな…。
ところが…今度は3コーラスぐらい進んだところでまたピタリとギターを弾くのを止めてしまった。ん~、また何か気に入らなかったんだな。
やっぱ違うわ、完全主義者は。
さあ、もう1回!
テイク3が始まる。
すさまじいプレイ!手に汗握る奇抜なフレーズの連続!
今度こそキマッタな…と最終コーラスに差し掛かったところでまたピタリ。
「ウソ!ウソでしょ?今のOKしないでどうすんのよ!」と思いつつ取り直し。
テイク4もダメ、テイク5はしくじった…、テイク6も気に入らない、テイク7もちょっとマズイのか…。
オイオイ、こりゃ一体どうなっっちゃうのよ!
果たしてどれぐらいの時間が経ったのだろうか…仙人のやることはワカラン。
OKが出たのは録りも録ったり、何と31テイク目だった。
スタッフげんなり。
一応スコットの名誉のために書き記しておくが、その31回に及んだ「A」のブルースのアドリブ・ソロは、すべてのテイクが独創性に満ち溢れたもので、どれがOKテイクに選ばれても誰からも文句が出ようのない素晴らしいものだった。
次から次へと繰り出される驚異のフレーズは、両刃のカミソリを力いっぱい握りしめたかのような鋭さで、滅多にお目にかかれないプレイに接することが出来て幸せだった。

Img_0376 

またまた出ましたおバカジャケット。
ドニ―・アイリス(Donnie Iris)という人。
一瞬バディ・ホリーかと思った。
知らないナァ…で、調べてみると70年代にThe JaggerzとWild Cherryというバンドで活躍したアメリカのミュージシャン。
The Jaggerz時代には「The Rapper」という曲でBillboardの第2位を獲得している。
ソロになってからは80年代に5枚のソロ・アルバムを発表していて、この『Back on the Streets』は1980年にリリースした最初のソロ・アルバムだ。
この人、日本では有名なのかしらん?
私はまったく知りません。
音を聴いてみると70年代の要素を少々残した80年代のポップなアメリカン・ハードロックという感じ?Img_0378  
それでは4番目のセクションに移動しま~す。
こっから先は結構早いから。

Img_0244§4-a
まずは上段の展示のご紹介。Img_0247 
今回ブロウアップされたニール・メリーウェザーの1975年の作品『Kryptonite』。
この人もカナダのシンガー、ベーシスト、ソングライターで、スティーブ・ミラー、デイヴ・メイスン、ウィルソン・ピケットらとの共演経験があるそうだ。
ジャケットのデザインもNeil自身で、イラストはアメリカのドン・リコという人。
スーパーマンの故郷である「惑星クリプトン」が爆発して砕け散った時の残骸がこのアルバムのタイトルの『クリプトナイト』。
だからスーパーマンの格好をしているワケね。
このクリプトナイトの前では、スーパーマンは力を吸い取られてしまうのだそうだ…知らんがな。Img_0379ジャケットはこんなだけど、中身はバッチリよ。
ツボを得たややポップなハードロックとでもいいましょうか。
メリウェザーの歌声がいいの。
メロトロンが笑っちゃうぐらい活躍していて、「オイオイ、そんなに無茶すんな!」と声をかけたくなるぐらいの速弾きギターが詰め込まれている。
ギターはマイケル・ウィリスという人。
調べたけどどんな人かわからなかった。
コレ、5曲目の「The Groove」なんていい曲だよ~。
ルックスもいい感じではありませんか!
7img_0380アルバム1枚さかのぼって…コチラは『Kryptonite』の前年の1974年に発表された『Space Rangers』。
これもジャケットのデザインはニール自身。
イラストはジョン・ウルフという人。
上のアルバムと連作になっているんだな。Img_0383コチラもなかなかいいのよ。
こっちもメロトロンがすごい!
こんなに使ったら壊れちゃうぞ!
若い頃に聴いていたらかなりノメリ込んでいたかも…。
ドノヴァンの「Sunshine Superman」を取り上げている。
メリーウェザーは今年の3月に76歳で亡くなったそうだ。

7img_0382ドノヴァンの「Sunshine Superman」って1966年の全米No.1の大ヒット曲なんだけど、ナンでそんなにウケだんだろう?
ごく普通の24小節のブルースだもんね。
もちろんレコーディングにジミー・ペイジとジョン・ポール・ジョーンズが参加していることは関係ない。
ナンカこう、時代の雰囲気にマッチしていたんだろうね?…そうなのかな?
ジョン・キャメロンとスパイク・ハートリーという2人のイギリスのジャズミュージシャンが編曲を担当したそうな。
そしたら、ジャズで「Sunshine Superman」といったらコレ。
盲目のアルト・サックス奏者の1970年の『Consciousness!』というアルバム。
ジャック・ディジョネットが叩く7/4拍子に乗って演奏が展開する。
ピアノはチック・コリア。
パット・マルティーノのギター・ソロが聴きたくて大学の時に数寄屋橋のハンターで探し出して買ったもんです。
カッコいいです。E2k 
ニュージーランドのバンドってこのSplit Enzしか知らない。
1973年に結成し、母国でシングルを出すなどして活動していたが1974年にお隣のオーストラリアに拠点を移した。
ニュージーランドって国土が日本の3/4の広さで、人口は1/26…たったの500万人しかいない。
コレじゃ商売にならんわね。
オーストラリアでFlo & Eddie、ルー・リード、Roxy Musicの前座をやったりしてキャリアを積み、1975年にこのファースト・アルバム『Mental Notes』をリリースした。
そんな関係でセカンド・アルバムの『Second Thoughts』はフィル・マンザネラがプロデュースしている。
 
このバンドが出て来た時は「ナンダ、変な格好をした連中だな」とチョット気にはなったけど、レコードを買ったことはなかった。
つまり、このバンドの音楽をジックリ聴いたことがなかった。

Img_0384大分後になって買ったのが同じアルバムのオーストラリア盤CD。
私はこういう色んな要素を見境なくジャンジャン放り込んで作った音楽が好きなんです。
Roxy MusicとSparksと10ccが温泉に浸かってスッカリ湯疲れしてしまったような感じ?
ジャケットもいいし。
何やら「ゾンビご一行様」の社内旅行みたいだけど、中身はとてもビューティフルだ。
そのフィル・マンザネラがプロデュースしたセカンド・アルバムは聴いたことがないんだけど、最も売れたという1980年の『True Colours』と、1984年の『See ya 'Round』というアルバムも買って聴いてみた。
残念ながらそれは私が好きな『Mental Notes』のSprit Enzではなかった。
それでSprit Enzとはスプリットしてエンド。Sez 

1975年の『Midnight Band : The First Minute of a New Day』というギル・スコット・ヘロンとブライアン・ジャクソンの双頭アルバム。
…と言っても、こうした黒人音楽を聴かない私はお二方とも存知上げなかった。
そして4年前、ギル・スコット・ヘロンを知った。
それはこの人の「Lady Day and John Coltrane」という曲から。
「Lady Day」というのはビリー・ホリデイのニックネーム。
「ビリー・ホリデイとジョン・コルトレーンを聴けば落ち込んだ気分も吹っ飛ぶぜ」みたいな曲。
ジャズを聴いている人であれば「ウッソだろ~!」と思うのが当たり前だろう。
一種のギャグなのだろうか?
「明るいビリー・ホリデイと楽しいジョン・コルトレーン」…それとも外人得意の撞着なのか?
1971年の音源を聴くと、レディ・デイともトレーンとも全く関係のないようなゴキゲンなエイトビート・ナンバー。
何しろリズム隊が素晴らしい、と思ってクレジットをチェックすると、ドラムスはバーナード・パーディ。
なるほど。
してベースは?と、ベーシストの名前を見てビックリ!
ロン・カーターなのよ!
エレキ・ベースなのよ!
ちょっと、アータ、3年前にエレキ・ベースを弾くのがイヤで『Filles de Kilimanjaro(キリマンジャロの娘)』を最後にマイルス・デイヴィスのコンボや辞めたんじゃなかったのッ?
スイマセン、この項他には書くことなし。
 
ジャケットはゴリラの「エマニエル夫人」?

Img_0386ひとつだけ書いておきたいのは、どうしてこの「Lady Day and John Coltrane」という曲を知ったのかについて…。
それは4年前、日本を代表するベーシスト、伊藤広規さんのバンド、KOKI TETRAGONのライブ・アルバム『 The Classy Rock GIG at Yokohama STORMY MONDAY』を通じてのことだった。
光栄にも写真とライナーノーツの執筆を担当させて頂いたのはいいが、「ギル・スコット・ヘロン」なんて初めて聞く名前だったので、勉強させて頂いた…というワケ。Kotet 
また知らないのが出て来たよ。
ロジャー"ディーク"・レナード(Roger "Deke" Leonard)はManのメンバーだったり、なかったり。
要するに出たり入ったり。
Icebergという自分のバンドで 活動したり、しなかったり。
Manというのは古い南ウェールズ出身のバンドで、1968年にデビューしている。
どんな音楽を演っていた(いる、現在も活動中)かというと、ウエスト・コースト・サイケ、プログレッシブ・ロック、ブルース、カントリー・ロックの混合だっていうんだよね。
ゴチャゴチャすぎるでしょう。
私も何枚か持っているけど、確かに「どういうバンド?」と訊かれて即座に形容するのはムズカシイかもしれない…というよりかなり印象が薄い。
日本での知名度はどうなんだろう?
名前は知っていても音は聴いたことないという人が多いような気がするな。
そんなだからこのアルバムも聴いたことない。
ジャケットの写真はランボーよろしく武装したディークがパラシュートでで着地したところ。
それだけで「神風」らしい。
このオッサン、「神風特別攻撃隊」のことを知らないな?

参加ミュージシャンのクレジットを見てピント来る人はいないが、3曲目の「Sharpened Clows」という曲でゴキゲンなフィドルが大フィーチュアされるバイロン・バーラインというフィドラーは「ブルーグラスにロックの要素を持ち込んだ」ことで知られる人。
珍しい…歴史の浅いロックの場合、普通コレの反対なんだけどね。
「ロックにブルーグラスの要素を取り込んだ」っていうようなのはよくある話。
そっちの方も盛んで、The Rolling Stonesの「Country Honk」や「Honky Tonk Women」のヴァイオリンはこの人が弾いている。
他にもボブ・ディラン、エルトン・ジョン、ロッド・スチュワート、The Band 、The Byrds、The Flying Burrito Brothes 等々との音源も残している。
要するに売れっ子だったのね?
残念ながら今年の7月に亡くなってしまった。

Img_0387イギリスの人気の観光地のひとつ、コッツウォルズ地方にある「チッピング・ノートン・レコーディング・スタジオ」。
Bay City Rollersのアルバムの何枚かはココで録音された。
他にも、Status QuoやらXTCやらDuran Duranやらスティーヴィー・ウインウッドやらもこのスタジオを使っている。
このディーク・レナードのアルバムの一部もココで収録された。
メッチャいいところです。
7img_0616ココは日本の「コッツウォルズ」。
7img_8272そう南千住の「コツ通り」ね。
この「コツ」は「骨」のコツね。
江戸の三大刑場のひとつだった小塚原のちかくで、ココからほど近い吉原のあたりまでは人を焼くニオイがヒドかったらしい。
今は違いますよ、江戸時代の話ですからね。
7img_8268裏ジャケは日章旗を思わせる夕日(あるいは朝日)と空飛ぶ爆撃機。
少なくともゼロ戦(ある時期のゼロ戦の正式名称は三菱A6M5 海軍零式艦上戦闘機52型)ではない。
やっぱり「神風特別攻撃隊」のことを詳しくは知らないのであろう。
しかし、この「神風(Kamikaze)」という単語は英単語の仲間入りをしていて、それゆえこの言葉をほぼ一般的な語彙のひとつとして知っている…ということは十分にあり得る。
Img_0388…というのは、アメリカには「Spelling Bee(スペリング・ビー)」という子供向けの英単語の「綴り当て」のクイズ大会があって、私は何かの機会にこのコンテストの決勝戦の問題に「Kamikaze」が出されていたことを知ったのね。
簡単じゃんね、と思ったのと同時に「神風」というのは正式な英単語になっていることを再確認した。
だから、このディーク・レナードはイギリスのウェールズの出身だけど、「Kamikaze」という単語を知っている可能性が高いと読んだのだ。
少々コレで脱線させて頂く。
この「Spelling Bee」の「Bee(蜂)」というのは「寄り合い」という意味があるそうだが、コレってもしかしてハロルド・アーレンの有名な曲「Sleeping Bee」のシャレなのかと思っているんだけどチガウカ?
この大会はモノスゴイ人気らしくて、全米大会はテレビで生中継されるのだそうだ。
実際のようすを観たことがないので、いい機会と思い何年か分の決勝戦を収録したYouTubeの動画を覗いてみた。
コレが実にオモシロイ!
予てから知っていた通り、司会者が読む英単語の綴りを正確に答えられるかを競うだけの大変単純なクイズ。
回答する子供は10~15歳ぐらいなのかな?
不思議とインド系の子の出場者が多い。
子供たちは司会者が読み上げる「音声」の他にその単語に関して、①定義②別の読み方③起源(フランス語とかラテン語とか)④品詞といった情報を得ることができる。
コレがですね、設問の難度にモノスゴイ偏りがあるとしか思えなくて、複雑な問題に当たってしまった子がすごく気の毒なのよ。
例えば「bewusstseinslage(ビューストスタインズラーガ)」なんてドイツ語に起源を持つ単語を見たことある?
少なくとも『試験に出る英単語』では見かけない。
これは「意識態」という意味らしんだけど、日本語でもわからんわ。
多分、この言葉を知らなかったと見えて、14歳のインド系の女の子は惜しくも「ダブルs」の「s」をひとつ落としてしまい敗退していた。
他にも「haecceitas」とか、「erysipelas」とか、「aiquillette」とか、「pendeloque」とか…こんなの本当に英語なのかよ?!
そうかと思うと、「koinonia」なんて設問はこの「kamikaze」のように簡単でしょ?
でもね、動画を観ていてひとつだけ私にも答えられる問題が出て来てうれしかったの。
それは「bougainvillea」…あの花の「ブーゲンビリア」ね。
どこかで英語表記を目にして「スゲエ綴りだな…」とすごく印象に残っていたのです。
「Spelling Bee」は今では日本でも開催されているそうです。

Nsb 
ジャケットに戻って…。
裏ジャケにはこんなことが書いてある。
「インビザブル サウンド プロセス」が何たるかは知らないが、このアルバムは「クリケット愛好者」でなくても存分に楽しむことができます。
そもそも日本にクリケットを愛好しているどれぐらいいるんだろう?…と思って調べてみると、競技人口は3,000人だそうです。
コレがアータ、イギリスへ行ってごらんなさい。
笑っちゃうぐらいの熱狂ぶりだから!
とにかくこのアルバム、すごく味わい深いメロディが豊富に詰め込まれた大人のロック・アルバムです。
ジャケットはヘンだけど、中身は素晴らしい!
7img_0390
マンドリンのデヴィッド・グリスマンの『Mondo mando』という1981年の作品。
スゴいイラストだな。
ウェイン・アンダーソンという人の仕事。
Img_0391 私はこの人の音楽を聴くことはないが、初めて仕事でサンフランシスコに行った時、金門橋を渡ったミル・バレーという高級住宅街にあったレストランにデヴィッド・グリスマンが来ていた。
それぐらいしかグリスマンについて書くことはないが、裏ジャケのイラストもスゴイということだけは書いておこう。Back  

お尻。
こうした身体の一部分をアップしたデザインはHipgnosisが得意とするところだが、このサンフランシスコのSweathogの1971年のデビューアルバム『Sweathog』はHipgnosisとは関係ない。
ビル・インホフという人の作品。
このバンド、サザンロックあるいはスワンプロック調のサウンドを身上としていた。
「Hallelujah」というヒット・シングルも生まれ、Black Sabbath、EL&P、The J. Geils Band、Edgar Winter's White Trash、Grand Funk Railroadらの前座を務めたこともあったが、ヤッパリどんなに大物の前座を務めたところで当たらないバンドは当たらないのね。

Img_0392 
§4-b
4番目の棚の下段に移りましょう。

Img_0248

Iron Maidenの1986年のマキシ・シングル『Strangers in a Strange Land』。
ジャケットのイラストはメイデン・ファンにはおなじみであろうデレク・リッグス。
コレ、真ん中のヤツ。
Eddie the Headっての?
大分前の話。
Iron Maidenのマネージャーとは比較的長い付き合いで、同じプロダクションの他のバンドが来日した際にMarshallでサポートしたりしていた関係で仲が良く、年末になるとイギリスから私宛にEddieからクリスマスカードが送られてきていた。
ところが、私はIron Maidenとは世代がちょっとズレていて、まったく通っていないんですよ。
だからこのEddieのことも名前すら存じ上げていなかった。
で、何年かしてロンドンのあるパーティでそのマネージャーと一緒になった時、ヨセばいいのにクリスマス・カードのお礼を言ったのよ。
律儀に毎年送ってくれるもんだから。
「いつも”ガイコツ”のカードありがとう」って。
そしたらそのマネージャーは怪訝そうな顔をして「”ガイコツ”って…もしかして”Eddie”のこと言っているのかい?」と訊いてくるではないか。
「ヤベッ!なんか怒ってるゾ!あのガイコツってEddieっていうのか!」とすぐにピンときて「そうさ!Eddieだよ、Eddie! 『♪Eddie are you kidding me?(←ザッパの歌)』のEddie!Eddieによろしく言っておいてよ!」と、100年前からEddieを知っているようなフリをしてその場を切り抜けた。
顔から火が出てこっちがEddieみたいになるとこだった。
彼、まさかMarshall Blogを読んでないだろうな。
それにしても向こうの人達ってこの手のイラストが好きなのね!

Img_0395 

Godley & Creme、1981年の『Ismism』。
Marshall Blogで何回も書いている通り、私は10ccが大好きでマンチェスターの近くの10ccの地元まで訪れたぐらい。
その10ccのレパートリーの中でもとりわけゴドレー&クレーム組の作品がお気に入りだった。
だから中学の時にLP3枚組の『Consequences』が出た時、どんなに友達が止めようと大枚はたいて買った。
当時、中学生の子が清水の舞台から飛び降りるつもりで買って聴いた時はそれなりの文句はあったろう。
でも今ではとても好きな作品でLPとCDのセットを2組、ナゼか計3種類がウチのレコード棚に収まっている。
その後もゴドレー&クレームの作品を聴かないではなかったが、『Consequence』からずいぶん遠くまで来ちゃったナァという感じだった。
人はコレを「進歩」とか「進化」と呼ぶんだろうけど、私の場合はこの2人にロックンロールをベースにした物語性に富んだチョットひねった伝統的なサウンドのロックを作っていって欲しかった。
で、このアルバム、1曲目に入っている「Snack Attack」を「ラップを先取りしている」曲とか言うそうだが、いらんよ、ラップなんてモノは。
でも、「Kojack」で始まる「-ck」の食べ物の名前の脚韻の嵐なんかはオモシロイと言えばオモシロイ。
テリー・サバラスもよろこんでいるだろう…まさかコレは「テリーヌ」と「サバラン」の隠喩?
2曲目の「Under Your Thumb」とか「Wedding Bells」なんてのは古式ゆかしいゴドレー&クレーム臭が漂っていていいね。
しかし、ジャケがな~。
私は持っていないんだけど、コレは開けてタイポグラフィにしてるのか?
ん~、チョットさびしいな~。

Isnしからばコレだ!
コチラは同じアルバムのアメリカ仕様。
ナンでやね~ん!
いかにも超B級映画のサントラ盤みたいだ。
「Snack Attack」という曲名だけでコレにしたのか?
申し訳ないんですが、『Ismism』よりコッチのジャケットの方がいいんですけど…。
Img_0398「ハンバーガー」とくれば、実際に『ハンバーガー大戦争(原題:Good Burger)』なんて映画があってウチの子が小さい時にオモシロがって観てたな。Gb アメリカ人って『悪魔の毒々ナントカ』とか『親指ナントカ』とか超おバカ映画が好きだよね。
頭が6個ある鮫の映画とか…。
残念ながらこの手の映画を楽しむ趣味は持ち合わせていないが、このジャケットを見て、『デス・レース2000年』という映画があったのを思い出してしまった。
昔、東京12チャンネルのお昼の映画劇場でよくやってた。
確かレース中に人をハネて得点を稼ぐ未来のカー・レースの話で、お色気もタップリでオモシロかったな。
1975年のアメリカ映画でまだ無名のシルベスター・スタローンが出ちゃってて。
まさかスタローンも翌年に『Rocky』で大ブレイクしてオスカーまで取っちゃうなんてこの映画の制作中には想像したことすらなかっただろうね。
題名からすると話の設定は2000年だったんだろう…もう21年も過ぎてしまった!
Dr2000 驚いたことにインターネットを観ていて他にも「ハンバーガー映画」を発見した。
『デス・バーガー』!
どういう話なんだろう?Dbg出ました「毒々」モノ!
『悪魔の毒々バーガー』と来たもんだ!
ギャハハ!「添加物100%」だって!
きっと私みたいなオッチョコチョイな担当者が悪乗りして付けたんだろうな。
映画には一切興味はないけど、こうなると原題が気になるな。
調べてみると…なんだ?
ただの「The Mad」っていうらしい。Add 
 
Blodwyn Pigはミック・エイブラハムズが1968年にイアン・アンダーソンとケンカをしてJethro Tullを辞め、サックスのジャック・ランカスター組んだバンド。
Jethro Tullの方向性として進歩派のイアンに対してミックは『This Was』で聴かれるようなブルース、ジャズ路線を飽くまでも貫くべきと対立したのが原因らしい。
いわゆる「音楽性の違い」というヤツ。
オリジナルメンバーでのBlodwyn Pigは2枚のアルバムを残し、イギリスではアルバムチャートのベストテンに食い込み、アメリカにおいてもチャートインを果たすという快挙を成し遂げたが残念ながら3年足らずで一旦は解散してしまった。
この『Ahead Rings Out』は1969年のデビュー・アルバム。
私の場合、Jethro TullのOBのバンドといわれてすぐに思い浮かぶのはベースのグレン・コーニックがFleetwood MacのOB、ボブ・ウェルチとNuzzのOB、トム・ムーニーと組んだParisだ。
このバンド、すごく好きでイケるとおもったんだけど残念ながらやっぱり2枚のアルバムを発表して解散してしまった。
一時期中古CD屋でその姿を見なくなって結構苦労して探した。
「パリス、P-a-r-i-s、巴里酢と…あった!」
案外簡単に見つかったと思ったら「ナンダ!パリス・ヒルトンじゃねーか!」何てことが3回ぐらいあった。
このアルバム、ナンの文句もリクエストもない…ひたすら素晴らしい。
こういうカッコいいロックはどこへ行った?Img_04007曲目の「The Change Song」の前に短いナレーションが入っているんだけど…私にとっての「イギリス英語発音」とはまさにコレ!
ドンズバすぎる!
Marshallの人にこの英語を聞いてもらったところ、ロンドンの東の方のアクセントなのだそうだ。
イギリスに行くとこういう英語と格闘しなければならない。
コレはイギリス英語のひとつのバリエーションであるに過ぎませんからね。
アメリカ英語の方が格段にラクです。
だから英語を勉強する時はイギリス英語を学ぶことを推奨しているのです。
 
