マルタ・ガブリエル~METAL QUEEN'S DESCEND TO UTOPIA 2025 JAPAN
去る5月17日と18日の2日間にわたって開催されたポーランドのメタル女王「マルタ・ガブリエル」のライブ。
Marshall Blogは18日のショウにお邪魔した。当日まずステージに上がったのは日本のチーム、「エンシェント・ミス(ANCIENT MYTH)」。
「古代神話」のバンド名がふさわしいスケールの大きなシンフォニック・メタルを奏でるチーム。流麗なプレイと独特なアクションを見せてくれるkayaくんはいつか一緒に仕事がしてみたいギタリスト。
ビックリしちゃったんだけど、ボーカルズのMichalちゃんがモーツァルトの『魔笛』で「夜の女王」が歌うアリア、「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え(以下「夜の女王」)」を歌ったんだよね。
部分的にしろコレをレパートリーに取り入れているロック・バンドに初めて出くわしたわ!
モーツァルトの生涯最後のオペラ作品である『魔的』を作ったのが1791年。
もうその時代にもなると、クラシック音楽は取りあえず考えつくアイデアがすべて出尽くしてしまって、人間の限界に迫る楽器演奏の超絶技巧や高い声がどれだけ出るか?などを競う「音楽のオリンピック」みたいな様相を呈していた。
そんな中、モーツァルトがスコアにブチ込んだのが「夜の女王」というアリアの「ハイF」という超ハイトーンだったという。
それをMichalちゃんが演ってくれたというワケ。この曲は「Coloratura(コロラトゥーラ)」という声を転がすようにして歌う技法が取り入れられていて、「エディタ・グルベローヴァ」というオペラ歌手はこの曲をオハコにして大ブレイクした。
グルベローヴァは「コロラトゥーラの名手」で『The Art of Coloratura』というアルバムをリリースしているんだけどコレがいいのよ~(写真右)。
このアルバムに収録されている「グリエール」というウクライナの作曲家による『コロラトゥーラとオーケストラのための協奏曲』の「アレグロ」って曲がものすごく良くてぶっタマげた。
あのディズニーの人気曲、「星に願いを(When You Wish Upon a Star)」はこの曲を下地にしたのではないか?と私は考えている。
テルミンで演奏しているかのようにも聞こえる「夜の女王」の上を行くハイトーンで歌うグルベローヴァが驚異的にして感動的だ。そんなMichalちゃんの歌声を擁する純正メタル・サウンドがANCIENT MYTH。
トップ・バッターとして堂々たるパフォーマンスを見せてくれた。
続いての登場は「サイレント・ウインター(SILENT WINTER)」。
コチラはギリシャから。
国旗を手にして熱唱するマイク・リヴァス。
ギリシャのメタルってのは初めて耳にした。でも、ジャズではオモシロいモノがあるんですよ。
たとえば左のディジー・ガレスピーの『Dizzy in Greece』というアルバム。
ま、コレはガレスピーがジャケットの中でギリシャの民族衣装を身にまとっているだけなんだけどね。
でも右のアルト・サックスのフィル・ウッズの1967年の作品はドンズバ。
その名も『Greek Cooking』。
「cook」はジャズのスラングで「アドリブをする」という意味なので、アルバムのタイトルは「ギリシャ料理」と「ギリシャ人との演奏」のダブル・ミーニングになっている。
ギリシャ風のメロディをふんだんに取り入れて「ウード」だの「ブズーキ」だのと一緒に超絶技巧でギンギンにスイングしまくっちゃう。
「ゲテモノ」といえば「ゲテモノ」だけどタマらなくカッコいい。
レコーディングしたのがニューヨークだったのが玉にキズか?バルカン地方の音楽ってメロディもリズムもアンサンブルも実に魅力的なんだよね。
大分前になるけど「トゥルクソイ」というそっちの地方の民族音楽のコンサートに行ったことがあったが大変に感動的だった。
また観たい。一方かつての「ギリシャのロック」ということになると、やっぱり「エヴァンゲロス・オディセアス・パパサナスィウ」かねぇ?
ひとことで言うと「ヴァンゲリス」。
「プロッグ・ロックの名盤〇〇選」みたいな企画になると大抵出てくるのが彼がやっていた「Aphrodite's Child」というバンドの『666』というLP2枚組。
まだ「666」の意味も知らない頃、好きでよく聴いた。
他方、ギリシャには「ヤニス・クセナキス」という現代音楽の大作曲家がいるね。とにもかくにもマイク・ヴァリスの歌声がすこぶるカッコいい!
