絶ブシャー祭り2017~梨祭 NASSYI FES~
ア~、暑い…と思っていたらまた涼しくなった。
先日、冷夏の思い出をココに記したけど、ホントにどうなってるんだろうね、この天気。
少なくとも連続した雨模様が収まってヨカッタ。
あの頃は東京でも長袖の服が必要なぐらいだったもんね。
コレはそんな雨の日のお台場はZepp Tokyo。
開場を待つお客さんは黄色、黄色。
そう、今日は阪神タイガースのファン感謝イベント…にMarshall Blogが取材に来るワケない!
まぁ~、入場前からとにかくスゴイ熱気だ!
「黄色い歓声」ならぬ「黄色い熱気」。
場内は激満員!
スタンディングの1階は完全に立錐の余地なし。
ドアが閉まらないぐらいパンパンなのだ!
ナニがそんなにスゴイ人気なのかというと…ふなっしー!
『絶ブシャー祭り2017~梨祭 NASSYI FES~』というふなっしーの祭典。
今年の私の唯一の夏フェス!
客電が落ちると…オワ~、真っ黄色!
壮観~!
よく見ると黄色く光っているペンライトの先ッチョがふなっしーになってる。
紗幕に出演者のシルエットが投影される。
もうこの時点で場内はものすごい興奮状態。
ふなっしーのへヴィメタル・バンド。
「キャラクターのヘヴィメタル」だから名付けて~「charamel(キャラメル)」だ!
何でもキャラクターのヘビメタ・チームは世界初らしい。
「ヘビメタ」とくれば、当然Marshall。
見て、アックマくんの背後を!
ズラリと並んだMarshallのフル・スタック!
一応、ふなっしーファンの皆さんにもこのバカでかい黒い箱について説明しておきましょうね。
一番上に乗ってる横に細長いのが「アンプ」ね。ツマミがゾロゾロ付いているヤツ。
ギターから送られてくる微弱な音声信号を増幅する装置が入っている。
「アンプ・ヘッド」を略して、「ヘッド」と呼んでいます。
その下の正方形のヤツには12インチ、すなわち30cmのスピーカーがそれぞれ4つずつ入っています。
コレを「スピーカー・キャビネット」といいます。
ま、みんな「キャビ」って呼んでいますな。外人は「キャブス(cabs)」って言ってる。
そのキャビを2つ積む。
上段に乗せるキャビは正面の上半分が斜めになってる。コレが「Aキャビ」。「Angled」の「A」ね。
一方、下段のヤツはまっすぐになってるでしょ?コチラは「Bキャビ」。下だから「Base」。その「B」です。
こうして形が2種類存在するのにもそれなりの理由があるんだけど、それそれ聞こえてくる音が違う。今日はこのあたりについてはついては触れません。
そして、その2段になっているキャビの上にヘッドを乗せた状態を「マーシャルの3段積」といいます。英語では「Full Stack」。
最近は上のふたつをひとつと考えて「2段積」って呼んでいる人もいるようだけど、コレはトンデモナイ間違いです。
ちなみにヘッドとキャビの2つを重ねた状態が「2段積」で、英語では「Half Stack」と言います。
この「Stack(スタック)」という言葉は、ギター・アンプの形態を指す時には世界共通の言葉です。
Marshallの創始者であるJim Marshallが今から55年前に初めてこの言葉をギター・アンプに適用しました。
こんなタダの黒い箱なのに、こうして3段積にして並べるとカッコいいでしょう?
他のギター・アンプでは絶対にこういう雰囲気が出ません。
ナゼならそれらはMarshallのコピーに過ぎないからなのね。
そして、このMarshallの黒い箱にはロックの歴史を作って来た夢とロマンが詰まっている。
だからこそカッコいいんです。
すなわち、この光景が「ロック」なんですな。Marshallを弾くことは「ロックの歴史を弾く」こと。
アックマくんはこのあたりのことがバッチリわかっているんでしょう。
もうひとつアックマくんのスゴイところ。
今、ステージに上がっているヘッドは種類がバラバラで、チョットしたMarshallの歴史絵巻になってるの。
下の2台は2007年に発表した、現在のフラッグシップ・モデルのJVMシリーズ。
向かって左がJVM410H。
右がJVM210H。
見切れているけど、一番左のヤツは1998年にリリースしたJCM2000シリーズの中のTSL100というモデル。
コチラは下手、カパルくんサイド。
写真右のヘッドは1990年にスタートしたJCM900シリーズの4100。
そして左のハジッコは1981年発売のJCM800シリーズから2203。
Marshall社はこのJCM800シリーズの世界的大ヒットでロックギターのサウンドに革新をもたらし、イギリスの外貨獲得に大きく貢献したとしてエリザベス女王から表彰された。
ま、その後、Valvestateというシリーズも大ヒットして、計2回表彰されるんだけどね。
オープニングはふなっしーの公式テーマソング「ふなふなふなっしー」。
ノッケからものすごいアクション!
