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2016年6月

2016年6月 3日 (金)

NAKED MACHINE登場!【追補版】

「naked」という単語は「裸の」を意味する形容詞だけど、何となく単語と意味がかみ合っていないような感じが昔からするんだよね。
つまり「naked」という言葉を見たり聞いたりしても、「裸の」という意味が出て来るまでに、何となく頭の中でワンクッション入る感じがする。
普段から英文を書いていて使うことがほとんどない言葉なのでなじみが薄い…というのがその理由なんだと思うけど、これからはなじみの単語となりそうだ。
ナゼならこのNAKED MACHINEというバンドへの期待が大きいからだ。

ちなみに他にも「bare」とか「nude」とか、「裸の」という意味を表す英単語がある。当然それぞれ使い方が違う。
「bare」は部分的に裸になっている状態を指す。だから「素足」は「barefoot」だし、「素手」は「bareknuckle」だ。
一方、「nude」は服があるのに着ていない状態、何かの目的で裸になっている状態を指す。
「NAKED」でヨカッタ。
「NUDE MACHINE」だったらヤバそうだもんね。すぐにおまわりさんに連れて行かれそうだ。

さて、前から一度観たいと思っていたNAKED MACHINE、いよいよMarshall Blogにご登場頂いた!

10里村源多朗

20v杉浦智和

30峯村武憲

40石川達也

50そして、サポートで参加のKAN。

60源多朗さんは他のバンドで何度かMarshall Blogにご登場頂いている。

70vもちろん生粋のMarshallプレイヤーだ。

80実はお付き合いも結構古く、VintageModernのデモンストレーションをお手伝い頂いたのが最初になる。
写真は2007年に配布されたJVMとVintageModernの宣伝用デモンストレーションDVD。
チョット名前は出せないが、豪華なメンバーが出演している。
その中でも源多朗さんはハードロック・ギターのエキスを吸いつくしたかのような華麗なプレイを見せてくれている。
普段から仲よくお付き合い頂いている人、今では世界で活躍する人、ご無沙汰になっている人、残念ながら消滅してしまったバンド…久しぶりに観たけど、破天荒に濃い内容で驚いちゃった。
昔はずいぶんいろんなことをやったな~。何でも夢中で一生懸命やった。今はその時以上だ!

90dvd杉浦さんもMarshall。

100そして、Marshall GALAではTHE SHRED MASTERSルーク篁さんのチームで大活躍してくれた達也くんはNATAL。
達也くんが加入したこともあってNAKED MACHINEのステージを楽しみにしていた。

110vしかも、サポート参加とはいえ、KANちゃんが歌うのだから楽しみは増すばかりだ。

1_s41a0281 この日、複数のバンドが登場したが、NAKED MACHINEの出番になると場内はスシ詰め。
お客さんはノッケから興奮状態で、「待ってたぞ~!」感がハンパではなかった。

120_op 一曲目は「Evil Eyes」。

140

何たる純粋なハード・ロック・サウンド!
まさにMarshallがなければこの世に生まれて来なかった音楽。
そして、Marshallでなければならないロック!

130v_eeこういうロックを聴くとホッとするわ~。
1_img_0031

二曲目は「To the Top」。
KANちゃんの激唱ぶりがすさまじい!

160v_tttそして、冴えわたる源多朗さんのソロ!

210v

その二人をガッチリとバックアップする面々の仕事も見事だ。

170v

180v

190v

イヤイヤ~、達也くん、こうしたメタル・ドラミングはバッチリだね~。
ただでさえラウドでヌケの良い24"のバスドラを豪快に踏みながらNATALを鳴らし切ってくれた。

1_s41a0227「今までコーラスだったけど、昇進した」というKANちゃんのMCをはさんで…
240
「Oh my God」。

230_omgどこまでもメロディアスにソロを紡ぐ源多朗さん。
すさまじいシュレッドぶりだが一音一音の粒立ちがものすごくハッキリしている。

250昇進を果たしたKANちゃんの活躍ぶりも実に見事だった。

260前任のシンガーは男性だったが、まったくそんなことを気にさせない完璧なハマりよう。
恐るべし、KANちゃん!
しかし、いくら以前からコーラスを担当していたとはいえ、キーの問題は大丈夫だったのかね?