表のブタもコミカルだが、この裏ジャケが断然おしゃれ!
そういえば、以前豚を連れて散歩するオジサンを時々浅草で見かけたけど、最近全くみなくなったナァ。
………、ん~、そういうことなのかナァ。Img_0401 
ヨーマ・コウコネン、1974年がリリースした初ソロ・アルバム『Quah』。
Jefferson系は中学生の時に「ロックの入門盤」ということで『Surrealistic Pillow』を買って聴いたのが最初。
その最初が悪かったのか、ほとんど聴かないで一生を終えそうだ。
それでも、Starshipになって加入したクレイグ・チャキーソというギタリストがカッコよくて高校の時にホンの少し聴いたけど、全体的には違う世界のバンド。
自分はつくづくブリッティッシュ派なんだナァ~、と思う。
と言いつつ…安かったのでジャケット欲しさに『Long John Silver』を買ったりしたけどね。
内容はやっぱりシックリ来なかったわ。
 
このジャケット、ロックを聴き始めた頃に音楽雑誌によく広告が出ていたのを覚えている。
「こんな変なジャケットのレコードって中身はどうなっているんだろう?」と訝しんだ記憶がある。
実にいいイラストだ。
ヨーマの奥様の作品だそうで。
 
で、45年の時空を超えて聴いてみた。
こんなアコースティック・アルバムもタマにはいいもんだ。
「ヨーマ・コウコネン」というとHot Tunaでジャック・キャサディとギーギーやっているイメージしかなかったんだけど、この人、フィンガーピッキング上手なんだネェ!
正直驚いた。

Img_0394というのは、昔教則ビデオの仕事をしていた時に、ボブ・ディランより前に「Blowin' the Wind」を吹き込んだことで知られるハッピー・トラウムが主宰する「Homespun」というレーベルから、ヨーマっは次から次へとアコギの教則ビデオをリリースしていたのです。
イヤ、ビデオを見た時にはあんまりそういう印象が無かったもんで…今回、アルバムを聴いて感心した次第。
ヨーマさま、ゴメンなさい。

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ケヴィン・コイン(Kevin Coyne)はイギリスはダービー出身のシンガー、コンポーザー、フィルム・メーカー、作詞家、作家、詩人だった。
「だった」というのは2004年に没しているからだ。
残念ながら知らなかったんだけど、イギリスではかなり人気があった人。
ブルースに影響された曲づくりに強烈な歌声、それに精神に異常をきたしているかのような歌詞が魅力だったらしい。
スティングやジョン・ライドンもこの人のファンだったことを明らかにしている。
また、BBCの人気ディスク・ジョッキー、アンディ・カーショウはケヴィンのことを「ドンドンよくなる国宝」と称し、「偉大なるブリティッシュ・ブルースの声」とまで評している。
 
ナンカ、今回のシリーズは自分ばっかり楽しんじゃって恐縮なんだけど…このアルバム盤もメチャクチャいいんですよ。
1977年の作品『In Living Black and White』。
ロンドンとヨークとエジンバラで録音した2枚組ライブ・アルバム。
キーボーズを弾いているのはズート・マニー。
となると、ギターはアンディ・サマーズ…The Policeのね。
 
ジャケットもオモシロイ。
ステージの上で後ろ手に何かを隠し持っているケヴィン。
Img_0403これは裏ジャケット。
その後ろに隠し持っているモノはナンダ?

Img_0404近寄って見ると…光っている。

Img_0405ウワ!カミソリ!
 
ご心配なく。
内容は安全です。
ケヴィンの魅力的な声でブルースやレゲエ、R&B調の曲を聴かせる他、ディランの「Knockin' on the Heaven's Door」やミュージカル『ショウボート』の「Ol' Man River」なんかも取り上げている。
アンディ・サマーズは何曲かでボトルネックを披露しているんだけど、コレが実にイケる!
Zoot Money's Big Roll BandやSoft Machineに在籍した大ギタリストに向かって失礼千万だけど…やっぱりこの人ギター上手だね。
The Policeみたいな80年代のバンドで名声を馳せたので私なんかにはどうしても軽い印象が付きまとってしまう。
そして、コレを機に他のケヴィンのアルバムを何枚か聴いてみたけど…すごくヨカッタ!Img_0406

1979年、ローウェル・ジョージの死後まもなく完成したLittle Featの7枚目のスタジオ録音アルバム『Down on the Farm』。
このアルバム、いいね~。
イラストはフィートのアルバムではおなじみのネオン・パーク。
マニキュアを塗っているのに手袋をしているのはコレいかに?

Img_0407ホラ…。
1940~1950年代に活躍したアメリカのギル・エルブグレンというイラストレーターの「The Finishing Touch」という作品。
ネオン・パークはコレをモチーフにプールサイドのアヒルを描いた。
もしかしたら、アヒルが塗っているのはマニキュアではなくて口紅か…。Fk 一方、Little Feat全盛期の作品『Sailin' Shoes』。
コレは発見したのがうれしくて、Marshall Blogで以前にも何回か紹介した話。
いいの、いいの、以前の記事を読んでいない人が多いにキマっているので、オモシロイことは何度でも書くことにしてるの。
何度も読んで頂いている方にはゴメンなさい。チョット待っててね。

Sslt_2 ところはロンドンに飛んで…マリルボーンにあるかつて「EMI House」と呼ばれたのEMIレーベルの本社社屋。

Emi赤盤&青盤のジャケットの写真はこのビルのエントランスで撮影したことはよく知られている。

Red 
その真隣りにあるのが「ウォレス・コレクション」という美術館。

Wc2コレ、ホントにうれしかったの。
何の予備知識もなく絵を見て歩いていてフト目についたのがコレ。
ジャン・オノレ・フラゴナールというフランスの画家が1767年に描いた「ぶらんこ(The Swing)」という作品。

Sw1_2「アレ?コレどっかで見たことあるぞ!」とビビビと来たのが…

Sw2『Sailin' Shoes』だったというワケ。
ネオン・パークは上のアヒルといい、こういう手法を得意としているのね?
もう1回見てみましょう…ね?

Sslt そういえばザッパの『Weasels Ripped my Flesh』も確か電気ヒゲ剃り器の広告かなんかのデザインが元になっているんじゃなかったっけ?7wrmf 私は「生きているローウェル・ジョージを観た」のが自慢のひとつなんだけど、ローウェル亡きあとのFeatもすごくヨカッタという話を耳にしたことがある。
コレもコミック・ジャケットなので紹介させて頂きたいのだが、1990年のセントルイスでの演奏を収録した『Rock'n Roll Doctors』というライブ・アルバム。
下北沢のレンタルビデオ屋のワゴンセールで100円で買った。
音がよいのでオフィシャル盤かと思っていたんだけど、イタリア制作の海賊盤だった。
コレ、音だけじゃなくて、演奏が信じられないぐらい良いのです。
それが100円…うれしいね。
Rrd 
Flo & Eddie、1981年の『Rock Steady』。
この2人は言わずと知れたザッパのところにいたハワード・ケイランとマーク・ボルマンね。
下のアルバムではジャケットのラスタ・カラーのタイトルでわかるようにとことんレゲエを演ってる。
何しろ「Happy Together」までレゲエなのよ!
 
コレも裏ジャケで落とすタイプ。
南国でくつろいでいるのかと思いきや…

Img_0410なんだ、スタジオだったんかいな?というオチ。

7img_0411 
サリー・オールドフィールドはマイク・オールドフィールドのお姉さん。
ふたりでThe Sallyangieなんてフォーク・デュオもやっていた。
1979年の『Easy』。
彼女の2枚目のソロアルバム。
この人もいい加減スゴイちりめんビブラートだな。
シレっと流しておいても一向に気にならないタイプの音楽。
彼女は弟の『Tubular Bells』や『Hergest Ridge』、『Ommadawn』にも参加していて、スティーブ・ハケットの『Voyage of the Acolyte』なんかにもその名を連ねている。
これも裏ジャケットで落とすストーリー仕立て。Img_0412
なんで『Easy』で人が落っこっちゃうのかサッパリわからないけど、最後は誰もいなくなっちゃうというお話し。
まさか、Genesisの『…And Then There Were Three…(そして3人が残った)』のパロディじゃないだろうな?
1年後のリリースだし、こっちもはじめは3人だし…。
『…And There Were None…(そして誰もいなくなった/Agatha Christie)』ってこと?

Img_0413 

アル・クーパーは言わずと知れたBlood, Sweat & Tearsの創設者で、マイク・ブルームフィールドやスティーブン・スティルスとの『Super Session』でよくその名を知られている。
ボブ・ディランも「Like a Rolling Stone」のオルガンもアルの仕事だ。
何かヨソヨソしいでしょ?
私、この辺は通っていないんですよ…また言うけど、ブリティッシュ小僧だったもんで。
コレは『Championship Wrestling』という1982年のアルバム。
Img_0414コレはなかなかスゴイ。
内容も格闘技になっていて、A面が第1試合、B 面が第2試という設定で、下の裏ジャケの写真の左側の人達と右側の人達とのタッグ・マッチになっている。
このデザインは昔のアメリカのボクシングの告知ポスターを模している。
左のチームのメンバーには、ミッキー・トーマス(Elvin Bishopのところにシンガー。「Fooled Around and Fell in Love」って曲好きだった。「愛に狂って」っていう邦題だったかな?)、Tower of Power、ブルース・ゲイリー(The Knackのドラマー。知らんがな)、スティーブ・フォアマン(名パーカッショニスト)、ニール・スチューベンハウス(超売れっ子ベーシスト)、エド・グリーン(Steely Danの『Aja』にも参加しているジャズ・ドラマー)など…。
対する右側チームにはヴァレリー・カーター(有名女性シンガーソングライター)、エリオット・ランドール(Steely Danのギタリスト)、ヴィンス・コライユータ(ヴィニー・カリウタね)等の名前が挙がっている。
そしてフィーチャリングがジェフ・バクスター。
レフェリーはプロデューサーの"Wild" Bill Szymczykとなっている。
「Szymczyk」…完全にポーランドじゃん。とても読めない。
調べてみると「シムジク」という表記にしているみたいだな。
え?有名なプロデューサーだぁ?
B.B.King、The James Gang、The Eagles、The J. Geils Band、ジェイ・ファーガソン等を手がけた敏腕プロデューサーですか?…どのバンドも聴かないナァ、だから知らなかったのね。Img_0415でもプロデューサーは知らなくても、私はジェイ・ファーガソンを知っているのです。
ナンとならば、高校の時、故リック・ダンコの前座で中野サンプラザでホンモノを観たことがあるのだ!
その時初めて聴いたんだけど、スゴくよくて「コレ、リック・ダンコがヤバイんじゃないの?」なんて転換の時に友達と話していた。
ところだ、リック・ダンコのステージが終わった時には100%ファーガソンを観たことを忘れていた。
それぐらいリック・ダンコのステージは素晴らしかった。
下はその時のコンサート・プログラム。70r4a0235 ね。
1978年のことでした。70r4a0238 <最終回につづく>
 

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2021年10月26日 (火)

渋谷もNATAL!~イケシブNATALフェア開催中!

 
遅ればせながらイケベさんの渋谷、「イケシブ」にお邪魔してきた。
上から下まで全部イケベさん。
スゴイな~。10vま、こんなことばっかり言ってるから年寄りはイヤがられるんだろうけど、こっちはイケベさんのお店がまだ池袋にしかなかった頃からお世話になってるからね。
夏休みに新宿の喫茶店でアルバイトしたお金を全部はたいて白いメイプル指板のストラトキャスターをオーダーメイドで作ってもらった。もちろん国産よ。
池袋店のお兄さんは「白いボディのストラトにメイプル指板はカッコ悪いよ」とアドバイスをしてくれたが、ウリ・ジョン・ロートと同じにしたくて「いいんです。メイプルで発注してください」とやった。
私にもそんな頃があったのだ。
当時住んでいた家から池袋は不便なロケーションだったのだが、友人がアルバイトをしていたのでワザワザ出かけて行ったのだ。
それからほどなくして、イケベさんは水道橋に出店された。
通学路だったことと、その友人が水道橋店に移ったためずいぶん通わせて頂いたな。
40年以上前の話よ。
いい思い出だ。
160さて、今日の用向きは3階の「ドラム・ステーション」。20 その名の通り、ドラムス/パーカッションの売り場だ。
 
生ドラム・キットにハードウェア…
40エレドラ…

50スティック…

60_2 パーカッション…70シンバルにスネアがゾロリ…ツボを得たアイテムが所狭しと展示されている。

80そのスネア・ドラムの展示の一角にお邪魔しているのが…NATAL。
90バラエティに富んだサイズと…

100素材のスネア・ドラムが並んでいる。110_2 そして、試打室にはウォルナットのNATALキット。
もちろん自由に試せます。120ハードウェアも…

130パーカッションもゾロリ!

140そう、ただいまイケシブさんにて「NATALフェア」を開催しているのだ!
試打室のウォルナットのキットは11月イッパイ展示する予定なので興味のあるドラマーさんはゼヒ渋谷に足を運んで頂きたい!
150そう、人間には音楽がついている。
そして「いい音楽」がある人生は「よい人生」だ!
 
イケシブの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

30

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200(2021年10月26日 池部楽器店渋谷旗艦店にて撮影)

2021年10月25日 (月)

聖子ちゃんもNATAL~ショボン大活躍!

 
NATALのアルミ・シェル・スネアを手にしてゴキゲンなポーズをキメてくれているのは伊藤ショボン太一。10v_2 ジャズのビッグバンド、ニコニコ系、声優さんのサポート、プログレッシブ・ロックからヘヴィ・メタルまで…ショボンちゃんの仕事の幅もいい加減広い。
そして、どんな時でもNATALドラムスを使ってくれている。
20何しろショボンちゃんは高田馬場のバズーカ・スタジオでNATALを体験して「ん、コリャいいべ!」と惚れ込んで即オーダーしてくれたほどのNATALドラムスの愛用者なのだ。
その時から10年近く経った。
つまり、日本に最初に上陸したNATALのキットを叩いている最古参ドラマーがショボンちゃん。30初めて会った時は驚いたのは、その年齢に相応しくない「貫禄」だけではない。
何しろどんな時でも練習用のスティックを手放さず、おしゃべりをしている時でもズ~っと手を動かしているその練習熱心さ。
そんなだから当然すごいテクニックだわね。
4ビートが叩けるのも大きな強みといえるだろう。
その音楽性も相まって「若手」ということで言えば、日本を代表するレベルのドラマーと見なしてもおかしくないだろう。40そのショボンちゃんが今回、松田聖子さんのデビュー40周年を記念するアルバムのレコーディングに参加した。
聖子ちゃんも40周年か…LOUDNESSと同じだったのか。
私が大学に入った年。
なんかあの時代が懐かしいな。
ショボンちゃんはまだ生まれていなかった!
170vそのアルバムが10月20日にリリースされた『続♥40周年記念アルバム「SEIKO MATSUDA 2021」』。
コレは初回限定盤。
新曲と既存曲を5曲ずつ、レコードのA面とB面のように配置した10曲入りアルバムだ。
昨年2020年に発売となった前作の「40周年記念アルバム」の続編…だから「続」が付いている。
この初回盤のジャケットは「聖子ちゃんカット」を新たに撮りおろした写真が使われているそうだ。
あの頃、街の中も学校のキャンパスも女の子はみんなこのヘアスタイルだった。
聖子ちゃんは早生まれなので私より学年がひとつ上なんだけど、同じ歳なの…カワイイよな~。
私の家内は親友が聖子ちゃんのスタッフをしていたことがあった関係で何度かコンサートにお邪魔したことがあるんだけど、「ホンモノの聖子ちゃんは、中身が透けて見えるぐらい色が白くて信じられないぐらいカワイイ」とテレビに聖子ちゃんが出るたびに今でも必ず言うんだわ。60cd収録された10曲のウチ、ショボンちゃんがNATALを叩いて録音に参加したのは4曲。
当初は2曲の予定であったが、ドラミングが好評で2曲追加となったそうだ。
演奏しているのは、「チェリーブラッサム2021」と新曲が3曲。
「Rendezvous」、「My Shinning Days」、そして「You're the One!!」。
下は通常盤のジャケット。
前作同様、過去と未来の聖子ちゃんを結ぶ意匠。
今回の過去の方の写真はデビュー前に撮影された貴重な写真なのだそうだ。
 
詳しい情報はコチラ⇒松田聖子40周年スペシャルサイト 

70cd
さらにCD、Blu-ray、LP2枚にポスターを収容したボックスセットも発売された。
聖子ちゃんファンは大喜びだね。
「40年ファンをやっててヨカッタ~!」という方が大勢いらっしゃることだろう。
 
80cdそして、コチラはショボンちゃん愛用のNATAL。
もちろんこのキットでドラム・パートを録音した。
シェルはウォルナット。110スネアは今では入手できない「Staveシリーズ」を愛用している。

100コチラは最初にゲットしたNATAL。
こっちはバーチ。120こうして色んな現場から引っ張りダコのショボンちゃんがレギュラーで取り組んでいるバンドが「東京アクティブNEETs」。
下の写真ではトロンボーンが入って三管編成になっているが、原型はトランペット、サックスにピアノ・トリオとパフォーマーが組み合わさったセクステット。
ジャズの要素を蓄えた音楽の楽しさを伝えてくれるチームだ。130トランペットのヒロコマン(古屋ひろこちゃん)は私の大学時にやっていたビッグバンドの後輩でしてね。
トランペットの腕前だけでなく、信じられないぐらい明るい性格が大きな魅力。

140v上の写真にも写っているトロンボーンは親友の枡谷小雪ちゃん。
ショボンちゃんを通じて知り合ったのは2年前なんだけど、この2人…2015年の『NAONのYAON』に出演していて、知らない間に写真を撮ってMarshall Blogに出てもらっていて(しかもカメラ目線!)驚いちゃった。150東京アクティブNEETsは毎週木曜日生配信をお送りしているので要注目!
 
コチラからどうぞ⇒YouTube「Active NEETs」チャンネル

登録者が18万人もいるわ!スゲな!

160がんばれショボンちゃん!

東京アクティブNEETsの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト 90v

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200(一部敬称略)

2021年10月20日 (水)

名優誕生!NATALドラマー・石川達也映画デビュー!!

 
スッカリ忘れていたけど、我々の世代が小学校の低学年の頃、沖縄はアメリカだった。
「沖縄は日本だけどお金は『円』ではなくアメリカの『ドル』が使われていて、『パスポート』というモノがなければ自由に行くことはできないのよ」と母から話を聞いた記憶がかすかに残っている。
子供心にビックリした。
そして1972年、私が小学校4年生の時、アメリカの統治を終えて27年ぶりに日本に返還され、「今度『沖縄県』という新しい県ができます」と学校の社会の授業で説明があった。
それまでは「1都1道2府42県」と教わっていたのが「1都1道2府43県」になるのが子供ながらにすごくシックリ来なかったことを記憶している。
Shige Blogに書いたように、先日映画『ひめゆりの塔』を観に行くに当たって付け焼刃で何冊かの本を読んで沖縄の歴史を勉強した。
その辺りのことをココに書くのは本稿の趣旨から離れるので割愛するが、元々は『琉球王国』という日本とは別の国のであった彼の地が歩まざるを得なかった歴史を日本人はもっと学習するべきだと思う。
来年の2022年は沖縄が本土に復帰して50年に当たる。
 
05_2 
 
その沖縄の本土復帰50年を記念して『風が通り抜ける道』という映画の製作が進んでいる。
作品のウェブサイトから引用すると…「沖縄から歌手として、世界へ羽ばたく主人公『光』が、東京で挫折を味わいながらも、周囲の沖縄人の温かい心、家族の愛に包まれて乗り越える姿や、高齢者単身のおばぁの心情、平和への想い等を描く」…というのが作品の概要。10歌手としての成功を目指す女性が主役の映画なので、当然演奏のシーンが出て来る。
今日はそのシーンの撮影のようすをレポートする…と言っても私がお邪魔したワケではない。
出演者に特派員をお願いした次第。
 
コチラが演奏シーンに出演した皆さん。
20そしてその演奏シーンをサポートした楽器たち。40
30ドラムスはSilexの石川達也。
今回はMarshall Blogの特派員も務めて頂いた。50使用したNATALのドラム・キットは達也くんお気に入りのメイプルのキット。

60当初はごく小さな音量で演奏する予定になっていたので18"のバスドラムのキットを用意していたが、急遽普通の音量で演奏することになり、このお気に入りのキットが出動した。70ペダルやスタンド類のハードウェアもすべてNATAL。
スネア・ドラムはウォルナット・シェル。75「NATAL」ロゴ…やっぱいいな。
映画の中でもきっと映えることだろう。80ギター・アンプはアコースティック・ギターを使用するとのことで問答無用でコレ。100Marshallのアコースティック・ギター・アンプAS100D。
日本ではアコギ・アンプの需要が極端に低いが、欧米ではアコースティック・ギターにアンプを使用するのはごくスタンダードなセッティング。
音にパンチ力があるし、何しろ手元で自分の好きなように音が作れるからね。
90今回ASを鳴らして頂いたのは佐藤政志さん。
複数のアーティストに曲を提供し、『ぬくもりの内側』という白石美穂さんや三田佳子さんが出演している映画の音楽を担当。
今回の『風が通り抜ける道』では音楽プロデューサーを務めている。95vASの話をすると、日本ではどこへ行っても「Marshallにそんなのあるんですかッ?!」なんて調子だが、Marshallだって歪むばかりが能じゃない。
ヨーロッパでは最も人気のあるアコギ・アンプである証拠に、このモデルは若干の仕様変更はあったものの、20年もの間一度も製造を中断したことがないロング・セラーなのです。
60年近いキャリアを持つ1959やら1960は別格として、Marshallで20年の寿命といったらかなりのご高齢ですからね。
今回も佐藤さんに「音がいい!」とおホメの言葉を頂戴した。
110ベース・アンプはEDEN。
Terra Nova TN-501とD410XSTが活躍した。

120弾き手はQUORUMの盆子原幸人くん。
Marshall Blog久しぶりのご登場!130キーボーズは小岩伸也さん。
東京ビジュアルアーツ講師を務めるかたわら数々のシンガーソングライターの編曲やライブでのサポート活動をされている。150「ストリングスと初めて演奏しました」なんて達也くんが言っていたけど、その弦の部隊がコチラの皆さん。160今回はヴィオラの方が都合で参加できなかったが、普段はÉrable Quartet(エラーブル・カルテット)とい弦楽四重奏チームで活動されている。
向かって右からチェロの小林颯希さん、ヴァイオリンの森田詢子さん、同じくヴァイオリンの松谷萌江さん。
コレにヴィオラが加わると弦楽四重奏団、英語では「String Quartet」ということから「弦カル」なんて呼ばれますな。
若い時にはシューベルトの「死と乙女」以外の「弦楽四重奏曲」を聴こうなんて考えたこともなかったけど、今はショスタコーヴィチとかバルトークとかしょっちゅう聴いているの。
ドビュッシーもいいな。
メチャクチャかっこいいんだゼ!