歌の文句通り、「元気」のカタマリのようだ!
見ていて気持ちがいい。
ふなっしーは一度どこかのロック・フェスで見かけたことがあったんだけど、まさかこんな目の前でシャッターを切る日が来るとは!
何しろカワイイんだわ~。
アックマくんのギター・ソロ!
どうなってるの、指!
見事なシュレッディング(速弾き)でメタル度超満点!
ストレートでヘヴィなエイト・ビート・ナンバー。
客席もエキサイティングな演奏に大興奮だ!
「2曲終わりました~!
こんなに人が集まるとは思ってもみなかった!
デビューして5年も経つと、いろんなことが起こってまるで夢の中を突っ走っている感じなっし~!」
5年か…その頃かな?
私ね、初めてふなっしーをテレビで見た瞬間、「コレは当たる!」と思ったよ。
設定もおもしろいし、ルックスから、アクションから、他のキャラクターにないオリジナリティを見て取ったんだよね。
何よりその容姿から想像できない会話の切り返しの鋭さに私は一発でマイってしまった。
で、当時関西にCrying Machineというバンドがあって、そのライブ・レポートをMarshall Blogに掲載した。
そのバンドのキーボーズの人は「Yosisi」といって、何しろアクションがヤケクソにスゴイ。
その「動き」を指して、レポートの中で『「ふなっしー」のような動き』と表現したのね。
どうやらその頃はまだ関西では「ふなっしー」が知られてなかったのか、そのレポートを読んだYosisiさんが『「ふなっしー」って一体なんだろう?知るのがコワい…』と自身のブログに書き記していたのがスゴクおかしかったのを覚えている。
そのレポートはコチラ⇒Their Time Has Come ~Crying Machine登場!
ちなみにこのバンドのギタリストMashaくんは若手ナンバーワンの呼び声も高く、現在はSilexという自分のバンドを率いて活躍している。
もちろん根っからのMarshallプレイヤーだ。
ココでふなっしーがバンドのメンバーを紹介した…ので、もう一回。
「埼玉県から来たカッパのカパル」
「北海道から来たパープルのアックマ!ライブが始まる前からテケテケギターを弾いている、みんなを喜ばすためには努力を惜しまないクマ」
ふなっしーは妖精だからどう数えるんだろう?
神様だったら「柱」なんだけどね。
で、もうひとり…っていうの?もう一匹?一頭?…紹介し忘れているとみせかけて~…
「青森県から来たドラムスのにゃんごすたー」が紹介された。
このメンバーの出身地を発表するのがおもしろいね。まるでデューク・エリントンのコンサートみたいだ。
紹介されるとそのままドラム・ソロへ!
にゃんごすたーには去年の楽器フェアでお見受けしたけど、今回初めてその演奏を拝見した。
すさまじいソロにビックラ仰天。さすが「赤いリンゴの野獣」!
コール&レスポンスもバッチリ!
しかしコレって「厚手のセーターを着たまま深海でバタフライする」ようなものでしょう。
他のメンバーも一緒だけど、マジでスゴイ。
…というワケで、キャラメルのメンバー全員が一旦ステージを降りる。
するとステージ上のスクリーンには紙芝居式の映像が投影された。
内容は、人間の笑顔を取り戻すために結成されたメタル・バンド、「キャラメル」ができるまでを描いた愛と涙のドキュメンタリー。
ふなっしーの情熱に共感を覚えたメンバーが、ふなっしーと「共に歩む」決心をする姿が感動的だった。
さて…キャラメルの誕生秘話が語られた後、メンバーがステージに戻ったが、ひとりメンバー交代。
あまりにも激しかったさっきのドラム・ソロでエネルギーを消耗してしまい、休息に入っているにゃんごすたーに代わって「赤い妖精ブッシャア・アズナブル」。
アノ、私、まったく知らないんですけど、この「ブッシャア・アズナブル」っていうご芳名はガンダムが元になってるんですか?
イエイエ、フランスの国民的歌手、「シャルル・アズナブール」ですよね?
曲は「アルクナシ」。
会場がブルーに染まり、ふなっしーが切々と歌い上げるバラード。
この曲はふなっしーの公式動画配信チャンネル、「274ch.(ニイナナヨンチャンネル)」という番組の企画で誕生したのだそうだ。
作詞はふなっしー、そして、サンプラザ中野くんが作曲とプロデュースを手掛けている。
ふなっしーって「Funassyi」って綴るのか…Morrisseyみたいじゃん?