「It's Greek to me」なんてことが一切ないストレートなメタル・パフォーマンスは爽快そのものだった!
そしてトリの出番となる。
下はこの日の屋台村のようす。来日バンドのサイン入りのCDが人気を呼んでいた。
最後にステージに上がったのは…
Marta Gabriel(マルタ・ガブリエル)
Jien Takahashi(以下「ジエンくん」)
Paulo Awazu
Kazuhiro Watanabe
Ritti Danger
マルタは2003年に結成したポーランドのベテラン・バンド「クリスタル・ヴァイパー(CRYSTAL VIPER)」のボーカリスト。
…ってんでポーランドについてもマーブロ的におさらいしておきましょう。ポーランドの音楽家といったらやっぱり断トツで「フレデリック・ショパン」でしょうナァ。
でもショパンの音楽とは似ても似つかない現代音楽もスゴイ。
「クシシュトフ・ペンデレツキ」とか「ヘンリク・グレツキ」とか…タマ~に聴くとなかなかいいもんです。
とてもいつもは聴いていられないけどね。ジャズでは「マイケル・ウルバニアク(Michael Ulbaniak)」というとてもいいヴァイオリニストがいる。
「ラリー・コリエル」と共演した右の『A Quiet Day in Spring』というアルバムの1曲目に収録されている「Rue Gregoire Du Tour」は超名曲だ。
「Polish Reggae」なんていうポリ・リズムのウルバニアク作の変わった曲も入っている。ロック・バンドも少なくないようなんだけど、ほとんど知らん。
その中にあって1960年代から活躍していた「チェズロー・ニーメン(Czesław Niemen)」はすごくいいな。
歌声がとにかく魅力的なのだ。
左の『Niemen Aerolit』という1975年のアルバムは「プロッグ・ロックの名盤」と言って何ら差し支えないでしょう。
それと「SBB」はひと通り聴いた。音楽から離れて…映画となるとアンジェイ・ワイダとロマン・ポランスキーということになるか?
戦時中、「コルチャック先生」や「コルベ神父」のような博愛の偉人がいたこともつとに有名だが、戦争に関して言えばポーランドにはスゴい話がある。
それは下の機械。
Marshall Blogを欠かさず読んでくれているジエンくんであればこのタイプライターのような機械が何をするためのモノかをご存知であろう。
「CODE」を発売する時にさんざんやった。
コレは「エニグマ暗号機」。
第二次世界大戦中にドイツが開発した難攻不落の最強の暗号「エニグマ」を作り出す装置。
暗号というモノは最終的には解読者側が勝つことになっているんだけど、連合軍はどうしてもこの機械が送り出す暗号を解読することができなかった。それを打ち破ったのがイギリスの「アラン・チューリング」という数学者。
チューリングは「The Bombe(ボンベ)」という機械を作ってエニグマを解読し、その功績が第二次世界大戦の終結を2年早めたと言われている。
そして、そのボンベが現在のコンピュータの基礎になったという。
「今頃?」という感じがしないでもないが、一番新しいイギリスの最高額紙幣である50ポンド札のデザインにはアラン・チューリングが採用されている。
また一説によれば、アップル・コンピュータのロゴのリンゴをカジったのもアラン・チューリングだと言われている(←コレが気になる人はコチラをどうぞ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】vol. 46 ~ ブレッチリー・パーク <その2>)。
ところが…実はエニグマを一番最初に解読したのはチューリングではなく、下の「マリアン・レイェフスキ(Marian Rejewski)」というポーランドの数学者だった。
モノの本によると、ドイツのポーランド侵攻が第二次世界大戦の発端となったように、ポーランドという国は古来より周辺の国にイジめらられがちたったのだが、「武力よりも知力で国を守る」というような精神があって、このエニグマ解読にあたってもその精神が奏功しだそうだ。
素晴らしく頭の良い人がたくさんいるのだそうですよ、ポーランドには。さて、マルタのショウは前半をクリスタル・ヴァイパーのレパートリーで固めた。
オープニングは「Still Alive」。ノッケからストレートに大疾走!
「こんばんは東京!
とても温かく迎えてくれてどうもありがとう!