170 演奏シーンの撮影風景。
ステージの中央にいる女性は主演の比嘉梨乃さん。175感動のクライマックスではこのバンドをバックにオリジナル曲を歌ってくれるそうだ。
アレ?…梨乃さんの後ろでカメラを操作しているのは野田さんじゃん?
上の佐藤さんのところで紹介した『ぬくもりの内側』のDOPに同姓同名の方がクレジットされていたのはやっぱり野田さんだったのね?
176主演を務めた沖縄出身の比嘉梨乃さんと。
他の出演者は山田邦子さん、具志堅用高さん他。180 ナンカものすごく楽しかっただって、達也くん。
公開は2022年春の予定。
185作品もさることながら、達也くんの矢沢永吉さんのMV以来の熱演ぶりが楽しみだ!
 
『風が通り抜ける道』の詳しい情報はコチラ⇒FEEL PICTURES公式ウェブサイト

190 

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2021年10月16日 (土)

ミュージック・ジャケット・ギャラリー ~ コミック・ジャケット・コレクション <vol.2>

 
この国においては絶滅寸前の状態にある洋楽のロックの魅力を「ジャケット」という側面からお伝えする正義のシリーズ。
その『コミック・ジャケット』特集の第2回目。
展示の2番目のセクションに移動します。Img_0236§2-a
ココはザッパものが入っていていい感じだぞ。

Img_0238
コレはそれこそモロにザッパが喜びそうなB級怪獣映画風イラスト!…と思ったらこの『Amazing Kathy Dalton』はザッパのDiscReetレーベルからのリリース。
プロモーションのためだったのだろう、実際このキャシー・ダルトンは1973年にニューヨークとボストンで2度ほどザッパのオープニング・アクトも務めた。
この人はロサンゼルスのGas Companyという「東京ガス株式会社」みたいな名前のフォーク・グループの出身。
知らんナァ。
このアルバムには「Cannibal Forest(食人の森)」なんて物騒なタイトルの曲も収録されていて、ジャケットの雰囲気にピッタリの内容が期待されるが、音源を聴いてみると、ところどころバフィ・セイント・マリーの歌い方を思わせるマジメでソフトな曲が並ぶ。
一体どこが「Amazing」なのかがサッパリわからない。
このアルバム、オリジナル盤はかなりレアで、状態が良いとかなり高い値段が付くらしい。

Img_0338裏面に記載されているクレジット。
完全に映画風の作りになっていて、通常「Musicians」とするところを「Co-starring(共演)」とシャレこんでいる。
この共演者達がタダモノではない。
「Lowell George、Paul Barrere、Bill Payne、Sam Clayton、Kenny Gradney、Richard Hayward」…要するにLittle Feat。
そうか、コレが「アメイジング」ということか!
ザッパがローウェルに「チョット、ウチの子の伴奏してやってくんない?」って頼んだのかね?
Little FeatだけなくAlso Starringとして「Van Dyke Parks」の名前も見えるし、Guest StarsのクレジットではThe Beach Boysの「Carl Wilson」の名前も確認できる。
まさにアメイジング!ってか?
ところが、演奏を聴くに、コレのどこがLittle Featなの?って感じなのよ。
残念ながら「Dixie Chicken」でもなければ「Time Loves a Hero」でもない、無味無臭のただの演奏がウマいバンドがバックを務めている…という感じ。
まさかLittle Featが演奏しているのにLittle Featらしくないのが「Amazing」ってワケでもあるまい?

Img_0339 「ケッ、エラそうに!オマエにLittle Featのナニがわかるんだ?」って?
オウ!1978年に中野サンプラザでホンモノを観たからよ。
まぁ、コレは行っておいて良かったコンサートのひとつだったわ。

70r4a0205 この『Amazing Kathy Dalton』というアルバムは、オープニングの「Lomg Gone Charlie, Hit & Run」という曲を「Boogie Bands & Night Stands」という曲に差し替え、タイトルもその1曲に差し替えて翌年にリリースし直された。
だから元の方は1年の短命だったということになる。
これがレア度を高めているのだろう。
しかし、ナンだってそんなことをしたんだろうね?
それも「アメイジング」だ!

7kd 
他の回の展示ではセカンド・アルバムの『Little Red Record』が出展されていたMatching Mole。
今回はそのファースト・アルバム。
『そっくりモグラ』という邦題だった。
モグラが相対しているからか…。
この「Matching Mole」というバンド名は、ご存知の方も多いだろうけど、ワイアットが在籍していたSoft Machineのフランス語訳「Machine Molle(マシーネ・モレ)」を英語っぽく読んで付けられているんだよね。
 
2匹のモグラが向かい合っている姿が実に愛らしい。
イラストはアラン・クラックネル(Alan Cracknell)という人。
内容も美しいことこの上ない。
息詰まるような「美」を湛えた「Sea Song」なんかにしてもそうだが、ロバート・ワイアットには他の人が決して到達することのできない美的音感覚が備わっていると思う。
ドラミングも素晴らしいが、そういうタイプの音楽こそ彼の持ち味であり、静謐な中に途轍もないパワーを感じてしまう。
これが音楽のすごさというヤツであろう。(でも、退屈な作品は退屈よ)
静かな曲だけではなくこのアルバムの「Part of the Dance」のようなブッ壊れる寸前のようなインスト・ナンバーも実に魅力的だ。
怪我をする前のワイアットのドラミングは実に緻密でテクニカルだった。
もうひとつ、このMatching Moleの魅力はその諧謔精神だ。
グループ名からしてイカしてるもんね。
1曲目の「O Caroline」はThe Beach Boysの「Caloline No」のパロディ?
メッチャいい曲だよね。
「Signed Curtain」の歌詞なんかこんな具合…。
「♪これがイチバ~ン/これがイチバ~ン/これがサビ~、ここが多分大サビってヤツ/そして次のパートへ~… / これがニバ~ン/これがニバ~ン/これがサビ~、ここが多分大サビってヤツ~/そして他のキーへ転調~…」
こんな調子なのである。
こうしたいいバンドが短命に終わったのは残念至極である。
『Little Red Record』のジャケットもシリアスさとユーモアを交えた傑作だった。

Img_0340 
ここでザッパ。
あ~、ホッとするわ~。
家に帰って来た感じ?
契約をめぐってモメにモメた結果、ワーナー・ブラザーズが勝手にリリースしてしまった3部作の一角が『Orchestral Favorites』。
イラストはゲイリー・パンタ―(Gary Panter)。
ゲイリーはザッパのアートディレクターであったカル・シェンケル(Cal Schenkel)の影響を受けていることを明らかにしている。

Img_0341モメた3作のウチの残りの2作、『Studio Tan』と『Sleep Dirt』もパンターの作品だ。

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Sdtこのレッチリのデビュー・アルバムもパンターの作品。

Chcp  
次…。
このユニークなイラストはドナルド・ローラー・ウィルソン(Donald Roller Wilson)によるもの。
チンパンジーや犬や猫にアンティークな衣装をまとまわせて描く作風がトレードマーク。
この『Them or Us』の犬は全然まともな部類に入るだろう。
他の作品を見ると…結構ヤバイ感じ。
この人の作品はニューヨークやシカゴ、サンフランシスコ等の美術館にも展示されており、アーカンソー大学で教鞭をとったこともあるそうだ。
ま、誰もやらないことをやっているのだけは確かだ。
ザッパの作品では他に『Boules Conducts Zappa : The Perfect Stranger』、『Francesco Zappa』なども手掛けている。
どれも犬系でおとなし目のタッチだ。
大好きなザッパの作品なんだけど、どうもこのアルバムは苦手であんまり聴かなかったナ。
ナンカおもしろくないんだよね。
タイトル・ロゴがチョットヒプノシスっぽいような気もするが、このアルバムのグラフィック・デザインはガブリエラ・ラウムバーガー(って読むのが近いのかな?Gabrielle Raumberger)というアメリカのデザイナーの仕事。Img_0342この人はAerosmithの『Pump』のデザインも手掛けている。Pp  
もうひとつ展示されていたザッパのアルバムは『The Man From Utopia』。
「Chop a line now!」と始まる1曲目の「Cocaine Decision」は名曲だけど、コレもあまり聴かない作品だナァ。
ザッパの小品集ってとこかしらん?
「The Dangerous Kitchen」や「The Jazz Discharge Party Hats」あたりのしゃべるギターはスティーヴ・ヴァイのファンにはタマラナイんじゃないの?
国内盤を買いそびれてしまって、大阪に住んでいた時に神戸の中古レコード屋でゲットした。
あの頃…35年ぐらい前かな?…ちょっとしたザッパ・ブームみたいになっていて、国内盤なんかは東京で結構高い値段が付いていた。
その点、関西ではそれほどでもなくて、京都や神戸でいくらか安く買い込むことができた。
以前、マーブロでZappaの『Filmore』のオリジナル盤をヨボヨボのお婆さんが店番をしている京都の民家のような中古レコード屋さんで1,000円でゲットしたことを書いたが、その記事をご覧になった三宅庸介さんが連絡してきてくれた。
ナントその店をご存じだったのである。ビックリしたね。
 
ジャケットのマッチョなザッパはイタリアのコミック「RanXerox」のパロディ。
見ての通りザッパがスゴイ形相で蚊を叩き落としている。
海外にもハエたたきがあるんだネェ。
ちなみに「ハエ叩き」を英語で「Flapper」というそうです。
イギリスでは「Swatter」…でもイギリスには蚊はいないそうです。
あ、セミもいないのかな?
以前リバプールの人に「夏になると木にくっついてギャー!って騒ぐ虫はナンていう名前だっけ?」と尋ねられたことがあった。
「Cicada(シケイダ)」といいます。
 
これは1982年、このアルバムがリリースされる前の年のミラノの近くで開かれた野外コンサートでの出来事をイラストにしている。
演奏中にものスゴイ数の蚊がステージに紛れこんできて演奏しづらかった…の図。
つまり実話。
『You Can't Do That on Stage Anymore vol.1』に収録されている「Zomby Woof」がこの時の同じ場所での2日後の演奏。
蚊のことはどうでも、この『Zomby Woof』の演奏はすさまじいのひとことに尽きる!

Img_0343 
さて、ココは今回のハイライト…かな?
もうこのパートが書きたくてウズウズしていたのです。
 
まずはビートたけしから。
下は昭和55年(1980年)に日比谷野音の楽屋でツービートにサインしてもらった色紙。
同時に『わっ毒ガスだ!』という本にもサインをしてもらったんだけど、アレはどっか行っちゃったナァ。
この頃からオールナイトニッポンで活躍している頃のたけしが好きだった。
オモシロかったもんね~。
その頃の好きなネタの中にこういう小噺があった。
下品なヤツね。
 
ある罪人が死んで、地獄に落ちてエンマ大王から有罪の判決を受ける。
そして、鬼から「自分の好きな地獄を選べ」と言われる。
いくつかの選択肢があって…
まずは針の山…コレはいかにも痛そうなのでパス。
火炎地獄…コレは熱くてツラそうなのでパス。
血の池地獄…コレも気持ち悪いのでパス。
更にもうひとつの地獄を見ると、ウ〇コの池から罪人が顔を出してコーヒーを飲んでいる。
すると罪人は「コレが一番ラクそうだ」ということでこの「ウ〇コ池地獄」を選ぶ。
服を脱いでウ〇コの池に身を沈め、顔だけ出してコーヒーを飲んでいると、鬼がやって来てこう言った。
「ハイ、休憩終わり!みんな頭のテッペンまで潜って~!」
 
こんなような噺。
いいですか~、コレ覚えておいてくださいよ~。
70r4a0210話はMJGに戻って…
次は「イギリスのChicago」とも称されるブラス・ロックの雄、IF。
「ジャズ・ロック」という切り口でも取り上げられることも多いバンド。
それもそのハズ、初代ギタリストだったTerry Smithはギンギンのビ・バッパーだった。
ビッグ・バンドと共演した『Fall Out』ではとてつもなく骨太なギターを聴かせてくれたし、『Terry Smith with the Tony Lee Trio』も渋めのスタンダードをプレイした好盤で、双方今でも時々聴いている私の愛聴盤なのだ。
でも、彼が参加していた頃のIFの最初の2枚はどうにも退屈で私は苦手。

Terry1

Terry2 
で、下の『Tea Break Over - Back on Your 'Eads』は1975年発表のIFの8枚目にして最後のアルバム。
前述のギタリスト、Terry Smithはもう参加していない。
この前年に発表したのアルバム『Not Just another Bunch of Pretty Faces』からジェフ・ホワイトホーン(Geoff Whitehorn)に交代しているからだ。

さて、このアルバムのタイトルにある「'Eads」というのは「Heads」、つまり「頭」のこと。
で、ジャケットはIFのメンバーが風呂みたいなモノに使ってお茶を飲んでるところ。
ネズミがいて、鼻を洗濯ばさみでつまんでいるのが気になるでしょ?
 
ココでもうひとつアメリカのジョークを披露させて頂く。
よくある「Good news and bad news」というパターン。
 
ある男が死んで3つのドアがある部屋で悪魔に会った。
悪魔が言うには…
「今日は良いニュースと悪いニュースがあるぞ。
まず、悪いニュースは、この後オマエは未来永劫この3つのドアの中のひとつで過ごさねばならないこと。
一度決めたらもうそこから出ることはできない…いいか?

良いニュースは、ドアを決める前にオマエはそのドアの中を見ることができる…ということじゃ。
早速男は第一のドアを開けてみた。
すると部屋の中は人でイッパイで、みんなコンクリートの床の上に頭を接して逆立ちしていた。

コレはメッチャ頭がシンドそうだ…と男は考えた。
次に2番目のドアを開けて中を覗くと、やはり中は逆さになった人でイッパイになっていたが、床が木で出来ていた。
コレはさっきよりは大分マシだな。
でも最後のドアを見てみないとイカン…と男は考えた。

そして、男は最後のドアを開けてみた。
すると今度も中は人でイッパイだったが、今度はみんな排泄物の水槽の中に腰まで浸かり、コーヒーをすすっていた。
「コレだ!3つのウチだったらコレがいい!」
男はそう言って水槽の中に歩いて行き、悪魔がドアを閉めている時に飲み物を注文した。
何分かするとまたドアが開いて悪魔が顔を出してこう言った。
「ハイ、休憩終わり!逆さになって~!」

この最後の悪魔のセリフ、つまり落語で言う「サゲ」が『Coffee break' over, back on your heads!』という一種の決まり文句になっているのだそうだ。
『大山詣り』の「お怪我なくてよかった」とか、『火焔太鼓』の「半鐘はおよしよ、オジャンになるから」みたいなもんね。
もう一度このアルバムのデザインをチェックすると…『Tea Break Over - Back on Your 'Eads』という吹き出しのセリフの主は悪魔だったというワケ。
そして、IFはイギリスのバンドだから「Coffee break」ではなくて「Tea break」になっているのね。
だからイラストもコーヒー・カップではなくてティー・カップが描かれている。
「'Eads」と「H」を落としているのもイギリス流。
例えばコックニーの人たちは「h」を発音しない。
反対に「h」を「ヘイチ」なんて発音する人もいるな。
ネズミが洗濯ばさみで鼻をツマんでいる理由もコレでわかったでしょ?
コレは風呂ではありませんでした。Img_0344ジャケットをヒックリ返して見ると…悪魔の言いつけ通り、みんな逆さになってる。
休憩が終わったから。
欧米の人がコレを見ると「ジャンジャン!」というワケね。
私はこういう話がタマらなく大好きなのです。

7bifこのアルバムのジャケットのデザインを担当したのはThe Rolling Stonesのベロマークを考案したジョン・パスケ。

7rsjp
それにしてもショックだったのはたけしの小噺がパクリだったこと。
まぁ、日本のお笑いネタは古来、欧米からの移植が多かったからね。
ヒゲダンスのグルーチョ・マルクスのようにクレイジーとかドリフがやっていたことの多くが欧米の喜劇の借用だ。
マルクス兄弟の他にも。お手本はビング・クロスビーとボブ・ホープの「珍道中シリーズ」とかディーン・マーチンとジェリー・ルイスの「底抜けシリーズ」とかいいモノが沢山あった。

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Gm

もうコレは何回もMarshall Blogに書いていることは自分でもよくわかっているんだけど、マルクス兄弟が出てきたら書いとかないと…というのは、Queenの『オペラ座の夜』と『華麗なるレース』のタイトルはマルクス兄弟の『A Night at the Opera』と『A Day at the Races』から拝借しているということね。
マルクス兄弟の映画なんて観てみるといいですよ。
メチャクチャ面白いから。
Q1

Q2

そういえば、拝借したのはお笑いのネタだけでなく、昔は音楽も欧米のネタを盛んに取り入れていた。
先日フト気が付いたのは「スーダラ節」。
イントロにバーンスタインのミュージカル『Wonderful Town』の中の「Pass the Football」という曲のメロディがそのまま使われているではないの!
それに「One Hundred Easy Ways」という曲の「♪A sure sure sure way to lose a man」という箇所の「sure, sure, sure (シューア、シューア、シューア)」と歌う所はいかにも「スーダラ節」の「♪スースースーダラダッタ」を思わせる。
「スーダラ節」を作った青島幸男と萩原哲晶はバーンスタインを聴いて勉強したことは間違いないだろう。
何しろこのミュージカルは日本未公開だったのだから余計に都合が良かったハズだ。
でもね、こうして昔は「すごく良いモノ」をマネしていたからまだ「良いモノ」を作ることができた。
今は映画も音楽ももう完全に迷走状態だ。
出がらしから美味しいお茶を淹れることは絶対に不可能なのよ。
  
バーンスタインといえば金科玉条に『ウエストサイド物語』だけど、この『Wonderful Town』やオペレッタの『Candide』なんかか本当に名曲揃いで皆さんにもゼヒ聴いてもらいた…くない。
ひとり占めにしておきたい!…という気持ちの方が強いナ。
こんなに素晴らしい音楽は人から教わって楽しむもんじゃありませんよ。
時間と金をタップリかけて自分で探すがよい!

7

7wft  
調べてみると1987年の発売だったというから、もう34年も前のことになるのか…。
『スーパーショウ』というビデオが出て、レンタルビデオ店へ借りに行ったことがあった。
当時は昔のLed Zeppelinの姿が収録されていることで話題になっていたようであったが、私は動くローランド・カークが見たかったのだ。
バート・バカラックの「I Say a Littler Prayer」にショパンの「英雄ポロネーズ」を混ぜたような演奏でヤケクソにカッコよかったが、他の内容は全くと言っていいほど覚えてない。
このコンサートが収録されたのが1969年3月25&26日で、『Supershow The Last Great Sixties Musical Event』というタイトル通り、60年代の最後を飾る豪華イベントだった。
何しろ出演者が。CREAMの解散から4ヶ月後のエリック・クラプトン(だから1959のフル・スタックがズラリ!)やジャック・ブルース、デビュー2ヶ月後のLED ZEPPELIN、ジョン・ハイズマンのColosseum、スティーヴン・スティルス、バディ・マイルス、バディ・ガイ、ナゼかMJQまで出演している。

7ssv ステージの模様はロンドンにあった工場跡に少数の観客を迎えてTV番組用にで撮影された。
そして、その映像は『SUPERSHOW』として映画化され、同じ年の11月にロンドンはウォータールー橋の北詰にある「ライセウム劇場(Lyceum Theatre)」で公開されたという。
下がそのライセウム劇場。
Led Zeppelinはココでコンサートを開いたこともあるのよ。

7img_7661それよりもライセウム劇場はボブ・マーリーの『Live!』が収録されたことでよく知られている…ハズ。
私がレゲエを聴くことはまずあり得ないが、ロンドンへ行くと当時のレゲエのムーブメントがいかにスゴかったかを窺い知ることができる…といつも思う。

Bobそして、本題。
Juicy Lucyの1971年の『Get a Whiff a This』。
コミック・ジャケットの王道を往くようなデザイン。
タイトルは「コレ、クッサ~!」みたいな意味なのかしらん?
Juicy Lucyは解散したアメリカのThe Misunderstoodというバンドのグレン・ロス・キャンベルという人やBluesbreakersのサックス、クリス・マーサーらが中心になって結成されたバンド。
「グレン・キャンベル」といってもあのOvationからシグネチャー・モデルを出していた歌手のグレン・キャンベルではありませんよ。
こっちの「グレン・キャンベル」はスティール・ギター弾き。
結成は1969年。
つまり、上の「Supershow」に出演して意気投合した連中で組んだバンドなのだ。
コレが言いたくて『Supershow』のビデオを担ぎ出したのです。
Juicy Lucyは、デビュー・アルバムに収録したボ・ディドリーの「Who Do Ya Love」が全英チャートの20位となり大きな注目を浴びた。
そして、ポール・ウィリアムスとミッキー・ムーディが参加し、セカンドアルバム『Lie Back and Enjoy it』をリリース。
そのアルバムでザッパの「Willie the Pimp」を演ってる。
そして、更なるメンバー・チェンジを経て発表したのがこの3枚目。
1曲目の「Mr. Skin」ってのはSpiritのランディ・カルフォルニアの曲。
また、オールマンの「Midnight Rider」なんかも取り上げている。

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「I'm Old Fashioned」じゃない方の「ポール・ウィリアムス」というと、我々の世代だと「Tempestやアラン・ホールズワースのバンドのシンガー」ということになるのが普通でしょう。
この人、ズート・マネーのベース/ボーカルズだったのよ。
ズート・マネーというのはブリティッシュ・ロックの歴史を勉強すると必ず出て来るシンガー/キーボード・プレイヤーで、ジミ・ヘンドリックスがロンドンに到着した日、チャス・チャンドラーに連れられて最初行った場所がズート・マネーの家だったっていうんだよね。
この辺りのことはココに書いておいたので興味がある方はどうぞ!➡【イギリス-ロック名所めぐり】vol. 58 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.1>

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このバンドでのこの人の歌はスゴクいいね。
で、ご参考…。
ポール・ウィリアムスはこのアルバムがリリースされたのと同じ1971年にエインズリー・ダンバーのソロ・アルバム『Blue Whale』でザッパの「Willie the Pimp」を歌っている。
そして前述した通り、Juicy Lucyはその前年にリリースした『Lie Back and Enjoy It』でこの曲を取り上げている。
だからポール・ウィリアムスは違うバンドで2回「Willie the Pimp」をレコーディングしているというワケ。
歌い方は両方ともオリジナルのキャプテン・ビーフハートのマネっこ。
エインズリー・ダンバーはザッパのところのドラマーだし、一体誰が選曲したんだろう?

