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2018年4月 5日 (木)

事務員G Birthday Live 2018 ~ じむいんさん、いろいろと大変ねぇ~

  
今の若い人は「驚き、桃の木、山椒の木」なんてこと言わないでしょ?
一応、説明しておくと、私のようなジーさんはビックリした時に「ええ~?それは驚き、桃の木、山椒の木だね~」なんて表現を使う。
イヤ、最近はトンと口にしなくなったか…。
こうして「踏韻(とういん)」することを別の言葉では「地口(ぢぐち)」という。
実はこの「驚き、桃の木、山椒の木」には、まだ「き」で韻を踏んだ続きがあって、「ブリキに、狸に、蓄音機」…というそうだ。
「蓄音機」を「洗濯機」と置き換えることもあるところから察するに、そう表現でないことがわかる。
調べてみると、案の定コレは『男はつらいよ』で広まったセリフらしい。
寅さんが的屋(てきや)仕事をする時に、こうした「地口」をふんだんに盛り込んだ口上を披露するでしょ?
ああして、見事な語り口でお客さんを惹きつけてモノを売る商法を「啖呵売(たんかばい)」という。啖呵売には地口が欠かせないんだね。
ついでに書くと、「子供のミルク代がないんです…買ってください」と泣き落としでモノ売りつけるのは文字通り「泣き売」と呼ばれる。
さて、もちろん英語でも踏韻は古くから盛んで、詩や歌詞にこの手法を取り入れることを「rhyming(ライミング)」といって、作者の知性や力量を表すバロメーターにもなっていた。
そして、この「地口」も日本語の大きな魅力のひとつだと思う。
ナンで、こんな話になった?
あ、それは私があることでビックリ仰天したからだった。
  
先日、Marshallのドラム・ブランド、NATALを使ってくれているドラマー、伊藤ショボン太一から連絡があって、あるライブへのお誘いを頂戴した。
ところが、会場の名前を尋ねるとまったく聞いたことがない。
ウェブサイトに載っている地図で場所を確認してみると、どうも以前よくお邪魔していた建物に近いようだ。
しかし、私が知っている限り、その建物や周辺にはコンサートを開くためのホールやライブハウスのような施設あったようには記憶していない。
「その場所」とは港区は白金のDHCの本社ビルの交差点を入ったところ。
ちなみに、化粧品なんかでその名を知られる「DHC」って何の略か知ってる?
「Daigaku Honyaku Center」…つまり「大学翻訳センター」!
「NHK」みたいに、ナント日本語だったんですね~。
コレを知った時も結構「驚き、桃の木、山椒の木」だったな。

10で、携帯に表示された地図に導かれてやってきたのがココ。
エ~~~、ココなの~?
やはり、私が10年ぐらい前にしょっちゅう来ていた建物だった!
でも、おかしいな…ココにはそんなホールなんてものは断じてない!
20「SELENE b2」…間違いなくココだわ。
ココは以前「三田スタジオ」といって、録音や映像関連の作業を行う施設だったの。
一体、何回ココへ来たかな?…輸入の楽器教則ビデオに日本語の字幕を入れる仕事をココでしてたんですよ!
それが、コンサート・ホールになっちゃって…コレが正真正銘の「驚き、桃の木、山椒の木」だったのです。
コレが書きたくて寅さんまで引っ張り出した!

30さて、いきなり4年前の3月に時間を戻す。
場所は横須賀芸術劇場。
「虹色オーケストラ」の『少年と魔法のロボット』という大コンサートがあり、その時に初めて本日のレポートの主役である事務員Gにお目にかかった。(実際にはその前のリハーサルの時)
私はその時まで「ニコニコ動画」の音楽の活動なるモノを全く知りませんでしてね。
何しろこっちは1970年代のロックで青春を過ごした文字通りの「ジーさん」だから…。
そういう世界があるということを初めて知って、結構「驚き、桃の木、山椒の木」だった。

50この時もショボンちゃんからのお誘いだった。
下はその時のショボンちゃん。2014年型。60その後、2016年の3月にはMarshallのコンサート、Marshall GALAにNeo-Zonkというプログレッシブ・ロック・トリオでご出演頂いた。

380ハイ、ココからが本題。
今日ココで開催されるのは『BirthdayLive 2018~じむいんさん、いろいろと大変ねぇ~』と題したピアニスト事務員Gさんのお誕生日コンサ―ト。
『ジブリな昼』と『ジャズな夜』の昼夜2回の公演が開催された。
ジャズ・マニアの私のこと、本当は夜の公演が観たかったんだけどスケジュールが合わず、昼の「地口」じゃない、「ジブリ」の方にお邪魔してきた。

40定刻通りに客電が落ち、ファンキーなサウンドに乗ってステージに現れた事務員Gさん。
オープニングは「Dirty Work」って…アレじゃん!