2日間にわたって皆さんにヘヴィ・メタルの夜をお届けしています。
そんな夜にふさわしいタイトルの曲を演奏します」演奏したのは「Bright Lights」。
サビのメロディがとても印象的な1曲。
ジエンくんのソロ。
前回の記事で紹介したようにジエンくんは例のMODE FOURのスピーカー・キャビネットのAB上下を持ち込んだ。
8Ω使いで400Wの入力として稼働する「MF400A」と「MF400B」。
ヘッドは「JCM900 4100」。
このキャビネットから出る音で自信に満ち溢れたギター・プレイを聴かせてくれた。
下手ギターのPauloの背後にも…
「1960A」と「1960B」がそびえたった。
しかし、いつ見ても貫禄のあるAキャビだナァ。こちらもアンプ・ヘッドは「JCM900 4100」だ。
「次の曲もクリスタル・ヴァイパーの曲でビデオにもなりました。
ビデオはお気に召して頂いたかしら?」 ドラムスと…
ベースでスタートするヘヴィなミディアム・スロー・ナンバーは「When the Sun Goes Down」。
私のような超オールド・スクールにはこうしたトラディショナルなハードロックっぽいテイストが実にシックリくる。
カッコいいわ~。「サンキュー!サンキュー!サンキュー!
皆さんがスロー・テンポな曲がスキだったらいいんだけど…。
ナゼなら次はスローな曲なの。
最新のアルバム『The Silver Key』のタイトル曲よ!」ジエンくんの弾くリフに…
マルタの歌声が重なる。
スローってほどのことでもないヘヴィ・チューン。
イヤ、別にスローでも全然構わないんですが。
この曲も少しエキゾチックがかったサビのメロディが魅力的だ。そのサビのメロディをマルタとユニゾンで弾いてそのままソロに突入。
典型的なロック・フレーズの連続が小気味よいぞよ!「以上がクリスタル・ヴァイパーのセレクションでした。
ココからはショウのパート2に入るわよ。
セカンド・セットでは私のソロ・アルバム『Metal Queens』からの曲を歌います。
80年代のオールド・スクールの女性が歌うヘヴィ・メタル・バンドのファンはココにいるかしら?
(客席の反応はバッチリ)
もちろんいるわよね~!
それじゃ、もうひとつ訊くわよ…どんなバンドが好きなのか名前を叫んでくれる?」
「$%&=!」、「|*+?!」、「>?+*!」…と客席からたくさんの声が上がったが、私はサッパリわかりませんでした。
私のオールド・スクールは60~70年代なもんで。
「完璧ッ!いいチョイスね!
かえって皆さんから教わっちゃったわ!」「アーユーレディ?アーユーレディ、ジャパン?!」と十分にアオっておいて…
2021年にリリースしたマルタが80年代の女性シンガーのメタル・バンドの曲をカバーしたソロ・アルバム『Metal Queens』から「エイシッド(ACID)」の「Maxoverload」。
コリャまた泣く子も黙るドライビング・チューンだわ!
「リー・アーロンのファンはいるかしら?」と客席に問いかけて演奏した続いての曲は「Metal Queen」。
「ハンク・アーロン」か「アーロン・ネヴィル」なら私も知っているんだけどな…。これまたミディアム・ファストのヘヴィ・チューン。
しかし、いい声だな~。ピッチは完璧だし。
キュ~っと高い声を出した時なんかアン・ウィルソンを思い出してしまう。各曲でクールにソロをキメていくジエンくん。
続いては「ゼッド・ヤーゴ(Zed Yago)」の「Rebel Ladies」。
コレはドイツのバンドかな?
初めてバンド名を耳にした。
あんまり「知らない、知らない」と言っていると「それでもMarshall屋か!?」なんて怒られちゃいそうだけど、知らんものは知らん。
ヘタに知ったかぶりをするよりはるかに潔かろうぞ。でも、曲は知らなくてもマルタの声を聴いているだけで十分に楽しめる。
ひと時も休むことなく激しく動いて、徹底的にシャウトするその姿は感動的だ。
曲席からも「マルタ~!」と応援する声が始終上がっていた。「さっき皆さんに好きな80年代の女性シンガーのメタル・バンドは誰か?と訊いた時に上がった名前だと思うんだけど…次はそのバンドの曲よ」
「You are my angel!!」と叫んだこの曲のオリジナルはイギリスの「ロック・ゴッデス(Rock Goddess)」の「My Angel」。
「♪You are my angel」と連呼するマルタのド迫力ボーカルズ!