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グレン・キャンベルのスライド・ギターが効いていて、やっぱりスゴくいいバンドだな。
裏ジャケはこんな感じ。
吹き出しの中はクレジット。
表のイラストとどういうつながりになっているんだろう?

Jl2
ちなみに…「ジューシー・ルーシー」というのは、チーズが中に入ったハンバーグを挟んだハンバーガーのことだそうです。
最近はこういうモノを食べたいとあんまり思わなくなって来たナァ。

Jlb_2フランク・マリノはカナダ人。
カナダのギター・ヒーローといえば、まずはこのフランク・マリノとパット・トラヴァースか?
Mahogany Rushではなく、1981年のFrank Marinoソロ名義のアルバム『The Power of Rock and Roll』。
映画『バック・トゥ・ザ・フーチュア』の冒頭のシーンのようなイラストはボブ・グロスマンという人の作品。
この人の作品は、TIMEやNewsweek、Esquireといったメジャーな出版物の表紙を500回以上飾っている。
まさにアメリカを代表するイラストレーターのひとりがグロスマン。

アルバムに収録されている音楽はというと…。
1981年…この手のロック、すなわち前時代的なハード・ロックの最後の時代か。
この頃まではこういう音楽を「ロック」と呼んでいた。
タイトルの通り「パワー」みなぎるロック。
まさにジャケットのイラスト通りの音楽がこのアルバムに詰め込まれている。
お国柄なのか、私の先入観なのか、このアルバムを聴いた瞬間に何となくBTOを連想してしまった。
ロックという音楽は、この後急速に一般大衆の間に入り込んだと同時にオリジナリティとパワーを失って現在に至っている…と思っているのは60と70年代の洋楽で育ったガンコな年寄りだけか?
  
先日三宅庸介さんと話していてビックリしたんだけど、このフランク・マリノって1954年の生まれで、あのライブ盤を出した時ってまだ24歳だったっていうんだよね。
勉強しないでギターばっかり弾いていたんだろうナァ…あ、私もだわ。
それでこの違い!
Img_0346フランク・マリノは高校の時に後楽園ホールに観に行った。
ギターの調子が悪いとか言って、開演が40分ぐらい遅れたんだよね。
上演中、私が投げた紙テープが彼の肩に当たっちゃって「ギロッ」ってにらまれたことは以前にもどこかに書いた。
コワかった。
そうえば紙テープって全く見かけなくなったな。
今はコンサートでの使用が禁止されているのかな?
我々世代にはとにかくMahogany Rushのライブ盤が人気で、ジミヘン・フォロワーということよりも、「スッゲェ~速弾き!」ということに耳を奪われたものだった。
「Purple Haze」を演っている…と言うこと以外には特段ジミヘンの影響がどうの…なんてことはわからなかったわ。
『California Jam』ってテレビで放映したんだっけ?
それでフランク・マリノを観た記憶は一切ないんだけど、「ギター・ソロの中でアームダウンをした時にコンサート会場の上空を飛んでいるセスナ機が会場に向かって落ちて来る演出は実にスリリングだった」なんてライブ・レポートだったかライブ盤のライナー・ノーツだっかを読んで興奮したものだった。70r4a0206 
案外ありそうでないのがこの手の浮世絵調のデザイン。
ELPのベスト盤。
このデザインが気に入ってジャケ買いした。
収録されているのは、どれも昔よく聴いた曲なのでレコード盤には針を降ろしたことが一度もない。
ジャケットのデザインを制作したのは右下に「リチヤド・エバンズ」と署名がある通り、イギリスのRichard Evansという人。
何となく「やっつけ仕事」のような感じがしないでもないが、実は結構凝っている。
開け放した窓から海と富士山が見えていて、手前には三味線。
女性はどこかの宿場の「飯盛り女」なのかしら?…でも、コレは品川宿ではなさそうだな。
立ってファースト・アルバムを持っている真ん中の女性、左手で袖をピラリと持ち上げているでしょう?
持ち上げた袂には「鳳凰」が描かれていて、それを男性に見せながら「アチキの袖と同じでありんす」と言っているところ。
ウソ、「アチキ」とか「ありんす」という廓言葉は地方出身者の遊女の訛りを隠すための吉原の工夫であって、宿場の飯盛り女がこうした言葉を使うことはなかった。
残念なのは、この女性…土足なんだよ。
下駄を履いたままなの。
コレはね、まさにイギリス人の感覚なんだよね。
実際に靴のままこの事務所に入って来てしまったイギリス人の女性がいたんですわ。
それと、障子の枠がおかしなことになっているのがオモシロい。Img_0347リチヤド・エバンズの署名の下にある落款。
ね、「ELP」になってるんだよ。
ココは「エバンス」じゃなきゃおかしい。
でも、こういう細かい仕掛けは楽しいね。7re コレは私が高校生の時に南青山の洋書屋まで行って買ったヒプノシスの図録。
あまりに繰り返し見たのでもうボッロボロになってる。
他にもヒプノシスの本がいくつか出ているけど、コレが一番好き。
上梓されたのが、Pink Floydが『Animals』をリリースする前ぐらいの時期で、ヒプノシスがまだクリエイティブな仕事をしていた頃だったから。
いや、まだロックがクリエイティブな時代に上梓されたから…と言った方が適当か?7war この本のヒプノシスのスタッフ紹介のページに目をやると…リチヤド・エバンズが出てるでないの~!
そう、この人、ストーム・ソーガソンやオウブリー・パウエルと一緒に仕事をしていたのです。7re2va そうして手掛けた多数のレコード・ジャケットだけでなく、この人、その前はナイツブリッジ(ハロッズがあるところ)に「Daisy Roots Shoes」という靴屋を開き、オリジナル・デザインのブーツを販売していた。
そのブーツはエルトン・ジョン、ジョージ・ハリソン、ロキシー・ミュージック、ロリー・ギャラガーなどに愛用されたのだそうだ。

Reb 裏ジャケも気に入ってる。
このベスト盤、「Tarkus」からの選曲がないんだよね。
裏ジャケットは世界の人々がELPのアルバムを手渡しでリレーするというコンセプト。
バックは渡し手にまつわる風景があしらわれている。
そのひとつひとつのシーンで収録曲を提示していくという趣向。
1曲目は「Hoedown」で、表からの続きで、緑の着物を来たオジサンが色黒の人に『Trilogy』を手渡す。
すると2曲目の「Lucky Man」の舞台は南国で、その色黒の人がファースト・アルバムをネイティブ・アメリカンに手渡す…というアイデアね。
ハイ、ココでエヴァンスがひとつ仕掛けをしていると思われるのが最後のところ。
砂漠で『Brain Salad Suegery』を手渡されているのはスーツを来た紳士。
つまりイギリス人のこと。何しろ「背広」の語源を持つ国だから。
このシーンの曲は「Jerusarem」…ポイントはココです。
そして、最後の収録曲の「Peter Gunn」ではテムズ川の向こうに見えるウエストミンスター、タワーブリッジ、セントポール寺院をバックに最初の日本人に「In Concert」が渡される。
コレで世界一周(一部、宇宙)。
ナゼ、イギリス紳士が出て来た場面の曲が「Jerusalem」なのか…?

Img_0348ご存知の通り、「Jerusalem」はELPのオリジナル曲ではない。
18世紀イギリスの詩人、ウィリアム・ブレイクの詩に、サー・チャールズ・ヒューバート・パリーという人が曲を付けたのが1916年。
第一次世界大戦中にイギリス国民の愛国心を高揚させようとこの曲を浸透させたためにイギリス人なら誰もが歌える「第二の国歌」と言われるようになった。
それぐらいイギリス人に密接した曲なのだ。
「オマエが第二の国家だぁ~?」
そこで物言いを付けたのがエルガーの「威風堂々」の中の「Land of Hope and Glory」。
何かというとやたらとこの曲を演奏し、歌いたがるのもイギリス人。
我こそは「第二の国家じゃい!」と「Jerusalem」の独断に待ったをかけた。
アメリカの「第二の国歌」はホーギー・カーマイケルの「Stardust」と相場がキマっているが、イギリスの場合は厄介なのよ…。
果たしてこのイギリスの「第二の国歌」論争の結末はいかに!?(ホントはそんな論争はありませんからね。私がオモシロがって勝手に騒いでいるだけです)
で、実際に数人のイギリス人に訊いてみた。
私としては「エルガーの勝ち」と読んでいたのだが、結論としては「Jerusalem」の方が優勢だった!ハッキリしてるのは…もう若い人は両方とも歌わないってよ。
 
結果…毎年夏に開催されるイギリスのクラシック音楽の大イベント「Proms」や年末のニュー・イヤー・コンサートなんかでは「Jerusalem」、「Land of Hope and Glory」そしてイギリス国歌の「God Save the Queen」の3曲を演奏いて公平を期しているとか。
下は「Proms」開催中のロイヤル・アルバート・ホール。

7img_0595_2 この項の最後に…。
このベスト・アルバムの最後にも収録されている「Peter Gunn」についてひとつ。
ELPのバージョンって、ヘンリー・マンシーニのオリジナル・リフと音がひとつ違うんだよね。
コレが昔から気になっていた。
オリジナルの方は管楽器が入るからか、キーが「F」。
一方、ELPバージョンのキーが「E」なのでこっちに合わせて言うと、フレーズの最後の音が「G」なのね。
でも、オリジナルは「Ab」なの。
これだけでずいぶんリフの雰囲気が変わってELPの方はロックっぽく聞える。
どちらをカッコいいと思うかはアナタ次第です。
 
2010年、私はEmerson, Lake & Palmerをロンドンで観ましてね。
このチームはもうカール・パーマーしか残っていないので、とても貴重な経験をしたと思ている。
Marshallのスタッフとして会場に入ったので、楽屋エリアへの出入りが自由だった。
楽屋のキャビンから目と鼻の先にあるステージまで、仲が悪そうに3人別々のカートに乗って出て行った様子が忘れられない。7img_0114さてさて、今度はロジャー・チャップマンが出て来た。
Streetwalkersの1975年のセカンド・アルバム『Downtown Flyers』。
ロジャー・チャップマンといえばFamily。
Familyといえば、「ジョン・ウェットンが在籍していたバンド」ということと、あの変形ジャケットの『Bandstand』ぐらいしか知っていることはなかった…ということは、ロジャー・チャップマンを聴いたことがなかった。
ロジャー・チャップマンに興味を持ったのもFamilyでも何でもなくて、かつてMarshallのデモンストレイターを務めていたギタリストのジェフ・ホワイトホーンがキッカケだった。
だからゼンゼン最近の話…といっても20年以上は経ってるか…。
そこでジェフが参加しているチャップマンのアルバムを何枚かディスクユニオンで見つけてまとめて買ってみた。
左上の1979年のファースト・ソロ・アルバム『Chappo(「Chappo」はこの人のニックネーム)』を除いて、ジェフはギターどころか、プロデュースや作曲でもクレジットされている。
で、聴いてみて驚いた!
も~、バフィ・セイント・マリーもビックリの「ちりめんビブラート」。
でも、声質は実にカッコいい。
例えていうならアレックス・ハーヴェイと中島みゆきを混合したような感じか?
まさに「混ぜるな危険!」な個性的な歌声はまさにひとつの「楽器」のよう。
チャップマン…Lone StarやUFOのギタリストや、イギリス大使館に勤めていた友達の苗字も「チャップマン」だったが、この名前はアメリカ人に言わせると、ものすごくイギリスっぽい名前なのだそうだ…とアメリカ人の友人が言っていた。
同様に「ミューラー」は猛烈なドイツ臭がするらしい。
 
今、久しぶりにコレらのアルバムを聴いてみたけど、ひどくカッコいいな。
でも、どれもジャケットがあまりに気の毒だ。
ちなみに「ちりめんビブラート」に相当する英語表現があるかどうかイギリス人に尋ねてみたが、特にないようだった。70r4a0222コレは脱線。
今、バフィ・セイント・マリーなんてエラそうに名前を出したが、知っているのはジョニ・ミッチェルの「The Circle Game」のカバーだけ。
この曲が使われた映画『いちご白書(The Strawberry Statement)』が日本で公開された時、私はまだ小学校2年生だったし、その後も結局この作品を観ることはなかったが、一生忘れない曲のひとつなにです。
恐らく後年、映画に夢中になってからラジオの映画音楽特集かなんかで聴いて覚えたんだろうけど、歌詞も歌っている人の顔もわからないのに、ナンカこう、子供の心にグサっと刺さったのね。
その理由のひとつは間違いなくバフィの「ちりめんビブラート」。
それまで聴いたことのない歌声で「こんな声で歌ってもいいのか?」と驚いてしまったのだ。
大分後になってジョニの『Ladies of the Canyon』の美しい歌声のオリジナルを聴いてもちっともグッと来なかった。
下は私が持っている『いちご白書』のサントラ盤。
2枚組なんだけど、A面を除いた他の面は10分チョットぐらいずつしか収録されていない。
ほとんどがクロスビー・スティルス&ナッシュとニール・ヤング。
「ウッドストック」の翌年ということもあるけど、この頃のCSN&Yの人気ってのはスゴかったんだな~、と思わせる盤。
私は全くその辺りを通らないもんですから、ただただ関心するのみ。
それより私は根っからの大英帝国派…ロジャー・チャップマンよ!

70r4a0228ロジャーは1973年にFamilyが解散した後、同バンドのギタリスト、チャーリー・ホイットニーと「Chapman=Whitney」というチームを結成し、翌年ヴァーティゴから『Streetwalkers』というアルバムを発表。
このアルバム名がそのままバンド名になって発表したのが1975年の下の『Downtown Flyers』。
このバンドのドラムスって誰だか知ってる?
Iron Maidenのニコ・マクブレインなんだよ。
ジェフ・ベック一家からはボブ・テンチがギターで、そしてマックス・ミドルトンも参加しているときてる。
内容はどうかって?
コレが大変よろしいんですよ。
「ロックって大人が聴く音楽」だったことを思い出させてくれるような硬派なロック。
私はこのアルバムは持っていないんだけど、『Red Card』と『Vicious But Fair』というアルバムを持っていて、始めて聴いた時は「おお!」と声を上げてしまったものです。
ホネのあるピュアなブリティッシュ・ロックがお好きな方にはおススメのバンド。
 
このアルバムはまたジャケットがすこぶるいいね!
マイケル・ファレルという人の仕事。72swdfま、「女性のおみ足」のジャケットとくれば、まず思い浮かべるのがソニー・クラークの『Cool Struttin'』でしょう。
ジャズ・アルバムの名ジャケットを代表する1枚だからね。Csとか、ジャズにはこういうのもあるよ。
デイブ・ブルーベックのコールポーター作品集。
キレイなおみ足だこと!

DbpcpStreetwalkersのアルバムはゲイトフォールドになっていて、見開いて縦にするとこうなる。
コ、コレは…『Cool Struttin'』も敵わない!?
Img_0351 
The Pretty Thingsの1974年の『Silk Torpedo』。
このバンドも昔からあるけど、「プリティ・シングス大好き!」なんて人にはいまだかつてお目に罹ったことがないな…。
中心人物のフィル・メイが昨年亡くなられて活動を停止した…っていうんだけど、「今までやってたのかッ?」と驚きが隠すことができない。
私も名盤の誉れ高い『S.F. Sorrow』やその次の『Parachute』は持っているけど、どうもピンと来ない。
最後までイギリスで人気あったのかな?…なきゃ続かなかったわナァ。
この『Silk Torpedo』は、Led Zeppelinのスワン・ソング・レーベルから『Bad Company』に続いて2番目にリリースされたバンドの第7作。
『Silk Torpedo(絹の魚雷)』なんて実にいいタイトルだ。
そういう曲を作ったのかと思うと、ドンズバのタイトル・ナンバーは入っておらず、「Singapole Silk Torpedo」という曲が収録されている。
「シンガポールの絹の魚雷」…ナンだろう?と思って調べてみたけど、特別な意味があるようではなかった。
歌詞を見ると、「オレは荒くれ航海士、胸のSea Dogの刺青はダテじゃない」みたいな歌い出し。
「Sea dog」というのはアザラシのことだけど、「老練の船乗り」という意味があるようだ。
そして、その船乗りが出会ってビビビと来たのが「シンガポールの絹の魚雷」。
「♪She's my Singapole silk torpedo」と歌うこの曲はなかなかにカッコいい。
 
何とも素晴らしいジャケット・デザイン!
ヒプノシスですから。7pt2_2ガバっと見開くとこういうことになる。
甲板で手を振っているのが例の航海士か?
そして魚雷に横乗りしているのが「シンガポールの絹の魚雷」というワケね。
まるで『博士の異常な愛情』のコング機長みたいだ。
7pt2_1ヒプノシスは次のアルバム『Savage Eye』のジャケット・デザインも手掛けている。
これらのスワン・ソングからリリースされたThe Pretty Thingsの2作は、ヒプノシスの代表作に数えられるモノと言ってもいいのではないか?
だってどこにでも出てくるんだもん。
ま、このヒプノシスの2枚は私もジャケ買いしたわ…聴かないのわかっていて。
Septところで、「Silk」とくれば連想するのが「Stockings」よ。
コレもコミカルなジャケットなので、ついてに紹介させて頂くのは…1957年のミュージカル映画『絹の靴下(Silk Stockings)』。
アステアのダンスとシド・チャリシの美しさとコール・ポーターの音楽を楽しむ映画。
ピーター・ローレやジュールス・マンシンの脇役陣も実によろしい。
映画の音楽監督はアンドレ・プレヴィンが務めている。
 
この作品からはジャズでは絶対に欠かすことのできない「All of You」というメガトン級の名曲が生まれている。
こういう半音の動きを上手に使った曲ってのが今の日本の音楽界から消えたね。
巷間の音楽に耳を傾けるとピアノの白鍵だけで作ったような曲ばかりだ。
だからちっとも面白くない。
コール・ポーターのこの甘美極まりないメロディをあのアステアの声で歌われた日にはロシアの美女(シド・チャリシの役どころ)もイチコロだわな。
「All of You」の他にも、ステレオ音響効果の素晴らしさを歌った「Stereophonic Sound」やストッキングがいかにロマンスに重要かを歌った「Satin and Silk」など、楽しい曲がイッパイ!

The Pretty Thingsのフィル・メイはこの映画を観て「Singapole Silk Tornado」を思いついたんじゃないだろうな…。Sst

さて、こうなると「torpedo」の語源が知りたくなりましてネェ。
というのは「-pede」というのはラテン語の接尾辞で「足」を意味するでしょ?
例えば「100(centi)」と「足(-pede)」を合わせて「centipede」でムカデじゃない?
綴りがチョット違うけど、もしや何か魚雷の語源が「足」に関係してやしないかと想像したワケ。
そしたら、やはり綴りが違えばハイそれまでよ…というワケで「足」にはゼンゼン関係なかった。
元々「シビレエイ」のことを「torpedo」っていうんだって。
きっと形がコイツに似ていたんだろうね。Torp

リバプール出身のバンド、Nasty Popの1975年のファースト・アルバム。
イイねェ、妖しげなイラスト。
コレはどういうストーリーなんだろう?
カワイコちゃんが腰かけているベッドで横になっているのは5体の宇宙人?
バンドのメンバーということなのかな?
そして、この女の子はコールガール?…ナニしろ「nasty」だから。
ベッドの下にはワニが口を開けていて、枕もとのラジオが鳴り響く。
その横には『Deaf's Cool(deafは耳が不自由な人のこと)』というレコード盤と5つあるヘッドホンのウチひとつだけが無造作にサイドボードの上に置かれている。
イスの上には焼きトマトにウインナに目玉焼きのイングリッシュ・ブレックファスト。
床にはネックの折れたギターとケースに入ったビール、それに回転式拳銃が落ちている。
奥の壁には『Sgt. Pepper's~』の内ジャケットのビートルズを連想させるような絵がかかっている。
ハハ~ン、これはビートルズの『Revolver』を暗喩しているのか…。
こういうグチャグチャっとしたジャケット・デザインはいいね。
 
イギリスの関連ウェブサイトでこのバンドを説明しているページを見ると、Stackridge、Pilot、Steely Dan、10cc等の名前が引き合いに出されている。
アルバムを聴いてみると…コレがいいのよ!
どういう風にいいのか?と訊かれれば、引き合いに出されているバンドの要素が入り混じった感じ…と言っておけば間違いないだろう。
コレはアナログで欲しいな。Img_0350ジャケット・デザインを担当したのはリチャード・エックフォード(Richard Eckford)。
この人はHumble Pieの『Smokin'』のジャケット・デザインをデザインしている。Hpsハイ、展示棚が下に移って§2-b。
悪いね、長くなっちゃって…書いている方は最高に楽しいわい。

Img_0240_2まずはGreatful Dead。
相当昔の話…中学3年ぐらいかな?
フィルム・コンサートで「One More Saturday Night」を観た。
「オワッ!カッコいい!」と思って、すぐにその曲が収録されている『Europe '72』を買った。
LP3枚組ですぜ。
当時は(今でも)大変な出費でしたよ。
そういえばコレもマンガのジャケットだったナ。
こういうヤツ。Dead 結果!
聴いたのは「One More Saturday Night」だけだった…3枚組なのに!
当時Spotify音楽配信があればあんな散財もしないで済んだのによ…。
他の曲はサッパリ受け付けなかった。
なんか「ダラ~っとしてるナァ」というのだけはわかった。
 
しばらくしてあのドクロのデザインに惹かれて『Steal Your Face』を買った。
だって問答無用でカッコいいじゃん?
あんなデザインだからサ、もしかしたらカッコいいハード・ロックでもやってないかな?って思ったワケ。Syf 結果!
ほとんど聴かなかったね。
やっぱいダラ~っとしてて。
それがデッドの味であり、楽しみだったんだろうけど、中学生だった当時はそんなことまったくわからなかった。
 
またしばらくして…今度は『Live/Dead』の「Dark Star」のギター・ソロがスゴイ!って言うじゃない?
買って聴いてみた。Livedead 結果!
どこをどう楽しめばいいのかがわからない。
ギター・ソロがスゴイって言うけど、ヘタするとジェリー・ガルシアよりフィル・レッシュのベースの方に耳が行っちゃったりして…。
バラカンさんがあれほど絶賛されているのがサッパリ理解できない。
もっともバラカンさんの本を読むと好みが真っ向から対立するのでそれもムリはないか…。
  
デッドのライブは長いことで有名だよね。
かつてボブ・ウィアとフィル・レッシュの楽器の面倒をみていた仲のよいアメリカ人の友達がライブに誘われるのはかなりの恐怖だとか言っていた。
誘われたら行かないワケにはいかないでしょ?
開演前に楽屋に顔を出して「来たよ~!がんばってね~!」と挨拶して、会場を離れまずは映画館へ…。
念のために別の映画館でもう1本観て時間を潰しておく。
その頃にはメッキリとハラも減ってくるので、レストランへ食事に行く。
ま、ワインの2~3本も空けて、「そろそろ戻るか…コンサートが終わっちゃうとヤバイからな」…とかつぶやきながらライブ会場へ戻ってズルッ!
「ドワ~!まだライブの中盤やんけ~!」
…というのはさすがに大ゲサに決まっているが、本当にこんなノリだったらしい。
私にはムリです。
 
でもね、ウチのCD棚に目をやると、ファースト・アルバムの『The greatful Dead』から、『Anthem of the Sun』、『Aoxomoxoa』、『Workingman's Dead』、『American Beauty』、『Skull and Roses』、『Europe '72』、『Blues for Allah』、『Steal Your Face』、『Terrapin Station』までと、少し飛んで『In the Dark』…と、結構持ってんのよ、デッド。
どうなってんだろうね?
買った時に1回しか聴いてないんだよ。
考えてみるにデッドもジャケットのほとんどがイラストだ。
しかも、それぞれどれも趣味がいい。
で、今回のMJGで展示されていたのは1977年の『Terrapin Station』。
デッドのライブも含めた1977年の14枚目のアルバムで、アメリカではゴールド・ディスクを獲得している。
 
ジャケットはコミカルに踊るカメが描かれており、今回のMJGのテーマにピッタリだ。
中身はというと、レゲエで始まるA面はまぁ、こんなものでしょ。
ところが!
B面を占める16分22秒のタイトル・チューン…ナンだコレはッ!?
もうヤケクソにカッコいい!
オーケストラや合唱隊の使い方が規格外に効果的で素晴らしい。
7/4の変拍子もバッチリで、これなら十分「プログレッシブ・ロック・バンド」として通用するぞ!…という感じでしょうか。
Img_0364
ところで「カメ」というとまず思い浮かべる英単語は何か?
「タートル(turtle)」?
「トータス(tortoise)」?
「テラピン(terrapin)」?
  