270v源多朗さんのソロのたびに大きな歓声が上がる!

280熱狂のステージはまだ続く…「Eternal Moon」。

300変わらぬテンションで整ったフレーズをとめどもなく繰り出す源多朗さん。

310v達也くんのドライブぶりも豪快そのものだ!

320vそして、最後の曲、「Fight to Survive」。

330v_fts正統派メタルむき出しのドライビング・チューン!

340v胸のすくような疾走感。

350vロックの醍醐味とはこういうことなのだ!

360v今回はイベントということで六曲と短いステージではあったが、ハードロックあるいはへヴィメタルの健在ぶりを見せつけてくれるような充実したパフォーマンスであった。
そして傍らにはMarshallとNATAL。
今後の活動がとても楽しみだ!

370vNAKED MACHINEの詳しい情報はコチラ⇒NAKED MACHINE OFFICIALWEBSITE

380この日、トリで登場したのはKNOCK'EM DEAD。
楽屋にお邪魔したら「お~!」なんて声をかけられた。

390誰かと思ったらバーニー!
うれしいね~。
開演前にBAD SCENEやら、シゲさんやら、楽器に関する昔話でスッカリ盛り上がってしまった。
…というのも、バーニーは10月に「野獣」に参加することになっているのだ

1_s41a0346 当然この日もMarshall。
カスタムショップで作った白い1987Xを使用。

400vいつも通り、絵にかいたような王道ギターをバッチリとキメて大きな歓声を浴びまくっていた。
ホント、「ロック・ギターの権化」のような人だ。

410vKNOCK'EM DEADのギタリストとのギター・バトルは最高の見せ場だった!
ありがとうバーニー!

420

【追補】
この記事を掲載した翌日、ビッグ・ニュースが転がり込んで来た。
記事内で「サポート参加」として触れているKANちゃんがNAKED MACHINEに正式加入したのだ!

1_s41a0248 おめでとうKANちゃん!
ますますのご活躍をお祈り申し上げております。
NAKED MACHINEのオリジナル曲で源多朗さんと一緒にジャンジャン日本の正統派HR/HMシーンを盛り上げてくだされ!

1_s41a01281965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 2016年4月16日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2016年6月 2日 (木)

Ginji Lives!~小川銀次、新譜をリリース!

三文役者のちぇり~(大竹亨)のご紹介で、故小川銀次さんの元スタッフに接触した。
ナント、「小川銀次の新譜がリリースされるので、よければMarshall Blogで紹介して欲しい」というご依頼だった。
収集がつかなくなるので、Marshall Blogでは単に新譜を紹介するだけの記事の掲載は基本的にご遠慮願っているのだが、不世出の天才ギタリスト、小川銀次の新譜となれば話しは別だ。
そして、記事用に氏のプライベート写真やギター・コレクションの写真をご提供いただいた。
銀次さんが急逝されたのは昨年の8月2日。
一周忌にはまだチョット早いが、さっそく新しい音源を聴きながら故人を偲ばせて頂いた。
ホラ!うれしそうに新しいギターを抱えて銀次さんが帰って来た!
お帰りなさい!
あ、銀次さん、足忘れてきてますよ!

