曾我泰久 Special Birthday LIVE~Let's GO! GO! <後編>
にぎやかなゲスト・コーナーが終わるとステージはガラリと様相を変えた。
事務所のヤッチンの後輩、sourcesのメンバー、野津永恒のピアノと…
ジ~ックリとヤッチンの歌声に耳をそばだてているお客さんたちに向かってもう1曲バラード「ALUBUM」を…。
背後のスクリーンには数々の思い出の写真が映し出された。
そこからストリングスでつないで演奏したのは「Carry On」。
Aのペダルトーンのイントロから展開していくこの曲もサビが素晴らしい。
いつもモーリス・ジャールの『アラビアのロレンス』を思い出しちゃうんだよね。
そういえば、いつかのライブのオープニングSEに『南太平洋』の「バリ・ハイ」が使われていたことがあったけど、ヤッチンはこういうクロマチック(半音)のメロディがお好みなのかな?
そうだとしたら同感。
音楽が人を感動させるひとつのカギはクロマチックのメロディにあると思ってるから。
アコースティック・ギターで演奏している印象が私には強い「約束の場所で」。
あ、そういえば、今回アコギはまったく使われなかったね。
徹頭徹尾「エレキでGo! Go!」だったのだ!
素晴らしい音を出すお手伝いをしているのはMarshallです!
現在のフラッグシップ・モデルのJVM410H。スピーカー・キャビネットは4x12"の世界一のシェアを誇る1960A。
リズムと共に切り込んでくるのは田川ヒロアキのギター。
おなじみヒロアキくんのアンプもMarshall。
ヤッチンと同じJVMを愛用して頂いているが、こちら2チャンネルの100Wモデル、JVM210H。ヤッチンのは4チャンネルね。
スピーカー・キャビネットは1960BVといって少々お値段がお高いスピーカーが入ってるの。
ま、ナニを使っても結局は「田川ヒロアキの音」なんだけどね。
でもMarshallじゃないとこの音にはならないの!
この曲のサビも知らず知らずのウチに口ずさんじゃうヤツだ。
それはどこかで聞いたことがあるなじみやすいメロディだからということもある…それでいい。
芸能ごとはいつの世も「売れ線狙い」が当たり前。
ところが、今の世の中に出て来ている音楽って、売れ線を狙い過ぎちゃって、サビで始まって、サビが続いて、ようやくサビが来て、結局どこがサビだかわからないような曲ばかり。
要するに聴きどころがないのだ。
だから夜中に「J-POPの曲がいかに素晴らしいか」なんて番組をやるようになっちゃう。
「題名のない音楽界」みたいなクラシックを解説するんだったらいいですよ。「シュトックハウゼンの創作の秘密」なんていったら私も興味津々だわ。
しかし、どうしてそんなポピュラー音楽に解説を加える必要があるのよ?
解説しなきゃ良さやスゴさがわからないポピュラー音楽なんておかしいでしょう?
ああ、このことは「書くまい、書くまい」と思っていたんだけど、ヤッチンの曲を聴いているウチにどうしても書かなきゃ気が済まなくなってしまった!
もう書かない…イヤ、またどこかで書いちゃうかも?…ということはあの番組を見てるってことか?
イヤ、見てません。
タマタマ前回の放送を見てあまりの異常さにブッタマげちゃったのよ。とても最後まで見ていられなかったけど。
少しボルテージを上げて「21st Century」。
コレもいいわ~。
もちろん元のアイデアは瞬時にしてわかる。でもガッチリとヤッチンの音楽になってる。
私もずいぶん色んな音楽を聴いているし、聴いてきたけど、ナンダカンダ言って累計で一番聴いている時間が長いのはビートルズかも知れんな。
いつでも、今でも戻って行っちゃう。
ヒロアキくんのテクニック爆発!
ちなみにピッキングはいつもアップから始めます。
ファンキー末吉のドラムがリードするのは「流されて」。
切れ味鋭いファンキーさんのドラムスに絡むのは和佐田達彦のベース。
和佐田さんはEDEN。
ヘッドはWTP-600。キャビネットはD410XSTが2台。
和佐田さんの弾くベースっていい音なんだよな~。
何というか「ベースらしい音」なの。
キチッとしたテクニックに裏打ちされた王道スタイルがそうさせるんだと思う。
やっぱり奇を衒ったスタイルは奇を衒った音になるんよ。
テナー・サックスの鍬田修一がジョイン。
スペクタクルなサウンドが飛び出した!