「タートル」はカメを指すときのオールマイティな呼び方。
「トータス」は陸に住むカメ。
そして「テラピン」はアメリカの沼に住む水陸両棲のカメを指すそうです。
下の左はテラピンちゃん。
右は今問題になっているワニガメ…ブッサイクだナァ。
カメだって第一印象が大切だな。
しかも、テラピンは食用なんだって。
「ゲゲ!」って思ったけど、考えてみれば日本人だってスッポン食べるもんね。Wg_2

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一方、こちらはデッドの総帥ジェリー・ガルシア、1982年の4枚目のソロ・アルバム『Run for the Roses』。
「薔薇に向かって走れ」…なんてカッコいい!
内容は、私みたいなデッドの門外漢が聴くと、「一体本体と何が違うんだろう?」と思ってしまうが、「ガルシアが歌う」というところが喜びなのか?
「I Saw Her Standing There」や「Knockin' on Heaven's Door」をレゲエで演ったりもしている。
要するにジェリー・ガルシアがGrateful Deadから離れて自由に好きなことをやったアルバム…ということか。
そもそも、それがソロ・アルバムを制作する目的だもんね。

ジャケットがいい…競馬ならぬ競竜?
ティラノザウルスがトラ模様になっちゃってる。
イラストはスペインのデザイナー、ヴィクター・モスコソ。
モスコーソって言うのかな?
サイケデリック時代にソラリゼーションを効果的に使ったポスターをたくさん作ったことで知られているらしい。Img_0352レコード・ジャケットではSteve Miller Bandの『Children of the Future』やハービー・ハンコックの『Head Hunters』などを手掛けた。

Cof

7hhhh

さて、このアルバム。
「Run For The Roses」というのは「ケンタッキー・ダービー」のことを指すそうだ。
アメリカの競馬のクラシック三冠(Triple Crown of Thoroughbred Racing)の一角で歴史も人気も高いレースだそう。
優勝した馬には真っ赤なバラのレイが掛けられることから「The Run For The Roses」とアダ名されることになった。
私は全く賭け事をしないので実際の競馬については何の知識も持ち合わせていないが、競馬もイギリスが発祥であることぐらいは知っている。
何しろ「ダービー(Derby)」というのはイングランド中部の地名なんだからして…でも、13世紀に競馬が初めて登場したのはダービーではなくてチェスターだったのです。
日本では「競馬=ダービー」という感じで使われているこの言葉はヘンリー7世(あのヘンリー八世のお父さん)が1485年に創設した「伯爵」号。
競馬は英語ではそのまま「Horse race」という。
で、そのダービー伯の第12代目とバンベリー準伯爵という人が発案して1780年に始まったのが「ダービーステークス(Derby Stakes)」という馬のレース。
ダービーさんは当時のジョッキークラブの会長だったバンベリーさんの名前を付ける提案をしたが、地方競馬にすぎないレースに自分の名前を付けられるのをバンベリーさんがイヤがった。
そんじゃ「Heads or tailes?」ということでコイントスで決めようということになり、「ダービー」の名が冠されることになった。
この場合、ダービーさんは勝ちなのか負けなのかわからんな。
重要なことをコイントスで決めるなんてジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのドラムスみたいですな…このことはココに詳しく書いておいた➡【イギリス-ロック名所めぐり】vol. 61 ~ジミ・ヘンドリックスのロンドン <vol.4>
それで、このダービー・ステークスはロンドンのエプソム競馬場(Epsom Downs Racecourse)というところで開催されるというのだから、地名のダービーはほとんど関係ないんよ。
下がそのエプソム競馬場。
周囲の景色がキレイだね~。
大井競馬場とは大分違うな。
でもアソコの近くには「鈴ヶ森刑場跡」っていう史跡があって…あ、危ない、危ない。
コレをやると話が終わらなくなっちゃうのでまた今度。7epsomさて、サッカーやら、テニスやら、ゴルフやら、ラグビーやら、イギリスは数々のスポーツ競技の発祥の地とされているけど、コレはイギリス人が古来スポーツ好きだからというワケではなく、ご存知の通り、イギリスは「世界一ズル賢い国」でその悪知恵を駆使して世界を征服したためにコレらのスポーツが各地で普及しただけの話。
レガッタとか、ポロとか、野球の祖先のクリケットもイギリスだ。
でもコレだけじゃなくて、スヌーカー(ビリヤードの兄貴みたいなヤツ)とか、ダーツとかのインドア競技もとても盛んで、その季節になると選手権をテレビで延々と放送してる。
そして競馬。
競馬はスポーツじゃないか?…でも、『マイ・フェア・レディ』に出て来ることで知られる「ロイヤル・アスコット」なんかはテニスのウィンブルドン、ボートのヘンリー・ロイヤル・レガッタ、ゴルフの全英オープンに肩を並べる夏の人気スポーツ・イベントの一角なのだ。
開催は6月の末。
エリザベス女王が出席して自ら優勝関係者を表彰するこのレースに、毎回女王はウィンザー城から馬車でお見えになるという。
何てラブリーなんでしょう!
下は6月の上旬ぐらいに地下鉄のコンコースやエレベーターの壁に張り出される「ロイヤル・アスコット」の告知ポスター。
「Like Nowhere Else」…他の場所とは違う。
まるでThe Kinksの「I'm not like anybody else」じゃあ~りませんか!

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スイマセン…ついドップリと脱線してしまった。
ジェリー・ガルシアが完全にどっかに行っちゃった。
こんなのイギリスの興味のない人には退屈極まりないでしょうナァ。
ゴメンね。
 
さ、軌道を元に戻してもうひとつ「カメ」行ってみましょう!
1974年リリースのThe Turtlesのベスト・アルバム『Happy Together Again』。
これは可愛いジャケットですな。
表ジャケはアツアツのカメのカップル…。Img_0356裏面はこの通り。Img_0357拡大するとこう。
説明は不要ね?
何とも細かい描写が愛くるしい!
タイトルも『Happy Together Again』だからね。
この2匹も久しぶりに会ったのだろうか?
イラストを描いたのはカール・ラムゼイという南サンディエゴの画家。Kame_2「画家」としたのは、この人のポートフォリオを見るとかなりシリアスな油彩ばかりで、プロフィールには「レコード・ジャケットのデザインの仕事もした」ぐらいしか書いていないから。
「Honey Hush」がうれしいFoghatの『Energized』や高校の頃に聴いたWest, Brice & Laingの『Live'n'Kickin'』のジャケットをデザインしているようだ。

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「Happy Together」ね…私は中学の時、Zappaの『Filmore East - June, 1971』で聴いたのが初めてだったけど、いい曲だと思ったね。
このザッパ・バージョンもいいけど、オリジナルの方もいいね。
ギターのボイシングがタマんない。
作詞と作曲はThe Magiciansというバンドのメンバーだったゲイリー・ボナーとアラン・ゴードンという人たち。
知らんわ~。
2人はデモを作って数々のレコード会社に持ち込んで聴いてもらったが、ゼンゼンダメ。
そして、流れ流れてこの曲はThe Turtlesのところにやって来たという。
その時にはそのデモ音源を収録したアセテート盤がほとんど擦り切れていたという…ホンマかいな?
でも実際にいい曲だもんね。
その証拠に1967年1月にシングルとして発表されてその年の3月末からビルボードのチャートで3週連続1位を記録した。
イギリスでは8位、カナダでも1位をマークしたそうです。
ヨカッタね~、マジシャンズ。
そんなだから「Happy Together」だけを集めたコンピレーション盤ってのもあるんよ。
ザッパとタートルズのオリジナルと「ポップ・バージョン」としてシチズン・ジェーンとかいう人と、タートルズのライブ・バージョンの4パターンが収録されている。
買った時にしか聴いていないんだけど、今、またウチのCD棚から引っ張り出して聴いてみた。
聴き慣れているせいか、ザッパのバージョンが一番ヨカッタ。

Hptt_2 
モメにモメたオリンピック/パラリンピックが終わった。
長い間応援して来た「田川ヒロアキ」がパラリンピックの開会式に出演し、一気にスターダムにのし上がってくれてうれしい限り。
さて、1980年に動物のオリンピックをテーマにした『Animalympics』とかいうアニメーションがあったそうだ。Anm
その音楽を10ccのグレアム・グールドマンが担当してリリースされたのがこのサウンドトラック盤。
10ccに会いに行く』なんて記事まで書いたぐらい私は10ccが好きなんだけど、コレはまったく知らなかった。
「好き」といっても『Deceptive Bends』までだから知らなくても無理はない。
「なんだよ~、天下の10ccのメンバーが、ナニが悲しくて動物のオリンピックの仕事なんかしてるんだよ~」…と思ってガッカリした気持ちで聴くと、コレが抜群にいいのよ!
バンドは、リック・フェンやポール・バージェス等、ほぼエリック・スチュアートを除く10ccの残党。
歌は当然グラハムだから「ほとんど10cc」の印象。
やっぱり「Bus Stop」だの、「No Milk Today」だの、特級のソングライターが作る音楽だからして曲のクォリティが高い!
このままの内容で「10cc」名義にしちゃったらどうですか?
私は10cc時代だったらゴドレー&クレーム派なんだけど、このアルバムを聴いてグレアムも味方をしてあげたくなった。
グレアムは5ccになった時にエリックに付いたけど、そもそもはゴドレー&クレーム組に入るべきだった人なのよ。
ナゼそう思うかを述べてこの項を終ると…

Img_0355それは…
ゴドレー&クレームが作ったジェットコースターに乗っているように景色がコロコロと変わっていく名曲「The Dean and I」(ファーストアルバム収録)をエリック・スチュアートは「hate」という言葉を使って否定した。
ところが、グレアムは「10ccの要素が詰め込まれた名曲」と評しているのだ。
実際、彼ひとりがオリジナルメンバーの10ccで来日した時にもこの曲を取り上げていた。
その時、私はチョット不思議に思ったんだけど、すでに紹介した『10ccに会いに行く』を書くために彼のインタビューを聞いてその理由を知った。
「I'm not in Love」だけが10ccじゃゼンゼンありませんのよ!

10cc 
ココでナゼかDon Cherryの『Brown Rice』。
1975年、イタリアでのリリース。
Donはフリージャズ界の大物トランペッター。
10年前に比べてフリー・ジャズもずいぶん聴くようになったけど、ドン・チェリーはほとんど聴かないナァ。
でもこのアルバムは持っていて、タマに聴くと1曲目のタイトル・チューンがザッパの「Deathless Horsie」に似てるな~と思うのです。
このパッチワークのジャケットはドンの奥さんの手によるもの。
イタリア・プレスだとこのジャケットなのかな?

Img_0360というのはこのアルバム、こういうジャケットが普通みたいなんだよね。
私が持っているのもコッチ。
上の奥さんのパッチワークのデザインの方が断然魅力的だ。Cdbr
Buddy Miles Expressの『Booger Bear』。
「Booger」って鼻クソのことでしょ?
ザッパにも「Booger Man」って曲あるもんね。
私はこの手の音楽を聴くことがないので何の知識もないんだけど、The Tubesの、イヤ、ディメオラのところのミンゴ・ルイスが参加しているのね。
「You Really Got Me」を演っている。
でも、コレ、別の曲名を付けてオリジナル曲にした方がいいんじゃないの?…っていうぐらいのフェイク。
コレ自体をカッコいいか悪いかで言ったらカッコいいよ。
でも「You Really Got Me」として聴いたら、オイオイ、いい加減にしてくれたまえ!という感じかな?、私には。
Img_0361ジャケットはユーモラス。
コレも上に出て来たカール・ラムゼイの作品。
裏面を見ると着ぐるみの背中が裂けちゃってる!
着ぐるみの中はバディ・マイルスで「太りすぎ注意!」ってことかしらん?
Img_0362 

スティーブ・ハケット、1978年のソロ第2作『Please Don't Touch』。
マザーグースの挿絵に出来そうな薄気味悪いイラストはキム・プアというブラジル出身の女性イラストレーターの作品。
2、3の例外はあれど、ハケットはソロ・アルバム第1作の『Voyage of the Acolyte』からジャケットはずっとキム・プアのイラストをジャケット・デザインに依頼しているようだ。
10年前に書いた記事を読んだところ、「超久しぶりにレコード棚から引っ張り出して聴いてみたら実によい」とあった。
それからこのアルバムのことはスッカリ忘れていた。
それで、先日ギタリストの三宅庸介さんと話をしていて、ヒョンなことから話題がこのアルバムになった。
そこで超久しぶりにレコード棚から引っ張り出して聴いてみたら実によい!…って、何回も!
このアルバムに対して失礼だろ!
でも、ホントにいいのよ。
曲のクォリティも高いし、参加メンバーがスゴイ。
何せザッパ一家からベースのトム・ファウラーにドラムスのチェスター・トンプソン。
ナゼかリッチー・ヘイヴンス。
そしてKansasのスティーブ・ウォルシュ。
豪華といえば豪華。
メチャクチャといえばメチャクチャ。
スティーブの狙いは「黒人音楽と白人音楽、イギリスの音楽とアメリカの音楽を混ぜた音楽を作りたかった」のだそうだ。
ん~、混ざってるかどうかはわからないけど、ジャケット・デザインも含めてとにかく良質でゴージャスなポップ・アルバムに仕上がっていると思う。
この人、とてもおとなしそうなイメージで、実際に会って話をしても(私は2回ほどお会いしたことがあるのだ)、もう紳士ムードに満ち溢れている。
ところが、その印象とは裏腹にチャレンジ精神が旺盛で結構実験好きなのではなかろうか?
Van Halenよりゼンゼン前にあの手のタッピングをやっていたしね。
それと、ブルース・ハーモニカがヤケクソに上手いんだよ。
今、またこのアルバムを聴きながらこの文章を書いているんだけど、やっぱりいいわ。
Img_0367 
コレは特にジャケットがコミックなわけでも、デザインがおもしろいワケでもない。
この「NATIONAL LAMPOON」というのは1970年から1998年まで刊行されていたユーモア雑誌のこと…つまり、ホンモノのコミック。
ジャケットのデザインはその雑誌が並んでいるところ。
出版元はマサチューセッツにある有名なハーバード大学の在学生たちだった。
「lampoon」というのは「風刺」という意味。
写真のアルバム『Goodbye Pop 1952 - 1976』は雑誌から派生したパロディ曲集のアルバム。
コレがですね、なかなかバカにできない内容で、コ・プロデューサーがポール・シェイファー。
この人はデヴィッド・レターマンの「Late Show」の音楽監督で、番組の中でキーボードを弾いているあのスキンヘッドの人。
ドラムスにはラス・カンケルのクレジットがあるし、1曲目のサックス・ソロがカッコいいと思ったらマイケル・ブレッカーでやがんの!
でも一番驚いたのは、クリストファー・ゲストが複数の曲でベースを弾いている!
この人誰だか知ってる?Img_0369そう!
『Spinal Tap』のナイジェル・タフネルね。900_2  
West, Bruce & Laing!
なつかしいナァ。
今、この3人のフルネームを言える若い人がいるだろうか?
さて、この3人のフルネームはLeslie West、Jack Bruce、Corky Laingだね。
前と後ろの2人が元Mountain、真ん中が元Creamというスーパートリオだ。
スーパー・グループの宿命なのか、このトリオも1972~1974年と短命だった。
高校の頃『Live 'n' Kickin'』というライブ・アルバムをよく聴いたっけ。
このアルバムは1973年、2枚目の『Whatever Turn You On』。
「何があなたを魅せようとも」みたいな意味かな?
3人のメンバーが夢中になっているモノが描かれている。
レスリー・ウエストはハンバーガー、つまり食べ物。ジャック・ブルースは音楽と楽器、そしてコーキー・レイングはシモ。
ちなみのこのトリオ、2009年に「Bruce」のところをジャックの息子のマルコムが埋めてWest, Bruce Jr. and Raingとして再結成している。
このジャケットのイラストはジョー・ペタグノ。
Img_0368ペタグノは数えきれないぐらいのロックのレコード・ジャケットのアートワークに携わっている。
1972年にアメリカを離れて、イギリスに渡りヒプノシスと仕事をした。
下のNazarethの『Rampant』はペタグノのイラストを使ってヒプノシスがデザインを施している。
このアルバム、かつて『競獅子(きおいじし)』とかいう歌舞伎の演目みたいな邦題が付いていた。
「Rampant Red Lion」というスコットランドの家系の紋章から来ているらしい。
Nazarethはスコットランドのバンドだからね。
また、Captain Beyondの『Sufficirently Breathless』もそう。
ジャケットのクレジットを確認すると、上に出て来たカール・ラムゼイとの共同作業のようだ。
どちらがナニを担当しているのかまではわからない。

Nazaretu

Cb

The Kinksの『Soap Opera』やSweetの『Give us a Wink』。
Sweetは『Strung Up』もペタグノの作品。

Kinks

Sweet 
なついかしな、Heavy Metal Kids。
このアルバムいいんだゼ~。
このバンド、今でも活動しているらしい。
Black Oak Arkansasの『High on the Hog』もペタグノのイラスト。
このアルバムもゴキゲン。
ジム・ダンディはすこぶるカッコよろし。

Hmk

Bla  
そして、この人の最も有名な…というか、重要な仕事はMotorheadのビジュアルだろう。Mh さて、『Whatever Turn You On』の裏ジャケ。
ジャック・ブルースもコーキー・レイングもグビグビと酒をあおっているのに、レスリー・ウエストはまだ食っている…というオチが付いている。
レスリーもジャックももうこの世にいない。
7wb2l<つづく>

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200

2021年10月 6日 (水)

【Marshall Blog Archive】PRAY FOR THE EARTH~We're with you!~富士スピードウェイのSHOW-YA


過日Marshall Blogで3本立てでレポートした通り、去る8月29日のコンサートでSHOW-YAは35周年イヤーを締めくくった。
7img_0008その記事の巻末に、2011年1月29日に初めて撮影したSHOW-YAのライブの写真を掲載させて頂いた。
そして、今年はその時からちょうど10年…げに時の流れは早いものである。
ところで、Marshall Blogは2008年4月21日にスタートしているので(第1日目はナント9本立てだった!)、その時の様子も当然レポートされていたのだが、私が転職したためにそのブログ自体が消滅し、当時の記事がすべて見れなくなってしまった。
でも大丈夫…消滅した約900本全ての記事と写真はチャンと保存されているから。
昔の記事を見ているとホントに驚くよ。
「ああ、そういえばこういうバンドがいたナァ!」とか「この人のライブはよく取材したナァ!」いう記事が次から次へと出て来る。
バンドが解散したり、ひとたび活動を休止したりすると、この業界ではアッという間に存在自体忘れ去られてしまうことを思い知る。
その「生き馬の目を抜く」ような世界で35年もの間、第一線でバリバリ活躍して来たSHOW-YAはやっぱりスゴイ!
そして、10年もの長い間、ライブの写真を撮らせて頂いている私はそれをとても誇りに思っている。Img_0658 さて、その見れなくなってしまった昔のMarshall Blogの記事の中に、どうしても公に残しておきたい思い出深い2011年のSHOW-YAの記事がありましてね。
今日は「SHOW-YA & ME 10th Anniversary」として、その時の記事を新しく作り直して再掲させて頂きたいと思う。
もうね、昔に書いた文章はダメなのよ~…ヘタクソで我ながら読んでいて恥ずかしくなる。
よくミュージシャンが昔の音源に照れまくっちゃうのを見かけるが、あの気持ちがよくわかります。
その「残しておきたい記事」というのは、2011年7月17日に富士スピードウェイでSHOW-YAが演奏した時のレポートなのだ。
それでは10年前に"Let's do the time warp!"(←『Rocky Horror Show』より)
 
早朝、事務所の皆さんと待ち合わせをして、mittanとさとみさんの家に迎えに行き、御殿場へ向かった。
この日、さかのぼって調べてみると3連休の真ん中だったのね?
東名高速は大渋滞。
とにかく最初っから最後までノロノロだった。
車中mittanが、景色が良い所に差し掛かると突然カバンからカメラを取り出してサッと写真を撮ったり、「渋滞どうなってんだ?」ということになれば、今度はタブレット端末を取り出して即座に渋滞情報をチェックしたりと、「女性なのに何てメカ好きな人なんだろう!」と感動したのを覚えている。

05高速を降りてからはスイスイで、結果的に何ら問題なく現場に到着した。
20_2天気が良くて暑い日だったな~。
でも、富士山の写真がただの1枚も残っていないんだよね…というか、結局一度も富士山を見なかったような記憶がある。10到着して早速会場の近くにある駐車場でリハーサル。

40カンカン照り!