70まずはブルゾン式に上演中の注意事項をアナウンスして笑いを取る。
「始まりました!今日はマジメじゃないです。生放送のノリです。いっぱい楽しんでください」
とご挨拶。

80vさて、Gさんをサポートするバンドのメンバーは:
ギターは[TEST]。

100v[TEST]さんはMarshall派だ。
今日はJCM2000 DSL100と1960Aのハーフスタックを使用。
他にもビンテージ・モデルの1987Xもレコーディングなどでご愛用頂いている。

110vコレは「虹色オーケストラ」の時の[TEST]さん。
Marshallを愛するギタリストと再会できてうれしいわん!

120vベースは二村学。
曲によってアップライト・ベースを使い分けた。

130vサキソフォン各種は丹澤誠二。
ソプラノ、アルト、テナーを持ち替えて大活躍。

140vそして、我らが伊藤ショボン太一。

150vコレが2018年型。
メッチャ細くなった。

160ショボンちゃんはNATAL。

170コレはウォルナットのキット。
「ウォルナット」とはクルミの木ね。
まだ日本に1台しか入って来ていない。

180スネア・ドラムもNATALのウォルナット。
ショボンちゃんはNATALのバーチのキットを所有していて、仕事によって使い分けている。

190叩き手が良いせいも大きいんだけど、まぁ~、素晴らしいサウンドよ。
自分で言うのもナンだけど、言わなきゃ気が済まない…マジでいい音です。

200おなじみ、星野源の「恋」。

1_img_0064 「生放送でいつもやってるネタです。星野源とマツコ・デラックスの『オールナイトニッポン』!」
曲はハーブ・アルバート&ザ・ティファナ・ブラスの「Bittersweet Samba」…と言ってもほとんどの人がわからないでしょう。
でも、聞けば誰もが知っている…そう、「オールナイトニッポン」のテーマ曲ね。
Gさん、星野源どころかマツコ・デラックスのモノマネまでやっちゃう!
しかし、「オールナイトニッポン」なんて懐かしいな。
土曜日だったかな?…中学生の頃、笑福亭鶴光なんかはずいぶんと学校で話題になってた。
私は宵っ張りではないので、生で聞いたことはほとんどなかったけど、大学の頃、水曜日のタモリと木曜日のビートたけしは録音して翌日夢中になって聞いていた時期があった。
たけしがまだ若くて全盛の頃でね…確かに面白かった。

210「『ジブリな昼』なのにジブリの曲をまだひとつも演っていません。
今日は誕生日なんですが、遊べるようなライブにしようと思ってやってみました。今演ったのはいわゆる前説です」とアタマの3曲に解説を加え、その後のトークでは「楽器別疲れる身体のパーツ」で盛り上がった。
ミュージシャンって案外「腰」なんだよね。
重いギターを提げて何時間も突っ立っているのも大変だけど、イスに座って不安定な姿勢でドラムスを叩き続けるのも腰にいいワケがない。
それと、サックスは絶対に「首」。
重いサキソフォンをあんな細いストラップ1本で首からブラ提げてるんだもん。首が悲鳴を上げるにキマってる。
私は大学の時にジャズのビッグ・バンドに入っていたんだけど、もうバリトン・サックスのヤツなんか気の毒だったもんね。
ピッコロと比べてごらんよ。
  
そして、いよいよココでジブる。
曲は『魔女の宅急便』から「海の見える街」。
90ガラリと雰囲気が変わってGさんのピアノ独奏コーナー。
まずは『もののけ姫』から「アシタカとサン」。

