クラシックROCK!!~DYNAGON、QUORUM、成増保育園
ワールド・カップ第2戦、ブラジル・ナタールでのギリシャ戦を記念し、急遽予定を変更して我がNATALが登場するコンサートのレポートをお送りすることにした。
ここ数日テレビから連呼される「ナタール」の声にうれしくもあり、ちょっと恥ずかしくもあり…。
今までウチの「NATAL」を「ナタル」とか「ネイタル」とか読む人が少なからずいたが、今回のことでかなり「ナタール」という読み方が定着したのではなかろうか。綴りも同じだし…便乗、便乗!
引き分けは悔しいけど、負けなくてヨカッタわ~。これでまたロスタイムに点を入れられて逆転負けなんて展開になっていたら「ナタールの悲劇」って一生言われちゃうからね。
普段はサッカーの試合なんてまったく見ないけど、こういう機会にはやっぱり夢中になって母国を応援しちゃうね。特に後半、汗みどろの選手の姿はまさに「死闘」の様相を示していて少なからず感動を覚えた。
コレで誰か決勝ゴールでも決めようものならその選手にお祝いでNATALのバーチのキットの1台もプレゼントしようと思ったが、実現できずチト残念!
でも、選手たち、ドラムを始める機会があったら間違いなくNATALを指定してくれるんじゃない?イヤ、それとも反対か?「NATALは思い出したくない!」…なんてね。
ところで「NATAL DRUMS」はイギリスのブランドで、名前の由来はブラジルのナタールとは何ら関係ないということをここで明言しておく。
さて、肝心のコンサートの方はといえば、『クラシックROCK!!』とタイトルされ、個性的な面々が揃う面白い内容となった。
まず登場したのが成増保育園。
ナニも成増の保育園のOBというわけではない。(あるいはそうなのかな?)
ギター、ベース&ドラムのトリオ編成の「成増保育園」という名前のバンドだ。
コレがですね~、なかなかに強烈!今時こんなバンドが日本にいたのか?!という感じ。
サウンドの基調はサイケデリック・ロックということになるのであろう。
強烈なビートにお経を乗せて読んでみたりする。ブラジルの巨人、Hermeto Pascoalもコレに似たようなことをやっているが、こちらの方がストレート。何とも言えない雰囲気だ。
さらに、延々と狂ったように「ダイエット」を連呼して自己トランス状態に入り込む。
おおよそ万人に受け入れられるタイプの音楽ではないが、私は結構好き。ナゼかというと、ひとつの表現手段としてこの手のサウンドに「ロック」を感じるからだ。
テレビに出てくるバンド連中とそのサウンドを比べてみるがいい。同じ日本人が同じ楽器を使っているのにこうも違ってくるものか?むしろこっちの絶望的なサウンドにこそ「世界の終り」を感じるわ。
ただ、こうしたサウンドは決して新しいモノではなく、60年代後半から70年代初頭にかけてGraham Bondあたりが取り組んでいた音楽に近いイメージだ。
Quintessence(クインテッセンス)というイギリスのバンドをご存じだろうか?むしろコレに一番近いかもしれない。
このQuintessenceというバンドはインド音楽の影響を受け、「アッラ~」とか「ブッダ~」とか延々と神様の名前を唱え続けたりする曲を演奏する。
私は決してHawkwindのようなトリップ系サウンドの愛好者ではないが、成増保育園を見ていてQuintessenceを思い出し、そして、そういうバンドがまだ日本いることを知ってとてもうれしくなってしまった。
ちょっと調べたところ、ウェブサイトもお持ちでないようで情報が少なくてゴメンなさい。「成増保育園」で検索するとホンモノの保育園が引っかかって来ちゃって…。
とにもかくにもスゴク新鮮な感覚で接することができるバンドだった。
この日の約1週間後に開催したワンマン・コンサートも大好評だったようで(先約があって行かれなかったのさ)、着実に前進を続けていて頼もしい限りだ。
今回初めて聴いたが、「Get Back」にLed Zeppelinの「For Your Life」を突っ込んだアレンジには思わずニヤリとさせられた。
派手なアクションと「攻め」に徹する幸人のベースでステージ下手はいつもにぎやかだ。
そして、抜群の鳴りを誇るNATALを御するド迫力な達也のドラミング。QUORUMの音楽にベストマッチのサウンドだ。
QUORUMの詳しい情報はコチラ⇒QUORUM Official Site
会場に貼られたQUORUMのポスター。写真は私が撮らせていただきましたん!
この日、トリで登場したのは「中京の重戦車」、DYNAGON(ダイナゴン)だ!
DYNAGONは1986年に結成されたインストゥルメンタルのハード・ロック・バンド。何と30年近く前にここ鹿鳴館に出演したことがあるという。
Marshallは使い慣れたSUPER 100JHヘッドを持参。
DYNAGONサウンドの大きな特徴のひとつは剛さんが操るキーボード・サウンド。
Jon Lordを師と仰ぐ剛さんのプレイはロック・キーボードのカタマリみたいなものだ。
DYNAGONのサウンドをヘヴィたらしめるトシさんのベースもなくてはならないものだ。
MCではトシさんから重大な発表(?)があった。
今回のコンサートでQUORUMと共演することで判明したのだが、QUORUMのギターの遊太くんのお父さんとトシさんは30年来の友人だというのだ。
もう何十年も行き会っていなかったが、今回のことを知り、遊太くんのお父さんが連絡をして来てくれてトシさんも初めて知ったそうだ。
「今度の対バンのQUORUMのギターはオレの息子なんよ」という具合。驚いたのはトシさん!
これをキッカケに遊太くんのお父さんと旧交を温めたという。これも音楽の持てる魔力なのか?
ロックもこの世に出て来てから60年も経ち、ますますこういう世代を超えた交流は増えてくるに違いない。親子どころか孫子の関係がそろそろ出て来てもおかしくない。ガンバレ、おじいちゃんチーム!
QUORUMもそうだが、やっぱりこうしたブリティッシュ然としたロックにはイギリス製の楽器が良く似合う。そういう空気が出てくるから不思議だ。
ヤスさんも気持ちよさそうにギンギンにNATALを鳴らしまくっていた。
「Hammerhead」、「The Art of Nazka」等々おなじみのナンバーだ。
インストゥルメンタルといってもこのバンドの曲は小難しいところが一切なく、「ドライブ命!」的なところが聴いていて実に爽快だ。そして歌がなくても十分に「ロック」を楽しめることを教えてくれる。
私は音楽が小難しければ小難しいほどよろこぶ音楽変態だが、彼らの熱演を見ているとそんなことはどうでもよくなってくる。
mintmints、Strange Beautiful & Loud、D_Drive、そしてDYNAGON…これらをMarshall Blogの「新四大インスト・バンド」と認定させて頂きたい。
DYNAGONの詳しい情報はコチラ⇒DYNAGON Web
三者三様、すごくおもしろいコンサートだった。ま、「クラシック・ロック」っちゃ「クラシック」だね。でも音楽のクォリティが低ければ風雪に耐えきれず「クラシック」として生き残ることはできない。
コレでいいのだ!
それと、コロンビア戦、がんばれニッポン!
NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
(一部敬称略 2014年5月17日 目黒鹿鳴館にて撮影)