そのまま続けて「マルティーズ(Malteze)」の「Count Your Vlessings」。
次の曲ではちょっとテンポを落としてジエンくんのソロでスタート。
一旦曲を区切って… Pauloがリフを弾くと…
曲は胸のすくようなドライビング・ナンバーと化す。
「ウェンディ・オウィリアムス(Wendy O'Willians)」の「Goin' Wild」。
何ですか?この人はステージでギターをチェーンソーでブッタ斬ったりしちゃった人なんですって?
物騒だナァ。
マルちゃんはそんなことしないでネ。ベース・フィーチュアのパートから…
ギター・ソロを経て曲はクライマックスへ!
「サンキュー・ジャパン!
また質問よ。
今回は私にとって初めての日本だから質問が多いのよ…許してね。
みんな…80年代のメタル・バンドでドロ・ペッシュのウォーロックって知ってる?」
お客さんの多くがご存知のようだった。
コレもドイツのバンドなのね?「ウォーロック(Warlock)」の「Mr. Gold」。
いよいよ冴えわたるマルタのシャウト!
「素晴らしい!」としか言いようがないぞ!バンドとのコンビネーションもバッチリだ。
次の曲はエージェント・スティールの「Agent of Steel」。
コレはLAのチームか…「日本製鉄」みたいなバンド名ですな。
「次は、もしみんなが日本のメタル・ヘッズなら次の曲を一緒に歌ってもらいたいの。
歌ってくれるわよね?
みんなが『♪Maters of metal』って歌って私が『♪Agent od steel』って答えるのよ」
早速お客さんと練習。
「♪Masters of metal!」
「♪Agents of steel!」「大体いいわ。でもそんな小さい声ではダメ~。
バンドが入ったら聞えなくなっちゃうわよ!
もう1回練習ね!」練習がうまくいって曲に突入!
コリャまたよりによって破天荒にメタルな曲だな~!
ハイ、みんなで!
「♪Masters of metal!」 「♪Agents of steel!」
バッチリとキマったんじゃないスか?
お客さんも大興奮!
「ちょっとラウドにナニか歌ってみましょうか!」
ココでジックリとマルタとコール&レスポンス。
「♪オ~オオ!」だの「♪アァァァァァ!」だの、低音から超高音まで幅広い音域を繰り出してくるマルタにお客さんが負けていない!続けてジエンくんがア・カペラでギター・ソロを奏で出す。
MODE FOURキャビを背中にバリバリとシャープなフレーズを繰り出す。
ソロの最中にナニこっち見てんのサ?
おおッ!コレは!?
急にクリーン・トーンに切り替えてアル・ディ=メオラの「Mediterranean Sundance」を弾き出したではないの!
昨日は歪ませて弾いたのだそうだが、今日は私が来ているので正調派クリーン・トーンで弾いてくれたそうです。
それで私の方を見ていたのね?
ジエンくん、ありがとう!そのまま…おおッ!?
曲はスコーピオンズの「Tha Sail of Charon」へとつながった。
高校の時、私は最初の1小節しかコピーできなかったが、あのウリが弾くエキゾチックなイントロをジエンくんはいとも簡単に流麗に弾いて見せた。
そういえばこのイントロのギター・ソロが「デューク・エリントン(正確にはファン・ティゾールという人)」作の「Caravan」のテーマに似ていると指摘した人がいたが、フムフム…それも結構言い得て妙だわな。「Charon」は「カロン」ではなくて「シャロン」と発音するみたい。
どっちが正しいのかは知らないけど、曲を作ったウリ自身が「シャロン」って言っていた。
ギリシャ神話において、「シャロン」は「アケローン」という三途の川(ステュクス=Styx)の支流を渡る舟を有料で操る醜い老人のことらしい。
言ってみれば「矢切の渡し」の船頭さんみたいなものだ。 この曲、『Taken by Force』が出た時に「カロンの渡し守」という邦題でシングルカットされていたけど、曲名の意味としては「シャロンの帆」とか「シャロンの帆船」とかいう意味になるハズだと思うのです。
ちなみに「sail」には「渡し守」という意味はなく、相当する英単語は「ferryman」。
この邦題だと「シャロン」が川の名前みたいに思えてしまってあまりウマくないのでは?と昔から思っていた。 今日、初めてバンド演奏で知っている曲が出ました!
うれしいなったらうれしいな!その私のよろこびを倍増させてくれたのが、クラウス・マイネもマッツァオのマルタの歌声!