60v本番に演奏する曲をひと通りさらってリハーサルは終了。

70この日は『2011年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第3戦』の決勝レースということだった。
観客スタンドのようす。
暑いもんだからお客さんは直射日光を避けてみんな後ろの席の日陰に入っちゃってる。
そして、レース終了後にSHOW-YAとEARTHSHAKERが登場し、『PRAY FOR THE EARTH~We're with you!』と銘打った東日本大震災復興応援ライブが開催されるという寸法。
この時、「東日本大震災」はたった4ヶ月前の出来事だったからね。
80コースには出場するレーシング・カーが並び、エンジンの音と排気ガスのニオイで否が応でもレースの雰囲気が高まってくる。90コチラはバンドのファンの皆さん。
手を振っている人もいる。
SHOW-YAやEARTHSHAKERのメンバーの皆さんがスタート前のシーンを見届けようとコースを挟んだこっち側の展望デッキに並んでいるのだ。100スタート5分前。
コースの中央にはマイクが2本セットされている。110発走の前に恵子さんとMARCYさんが「君が代」を斉唱したのだ。
そして2人の「Start your engine!」の掛け声。
恵子さん、楽屋で練習してたっけ。
この「Start your engines」というのは「インディ500」由来のレースのオープニングの決まり文句だそうで。
インディでは「Gentlemen, start your engines」と、「Gentlemen」をくっつけて「engines」と複数形にするそうな。
120vそしてレースがスタートした!130…と言ってもわかんないんだよね。
この時の他にも、ココ富士スピードウェイに来ているし、筑波サーキットに何回も行ってレースに接しているんだけど、ナニをやっているのかがサッパリわからないんだよね。
もちろん車が走って速さを競っているのはわかるんだけど、そのドラマが読みほどけないワケ。
ナンカいつも知らないウチに終わっちゃう。
140ただ、エンジンの爆音と目の前をすっ飛んで行くレーシング・カーの疾走感は筆舌しがたい魅力があることはわかる。
それを写真に撮るのは結構オモシロい。
シャッター速度を少々遅めにしてカメラを車の動きに合わせて動かす「流し撮り」ってヤツ。
150今回も知らない間にレースが無事終了。
さっきのコースのスタート地点にステージ・トラックが設置される。
コースがアリーナ席に早変わり。
170レース用の観客席からもライブを観ることができる。
ライブだけを観たいファンのために、夕刻から入場できる入場券が発売されたそうだ。
160そして開演の時間となる。
SHOW-YAの出番は最初だ…と、どこからともなく車のエンジン音が…。180コースの彼方から走り寄って来る5台の車!
そう、この車の中にメンバーがひとりずつ乗っているのだ。190そして、SHOW-YAの100万馬力のエンジンがスタート!200寺田恵子210v五十嵐☆sun-go☆美貴

220v中村"captain"美紀

230v仙波さとみ240v角田"mittan"美喜250v1曲目は「限界LOVERS」だった。270v屋外の開放的な雰囲気に包まれてノッケからハジけるような演奏が飛び出す。280sun-goさんはもちろんMarshall。
今と同じセットだ。290v「Start your engne!」…2曲目は「Out of Limits」。320v_ool すさまじいドライブ感!340昼間のレーシング・カーの疾走感と何ら変わらない!330vもう1曲続けて「TROUBLE」。
360vこれまたmittanが叩き出すストレートなビートが最高に気持ちいい!

350_tr鮮やかなブレイクの後、sun-goさんのソロ炸裂!

380vキャプテンの分厚いキーボーズのキメ・フレーズがそれに続く。

Img_0550 MCを挟んで…「欲しいモノは……奪いとれ~!」390v_ubtアタマ4曲、まだレースが続いているかのような激しい猛攻が続く。400いつものことではある。

410おかげでアリーナ席は大盛り上がり!420_2MCをはさんでキャプテンの「手回しオルガン」…もしかしららこのパートは演らなかったかも知れない。
最初の頃はスキップしていたからね。

430v_rsそして、sun-goさんが♪ゴンゴロゴンゴロと刻み込む。440_2曲は「流星少女~Shooting Star 196X~」。
いつも書いているけど、私にとってとても思い出深い1曲。
ナントならばSHOW-YAさんとお付き合いさせて頂き出して、一番最初の新曲だったから。
700v東京キネマ倶楽部でのビデオの撮影にもお邪魔した。
思い込みってのは恐ろしくて、このビデオが先にありき…かと思っていたら、ナント、撮影したのはスピードウェイの半年後、2012年になってからだった!460_2mittanのドラムからスタートするのは「Get ny Beat」。

470_gmb_2コレも『Denuine Diamond』に収録された当時の超新曲。480vメチャクチャ「攻め」のセットリストだったんですな~。
コレがSHOW-YA魂!490v続けて「Metallic Woman」。500_mwさとさんのヘヴィな低音が富士の裾野に鳴り響く。
間違いなく須走口までは届いたことだろう。510v恵子さんもスゴいテンションでハード&へヴィなチューンを歌い上げる。
屋外、しかもカーレース場ということで普通の屋内の会場で演るより気分が高まっていたのかな?

520しかし考えてみると、こうして10年間ご一緒させて頂いていて、野外のステージって『Aurora』リリース時のチッタ以外はコレだけかな?
何かもっとあっても良さそうなものなんだけど…ホントにコレだけかな?
いいんですよ~、私は完全にインドア派だから。

610_2最後のセクション前のMC。
恵子さんはこの富士の裾野から、震災で被害に遭った地域の皆さんを励まし、被災地以外の方々も含めてみんなで助け合っていくことを呼びかけた。
とても力強いメッセージだった。530_mcMCを挟んだらもう最後のセクション。
sun-goさんが弾き出したのは「私は嵐」!

540v_wa人気のナンバーが飛び出して更に盛り上がりを増した!Img_0667 sun-goさんのソロから~…
Img_0923さとみさん!580そして…

590嵐ポーズ!
キマった~!

600v10年前も今も全く変わらないカッコよさなのだ!

620v続いて「BATTLE EXPRESS」。630しかし、濃いセットリストだな~。
もう1回この場に戻りたいな。640中盤のキャプテンと…

650vsun-goさんの掛け合い!

6602人とも気合の入ったフレーズの応酬でスリリングなバトルが展開した。

670v

680そして、10曲目。
最後の曲は「Fairy」!

690_frこの特別な機会を締めくくるにふさわしい5人の情熱的なパフォーマンス!
450v

570v

720v

Img_0790

730vFairyポーズもバッチリとキマった…って写真はそういう風には見えないね。
コレがホントの「I can't see」。

735最後の追い込み!

740そして、富士の裾野でサオ回し。
ヘッドが富士山に当たらないように注意して…

760バッチリ回りました!77010の珠玉のナンバーでつづられたゴージャスなロック・ショウ。
問答無用で素晴らしかった!Img_0913帰りも大渋滞!
も~、東名高速に乗った瞬間から車動かず。
でも、車内は楽しかったナ。
帰りは恵子さんも一緒で、「今では使われなくなった言葉シリーズ」みたいな話で盛り上がった。
「衣紋掛け(えもんかけ)」とか「チリ紙」とか…。
私は恵子さんと同じ世代なので意見はバッチリ同じ。
私なんかヘタをすると今でも「ハンガー」とは言わずに無意識に「衣紋掛け」って言っているかも知れない。
お母さんがそう言っていたからね。
そして、車の中が静まり返った時、スタッフのお1人が「♪降り注ぐ光浴びて…」と小声で「Fairy」を口ずさみ、続けてつぶやくようにこうおっしゃった。
「『Fairy』ってステキな曲ね…」
私は助手席に座っていて後ろから聞こえて来たこの言葉に強く感動してしまった。
そりゃ自分の事務所のアーティストの曲なのだからして、作品をホメることはごく当たり前のことかも知れないが、そういうのとは全く違ってスタッフが心からSHOW-YAの音楽を愛でている気持ちがロマンティックに私の心に伝わって来たのだ。
今日の記事を再掲したかった理由のひとつは、どうしてもこのことが書きたかったから。
 
この後、用賀までズッ~と渋滞!
予定では朝集合した場所で解散することになっていたが、終電に乗り遅れる危険性が出来たため、途中の渋谷で高速から降りて頂いて、最終的に地下鉄で家路に着いた。
長く、楽しい、忘れ難い10年前の夏の1日だった。
そして、この貴重な富士スピードウェイのSHOW-YAのライブが半永久的にMarshall Blogに記録されることになった…めでたし、めでたし。

780さて、全編英語詞による新譜『SHOWDOWN』が11月に世界発売も決定したSHOW-YA。
意気揚々と世界を狙う今後の動向が楽しみだ!
 
SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト790cdSHOW-YAファンの皆さん、この後も見てね!
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下のバナーに使用されている写真は1985年にSHOW-YAが出演したロンドンのMarquee Clubの現在の姿です。
この時の様子を語ったsun-goさんのインタビューはコチラ

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200(一部敬称略 2011年7月17日 富士スピードウェイにて撮影)

2021年10月 4日 (月)

スッキリの田川ヒロアキ

パラリンピックの開会式での布袋寅泰さんとの共演から、日本テレビの『めざせグローバルスター』への出演…そして5か国から参加した審査員全員からの仕事のオファーをゲットした興奮冷めやらない田川ヒロアキ。
「ボーイ」と呼ぶにはいささか失礼なベテランだが、この勢いはまさに「シンデレラ・ボーイ」と呼んで差し支えないであろう。
長いことガンバって来たからナァ。
「一生懸命やっていれば誰かが必ず見てくれている」を実現した格好だ。
Marshallとしても2009年からサポートして来たので、まるで自分のことのようにうれしいのだ。
Marshallの社長のジョンに報告すると、曰く…「私は驚かない。彼の才能を持ってすれば当然のことだ。ゼヒMarshallの本社/工場に来てもらいたい」と、今回のチョットした「田川ブーム」をよろこび、ヒロアキくんがイギリスを訪れる日を楽しみにしている。
ま、ウチの社長ってナニを言っても絶対に驚かないんだけどね。
たとえ地球の裏側にいても、ジョンもMarshall Blogを通じてヒロアキくんのことをズッと見ていてくれた人のウチの1人だ。

90r4a1919 さて、そのヒロアキくん、今度は同じ日本テレビの朝の人気番組『スッキリ』に出演した。
まずはインタビューの収録。
10マネージャーの美瑞穂さんがかいがいしく身づくろいをしてくれる。
美瑞穂さんは自分の意思で長い間「裏方」に徹していたが、先日の「グローバルスター」でヒロアキくんの「人生のパートナー」として紹介され、多くの人に感動の涙を流させた。
コレで「頭隠して尻隠さず」…もう「裏方」でいる必要もあるまい。
今回はバッチリMarshall Blogにもご登場頂きますからね!20vこの日に収録された内容が後日の番組の本番に繰り入れられる。

30インタビュアーは日本テレビアナウンサーの杉原凜さん。
プロに向かって失礼だが、ご挨拶を頂いただけであまりの滑舌の良さにビックリしたわ。

40ヒロアキくんもトークはお手の物。50ヒロアキくん奏法の誕生秘話などが語られる。
「立て板に水」のごとし。
60vそして、美瑞穂さんが加わった。70美瑞穂さんも元はトークのプロ。
ヒロアキくんと知り合ったキッカケなどを話しているところ。
彼女のトークの素晴らしさを聴きたければヒロアキくんがMarshallのCODEというモデルを紹介しているビデオを見るがよい。
アンプのセッティングやヒロアキくんとMarshallの関係などを鈴を鳴らすような声で解説してくれている。
ココをクリック➡【Marshall Japan】田川ヒロアキのBREAK the CODE

80v最後に本番で演奏する曲の確認をした。

110vおなじみの曲と聞き慣れない曲…。

120v最後は「ヒロアキ・ポーズ」。
どんな時でも全力なのだ。

130v本番がうまくいきますように!0r4a0082さて、今回の一連のヒロアキくんのテレビ出演のトークのパートで、毎回語ったものの尺の関係でどうしても番組に組み込まれなかった部分をMarshall Blogで紹介させて頂く。
ヒロアキくんと美瑞穂さんが出会ったキッカケは、美瑞穂さんが九州のテレビ局に勤めていた時にヒロアキくんの取材に訪れたことだった。
コレは「グローバルスター」でも語られていた。
ではナゼ美瑞穂さんが、全国的には無名な山口在住のギタリストを取材することになったのか…。
それはLOUDNESSのボーカルズ、二井原実さんのおかげなのです。
まだYouTubeもない頃、ヒロアキくんの公式ウェブサイトを通じて「LOUDNESSというバンドのボーカルズの二井原実です」と名乗る人がコンタクトしてきた。
LOUDNESSのファンでもあったヒロアキくんは、にわかにはそのメールを信用することができなかったが、次第に疑いが晴れて、メールの送信者がホンモノの二井原さんであることが判明した。
二井原さんはヒロアキくんのウェブサイトのMP3音源を聴いて超ビックリ!
2006年の自分のソロ・アルバム『Ashes to Glory』でヒロアキくんにギターを弾いてもらいたい…というオファーをして来てくれたのだった。
「世界のLOUDNESSのシンガーがッ?それはスゴイ!」ということで美瑞穂さんが九州のテレビ局からレポーターとして取材に送り込まれてきた…というワケ。
つまり、二井原さんこそが2人のキューピットだったのです。
もう「S.D.I.」級のスゴイ話でしょ?
90r4a0181
結果、ホントにレコーディングに参加してしまった。
ヒロアキくんは見事に、そして完璧に大役をこなして見せ、たとえ弾き方がヘンでも(冗談ですよ!)山口県在住の無名のギタリストが一流のギタリストであることを証明して見せたのだ。
スゲエ話だよナァ。
フランク・ザッパのスティーヴ・ヴァイみたいにこっちから押しかけて…という話はよく聞くけど、その反対は珍しい。
私はたまたまこのCDのサンプルを関係者の方から頂戴して聴いたんだけど、その時に「ギターは誰だ、コリャ?」とすぐにスリーヴのギターのクレジットを確認したものだったですよ。
自分もそれから3年後にヒロアキくんと仕事をするようになるなんてその時は全く想像しなかった。
90r4a0184そんな二井原さんだから、2人の結婚式にも参加してくれて素晴らしい歌声を聴かせてくれた。
この結婚式のすぐ後にLOUDNESSのコンサートがあって二井原さんにお会いした時、この結婚式の話になって「アリャ泣くよな~!」とおっしゃっていた。
それほど感動的な結婚式だったのだ。
そして、今回のことも大変喜んでいらっしゃる、と美瑞穂さんからお聞きした。
そりゃそうだよね~、スタートは全部二井原さんだもんね。90r42a7346 さて、アッという間にやって来た本番。
朝の番組ですからね~。
早いのよ。
私も6時過ぎに汐留にお邪魔した。
まずはカメリハ。
40_2ヒロアキくんの出番は「BUZZ-P」というセクションだ。
大勢のスタッフが機能的にテキパキと動き回るサマは見ていてとても気持ちがよい。50_2この段階ではサウンド・チェックと…70_2ヒロアキくんのアクションの確認をする。
115気が付いたポイントを美瑞穂さんが都度伝える。

90このチェック作業を何度か繰り返す。
何しろナマですからね~、失敗は許されない。110もうスタッフの皆さんとのやりとりもバッチリだ。
特にヒロアキくんはモニターの状態にうるさいことを絶対に言わないからやりやすい。
100_2サウンドはもちろんいつもの「ヒロアキJVM」サウンド。
いつものMarshallだから当然だ。
ところがコレがですね~、本番の時は1分半でMarshallとペダルをセッティングしなきゃならないワケ。
ナマだからね。
それが私の役目のひとつなんだけど、年甲斐もなく緊張しちゃってサ~、恥ずかしいったらありゃしない!120v_2美瑞穂さんも加わってカメラと音声のチェックをしてリハーサルは終了。
あとは本番を待つのみ。130楽屋でも練習に余念がないヒロアキくん。

05本番で演奏する1分40秒のパフォーマンスを限りなく繰り返す。
しかもノッてます。10_2もちろん楽屋の練習でもMarshall。

20最後のキメのポーズまでガッツリさらっておく。
コレはリハーサルの時に「こうしよう」とカメラさんと打ち合わせをしたから。
決められたことを完璧に何度もできるのがプロなのだ。30vおかげさまでセッティングは何の問題もなく、たいへんよくできました。
日テレのスタッフさんのサポートのおかげです。
 
さて、いよいよ本番!(写真はリハーサル時に撮影したモノです)
140v曲は「Sports of Heart」他、ヒロアキくんのステージでは定番の「Seascape」から。

150vよしよし、いつもの美しい「ヒロアキMarshallサウンド」だ!

160気持ちよさそうにフィンガーボードの上から指を滑らせるヒロアキくん。
175v今日はかなり時間が短いのでショート・バージョンで切り上げて…

170はい、挙手もリハで打ち合わせた通りバッチリ!

9img_3957 そのまま続けて、この日のために作った「Racing Star」を披露。
ヒロアキくんらしい愛らしく優しいメロディが魅力的なナンバー。190vヒロアキくんの手をクローズ・アップして話題の奏法に迫る!180番組内でも「スッキリSPメドレー」と紹介されたこの時だけのスペシャル・パフォーマンスだ。195vもう終わっちゃった!
見ていて今日もまた少しグッと来てしまったゾ!

200エンディングのポーズも完璧にキメて見せた。
この後、美瑞穂さんが加わってのトーク・コーナーとなった。
MCの加藤浩次さんとコーナー司会の杉原さんと絶妙のやり取りで楽しかったね!210v終了後、記念に杉原さんとパチリ。
私はMarshallの撤収中。
撤収は問題なし。
9243879466_595276485172931_76935266 そういえば、先日の萩の聖火リレーの時の撤収が大変だったんだ。
テレビか配信が入っていて、1、2分ぐらいで舞台からMarshallを完全に降ろす必要があった。
そんな貴重な体験ができるのもこのお2人のおかげです。

220vJVMと1960Aもご苦労さまでした。
トラブルなくすべて終了してスッキリ!
日本テレビの皆さん、Marshallをジャンジャン映して頂いてありがとうございました。
やっぱりMarshallは断トツで美しいな。
つぶさにイギリスに報告しておきます!

230さて、ヒロアキくん。
ヒロアキくんが作曲、ギター、マスタリング等の大役を務めた、岡山のライブハウス「CRAZY MAMA KINGDOM」をサポートするCD『KINGDOM STARS』がリリースされた。
日本のシリアスなロック・シーンを代表するスゴ腕ミュージシャンがタップリ集って制作されたこのCD、ナント合計300ものトラックをヒロアキくんがまとめて仕上げた大作だ。
私もいち早く聴かせて頂いたが、実にオモシロかった。
聴いたら「♪キングダ~ム」って歌いたくなるよ。
 
お求めはコチラ⇒CRAZY MAMA公式ウェブサイト

250cdそして、ヒロアキくんは来月12日の大阪からツアーをスタートさせる。
今回は「西特集」だね。
新しいアー写もいい感じだ。927921 そして、ツアー・ファイナルは12月11日の町田まほろ座。
石黒さんに、てらちんに、千里ちゃん、という顔ぶれ。
久しぶりでとても楽しみだ!
 
詳しくはコチラ⇒まほろ座公式ウェブサイト

9242466591_1527252047654152_3978592 上でも紹介したけど、ヒロアキくんの『BREAK the CODE』もお見逃しなく!
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

240v

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200(一部敬称略 <放映分>2021年10月4日 日本テレビスタジオにて撮影)

2021年10月 2日 (土)

ミュージック・ジャケット・ギャラリー ~ コミック・ジャケット・コレクション <vol.1>

 

正直もうネタがなくてね。
数日前に緊急事態宣言が解除になったものの、ココのところ行けるライブもメッキリ減ってしまっていたでしょ?
Marshall Blogって70%がライブのレポートだったので、そりゃネタも尽きるワケよ。
でもナントカ更新せねば…ということで、今ではもう見ることの出来なくなった昔のMarshall Blogの記事から出来のいいのを見繕って「アーカイブ記事」を公開しようとしているんだけど、コレはコレでまた大変なの。
10年以上も前に作った記事でしょ?
まず、写真も文章も気に入らなくてね…。
とてもじゃないけどそのまま右から左へ出すことができない。
そんな中で比較的やりやすいのがレコード・ジャケットの魅力を紹介する『ミュージック・ジャケット・ギャラリー(以下、「MJG」)』。
最近はレコード・ジャケットや昔のロックの存在感がますます小さくなってきている感じもしてるしね。
記事を復活させるにはちょうどいい機会だと思って…。
 
で、今回は今から10年前の2011年12月5日 に掲載した記事を再掲することにした。
「再掲」といっても70%ぐらい書き換えてしまったのでほぼ原型を留めていない。
写真や文章が気に喰わないだけでなく、書いてある内容が時流に合わなかったのです。
「TTP問題」がどうのとか言っていたりしてね…今、チョット中国が騒いでいるけど「TTP問題」なんて誰も覚えていないでしょう?
新しい自民党の総裁が選出されたけど、だいたい今日の記事のオリジナルが掲載された10年前の12月の時の総理大臣って誰だったか覚えてる?
そう、野田さんよ。
え、野田さん自体も覚えていない?…というぐらい時の流れが早いね。
でもどんなに時代が変わっても昔のロックとレコード・ジャケットの魅力は変わらない。
でもひとつ…この音楽のメディア関連で10年のウチに大きく変わったことがある。
今回それが記事の内容の書き換え作業を強くプッシュしたのね。
それはナニかと言うと、SpotifyとYouTube。
10年前に記事を書いた時にはそれらがまだ無いか普及していなかったので、聴いたことがないレコードはジャケットの紹介をするにとどまっていたんだけど、今ではどちらかを検索すれば記事に登場するレコードのほぼすべての音源を聴くことができるようになった。
だから、10年間にはジャケットの紹介しかできなかったアルバムも、今回は音源を探し当て、片っ端から聴いて感じるところがあれば簡単な感想を付け加えることにした。
こういう作業をする時のSpotifyやらYouTubeは限りなく便利である。
反面、レコードは本来そこに収められている音楽を聴くためのモノであって、「その音楽を聴けさえすれば満足」ということであれば、レコードをコレクションする必要が全く無くなってしまったことを実感する。
実に恐ろしいことだ。
このシリーズを始める時に「利便性が風情を殺す」なんて書いたものだったが、10年チョット経って我々レコードやCDで育った世代の人類が直面した現実はそんなナマ易しいものではなかったネ。
あと何十年かして、生まれた時からSpotifyやYouTubeがある世代の人たちだけになった時、レコードやCDはこの世から姿を消しているのだろうか…なんてことは以前から取り沙汰されてきたけど、少し真剣に考えてみてしまったよ。
 
さて、「MJG」と来れば大田区は鵜の木にある音楽パッケージ印刷の老舗、「株式会社 金羊社」さんの4階のギャラリー。
Img_0221懐かしいな~。
ココへは三月に1回、展示アイテムが入れ替わるたびにお邪魔させて頂いていた。
展示品は日本屈指のレコード蒐集家、植村和紀さんのプライベート・コレクションだ。
Img_0440今回のテーマはイラストものを中心としたコミカルなジャケット。

「笑い」はいつの時代にも必要かつ不可欠なもの。
「笑い」には癒しの効果があり、人間関係を円滑にさせるばかりでなく、肉体的な面からも本来人間が持っている免疫力や自然治癒力をアップさせるっていうからね。
今の日本はとても笑える状況にはないが、こうした社会状況を少しでも変えていくためには、「笑い」が持って来いなのだ。
今回登場する数々のコミカルなジャケットを見ることによって、是非とも「笑い」の勢いを感じ取って心身ともにパワーを蓄えてもらえればうれしいね。Img_0430_2 ところで、『雨に唄えば』って映画観たことあるでしょう?
若い人たちは知らないか…。
名曲がテンコ盛りのミュージカル。

Sgir

 
あの中に「Make 'em Laugh(笑わせちゃおう)」という曲が挿入されている。
ドナルド・オコーナーの超絶ダンスが見もののハッピー・チューンで「Make 'em laugh. Make 'em laugh. Don't you know everyone wants to laugh?(笑わせちゃえ、笑わせちゃえ、みんな笑いたがっているのを知らないのかい?)」と歌う。
そう!みんな笑いたくてしょうがないのだ。
ちなみにこの映画のヒロインを演じているデビー・レイノルズって誰のお母さんか知ってる?
答えは「レーア姫」を演じたキャリー・フィッシャー。
『スター・ウォーズ』のね。
『ブルース・ブラザーズ』ではジョン・ベルーシを追っかけまわしてマシンガンをぶっ放す謎の女性ね。

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似てる?
お母さんの方がカワイかったかな?
「カワイかった」…と過去形で言わなければならないのは、2人ともお亡くなりになっているから。
2016年12年27日、ロンドンからLAに向かう飛行の中で娘のキャリーが心臓発作で息を引き取った。
すると翌日の28日、あろうことかそのショックでお母さんのデビーが脳梗塞で亡くなってしまったのだ。
コレにはホント驚いたよ。
この記事の初出は2011年12月なので、その時には2人ともご存命だった。
  
さて、話題は変わって「笑い」といえば…。
欧米人に言われてもっともうれしいお世辞は何か?
以前は「How many years were you in the States?(アメリカにどれぐらい住んでいたの?)」だった。
つまり「あなたは英語が滅法うまい」というホメ言葉だ。
ココでチョット自慢ね。
一昨年Marshallに行った時に、本社の近くの定宿の少々長逗留をしたんだけど、最後の日に「今までありがとう。今日帰ります」とレセプションで応対してくれた東南アジア系の女性に言ったら「どちらにお帰りなんですか?」と訊いてきた。
「今晩の飛行機で東京に帰ります」と私が答えると、「エエエッ?東京にお住まいなんですか?お話になる英語を聞いていたら私はてっきりロンドンにお住まいなのかと思いましたよ!」って言うワケよ。
やっぱりロンドナーに見えるんだな~…コレはさすがにうれしかったけど、今にして思うと「日本人向け接客マニュアル<おだてれば調子に乗るバカなヤツ編>」の通りだったのかも?
実際、大した英語は話していませんからね。

Dt 向こうの人って外国人が話す英語のお世辞を言う時、「Your English is very nice!(英語がお上手ですね~!)」って言っておいて、「Your English is much better than my Japanese(アナタの英語は私の日本語よりゼンゼンお上手だ)」ってよく言うんだよね。
そう付け足されたらこっちの英語をほとんど評価していないと思っていいでしょう。
コレ、社交辞令とは言え失礼だと思うんですよ。
だってこっちは中学から大学まで一応10年間も勉強していることになっているし、少なくともそうして外国人と接する機会がある仕事をしていれば、真剣に英語を勉強しているのが普通じゃない?
それにひきかえ、向こうはナンだ?
日本語なんてマジで勉強したことないでしょ?
そんなアナタのヘッポコ日本語といっしょにされちゃこっちは困るワケよ。
でも、日本人で英語が話せる人って人口の2%ぐらいなんだってね。
6年、あるいは10年も学校で学習しているのに…全くの無駄ということですからね。
いくら英語を使う環境が他国と違うとはいえ、こんな惨状は日本ぐらいのもんじゃないかしら?
  