「流されて」は他の曲とチョット趣を変えた昭和風の雰囲気がいいんだよね。
しかし…和佐田さんのベース、スゲエな。
すごいグルーヴ感なのよ!
さぁ~、盛り上がって来たよ~!
曲は「Please Believe Me」。
中間部のヒロアキくんとのツイン・リード!
しかし、ヤッチンは余計なギターは絶対に弾かないからね。
曲全体を俯瞰して、必要な箇所に必要な分だけ弾く。
ギタリストってついピラピラ弾きたくなっちゃうもんだけどね。
ヤッチンは「ギタリスト」というより「音楽家」ということだ。
曲の最後にフィーチュアされるヒロアキくんのソロ。
ヒロアキくんもそうなの。
ソロの内容がド派手なもんだからいつでも弾き倒しているようなイメージが無きにしもあらずなんだけど、インプロヴィゼーションの音楽とそうでない歌モノの音楽をクッキリと仕分けしてスタイルを使い分けている。
ヒロアキくんも「ギタリスト」というより「総合音楽家」のひとりだ。
オラオラオラオラ、(←ヤッチンは絶対にこんなこと言いません)ギンギンに盛り上がって来たぜ~!
コレはさすがに終盤戦の曲だわね。
「Yes! Yes!! Yes!!!」だ!
ハイ、皆さんアレを用意して!
もうね、このシーンは撮り逃さないよ。
でも一応、お客さんに「タオルはこの曲ですよね?」と確認してる。
すると、面白いことに訊かれたお客さんは「ハイ、3回やりますからね、3回!」と3回タオルをなげることを強調して教えてくれる。
「3回とも撮り逃すんじゃねーぞ!」という意味なのかな?
2回目まではバッチリ。
ホイッ!
そして3回目。
最後はステージ横から。
見たか!
3回とも全部違うアングルだぞ!
コレで終わりかと言うとそではない。
「こんなにシアワセでいいんだろうか」…とヤッチンからお礼の挨拶があって本編最後の曲。
やりたいことはすべてやり尽くした感じのヤッチン。
熱演は言うに及ばず、選曲も構成もとても見ごたえのあるショウだった!
アンコールは赤いイベントTシャツにお色直ししての登場。
「今日はありがとうございました。日本一、世界一、宇宙一幸せでした!この時間がズッと続けばいいと思っています」
そして、オール・キャストがステージに登場。
衛藤さんからはお誕生日恒例の花キャベツのプレゼント。
衛藤さん、声大丈夫だったかのかな?
最後まで激演を見せてくれた。
こういうみんなで歌える曲があるってのはいいよね~。
出演者全員と観客全員がひとつになった。
「もう1曲だけお付き合いください!」とアンコールの2曲目には「ハダカノココロ」を持って来た。
ストレートなエイトビートに極上のメロディ、観てる方も演ってる方も楽しいにキマってる。
ヤッチンのこの表情を見ればすぐにわかる!
ヒロアキくんのギターソロをフィーチュアするヤッチン。
こうして2曲を演奏してステージを降りたが…
「せっかくだからもう少し演りましょうかね!」と再び舞台に上がり「アポロでドライヴ」をプレイ。
最後の最後!
曾我泰久55歳の誕生日を記念するライブ・コンサートは「Round & Around」で締めくくられた。
終始気合いの入った最高の演奏でヤッチンの熱唱を支えたコア・メンバーの4人!
やっぱいいな~。
そして、極上の素材を最上の演奏とステージマナーで丹念に練り上げたヤッチン!
あ、そうそう…「忘れてはいけないTHE GOOD-BYEの35周年は私が責任を持ってまとめます!今年もこのまま最後まで突っ走っていきますのでお力をお貸しください!」と宣言されておりました。
ファンの皆さん、ヨカッタね!
曾我泰久の詳しい情報はコチラ⇒【Soga21.com】
DVDの発売は4月7日。
ヤッチンのオフィシャル・サイトとライブ会場で販売される。
ウェブサイトからのご購入はコチラ⇒公式オンラインショップ
ギターを嗜む人もそうでない人もDVDを観る時は「ギター・アンプはMarshall。ベース・アンプはEDEN」と意識してお楽しみください…そんなことしないか?