【秋のsun-go祭り:中日】 FANTASY THEATER ~ STARMARIE
寒い!
暑いより寒い方が好ましいことはいつもMarshall Blogに書いている通りだけど、コリャやりすぎだってば!
【秋の】なんてタイトルの付けたけど、マジで【冬の】にしようかと思ったよ。
…ということで昨日のかーくんに続いてsun-goさんご登場のライブレポートの第2弾だよ。
やって来たのは久しぶりの中野サンプラザ。
高校生の頃、何十回私もこの階段に並んで開場を待ったことか…。
今日はSTARMARIEの2回目の中野サンプラザ公演なのだ。
ロビーにはファンからSTARMARIEへ贈られた大きな寄せ書きがズラリ。
台湾をはじめとした海外での公演も数多くこなしているSTARMARIE。
日本語のメッセーに混ざって、漢字のメッセージがたくさん見受けられる。
「加油」しかわかりませんな。
関係者からの色紙もズラリと飾られていた。
アレ?
見覚えのあるお姿?…と思ったら浩二さん!
シンガポールで一緒だったのか…。
えみつんからも。
えみつんのバンドのドラマーはNATALプレイヤーなのだ。
STARMARIEは歌とダンスの5人組のチーム。
バンドは入らない。
以上の5人が一糸乱れず、独特なロック・チューンにに乗って歌って踊るのだ。
オープニングは今年4月にリリースした『FANTASY THEATER』の冒頭を飾る「ホシノテレカ」。
失礼ながら私は今回までSTARMARIEを存じ上げなかったのだが、ステージ後ろに投影された歌詞を読んで仰天したわ。
以前にも書いたことがあるけれど、映画で悲しい場面にワザと明るい音楽や効果音を付けたりすることを「対位法」と言うが、まさにそれが目の前で起こってるのよ。
こんなアイドル風のお嬢ちゃんたちが5人も集まっているもんだからスッカリ甘ったるいポップソングを歌うのかと思っていた。
ところが、これらの写真からはまったく想像できない、ダークでヘヴィな、世間の不幸を一心に背負ってしまったようなことを歌ってるんだよね。
一部の歌の内容だけについてマーブロ的に言えば、「カワイイ犬神サアカス團」か…。
コレは強力だわ。5人のコレオグラフフィがあまりにも激しいので、時折メンバーがステージから降り、代わりに数人のパントマイマーたちが現れて場をつなぐ。
MCは一切ないのも実に効果的な演出。
「ナツニナレ!」、「ぐらんぱぐらんぱ」、「ステラとスバル 宇宙のラブストーリー」と次から次へとバッキングトラックに合わせて歌い、そして踊りまくる。
「ぐらんぱぐらんぱ」はもうじき死期を迎えるおじいちゃんと孫娘の話。
そして、「ステラとスバル 宇宙のラブストーリー」はロミオとジュリエットかな?
昴はおうし座の中の7つの星。谷村新司のことではない。
ステラ・スティーヴンスという女優がいるように、また「Stella by Starlight(星影のステラ)」というジャズのスタンダードがあるように、「ステラ」は女性の一般的なファーストネーム。
この名前はテネシー・ウィリアムスの「欲望という名の電車」でウマく使われていた。
大学の米文学の授業で原文を読まされたが、その内容は何も覚えちゃいない。
もっぱらエリア・カザンの映画の方だわね。
マーロン・ブランドー扮するスタンリーと財産を巡って、精神を病んだお姉さんのブランチと妹のステラの確執が繰り広げられる。
「ステラというのはラテン語で『星』という意味だけど、ブランチは『蛾』という意味なのよ!」みたいなシーンがあって、すごく印象的だった。
映画では『風と共に去りぬ』でスカーレット・オハラを演じた絶世のイギリス美女、ヴィヴィアン・リーがブランチを演じて見事2度目のアカデミー主演女優賞をゲット。
かわいそうなスタンリーの友人、ミッチに扮したデカ鼻のカール・マルデンは助演男優賞。
そして、ステラを演じたキム・ハンターも助演女優賞を獲得した。
この頃のアカデミー賞は価値も権威も今とはケタ違いに高かった。
ちなみにキム・ハンターはオリジナルの『猿の惑星』でチンパンジーのジーラを演じた人。
チャールトン・ヘストン演じるテイラー船長のキスを受けて恥じらうジーラは猿ながらとてもチャーミングだった。
日本での文学座の舞台では、そのヴィヴィアン・リーが扮したブランチの役を杉村春子が演じ当たり役となった。
私はお芝居にはほとんど興味がないが、杉村春子のブランチだけは観ておけばヨカッタと今でも時々思い出しては臍を噛む思いをしている。
あ、STARMARIEファンで初めてMarshall Blogをご覧になられる方はビックリしたかも知れませんな。
一体、このブログはナニについて書いてるんだ!?って。
コレがMarshall Blog名物の「脱線」というヤツです。
今日は映画で脱線しています。
すぐ元に戻りますから!
「かけおちしようよ」、「スペル・オブ・ブック」、「三ツ星レストラン・ポールからの招待状」と曲は続く。
この「三ツ星レストラン」はおもしろいね。
「♪お迎えにあがりましょう 自慢のロールス・ロイス 明日あの世へ行くこと 決まったアナタ!! そう、アナタ!!」
ブラック・ファンタジーとでも言おうか、こういうコンセプトは実に素晴らしい。
さらに「サーカスを殺したのは誰だ」。
こうなるともう完全に寺山修司状態。あるいは瀧口修造か。
こうした曲がズラリと並び独特の世界を演出する。
こんなの今まであった?