で、英語のお世辞については考え方を変えた。
「You have sense of humor」…これが英語を話す欧米人からの最高のお世辞とした。
「ユーモアのセンスがおありですのね、愉快なお方!」みたいな。
欧米人は人を笑わせる能力を持っている人をとても尊敬する。
もちろん下品なネタはダメですよ。
英語で冗談を言うのは実にムズカシイ。
まず英語が通じなければ絶対にウケない…コレ当たり前。
そして、冗談というのは話すスピードが命なのだ。
ダラダラ、「ア~ア~」だの「ユーノー」だの言っていると相手は笑ってくれないどころか話しを聞いてももらえなくなる。
多少無理をしてでも自分なりの最高速度で一気に英語をしゃべりきるのがコツ。
それと何と言っても文化。
映画でも、音楽でも、文学でも、歴史でも、食べ物でも、テレビのネタでも、とにかく彼らが日常に接している事物を広く知らないと冗談を言うチャンスは訪れない。
実際に相手の文化的なバックグラウンドを絡めて放つ冗談が一番ラクなんだよね。
私の場合は映画と音楽だ。
政治や宗教や人種をネタにするのはあまりにも危険なので、とにかくコレに徹している。
向こうの人たちは我々が想像するよりもはるかにそういったエンターテインメントが生活の中に入り込んでいるし、よく知っているから何を言っても受け止めてくれる。
すると、共通の話題も増えるし、冗談を言う機会も増えるというワケだ。
先日、Marshallの若い女性に「刑事コロンボ」が話す英語をマネしてメールをしたら完全にシカトされたけどよ。Shika_2 そして、冗談がウケれば自動的に英語力も認められているということになる。
意味が通じてるんだから当然だ。
だから、「You have sense of humor」は最高のお世辞であり褒め言葉だと思うワケです。
エ、お前そんなこと言ってるけど実際にそう言われたことあるのかよ?って?へへへ、ご想像にお任せします。
ま、何度か言われていなけりゃこんなこと書かんわね。
 
そうそう、コレで思い出した。
昔ヒースローの待合室にいた時、東京に向かう見知らぬイギリスのオジさんに声をかけられて、お互い同じ便だったので搭乗時間まで世間話をしたことがあった。
何でも海底掘削工事のエンジニアとか言っていた。
で、話題がイギリスの天気になって、私が「You have all seasons in one day」と形容したら、その人「おお~!素晴らしい!アナタは詩人だ!」とか言いながら握手を求めて来て、ものすごく感激されて驚いたことがあった。
コレはユーモアではありませんけどね…ポエムです。
下は昔のヒースロー空港の待合室。545 なかなか本題に入らなくてゴメンナサイ、前からどうしても書きたかったことがあるんです。
「コミック」という今回のテーマを利用して書かせてもらっちゃおう。
 
私の世代は残念ながらロックの黄金時代、つまりレッド・ツェッペリンやディープ・パープルの時代にはちょっとばかり間に合わなかった。
中2の時に『ホテル・カリフォルニア』がリリースされた世代。

Hc クラスの普通の子が聴く音楽といえば歌謡曲が当たり前で、その頃からロックに夢中になっていたのは私の他にはほとんどいなかった。
だから、もう6~7年早く生まれていればJethro Tullも、Pink Floydも、Humble Pieも、Freeも、BBAも、ELPも、YESも余裕で観ることができたですよ…でもできなかった。
ところが、我々の世代は思いっきりアニメとかヒーローの黄金期に当たってるのね。
鉄腕アトム、鉄人28号、エイトマン(←主題歌の歌詞って前田武彦が書いてたって知ってた?)あたりからはじまって、ひょっこりひょうたん島、ケロヨン(木馬座)。
ケロヨンなんてモノスゴイ人気だったんだよ~。
母がよくサンケイホールに観に連れて行ってくれた。
ちなみに同じ歳の家内は、私との別れ際にはいまだに「バハハ~イ」と言うことが多い。

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テレビアニメに至っては枚挙にいとまがない。
ジャングル大帝、リボンの騎士、メルモちゃん、マッハGo Go Go!、妖怪人間べム(何故か舞台がヨーロッパ)、サイボーグ009、スーパージェッター、タイガーマスク、巨人の星、アッコちゃん、サリーちゃん、おそ松くん、もーれつア太郎、ハリスの旋風、あしたのジョー、いなかっぺ大将、みなしごハッチ、ハクション大魔王、オバケのQ太郎、ウメ星デンカ、花のピュンピュン丸(これ好きだった)、狼少年ケン、アタックNo.1、鬼太郎、河童の三平、ライオン丸(顔がライオンだもんね。ミノタウロスもビックリだぜ)、デビルマン、マジンガーZ!あ~ダメだ、キリがない!
 
怪獣系ではウルトラマンやウルトラセブンはもちろん、マグマ大使(ネーミングのセンスすごし)、ジャイアントロボ、ミラーマン等のテレビ番組に加えて、ゴジラ人気に便乗して各映画会社がジャンジャン怪獣映画を制作していた。
大映の「ガメラ」や「大魔神」は今でも人の口に上ることが多いが、松竹の「ギララ」、日活の「ガッパ」とかはほとんど耳にしないよね。
「マタンゴ」は古いか…「ゴケミドロ」なんてのもあったな。

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Gappa 

今考えると、クリエイティビティに満ち溢れていた本当にスゴイ時代だったと思う。
「ど根性ガエル」なんてスゴイぜ。
一体、誰がカエルがシャツに貼ッ付いちゃうなんてことを考えるよ?
 
音楽で例えれば、手塚治虫はデューク・エリントンぐらいスゴイし、赤塚不二夫なんてジミ・ヘンドリックスかオーネット・コールマンぐらい偉大だよ。
私はレッド・ツェッペリンもディープ・パープルも観ることはできなかったが、星飛雄馬や伊達直人や鮎原こずえ達を時を同じくして十二分に楽むことができた。

Dk

この頃のアニメはエロも過度な暴力もなくて実に愛らしかった。
そして、我々の世代がもうひとつラッキーだったのは、これらのアニメの主題曲もリアルタイムで経験したことだ。
上に挙げたほとんどの作品の主題歌は今でもほとんどソラで歌えるもんね。
それぞれが際立っていい曲だった。
妖怪人間べムはビッグバンド・ジャズだったり、アッコちゃんの最後の歌「スキスキ」はブルースだったり、演歌調もありゃ、準クラシックもあった。
鉄腕アトムのイントロはホールトーン・スケールがガッツリ使われていたり、いろんなタイプの音楽を知らず知らずの内に体験していたことなる。
ま、ウチの家内なんかは「魔女っこメグちゃん」を平気で「ケロっこデメタン」のメロディで歌っていたりもするが…。
今みたいな一石二鳥のヒット狙いのタイアップ曲なんかではなくて、クラシックを下地にキチンと音楽を勉強した作曲家が曲を作り、腕利きのミュージシャンがそれを奏でるのだからそりゃいいモノができるにキマている。
だから世代を超えて長持ちしてるんでしょうね?
作曲に関して言えば、富田勲や山本直純だもんね。
映画も音楽もアニメも、テイストが変化するのはまったく構わないと思うけど、一体ナニが美しいのか、ナニがスゴイのか、ナ二が面白いのか…の適切な基準だけは無くさないでいて欲しいことを願う。
 
展示のテーマを象徴するブローアップ・ジャケット。
今回選ばれた2枚のウチの1枚はジャニスの『Cheap Thrills』。
Img_0258もうひとつは昔の山止たつひこのマンガにでてきそうなキャラをあしらえたカナダのニール・メリーウェザー(Neil Merryweather)という人の『Kryptonite』。Img_0261 ではいつものように、気になった作品を展示棚ひとつずつ見ていきましょう!

Img_0229まずは最初のセクション…§1-a。Img_0232 数々のフォロワーを生んだ名ジャケット・デザインを手がけたのは、アンダー・グラウンド・コミックスの創始者といわれているロバート・クラム(Robert Crumb)。
それほど熱心に聴いたアルバムではないが、印象に残っているアルバムのひとつ。
残念ながらそれはジャケットのおかげではない。
その理由は値段…といってもおわかかりになる方はほとんどいらっしゃらないでしょう。

Ct_2 中学の時の話し。
当時もLPレコードの値段は全て2,300円から2,500円だった。
現在のCDとそう変わらないけど、コレは45年ぐらい前の話ですからね。
当然新品のLPを1枚買うのには、清水の舞台から真っ逆さまに飛び降りるような決心が要ったワケです。
そこへ出て来たんですよ。
CBS/SONYの名盤と言われていたレコードが1,500円均一で!
いわゆる「廉価盤」ってヤツね。
こんなの今では何ら珍しいことではないどころか、音楽なんてもうタダ同然になっちゃったけど、子供の頃の1,000円の差っつったら大変なモンですからね。
ま、今でも大変なんだけど…。
「1,500円でレコードが買える!」と狂喜乱舞したのです。
しかし、いくら安いと感動してみたところでこっちはビートルズを卒業してまだそう間もない頃でしょう。
アル・クーパーだの、ジョニー・ウインターだの、Blood, Sweat & Tearsだの、Chaseだのといわれてもネェ…まだこっちはオコチャマで、海のモノとも山のモノともつかないアイテムばかり。
どれを買っていいのかサッパリわからないワケ。
で、ひと際目を引いたのがこの『Cheap Thrills』だった。
こんなモロに漫画のジャケット見たことなかったからね。
でも結局、その時に私はこのLPを買わなかった。
仲のいい友達が買ったので借りて聴いた。
「ナンて変な声の女の人だろう!」だと思ったけど「Piece of My Heart」が気に入った。
当時、よく「Summertime」の絶唱が賞賛されていたように記憶しているけど、年月を経る間にエラ・フィッツジェラルドやカーメン・マクレエのジャズ版や、オリジナルのオペラの『Porgy & Bess』を聴いてしまうと、ジャニス・バージョンはかなりツライ。
今となってはガーシュインの最高傑作のひとつを改悪しているようにしか聞こえないんだよね。
ジャニスのフェイクっぷりもツラいけど、原因の1/3ぐらいはあのギター・ソロによるものかも知れない。
70r4a0088 その後、九段会館で開催された『Monterey Pop Festival』のフィルム・コンサートに行き、床を踏み鳴らしながら「Ball and Chain」を激唱する動くJanisを見た。
オイルをかけてストラトキャスターに火をつけるジミ・ヘンドリックスにも感動したが、ジャニスも負けていなかった。
下はその時に買ったプログラム。
同時上映は『Wattstax』だったんだけど、ゴメン、途中で出て来ちゃった。

70r4a0098_2これは植村さん所有のRobert Crumbの作品集。
Img_0263ページを繰ってみると…ホラ、『Cheap Thrills』が出てる。

Img_0264他に有名な作品はこの『Fritz the Cat』や『Mr. Natural』などがあり、どちらもやや年配の方なら「ああ、コレね」と思うだろう。
他にはエッチなマンガが盛りだくさん。

Img_0266 上に書いたように、このジャケット・デザインは数々のフォロワーを生み出していて、コレはその中のひとつ。
犬神サアカス團の2007年のシングル「たからもの」。952  
次…これはユカイ!
『liverpool 1963 - 1964 volume two』というコンピレーション・アルバム。
収録されているのは、Beryl Marsden、The Big Three、The Dennisons、The Mojos等…って全然知らんわい!
ちょっと気になるのはThe Pete Best Fourとかいうグループ。
もちろん、ピート・ベストとはRingoの前のThe Beatlesのドラマー。
この人今でも演奏しているみたい。
ジャケットはもちろん『With the Beatles』のパロディ。
元も方は、アストラッド・キルヒャーというドイツ人の女流写真家が使った一般的に「ハーフ・シャドウ」と呼ばれる手法をビートルズのメンバー達が大変気に入り、ロバート・フリーマンというイギリス人カメラマンに依頼して同じタッチで撮った写真を『With the Beatles』のジャケットに使った。
アストラッドはこれまた元ビートルズのメンバー、スチュアート・サトクリフ(ポールの前のベーシスト)と婚約したが、彼の死によって別れ別れとなってしまった。このあたりは有名な話で映画にもなったんじゃなかったっけ?
フリーマンは他にも『For Sale』、『Help!』、『Rubber Soul』なんかのジャケ写を撮った人ね。

Img_0302 裏面にはモップの写真が…。
このモップが実際に使われたのかしらん?

Img_0303 「Bummie(ブラミ―)」が集まって結成されたバンドがThe Move。
「ブラミ―」というのはバーミンガム出身者のこと。
ニューカッスル出身者が「ジョーディー」、マンチェスター出身者が「マンキュリアン」、リヴァプール出身者が「スコーサ―」というのと同じ。
バーミンガム訛りの英語はキツイぞ~。
Marshallの本社があるミルトン・キーンズはバーミンガムにほど近いこともあって、何人かのブラミ―がいる。
最近は少し慣れたけど…ココだけの話…最初の内はナニを言っているのかがわからず本当に困った。
マンキュリアンの英語も結構ツラい。
経験から言って、まだジョーディー弁の方がラクなような気がする。
 
さてこのThe Move、以前にも書いたことがあったが、どこに境目があるのかはわからないものの、イギリスでは「ロック」と「ポップ」の境界線が明確でThe Moveはどちらかというと「ポップ・バンド」の範疇に入れられているようだ。
確かにファースト・アルバムなんかを聴くと、ポップポップしていることは否定できない。
でもコレが実にいいんだな。
ま、どのジャンルに突っ込まれようとロイ・ウッドとジェフ・リンという才人を抱えたこのチームの音が悪かろうハズはない。
特にRoy Wood(後出)はいいナァ。
同じポップ・チューンを演るにしても、スルリと無難にいいメロディを聴かせるというのではなく、「アレ?そっちに行っちゃうの?」みたいな意外性を持ち合わせているところがタマらん。
初期には全英No.1となったシングル「Blackberry Way」や、同じく2位まで上昇した「Night of Fear」や「Flowers in the Rain」などのヒット曲があって、The Moveは日本でもっと名前が通ってもいいバンドだと思う。
このアルバム『Shazam(シャザム)』は1970年発表の2枚目のスタジオ・アルバム。
スーパーマンのような格好をしたメンバーのイラストがユーモラスだ。
Img_0306The Moveは1枚目も4枚目もイラストのジャケット。
メンバーの写真を表に出すことがなかった。
恥ずかしがり屋だったのかしらん?

Move

7mc 

唯一、3枚目の『Looking on』だけが写真を使ったデザインだった。
この写真がまた妙で、頭のテッペンがツルツルにハゲたおっさんを並べて俯瞰で撮ったもの。
パッと見ただけでは何かわからないようなシャレのきいた写真を使っていた。
イカンね、ハゲはオモチャじゃないぞ!
コレね。
このジャケットも十分コミック的だ。
Loところで、「Shazam」というのはナニか?
最近ではそういうアプリもあるようだが、「ジャーン!」という擬音なのだそう。
手品師が最後にワザを使って見ている人を驚かす時に「シャザム!」と言うらしい。
ドッキリカメラだったら「♪テッテレ~!」だ。
 
ココでの「Shazam」は違う。
私はこういうマンガ関係のことは全く門外漢なのでもし間違っていたらゴメンよ。
「シャザム」というのは、1930年代のアメリカのヒーロー・コミック『Captain Marvel』に登場する魔法使いのことだとか…。
このシャザムが「Shazam!」と呪文を唱えると、稲妻が轟き、主人公のビリー少年が6人分のパワーを持ったヒーローに変身する。
ここから転じて『キャプテン・マーベル』自体のことを『シャザム』と呼ぶようになった…とか?
だからMOVEのメンバーもスーパーマンみたいな格好をしているというワケね。
でもこれはスーパーマンではなくてキャプテン・マーベルなんですな…知らんがな。

「キャプテン・マーベル」でよく知ってるのはコレ。
Stan Getzの『Captain Marvel』…「Return to Forever」の前身ですな。
カッコいいことこの上なし。

Cm もうひとつついでにMOVEネタ。
写真はロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(Victoria & Albert Museum、通称「V&A」)に飾ってあったThe MoveのMarquee出演時の告知ポスター。
何ともカッコいいデザインではあ~りませんか!
でも「JULY 11 MARQUEE」としか書いていない…何年のライブだったんだろう?

7img_2251 ということで、早速ウチにある『LONDON LIVE』という本でMarqueeの出演者記録を調べてみると…あった、あった!
1967年の7月11日のことだった。Tb この日のThe Moveの対バンはWinston's FumbsというThe Small Faceのキーボーズ、ジミー・ウィンストンのバンド。
スゴイよ…その前日の出演者はTen Years Afterにロジャー・チャップマンのFamily。
翌日はアル・スチュアート(後出)だもん。
いいよナ~、人生不公平だよナ~。
もっとも1967年じゃまだ私は5歳だったけど。70r4a0144アーチー・シェップの『The Magic of Ju-Ju』にも「Shazam」という飛び切りカッコいいバッピッシュな曲が収録されている。
この『The Magic of Ju-Ju』も今回の展示に出てきてもおかしくない充分コミカルなデザインで好き。花柄の骸骨なんて実にステキな意匠だ。
内容も素晴らしい。シェップは素晴らしい。

JujuThe Move関連のネタが続くよ。
ロイとジェフが在籍していたNightridersが発展して生まれたIdle Race。
結成は1967年と古い。
これはファースト・アルバム『The Birthday Party』。
英米でジャケット・デザインが異なるが、これはイギリス盤。
誰かはほとんどわからないが、この宴席に座っている紳士たちはイギリスの有名人らしい。
で、ところどころにバンドのメンバー紛れこんでいるところが楽しいけど、このアイデアって考えてみれば完全に『Sgt. Peppers~』じゃんね?
それもそのハズ、ジェフは大のビートルズ・ファンで、何かのインタビューで目にしたんだけど家ではビートルズとバルトークしか聴かないとか。
いいチョイスだ…バルトークはカッコいいですよ~。
このアルバムはゲイトフォールド・ジャケット(見開き)になっているんだけど、その仕様のジャケットってビートルズの『Sgt. Peppers~』とストーンズの『Their Stanic Majesties』以来なんだって。
そこまでマネしたかった!
Img_0311元の表1はこういうデザイン。
Bpコレを開くと、上のモノクロ写真とこの下の写真が見開きになっていた。
7abこんな感じ。
知っている人いる?
よく見ると、かなり強引なコーラージュもあって、ステンド・グラスにも顔写真が埋め込まれている。
一番左にリンゴが座っていて、他のビートルズの3人は奥の方に立っているよ。

7inside そういえば…これはホントの話しなんだけど、昔、英語版ビデオの日本語対訳書の校正の仕事をしていた時、音楽をまったく知らない翻訳家の過去のダイナミックな所業を発見して興奮したことがあった。それは…『Sgt. peppers Lonly Hearts Club Band』を何の疑いもなく堂々と『胡椒軍曹の寂しい心楽団』と訳していたのだ!
ま、間違いではないんだけどね~。
それじゃまるで王様だよ。
Sgt 一方、こちらはRoy Woodの『Mustard』。
大名盤。
ボブ・ディラン、ジョニ・ミッチェル、マイルス・デイヴィス、デヴィッド・アレン(後出)等、自分で描いた絵画なりイラストなりを自分の作品のジャケットに使うミュージシャンは決して少なくないが、この『Mustard』のイラストもロイ自身が描いたもの。
実にいい味を出しているでしょ?
このアルバ三だけ帯が付いてい文字もカラシになっているのを見せるためか。

しっかしこの絵のセンスはなんだろね?
あんなに美しい曲を書く人なのに。
もちろん大好きなジャケットなんだけど、諸星大二郎のマンガみたいだ。
マルチ・プレイヤーで知られるロイだけど、実際にこの人バグパイプを演奏しているんだよね。

Img_0319ココで楽器クイズ。
「電気の助けを借りずにこの世で一番デカイ音を出す楽器ってな~んだ?」
「ピアノ?」…いいえ。
「ドラムス?」…いいえ。
答えは「バグパイプ」と言われているそうです。
大分前に東京藝大の学祭(「芸祭」ってヤツね)の音校(音楽学部)で実際の演奏を見せてもらったことがあったんだけど、たった1人で吹いているのに信じられないぐらいの爆音だった!
音量もさることながら、クリーンでエラク抜ける音と音域なんだよね。
みなさんも一度ご体験あれ!
だからコレを目前で見たときはビックリした。7img_65232012年にエジンバラ城に行った時の写真。
も~、「ビャ~!」っとスゲエ音なんよ。7img_6525 キューブリックの『バリー・リンドン』に戦闘直前の軍隊行進でバグパイプの楽隊が演奏するでしょ?
戦場にバグパイプを持ち込まれたのは15世紀前半のことらしいんだけど、やっぱり勇猛な音のデカさで相手をビビらせる役目をバグパイプは負っていたらしい。
こんなんでビビるか?…と、今なら思うけど、当時は人間が作ったモノでそんなに大きな音を出す仕掛けが他になかったんだろうね、きっと。 
Bl 『バリー・リンドン』は中学生の時に映画館へ観に行った初めてのキューブリック作品。
子供の頃は長いばかりで退屈極まりなかったけど、今観るとすこぶるオモシロい。
そして、今気になっているのはリンドンの面倒をみるギャンブラー、「シュバリエ・ド・バリバリ」という名前だ。
ヘンでしょ、「バリバリ」って。チキンじゃあるました。
 
スタンリー・キューブリックがお好きな方はコチラをどうぞ⇒【Shige Blog】イギリス紀行2019 その12 ~ スタンリー・キューブリック展 <vol.1> か~ら~の~11連作!