220続いて『千と千尋の神隠し』より「ふたたび」。
私が子供の頃は、言うことを聞かずに遅くまで外で遊んでいると「神隠しに遭う」とお母さんに脅かされたものだった。
「かみかくし」っていう言葉の音が子供ながらにスゴク恐かったのを覚えている。
280『紅の豚』の「il porco rosso」とつなげた。
どの曲もGさんの歌うような、そして聴く者にやさしく語り掛けるような、感情がタップリと込められた演奏で曲を知らない私でも初めて耳にする「器楽曲」として十分に楽しむことができた。
320続けてバンドが加わって「風の通り道」…『トトロ』だよね。
コレは知ってる。
撒いた種が夜中に芽を出して、木になって、さつきちゃんとメイちゃんがトトロたちと至福の時を過ごすシーン。
『トトロ』だけはよく知ってるんだ。
ナゼかと言うと、ウチの下の子が小さい時に熱を出すと、毎回必ず『となりのトトロ』を見ていたから。
私にとって最も印象に残っているシーンは、行方不明になったメイちゃんを捜索している時にサンダルが見つかって、近所のバアさんがさつきちゃんにそのサンダルを見せると、彼女が「ちがう、メイんじゃない!」とキッパリ言うところ。
実にカッコいい。
そして、バアさんが安心しきって、力が抜けて「よがっだ~」って言うところね。
今頃さつきちゃんは絶対にいいお母さんになっていることだろう。
  
ところでこの曲、メッチャいい曲だよね。
映画では画面と音楽がチョット対位法的に組み合わされていて、うれしくもあり、悲しくもあり、懐かしくもあり…音楽が画面を一層引き立てた名シーンだと思う。
この後、もう1曲『トトロ』から「ねこバス」を演奏した。

240続くトークではジブリの作品に出て来る食べ物の話題となった。
ジブリ美術館でそういう特別展展示を開催していたとか。
Gさんがバンドの各メンバーにジブリの作品で印象に残った食べ物を尋ねたんだけど、スミマセン、私ゼンゼンわかりませんでした。
ナンでかって?
ジブリの作品で観たことがあるのは『トトロ』だけなのよ!スミマセン!
  
2年ほど前にMarshallの社長ご夫妻の結婚10周年記念パーティにお呼ばれされて家内とイギリスに行って来たの。
社長のお姉さんはスウェーデンに嫁いでいて、その関係でストックホルムから何人か親戚がお越しになっていた。
その中に若いお嬢ちゃんがいて満を持して我々に話かけて来た。
我々が日本から来ていることを知って、どうしても話がしたかったというのだ。
何の話かと思ったら、ジブリ。
彼女はジブリの大ファンで、本場からやって来た私も当然ジブリ作品を観ていると思い込んでいたんだね。
「トト~ロ」とか「ナウシ~カ」とか作品の名前を片っ端から挙げての一生懸命説明してくれるんだけど。私はこんな調子でしょ?ホンモノの「ジーさん」だから世代が完全に違うワケ。
ゼンゼン話し相手になってあげられなくて大変申し訳ないことをしたと同時に、スカンジナビア半島までその名を轟かせているジブリってスゲエな~って思ったよ。

230『トトロ』の中でさつきちゃんたちが湧き水で冷やしたキュウリやトマトにカジりつくシーンが実に美味しそうだった…という話題から期せずしてショボンちゃんの秋田の実家の話に…。
農家なのだそうだ。
「キュウリはうまぐね」と完璧な秋田弁を披露してくれたショボンちゃん。
でも、『トトロ』のあの場面は確かに魅力的だったよね。
実は私も経験したことがあったのです。
以前に勤めていた会社で、長野に転勤して間もない時。
東京生まれ東京育ちの私は、トウモロコシがどういう風に成っているのかも長野に行くまで知らなかった。
だって見たことがないんだもん。
先っチョに生えてる穂がトウモロコシの実になるのかと思っていて、まさかアレが根元に生えるとは想像だにしなかった。
その長野の黒姫で、道端で売っていた、まさに冷たい湧き水で冷やしたトマトを頂いた。
またまた「驚き、桃の木、山椒の木」…野菜が好きな方ではない私も、あの果物のように甘く、みずみずしいおいしさに大感動した。
ま、ショボンちゃんの言うようにキュウリではチョット…かな?
それと、「日本で一番甘い」と言われる黒姫のトウモロコシのおいしさは格別だった。
ハイ…「だからナンだ?」という話しでした。

