金属恵比須~猟奇爛漫FEST vol.4 <前編>
ココもずいぶん久しぶり…高円寺の「High」。
今日はMarshall Blog初登場の金属恵比須。
チケットはすべて売り切れ!「恵比須」か…「えびす」と書けと言われたら私だったらとりあえず「恵比寿」と書いちゃうな。
すると「恵比須」と「恵比寿」ってどう違うんだろう?
もうこうなると調べずにはいられないのがMarshall Blog。
フムフム…。
えびす神社の総本山である兵庫の「西宮神社」では「恵比寿」と綴られているそうだ。
オリジナルは「須」ということか…。
それが江戸に伝わって来た時に「てやんデェ、こちとら江戸っ子デェ!もっとめでてぇ文字にしようじゃねーか?」と「須」を「寿」に差し替えて「恵比寿」としたらしい。
結果、どちらの文字で綴っても問題はないとされている。
他にも「蛭子」、「戎」、「夷」、「AB'S」なんてのもあって、詳しく書きたい気もするがキリがないので本題に移ることにする。
開演の少し前にリーダーの高木さんがステージに姿を現してひとことご挨拶。
久しぶりの観客を前にしてでの演奏であることや、コロナ感染対策に関する諸注意に触れ、録画も録音もOKであることが満員の観客に伝えられた。
「録画も録音もOKです。ただし、個人で楽しむのは止めてください。録ったら必ず拡散してください」
さすが恵比須さま。
コレで商売繁盛間違いなし!
しかし…私みたいな世代なんかだと「カメラは入っていませんね?」と、武道館や厚生年金会館の入り口で毎回カバンの中身をチェックされたもんですよ。
あの時代はどこへ行ったんだ?
そもそもコンサートは座って観るものだったからね。
ロックだろうがナンだろうが、今でも私はそれが生のエンターテインメントへの正しい接し方だと思っています。
暗転した会場に流れたオープニングSEは、映画『八つ墓村』より「呪われた血の終焉」。
ハハン、だから高木さん、「犬神家の一族」のTシャツを着ていらしたんだな?
『八つ墓村』が封切られたのは私が中学校3年生の時で、「横溝正史ブーム」が吹き荒れていたな。
こんな私…つまり絶対に流行に与しない私ですら通学電車の中で何冊か読んだものだ。高木さんの指揮の下、バンドが流れる音源と共演する。そして1曲目の「みつしり」につなげた。
ナンカ、Yesの「火の鳥」と「Siberian Khatru(サイベリアン・カートル)」みたいでいい感じ!
ギター/ボーカルズの高木大地。高木さんはMarshall。
長年にわたって1959SLPを愛用して頂いている。インプットはリンクなしのHIGhの1。
1959の素のサウンドと言っていヤツ。ボーカルズと各種パーカッションは稲益(いなます)宏美。キーボーズの宮嶋健一。ベースに栗谷秀貴。ドラムスが後藤マスヒロ。高木さんの弾くギター・リフに乗って景気よくブッ飛んでいくドライビング・ナンバー。コレが5/4拍子になったり…
7/8拍子になったりで、何とも忙しい。
も~こういうのはスキ!
ドンドンやって欲しい!中間の7/8のキメのパートを経て…ギター・ソロへ。
イヤ~、タッピングやら、スウィープやらが皆無のソロ。
こんなの久しぶりだ。途中からワウ・ペダルを踏んでソロの内容にアクセントをつける。
コレでいいのだ!
しかも裸足。
ところで、冒頭に「今回初登場の金属恵比須」と書いたが、実は変則的に以前Marshall Blogにご登場頂いている。
それはダミアン浜田さんの「Damian Hamada's Creatures(D.H.C.)」の時のこと。
ダミアンさんのバック・バンドを務めたのが高木さんを除いた金属恵比須の4人だったのだ。
その時のライブ・レポートをMarshall Blogにアップしたところ、その時ギターを弾いていらした栗谷さんがその記事を拡散くださった。
Marshallをお使い頂いてはいなかったが、私は私で栗谷さんのギター・プレイがすごく気になっていたのだ。
そんなことからコンタクトが始まり、「高木さんがMarshallを愛用している」とお聞きして接近させて頂いた次第。
「プログレッシブ・ロック」とか「70年代のサウンド」を追求しているとおっしゃるじゃない?
コリャ放っておけないと思って今日のライブにお邪魔させて頂いたワケ。
DHCのレポートはコチラ⇒Damian Hamada's Creatures 1st Live 魔界小学校入学式典 〜Devilish Hell Ceremony〜
だから一番最初のキッカケは栗谷さん。
どうもありがとうございました。「おひさしぶりで~す!」
何しろ3年ぶりのお客さんを前にしてのライブですからね。続けて2曲目は「武田家滅亡」。「武田家!」「滅亡!」というフレーズがやたらと耳に残る!