Sb 裏ジャケはこんな感じ。
ヘンな絵。Img_0321 
日本人で映画の『ロッキー・ホラー・ショウ(原題は『Rocky Horror Picture Show』)』を観たことのある人ってどれくらいいるんだろう?
舞台は?
私は残念ながら舞台は観たことがないのだが、映画はスキだった。
海外でもいまだに人気は衰えていないようで、コレはもう10年前の写真だけどドイツのフランクフルトでもこうしてリバイバル公演が打たれていた。
こんな具合だからして、欧米の中年の方でこのミュージカルの挿入歌「Time Warp」を歌えない人は恐らくいまい。
7img_0496 浅草に住む年配者が「浅草の歌」を、横浜市民が「横浜市歌」を、極めて多くの長野県人が「信濃の国」をソラで歌えるように彼らは「Time Warp」を歌って踊れるのだ。
群馬でいえば「上毛かるた」だ。
欧米の人はたいていProm(学校を卒業する時に開催されるダンス・パーティね。映画『キャリー』とか『バック・トゥ・ザ・フューチャー』なんかに出てくるヤツ)でこの曲を踊るらしい。
アメリカで映画化されたのでオリジナルがブロードウェイだと思っている人がいるかもしれないが、これはロンドン・ミュージカルですからね。
実際にウチの社長の結婚10周年を記念するパーティの時も、DJが「Time Party」をかけると全員一糸乱れず踊り狂っていたわ。
このロック・ミュージカルは、1973年から80年までスローン・スクエアの「Royal Court Theatre」で上演された。
下のアルバムはそのオリジナル・キャスト・バージョン。
このバージョンは後の映画『Rocky Horror Picture Show』よりもロックっぽいアレンジになっている。
ジャケットは何だか日本のマンガみたいだね。
ゴチョゴチョしててステキ。
このロック・ミュージカルも濃いファンが実に多くて、色んな音源を詰め込んだボックス・セットが発売されていた。
私はこの中のリード・チューンである「Time Warp」をはじめて聴いたのは、渋谷の屋根裏のなぞなぞ商会のライブだった。
フランクフルター博士のようなボディ・スーツを身にまとったボーカルズの遠藤豆千代さんが「Sweet Transvestite」を日本語で歌い、「Time Warp」を演奏した。
その歌詞が強烈で「♪I remember doing the Time Warp / Drinking those moments when」のところを「♪すい臓、腎臓、そして子宮、肛門へ(腎臓じゃなくて心臓だったかもしれません)」と歌ったのだ。
なぞなぞ商会はフランク・ザッパと『Rocky Horror Show』の日本語バージョン(王様のような直訳ではないオリジナル日本語詞)を演奏するバンドで、ザッパの「Carolina Hardcore Ecstacy」なんてそれはそれは素晴らしい詞がついていた。
で、大阪の寺田町にある(あった?)「スタジオあひる」というライブハウスで対バンさせてもらったことがあった。
「Peaches en Regalia」とか演ってたのを覚えている。
どこかに録音したテープがまだ残っているかも知れない。
そのライブハウスの上の階にはサウナ風呂があって、出演者は無料か割引で入浴できたので、ひとっ風呂浴びさせて頂いたのもいい思い出だ。Img_0309コレは『The Rocky Horror Show』のソングブック。
1995年にニューヨークにへ行った時にブロードウェイのミュージカル・グッズ専門店で買った。
ま、別段珍しいモノではない。
海外へ行くとこういうスコア類が豊富でうれしくなっちゃうよね…買ったって読みゃしないんだけどサ。70r4a0105しかし、この『The Rocky Horror Show』ってのはナンだってこんなにビジュアルの統一感がないんだろうね?
下はロンドン・キャスとの他に私が持っている「Original Roxy Cast」というバージョンと映画のサントラ盤。
上のロンドン・キャスト盤といいソング・ブックといい、どれもみんな同じ曲が収録されているのに、見た目はそれぞれまるでアカの他人だ。0r4a0103 
Bonzo Dod Doo-Dah Bandは時折この『MJG』に時折登場しているような気がするが、それだけ間口が広いということか?
昔、他の特集で紹介したヴィヴィアン・スタンシャルとマイク・オールドフィールドの件には正直驚いたし、知っておいてヨカッタ。
コレについてはまた『メッセージ・ジャケット』特集という別の回を復活させるつもりなので、その時に改めて紹介しましょう。
で、こちらはその肝心のBonzo。
2枚目のスタジオ・アルバムで、ココからバンド名を短縮し、単に「The Bonzo Dog Band」と名乗るようになった。
『The Doughnut in Granny's Greenhouse』と同じ内容だがアメリカではイギリスでヒットした「I'm the Urban Spaceman」を加えて、このように『Urban Spaceman』として発売された。
Monty Pythonの一派だけあってトボけたテイストがたまらない。

Img_0312 何でもこのジャケット・デザインは下にあるThe Incredible String Bandの『The Hangman's Beautiful Daughter』のパロディなんだって。
なるほどね~。
「Beautiful Daughter」と聞いて思い出すのは前出のThe Moveでしょう?
『Shazam』の2曲目が「Beautiful Daughter」だ…いい曲なんよ~。 7isb Bonzoのアルバムは全部持っているけど、好きなフリをしているだけかも…ワタシ。
どうもよくわからない。何が面白いのかがわからない。
時折出てくるダイアログ、つまり英語の会話があまりにも「イギリス英語」なのをせいぜい楽しんでいるぐらいか?
タイトルの「Keynsham(ケインシャム)」というのはイギリス南西部のブリストルの近く町の名前。
海賊ラジオの放送局のひとつがあった場所。
この辺りの話は長くなるので今回はパス。
Img_0314_2Bonzo Dog Band、5枚目にして最後のオリジナルアルバム『Let's Make Up and Be Friendly』。
私にとってこのアルバムのキーワードは「外道」。
外道のファースト・アルバムに収録されているオープニングSE、あの笑い袋みたいなヤツね。
秀人さんは外道のショウのオープニングでは今でも必ずコレを流しているが、アレはこのアルバムの最後に収録されている「Slush」という曲。
ジャケット・デザインが可愛くてよろしいな。イギリス盤はバックが黒だった。
この犬が「ボンゾ」。

Img_0313うれしいな~、Gongが出て来たよ。
Gongは日本では「フランスのプログレッシブ・ロック・バンド」ということになっている。
ま、間違いはないんだけど。
コレは1973年発表のGongの代表作『Flying Teapot』。
サブタイトル(赤い吹きだし)に「Radio Gnome Invisible Part1」とあるのは、いわゆる「Radio Gnome Invisible三部作」の第1作だから。
この後、『Angel's Egg』、『You』と来て三部作が完結した。
「gnome」は地中の宝を守るとされる「地の精」。
「g」は黙字で、「ノーム」と読む。
ジャケットのイラストはGongのグル、デヴィッド・アレンによるもの。
誰でも描けそうに見えるけど、そうは簡単にいくまい。

Img_0317私が始めてGongのLPを買ったのは1977年か78年。
『Gong Live Etc』が発売された時だった。
今にして思うと数少ないジャケ買いのひとつだった。
タイトル・ロゴに切り抜かれた透かし彫りのようなデザインに惹かれてどうしても欲しくなった。
当時はプログレにハマり出した頃で、Gongもプログレだっていうことも手伝って買ってみた。
最初は何だかよくわからなかったな…。
サイケのようなジャズ・ロックのような…。
デヴィッド・アレンのヘンテコリンな歌が出てくるかと思えば、何やら凄まじいドラミングの超絶演奏も出てくる。
今でもそれがGongの魅力で、このライブ・アルバムはやたらと評価が低いようだけど私は大好き。

Gle デヴィッド・アレンがバンドを離れてドラマーのPierre Moerlenが主導権を握るとバンドは急速にジャズ・ロック・サウンドに傾倒していき、『Gazeuse!』、『Expresso II』、『Downwind』、『This is the Key』等を発表した。
これがまたいわゆる「フュージョン」ではないんだよね。
「プログレッシブ・ロック」で片づけるのもどうかと思うし…。
で、前者2枚にはアラン・ホールズワースが参加していて、かつ、マリンバだのヴィブラフォンのアンサンブルがこの上なくカッコよくて一時期聴き狂った。
『Pierre Moerlen's : Live』もヨカッタ。
そのPierre Moerlenも2005年に亡くなってしまった。
調べてみると、このMoerlen、リチャード・ブランソン(Virginグループの親分)に直々に頼まれて『Tublar Bells』のプレミア公演でパーカッションを演奏したんだって…ロバート・ワイアットの代役だったそうだ。
知らなかった~。
でも今Gongの音楽を聴くとなると、この辺りの後期のアルバムではなくて『Camembert Electrique』とか『Radio Gnome Invisible三部作』などのデヴィッド・アレン在籍時の作品の方がいいんだよね。
やっぱりGongってデヴィッド・アレンでできていたんですね。
 
それにしても困るのが「Moerlen」の読み方。
いまだにわからない。
昔はモエルランだった。
他にもムーラン、モーラン、モアレン…まさに「ゲオテとはオレのことかとゲーテ言い」っていうヤツ。
それで、フランス人の友達に訊いてみたのですわ。
確か「モエXアン」みたいな感じで「X」のところはあのフランス語特有のタンを切るみたいな発音で、そこにストレスが置いてあったような気がする。
また確認しておきます。
ということで今回は無難にアルファベット表記にさせて頂きました。

G1_1

G2

G3

G4

ドワ~!このジャケットは問答無用でカッコいいんじゃん! 
1969年から75年まで活動していたテキサス出身のバンド、Bloodrockの1971年発表の4枚目のアルバム『Bloodrock U.S.A.』。
他の作品のジャケットはどうしようなく垢抜けないっていうのに!
これは有名なイラストレーターの作品なのかしら?
デザインからすると何やら過激な音楽を演っていそうだが、聴いてみるとさにあらず。
毒にも薬にもならないようなハードロックちょっと手前の普通のロックといったところか…。

Img_0318 60年代パンクのコンピレーションだそうです。
タイトル通り野生的で荒削りな音楽が詰め込まれているらしい。
こういうマンガって、いっかにも海外風味だよね~。
これを見てすぐに思い出したのは「スーパー・スリー」っていうアメリカのアニメ。
マイクとフリーとコイルが出てくるヤツね。
「♪スーパースリーは~、チョ~ホーブ~イ~ン~、世界のためならエンヤコラどっこいしょ」とかいう主題歌でした。
海外のアニメなのに「エンヤコラどっこいしょ」だった。
昔の人はやることなすこと本当にクリエイティブだった。

Img_0322 §1-bに移ります。

Img_0234 Climax Blues Band、古くはThe Climax Chicago Blues Band。
Hipgnosisの回でも触れたけど、いいバンドなんだよね~。
ギターのピーター・ヘイコックがすこぶるよろしい。ウマい。
コレは彼らの1972年の5作目の『Rich Man』。
このロボットのようなオッサンが「Rich Man」なのだろうね。
デザインはHipgnosis。
髪型がいかにもHipgnosisのデザインっぽい。
前作『Tightly Knit』がHipgnosisだったので今作もそうしたのであろう。
幾何学的、金属的なタッチと原色を排した色合いがすごく親しみやすい。
音の方もいいんよ。
このアルバムも、なかなかにツボを押さえた曲作りとヘイコックの土臭いギターがいい味を出している。
でも日本では全く見向きもされないバンドだったよね?

Img_0323KISSこそコミックを具現化したかのようなロック・アーティストと言えるだろう。
ゴメンネ、KISSって1回もレコードを買ったことないし、一度たりとも興味を持ったことがないんです。
初来日公演は行ったけどね、ヘヘヘ…すごくヨカッタ。
ちょうど『Destroyer(地獄の軍団)』が出てきた頃、私はプログレにハマっててね。
King CrimsonとかYesとかいわゆるプログレのビッグ・ネームを追っかけまわしてた。
他にトッド・ラングレンとかフランク・ザッパのLPをはじめて買ったのもほぼ同じ頃。
掃除の時間にホーキでギターのマネをして「Detroit Rock City」を歌ってたクラスメイトもいたけど、私はKISSは新鮮味を感じなかったというか…まったく刺激されなかった。
今聴くと全然問題なんだけどね。
「Shout it, shout it, shout it loud」っていうのあるじゃない?
「♪シャ~リ、シャ~リ、シャリラッラ~」って米屋さんのテーマソングかと思ってたぐらい。(ウソです)。
ほらね、こうしてマンガにしても何ひとつ違和感がない。それがKISS!

Img_0324 コレさ、あまりにもジャケットがお門違いなんじゃないの?
アラバマ出身のWet Willieというグループの1973年のライブ・アルバム『Drippin' Wet』。
このアルバムは聴いたことはないが、他のライブ盤を聴くと「明るい良い子のサザン・ロック」といった風情でよろしいな。
何せレーベルがサザン・ロックの名門Capricornですからね。
アラバマ出身なんだからアラバマのレコード会社から作品をリリースするのはちっとも不思議ではないんだけど…このジャケットは変すぎるでしょう。
サザン感まるでなし!
もっと変なのが、1974年ごろ短期間とはいえ、バッキング・シンガーとしてイギリスのバンド、Vinegar Joeのエルキー・ブルックスが在籍していたってんだよね~。
ちなみにわが友、ジェフ・ホワイトホーンはよくエルキーと仕事をしていた。
それでこの女性の名前を知ったのです。
Vinegar Joeはメチャクチャかっこいいよ。

Img_0325 アル・スチュアートの『Year of the Cat』。
私は特段ネコが好きというワケではないが、コレ完全なジャケ買いをした。
デザインはヒプノシス。
ネコ・マニアの女性がネコの格好をして仮装パーティーに出かけるところなんだって。
鏡台の前にゴチャゴチャ置いてあるモノがすべてネコに絡んでいてすごく可愛いの。
アル・スチュアートといえば凡そ私が好んで聴くような音楽ではない。
実際にコレを買った時はひと針降ろしてすぐ上げたわ。
でも今聴くとホッコリしていて実にいいね。
ピーター・ホワイトとティム・レンウィックという人たちがギターを弾いているんだけど、実にうまい。
日本のギターキッズは速弾きをしないと「ウマい」とは思わないようだが、こういうギターを弾く人こそウマいと思うね。
ま、私も若い頃は速弾き好きだったけど…イングヴェイのフォロワーが出て来た以降は全くオモシロいと思わなくなっちゃった。7ascat アルはこのヒプノシスの意匠を2004年のベストアルバムに再利用した。
どうもネコの仮装をしていたお姉さんは怪盗になったようだ。
高飛びに備えてパスポートが用意してある。Asgh 次もHipgnosisの作品。
Genesisの看板スター、ピーター・ガブリエルが抜けちゃってハラホロヒレハラ、テンヤワンヤの大騒ぎ!
残った4人で「一体どうすんべか!」と踏ん張ったらアラ不思議、トンデモナイ名盤ができちゃった!…と、火事場のバカ力で作り上げたのが『A Trick of the Tail』。
おまけにフィル・コリンズが素晴らしいボーカリストだったという副産物まで飛び出した。
このマザーグースかなんかに出てきそうなイラストが魅力的で、それぞれが収録曲のキャラクターになっている。
おおよそHipgnosisらしくないタッチだよね。
でも中も外も本当に素晴らしい作品だと思う。
「Dance on a Volcano」、「Squonk」、「Los Endos」等、この後のGenesisの重要なレパートリーが収録されていて、通して聴くとコンセプト・アルバムを標榜しているワケでもないのにものすごいストーリー性を感じるでしょ?
1回通して聴いてまた振り出しに戻る…みたいな作りによるものか。
2010年のJapan Progressive Rock Festivalに出演したスティーヴ・ハケットはこのアルバムの中から「Los Endos」を演奏していたっけ。
きっとこの時のメンバーとっても思い出深い作品なのだろう。
ちなみにハケットはエディ・ヴァン・ヘイレンより先に同じ方向性のライトハンドをやってるかんね。
この作品のたったひとつの難点は、内ジャケに掲載された歌詞がカリグラフィで記載されていてちょっとやそっとじゃ読めん!
キレイなんだけどね、コレじゃ読めない。

Img_0328ちなみに私が大好きなイギリスの音楽雑誌、「Classic Rock」の姉妹誌、「Prog Rock(夢のような雑誌でしょ?)」。

70r4a0116 同誌が選ぶプログレッシブ・ロック・アルバム・ベスト30で第1位に選ばれたのは『Selling England by the Pound (邦題:「月影の騎士」)』だった。
このことはもう何回もMarshall Blogに書いた。
『Trespass』、『Nursery Cryme』、『Foxtrot』、『Selling England by the Pound』、『The Lamb Lies Down on Broadway』、そしてこの『A Trick of the Tail』…こうして考えてみるとGenesisは名作の山を築いた偉大なバンドだったよね。
『Invisible Touch』もいいけどサ…やっぱね~。
1977年の来日時、新宿厚生年金会館行っておいて本当にヨカッタ。
ところで、そのベスト30。
第1位は『Selling England by the Pound』で、その他のGenesisの作品としては『Boradway』が第12位に選出されていた。
しからば、他のグループはどうか?
Pink Floydが2位の『Wish You Were Here(ナント『狂気』より上!)』と6位の『Dark Side of the Moon(ナント『炎』より下!)』でGenesisと同じく2作品がチャートイン。
Yesも4位の『Close to the Edge(危機)』と22位の『Fragile(こわれもの)』の2作品。
ELPは5位の『Brain Salad Surgery』のみ。
King Crimsonは3位の『宮殿』と24位の『Red』のやはり2作。
イギリスの雑誌らしいのはFamilyとかNektar、Caravan、Van Der Graaf Generatorあたりが入っていることかな?
しかしサ、プログレのムーブメントってよく見てみると一般のリスナーにとってはGenesisやELPやYesやCrimsonらのビッグネームのみがシーンを席巻した恐ろしく狭小な世界だったんだね。
でも、この分野をイタリアやオランダ、北欧、果ては東ヨーロッパの辺境にまで広げるとそれはもうタマらなくおもしろいことになる。
南米あたりにも面白そうな連中がいるようだし、アメリカにはKansasなんかがいたりするけど、やっぱりプログレはクラシックの要素を感じさせないとことにはピンと来ない。
だから断然ヨーロッパなのだ。
あ、Spock's Beardは例外的にイイな。

70r4a0112 同じ号にHipgnosisのストーム・ソーガソンのインタビューが掲載されていた。
「The Man who gave prog a face」だって。
この雑誌は2007年ぐらいに出版されたモノなので、まだソーガソンがご存命だった。70r4a0110 なんじゃコリャ?「三輪車」だって。
いったいどういうコンセプトでこういうバンド名にしてLP作ってこんなジャケット・デザインにしちゃったんだろうね?
大切な自分たちの作品なのに…故意にカッコよさを追求していないような…。
さぞかし売れなかったんだろうな~。
しっかりとカットアウト盤だ。
今回の「コミカル」という観点でつっつけば充分エントリーの資格はあるのだが…。
どんなもんかと聴いてみると、ルックス通りの甘々ポップ。
「バブルガム・ポップ」っていうのかな?
コレがなかなかいいのよ!
結果的にはジャケットもコレでヨカッタ。
しかし、考えてみるとサウンドがおとなしいか、ヤカマシイかの違いだけで「青春パンク」とか呼ばれている類のロックはやっていることがコレと同じだな。

Img_0333Alvin and the Chipmunksはアメリカのアニメのバンド。
大変な人気で、数々のヒット曲を生み出しただけでなく、映画も制作された。
何しろ1959年から2011年の間に50枚にも上るアルバムを発表しているというのだからスゴイ。
コレって「じゃじゃ丸とピッコロとポロリ」が50枚もアルバム出しちゃうみたいなもんでしょ?
「のび太とスネ夫とジャイアン」でもいいんだけど、剛田は音痴だからナァ。
これは1982年のアルバム、『The Chipmunks Go Hollywood』。
ジャケットのイラストに見られるように、「Eye of the Tiger」、「Tomorrow」「E.T. and Me」の他、「9 to 5」、「Fame」、「Arthur's Theme」などが収録された映画主題歌集。

Img_0334ヘビメタほどではないにしてもグラム・ロックもマンガになりやすい素材のうちのひとつに違いない。見てこの美しいマーク・ボラン!
ボランの曲の権利を日本の会社が持っているために自由にコンパイルしたベスト盤。
それにしてもマーク・ボランというか、T-Rexの人気って根強いよね。
「21 Century Boy」と「Metal Guru」と「Get It on」だけだけど。
あとは「Solid Gold Easy Action」ぐらいか?
「グラム・ロック」といえば、そのギランギランのルックスばかりが取り沙汰されるけれど、さすが70年代の前半に栄えた文化だけあって、なんといっても曲がいいよね。
だからT-Rexの曲もこうして生き残ることができているに違いない。
実際『The Slider』とか『Electric Warrior』なんて名盤の誉れだけあっていいもんね~。
ちなみにマーク・ボランの相棒のミッキー・フィンが使っていたパーカッションはNATAL製です。

Img_0336 <つづく>

 

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