2_img_0098 「ものまねコーナー」もあるよ。
お客さんからリクエストを募ると、山崎まさよし、福山雅治、桑田佳祐の3人の名前が挙がった。
すると、即座に「針すなお」張りの3人の似顔絵が後方のスクリーンに映し出される。
スゴイ!すぐに似顔絵が出て来た!(ナンチャッテ!)
イヤ、スゴイと言ったのは似顔絵のこと。
コレらの似顔絵もGさんの作品なんですってね~。
なんて器用な人なんだろう。

310そしてまたジブリにもどって『千と千尋の神隠し』から「あの夏へ」。

290次の曲でGさんはアコーディオンを取り上げた。
曲はアコーディオン奏者、桑山哲也の「哀愁のミュゼット」。

335いいね、こういう音楽は。
こうしたい~か~に~もヨーロッパ調のアコーディオンを使用した音楽を「ミュゼット」という。
こうした音楽に使用するアコーディオンはホンの少し調律を狂わせておいてやる。するとビブラート効果が出て何とも言えない哀愁含みの音色になる。
この調律法を「ミュゼット・チューニング」という。

340ミュゼットなんかを聴いてしまうと、アコーディオンってのはモロにフランスの楽器のように思えちゃうけど、この楽器が盛んなのはフランスだけではない。
イタリアなんかも盛んだけど、「驚き、桃の木、山椒の木」だったのはドイツよ。
ドイツにはHOHNERというアコーディオンのブランドがあって、日本ではハーモニカの名門ブランドとしても名前が通ってるのね。
で、たまたまドイツのMarshallのディストリビューターはHOHNERを取り扱っていてこの辺りの話になった。
彼が言うにはアコーディオンというのはドイツの国民楽器で、何かというとすぐにアコーディオンに合わせてみんなで歌う習慣があるのだそうだ。
こっちは「HOHNER」といえば即座にハーモニカを思い浮かべるけど、トンデモナイ!その売り上げの違いたるやケタ違いにアコーディオンの方が多いらしい。
「バンド・ネオン」なんて似ているヤツもあるけど、極端にムズカシイ楽器だからね~。
もちろんGさんは完璧に「ミュゼ」っていらっしゃいました。

330ショウも終盤。
『天空の城ラピュタ』から「シャルル」。
350そして、恒例となっているというボカロ曲、「Summer Rain」で本編の幕を降ろした。
どの曲もナチュラルな演奏で聴きどころが満載だった!

410アンコールを待つ時間がモッタイナイ…ということで本編を終了してピアノに戻ったGさん。
前半にバンドで演奏した「海の見える街」をピアノ・ソロで…。

420さらに『ハウルの動く城』から「人生のメリーゴーランド」。
Gさんの万感を込めた感動的な演奏!

430本当は今日のプログラムはココまでだったのだが大サービス!
バンド・メンバーをステージに呼び戻してもう1曲演奏した。
曲は『もののけ姫』から「アシタカせっ記」
400「これでもか!」とお客さんを喜ばせるためにキチっと作り込まれたこういうショウはいいもんだよね。
Gさんの美しいピアノをバックアップする4人の演奏の密度の濃さが素晴らしい!
「ジャズな夜」の方も観たかった!

250

360

380

390すべての曲を演奏し終わった後。こんな企画が発表された。
Gさん、麻婆豆腐がお好きなんですか?

440しかし、いいね…ショボンちゃんのドラムは。
何でも完璧に叩いて見せてくれるけど、私なんかには特に4ビートに魅力を感じるね。
もうシンバル・レガートだけでギンギンにスイングしちゃう。
なかなかこういう風には叩けませんよ…特に若いドラマーさんは。

450そんなショボンちゃんが「ヒロコマンBIG BAND」というオーケストラでジャズを演るっていうんだからコレは見逃せませんよ。
しかも、ドラムスはNATAL。

460メンバーを見ると、トランペットに「佐久間勲」の名前が!
一緒に演った時期はないんだけど、学校の後輩なのです。
4月16日、場所は高円寺のHIGH。
楽しみだ~。
ちなみにウチのこの日の夕食は「太陽」の煮干しラーメンか「天助」の天ぷら定食になる予定です。

470このチーム、まだまだ面白いことがありそうだ!

480事務員Gの詳しい情報はコチラ⇒事務員G Official Web Site

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(一部敬称略 2018年3月31日 三田SELENE b2にて撮影)