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2020年10月15日 (木)

ジム・マーシャル⇒フランクフルト⇒フランク・ザッパ⇒ニューヨーク

 

調べてみたら去年は『Music China』で昨日まで上海だった。
楽しかったナァ。
『Music China』は今年も今月の28~31日で開催されるようだ…「ようだ」というのはチェックしてみても「中止」という情報がウェブサイトに上がって来ないから。
今年もD_Driveが呼ばれていて、またひと花咲かせようとしていたけど…断念。
だって中国への飛行機は、全日空の場合週にたった1便、上海にしか飛んでいないっていうんだもん。
行けるワケもないし、例え行けたとしても帰って来れなくなっちゃう。
昨日の新聞に出ていたけど、全日空さん、もちろん冬のボーナスはなし、給料は5%減、社会保険自己負担料は50%に引き上げだそうだ。
さっき別の用件で電話した時に係の人を思いっきり励ましておいた。
だってツブれちゃったらせっかく貯めてきたマイレージがオジャンになっちゃうからね。
しかし上海メッセ、ホントにやるのかな?
海外からの出展もお客さんも皆無だろうに…ま、人口が14億人もいればなんとかなるのか?390 10月3 & 4日に開催する予定だった『楽器フェア』は中止。
SNSで誰も話題にしていないようだけど、『楽器フェア』は替わって11月11~13日の間にオンラインで開催するそう。
1月の『NAMM』も中止。こちらもオンラインで開催するらしい。
もうひとつ…フランクフルトの『Music Messe』。
コチラは2020年の4月に開催する予定だったのを、来年に10月に「延期」という形を採ったようだ。
コレ、「中止した」と素直に言った方がよいような気もするけど…。
今日はそのフランクフルトから。10毎年フランクフルトに通っていた頃は私の人生の中でも最も楽しい期間だった。
そのあたりは『私のフランクフルト』と題してすでに詳しく、6回にわたってしつこく思い出を書かせてもらった。
 ↓  ↓  ↓
【Marshall Blog】私のフランクフルト <vol.1 : 2003~2006年>20そういえば2009年には「Zappa Plays Zappa」もフランクフルトに来ていたんだっけ…。
今日はそんなフランクフルトからフランク・ザッパに至る話。
自慢めいたエッセイです。
ツマらんジジイのロマンです。
読んで頂いたところで得るモノは何もありませんのであしからず。

25v話のマクラにチョコっとフランクフルトのことを書こうと思って写真をヒックリ返して見ていたらまたまた懐かしくなっちゃって…。

30ココでずいぶん色んなことを教わったからナァ。40一番の思い出は、やっぱりブースでMarshallの連中と一緒に仕事をしたこと。50私が通っていた当時はこの『Musik MESSE』まだ世界一大きな楽器の展示会で、それはそれは大変な盛り上がりを見せていた。60展示のセットや片づけはもちろんのこと、ジム・マーシャルやゲスト・アーティストのサイン会の行列の整理をしたりポスターを巻いたり、販促品の補充をしたり…。
タマに英語で商品の説明をしたり。
同じゲルマン語族のドイツ人でも英語が下手なヤツもたくさんいてね。
若いイングヴェイ・ファンに話を合わせながら商品の説明をしていたら、私がイングヴェイの熱心なファンであるとスッカリ勘違いしてしまって、毎年来るたびに私を見つけては、イングヴェイの話をしてくるのには閉口したな。
あの子どうしてるかな?70コレはポールのデモだな。