10v 今回のアルバムはあくまで新譜。
これが5月25日に発表されたそのアルバム、『誰も知らない小さな島』だ。
2枚組CDで20曲を収録している。

1_cd2レコーディングしてあった詳しい内容を知る者がいなかったため、ハードディスクに残された音源と、残されたレコーディングの情報から未発表曲を割り出した。
その内の5曲に至ってはトラックダウンが施されていいなかったため、エンジニアがミックス作業を代行したという。

30

音源内の楽器演奏とドラム・プログラミングはすべて銀次さんひとりの手によるものだそうだ。
ジャケットのイラストも銀次さんの作品だ。
この世を去って早20年以上が経過しているFrank Zappaは現在も続々と「新譜」を発表し続けているが、この作品の発表もいかにもZappaを敬愛する銀次さんの所業らしい。

Img_2940 作品としては、サブタイトルに「~PRIVATE DIARY 2008-2015~」とあるように、12枚同時発売でギネス掲載を試みた『Private Diary』の延長線上に位置する作品ということになる。
1曲目の「出バヤシ No.1」からもう銀次ワールド。
銀次さんの弾くメロディって、昔からピッチがチョット不安定な感じに私には聞こえるんだけど、ノン・ビブラートで淡々と、しかし、熱情的に弾くスタイルは他に類のない、完全ワン・アンド・オンリーのものだ。
ギターの最大の特長であるビブラートをかけないで弾くのはコルトレーンの影響だったのかな?なんて改めて思ったりしてしまった。
「Tie Yellow Ribbon Round the Old Maple Tree」なんてシャレ曲(元はOak Tree)も収録れているが、全体の印象としては、Crosswind時代のようなテクニック満載の派手なナンバーが姿をひそめているせいか、ジックリと、ユックリと、自分だけの音楽を自分の言葉と声で編み上げている印象。
「ギター大スキ!」とか「ギター最高!」とかいうような類のものでは決してなく、銀次さんが自分のために作った極めて内省的な音楽で、まるで純文学をよんでいるかのような錯覚を覚えた。

2_img_7766_2 もうこんなギタリストは出て来ないだろうナァ。
私はこんなに親しげに銀次さんについて語る資格はない。
銀次さんについての思い出といえば、以前にMarshall Blogに掲載した追悼文ぐらいのものだが、少しでも一緒に仕事ができたことを誇りに思う。

40 その追悼文に記されていないことを思い出した。
銀次さんはドップリMarshallの人では決してなかったが、1x12"のエクステンション・キャビネットを愛用されていた。
その理由を尋ねると、「この世で一番低音が出る12インチ一発のキャビだもん」とおっしゃっていた。
このキャビネットはそれを狙ってCelestionのG12B-150というベース用のスピーカーが搭載されているのだ。
もうひとつ。
蛎殻町の居酒屋でイッパイご一緒させて頂いた時のこと。
当時、銀次さんはチューハイをご愛飲されていて、焼酎のボトルを頼んで、自分で炭酸で割って飲んでいたのだが、さんざん飲まれた後で、あの笑顔でポツンと…「マズイね、これ」とおっしゃったのが妙におもしろかった。
私がトイレに行っていた時にテーブルの上に置きっぱなしにしておいた携帯が鳴ってしまった。
トイレから帰ってくると即座に銀次さんが、「今Inca Roadsが鳴ってたよ!」と教えてくれた。「Inca Roads」とはFrank Zappaの代表曲のひとつ。
あの頃の携帯は自分で呼び出し音を作ることができたので、私は、まさに大好きな「Inca Roads」を呼び出し音に打ちこんでいたというワケ。
銀次さんがそれをわかってくれてうれしかった。
さらにもうひとつ。
その時も当然音楽の話で盛り上がった。
で、トイレで一緒になった時、銀次さんがこうおっしゃった…「そうか~、そんなにオリーが好きなら、今度アランと一緒に演ってるBBCの音源を持ってきてやるよ!」
もちろん、Tempestの話。
今ではこの音源はもうオフィシャルで世に出てしまっているが、15年前の当時は貴重な音源で、銀次さんのお申し出をメッチャ喜んだんだけど、結局忘れられちゃったな~。
こんなこともとてもいい思い出だ。

