祝!BARAKA 500回記念コンサート!
以前からココに何度か書いてきたが、日本という国は世界でも指折りのプログレッシブ・ロック大国だと思って差し支えないだろう。
海外ではプログレッシブ・ロックは「Prog Rock」と呼ばれていて、同名の雑誌こそあれど、故郷のイギリスですら最早聴いている人はそう多くないようだ。
私の仲良しのイギリス人なんかは、「生まれてこの方Genesisなんて一回も聴いたことがない」なんて言ってたし…。
世代やジャンルを超えて支持されているPink Floydはチョット別モノね。別の文化がカラんでる。
で、そこへ行くと日本人はKing CrimsonやらYesやらの超メジャー級を筆頭に、Cantaburyから辺境に至るまで、いまだに分厚いリスナー層を確保している。
今どき、MagmaとかArtiとかがやって来る国なんて世界でもマレなのではなかろうか?
実にいい国民である。
このヨーロッパ趣味に横溢した音楽が好まれるのは、その耽美性とかロマン性とか、はたまたドラマ性とか…きっと日本人の気質に合うのだろう。
やはり同じ島国で生まれた音楽だからだ。
しか~し!
これがイザ演奏する方になると、残念ながらやたらと寂しくなると思いませんかね?
なかなか和製のプログレッシブ・ロック・バンドってのが成立しない。
こんなにプログレ・ファンがいるのに不思議な現象だ。もちろん、プログレッシブ・ロックを標榜して頑張っていらっしゃるバンドもおありだろう。
でも、もっと支持されてもいいと思うワケ。
プログレ・ファンとしては寂しい限り。
そんな日本のプログレ事情の中にあって今日登場するBARAKAは、結成18年。世界をまたにかけてジャパニーズ・プログレッシブ・ロックを奏で続けている。
つい先月もスランス、チェコで演奏してきたばかりだ。そして、今回レポートする4月中旬に開催したコンサートは、ちょうど500回目に当たる記念すべきものであった。
BARAKAのステージ。
上手にはMarshall、下手にはEDEN!その使い手はギターのISSEI、高見一生。
この記念すべき瞬間に立ち会おうと、会場となった吉祥寺のシルバーエレファントは超満員。
家族連れでオーストラリアからやって来たファンもいた!
イヤ~、それにしても久しぶりのシルバーエレファント。
学生時代に例のバンドで何回か出演させてもらったのは、もう30年以上前の話し。
ナゼかMarshall Blogの取材で来る機会もなく、その時以来初めて訪れた。
懐かしい…というよりもうゼンゼン覚えてなくて…。かなり思い違いをしていた自分にビックリしたわ!
1987Xと1960AX…UNIT15。
70年代のスタンダード!王者やね。あの当時、ハード・ロックのライブでコレを見ないことはほぼなかった。
時代を作ったコンビネーションだ。
ギターだけでなく、Marshallも自分の身体の一部としているかのようなプレイがうれしい。
ヘッドにはまるで元々プリントされた型番のように誇らしげに「BARAKA」のロゴが入っている。
そう、このヘッドがBARAKAの低域をクリエイトしてきたのだ。
SHINさんがMarshall Blogに登場するのはコレが2回目。以前は書道家としてご登場頂いた。
今回は本職!
2曲目の「Butterfly」も変拍子が実にスリリング!
隣りにいた家内が即座に「こういうのスキでしょ?」と私に訊いてくる。
「あったりまえじゃ~い!」と答えてもMarshallのヌケヌケのサウンドで声がかき消される!
ISSEIさんは実にうまく1987のクリーン・トーンを使う。
そして、ココ一番のエモーショナルなソロでは図太いクランチ・サウンドを炸裂させるのだ!
EDENのヌケも天下一品!ステージの上下で盛大にヌケ合戦が展開しているぞ!