…ということで、スペシャル・ゲストでサンプラザ中野くんも登場し、「アルクナシ」の他、爆風スランプの「Runner」を激しくプレイした。
何しろふなっしーは「中学の時から爆風さんのファンだったなっし~!」ってな具合なので、そのノリノリ具合は最高級だった。
ということは梨の妖精も中学に行くのか…。
日本で最も有名なロックの曲とされる「Runner」。
作詞はサンプラザ中野くん、そして作曲はファンキー末吉だ。
ナゼここでファンキーさんの名前を出したか疑問に思われる方はインターネットで検索してみよう!そして、音楽ファンなら、今日本の音楽業界にナニが起こっているのかを勉強しよう!
この人、おとなしいね~。
でも、キャラメルのリズムを低音で着実に演出している。
ところで、この日撮影をし出してカメラのファインダーを覗いた瞬間に驚いた。
それは、皆さんのガタイの良さだ。
とにかくデカい!
いつもの生身のミュージシャンを撮っている時とあまりにも勝手が違うので最初はとまどいましたよ。
それと色。
激しい曲などでは照明によって色がコロコロ変わってしまうので、地肌の色が出る瞬間を狙うのに苦労したね。
特にふなっしー。
色が薄いので、照明の色に左右されやすいの。しかも黄色じゃないと可哀想じゃん?
…なんてことはお構いなしにこのセクションの3曲目「ご当地キャラエレジー」の演奏に移ったキャラメル。
もう3曲も続けて演奏したので映像コーナー。
ココではキャラメルのリハーサル風景が公開された。
アタシャね、うれしくて涙が出たよ。
見て、このアックマくんの姿!
練習の時からMarshallの三段積みだよ!しかもJVM。
好きだ~、アックマくん。
コレが正しいロックの風景。
さて、にゃんごくんも復活!
残り2曲…演者も増えてショウはクライマックスに突入した。
「キャラメルは『真夏の夜のまぼろし』なーっしーな。残り2曲で解散するなっしー」
エエ~!普通の梨に戻りたいのか?!
「しかし、願いが集まった時にまた復活することを誓います!」
感傷的な場面なんだけど、顔がニコニコしているから湿っぽくない。
しかも…
「どのバンドも『音楽性の違いから』と言って解散するけど、アレはだいたい金銭面のトラブルなっしー」
いいの、余計なことは言わない!グンとにぎやかになったステージで演奏したのは「ぶぎぶぎふなっしー」。
この色白のカワイイな~。
「ふにゃっしー」っていうのか…。
Marshallががお似合いですよ~。
「♪みんな笑顔だと元気が出ちゃうよ~」
そして、本編最後はアックマくんが弾くイントロがカッコいい「梨空レインボー」。
本編最後とあってステージ狭しと派手にアクションをキメまくるふなっしー!
「ありがとなっしー!最高のふなっしー祭りとなったなっし~!またキャラメルとして会える日を楽しみにしているなっし~!」
すぐに始まる「呼び戻し」、もしくは「残業依頼」。
当然だわな~。もっと観たいもんね~。
そして、ステージに戻って来たメンバー!
「もう帰ろうと思って荷造りしていたらみんながアンコールしてくれたので出て来たなっしー。みんなと思い出を共有できるって最高!」
「みんなのためにメチャクチャにヘビーな曲を用意したなっしー!聴きたいかっ!?」
…と始まったのはその名も「CHARAMEL」。
アレ?全然へヴィじゃないじゃん?と思ったのは出だしだけ。
オリャャャャ~!
この曲の正体は「キャラクターのヘヴィメタル」の名にふさわしいド迫力のメタル・ナンバーだった!
でもショウはまだ終わらない。
「オールスタンディングで一度演ってみたかったなっしー。盛り上がってくれてありがとう!」
…と全員参加で「ふなふなふなっしー」の今度は「ほぼニッチPver」。
この後、中野くんさんも加わっての撮影タイム。
当日は撮影が禁止されていたが、最後にふなっしーからOKが出ると…スゲエ~!
1階のお客さんが携帯電話を手にして一斉に撮影を始めた!
ほぼ全員!壮観だ!
ホンの20年前には携帯電話を持っている人の方が少なかったのにー!(私もかなり遅れて仕方なく使い始めた)
「またどこかでお会いしましょう!感謝、感激、梨汁ブシャー!来てくれてありがとう!もう身体がバキバキだなっし~」
「キャラメルにはまだ最後のメンバーがいるなっしー…それは『みんな』なっし~!」
そう、笑顔が一番。
いつも笑顔でいたいものです。
お願いだからライブに行くことを「参戦」だなんて言わないで!音楽は戦争ではないうっし~!(←コレは私のお願い)
おお~、動画の最後にはチャンと制作ブランドのロゴが!
撮影は「大船撮影所」かな?(註:大船撮影所は松竹の設備で2000年に閉鎖しています)
あ~、とにかく楽しかった!ふなっしーの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト
(一部敬称略 2017年8月16日 Zepp Tokyoにて撮影したなっし~!)