2_img_6162 銀次さん、学校の先生もされていたけど、一時FMのディスク・ジョッキーもされていたっけ。
「オレさ~、史上もっともしゃべらないディスク・ジョッキーなんだよ。それでさ、他のヤツが誰もかけないような曲を選んでるんだ。こないだも〇〇と△△とリンダ・ルイスをかけてやったよ!」と楽し気に私に話してくれた。
〇〇と△△はなんだったっけかな~。リンダ・ルイスしか思い出せないけど、他のもかなりマイナーなヤツだったよ。
実際に番組を聴いてみると、案の定、「ボソッ…ボソッ」と何かを思い出したようにしゃべる感じで、コレまた銀次さん丸出しのパフォーマンスだった。

50…と、銀次さんの思い出を記したところで、頂戴したギター・コレクションを紹介したいと思う。
多分ほんの一部なのではなかろうかとは思うが、『誰も知らない小さな島』でも活躍した愛器たちだろう。
まずはアコースティック・ギターから。

80v_a_2

80v_b_2

10弦ギター。銀次さん、イエペスも目指してたのかな?

70v_a_6

70v_b_6

別項にも記したが、晩年の銀次さんはアコギでモノすごい音を出して独特の世界を作りだしていた。

90v_3

高い評価を受けているWillian Raskinというカナダのルシアーの1985年の作品。

100v_a_3

100v_b_3

日本を代表するギター・ルシア―、中出阪蔵の1962年の作品。

110v_a_3

110_b_4

阪蔵の弟、中出六太郎の作品。1969年の製作だ。

120v_a

120

81750031 続いてエレクトリック。                             

130a_2

130b_2テリー・シェイプのセミ・ホロウ。ストラトタイプ・ヘッドにローズ指板。
メイプル・バックという徹底したこだわりがスゴイ!

140a

140bコレも上によく似ているがピック・アップのコンフィギュレーションが違う。

150a

150bコレはヘッドがテレキャスター・タイプに近い。ボディもノン・トレモロだけどツインfホール。バックはやはりメイプル。

160a

160bピックアップ・セレクターやノブもウッド。木材にこだわった1本というところか?
キルテッド・メイプル・バックとタイガー・ストライプのネックが美しい。

170a

180b

コレも上に近い1本だがやはりピック・アップのコンフィギュレーションが異なる。

190a

190b

このトップはコア?
そういえば、「どうしてメイプル・バックなんですか?」と銀次さんに尋ねたことがあった。
「だってさ、メイプルってみんなトップに使うじゃん?じゃ、オレはバックにしようかな?って思ったんだよ」というのがお答えだった。
200a_2シンラインっぽいルックス。ピックアップも2個とおとなしい。
このギターもウッドにこだわった1本。

210a

210b

また思い出した。
このギターかな~?
銀次さんが持参されたギターが気になって「銀次さん、ちょっとだけギター触らせて頂いてもいいですか?」とお願いしたことがあった。
「オウ!」とかおっしゃるかと思ったら…「ダメだよ。触っちゃダメだよ。お前だって自分の女がよその誰かに触られたらイヤだろ?」って…。
加えて、「前にサ、〇〇(超有名なギタリスト)が黙ってオレのギターに触ったんだよ」
とおっしゃるワケ。
「エ、それでどうされたんですか?」
「『どうした』ってお前、入れたよ!」
「ハ、何を?」
「『何を』ってお前、延髄切りにキマってんだろ!」
アブね~、おかげさまで私はセーフでした!

240v

こっちのギターだったかな?
コレは珍しくメイプル指板。

230a

230b

「マーシャル祭り2」で使われた一本。
スプルース・トップでメイプル・バックのすごく上品なイメージのギターだった。
コレでMarshall Blogが続く限り、銀次さんのギター・コレクションがココに半永久的に生き続けることになった。
そして小川銀次よ、永遠に!