問答無用でカッコよかったわ。そういえばジエンくん、「マルタはがスコーピオンズが好き」だとか言っていたっけな。
私も高校の時に好きで2回目の来日公演を中野サンプラザに観に行った。
「マイケル・シェンカーが来る」って宣伝していたけど来なかった。
UFOの時も来なかった。
おかげで私はとうとうマイケル・シェンカーを観ずして墓に入りそうだ。「次はとてもスペシャルなサプライズよ!」
マルタが曲名をシャウトするやいなやジエンくんがクールなリフを弾き出した。
マルタが「スペシャルなサプライズ」と言ったのは、ジエンくんがやっている「マジャスティス(MAJUSTICE)」のレパートリーを取り上げたから。
曲は「Infinite Visions」。勇猛果敢に疾駆する今風の真性メタル・チューン。
ジエンくんは水を得た魚のように思う存分ソロを弾きまくった。
イヤ、「Marshallを得たロック・ギタリスト」のように…か?「どうもありがとう!
今日最後の曲の時間が来てしまいました。悲しいわ。
最後に『グリム・リーパー(Greim Reaper)』の…」
メロディをつけて「♪See~ You~ in Hell~!」と曲を紹介した。本編最後とあってマルタと一緒に暴れまくるバンドの皆さん!
最後まで激唱の限りを尽くしたマルタ・ガブリエル。
ステージ狭しと動き回り、MCでは笑顔を一時も絶やさず、すごいショウマンシップだった…今はショウウーマンシップって言うのかな?
曲は「シャロン」1曲しかわからなかったけど、見ていて全く飽きることのないショウで、彼女の熱量にはスッカリ感動してしまった!
そして本編が終了。でもね最後の「グリム・リーパー」は知っているの。
ナゼならグリム・リーパーの創設者、「ニック・ボウコット」はかつて長年アメリカのMarshallに勤めていた20年来の私の友だちなのです。
フザけて彼は私のことを「TDMF」、私は彼のことを「ADMF」と呼び合う仲で、彼がMarshallを離れてしまった現在でも時折メッセージのやり取りをしている。
この4文字のアルファベットはザック・ワイルドがサインをする時に自分の名前に添える「SDMF」のパクリ。
下は前回のMODE FOURの記事で出て来たフランクフルトの展示会の時の写真。
「フランクフルト中央駅」の前のパブでイッパイやって上機嫌になっているところ。
Vサインを出しているのがニック。
それにチューしようとしているヨッパライが私。ニックはMarshallの50周年を記念して上梓された本をマイク・ドイルというMarshall研究家と共著し、私はその日本語版の監修を担当した。
さて、ジエンくん。
今度はイタリア。
盟友イヴァン・ジャンニーニとの「ヴァイオレット・エターナル(VIOLET ETERNAL)」の公演が近づいている。
「THE冠」とのダブル・ヘッドライナーだ。皆さんもご存知のように音楽の世界的な趨勢として、旧来型の激しいロックが絶滅の危機に瀕していると言っても過言ではない状況にあるでしょ?
そんな環境下、海外のミュージシャンと連携を取って独自の活動を続けているジエンくんはエライと思う。
アニメやゲームに関わるバンドや女の子バンドが海外へジャンジャン出かける中、日本国内で海外のミュージシャンと交流を重ね、マッド・サイエンティスト的に自分の理想とする音楽を追い求めているジエンくんに本来の「ロック・ミュージシャン」の姿を見出す。
今回、彼はMODE FOURというスピーカー・キャビネットの伴侶を得たが、肝心のアンプの方はまだ安定していないようなので、Marshallでしっかりした真空管アンプのシステムを構築して、最上のアナログ・ギター・サウンドで音楽づくりに邁進することを願ってやまない。
今のままではモッタイなさすぎる。アンコールでは「ブラックレース(BLACKLACE)」の「Call of the Wind」を演奏した。
ショウの最後を飾るにふさわしい鉄壁のドライビング・チューン。
バンドも客席も徹底的に燃え上がった~!マルタ・ガブリエルの詳しい情報はコチラ⇒CRYSTAL VIPER OFFICIAl WEBSITE
Jien Takahashiの詳しい情報はコチラ⇒VIOLET ETERNAL OFFICIAL WEBSITE
(一部敬称略 2025年5月18日 新宿HOLIDAYにて撮影 ※取材協力:ルビコン・ミュージック)