金属恵比須のキラーチューンのひとつ。
キーボーズと…
ベース… そしてドラムスの3人によるバッキングに… 開放弦を多用したギターが加わる。
このバンド、バッキングのアレンジがどれもがすごく凝っているんだよね。
私はキチンと細かいところまで作り込んでいるロックが好きなものだから、こういうのはとてもゴキゲンなのだ。
「ありがとうございます。
今日は3年ぶりの有観客のライブです。
一応ライブ自体は無観客で演ったんですけどね…」
「今日初めて『金属恵比須』を観にいらっしゃった方はいらっしゃいますか?」
ハイ、私です。
他にD.H.C.を観てお越し頂いた方もいらっしゃったようだ。
「今、演りましたのは『みつしり』という曲と『武田家滅亡』でございました。
登場音楽は『八つ墓村』のテーマ曲の芥川也寸志先生の『呪われた血の終焉』でした。
コレは芥川也寸志さんの奥様の芥川眞澄さんのご公認を頂戴して使わせて頂いております。
今日もご覧頂いていることと思います。
で、今日は新曲をいくつか演っていきます。
『ルシファー・ストーン』以来出してなかったんで…。
ひとつめは『魔少女A』という曲でございます。
中森明菜とはまったく関係ない曲を作らせて頂きました」重厚なギター・リフからスタート。
こういうのはありがたい。
「♪ズンズクズンズク」というビートのロックは若い人たちの間ではもはや絶滅してしまったからね。
ブギもシャッフルも若い人たちの間にはもう存在しない。「最近の若い人たちはギター・ソロの部分をスキップする」なんてことが言われていたが、そんなのカンケーねぇ。
ギター・ソロもバッチリとフィーチュアするのだ。
ナゼならそれが「ロック」という音楽だから。
この曲もサビの展開が印象的だ。
複雑な器楽パートもなく、金属恵比須の中にあったては比較的ストレートなナンバーと見た!
でもキーボーズのソロも飛び出して見どころ聴きどころは満載だ。
お、宮嶋さんの楽器にYesのステッカー発見!
残念ながら先日アラン・ホワイトが亡くなってしまったけど、Yesは秋に来日するとか。
ファンは大喜びのことでしょう。
この日演奏した「魔少女A」がYouTubeで公開されているのでご覧あれ!
ココのセクションでもう1曲演奏したのはさっきチラリと名前が挙がった「ルシファー・ストーン」。
グッとテンポをアップしてのドライビング・ナンバー!この曲でも高木さんの正統派ハードロック系ギター・リフがシャープに鳴り響く。 稲益さんの歌声がエキサイトしてくると…リズム隊はクルリと方向を変えて4ビートとなる。ジャズ・ビートに乗ってのオルガンのソロ。
またドライブ感満点のロックビートに戻ると…
ボトルネックをハメた高木さんがミステリアスなフレーズを奏でる。稲益さんの絶唱でいよいよ曲はクライマックスを迎える…と思ったらココからがまた見ものだった! 高木さんのギターと…宮嶋さんのキーボーズのソロの応酬だぁ!もうコレは前半のハイライトでしょう。「『魔少女A』はですね、誰にも頼まれてないのに聖飢魔Ⅱ風に作っちゃった!
2年間D.H.C.をやり続けていて、ヤッパリ作曲法が身に付くんですよ。
曲を作ろうってことで、1曲目にできたのがコノ曲だったんですよ。
しかも1日で出来ちゃった!
ダミアンさんすみません…先に謝っておきます。あ、後か…。
最初、あの曲のタイトルは『我ら改臓人間』だったの。
稲益から『さすがにそれは止めてくれ!』って言われて…ということで『魔少女A』になりました。
サビが明菜っぽっかたから、明菜っぽくやろうかな…みたいな。
それと、小松左京さんの未完成の最後の小説の『虚無回廊』ね。
小松左京さんの元マネージャーの乙部さんから『その小説でロックが聞きたいな~』って軽く言われて出来ちゃったって感じ。
『魔少女A』の“A”は、この小説に出て来る『アンジェラ・インゲボルグ』の"A"でございます」
「次も新曲2発いきます。
ひとつめは『星空に消えた少年』という新曲なんですが、今回はあの『マシンガーZ』や『ゴレンジャー』で有名な渡辺宙明先生に作曲指導をお願いしました!
コレも1時間半で作った曲なんです。
数日後のアポを急遽先生から頂戴してしまって、時間がなくてどうしようかと思ったんですが、阿佐ヶ谷のラーメン屋でチャーハンを食べた後に思いついてできた曲なんです。
そしたらね、渡辺先生が『だいたいいいんじゃないでしょうか』って…」
「色々とご指導を頂いたよね!」
「この作曲指導の一部始終をmonoマガジンの6月発売の連載とe+のウェブサイトに載せたいと思っていますのでゼヒご覧くださいませ。
まだ原稿を書いていないので、まだこれからです…って言うのが1曲目。
もう1曲はカバーです。
ココでカバーなんて言ったらKing Crimsonとか演るんじゃないかと期待してるでしょ?
期待を裏切りますよ~。
今回は『ゴジラvsキングギドラ』のメインタイトルを演ろうと思います。
キングクリムゾンと思いきや、キングギドラでございます」空想特撮コーナーの1曲目は「星空に消えた少年」。宇宙船に乗って月を目指す少年の物語。ダブルネックに持ち替えた高木さん。
12弦でアルペジオを弾きながら稲益さんの歌にピタリとコーラスをかぶせた。「宇宙っぽい」イメージはやっぱりシンセの音色がとてもシックリ来ますな。
後藤さんの銅鑼からスタートしたのは伊福部昭の『ゴジラ対キングギドラ』のテーマ曲。コレはまた複雑な…5/4と6/4拍子が順繰りに出て来る感じ?その複雑なリズムの上をシンセサイザーの音色が駆け巡る!
カッコいい!
もう何度も書いているけど、日本は『クリムゾン・キングの宮殿(In the Court of the Crimson King)』が世界一売れる国の割にはこういう音楽を演るバンドがほとんど出て来なかった。
最近はDream Theaterやゲームの音楽を標榜してやたらと複雑な音楽を演っている若いバンドもいるけどそういうのとは違うんだよナァ。
金属恵比須の詳しい情報はコチラ⇒Kinzoku-yebis Official Web
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