81750039『誰も知らない小さな島』のお求めは、「POWER RECORD」へメール又はFAXにてお申し込みください。
<メール> new.powerrecord@gmail.com
<FAX> 042-595-5293
<価格> 税込3,000円
1_cd2

そして、アルバムの発売記念と追悼のライブが開催される!
<日時> 6月17日 19:00開演
<出演> 大谷令文(g)、西山毅(g)、湯川トーベン(b)、川上シゲ(b)、岡井大二(ds)、新井田耕造(ds)、武田”チャッピー”治(ds)他
詳しい情報はコチラ⇒新橋ZZ公式ウェブサイト

270v
(一部敬称略 ※協力:POWER RECORD)

2016年6月 1日 (水)

田川ヒロアキ~春のOver Drive Tour

意外だったな~。
もうとっくの昔に済ませていたのかと思ったのは田川ヒロアキのソロ形態でのツアー。
手数セッションやTAGAWAで何度も全国を回っているので完全に混同していたようだ。
田川ヒロアキ、アルバム『Over Drive』を引っ提げてのソロ・ツアーの千秋楽。

10 冒頭はヒロアキくんのステージではおなじみのオープニング曲「Seascape」。
バッキング・トラックで奏でるソロ・ギター曲だ。

20v初ソロ・ツアーのお伴も当然Marshall。
JVM210Hと1936Vだ。

30v足元のようす。
歪みはすべてJVMによる。
空間系のコンパクト・マルチ・エフェクターはセンド&リターンに接続。
フットコント―ラーの1~3に3種類のチャンネルを割り当て、4にはループのオン/オフをアサインしている。
チャンネルはOD/REDを多用しており、ギターのボリュームをコマメに変えて音色を変えている。

40田川ヒロアキ
「Seascape」の後、ヒロアキくんが車に乗るシーンの短い動画が上映された。
そう、ヒロアキくんといっしょに音楽のドライブに出かけよう!…といういかにもヒロアキくんらしい演出。

50v今回のツアーは、東京以外の公演ではバッキング・トラックを使った、文字通り「ソロ」でによるパフォーマンスを展開してきたが、この千秋楽の東京公演はバンド形態でのステージとなった。

60キーボードは石黒彰

70vベースに仮谷克之

80v仮谷さんはEDEN。
WT-800とD410XSTの組み合わせ。

90vドラムはヒロアキくんのバンド初登場の川口千里

100vバンドが入ってからの1曲目は「Straightforward」。

110_sfアップテンポのインスト曲。
ドライブのスタートにふさわしい、まるで高速道路を爽快に突っ走る感じ!

120vMCでツアーついての説明がなされた後、「Landscape」を披露。

130_ls気心知れた盟友、仮谷さんと…

140v石黒さんの安心のサポート。

150vそして千里ちゃんのスーパー・ドラミングで田川「ワールド」の魅力が増幅される。

160vまさに果てしない音の景色(Landscape)が広がる!

170v最初のボーカル曲は「Journey in my Heart」。
昔からレパートリーに顔を見せるおなじみの曲。

180v_jimコレもドライブのひとコマで、「傷心の車のひとり旅」のイメージなのだそうだ。

190v続けて「Keep Flying」。
2010年にリリースした二井原実、ファンキー末吉の両氏の共同プロデュースによるシングルCD曲。

200_kfここで年齢順にメンバー紹介。
ギタリスト大スキ!の石黒さん。実際スーパー・ギタリストとの共演は日常茶飯事だ。
最近Bill Evansのいい音源をゲットしたとか…。
石黒さんもヤタラメッタラとあらゆるジャンルの音楽に詳しいでネェ。音楽についての話しをしていて最も楽しいお方のひとり。
もちろん中心となる話題はいつもジャズとかヘンテコリンな音楽ばかり。

350v
「顔で弾くベーシスト!」と紹介された仮谷さん。
機動力に富んだ仮谷さんのベースがスキ!EDENをアグレッシブに思い切り鳴らしてくれるしね。

360v

「師匠から赤ちゃんって呼ばれています」と千里ちゃん。
こんなにスゴイ赤ちゃんはいませんから!
師匠には「Marshall祭り」のハウス・ドラマーを2回もお願いしたんですぜ。