ステージ狭しと華麗に舞う5人のパフォーマンスも素晴らしい。
大変な運動量だ。
ショウの中盤。
Marshall JVMのフルスタックがステージの中央にセットされる。
sun-goさんがSTARMARIEにまずジョインしたのは「ママは天才ギタリスト」。
STARMARIEの2014年のサード・アルバム『ファンタジーワールド3』に収録されている人気曲を、今年リリースした『FANTASY THEATER』に採録。
いわゆる「セルフカバー」てーヤツだね。
その新しいバージョンのアレンジとギターをsun-goさんが担当したというワケ。残念ながら私はこの曲を存じ上げなかったが、タイトルを耳にした瞬間頭に浮かんだのがジョニー・ウインター。
私はジョニー・ウインターがどちらかというと苦手なのだが、若い頃、唯一好きで聴いていたアルバムが、本名をタイトルにした『John Dawson Winter III』という作品。
それでナニをどう思ったのか、それには『俺は天才ギタリスト』という邦題が付けられていたからだ。
アルバム発表時のsun-goさんのメッセージを引く(「エンタメウィーク」2017年4月4日付け記事より)。
「ギタリストの私にとって、自分のバンド、もしくは関わったユニット以外での全面リアレンジした曲がCDとして世に出るのはギタリスト生活40周年で初めてのこと。
今年の私のキャッチコピー『ワイドル(Wildなidol)』として、この曲をSTARMARIEと一緒にプレイできる日を楽しみにしています」
Marshallのフル・スタックがバッチリお似合い。
シチュエーションはどうあれ、いつものJVM410Hと1960BDMの「sun-轟音」が鳴り響く!
私の方はと言えば、予めsun-goさんの出番の段取りを聴いていて、それがそう長くないことは知っているでしょ?
だからシャッターチャンスを逃しがないようにと必死!
無我夢中で構図をキメてシャッターを切る。
「俺は凡才カメラマン」だからして!
その甲斐あってか、我ながらお気に入りのsun-goさんが撮れたと思っている。
少しでも多くsun-goさんファンの皆さんにsun-goさんと私のコラボ作品をお目にかけたい!
…と、いうことで、今日はもう四の五のキャプションを付けないで、一部「五十嵐sun-go美貴写真集」としてお楽しみあれ!
あ、Marshallのことは忘れちゃイヤよ。
2曲目、sun-goさんはセンターからステージ上手に移動。
曲は2013年の『ファンタジーワールド2』から「お化け屋敷に就職しよう」。
ポジションが変わっても絶大なる存在感と爆音で独自の雰囲気を作り上げるsun-goさん。
本編でのsun-goさんの出番はこの2曲。
大変にヘヴィな2曲でございました。
やっぱ最高にカッコいいわ、美貴ちゃん。
我々、来月お誕生日なんだよね~。
あ~、興奮した。
また雰囲気がスッカリSTARMARIEワールドに戻ってステージが進行する。
紫乃ちゃんのピアノ・ソロからそのピアノをバックに「ヘブンズ・ウェディング」
「私の居ない世界で君は明日を迎えられる?」、ニュー・アルバムから「さよならお弁当」と「屋上から見える銀河 君も見た景色」が続く。
コノね~、「さよならお弁当」という曲はかなり衝撃的だったな。
私は甘い卵焼きは好きではないのでお弁当に入れて欲しくはないが、この曲、小学校の時に岡林信康の「チューリップのアップリケ」をラジオで初めて聴いた時に似たショックを与えてくれたわ。
何ともやるせない歌詞だが、音楽のパワーに満ち溢れている曲だと思う。
シングル「メクルメク最高!」と「名もなき星のマイホーム」を歌い、そして踊って本編の幕を下ろした。
照明も素晴らしかった。
アンコールではメンバーが客席の間を縫って登場。
まずは「タイムマシーン・ラブ」とニュー・アルバムから「FANTASTIC!!」を披露した。
「あ~、やっとしゃべれるぞ~!」と、しばしMCコーナー。
本編では一切MCがなかったからね。
「スポンサーから帰りにパパイヤのジュースが配布される」ことがアナウンスされた。
「太陽が育てた完熟パパイヤのドリンク」という商品。
私はマンゴーとかキウイとか、新しめの南洋の果物はほとんど食べないのね。
インド料理屋のマンゴー・ラッシーぐらい?
あ、若い人にはわからないだろうけど、こういうのは私が子供の頃は日本にはまだなかったの。あったのかも知れないけど、普通の果物屋さんに置いてあることはまずなかった。
だから不慣れなのね。
決してキライというワケではなくて、食べるチャンスがないだけということ。
でも、コレはおいしかった!
パパイヤのジュースってのはまだ珍しいんだって。
さらに、後援の新日本プロレスから、デビュー25周年を迎える永田裕志選手がステージに登場してひと言ご挨拶。
激アツだ!
「天才ではなくて極悪ギタリストなんです。
30年前、1987年にココで演りました。ジャニーズの振り付けを教わって踊りました」
そして、STARMARIEから…「sun-goさんと一緒に盛り上がって終わりたいと思います!」
イエ~!
では、しばしアンコールのsun-goさんとSTARMARIEの共演をお楽しみアレ!
イヤ~、パフォーマンスといい、曲といい、そしてsun-goさんのカッコよさといい、実に見ごたえのあるショウだった。
しかし、「お弁当」の歌は何ともショックだナァ。
忘れていたのに記事を書いて思い出しちゃったよ。
ナンにせよ、音楽の力ってのはスゴイもんです。
来年10周年を迎えるSTARMARIE。
2月4日には3度目の中野サンプラザ公演が決定している。
未体験の人はこのオリジナリティあふれるファンタジー・ワールドに足を踏み入れてみてはいかが?
STARMARIEの詳しい情報はコチラ⇒STARMARIE OFFICIAL WEBSITE