3曲目はナントThe Beatles。
BARAKAはその名もズバリ『THE BARAKA』というThe Beatlesのカバー・アルバムをリリースしているのだ。
曲は「Norwegian Wood」。
私はこの曲の歌詞の最初の部分がスゴイ好き。「♪I once had a girl or should I say she once had me」…こんな簡単な中学英語でバッチリその世界観を出してしまう。
それに歌ってみると実に単語の連なりが無理なくメロディにからんで気持ちがよい。
ココがThe Beatlesのスゴイところであり、支持を得た理由のひとつだと思ってる。
でもBARAKAのノルウェイはインスト。
SHINさんがメロディを奏でる。
このアレンジ、分解度合が高すぎて、途中から聞いたら原曲を当てることはまずできまい。
マァ、原曲を当てる必要なくBARAKAの音楽として楽しめばいい。
続いては「Something」。アレンジはレゲエ。
ん~、Marshallクリーンが美しい!
コレがまた手に汗握るほどの「間」。言葉は悪いが、盛大な「スカスカ感」が緊張を高める。
オリジナル曲に戻って「Sand & Stone」~「Stella Mars」のメドレー。
「Sand & Stone」はコレ、どうなってんだ?
3連の9/8と4/4が組み合わさってるのかな?
この手のパターンでメロディがそのまま短三度上昇するのは割と多く用いられる手法。
それが聴き手をハッとさせるのだ。
後半の「Stella Mars」でもメロー気味にギター・ソロがフィーチュアされる。
第一部の最後は10枚目のアルバムに収録されている「19-16」。
コロコロと変わる曲調。
こういうのスキだナァ。
後半の7/4のブギのパートなんてタマらんわ~。
実はBARAKAは最初、D_DriveのSeijiさんに教えてもらった。
「絶対シゲさん、気に入りますよ!」って。
そして依知川さんをご紹介頂いたのだ。
で、なかなかコンサートにお邪魔するチャンスがなくて依知川さんの書道展の方が先になっちゃった。
そして、今日こうして初めてBARAKAを観たワケ。そしたら、気に入った!
ありがとうSeijiさん。
MCではISSEIさんからMarshallへの大賛辞も頂きましてネェ。私の名前まで出して頂いて…光栄です!
第二部はアコースティック・セットから。
「Let Me In」と「Strawberry Wine」には歌も入る。
「Let Me In」は4ビートで、中間部に入る「Dig a Pony」っぽいキメが実にクール!
「Strawberry Wine」はボサノヴァ。
アコースティック・ベースに持ち替えても堂に入ったプレイを聴かせてくれるSHINさん。
普段はエレクトリックで演奏するという3曲目の「Atlantic」では足鍵盤が大活躍。
4曲目は「Waves」、500回記念バージョン。
ISSEIさんのアコースティックはナイロンだ。
ISSEiさんにとってギターでありさえすればエレキかアコかは関係ない。そして、同じアコでもナイロンだろうが、鉄弦だろうが、大暴れだ!
途中から一転してハードなシャッフルに!こういうメリハリの効いた曲がBARAKAにはピッタリだ。
6/4拍子で攻めたてる曲調は「Lark's Tongues in Aspic」を連想させる。
大歓声に応えるMAXさん!
ISSEIさんの激情ギター・ソロが爆発!Milesの「Jean Pierre」の一節も登場!
ISSEIさんも自分だけの言葉でギターを弾く人だ。
そういう意味ではStrange, Beautiful & Loudの三宅さんと共通点があるかもしれない。
ハッキリしているのは二人ともMarshallをこよなく愛してくれていることだ。
やはり、真摯にギターや音楽に取り組むアーティストにとってMarshallは必要不可欠な相棒なのだ。
SHINさんも同様。
EDENという信頼のおける相棒と最高のサウンドをクリエイトしている。
またまた大暴れのISSEIさん。
このケーブル見て!
長いケーブルの調子が悪くなってしまったので、短いケーブルで代用しているところ。
こんなの初めて見た!
ストライ~ク!
アンコールでは想定外のQueen!「Tie Your Mother Down」をプレイ。
ア・カペラのギター・ソロでは「Little Wing」を弾いたISSEIさん。
それだけでなく「Round Midnight」の一節も!やっぱり色んな音楽を聴いているんだね。
最後は一枚目のアルバムからの「Butterfly」。
鉄壁のリズム陣も最高だった!
500回記念おめでとうございます!
冒頭では勝手にプログレッシブ・ロック・バンドにカテゴライズしてしまったけど、これからもBARAKAの音楽をトコトン追求していって頂きたい!
楽しみにしてます!
BARAKAの詳しい情報はコチラ⇒BARAKA official website