370v

ここでゲストが加わる。
コーラスのLILIY BABIES。

210ヒロアキくんは「海岸通り」を熱唱。
もちろん『Over Drive』収録の一作。
ヒロアキくんのポップな面が目いっぱいプッシュされた曲。
「カセットテープに入れて来たベスト・ソング」ってとこが泣かせるね。アナタもそんな世代なのね?
でも今、またカセットテープが見直されてるんだってねッ?!
230
しかし、コーラスの力ってスゴイな。イヤ、「人の声の力」というべきか?
曲の雰囲気がガラっと変わるもんね。

220「つくばサーキット」のイベントでいっしょになってからのお付き合いだという。
LILY BABIESをフィーチュアしてもう一曲、「Ain't no Mountain High Enough」。
1967年のMarvin GayeとTammi Terrellのヒット・シングル。1970年にはDiana Rossがカバーしてまたしてもヒット。Diana初のビルボード・チャートNo.1に輝いて…なんてことは私が知っているワケがないので調べてみたら、そういうこと。
240_anmLILY BABIESは9人編成のバンド(他にひとり育休中)だが、この3人のボーカリストが参加してくれた。

Sasammy
尊敬する人が「Sammy Davis Jr.とセーラームーン」ってどういう組み合わせよ!
Sammyはホンモノ見たよ、ラスヴェガスで!最高だった!

270v

Hamazoo
マイケル・J・フォックスが尊敬する人だそう。芸名の元になっているマイケル・J・ポラードも名優ですぜ。

250vそして、東京生まれで西伊豆育ちのSuzuyo。
「伊豆の育ち」ってナンカいいナァ。気候は温暖、いかにも美味しいものを食べて育った…みたいな。


この三人、終始ニコニコで見ていて最高に気持ちがいいわ!
楽屋が隣だったので、部屋で練習している三人の歌声が聞こえてきたんだけど、スゲエの!三人ともメッチャ歌がうまくて、絶妙なアンサンブルがカイカンでした!
ごめんね、盗み聞きしちゃって!

さて、前曲に引き続いてメドレーで演奏したのは「天使にラブソングを」。
そういえば、ウーピー・ゴールドバーグ主演の同名の映画があったでしょ?アレの冒頭に「Heatwave」~「My Guy」~「I'll Follow You」からなる「Lounge Medley」と銘打ったR&Bのメドレーがあるんだけど、コレがすごく好きだった。ナニが好きって、ベース・ラインがメッチャかっこよくて、長野でハコバンをやっていた時に採譜したことがある。結局、演らなかったけど。
え、R&Bもイケるじゃないか?って?イエイエ、ベラ・バルトークの方が全然好きです。

260v…と、楽しく過ごしてきた田川ヒロアキ『春のOver Drive Tour』の第一部もコレで終了。

280休憩を挟んで第二部もヒロアキくんがソロで登場。

290v相変わらずの美しいギター・サウンド!
クリアでハード、それでいて深みのあるトーンを聴かせてくれるヒロアキくんのプレイはJVMの力量を見せてくれるひとつの完璧なショウケースだ。
1936Vとのコンビネーションもバッチリ以上!

300vアコギに持ち変えて石黒さんとのデュオ。

310曲は「たんぽぽと風」。
ヒロアキくんがソフトに歌い奏でるさまは、まるで優しい風にたんぽぽの花や綿帽子が揺れているようだ。
ユーミンの歌でよく知られるようになったけど、「たんぽぽ」って英語で「dandelion」っていうでしょ?
「lion」はあのライオンね。なんであんな可愛い花に「ライオン」なんて言葉が入っているか知ってる?
「dandelion」の語源はフランス語で「dent-de-lion」という。「dent」は「歯」という意味。たんぽぽの葉っぱってギザギザしてるでしょ?アレがライオンの歯なんだって。
昔の人のセンスはスゴイね。
しかし、「デンターライオン」とは何の関係もない。
…なんてことを考えながらヒロアキくんは歌っていないハズだ。
ちなみに綿帽子は「blowball」という。「blow」は「吹き飛ばす」ってこと。