90サイン会やデモで参加するアーティストとお近づきになるのも大きな楽しみのひとつだった。

Srimg0212 まだジムも全然元気でね~。
毎年、イギリス⇒フランス⇒ベルギーを通過してドイツまで車で来ていた。
そして、毎回必ずフランクフルトに来てジムと行動を共にするご夫妻がいらっしゃった。
見ていると、ご主人が時折ジムのサイン会の手伝いをする程度で、どう考えてもMarshallの人ではないし、Marshallの関連する企業の方…という風でもない。
で、ある時、Marshallの人にその方々がジムとどういう関係なのかを尋ねてみた。
答えはこうだった。
「Jim's friends」
ただのトモダチ?S2rimg0087話は変わって…。
2か月ぐらい前に心当たりのない人から突然facebookにメッセージが届いた。
そのメッセージが言うには…
「シゲ、あなたフランク・ザッパが大好きなのよね?
私が彼のコンサートに行ったことがあると言ったらすごく羨ましがっていたわ!」
エ~、誰よ、ダレダレ?アナタは誰?
私はベテランのロック好きの欧米人と話をすると、手当たり次第に「フランク・ザッパを観たことがありますか?」って訊いちゃうもんだから、最初はこのメッセージの送り手の見当が皆目つかなかった。
「フランクフルトでそんな話をしたわよね!」というメッセージの続きを読んで、とりあえずどっち方面の方かがわかった。
その方がおっしゃるには…
「今度ウチの娘がザッパのヴァイナル(レコード)のコレクションを譲り受けたの。
ウチの娘は興味がないんだけど、アナタ、興味ある?」
あるある!そりゃありますよ!
しかし、それでもメッセージの主が誰であるのかがハッキリとわからない。
そこで「もちろん興味あります!」と返事をする前に、当時はジムの秘書をしていた今の社長の奥さんに確認を乞うた。
やっぱり毎年フランクフルトに来ていたからね。
背景を説明すると、間髪入れずその方が誰かを察してくれた。
答えはこうだった。
「Jim's friend」
コレでわかった!
社長夫人曰く、何でも私はフランクフルトでかなり熱く「ザッパ愛」をその方に語っていたらしい。
恥ずかし~。
でも、そのおかげで私のことを覚えていて頂いたというワケ。100それ以降は、ザッパのコレクションを譲り受けたお嬢さん本人とのやり取りとなった。
コレがまたアータ、その方のお住まいがストックポートだっていうワケよ。110ストックポートといえば10ccの出身地。
因縁を感じるね~。
ストックポートと10ccについては、しばらく前に詳しく、しつこく書いておいたので興味のある方はコチラをどうぞ。
 ↓ ↓ ↓
【イギリス-ロック名所めぐり】
vol.43 ~ 10ccに会いに行く <前編>