320v続いて石黒さんのソロ。
Keith Emersonを偲んで、ココはFriedrich Guldaの「Prelude and Fugue」が来るかと思ったら、「アレを引くには半年の鍛錬が必要!」ということで今回はパス。
S41a0030

代わってとても美しいシンフォニックなソロで観客を魅了したのであった。

330v『Over Drive』からその名もズバリ「Driving Jam」。

380vこの曲ではメンバー各々のソロがフィーチュアされた。

390v仮谷さんのソロはいつだってダイナミック。
あれよあれよという間にギンギンに盛り上がっていく!

400vそして、千里ちゃんの圧巻のソロ!

420v

目も覚めるようなテクニックと歯切れの良いトーンが心地よい!

410vスティック・トリックもバッチリとキマってニッコニコ!

430v何をやっているかわからない人のためにもう一枚。
我ながらウマく撮れたお気に入りの一枚でもある。

そうそう千里ちゃん、10月には中野のシゲさんやバーニーと「野獣」演るんだって!絶対観なきゃ!

S41a0469 エキサイティングなナンバーの後は心温まる「切手のないおくりもの」。
ヒロアキくんはたま~にこの曲を選ぶが、こうしたホンワカ・ムードも彼の魅力のひとつ。

440続いてはヒロアキくんの平和賛歌、「平和の風」。
450_hkこの日の「Ave Maria」はマジでスゴかったナァ。
彼が石黒さんのアレンジで最初にレパートリーに加えた時から相当な回数を聴いてきたが、これほど感動的な「Ave Maria」は今までなかったのではないか?
トコトン美しいギターのトーンと感動的な歌いまわし。
本人も弾いていて感無量であったのだろう。少し涙ぐんでいた。
イヤ、これは涙するに値するパフォーマンスだったよ。
ヒロアキくんの演奏あっての話なのは百も二百承知しているけど、私も改めてJVMのすごさを知り、改めて真空管アンプの魅力を再発見した気がした。
もう、面倒だからハッキリいうけど、デジタル・プロダクツでは絶対にこうはいかないよ!
木でできたギターの音色の魅力を本当に引き出すことができるのは「0と1の世界」ではなくて、カソードやらグリッドやら前時代の産物、「真空管」だけだ。
MarshallはこれからCODEというモデリング・アンプをやるが、それはそれ。
どんな時代が来てもMarshallにはこの素晴らしいギター・サウンドを守り抜く姿勢を崩さないでいて欲しい。
なんか、そんなことまでを瞬時に考えさせられちゃう美しい演奏だった。

450v第二部でもLILY BABIESが登場。

460_kn『Over Drive』のリード・チューン、「キミ乗せて」だ。

470vコーラスも加わってグレードアップしたサビはゴージャスそのもの!
Marshall GALAでも演奏してくれた私にとってがおなじみの曲だけに、結構普段から無意識にこのサビのメロディを口ずさんじゃうことがあるんだよね。
いい曲とはそういうもんだ。

480そしてお揃いの「FRETPIANO」シャツに着替えて登場したアンコールは「Drive my Car」。

490ドライブづくしの全23曲!
本当の運転と違って、腰が痛くなることも、目が疲れることも、ETCカードを入れ忘れてあわてることもない実にドライブだったぜ!

500vこうしてヒロアキくんの丹精込めて企画&演出した初のソロ・ツアーの千秋楽は大成功に終わったのであった~!

510最後に…。
これがそのアルバム、『Over Drive』。
内ジャケにはつくばサーキットで撮った私の写真が使用されているので見てね!
220cd

最後はみんなで記念撮影。
楽しかったね~!

田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

520(一部敬称略 2016年4月15日 二子玉川Kiwaにて撮影)