vol.44 ~ 10ccに会いに行く <後編>~ストロベリー・スタジオ物語

420さて、そのお嬢さんからレコードのリストを頂いて、コレだけ買わせていただいた。
〆て12枚。
向こうの人はジャケットを丁寧に扱わないのが普通だけど、前のオーナーがすべてのレコードを厚手の硬質なビニールに入れて保管してくれていたので、古いモノで50年近く経っていてもジャケットが超キレイ!
盤質も文句なし。
どういう基準で選んだのかというと、すべてUKオリジナル・プレス。
私はオリジナル盤がどうとか、マトリックスがどうだとか、そういうレコード・コレクター的な集め方にはまったく興味がないのね。
「プレスした工場が違うと音が違う」と、全国の「赤いきつね」や「緑のたぬき」の食べ比べのようなことをやっている時間が私にはもうないのだ。
そもそもその音の違いがわからないし…。
私も死期が近いのかどうか知らないが、最近マジで「人生で残された時間」というのを気にするようになってきましてね。
とにかく少しでも多くのいい音楽を楽しんでから棺桶に入りたいと思っているのだ。
でも、今回はチト違った。
ナゼならリストの中に『Zappa in New York』が入っていたからだ。
コレのUKオリジナル盤にはどうしてもこだわる必要があるのだ。120私は高校の時に『Zappa in New York』がリリースされてすぐに左下のヤツを買ってね~、正直、最初はチョット???だったけど、すぐに入り込んでしまった。
ナンダカンダでこのアルバム関係でレコード×3とCD×4で今のところ7種類集めてある。
140もうひとつ持ってる。
コレだけの演奏でしょ、どうしたってこの時の全演奏が聴きたくなるのが人情でしょう?
今ではリリース40周年を記念して全公演を収録した缶入り5枚組CDなんてのが出ちゃったけど、どうしても未発表の音源を聴きたければ、昔は海賊盤に手を出すしかなかった。
で、買った。
インタビュー・ディスクが付いた7枚組ボックスセット。
この頃、ザッパの昔のCDをピンク色の収納ケースに入れてまとめて販売しちゃうのが流行っていたんじゃいかな?
それをマネしてなのか、この海賊盤にもそんな箱が付いているんだけど、そこら辺の既製品のCDケースなのかサイズが全然マッチせず。
他に缶バッチだの、ハンコだの、ブロマイドだのが入っていて、値段は忘れちゃったけど、スゲエ高かったのを覚えている。
オマケなんていらないからもっと安くして欲しいわ。
「オマケ」といえば、最近のハロウィンの未発表音源のマスクは頼むから止めてもらって、もっと安くして欲しいわ。
また1981年のハロウィン・コンサートの音源が出るでしょ?
もうあのヘンなマスク要らないのよ!絶対に使わないんだから。
場所も取るし。
ああいう「全公演記録」みたいなヤツが雨後のタケノコのごとく出て来るけど、たいてい買った時に1回聴いて終わりだね。
アレは「音楽作品」というより「資料」だもんね。
ジャズ評論家の故中山康樹さんが、よく未発表曲を追加したマイルス・デイヴィスのアルバムのことをクソミソに入っていたけど、同感。
土台、後から作り直したモノはダメね。
このアルバムにしても、オリジナルのライブ音源に入念にダビングを施し、アーティストの意向を完璧に反映させた「作品」になっているんだから、それが一番輝いているにキマってる。
それでも1度は聴いてみたくなるのも否めないけどね…どっちじゃい!
 
さて、この海賊盤、CDはCD-R。
音質はオーディエンス録音で最悪…と思っていたけど、今回1枚聴いてみたらそれほどでもなかったな。
The Kinksの『Kelvin Hall』より2回りぐらい悪いぐらい?…というと相当悪いことになるけど、昔の海賊盤なんてそんなもんだ。
音質はあきらめて、客の反応を聴いているとすごくオモシロイ。
若い人なんだろうけど、ステージのようすに興奮して反応するのが興味深いの。
コレで『Zappa in New York』関連アイテムは8つ。
150_2そして、今回手に入れたオリジナルUKプレス。
コレはね~、そうだな~、40年近く待ったかな~。
要するに、1978年に国内盤が出て、それに「Punky's Whips」が収録されていないことを知って、どうしても聴きたくなった…というところから始まっているワケ。
当時はまだ『Baby Snakes』も出ていなかったのでこの曲を聴く術がなかった。
ま、「40年近く探した」といっても、来る日も来る日もレコード屋を回っていたワケではありませんよ。
でも、イギリスに行くようになって20年、彼の地で中古レコード屋を見つけるたびにチェックだけは怠らなかった。
イギリスに行くとよく広場を利用した市に出くわす。
デヴィッド・ボウイの「Five Years」に出て来る「Market squre」ってヤツね。
いわゆる不用品を集めて売っている「フリー・マーケット」とは違って、ちゃんとしたビジネスでやっている露店の「市」ね。
中古レコードを扱う店もチラホラ出展していて、そういうところなら何となく期待できそうじゃない?
でも、絶対に見かけなかった。
お店のオジサンに訊くと「ああ、アレは出てこないよ」といつも言われた。

160このアルバムをリリースした頃はザッパとワーナーの関係が悪かった。
イギリスでは初回プレスとして、元々の「Punky's Whips」が収録されたバージョンを発売。
一方、アメリカのワーナーは「Angelから訴えられたらヤバイ」という理由でこの曲を削り、「Big Leg Emma」と差し替えた。
「ヤベッ!」とばかりにイギリスでは当該の初回プレス盤を回収したが間に合わず。
その後、「Punky's Whips」がクレジットされた初回プレス・バージョンのジャケットに同曲が入っていないアメリカ仕様の盤を入れて販売したが、当然ごとくクレームに。
つまり、ジャケットには「Punky's Whips」と書いてあっても、音源が収録されていない商品があるらしいんですよ。
そこで、下の写真の私のUKオリジナル盤(写真右)を見てみると…。
A面にチャンと「Punky's Whips」と入ってる。
ちなみにこのオリジナル盤の方では「Big Leg Emma」は、B面の「Black Page#1」と「#2」の間に挟み込まれている。
後のCDの仕様と同じ。
さて、果たして私の盤には本当に「Punky's Whips」は収録されているのかな…。
聴いてみると…ヨカッタ!入ってた!
 
しかし、音がいいな。
私は元転勤族だったので、引っ越しの時の作業量軽減と利便性についてはCDに感謝しているし、今になって「アナログ、アナログ」と騒いでいる人たちのように音にやかましくもない。
何回も書くけど、1984年ぐらいか?…CDが出てきた時に「音が良い」と泣いて拝んだのはどこのどちらさまよ?
音質機器比べの試聴会とかやっちゃってサ。
CDを神様扱いしてたじゃん?
私の場合はドップリとレコードで育ったけど、CDを使っている…という感じ。
両方OKなんだけど、ダウンロードとかはムリ。
「音ウンヌン」ではなくて、アレはすべてにおいて音楽を聴く態勢ではないもん。
今までただの1回もやったことがない。
 
最近、ギタリストの三宅庸介さんの影響を受けて、43年前に買った30cmウーファーの入ったダイアトーンの大きな3ウェイ・スピーカーと、44年使ってきたヤマハのレコード・プレイヤーを事務所に持ち込みましてね。
アンプは20数年前に転職を記念して買ったデンオンの汎用品なんだけど、アナログなので音は完全にアナログ仕様。
デジタル一切なし。
それで柄にもなく、聴き比べをやってみた。
ナニせカッティング技術に長けたUKオリジナル盤だから。
 
結論…「太い」に尽きますな。
CDは音がとてもキレイなんだけどひ弱な感じ。
レコードの音のなんとたくましいことよ!
CDだけ聞いていればわからないんだけど、レコードを聴いちゃうとダメ。
音の押し出しが全く違ってまさに「遠くまで届く音」というイメージ。
待てよ…コレってギター・アンプと全く同じじゃん!
近い将来、ギター・アンプでもオーディオと同じことが起こるような自信が湧いてきた…つまり、「ギター・アンプは真空管に限る」と多くのギタリストがアナログに戻って来るということね。170…と、念願のアイテムが長い長い時を経てウチにやって来た!という一席でした。
ジムの友人の女性に荷物が届いた報告とお礼をすると…
「レコードの話があった時、真っ先にフランクフルトでのアナタのことを思い出したのよ!そのレコードが収まるべき所に収まって本当にうれしいわ!」と言ってくれた。
彼女は15歳の時にThe Mothers of Inventionをハマースミス・オデオンでご覧になったそうだ。
そんな話を聞いたらザッパ・ファンなら誰でも興奮しちゃいますよね~。
その頃に他に行ったコンサートとしてEdgar Broughton Bandの名前が出てきたにはビックリしたよ。
 
フランクフルトに行っていなかったらコレが実現しなかった…と思うと壮大なロマンを感じるね。
私にこんなロマンを仕掛けてくれたジムに心をからお礼言いたい。
そもそもザッパも1959を愛用してくれていたし、このライブ・アルバムの公演でもMarshallを使っているハズだ。
ザッパの家にはとても程度の良いビンテージのMarshallが保管してあったらしい。180 

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